#ここの社長は友達の弟
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Otomedia February 2016
●第4章2016年1月23日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほかにて全国ロードショー/2016年1月20日第3章Blu-ray、DVD発売
©ATLUS ©SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
HP http://www.p3m.jp
STAFF 原作/「ペルソナ3」 (アトラス)、脚本/熊谷 純、スーパーバイザー/岸 誠二、キャラクターデザイン/渡部圭祐、ぺルソナデザイン/秋 恭摩、プロップデザイン/常木志伸、色彩設定/合田沙織、美術監督/谷岡善王 (美峰)、美術設定/青 木薫 (美峰)、コンポジット&ビジュアルディレクター/高津純平、編集/櫻井 崇、音楽/目黒将司・小林哲也、音響監督/飯田里樹、第4章監督/田口智久、制作/A-1Pictures
CAST 結城理/石田 ��、岳羽ゆかり/豊口めぐみ、伊織順平/鳥海浩輔、桐条美鶴/田中理恵、真田明彦/緑川 光、山岸風花/能登麻美子、アイギス/坂本真綾、天田乾/緒方恵美、イゴール/田の中勇 (特別出演)、エリザベス/沢城みゆき ほか
◀スイートピーの花言葉は「優しい思い出」。滅びの運命の中、理は“奇跡”を掴むことができるのか⋯⋯?
ゆ う き まこと
結城 理
声/石田 彰
4月に月光館学園に転入した2年生。類まれなるぺルソナ能力を持ち、「特別課外活動部 (S.E.E.S.)」のリーダーを務める。
バレンタイン ホワイトデー
ペルソナ使いのV&W予想
チョコをもらっても、ホワイトデ一は全無視しそう (笑)、周囲に「あんだけもらっといて返さないのかよ!」と怒られて、しぶしぶコンビニとかで気を使ってない感じのお返しを買ってそう。(田口監督)
▶両親を失った幼い日の事故の様子が明らかに!?
夜の女神が微笑む甘くほろ苦いV&Wの運命
思わぬ人物から滅びの運命を突き付けられた理。下した決断は―。全4章にわたる超大作がついに終幕!第3章での理&綾時の様子を見ていると、今作での関係の変化が気になるところですが⋯⋯?「理と綾時の関係は、一言では表せないですね。友達以上ではあると思うのですけど、親友ともちょっと違うし、兄弟とも言えない。アイギスも理にとって重要なポジションにいますが、それでもこの二人の間には入っていけないんです。関係は変わってしまいますが、お互いがどんな立場でも、強い絆で繋がっている気がします」と語るのは最終章を担う田口智久監督。しかし滅びの時が刻一刻と迫るなか、理たちのバレンタインはどうなっちゃうの!?
▲見所のひとつはコロマル(のプリケツ)!「今作中唯一の癒しポイント!」と太鼓���です
●作画/山田裕子 仕上げ/合田沙織
真冬のラブFIRE!!
LOVE
❤️💙💛本命男子サーチ&バレンタイン💚💜🩷
◀自らの正体を知り、理に重大な決断を迫る
も ち づ き りょう じ
望月綾時
声/石田 彰
理たちのクラスに転入してきた謎の少年。明るく朗らかな性格で、何かと理に接し、交友を深めていくか⋯⋯。
ペルソナ使いのV&W予想
女好きが浸透してしまって、意外ともらってなさそう。というより、むしろ配ってそうですね!気の利く男です (笑)。ホワイトデーは大盤振る舞いで、大量のお返しを用意してそう。(田口監督)
S.E.E.S.のV&W予想
本命大量!?
さ な だ あ き ひ こ
真田明彦
声/緑川 光
月光館学園の3年生。2年前からシャドウ討伐隊として活動している。トレーニングを欠かさないストイックな人物。
本命チョコをたくさんもらうのに、行事に疎くてなんでチョコをもらえるのかわかってなさそう⋯⋯。(田口監督)
お返しは手作りで
あ ら が き し ん じ ろ う
荒垣真次郎
声/中井和哉
月光館学園の3年生で、真田の幼馴染。S.E.E.S.の一員だったが、ストレガとの戦いのなかで命を落とした。
寮の女子たちすら、渡すのをためらいそう (笑)。ただ、もらったら手作りのお返しをくれそうですね。(田口監督)
見栄っ張り侍
い お りじゅんべい
伊織順平
声/鳥海浩輔
月光館学園の2年生で理のクラスメイト。時折悪のりもするが、気のいいS.E.E.S.のムードメーカー的な存在。
義理チョコ多そうですね!ホワイトデ一はもらった以上の数のお返しを用意して、見栄を張ってそうです。(田口監督)
律儀な紳士
あ ま だ け ん
天田 乾
声/緒方恵美
月光館学園初等部の5年生。S.E.E.S.最年少のためか、少し背伸びをして大人っぽく振る舞おうとする一面も。
本命多そうですね。お返しはきっちり準備して、周囲に「まだ用意してないんですか?」って言いそう (笑)。(田口監督)
みんなのアイドル
コロマル
���鳴神社の“忠犬”として話題の柴犬。長らく野良犬だったが、ペルソナ能力を覚醒させS.E.E.S.の一員となる。
街を歩くだけで、いろんな人から犬用のおやつとかもらいそうですね!ホワイトデーももらってそう。(田口監督)
#persona 3#p3#ryomina#tried so hard to get the scan to look good...#had to stich together 4 different ones#only for them to be too big for tumblr aagggghhhhhh......#i mean it still looked bad anyway...#since i edited them i saved them as a png instead of my usual png
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ひとこと日記📓 2024.10
10.1- 「ちひろさん」の映画を観る。有村架純の演技が好き。ふとした瞬間、整形する前のお姉さんの面影が浮かぶ。もう整形前の彼女はこの世に存在しないと思うと切ない。会いたくても会えないのだから。/ 血便がでてヒヤッとした。ジョブズみたいな人間がいる反面、何一つなし得ないで死んでいく人間もごまんと居るのだ。
10.2- 今日は仕事が少なかった。こんなにゆるい仕事なのに、前の仕事より時給がいいの世の中のバグ。
10.3- 毎日が蛇口から出る水のように流れていく。どうしたらもっと時間を意識した生活ができるか考えている。在宅でできる仕事に就いたとして、通勤1時間を毎日他のことに当てられる。7時起床、8時に仕事をスタートする。フルタイムで働いたとして、休憩1時間で17時上がり。7時間睡眠を確保するために22時に寝る。そう考えると、あんまり今の生活と変わらないな。結局、労働時間を減らすが効果的だが、金も減る。/ 元彼から電話。今週末の約束の確認のための電話だったけど30分も話してしまった。ずっと笑っていたけど、内心は嫌なことを聞かれないか、また尋問みたいな時間が始まらないかとヒヤヒヤしていた。彼から電話があるまで、自分から電話しなくてえらかった。
10.4- 朝起きたらいつも家を出る時間になっていて、大急ぎで家を出た。間に合ったからよかった。理想は職場の休憩室で軽く朝ごはんを食べて英語を勉強してから仕事を始めたい。/ 感じよく話しただけで脈ありと勘違いしたり彼氏面してくる男が多すぎて気色悪い。
10.5- 昼前に元同僚の男とカフェに行く。恋愛や仕事に対する価値観の話をして、わたしにとっては魅力のない価値観を持つ人だなと思った。価値観の合うパートナーと少しだけ意識の高い人生を送りたいです。
10.6- 午前1:18にアパートの廊下の電灯が消えることを知る。午後1時、元彼と会う。質疑応答会議をする。彼からの質問リストにひとつずつ回答を用意してそれについて詳細を確認し合うというもの。とても不安定な気持ちに振り回されてクタクタになった。ちゃんと気持ちが固まるまでセックスしないと約束したのに、あっさり自分から約束を破った。子宮まで到達しちゃうそれはわたしの体のサイズには見合わない。窓の外でジョギングしている人たちは、少し目線を上げた窓の向こうで何が起こっているのか知る由もない。彼はINTPで超論理的(病的)だけど、結局いつも最後は気持ちなの。
easy=簡単な uneasy≠簡単じゃない
10.7- また一週間が始まった。無理やり捻出したみたいな無駄な仕事に人生を費やしているひとになりたくない。/ 好きな人の好きなところが死んでいくのは悲しい。/ 帰宅してから、マックポテトを食べてTwitterを眺めるしかできなかった。頭の中では動きたいと思っていてエネルギーも余っているのに、動けなかった。
10.8- 出社すると、毎日わたしの机に仕事をいくつか用意しておいてくれる営業マンがひとりいる。わたしが仕事に参加できるよう、仕事を振り分けてくれているのだと思う。時々、付箋にメッセージを書いてくれる。些細な優しさに助けられる。
10.9- 弟の運動会。嫌いな母から産まれた子なのに、どうしても1番かわいく見えてしまう。血には抗えない。
10.10- 秋、カフェイン摂ったときの高揚感をカフェインなしで感じられる時がある。やりたいことがたくさんあってわくわくして焦ってる感じ。
10.11- 今週も無事、仕事が終わった。むずかしいことはなく、ただ次から次へと発生する庶務を処理していくだけ。/ 夜、最近メッセージしていたロシア人とビデオ通話する。日本語がほとんど話せなくてかわいい。元彼にもこんな時期があったんだよな。わたしと出会った頃に比べて、だいぶ自然な会話ができるようになったね。
10.12- 早起きしたけど、結局��寝して17時ごろから活動。1日あればなんでもできるな。/ はじめて本格的なゴスロリのドレスを買ってみた。ハロウィン用。
10.13- ボーリングのスコアがついに120まできた。すこし前まで60だったから、どんな顔していいかわからない。/ 風呂で髪を染めながら本を読む。効率的。
10.14- 性欲オバケになっている。生理終わったのになぜだろう。
10.15-
10.16-眠る前、元彼と電話をして案の定ケンカになって、こいつはクソだなと思った。わたしも違うタイプのクソだけど。/ Tim とひみつの会話をする。
10.17- 一日中、怒りと憎しみの感情に支配される。何のために命を繋いでいるのかわからないけど、お金があって死にたいより、お金がなくて死にたいのはもっと苦しいから、仕事には行く。
10.18- 会社の飲み会
10.19- 洗濯掃除染髪雑務/「最後まで行く」を観る。綾野剛っていつも黒スーツだね。
10.20- ハイエースをレンタルして冷蔵庫とテレビを運んだ。元彼に手伝ってもらい3階まで。秋晴れ。ジメジメした心も無理やり乾かされた。違う世界線を考えてみる。大嫌いな元彼の女友達を毛嫌いしなかった世界線。潔く隠し事をせずに元彼を選んでいた世界線。今更もう遅いんだけどね。元彼は2月に引っ越して遠くに行くようです。わたしをここに置いて。
10.16- 仕事に行くべきだったが、しんどすぎて休んでしまった。昨晩のことがこたえている。/ 銭湯に行く。変な意味抜きで裸をみるのが好き。
10.22- 昨日の日記が10.16付になっている。頭が回っていない。/ LINEのアイコンがわたしの撮った写真から別のものに変わった。/折れた爪が少しずつ伸びていく。生きている。/いつも数ヶ月先まで予約が埋まっている美容室。年末に予約をとってみる。
10.23- またお風呂入らずに寝てしまった。一緒に入ってくれる人がいないと自分を律せない。
10.24- ばーか、なわたし。
10.25- 恋愛むず過ぎ。色恋がなくても生きてる意味を感じられるようになりたい。what can I do to make it right?
10.26- 気が落ちてる時、面白いほどことごとくいろんなことがうまくいかない。営業してるはずの店が臨時休業、約束のドタキャン、あれ?意外とそれだけだった。もっとわるいことたくさん合った気がするのに。要は思い込み、考え方の癖なんだ。レイトショーでジョーカー観てくる。元彼と行くはずだったけど、ひとりで。
10.27- 日付変わってから帰宅。元彼に連れてってもらったバーに勇気を出して行ってみた。アルバイトの男に一緒にバーに行くかと誘われて、いつもと違うことしなくちゃ何も変わらないって強迫観念みたいなものが湧いてきて、飲み屋街に行った。元彼つながりの知人がいるバーに入った。その知人は以前、わたしと元彼との関係について元彼とケンカしてくれた人だ。その日について、ちゃんと謝罪がしたかったから会えてうれしかった。I'll take to your side. と言ってくれた。本当に優しい人。彼と彼の奥さんと話して、アルバイトの男のことはすっかり忘れていたし、不純そうだったからそれでよかったと思う。帰宅して元彼に電話した。1週間未読無視されていたけど、何度か電話したら出た。ごめんなさい、こんな私で。/ 人生で初めてゴスロリファッションに挑戦した。/選挙に行った。
10.28- 元彼とメッセージが続いている。メルカリで初めて物が売れたから嬉しかったそう。なぜ私に報告するの?/頭が痛いと言うと、彼はいつも「お水飲んでね「と言ってくれる。
10.29- 今日も元彼とメッセージが続いている。スニーカーを買ってと言ったら、高すぎると言われて、私の価値は18,920円以下か。/帰宅してすぐお風呂に入った。髪が長くなるにつれ、抜け毛の量が多く感じる。抜け毛のない世界だったらよかったのに。
10.30- 不要な関係は自然と終わりに向かうし、どれだけ傷つけあっても必要な関係は続く。と信じたい。
10.31- 正直に申すと、何のためにあったのかわからない1ヶ月だった。ずーっと心に重たい雲がかかってる感じ。寂しさとの向き合い方は知っているけど、向き合いたくないから敢えて間違った方法で寂しさを埋めようとして悪循環にはまってみる。行くところまで行って落ち着いてきた感はある。自分かわいい大好きな気持ちをもっと育てたいけど少し間違えると自己愛性になるから難しいね。/ 11月にしたいことは、近所にあるタロットの占い屋さんと、タイ式マッサージに行く。
完
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「おにぎりを買うのをためらう」「バス代が30円上がりしんどい」都内の大学にある学生食堂では、物価高などで経済負担が重くのしかかる学生たちの切実な声が聞こえました。教育費の公的支出割合がワースト3位の日本。各党はどんな教育支援策で応えるのでしょうか。 格安の“応援ランチ”に行列 経済負担増す学生の声 午前11時前、専修大学の食堂にできた長蛇の列。その目当ては、ハンバーグにメンチカツ、デザートまで、650円相当のメニューを300円で食べられる人気の「応援ランチ」です。 大学生(1年) 「300円ですごくお得でありがたいなと思います。お財布に優しい」 大学生(3年) 「めちゃくちゃ得した感があります」 早い日には15分ほどで売り切れるという応援ランチ。破格の値段で販売される訳は… 専修大学 学生厚生部 新生真人さん 「経済支援の一環として、ひとり暮らしや最近は物価の上昇もあり、経済的な負担が大きいという声をよく聞くので」 ランチを楽しむ学生たちからも切実な声が聞かれます。 大学生(1年) 「バス代が上がって210円が240円になって、地味に毎日だとしんどいな」 大学生(3年) 「コンビニで買うおにぎりとかもだんだん値上がりしてて、少し買うのをためらう」 大学生(1年) 「食費かかるからご飯を抜いちゃいます。今日はこれ1食」 衆院選の投票日が迫る中、政治に何を求めるのでしょうか? 大学生(1年) 「奨学金を貸与で借りてます。月5万円。給付型(奨学金)を増やしてほ���い。給付型をもらおうと思ってたんですけど、選考に落ちて」 大学生(1年) 「103万の壁をどうにかしてほしい。全然働けない」 教育無償化は? 奨学金打ち切りで困惑 こうした声が上がる中、各党がこぞって打ち出しているのが、教育の無償化。 衆院選の公約には、大学の授業料値下げや無償化、奨学金の拡充などが掲げられています。 ただ、公約の実現を待つ余裕はなく、東京大学では授業料の値上げが決まったばかり。学生を取り巻く環境は厳しさを増す一方です。 東京大学の学生(3年) 「実家が裕福ではないので、仕送りをする余裕がない。『奨学金とバイト代で生活してね』とずっと言われていて」 これまで家賃や生活費は奨学金とアルバイト代でまかなってきましたが… 東京大学の学生(3年) 「『9月にあなたの親の年収が奨学金の対象から外れたので、給付の奨学金は来月からない』と通知がきた」 10月から月4万円の給付型の奨学金が打ち切りに。授業料免除の対象からも外れ、授業料も全額自分で支払うことになりました。 東京大学の学生(3年) 「弟が私立の大学に通っていて、弟の授業料に親がかかりきりなので、僕はアルバイトを週6日に増やして、何とか学費を払おうとしている」 生活が困窮する中、進学への意欲は薄れていきました。 東京大学の学生(3年) 「大学1年生の時はすごく大学院に行きたいなと思っていたが、奨学金とアルバイトでという生活を3年間をしていると、お金がぎりぎりの状態で生活するのがすごく嫌だなと思ってしまって、大学院進学は割と3年の頭の段階で諦めて…」 その上で、衆院選の候補者に望むことは。 東京大学の学生(3年) 「高等教育の無償化というのはお願いしたい。それが無理なら103万の壁を撤廃して、奨学金を借りられない人でも学費が稼げるような環境を整えてほしい」 教育費の公的支出割合 日本はワースト3位 小川彩佳キャスター: 切実な思いを語っていましたが、日本の未来を支えていく若い方たちにこうした思いをさせてしまっていることが、日本の未来そのものの損失に繋がっていくということをもっと認識しなきゃいけないですね。 藤森祥平キャスター: 教育の無償化、世界を見てみましょう。主に先進国で構成されているOECDの加盟国のうち36か国について、公的支出の中で教育費がどれぐらい占めているかの割合をまとめました。 【公的支出の教育費割合】(OECD 2022年) 1位 コスタリカ 21% 2位 イスラエル 17% 3位 スイス 17% ︙ 6位 韓国 14% 7位 アメリカ 14% ︙ 34位 日本 8% 35位 イタリア 7% 36位 ギリシャ 7% トラウデン直美さん: 結構ショックですね。若い人にはお金を使いませんというふうにも受け取れてしまうので。私が学生だった頃、小・中・高・大のいろんな友達の話を聞いていると、「バイトで103万どうしよう」って言っている子が当時からすごく多くて。そこが結構壁として感じるんだなって。 あとは奨学金を借りていること。なぜ勉強に集中できる時期のはずなのに、お金のことばっかり気にしないといけないんだろうと、当時からすごく息苦しいなと感じてました。 小川キャスター: 世代の実感として感じていらっしゃるわけですね。どうしてこういったことになってしまっているのでしょう。 (株)日本総研主席研究員 藻谷浩介さん: 教育については昭和が続いてるような気がします。何となく僕らの世代は若い頃に国鉄分割民営化やソ連の崩壊とかいろいろあって、何でも民間の市場経済に任せるとうまくいくんだみたいなことが非常に強かった。 教育についても自分で学費が稼げる、奨学金がもらえるような人が受けたら効率が上がるんじゃないか、学生に競争させればいいんじゃないかみたいな。そういう考え方が明らかに広まっていて、今でも教育無償化は甘いみたいなことを考えている人が多いのではないか。役人でもいるんじゃないかと思います。 だけど、韓国やアメリカですら14%払っている。どんどん少子化しているので、教育のマーケットは縮んでいる。学生の数が減っていくわけですよ。同じ大学を維持しようとすると授業料を上げざるを得ない。市場経済に任せておくと当然、少子化するほど1人当たりの負担が増えちゃうんですよね。 だからこそ、ここは税金を使うべき。逆に市場経済に任せるべき企業や株式にそんなに補助金を入れないで、絶対市場でうまくいかない教育に入れるべきですよね。 高校授業料 自治体間格差も 藤森キャスター: 国だけではなく自治体が公的な支援をしている場合もありますが、自治体によって差が出てしまうというケースがあります。 東京都は2024年度から高校授業料の助成について所得制限を撤廃しました。 例えば東京都内の私立高校に通う場合、授業料の平均約48万円を上限に助成されることになりました。東京都内に住んでいる生徒は授業料が平均以下だと実質負担ゼロになる。 ただ同じ学校でも、他県から通う生徒については助成が対象外になるので授業料を払わなくてはならないという差が出る。 トラウデン直美さん: ちょうど学び盛りでいろんなことを吸収し、未来に希望を持って欲しい人たちにとってはノイズでしかないですよね。国や周りの大人が決めたことに振り回される。親御さんに申し訳ないと思っている人や、未来に不安を覚えている人もいるかもしれない。なぜ希望しかないはずの人たちがこういうシワ寄せを被らなければいけないのだろうと、すごくモヤモヤしますね。 小川キャスター: それも自治体の政策の差によって格差が生まれてしまっているわけですよね。 藻谷浩介さん: 地方分権の中で、国がやらないことを自治体が自由に上乗せできるようになって、この20年ぐらいでずいぶんいろんな工夫がなされた。その結果こういう差ができ���いるんですが、考えてみると国の決めている最低限が低すぎる。実際この問題で困っているということは、直接僕も聞きます。奨学金を就職してからも返しきれず、物が買えないから景気が悪くなるっていうこともある。 自治体の競争の結果これぐらいは必要だとわかったので、国の最低限をあげなきゃいけませんよね。でも選挙の後に、「これは国民の声だ」と即刻霞が関の人たちも他のところのお金を削って教育に回さなきゃいけないと思うんですよ。そうしないと本当に国がなくなっちゃいますよね。 投票まで4日 各党の教育支援策を比較 小川キャスター: 若者への教育支援について衆院選で各党はどのような政策を掲げているのか、公約を見ていきます。 藤森キャスター: 一部抜粋という形でご紹介します。 <自民党> 高校無償化の拡大・高等教育の大胆な無償化 <立憲民主党> 高校の授業料完全無償化・国公立大学の授業料無償化 <日本維新の会> 幼児~大学院まで全課程での無償化 <公明党> 高校授業料の実質無償化・2030年代の大学等の無償化 <共産党> 高等教育の無償化・直ちに大学等の授業料を半額に <国民民主党> 幼児~高校教育までの授業料完全無償化 <れいわ新選組> 大学院までの教育無償化 <社民党> 高等教育まで教育費を無償化 <参政党> 教育クーポンの導入 などの支援策を打ち出していこうとしています。 こうした教育の無償化は負担を軽減するという政策に並んでいるものの、財源の確保については議論が深まっていないのが実情。実現していくための道筋がはっきりしていないという点は大きな課題として残されています。 若者への教育費の公的支出どう考える? みんなの声は NEWS DIGアプリでは『教育費』について「みんなの声」を募集しました。 Q.若者への教育費の公的支出 どう考える? 「大幅に増やすべき」…56.9% 「多少は増やすべき」…28.6% 「現状のままでいい」…7.0% 「減らすべき」…4.6% 「その他・わからない」…2.9% ※10月23日午後11時18時点 ※統計学的手法に基づく世論調査ではありません ※動画内で紹介したアンケートは24日午前8時で終了しました。 ========== <プロフィール> 藻谷浩介さん (株)日本総研主席研究員 著書「デフレの正体」 NYコロンビア大学ビジネススクール卒業 トラウデン直美さん 慶応大学法学部卒 環境問題やSDGsについて積極的に発信
「おにぎりを買うのをためらう」格安応援300円ランチに長蛇の列 「給付型奨学金が打ち切りに…」学食で聞く大学生が政治に望むのは ?各党の教育支援策を比較【news23】 | TBS NEWS DIG (1ページ)
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2024年11月28日(木)
毎月1回、伊勢木綿の手ぬぐいと足袋下が届くSOU・SOU>の頒布会、師走号が届いた。これで今年も残すところ1ヶ月・・・、そう言えば、この頒布会はいつ頃始めたのだろう? 例によってtumblrを検索してみると、2016年に初めて申し込んだことが判明した。と言うことは今年で丸9年、来年申し込めば(申し込むつもりだが)10周年ということになる。どうやら、区切りをつけるときがやって来たかな?
3時30分起床。
日誌書く。
5時20分、ツレアイ起床。
洗濯開始。
朝食は、蕎麦の解凍を忘れたので煮麺をいただく。
洗濯物を干す。
彼女の弁当を���意する。
時間があるので珈琲を入れる。
プラゴミ、30L*1。
彼女は第4木曜日は夜の太鼓のレッスン、自転車で出勤する。
職場手前の1km地点から渋滞、少し時間がかかった。
換気、ラジオ体操第一、お茶を頂く。
木曜日1限は<共生社会と人権>、今日は10回目、テーマは<ハンセン病を考える>。国立ハンセン病資料館のウェブサイトを使って、ハンセン病とは何か、ハンセン病問題とは何かを解説。最後は<砂の器>を取り上げ、Youtubeで映画の予告編を紹介した。
2限は月曜日と水曜日の入力課題のチェック、来週は入力試験を実施するが、10分間で350字が合格ライン、果たしてどうなるか。
ラジオ体操第二、ゴミを片付けて退出。
名神は京都南IC手前で渋滞、久しぶりに第2出口経由で帰宅した。
テレビをつけると、BSプレミアムシネマが始まっていて、思わず見入ってしまった。
「秋刀魚の味 デジタル修復版」
巨匠小津安二郎監督の最後の作品。会社重役の平山は、妻に先立たれ、一緒に暮らす娘の路子に家事を任せていた。友人たちは路子に結婚をすすめ、当初は気乗りのしない平山だったが、兄夫婦や弟、周囲の人々の気遣いや世話で、嫁ぐ日を迎える…。平山を演じるのは小津作品に欠かせない笠智衆。岩下志麻が路子を演じ、杉村春子をはじめ名優たちが共演。老いと孤独、人生の無常を小津監督ならではの映像美と極上のユーモアで描く傑作。
メンバーが凄い、何度観ても面白い。
コレモ七条店で買物、大根・コンニャク・厚揚げ・天かす、今夜は関東煮だ。
軽く午睡。
煮物を仕込む。
彼女は遅くなるので息子たちに先に夕飯、関東煮・ブロッコリーとトマトの味噌汁・リンゴ。
保健協議会から資料が届いていたので、各組長宅へ回覧依頼に回る。
彼女が帰宅、まずはココに点滴。
21時、私にしては遅い晩酌開始。
彼女がドラマの録画を観ている間に、先に入浴。
体重は、4日で400g減。
日誌書く。
ちょこまか動いて、何とか目標達成。
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2月の外食記
2月4日 ABCラーメン@銀座/tabacco@恵比寿
歌舞伎観たあと、受験で弟が遠路はるばる来てくれたので銀座でランチ。東京で、ラーメン食べたいとのご所望があればここ一択。育ち盛りをいいことにサイドメニューもたらふく食わせる。大学の下見に付き合ってから好きな人①に会いに恵比寿に。彼の行きつけのラーメン屋向かってから、かよ先輩が行っていて気になってたイタリアンにお邪魔。串カツ屋さんみたいなノンストップタパス、楽しいなあ。大はずれだったビブグルマンフレンチの話して、ここは好みと伝えたら俺たち情報食ってるからねと返されて、たしかになと思った。情報を噛み締めて気持ち良くなりたいよね。4度目も手を繋いで健全解散。デートはこれが最後かな。
2月11日 うゆう@渋谷
大学時代のバイト同期と飲む。私以上に食にうるさいから、お店サジェストするときどきどきしちゃう。芸術品のようによそわれたお通し6品に毎度見惚れる。褒めてもらえて嬉しい。酔ったノリでハプバ行く。摘発されていたからどんなもんかと思っていたけど、プレイルームはホテルとして別会社が運営、行きたいときはスタッフにこっそり声かけるっていうパチ屋仕様になっていてウケた。たしかに懇ろになった男女がホテルに行くのは誰にも憚られませんからね。声かけてくれた男性2人と、半分おしりが見えるセーラー服着てダーツした。失礼だけど、私たちがアプリで会ったら初手で切ってしまう、なんならそもそもマッチしない属性の人。でも2人とも私たちに楽しんでもらいたい気持ちがまざまざと伝わってきて、人間っていとしいなと思えた。ここに来るといつだってあたたかい気持ちで帰路に着く。ありがとう。
2月12日 小野田商店@学芸大学
2ヶ月ぶりの加藤。大好きなホルモン屋さんとワインバー行く。ここに訪れるたびにお客さまは神様じゃないのを思い出す。この街がぜんぜんしっくりこない男だなと思う。ずっと日比谷線にいたほうがいいよ。そのあとなぜか六本木行こうや、と向かったもののバーはろくに空いておらず、さらになぜか遠隔プレイしようや、とドンキ行く。ぜんぜん思っていたのと違ってAVはフィクションだねと笑い転げた。
2月13日 友@目黒
3年前からときおり会っているティンダーの男友達とサシ。はじめて会ったときは私は22で彼は27だったと思うとこわい。手書きのメニューが適当に壁に引っ付けてあるお店ってだいたいはずれがない。M1出場を打診されノーシンクで快諾。だってM1経験のある人生のがおもろいじゃん。いったん彼の芸風見てからコンビ組もっと。
2月15日 ilungo@自由が丘
お気に入りのおでんやさんで飲むつもりが、煩いおじさん客がいるからっておでんやの女将さんと2人して抜けてビストロで飲んだ。日本酒フリーフローは嬉しい。彼女は代理店の大先輩でもある。さんざん仕事の愚痴を連ねる。最近仕事干されてイヤイヤ期だけど、たしかに私はキャッチアップ遅いんだった。背中押される。私も彼女みたいに着物を自由に纏えるようになれるなら、アラフォーもそう悪くない。ハナエモリのお着物ずっと狙ってる。
2月18日 のんき屋@浅草/Trattoria Azurri@神楽坂
日本舞踊のお稽古に浅草へ。せっかくだし、と帰りにホッピー通り寄るもおひとりさまだからと4軒連続で断られる。もしかしてお呼びじゃない?半ば憤って入った立ち飲み屋が大正解で息をつく。もつ煮150円なんてマネタイズが心配です。ほろ酔いで神楽坂。電話でのリファレンスチェックも功を奏し案の定楽しかった。国家公務員からコンサルに転職した理由を問うたら、「それでいうと理由は3つあって〜」とお手本のような仕草を垣間見てにやにやしちゃった。まだ遊んでいたいと恋愛したいの狭間で揺れてると聞いて、正直な人だなあと思う。でも恋人がいないと甘えたくても甘えられないと溢されて、そんなの傷口の舐め合いじゃんと返したけど、まあ、そうだよね。だって私たち、頑張ってるもんね。男の子、みんな葛藤してて可愛い。菜の花とホタルイカ、旬のうちにリベンジしたいな。好きな人②に昇格。
2月21日 ゑぶり亭“@横浜
ダンサー3人で飲んだ回。まあダンサーじゃないんだけど。炙りしめ鯖にレモンを搾るさまさえもべた褒めしてくれるから自己肯定感あがる。元気の良い居酒屋って大好き、絶対にバイトしたくないけど。業界人でもないのにフースタ見てる人は変態と聞くけど、フースタは間違いない。
2月22日 カクニマル@神泉
某ギャラ飲みの日。ここも接客がいい意味でやたらやかましい。刺し盛を出血大サービスしてくれた。こういう人も、まだこういうお店で飲むんだなと思った。でもしっとりしない雰囲気で逆に良かったのかもしれない。女友達と来たかったなあ。
2月23日 da GIORGIO@湯島
好きな人②と飲む。彼から教えてもらったこのお店、かよ先輩が「東京で1番美味しいピザ」とツイッターに残していたのを思い出して俄然楽しみになった。MECEな恋愛の話する。MECEな恋愛なんてないだろ。私はやっぱり一緒にボトルを空けてくれる人が好き。いつだって飲みきる責任を背負った共犯関係でいたい。
2月25日 串カツ田中@横浜
サークルの同期3人と鎌倉で座禅を組んだ日。幸せってなんたるか、良い家に住むでも素敵な配偶者と巡り合うでもなく、皆さんの足元にあるそうですよ。頭ではよ〜くわかってるんだけどな〜!シャバい経営者は全員座禅したほうがいい。私もまだまだ先は長そう。そのまま横浜向かって、田中とカラオケとハブをはしごする煩悩に塗れた夜。田中で串カツ選ぶのってなんであんなに楽しいんだろう。好きなチェーンは田中と松屋とふたごです。
2月27日 どん底@新宿
「お会計30%オフになる年賀状が今月いっぱいだから!」と誘われてティンダーの男友達と飲む。彼ともかれこれ2年になる。ここ、クラシックでとっても美味しいけど絶対にスタッフが堅気じゃないんだよな。そこも含めて良店です。ティンダーを辞めた理由のひとつは彼で、彼に出会えてもう辞め��も悔いないなと思った。好き同士ならただ一緒にいれば良いじゃない、なんて互いに婚姻アンチだけど、でも結婚したらバイブス上がりそうじゃね?!と盛り上がる。それもわかる。私が結婚式をするなら彼を「インターネット」のテーブルに着席させる。26歳、春からようやく社会人になるらしい。おめでとう。帰りに店員さんに「しこたま飲んだなあ!」と言われて笑う。2人でシーバスのボトルキープした。勝手に飲ませてね。
今月がはやく過ぎたのは決して日数だけの話じゃない。総じて非常に楽しかったんですよね。よく食べ、よく飲んだ。数えたら2日にいっぺんは飲み歩いていた模様。あと、思い返せば浮き足立つデートが毎週末あって幸せだったな〜!私、やっぱりときめいてたい。来月も素敵なお店で大好きな人たちと過ごせますように。
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2023.10.30
日曜日は兄の結婚式でした。帰省してすぐつけたテレビで流れたのが「なぜ若い女性は此処(地元)を出ていくのか?」というローカル番組の特集CMだったので少し気まずい、私ひとりしか見てなかったけど気まずい。そんな地元で一番身近な家族が、若くて美しいカップルが挙式をあげるのだからそんな捨てたもんじゃないと思うけどなぁとか思いつつ、じゃああんたは地元に戻る気あるの?と聞かれると素直に頷けはしない。結婚式仕様に付けたネイルチップが長くて文字が打ちづらい。相変わらず地元に帰ると相反する感情にのまれてどうしようもなくなるけれど、それでも結婚式はすごくよかった。昔、従兄弟が妹の結婚式で「やっぱり兄妹のは堪えるわ」と言っていたのを思い出した。あっという間に終わったし、お相手の親族に外国の方がいるから急遽父親のスピーチを英訳するっていう父からの無茶振りがあったせいで若干ナーバスだったけれど、それを含めてやってよかったし、参加して良かったなぁと思う時間でした。
新婦さんは本当に素敵な人で、ご家族も素敵で、絵に描いたような仲良し親子っていう感じでそれは素直にすごく羨ましいなと思った。私は末っ子で自由にやらせてもらってるから結婚とか式をあげるとか家を買うとか地元に帰るとか、そういう少し煩わしい問題から都合よく目を逸らしてるけどやっぱり年齢も年齢だし人の結婚式を見るとそういうの考えちゃう。結婚式って日常に鋏を入れてくれるような素敵時間であるのは間違いなくそう思うけれど、友達の前で両親への感謝を伝えるとか死ぬほど恥ずかしくて誰もそんなの見たくないんじゃないかとか考えなくていいことまで考えて1人で疲弊してる。今の恋人はそろそろ社宅の更新が迫っていて新しい物件を探している、そのタイミングで自分の年齢なら「同棲しない?」とか話に上がってもいいはずなんだろうけど私はそういうところからずっと目を逸らしてるなぁとか思う。一緒に住みたいと思ったことはなくはないし、平日だって仕事の合間を縫ってお互いの家を行き来して泊まったりしてるし、一緒に住めたら楽なんだろうな〜と思うけど、相手もその話題は出さないし、まあいいかなと思って何も触れないでいる。ご祝儀の準備をしてたら親から「あんたのときに帰ってくるもんね」と言われて何とも言えない気持ちになった。親は私がいつか結婚すると思ってるし、挙式もあげると思ってる、それは特別な期待とかではなくごく当たり前の感覚としてそう言ってるところまで、わかる。私には心から大好きな人がいて、その人とずっと一緒にいたいと思っている、けれど、まだ結婚したくない、と思っているのもたしかなのだ。結婚したら自由がなくなるっていうのは私の考えすぎ?なのだと思うけれど、こういうことを考えるたびに、私にはまだ見たい景色がたくさんあるのだと痛いほどに実感する、そしてそれが痛く感じるのは、かつての自分のように今の私がひたすら若い自分じゃなくなったからなのだともわかる、健康で自由に行動できるエネルギーがある時間は、意外と限られているのかもしれないなんてずっと昔から気がついていた、憧れを潰さなければ永遠にタンブラーへ思いを綴る大人になっちゃう。なんて、書きながらそれを認めた東京行きの新幹線。内側で煮えたぎる思いがあるくせに、帰省のたびに家族との別れでいちいち泣きそうになる自分がバカみたいだった。そんな自分がいちばんありのままの私なんだと知っているから、余計にバカらしくなる。セブンイレブンで無糖レモンサワーを買った、一息ついてすべてを飲み込みたかった。
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梢ちゃん、初めてのイリュージョン
1. 大阪から東京へ引っ越して、あっという間に1学期が過ぎた。 新しい学校で仲良しの友達もできたし、まあどんな環境にもすぐに適応するのがウチの強みやな。 弟の湊(みなと)は転校先の小学校に慣れなくてちょっと苦労している感じ。 それで母ちゃんが新聞の折り込みチラシで見つけた小学生向けの造形美術教室へ行ってみたらどうか、と提案してきた。 湊はウチと違(ちご)て繊細やもんね。 ゾーケイとかビジュツとか、そういうんは向いてると思う。
母ちゃんは教室へ電話を掛けて見学の予約をした。 土曜日午後のクラス。 「梢(こずえ)も一緒に来て」 「えぇー、ウチも?」 「湊は小2やし一人で行かされへんでしょ? いつもママが付き添えるとは限らへんし、そのときはあんたが連れてくの」 「あーん、貴重な週末やのに。母ちゃんのいけずー」 「そろそろ『お母さん』かせめて『ママ』って呼んでくれへん? いつも成○石井で母ちゃんって大声で叫ばれるの恥ずかしいんやけど」 「『おかん』って言われるよりええやろ? それに高級スーパーやゆうて恥ずかしがるんは田舎モンやで。だいたい成○石井くらいアベノ橋にもあったやんか」 「あ、そうか」 「分かったらよろしい、母ちゃん」 「そうやって親を煙に巻くの止めなさい」
2. そんな訳で3人で見学に来た造形美術教室。 三田さんというおばちゃんの先生が教えていた。 生徒は10人ほどで、それに保護者のパパとママが何人か来ている。 この日はカラーキャンドルを作っていた。 使い古しのろうそくとクレヨンを削って湯せんにかける。 何色か溶かして好きな順番で型に流し込めばカラフルなキャンドルが出来上がる。
「桧垣湊くんね? よかったら一緒に作らない?」 先生に誘われて湊は頷いた。 「あのっ、ウチもやらせてもらっていいです���!」 「こら梢!」 母ちゃんが止めようとしたけど、先生は笑って許してくれた。 「湊くんのお姉さんね? もちろんどうぞ」 「桧垣梢ですっ。中学2年です! ヨロシクお願いします!!」 だってキャンドル作り、すごい面白そうなんやもん。
「うわぁー、綺麗やん!」 どや、この色のチョイスはなかなかのもんやろ? 「水色を入れたいの? ええで、お姉ちゃんが一緒に削ったげる」 クレヨンを削るのを手伝ってあげた。この教室、こんな小っちゃい子にもナイフ使わせるんか。 「ボク! そこ指入れたらあかんっ。熱いでぇ~!」 湯せんの中に指を入れかけた男の子を止めた。ホットプレートの扱いも注意させんとあかんなぁ。
気が付けばウチは子供たちの輪の中にいてあれやこれや世話をしていた。 先生は後ろに立って笑っていた。
3. 「この娘が一番楽しんだようで申し訳ありません」 他の生徒さんたちが帰った後、母ちゃんが謝った。 ま、ウチを連れてきたらこうなるのを予想せんかった母ちゃんのミスやな。 「いいんですよ。よかったらこれからも毎週来てくれたら助かるな、梢ちゃん」 「ええんですか?」 「子供、好きでしょ?」 「ハイッ、好きです! ・・母ちゃん、ウチの分の月謝もお願い」 「あのねぇ」 「月謝なんて要らないわ。むしろお給料払わないといけないくらいよ」 「えぇ! お給料もらえるんですか!」 「な訳ないやろ」 母ちゃんがウチの頭を小突いた。
「ところで、」 母ちゃんは先生に向かって聞いた。 「三田、静子先生ですよね?」 「はい」 「覚えてませんか? 30年以上前ですけど京都の中学校で」 「京都? 確かに昔、京都で教師をしていましたが」 「私、美術部でお世話になった鈴木です」 鈴木っちゅうんは母ちゃんの旧姓やな。
「・・鈴木純生(すみお)さん? あの、捻挫して松葉杖の」 「はい!」 「きゃあ~っ」「きゃあ~っ」 母ちゃんと三田先生は両手を握り合った。 それからハグして、その場で跳ねながら一回転する。よお息が合うもんやと感心した。
「チラシでお名前見て、もしかしたら思ってたんです」 「懐かしいわ!」 「よかったら、あらためて昔のお話させてください」 「そうね、そうしましょう!」
・・後ろのドアが開く気配がした。 「先生、これも倉庫に置かせてもらっていいですか」 振り返ると背の高いお兄さんが立っていた。 その後ろには可愛いお姉さんもいる。 お兄さんは大きな丸いモンを抱えていた。 イケてない兄ちゃんやな。この、もさぁっとした感じ。 ウチの見立てやと30は超えとるな。もちろん彼女いない歴イコール年齢や。 それと比べてお姉さんはずっと若くてキュート。きっとピチピチの女子高生。
「ああ、まだ生徒さんがいましたね。出直します」 「いいのよ。もう済んでるから。・・それで何を置きたいの?」 「このボールです」お姉さんが答えた。 「くす玉なんだって」 「正確には人間くす玉です」 人間くす玉って、いきなり謎のワード。
「くす玉っ!?」 素っ頓狂な声を上げたのは母ちゃんだった。 「まさかそれ、S型の人間くす玉・・」 「よく分かりますね」 お兄さんが言った。 「あなた何者ですか?」
母ちゃんは両手で胸を押さえて深呼吸して、それから一人で叫んだ。 「きゃあああ~!!」 さっき三田先生とシンクロして叫んだときよりずっと大きな声だった。 皆が驚いて見守る中、母ちゃんだけが絶叫しながらぴょんぴょん飛び跳ねていた。 46歳の母ちゃんが急に若返ってハタチになったみたいに見えた。
4. 次の土曜日の教室。 ウチは一人で湊を連れて来た。 母ちゃんは前の晩からどこかへ出かけ、朝になって上機嫌で帰って来てグーグー寝ている。 ええ歳の主婦がそないな夜遊びしてええんか? 父ちゃんは笑ってたから許してるんやろうけど。
今日の造形美術教室の題材は千切り絵だった。 いろいろな色の和紙をハサミを使わずに裂き、糊で貼って綺麗な絵にする。 子供たちは一生懸命。ウチも一緒に絵を作る。 やっぱり楽しい。 ウチには造形美術の才能があるんやないか。
「みんなーっ、クッキーだよ! あたしの手作り!!」 れいらさんがお菓子を持ってきてくれた。 玻名城(はなしろ)れいらさんは先週出会ったあの高校生だった。 造形美術教室の卒業生で、ときどき子供たちに差し入れしてくれる優しいお姉さん。
「イッくんは二日酔いらしいです」 「男のくせに駄目ねぇ」 れいらさんが報告して三田先生が笑った。 イッくんとはあのお兄さんのことで、本名はえーっと、酒井功(さかいいさお)さんやったな。 れいらさんと同じく造形美術教室のOBで今もいろいろお手伝いしてくれているらしい。
「いったい何人で飲んだんですか? 先生」 「5人ね。イッくんと桧垣純生さんと私。それに桧垣さんの知り合いっていうモデル事務所の社長さんと、京都から来たイベント会社の社長さん。イッくん以外は全員女性よ」 「えっ、ウチの母ちゃんも一緒やったんですか?」 「そうよ。昔のお話が沢山できて楽しかったわ」 「社長するような人と母ちゃんが知り合いとか、知らなかったです」 「面白い人たちだったわ。皆さんお酒もぐいぐい飲むし、盛り上がっちゃった」 「先生もぐいぐい飲んだんでしょ?」 「おほほほ」 「イッくん可哀想。おばさんたちに飲まされて」 「んま、れいらちゃんったら失礼なこと言うわねー」 「ウチにも分かります。30過ぎのおじさんでも、おばちゃんたちから見たら若い男の子ですもんね。そら可愛がられますわ」 「梢ちゃんまだ中学生でしょ? 何でそんなことが分かるの?」 「えへへ、そうゆうんは得意なんです」 「でも30は可哀想よ。彼25歳だもの」 「うわぁ、ホンマですか~! ウチが言うたってチクらんといてくださいっ」 「あはは」「きゃはは」
5. 家に帰って、ウチは母ちゃんから若い頃の話を聞いた。 母ちゃんは京都の会社でイベントの司会やイリュージョンのアシスタントをしていた。 イリュージョンって、あのマジックのイリュージョンなのか。 二十歳のとき��写真と言って見せてくれたのは、チャイナ服の母ちゃんが透明な箱の中に出現したところだった。 腰まで割れたスリットから生足出して、きらきら輝く笑顔で手を振っている母ちゃん。 今の母ちゃんと同じ人とは信じられないくらいに綺麗だった。
謎の『人間くす玉』についても教えてもらった。 人間くす玉は同じ会社のアトラクションで、中から女の子が飛び出すくす玉なんだって。 先週イッくんが抱えていたのは一番小さなサイズのくす玉。 「彼がクレクレしたから無料であげたって社長が言ってたわ。意味分からへんよね」 ウチにも意味が分かりません。
夜、れいらさんから LIME のメッセージが届いた。 『明日イッくん家に行くの。梢ちゃんも一緒にどう?』 『行きます!』 『イリュージョンを見せてくれるんだって』 またイリュージョン!? 後にして思えば、それはウチが新しい世界に足を踏み入れるお誘いだった。
6. イッくんのマンション。 「いらっしゃいませ!」 ドアを開けて迎えてくれたのは綺麗な女の人だった。 「あなたが梢ちゃん? 酒井多華乃(たかの)です。よろしくね」 「多華乃さんはイッくんの奥さんだよ。先月結婚したばかり!」 ほぇ~。ばりばりの新婚さんやないですか。 多華乃さんは七分丈スパッツの上にニットのサマーセーターを着ていた。セーターの襟ぐりが大きくて谷間がちらちら。 こんなセクシーな奥様がいるやなんて、この間は「彼女いない歴イコール年齢」とか思てゴメンナサイ!
リビングに案内してもらうとイッくんが待っていた。 ちゃんとお話しするのはこれが初めてだった。 「お招きありがとうごさいます! ・・あの、ウチも『イッくん』って呼ばせてもらってええですか?」 「いいけど?」 「実はどう呼ぶか寝ないで考えました。『イッくん』はちょっとナレナレしい、『イサオさん』はヨソヨソしい、そやかゆうて『イッさん』やと大阪のおっちゃんみたいで」 多華乃さんがぷっと笑う。 「なんでやっぱり、れいらさんと同じ『イッくん』で行かせてください!」 「梢ちゃんって面白いね」 よっしゃ、ウケてくれた! ウチは心の中でガッツポーズをする。
「イッくん、二日酔いは治った?」 れいらさんに聞かれてイッくんは頭をかいた。 「ああ、酷い目にあったけど、タカノがいてくれたから・・」 「熱いねーっ」 大喜びで冷やかすれいらさん。 いつものウチなら一緒に囃し立てるとこやけど、さすがに初対面で遠慮したのは我ながらエライと思う。
「・・んじゃ、さっそくやろうか」 「イリュージョン!?」 「うん、新作だよ。この場所に招かれたゲストだけが見れる限定イリュージョン。そして記念すべき最初のゲストが君たちだよ」 ぱちぱちぱち。れいらさんが拍手した。 今度はウチも一緒に思いきり手を叩いた。
7. 小さなテーブルを挟んで4人がソファに座った。 手前のソファにウチとれいらさん。 向かい側にイッくんと多華乃さん。 こちらから見て向かって左にイッくん、右に多華乃さんが座っている。
イッくんは多華乃さんの腰に左手を��すと、ぐいっと引き寄せた。 多華乃さんがイッくんに密着する。 ニットの襟がでろんと伸びて白い肩が出た。その肩にブラ紐はなかった。 あの、それはお客さんが男性のときに目を惑わすための演出ですか。 女でもドキっとするんですけど。
「これはサテンの袋。長さ2メートルあるのでうちの妻が全部入ります」 イッくんは多華乃さんを左手で抱いたまま、床の袋を右手で拾い上げた。 紫色でつるつるした光沢のある袋だった。 それを多華乃さんの頭から被せる。もぞもぞと右手だけで身体全体を覆ってゆく。 ・・そやから、わざわざ密着してそういう作業をするのは何でですか。 すごくエッチに見えるやないですか。
足先まで袋を被せた。 「足あげて」 多華乃さんの膝がぴょんと伸びて、目の前に袋の先が突き出された。 「れいらちゃん、袋の口をくくってくれる」 「これでいい?」 れいらさんはサテン袋の口を絞って結んだ。
「ありがとう」 相変わらずイッくんは袋に入った多華乃さんを左手で抱いたままだった。 つるつるしたサテンの袋を右手で撫でる。 多華乃さんのボディラインがはっきり分かった。 膝、腰、頭。 うわ、そこは多華乃さんの胸。 いくら奥さんやからゆうて、人前でそないに揉みしだいたらアカンでしょ。
「次はこのシュラフ(寝袋)。梢ちゃん、シュラフって知ってる?」 「ええっとキャンプとかで使うモンですよね」 「そう、携帯用の寝具だね。綿が入ってて暖かいんだ。・・これを被せるから手伝ってくれるかい?」 イッくんに指示されてシュラフを今度は多華乃さんの足の方から被せた。 腰の下を通すとき、イッくんは左手に抱いた多華乃さんを持ち上げて通し易くしてくれた。 頭まで被せ終えると、脇のファスナーを上まで閉めた。
「こっちは縄で縛るよ。・・ん? どこかな」 右手で足元をまさぐった。 「れいらちゃん、そっちに紙袋が置いてない?」 「ええっと・・、あった!」 ウチとれいらさんが座るソファの後ろに紙袋があった。 「そこに縄が入ってるから、それでここを縛って。できるだけきつく」 れいらさんはイッくんのソファの後ろに回り、言われた通りにシュラフの口に縄を巻いて縛った。
「二人ともご苦労様でした。後は座って見てね」 ソファに座ったイッくん。 ウチとれいらさんはその反対側に座っている。 イッくんの左手はシュラフ(の中の多華乃さんの腰)を抱いたまま。
「いま、タカノは二重の袋の中。暖かい、というより暑いだろうね。呼吸するのも辛いかもしれない」 右手でシュラフを押さえた。多華乃さんのちょうど顔にあたる部分。 「この中で美女が苦しい思いをしていると考えたら、・・ちょっと興奮するよね」 「イッくん! そういうフェチな妄想してる場合じゃないでしょ! 梢ちゃんも見てるのに」 「え、ウチ? 何のことですか?」 分からないふりをしたけど、二人の会話は何となく理解できた。 じっと我慢してる多華乃さん。たぶん本当に苦しい。 そんな多華乃さんを抱きながら「興奮する」と言ったイッくん。ドSやんか。
「ごめんごめん。イリュージョンに戻ろう」 イッくんは右手でシュラフの口を縛る縄を掴んだ。 「いくよ。・・それ!!」 手前に引いた。 ���ュラフは腰の位置で二つに折れ曲がった。 「もう一回!」 すぐにシュラフの足先を掴んで持ち上げた。 二つ折りのシュラフが四つ折りになった。
「え」「え」 ウチとれいらさんは揃って声を上げた。 「二人で上から押さえてくれるかい」 言われた通りシュラフを押さえると、空気がしゅうっと抜ける音がした。 シュラフは四つ折りのまま潰れて平らになってしまった。
「えーっ、どうして!?」 「多華乃さんは!?」 二人で騒いでいると多華乃さんの声がした。 「お疲れ様、お茶にしましょ♥」 リビングに隣り合ったキッチンに多華乃さんがいた。 紅茶とケーキを乗せたトレイを持って笑っている。 少しだけ乱れた髪。少しだけ紅潮した頬。 とても色っぽかった。
8. 「いったいどうなってるの!?」 「それは内緒。今のところお客さんが来た時に見せられるのはこのイリュージョンだけだからね」 イッくんはタネを教えてくれなかった。 「あんなにたくさんあったイリュージョンの機材はどうしたの?」 「ほとんど人にあげるか倉庫に入れちゃったんだ。これからまた新しいのを作るよ」 「新居に汚いものを置くなって、三田先生に言われたみたい。私は気にしないんだけどね」 多華乃さんが補足してくれた。 「まあ彼のアパートにいろいろ怪しいモノがあったのは確かね」 「怪しいモノはないだろ、タカノ」「うふふ」 「イッくんはね、何でも自分で作っちゃうんだよ。イリュージョンの道具から吊り床まで」 「スゴイですね! 吊り床って何ですか?」 「あ、ゴホンごほんっ」「・・ちょっと早いかな? 梢ちゃんには」 「???」
いろいろ話をしてイッくんと多華乃さんのことを教えてもらった。 二人は同じ大学で知り合って、一緒にイリュージョン同好会を設立した。勤めるようになってからも仲間と活動を続けている。 マジックの競技会にオリジナルのイリュージョンを出して賞を獲ったこともある。 たまに造形美術教室の子供たちにもイリュージョンを見せてくれているんだって。
「最近はれいらちゃんも参加してくれてるんだ。梢ちゃんはイリュージョンをしてみたいって思わない?」 「やりたいです。ウチもあんなすごいイリュージョンができるようになりますか?」 「できるわよ。私も最初は何も知らなくて始めたんだもの」 「ならウチの親が許してくれたら。あ、日曜日しかダメですけど、いいですか?」 「ぜんぜん大丈夫」
「梢ちゃんを誘おうと思ったのは訳があるの」 れいらさんが説明してくれた。 「三田先生、10月に還暦を迎えるのよ」 「カンレキって?」 「60歳のことだよ」 「先生そんなお歳やったんですか」 「だからお誕生会を企画してるの。そこでイリュージョンも見せようって」 「ははぁ」 「いつもだったらイッくんが多華乃さんとやるんだけど、たまにはサプライズもいいでしょ?」 イッくんと多華乃さん、れいらさん。3人がウチを見て笑っている。 まさか。 「れいらちゃんがものすごく推すんだ。新しく来た梢ちゃんっていう中学生がとてもいい子だって」 「あのウチそんないい子では」 「僕も梢ちゃんと会って思ったよ。是非、誕生会のイリュージョンをやって欲しい。・・タカノはどう?」 「大賛成よ。私も梢ちゃんのことが大好きになっちゃった」 「決まりね。マジシャンはあたし、アシスタントは梢ちゃんだよ!」 れいらさん��宣言した。 どうやらウチはいつの間にかイリュージョンに出ることが決まっていたらしい。 母ちゃん、ウチ、母ちゃんと同じイリュージョンのアシスタントするん���で。怒らんといてな。
「実はこんなのを設計しているんだ」 イッくんはノートに描いた図面を見せてくれた。 スーツケース?の中に膝を曲げて入った女の人のシルエットが描かれていた。 「タカノ用に描いたんだけど、梢ちゃんなら問題ないはずだよ」 「もしかしてウチがこれに入るんですか?」 「そうだよ。それで外から剣を刺すんだ」 「えええ~っ!!」
9. 還暦祝いなんて勘弁してちょうだい。 はじめのうち三田先��はお誕生会を嫌がった。 それでも造形美術教室の卒業生がたくさん来る、保護者の皆さんもお金を出し合って準備してくれると聞いて抵抗を断念した。 「ありがとう! ・・でも赤いちゃんちゃんこなんて着せようとしたら、その場で逃亡するわよ」
母ちゃんはウチがイリュージョンするのを嫌がるどころか大喜びしてくれた。 「三田先生のお誕生日にイリュージョン? 素敵やないの!! それであんた衣装はどうするの?」 「んー、まだ何も決まってへん、と思う」 「マジシャン役はあの高校生の女の子ね? よーし、母ちゃんがまとめて面倒みたげる!!」 母ちゃんはイッくんの携帯の連絡先を聞いていたらしい。 勝手に電話して衣装製作の了解を取り、るんるん楽しそうに準備を始めたのだった。
10. 「スーツケースが手に入ったんだ。サイズをチェックしたいから来てくれる」 次の週、連絡があってウチは一人でマンションへ来た。 イッくんと多華乃さんが迎えてくれた。
さっそくスーツケースを見せてもらう。 「メ○カリで買った中古品なんだ。これをイリュージョンに使う予定」 それは思ったより小さかった。 立てて置いたら腰くらいの高さしかない。 「入ってくれるかい。梢ちゃん」 「あ、はい」 いきなりですか。 ええですよ。そのつもりでスカートやのうてショートパンツ穿いてきましたし。
イッくんが広げたトランクの中にお尻をついた。 「両手は後ろに回してくれるかい」 「後ろですか?」 「そう。手錠掛けるつもりだから」 「てじょう?」 「うん、後ろ手錠。動けないように」 !!
「イサオ! イリュージョン初体験の女の子にそんなストレートな言い方はダメっ」 多華乃さんが叱ってくれた。 「梢ちゃんフリーズしてるじゃない。・・心配しないで、梢ちゃん。マジック用の手錠だから自分で外せるわ」 「身の危険を感じました。ウチは生還できるんでしょうか?」 「んー、大丈夫だと思うよ。しらんけど」 イッくんがのんびり答えた。 ウチの関西人アンテナが反応する。 「あ、今『しらんけど』言いました? ウチも使うチャンス伺ってたんですけど」 「一度言ってみたかったんだよ『しらんけど』。今の使い方でいい?」 「グッドです。イッくん大阪でやっていけますよ」 「ナニアホナコトイッテンネン」 今度は多華乃さんが言った。 「多華乃さん、それは東京のヒトがやると割とスベるんで止めた方がええです。あとイッテンネンやのうてユーテンネンです」 「難しいのねぇ」「ドンマイです」 「ねえ、そろそろ続きをやらない?」 「イッくん人のギャグには冷淡ですねー」 「うふふ。冷たいのも彼の魅力よ」 はいはい、ごちそう様です。
トランクの中で横になった。 身体を丸くして両手を後ろに回す。 「もっと顎を引いて頭を下げてくれる」 「はい」 「あぐらを組む感じで。もうちょっとお尻下げて。・・OK、そのポジションをよく覚えておいてね」 「了解っす」 外にはみ出した髪を多華乃さんが直してくれた。 「大丈夫だね。では蓋するよ」 カチャ。 トランクの蓋が閉じて真っ暗になった。 頭の後ろが押し付けられて痛かった。 ぎゅっと折りたたんだ膝と脛、足の甲も前に当たってキツイ。 狭いやん! 「起こすよ」 ぐらり。 お尻に体重が乗った。 すっと身体が沈んで後頭部に余裕ができた。 足は全然動かせないけれど、少しだけほっとした。
「肩を捩じって、片手ずつ前に出してみて」 ごそごそ。 あ、出せた。 「右手で左の壁、左手で右の壁。触れるでしょ?」 はい、触れます。 「あとはまた両手を背中に戻す」 ごそごそ。 戻せました! 「ここまでできたら問題ないよ。ちゃんと生還できるから安心して」 はい! 「何度も練習して慣れてね。出してって言ってくれたらすぐに開けるから」 分かりました!
11. 「・・梢ちゃーん、大丈夫?」 声が聞こえた。 この声は、れいらさん!? 「はーい、大丈夫ですぅ。れいらさんですかぁ?」 「そうだよー。もう15分くらい経ったっていうから開けるよー」 え? 15分も?
ぐらり。 ウチを閉じ込めていた空間が横向きになった。 カチャカチャ音がして蓋が開く。 イッくんと多華乃さん、それにれいらさんがウチを見下ろしていた。 あ、えーっと。 「じゃーんっ、たった今、囚われの美少女が救出されました!」 あかん、誰も笑てくれへん。 仕方ないので、自分で「えへへ」とごまかして起き上がった。
「大丈夫みたいだね。静かなままだから、ちょっと心配になって」 イッくんが言った。 「ぜんぜん大丈夫です。・・何か馴染んでしもて、ぼおっとしてただけです」 多華乃さんとれいらさんが安心したように微笑んだ。
本当は、女の子を閉じ込めるってこういうことなんかと考えてた。 ちょっとえっちな妄想もしてドキドキした。 でんもそんなん恥ずかしくて言われへんやんか。ウチ純真な中学生やのに。
「そういえばれいらさん、いつの間に来てたんですか?」 「遅れてごめんね。梢ちゃんのお母さんに衣装の採寸してもらってたんだ」 「れいらさんちに行ってたんですか、ウチの母ちゃん」 それで朝からウキウキ出かけて行ったのか。 「面白いお母さんねぇ。あの人から梢ちゃんが生まれたのなら納得だわ」 「変な納得のしかた、せんといてください」 「そうだ梢ちゃんのお母さん、イリュージョンやってたって教えてくれたよ」 「え、そうなの!?」 多華乃さんが驚いた。 「らしいです。ウチも詳しくは知らんのですけど」 「むかし京都にいた頃、かなり本格的なイリュージョンをやってたらしいよ」 「なんでイサオが知ってるのよ」 「前に飲まされたときに聞いたんだ。・・あ、別にわざと教えなかったんじゃなくて、僕は余計なことは喋らないだけだよ」 「む」 多華乃さんはイッくんの首を肘で絞めて押さえ込むと、その耳の後ろをゲンコツでぐりぐりした。 「あれはスリーパーホールド。多華乃さんの得意技だよ」 れいらさんが教えてくれた。
その後イッくんがスーツケースイリュージョンの仕掛けを説明して、皆で進め方を相談した。 途中でれいらさんが「あたしもスーツケースに入りたい」と言い出して入ることになった。 「何時間でも閉じ込めていいよ」なんて言うもんやから「なら駅のコインロッカーにでも預けましょか」って返したら「うわーいっ!」と喜ばれてしまった。 多華乃さんまで「あらそれ素敵」なんて言う始末。 「手錠は?」「いいですねー」 「DID♥」「ですっ!」 もうやっとれんわ。 でも、これだけあけすけに話せるんは羨ましいな。 ウチもさっきスーツケースの中で興奮しましたって素直に告白したらよかったかな。
12. お誕生会前日の造形美術教室。 子供たちがみんなで飾り付けをしていた。
ウチは湊と一緒にケーキを作っている。 ケーキと言っても食べられない飾りのケーキだった。 ダンボールの大きな筒に模造紙を貼って、その上から色紙で作ったクリームやフルーツをつける。 「姉ちゃんっ。そこはローソクやんか」 「あ、ゴメン」 「ここのチョコプレートはボクがやる」 「ならまかせるで」 「うん」 造形美術教室に来るようになって湊はずいぶん積極的になったと思う。
立ち上がって周囲を見渡す。 手伝って欲しそうな子は・・おらへんな。 それなら部屋の隅に座り込んでちょっとひと息。 明日はいよいよイリュージョンの本番か。 昨夜見た夢を思い出した。
スーツケースに入っている夢だった。 何故か学校の制服を着ていて、後ろ手に手錠を掛けられていた。 この頃、何度も同じような夢を見る。 ウチはいつもスーツケースに閉じ込められていた。 ・・またか。 夢の中で考える。 ・・それやったら、楽しまな損。
イリュージョンと言われてスーツケースに入ったウチ。 そのままどこかへ運ばれる。 街の雑踏が聞こえる中をごろごろ転がって、静かな場所に置かれた。 コインロッカー!? スーツケースごと、コインロッカーに収納されたんか。 あの、このスーツケース、女の子が入ってるんですけど。
囚われのヒロイン。DID。 ずっと前からDIDの意味は知っていた。ウチはおませな少女なんや。 おませなウチは絶対絶命のピンチにも憧れる。 もう逃げられへん。どこかに売られてしまう。 そうや、可愛い女の子は拉致られて売られる運命にある。 諦めるってキモチ、ちょっとええと思う。
小さく折り畳んだ身体が動かせない。 もどかしい。もどかしくてウズウズする。 そやけど、このもどかしさに耐えるのが乙女の務めや。 身体じゅうが熱くなる。
「・・梢ちゃん!」 誰かに呼ばれて我に返った。 ウチの顔を覗き込んでいるのは、れいらさんだった。 「梢ちゃんがヒマそうにしてるのは珍しいね」 「ちょっと休憩中です。れいらさんはどうしはったんですか?」 「さっきね、衣装を試着してきたの」 「お~っ、どんなでしたか」 「セクシー! 自分でもびっくりしちゃった」 「母ちゃん、ウチの衣装よりもヤル気出してましたもん」 「恥ずかしいけど、あんな恰好めったにできないから頑張って着るよ。梢ちゃんの衣装は?」 「それは明日のお楽しみです。・・ええっと、あの、つかぬ事を伺いますが」 「はい?」
思い切って聞くことにした。
「れいらさん、こないだスーツケースに入ったでしょ? イッくんのところで」 「入ったねー」 「失礼なこと聞くって怒らんといてくださいね」 「うん、怒らない」 「れいらさんと多華乃さん、やっぱりマゾの人ですか?」 「へ!?」 「あのときのお二人、ドMト��クで盛り上がってたやないですか。コインロッカーに預けてほしいとか手錠掛けられたいとか」 「そ、そんなこと口ばしったっけ」 れいらさんが顔を赤らめるのを見たのは初めてやないかな。 「『ICレコーダー梢ちゃん』の異名を持つウチですから間違いありません。あのトーク、なんぼかはノリで言わはった思うんですけど、羨ましかったです。あんな風に性癖を発散する女の人を見たのは初めてでしたから」 「中2のくせに性癖なんて言葉使うのね」 「ウチはおませな少女なんです」 「あははは」 豪快に笑われた。 「いいよ、教えてあげる。マジレスすると多華乃さんはドMだよ。自分でも公言してるわ。旦那様のイッくんはS」 「分かります分かります」 「あたしはMとS両方あるな。お相手によってどちらでも。・・あ、お相手って男性に限らないからね」 れいらさんはそう言ってウインクした。 「梢ちゃんはMだよね」 「あ、ウチはまだ・・」 「スーツケースに詰められて感じてるじゃない。もうみんな気付いてるわよ」 ぶわ。 冗談やなしに顔に火が点いた。
しばらくけらけら笑ってから、れいらさんは言った。 「それでいいんだよ! SとかMとか恥ずかしいことじゃないんだし」 「それやったらお願いがあるんですけど」 「何だって聞いたげるよ」 「これからはウチも多華乃さんとれいらさんのドMトークに参加していいですか? ウチもエロいこと言いたいです」 「そんなこと!? あはは、大歓迎!!」 「ありがとうございます。何かすっきりしました~」 「梢ちゃんて本当に面白くっていい子ねぇ。ますます好きになっちゃった。あたしが三田先生なら絶対にぶちゅ~ってしてるところね」 「ぶちゅう~!?」
13. 三田先生のお誕生会が始まった。 造形美術教室の生徒さん、保護者のパパとママたち、卒業生が何十人も集まっている。 イッくんと多華乃さん、それにウチの母ちゃんもちゃんと揃っていた。
司会のれいらさんが開会を宣言した。 続いてイッくんが卒業生代表として挨拶。・・その直後。 ぱーん! 正面にあったケーキからクラッカーが弾けて紙吹雪が舞った。 「三田先生っ。はっぴぃばーすでーぃ!!」 ケーキが上下に割れて、中から立ち上がったのはウチやった。 母ちゃんの作ってくれた白い衣装を着ていて、手には花束。 ケーキから出て花束を三田先生に渡した。、 子供たちは大喜び。他の人たちからも大きな拍手。
ウチが飛び出したのはケーキの形をしたびっくり箱。 その正体は前日に湊が作ったダンボール製のケーキだった。 これをイッくんがたった一晩で改造してくれた。 クラッカーを取り付けて紙吹雪が飛ぶようにした。 上下に分離できるようにして内部を補強し、小柄な女の子なら収まる空間を用意してくれた。 ホンマ、イッくんって何でもできるスーパーマン。
「ご苦労様!」 花束を渡して戻って来たウチをれいらさんが労ってくれた。 「ケーキの中でドキドキした?」 「はいっ。次にパーティするときは一緒にびっくり箱しましょ!」 「いいわね!」 ウチは皆が集まる前からケーキの中にずっと隠れていたのだった。
お誕生会はそれから子供たちが歌ったり踊ったり、造形美術教室の昔のビデオを上映したりして進行した。 そしてメインイベント。ウチ��れいらさん���イリュージョンの時間になった。
14. れいらさんが衣装を着替えて出てきた。 「うわあ」「れいらちゃーん!!」 「すごーい!」「キレイ!!」 大人も子供もみんなびっくりしてるなぁ。 「みんなー! お姉ちゃんこれから頑張ってマジックするよー。立ち上がったりしないで見てねー」 「はーい!!」
れいらさんは真っ赤なボディスーツとその上に短い黒ジャケットを着ていた。 ボディスーツはハイレグで胸のカットも深い。 バニーガールみたいにも見えるし、白いブーツを履いているからレースクイーンのようにも見える。 エロくて恰好いい。 母ちゃんが「萌える~!!」と雄叫びを上げながら作ったコスチュームだけのことはある。執念がこもってるわ。 何人かのパパが見とれてしまってママから叱られているのもお約束。 さすがにこれを女子高生に着せて小学生の前に立たせるんはええのかと心配やけど、三田先生が手を叩いて喜んでるから構へんのやろうね。
れいらさんが手招きした。さあ出番や。 「マジックをお手伝いしてくれる梢お姉さんです!」 「よろしくーっ」 ウチはスーツケースを引いて出て行く。 あの中古のスーツケースはイッくんが改造して外観が変わっていた。 正面と裏側に細長い穴が6つ。 これはサーベル(剣)を刺すための穴。 ギミックの都合でキャリーハンドルは上げたまま固定。
ウチはお客さんの方に背中を向けると両手を後ろで組んだ。 その手首にれいらさんが手錠を掛けた。 左右に引っ張って手錠が外れないことを示す。 それが済むと、れいらさんはスーツケースを倒して蓋を開いた。 スーツケースの中は仕切り類が全部外されていた。 代わりに蓋の裏に剣刺しのギミックがついて、少しだけ狭くなったけどウチが入るのには問題ない。
うちは靴を脱がせてもらって裸足になり、スーツケースの中に横になった。 膝を引き寄せて身体を丸くする。 簡単な所作やけど、一発で決まるように何回も練習したんやで。
れいらさんはスーツケースの蓋を閉じようとする。と、中身が大きすぎるのかなかなか閉まらない。 蓋にお尻を乗せて座って閉めた。パチンとロックを掛ける。 キャリーハンドルを両手で握り、重そうにスーツケースを立てた。
れいらさんが次に手に取ったのはサーベルだった。 これもイッくんの手作りで、長さ1メートルほど。 銀色のブレード(刃)と手元が束(つか)になっている。 れいらさんはブレードを指で撫でて痛そうな顔をした。 「怖い人は目をつぶってねー」 スーツケースの後ろに立ち、一番上の穴にサーベルの先端をあてがった。 何人かの子供が自分の手を目の前にかざした。
15. カチャリと音がしてスーツケースが閉ざされた。 ウチはもう外へ出られない。 ぐらり。 スーツケースが立てられて世界が90度回転した。 いよいよここから本番。 ウチはスーツケースの中で深呼吸する。 こんな姿勢やから本当の深呼吸は無理やけど、大切なんは気持ちやからね。
スーツケースの中で身体を捩じった。 背中で手錠を掛けられていた両手を前に回した。 そんなことができるのは、左右の手錠が分離できるからだった。 手錠の鎖は紐で繋がっているだけで、その紐はリールで伸びるようになっている。
前に出した右手で左の壁をまさぐり、そこに6個並ぶレバーを探し当てた。 蓋の裏にはサーベルの一部、ブレードの先端だけが隠されている。 レバーを動かすとスーツケースの蓋の穴からその先端が突き出る仕組みになっている。 一方、れいらさんが持つサーベルは、スーツケースの穴に押し込むとブレードが縮んで束の中に収まる仕掛けになっているのだった。
「・・スチール製のメジャーがあるだろう? あれと同じ構造だよ。ブレードは硬いように見えて実は巻き取られてるんだ」 「?」「?」「?」 ウチもれいらさんも、一緒に聞いていた多華乃さんも、イッくんの説明はさっぱり理解できなかったと思う。 理屈は分からんでも、効果は分かった。 後ろからサーベルを押し込むのに合わせてレバーを操作したら、お客さんにはサーベルがスーツケースを貫通したように見える。 大切なのは二つ。 二人のタイミングを合わせること、それから6個ある穴の順序を間違わんようにすること。 それさえ守ればバッチリのはずや。
れいらさんが最初の穴に1本目のサーベルを押し当てた。 コツン。 スーツケースの中に音が響く。 ウチは1秒待ってレバーを下げた。 これでサーベルの先端がにょっきり顔を出したはず。
2本目、3本目。 ウチは順番にレバーを操作した。 後で聞いたら子供たちとパパママたちはビックリしていたらしい。 ウチが本当に刺されたって思った子が多かったんやて! うわぁっ嬉しいぃ、って叫んでしもたよ。 4本目、5本目、6本目。 全部のサーベルがスーツケースを突き通った。 れいらさんはそのスーツケースをくるりと回してお客さんに全体を見せた。
今度は後半。サーベルを抜く演技になる。 レバーを逆の向きに動かせばブレードの先端が引っ込み、同時にれいらさんがサーベルを引き抜いたらええんやけど、実はこれはけっこう、ちゅうか、かなり難しい。 前半でサーベルを刺すときは、れいらさんがサーベルを押し当てる音を合図に、少し遅れてレバーを動かせばよかった。 「・・でも、抜くときに少し遅れるのは困るんだ。ちょっと考えたら判ると思うけど」 「?」「?」「?」 またしても女性3人はイッくんの説明を理解できなかった。 「後ろで引き抜いてるのに、前に出ている先端がそのまま残っているのは不自然だよ。あれ?って思われてしまう」 「そうか」 れいらさんが気付いた。 「前も後ろも同時じゃないといけないんですね」
イッくん細かい。でもその通りやな。 ウチとれいらさん、スーツケースの中と外でタイミングを完全に合わせないといけない。 何か合図が要る。でもどうやって? イッくんのアイデアは単純やった。 「それならお客さんに合図してもらおう 」
16. 子供たちに向かってれいらさんが呼びかけた。 「みんなー、梢お姉さんが穴だらけになっちゃいました! 助けてあげたいですか?」 「助けてあげたーい!」 「じゃあ、この剣を抜きまーす! 何本抜かなきゃいけないかしら?」 「ろっぽん!!」 「1本ずつ抜くから一緒に数えてくれるー?」 「はーいっ」「数えるー!」 「数え間違ったり、声が揃っていなかったりしたら、梢お姉さんは死んじゃうかもしれないよ?」 「だめー!」「やだあっ!!」 「じゃあ練習しよう! いい? せーのっ、いーち、にぃーい・・。ああぁっ、ダメダメ揃ってないっ。もう一回!」 全員が揃って1から6まで数えられるまで練習させた。 「いくよ? せーの!」 「いーっち!」 れいらさんがサーベルを引き抜くと同時にブレードの先端が引っ込んだ。 「にぃーい!」 子供たちの声が響く。リズムもペースも綺麗に揃っていた。 「�����ん!」 どんどんサーベルが抜けて行く。 「しいー!」 あと2本! 「ごぉー!」 これで最後!! 「ろぉーっく!!」
「はーい! 全部抜けたねー! 梢お姉さんは無事かなー?」 スーツケースを横に倒して、ロックを解いた。 カチャリ。 横になっていたウチが身を起こした。 「うわー!!」「あれー!?」 白い衣装がピンクに変わっていた。 立ち上がって一回転して見せた。 どうかな? 母ちゃんの作ってくれた早変わり衣装。 可愛いでしょ?
れいらさんに手錠を外してもらう。 小声で言われた。 「知らなかったよ。びっくり!」 「えへへ。黙っててスミマセン」 二人並んでお辞儀をした。
三田先生が駆け寄って来た。 「すごいすごいすごい!! どきどきしちゃった! ありがとう!!」 イッくんも来て握手してくれた。 「やられたよ。衣装チェンジとはね」
もう一度拍手を浴びながら皆でお辞儀した。 お客さんの中に母ちゃんと湊が座っているのが見えた。 湊は黙ってサムズアップしてくれた。 あんた、どこでそんなゼスチャー覚えたの。格好ええやんか。 ウチも笑って親指を立てて返す。 すると母ちゃんまで指を立ててウインクした。 母ちゃんっ、指が違う. 立てるのは中指やのうて親指やちゅうねん。
17. それから二週間経った夜。 ウチと母ちゃん、れいらさん、イッくんと多華乃さん夫妻、そして三田先生がレストランの個室にいた。 三田先生がお誕生会のお礼にと招待してくれたのだった。
「ウチ、フレンチなんて初めて」「あたしもです!」 「お箸で食べるフレンチ、いいですねー」 「友人のお店なの。形式張らずに楽しんでちょうだい」 ワインとノンアルコールのスパークリングで乾杯。 「あら、あなたたちもノンアル?」 先生がイッくんと多華乃さんに聞いた。 「僕らは後でいただきます。今は、ちょっと」 「彼、リベンジする気なんです」 多華乃さんが言った。 「タカノ、いきなり言う?」 「いいじゃない。頑張るのは私だよ?」 「あ、ぴぴっと来たっ。イリュージョンするんでしょ!」 れいらさんが言った。 イリュージョン!?
「この人、梢ちゃんの衣装チェンジに全部持ってかれたこと未だに根に持ってのよ。子供みたいでしょ? うふふ」 「そんなことはないよ。僕は」 「うん、イッくんってそうだよね」「分かるわ」「イッくん、ホンマですか?」 「ぼ、僕は・・」 「���まりイサオを苛めないであげて。その分、私が彼に苛められるんだから♥」 謎めいた微笑の多華乃さん。 他のみんなは笑っている。母ちゃんまでウンウンって頷いて。 まさかこの二人、ムチとローソクでSMプレイしてたりする?
18. 「ええっと、やろうか」「はい!」 イッくんと多華乃さんは席から立ちあがった。 一度出て行って戻って来た。 持ってきたのはあのスーツケースと紙袋。それからサーベル、ではなくて金属の細い棒。 「先日とは趣向を変えたスーツケースイリュージョンをやります。・・これは」 イッくんはそう言って金属棒を持って水平に構えた 「ステンレスの丸棒です。直径5ミリ、スーツケースの穴をぎりぎり通る太さです。先端を円錐形に削り出しました」
イッくんはスーツケースを床に倒して蓋を開いた。 れいらさんが黙ってウチの肩を叩いた。それから開いた蓋の裏を指差す。 !! あの剣刺しのギミックがない。 蓋の裏に張り付けられていた黒いパネルのような仕掛けがなくなっていた。 6個の穴がはっきり見えた。
多華乃さんがさっとシャツを脱いだ。 ブルーのスパッツ。その上は黒いブラだけ。格好いい!! スーツケースの中に入って膝をついた。 そのまま身体を逆海老に反らしてスーツケースに収まる。むちゃくちゃ柔らかいやないですか。 イッくんが多華乃さんの肌を撫でる。ああ、また。 「あら♥」「まぁ♥」 嬉しそうな声を上げたのはウチでもれいらさんでもなく、三田先生と母ちゃんだった。
イッくんはにやりと笑うと蓋をぱたんと閉じた。 すかさずスーツケースを立てて起こす。 紙袋から縄束を出してスーツケースに巻きつけ、荷物みたいにきりきり縛った。
れいらさんがウチの耳元でささやいた。 「多華乃さん、頭下向き」 ホンマや! あのポーズで逆立ち?
イッくんはスーツケースの後ろでステンレス棒を水平に構えた。 「前後の穴を一発で通すのが難しいんだ。・・練習の成果をご覧あれ」 息を整える。 いきなり穴に突き刺した。合図も何もしなかった。 反対側の穴から棒の先端が飛び出す。 すぐに引き抜き、別の穴に突き刺した。 抜いては刺してを何度も繰り返した。 むちゃくちゃ速かった。
今度はステンレス棒を6本、スーツケースの横に並べた。 まず1本���突き刺した。 すぐに次の1本を持って突き刺した。 立て続けに全部の棒を刺してしまった。
「・・おっと失礼」 テーブルにあった紙ナプキンで、一番下の棒の先端を拭いた。 ナプキンが血に染まったみたいに赤くなった。 ひょえー。 ウチらのイリュージョンより迫力ありまくり! 多華乃さんがどうなっているのか想像できなかった。 ぎちぎちに縄で縛ったスーツケースの中で、無理なポーズで逆立ちで。
「では助けてあげましょう。彼女が無事でいるかどうか心配です」 ステンレス棒を全部引き抜き、スーツケースの縄を解いた。 床に寝かせて蓋を開ける。 入ったときと同じポーズの多華乃さんが現れた。 ぐったりしているみたいやった。 イッくんが多華乃さんの背中に手を当てて起こした。
血!! 多華乃さんの胸と脇腹から真っ赤な血が流れていた。 ええ!! まさか、大怪我!? れいらさんも驚いて固まっている。 「・・ええっと、残念ながらイリュージョンは失敗したようです。妻は天国へ旅立ちました」
ガタ! 立ち上がったのは母ちゃんやった。 自分のナプキンを掴むと、二人に近づいて多華乃さんのお腹をごしごし擦った。 「ひ、・・きゃはははっ」 多華乃さんが身を捩って笑いだした。 「あーん、ごめんなさい!!」
「あんたら、やりすぎ! これ、ケチャップでしょ?」 母ちゃんが言う。母ちゃんの目も笑っていた。 「恐れ入りました」 イッくんが謝った。 「最後まで騙せると思ってたんですけど、さすがですね」 「昔よく使ったわ。匂いで分かるからお客さんと近いときは注意が必要なの」 「勉強になります」
19. 食事が済んで、三田先生がイッくんに聞いた。 「さっき、もし桧垣さんに見抜かれなかったらどうするつもりだったの?」 「そのときは蘇生措置をして生き返らせる予定でした」 「ウソ。スーツケースに入れて持って帰るって言ってたじゃない、イサオ」 「そっちの方がよかったかな?」 「そうね。私はまる1日詰められてもイサオのためなら耐えるわよ♥」 「多華乃ちゃん」「はい?」 三田先生がいきなり多華乃さんの頬を両手で挟んでディープキスをした。 「ん! んんん~っ!!」 「素敵よ、その心がけ。でも新婚だからってサービスしすぎると、彼、図に乗るわよ」 「はぁ、はぁ、・・はい」
「次は、」 三田先生が顔を向けたのは・・、ウチやった! 「一番頑張ってくれた梢ちゃん♥」 「は、はい」 ウチは顔を近づけてくる先生から逃げられなかった。 「本当に、一番お礼を言いたかったのはあなたなの」 「うわ♥」れいらさんの歓声が聞こえた。 「これからも、お願いね」 ちゅう。 マウスツーマウスでキスをされた。 女の人相手で快感やったというと変態みたいやけど、本当に気持ちよくてうっとりしてしまった。 ウチは皆が見ている前で60歳のおばちゃんにファーストキスを奪われたのだった。
・・それからウチは長いことイリュージョンの活動をすることになった。 イッくん夫妻とれいらさんにはまだ秘密があったけど、それを知るのはずっと先のことだった。
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~登場人物紹介~ 桧垣梢(こずえ):14歳、中学2年生。一人称は『ウチ』。 桧垣湊(みなと):8歳、小学2年生。梢の弟。造形美術教室の生徒になる。 桧垣純生(すみお):46歳。梢と湊の母ちゃん。旧姓鈴木。 三田静子:60歳。小学生向け造形美術教室の指導者。嬉しいと誰が相手でもキスする癖がある。 玻名城(はなしろ)れいら:17歳、高校2年生。造形美術教室の卒業生で教室を手伝っている。 酒井功:25歳。造形美術教室の卒業生。趣味でイリュージョンをやっている。通称イッくん。 酒井多華乃(たかの):25歳。功の新妻。身体が柔らかい。
4年前に書いた 多華乃の彼氏 と 多華乃の彼氏2 での仕込みをようやく回収しました。 仕込みとは、造形美術教室の先生の名前を三田静子にしたこと、そしてイッくんが京都に行って人間くす玉をクレクレしたことです。 大抵の場合、回収方法はまったく考えずに執筆時のノリだ��で仕込むので、そのまま放置で終わることも多いです。 今回はAIで作成したイリュージョン絵(=スーツケースに女の子が入って笑っている絵)が中学生のように見えたことから、この女の子を純生さんの娘にして仕込みを回収することにしました。 純生さんと三田先生のエピソード(純生さん中学3年生のとき)は『三田静子』をサイト検索すれば出てくるはずなので興味のある方はお読みになってください。
今回のイリュージョンは3つ。 イッくんのマンションでやった袋詰めからの脱出は、現実に演じることが可能と想定しています。 ただし、あの部屋(正確にはソファと隣接してキッチンがある)かつ観客が少人数でないとできないので、舞台で演じるには向きません。 袋の上から多華乃さんのボディを撫でまわすのは夫婦のイリュージョンだからできることですね。
梢ちゃんのスーツケースイリュージョンは、前記の通りスーツケースに入った女の子をAIに描かせたので、それなら剣を刺してしまえと考えたものです。 ダンボールの剣刺しはよく見かけるイリュージョンですが、スーツケースは珍しいかもしれません。 サーベル回避のギミックは、これならできそう?というものをイッくんに考えてもらいました。 刺すときと抜くときのタイミングの相違は作者のこだわりです。お読みの皆さまには面倒くさかったら申し訳ありません。
梢ちゃんのスーツケースで仕掛けを凝ったので、多華乃さんのスーツケースは一切ギミックなしの命がけです(笑)。 ダンボールよりはるかに狭いスーツケースの中、軟体ポーズでその上逆立ち。いったいどうやって6本のステンレス棒をすり抜けたのでしょうか? 最後に母ちゃんが止めたのは本当はルール違反です。 元プロだから分かっているはずですが、レストランで血まみれは悪乗りが過ぎましたね。
本話の最後で梢ちゃんの今後を示唆しました。 イッくん夫妻とれいらちゃんの秘密とは、もちろん 前話 で描いたあの趣味です。 梢ちゃんがどんなM少女に育って行くのか作者の私も楽しみです。
挿絵は今回もすべてAIで生成して一部手修正を施したものです。 一番うまくできたのはれいらちゃんのマジシャン姿。やはりAIは単純な立ちポーズなら簡単です。 ここのところAIに描かせた絵にストーリーをつける小説が続きましたが、次回以降はストーリーを先に考えて挿絵をつける従来の手順で進めたいと思います。 しばらく時間が開くと思いますが気長にお待ちください。
最後に小説ページの体裁について。 tumblr の入力エディタが更新され、従来の入力方法(HTML入力)が使いモノにならなくなりました。 大きな変化がないように努めていますが、一部違和感があるのはお許し下さい。 (例えば、後書き前の区切り線が引けない~泣)
それではまた。 ありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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王守仁(陽明)による『伝習録』([1518]1572)からの抜き書き
抜き書きが多くなったのでTumblrに記録した。 中央公論新社版には原文がない。 書き下しも現代日本語訳も私(わたくし)にした。
日間の工夫、紛擾を覚〔おぼ〕ゆれば、則〔すなは〕ち静かに坐〔ざ〕せよ。書を看〔み〕るに懶〔ものう〕きを覚ゆれば、則ち且つ書を看よ。是〔これ〕も亦〔ま〕た病に因りて薬するなり。 日常の実践で混乱を感じたら、静かに座って落ち着こう。〔学習で〕書物を読むのに疲れたら、何かをしながら書を眺めるだけにしよう。これもまた、病気に合わせて薬を処方するということだ。 〔「上巻」/ 早稲田大学図書館が所蔵する版 https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ro13/ro13_00047/index.html の1のカット32〕
朋友と処〔を〕るに、相下らんと務むれば、則ち益を得る。相上らんとすれば則ち損ず。 友達といるときには、互いにへりくだろうと努めれば利益を得る。互いにおごり高ぶろうとすれば、損をする。 〔「上巻」/ 1のカット32〕
凡〔およ〕そ書を授くるは、徒〔いたづら〕に多きに在らず。但〔ただ〕精熟を貴ぶのみ。其〔そ〕の資稟を量り、二百字を能〔よ〕くする者には、一百字を以〔もっ〕て授くるを止むるが可〔よ〕し。常に精神の力量をして余り有らしめば、則ち厭苦の患へ無く、而〔しかう〕して自得の美有り。 一般に、書物を教授することは、むやみに書物を多読させることではない。専ら、本人が書物を精読して体得することを重視する。教えを請う人の技能を見積もって、一度に200字の書物を読める者には、100字を教えてやめるのがよい。いつも精神の力量に余裕があるようにすれば、学習が嫌になる心配がないし、自分で体得する面白さが味わえる。 〔「中巻」の「教約」/ 2のカット108〕
譬〔たと〕へば路〔みち〕を行く人の一蹶跌〔けつてつ〕に遭ひて起き来たりて便〔すなは〕ち走るがごとし。人を欺きて、那〔なん〕ぞ跌倒〔てつたう〕に会はざるの様子を做〔な〕し出来するを要〔もと〕めず。 〔実践は〕たとえれば道を歩く人が一度つまずいて、起き上がってすぐに歩き出すような試行錯誤だ。他人をだまして「全くつまずいたり転んだりしていませんよ」という様子を取り繕ってくることはない。 〔「下巻」/ 3のカット25〕
先生、問ふて曰はく「遊びて何を見るか」。 対〔こた〕へて曰はく「都にて街に満つ人、是〔これ〕聖人なるを見る」。 先生、曰はく「你〔なんぢ〕、街に満つ人、是聖人なるを看〔み〕る。街に満つ人、到〔いた〕りて你是聖人在りと看る」。/ 〔遊学した門人に〕先生が問う。「遊学して何を見ましたか?」 門人が答えて言う。「都で街にたくさんいる人々が聖人であるのを見ました」 先生が言う。「君が、街にたくさんいる人々が聖人だと見抜くと、街にたくさんいる人々は反対に、君に向かって『聖人がいる』と見抜いたでしょうね」 〔「下巻」/ 3のカット57〕
北斉の天平二年に至りて一〔ひと〕りの居士有り、年は四十を踰〔こ〕へて名氏を言はず。聿〔ゐつ〕に来たりて礼を設けて師に問ふて曰〔い〕はく「弟子、身に風恙〔ふうやう〕を纏〔まと〕ひ、和尚に罪を懺〔く〕ゆるを請ふ」と。師、曰はく「罪を将〔ひき〕ゐて汝〔なんぢ〕が懺ゆる与〔た〕めに来たれ」と。居士、良〔や〕や久しくして云〔い〕はく「罪を覓〔もと〕めて得べからず」と。師、曰はく「我、汝が与〔た〕めに罪を懺い竟〔お〕はんぬ」と。 北斉の天平2年になって、一人の在家の信徒が訪れた。年齢は40歳を超えていたようで、氏名を言わなかった。自ら来てお礼を準備して師〔慧可(えか)=隋の時代の僧で、中国禅宗の第2祖〕に問うて言った。「弟子が重い病気にかかりました。何か罪があったに違いありません。和尚さまに罪を懺悔(さんげ)していただきたいのです」。師はおっしゃった。「あなたが懺悔するわけではありませんから、その罪を持って来なさい」。在家信徒はやや長い間、戸惑って言った。「……罪は、探して持って来られません」。師はおっしゃった。「私は、あなたに代わって罪を懺悔し終わりましたよ〔罪は実体がなく、罪にとらわれるあなたやお弟子さんの心の中にあったのでしょう〕」。 ――道原『景徳伝灯録』「巻第三」(1004)/ 陽明が「上巻」で同様の言い回しを採用。早稲田大学図書館版の2のカット17 https://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko17/bunko17_w0017/index.html
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国���人年大十二本中長出三同時���事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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波打ち際柄うちわ、かぜ
あてててて。腰が痛い。そりゃもう37なんだから腰も痛くなるわ。というのはあまりしっくりこない。明らかに体重増加後に、中腰の姿勢で長時間過ごす業務を経てから腰痛を感じるようになったのであって、あの業務がなければ、またこのように過重していなければ、37の私でも腰は痛くなかったはずである。ただ、その業務はひじょうに楽しかったので、憎むらくは体重増加。みしみし。あの頃、60kgの巨体が…と自分の体について思っていたが、なんといま、75kgの化��物になってしまった。なんというか体型が妖怪である。自分の足腰で自分の体重を支えられず。それでも、11月から実家と自宅を行き来しつつ療養し、なんとか、「5分以上歩くともう腰が痛い」の状況は脱したようだと今日分かり、とても嬉しかった。なぜこのような妖怪体型の化け物になってしまったのか、その理由はさまざまあるのだが、まあ、うつ状態の予防と回復のための過食・暴食が一番の要因であろう。本当に、うつがなければさ。もしくは、うつ状態になっても、食べられないくらいの重症度だったら…と書いたところで気づいたが、以前はそうだったのである。つまり、うつ状態の重症度がやや下がったことにより、自分でうつ状態の予防のために食べたり、うつ状態を終わらせるために食べたり、ということが、できるようになった。そのために食べるなよ、という感じではあるが、とにかく私の小さい頃からの「体を動かす方法」が「まず食べる」だったため、このような残念なことになった気もする。不規則な生活、不眠、暴食、運動量の低下。もうヒャッハーという感じだ。私は「規則的な生活」に懐疑的な人間ではあるのだが(不眠により規則的な生活を送れたことが人生で1度もないため)、それでも決まった時間に食べることは間食の抑制や、食事量の抑制に効果的だと思う。そして少なくとも実家にいる間は、少しの過食はしたが、お腹が痛くなるほどの暴食はしていない。まずは病的な過食行動を取らないこと。そのために3食食べること。糖分よりもお米で糖質を摂ること(糖分で摂ると結局脂質も摂ってしまうことが多いため)。糖質と脂質を減らし、タンパク質を摂る。軽い運動をできるだけ毎日続ける。私はまだまだ諦めないし、これからどんどん良くなっていくと思う。9000歩あるいただけでもう脚の神経が痛く、明日うつ状態や無気力状態にならないという保証があるわけではないが、私はいつも通りごく楽観的である。
『謎ときサリンジャー』を読んでいる。なぜもっと早く読まなかったんだという感じだが、今がベストなタイミングである気もする。ハプワースも金原瑞人さんの訳の文庫版が出ているし(ハードカバーが自宅にあるのだが、結局文庫版を今日買ってしまった)。シーモアとバディ、ふたりのうちのどちらかが、というのが、サリンジャーのいる、生と死まで意味をなくす、あるいは極限まで持つ地平まで導いてくれてとてもスリリングでおもしろい。というか、これはほとんど自明のことだったように思える。バディがサリンジャーであるという視点は私にはすっぽ抜けていたが、シーモアとバディはひとりのようなふたりだというのは。緻密に小説を読み込み、この結論を補強していく手腕が鮮やかすぎる。見事。今日は2章までやっと読んだ。本の1/3以上は進んだと思うのだが、まだ2章か?本当か?まあいいか。弓道の阿波達人と、ドイツ人学者の師弟関係における「音」、そして的と自分が一体になり、自分が射るとき、同時に的として射られているということ、それがシーモアの(書かれていない)銃声の音と重なる、そしてビー玉遊びでの「カチッ」という音、禅問答のエピグラフ、全てがひとつなぎに繋がっていく様子は、爽快だった。
「テディ」の冒頭一文を確かめたくて新潮文庫版のナイン・ストーリーズをまた買ってしまった。しかも、その1行目の仕掛けは、野崎孝の訳からでは感じ取ることはできず(注もない)、ここは柴田元幸が新訳でどう書いているのかが気になるところ。さすがにこのヴィレッジブックス版まで2冊持つのは…と思い通販やメルカリなどを思いとどまった。しかし、講談社英語文庫で原文にあたることは思いとどまれず、こちらも2冊目の購入(注文中)。ブラックフライデーの混んでいる時に注文してしまった。すまない。でもこちらも喫緊なんだ(好奇心が)。野崎訳のナイン・ストーリーズは所持しているがなかなか読む気が起きず、結局あまり開いていなかったのでこれを好機として読む。「テディ」を半分ほど読んで、誰が訳してもサリンジャーはサリンジャーだ、というおもしろい感覚に陥る。『大工よ、〜』は野崎訳しかないのでこの文体にも親しんでいるのだから当たり前かもしれないが、昭和49年に出版された文庫とは思えないほど面白く読める。言葉遣いは当時の話し言葉の史料にもなっていいんじゃないかとさえ思う。昭和49年といえば、私の父母は19歳。高校を卒業し青春を謳歌していた頃だろう。そして、彼らがナイン・ストーリーズを読むことは絶対にない。そういう「階層」ではなかったのだ、という言い方が適当かはわからないが、ともかくこんな難解なアメリカ文学と彼らの青春は何がどうあっても交わらない。そのことが少しおかしく感じる。文学や学問にたいして興味をいだくたちではない人と人との間に生まれた私という存在が、なぜ『謎ときサリンジャー』という新潮選書を37で読むに至っているのか。自分の好奇心に愕然とする。
私は、いわゆるライフイベントと金融業界で呼ばれている、結婚出産育児昇進きょうだいの結婚親の病気や死などなどをまったく経験していない。それに加え、15〜25歳の記憶が曖昧で、うつ状態ではない正常な状態で世界を認識したのは、25歳の夏が10年振りであった。世の37歳よりはだいぶ「幼い」のではないか、と思うのだが、それは別に悪いことではないと思う。仕方のないことだし、人様に多大なる迷惑をかけるわけでもないし、しかし、それを馬鹿にしてくる人はいる��かもしれないなあとぼんやり考えた。実年齢に対して精神の成熟が伴っていないと、それだけで「お前は一体何をして生きてきたんだーーっ!」と怒りたくなってしまう人がいるようだ。私自身は年齢性別はどうでもいいではないか、その人が誠実にそこに存在していることが大事ではないか、と思うが、自分が負ってきたストレスを相手が負っていないと分かるやいなやプピーーッとなって我慢できずに攻撃してしまう人がいる。私はあの時もあの時もあの時も周囲の圧力に負けて(周囲に言われるがまま、周囲のために)みんなと足並み揃えてやってきたのに、お前はそれらの圧をくぐりぬけて「さぼって」きたんかーーーっ!となってしまうのであろう。いや、周囲と足並みを合わせたのはあなたの勝手だし、それで負ったストレスも業績もあなたのものだし、なぜわざわざ周囲から遅れていてさらに何も持たない私を攻撃までするのか、という感じだが、こういう人間がのうのうと生きていると、馬鹿にして、攻撃しなくては己を保っていられない、そういう厳しいところに立っている人というのが、まあ、いるものだな、と思う。私のように図太ければ「うるせーなー」ですむが、そういう人に攻撃されて、大抵の精神疾患者はさらに追い詰められ辛い思い���するのでは無いだろうか。みんなスタートが同じな訳では無いし、配られたカードも違うし、あなたのように生きられたのは私たちから見れば幸福そのものですよ、と思うが、そう思ってくれない人はいる。でもそういう方々は、基本的に想像力に乏しく、他者に寛容でもないので、あきらかに私より楽しくない生を送っている。かわいそうすぎる。でも、そういうふうにしてしか、生きられない人もいる。子供を産んで、子供を虐待して、そういうふうにしか生きられない人もいる。まあ子供の方は大きな大きな災難(被害)になってしまうわけだが、虐待者のほうも、かなり貧しい生を送っている。だから引き分けにせよ、とは私は絶対言わない、虐待者は加害者で、子供たちは被害者で、支援されるべきは子供である。加害者は塀の中で大人しくしていて欲しい。自分の生をどれだけ豊かにできるかは、先天的なものもあれば生育環境やどれだけ愛情を受け取れたかもある、色々な要因があるとはいえども、責任を取るのは自分である。自分で責任を取って苦しむしかない。だから、自分の生を諦めずに、常に豊かにしていけるように戦わなくてはならない。自分を害そうとする者共から自分を守り、戦う。これが出来ずに変に周囲に迎合したり、抑圧を是として変な役割を長年演じたりすると、もう意味がわからなくなって、最終的には人を殺したり、まあなにか攻撃的な人間になると思う。戦う、ということが小さな頃から本当に必要なんだと感じる。否定する力、抵抗する力、それらは幼児に多く見られるが、本当に大切なものだと思う。ライフイベントを何一つ経ていない、およそ37歳らしくない私を馬鹿にし攻撃する人がいるとしたら、その人は、その人の戦いを都度放棄してきてしまったんだなと感じる。
思いついたことを書いていたら結構長くなってしまった。高瀬隼子『いい子のあくび』を読みさしている。主人公はおそらくバリバリの機能不全家庭で育っているのだが、そこには言及せず、ただ目の前の虚無だけをたんたんと描いていくのがいい。とくに人間関係における主人公の内声が、それもこれもわかってる、わかってるんだけど、まあ。という感じで、素直でよい。基本的に恋人に対する恋愛感情がないように感じるし、友人に対する友情がないように感じるし、しかし「嫌われたくない」という感覚ははっきりと伝わってきて、お前からの好意は結局ないんかい、という悲しい気持ちになる笑。高瀬隼子というひと、他の作品は未読でわからないが、人間に徹底的に興味のない人間をえがくのが上手いんだなと思う。全てが機械的で、自己愛は強いけど、他人はつねに代替可能な程度の交わりで済ませている。こういう人は自分とは対極なので、「陰気かよ!!」となってしまうが(サンバの血が騒ぐ)、この主人公が人間どもとどう絡み合ってラストに向けて混乱していくのか、と思うと楽しみである。破綻するしかないように思えるのだが、特に何も起こらなかったら、それはそれですごい。
『グラン・ヴァカンス』を探し出そうとして(ないのでたぶん自宅)、岩井克人の『貨幣論』や、菊地成孔の『服は何故音楽を必要とするのか』とか、東京大学のアルバート・アイラーとかが出てきて、懐かしいなあ面白いなあと思いながらやや捲っている。全て途中までしか読んでいないので、こういう、続き読みたかったんだよね!という本を掘り出せるとわくわくする。自分の家の中につねに宝物(本)が埋まっている。なぜならほとんど全ての本を、読み終わっていないから。読みおわれるのは1年に4冊くらいです。
2024.11.29
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2024.11.24 1:51
7年ぶり?くらいに母方の叔父と会ったら白髪長髪になっていて目尻がずいぶんとろけて、会ったことない祖父にそっくりになっていて驚いた。車で生きている人だから、人生の中で乗ったどの車よりも安心感がある、合宿免許に行って以来ブレーキをかける時のなめらかさが人の運転のうまさと思うようになった。すいー、とん、と教えてくれた眼鏡の教官元気かな(なんかあの教え方はずっとハーマイオニーのステューピファイを思い出す、ビューンヒョイ)
武蔵野うどんを食べつつ猫に会いつつ、饒舌になると異様に語り口が滑らかなのはどうやら母方の血かしらと思い始めるけど、レーシングの話あたりからとまらなくなり関係ない気がしてくる。なんか最後あたりタリーズで髭や長髪が、会社が、と話したときコミュニケーションのむずさを感じる。従兄弟たちは兄が離婚し姉が母と住んでて妹が結婚したそうで、私だけもう10年くらい会ってない。メインクーンが来たときくらいから露骨にクールが変わって登場人物の洗い替えがあったんだけど叔父はその一部分代表だ、たぶんずっと居たんだけど、同年代のいとこたちまで想像力が追いついていなかった。クールの違いを切り替えるのがしんどいというか、順応しすぎる私と俯瞰している私の差分が、わたしは本当に1番きつい。責めないでほしい。家族と会う数日前から胸焼けするようなのは大分マシになったけど、やっぱり帰路からずっと喉がつかえて、疲れる。保証人になるにあたっては上場は役に立ったらしい。ご迷惑かけませんので、と言われて、頑張ってください、とかえす。うわんの蹴りぐるみをもらったから、大事にしたい。
昨日は会社が上場したりまた見積りと来週リリースの修正対応で半泣きになって、誘われてた飲み会に行ったら先輩が社内恋愛し始めたとか妊娠されたとか多分めでたい話!全部わたしが悪い。直属の部長が直属の先輩に失恋したとか本当に聞かなければよかった。部長がどんどん苦手になっていて(というか払拭できなくて)やばい。コミュニティがあたたかで幼くて狭くて怖い、二軒目になぜだかいって、先輩と2人で話して、何も上手く喋れなかった。ただいいひと。共通項のないひとと持ち物の話をして、しんどくなってることのしょうもなさに気付くけど、虚しいし即物的にはなんにも解決しない。どういう方向にしたらいいのかわからない。
大阪に住んでいる年上の友達とmouthwashingの話をしてから、ずっとmemeに使われてるイモージェン・ヒープが頭に回っている。今年で1番良かったよと複雑性PTSDの本を勧められて笑ってしまった、「わたしが誰かわからない」を1番読んでほしいから勧め返したんだった。わたしたちは環境由来で似てて根本的にまじで似てないね。1番仲良い先輩と彼女と会社のいいひとと、他人事な年上たちに今週は結構いろんな話をしてしまった。はやく年末になったら一回たすかっちゃうはず…と依存していて、これをごめんねーというの、どちらに振り切ったらいいんだろうね。間が悪い。
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TEDにて
ホルヘ・ラモス: なぜ?ジャーナリストには警察権力に挑む義務があるか!
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
ホルヘ・ラモスを記者会見の場から追い出すことはできても、事実、2015年にアメリカ大統領が、追い出して話題になりました。(注意、この人が所属しているマスメディア、行政府、政治家、大企業中堅企業も権力者です!)
ラモスを黙らせることなどできません。報道記者として、30年以上のキャリアを持つラモスは、ジャーナリストには、権力者に対して疑問を投げかけ、その正当性に挑む責任があると信じています。
ジョンロック・モンテスキューなどの三権分立を機能させていくことがポイントです。
ラモスは、ある状況下においては、ジャーナリストは、中立性を捨てるべきなのだ!と彼が信ずる理由について語ります。
ラモスの話は、多くの人の心を揺さぶり、途中でスタンディングオベーションも巻き起こります(ホルヘ・ラモスは、スペイン語報道局「ユニビジョン」の記者です。)
私はジャーナリストで移民でもあります。これら2つのことが私を特徴づけています。
私は、メキシコ生まれですが、人生の半分以上をアメリカでの報道に費やしてきました。移民によって作られた国。アメリカでです。
報道記者として、そして、外国人として、私が学んだのは、中立の立場をとって沈黙し、恐れることは最善策ではないということです。それは、報道の世界でも日々の生活でも同じです。この「中立性」を隠れ蓑(みの)に、私たちジャーナリストは、本来、果たすべき責任にしばしば背を向けています。
同じ権力者でもあるマスメディアの一員でもある責任とは何か?
弱者や低収入者ではなく、警察など権力ある人たちに対し、疑問を投げかけ、その正当性に挑むことです。
このために報道はあるのです。
権力を問い、それに挑む。これは、報道の美徳とも言えるものですが、もちろん、私たちには、事実をありのままに伝える義務もあります。
虚構を語ってはいけません。暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
虚構を語ってはいけません。暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
虚構を語ってはいけません。暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
その意味において、私は、客観性の原則に同意します。
家が青色であれば、青色だと言いますし、失業者が百万人いれば、百万人と言います。しかし、中立性を保てば、必ず真実に導かれるというわけでもありません。
たとえ、私が、完ぺきなほどの慎重さでもってあるテーマについて、両方の立場を伝えるとしても、例えば、民主党と共和党。リベラル派と保守派。行政府と反行政府といった立場です。
それでも、結局は、何が真実で、何が真実でないかを知ることができる保証はありませんし、誰がやっても保証されることはないのです。人生は、もっともっと複雑なものです。ですから、報道もその複雑さを反映してしかるべきです。
ここで明言しておきます。私は、断固としてテープレコーダーにはなりません。そんなものになるために記者になったのではありません。今どき、もう誰もテープレコーダーなんて使ってないって?
そういうことなら、私は、携帯電話を取り出し、録音ボタンを押して目の前に差し出すなど断固としてしません。それでは、まるでコンサート会場にいるファンです。
これは、真の報道ではありません。暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
意外に思われる方も多いでしょうが、ジャーナリストは、絶えず価値判断を行っています。倫理的、道徳的判断です。
私たちは、いつも、ことのほか個人に依存した非常に主観的な判断を下しているのです。
私は、メキシコシティで5人兄弟の長男として育ちました。家には全員を大学に行かす、お金がなかったので午前中に勉強したあと、午後は働く日々を送っていました。そして、ついに、ずっとやりたかった仕事を手にします。放送記者の仕事です。大きなチャンスでした。
でも、3つ目の取材に取り組んでいたとき、私は、大統領を批判し、メキシコには民主主義がないと疑問の声を上げてしまいました。メキシコでは、1929年から2000年まで、選挙はすべて出来レースで、現職の大統領が、後継者を自ら選んでいたのです。
そんなものは、本当の民主主義ではありません(ただし、開発独裁なら規模の経済を達成するまでは有効です)大統領の問題を暴露するのは、素晴らしいことだと思ったのですが、私の上司は・・・
組織である以上、仕方ありませんが、上司はそうは思わなかったようです。当時、大統領官邸のロス・ピノスは、メディアに対して直々に検閲を行っていました。私の上司は、私が担当する番組の責任者であると同時に、あるサッカー・チームも任されていましたが、ニュースよりもゴールに関心があるのではないかと私は常々疑っていました。
上司は、私のレポートを検閲し、変更を指示しましたが、私は拒否しました。上司は、担当を変えて、私に書かせたかった記事を別の記者に書かせました。私は、ジャーナリストとして検閲は受けたくなかったのです。どこからそんな力が湧いてきたのか?
私は辞表を書いていました。24歳のとき。たった24で、私は、人生で最も難しく、そして、最も素晴らしい決断をしました。テレビ局を辞めるだけではなく、国も去ることにしたのです。
私は、愛車を売りました。おんぼろの赤いフォルクスワーゲンの小型車をいくばくかのお金に換え、家族に別れを告げました。そして、友だちや慣れ親しんだ街。行きつけの場所。それから、タコスにもさよならし、カリフォルニア州ロサンゼルスまでの片道切符を買いました。それで、私は、世界に2億5千万いる移民の仲間入りをしたのです。
現在進行中の「移民による移民のための社会実験国家」がアメリカです。
現在進行中の「移民による移民のための社会実験国家」がアメリカです。
現在進行中の「移民による移民のための社会実験国家」がアメリカです。
移民の人に尋ねれば、誰もが、新たに移り住む国に足を踏み入れた日のことを何から何まで、事細かに覚えていることでしょう。BGM付きの映画のように鮮明にです。私がロサンゼルスに降り立ったとき、日はもう暮れかけていました。私の全財産は、ギター、スーツケースといくらかの書類だけで両手ですべて運ぶことができました。
そのときほど絶対的な自由を感じたことはありません。私は、なけなしの財産で何とか乗り切り、学生ビザを取得しました。当時、勉強していたのです。レタスとパンをたくさん食べました。それしかなかったからです。そして、1984年のこと。ついに、アメリカで初めて放送記者の仕事をすることになります。
最初に気づいたのは、アメリカでは、当時のロナルド・レーガン大統領を同僚が容赦なく批判しても何も起こらないことです。誰も検閲などしませんでした(規模の経済を達成しているので民主主義が機能します)私は思いました。この国は最高だと。
そんな感じで、30年以上もの間。本当に自由に報道できましたし、移民であっても公平な扱いを受けてきました。でも、何の前触れもなくそれも終わります。この前のアメリカ大統領選の取材を担当してからです。
ここで私は2つのことを学びました。1つは、どんなことがあっても決して、ドナルド・トランプに携帯の番号は教えてはいけないこと。
2つ目は、中立の立場をとるのは、もう止めるべきだということです。それ以来、ジャーナリストとしての私の使命は変わりました。私はその候補者に立ち向かい、彼が間違っていること。つまり、アメリカにいる移民に関する発言が正しくないことを示そうとしました。
ある数字を紹介しましょう。アメリカの不法滞在者の97%は、善良な人たちです。重大な犯罪。アメリカで言う「重罪」を犯すのは3%にも満たないのです。それに対して、アメリカ市民で、この重罪を犯すのは6%です。つまり、アメリカ市民よりも不法滞在者の方がずっと素行が良いのです。
このデータをもとに、私はある計画を立てました。私の携帯番号がさらされた8週間後。私は、その候補者が票集めで弾みをつけようと開く記者会見の取材許可証を手に入れました。トランプ大統領に立ち向かうと決めたのです。それも、じかにです。
このトランプ大統領とのやり取りのビデオを見るたびに、私がまず思うのは、憎しみというものは、感染するということです。ここでは「ユニビジョンに帰れ」という候補者の発言が合図となっています。要は「出て行け」と言っているのですが、彼の取り巻きの1人はそれでお墨付きをもらったとばかりに「私の国から出て行け」と言います。私がアメリカ市民だとも知らずにです。
このビデオを幾度となく見て、もうひとつ思うのは「中立性」の呪縛から自由になるには、本当の意味で自由になるには、恐れることをやめ「ノー」と言うことを覚えなければなりません「私は黙らないし、私は座らない。私はこの場を去らない」とね。「ノー」という言葉は。
「ノー」は、どんな言語にもある最も力強い言葉で、それがなければ、私たちの人生に重要な変化はやって来ません。そこに大いなる尊厳があることで、深い敬意が生まれ、一歩下がって。そして、押し返して、こう言えるのだと思います「ノー」
エリ・ヴィーゼルは、ホロコーストを生き延びた人物でノーベル平和賞の受賞者です。残念なことに、少し前に亡くなりましたが、とても思慮深い言葉を残しています
「いずれかの立場をとらねばならない。中立でいることは、抑圧者に資するだけで、被害者のためにはなりえない」
まさに彼の言うとおりです。一定の状況下では、ジャーナリストは、特定の側につく義務があります。人種差別やその他の差別、汚職。公の場での嘘。独裁や基本的人権にかかわる場合には。中立性や無関心は横に置いておかねばなりません。
スペイン語のある言葉が、ジャーナリストがとるべき姿勢を端的に表現しています。
「contrapoder(反権力)」です。
暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
この観点からも国家システムが、国民の最低年収の保証をすることも重要なことなのです。
この観点からも国家システムが、国民の最低年収の保証をすることも重要なことなのです。
この観点からも国家システムが、国民の最低年収の保証をすることも重要なことなのです。
ジャーナリストは、基本的には、権力を持つ人たちとは反対の立場をとるべきです。
だって、もし、政治家と結託したり、州知事の息子の洗礼式や結婚式に行ったり、大統領の仲間になりたかったりしたら、彼らの批判なんてできますか?
権力や影響力のある人を取材することになったとき、私は、いつも2つのことを心にとめています。この難しくて聞きづらい質問をもし、ここで、私がしなければ、もう誰もしないだろうこと。そして、この人には、もう会うことはないということです。
私は、相手に良い印象を残す必要もなければ、関係を築く必要もないのです。もし、大統領の友人になるか敵になるかを選ばないといけないなら、私は、常に、権力者に対して、敵でありたいと思います。
最後に申し上げたいのは、今、移民やジャーナリストは苦境に立たされています。でも、今ほど、いつでも中立性をかなぐり捨てる用意のあるジャーナリストが、必要なときはありません。私自身のことで言えば、私は、この瞬間のために人生をかけて準備してきたんだと感じます。
24歳で検閲を受けたことで、私は、中立性、恐怖、沈黙が、しばしば犯罪や権力濫用。不正といったものに加担することになると学びました。権力に加担してしまったら、それは決して良い報道にはなりえません。
ハンナアーレントも同じことを言っています。
暴力装置をもつ警察権力の濫用や低収入者に対する覗き見行為など説明責任のファクトチェックも重要。
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
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ひとこと日記📓 2024.09
9.1-引越し。荷物でいっぱいになった車で元彼を駅で拾って新居へ。運び終わってから、お互いの気持ちの話をした。今日が最後、今日が最後を繰り返してまた一緒になりたい。
9.2- 1人で部屋の片付けをする。大方片付いたら、もう何ヶ月もここに住んでいるような感覚になった。いい仕事にすぐ就けそうにないので、またその場凌ぎで派遣を始めようか悩む。web面談をしたら、自分の顔があまりにも暗くて今日にも自殺しそうなやつに見えて悲しかった。
9.3- 何もしたくない。さみしい。
9.4- 「YOU 君がすべて」S3を観ている。ラブが抱える悩みが自分と被る。ジョーが元彼と少し似ているから余計に… / まだ部屋に冷蔵庫がない。冷蔵庫を持たない暮らしについて考えてみる。わたしはよく食材を腐らせて捨てていたから、ないほうがいいけど難しいね。
9.5- 事務の派遣が決まりそう。時給制だけど、貯金も少しできるくらいは稼げるから、1日でも早く働き始めたいけど… 本当は在宅でデザインの仕事がしたい。応募はしてるけど、すぐに決まるかわからないから、派遣の仕事を始めるべきか、でも長期雇用予定の求人だから中途半端に働き始めたら担当にも企業にも迷惑だよな/ 元彼からの質問に長文で答えたら既読無視されててつらいけど信じて待つ。→待てない。
9.6- やっと新居にwifiが通った。3時間かけての大掛かりな工事だった。みんなそれぞれ、自分にできる仕事をして世の中が回っている。
9.7- 23時過ぎ、元彼からメッセージ。今夜君の家に泊まっていいか?と。わたしのアパートの近くの駅でのんでたらしい。バーに合流して遅くまで彼の友人たち(外国人の旦那と日本人の妻2組)と過ごした。彼は酔っていたけど、わたしの魅力を友人たちに熱弁し始めたり激しめのスキンシップをとってきたり、やっぱりまだわたしのこと大好きなんだなってわかって安心した。
9.8- 午前3時に帰宅してシャワーでセックス。急遽、彼のバンドメンバーと一緒に川に行くことになった。
起床。まだ魔法は解けてなかった。けど、バンドメンバーのひとりがわたしと一緒に川に来るのはおかしいってメッセージで言い始めてからおかしくなった。人が変わったように、やっぱり一緒になるべきじゃないと言って川に行ってしまった。精神病かな? そのバンドメンバーまじで国に帰ってクレメンス
9.9- 電話したらもう会うべきじゃないって言われちゃった。じゃあなんで土曜日泊まりにきたのかな?しにた。でも戻ってきてくれるって信じてる。
9.10- 初回のカウンセリング。大事なことちゃんと伝えられたと思う。次回からは心理士を目指す大学院生が担当することになる。どんな先生が担当になるか少し緊張する。
9.11- ちょっと鬱目。いい感じのイタリア人とマッチするも多分詐欺垢っぽい。代わりなんていないのに何してるんだろう。
9.12- 昨日は9.11だったことに気づく。最近Deep stateに興味があり、陰謀論の動画を見たりしている。世の中は一部の人間に操られているのかな。もしそうであったとしても、わたしの人生に直接的には関係のないことだけど。
9.13- 出鱈目な生活を送っている。自己肯定感も上げればいいってものではなくて、変な上げ方をすると拗れる。
9.14-9.15 ここ数日、夢の感覚がリアル過ぎる。地面師を観ていたら、朝になっていた。そしてようやく眠って目が覚めたら夕方になっていた。元彼から、わたしが1番好きなポケモンをリモートで送ろうか?とメッセージが来たが、「会えないのなら今は要りません、ありがとう。」と答えた。どんなつもりでメッセージを送ってきてるんだろう。頭の中を解剖してやりたい。
9.16- ボーリング同好会の集まりに参加。今まで70前後だったのに、いろんなアドバイスのおかげで100超えた。久しぶりの達成感。グループチャットから個人でLINE追加してくる男たちがだるい。なんでわからないんだろう…?
9.17- 今日から新しい仕事が始まった。午後からずっと頭が痛い。逃げて逃げて逃げ続けてきたツケが回ってきたとつくづく思う。もう諦めて死んだほうが楽だと思う。思うだけ。/ 昨日、ペットの誕生日だったのにうっかり忘れていた。最低。わたしはつくづく冷たい人間だ。
9.18- 仕事2日目
9.19- 仕事終わりにアプリの人と会う。あんまり会いたくなかったけど、スタバを奢ってあげるし30分だけでもいいからお願いと言われて会った。結局3時間くらい一緒にいた。寝てない。
9.20- 金曜日。つかれた。しばらくメッセージしてる外国人と電話したけど、違った。
9.21- 夕方までだらだら過ごす。暗くなってからオーダーしたシャツを取りに行く。かわいい、わたしが着たら絶対にかわいいと思った。/「この世界で生きていくために、手を組みませんか」というプロポーズ
9.22-トークサバイバーを観る。笑うと楽しいね。今日何したか覚えてない。3連休じゃなかったら死んでた。/就寝前に元彼から電話。
9.23- am2 元彼の家に到着。引っ越してからさらに遠くなり1時間近くかかるようになってしまった。朝まで眠れず。2人の関係を成就させるために、わたしが変わる。/ ヘアカットに行く。私史上1番気持ちよいシャンプーだった。
9.24- 元彼から風邪をもらった。体がとてもだるいけど、この仕事は身体に負荷がかからないし、人と話すことも少ないからなんとかなる。次のデートはコスモス畑。わたしと彼が2年前の秋に初めてデートした場所。
9.25- 以前、大学附属の心理センターで初回のカウンセリングを受けたのだが、審議の結果、わたしの症例は当センターでは対応継続できないとのことだった。そんなことあるんだね、いっぱい自分のこと話したのに無駄になった。/ 仕事おわりにweb制作会社の面接へ。すぐに転職したいわけじゃないけど、選択肢をつくっておきたくて。今の仕事のお給料に特段不満はないけど、派遣から正社員になったらいくらも���えるのか早めに確認しなきゃな。
9.26- 手術なしで視力を回復できるオルソケラトロジーというものを知る。15万ほどするが、レーシックやICLに比べて低リスクで安いから、生活が安定したらやりたい。/仕事おわりに、からやまのテイクアウト。期間限定のマグロ天定食を注文。働いて好きなもの食べて好きなだけゆっくりお風呂に浸かって眠くなったら静かに寝る。ほどほどに自由。
9.27-あたらしい仕事で2週間が経った。今朝、職場のグループで村八分に遭い、役職者からクビを言い渡される夢を見て、目覚めたらいつも家を出る時間の5分前だった。夢でよかった、今仕事がなくなったら働く気力が尽きてしまう。/ 最近、日本の映画をよく観ている。日本人にしか出せないものってある。もちろん、アメリカ人にしか出せないものも、インド人にしか出せないものもある。人種についてもっと深く考えたいけど、知見がないから難しい。/ 新しい総理が誕生した。お誕生日おめでとう。
9.28- マックポテトの品質に一喜一憂するのやめたいから買うのをやめるべき。/ 弟とヤドカリを買いに行く。198円の命。/ 新居に観葉植物を迎えた。
9.29- 容姿が醜い人といっしょに出かけると、自分の価値が下がったように思える感覚ってふつうじゃないのかな。
9.30- 今日から英単語1日10個覚える。一年で3650個。/ 9月終わった。じめじめ生きてる感じがしてダサい月だった。
完
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病気の理解者について
夫は私の病気を理解してる、というか夫も障がい当事者であるから、ピアサポーターとして私のケアをしてくれる。
私が陽性🧚になってから、一番初めに飲み会で知り合ったのが夫で、初めに理解を示してくれたのも夫だった。長い間、私を理解しようと寄り添ってくれた初めての人だった。というか、本当なら飲み会なんていく気が進まなかったけど、夫(高校の先輩)は、なんだか引き寄せられるように会いに行った。
病気に対して辛い言葉を向ける人もたくさんいた。私は当たり前のようにその人たちを憎み、理解されることに諦観を抱いていた。助けてほしい時はたくさんあったし、病気で講師の仕事なんて無理だというのに、親は講師をすることを強要する。家族の存在が、一番、病気を悪化させる高EEだった。何もできない私のことを、甘えだと言うし、完璧主義な母親の言葉が辛くて、そのことをわかってくれる友達はわずかだった。わずか、でもいてくれるだけよかった、と今では思っている。
受け入れられない人たちには、そのキャパシティがない。
差別感情を示してくる人たちに目を向けて、理解してもらおうなんて、自分の時間が勿体無い、そう考えられるようになるまで、時間がかかった。
障がいになっても私は自分自身に向けて辛い仕打ちをした病気の父親と同類になってしまったと、とても辛かった。あいつとは違う、違うから少しでも健康になる努力をしよう、そう思った。差別感情を抱きながら治療を受けていたが、私たちの親世代の、差別が酷かったということに気づくのに時間がかかった。差別が治療を悪化させる。差別が私たちを失望させる。
新宿の街に、一人言を呟いて歩いている人を見なくなったのは、それだけ現代の薬が、統合失調症に効くようになったからだよ、と夫が言っていた。
私は病気を隠さないのは、誰かに病気で生きてる私を受け入れてほしいからだ。障壁をなくす、病気と本当の意味で戦うのは、この社会的な障壁をなくして、認められることなのかもしれない。
疲れたから、寝る。
————————————————————————-
若い頃はよく、パートナー選びの失敗で病気を悪くしていた。子供の頃に関わった異性(親や兄弟)が、私に虐待をしていたせいで、自分を否定する異性が正しくて、彼らは私に正義を教えている、そんな無意識の刷り込みがあった。私は私のままでいい、そう思える相手を自分が選ぶようになるまで、長い時間がかかった。
そのせいで病気や私に対して全く理解を示さない相手ばかり追いかけて、本当に危険な目に遭っていた。
そういう親や兄弟は、俺のせいにするなと言うのが言い分だろう。
お前の、甘えだと。
本当に許せない。
でも似たような無責任な人間ばかり好きになる負のループに陥っていたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そういう人たちは異性を人一人理解すると言うキャパシティを持ち合わせていない。自分に従事する人形であってほしいという、家父長制を引きずった考えなのかもしれない。
そしてせめてしまう私も、その人たちが許せないキャパシティなのだ。
そういうもの同士、合わない人たちなのだ。
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『お前なんか、どうせスポブラだろw』と馬鹿にしてた男友達みたいな女が想像以上の大人下着で○起が止まらないんだが…
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正解よりも明快に生きるよ
私を強姦した人は体は大きいけれども、知能はおおよそ小学生低学年ぐらいだった。精神はおおよそ高校生ぐらいだった。彼はその時確か28歳だった。私は13歳だった。強姦の多くは加害者と被害者が知り合いであるらしい。私もそうだった。
一家全員生活保護の、どうにもならない家庭だった。両親共に生活保護。彼は長男で、下に2人弟がいた。全員成人していたが、当たり前に全員ニートで生活保護だった。ニートというより、不登校がそのまま歳を取ってしまったという感じ。学校にも行ったことがないし、仕事をしようとも思ったことがない。小学校すらまともに行ってないらしい。彼らに何か問題があるようには見えなかった。むしろ無邪気にずっとサッカーをしている姿は小学生の時にクラスにいた男子達そのものだった。まぁ何か理由があって行かなくなったのかもしれないし、理由なんてなかったのかもしれない。心配にならないぐらい、彼らは明るくて自由だった。ただパッと見で「不良」「非行」みたいな見た目をしていた。
彼らとの関わりの中で私は貧困と教育について学んだ。字が読めない、字が書けない、それでも人望はあった。知能が小学生でも、人格が高校生なら、非行中学生ぐらいからは慕われる。お金もないし知能も低いので、移動手段は専ら自転車だった。自転車しか乗れないことは、彼らのこれ以上の非行を防いでいた。おそらく、免許を取るお金と知識があれば、彼はもっと沢山の人に迷惑をかけて、沢山の人から慕われ、自分でお金を稼ぐ事ができたかもしれない。ただそれは夢物語でしかない。実際には月に5000円だけが貰えて、残りは全部両親がパチンコで溶かす。お金があってもきっと文字が読めなくて免許は取れないだろう。
彼らが何か悪いことをしたとは思わない。ちょっとよくない親の元に生まれてきただけだ。普通だったらどんなに貧しくても義務教育は受けさせてもらえただろう。少なくとも9年間学べば、免許を取れるぐらいの知識は得れただろう。彼らが今どうしているかは分からない。昔は町中でたまに見かけたが、最近はめっきりだ。反社の下っ端みたいな人達と繋がりがあるような事を言っていたが、団員になったのか、団員にすらなれなかったのか、それも分からない。
5000円貰える日、に会ったことがある。本屋に行った。私は好きな本を買おうとした。すると彼が「今日金入ってきた日だから」と出そうとした。どんなに安く見積もっても600円ぐらいの文庫本だった気がする。中学生の私は5000円がどれだけ儚いか理解していた。貰ったばかりの金を、他人の為に使おうとする姿勢が理解できなかった。自分が好きなものだから自分のお金で買いたいと申し出て断った。彼は、いつかもっと金を手に入れたら、あいつら(友人)に腹いっぱい奢ってやるのが夢なんだと、恥ずかしげもなく言った。フィクションの見過ぎだと思った。だとしたら働けばいいのにと思った。働くという選択肢がそもそも与えられてないのだ。働くだけの知能がないのだ。たった5000円を手にして、いつか友人に奢るという夢を抱けるほど、現実が見えていないのだ。現実を見るための知能がないのだ。学んだことも働いたこともない人間が、何もせずに手に入れる5000円は本来もっと重くなければならないのに。フィクションの見過ぎで臭い台詞は言える。自分の為ではなく、他人の為にお金を使いたいという素敵な精神も持ち合わせている。それを実現する力が全くない、ということを理解できない。本当の貧困。
生活を苦に自殺する知能もなさそうだ。起きてる事象から苦しめる程の情報を得れてなさそう。ホームレスか、団員か、うーん、
何が幸せかは彼らが決めることだ。
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