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#柄にもなく映えスポット
paopao1118 · 2 years
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The color balls named Kukurizaru at Yasaka-Kōshin do. In many places at the temple hang color balls representing Kukurizaru, a monkey with bound feet and hands. In Kōshin belief, it represents the control of the playful and desire-driven creature everyone has inside his body. #kyoto #yasakakoshindo #colorballs #colorful #photography #sonyalpha #a7iii #alpha_newgeneration #shutterbug #tflers #l4l #京都 #八坂庚申堂 #色鞠 #写真垢 #ふぁいんだー越しの私の世界 #カメラが上手くなりたい #柄にもなく映えスポット #若いキラキラした人ばっかりやった #あなたは何枚めがお好み? #目がチカチカする #編集しながら呟いてもた #そうだ京都行こう https://www.instagram.com/p/CmO02rPP7zP/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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imwatashi · 1 month
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2024.08.14 (Wed)
早起きしてバスに乗りHay Market駅へ。事前にネット予約していたチケットを受け取り、はじめてのスコットレイルに乗車。日本でいう特急列車的な感じでした。前日の晩スーパーで拵えた1ポンドのドーナツとスタバのコーヒーを持って、車窓からどんどん緑が増えていくさまを眺める。
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1時間でDunblane駅に到着。バス乗り継ぎまで40分あったので、駅近くの大型テスコへ。 (テスコは大きさ別に4種類あるらしい。街中にあるテスコエクスプレスから、テスコメトロ、テスコスーパーストア、テスコエクストラ。でも今調べたら他にもあった :0) 前日晩にドライヤーを誤って使ったせいで変換プラグを死亡させてたので、ずっと日本プラグに適合するやつがないかを見てた。
40分後、Stage Coachというスコットランドの遠距離走行バスに乗る。チケットは事前に予約済み。QRついてるのに結局スキャンされなかった(夜行バスもそうだったな)あれはなんなんだろう? 目的地はCrieffという街。Dunblaneも小さな駅だったけれど、バスが進むにつれどんどん景色がのどかになっていく。大量の羊や牛が草原でチルしてるのをたくさん見た。そして約1時間後、Crieff到着。ここも閑静でこじんまりとした街。たむろしていると工事のおじさんから「なんでこんなとこまで来た?」と珍しがって話しかけられる。
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バス停から更に歩いて30分移動。道中に公園があったので遊具で遊ぶ。赤ちゃんはみんなかわいいけど、ヨーロッパの赤ちゃんってレベチでかわいい。途中迷い込んだ道は等々力みたいな渓谷だった。
そしてはるばる到着したのは、最終目的地であるグレンタレット蒸留所。スコットランドに来た理由の一つは、ウイスキー蒸留所にいきたかったから (恋人がウイスキーにハマってる) 本当はスペイサイドやアイラ島まで行ければよかったのだけど、時間が足りなかったのでここにした。グレンタレットは日本であまりメジャーな銘柄ではないが、スコットランド最古の由緒ある蒸留所らしい。宿泊先から約3時間で到着し、蒸留所ツアースタート。蒸留所内は撮影禁止だったが、どでかいポットスティルを生で見て、木製の樽で熟成させている部屋はお醤油みたいな麹みたいな良い香りがした。そしてグレンタレットには伝説の猫タウザーがいたらしく、ネズミの捕獲数でギネスに載ってるらしい (捕獲後彼自身が食べたらしいけど、尻尾だけ残すので尻尾の数を数えてギネス認定されたらしい :0) 嘘みたいな本当の話。
最後にウイスキーのテイスティング。自分はピートが効いてるほうが好みかな、と思いつつ、普段ストレートでウイスキー飲まないからテイスティングだけで結構なダメージを喰らう… ツアーだけで2種類飲ませてもらったのに、事前に追加のテイスティングも予約していたので(滅多に来れないので予約しよう、となった記憶だが我々以外に誰もいなかった xD) 結局すべて飲みきれず、小瓶に入れて持ち帰るオチ。場違いくらいの素敵なバーで、ウイスキーたくさん出てきて嬉しいはずなのに、2人して「飲めないよね…」って小声で言い合う日本人があまりにもダサすぎて、「私たちアルコール強くないので…」って思わず店員さんに言ってしまった(じゃあ何でオーダーしたのだ?と思われてそうでまた草ですね)
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小瓶を携えて蒸留所を出発。ノリで寄り道することになり、スターリングというスコットランドの古都を経由して帰ることに。バスに揺られて1時間で到着。スターリングはエディンバラよりも更にこじんまりとした街だが、とてものどかで美しいところ。到着後smokeysというバーガー屋さんで遅めのお昼。変換プラグを購入し、スーパーで水を買ってたらまさかの日本人の方に遭遇。スターリング大学に留学しているのだとか。ロンドンやパリで会うのとはわけが違うので少し感動(相手も嬉しそうだったのでよかった)
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せっかくなのでスターリング城へ。しかし思ったよりも急な坂で険しい道、連日2万歩歩いていた疲労困憊の体を引きずりながら、何度も引き返そうと思いながら頂上に到着。こんなに人いたの?ってくらい人がたくさんいて、何より最高にチルなスポットで気持ちよかった。こういうのって写真で全然伝わらないので載せないが、頑張って登ってよかった。
この時点で19時。すっかり疲れたので帰宅してもよかったけれど、スコットランド最後の夜なのでエディンバラ市内のパブへ行くことに。スターリングからエディンバラのウェーブリー駅まではスコットレイルで1時間。スコティッシュパブでビールとfish&chipsをいただく。
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夜のエディンバラはまたまた綺麗で、この度を通して自分はすっかりスコットランドのファンになりました (元々映画で気になってたのもある) エディンバラはとっても美しく歴史のある街、パリやロンドンと比べて華やかさは少ないのかもしれないが、コンパクトだからこそ見渡す限り常に歴史の色香がただようので、本当にずっと浮かれていた。また来れたらいいな。次はグラスゴーにも行ってみたい。1日大移動してよかった :)
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kennak · 3 months
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ある中小企業が突然、不正輸出のぬれぎぬを着せられました。  捜査した公安警察の手法に疑念が持たれています。  その内幕を明らかにしようと、記者は追跡を続けました。  約1年にわたる取材録をつづります。  私(記者)のスマートフォンが鳴った。  画面に表示された発信元は「公衆電話」。  2コール目で取ると、電話口で早口に言われる。  「そこから南に歩いて行くと公園があります。そこに来てください」  冬の足音が近付いていた2023年11月、時計の針はちょうど約束の午後6時半を指していた。  土地勘がない場所だったため、スマホの地図アプリ「グーグルマップ」を立ち上げ、ちらちらと目を落としながら歩く。  公園は繁華街にあり、連れ立って歩くサラリーマンたちとすれ違った。これから一杯、引っかけにいくのだろうか。  公園の入り口に着くと、先ほどの電話の相手が立っている。  知り合ったのは11月。  化学機械メーカー「大川原化工機」が襲われた冤罪(えんざい)事件の内情を知る人だ。  この人が私との連絡に自分のスマホを使うことはない。  私と連絡していることが記録に残らないよう、公衆電話を利用する。  私たちは「お疲れさまです」と簡単なあいさつを交わす。  公園には、他にも会社員風の人たちがあちこちにいた。どうやら、待ち合わせスポットになっているようだ。  私たちも周囲の人からは、これから飲みに行く間柄くらいにしか見えないだろう。  その人は、数メートル先に視線を向けた。腰くらいの高さの植え込みがある。  「あそこに封筒が落ちているので拾ってください。たまたま拾ったということで」  その人はそう念押しし、その場を立ち去った。 封筒に入っていた決定的資料  私が毎日新聞社に入社したのは08年のことだ。  まず配属された鳥取支局では、鳥取県警史上最大の事件といわれる「鳥取連続不審死事件」が起きた。  元スナックホステスに男性2人が睡眠薬を飲まされ、溺死させられた事件だ。  雪が降るなか、警察官の出勤時に自宅へ行って話を聞く「朝駆け」、帰宅時に話を聞く「夜討ち」を半年間休まずに続けた。  大阪本社社会部へ異動になった後も、「青酸連続殺人事件」や「寝屋川中1男女殺害事件」といった事件取材を経験し、夜討ち朝駆���の日々を送った。  多くの刑事や検事と会ってきたが、「落とし物」を装って資料の受け渡しをするのは初めてだった。  公園で会った人物は公安捜査の手法に詳しい。  「記者の情報源になっていることがバレないよう、ここまで徹底してやるのか」  まるでスパイ映画や小説の一コマのようだと衝撃を受けつつ、私は植え込みに向かった。  枝葉をかき分けると茶封筒が見えた。拾い上げ、スーツのポケットにしまう。  周囲に人がいない場所で封を開くと、A4サイズの1枚の紙が入っていた。  大川原化工機事件について、東京地検が起訴を取り消すことを警視庁公安部に伝えた打ち…
追跡公安捜査:公園の植え込みに潜む秘密資料を「拾った」私 まるでスパイ映画 | 毎日新聞
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tokyomariegold · 7 months
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2023/10/28
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10月28日 昨晩、案の定たくさん掃除をしてしまいへとへとの状態であのちゃんと神聖かまってちゃんのフロントメモリーをみた。へとへとすぎると流し見した映像って何も覚えていないのに、昨晩フロントメモリーはよく覚えている。とてもよかった。
久しぶりに9時過ぎまで寝てしまい、疲れているんだな、と思いながら出かけた。 日中は薄着で心地よい。何もしたくない電車移動のお供に、何周もやりすぎて導入で内容を思い出してしまうTOEICの読解問題集を持って出た。 なんも知ってためにならない情報のクイズが時間潰しにちょうど良い。
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待ち合わせまでギャラリー巡りをした。 まず明日会う友人へのプレゼント用にtealでチョコレートを購入。以前、早い時間に行った時より並んでいる品数がだいぶ少なかった。深緑の紙袋がかわいい。
そこから待ち合わせのSHUTLまで歩きながら行きたいスポットで道草をする。 日本橋の丸善で最果タヒの“恋で君が死なない理由”とTOEICの新しい読解問題を買っておもての道のマリーゴールドを眺めた。 場所柄か実用品コーナーがほとんどを占める本屋さんだった。
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次に行きたかったアートギャラリーへ向かう途中、斎藤陽道さんの写真展を見つけ寄ってみる。 京橋を行き交う人たちを静かに見れる良いギャラリーと良い展示だった。 行きたかったギャラリーは、調文明さんのキュレーション展。調さん、何きっかけで知った方だっけ?きりとりめでるさんからだと、インスタグラム写真論かしら。 70年代の写真やメディア、都市などから、その時代が、個人が個として活動するようになった時代である考察をしているようでした。 運営の方がananの雑誌を紹介してくれて「当時は洋服は仕立てるのがまだ主流で、モデルさんの着用している服の情報といえば、その生地がメーターいくらか、なんですよ!」と一緒にページをめくりながら教えてくれた。 当時のランタンフェスティバル(?)のフライヤーや、調さんがメルカリで集めた雑誌を眺めていると、もう1人の運営の若い外国の女の子(他の運営の方とはほぼ英語で会話していた)に「私、あなたの写真展行きました、セルフィ!」と話しかけてもらう。(英語と日本語で話してくれた。) とても嬉しかった。 私も彼女に話しかけてもらって、ギャラリーに彼女が来てくれたのを思い出した。確かタピオカを飲みながら、じっくり写真集を観てくれた方。 「ありがとうございます。サンキュー」と言った。
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そのまま休館中の資生堂ギャラリーを確かめて、築地方面から待ち合わせ場所へ。 中銀カプセルタワーから撤去したカプセルを二つ置いたギャラリー。 友人と合流してカプセルに入ったり、最果タヒの詩の展示を観た。そのまま歩きながら、最近のやってみたいこと、やったことのないことの話をして銀座を歩いた。 友人は最近、職場の人にサッカー観戦に連れて行ってもらったらしい。応援する側には厳しい集団ルールがあったらしく、逸脱すると怒られそうな雰囲気だったとのこと。 途中にあったメゾンエルメスで珊瑚やお花の展示を鑑賞。1日で小さな展示をたくさんみられて充実感。
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日比谷まで歩くと野外シネマのイベントが開催されていた。ベンチに座って写真集を見てもらう。友人とは以前グループ展を一緒にしたことがあったけれど、彼女は写真を観ることが好きな方。今日も私の写真集を観て「やっぱり写真を観るの好きだな〜」と言っていた。それと「やっぱりサッカー観戦よりこうゆうの(写真を撮ったり、何か作ったり)したい」とも言っていた。言わせてしまったのかもだけれど、私は嬉しかった。
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ギャラリーで見つけた公募に応募してみようかな、と持ち駒を消さないようにしている感じ、就活みたい。
やっぱり仕事のことに頭が持っていかれつつ、でも今日見た作品や最果タヒの詩や、応募する作品のことや、フィルムとデジタルの撮り方の違いのことなど、お仕事のことにベールをかけるように重ねられて、落ち着きつつも、頭はいっぱいで帰ってきた。 明日に満月を控えた月が大きかった。
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辛くて仕方なかった8月に、川上さんのエッセイに“どうしようもないとき、3ヶ月後のことを思ってみる”とあって、11月を思っていたことがあった。 その時は、そんなもう秋も深まった年末ならば、何か変わっているかもしれない、と期待しながら落ち込んでいた。 11月を目前に、8月の日記を更新しながら、何も変わっていなくて辛さが麻痺している現状がある気がしている。
昨日作って、まあ美味しかったバナナとココアパウダーのムースを今日も作った(こういう時って美味しさが再現されることはない)。
写真を通して、人と関わりたい気持ちを思い出せた日だった。
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team-ginga · 1 year
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映画『生きる』
 U-Nextで黒澤明監督、志村喬主演の映画『生きる』(1952)を見ました。
 その昔、母から話を聞いた映画です。母は本が好きな人でしたが、映画も好きだったのかな。おそらく母が話してくれた映画はこれだけだったと思います。
 母曰くーーぼんやりと暮らしていた市役所勤務の男が胃癌で余命いくばくもないと宣告される。男は死ぬ前に何かを成し遂げようと、子どもたちのために公園を作ることにする。公園が完成して男は死んでいく。男が公園のブランコに乗って「いのち短し恋せよ乙女」と歌うシーンは名シーンだ。
 まさにそれがこの映画の中核ですが、実際に見てみると当然ながらそれだけではなく、いろいろなものが付け加えられています。
 主人公の渡邉(志村喬)が胃癌で余命いくばくもないというのはその通りなのですが、実際に医者にそう言われるわけではありません。病院の待合室で見知らぬ患者と雑談をして「胃癌というのは恐ろしいものです。医者は軽い胃潰瘍だと言い、特に消化の悪いものでなければ好きなものを食べていいと言うのですが、あっという間に悪化して死んでしまう」と聞いた渡邉は、医者にその通りのことを言われてショックを受けます。
 直後のシーンで医者同士が「あの人はいつまでもちますかね」ーー「半年くらいかな」と言っているので間違いはないのでしょうが、時代を考えれば本人に宣告しないのは当然としても、家族にも教えないものなんでしょうか。本人も家族も知らず、医者だけが知っているというのは、今の感覚からするとちょっと変な感じがしました。
 渡邉は早くに妻を亡くし、一人で息子を育てました。息子は社会人になり結婚して、渡邉と一緒に暮らしています。
 渡邉は市役所の市民課の課長です。ある地区に住む女性たち(その中には若き日の菅井きんもいます。こんなに可愛かったんだ、菅井きん)が空き地の水たまりをなんとかしてくれと陳情に来ていますが、市民課から公園課へ、公園課から土木課へたらい回しにされるだけで、一向に埒があきません。
 渡邉も若い頃は仕事に熱意を持っていたようで、仕事場の机の引き出しには市役所の運営の改革に関する私案の書類が入っています。若い頃に渡部が書いたのでしょうが、結局提出しないままになってしまったということですね。必死に書いたはずの書類の最初のページを破ってペン先の掃除に使うシーンは、渡邉の現在と過去を一瞬で対比するいいシーンだと思いました。
 癌で余命いくばくもないと知った渡邉は市役所を欠勤し、銀行から5万円おろして飲みに行きます。当時の5万円って今のいくらに当たるんですかね。100万くらい? まさか500万ということはないでしょうが、かなりの金額です。
 でも、遊び慣れていない渡邉は何をすればいいかわかりません。彼は飲み屋で知り合った小説家(演じるは伊藤雄之助。痩せて精悍な感じで、まさに無頼派の小説家という感じです)に余命いくばくもないことを話し、パチンコやキャバレーに連れて行ってもらいます(この時代のパチンコって立ったままやるんですね。知りませんでした)。
 キャバレーでピアニストに「リクエストはありませんか」と言われた渡邉は『ゴンドラの唄』をリクエストし、ピアノに合わせて歌います。
 あ、ここでまず歌うんだ。
 このシーンは凄みがあります。志村喬はうつむき加減で虚空の一点を見つめながら、口をほとんど動かさず、調子はずれに歌います(音をはずすというよりリズムをはずし、ピアノの伴奏と合わない歌い方です)。
 彼の横に座っていたホステスは怖くなってどこかへ行ってしまいますが、むべなるかなーーそれほど鬼気迫る感じです。
 いいなあこのシーン。当然ラストで志村喬はもう一度『ゴンドラの唄』を歌うのですが、私はこっちのシーンの方が好きです。
 一晩中遊び歩いた渡邉は翌朝、自宅に帰る途中、市役所の部下の女性・小田切と偶然で会います。小田切は市役所の仕事は退屈だから転職する、ついては辞表にハンコが欲しいと言います。小田切の靴下が破れているのに気づいた渡邉は洋品店でストッキングを買って彼女にプレゼントします。
 小田切は「これ欲しかっただけど高くて」、「もしこれを買ったら、1ヶ月間お弁当のおかずはメザシになってしまいます」と言って喜びます(彼女は二間のアパートに3家族で住んでいるとも言っていました。まだ日本全体が貧しかったということでしょうか)。
 渡邉は小田切と一緒に遊園地やスケート場や映画館に行きます。息子や息子の妻は年甲斐もなく若い愛人を作ったのではないかと疑います。
 渡邉は息子に病気のことを打ち明けようとします。しかし、息子は愛人ができたという話だと思っているので話が噛み合わず、渡邉は打ち明けるのをやめます。
 一方、小田切は最初こそ渡邉と一緒に出かけるのを喜んでいましたが、だんだん不自然なものを感じて、もう出かけたくないと言います。渡邉は最後に一度だけと言って、小田切を喫茶店に連れて行きます。
 渡邉は余命いくばくもないことを小田切に打ち明け、「私はミイラのように生きてきた」、「君はどうしてそんなに生き生きしていられるんだ」と尋ねます。小田切は「さあ」と言った後、バッグからウサギのおもちゃを取り出し(彼女は市役所を辞めておもちゃ工場で働いているのです)、「これを作ってるからかしら。どこかの赤ちゃんがこのおもちゃで遊んでいると思うと嬉しくなるの」と言い、「課長も何か作ったらどうですか」と言います。
 でも渡邉は何を作ればいいかわかりません。小田切も「あの役所じゃ無理ですよね」と言います。しかし、渡邉は何か閃いたように喫茶店を出て行きます。
 その喫茶店は2階建てで中央に階段があり、渡邉と小田切は2階にいます。階段を挟んだ向こう側では、大勢の若者たちが仲間の誕生日を祝っています。
 渡邉が階段を駆け降りるとき、ちょうど誕生日を祝ってもらっている女性が現れたのでしょう、若者たちは一斉に「ハピーバースデイ」を歌います。
 次のシーンで渡邉は役所の部下たちに市民からの要望に応えて、空き地を整地し公園を作ると言うのですが、そのシーンでも「ハピーバースデイ」が流れます。
 それまでミイラのように生きていた、本当の意味で生きているとは言えなかった渡部が、この瞬間生き始めるということを示す演出ですが、うーん、どうなんでしょうね、これ。わかりやすいだけに少しあざとさを感じてしまいました。
 そこから時間が飛び、渡邉の葬儀の夜になります。これはちょっと驚きました。渡邉の死から遡る形で渡邉のしたことを描くわけですか。なるほど……これは予想していませんでしたが、なかなかいいですね。
 同僚や上司が渡邉の自宅に集まっているところへ、新聞記者たちがやってきます。空き地に公園を作ったのは渡邉なのに、それを自分の手柄にした助役にインタビューしたいとのことですが、そんなことで葬儀の場にまで来るものですかね。
 助役(演じるは中村伸郎)は「記者たちは役所の仕組みを知らないから困る。公園を作ったのは渡邉君ではない。渡邉君一人の力では何もできない」と言い、土木課長や公園課長も「取りまとめたのは助役ですから」とお追従を言います。
 そこへ陳情に来た女たちが焼香にやって来ます。彼女たちは泣きながら焼香をしますが、何も言いません。この「何も言わない」ところがいいですね。下手に何か言うと艶消しです。
 女たちが出ていくと、助役たちは居心地が悪くなったのか早々に立ち去ります。残った市民課の職員たち(藤原釜足がいて千秋実がいて左卜全がいます。いつものメンバーですね)は最初「あの公園ができたのは課長一人の力ではない」と助役たちと同じことを言いますが、若い課員が「いや、あれは渡邉課長の力だと思います」と言うのをきっかけに、渡邉が公園設置のために何をしたか、それぞれが思い出話をすることになり、最終的には「課長は立派だった」、「俺たちも課長のように頑張るぞ」と言います。
 そこへ巡査が現れ、焼香します。巡査は前夜遅く、渡邉が一人で公園のブランコに乗り「ゴンドラの唄」を歌っていたと言い、あの時きちんと保護していれば亡くなることもなかったと悔やみます。
 そこでフラッシュバックーーブランコに乗った志村喬が「ゴンドラの唄」を歌うシーンが流れるのですが、私は知っていたからかもしれませんが、このシーンよりキャバレーで「ゴンドラの唄」を歌うシーンの方が凄みを感じました。
 翌日の市役所ーー職員たちは前夜「課長のように頑張るぞ」と言っていましたが、何も変わりません。以前と同じように陳情に来た住民をたらい回しにしています。
 葬儀の場で渡邉を擁護した若い職員が、渡邉の作った公園へ行き、子どもたちが遊んでいる姿を見ているところで「終」とでます。
 確かにいい映画です。批判はしたくないしできません。
 黒澤が渡邉という人間の生と死を描くとともに役所の縄張り主義、硬直したシステムを批判しようとしたのはよくわかります。
 でも、個人的にはそういう風刺はどうでもいい、渡邉だけにスポットを当てて欲しかったという気がします。
 志村喬はもちろん名演です。猫背でオドオドして、病気が進むにつれてだんだん掠れ声になっていくところなぞ誰も真似できないと思いますし、『七人の侍』のリーダーと同じ役者がやっているとはとても思えません。
 でもなあ……いつも濡れた目をしている(これももちろん役者としての技術ですが)のを見ていると「病気の犬」か何かに見えてしまうというのもまた事実です。
 息子もかわいそうだよなあ。物語の流れとして息子夫婦には打ち明けない/打ち明けられないというのはわかるのですが、自分が息子なら「親父、どうして言ってくれなかったんだ!」と言いたくなります。
 息子は知る由もありませんが、渡邉は初対面の小説家や職場の部下にすぎない小田切に癌のことを打ち明けています。他人には打ち明けられるのに息子には打ち明けられない……世の中にはそういうこともあるとは思いますが、息子としてはたまらないだろうと同情してしまいました。
 『生きる』はミュージカル化(!?)されているそうです(渡邉役は市村正親と鹿賀丈史のWキャスト)し、最近イギリスでリメイクもされているそうですが、もしあの話を現���に置き換えるとどうなるんでしょう。
 ちょっと見るのが怖い気がします。
追記:  志村喬は1905年生まれ。ということはこの映画のときには47歳。  え? 47歳?  とてもそうは見えません。  もっとも当時の定年は55歳ですから、渡邉はまだ50代前半ということになります。  今とは年齢の感覚が全く違うということでしょうか(『サザエさん』の波平だって50代前半、うっかりすると40代なわけですし)。
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lllusioninthehead · 1 year
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2023/07/11
昨日はなんとなくホテルでボケっとしてる時間が長かった。その反省を活かそうと島巡り&カヌーのアクティビティを申し込み出かけた。
ジェームス・ボンドの撮影があった島に行くらしい。まったく教養がなくて残念なのが、その映画を見ていないところ。まぁ、いいか。
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日本人=英語ができないはだいたい合ってる。
日本人=良いやつだから��しくしよう。
こんな式がある気がする。カヌーの順番を融通してくれたり、遠回りして撮影スポットを見つけてくれたりとありがたい限り。
この有り難さは、先人たちが築き上げてきたものなので、そのレガシィの一部になるために自分もしっかりしなければならないと柄にもなく思う。
というのも喫煙者の外国人が簡単に吸い殻を海に捨てるのを見たから。注意しない主催者も主催者だけど、なんとく忌諱の気持ちが生まれてくる。
小さな頃から神道の考え方から自然や物を敬えと教わってきた自分には信じられなかった。
夜はまたタイ料理を。タイに来てからタイ料理ばかり食べていて、もはやどちらが先に音を上げるかの勝負になってる気がする。
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パパイヤサラダを食べた。辛い。でも美味しい。
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kabukicat · 2 years
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岡山芸術交流、今回は映像作品の展示が多く(ワン・ビン監督の15時間作品も!)、なかでも楽しみだったのはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の自選短編作品集。
これまで数作みてきたので監督の世界観に慣れてきたかなと思っていたら、こちらの想定をやすやすと飛び越えた作品ばかり。とりわけhaunted houses という作品は、同じ役柄を多数の素人が演じるうえ、舞台も複数の場所で撮影するというブニュエルもびっくりの内容だった。あとで公式サイトの解説を読むとしっかりしたポリシーのもとで制作されていることもわかったのだが、それでもユルくてユーモラスであることに、ますます監督への愛おしさを感じるのでした。
会場となったシネマクレールの上映ラインナップもすばらしくて。おまけにこの映画館にはかわいらしい犬と猫が常駐していて素敵すぎるスポットなのでした。
#art #岡山芸術交流2022 #apitchapongweerasethakul #アピチャッポンウィーラセタクン #シネマクレール丸の内 #dog #cinema
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psytestjp · 3 months
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hu35 · 2 years
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第2回ファイナリスト作品1組目・てつおとゆうほ監督『ヒロインの親友���ハードスケジュール!!』主演に注目の若手俳優・田鍋梨々花、生徒たちを見守る先生役に山崎静代が決定!
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オンライン動画配信サービス「Hulu」を運営するHJホールディングス株式会社が主催する、35歳以下を対象とした新世代の映像クリエイター発掘&育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ(通称:HU(エイチユー)35)」。5組のファイナリストたちがグランプリを競う作品の1組目のキャストが発表となりました!
昨年9月27日に実施された「ファイナリスト選考会」での選考後、映像制作のプロのサポートを受け、約3ヶ月に渡り、脚本づくりと制作準備を進めてきた5組のファイナリストたち。自らが監督・脚本を務め、Huluで配信する「映像作品」を完成させるため、トップバッターとしてクランクインしたのは『ヒロインの親友はハードスケジュール!!』のてつおとゆうほ組。HU35初のコンビ・ファイナリストであるてつおとゆうほ監督が描くのは《ヒロイン…ではなくヒロインの恋を応援ばかりしている自称“プロフェッショナル親友”が主人公の新感覚ラブコメ》。てつおとゆうほ監督はこの作品を作り上げるのに際し、「胸キュン映画のメタ的な要素を用いた今作は、胸キュン映画あるあるを多用して、観ている視聴者に飽きさせないための展開や工夫を施しました」と話します。
そして、本作の主人公である “プロフェッショナル親友”・脇田幸子役を演じるのは、2016年に「ミスセブンティーン2016」のグランプリを受賞し『Seventeen』専属モデルとして芸能界デビュー後、レギュラー出演した「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON」(17/フジテレビ)で一躍注目を浴び、現在は俳優、広告、CM、モデルと活躍の幅を広げている注目の若手俳優・田鍋梨々花。さらに、2016年「男子高生ミスターコン2016」グランプリを受賞し、主演ドラマ「ジャックフロスト」(23/MBS)が現在放送中の本田響矢、是枝裕和が総合演出・監督・脚本の配信ドラマ「舞妓さんちのまかないさん」(23)に舞妓・菊乃役で出演し注目を集める若柳琴子、第32回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストで「ここは今から倫理です」(21/NHK)に出演し俳優としても今後注目の金田昇、主演映画「みなに幸あれ」(21)が「日本ホラー映画大賞」の大賞を受賞し、22年夏よりJR東日本クロスステーション NewDaysのイメージキャラクターを務める原愛音ら今注目を集める若手俳優たちが出演。そして主人公をはじめ、恋に大忙しな生徒たちを見守る先生役をお笑いコンビ 南海キャンディーズの山崎静代が演じることが決定しました!
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監督を務めるてつおとゆうほはHU35初のコンビ・ファイナリスト。 “地下芸人”として活動しているてつお監督は、趣味は人間観察で、思いついたアイディアを日々書き留めたメモは7,000枚にも上るというアイディアマン。一方ゆうほ監督は一般企業に勤める“普通の会社員”でありながらも、広告営業で培った言語化能力でてつお監督のアイディアを具現化していくという抜群のコンビネーションを発揮しました。マッチングアプリで出会ったラブコメ好きのカップルが、新たな視点で描く新世代ラブコメ作品に二人三脚で挑みます!
ファイナリストたちの熱い闘いがいよいよ始まります! 5 組の作品は、制作過程に密着したドキュメンタリーとあわせて、本年4月からHuluで配信予定です。その後、グランプリの副賞として<賞金 100万円>と<Huluオリジナル新作の監督権>の獲得がかかった最終審査会と授賞式も4月に予定。また、第1回に引き続き、今回もHulu会員からの投票により決定するオーディエンス・アワード(賞金50万円)も実施します。今後も続報をお楽しみに!
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▼コメント全文はこちら▼
◎監督・脚本◎てつおとゆうほ
胸キュン映画のメタ的な要素を用いた今作は、胸キュン映画あるあるを多用して、観ている視聴者の人に飽きさせないための展開や工夫を施しました。俳優さんの表情が絶妙で、かなりシュールでニヤニヤしながら撮影していました笑
特に、キャラの強いヒロインたちに巻き込まれる幸子の表情がめちゃくちゃ可愛くて、めちゃくちゃ面白いので、楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
 ◎脇田幸子役◎田鍋梨々花
今回、35才以下のクリエイターを応援するHU35という企画で、グランプリを目指す皆さんの作品に携われてとても嬉しいです。てつお監督とゆうほ監督はお芝居をしやすい環境を作ってくださいましたし、カップル監督ならではの男の子目線、女の子目線、どちらの意見も聞けて、すごく貴重な現場に参加させていただけたなと思いました!この作品は、恋愛ドラマのヒロインの隣に必ずいる親友役にフィーチャーしている、とても新鮮な設定なので、そんな脇役のはずの彼女の恋に向き合う姿を応援しながら楽しんでいただきたいです。
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 ◎達也役◎本田響矢
ヒロインの親友に着目して、ここまで深く描いた作品を観たことがなかったので、新しい発見があり読んでいてとても面白かったです。僕が演じた達也という役柄の繊細な性格や人柄も、現場でも監督と話し合いながら作り上げていきました。2人組の監督さんとご一緒する経験は初めてでしたが、てつお監督、ゆうほ監督にそれぞれの考えや想いがあって、そこに僕の考える役の想いを混ぜて、みんなで作り上げていく感覚が楽しかったです。
 ◎ともか役◎若柳琴子
今回このHU35という企画でお二人の大切な作品に出演できて嬉しかったです。現場では、監督のお二人はもちろん、他のスタッフさんや共演者の皆さんも本当に優しくて、5日間という短い期間でしたが楽しく撮影することができました。ともかの動きや喋り方を見てリハの時から監督お二人が笑ってくれたことが何より嬉しかったです。この作品は今までに観たことがないラブコメディなので、絶対に面白いです!みんなで一生懸命作った作品なので、ぜひご覧ください。
 ◎恭平役◎金田昇
監督との年齢が非常に近く、イメージの共有や監督とのコミュニケーションも含めて新鮮な気持ちで撮影が進んでいき、とても楽しかったです。監督のお二人含め、スタッフさん、共演者の皆さんがすごく優しく、その優しい人柄が滲み出るような現場でした。演出ではお二人で真剣に話し合い、胸キュンシーンなどは監督自身が再現してくださったことが印象的でした。笑いあり、胸キュンありの今までにないラブコメ作品となっています。ぜひご覧ください!
 ◎ゆりな役◎原愛音
今回この作品のオーディションを受けさせていただくにあたってHU35という企画を調べていく中で、15歳(※)の現役高校生も監督としてファイナリストに残っていることを知り、チャレンジするのに年齢は関係ないんだと改めて感じました。そんな素晴らしい企画の作品に自分も携わらせていただきすごく光栄です。役を演じる中で、少し躓いたり難しいなと感じて監督に相談しに行くと、お二人が一緒に親身になってご指導してくださったことがすごく嬉しかったです。ラブコメ好きのお二人による作品ということで、ラブコメ好きな方には絶対に刺さる作品になると思いますし、一人でも多くの方がこの作品を観て、笑ったりキュンキュンしたりしてもらえたらいいなと思いますのでぜひ皆さん楽しみにしてください。
◎先生役◎山崎静代
今回この脚本を読んで、脇役にスポットを当てるなんてすごい発想だなと感心しました。ヒロインの親友=脇役と聞くと最初はパッとしない子が主役なのかなと思いますけど、田鍋(梨々花)さんが可愛らしく演じていて、ヒロインとしても成立しているのですごいと思います。監督お二人は若くて小柄で控えめな感じの印象だったのですが、おもしろい発想をされていたので、内に秘めるエネルギーが二人にはあるんだなと感じました。カップルでの制作は同じ方向性が見えていないと難しいかと思いますが、完成がとても楽しみです。
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toxgo · 2 years
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わたしは光をにぎっている
「八月は夢花火 私の心は夏模様」
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お送りした曲は宇多田ヒカルによる井上陽水の"少年時代"。毎日着るインナーがフルーツのタンクトップからインデラのサーマルに変わるまでは、僕の心は夏模様。
どんだけの猛暑でも僕は夏が好きです。汗でびしょびしょになろうがならまいが夏が好き。でもフェスや野外のアクティビティにはあまり興味がない。路面の居酒屋で外の席があれば是非ともそこがいい。それが座れようが立ちでも。なんて事ない居酒屋でも外で呑む瓶ビールは格別。サマレンの主人公である網代慎平の癖である"俯瞰"を引用するならば、生ジョッキより小さいグラスでクイっと呑み干す瓶ビールの良さを知った自分は間違いなく歳を重ねたんだと思う。生ビールより瓶ビール派。流川より仙道派。聖子ちゃんより明菜派。
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“松本穂香”が気になる。
「拾われた男」の第二話で主人公の松尾諭がバイトしている渋谷TSUTAYAに、新人バイトとしてやって来た田畑さんを演じたのが松本穂香だった。このエピソードのみのスポット出演だったにも関わらず、これが僕の中で決定打になった。
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区画整理などの都市開発で街が変わり続けている東京。そこにあって当たり前だったものが日々変わり続けている街並み。コロナの影響ももちろん大きい。そんな変わりゆく街を舞台にし、“終わり方の大切さ”を描いた映画「わたしは光をにぎっている」 
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主人公の澪を演じたのは松本穂香。澪は幼い時に両親を亡くしてからは、大人になるまでずっと祖母と長野の田舎で暮らしていました。しかし、祖母の入院や経営していた旅館の老朽化もあり、祖母の元を離れ、亡き父の友人である三沢京介が経営している東京の立石にある銭湯“伸光湯”に居候としてやって来ます。
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しかし、新しい環境での生活になかなか馴染めない澪。ある日、祖母から「目の前の出来る事から、コツコツやりなさい」と心を少し軽くしてくれる言葉をもらってから、少しずつ伸光湯の手伝いを始めます。
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伸光湯で働くうちにどんどん銭湯の事が好きになっていく澪。いつしかそこが澪にとって自分の居場所となり、そして一途の光を掴みかけていました。
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澪は祖母が入院する日に一冊の本を譲り受けます。その本は詩人・山村暮鳥の詩集でした。そして、祖母がその詩集の中でお気に入りだと教えてくれたのが「自分は光をにぎつてゐる」 山村暮鳥は大正時代の詩人。この「自分は光をにぎつてゐる」は書いた時は、その時代では不治の病だった肺結核に侵されていたそうです。自分の死が迫ってくる中で、暮鳥が生み出したのは「光」をテーマにした、絶望ではなく希望の詩。この詩が映画のタイトルの由来となっており、まさしく物語の核です。
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この作品を見るにあたってお伝えしたい事は、主人公の澪はあまり話さない内向的な女の子。でも、その役柄が松本穂香とすごくマッチしていたことは間違いないです。"コミュ症"と言ってしまえばそれまでかも。でも、それとはちょっと違う。物語の中で、「しゃべらないことで自分を守ってる」と核心をつく一言を言われます。このシーンは決して他人事の気がせず、自分自身に投げかけられているようでハッとさせられました。
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銭湯という居場所を見つけたのも束の間。伸光湯は区画整理の対象となっていて、取り壊しが決定していました。初めは澪に素っ気ない態度だった京介でしたが、銭湯と出会い変わっていく澪を見ている内に、段々と言い出せなくなっていました。そして、畳み掛ける様に、澪の祖母の訃報。澪にとってはダブルで自分の居場所を無くしてしまいますが、その時の澪はもう以前の彼女ではありませんでした。
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「しゃんとする。どう終わるかって、たぶん大事だから」
これが映画のキャッチコピー。自分の居場所。知り合った人達との思い出が詰まった街にお別れを告げて、迎えるラストは終わりがあるからこそ始まりがある。と思わせてくれたエンディング。多くを語らず進んでいく様はまさに「詩」そのもの。楽しい時も挫けそうな時も、誰しもが小さくて何かしらの"光"を握り続けている。
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あんな烈しい暴風の中で
掴んだひかりだ
はなすものか
どんなことがあっても
おゝ石になれ、拳
この生きのくるしみ
くるしければくるしいほど
自分は光をにぎっている
出典:『山村暮鳥の世界』筑波書林
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NARI
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syupii · 3 years
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私のイクイク病関連のツイートまとめ②
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https://twitter.com/syupii_3/status/1453115021957861378?s=21
「届かないものが好き」「絶対に手に入らないものに惹かれる」
これらはリスロマンティックというよりは感傷マゾヒズムかもしれない。
二次元に恋してる人や自分の理想の青春を送れなかった人はこれになってる可能性がある。
イクイク病を発症した人の話では片想いでなったみたいな話があった。
「感傷マゾヒズム」は防衛機制の同一視(同一化)に近い。
他者に自分を意識的に投影すること。
推しに自分を重ねるって感じ。
自分にできないことを代わりにその推しがやってくれるように期待したり、あるいは推しの成功を自分が成功しているように感じるといったところ。
叶わない恋も似てるかも。
回避性パーソナリティ障害と人間関係リセット症候群…調べていくと私に当てはまる似たようなワードが次々と出てくる。
支援員さんに指摘されたんだけどプラシーボ効果(偽薬効果)でだんだん私がハマっていってる。
要は思い込み。
誰でも当てはまる気がするのでこういうのは医師に診断してもらおう。
「イクイク病」で検索していると、面白おかしく取り上げられた質の悪い情報ばかり出てくる。
特にYouTubeにあがっている漫画の動画。
絵柄が古いし内容は鬱展開だし解決にならないから見る価値がない。
この話に限らずこの手の音声付き漫画の動画はたいていがクソ。
個人的に心配なのは性依存になってる方。
症状が症状なためポルノ依存症とセックス依存症になりやすい。
セックス依存症が厄介。
特に20代前半で巨乳の女性はマッチングしやすいから危ない。
色情症になってる可能性があるから精神科病院に診てもらったほうがいい。
ポルノ依存症も色情症もセックス依存症も誰もがなる可能性がある依存症だ。
快楽に溺れてしまうのは脳の都合上しょうがないんだよ。
もし、本当に辛かったら恥ずかしいだろうけど治療を受けてほしい。
今のままで幸せなら、どうか望まない妊娠だけには気をつけて。
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https://twitter.com/syupii_3/status/1453268923835633669?s=21
アナニー(ドライオーガズム)してイクイク病になった男性の話を知った。
この話は昔どこかで見たことがある。
私はエナジーオーガズム。
10年ぐらい前に1回試したことがあるがその時はイケなかった。
今は脳感でイケた。
エナジーオーガズムは恋の呼吸だと悟った。
その男性は薬物中毒者みたいな脳内になっていたという。
要はキメセクしてる人みたいに脳がバグってるということ。
性欲が強すぎるどころか亢進状態だ。
そりゃハメ撮りやオフパコまでしちゃう人がいてもおかしくはない。
いわば快楽堕ち。
そのうちゴム無し生中出しとか抵抗なくやりそうで怖い。
ヤク中でキメセクした人の話によると、毛を撫でられただけで普段の何十倍も気持ちいいとのこと。
週刊ポストで昔読んだ。
イクイク病はまさにそんな感じ。
この男性は家族関係とか環境要因もありそうだけど。
SMプレイや催淫でそうなることはある。
私は脳イキが恐ろしくなってしまった。
エナジーオーガズムも同様にそういう症状が出ることはある。
私はこれを2日連続でやってしまった。
あの頃はあまりにも精神的に辛すぎてすがる思いで快楽に没頭してた。
エナジーオーガズム(体外式ポルチオ)は中イキを経験していることが条件だが処女なので未経験。
脳を恋してると錯覚させてやった。
オーガズムは挿入などの物理的な刺激ではなく脳が引き起こすものだということを学んだ。
女性は最低でも前戯に20分以上かけないとオーガズムを迎えられないという。
実際に試してみたら本当だった。
焦らしプレイが気持ち良すぎた。
エナジーオーガズムを習得したら賢者タイムが無くなった。
賢者タイムが無くなったら今度は連続イキが始まった。
これでイクイク病になって現在に至る。
最初の頃は頭が冴え渡りスタイルと肌質が良くなって良いことずくめだった。
後にエロ妄想が止まらなくなって集中したい時に集中できなくなったり、オーガズムが続きすぎて体がだるくなるようになった…
この症状のおそろしいところは、その気が無いのに「セックスしたい」と思ってしまうこと。
頭の中が性欲で支配されている感じ。
今は自制できているがマッチングアプリ(出会い系)やパパ活について調べ始めている。
カリギュラ効果が発動してる。
私はコミュ障のため他人と交流できないのが幸いだ。
ハプニングバーまで調べててヤバかった。
流石にそれは無理だった。
引きこもりだからその心配は無い…はず。
病院や支援機関なら電車に乗ってもどうにか行ける。
私は性的魅力が皆無なのでたぶん平気。
そもそもガチメンヘラだから相手にされない。
実はモテに容姿や年齢は関係ないのはナイショ。
最近は七菜乃さんに感化されてセルフヌードを撮った。
七菜乃さんになら撮られたいまである。
私の体はチクニーのしすぎで乳首が千切れてしまったのと手先の不器用さ故にムダ毛処理が半端で残念なことになっている。
ボディポジティブを体現しようとするも芸術に昇華できずエロになってしまった。
写真は鍵付きでとあるろだにうpった。
ここやタンブラーにアップしたら凍結されるからね。
頭使わないと。
肝心な部分はモザイクを入れてるがやはり人に見せられないレベルなのでヒミツに。
ここで得た気づきは私の体は私にしか需要が無いこと。
モザイクの入れ方次第で症例写真になることを発見した。
自分以外の生の女体をリアルで拝むことは無い。
私はナルシストになって自分の裸体を鏡に映しながらそれをオカズにしてオナったことがある。
我ながら変態だ。
いろいろこじらせて奇行に走ってしまった。
下ネタを連発しすぎて恥ずかしすぎる。
ド変態に振り切ろうとしたが振り切れなかった。
写真は放流したまま。
「芸術家なら認知的不協和を昇華させろ」といいたいところだがセンスも無いのでそれは叶わず。
せめて文章に起こしておこうと心に決めた次第。
ここまで誰も傷つけてないのが奇跡。
私の自虐でもし誰かが傷ついてたらごめんなさいね。
余談だがAV女優のアクメのほとんどは演技だ。
現場は想像以上に過酷。
マジイキしてるのは加藤鷹さんやしみけんさん辺りのセックスの上手い男優さん相手の時くらい。
本当にイッてたらマジで仕事にならない。
風俗嬢やパパ活女子も同じ。
職業病で不感症になりやすい。
逆にイッてる人はすごい。
マジイキ動画を見たため私はエナジーオーガズムと脳イキを成功させてしまった。
あれはマジですごかった。
女性がガチでイク時は「もうダメ」とか「頭おかしくなっちゃう〜!!」とか自然と口走るのね。
私も口走った。
頭が真っ白になって失神ですよ。
頭にビリビリと電流が走る。
まさに「小さな死」。
↑これはポルチオ(Pスポット)による中イキと脳イキがセットになってる感じ。
私は処女で経験してないからわからないけどおそらくポルチオのほう。
中イキと脳イキのWと思われる。
あまりに刺激が強すぎて不正出血してしまった…
ちなみにイクイク病は処女でもなる。
中には10代で発症する人も。
↑今思えばこれはサイバーセックスや催淫オナニーに近いかも。
「七つの習慣」によると、「人を愛すると本当に愛するようになるんですよ」(うろ覚え)というのがある。
恋してると思い込むことで本当に恋しちゃうやつ。
「ノーゲーム・ノーライフ」でステフが空(主人公)に惚れたのも催眠。
催淫が得意なエロ催眠術師によると、「催眠にかかる人は強く思い込むことでかかる。自分でかけちゃう。」(うろ覚え)とのこと。
私はイクイク病は恋の病だと考えていた。
自分で強く思い込むことによってイクイク病にかかる可能性があるかも。
脳を騙してオーガズムを引き起こせても不思議ではない。
↑脳を騙せるならプラシーボ効果も説明できる。
☆ここまでの私の仮説
・精神的不安で快楽に依存してる説
・脳のバグ説
・ドライオーガズムorエナジーオーガズムやりすぎ説
・恋の病説
・感傷マゾヒズム説
・セルフ催淫説
イクイク病ってアメリカに多いんですって。
英語の論文を読み下す必要が出てきたわね。
ていうか論文あるのか?
この前みたいに医師しか読めないやつは困る。
催淫だったら自己暗示で解けそう。
認知行動療法は効果があまりないというし…
やってみなくちゃわからない、わからないならやってみよう!
支援員さんに聞いてわかったことがある。
性欲は精神科の薬である程度は抑えられるんですって。
長期服用が危ないだけで短期間ならいいとのこと。
医師や薬剤師の指導に従っていれば大丈夫。
ネットの情報は質が悪いものが多いからあまり検索しすぎないほうがいい。
性欲が強すぎて大変だと思うけど、オナニーやセックスはなるべくしないほうがいいよ。
なぜなら、余計に症状が悪化するから。
すればするほど体がさらに強い快感を求めちゃう。
単純にやりすぎでクリトリスや子宮等を痛める恐れもある。
オナ禁とポルノ断食が必要。
セックス依存症の方はマッチングアプリは使わないほうがいい。
特に自己愛性の人に洗脳されたら厄介だ。
ポルノ依存症の方はネットを控えて運動や趣味に没頭しよう。
オナニーは1日でもするのは我慢。
1日1時間でもいい。
2週間くらい我慢したほうが気持ち良いよ♡
オナ禁とポルノ断食は離脱症状が辛いが2~3週間ほど我慢すれば体が慣れる。
セックス依存症と色情症は治療しよう。
性欲が強すぎるのは脳のせいだから気にしないで。
私もしばらくオナ禁とポルノ&ネット断食をする。
次の心療内科の定期通院で医師の指示を仰ぐぞ。
10/31
オナ禁は継続中。
ポルノ断ちは1日しかできなかった。
いや、1日だけでもできたから良しとしよう。
やっぱりエロの過剰摂取は良くないな。
見ないだけでもだいぶ症状が抑えられる。
エロ妄想は私の障害特性上、思考が多動なため抑えるのは困難。
とりあえずほどほどにできた。
ポルノに関してはとあるサイトを見た時がヤバかった。
この症状が出た原因の1つのあの方のnoteの記事とサイト。
痙攣が始まって体の力が抜けてオーガズムが止まらなかった。
この前みたいになったらヤバいので余計なことを考えて無理矢理止めた。
これってつまり…
認めたくないがそういうことか…
痙攣イキはマジヤッベーからYouTubeのWITHのラジオを聴いてそっちに意識を持ってった。
女性がイケなくなる原因の1つに余計なことを考えるというものがある。
不安やちょっとしたことが気になるとかそんな感じ。
私はアンチパターンとしてこれを実行した。
この話は某SMの女王様の話を参考にした。
困ったことに強いオーガズムを感じると不正出血することがけっこうある。
今週は2日ほど血の混じったおりものが出たし心配。
次に不正出血したらマジで産婦人科で子宮を見てもらおうと覚悟は決めてた。
大至急、子宮を診てもらおう。
…「しきゅう」だけに。
お医者様と医療プレイしに行くか!!
(2021/10/31時点)
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akntm · 4 years
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旅行記 
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この街に訪れてから3日が経った。
イヤホンをしてoasisのHelloから始まるアルバムを流し、ついさっき買った地元パン屋のラップに包まれたサンドウィッチを食べている。
そして自販機で買った「あったか〜い」お茶をコートのポケットに移動して、カイロ代わりにする。
今日はとってもさむい気がするな、
朝から鼻水が出ていたし。
パン屋から駅までは友人から20分くらいだと聞いていた。
散歩にはちょうどいい。
わたしはこれから、この街とおさらばする。
歩いて行くこの商店街の長い道は、思い出の場所だらけだ。
走馬灯のように、勝手にこの三日間のことが頭の中で映像になって流れていく。
さっきからやけに鼻がつんとする。
ああ、やっぱり風邪かもしれない、嫌だなあと思っていたら、今度は目頭が熱くなっていることに気づいた。
あれ。
目の前が霞んでから、やっとこのツンの正体を理解した。
どうやら思っていた以上にこの街を離れることが寂しかったようだ。
友人はいろんな人を含めてこの街のことを紹介してくれた。
この友人は、上京してから一番近しい存在であり大事な友人なんだけれど、この子のことを話してもかなり面白い。けれど今回は省略する。
彼女の人柄もあり、この土地に住み始めた彼女のガイドはとても面白かった。さすがだ。
一日目は合流する前にラインで友人を紹介していい?と言われたので、もちろんYESと答え、友人とご対面しその彼の運転で街を案内してもらった。
お腹が減っていると着く前に伝えていたから、まずはかわいい地元パン屋に連れて行ってもらってかわいい昔ながらのサンドウィッチを買った。
それから、彼女がこの街を好きになった理由の一つというお気に入りの景色をいくつか案内してもらった。
まずは海辺へ。
水は透き通っていて底まで見えた。
海の向こう側にまた山がある。山に囲まれている海だ。
湖と海の違いを教えてもらったけれど、忘れてしまったな。大きさ?なんだっけ?
水平線がある海に憧れる、とこの土地で生まれ育った彼は言う。わたしは初めて山に囲まれる海の景色を見たから新鮮だった。
内緒だけれどその話を聞いて、ここではくるりの「その線は水平線」は歌えないのか、、と勝手に寂しく思ってもいた。
けれどオレンジの船がゆったりと走り(そう見えた)、その後ろに広がる向こう側の山がちょうど西日の光を受けている光景が綺麗で、水平線がない海も良いなと思った。
それから、また別のお気に入りスポットを案内してもらった。公園だったり、道だったり、家だったり。
案内してもらった景色を見て、彼女の好みは変わっていないんだな、となぜか安堵した。
彼女のお気に入りスポットツアーが終わり、
車に乗ると、絶対今の時間いい場所がある、と前に座っていた二人が話をしていた。
景色はもうずっと両側山だ。
山やそこらにあるススキが、西日に照らされていてとても綺麗だった。さっきの海での景色もそうだけれど、夕日は全てを美しくしてしまうな。
と楽しんでいたら、
前方に海…………!
3人でうわ〜〜〜〜〜〜〜と言った。
車内にはoasisが流れていた。
海に沿った道路を走る。
そこからは水平線が見えた。
あ、歌えるじゃんと思った。
本当に言っていた通り、"この時間にいい場所"だ。
山に囲まれつつも水平線が見えて、夕日が水面をきらきらと黄金色に照らしている。空は水面に近づくにつれピンク色になっていて横に細長い雲が続いていた。あ、これは"紫だちたる雲の細くたなびきたる"の夕方ver.だと思いながら頭で一句読んだ。
景色に心奪われていると、
この景色を一緒に見たらもう友だちだよね、と言われてそりゃもう友達だ〜と返事をした。
oasisがとても気持ちよかった。
車の窓を開けて風を感じながら、好きなwonderwallが流れていて、この状況に幸福を感じざるを得なかった。
彼女の家に帰り(彼女の家のことも紹介するとかなり面白いけれど省略です。)、歩いてご飯屋へ向かった。
歩く道中で、彼女の知り合いのお店に寄った。ストリートのショップでレコードも置いてあった。(最近出し始めたらしい。)レコードを見ていたらデラソウルがあって、思わずデラソウルだ!と言ったら、お店のお兄さんと盛り上がった。
音楽は世界共通言語だ、、、(うっとり、じーん)と改めて感じ、そんな話をしていた。
スケボーの絵柄を見ているとかわいいなあと思うものをいくつか見つけて、お兄さんがそのイラストレーターの事まで教えてくれた。知らない楽しさがこういうところで繋がっているんだと感じ取ることがあって、やっぱり知るって楽しいな!とざっくり思ってしまった。
そのあとごはん屋さんに行ったんだけれど、
そのお店は入る前から素敵だなあと思った。
やっぱりね、照明が優しい光なお店は素敵なお店が多いんだな。
もちろんご飯も一つ一つ美味しかった、
らっきょうがメニューにあって驚いた。
普段なかなかメニューに出て来ないらっきょうは、とてもいいつまみになっていた。
美味しいなあと思っていると、さっきストリートのお店の前にいたお兄さんが来ていた。
わたしはその人のこ��を店員さんだと思っていたけれど、よくそのお店に行くお客さんだったみたいだ!
3人で飲むことになった。
そのあとそのお兄さんの友達が来て、
3人でいたのを知らされていなかったようで、なんの集まりだ?とはてなになっていて面白かった。最初は、"?"となっていたようだけれど、自然だった。
というかちょっと強面なお兄さんだったから
緊張していたけれど、とてもよく話すサバサバなお兄さんで気持ちが良かった。
友人は仕事が残っているということで家に帰り、わたしはそのまま残っていたんだけれどよく考えてもいつもだったら一緒に帰っていたなと思う。
お店の店主はじわっと付かず離れずな感じでお店にいて、この人のつくる空間に勝手に安心感を抱いているのかもしれないなあと思った。
その後もお店にいたお客さんが、私たちのテーブルに加わったりしていた。
家の近くまでお兄さん二人が送ってくれて、
明日どこにいくかざっくりしか決めてないんですよね〜と言ったらあそこならここは行くべき!というラーメン屋さんとかご飯やを教えてくれた。たのしかった。
3人で歩いていると、下にかなり傾いている半月が見えおかしかった、街中でも星が見えてうれしかった。
自然を褒めて都会人呼ばりされたくないなと思ったから言わなかったけれど。
帰ったら、友人と最初の彼が待っていた。
一緒にお湯を飲んだ。
2日目の朝は、友人は仕事をしていたのでカッコいい自転車を借り昨日とは違ったパン屋に行った。
自転車が気持ちよかったなあ。
パン屋は全部が美味しそうでしかも腹ペコだったから悩みに悩んだ。その間おじいさんに自転車を褒められた。
えっへんという気持ちで本当は自分の物かのように話そうとしたけれど、正直に友人から借りていると話した。そこからパン選びに集中しながらも話が進んだ。
やっと3個選んで家に帰り、全部半分に切ってトーストして友人と半分こした。二人で美味しい〜美味しい〜のエンドレス。こういう朝、毎日訪れて欲しいと思った。
その後その街から30分くらい一人電車に揺られ、散歩をした。昨日教えてくれたラーメン屋さんは、なんと定休日。がーーんとなり、Googleマップで出てくるラーメンの写真に想いを寄せながら、街を歩いた。おろしそばを食べた。おろしそばは地域毎、お店毎に辛さが違うらしく食べてみるといいと思う!と昨日言われていたので、少し楽しみにしていた。
そば〜〜、旅行で食べるそば好きなんだよね。
旅行に行ったら一食は食べるご飯=蕎麦 だよね。これはマスト。
メニューを見たらきっと揺らいでしまいそうだったので、席に着くなり言われていた通りおろしそばを頼んだ。
大根をつゆに入れて蕎麦を食べる、という方法を知ったのは数年前で当時衝撃を受けた。
そしてそれまでの蕎麦人生(規模がでかいな)を少し悔やんだ事があったのだけれど、その元になっているのがこういう地域でのおろしそばなんだなあと思った。
もちろんおいしかった!
ここでしか蕎麦を食べていないから、比較はできなかったけれど甘い寄りの大根おろしだったと思う…おそらく……。(当てにならない言葉よ…)
それからまた一駅電車に乗り少し観光名所に行こうかなと思い、目的地までたぶん30分くらい歩いた。そして着いたと思ったら、、、はい、定休日。と、わたしの旅行記によくある、結果散歩旅になってしまうという事案が今回も発生してしまった。。
気を取り直し、これはもうどこかで一休みしよう!と思って喫茶店を探すと、胸がざわつく喫茶店が近くにある、、!救世主だ。
お店の前に立つと、もう良さそうな雰囲気。
初めての土地の地元喫茶は緊張する。
緊張しつつも扉を開けて中に入ると、外からではわからない内装の良さったら!雑多な感じ。
と思うと、店主さんが
「今日はもう終わりなんだ〜ごめんね〜。」と言う。うわ〜〜そっか〜〜残念。。。。な気持ちが顔に出ていたのかはわからないけれど、
「何分くらいいるの?ん?30分?うーん…、それなら特別に良いかあ。」と言ってお店に入れてくれた。
この瞬間、あっ…この店大好きだ…となった。
ちょろいです。
カウンターに座っていたサラリーマンの方も良かったねと言ってくれた。
このお店の配置、置いてある物、雑多な感じなんだけれど、きっとご主人の趣味なんだろうかまとまっているんだ���ね、とても好きだった。メニューも手書きで可愛らしい。
サラリーマンはお店にある新聞やら雑誌をすごい速さで読んでいた。後頭部がツルッとしていて、ちょうど照明の光が当たっていた。
サラリーマンの方もご主人も相まって、このお店は可愛かった。
気に入りすぎたので、ご主人にお店の写真撮っても良いですかと尋ねると、僕のことは撮らなくて良いからねと恥ずかしがっていてその様子もまた魅力的だった。このお店にはこのご主人だな、と思った。
終わり良ければ全て良しということで、友人の家に帰った。
一息ついてから、友人とご飯を食べに行った。
予約していたけれど結構時間がギリギリで、
先にお店に行ってるねと商店街を走り抜けた。
10分かかるところを5分くらいで着いたから、まだまだ現役でいけるじゃんと思った。(元テニス部)
帰りは、車でコンビニに寄って、ハーゲンダッツを買ってもらった。
彼女のダイニングには丸いテーブルが置いてある。わたしは丸いテーブルにとても憧れがあったけれど、やっぱり良かった。
この部屋は夜になると、
レンジフードのオレンジの光に包まれるみたいだ。最初に会ってきっと友達になった人が、この場所にこの照明があってこのテーブルがあればそれでいい、と言っていたけれど全くその通りだと思った。わたしは、たびたびオレンジの光という言葉を口に出す。その人の言葉とわたしが思う光について部屋の温かみについての感覚を共有できたようでうれしかった。というか、先に言われて少し悔しかった。(笑)
この部屋にはそれがある。
そんな部屋でハーゲンダッツを食べていると、お酒が欲しいねとなり、近くのコンビニまで歩いてウイスキーを買ってきた。
なんだかんだで二人でゆっくり話すのはこの旅に来て、初めてだった。
久しぶりに会う大好きな友人とのウイスキー、アイス、チョコレート、ナッツ、全部が沁みた。
18歳の頃から知っている彼女とこんな夜を迎えるとはね、、大人になったね、、と話をした。
終いにはストーブの前で二人でハグしていた。
午前3時、
ああ今日は愛の日だなと思った。
3日目。
友人が休みだったから、車で少し遠くまでドライブをしようということになっていた。
この日は雨が降っていた。
なかなか起きれず、頑張って起きて雨の音を聞きながらシャワーを浴びた。
そもそも最初にこの街は、晴れの日が少ないっていうのを聞いていた。初日がとても気持ちよく晴れている日だったから忘れていたけれど。
曇りが多いってなんだか、ヨーロッパみたいだよね。
観光地に向かう。
その前に、運転中、近くにある橋の麓の方を見て、気になっているところがあると言うからそれなら行っちゃおうとなり下へ降った。
降っていくと駐車場があったから、そこに停めた。
車を降りて川を目指して歩いていく。
川の側で野球場やバーベキューができそうな広場?があったけれど、そこは無視をして川の方へ近づいた。左右に道があって右側には看板があった。ひとまず広がっている左側の川の様子を見て満足し、看板が気になっていたから右側へ戻った。いそいそと看板の内容を確認すると、「250m先文化遺産」と。
右側の道は左側と比べてたしかに"ありそう"な気配を醸し出している。
看板には結構前に描かれたであろう落書きがされていてそのまま残っているから、ここは人が頻繁に来るような場所じゃ無いんだと思った。
というか、見るからに分かる!
このありのままに自然です!手入れをしたのはいつだったかな?どーんっていうのが。左側と比べても歩けるような道は細い。
それでも道はできているから進んでみる。
進む、進む、とってもわくわくした。
もう2、3分歩いたところからうわ〜〜わ〜〜とずっと言っていた。どうやら私たちは橋の下にいるらしい。
歩いている道には草や苔が生えていて、しかも小雨が降っていたので滑りやすかった。道はアールを描いていて、これから進む場所から歩いてきた道の方へ川は流れている。その様子があまりにも綺麗で、何度も右から左へ、左から右へ目を追っていく。こんな場所があるんだ……と感動しながら進んでいくと、トンネルが…!いや、トンネルではなく使われなくなった橋だった。橋は草木で覆われている。橋の下には階段がありどうやら登れるようだ。どうする?と言われたけれど、即答で登ろう登ろうと言った。階段には手すりがあるんだけれど、どこも苔で覆われているから掴まないで足元に気をつけながら登っていく。登った先で見える光景にずっと胸をドキドキさせながら、なんだか見覚えがある風景だよなあと思ったら、きっとこれはジブリだ。今見えている橋の景色は千と千尋の最初に出てくるトンネルのようで、他見えている景色は、ナウシカやもののけ姫で見たことがあるような景色だった。こんな景色が実際にあるんだね……。すごい……。これは確かに文化遺産だ。目にしっかりと焼きつけた。こういう時、いつも目で見た景色がそのまま写真として出て来ればいいのになと思う。目でカチッと瞬きをしたらそのまま残る機械…… iPhoneで撮る写真もカメラだとしてもやっぱり違うんだ。そんなことを考えこの場を離れるのを少し惜しみつつも階段を降りると、さっきよりも背の高い草がぼうぼうと生えていた。熊がいたら怖いからと手を叩いて歩いた。するとまた、階段がある。次に何があるんだろうと思いながら階段を登り切ると、朱色の紅葉が辺り一面に散っていた。わあっと思って視線を上に向けると車を停めた駐車場が見える。今の場所がわかると、急に現実を感じた。あっけらかん…って効果音が入った気がする。けれど、その最後を朱色の紅葉で締めるというところまでジブリのシナリオにありそうで、私たちはジブリの世界観をもしかしたら体現してしまったのかもしれない!と興奮しながら車に戻った。曇りで雨の、湿っている天気だったから余計にね、と。
そのあと観光地に行き、そこからお気に入りのお店があると言うのでまた向かった。
この街に住むきっかけとなった場所でもあると言うそのお店の店主は、とても愉快だった。
あの俗に言う東京での「何か面白いことやりましょうよ!」という言葉とは打って変わり、本当に愉快で面白そうなことをしてくれる!って人だった。そして、一緒にやりたいから手伝える事がないかなって探し出したくなるような人。だから、このお店にはこの店主に会いにたくさんあったかい人がいるんだなあと思った。
最後何してる人なん?と聞かれて答えたら、私を巻き込もうとすぐにあれをしましょうと企んできた!みんながこの店主の事が好きなのは、こういうところなんだろうなと思った。だって嬉しくて楽しいものね。
そういうほくほくな気持ちで、
帰りは私が運転した。久しぶりの運転、緊張した。
夜は最初に出会った友達と3人で回転寿司を食べに行った。回転寿司って、その響きだけでキラキラしているよね。
私が食べた皿の数を見て、歳上の彼が張り合っていて面白かった。結局3人とも枚数はほぼ一緒だったけれど。
それから、��企画しているという"物"を見にもう一人のところへ会いに行った。
面白かった。
この日の夜も、初日のようにまた丸いテーブルを囲んでオレンジの光に三人照らされていた。
またお湯を飲んで。
三日間を振り返って、二人とも寂しくなるなあと言ってくれた。寂しいね、と言いながらお気に入りの曲を聴いていた。たくさん話した。
彼が帰ってから、私たちはご近所のバーへ出向いた。お店へ入ると、バーのお兄さんは寝ていた。友人が起こすと、びっくりしていた。
起きると気さくに話す少しチャラいお兄さんだった。時間はもう1時、2時を回っていたけれど、お客さんは二人来ていた。一人はまた違うバーで働いているお兄さん、そのあと入って来たのは不動産屋で働いている方で、友人に家を貸している人らしい。何も情報が無かった一言目に、明日帰るんだってね。と言われたときは、驚いた。田舎は情報が回るのが早いと言うけれど、ここまで早い!?と思っていたら、そういうことで少し安心した。またおいでな、と声をかけてくれて、店を出る時もお兄さんにあかねちゃんまたねと言われた。
そして今日になる。
濃い三日間だった…。
街の人はとても優しくておしゃべり好きな人がたくさんいて愉快だった。
地域の名所には行けずにいたけれど、
会った人たちにまた会いにこの街に来たいなと思う。
なんだかこの街は、街全体がゲストハウスのようだ。
うん、ゲストハウスって言葉がしっくりくる。
ゲストタウン……?
あったかくて、距離感がとても心地よい。
そんなことを考えながら、
変わらず私はoasisを聴いている。
トーストされたサンドウィッチは噛み切りにくく(それが良い)、苦戦しつつもやっと食べ切れそうだ。
乗る電車まであと10分。
ちょうどいい時間だ。
ああ、寂しいな。
この寂しさは思っていたより大きかったみたいだ。
けれど、ほくほくしている。
寂しい という感情は私にとってきっとここ数年でやっと憶えた感覚だと思う。感情のカテゴリが増えるのってやっぱり嬉しい。
だから私はこの寂しさを大事に抱えて、改札に向かう。
街の人たちへ
また次に会える時を楽しみにしていますね
とてもいい街でした
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skf14 · 4 years
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08120105
「ああぁ...どーしよ。」
「何、頭痛いの?」
「ゾンビなってもうたかもしれへん。」
「は?」
「ほら。あー。」
「...お前、去年もそれしてたけど、今時中学生でもやらないぞ。そんな古典的なボケ。」
「はー、冷めた大人になったもんやなぁお前は。これやから東京人は。」
真緑に染まった舌を収めた彼が手の中のかき氷を雑にかき混ぜて、冷たい氷が俺の掌に飛んだ。ふわり、香る人工的なメロンの香りが、夏らしくないのに夏を想起させる不思議。
甘い物があまり得意じゃない俺とは裏腹、歯がなくなっても甘いものを食べたいと豪語する目の前の男は折角の鮮やかな緑のグラデーションをストローで壊し、シャバシャバにしてからそれを飲む。もはやかき氷ではない、と指摘し飽きて、今や俺の中でもあれはかき氷のカテゴリーに分類されていた。
発泡スチロールのチンケな容器を酒でも飲むように煽った彼は容器に描かれたペンギンの可愛いイラストを見た後、急に立ち上がる。
「あかん。」
「今度は何。」
「アレ食べるん忘れてた。冷やしきゅうり。」
「まだ花火間に合うだろ、買って来いよ。」
「嘘やん、お兄さん目の前の階段見えてます?」
心底嫌そうな顔で目の前に長く続く石階段を指差した彼はまるで俺を非難するような目線を向けてくるがとばっちりもいいところだ。こっちは彼が食べたいと言い張った袋入りの綿飴(しかも袋の柄はプリキュアだ)を片手に、ちょっといいとこ見てみたいと小馬鹿にされつつ煽られてカチンときた俺が乗っかった結果連れ帰ることになった出目金が二匹詰まった袋が片手に引っ掛かっている。
「だからお前、登る前に買い忘れたもんないか聞いたろ俺。」
「そん時は甘い口やったの。今はしょっぱいもん欲しいねんもん。はぁ、血も涙もない。なんかいる?」
「あー、じゃあ、りんご飴。」
「あ、俺も買お。」
「お前なぁ。またしょっぱいもん欲しくなっても知らねえぞ。」
「ええやん、りんご飴は祭りでしか食われへんし。」
からん、乾いた下駄の音を鳴らした彼がふらふらと浮遊するような足取りで階段を降りていく。黒い麻の生地に白いストライプが走る浴衣の足下をひらりと翻す、帯にうちわの刺さった背中を見送って、まだ始まる気配の見せない花火が咲くであろう目の前の何もない空をぼうっと眺めた。
もう、5回目になるだろうか。ここでこうして彼と、花火を見るのは。
関西支社への出向で出会い、打ち解けていくうちに互いの性的指向を知った。というより、最初からうっすら感づいてはいたが互いに口にはしなかっただけか。いかんせん多数派がのさばるこの世界では、マイノリティー、少数派は一つのコンテンツとして扱われる人権のない玩具にも等しい。
「俺、女の子あかんくてなぁ。男しか好きになれへんねん。きしょいやろ、せやから、あんまり、優しくせんといて。」
見たこともない切羽詰まった顔でそんなことを言われてしまえば、俺の出す答えなど一つしかなかった。
大雑把、雑、適当、ポジティブ、時間にルーズ、子供、俺が今まで出会ったどんな大人よりも、むき出しの心で一人立っていた彼の手を取って、5年になるらしい。
初めてデート、で来たこの東京郊外の祭りが存外彼は気に入ったみたいで、俺が本社に戻った後も必ず夏はここへ来て、一緒に屋台を巡り、この寂れた廃神社の前でそこそこの規模の花火を眺めて、帰る。俺達の夏のルーティンだった。いつも通り、恒例行事。
ブブ、スマホが鳴る。通知が来る設定にしている相手は限られている。ちら、と取り出し画面を見れば、「優秀な俺を褒める準備しとき!」というメッセージと共に、ラムネ2本へ顔を寄せた彼の自撮り。
真っ暗な階段の下の方からからん、ころん、涼しい音が段々と聞こえてきた。人混みで真っ直ぐ前にならえで歩くのが苦手とぼやいていた彼らしく、不規則な足音。いや、単純に歳のせいもあるか。ここの階段は急な上に古くて、1日に二度も登ろうなど俺は絶対思わない。
よたり、到着した彼が膝に手をつき肩で息をしている姿を見て、老いをまざまざと感じる。たった2つ上なだけの俺もきっと、同じようになるだろうと想像しながら。
「あっかん、死ぬ、死ぬ...」
「お疲れさん。」
「ほれ、命の水や。」
「うぉ、冷たっ。ありがとう。さすが���慢の恋人だわ、神。」
「せやろ。はーー。」
「お前きゅうりは?」
「買うてすぐ食うてもうたわ。」
頬に押し付けられたラムネを受け取ればもう既に栓が空いている。ラムネを開けるのが苦手な俺への、無意識の配慮だ。こういうところで、彼の手を取った理由を見せつけられるような気がする。
パリパリ、りんご飴のフィルムが彼の手によって剥かれ、出てきた赤い艶々の飴を彼の緑の舌が舐める。これやこれ、と満足げに肯く姿を見ながら喉を潤せば、もう花火が打ち上がる時間だった。
「なぁ、」
「んー?」
「こっち、来る気ないの。」
「んー、せやなぁ。」
白い歯を飴に突き立ててカシカシと齧る彼の横顔はいつも通り、見慣れた彼の顔で、安心する。はずなのに。何故そんな、答えのわかりきった質問をしてしまったのか、自分でも分からない。
「ここ、ほんま人おらんよな。穴場やーいうてバズったりせんのやろか。」
「半端な心霊スポットなら話題にはなるだろうが、ここは別だからな。」
「まぁ、せやろな。去年また変な噂も出たしなぁ。」
「あぁ、死後に恋愛が成就するって噂、だろ?祭りの日に首を吊る、ってのはどうにも、人の妄想を掻き立てるらしいな。」
「まさか後ろでそんなこと起こってるとは思わんやん。お前おらんかったら来てないわ、俺。」
「ここの花火が好きなんだ、俺は。いつも付き合わせて悪いな。」
「んや、ええよ。」
どん、どん、と、空砲のような音が空に響いて、試し打ちなのか、ひゅるる、細い白い光が空を裂いて、そして、炎色反応の円がぱぁぁ、開かれた。
「おぉ、始まった始まった。」
嬉しそうに顔を上げ笑顔になった彼の肩が動いた拍子にとん、と触れて、抱き寄せたくなる衝動を抑えた。そんな行動、キャラじゃない。目は花火を見たまま、意識はずっと隣に向いている。
「昔嫌いやってん。花火。」
「珍しいな。」
「祭りに行ったって友達の話が羨ましくてなぁ。あんなもん別になんもおもんないわ、って拗ねてた。」
「あぁ。」
「んでも、ここでお前と花火見てから、嫌いやなくなったわ。」
「それならよかった。」
身体に響く花火の音と、左右の森から聞こえる謎めいた虫の声と、それに混じって耳に届く彼の小さな感嘆の声。夏が来て、そして終わる。この1時間足らずが俺にとっての、夏と呼べる時間だった。
「俺、まだ大阪で見たい景色がいっぱいあんねん。」
「知ってるよ。悪かった、変なこと聞いて。」
「それに、」
「それに?」
「お前を独り占めする東京は、嫌いや。」
どぉん、一際響く音と共に、大きな円が空に浮かび、そして光達が橙色の火花のシャワーとなって街へ降り注ぐ。変わり種だ。人間、動揺すると、現実から目を背けて冷静になるらしい。戸惑いがちに重ねられた、二人の間にあった手は少し湿っていて、彼の右手が控え目に俺の指を撫でる。
「ど、うしたの、びっくりした。」
「ここなら、誰もおらんから。あかん?」
「んなわけないだろ。」
少し前の俺を殴ってやりたい。年上には見えない華奢な肩を抱き寄せて、目は相変わらず花火を捉えたまま、己の掌から伝わる低めの体温と、自分の左半身に感じる僅かな重み。
「普通となんも、変わらんのにな。」
「...そうだな。」
「もしもボックスあったらな、日本におる人間を皆ちょっと物分かりよくすんねん。」
「物分かり?」
「そう。で、なんやかんやで俺が国のトップになって、全国民に向けて演説や。」
「ほう。」
「皆さん、よう考えたら、人がどんな人生送ろうが、自由ちゃいますか。多数派だけが正義やと、言い切れる根拠ないでしょ。みんな違ってみんないい、それぞれが幸せな国でありましょう。いうて。」
「いい世界だな、それ。」
「せやろ?国民皆総立ちでスタオベや。拍手喝采の中俺は役目を終えて、社畜に戻んねん。」
けらけら、楽しそうに笑う彼の目に、空を彩る光が映っては消えていく。濁ることのない、綺麗な瞳が照らされて、消えて、照らされて、消えて。
「...ただそこに在ることを、誰かに許してもらわなあかんっていうのは、なんやフェアじゃないな。」
「世界中の人間がお前だったら、優しい世界になるよ。きっと。」
「褒めすぎやで。ダメ人間加速してまう。」
「いいよ、ダメなところは俺がカバーするから。」
「そこはそんなことないよ、やろ。」
空がひっきりなしに明るい。クライマックスが近づいていた。彼が、また、花火を嫌いになる時間が近づいていた。肩に置いていた手で彼の髪をそっと梳いて、撫でる。いつか、お前の手つきは言葉より雄弁や、と悔しそうに言われたことを思い出す。
ぽた、ぱた、黒い浴衣に彼の目から溢れた花火の名残が落ちていくのは、もう目を向けずとも分かることだった。心の造りが繊細なんだ、と、そう言うことしか出来ない俺は、ただ震える肩を抱いていた。透明な玉がほろほろと目からこぼれ落ちて、綺麗だと思った。髪がかけられた薄い耳。新しく開けられたヘリックスには、シンプルなシルバーのリングが嵌まっている。秩序が乱され彼の世界が壊される度増える穴は、もう5つ目になる。
「夏、終わるんやな。」
「また来るよ、たった1年待てばいいだけだ。」
「1年、結構長いんやで。」
「知ってる。」
「お前、ずるいわ。意地悪い。」
花火を見るのが嫌いだったのは、彼だけじゃない。夏が終わってしまうことが怖くて、花火の音を聞くたびに泣いていた昔の苦い記憶が脳裏を過ぎる。当時は漠然とした恐怖ゆえだったが、今ならその気持ちがわかる。夏は、そういう季節なんだ。夏だけは、終わる時に、死を感じさせる。
そして花火は全て空に消え、夏は死に、シン、と鎮まり返ったただの夜に戻った。
「好きだよ。」
「...知ってる。ボキャ貧。」
「腫れるから擦るな。毎年言ってるだろ。」
「うっさ、オカンか。」
「言わせるな。ガキか。」
顔に押し付けたタオル地のハンカチに顔を埋め、ぐすぐすと鼻を鳴らす彼の頭をぐしゃりと撫でてから、立ち上がる。両手には彼に強請られたお土産。出目金を早く水槽へ入れてあげたい。何よりも。
「ほら、さっさと帰るぞ。」
「...お前、情緒ゼロやな。」
「当たり前だ。今日と明日しかないんだから。」
「何が、」
「面と向かって、お前におかえりとただいま言える日が。」
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konyokoudou-sk · 5 years
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怜-Toki-5巻裏表紙の三箇牧へ行ってきました
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5月にもかかわらず日が差していくなかで怜-Toki-5巻の裏表紙に登場した荒川憩ちゃんのとこに行ってきました
荒川憩ちゃんは咲-Saki-劇中の時系列では三箇牧高校に属していますが、それを反映するように背景も三箇牧の近辺だったりもします
実は三箇牧は私の地元から一番近い聖地だったりもします
そんなわけでせっかく登場した聖地に行かないわけにはいかないと思って自転車で淀川を下りながら憩ちゃんの住む街へ向かうのだった
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(自転車で三箇牧へ向かう途上に見えた池。釣りスポットとして有名なのか何人かの釣り人の姿が見える)
日が照りつけるなかで自転車を漕ぐのはなかなか大変でしたが、ちょっとずつ憩ちゃんのとこへ近づける興奮みたいなものはありました
紆余曲折あってたどり着いたので堤防の上からのカットを撮ってみようと思ったがタイミング悪く工事だったので撮れずじまい しかし、それっぽいカットは撮れたのでとりあえず満足しておこう
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工事は6月いっぱいまで続くらしく、それまで聖地に行く人は注意が必要だろう 内訳は淀川の堤防復旧工事らしい。去年6月の地震からもう一年が経ちつつあったもののまだ影響はこんなところにも残ってたのだと思いながらも引き返した
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(いろいろと名残惜しい気もしたのでパノラマを撮っておいた)
少し道を引き返して集落の真ん中へ至る道を下った この三島江の地が歌枕であったことを示す表示板があった。ほかこの三島江に河港のあったころに利用されていたであろう神峰山寺への参拝客のための道標石も隣合って置かれていた
三島江の地は万葉集の柿本人麻呂の歌を皮切りに数多くの歌が詠まれてきたが、妙に院政期あたりの歌人が多いような気もする
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まずは用水路を巡っては北の方に向かって憩ちゃんがお婆ちゃんにタマネギを貰うところへ向かった ストリートビューで見る限りどちらかといえばタマネギ畑というよりは水田という趣の方が強かった気もする だが咲の世界ではタマネギ畑だから一応取れるものなのだろう
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憩ちゃんや三箇牧の生徒もきっと乗っているであろうバス 南の柱本団地からJR高槻駅南へ朝・夕方は一時間につき2本、昼間は1本のペースで走る
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中途で喉が渇いたので自販機を探したらチェリオの自販機があった チェリオは曲がりなりにも地元高槻のメーカー
憩ちゃんもまたチェリオのジュースでも飲んでるのだろうと思いを馳せながら麦茶を買った
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(味は値段なりではあるが100円という値段でジュースが買えるのはそこそこの旨味。でも普段はチェリオの自販機をそれほど利用しない)
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憩ちゃんが口ずさんでいた短歌 藤原定家の私家集『拾遺愚草』のうちの一首である 三島江地区にはこんな感じの看板がごろごろあるので憩ちゃんもその一つを覚えていたのかも知れないし、学校で学んだのかもしれない
同じような三島江の関する歌の表示板は集落を貫く歩道に沿って40種類もあるので訪れたら順に見てみるのも良いだろう。主に院政期の歌が多い気もするが気のせいか
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半ば暗渠となっている歩道の下を通る用水路。この日はたまたま清掃日に当たったのか地元の方が蜘蛛の巣の掃除などに当たっていた
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こんな土地柄にもチカンは出るらしい。憩ちゃんは被害に遭わないで健やかに過ごして欲しい
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三島江にあったキリスト看板。隣合った貸金業者の看板も相まって独特の存在感を醸し出してる。ネコならぬ神と和解せよでなかったのが惜しくてならない。
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高槻市役所三箇牧支所の前にある、高槻市営バス三島江停留所。
憩ちゃんはやたら三箇牧高校(?)らしき生徒の子に可愛がられてるようだが小学生の時点で何らかの交流があるのだろうか。時々麻雀でも打たせて貰ってるのか阿知賀子ども麻雀クラブ的なものでもあるのか。
なおこの三島江停留所は先ほどの三箇牧校前と合わせてJR高槻駅へ向かう復路のみしか停車しない。ということはあの生徒たちはJR高槻駅の方面へ帰って行くのだろう。バス登校ということは必ずしも地元の子とは限らないということで、やっぱり麻雀では千里山に実力では届かないにせよそれなりに知名度のある高校なのか。
そして登校の時は往路も止まる隣の西面口(さいめぐち)で降りて学校に通うのだろうか。
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そして最後に憩ちゃんもお参りしていた三島鴨神社
祭神は大山祇神・事代主神
古くから河港として知られた三島江に祀られていたこともあって「和多志の神」として知られている。
憩ちゃんがこの神社を日常的に拝んでることを考えると、能力もまた「和多志の神」だけに河に関する能力だろうか。
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どうやらちょうどお祓いの最中だったらしく本殿に近づくことは躊躇われた
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摂社には国廣大明神という名前の社もある。内訳は稲荷社のようだが。
なにはともあれ今回荒川憩ちゃんの生活が明らかになって、今後の怜-Toki-にどのような影を落としていくのか気になるところですね。
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team-ginga · 1 year
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映画『龍馬暗殺』
 U-NextでATG制作の映画『龍馬暗殺』(1974)を見ました。黒木和雄監督が『日本の悪霊』のすぐ後に撮った映画だそうです。
 出演は原田芳雄、石橋蓮司、松田優作……ちょい役で桃井かおりもいます。
 石橋蓮司が若い。原田芳雄、松田優作、桃井かおりは……それほど変わりません。なぜなんだろう。私の中にあるイメージの問題かな。
 坂本龍馬や幕末にロマンを感じる人が少なからずいるようですが、私はそれがよくわかりません。基本的に私は歴史物があまり好きではないのです。歴史物は歴史に残るような「偉人」、歴史を作る人間にスポットを当てるからだと思います。私はそんな人間に興味はありません。私の興味を引くのは弱い人間、歴史を「作る」のではなく歴史を「被る」人間です。そういう声なき人間に声を与えるのが映画や演劇や小説の仕事であると、私は固く信じています。
 『龍馬暗殺』はそれまであった坂本龍馬のイメージとは違う龍馬像を表現しようとしたものなのでしょうが、私はそもそも坂本龍馬に夢を持っていないので、従来のイメージとどこがどう違うのかわかりません。長崎にライフル銃を注文して幕府崩壊後に薩長を叩く計画を立てているというのがそれなのでしょうか。だとしてもライフル購入を委託した人物が購入に失敗したと言って、代わりに写真機を送ってくるのですから、あまり意味はないように思います。
 挙兵による討幕を考えていた土佐藩は、大政奉還による無血���命を考えている坂本龍馬(原田芳雄)を排除しようとして、中岡���太郎(石橋蓮司)が龍馬を切ろうとするというのが新しいのかな。でも、中岡は龍馬暗殺に失敗(単に龍馬が留守だったというだけなのですが)し、すぐに仲直りをします。
 土佐藩はまた右太という居合い抜きの使い手(松田優作)に龍馬暗殺を依頼するのですが、右太もまた龍馬の人柄に惹かれたのかどうか、理由はよくわかりませんが、龍馬と行動を共にします。
 私はそこまで見て「なるほど、この映画は龍馬に惹かれた右太が龍馬を暗殺するに至る過程を描いたものなのだな」と思っていましたが、さにあらずーー右太も龍馬も中岡も、土佐藩が放った刺客に呆気なく殺されてしまいます。
 へえ、そうなんだ……
 やっぱり私はこういう映画はあまり好きではありません。
 なお、この映画がきっかけなのかどうかは知りませんが、松田優作は原田芳雄を尊敬し慕っていたそうです。そういえば役者としてのたたずまいというか存在感がどことなく似ていますね。
 他に原田芳雄と松田優作が共演した映画というと、鈴木清順監督の『陽炎座』ですかね。あれは名作でした。
 久しぶりに見てみようかな。
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quuyukadaisuki · 2 years
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NieR:Automata
2B9Sの話その6
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ゆらゆらと揺れる水面を覗き込むようにして2Bは、はっと息をついた。
 砂塵の舞う大地にひっそりと佇むオアシスは、見渡す限りの砂山に囲まれた知る人ぞ知るスポットでもあった。そこへ何をしに来ているかと言えば、9Sが打ち出した砂漠の緑化計画。植物を育てる一貫として定期的に訪れている場所なのである。
 
 不意に一迅の渇いた風が吹き抜けて、湖面に波紋を作り出していく。鏡のように反射した光と空の紺碧の中に、映し出されたくすんだ青色の瞳――2Bがヨルハ部隊員であった面影はもうどこにもない。レジスタンスと同様の衣服に身を包み、軽装だ。扱いなれた軍刀は携帯していたものの今は殆どその刀を振るう機会もめっきり少なくなっている。
 
 機械生命体の親玉ともいえる指令系統がいなくなってしまってからというもの、すっかり世界は様相を変えてしまっていた。それは新たな世界の始まりでもあり、ずっと創造主である人類の為に機械生命体と闘うことが生きる意味であった2Bにとっては受け入れがたい真実でもあったと同時にほっともしたのだ。
 
 もう9Sを傷つけずに済むという事が、2Bにとって何にも代えがたい事実となったからだ。
 永遠の眠りについた筈の2Bたちがポッドらの手によって修復し再び目を覚ました直後は「生きる」ということに、しばし直面し考えさせられる日々を送った。何のために生きていくのか、或いは何を為すべきなのか。未だ答えは出ていないが、水面に揺らめく己自身の様に移ろい、姿かたちを変えていくものだろうと思えるようになった。
 やや黄色がかった白色の髪を指先でいじって、退屈ともいえる時間をどうにかやり過ごす。じりじりと当たる太陽光の熱で肌が焼けることはないが、体内にある冷却機関はフル稼働し、熱の排出を急いでいる。暑いという概念はアンドロイドであるため、周囲の状況を把握するのに必要不可欠であるだけで、機能の妨げにならない様に極力抑えられている筈ではあったが冷却が追い付いていない場合、感覚というものは顕著に現れる。
「暑い」
 誰に言うまでもなく呟く。それを耳ざとく聞いていた者がいるとすれば9Sに他ならない。
「どうかしましたー?」とやや間の抜けたような声が数メートル先から掛けられる。
「何でもない」と返事をしてしまえばそれで済む話ではあるが、取り繕うような間柄でもない――あの日バンカーが落ちてから紆余曲折はあったものの、互いを認め合い、支え合いながら共に歩もうと決めたのだ。
「そろそろ戻ろうナインズ」
 照りつける日差しに少々辟易しながら2Bは9Sに声を掛ける。
「あともう少しで作業終わりますからー」
 
 あともう少しが少しで終わった試しはないのだけれど、と2Bは微苦笑しながら9Sの方へと向かう。オアシス一帯は9Sが試行錯誤の末に、繁殖させた様々な植物が群生している。その中に、いつだったか迷い込んだ洞窟の片隅で見つけたセントポーリアという小さな愛らしい花が可憐に花を咲かせていた。
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