NEWSLETTER vol.49
ニュースレターの第49号をお届けします。
今回は2018年8月26日に Art Jewelry Forum に掲載された、ダニエル・クルーガー氏の記事をお届けします。
メールに埋め込むと画像が小さくなってしまうので、ぜひ元の記事もご覧になってくださいね。
ダニエル・クルーガー氏は、南アフリカ出身でドイツを拠点に活動するジュエリーアーティストです。この記事を読んで興味を持たれた方には、こちら↓の本をおすすめします(アマゾンでも買えます)。すごくいいから!
収録作品の数が多く、ひとつひとつに見どころがあって、いつまでも眺めていられます。
https://arnoldsche.com/en/product/daniel-kruger/
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https://artjewelryforum.org/like-bees-to-honey
08/26/2019
蜜に惹かれる蜂のごとく
ダニエル・クルーガー:愛好家、コレクター、仲間からの賛辞を受けるアーティスト
リズベット・デン・べステン
1992年、Schmuckで初めて開催されたモダン・クラシック・オブ・ザ・イヤーは、アーティストへの賛辞の表明であり、当初は毎年3名のアーティストが選ばれていたが、まもなくその数は1名へと変更された。選考は毎年、Handwerkskammer fur München und Oberbayern(ミュンヘンおよびオーバーバイエルン商工会議所)の内部チームによって行われる。エヴァ・サルノウスキー氏、アンジェラ・ボック博士、ウォルフガング・ロッシュ氏で構成されるこのチームは、選考に複数の基準を設けている。その最低限の条件は、ジュエリー分野における活動歴の長さと、同分野への際立った貢献である。
2019年3月、ミュンヘンの国際見本市(IHM)で行われたSchmuck展への来場者は、2019年度モダン・クラシックに選考されたダニエル・クルーガー(1951年生)の作品を目にしたはずである。1970年初頭から近年の作品から選ばれた彼の手による優れたジュエリーの数々が、公募展であるSchmuck展の会場に設置された4つのガラスケースに陳列された。
ダニエル・クルーガー、ネックレス、2005年、銀、スーザン・ビーチ所蔵、撮影:ジョン・ホワイト
AJFは、1974年に移住したドイツの洗練された都市環境と、アフリカの荒野のルーツとを等しく重視する、多様な作風を誇るこのアーティストへの特別の賛辞として、幾人かの知識人に彼の作品に対する見解を寄せてもらえないか頼んだところ、全員から熱のこもった返答を得られた。そうして生まれた本稿は、複数のメールや書面の引用で構成されている。
見本市およびSchmuck展の担当局長であるウォルフガング・ロッシュは「ダニエル・クルーガーは、20世紀および21世紀における、最も重要なジュエリーデザイナーの1人です。彼は40年超にわたってジュエリーに携わり、ジュエリーのあるべき姿について、独自の見解を見出しました。彼のジュエリーが発する個々のステートメントは、時を経て変遷してきたものの、彼にとって装飾品としてのジュエリーの制作が重要であることを示してきました」と語る。クルーガーが審査員を務める場面を多く目にしてきた彼は「確信に満ちた判断と、感性豊かなジュエリーの描写」についても、クルーガーに賛辞を送る。
ダニエル・クルーガーの作品を収めた2019年モダン・クラシックのショーケース(ミュンヘン国際見本市、Schmuck展)、写真:エヴァ・ユンカー
素材や物に対する気配りは、クルーガーが、2013年から2017年に教授職を務めたドイツのハレ・ギービッヒェンシュタイン城・芸術・デザイン大学でジュエリー科の学生を含む、自身の教え子に学ばせようとしたことだ。彼の元教え子であるフローリアン・ミルカーはこう振り返る。「ダニエルの作業場はまるで博物館のようでした。世界中から集めた多種多様な収集品を見られるのは楽しかったですよ。ダニエルは、教師そして助言者として、魅力を感じた対象をじっくりと考察し、その由来、素材性、作り方を理解して対象から物語を引き出すよう、アドバイスをしてくれました」。
ダニエル・クルーガー、ネックレス、1977年、シルクで包んだ小石、一部メッキをかけた銅、銀、プフォルツハイム装身具美術館コレクション、撮影:ペトラ・イェシュケ
クルーガーは、1971年に南アフリカでアートを学び始めた。最初にステレンボッシュ大学(1971-1972)でゴールドスミスの技術とグラフィックアートを、その後ケープタウン大学(1973-1974)で絵画を学び、最後にミュンヘン美術院(1974–1980)のヘルマン・ユンカーのクラスで、ジュエリー(当時の名称はゴールドスミスの技術)を習得した。1984年、プフォルツハイム装身具美術館は、ハーナウのゴールドシミーデハウス、およびウィーンのGalerie am GrabenとアムステルダムのGalerie Raという2つの民間ギャラリーの協力を得て、ダニエル・クルーガーのジュエリーで構成される個展を企画し、それに伴ってカタログも制作した。ユンカーが寄稿したその序文は釈明めいており、ジュエリー愛好家層に対し、「ゴールドスミス」の呼称は、金を使う者に限らずジュエリーの制作者全般を指すべきであることを説明しなければという思いに駆られているように見えた。ユンカーは、ゴールドスミス(彼はゴールドスミス全般を指したが、特にクルーガーに言及していた)を「シンプルであれ複雑であれ、控えめであれ豪華であれ、大ぶりであれ小ぶりであれ、細密であれ特に細密であれ、使う素材が金、銀、銅、スチール、木、ガラス、紙、プラスチック、布、石、骨かを問わず、艶消し仕上げも鏡面仕上げも、時に玉虫色の輝きを放つものを含め、ジュエリーを制作する者」[1]であると描写した。時は1984年、素材や大きさ、自律性における実験が常態化していたオランダでは、クルーガーの作品に対し、別の説明が必要だった。Galerie Raのポール・デレは、オランダの鑑賞者向けの紹介文で次のように書いた。「私はダニエルの装飾品を宝石と呼びたい。それは、ゴールドスミスの伝統技術を採り入れているがゆえに、洗練の極みをもって金や銀、宝石が扱われているからである。だが、そのデザインは実に個人的で特異である。」[2]ひとつの展覧会が2つの会場で行われ、2つの物語が語られたのである。
ダニエル・クルーガー、指輪、1993年、トパーズの結晶、金、セルトーヘンボス市立美術館所蔵、撮影:ペア・ファン・デル・クルイス
アムステルダムのGalerie Raは、このアーティストを支援し代表した最初のギャラリーであり、その後数十年にわたってそれを続けている。デレはこう回想する。「プフォルツハイム装身具美術館の「1977年のジュエリー:トレンド」展で初めて見た瞬間、ダニエル・クルーガーの作品に魅了されました。彼が作るすべてのジュエリーやオブジェは、豊かな参照や記憶に満ちており、それぞれに独創的です。1984年、Raでは10年にわたる彼の軌跡を紹介しました。当時の彼は、カトラリー、セラミックの器、箱、花瓶、シャンデリアなどの家庭で使う作品の制作を始めたばかりでした。私は、ギャラリーでの展示やアートフェアで、舞台のような環境を作って彼の作品を見せるのがすごく好きでした。(現)セルトーヘンボス市立美術館と、ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館は、彼のジュエリーやセラミックの作品を数多く所蔵しています。ダニエルは、Galerie Raで最も高く評価され、最も活躍しているアーティストのひとりです。30年超にわたって、彼を代表できることは私にとって大きな喜びです」。
ダニエル・クルーガー、目、ネックレス、銀、ミラーガラス、写真、カタリン・スペングラー所蔵、写真はダニエル・クルーガーの厚意により掲載
プフォルツハイム装身具美術館の「トレンド」ジュエリー展は、コンテンポラリージュエリーの最新の動向を通覧できる非常に重要な定例展覧会だ。当時、プフォルツハイムのデザイン大学の基礎課程で学びはじめて間もなかったモニカ・ブリューゲルも、この展覧会に足を運んだひとりで、「1977年、私は装身具美術館で新しいジュエリーの何たるかを発見しました。ですが、最も重要な作品は、ダニエルのネックレスでした」と回想する。
ダニエル・クルーガー、指輪、1993年、金、ルビー、セルトーヘンボス市立美術館所蔵、撮影:ペア・ファン・デル・クルイス
ブリューゲルが言及しているのは、シルク製の丸い袋が7つビーズ状に下げられたネックレスだ。中に詰められた小石をシルクがきつく包む。袋はサイズも形も不揃いで、先の尖った留め具がついている。ブリューゲルは、「その作品は、異文化か古い時代の産物のように見え、容易には理解できませんでした。その作品を私のわずかな知識と結びつける手立てはまるでなく、何ものもアーティストの意図を理解する役には立ちませんでした。唯一私にわかったのは、もはや境界は消え去ったという最も重要な点です。自分に影響を与えるすべてのもの、すべての時代がインスピレーションの源になりえます。その文化に背くことなく、異文化を反映することは可能なのです。ただし、すべては素材を通じて解釈され、アイデアと共鳴していなければなりません。ダニエルの作品は、歴史に則っているようでいて、すぐにそれは違うと気づかされる点で、時に宝飾史から「逸脱」して見えるかもしれません。この作品は、歴史上のモデルや、まるで異なる参照が反映されている点で、私を苛立たせも驚かせもしました。私たちの時代の影響は作品に現れるもの。彼の作品には、制作することの喜びが表れており、自由を物語っています」。
ダニエル・クルーガー、ネックレス、2018年、ガラスビーズ、写真はダニエル・クルーガーの厚意により掲載
ミュンヘンのGalerie Biróは、ドイツでクルーガーを代表しているギャラリーだ。Galerie Biróのオルガ・ゾーベルは、クルーガーと初めて直接会った時のことは、人生で「最高の瞬間」(彼女は「Sternstunden」という単語を使った)のひとつだ、と書いてくれた。「かくも奇妙で広く知れ渡り、その振る舞いは英国風でありながら英国人ではない、色の白いアフリカ人とでも形容すべきこのアーティストはいったい何者なのだろう、と思ったものです。ハンガリー出身の私にとって、彼は謎の存在でした」。
ゾーベルは、クルーガーとの出会いの記憶を振り返る。それは、20年以上前に彼のレクチャーに参加した時のことだ。彼はスライドで母国を紹介し「砂っぽい浅葱色の地平に杏色の満月が昇り、無限の天を背にした夜空に無数の星々が燦然と輝いていた」[3]という詩的な言葉で表現した。「彼は茶色と、柔らかで青々とした草に覆われた果てしない不思議な風景へと聴衆を誘いこみました。それは私に、彼の祖国について忘れられない印象を残しました。彼のジュエリーを手に取ると、その時の写真が心の中によみがえります。彼が体験し、見てきたことは作品に記憶されており、今日に至るまで彼は自然を表現しています。最近、ダニエルは、信じられないほど嬉しそうに、自宅のバルコニーに咲いた見事な薔薇を見せてくれました。が、彼の作品はミメーシスではなく、完璧な変容への到達に成功しています。例えばビーズの作品は、私たちが目にするのは完成形のみですが、そこに見られる秩序と豊かな官能、様々な色、精密で小ぶりな構造は装着する人と見る者を驚かせ、喜ばせます。ダニエルのジュエリーには、私たちが見て感じることが、造形と色を使ったじつに独自のやり方で表現されています。彼のジュエリーには常にタイトルがありません」。
ダニエル・クルーガー、指輪、1993年、トルマリン、金、セルトーヘンボス市立美術館所蔵、撮影:ペア・ファン・デル・クルイス
Galerie Biróでクルーガーの作品を紹介されたというブダペストのコレクター、カタリン・スペングラーは、このアーティストの作品を熱心に見守ってきた。スペングラーはこう書く。「私がコンテンポラリージュエリーの収集を始めた2008年、ダニエル・クルーガーの作品はすぐに私の注意を引きました。彼の展覧会とあれば、そのすべてに確かな期待と興奮を胸に、にやけながら足を運びます。毎回、何らかの驚きに出会える、彼の新作が新たな対話に私を導いてくれる、という嬉しい予感を抱かせてくれます。2019年3月から4月にGalerie Biróで行われた彼の展覧会では、最新作のネックレスを選びました。「目」と題されたこの作品は円の連続を特長としていますが、これは、本作の左右対称の配置と同様に、彼のそのほかの作品にも見られる形式です。ただし、過去作と違って「目」では、ひとつのパーツが主役を張って単一の中心を成すことはありません。この構図は、可謬性や弱さ、過ちを犯す可能性、つまりは人間性に焦点を当てています。このネックレスは、一対の女性の目の写真を小さな鏡に貼り付け、それを小さな円形の銀の板から下げることで構成されています。複数の女性の目とまなざしが、装着者の顔の近くに来るというのは特異な体験です。このネックレスには、プロビデンスの目に始まり、鏡に完璧さを見出そうとする古代の物語、20世紀美術やコンテンポラリーアートに至る、一連の参照が要約されています。皮肉さと厳粛さ、伝統と現代性を兼ね備えた、ジュエリーでもありファインアートの作品でもある、高い技術による傑作です。私はこの巨匠の大ファンで、これで、私のコレクションに彼の作品が入るのは3回目です」。
ダニエル・クルーガー、ネックレス、2018年、ガラスビーズ、写真:ティロ・ヘルトライン
アメリカ人コレクターのスーザン・ビーチもまた、クルーガーのジュエリーのファンであり、見事なコレクションを持つ。彼女が彼の作品を紹介されたのは、2005年ごろにロンドンで開催されたCollectでのことで、彼女自身の言葉を借りれば、その作品にすぐさま「はまった(訳注:原文ではhooked)」という。「Collectでは、たくさんの作品が販売されていて、決めるのが大変でした」とビーチは言う。「私が買ったのは、大きな半球が小さな球体で飾られた、美しい銀のネックレスです。その後、15点のネックレスとブローチを収集しました。カラフルで大胆で、ちょっと卑猥な感じがします。もちろん、その作りは見事で調和が取れています。これは、1日に何時間もジュエリーを装着する者には非常に重要なポイントです。楽しい作品で私を幸せな気分にしてくれますし、たくさん誉めてもらえます」。もうひとりのアメリカ人コレクターである、アーカンソー州リトルロックのマリオン・ファルクは、アートジュエリーマニアを自称し、常にジュエリーを身につけている。彼女もまた、スーザン・ビーチと同じく一流の装着者である。ファルクは言う。「ダニエル・クルーガーの作品を身につけるのはすばらしい。体になじみ金具も使いやすい。彼の作品の精度の高さには常に驚かされます。素材が銀であろうと、七宝であろうと、さくらんぼの種であろうと、その仕事はいつも非の打ちどころがありません。私は彼の作品も、彼の教え子の作品も何点か持っています。彼は教師として面倒見が良いだけでなく、教え子の作品の支持者でもあるようですね」。
この記事のために声をかけられた人の多くは、大いなる好奇心を持って彼の次回作を心待ちにしていると語る。彼らはそれが、常に驚きと興奮をもたらしてくれることを知っているのだ。ギャラリーのオーナーは常に最前線で作品を見られる点で恵まれた存在である。1993年、ポール・デレは、Galerie Raにおける幾度目かの彼の展覧会の折に発行したメールマガジンRa-Bulletinで、自分の気持ちをこう書き記した。「包みを開けた瞬間…喜びの感情が湧き起こった。このような瞬間が、ギャラリーオーナーの仕事に、苦労以上の価値を与えるのだ。そこにあったのは、アクアマリンと紫色の紙に埋まった3つの精巧な指輪――金とトルコ石、ルビー、トルマリンを使った指輪だ。無視できないロマンチックな雰囲気をたたえたジュエリーで、長きにわたって存在しながら、ようやく発見され、一時的に日の目を見ることが許されたかのようである」。[4]
ダニエル・クルーガーの作品を収めた2019年モダン・クラシックのショーケース(ミュンヘン国際見本市、Schmuck展)、写真:エヴァ・ユンカー
クルーガーの新作に対する、この美しく喜びに満ちた第一印象の描写は、シエナ・パッティの言葉とも符合する。「ダニエル・クルーガーから作品を入れた箱が届くと、私たちは蜜を見つけた蜂のように、興奮して小躍りしてしまうんですよ」と彼女は言う。Sienna Pattiは、アメリカにおけるクルーガーの所属ギャラリーで、パッティは彼を、「アーティストが制作したジュエリーを収集する人に気に入られる作家です。ダニエルの作品はほかのアーティストからも常々尊敬、称賛されています。装着していない時はオブジェとしても申し分なく、シンプルな造形と素材は驚くほど魅力的です。ですが、ダニエル・クルーガーの作品は装着を意図していることに疑問の余地はなく、装着されてこそ最大の良さを発揮します。どの作品の重みも絶妙で、装着すると快適で力強く魅力的です。シンプルな造形には力があり、それは彼の作品全体の共通項です。装着すると強くなったように感じられる作品を作るなどという芸当を、彼がどのようにしてやってのけているのか、私にはよくわかりませんが、彼は実際にそれをやってみせるし、装着する人もそう感じるのです。私自身、数えきれないほどそんな体験をしましたし、ほかの人がそれを体験するのを目撃してもきました。ダニエルの作品は優れた芸術作品が成すことをすべて成しています。それは変容と超越です」
ダニエル・クルーガーの作品を収めた2019年モダン・クラシックのショーケース(ミュンヘン国際見本市、Schmuck展)、写真:エヴァ・ユンカー
パッティは、クルーガー作品にみられる手仕事を評価している。「ダニエルの作品について、私が一番に反応するのは、絶対に手作業で作られたのだろうと感じさせる点です。労力と愛情を込め、気を配って作られていることが感じられます。ダニエルが展覧会のためにここを訪れた時、一緒に近所のハンコック・シェーカー・ビレッジに行って数時間滞在し、古い建物を見て歩きました。家具作りや建築で知られるシェーカー教徒は、注意深いデザインと物作りは、それ自体で「祈りの行為」であると信じました。もちろん、ジュエリーの装着や制作は、彼らの暮らしぶりよりはるかに装飾性が高いですが、この考えは、すべての作品が熟慮に基づくという、ダニエルの作品の扱いを思い出させます」。パッティは次の言葉で締めくくった。「『千年生きるつもりで仕事をせよ、明日死ぬつもりで仕事をせよ』というシェーカーの「教え」は、私の好きな言葉のひとつです」。
ダニエル・クルーガーのセルフィー、2019年、写真はダニエル・クルーガーの厚意により掲載
ダニエル・クルーガーのジュエリーが、かくも多くの人を魅了し、アフリカ的、バロック的、都会的な印象やシェーカー教徒の祈り、かぎ針編み、女性的な視座、官能性、変容という多様な文化と接続しているのは奇跡である。クルーガーと会って話をすると、彼の優しさ、思慮深さ、謙虚さ、物静かさ、優れたユーモアのセンスを目の当たりにするだろう。変化が速く表層的な社会とは相反する、不思議さを持つ人物である。そして、その不思議さはその作風とも重なり合うのだ。
この記事は、以下の方々の寛大な協力を得て執筆が実現した(登場順):ウォルフガング・ロッシュ、フローリアン・ミルカー、ポール・デレ、モニカ・ブリューゲル、オルガ・ゾーベル、カタリン・スペングラー、スーザン・ビーチ、マリオン・ファルク、シエナ・パッティ(リズベット・デン・べステン選)
[1] Daniel Kruger (Pforzheim: Schmuckmuseum, 1984). Catalog for traveling exhibition shown at Schmuckmuseum Pforzheim; Deutsches Goldschmiedehaus Hanau; Galerie am Graben, Vienna; and Galerie Ra, Amsterdam.
[2] Ra-Bulletin, Number 14, November 1984.
[3] Daniel Kruger, Between Nature and Artifice, Jewellery 1974–2014 (Stuttgart: Arnoldsche, 2014), 9.
[4] Ra-Bulletin, Number 74, May/June 1993.
リズベット・デン・べステン:アムステルダムに拠点を置く美術史家で、フリーランスのライター、講師、キュレーターとしても活動する。現在、アントワープのセント・ルーカスでジュエリー史を教える。フランソワーズ・ファン・デン・ボッシュ・コンテンポラリージュエリー財団の会長および、Chi ha paura…?協会の諮問委員を務め、欧州応用芸術イニシアチブであるThink Tankの創立にも参加。2011年11月、Arnoldscheより『On Jewellery: A Compendium of International Contemporary Art Jewellery(ジュエリー論:世界のコンテンポラリージュエリー通覧)』を出版。
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本ニューズレターの本文・画像のすべてまたは一部を無断で転載することはかたくお断りいたします。今回の記事は、スーザン・カミンス氏(Art Jewelry Forum)の寛大なる許可をいただいて翻訳しています。配信停止をご希望の方は、このメールに返信する形でお知らせください。また個人名の表記につきましては一般的な発音を参考にカタカナ表記をしておりますが、もし本来の発音とは異なる表記にお気づきの場合は、お手数ですがお知らせください。
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MUSÉE DIVA : Triennale de l'Argenterie à Anvers
DIVA - La Triennale de l’Argenterie est un concours international qui se tient à l’initiative des organisations allemandes au Musée DIVA à Anvers
La Triennale de l’Argenterie est un concours international qui se tient tous les trois ans à l’initiative des organisations allemandes Gesellschaft für Goldschmiedekunst [Société de l’Orfèvrerie] et Deutsches Goldschmiedehaus Hanau [Maison allemande des Orfèvres à Hanau]. Cette année, 123 artistes de 19 pays participent à la 19e édition. David Huycke et Helena Schepens représentent la Belgique.
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‘Favourites’
The Exhibition of the 16th HammerClub Meeting, 2018.
The exhibition will be on display from 4 May to 4 August 2018 in the Silver Hall of the Deutsche Goldschmiedehaus Hanau (German Goldsmiths House).
Deutsches Goldschmiedehaus
Altstädter Markt 6
63450 Hanau, Germany
Klimt02
HammerClub
Whirly by Karina Gill. Photography Richard Valencia.
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