#気分は早く今年1年が過ぎてほしい
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papatomom · 1 year ago
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2024.1.8(祝日)
2,3年前あたりから公私ともに忙(せわ)しない気がする。たぶん地区の仕事も引き受けたので、そのせいもある。
ほんとに忙しないのか。たぶん、忙しないと思ってしまう(思いたくなる)のが一番の要因かも。無駄なことに時間を費やすことの方が、圧倒的に多いのにね。
ところで今年は少しお勉強をして、知識を増やしていきたい、と思っている。今の時点でまだ「思っている」ので、甚だ怪しいのだが、年の初めでもあるしとりあえずそういう風に考えている。
能登地震について、羽咋の親戚���避難所から3日の午後には家に戻って、現在水道も復旧したようなので、とりあえずホッとしている。
金沢市でも県庁近くの道路が傷んでいるところもあるようだ。近くの金沢港も液状化したしね。また福井県でも壁の石膏ボードにヒビが入っている家や会社もあって、石川、富山、新潟ほどではないけれども、こちらも影響が出ているような状況です。
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ari0921 · 28 days ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和七年(2025年)4月1日(火曜日)
    通巻第8718号 <前日発行>
北極海航路をロシアと中国が抑えようとしているのは西側の脅威
トランプの「グリーンランド領有」発言は,冗談ではなく本気だ。
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 「わたしが三期目を考えていることは冗談とはとらないでほしい」とトランプが発言した(ロイター、3月31日)。これはトランプ大統領がABCニュースに語ったもので「いまは二期目に集中しているし、その問題を熟慮するには時期尚早。有権者の支持があれば、いずれ考えるだろうし,手段はある」。
 三期目に挑むとなると改憲が必要だから、とても本気とは言えない。
けれども、トランプの「グリーンランド領有」なる発言は,冗談ではなくどうやら本気だ。
 2025年1月7日だった。トランプ長男のドナルド・トランプ・ジュニアが「トランプ号」で、グリーンランドに着陸した。
空港には歓迎するイヌイットエスキモーら現地人がかなりあつまった。
 ついで3月28日、JDバンス副大統領夫妻がグリーンランドを訪問し、米軍が租借するピッフック宇宙基地に赴いて演説した。
 バンス副大統領は言った。
 「グリーンランドに対してのアメリカの投資は良い結果を産む。デンマークは安全保障を怠った。デンマークの傘下にいるより、(より軍事力の強い)��国の安全保障の傘下に入った方がずっといい。グリーンランドはアメリカの安全の傘に入れば、安全保障の立て直しが可能である」。
 トランプ米大統領は、デンマークの自治領(グリーンランド)併合に関して、本格的な話し合いを行ったと述べた。「我々はグリーンランドを手に入れる。軍事力なしでそれができる可能性は十分にある。グリーンランド併合は国際平和と国際安全保障と強さの問題である」と述べた。
トランプ政権の主張は徹頭徹尾、安全保障問題である。
つまり北極海航路をロシアと中国が抑えようとしていることは西側全体の脅威ではないか、と言って警鐘と乱打しているのであって、NATOなどの鈍感さを直截に批判しているのである。
 ▼反撥強めるデンマークやNATO諸国だが。。。
 アメリカ大統領の発言に対して、デンマーク国防相は、「このような言動は親しい同盟国としてふさわしくなく、緊張を高めるだけだ。トランプ大統領は行き過ぎだ」と非難した。
 またデーマーク自治領としてのグリーランド首相ニールセンは「我々の招来は我々が決める」とし、トランプの申し出を拒否した。
 グリ���ンランドの議会選挙では、トランプの提案に反対する政党が多数派となり連立政権が誕生する。
「ワシントンはルールブックのない、国際秩序のあいまいな規範さえも、国際法を尊重していない。一般的な礼儀、外交形式、基本的な倫理などが忘れ去られている」とするのが国際世論で、グリーンランド自治政府も不快感を示した。
クレムリンのペスコフ報道官の言い分はやや飛躍的である。
「ほとんど不条理。しかし不条理さは最悪なことではなかった。ホッブズ的な国家の世界では、臆病者は自らを最も傷つける。だからこそグリーンランド人が米国に対して『うせろ』言うのは正しい。現状では、彼らは『宇宙最大の暴君』(トランプ大統領のこと)に勝てないかもしれないし、必要ならできることで妥協するのが賢明だろう。
一つだけ確かなことがある。彼らはひっくり返っても何も得られないということだ。ヨーロッパの植民地時代の遺産は今こそ消え去るべき時だ」(たとい米国がグリーンランドを領有したところで、それは帝国主義時代の植民地経営にあたり、得るものは何もない、という意味) 
最初は突拍子もない冗談か、思いつき発言かとおもわれたトランプのグリーンランド領有宣言だが、これはパナマ運河奪還とひとつのセットとなっている。
くわえてメ���シコ湾の改称、カナダの合邦化も、こうした構想の周縁の発送から生まれている。
常識的に考えると不条理そのものだが、歴史にはときどきハプニングも起こる。
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bastei · 4 months ago
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2024
自然界に存在する4つの力と忘れ去られた1つの結末
 あっという間に自分の番になった。前日が終わる頃になってようやく焦り始め、22時くらいからなんだかわからないものをずっと書いていた。日記を書くようになったのは小学生の頃で、世の中や周囲に対する不満だったり、子どもであるが故に受けた些細な理不尽、くだらない遊びや諍いを、たった3行程度書いて先生に提出していた。今となってはその文献は失われてしまった。書いているうちに自分の肉体や思考はどんどん変化していったから、なぜそんなことを書いたのか今となってはわからないし、もちろん再現することもできない。その最後尾が、今書かれている文章になる。今では自分の頭の中にある花瓶のこと、月の裏側は想像することしかできないこと、撃ち尽くされた実弾と薬莢のこと、互いに引かれ合う最も弱い力、忘れ去られた1つの結末、クリスマスを前にしてそんなことを書いている。
 自然界には4つの基本的な力が存在しているらしい。自然界で働く力を作用ごとに整理し、素粒子(基本粒子)に働く力として最終的にまとめられた、強い相互作用、弱い相互作用、電磁気力および重力の4つの力がこの世には存在しているという。このうち、電磁気力の大きさを1とすると、強い相互作用は100、弱い相互作用は1/1000ほどである。そして重力は「10の−38乗」という桁違いに弱い力である。この身体をこの地球の表面に繋ぎ止めている重力が、最も弱い力だということが意外に感じられる。重力が斥力を持たず互いに引かれ合う力だから、地球の質量が膨大で結果として強い力となっているから、などと理由はつけられるかもしれないが、詳しいことはわからない。とにかく私は地球に強く引き留められている。
 遠くにいる友人や、もう二度と会えない人のことを考えるときには重力のようなものを感じることがある。あるいは、それよりももっと弱い力を感じることがある。10のマイナス何乗かわからないが、量子的な結びつきよりも、自身に差し迫った有限性をもとにして肉体に作用する力が存在している。
納屋を建てる
 男は大学を卒業すると、学生時代から��き合っていた女と早くに結婚した。なぜこんなにぼんやりした男に、呆れ返るほど美しい妻がいるのか周囲は不思議思うかもしれない。しかし男にはなんというか優しいところがあり、無駄な行動力があり、時折見せる誠実さのようなものがあり、長い付き合いがある私とすれば自然なことに思われた。
 あるとき、夫婦のうちに身を引き裂かれるような悲しい出来事があり、妻は実家に一時的に帰省することになった。時間を持て余し、あまりに多くのものを失った男が考えたのは納屋を建てることだった。DIYが流行っていた時期で、便利な納屋を庭に建てれば妻も喜ぶだろうという優しさもあって、基礎から打つ徹底ぶり(彼の中では近年稀に見るほどの)を発揮し、目標に向かって前進する無駄な行動力をもって遂に納屋は完成した。
 しばらくして、自宅に戻った妻が完成した納屋を目の当たりにすると、その納屋が触れてはいけない部分に触れてしまったのか、彼女はその場で崩れ落ちて号泣した。元来の納屋が持ち得ない記念碑的な要素がそこにはあったのかもしれない。女性特有の癇癪は止まらず、ほとんど聞く耳も持たず、「なんでなんの相談もなく納屋を建てたのか?」とクリティカルな質問が投げかけられた。「なぜ納屋を建てたのか?」ということはいくつかの要素の積み重なった複合的なものであり、時間が経てば経つほど「なぜ納屋を建てたのか?」ということは本人にもわからなくなっていった。加えて、男は駆けつけた妻の両親にひどく叱責された。「A君、納屋は立てちゃあ、いけないよ。誰にも相談せずに、納屋を、立てちゃあ、いけないよ。」大事なことだから2回いました。妻に隠れて納屋を建ててはいけません。しかし、「なぜ納屋を建ててはいけないか?」ということもおそらく複合的なもので、問いかけるたびに姿を変え、はっきりとした答えは出なかった。夫婦関係は大きく冷え込んだ。納屋のことは「な」の字も話題に上がらなかった。ピンク色の像を想像しないでください、と言われてなかなかできるものではないが、夫婦はそれを実行した。そして男は無駄な行動力で、そこに納屋があったことも悟られないくらい徹底的に納屋を破壊した。基礎は解体され、地面は均された。最終的には男が時折見せる誠実さによって、夫婦関係は修復されていった。
 それから数年が経過し、相談したいことがあって久しぶりに友人へ電話した。妻との諍いが続いており、気のおけない友人の助言を頼りにしたかったのである。ひとしきり事情を説明すると、
「それってつまりさ、納屋を立てちゃあいけなかったってことだよなあ」と彼は警句のように言った。
 村上春樹の短編に「納屋を焼く」というものがある。アフリカ帰りのある男が、主人公に対し、納屋を焼いて廻っていることを告白する話である。
つまり僕がここにいて、僕があそこにいる。僕は東京にいて、僕は同時にチェニスにいる。責めるのが僕であり、ゆるすのが僕です。それ以外に何がありますか?
 と男は言う。終始不穏な手触りのある小説である。
 うろ覚えだが、パントマイムをする女が出てきて「蜜柑剥き」のパントマイムをする。「蜜柑向き」のパントマイムをするコツは
そこに蜜柑があると思いこむんじゃなくて、そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ
 と女が言う。最終的にはモラテリティーとは同時存在のことです、ということらしい。今日も世界中で建てられる納屋と焼かれる納屋のことを考えては仕事が手につかなくなった。
 電話をした次の日には、たまたま出張で来ていた父と数ヶ月ぶりに会った。合流すると自宅周辺にあるバーにいった。行きつけとまではいかないが、落ち着いて話をしたいときにはよく来ている場所かもしれない。壁一面に大量のウイスキーの瓶が並べられており壮観である。メニューには一杯十万円のウイスキーなんてものもあり、それを見た父は店内に響き渡るほどの感嘆の声をあげていた。酒もまわり、納屋を建てたり、焼いたりする男たちが話題となった。
「俺にはよくわからないけれど、納屋ってもんは何かのメタファーを持ちうるものかね」と私は聞いた。
 すると父は「そういえばキリストも納屋で生まれた」とだけ言った。
 酒が回っていたことや、自分の予想を超えた解答のくだらなさも相まって久しぶりに心の底から笑った。そうか、そんな時代から納屋なんてものはあったのか、と思って抱えていた複雑な事象や色々なことがどうでも良くなってきた。2024年前に納屋で生まれた男のことを考えた。納屋を建てもせず、焼きもせず、そこで生まれた男の存在を想って、今日はよく寝られると思った。
成長
 息子の爪を切っているときに、指がとても太くなったなあと思った。一方で自分の爪に縦の線が増えてきて、何かの病気かと思って調べたら「老化」と書かれていたときには悲しくなった。
 最近は「ティッシュってなにでできているの?」とか、「リモコンってなにでできているの?」と手当たり次第に原材料を尋ねるようになり、いわゆる「なぜなぜ期」というものが始まった。日経新聞で読んだ記事(2024年12月10日 なぜなぜ期は思考力向上の好機)では、「なぜなぜ期」子どもの発達面での大きな節目と考えられているらしい。
 4歳ごろは、子どもの発達面での大きな節目と考えられており、思考レベルがぐんと上がる時期。特徴的な例として、2つの物事を混同せずに比べたり、結び付けたりして考えるようになる。物事の因果関係にも興味を持つようになる。  この時期になると、自分の考えと他人の考えは同じではないと分かり、他人の気持ちを���解しようとする姿勢が見られる。さらに過去と現在、未来の時間軸を認識できるようになるので、体験していない「未来」があると分かり、自分の未来にも関心が出てくる。  こうした成長は喜ばしい半面、新たな認識が生まれ不安や恐怖を抱くようになる。特に大きいのが「未知への不安」だ。3〜5歳の時期は死に対する理解が進み、死への不安や恐怖を覚え「自分もいつか死ぬのかな。お父さんお母さんも死んでしまうのかな」と思い巡らす子どもも出���くる。
 ある日寝る前に、「お父さんのおじいちゃんはいるの?」と聞かれた。おじいちゃんは今から8年前に亡くしており、この世にもういないことを伝える。
「死んじゃうと会えないの?どうなるの?」
「死ぬとそうだなあ、俺にもわからないけれど、死んだ人に会うことはできないよ。死ぬと全く動けなくなる、大切なものが失われる、話したり、食べたり、遊んだりと言うこともできない。石のようなものになるんだよ」
「お父さんは死なないの?」
「お父さんもいつかはきっと死ぬよ」
「そうなんだあ」と言って黙っていたので死の概念はまだ理解できず、息子は寝たものと私は思っていた。ところが次第に鼻水を啜る声が聞こえ、うっすらと涙を浮かべていることに気がつく。やはり怖くなったのだと言う。そうして今この瞬間に、息子は死の恐怖とそのざらりとした手触りを実感したのだ。私はその事実に想いを巡らせることになった。
 気を付けたいのが、終始理屈で説明してしまうことだ。子どもが不安や恐怖に根ざした質問をするときは、親に「不安な気持ちを分かってほしい」と思っている。そんなときは「心配しなくても、大丈夫だよ」と、まずは安心させる言葉をかけてあげよう。
 とその記事に書いていたことを思い出した。初めて新聞を読んでいて良かったと思った。
「心配しなくても大丈夫だよ。怖くなったら、お寿司とか、好きな人のことを考えるといいよ」
「そうすると多分寝られると思うよ」と言うとしばらく泣いてはいたけれど、いつの間にか寝ていた。なんだか途方もなく大きくなったものだと思った。そして自分自身も忘れ去られた一つの結末を思い出したことで少しばかりの恐怖を感じたのだが、子どもの成長を目の当たりにすると些細なことのように思われた。
終わりに
 この文章を書いているうちに、そういえば自宅の納屋の扉が老朽化して、風で飛ばされる事態が発生したことを思い出した。部品を注文しているが年明けになるとのことで、修復には時間がかかるものと見ている。私は納屋を直す男である。
 この記事は2024 Advent Calendar 2024の23日目として書かれました。22日目は nagayamaさん、24日目はtomoyayazakiさんです。
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ashi-yuri · 6 months ago
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Mouthwashing 「ある医務室の記録」
アーニャに関するごく短い掌編
<出航1週間前>
「1年ってだいぶ長いじゃない。よく受ける気になったわね。」
「かなり迷ったんですけど、終わったらいい額の臨時ボーナスが出るって。それなら奨学金の返済が楽になるし、今後のことを考えたらいいのかなって。」
「そうなの。まあ、部門縮小の噂もあるし、もらえるうちにもらっとかないとかあ。長期航海は小規模チームでも短期とはまたべつの大変さがあ��から、いろいろ気をつけてね。」
「はい、メンバーはベテランぞろいらしいんですけど。自分は長期ははじめてなので、船医としてやっていけるかちょっと不安で。」
「あんまり根詰めないほうがいいのよ。そうだ、帰ってきたらお祝いに、このまえ本社のそばにできた、話題のちょっといいパフェごちそうするね!」
「気が早いんじゃないですか?でも……ありがとうございます、楽しみです。帰って来た時も、まだお店あるといいな。」
「確かにねえ。」
<発見3日後>
「そこ、3号、鼻から血を流してるほうの奴な、バイタル記録みたら二人分らしいぞ。」
「そっすか。」
お得意さんからまわってきた孫請け仕事の事故処理現場は、思ったよりきれいで助かった。ロケットの損傷は軽微、現場の保存状況は良好、内乱で死んだらしい死傷者たちの外傷・腐敗は最小限で済んでいる。空気が漏れた宇宙船の破裂した人体ほど悲惨なものはないから、だいぶ運がよかったものだ。その分、苦悶の表情がよく見える。
けれど、その表情の先を読み取ることはしない。仕事を続けるためには必要なことだ。それが自分の仕事。それで金を受け取っている。3号の顔は物言わず虚ろなまま自分を見つめ返す。この船はもうすぐ爆破処理される。船は会社が抱き込んだ査定員のもとで保険金へと変わり、その金は会社と遺族へ引き渡されるだろう。仕事は終わり、金だけが巡っていく。
あなたは必要なものを受け取った?
<衝突30分前>
銃だけは、ぜったいにあの男に渡してはいけない。
緊急避妊薬の使用期限は過ぎてしまった。どうしてバイタルチェックを見逃してしまったのだろう。ピルは飲んでいたはずなのに。でももう泣き言は通らない。結果だけがすべてだ。妊娠したことを告げたとたん、あの男はふらふらとなにも言わずに立ち去った。
ふしぎと驚きはなかった。期待していたわけじゃない。予想しなかったわけじゃない。けれど、強い失望だけがそこにあった。
不安とさみしさとプレッシャーの中で、あの男と関係を持ってしまったことをどれだけ悔いただろう。こちらを馬鹿にしたような素振りも、身勝手な欲望もイヤで仕方なかったけれど、決して私のことを見ることのない昏い瞳が見つめる先にいるときが、この逃げ場のない宇宙船の中での逃げ場所だった。
でもいまは、それ以上に嫌な予感がする。去る時に見た焦点の合わなかった目は、もうなにをしでかすかわからない気がした。
自分はあの男のメンタル不全の兆候を見逃したのではないか?同じく失調気味で、あの男のことに関してはまったく頼りにならない船長に、彼のメンタルチェックを任せたのは適切な判断だったか?船長の「異常なし」の所見を、本当に信じてよかったのか?精神を崩した患者に、過剰なショックを与えたとしたら……
ドンっ、と強い衝撃が襲う。バランスを崩した身体が床に叩きつけられた。
<過剰投与3日前>
『船医であるあなたが、船員のこころと体を守るの。完璧はむりだけど、せめて船を動かし続けられるように。だから、絶対に医務室では主導権を渡してはだめ。医務室の主はあなた。どんなベテランだろうと船長だろうと、みんな等しくあなたの患者なの。患者の健康管理があなたの責任。わすれないでね。』
先輩の言葉が今さらよみがえる。ここは、医務室は、もう私の場所じゃない。部屋の中央で船長だった肉塊が苦しみの声を上げ続ける。それを聞くことがつらくて、あの男に鎮痛剤の投与を任せたら、ずっとこの部屋に入り浸りはじめた。私のことも、お腹の子のことも、一度も口にせずに、船長の包帯を巻きなおし、薬を飲ませ、甲斐甲斐しく世話を焼き続ける。本当は、あの男を追い出して、私がしなければならないことだとわかっている。船長には船長として、船医には船医としての役割と責任がある。でもその苦しみを引き受ける気には、どうしてもなれない。
船医なのに、自分自身も、船長も、あの男も、この子のことも、だれの健康も守れなかった。
今となっては、この船全体が病んでしまった。船内はどこに行ってもアルコール臭いマウスウォッシュの臭いが漂い、きもちわるくて吐きそうだ。もうずっと、だれにも言えないけれど、気分がわるくてきもちわるい。媚びを売るようにして手に入れた鎮痛剤は、私ではなく船長のためのもの。食事管理もバイタル管理もなくなって、もうこの船に健康なんてどこにもない。
医務室の椅子に座って、うめき声とあの男がなにかぶつぶつ言う独り言を聞きながら、ただ失敗した、責任を果たせなかったという考えだけが頭に浮かび続ける。
<過剰投与3分後>
くるしいくるしいくるしい。
だけど最高に気分がいい!!
ロックのかかった医務室の中、なすすべなく横たわる船長と自分だけがここにいる。
今、ようやく、この部屋の主は私だ。だから私が患者の、自分の生死を決める。
あの男が逃げ出した責任、私の果たせなかった責任、すべてが身を苛んであまりにも苦しい。この身体もお腹にいる子も生きたいと叫び続けているのに、私はもうこの苦しみに耐えられない。
鎮痛剤を船長に分け与えれば、この意味のない苦しみを終わらせられるだろう。けれど私はただ、私に終わらない苦しみを与えたあの男と船長が、より長く苦しむことだけを願っている。希望のないこの場所で、生き続け、苦しみ続けることを!!
……私はどうして、医療の道へ進もうと思ったのだろう。
もう悲しくはないのに���があふれる。口の中を埋めつくす味のしない薬を噛み砕きながら、食べに行くことのなかった生クリームと果物たっぷりのパフェのことを思い浮かべた。
あとがき
誰にもかえりみられることもなく失われたものと彼女の責任について。
労働SFが好きなので、被害者としてだけでなく労働者としてのアーニャ見たかったなあと思ったので書きました。満足。
被害者としてのアーニャについてはこちらの考察を参考にさせていただきました。深く感謝。
【Mouthwashing】感想+考察|鹿
なお、後半アーニャが自分のことをひどく責める描写になってますが、男女比率の偏った孤立しがちでプライバシーも確保できないろくでもない労働環境(会社がわるい!)と不測の事態のなかで、非熟練者なのに頑張ったと思ってます。
いつかおいしいパフェを食べてほしい。
(おまけ)
ジミーとカーリーに関する所見+Mouthwashing感想
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kennak · 2 months ago
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[17日 ゲルゼンキルヒェン(ドイツ) ロイター] - ラース・バウムゲルテルさんはドイツの政治家たちにお願いしたいことがある。彼は58歳で、工業地帯ルール地方の旧炭鉱都市ゲルゼンキルヒェンに残る数少ない製造業の会社の一つを経営している。しかし、彼の会社は他の多くの中小企業と同じく、ウクライナ戦争後に安いロシア産ガスの供給が途絶えたことで、高いエネルギーコストに苦しんでいる。 ヨーロッパ最大の経済国であるドイツは、2024年に2年連続で経済がマイナス成長となり、過去20年間で最悪の成績を記録した。特にゲルゼンキルヒェンは、ドイツで最も高い失業率を抱える都市の一つとなっており、このことが極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持拡大につながっている。 23日の総選挙を前に、ドイツの経済復興をめぐる議論が活発になっている。バウムゲルテルさんは、新しい政府がエネルギーシステムを再構築し、より環境に優しい経済への移行に必要なインフラ投資をすることを期待している。ドイツは、2045年までに、温室効果ガスの実質的な排出量をゼロにするカーボンニュートラルを目指すと公約しているからだ。 バウムゲルテルさんは、「ルール地方、特にゲルゼンキルヒェンを見ると、成長を維持するには継続的な改革が不可欠だ」とロイターに語った。彼の家族経営の企業は1889年に設立され、約2000人を雇用し、亜鉛メッキ鋼材を製造している。 エコノミストらの指摘によれば、ドイツの歴代政権は基本法に定められた「債務ブレーキ」の仕組みのせいで、公共インフラからスキルトレーニングに至るまで、衰退するドイツの経済モデルを刷新するために必要不可欠な各種の投資に踏み切れずにいる。 「債務ブレーキ」とは、2009年の金融危機に対して、メルケル首相(当時)のもとでドイツがとった対応の一つであり、連邦政府の財政赤字を国内総生産(GDP)比でわずか0.35%に限定するものだ。ちなみに昨年の米国の財政赤字は対GDP比で6%以上もある。 ロイターではゲルゼンキルヒェンの住民8人のほか、複数の有力政治家とエコノミストらに取材。彼らからは新政権はドイツ経済の復活に向けて、債務ブレーキも含め、緊縮志向・輸出主導のモデルの抜本的な見直しを検討すべきだ、という声が上がる。 総選挙後の連立政権では、最大野党の保守「キリスト教民主・社会同盟」(CDU)のフリードリヒ・メルツ氏が首相候補として有力視されている。メルツ氏は公式には、債務ブレーキは基本法の規定として残さなければならないという立場だ。党内の複数の有力者は昨年夏、総選挙に向けたマニフェストにおいて債務ブレーキ改革を明言するよう求めたが、メルツ氏はこの要請を拒んだ。緊縮財政を支持する保守的な有権者にアピールするためだった。 しかし、CDU関係者への取材では、メルツ氏は、ドイツの経済や防衛における大規模な支出の必要性から、改革は避けられないと内々に認めているという。特に、トランプ大統領の下では、米国の欧州安全保障への関与がもはや当然のことではないからだ。 ドイツのある連邦州の保守派指導者はロイターに対し、微妙な問題であることを理由に匿名を希望しつつ、「もちろん、総選挙後には改革を行うだろう」と述べた。 <住民からも改革を求める声> ゲルゼンキルヒェンでは、至るところに衰退の兆候が見られる。この都市は「奇跡」と称された戦後のドイツ経済復興で大きな役割を演じたが、1960年代の石炭産業・重工業の衰退とともに没落が始まった。人口は当時の39万人から、現在では26万人へと減少し、地元経済は急激に縮小している。 公式統計によれば、住民1人あたり所得はドイツでも最低の水準であり、子どもの貧困率も最高レベルだ。住民の多くは、経済が自分たちに都合良く回っていると感じられなくなり、改革を望んでいる。 炭鉱労働者として4世代目となるクラウス・ヘルツマナトゥスさんは、炭坑閉鎖のために、2000年に40才で早期退職を余儀なくされた。わが町の衰退がドイツの別の場所に広がっていくのを暗澹(あんたん)たる思いで見守ってきた。 ヘルツマナトゥスさんはロイターの取材に対し、「ドイツは工業国だ。工業を混乱に陥れるわけにはいかない」と話し、中央の政治家たちがドイツの衰退を放置しているとして延々と不満を口にした。「企業には低価格の���ネルギーを供給しなければならない」 住民の多くは希望を失い過激主義政党に引き寄せられている。かつて、現在の与党、中道左派の「社会民主党」(SPD)の強力な地盤だったルール渓谷では、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が台頭。支持率では、全国でもCDUに次ぐ2位につけている。ゲルゼンキルヒェンでは、昨年6月に行われた欧州議会選挙でAfDの得票率は22%となり、ドイツ全体では最も大きな成功を収めた。 AfDはエネルギー価格の問題が得票の鍵を握ると考えている。ドイツは主要政党が足並みをそろえて原子力からの段階的な撤退を2000年代から進めているが、AfDはこれに批判的だ。 地元のAfDの担当者クリスチャン・ローゼ氏は、「私たちは世界で最も安全性の高いドイツの原子力発電所を閉鎖してしまい、フランスの原子力発電所から電力を購入している」と語る。 2023年4月に最後の3つの原子力発電所を停止したとき、ドイツはフランスからのエネルギーの純輸入国となった。フランスはエネルギーの70%を原子力で生産している。もっとも、フランスからのエネルギー輸入はドイツのエネルギー消費のわずか3%に過ぎない。 総選挙後に連立政権の中心になると予想されるCDUは、原発再稼働の可能性を否定していない。党首のメルツ氏は原発の稼働停止について「致命的な決定」だったと表現している。 二酸化炭素排出量の「ネットゼロ」目標を先送りすべきだとする企業寄りの意見もあるが、政界のコンセンサスは依然として、気候変動関連の目標達成を維持し、新世代のグリーン雇用、グリーン成長を促進することだ。 問題は、そのための財源をどこに求めるか、だ。 IW経済研究所の試算によれば、エネルギー需要から気候変動対策、住宅や輸送、教育に至るまで、ドイツが抱える構造的な課題に対処するには、今後10年間だけでも6000億ユーロ(約95兆2100億円)が必要になる。 ドイツの昨年の政府債務残高はGDP比で約63%と大半の国よりも余裕がある。対照的に、米国の政府債務残高はGDP比で123%だ。 特にドイツの右派にとって、債務ブレーキの維持は聖域だった。だが、状況は変わってきた。 想定される改革の1つは、ドイツの16連邦州に課されている歳出制限を引き上げることだ。連邦州の地方予算の使途は、福祉住宅からグリーン移行に至るまで多岐にわたる。州政府に対する債務ブレーキはさらに厳しく、年度単位での赤字はまったく認められていない。 メルツ氏に財政問題について助言する側近の1人、マティアス・ミドルベルク氏は、ロイターの取材に対し、「連邦州の債務ブレーキの緩和はあり得る」と語った。 IFO経済研究所によれば、財政赤字をわずかに増やせば年間60億ユーロの余裕が生まれる。しかし、小さな額ではないが、これでは経済を一変させる決定打にならないのは確かだ。 もし、メルツ氏が長期投資など一部の歳��項目を債務ブレーキの対象から外すことに同意して、左派の「社会民主党」(SPD)」と「緑の党」が彼の大連立政権に加われば、さらなる進展が期待できる。しかし、メルツ氏はAfDとの協力については否定している。 フンボルト大学(ベルリン)経済史研究所のニコラス・ウォルフ所長は、「現在は、ドイツが投資を必要としているのに、実際に投資を進めているのはドイツ以外の国ばかり、という時代だ」とロイターに語った。「まさに自殺行為に等しい」 どのような改革になるかは、総選挙の結果次第だ。メルツ氏に近い関係者は、11月にロイターに対し、同氏が債務ブレーキ改革について「何の予定もない」と公言する場合、それは「今のところは」という意味に解釈すべきだと述べた。 <「多くの過ち」> ゲルゼンキルヒェンの住民の一部は、当地の経済低迷の背景には、ドイツの指導者が改革に消極的だったことがあると指摘する。 世界各地の先進国が工業国から知識ベースの経済モデルへの移行を進める中で、かつては石炭・鉄鋼業で栄えた近隣のボーフムでは、早くからそうしたトレンドに気づき、1965年にはルール地方で初となる大学を創設した。 しかし、ゲルゼンキルヒェンの指導者らは、これに続こうとはしなかった。ボーフムの失業率は現在10%で、ゲルゼンキルヒェンより3ポイント以上も低い。 「『私たちには石炭と鉄がある。どうしてああいう頭のおかしな学者たちを集める必要があるのか』という雰囲気だった」。そう語るのは、約27年後の1992年になってようやくゲルゼンキルヒェンに創設されたウェストファリア応用科学大学のカールマルティン・オーベルマイヤー教授だ。 「私たちはひたすら重厚長大産業、伝統的な石炭に専念していた」と教授。「我々は多くの過ちを犯した」 ゲルゼンキルヒェンのカリン・ウェルゲ市長は、現在の連立政権与党であるSPDに所属する。財政上の制約が緩和されれば、近隣地域の再開発や教育への投資を中心に、同市の構造改革をやりやすくなるだろうと語る。 「ここでは州からの支援が頼みの綱だ」とウェルゲ市長は言う。「債務ブレーキ制度が改められれば、過去の債務の返済への道も開け、それもまた投資に向けた余裕につながる」 <速効性ある改革は望めず> ドイツ経済を注意深く追ってきた人々は、今回の総選挙で劇的な変化が生じるとは期待していない。すでに2つの主要な経済研究所は、2025年は3年連続となるマイナス成長になると予想している。ドイツの戦後史において、これだけ不調が長く続くのは初めてだ。 キャピタル・エコノミクスで欧州担当上級エコノミストを務めるフランチスカ・パルマス氏は、特にグローバル経済の目下の不確実性を考えれば、次期政権が大規模な長期的構造改革を優先する可能性は低いとみる。パルマス氏は、政策担当者が新たな成長セクターのためのビジネス環境の整備に注力し、デジタル化の促進とスタートアップ環境の改善を進め��ば、ドイツにとっての長期展望にもっと好影響を与えられるだろう、と指摘する。 「だが、ほとんどの政党がマニフェストでこうした問題を取り上げているものの、次期政権での優先課題になるかどうかは疑わしい」とパルマス氏。 ゲルゼンキルヒェンの元炭鉱労働者ヘルツマナトゥスさんは、「私たちはこの穴から再び這い上がれる」と語る。かつては炭鉱の町といえばSPDの地盤であり、ヘルツマナトゥスさんも同党を支持していたが、だいぶ前からCDUに乗り換えた。 ヘルツマナトゥスさんは、彼がボランティアとして運営している炭鉱博物館の来館者に向けて、「グリュック・アウフ(Glueck auf)」という言葉を送る。炭坑の底で1日の仕事を終えた労働者の挨拶で、「無事に地上に上がれますように」という思いがある。 「グリュック・アウフ」。この言葉をドイツ経済に向けてもよさそうだ。 (翻訳:エァクレーレン)
焦点:低迷するドイツ、総選挙で「債務ブレーキ」に転機か 政府支出増を求める有権者 | ロイター
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takahashicleaning · 3 months ago
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TEDにて
フロイド・E・ロムズバーグ:人工DNAの革命的な可能性
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
これまでの生物の細胞は、すべて、DNAの基本単位である4つの遺伝子文字(ヌクレオチド)、A、T、C、Gを元にしてできています。
しかし、現在はそうではありません。
先見性のあるトークを通して、合成生物学者のフロイド・E・ロムズバーグが、6つの遺伝子文字(4つの遺伝子文字+2つの人工文字)で作られた最初の生物を紹介し
この大きな進歩が自然による設計図の基本的な理解にどのように挑むのかを探ります。
あらゆる生物は、命ある物はすべて、DNA情報から創られてきました。どういうことでしょうか?
それは、英語がアルファベットから成り立ち、組み合わせて単語にすると、今日、私がお話しするストーリーを伝えられるようになるのと同じです。
DNAは遺伝子文字(ヌクレオチド)で作られ、それが組み合わさって遺伝子となり、糸のようにつながったアミノ酸が、複雑な構造に折りたたまれてでき��タンパク質を細胞に作らせます。
そのタンパク質が働いて細胞を機能させます。例えば、ストーリーを話すとかです。
英語のアルファベットは26文字ですが、遺伝子文字は4つです。
とても有名なのでご承知のことと思いますが、単によくG、C、A、Tと呼ばれます。生物のあらゆる多様性が、4つの遺伝子文字に起因するのだから驚きで。
英語のアルファベットが、4文字しかなかったとしたら、どんなストーリーが話せますか?遺伝子文字がもっとあったとしたら?遺伝子文字の多い生物は、色々な、もっと面白いストーリーを語れるのでしょうか?
1999年カリフォルニア州ラホヤにあるスクリプス研究所内の研究室で私はこの問題を研究し始めましたが、目標は自然界の4つの文字に新たに人工の2つの文字を加えた6つの遺伝子文字をDNAに持つ生物を創ることでした。
これまで創造された生物で、もっとも、根本的に変化させられた生命の形式になるでしょう。従来の生物より、多くの遺伝情報を保有する、半合成の生物です。
新しいタンパク質、通常タンパク質を作る20種類以上のアミノ酸からタンパク質を作れるでしょう。その生物はどんなストーリーを語るのでしょうか?
合成化学と分子生物学の力で、20年近い研究の末、6つの遺伝子文字を持つ微生物を創りました。
どうやったのかお話しします。
高校の生物学を思い出してください。
自然界の4つの遺伝子文字は、2種類の基本ペアとなります。GとC、AとTのペアです。新しい遺伝子文字を作るために、何百もの新しい文字候補を合成し、取捨選択して互いの選択的ペアとなる能力を、検証しました。
約15年の研究の末、少なくとも試験管の中では、相性の良いペアを発見しました。難しい名前があるのですが、単にXとYと呼びましょう。
次の段階で、XとYを細胞に入れる方法を模索し、藻類のあるタンパク質が、XとYを細胞に取り込むことを見つけ、この微生物でも働きました。そして、最終段階で、XとYを持つ細胞が成長して分裂し、そのDNA内にXとYを保持することを示す必要がありました。
気が短い私からするとそこまで辿り着くのに思ったよりも長くかかりましたが、この最も重要なステップは、私が期待したよりすぐにうまくいきました。早い話が即座にです。
2014年のある週末、私の研究室の大学院生が、6つの遺伝子文字を持つ微生物を培養したのです。早速、お披露目しましょう。これは実際の写真です。
初の半合成生物です。
6種の遺伝子文字を持つ微生物は、とてもクールですよね?皆さんの中には、いぶかしむ方もおられると思います。概念面と実用面からもう少し動機をお話しします。
概念的に、人々は「生物とは何か?」「命を持たない物との違いは何か?」を思考力を得て以来、ずっと考えてきました。
一神教では、多くの人々が、生物は完璧なものと解釈し、創造主がいる証拠として受け止めてきました。神が生物に命を吹き込んだため、生物は他とは異なるのです。より科学的な説明を探る人々もいましたが、それでも生物の分子を特別視していると言ってもいいでしょう。
進化は何十億年間にも渡り、生命を最適化し続けてきました。
皆さんがどうお考えであろうと無茶苦茶な失敗をすることなしに化学者が自然界の生物分子の内部や共に機能する新しい要素を作ることは、不可能に近いように思えます。
「私たちはいかに完璧に作られ進化したのか?」「生物の分子がいかに特別なのか?」こういう質問は、問うことすら不可能でした。
生物と比較する物がないからです。私たちの初めての研究からすると生物の分子は、そんなに特別ではないかもしれません。
私たちが知る生物は、唯一無二の可能性ではないかもしれません。もしかしたら、唯一の答えでも最良の答えでもなく、答えの一つに過ぎないかもしれません。
それらの質問は、生物の基本的問題に触れており、いささか難解なようです。
では、実用面での動機は何かと言うと遺伝子文字を増やした新しい生物が語る新しいストーリーを探求したいのです。ここでのストーリーは、細胞が作ったタンパク質とその機能についてです。
では、半合成生物は、どんな新しい機能を持った新しいタンパク質を作り利用するのでしょう?
いくつかの可能性を思い描いています。
まず、私たちが使用するために細胞にタンパク質を作らせます。現在、タンパク質は、兵士を怪我から守る物質から危険な化合物の検出装置での使用まで、ますます幅広い分野で応用されていますが、少なくとも私が、一番興奮する応用はタンパク質薬剤です。
比較的新しいにも関わらずタンパク質薬剤は、すでに医学に革命を引き起こしました。
例えば、インスリンはタンパク質です。お聞き及びかもしれませんが、薬剤として製造され糖尿病の治療方法を完全に変えました。
でも、問題は、タンパク質は作るのが実に難しく唯一、実用的な方法は、細胞にタンパク質を作らせることです。
当然、自然界の細胞を使えば、自然界にあるアミノ酸を持ったタンパク質を作らせることができます。タンパク質の性質や新薬開発へ応用は、タンパク質を作るアミノ酸の性質によって制限されます。
これらがそうでタンパク質を作るため自然界の20個のアミノ酸が連なっています。
ご覧のとおり、そんなに違って見えません。
それほど多様な機能はなくそれほど多様な機能をもたらしもしません。合成化学者が薬として作った小さな分子と比較してみましょう。タンパク質よりもずっとシンプルですが、通常、ずっと幅広い範囲の物質から作られます。
分子の詳細をお気になさらずともいかに違うかお分かりになると思います。そして、実際、この違いによって様々な病気を治療する優れた薬となるのです。
色々な物質からタンパク質が作れたらどんなタンパク質新薬が開発可能かと思いを馳せるのは実に刺激的です。
半合成生物に新しい多様なアミノ酸を含むタンパク質を作らせることができるでしょうか?
たぶん、そのアミノ酸は、意図した特性や機能をタンパク質に与えるよう選択されるでしょう。例えば、多くのタンパク質は、体内では不安定なのです。急速に分解されたり、体から除去され薬として利用できません。
より良い薬剤として使えるように新しいアミノ酸でタンパク質を作れるとしたら?
タンパク質を体内環境から守り、分解や除去から保護する物質をタンパク質に結合したら?
どうでしょうか?
他の分子を掴むことに特化した小さな手を持ったタンパク質を作れたなら?
新薬開発中、多くの小さな分子は失敗でした。なぜなら人体という複雑な環境で標的を特定できなかったからです。その分子を新しいアミノ酸の一部として作り、タンパク質に組み込みそのタンパク質を使って標的に誘導できるとしたら?
私はバイオテク企業、Synthorxを立ち上げました。Synth(合成)+or(生物)+x(未知のもの)という意味です。最後の「x」はそれが、バイオテク企業のすることだからです。
Synthorxは、私の研究室と協働し、人間���細胞表面にある特定の受容体を認識するタンパク質を研究しています。
しかし、同じ細胞の表面の別の受容体も認識してしまうのが難点であり有害なのです。2番目の悪い受容体と相互作用する部分を大きな傘みたいな物でブロックし、1番目の良い受容体とのみ相互作用するタンパク質を作れたとしたら?
それは実に難しく自然界のアミノ酸では不可能ですが、その目的に設計されたアミノ酸なら可能です。
半合成細胞を小さな工場のように働かせてより良いタンパク質薬剤を作るのは、唯一の興味深い応用という訳ではありません。
そもそもタンパク質が、細胞を機能させるのですから新しい機能を持つ新しいタンパク質を作る細胞があるなら自然界の細胞では、不可能なことをさせられるでしょうか?
例えば、人に注射するとがん細胞を探し、がん細胞を発見した時に限って細胞を殺す毒性タンパク質を分泌する半合成的生物を開発できたなら?
異なる種類の油を食べる細菌を作れたなら石油流失の掃除をするかもしれません、遺伝子文字を増やした生物が、語るかもしれないストーリーのほんの数例です。
素晴らしいですよね?
では、半合成生物を人体に注射したり、海や皆さんのお気に入りのビーチに膨大な量の人工細菌を撒き散らすのはどうでしょう?
ちょっと待ってください。怖いですよね?この恐竜は怖いのです。
でも本当は次の通りです。
半合成生物が生き残るには、XとYの前駆化学物質を与えられる必要があります。XとYは自然界に存在するものと全く異なります。細胞はこれらを持っていませんし、作る能力もありません。
実験室の制御された環境で準備、培養する際、自然界に存在しない大量の餌を与えます。
そして、人体に投与されたりビーチに放出されたりすると特別な餌にありつけなくなり、あまり成長せず少しの間、生き残っても目的の機能を遂行する程度の期間です。
餌を食い尽くし、飢え、餓死して消滅します。
生物に新しいストーリーを語らせるだけでなく、ストーリーを語る時間と場所も指定できるのです。
このトークの序盤で2014年にDNAにXとYという、より多くの情報を持つ半合成生物を創った話をしました。
ただ、お話ししたどの動機にも細胞がXとYを使ってタンパク質を作ることが必要で私たちはその研究を始めました。数年以内に細胞は、XとYを持つDNAをDNAの作業複製であるRNAに複製できるでしょう。
昨年末、私たちは、タンパク質を作るのにXとYを使えることを証明しました。
この講演の目玉である最初の完全な機能を持つ半合成生物です。
緑に光るタンパク質を作っているので細胞が緑に見えます。クラゲから取れるとても有名なタンパク質です。作ったものが見えやすいので多くの人々が自然の形で使います。
しかし、これらのタンパク質の1つずつに自然の生物がタンパク質を作れない新しい��ミノ酸が含まれています。
すべての生きている細胞が、4つの遺伝子文字を使ってすべてのタンパク質を作ってきました。ところが、これらの細胞は生きて成長し、6つの遺伝子文字を使ってタンパク質を作ります。
新しい生物の形です。生物の半合成の形なのです。
未来はどうなるのでしょうか?
私の研究室では、ヒトの細胞も含めた他の細胞の遺伝子文字を増やす研究をしています。より複雑な生物の研究も始める予定です。半合成の線虫を考えてみてください。
最後にお伝えしたいのは、私が申し上げる中で最も重要なことですが、半合成生物の時代はすでに始まったということです。
ありがとうございました。
クリス・アンダーソン:これは特に注目に値します。質問ですが、あなたの研究からすると宇宙の他の星に生物が存在する可能性についてどう考えればいいのでしょうか?
生物のすべてが、DNAに基づいているという仮定のようですが、自己複製分子の確率空間は、DNAより高いもがあるのでしょうか?6種のヌクレオチドを持つDNAよりも高いですか?
フロイド・ロムズバーグ:全くその通りです。
私の研究が示すものは、申し上げたとおり常に偏見が付きまといます。
つまり、私たちは完璧であり、最適化され、一神教では、神がこのように人間を作られ進化が我々を完璧にしたと私たちは自然界の分子以外に機能する分子を作りました。
それが示唆することは、化学と物理の原理に則るいかなる分子もそれらを最適化でき、自然界の分子と同じことをします。
そこに魔法はありません。
そのことは生物が異なる形で進化できることを示唆していると思います。他の種類のDNAを使って私たちと類似ものができるとか、全くDNAを使わないかもしれません。
クリス:確率空間は、どの程度だとお考えですか?知ることができるでしょうか?
DNA分子のようであったり、自己複製して潜在的に生物を創れる全く違ったものかもしれません。
フロイド:個人的意見ですが、新しい生物を発見しても多分気付かないと思います。
クリス:水などがあって生存に適した場所であるゴルディロックス惑星を目指して調査するなんてひょっとして非常に偏狭な仮説かもしれません。
フロイド:話し相手を見つけたいならダメかもしれませんが、ただ別の形の生物を探すというなら街路灯の下で生物を探せると思います。
クリス:全員を驚かせてくれてありがとう。
(個人的なアイデア)
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、���権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
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iamnothizanourahayao · 4 months ago
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2025/01/09
 ハムちゃんがここにきて管理入院になった。寝不足による高血圧と片頭痛があり、担当医が念のため、ということと、おそらく家で「その時」を迎えるよりかは相対的に考えて病院で過ごした方がお互い(つまり、おれにとっても)楽じゃないかということになり、管理入院してもらうことになった。
 ハムちゃんは病院の中でだけ血圧がめちゃくちゃ上がる、典型的な白衣高血圧で、これまでも病院で計るとすさまじく高い値になっていたが(とはいえ全盛期のおれと比較するとそれほど高いとも言えない)、家での血圧も徐々に上がっているし、なに��ろ神経痛で寝るのが辛そうだったから、こっちの方がいいのだろうと思う。
 とはいえ、想定していたパターンの中ではかなりイレギュラーだったので、陣痛バッグと入院バッグをおれが運ばなければならず、またおれも本調子でなく、よしお号でよしおと二人きり(注:行きは夫婦共々よしお号で送ってもらった。よしおからすればそれなりに知っている場所なので10分くらいで着いた)はきついし、タクシーは嫌いなのでわざわざ1時間以上かけて公共交通機関を使って往復した。めちゃくちゃめんどくさかったが、タクシーは運転手ガチャが精神的にしんどくてできれば使いたくないし、というかよしおと二人きりですらしんどいのに知らんおっさんと二人きりで車に乗りたくないわけで、つまりおれは実はタクシーがめちゃくちゃ嫌いなのだが、これがあんまり理解してもらえないんだよな。タクシーってすげーコミュニケーションコストつかいません? ほんとに苦手。誰かと一緒じゃないとできれば乗りたくない。深夜とかだったら(わりと心得たドライバーが多いので)そこそこどうにかなるんだけど、日中ってなんか「合わない」ドライバーにあたりがちなんだよな。記憶の中で。
 そんなこんなで仕事のことも出来れば考えたくないし、とはいえおれは来週末から事実上の育休(予定日前に休業できないのでもちろん有休を使う)に入るように調整しているのでいくらなんでも一週間半巻きはちょっとなあという気持ちもあるが、そもそも3か月も病休入って復帰したてのやつが何言ってんだというところもある。とにかく考えることが多いしめんどくさい上におれが苦手な要素が多すぎる。出産直前でこれかよ。出てきて使い物になるんかお前は。
 息子はおそらくいたって健康で(もうすでにおれどころかハムちゃんの出生時体重を超えているらしい)、子宮口もちょっと広がり始めたらしく、もしかすると本当にお産が早まる可能性があるらしい。おれは予定日より10日くらい早く出てきたが、ハムちゃんは予定日を過ぎているし、初産だと予定日より1週間以上早くなる確率は低いという。
 おれは2700グラム台でちょっとだけせっかちだったが、こいつはどうだろうか。少なくとも食いしん坊であることには違いないと思うが、はたして。ハムちゃんは華奢なので、でかい赤ちゃんが通り抜けられるのかはなんともわからない。でも担当医はその可能性については触れていなかったので(もちろん帝王切開になる可能性について言及はしたものの)、まあ、普通は通れないなんてことはないんだろうなと思う。
 今週は休ませてもらって、様子を見て来週出られるかどうか判断する方が、おれとしては健全だよなあと思う。お察しの通り、おれはおれでひとりきりで家にいられるのがいちばんマシだし、家の周りには喫茶店やファミレスがそれなりにあって気分転換しやすい。そういう意味ではいまのマンションに引っ越してよかったと思っている。
 職場の同僚はなぜか女児が多い。逆に、そうでない知り合いは男児が多く、特にうちの息子と同い年に限ればかなり男児が多い印象だけれど、なんかこう、女児が生まれやすい年と男児が生まれやすい年とかあるのかな、とか思った。
 ちなみに、11日に生まれればおれとちょうど半年違いの誕生日になる。25日だとよしおと誕生日が丸かぶりになる。27日が予定日なのだが、予定日通りだとおれの育休の手続きがめちゃくちゃめんどくさいので、できれば空気を読んで早く出てきて欲しいと思ってはいる。ただ、おれほどせっかちである必要はないよなあ。まあ、どれでも元気であればそれでいいんだけど。
 元気であればそれでいい、というのが親の心なのだなあ、と最近思っている。だからおれはもう親には死ぬまで会わないだろうな、とも思うし、さすがに親より先には死にたくないな、と思う。
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harima-ria · 4 months ago
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★2024年読書感想まとめ
 2024年に読んでおもしろかった本の感想集です。寝て起きると昨日のすべてを忘れてる……っつう繰り返しで日々一切が過ぎていくので、一年の記録をひとつにまとめとくのもいいかなと。以下ざっくばらんに順不同で。ちなみにNot 新刊、ほんとにただ読んだものの感想です。
◆◆小説◆◆
●アンナ・カヴァン『氷』(山田和子訳・ちくま文庫)  巨大な”氷”の進行によって全世界が滅亡の危機にさらされるなか、男はヒロインたる”少女”をどこまでも追い求める……。もっとゴリッゴリにスタイルに凝った幻想文学かと思って足踏みしてたのですが、こんなに動き動きの小説とは。意外なほど読みやすかったです。唐突に主人公の夢想(?)が挿入される語り口も最初は面食らったけどすぐに慣れたし。内容はウーン、暴力まみれの病みに病んだ恋愛小説という感じ? 構成の一貫性とかは疑問だったりしたんだけどそのへんはどうでもよく。後半尻上がりに面白くなっていくし色々吹っ飛ばす魅力があってかなり好きでした。  それと解説に書いてあった「スリップストリーム文学」というのがすなわち自分の読みたい小説群だなーという嬉しい発見もあり。つってもジャンル横断的な定義だから、該当するものを自分で探すのはムズいけどね。
●スタニスワフ・レム『惑星ソラリス』(沼野充義訳・ハヤカワ文庫)  何年も謎に包まれたままの海洋惑星に降り立った主人公が遭遇する怪現象の正体とは?……っていう超有名なSF。「実はこの海は生き物なんじゃね?」がオチだったらどうしよう……と思ってたけど杞憂、それは出発点に過ぎませんでした。途中に挟まる惑星ソラリスの(仮想)探険史の部分がすごく面白い。あとはこの小説のまとめ方はちょっと神がかってると思う……。自分はSFは全然明るくなく、ちょっと異様な感触みたいなものを求めてたまーに手に取るぐらいなのですが、その点この本はほんとにセンス・オブ・ワンダーを味わわせてくれて良かった……。SFオー��タイムベスト1とかになるのもむべなるかなぁと。
●庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(新潮文庫)  東大紛争終息直後の1969年を舞台に、あれこれ思い悩む男子高校生の一日を描いた中編。自意識過剰気味の饒舌な一人称文体が特徴で、すごくユーモラスだけど主人公がかなりナヨナヨした人物にも見える……。でもその中から、外界の強烈な変化に対してありのままで居られない精神の揺れみたいなものが浮かび上がってくるところがおもしろくて、確かに青春小説の名作かも……と思いました。  リアルタイムにはどうだったか知らんけど、今の眼で見るといわゆる”1968年”以降の状況とか、70年代カウンターカルチャー的な空気の”乱暴さ”に対する、一見弱々しいけど切実な返歌って感じもしました。  もっとも読み終えてから、この小説をあえて政治的な色で塗るならいわゆる”保守反動”的な感性に分類されるのかなぁとかはちょっと思ったけど。しかし、リベラルにあらざれば人にあらずみたいな価値観こそ断然間違ってるしなぁなどと、ひとりで勝手に問答したりもしました(笑)。それに現実的にはそんな二分法で単純に分けられるもんでもないだろうし。なんとなく「その時代の作品」という感じなのかと思ってたけど、今読んでも全然おもしろかったです。
●フランツ・カフカ『審判』(池内紀訳・白水uブックス)  理由も分からないまま突然逮捕された主人公が、裁判の被告の立場にずーーーっと留め置かれるっていうお話。何ひとつ確かでないものに延々振り回され続ける理不尽が、ときに笑っちゃうほど面白く、逆に陰惨すぎるくだりもあったりして、総じて非常に好みでした。バカバカしいけどブラックな不条理ユーモア小説? カフカって自分が漠然と抱いてたイメージよりもずっと大胆で、わりとアホなことをあっけらかんと書いたりもするのねーという発見がありました。このお話には裁判的なものの外枠と手続きのみがあって、そこに「法」はないのでは? というふうに読んでたのですが……。終盤の「大聖堂にて」っていう章が凄かったです��
●スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』(野崎孝訳・新潮文庫)  ニューヨーク郊外に暮らすギャツビーという名の大富豪の生き方を、たまたま隣に住んだ青年が垣間見る、みたいなお話。ストーリーそのものはわりとベタだと思うんですけど、それを語る会話パートの書き方の巧さと、ドラマの合間の地の文が醸し出すほどよい叙情性がすばらしい。純粋ゆえの虚飾、虚飾ゆえの純粋さみたいな、テーマの核心部分にもちょっと飛躍があって面白いなーと。この短さの中に、アメリカっていう国の一断面をパチリと切り取ってる感じがするのもまた。ひとことで言うと絶品でした。英語圏小説のランキング上位に入ってるのもむべなるかなぁと。
●三島由紀夫『仮面の告白』(新潮文庫)  この人の長編はあんま肌に合わないかも……と思って敬遠してたのですが、初めて好きなものに出会えました。言わずと知れた一発目の代表作。同性にしか欲望を抱けない青年の葛藤を、韜晦まみれの絢爛たる文章で綴った青春小説。個人的には、いわゆる”ふつう”でない自分を露悪的に飾り立てるような自己陶酔を振りまきながら、でもそれは”ふつう”でない自分を守るための防御姿勢にすぎなくて、結局は苦々しい現実と向き合わざるを得ない……みたいな話として受け取りました。読み方合ってるのか分からんけど。前半が下地で、後半がその実践編(あるべきとされる自分との葛藤編)なのかな。特に後半のなんとも言えないみずみずしさとその帰結がよかったです。
●横溝正史『獄門島』(角川文庫)  初・横溝。瀬戸内海の小島で巻き起こる猟奇連続殺人事件に金田一耕介が挑む。事件の過程はわりとふつう……と思いながら読んでいきましたが結局かなりおもしろかったです。振り返ると1から10まで本格ミステリじゃなきゃ成立しないような物語だったなと思って。国内ミステリーベスト1になるのもむべなるかなぁと。
●筒井康隆『敵』(新潮文庫)  折り目正しく”余生”を送っている渡辺儀助の生活風景を描いた老境小説。章題が「朝食」「友人」「物置」などとなっていて、各章ではそのカテゴリーごとに儀助の暮らしが掘り下げられていき、その積み重なりから彼の老境が浮かび上がってくる、みたいな趣向。特に食生活に関する記述が多いのですが、自分がほとんど興味ないのもあって前半は正直重く……。しかし地盤が固まり「役者」が揃ってからの中盤以降がけっこう楽しく、終盤は圧巻! けっきょく御大はすごかった……。  的を射てるかは分からないけど、小説の語り口的にもかなりおもしろいことをやってるような。老主人公の生活が章ごとにあらゆる角度から掘り下げられていきますが、そこで語られてるのは「ここ数年の彼の生活のディティール」っていうフワッとした塊としての時間であって、実は小説内では「敵」関連以外ではほぼ全く時間が流れてないように思います。A→B→……→Zみたいに、出来事同士を順番につないでいくことでドラマを進行させていくのとは全然違う手法で物語を語っていて、しかもそれにかなーり成功しているような。もちろん類例はあるんでしょうけど、個人的にはとても新鮮な小説でした。
★★★総合しますと、いわゆる名作と言われてるものって確かによく出来たものが多い……っつうめっちゃくちゃふつうのことを思わされた年でした。というか単純に数を読めてないのよなぁ。
◆◆その他の本◆◆
●『石垣りん詩集』(ハルキ文庫)  石垣りんのテーマは、貧しさ、労働、生活の苦しみ、”女性”性、戦争、戦後の日本、生きること、殺すこと、食べること、それらもろもろに否応なく内在する「ここにあることの残酷さ」みたいなものかなと思いました。そうした感情を、ゴロッとした異物感のある黒いユーモアで表現している詩が自分は好き。婉曲的に表現された切実な慟哭という感じもします。特に「その夜」っていう、入院中の書き手が人生の孤独と疲労を歌う作品が凄かった……。こんなん泣いちゃうよ。  「詩」というジャンルに依然として親しめてないので、定期的に読んでいきたい。
●柳下毅一郎『興行師たちの映画史-エクスプロイテーション・フィルム全史-新装版』(青土社)  エクスプロイテーション=「搾取」。リュミエールやメリエスといった黎明期の作り手にとって、映画は緻密に作り込む「作品」ではなく興行のための「見せ物」に過ぎなかった――というところから説き起こして、観客の下世話な関心を狙って作られた早撮り・低予算・儲け第一主義映画の歴史をたどった本です。  取り上げられてるのはエキゾチズム(物珍しい異国の風景)、フェイク・ドキュメンタリー、魔術&奇術、畸形、セックス、特定人種向け映画、画面外ギミック映画などなど。現代の一般的な価値観や、映画=「それ単体で完結した(芸術)作品」みたいに捉えるとどうなのよ? ってものばかりなのですが、あの手この手でお客の関心をかき立て、乏しい小遣いを搾り取ろうとする映像作家たちの商魂たくましい姿が垣間見られる楽しい本でした。  見せ物小屋的映画論というのはある意味もっとも俗悪でいかがわしい映画論だと思うんだけど、確かにそれって実写映画のもっとも本質的な部分ではあるかも、という気がしてしまう……。個人的には、画面外のギミックで客を呼び込んだウィリアム・キャッスルの非・純粋なる邪道映画のパートが特に楽しかったです。一点だけ、エクスプロイテーションという概念設定はちょっと範囲が広すぎるような気はしないでもなかったかなぁ。でもこれを元に、観られるものをちょこちょこ観ていきたい所存。
●氷室冴子『新版 いっぱしの女』(ちくま文庫)  『海がきこえる』などの少女小説で有名な作者が、ふだん思ったことを自由に書き綴ったエッセイ集という感じでしょうか。一見柔らかいけどその実めっちゃ鋭��切り口と、それを表現するしなやか~な筆運びに痺れました。1992年に出た本だけど、新版が出てる通り読み物として全然古びてないと思う。おすすめです。
●『精選女性随筆集 倉橋由美子』(小池真理子選・文春文庫)  この方のシニカルさと毒気がもともと好き、というのはあったのですが、とても良かったです。それでも最初のほうはあまりに歯に衣着せぬ攻撃性がなかなか……と思ったりもしたけど、中盤の文学論、特に大江健三郎、坂口安吾、三島由紀夫に触れたエッセイがなんともよくて。”内容はともかく独自の語り口を練り上げた文体作家として大江を読んでる”みたいなことを確か書いてたりして、言ってることが面白い。積んでる小説作品も読も~という気になりました。
●吉田裕『バタイユ 聖なるものから現在へ』(名古屋大学出版会)  すんごい時間かかったけどなんとか読めた本。フランスの怪しく魅力的な思想家、ジョルジュ・バタイユの思想を、彼自身の記述を中心に先行テキストや時代背景なども織り交ぜて分析し、一本の流れにまとめた総論本。〈禁止と違反〉とか〈聖なるもの〉とか、彼の提出したテーマが結局面白いというのがひとつと、それらを論じていく手つきの周到さ・丹念さがすごい。特に日記や著書のはしばしの記述から、バタイユが影響を受けた先人の哲学(へーゲル、ニーチェ、マルクスとか)や同時代の思想潮流(シュルレアリスム、コミュニズム、実存主義とか)の痕跡を読み取り、そこから彼自身のテーマの形成過程を立体化していくあたりは本当に息詰まるおもしろさ。重量級の本でしたがめっちゃよかったです。もっとも自分は肝心のバタイユ自身の本を『眼球譚』しか読んでないので、現状この本のイメージしか持ててないというのはあるんだけど。とりあえず『内的体験』と『エロティシズム』だけはどうにか読んでみるつもり。
◆◆マンガ◆◆
●ジョージ秋山『捨てがたき人々』(上下、幻冬舎文庫)  いろんな意味で深ーい鬱屈を抱えた狸穴勇介(まみあなーゆうすけ)という青年が、新興宗教の信者である岡辺京子という若い女性と出会ったことで始まる物語。性欲と金銭欲を筆頭に、あらゆる現世の欲望にまみれた救われぬ衆生たちの下世話で深刻な人間絵巻、といった感じでしょうか。ふつうに考えるとまぁそこまではいかんやろ……という境界を軽々と乗り越えてくる常軌を逸した展開がすごい。それと人間っつうのはホントにどうしようもない生き物だね~という気持ちにもさせられます。学生のときに買ったんだけど当時はつまらなくて挫折、自分にとって��あまりに読むのに早すぎたんだな……と今にして思いました。最序盤の伏線とかをきれいに回収し切ってはいないんだけど、この際そのへんはどうでもいいかなと。ここまで徹底的な方向へ流れていくならもう何も言えねえわ……って感じの終盤もすばらしい。  これが2024年に読んだものの中で一番面白かったです。
●小骨トモ『神様お願い』(webアクション)、『それでも天使のままで』(アクションコミックス)  両方とも短編集。子供のころや学生時代のイヤ~~~~~~~な記憶、それもおもに自分の弱さや性欲といった、一番目を向けたくない部分がどんどん脳裏によみがえってくる、えげつないけど得難いマンガでした。10代なんてまだまだ若いし人生これから! っていうのも本当だけど、それと同時に人生自体はとっくの昔に始まってて、けっこう多くのことは取り返しがつかないし人間の根っこの部分は歳食ってもそうそう変わりはしないっていう、しんどすぎるけど(自分にとっては)大切なことを思い出させてくれたところが何ともありがたかった……。お話の展開も総じてすんごいテクニカルな気がします。  それでも新刊の『天使』のほうが、『神様』よりほんのちょっとだけ優しさを感じる部分は多いかしら。
●吉田秋生『カリフォルニア物語』(全4巻、小学館文庫)  自分はおそらく作り手への愛とか感謝の念にはめっぽう乏しいほうで、何でも作品単体で眺めて、あーでもないこーでもない、ワンワンギャンギャン吠え猛ってしまう人間なのですが、吉田秋生だけは例外。何でも好き。丸ごと好き。読めるだけで幸せ。どのへんが琴線に触れてるのか正直自分でも分からないのですが、気になる部分があっても好きがそれを上回ってしまう気持ちというのは幸せだなーと思ったりします。  これは最初の代表作に当たるのかな。ニューヨークを舞台に行き場のない若者たちを描いた群像劇。彼女の描く、イタミやすい少年少女が自分は好き……。舞台はニューヨークなのに題名がこれなのもスマートでイカしてる。  もっともファンみたいに書いたけど、実は『BANANA FISH』と『海街diary』っつう一番大きいふたつをまだ読んでません。買ってはあるんだけどなんかもったいなくて……。でも2025年中には読もうかな。
●高橋しん『最終兵器彼女』(全9巻、ビッグコミックス)  部屋の片隅に長ら~く積んである『セカイ系とは何か』をいよいよ読むべく、『イリヤ』ともども手元に揃えてやっと読了。結果、あらゆる方向に尖りまくった傑作じゃん! と思いました。世界の崩壊に対して主人公2人の恋愛という、圧倒的に超無力なモノを対峙させ、理屈ではなくエモーショナルの奔流として無理矢理! 成立させた名作という感じ。まぁこの2人にほとんど感情移入できないほど自分が歳取っちまってることは悲しみでしたが、���い意味でのぶっ壊れっぷりが面白く。  それと自分はこれを読みながら、たまたま以前読んでいた米澤穂信の某初期長編を思い出したり。世界は刻々と変化しているのに自分たちは無力な青春の中で何もできないでいる、みたいなこの感じって90年代から00年代の日本独自の感覚なんでしょうかね……。ちなみに『イリヤ』はまだ1巻しか倒してませんが読みます。今年中にはきっと読みます。読み切ることになっています。
●梶本レイカ『悪魔を憐れむ歌⑤』  4巻までで連載が打ち切りになってしまったマンガを、作者ご自身が5巻���自費出版して完結させた作品、だと思います。  舞台はさまざまな腐敗に揺れる北海道警察管区。人間の四肢を逆向きに曲げて殺害する、「箱折犯」と呼ばれる過去の猟奇殺人が突如再開され、そこからふたりの男のウロボロスめいた運命の輪がまわり始める……。  出版形態のためかは分からないですけど、最終5巻はこれまで以上に描写のタガが外れてる感じで、それがすごい楽しかったです。1巻の出だしからはこんなとこまでフッ飛んでくる話だとは思わなかった……。それでいて猟奇殺人ミステリーとしてもなるほどーと思うところもあって。この方はすごい前に『コオリオニ』っていうマンガも読んだのですが、主要キャラクターをとつぜん突っ放す感じがこわい。けど面白い。お疲れさまでした。
◆◆補足◆◆
 ・安部公房もちょろちょろ読んだり。今のところは、異常どころかめっちゃ理知的なアイデア作家という印象なんだけどこれが覆ることがあるやいなや。  ・『めくらやなぎと眠る女』というアニメ映画の予習をするついでに村上春樹の短編もちょこっと。ファンには超怒られそうですが、彼の小説ってパスタ茹でたりジャズを聴いたり昔の恋愛とか人間関係の失敗を感傷的に懐かしんだりといった、ザ・村上春樹なことをやってるときは…………なんだけど、その先で訳分からんことになる話がたまにあってそれがめっちゃ面白かったです。現状読んだものだと「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「納屋を焼く」が最高でした。できれば全作読んでみたい。  ・フランク・ハーバートの『デューン』シリーズも2個目まで。SFファンタジーの大家というイメージで読んだらメインで使う語り口(作劇法?)が超・会話劇なのが意外でした。
★★★これを書いている2025年1月現在はドスト先生の『悪霊』を読んでいます。が、全体の十分の一すぎてもまだ若者世代の話に入らないので投げ出しそう……。シニカル成分100%の語り口はけっこう好みなのですが。前に読んだ『罪と罰』と比べても視点が格段にいじわるな気がして、これを書いてたときの作者の精神状態やいかに?   2025年はもうちょい数をこなせたらいいなと思っています。ではー。
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iamactuallybeing-o-od · 9 months ago
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#00005:
この間の日曜日。
午後14時ごろ、2週間前に受けていた性病検査の結果を、彼氏と一緒に取りに行った。
結果は、すべて陰性。彼氏も同じだった。
その後は、おやつなど、食料品を買いにスーパーに寄ってから彼の部屋に戻った。
おやつを食べたりくつろいだりした後、眠くなってきたから布団に入った(眠くなることを踏んで、彼氏が自分のために、帰宅後すぐ布団の準備を整えてくれていた)。しばらくすると、(自分を寝かしつける、という名目で)彼氏も隣に潜り込んできた。すると、彼氏のほうもだんだんと、眠りにおちていった。
⋆⋆⋆
1時間半後。思っていたよりも早く目が覚めた。すると彼氏のほうも起きて、しばらくしてから一緒に夕飯の準備が始まった。
この日は、鶏むね肉・なす・ピーマンを味噌ベースのたれと炒めたものを作った。今回は、彼氏が野菜のカットと味付け関連の作業をやって、それ以外は自分が担当。彼氏曰く、彼がひとりで作った料理よりも、自分と一緒に作った料理のほうがおいしいらしい。単純に、自分のほうが丁寧に食材を炒めるから......というところもあるようだけど、それだけじゃない、作った人の気持ちがあらわれている......ということを彼はよく話している。不思議だけど確かに、自分も、彼と一緒に作った料理はおいしいと思う。それにしても、彼の、おいしいものを食べたときの悶絶具合はやばい。料理のおいしさを噛みしめていまにもとろけそうな、「おいしぃ......🫠😖🥹」と言わんばかりの顔をしている。そういうときは大体、顔が少し赤くなっていて、かわいい。興奮が頂点に達すると、その顔のまま「いやぁ......作ってくれてありがとうございます!!」と、握手をしてくる。彼は、これまでアプリ経由で出会った人の中で一番(といっても、余裕で片手で数えられる程度の人数だけど)、反応が分かりやすいというか、クールに努めようとしても、気持ちが溢れ出てしまっている感じがする。自分はそれがすごい好きだし、ぜひ、これからもそのままでいってください......という感じだ。
そうそう、この日は、21時からYUKIのニューアルバム『SLITS』のリリース記念スタジオライブ配信の再公開があった。それを観たりしながら、食後は再びくつろぎタイムに。そんなこんなで、お風呂に入ったのは23時過ぎになってしまった。
彼氏と出会ってから1か月半、一緒にお風呂場に入ったとしてもシャワーで済ませてしまうことがほとんどだった。けれど今回は、ふたりで賃貸の狭い湯船にぎゅうぎゅうになりながらお湯に浸かった。こうしてバスタイムを過ごしたのは、初めて彼の家に泊まった時以来のよう��気がする。あのときは、のぼせそうになってもそのまま一緒に浸かっていて、お風呂から出たあとはふたりしてぐったりしてしまったような......笑。この日も、すぐに身体があつくなってしまった(さすがにのぼせる前に湯船から出たけど...)。お風呂から出たあとは髪を乾かしたりお茶を飲んだり、涼んだりしながら、またまただら~っと過ごした。
⋆⋆⋆
そうしてる間に、1時。ここから、イチャイチャタイムに突入。検査の結果がわかり、これで満を持してがっつりセックスができる...! というような感じで、彼氏の夢である「好きな人と"合体"(※彼の表現)すること」を、実行に移した。自分はほとんどセックスの経験がないから、自分がタチだかウケだか分からない状態だった(タチウケの意味が分からない人はググって)。そんな自分に対し、彼氏はこの1か月半の間に自分のタチ的要素を嗅ぎ取り、ここでも当たり前のように自分がタチをすることになった。これが自分のタチデビュー......と言いたいところだけど、実は1週間前にフライングで挿入していて......(自分は3か月くらいセックスをしてないし、彼氏は1年くらいご無沙汰だということで、検査結果は出ていないけれど大丈夫だろう......ということでヤる流れになった。勝手がつかめなくて射精することはできなかったけど、彼はとても気持ちよさそうに、うれしそうにしていた。結果を待たずしてヤるのは、ほかの人にはおすすめできないことだけど......ヤるとしたら、双方の同意のもと、それなりの覚悟を持ってヤる必要があると思う)。だから、2回目のタチだった。この時点で、自分の経験の割合は
 タチ:ウケ=2:1
になったわけだから、言うなればタチ寄りリバ(意味が分からない人はググってその②)......ということになるのかもしれない。自分はそれほどアナルセックスに対する執着はないし(少なくとも忌避感はない)、タチウケのこだわりもあまりないような気がするから、たぶんリバなんだろう。挿入中、彼に抱きついていると、ただでさえおねむな時間帯なのに、余計におやすみモードになってしまって......腰を動かしたいのに上手く動かなくて、結局今回も射精には至らなかった。このとき彼は「(また)勝手に自分だけ盛り上がっちゃった」と案じていたけど、実際のところ、彼の体温が心地良くて、自分は眠気を誘われてしまった......というだけだった。自分は完全に睡眠モードに入ろうとしていたから、この温度差を心配する彼を慰めたりはできなかったけど......。
そんな具合で、眠気に呑まれそうになりながら再度身体を洗い、就寝。
⋆⋆⋆
月曜(22日)、朝8時ごろ。彼と自分は同じくらいに目覚めて、しばらくイチャイチャしていた。その流れで、また、「合体」することに。(自分から希望した。なんだか、今度は射精できそうな感じがしたから......。)
合体中は......やっぱり、彼はものすごく「僕は...僕は、これを渇望していました」と言わんばかりの瞳の輝きを持って、幸せそうな顔をしながら悶絶していた。挿れただけでこの顔になるんだから、本当に、彼はこれを望んでいたんだろうな、と思う。そして、腰を動かしてみる。最初は、彼の負担にならないように......ということばかり考えていたけれど、自分が気持ちいいと思えるようにヤることを考え始めたら、割とすぐ、気持ちいいポイントが見つかった。そして、しばらく腰を動かしていくと、やっぱり......自分の予感は間違っておらず、イケそうな感触がしてきた。そうして、間にキスを挟んだりしつつ、さらに腰を動かして......やっぱり、なんか、気持ちいい。そして.........射精。
自分は、静かに、じわじわと......うれしかった。彼氏のほうはというと......もう、とろけまくっている様子だった。自分はそれを見て、もっとうれしくなった。彼からは、「変かもしれないけど......結婚して!って感じ😣」と言われてしまった。
そうしてシャワーを浴びた後、鏡に写った自分の顔は、心なしかさわやかで、凛としていた気がした。
⋆⋆⋆
この日はバイトがあった。ということで、(少々慌ただしかったものの)自分は彼に準備してもらった朝食を食べてから、一旦自宅へ帰り、バイトへ向かう支度をした。彼の住むアパートの門を出ると、まさに真夏!という感じの強い日差し、鬱陶しい空気に包まれて......それからは汗をダラダラと流しながら帰宅したはずなのに、しばらくずっと、自分の背中に軽やかな羽根がついたみたいな、すぐにでも飛び立てるような感覚が身体から離れなかった。
ここから、自分たちはどうなっていくんだろう。
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[2024_07_24]
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tokyomariegold · 10 months ago
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2024/1/15〜
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1月15日 昨日までを乗り切った嬉しさで忘れていたけれど、今日は通常の出勤日で、何だか今日が一番へとへとになった気がする。体の感覚がないまま1日を過ごした。 朝通院の予定があり、午後から出勤した。
とても、とても強い風の中、この数日間天気予報を見る余裕もなかったため、今日の寒さや強風を事前に知ることができなかった。
へとへと過ぎてあまり仕事にならず、でも眠かったり昨日から続くくらくらをごまかすために、いつになく雑談をいろんな人としてしまった気がする。 京都土産のヴァッフェルをくださった職員さんに、「ヴァッフェルで命拾いしました」とお礼をした。 職場の方々でバンドを組んでフジファブリックの虹を練習するらしい話を聞いた。
一期下の方は朝から出勤していて、とっても眠くて今日は休むべきだった!と言っていた。
ここ数年のお誕生日の写真を振り返りながら、今年はどうしたいか、インターネットでお礼まわりをできる様な写真を撮りたい気持ち。
2日間の戦場にいる間、年賀状を送った地元の友人からメッセージが入っており、まだ内容を確認していないけれど、結婚して住所が変わったお知らせの様だった。 新しい住所を教えてくれるということは!これからも頑張って年賀状しないといけない!と勝手に追い込まれて、おめでとうとか言えない気がしてきて、いつまでも既読にできずにいます。
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1月16日 自分の誕生日を忘れたい、と思いながらカウントダウンをしてしまって、インターネットで息をしないと!とまた何かをしたくなってしまう。
それもあってか、連勤の疲れを通り越して変に冴え渡りモードになってしまったせいか、昨晩はこの冬一番の寒さを予報するニュースを確認できたのに、修理から帰ってきたらNikonF100を持って出かけてしまった。 シャッターを押したら撮れる喜び! お昼休みの小雪の舞う中も貴族の遊びをして散歩した。
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ちょっとだけ生活よりも写真モードになりつつある頭で、このまま少し掃除をし過ぎる日々を制限したい。 実は昨日届いたマキタのスティッククリーナーは梱包を解いて組み立てできずに玄関に置いてある。 今使っている無印のスティッククリーナー(全く吸い込まない)の充電が切れたら処分して、そしたら使う準備をしたい。
給湯室で会った方とNHKの番組の話になり、山Pがでているドラマの話の流れから、愛、テキサスの動画から昨年ビジネスホテルでたまたま見たドラマに出ていた彼の姿に、すごいなんかずっと山Pやってんだ!と感動した話をしてしまった。
もう買いたくない。 なるべく枯れないでお誕生日を迎えたい。
地元の友人からのメッセージを確認��たら、やっぱり結婚していて、苗字が変わって、つまらない名前になってしまった、と買いてあった。
久しぶりに“おしまいかなしみ”を聴きたくなった日だった。
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1月17日 明日の振替休日を前に、なにも、なにもかも考えられないくらいへとへとになってしまって、外の寒さよりも、お部屋の掃除よりも、日記の更新や写真のことよりも、もうとにかくお休みをしたい。
今日は玄関にパーツがバラバラでおきっぱなしのマキタのコードレスクリーナーの組み立てだけ頑張る。
某コンペの入選がプレスリリースされており、確認したところ応募氏名フルネームで表記されていて事務局に作家名へ変更してもらう様お願いをした。 名前なんて記号だけれど、でも生まれて初めて与えられる自分の裁量で決められなかった記号で、ただの記号にしては私の場合は少し特殊(あまりいない苗字)のため「あ、これはだめだ」と思って変更のお願いをした。 フルネームを秘密にしたいというより、自分の撮る写真作品にならべる名前としては、どこまでも彩乃を使っていきたいというところです。
明日のお休みは一期下の方と科博の“和食展”へ行く予定だったけれど、急遽変更になってしまったため、できるだけお掃除をして、ポートフォリオレビューの準備を進められたらいいな。
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1月18日 疲れ過ぎてちゃんと思考が回らずに、さらに疲労を生む行動をとってしまう悪循環で過ごしている気がする。
予定がなくなった時、研究室の先生にあいさつをしたい!と思いメッセージを送ったところ、すぐお返事をくださり“10時前から15分くらいなら大丈夫”とのこと。 思いがけず振替休日の今日も早起きをしてしまったけれど、久しぶりにお会いしてお話できて、今の職場の採用に興味ある学生さんはいないか、など話したり、なんとなく学生の時とは違う、卒業生として先生とお話をした。
学内は卒業制作の大詰めの時期で、大きい模型がたくさん並んでいた。研究生の方々へ、と近江屋洋菓子店で22個のお菓子の詰め合わせを置いてきたけれど、数は足りたかしら。
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もうすぐ閉業する山の上ホテルへ寄り、ニコライ堂を眺めてまだ昼前なのに人気店に並ぶ人を横目に神保町から秋葉原を歩いて帰った。 山の上ホテルは、オープンまで1時間以上あるのに地下のレストランは階段からエンドランスまで人が並んでいた。
チューリップたちと写真を撮りたいと思って、お花屋さんであるだけの色とりどりのチューリップを買った。写真は、撮れると思った時に撮りに行けるといいと思う。
応募した作品の英語タイトルを、翻訳ツール程度でも良いので教えて下さい、とメールが来ていた。翻訳ツールで英語と日本語を入れ替えたりしながら、自分なりに、誤解がない様な英訳を作ったつもり。
へとへとだけれど今日はぶんぶんチョッパーをしたい。あと昨日組み立てたマキタのスティッククリーナーで掃除もしたい。
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1月19日 昨日お休みをとっていた間に、産休中の上司が無事出産をしていた。予定より1週間以上遅れての出産で、もうへろへろです、とメールにあって、そして早速今日からお仕事のメールを返していた。
ただそんなことよりも私の身体がどうなってしまっているのかもうへとへとで思考力が落ちて、新たな疲労を生み出す悪循環を繰り返している!ほんとうに!へとへと!
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kinemekoudon · 6 months ago
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【1話】 はじめて大麻を吸ったときのレポ 【さいばーひっぴーができるまで】
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―――小学校からの幼馴染である“しのはる a.k.a. BUDDHA ON SHROOM”(以下“しのはる”)が、当時留学していたカリフォルニアから日本にいる僕に電話をかけてきては、大麻の使用の煽り・唆しをしてきていた。 
彼の話を聞いているうちに、僕は大麻を吸ってみたくて仕方がなくなっていたので、大麻の使用を目的として、しのはるが住んでいるカリフォルニアの家に居候しに行くことにした。 
そうして日本を離れ、しのはるの家に到着するなり、しのはるは「初めての人は吸い方が悪いのか、効いてるかわからないって人が多いから、肺に死ぬほど煙を溜め込むイメージで吸って、少し息を止めてから吐くといいよ」などと僕に忠告をすると、「景気づけにいっちゃってください」とか言いながら、早速ジョイントを渡してきた。 
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僕は少し不安を抱えながらも、不慣れな手つきでジョイントの先に火をつけ、忠告通りに大量の煙を肺に溜め込んでみたのだが、急に肺に苦しさを覚えたために、息を止める間もなく強烈に咳き込んでしまった。 
咳き込みすぎてもはや吐きそうになりながら過呼吸的な浅い呼吸を繰り返している僕を見ながら、しのはるはニヤニヤと可笑しそうに「うわー吸ったねーこれ絶対ハイになるやつじゃん」などと言いながら、残りのジョイントをゆっくりと吸っていた。 
5分ほど経ってようやく肺が楽になってきた頃、僕は座禅を組みながら、大麻の効果が効いてくるのを神妙に待っていたのだが、さらに15分ほど経過してもとくに変化がなかったので、「全然効いてる感じしないなー」などと言って残念がっていた。
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しかし、気づくとなぜか上半身が右に傾いていたのだ。僕は上半身が倒れそうになったところでハッとして姿勢を直したのが、それでもまた徐々に上半身が右に傾いてしまっていた。僕のその様子を見ていたしのはるは、「時計の秒針みたい」などと何の気なく僕を茶化してきていたのだが、僕はその言葉を受けると、まるで暗示にかかってしまったように、1秒ごとに1秒分の角度で小刻みに上半身が右に傾いていってしまった。 
僕は秒針になるのをやめるために立ち上がってみたのだが、今度は沼地に立っているかのように足がカーペットに沈んでいく感じがしてきた。その感覚はとても愉快で、僕は幼児のようにはしゃぎながら左右交互に足踏みをしていたのだが、次第に足踏みをするのを止められなくなってしまい、しかもその途中で、“ただのカーペットの上で成人男性が足踏みをしてはしゃいでいる”という状況の可笑しさに気づいてしまったので、止められない足踏みをしながら腹を抱えて笑っていた。 
すると、壊れたおもちゃのようになってしまった僕を見ていたしのはるも、まるで伝染したかのように笑い転げ出したので、それにつられて僕もさらに笑いが止まらなくなった。何が面白くて笑っているのか、もはや途中で忘れてしまっていたのだが、なにが面白くて笑っているのか分からないのに笑っていることがもはや可笑しくて、ヒステリックに笑い狂っていた。 
そうして大麻のハイの愉快さを知ると、僕は毎日のように大麻を喫煙したくなり、2週間ほど滞在していたカリフォルニアでは、ほぼ毎日大麻を喫煙する生活を送っていた。 
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―――しかし帰国してから2年間ほどは、大麻とは無縁の生活を送っていた。旅行に行った時などには大麻を吸いたくなることもあったが、���ざわざ日本でリスクを犯してまで吸おうとは思わなかったし、当時は周囲の交友関係の中に大麻を嗜む人がいなかったのもあって、大麻のない生活に特に支障を感じていなかった。 
そんな中、しのはるが日本に帰ってきた。しのはるは、「間違えてポッケにTHCグミを入れたまま飛行機に乗ってたみたいで、図らずも密輸入しちゃった」などというメッセージと共に、トリッピーなデザインをしているグミの写真を送ってきて、その数時間後には、「もう食べちゃったんだけど、日本でハイになるの色んな意味でおもしろいわ」などと羨ましくなることを言ってきた。 
しのはるのせいで大麻を吸いたくてうずうずしていると、数日後にしのはるから電話がかかってきて、「あのグミはもう食べちゃったんだけど、weed調達できたから、今日一緒に吸わない?」などと誘ってくれたのだが、僕はそのありがたさはさておいて、ツテがなくても日本で大麻を入手できることと、彼がひとりでに行動に移していたことに仰天した。 
当時はまだ珍しかったのだが、Twitterで「都内 大麻 手押し」などと検索をして出てきたプッシャーとDMでコンタクトを取って、新宿駅の構内で落ち合って引いてきたらしい。 
僕は意図的に法の外に出る経験は実質初めてだったので、少し不安に思ってもいたのだが、再び大麻の感覚を味わえることを想うと、多少のリスクを冒してでも大麻を吸いたいと思ったし、日本で吸ったらどういう感覚や気持ちになるか興味があったので、ありがたくいただくことにした。 
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そうして、僕は少し緊張しながらも集合先の公園で待っていると、しのはるはニヤついた顔でやってきて、早速ポケットからパケに入った大麻を取り出しては、「こちらが乾燥大麻らしき植物片です」などと言いながら、なんの悪びれもなく大麻を僕に見せつけてきた。 
日本で大麻を見ること自体もそうだが、しのはるが違法行為である“大麻所持”をしていることの非日常性というか異常性が可笑しくて、僕はなんだか精神が昂った。 
それから早速、その大麻で作ったジョイントを一緒にまわしたのだが、2年ぶりということもあってか、「本当にこれは大麻なのか?」と勘繰るほどにサイケデリックなトビ方をした。 
あとでその時の僕の様子をしのはるに聞いたら、ついに頭がバグってしまったんじゃないかと不安になったくらいには、様子がおかしかったらしい。 
実際、せっかくだから日本ならではの食事をしようということでくら寿司に行ったのだが、なぜか店内でインド風のBGMが流れていて、僕はその要因だけでインドのくら寿司にいると思っていたし、普段は割と苦手なとろサーモンを口に入れたら、脳細胞の多くが死滅したのではないかと思うほどに、2分くらい「美味い」ということしか考えられなくなっていて、店を後にする頃には、美味すぎたことによって心身ともに疲弊しきっていた。 
アメリカでハイになるのとはちがって、馴染みのある環境でハイになると、“シラフのときとハイのときとでは感覚や情報の捉え方が違う”ということがよりハッキリと分かったし、法律で禁止されている日本でハイになるというのは、背徳感がスパイスされた解放感があった。 
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それから、僕は大学を卒業して東映株式会社に入社し、寮生活の元に社会人として初めての労働を行っていた。ただ、ゆっくりと大麻を嗜む生活とは無縁だったために、(寮でこっそり吸っていたこともあったけど)苦しくなってしまい、あっさりと会社を辞めて、もう少しゆるい会社に転職した。 
時間に余裕を持てるようになると、僕としのはるは頻繁に大麻を吸って遊ぶようになり、僕は一人でも大麻を引きに行くようになった。そうして、しのはるとプッシャーの情報を共有し合ったり、一緒に引きに行ったりする中で、僕らにはお気に入りのプッシャーができた。 
そのプッシャーはLSDなるものも持っていて、LSDのことを「大麻の8倍くらい凄いヤツ」とかいうテキトーな説明をしていたのだが、僕らはそれを聞いて、俄然やってみたくなっていた。 
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つづく(この物語は雑誌「さいばーひっぴー」の「さいばーひっぴーができるまで」に載っている内容とほぼ同じものです)
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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ari0921 · 8 months ago
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タッカー・カールソンインタビュー タルシー・ギャバード
「ディック・チェイニーの核戦争への野望と何故彼女がバイデ���政権のテロリスト警戒者リストに載ったのか」
 「これ以上無意味な戦争をする理由が何かありますか?」と発言したことで民主党のホープから危険人物に見なされる様になった
 タッカー・カールソン:タルシー・ギャバードの逸話の紹介。彼女が下院議員に選出された時は新人議員で最も有名だった。民主党全国委員会の副会長でもあり将来の大統領候補として持て囃されるスター議員だった。1年半ぐらい経った頃シリアとの外交政策についての討論会があった。軍人出身で中東にも派兵されていた経験のある彼女がそこで言ったことは、「これ以上無意味な戦争をする理由が何かありますか?」というものだった。その発言をした15秒後に、彼女は民主党の日出の勢いのホープから危険人物で収監すべき人物と見なされることになった。
 私はその場に居合わせたが、ことの本質がその時わかった。無意味な戦争をすることが重要なのだと。そこにはカネが流れ込むから。だからそれを妨害する人物は排除されるのだと。
もしあなたがそれを信じないのであれば、今日起こったことを見てごらんなさい。あの戦争屋のディック・チェイニー(共和党)と、娘のリズ・チェイニー(前共和党)がカマラ・ハリスを支持することを発表した理由を考えて下さい。
 裕福な白人のディック・チェイニーと貧乏な有色人種のカマラ・ハリスの共通点は何か?彼らの共通点はどちらも戦争大好きなネオコンということです。
 表向きの人種、ジェンダー問題は全て嘘ということの証明です。カネのためなら戦争で人が死んでも構わないと思う人はあっち側で、そう思わない人はこっち側です。人種も性別も関係ないのです。
 それを証明したのがトランプ支持を表明したタルシー・ギャバードです。
 ディック・チェイニーがカマラ・ハリスを支持したということの本質を見逃してはならないと思います。あなたはどう思いますか?
 タルシー・ギャバード:カマラ・ハリスに投票することはディック・チェイニーを支持することに繋がるということを理解すべきです。過去20年間の中東での戦争のデザインをして中東情勢を混乱させてきた張本人です。
 NYタイムズなどメディアがカマラハリスはまだ経験が浅いから政策が出てこないのだと彼女を擁護するのは興味深いですね、彼女が今まで3年半ジョーバイデンの副大統領だったことを忘れたかの様です。
 彼女はディック・チェイニーが支持してくれたことを誇りに思うと言ったことを忘れてはなりません。ディック・チェイニーのおかげで死ななくて良い人が多数亡くなったのです。
 タッカー:今民主党や共和党の水面下で何が起こっているのですか?
 タルシー:ある意味の党派の再統合が起こりつつあるということでしょう。アダム・キンジンガー(共和党)、ディック・チェイニー(共和党)と、娘のリズ・チェイニーなどが胸を張ってカマラ・ハリスを支持すると表明したことはネオコンがこれからはいくらカネがかかろうともその結果がどうなろうとも戦争に走ろう、と言うことに躊躇いを感じなくなったということでしょう。 
 その一方で私やRFKJやその他の人々がトランプを支持しているのは全く異なります。我々は全てのことにつき主張が重なっているわけではありませんが、最も重要な点につき考えが一致しているから支持したのです。それはアメリカが自由で繁栄する社会であることと言う点で、それは戦争ではなく平和でなければ実現できません。
 タッカー:2022年のウクライナ戦争の時にもそうですが核戦争が起きても構わないと思っている人とそうなってはならないと主張する人とが明確にわかる様になりました。あなたは後者であったが故にナチだとか言われて貶されましたよね。ワシントンの他の皆さんはどうですか?
 タルシー:皆気にしていません。私は民主党の大統領予備選に立候補した2019~20年にその危険性を訴えました。核保有国の間での緊張が高まればその結果として核戦争に繋がりかねないと。2017年にはハワイにミサイル攻撃の警報が鳴り、核シェルターへ避難の指示が出たことがあります。今や米国本土にも到達するミサイルが多数あります。皆さん核ミサイル警報が出たらどうしますか?
 核シェルターはありませんよね。全ての生き物が全滅してしまいます。今では核戦争の危機が嘗てないほど高まっているのに評論家がそのリスクを過小評価して軽々しく核戦争を語り過ぎます。
 レーガン大統領とゴルバチョフ大統領はその危険を双方よく認識しており、1985年に共同声明を発表しました。核戦争が始まれば勝者は誰もいない。核戦争を目指してはならないというメッセージです。それなのに民主党、共和党にいるネオコンたちは核戦争になってしまいかねない第三次��界大戦を始めることに躍起になっている連中です。
 タッカー:人の命を何とも思わない悪魔的な人たちですね?
 タルシー:人々に不安や恐怖感を撒き散らすことによりカネ儲けをしようとしている人たちが世界には大勢います。
 そして兵器を大きく、強力にたくさん作り金儲けをしていますが、核兵器は一発で広島、長崎に落とされた核爆弾よりも遥かに強力になっています。そのような核ミサイルが実際に使われたらどうなるか分かりますよね。あなたも私もトランプとはじっくり話しましたよね。トランプは戦争が起こらないように、核戦争が起こらないようにすることをしっかり理解しています。ここがカマラ・ハリスとの大きな違いです。
 誰に投票するか迷っている人、トランプのツイッターとか言い回しが嫌いとか言っている人がいたらこう言って下さい。「これから私たちが生存できる能力が大統領によりどうなるのかについて考えて見ましょう」と。(続く)
(費府の飛行士)
(宮崎正弘のコメント)タルシー(トゥルシー)ギャバード元下院議員に関しては、小誌でも早くからその活躍ぶりと著作を紹介してきました。五月頃には畏友の渡辺惣樹が、トランプの副大統領候補にもっとも有力とまで言っていました。
 次の閣僚人事で、なにやらサプライズが起こりそうですね。
 詳しくは拙著新刊『アメリカは新南北戦争に突入する』(ワック)に書き込みました。9月27日発売です。まもなく予約募集を開始します。
 
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homest · 11 months ago
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 ▽燃えさかる炎を前に「引けば記者失格」
 そして、誰も報道機関をとがめることができないまま、運命の日を迎える。6月3日、中尾さんは上司に「土石流の映像を撮ってきて」と指示された。カメラマンと2人で会社所有の乗用車に乗り込み、普賢岳の麓を流れる川沿いの山道を上流へと進んだ。定点を通り過ぎると、徐々に道は狭くなっていき、やがて行き止まりになった。
 結局、土石流は見つからず、定点まで引き返すことにした。中尾さんが運転していると、木の葉っぱの上で休む巨大なカタツムリを見つけた。捕まえて車のボンネットに乗せて数十メートルを走って遊び、逃がした。このわずかな時間が、奇跡的に中尾さんの命を救うことになる。
 突然、真っ黒で巨大な雲の塊のようなものが視界を横切った。ものすごい勢いでふくれ上がり、一瞬で辺りを覆い尽くした。高さ数百メートルの壁のように頭上まで広がり、辺りは暗くなったという。午後4時8分、大火砕流が発生した瞬間だった。車はたまたま小高い丘の陰に差し掛かっており、難を逃れた。「あと数秒、早くても遅くても確実に巻き込まれていただろう」。
 驚いた中尾さんは車を止めて外に出た。あちこちに燃えさかる家屋や車が見え、直感的に死者が出ていることを悟った。茶色っぽい火山灰が雪のように降りしきり、辺りの地面に積もり始め、触るとほのかに熱かった。
 別の方向から1台のタクシーが来た。系列局の別の取材班で、命からがら逃げてきたという。1人は首に軽いやけどを負っていた。すぐにすすまみれの車体を撮影し、乗っていた人に中尾さんがインタビューした。終えると、一行は火砕流が通った道とは別の方向から市街地に帰っていった。
 一方、中尾さんは炎上する被災地域へと車を進めた。「迷いは全くなかった。ここで引けば記者失格と思った」。第2波への恐怖心はあったが、「アドレナリンで『血湧き肉躍る状態』。自分も死ぬかもとは考えなかった」。途中で下車し、惨状をリポートして映像に収めた。市街地に戻ると、消防団員に「どこから来たんだ」と驚かれ、誇らしかった。「スクープをものにした。他社はどこも撮れていない」と達成感に満ちていた。
 ▽記者魂を「はき違えていた」
 だが、被害の全容が判明するに連れ、気持ちは沈んだ。定点を含む現場では報道関係者16人と同行のタクシー運転手4人に加え、地元の消防団員12人、警察官2人を含む計43人が命を落とした。「自分の行動は正しかったのか」。黒焦げの遺体が次々と安置所に運び込まれる光景を目の当たりにし、自問自答を重ねた。撮影した映像もほとんどオンエアされることはなかったという。
 大火砕流は結果的に、避難勧告の区域内で止まった。犠牲になった消防団員たちは一度は退避したが、一部の報道関係者が無人の民家の電源を無断使用する事件があり、見回りのために戻っていた。つまり、報道各社が市の要請に従っていれば、犠牲になることはなかったのだ。「マスコミが住民を殺した」との批判に返す言葉はなかった。
 「自分が生きていることを不思議に感じる。亡くなった人たちは、熱かったろうなぁ」。今年5月下旬、中尾さんは久しぶりに現地を訪れ、つぶやいた。高台から大火砕流が通った跡を見渡し、視線の先には定点があった。「自分を含め、あの時は記者魂をはき違えていた。本当は他社に勝ちたかっただけ。巻き込んでしまった人たちには申し訳ないと思う」
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seshika10 · 1 year ago
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昨日コラボカフェと金カムの映画観に行ってきたよ~~っ!!楽しかった~~!! よかった行けた…水曜日の診察で悪化してたら即入院って言われててのは免れたんだけど笑 薬が効いたからちょっと良くなってたので自宅療養でいいよってなってたんだけど、免疫抑制剤35mmになってるから人混みは避けて、ライブは行っちゃだめって先生に釘を刺されてて笑 大阪は人多過ぎてちょっと人の匂いも強くて、電車や駅はかなり緊張した~3連休ってことも忘れてたから新幹線も以外と人が多くてw今のところ感染してる気配はないから大丈夫と信じたいけど、これで何か罹ってたら即入院で先生に怒られる…笑 っていうか仕事ずっとテレワークさせてもらってるのに上司にも怒られるわ…w はーーリスキーだったけど行ってよかった…本当は金カムコラボパフェも食べる予定だったんだけどそれは止めるしかなかった…めっちゃ行きたかった… コラボカフェの中で一番胃腸に優しそうなのがプ君のメニューで推しのやさしさに私は泣きそうなほど嬉しかったよ…ありがとうプ君… でもやっぱりお腹痛くて、シチュ―系でも味濃かったのかカフェラテがダメだったのかわからんけどまだ普通のご飯は痛いという検証ができたよ笑  今回のヘタのコラボカフェは満席で、私が予約してるからキャンセルもできないし、人数合わせの友達にも声かけちゃってるから絶対行かないとだめだ…!!っていう建前と私が1か月かなり弱ってて楽しみが無いともう頑張れない…って精神落ちてたから、コラボカフェ絶対行く!の気合で療養してたからこれは行かないと私の気持ちが整理つかんかった気がするんよな笑 1か月お粥も水でも即出ししてたから体重6キロくらい落ちてて、痩せた~って嬉しさはあるんだけど笑 でもこれ多分落としちゃだめな筋肉とか落ちてる気がするからな~w脂肪として戻るのは早かったりするし気を付けないとだけど笑 でも今回めちゃくちゃ疲れたし脚も体力も限界だったから、ちょっと友達と遊ぶペースとかイベント参加のこと今までと同じで考えちゃだめそうだなぁ…てか普通に会社行くの耐えられるんか??w 今までも自分の体力筋力は年齢プラス10歳くらいで考えてたけど今回のでプラス20歳くらい行った気がする笑 あとは3月の母の一周忌とクソ弟の結婚式までに普通のご飯食べられるようにしないと!胃腸がんばえ~~
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kennak · 4 days ago
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社会保険労務士としてデビューして十年目である。 開業当初は不安で仕方なかったが、今思えば大したことはない。もっと早く飛び出していればよかった。 自分の裁量で大変な仕事をやって、自分で責任を取るというのは「生きている」という感じがする。 いや、一人親方ではあっても、周囲の力なくしては仕事は成り立たないのだが。 はてな利用者の中では高齢である。黄金頭の人の数個上になる。若い頃は勤め人だった。 人材派遣会社で数年働いた後、労働基準監督官として関東地方で任官した。その頃の思い出を語ってみようと思う。 守秘義務には最大限配慮する。元国家公務員でいうと、高橋洋一や山口真由など、あれくらい力のある人だったら、守秘義務まで含めて好きに本などを書いて主張できるが、私にそんな実力はない。 はてなブックマークで取り上げられた公務員日記を読んだ限り、一線を超えない限りは表現の自由の範疇となるようである。偉大な先達の方々と、はてな運営の寛大な措置に感謝したい。日記タイトルも先人に肖っている。 どんなことを話そうか、実はこれから考えるところである。ひとつだけエピソードを選んで掘り下げる格好を取りたい。字数が余れば、ほかの記憶も脳裏から取り出してみる。 あれは、30代手前の頃だった。採用五年目で、一年目はずっと労働大学校での研修のため、現場歴は四年目だった。主担当として違法賃金労働(サビ残)の現場を押さえた唯一の経験だ。 それまでは先輩や上司と一緒に臨検(臨検監督。会社に立ち入って調査)に出向いていたが、一人立ちできつつあった時期である。 なお、労基の採用パンフレットでは現場二年目から一人立ち~といった記述を見ることがあるが、そんなことはない。ほかの官公庁や民間企業と同じである。登記官と同じく独任制ではあるものの、20代だと普通に若手扱いである。 上記の「臨検」では何をするのか……管轄区域内に数多くある企業の中から、いくつかの基準・目安に則って抽出した事業所に出向いて、労基法違反がないか確認を行い、必要に応じて注意・指導や是正勧告を行う。近年では違法賃金(サービス残業)対策に重点を置いている。 私が勤めていた頃は、土木建設現場での事故防止や、下請けいじめの是正が叫ばれていた。 その現場では、経営者かその委任を受けた者に対して質問をして、必要事項を聞き取っていく。 最初は正式な社名や、所在地など基本的な事項から始まり、就業規則の確認に、従業員の名簿や、その雇用別の区分であるとか、元請下請関係、労働行政関係の補助金申請、賃金台帳や労働時間記録、終わりの方になると実務上の文書ファイルまで開いて法令との適合を確認する。 次第に深いところに踏み込んでいく。採用面接と似ているかもしれない。最初の質問は「今日の朝ごはんはなんでしたか?」から始まったりするだろう。 上記の結果による勧告は、いずれも行政指導(法令に適うように啓発・行動を促すこと)であり、処分性はない。 法的拘束力はないが、従わない場合は刑事処分に移行することがある。若手監督官の月の半分は臨検を含んだ監督業務に費やすことになる。 ※よほどのことをしない限り刑事処分に移ることはない。「指導を行いました」の報告書は保存年限まで残る。そこまで長い期間でもないのだが。 具体的なエピソードに入る。 あの時は定期の臨検で、とある縫製会社(衣料品メーカー)を訪問した。総従業員は千人未満で、売上高は数百億円。社歴からすると伝統企業といったところ。東京から遠く離れたところに本社があり、この都内には支店とはいえ立派なビルが建っていた。 いつものように「事前にこの資料を準備してください」と依頼してあった。支店代表者と、本社経営陣の家族役員が私たちの対応をしてくれた。 最初は違和感がなかった。就業規則は法令に則ったテンプレートであり、賃金も書類上は適正に支払われていた。 事業所内をくまなく見て回ったが、原反(衣服の原料のロール。とても重い)の受入場も安全基準に問題なし、倉庫内も大量の衣料製品をカートハンガーで吊ってあったが、やはり問題ない。製品出荷場も糸くずひとつ落ちていない。トイレの数は、労働衛生法令の当落線上にあった。すべて和式。 ところ変わって、原反を長大な作業台の上に広げてCAD操作で裁断する現場でも、従業員は電動工具類を適切に取り扱っていた。職場に危険はないし、廊下もきれいに磨いてあった。 しいて言えば、ビール会社のキャンペーンガールのカレンダーが飾ってあったのだが、2025年現在では環境型セクハラに該当する。当時はギリギリセーフといったところか。 違和感があったのは……臨検というのは大体半日程度で終わるのだが、最後にもう少し時間を使ってみた。 「抜き打ちのようですいませんが、最後に一度、一人で周らせてもらいます。必要があれば呼びます」と言って、事業所内を再度歩いてみた。 すると、何点かの違和感があった。つい立ち止まることもあった。 ・すれ違う従業員に元気がない。多くの年代がいたが、特に外国人労働者 ・終業が近いのに、ほぼ全員が忙しなく動いている ・出荷場には本日付け伝票で、尋常でない数の段ボール箱 ・女性役員が管理職と厳しいやりとり。「あの若い子はいつも定時に帰る。辞めてもらえば?」など  ※家族経営の会社にはありがち。そこまで気に留めない ・タイムカードの退勤時刻があまりに連続的。定時以後にまとめて全員分を押している? 「怪しい」と思ったが、定期監督の域を出ないよう、支店代表者さん方に挨拶をして帰った。 帰庁後は、上司に感じたことをそのまま述べた。「必要なら追加調査すべし」というのが指示だった。 その日の退勤後、私は自家用車でその縫製会社の前を通ってみた。やはり気になったのだ。 手ごろな駐車スペースがなかったため、路肩に停めた。パトカーが来ないことを祈りつつ、会社敷地に入ってみると……。 「やっぱり」 という感想だった。午後八時を過ぎていたが、出荷場のある棟の1階部分にバッチリ明かりが点いていた。言い逃れできない次元だった。ご丁寧に、カーテンをかけて明かりを漏れにくくしている。 そして、私は裏手に回って確認した。出荷場の板目を踏む音からして、何十人も仕事に従事しているのがわかった。現場を見なくても、建物内に多くの従業員が残っているのは明白だった。 従業員の平均的な退勤時刻と全く合っていない。違法賃金労働(以下「サービス残業」という。)である。計算するまでもなく、賃金台帳と合っていない。 それから私は、毎日夜にその会社の前を通って、サービス残業の状況を確認していった。 するとどうやら、毎日に渡って行われていた。あれから10日分、毎日夜にあの縫製会社の前を通って、出荷場の裏手に回って聞き耳を立てた。 常套的なサービス残業だった。当時は若く、使命感に燃えていた。どうにかして、あの従業員たちを救ってあげたいと願っていた。私自身がサービス残業をしているのは突っ込まないでほしい。 後日手に入れた縫製業界の情報によれば……どうやら4月~6月の業界繁忙期に毎日サービス残業を行わせ、冬季の暇な時期にはそこまでさせていないだろう、という推測が立った。 そこまで情報を整理したうえで、再度あの支店代表者に架電してみた。「御社が違法賃金労働をしているという申告があったのですが~」という優しい嘘からやんわりと入って、早めに事実を認めていただきたい旨を暗に伝えたが……やはり想定どおりの回答だった。 「タイムカードの記録と、実際の退勤時効は一致している」 というのが向こうの言い分だった。 だとしたら、こちらも準備を整えたうえでやってやろうと思った。 五月の下旬だった。夜七時半を回った頃である。その縫製会社の前に、私と、当時所属していた監督署の若手約10人と、管理職2名(責任を取る人)と、他所の応援職員5人がいた。サービス残業の現場を抑えるために人を集めたのだ。 実際に現場を押さえても、授業員が蜘蛛の子を散らしたようになることが多く、相手方の管理職も証拠隠滅に走るおそれがある。最低でもこれくらいの人数が必要である。 この日の夜、以下の図のように、監督官全員で出荷場を取り囲んだ。 概略図(スマホの人すいません) ○○○○ |――――| ○    |    | ○    | 出  | ○    | 荷  トラック ○    | 場  搬入口 ○    |    | ○    ∥    | ○   扉∥    | ●    |    | ○○○○ |――――|      ↑会社敷地内↑ ___________________________      正面道路(都道) ___________________________ ●……監督官 約17人 〇……私 概ね、以上のような位置関係である。 「労働基準監督署です!」 私は大きい声とともに、出荷場の扉を開けた。中には……30人はいただろうか。 その出荷場では、出荷する商品の検品と、箱詰された荷物をトラック運転手に受け渡す作業を行っていた。 従業員は全員、疲れた表情をしていた。覚えているのは、還暦ほどの人がヨロヨロと段ボール箱をカートに載せていたのと、製品の検査をしていた外国人労働者達である。彼らが一番ぐったりしていた。 「これから指示に従ってください。全員動かないように!」 「労働基準監督官」の文字入りの証票を提示した直後、私達とその後ろに続いていたほかの監督官も出荷場に突入した。管理職は別の入口から事務所を抑えにいった。 抜き打ちの臨検監督はおごそかな雰囲気で進んだ。従業員を早く帰したかったのもあるが、当日のタイムカードをその場で押収し、誰かが全員分のタイムカードをまとめて切っていたことを速やかに確認した。 サービス残業をしていた一人ひとりに簡易な聞き取りを行い、対象者のタイムカードのみ抜き出すと、従業員を帰宅させた。 縫製会社の管理職数人と、あの家族役員が社内に残っていた。深夜まで社内で取り調べを行った。 すべてが終わると監督署に帰庁し、参加者全員に(主に私の上司が)感謝の意を述べて、その日の記録をまとめて……臨検及びサービス残業の捜査は終わった。深夜2時を回っていた。 それからも長年、監督官としての業務に従事した。事務も企画も監督業務も、一通りやらせてもらった。 字数が余った残りだが……読み手の心に残りそうなものが2つある。2つとも、2025年から数えると20年以上は昔のことである。現行の労基対応とは異なる可能性があるので留意願いたい。 1件目は、スーパーマーケットでのことだ。高島屋か伊勢丹かは覚えていないが、百貨店の中にある食品スーパーだった。 ある日、私の職場にいきなり通報があったのだ。警察か消防(※救急)の人かはわからなかったが。精肉コーナーの中で、食肉をパック詰めにするために加工していた現場でのこと。 食肉加工機械(ミートスライサー)を使って作業をしていたアルバイト従業員の若い子が、指を切断したという内容だった。労基案件の可能性があるので現地に来てほしいとの電話だった。 現場は悲惨だった。私たちは遅れて参じたものの、警察官ができるだけ証拠保全をしていた。グロテスクであるため、どれだけ血が飛び散っていたとか、どういう体勢で事故に巻き込まれたのかなど、通報直後の様子までは描写しない。 ただ、指切断という次元ではなかった。一本の指を残して、後4本が手のひらごとミートスライサーに巻き込まれてミンチになっていた。 当時の私は20代半ばである。手や足元が震えて止まらなかったのを覚えている。現場には肉片が残っていた。証拠保全を終えるまで、掃除したくてもできないのである。 原因は、ミートスライサーの安全装置だった。会社にあるような業務用シュレッダーであれば、わざとケガをしようとしてさえも、ケガをしないような――安全装置等が付いている。 その精肉コーナーでは、安全装置が取り外されていた。そのうえで、作業用の特厚ゴム手袋を従業員に着用させていなかった。完全に自由に作業させていた。社員も指導しない。それらが原因だった。 結果として、食品スーパーの経営者が労働安全衛生法違反として書類送検された。使用者は、従業員に対して業務上の危険回避や、健康障害を避けるための措置を講じる義務がある。 ほぼ上限の罰金刑となったが、義務違反が強ければ懲役刑もありうる。この事例は、従業員側にも若干の非があると認められた。安全装置のくだりだが、経営側ではなく現場判断で取り外していたことが起訴前の段階で立証された。 もう1件だが、飲食店で働いている人からの申告案件である。 飲食店というのは、夜に接待を行う店舗だった(夜職分類だとガールズバーが最も近い)。いわゆる、有給不行使(結果としての賃金不払い)案件だった。 通常の申告・相談の場合、労働者側からの聞き取りに加えて、可能な限り証拠物を集めてもらう。そのうえでクロが濃厚となったら、使用者側に連絡を取る。 その際は、厳しい言い方ではなくて、「こういう申告があったのですが、もし本当にそうなら、(~法令の説明~)未払い賃金を支払ってください」などと電話をする。 あくまで行政指導である。従わなかったからと言って罰則はない。使用者が無視することもありうる。その場合は……残念ながら、機会的な対応(オポチュニズム)をならざるを得ない。やむを得ない時の裁量的判断であり、本来はよろしくない。公務員は常に法令をベースに動くべきだ。 一例として、違反レベルが小さい場合、労働者には自ら解決するよう監督官が助言・アドバイスを行うのが一般的である。もし、労基に強い対応を求めたい場合は、複数人で相談するか、よほど強い根拠書類を用意するなどしてほしい。 さて、この申告案件の詳しい内容だが……。 ・相談者は夜に接待する店舗の女性従業員。学生 ・約一年働いたところで退職したい ・職場の後輩と一緒に辞める際、二人で有給休暇を取得しようとした ・運営会社が有給取得(有給分の賃金支払)を拒否 という流れだった。 半年以上勤務していれば、非正規雇用者であっても有給休暇を取得できるし、彼女らは給与明細その他の根拠書類を揃えていた。タイムカードのコピーも。 私は、そういう夜のお店に行った経験はほぼゼロだった。業界知識もない。先輩方に相談したところ、「あいつらは難しいよ」と言う人が複数いた。 証拠付きで相談を受けている以上は、相手方に連絡すべき場面である。そして実際に、相手方にとって都合がいいであろう夕方頃に電話をし、事実確認及び有給取得の制度を説明したのだが、いい答えは返ってこなかった。 以下;相手方の主張の要約。 (主張①) うちの会社に有給休暇制度はないし、この業界にそんな会社はない (主張②) あの二人は就業態度がそこまでいい方じゃなかった。お客からの評判もいまいち。もっと会社に対して貢献とか、貢献できなくても努力した姿勢を見せてくれれば可能性はあった (主張③) どの業界にもルールがある。あの���人は大学生で、若いから知らないかもしれないが、その業界に入ったなら、そこでの常識に合わせられないとダメ。そんなのだと今後社会で通用しない ということだった。先輩方に相談したとおりの結果になった。相手は風俗業界の慣習を盾にしている。 だが、私もそんなに折れなかった。当時は若く、企業側を守る社労士となった今(※実は自著を上梓しています)よりも正義感に溢れていた。社会正義を実行する立場であるという自惚れに近い感情もあった。 引き続き、粘り強くその会社と交渉(※非弁行為には当たりません)を繰り返した結果、有給は本来10日のところを、月末までの5日であれば取らせてくれるということで妥結した。一応は全員納得の結果だった。 これで一応終わりである。
労働基準監督官だった頃の思い出
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myonbl · 1 year ago
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2024年2月18日(日)
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今日は<京都マラソン2024>、なんの関心も無い京都市民にとっては鬱陶しい日だ。あちこち交通規制が行われるので、終日逼塞するのが正解だ。朝8時過ぎに<関西古紙回収組合>の軽トラが通る、すぐに飛び出して溜まっていた古新聞と段ボール箱を引き取って貰う。おじさんの話では<普段は上賀茂・西賀茂エリアを回っているが、今日だけは動きが取れなくなるので早めに下京までやって来た>と。なるほど、色んな処に影響するものだと認識を新たにしたが、私としては懸案が片付いて良い一日となったのだ。
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6時30分起床。
アラームを止めたことに気づかなかった。
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朝食。
洗濯。
食器を洗っているときに関西古紙回収組合のテーマソングが聞こえる、すぐに飛び出して廊下と玄関に積み上げてあった古新聞・段ボール箱を引き取って貰う。あぁ、すっきりした!
ごぼう茶煮出す。
半熟酢卵仕込む。
<名探偵ポワロ>の録画開始。
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ランチ、息子たちには<うまかっちゃん>、ツレアイには残りのカレー。
彼女は近所に住む元同僚の見舞に、私には聞いても理解出来ない難病で苦しんでいるとか。
軽く午睡。
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我が家のインターネット回線は<NURO光>を利用しているが、現行の2Gから10Gへのアップグレードが始まっているとのこと。しばらくニュースを見ていなかったので出遅れたが、すぐにアプリから申し込む。
コレモ七条店で買物、ミニトマト・コンニャク・チクワ・薄揚げ。
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夕飯は昨日の焼肉の残り肉、残りもの炊き合わせ、トマトとレタス。
録画番組視聴、日本の話芸。
桂春若 落語「抜け雀」
初回放送日: 2024年2月18日 桂春若さんの落語「抜け雀(すずめ)」をお送りします(令和5年12月7日(木)NHK大阪ホールで収録)【あらすじ】小田原のとある宿にみすぼらしい身なりの男が泊まった。1日に1升5合もの酒を飲んで、5日が経過。宿代を支払ってもらえるか心配になった宿の主人が支払いを催促すると、「文無しだ」と言う。男は絵師だと名乗り、金の代わりに白いついたてに��羽の雀の絵を描いて去った。翌朝、宿の主人が雨戸をあけると…。
サゲはオリジナルかもしれないが、この話の眼目からは遠く離れている。
名探偵ポワロ
第2話「ビッグ・フォー」/ The Big Fourシーズン 13, エピソード 2 ヘイスティングス、ミス・レモンのもとにエルキュール・ポワロ死亡の知らせが届く。手配したのは最近警視監に昇進したジャップ。一方、『ビッグ・フォー』 と呼ばれる組織の存在が世間を賑わせていた。新聞は彼らが世界戦争を企む国際的な秘密結社で、最近起きた列車衝突事故や暴動はすべてビッグ・フォーの仕業 だと報じていた。その4週間前、新聞記者タイソーのもとにビッグ・フォーに関する警告文がたびたび届いていた。
いよいよ最終回が迫ってきた。
軽く腹ごなしウォーキング。
片付け、入浴、体重は500g減。
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今週の血圧、大分暖かくなってきたので落ち着いた数値になってきた。
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ちと歩数が足りないが仕方なし、水分は1,640ml。
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