#来週から期末試験
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祈りの課題
2023.12.2
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ニュースで
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インフルエンザ警報レベル
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と耳にしても
自分の周りはそんな状況でなかったりして
やや隔たりを感じることがありますが
今回は、そのニュースを知った直後に
息子が学校から帰宅し
クラスで数名のインフルエンザ罹患者が
でたことを聞きました。
しかも他の学年はもっと多いんだとか!
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こころごすぺるコンサートを
間近に控えていているこの時期
さらに皆さんの体調が守られるように
祈っていきます😌
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(写真:インド🇮🇳。牛、🐂、🐃)
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2024.07〜2024.08 ひとこと日記
7.30-朝寝坊してバイトを休んだ。夜に彼と口喧嘩した。ないものねだりばかりしてしまう。今週末、彼がチェコから日本に迎えに来るのにこんな状態でどうするんだろうね。
7.31-1ヶ月限定バイトの最終日。まわりのひとに大変良くしてもらった。チェコに行くことをリーダーのおじちゃんに話したら30年前にカナダで買ったオリンピックのトナカイのキーホルダーをくれた。大事にとっておいたのか、袋に入ったままで状態の良いものだった。わたしがこんなものをもらっていいのだろうか。
パリ五輪の男子バスケ/バレーの試合を観る。誤審ピック。
8.1- 茹だるような暑さ。何もしたくない。ちょっと黄体期特有の精神不安の症状が出てる気がする。ピルを飲み始めてからはほとんど見られなかったのでこの感覚に懐かしさを感じる。高校〜20代前半はかなり悩まされていたな。
8.3-チェコの彼が日本に来た。
8.9-チェコの彼がチェコに帰った。
8.12-母親と縁を切った。わたしに対する父の本音を聞いた。夜、居場所がなくてネットカフェにいたけど、男臭くて嫌だった。
8.13-ちょっと詐欺らしいものに引っかかってしまい、でもクーリングオフ期間だったので解約できて全額戻ってきたのでよかった。心がフラフラになってるから��されやすい。
8.14-彼の誕生日。南海トラフは来なかった。新しいアパートを決めた。不動産の担当が仕事できなくて不安。
8.17-彼とわたしの今までの思い出アルバムを3時間くらいかけて作った。仕上がりが楽しみ。
8.18-アルバムが出来上がったのでカメラ屋に取りに行く。完璧な仕上がりだった。これを渡しても心が戻って来なかったら諦めがつくと思った。今日、彼はイギリスから帰国。
8.19-内定先の代表と融資を受けた銀行の担当者とのやり取りを聞いていて、絶対この人の元で働いたら後々面倒なことになると思った。
8.20- 代表と話をして正社員ではなく業務委託で仕事を受けることになった。それでよかったと思う。思ったことはなんでも言ってくれと言われてたので、昨日の銀行とのやり取りのこと正直に話したらそれは言ったらだめだったらしく怒っていた。わたしには判断がつかなかった。/パソコンがようやく直ってうれしい。SSDを交換した。
8.21- 最近、早朝に目が覚めてしまう。ひたすらTwitterをスクロールした。意味のないことをして現実逃避したかった。夕方までうたた寝とそんなことを繰り返していた。/今更Wednesdayを見始めた。ハンドが可愛すぎる。わたしもほしい。
8.22- 久々に弟と出かけた。憎たらしくてかわいくて大好き。通っている塾でどんな指導を受けてるのか分からないけど、あんまり良くなさそう。でも私の子ではないから、私に決定権はない。
8.23-朝起きたら風邪っぽい。代表が38度も熱があったのに隠して私を事務所に呼んだからもらったな。地獄に堕ちてほしい。/不動産会社の求人に応募している。職務経歴書を修正していたら、今月末で有効期限が切れる資格があることに気づく。更新のための試験を月末までに受けなきゃ… / ずっと寝ていても頭が痛くなったり筋力が落ちたりしなければいいのになぁ
8.24-明日、あの事件ぶりに彼会う。まだ2ヶ月か。すごく昔のことのよう。図書館へ行って、彼に手紙を書いた。/ 一日中眠たいけど、涼しい部屋で好きな時間にゆっくり眠れない環境だから早く引っ越したい。明日面接なのもだるい。
8.25-午前、面接。9時17時の求人に応募したのに、実際は8時45分18時だった。最近こんなことばかりな気がする。/ 午後、元彼に会う。本当はすぐにさよならのはずがカフェでゆっくり話をした。アルバムはパラパラ���見ていた。心に届いてなさそうだった。別れ際、これで最後って言われたけど私は信じない。だってハグした時、思い切り勃ってたから。わたしのこと、まだ愛してるに決まってるなんて思ったらだめでしょうか。
8.26-オンラインの日本語教師登録をした。自己紹介ビデオをつくってみて、思いのほか楽しかったけどめちゃくちゃ疲れた。動画編集を仕事にしている人、尊敬。/ Amazonの配達サポートの在宅ワークに応募した。応募に必要なテストが実際の仕事のシミュレーションのようで楽しかった。受かるといいな。/ なんか今日とてもがんばった感あるけど、まだ無職、家無し。
8.27- 賃貸不動産会社の1日入社体験。当然無給だと思っていたけど、最後に日当をいただいて驚いた。何もしていないのに… 。今回は勤務条件が募集要項と違っていたので辞退するつもりだけど、今後、就職先を決める上で勉強になったことがたくさんあった。動いてよかった。
8.28-アパートの契約完了。あと3日。父に来週出て行くからお世話になりましたと伝えたら、夕ご飯に少しいいものを買ってくるようになった。わたしがほしいのはそういうことじゃない。/ 夜、悩んだ末に元彼に電話。地雷を踏まないようつま先立ちで会話する。引っ越しを手伝うかどうかは明日まで考えさせてくれ、と保留。会いたい。
8.29-「引っ越し手伝うよ、でもよりを戻すわけじゃないからね」と連絡が来た。
8.30- 今日現在稼ぎ口がメルカリしかない。エネルギーが有り余っているから配達なんかのアルバイトをしたい。
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筆者の友人の女性との話題で、女友達が妊活に苦労していて大変そうみたいな話をよく聞く。身の回りの男性もすでに既婚者となるなか独身を貫く筆者にはおおよそ無縁な話であるが、女性の子供が欲しいながら恵まれなかったという話に相槌を打つのである。 しかし教養として知る話として、不妊の原因の半分は男性にあると言われている。子供ができないことにヒステリックになる背景に、男性が他人事になって検査もしてくれないと聞く。プライドはわかるが検査はした方がいいと思った。 それはそうとして、そもそも諸君は自身の精子を見たことがあるだろうか。毎日出している白いやつと言えば半分は合っているのだが、実は精子は白くないのを知っているだろうか。そもそも毎日向き合っているものを知らずして他人に押し付けてよいものなのだろうか。 「精子は青い」そう教えてくれたのは、高校の保健の先生だった。高校生とはいえ筆者の性の目覚めは遅めだったので、当時はフーンというくらいに聞いていたが、大人になって不妊治療だとか性教育とかそんな単語が現れると、ふと思い出すのであった。 そんな中、あるネットニュースで「精子観察キット」というものが紹介されていた。スマホのカメラに顕微鏡のようなレンズを取り付けて精子を可視化できるのだという。興味が湧いたが、それを読んだ当時はそんなものを買う度胸はなかった。 転機が訪れたのは2020年、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった頃。 「ワクチンを接種すると精子の質が落ちて不妊になる」という噂話がSNSを駆け巡った。今後これを読む人のために補足をすると、今でこそワクチンデマと一蹴されるこうした根拠のない医療情報が、当時は社会問題になったのである。そんな中、コロナ対策チームはよく頑張ってくれたと思う。 人類の新たな危機と言える新型コロナに対抗すべく、一個人としてできることをやらなくてはならない。そんな使命感に駆られた筆者は、自らの精子を精子検査キットで観察し、ワクチン接種の前後で精子がどう変わるのかを調べてみることにした。 まずはキットの選定が重要だ。童貞の筆者は知らなかったのでここで啓発しておくと、コンドームや精子検査キットはアダルトショップで買うものではなく、妊娠検査薬などと一緒にドラッグストアに普通に並んでいる。当時はリクルートが発売していたSeemというサービス(サービス終了)と、TENGAが提供していたメンズルーペという商品があった。試しに両方買ってみることにした。レジに持っていくとスッと茶封筒にしまってくれ、こんな配慮サービスがあるのかと驚いた。化粧品の充実したドラッグストアだとレジ前に女性が多いので少し勇気がいるが、気になるならペットボトルでも買ってカゴに混ぜておけば良いのだ。 いずれも箱の中には精液採取用の道具とレンズが付いている。これをスマホカメラに装着し、レンズに精液を垂らすと、カメラに精子が映る。この動画をサーバーに送ると、精子を画像認識し、精子の数と、よく泳ぐ精子の割合を示してくれるのである。 性教育をあまり受けてこなかった人のために補足すると、精液は精子のほかに前立腺など様々な液が合わさってできていて、射精直後は粘り気の強い塊になっていて、一丸となって送り込まれる。そして時間が経過すると透明でサラサラになり、卵子めがけて泳ぐ精子を助ける潤滑剤となるのである。つまり、活発に泳ぐ精子を見るためには、精液を30分ほど放置してサラサラにしなくてはならない。 ところが実家暮らしの筆者にとってこの作業は困難を極めた。筆者の部屋にはわりと気軽に家族が会話しに来訪するので、普段はトイレでこっそり致している。ということで、部屋で致そうとすると緊張��て奮い立たないし、隠しておくにしてもビクビクしている。ビクビクしているゆとりもないのだ。偶然もらったお菓子の空缶があったので、そこに隠して放置する。サラサラになった精液をスポイトでレンズに注入すると、精子が見える。測定上の注意事項として、最近のスマホのレンズは大きいので、ここに傷がついていても飛蚊症のようになり綺麗に映らないので注意が必要だ。そしてLED照明など点滅する照明を顕微鏡のライトにするとチカチカしてとても見るに耐えないので、ライトにも気を配る必要がある。 ドキドキの対面である。精子の姿がスマホに映った。Seemのレンズで見た精子は、確かに青かった……。 早速精子を動画に撮り、サーバーに送ると、しばらくしてその結果が送られてくる。筆者の精液には1mlあたり2400万の精子がいて、そのうち活きているのは6割という結果だった。TENGAメンズルーペには精液採取のカップに目盛がついていて、量を測ることができた。測ってみると5〜6mlの範囲に収まっている。これも保険の教科書通りだった。基準はWHOが定めているので気になった人はググってみて欲しい。 ワクチン接種は筆者にとって地獄であった。腕はパンパンになり、高熱が出て1週間寝込んだ。精子は熱に弱いので、この熱では死んでしまうのかもしれないと思った。しかし少し落ち着いてから測定してみると、4200万匹、運動率は6割でほぼ倍増である。減るどころか増えているではないか。色々考察してみたが、夏の筆者は繁忙期で、寝ても覚めても仕事していた。これがワクチンの熱で1週間寝たきりになったことで、睡眠不足が改善されて精子が増えたのではないかという仮説に至った。 2回目の接種でもためしたが、寝込んだ後に精子を調べると精子の濃度が高くなることがわかった。そして年末の繁忙期にも試してみたところ、この時期になると精子の運動量が2割程度に落ち込むのである。主観的な意見と言わざるを得ないが、精子が疲労のバロメーターになっているように感じられた。 つまり、我々は日常的に精液を放出しているつもりでも、その中にいる精子は健康状態……たかが寝不足程度でも、日々増減したり、中身がほぼ死滅していたりするのである。女性は月に一度しか妊活のチャンスがないと言われるが、一方で男性にも毎日チャンスがあるわけではないということをこの実験は示した。 自分の身体にこんな秘密が隠されていたとは思わず、外出自粛の間、メンズルーペを使って精子を調べることに没頭した。画面の中で精子たちは、腕時計の中で動く歯車のようにピコピコと機敏に動いている。そうやって頭を振りながら泳ぐ精子たちを観察しているうちに考えたことがある。それは 「女性だけが命を宿すことができるというが、男性だって命を宿している」ということだ。 精子は人体で最��小さい細胞であるが、父親の遺伝子を母親に届けるという役割のために泳ぎ回っている。確かに赤ん坊は女性から生まれるが、この精子たちもその命の構成要素の一つだ。精子は生きていた。この目ではっきり見たのだ。 顕微鏡に注いだ精液は、スマホで観察するために照明に照らされ、蒸発しやすくなる。その中を泳いでいる精子がどうなるか知っているだろうか。だんだん身動きが取れなくなり、必死に尻尾を振りながら息絶えていき、やがてレンズにはさっきまで活発だった精子たちの死骸が映るのである。いくら単細胞とはいえ、ふだんトイレに流していた命の源を直視すると、少し堪えるものがある。 卵子が受精する瞬間を奇跡とか神秘とか称する教育ビデオは学校でも見てきた。確かに命は尊いものだ。ただ精子を一人称とすれば、彼らは生きた状態で放たれるとも限らず、その行先もゴミ箱やトイレやゴムの中かもしれない。生涯に1兆匹生み出されながら、ヒトとして生を受けるのは数匹である。1匹や、0匹かもしれない。生存競争にすら立てなかった精子の生き様を見て、掴んだ命に誇りを持って生きていこうと思った。本当は身近な人にこそこういう話をしたいが、頭のおかしい人だと思われたらどうしようという思いで二の足を踏む。誰かに届くことを願って、ネットに垂れ流しておこうと思った。 さて、それぞれのサービスの違いだが、Seemは1回3000円という結構お高い装置だったが、鮮明に精子が泳ぐ様子を眺めることができた。いっぽうTENGAメンズルーペは1500円で4回分というお買得な商品だが、そのせいか鮮明さでは少し劣るところがあると思う。しかし安いので、定期的に精液チェックをするにはもってこいである。 それとは別に、ロートが精子観察用のレンズを売っているそうで、ピント調節もできる高性能なものらしく、大いに興味を抱いている。しかしこれが通販でしか買えないらしいので、家族にバレないように買う方法を探している。 最近はスマホのカメラがAIで画像を補完するようになり、精子の動きがカメラの古典的な画像処理なのかAIの補完なのかわからなくなってしまったようで、いい映像が撮れない。この影響か、テンガもついに解析サービスをやめてしまって、目視で精子を見るアプリと化した。なのでこの手法で手軽に判定することはもう叶わず、定量的な評価をするには泌尿器科に行かなくてはならない。だが1500円ほどで精子が見れるので、一度は自分の目で我が子の泳ぐ姿を見る経験をしてもいいのではないかと思う。 というか、妊活する男性にとってはこれこそがチントレであろう。精子は簡単に弱る。せっかくなら自分の精子の動きから戦闘力とか算出して遊ぶゲーム��か作ったら楽しそうだなんて妄想すらする。流石にゲームは難しいかもしれないが、少なくともただ排泄する粘液と思わず、自分の生み出す命と気軽に向き合ってみてもいいじゃないか、という気がした。
精子観察キットを使ってみて感じたこと
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2024年7月8日(月)
私の職場(私立女子大学)では、今日から前期授業が13週目に入る。月曜日は出勤すると、最初に総務課に設置してあるメールボックスをチェックする。期末に実施する<授業アンケート用紙>が9クラス分、人数は少ないが封筒の数は教員の中で一番多いかもしれない。しかしよくみると、実施期日が<7月21日(月曜)>となっているではないか。こんなミスを見つけるとつい嬉しくなってしまう、あまりいい人間ではないのがバレてしまうね。あ、担当者から後ほどお詫びと訂正メールが届いたことも記録しておこう。
4時45分起床。
体重は、週末で950g増加。
CleanMyMac X を立ち上げて、MacMini のスキャン、週に1回の作業だが週末にやるのを忘れていた。何も問題なし。
洗濯。
朝食。
珈琲。
弁当*2。
大型ゴミ3点をガレージに並べ、一人で出勤する。
順調に到着する。
レターボックスをチェック、授業アンケート用紙と自己点検評価レポートを受け取る。
ラジオ体操第一、左腕は痛みがあるがとにかく続けるのだ。
外気がぬるいので、冷房を入れる。
午後の授業内容をチェックする。
書棚の整理、世界遺産関係のDVD、売れるようなものではないので<廃棄>と明記してゴミ捨て場へ。
昼になってラジオ体操第二、やはり体を動かすと気持ちよい。
ツレアイから連絡、買物済ませ、ココに点滴してから出勤するとのこと。
月曜日3限・4限<情報機器の操作Ⅰ(看護学科)>、先週のエクセルの復習(数式の使い方)、次に関数の使い方、前半は私が解説し、後半は自習させ、出来たものは提出フォルダに提出して��わり。2クラスとも、ほぼ問題はないようだ。来週には試験を実施することを告知して、早めに終了する。
帰路も順調。
まずは、ベランダの洗濯物を取り込む。
しばらくしてツレアイ帰宅。
地物のトマトとナス、それに安売りの鶏ムネ肉を使って<茄子と豚バラ肉の甘辛炒め><蒸し鶏のマヨネーズソース>。お日様を一杯に浴びたごついトマトが美味しい。肴は昨日2割引で買った鱧を煮る、3日ぶりの日本酒が嬉しい。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
第16話「断たれた音」/ The Most Dangerous Match 現チャンピオンのクレイトンと対戦するために、前チャンピオンのデューデックがチェスの世界に復帰した。2人は互いを意識していた。レストランで一緒になると、テーブルの上で非公式なゲームを開始し、ホテルに戻ってからも部屋でゲームの続きが行われた。デューデックは常に優勢だった。
片付け、入浴。
明日はツレアイが早出なので、早めに休む。
月曜日にしてはいい数字、そうか、ラジオ体操が効いているのだ。
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仕事用のカバンを秋冬用の素材のものに変えた。久しぶりの残業上がりの空気感が清々しく思えた。杏仁豆腐をモチーフにした柄ソックスが黒いスラックスから見え隠れしているのが好き。ITパスポートの試験日を決めるぞと思ったら最寄りの会場は3ヶ月先まで埋まっていた。3日前になるとキャンセルが出るから受けれるらしい。一瞬試験勉強辞めたろうかと思ったけど継続する。私のおかげで改善できたと採用担当者から感謝をされた。来週リクルーターとして母校にて説明会を行う。その仕事終わりに学部時代の友人、院時代の友人3人でご飯を食べようと企てている。(両者顔見知り)そのまま宿泊して翌日の出張にも、恋人との週末もいいものにしようと考えている。去年の彼の誕生日はあまり思い出したくないくらい大喧嘩してしまったから。今年は楽しいイベントにしたい。毎日電話するからね、と言った恋人は日々業務に追われて残業も当たり前に行なっている。しばらく社内ニートしていた私は、なんてできない子なんだと1人で塞ぎ込んでしまった、けど今日漸くアポが取れて明日営業に向かう。夕方アポなのでコンタクトで視界が霞まないか不安。運転は得意じゃない。社内ニートは前職を思い出すのでとても嫌だ。今が休める時期なのかも知らないで。髪が伸びたのでヘアキャップをかぶって寝ていると髪の毛が朝ちょうどよく収まっているし、前髪も長くなったのでヘアアイロンかけなくてパパッと仕上げている。ハンコックのような前髪にしたい。ヘアキャップはロングヘアのものを使っている。21時を過ぎると睡魔が強く襲ってくるけど頑張って手を動かして勉強する。ベッドに入るとゾウが迎えてくれて漠然とした不安を打ち消してくれるようだった。ゾウがいてよかったと思う。しれっと380円から440円に社食の値段を変えていたので、知らなかった私は定食が買えず嫌いななめこが入ったうどんを買うしかなかった。キャッシュレスに早くなれ。恋人もいないのでお弁当に切り替えた。帰る頃にお腹が減ってくれるいい大きさのお弁当ケース。立川で買った。塞ぎ込むのも嫌だと思って、ウォーキングを再開した。休職している弟が楽しくウォーキングしているのはいい。ありきたりな毎日に嫌気はさすけど昔みたいに危ない綱を渡ることはしない。来年には逆転裁判456が配信されるみたい。6は持っていたんだけど、学部時代お金がなくて初めてゲームを売った。Switchでも出来るみたいだから楽しみ。こたけ正義感の配信も大好き。あと、ザバスのキャラメル味20g美味しいからおすすめ。
雑記
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この広い広い大通りを
いつの間にか、三月も終わろうとしている。 新しい仕事をはじめて三週間がすぎた。二月の療養(?)期間に死ぬ気で支度をしていたから滑り出しは順調で、今の��ころ滞りなく業務が進んでいる。だれも助けてくれる人も教えてくれる人もいないまま、一人で荒れ野を歩いているような二月は、(いまになって言うと)月末は本当につらくてほとんど毎日泣いていた。自分のやっていることは無駄だと思ったし、何もうまくいかなかった。とどめのように2月27日に途方に暮れることがいくつも重なって、どうしてみんなこんなにわたしを試すんだと思った。 わたしの技術もだし、なにより忍耐を。 その準備のおかげで、仕事はうまくいっている気がする。なにより一緒に歩いてくれる人がいるので気が楽だ。困ったことがあったとき、わからないことがあったとき、「これ、どうしたらいいだろう」と相談できる相手がいるというのはありがたいことで、その人も的確なコメントをくれるから迷わず道を進んでいける。苦手なデザインではほとんど助けられており、一緒にものをつくっているという実感があるし、その完成したものをふたりで感動できることがうれしい。 いままで経験してきた労働は、しょうもない仕事だったし、何かをつくったりするんじゃなくて、流れ作業的に降ってきた仕事をギスギスした人間関係の中でおびえながらやっていたから、いまは知らない世界を歩いている心地でいる。世の中にはこういう世界もあるんだなあと思う。このまま歩いて行きたいなといまのところは思っている。
賃労働のことを、こんなに肯定的に考えられるというのは、35年生きてきて初めてのことなので、妙な気分である。 (人生で一番最高だった労働は、一日中本を読んでいればそれで金がもらえた仕事なのだが、あの仕事は一緒に働いていたおじさんがヤバくて職場のパソコンを盗んだり、借金取りが年金支給日に来るなどこわい思いをたくさんしていたので、業務だけならいいが、おじさんのことを思うと全面的に肯定はできない。情緒不安定になったおじさんにめちゃくちゃ怒鳴られたし)
賃金を得る仕事はそんな感じで日々を過ごしている。
通勤の電車では読書、昼休みはほとんど原稿をやっている。なんだかんだやらないといけない原稿がたくさんあって、別名義で出すやつとか、文フリ東京用とか、その後とか、予定がめちゃくちゃ詰まっている。とにかく延々と文章を書いていて、だけどなんだか精神的に余裕があるからなのか、本をたくさん読めているからなのか、思っているよりすらすら文章が出てくるので助かっている。 ほんとうは一番やらなくちゃいけないのは文フリ東京の原稿なのだが、職場に忘れてきたので今日と明日は、文フリ東京の後の原稿をやっている。予定では『悠久のまぎわに渡り』を書いてしまうつもりだったのだが、いろいろなことが重なってそれは後回しにして、女三人の物語を書いている。 女の物語は常に書きたいと思っている。一人で、だれともパートナーシップを結ばずに生きる女の物語を書きたくている。今回の物語はそうではないけれど、三人の女たちがそれぞれの傷は抱え、その傷が痛みつつも、ご機嫌に生きている物語を書いていけたらいいと思う。そして、だれも「その属性」に起因する、物語の駆動装置としての機能を付与されない物語になればいいと思っている。 書き手としては、試される挑戦をしていると思う。属性をバネにした駆動は簡単と言えば簡単で、そのおかげで属性に対するカウンターをしかけることもできる。わたしはいつも、そういう手法をとってきた。問題提起や、批判というのは、ステレオタイプの困難を示すことで反論しやすくなる。効果があるのをわかっているから使うけれど、幾度も幾度も、語り尽くされた「説明」を、まだここでもしているのかとうんざりするひとたちだっているだろう。もうわたしたちはじゅうぶん語った、その説明が繰り返されている「物語」は、わたしたちが読者として想定されていない、と。 『魔女の選択』を書きながら、最後まで悩み、語りを絞り、絞りきれずに、「また説明をほしがる「他者」の目を気にした物語を書いてしまった」と後悔したことを、ここしばらく何度もかみしめている。 だれも自分の属性を「説明」せず、来歴や「物語」にせず、ただそこで「生きる」すがたを書きたいと思っている。 物語として面白いか面白くないか、それはわたしの筆の巧拙による。書くことはじゅうぶん鍛錬してきた。積み重ねがある。自負もある。自分を甘やかさず、厳しい山に登ることを、そろそろわたしは、するべきだと思う。
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KGモーターズさん訪問してきました
今年に入ってやっとブログを書く時間が取れましたw 忘れていた、何もしてないという訳ではなく、むしろ報告する事が溜まって収拾がつかなくなりかけたので、順不同で書いていきます。
先週土曜の2月4日、東広島で活動するスタートアップ「KGモーターズ」に行ってきました。代表者の楠さん(くっすんさん)は有名なYouTuber。「くっすんガレージライフ」というチャンネルを運営し、トヨタ車体の小型EV、コムスの鉛バッテリーをリチウムイオンに交換して走行実験をやったり、中国製EVを購入してバラす様子を公開したりと、さまざまな動画を発信しています。この「やってみる」精神に共感し、以前から注目していました。
そのうち「電気自動車をゼロから作ってみた」というコンセプトで、小型モビリティーに特化した1人乗りのオリジナルEV作りに着手。開発過程も随時YouTubeで公開する手法で盛り上げ、昨年、最初のプロトタイプを東京オートサロンで発表しました。そして今年、さらにバージョンアップした「ミニマムモビリティ」の試作車を1月の東京オートサロン、そして今(2/10〜12)まさに、大阪オートメッセで���開中です。
彼らの何が素晴らしいかというと「原付並の維持費でEVを提供する」というコンセプトの明快さ。改造EVは年々、車検の規制が厳しくなり個人レベルでは作れなくなっています。そこで彼らが着目したのは、660cc並の出力で1人乗りだけど車検不要の「青ナンバー」。この条件で魅力的なマイクロモビリティをどうやって作るかを徹底的に考え、形にしてきたのが「ミニマムモビリティコンセプト」です。前後対象のデザインにして金型を減らすアイデアはシトロエンのamiと同じ。もっと言うと、ジウジアーロ氏デザインのライトバン「スズキ キャリイ」にも通じるかわいさです。いいんじゃないでしょうか。走行テストの様子も動画で配信しています。
お邪魔した時は、大阪オートメッセ出展に向けてライトを丸目に変更中と多忙な時でしたので、改めてお伺いすることにしました。そんな中でもEVデロリアンには興味津々で、作業の手を止めて電池を搭載している部分などを見入っていました。
EVに注目し、同じ志で活動する仲間として、今後も何か連携できればと思っています。Clubhouseの番組にもゲストで来てもらいたいなぁ。発売に向けて頑張って下さい!
最後に私ごと��恐縮です。年末に突発性難聴が再発し、年明けもしばらく、めまいと吐き気で大変な時期を過ごしましてました。。。更新が滞っていた理由がこれ。点滴を週2回、計12回打つ治療のおかげで、1月中にはほぼ回復しました。皆さん健康には気をつけましょうw
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1週間を振り返る
今週は正念場という感じでいよいよヤバい。今週ハマった点は上位から・・・
・使いたいソフトがPC仮想化必須な仕様なのが判明し正常稼働しているPCのbios触りたくないので調査時間が水泡に帰するが導入断念(PCが動か��くなった時のリスクの方が高い)。
・これは良いソフトだと思って導入してみたら、いきなりデータのインポートで躓き実はバグだらけな内実が判明。開発側の姿勢は「オープンソースなので自分でコード修正して対処してください」みたいな感じ。数分で済む程度の修正なら構わないが、多分他にもバグありそうだし、そこそこ時間の掛かるコード修正をする時間なんて有る訳が無いからこのソフトの当面使わない方針。
・なぜか動作しないコードと睨み合う事小1時間、あれこれ試しようやく動く。エラー原因はある値が大文字小文字を区別していた点。最近は大文字小文字を区別しないケースが多かったので盲点だった。自動で修正してくれたりしなかったりするのは開発環境による。大文字小文字を区別をするかどうか混在している場合も有る。色々統一されていないのは困りますな。
その他の近況。或いは今後余裕があったらやっておきたい事。
・移動時間や病院の待ち時間で、ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考を読んでいる。読んでいて思ったが、論理学が割と好きで過去に囓ったり、prologとか調査した経験が無かったらこの本は早期に投げ出していただろう。つまり一見無駄に思えた昔の道楽が想像以上に威力を発揮している様だ。そういう背景を踏まえつつ読むと、この本の言わんとしている事が面白く感じられるかも知れない。それにしたって随分奇特な現象かも知れないが。
・今オレが使っているPCのデータが記憶装置の故障で飛んだら、終わるレベルでヤバいと確信出来る。そこでNASの更新を考えたい。今使っているnasはもう容量的にパンパンで厳しい。ミラー構成なので、新たにhdd2台を追加して1+0の構成にすれば倍の容量に出来る。資金は、多分大丈夫だろう。忙し過ぎて金を使う暇が無いから、オレらしくも無く金に余裕が有る。問題は作業時間の確保だ。nasを組み直す時間が無い。
・現在既にデスマーチ中だが、デスマーチが終わりもしないうちに次のデスマーチが始まるのが通例で有り、双方の期間には重複する部分が有る。つまり余裕を持ってスケジュールを組めない状態からスタートするので、デスマーチ化が最初から確定する。今やってるのが終わった後も、2週間もしないうちに次のタイムリミットが来る。
・昨日寝たのは朝6時だった。なぜなら朝6時まで作業が必要だったからだ。昼起床。素早く心身のリカバリーを図り、最低限の週末らしさを満喫。合間に小作業、日暮れ後は本格的に作業開始。今日は5時半には床に就く。
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光合と猛襲
2日間寝たきりの後に8400歩歩いてしまったため(不可抗力。病院2件はしご)、筋肉痛。そしてその状態でまた今日は8300歩歩いてしまったため(まったく不可抗力じゃない。友達に会いに行った)、足が限界のぼろぼろ竹箒の柄の部分のようにすかすかで壊れかけている。痛い。頼りない。体が重い。アーメン。あぼーん。
今日も求人の応募先から折り返しの連絡が来ないが大丈夫か?
なんとなく、TLでもtumblrでも、今日、今年のことを振り返っているかたが目についた。早くないか!?と思ったが、12月初旬ももうすぐ終わり、どうせすぐ12月の後半になり、下旬になり、年末になり、大晦日になり、23:59になり、59��になり、2023年最後の瞬間になり、今はまだそこに永遠に存在する刹那のことを考えていられる。今年はすご〜〜〜〜〜〜〜く散々な年だったが、かなりいいこともあった。もはや今年の1月、2月、3月、4月、5月、それらの日々自分それぞれが、今の私とはまったく違う人物だ。誰なんだ。わからない、変な人だ、と思う。でも前の職場(正確には前の前の前の職場)で昼休みに1階のドラッグストアで昼飯を買い、しずかに壁に向かって事務所で咀嚼していた思い出はある。その職場が好きだったし楽しかったが、ゲエ〜と思うこともあった(というか、ゲエ…と思う人がいた)。それから2月の初めは家庭へのストレスが頂点に達し、市内のホテルに1週間泊まってなんとかやり過ごした(2週間休ませてもらった)。その後、もう実家にいることは根本的に不可能ということになったのだろう(覚えていない)、駄目元で都内の書店に応募して有難く内定をもらい引っ越して、結局2回くらいしか出勤せずに辞めた。なんだそれは。自分でも意味がわからない。その後はまた楽しく働いて、8月の暑さと体力不足で倒れて終わった。9月末に死ぬか、と毎日考えていて、じゃ死ぬ前に好きなことするか、大学受けよう(今なら多少金がある)と思い編入試験に向けて勉強し、なんとなく次の道筋が決まったのが今。じつに、ここ半年のことくらいしか覚えていられない。短期間でたくさんの���(職場の人)と出会い、別れ、たくさんの言葉をかけてもらった。直近の職場は本当に続けたかったなあ〜と思う。すごく楽しかったし、今までの職場でいちばん人間関係が楽だった。でもまあ、体がもたなかったものはしょうがないので、未練は断ち切って忘れよう。あとなんだか、すごく休みたい、と感じたのだった。体が極限を通り越して疲れていたもよう。もう一生働きたくないくらい疲れていた。今は結構回復したので、働きたいなあと思っている。しかし無職期間あまりにも健康に過ごせたので、ひょっとして私が健康に過ごすためには、無職くらいの刺激とストレスがちょうどいいのではないか?とまで感じた。働くとすぐ回復不可能なまでにストレス・疲労を受けてしまう。なぜ。まあでも生きて働き続けていればいつかは慣れるというか、少しずつましにはなっていくでしょう。楽観しています。
今のわたしは、ええ、わりと真面目にものごとを考えるようになりました。もっといろんなことを学究的に、というか、きちんと調べて精密に受け止めなければならないということを感じています。あと暗記。いまさら記憶力の強化はできないと思うけれど、できる限り自分の進む分野に関しては覚えておかなければならない。記憶力が悪いことはもうどうしようもないが、辛抱強く反復していく。職場の人の名前は覚えられなくても��友達の名前は忘れない。それは単純に反復の回数、頻度の問題���または、対象の情報量の問題。自分にとって大切なことはどんどん勉強し、その内容を充実させていくこと。そうすればだんだん忘れなくなる。
人間関係や対人における考え方も今年は改善というか、変化が見られた。このことが一番大きいと思う。私は一人で生きていくべきで、友人に依存というか、自分から深く干渉することはあってはならない。または控える。そうすることによって「普通」になれる。普通の人はそうなので、普通になれば、周りにもあまり迷惑をかけなくてすむ。とにかく自分と他人を切り離し、他人と距離を取る。一人でも大丈夫であることを思い知る。
そう、今日は、とても眠かった。眠れそうです。
2023.12.6
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会社を辞めた理由
2023年7月末、10年以上勤めた会社を退職した。 8月上旬から中旬は、去年の引っ越し後に手つかずになっていた段ボールの開梱と断捨離をしていた。必然的に段ボールの中の本も断捨離することになり、古書店に60冊ぐらい売った。
そして8月下旬から、短期留学でハワイに来ている。 語学学校に通いつつ、空き時間には観光もして、これまでの疲れを癒しつつ今後に向けてエネルギーをチャージしている。 (とは言っても最初の一週間は宿や学校などの不慣れな環境に馴染むことで手一杯だった……今週はもう少し穏やかに過ごさせてくれ……!)
会社には、退職の理由を、健康診断で視力が大幅に低下してしまい、翻訳チェックの仕事をずっとやるビジョンが描けないので……と説明した。視力は本当に下がっていたので、嘘ではない。 でも、実際にはもっと別の理由がある。上司に言って解消されるような内容ではないので、会社の人には言っていない。 ハワイ生活が軌道に乗り始め、ブログを書く余裕が出てきた今のタイミングで、会社を辞めた本当の理由をちゃんと振り返りたい。
本当の退職の理由は、以下の4つだ。
1) 「社員と非正規雇用」という歪な関係に疲れた
2) 自分に合った仕事を探す意欲が高まった
3) 経営陣が価値観をアップデートできていないことが辛くなってきた
4) 「父に認められなければ」というプレッシャーがなくなった
「社員と非正規雇用」という歪な関係に疲れた
3年前、部署異動することになった。配属先は女性だけの部署で、7人のうち社員は私を入れて2人、他5人はすべて非正規雇用(派遣か業務委託)だった。 私に割り振られた仕事は、その職場で2年以上働いているベテランの派遣さんが担当していた。私は社員として入社していたので立場としては派遣の人より上だが、その部署での経験という点では後輩という立ち位置だった。
ベテランの派遣さんは、ものすごく仕事のできる人だった。ミスをなくすという目標への執着が桁違いだった。これまでずっと英語関係の仕事をやってきたが、このレベルでミスを潰せる人に出会うのは7年に1度レベルだった。私たちが担当していた技術系の翻訳チェックをするには最適の人財だったと思う。
最初のうちは、自分だって英語を人一倍学んできたのだから、チェック作業のフローになれればそれなりのレベルでチェックできるようになるだろうと思って頑張った。実際に、チェックの精度は徐々に上がった。でも、ある程度の期間その仕事をする中で、努力ではカバーしきれない適正上の問題に直面せざるを得なくなった。
多分私は、仕事のどこかにクリエイティブな要素がないと楽しめない。正確さを追求するより、面白さとか独自の工夫を考える方が向いている(この部署に来て分かったことではあるけど)。チェックの仕事をしながら、「私よりこの作業に向いてる人がいるんだろうな」という気持ちになることが多々あった。 そして、ベテランの派遣の人は、ミスなく正確にタスクをこなすことを楽しいと思えるタイプなのではないかと思う。逆に面白さや独自性を求められると、この手の人はどうしていいか分からなくなる。
ベテランの派遣さん以外にも、こういう人が職場に数人いた。
でも、立場的には社員である私の方が権限を持っている。そのまま偉くなれば、私は非正規の人たちに指示を出すポジションに就く。私の方が経験も浅く、仕事ができなかったとしても。
そもそも、非正規雇用というシステムが非人道的すぎる。 非正規で働く人には有給が与えられず、給料を減らされたくない人は体調が悪くても無理して出社せざるを得なくなる。いつ契約が切られるか分からないので、ローンを組んで家や土地や車などの大きな買い物をすることも難しい。結婚して子供を持つことを諦める人もいる。正社員と同じくフルタイムで働いても、こういう状況にある人は多い。
仕事のできる派遣の人が隣の席にいる環境でずっと働いていると、この問題について嫌でも考えてしまい、仕事そのものとは別の疲労感に襲われる。 そして、どんな事情があったのか分からないが、そのベテランの派遣さんは月に半日程度しか休みを取らなかった。私は月に1.5~2日ぐらい休みたいと思っていたが、派遣さんより上の立場の人間が派遣さんより休むというのはかなり気が引けるため、気軽に休むこともできない。消化できない(そして今後も消化できる見込みのない)有給が、どんどん溜まってゆく。 このまま偉くなったらもっとしんどくなることが目に見えていたので、メンタルを病んだりする前に退職しようと決めた。
自分に合った仕事を探す意欲が高まった
2021年、私の書いた小説が、三田文��新人賞の佳作を受賞した。 小説は8年ぐらい書いていて、過去に色々な新人賞に3回出したものの結果が出ず、才能ないのかなー時間の無駄なのかなーと思いながらも気が向いた時に書くことを続けていた。 初めて賞を貰い、自分の作品が広く読まれたり、文学を生業にしている人からコメントをいただいたりしたことで、やっぱり私はクリエイティブな活動に向いている!と確信できた。
この経験を経て、文化・芸術方面の業界で英語を使う仕事を探そう、という気持ちが固まった。 私は文学や美術を専攻しておらず(専攻は経営・会計学)、その分野の職歴もないが、履歴書に「三田文學新人賞佳作」と書ければ、その手の求人にも応募しやすくなる。そして、親や周囲の人にも説明しやすい。
経営陣が価値観をアップデートできていないことが辛くなってきた
2017年に、反女性差別のキャンペーン「#MeToo」が世界中にインパクトを与え、フェミニズムやセクシュアリティ研究など旧来の家父長制を問い直す学問への関心が高まった。日本でも、昔は大型��店の奥の棚に数冊あるだけだったフェミニズムやセクシュアリティ関連の本が、#MeToo後には大型・小型書店の平台に並ぶようになり、少なくとも東京では空気が変わったのを感じる。
こうした変化に伴って私の意識も変わり、自分の職場にある理不尽な出来事や慣習が気になり始めた。
私の周りで、育児休暇や子育て目的の時短勤務をしている女性を沢山見た。 でも、勤め先にそういう男性は一人もいない。課長などの役職に就いている人が率先して育休や時短を活用すれば部下たちも同じことをしやすくなるのに、誰もやらない。
また、セクシュアルマイノリティへの想像力を欠いた制度にも違和感を覚えるようになった。 私がいた会社では、社員が結婚すると共済会から祝い金が出る。 でも、ゲイやレズビアンの社員が人生を共にするパートナーを見つけた場合については、何も書かれていない。社員数が1,000人を超えている会社なので、ゲイやレズビアンがいてもおかしくないのに。 最近は、同性カップルが結婚できないことで直面する困りごとについて、様々なメディアで報じられている。自治体によっては、婚姻関係に準ずるものとしてパートナーシップ制度を導入しているし、同性婚を合法化すべきという声も強まっている。 しかし、それでも、共済会のルールは変わっていない。同性パートナーシップの届けを自治体に出したと報告した社員には、結婚した社員と同額の祝い金を渡すなどのルールが加わる気配はなかった。
経営陣は、ドローンやAIなどのビジネスのトレンドについては、プロジェクトチームや勉強会を立ち上げて追いかけようとする。 一応、女性の働きやすさを促進する試みも行われてはいる(男性の育休取得増��達成できていないものの)。 それなのに、セクシュアルマイノリティをめぐる問題については、一切アクションを起こさない。何で?
私が定年まで辞めずに働くとしたら、あと20年この会社にいることになる。 経営陣を信頼できない状態で、20年も働き続けられる気がしなかった。
「父に認められなければ」というプレッシャーがなくなった
2020年下旬、父が亡くなった。 私は一人っ子なので、葬儀の準備や役所での手続き、遺品の整理などを、母と分担して進めた。父が亡くなった時点では私は一人暮らしをしていたが、母が実家の一軒家を売ってマンションに越すと言うので、私も同居することにした。
昨年の4月、一人暮らしのアパートから広いマンションに引っ越した。 荷造りを仕事と並行してやらなければならず、ずっと忙しかった。 転居から3ヶ月ほど経って、ようやく生活が落ち着いてきた。昔より広くなった部屋で、自分にとって父とは何だったのかをゆっくり振り返れるようになった。
父がいなくなって、これまでの私は、「父に否定されたくない」「父にいっぱしの人間として尊重してもらえるような生き方をしなければ」という気持ちで、人生の様々な決断を下してきたことに気付いた。
前の勤め先で、仕事が今一つ楽しめなくても10年以上働けたのは、父に対する意地があったからだ。 「私はそれなりの会社で真面目に働いて、高給とは言えなくてもそれなりの額を稼ぎ、一人暮らしできるぐらいの経済力がある。だから、私の人生に対して口出しはさせない」という意識が、私を支えていた。私の着るものや細かい行動に気が向いたタイミングで難癖をつけ、「俺はお前より優位に立っているんだ」と定期的に示したがる父に対抗するためには、安定した仕事や経済的自立という拠り所がどうしても必要だった。
しかし、父の干渉を阻止して自由に生きるためにとった行動が、新たな不自由を生むことになった。 本当はもっと自分に合った仕事があるような気がしても、やりたいこと基準で転職して今より給料が下がれば、父は必ず文句をつけてくるだろう。そうなるくらいなら現状維持でいいや。そんな思考から、私は違和感を抱えながらも転職を決断できなくなった。 仕事だけではなく、父に何か言われるのが煩わしいという理由で、実家に帰る時に文句をつけられない服装を心掛けたりもした。何故そこまでしてやらなければならなかったのか? 思い返すと悔しい。
父がこの世からいなくなったことで、ずっと私を縛っていたものが失われた。 しがらみから解き放たれて人生を振り返り、私が無意識のうちに自分に課してきたものの大きさを思い知った。 人生の選択を自分の意思で下してきたと思っていたけれど、実際は仕事という人生の大きな要素を自分の純粋な欲求で決めていなかった。こうして言葉にしてみると情けない話だが、事実なので仕方ない。
だから、会社を辞めて短期留学をすることは、自分の人生を取り戻すための儀式でもある。 これからは自分に関する���要なことは自分で決め、それによって生じた失敗も自分で引き受ける。 何かあるたびに他人や環境のせいにして嘆くような、自分の人生を「生きさせられている」みたいな状態を、この辺りで終わらせたい。
今後について
今、この文章をホノルルの家具付きマンションで書いている。 会社や仕事に対する責任から解き放たれ、しがらみのない土地で過ごすという、前例のない体験をしている。 語学学校の授業は難しいところもあるが、落第が危ぶまれるほど深刻ではないので、まあ何とかなるでしょう。
短期留学を終えて帰国したら、1年ほど学生をやる予定だ。 1年間で学芸員過程や諸々の資格を取り、その後に転職活動をする。
ここまで文章を読んで、「こいつ30代後半なのにまだ『自分探し』やってんの?」みたいな感想を抱いた人もいるだろう。 確かに日本社会では、この年代の人間は結婚して家庭を持って子育てをしているのが望ましいとされている。 でも、私としては「たまたまこのタイミングだったので仕方ないんです」としか言えない。傍から見たら不可解かもしれないが、自分の人生を取り戻すためにどうしても必要なことだから、今やらざるを得ない。
そして、パートナーや子供がいないタイミングで人生を見直せてよかったとも思う。例えばローンを組んで家を買った後だったりしたら、その家に住んでいる人全員が私の自分探しに巻き込まれることになって、さらに大変になるだろう。 (もちろん、パートナーや子供ができた後に生き方を変える必要が出てくる人もいるとは思う。そういう人が別の可能性に挑戦するのが悪だとは思わないが、相手のキャリアが変わる前提で一緒になったわけではないパートナーや子供が納得しなかった場合、家庭という一つの拠り所が失われることも覚悟しなければならないわけで、今の私以上にリスクを負うことになる気がする。) あと、私の母が老後の資金を確保できていることにも感謝しかない。私が母を養う必要があったら、1年働かずに勉強することはできなかった。ありがとうございます。
書くべきことを書ききったので、これからの1年を有意義に過ごすという決意とともに、この記事を終わりにしたい。 まずは語学学校を修了すべく、目の前の課題をしっかりこなす。 そして、ホノルルで過ごす人生の夏休みを、全力で楽しむ!
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感謝
2023.06.20
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なんだか疲れが溜まっていましたが、夜になって元気回復😀
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今日は思いがけず、ゆったりと過ごすことができる夜となり、やらなければと思っていた作業に取り���かることができています。
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スーパーでとうもろこし🌽が安く売っていました。
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甘くておいしかった。
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この前、中間試験が終わったばかりですが、来週は娘、期末試験です。
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ファイト〜٩( ᐛ )و
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今年6月、子どもの貧困対策“改正法”が成立した。子どもの貧困対策に取り組む民間団体が実施した昨年末の調査によると、「食費と光熱費の高騰」という物価高が困窮家庭を直撃したことが明らかに。貧困状態に陥ったのは「3年以内」との回答が36.4%を占めた。また「塾や習いごとを諦めた経験がある」が68.6%と、教育や体験の格差が広がる実態も見えた。完全失業率は2.5%前後と雇用動向は悪くないが、困窮家庭の子どもを取り巻く環境は依然として厳しい。その実情を取材した。(文・写真:ジャーナリスト・古川雅子/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 6000人の調査で中学生の2分の1が朝食なし 公益財団法人「あすのば」代表理事の小河光治さん 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立したのは2013年。今年6月に改正法が成立し、法律名が改称されて「こどもの貧困の解消」という文言が明記された。 厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、子どもの貧困率は2018年の14.0%から2021年には11.5%と改善している。それでも、今回の法改正の共同提言を行った5団体の一つである公益財団法人「あすのば」代表理事の小河光治さんは、楽観しているわけではない。 「今回の法改正でようやくスタートラインに立ったところ。むしろ困窮世帯の子どもたちを取り巻く環境は、後退しているのが現状なんです」 根拠として示したのが直近の調査結果だ。それは、物価高の影響が顕著になった2023年11月から12月にかけて実施された「あすのば全国調査」だ。 同調査は、あすのばからの給付金を受給した生活保護受給世帯・住民税非課税世帯などの子ども・若者と保護者約6000人が回答した。昨年まで続いたコロナ禍による親の「失業・休業などで減収」が53.0%。物価・光熱費の高騰により「家計がさらに苦しくなった」が85.4%で、貧困状態に陥ったのは「3年以内」との回答が36.4%を占めた。特に「食費と光熱費の高騰」、つまり物価高が困窮家庭を直撃したことが見て取れる。 生活状況を見ると、朝食を「毎日食べる」小学生が63.4%、中学生が50.5%と小学生の約3分の1、中学生の約2分の1が朝食を毎日食べておらず、給食がなくなる長期休みに昼食を「毎日食べる」と回答した中学生は54.7%と約2分の1にとどまる。入浴頻度でも「週4日以下」の小学生が13.8%、そのうち「週1~2日、ほとんど入らない」が5.7%に上る。 アンケートの個別回答には、こんな声もあった。 「お風呂は1週間に1回お湯を替えている。おなかが空いてもご飯がないときがある。お母さんはほとんど夜ご飯を食べていない」(北海道、中学2年、女性) 生活が切迫している様子がアンケートから浮かび上がってくる。 子ども自身はどんなところに苦しさを感じているのか���7月中旬、あすのばのアンケートにも協力してくれた高校1年生の男子生徒に話を聞いてみた。 「グローブが高く遠征費もかかるので野球を諦めた」 高校生の野球用具代は価格が上がっている(写真:アフロ) 「最近部活はやめて、キックボクシング教室に週1回通っています。道具代がかからないんですよ」 そう近況を語るのは、東京在住の陽稀さん(16・仮名)だ。 両親は8年前に離婚。現在、母親と小学3年生の妹の3人で暮らす。昨年まで事務職のパートタイムで働いていた母親の月収は15万円以下。「所得税非課税世帯」に該当する。妹がまだ小さいため、母親は9時から16時までの時間内で非正規の仕事を続けてきた。母親は生活を切り詰め、2人が大学に行くための貯蓄にも回している。 高1の陽稀さんが校外活動に選んだのは比較的出費の少ないスポーツ。母親へ負担をかけないためだ(写真:maruco/イメージマート) 陽稀さんの悩みは「諦める経験の多さ」だ。 中学生の時には野球部に所属。チームのポジション替えがあり、他の部員は専用のグローブに買い替えていたが、陽稀さんは母親にグローブの新調を言い出せなかったという。 「やっぱ母に言うと頑張って買ってくれちゃうと思うから。母に負担をかけたくなかった」 グローブは軟式野球の内野手用で数万円。総務省の調査では、大人用のグローブ(中級品)の全国平均価格は9年前に比べて5000円近く上昇した。牛革や輸送費の上昇が影響した。また遠征費なども高くなり、さまざまな活動経費がかかり続けるため、高校では野球部に入るのを諦めた。 「野球の全国大会に出場した同級生が大舞台で活躍している姿をテレビで見て、やっぱりすごいな、かっこいいなと思った。うらやましいという気持ちは、正直ありますね」 物価高と「児童扶養手当」の減額が重なり、母親は昨年から正社員の事務職に就いた。時短勤務から始めたが、生活費に余裕はなく、近々フルタイムに切り替えようと検討しているところだという。 「母は勤務後、妹の学童に18時にお迎えに行く。帰宅後は夜中の2時ごろまでかけて炊事・洗濯・片付けを一気にこなす。最近、母は全身にじんましんが出ていて、疲れきっている。でも、生活がよくなるなら、母がフルタイムで働くのは賛成です。僕が妹のお迎えや家での手伝いを増やせばいいのかな」 3年間上がり続ける物価高が母子世帯に負担 (図版制作:Yahoo!ニュース オリジナル 特集) 国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、2022年の給与所得者の平均給与は458万円。正社員だけで言えば、523万円だ。だが、厚労省の「2021年度全国ひとり親世帯等調査」によれば、「パート・アルバイト等」のシングルマザーの75%が就労年収200万円未満の世帯だという。一般的にこの世帯は「相対的貧困」の層と言われる。「相対的貧困」とは、生きるか死ぬかといったレベルではないものの、「同じ国・地域の人とくらべて収入・資産が少なく、生活も厳しく不安定な状態」であることを言う。 物価高で食費の負担は重くなっている(写真:アフロ) 厚労省「国民生活基礎調査」によると、「相対的貧困」に該当する世帯の手取り収入(世帯可処分所得)の目安は、母親と子ども2人の3人世帯ならば220万円未満(2021年時点)。世帯の人数により金額に幅はあるが、月収換算で約18万円未満というのが相対的貧困の目安だ。前出の陽稀さんの家庭もそうした相対的貧困に属する家庭の一つと言える。 そうした家庭にとって近年重くのしかかっているのが物価高だ。総務省の「家計調査」に基づき、みずほリサーチ&テクノロジーズが行った試算では、食料品や光熱費などの支出割合が高い低所得世帯(年収300万円未満)の場合、1年分の家計の負担増は2022年度に6万9475円、2023年度が6万1230円、2024年度は5万529円に上ると見られている(いずれも前年度比)。この3年間はずっと家計負担が増えていることになる。食事や入浴の回数を減らして日々節約をしている家庭にとっては打撃が大きい。 文部科学省の「子供の学習費調査」によると、子どもの教育にかける出費のピークが公立校の場合は中3だとわかる。各家庭が公立の中3の子に出費する学習塾費の平均は年間38万9861円(2021年度)。他の学年よりも突出して高かった。 だが、相対的貧困に該当し、生活費に余裕がないシングルマザーの家庭では、この学習塾費を出すところに難しさがある。 塾の費用を出し始め、光熱費が払えず 中学生がいる家庭の多くにとって、高校受験のための塾費用の負担は重い 中国地方に住む女性、菜々子さん(37・仮名)には3人の子がいる。現在高3と高2の女子と中1の男子。菜々子さんは10年前に離婚して以来、「子どもが小さいうちは、なるべくそばにいるもの」と考え、おもに事務のパートタイムで働いてきた。派遣のアルバイトと掛け持ちしていた時期もある。平均の就労年収は130万円強、支給される児童扶養手当は3人分で月額6万2700円。自治体から支払われる各種手当を入れて手取り年収は200万円前後だという。 3人の子どもは育ち盛りで食欲は「マックス」。食費の増加も家計を圧迫するが、この数年重くなってきているのが教育費だ。 子どもの食事を制限しないため、母親が食事を控えがちという調査結果もある 長女が中3だった3年前、高校受験のため市内最安値の塾を探し、月2万円を塾代に出した。当時、元夫からの養育費はゼロ。児童扶養手当も受給できる年限が過ぎて、減額されていた。それでも、夏休みから高校入試��での半年間、他の出費を切り詰めても塾代は払い続けた。高校受験の時期は「田舎でも塾通いが当たり前」なのだと菜々子さんは言う。 「長女と次女は当初は無料の学習支援を利用していました。でも、公民館で週1回だけ。私自身が中卒なので勉強は教えられないし、働いていて教える時間もない。無料の学習支援だけでは高校進学は難しいと思いました」 菜々子さんの家では3年前から塾費用を出し始め、徐々に光熱費の支払いが滞り、毎月督促状が届き始めた。次女の高校受験も続いた。この時期、調停手続きにより元夫からの養育費を月額3万円受け取れるようになったが、その多くが次女の塾代に消えた。しかもその頃から、米、加工食品、菓子などの食材費が高騰。食材は複数のフードバンクから提供してもらうようにした。成長期の子どもたち3人で食材があっという間に減ってしまうためだ。菜々子さんは言う。 「昨年末のクリスマスは出前のピザを取ろうとも言えないほど困窮していました。仕方なく298円のチルドのピザを2枚買って、子どもたちで分けた。でも子どもから『食べたら』って差し出されたので、私も1ピース食べました」 そんな厳しい昨冬だったが、現在は生活が安定していると菜々子さんは言う。今年4月から保険の営業職として正社員に採用されたためだ。そのため、中学生の長男の塾代まで出せるようになったと明るい表情で言う。 「今、仕事でお金のことを勉強していますが、前から私に知識があれば、もっと早く正社員になってもよかったかなって。ピザ1枚買うのがやっとだった家計が一転。収入だけでなく、母子ともに心が安定したと感じます」 児童扶養手当にあまり頼らず正社員を目指すべき 「シングルマザー世帯が困窮している根本の原因は、一つは母親の雇用の問題。もう一つはひとり親家庭に給付される助成金の所得制限の問題。そこに昨今は物価高の強烈なパンチも加わった」 一般社団法人「日本シングルマザー支援協会」代表理事の江成道子さんはシングルマザーが抱える問題についてこう語る。 江成さんが言う雇用の問題とは、シングルマザーの大半が非正規雇用者で給与所得が低いこと。また、助成金の問題とは、所得制限の範囲内で働くようになりがちだという、給与の壁のことだ。 ひとり親家庭に支給される「児童扶養手当」の満額は、子ども1人なら月額4万5500円。2人なら月額5万6250円。この額を受け取るには、所得制限の縛りがあり、たとえば子どもが2人いる世帯なら就労収入が年間「160万円未満」。今年の11月分から「190万円未満」となるが、それでも縛りは���つい。受け取れる額が十分とは言い難い。 では、そもそもなぜシングルマザーがずっと非正規でいるのか。それは、幼いときなどは子どもを長時間預けられない保育の事情もあるという。だが、2012年には3歳未満の子を養育する労働者は1日原則6時間勤務にする短時間勤務制度(育児・介護休業法)ができるなど法整備もされてきた。だとすれば、むしろ長い目で収益を増やすことを考えれば、児童扶養手当にあまり頼らず、正社員を目指したほうがよ��のではと、江成さんは提案する。 「手当や給付金をもらうために制限の枠内で働かないと損だという雰囲気がある。でも、それは思い込みです。今はさまざまな職場が正規雇用で求人を出していますから、働ける環境にあればぜひ、制限枠を取り払って正規で働く道も探っていただければと思います」 ただ、現状として、まだ多くのシングルマザーは非正規で働いている。その少ない所得でしわ寄せがいくのが子どもの部活や塾だ。陽稀さんが高校で入りたい部活を諦めたり、菜々子さんが娘たちを塾に通わせるため、クリスマスにピザを気持ちよく味わえなかったりしたように、部活や塾に余裕をもって行かせられないのがこうした苦しい世帯の実情にある。 塾や部活の「隠れ教育費」に苦しみ 「子供の学習費調査」(文部科学省)によると、「学校外活動費」は公立中では2018年度の30万6491円から2021年度の36万8780円へと、わずか3年間で年間約6.2万円上昇した。塾代や部活動費などのこうした費用は、「隠れ教育費」と呼ばれている。冒頭のあすのばの調査でも「塾や習いごとを諦めた経験がある」と回答した子どもたちが68.6%に上った。 近年の物価高が子どもたちに大きく影響しているのは、こうした「隠れ教育費」のようだ。 認定NPO法人「さいたまユースサポートネット」(さいたま市)代表の青砥恭さんは、困窮する子どもたちに、学習支援や校外で体験の機会をつくる取り組みがもっと必要だと語る。 「市場化された競争教育の中で、子どもたちの教育への格差は広がる一方です。通塾を前提とした公教育はおかしな話ですが、塾に行きたいけれど行けない子どもたちはたくさんいます。困窮層を対象とする学習支援を実施している自治体は、全国で600自治体です。1718ある自治体の3割にすぎません。困窮層対象の学習支援は学習だけでなく、生活支援、体験、相談もやっています。学習支援を地方にまで行き渡らせることで、格差を縮小させることは可能です」 ただ、当事者の子どもたちにとっては、自分の望む塾や部活に行けないという事実は単純な経済の話ではない。前出の高1の陽稀さんは、まっすぐなまなざしを向け、特別な子というような色眼鏡で見られるのがつらいと話した。 「僕みたいな、生活保護受給世帯ではないけど非課税世帯の子どもって、今はどの学校にもたくさんいると思う。僕としては『ああ、本当は部活とか参加したいんだね』ってカジュアルな感じで『隣にいる子』の悩みに耳を傾けてもらえたらと思うんです」 今回の改正法には、「貧困によって適切な養育・教育・医療・多様な体験の機会を得られないことのないようにする」旨が明記された。改正法を文字通り「絵に描いた餅」にしないために、地域では周囲の人の想像力が、国や自治体では取り組みの本気度が問われている。 古川雅子(ふるかわ・まさこ) ジャーナリスト。栃木県出身。上智大学文学部卒業。「AERA」のスタッフライターを経て独立。同誌の人物ルポ「現代の肖像」に執筆多数。「いのち」に向き合う人々をテーマとし、著書に『「気づき」のがん患者学』(NHK出版新書)など。2024年、Yahoo!ニュース オリジナル 特集「経口中絶薬に関する3回連載」で「科学ジャーナリスト賞2024」優秀賞受賞。
部活を諦め、光熱費を滞らせて塾に――物価高で苦しむ困窮家庭の子どもに対策は #生活危機(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
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20230425
雑記(植物、映画)
諸般の事情で年明けから忙しかった。
少し落ち着いたところでサボテンやら観葉植物の植え替えをした。気分転換というより苦役という感じで一週間ほどかかって疲れたが終わってみれば精神的に元気になった気がする。
禅に『十牛図』なるものがあって牧童が牛(自己の象徴のようなもの)を探し求める10の段階を示した図の内、画面から誰もいなくなり円だけが描かれた図を『人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)』と呼ぶ。『人牛倶忘』とは、「牛を捉まえようとした理由を忘れ、捉まえた牛を忘れ、捉まえたことも忘れる。忘れるということもなくなる世界」(wiki)だという。
植物を相手に作業していると知らぬ間に完全に「無」になっている時があり、その状態が結構続く。ふいに「これでいいのか?」と底の方から泡粒のように思考が湧いてきて過去や未来とあれこれ考え出す。まるでその瞬間に私という人格や意識が無から再び生成されるように。
『人牛倶忘』。植物に意識があるとしたらこんな感じなのではないだろうか。ただ「在る」という世界。植物に触れている内に想念が同期して植物の意識のその奥を垣間見たような気がした。
種から育ててるサボテンの名札の日付を見ると植えてからもう4〜5年くらい経っていて知らん間に時間が過ぎたんだなとしみじみ思った。サボテンの成長の遅さ、変化のない草��、それに加えてこの感染症禍も実感をあやふやにしているのかも知れない。
こんな感じでまた平気で10年ぐらい一気に過ぎて50歳のおっちゃんになっちゃうのかあ。
まあそん時はそん時の自分が何か思うだろう。
ビフルカツム
着生植物のビカクシダ(コウモリラン)。よくわからん異様な魅力というか魔力がある。「よく見ろ、ただの葉っぱだぞ。」この警句を便所のドアにでも貼って定期的に思い出さないと非常に危険だ。
思い出したとこで新たにビーチー種の板付の苗を買うなど。
パキポディウム(デンシカウレ)
チタノタ
アレキサンデリー
猩々丸
アロエ(不夜城)
誰が名前つけとんのやろか。謎。
太平丸
花王丸と同じく四年経ってやっと新しい棘が生えてきた。
個にして全、全にして個というやつです。
しまどじょ
ミナミヌマエビ
映画
アマプラビデオに加入して仕事と作業の合間に時間見つけて映画を比較的によく見る。
初見も見直しも含めざっと書き出してみると『ネバーエンディング・ストーリー』(30年ぐらいぶり)、『パラサイト 半地下の家族』『殺人の追憶』、『ドライブ・マイ・カー』、ジョーダン・ピール監督作品の『Get Out』『Us』『NOPE』、ハンガリーの映画『心と体と』、『コーダ あいのうた』『閃光のハサウェイ』『ミッドサマー』『キル・ユア・ダーリン』『ブレードランナー2049』『オブリビオン』など。
ジョーダン・ピールの去年公開された最新作『NOPE』は映像にクリストファー・ノーラン味あるなと思ってたらノーラン作品の撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマなる人物が担当なのだという。ライラ・ミラ・ライラみたいな語感。ジョーダン・ピールという天才の出現をちっとも知らんかった。
読書録
マリー・D・ジョーンズ『11:11 時間ピッタリ現象』
プラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』
その他
・お灸にはまる。せんねん灸。一ヶ月ほど続けてるが正直効果はわからん。ただ風呂に似た気持ち良さがある。体を押して痛いとこ探す癖がつく。
・タバコやめて8年と2ヶ月、お酒やめて5年と10ヶ月が経った。
・サッカー。毎週末Abemaでブライトン、DAZNでレアル・ソシエダとヴァンフォーレ甲府の試合を見る。DAZNは値上げしつつコンテンツひ��そり減らすくせにインディアン・プレミアリーグなるインドのクリケットの試合の放送始めた。誰得なのか。
日本代表、森保さんで8年という日本サッカー暗黒時代の到来に慄く。学習性無力感。
・Sonyのワイヤレスヘッドホン買う。
・マクロレンズ買うか迷って3000円ぐらいの中古のコンバーターレンズ買う。
・作陶と釉薬の実験を繰り返す。
もう五月だ。
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2024年6月26日(水)
西村歯科の予約は16時45分、いつも通り10分前に受付すると程なく呼んでいただいた。しばらく前から食事の時に左上に痛みがあると伝えると、主治医は<これまであまり気にしていなかった箇所ですね>といいながらチェック、結局奥歯がぐらつきだしてそこが痛みのもとであるという。治療して良くなる歯でもなく場所的に残す意味も無いとのことで、それならと抜歯をお願いした。化膿止めが3日間処方されたのでその間飲酒はダメ、歯の痛みよりもこちらの方が私にとっては苦痛なのだ・・・。
4時45分起床。
日誌。
5時15分、シャワー。
朝食準備。
洗濯開始。
奥川ファームの手打蕎麦も今回分はこれで終わり。
珈琲。
弁当*2。
空き瓶、45L*1。
ツレアイの職場経由で出勤する。
順調に到着する。
後期履修登録の現況確認、やはり「インターンシップ」をシラバスも読まずに登録している学生が数名、履修変更するようにメール配信する。
水曜日は2限・3限<情報機器の操作Ⅰ(栄養学科)>、今回からExcelの学びに入る。前回の入力試験で不合格となったものが2クラスで5名、そのうち3名は合格、2名は不合格。来週の授業後に、改めて試験を行う。Excelは基礎的なところを時間を掛けて丁寧に・・・のつもりだが、なんでこんなことになるの・・・という学生が数名、疲れるよなぁ。
3限終了後、すぐに退出。
今日は歯医者、西大路七条から13系統に乗って四条烏丸、少し時間を潰してから西村歯科へ。結局抜歯を選択し、痛みはあるがかえってスッキリする。
帰路のコレモ西七条店で買い物、コロッケ・豆腐・厚揚げ・焼売・ピーマン(¥1,279)。
帰宅すると直前にツレアイも帰宅、まずはココに点滴。
残りものの豚バラ肉とピーマンを炒め、焼売を蒸す。
ツレアイは🍷、私はお茶。
届いたばかりの枝雀大全第十九集、「はてなの茶碗」「始末の極意」、<枝雀散歩道>はチューリップの財津和夫。
順番を待って入浴、なにしろ呑んでいないので睡魔は訪れず。
パジャマに着替えてからあれこれ、酢卵・酢タマネギ・ジャガイモ煮漬け、そうこうするうちにツレアイが先に寝る、いつもと逆パターンだ。
歯磨きして日誌を書く。さて、そろそろ布団に入ろう。
今日はさすがによく動いた。
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目を逸らさずに、立ち向かえ
L'événement @ Rectangle Productions 他
Directed by Audrey Diwan
執拗に観客を主人公と同化させようと試みる作品というものがある。やり方を間違えると白けるだけだが、本作は難なく成功している。スタンダードサイズの画面、彼女を追って周りがボケているピントの合わせ方。これら技術的な面も手伝っていることも確かだが、何よりとある「病気」が自分の身に降りかかるという状況が有無を言わせず全ての人間に当事者意識を植え付ける。彼女のバックグラウンドや、選択、考え方、仕草を気に入る気に入らないといった、通常主人公を批判的に見る隙を観客に与えることはない。観客は始めから彼女の肉体に囚われ、逃げることができない。
病気と書いたが、それは主人公が言うところの「女だけがかかる病気」「主婦になるという病」、すなわち妊娠である。大学生の主人公 Anamaria Vartolomei は予期せぬ妊娠に直面し、これでは文学あるいは国語の教師になりたいという夢を諦めなければならなず、自分の人生を捨てなければならない危機に見舞われる。しかし 1963年当時フランスでは中絶は違法であり、彼女を助けることができる真っ当な方法は存在しない。彼女は、アンダーグラウンドの中絶手術を求めることとなる。
冒頭の授業で詩の授業が行われている。読まれているのは戦争を描いた Louis Aragon の詩 « Elsa au miroir » である。
教授が Vartolomei に質問する。「この手法をなんと言いますか?」 « Une Anaphore » 「首句反復」と答える彼女。単語の響き、アンシェヌマン(フランス語の発音ルール)が起きてこう聞こえる。 « Une Nana Forte » 「強い女」。戦争に巻き込まれる強い女とは何者か?
それは、一つに原作者の Annie Ernaux のことである。彼女の実体験を映画化した本作は、壮絶で孤独な戦いに身を投じる若い女性を描く。私はカメラワークが László Nemes の 「サウルの息子」や「サンセット」といった作品のようだと感じたが、戦禍の中、主人公がどこにピントを合わせて世の中を見ているかという点さえも観客に主人公との同化を強いる意味では当然の選択だったのだろう。観客は、彼女が見ていないものは知るよしもないが、逆に彼女が見ているものは全てくっきり見せつけられる。さらに、サスペンス的要素もこの作品の危機感をドライブする。3週、7週などとカウントアップされていくクレジットは焦燥感を煽り、観ている側もパニックに襲われそうになるのだ。戦争、病気といった非日常に突入したことによって、もはや自分にとって時間の数え方が変わってしまう。しかしこれはある意味、妊娠という状況でなくとも男女の大きな違いかもしれない。28という数字を聞いて、男はなんのことだろうと首を傾げるなどよくある話だ。
さて、妊娠が分かったヒロインだが60年代フランスにおいて人工妊娠中絶はいかにタブーであったかを思い知らされる場面が次々と出現する。まず、医者が「生理が来るように」無言で処方した薬は精力剤で胎児を元気付けるものだったという騙し討ち。あるいは、女友達は雑談の中で子供を堕すことを「冗談でも言わないで」と真顔で言う。当然の成り行きで、打ち明けた途端に巻き込まないでほしいと友人関係も疎遠になる。時間が経ってから、仲良し三人組の一人だった Luàna Bajrami が私は欲望のままに男と遊んだけれど、妊娠しなかったのは運が良かっただけど心の中を Vartolomei に打ち明けて歩み寄るシーンがあるが、 « Portrait de la Jeune Fille en Feu » で彼女は周りの登場人物にあんなに堕胎に協力してもらってたのに、本作での主人公への仕打ちはあまりじゃないか!と突っ込んだ。笑
追い詰められた彼女に手を貸したのは、悪い遊びを知っている男友達 Kacey Mottet Klein 。「経験がある」という学生 Alice de Lencquesaing にアンダーグラウンドで手術を請け負う Sandrine Bonnaire を紹介される。 Alice は告げる。手術のあと医者が「流産」と書くか「中絶」と書くかは運次第。後者ならみんな-妊婦、手術した人、協力者-刑務所行きだと。手術費用は400フラン。Vartolomei は大事な蔵書を売って金を工面する。そこで売られているのは Simone de Beauvoir や 冒頭の Aragon の著作。自由やそれを奪う戦争について彼女がいかに考えを巡らせているかを垣間見せる一場面だ。ちなみに、フランスは1789年の革命の頃まで中絶は合法だった。それが禁止されたのは1810年から。理由は、 Napoléon Bonaparte による戦争。国民全員が何らかの形で戦争に関わることになる近代国家にとって、人口の量と質の管理は至上命題であり、子供を勝手に堕ろされては政府にとって不都合だったのである。
クライマックスとなる堕胎の場面は、 Bonnaire の自宅へ足を踏み入れてから手術完了まで長尺のワンショットで見せる。ショットを映画における瞬きとするならば、ここは瞬きなしの一呼吸だ。一度目の手術では胎児は持ち堪えて失敗。もういちどと Bonnaire を説得し行った2回目では成功。彼女は大学の寮に戻ってから激痛に耐えた末、トイレで亡骸を産み落とす。この場面では便座に座る彼女を正面からカメラが捉えているのだが、ほんの少し下へ向けられる瞬間がある。そこには血だらけの肉塊が臍の緒一本で Vartolomei と繋がっている姿が映される。女性は血と肉、すなわち命をかけて妊娠をするものなのだという事実を観客に見せる姿勢に容赦はない。それが本作の映画化にあたり、考えられうる限り最大の誠実さを証明していることは言うまでもない。
最後には世間が行う時間の捉え方7月5日の文学��試験で幕を閉じる。試験前に教授が引用するのは Victor Hugo の言葉だ。その内容も顔を上げて、旗を掲げて歩めという戦争もの。若者たちよ、強い女性たちよ、歩き闘い続けよというメッセージが込められていた。
なお、この闘いは現在も進行中である。法律は変えられる恐れがあるからとフランスでは先月24日、憲法に中絶へのアクセス権を明記する憲法改正案が国民議会で可決されたばかりだ。右派が過半数を取る上院での可決は難しいらしいが、 US の動向に対する反動としても議論は続いていくだろう。最後に余談だが、成績が下がってきたヒロインに対し教授が冷たい態度をとったせいで Vartolomei ならぬ Ernaux は教師になんかならず作家になりたいと思ったのではないだろうか。であるならば、 Nobel 賞作家の第一歩を歩ませたという意味で彼はグッジョブだ。笑
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26/11/22
ザベストメニューオブ近所のタイ料理屋がTOM YUM FRIED RICE に決定しました。かなり辛&ちょい酸っぱの水分多めトムヤムソース炒飯で、具材はでっかいミドリイガイ(ムール貝の貝殻に綺麗な緑が混じっているような貝)×2、いか、マッシュルーム。£9.00だから円換算だとちょっとお高めだけど、他メニューよりもはるかにわたし好みの味だから明日も食べちゃうかも。旨辛な味付けによわい。
月曜日に突然英語の流暢さがアップして、先週よりも少し長く喋れるようになった。気がする。ある言語を喋るっていうのは、文法が理解できるとか読めるとか聞こえるとかとは全く別のベクトルの技術であるらしい。(わたしはギター弾けないけど、)コードのことは全然わからないけどギターが弾けるアーティストがいると聞いたことがあり、構造としてはそういう話なのかなと思った。スピーキングっていうのは多分、もちろん基礎練習は大事だけれど、勉強というよりかはもっと身体的なこと、運動や楽器を練習するのに近い。ヨーロッパ系のクラスメイトはtenseもままならないくらい文法が不出来なのに、めちゃくちゃぺらぺらと長い文章を喋る。対してわたしは、文法や語彙はかなりできる方だが、雑談とかディスカッションには弱い。イタリア人に、あなたは文法ができないのによく喋る、わたしは文法ができるのに喋りは下手、なんでなんだろうね?と言ったら、同感だがわからないとのこと。
スピーキングは身体運動だからそれにまつわる全てが楽しい。わからないことはそのままにせず発言する欧米文化に倣って、授業進行を中断する形になっても質問を投げかけたり、自分の意見を言ってみたりするのも楽しい。わたしは多分喋ることがもともと好きなんだけど、英語はリズムがあるから喋ってて気持ちいい。リエゾン(単語と単語の音が繋がること)や、シラブル(一単語に含まれる、一度に発音する音の最小単位)がうまく再現できて、口の中で音が響く感じがすごく好き。中学生の時、英語の授業をやってくれた教育実習生がすごく綺麗に教科書を読んでいて、「発音するのが楽しくて英語教師を目指すようになった」と言っていたのを覚えているが、おそら���同じバイブス。
先週末にワールドカップが開幕してからフットボールの話が頻繁に持ち出されるようになり、ついにPubの大スクリーンでブラジル-セルビア戦を観た。ホールのように広い店内で、グラス片手に立ち見をする客に溢れてライブ会場のようだった。色んなタイミングで大きな歓声が上がったり、(店内はブラジルサポーターが多かったので)ブラジルの応援歌が歌われたりと、自由で、エネルギッシュでよかった。歓声と怒号と、厨房で割れるグラスの音が響いていた。グラスが割れたのは厨房内だけではなくて、隣の席の興奮したサポーターがビールグラスを床に叩きつけて割っていた。すぐさま箒と塵取りを持った店員がやってきて、やれやれ、とでも言いたげに、そそくさと掃除をして消えていったので、Pub観戦茶飯事みたい。ブラジルのリシャルリソン選手が決めた回転ゴールがめちゃくちゃかっこよかった。でも実はこの時、ちょうどお手洗いに立っていて、ゴールの歓声を聞いたのはトイレの中で、実は実はゴールの瞬間を見逃したんだけど...(なぜか見栄?張って、一緒に来ていたクラスメイトに「(ゴールの瞬間)観たよ!すごかったねー!」とか言っちゃったんだけど......)。わたしは昔からこういうところがあって、アルバイトしてた居酒屋の店長のお誕生日会に出席した時、お手洗いに立っている間にケーキが運ばれてきていて、席に戻ったらハッピーバースデーは歌い終わって店長の話も終わってた、という思い出がある。聞くにしのびないね。
属しているコミュニティが学校しかないから学校の話ばかりになるんだけど、先日の宿題で、継続的でネガティブなトピックをひとつ選んでプレゼンする、というものがあった。(海洋汚染、大気汚染、原子力発電、ファストフード等。)興味深かったのは、カタールで開催されるワールドカップの裏側についてのプレゼンで、会場建設に携わった多くの人が亡くなっていること、移民労働者がLGBTQだった場合はカタールの法律に則り違法とされ懲役や罰金が下されること、暑いカタールの会場を冷やす空調設備のための莫大な資金と環境汚染、が問題だという。(英語で聞いたからもしかしたら事実と異なる部分があるかもしれない、ご容赦。)このプレゼンを聞いた日にPubでフットボールを観たんだけど、ワールドカップ開催の影とは裏腹に、純粋に試合観戦を楽しむ人たちで溢れていて複雑だった。2021年に開催された東京オリンピックにも様々な批判が集まったけど、莫大な資金が投じられていて、世界規模で、メディアの注目も集まるイベント(プレゼンしてたクラスメイトはスペイン語が母国語で、mediaticと言ってた。mediaticは英語の辞書には無いらしく指摘を受けていたが、スペイン語でmediatico?はメディアに関係していること表す形容詞みたい。)を簡単には中止できないという意味で、構造が似ているなと思った。
このプレゼン関係で交わされたトピックトークで色んな史実が持ち出され、世界で起こった非人道的な事件は人類が共通して持つべき記憶であるという気づき、それらに疎いがゆえに感じるもどかしさ/恥ずかしさから、この歳にしてようやく世界情勢や歴史に興味が湧いてきた。パリの同時多発テロ事件がどのくらいの規模だったのか知らなかったし、テロとは何なのか説明できなかったし(政治的、宗教的なイデオロギー上の目的達成のために行われる暴力や犯罪のこと)、福島の原子力発電所で何が起こったのか詳しく説明できなかったし。地下鉄サリン事件もテロだよね。昨晩はパリ同時多発テロ事件のwikipediaを読んで夜を過ごした。物事に興味を持つ時は、その物事がある程度のリアリティを持って自分と関係することがきっかけになる。
ちなみにわたしは、核融合発電の問題点をプレゼンした。今世界中にある原子力発電にはウランの核分裂が使われていて、うまく管理しないと核分裂の連鎖反応が起き、福島原発のようにメルトダウンを起こして放射性物質が外に漏れ出たりする。対して核融合は連鎖反応が起こることはなく、安全性が高いエネルギー供給法と言われている。ただ、核融合に使われるトリチウムという物質が全く足りてない問題 / トリチウムを作り出すためにはウランを核分裂させる必要があるけどちょっとずつしか作れない問題 / てかクリーンなエネルギーのためにまた核分裂させるのかよ問題 / トリチウムは半減期が短いから作っても取っておくのが難しい問題 などなど、燃料供給に潜在的な問題ありらしい。ひとつの記事しか読んでないから事実とは異なるかもしれないけど、絶対実現むりじゃん。ウケた。ところで、授業の先生が物理学部卒でロケット自作したり、種子島にロケット見に行ったりしてる人で、宇宙ってロマンチックでいいよね、物理ってかっこいいよねの気持ち思い出してる。(That's why 核融合について真面目に喋ってみた。)
仕事したい。Pubで3パイントもビール飲んだから翌日まで酔っ払ってて、どうしてもお米とお味噌汁を体が欲っして、高いお金出してお寿司とお味噌汁をランチにしたんだけど、日本人としては納得いかないクオリティ。おいしい日本食を出すレストランへ気兼ねなく行くためのお金が必要だし、賄い目当てで日本食レストランでバイトするのもいい。タイ料理はおいしいけどタイ料理は日本料理ではない。
オフィスワークもやりたいから現地エージェントに登録したんだけど、「ご角煮おねがいします」とか、メールの誤字がすごすぎて楽しい。角煮持っていって、わたしがエージェント代わろうかな。
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ここからが本題で、日記を読んだ友人がくれた感想を引用させてもらうんだけど。
"あなたという人間から見える世界の在り方自体は何も変わってないのに、舞台がロンドンになった途端、あなたの生活にストーリー性や瑞々しさが生まれているかのように見えてくるの、おもしろい"
わたしが思っていることをとても上手に言語化してもらった気分だった。わたしは世田谷からロンドンに引っ越したみたいな感覚で、自分の生活が、人生が、場所を変えて継続していくだけで、生まれ変わったとか、輝くものを手に入れたような感覚は全くない。渡英前も、わたし本人よりも、渡英するという選択を聞いた周りの人の方がよほど嬉しそうに、感慨深そうにしていて、不思議だった。(安定と変化を天秤にかける人はいても変化を実行に移す人はそうそういない、すごい、とか、海外へ行くと決めたわたしを見て勇気と元気をもらえた、とか。)
自己認識と他者認識の相違をふまえて、
・自分が経験したことのないことに対して抱く感情は幻想、過度な美化だという可能性 ・客観的に自分の立場や能力の特異性、稀有性を捉えることの難しさ
のことを考えている。わたしは羨ましがりで、SNSで人の生活を垣間見ては落ち込み、友人の近況を聞いては焦り、つまり比較ばかりしていた。しかし、羨ましいという気持ちはわたしが頭の中で作り出した幻想や過度な美化によるものではないか?当人には当人なりの地獄、そして天国。人には人の乳酸菌。追及すべきは自分なりの幸福の形であって、羨望や嫉妬に支配されるのは間違っている。ロンドンでの生活に対する印象が自分と他者で大きく異なるという実体験から、他者を羨むことって実はあんまり中身がないんじゃないか?→過度に羨んで落ち込む必要ない、の回路が形成されてちょっと楽になった。とはいうものの、海外へ行くなんて大したことじゃないよ、と平坦に扱うことは違うとも思う。長期で海外へ行くという選択が容易にできる程恵まれた環境、タイミングであったのは事実だと思うし、それに加えて自分の適性もプラスにはたらいているだろう。わたしは新しい環境に対する適応能力が高くて、異なる価値観を"受け止める"力があるらしい(友人談)。たしかにそうかもしれない。人には各々なりの価値観に至るバックグラウンドがあって、好ましいか否か以前にそれらは全て尊重されるべきだというスタンスが根底にあって、それが異文化の人と接する上で潤滑剤になっている気がする。(好ましくなければ否定はするけど。)このような自分の特異性、稀有性に自覚的でいたい。さもないと他者を傷つけかねない。もう傷つけているんだろうか。
自分からみた世界の在り方はあまり変わっていないけど、大きな変化があったとするならば、時間が正しく流れるようになった。以前は、ひどく綺麗な夕日がとっぷり暮れた後にひとりで夜を迎えるみたいな毎日で、そういう日々の中で流れる時間というのは一方向に規則正しく進んではくれず、途方もない。ところが今は、決まった時間に起きて決まった朝ごはんを食べ、学校へ行って授業を受け、帰宅して夕飯を食べ、勉強して、ゆっくりして、眠る、ことが、無理なくできる。正しく時間が過ぎていく。
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ちょっとポエティックになっちゃったけど、いや、なっちゃったとは言いたくない。大学のサークルの先輩がわたしのTwitterを見て、ポエマーだよね(笑)と言ったのをずっと根に持っていて、今思い返しても腹が立つんだが、ポエティックな言葉はうつくしいだろうがよ。
文脈を忘れたけど、クラスメイトが授業中に Live like your last day. と言い放って、お〜ポエティックでいいね〜、てなったのよかったな。
今週はあんまり写真を撮っていないから、お寿司とお味噌汁の写真を載せる。
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