#九州風お雑煮
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料理トリビアのまとめ #0002
#Kyushu style zoni#九州風お雑煮#お正月料理#関西風お雑煮#東北風お雑煮#Tohoku style zoni#Japanese New Year dishes#JapaneseCooking#関東風お雑煮#Kanto style zoni#料理トリビア#Kansai style zoni
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九州風お雑煮 お正月料理
材料: - 餅: 適量 - だし汁: 適量 - 鶏肉(もも肉など): 適量 - 大根: 適量 - 里芋: 適量 - かまぼこ: 適量 - 三つ葉(みつば): 適量 - 塩: 適量 手順: 1. 鶏肉を塩茹でし、鶏のだし汁を取ります。 2. 大根と里芋を食べやすい大きさに切ります。 3. 餅を焼いて、餅を食べやすい大きさに切ります。 4. 鶏のだし汁を温め、具材と一緒に餅を加えて煮込みます。 5. 味を整えるために、塩で味を調え、最後に三つ葉を加えて完成です。
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Kyushu style zoni Japanese New Year dishes
Materials: - Mochi: Moderate amount - Dashi soup: appropriate amount - Chicken (thigh etc.): Moderate amount - Radish: Moderate amount - Taro: Moderate amount - Kamaboko: Moderate amount - Mitsuba (mitsuba): appropriate amount - Salt: Moderate amount Steps: 1. Boil the chicken with salt and remove the chicken stock. 2. Cut the radish and taro into bite-sized pieces. 3. Bake the mochi and cut it into bite-sized pieces. 4. Warm up the chicken stock, add the mochi along with the ingredients, and bring to a simmer. 5. Add salt to taste, then add the mitsuba leaves to complete the dish.
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イントネーションと私
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父親が茨城県水戸市出身なので子供の頃に父の実家に行った時に祖父母や従兄弟と会話する際に語尾が上がるのは北関東というより南東北を感じたものです。
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それよりカルチャーショックだったのが大学生で初めて出会った関西の友人たち。東北や九州出身の多くの学生が標準語に染まるのに対し関西人は決して染まらないのです。
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ファミリーマートを略して「ファミマ↑」と言うのに「ファミ↑マ」と「ミ」の音を高く呼ぶのは、間寛平師匠の「アメマ」と同じ発音だなと思ったものです。
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同じように衝撃を受けたのは下町のソ��ルフード「もんじゃ」を見た大阪の北摂エリア出身の友人が「なんや、これゲ◻︎やんけ」と言われたのを今でも恨んでおります。
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そんな彼が「もんじゃ」や「お好み焼き」のことを「コナモン」と言っていたので「ポケモン」の仲間かと思いましたが「粉もの」を指すみたいですね。
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同じように気になったのが「品物」のことも、このように発音していました。と言うわけで本日のランチは #シナモンガーデン です。
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新規開拓で #しんみち通り をパトロールしていたら神奈川県の百名店が四ツ谷に進出と言う文字が気になり初訪問です。
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自分が知らなかっただけで、既に四ツ谷でも大人気店のようでしたが12:08で何とかカウンター席を確保出来ました。
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頼んだのは3種のカレーを楽しめる #スリ〜カレーのごほうびプレート です。混んでいましたが5分ほどで提供されました。
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一つのプレートに色々と盛り付けてあって華やかな感じです。「よく混ぜて」と言われたので一瞬、東銀座のナイルレストランを思い出しました。
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まずは本日の日替わりのブリカレーを頂きます。シャバシャバのスープ状になった中に柔らかく煮込まれたブリが日本では味わえないスパイシーな旨さになっております。
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で、ご飯は細長くて香りがあるタイプで色とりどりの具材と一緒に食べると様々な食感や酸味など複雑な味わいでクセになります。
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豆のカレーは優しい味わいで、身体に良さそうなスープのような印象。チキンのカレーはブリのカレーとはまた違うスパイスとコクのある味わいです。
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中央に載っているのはコロッケでしょうか?日本のものとはちょっと違うカレー風味の味わいで美味しいです。
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パリパリのやつを最初はカレーで食べてましたが、全体的に混ぜて食べても食感が楽しくなるのでいいですね。
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自分の想像もしないような味わいとスパイスと、食感に沢山出会えたのは新しい扉を開けた感覚があるので感激です。
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そう言えば、東京歴が長くなった大阪出身の友人と久しぶりにあって「関西電気保安協会」の文字を見せて、なんて発音するのかを確かめてみたいと思います。
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ジオタグが出ないので住所を記すと東京都新宿区四谷1-7-27 第43東京ビル 2Fです。
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#四ツ谷ランチ #四ツ谷グルメ #四ツ谷カレー #四ツ谷スリランカ料理 #四ツ谷エスニック #四ツ谷カレーライス #とa2cg
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「煮物」の知られざる使い方とレシピ
### 煮物の魅力:楽しくて面白い雑学と歴史 #### 煮物に関する面白い雑学 煮物は日本の家庭料理の代表的な存在で、さまざまな食材を使��て作られますが、その魅力は単なる味わいに留まりません。実は、煮物には多くの興味深いトリビアが隠れています。 1. **煮物の起源は古代日本にまで遡る** 煮物は、古代日本の「煮る」という調理法から始まりました。平安時代の文献においても「煮物」の記述が見られ、当時から家庭や貴族の食卓に愛されていたことがわかります。 2. **「出汁(だし)」が命** 煮物の風味を決定づけるのは、やはり「出汁」です。昆布や鰹節から取った出汁は、煮物に深い味わいを加えますが、地域によって使われる出汁の種類には違いがあります。九州では「鰹出汁」が主流ですが、関西では「昆布出汁」がよく使われます。 3.…
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各地句会報
花鳥誌 令和6年4月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年1月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
ドッグラン鼻と鼻とで交はす賀詞 荘吉 裸木のはるかを白く光る街 要 頰切るは鷹の翔つ風かもしれず 順子 人波をこぼれながらの初詣 光子 焼芋の煙たなびく志んぐうばし 和子 群衆といふ一塊の淑気歩す 順子 寒雀神馬と分かちあふ日差し 光子 寒雀入れ神苑の日のたまり 同 寒の水明治の杜のまま映す 小鳥
岡田順子選 特選句
跼り清正の井を初鏡 昌文 本殿につぶやく寒紅をつけて 光子 楪の浴ぶる日我にゆづらるる 慶月 肺胞に沁み込んでゆく淑気かな 緋路 冬草や喧騒去りて井戸残し 眞理子 馬見えぬ乗馬倶楽部の六日かな 六甲 寒鯉来おのれの色の水を分け 緋路 寒椿落つれば湧くや清正井 眞理子 寒の水明治の杜のまま映す 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
一束もいらぬ楪もて遊ぶ 成子 深井より羅漢に供ふ冬の水 かおり 赤なまこ横目に買ひし青なまこ 久美子 畳みたるセーターの上に置くクルス かおり 再会のドアを開けばちやんちやんこ 朝子 半泣きのやうに崩るる雪兎 成子 火を見つめ男無口に薬��� かおり 歳晩の一灯母を照らすため 朝子 悴みて蛇となる能の��かな 睦子 その中の手話の佳人やクリスマス 孝子 悪童に悲鳴をはなつ霜柱 睦子 凍空とおんなじ色のビルに棲み かおり かくも典雅に何某の裘 美穂 唐突に雪投げ合ひし下校の子 成子 楪や昔硝子の磨かれて かおり 奥伝の稽古御浚ひする霜夜 愛 出会ひ重ね寿限無寿限無と年惜む 美穂 冬灯一戸に遠き一戸あり 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
流れ来し葉屑も霜を置いてをり 昭子 御慶述ぶ老いも若きも晴れやかに みす枝 初春の光りまとひし石仏 ただし 神なびの雨光り落つ氷柱かな 時江 地震の中産声高き初笑ひ ただし 歌留多とり一瞬小町宙に舞ふ みす枝 まだ誰も踏まぬ雪道新聞来 ただし 奥の間に柿餅吊し賑はへり 時江 さびしさの枯野どこまで七尾線 昭子 万象の音の鎮もり除夜の鐘 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月9日 萩花鳥句会
初句会吾娘よりホ句のファクシミリ 祐子 書き初め震何んぞ訳あり辰に雨 健雄 吹雪突き突進するエネルギー 俊文 日本の平安祈る今朝の春 ゆかり こがらしが枯葉ころがしからからと 恒雄 平穏な土地にて食べる七草粥 吉之 御降や茶筅ふる音釜の音 美惠子
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令和5年1月10日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
被災地にすがりし木の芽盛んなる 世詩明 的中の乾いた響き弓始 誠 初場所の桟敷の席の晴れ着かな 同 初御空耶馬台国は何処にぞ 同 石段を袖振り上がる春著の子 同 細雪番傘粋に下駄姿 幸只
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月11日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
年上の夫に引かるる初詣 喜代子 地震起こり慌てふためく大旦 由季子 曇り拭き笑顔映りし初鏡 さとみ 地震の地にぢりぢり追る雪女 都 冴ゆる夜の天井の節をまじまじと 同 男衆が重き木戸引き蔵開き 同 寒月や剣となりて湾の上 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
海鳴や雪の砂丘は祈りめく 都 初電話卒寿は珠のごと笑ひ 同 針始友が未完のキルト刺す 同 授かりし神の詞や竜の玉 悦子 蜑に嫁し海山詠みて老いの春 すみ子 焚上��の火の粉加勢や冬銀河 宇太郎 古傷を思ひ出させて寒四郎 美智子 枯葦の透き間に光る水一途 佐代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月12日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
寒の雨誦経とよもす陽子墓碑 文英 寒林を上り来よとて母の塔 千種 顔消えし元禄仏へ寒菊を 慶月 道祖神寄り添ふ寒の雨うけて 慶月 就中陽子の墓所の蕗の薹 幸風 裸婦像の背にたばしる寒の雨 同
栗林圭魚選 特選句
信州へ向かふ列車の二日かな 白陶 寒林を上り来よとて母の塔 千種 晴天の初富士を背に山降る 白陶 大寺の太き三椏花ざかり 幸風 空までも続く磴なり梅探る 久 はればれと良き顔ばかり初句会 三無 就中陽子の墓所の蕗の薹 幸風 五姉妹の炬燵の会議家処分 経彦 走らざる枯野の車両咆哮す 千種 凍蝶のポロリと落つる影哀れ れい 三椏の開花明日かと石の門 文英
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月13日 枡形句会(一月十三日) 栗林圭魚選 特選句
嗽ぐをどる喉越し寒の水 幸風 七福神ちらしの地図で詣でをり 多美女 七福神詣りしあとのおたのしみ 白陶 凍て鶴の青空渡る一文字 幸子 金継ぎの碗に白湯汲む女正月 美枝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月15日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
曇天に寒紅梅や凜と咲く のりこ 寒梅のつぼみの枝の陽の仄か 貴薫 青空に白き寒梅なほ白く 史空 朝の日に紅色極め寒椿 廸子 我が机散らかり初めし二日��な 和魚 倒れ込む走者にやさし二日かな 三無 釦穴に梃摺る指や悴かみて あき子 夢てふ字半紙はみ出す二日かな 美貴 二日早主婦は忙しく厨事 怜 りんご飴手に兄妹日向ぼこ 秋尚 雪遊びかじかむ手の子包む母 ことこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月16日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
幼子の運を担いで福引へ 実加 寒空や命尊きこと思ひ みえこ ことわざを子が覚えをりかるた取り 裕子 元旦の母と他愛もない話 同 元旦や地震の避難を聞くことに みえこ 初詣車椅子の児絵馬見上ぐ 実加
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月17日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
古里に温石と言ふ忘れ物 雪 師の墓に愛子の墓に冬の蝶 清女 寒の月見透かされたり胸の内 眞喜栄 鴨浮寝無言の中にある絆 同 降る雪を魔物と今朝を天仰ぐ 英美子 藪入りも姑の一言行けぬまま 同 庭仕事今日冬帝の機嫌よき かづを 玻璃越��霏々と追はるる寒さかな 同 正月が地獄の底に能登地震 みす枝 雪しまき町の点滅信号機 ただし お御籤の白き花咲く初詣 嘉和 若狭より繋がる水脤やお水取 やす香 水仙の香りて細き身の主張 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月17日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
寒紅の濃き唇が囁きし 世詩明 お雑煮の丸と四角と三角と 同 正月の馳走其々ある謂れ 千加江 新年の風も言の葉も美しく 和子 磯の香も菰巻きにして野水仙 泰俊 捨て舟を取り巻くやうに初氷 同 左義長や炎崩れて闇深し 同 去年今年形見の時計よく動く 同 ふと今も其の時のマフラーの色 雪 天地に誰憚からぬ寝正月 同 迷惑を承知の猫に御慶かな 同 不器用も父似の一つ初鏡 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月17日 鯖江花鳥句会(一月十七日) 坊城俊樹選 特選句
而して九十三の初鏡 雪 蛇穴に入り人の世は姦しく 同 紅を差し眉ととのへて近松忌 同 懐手おばあちやん子を憚らず 同 鬼つ子と云はれて老いて近松忌 同 着膨れて顔ちさき女どち 一涓 歌かるた子の得て手札取らずおく 昭子 年新たとは若き日の言葉とも やす香 新年を地震に人生うばはれし 同 元旦を震はせる能登竜頭めく 同 裂帛の気合を入れて寒みそぎ みす枝 風の神火の神乱舞どんど焼き ただし 八代亜紀聞きをり外は虎落笛 清女 寒怒濤東尋坊に砕け散り 同 波の腹見せて越前浪の華 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月19日 さきたま花鳥句会
月冴えて城址うろつく武者の翳 月惑 仲見世を出て蝋梅の香に佇てり 八草 枯菊や木乃伊の群の青き影 裕章 寒鴉千木の反り立つ一の宮 紀花 合掌す金波銀波の初日の出 孝江 青空に白き一機や寒紅梅 ふゆ子 初詣令和生まれの児と犬と ふじ穂 白鼻緒水仙の庫裏にそろへあり 康子 激震の恐れ記すや初日記 恵美子 お焚き上げ煙を浴びて厄払ひ 彩香 我が干支の年につくづく初鏡 みのり 家篭りしてをり冬芽萌えてをり 良江
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令和5年12月1月 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
師を越ゆる齢授かり初鏡 雪 初笑玉の如くに美しく 同 大晦の右大臣左大臣 同 猫の名は玉と答へて初笑 同 天が下縁深めゆく去年今年 数幸 能登の海揺るがし今日の空冴ゆる 和子 しろがねの波砕かれて冴え返り 笑子 語り継ぐ越前の秘話水仙花 同 雪降れば雪��従ふ越暮し 希子 皺の手にマニキュア今日は初句会 清女 初電話親子の黙を解きくれし 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
蟷螂を見て戻りたるだけのこと 雪 もて余す老に夜長と云ふ一つ 同 蟷螂の緑失せつゝ枯れんとす 同 小春日や袱紗の色は紫に 泰俊 正座して釜音聞くや十三夜 同 海沿ひにギターの調べ文化の日 千加江 枝折戸をぬけて紅さす返り花 笑子 祇王寺の悲恋の竹林小鳥来る 同 大胆な構図を取りし大銀杏 和子 宿の灯も消して無月の湖明り 匠 秋の海消えゆくものにますほ貝 天空 落葉降る賽の河原に降る如く 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年12月 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
異ならず枯蟷螂も人老ゆも 雪 世の隅に蟷螂は枯れ人は老い 同 無造作に残菊と言ふ束ね様 同 冬ざれや汽車に乗る人何を見る 泰俊 石膏でかたまりし腕冬ざるる 和子 山眠る小動物も夢を見る 啓子 路地裏の染みたる暖簾おでん酒 笑子 冬ざれや路面電車の軋む音 希子 おでん屋の客の戯れ言聞き流し 同 風を背に連れておでんの客となり かづを にこにこと聞き役おでん屋の女将 同 冬紅葉地に華やぎを移したり 同 街師走見えざるものに背を押され 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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ざこば・鶴瓶らくごのご お題一覧 1992年 1 過労死・つくし・小錦の脂肪 2 一年生・時短・ニューハーフ 3 レントゲン・混浴・アニマル 4 ゴールデンウイーク・JFK・セクハラ 5 ���走族・かさぶた・バーコード 6 タイガース・母の日・入れ墨 7 目借り時・風呂桶・よだれ 8 しびれ・歯抜け・未婚の娘 9 ヘルニア・目ばちこ・フォークボール 10 造幣局・社員割引・オリンピック 11 父の日・猥褻・丁髷 12 ピエロ・ナメクジ・深爪 13 ミスユニバース・特許・虫さされ 14 魔法使いサリー・祇園祭・円形脱毛症 15 サザエさん・ジャンケン・バーゲンセール 16 ト音記号・北方領土・干瓢 17 妊婦体操・蚊帳・ビヤガーデン 18 身代わり・車だん吉・プラネタリウム 19 床づれ・追っかけ・男の涙 20 海月・肩パット・鶏冠 21 放送禁止用語・お年寄り・ピンポンパン 22 おかま・芋掘り・大人げない 23 復活・憧れ・食い逃げ 24 蒲鉾・風は旅人・半尻 25 泉ピン子・ヘルメット・クリーニング 26 美人姉妹・河童・合格 27 スカート捲り・ケツカッチン・秋の虫 28 チンパンジー・フォークダンス・いなりずし 29 稲刈り・小麦粉・フランス人 30 日本シリーズ・鶴瓶・落葉 31 クロスカウンター・学園祭・タクシー 32 付け睫毛・褌ペアー誕生・ツアーコンダクター 33 泣きみそ・ボーナス一括払い・ぎゅうぎゅう詰め 34 静電気・孝行娘・ホノルルマラソン 35 暴れん坊将軍・モスラ・久留米餅 1993年 36 栗きんとん・鶴・朝丸 37 成人式・ヤクルトミルミル・まんまんちゃんあん 38 夫婦善哉・歯磨き粉・夜更かし 39 金の鯱・オーディション・チャリティーオークション 40 ひ孫・いかりや長介・掃除機 41 北京原人・お味噌汁・雪祭り 42 視力検査・フレアースカート・美術館めぐり 43 矢鴨・植毛・うまいもんはうまい 44 卒業式・美人・転た寝 45 らくごのご・浅蜊の酒蒸し・ハットリ君 46 コレラ・さぶいぼ・お花見 47 パンツ泥棒・オキシドール・上岡龍太郎 48 番台・ボランティア・健忘症 49 長嶋監督・割引債・厄年 50 指パッチン・葉桜・ポールマッカートニー 51 同級生・竹輪・ホモ 52 破れた靴下・海上コンテナ・日本庭園 53 シルバーシート・十二単衣・筍 54 ぶんぷく茶釜・結納・横山ノック 55 睡眠不足・紫陽花・厄介者 56 平成教育委員会・有給休暇・馬耳東風 57 生欠伸・枕・短気は損気 58 雨蛙・脱税・右肩脱臼 59 鮪・教育実習・嘘つき 60 天の川・女子短期大学・冷やし中華 61 東京特許許可局・落雷・蚊とり線香 62 真夜中の屁・プロポーズ・水戸黄門諸国漫遊 63 五条坂陶器祭・空中庭園・雷 64 目玉親父・恐竜・熱帯夜 65 深夜徘徊・パンツ・宮参り 66 美少女戦士セーラームーン・盆踊り・素麺つゆ 67 水浴び・丸坊主・早口言葉 68 桃栗三年柿八年・中耳炎・網タイツ 69 釣瓶落とし・サゲ・一卵性双生児 70 台風の目・幸・ラグビー 71 年下の男の子・宝くじ・松茸狩り 72 関西弁・肉まんあんまん・盗塁王 73 新婚初夜・サボテン・高みの見物 74 パナコランで肩こらん・秋鯖・知恵 75 禁煙・お茶どすがな・銀幕 76 ラクロス・姥捨山・就職浪人 77 掛軸・瀬戸大橋・二回目 78 海外留学・逆児・マスターズトーナメント 79 バットマン・戴帽式・フライングスポーツシューター 80 法螺貝・コロッケ・ウルグアイラウンド 81 明治大正昭和平成・武士道・チゲ鍋 1994年 82 アイルトンセナ・正月特番・蟹鋤 83 豚キムチ・過疎対策・安物買いの銭失い 84 合格祈願・パーソナルコンピューター・年女 85 一途・血便・太鼓橋 86 告白・ラーメン定食・鬼は外、福は内 87 カラー軍手・放火・卸売市場 88 パピヨン・所得税減税・幕間 89 二十四・Jリーグ・大雪 90 動物苛め・下市温泉秋津荘・ボンタンアメ 91 雪見酒・アメダス・六十歳 92 座蒲団・蛸焼・引越し 93 米寿の祝・外人さん・コチョコチョ 94 談合・太極拳・花便り 95 猫の盛り・二日酔・タイ米 96 赤切符・キューピー・入社式 97 リストラ・龍神伝説・空巣 98 人間喞筒・版画・単��赴任 99 コッペン・定年退職・ハンドボール 100 百回記念・扇子・唐辛子 101 ビクターの手拭い・カーネーション・鉄腕アトム 102 自転車泥棒・見猿言わ猿聞か猿・トマト 103 紫陽花寺・豚骨スープ・阪神優勝 104 三角定規・黒帯・泥棒根性 105 横浜銀蝿・他人のふり・安産祈願 106 月下美人・フィラデルフィア・大山椒魚 107 鯨・親知らず・ピンクの蝿叩き 108 蛍狩・玉子丼・ウィンブルドン 109 西部劇・トップレス・レバー 110 流し素麺・目高の交尾・向日葵 111 河童の皿・コロンビア・内定通知 112 防災頭巾・電気按摩・双子 113 河内音頭・跡取り息子・蛸焼パーティ 114 骨髄バンク・銀杏並木・芋名月 115 秋桜・ぁ結婚式・電動の車椅子 116 運動会・松茸御飯・石焼芋 117 サンデーズサンのカキフライ・休日出勤・ウーパールーパー 118 浮石・カクテル・彼氏募集中 119 涙の解剖実習・就職難・釣瓶落し 120 ノーベル賞・めちゃ旨・台風1号 121 大草原・食い込みパンツ・歯科技工士 122 助けてドラえもん・米沢牛・寿貧乏 123 祭・借金・パンチ佐藤引退 124 山乃芋・泥鰌掬い・吊し柿 125 不合格通知・九州場所・ピラミッドパワー 126 紅葉渋滞・再チャレンジ・日本の伝統 127 臨時収入・邪魔者・大掃除 128 アラファト議長・正月映画封切り・ピンクのモーツァルト 1995年 129 御節・達磨ストーブ・再就職 130 晴着・新春シャンソンショー・瞼の母 131 家政婦・卒業論文・酔っ払い 132 姦し娘・如月・使い捨て懐炉 133 立春・インドネシア・大正琴全国大会 134 卒業旅行・招待状・引っ手繰り 135 モンブラン・和製英語・和風吸血鬼 136 確定申告・侘助・青春時代 137 点字ブロック・新入社員・玉筋魚の新子 138 祭と女で三十年・櫻咲く・御神酒徳利 139 茶髪・緊張と緩和・来なかったお父さん 140 痔・恋女房・月の法善寺横丁 141 ひばり館・阿亀鸚哥・染み 142 初めてのチュー・豆御飯・鶴瓶の女たらし 143 アデランス・いてまえだへん(いてまえ打線)・クラス替え 144 ��男の嫁・足痺れ・銅鑼焼 145 新知事・つるや食堂・南無阿弥陀仏 146 もぐりん・五月病・石楠花の花 147 音痴・赤いちゃんちゃんこ・野崎詣り 148 酒は百薬の長・お地蔵さん・可愛いベイビー 149 山菜取り・絶好調・ポラロイドカメラ 150 お父さんありがとう・舟歌・一日一善 151 出発進行・夢をかたちに・ピンセット 152 ホタテマン・深夜放送・FMラジオ 153 アトピッ子・結婚披露宴の二次会・おさげ 154 初産・紫陽花の花・川藤出さんかい 155 ビーチバレー・轆轤首・上方芸能 156 ワイキキデート・鹿煎餅・一家団欒 157 但空・高所恐怖症・合唱コンクール 158 中村監督・水着の跡・進め落語少年 159 通信教育・遠距離恋愛・ダイエット 160 華麗なる変身・遠赤ブレスレット・夏の火遊び 161 親子二代・垢擦り・筏下り 162 鮪漁船・新築祝・入れ歯 163 泣き虫、笑い虫・甚兵衛鮫・新妻参上 164 オペラ座の怪人・トルネード・ハイオクガソリン 165 小手面胴・裏のお婆ちゃん・ガングリオン 166 栗拾い・天国と地獄・芋雑炊 167 夜汽車・鳩饅頭・スシ食いねぇ! 168 長便所・大ファン・腓返り 169 美人勢揃い・雨戸・大江健三郎 170 親守・巻き舌・結婚おめでとう 171 乳首・ポン酢・ファッションショー 172 仮装パーティー・ぎっくり腰・夜更し 173 ギブス・当選発表・ちゃった祭 174 超氷河期・平等院・猪鹿蝶 175 コーラス・靴泥棒・胃拡張 176 誕生日・闘病生活・心機一転 177 毒蜘蛛・国際結婚・世間体 1996年 178 シナ婆ちゃん・有給休暇・免停 179 三姉妹・バリ・総辞職 180 家庭菜園・ピンクレディーメドレー・国家試験 181 ほっけ・欠陥商品・黒タイツ 182 内股・シャッターチャンス・金剛登山 183 嘘つき娘・再出発・神学部 184 金柑・恋の奴隷・ミッキーマウス 185 露天風呂・部員募集・ぞろ目 186 でんでん太鼓・ちゃんこ鍋・脳腫瘍 187 夢心地・旅の母・ペアウオッチ 188 (不明につき空欄) 189 福寿草・和気藹々・社交ダンス 190 奢り・貧乏・男便所 191 八十四歳・奥さんパワー・初心忘るべからず 192 お花見・無駄毛・プラチナ 193 粒揃い・高野山・十分の一 194 おぃ鬼太郎・シュークリーム・小室哲哉 195 くさい足・オリーブ・いやいや 196 ダイエットテープ・北京故宮展・細雪 197 若い季節・自動両替機・糞ころがし 198 おやじのパソコン・なみはや国体・紙婚式 199 降灰袋・ハンブルグ・乳首マッサージ 200 雪見酒・臭い足・貧乏・タイ米・コチョコチョ・雷・明治大正昭和平成・上岡龍太郎・お茶どすがな・トップレス(総集編、10題リレー落語) 201 夫婦喧嘩・川下り・取越し苦労 202 横綱・占い研究部・日本のへそ 203 マオカラー・海の日・息継ぎ 204 カモメール・モアイ・子供の事情 205 ありがとさん・文武両道・梅雨明け 206 団扇・ボーナス定期・芸の道 207 宅配・入道雲・草叢 208 回転木馬・大文字・献血 209 寝茣蓙・メロンパン・初孫 210 方向音痴・家鴨・非売品 211 年金生活・女子高生・ロングブーツ 212 エキストラ・デカンショ祭・トイレトレーニング 213 行けず後家・オーロラ・瓜二つ 214 金婚式・月光仮面・ロックンローラー 215 孫・有頂天・狸 216 雪女・携帯電話・交代制勤務 217 赤いバスローブ・スイミング・おでこ 218 参勤交代・ケーブルカー・七人兄弟 219 秋雨前線・腹八分・シルバーシート 220 関東煮・年賀葉書・学童保育 221 バンコク・七五三・鼻血 222 ホルモン焼き・男襦袢・学園祭
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%96%E3%81%93%E3%81%B0%E3%83%BB%E9%B6%B4%E7%93%B6%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%94%E3%81%AE%E3%81%94
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2022/12/26〜
12月26日 飛行機に乗って長崎へ来ている。 とにかく全てが未知で、それを楽しむ余裕はない…!と、寒さとかウイルスに怯えて出かけた。 飛行機の搭乗が思ったよりライトで、よく考えたら2時間弱で九州まで行けるなんてとっても身軽(?)!機内で年賀状を書いていたらあっという間だった。空港で万全に準備をした旅行帰りの娘夫婦とお母さん3人にすれ違う。すれ違う時に「あーごみ出ししなきゃ…」と言っていて、現実の生活に戻っていくんだな、と思った。年賀状はしらないまちのポストに入れて送った。
長崎空港からハウステンボスまでは、高速バスで海沿いをずっと走った。風景が、なんというか南の方の地形や町並みだな〜、という感じ。暖色系の風景。長崎ちゃんぽんリンガーハットを2軒見た(長崎にもあるんだ!)。 あと、老人ホームがたくさんあった。みんな最後に海を眺める日々を送りたいのかしら。
ハウステンボスは突然現れる。 川(ほぼ海。河口?)を挟んで外側はすぐ民家。 瓦屋根と広い庭の家がある。河口へ降りる階段でずっとうずくまっている人がいて不安になる。電車を待っている間に聴いていたハンドメイドホームが似合う風景。
ハウステンボスの内側は、行ったことないけどオランダみたいだった。オランダみたい、が詰め込まれていて、あまりオランダ的新発見はなく、程々に虚構で安全でのんびりしていた。オランダ要素が雑に置かれていて、大きい靴のオブジェや踊るチューリップのキャラクター、いろんなところにカステラのお土産屋さんがあった。 お目当てのナインチェショップとカフェもすぐ見つけられて、すぐ見終えた。 イルミネーションや夜景がメインなのか、昼間は園芸屋さんがお花を、電気屋さんが電飾をメンテナンスしていた。
電車を30分待ち、長崎駅や新地方面へシーサイドライナーという電車で移動。2両編成だけれど車内はガラガラ。長崎って車社会なのかな?(自転車に乗れない人が多いのって長崎だった気がする…) 長崎を地図で見たときの、入り組んだ地形を縁取って走っているんだな〜と実感する海と土地の風景だった。
駅からホテルまでバスに乗ったけれど、思っていたバス停には止まらず、でも近くまで行くよ、と言われてそのままそのバスに乗った。でも、ちょっと運転手さんとぎくしょくしてしまい途中のバス停で下りてしまった。 出島を歩いたり路面電車や坂の風景を見て元気を出す。やっぱり知らない町の都会(中心地)が好き。ホテルに荷物を置いてからもう一度町を歩いた。
中華街は神戸よりも小さくて、近くの商店街よりも小さい。こじんまりというより少しわびしい雰囲気。そして歩くと至る所に角煮まんのお店がある。
飲食店や商店(八百屋さんやお花屋さん)が充実していて、チェーン店もあるけれど、おしゃれな個人店がちゃんとたくさんあって楽しい。
そういえば空港からの高速バスの途中で見かけた“四次元喫茶”と謳っていた喫茶店が気になる感じだった。
12月27日 朝起きて、もう7時で、でもまだ外が暗くて西日本だ〜、と思った。 山口の祖母の家で、いつも、いつまでも朝が明るくならないの、特に冬はずーっと暗くて不安になったのを思い出した。
8時から10時まで港や駅をお散歩した。 港の風景とても良かった。浜のある海と違って「ポー」っと船の音が聞こえたり、対岸の山に並ぶ家や工場のクレーンが動くのを見るのが楽しい。税関のある町は港町なので、神戸も横浜も長崎もお散歩が捗る。次は名古屋税関と名古屋の港に行きたい。
港を歩いて海鮮丼のお店を見つける。 あまり長崎って海鮮のイメージがない。カステラとびわと牛以外のお土産ってなんだろう?市場みたいな商店街でもかまぼこは見かけたけれど、お魚は見なかった。
長崎美術館を外から眺めて税関へ行った。 美術館は川(河口?)を跨いで建てられていて、海近くなので流れもなく運河のようで、昨日のハウステンボスよりずっと生きた都市としてのオランダみたい!と思った。
メットライフに出勤する方々に逆行して長崎税関へ行くと、入口にもうカスタムくん! だいぶ愛らしいビジュアル! 税関は、昔は神戸と同じような船を模した近代建築だったらしいけれど、昭和40年ごろに今の、いわゆる庁舎っぽい四角い建物になってしまったそう。 カステラカスタムくんとちゃんぽんカスタムくんも可愛い。
出島の周りには隠れてミッフィーがいて“長崎はまちにもミッフィーがいてかわいいよ”と、友人にメッセージを送った。
眼鏡橋へ行くと、あ、ここは来たことがあるかも!と思います。連れてきてもらって、そのあとおすすめのカステラ屋さんにも連れて行ってもらって、でも人任せすぎて全然覚えていなかった。せっかくならそのカステラ屋さんでお土産を買いたかったけれど、文明堂でカットカステラを購入。あと、事前に調べたお店で桃カステラを買った。ホールケーキくらい大きい桃のカステラだったので、こもも(ミニサイズ)を実家へ配送してもらった。
ホテルへ戻り、チェックアウトまで年賀状を書いた。
かなり早く空港へ着いたので、お土産物を見てみる。何という買っても買わなくても同じ的な���菓子のお土産ってどこにでもある。
帰りは窓側だったのでうとうとしながら、雲とか地形とかを眺めた。この2日間眺めることばかりをしていて、集中して見ることができなくなっていそう。でもちゃんと1人で飛行機に乗って帰ってこられたのでえらい!という充実感もありつつ、羽田からの帰路に着いた。
東京に着いて年末だった事を思い出す。 知らない町のの年末はやっぱり知らないでいられるけれど、東京のやけに空いた電車で大きな荷物の人を見ると、年を越さないとな〜という気分になった。
帰宅して儀式的にたくさん消毒して、年末に売るものや洗うもののこととかをもう考えていて、さっきまで港にいたのに、今はいつものスーパーで(やっぱりやけに空いていた)いつもの食材を買っていて、長い長い1日だった。
明日を出勤日にした事を少し悔やみつつ、ちゃんと起きれたら行こう、くらいのマインドで、職場へのお土産をセットした。
今回は鏡の多いホテルだったのに、フィルムカメラで自撮りをしなかったかもしれない。
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2022-23年の玄米餅の販売を開始いたします。
【農家作りの玄米餅】
天然ホタルの舞う伊豆の里山。きれいな水で丁寧に育てた餅米と美味しい水だけで作った玄米餅です。
香ばしさと、かむほどに広がる甘味が特徴です。白餅に比べ歯切れが良いので、お子さんや、ご高齢の方にも人気です。玄米食を試したいけど香りや消化不良が心配…。そんな方にもぜひ召し上がって頂きたいお餅です。
一番のオススメは焼き餅です。まずは玄米の香ばしさを何もつけずに味わって頂きたいです。たたいた梅干しと味噌を混ぜ味醂でのばした「梅味噌」をちょっとのせたり、あんこやチーズ、キムチとの相性もばつぐんです。磯部やお雑煮にも白いお餅と同様にお使いください。
水稲もち米100%使用
20切(5切×4パック)1,400円+送料
40切(5切×8パック)2,800円+送料
1臼(5切×16パック+切落し)5,000円+送料
10℃以下で保存の上、必ず加熱調理をしてください。
賞味期限は製造日から2週間です。
開封後は賞味期限にかかわらず、お早めにお召し上がりください。
真空パックのまま冷凍保存が可能です。
冷凍した玄米餅は自然解凍後の調理をおすすめします。(開封後の冷凍、再冷凍は風味を損ないます)
【ご注文方法】
◇ご注文内容
20切/40切/1臼
⚠️1臼(餅米2升分/80切+切落し)ご注文の場合は日程のご要望にお応え可能ですが、20切、40切の場合は1臼分のご注文がまとまるまでお待ちいただく場合があります。
◇お届け先
〒住所
電話番号
お名前
◇ご希望のお届け日時
(午前中 12-14 14-16 16-18 18-20 19-21)
※指定不要の場合もお知らせください。20/40切のご注文の場合はご希望に添えない場合があります。
◇ご注文内容◇お届け先◇ご希望日時を各 SNSのDM、LINEなどで直接ご連絡ください。
※お問い合わせ含めコメント欄では見逃す可能性があるので、直接ご連絡をお願いします。
ご注文から発送まで最短で4日程度かかります。お届け希望日から逆算して、余裕を持ってご連絡頂けると助かります。特に年末は混み合いますので、ご希望の日程のある方はお早めにご連絡ください。
⚠️玄米餅の販売は完全ワンオペです。常連の皆さん、面識のある友人知人の皆さん、SNSでやり取りのある相互さん程度の範囲でおこなっておりますので、ご理解ください。
【お支払い】
お支払いは、ゆうちょ銀行口座へのお振込みでお願いします。
【送料】20/40切 (1臼の場合は+200円)
関西・北陸・東海・信越・関東600円
中国・南東北 700円
九州・四国・北東北 800円
北海道 1000円
その���の地域(国内のみ)はご相談ください。
年末は天候や道路状況などにより、遅延が発生する場合があることをご理解ください。
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複雑な時代
年末年始以降の暴飲暴食がたたったのか、先週から胃の不調に苦しんでおり、ある日は仕事中に熱が出てきて、寒さに震えながら外回りをこなしましたが、「やばい・・やばい・・」と今思うとけっこうやばかったです。帰りの電車で高齢者用の椅子に倒れ込みましたが、座れなかったら倒れてたかもしれん。少なくとも嘔吐するために途中下車したのは確実ですな。 食べ過ぎというか、そういう風邪?或いは元旦に作ったお雑煮を4日ぐらいずっと食っていたからかもしれん。親も多分そろそろ健康寿命的にリミットが近いと思ったので、お雑煮の作り方を教えてもらったのだ。今までは食うばかりのダメンズだったからな。九州のほうのお雑煮にはブリが入っていたりもする?ようなので、ブリが傷んだのかなんなのか。でも特に下痢はしてなかったんだが、、、とにかく胃が苦しくて熱も38度以上出たので、家に帰りついてからはずっと寝ていた。 (more…)
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宇宙と帆立と真珠のスープ
パーティーの片隅でお酒を片手にしゃがみこんで「私たちは人類最後の一人になろうね」と約束しあった女の子がいて、今日は初めて彼女の家に招かれた。
歳の頃は同じだが、大人になってから知り合った。大人になってから知り合った友達とは、前提がぼろりとこぼれたまま付き合っていることが多くて、緊張感は抜けないがかえって純度が高い気がする。何の純度なのか、うまく名指すことはできないけれど。
案内されたのは、古い住宅街に迷い込んだところにある、狭くてぼろくてじめじめした薄暗いワンルーム。とても狭い部屋。一階。白いペンキが風雨で剝がれ、金属についた茶錆で建物の構造がおぼろげにわかる。水道メーターがぼろぼろ。 天気は��りの夕方だったが、どんな天気の日でも雨がしとしと降っているようなアパートだった。建物を覆うように、野生の森らしい雑然さで樹木が生い茂って湿気をうみだす。昭和日本風の古びた一軒家の裏手の土地に建つそのアパートは、あまりにもひっそりと、影の中にあった。穴倉のような部屋。何ものかに遮られて、ここには音がない。
ドアを開けたとたん眼前に立ちはだかった冷蔵庫に視界を遮られた。玄関とも呼べない狭い狭い土間に、木綿子の六足の靴が並んでいる。スニーカーばかり六足。 職業柄、木綿子はたくさん歩く。外国をがしがし歩いて回る。大きな重い荷物を抱えて山をがしがし登り、崖をがしがし降りる。ハイヒールを履かない。女の武器で歩かない。女の武装を求められ、それに応じることに下品な悦びを感じるようなところにいない。
女ごっこと無縁そうに、伏し目がちにアルカイックスマイルをするのが綺麗だと、初めて会った時に印象に残った。鹿みたいな、色が薄くて大きくて透き通った目。彼女は瞼を緑色に塗るだけの化粧をする。瞼を緑に塗るだけで、彼女は人に見せるための全く別の顔になる。ただ儀式として色を塗る。そうして彼女に対峙する者は祭祀性の強い彼女の顔の目の強さに惑わされ、忘我に至る。性別を際立たせて圧倒するための化粧ではないはずが、そこに確かに女が宿る。 宿っているのは巫女であろう。ものぐるいの気配が宿る。
廊下を二歩ゆき部屋へあがると、布越しに電光が和らげられたやさしい灯りが満ちていた。人が二人くらいなら横になって眠れるほどの床を残したその空間は、一つの宇宙として完成していた。 鳥肌が立った。部屋のどの細部も彼女の指先だった。
右を見ると、焦げた木の色をしたアンティーク調の歪んで軋むデスク。背もたれのない低い椅子。画面の大きなマッキントッシュの傍に無造作に置かれた、鈍い金色がちらちら光るマリア像と天球儀(東欧の露天商から買ったのだと後で聞いた)。デスクランプもアールデコらしい装飾性がよく馴染んでいる。理科の実験で使うような秤もなぜかそこに潜む。 壁には海図や流星群が描かれたポスター。雑にドライフラワーを挿した空の酒瓶が隅にいくつか寄せられている。奥には仕切りの細かい棚に並ぶたくさんの鉱石たち。 それから左の方に目をやると、ロフトで��になったスペースに書棚が収まっていた。冊数が厳選されている。木綿子がカーテンの向こうの台所に消えていくのを見送って、書棚の正面に正座する。 ドゥルーズにソンタグ、フーコー、中井久夫。福永武彦。デュラス、カポーティ、荒俣宏。精神分析、ガルシアマルケス、クンデラ、バタイユ、ヘンリー・ミラー。馴染みの面々。その本棚は、両手が四方に届くほどの小規模ながら全体像を捉えにくく、まだらな重力を帯びて頭痛を誘発する。眺めてくらりと倒れそうになる。経験したことのないぞわぞわした興奮が静かに背中一面を覆い、これまで感じたことのない、頭の芯が冷えるような感覚をおぼえた。50冊近く、自分の蔵書とかぶっている。彼女と本の話をしたことはない。
正座のまま硬直して戦慄しているところに、木綿子は魚介をトマトで煮込んだスープを運んできた。ねえ、数えたら50冊、同じものが私の家にもある。ええ、そんなことってあるの。福永武彦とか読むんだね。大学の頃、若い頃にね。荒俣宏のこれ、私も最近人に教わって買ったんだよ。切なくて好き。デュラス、私も古い河出で揃えてる。いいよねデュラス、人称がおかしくて。みたいな話をいったんやめて、折り畳み式の花柄のテーブルを立ち上げて、持ってきたお酒を注いで乾杯した。良い部屋ですね。この上なく完璧な。
それからスープを掬っていろんなことを話したのだろうが、何を話したかあまり覚えていない。お互いに物語を手放しているためか、相手について覚えておくべき重要なことも相手に話しておくべき重要なことも、何もないのかもしれない。私たちには何も。
話すべきことのなさに反して、自分はどうも彼女と共にいるのがいいらしい。という、この直感は何なのだろう。相手に理解されたい、共感されたい、認められたい、肯定されたい、尊重されたい、愛されたい、という健気で重たい欲求から完全に解放されたこの場所は何なのだろう。木綿子はきちんと一人だから、一人きりで潔く完結している存在に見えるから、それは私の本質と同形だから、互いに害さずにいられる。ちゃんと一人同士でいられる。そんな気がする。
すいすい掬ってスープの帆立を口に入れたら、がり、と何か咬んだ。貝の砂にしては粒が大きいので取り出してみると、小さな小さな白い球体だった。わあ、と二人喜ぶ。帆立も真珠を作るのね。なんだか神話みたいなシーンだ。完成された宇宙で、木綿子の作ったスープから真珠が生まれる。 アップルパイもあるよ。田舎から林檎が箱で送られてきて。まじか。アップルパイ出てくるのか。ここで。りんごが。
���ップルパイを食べ終えて、一緒に鉱石の大きな図鑑を眺めながらだらだら飲み続ける。この水色の石は空の色を語源としているんだよ。壮大でかっこいいね。私この石知ってる、素材としての価値がなくてしかも地球上のどこでもたくさん獲れるって、博物館の解説で読んだことある。そういうのとても好き。そういうのがいい。わかる。希少性に美を見出すのは私も好きじゃないな。あ、この石きれい。これね、持ってるよ、あの2段目。見せてあげる。ありがとう。きれい。すごい、石、目の前にあると写真と全然違う。物質性っておそろしいね。強いね。石きれいだね。なんだか嘘みたいだね。石ほんとに今ここにあるのかな。10時を回ったので渋々この宇宙を出る。彼女の宇宙に残った木綿子はロフトでうつぶせに丸まって眠る。私はバスに乗って窓の外の夜をぼんやり眺める。ぼんやり眺めながら木綿子の宇宙に全てがあり同時に何もなかったことを反芻する。
(自分のこと。2016年にどつぼにはまりこんだ。激しい他者との癒着願望、その達成と不達成が足場を泥に戻して、不安のあまりおのれに依拠した思考を手放し自己管轄外の行動ばかりとって大いに失敗した。立つべき土地の再整備・埋め立て・コンクリート舗装をめざして、他者に操作されない確乎たる自己形成の旗のもと革命を指導する2017年。元旦の挨拶にかえて「私は完結した一個体になる」と宣言して回った。人権宣言。強い自己暗示をかけて人格統制を図り、目標は幾月もかからずあっさり達成した。一個体宣言を成就した結果、他者への関心とともに愛情も同情ももてなくなった。かつての自分と比べてあるまじきことだ。他者が泣こうが傷つこうが愛を歌おうが本当にどうでもいい。煩わしく、疎ましいものとして他者を拒んだ。情が生じない自分を恐ろしく思い再調整を試みていたところ、初夏に季節外れのイナゴの大群が襲ってきて、肉をだいたい食われてしまったがそれも天命だわと思った。意志の力で無理に捻じ曲げた物事は天災によってリセットされるものだ。欠損の激しい痛みをじっと我慢して治癒を待った。冬がくる頃にはおおよそ回復していた。その予期せぬ蝗害によってバランスがとれて、他者との関係は癒着でも拒絶でもないところで行えるようになっていた。あらゆる期待と失望から解放された日々。そろそろ年も変わる頃。自分のこと回想おわり。)
最寄りのバス停で夜に降り立ち、私が一人で音もなく暮らしている家に帰宅。この部屋もまた一つの宇宙であろうか? などと見栄をはりながら手癖で郵便ポストを開いたら、お届け物の不在票が入っていた。ふるさと小包ゆうパック生もの、とある。実家の祖母から定期的に送られてくる九州の名産品。今月はクリスマスらしくあまおうが箱でくることになっている。
あまおうが、箱で。36粒くらいくる。 一人で暮らしているところに高級あまおう36粒。 一人であまおうを36粒、味わいもせずに口に放り込んでいるところを想像する。うわあ、やだなあ。ものすごくげんなりする。そうして、思い立って携帯電話をとりだす。 うつ伏せに体を丸くして眠っているだろう木綿子に、「一緒に暮らしませんか」とメッセージを送った。「西荻窪で」と追いかけてもう一通送った。 彼女の緑の瞼がちらつく。
(2018/04/20 16:29)
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長野市「まつしろ食堂」セルフ式ナス活プラスα 店名 まつしろ食堂 場所 長野県松代町東寺尾1232-4 電話 026-278-4277 ジャンル セルフ式定食屋 バリアフリー ◯ 駐車場 あり 秋である。 というのはあくまでも暦上のことであり、空を見上げれば大積乱雲。おいおいおい8月の空だぜ。当然気温は下がる気配すらなく、2日ほど前には新潟 燕市で40℃を記録したとか。かと思えば台風10号は記録的な規模に成長しつつあるという。どうか九州に、日本外国問わずに被害を被らないよう心の底から祈念するものだ。 松代にいる。 規模はあまり大きくはないが、武家屋敷群、と��に旧松代城から文武学校に至るまでの範囲は整備が完了したためもあろうが、とても落ち着いた風景がよくて、歴史好きだけでなくとも楽しめる地域であると思う。その割にマイナーな存在というか、あまり知られていないのは宣伝不足ではないか。インターチェンジも近いし、小布施に対抗してガンガンやればよいのに。真田は葛飾北斎に充分対抗しうるとも思うが、あまり混雑されるのも嫌だな。と、勝手なことばかり言っている。 いちおう仕事で滞在しているのだが、大した時間はかからない。現地を視察した上で、行政各部署へ調査や確認を行うという、いつもの作業だが、さぁあの部署へ行こうかと顔をあげたらちょうど昼どきだ。では移動しながらランチとしよう。 「まつしろ食堂」 長野インターチェンジ目の前にあるセルフサービス式の食堂だ。ここと同じチェーン店は駅前にも青木島にもあったのだが、現在はここだけになってしまい少し残念な気がしている。こういう形式が好きなのだ。ただ、私のような欲張りは数多く取りすぎて高くついてしまうのと、極端な偏りのあるメニューとなってしまうから困ってしまう。 「茄子の揚びたし」161円 偏りのはこのことをいう。結局選択はナスから始まってしまう。煮て���し焼いてよし揚げてよし漬けてよし。世の中ナスほど美味いものはない。ナスの素揚げと醤油と酒とミリンの漬け汁のコンビネーションは凄まじく相性がよい。 「竹輪の磯辺揚げ」110円 衣に青のりを混ぜるというアイデアはいったい誰が思いついたものなのであろうか。たったこれだけのことで、豊穣かつ美味なる世界が現れ出でることか。これは素晴らしい。しかも100円 「鳥と茄子の甘辛炒め」260円 鳥はから揚げ、ナスは素揚げしたうえでとろみをつけた甘辛あんをからめたもの。何度でも言うが、ナスほど美味いものはない。この変幻自在さが素晴らしすぎる。 「しょうが入り玉子焼き」173円 こちら名物玉子焼き。3種が用意されていてプレーン、ネギ入りそして紅生姜入りとなっている。私はこの紅生姜が好きで好きでたまらない。ほわほわ玉子の中にサクサクぴりっとした紅生姜がそこここにあって美味い美味い。これでもう少し甘くしてくれればパーフェクトなのだが。 かくしてセルフ式ナス活プラスαの昼食が終わった。ああナスが美味かった。しかし、まだまだ喰らい足りない。さぁナスだ!ナスをよこせ! #長野 #長野県 #長野市 #長野グルメ #長野市ランチ #長野市カフェ #長野ランチ #食堂 #定食 #定食屋 #定食屋さん #定食ランチ #なす #なす料理 #なすび #茄子 #茄子料理 #茄子の揚げ浸し #玉子 #玉子焼き #玉子燒 #卵 #卵料理 #卵焼き #飯スタグラム #飯テロ #美味しい #コロナに負けるな #좋아요_한국 #좋아요_일본 (まつしろ食堂) https://www.instagram.com/p/CFDN9k8AURT/?igshid=1h0944g1six8i
#長野#長野県#長野市#長野グルメ#長野市ランチ#長野市カフェ#長野ランチ#食堂#定食#定食屋#定食屋さん#定食ランチ#なす#なす料理#なすび#茄子#茄子料理#茄子の揚げ浸し#玉子#玉子焼き#玉子燒#卵#卵料理#卵焼き#飯スタグラム#飯テロ#美味しい#コロナに負けるな#좋아요_한국#좋아요_일본
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✨2020/09/07 息子のお弁当✨ おはようございます☀️ いつも拙いpostにいいねコメントそしてフォローと、ありがとうございます🙌 大阪は晴れてます☀️.° 九州地方の方は大丈夫だったでしょうか? 福岡の友達から、停電無し被害箇所の修復費用2万円位かな? と連絡がありました。 その程度と言うと申し訳ないけど、良かった… 以前、大阪を直撃した台風の事を思い出してしまいます^^; TVを見ていると停電している地域もある様だったので、少しでも早い復旧を願います。 この暑さでクーラー無しは辛いよね💦 ◇今日のお弁当◇ □ベーコンとトマトとアボカドの炒り卵 □椎茸とこんにゃくの含め煮 □豚肉とピーマンの塩炒め/レモンとミョウガのせ □雑穀米 今朝は目が覚めた時から偏頭痛(--;) うーん、気圧かなぁ?? 胸もムカムカしているのでなかなかのレベルからのスタートです🍀🍀🍀 酷くなる前に頓服を飲むべきか、でも頓服を飲むと副作用で動けなくなっちゃうので迷います💦 その前に #ほってぃーの塩 舐めてみよ… #お弁当 #手作り弁当⠀ #息子のお弁当 #今日のお弁当 #おべんとう記録 #夏の弁当 #炒り卵 #炒り卵アレンジ #レモン #アボカド入り #ミョウガ #豚の塩炒め #椎茸の含め煮 #ホッティーの塩 使ってます☆ #おべんとぐらむ #お弁当365 #べんとう記録 #お料理苦手だけど頑張る部 #お弁当作り楽しもう部 #どるふぃんの気ままに食べ歩き #コロナと共存 #偏頭痛持ち #朝から偏頭痛 #平和 #世界平和 を祈る https://www.instagram.com/p/CE0JJW1gfUR/?igshid=1qckvhwaw674
#ほってぃーの塩#お弁当#手作り弁当#息子のお弁当#今日のお弁当#おべんとう記録#夏の弁当#炒り卵#炒り卵アレンジ#レモン#アボカド入り#ミョウガ#豚の塩炒め#椎茸の含め煮#ホッティーの塩#おべんとぐらむ#お弁当365#べんとう記録#お料理苦手だけど頑張る部#お弁当作り楽しもう部#どるふぃんの気ままに食べ歩き#コロナと共存#偏頭痛持ち#朝から偏頭痛#平和#世界平和
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年賀状 ここ最近、めっきり年賀ハガキを書く事がなくなりました。 もう何年書いていないでしょうか。 奈良時代に始まったとされる新年の挨拶回りという行事が、その起源とされる日本の風習、年賀状。 平安時代に入り、貴族や公家にもその風習が広まり、挨拶ができない遠方の人への年始回りに代わるものとして文書による年始あいさつが行われるようになったのだといいます。 私自身は、小学生の頃の 「子供郵便※」 (※子供郵便参照) がその始まりです。 それから徐々に年齢を重ねるごとにその枚数は増加し、ピーク時は1000枚以上もの年賀状を出していた頃もありました。 そしてそのピークを境に、徐々に枚数を減らしていったのです。 毎年正月になると、郵便ポストに大量に届いた年賀状を、こたつに入って雑煮を食べながら読むのが習慣となっていました。そしてまたそれが嬉しかったのです。 年賀状の枚数が、自身の人気のバロメーターのように感じていたのかも知れません。 自分が出してない相手から届いた年賀状には、翌日に返送するというのが礼儀です。 こちらが、出すほどではないと判断した相手から年賀状が届くと、それはそれで申し訳ないと思う反面、相手は自分以上にこちらの事を思っていてくれたという感情がこみ上げて、なんとなく嬉しかったように記憶しています。 1000枚も出していると、年賀状だけのお付き合いという人が結構な数存在します。 毎年毎年、年賀状には 「今年こそ一緒に食事でもしましょう」 と、お互いが書くのですが、それが現実化する事は、ほぼありませんでした。 過去に1度だけ、年賀状だけの付き合いを継続していて本当に良かったと思う出来事がありました。 当時、とある事業で全国展開をもくろんでいた時の事です。 博多に営業所を出す計画で、全くツテもコネも無い九州に、何度となく足を運んでいました。 そんな時、もう何年も年賀状だけの付き合いである友人が博多にいた事を思い出し、連絡を取ってそれが見事縁となり博多営業所を立ち上げたという事がありました。 その時は本当に年賀状って大切であると実感したのです。 しかし、1000枚出す年賀状のうち、何枚かは全くリターンの無い人も存在するという事に気付いた時、ハッと我に返ったのです。 その後、あえてこちらからは出さず、来たハガキにのみ返信するという方式を取ったのです。 すると翌年は800枚ぐらいに一気に減りました。 200人は、こちらが出すから来ていただけの人達だったのです。 その翌年は500枚ぐらいに減りました。 これは、私と同じように来た人にだけ返そうと思った人が300人ほどいたのだと思います。 そして200枚、100枚と減り、今では30枚ぐらいが届く程度になりました。 逆に、メールやSNSでの新年の挨拶というのは年々増えていっているように思います。 年賀状を書くという作業は、確かに大変といえば大変ですが、そんなに苦痛ではありませんし楽しいものです。 しかし、住所を知らない友人が徐々に増え、年賀状を出すにも送り先がわからないというのが大きな原因のように思います。 実際、親交の濃い人ほど住所を知らず、年賀状だけを毎年送り合う人達ほど親交がないというのが実情だったりします。 わざわざ住所をメールで送ってもらうぐらいなら、そのままメールで新年の挨拶をすれば良いわけです。 mixi年賀状という、住所の知らないマイミクに対して、mixiが仲介して年賀ハガキをだしてくれるというサービスも、何年か前からありますし、毎年何通か届きますが、メールで返す方が早いと思ってしまい、利用した事はありません。(毎年くださる方には申し訳ないのですが) 更に、昨今のように、正月らしさなんて全くない正月 (※正月らしさとは、家に親戚が集まって、コタツに入って雑煮やおせち料理を食べながら、かくし芸大会を見てゴロゴロと過ごす事) に、わざわざ新年の挨拶なんているのかとさえ思えてしまうのです。 昔は12月31日と1月1日とでは大きく変化があったように感じていましたが、今では昨日と今日と同じ、なんら普段とかわらないようにしか思えないのです。 ここ数年は、正月も普通に仕事をしていますので当然といえば当然なのでしょうが。 日本の文化が失われるという考えもあるかもわかりませんが、果たして本当に文化なのか、郵便局が儲かるように仕向けられた戦略や洗脳だっただけではないかと思っていまうのです。 #殿のコラム #年賀状 #脱年賀状 #年賀状やめました #コラム https://www.instagram.com/p/B-avVD0pUHX/?igshid=twv8lln5xxzg
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各地句会報
花鳥誌 令和4年4月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
……………………………………………………………… 令和3年11月と12月 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
御会式太鼓の響き寺小春 ただし 神々し雪の白山神還る 同 一夜にて大樹痩せるや神渡し 輝一 近松忌マスクの下の紅濃ゆく 清女 近松忌重ね重ねて木の葉髪 同 冬銀河せせらぐ音の聞こゆ宿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月5日 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
煩悩の奥に仄めく除夜の鐘 世詩明 冬めけるものの一つに乱れ髪 同 越前の水仙海岸風岬 同 風立つや母は幼くなりにけり 同 篝火の参道険し除夜詣 ただし 初夢や虎が千里を駆けめぐる 同 枯菊の土の堅さの極まりて 同 雨降りし雲間に鳩や雀どち 清女 鐘の音に百五十人初諷経 同 皸の手に教本の修行僧 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月6日 うづら三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
幼き日姉妹一律お年玉 由季子 初明り古希半ばにも皓々と 同 人混みに雑念ばかり初詣 さとみ 初仕事揃ひそろりと店の番 同 のど飴を一つふふみて冬の道 都 恐ろしや今宵の予報雪女郎 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 枡形句会
栗林圭魚選 特選句
二人居の軋む廊下や寒に入る 百合子 冬の鳥餌ある小枝あやまたず 美枝子 減りてまた増える家族や雑煮椀 三無 鉦の音に紅濃ゆく照る実万両 同 母偲ぶ味に近づく雑煮かな 瑞枝 二日目は妻の故郷の雑煮かな 秋尚 初句会目出度き菓子も添へられて 和代 寒の入り俯きて歩す寺の猫 美枝子 初句会遥か中子師としあつ師 ゆう子 寒雀陽子の墓碑に集ひ来ぬ 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 零の会
坊城俊樹選 特選句
人日の真昼ひとりの神谷バー 久 ロック座の淑気まみれの昼の闇 順子 頰垂れし観音の背の冬日かな 小鳥 おとつひの雪の骸を蹴り上ぐる 久 並ぶ列間口小さく冬灯し 三郎 今半の香り留めて鳥総松 三郎 喰積に飽きて六区の立飲みに はるか
岡田順子選 特選句
寒手水鉢に中村萬之助 佑天 厳寒の六区を歩く有頂天 小鳥 寒鴉きて鴟尾の屋根歌ふなり 俊樹 白息の俥夫は晴着の女引く きみよ 松過ぎのすき焼屋へと別嬪も 俊樹 恵方より白き鳥舞ふ隅田川 はるか 観音へ祈りあえかに雪女郎 眞理子 人日の真昼ひとりの神谷バー 久
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
寒雀空をすぼめて帰りけり 世詩明 初詣磴のにある情け みす枝 雪が来て滑る都の大騒ぎ 三四郎 難解な軸の字にある淑気かな 上嶋昭子 駅伝の歩幅の広し息白し みす枝 どんど火に古き句帳を投げ入るる 信子 去年今年零時貫く目出たさよ 三四郎 鍛冶始主従の音に跳ぶ火花 みす枝 凍蝶に動くもの皆影を曳く ただし 菓子屋の灯交番の灯やクリスマス 上嶋昭子 寝正月すればと夫に言はれても 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
寒暁や鳥の鳴く声透き通る 史空 薔薇色の富士燦然と初御空 美貴 初雪や音も気配も葉に積もる 迪子 初刷や届きし記事に暗き影 エイ子 大鳥居仰ぎ淑気の只中に 三無 梢より初日の温みとどきをり ます江 若水を存分に汲み気の溢る 貴薫 ひとり居のくぐもる声や初電話 美貴 方寸の一人の居にも初日満つ 怜 デイの朝御慶の挨拶一としきり 怜
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月11日 萩花鳥句会
回遊の初鯉に餌を恵みけり 祐子 元気かとやはらかき筆初便 美恵子 越すや直ぐ離縁家庭の寒灯下 健雄 初寅や父の辿りしけもの道 吉之 元旦や厨に火入れす男の手 陽子 虎年の吾と息子と年迎ふ ゆかり 初便みんな余生のことばかり 克弘
………………………………………………………………
令和4年1月13日 花鳥さゞれ会
坊城俊樹選 特選句
旅終へし如く置く筆去年今年 雪 様々な寒さ重ねてゐる故山 かづを 若衆も花札も古り小正月 匠 神慮秘し清しかりける初鴉 数幸 此の出刃で鱈をさばきし妣のこと 清女 碧空に白雲一つ淑気満つ 啓子 境内を静に浄め寒の雨 希 雪傘にかくれし女薄化粧 天空 合掌し春待つ石の仏たち 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
一切のスイッチを押し初仕事 登美子 ラッセル車がうがう唸る午前五時 裕子 弾初の駅のピアノの美美しけり 登美子 冬の日の部屋深くまで届くかな 紀子 旭日と餅花ゆらぐ床として 令子 初旅を終へていつもの歩幅かな 登美子 初御空いろんな鳥の生き生きと 光子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
初雪や朝刊だけの靴の跡 悦子 霜の刃を踏みてナースの夜勤明 悦子 知らぬ間に上座にゐたり嫁が君 益恵 雪しまくぐつと地軸を傾がせて 都 盤屈の松に響かせ初太鼓 宇太郎 押し車引きつ若菜を摘みにけり すみ子 寒鴉降りて野の黙深くなる 美智子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月16日 風月句会
坊城俊樹選 特選句
寒菊を供へよその名隠すまで 和子 逆光の毛帽子二人戻り来る 和子 寒晴の少しづつ伸ぶ女坂 慶月 寒菊の色とりどりを抱く地蔵 和子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 歪なるまま土を上げ霜柱 貴薫 綿虫を連れて一山参りたる 和子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 ゆつくりと天を目指してゐる冬芽 久 おほどかに傾ぐ石仏冬ぬくし 和子 悴める指先包む手のありて 貴薫 蝋梅の香に絡まれて石仏 三無 満目の凍て山陰の黝し 千種
栗林圭魚選 特選句
梅探る退くに退けざる道となり 千種 何もない空に富士嵌め寒の晴 秋尚 つと掴む霜の手摺りや昇り坂 久子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 綿虫を連れて一山参りたる 和子 笹鳴や我が影長く落す坂 久子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 城跡のことども語る榾火守 兎生
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月19日 福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
児雷也の蟇踏んまへし飾り凧 雪 水仙がお負けに付いてゐやうとは 同 初夢に一喝されし声の主 同 大晦日夫の長湯につき合はず 和子 どんどの火大切なもの燃やしをり 令子 生涯を黒子に徹し去年今年 清女 お降りに笏谷石の青極む 笑子 家族にも姿勢正して御慶述ぶ 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月 九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
吾に触るる汝は盲や冬の蝶 桂 鬼太郎も旅人なりし冬銀河 喜和 モンローの丸き唇寒の紅 吉田睦子 凍蝶を包む此の世の光かな ひとみ 産院へ陽は柔らかく小豆粥 かおり 古井戸に凍蝶の空あると云ふ 同 寒月の野良となりたる猫の上 光子 誰が鳴らす阿蘇の谷間に鐘冴ゆる 千代 初鴉黒きを誇り羽撃けり 同 初旅や臣虚子の碑に見えんと 古賀睦子 日に怒り月に吼えたる冬の海 同 寒卵神の光のごと生る 同 寒夕焼的なき海に石を投ぐ 由紀子 避雷針の光寒鴉の孤高 勝利 スカーフに包む土耳古の冬日差 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月30日 花鳥月例会
坊城俊樹選 特選句
百屯の鳥居は冬を支へきる 月惑 鰹木に千木に淑気の名残かな 要 冬ざるる空に父待つ母子像 て津子 十字架もアンテナも春待つ空に 要 日溜まりにふくらむ少女竜の玉 順子 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子 冬帝と交はら��まま鳥空へ 和子
岡田順子選 特選句
鰹木に千木に淑気の名残かな 要 さまざまな蓮を弔ふ枯蓮 俊樹 靖国へ旅の名残の雪沓で はるか 煮凝を仕込むひとりのミサの夜 俊樹 弟はいちごの絵なり凧揚ぐる 千種 薄氷を纏へば錦鯉となり 俊樹 水仙を手向けて若き友送り 美明 冬帝と交はらぬまま鳥空へ 和子
栗林圭魚選 特選句
枯蓮の水の深きへビル刺さる 千種 竜の玉探る物欲しさうな指 千種 凍濠のみしりともせぬ渕昏し 俊樹 寒鯉や神池の底に穢れなく 月惑 裏庭の秘め事めける梅見かな 千種 リノリウムの廊下濡らしてゐる冬灯 和子 寒卵子金の口より醤油さす 千種 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子
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『ドラゴンボール』をはじめとする数多くの名作コミックを生み出し、今もなお『僕のヒーローアカデミア』『鬼滅の刃』といった新たなヒット作を送り出している『週刊少年ジャンプ』。 (画像はDRAGON BALL 1 (ジャンプコミックス) | 鳥山 明 、僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス) | 堀越 耕平、鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス) | 吾峠 呼世晴 | Amazonより) そんな『ジャンプ』の強さの秘密はどこにあるのか。そして紙の雑誌の売れ行きが急速に落ち込んでいる現在、『ジャンプ』を中心とした少年漫画はこの先、どんな方向を目指していくべきなのか。 それは漫画業界だけでなく、『ジャンプ』の連載漫画を原作とした作品が大きなウェイトを占めているゲームやアニメなどの世界においても、大きな関心事だと言えるだろう。 2019年8月27日にDiscordで配信されたラジオ「居酒屋:でんふぁみにこげーまー」では、ホスト役にTAITAI編集長と鳥嶋和彦氏、鵜之澤伸氏、そしてゲストにサイバーコネクトツーの松山洋氏と、集英社の矢作康介氏を迎えて、「漫画はこの先どうしていくべきか?」というテーマについて、大いに語り合ってもらった。 放送に参加したメンバーのうち、白泉社代表取締役会長の鳥嶋氏は、かつて『週刊少年ジャンプ』編集者として鳥山明氏や桂正和氏を発掘し、後に『ジャンプ』第6代編集長を務めた人物だ。 そして矢作氏は、同じく『週刊少年ジャンプ』編集者として『NARUTO-ナルト-』を連載当初から約9年にわたって担当し、『ジャンプ』の副編集長を経て、現在は『月刊ジャンプスクエア』の編集長を務めている。つまり、『ドラゴンボール』と『NARUTO-ナルト-』を世界的な成功に導いた『ジャンプ』の元編集者が、漫画について語るというわけだ。 一方、鵜之澤氏は元バンダイナムコゲームス社長として、『ジャンプ』をはじめとする数々の漫画原作ゲームを世に送り出してきた。 そしてサイバーコネクトツー代表取締役社長の松山氏は、鵜之澤氏と協力して『NARUTO-ナルト-』や『ジョジョの奇妙な冒険』のゲームを制作してきただけでなく、ゲーム業界の中でもとりわけ漫画に対する愛情が強いことでも、広く知られている。 左奥から鳥嶋和彦氏、鵜之澤伸氏、TAITAI、左手前から松山洋氏、矢作康介氏 このようなメンバーが“居酒屋”のノリで自由なトークを繰り広げているだけに、登場する話題も非常に興味深いものだ。なかでも鳥嶋氏や矢作氏は、読者アンケートや連載会議といった『ジャンプ』編集部の“核心”部分を、元当事者の視点で明らかにしてくれている。 『ドラゴンボール』や『NARUTO-ナルト-』を、漫画家と共にいかにして作り上げていったかというエピソードは、ファンならずとも注目だ。 なお、この記事の内容は、「居酒屋:でんふぁみにこげーまー」で放送された発言に、放送後に行われた現場見学者との質疑応答を加えて、再構成したものとなっている。 聞き手/TAITAI 文/伊藤誠之介 編集/クリモトコウダイ 「僕は松山君のことを半分も理解していなかったようです」と、鳥嶋氏からのメールが ──それでは始めたいと思います。会場はすでに宴会ムードになっておりまして。唐突ですが、乾杯のコールから入りたいと思います。乾杯! 一同: カンパ~イ! ──もともと鳥嶋さん、松山さん、鵜之澤さん、集英社の矢作さんという4人での飲み会があったと聞きまして。ご存知の方も多いかもしれませんが、松山さんはすごいしゃべる方なんですね。ところがその会では、松山さんはなかなかしゃべれなかったらしいんですよ。 それで、あの松山さんがしゃべられなかったなんて、いったいどんな会話が繰り広げられたんだろうと、興味を持ったんです。なぜか?と聞いてみると、集英社の矢作さんが鳥嶋さんに対して、漫画について熱く語っていたらしくて、松山さんが介入する隙がなかったという話を聞いて。 その会を再現してみたら面白そうだなというのが、今回の趣旨になります。 松山氏: 覚えてないでしょ? 矢作氏: 覚えてない(笑)。 松山氏: じゃあ、覚えていないのは幸いだね。 矢作氏: もう一回話せるから。 ──そもそもは、矢作さんと鳥嶋さんのあいだでどんな話をしていたんですか? 鳥嶋氏: それがよく覚えていないんだよね(笑)。5時間半も盛り上がっていたのに、中身は誰もよく覚えていないという(笑)。 鳥嶋和彦氏 そもそものきっかけはね、松山さんが泥酔した写真がツイートに載っけられていて。それをたまたま見て「松山さん、どうしてるかな?」と思って連絡したんです。 松山氏: そうですね。 鳥嶋氏: 松山さんは『ジョジョの奇妙な冒険』のゲーム【※1】だとか、その前に『NARUTO-ナルト-』のゲーム【※2】を、非常にちゃんと作ってくれていて。 鵜之澤さんからも、九州のレベルファイブ、ガンバリオン、それからサイバーコネクトツーが、非常にがんばっていると。バンダイナムコが頼りにしているゲーム会社だという話を聞いていて、その存在自体は知っていたんです。だけど松山さんとは、挨拶するぐらいだったので。 ※ 1 『ジョジョの奇妙な冒険』のゲーム……サイバーコネクトツーは、2013年発売のPS3用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』と、2015年発売のPS3&PS4用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』の開発を担当している。 (画像はゲームソフト | ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン | プレイステーション より) ※2 『NARUTO-ナルト-』のゲーム……サイバーコネクトツーは、2003年発売のPS2用ソフト『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』から、2016年発売のPS4用ソフト『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4』まで、『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズ14作品の開発を、13年以上にわたって続けてきた。 (画像はゲームソフト | NARUTO―ナルト― 疾風伝 ナルティメットストーム4 | プレイステーションより それで松山さんにメールを差し上げたら、本が2冊送られてきまして。1冊は『熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則』(星海社)という、どうやって今に至るか、なぜサイバーコネクトツーなのかという話。 それともう1冊、1人の少年を絡めての話があってね。『エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-』(KADOKAWA)という本。その2冊を読んだら、松山さんは面白い人だなと。 (画像は熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則 (星海社新書) 、エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの- | Amazonより) それで1冊目の中に、鵜之澤さんや矢作の話が出てきて、僕が知らなかったような話も書かれていて。だから4人で一回会って、話をしてみたいねということで、その4人で寿司屋で会ったのが始まりなんです。 松山氏: そうですね、もう何カ月も前の話ですけども。 鳥嶋氏: どうでした? メールが届いて。 松山氏: いやもう、メールの一行目から怖かったんですけど(笑)。普通ほら、「サイバーコネクトツー 松山様」とか、あるじゃないですか。そういうのが何もないですから。いきなり1行目に、「僕は松山君のことを半分も理解していなかったようです」と書いてあって。もうスクロールさせるのが怖くて(笑)。メールの下のほうに何を書いてあるのかなと。 松山洋氏 そうしたら、私の書いた本を読んでくださって、面白かったと。つきましては、本に登場している2人を呼ぶから、一回4人でご飯を食べようと言っていただいて。それでお店に入ったら……まぁ、5時間半でしたよ。 鳥嶋氏: そんなにしゃべってた?(笑) 鵜之澤氏: あの時はシラフだよね? 松山氏: ビールを飲んでノンアル飲んでというのを交互で。ていうか、あの日からですから。オレはあの日以降、アルコールを飲んだら同じ量のノンアルコールを飲むというルールを作って。 なにしろあの場で鵜之澤さんがオレに対して、めちゃめちゃブチギレたので。鳥嶋さんの会なのに、その横でなぜか鵜之澤さんが、めっちゃ怒ってましたからね。 鵜之澤氏: あの時ね、矢作さんがちょっと遅れて来たんだけど、その時もお前が酔っ払った話しかしてなかったの。 鵜之澤伸氏 そんなふうにお前が酔っ払ってるのを、みんなに知られているのはマズいなと。一応、社長じゃないですか。 今、ゲームってお金がかかるじゃないですか。バンダイナムコはそれだけのお金をこの男に任せて、ましてやこの男の思いだけでゲームができあがっているようなものなのに、その社長がどっかで酔っ払って、まるで死んだみたいな格好になってると。 これは経営問題だ、取引停止にするぞと怒ったら、多少は抑えるようになったのよ。良い話ですよ(笑)。 松山氏: 久々に、大人から頭ごなしに怒られた感じがして(笑)。 鵜之澤氏: 本当は、私が鳥嶋さんに怒られるぐらいのつもりで行ってたのに(笑)。 松山氏: まさか真横のバンダイナムコから怒られるという(笑)。 鳥嶋氏: いやでもね、その後で『若ゲのいたり』という漫画があって。あの中に松山さんと鵜之澤さんのエピソードがあった時に、「これはいかにも鵜之澤さんらしいエピソードだな」と。あのやり取りの状況が目の前にあったんだなと、後から思ったね(笑)。 矢作氏: 僕はそのやり取りが終わってから入っていったんですよ、その日は。 松山氏: さんざん怒られた後でしたね。 矢作氏: 遅れて入ったので、今、そういう話だったんだと分かりました。いなくて良かったと思いました(笑)。 矢作康介氏 鳥嶋氏: 遅れて入ってきて、このテンションで矢作は大丈夫かな? と思って。それで一言振ったんだよね。「今どう? 編集部の状況は」って。 そうしたら、ものすごく真剣に、いろんな話を始めて。それで違う形で盛り上がったんだよね。 ──その話は、どういうものだったんですか? 矢作氏: それがぜんぜん覚えてないですよ(笑)。その時に憤っていたことを、鳥嶋さんだからしゃべったんだと思うんですけど。ちょっと覚えてないですね。 鳥嶋氏: じゃあ今日現在、憤っていることを(笑)。 矢作氏: 話が進められなくなりますよ。「ピー」って流さないと(笑)。 鳥嶋氏: じゃあ、ここしばらく憤っていることを話してみて。 矢作氏: そんなにはないですけどね。なんて言ったらいいんだろう、難しいじゃないですか。話の流れの中で言いたいですよね。 鳥嶋氏: でも会社、ロクでもないでしょ? 矢作氏: いや、そんなことないですよ(笑)。 松山氏: 「そうですね」って、絶対に言えないじゃないですか(笑)。 鳥嶋氏: 矢作さんの会社って、どんな会社なのか知らないんだけど。ひょっとして、小学館の方でしたっけ?(笑) 一同: (爆笑) 同じ漫画を10年も20年も連載して、それで完結しないお話って何なの!? 松山氏: ちょっと1つお伺いしたいですけど。『ベルセルク』【※】、ついにキャスカが目覚めましたね。 ※『ベルセルク』……三浦建太郎氏により1989年から執筆されているダーク・ファンタジーコミック。主人公ガッツの親友グリフィスが魔に落ちた「蝕」の際に、女剣士キャスカは凌辱されて正気を失っていたが、2018年に刊行された第40巻で、ついに意識を取り戻した。 (画像はベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス) | Amazonより) 鳥嶋氏: あんまり関心がない。 松山氏: ええッ!? 22年ぶりですよ、キャスカ。 鳥嶋氏: 三浦さん本人にも言ったけど、「蝕」以降の『ベルセルク』って、話の展開があんまり好きじゃないんだ。正直言って、読者として興味がないから、読んでない。ごめん(笑)。 松山氏: 白泉社の方ですよね? 鳥嶋氏: オレはもう会長で、現場に直接の責任はないから(笑)。 でもね……旬の時に描き切っていなくて、話の流れの中で今ここに来て描くというのは、ファンにとっては良いかもしれないけど、ほとんどの人にとっては「だから?」って感じがあると思う。 身も蓋もない言い方だけど、同じ漫画を10年も20年もやっちゃダメ。 なぜかというと、週刊誌って年間50冊でしょ。50話だよね。ということは、10年間やったら500話だ。それで完結しない話って何なの? 基本的に1カ月に4週じゃない、週刊誌は。だったら4週で1エピソード、サイクルで終えて行かなきゃいけない。 せめて2カ月だよね。それが何カ月も続くと、新しい読者が入ってこれなくなる。漫画の良さって、誰でも読める、誰でも入ってこられる、いちばん安価な娯楽だから。それが途中から入っていけない形になってるのは、ビジネスとしてマズい作り方だと思う。 これを言うと、元いた会社批判になっちゃうけど。僕が会社に入った時の野球漫画が読めなかったんですよ。 なぜかというと、ボール一球を投げるのに何カ月もかかってる。冗談じゃないと。 アンケートがあるから、山場をずっと見せたいという気持ちは分かるけど、そこのところを誤解すると、ある種のオナニーになっちゃう。やっぱり、もうちょっと見たいっていう時に切っていくとかね、どういうふうに読者を意識しながら綱引きをするかを、やらなきゃいけない。 そういう意味で言うと、今は編集者が作家に寄りすぎていて、作家と読者の中間にちゃんと位置していない感じです。ということで、矢作さんにお返ししましょう(笑)。 矢作氏: まあでもやっぱり、引き込まれていっちゃうというのはありますね。あと、これだけの数のお客さんを掴んだら、そのお客さんを楽しませるように作るというのも、1つの考え方になっているかもしれないと思って。 本当に、新しい読者を入れる努力というのは難しくて。 たとえば、雑誌には「このタイミングで売るぞ」というのがあるんです。スゴい作家が新連載を始めるとか。 その時に僕らとしては、ここから読んでくれる読者、新しく入ってくれる読者がいるわけだから、その新しい読者に向けて、今やってる連載を読んでもらえるようにしなさい、という話をするわけですよ。 でも、これまでの展開とか自分のやりたいことに引きずられていって、そこにきちんとついてこれる作家さんは少なくて。そんななかで、本当に新しい読者を取り込んでいきたいという貪欲な人は、そこにしがみついてくる。 どんどんと貪欲に行く作家さんもいるし、「もうオレはいいよ」という人もいるんで、そこは一概に言えないところもあると思うんですけど。 『ジャンプ』で連載している漫画家なら、全員がアンケート1位を目指している 鳥嶋氏: 松山さんに2つ、漫画ファンということで聞いてみたいことがあるんです。 まず1つ目。ナンバーワンの漫画が10年変わらないということは、雑誌のカラーが10年間変わらないわけですよ。そんな雑誌をあなたは見たいと思いますか? 2つ目。何週かに1回お休みして、良い原稿を描く。 単行本も売れます。だけど載っている号と載っていない号がある。載っていない号は、その漫画のファンからすると欠陥商品だよね。それでもあなたはその雑誌を買いますか? この2つを答えてください。 松山氏: マジメに答えちゃうと、どっちも「NO」ですね。 10年間同じ作品が1位を取ってるのは、やっぱりおかしいですよ。新しい作品が次から次に、予想もしなかった新しいエンタメが生まれてくるのが、そもそも『少年ジャンプ』だったわけじゃないですか。言い方が悪いですけど、蟲毒みたいな場所で。……これはたとえが悪いな(笑)。 だけどやっぱり他誌と比べて、化け物みたいな発明作品が生まれるのが、『ジャンプ』だと思います。しかも、そういうメガヒットを生み出す人はみんな、ベテランじゃなくて若手じゃないですか。 それこそが『ジャンプ』だと、私はずっと思っているので。 矢作氏: 『ジャンプ』でも、みんなトップを目指しているとは思うんですよ。ただ結果的に、1位の作品が他から抜かれなかっただけで。 それにいちばん辛いのは、トップに立った人ですよ。だって抜かれたくないじゃないですか。 そうすると、ずっとトップを取り続けないといけないんですよ。僕だって、自分が担当した作品でトップを一回取ったら、次の週からゲロ吐きそうになりますよ。だって落ちちゃうしかないんだもん(笑)。 ところがそれをね、クリアし続ける漫画もたしかにあるんですよ、『ドラゴンボール』とか。アンケートで800��とか取っちゃうと、「あぁ勝てないな」みたいな。 もちろん、そういう「勝てない」という気持ちは、持っちゃいけないと思うんですけど。 ただ、僕らの頃はやっぱり、絶対に1位になるというのを目指していましたから。アンケートで1位になったら、編集者が漫画家の言うことをなんでも聞いてくれる、ってことにしたりして。 たとえば自由に描かせてもらうとか。 僕が高橋陽一先生から聞いたのは、「原稿のフキダシにセリフを書かなくていい」と。「自分の代わりに担当編集が全部、ネームから書き写してくれるんだ」って。 『キャプテン翼』が過去に1位を取った時にそういうシステムを考案して、そのおかげで僕が担当になったら、ずっと書き写すハメになったんですけど(笑)。 鳥嶋氏: それはダメでしょ(笑)。 矢作氏: でもそれは、高橋先生が自分でそう言って、達成して得た権利ですから。僕はそれに対して文句を言いたいわけじゃなくて。 要するに、読者アンケートで1位を取るというのは、『ジャンプ』においては全作家の目標なんですよ。『ジャンプ』の漫画って、20本しかないじゃないですか。 20本の中の1位って、イメージしやすいんですよ。アレとアレが1位、2位、3位となったら、それを超えればいいんだと。 だから結果的に、1位の漫画はずっと変わらないように見えるかもしれないですけど、じつは週ごとには、けっこう入れ替わったりしているところもあるんですよ。 松山氏: たとえば今って、載れば1位の『ONE PIECE』があって、絶対に不動の1位じゃないですか。 (画像はONE PIECE 1 (ジャンプコミックス) | 尾田 栄一郎 |Amazonより) 矢作氏: でも『ONE PIECE』だって、抜かれる時はあるし。 松山氏: あるんですか!? 矢作氏: ありますよ、それは。僕も抜いた時はありますし。 松山氏: それは『NARUTO-ナルト-』でしょ。 (画像はNARUTO-ナルト- 1 (ジャンプコミックス) | 岸本 斉史 |Amazonより) 矢作氏: 『NARUTO-ナルト-』でもありますし、他の漫画が抜いてるのを見たこともありますよ。 ただ年間1位は当然、ダントツで『ONE PIECE』です。10年続くのはおかしいと言われても、それはやっぱり尾田栄一郎先生の努力がナンバーワンだからだと思うんですよね。 なんか変な力が加わって1位になってるわけではないですから。読者は本当に面白いものを1位にするので。 松山氏: それは間違いなくそうですよね。 矢作氏: 尾田先生の何がスゴいかというと、今でも進化しているところがあって。 「なんでもいいから欠点を言え」って、編集者に言うんですって。そこに尾田先生の凄みがあるというか。なんか、若い編集者が愚にもつかないことを言っても、尾田先生にはそれを取り入れる感じがあるんですよね。 松山氏: 毎週のネームで、強いてあげればどこが気になるかというのを、必ず担当の方に言わせるらしいんですよ。 鳥嶋氏: そんなの当たり前じゃん。 松山氏: もちろんそうですけどぉ(笑)。 矢作氏: 新入社員が担当になったら、そんなの普通は何も言えないですよ。そもそも数年前まで、卒業文集に「『ONE PIECE』大好き」って書いたりしていた人間なんですから。 松山氏: 子どもの時に読んでいた『ONE PIECE』の作家さんですからね。 新人漫画家のデビュー作を表紙にする雑誌なんて、世界の中で『ジャンプ』だけ 鳥嶋氏: ずっと1位の話はちょっと置いといてね、僕は鵜之澤さんに話を振って聞いてみたいんだけど。 矢作も僕も、『少年ジャンプ』の編集部にどっぷり浸かってきたわけですけど。そうすると外から見てね、『ジャンプ』編集部のこういう、良くも悪くも煮詰まっている感じ、それはどういうふうに見えてました? 鵜之澤さんは『ジャンプ』以外の漫画雑誌やその編集部も知っていると思うんですけど。 鵜之澤氏: いろんな漫画が原作のゲームをやらせてもらうけど、やっぱり『ジャンプ』って別だよね。一個だけまったく別の体系っていうんですかね。 NHKのドキュメントでもやってましたけど、編集部自体が下克上じゃないですか。電話を誰よりも早く取って有望な新人を捕まえよう、みたいな。 松山氏: 編集部全員がライバルですからね。 鵜之澤氏: 僕のいたバンダイも、けっこうエグい会社でしたけどね。わりと肉食系の、狩猟民族と言われていたんだけど。でもそれ以上に、『ジャンプ』はスゴイなと思うし。 その結果として、バンダイナムコが商売をさせてもらうと、売れるのが『ジャンプ』モノばっかりになるでしょ。面白い原作は集英社以外でもいっぱいあるんだけど、売り上げはそこまでいかないんだよね。 これが不思議なところで。 松山氏: バンダイナムコのそこそこの成分が、『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』と『NARUTO-ナルト-』でできてますから(笑)。 鵜之澤氏: あと『ガンダム』ね(笑)。戦隊、ライダーという子ども向けのものもあるけど、小学校高学年以上だと『ジャンプ』になっちゃうんだよね。 僕はたまたま『機動警察パトレイバー』【※】とかをやってたんで、『週刊少年サンデー』編集部なんかも当時、いろいろ行ったりしていたんだけど、向こうは平和ですよ(笑)。空気がぜんぜん違う。 ※『機動警察パトレイバー』……作業用ロボット「レイバー」が普及した東京を舞台とする、アニメ・コミックなど多岐に渡るメディアミックスプロジェクト。ゆうきまさみ氏による漫画版は、1988年から1994年まで『週刊少年サンデー』で連載された。 (画像は愛蔵版機動警察パトレイバー (1) (少年サンデーコミックススペシャル) | ゆうき まさみ | Amazonより) どっちが好きかというとまた別だから。単純に漫画雑誌で言うと、僕は『サンデー』がけっこう好きで。 でも『ジャンプ』ってまったく別物だもんね。今の10年続いたりする話とかも、僕は特殊だと思うし。 誰にでも分かりやすくないと、1位にはなれないじゃないですか。いくら作家性があったからといって、たとえば大友克洋が描いたからって、必ず1位になるわけではないですから。 矢作氏: それとは別のベクトルになっちゃうんですよね、売れるとか、話題になるとかいったことは。 『ジャンプ』は若者どうしが組んで、そういうものを生み出すんです、『バクマン。』じゃないですけど。ベテランが活躍するところでは一切なくて。 (画像はバクマン。 1 (ジャンプコミックス) | 小畑 健, 大場 つぐみ | Amazonより) たとえば、鳥嶋さんや僕が新しい漫画を立ち上げて、スゴい漫画を作ろうという発想は、『ジャンプ』ではゼロなんです。新入社員が入ってきて、その新入社員と同じぐらいの年齢の漫画家と出会って。 『ジャンプ』って、みんなが最初に読んでいた漫画雑誌だから、みんなが持ち込みに来てくれるんですよ。 そうするとそこにいる編集者が、どんなに若い漫画家だろうとちゃんと相手をして、付き合ってくれるんです。 だから漫画家としては、この人の言うことをちゃんと聞こうと思うし、その漫画家の姿を見て、編集者のほうも成長していく。この人に尽くさないといけないと、お互いに思うようになって伸びていく。 そうやって1位になるじゃないですか。1位になってなくてもある程度の順位になると、今度はそこから落ちたくない。それも漫画家だけじゃなくて、編集者にとっても自分ごとなんです。 だけどベテランの編集者がついちゃうと、そうでもないというか。わりと客観的に「それはそうだよな」「この位置だよな」と見えちゃうというのが、僕らはあるんですよね。 だから『ジャンプ』編集部って、歳を取ったらみんな外に出ていくし。 鵜之澤氏: それはあえて出すの? それとも自然と出ていっちゃうの? 鳥嶋氏: どっちを? 鵜之澤氏: 両方ですよ。編集者も漫画家も。 矢作氏: 編集者も漫画家も、両方ですね。 『ジャンプ』としては、新連載は新しい漫画家でやりたいと。まったく世の中に出ていない作家、この漫画で初めて世に出る作家を、新連載号の表紙にするんですよ。そんな雑誌なんて『ジャンプ』しかないですよ、たぶん世界中で。 だからそのぐらい、他の雑誌とはやり方が違うんです。方法論が違うし、考え方も違うし。 そういう雑誌だと思います。だから唯一売れているんだろうし、新しいものも出てくるし。 鵜之澤氏: 逆に言うと、他の雑誌は何でやらないの? 矢作氏: できないですよ。怖いし。 鵜之澤氏: アンケートハガキを入れて、それを冷酷なまでにやるっていう。今のソシャゲみたいに。 松山氏: アンケートやKPIだけの話じゃ、たぶんないんですよね。他の雑誌にもアンケートは付いてますし、もちろん集計もしてますから。 鳥嶋氏: だからもう1回、『ジャンプ』が大好きな松山君に質問します。 「面白いもの3つに○をつけてください」っていうハガキがあるじゃないですか。今、鵜之澤さんから出た『ジャンプ』のアンケートシステムね。批判の的でもあるけれど。 松山さんはたとえばハガキを送るとして、20本全部読んで、点数をつけて、上位3つに○をつける? 面白いもの3つって、どういう心持ちで○をつけると思います? 松山氏: 私は子どもの時も含めて、アンケートに○をつけて送っていた側なので。その時の感覚で言うと、私はこの週の『ジャンプ』でいちばん面白かったもの3つを、ちゃんと選んでいましたね。 鳥嶋氏: ほう。 松山氏: もともとこの作品は好きなんだけども、今週はちょっとそうじゃなかったというのは、入れていなかったです。 矢作氏: ちゃんと批判もするんだ。 鳥嶋氏: これは、ちょっと少ない気がするな(笑)。 矢作氏: 珍しいタイプですよね。 松山氏: ほとんどの人が、みんなまず盲目的に『ONE PIECE』は絶対につけちゃうと思うんですよ。 鳥嶋氏: だいたいは、もともと好きなもの3つなんですね。あとはその時に目に留まったもので。 これを言うと極論だけど、面白いか面白くないかは、あまり関係がないの。だって1本の漫画の19ページは「悩んでも19ページ」だから。 要するに、一生懸命考えた19ページでも、印象に残っているコマがいくつかあっての19ページでも、○がついたものが勝ちなんですよ。 ということは、一週間の使い方を間違えて、7日間のところを9日間使って漫画を描きました、今週は面白いですよと言っても、次の週で使えるのは5日になっちゃうんですよ。そうなるぐらいなら「今週はもうこれでいいや」って割り切るべき。 だから鳥山君が『Dr.スランプ』から『ドラゴンボール』に変わった時に、「鳥嶋さん、ストーリー漫画はラクでいいですね、ページが来たら終わりますから」と言ったんですよ(笑)。 (画像はDr.スランプ 1 (ジャンプコミックス) | 鳥山 明 | Amazonより) 松山氏: ギャグ漫画は1話完結で、オチをつけないといけないから。 矢作氏: それはある種の境地ですよね。 『ドラゴンボール』を魔人ブウ編の前に終了できなかったのは、今もって悔いている 松山氏: だけど私の感覚だと、『ドラゴンボール』の連載は延べ11年、少年編から最後の魔人ブウの戦いまでで、10年ちょっとなんですけども。 『ドラゴンボール』がそれだけ長く続いたことが、その後の『ジャンプ』の漫画が長くなったきっかけになっている気がするんですよ。 それ以降だと、『ONE PIECE』も『NARUTO-ナルト-』も10年以上やってるし、『銀魂』も『BLEACH』もやってるじゃないですか。そういう長寿連載って、今は『ONE PIECE』以外はだいたい終わりましたけど。 (画像は銀魂-ぎんたま- 1 | 空知 英秋 、BLEACH 1 (ジャンプコミックス) | 久保 帯人 | Amazonより) 鳥嶋氏: それはね、オレはもう卒業生だから言っちゃうけど、『ドラゴンボール』は止めたかったのに止めさせてもらえなかったんだよ。はっきり言うと、僕の前の編集長とその前の編集長の判断だよね。 あの時、僕が『Vジャンプ』にいて、鳥山君を助けてあげられなかったのは、今もって悔いている。魔人ブウ編はやるべきじゃなかったよね。 どういうことかと言うと、前の編集長と前の前の編集長は、雑誌の部数しか見ていない。誰が描いていて、誰が支持しているかを見ていない。 お金を払ってるのは読者。描いているのは作家。会社のためじゃないんだよね、オレたちがやってるのは。読者のためなんだ。それを忘れちゃうと、ああいうことになる。 それで『ジャンプ』の部数は、『ドラゴンボール』が終わってどんどん落ちた。結果、僕はそのために『Vジャンプ』から『少年ジャンプ』に戻された。 矢作氏: 怒ってましたね、当時(笑)。「ふざけんな」って。その下につく人たちの気持ち、分かります?(笑) 鳥嶋氏: ハハハ(笑)。さっき矢作が言った、新人の新連載で表紙にするっていうのは、じつは僕が戻ってからなの。 矢作氏: そうでしたっけ。そうなんだ。 鳥嶋氏: それはどうしてかというと、やっぱり戻った時に「『ジャンプ』って何だろう?」って、もう一回問い直さざるを得ないわけ。ガタガタになっているわけだから。 部数は一見すると、まだ600万部弱ぐらいあるんだけど、この先もう落ちていくのは見えてるし。編集部はみんな暗い顔をしてるし、会社の中はガタガタしてるし。 松山氏: それでも600万部ですけどね。 鳥嶋氏: そうやって問い直すと、さっき矢作が言ったように、『ジャンプ』には新人の新連載しかないわけ。なぜ新人の新連載をやるかというと、読者にいちばん近い感覚でモノを作っているから。空気感をつかんでいるから。 ただ新人だから、絵がヘタじゃん。構成力もないじゃん。だからそれをちゃんとした形にするには、編集と打ち合わせをしなきゃいけない。それで形にするわけ。 もう1つ、新人の新連載は何が良いかと言うと、さっき矢作が言った通り、作家と編集者が一緒に育っていくから、何かを掴んだ時の覚醒力、爆発力が違う。ホントに一気に伸びるから。 まるで3歳馬がダービーに出たら一気にクラシックで勝てるようになった、あんな感じだよね。 矢作氏: 編集も2回までは使えると思っていて。1本、新人と一緒に当てるじゃないですか。そうすると、次の作品までは使えるんですよ。 その次のもう1本は、編集者が道理を知りすぎちゃって、自分の方向性に持って行こうとし過ぎちゃって、作家の良さが活かしきれない。だから編集もどんどん追い出したほうがいい。 鳥嶋氏: それはその通りで、作家にしても連載を続けて3回失敗したら、もう無理。その作家に関しては可能性がない。『ジャンプ』においてはね。 僕が編集部に戻った時は、そういう作家が多かったの。「新連載」って言ってるけど、失敗した作家がまた違うものをやってるわけ。でも読者は見てるから。「これじゃあパチンコ屋の新装開店と一緒じゃないか」って(笑)。 矢作氏: いやでも新人の新連載は、やっぱりこの表紙じゃ売れないなと思ってましたよ(笑)。表紙を見て「これで売れるのかなぁ」と思ったら、やっぱり部数が落ちるんですよね、結局は。 松山氏: 今でも思いますよ。 矢作氏: 「この雑誌、欲しくねぇな」って思うじゃないですか。でもそういう作家が、将来的に売れてくる。 鳥嶋氏: 『ジャンプ』の新人の新連載は、4色(カラーページ)の使い方を見てください。センスないですよ。あれだけカラーページがあるのに、何を描いているんだと思う。 矢作氏: 4色はみんなヘタですよ、最初は。 鳥嶋氏: そんなにヘタな新人になぜ表紙を描かせるか、分かります? 会社の部数会議でも、ロクでもないことを言われるわけ。「絵がヘタだね、当たるのこれ?」って聞かれたら、どう答えるの? 編集長として。 松山氏: 聞いている限りの理解で言うと、新人作家を生み出すことを一番に重きを置いているというのが『ジャンプ』の姿勢であって。 1話の巻頭カラーと表紙に関してはある種、ご祝儀みたいなもんだという感覚ですよね? 鳥嶋氏: 松山さんが今言ったように、『ジャンプ』の覚悟を見せるわけ。そのことをちゃんと重みに感じて描いてほしい。でも3週目のアンケートの結果によってはもう、終了候補になってしまう(笑)。 矢作氏: そうなんですよ。『ジャンプ』で新連載が始まる時に、表紙をやるというのが当たり前のことになっている。読者も編集者も。 だけど結局、それが売れるか売れないかというのを、どこまで考えるかということが大切で。 それを考えている人って、わりと残っていくなと。「そうか、新しいものを『ジャンプ』で始めようと思っているんだな」という雰囲気を出してくる人は、やっぱり漫画も新しいものを描いてくる。 新しいものを世に出すのは勇気がいるが、新しいものしか起爆力を持たない 鳥嶋氏: でも昨日ね、『ルパン三世』のアニメは最初の放送ではぜんぜん当たらなくて、再放送でブレイクしたっていう話を、BSの番組で見たの。アニメーションで言えば『ガンダム』もそうだし、『エヴァンゲリオン』もそうだし。 新しいものが最初に出てきた時には、なかなか見ている人に対して刺さらない。そのへんはどうですか? (画像はAmazon.co.jp | ルパン三世 first-TV. BD-1 [Blu-ray]、新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray STANDARD EDITIONより) 鵜之澤氏: 狙ったターゲットとは違うところで当たるもののほうが、残りますよね。だって『ガンダム』なんかね、最初は子どもに超合金みたいなものを売るためにやってるわけですよ。要するに幼稚園から小学校低学年向け。 それであの内容はないよね、あり得ないよね(笑)。あれは完全にスタッフがスポンサーを騙したよね。最初のスポンサーはバンダイじゃないんだけど。 矢作氏: でもアニメってけっこう、そういう歴史ですよね。 松山氏: 『進撃の巨人』もある意味、そうじゃないですか。 (画像は進撃の巨人(1) (少年マガジンKC) | 諫山 創 | Amazonより) 鳥嶋氏: だからやっぱり、新しいものを世に出すのには勇気がいるけど、新しいものしか起爆力を持たないんですよ。時代を変えてきたのはみんな、そういうものなんです。 松山氏: その新しいものを作り続けるためにも、冒頭の話に戻るかもしれないですけど、10年はサイクルが長すぎだと思うんです。私は5年でいいと思うんですよ。どれだけ長くても5年。 だって、私が大好きだった『リングにかけろ』も『北斗の拳』も『聖闘士星矢』も、どれも連載期間は5年ぐらいじゃないですか。それぞれが。 (画像はリングにかけろ1 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 車田正美、北斗の拳 1巻 | 武論尊, 原哲夫 | Kindleストア、聖闘士星矢 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 車田正美 | Amazonより) 矢作氏: 全部好き(笑)。 松山氏: ですよね(笑)。たった5年の連載がそれぞれ、一財産稼げる伝説の作品になってるわけじゃないですか。『スラムダンク』だってそうだったわけですから。 (画像はSLAM DUNK 1 (ジャンプコミックス) | 井上 雄彦 | Amazonより) 矢作氏: 『スラムダンク』の連載期間は? 松山氏: 5年半ぐらいですね。 鳥嶋氏: 『スラムダンク』は作家がね、あそこでね。 松山氏: いやいやいやいや(笑)。 矢作氏: 危ない、危ない(笑)。僕なんて、どんだけ読んだか分かんないですよ。 鳥嶋氏: でも松山さんが言ったように、昔は『ジャンプ』でも連載が1年を超えるたびに表彰式をやって、5年を過ぎるとハワイ旅行に行けるっていうご褒美があったの。 松山氏: 作家先生に対して? 鳥嶋氏: 奥さんとどうぞとか、アシスタントとどうぞとか。それで6年目からは、好きなところに行っていいの。 矢作氏: しかも、誰も行ってないんですよね(笑)。 松山氏: あっ、そうなの!? 鳥嶋氏: それは逆に言うと、連載が5年を超えるのが、いかに難しいかということ。ところが今や、いとも簡単だもん。 なぜある時期から『ジャンプ』の連載が長期化したか。 『ONE PIECE』が出てきた時は、『ジャンプ』の部数がどんどん落ちてる最中なんですよ。雑誌の力がない時の1位なの、イヤな言い方をすると。だから長く続いたっていう見え方もある。 矢作氏: コメントしづらい(笑)。 一同: (苦笑) 鳥嶋氏: だからこれは『ONE PIECE』の責任とか、他の漫画の責任どうこうよりも、『ジャンプ』という雑誌自体の持っている生命力とか、市場性の問題が片方にあるんじゃないかと。 鳥嶋氏が明かす『少年ジャンプ』連載会議の茶封筒システム ──でも『ジャンプ』って、一線級の場にド新人がいきなり乗り込んでくるという、めちゃくちゃ珍しい場じゃないですか。広くエンタメを見渡しても、そんな場って世界中であります? Steamとかで、新興のデベロッパーのゲームがたまたま売れたとかいうことはあっても、『ジャンプ』って本当に、新人を強制的にスターダムに乗っけるシステムになっていて。 じつは以前、鳥嶋さんに、『ジャンプ』の編集の仕組みの話を伺ったことがあって。 松山氏: それは連載会議を取材したんですか? ──直接取材したわけではなくて、『ジャンプ』がどういうシステムで動いているのか、鳥嶋さんが知っている時代の話を聞いたんです。その時に感じたのが、属人性がないところで。 有名なアンケートシステムにしたって、連載が始まるかどうかは編集長が気に入ったら採用とかじゃなくて、あくまで「仕組み」なんですよね。とにかくシステマチックに回っていく形で。 一方で、他の漫画雑誌の話を聞くと、やっぱり属人的な裁量の部分に比重があるように感じるんです。 松山氏: 私が知る限り、アンケートはじつは結果だけの話であって。『ジャンプ』でいちばんスゴいのは、新連載を始めるかどうかを決める連載会議なんです。 さっきから出ている話だと、『ジャンプ』って名もなき新人がポッと出てくるみたいに聞こえるから、簡単に載りそうに感じるかもしれないですけど。 『鬼滅の刃』の吾峠先生の話を伺ったんですけども、あの人は1年以上に渡って編集部にネームを持ち込んで、描き直して、描き直して、持ち込み続けて1年以上たって、ようやく連載会議にかかったと。 それで載ったのが『鬼滅の刃』ですから。その間は、複数人で判断をしているわけじゃないですか。3話分の連載ネームを見て。 鳥嶋氏: 担当に力がなかったんじゃない? 矢作氏: いやいやいや!(笑) 松山氏: こら!(笑) 矢作氏: でも『ONE PIECE』だってそうですよ。連載が決まるまでに1年ぐらいかかったんですよ。 松山氏: 1年かかったんですか! 『ONE PIECE』が!? 鵜之澤氏: そうなんだ! 鳥嶋氏: かかった���。連載会議で通ったのは、3回目だから。 松山氏: 3回テーブルに上がって、2回落ちてるんですか!? 矢作氏: 僕はその時の連載会議には出てないんですよ、まだ若かったから。だから下で見ていて「こんなに面白い漫画がなんで通らないんだろう?」って、ずっと思ってました。 ──その時の編集長が鳥嶋さんですよね。 鳥嶋氏: なぜ通らなかったのか簡単に言うと、構成がメチャメチャだったから。 矢作氏: 今、そう言われると分かるんです。でも当時は「こんなに面白いものが通らないってどうなの?」って思ってました。 鳥嶋氏: 持ち込みから連載に至るまで、どういうふうに進むかっていう話を簡単にすると。 まず投稿なり持ち込みで、その作家に編集者がつきますよね。そうすると編集者は編集部に対して、この作家がどういう作品を描いて、どのぐらいの力があるヤツなのかというのを、アピールしないといけない。 そのためには増刊に載っけたり、副編集長が「本誌に読み切り枠があるから出して」って言って、そこからセレクションされて載ったりするわけ。その中でアンケートの票とか、他の連載との票の兼ね合いで、こいつは可能性がある、こいつはない、というのを見ていく。 そうすると、3~4名の編集スタッフの前にデスクがいるんだけど、このデスクが「そろそろ連載でもやってみたら」と声をかけるの。 それで作家と編集スタッフが、3回分の連載ネームを作るわけ。デスクが無能で一向にそういうことを言わなかったら、勝手に作って出したりするんだろうけど(笑)。 それで、デスクが「これは可能性があるな」って思ったら、副編集長のところに上げられる。そこでようやく、連載会議にかかるかどうかが決まるの。 松山氏: 連載会議にかかるかどうかは、副編集長が判断するんですか? 鳥嶋氏: デスクの判断です。それで連載会議にかけて、3本終わったら3本始めるわけ。4本始めるんだったら、4本終わる。 松山氏: それはどっちなんですか? 連載が終わるから新連載を始めるのか、新連載を始めるから終わるのか。 鳥嶋氏: 新しく起こす漫画と、やめる漫画の兼ね合いで見ている。バランスを。 松山氏: 3つ始まるから3つやめましょう、ではないんですか? 鳥嶋氏: 違う。何を始めたいかで、終わるものを決める。たとえば年少向けの漫画が3本始まるんだったら、年齢が上に向けたものを残すとか、そういうバランスを見るの。 大事なことは、その過程を全部オープンにするんですよ。 「上書き」って言って、茶封筒に担当がタイトル・作家名・1話何ページ・2話何ページって書いて、担当が自分で推薦する言葉を書いて、その茶封筒に3回分の連載ネームとキャラ表を入れて回すわけ。 するとデスクがそれに対して「これは今回いけると思う、こういう問題点はあるけど」と、茶封筒にコメントを書く。 それでデスクを通って連載会議に出ることになったら、他の班のデスクも副編も、同じようにコメントを書くんですよ。 松山氏: 『バクマン。』に載ってた通りや! 矢作氏: その通り。 鳥嶋氏: その茶封筒が、副編の机の上に重ねて置かれるわけ。するとそれを編集部全員が見る。 松山氏: 誰がどういうコメントを書いたか、丸見えなんですね。 鳥嶋氏: 知恵が回る担当だと、「この3話目は弱いな」って、茶封筒の中身のネームをこっそり差し替えたりするの。ギリギリで。 松山氏: 途中で!? それアリなの? 鳥嶋氏: ありあり。差し替えもあり。 矢作氏: 良くなるんだったらアリですよ。 鳥嶋氏: 他の担当から出てきたものを見て、「これだと負けそうだから露出を多くしよう」とかね。そういうことも含めてやります。 松山氏: リアルタイムに変えてるんだ! 鳥嶋氏: それで連載会議にかけて、1本1本落としていくわけ。ディスカッションしていく。だいたい2時間か3時間ぐらいでね。 そこで、自分のデスクがちゃんと自分の作品を推してくれないとか、返ってきたコメントが中途半端だったりすると大変だよ。もうね、火を吹くから。「何なんですか、あなたは!?」って。 鵜之澤氏: それ、言えるんだ。 鳥嶋氏: 言える。僕なんか、茶封筒にお手紙を貼られたことがありますよ、編集スタッフから。 松山氏: それはなんて書いてあるんですか? 鳥嶋氏: 「納得がいかない」とか、直訴状が(笑)。イヤだなぁ、これ読みたくないなぁって。みんなニコニコして見てるんだけど。 松山氏: その作品が落ちたのも、会議の中で明確な理由があって落ちてるわけじゃないですか。 鳥嶋氏: それをちゃんと伝えてるんだよ。でも納得がいかないと。 松山氏: それでも納得いかないんですか!? 鳥嶋氏: だから、ここで大事なのはね、常にオープンに作品��を、その競争原理の中でやっているから、ちゃんとした作品評価軸を持たない人間は、幹部としてやっていけないし、信用がないんですよ。 だから作品をヒットさせてないヤツは副編集長になれない。そこは『ジャンプ』のね、明快なところです。 矢作氏: 「お前に言われたくねぇよ」ってなるから。 松山氏: あぁ、なるほど。その目利き集団が『ジャンプ』編集部の強みということですね。 鳥嶋氏: そう。あと、新入社員を優先的に2人とか3人、『ジャンプ』編集部に入れるわけですよ。その代わりに3人を必ず外に出すわけ。それは編集長に指名権がある。 他の編集部は『ジャンプ』で揉まれた人なら誰でも欲しいいのよ。即戦力だから。 『少年ジャンプ』にいるということは、それだけ鍛えられている。梶原一騎さんの虎の穴みたいなところはあるよね(笑)。 松山氏: だけど、そのまんま『バクマン。』の、あのシステムの通りなんですね。今もそうなんですか? 矢作氏: 今もそうです。だって結局、みんな『ジャンプ』に集まってるんですから、『ジャンプ』を読んで育って漫画家になりましたという子は、みんな『ジャンプ』に持ち込んでくるんです。 いちばん売れている雑誌で、いちばんたくさん母数がいるわけですから。それは集まってくるじゃないですか。 スポーツ漫画の概念を変える『キャプテン翼』が突然出てくるのが、『ジャンプ』の怖さ 矢作氏: 終わらせる、終わらせないで言うと、さっき言ったように始まる本数と同じだけ、絶対に終わらせないといけないので。 松山氏: 連載の本数が決まっている以上は、入らないですからね。 矢作氏: 僕が『ジャンプ』にいた時に、編集者でいちばん大切だと思っていたのは、何を終わらせるかというジャッジなんですよ。始めるのはけっこう簡単なんです。 鳥嶋氏: そう。 矢作氏: 新連載の候補になる作品はだいたい面白いですし。 鳥嶋氏: 新しいからね。 矢作氏: でもじゃあ、さっき鳥嶋さんが言ったように、他のどれと引き換えにするのかというのを含めて、考えないといけないから。終わらせる漫画を考えないといけない。 でもこれが漫画アプリで配信する形式だったら、どうなるのか。とりあえず全部続けておいて、さらに新しいものも始めようという、そんなジャッジになってくる。 今こんなにいろんな漫画のアプリが出ていて、でもそこからメガヒットが出ないのは、こういうところに問題があるのかなと、ちょっと思ってます。 それぐらい、終わらせるのがいちばん難しいんです。才能のある作家が「ちょっとこれは違ったかな」というものを描いたら、本当は早く終わらせて、次の作品を描かせてあげたほうがいいですよね。 それは読者も分かるじゃないですか。 鳥嶋氏: それは『BLEACH』の前の『ZOMBIE POWDER.』のことかな? (画像はZOMBIE POWDER. 1 (ジャンプコミックス) | 久保 帯人 | Amazonより) 松山氏: いやいやいや!(笑) 矢作氏: その時はリアルにいちばん下の現場だったので、そんなのは思ったことないですけど(笑)。 それはともかく、そうやって早く終わらせてあげることが、その作家の次につながってきますから。『ジャンプ』でも10週で終わって、その次の作品が当たったりする人もいるんですよ。 でも「3本続けて外れたらダメ」と鳥嶋さんがおっしゃいましたけど、たしかにその通りで。 松山氏: 『ジョジョ』も3本目ですからね。 (画像はジョジョの奇妙な冒険 1 (ジャンプコミックス) | 荒木 飛呂彦 | Amazonより) 鳥嶋氏: それで言うと、井上雄彦さんも『カメレオンジェイル』があったし、『テニスの王子様』の許斐剛さんも2本目なんですよ。1本目は2人とも、ハードボイルドの探偵モノを描いてダメだった。 (画像はテニスの王子様 1 (ジャンプコミックス) | 許斐 剛 | Amazonより) じゃあ、井上さんがなんで『スラムダンク』は良かったかというと、バスケが好きだから。そういう単純なこと。 許斐さんはテニスのインストラクターだったから。そういう理由で描いてもらったのが良かったわけ。 だから描きたいものは当たらないんですよ。その作家が描きたいものじゃなくて、その作家が描けるものじゃないといけない。 松山氏: なるほど! バスケとテニスは描けるものだったから、あれだけ続いたわけですか。 鳥嶋氏: 今やスポーツ漫画は、そのスポーツをプレイしている人じゃないと描けない。それはなぜかというと、どんなに写真集を持ってきて模写しても、それって第三者視点ですよね。プレイヤーの視点で描けるのは、そのスポーツを経験した人だけだから。 それが漫画の主人公視点の素晴らしさだから。これはね、プレイしていた人じゃないと描けない。 松山氏: なるほど。 矢作氏: 本当にスポーツ漫画はそうですね。 鳥嶋氏: 僕がそれを実感したのは『キャプテン翼』。 『キャプテン翼』のアンケートが良くて、矢作がさっき言ったとおり、たしか1位になって。その時に見たのかな。正直に言うとね、「なんでこの絵で1位になれるの?」と(笑)。どこが面白いんだと。 (画像はキャプテン翼 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 高橋陽一 | Kindleストア | Amazonより) 松山氏: いやいや(笑)。 鳥嶋氏: それで、何週か見て分かりました。それまでのサッカー漫画とはぜんぜん違うと。どこだと思う? 画期的に違ったのよ『キャプテン翼』が。 松山氏: そんなに違いましたっけ? 鳥嶋氏: 『キャプテン翼』以前にはなくて、『キャプテン翼』から始まったもの。それはつまりね、“カメラが人じゃなくてボールにフォーカスされている”ってことなんですよ。 松山氏: たしかにカメラ低いわ! 鳥嶋氏: カメラがいつも追わなきゃいけないものは、主人公じゃなくてボールなの。だからボールは友達なんだよ(笑)。 一同: (笑) 鳥嶋氏: この時に高橋陽一さんの運動神経というか、漫画家としてのスゴさにビックリしたね。読者がこれにそのまま反応してるんだと。これから後のスポーツ漫画は大変だなと。 松山氏: だってあれ、誰も真似できないですよ。コマを縦と横に割ってなかったんですよ。 線が入っていないのに、見開きの中に5コマぐらいあるの。でも、ちゃんと目線の誘導ができていて。それはたしかに、カメラがボールに向いているんですよね。 鳥嶋氏: あれからスポーツ漫画がガラッと変わったの。じつは『キャプテン翼』より前は、漫画業界でヒットしたサッカー漫画ってないんだよ。 松山氏: ないですね。全部野球漫画ですよね。 鳥嶋氏: だから矢作が言ったように、新人が描くことの『ジャンプ』の怖さはそこにあるね。それまでの視点を持ってないヤツが出てくるからね。 『ドラゴンボール』は読んだ後に何も残らない漫画を目指した ──先ほど、『ジャンプ』では編集部員どうしがライバル関係で争っているというお話があったんですが。ライバル関係にありながらも、それぞれの担当者が別の担当者に対してアドバイスしたりはするんですか? 鳥嶋氏: デスクになると、せざるを得ないね。同じポジションだったらしないだろうけど。 矢作氏: その人のキャラにもよると思うんですよ。僕はしない派でした(笑)。 一同: (笑) 鳥嶋氏: 僕���基本的には矢作と一緒で、やらないかな。なぜなら漫画に対する考え方が違うから。 『北斗の拳』の担当だった堀江(信彦氏)【※】は、泥臭い漫画が好きなんです。僕はそういうのが嫌いで、邪魔だったんですね。 だって好きな方向が違うから、同じことを言っても伝わらないの。『ドラゴンボール』は読んだ後に何も残らない漫画を目指したから。 ※堀江信彦 『週刊少年ジャンプ』の編集者として『北斗の拳』などを担当。『ジャンプ』5代目の編集長を務めた。集英社を退社後、株式会社コアミックスの代表取締役社長に就任し、『週刊コミックバンチ』の編集長を務めた。同誌の休刊後、コアミックスは『月刊コミックゼノン』の編集を行っている。 松山氏: 両方あっていいと思うんですよ。たしかに『ドラゴンボール』には説教がないので。 鳥嶋氏: 僕が『ドラゴンボール』でいちばん好きなシーンは、悟空がつまづいて「なんで身体が軽いんだろう? あっ、シッポがついてないからか! まぁいいか」っていう。それが『ドラゴンボール』ですよ。 松山氏: クソ明るいんですよね。あれは作れないですね。作家さんはみんな「オレはそんなに明るくない」って言うんですよ。 鳥嶋氏: 作家の中にない感情を、キャラクターは外に出せないんです。それを人工的に作ろうとすると、すぐバレるの。 松山氏: 『ドラゴンボール』って、鳥山先生ご自身も言われてますけど、登場人物が変人しかいないんです。言われてみるとそうなんですけど。みんなどこかズレてるんですよ。 あれは全部、鳥山先生の中にある感情というか、キャラクターなんですか? 鳥嶋氏: まあ基本的に鳥山明は、亀仙人と則巻千兵衛であることはたしかですね(笑)。 松山氏: あぁ、そこがベースなんだ。 海外では『ONE PIECE』よりも『NARUTO-ナルト-』のほうが人気が高い理由とは? 鳥嶋氏: 松山さんは『ジャンプ』が好きだから1つ質問を出しますね。国内であれだけヒットしている『ONE PIECE』が、海外では『NARUTO-ナルト-』に及ばないのはなぜだと思う? よく海外で聞かれたの。「なぜ『ONE PIECE』は海外で『NARUTO-ナルト-』ほどヒットしないのか?」って。 海外の人もみんな、『ONE PIECE』が日本でスゴイのは知ってるんです。でもなぜ海外でヒットしないのか。その理由は分かる? 松山氏: 私の感覚ですけども、『ONE PIECE』がやっていることって、歌舞伎というとヘンですけども、任侠道ですよね。昔のヤクザ映画とかの。 そういう、日本人はグッとくるお涙頂戴の部分も含めて、演劇というか舞台劇っぽいものになっているんで。 『NARUTO-ナルト-』はある意味、展開も含めてハリウッド志向というか。だから世界で売れる性質が違うんだろうなって感じてますね。 鳥嶋氏: 鵜之澤さんは両方扱ってるけど、どうなの? 鵜之澤氏: そうなんだよね。聞くとみんな「海賊は人気がない」とか言うんだけど。でもきっとそういうことじゃないよね、たぶん。不思議なんだよね。 松山氏: 面白さのベクトルが違うんだと、私は思うんですけど。 鵜之澤氏: 逆に言うと、『NARUTO-ナルト-』はなんで海外であそこまでウケるんだろうと。 矢作氏: ナルトが金髪で青い目ですから。 松山氏: そんな単純な(笑)。 鵜之澤氏: でもそれは大きいよね。僕らもそうだよね。 矢作氏: 海外の人から見てもカッコ良いんですよ。 『ONE PIECE』はドラマがすごく面白いんですよ。それに対して『NARUTO-ナルト-』はドラマの部分よりも、やっぱりアクションとか、そのへんが分かりやすいというのがありますね。 僕は子どもがいるんですけど、子どもに見せるといちばん分からないのが、ドラマなんです。 子どもって、気持ちのいい絵を見ただけで「気持ちいい」って思うんです。たとえばパースが効いていたり、空がきちんと見えてる絵だと、「これ好き」って言うんですよ。 だから、パッと見で面白いかどうか。 僕らはずっと漫画を読んで来ているから、漫画の面白さを深読みしていくじゃないですか。でも海外の人の多くは、日本の漫画って分かんないですよね。 それはたぶん、リテラシーとか読解力がないから、分からないと思うんです。だからつまるところ、『NARUTO-ナルト-』はそういう読解力がいらないんじゃないかと思うんです。 鳥嶋氏: 答えは出てると思うけど。まず1つは、海賊じゃなくて忍者だから。忍者が大好きなんですよ、海外の人は。それに対して、海賊の概念は日本以外にもあるから。 次に松山さんや矢作が言ったように、『ONE PIECE』は泣きのドラマだよね。泣きのドラマは日本人にしか通用しない。海外では泣きのドラマは嫌われる。ウェットだから。 もう1つは画面構成やキャラクターの見せ方が、残念だけれども、岸本斉史さんのほうが上手い。 矢作氏: どっちを取るかということだと思うんですけども。 鳥嶋氏: 見やすいんだよね。その結果どうなるかというと、アニメにした時に映えるのは『NARUTO-ナルト-』なんですよ。アニメは動くからね。そういう意味でいうと、海外に伝わりやすい漫画の作り方は『NARUTO-ナルト-』のほうなんです。 そのへんは鵜之澤さんがいろんなコンテンツを扱っていても、海外に通じるものと通じないものがあると思うんだけど。 鵜之澤氏: そうなんだよね、それが分かれば苦労しないよね(笑)。 たしかにある時点から、漫画家の先生もそうだし、アニメのスタッフもゲームを作るスタッフも、海外を意識するんですよね。イベントに出たりして。 それで「海外に向けて作るには、こういうふうにやるんだ」って。でも一発じゃ無理だよね。続けるうちにだんだん分かってきて。 『NARUTO-ナルト-』も最初は日本だけで。それが『疾風伝』【※】になった頃に、海外で爆発的に売れて。こんなに売れるんだと正直ビックリしたよね���国内では『ONE PIECE』のほうがパワーがあったからさ。 海賊をアメリカ人が分かるかどうかはともかく、『ONE PIECE』はキャラが外国人っぽいじゃないですか。だからいけるのかなと思ったけど、海外ではダメでしたね。 たしかにね、さっき矢作さんが言われたように、金髪と青い目っていうのも大きいんじゃないかな。金髪ってすごく大事で、分かりやすいよね。 ※『疾風伝』……『NARUTO-ナルト-』のTVアニメは原作の第1部でいったん終了し、原作の第2部からは『NARUTO -ナルト- 疾風伝』として新たにスタートしている。 (画像はAmazon | NARUTO -ナルト- 疾風伝 風影奪還の章 一 [DVD]より) 外国の人はたぶん、悟空やナルトのことを日本人だと思ってないよね。アニメは現地の言葉で吹き替えられてるんで、日本人が芝居してるように見えないじゃないですか。それもやっぱり大きいんだろうなと。 鳥嶋氏: 漫画やアニメの持っている無国籍性だね。 『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって、『ONE PIECE』を徹底的に分析した 矢作氏: そもそも『NARUTO-ナルト-』よりも『ONE PIECE』のほうが、先に連載が始まってるんですよね。作家も「『ONE PIECE』には絶対に敵わない」と言っていて。「『ONE PIECE』は面白すぎる」と。 僕も面白すぎると思いつつも、「そんなこと言っちゃダメだ」と(笑)。 鵜之澤氏: そりゃそうだよね。 矢作氏: 1位にならないとダメですから、『ジャンプ』では。そう思っていたので、一応そういうふうに話をして。「まぁ、10巻ぐらい続くといいね」ぐらいの感じで『NARUTO-ナルト-』を始めたんです。 鵜之澤氏: それぐらいで一区切りなんですか? 鳥嶋氏: 10巻ということは2年ね。 矢作氏: それぐらい続けば、ある程度のお金が作家さんに入るだろうから、次の作品に対して準備ができるんじゃないかと。 鳥嶋氏: たしかにそれは考えるよね、編集者としてはね。 矢作氏: それで『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって、「『ONE PIECE』はどこがスゴいのか?」というのを分解して、分析したんです。 鳥嶋氏: 分析したんだ。 矢作氏: めちゃくちゃ分析しました。“イーストブルー”や“アラバスタ”、“空島”と沢山舞台があるわけですが、それらはRPGで言うマップなんですよ。 で、『ONE PIECE』がスゴいのは、新たなマップに入ると、出だしでそのマップでの目的が提示されて、それをクリアすると主人公は成長し、さらそれが次のマップでの目的に繋がっていく。 つまり、最初に振りがあって、オチがあるというのを繰り返していくんですよ。しかも次のマップで全然違う世界観を提示してくるので、否が応でも盛り上がる。 さらにスゴいのは、周りのキャラのことを描いていながら、主人公が前に進む話を描いているんですね。ルフィが人を集めるということが、ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)につながっていく。 そもそも漫画は主人公のことしか描いちゃダメなので。主人公以外のことを描くと面白くないんですよ。 だからこれは、研究すればするほどスゴい漫画だと。これは敵わない。 これに対抗するとしたら、やっぱりアクションで驚かせようと。それは意識してやってます。作家本人も「『ONE PIECE』より感動的な話は描けない」と言ってるから、だったら他のところで勝負しようと。 同じ雑誌で、同じベクトルで勝負してもしょうがないじゃないですか。だから『NARUTO-ナルト-』はそういう方向に行って。しかも作家の絵の力がスゴかったんですね。 鳥嶋氏: 矢作が『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって『ONE PIECE』を研究した。ナンバーワンを研究したって聞いて、さすがだと思ったの。 じつは僕も『ドラゴンボール』が中だるみというか、人気が落ち始めてマズいなと思った時に、自分が好きじゃない『北斗の拳』を初めて研究したんですよ(笑)。編集部で読むのが癪(しゃく)だから、コミックスを家で読んで(笑)。 ナンバーワン漫画だから、読者がいちばん好きな要素がそこにあるわけですよ。だからナンバーワンを分析するのは、読者の趣味嗜好を分析するということ。そこに意味がある。 『北斗の拳』を研究している時に思ったのは、「うわっ、この1話目は良くできてるな」と感心したんだよね。原哲夫さんの持っている絵の良さを上手く使っている。 逆に言うと、原さんが持っているダメさを表さないように作っている。 原さんは一枚絵はスゴいんだけど、アクションを描けないんです。あの全身のあの劇画タッチで描くから、アクションを描いちゃいけないんです。 どういうことかというと、止め絵の連続で描くから、秘孔を突いて前後で見せるしかない。 松山氏: あぁ、なるほど。 鳥嶋氏: だから原さんの絵の持っている良さだけを抽出した形が、秘孔を突くという形なんです。おまけにそれを、『マッドマックス』とブルース・リーから持ってきてるから、そのへんのイメージの取り方も上手いわけ。 (画像はAmazon | マッドマックス [DVD]、死亡遊戯〈日本語吹替収録版〉 [DVD]より) 『ドラゴンボール』でこれを抜くにはどうしたらいいか。あぁ、簡単だなと。 鳥山さんは自由自在にアングルが取れる。原さんは一定方向からしか描けない。だったら『ドラゴンボール』は上下左右、前から奥と、自由自在にアクションが出来る形にしようと。 天下一武道会の展開はまさにそういうこと。だから、当初の『ドラゴンボール』の元になったジャッキー・チェンのアクションを、もっと徹底的に、意図的に、漫画の中で再現しようと。 それと、『北斗の拳』はドラマを見せていくものだから、展開がやっぱり長いんですよ。セリフで決めていくやり方ですから。 僕らはもっと下の年齢層を狙って、4��単位で展開を変えていく、スピーディーな見せ方をした。 何回かインタビューで答えてるけど、修行編を長くやったらもっと人気が落ちちゃうから、修行を短くして。亀仙人とクリリン以外のサブキャラは全部落としちゃって、その修行の成果を天下一武道会で見せた。 天下一武道会はトーナメント制なので、1つの戦いはみんな1週か2週で終わるんです。 あと、トーナメントが面白いのは、どこで誰と会うかというのを読者が予測してくれるから。その予測をどう裏切るかで、読者の興味を引きつけていった。 そうしたら、このへんで『北斗の拳』を抜けたらいいなと考えていた半分ぐらいのところで、大したキャラでもないバクテリアンとの対戦の回で、『北斗の拳』を抜いちゃってね(笑)。 松山氏: そこからなんだ。へぇ~。 鳥嶋氏: だからそういう意味で言うと、『NARUTO-ナルト-』が『ONE PIECE』を研究したのはよく分かる。 矢作氏: 僕らは『ONE PIECE』を抜けなかったですけどね(笑)。 『ONE PIECE』の連載を開始するかどうかだけで、会議に2時間かかった ──さっきの連載会議の話に戻りますけど、会議の時間がいちばん長かった漫画は? 鳥嶋氏: やっぱり『ONE PIECE』じゃないの。『ONE PIECE』は2時間かかったから。 矢作氏: 連載会議にかけるネームって、全部で3話あるんですけど、確か『ONE PIECE』は、2〜3回めくらいのネームだったかな? 結果的に連載会議に通らなかったヤツなんですけど、そのネームで島で宝を守ってるキャラクターが出ていて。その話がかなり面白かったんです。めっちゃ泣けるし。 ──でも、会議では通らなかった? 矢作氏: そう。こんなに面白いのに、なんで通らないんだろうと、当時は不思議で。 鳥嶋氏: なぜ連載会議の際に、3話までのネームを用意するかというと、基本が10週だから、3話までで1/3のストーリーを展開するわけでしょ。そうすると、主人公は誰でどういう話なのかっていうのを、その3話の間に見せてほしいの。 それが見せられない漫画は、構成が悪いということ。それで言うと『ONE PIECE』は、構成が悪かったんですよ。 矢作氏: ええ。いま考えたら、なぜ通らなかったのか分かるんです。というのも、そのネームの話は主人公が成長したり、物語が先に進む話ではなかった。漫画において、主人公って絶対に、少しずつでもいいから前に進まないといけないんです。たとえば主人公を出さない回があってもいいんですけど、その代わり、主人公が何かやっているぞというのは読者に常に意識させておく。 ──なるほど。 矢作氏: その視点で考えると、あのときのネームって、話は確かに面白いんだけど、主人公が先に進んでいなかった。だから通らなかったんだなと。そうね、今そのことを考えたら、分かるんです。でも、あのときは、こんな面白いもの、なんで連載を始めないんだろう? 余裕あるなぁ、みたいな感じで見てましたね(笑)。 鳥嶋氏: 余裕なかったよ。編集長だったけど(笑)。 松山氏: 『NARUTO-ナルト-』でカカシを3話まで出さなかったのも、そういう理由なんでしょ。 矢作氏: いや、そういうことじゃないんですけど。でも『NARUTO-ナルト-』の時は他の漫画をすごく研究して。 1話目は、周りの大人たちはナルトをどう見るか、2話目は子どもたちがナルトを認めるのかという話にしたんですよ。なぜかというと、『北斗の拳』は1話目でそういう形になって、2話目でおじいさんを助けるんですね。 結局、いろんな人がナルトをどう見るか、認めるかっていう。主人公って他の人に認められると、成長したと見えるんですよ。 だからいろんな人に認められる話にしようというのが、そもそものコンセプトだったんです。そうすると、2話目はゲストキャラの話なのに、話が進んでいるように見えるんですよ。 でも『ONE PIECE』の場合は、あの2話目だと主人公がまったく先に進まないんですよ。救われた男の話だけなんですよ。それは今ならすごく分かります。 鳥嶋氏: 連載会議で『NARUTO-ナルト-』について議論したのは、たぶん5分ぐらい。『ワンピース』は2時間。この差だよね。 矢作氏: 『HUNTER×HUNTER』も5分ぐらい。5分もかからなかったですね。 (画像はHUNTER X HUNTER 1 (ジャンプコミックス) | 冨樫 義博 | Amazonより) ナルトの修行では、子どもたちが自分で試してみたくなるものを考えた 矢作氏: 『ONE PIECE』だけじゃなくて、『ドラゴンボール』もすごく研究しましたよ。修行シーンがなんでこんなに上手いんだろうと。 修行って、やってるというのを見せないと、強くなる理由が描けないんですよ。でも『ドラゴンボール』は、修行を楽しく描けるんです。重力何倍とかズルすぎません?(笑) ナルトも強くなるために修行をしないといけないんだけど、修行が長くなるんですよ。修行が長いってイヤじゃないですか。 さっき鳥嶋さんが言ったように、アンケートの票が落ちちゃいますからね。でも「修行してきたぞ」って、急に帰ってくるのもイヤじゃないですか。それはズルいってなるので。 松山氏: 『BLEACH』が多かったですね、そのパターンは(笑)。 矢作氏: それは僕、知らないですよ(笑)。もっと他の漫画で、そういうのがたくさんあって。洞窟から出てきたら強くなってるとか、これは絶対にやっちゃダメだと。子どもも分かってるから。 何の努力をして、どこを鍛えたから強くなったっていう、やっぱりそれはほしいんです。 それで、『ドラゴンボール』はあんな感じで楽しくやったけど、『NARUTO-ナルト-』の雰囲気で同じようにやるのは無理だと。それでいろんな漫画を見て、修行が上手い漫画ってどうしたらいいのかなと。 子どもが実際に試してみたい授業というのも考えて。螺旋丸の、祭の水風船やボールの中で水を動かすというのは、子どももちょっと試してみたいと思うだろうとか、そういうのをいろいろ考えて、考えて、ああいう結論に落ち着くんですけど。 ただ長いし、成功だったかどうか分かんないんですけどね。 松山氏: ナルトが螺旋丸を習得する時に、四代目火影は片手で螺旋丸を作っていたのを、『NARUTO-ナルト-』はチャクラのコントロールがヘタだから両手でやるってなって、結局、手が足りないのを分身で補うっていうのは、あれは修行を始める前から……。 矢作氏: 決まってないですよ! 松山氏: ウソ~!?(笑) めちゃめちゃスゲェって思ったんですけど! あの答えの出し方! 矢作氏: 岸本先生の中では決まってたかもしれないです。僕の中ではぜんぜん(笑)。 「こういうのどう?」って提案するじゃないですか。たとえば風船を置いて、この中でチャクラを動かしてっていうのは言うんです。 でもその後どうなるのかは、やっぱり先生の中で……。 松山氏: そうなんだ! 矢作氏: そうなんです。そういうのはたくさんあって。 鳥嶋氏: 松山さんね、打ち合わせをし過ぎるとつまんないんですよ。 僕らは漫画家から上がってきた絵コンテを、読者の視点で最初に見るわけですよ。その時に僕らが感じる驚きは、読者の驚きだから。そこで先のストーリーを知っていたら……。 松山氏: ああ、そういうこと! 鳥嶋氏: だから大きな流れは作っておくけど、細かい打ち合わせは逆に、あえてしないの。 矢作氏: 鳥嶋さんは本当に「長い打ち合わせはするな」って言いますよね。僕はけっこう長いんです。 松山氏: ガッツリやられてたって聞いてま���よ。 矢作氏: ファミレスに4、5時間ぐらいいたりして、全部決めて帰ってきたりするんですけど。そうすると鳥嶋さんから「それは作家に迷惑だから止めなさい」と怒られて(笑)。 鳥嶋氏: 僕は打ち合わせ、30分で終わり。 松山氏: 30分!? 鳥嶋氏: 絵コンテを2回見て終わり。 矢作氏: 何もできないです。 松山氏: その原稿の話だけで終わるんですね。だけど、不安じゃないですか? 矢作氏: 大枠は決まってるんですよね? ここまでは行くっていう。そこでどういう決着があるかと。 鳥嶋氏: そうだね。昔、『スパルタンX』【※】ってゲームがあったじゃん。あれが出た時に「これはいいな!」と思ったの。でも横にするとバレちゃうから縦にしようと。それが『ドラゴンボール』のマッスルタワーだよ。 ※『スパルタンX』……1984年にアイレムが開発してリリースしたアーケードゲーム。1985年に任天堂がファミコン用ソフトに移植して発売した。ジャッキー・チェン主演の同名映画が題材となっているが、ゲームの展開は映画とまったく異なり、むしろブルース・リー主演映画『死亡遊戯』のクライマックスに登場する、五重塔での戦いを彷彿とさせるものになっている。 (画像はKung-Fu Master for Amstrad CPC (1987) – MobyGamesより。Screenshot via Mobygames) 松山氏: あぁ! 矢作氏: 必ず終わりが見えてないと、読者はやっぱりイヤなんですよ。ドラマでも「あと何回って分かっていれば見るけど」というのがあるじゃないですか。 だから、終わりがどこなのかはあらかじめ見せておきたい。五重塔システムは、それが便利なんです。 鳥嶋氏: だよね。 松山氏: 天下一武道会もそうですよね。 矢作氏: そうです。ここまで行けば勝ち、とか。 鳥嶋氏: 上に行けば行くほど強いヤツが出てくるとあらかじめ言っておけば、次はどんなのが出てくるんだと、予想してくれるじゃないですか。その想像力がプラスになる。 矢作氏: 十二宮もそうですよ。『聖闘士星矢』の。 松山氏: 12はさすがに多いなと思いましたけどね(笑)。だから始まった瞬間まず、牡羊座のムウが聖衣を修理するところから始まって、実質2つ目からバトルでしたからね。 鳥嶋氏: 子どもは数を数えたり、集めたりするのが大好きなんですよ。 松山氏: それはそうですよね。 矢作氏: そういう方法論がいくつかあって。でも、これからの漫画はまた新しい方法論というか、今の子はこれが好きだからこう、と変わってくるから、それが楽しみですよね。 今の子どもたちはコミックの単行本は読むが、雑誌の『ジャンプ』を読んでいない 松山氏: 今、僕が不思議なのが、『鬼滅の刃』だと“十二鬼月”って12人の敵がいて、その中に上弦と下弦が6人ずついるという、数の楽しみがあるんですけど。 でも『僕のヒーローアカデミア』や『呪術廻戦』だと、今どこに向かっているのか、なかなか見えないところがあるじゃないですか。敵の数も決まっていないし。 (画像は呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス) | 芥見 下々 | Amazonより) 矢作氏: 僕だったら「それはちゃんと見せようね」って言いますね。とりあえずのゴールは見せておかないと。 鳥嶋氏: 今の話を聞くと、その2つの漫画は年齢層が上だと思う。矢作が今言ったような形で、下の年齢層を取り入れる努力をやるべきだね。今の『少年ジャンプ』の漫画は難し過ぎる。漫画は誰にでも分かるという、分かりやすさがなければダメ。 何回か苦言を呈しているんだけど、今は『少年ジャンプ』の“少年”が意味を成してないよね。少年っていうのは、小学生の低学年から中学生までよ。 このターゲットを今、『ジャンプ』が押さえられているのか。 松山氏: アンケートの平均が20代後半って聞いてますから。 矢作氏: 下の子も読んでるんですけど、上の人もついてきているので。ただ、今はもう……僕と松山さんって、同じぐらいの歳じゃないですか。今は子どもの数が、僕らの頃の6割ちょっとだって、知ってます? 松山氏: いや、半分以下ですよ。我々が生まれた時は、1年間で生まれた子どもの数が250万人ですよ。今はそれが80万人ですよ。100万人を切ってるんですよ。 矢作氏: 中学生はもうちょっと多いですよね。この前調べて、ビックリしたんです。そんなに減ってたら、たしかに子どもに売れないよな、って。 鳥嶋氏: いや矢作ね、『コロコロコミック』は今でも、毎月50~60万部刷ってるわけだよ。それで言うと、『ジャンプ』ももっと数字を出してもいいじゃないかと、僕は思うね。 任天堂もそうだし、バンダイが扱っている『アンパンマン』を見ていて思うんだけど、進化しないスゴさね。定番キャラクター。 常にここを間口として押さえるというキャラクタービジネスや作品の作り方って、忘れてはいけないと思うんだ。 矢作氏: 『ジャンプ』って昔から、小学4年生ぐらいから中学生が主だったと思うんですよ。今は中学生の7割ぐらいがスマホを持ってるじゃないですか。そういう意味で言うと、多少逃げちゃうんですよ。 そこが『コロコロ』とは少しだけ違うと思うんです。『コロコロ』はまだスマホを持っていない世代なので。その『コロコロ』を読んでる子たちが、次にどこに行くのかを考えないといけないですね。 鳥嶋氏: 『ジャンプ』には上がっていないよね。 矢作氏: でも、同じ小学館の『サンデー』にも上がってはいないでしょ。 松山氏: いきなりスマホになってるんですよ。みんなYouTubeになっちゃってる。 鳥嶋氏: それはYouTubeやスマホがあるからなのか。それとも、そこまでして読みたい漫画がないからなのか。そのへんはキチッと考えるべき問題だと思う。 矢作氏: YouTubeを見るより面白い漫画があれば、読むと思いますよ。 松山氏: うちのスタッフの子どもを見てると、『コロコロ』はやっぱりみんな読んでるんです。でも小学校高学年になって、「『ジャンプ』は読まないの?」って何度聞いても、読まないんですよ。 読まないんですけど、ある時、その子が『斉木楠雄のΨ難』の単行本を持っていたんです。 (画像は斉木楠雄のΨ難 1 (ジャンプコミックス) | 麻生 周一 | Amazonより) 「おっ! ついに『ジャンプ』読んでるじゃん!」と思ったら、『ジャンプ』の雑誌は読んでないんですよ。『斉木楠雄』の単行本だけを読んでるんです。 「なんで『ジャンプ』を読んでないのに『斉木楠雄』を知ったの?」と聞くと、「アニメ」だと。アニメきっかけで作品を知っているのに、『ジャンプ』を通ってはいないんです。 「『斉木楠雄』が載ってるんだから『ジャンプ』を読みたくならない?」と聞いても、単行本で十分らしくて。 矢作氏: うちの子どもも『ジャンプ』は読んでないですよ、雑誌はね。 松山氏: えー!? 鳥嶋氏: それは何年生? 矢作氏: 中1の男の子と、高2の女の子なんですけど。 鳥嶋氏: 中1が読んでないのはイヤだな。 矢作氏: ただ、『ヒロアカ』とかは大好きですね。『ハイキュー!!』とか。 (画像はハイキュー!! 1 (ジャンプコミックス) | 古舘 春一 | Amazonより) 松山氏: それは単行本で読んでるんだ。あとアニメとか。 ──単行本は読むけど、雑誌は読まないというのは、なんでだと思います? 矢作氏: 雑誌を買えないというのは、あると思いますね。 松山氏: 1週飛ばすと買えないじゃないですか、簡単に心が折れて。単行本はいつ本屋さんに行っても、1個前の巻が売ってるんですけど。 鳥嶋氏: それは違うと思う。1週飛ばしても、買わなくても平気だから、買わないんだよ。 松山氏: そもそも熱量が足りないということですか? 鳥嶋氏: というか、1話19ページを、ちゃんと次週も読みたくなるような引きで作っていないから。もっと言うと、雑誌にライブ感がない。 矢作氏: ライブ感がないというのはそうですね。読者がそういう読み方になっていないと思います。コミックスを読む楽しみ方になっている。要するに、週刊で楽しむやり方ができていないんじゃないかと思います。 鳥嶋氏: たとえばさっき『コロコロ』の話が出たけど、『コロコロ』はYouTubeとかそういうものについての情報も、ちゃんと雑誌の中に取り入れていると思うよ。 子どもたちの身近にあるそういう情報や、そうした見え方あり方を、『少年ジャンプ』が漫画の中に、要素として取り込めているのか。 それで言うと、『ジャンプ』についてある種の既成概念、「『ジャンプ』ってこんなもの」「『ジャンプ』ってこうだよね」で作られているんじゃないか。 さっきから話に出てきたように、これまでにない新しいもの、「これ何?」というものが『ジャンプ』だったはずなのに、今は「これ何?」がないんじゃないの。 矢作氏: そうですね。でも、それを僕らが作るのは無理なので。 今の子って、育ちも生活も人生観も友達も人付き合いも、僕らとは全部違うんですね。放課後に集まったりもしないし。 おじいちゃんやおばあちゃんと死に別れたりとか、そういう経験がなかったりもするし。 それで言えば、本当は鳥嶋さんの時代と僕の時代も違うはずなんですよ、厳密に言うと。貧しさに対する感覚も違うし。 でも今の子の貧しさは「オレはスマホを持っていないけど、アイツは持っている」とかなので、そこは隔絶してると思うんです。 逆に言うと、中学生の7割がスマホを持っていて、3割が持っていないというのなら、それはとんでもない差だと思うんです。僕らの頃は、そこまでの差はなかったので。 鳥嶋氏: 資本格差があるってこと? 矢作氏: ご飯が食べられないとか、そういうことではないんですけど。 僕らの頃はたとえば、児童館で手塚治虫先生の漫画を読んでいたり、学級文庫で『はだしのゲン』を読んだりしていたんですけど。 今の子はそういう経験がないし、場もないし。ぜんぜん違うんですよね。 (画像ははだしのゲン(1) (中公文庫コミック版) | 中沢啓治 | Kindleストア | Amazonより) 今の子どもたちが何で遊ぶかというと、スマホで一緒に『フォートナイト』をやってたりするんですよ(笑)。そういう子たちが読む漫画を作れるのは、それは僕らじゃなくて、今の子ですよ。 今の子たちが感じていることとか、人生の課題だとか、そういうことを考えて作らないと、今の漫画って新しくないわけで。僕らみたいなおじさんが集まって、「どんな漫画を作ろうか」と言ってること自体が、愚の骨頂だと思うんです(笑)。 (画像はフォートナイト 公式サイト | Epic Gamesより) 鳥嶋氏: でも矢作ね、ツッコミを入れるようで申し訳ないけど、今の子供の置かれているメディア状況は、それは我々とは違うでしょうと。だけど子どもひとりひとりが大人に比べて、親の管理下に置かれて自由ではなくて。 なかなか友達と遊べない孤独な状況だとか、その中で時間を合わせて『フォートナイト』をするだとか、子どもが不自由な状況に置かれているということに関しては、昔も今も一緒じゃない。ただその周りで、関わるものが違うだけで。 矢作氏: そうですね。 鳥嶋氏: 逆に言うと、そういう子どもたちを僕らは、漫画は、どうやって救えるかということをちゃんと見るべきで。 矢作氏: そうなんですよ。だから僕は、今入ってくる若い編集者に、それを期待しているところがあって。 君らのほうが分かっているでしょと。「課題は何だ?」って。みんなやっぱり、悩みや苦しみといった課題があるからこそ、漫画を読んでそれが解消されるわけで。 「貧しい」とか「お金がない」とか、僕らの時の課題と今の課題は違うと思うので。だからそれを解消できるのは、どういう漫画なのか見せてほしいと。 『ジャンプ』って唯一、それができる雑誌なんですよ。新入社員が必ず2人ぐらい入ってきて、その新入社員と同じぐらいの年齢や、それ以下の10代の新人作家が持ち込みにやってくる。 その子たちはちょっと前の『ジャンプ』作品、『鬼滅の刃』や『約束のネバーランド』を見て、「これは面白い!」と持ち込みにやってくる。 この編集者と漫画家の組み合わせで作られるものを見たいというのが、すごくあるんですよね。 (画像は約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス) | 出水 ぽすか, 白井 カイウ | Amazonより) “少年”が見ることのできない漫画アプリは、はたして『少年ジャンプ』なのか 鳥嶋氏: そういうさ、新しく入ってきた社員たちを見ていて、彼らに作れると思う? 矢作氏: それはまだ分からないです。僕だって「会社やめろ」って何回も言われましたからね(笑)。鳥嶋さんには言われてないですよ。鳥嶋さんは優しかったです。直接関係なかったから(笑)。 鳥嶋氏: 矢作に聞いてみたいのはね、漫画を読んで入ってきたヤツに、はたして漫画が作れるのか? っていうこと。集英社には『ジャンプ』っていうブランドがあるじゃない。 鵜之澤さんにも聞きたいんだけど。バンダイナムコもそうだけど、昔、それぞれの会社が大して知名度もなかった頃に入ってきた人たちと、知名度ができてから入ってきた人たちとでは、やっぱり違うよね、資質が。 だから今、会社のブランドを知って入ってくる人たちに、はたしてモノが作れるの? って思いますね。 鵜之澤氏: 僕は今、62歳になるんだけど、僕が入った当時のバンダイなんて、まだ上場もしてないし。 僕は大学時代、おもちゃ屋でバイトしてたんですよ。だからおもちゃは詳しいんだけど、おもちゃ会社のことは知らなくて。 その中でいい加減そうな、何でもやらせてくれる会社だと思って、バンダイに入ったの(笑)。3年いたら会社を辞めて、その後は自分で仕事を始めようと思って。それぐらい、いい加減でね。 ちょうどアニメやゲームが始まるぐらいの年なんですよ。1981年。 ファミコンもまだ出てない。アニメと呼ばれるようになったのは『ヤマト』『ガンダム』『うる星やつら』といった作品で、ちょうど僕がバンダイに入った頃に、アニメという文化ができるんだよね。 (画像はAmazon | 宇宙戦艦ヤマト DVD MEMORIAL BOX、機動戦士ガンダム 1 [DVD]、うる星やつら TVシリーズ 完全収録版 DVD-BOX1より) ビデオデッキが出たのもその頃。僕はその後で、ビデオカセット用のアニメを作る仕事【※】を、バンダイの中で新規事業としてやらせてもらうんだけどさ。 そのぐらい誰もやっていなくて、だからチャンスだったんですね。 ※ビデオカセット用のアニメを作る仕事……鵜之澤氏は1983年より、当時の株式会社バンダイで映像ソフト事業を手がける、フロンティア事業部に異動。同事業部は、世界初のオリジナルビデオアニメ(OVA)となる『ダロス』を企画・製作している。 (画像はAmazon | ダロス [DVD]より) なにしろ新入社員の時に、富野由悠季監督と会ってるからね。『ガンダム』が当たったから、次の番組をどうしましょうか? という打ち合わせに僕と、今、バンダイナムコエンターテインメントの社長をやってる宮河恭夫っていう、同期の新入社員が2人、参加していて。 急に『ガンダム』ブームが来たから、会社の先輩たちはアニメという言葉も知らないんだよね。そりゃ知らないでしょ、先輩たちはアニメなんて、子どもの見るものだと思ってるんだから。 でも僕らは新入社員で、感性がまだ若かったから。学生時代に『ガンダム』なんか見てなかったけど、いざ見たらやっぱり面白いと分かるんだよね。 それで今から考えると恐ろしいけど、新入社員が富野監督に向かって、「次の『ザブングル』ではこういうメカを出してほしいです」と打ち合わせしているっていうね(笑)。 若いから怖い���のも知らないし、逆に言うとスポンサーのバンダイからしても、そういうことを言うようなヤツがまだ誰もいなかった。 誰もいないところの開拓者だったんだよね、新規事業の。 (画像はAmazon | 戦闘メカ ザブングル DVD-BOX PART1 より) そういう意味じゃ、僕らの上には誰もいなかったから、全部自分でやるしかなかった。今の20代、30代のみなさんは、必ず会社の先輩がいるわけですよ。 自分がやる仕事のことをよく知っている、ゲームも漫画もアニメもなんでも知っている、先輩がいるようになっちゃったんだよね。 鳥嶋氏: 鵜之澤さんの話を聞いてるとね、僕も漫画を読んでなかったし、『ジャンプ』を知らなかった。だから漫画というものを「なんで面白いんだろう?」と自分で考えながらやったから、漫画が作れた。それまでの編集者とは違った作り方ができたんだけど。 さっき矢作が『ONE PIECE』を解体したって言ってたけど、もう1回ね、漫画を解体して考えてもいいんじゃないかなと。どこかで『ジャンプ』とか漫画ってこういうものだと、みんな思い込み過ぎてるんじゃないか。 矢作に意見を聞いてみたいんだけど、『少年ジャンプ+』ってネットで始めて、ついに年齢制限がついた【※】じゃん。もはや“少年”じゃないよね。 でも“少年”って名前がついてるよね。ああいう状況って、現場からどう見える? ※『少年ジャンプ+』の年齢制限 『少年ジャンプ+』のiOS版アプリは、17歳以上が対象となっている。ちなみにAndroid版アプリでは12歳以上が推奨されており、ブラウザ版の利用には特に年齢制限はない。 矢作氏: そうですね……。『ジャンプ+』に関してはいろいろと難しいところがあるとは思うんですけど。今、Webも含めてですけど、売れるものってどういうものかを考えると、「こういうものを扱わないといけない」というのも出てくるし、やっぱり制限がついちゃってもしょうがないと。そこで何をするのかってことだとは思うんですけど。 松山氏: そもそも『ジャンプ+』自体が、ぜんぜん少年向けにはなってないんですよ、最初から。エロもバイオレンスも含めてですけど。 矢作氏: ていうか、本当に幅広いんですよ。だから逆に言うと、これとこの作品が競っているとか、この作品のほうが人気あるだとかいった、競っているものがない。 これだけ読まれていればまあいいだろうってところでやっちゃうと、編集も作家も、原稿料が入って、自分が担当している本数があって、仕事している気になってくるじゃないですか。 だから年齢制限とかが問題なんじゃなくて、面白いものとか売れるものがちゃんと作れているのか、というのがいちばんの問題で。 年齢制限はついてもいいんですよ、別に。 さっき言いましたけど中学生の3割はスマホを持っていないから、漫画アプリを読めないんですよ。その3割が読めない漫画アプリに作っているわけですよ、漫画を。 そういうことも考えると、じゃあどこに出していくのかと。 鳥嶋氏: そういうことだよな。 だからね、今ちょっと意地悪な質問を投げかけて。結局、何をもって雑誌を作り続けるのか。 雑誌のテーマとか哲学がどこにあるのかにこだわる一方で、「漫画って何? 誰のためのものなのか?」ということを考え続けてやってかないと、仕事がブレてくるんだよね。 新人漫画家に対しては、才能を磨くための編集者が絶対に必要だ 鳥嶋氏: じつはこのまえコミティアに行って、同人誌を僕、30年ぶりに見たのね。持ち込みを見たんですよ。 新人はやっぱり常に、自分がどこでデビューできるのか、どこで描けばいいのか、っていうのをちゃんと見ている。だから、そこのところも一方で見ておかないと。 常に僕らは、読者がどこにいて、作家がどこにいるか、この2つをどうつなぐかということを考えなきゃいけない。 僕が30年ぶりに見に行った理由は、今持ち込みをする人たちはどんなマインドで、どんな人たちなのか、見てみたかったの。実質ね、30年前とあんまり変わらない。 すごく真面目。むしろちょっと真面目過ぎるぐらい。「いっちょ当てたろ!」っていう野心も、もう少し出してほしかったね。 松山氏: 白泉社自身は、持ち込みってやっぱりあるんですか? 鳥嶋氏: 白泉社は「マンガラボ!」って形で。コミティアも、白泉社はギリギリ第3位ぐらいだったね。 矢作氏: 「鳥嶋さんがいたから増えた」って言ってましたよ。 鳥嶋氏: 僕はあんまり聞いてないから(笑)。 矢作氏: でも、デジタルに集まるのは分かりやすい。デビューしやすいって皆、思っていると思います。 鳥嶋氏: これは平君(電ファミニコゲーマー編集長)からの宿題なんだけど、「編集者って必要?」という議論がずーっとあるじゃん、ここしばらくネットで。矢作はどう思う? 矢作氏: たとえば作品があって、それをより良くできないんだったら、編集者なんていらないだろうし。あと、作家と作品をプロデュースできないんだったら、いらないでしょうね。 だけど、こと新人に至ってはですよ、これは僕の持論なんですけど、編集者は必要ですよ。 僕も何人も見たことありますけど、ベテラン作家で本当にスゴイ人たちはたくさんいて。鳥嶋さんももちろんご存じだと思いますけど、もうこの人は1人でいいじゃん、毎回「面白いです、ありがとうございます」って言うだけの作家もいるんですよ。 鳥嶋氏: そんな作家、いないと思うよ。 矢作氏: いるんですよ、名前は言わないですけど(笑)。 でも新人作家にとっては、編集者は絶対に必要だと思うので。 「編集がいたら自分の描きたいもの描けないんじゃないか」とか、「自分1人で描いて連載ができたらいいから連載しやすいところに行こう」、というふうになると、やっぱりそれはかわいそうというか、残念だと思っていて。 ピッチャーとキャッチャーってよく言うじゃないですか。ピッチャーはもちろん作家で、キャッチャーが編集者なんですけど。 球を受けているほうは、ピッチャーが今どういう球を投げてきているかとか、今日は調子悪いとかが分かるんですよ。今週は調子悪いからこれぐらいにしとこうかとか。 さっき鳥嶋さんが言ってましたけど、漫画って毎回面白くなくても、キャラクターが良ければアンケートの票を取れるんで。1週、2週だったら我慢してもらえるし。 それなら「マックスを3週目に持っていこう」でいいんですよ。その判断をするのがキャッチャーで。ここは点数を取られても大丈夫。ここはヒットを打たせても大丈夫、とかね。そういうのをやるのが編集で、編集の力がないと、作家って伸びないんですよ。 編集者がいないと、誰もイヤなことを言ってくれない。「お前これ、クソだろう」って言ってくれる編集がいないと、周りがファンだけだと、ピッチャーが壁当てしてるのと一緒ですよね。 たとえ良くなくても、「今日もスゴい球を投げてました」ってなっちゃう。 スポーツ選手でも、トレーナーのいない人って絶対にいないと思いますよ。だって、客観的に見て「ここがダメだ」とか「今ここがイイよ」とか言ってくれる人がいないと、やりがいもないし、どこを修正したらいいかも分からないから。 そういう意味で、使えない編集はいらないと思います。それだったら自分1人で描いたほうがいい。 自信があるなら1人で描いてもいいし、それで当たる人も絶対いると思うんです。でも編集者は、その作家の才能を信じて愛しているからこそ、何を言ってくれるかっていうのがすごく大切で。 もう1つ、作家って絶対に作れないんですよね。才能って作れないんです。 そこにあるんですよ。だから編集の仕事は、その才能をどう磨くかなので。それができるかどうかだと思うんですよね。ダメな人もたまにいますけど(笑)。集英社の編集に限って言うと、これは宣伝ですけど、できると思います。 鳥嶋氏: いま矢作が言ってることに突っかかるとね、最初にどれだけ的確に「NO」を言えるかなんだよね。 さっきの話だけど、ベテランであればあるほど、自分で簡単に作れちゃうわけですよ。でもそれが本当に面白いかどうか疑問に思ったら、夜も眠れないはずで。それをいかに的確に、評価として言ってくれるかなの。 作家が表現をしたい、伝えたいということは「売りたい」だよ、たくさんの人に。だったら編集はそれを伝えるために、どこに読者がいて、どういうふうに表現すれば伝わるかを知っているべき人間なの。 それが編集の役割なの。さっき矢作が言ったように、才能そのものは作れない。だけど、才能を形作ったり、どこかに運ぶことはできるから。編集の役割はそこなんだよね。 矢作氏: 僕は話が長いから打ち合わせに4時間かかるんです(笑)。これだとたしかに、鳥嶋さんは30分で終わる。僕は作家の時間を無駄にしてますね(笑)。 一同: (笑) 他人の話を聞いて直しをできる人間性が、作家の才能 ──編集者がヘボくても、作家さんだけの力でヒットするということは、『ジャンプ』ではあるんですか? 矢作氏: それは絶対ありますよ。 鳥嶋氏: 逆に、低迷していた漫画が編集の力で盛り返した、というのはあったけどね。『キン肉マン』がつらかった時に、僕の後輩が担当になって。そいつが格闘技に詳しいヤツだったので、『キン肉マン』をプロレス路線にしたら、一気に火がついた。 だから、そういうこともある。どの編集がつくかによって、作家の運命は変わるね。 (画像はキン肉マン 3 (ジャンプコミックス) | ゆでたまご | Amazonより) 矢作氏: 相性もありますしね。すごい才能があっても、担当によっては潰されちゃうというか、それは違うんじゃないか、みたいなことになる場合もあるでしょうし。 ──作家さんの才能というのは、具体的にどんなところで感じ取るんですか? 矢作氏: いちばん分かりやすいのは、人の話が聞けるかどうかですね。 鳥嶋氏: その通り。つまり、直しができるかどうか。 矢作氏: 逆に、それしかないかもしれない。だって、いくら言っても直してくれないのなら、面白くなりようがないですからね。 ──それは解釈力ということ? 矢作氏: 解釈というよりは、本当に聞く耳を持っているかどうかですね。 鳥嶋氏: 人間性かな? 矢作氏: 人間性ですね。聞こうという意志があれば、10時間かけて話しても聞いてくれますから。 ──言うことを聞かないんだけど、アウトプットはスゴイなぁ、みたいなパターンはないんですか? 鳥嶋氏: ない。 矢作氏: スマッシュヒットはあると思うんですよ。作家のいいところだけを、他はいいからそこだけを描くことにすれば。『ジャンプ』だったら10万部ぐらいはいけるかもしれないけれど、でも100万部は決していかないですね。 鳥嶋氏: そうだね。100万���いくか、いかないかは大きな違いだね。100万部を超える作家と、そうでない作家はぜんぜん違う。 矢作氏: 聞く耳は本当に大きいですね。 ──10万部の作家と100万部の作家の違いが分かる肌感覚って、たぶん『ジャンプ』編集部ぐらいしかない気がしていて。この手の話って、正直、僕も含めて“その肌感のない普通の人”が何を聞いても、本当の意味ではピンと来づらいんですよね。 矢作氏: 画力が大きいと思いますよ、説得力のある絵が描けるとか。できる人は大勢いるんですけど。その中でも特にできる人。 あとは打ち合わせがちゃんとできる人。そういう人は「いけるんじゃないか」って雰囲気が出るんです。 ──漫画の絵って、イラストレーターとはぜんぜん違うじゃないですか。ちょっと前に三浦建太郎さんを取材させていただいたんですけど、その時にすごく興味深いと思ったのが��“絵の身体性”みたいなお話で。 ガッツが剣を振った時に、どういう角度で当たると、どういうふうに吹っ飛ぶか。そういう言葉では説明できない、絵を見た時の気持ち良さみたいなものを追求しているってお話だったんですけど。 その気持ち良さをどこで学んだかというと、『北斗の拳』で拳が読者に向かって飛んでくる表現だというんですね。 あれは横から見るパンチと違って、身体性があると。もっと具体的にいうと読者に対して向かってくるみたいな描き方だって話をされていて。 それを見た時に「あっ」ていう感じがあったんだと。そういった身体の感覚みたいなところまで踏み込んだ「動きの表現」をしているのが、漫画とそれ以外のイラストの決定的な違いだと思うんです。 鳥嶋氏: もっと言うと、表情を描けるかどうかだね。イラストレーターに表情は描けない。漫画家は顔を描くだけじゃなくて、たとえば手の指を描いても、そこに表情をつけられるんだね。 少年漫画は主人公の成長“しか”描いてはいけない ──漫画の説得力って、お話とかプロットとかの構成だけではなくて、コマの描写1つだとか、いま言われたような絵の描写における情報量が、ぜんぜん違うと思うんです。 鳥嶋氏: あとはキャラクターだね。そういえば、『NARUTO-ナルト-』の主人公はなんでナルトって名前で、ハチマキをつけさせたの? 矢作氏: ハチマキは、忍者ってもともと鉢金をつけてるじゃないですか。 ナルトは普通に、最初から出てきましたね。主人公の名前が「うずまきナルト」っていうのは、いかにも『ジャンプ』っぽいし、少年漫画っぽいじゃないですか。そんなふうに何も考えずにつけてます。「NO」は1つも出なかったですね。 鳥嶋氏: このネーミングのセンスと、鉢金のところの渦巻き模様ね。パッとキャラ表を見た時に、「こいつ上手いな」って。センスあるわって思うよね。 矢作氏: 天然なんですよ。岸本先生はいろんな作家の影響を受けているんですけど、描いていて気持ちいい絵じゃないですか。 鳥嶋氏: キャラクターっていう話をもっと深めていくと、さっき矢作が言ったように、主人公を描けない作家はダメなの。100万部を超えられないよね。主人公が出てきた時に、こいつが主人公だ、と見えないといけない。 矢作氏: ナルトは明らかに主人公ですからね。 鳥嶋氏: あれが少年漫画の主人公だね。それをスッと描けるのがセンスなんだよ。サスケじゃ主人公じゃないんだよね。 矢作氏: 僕もじつは、ナルトはそんなに好きじゃないというか、共感できるキャラクターが最初はいなかったんですよ。どっちかというとサスケのほうが共感できる。 でも、だからこそナルトみたいな主人公をスッと描けるのは、才能だなと。この才能の原石をどう磨くのかはけっこう簡単で。 自分みたいな普通の人がどういうものを求めているのか、という話をしていくだけなので。 鳥嶋氏: もっと言うと、サスケは隙間が少ないんですよ。キャラとしての手足の本数が少ない。だから逆に、出てきた時にはキャラが立ってて分かりやすいわけ。 それに対して、主人公には隙間が必要。キャラとしての手足をたくさん持っていれば、いろんな人間と手を握り合ったり、どうのこうのができるわけ。 そういう隙間を持っているキャラクターを設計できるかどうか。それがセンスなの。 矢作氏: 岸本先生自身は、サスケがいちばん描きづらいって言いますけどね。あんな分かりやすいキャラを。ずっと「理解できない」って言ってましたから。 松山氏: 結局、サスケの気持ちは最後まで分かんなかったからですね。 鳥嶋氏: あれは1回殺すべきだったね、早めに(笑)。 矢作氏: それは分かってるんですよ。僕が担当を離れる時に「サスケをなんとかしてね」と言って別れたので。だから申し訳ないなと。最後は逃げましたから。もっと早く片付けるべきでしたね。 鳥嶋氏: キャラクターに関して言うと、敵キャラって人気が出やすいんだよ。だけど主人公はちゃんと毎回出して、真ん中に置かなきゃいけない。そうじゃないと少年漫画じゃなくなるから。そこが厄介なの。 松山氏: 主人公の成長はちゃんと描くべきだと、私も思うんですけれども。敵の成長をダラダラと描くのは、絶対に要らなくて。 鳥嶋氏: 僕もね、敵の成長は要らない。 矢作氏: 主人公しか描いちゃダメなんですよ。他のキャラクターが可愛くなって描いちゃうのは、作家のエゴだと思います。だって読者は、主人公を見たくて読んでいるはずなんです。 鳥嶋氏: 全面的に賛成だな。 矢作氏: 作家はついつい、「この敵キャラをもっと描きたい」って可愛がりそうになるんですよ。それで1回、エピソードを作ろうとするんで、「それは主人公と関係あるの?」って聞くんです。 そのエピソードは主人公が伸びていくのに関係があるのかどうかを聞いて、「関係ない」って言ったらやらせない。「じゃあ、むりやりにでも関係づけて」って(笑)。このキャラが成長することで主人公も成長するんだったらイイよと。 『ドラゴンボール』のスゴイところはそこなんですよね。主人公だけを描いている。 最後まで悟空で終わっているという。誰もセルの気持ちになんか、なっていないわけですからね(笑)。 松山氏: なろうとも思わないし(笑)。 「ゲームの画面写真に映っているナルトの足の指が、カッコ良くないから描き直せ!」 ──昔と今では、編集者の役割が変わっているのかどうかをお聞きしたいんです。『ジャンプ』ひとつとっても、昔は600万部を超えていたのが、今は200万部を切ったぐらいですか。 昔だったら『ジャンプ』で人気になれば自動的に売れるっていう道が見えていたけれども、今は必ずしもそうではない世界が来つつある。これからもっとそうなっていった時に、編集者がカバーすべき領域や、果たす役割はどうなると思います? 矢作氏: 僕は『ジャンプ』にずっといたので、だから正直分かんないです。『ジャンプ』とそれ以外というのが、すごくあるんですよ。 『ジャンプ』以外の雑誌って、作家と作品をどうプロデュースするかっていう能力を持っている編集者も必要なので。ヘタすると才能があるのに売れない作家もいて、それをどうプロデュースをするかという能力のほうが必要なのかもしれないと思いますね。 特に今こういうご時世だと。 松山氏: 実際、面白い漫画を作って売るのって、じつは漫画ビジネスとしては入口で。ある時から、おそらく鳥嶋さんぐらいからだと思うんですけど、漫画を作るということと、ビッグIPを作るという意味合いがイコールになっていて。 どのタイミングでアニメ化して、映画化して、ゲーム化してというふうに、漫画以外の商品を作っていくか。あとはそれをどれだけ持続できるかっていうところまでが、編集者の担当なので。 最初は漫画家さんと向き合う編集担当だと思うんですけど、途中から完全に、やってることはほぼプロデュースという状態に、こちら側からすると見えていますけどね。 鳥嶋氏: あのね、見え方はそうかもしれないけど、順番を間違えちゃいけない。やっぱり作家と一対一で対面して、その作品を磨かないことには、その後は全部ない。 松山氏: なるほど、たしかにそうですね。 矢作氏: 僕はプロデュースするのが苦手だったので、そういう意味で、仕事をしたっていう記憶はひとつもないんです(笑)。邪魔しかしてないんじゃないかって(笑)。 松山氏: いやいやいや(笑)。 鳥嶋氏: 今の矢作の発言を聞くと、松山さんの本に出てくるエピソードがね、いかにも矢作らしい、『ジャンプ』の編集らしいエピソードだと思うよ。「足がちゃんと作れてないじゃん」と本に書いてあるわけ。 矢作氏: 足の指ですよ(笑)。 鳥嶋氏: 「ナルトの足の指がちゃんと描かれてない」ってさ。それはゲームの中ではどうでもいいことだよね。 松山氏: なにしろPS2のゲームですからね(笑)。 (画像はAmazon | NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー | プレイステーション2より) 鳥嶋氏: だけど、そこに目がいって、こだわってしまうところが漫画編集だから。 矢作氏: それは違うんですよ。ゲームの中で動いてるのは別にいいんですけど、画面を撮影して誌面に載っける時に、「カッコ良くしてくれ」って言ったんです。 動いてるのを止めて、ちょっと変なのは当たり前じゃないですか。いいアニメでも、動いてるのを途中で止めたら、とんでもない絵になってるじゃないですか。でも誌面に載せる時は、めっちゃカッコ良くしてくれないと困る。だから描き直してくれって(笑)。 松山氏: 我々からすると、画面のスクリーンショットを撮った後に、そこに手を入れるというのは、お客様にバレたらどうすんだっていう(笑)。 鳥嶋氏: 結局、足を全部描き直したの? 松山氏: 描き直しましたね。『ジャンプ』に載るってこういうことなんだと、現場のスタッフに説明して。「描き直していいんですか?」「じゃないと載らないから」って(笑)。 矢作氏: ウソをついているわけじゃないんですよ。動いているのを見たらカッコ良いと思うんですから。でも止めるとカッコ悪いから、それをカッコ良く描き直してほしいと(笑)。 だってカッコ良い絵じゃないと、そのゲームを欲しくならないじゃないですか。ゲームの中ではカッコ良いんだから。それがダメなんですか? 松山氏: 結果的に正解でしたけど(笑)。 鳥嶋氏: これね、すっごくよく分かる。僕も『ドラゴンボール』の監修を上がってきた時、見た瞬間に……。 鵜之澤氏: 「捨ててくれ」って(笑)【※】。似てないからってだけだからね。「似てないから全部捨てろ」と。 ※『ドラゴンボール』のゲームを「捨ててくれ」 この「事件」については、2019年10月26日に「Unite Tokyo 2019」で行われた講演「出版社とゲーム会社はなぜすれ違う? ドラゴンボールのゲーム化で酷い目にあった…もとい勉強させて頂いた話」で、鳥嶋氏や鵜之澤氏のコメントも交えて、詳しく紹介されている。 鳥嶋氏: 3億円近くかかったヤツを「全部捨てて」って(笑)。それも矢作が言ってるのと同じだよ。 鵜之澤氏: 絵しか見てないんですよ。「似てる」「似てない」しかない。でも、それが基本だよね。たしかにそう。ましてや『ジャンプ』本誌や『Vジャンプ』に載る絵が似てないって、編集部としては絶対に認められないじゃないですか。 矢作氏: だから僕は毎回、赤ボールペンで「こうやって直してくれ」って、レタッチの指示を出して。 松山氏: 指の爪まで描いてましたからね(笑)。 矢作氏: そしたら松山さんが不思議な顔してるから、なんだろうと思って(笑)。 鳥嶋氏: 衝撃だった? 松山氏: 衝撃でしたね(笑)。 鳥嶋氏: それはね、担当編集は絵コンテから、原稿チェックから、入稿から、本になったものも含めて、そのビジュアルをどのぐらいの時間、見てるかなんですよ。だから見た瞬間「違う」っていうのが分かる。 これは、さっき矢作が言った一言に尽きるんだよね。「読者にカッコ良く見せたい」。それだけの時間を作家が費やしているんだから、そのベストを見せたい。 矢作氏: あと、ゲーム自体もカッコ良いんですよ、動いているのを見ると。でも、止めてこんなにカッコ悪いのはマズいだろうと(笑)。損じゃんっていう。 鳥嶋氏: 止めるかな? 松山氏: 止めないと写真が撮れないですから(笑)。 矢作氏: その止めた画面をそのまま載せるっていうから、「それは損でしょう」と。 松山氏: だから、PVとかで動画で見せるぶんには、何もおっしゃらないんですよ。ただ、『ジャンプ』に載せるのは写真だから、これは全部描き直してって(笑)。それで足の指を全部描き直しました。ちなみに手の指も描き直しましたね。 矢作氏: こんなナルトを雑誌に出せないって思いましたから。あまり知らないからですけどね、ゲームを。 松山氏: 当時のPS2のゲームって、五本指を表現できなかっ��んですよ。指とかも3本くらいしか関節がないから。 ナルトの指っていっても、影分身の印もまともに結べない状態なので。少なくともこれなら印を結んでるように見えるだろうということでポリゴ��を当てたんです。でも「これは印が違う」って(笑)。そりゃ違いますけど(笑)。 矢作氏: 動いてれば、そう見えてるのに(笑)。 松山氏: 「どこに関節があるか分からない」とか言って(笑)。 矢作氏: そうですね、すいませんでした(笑)。 松山氏: いえいえ、とんでもないです(笑)。 鳥嶋氏: いい話だわ、いい話だ(笑)。でも、それが結果的にね、読者に伝わるんですよ。なぜかというと、ゲームを待っている読者はジーッと、その画面を見ているんだよね。 矢作氏: それしか情報がないですからね。 松山氏: 『ジャンプ』は動かないんで。 矢作氏: 買うか買わないかって迷ってる子に、カッコ良いと思ってもらいたいなと。当時は他のゲームも『ジャンプ』に載ってて、そっちはカッコ良かったんですよ、わりと。顔だけカッコ良いとか。 松山氏: 他のゲームはみんな拳を握ってるんですよ。関節がいらないんです。グーの状態でパンチを前に出しているだけなんで、ぜんぜん問題ないんです。『NARUTO-ナルト-』はとにかく指の演技がすごく多かったんですよ。印を結ぶから。 鳥嶋氏: たしかに『ドラゴンボール』は印を結ばないからなぁ(笑)。 漫画の未来は、明るいと思いますよ 鳥嶋氏: 「残り時間、あとわずかです」だって。 松山氏: どうまとめますか?(笑) ──僕はさっきの漫画アプリの話を、すごく興味深いと思いました。アプリの話をすると、ダウンロード数がどうのこうのとか、マーケット寄りの話になることがすごく多いんですけど、矢作さんからは、作り手の視点でのアプリの話がすごく出てきて。 漫画アプリには入れ替える判断がないから本当にいい作品が磨かれる土壌がないというのは、ものすごく本質的というか、あまり語られていない部分のお話ですよね。 矢作氏: 漫画アプリからは、すごく才能のある人が出てきていると思いますよ。ただ、その密度は薄いんじゃないですか。そんなには出てこない。 ──ネットメディアから本当のヒット作がなかなか出ないのはなぜだろうと、僕はずっと疑問に思っていて。ネットメディアって、見る人の数だけで言えば膨大なんですよ。 それなのに本当のヒット作が出てこないのは、何か原因があると思っていて。それはマーケットとかそういう話じゃなくて、おそらく作る側の仕組みだとか作り手の空気みたいなものが、1つの原因じゃないかと思うんです。 松山氏: 作家さんが今、ネットで自分で発信するだけで、読者の反応があるじゃないですか。「編集者なんかいなくたって、自分は読者から“いいね”をいっぱいもらってる」という、そういった勘違いが起きているだけだと思うんです。 鳥嶋氏: そういう良い評判を持っている人が、中途半端なところで妥協してしまうと、もっとたくさんのものを持っているはずなのに、埋蔵量が見えていないんだよね。それを僕はもったいないと思うわけ。 さっき矢作が言ったけど、やっぱりキャッチャーがいることで、単に球速が何キロってだけじゃなくて、受けた時の球のキレとかね、そういうものも含めた資質を見ることができる。 鵜之澤氏: ネットにこれだけいろんなものがあって、たとえばYouTubeにしても、その場さえ面白ければいいわけじゃないですか。 それに対してお金を払う価値のあるものは、漫画の単行本もそうだし、ゲームもそうだけど、いわゆる作家性、作品性みたいなものを持っている。それに感動して、作っている人のためにお金を払おうって、みんな頭では分かってるんだよね、子どもでも。これを買ってあげると連載が続くとか、アニメが続くとかってことを。 1円でもいいからお金を払うかどうか。やっぱりそこがアマチュアとプロの差じゃないかと思う。 でもアマチュアが今、お金を稼げるようになっちゃった。e-Sportsにしても、YouTuberにしても。ゲームを作った人よりも、そのゲームを遊んで実況する人のほうがお金を稼いでる。それはちょっと悔しいよね、モノを作ってきた人間としては。 松山氏: でもそれはホントに、一握りの例外の話じゃないですか? 鵜之澤氏: 『ジャンプ』ってね、ソシャゲとかと同じようにアンケートを基準にしているけれど、決してそれだけじゃない。 ネットの場合はそれだけだから。フォロワー数、ビューワー数で今日はいくら入りました、というところで。そこからは本物は出てこないですよね。絶対に残らない。 矢作氏: 僕もそう思うんですよね。そう思うんですけど、その一方で今は、e-Sportsの選手に憧れる子どもたちもいるし。ウチの娘はインスタばっかり見ているし、息子も動画ばっかり見てます。『FORTNITE』の動画も見てますよ。 僕はけっこうスマホで漫画を読むんです。縦読みの漫画も読みますし。だけど娘は「面倒くさい」って言うんです。 そういう子たちがどういうものを作っていくのか。そういう子たちが次は何を楽しいと思うのかは、その子たちにしか分からないですから。 そういう意味で言うと、次の子たちが出てきた時にどう育ててあげられるかは、ここにいるみなさんの使命というか。松山さんも、いつまでもディレクターではダメなので(笑)。 若い子に「何がいいの?」って、聞いてあげたほうがいいし。 松山氏: もちろん、もちろん! 若い人間にはドンドンやらせてますよ。 矢作氏: 僕は編集作業を38歳で外れちゃって。『ジャンプ』って早いんですよ。だからよけいに、そう思うんです。 鳥嶋氏: オレも38で離れたな。 鵜之澤氏: やっぱり40過ぎちゃダメだよね。 矢作氏: だから鳥嶋さんが今、コミティアで新人の作品を見ているって聞いて、スゴいなと思ったんですけど。 僕も若い作家の連載ネームを見て、自分の意見を言うんだけれども、「今の若い子がこう言うのなら、そっちが正しいのかな?」って気持ちもあるし。これは別に老いとか老化でもなく。 だから逆に言うと、若い子が作ってきたものを感じ取れるというのは、僕らの力だと思うんですよ。だって僕の親が今の若い子の漫画を見て、それを面白いとは絶対に言わないですから(笑)。 だから僕はそれを「今はこうなんだ」って感じられるようになりたいですね。 でも漫画の未来は、明るいと思いますよ。 鳥嶋氏: なぜ? 矢作氏: だって今現在も、漫画がいちばんIPを生んでいますから。他で出てくることって、ほとんどないので。しかも紙がまだ優勢です。それは僕が紙の雑誌をやっているからなんですけど(笑)。 でもさっき言った理由で、紙の雑誌はページ数が決まっている以上、始めるぶんだけ終わらないといけないので、そのぶん平等で、自浄作用がありますから。 ──今日はこんなところで。いろいろ興味深い話が聞けたと思います。けっこう本音の話も出たのかなと。お疲れさまでした! (了) ここで語られているように、『ドラゴンボール』や『NARUTO-ナルト-』『ONE PIECE』といった『ジャンプ』の人気タイトルは、連載当初から大ヒットが約束されていたわけでは、決してない。 読者アンケートによる他の連載漫画との人気争いに勝ち残るため、時には他の漫画を徹底的に分析して、より多くの読者に“届く”作品となるように磨きをかけていく。そうした不断の努力によって、世界的な大ヒット作へと成長していったことが、鳥嶋氏や矢作氏のコメントからよく分かる。 なかでも驚きなのが、『週刊少年ジャンプ』における新人発掘のシステムだ。読者に感性がより近い、新人漫画家と新人編集者のタッグを意識的に作り上げて、そうした若い才能が活躍する場を、属人性を廃したシステムとして提供しているという。 このシステムこそがまさに、革新的なヒット作がどの時代でも次々と生まれてくる、『ジャンプ』の“強さ”の秘密なのだ。 だが現在、『ジャンプ』だけでなく漫画業界は大きな岐路に立っている。対談の中で矢作氏が投げかけていたように、WEBでの漫画アプリをはじめとする新しいメディアにおいて、『ジャンプ』のような新人発掘のシステムを作り上げることができるかどうかは、今後の漫画を左右する重要な鍵となるのではないだろうか。 もちろんこれは、漫画業界に限った話ではない。ゲームから小説、音楽、映像といったあらゆるエンターテインメント、ひいてはあらゆる産業において、若い才能をどのようにして発掘し、その若い才能が活躍する場を“システムとして”どう整えるのか。 未来へのビジョンを考える上で、これは非常に重要な課題だと言えるだろう。 週刊少年ジャンプ 公式サイトはこちら 【この記事を面白い!と思った方へ】 電ファミニコゲーマーでは独立に伴い、読者様からのご支援を募集しております。もしこの記事を気に入っていただき、「お金を払ってもいい」と思われましたら、ご支援いただけますと幸いです。ファンクラブ(世界征服大作戦)には興味がないけど、電ファミを応援したい(記事をもっと作ってほしい)と思っている方もぜひ。 頂いた支援金は電ファミの運営のために使用させていただきます。 支援金を送る(PayPal.Me) ※クレジットカード / 銀行口座に対応 メッセージと支援金を送る(Ofuse) ※クレジットカードにのみ対応 【あわせて読みたい】 一体、伝説の漫画編集者とゲーム業界との関わりはどんなものだったのか? ほとんどメディアに姿を現さない氏に、長年の友人というカドカワ会長・佐藤辰男氏の紹介で我々が出会ったのは、とある都内の老舗ホテルの一室。 白髪頭におしゃれなブランド服の出で立ちで現れた鳥嶋氏は……確かにマシリトの面影がある。そして話し始めてみると、60歳を超えた人間とは思えないほどの俊敏な頭の回転で、カミソリのような切れ味鋭い言葉が次々に飛び出してきた。 ──かくして我々はその日、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『クロノ・トリガー』など数々の名作ゲームたちが生まれるに至った、ゲーム業界黎明期における知られざるエピソードと人間関係の逸話の数々を、その中心人物の口から聞いていくことになったのであった。 インタビュアー TAITAI 電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「 4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「 ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本��イトの方でも、主に「 ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。 Twitter: @TAITAI999 ライター 伊藤誠之介 過去には『電撃王』『電撃姫』で、クリエイターインタビューや業界分析記事などを担当。現在は『電撃オンライン』『サンデーGX』などでゲーム記事を執筆中。また、アニメに関する著作も。 Twitter:@ito_seinosuke 編集 クリモトコウダイ 新聞配達中にトラックに跳ね飛ばされたことがきっかけで編集者になる。過去に「ロックマンエグゼ 15周年特別スタッフ座談会」「マフィア梶田がフリーライターになるまでの軌跡」などを担当し、2017年4月より電ファミニコゲーマー編集部のメンバーに。ゲームと同じぐらいアニメや漫画も好き。 Twitter:@ed_koudai
『ドラゴンボール』と『ナルト』の元担当編集が語る「ジャンプ」の裏側 ― 絶対に敵わない『ワンピース』に勝つために『ナルト』が取った戦略とは【鳥嶋和彦×矢作康介×鵜之澤伸×松山洋】
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