#ぐるっと淡河
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【台北=西見由章】台湾の海巡署(海上保安庁に相当)は14日、ゴムボートで北部・新北市の海岸付近に侵入した中国籍の男を発見、拘束したと発表した。男は深刻な脱水症状があり、治療を受けている。調べに対し「中国国内で負債があり、台湾で新たな生活を始めようと思った」と供述しているという。 一方、現場の海岸は中国軍が台湾侵攻の際に上陸することが想定される淡水河の河口まで数キロの地点にある。同河口では6月上旬、小型ボートに乗って侵入した中国海軍の退役軍人が逮捕される事件が起きたばかり。中国からの「密航者」が台湾の軍事的要衝に相次いで漂着する事態を巡っては、台湾側の対応能力を探る「グレーゾーン作戦」を疑う見方もある。 海巡署によると、14日午前7時過ぎ、海岸から約100メートルの海上で男の身柄を確保した。男が乗っていたゴムボートは長さ3・6メートルと小さく、レーダーでは検知できなかったという。 台湾メディアによると、男は30歳前後。中国浙江省寧波の海岸を出発して台湾に渡ったと供述しているという。 6月に淡水河の河口で逮捕された中国海軍の退役軍人は「自由を求めて台湾に投降した」と供述。台湾当局は退役軍人が小型ボートで福建省から約260キロの台湾海峡を渡ってきたとみている。 淡水河の河口は総統府などがある台北の官庁街まで約22キロと近く、台湾の陸軍は有事に備えて防衛部隊を置いている。
中国から台湾へ密航者相次ぐ いずれも軍事要衝に漂着、ゴムボートをレーダー検知できず - 産経ニュース
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2024年7月30日(火)
普段は車通勤だが、今日は夕方に歯医者の予約を入れているので電車を利用する。それならと、先日始まった阪急電車京都線の<PRIVACE>を使ってみることにした。阪急電車のアプリでクレジットカードを登録し、列車を検索した後、座席を指定する。もちろん、時間の無いときは車内でスタッフから座席指定券を購入することもできる。毎日通勤する人ならコスト面でどうかと思うが、たまに利用するものからすればゆったりとした座席が確保出来るのはとても有り難い。ちょっとしたミニ旅行気分に浸って、良い一日だった。
4時30分起床。
日誌書く。
5時15分シャワー、体重は300g減。
朝のルーティン、ツレアイは昼には戻るので弁当はなし。
可燃ゴミ、30L*2。
ヤクルトさんから、野菜ジュース購入。
彼女は自転車なので、私は七条尾御前通りから京阪京都交通バスで桂駅東口へ。バスの車内で特急の座席を予約する。
ホームには空席情報が表示されているが、通勤混雑は過ぎているので座席には余裕がある。車内は2+1の構成、桂出発時にはそこそこ空席があったが、淡路に着く頃にはほぼ満席だったと思う。
出勤簿を押したのが10時2分。換気してラジオ体操、冷房を入れてお茶を頂く。
<スタディスキルズ>の最終レポート、今日が教育学科の、明日が栄養学科の締切、今日は骨休めだ。
昼にはラジオ体操第二、お茶。
午後も読書。
15時に研究室を出て北千里駅、歯医者の予約は17時、それに合わせて淡路で時間調整した後、京都河原町駅までゆっくり車内読書。
5分前に受付、すぐに呼んでくれる。
いつも通りのチェック&クリーニング、特に問題はなく、次回は8/27(火)17時に予約を取る(¥2,470)。
四条烏丸から13系統乗車、花屋町で下車、セントラルスクエアでココのカルカンと私の歯ブラシを購入(¥1,152)。
夕方にココの診察予約を入れていたが、昨日の電話連絡の通り、彼女が点滴だけを受け取ってきてくれていた。
夕飯は彼女が用意してくれた<無水地鶏カレー>、息子たちはよく冷やしたスパークリングワイン、私たちはヱビスビールで乾杯した後、W姉からいただいた呉市の酒を味見。
録画番組視聴、名探偵ポワロ。
第10話「猟人荘の怪事件」/ The Mystery of Hunter's Lodgeシーズン 3, エピソード 10 冬、ヘイスティングスの友人ロジャーの伯父に招待されたポワロとヘイスティングスは、ライ鳥猟に出かける。猟に興味はなく、ライ鳥料理が楽しみだったポワロは風邪をひき、ホテルで寝込んでしまう。その夜、ロッジでは訪ねてきたひげの男に伯父が殺される。
第2話「雲をつかむ死」/ Death in the Cloudsシーズン 4, エピソード 2 パリでテニス観戦を終え、知り合った著名人たちとロンドンへの帰途につくポワロ。乗り合わせた機内に黄蜂が飛び回り、やっと殺したが、後部席の婦人が首に黄蜂の毒針跡を残して息絶えていた。大空の旅客機という密室で起きた事件にポワロが捜査を開始する。
今夜も途中でダウン。
をを、ぎりぎりで3つのリングが完成していた。
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Citizen Sleeperと模範的な宇宙都市
都市に溶けて
現代欧州の都市を一宇宙船へと翻案しサイバーパンクに味付けした模範的SF小説がするっと読めました。良質都市小説でもある。
以下、実験的なテキストゲーム、SF・都市小説についてのとりとめない感想。DLC含めてネタバレ
直前にディッシュの「SFの気恥ずかしさ」を読んでたせいか、SFに期待しすぎてるめんどくさいマニアの感想になっちゃった。
最初の眠りでの自我の語りのシーン、いろんなひとが指摘してるとおりすごくDisco Elusiumオマージュ。テキスト表示欄も意識的に寄せてるはず。
テキストメインの実験的ゲームとして、Disco ElysiumとかKentucky Route Zeroあたりと比較されるのも見るけど、本作はわりと素直な模範的ゲームだと思う。
ゲームシステムはダイスロールや選択肢によるダイナミックな変化とかはなく、遊びやすく簡素な印象。
硬派めSF小説を読ませるため、ページをめくる代わりにダイス振りと魅力的な立ち絵とクールでシンプルなUIを用意することは、テキストへの感情移入を容易にし、あまり小説読まない人など含めてより広い層へテキストを届ける試みとしてうまくいってるのだと思う。
淡々としたプレイフィールも文章を読むことを阻害せず、端正な読書体験として自分は楽しめた感じ。
基本的に、UIやインタラクティブ性やゲームプレイではなく、テキストそのもので素直に語りたいゲームという印象だった。
逆に、UIそのものが語りと演出の機能を強くもつ前作“In Other Waters”と比べると、実験性は薄れた代わりにふつうに読みやすく遊びやすくなってるんだと思う。
SF小説・SFゲームとしては自分は前作の方が好きだけれど、Citizen Sleeperはより広い層に向けて訴求するゲームとして進もうとしてるのかもしれない。前作の3倍以上のSteamレビュー数は、この試みがちゃんと目的を達成したことを証明しているのだろう。日本語翻訳もとてもSFとして質が高くてよかったし。
肝心のテキストについても、素直で模範的なところは物語そのものに結構ダイレクトに出ていて、善人と悪人はかなりはっきりわかるようになってるし、でてくる人たちの9割は模範市民だし、展開も最後まで素直だし、現代欧州都市が持つ労働・移民・環境・政治などの課題はSF的に翻案されつつ現実そのままの手触りで持ち込まれ、SFとしては手堅くオーソドックスな手法で解決される。バイオオルタナ生物としてのきのこの話や自我論とかも出てくるけど、SFとしての奇抜さや飛躍は少なめ。
SFとしてはAIの擬人化などベタに感じる部分もあるけど、生々しいテーマを、フィクションとして丁寧で魅力的なコーティングを行なうことでより広い層に届ける役に立っているのだと思う。
SF小説好きとしては、本作のテキストは手堅く良質だけど、もうちょっと科学とフィクションの力で跳んでくれたら嬉しかったなという印象。一方、その手堅さや淡々とした模範性が本作のいいところかなあと思う。
自分はプレイ始めてから、記憶もなく得体の知れない異邦人である主人公に対して出会う人みんな最初から好意的でやさしすぎるし、やたらと仕事を頼んで頼りにしてくるのがずっと引っかかっていて、人情噺としてはいいけど、資本主義崩壊後の辺境都市としてのリアリティは削がれてると感じる。そのあたりは、Disco Elysiumはじめ都市を描いたゲームや都市小説と比較すると、都合の良いフィクションぽい感じが強い。
でもそれは物語の都合なのかもしれないし、深読みすれば、登場人物たちはみな傷ついた労働者であり、おなじく傷ついた労働者たる主人公に対する共感・連帯によるものなのかもしれない。
逆に後半は、主人公が「瞳」という都市に対して献身的で、勤勉な労働者であることが実感できてくるので、出会う人みんな親切で頼りにしてくれることに納得感があった。(逆にDLCまで行くと主人公がなんでもできすぎる無双感が出てくる)
「どんな者でも労働による社会参加を通じて、その場所に受け入れられることができる」という感覚が本作にはある。だから真面目に都市の中で働けば、市民として受け入れられ、物語は報いてくれる。そして、労働を放棄した賞金稼ぎや奪うことしかできない傭兵、労働者として団結しえない者は悲しい結末を迎えてしまう。
この作品は資本主義が行きすぎた都市のリアリティより、危うい立ち位置にある現代都市でもこうあってほしいという労働者の模範性を描く。困っている隣人には手を差しのべ、勤勉に働き、労働者みなが都市というコミュニティの健全な存続を願い、行動することの価値を。都市が生み出す不道徳・罪悪を書くことを選ばず、あるべき労働者の姿を描写することを、作品はすでに選んでいる。だから本質的にプレイヤーの選択は不要で、ゲームはほぼ一本道のルートとなる。
欲望と資本主義の最果てを題材とするサイバーパンクにおいて、まっとうさと真面目な労働を真正面からよしと描くことは稀有な試みでもある。プレイヤーの欲望・願望により奉仕的なゲームという���ディアでは特に。
In other watersのようなオリジナルな実験性を勝手に期待してたところがあるので、Citizen Sleeperの真面目で模範的な姿勢にどこか物足りなさを感じつつも、でもやっぱりそういうゲームがしっかり人気を博す位置にいることは大事だなと思う。
その模範的な姿勢は今のゲーム、フィクション、そしてそんなフィクションが描かれる現代の都市に求められているものだとも思うので。
DLCクリア後の追記
労働、対話、寛容こそが私たちの信じる価値
すごくよかった!
基本的なことは上の印象から大きく変わってはいないけれど、自分たちの住む場所から離れざるを得なかった避難船団の人々、ヨーロッパに押し寄せる難民をモチーフとするであろう彼らの背負うものが多様で切実で魅力的で、ひとつの都市をさまざまな視点から否��なく見させられることで、都市、そしてHomeを描くテキストとしてぐっと厚みが増している。
故郷を捨てざるをえなかった人、終の住処として残る人、矛盾に縛られながら守る人、しがらみとともに捨てる人、生きるために去る人、過去を見る人、未来を見る人、誰もが物語を持ち、出会いと別れが交錯する、儚く忘れがたい場所としての都市の物語。
価値重視の理想主義的なところ含めて、ヨーロッパの先進都市から生まれるべくして生まれた作品なんだと思う。
最近ちょっと町の持続性とかよその国の都市のこととかいろいろ思うところがあったので、今の自分の気分にもはまってよかったな。
行動範囲が広くなってお散歩気分が増えたことと、限られたターン内にひたすら単調な物資集め・労働ターンを反復するタスク感も、「労働してる」という感じがして好感触。期限内にタスク全部こなせるとやっぱりうれしいね。
Citizen Sleeper2では銀河のはみだしもの・賞金稼ぎ的な世界が描かれるみたいなので、「労働による社会参加」が困難なひとたちのサイドからまたこの宇宙が描かれるのかなあと予想してる。今作で拾えなかったことをしっかり拾っていこうとする、そんなテーマ設定も真面目で模範的だね。
あとが��
いろいろぐだぐだ書いた結果、最初クリアしたときより満足してきたかも。
非常にウェルメイドで気持ちよくプレイできたし、やっぱり一市民として都市に溶けていくようなエンディングはとてもよかったし、きのこになれるのも楽しかった。次回作も楽しみ。
(おまけ)
Night Call
薄いフィクションの膜で包んだだけの、現代パリを克明に描くビターでずっと薄暗いタクシー会話シミュレータ。都市の包容力と矛盾、都市市民の失望と矜持を表わす80人を超す多様な登場人物のリアルな会話テキストがほんとにいい!すごいテキスト量にもかかわらず、苦闘の末に個人翻訳MOD作っていただいてほんとうに感謝。
バグの多さやゲームシステムのこなれなさなど大きな欠点をいくつも抱えているけれど、現代欧州の一都市を描いたゲームとしてとても好み。
※スクリーンショットは非公式日本語MOD使用
日本語MODへのリンク
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2024年6月13日木曜日
病院の待合室にて20
くちずさむ歌はなんだい?思い出すことはなんだい?(2)
まだ13時過ぎなんだけど。楽しいのになぜか時間が過ぎな���という、最高なような不気味なような現象が起こっていた。でも大丈夫。鳴門といえば渦潮だから。まだ渦潮見てないから。徳島と淡路島を結ぶ大鳴門橋、その橋の中がトンネルのようにくり抜かれており、そこに遊歩道が作られていて、鳴門の渦潮に徒歩で近づく事ができる、その名も『渦の道』。そこに行くことにした。私は多分行くの3回目ぐらい。結構好きな観光スポット。たくさん歩けるし。渦が見えるかもしれないし(満潮とか干潮とかちゃんと渦が出るタイミングを狙わないと見えない事が多い)。
渦の道に車で向かっている道中では、私達はフィッシュマンズの話をしていた。Tくんは中学生の頃からフィッシュマンズを聞いていて、これは私の当時の感覚だと相当早かったように思う。私たちが13歳から15歳というと、1997年から99年に当たる。フィッシュマンズにとっては、『宇宙 日本 世田谷』、『8月の現状』、『ゆらめき IN THE AIR』、男達の別れツアー、佐藤さんの逝去、そしてライブ盤『98. 12. 28 男達の別れ』という激動の3年である。今でもありありと思い出せるTくんの部屋には、フィッシュマンズのCDが何枚か置かれていて、私は『ゆらめき IN THE AIR』や『宇宙 日本 世田谷』のジャケットを見て、かっこよいと思ったりしていた。私はTくんに、最近フィッシュマンズが海外で高く評価されていて、音楽の食べログことRate Your Musicでも『男達の別れ』が金字塔のように扱われていたり、ついこないだもPitchforkのSunday Reviewで『ロングシーズン』が採り上げられていたんだよ、と早口でまくし立てていた。どうして早口になったかというと、こんな話ができる人はあんまりいなくて(でもよく考えると今も私の友達でいてくれてる人は、多分この話みんなできる)嬉しくなっちゃったから。Tくんはそういったことを全然知らなかったが、東京から福岡までの飛行機の中で『ロングシーズン』を聞いていたらしい。無意識で世界とシンクロしていく人間。ホンモノとはこういう人のことを言うのだと思う。
youtube
「そのピッチフォークのレビューでね、「走ってる…」のところが”Driving…”って訳されてたの。あれって車の歌だったの気づいてた?よく考えたら夕暮れ時を二人で走って東京の街のスミからスミまで行かないよね」
「気づいてなかった!そっか」
Tくんに「どうしてフィッシュマンズ聞くようになったの?」と尋ねてみた。きっかけは、彼がかつて好きだった女の子、彼がバンドをやってる時に歌にまでした女の子が、フィッシュマンズを好きだったことだという。Tくんは最初に『Neo Yankees’ Holiday』を買ったらしく、一枚目としてはまあnice choiceだと思うのだが、その女の子は「まあ、あれもいいよねー」ぐらいの感じだったらしい。Tくんがすばらしくnice choiceであるためには、いわゆる世田谷三部作に手を出さなくてはいけなかったのだった。そして私はこの話を聞きながら、こんな素敵な話は、当然むかし一度聞いたことがあったのを思い出していた。でもそんなことは言い出せずにいたし、こんな話は何度聞いたって素敵なのでよかった。
渦巻は巻いてるのか巻いてないのかよく分からなかった。私が行く時はいつも、巻いてるのか巻いてないのかわからない状態である事が多い。時間とか潮の満ち引きとか考えず、適当に行ってるからだと思う。橋をその内側から見るのも、私は楽しいから大丈夫なのだが、相当歩いたので疲れてしまった。もう一箇所、鳴門には霊山寺という四国八十八箇所巡礼の一番札所であるお寺があり、そこも観光名所として有名なのだが、疲れてしまったので、行くかどうかを決める会議が私とTくんとで開かれた。そして、入るかどうかは別として、ドライブがてら行ってみようとなった。なんとなく高速に乗りたかったので、鳴門北ICから板野ICまで乗ろうと思った。せっかくだから音楽をかけようと思い、Apple Musicで、『はじめてのフィッシュマンズ』というプレイリストを掛けた。一曲目は『いかれたBaby』だった。やっぱり初めて買うフィッシュマンズは『Neo Yankees’ Holiday』で全然いいと思った。ほとんど誰も走っていない高速に、少し傾いてきた陽の光が射して、そこに音楽が混ざって気持ちよかった。鳴門の街のスミからスミまで、僕ら半分夢の中…もちろん運転中だから完全覚醒中だったけども。Tくんを無傷で東京に帰す事も運転手としての責務である。
高松道を降りて、霊山寺に着くまでの間に少しだけ、音楽ではなく、Tくんの私生活について話す時間があった。その内容については当然ここに書く事は出来ない。唯一言えることと言えば、Tくんは本当にエンターテイナーだということだけである。
霊山寺に来たのは私個人としては2回目だけれど、記憶よりこじんまりとしていたので、車から降りて参拝することにした。霊山寺は天井から多数の灯籠が吊ってあるのがとにかく綺麗でかっこよいのですが、それをTくんに見てもらえてよかった。ここは八十八箇所巡礼の一番札所なので、RPGの最初の町のように、お遍路さんになるための装備品、白衣や輪袈裟や遍路笠や金剛杖や納経帳などが全て揃えられるお店があり、入って眺めていると、「僕、数珠とか持ってないんだよね」と言って、Tくんが数珠を買おうとしていた。お店の中なのであんまり言えなかったが、数珠はいちばん安価なもので1600円くらいして、上は8000円くらいするものもあり、私は「高くない?」と思っていた。「数珠は高い方がいい。法事の価値観ではそう定義されています」みたいのは聞いたことがないけど、まあ本人が納得してたらいいか。Tくんはいちばん安価ではあるがしっかりしていると思しき数珠(数珠の審美眼など私にあるわけないけど)を購入していた。法事の度に私と四国のことを思い出すか、あっけなく失くすかのどちらかになるだろう。
午後三時を過ぎたので、本日宿泊予定のビジネスホテルにチェックインすることが可能になった。ホテルは徳島市内にあって、ここから三十分くらい。いったん。いったんチェックインしてみようか。しなくてはならないことを早めにやって、気持ちに余裕を蓄えていこうじゃないか。ホテルまでの道中では、Tくんがやっていたバンドについての話をしたと思う。彼らが発表したCDやCD‐Rのうち、私が一番好きなのは最初のミニアルバムである『ワンダフルまたはフレッシュ』、二番目に好きなのはその次のミニアルバムの『ギターでおしゃべり』という作品で、初めてこれらの音源を聞いた私は感動のあまり、この二枚の解説を頼まれもしないのに書き上げ、それがバンドのウェブサイトで公��されるということがあった(追記:改めて思い返すと、一枚目の『ワンダフルまたはフレッシュ』には解説を書いていないような気がしてきた。二枚目の全曲解説は書きました。これは間違いありません)。私はあの解説を書いたことを、どちらかと言えば良かったことだったと思っているが、割と最近になって、解説を書くのではなく、バンドにインタビューをした方が良かったのかもしれないと思ったのだった。なぜなら例えば、私が彼らのレパートリーで一番好きなのは、最初のミニアルバム所収の『湯河原で男女』という曲だが、このマジカルな曲をどうやって書き、どうやってアレンジし、どうやって録音したのか、ということをあいつらは絶対忘れてしまっているからだった。そういうことをつぶさに訊いて、記録に残しておけば良かった。誰のために?もちろん私のためにである。他の人も読みたかったら勝手に読めばいいと思うけど。一応車の中でTくんに『湯河原で男女』を書いた時のことを訊いてみたが、やっぱりあんまり覚えていなかった。しかし、彼自身のこの曲についての解釈と、自分自身の作家性への分析のようなものが聞けたので、それは嬉しかった。それをここで書いてもいいのだが、彼のバンドは一応現在「曲作り中」であるらしいので(12年くらい曲作り中みたいです)、万が一の時のために書かないでおく。なんか種明かしっぽくなりそうだから。他にも『国鉄に乗って』という曲を書いた時の大変面白いエピソードなどを聞けたので、ファンの私は大満足だった。まあ話に夢中になって、途中かなり道を間違えたりしたが、言わなかったので多分ばれてないと思う。土地勘のない人とするドライブにはこういう好都合な面がある。あと売るほど時間があるから大丈夫。時間の叩き売り。持ってけ時間泥棒。
つづく
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白夜
AP_2023 / 名古屋芸術大学 舞台芸術領域2年 演劇公演(プロジェクトワーク3)
原作:フョードル・ドストエフスキー (小沼文彦訳よりアダプテー���ョン)
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僕はもう、自分の人生に罪を冒したって悩まなくても済むかもしれない。
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主人公の青年は、サンクトペテルブルクに引っ越してから8年、友人が一人もできず、夢想的で孤独な生活を送っていた。白夜のある晩、橋のたもとで、ある少女に出会い彼の日常は鮮やかになっていく。孤独だった 2 人は、互いに惹かれあい、会う度に気持ちは高まっていく。しかし、実は少女には婚約者がいた。夢のような淡い恋心が芽生え始めたころ、彼の想いは淡く散ってしまう。 青年は少女との出会いを心から喜び、感謝し、誠実に関わろうと努める。それでも少女は青年の前から去ってしまう。そのとき彼は何を思うのだろう。
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開演日時
2024年7月13日(土)11:00、14:30※
※両回ともに予定枚数に達したため予約受付を終了いたしました。 ※当日券は若干枚発行予定です。
※受付開始・開場は、各公演30分前より ※上演時間45分(予定・途中休憩なし) ※駐車場あり ※場内車いすスペースあり ※未就学児入場不可 ※全席自由
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料金:無料
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会場
名古屋芸術大学 東キャンパス 8号館スタジオ 愛知県北名古屋市熊之庄古井281
公演当日受付場所:東キャンパス 1号館 1階ロビー
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ご予約(オンライン受付) https://forms.gle/mUviZedostUTAMHa9
●両回ともに予定枚数に達したため予約受付を終了いたしました。 ●当日券は若干枚発行予定です。
※予約開始 6月7日(金)12:00 ※定員に達し次第、予約受付は終了となります。 ※演出の都合上、開演後はすぐに入場できない場合があります。
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出演
宇津 舞衣子(音楽領域 音楽総合コース2年) 安尾 琢杜(舞台芸術領域 プロデュースコース2年)
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「白夜」の主人公は、あまりにも人間らしい。
夢想家である彼は、考え込み、想像し、思い上がったと思えば、悲観し、皮肉り、絶望する。そして、今日という日を懸命に生きていくのだ。
この作品の中で、彼は沢山の感情を吐露する。それは、人の素晴らしさだけでなく、人の残酷さ、世の中の無情さによるものでもある。
私達も彼と同様、理不尽な出来事に苛まれる時がある。等身大の人間���ある彼と共に過ごすこの物語は、あなたの心にも重なることがあるのではないだろうか。
世界は変わっていくものであり、そこには失うことや捨てることへの不安よりも強い期待がそこかしこに溢れている。若々しい期待は、ほとんど場合、期待通りの結果にはならない。その世界の中で私達はどう生きれば良いのか。
世界の若者の多くが、これまでに心の病を経験していると言われる現代。だから私達は、この今の時代に「白夜」という作品を通し、「あなたが抱えるものはあなただけのものではない」ということを伝えたい。そんな自分を、他者を、そして世の中を赦せたのなら、あなたの世界はより一層健やかなものになるだろう。
舞台芸術領域 プロデュースコース 3期生
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構成・演出:鳴海康平
第七劇場、代表・演出家。Théâtre de Belleville、芸術監督。早稲田大学在籍中の1999年に劇団を設立。これまで国内25都市、海外5ヶ国11都市で作品を上演。ポーラ美術振興財団在外研修員(2012・フランス)。2014年、三重県津市美里町��拠点を移設。民間劇場 Théâtre de Belleville を開設。愛知県芸術劇場主催 AAF戯曲賞審査員(2015〜)。名古屋芸術大学 舞台芸術領域准教授(2021〜)。
写真:松原豊
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制作(舞台プロデュースコース)
安尾琢杜、山田葵衣、石川大海(演出補) 今泉舞音、遠藤美帆、岡部創太 河合��衣菜、齋藤寧々、田中蒼真 松本千花、蓑原楓子、萬敬祐
音響(演出空間コース[音響])
上之未来、奥田颯杜、松木千夏
照明(演出空間コース[照明])
浅野羽菜、大橋知世、何采沂 桂川栞吏、新名里彩、野本恭可 深作百花、水谷莉子、三宅梨世 山田瑞希
美術(舞台美術コース)
大下女神、岡本愛結、後藤歩栞 坂倉しずの、白井友菜、諏訪天音 髙橋杏奈、田中杏果、丁奕文 成瀬葉菜音、花瀬由珠、坂梨々愛 間瀬美紀、松本莉歩、武藤彩花 村松真琉子、山下心響、吉川治希 吉田翠里
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照明協力
イ ロイ、今井歩、上本瑞和 酒井優、佐藤星希、鈴木日奈子 関楓奈、松浦萌衣、三浦琴葉 宮原羽菜
音響協力
夏目依吹、橋村怜央、二木陽菜 松木花水実、中根美咲
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指導教員:
梶田美香、鳴海康平、浅井信好 石黒諭、山口剛、神谷怜奈
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宣伝美術:橋本純司
フライヤービジュアル:イ ロイ
フライヤーPDF 表 / 裏
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名古屋芸術大学 舞台芸術領域について
「あなたが舞台をつくる」をコンセプトに、舞台芸術作品を製作・上演するための知識と技術を専門的に学ぶことのできるカリキュラムで、未来の舞台芸術シーンをけん引する人材の育成をおこなう。
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X / @NUA_AP instagram / nua_ap
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主催・お問い合わせ: 名古屋芸術大学 舞台芸術領域
mail / [email protected] tel / 090-6798-8035(平日10:00〜17:00)
協力:名古屋芸術大学 音楽領域音楽総合コース
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だって、こんな生活、罪ですよ。
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松居大悟監督最新作のタイトルは『不死身ラヴァーズ』!!
キャストに見上愛、映画単独初主演 運命の相手役に佐藤寛太
この度、ポニーキャニオン配給にて、5月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開される『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督最新作のラブストーリーのタイトルが『不死身ラヴァーズ』と解禁‼併せて、本作で見上愛が映画単独初主演を飾り、主人公が想いを寄せる相手を佐藤寛太が務めることが発表となりました。そして、ティザービジュアル、キャスト両名と松居監督、原作者・高木ユーナ氏からのコメントも到着いたしました。
キャスト解禁!
主人公・りのを演じるのは本作が初の映画単独主演となる見上愛。松居監督が「この人が映画の中に存在してくれたら、自分の思っているところよりも遠くに行ける気がした」と惚れ込んだ見上は、Netflix『幽☆遊☆白書』(23)、大河ドラマ『光る君へ』(24)といった話題作へのオファーが続くだけでなく、キュートでファッショナブルなビジュアルも感度の高い若者からの注目を浴びている。本作では中学時代から大学時代までを溌溂と演じ、唯一無二の透明感とパワフルさを兼ね備えた存在感で観客を惹きつける。見上は「りのの真っ直ぐで屈託のない"好き"という気持ちが、目の前のじゅんくんに、そして観てくださる方々に伝わるように、がむしゃらに生き抜いた撮影期間でした。わたし自身も、りのというキャラクターやこの作品自体に救われた部分があります」と、撮影時を振り返る。 りのの運命の相手・甲野じゅんを演じるのは、劇団EXILEに所属し、『HiGH&LOW』シリーズをはじめ、数々の作品でキャリアを積んだ佐藤寛太。近年では、『軍艦少年』(21)、『正欲』(23)での演技で俳優としての実力を確実なものとしている。さらに青木柚、前田敦子、神野三鈴らが脇を固める。
ティザービジュアル
主人公・りのの弾ける笑顔が収められており、運命の相手・甲野じゅんへのまっすぐな想いが込められた「“好き”は無敵。」のキャッチコピーが添えられている。
両想いになった瞬間にこの世界から忽然と消えてしまう、甲野じゅん。そんな、じゅんを運命の相手と信じて止まない主人公・長谷部りの。なぜ、彼は消えてしまうのか?そして、なぜ、時を経て姿を変え、何度もりのの前に現れ続けるのか――?カッコ悪くても「好き」を真っすぐに伝える大切さと無防備さから生まれる純粋なエネルギーが胸を打つ、「好きという気持ちを全肯定したい」松居監督の想いが結実した新世代の恋愛映画が誕生した。
◎コメント全文
見上愛/長谷部りの役
ずっと観ていて、何度も心動かされた松居大悟監督の作品に出演することが出来て、とても光栄です。
高校生時代、お休みの日はTSUTAYAで松居さんの作品を借りて1日中観ていました!
当時の私が知ったら、気が動転して家中走り回っていたと思います(笑)
りのの真っ直ぐで屈託のない"好き"という気持ちが、目の前のじゅんくんに、そして観てくださる方々に伝わるように、がむしゃらに生き抜いた撮影期間でした。
そしてそのりのを、あたたかい座組の皆さんに見守って頂いた大切な日々でした。
私自身も、りのというキャラクターやこの作品自体に救われた部分があります。
ついつい、器用に上手に生きたくなってしまうけれど、不器用で下手くそでも一生懸命生きていれば万々歳だな、と。好きという気持ちは偉大だし、とんでもないエネルギーを秘めているんだな、と。
なので、ハッピーな方はもちろん、ちょっと最近お疲れの方や、元気不足の方にも届いて欲しい作品です。
是非、公開を楽しみにお待ちください!
佐藤寛太/甲野じゅん役
身体の底からエネルギーが漲って、全能感に脳が酔いしれる。
目に映る全てが美しく、吸い込む空気は幸せに満ちていて、生きてることを全身で実感する。
きっと恋に落ちることは魔法にかけられるということだ。
笑うとパッと華が咲いたように輝く、
長谷部さんのまっすぐな眼差しがとても素敵で、目が離せなくて。
いつもどう接して良いか分からなくて、
でも一緒にいたくて、居心地が良くて。
松居さんがつくる世界が大好きだから、期待に応えたくて。
友達のお兄ちゃんみたいに接しやすいけど、
現場では淡々ともう一回って言うし、
台本を読んでも分からなくて、
現場になっても分からなくて、
何が違うんだろ。大丈夫かな。
なんて思いながらも一緒に仕事ができてるのが、嬉しくて、嬉しくて。
理想と現実の果てしない差を生きる僕たちは、ものすごくダサくて、ありえないほどカッコ悪い。いつだって僕には、分からないことが分かっただけで、
自分と相手との境界線でどこに線をひいたらいいのか、正解なんて来る日は無いのかもしれない。
最後に全力疾走で会いたい人のもとへ向かったのはいつだろう。
どこまで行っても初心者な僕たちは、みじめに失敗して傷ついて、悔やみきれなくて、それでも立ち上がるしかなくて。
何度でも立ち上がるしかなくて。
エンドロールが終わったとき、思い浮かんだ相手に駆け出したくなる。
初めてこの作品を観た時、未だかつて無いほど恥ずかしくて、言葉が出ませんでした。
僕はこれから先、この映画に救われつづけて何度も立ち上がる手がかりにしたいと思います。
松居大悟/監督・共同脚本
10年近く暗がりにいたのは、このふたりに出会うためだったんだなと思います。 この出会いが明るいところへ連れてってくれました。 そして高木ユーナ先生、お待たせしてしまってすみません。 "りの"と"じゅん"にようやく会えました。 みんなも会ってほしいです。
高木ユーナ/原作
「不死身ラヴァーズを映画にしたい」松居監督にそう言われたのはもう10年以上前になります。 それからずっと…連載が終わっても…松居監督は不死身ラヴァーズの事を大切に考えてくださってました。 私以上に作品を愛してくださっている監督の不死身ラヴァーズ…最高にならないわけがなく、初鑑賞中はあまりの素晴らしさに自分の血が沸騰する音が聞こえました。 10年の月日がかかりましたが、これはこの作品が見上さんと佐藤さんに出会うために必要な月日だったと思います。これ以上のキャスティングは本当にありません。 また映画では原作と男女が逆転しています。元より私の描いた不死身ラヴァーズも性別に拘りはなく、甲野と長谷部が男女、女男、男男、女女、虫になろうが花になろうが魂が二人でさえあれば不死身ラヴァーズなので男女逆転は全く違和感ありませんでした。 この映画でまたこうして甲野と長谷部、そして田中に会えて本当に幸せです。
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【502杯目】 店舗名:麺処 秋もと 読仮名:めんどころ あきもと 所在地:神奈川県横浜市青葉区市ヶ尾町1157-1 アネックスショッピングビル 1F 最寄駅:市が尾駅 ご対麺:特製醤油らーめん♫😆 麺ちく:秋本博樹店主は、「桂花」「醤屋」「さっぽろ純連」「ムタヒロ」といった名店で修行され、豚骨、醤油、味噌、煮干し、鶏と多種にわたるジャンルのラーメン作りを経験され、2015年に独立し、横浜市青葉区市ヶ尾町に出店。 この日食べた三河屋製麺の平打ち太麺に絡���鰹と鶏がベースの淡麗醤油スープの特製醤油らーめんは極上でした♫ #japanesefood #yummy #noodles #noodle #ramen #らーめん #ラーメン #麺 #ラーメンインスタグラマー #ラーメンインスタグラム #麺スタグラマー #麺スタグラム #麺スタ #めんすたぐらむ #たべすたぐらむ #ラーメン好きな人と繋がりたい #ラーメンデータベース #ラーメンパトロール #ラーメン倶楽部 #ラーメン部 #ラーメン食べ歩き #ラーメン巡り #麺活 #ラー活 #ラーメン大好き #麺ヘラ #らぶめんまん #秋もと #醤油ラーメン (麺処 秋もと) https://www.instagram.com/p/CqWvfPVyQlr/?igshid=NGJjMDIxMWI=
#japanesefood#yummy#noodles#noodle#ramen#らーめん#ラーメン#麺#ラーメンインスタグラマー#ラーメンインスタグラム#麺スタグラマー#麺スタグラム#麺スタ#めんすたぐらむ#たべすたぐらむ#ラーメン好きな人と繋がりたい#ラーメンデータベース#ラーメンパトロール#ラーメン倶楽部#ラーメン部#ラーメン食べ歩き#ラーメン巡り#麺活#ラー活#ラーメン大好き#麺ヘラ#らぶめんまん#秋もと#醤油ラーメン
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日記
月と外灯が交わる場面っていうのは誰しも見たことある気がする。
山より大きな月もあるし、もう目で追うこともできないもので、
輝いて眩しかったり、時にはまるで黄桃缶にみえることもある。
よく眠れど疲れはとれない。起きて即チョコだった。
経験上それは困憊の合図で気をつけないと歯止めがなくなる。
いくら親友でも、人といるとぼくは翌朝そうみたい。
彼もまたそういう人なんじゃなかろうか。
なので短時間あそぶことをしてきたけど、
昨日はすこし、彼に話があった。
日曜真昼、終日ほぼふらついた。
古着やさん巡りと家でお茶の時間。
セブンイレブンのスムージーと炭酸水。
暑い日で夜そのものが月だった。丸い丸いツナマヨ焼きも食べた。
おすすめがいがあった。彼にしてもおいしかったみたいだ。
ハードオフでシーケンサーをみて、ぐっともこないで、
行きつけの古着やさんを紹介しようとしたらおやすみ。
もしかしたらお店はかたむいているのかもしれない。
おもちゃ屋の跡のような建物に詰め込まれた物々、
けれど人にはサイズがあり色があり生計がある。
職人の彼にすこしお願い事があった、仕事を願ってそれは秘め事。
夜になったとき種なしカリカリ梅とフランのダブルチョコを手に。
てんでまともな食事もなく、ある10枚の写真を見てもらう。
”これは��つの間に撮ってるんすか”
人さらいのような尋問みたいと笑う。
うまくいけばこの一枚を軸に三枚横並びにして...。
その説明をしかけて「ミニにたこができる間に...」田代さん物まね。
ぼくらのサマーソウルはスーパーの虫のノイズの横でうずくまった。
夜のスーパー、ハーフパンツの日焼け者と青白いぼくふたり。
今ひとり、物の部屋のなか今日あしたは勝負?なんだぜと、
ささやかにチョコひとつ。アーモンドチョコ。リスの絵の。
早朝のごみ出しチャレンジさえもおおごとだったものね。
「月曜日のユカ」をはじめて観た。サントラは聴いていた。
みんな”加賀まりこがかわいい”しか言わない、っていうことも。
ふと思い出ししなに観た、ぼくの感想は「黛敏郎がよかった」。
視聴覚室のテクニクスたちは引っ越しのとき全部処分して、
安価なターンテーブルを簡易なイコライザーを経由して、
guyatoneのエコーからVOXのギターアンプで聴いてる。
何もかもが場末のカラオケスナックの残響みたいでいい。
ハードに興味がないらしい。そうわかったからいい。
大人用おしゃぶりに爆笑する彼とわかれて。
抱きつき魔の魚座さん
だんだんアナイス・ニンの日記のようにさえなってきましたね。
週ごとに会う”初めて遊ぶ人””友人”ってなーに?と週明け読みます。
ぼくから無対面の君に「(ヤバそ~な人...)」最初の感想。タハハ。
きっといいんじゃないのですか、仕方がないのではないですかね。
ちなみに演奏と顔のことはよく知らないまま。調べない理由です。
ぼくには過去がほとんどないよと今さら書いてみます。
ずっとひとりきりともいえます。
たまになぜだかインターネットに書きたくてずっとむかしから、
ぼくは「水の中の八月」という映画につよく影響をうけました。
ふと観て、おもいもしなかった。けっこうひきずってきている。
「狂い咲きサンダーロード」ではなく。それとまた「ユメノ銀河」。
小野川さんのサントラがよかった、でも映像はなお心に残った。
「水の中の八月」も「ユメノ銀河」もヒロインは小嶺麗奈。
たぶん淡く彼女に恋して観ていたこともあったとおもう中高。
写真をひらいて散らかしてみるような映像でした。
ちなみに「水の中の八月」の主役の男��子の名前は「真魚」。
そんなふうにおもいます、何かとおいところの今として。
「つかまえてて」ヒロインが真魚に屋上で抱きつくシーン。
すると群像の甘めのシーンはあとはたったひとつふたつだけ。
疫病におののくずっと南の街のとあるひと夏のヘンな映画。
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ネオファウナ
白と黒。それがこの台地に登って抱いた最初の印象だった。起伏に富んだ白い氷原のあちこちから、黒い崖が顔を覗かせる。雪がちらついているせいか、それとも大地の白を映し出しているせいか、空もまた、灰色のはずが白んで見える。初めて訪れる北極圏は、太古の昔から日の沈むことのない、かといって日が高く昇り、大地の氷河を溶かすこともまたない、薄明の世界だった。 雪原専用の8脚車両で、傾斜の緩い台地の東側から登って早半日、狭い空間で疲れは溜まっていたが、私の体重が他の乗組員より重い分、贅沢は言えなかった。大丈夫、あと数時間もすれば、発掘のためのキャンプ基地に到着する。この辺りは雪の粘度が低く、おまけに雪の下の固まった氷河をうっかり踏んでしまうと、車両ごと転倒する危険がある。車体の脚部分に付いた音響センサーで、なるべく雪の厚い場所を探りつつ、進むしかないらしい。 私の隣では、ダンと名乗った白いクマの男性が車両に接続して操縦している。一見すると椅子にもたれかかっているようにしか見えないが、後頭部には電磁コントローラが付いている。彼自身によればちょっと前の型番だが、車両を動かすには使い慣れたものが一番しっくり来るらしい。後頭部樹状核増設手術を受けているらしく、扱いには手慣れているという。もう10年になるそうだ。他の2名が小柄で、荷物もかなり多い以上、体重の大きいゾウである私と、ダンの2名はそれぞれコクピットとサブピットに座ることになった。 「僕は地元の村の出なんですが」 思いのほか、荒々しげな見た目とは裏腹に、丁寧な口調でダンは喋り出した。運転中とはいえ、重苦しい静寂に耐えられなくなったらしい。 「どうもそっちでも、起きてるみたいなんですよ、失踪事件」 「本当なんですか」 それまで黙りっきりだったネズミの男、ジェイが、淡々と訊いた。別段驚くでもなく、寒い車内の温度に合わせたような冷やかさだった。仕事をし始めて半年間、ここに来て躓くまで彼と世界を巡ったが、未だに彼の感情の起伏は捉えられていない。 「えーと、報告では、確かに4件の失踪事件が、マクファーレンさんのご出身の村で確認されてますね、種はいずれもバラバラですが」 そそっかしいラエンの女性、ライラと名乗ったか、が手元の携帯モニタを叩いて読み上げた。ダン・マクファーレンと同じく、ここに着いた際に中央都市の空駅で出会ったばかりで、なおかつ、私とジェイの終盤を迎えた調査が躓くことになった原因だった。 いや、原因というのはよそう。別に彼女が引き起こした事態ではないのだから。 私たちはこの地に到着した瞬間に、すでに躓いていたのだ。
私とジェイ・マウゼリンクスが実地調査を始めたのは半年前、そのきっかけになった、彼の調査に同行したのが1年程前だったか。赤道地帯の高地で発見された膨大な壁画、そしてそれを覆い隠していた巨大な洞窟は、数万年前に明らかな、我々知的生物による文明が存在した最古の証拠となり得るものだった。当時一介の動物文化学者だった私に、その研究の最前線に入って欲しいと言うオファーが来たのは、ジェイの横やりあってこそだと聞く。途中から研究に無理やり入り込んだジェイを疎む者はいたものの、全知的動物の大系統を、分子を用いて提示し、世界的に注目されている彼には、表立って反意を示すことができなかったようだ。無理やり私を暑い洞窟へ連れ出した彼は、これまでの古代文化とも違う、独特な意匠の壁画と、その物語る意味を教えてくれた。 それはカタログ、と言ってもいいものだった。中央に描かれた、楕円形の物体の中から、様々な種の、知的生物が出てきて、一様に並ぶ光景。そこには何万もの「立った絵」があったが、1色で描かれていながら、それぞれの絵はディテールが異なり、明確に別種と認識できた。赤道付近と言っても、安定陸塊上、そう、オセアニア大陸に位置する以上、ゾウやウマといった旧大陸を出自とする種は、ここには載っていないはずだった。だけれど、私の種だけではない。たぶん、あらゆる現生の知的生物が、この「カタログ」に載せられているのだろう。 分子生物学者のジェイは、恐らく人類のルーツを明確にしようとしているに違いなかった。そこで私に、手伝ってくれるように要請した。 誰もが気づかないふりをする。 感情の起伏に乏しいジェイが、この話をする時は苦々しい顔を必ず浮かべる。我々知的生物、つまり動物は、単一の系統である微生物として誕生し、無脊椎動物、魚類を経て、爬虫類となり、そこからそれぞれ鳥類と哺乳類が分かれた。これが、どんなにプロセスに疑問を抱こうと、この地球の教育機関で、幼獣ですら習っている仮説だ。 しかしこの仮説には矛盾が生じている。我々は進化の過程で、知能が発達したが、知能が発達するのが先だったのか、それとも様々な種に分化するのが先だったのか、という問題だ。知能が発達するのが先なら、例えば知能を退化させた種や、相応の歴史を示す物が残っていてもおかしくないが、実際はそんな種や事物は残っていないし、現在昆虫や魚類で示されているような、進化に至る原理、突然変異や、特に自然選択が、知能を持つと生じにくくなるのではないか、という仮説もある。一方で、様々な種に分化するのが先で、その後知能が発達したという仮説なら、上記の問題はクリアするが、いくら収斂進化という、似た生態的地位の生物に似た形質が出るという仮説があるとはいえ、そのような斉一的な知的生物化が起こり得るだろうか、という疑問が浮かぶ。そもそも、様々な種に分化しているのなら、我々には様々な、枝の途中となり得る、祖先種が数多見つかるはずだ。しかし、現状そんなものは一切見つかっていない。化石記録は魚類まで、それも現生の無脊椎動物や魚類とはかけ離れた姿で、我々の現在の姿を支持しない。 このジェイの主張に私は魅せられたのだろう。彼に伴って様々な古い遺跡をフィールドワークした。そうして、場所を絞り込んでいくうちに、文明誕生の起源となる候補が、この、新大陸の北極圏内にある、大きな台地で見つかった遺跡だと突き止めた。 残すは実地調査、既にキャンプ地が作られ、行われるはずだった大規模な調査に参加させて貰えることになり、北極へ向かう途上は、一睡もできないほどだった。しかし、いつまで経っても迎えの車両が来ない。どうもおかしいと思って、上空から気象観測用の無人機で見て貰ったところ、キャンプ地に誰の気配もない、ということが判明した。地元の警官隊に待機を命じられた私たちは、警官隊所属でこの地域を管轄していると名乗るライラと、この辺の地理に詳しく、仕事柄車両の扱いにも慣れているらしいダンと共に、キャンプへ向かうことになったのだった。
洞窟の中は、明るかった。発電機が稼働したままになっていたせいか、洞窟の壁に設置されたライトが空間を照らし出し、携帯ライトを持たずとも奥深くまでの道は見えていた。ずっと昔読んだ恐怖小説と違って、静寂こそあれど、何十人ものスタッフが失踪したような、不気味な雰囲気は感じさせなかった。 先を行くジェイを呼んで、私より二回りは小さな彼の様子を聞く。 「キュクロプスさん、この先は若干狭いがあなたでも入れないわけではなさそうだ。ただ灯りがもう設置されていない。誰かライトを貸して欲しい」 そんな声が狭い道の前、ダンやライラの前から聞こえてくる。私は持っていた携帯ライト、ジェイには若干大きいかもしれないが、をダン、ライラに渡し、ジェイに渡すように促した。 「この奥は広い空間だ」 「慎重に進んでくださいね」 ライラが呼びかける。裂け目が出来て落ちていたりしたら大変だろう。 ライラに続いてダンが、そして私が狭い穴をくぐる。真っ暗であまり見えないが。空間が広いのは声の響き具合でわかる。 「これは、特に岩の裂け目とかはないみたいだ」 慎重に前進して、ジェイから渡された携帯ライトで周囲を見渡したダンが、何かに気づいた。 「なんだ、あれ」 真正面の、ライトで灯された場所を見る。明らかに場違いな物が、岩に貼りついていた。 「扉、ですね」 ライラが立ちすくんだまま不安げに言う。 鎮座している金属製の、明らかに現代的な円い扉は、私でも余裕で通れるぐらいには大きい。左側には、取手のような金属製の棒も繋がっている。 狼狽しているのか、先にこの空間に入ったジェイは、扉を見て何か考え込んでいるように見えた。そんな彼の横を通って、ダンがおもむろに取手に手をかける。 少しだけ、空気の吸い込まれる音がして、扉が開いた。 考え込むのをやめたらしいジェイが、吸い込まれるように扉の奥に入っていく。 「マウゼリンクスさん!」 ライラは止めに入ろうとしたのか、後を追った。私もそれに続く。 後ろから足音が聞こえる。ダンも来ているようだ。 扉の奥は、少し上向きの傾斜のある、通路だった。4名分の足音、金属音が響く。それ以外は、ジェイの今持っている携帯ライトが頼りだった。 こんなところに近代的な人工物があったなんて、何かの軍事基地とかだと、非常に私たちはまずいことをしているわけだが、なんでこんな洞窟の奥深くにあるのか、見当もつかない。 好奇心はとうに消え失せ、徐々に後悔と不安と恐怖が胸の奥を占めつつあった。そんな時、ジェイが立ち止まった。 「行き止まり?」 最後尾のダンが聞いた。ジェイは短く、いや、とだけ答え、目の前の壁、いや、長方形の扉だろうか、に設置された黒いパネルに、手をかざした。 扉が開くのと、視界が明るくなるのは同時だった。しばらく薄明りや闇の中で過ごしてきたせいか、目が痛い。なんとか視界を取り戻すと、通路と思しき、私たちが辿ってきた空間が明るく、ライトのようなもので照らされているのが見えた。扉の向こうは、少し落ち着いた明るさのようだ。ライラやジェイに続いて扉をくぐる。 そこは、一面緑色の森だった。
唖然としていた私たちに、ジェイが呼びかけた。 「立体映像だ、本物の森じゃない」 各々が、凄まじい密度で生えている草木を��ろうとするが、すり抜けてしまう。どうやら本当に、偽物らしい。 「こんな植物見たことない。地球上でこんなの発見されてたっけ、それに日差しも」 「青い空だな」 上を見上げてジェイが言った。空と言えば、エアロプランクトンが漂っているため、地上からは緑色に見える、日差しもこんなに明るくはないはずだった。 「これが故郷の景色か」 そうジェイが呟く。 「その通りです、ここが本来の地球の景色です」 今までの穏やかな口調のまま、ダンが言い出した。 「マクファーレンさん?」 何を言い出すのか、と思い、私は振り向く。ライラも遅れて振り向いた。��えているのか、その顔は強張っている。 「ようこそ、汎用生態系生産プラント、ネオファウナへ、私はこちらのオペレーションを行っているメインシステム、チャーリーと呼ばれています」 ダンは全員の方を向くと、恭しく礼をした。 「皆さんがご覧になっている映像は、本来の地球、東南アジアのカリマンタン島付近の熱帯雨林を再現したものです。本来の地球で最も多様性が保たれていた個所と言われています」 淡々と話すダンにはどこまでも表情が無かった。まるで愛想笑いを無理やり貼り付けたかのように、いや、人形や標本の魚のように、虚ろな笑みを浮かべたまま語り続けている。 「マクファーレンさん、どうしちゃったの?」 「私が現在操作しております個体は、身体の一部に改造を受け、なおかつ日ごろから電磁ネットワークに接続状態にありました。そこで、アバターを実体化させるよりも低電力で済むとみなし、デバイスとして使用するに至った次第です」 「俺をここに呼び寄せた理由はなんだ」 ジェイが、これまで聞いたことのない、敵意の籠った声で言った。赤い目が射止めるように、ダンを見つめている。しかしダンは答えなかった。 「ジェイをここに呼んだ理由は?」 今まで黙っていたライラが今度は言った。さっきまで怯えていたとは思えない、鋭い声だった。 「私は当該個体、あなたがジェイと呼ぶ個体を通して、ユーザーの設定した開始コードの発現タイミングを計算していました」 もはや私には何がなんだかわからなかった。洞窟の中の見知らぬ施設、見覚えのない緑、そして態度の一変した同好者たち。立っているのがやっとだった。 「一から説明してくれ、彼らがここに呼ばれた理由を」 ライラが続けた。ダンは薄笑いを浮かべ、苦虫を嚙み潰したような顔でジェイがそれをにらんでいる。 「始生暦時代に入って、人類の文明は大きく進歩し、大規模な星間文明を築くに当たりました。その過程で、本来の地球は大きく生態系を衰退させ、私が稼働を始めた段階では、乱開発防止のために所在不明とされていました。その代わり、多くの惑星が植民化され、人類は星間文明を自らの故郷とするに至りました。しかし、本来の故郷である地球への憧憬が無くなったわけではありません。数多の星々をテラフォーミングする過程で、人類はそのノウハウを蓄積させ、より高効率に、より速やかに他の惑星を地球化することを実現したのです」 「そして、故郷への憧憬は、私が制作されたネオファウナ計画に繋がりました。星間文明で用いられていた、地球由来の生物の遺伝情報を基に新たな労働力、知的生物を作り出す技術と、先に述べたテラフォーミング技術が結びつき、新たな地球を生み出すという計画へシフトしたのです」 「手順はまず、簡易な条件での地球化から始まります。条件に見合った惑星に、こちらのプラントで遺伝情報を改変し作製した大気性プランクトンなどを放ち、大気構成を地球により近いものとします。その後、水生プランクトンやごく微小な生物、水生生物、陸生植物、小型陸生動物といった順に作製し、放流します。生態系がそれぞれ安定してきた段階で次フェーズに移行し、最終的に大型動物を除いた不完全な生態系ができます」 「その後、大型動物をヒト型知的生物として作製し、惑星上に解き放ちます。初期はある程度の調整が必要ですが、徐々に文明化が進むと、自然と個体数も増えていくことでしょう。 ユーザーであるホモサピエンスに形態的に近いグループが作製されたのは、文化基準をかつてのユーザーの文明に合わせ、個体数増加を促すためです」 「ラエンのことだよ」 静かにライラが呟いた。 「私が開始コードを発現しようとしているのは、更にその次のフェーズです。当該個体を作製した私は、接続可能な別個体を使って、当該個体を外に出し、その脳を通して現在の惑星の状態を観察していました。もちろん、当該個体には脳神経の加速化措置と、私に情報を送るためのリソースも設置済みです。24年6か月を観察したことで、私は開始コードの発現を行うのに十分な時間が経過したと認識しました」 「それが、俺が作られた理由か」 相変わらずダン、否、チャーリーを睨んだまま、ジェイが吐き捨てた。 「開始コードの発現後はどうなる、先住種族と同じように、彼らを消去するのか」 「いいえ、開始コードの発現後は、現在作製している神経加速化の遮断、脳内の感覚抑制の解放、ボトルネック防止に用いられていた多系統繁殖用遺伝領域の切除、そして次代における原種形態への移行、これらを促すウィルス群を散布します。現在、その準備段階として、複数個体にこれらの措置が可能かどうかを試験しています」 「どういうこと?何が起きるの?」 何を言っているのか、門外漢の私にはわからない。だけれど何か恐ろしいことを言っている気がして、口走る。 「俺たち知的生物は知能を失い、動物に戻る。感覚も戻り、少子化対策に用いられかけてた遺伝領域はもぎとられ、子孫は四つ足の獣に、ってことだ。失踪事件は、その準備として、試験的にウィルスをばらまいたってことだ」 ダンは何も言わなかったが、ジェイが代わりに答えた。 「私に記録されている地球生命の情報は膨大ですが、基礎さえ完成すればあとは難しくありません。残りは生態系が安定するに従って、徐々に作製し定着させていく予定です。早ければ数十年で、この星は第2の地球となります。私やユーザーの願った地球の復活が遂に為されるのです」 ダンは両手を広げてまるで演説でもするかのように宣言した。私にはこれが夢の中の出来事のようでならなかった。 「当該個体と、そうですね、こちらの個体は私の本体にフィードバックすることにしましょう。現状のサンプルでは効率的なウィルスの散布が行えないので」 そう言うとダンの体は何も映っていない瞳で私の方を見た。ここが北極であることを思い出したかのような寒気が走る。先んじて捕まえられたジェイがもがいている。私も腕を強い力で引っ張られて、森の奥まで連れていかれそうになる。 「AIの癖によく喋るなお前は。中に誰かいるだろ、飛びっきりのイカれた奴が」 突然、腕が離れた。同時にジェイの咳き込む声がする。 見ると、大柄なクマを取り押さえているラエンの女性の姿があった。非現実的な光景に何が起こったのかわからなくなる。 「チャーリーだったか、以前遺跡を回って、似たような壊れた施設を見た時にあんたの名前を確認したよ。設置予定の生体プラント兼液体コンピュータの素体になるって時点でやばいと思ったが、こちとら先住種族を駆逐されんのも、せっかく根付いた知性を踏み台に懐古主義に走られるのもごめんでね、悪いが稼働停止してもらう」 出会った時の態度はどこへ行ったのか、荒々しい口調で告げると、周囲に火花が散った。 途端に、立体映像の森が消え失せ、通路と同じ無機質な灰色の部屋に変わる。 「案の定、システムはニューロン式を使ってたか。悪いけれど私はラエンじゃないし、体はあんたの言うホモサピエンスでも、宿っている意識は年季の入った量子の寄生虫なんだ。量子脳に関してはこっちの方が上手なんだよ。3億年かけて辿り着いた、被食者と捕食者が共にいられる楽園、そう簡単に潰されてたまるか」 「私の活動が停止すれば、今後エアロプランクトンが作製されることもなくなりますよ」 苦しげでもない、さっきと同じ淡々とした口調でダンの体が言う。 「エアロプランクトンも継代を重ねて、あんたの供給なしに殖えるようになってるんだよ。この世界は変わっていくさ。でもそれは地球と違う、大型動物相の代わりに知的生物が優占し、交雑を重ね、多様化と均質化を入り混じらせる世界としてだ。本来の地球生命が今も変化を続け、この星だって変化の最中にあるのに、時を戻して止めようとした時点で、あんたは詰んでたのさ。わかったらとっとと凍りな、あんたの望んだ永遠の停滞だ」 轟音が響き渡った。床が震える。部屋のライトが点滅して、消える。真っ暗になった部屋が振動を続ける。盛大に転倒した私は、解放され糸が切れたように崩れ落ちたダンと、同じく転げまわるジェイをなんとか抱きしめる。 「私はこいつのやらかした後始末に行ってくるから、またどこかでね」 覚えているのは、そこまでだった。
台地で起こった��とは、巨大な雪崩によってキャンプ地と、内部の空洞が崩壊した、というニュースで片付けられた。私は他の2人と共に病室に缶詰になり、あれこれと話し合った。ダンは荒っぽいが人懐こい性格で、私のことは全く知らないが、幼い頃に父親が連れてきて兄弟のように育ったらしいジェイのことはよく覚えていた。ジェイは遺跡巡りと、ダンがジェイを覚えていないことで気づいていたらしい。 キャンプ地で失踪したスタッフと、近隣の村から失踪した住民が保護されたのは、私たちが洞窟の入り口で倒れていたところを発見された翌日だった。ちょうど反対側の海岸で見つかったらしいが、不思議なことに皆が一様に「吹雪が酷くなったのでビバークした」という記憶しか覚えていなかった。1本だけ、空の注射器が置いてあったそうだ。 ライラの行方は分からない。そもそも、地元の警官隊にはそんなメンバーどころかラエン自体がいなかったのだ。 「これからどうするんですか」 ダンは寝ている。病室の窓から空を見ているジェイが、どうしても気になった。 生きる目的を失ったのではないかと、思ったからだ。 「枷が外れた気分だ、清々しましたよ」 いつもと同じ、だけれど少し晴れやかな声色で彼が返した。 「なに、資料は集まってますから、最後の仕上げだけできなかったってことで」 彼らしくない、楽観的な言葉だった。彼も、吹っ切れたのかもしれない。 「あの場にいた誰もが、あの場所に関係している者だった、あなたを除いて」 「そうですね、傍観者として、大事たと思われたのかもしれません」 「チャーリーが言ってましたね、星間文明がどうとか」 「言ってましたね、多種族からなる星間文明とか、地球由来の遺伝情報で人類の伴侶を作り出すとか、あれ」 「そんなこと、言ってましたっけ」 記憶と知識の食い違いに、戸惑う。すらすらと出てきた言葉は、私の理解を大幅に超えていたはずだった。 「磁気映像で撮影した、あなたの脳のカルテを見せてもらいました。先天的な改変の痕跡が見つかったようです」 「私には、そんな自覚は」 「無いんでしょうね。誰かが、どこか遠くからあなたの脳を介して、この星を見ている」 私と同じですね、と彼は言った。彼が言っている間に、まるで目の奥の濁りが取れるみたいに、目の前は鮮やかになっていった。 目の前に広がるのは、白い空。 でもその向こうに広がるのは、プランクトンに覆われた碧色の空。 脳裏に浮かぶのは、あの時見た青い空。 「モッティさん」 白い空をバックに、白い毛並みの彼が振り向く。その顔には、見たことのない表情が浮かんでいる。 「この世界って、綺麗ですね
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TEDにて
スティーブン・ピンカー:言語と思考の関係
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
著書である「思考する言語」の特別の予告として、スティーブン・ピンカーが言語と、言語がどのように人の心を表現するのか?
また、私たちが選ぶ言葉が、どれほど意図を表現し伝達するのか?を解説します。
序盤は、意図が伝達しづらい難解な言い回しが続きますが、タイトルにあるとおり言語と思考の関係性を理解するための訓練みたいな物です。
じょじょに、後半からは意図が伝達しやすい言い回しに変化していきますので、言語の妙(みょう)や機微(きび)が理解できます。
私は、言語を通して世界の概念体系を形成する認知機構と人間の相互作用を左右する関係などの人間の本質のいくつかの側面を明らかにさせています。
このことは、俗語と隠語の絶え間ない出現。言語の歴史的な変化。方言の多様性。新しい言語の形成などからわかります。
つまり、言語は、人間の性質を作ったり、形成したりすものではなく、人間の性質を見るための窓(ウィンドゥ)なのです。
いま書いている本で、私は、言語を通して世界の概念体系を形成する認知機構と人間の相互作用を左右する関係などの人間の本質のいくつかの側面を明らかにさせています。
そして、抽象的出来事に対する用法の大半は、具体物のメタファーに依拠していることが事実であると示唆しています。
これによると人間の知性を構成するものの1つ目は、物体、空間、時間、因果、意図などの概念の積み重ねです。
これは、社会的で知識集約型の種には有利なのです。その種が、どのように進化するかは想像できるでしょう。
人間の知性を構成するもう1つの要素は、メタファーによる概念の抽出です。
これにより抽象的な概念から空間、時間、力といった元の概念を浮き上がらせることができるのです。
それらを新しい抽象的物事に適用することで人間は、岩や道具や動物を扱う段階から、数学や物理学や法律や、あるいは、その他の抽象的なものを具体化できるように進化したのです。
イマニュエル・カントの哲学も登場しています。遠回しな言語表現を多用することで、どのように世界を概念化するのか?も説明しています。
カントとは、16世紀のドイツの哲学者。「純粋理性批判」でも、より詳しく論じられています。
人間は何をどこまで知ることができるのか?ということをデカルトやスピノザが提唱した大陸の合理論とイギリスのロックとヒュームが提唱した経験論の欠陥を認識、洞察しつつも経験からの独立した認識能力への批判を融合して。
すなわち、純粋理性能力の意味と限界を統合した書籍です。
超越論的制約である空間と時間を通じて、人間が認識して理解できるものの限界はどういうことなのか?という認識論を説明しています。
特に日本のマスメディア、テレビ局など、顕著な傾向で、構造的な問題もあるかもしれません。
国民にマスメディアを使用して巧妙に情報操作している可能性が色濃くあります。再編して改善かな?
テレビなどは、アーカイブで追跡調査できるから倫理委員会に依頼するのも東京地検が抜き打ち調査しても良いかも知れません。
今ではテレビ局も権力者!日本のテレビ局は再編すべき!
一度、国に返上して、車と同様に放送免許停止や放送免許取消を導入すべきです。
もう一度言います!
テレビ局も今では権力者!再び、過ちを繰り返すかもしれません!
影響力の巨大な政治家、役所、警察、テレビ局や大中企業などの権力者以外なら規模も小さいので
表現の自由も良いでしょう。弱者にこそ自由!
世の中の影響力や権力が大きくなるほど言論の自由は制限されるのがこの世の真理。
今や、テレビやこれに出演している人間は、言論や表現の自由ではなく情報操作の自由。
テレビ局は解体、再編を!日本のテレビ局は再編すべき!一度、国に返上して、車と同様に放送
免許停止や放送免許取消を導入すべきです。
東日本大震災の際に放送無用でも、庶民生活に支障はなかったことですでに証明されています。
そして、裁判所の令状なしに監視カメラに人工知能を使用するのはプライバシー侵害です。
もしかして、日本国憲法の通信の秘匿にも?弱者である庶民への圧力?自動車のナンバーも無許可で読み取っています。
まず、影響力の巨大な政治家、役所、警察、テレビ局や大中企業の内部通報用として搭載して
手本を示してはいかがでしょうか?
スタンフォード実験(1970年代)?ミルグラム実験(1960年代)?マスメディアを悪用した戦前の日本の空気(1940年代)?似ている?同じことを繰り返さないようにみんなで見守っていくことだ。
日本では、適用されていないから令状申請を法律で義務化すればいいかもしれない。
特別に、日本の場合は、テレビに関係する放送内容、広告については、巧妙に情報操作している可能性が色濃く、出演料も高額な出演者、放送関係者も含めて全員、巨大な権力者は疑って観ることが重要です。
なお、日本の全テレビ局は超裕福層に入ります。
自らが権力者であることを発信せず視聴者を混乱させ、それに便乗して権力乱用する日本の民法テレビ局。同じことを繰り返さないようにみんなで見守っていくことだ。
量子レベルでは、波動性と粒子性を両方備えていると教科書で学びます。
大自然の膨大なパワーを活用できますが、このフレームワークで、人間を説明することは、現時点ではできないかもしれません。
ジュリオ・トノーニの意識に関する情報統合理論がある。万物には意識があるとする汎心論という考え方です。
ジュリオ・トノーニの 意識に関する情報統合理論によれば、ネットワークの密度は意識(ここでは、ファイと命名している)と呼ばれる何か?の密度に関連しているということ。
これを数値化して、方程式にしている。
それゆえ、人間の脳内では、膨大な情報統合が行われるため高度なファイがあることになり、かなりの意識が存在します。
マウスにおいては中程度とはいえ、かなりの情報統合が行われるので相当な程度の意識があるといえます。
しかし、虫や微生物や粒子レベルになると、ファイの量は低下します。情報統合の量が低下してもゼロにはなりません。
日本では、「一寸の虫にも五分の魂」という言葉もあります。
トノーニの理論によると意識の程度はまったくのゼロには、ならないのだといいます。
事実上、トノーニは意識に関する基本的法則を提案しています。つまり、高度なファイには高度な意識が宿るのです。
そこには、ただ淡々と善も悪もなくて古来から有る日本の「魂」という概念みたいなことにも似ています。
また、ロジャー・ペンローズとスチュワート・ハメロフの提唱する量子脳理論(波動関数の客観収縮理論)があります。
他には、ブラックホールの特異点定理をスティーブン・ホーキングと共にを証明し、「事象の地平線」の存在を提唱している。
クオリアという言葉も関連していて、「質」を意味するラテン語の qualitas (あるいは qualis) が源流。
この言葉の歴史は古く、4世紀のアウグスティヌスも用いている。長い間忘れられてきたが量子論の登場により、1929年、アメリカ合衆国の哲学者クラレンス・アーヴィング・ルイスが現在の意味とほぼ同じ形でクオリアという言葉を書いている。
太古から高密度なアイデアは、概念の豊富な人間からしか創造されません。
太古から高密度なアイデアは、概念の豊富な人間からしか創造されません。
太古から高密度なアイデアは、概念の豊富な人間からしか創造されません。
2018年現在では、サピエンスは20万年前からアフリカで進化し、紀元前3万年に集団が形成され、氷河のまだ残るヨーロッパへ進出。紀元前2万年くらいにネアンデルタール人との生存競争に勝ち残ります。
そして、約1万2千年前のギョベクリ・テペの神殿遺跡(トルコ)から古代シュメール人の可能性もあり得るかもしれないので、今後の「T型オベリスク」など発掘作業の進展具合で判明するかもしれません。
メソポタミアのシュメール文明よりも古いことは、年代測定で確認されています。古代エジプトは、約5千年前の紀元前3000年に人類最初の王朝が誕生しています。
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アントニオ・ダマシオ:意識の理解はどこまで進んだか!
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<提供>
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2024.02日記
2024/02/01
昨日も日記を書いたつもりだったけれど、書いてないみたい。今日もひたすら銀河英雄伝説を見る。ヤン・ウェンリーが求婚して、成功して、バーミリオンの死闘がどちらの勝利ともいえずおわったところ。それから魔法使いの約束のイベストをさらっと読む。エンタメファンタジーで読みやすかった。
右脇にまた腫瘍ができてしまった猫が、めずらしく部屋に来てカーペットで寝ている。隣に座ると、息が苦しくないのかなと心配になるくらいごろごろ鳴らす。数年前にもう一匹兄弟が衰弱していたときも、怯えてよくこの部屋に来て我が物顔していたから、(そうは見えないけど)今日も体調が悪いのかもしれない。やっぱり頭の上を触るか触らないかくらいで優しく撫でられるのがすきそう。
2024/02/02
健康診断で視力を測ったら眼鏡をしてるのに両眼0.6しかなくショックを受けたけれど、一緒に受けた同期もコンタクトをしているのに0.5だったとショックを受けていたから機械が悪かったのかもしれない。
うどんを食べておしゃべりして解散。膵臓が不安だからあまり脂質まみれのものを食べようという流れにならなくて良かった。もし膵炎だったとして、そうしたら今後はそういう懸念が増えるのだろうと思うとゆううつ。
Spotifyがまた無料のキャンペーンをしていたから早速登録してhasimoto hideyukiの新曲を聴いた。
2024/02/03
体にへんなところはないけれど膵臓はまた悪くなっているらしい、でも膵炎ではなさそう、好きに食べていいとのことだったのでとりあえず禁止にしていたチョコレートを食べた。食べたは食べたけれどやっぱり負担がかかるならやめたほうがいいんじゃないのと思う。
家で一日ドラクエをしていて勇者のつるぎだか剣だかがつくれなくなってしまったので、そのうち攻略を見ながら進めるけれど、今日は調べるのがめんどうでやめた。かれこれもう180時間くらいしてるのに、まだおわらない。次はsea of starsやるつもりだったけれど、ゲーム自体はこれがおわればしばらくお腹いっぱいかもしれない。
キャラクターのことを愛している、といってみるとき、それはキャラクターの具体性のことを愛しているわけではない。たとえばお風呂でそのキャラクターが体をどこから洗うということには興味がないけれど、体をどこから洗うというルールを持っている/もっていない/持っていないのに同じところから洗っているなどは興味がある。
わたしたちには命があるから、命のあるかぎり、命をかけてなにげなく生きている。愛のすべては残念ながら命をかけてうまれた愛だ。
2024/02/04
すずらんは花がさくと音が鳴ると思っていた。母は薔薇を育てるのがすきで、わたしはアンパンマンですずらんの花が合唱しているシーンをみてから、すずらんは植物の中でゆいいつ音の鳴る花だと思っていたし、色も淡くてかわいらしいからすきだった。すずらんがすきという話をすると母は庭の一角すずらんを植えてくれ、それからしばらくした日、明日には咲くと思うよと言われ次の日シャッターを開けると同時に花を見に行った。スズランは確かに咲いていて、おさないわたしはその音を誤って聞かないようまず茎を手でおさえ、耳を連なった花の一番下に近づけそっと手をはなし、人差し指で花全体をたたくように揺らして、すずらんは鳴らなかった。すずらんの花のなかを覗くと、今ではそれをおしべとめしべと知っているけれど、いくつかのよわよわしい繊維が立っていた。鳴るべきものはなく、すずらんは鳴らないことをそのときはじめて知ったのだった。それと同時に、鈴のように硬いもののぶつかるときのたかい音が、植物から鳴るはずもないことにきづく。なぜそのことに、ほんもののすずらんを揺らすまできづかなかったのだろう。
母とショッピングモールへ行く。そろそろ自室に鏡がほしく3COINSを見たけれどめぼしいものはなかった。すぐ壊すから百円ショップでもいいかもしれない。いつもは三階からまわるけれど今回は二階をまわり、三階へはいかなかった。そもそももうこのビルでしたい買い物があまりなくなってしまった。でも新しく届いた洋服を着たかったから、外出出来てよかった。
膵臓が悪いのは勝手にストレスだとおもっているから、ストレスのかからない体の力の入れ方をいろいろ試行錯誤している。歩く時、からだを押し出すようにするよりも、出した足の腿裏の筋肉でからだを引き寄せる方が早く歩けたうえ、長時間あるいても腰回りを痛めなかった。
2024/02/05
初雪だったのでコンビニに行っておでんを買いに行った。帰るときは傘に雪が積もっていたけれど、すぐに水っぽい雪に変わっていた。お菓子屋さんで鬼の形をした和菓子を買い、食べた。忌み嫌われているものを体内に取り込んで体の一部にしてしまうのもなんだかね。
2024/02/06.07
6日
死者が生き返るようになるなら罪の意識が薄らいで殺人が蔓延する、は共感できず、むしろ自分(たち)の世界からそのひとを切り離せないのなら殺しの有用性は失われ、殺人事件は減るとおもった。殺せど生き返る、それでも殺すという狂気の殺意が残るかもしれない。
よろよろしていたねこは心臓病と診断される。もう階段を昇るのもがんばらないとできず、軽々飛び乗っていたベッドにもあがれず、手すりに前足をかけて二本足で立ってねだるようにこちらへ鳴いていた。ベッドへ乗せると喉を鳴らして目の前でまるくなったので、にんげんの鼻とねこの額をくっつけて眠った。
初めて自分でねだった誕生日プレゼントは夢猫で、しろくてふわふわのねこを買うのが夢だった。だから出会ってから今日までずっと夢のようで、これからも夢のようにだいすき。ほんとうにあなたがそれをすきなら1000年でも2000年でも頭をなでてあげたい。と思いながら泣いて、朝起きたら目の前で目を覚ましていたからベッドから抱えておろした。
7日
会社から帰ると暗い自室でねこがさらに影みたいに丸くなっていて、電気をつけるとももう立っていてにゃーと鳴いた。ご飯を食べられないらしく、口にちゅ〜るを当てても食べない。お風呂から上がって別のちゅ〜るをあげるともりもりいっぽん食べた。家族といっぽん食べた!と喜んでいるうちにかなしくなってしまってまた泣いた。ねこはずっと自室にいるから、今日はベッドに上げず、わたしが座椅子を倒してそばに寝る。ねこがわたしに向けてやるように、おなじウインクをしたり、おなじまばたきをしてみる。
一昨年もう一匹が亡くなる前、死を迎え入れる準備をすることはかれに失礼と思っていた。けれどかれの死を経てみると、こうしたときもっとも安らげる場所にかれらが向かい、もっとも安らげるよう最大に甘えるのなら、それはわたしたちにとって死への準備と同じことだった。かれらはそう思っていようといまいと、いつかの死を否定するのでなく、それを受け入れみつめ続けることのみが、かれらの甘えに真剣に応えられる唯一なのではないかとおもう。
しろくてふわふわの猫は息をしているとふわふわの毛がひろがったり、しぼんだりして、ぼんやり光っているみたい。 気もそぞろで仕事をしてたら3時間分くらいむだにしたことになって、申し訳ないので1時間ほどサービス残業した。こういうこのをするのは本当はよくない。
2024/02/08
気もそぞろで仕事をしてたら3時間分くらいむだにしたことになって、申し訳ないので1時間ほどサービス残業した。こういうこのをするのは本当はよくない。
2024/02/09
13:40以降仕事がなく、本を読んでいた。
ねこの呼吸を聞きながらいろいろして、ねむくなり、呼吸が聞こえなくなって心配して見に行って、目が合うと喉を鳴らすからまたいろいろして、ねむくなりの繰り返し。もっと生きてほしいとも、助けてほしいとも思っていない、神様がいたとして、どうしてほしいかわたしにもわからない。できることならねこが元気な頃にタイムスリップして、もういちど気の向くままに抱きしめたい。
2024/02/10
母はよだれ(涎)を「ゆだれ」というのだけど、妹がそれを過剰に拒否するのがおもしろい。そういえば母もかたくなに「ゆだれ」と言い続けていて不思議。と思ったけれど、わたしも会社の同期に「お疲れ様です。お先に失礼します」をふつうは逆だと指摘されたのに(彼女は「お先に失礼します。お疲れ様です」と言うとのこと)言葉が染みついてしまって指摘を受けてもなお順序を変えていないのだった。聞くと、彼女は「お疲れ様です」を聞いてもらうためのサブワードとして「お先に失礼します」を言うらしく、わたしはその逆。わたしは「お疲れ様です」をメールのはじめや質問タイムのきっかけのため頭に利用することが多いので、その印象でお疲れ様ですをサブワードとしてお先に失礼する旨を伝えている。この話になったとき、互いにこだわりもないだろうにゆずることもなく、なあなあに話が終わったのも、わたしが現にこうして変えられていないこともなんだかおもしろい。
ねこが心配なのでソファで眠ったら、寝不足かなんとなく頭痛があり、ややふらふらする。今日はパジャマのまま。
2024/02/11
普段はアイマスクをして眠るから、2日もねこのために電気をつけたまま眠ると体はもうぼろぼろになっていて、すべての蛍光灯がしろすぎて目のうえが重い。一日中本を読んだり風来のシレンをしたり目をこき使ったことも理由のひとつと思う。あとはチョコレートもたくさん食べ、なんども胸焼けした。へんに3時間くらい昼寝をして、やすまらない。おろかな日。
妹の誕生日プレゼントに祖母が送ってくれたチョコレートは2キロあり、それを毎食後一粒ずつ、かかさず食べているけれどそんなことをしているのはこの家でわたししかおらず、なんとなく袋��軽くなったなあと思うと犯人がわたしなので戸惑う。赤い紙の、なぜか杏仁豆腐の風味のするチョコレートがいちばんおいしい。そういえばもうすぐバレンタインデーだから、おいしいチョコレートを買いたい。と、毎年思うけれど毎年なんでもないチョコレートを食べている。今年も2月はけっきょくフルリモートになってしまったし、ねこのこともあるし、なかなか家からはでないだろう。それに残念なことに、チョコレートには困っていない。
(身体性と死、従属すること。頭を垂れることを生きがいに、ひとりで死を見つめること。付き従うことはおおきく接続であるから、あとはひとりのことでじゅうぶんということなのだろう。)
2024/02/12
今日も一日中家にいて猫の様子をみていた。ますます調子が悪くなっていくのを眺めることしかできない。夜薬を飲まなければならないのにすべて吐いてしまって、ひきつけににた嗚咽をくりかえし、母とふたりでこれいじょう薬を飲ませられないと断念した。砕いてちゅーるに混ぜてみたりもしたけれど、結局食べず。心臓が悪くなり、それが響いて腎臓を悪くし、毒素が排出できないから後ろ足がもつれるらしい。あるきながら、ねこは左に倒れてしまう。
ねこはじぶんのことをねこと自認しているだろうけど、自分が「ぽぽ」とわかっていないだろうから、描写のときはせめてねことよんでいたけれど、こうして弱ったとき必死に喉をならしていたり(もっとも、これは懐いているのかわからない。あまりにも必死に鳴らすため、別の効果が彼女にあるのではないかと思っている)、まだ動けるころにみずから部屋を訪れてともに眠ったことから、もしかしたら、ぽぽちゃんと彼女を呼んでもよいのかもしれない。
ぽぽ。心臓病を患う前は、身繕いから爪とぎまで、すべてをひとりでこなすねこだった。いまも、虫歯はひとつもない。容易に触れることをゆるさず、お風呂にはもちろん、膝に乗ることもなく、抱き上げることも、足や腹にさわることもゆるさなかった。どれほど懐いても、ある一定の距離より近づくと必ずとおざかり、もう一匹が衰弱したさいは身を危険から守るためか、つねに暗闇に身を潜めていた。いまもよろけながら、ひとりでトイレをし、水を飲み、食事をし、一日に数回、リビングをあるきまわる。体が悪いときの拠点ももう定めたらしく、ほかはある段ボールのなかと、こたつの机の下でじっとしている。自分の世界を持つ、賢いねこだ。病気になってもかわらず、病気のからだと付き合う気高いねこだ。
2024/02/13
仕事ほぼなにも仕事がなく、身に入らず、すかすかの短歌をつくったりしていた。
ねこは薬もすべて吐いてしまうのでもうほとんど投薬をやめ、ごはんも食べられず、死へむかっている。生きることを諦めることと、死へ舵を切ることはまったく別のこと。今日はそれに耐えられなかった。夜になってひとよりあたかい猫をなでながら、そのことを考え続けた。この日記を書くときはもう日付をこえていて、今日はバレンタインデーだ。
2024/02/14
バレンタインデーだからとケーキを買いに行ったけれど、膵臓の値が心配なので酒饅頭を買い、食べてみると酒の風味がつよく美味しく食べられなかった。残念。
どの号か忘れてしまったけれど群像をぱらぱらめくり、頭の、中村文則『列』のみ読み終える。一人称小説はやはり距離が近く、行為主体になりにくい。基本的にわたしは三人称の小説を書くから、次はこうした一人称の、つねに正面を向いて窓の大きさで緩急をつけるような小説を書いてみるのもよいかもしれない。作品に関して。『土の中の子ども』でも『銃』でもそうだけれど、中村文則作品はだいたいが形式を知り尽くしたうえで形式を踏襲する、メタ認知的にすぐれている自覚のあるひとが主人公で、そうしたひとたちは閉じられた形式のなかで鈍色の現実を窮屈に生きるか、形式を知りながら意図的に/意図せずそれらからずれてゆく。また後者を驚きくべき凄惨な滑落として扱う描写も多い。それを踏まえ『列』の結末が、種という定められた形式のなかで可能な限り自由であることを目指し「楽しくあれ」で物語を閉じたことは、アニメ『輪るピングドラム』が「きっと何者にもなれない」から「きっと何者かになれる」へ至ったことと似ているように思う。
2024/02/15
引き続き群像の2023年7月号を読んでいて、ふだんだったら選ばない文体や早すぎる話の運びに触れている。今のところ沼田真佑の『ながれも』がよかったけれど、これはとくにふだんと違ってということもなく、いつもどおりの好みのものを雑誌から見つけたにすぎない。
ねこは心臓が弱くなってしまったのが原因で、ずっと苦しげな呼吸をくりかえしている。スフィンクスのポーズがねこにとってはもっとも呼吸しやすいらしく、けれど下半身はもうほぼ動かなくなってしまったので、昨日の夜は2時間おきに体位を整え、荒い呼吸がしずまったのをきき、また荒くなったのを感じると体位が崩れていて、それを整えて……と朝七時までくりかえした。ねこは幾分呼吸が楽になると、むりに立ち上がって音もなく転び、へんなふうに手足をねじってあおむけに倒れているときもあるからそのたびにぞっとする。息が落ち着いていると呼吸が止まってしまったのではないかと焦り、息が荒いとくるしいのかと焦る。彼女にとって体はもうそうなってしまったから付き合っているだけ、なのかもしれないけれど、わたしはできうるかぎりの平穏を与えてあげたくなってしまうからむずかしい。ねこはもちろんよく頑張っていて、わたしもよく頑張っている、と唱えながら眠ろうとしたけれど、やっぱりわたしが頑張ろうと頑張らなかろうと、ねこの呼吸は荒く、体位を整えるとましになるという事実だけがあり、それに従うか従うまいかはわたしの判断で、わたしは彼女を愛しているからなんでもしたいのだった。
2024/02/16
仕事でずっと自習を言い渡されたまま放置されていたのが、急に進捗報告をすることになった。仕事に関してかなりふまじめにやっていて執着もない、仕事をやめさせられたら大学通い直そう。と思いながらソースをぼやぼやみつめていた。
執着とそれゆえの自己否定の恋について、それこそが恋の味だという話ばかり見聞きし、なつかしく思う。なぜこんなことを考えたのか……とふりかえると、近くにバレンタインデーがあったのだった。わたしはかなりロマンチストで出会いも運命も素敵と思うし、恋もする、成就も願うしそのような話があれば良いことと思うけれど、じっさい囚われることじたいは嫌いのようで、かつて夢見ていた「あなたによって不自由になりたい」という欲望からも年々脱しているきがする。
2024/02/17
朝6時ごろ、ねこは聞いたこともないような大きな声、野良猫のような声で鳴き、大きく嘔吐すると痙攣して亡くなった。しばらく呆然としたあと、ひと通りお別れし、2回仮眠を取ったら2回ともねこが生き返る夢を見た。2回目は生き返るわけないから、これは夢だ、と気づいたけれど、はじめて夢を夢と気づきながら覚めない体験をした。よく撫でておかないと、と必死になってねこの首まわりを何度も撫でると、夢の中のねこはわたしのよく知る通り踊り場で背筋を伸ばしていて、目を細め、緑色の中の黒目は昼間なのでほそく、すべてが知っているもののとおりだった。リビングにあるからだを見るたび、もう動かないこと、ゆっくりのまばたきを見れないこと、匂いを嗅げないこと、体を擦り付けてくれないことなどをありありと感じ、ただつらい。世界で一番だいすき。
ぽぽとであったのは家からはとおく、もう行くことのないペットショップ。母がゴールデンチンチラを買いたいと、さまざまなペットショップをネットで探して、その日は目当てのねこを買いに行ったのだった。家族でペットショップにむかい、そのねこをみせてもらうと、ちいさくて茶色のくるくるのふわふわでとてもかわいい。ほとんど買うことを母は心に決めていたと思うけれど、わたしたち姉妹は子どもだったから、ゴールデンチンチラを抱かせてもらうことになった。そのとき妹にわたしがさきを譲ったところ、店員がわたしを気遣ってもう一匹連れてきたのが兄妹のまっしろのねこだった。こっちもかわいいね、という話になって、こっちのほうがかわいいとわたしが言った。茶色のよりこっちのほうがいいとわたしが言って、さいごは両方を買うことにして、それぞれをピカソ、ぽぽと名付けたのだった。ぽぽは10歳のわたしが命名した。たんぽぽのぽぽではなくて、おそらく語感で名づけた。ぽぽと暮らすことは誰よりわたしが選んだことだった。
思い出に残っているのはふたつ。母に「そんなことをしているとぽぽを捨てるよ」と怒鳴られ、別れを想像するとつらく、泣きながらぽぽを部屋に閉じ込めたこと。このあと母は「ぽぽが可哀想だからそれはしない」と言う。幼いわたしはああよかったと別れを回避した気になったけれど、ただ先送りにされたのだと気付くと胸に苦さが残った。明確にぽぽとの別れを刻まれたのはその時だったように思う。もうひとつは受験勉強のときはいつも部屋にいて、窓際のラックの中で真昼のひかりに目を細めていたこと。
抱っこはできなかったけれど、抱くと背中に駆け上がって、背中を平らにするとたまにそこで眠った。目が合うと、目を細めながら鳴き、体をふるわせて擦りつける。
別れがつらい。もう会えないことがつらい。抱きしめられないし、匂いもわからない。あのゆっくりのまばたきをしてくれないし、まばたきを返してにゃーと鳴いてもらうこともできない。布団で眠りながら、下の階にほんのりぽぽの呼吸を感じることもない。部屋のドアをあけてぽぽがいることに驚くこともない。帰宅して、ドアを開けた瞬間ににゃーと言われることもない。朝、起きて冷えた背中を撫でることも、見えない姿を探すこともない。これから出社のさいは、家族のみな寝ている家を出る。
ぽぽを抱きしめたい。呼吸を感じたい。抱きしめて息を吸いたい。だいすきと言って、伝わらない音だけに反応した鳴き声にむねをいっぱいにしたい。その場に座りこみ、骨のかたちのわかる頭をなでて、かわいいね、だいすきだよ、と何度もおなじことを言いたい。それを聞きながら目をつむって喉を鳴らしてるのを眺めたい。首をなでて目を細めながら、にげられたい。にげて、近くでとどまっているのにまた近づいて、もういちど首を撫でたい。抱き上げて背中にまわして、肩に爪を立てられたまま背中をあたたかくして歩きたい。ベッドの上に飛び乗ってきたときの胸の高鳴りが恋しい。布団の上をもみながら近づいてきて、顔に突進されるのを鼻先で受け止めたい。
2024/02/18
一日なんとなく時間を潰して、午後は葬儀。遺体が火葬車にのまれていくところが一番つらかった。
2024/02/19
課題を用意しておきますね、といった上司からなんの連絡もなく、ほんとうになにひとつ来ることがないまま勤務が終わる。
風来のシレンをして、始めのダンジョンの31階まで到達した。かなり必死に天恵、地恵をかき集めたのと、最後の背中を拾ったこと、無敵を2個持っていたのが大きかった。聖域は使い物にならなかったので、3つも持っていて損だった。まだまだこれからダンジョンが増える、とのことだけど、こうしていくつもやることが増えてしまうと逆になにをしていいかわからなくなってしまう。父も母も風来のシレンについては長年プレイしているから、「ダメだ~その動きは」「見ててひやひやする」「もう一歩下がるんだよ」と指示を出され、うるさかった。キャプチャボードでも買って母と解説実況でもしたらいいかもね、と話した。
2024/02/20
久々に中上健次の『化粧』の短編をいくつか読む。このひとの描く男性の暴力性と無力感、もっといえば生きることの無力感を打破したいとき、そのすべに暴力しか選ぶことのできない、そして暴力によって無力感をさらに植えられる、自らの暴力に振り回される真の部分で弱く哀れな男というモチーフを強烈に感じるけれどTwitterで検索してもそのような感想がみえず落ち着かない。こんなにこだわっているように見えるけれど『化粧』だけのお話なのだろうか。『化粧-化粧』の「娘」は飛ぶたびに天井へ頭をぶつける盲た鳥を「自殺しようとしているみたい」と言う。「盲」を欠損の象徴としてうけとりつつ、場面は変わりこの鳥の群れを男は放つが、その動機を「むごいことをやってやりたかった」という。『化粧』で中上健次の描く暴力は目的なく衝動的でつよい。作中、暴力を振るう男らはとにかく大柄で、力が強く、喧嘩っ早い。相手は弱い女や���供、盲た小鳥で、かれは知能を持たない。暴力以外を持たない。そしてその彼らの抱える(抱えきれず発露しているのだけど)暴力は自らの意志を越えて男たちを遠くへ運び、彼らはゆくあてのない場所に立ち尽くす。暴力の大きさの大きいほど、それはその大きさの無力感へと置き換わり彼ら自身を襲う。力の強さとは肉体においては増えてゆくものだけれど、『化粧』を通すと、その肉体の得た強靭さは翻って精神の面においての欠損に見える。弱々しい小鳥の盲とおなじ。「“物語”回復という大きなテーマに敢えて挑戦する力業」だそうなので、それが彼の傷なのかもしれない。
社会に掻き立てられる男性の全能感や、それを失った男性自覚するみすぼらしさのことを考える。力があろうと意味がないのに力しかない、そのうえすがりつづけた力を手放すのはこわいしやるせない、だから力を手放したゼロ以下の自らを(女は)欠損を埋めるべくやさしく抱きしめて(甘えさせて)ほしい。自分をもてあましながら、あました部分を優しく拾ってもらいたいと、そういう甘えた、軽蔑すべきひとをみると、軽蔑しながらもうコントロールしようのないその人生がかわいそうになる。
大男、総身に智恵がまわりかね、とは、大男が薄のろだというのではなく、その大きな体をもてあまし制御できかねているということだろう。
中上健次『化粧 修験』
あとは『人形記』佐々木幹郎 をよんだり、KOKIAのsong of pocchongを耳コピしたり、クロノクロスop耳コピしたり。相変わらず仕事は来ない。
2024/02/21
『翅ある人の音楽』をさらっと読みおえる。「雪、湖といったモティーフ倚りかかりすぎ」と本人があとがきに書くように、たしかに多い。くわえて凍、水、土、ぬくもりも多く、一冊を通すと、外部を遮断するように硬く凍った氷も雪も溶けると水になること、土と混ざること、それはおそらく作者の体やこころ、記憶にまとわりつくぬくみでもあるのだろう。ここの雪はさらさらというより、きっと水っぽく、ぼとりぼとりと降るのだろう、と想像しながらあらためて雪の句を重々しく読み直したりした。
2024/02/22
泉が湧くのを待つしかない。
やっぱり上司からの連絡はなく、こういう不誠実なところを含めてこのひとと交際することはできないな、と決意をつよくする。
明日が休日ということをしらなかった。なんとなく資料を作ったり、雑務の返信したりして、空いた時間はピアノの練習をした。
Aについて当事者意識はなく、あっさり従っていたのでそれぞれの意見を読みながらそうねと思う。いっぽう、それはAに限らず、たとえばBのあいだで交わされる議論とほとんど同じで、現状への対処法的な方針と、理想をどこまで諦められるか、諦めるという意識があっての規定かという話はよくみる。わたしとしてはひとりで眺めるということをつねにやってきたのでなんとも。なんとも、と思っているようなひとがなにかをつくれることなんてないのかも。
小川洋子が個人の内実を描くことなんて私にはできず、輪郭を描くことしかできないということを書いていて、その距離のとり方に共感したのだけど、ある歌会の感想を読んでいたら短歌のなかに入り込んでいく、としか表現のしようのないことをしあっていて、まったく知らない世界だった。それは樹海をひとつひとつふみしめるような、生える木々のてざわりやこぼれた実のひとつひとつ拾うような内側の読解で、このような汲み取りこそが「ものを読むこと」ならわたしはなにひとつ読んだことがないだろうと落ち込み、またいちにちいくつかの短歌に評を書いてみるという身勝手な触れあい(それこそ“おしかけ”評)をするのもいいかもしれない、と向上心がうまれた。
2024/02/23
父の誕生日にと家族みんなでしゃぶしゃぶの食べ放題に行ったのに開始20分くらいで急に食べられなくなってしまい、ひとり車へ戻った。��のようなことがあるから人とご飯を食べるのは難しい。飲み会とか、映画もそうだけれどいきなりやめたいと思ったとき、ひとりなら自由にできるのにひとといるとそうできないからあまり友人とも合わなくなってしまった。ご飯が食べられなくなるかもしれないし、とはなして理解を得られたとして、理解を得る、ということがそもそもいやというわがままがある。
いちにち本を読んだりゲームしたり。時の傷痕もだんだん弾けるようになり楽しい時期。
無理にでも言葉を使う、その変形された言葉でないとかたちなきものに近づけないという感覚や、言葉そのものの乖離という感覚なしに言葉を使うことはできない。言葉は本来伝わらないもの、という感覚が根強くある。
体調悪くなってから家に帰り、こういうときはたいていぽぽに顔を埋めて甘えてたから、いないのがいっそう身に沁みて泣いた。なぐさめに遺体から切って保存している長めの尻尾を顔に当てていたらすこし抜け、それが顔について、もうないけれどこういうことはよくあったから懐かしい。泣いたら夕飯がすこし食べられた。もう今日は動けないけれど、苦しいから明日には元気になっていてほしい。
2024/02/24
昨日に引き続き貧血みたいになっていて目の上がぼんやりみえない。どこかに行きたいと思ったけれどどこもいけなかった。明日はどうだろう。
ひさしぶりに会いたいねと連絡した友人がびっくりマークを3つもつけて返信してくれてうれしい。私といえばここ数年は大きく変わったあとぱったり時間が止まってしまったような感じだったけれど、それでうまく話せるだろうか。高校のときは肩を組んで、テラスで歌っていたけれど、もうわたしはそういうことができなくなっている。そういうことを変わってしまったと言われるだろうか、変わりながら、ふたたび編み直そうという流れにはなるだろうか、ならないだろうか。人生で、みずからが選択できることなどほとんどない。体調に振り回されているとなおさらそう思う。 原神をダウンロードしながらプリキュアFオールスターズを観る。「愛で強くなれるものか」「なれるよ」そうだね。
原神はほぼブレワイ。これが無料でできるなんて。
2024/02/25
ぽぽが生き返り、同じように衰え、けれど現実のような介護なく足が悪くなったくらいの時点ですとんと亡くなる夢を見た。夢の中のわたしはぽぽが2度目の生であることを受け入れていて、あの息を引き取る直前のしゃっくりのような呼吸をききながら、もう一度ちゃんとお見送りさせてくれてありがとうね、戻ってきてくれたんだね、心配かけてごめんね、ありがとうね。と言って頭をなでて看取っていた。亡くなる最後の1日の、朦朧とした意識のなか息苦しさを威嚇するように鳴くぽぽの姿が、自分で思ったより印象に残っているのかもしれない。 色々服を見ていると、出社のために利用できるかを考え始め余計な買い物をしそうになる。会社のために一銭も掛けないことを思い出し、狙っていたワンピースとブラウス、黒のワンピースのみを買っておしまい。先月とあわせて2着ほど半袖の服を買いながら、今年もまたあの病的な夏が来ると思うと憂鬱。 いつもの歯医者に3ヶ月ぶりに行き、検診。前回と同じように褒められ、また3ヶ月後。一回の検診に3000円もかかるけれど医療費を削ることに慣れるとひとは死ぬので自分のために出しておく。検診のあと待ち合わせして、ふたりで雑貨屋や服屋をうろうろ。めぼしいものもなく、最後はカフェに入り、ハンモックの椅子に座って揺れながらポキをたべた。さいきん、特に人といるときの食事の前は、食べ切れるか、嘔吐しないか、そのあと話しながら歩いて帰ることができるかなど不安が重なって気分が悪くなる。今日もそうで、ほんとうはロコモコ丼を食べるつもりだったけれど直前でメニューを変えた。食べ切ると調子が戻り、ひとつ自信になった。お店を出ると、たまに行く本屋がおおきめのGUになっていた。そのときはお腹いっぱいとはいえ、家にかえるとお腹が空いているので少し早めの夕飯としてプリンや野菜炒めを普通に食べた。
2024/02/26
明日は出社だから、今日はあまり遅い時間までおきていられない。人形記を2章くらいよみ、小説を多少書いてねる。胃もたれがはやく治ってほしい
2024/02/27.28
27日 珍しく出社の日だったので、帰りに化粧品を買うためにPlazaへ。最近売り出されているクリームは3000円付近がメジャーで出し渋ってしまう。悩んでいたら店員に捕まって買う気もない下地の営業をされてはじめてしまったのでしかたなく逃げ、マツキヨで2200円のクリームを買う。にきびパッチ2箱とあわせて3500円も使ったのにポイントカードを忘れてしまって、布団の中でもポイントカードのことを考えていた。 28日 仕事なし。明日から異動だというのに詳細がなにもわからない。短歌の評や感想をまとめながら本を読んだり小説を書いたり暇をつぶして8時間が終わる。どうしても小説で書いておきたいシーンがあったのでそれを書こうと思いながら、いざ目的があると後まわしにしてしまうから時間が経つのがはやかった。ひさびさの友人と連絡を取り合っていると原神にハマっているという。無料のゲームはあとまわしになりがちだけれど、おもしろいし、話題になるならとちまちますすめている。クエストみたいなことをして、宝箱をあけまくり、やっと冒険者ランク10。気を抜いて高いところから飛び降りると、操作キャラクターが「世界から拒まれた……」と悲観的にしんでいくのがおもしろい。リサのつよそうな口ぶりがすきだけれど、操作が下手でいつもへとへとになっているのが解釈違いだからあまりつかわない。胸焼けで食事ができない。自律神経?
2024/02/29
仕事もなく短歌の感想をまとめて、ピアノを弾いたり原神したり。4年ぶりの友人とカフェにまわる約束をして、今週の土曜日に行くことに。半年くらい美容院に行っていないのでこれを気に行こうか迷う。前回もそう思って行ったらほんの2.3ミリしかカットせず、もうしわけないからとマッサージを追加してもらった。 閏年のみ使えるサービスで4年後にメールを送る。4年後も同じアドレスを使っているだろうか。
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【日記】
十月。四方山。
西淡路きぼうの家のカレンダー。今月(はHosoi Akihiroさんの世界)もユニークで良い。ぼんやり見ていたら、じわじわ笑えてきた。凝り固まった見えない枠を、ほぐして組み替えてくれるんだよな。
食の秋が始まる。ようやく好物の秋刀魚が落ち着いた価格で出てきて嬉しい。休日の昼、横着してレトルトソースでパスタ。夏に登山で伊那市に行った帰りに買った、地産のカモシカシードルを開ける。辛口でとても美味。キムチご飯をいただく機会があったので、最近なぜかあちこちで目にするヤンニョムチキンなる���のを作ってみた。ナムルを添えて。市販のコチュジャンが甘過ぎたけど、寒い季節や、エネルギーを得たい時には良いかもしれない。
ずいぶん前に百均で買った、網網のエコバッグがひょっこり出てきた。伸びるので意外と容量が多い。古い仏映画の中の女の子みたく、これを持って肉なんか買いに走れたらちょっと可愛いような気もするけど、結局リサイクルごみ(ペットボトル)が収まった。でもゴミ出しがちょっぴり楽しい。全部出して、空っぽになった網を振り回しながら帰る。
最近個人的に、某方にお届けした、ちょっと懐かしい木口木版(制作は10年ほど前か)。「小舞台」というシリーズ。素朴で無垢でぎこちない、楽器の音がする。三河に住み始めた頃、ときおり浜松の楽器博物館に行って楽器を眺めたりしていた。よく見るとあり得ない形をしている。 なぜかもう、同じタッチは再現できない。 だから、大事。
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金井一郎 翳り絵展
武蔵野市立吉祥寺美術館で「金井一郎 翳り絵展 「銀河鉄道の夜」を巡る旅」を見る。光と影の造形作家、金井が独自に編み出した「翳り絵(かげりえ)」作品を中心とした個展である。
翳り絵の製作方法がロビーの展示ケース内で解説されていた。自分の拙い理解ではうまく説明できそうにないが、最善を尽くすと……1枚の絵は、アクリル板3枚と黒ラシャ紙2枚を交互に重ね、いちばん上に半透明の白いパラフィン紙を重ねたもので構成されている。その背後から光を照射して鑑賞する。黒ラシャ紙には木綿針で穴を無数に開けて点描のようにして画を描く。最終的には針で開けた穴から光が漏れ出ることになるので、穴の大小や疎密により光の加減が変わる。点描だけでなく切り絵のようにして画を表現している部分もある。黒ラシャ紙2枚は微妙にずらしたり重ねる間隔を変えたりすると、奥行き感などに変化をつけられる……ということのようである。
メインの展示室はかなり暗く、ぼうっと淡く光る翳り絵——『銀河鉄道の夜』を描いた作品群——が壁をぐるりと一周するように掛けてある。画の背後にある光源から、紙に開けた穴や切れ目そしてアクリル板を通して微妙なニュアンスの光が届くので、『銀河鉄道の夜』の作品世界によく合う表現になっている。夜、星、宇宙を思わせる場面だけでなく、学校の教室の中のような生活感のある場面も宮沢賢治の物語らしい雰囲気をまとっている。
メインの展示より手前の出入口付近のスペースには、端正なジオラマ的な作品と、植物を用いたランプ作品が展示されている。金井作品に共通する特徴は、光よりも影がメインというか、光も美しいし必要なのだけれども同時に光が影の引き立て役のようにもなっていることだと思う。
最後に、縁あって自分が持っている金井作品(いろいろな植物を使ったランプ)を紹介することにする。
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Invisible奇候
窓の外は総てたわいない挿話である。熾火が時を経て蛍を遺し鮮明に刻印する思考濃度を確かめる。足を止めたときに憑かれる、いつか。術はまるでひどくおかしいのか、空穂舟はびしょうへと降下するんだって。あからさまで逆さまにしても芝居じみ、おちつかず、微睡み……類似を手繰らせ、急ぎお躾る。〈鉄条網のさきで〉ぐるりとみわたせば花托は煤けたようで拡がってゆく。ただ己の呼吸に縛られカラダをひきづってその場所へ、そのものへむかって、いつまでもなにもできずにいる 拒絶するものでしょう/これらすべては 知っていたか 〝Invisible〟 そのままの意味さ/ごらん。セピアの杜だ ビニールの淡い色彩を持つ差傘の賑わいだけ延ばして、何処かを浮かべ帯を引く。万物故に大柄のあとにして痺れ、窄んだ水母は輝き出る、そして逃げ腰の風紋。大通りに面したテラス席に座りこみ、しばし往来に視線を預ける。死神の名をこうしてもって想像します 引っ詰める髪を雑に解いて、落日と点滅する生命ひとつずらして、口にした敗は悪びれずに。あなたは普段 壊れやすい一礼をして、未練がましい手首ばかりがわぁと泣き顔を踏む。幸せを願えずどこか不幸をさずけてしまう所があります ~かたしなぢ仄かやあい聲や、左右によろねくこどしかできづ~ 祖は頷く波風の欠けた姿勢のみ曝し、廃線に沿って正す。頬染める夏模様ばかりが一雨きそうで。ならそうだね 入道雲を垂らした必然。――単純なわたしとは/きっぱり/ある点まで起き上がり、ようやっと続けられるあわい世界で胸に手を当て、気づけばもじょもじょしていた 荒んだ庭を眺めているのはまたあした。うん、この愁い開放の夢も、くねるものながら ザラザラとひらかれたこの翠雨よ。こんな具合 じゃ、結び、置き手紙を奏して 風鈴の訛りに隷シタガい給え。なんて実にひとつの玲瓏をいただく背景はさ 宵の花火まですこし休めると横になり、淡い雫を映してしまうよ あまり綴られた糸は今にも千切れそうで、切なさを不意に思いだすから弱々しく惚けていて 既にしゃぶりついた白紙の静寂なり。まだ投げかけた気配がないから結局、のろのろと拙い否か応か。あぁ萬畫のような素形だと遠くを看做ミナし、ふくよかな私すら消し去るのでした。 オシマイ。なんて葬するより鮮明な首を切る? もうすぐこれが手を握るの。だからぎゅっとよかったね、 コレが視野調和の習慣 そこまでの道のりと憶病で柔らかい棘であり、歪んだ小花が微動だにせずに、一冊の手記を携え喫茶店を訪ねたのか。その所為? と口を挟み、どこへでも翔けることが叶うようであった。とはいえ屁理屈は訪れ藍色の海のみなそこを現した、水葬に浮いている擬声と愛されることに、一斉にひぐらしと暗示して、なら。初夏はいま錆色の空に似つかわしくない香炉ひとつが与える情感であった。ほらほら、視覚は主張であり空虚とは気晴らしで。ね? いいでしょう 綺麗事はそれっきりだ。みぎわのにおいと猛言と 熱と肺腑にしみる浮雲を しぃと破片と造り込んでは、その上は短くて堪らなく愛おしい、怯えた仕草も表立つ。虚ろ目で流れ落ちる間隔 無作為に「そうかもしれないなあ」と見守るかたち。空は夜に溶け透明な動脈に従う、足は翼を持つらしい。ほぉ満ちていた、押し当てられたような痛みを伴って。然し、急がなければいけない『伝達』とはこう漂っている。均等にして微笑んでいるとき永久トワ ――遺体を骨にする。 そう反復するのでした/くりかえし/おちつかないツクリである種は訝しむ策も蒸した柵もない。よって庭は傷ひとつない、それなら芽吹いた先にある一本道の、単にせせらぎが無垢な幾千の防波堤は。ほんとうだ、干渉を嫌い凪と破れ、黄昏に折り重なるばかり。 それでいうことなら―― 月が綺麗ですね (〝奥行の足りない暗渠に冷たく狭まるモノ〟) 雨がやみませんね。 じゃあ「どうすればいいですか。」 ぜいぜい喉を鳴らしながら、 まさに喰みだした彼岸への問いかけにすぎない (まるでつつがない、ふちでおわりはじまる プラネタリウムだろ。あの時刻表ではひかりは呼びかけに答えることなく、跳ねる硝子でのびた魚、鋭利な白樺と、雲雀の幸福はながいあいだ寝冷えしていた) 彼方はどうせひとりで眠る。再会と出発までわずかに割る。どうせ古い果肉だと思った。 ――毒があるのかも痴れない。厭に瑞々しいから/じっと眺めていて。または身を委ねて。もう!! おなじように溢した星あかりは照らされた。薄い肩を震わせ ややこしいので特別だと枯れぬ、嘘ッ…… 熱い息を吐く/穏やかな寝顔の柔らかい死に包まれて挟んであり (今を、探している 誰そ彼のワタシハ 神様ではない) 悲鳴をこらえる/もっとも影がなく聞えたらしく流れ星を数えている 玄に歪んだ雲行きが溺れ向こう側が暗い (未成品の手紙を吐き戻す( 恋に熱に雨音がこもり )死より腐蝕したひかりが旗色に切れて )今やの飾りを打ち消すささやかな網膜が 港を認識する 、雷鳴を 掻き、毮る仕草 机上の蝋燭は強く揺らめき、闇を待つ。そう! 疎ましい箱庭除法。喉に絡む湿原を捉え深めるんだ 果たして不自由ならいっぺん尋ねる。おもいのほか、身なり背が高く奇数のランプの影はヒマワリひとり湛える境界なのだと、かこつけていった。いつも/とは/ほんとう/に目の前にぶら下がると。得るだけの季節と空間を憶えたのだ これら揃えたこの腕はおごそかな事を興せ。たとえば星砂糖を数個入れ、ひたひたの珈琲をこぼしてみる、この口に含んで暫く呆けることは旅路への支度をすることと同じ。PCを閉じ席を立つ/けれど瞑ったまま、つまびらかにかるく押されて緑と光に透かす mama いつかのナデシコを少々足してね。あれら全てちいさく纏めつつ、車窓だけを摘み取る御者がいるらしいが。そうであったのならまるで、さし貫かれ 涙ぐんでむせて、咳き込むとひとみは光と宿していたとも射えるんだよ つっかけの散らばる玄関などを通り抜け、腥温い風が障る。ただ受け入れた球体の彬しさは熱病の狂気におもう。それはちかちかとみれば、そこには しぶしぶ、どうしようと荒れ放題の皐月のツラがあり。いまやわらかで花を埋イける。指先が咲くからだ まるで蝕まれる/���りと 遮る物。閉じこもり悶々する筵そのまま 虚ろな手はない、意思の下に改めるからだばかり(いつも過去を窺え またも未来を奮う 今がまとまらず達する それはがっかりして丸まってしまうからだ。) 私はまなうらにある理想からはひじょうに、詳細は掴めないけど、空論を取り違えた屍は/口から勢いだけ流転させる心臓と蝶形のディテールを/鼓動は横たえた野アザミに押さえ/団居では白くとんで透き通る雨だれがぽろぽろ/つらぬくとともに殺されても好い。 ――時期、宵だとおもっていて この一幕に手をかける・祈り・かがむ。それだけの縊れたゼロからやり直し、ときに流され 私はくらんでいた。まっしろな帆の尾を騒がせ胸から口許までの腐りや楔を用い、根は腐り繕うこともできず、ありがたくも引導を渡す 栓で結ってもなにも塞がらない、まほう あのときの理由もなく傀儡もいばら その法楽 なにかわざわざ睨み付け、秘すれば花 そもそも光芒 ためいき ばらばらに髪を梳き、扇と流し込んだ水面はいつか澄みきるの だけど はかない/激しい/はなやかな。タマシイは内向きの銀河だろ だけどこの瞳に焼き付いた奥ゆかしさを。気がつくだろ皆、遠くの尾根をこさえるあいだ。納棺師はあおいあおいそらにしろく、しろいくもを濯ぎ、すこしずつ紬いでそらに流していく彼方とは、 芙蓉――縮んだ襤褸だよと、 そよ吹いて根も葉もない偽善者だと所詮茶化すもの だから、さぁ 2024/05/26
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to~you~♪
ですね、よく降ります(^_^;)
ということは、雨漏りのお電話もよく鳴ります。(^_^;)
これも一年の風物詩w
ご一報いただければ すぐさま惨状いたします。
といいながら 先週末から少しお休みをいただきまして、石垣島に
そして私の聖地西表島へ
ちみにここは✫星砂海岸✫
いつ行ってもええとこや〜。
西表島は一部廃村になったところがあり、道が一周まわれなく今では人が立ち入れない場所がありまして、
そこに船で送ってもらうもと
そこには楽園が広がっています。
帰りたくね〜。
って私のフィールドは川でした。
それでは長年通ってる私のフィールドの川の説明!
西表島には大見謝川(オオミジャガワ)と言って珍しい川があります。
何が珍しいかというと、
海に流れ込む河口部分が岩盤で海水面からけっこうな高さの段になっていて、
そのため満潮になっても海水が混じり合わなく汽水域のない淡水だけの川なのです。
普通、小さな島には山があっても標高は低く全長は短く高低差が少ないので、海水はかなり川に入り込みます。
そんな島で海水が入らないということは
下流に汽水域がないので、普通の川の中流に住む魚が、大見謝川では下流付近に住んでるんですね。
今回石垣島にある荒川という川も今回初めて探索してきましたが、
大見謝川の下流付近の魚が、この荒川では中流までいかないといないんです。
ちなみにハゼはウナギや鮭のように、一度は海に下って 、卵を生みにまた川に登っていくんですけどね。
ってこんな話おもろないですね(^_^;)
すいません。
ゴリラ岩 !!
あなたはゴリラが1頭でしたか、
実は2頭いるとも言われてますw
とそんなこんなで、今回わたくしのハゼの師匠と共に西表島、石垣島の探索をしてきたものの一部と 師匠の専門トビハゼの展示会をやりまーす。
と偉そうにやりますなんて言うてますが、私はちょこっとお手伝いするだけなんですけど(^_^;)
その案内を自分の作った村の掲示板に貼って回る私!
こんな程度w
7月5、6、7日に水間寺境内の桜のテラスにて、
「へんなハゼ展」が開催されます。
そしてその前には
はい 和歌山の展示会!
6月29日〜3日まで
和歌山市内の小松原アートスペースにて
ほんまはこっちが本命やったんやけど、無理言ってその流れで水間の子供にも観せてあげて下さいと便乗してもらったのよね〜w
だから、いっぱい来てくださるととても嬉しい(^_^;)
師匠ありがとうございます。
やってまーす。
阪和道 貝塚インターから車で50分です。
ちょっと和歌山にドライブがてら行ってみてくださいね。
和歌山は少し遠いかなと思われる方は、
貝塚市水間町 水間寺境内
桜のテラス2階にお越しくださませ。
是非に是非にお待ちしております。
と宣伝して、今週もお疲れ様でした。
お仕事は小屋の基礎づくりしていまーす
貝塚市清児 小屋新築工事
貝塚市 岸和田市 泉佐野市 泉大津市 和泉市 泉南市 阪南市 熊取町 忠岡町 田尻町
貝塚市水間町 新築 リフォーム坂口建設
天然素材スイス漆喰カルクオウォール
リボス自然塗料取扱店
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住めば気狂い花の都
たのしいおもいでも、つらいきおくも、ほろにがく反芻する。むさくるしく空虚な嘘の中心に足を運ぶ なんども。ざわつかせる世界もこの胸も、白い目で見る明けの明星の強さに趣を見つけるには 目障りな目的地を退去させよ ただ当たり前に等しい月出したその陽よ反逆せよ ここは住めば都 どんな街でも、現場は水嵩近く美術館にあり、賑わいを魅せるドブ川の繁華街を吹き抜ける いわゆる寄る辺なさとして雑魚寝している。空き地における楓の二重人格の処分は ロケーションも完璧なくせに誰も振り向かず、毎回あっけない幕切れで日記帳の片隅にひっそりと描かれるはずだ けれど魅惑的お化け屋敷に変わる、ように繰り返し冷静さを欠いた重力が蔓延する なら花鳥風月の、不透明な気分の大草原の演説にただ耳を澄まし不貞腐れる。そんな辛気臭いのかもしれない、ゆとりがない手を当て 肌に合わない型を破る、水平線にこだわる闇が言う、若葉だけがぐいと駆動するのだ 口直しする性交症と手相占いの話題が 経済的にも社会的にもなれない反面教師と頬を撫で、愛情表現も雲隠れの他界した奴隷と執着する美徳はどこか、達観した無言の大洪水を引き起こした、孤獨と滑舌を活版印刷する ここがホームタウン、影も形も魑魅魍魎、忘却曲線の最中にあり 裸足に対し厭う、見しらぬ惑星の領域に散らばる悪性は、塗装が剥がれレンズを向けてしまえば、木工の船を操る依頼者が小さく古いキッチンを跨いで、インチキめいたインスタントコーヒーと 深海魚の思春期と嗅ぎつけた、早朝のまな板の上にいったい 愛書暮らしのカルト集団みたいなときの消しゴムで、影響を漂白し投光する放課後の寄せ集め、ノアの方舟に宣って移行するバカ者共が童話みたいに 弔いの唄を焼却するにただ、あのときの菜の花が咲く河川は移ろい、暮れ泥む永久凍土は水増しされる途中にあり したがって朽木、炙り出しの挨拶の成功例は空腹のまま不明だった いまにして喉元すぎればとまぼろしと説明するひとさらいの。みなさん例えばとダンスホールの暑さが和らぐような 軌跡や停留所の影響を述べたら、たまり場的ジオパークの幕切れが用意されるという 小春日和のいちにちの 閑散を濃淡と騒めかせる、あてどもない作業風景の意味、代わり映えもしないくせにうってつけの出会い、その日を最期に嘲笑う おぞましいほど消耗品の日常はつとめてやわらかな圧着で大差なくひっついて、季節外れのながしかくに声を枯らして取り組まれる 無資格に目を盗んだ作用点の、波風だけが立つ、それが――野良犬でも飼い猫でも 〈ゆれて ゆれて、よこたえて ぶれておちる。〉 2022_5_18
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