#素浄瑠璃
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monthly-ambigram · 4 months ago
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2024-7月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「猫」です◆
今月は参加者の皆様に「猫」のお題でアンビグラムを制作していただいております。今月も逆さまな作字が集まっておりますので、ごゆるりとご鑑賞ください。今号は失礼ながら簡易的なコメントとさせていただいております。皆様のコメントがいただけますと幸いです。
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「猫/ネコ」 図地反転型:ぺんぺん草氏
「猫」の隙間に「ネコ」が見える、ラングドン御大の作品でも見られる伝統的Figure-Groundタイプ。我々が現在定義している図地反転型の定義より弱いアンビグラムとはなりますが、ネコっぽいタイポグラフィも楽しい良い作品ですね。
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「三毛猫」 旋回型:ヨウヘイ氏
「三毛」を回転重畳すると「猫」になる作品。文字幅がアンバランスでも読みやすくて面白いです。
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「虎/猫」 旋回型: いとうさとし氏
虎のような模様のネコ。アンビグラマビリティは高くない語句だと思うのですがキレイに回っていて素晴らしいです。
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「わんこ/ねこ」 交換型:kawahar氏
「わんこ」をうまく敷詰めると「ねこ」になり、さらに重ねるようにすると犬か猫かのような絵になる面白いデザインです。
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「捨て猫」 回転重畳型:ラティエ氏
「捨/猫」の共存対応がキレイです。背景の絵も併せて回転重畳になっているのがすごいですね。素晴らしい。
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「ネコ/液体」 敷詰振動型:Jinanbou氏
「液」の敷詰と「体」の敷詰と「ネコ」の敷詰が一致するようになっています。確かにネコは液体であるようです。
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「肉球」  回転型:lszk氏
猫と言えば。図形を欠けさせつつ読ませるデザインに驚愕です。
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「CAT TOWER」 図地反転鏡像型:ちくわああ氏
「TT/W」のハマり具合が気持ちいいですね。折り返しの「O」の自然さに驚きます。
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「熊猫」 図地反転敷詰鏡像型:松茸氏
「熊」はパーツ反転しています。「正図」「図地反転」「逆図」「逆図地反転」を敷き詰めると、「非自明な対称軸や回転対称中心」が現れるのでアンビグラムの定義に当てはまる、という意図の驚異の作品。
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「家族同然」 鏡像型:.38氏
「家/然」の対応がキレイですね。「族」の変形が楽しいです。
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「ギコ猫」 旋回型 「ゴルァ」 回転型:無限氏
匿名掲示板で流行したAAの一つ��ギコ猫」とギコ猫のセリフ「ゴルァ」をAAベースのアンビグラムに仕立てるという面白い作品。
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「逝ってよし!」 回転型:うら紙氏
こちらもギコ猫のセリフより。吹き出しとしんにょうの一体化が面白いです。
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「猫娘」 図地反転型: いとうさとし氏
ゲゲゲの鬼太郎より。「猫」は字画がバラバラになっているのに重要なパーツ分けはしっかりしているので読めてしまいます。
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「F.D.C.WILLARD/CHESTER」 回転共存型:兼吉共心堂氏
科学論文誌を執筆した物理学猫の名前より。F.D.C.ウィラードがペンネーム、チェスターが本名です。文字数の差の吸収のさせ方に注目です。
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「ドラえもん」 図地反転回転型: いとうさとし氏
言わずと知れたネコ型ロボット。読みやすくていうことがありません。
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「仲良くケンカしな」 回転型:繋氏
「トムとジェリー」の主題歌の歌詞より。同作のロゴ風の処理ですね。「ケ」第一画の思い切った処理が好きです。
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「ねこねこ日本史」 回転型:あおやゆびぜい氏 日本の史実の人物を猫��して歴史を描く4コマ漫画シリーズでアニメ化もされました。読みやすくなるように文字組が工夫されていますね。「ね」のループは飾りとして処理しやすいのですね。
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「黒船屋」 回転型:douse氏
竹久夢二の代表作の一つで、和服の女性が黒猫を抱いているさまを描いた絵画。「船」の自然さをはじめ、「黒/屋」も自然に読めすぎて脱帽です。
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「吾輩は猫である」 回転型:きいろいビタ氏
夏目漱石の代表作。ひらがなをすべて袋文字風にすることで漢字との字画密度差を解消していますね。素晴らしいです。
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「猫の手も借りたい!」 回転型:peanuts氏
近松門左衛門の浄瑠璃の一節が由来と言われています。文字組が面白いですね。最後の「!」が工夫できれいに対応付くようになっています。
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「猫に小判」 回転型:つーさま!氏
猫の付くことわざと言えば。ひっそりと猫の横顔と猫の目のようなあしらいが楽しいですね。
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「猫も杓子も」  回転型:lszk氏
何もかも��「杓子」の二つのハネがちょうど猫耳になるのが気持ちよいですね。
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「猫の恩返し」 回転型:douse氏
図案が非対称のため共存型と見る方が良いかも知れません。全体的に網目のような文字が面白いです。
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「宅急便」 内包型:螺旋氏
3重内包型。本家ロゴに似せているのもあり一目で読めますね。内包の関係にあることの発見が素晴らしいです。
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「観測するまで猫の生死は判らない」 内包型:超階乗氏
現実に書いたものを実際に重ねて表現された3重内包。細かい調整と猫の絵が見所ですね。
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「窮鼠猫を嚙む」 敷詰振動式旋回型:Σ氏
「窮鼠+を」の敷詰と「猫+噛む」の敷詰が一致します。「窮/猫」「鼠/噛」「を/む」の対応がピッタリですね。
最後に私の作品を。
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「異郷で会える猫」 回転型:igatoxin
旅先で猫に出会う。
お題 猫 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「夢」です。真夏の夜の夢、レム睡眠、無我夢中、夢の島、トロイメライ、枕、荘子、儚、夢窓国師、枯野 など 参加者が自由に 夢 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は7/31、発行は8/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー}   2月{TV}        3月{クイズ}        4月{健康}   5月{回文}    6月{本}               7月{神話}   8月{ジャングル} 9月{日本史}     10月{ヒーロー}     11月{ゲーム}         12月{時事}
2024年 1月{フリー}        2月{レトロ}   3月{うた}         4月{アニメ}    5月{遊園地}     6月{中華}          7月{猫}  
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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myonbl · 4 months ago
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2024年6月29日(土)
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先週に続いて今週も文楽劇場、第27回文楽素浄瑠璃の会を楽しんだ。通常公演では舞台袖の<床>に太夫と三味線がいて、舞台上で三人遣いの人形が芝居をする。今回は、舞台に太夫と三味線が並び、両側に縦の字幕が表示されるのだ。太棹三味線の硬軟強弱表現の醍醐味、太夫の節回しと感情表現、最前列で堪能することができた。ただ、昨年は8月開催だったのにどういう理由か今年は6月、先週の若手会に比べて客の入りは今ひとつ。文楽の未来に、少し寂しさを覚えたことも記録しておこう。
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1時15分起床、日誌書く。
二度寝。
5時起床。
朝のあれこれ。
シャワー。
ツレアイが起きてきたので、洗濯開始。
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朝食はうどん。
珈琲。
洗濯物を干す。
Microsoft365のサブスクリプション、現在は職場のメールアドレスでアカウントを作っているのだが、6ヶ月後には更新しなければならない。その際には別のアカウントに移行しなければならないが、サブスクの管理画面から更新手続きの画面に移行出来ない。まだ先の話ではあるが、もう少し調べないと。
七条御前通り11時13分の市バス33系統に乗って桂駅、先週同様に準急で日本橋まで、文楽劇場へとやって来た。
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今日のスケジュール、4時30分終演は有り難い。
「木遣り音頭の段」「沼津の段」は聴いているが、「丞相名残の段」は初めて。錣・千歳の切り場語りはさすが、織太夫が切り場語りになる姿を見ることはないのだろうなぁ。
帰路はいつも通り、桂駅で惣菜買って帰宅する。
ツレアイは着替えてす��にココの点滴。
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息子たちにはスパークリングワイン、私たちは冷やして置いた純米酒で乾杯。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
第14話「偶像のレクイエム」/ Requiem for a Falling Star ドラマの撮影が行われている中、女優ノーラの付き人が何かを囁くと、彼女は険しい顔でバンガローへ向かう。そこにはゴシップ専門のコラムニスト、パークスが来ていた。パークスは過去の横領をネタに、ノーラを恐喝していたのだ。しかも、友人で秘書のジーンと結婚すると聞き、ノーラは愕然とする。
片付け、入浴。
パジャマに着替えて日誌を書こうとするが睡魔到来、明日の朝にしよう。
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さすがに今日は交通���関の移動だけなので仕方なし。
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catonoire · 5 months ago
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宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
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東京オペラシティ アートギャラリーで「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」を見る。宇野の初期作品から最新作までを概観できる大規模個展である。展示作品の点数も多く(1点1点ていねいに観るのが難しいほどの数)、内容的にも充実していて見ごたえがあった。若い頃から現在に至るまで、宇野の個性やテイストはほぼ一貫していて際立っているが、それでいてマンネリ感とは無縁で、いつも何か新しいことに挑戦しようとしている。また、基本的に依頼主の求めに応じて仕事をするというスタンスらしいが、どの仕事のなかにも個性や特徴が生きている。そのあたりが自分から見た宇野のすごさである。
ごく初期の作品。自画像、風景画、裸婦像など。
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人形浄瑠璃のスケッチか。
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初期のデザイン画にも既に宇野らしさが垣間見えている。
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これも初期の作。
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カルピスに入社してデザインしたもの。
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越路吹雪のリサイタル関連デザイン。
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『母の友』の表紙。母の友と聞くと穏やかで優しげなイメージが連想されるのではないかと思うが、そんなステレオタイプをぶち壊すような宇野のイラスト。
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イラストの仕事は、依頼に応じてテイストをきちんと変えている。それでいて宇野の個性はしっかり残っている。そのバランスがさすがである。
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児童書の仕事では、どこか陰のある雰囲気はそのままでも、たとえばエロティシズム要素などは盛り込まない。
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平家物語。
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コクーン歌舞伎のポスター。
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おびただしい数のポスターが壁数面にわたって貼りめぐらされたコーナーもあった。いちばん気に入った下の1枚だけ撮影。
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近年の作品、俳句をモチーフにしたシリーズ。
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展示のいちばん最後には本人からのメッセージ。
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misoyo-happy · 6 months ago
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今日はこちら!
人形浄瑠璃文楽です。
人形遣いさんと太夫さんが一体となって素晴らしい舞台です。
お人形の美しいこと!所作を見習わないといけないわ。
着物は西陣織です。描いてるんじゃないのよ、織なのよ!裏も見せたいくらい!光沢が美しいです。矢絣の色に合わせて帯締めをピンクにしました。羽織は角度によって七宝が見えたりお花が見えたりするの。不思議。後ろ姿の写真の帯の辺りがお花に見えるかな。帯は塩瀬の手毬柄です。白で何にでも合うすぐれものです。
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cagra · 9 months ago
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日々
ここ数年は、意識的に外に出る日を作るように心がけています。 ただの散歩でもいいですし、体のケアに行くのもいいですし、普段使わない部分の脳みそを使う何かに接するのもいいなと思ってます。 ひとりの仕事をしていると、ずっと仕事脳ばかりになってしまうので意識的に。 そういう考えで日々過ごしていると、興味のありそうなことが向こうからやってくることがあります。 もちろんこちらから向かうこともありますが。 目標はそんなに意識せずに過ごせるようにすること。
靴教室のお仲間たちと靴j教室の人が関わっているあしり座の人形浄瑠璃。予備席が出るほどの人気で超満員でした。 前回、教育文化会館でやっていたのを見た時よりも楽しみ方が増えました。 人形浄瑠璃。本当に素晴らしくて、ようやくこういうものが楽しめる人間になりました。
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ある日の夕刻、高校の同級生が関わっている焚き火barに同級生4名で。昨年��引き続き。 昨年からクロスホテルの前庭でこれくらいの時期にやっています。 外は寒い雪の夜。 あったかいテントの中で焚き火に薪を焚べつつどうでもいい話でお酒がすすみます。 火を見ながら、ただただぼーっとするのもおすすめですよ。
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今月の映画館で映画はカウリスマキ 枯れ葉 自分にとっては ル・アーブルの靴磨き 以来のカウリスマキ。ゴールデンカムイと少しだけ迷ったけど、最近キノさんで映画を見れてなかったのもありこちらで。 raigetumotanosimidesu
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kachoushi · 11 months ago
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零の会
2023年11月4日
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於:自由が丘住区センター 〜自由が丘〜
坊城俊樹選 岡田順子選
坊城俊樹出句
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坊城俊樹出句
熊野社の奥に団栗溢れたり 狛犬は毛玉だらけの冬支度 その中に冬帽被る地蔵ゐて 地蔵らの前垂れ赤く秋惜しむ 秋暑き石の鳥居に石の貌 神無月ならば阿弥陀も金ぴかに 下品仏とて金秋の色溢れ 阿弥陀らの螺髪は秋の空の色 夫婦松繋がれてゐる残暑かな 鳥居また鳥居を潜る秋の声
坊城俊樹選 特選句
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坊城俊樹選 特選句
綿虫と彼女が指せばそれらしく 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路 逝く秋をくづれゝば積み古書店主 順子 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 太き棘許してをりぬ秋薔薇 和子 弥陀仏の慈顔半眼草の花 昌文 綿虫のうすむらさきや九品仏 小鳥 参道で拾ふ木の実を投げ捨てる 久 綿虫は仏の日溜りにいつも 順子 香煙はとほく菩提樹の実は土に 小鳥
坊城俊樹選 ▲問題句
古に大根洗ひし九品仏 風頭
坊城俊樹選並選句
色鳥の見えねどこゑの充つる杜 美紀 朝月を掲げ素風の九品仏 昌文 ほどけゆくラムネの味や秋惜しむ 眞理子 色鳥に囃されくぐる鳥居かな 美紀 切株や冬の隣の日溜りに 光子 秋天へ老松龍となり昇る 佑天 秋の蝶己が影より逃げ切れず 緋路 老松の肌の鱗や秋暮るる 佑天 奪衣婆の知る猿酒の在り処 光子 落葉して懐深き九品仏 はるか 秋蝶は街の息吹にさ迷ひぬ きみよ 石仏も丸太も土に還る秋 美紀 白壁の棲む音なくて蔦紅葉 小鳥 奪衣婆のあばらの狭間秋更くる 眞理子 スカジャンの背中に紅葉しきり落つ はるか なんとなく菩提子拾ひ子は遠し 順子 銀杏の落つそれぞれのまろびやう 緋路 中品の堂の鎖されし冬支度 光子 秋蝶の消ゆる思はぬ高みかな 美紀 法鼓には吸ひ込まれたる神無月 瑠璃
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岡田順子出句
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岡田順子出句
逝く秋をくづれゝば積み古書店主 胙を持たねば菩提子を供ふ ラムネ菓子黄落の子となり貰ふ 町紅葉してベーグルの皿二枚 彼ら来る踏切の鳴る榠樝熟る 末枯に陽射せば炎地獄めく 綿虫は仏の日溜りにいつも なんとなく菩提子拾ひ子は遠し 綿虫は下品阿弥陀如来の辺 蔦の家自由が丘に埋もれて
岡田順子選 特選句
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岡田順子選 特選句
腰かける丸太と秋を惜しみけり 光子 九品の印契結ぶや冬近し 眞理子 古に大根洗ひし九品仏 風頭 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 奪衣婆の知る猿酒の在り処 光子 神無月ならば阿弥陀も金ぴかに 俊樹 蚤の市に売る秋風と鳥籠と 和子 下品仏とて金秋の色溢れ 俊樹 綿虫と彼女が指せばそれらしく 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路
岡田順子選 ▲問題句
魔境へと乗り換へ駅は神の留守 はるか
岡田順子選 並選句
朝月を掲げ素風の九品仏 昌文 鳥居また鳥居を潜る秋の声 俊樹 石ひとつづつに謂れのある秋野 光子 大綿の撒かれて翳りゆく日かな 緋路 切株や冬の隣の日溜りに 光子 スパイスは西国より来鳥渡る 久 秋天へ老松龍となり昇る 佑天 綿虫のうすむらさきや九品仏 小鳥 秋の日に樹々揺れる店オムライス 風頭 トロフィーの傾く窓辺蔦の家 緋路 大伽藍木の葉しぐれに沈みゆく 光子 料亭の昼や十日の菊へ水 光子 スカジャンの背中に紅葉しきり落つ はるか 寺門より電車が見えて櫟の実 はるか 銀杏の落つそれぞれのまろびやう 緋路 中品の堂の鎖されし冬支度 光子 香煙はとほく菩提樹の実は土に 小鳥 黄落や今を生きよと閻魔より 眞理子 木の実踏ん付け自由が丘の老婦人 佑天 念仏の途切れ錦の野山かな 小鳥 色鳥の見えねどこゑの充つる杜 美紀 あばた持つ榠樝やどこか吾に似て 光子
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misasmemorandum · 1 year ago
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『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』 大島真寿美
この度、文楽『妹背山婦女庭訓』を初段から四段まで見た(三段までは4月に四段は今月に)ので、この本と『結』を再読した。この本は、2020年2月以来の再読。
いやはや、『妹背山婦女庭訓』を観た/聴いたおかげで、この本の世界をより楽しめました!地の文が語りのように滑らかで、黙読していてもとても心地よかった。この作品はやはり物語についてのものだった。
「硯」で、主人公が父親からもらった近松門左衛門が使っていた硯で墨をすりながら考えた、夢想したこと。
 国性爺合戦で活躍する和藤内がこの硯の海から立ち上る、その姿が今まさに眼前に見えた気がして成章は息を呑んだ。あの勇ましい和藤内がこの小さな硯の海から出現したのか。ああ、そう思えば、ぱしゃり、墨の音まで聞こえてきそうだ。ぽたり、ぽたり、その体から黒々とした墨の雫が滴っているのが見える。ぶるん。体を震わして一気にそれを払った和藤内は硯の陸 [おか] に上がり、硯の縁を、やいっと飛び越えた。ぶるんっと知らぬ間に成章も同じように体を震わしている。さてもさても、このつづきや如何に。如何に、如何に。(p17)
「廻り舞台」で、物書きになった成章/半二は、殺人事件の物語に熱狂する人々についてこう思う。
客というのはしたたかなもんやなあ。なんでもかんでも己の楽しみにしてしまう。(p50)
殺人事件を物語にしたのはそれが受けると思ったからなのだが、いざ受けて予想以上の人気が出て、少したじろぐ作家、なんだろうな。
次に、「あをによし」から。文楽で見ても現代の(しかもババアになった)私には、いまいち、いまに理解が出来なかったお三輪の心情を、半二の兄の幼馴染で元許嫁の気持ちから理解した。
あの年頃の娘っていうのはな、たいがい、そういうもんなんやで。思い込んだら命懸けや。いとしいお人といっしょになりたい、添い遂げたい、願うことはそれだけや。あとはなんにもいらへんねん。そんくらい、かあっと思いつめてしまうんやな。じきに生きるの死ぬのになってしまうのがわかるやろ。ところがや、そんくらい好きや好きやと思いつめてるさなかに、うちはどや、いきなりあわられた見ず知らずの女子に、大事な人、取られてしもたんやで。そんな阿呆な話があるかいな。気ぃ狂いそうやったわ。あのとき奈良へ連れていかれへんかったら、ほんまに狂うて、うちかて、かしくみたいなこと、しでかしてたかもしれへんな。ん、そやな、だれぞ一人二人、殺してたかもわからへん。(pp74−75)
かくしとは上に書いた殺人事件(兄殺し)の犯人の名前。
「人形遣い」、「雪月花」とあり、次は「渦」。ここで物語の何かに憑かれた半二
 ただひたすら文机に向かい、硯で墨をすり、起きているあいだは二六時中筆を走らせる、あるいは芝居小屋でああでもない、こうでもないと知恵を巡らすという暮らしを延々、来る日も来る日も黙々と続けていると、あるとき、ふと、底知れない虚無に足をすくわれそうになる事がるのだった。芯の芯まで消耗し朦朧とし、倒れこんだそのときに、それは口に開けて待っている。
 その深淵はみてはならぬもの。
 けれどふとみてしまう。
 治蔵もみてしまったのだろう。
 深淵には獰猛な生き物がいる。
 目が合えば、なにかしら差し出さなければならない。いや、差し出すもなにも、すでにくらいつかれている。そいつに、己の魂が削り取られていっているのである。
 虚が実を食いちらかしていく。(pp197−198)
そして物語の渦、
 わしはわしだけのために浄瑠璃を書いてんのやない、とふいに半二は思う。例えばわしは治蔵を背負って書いとんのや。いや、それだけやない。それをいうなら、治蔵だけやのうて、筆を握ったまま死んでった大勢の者らの念をすべて背負って書いとんのやないか。
 ひょっとして浄瑠璃を書くとは、そういうことなのではないだろうか、と半二は思う。
 この世もあの世も渾然となった渦のなかで、この人の世の凄まじさを詞章にしていく。(p202)
この後に、「妹背山」、「婦女庭訓」、そして半二が死に、お三輪の性根が語る「三千世界」がある。
とってもとっても素敵な作品だった。ただね、この時代の身分制について一言も触れてないのが、歴史のジェントリフィケーションかもな、と感じた。
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gonotoki · 2 years ago
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白石と伊達との深い関係
 渡辺家の祖先は、伊達家第15代伊達晴宗(1519~1578)に仕えた武士であり、天正年間(1573~1592)に帰農したとされます。
 渡辺家は、江戸時代後期から明治時代にかけて、和紙と紙布の製造・販売、木綿商、 呉服太物商、質屋、塩問屋、醤油と味噌の醸造・販売、土地の運用など、多角的な商売を繰り広げました。
 渡辺家文書の調査に参加している東北大学東北アジア研究センターの荒武賢一朗教授は、「幕末期における商家経営と人的諸関係」と題して講演されました。特に、渡辺家中興の祖(6代善治、7代喜伴)の後を受け継いだ8代喜則(1830~1877)と9代善光(1838~1901)に注目しているそうです。
 壽丸屋敷の「壽丸」とは、渡辺家の屋印である「〇 」から来ています。〇は、素丸です。そこから、壽丸になりました。現在、壽丸屋敷は白石市に移管され、白石まちづくり株式会社が事業運営を行っています。
 渡辺家の醤油醸造は安政8年(1779年)に始まり、天保年間(1830~1844)には「伊達だし」と呼ばれる福島(現在の伊達市・伊達郡)への醤油販売が行われました。渡辺家の「商業ネットワーク」は、白石にとどまらず��仙台、福島、会津若松、山形、宇都宮、江戸、大坂などに広がっていきました。
 天保9年(1838)8月13日、7代喜伴に嫡子となる豊吉(のち9代善光)が誕生した際のご祝儀名簿には、7代妻の実家(梁川(現福島県伊達市梁川町))と7代娘の嫁ぎ先(桑折(現福島県伊達郡桑折町)が載っています。渡辺家と伊達のつながりを知ることができます。
 荒武先生は、新型コロナにより、3年前からこのような講演の機会がなくなっていたことを残念に思っていたそうです。今回の話をぜひ周りの人に伝えていってほしいと言っていました。
 白石市中町にある壽丸屋敷のほど近くに、専念寺(浄土真宗、1602年創建)があります。片倉家(仙台藩白石領)に重用されていました。重要な場面に碁の勝負が登場し、江戸時代に人気を博した浄瑠璃・歌舞伎「碁太平記白石噺」とゆかりがあるお寺であることも分かりました。
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 白石市は、歴史文化の活用に力を注いでいます。今回の歴史・文化フォーラム(300名限定)は、白石と伊達との深い関係を教わり、とても有意義なものになりました。
 今日から、第47期棋聖戦7番勝負第4局が宮城県仙台市で開催されます。     
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utsuwayarin · 2 years ago
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新しい年
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立春が過ぎました。年末年始はお節を作ったり実家に挨拶に行ったり何かとパタパタとするので、私にとっては2月4日の立春が、より落ち着いた心持ちで「新年」を神聖な気持ちで迎える日と感じています。
家の中に新しい気が清々しく入るように、玄関周りの拭き掃除や台所の掃除、洗面所のタオルも新しくしました。(タオルが新しくなるといつもウキウキします)
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さて新年は親族で集まることが多いと思いますが、その時にご先祖さまがどんな人たちだったのかなど、代々の命の繋がりに感謝をして和やかに過ごすのが良いと聞きました。沢山の偶然と逞しい生命力で今生きる私たちまで繋いできてくれた命。本当にありがたいことだなと思います。
昔の芸能とは明るく世間の話をしてそれを聞く人たちの心をハレにするためにあったもの。浄瑠璃=浮世を浄化する という意味だったそうで、とても素敵なことだなと思いました。そしてそういう人の心持ちを晴れやかにする文化や芸術も本当に大切にしていかなければいけないなぁと思いました。すべては心が生み出していますからね。
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こちらの本は、魂の繋がりを改めて実感させてくれる本。「死」の怖さも少し和らげてくれます。
小さな小さなすべての「選択」が全世界に影響を与えているのです。大それたことは何もできませんが、使う言葉や行動も、一緒にいる人たちが心地よく感じるような行いをしたいなと思いました。
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baien575 · 2 years ago
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令和5年1月27日(金) 2月は楽しいこと目白押し😊 2/5(土)12:00-18:00 「郷土玩具をめぐる」展 清澄白河の雑貨店WOLK @wolk.zakka 天神さまの福袋🌸で コラボさせて頂いた"鷽zine" 著者の羽賀ゆかりさんの 1日限りのイベント✨ これまで出版された 3冊のzineに掲載された 玩具やお守りの 展示にあわせて 梅園のお菓子も 販売されます❣️❣️ 可愛いイラストを描かれた ヨツモトユキさん@4nojiの ポストカードなどの販売も あるという、、 ああ、カールくんのように 飛んでゆきたいです❣️ 素敵なお店での 楽しいイベント ぜひお運びください♪♪ …………………………………………… 2/1(水)〜3(金) おたふく薯蕷饅頭(こしあん) 販売します🌸 発送は2/1〜2のみで お電話にてご注文 お受けしております 092-922-4058 あわせて 州浜の福豆も 販売予定です …………………………………………… 飛梅の咲き始めた 太宰府へも どうぞ お出かけ下さい♪ …………………………………………… 太宰府天満宮 宝物殿@keidai art 青沼茜雲先生の 「天神さまに捧げた絵画展」 2/5(日)までです お見逃しなく! …………………………………………… 国立劇場@nationaltheatre_tokyo さよなら公演 "通し狂言 遠山桜天保日記" 本日千穐楽を迎えました㊗️ 大変お世話になりました✨ お買い求め頂きました 皆さま ありがとうございました😊 2月は文楽公演 近松門左衛門の人形浄瑠璃🥰 またご縁がありますように😌 …………………………………………… 梅園菓子処 営業時間 10:00-17:00 🟩店休日 1/10(火)、1/16(月)、1/23(月)、1/30(月) 2/6(月)、13(月)、20(月)、27(月) TEL092-922-4058 FAX092-928-0383 住所:太宰府市宰府2-6-16 西鉄電車「太宰府駅」から徒歩1分 *参道に入って右側5軒目 *大きな看板が目印です ️*全国発送承ります #梅園菓子処 #太宰府梅園 #太宰府天満宮御用達 #うその餅 #ラムレーズン宝満山 #銘菓宝満山#よろつよ#裏千家#表千家#遠州流#茶席菓子#太宰府みやげ #太宰府和菓子#太宰府天満宮#ミニ梅守#和菓子の贈り物#うそ鳥#鳥好き#鳥のお菓子#太宰府銘菓#博多人形#土うそ#木鷽#郷土玩具#国立劇場#十一屋#木うそ入りうその餅#羽賀ゆかり#鷽zine#天神さまの福袋#松崎大祐#ごりやく散歩トリモノ帖#九州国立博物館#加耶展@wolk zakka (梅園菓子処) https://www.instagram.com/p/Cn7FSxhvk9O/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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oniwastagram · 3 years ago
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📸三條本家 みすや針 / Sanjo Honke Misuyabari Garden, Kyoto 京都市『三條本家 みすや針』の庭園が素敵…! 京都の中心繁華街・三条商店街に入ってすぐに苔むした姿が美しい京町家の庭があるって、気づいてた…?河原町三条に店を構えて400年以上、近松門左衛門の浄瑠璃にも記され宮中御用達として後西天皇に屋号を賜った京の老舗“みすや針”ご当主こだわりの庭。 . 京都・三條本家みすや針庭園の詳細はこちら☟ https://oniwa.garden/misuyabari-kyoto/ ...... 「三条本家 みすや針」は京都の中心・三条河原町に江戸時代初期からお店を構える、“針”の老舗🪡 およそ150年前に作庭された京町家の庭が残ります。 . 三条商店街を入ってすぐ、人気の雑貨店だった“ミカヅキモモコ”が2021年に惜しまれつつ閉店――その後は2022年現在も空きテナントになっていますが、その空室の奥にチラッと庭の姿が見える…!?一年間気づかなかった…! . そのビルの奥に店舗をかまえるのが「みすや針」さん。 東海道五十三次🏘の始点・三条大橋🌉の先のこの地には約400年前から店舗を構え、当時の京都で謡われた歌や近松門左衛門の浄瑠璃作品“浦島年代記”にも登場する、文字通りの“京都の老舗”。 . 慶安年間の1651年には宮中の御用達(御用針司)に、現在の“みすや”の屋号は1655年に #後西天皇 (後西院天皇)より賜ったもの。 . 実は三条通りに面したビルの名は「みすやビル」。よく見たらビル前面にも「本家みすやばり 福井藤原勝秀」の看板が掲げられている。 店舗入口には明治時代の内国勧業博覧会のメダル🏅や、“福井”と刻まれたかつて使われた茶釜も展示されています。 続く。 ーーーーーーーー #japanesegarden #japanesegardens #kyotogarden #zengarden #kyotojapan #beautifulkyoto #beautifuljapan #japanesearchitecture #japanarchitecture #japanarchitect #jardinjaponais #jardinjapones #japanischergarten #jardimjapones #庭園 #日本庭園 #京都庭園 #枯山水 #枯山水庭園 #karesansui #mossgarden #苔庭 #そうだ京都行こう #京町家 #針屋 #おにわさん (みすや針) https://www.instagram.com/p/CcTMxcgvSrJ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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myonbl · 1 year ago
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2023年8月19日(土)
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<三重県紀北町・奥川ファーム>から隔週に届く定期便、今回は台風7号の直撃で農場は大きな被害を受け、野菜がほとんど駄目になったということだ。辛うじて大きなキュウリが4本あったので早速スライスして干し、唐辛子は酢に漬けた。本当は復旧の応援に行きたいところだが、私ではなんの戦力にもならない。僅かだがお見舞いを送金してその代わりとした。奥川さん、いつもありがとうございます。でも、暑さが続く中決して無理はしないでくださいね。
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早くにダウンしたので、3時に目が覚めた。
macOSのアップデート。
日誌書く。
朝食まで何をしているかと心配されるむきもあるのでちょっと紹介、毎朝のルーティンはブログ閲覧。
ここもあじあ(元同僚) 文楽と王朝と障害と(今も同僚) HOME★9(落語つながり) あちたりこちたり(落語つながり) はなしの屑籠(露の団姫) まいどおおきに露の新治です 日々是凡日(古今亭志ん輔) 梟通信(落語つながり) 総領の甚六(春風亭柳朝) 弟子便り(露の都一門)
上記は私の旧ブログにリンクが貼ってある。
シャワーで汗を流す。
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朝食、蕎麦がなくなったので奥川ファームのパンを解凍しておいた。
洗濯する。
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奥川ファームの定期便と、びーんず亭の珈琲が一緒に届いた。
干しキュウリ仕込む。
トウガラシ酢仕込む。
半熟酢卵仕込む。
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国立文楽劇場へ、今日は<第26回文楽素浄瑠璃の会>。ツレアイは今日からUltra使用。
源平布引滝 (げんぺいぬのびきのたき)  九郎助住家の段      竹本 織太夫     鶴澤 清志郎 ひらかな盛衰記 (ひらがなせいすいき)  松右衛門内より逆櫓の段      竹本 錣太夫     鶴澤 藤蔵 卅三間堂棟由来 (さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)   平太郎住家より木遣り音頭の段      竹本 千歳太夫     豊澤 富助
彼女の観察に寄れば、通常の公演よりもオッサン比率が高いとのこと。<卅三間堂棟木由来>は好きな演目だが、やはりこれは人形芝居が欲しい。
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いつも通り、帰路の桂駅で揚げ物買って帰宅、早めの夕飯開始。
録画番組視聴。
BS松竹特選落語から、「親子茶屋」「夢金」古今亭菊之氶
(30)「ショスコム荘」
ジェレミー・ブレット主演<世界一有名な探偵>シャーロック・ホームズのドラマシリーズ。名馬の馬主の周囲で起きた数々の不審な事件…若き日の俳優ジュード・ロウが出演! 名馬ショスコム・プリンスの馬主であるサー・ロバートの調教主任メイソンが相談に訪れる。サー・ロバートに関して不審な出来事が相次いでいるという。まず彼に多額の金を貸していた男性が失踪。仲が良かった姉とは話さなくなった上に、彼女の愛犬を人に譲ってしまう。さらには屋敷の地下にある炉の中から人骨まで見つかったというのだ。ホームズはワトソンと共にショスコム荘へ赴く。イギリス1991年制作。
片付け、入浴、体重は400g増。
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さすがに3つのリング完成は無理、水分は1.950ml。
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crispy-moratta · 3 years ago
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民藝の100年 memo
白樺同人は印刷物として、西欧の美術動向を吸収するのに役立った。
リーチ、lovelyとメモるのかわいいな、、、
交通手段として失われていく船を前近代の象徴として、またインターナショナルなイメージとして、北前船の交易品は蒐集された
朝鮮民族美術館の宮廷の建物をミュージアムにした際に、朝鮮家具の卓子という書棚が展示ケースとして活用される。また日本民藝館のケースはこれがルーツであり、鈴木繁男が拭漆を施したものである。
日本民芸術館設立趣意書 「自然から産みなされた健康な素朴な活々した日を求めるなら、民藝Fork Artの世界に来ねばならぬ」と、蒐集対象は民衆に用いられた日常の雑具と規定した。表紙は青山二郎の染付羊歯文平猪口
船箪笥の図案が文字っぽいあしらいがされているところがあり、また留め具が非常に多い。上に持ち運びのための取手?がついている。
越後タイムスは吉田正太郎の依頼を受けたもので、中身は新聞のような紙版がなされている。下手物が特集?されていて、紙面中央には器の図版、特集タイトルの上にある花の図案は何だろうか。、、また展示体系のして、額装してあるが、マージンにマージンをとる、ビジュアル的な良さがあった。
東こぎん肩布の図案は菱形の図形が組み合わされ、また縫い?の荒さ?がとても良い。が肩布って何に使うもの?
日本民藝品図録の紙面、民藝品が画面中央にモノクロ印刷で置かれており、右下にノンブルが漢数字で入っている。このノンブル、各ページ同ポジになく、圖三十二 など。 印刷方法に依存しているところもある?
紙縒卍文八角膳の天板の模様が気になる。中央から何かそういう形で押し付けたような、掘ったよあなかたち。木目ではないが、荒い目でみるとそういうふうに認識してしまう。漆を塗る過程によるものな気はするが。
柳宗悦や濱田庄司らはイギリスと韓国の家具を高く評価する。またハーバード大学附属フォッグ美術館の招きを受け、欧州経由で渡米。スウェーデンの北方民族博物館やスカンセン(野外博物館)にしょくさつされて、将来の民族美術館の構想を温める。アメリカでは素朴な味わいの聖書の挿絵を蒐集。ボウバックアームチェアスプラッタあるタイプの意匠が非常に好き。たびたび出てくる、クネクネとした。人のような植物のような版画的に造形、図版は何に由来しているんだ、、。
スパリップウェアが掛け流しの重要な参照点となる。
マイケルカーデューの紙皿がとても素晴らしい。化粧土をかけた後に櫛形を施したらしいが、櫛形の曲がるときのスナップが妙な歪さをうんでいる。たぶん私が好きな最たる理由は色だが。
聖書の挿絵が意外とコミカルでおもろかった。ノンパースで、バットが空間に浮いていてお祈りしてるもか、そんな高くない。高座にいるとか。ドイツのもの。
1920-30 日本の近代化にあわせ、大正末から昭和の初期にかけて、矛盾が露呈してきて(誰目線だ?)都市に対する郷土という概念が成立する。民俗、民家、民具、民藝などの生活文化を再評価する動きが高まり、都市生活者の趣味という側面とともにかっぱつかする,
柳田と柳が話したのは一度だけらしく、過去の歴史を正確にするのが民俗学であると柳田は主張し、柳はこうあらねばならくという世界に触れていく使命を担うのが民藝だと説いたが、ふたりはその違いを確認するにとどまった。表層的だが、柳田の民俗学論に共感するが、どちらが善でどちらが悪という話でもなく、どちらも持ち合わせているような気もするので、派はないがグラデーション的には柳田スタンスか、私は。
緑草会編 民家図集の紙面が良かった。頁上部に図版があり、下に設計?ラフとテキストが200字ほど、これらは印刷工の仕事?1930
京郊民家譜の河井寛次郎の装丁が素晴らしく良い。イッチン描き風の文字が現代的な視点ではかたりパンクだが、実際イッチン的な素朴さを当時は感じていたのか?
20世紀初頭、大津絵が再評価されるが、これが良いのが格子の裂を多用した表装で柳も大津絵の新しい見せ方と高く評価したそう、普通にタータンっぽくもあるが、もう少しばあさんっぽい。
芹沢銈介は絵馬を集めてたらしいワ。
山本鼎の木鉢のデザイン画がとっても良いが、クラフト紙に水彩?で書いてる、これが一発書きとは思えないので、これを書いていく過程で決まるかたちもあると思うが、逆にこれを見て作れる職人もすごいな、設計図とか別にあるのかな、
民藝同人によって蒐集されたものの中には道具としての生命を終えたものもあるが、煙で燻され、磨き込まれて深まった色合いや皿の味わいを「見る」という用途をもっていると柳はいった。
赤絵丸文繁鉢、丸という枠に図案をされる。赤と緑、生成りのような黄色なかな。活発である。縁の黒が効いているのもあるか。アウトラインをつけることによって、おもちゃ感が強い。がキムチとかをポンと入れたくなる高貴さはある。
美の標準 そのニ 工藝第2号において、柳はふたつの挿絵を入れ、なぜ一方が不十分で、一方が優れているかを示しこれによって美の標準をはっきりさせたいと思っている。これは言葉によらず、具体的に一見して分かるから読者にも興味があると思う。とかなり読者に寄り添った、へんしゅうをしているが、悪いものの例には有名なものを、いい例には無名なものをいらるという編集方針がとても良い。そのものを押し出すのではなく、考えを押し出すのだ。また12回の連載を終え、悪い方の例になるものを写真に撮るのがなかなか面倒になったらであるなどといっている、笑
雑誌 工藝 は雑誌そのものが工芸的な作品であるべきであるという発想のもとつくられており、布表装にしたり、用紙に和紙を使ったり、豊富な小窓絵と写真を使ったりという工夫が凝らされてた。
雑誌 工藝の芹沢銈介のはたらきがめちゃくちゃに良い。扉絵の挿絵、これらのにじみなどに芹沢の影を感じた。また、線の形として、あまり勢いはなく、熟考された上での手癖っぽい感じ、またそれが直線とのコントラストを産み、なお良い。
民芸フォントと題されたところで、柳が「非個人的な字」を見出したとある。壺の局面に書く際のいっちんの手法の不自由さが、個性の角をとるということだが、浄瑠璃、芝居の番付、提灯の文字、将棋の駒なども近しいという。が芹沢の手癖的な文字の方が私は愛おしいと思うが、あれは違う?いっちんのパンクな感じは、もしかしてグラフィティてきなところに繋がりを感じられるかもしれない。不自由な手法という意味では。
柳も仮名のかたちとして注目した、浄土真宗初期の版本の文字が非常に良いが、版画なのか、、文字の上に家紋的な図版が、レイヤーで捺印されていて、字と図の境界を曖昧にしている。が良くみると推されている圖はぜんぶおなじで、なんか訂正印みたいでもあるが、なにか用途がある?
織物の袖無長衣 サイシャット族 | 台湾の色彩と図案のバランスが素敵だが、テキスタイルの柄に依存して、ライン先の記事全体の形がキュッとなっているのもかわいい。また、ライン的に入る柄には縫いの位置ととても関係性がありそうで、これも素朴さの所以かもしれん。
雑誌 民藝でも見られたが、柳は本文ページと表装のコントラストがないことを嫌ったそうだった。「表具に用いる素材としての布又は髪の色をら本品と近いものから選びますとその結果が至って無難なことが見出されました」とある。
山陰新民藝品展覧会 1932のパンフレットが美しい。図版が自由に配されつつ、その周りにキャプション、中央に四角く囲った民藝品のリストが固く組まれている。
柳の拭漆机の棚に彫られた、4枚の花の図案が美しい。深く掘りエッジを立たせることで、シャープな印象をつくるが、これも柳のシャープ好きを裏付けるものか?
日本民藝地方民窯展 展示風景1940がめちゃくちゃによい、地図から糸を引き、器よ結びつける。非常によい。
柳と芹沢で制作された全長13メートルの巨大な日本民藝地図、旧国名による区分に都道府県を協会を重ね、オーバラップさせる。また鉄道網を走らせ、民藝品を記号化したものをつかい、500を超える産地をマッピングしたよのたが、ここまでのレイヤーを作るながら、意外とあっけらかんとした。色面の印象が強い、ビジュアルで、いけいけとしながも力強い。芹沢の色彩感覚がめちゃくちゃよく、赤、深緑、黄色、緑っぽいグレーに、白文字金文字、ときおり赤文字で入る地名のカリグラフィーがめちゃくちゃ心地よい、地図はベタで、海は陸に沿って若干コントラストがついている。ふわふわしそうな、色使いたが、鉄道路線の黒がコントラストを1番上のレイヤーでつくり、横に広がり続けるビジュアルに流れる視線を留めてくれる。民藝品のアイコンが素敵、そこまでディテールを排除せず、色数も極端に絞らず、揚々としている。
抱瓶とよばらる酒瓶の一種でかたちが三日月型のらいんになっているのは腰に当てて方から下げて携帯したことによるもの。しかし現在でではサイズ感的に絶対置きだろと思いつつ、なんなら水指であるが、これも用途の転換と呼べるものか。
生成り本文頁にモノクロの写真をおく、だんだんページは焼けてきて、独特なコントラストをつくる。
青森の伊達げら、の模様がかわいい。記事のつくりによって図案がワープしている。
芹沢銈介の海外中の挿絵が良かった。家が消失してもなお、仕事が続けられる体制がとれているところに自分的に芹沢を見た。どんな状況でもものづくりに向き合えるのは最低限の環境、それなりのスペースと採光、そんなに必要とされる条件は厳しくないのかもしれない。
文字絵 忠 | 考 朝鮮半島 文字絵芹沢のものが有名なので、あまり朝鮮などにそういう意識がなかったが、なんか図の割合多くないという感じと、なんかちょっと稚拙な図案に強筆という印象。
スウェーデンのヴィルヘルムコーゲの澱青釉碗がすごく、深く名前の通り澱んだ青としているにもかかわらず、輝きがあり、骨太なかたちが素敵だった。
河井寛次郎のキセルシリーズの現物を始めてみたが、ネットで見るよりも格段にエロティックで、原案デッサンは至って素直な感じ。メカニカルなエロさがあるが、河井寛次郎自身も、「本当の民衆���工芸のメカニカルは機械産業が後継になる」って言った
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hi-majine · 5 years ago
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百年目
 人をつかえば苦をつかうということを申しますが、まったくその通りでございまして、人の上に立つということは、むずかしいことでございます。
「おい、定吉」 「へえ」 「なにしてるのや?」 「へえ、こよりよってまんねん」 「なんぼほどよったんや?」 「もう九十六本だす」 「なんじゃ、朝からかかって、たった九十六本かい?」 「ちがいまんね。もう九十六本よったら、百本になりまんねん」 「そんなら、できたあるのは、四本だけやないかい?」 「へえ、ちょっとおそうおますな」 「なにをいいくさる。こよりで馬をこしらえて、たたみをトントンたたくと馬がうごく。そんなことして、なにがおもしろい? いらんてんご(じょうだん)ばっかりしてるさかい、仕事がはかどらんのじゃ」 「こんな馬がおますかいな。鹿だすがな。馬にこんな角《つの》がありますかいな。鹿をみて馬やなんて、これがほんまの馬鹿かいな」 「こらっ、なんちゅうこといいやがんねん。しょうもないことせんと、しっかりひねろっ! ……清七どん、あんた、そこでなにしてるね?」 「へえ、お得意さきへだす手紙書いとります」 「ああ、それはごくろうはん。お得意さきへのたよりは、欠《か》かさんといとくなはれや。しかしやな、わたしが、さっき硯箱のひきだしをあけてみたら、お得意さきへだす手紙が二本はいってたが、なにかいな、ひきだしへいれといても、さきさんへとどくもんやろかな?」 「おそれいります。だしにやろうとおもいましたところが、丁稚《でつち》の手がふさがっておりましたんで……」 「そら、なにをいうんや。ふたことめには、丁稚《こども》、丁稚て、丁稚をつかわな損のようにいうてる。おまえかて丁稚みたいなもんやないか。縫いあげおろして名前がかわったら、それでりっぱな番頭はんやとおもいなはるか? 人をつかおうおもたら、一人前ものがでけるようになってからつかいなはれ。あんた、なんぞ一人前でけることがおまっか? 一人前でけるのは、めし食うことと、雪隠《せんち》(便所)いくことくらいやないか? ほかになにがでけんのや?」 「鼻からうどん食べられます」 「あほ! ようまあそんなあほらしいことじまんしなはる……久六どん、ちょっとここへおいなはれ。あのな、こないだから、いっぺんあんたにいうとことおもてたんや。店で本読むのはおき(やめ)なはらんか? 商人《あきんど》が、店で本読んでるほどいかんものはないな。商《あきな》いに身のはいっておらん証拠や。人さんがはいってきなはっても、本に気が乗ってるものやで、どうしても不愛想《ぶあいそ》になる。そんなことしてる間があるのんなら、見本のぬけたのがないか、ようしらべときなはれ……市助どん、あんたもここへおいなはれ……わたいが、いま、みてみんふりをしてるちゅうと、久六どんに意見しとるのを尻目でちょいちょいみて、肩でふふんと笑うてなはる。いかんことやな。おかしいことがあるなら、大きな声で、遠慮なしに笑いなはれ。せせら笑いはしなはんなや。おまはんも、あんまり人を笑えたおかたやないで。このごろ、なにを稽古してるのや? いや、かくしなはんな。わたしゃ、よう知ってます。浄瑠璃《じようるり》をやってなはるな。これ、ちいと身分がちがやへんか? あれはな、ご大家《たいけ》の旦那がたが、身代《しんだい》を跡目へゆずってしもて、それから、たのしみに稽古なはるものや。ほんまにいやらしい。ちょっと目をはなすと、小さい声で、おがおがいうてる。みられたざまやないで。奉公人の分際《ぶんざい》で、あんまりすぎたことしなはんなや。そっちへいてなはれ……新助どん!」 「そらきた」 「なんや? そらきたやと? うーん、わたいにしかられるのを待ってたようないいぐさやな。わたいは、べつに叱言《こごと》をいいたいことはないのやで……しかし、おのぞみなら申しまっせ。いや、いうべきことはいわんならん。ちょっとこっちへおいでなはれ。あんたなあ、ほかの人とちがうはずやおまへんか。わたいが、来年にでも、別家をさしてもろうたら、この帳場をあずかるんやろ? ほかの人とおんなじように、しょうもない意見をしられてええのんか?」 「へえ、どうもあいすまんことで……」 「あいすまん? あんた、なんぞあいすまんようなことをしてなはるのか?」 「いいえ、めっそうな……」 「あんた、ゆうべ、どこへいきなはった?」 「へえ、お店をしもうてから、ちょっと風呂へ……」 「ふーん、風呂か? ……それにしては、えろうお帰りがおそかったが……」 「へえ……そのう……じつは……風呂で、紀の国屋の番頭はんに会いまして、『今晩、うちで、旦那《だん》はんの謡《うたい》の練習《おさらい》がおますのや。ごめいわくやろが、二、三番聞いて帰ったげとくなはれ』とたのまれまして……へえ、あんまり無情《すげの》うおことわりいうのもわるいとおもうたものだすさかいに……」 「ああ、さよか……じつはなあ、わたいは、ゆうべ、どういうものか、寝つきがわるうてなあ、あんたのでなはったのは知ってるが、ねっから帰んなはったようすがない。『はてな、どないしなはったんやろ?』とおもいながら、うつうつとしてたんや。するちゅうと、三時もよっぽどすぎたとおもう時分、人力車《くるま》がガラガラ走ってくる音がするやないか。『はて、この夜ふけになんやろ?』と、おもいながら聞いてると、半丁ほどさきで、ぴたっととまって、若い女《おなご》はんの声で、『どうぞお近いうちに……』ちゅうたら、『しーっ』と、なんや猫追うようにいうてなはる。はて、なんのこっちゃろとおもてると、しばらくして、うちの表の戸を、雨だれみたいな小さい音で、コンコン、コンコンとたたくやないか。すると、だれぞいいつけられてよったのやろ。表《おもて》戸をそーっとあけて、『へえ、お帰り』ちゅうと、また、『しーっ』と猫追うようにいうて、『おおきにはばかりさん』いうてなはった声に、たしかに聞きおぼえがおますね」 「へえ、じつは、その……あまりかたいものを聞かせたさかい、これから、まあ……ちょっと、このう……まあ……ええ……にぎやかに……わっと……というような……なんで、したら……ええ、よろしかろうという、へへっ……でござりまして……」 「なんや? さっぱりわからんやないか。はっきりいうてみい」 「えへへへ……ちょっと、その、南地《なんち》のお茶屋へ……」 「遠いところまでお茶買いにいきなはんねやな」 「いえ……そうやおまへんね……つまり、この芸妓《げいこ》、幇間《たいこもち》を買《こ》うて……」 「ほう……げいこちゅうたらどんな粉や? たいこもちちゅうたら、煮て食うのんか? 焼いて食うのんか?」 「こりゃ難儀やな」 「やかましい!」 「へっ」 「あんた、わたいをなんとおもうてなはる? なんぼわたいでも、それくらいのことは知ってますわ。あんた、ようもまあ、ぬけぬけとそれだけのことを、わたいの前ではっきりいいなはったな。新助どん、わたいはなあ、四十二だっせ。自分に甲斐性がないさかい、いまだにお茶屋の段梯子《だんばしご》は、どっちむいてのぼるものやら、げいこという粉は、一升いくらするものやら、たいこもちという餅は、煮て食うやら、焼いて食うやら知りまへん。そのわたいを目の前に置いて、ようそれがいえまんなあ」 「へえ」 「ぐうとでもいうてみなはれ」 「ぐう」 「なんや、ぐうとは?」 「あいすまんことでおます。以後はつつしみますさかい、きょうのところは、どうぞごかんべんを……」 「ちいと気をつけとくなはれや……さあ、あっちへいて、用事をしてきなはれ……あっちへいきなはらんかいな……これ、わたいがいきなはれというたときに立たなんだら、立つ機会《しお》がないようになりまっせ」 「へえ……いきとうおますねが……しびれが切れまして……」 「あきれた人やなあ……いや、もう、あんたがたにお店をまかしておいたら、どないなるやらさっぱりわからんわ。丁稚《こども》、わしのはきものだせっ! これから一通りお得意まわりをしてきます。もし旦那《だん》はんがおたずねなはったら、日暮れまでには帰りますというときなはれ。しっかりあとをたのみます」 「いやあ、毛虫がでていきよる」 「なんや? 毛虫がどないした?」 「いえ、だんだんと暖《ぬく》うなってきたさかい、毛虫がでるいうてまんね……へえ、おはようお帰り」 「おはようお帰り」 「おはようお帰り……(ぺろりと舌をだす)」 「これ、定吉、いまなにをしたんじゃ?」 「なにもしやしまへん」 「うそつけ! わしのうしろから舌だしたやないか。前の鏡にちゃんとうつったあるわい」 「いえ、番頭はん、あんたにだしたんとちがいまんね。舌もたまには世間がみたいやろおもうて、みせてやりましたんや。舌だすいうたら、あんなんとちがいまっせ。こうして、べろん(と大きく舌をだす)」 「にくたらしい! ……もう、しょうのないやつばっかりや。みんなたのみます」  番頭さん、苦虫《にがむし》を噛みつぶしたような顔で半丁ばかりまいりますと、横丁から、ちょんととびだしましたのが、お召しの着物に黒の羽織、雪駄《せつた》ばき、丸坊主の男、扇をパチパチさせまして、縦《たて》からみても、横からみても幇間《たいこもち》という姿でございます。 「ええ、次《つぎ》さん、次《つぎ》さん……」 「しっしっ……おお、これは丹波屋はんのご隠居で……どうもひさしくお目にかかりませんでござりましたが、おかわりもなく……」 「もしもし、次さん、ここだっせ、ここだっせ」 「しっ、しっ……へえ、お宅さまでも、みなさんお達者で? ……へえ、そりゃあどうもよろしゅうございます。ああ、さようで……ごめん……」 「もーし、もーし、次さん!」 「あほ!」 「え?」 「どあほ! ものをいうなと目顔で知らしているのがわからんか? おまえの風態《ふう》をみてみい。だれの目からみても幇間まるだしやないか。そんなふうして近所でものいわれてたまるかい。気のきかんやっちゃ」 「そうかて、あんたはん、いつまでおいでやないさかい、みなが心配して、ようすみてこいいうので、わたいがみにきましたんやないか」 「それがよけいなこっちゃ。わしかて、でる機会《しお》がないよってに、店の者に一通り叱言いうといて、それを機会《しお》にすっとでようとおもうてたんや。それに、そないに派手ななりで、店の前をいったりきたりされたら、こっちは、気がとがめてでるにもでられへんがな」 「さあ、そやさかい、わたいかて、あたまつこうてまっせ。おんなじなりでなんべんも通ったらいかんおもうたよって、十銭やって、くず屋のかごと量器借《りようきか》って……」 「それがあほやないか……くず屋のかごかたげるなら、くず屋のなりせんかい。そのままのなりでくず屋のかごかたげてどうするのや? 丁稚《こども》ちゅうもんは目がはやい。『番頭はん、あれみなはれ。あのくず屋、えらいええベベ着てまっせ。くず屋の殿さまかいな?』いいよった。わしゃ、ひやっとして、脇の下から汗がながれたがな」 「あははは」 「笑いごとやないで、ほんまに……それで、船はどないしたんや?」 ��さあ、それだすねん。いわいでもええのに、おそめねえはんが、蔦家《つたや》のおかみに、きょうはこれこれやとしゃべったもんやから、さあ、聞きつけた芸妓《げいこ》、舞妓《まいこ》がおよそ二十人ほどになりましてん……そやさかい、しょうがないよって、屋形《やかた》船を一|艘《そう》……」 「そんな無茶すない……まあ、しかたないわ。で、どこへつないだあるのや?」 「東横堀の研石屋の浜だす」 「あかん、あかん。あの浜側には、店のご親類が一軒あるのや……もっと上へつなぎいな。高麗橋の詰《つめ》へでもつないどいてんか? わしゃ、したくしたら、じきにいくさかい」 「ほなら、次さん、待ってまっせ」  幇間をさきにやっといて、お店から二丁ばかりまいりましたところに、駄菓子屋がございます。そこで、二階にたんすがあずけてある。上から下まで、そっくりと上等の着物と着かえまして、一分のすきもないこしらえで、高麗橋まできてみますと、りっぱな屋形船がついておりまして、なかでは、お茶屋のおかみから芸妓、幇間までが大さわぎでございます。 「やあ、次さんがきやはった」 「次さん、次さん、おそいやおまへんか!」 「しいっ、しいっ、もうちとしずかにできんか? 船頭はん、あとしめて船、出しいな」 「しめきって、お酒飲んだり、さわいだりしたら毒だっせ。ちいっとあけときまひょか?」 「いかん、いかん。ぴたっとしめとくのや。それから、あまり大きな声だしなや。なるべくものいわんように……」 「まあ、いややわ。まるで島ながしの船やわ。船頭はん、はようだしとくなはれ」 「ほらい、きたあ」  大川へでてまいりますと、上り下りの遊山船、その陽気なこと…… 「次さん、もう大川のまん中だっせ。すこうしぐらい障子あけたら?」 「いかん。船同士すれちごうたときに、どんな知ったおかたが乗ってはるかわからへん。あけることはならんで……」 「ほな、むこうへついて、どないして花見しまんね?」 「みいでもええ。花のにおいかいでたらええやないか。強《たつ》てみたかったら、障子に穴あけてのぞくのや」 「あほくさ! 家へいんではなしもでけへんわ。『花はよう咲いておましたか?』『なんやよう咲いてるような香がしておました』……そんなあほらしいこといわれへん」 「やかましいやつやなあ。むこうへついたら、おまえらだけあがって、おもうだけみてきたらえ えやないか……さあ、酌いでんか?」  番頭さん、ちびりちびりやっておりましたが、桜の宮へつく時分には、すっかり酔うてしまいました。 「ういー……ああ、むしむしするなあ。もう一ぺん手ぬぐいしぼってんか? ……やあ、なんや暑いとおもうたら、みなしめきったあるのやな。だれがしめたんや?」 「あんたはんが、『しめい、しめい』と、やかましゅういうてしめさしなはったんやがな」 「なんぼいうたかて、こない正直にきっちりしめるやつがあるかい、あほめ! 暑いわい。あけ、あけ……」  みな暑うてたまらん。一ぺん風をいれたいなあとおもうてるところへ、「あけ、あけ」と、きたもんやさかい、一時《いつとき》に障子をあけますると、花はいまが満開。一面にうす紅《くれない》のかすみがかかったようでございます。そこここの木の根もとには、緋毛氈《ひもうせん》をしいての品のええお花見もあれば、土手の上には、からになったひょうたんふりまわして、ひょろひょろしながら、わけのわからん唄歌うてる人もあるという、いやもう陽気な景色でございます。 「おい、船頭、こ、こ、ここへ船つけたれ。さあ、みんなあがって花みてこい。わては、ここにのこって飲んでるさかい……」 「まあ、次さん、なんだんね、あんたはんもいっしょにおあがりやす」 「あかん、あかん。わて、そんなことしてられへんね。わて奉公人や。顔みられたらあかんちゅうに……」 「ほな、次さん、ええことがおまっせ。顔がわかるといけまへんのやろ? よろし。じゃ、こうしまひょ。舞妓はんのな、舞い扇を、こうひろげて、あんたのお顔へあててまんね。おそめねえはん、あんたのしごきちょっと貸しなはれ。それ、こういうぐあいに扇をくくりつけてしもうて……さあ、これなら、だれにも顔はわかりまへんやろ?」 「わあ、ええかっこう……忠臣蔵の由良之助みたいやわ。ついでに着物もぬいで、襦袢《じゆばん》ひとつになりなはれ。さあ、帯ほどいたげまひょ」 「これこれ、無茶すな、無茶すな」  なんぼいややいうても、まわりからぬがしにかかられると、下にはじまんの長儒絆を着てるものやさかい、番頭さん、とうとうぬいでしもうた。 「まあ、きれいやわ」 「次さん、ちょうど右団次の石橋《さつきよ》みたいやわ」 「よう、高島屋!」 「おだてないな……さあさ、これから鬼ごと(おにごっこ)じゃ。わしにつかまえられたら、だれでもかまわん。肩ぬがして踊らすで」 「きゃーっ」  番頭さん、こんどはさきだちで大さわぎでござります。
 こちら、お店の旦那さまが、お気にいりの玄伯という街《まち》幇間《だいこ》をつれて、桜の宮へお花見においでになりました。 「玄伯老、くたびれやせんかな?」 「いえ、いっこうに……」 「そうか……しかし、美しいもんじゃなあ、どうや? この桜……わしゃなあ、こうして花見さしてもろうてるけど、うちの番頭……がんこなやっちゃ」 「へえ?」 「さ、きょうもな、若いもんしかってるのはええねん。いうことがあほらしいわ……『げいこという粉はどんな粉や? たいこもちという餅は、煮て食うのんか? 焼いて食うのんか?』……あかん! あいつも、こういうとこへ花見にきやがったらええのになあ……玄伯老や、ちょっとみてごらん……まあ、どこの旦那か知らんが、芸妓衆《げいこしゆう》にとりまかれなすって、大肌ぬぎになって、顔へ扇子いわえて……ああ、おもろいなあ……あのな、ほかの人からみたらなあ、まるで気ちがいに似てるけど、やってる本人、たのしみやで、あれは……はははは、あたしももう一ぺんあないなことやってみたいなあ」 「旦那はん、あのおかた、お宅の大番頭はんによう似とりますが、次兵衛さんとちがいますかいな?」 「あはははは、なにをいいなさる。うちの次兵衛があんなことのできる男かいな。さっきもいうた通り、芸妓も幇間も知らん堅物《かたぶつ》やで……あんなものをみただけでも目をまわしよるじゃろ」 「いや、旦那はん、まちがいなく次兵衛さんでございます」 「そんなはずはないが……どれどれ、いまめがねをかけてみてみまひょ……どのお人じゃ?」 「あ、それそれ、正面の一番大きな木の下で、大手をひろげて、扇子で顔かくしたおかた……あの、それ、ひょろひょろ歩いてはるあのおかた……」 「どれどれ……うーん、あのおかたかいな? ……やあ、ありゃたしかに次兵衛じゃ。いつもまじめくさった顔をして、かげでこんなことをしてよるのかいな……ああ、だんだんこっちへでてくるがな……ああ、こまったな、これは……わしの姿をみせてやるのはかわいそうやし、というて、あともどりもできず……玄伯老、みっけられるといかんさかい、なるべく道の端へ寄ててくだされ」  旦那のほうは苦労人ですさかい、しきりにかくれようとなさいますが、番頭さんは、そんなことご存知ない。 「さあ、つかまえたら肩ぬがして踊らすのじゃ」  旦那が右へよけると右、左へ逃げると左へ、とうとう番頭の手が旦那の肩へかかりました。 「さあ、つかまえた。つかまえた」 「ああ、これこれ、人ちがいじゃ」 「なにぬかしくさる。逃げようとて逃がすかい」 「ああ、いたい、いたい……これ、はなしてくだされ」 「繁八やな……そないな声色《こわいろ》つこうたかてあかん。いま、この扇子をとって、面《つら》をあらためて……あっ、あんたは旦那《だん》はん!?」 「おお、次兵衛どん」 「うへー……これはこれは……旦那さまにはごきげんよろしゅうござります。その後、長らくごぶさたをいたしまして申しわけがござりません。お店もご繁昌のごようす、まずはおめでとう存じあげます」 「え? ……はい、はい……ああ、これこれ、番頭どん、そんなところへ坐ったら、着物に土がつくがな……ああ、もうよろしよろし。あまりおそうならんように帰ってやっとくれや。みなが心配しますよってな……さあ、玄伯老、きなされ、きなされ。すっかり汗かかしよったがな」  そのまま、旦那は帰っておしまいになりました。 「さあ、次さん、つづけまひょ」 「やかましい。だれやい、わしをこんなとこへあげたのは?」 「あんさん、ご自分であがらはったんやないか? ……いまのかた、どこの旦那だす?」 「うちの旦那じゃい」 「えっ、お宅の旦那!? ご粋《すい》なおかた……」 「あほんだら、さあ、羽織だせ、羽織だせ。すぐに帰るんや……繁八、この紙入れ、あんたにわたしとくよって、これで、きょうのあとしまつしとき」  番頭さん、もとの駄菓子屋へつきますと、上から下、すっともとの着物に着かえて、店へ…… 「番頭はん、お帰り」 「へえ、お帰り」 「これ、定吉、旦那はん���?」 「へえ、あんはんがでなはったすぐあとから、玄伯はんをつれて桜の宮へお花見においでになりました」 「そうか……うーん」 「あっ、うなってはる……番頭はん、どこぞわるうおますか?」 「なんでもええ、二階へ寝床《ねま》しいてくれ。あたまが痛うてかなわん。しばらく寝るわ」  二階へあがって、横にはなりましたが、とてもねむるどころやござりまへん。 「ああ、ああ、四十二の歳まで、こうして奉公して、来年は、ようよう別家の身やいうのに、きょうは、なんとした悪日やろなあ」
「ああ、玄伯老、えらい目にあわしたなあ。おつかれなさったじゃろな。ちょっと茶でも飲んでいになさらんか? ああ、お帰りか? さよか。ほなら、ここでわかれまひょ。いずれまたお目にかかるとして……はい、さいなら……ただいま帰りました」 「お帰り」 「へい、お帰り」 「お帰りやす」 「これ、定吉、番頭どんの顔がみえんが、どないしたんや?」 「へい、さきほどお帰りになりまして、あたまが痛いいうて、やすんではります」 「ほう、さよか……そりゃいかんな。おい、定吉、番頭どんは、うちの柱じゃ。ずいぶん大事にしてもらうのじゃぞ」
「うわあ、旦那はんのお帰りやな……うん、もうしばらくしたら、『番頭、ちょっとこい』いうやろな……『ときに、おまえも、ずいぶん長いこと辛抱してくれたけれど……』とくるやろな……いやいや、そないになまやさしいことやあらへんで……『おいっ、番頭! でていきなはれ!』いうやろな……ああ、なんといわれても、一言もないのやよって、さっぱりわや(だめ)や……呼びつけるのなら、いっそ早《は》よ呼びつけてくれはるほうがましかも知れん……蛇のなま殺しはかなわんなあ……うーん、どないしたんやろ? 呼びにくるのが、えらいおそいやないか」  覚悟はきめましたものの、梯子段が、ガタッというと、呼びにこられたのかと、びくっといたします。そうこうするうちに、下では、店をしもうて、みな寝てしまうようすでございます。 「はてな? 呼びにこんとはおかしい……ははあ、こりゃ、明日になって、請人《うけにん》(保証人)呼んで、はなしをつけてしまう腹なんやな……ああ、つまらんことしたなあ……そうや、いっそのこと逃げてしもうたろか? ……もうこうなる上は、いやな叱言のひとつも聞くだけ損や。うん、逃げるときめたら、持てるだけのもの持ってでにゃいかんな。とにかく、あとでとりにこられへんさかいに……そうや、着物の新しいやつを、こういうぐあいに三枚着て……羽織もなるべく新しいのを二枚ひっかけたろ……ああ、こりゃ肩が張るわ……たばこいれも三つ腰へさして……やあ、あの傘、買わなんだらよかったなあ、ずいぶん高うだして昨日買うたばかりや。まさか傘まで持っていけんしな……すっかりしたくはできたが……いや、待てよ……明日、請人がくるわ……で、請人の顔に免じて、こんどのところは大目にみるさかい、以後つつしめやというはなしにならんともかぎらんな……そのときに、わいが逃げてしもうたら、どうもこうもならんな……そうや、やっぱりやめとこ……着物も羽織もたんすへなおしとこ……しかしなあ、あんなところみつけられて、まさかこのままつこうてもらえるようなことはないやろな……逃げるほうが得《とく》かいな……いや、やっぱりやめとこ……いや、逃げたほうが……」  次兵衛さん、夜通し眠られまへん……そうこうするうちに夜があけますと、平素《へいそ》なら、「みな起きよ」いうて、みな起こして、自分は、もう一ぺんぐっすりと寝なおすのですが、きょうは、自分が一番に起きでて、表の戸をガラガラ……ほかの者がびっくりして、 「ああ、番頭はん、えらい寝すぎてすんまへん。どうぞわたいにあけさしとくなはれ」 「いや、かめへん、かめへん、まだ早い、もっと寝な」 「そんなことできまっかいな。ああ、番頭はん、門口《かど》掃くのは、でっちのわたいの役だんがな。番頭はん、ほうき貸しとくなはれ」 「いや、だんない(さしつかえない)、だんない、わいが門口掃いて、水打つさかいに、おまえは、帳場へ行《い》て、帳合いしとき」 「そんなことできますかいな」  ���除もすみ、朝食しまして、番頭、しかたなしに帳場へ坐りましたが、なかなか帳合いどころやございまへん。 「あーあ、とりかえしのつかんことをしてしもうたなあ。いよいよ、この店ともおわかれか……このごろ、うちの次兵衛も、ちょいちょいかくれあそびをしてよると、旦那の耳にはいっておったら、かえってはなしはしよいんやけど、かたい、かたいとおもわしたるだけに、ことがめんどうやがな。また、きのうは派手すぎたさかいな」  いろんなことをかんがえております。  しばらくして、旦那さんのお目ざめです。 「これ、定吉」 「へい、お呼びでございますか?」 「番頭どんは、もう起きてなさるか?」 「へえ、お店で帳合いしてはります」 「そうか……『たんとお手間はとらしまへん。ちょっと茶の間までおいでねがいます』と、いうてきなはれ」 「へい……番頭はん!」 「うん、あかん……もうだめや……」 「もし、番頭はん」 「ああ、しもうたなあ……船からおりたのがまずかったんや……」 「番頭はん!」 「わっ、びっくりした。あほ、びっくりするやないか。なんちゅう声だすねん。なんじゃ?」 「こっちがびっくりしましたがな。大きな声だしてとびあがんなはるよって……あのな、旦那《だん》はんがお呼びだす。『たんとお手間はとらしまへん。ちょっと茶の間までおいでねがいます』と……」 「そうか……うーん、いよいよきたな」 「どないします?」 「すぐいくいうとけ」 「へえ……旦那はん、行《い》てまいりました」 「おお、ごくろうじゃ。番頭どんはどういうてたな?」 「『すぐいくいうとけ』と、いやはりました」 「これっ、なんという行儀のわるいもののいいかたをしますのや。番頭どんは、そんなこというお人じゃない。よしんば、番頭どんがそういうたにもせよ、おまえは、わしの前へきたら、『ご番頭さんは、ただいまおみえになります』と、なぜていねいにものをいわぬ……また頬ぺたをふくらしてるな。主人の前でなんじゃ。増長《ぞうちよう》もたいがいにせえ」  うしろで聞いてる番頭のつらいこと。胸をちくちく刺されるようでございます。 「だれじゃいな、そこでぺこぺこおじぎをしてなさるのは? ……なんや、次兵衛どんやないかい。まあまあ、そないにあたまばかりさげておらんと、ちっとは、わしの顔をみいな。はなしもなにもできやせんがな。しかし、毎日ごくろうやな。あんたのはたらきで、店も繁昌するばかりじゃ。わしゃ、喜んでいるのやで……さあ、お茶を一ぱい飲みなされ。まあ、よろしいやないか。べつに急《せ》く用事もないんやろ? まあ、茶飲みばなしでもしようやないか……そうやな、なんのはなしをしようか? うん……一軒の家のあるじを、むかしから旦那というやろ? あれは、どういうわけでそういうか知ってるか?」 「いいえ、てまえ、いっこうに……」 「知らんか? うん、無理はない。わしも、この年齢《とし》になるまで知らなんだのじゃからな。こりゃ、玄伯老から教えてもろうたんやで、その受け売りやさかいに、まちごうても笑うとくれなや……でな、天竺《てんじく》も五天竺あるというな。その南天竺に赤栴檀《しやくせんだん》という大木があるそうな。で、この木の根もとに南縁草《なんえんそう》という草が生える。人がみて、『ああ、せっかくの名木の根もとに、こないな草が生えてむさいやないか』ちゅうので、これをぬいてしもうと、ふしぎなことには、栴檀の木がだんだんと枯れてくるそうや。ところが、これは枯れるのがあたりまえじゃ。つぎからつぎとくさっていく南縁草の根が、栴檀にとっては、この上もない肥料《こえ》になる。じゃによって、南縁草が繁《ほこ》えれば繁えるほど、栴檀も繁《ほこ》えていくという道理なんじゃ。すると、この栴檀の繁《ほこ》えた枝から露をおろすのやが、これがまた、南縁草のよい肥料《こえ》になって、南縁草もよう繁える。それにつれて、栴檀もまた繁えて、ますます露をおろすという、つまりもちつもたれつちゅうわけやな。どうや? ええはなしやないか? そこで、栴檀のだんと、南縁草のなんとをとって、だんなんというんやそうな……あははは、耳学問やさかいに、ほんまかどうか知らんで……ま、そこでやなあ、これをこの家でたとえていうなれば、わしが赤栴檀で、おまえはんは南縁草や。ま、ありがたいことには、ええ南縁草が生えてくれたさかいに、この栴檀は、えろう繁えたわけや。そやさかいに、およばずながら、できるだけの露はおろさにゃならんとおもうてます。ところが、店へでると、こんどは、あんたが赤栴檀で、若い者一同が南縁草や……ところで、このごろ、店の赤栴檀がえらいいきおいで繁えておるが、南縁草のほうはすこししおれてやせんか? いや、これは、たぶんわしのみそこないじゃろ……まあ、そうはおもうが、もしもそんなことがあるとしたら、こら、一時もほっとけんで……南縁草が枯れりゃ、赤栴檀のあんたも枯れにゃならぬ。あんたが枯れりゃ、わしもいっしょや。なあ、次兵衛どん、どうぞ、店の者にも露のおりるようにしてやっとくなはれや。わかりましたか? わかった? ああ、おおきに……あんたにはすぐわかるやろ。お手とめてすんまへん。さ、早《は》よう店へ行《い》とくなはれ」  暇がでるとおもいのほか、さすがはご大家の旦那、きのうのことについては、叱言らしいことはすこしもいわず、自分ばかりたのしみするのが能《のう》やない。ちっとは、はたにもゆとりをつけてやれという結構なお心でおます。 「うへー、なんともありがたいことでござります」 「あははは、あほばなしで暇つぶさした。かんにんしてや。あ、ちょいと待ち。まだ立たいでもいい。さあ、お茶飲みいな。さめたらいれかえさすで……ときに、次兵衛どん、きのうは、えらいおたのしみやったな」 「うへえー……じつは……その……お得意の旦那衆のお供で……」 「ああ、そうやったかいな。しかしなあ、お得意さきのおかたといっしょにいても、決してお金はつかい負けしとくなさんなや。さきさまが、百両つかいなさったら、こっちは二百両つこうとくれ。かまやへん。そうでないと、商法《あきない》の切《き》っ先《さき》がにぶりますじゃ……が、きのうのあそびかたのようすでは、そんなみっともないことしてやへん。安心しました……まあ、あんたもあそびじょうずになったもんや……あんた、うちへきたときのことおぼえてるか? 早いもんや。もう三十年になるなあ……うちへ肥料《こえ》汲みにくる甚兵衛ちゅう男の世話で、おまはんはうちへきたんや。ちいちゃい、きたない子どもやったで……えらい小便たれする子でなあ」 「うへー」 「みながいやがって、もどそうの、帰そうのというたんじゃが、いやいや、そうやない、小便たれするのは、冷えるからや、お灸《きゆう》すえてやればいいと、灸点をおろそうおもても、色の黒い子で、墨で灸点おろしても、みわけがつかん。しょうがないよって、しまいにおしろいで灸点おろしたことがあったな」 「うへー」 「とにかくりっぱになんなさった。感心してますのじゃ。しかし、次兵衛どん、怒ってなや。じつは、きのう、あの姿みてな、こりゃ、ひょっとすると帳面に大きな穴があいてやせんかと、ひさしぶりに帳面をすっかりしらべてみたが、帳面には、まるで穴がない。帳面に穴がないとしてみると、お店はお店でもうけさしといて、自分でももうけてつかいなはる。こら、男の甲斐性《かいしよう》や。えらいなあ。世のなかには、沈香《じんこ》も薫《た》かず、屁《へ》も放《こ》かずちゅうのがあるやろ? そんなやつはあきまへん。どんどんもうけて、どんどんあそびなはれ。わしかて、まだ老いぼれてやへん。たまにはつれていてもらうわい。あははは……しかし、きのう、桜の宮で逢うたとき、おかしなあいさつしたやないか……『旦那さまにはごきげんよろしゅうござります。その後、長らくごぶさたをいたして申しわけがござりません』とか、いうとったな?」 「へえ……」 「からすの鳴かぬ日はあっても、わたしとおまえさんが顔をあわせぬ日はないのに、なんであないなことをいうたんじゃ?」 「へえ、かたい、かたいとみせかけておきながら、あんなところをお目にかけまして、しもうた、これが百年目やとおもいました」
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kachoushi · 3 years ago
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零の会
2021年8月7日
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岡田順子選 特選句評
コロナ渦のメール句会
岡田順子出句
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岡田順子出句
八月のニライカナイへ向く御嶽 蓮の水溢れ浸みゐし白き甕 紅蜀葵五弁分解して散らす 自づから紅きをあぐね紅蜀葵 庭花火父の帰らぬ日は母と 八月のジャズバーに来る汝の魂 銀漢にとどきて母を見てゐしか 白桃を一夜仏の掌に供ふ 夕影に退くを拒みし皇帝ダリア 叢雲の夕蟬包みゆきにけり
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岡田順子選 特選句
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岡田順子選 特選句及び特選句評
草茂る中佛法も神託も 荘吉
各家々の宗教を問わず様々な墓が草茂る中に見え隠れする。土に還ればどうであれ御霊は等しく尊く祀られているのだと俯瞰している姿を想像する。
目覚めたる百鬼へ夕風の風鈴 光子
暮れてゆく逢魔が時。それを待っていたかのように百鬼夜行のおでまし。この百鬼を人界に擬えているのかもしれないが、素知らぬふりで夕風鈴を添えてうまい。
蚊柱を抜けて主宰の幻に 三郎
蚊柱もこの句も掴みどころがなく、説明をすると壊れてしまう。主宰が幻になったのか、蚊柱を抜けた先に幻のような主宰に遇った、というのか・・でも面白い。
いつときの片陰にあり先師墓所 梓渕
本来なら零の八月は、青山墓地の坊城家のお墓参りであった。先師はとしあつ先生のこと。炎天下のいっときでも陰にありませ、という思慕や祈りが伝わる。
朴家てふ墓の木槿の夕かな 要
木槿は大韓民国の国花。この墓碑の名から察して母国を離れた方の埋葬されていることを想う。その折に墓木として植えらた木槿も墓守として夕影をなす。
八月の某日祖父は屋根の上 伊豫
この八月の某日は、戦中か戦後をさすのだろう。そういうことは何もこの句は語っていないが、「八月」から想起するこの祖父の姿は何か「絶対」を思わせる。
岡田順子選 特選句
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岡田順子選 特選句及び特選句評
八月の海へ子浸す父と母 慶月
嬰児の海への洗礼のような粛々としたもの。父母にしがみつく小さな体を抱いて初めて海水を浴びさせるときの畏れのようなもの。夏の終わりゆく八月の季感。
老人は老人を避け今朝の秋 千種
苦笑とも微笑とも、と思いながら捨てがたい情がある。割合と老人同士は反りの合わないという心理ではないか。やっと暦だけでも秋になり爽快で居たいと。
八月や肩怒らせてシャツ乾く 千種
旱続きの毎日の洗濯物の乾ききった姿である。ハンガーから外しても頑として部屋に飄逸している。肩を怒らせて、と観るのは自己投影もあるかもしれないが。
七夕を祀る一人の遊びとす 伊豫
この人は恋をしているのか、またなにか秘める祈り事があるのだろう。七夕の短冊にそれを書き笹に結いながら、「遊び」として委ねる気持ちの揺れが伝う。
故国より灼けイザベラの墓所の昼 梓渕
青山墓地の外人墓地に「イザベラ」と読む美しい十字墓がある。炎天下に晒された墓所に立ち、宣教に渡った離郷の地に果てた人への哀悼の思いを深くして・・。
青山の一番強い蚊に出会ふ 三郎
青山墓地を吟行するとき藪蚊の句をいつも誰かが詠んだ。あそこの蚊は何やら唯の蚊でないようで、その思惑すら想像して面白かった。またみんなで青山墓地の吟行をしたい。そして一番強い蚊を見極めたい。
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▲岡田順子選 三角句及び句評
氷柱を岩倉具視の枕元 佑天
何やら面白そう句なのだが、この「氷柱」「岩倉具視」「枕元」の連想についてゆけず。歴史的な教養があれば鑑賞できる句なのかもしれないが・・。
岡田順子選 入選句
救急車どこかしづかに灼ける街 いづみ カンナ燃ゆ楽天なんぞあるまひに 久 かさかさと晩夏の草の名残とも 悠紀子 現れぬ山墓守や蛇の衣 眞理子 黄昏や恋して少女髪洗ふ きみよ 人去りし庭朽ちしとき牽牛花 ゆう子 白雨来たるか曾祖母のただ白し俊樹 夜の秋肌触り良きパジャマかな久 炎天下墓に懈怠の相も見え荘吉 夕焼けを見届けてゐる観覧車要 風もまた墓守となる秋の夕悠紀子 夏燕トラック野郎戻る朝きみよ 水の星一粒零す夏夕べ瑠璃 写真館セピア色なる避暑の人はるか 父の声だんだんに消ゆひぐらしに いづみ 鰯雲思ひきりよく古書括る ゆう子 幾夏の墓守として大木立 三郎 ひと夏に逝きし父母夕端居 眞理子 小湾にぽとりと夕日夏果つる 千種 浄めたき悲しみもあり百合の花 美紀 大きな木大きな声の蟬鳴く木 光子 月見草静かに闇を押し退ける 秋尚 投函を迷ふ手の文晩夏光 きみよ 掃苔や井伊大老を討ちし人 佑天 八月は黙祷三たび四たびかな 荘吉 晩夏光飛行機雲を透かしをり 悠紀子 釣堀や夕方五時の童歌 久 父植ゑしカサブランカを見てゐるか 美紀 厳島沖凪てをり原爆忌 慶月 階段を上れば秋の風下る 小鳥 八月や長老一人欠けゐたり 光子 あたらしき腰巻きでをり生身魂 いづみ 脱帽し一門墓前炎天下 荘吉 音背負ひ銀座をゆくや風鈴売 美紀 何ごともつぶやかぬ墓炎天下 荘吉 妾宅らしき顔して茄子の花 三郎 銀漢にとしのよはひを問ひかける 小鳥 菩提寺の今も井戸汲む墓参 瑠璃 義理がたく西日を背負ふ男かな きみよ 麻痺の手を潤ばし給ふ岩清水 眞理子 箒木の転がりさうに吹かれをり 要 掃き溜むる四十五十の蝉の殻 和子 一山を一宇を消して銀河濃し 俊樹 馬柵に寄り見ゆる限りの風涼し 梓渕 遠雷にこだはり棄てる夕べかな 荘吉 銅メダル無く泣くまじく原爆忌 慶月 大部屋の化粧のにほふ夏芝居 きみよ みんみんの声武蔵野をふるはせる 美智子 八月の水大げさに手を洗ふ 千種 ふるさとの電話に降るや蟬時雨 いづみ 短夜に猫をなぐさむ母のこゑ 和子 秋暑しヒマラヤの塩ひとつまみ ゆう子 貧ならず茄子夕餉の母と娘に 瑠璃 きりもなく笑ふや生身魂どほし 千種 夕涼み三味線で弾くビートルズ 美紀 サーファーは北斎の波従へり 要 何事もなきかに投げし金亀子 要 父の背は声掛けがたき夕端居 きみよ 蟬蚊蟻墓地で露命をつなぎをり 荘吉 八月は土の匂ひの東京駅 小鳥 千の音曳きて風鈴売り帰る 光子
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2ttf · 13 years ago
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