#忍び猟
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26頭目は小鹿メス。 斜面にいた20頭くらいの群れの中で逃げ足が遅めだった。 27頭目は大きなメス。 こちらは小さな群れを急襲した際、 一頭だけ斜面で立ち止まってしまった個体。 手を下している立場で言うのもあれですが 人生もシカ世(?)も同様、生きているうちは選択の連続。間違うと即ゲームオーバーもあり得る無情。 より良い選択をするためにはセンスを磨き、勉強したり体鍛えたりするしかないんやろな。鹿は?運次第?なのだろうか。 #huntinglife #ilovehunting #deerhunting #meathunting #meateater #deerstalking #givier #venison #hunttoeat #hunttolive #hokkaido #ilovehokkaido #狩猟 #銃猟 #ハーフライフル #エゾシカ #忍び猟 #しかのきもち #ミートハンター #岩礁80 #ミツウマ #huntingwithjimny #ja11 #ilovejimny #browning #dupo28 #burnes #12gauge ラスト一週! 土日にあと2回出猟したら今季は終わり。 淋しー。 (Shiraoi-gun, Hokkaido, Japan) https://www.instagram.com/p/CqAQ6_jJOnN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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外来アリによって東アフリカのサバンナの木々が減少した結果、景観が大きく変化しました。これが原因で、ライオンたちの狩りの成功率が下がりました。ライオンたちはシマウマを狩る時、木々に隠れて忍び寄りチャンスを伺います。サバンナの木々が大きく減少したということは、ライオンたちが隠れづらくなるということです。実際に研究チームは、外来アリの侵入により、ライオンたちのシマウマ狩りの成功率が減少していることを確認しました。一見無関係に思える「外来アリ」と「ライオンの狩りの成功率が下がること」には、確かに関連性があったのです。外来アリ自体は15~20年前に持ち込まれましたが、研究チームは、「彼らは人間を含む大きな生き物に対して攻撃的ではなかったため、私たちの誰もその影響に気づきませんでした」と述べています。しかし今、景観に壊滅的な影響を与え、ライオンの狩猟を阻んでいることを確認できます。このことは、自然界が絶妙なバランスと相互関係で保たれていることを改めて示しています。たとえ「小さなアリ」だったとしても、それを別の環境に持ち込むことは、取り返しのつかないほど大きな影響を与える恐れがあるのです。ちなみに、こうした影響があっても、ライオンたちの数は今のところ減っていません。
外来種の小さなアリがライオンの狩りを妨害している!自然界の意外な繋がりとは? (3/3) - ナゾロジー
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こころの声が思いっきり口から出ていたようで
「 え? しあわせですけど? 」
アクリル絵の具、岩絵の具、シャーペン、パウダー
このお盆休みが来るのをずっと前からとっても楽しみにしていた
仕事なんかしていても「ったくよー早く終わんねえかなー」ってこころの声が思いっきり口から出ていたようで「声にでてますよ」って突っ込まれていた
お盆休みに入るのはものすごく待ち遠しかったけれど、もちろん我が家のことだから何か予定があったわけではない
で、
休みに突入して、ひさしぶりに家族でお出かけでもしようかと思っていたら、まさかの娘が「熱中症」になってしまいずっと寝込んでいる
おはようございますGoda world のゴーダです
熱中症って、” 我慢が美徳 ” って考えるお年寄りたちがクーラーを我慢してなってしまうものなんじゃないのか? もしくは、小さい子供がワレを忘れて遊んでるうちになってしまう、とか
ウチの娘、もう高3なんだけどな
※
クーラーは絶対につけないとダメです、もう昭和ではないのです
涼しいから大丈夫だといって自分の部屋で昼寝しているあいだに気温も湿度もあがって、熱中症になってしまいました
高熱がずっと続いているので、とりあえず病院に連れていって検査してもらい、解熱剤を処方してもらってきた
女房とふたりでずっと看病の毎日だ(ぼくはおもに、夜~朝までの担当)
というわけでこの連休、どこにも行けず、、(まあ予定はなかったけれど)
ご飯も、おかゆとか雑炊とか、やわらかいうどんとかのやさしいご飯しか食べれてない
まあ、それはそれでとっても美味しいからいいんだけれど
��まには攻撃力10��の激辛韓国料理とかタイ料理とかで我を完膚なきまで痛めつけて、もう堪忍してください、と降伏させてやりたかった
しかも、我が家のみんなのくつろぎの場所『リビング』は、娘を看病する寝場所として占領されてしまっているので、ゆっくりできる場所もない
で、
夜担当のぼくは、そのリビングで娘の看病しながら、その横に自分の布団を敷いてちっちゃくなって小さいスペースで寝ている、、寝不足だ
正直つらい
とりあえず、まずは手足をおもいっきり伸ばして大の字で堂々と寝たい
この休みを楽しみにしていただけにめちゃツライ
けれど、高熱が下がらないしもし何か急変したりしたら大変なので、看病の合い間合い間をぬって自分なりに何とか睡眠時間を確保している
でも、
横でみているとこんな頃を思い出すんだ
2021年の8月15日に撮影したアトリエ(2年前)
この大きな絵をまだ��いている
2年も経っているのにまだ描いとる
いくらなんでも今年中には仕上げたいとは考えているが、今のところ50%くらいは進んでいるのだろうか、わからない、仕上がる気配は、まだない
2年も描いているのにまだ仕上がってないって、これまたどうなん?
とはいっても、途中で描きすすめていたモノを全部塗りつぶして消したりしたからしょうがないっちゃあしょうがない
もちろん、今描きすすめている絵でこのまま仕上げていくつもりなので、あとはどれだけ自分の想いをこの絵に込められるかにかかっている
これも、暗中模索しながらあーでもないこーでもないって進めてはいるのだけれど、その時は「これ最高」とか思いながらドーパミンが出まくってテンションも高いのに
次の日にあらためて冷静になって見ると、ぜんぜんダメなんだ
こういうのは、よっぽど自分の中にある強靭な確固たる微動だにしない想いが無いと、あっち行ったりこっち行ったりしてる精神状態では、どっちつかずの絵になってしまう
まあ、それでもイイ絵になるときもあるんだけどさ
そんなこんなを、画面に、布に、叩きつけるだけ、作品に落とし込むだけです
そんなことやって何になるのか? なんて、知らないです
知らんよ。
韓国映画
そういえば久しぶりかな、韓国映画
いや、そんなことはないな、しょっちゅう観てる
っていうか、誰もこんなところ読んでないことを知っているからこんなん書くよ、 ちんちん
僕だって他人が観た映画の感想なんてまったく興味がないから
ただの備忘録だとわりきっている
ちなみに今まで観た韓国映画でこれ凄いなって思ったのは、「シークレットサンシャイン」かなあ 万人向けでは無いけれど
恋愛コメディなら「猟奇的な彼女」、ドラマなら「トッケビ」は��白かった
サスペンスアクションエンタメなら「魔女The Witch」
今回のこの映画「君の結婚式」は一応人気がある映画で上位に入ってくるモノ
タイトルからしてもうネタバレしてるようなものなので、ずっとマイリストに入れたまま観ていなかった
だからそのまま、ほぼネタバレのつもりで書く
ストーリーは、高校生から社会人までの過程を描く恋愛モノ
高校生までの物語りは、やはり初恋って感じでとても好き
サブキャラ、というか友人たちも一人一人個性があって面白い
この感じは、インド映画でよくあるパターン(下ネタも)
タイミング
タイミングって大事だよね、って思わされる映画
すべてにおいて、タイミングが悪い
大人になってからのふたりは、とくに女優さんの魅力が薄れていく気がする
見た目が幼い感じなので、ちょっと無理があったのかも
男性は魅力的に撮っているんだけれど、女性の魅力が感じられないんだよなあ(AKBの峰岸みなみって人にしか見えない)
やっぱり映画は、女優さんをもっと魅力あるように撮ってほしいと願う
もしかすると、それもエンディングに向けた計算のうちなのかも知れないけれど
タイトルのとおり、最後はいわゆる「君の結婚式」の場面になる
Hello darkness , my old friend~
と曲が流れるあの超有名映画のように、サイモン&ガーファンクルが流れて、結婚式に飛び込んで、花嫁をかっさらって、、
を、どうしても観る側は期待してしまう
が、ちら��らとネタバレの映画タイトルが脳裏をかすめる
しかし、アンタッチャブル山崎のように「からの~?」って、、
なるのか、ならないのか
まあ、
こっちのほうが現実的、で、リアル
初恋、って、初恋のままだから、いいんじゃないかな
いや、でも、これ映画だから。
ハローダークネスマイオーフレーン~ をやって欲しかったのよ、そこは
今回、この仕上げた作品の右上のガタガタしてるところは、これは手直し出来ないほど切り目が入り込んでしまっているので、しょうがないのでこのままに
はあ、
看病ばかりしてて、運動不足になるのも困るし、
せめて散歩とかしたいけれど、この暑さじゃ無理だよぅ
でも、娘のことをお願いします、って近所の氏神様にお参りしてきた
財布にどれだけ小銭が入っているのかわからないけれど、500円玉とかあったらそれを入れよう、出来るだけ入れよう
と、思ってパンパンとお参りするところで財布を開けたら
7円
(5円玉1枚と1円玉2枚)
き、金額じゃねーし、、って思いながら、『 は���? 1拍手2礼拝だっけ? いや、2礼拝1拍手だっけ? 』、、
ん? 知らん
とりあえず全財産の7円を賽銭箱に入れて、自分オリジナルのお参りの仕方で娘の安全だけはこれでもかというくらいお願いをして、ぴゅーーーっと逃げるように早足でおうちに帰った
帰りに、セブンイレブンによって、auPay(電子決済ならあるのよ)でマンゴープリンやらマンゴーわらび餅やらを女房と娘に買って帰った
二人は、お昼寝して熟睡中だった
【 神社もそのうち何とかPayとかになるのかな 】
神社の賽銭のQRコードは「送金」を促す行為にあたるためpaypayなど電子決済は規約違反となるらしい、そんな記事をどこかで読んだことがある
賽銭もauPayとかで払えるようになったら、なんかもう趣きもクソも伝統も何もないなあ、と古い考えのぼくはちょっと思ったけど
もう、そうなったら、わざわざ神社まで行かなくてもクーラーの効いたお家の中からpaypayとかでポチッとな、って『 あ、娘のことヨロ! 』って、神様にチャットとかで送れるんやろか
なんかもう、そうなったらすべてがわけわからんくて逆にPUNKでヒャッハー
Goda world
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旧東隊の小説(二次創作)
ホッケえいひれ揚げ出し豆腐
一月か二月の頃だった。
トリオン測定ですごい数値を叩き出した新人が二人も入るそうだというのが、その夜の話題だった。出水公平と天羽月彦のことだ。
新生ボーダーが動き出して一年半になる。『旧』ボーダーという言葉が定着するほどに、時は勢いを増して流れていく。その間に、一番仕事をしたのは開発室室長の鬼怒田本吉だった。
まず、彼は異世界に通じる門の発生ポイントを特定できるようにした。次に門の発生を抑えるトリオン障��を一時的ではあるが生成に成功、最後に門発生ポイントを誘導する装置が開発され、三門市の安心を約束する三点セットがわずか一年で出来上がる。元々の研究分野の応用とはいえ驚嘆に値する開発速度だった。
こうして、急務だった門発生のコントロールに成功した後は研究途中で放置されていた擬似トリオン訓練室の完成、隊員増加を見越してランク戦で使う対戦ブースと八面六臂の活躍である。
短期間でこれだけのことをやってのけた彼及び彼のチームは、城戸政宗司令がどこからか連れてきた逸材だった。三門市にやってきた時には一緒だった家族とは離婚している。仕事に打ち込みすぎたせいだと専らの噂だった。
開発室以外も働いた。門がコントロールできるまではいつどこで出現するかわからない。国の機関に代わって街を守るボーダー隊員たちは昼夜を問わずパトロールを行い、近界民と戦った。
三門市民は最初、胡乱な目で彼らを見ていたが、公的機関と連携した規律ある行動に徐々にボーダーの存在は受け入れられていく。根付メディア対策室室長による世論操作も功を奏していた。
出ていく人間は出ていき、かわりに大量の物資と人材が流れ込んでくる。
ボーダーにもまた人材が集まった。
まず、市民志願者第一号として柿崎国治と嵐山准が入隊する。華々しい記者会見の後、志願者はぐっと増えた。
東春秋が部隊を結成したのもその頃だ。
この時期の部隊は自由結成と言うよりは忍田や根付の意向が強く反映していた。東隊も忍田の指示によるものだった。
忍田自身も部隊を持っていたが、本部で戦闘員を統括する役職につくために解散することが決まっている。
ガラリと引き戸をあけて顔を出したのは東春秋だった。いらっしゃいませと店員が声をかけると案内はいらないと手を振って、店内を見渡す。じきに見知った顔の並ぶテーブルを見つけて近づいた。
二十二歳だと言うが、ずっと老けて見える。外見だけではない。彼に接する人間はつい彼が二十代前半の若造だということを忘れてしまう。
後ろには背が高い男女二人がやはり背の高い東を挟んで並び立つようにいた。どちらも目を引く美男美女だ。彼らは近隣の六穎館高等学校の制服を身につけていた。
さらに後ろに中学校の制服を着た少年がひっそりと控えている。前のふたりと違って背は低い。寒いのか、マフラーをぐるぐると首に巻いていた。
三人は物珍しげに店内を見回している。
「なんだ、三人とも居酒屋は初めてか」
テーブルにいた眼鏡の男が声をかけた。既に頬は赤い。手には盃を持っている。日本酒派だ。林藤匠という。ボーダーでは古参の一人だ。歳は三十一になる。そろそろ現役を引退したいとボヤいているが、いかんせん昨今の人手不足だ。
ボーダー本部建物ができたにも関わらず、旧本部ビルから動こうとしない、なかなかの頑固者だった。
「学生ですから」
と、生意気そうに答えるのは、背の高いほうの一人である二宮匡貴だった。
「あれ、根付さんから聞いてないか? ボーダーマークの貼ってある店はボーダーなら学生でも入れるようになったんだぜ」
トリオン器官の性質上、十代の隊員は増えていく。本部でも食堂は設置しているが、彼らは三門市の飲食店にも協力を求めていた。パスポート制で十代への酒類の提供はないなどの配慮がされている。
「知ってますが…」
さらになにか言おうとする二宮を東は遮った。
「今夜は明日の確認だけしに来たんです。本部で聞いたら、ここにいるっていうから」
「明日? ああ、国の視察ね。用事は、唐沢さん?」
「俺?」
テーブルの奥から唐沢克己外務営業部長が顔を出す。彼はビール派だ。既にジョッキをほとんど空けている。まだ三十そこそこだが、やり手の男だ。鬼怒田同様、城戸司令がスカウトしてきた。元ラガーマンだという以外素性を明かさない男だったが、人当たりがよい。
今夜の飲みメンバーは林藤、唐沢に加え、エンジニア冬島慎次、戦闘員の風間蒼也、木崎レイジの三人だった。風間と木崎は二十歳前なので、烏龍茶が並んでいる。
「まあ、たってないでこっちに座れよ、東くん」
「あー、ウチはウチでご飯を食べる予定なんです」
東はお供のように控える背後の三人を見やった。東隊のメンバーだ。
「ここで食べていけばいいよ」
「はあ」
少しだけ、東の心が揺れた。老成しているとはいえ二十二の青年だ。気楽な酒の席は魅力的だ。
「大丈夫です。俺たちは帰ります」
東の心を見透かしたように、二宮が後ろの中学生の背を押して店の入口に向かおうとする。
「東」
林藤は声をかけた。
「みんなで食べてけよ。唐沢さんの奢りだ」
「あなたじゃなくて、俺ですか?」
急に振られた唐沢が満更でもなさそうに笑った。確かにこの男前は今日の面��の中で一番地位が高く、懐も暖かい。
「あら、素敵。せっかくだから、ご馳走にならない? 二宮くん」
そこで初めて、女学生が口を開いた。こちらも生意気な口調だが、軽やかでトゲトゲしいものを感じさせない。
「加古」
「ねえ、三輪くん?」
「……」
急に話を振られた中学生は無表情のまま首を傾けた。
「わかりません」
「東さんがここでお酒を飲んでるとこを見てみたくない? 面白そう」
三輪は悩みながらうなずいた。
「ほら、三輪くんもそう言ってるし」
「言ってないだろう」
「言ってないです」
「わかった、わかった」
いつもの掛け合いが始まりそうになって、東は決断する。一応、上役たちの前だ。
「ごちそうになろう。唐沢さん、ありがとうございます」
東が頭を下げると、揉めていた三人がピタッと止まって、同時に頭を下げた。よく訓練されている。東を猟師になぞらえて獰猛な猟犬を三匹飼っていると言っていたのは誰だったか。
「遠慮せずたくさん食べなよ」
唐沢はいつもの人当たりのよい笑みを浮かべた。
「追い出された」
案内されると同時に、風間と木崎が東隊の猟犬三匹のテーブルにやってきた。テーブルが窮屈になったらしい。
今夜はボーダー戦闘員と唐沢の交流会であるらしかった。
風間の兄は林藤の弟子だった男だ。故人である。木崎は東から狙撃手としてのスキルを学んでいるので、東隊の面々とは面識がある。今は林藤に従い旧本部ビルに寝泊まりしている。狙撃以外の分野では林藤に師事していた。
一方は小柄で華奢、もう一方は筋肉隆々の巨漢だ。正反対の見かけだが、どちらも恐ろしく強かった。さらに木崎はトリオン量は二宮と同程度を持っていて近界のトリガーを使いこなす。
加古の隣に木崎が座り、二宮と三輪の隣に風間が座った。スペースの有効活用の結果である。三輪は隣が風間なので緊張する。風間蒼也は様々な思惑の絡む本部で誰からも重用され、確実に任務をこなすエリートだった。
「もう、頼んだか」
「まだです」
彼らはまだ食べるつもりらしい。
「居酒屋は初めてか」
木崎が気を使って、品書きをテーブルの真ん中におく。
店員がまとめて置いていった突き出し(お通し)を配る。
「飲み物から決めよう」
と、店員を呼んでさっさと飲み物を決めてしまう。さくさくと仕切る姿が頼もしい。三人はジュースにしたが、風間と木崎はまた烏龍茶だった。
「おすすめは、揚げ出し豆腐だな。家で作るの面倒だし」
「そういう基準か」
「寺島たちに頼まれて作ったが、たくさん食べるものじゃないし、持て余した」
寺島たちと寺島雷蔵と諏訪洸太郎のことだろう。四人は同い年で気が合うようだった。諏訪は二宮と加古の同期でもある。
「おごりなら諏訪と雷蔵��も呼ぶか」
「来ないだろ」
確かにもう遅い。
「今日の当番は?」
お酒をあおる大人席では、林藤が煙草の煙を吐き出しながら聞いた。
「忍田さんとこと迅です」
迅悠一は木崎隊であったが、先日、晴れて『風刃』所持者となり、隊を離れS級隊員となっている。
「あとは嵐山隊ですね」
なんとなく大人たちは子どもたちのいるテーブルに視線を向けた。三輪がジュースを飲んでいる。迅、太刀川、嵐山と三輪の苦手な三人だ。
「明日は俺らの勤務か」
正直、オーバーワークだ。ここにいるメンバーは皆、ワーカホリック気味ではあるが、大規模侵攻からずっと働き続けている。
「入隊志願者が増えてますからもうちょっと頑張ってもらって…。部隊が増えてくれば、部隊の輪番制に移行するって城戸さんが言ってます」
「もうすぐですよ」
冬島がエイヒレに手を伸ばしながら言う。
「そう願いたい」
品書きと書かれたメニューには写真がない。並ぶ単語は知らないものが多い。
三輪が大人たちのテーブルをチラリと見れば東は刺身の盛られた皿をビール片手につついていた。嬉しそうだ。確かに、隊長ではない東は不思議な感じがした。
「秀次は刺身か」
二宮がつらつらと品書きを見ながら勧める。二宮も初めてだからよくわかっていない。
「盛り合わせがあるぞ」
「ちょっとずつ色んなのが食べたいわ」
加古がウキウキしている。
「レイジさんおすすめの揚げ出し豆腐は頼むでしょ。風間さんのおすすめは?」
「コロッケと卵焼きだな」
間髪入れずに答える。迷いがない。
「じゃあ、それー」
「また家で作れるようなものを…」
木崎がぶつくさ言うが、三輪は蕎麦を茹でるくらいしかできない。
「二宮は?」
風間が水を向けるが、彼は熟考に入っている。
「先に頼んじゃいましょ。店員さぁん」
「加古、お前なあ」
「大丈夫だ、二宮。何度でも頼めるから」
「風間さんがそう言うなら」
注文を手早く木崎がまとめる。
「三輪は決めたのか」
「じゃあ、刺身盛り合わせ(小)で」
「あと、ホッケ」
「加古、語感で決めただろう」
「干物だな。北の魚だ」
明日、視察団が来るというのに、大人組はまだまだ飲んでいる。タバコの匂いがする。
焼肉屋ともファミリーレストランともバーガー屋とも違う雰囲気にふわふわする。
「秀次」
三輪は、二宮に揺り起こされた。ひと通り食べたあと、いつの間にか眠っていたらしい。
「中学生には遅い時間だな」
木崎が気の毒そうに言う。
「大丈夫です。すみません」
彼らも高校生なのだ。
「ほら」
おにぎりが渡された。大きい。海苔がパリッとしている。
「結局、二宮くんが選んだのがこれよ」
おにぎりを優雅に食べるという器用なことをしながら、加古が教えてくれる。
「悪いか」
「いい選択よ」
「うまいな」
風間はまだ食べている。木崎はカチャカチャと皿を重ねて、テーブルを綺麗にしている。 三輪は散々食べたあとだが、おにぎりを持って、「いただきます」と言った。おにぎりは何も入っていなくて塩がきいている。
「おいしいです」
「そうか」
「東さん、あれ酔っ払ってるわ」
三人が揃って東のほうを向くと、その様子がおかしかったのか、木崎と風間が笑った。
「明日はお前らが頑張れ」
その日はみんなボーダー本部に泊まった。
終わり
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【お知らせ】
7月16日からAdopt販売、Vの素体作成ならびに新規キャラクター作成の基本価格を改定中です。まだ足りない箇所などもございますので、ご依頼の際はご予算をご提示の上メッセージを頂けましたら幸いです。配信アプリ用の正面素体1体でしたら、新規キャラクター作成と同じ価格とお考え下さい。パーツ分けが必要な場合は別途ご相談下さいませ。
【本題】赤ずきんシリーズ完了しました!
新しいPCの試運転を兼ねているので大分遅くなってしまいました。
狼→死神の鎌
猟師→仕込みマシンガン
赤ずきん→暗器
3体揃って大満足です!
赤ずきん♂はメガネ外れます。ひと手間かければフードも外せる構成にしたのでフードなしもご要望があればお声がけ下さい。
猟師ちゃん♀️も後ろ髪外せます、ほしいパーツや武器単体も出力できますのでお声がけ下さいませ。
色味の変更や別の組み合わせなど手っ取り早くPSDで操作するよ!という方はそちらをお求め下さいませ。
良いようにお使い頂けましたら幸いです!
狼と赤ずきんの関係はともかく、猟師はめちゃくちゃ狼やったるレディになりました。見つけるまでテンション低そう。見つけたら頬染めてマシンガン構えそう。赤ずきんはたぶんやられそうだなーと思ったらフラっとやりに行く。先手必勝。狼はどう動くのかな~??すでにご購入者様がいらっしゃるので想像だけはいろいろしています。三者三様なかんじで。
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忍び猟で捕獲されたイノシシの引き出し手伝いに行きました。 親は引きずって持ち帰りが出来そうになかったので、忍び猟師がよくやるようにロースとモモを切り取り回収しました。 子供は引き摺って貰いました。 状況がよくわからないままに慌てて行ったから準備不足でしたね。 何とか暗くなる前に山から降りれて良かったです。 (村上市山北地区) https://www.instagram.com/p/CpNKuTqPGjn/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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止まる時は止まる
���在の戦争は、空爆やミサイル攻撃より先にサイバー空間で攻撃が遂行される。ある国がある国に侵攻したかどうか、目に見える形の動きがあったかどうかで判断する時代はもう古い。そういう戦略ドクトリンが確立しつつあるのだ。
勿論目に見える形の武力が必要無くなったかというかと、そんな事は無くて陸軍が進駐し旗色を決める段取りは欠かせない。人類史が始まる以前から結局の所、勢力圏の趨勢は武力に依存する事を忘れてはならず、武力が揺らぐ時その文明の命脈に終わりが忍び寄るのだ。
ところで、話は逸れるがオレはインターネットも全幅の信頼を預けるべきものではないと思っている。インターネットがある時点でどこにも繋がらなくなる例は昨今の騒乱やクーデターで何度か垣間見れた。もしそうなったら自分はどう行動すべきかも決めておいた方が良いだろう。
オレの場合一通り野営装備を整えてあるので、それに加えて幾つかの工具、鎌砥、ナイフと脇差し、飛び道具を持って野営だろうか。水の目処は立っている。後は雨露をしのげる場所を確保するなり作る、火も問題無い。メシは植物を基本にしつつ、好機を見つけて動物を狩って喰うしかないだろうな、食糧確保を安定させるのが一番大変そうだ。1年潜伏する難易度はそれなりに高い。縄文人が出来ていた狩猟採集で食べるノウハウが西暦2022年のオレに伝わっていない。
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2022年6月19日(日)
昨日契約農家から届いた定期便、中に鹿肉が入っていた。日本の中山間地農業(平地が少ない地域)では、鹿との戦いは深刻だ。決定的な対策はなく、猟友会による駆除の取組もハンターの高齢化もあって追いつかない。とは言え、生き物の命を奪う以上、感謝しつつ食として最後��で付き合わなくてはならない。きれいな赤身をカ��トして、2/3は鹿カツに、1/3はヨーグルトに漬けてカレーにしよう。ここから先は減量との戦い、食べ過ぎないようにしなければ。
5時起床。
日誌書く。
おぼろそば+そば湯+ヨーグルト。
ツレアイは太鼓の練習で奈良へ、JR京都駅まで送る。
ツレアイが使用しているAppleWatchはわたしのお下がりのSeries6、Series7に買い換えるために下取りを申し込んだ。
2男にはSeries3を与えていたが、今は使っていないということで下取りに出すことに下。ところが、いったん私の使用しているSeries7とiPhoneとのペアリングを解除し、Series3とのペアリング操作をしなければシリアル番号が確認できない。操作を始めるが、こんどはWatchOSのアップデートが必要で、これがなかなか進まない。結局2時間程度かけてようやく下取り申込終了、評価は2,000円とのことだった。
中元手配、大丸&浜峰商店。
息子たちのランチはレタス炒飯、私は残り物を片付ける。
ツレアイを京都駅まで向かえに行く。何しろ大きな太鼓を背負っているので、観光客の増えた市バスでは迷惑この上ない。暑さのせいで自転車も大変なので、今日は送り迎えをしたのだ。
MQJ(メモリアル・キルト・ジャパン)のニュースレターの編集作業、昨秋から随分と間隔が空いているのだが、専従スタッフがいるわけではないので、我が家の仕事の流れが大きく影響してくる。夕方までかけて、A4*12舞いに収めた。明日はツレアイが休みなので、<市民活動総合センター>の印刷室を予約して仕上げる予定だ。
松尾大社の<夏越の大祓え>、やっと組内の申込を揃えて会長宅へ届ける。
夕飯は鹿カツ、ついでに残っていた豚肉を���ンカツに、定期便に入っていたサンドマメも天ぷらにした。
録画番組視聴。
(9)「まるごと徳島!昆虫食最前線?!コオロギ養殖」
初回放送日: 2022年6月19日
徳島県のサラメシを集めたスペシャル版!かつて取材した職人さんや都会からの移住者たちの地域色あふれる昼ごはんから、今、話題の昆虫食の最前線!コオロギ養殖を行うベンチャー企業のランチタイムまで「まるごと徳島県」でお届け!▼環境意識の高まりから人気急上昇中の昆虫食。コオロギの飼育から食用加工までを手掛けるベンチャー企業で仕事とランチを拝見!▼かずら橋架け替え現場や藍染め職人工房、サテライトオフィスの昼。
(39)「黄金のバックル」
何度見ても新しい!ミステリードラマの金字塔。全体的に古風な雰囲気がただよう作品。ルース役のジョイス・バン・パタンはピーター・フォーク主演の映画で共演歴がある。
美術館の館長を務めるルースは、理事である弟のエドワードが財政難の美術館を売ろうとしていることを知る。美術館一筋で生きてきた彼女は弟の殺害を決意。まず、借金を抱えている警備員の男を「多額の保険金がかけられた展示品を盗んでくれれば逃亡費用と旅券を渡す」とそそのかす。その夜、美術館に忍び込んできた男を射殺し、そこに現れたエドワードを、今度は男の銃で撃ち殺す。
入浴、早めの就寝、落語を聞くことなく夢の中へ。
デスクワークに時間が取られ、3つのリング完成とはならず。水分は、1,600ml。
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📛 072 「空手バカ一代」 #14。
テレビの中で 「空手バカ一代」 が はじまりました。今回は 「血の脱獄 (第14話)」 というお話です。戦後初めての "第一回空手選手権大会" で 優勝し、体重500kg超えの闘牛ライデンゴーを浜辺で倒し、鬼殺しの一本背負いのタケバヤシを非常階段で倒したアスカケンは 北海道に渡り、血迷った刀男を倒した翌日に ヒグマとのたたかいに挑みます。命をかけてヒグマと戦ったアスカケンは 途中で警察らの邪魔が入り、飛びかかって来たヒグマの攻撃を伏せて躱するのですけれど、そこへ 前回の放送よりも多めに銃撃を浴びせた猟友会ふうな方々や警察の発砲によりヒグマは絶命、決闘は中断させられてしまいます。ヒグマとの戦いに失敗した、いいえ、失敗させられたアスカケン。片目だったから距離感が掴めなかったらしいヒグマを思うアスカケン。"空手対ヒグマの一騎うち!" という横断幕が寂しさを誘います。ころされたヒグマ。左手を三角巾で吊らせながらフェリーに乗るアスカケン。北海道を後にします。場面は変わり、うえの駅のホームに到着する汽車から降りたアスカケン。「先生、おかえりなさい」 と弟子のアリアケが先生を迎えます。包帯で覆われ吊られた左手の怪我の具合を尋ねるアリアケ。「なぁに、ほんのかすり傷だ、心配はいらんよ」 と、左手はさておき、血を噴き出させていた胸の傷がちょっと心配なアスカケンは 東京に帰るや否や "八百長か!" や "ヒグマとの対決失敗" といった新聞記事を目にします。「先生は悔しくないんですか!」 とアリアケ。上野の西郷さんをバックに 「我慢するんだっ」 と先生。「軽率な行動は断じて許さんぞ!」 と先生。下宿先で 「すき焼きでも食って憂さ晴らし」 とアリアケは 買い出しに向かいます。途中、売店で 「スポーツ新聞だ!スポーツ新聞全部くれ!」 とアリアケ。買い物を済ませたのかどうなのか "大衆食堂 味じまん" に入り 「サイダー一個!」 とサイダーを注文するアリアケ。「だめだ!だめだ!だめだ!」 と、買ったばかりの出鱈目な新聞記事に震えるアリアケ。そんな食堂にチンピラ4人がふらっと現れ、奥のテーブルに座ります。ビールをまとめて10本注文するチンピラたち。彼らは タイミングよくアスカケンの悪口をいってゲラゲラと笑っています。「売名行為だ軽蔑すべき」 とチンピラ。聞かなきゃいいのに聞こえてしまって苛立ちが募るアリアケは、耐えることを忘れたアナキン・スカイウォーカーのやうに堪忍袋の緒が ぶちぶちと切れます。 「先生っ許してください!」 とサイダーは飲み終えたのでせうか 「あんたがたはどこの流派の者だ!」 と立ち上がるアリアケ。「何をっ!」 と寄ってたかって向かって来るチンピラ。紫シャツの男から順に一人ずつ懲らしめるアリアケ。「しまった!またやってしまった!」 と我に帰るアリアケ。木の板を割る実写映像 (2種) と 火のついた木の板を割る (2種) を挟みながら場面を小島テーラーに移します。どれだけの時間が過ぎたのか、すき焼きを用意したお鍋の前で じっと アリアケを待つコジマさんとアスカケン���コジマさんの心配を他所に「あれだけ言っておいたから よもや間違いはない」 と思うアスカケン。そんな矢先に リリリリリーン!っと黒電話が鳴ります。そんなころ、警察に留置されているアリアケ。「ついに来たか!わたしが一番恐れていたことが!」 とアスカケン。すぐさま タクシーで向かうアスカケンとコジマさん。警察に向かいながら 「あれほど言ったのに、何をしでかしたというのだ、アリアケ!」 とさけぶアスカケン。そのころ 「先生!ぼくはとても我慢が出来ませんでした」 と正座をしながらアリアケ。「先生、教えてください!こうまでして耐えねばならない理由は何なんですか!先生!」 とアリアケは ギッと指を噛んで血を だらりと流します。そこへ 身柄を引き取りに来たアスカケンが警察に到着するのですけれど 「何っ!指名手配中っ?!」 とアスカケン。「ああ!これはっ」 とアリアケが収監されていた牢屋の壁の文字を見て驚くアスカケン。"ぼくを 破門して下さい アリアケ" と、自ら流した血で壁に文字を書き残し、警官を蹴りで倒して脱獄したアリアケ。「純粋すぎるほど純粋なアリアケ」 と純粋なアスカケン。純粋な気持ちに耐えられずに破滅の道を歩んでしまったとアスカケン。その腕の怪我は?と警察官に聞かれ 「北海道でクマと戦いまして」 と答えたところ、弟子も弟子なら師匠も師匠だ なんて言われてしまうアスカケンは、そんな警官らを一人残らず血祭りに上げたりはせずに 「今から心当たりを当たってみる」 とアリアケを探しに向かいます。「アリアケー!アリアケー!アリアケーーーっ!」 と 近所迷惑も気にせずに アリアケの名を叫ぶアスカケン。雨が降ってきましたけれど、びしょ濡れになりながら アリアケを探すアスカケンは 「まだこれからちょっと行かねばならないところがありますから 」 と コジマさんと別れます。そんな中、雷鳴轟く中で 夜道に裸足で空手着というヤバミなアリアケがとある空手道場の前で突っ立っています。と そこへ 「館長に面会を求めに来た」 とアスカケン。先生が急に目の前に現れちゃって、驚き桃の木 木の影にササっと隠れるアリアケ。アスカケンが館長に会いたいと言っています、との弟子の声に 「とにかく会おう」 と道場の館長カトー。喋ったことはないけれど 因縁の相手カトーに 弟子がお宅のお弟子さんに怪我を負わせたみたいであいすみませんと お詫びに参上したアスカケン。カトーとその弟子から、ああだこうだと文句を言われ続けるアスカケン。「先生はどうしてあんなにへり下るんだ!」 と どうして外に丸聞こえなのかは置いておいて、中の先生の声を聞いて ぐぐぐっと悔しがるアリアケ。話は続き、弟子をどうするのかねとの問いに 「本人から破門願いが出ているのだけれど考慮中」 とアスカケン。「では失礼します」 と道場を後にするアスカケン。「あれがカラテカかあれが」 と がっかりさせられたアスカケンは 「オレがこういうバカだからアリアケもバカになるんだっ」 と、弟子にバカをインフルエンスしてしまったことを悔やみます。そんな中 「アリアケショウゴ!」 と名乗りを上げて道場に殴り込みをかけるアリアケの姿が!「もう俺は アスカケン���いう人物とは縁がないんだ!」 と道場内のすべてのカラテカをぶちのめすまでは外には出ない気持ちでいっぱいです。「はははは バカめ!」 と めっちゃでっかい外国人カラテカがアリアケに勝負を挑みます。が、一撃でノッポな外国人を倒すアリアケ。「次っ!」 とカラテカらをビビらせるアリアケ。"ボクシング空手" なる輩がアリアケに挑みます。もう空手なのかボクシングなのか よく分からない相手が繰り出す拳を スッと躱すアリアケは 相手の腹に強烈な一撃を喰らわして またまた あっさり倒します。「これがアスカ空手だ!わかったか!アハハハハハハ」 と向かう所敵なしなアリアケ。そんなバカ弟子を 「アリアケの大バカ者ーーーっ!どこにいるんだぁぁぁあああ!」 と大泣きし、ドドーっと涙を流す アスカケン先生の姿が、道端のそこにありました。
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ホーム猟場は太平洋側で、日当たりがとても良い。そりゃ鹿も冬を越しやすいんだろうけど、こっちとしては雪解けが異常に早くて困るのよね。 深雪の間はズボズボ埋まりながらトロトロ逃げてたあいつら、土が露出した地面だとまるで水を得た魚のように飛んで逃げる。目で追うのがやっと…。 それでもなんとか25頭目をいただきました。 当歳オス。たまたまヘッドショットになって、肉質は最高かと思われます。 #huntinglife #ilovehunting #deerhunting #meathunting #meateater #deerstalking #givier #venison #hunttoeat #hunttolive #hokkaido #ilovehokkaido #狩猟 #銃猟 #ハーフライフル #エゾシカ #忍び猟 #しかのきもち #ミートハンター #岩礁80 #ミツウマ #huntingwithjimny #ja11 #ilovejimny #browning #dupo28 #burnes #12gauge 昨年実績まではあと3頭。 届くかな? (Shiraoi-gun, Hokkaido, Japan) https://www.instagram.com/p/CppPUASpNN3/?igshid=NGJjMDIxMWI=
#huntinglife#ilovehunting#deerhunting#meathunting#meateater#deerstalking#givier#venison#hunttoeat#hunttolive#hokkaido#ilovehokkaido#狩猟#銃猟#ハーフライフル#エゾシカ#忍び猟#しかのきもち#ミートハンター#岩礁80#ミツウマ#huntingwithjimny#ja11#ilovejimny#browning#dupo28#burnes#12gauge
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Gesuidoの紹介と影響を受けたRoguelike
この記事は Roguelike Advent Calendar 2020 23日目の記事です。
私が開発しているGesuidoというローグライクを紹介します。iPhone専用で、オリジナルのRogueとあまり変わらないゲーム性で、初期Macintoshのような白黒のタイルグラフィックのゲームです。
まだ開発は途中でApp Storeで販売するまでには至っていませんが、開発中のバージョンを無料配信していますので試してみてください。またご意見、ご感想、バグ報告などいただけましたら大変ありがたいです。
開発者Twitterアカウント: @oinariman
Gitコミットメッセージが流れるTwitterアカウント: @gesuido
最近インコレJAPANというTwitch配信番組の中でこのゲームを紹介しましたが、そこでうまく話せなかったゲームの内容について、私が影響を受けたローグライクゲームの紹介を交えてもう少し掘り下げて記します。
Gesuidoとは
あなたは東京都在住のプログラマーです。あるとき東京の地下の廃下水道に謎の宝石が出現しているという噂を耳にし、どうにかそこへたどり着きます。実はあなたはそこそこ大きな借金を抱えており、噂の宝石を集めて売りさばいて返済に当てようと考えたのです。果たしてその宝石は下水道内に実在しましたが、それと同時に、先行して宝石採集している集団、凶暴な野生動物、謎の怪物などの脅威も多く存在しており、あなたの目論見を阻みます。・・・というのがこのゲームの設定です。現代日本を舞台としていますが、魔法のポーションが出てきたり忍者が出てきたりと、整合性抜きに入れたい要素を入れています。
Rogueのようにターン制で、地形はプレイ毎にランダム生成。全部で3階層になる予定(現在は1階層目だけプレイ可能)ですが、一つの階層には16のエリアがあり、各エリア間は便器を通じて移動できます。
アイテムについてもほとんどRogueと同様で、武器、防具、空腹を満たす食べ物、使うまで効果がわからない水薬(ポーション)などがありますが、それに加えて「カード」があります。これは「使用」したり額に貼り付けることで魔法的な効果が得られるもので、下水道のどこかで拾うかカードの自動販売機で購入することができます。
使用するカードの例: 幽霊
貼り付けるカードの例: ミニマリスト
開発の経緯
2008年にiPhone用のアプリをサードパーティが販売できるApp Storeのしくみができて、自分でも何かアプリを作ってみたくなりました。ふと、昔ローグライクゲームのようなものをふざけて作っていたのを思い出しました。それは「下水道」というタイトルで、昔のMacintoshに同梱されていたHyperCardで作っていました。
ゼルダの伝説のような画面の端まで行ったら切り替わる方式で、画面単位のマップの自動生成にはなっていたような。当時NetHackにとてもハマっていて、そういうのを作りたい、という気持ちだけが走っていた感じ。ローグライクの初期衝動。これを、iPhoneアプリとしてしっかりと作り直してみようと思い立ちました。
NetHack
Gesuidoを説明する際に「不思議のダンジョンシリーズ」をよく例に出してきましたが、実はそれらはあまりやったことがなく、おそらく人生で最も多くプレイしたのはNetHackです。さらに正確に言えば、沼田一成氏が日本語化したJNetHackです。
沼田氏のJNetHack.org
現在も続くJNetHack Project
ASCII文字表示だけのゲームなのに、とても深みがあるのに驚きました。YASD(yet another stupid death = さらに別の馬鹿な死に方)という言葉があります。新しく見つけた変な死に方を面白がる、といった感覚です。そんな言葉ができるくらいに、たくさんの事象が起きえるように仕組まれていて、何度もやりこむうちに出会う思いがけない事故に興奮しました。
使い道のないように思えるアイテムにも、必ずなにかしら役目があります。たとえば、脂っぽい缶詰を食べたら手が滑って装備中の武器を落としてしまいますが、「タオル」はその手を拭くのに使えます。そんなことをスポイラー(攻略ページ)を読まないで気づけた気がしませんが、スポイラーを読むのも楽しかったです。このタオルの記事によれば、”アイテムの由来は「銀河ヒッチハイク・ガイド」(ダグラス・アダムス)”とのことですが、こんな具合に個々のアイテムやモンスターや事象にいちいち由来や元ネタがあります。NetHackをきっかけに『銀河ヒッチハイク・ガイド』や『ディスクワールド騒動記』(テリー・プラチェット)を読んだりもしました。
自分の好きなものの断片を盛り込んだローグライクを作るのは楽しそうだ、と思いました。お話や絵がかけなくても作れる箱庭世界。もっとも、NetHackは一個人の手によるものではなく、その名のとおりネットを介して大勢によって「伽藍とバザール」方式で作られたものですが。
変愚蛮怒
Rogueから派生した二大ローグライクのNetHackではないほう、Angbandの変種の一つの変愚蛮怒にもハマりました。日本の漫画などの要素が沢山追加され���います。NetHackと交互に遊んでいました。こちらはキャラクターやアイテムの性質・属性が豊富で、ダンジョンでの戦闘に重きを置かれた感じです。Diabloのアイテムのバリエーションのしくみは*band(Angband系をこう呼ぶ)から引いたんだと思います。Gesuidoの射撃の仕組みも、NetHackではなくこちらから引きました。
The Dungeon of Doom (The Dungeon Revealed)
NetHack以前に遊んでいたローグライクがあったことにあとで気づきました。
The Dungeon Revealed - Wikipedia
youtube
本の付録のMac用のフリーウェア/シェアウェア集のフロッピーに入っていました。遊んでいた当時はこれがRogueというゲームのフォロワーだということは知らず。Macintosh 128K(初代Macintosh)というただ重いだけのアイテムがあって、敵に投げつけてダメージを与えられることはできたのが記憶に残っていました。
Catacomb Kids
2008年から一人でちまちま作っていたGesuidoを、2014年にインディーゲームのイベントBitSummitに出展してみました。そこからインディーゲームというものを知り、ローグライクという言葉がランダムレベル生成のあるアクションゲームなどにも使われているのを知りました。Downwell作者のもっぴんさんからローグライク的アクションゲームのSpelunkyとNuclear Throneを教わってハマりましたし、参考にもしています。
youtube
Catacomb KidsはSpelunkyを下敷きにしたNetHackという感じです。罠の仕掛けやモンスターとの戦闘はいつも緊張感があって、16ビット的なピクセルアートの雰囲気もいいし、名前と性質がランダム生成されるプレイヤーキャラクターもかわいいし、最高。なお、Steamページに「この製品はmacOS 10.15 Catalinaと互換性がありません。」との表示がありますが、私の環境では動きました。
突発的危機状況
東京ゲームショウのインディーコーナーでGesuidoを展示したこともあります。自宅から会場の幕張メッセまでは遠かったので、幕張近辺で間借りできる部屋をAirbnbで見つけて、会期中はそこから通いました。
会期中のある夜、部屋に戻るのが深夜0時近くになってしまいました。家主は寝ていて、呼びかけても気づかず、部屋に入れませんでした。あきらめて最寄り駅に戻っても宿泊したり朝までやり過ごせそうな施設がありません。そこで、野宿することにしました。駅から少し歩くと川があり、その河原で寝ました。9月でまだあたたかく、多少蚊には刺されましたが、風邪引くこともなくやり過ごせました。
しかし早朝に目覚めた直後に問題が。生理的欲求が、突如急激に高まりました。かろうじて充電が残っていたiPhoneのGoogleマップアプリで周囲を探査すると、近くに一件コンビニを見つけました。トイレを貸してくれるのか、営業中なのかどうかもわかりませんでしたが、とにかくそこを目指しました。行っては止まりを繰り返して思うように歩けませんでしたがなんとか進みつづけ、たどり着いた先は、幸いにも蛍光灯の灯った生きたコンビニでした。店頭に店員の姿は見えませんでしたが、勝手にトイレを借りました。助かった!
野宿した場所
私がローグライクに求めているのはこういうことだな、と思いました。こういった「突発的危機状況を限られたリソースでなんとか切り抜けること」がローグライクの面白さの肝じゃないかと。人類が狩猟採集民だったころの暮らしぶりに照らし合わせれば、危機的な状況でなんとかする(例: 食糧がない状況で食べ物を見つける)ことで大きな快感が得られるように脳ができているというのは、理にかなっているように思います。
あるとき、ほかの大きな川の河川敷を散歩していたら、橋脚の下にたくさんの野犬が眠っているのを見つけました。なんとなく近寄っていったら一斉に犬たちが目を覚まし、追いかけてきたので必死に走って逃げた、ということもありました。この体験はGesuidoの中に、狼が眠る部屋として盛り込みました。
それほど危険な状況でなくとも、たとえば『孤独のグルメ』のようなシチュエーションもローグライクだと思うようになりました。仕事でたまたま訪れた街で、自分のその時の気分に合った食事ができる店とメニューを知恵と勘で見つけ出せれば成功、失敗すれば自宅に戻ってカップ麺をすすることも。拡大解釈しすぎでしょうか。
(おわり。とりとめのない話におつきあいくださり、ありがとうございました。)
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※サークル内企画「自分の過去作品をリメイクしよう!」で書いた作品です。
高2の時の作品「しとしと降る雨のリズム」のリメイクです。オリジナル版は下にあります。
中途半端なモブキャラF①
今日もくだらないお遊びに付き合わされている。私はモブキャラとしてこのお遊びに参加している。決して直接手を下していなくても、自分も参加者なのだろうとは思っている。私はこのお遊びの構成物の一部なんだ。だって、止めることもなく「それ」が日常の一部として存在しているのを受け入れているんだから。
外でしとしとと雨が降っていて教室の中がじっとりとしている。陰湿で陰鬱な空気が。低気圧で頭が重い。
エミの机が廊下で横たわっている。続けて椅子や鞄も運び出されてきている。くすくすという笑い声。チサトは腰巾着みたいな女子どもに指示を出して動かしていた。この時だってそうだった。笑いながらエミの物を廊下に放り出しているのは子分たちで、チサトはそれを眺めて微笑んでいる。余裕ぶった笑顔だ。元々すらっとした美人なので、こんな状況でなかったら素直に見とれていたかもしれない。加虐嗜好なんだろうか。残酷趣味なんだろうか。家のパソコンで調べた昔の猟奇殺人事件たちを思い出す。人の皮で服を作るとか、そういタイプのおかしな人なのかも。そもそも、そうでもなければ、こんなことはしないか。
見て見ぬ振りをするクラスメイト。チサトたちと目を合わせないように、友達と会話したり、読書に集中しているふりをする。モブキャラたちは皆気付いている。エミが何をされているか理解している。でも気付かないふりをしている。私もそのうちの一人だ。じろじろ見れば文句を言われる。ひょっとしたら、自分がエミの立場になるかもしれないとでも思っているんだろう。クラスメイトたちからすれば、チサトがいじめる理由も、エミがいじめられる理由も皆目見当がつかないのだから。理由が分からないほど怖い物はない。いつ巻き込まれるか分からない。関係ありませんよ、と顔に書いて過ごしている。関係ないんだから見過ごすのは仕方ない。
「あっ、ゴミちゃんじゃん! トイレ長かったね! うんこ?」
戻ってきたエミの姿を見つけたチサトの子分Aが言った。今日は次が移動教室だから少し早めに戻ってきたらしい。げらげらとチサトの取り巻きたちが笑う。エミは休み時間、別棟のトイレに避難している。チサトたちにバレないように場所を変えながらそこで本を読んで過ごしているのだ。
「別に……」
エミは身を強ばらせて俯いたままもごもごと言った��その様子に何がおかしいのかチサトの子分たちはどっと笑う。笑いの沸点が低すぎじゃん。幸せそうで何より。良かったね。
窓に丸い水滴がぼつぼつ、ぼつぼつと広がっていく。外は暗い。重い曇天が灰色を押し広げる。
廊下に散らばった教科書にエミが手をかける。蛍光灯が明るい。私はそれを横目で眺める。目の前に開いている本の文字はただの背景と化している。きっと皆そうだ。チサトたちとエミの様子に最大限集中をしているはずなのに、微塵もそんなことがないふりをしている。関係ない。仕方ない。
「ゴミちゃん三組に入らないでね。ほら、ゴミちゃんの席ここにあるから。用もないのに他のクラス勝手に入っちゃダメだよ」
ゴミちゃんというのはチサトたちがエミにつけたあだ名だ。「ゴミとエミって似ててかわいいよね。かわいいもの同士が合わさったらもっとかわいくなっちゃうね」と、チサトがわざとらしく言い出したのがきっかけだったと思う。エミはその発言を受けた子分Dに「もっとかわいくなっちゃったね」とゴミ箱の中身を頭からぶちまけられていた。
エミは無言で教科書やノートを机の中に戻していく。ぼつぼつ、ぼつぼつ、と窓に雨粒が打ち付けられる。空から雨粒が投身自殺。べちゃ。潰れて死ぬ。屍が窓に貼りついている。
中身を戻しきると、少し迷った様子で鞄に手をかけ、エミがおろおろと周囲の様子を伺う。その様子をチサトの子分たちが真似をして、笑い転げている。こんなことで楽しめるなんて本当に幸せそうだ。人生楽しそうで何よりです。羨ましくはない。
鞄を抱えたエミは教室へ入ろうとする。妨害されることを見越して一番軽そうな荷物を選んだのだろう。
「ゴミちゃん。教室間違ってるよ」
チサトが言った。無表情。笑っている取り巻きたちとは異なり浅賀はもう笑うのをやめていた。
エミはぶんぶんと首を横に振った。切りそろえられた髪の毛が制服の肩をこすっている。
「違うよ」
さも当然だという様子でチサトが言う。エミはもう反応するのをやめて教室の中へと一歩を踏み出した。
「違うって言ってるよね」
その言葉と同時にエミは転んだ。チサトがエミの脚を蹴ったのだ。ごん、と鈍い音がした。痛そうだ。抱きしめた鞄が少しクッションになっていれば良いなと思った。
グズグズと雨が降る。教室の蛍光灯が明るい。リノリウムの床を不健康に光らせている。べちゃべちゃと窓が叩かれる。
チサトはいつもエミに直接的な暴力を奮う。物を隠したり、落書きをしたりするのはいつも子分たちだった。チサトの暴力は容赦がない。子分たちがたまにエミを小突いたり蹴ったりするのと違って躊躇いがない。そのうち殺すんじゃないかと怖くなる。そんなことはないだろうけど。多分。
「違うって言ってるよね」
同じ台詞をそっくりそのまま機械のように繰り返しながらチサトがエミの前髪を引っ張って頭を起こした。子分たちも黙った。教室がしんと静まり返る。誰もがチサトとエミに注目しているのは明らかだった。しかしモブキャラたちは誰も止めやしない。あの圧倒的な暴力が怖いからだ。悪に立ち向かうような崇高な思想を持ち合わせたガキは少なくともここにはいない。
教室の窓の外で風景に斜線を入れるように雨が降る。風景が切り刻まれて霞んでいく。まるで外の世界なんてないみたいだ。
エミの顔にも何の表情も浮かんでいなかった。チサトとエミの表情はそっくりだった。恐怖も悲しみも苛立ちもない顔だった。人形のように床をじっと見つめている。何も感じないように心を閉じて防御しているのだろうか。
「間違えたあんたのせいだから。ほら」
前髪を何度もぐいぐいと引っ張られてエミは立ち上がった。調教中の動物みたいだ。そしてそのままリードで引っ張るかのように前髪を引っ張ってエミを廊下の椅子の所へ連れて行って着席させた。教室内に緊張感が走る。誰も逆らうことができない。逆らっても敵わないことが分かっている。誰も勝算のない相手に飛び込んでいけるほどバカにはなれにない。それくらいの分別は付いている。ここで刃向かって何になる。ヒーローになれない。モブキャラしかいない。モブキャラはザコなのでチサトに圧倒的な暴力を奮われて終わるだけ。デメリットしかない。それならただエミだけが傷付いていれば良い。というか、エミは傷付いたとか辛いとか悲しいとかなんて一言も言ってないので、ひょっとしたら傷付いていない可能性もある。価値観を押しつけるのは傲慢だ。世はダイバーシティの時代だって社会の教科書にも書いていたじゃないか。
エミは無表情で傷と落書きだらけの机を見つめながらじっと座っている。ぐずぐずと雨の音が響く。雨粒が音を吸収するせいか、嫌にしんとしている。チサトの頬が少し緩んだ。
そこでようやくチサトの子分たちが再びどっと笑った。教室のざわめきもじわじわと戻っていく。日常が戻る。良かった良かった。チサトたちは廊下の座席で座るエミを笑いながら教室を後にした。子分の何人かはケータイで撮影をしてきゃっきゃとはしゃいでいた。仲間内でメーリスにでも回すんだろう。チサトたちのざわめきが遠のいてから、教室にいたクラスメイトたちもそろそろと出て行く。皆エミを見ないように、俯いたり、あさっての方向を向いたりしている。うっかり見てしまったモブはまるで見ちゃいけないものでも見たかのように慌てて目をそらす。いや、見ちゃいけないものだ。このクラスにおいて、エミはそういう存在だ。
私も遅れて教科書と筆記用具を持って教室を出る。エミは糸が切れた人形みたいに着席してじっとしている。通りすがり様に横目で見ると、エミは微かに震えていた。時折声が漏れる。泣いている。泣いている顔を見ないよう、慌てて私も目をそら��た。これで良い。仕方ないのだ。これが一番すばらしい選択肢じゃないことは分かっているけど、ハイリスクなことなんかせずに一番マシな、安全な選択肢を選ぶことに意味がある。私たちは日々選択している。チサトとエミを見過ごすことを選択している。別に関係ない。関係する必要がない。
じっとりとした空気が重い。湿った空気が絡みつく。雨のせいだ。
※
エミは優しい子だ。だからこんなことになってしまった。私は優しくない。ただそれだけの違い。
「やめてください。嫌がってるじゃないですか」
見ず知らずの男の子にエミは刃向かった。まただ、と思った。
幼稚園の頃からエミはそうだ。弱い者いじめをしている子を見れば注意しにいく。町中で困ってそうな人がいれば声をかけるし、ポイ捨てしている大人を見ても注意する。今までいじめられなかったのも、事件に巻き込まれなかったのも奇跡だ。平和すぎた。人助けをしてお礼状が小学校に来たことも一度じゃない。
エミのこの性分が生まれつきなのか、家庭環境のせいなのかは分からない。きっとどちらのせいでもあるのだろう。もう覚えていないけれど、母曰く、タコ公園で私が転んだところに、エミが心配して駆け寄ってきたのが出会いだったらしい。その時エミはまだ三歳だった。三つ子の魂百までと言うがまさにそれ。まぁまだ十四だけど。家庭環境だってエミを形作るには十分すぎるように思う。エミのおじさんは有名な書家で、おばさんは専業主婦だ。遊びに行くと手作りのおいしいお菓子を出してくれる。お人好しの塊のような人だった。正義感の強さはおじさんに似てるような気もする。いかにも両親に愛されて、清く正しく育ってますって感じ。
「何やってるんですか。警察呼びますよ」
エミがさらに大きな声を出し、携帯電話を開いた。
目の前の少年たちは顔を見合わせて去っていった。思いの外ザコだったのでラッキーだった。見たところ、華奢な奴らではあったけど、少なくとも私達よりはデカかった。たぶん力も強い。自分より図体のデカい奴らによくやるな、と思った。関わらない方が良い。関係ない。危ないじゃん。私は彼らに顔を見られないようにさっと木陰に隠れた。エミの視界からも、チサトの視界からも隠れた。こそこそと「私は知りません。関係ありません」という顔をして過ごすのは得意だ。
「いつものことだから。私が悪いの」
制服の襟元がはだけたチサトが力なく言った。頬に涙の跡が残っている。口の端が切れたようで血が滲んでいる。
「チサトは悪くないよ」
エミがチサトのシャツのボタンをしめている。地面に転がっているブレザーをパタパタと振って砂を落とす。
「警察行こう」
「やめて」
血をハンカチで拭うエミの手を振り払って、チサトは絶望した顔をしていた。顔色も悪い。学校ではあんなに強気なのに。クラスの人気者なのに。明るくて元気な模範的な子なのに。見てはいけないものを見てしまった気がして、私はますます縮こまった。ここにはいない方が良い。これはヤバい。私は関係ない。関わらない方が良い。
「なんで」
「友達とお兄ちゃんだから。平気なの。これは遊びなの。何ともないから。いつものことだから」
必死の様子で言い訳がましくチサトが懇願する。本当にヤバい。これはエミが遭遇したことのない悪だ。まだ戦えない。まだ子供の私たちには無理だ。どうせ何もできない。さっさと白旗を揚げて逃げ出した方が良い。エミに伝えたかったがチサトから離れる気がないようで、私は懸命に見ないように、そのくせ会話だけは好奇心剥き出しで耳を傾けていた。モブキャラなので、背景の一部らしく息を潜めた。
「だったら尚更やめさせないと」
「大丈夫って言ってるでしょ」
声から一呼吸空けて、遠のいていく足音が聞こえた。おそるおそる出てきてみると、しりもちをついたエミが一人取り残されていた。どうせチサトに突き飛ばされでもしたんだろう。
「あんなの絶対大丈夫じゃないよ」
拒絶されたのにまだエミはチサトの心配をしていた。私はエミの手を引いて立ち上がらせた。スカートのブリーツに入った砂をぱんぱんと払ってやる。
せっかくのエミとの楽しい時間にとんだ邪魔が入ってしまった。黄色ブドウ球菌の事件で潰れた雪印の工場にわくわくしながら二人で忍び込んだのに。割れた窓から差し込む光が綺麗だった。本当だったら人がたくさんいたはずの場所がガランとしているのはどこか心が躍った。面白い。工場の人たちにとってはそれどころじゃないだろうけど、私達は工場の人たちから見れば多分モブだし関係ないので純粋に楽しめた。ぽっかりと広がる空間で手を広げて走ってみたりした。足音がやたらと響くから無駄に走り回った。コンビニで写ルンですでも買えば良かったなんて二人で後悔したくらいだ。不良かお化けかホームレスには会うかもしれないとは話してたけど、まさかこんな現場に遭遇するなんて。
でも、都合の悪いことは見なければ存在していないのと同じなので大丈夫だ。
私は何も見ていなかった。息を殺して、嵐が過ぎ去るのを待っていた。でもエミはそんな私を一切馬鹿にしない。卑怯な私をエミは責めない。心のどこかでは軽蔑してるんじゃないかと何度思っていても、人懐っこい笑顔で「ユイちゃん」と追いかけてくる彼女を見るとそんな疑いは吹き飛んでしまう。だから、それさえあれば私は満足だった。クソみたいな自分のことも忘れて、へらへらのうのうと生きることができた。
しかし、この次の日からエミの地獄は始まってしまったのだ。
※
エミがゴミ箱を漁っている。
「ホームレスのモノマネ上手すぎ」
チサトがエミの後ろに立ってにっこりと微笑んだ。子分たちはくすくすと笑っている。エミの髪の毛に絡みついた埃は子分たちの仕業だ。ひそひそと何人かが話しているかと思ったら、追加で別のゴミ箱を持ってきて中身をエミにかけた。少しよろけただけで、無言でゴミ箱を漁り続けている。
「やば。めっちゃ熱心じゃん」
追加のゴミ箱をぶちまけた子分Bが言って、群れがまたどっと笑った。嘲笑とゴミを浴びながらも、エミはそっとゴミ箱の中から何かを見つけ、取り出した。
「ご飯でも見つけたのかな。良かったねー。すごいねー 。私にも見せて」
わざとらしい猫撫で声でチサトがエミの手元を覗き込んだ。エミが慌てて手を引っ込めようとしたのを押さえつけ、手の中のものを取り上げた。
「返して」
エミが小さく呟いた。ひねり上げられた手が痛そうだ。私はまた本を読んでいる。私は教室の端で本を読むモブキャラFらへんの立ち位置だ。ダレンシャンの五巻をずっと読んでいる。全然読み終わらない。話どこまで進んだっけ。
「きたねークマ」
チサトが取り上げた物を見て、子分たちが囃したてた。チサトの手の中には見覚えのあるクマのマスコットがあった。エミの誕生石を模したネックレスを付けた小さなテディベア。ちゃんと手足と首も動く。ダイエーの中に入ってる雑貨屋さんでお揃いで買ったあのクマだ。
「クマさん、ゴミちゃんのこと嫌いだからゴミ箱の中に隠れてたのにね。可哀想」
そんなわけあるかよ。アホか。何も知らないくせに。死ね。何も知らないくせにバカにすんなよ。絶対そんなのありえるわけないだろ。
でも、私は読書に集中しているモブキャラFなので、じっと本を見ている。本の角の向こうの教室の光景を見ている。私は読書しているだけだ。そういう役割だ。関係ないし。背景だし。
「お願い。返して」
もう一度エミが頼んだ。懇願するような口調。こんな奴にへりくだる必要なんてないのに。エミの方がずっとずっとすごいのに。エミが可哀想だ。いや、クマごときで何をいったい同情してるんだ。落ち着け。どうせ関係ないんだから。何思ったって仕方ない。ムカつくだけ無駄だ。モブの怒りに意味なんてない。
「ゴミちゃんのところに帰るくらいなら死んだ方がマシだってさ」
チサトはマスコットをぽとり、と床に落とし、すかさず踏みつけた。ぐしゃり、とクマの関節があらぬ方向に曲がる。元々可動式のマスコットだから大丈夫だ。ちゃんと戻る。布だし。平気平気。そんなので壊れたりしない。何の権利があってそんなことするのか知らないけどさ。悲しいことじゃない。だからエミ、そんな悲しい顔をしないで。大丈夫だから。
モブキャラの気持ちは所詮背景なので、伝わらないし伝える必要もない。関係ない奴の関係ない戯言に何の意味があるんだろう。
私はお揃いで付けていたマスコットを私は外して制鞄の内ポケットに隠している。だって関係ないし。モブはモブらしくすべきだ。被害は少ない方が良い。エミが殴られ、虐げられ、ボロボロになっていようが私は関係ない。はいはいそうです。どうせクズですよ。せこいモブですよ。自分が嫌な奴なことくらい自分が一番よく知っている。一番近くでずっと見てるんだから当たり前じゃん。しかもいつもいつも正義感溢れるエミの隣にいたんだから。比較対照が優秀すぎる。私の嫌な奴っぷりがまぶしいほどに輝いてしまう。
チサトの上履きから踏まれたクマの腕がはみ出している。エミはそっとその腕を摘まむ。
「死にたがってるんだから死なせたげなよ。生きてたって良いことないし。可哀想」
自分に言ってるんだろうな。チサトは。あの子本当は死にたいんだろうなぁ。死ねば良いのに、と何となく思った。あの日の絶望したチサトを思い出す。あそこで死んでれば良かった��に。
足を離されて、するりとクマがエミの手に戻ったのも束の間、クマは再び踏みつけられた。エミの細い指が赤い上靴に踏みつけられる。
また教室の空気が凍り付く。モブキャラたちは動揺を隠しきれない。ザコはザコらしくただビビっている。マジでチサトはあの時死んでおくべきだったと思う。犯されて死ね。
エミの口から音が漏れた。
痛い時の悲鳴は、キャーとか、ひーとかではなく、音だ。声じゃない。悲鳴を上げるのは大抵モブの役目だ。モブはモブらしくぴーぴー泣いてビビってるのが丁度良い。モブAからCらへんが明らかに怖がっている。半泣きだ。
「急に手、出したら危ないでしょ」
言いながら、チサトは足に力をますますこめていく。エミの顔が苦痛に歪み、濁った呻きがずるずると漏れてくる。エミはチサトの足を除けようと空いた手を伸ばした。
「ゴミのくせに汚い手で触んなよ。死ね」
チサトも踏みつけていない方の足でエミの顔を蹴った。高身長のチサトの全体重がエミの指にかかる。彼女はスレンダーだが、さすがに指で女子中学生を支えられる人はそうそういないだろう。教室が微かにざわめく。エミの顔が赤くなっている。「やばいでしょ」と囁きが聞こえる。エミが乾いた濁音を出した。なんか最近のチサトは必死だな。無様だ。前はもっとスマートだった。いや、そもそもいじめにスマートとかあんのか。何だろう。これ。現実じゃないかも。私はまだ雪印の廃工場でくるくる回ってるエミを見ている。チサトなんかいなかった。私は何も見てない。エミだって見ていない。会ってない。だから関係ない。何してるんだろう私。いや、本を読んでいるのだ。ダレンシャンの五巻を読んでいる。だから関係ない。エミに何かあったんだろうか。何もない。何も知らない。何も分からない。だから関係ない。
エミの目に涙が浮かぶ。
「また泣いてるんですけどー。きっしょ」
子分が空元気な声をあげた。それを封切りにまた他の子分たちも騒ぎ出す。いつものパターン。ワンパターン。他にバリエーション無いんですか。ガキじゃん。つまんないよそれ。
「泣くとか卑怯じゃん。泣いて許してもらおうと思ってんのきしょすぎ」
「いちいち泣きすぎ。ガイジじゃん」
「泣き顔きんもー。ゴリラかよ」
わざとひょうきんにエミの泣き顔の物真似ををして笑い出した。エミの泣き顔をケータイで撮る子たちもいる。何でもないような、今までもずっとそうだったふりをして、生きている。私だけじゃない。私だけが嫌な奴なんじゃない。モブって大体そういう立ち回りなんだ。狡いのは皆同じだ。明らかな異変に気付いているのに、ただ大人しく受け入れている。関係のないふりをして、どうしようもないふりをして、ただ嵐が過ぎるのを待っている。
エミは私が自分のクマを隠していることに、とっくに気付いているだろう。まるで恥ずかしいものみたいに。あたかも汚いものみたいに。
※
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なんとまぁ、年が明けてしまいました。
という事で、「誕生日」「クリスマス」「年越し」「餅つき」「そり遊び」「忍び猟」などなどやってきました。
本日は家族写真を撮った後、長女のリクエストで2人でサイパルへ。
去年は何回行ったっけな?
とても良い好奇心だと思うのであります。
サボり気味になってしまってはいますが、これからもよろしくお願い致します。
2020.1.17
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あなたにだけは忘れてほしくなかった
アメリカ合衆国、ニューヨーク州、マンハッタン、ニューヨーク市警本部庁舎。 上級職員用のオフィスで資料を眺めていた安藤文彦警視正は顔をしかめた。彼は中年の日系アメリカ人である。頑なに日本名を固持しているのは血族主義の強かった祖父の影響だ。厳格な祖父は孫に米国風の名乗りを許さなかったためである。祖父の信念によって子供時代の文彦はいくばくかの苦労を強いられた。 通常、彼は『ジャック』と呼ばれているが、その由来を知る者は少ない。自らも話したがらなかった。 文彦は暴力を伴う場合の少ない知的犯罪、いわゆるホワイトカラー犯罪を除く、重大犯罪を扱う部署を横断的に統括している。最近、彼を悩ませているのは、ある種の雑音であった。 現在は文彦が犯罪現場へ出る機会はないに等しい。彼の主たる業務は外部機関を含む各部署の調整および、統計分析を基として行う未解決事件への再検証の試みであった。文彦の懸念は発見場所も年代も異なる数件の行方不明者の奇妙な類似である。類似といっても文彦の勘働きに過ぎず、共通項目を特定できているわけではなかった。ただ彼は何か得体の知れない事柄が進行している気配のようなものを感じ取っていたのである。 そして、彼にはもうひとつ、プライベートな懸念事項があった。十六才になる姪の安藤ヒナタだ。
その日は朝から快晴、空気は乾いていた。夏も最中の日差しは肌を刺すようだが、日陰に入ると寒いほどである。自宅のダイニングルームでアイスティーを口にしながら安藤ヒナタは決心した。今日という日にすべてをやり遂げ、この世界から逃げ出す。素晴らしい考えだと思い、ヒナタは微笑んだ。 高校という場所は格差社会の縮図であり、マッチョイズムの巣窟でもある。ヒナタは入学早々、この猿山から滑り落ちた。見えない壁が張り巡らされる。彼女はクラスメイトの集う教室の中で完全に孤立した。 原因は何だっただろうか。ヒナタのスクールバッグやスニーカーは他の生徒よりも目立っていたかもしれない。アジア系の容姿は、彼らの目に異質と映ったのかも知れなかった。 夏休みの前日、ヒナタは階段の中途から突き飛ばされる。肩と背中を押され、気が付いた時には一階の踊り場に強か膝を打ちつけていた。 「大丈夫?」 声だけかけて去っていく背中を呆然と見送る。ヒナタは教室に戻り、そのまま帰宅した。 擦過傷と打撲の痕跡が残る膝と掌は、まだ痛む。だが、傷口は赤黒く乾燥して皮膚は修復を開始していた。もともと大した傷ではない。昨夜、伯父夫婦と夕食をともにした際もヒナタは伯母の得意料理であるポークチョップを食べ、三人で和やかに過ごした。 高校でのいざこざを話して何になるだろう。ヒナタは飲み終えたグラスを食洗器に放り込み、自室へ引っ込んだ。
ヒナタの母親はシングルマザーである。出産の苦難に耐え切れず、息を引き取った。子供に恵まれなかった伯父と伯母はヒナタを養子に迎え、経済的な負担をものともせず、彼女を大学に行かせるつもりでいる。それを思うと申し訳ない限りだが、これから続くであろう高校の三年間はヒナタにとって永遠に等しかった。 クローゼットから衣服を抜き出して並べる。死装束だ。慎重に選ぶ必要がある。等身大の鏡の前で次々と試着した。ワンピースの裾に払われ、細々としたものがサイドボードから床に散らばる。悪態を吐きながら拾い集めていたヒナタの手が止まった。横倒しになった木製の箱を掌で包む。母親の僅かな遺品の中からヒナタが選んだオルゴールだった。 最初から壊れていたから、金属の筒の突起が奏でていた曲は見当もつかない。ヒナタはオルゴールの底を外した。数枚の便箋と写真が納まっている。写真には白のワイシャツにスラックス姿の青年と紺色のワンピースを着た母親が映っていた。便箋の筆跡は美しい。『ブライアン・オブライエン』の署名と日付、母親の妊娠の原因が自分にあるのではないかという懸念と母親と子供に対する執着の意思が明確に示されていた。手紙にある日付と母親がヒナタを妊娠していた時期は一致している。 なぜ母は父を斥けたのだろうか。それとも、この男は父ではないのか。ヒナタは苛立ち、写真の青年を睨んだ。 中学へ進み、スマートフォンを与えられたヒナタは男の氏名を検索する。同姓同名の並ぶ中、フェイスブックに該当する人物を見つけた。彼は現在、大学の教職に就いており、専門分野は精神病理学とある。多数の論文、著作を世に送り出していた。 ヒナタは図書館の書棚から彼の書籍を片っ端から抜き出す。だが、学術書を読むには基礎教養が必要だ。思想、哲学、近代史、統計を理解するための数学を公共の知の宮殿が彼女に提供する。 ヒナタは支度を終え、バスルームの洗面台にある戸棚を開いた。医薬品のプラスチックケースが乱立している。その中から伯母の抗うつ剤の蓋を掴み、容器を傾けて錠剤を掌に滑り出させた。口へ放り込み、ペットボトルの水を飲み込む。栄養補助剤を抗うつ剤の容器に補充してから戸棚へ戻した。 今日一日、いや数時間でもいい。ヒナタは最高の自分でいたかった。
ロングアイランドの住宅地にブライアン・オブライエンの邸宅は存在していた。富裕層の住居が集中している地域の常であるが、ヒナタは脇を殊更ゆっくりと走行している警察車両をやり過ごす。監視カメラの装備された鉄柵の門の前に佇んだ。 呼び鈴を押そうかと迷っていたヒナタの耳に唸り声が響く。見れば、門を挟んで体長一メータ弱のドーベルマンと対峙していた。今にも飛び掛かってきそうな勢いである。ヒナタは思わず背後へ退いた。 「ケンダル!」 奥から出てきた男の声を聞いた途端、犬は唸るのを止める。スーツを着た男の顔はブライアン・オブライエン、その人だった。 「サインしてください!」 鞄から取り出した彼の著作を抱え、ヒナタは精一杯の声を張り上げる。 「いいけど。これ、父さんの本だよね?」 男は門を開錠し、ヒナタを邸内に招き入れた。
男はキーラン・オブライエン、ブライアンの息子だと名乗った。彼の容姿は写真の青年と似通っている。従って現在、五十がらみのブライアンであるはずがなかった。ヒナタは自らの不明を恥じる。 「すみません」 スペイン人の使用人が運んできた陶磁器のコーヒーカップを持ち上げながらヒナタはキーランに詫びた。 「これを飲んだら帰るから」 広大な居間に知らない男と二人きりで座している事実に気が滅入る。その上、父親のブライアンは留守だと言うのであるから、もうこの家に用はなかった。 「どうして?」 「だって、出かけるところだよね?」 ヒナタはキーランのスーツを訝し気に見やる。 「別にかまわない。どうせ時間通りに来たことなんかないんだ」 キーランは初対面のヒナタを無遠慮に眺めていた。苛立ち始めたヒナタもキーランを見据える。 ヒナタはおよそコンプレックスとは無縁のキーランの容姿と態度から彼のパーソナリティを分析した。まず、彼は他者に対してまったく物怖じしない。これほど自分に自信があれば、他者に無関心であるのが普通だ。にも拘らず、ヒナタに関心を寄せているのは、何故か。 ヒナタは醜い女ではないが、これと取り上げるような魅力を持っているわけでもなかった。では、彼は何を見ているのか。若くて容姿に恵まれた人間が夢中になるもの、それは自分自身だ。おそらくキーランは他者の称賛の念を反射として受け取り、自己を満足させているに違いない。 「私を見ても無駄。本質なんかないから」 瞬きしてキーランは首を傾げた。 「俺に実存主義の講義を?」 「思想はニーチェから入ってるけど、そうじゃなくて事実を言ってる。あなたみたいに自己愛の強いタイプにとって他者は鏡でしかない。覗き込んでも自分が見えるだけ。光の反射があるだけ」 キーランは吹き出す。 「自己愛? そうか。父さんのファンなのを忘れてたよ。俺を精神分析してるのか」 笑いの納まらないキーランの足元へドーベルマンが寄ってくる。 「ケンダル。彼女を覚えるんだ。もう吠えたり、唸ったりすることは許さない」 キーランの指示に従い、ケンダルはヒナタのほうへ近づいてきた。断耳されたドーベルマンの風貌は鋭い。ヒナタは大型犬を間近にして体が強張ってしまった。 「大丈夫。掌の匂いを嗅がせて。きみが苛立つとケンダルも緊張する」 深呼吸してヒナタはケンダルに手を差し出す。ケンダルは礼儀正しくヒナタの掌を嗅いでいた。落ち着いてみれば、大きいだけで犬は犬である。 ヒナタはケンダルの耳の後ろから背中をゆっくりと撫でた。やはりケンダルはおとなしくしている。門前で威嚇していた犬とは思えないほど従順だ。 「これは?」 いつの間にか傍に立っていたキーランがヒナタの手を取る。擦過傷と打撲で変色した掌を見ていた。 「別に」 「こっちは? 誰にやられた?」 キーランは、手を引っ込めたヒナタのワンピースの裾を摘まんで持ち上げる。まるでテーブルクロスでもめくる仕草だ。ヒナタの膝を彩っている緑色の痣と赤黒く凝固した血液の層が露わになる。ヒナタは青褪めた。他人の家の居間に男と二人きりでいるという恐怖に舌が凍りつく。 「もしきみが『仕返ししろ』と命じてくれたら俺は、どんな人間でも這いつくばらせる。生まれてきたことを後悔させる」 キーランの顔に浮かんでいたのは怒りだった。琥珀色の瞳の縁が金色に輝いている。落日の太陽のようだ。息を吸い込む余裕を得たヒナタは掠れた声で言葉を返す。 「『悪事を行われた者は悪事で復讐する』わけ?」 「オーデン? 詩を読むの?」 依然として表情は硬かったが、キーランの顔から怒りは消えていた。 「うん。伯父さんが誕生日にくれた」 キーランはヒナタのすぐ隣に腰を下ろす。しかし、ヒナタは咎めなかった。 「復讐っていけないことだよ。伯父さんは普通の人がそんなことをしなくていいように法律や警察があるんだって言ってた」 W・H・オーデンの『一九三九年九月一日』はナチスドイツによるポーランド侵攻を告発した詩である。他国の争乱と無関心を決め込む周囲の人々に対する憤りをうたったものであり、彼の詩は言葉によるゲルニカだ。 「だが、オーデンは、こうも言ってる。『我々は愛し合うか死ぬかだ』」 呼び出し音が響き、キーランは懐からスマートフォンを取り出す。 「違う。まだ家だけど」 電話の相手に生返事していた。 「それより、余分に席を取れない? 紹介したい人がいるから」 ヒナタはキーランを窺う。 「うん、お願い」 通話を切ったキーランはヒナタに笑いかけた。 「出よう。父さんが待ってる」 戸惑っているヒナタの肩を抱いて立たせる。振り払おうとした時には既にキーランの手は離れていた。
キーラン・オブライエンには様々な特質がある。体格に恵まれた容姿、優れた知性、外科医としての将来を嘱望されていること等々、枚挙に暇がなかった。だが、それらは些末に過ぎない。キーランを形作っている最も重要な性質は彼の殺人衝動だ。 この傾向は幼い頃からキーランの行動に顕著に表れている。小動物の殺害と解剖に始まり、次第に大型動物の狩猟に手を染めるが、それでは彼の欲求は収まらなかった。 対象が人間でなければならなかったからだ。 キーランの傾向にいち早く気付いていたブライアン・オブライエンは彼を教唆した。具体的には犯行対象を『悪』に限定したのである。ブライアンは『善を為せ』とキーランに囁いた。彼の衝動を沈め、社会から悪を排除する。福祉の一環であると説いたのだ。これに従い、彼は日々、使命を果たしてる。人体の生体解剖によって嗜好を満たし、善を為していた。 「どこに行くの?」 ヒナタの質問には答えず、キーランはタクシーの運転手にホテルの名前を告げる。 「行けないよ!」 「どうして?」 ヒナタはお気に入りではあるが、量販店のワンピースを指差した。 「よく似合ってる。綺麗だよ」 高価なスーツにネクタイ、カフスまでつけた優男に言われたくない。話しても無駄だと悟り、ヒナタはキーランを睨むに留めた。考えてみれば、ブライアン・オブライエンへの面会こそ重要課題である。一流ホテルの従業員の悪癖であるところの客を値踏みする流儀について今は不問に付そうと決めた。 「本当にお父さんに似てるよね?」 「俺? でも、血は繋がってない。養子だよ」 キーランの答えにヒナタは目を丸くする。 「嘘だ。そっくりじゃない」 「DNAは違う」 「そんなのネットになかったけど」 ヒナタはスマートフォンを鞄から取り出した。 「公表はしてない」 「じゃあ、なんで話したの?」 「きみと仲良くなりたいから」 開いた口が塞がらない。 「冗談?」 「信じないのか。参ったな。それなら、向こうで父さんに確かめればいい」 キーランはシートに背中を預け、目を閉じた。 「少し眠る。着いたら教えて」 本当に寝息を立てている。ヒナタはスマートフォンに目を落とした。
ヒナタは肩に触れられて目を覚ました。 「着いたよ」 ヒナタの背中に手を当てキーランは彼女を車から連れ出した。フロントを抜け、エレベーターへ乗り込む。レストランに入っても警備が追いかけてこないところを見ると売春婦だとは思われていないようだ。ヒナタは脳内のホテル番付に星をつける。 「女性とは思わなかった。これは、うれしい驚きだ」 テラスを占有していたブライアン・オブライエンは立ち上がってヒナタを迎えた。写真では茶色だった髪は退色し、白髪混じりである。オールバックに整えているだけで染色はしていなかった。三つ揃いのスーツにネクタイ、機械式の腕時計には一財産が注ぎ込まれているだろう。デスクワークが主体にしては硬そうな指に結婚指輪が光っていたが、彼の持ち物とは思えないほど粗雑な造りだ。アッパークラスの体現のような男が配偶者となる相手に贈る品として相応しくない。 「はじめまして」 自分の声に安堵しながらヒナタは席に着いた。 「彼女は父さんのファンなんだ」 ヒナタは慌てて鞄から本を取り出す。 「サインしてください」 本を受け取ったブライアンは微笑んだ。 「喜んで。では、お名前を伺えるかな?」 「安藤ヒナタです」 老眼鏡を懐から抜いたブライアンはヒナタに顔を向ける。 「スペルは?」 答える間もブライアンはヒナタに目を据えたままだ。灰青色の瞳は、それが当然だとでも言うように遠慮がない。血の繋がりがどうであれ、ブライアンとキーランはそっくりだとヒナタは思った。 ようやく本に目を落とし、ブライアンは結婚指輪の嵌った左手で万年筆を滑らせる。 「これでいいかな?」 続いてブライアンは『ヒナタ』と口にした。ヒナタは父親の声が自分の名前を呼んだのだと思う。その事実に打ちのめされた。涙があふれ出し、どうすることもできない。声を上げて泣き出した。だが、それだけではヒナタの気は済まない。二人の前に日頃の鬱憤を洗いざらい吐き出していた。 「かわいそうに。こんなに若い女性が涙を流すほど人生は過酷なのか」 ブライアンは嘆く。驚いたウェイターが近付いてくるのをキーランが手を振って追い払った。ブライアンは席を立ち、ヒナタの背中をさする。イニシャルの縫い取られたリネンのハンカチを差し出した。 「トイレ」 宣言してヒナタはテラスを出ていく。 「おそらくだが、向精神薬の副作用だな」 父親の言葉にキーランは頷いた。 「彼女。大丈夫?」 「服用量による。まあ、あれだけ泣いてトイレだ。ほとんどが体外に排出されているだろう」 「でも、攻撃的で独善的なのは薬のせいじゃない」 ブライアンはテーブルに落ちていたヒナタの髪を払い除ける。 「もちろんだ。彼女の気質だよ。しかし、同じ学校の生徒が気の毒になる。家畜の群れに肉食獣が紛れ込んでみろ。彼らが騒ぐのは当然だ」 呆れた仕草でブライアンは頭を振った。 「ルアンとファンバーを呼びなさい。牧羊犬が必要だ。家畜を黙らせる。だが、友情は必要ない。ヒナタの孤立は、このままでいい。彼女と親しくなりたい」 「わかった。俺は?」 「おまえの出番は、まだだ。キーラン」 キーランは暮れ始めている空に目をやる。 「ここ。誰の紹介?」 「アルバート・ソッチ。デザートが絶品だと言ってた。最近、パテシエが変わったらしい」 「警察委員の? 食事は?」 ブライアンも時計のクリスタルガラスを覗いた。 「何も言ってなかったな」 戻ってきたヒナタの姿を見つけたキーランはウェイターに向かい指示を出す。 「じゃあ、試す必要はないね。デザートだけでいい」 ブライアンは頷いた。
「ハンカチは洗って返すから」 ヒナタとキーランは庁舎の並ぶ官庁街を歩いていた。 「捨てれば? 父さんは気にしない」 面喰ったヒナタはキーランを窺う。ヒナタは自分の失態について思うところがないわけではなかった。ブライアンとキーランに愛想をつかされても文句は言えない。二人の前で吐瀉したも同じだからだ。言い訳はできない。だが、ヒナタは、まだ目的を果たしていないのだ。 ブライアン・オブライエンの実子だと確認できない状態では自死できない。 「それより、これ」 キーランはヒナタの手を取り、掌に鍵を載せた。 「何?」 「家の鍵。父さんも俺もきみのことを家族だと思ってる。いつでも遊びに来ていいよ」 瞬きしているヒナタにキーランは言葉を続ける。 「休暇の間は俺がいるから。もし俺も父さんもいなかったとしてもケンダルが 相手をしてくれる」 「本当? 散歩させてもいい? でも、ケンダルは素気なかったな。私のこと好きじゃないかも」 「俺がいたから遠慮してたんだ。二人きりの時は、もっと親密だ」 ヒナタは吹き出した。 「犬なのに二人?」 「ケンダルも家族だ。俺にとっては」 相変わらずキーランはヒナタを見ている。ヒナタは眉を吊り上げた。 「言ったよね? 何もないって」 「違う。俺はきみを見てる。ヒナタ」 街灯の光がキーランの瞳に映っている。 「だったら、私の味方をしてくれる? さっき家族って言ってたよね?」 「言った」 「でも、あなたはブライアンに逆らえるの? 兄さん」 キーランは驚いた顔になった。 「きみは、まるでガラガラヘビだ」 さきほどの鍵をヒナタはキーランの目の前で振る。 「私が持ってていいの? エデンの園に忍び込もうとしている蛇かもしれない」 「かまわない。だけど、あそこに知恵の実があるかな? もしあるとしたら、きみと食べたい」 「蛇とイブ。一人二役だね」 ヒナタは入り口がゲートになったアパートを指差した。 「ここが私の家。さよならのキスをすべきかな?」 「ヒナタのしたいことを」 二人は互いの体に手を回す。キスを交わした。
官庁街の市警本部庁舎では安藤文彦が部下から報告を受けていた。 「ブライアン・オブライエン?」 クリスティナ・ヨンぺルト・黒田は文彦が警部補として現場指揮を行っていた時分からの部下である。移民だったスペイン人の父親と日系アメリカ人の母親という出自を持っていた。 「警察委員のアルバート・ソッチの推薦だから本部長も乗り気みたい」 文彦はクリスティナの持ってきた資料に目をやる。 「警察委員の肝入りなら従う他ないな」 ブライアン・オブライエン教授の専門は精神病理学であるが、応用心理学、主に犯罪心理学に造詣が深く、いくつかの論文は文彦も読んだ覚えがあった。 「どうせ書類にサインさせるだけだし誰でもかまわない?」 「そういう認識は表に出すな。象牙の塔の住人だ。無暗に彼のプライドを刺激しないでくれ」 クリスティナは肩をすくめる。 「新任されたばかりで本部長は大張り切り。大丈夫。失礼なのは私だけ。他の部下はアッパークラスのハウスワイフよりも上品だから。どんな男でも、その気にさせる」 「クリスティナ」 軽口を咎めた文彦にクリスティナは吹き出した。 「その筆頭があなた、警視正ですよ、ジャック。マナースクールを出たてのお嬢さんみたい。財政の健全化をアピールするために部署の切り捨てを行うのが普通なのに新しくチームを立ち上げさせた。本部長をどうやって口説き落としたの?」 「きみは信じないだろうが、向こうから話があった。私も驚いている。本部長は現場の改革に熱意を持って取り組んでいるんだろう」 「熱意のお陰で予算が下りた。有効活用しないと」 文彦は顔を引き締めた。 「浮かれている場合じゃないぞ。これから、きみには負担をかけることになる。私は現場では、ほとんど動けない。走れないし、射撃も覚束ない」 右足の膝を文彦が叩く。あれ以来、まともに動かない足だ。 「射撃のスコアは基準をクリアしていたようだけど?」 「訓練場と現場は違う。即応できない」 あの時、夜の森の闇の中、懐中電灯の光だけが行く手を照らしていた。何かにぶつかり、懐中電灯を落とした瞬間、右手の動脈を切り裂かれる。痛みに耐え切れず、銃が手から滑り落ちた。正確で緻密なナイフの軌跡、相手はおそらく暗視ゴーグルを使用していたのだろう。流れる血を止めようと文彦は左手で手首を圧迫した。馬乗りになってきた相手のナイフが腹に差し込まれる感触と、その後に襲ってきた苦痛を表す言葉を文彦は知らない。相手はナイフを刺したまま刃の方向を変え、文彦の腹を横に薙いだ。 当時、『切り裂き魔』と呼ばれていた殺人者は、わざわざ文彦を国道まで引きずる。彼の頬を叩いて正気づかせた後、スマートフォンを顔の脇に据えた。画面にメッセージがタイピングされている。 「きみは悪党ではない。間違えた」 俯せに倒れている文彦の頭を右手で押さえつけ、男はスマートフォンを懐に納める。その時、一瞬だけ男の指に光が見えたが、結婚指輪だとわかったのは、ずいぶん経ってからである。道路に文彦を放置して男は姿を消した。 どうして、あの場所は、あんなに暗かったのだろうか。 文彦は事ある毎に思い返した。彼の足に不具合が生じたのは、ひとえに己の過信の結果に他ならない。ジャックと文彦を最初に名付けた妻の気持ちを彼は無にした。世界で最も有名な殺人者の名で夫を呼ぶことで凶悪犯を追跡する文彦に自戒するよう警告したのである。 姪のヒナタに贈った詩集は自分自身への諌言でもあると文彦は思った。法の正義を掲げ、司法を体現してきた彼が復讐に手を染めることは許されない。犯罪者は正式な手続きを以って裁きの場に引きずり出されるべきだ。 「ジャック。あなたは事件を俯瞰して分析していればいい。身長六フィートの制服警官を顎で使う仕事は私がやる。ただひとつだけ言わせて。本部長にはフェンタニルの使用を黙っていたほうがいいと思う。たぶん良い顔はしない」 フェンタニルは、文彦が痛み止めに使用している薬用モルヒネである。 「お帰りなさい、ジャック」 クリスティナが背筋を正して敬礼する。文彦は答礼を返した。
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