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美味至福『自家製和牛ローストビーフ弁当』
家族みんなが大好きな和牛ローストビーフをお弁当仕立てに。
外食へ行くより、嬉しいし美味しいと言ってもらえるのも良いですよね。
外食に行くより豪華にすることができます。
サイドのおかずももちろん手作りで品数は多い構成に。
お弁当というものは一つの箱の中に、数々を楽しむことができる
日本の誇れる食文化です。
アイデアは無限大。美味しさも無限大。
たくさんお弁当は売ってはいますけれども、自分が手がける衛生面での安心感と美味しさは
格��です。
栄養バランスもはるかに良いので、ここもポイントですね。
ソースの市販品だと物足りないので、2種類を用意しました。
全て味見をしながら、仕上げるので間違いない美味しさです。
とろける脂がまた美味しく、ペロリと食べてくれるのも
作り手側としては嬉しいですよね。
あと、難しいのは盛り付けのバランス。
どれだけの量を作り、それだけの品数が必要か。
ローストビーフの盛り付け方などは、本当にその時のひらめきで。
お肉の形や野菜などの形は、日々日々、手に入るもので違いますので
これは感性で仕上げます。
集中しますので、周りの声が聞こえなくなる私です。
息子が『うちのクリスマスの料理が楽しみだね!』
『うちのおせち料理はすごいね!』
と何度も言われるので、物価が高くなり過ぎているけれど色々な工夫で
作り上げれるといいのですが。。。。。
すでに食材の高騰は、ここ数年で1、6〜2倍になってしまって
驚きの連続ですね。みなさまも今年のクリスマス料理やおせち料理はどうされますか?
たくさん仕込み、それでもまたプラスで用意せねば(笑)というクリスマスに年末年始の年越し
にお正月がやって���ます。
料理研究家 指宿さゆり
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報道機関に警察が捜索に入って取材資料を差し押さえ、それを端緒に、報道機関の取材源を特定して逮捕する、などということは、言論の自由を保障する民主主義国では通常ありえません。社会における公共情報の流通を大きく萎縮させて、民主主義を機能しづらくすることになるのが明らかだと考えられてきたからです。 【動画】内部告発の隠蔽工作は広島県警でも。元警察官が実名・顔出しで語る真相 実際、現憲法下で独立して以降の日本の捜査当局は、そうした手法を用いるのにこれまできわめて抑制的でした。ところが、鹿児島県警がいま、おそらく戦後日本で初めて禁を破り、それをやってのけつつあります。 今回、公益通報(内部告発)制度に関する研究に取り組み、多数の著作もあるジャーナリストで上智大学教授の奥山俊宏さんが、スローニュースに緊急に寄稿しました。 報道機関に強制捜索の異常事態…最初は別の警察官の事件だった 福岡市を拠点にニュースサイト「HUNTER」(ハンター)を運営する中願寺純則(ちゅうがんじ・すみのり)さんによると、4月8日朝、同サイトの事務所で鹿児島県警の家宅捜索を受け、パソコン、携帯、書類を押収された。 「ちょっと考えられないことですけど、報道機関に対してガサを入れてきたということです。いったん押収して、次の日に返しには来たんですけど、まだ押収されたままのものもある。当然、私どもは取り調べを受けても、取材源とか取材過程について話すことができませんから、もちろん完黙するわけです」 その日、鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長が、捜査情報を外部に漏らしたとの地方公務員法違反(秘密漏洩)の疑いで同県警に逮捕された。この「外部」について逮捕時点では「第三者」としか報道されなかったが、これがハンターなのだとみられる。中願寺さんによれば、ハンターに対する捜索令状には、被疑者として藤井巡査長の名前が記載されており、被疑事実は地方公務員法違反となっていたという。中願寺さんはその時点では参考人として取り調べられたが、黙秘した。 実は押収された中願寺さんのパソコンの画面上には、藤井巡査長の事件とは全く関係ない、札幌市在住のジャーナリスト、小笠原淳さんに匿名で送られてきた文書のデータがあった。 小笠原さんは長年、警察の不正を追及してきており、ハンターの常連寄稿者でもあった。文書の1ペ��ジ目には「闇をあばいてください」とあり、2ページ目には「枕崎署員による盗撮事案の隠蔽」など3件の県警不祥事が列挙されていた。パソコンは押収翌日に県警から中願寺さんに返却されたが、その際、「データは解析に回します」と言い添えられたという。 押収したPCには県警の元幹部の告発文が…それを知った県警は 県警不祥事を暴くこの文書が実は、同県警の幹部、生活安全部長の職に3月下旬まで就いていた本田尚志・元警視正によって作成されたものであることが判明するのは、6月5日のことだった。 本田元警視正は、5月31日、鹿児島県警に国家公務員法違反(秘密漏洩)容疑で逮捕され、6月5日、その勾留理由開示のための法廷で、記者に文書を送ったことを明らかにしたのだ。 法廷での本田元警視正の陳述によれば、昨年12月中旬、トイレで女性が何者かに盗撮される事件が発生し、その容疑者として枕崎署の警察官が浮かんだ。県警の生活安全部長として本田警視正は「早期に捜査に着手し、事案の解明をしよう」と考え、上司の野川明輝・県警本部長の指揮を仰いだ。すると野川本部長は、「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言い、強制捜査にゴーサインを出さなかったという。(この陳述に対し、野川本部長は6月7日夕になって「私が隠蔽の意図をもって指示を行ったということは一切ございません」と反論した)。 6月5日の法廷で本田元警視正は次のように述べた。 「私は、退職後、この不祥事をまとめた文書を、とある記者に送ることにしました。記者であれば、個人情報なども適切に扱ってくれると思っていました。マスコミが記事にしてくれることで、明るみに出なかった不祥事を、明らかにしてもらえると思っていました。私が退職した後も、この組織に残る後輩がいます。不祥事を明らかにしてもらうことで、あとに残る後輩にとって、良い組織になってもらいたいという気持ちでした」 その文書が4月8日、ハンターへの強制捜査によって県警の把握するところになってしまったのだ。 盗撮事件発生から5カ月近く後の5月13日、県警は、建造物侵入と性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで枕崎署の巡査部長を逮捕した。5カ月もの長期にわたる内偵が必要な事件ではなく、他方、文書押収から1カ月余り後というタイミングであり、状況からして、本田元警視正の文書がこの逮捕のきっかけだったのであろうことは明らかだ。 このようにして県警は「必要な対応が取られた」との格好をつくりだした上で、5月31日、本田元警視正を逮捕した。この時点で県警はこの「漏洩」の相手先について「第三者」としか発表しなかった。 筆者の取材に、中願寺さんは「強制性交事件が全ての原点です」と言う。「すべてそこから始まっている」 報道によれば、鹿児島市内の新型コロナウイ���スの宿泊療養施設で2021年8、9月、医療機関から派遣された女性看護師が、鹿児島県医師会の男性職員によって性的な行為をされた。これについて看護師は強制性交などの罪にあたるとして鹿児島県警に告訴した。しかし、医師会は「同意のない性行為ではなく合意に基づくと判断した」と主張している。 これを不正義と見て正そうと立ち上がったのが、地方公務員法の守秘義務違反で逮捕された藤井巡査長であり、それに触発されたのが本田元警視正であり、2人とも公益通報者だと中願寺さんは思っているという。 NHKは、本田元警視正の文書について「鹿児島県警の別の警察官が内部文書を福岡市の会社役員に提供したとして逮捕・起訴された事件の関係先から見つかっていて」と報道しているが、これまでハンターは、捜索を受けたことを積極的には明かしていなかった。しかし6月11日から、反論記事を出していくことにした。 取材源の秘匿はなぜ「鉄則」なのか 取材源の秘匿は、報道界にあって、「報道機関が何より優先すべき責務であり、個々の記者にとっては、取材活動の根幹をなす究極の職業倫理である」と考えられてきている。 社団法人日本新聞協会と社団法人日本民間放送連盟は次のように述べている。 「報道機関で取材活動に従事するすべての記者にとって、『取材源(情報源)の秘匿』は、いかなる犠牲を払っても堅守すべきジャーナリズムの鉄則である。隠された事実・真実は、記者と情報提供者との間に取材源を明らかにしないという信頼関係があって初めてもたらされる」 最高裁は「取材源の秘密は、取材の自由を確保するために必要なものとして、重要な社会的価値を有する」と述べつつ、やや留保を置いている。しかし、最高裁を含め裁判所がどのような判断を出しても出さなくても、それとは無関係に、「上級審等がいかなる判断を下そうとも、取材源を守る姿勢は最後まで貫き通すことを改めて確認しておく」というのが、日本新聞協会と日本民間放送連盟の公式見解となっている。つまり、法律や裁判所に逆らってでも取材源を秘匿し通す、いわんや警察などに強制されることはない、という姿勢である。 従来は抑制的だった捜査機関 こうした報道界の考え方も背景にあって、現憲法下で日本の検察・警察は、取材源を探す目的で報道機関を捜索など強制捜査したり、取材源に関わる資料を押収したりすることについて、これまできわめて抑制的だった。そうした前例はほぼなかった。法務大臣ら政府当局者は「いわゆるニュース・ソースの秘匿性というようなことにつきましても、検察当局として十分これを尊重しなければならぬ」との考え方を繰り返し明らかにしてきている。 のちに検事総長となる松尾邦弘・法務省刑事局長は、取材源の秘匿について「大変重要なこと」「最大限尊重する」と国会で答弁し、捜査にあたって「そういう重要性も���然念頭に置きまして、それを最大限尊重するような運用をする」と約束し、したがって、「報道機関が取材の過程で行っている通信につきましては、基本的には通信傍受の対象としない」と明言している。 これは通信傍受(盗聴)だけでなく、証人尋問や捜索・差し押さえについても適用されるべき考え方であり、現にそのように運用されてきた。「取材源の秘匿…に関しましては…現在の社会においてそれが非常に重要な機能を果たしている、最大限に尊重すべきもの」との原則が現に捜査当局内部で遵守されてきたことについては、筆者自身が検察官に取材してきた経験でも裏付けることができる。 米国では報道機関への強制捜査は原則禁止…自由な民主主義国家ではあってはならない事態 米国では2013年に、記者のGメールの記録をグーグル社から差し押さえたり、報道機関の電話のメタ記録を電話会社で差し押さえたりしていた事例が発覚し、大問題となって、オバマ大統領の指示で司法省が「改革」をおこない、以後、そうした運用を原則禁止にした。 米司法省の現行規則は、報道機関の取材資料を押収する目的での強制捜査を明文で原則禁止としている。例外はテロ攻撃、誘拐など人命や人体への急迫もしくは具体的な危険性を避けるなどの目的がある場合に限定しており、「匿名の取材源から秘密情報を受け取っただけの場合にもこの禁止は適用される」と念押しするように明記している。日本の捜査当局が「取材源の秘匿を最大限に尊重する」と累次表明してきたのと同じ考えにもとづく。 筆者の私見によれば、こうした規範は、報道機関や記者に特権を与えようと意図しているのではなく、「自由で独立した報道が我々の民主主義の機能性に不可欠」だからその実現のために捜査権限を縛ろうとしたものであり、憲法に由来する。すなわち、国民主権を定め、報道の自由を保障した憲法に適合するように法令を解釈した結果がこうした規範(日本では不文律、米国では司法省規則)であり、それを破る運用は憲法違反となる。 警察が犯罪捜査の権限を使って、報道の取材源の探索を本気で始めたら、スマホの位置情報や街頭のカメラを組み合わせて、だれであってもその行動をまるはだかにできる。そんな捜査が当たり前になると、だれも公益通報できなくなり、不正の真相は闇から闇へと蓋をされる。 暗黒社会への転落は杞憂ではない。治安維持法施行下の戦前・戦中や、中国やロシアでのことならあり得ることではあるのだろうが、自由な民主主義国家で、警察が報道機関の事務所に強制捜査に入って、取材源に関する資料を押収するなどということは、大手新聞社であろうが、小さなネットメディアであろうが、あってはならない。 筆者:奥山俊宏(おくやま・としひろ)
【疑惑の県警】報道機関を強制捜査し、内部告発した取材源を特定!鹿児島県警「前代未聞の暴挙」は憲法違反だ(SlowNews/スローニュース) - Yahoo!ニュース
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)8月28日(水曜日)
■■■■ 訃報 ■■■
■■■■ 黄文雄(こうぶんゆう)氏 ■■■
中華思想の欺瞞を、膨大な資料を読み込んだ知識を背景に誤謬にみちた通俗史論をばっさばっさと裁断して中国史の影に光を当てた。中国人の暗黒面、そのグロテスクな醜さを日本史と比較して抉り出した。黄文雄さんは、歴史家であり台湾独立の活動家、ユニークな思想家だった。
最初にあったのは四十年は前だろう。小生の最初の質問は「NYプラザホテルの玄関で訪米中の蒋経国を狙撃した黄文雄とは、貴方ですか?」だった。
「ちがいます。同名異人です。親戚でもないのです」
氏は速筆で下書きはノートに鉛筆、その旺盛な作家活動。ベストセラーの印税は台湾独立運動に寄付した。二百冊におよぶ著作は中国の歴史を冷徹に述べたもので多くの読者を獲た。酒はたしなむ程度だったが、往時は毎週のようにあっていた。議論することが山のようにあった。
拓殖大学の客員教授として大學史、とくに台湾開拓の目的が拓殖大学の由来だから、大學でもよくあった。井尻千男教授主催の日本文化研究所公開講座では毎月、おわって二次会は茗荷谷周辺の居酒屋だった。氏が主催の忘年会も関係者、とくに編集者をあつめて毎年おやりになり師走の新宿歌舞伎町の中華料理は百人くらいが押し寄せた。
総統選挙の度に台北で、関係者を呼んでのパーティも主催され、台湾取材にきていた日本人記者の多くも招かれたので百人以上が会場に犇めいた。
台湾でのシンポジウムにも御一緒する機会があったが、ふたりで台湾大學で講演したとき、小生のほうは北京語通訳、黄色さんは台湾語で通訳無し。若い台湾人は北京語しか出来ないので、分からないと言っていた。
それでも台湾語で通した。これが氏の哲学である。
台北旅行は格安チケットを探しだし、ホテルは二つ星程度か、殆どYMCAだった。ふたりで対談本も編んだ(宮崎正弘v黄文雄『中国人の野蛮』、徳間書店)
このところ、体調不良と伺っており、連絡が途切れていた。七月に逝去されていた。合掌。
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ネオ幕府アキノリ党による100の政策
※内はアキノリ将軍未満による脚注。
🌾 文化・日本語
1. 『双京構想』京都を陪都に。
※ 上皇后両陛下に仙洞御所にお戻り頂く案などから上奏。
2. 文章の形式を国粋化。縦書き・漢数字を基礎に、時間や単位や数理や音楽も日本文化圏独特の書式を考案し漸次移行。
※ 漢数字に関しては画数が多く判読もしにくいため,西ローマ・アラビア数字くらい判読しやすく書きやすい数字用の文字を作ってフォントに組み込んだりを検討。
3. 日本語の電子媒体を刷新。
※ イーロン・マスク氏に会いに行ってXの東アジアの言語を全部縦書き漢数字(言語ごと)に直してもらう事を条件に,共栄圏での法人を作ってもいいと約束。ただし,その情報資産は共栄圏のものとし,資本の移動は認めない。 ※ 拡張かなを拡充し電子媒体に組み込む・体制化した際に方言の言語化も視野に。
4. 都内の外国籍労働者・親族等への日本語や法制に係る教育サービスの展開。
※ それぞれの民族に寄り添った親善団体と連携 ※ 裏で世界共栄化に関わる宣伝を行い、本国に情報輸出させる足がかりとする。😈
5. 都内の宗教共同体の実態把握・公的包摂・共生都市社会の推進。
※ 体制化までの中長期的に各宗教の日本化を試みる方針。
🌾 税制・社会保障・経済
6. 税制改革や都債発行を財源に,実質賃金の上昇率の安定向上(最低でも年3%水準)まで一律で都民税半額。
7. 都営ブロックチェーンの創設・ネオ幕府トークンの発行とサーバー維持管理。
※ 全国電子通貨を想定・通貨の名前は「球」読み方は本名が「たま」,「きう」が普及版。NAMが出典。 ※ いずれ日本円にとって代わる。😈 ※ 我々が全国化した折には武蔵国の地域トークンというか藩札を創設を想定。
8. 都債発行・時限的な商品券等の給付による地域経済振興。
9. 都民や都内に通学する学生への一律奨学金免除。
10. インボイス廃止を国政に提言・特に中小零細企業の事務処理負担を軽減。
11. 濫用的な投資や無軌道な開発,オーバーツーリズム等に因る地価や宿泊施設の価格高騰を抑制。
12. 外国企業等による国土の売買規制に係るモデル条例の策定。
13. 都内の特に大企業の法人税の納税率を向上・財源構成の平等化。固定資産税の累進化。
14. 社会保障費用の逆進性緩和・累進課税の推進。
🌾 教育・学術
15. 公営学生寮の確保・増大。
※ 国際法を典拠に一定の自治権を認める
16. 大学院まで教育全面無償化+困窮世帯向けに塾代含め支援検討。
17. 専門学校等の整理統合・総合大学との連携強化・学生や職員の有益な流動化を促進。
18. 図書館民営化の見直し。知識アクセス・公共教育インフラの維持。
19. PTAの有償化や情報共有・可視化の促進。
20. 教育委員会の体質改善・責任体制の明確化。
21. ���立高校の入試改革の見直し・効果的な外国語教育に転換/無益な学習負担の軽減化。
※ どうでもいいけどほんとに外語やるならマッチング実践とかだわ
22. カルト校則の全面廃止・学生の学ぶ権利や表現の自由を守る。
23. 入学しない大学への入学金支払義務の免除・ルール撤廃を東京から実践。
24. 部活動の地域化・民営化等による教員の負担軽減を都から実践。
🌾 交通・公共施設
25. 練馬─中野─杉並─世田谷区や足立─台東─江戸川区を縦断する都営線路の開拓。
26. 東京都-近隣の港湾に集中投資・世界一の港湾大都市圏を構築。
27. 満員電車の終局的な解消・時差通勤の促進(主に企業向け)や代替手段の公的導入検討。
28. 離島との往復費用の低廉化・人材や投資交流の活発化。
※ 将来伊豆諸島は伊豆の国に, 小笠原諸島以南は小笠原国にする。
29. 16歳未満(中学生)に対しての交通インフラ料金を子供料金にする・25歳以下に対してユース料金の公共交通機関・各商業施設での導入。
🌾 防災・戦時体制を想定した防衛
30. 全国のあらゆる自然災害に対し救援・復興の為の物資や人員輸送が可能な体制の整備。
31. 都内のあらゆる公共設備の耐震化推進。
※ 災害をある程度前提とする伝統的な都市デザインの可能性も検討。
32. 核戦争を想定した核シェルター建設・地下経済圏の構築促進。
33. 災害リスクを見据えた都民や隣接県民(都内の勤労者)向けに食料等備蓄・予備的分配。
34. 官公庁・民間企業に対するサイバー攻撃の防衛体制整備。
35. 東京都の空を米軍から取り戻す・首都圏の集団安全保障体制を見直し。
36. 近隣諸国の紛争や破局的災害を想定した都民の命と経済を守る有事法制・モデル条例の策定。
37. 安全保障や軍需産業分野の研究開発支援・学界に蔓延る偏見の改善。
🌾 恋愛・婚姻等の共生生活・性的少数者支援
※ 現在はヘテロが社会の主体である事を公共に認め(右翼を安心させ), その余裕の下に性的少数者への配慮を行う政治指針を宣言化。
38. パートナーシップや相続法制等に係る性的少数者の権利保障モデル条例の策定。
※ パートナーシップに日本語の造語を与えることを目的に研究会を行う、反動保守国学者や左派リベラルの論客もネオ幕府体制の責任もとで幅広く招聘したい。
39. 専門家や当事者の意見を参考に高齢者向けの公的恋愛支援事業を実験的に開設。
40. 既存の公営マッチングアプリ・ブライダル支援等政策の見直しと再構築。
41. ユース(18-25歳を想定)以下に対してのマッチングアプリ補助制度。
🌾 医療・福祉・地域協同・家庭問題
42. 視力矯正器具や歯列矯正等への保険適用・車椅子や補聴器の価格低廉化。ゆくゆくは無償化。
※ 歯を生やせるようになればすぐ保険適用を検討
43. ひきこもり老人を訪問し地域を協同化・社会的包摂を目指す・若年層のアルバイトで高齢者を訪問しスマホ教室とネット普及・生活状況の実態調査。
44. 民間に甘んじた無料塾・こども食堂等の公営化。
※ 都から職員を派遣して実態調査し一定の基準で認可を行い、その場で謝礼。 ※ その後恒久的に経済支援, 半官半民でネットワークをくみ人的支援を拡大 ※ 定期的に児童虐待や裏社会の斡旋等の有無を潜入調査。😈
45. 実態調査のうえ, 都心や下町に関わらず包括的な訪問診療・介護サービス等を拡充。
46. 学校や社内研修に基礎的な救急救命の教育カリキュラムを導入・相互扶助の日本を再建。
47. 地域交流や文化活動を活性化すべく公立小中学校等の空きスペース活用促進。
48. 既にある公園に遊具を拡充・児童の自由と安全を保障。遊閑地の利活用推進。
※ クレーム処理等は我々ネオ幕府��請け負う。
49. 生活保護の取得要件緩和と生活再建・出口支援。給付付き税額控除の試験的導入。
50. 公共施設から迅速・全面・包括的にバリアフリーデザインを実装。
51. 乞食(路上生活者・野宿者・炎上するだろうがこの言葉を使う,いささかの差別的感情を含まない)の住宅支援事業における不合理待遇(いわゆる「タコ部屋」等)の撤廃。
52. 「禁煙」でなく「分煙」。公共喫煙所の増設と依存症支援拡充。
53. 「帰宅困難家庭」の児童のシェルター確保・拡充。
54. 親の孤立防止。財政的支援やシッター利用・保育所等インフラの拡充。
55. 麻酔科医の待遇改善・拡充による無痛分娩・不妊治療等の普及・無償化を都から実践。
56. ヤングケアラーの実態調査・迅速な支援拡充。
57. 一定期間の債務等支払義務の凍結や世間からの隔絶を許容する「隠遁」制度の試験的導入による自殺予防。
58. 共同親権制度移行後の離婚親や子の権利保証に向けたモデル条例案の策定。
59. 犯罪被害者や遺族の情報秘匿や生活再建支援事業の拡充を都から実践。
🌾 環境・公共衛生・都市デザイン
60. 『江戸東京オシャレ特区』構想・ドレスコードの厳格なサービス業種の方でも自分らしい服装等の表現を保障。
61. 炭素繊維等による東京湾浄化・老若男女が利用可能な東京湾に。
※ 一〇年単位の長期計画で研究会に予算をつけて水質浄化に関わる各方面の専門家と企業に助成を。
62. タクシーや通勤通学バスや訪問介護車両や都内を往来する長距離トラック等に向けた電気自動車等の導入支援。
63. 道路にゴミ箱を増設し収集作業も増員・雇用創出。
※ 『乞食』の方々向けに最低でも3日に1度は湯船に疲れる水準の支援体制を迅速に構築。
64. 都内の樹林伐採ストップ・地域経済や文化に無益な再開発の見直し。国土を守る。
65. 引越しや住宅確保等に係る費用分担による近隣県への移住サポート。
※ 漸次地方都市にも移住サポートしたい・全国化したときに地域を蘇らせる。
66. 主に大企業の都外への本社機能移転・人口とリスク分散を段階的に進める。
67. 排除アート・「座らせないベンチ」の全面撤去。小憩できる都市デザインの再建。
68. ユース(12-25最程度を想定)以下に対して公営美術館・芸術施設の入場料無料化。
69. 路上表現・アーティスト等に向けた道路使用許可申請等��続きの簡素化・拡充
70. 官民連携で路上ライブ・イベント等を充実させ,『解放区』の乱立。
🌾 動植物
71. 動物殺処分0の次は都から始める愛玩動物の生体販売全面禁止。
※ ペットショップの店員かわいそうだから動物病院とか生物学研究所に転職もさせてあげて。そのために予算つけよう。 ※ 日本固有種の生物種は緩和したさがある,というかその系統を維持するための研究会や国家機関創設を提唱したい。
72. 特定外来種や有毒の微生物等の実態調査・飼育手段の包括的なデータベースを策定し公開。
73. 生物学系の人材活用・医療分野との連携を強化。
74. 孤立対策に動植物との共生を促進・AI利活用で安全・安定的な飼育体制を提供。
🌾 宇宙開発
75. 軌道エレベーターや公共/民間通信衛星等を想定した宇宙産業への公共投資。
※ 東京から日本〜東南アジアをまたぐ測天衛星網(GPS)を提唱
76. 核融合発電技術への積極的公共投資。
※ 戦時を想定した燃料備蓄
🌾 食糧自給・安全保障
77. 家庭菜園や地域農産・地産地消の促進。
78. 種苗法改正の見直し・食文化の保全。
※ 戦時を想定した食料備蓄
79. 酒税法の見直し・どぶろく文化を再興。
80. 生レバーやユッケ等の規制緩和。
81. 依存症対策や飲酒強制の予防規制を条件に, 飲酒解禁を18歳に引き下げ。
🌾 労働市場制度
82. 新卒一括採用の見直し・企業や経済団体等への協力要請。
83. 官公庁や民間企業の採用基準にポスドク枠拡充。
84. 生涯学習・リカレント教育普及に向けた労働市場改革。職業訓練給付や実施企業への支援等の拡充。
85. 様々な産業分野の企業に対して有給や育休利用の促進。
🌾 汚職・職権乱用の防止
86. 地方議会における縁故的な役職(選管等)の選定過程・給与等の見直し・再編と代替的職務の用意。
87. 刑事収容施設や入管施設内での侮辱や虐待や差別的待遇の実態調査・迅速な改善。
88. 市民オンブズマン制度の創設・拡充による第三者目線の地方議会の監査強化。
89. NPO法人設立や生活保護申請・政治団体含む会計監査の厳格化・責任体制の明確化。
🌾 表現・報道の自由
90. 小池都知事が実施していた様な一部のマスコミやジャーナリスト等の排除に反対・報道と表現の自由を守る。
91. 『表現の自由』の前提として,エンタメ・出版・コンテンツ業界に投資拡充・且つアーティストの食い扶持と表現の場を守り,層の厚さを維持。
92. NHKの過剰な集金を規制・困窮世帯の債務免除・公共の利益となる基礎的なコンテンツは保障するが国民の無償・平等な『知る権利』に配慮。
🌾 スポーツ
93. 『マイナースポーツに光を』・Eスポーツ含む多様な体育会系コンテンツにも積極的に投資。
94. 身体に障害を有する方々が主役であるパラスポーツ分野に投資拡充・宣伝を強化。
🌾 その他
95. 小池都知事の財政調整基金の使途・費用対効果について徹底的に監査。
96. 小池都知事や森本首相も関わる東京オリンピックに関する利権構造や裏金・役員の不審死・作業員の過労死等の真実究明。
97. コロナ禍におけるエンタメ産業や一部の飲食業界・性産業等への差別的待遇の見直し・適切で平等な補償体制の確約。
98. コロナ禍における緊急事態宣言の手続的正当性・費用対効果を徹底再調査。
99. お気持ちベースの『自粛要請』では無く必要な法整備・責任体制を明確化。
100. 多様な業種の方々に配慮し投票所を26時まで開放・且つ開票日を平日にスライドし行政コストを軽減。
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2024年3月4日(月)
3月になって初めての出勤、まずはカレンダーをめくる。私の職場(私立女子大学)では、近年は3月末に新学期が始まる。具体的には、3/28(木)からオリエン���ーション開始、新入生は入学前なのに「事前登校」させられるのだ。私学の場合には入試の都合で1月には授業を終えるため、すべてが前倒しになってくる。これも教育/研究に国家管理を強めるというここ30年の悪政の結果である。最後の春休み、高校卒業生もゆっくりしたいよなぁ・・・(もちろん私も)。
訂正:今年は4/2(火)入学式、3(水)〜5(金)がオリエンテーション、従って「事前登校」はないとのこと。
5時45分、起床。
6時、洗濯開始。
朝食。
珈琲。
弁当*2、ツレアイと3男の分。
7時45分、ひとりで出勤。
名神吹田JCで事故とのことで、茨木ICで下りる。
タイムカードの整理、有休申請。
5/10(金)に大東市で開催される「じんけん寄席」、ここは露の新治「お笑い人権高座」誕生のきっかけとなった場所、今日から整理券配付ということでWebで申し込む。
3/6(水)に露の新幸さんにインタビューを申し込んでいるので、そのための資料作り。
昨年<ICOCA>がApplePay対応となってすぐに導入、AppleWatchで便利に使っている。利用実績に応じてポイントが溜まるのだが、初めてポイントを使ってチャージしてみた。電車通勤なら定期券購入でよりポイントが溜まるので、かつての<Pitapa>並のメリットはあるのだろう。
昼休みには退出、もちろん今日もランチ抜きである。
順調に帰宅する。
コレモ七条店で買物、WAONの残高を使い切ってしまいたかったが、計算を間違えて¥68残ってしまった。明日何とかしよう。
<SOU・SOU>から注文しておいたシャツが届く、欲しかったのはシャツではなくておまけのお皿なのだ。
16時にO姉来訪、あれこれ歓談。
16時50分ツレアイ帰宅、早速ココの点滴開始。
夕飯準備、午前中にツレアイが買ってきた20%引きの手羽中は唐揚げに、豚ロースはしゃぶしゃぶにする。
4人揃って早めの夕飯。
��画番組視聴、「舟を編む」(3)。
みどり(池田エライザ)は、馬締(野田洋次郎)が配偶者の香具矢(美村里江)と暮らす元下宿屋の一室を借りることに。「大渡海」を立ち上げた“辞書の鬼”松本先生(柴田恭兵)、社外編集の荒木(岩松了)、事務員・佐々木(渡辺真起子)、バイト・天童(前田旺志郎)ら辞書編集部員と慣れ親しんだ頃、原稿執筆者の秋野教授(勝村政信)から怒りの連絡が来る。狼狽するみどりの前に、元・辞書編集部員の西岡(向井理)が現れ…
片付け開始・・・の前に睡魔到来、布団に吸い込まれる。
ウォーキングのタイミングを逸し、3つのリングは完成せず。
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会社を辞めた理由
2023年7月末、10年以上勤めた会社を退職した。 8月上旬から中旬は、去年の引っ越し後に手つかずになっていた段ボールの開梱と断捨離をしていた。必然的に段ボールの中の本も断捨離することになり、古書店に60冊ぐらい売った。
そして8月下旬から、短期留学でハワイに来ている。 語学学校に通いつつ、空き時間には観光もして、これまでの疲れを癒しつつ今後に向けてエネルギーをチャージしている。 (とは言っても最初の一週間は宿や学校などの不慣れな環境に馴染むことで手一杯だった……今週はもう少し穏やかに過ごさせてくれ……!)
会社には、退職の理由を、健康診断で視力が大幅に低下してしまい、翻訳チェックの仕事をずっとやるビジョンが描けないので……と説明した。視力は本当に下がっていたので、嘘ではない。 でも、実際にはもっと別の理由がある。上司に言って解消されるような内容ではないので、会社の人には言っていない。 ハワイ生活が軌道に乗り始め、ブログを書く余裕が出てきた今のタイミングで、会社を辞めた本当の理由をちゃんと振り返りたい。
本当の退職の理由は、以下の4つだ。
1) 「社員と非正規雇用」という歪な関係に疲れた
2) 自分に合った仕事を探す意欲が高まった
3) 経営陣が価値観をアップデートできていないことが辛くなってきた
4) 「父に認められなければ」というプレッシャーがなくなった
「社員と非正規雇用」という歪な関係に疲れた
3年前、部署異動することになった。配属先は女性だけの部署で、7人のうち社員は私を入れて2人、他5人はすべて非正規雇用(派遣か業務委託)だった。 私に割り振られた仕事は、その職場で2年以上働いているベテランの派遣さんが担当していた。私は社員として入社していたので立場としては派遣の人より上だが、その部署での経験という点では後輩という立ち位置だった。
ベテランの派遣さんは、ものすごく仕事のできる人だった。ミスをなくすという目標への執着が桁違いだった。これまでずっと英語関係の仕事をやってきたが、このレベルでミスを潰せる人に出会うのは7年に1度レベルだった。私たちが担当していた技術系の翻訳チェックをするには最適の人財だったと思う。
最初のうちは、自分だって英語を人一倍学んできたのだから、チェック作業のフローになれればそれなりのレベルでチェックできるようになるだろうと思って頑張った。実際に、チェックの精度は徐々に上がった。でも、ある程度の期間その仕事をする中で、努力ではカバーしきれない適正上の問題に直面せざるを得なくなった。
多分私は、仕事のどこかにクリエイティブな要素がないと楽しめない���正確さを追求するより、面白さとか独自の工夫を考える方が向いている(この部署に来て分かったことではあるけど)。チェックの仕事をしながら、「私よりこの作業に向いてる人がいるんだろうな」という気持ちになることが多々あった。 そして、ベテランの派遣の人は、ミスなく正確にタスクをこなすことを楽しいと思えるタイプなのではないかと思う。逆に面白さや独自性を求められると、この手の人はどうしていいか分からなくなる。
ベテランの派遣さん以外にも、こういう人が職場に数人いた。
でも、立場的には社員である私の方が権限を持っている。そのまま偉くなれば、私は非正規の人たちに指示を出すポジションに就く。私の方が経験も浅く、仕事ができなかったとしても。
そもそも、非正規雇用というシステムが非人道的すぎる。 非正規で働く人には有給が与えられず、給料を減らされたくない人は体調が悪くても無理して出社せざるを得なくなる。いつ契約が切られるか分からないので、ローンを組んで家や土地や車などの大きな買い物をすることも難しい。結婚して子供を持つことを諦める人もいる。正社員と同じくフルタイムで働いても、こういう状況にある人は多い。
仕事のできる派遣の人が隣の席にいる環境でずっと働いていると、この問題について嫌でも考えてしまい、仕事そのものとは別の疲労感に襲われる。 そして、どんな事情があったのか分からないが、そのベテランの派遣さんは月に半日程度しか休みを取らなかった。私は月に1.5~2日ぐらい休みたいと思っていたが、派遣さんより上の立場の人間が派遣さんより休むというのはかなり気が引けるため、気軽に休むこともできない。消化できない(そして今後も消化できる見込みのない)有給が、どんどん溜まってゆく。 このまま偉くなったらもっとしんどくなることが目に見えていたので、メンタルを病んだりする前に退職しようと決めた。
自分に合った仕事を探す意欲が高まった
2021年、私の書いた小説が、三田文學新人賞の佳作を受賞した。 小説は8年ぐらい書いていて、過去に色々な新人賞に3回出したものの結果が出ず、才能ないのかなー時間の無駄なのかなーと思いながらも気が向いた時に書くことを続けていた。 初めて賞を貰い、自分の作品が広く読まれたり、文学を生業にしている人からコメントをいただいたりしたことで、やっぱり私はクリエイティブな活動に向いている!と確信できた。
この経験を経て、文化・芸術方面の業界で英語を使う仕事を探そう、という気持ちが固まった。 私は文学や美術を専攻しておらず(専攻は経営・会計学)、その分野の職歴もないが、履歴書に「三田文學新人賞佳作」と書ければ、その手の求人にも応募しやすくなる。そして、親や周囲の人にも説明しやすい。
経営陣が価値観をアップデートできていないことが辛くなってきた
2017年に、反女性差別のキャンペーン「#MeToo」が世界中にインパクトを与え、フェミニズムやセクシュアリティ研究など旧来の家父長制を問い直す学問への関心が高まった。日本でも、昔は大型書店の奥の棚に数冊あるだけだったフェミニズムやセクシュアリティ関連の本が、#MeToo後には大型・小型書店の平台に並ぶようになり、少なくとも東京では空気が変わったのを感じる。
こうした変化に伴って私の意識も変わり、自分の職場にある理不尽な出来事や慣習が気になり始めた。
私の周りで、育児休暇や子育て目的の時短勤務をしている女性を沢山見た。 でも、勤め先にそういう男性は一人もいない。課長などの役職に就いている人が率先して育休や時短を活用すれば部下たちも同じことをしやすくなるのに、誰もやらない。
また、セクシュアルマイノリティへの想像力を欠いた制度にも違和感を覚えるようになった。 私がいた会社では、社員が結婚すると共済会から祝い金が出る。 でも、ゲイやレズビアンの社員が人生を共にするパートナーを見つけた場合については、何も書かれていない。社員数が1,000人を超えている会社なので、ゲイやレズビアンがいてもおかしくないのに。 最近は、同性カップルが結婚できないことで直面する困りごとについて、様々なメディアで報じられている。自治体によっては、婚姻関係に準ずるものとしてパートナーシップ制度を導入しているし、同性婚を合法化すべきという声も強まっている。 しかし、それでも、共済会のルールは変わっていない。同性パートナーシップの届けを自治体に出したと報告した社員には、結婚した社員と同額の祝い金を渡すなどのルールが加わる気配はなかった。
経営陣は、ドローンやAIなどのビジネスのトレンドについては、プロジェクトチームや勉強会を立ち上げて追いかけようとする。 一応、女性の働きやすさを促進する試みも行われてはいる(男性の育休取得増は達成できていないものの)。 それなのに、セクシュアルマイノリティをめぐる問題については、一切アクションを起こさない。何で?
私が定年まで辞めずに働くとしたら、あと20年この会社にいることになる。 経営陣を信頼できない状態で、20年も働き続けられる気がしなかった。
「父に認められなければ」というプレッシャーがなくなった
2020年下旬、父が亡くなった。 私は一人っ子なので、葬儀の準備や役所での手続き、遺品の整理などを、母と分担して進めた。父が亡くなった時点では私は一人暮らしをしていたが、母が実家の一軒家を売ってマンションに越すと言うので、私も同居することにした。
昨年の4月、一人暮らしのアパートから広いマンションに引っ越した。 荷造りを仕事と並行してやらなければならず、ずっと忙しかった。 転居から3ヶ月ほど経って、ようやく生活が落ち着いて��た。昔より広くなった部屋で、自分にとって父とは何だったのかをゆっくり振り返れるようになった。
父がいなくなって、これまでの私は、「父に否定されたくない」「父にいっぱしの人間として尊重してもらえるような生き方をしなければ」という気持ちで、人生の様々な決断を下してきたことに気付いた。
前の勤め先で、仕事が今一つ楽しめなくても10年以上働けたのは、父に対する意地があったからだ。 「私はそれなりの会社で真面目に働いて、高給とは言えなくてもそれなりの額を稼ぎ、一人暮らしできるぐらいの経済力がある。だから、私の人生に対して口出しはさせない」という意識が、私を支えていた。私の着るものや細かい行動に気が向いたタイミングで難癖をつけ、「俺はお前より優位に立っているんだ」と定期的に示したがる父に対抗するためには、安定した仕事や経済的自立という拠り所がどうしても必要だった。
しかし、父の干渉を阻止して自由に生きるためにとった行動が、新たな不自由を生むことになった。 本当はもっと自分に合った仕事があるような気がしても、やりたいこと基準で転職して今より給料が下がれば、父は必ず文句をつけてくるだろう。そうなるくらいなら現状維持でいいや。そんな思考から、私は違和感を抱えながらも転職を決断できなくなった。 仕事だけではなく、父に何か言われるのが煩わしいという理由で、実家に帰る時に文句をつけられない服装を心掛けたりもした。何故そこまでしてやらなければならなかったのか? 思い返すと悔しい。
父がこの世からいなくなったことで、ずっと私を縛っていたものが失われた。 しがらみから解き放たれて人生を振り返り、私が無意識のうちに自分に課してきたものの大きさを思い知った。 人生の選択を自分の意思で下してきたと思っていたけれど、実際は仕事という人生の大きな要素を自分の純粋な欲求で決めていなかった。こうして言葉にしてみると情けない話だが、事実なので仕方ない。
だから、会社を辞めて短期留学をすることは、自分の人生を取り戻すための儀式でもある。 これからは自分に関する重要なことは自分で決め、それによって生じた失敗も自分で引き受ける。 何かあるたびに他人や環境のせいにして嘆くような、自分の人生を「生きさせられている」みたいな状態を、この辺りで終わらせたい。
今後について
今、この文章をホノルルの家具付きマンションで書いている。 会社や仕事に対する責任から解き放たれ、しがらみのない土地で過ごすという、前例のない体験をしている。 語学学校の授業は難しいところもあるが、落第が危ぶまれるほど深刻ではないので、まあ何とかなるでしょう。
短期留学を終えて帰国したら、1年ほど学生をやる予定だ。 1年間で学芸員過程や諸々の資格を取り、その後に転職活動をする。
ここまで文章を読んで、「こいつ30代後半なのにまだ『自���探し』やってんの?」みたいな感想を抱いた人もいるだろう。 確かに日本社会では、この年代の人間は結婚して家庭を持って子育てをしているのが望ましいとされている。 でも、私としては「たまたまこのタイミングだったので仕方ないんです」としか言えない。傍から見たら不可解かもしれないが、自分の人生を取り戻すためにどうしても必要なことだから、今やらざるを得ない。
そして、パートナーや子供がいないタイミングで人生を見直せてよかったとも思う。例えばローンを組んで家を買った後だったりしたら、その家に住んでいる人全員が私の自分探しに巻き込まれることになって、さらに大変になるだろう。 (もちろん、パートナーや子供ができた後に生き方を変える必要が出てくる人もいるとは思う。そういう人が別の可能性に挑戦するのが悪だとは思わないが、相手のキャリアが変わる前提で一緒になったわけではないパートナーや子供が納得しなかった場合、家庭という一つの拠り所が失われることも覚悟しなければならないわけで、今の私以上にリスクを負うことになる気がする。) あと、私の母が老後の資金を確保できていることにも感謝しかない。私が母を養う必要があったら、1年働かずに勉強することはできなかった。ありがとうございます。
書くべきことを書ききったので、これからの1年を有意義に過ごすという決意とともに、この記事を終わりにしたい。 まずは語学学校を修了すべく、目の前の課題をしっかりこなす。 そして、ホノルルで過ごす人生の夏休みを、全力で楽しむ!
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第13回常陸の国・里山&野外ワークショップ&マインドフルネスアート合宿【初秋特別編】(2023年9月18日-19日 in 茨城県常陸太田)
第13回常陸の国・里山&野外ワークショップ&マインドフルネスアート合宿【初秋特別編】 (2023年9月18日-19日 in 茨城県常陸太田) https://kanglohoops202309.peatix.com/view https://www.facebook.com/events/690266253005922
今年で12年目を��えたオープン合宿。今回は、初秋特別編です。「160年の古民家荒蒔邸、300年の菊地邸などの里山古民家、1000年古神社で過ごす心鎮めるマインドフルネス、本格有機農体験、手仕事ワークショップ、深い森と滝散策リトリート、参加者との交流ダイアローグ、創業200年八幡太郎義家ゆかりの湯で心と体を癒すなど、今年もゆったりと過ごす企画にする予定です。
茨城県の常陸の国は、元は日高見国とされていた土地。7世紀に令制国として常陸国が誕生。『常陸国風土記』によれば大化の改新(645年)直後に創設されました。ここは、古い里山だけに多くの文化遺産が残っています。昨年には、NHKの朝ドラマのあの「ひよっこ」の舞台にもなりました。今回は、天候、状態にもよりますが、御岩神社への巡礼も行う予定です。
そして、160年古民家荒蒔邸を拠点に、ゆったりとマインドフルネスな時間を体験をします。地元でも秘境の深い森や滝、古神社でゆっくりと過ごします。また、就農25年目となる布施大樹さんと美木さんご夫妻の経営する有機栽培農園「木の里農園」の有機野菜と共に、夜は本物の火や囲炉裏を囲んだ談義と自分達で仕込んだ自��食を頂き下鼓を打ち、焚火の灯で温まりながら、夜の思い出を刻みます。今も住人が住み続ける300年を超える古民家「菊地邸」(ご主人の話を聴けるかな?)で安土桃山時代の空気を味わいます。
このような素晴らしい里山で2日間共に過ごす程、贅沢な時間はないでしょう。里山の人たちとの交流や自然・大地の恵みを得ながら、ライフコーチ、スピリチュアルカウンセラー、アーティストの森夕花先生と共に人生の本来の目的を思い出し、明日への道を見出したいと考えています。今回も素晴らしい機会となることを確信しています。ご参加をお待ちしております。
主催:カングロ株式会社 HOOPS!事業部 https://www.facebook.com/hoops.kanglo
■旅の案内人: ★マインドフルネス&ライフコーチング担当:森夕花(もりゆうか)先生 ●ライフコーチ/アーティスト/カングロ(株)取締役執行役員、尚美高等音楽学院ピアノ科卒業 京都芸術大学芸術学部卒業。ピアノ、声楽、シナリ��、演劇、ジャズダンス、日本舞踊などの自己表現を通して自分自身を探求する。1993年ドイツ、イタリアへの留学。その後、21世紀に入り、ハワイ、セドナ、インドのアシュラムを巡礼する。心理学、哲学、美学、手相、インド占星術、代替医療(中医学・ヒーリング)などを学び、 ヒーリングカウンセラーとして23年間、企業のライフコーチとして9年間、セッション、研修を行う。現在、「大人のためのアート思考講座」「Philoarts研究会」を主宰。趣味は、声楽、読書、人間観察、そば栽培、ヨガ、瞑想。特技、人・動物の心を読む、直観力、探求。好きな言葉は、「自由」「日日是好日」
★企画&案内人担当:藤井啓人(ちょろお) ●茨城県東海村出身。高卒後、上京し新聞配達をしながら予備校に通い筑波大学に入学。4年間、体育会硬式野球部に所属し選手と2軍監督を経験。1992年に株式会社リクルート入社。12年間、組織・人事コンサルティング事業に従事し、約2000社の企業の変革に携わる。社内表彰制度で全国MVP・部門MVPの受賞計8回。2004年に独立し、事業再生コンサルティングのマネジメントリコンストラクション社を設立。2010年5月カングロ株式会社 代表取締役に就任。独自のサステナビリティ・イノベーティブ・コンサルティング事業を開始。米国で「今最も羨望の注目を浴びる企業」とされるオンライン・リテーラーのザッポス社のハピネス経営、「社員をサーフィンに行かせよう」「レスポンシブルカンパニー」の題材となっているアウトドア用品メーカーの米パタゴニア社を研究し続け、約1000社3000名のビジネスパーソンにセミナーや勉強会等でその真髄を伝えている。2013年には西アフリカのナイジェリア連邦共和国にて合弁会社を設立し、水問題、エネルギー問題、食糧問題、環境問題を日本のテクノロジーで解決するソーシャルビジネス事業も行う。実地の中から発信される指南は、斬新・先駆的でかつパワフルであり、魂を揺さぶるものとなっている。2013年以降、システムD研究会、自転車事故防止委員会、セブメディの会を設立。2015年より同士と共に「懐かしい未来プロジェクト(HOOPS!)」「サステナ塾」を開始し、持続可能な地域社会の実現のために人間本来の役割を思い出すためのあらゆる「体験」の場と機会を提供している。自転車のある生活をこよなく愛し、年間約1万kmを走破する。マラソンランナー、トライア���リート。趣味はゴミ拾い、俺のベランダ菜園。
★有機野菜:木の里農園 http://konosato.com/
■開催日:2023年9月18日(月)- 19日(火)1泊2日 ※下記集合場所に10時頃に集まり、翌日16時頃に現地解散予定です
■集合場所: 道の駅さとみ(茨城県常陸太田市小菅町694-3) http://www.hitachiota-michinoeki.jp/page/dir000003.html
■スケジュールイメージ: ※天候などの状況により変更となる場合があります <8月26日(土)> *10時:集合場所(道の駅さとみ) ※電車組は、JR常磐線東海駅からの送迎有り *10時15分~:手打ち蕎麦ワークショップ *12時~13時:自分の打った蕎麦で昼食&オリエンテーション *13時15分:大中町の荒蒔邸へ移動しチェックイン ・1000年以上前に建立された大中神社にご挨拶 *13時30分~22時頃: ※概ね下記のメニューをゆるりと実施していきます。 ・里美の滝散策(美しい秘境の滝を巡ります) ・300年古民家「菊地邸」訪問 ・全員で夕食準備&自然食料理での夕食&片付け ・荒蒔邸の囲炉裏と焚火を囲んでのダイアローグ(対話) ・横川温泉 中野屋旅館 で入浴(入湯料は個別清算) *22時頃:自由時間 *23時頃:就寝
<8月27日(日)> *06時:起床~朝のさんぽ(朝陽を拝むマインドフルネスウォーク) *07時:全員で朝食準備&朝食(禅イーティング)&片付け *09時~:森夕花先生のマインドフルネスアートセッション *11時~:清掃・片付けをし移動 *12時~:御岩神社巡礼 *14時~:ゆっくり昼食&対話&クロージング *16時頃:解散(電車組は近場のJR常磐線内の駅まで送迎します)
■宿泊場所: 里美 160年古民家の宿「荒蒔邸」 茨城県常陸太田市大中町1547 【地図】https://www.aramakitei.com
■当イベントの参加資格:どなたでもご参加可能です。 お気軽にお申し込みください。以下は参考です。 どなたでもご参加可能です。お気軽にお申し込みください。 ※エコビレッジ、パーマカルチャー、トラジションタウン、半農半X、 スローライフ等に関心のある方 ※マインドフルネス、スピリチュアル、メディテーション、ヨガ、 リトリート等に関心のある方 ※お子様は、小学生高学年以上が良いと思います(過去参加有)。 お子様を同伴されたい方は、事務局に事前にご相談下さい。
■参加料:お一人様 3万800円(税込)※小中大学生は1万5400円(税込) ※上記には、参加費、宿泊費、夕食のBBQ及び翌日の朝食付き代が含まれています (アル���ールは最低限用意をしますが、多めに飲まれる方は持参頂いています) ※上記には、交通費、夕・朝食以外の食事、入湯料、工芸料などは含まれておりません ※小中高大生はお一人様半額となります(お子様同伴の方は、事前にご相談下さい) ※必要に応じ、領収書をご用意致します
■注意事項:※必ず目を通しておいて下さい ※コロナ対策のご準備をお願い致します ※当企画は、現地集合・現地解散企画です ※電車組は、JR常磐線「東海駅」にてピックアップ致します ※宿泊は、状況に応じ、女性専用部屋を用意します(枕、敷/掛布団あり) ※横川温泉 中野屋旅館 で入浴(入湯料は500円、個別清算となります) http://www.satomi-nakanoya.com ※工芸ワークショップは「常陸蕎麦・本格手打ち蕎麦教室」を予定(昼食込みで一人2000円程度) ※参加者同士、車での乗り合いをお勧めしております ※参加料は、事前振込制となっております(申込後にお知らせ致します) (前日キャンセルは50%、当日100%のキャンセル料を徴収致します)
■定員:8名限定 ※先着順。定員になり次第締切ります。 ※最小携行人数は5名。参加者が5名を下回る場合、開催を見送る場合があります。 ※小学生未満同伴の場合は、事前にご相談下さい。
■当イベントの申込方法【重要】: ※ 下記をご一読いただきお申込み下さい。 ①下記URLの申込フォームにより正式エントリー 申込フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSft1YNO6SP4C-YGlgpacoHgGK-wLQ9t-NOybyJuhsVg8sNbjg/viewform
②お申込後、24時間以内に参加受付受領のe-mailを事務局よりご返信させて頂きます。 e-mail: [email protected]
③②の返信メール内にある振込み先に前日までにご入金
(現地でのお支払いも可能です)
④これにて「申込完了」となります。
■協力:木の里農園さん、地元の仲間たち ■主催:カングロ株式会社 HOOPS!事業部 https://www.kanglo.co.jp
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掌編小説 『未来の視線』
過去へと行けるタイムマシンが開発されてから、数年が経った。その間、私たち歴史調査隊は、タイムマシンを順調に活かし、歴史の真実を紐解いていったのであるが、その中で少し、不可解なことが起こっていた。
「やっぱり、感じます……?」
「あなたも思っていたなんて……」
今日の業務を終え、珈琲片手に語る仲間たちは困惑に声を落として俯く。それに私も心当たりに湯気を見つめながら、改めてその不可解な現象を言葉にして皆に伝えた。
「私は三年くらい前かな……平安時代の子どもに自分の姿を捉えられた」
「僕は去年、江戸時代の武士に」
「あたしは、明治時代の女工に……」
私に続いて、皆がそぞろに例をあげる。本来それは絶対にありえないことだった。過去へと繋ぐ仕組みは、いわば、過去の次元に透明なレイヤーを重ね、その狭間に私たちが紛れ込む、と、いう形だ。だから、過去の者たちに私たちの姿は捉えられないはず。だからこそ、私たちは過去に介入することなく、調査を進めることが出来るのだ。だが、次第に例外が現れるようになった。
そう、過去の次元において、必ず誰かが、調査隊の誰かの姿に気づいて、こちらを睨むのである。彼からすれば、ヘンテコな様相をした者が急に現れたというのだから、当然そうするであろうが。
私も、多くの人が目を合わせることもなく通り過ぎる朱雀通りの脇で、浅葱色の水干を着た一人の子どもだけが、ススキの穂を地べたに付けて自分を見つめていたときの、あの辿るような目線を思い出し、口を覆う。
なんだろうか、あの異様なほどに感じる不気味さは。
他にも経験した彼らの証言を聞く限り、その「見つめる者」という存在には、パターンがあることが分かった。
一つ、「見つめる者」は各時代ごとにランダムに、性別も身分も一切関係なく、非常に稀ながら、一人、または二人出てくるということ。そして彼らもまた、調査隊の中で一人だけの隊員を捉えているということだ。私はリーダーとして、不可解な現象を開発部に報告し、調査を依頼した。すると、原因は不明であったが、大きな事実が判明しだのた。それを皆に報告すると、彼らは全員一斉に口を開き、更にざわつき始めた。
「え、見つめる者は、見られた隊員の祖先、または親戚だった、と?」
私は報告資料を片手に大きく頷いた。
「ええ、それに例外はなかったみたい。だから、結果論としてそういうことだろって」
「つまり、何です。それこそ次元を超えて、私たちと先祖様は出会っていたというのですか?」
「それが、いわゆる縁とか、運命とかというものかもしれませんね」 「そうね。また、昔から伝わる怪奇現象や、心霊スポット、冥土と言われる場所も、巡り合わせば、私たちとの遭遇場所とも一致しているらしいわよ」 「……僕らを幽霊か祖霊とか見間違えたご先祖様が、今へと述べ伝えたのかもしれないね……」 「先祖が未来の子孫を祖霊と間違えるとか……不思議なこともあったものね」 と、仲間たちはその巡り合わせを悟り、驚きつつもやがて、安堵のため息を漏らした。この結果に対し、政府は「今までの調査の成果に比べれば、噂や奇譚に関わるくらいの介入は微々たるもの」とし、歴史調査はそのまま進められることになった。 しかし、私は、私だけは、この事実を何か異様な前触れとして穏やかな心地がしなかった。それから数ヶ月後、嫌な予感は当たることになる。ある日、私の後輩が泣き叫びながら調査から戻ってきたのである。 「目が合った! 目が合ってしまったんです!」 静止しようとする仲間を振り払い、彼女は髪の乱れた頭を抱えて叫んだ。私は問いかける。 「どうしたの、落ち着きない。誰と目が合ったですって?」 「新宿のバーにいたDJです! 調査で通りかかっただけなのに……間違いない! 彼は、間違いなく私を見た! でも、なんでなんです!? あの……私を見たあの瞳は……! 青色、だった……!金色の髪、高い背丈……彼は外国人だったんですよ!」 周りは騒然となった。何故なら、今、床に突っ伏せて叫ぶ彼女は、とても海外の先祖がいるような見た目ではなかったからだ。 「待ちなさい。落ち着きない。先祖が遠いと遺伝に反映しないことだってあるわ」 私は彼女の背中に手をついて慰めるも、それにますます荒ぶれて、彼女は首を振った。 「いいえ、いいえ! ありえません!ありえません! だって私が飛んだのは令和時代、祖父母の時代なんですよ!? でも、私、あの人知らない! 他の親戚にもあんな人いない! じゃあ、今まで知っていたおじいちゃん、おばあちゃんは違ったっていうんですか!? それとも、私が、私が違うとでも言うんですか!?」 そうして、自分の出自が揺らいだ衝撃に、彼女は泣き伏してしまった。しばらく私たちが慰めてきたものの、開発部からの報告は改めて、『例外』は彼女しかないと無情に諭し、孤独に苛まれた彼女は、心当たりがないという家族との諍いの中でやがて人間不信を起こし、調査隊を辞めてしまった。 それから数年後。歴史調査隊が海外の申請を受け、遂に海外への進出を決めるようになったとき、私は久しぶりに彼女から手紙を受け取った。眩い研究所に晒された真っ白な手紙には、可愛らしい文字でこう綴られていた。 『私は今年、結婚することになりました。療養のために訪れた北海道で、出会ったのです。ひと目見た瞬間、私はこのひと以外ありえないと思いました。正に運命だと、それ以外にないと思ってしまいました』 と、かつての調査隊エースらしからぬ、情動的な綴りに戸惑いつつ、同封されていた写真を見て、私は珈琲のカップを落としてしまう。甲高い音が青空に響き渡る中、震える私の瞳には、金髪に青い瞳を持つ女性が彼女と腕を組んで笑い合っていたのだ。 『そして、彼女は言いました。彼女の祖父は若かりしり頃、新宿でDJをしていたことがあると。なんということでしょう。私と目が合ったその男は、実は未来に会うパートナーの家族だったのです。それを知ったとき、私はすべてを悟りました。私は未来に見られていたんだと』 写真の中で彼女は、円満の笑顔を見せていた。 『かつて私が所属していた歴史調査隊は、”過去の事実を見極める”ことをモットーにしていましたが、今にして思えば、なんて傲慢であったことでしょう。いいえ、私たちは本当はそういう立場ではなかったのです。深淵を覗けば深淵もお前を覗く。お前たちもまた、過去の人々の視線の行く先に、自分の現在を、そして未来を見られているのだ、と。いずれ私たちは子を成すのでしょう。繋がりがあって過去の者と目が合うのであれば、それが道理になるでしょう。そう、たとえ……』 私はそれ以上、続きを読まなかった。写真には白いウェディングドレスを並べて笑い合う二人がいる。現在においても、同性同士の生殖が成功していた例はない。しかし、きっと、二人が子を為せる未来は来るのだ。
それを何十年前の視線は辿っていた。私たちは過去から、未来を見られていたのだ。 事実への決着をつけられないまま、海外への歴史調査が始まってしまった。衝撃にしばらく眠れないまま、目の下にクマをこさえて捉えるのは、初めての海外の景色。そして、その海を仰ぎ見たとき、そこで私も見てしまったのだ。
煌めく海の背後に、こちらを凝視する、黒い影の中に浮かぶ白い眼光を私は叫び、膝を落とした。周りの声も遠くに掻き消え、ただ、その目と見つめ合っていた。
そんな……、この時代に、ここであの人と目が合ってしまったら、いずれ私は……! そしてこの国は……!
〈終〉
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断��何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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虚子自選揮毫『虚子百句』を読む Ⅵ
花鳥誌2024年6月号より転載
日本文学研究者
井上 泰至
10 思ひ川渡れば又も花の雨
初出は『ホトトギス』昭和三年七月号。「貴船奥の宮」と前書き。『五百句』には、「昭和三年四月二十三日 (西山)泊雲、(野村)泊月、(田中)王城、(田畑)比古、(同)三千女と共に鞍馬貴船に遊ぶ」と注記。
成立の事情は『ホトトギス』昭和三年九月号の、「京都の暮春の三日」なる虚子の紀行文に詳しい。二十一日夜、大阪で「花鳥諷詠」の初出とも言うべき毎日新聞社での講演の後、東山から鞍馬・貴船・大原と洛北を巡った。二十三日当日は、前日ほどの雨ではないが、天気は悪く、かなり寒かった。鞍馬から貴船に向かい、昼食の後、幸い雨もあがって貴船神社から奥の宮へと向かい、宿に戻って句会を行い、掲句は「春の雨」の形で披露されている。
本井英氏は「虚子『五百句』評釈(第五五回)」(『夏潮』)で、昭和十年三月発売の「俳句朗読」レコードに添えられた自注を紹介している。それによると、貴船神社を参詣後、貴船川という小川にそってさらに物寂しい奥の宮に着くと、ほとんど参詣する者もなく、辺りには桜がたくさん咲いており、落花もあれば老樹もあった。貴船神社でも雨だったが、しばらく降ると止み、奥の宮にゆく道にある思ひ川が貴船川に流れ込んでおり、そこでまた降り出した、という。
当初「春の雨」としたのは、京都特有の、降ったりやんだりする「春雨」を実地に体験��た報告として成った、ということだろう。それが様々な桜を濡らし、花を散らして川に流す方に重心を置いて「花の雨」とした。ここで「又も」が報告に終わらず、奥山の桜の様々な姿態を想像させる、繚乱の華やかさを得るに至った。
「思ひ」は、和歌では恋の火を連想させ、貴船には恋の説話が堆積している。恋多き女、和泉式部も夫の心変わりに貴船にお参りをし、貴船川を飛ぶ蛍を見て、歌に託して祈願をしたら、ほどなく願いが叶い、夫婦仲が円満に戻ったという故事がある。
さらに、謡曲「鉄輪」では、嫉妬に狂った公卿の娘が 貴船社に詣で、鬼神にしてほしいと祈願し、明神の託宣があって、娘は髪を分け、五本の角をして、足に松明をつけ、これを口にもくわえ、頭にも火を燃え上がらせて鬼の姿に変じたという。
虚子は、こうした幾多の恋の話を面影に、一句を絢爛たる「花の雨」に転じて詠み留めたのである。
なお、田畑夫妻は祇園の真葛原でにしん料理屋を営む。吟行に侍した三千女は、かつて千賀菊の名で祇園の一力に出ていた舞妓であった。虚子の祇園を舞台にした小説『風流懺法』の三千歳のモデルである。
11 栞して山家集あり西行忌
『五百句』に「昭和五年三月十三日 七宝会。発行所」と注記。
この句については、『夏潮虚子研究号』十三号(二〇二三年初月)に私見を披露しているので、ここにそのあらましを再記する。
最近提出された岸本尚毅氏の掲句に対する解釈の要点は、以下の通りである。「山家集」と「西行忌」という、氏によれば同語反復に終始したこの句は、
「定型と季題以外何物もない」句ということになる(『高濱虚子の百句』)。そもそも膨大な数残る虚子句から、配合の句に絞って論じた所に本書の狙いがある。通常季題と季題以外の取り合わせに俳人は苦心するが、氏に拠れば、虚子にはその迷いの跡がない、と言う。その理由を探ることが本書の目的でもある、とも言う。
従って、標題句もそうした関心から選ばれ、「人の気配がない」句として解釈されるに至る。その真意は、本書の最後に置かれた「季題についての覚書」に明らかである。岸本氏によれば、虚子の配合の句は、一般のそれより季題に近いものを集めた「ありあわせ」なのだという所に落ち着く。虚子の工夫は、季題を季語らしく見せることにあり、それは季題のイメージの更新でもあった、という仮説が提示される。
ここまで確認したところで、掲句を眺めれば、「西行忌」から「山家集」を「ありあわせ」、「栞」がどの歌になされているのか、その折の情景や人物はほぼ消去されているというのが、岸本氏の解釈であろう。
ただし、岸本氏は、「おしまいにまぜっかえすようなことを」言うと断りを入れて、「句はあるがままにその句でしかない」というのも虚子の真意だったろう、と記している。
これを私なりに敷衍して述べれば、虚子にもともと二物衝撃のような俳句観は極めて希薄だったのだから、標題句のような一見すると同語反復に見える「ありあわせ」については、季題がどれで季節がいつかといった議論を無効にする句作りがなされていたことになる。したがって、「同語反復」の良否を議論することは、虚子の句の評価においては、本質的ではないことになる。
虚子の読書を題材とした句にも、標題句より取り合わせの色が多少は濃いものがある。
焼芋がこぼれて田舎源氏かな
昭和八年の作なので、標題句から詠まれた時期も遠くない。『喜寿艶』の自解はこうである。
炬燵の上で田舎源氏を開きながら焼藷を食べてゐる女。光氏とか紫とかの極彩色の絵の上にこぼれた焼藷。
絵入り長編読み物の合巻『偐(にせ)紫田舎源氏』は、本来女性向けの読み物であった。白黒の活字印刷ではない。木版本で、表紙および口絵に華麗な多色摺の絵を配した。それらは、物語上の主要な人物を描くものではあるが、顔は当代人気の歌舞伎役者の似顔絵となっていた。
「読書」というより、「鑑賞」と言った方がいいこの手の本への接し方は、色気を伴う。主人公光氏は、光源氏のイメージを室町時代の出来事に仕立て直したものである。そこに食い気を配した滑稽と、冬の余り行儀のよくない、それが故に微笑ましい、旧来の読書の季節感が浮かんでくる。確かにこれから比べれば、西行忌の句は人物の影は薄いし、西行の繰り返しということにはなる。周到な岸本氏は、
去来抄柿を喰ひつつ読む夜哉
落花生喰ひつつ読むや罪と罰
など、虚子句から同じ発想のものを、「焼芋」句の評で引いてもいる。 そこで、標題句の解釈の焦点は、「栞」が「山家集」のどこにされているのかについての推論・推定に絞られてくる。まずは『山家集』中、もっとも有名な次の歌が想起されよう。
願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃
西行は出来ることなら、旧暦二月の望月の頃に桜の下で死んでゆきたいと願った。『新歳時記』よりさかのぼり、標題句の成立から三年後に出された改造社版『俳諧歳時記』(昭和八年)の「西行忌」の季題解説は、虚子が書いている。この歌を引いて、その願望の通り、二月十五日か十六日に入寂したことを伝えている。従って、掲句についても、この歌と願い通りの入寂を想起するのが順当であろう。その意味で、この句は「花」の句の側面を持つことになる。
ここまでくると、一句の解釈は、読み止しにした人も、「願はくは」の歌に「栞」をした可能性が出てくる。また、仮にそうでななくとも、「西行忌」に「栞」された「山家集」からは、西行と花の奇縁を想起するのは、当然のことと言えるだろう。
花有れば西行の日とおもふべし 角川源��
例えば、この句は「西行忌」ではなく、「花」が季題だ、という事に一応はなるだろう。また、「西行の日」を「西行忌」と考えてよいのか、という問題も残る。しかし、一句は「桜を見れば、桜があれば、その日を西行入寂の日と思え」という意味であり、「西行入寂の日」の奇縁、ひいては西行歌と西行の人生全体への思いがあふれている。むしろ、「西行忌」という枠を一旦外すことを狙った、広義の意味での「西行忌」の句と言えるだろう。
逆に虚子の句は、「西行忌」に「山家集」を持ち出すことで、和歌・俳諧の徒ならば、西行の作品とともに、その生���ざまに習おうとする思いは一入のはずではないか、というところに落ち着くのだろう。「栞」をした人を消すことで、逆に西行を慕った人々に連なる歌俳の心が共有される句となっているわけで、かえってここは、具体的な人物など消して、西行の人生と歌のみを焦点化した方がよかったのである。
回忌の句は、俳諧の場合、宗祖を慕いつつ、一門の経営に資する世俗性が付きまとってきた。近代俳句はそういう一門の流派を嫌った子規の書生俳句から生まれたが、皮肉なことにその死の直後から「子規忌」は季題に登録され、他ならぬ虚子自身が、大正の俳壇復帰に向けて子規十七回忌を利用した経緯もある(井上『近代俳句の誕生』Ⅳ・2)。
しかし、西行ならば、広く歌俳を親しむ人々一般に、「開かれた」忌日として価値が高い。標題句が、西行一辺倒で詠まれた理由は、西行の「古典性」「公共性」に由来していたとみてよい。標題句の同語反復に近い言葉の選択の意義は、祈りの言葉に近いものであったからで、それを正面から行わず、「栞」を媒介に『山家集』の読者を無限につなげていく「さりげなさ」こそが、虚子の意識した俳句らしさであったと見る。
『虚子百句』より虚子揮毫
11 栞して山家集あり西行忌
12 紅梅の莟は固し不言
国立国会図書館デジタルコレクションより
___________________________
井上 泰至(いのうえ・やすし) 1961年京都市生まれ 日本伝統俳句協会常務理事・防衛大学校教授。 専攻、江戸文学・近代俳句
著書に 『子規の内なる江戸』(角川学芸出版) 『近代俳句の誕生』 (日本伝統俳句協会) 『改訂雨月物語』 (角川ソフィア文庫) 『恋愛小説の誕生』 (笠間書院)など 多数
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美味しい自家製の炊き立て『おにぎり』はいかがですか?
もちろん具も自家製。
おにぎりを外で買おうと思ったことも無いぐらい
お米も美味しいベストな炊き上がり。
我が家でも作ると『美味しいね』と言う声が上がり、あっという間になくなります。
おうちの食事が美味しいと
家族円満であることは間違いないので
家族が大変喜ぶ。
美味しさは家族の幸福度かもしれませんね。
お写真はレシピ制作、掲載、連載分より引用しております。
料理研究家 指宿さゆり
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~天使のゆびさき☆きらふわ魔法教室 ~
催眠サークル人間失格代表を務めている
゜゚・*:.。.謎の超能力者戸田先生'・*:.。.゜゚・*
による魔法教室を このたび開催します1豪華歌手陣登場!
区内外どなたでも大丈夫!
親戚や知り合いの家族を誘って遊びに来てね
日時:6月4日〜同4日 火曜
18:00~
A席1,000円 B席1,000円 S席1,0000円
※小学生のみでの利用は21 :30までになります
(定員:先着200人
【エレベーターのご利用の方】
この度の催事場においては階段を使って戴きまして
2階フロアにあります 大ホールにお越しください
催事場への行き方
youtube
日程:6月4日火曜
イベント名:「第一火曜 魔ゼルな規犬たちの企画する日」
会場:高円寺「無力無善寺」 https://muzenji.web.fc2.com 杉並区高円寺南3-67-1
開場18時 開演18時15分
料金:千円(ドリンク代込み)
超能力人生相談:謎の超能力者戸田
LIVE(あいうえお順)
「いなや(野田伊佐也・葉山稲江)」
「隠岐宮彩月」
「和水(Kazumi)・ゐ忌レ」
「佐伯武昇・川口賢哉・MAIKA OGURI」
「終末亭厄丁」
「そにっくなーす」
「大河もん土」
==お時間配分の予定===
18:00開場 18:15〜「いなや(野田伊佐也・葉山稲江)」 転換18:55〜 19:00~「謎の超能力者戸田」 19:30~転換 19:35 ~「終末亭厄丁」 20:00~転換 20:10~「佐伯武昇・川口賢哉・MAIKA OGURI」 20:45~転換 20:55~「隠岐宮 彩月」 21:15〜転換 21:20〜「和水・ゐ忌レ」 21:45~転換 21:50~「そにっくなーす」 22:15~転換 22:20~「大河もん土」
==出演者紹介(あいうえお順)==
「いなや(野田伊佐也・葉山稲江)」
:野田伊佐也
jre山手線破壊をしたい前科者#威力業務妨害#器物損壊#火炎瓶
#いなや は葉山稲江とユニット中
ユニットでもソロでもお仕事承ります。ナマポ受給中。都営住宅。自治会役員。ギタリスト。ボーカリスト。MC。ドラマー。葉山稲江とユニット中
:葉山稲江
"管楽器系地下アイドル。22歳の時に父親を亡くし、母親・大学生の弟と3人暮らし。スクエニを中心にコスプレをして管楽器を操ります。ダンスや演技も導入。”
「隠岐宮彩月」
"職業/表現者��路地裏系歌手、作詞作曲。 趣味は音楽・映画鑑賞。
人様のLIVEやコンサート、舞台の鑑賞。絵を描く・観る。お気に入り
の居酒屋・飲食店で1人飲み。料理。
次回のライブは魔女として6/20 三ノ輪アポカリにて。
@beatriceokimiya←魔女やってる本アカウント”
「和水(Kazumi)・ゐ忌レ」
:和水(Kazumi)
"ソロ,和水と魔ゼルな規犬,the部族,幻想曲,
にゃんにゃんブーメランと革命スターズ,
LIFE,nossa casa アイヌ沖縄の歌も歌う心眼ソングライター 牛チラハンター
祈り 太鼓&卓球 踊り 水関連酒,
料理 発酵食&昆虫食と餃子の王将荻窪店
時代劇(日,中華)格闘技好きな'80アニオタ”
:ゐ忌レ
ノイズ、絵、人形制作
自主イベント「新迷信」主催 自主レーベル「夏ゴミ屋敷CD-R」
映画と音楽と絵と暗黒舞踏等が好きです
元、睡寂舞踏家、夜勤、くそリプ対応保証、自らの罪を認め贖罪をしていきます。
(月)(火)休み。悪人”
第三火曜に三ノ輪アポカリでイベント企画開始
「佐伯武昇・川口賢哉・MAIKA OGUR」
:佐伯武昇 Takenori Saeki
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Takenori Saeki /percussion.trombone.etc.. Born in Gifu
ニュージャージーズ ・芸能佐伯組・しめころし・平和堂"
佐伯武昇 Takenori Saeki (perc,tb,g, etc.)
1973年岐阜出身。90年代中頃、パンクバンド「ムコウミズ」のギターとして演奏活動を開始。以後、ウランアゲル、非非非の非、Coco de キッコリーズ等数多くのグループ、ユニットを経験しながら、最近は廃材や生活用品を取り入れた独自のパーカッション・セットでの演奏も始める。現在はソロやセッションと共に、ニュージャージーズ、怪獣墓場、芸能佐伯組、しめころし、血液サラSARAなど様々なグループ、ユニットで活動している。
:川口賢哉
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川口 賢哉(かわぐち けんや)は、広島県出身、ニューヨーク在住の即興演奏家であり、普化尺八海童道、道師(師範)である。
また、調査報道ジャーナリスト (元米国務省外国人センター報道記者) でもある”
;MAIKA OGURI
"┇おんがくは"今ここ"の身体からはじまる┇Extraction of just musicality. Let affordances accumulate. 音と発音と音楽にまつわる表現者です。薄暗がりと静寂を愛しています。 国音有馬賞 第11回JFC作曲賞◼︎松井周の標本室3期◼︎矢野かおる◼︎共作プロジェクト緒”
「終末亭 厄丁-迷嘔星-」
”テレフォンドール( @TelephoneDoll )Gt/サイバーヒッピー/
独学で東洋占術(四柱推命、算命術、紫微斗数、姓名判断...etc)の研究中。練習のため鑑定は無料で承ります。
誕生日: 1998年7月10日”
「そにっくなーす」
"ひのはらみめいです 代表作『グランジナースの死』
詩の朗読(詩人戦隊ポエーマンズ西日/詩歌坂48)
弾き語り、小説書き。生クリームが苦手 文鳥は永遠 文鳥は最高
アイコンはあらたようさん作"
「大河もん土」
昭和歌謡、シャンソン、明治大正の流行歌など
主に日本の古い歌を歌います 早稲田大学文構三年
O2(新宿ゴールデン街)金曜日どうぞご贔屓に!
まだお席があるそうです
ぜひ、知り合いの家族や親戚に勧めてください
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我が国の未来を見通す(85)
『強靭な国家』を造る(22)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その12)
宗像久男(元陸将)
────────────────────
□はじめに
前回も書きましたが、私は、1978年から2年間、
アメリカに留学し、航空宇宙工学という工学部では
当時、最先端を走る分野を学ばせて���く機会があり
ました。
これもすでに触れましたが、当時はアメリカ経済が
停滞し、その反動で円高が進み、毎月の円建て給料
がベースアップするなどお陰で助かりました(今は
その逆で、留学生は日々の生活も大変だと聞いてい
ます)。また、アメリカ国内にはベトナム戦争の
“後遺症”が残っていて大学構内でも反戦集会が開
かれるなど、アメリカ全体の“士気”が落ちている
ような時期でもありました。
この間、アメリカ人の他、留学生仲間で親しくなっ
たのは台湾人、韓国人、ベトナム人、フランス人、
エジプト人、アルジェリア人、イラン人、コロンビ
ア人などで、当時は中国大陸からの留学生はおりま
せんでした。
滞在間に、イラン革命が発生し、イラン人留学生が
帰国するかどうか悩んでいたこと、そして台湾が国
連から脱退し、台湾人留学生を慰めたことなどが昨
日のことのように思い出されます。
留学先のコロラド大学はコロラド州立ですが、アメ
リカでは規模もレベルも中堅クラスの大学でした。
大学が所在するボルダー市は標高(約1マイル〔1
600m〕)が高いという立地条件も手伝って、航空
宇宙工学などは割と有名でしたが、ほかの学部にも
日本からの留学生がたくさんおりました。
また、大学には、夏季を利用した留学生のための英
語の集中講義があり、秋に全米のビジネススクール
などに入学する日本人も夏季期間中だけキャンパス
に滞在していました。当時は、数多くの名立たる企
業が優秀な社員をアメリカのビジネススクールに留
学させていたのです。前回、“日本にも誇らしい時
代があった”と書きましたが、現在はどうなってい
るかについては本論で触れましょう。
もう一つの思い出が、大学の研究費のほとんどが政
府や州、それに軍などの公共セクターや企業から援
助を受け、割と潤沢だったことです。ほとんどの教
授たちがそれを当たり前のように活用していました
が、大学では「基礎研究のための資金を集められる
教授が優秀な教授」というレッテルが貼られていた
ことをおぼろげながら覚えています。
わが国では、いわゆる「産軍学複合体」を悪いこと
の象徴のような観点からの解説が多いですが、アメ
リカのみならず、中国やロシアを含む先進国はすべ
て、政府も産・軍・学も共同して、必死になって
「国益」を追求しているような現実を、私は40数
年前に(その一端ではありますが)を自分の経験と
して触れることになりました。
もう一つの思い出が「よく勉強した」ことです。私
の人生の中で、まさに“寝食を惜しんで”あれほど
勉強したのは後にも先にも経験がありません。英語
のハンディもあったとはいえ、「アメリカの大学は
入るのは簡単だが、出るのは難しい」と言われるよ
うに、授業では毎回、課題(宿題)が出ますし、半
年の学期の間に中間試験が3回もあったります。そ
れらはすべて成績に反映され、及第点をとれなけれ
ば容赦なく「F」(Failure:不合格)と判定されま
すので、学生はみな、必死でした。
さて現在、わが国の「教育」はどうなっているので
しょうか。本論で日本の「教育」に関する諸問題を
取り上げ、いかに「国力」に影響を与えているかな
どについて考えてみましょう。
▼「教育」が「国力」に与える影響
わが国の「教育」の現状についての“切り口”はた
くさんありますが、いつものように国際比較からス
タートしましょう。最初の出典は、「大学教育が普
及し、教育水準が高い。そんなニッポン像はもはや
幻想」として教育の構造的な問題をあぶり出してい
る『「低学歴国」ニッポン』(日本経済新聞社編)
です。書籍のタイトルのように、「教育もここまで
落ちたか」というのが正直な読後感です。
目についた所を少し紹介します。まずは次の数字で
す。日本人120人、米国人281人、韓国人28
4人、ドイツ人336人、英国人374人……読者
の皆様は、これが何を意味する数字かわかるでしょ
うか。
答えは、「人口100万人あたりの博士号取得数」
の2018年のデータです。(前回も少し触れまし
たが)10年前の2008年より減少しているのは
日本だけだそうで、修士課程を経て博士課程まで進
んだ学生は、2003年度の1万1637人をピー
クに減少し続け、2018年度は約半分の6022
人まで落ち込んだようです。その原因として、博士
号をとっても正規雇用で安定した研究ポストが減り、
その先の展望を描きにくいことが背景にあるといわ
れます。
実際に、2019年度のデータによると、米国の博
士は、企業で21万5千人、大学で24万1千人働
くなどその差はほとんどありませんが、日本の場合、
企業ではわずかに2万4千人余りしか働いておらず、
博士号保持者の75%に相当する13万6千人が大
学で働いています。企業の研究者に占める博士の割
合も、フランスの12%、米国の10%を大きく下
回り、韓国(7%)、台湾(6%)にも後れをとる
4.4%に留まっています。
その結果として、前回紹介しましたように、注目度
の高い科学論文数の順位が落ちつつあること、そし
て鉄鋼や造船のような重厚長大型産業のみならず、
ハイテク分野などの産業競争力の低下が進む要因に
もなっているのです。
経営者の学歴も違いは鮮明です。日本の時価総額上
位100社のうち、84%の経営者が大卒ですが、
米国の経営者の67%が大学院卒で博士課程修了者
も約1割おります。つまり、経営者の「低学歴」も
日本企業の競争力向上を妨げているとの見方も出来
るのです。
個人的な体験に戻れば、コロラド大学の修士課程に
は、陸海空軍の将校たちもたくさんおりました。時
々、校内で軍事訓練をしている光景も目にしました
が、当時、アメリカの将校の約30%は修士以上の
学歴を保有していました(陸上自衛隊では、約30
0名の同期のうち、米留と国内留学合わせて5名ほ
ど、防大の研究科を加えても10数名でしたので、
その差は歴然です。今も変わらないと思います)。
話は変わりますが、だいぶ前に“リケジョ”という
言葉が話題になりました。理工系の学部に進む女性
の割合に関するOECDの2019年の調査結果で
は、工学・製造・建築分野における女性割合は16
%、自然科学・数学・統計学では27%でした。い
ずれも36カ国中、日本は最下位の36位です。そ
の要因として、工学部の就職先は多様で、進学した
後の将来像が見えにくいことがあるようですが、時
代が変わり、工学部卒の女性は産業界から引く手あ
またで、“女性の発想が不可欠になっている”と言
われているにもかかわらず、女性の割合は増えてい
ないようです。“リケジョ”が少ない原因に、その
ような「産業界の実態を高校の教員がほとんど知ら
ない」ことにもあるようで、今後の普及が望まれて
います。
さて、歴史をさかのぼれば、明治期には、近代国家
の国づくりの担い手となる官僚の養成機関として東
京大学などの帝国大学が創設されました。しかし、
近年は、東京大学卒でキャリア官僚を目指す若者が
減り続け、2020年合格者は349人と1999
年以来最少となっています。
法学部卒の優秀な学生は官僚よりも外資系コンサル
タントを選ぶことが珍しくなくなっているとのこと
です。外資系のコンサルでは20代から高給が得ら
れ、各省庁などからの委託を受けて政策立案にも携
われるなど、官僚より“うま味”があることにその
理由があるようです。
かつては、「立志」と「立国」が同時に実現でき��
のが、現在は、日本の「国力」が落ち、国際社会の
地位が相対的に低下しているなど、国の将来像が不
透明なうえ、人々の価値観も多様化して、“志と倫
理意識が希薄化している”との分析があります。な
かでも、「���の受験エリートは、勉強するのは自分
のためと教えられて育つため、ノブレス・オブリー
ジェ(高貴さに伴う義務感)や社会に恩返しする感
覚がない」(昭和女子大総長・坂東真理子氏)のよ
うな危機意識を持つ見方もあります。
これらから、「教育」の分野も「鶏が先か卵が先か」
の議論が当てはまるようです。つまり、「このよう
な若者の価値観の変化が『国力』が低下する要因と
なっている」と考えるか、「『国力』の低下が若者
の価値観を変化させている」と考えるか、悩むとこ
ろではありますが、将来の解決に向けて、一つのヒ
ントを与えてくれていることは間違いないでしょう。
本書には、「ゆとり教育」をはじめ、その他の「教
育」に関して山積している問題や課題がほぼ網羅さ
れていますが、良し悪しは別として「Z世代」とい
われるような若者の資質が育まれる、その要因��一
つも「教育」があると考えられます。紙面の都合で
細部は省略します。
本書以外の「教育」に絡む国際比較を少し追ってみ
ましょう。はじめにアメリカに留学している最新
(2021/22年度)の国別ランキングを見てお
きましょう。第1位はダントツで中国(29万人)
であり、2位インド(20万人)、3位韓国(4万
人)、4位カナダ(2.7万人)、5位ベトナム
(2万人)と続きます。1990年代から中国とイ
ンドの留学生が急増し、全体の約半数を占めている
ようです。
中国人がアメリカに留学する理由はさまざまあると
は思いますが、逆に中国に留学しているアメリカ人
は、2020/21年度には382人まで減り、全
体でも1.1万人ほどにしかいないことからすると、
両国の“教育格差は歴然”と言って過言でないと考
えます。
さて日本です。日本からアメリカへの留学は、19
50年ごろから1990年代前半までは増加の一途
をたどります。特に1980年代中頃から急速に増
加し、90年代前半には約4万7千人に及びます。
しかし、2000年代に入った頃から急速に減り続
け、最新のデータで1.3万人余り(11位)まで
減っています。その原因の筆頭に挙げられるのが日
本経済の長期停滞にあると言われています。
経済の長期停滞は国内の教育支出にも影響があった
と推測されます。OECDによると、2019年時
点の「GDPに占める教育機関への公的支出の割合」
は、日本は2.8%であり、37か国中36位でし
た。前年の同率最下位からは改善しましたが、依然
として低い状況が続いています。ちなみに上位3か
国はノルウェー(6.4%)、コスタリカ(5.6
%)、アイスランド(5.5%)で、主要な先進国
は3%半ばのようです。
これに関しては、わが国は、2008年、福田内閣
の頃、文部科学省がGDPの3.5%(当時)の教
育支出を10年間で5%に引き上げる数値目標を盛
り込むことをも目指し、教育会や自民党の文教関係
議員の賛同を得るところまで漕ぎつけましたが、財
務省の反発にあって“頓挫”したという経験がある
ようです。
「国家100年の計は教育にあり」のように、人材
育成こそが国家の要であり、長期的視点に立って人
を育てることが即、「国力」に影響を及ぼすことは、
時代の変化や洋の東西を問わず、普遍の真理である
はずなのですが、財務省の抵抗とそれを跳ね返す力
が当時の政府になかったことが、結果として、「低
学歴国」の“現状”を招いているとすれば由々しき
問題であるのです。
それだけではありません。その結果として、大学な
どの高等教育を受ける学生の「私費負担」の割合は、
日本は67%と、OECD平均の31%を大きく上
回っています。つまり、“子育てには金がかかる”、
よって“子供をあまり作らない”との少子化の要因
にもなっているのです。今頃になって、慌てて育児
手当などを引き上げようとしていますが、当時の
「国家100年」の大義など全く頭になかった罪は
大きいと言わねばならないでしょう。
まだまだあります。2020年時点の高等教育を受
ける学生の私立教育機関に在籍する割合も79%と、
OECD平均(17%)の4倍以上になっています。
再び上記『「低学歴国」ニッポン』によれば、「東
大生の世帯年収は950万円超が5割を超す」との
結果も明らかになっています。つまり、「所得格差」
による教育機会の差異が生じているのです。さらに
は、「東京と沖縄の大学進学率は26.9ポイント
の差」があるなど、「地域格差」による教育機会の
差異も明らかになっています。
面白いデータもあります。の東京都の合計特殊出生
率(2020年)は1.08で47都道府県中ワー
ストですが、沖縄県は1.86で、1974年以降
47年連続で全国1位を維持しています。当然、
「教育」以外の要因があるとはいえ、ここにも将来
のヒントがあるような気がしてならないのです。
▼「教育」は、「未来の国力」維持増強の“一丁目
一番地”
改めて、戦後GHQの占領政策以降の我が国の教育
体制を振り返ってみましょう。GHQの教育改革は、
戦前の教育の抜本的に改革を狙いとして5本の柱を
建てて断行しました。つまり、(1)軍国主義や国家神
道を排除するための「教育関係者の追放」、(2)思想
の自由化を推進するための「教育勅語の廃止」、
(3)性別による教育差別をなくす「男女共学の導入」、
(4)地域ごとに教育内容を決定する「教育の地方分権
化」、(5)「6・3・3・4制度」の確立と小・中学
校を義務教育化、でした。この改革にはさまざまな
意見がありますが、現在のわが国の教育体制の基礎
となりました。
戦後のわが国の「教育」を抜本的に見直そうとした
のも安倍元首相でした。首相着任前から、イギリス
のサッチャー首相の教育改革を参考に、「教育再生」
を推進しようと決意されたようです。安部氏の『美
しい国へ』から抜粋しますと、サッチャー教育改革
の柱は、(1)自虐的な偏向教育の是正、(2)教育水準
の向上にありました。あまり知られていませんが、
当時のイギリスも、歴史教育において、長い間の植
民地政策の「負」の側面を重視するあまり、わが国
と同じような“自虐的な自国の歴史観”が生まれて
いたそうです。
サッチャーは、歴史の否定的な部分と肯定的な部分
のバランスのとる方向で教科書を書き直すとともに、
教育水準の向上のために、教育省から独立した「学
校査察機関」をつくり5千人以上の査察官を全国に派
遣して徹底的にチェックし、水準に達していない学
校は容赦なく廃校にしたようです。当然ながら、学
校現場からはデモやストライキなどの猛反発を受け
ましたが、サッチャーは一切妥協せず、ついに改革
をやり遂げました。
安倍元首相は、幹事長時代にイギリスに調査団を派
遣し、その実態を研究するともに、首相に就任する
や「戦後レジームからの脱却」を掲げ、「教育再生」
にも取り組みました。
そのために、「教育再生実行会議」を設置し、「教
育の質の向上」「教育機会の均等化」「生涯学習の
推進」「国際理解教育の強化」「道徳教育の位置づ
けの明確化」などの改革の方向を定め、GHQによ
る教育改革の結果として、“国に対して誇りを持っ
ている若者が少ない”現状を改善するために、「日
本の伝統や愛国心を育むことを教育の目標」に掲げ、
「我が国の郷土を愛する」という文言を条文に追加
するなどの「基本教育法」の改正を実行しました。
案の定、「戦前の価値観に回帰する可能性がある」
とか「行政がゆがめられた」など論理矛盾している
ような批判が文部科学省内部からも噴出しました。
さて、その成果が現在の若者教育にどのように反映
されているのでしょうか。聞くところによると、小
中学校では、「道徳」の時間がいじめ防止を目的に
「特別の教科」に格上げされたり、大学では返済不
要の給付付奨学金が導入され、授業料減免も拡充さ
れるなど「所得格差」による教育機会も改善されつ
つ、現在に至っているのでしょう。
岸田政権は、これらの教育改革を継承して「教育未
来創造会議」を立ち上げ、昨今のさまざまな環境の
変化を受けて、「オンライン教育体制の推進」「リ
カレント教育の強化」「拠点大学を指定して再編を
先導する大学改革」などに取り組んでいるようです
が、それらを含め、近年の「教育改革」の成果が見
えるのはもっと先なのかも知れません。
一方、わが国の「少子高齢化」は待ったなしです。
現在大学進学率は50%を超えていますが、私立大
学の定員全体に占める入学者数は100%を切り、
大学の50%超が定員割れを起こし、定員50%に
満たない大学も約5%あるようです。しかも首都圏
など都会地の大学と地方の大学の定員充足率も広が
りつつあり、将来、少子化と過疎化が加速すること
によって、この現象がますます顕著になることでし
ょう。
すでに、「東京工業大学」と「東京医科歯科大学」
が統合するとか、「早稲田大学」と「慶応大学」ま
でも近い将来、統合するとの話も出ているようです
が、遅かれ早かれ大学の統廃合は避けられないので
す。
政府は、2022年に「国際卓越研究大学法」を制
定し、この大学に認定されれば���00億円規模の予
算が投入されることを担保しているようです。学生
や研究者から「選ばれる大学」を政府が支援をする
のは当然としても、前述したような過疎化を助長す
るようなものであってはならず、ほかの政策との連
携は必須でしょう。
将来の「教育改革」は、純粋に「国家100年の計」
に基づくものであるべきで、予算投入の条件として
“無用な縛り”を加えたり、文科省役人の天下り先
の確保のようなものにならないことを国民は注視し
なければならないでしょう。
バイデン大統領は、今後10年間、幼児教育や子育
て支援などに4000億ドル(約45兆円)を投じ
る計画を打ち出し、同様に、中国は、2035年の
「教育強国」実現に向かって高等教育の機会拡大を
目論んでいるなど、「国家100年の計」はどの国
も同じです。改革する側が、大義を忘れて姑息な思
惑で目先の結果だけを追い求めていると、現時点は
おろか、50年先、100年先の世代も「戦わずし
て負ける」ことになりはしないかと懸念します。
改めて、「教育」は、「未来の国力」を維持増強の
ための“一丁目一番地”であることを肝に銘じる必
要があるのです。
次回は、「国力」を構成する「ハード・パワー」の
最後である「文化」を取り上げ、その後、「ソフト・
パワー」を取り上げて読者の皆様とともに、わが
国はいったいぜんたいどうすればよいのか、考えて
みたいと思います。長くなりました。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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へとへとな人を労う日。元日に「してはいけない」2つのこと【年末年始のマナー】 - Peachy - ライブドアニュース
以下引用
年末年始には、古くから伝わる風習がたくさんあります。でもその意味や正しい作法は、意外と知らないもの。いざというときに迷わないよう、年末年始のしきたりやマナーを「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に教えてもらいました。
今回は、元日の過ごし方。新しい年のはじまりの日、実は「してはいけないこと」があるってご存知ですか?
■元日にしてはいけないタブーとは?
お正月はさまざまな行事がありますが、一方でやってはいけないこともあります。 その一つが、元日の掃除です。 「元日に掃除をすると、わざわざやってきた年神様を「掃き出す」ことになり、縁起が悪いとされています。洗濯も神様を水で洗い流すことになるので、避けた方がいいでしょう」(岩下先生) 掃除のほかに、料理もタブーとされています。 理由は諸説ありますが、一つは「かまどの神様に休んでいただくため」というもの。 昔は、あらゆる場所に神が宿ると信じられていて、煮炊きに使うかまどにも神様がいると考えられていました。 そのため、お正月におせち料理を食べるという習慣が生まれたと言われています。 お正月に料理をしない代わりに、前年の大晦日までにおせち料理が作られるようになりました。 そのため、昔ながらのおせち料理には生物は入れず、煮物や焼き物など日持ちするものが中心になっています。 「掃除や料理がタブーとされるもう一つの理由は、普段家事を担う人に休んでもらうためでもあります。お正月ぐらいは家事を休んで、家族とゆっくり過ごせるように、という労いの意味も込められています」(岩下先生) 怒涛のように走り抜けた年末。元日くらいは心穏やかに過ごしたいですね。掃除も料理も思い切ってお休みして、大切な人たちとの時間を楽しみましょう。 岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)など著書多数。近著に『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)。 文=さいとうあずみ
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ちっちゃい(サイズ)レックスの話
クラーク・ケントは困っていた。
ペリー・ホワイト氏の呼ぶ声はいつしか怒声になり、気づいたジミー・オルセンが小さく促してくれたが、それがまるで聞こえないほど困っていた。気のせいだろうか。きっとそうに違いない。だが、今朝からもう3回も確認したのだ。3回。それ以上確認する必要があるだろうか。出勤してロイス・レーンに挨拶し、席に着くまではいつもと変わらぬ1日だった。ただ、そう、デスクから物音は聞こえていたし、それに気付いてもいた。
クラークケントはスーパーマンだ。この地球上にスーパーマンに傷を負わせるものはほとんどないのだし、多少の異変に動じることはない。だから、デスクの引き出しの中から不自然な音がしていた時も慌てなかった。どれくらい慌てなかったかというと、X-レイビジョンも使わずにいきなり引き出しを開けたほどだ。
今では後悔している。せめてあの時、中を確認しておけば。
いや、確認していたところで結果は変わらない。どちらにしろ、引き出しは開けただろうし、その中のものを目の当たりにすることになったのだ。だがしかし、やは���気のせいかもしれない。その可能性は捨てきれない。いくら地球上の、人類の常識を超えた力を持ったスーパーマンとはいえ、不可解なことだけが起こるわけではない。
と、一縷の望みをかけて、俯いたまま机を透視する。
そこに小さな骨格が映る。頭蓋骨のカーブは見慣れたものだし、歪みのない背骨もよく知っている。いい整体師でもついているのだろうか。いや、それはどうでもいい。
「……いる」
気のせいではないのだ。肝心なのはそこだ。既に3度確認してこれで4度目だが、初めの2回は引き出しを開けている。骨格だけでなくその姿もきちんと見ている。見慣れたスーツ姿だった。見間違いようがない。
今、 クラーク・ケントのデスクの引き出しには、親指サイズのレックス・ルーサーがいる。
「クラーク」
上司の声も同僚の声もすり抜けるほどの混乱のさなかにあり、たった今その混乱のもとを確認し直しさらに混迷を深めたクラークの耳は、その声だけには反応した。
「なんだい?」
振り向くと、片手に資料を山とかかえ、片手にコーヒーを持ち、その指先に器用にドーナツの袋を挟んでいるロイス・レーンが、少しばかり呆れた様子で編集長の席を視線で示した。
「クラーク!ケント!!」
ペリー・ホワイト氏の声は、かくしてクラークケントに届いたのだった。
何が問題なのかが問題だ。
そもそも、どうしてデイリー・プラネットのクラーク・ケントのデスクの引き出しにレックス・ルーサーが入ることになったのか。縮小くらいはするだろう。レックス・ルーサーの頭の良さはスーパーマンも認めるところではある。だからといって何故クラーク・ケントのデスクに。
スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーとはいえ、スーパーマンの正体は知らないはずだ。
スーパーマンの宿敵の上、レックスコープを抱えるレックス・ルーサーでもあるから、この新聞社の取材対象になることはよくある。だから、レックス・ルーサーはクラークを新聞記者クラーク・ケントとしては知ってはいるだろうが、何か特別なやりとりがあったことなどない。デイリー・プラネットと関わる時はむしろ、スーパーマンの想い人で、エース記者のロイス・レーンに興味を向けていたはずで、ともかくクラーク・ケントとレックス・ルーサーの繋がりは薄い。
薄いはずだ。
ペリー・ホワイト氏からいつかどこかで聞いたことのあるお小言と、新聞の隙間を埋めるための小さな取材をいいつかったクラーク・ケントは、そっと引き出しに手をかけた。
なんにせよ、相手がどういうつもりなのか聞かねばなるまい。
覚悟を決めて、引き出しを開ける。
万年筆、鉛筆、クリップ、幾つかの記憶メディア、消しゴム、ハサミ、カッター、定規、メモ帳、誰かからもらったのだったか使うあてのないジッポライター、のど飴、そこにはデスク右袖一番上の引き出しに相応しい荷物が詰め込まれていた。整理されていたそれらは、今は見る影もなく散らかり、その中心に親指サイズのレックスルーサーがいた。
「おい、腕時計をくれ」
思えば、引き出しをしめてしまえは中は真っ暗だったのじゃないだろうか。息苦しかったかもしれない。流石に悪いことをした。せめて僅かなりとも隙間を作っておくべきだった。
「おい、ぼんくら」
この散らかりようはどうだ。余程怖かったのか、それにしては物の散らかり方に何かしらの目的を感じる。クリップは伸ばされているし、替えのカッターの刃が飛び出して、一枚割り取られている。メモ帳は鋭角に切り取られ、表紙の一部が削り取られ、消しゴムは等間隔で切り取られ、鉛筆の先端部分も削った跡があり、黒鉛の粉が散らばっている。
「おい」
ジッポライターには油が垂れたあとがあり、記録メディアは分解され、薄膜コイルが見える。
「おい、聞こえないのか。腕時計だ」
「え?」
小さなレックス・ルーサーは――なんということだろう、ちっとも可愛くない。小さな生き物には愛らしさが備わっているものではなかったのか。微塵も可愛くないのである。クラークは内心で深く感動した。――大儀そうに立ち上がり、手に持っていたクリップの先を振り回した。
「腕時計をよこせ、と言ったんだ。それから、引き出しは開けておけ、明かりは確保できるが、火が使えない」
「ひ?」
「翼の造形には微妙な曲線が必要なんだ」
「あ、ああ…つまり」
「つまり、腕時計をよこせ。そして引き出しは開けておけ。以上」
「……見間違えだったら申し訳ありませんが、貴方はレックス・ルーサーですよね?あのレックスコープの」
「別の人間に見えるならそいつを教えてくれ。興味深い」
「いや、見えません」
「じゃあ何故聞いた」
何故?何故って。
「どうしてこんなところにいるのか、僕にはちょっと見当もつかないので、どういうことなのかご存知でしたら教えていただきたいと思って」
「始めからそう言ったらどうだ」
「はあ」
「ここにいる原因だが」
どうやら話すつもりはあるらしい。レックス・ルーサーらしいといえばらしい。自分の頭の中を開示するのが好きなんだろうな、と感じることがある。だが一方で、意外にも感じていた。誰かの理解や共感を説得で求めようとするタイプではないと感じることも多かったからだ。頭の回転に言葉が追いつかない幼児に少し似ている。
「分かってたら解決している」
違った。説明するつもりはないらしい。
「だが、ここに居ても無意味だということは明らかだ。私は可能な限り速く研究室に戻らねばならない。つまりレックスコープだな。だからその為の道具を作る。腕時計をよこせ」
「はあ、まあ……安物ですが」
「まさか手回しとか言わんだろうな?」
「電池式です」
「よろしい」
不遜だ。感謝の一つもあって然るべきである。
「感謝する」
「……いえ」
かと言っていざ感謝されるとなると居心地が悪い。相手はレックス・ルーサーだ。我儘で自信家、傍若無人で、傲慢でスーパーマンを常に敵視する天才。
「ところで何を作ると言うんです?」
最後の特性が一番厄介なのだ。奇想天外な手段は彼の得意とするところで、それがあらゆる知識に裏打ちされたトリッキーさだということを理解できる程度には、クラーク・ケント――スーパーマンもまた好奇心とは親しく、つまり率直に言って興味深い。知的好奇心というやつは本当に厄介だし、或いはレックスルーサーが盾にしているのはいつでもそれなのかもしれない。
未知への好奇心。
だから、何というか、嫌えない。
いや、大っ嫌いだ。もちろん、嫌いだとも。ただ、つまり、不当な評価ができないのだ。クラークケントの善良さとスーパーマンの余裕がそれを許さないのである。
レックスルーサーは悪人だ。それでもその手が生み出すものは稚気に富み、最先端のその先を見据えていて、魅力があることは確かだ。今の社会で企業人として成功するやり方も、政治家として成功するやり方も、教えられるまでもなく理解し、実行できて、かつ善良さによるブレーキがない。
つまり悪人なだけだ。
――それが致命的なんだけど
それとこれとは別問題と割り切れるような冷め方をクラーク・ケントはしていなかったが、この時は好奇心が勝った。腕時計を受け取って、分解しにかかっている小さなレックス・ルーサーの手元は、おそらく電池を目指しているのだが、それ以外の部品も粗雑に扱うわけではない。何かに使うのだろう。残念ながらその全容が予想できない。
「ジェットパックだ」
そっけなく返ってきた答えに、クラークは首をかしげた。
「フライトコンピューターもないのに」
いかにレックス・ルーサーが天才とはいえ、流石にそれは作れまい。
「驚いたな、それなりに物を知ってる」
「?」
「君を見くびっていたようだ、申し訳ない。ジェットパックは作らない。エンジン付きのグライダーのようなものが良かろうと思う」
「エンジン…」
「どうせ使い捨てる。火を吹かなきゃいい。上昇できるようにしたい」
「貴方は自力でレックスコープまで行こうと考えてるんですか」
「おかしなことを聞くな。さっきそう言ったろう?」
「でもそのサイズじゃ、きっと途方もなく遠い」
「地球を一周した人間が何人いると思ってるんだ。月だってもう遠くない」
「それは、そうかもしれませんが」
「やらないのは損だぞ」
言って、小さなレックス・ルーサーは、引き出しの中からクラークケントを見上げる。時計の機械の油が顔を汚していた。緑の目は不可能を知らないように自信に満ちていて、僕が連れて行ってもいい、と言いかけた声をクラークは呑んだ。息をするように人助けをするクラークにしては、ひどく珍しいことだった。
「他に必要なものは」
代わりに問いかける。向こう見ずなロイスが全身から放つあのエネルギーに似た何かを感じたのだ。
「コーヒーは?カップがあるかな」
「フライトコンピューター」
「それ以外で」
ジェットパックをと言ったのも、全くの嘘というわけではなかったのだろう。とはいえもちろんこれはジョークだ。
「そうだな、カフェインを。よく洗ってくれよ」
と、レックス・ルーサーはのど飴の包み紙で器用に折った小さなコップを示した。袋から追い出されたのど飴は、引き出しの底に張り付いていたが、このとき、この場ではそれは些末なことに思えた。
だから天才というやつはたちがたちが悪い。
おわり
(2015-05-16 privatter より 改稿あり)
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クィアたちのZINE交換【後編】
前回の記事に書いたが、ZINE交換会で、私は7冊のZINEをいただいた。 今回の後編では、それぞれを読んだ感想をまとめてみる。
※作者がセクシュアリティをどの程度オープンにしているか分からないため、ZINEの作者名は伏せています。 ※オンラインで公開・販売されているものについては、末尾にリンクを貼っています。
-----------------------------------------
■「ノンバイナリーがわからない」というテーマ詩またはエッセイ シンプルな紙面から、生きているだけで「男/女」と申告させる社会への失望が伝わってくる。これまで深く知る機会のなかった生きづらさに気付かされる。 「お兄さん」「お姉さん」という呼びかけも、時として相手のメンタルを削ることを学んだ。会話の端々で、知らず知らずのうちに相手を「男/女」のカテゴリーに当てはめていたかもしれない……と怖くなる。
「男/女」のあわいにいる人と同じ社会に生きているのだと、もっと意識して生活しなければと思う。 そして、無意味な性別の振り分けをなくす方向に社会を変えることも必要だ。当事者を死に追いやるレベルの苛烈なトランスヘイトが実際に起きている今、一層強く感じる。 シスジェンダーの自分には、まだまだ見えていないことがあると気付かせてもらえた一冊。
■YOGA HAMSTER STAMP ヨガのポーズを、素朴なハムスターのイラストと共に解説するZINE。 モフモフしたハムスターが、1ページごとに「チャイルドポーズ」「猫のポーズ」などを決めている。手足が短いなりに頑張っていて可愛い。
様々な研究で、クィアが精神を病む率は、そうでない人よりも高いことが分かっている。 体をほぐし、リラックスする時間を意識的に取ることも、クィアとして豊かに生きる上では大事だなと認識した。いや……いっそハムスター飼う?
■LIFE LIFE LIFE vol.3 そうだ、京都行こう 写真が趣味の6人(Gender Identityは男性寄りと思われる)が、京都で撮った作品をまとめたZINE。 作品と共に、撮影エピソードも載っている。歴史ある町並みや自然の佇まい、旅の興奮が伝わってくる。
ZINE作りに参加した6人のうち、3人は一緒に撮影旅行をしたそう。 1人では挑戦しづらい着付け体験に連れ立って行き、着物姿で街を散策しながらお互いを撮り合う。スーパーで食材を買い、airbnbの宿で一緒に料理をする。朝は古い喫茶店でモーニングを楽しみ、香り高いコーヒーを優雅に味わう。 エッセイパートで若者たちの予測不能な旅の面白さを追体験しながら、友達が家庭を持ってしまった今はこんな旅行もしづらくなった……と少し切なさもよぎる。
なお、この3人のうちの1人が、旅先で気分が落ち込んでしまったときに2人がそっとしておいてくれて嬉しかったと書いており、印象に残った。 自分が相手より優位に立っていることをアピールしたり、キャバクラなどの空間で女性にケアしてもらいながら親睦を深めたりする「ホモソーシャル」なノリではなく、お互いに褒め合ったりケアし合ったりする友情の育み方が、読んでいて気持ちよかった。 作者のクィアネスについては特に触れられていなかったが、シスへテロ男性らしさを要求されないコミュニティが、作者の精神を支えているのかもしれない。
■Q&Q スモールトークが苦手なわたしのための質問カンペZINE A6版の手に収まるサイズ感と、ポップなイラスト、ドミノピザの箱のような色使いが可愛い。 イベントで初対面の人と実のある対話ができるようにという心遣いから、各ページに「今日はどうしてこちらへ?」「今の社会に足りないものはなんだと思いますか?」などの質問が並び、読者(ユーザー?)はページを指差したりめくったりして会話を進めるという仕組み。便利!
趣味や好きなカルチャーに関する比較的軽い質問もあれば、「どんなジェンダーの相手とでも、友情は成り立つと思いますか?」「自分の力で社会は変えられると思いますか?これまでに何か変えられた経験はありますか?」など、ぱっと答えられないような深い質問もある。
後ろの方には、作者が推している海外ドラマや本などの紹介も付いていて、世界が広がる。 最近はセクシュアリティの問題を扱った作品の数が増えて嬉しい反面、作り手側に深い理解や考察のない作品は観ても傷つくだけなのでうかつに手を出せないという現実もある。 セクシュアリティについて日々真剣に考えている人から、口コミで良作を教えてもらえるのは有難い。
読んだのがイベントから帰った後だったので、作者の方と会場でこれを使って喋れたら更によかったかも。次回に期待。
★おまけ★ 「どんなジェンダーの相手とでも友情は成り立つか」について: 友達になれないと感じるジェンダーの人は思い浮かばないが、テレビに出ているゲイやトランスジェンダー(ドラァグクイーン)に時折見受けられる「自由=性的に奔放」という考え方は苦手だなと思う。 タレントの恋愛相談に「積極的にどんどん行っちゃいなさいよ!そうやって経験を積んで人は大人になるんだから~」と答えるオネエ言葉の人たちは、恋愛やセックスをしない自由という発想がなさそうなので、友達になれる気がしない。知り合い止まりにしたい。 でも、あの人たちも、テレビが作り上げたステレオタイプを演じさせられているのかもしれない……どうなんだろう。 ドラァグクイーンでも文化人寄りのヴィヴィアン佐藤さんあたりは、恋愛相談に対してもっと深みのある言葉を返すのではないかと思う。
■アセクシュアルである私がどのようにしてサトシに救われ、今回の件でどのようなことを考えたか 2022年の冬、25年もの期間にわたって放送されてきたアニメ版ポケットモンスター(以下「アニポケ」)の主人公が、次のシーズンからサトシではなくなることが発表された。 このニュースは、アニポケのオタクであり、アセクシュアルでアロマンティック傾向のある作者にとって、人生を揺るがす出来事だった。
作者は、小学校時代から自身のセクシュアリティを自覚し、友人の恋バナについてゆけず疎外感を味わってきたという。 恋愛に無頓着でありつつポケモンバトルに魂を燃やし、そのまっすぐな生き方で人々に愛されるサトシの姿は、作者にとって救いだった。 脚本を書いた人は意図していなかったかもしれないが、テレビの前でアニポケを観ていた一人の小学生は、恋愛がなくても充実した人生を送ることができるというメッセージを受け取ったのだ。
主人公の少年が戦いを通じて成長するストーリーの少年向けアニメでは、多くの場合、サイドストーリーとして恋愛が描かれる。 「るろうに剣心」「NARUTO」「鬼滅の刃」など、主人公と女性キャラクターのカップルをぱっと思い浮かべられる作品は多い。 これらの恋愛は基本的に異性愛であり、同性カップルは登場しない。ほとんどの少年向けアニメの世界観は、シスへテロ恋愛規範に基づいていると言えるだろう。 こういった状況にあって、物語に恋愛を持ち込まないアニポケは、作者にとって抵抗なく楽しめる希有な作品だった。 サトシに好意を持つ女性キャラクターが登場しても、サトシにはぴんと来ず、「そんなことよりバトルしようぜ!」という態度を取る。そして、周囲はそんなサトシを責めたり馬鹿にしたりせず、「まあサトシだからね」と受け入れる。 こういった物語に触れることで、恋愛感情の湧かない作者は、自分自身も肯定されたと感じていた。
しかし、サトシが主人公のアニポケは、もう制作されない。作者の心の支えが、一つ失われてしまうのだ。
そして作者が危惧しているのは、「NARUTO」→「BORUTO」のような続編への移行だ。 「NARUTO」の続編である「BORUTO」は、「NARUTO」の主人公うずまきナルトとヒナタの息子が主人公。 この展開によって、主人公が異性と結婚して家庭を持つ=ハッピーエンド、という原作者と制作者の世界観が鮮明になった。 もし、同じように次期アニポケの主人公がサトシの子供になってしまったら――それはつまり、制作者の中に、「バトルに熱中していた少年も、大きくなれば異性を好きになって恋愛→結婚・セックスするのが当たり前」という考え方があることを意味する。 これまでアロマンティックやアセクシュアルを肯定する存在だったサトシが、シスへテロ恋愛の模範として再定義されてしまうことを想像し、作者は何度も泣いたという。 やり場のない不安を整理すべく、このZINEが作られた。
このZINEが突きつけてくるのは、恋愛や性愛のない人生を肯定してくれる物語の少なさだ。 純文学などの中には探せばあると思うが(谷崎潤一郎「細雪」とか)、沢山の人が楽しむアニメや漫画などのポップカルチャーの中に、主人公が恋愛なしで満たされている作品を見つけるのは難しい。 2022年、主人公がアロマンティック・アセクシュアルのドラマ「恋せぬふたり」がNHKで放送され、話題を呼んだ。 このような、恋愛に縛られない幸せの形を提示できる物語が、もっと作られてほしい。 そして、私も何か書けるかな……。
https://note.com/ichijosayaka_59/n/n93046e8a589f
■2306 最悪のプライド月間を、なんとかやり過ごすZINE 1968年にアメリカで起こったクィアによる反差別運動(通称「ストーンウォールの蜂起」「ストーンウォール事件」)にちなみ、6月は「プライド月間」とされている。 今年の6月も、世界各地でセクシュアルマイノリティへの理解を深めるキャンペーンやイベントが行われた。 日本でもこうした取り組みは盛り上がりを見せたが、一方でLGBT理解増進法案が保守勢力によって骨抜きにされるなど、国や社会によるクィアへの抑圧が鮮明になるような出来事もあり、国内のクィアにとっては希望を感じづらい1ヶ月となってしまった。
このZINEには、ゲイであり鬱療養中の作者がこの6月をどう過ごし、何を考えたかが記録されている。文章の合間にゆるい漫画や犬の写真が配置されているので、深刻な内容があってもそこまで肩肘張らずに読めて有難い。
鬱によって思い通りに動かない身体。過去に受けた性被害のトラウマ。 反差別というメッセージが限りなく薄められたLGBT理解増進法案や、SNSでのトランスバッシング。 彼氏が両親の留守中に犬の世話をするため実家に帰ることになり、こっそり同行させてもらうという楽しいイベント。 彼氏が両親にカミングアウトしていないため、表向きは友人を装わなければならない現実。 彼氏と犬のユズちゃんと共に過ごした穏やかな時間。 無職である後ろ���たさ。梅雨時の湿気。 その時々の作者の感情が、グラデーションになって迫ってくる。
二人と一匹の間に流れる温かい空気を感じながら、二人が堂々と一緒に暮らせないことを悔しく思う。 また、病気などの理由で一日八時間労働が難しい人が社会から零れ落ちてゆくような現状も、もっと改善できないものかと感じた。 (「Marriage for All」に署名し、選挙の時も人権意識のありそうな人に投票するようにはしているが、まだ足りないんだろうな……。) 一応、作者が欲しいものリストを公開した時に、応援を込めて1品ポチッとした。まだ足りないだろうけど。
※「はじめに」のみ公開 https://nigenige2020108.hatenadiary.jp/entry/2023/06/30/090000
■恋愛も結婚もセックスもしたくない人がいるんです アロマンティック・アセクシュアルである作者が、自身のこれまでの人生と現状、将来のビジョンをエッセイ漫画にしたZINE。
作者は30代で、性自認は女性。アロマンティック・アセクシュアルでありつつ、BLが好きで百合も読む「腐女子」。 自分が恋愛や性愛の当事者になりたくはないが、フィクションの恋愛や性愛は読者として楽しめる、ということになる。
恋愛を経ての結婚をする気はないが、何かあったときに助け合える人がいてほしい気持ちもあり、いわゆる「友情結婚」にも興味がある。 助け合うことと恋愛・血縁が分かちがたく結びついている現代社会では、恋愛感情や性欲がなかったり少なかったりすると孤立しがちだな……と改めて認識する。 「恋愛経験がない/少ない=人間的に未熟」というバイアスに苦しめられるくだりは、共感しかなかった。
平日は金融機関で働き、週末にオタ活を楽しむ作者の人生は、ちゃんと充実している。 変わるべきは、「人生には恋愛と性愛があるべき」という価値観を振りかざし、無駄なコンプレックスを味わわせる世間の側だろう。 恋愛・性愛のない豊かな人生はあり得るという希望を見せてくれる、爽やかな読後感のZINEだった。
※8/11時点でこのZINEは完売、続編は購入可能 https://hinotoya-akari.booth.pm/
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こうして感想を並べてみると、作者7人のセクシュアリティと抱えている事情が千差万別であることに、改めて驚く。 本やウェブで「LGBTQ+とは?」みたいな解説を読んだだけでは絶対に見えてこない現実と実感が、それぞれのZINEから生々しく伝わってくる。
社会がカテゴライズした性別や恋愛・性愛規範に自分を無理矢理当てはめて解釈しようとすると、どこかで無理が生じる。 クィアはそうでない人より無理をしなければならないが、自分がクィアだと明確に認識していない人も、実は無理をしていることがあるのではないかと思う。 (「性自認が男なのにメイクしたいと思うのは変かな?」「恋人との時間より友達との時間が楽しいと思う私は間違ってるのかな?」といったように。)
既存の枠組みに囚われずに自分のセクシュアリティを語ることは、社会や権力の都合によって奪われた自分の一部を取り戻し、自分の生を自分に合う形にカスタマイズする第一歩なのかもしれない。
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