#中華そば吟
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2024/6/24
この世ではない何処かから生を受けてきたとすると、やはりこの世ではないどこかへ戻っていくのだろうと思う。生から歩き���し、どこかの段階で折り返し、また元の場所に戻っていく。
母と連れ合い3人で宮古島へ。
母の残りの時間を良きものにするにはと考えた結果、母と連れ合いと3人で旅行することにした。
沖縄の梅雨明けを狙って予定を組んだ。
ある種賭け的な日程になるが、その分7月8月よりは少し旅費が安い。東京は朝から土砂降りの雨なれど宮古島は快晴で賭けに勝ったと言える。
予想外だったのが太陽光が恐ろしく強かったこと。海に出ようにも母の体力ではすぐにぶっ倒れてしまう。とはいえ、あまり室内の観光はない。
宮古島に着くとすぐに宮古そばを食べて、道の駅へ。老人はとにかく買い物が好き。というかお土産物を人に買うのが好き。吟味するのも好き。旅行中に4度も道の駅やお土産物屋、スーパーに行くことになる。夜は繁華街でお酒を飲もうと店を予約していたが、母の体力��れで結局は連れ合いと2人で飲むことに。
久々にクラフトビールを飲んだ。
お腹が膨れたあとにビールを飲むのは不思議なんだけど2軒目にクラフトビールを選ぶことも多い。
最近のクラフトビールは度数が高いので、ちびちび飲めばよいのかな。
おそらくは部屋で寝てるであろう母。
薬飲むのにちょこちょこ軽食を食べる必要があるのよと言っていたが夕飯はおそらく食べていない。コンビニで沖縄っぽいおにぎりと甘いものを買い、部屋のドアノブに飲み物と共にかけておいたが結局は朝まで目を覚まさなかったそうな。
こんなんで明日明後日観光して大丈夫かいな?
と心配になりながら就寝。
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【かいわいの時】宝暦十四年(1764)四月六日:対馬藩通詞鈴木伝蔵、大坂に滞在中の朝鮮通信使節随員を殺害し出奔(大阪市史編纂所「今日は何の日」)
(事件のあらまし) 朝鮮の上々官名ハとううんとうと申を、対州の家中通詞役鈴木伝蔵といふ者、右上々官を鑓の穂先壱尺斗残し是を以て咽を突通し自害の体をしつらいさし殺しけり。右上々官ハ日本にて大目附役の人なるよし其趣を聞に、西国にて人参を荷打せしと偽りて金銀を私欲したる事ありて此役人に伝蔵より返済せねばならぬ金子有しを毎々催促しける、大坂にて相渡べき約束なりしをいまだ相渡さず、よって厳しく催促致しける故、何とやら私欲の義も露顕に及ぶべきやうになりしゆへ止事を得ず、右のごとく害しける由也(『明和雑記』)。
(犯行現場および時刻) 西本願寺津村別院棕櫚の間(朝鮮人来朝大坂旅館西本願寺座割兼小屋掛絵図)。初七日戊子陰寒(『趙済谷海槎日記』)。コメント欄に写真 ▼朝鮮人来朝大坂旅館西本願寺座割兼小屋掛絵図 조선인래조대판려관서본원사좌할겸소옥괘회도 京都国際学園「関西に残された朝鮮通信使の足跡」より。
(殺害方法および凶器) 寝所へ忍入、鑓の穂先壱尺斗残し是を以て咽を突通し、自害の体をしつらいさし殺しけり(『明和雑記』)。関の兼永の槍(『通航一覧』)長さ4寸ほど(『差上記』)。
(事件の目撃者) このとき賊は、三房格軍(水夫)の姜右文の足を誤って踏み、驚いて目を覚ました姜によって目撃されている(『日東荘遊歌』訳注)。
(指名手配) 一 行年廿六歳 一 背ノ高サ五尺三寸中肉にて顏の色白ク眼は少シ大キク張強シ人体骨柄賤からず 一 其節之着類黒羽二重之袷下には群内大嶋の襦袢 右体之者見付次第訴出候ハゝ御褒美被下候間可遂吟味者也 四月九日(「鈴木伝蔵人相書」)。
(犯行の動機) 崔天悰は高麗人参の密貿易に絡んで鈴木伝蔵を叱責した。事の露見を恐れた伝蔵が崔を殺害した(『明和雑記』『摂陽奇観』)。伝蔵の自白によると、人参の取引がもとで殺したというが、真相は到底わからず(『日東荘遊歌』)。
(事件の背景) 朝鮮と対馬の通詞が手を組んで密貿易(積荷の横領)を繰り返していた(『扶桑録』『東槎日記』「海遊録』)。舞台は主に大坂であり、一行はできるだけ長く大坂にとどまろうとした(『扶桑録』)。「裨将の言うままに放っておいたら《略》崔天悰事件のようなこと必ずやまた起こるでありましょう」(金仁謙)。※鈴木伝蔵は通信使が絡んだ密貿易の一味。崔天悰もそうであったかは不明。
(事件の余波) この一件を初めに歌舞伎化したのは並木正三で、67年(明和4)2月大坂嵐雛助座(角の芝居)で《世話料理鱸庖丁(すずきぼうちよう)》を上演。史実に近かったため2日間で中止を命ぜられ、ただちに奥州藤原の世界に改めた《今織蝦夷錦》を上演した。『世界大百科事典(旧版)』【韓人漢文手管始】より。
(写真)「世話料理鰭庖丁 絵番付」1467(『摂陽奇観』所収)
(浜松歌国は)鈴木傳藏の朝鮮信使殺害事件を詳記し、次に其の事件があってから四年目、この事件が角の芝居嵐雛助座に於て、並木正三により新狂言に取組まれたことを書き加へたのみでなく、當時板行の繪番附を其のまゝに貼りつけてゐます。この鈴木傳藏事件が上演されたは、歌國が生れる十年前のことで、その當時の繪番附を手に入れることは容易ではなかつたらうと思はれます(校訂者識)���『浪華叢書 第四』より=写真も。
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24年11月4週目
父の四十九日が終わり、樹木葬と海洋散骨の準備が進む。骨の一部を粉にしてもらって、船の手配も済んだ。あとは当日ちゃんと船が来るかどうかだけが心配だ。
土曜の朝、最近はいつも会社に行く時間にあたりになぜか起きがちなんだけど(平日はぜんぜん起きられないのに!)金曜に整体に行ったおかげか8時間眠れた。ジム行く前はなんとなく、月1整体かマッサージに行く気持ちでいたけど、ジム通うようになってから気になったときしか整体に行っていない。って話をしたら、体の歪みが強いから月1くらいでメンテナンスした方が良いよって言われちゃった。営業トークだろうけど、逆にジムに通うようになってから自分の体が歪んでいる自覚は強くなったので、そうだよなぁとも思う。ただ、勤務地変わりそうだから、その店舗には通えないんだよな。他の支店、帰り道にあるかな。
土曜日すっきり起きて観たい映画の1回目に間に合いそうだったので、急いで支度して新宿に向かった。まだ電車も街中も空いていて、土曜の初回映画を観に行けるタイプの人と付き合いたい。「silent」「いちばんすきな花」「海のはじまり」の脚本家の生方さんの脚本の巧さと普段動かない感情がギュッとなる感じがすごく好きでこの映画のことを知ってから観たいと思っていた『アット・ザ・ベンチ』。観るまでふんわりとしか知らなかったんだけど、4人の脚本家が1つのベンチを主軸に5本の作品のオムニバス形式の作品。同じ主演の2人でのオムニバスかと思ってたら、それぞれ主役級の俳優さんたちが出てくる豪華な作品だった。2作品目の岡山天音と岸井ゆきのカップルの別れ話の手前みたいな作品がほどよいラブコメだった。
家でずっと昔に録画していた『ハイスクールミュージカル ザ・ムービー』を観た。最後の映画なんだね。高校三年生に仲良いクラスに転校してきたみたいな気分で全体的にちょっとついていけなかった。本当はハイスクールミュージカル世代なんだけど、当時は全然観てない。映画を一本観たくらい?アメリカのディズニーでハイスクールミュージカルナイトみたいなイベントがあるのを知って観たいと思っていたのだ。でもやっぱりこういうシリーズものはちゃんと順を追わないと面白さ半減なんだよね。ザック・エフロンってこのあたりの作品の後観たのが、『グレイテスト・ショーマン』で、突然おじさん?いい年したお兄さんになっていてビックリしたけど、年が近いせいかあれはあれで良かったんだよな。ミュージカル部分だけ観たくなってきた。
大事に大事に読んでいた『マチネの終わりに』を読み終えた。上手く言葉にできないけど、ギュッと抱きしめて生きていきたい小説。必ず買おう。知的な大人が好きなせいか、ふたりが会話のベースが高い位置にあって、お互いにぴったりとはまるように感じている様子が心地良かった。大人の恋愛小説と発売当時単行本に書いてあったような気がするけど、当時ではなく年齢が大分近づいてきた今読んで良かったと思う。たった3度会っただけで、いちばん深く愛した人。そんな人間が私にも存在するだろうか。存在してほしいようなしてほしくないような出会いたいような出会いたくないような。とにかく話がしたいと思う。こういうことはここでしか書けないけれど、男性側からこんなに話ができる人はいないというようなことを言われたことは何度かある。でも私にとって、それは私の努力によるところであったり、その人が現在進行形で知り合いと付き合っていたりと私の中でストンと落ち着くことはなかった。逆に私自身がこんなに話せる人いないよと思うのは男友達。恋愛に繋がらないと分かっているから話せることの方が多くてマッチしない。もう新しく誰かに出会うことは煩わしく、というか出会った相手を恋愛対象に思えるか、思われることができるか吟味してしまう感情が煩わしい。もう恋愛なんてしないというマインドで生きている方がずっと気が楽だ。洋子のように子供を持ちたいという気持ちがあるなら、それはまた違うのだろうけど。
今年は夏に福田進一さんのコンサートに行ってから、映画を見直したり、spotifyでサントラを聴いたり、平野さんの分人に関する考えをまとめた新書を読んだりしてこの小説にやっとたどり着いた。もう小説としてはこれが間違いなく今年ベストだと思う。最近感受性が鈍っていて小説を読んでもあまり感想が出てこないので、そう思える作品でに出会えてとても幸せだ。
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Persona 3 Club Book teacher's pages scan and transcription.
月光館学園の先生
Teacher in Gekkoukan educational institution
高等部2年生の授業を受け持つ先生たちは、生徒のほとんどが勝手知ったる内部進学生だからか、かなり趣味に走った奔放な授業で有名。個性と独立心を獲得した、港区に誇れる立派な月高生の育成に勤しんでいる。
鳥海先生 Toriumi かに座/AB型 2-F担任、現代文担当、生徒会顧問
2年F組の担任で、現代文の担当。非常にさばけた性格で、真面目に話を聞かない生徒に謝罪を要求したり、サボりの生徒の席を勝手に再分配するなど、裏表のない性格そのままの授業をやっている。はっきりとした目鼻立ちと茶色がかった髪のため、実家のある島根ではお人形さんのようだと近所のオバちゃんたちに評判で、小中高の子供時代もそこそこモテ期をすごしていた。当時から文学少女だったために大学は国文科に進み、「日本文学に精通した可憐な新入生降臨!」くらいのウワサは辞さないとさえ期待していたが、いざ上京してみると、 自分の程度が世間でいかに平凡かに気付かされ、以降はこれといった華やかな出来事にめぐり合��ことのないまま、29歳の現在に至る。
趣味で同人作家としての活動も行なっているが、これといった手応えはない。職場である月光館学園でも浮いた話に恵まれず、日本語の在りかたという点で話が合わないため、古文の江古田先生とは犬猿の仲だったり、倫理担当の叶先生からは女として負け犬確定の扱いを受けるなど、くさくさした日常を送っている。
心は可憐な
三十路前
「私が怒られるから静かにして」発言など、よくも悪くも生徒とのあ
知的な顔とやる気のない中身とに非常にギャップがある29歳独身。世間一般の女性の例にもれずケーキ好きで生徒に要求している。
「私が怒られるから静かにして」発言など、よくも悪くも生徒とのあいだに垣根を感じさせない。
鳥海先生のボヤキ
• じゃあ今日は明治の文学ね。教科書の12ページ。···あ、先生、この作家あんまり好きじゃないな。やめ ましょう。(4月21日・授業)
• イジメに関する小論を読んで、感想ってやつね。こんなのサービス問題じやないの。なーんか書きゃ点あげたわよー。“この学校におけるイジメを告発” とかねー?···って、ウソよお。イジメ、無いわよねえ。無い無い。面倒。(5月25日・授業)
• アイギス・・・さん?珍しいお名前ね、生まれは外国なのかしら。他に特記事項は···ん?···人 型···戦術兵器?···なんかの間違いね、この書類。見たもの、聞いたもの全てが、正しいなんて思っちゃ駄目よね。 (9月2日・ホームルーム)
• 世の中は椅子取りゲームなの。みんなも気をつけてね。(11月9日・ホームルーム)
• みんなー、修学旅行はどうだった〜?先生、寺なんか興味ないから参ったわ。火曜からは体験学習ね。面倒な社会科見学だと思えばいいわよ。社会に出るって大変なの。これをキッカケに皆にも分かってもらえそうで嬉しいわー。その間、先生遊べるしね。(11月21日・授業)
確かに、この社会に希望なんて、そうそう転がってないよね。逆に、そこらに転がってるもんで満足すんな!甘えんじゃねーよ!···って、思ったワケよー。···先生、いま良いこと言ったから、期 末にこのまま出すよ?(1月 28日・授業)
江戸川先生 養護教諭 総合学習担当
見るからに健康、清潔とは縁のない養護教諭。カリキュラムが自由なのをいいことに、趣味に走った授業を行なっている。
怪奇!
保健室に巣食う悪魔
無精ひげとよれよれの白衣、脂に汚れた黒ブチ眼鏡、およそ健康的とは言い難い頬と土色をした顔色で、「優しい保健の先生」のイメージとは似ても似つかないうさんくさい風貌の保健室の主。月高赴任前のことを知る人間はおらず、名前すら本名ではないとさえ言われている。元気なときに訪れても追い返されるだけだが、体調が悪いときに保健室の戸を叩くと、先生自ら調合した極めて怪しいクスリを盛られる。運よく効けば具合がよくなることもあるが、当然トドメの一撃になることもなきにしもあらず。
養護教諭として生徒の手当てや保健業務を受け持つほか、「個々の知識を結び付け、総合的にはたらかせる」 総合学習の授業を受け持っている。しかしその実態は、「魔術を利用した人間心理治癒」と称し、前代未聞の魔術理論を紐解く、生粋のオカルトマニア。オタク特有の傾向である、自分の得意分野に関して話が長い特徴がある。夏休みの補習では、ここぞとばかりにさらにディープな講義を展開し、計5日間の日程のうち丸2日を魔術講義に付き合わされることになる。
体調の悪い生徒をじつに嬉しそうに迎える彼。保健室での行ないが本当に手当てなのかも怪しい。
江戸川先生のオカルト講座
• 保健室に何か用かね、ヒヒヒ。でも困るなぁ⋯これから秘密のサ⋯おっと。⋯講習会なんですよ。⋯なんだ、おまえ全くの健康体じゃん。私の目はごまかせませんでございますよ。サボリはお断り。ハイ、出て行った、出て行った。(保健室・体調普通以上)
• ···おやまぁ一、傷かウイルスか呪いか恋か。ずいぶんと調子悪そうですねえ。これは···出番ですね、イヒヒヒヒヒヒヒヒ。さて、取り出しましたるこの秘薬··· ニガヨモギにドクニンジン、ヒヨスにナツメにエトセトラ、エトセトラ··· オロしてコネてウサギの手。白山の杜氏もビックリの大吟醸。たちどころにアナ夕の病気を治してみせますよ。さあ、飲みなさい···飲むんだ!(保健室・体調疲労以下)
• まあ魔術と聞いて、何でもできるようになるイメージを持ってるヤツもいるでしょう。誰かにイタズラしてやろうとか、苦しめてやろうとか··· そんなロクでもないことを真っ先に思いつく人間に魔術の習得はできません。これは、洋の東西を問わずに共通することですね。邪な��は、無力であるか、途中で破滅するか。そのどちらかになるのです。(5月28日・授業)
江古田先生 2-E担任古文担当
今年50歳を迎えたの古文の先生で、風花の在籍する2年E組の担任。古きよき日本を愛する感覚は、現代の若年層とかけ離れているため、教師たちの間でも煙たがられている。「エアコンは体に毒」のスローガンの下、冷房や暖房をしょっちゅう止めてしまうので、「エコだ」と揶揄されている。面白いを「ホワイトテイル」、白ける話を「ホワイト キック」と一生懸命使っているが、90年代に若者文化として知識を仕入れてから時間が止まっているらしく、なんだか哀れ。
江古田先生のエコ文化論
• えー···明日からは修学旅行だなぁ。京都、我が心の故郷だ。他の先生はあろうことか海外を推すからなぁ···毎年反対するのが大変なんだぞ、んん?(11月16日・授業)
●当時の発音には “F” が入るんだぞ。“ひさかたの光のどけき春の日に” は··· “ふいさかたの、ふいかりのどけき···” う〜ん、美しいですねぇ··· (11月16日・授業)
小野先生 歷史担当
熱狂的な戦国マニアの先生であだ名は小野ムネ。政宗がらみにヤマをはればテストで高得点が狙えるが、受験を考えると参考書や塾に頼らざるを得ないため、3年生からは「歴史のハズレのほうの先生」と思われている。金色の細い三日月の前立てが印象的な愛用の兜は言うまでもなく政宗公の戦装束。オーダーして作らせた一品物で、新入生はその格好で行なわれる授業に驚愕するが、ひと月もすると立派になじんで気にも留めなくなり、そうなって初めて月高生としての肝が据わる。42歳。
僕は政宗公に会いに行く!
• えーと今日は貝塚の話か。うーん、貝塚なんて、ただの貝だよね。もういいかなこれは。先生、早く戦国とかに行きたいね。ワクワクしたいね。(4月30日・授業)
• じゃ、今日は政宗公だね!もう先生ワクワクして全然寝てないんだ!じゃ、政宗公の生い立ちから丁寧に紐解いていくからね!時は1567年、米沢城··· (10月1日・授業)
• うっ···ううっ···こうして、9月24日、西南戦争は幕を閉じたのであった··· まつ···ぐすっ まさ、まさに··· 武士の、武士の時代の終わりであったぁ···!!···ここから現代までは飛ばして、また戦国やろうね···ああ、政宗公··· (1月15日・授業)
宮原先生 数学担当
三角定規を片手に数字のかわ��らしさを語る数学の先生。ふさふさアフロでおねえ言葉という風采は、変り種の多い月高高等部の教師たちの中でも異彩を放っている。数字や数式への思い入れはかなりのものだが、「解法」を愛するけれど「解答」には興味がないため、最後の繰り上がり計算をいつも忘れてしまうという、「使えない」 先生ナンバーワン。
数字LOVEの心
• ···で、ここが繰り上がるので···答えはX=1ですね。···え、違う?あ、ここが11だから··· すいませんね、X=2か。え、まだ違う??··各自、計算してくださいね。そういうわけで、すごいでしょ。数学って面白いよね。こんなに難しい問題も、解いてみるとX=1··· あれ、2だっけ?まあそんな感じで、簡単になっちゃうでしょ。ブラボーでしょ。(4月27日・授業)
この8、なんかすごく可愛いでしょ。9なんか尻尾がぷりぷりだし。マニアックだけど、2!!2もいいよね〜、ほんと、イイ!数字って可愛いよね。もうたまんない!(9月28日・授業)
竹ノ塚先生 物理担当
長身で渋めの男前、スーツは華美ではないが上質で、どことなくセンスを感じさせる45歳。見た目はいたってまともだが、せっかちで授業の進度が異常に早く、実験は結果のみの紹介、問題の解法を教えないままテストになだれ込むなどのせいで一部の生徒から不満が上がっている。板書の文字は大きく見やすいが汚く、折ったチョークの数は校内一。
かっこいい言葉集
• 言ってみれば、夏休みはもう··· 摩擦係数ゼロの坂道の上ってとこか。おっ、先生、今カッコよかったな。黒板に書こうか?(9月1日・授業)
• まずは基本中の基本、重力な。重くて大きなものが、小さいものを吸い寄せる。これが重力。女子高生に、中年男性が吸い寄せられる··· これも重力··· ···て、何を言わすんだ!(12月9日・授業)
叶先生 倫理担当
おもに3年生の倫理の授業を担当する先生。とくに男子生徒に人気が高く、「エミリ先生」と慕われている。授業熱心で進学指導に力を入れているのが評価されている一方で、若い男の子を手の平で転がして楽しむという、教師としてちょっと問題アリな性格。教師にしておくのは惜しい抜群のスタイルと評価が高いが、胸は詰め物とのウワサ。一部上場企業のサラリーマンと婚約中。
禁断の恋のゆくえ
自分にほれ込んでいる友近を、勉強を見るためと称して自宅に招いている叶先生。絶対に秘密のハズがどこからかバレて、九州の学校に転任することになって しまう���
大西先生 科学担当
細面ですらりとした、32歳の先生。婚約者と別れた過去があり、当分恋はいいと思ってるうちに、本格的にどうでもよくなり現在に至る。メガネを取ると美人なのだが、武器を隠し持っている感覚がいいという理由で、人前では外さないようにしているらしい。東洋医学批判者で、江戸川先生と新しい薬の開発を競っている最中。
やっぱり化学反応が好き
• 昨日ね、テレビ見てたらダイエット特集やってたんだ。“水を飲むほど痩せる!” とか言ってね··· んなワケないじゃない!浸透圧とかオール無視でしょ?なのに、だまされるのが多いんだから··· (5月6日・授業)
• 来週の火曜から試験かー。実験バリバリやりたいんだけどね。薬品を混ぜ合わせる瞬間って、最高に興奮するよね。(10月7日・授業)
寺内先生 英語担当
学生時代、留学先のインドで知り合ったイギリス人宣教師と、帰国後に感動的な再会を果たし、結婚に至る。そのシーンを「クリスマスの思い出」として毎年生徒に披露、英訳させる先生。会話中にかなりの頻度で英単語が混ざるが、本人曰く「関西なまり」みたいなもの。黄色いスーツにカチューシャという、どことなく海の向こうのセンスが香る28歳。
グレートイングリッシュスタディ
• はい、ここではAさんが死にそうなんですね。で、Bさんが言う “ステイ ウィズ ミー!” “しっかりして!” と叫ぶから、このあとAさんの魂が戻ってくるワケですね。これ、テストに出しますからね。面倒なんでこのまま出しますからね。と、もうすぐチャイムですね。それまで私のインド留学話でもしましょうか。(5月15日・授業)
今日はクリスマスの思い出をスピーチします。聞きながらイングリッシュに直してください。“もみの木の下で出会った私達は燃えるような恋に落ちたのです···” “イルミネーションはお互いの顔をビュー ティフルに照らし···” (12月24日・授業)
校長先生 校長
長年の政治的活動と少なくない資金とで、ついに私立高校の校長職を射止めた人。教師としての才覚には残念ながら恵まれているとは言い難く、部下である先生たちだけでなく、生徒からもデキない男と見抜かれている。美鶴の高校生離れした生徒会長就任演説に対抗意識を燃やし、つぎの週の集会でありがたいお言葉を用意するが、順平に同情される始末。
沽券に関わる大演説
えー、諸君らに今日は特別に、大切な話をしようと思います。あー、世間では、不可解な事件や、理不尽な事件が多いようですが··· うー、この学園の生徒である諸君らには、関係ないことだろうと思います。えー、しかし高校生という若い時期には、様々な悩みもあるでしょう··· まー、だからといって、あまり、思い悩むことはないのです。えー、“過ぎたるは及ばざるが如し” という言葉を、紹介します。あー、これの意味はといいますと··· (4月27日・朝礼)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月27日(水曜日)参
通巻第8070号
AIは喜怒哀楽を表現できない。人間の霊的な精神の営為を超えることはない
文学の名作は豊かな情感と創造性の霊感がつくりだしたのだ
*************************
わずか五七五の十七文字で、すべてを印象的に表現できる芸術が俳句である。三十一文字に表すのが和歌である。文学の極地といってよい。
どんな新聞や雑誌にも俳句と和歌の欄があり、多くの読者を引きつけている。その魅力の源泉に、私たちはAI時代の創作のあり方を見いだせるのではないか。
「荒海や佐渡によこたう天の川」、「夏草や強者どもが夢の跡」、「無残やな甲の下の蟋蟀」、「旅に病で夢は枯野をかけ巡る」。。。。。
このような芭蕉の俳句を、AIは真似事は出来るだろうが、人の心を打つ名句をひねり出すとは考えにくい。和歌もそうだろう。
『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天香具山』(持統天皇)
皇族から庶民に至るまで日本人は深い味わいが籠もる歌を詠んだ。歌の伝統はすでにスサノオの出雲八重垣にはじまり、ヤマトタケルの「まほろば」へとうたいつがれた。
しかし人工知能(AI)の開発を米国と凌ぎを削る中国で、ついにAIが書いたSF小説が文学賞を受賞した。衝撃に近いニュースである。
生成AIで対話を繰り返し、たったの3時間で作品が完成したと『武漢晩報』(12月26日)が報じた。この作品は『機憶(機械の記憶)の��』と題され、実験の���敗で家族の記憶を失った神経工学の専門家が、AIとともに仮想空間「メタバース」を旅して自らの記憶を取り戻そうとする短編。作者は清華大でAIを研究する沈陽教授である。生成AIと66回の対話を重ね、沈教授はこの作品を「江蘇省青年SF作品大賞」に応募した。AIが生成した作品であることを予め知らされていたのは選考委員6人のうち1人だけで、委員3人がこの作品を推薦し
「2等賞」受賞となったとか。
きっと近年中に芥川賞、直木賞、谷崎賞、川端賞のほかに文学界新人賞、群像賞など新人が応募できる文学賞は中止することになるのでは? 考えようによっては、それは恐るべき時代ではないのか。
文学の名作は最初の一行が作家の精神の凝縮として呻吟から産まれるのである。
紫式部『源氏物語』の有名な書き出しはこうである。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」
ライバルは清少納言だった。「春は曙、やうやう白く成り行く山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる」(清少納言『『枕草子』』
「かくありし時すぎ���、世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経るひとありけり」(道綱母『蜻蛉日記』)
額田女王の和歌の代表作とされるのは、愛媛の港で白村江へ向かおうとする船団の情景を齊明天王の心情に託して詠んだ。
「熟田津に 船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕こぎ出いでな」(『万葉集』)。
「昔、男初冠して、平城の京春日の郷に、しるよしして、狩りにいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。」(『伊勢物語』)
▼中世の日本人はかくも情緒にみちていた
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫(うたかた)はかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(『方丈記』)
『平家物語』の書き出しは誰もが知っている。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとへ)に風の���の塵におなじ」。
『太平記』の書き出しは「蒙(もう)竊(ひそ)かに古今の変化を探つて、安危の所由を察(み)るに、覆つて外(ほか)なきは天の徳なり」(『太平記』兵藤祐己校注、岩波文庫版)
「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」(『徒然草』)
古代から平安時代まで日本の文学は無常観を基盤としている。
江戸時代になると、文章が多彩に変わる。
井原西鶴の『好色一代男』の書き出しは「「本朝遊女のはじまり、江州の朝妻、播州の室津より事起こりて、いま国々になりぬ」
上田秋成の『雨月物語』の書き出しはこうだ。
「あふ坂の関守にゆるされてより、秋こし山の黄葉(もみぢ)見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海がた、不尽(ふじ)の高嶺の煙、浮島がはら、清見が関、大磯小いその浦々」。
近代文学は文体がかわって合理性を帯びてくる。
「木曽路はすべて山の中である」(島崎藤村『夜明け前』)
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜ぬかした事がある」(夏目漱石『坊っちゃん』)
「石炭をば早はや積み果てつ。中等室の卓つくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒らなり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌カルタ仲間もホテルに宿りて、舟に残れるは余一人ひとりのみなれば」(森鴎外『舞姫』)。
描写は絵画的になり実生活の情緒が溢れる。
「国境の長いトンネルをぬけると雪国だった」(川端康成『雪国』)
谷崎潤一郎『細雪』の書き出しは写実的になる。
「『こいさん、頼むわ』。鏡の中で、廊下からうしろへ這入はいって来た妙子を見ると、自分で襟えりを塗りかけていた刷毛はけを渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据みすえながら、『雪子ちゃん下で何してる』と、幸子はきいた」。
「或春の日暮れです。唐の都洛陽の西の門の下に、ばんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました」(芥川龍之介『杜子春』)
▼戦後文学はかなり変質を遂げたが��。。
戦後文学はそれぞれが独自の文体を発揮し始めた。
「朝、食堂でスウプをひとさじ吸って、お母様が『あ』と幽(かす)かな声をお挙げになった」(太宰治『斜陽』)
「その頃も旅をしていた。ある国を出て、別の国に入り、そこの首府の学生町の安い旅館で寝たり起きたりして私はその日その日をすごしていた」(開高健『夏の闇』)
「雪後庵は起伏の多い小石川の高台にあって、幸いに戦災を免れた」(三島由紀夫『宴のあと』)
和歌もかなりの変質を遂げた。
正統派の辞世は
「益荒男が 手挟む太刀の鞘鳴りに 幾とせ耐えて今日の初霜」(三島由紀夫)
「散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐」(同)
サラダ記念日などのような前衛は例外としても、たとえば寺山修司の和歌は
「マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの 祖国はありや。」
わずか三十一文字のなかで総てが凝縮されている。そこから想像が拡がっていく。
こうした絶望、空虚、無常を表す人間の微細な感情は、喜怒哀楽のない機械が想像出来るとはとうてい考えられないのである。
AIは人間の霊感、霊的な精神の営みをこえることはない。
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2024年9月13日(金)
今日はJcomの工事日、チューナーを新しいものと交換するのだ。配線の変更もあるので、やって来たのは大きな工事用車両、しかし、こうしてみると我が家の間口の狭さが目立つ。担当者2名で手際よく分担しながらの作業進行、9時30分から1時間程度で作業が終わった。これまではチューナー1台で事足りていたが、新しいものはブルーレイレコーダーを内蔵していないので、チューナーに加えて録画用のハードディスクとブルーレイレコーダーの3台で構成される。リモコンも2台、早く操作に慣れなくては。
5時起床。
日誌書く。
シャワー浴びる。
5時45分、ツレアイ起床。
洗濯機を回す。
今朝も朝食は中華ソバ。
珈琲を入れ、洗濯物を干す。
可燃ゴミ、20L*1&30L*1。
8時45分、次男がデイサービスに出かける。
Jcomの予約は9時、途中で担当者から着信、9時30分過ぎに着くとのこと。
作業は1時間強、簡単に操作説明を受けるが、こんなものはあとから自分でマニュアルを読まねば覚えられない。
三男は起床が遅くなったので、作業終了後、昼になってから朝食を摂る。
私はずっと工事を見守っていたので、その間にツレアイはあちこち買物に走る。
途中で、電気メーター取り替えの担当者来訪、停電しないということで助かった。
ランチ、パスタを茹でてガーリックオイルと和えてチーズを散らす。これが美味いのだ、もちろんwith🍷。
彼女はあれこれ片付け、私は酔いが回って午睡。
テレビの録画と書き出しのテスト、なるべくディスクは消費��ずにハードディスクの録画分で鑑賞することにする。
早めの夕飯準備、今夜は煮魚。
昨日半額でゲットしたなまり節、3割引の鱧を煮る。付け合わせは久しぶりのポテトサラダ。昨日の土産の福寿の大吟醸をみなで味見する。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
第35話「闘牛士の栄光」/ A Matter of Honorシーズン 1, エピソード 35 メキシコ。夫婦で旅行に来ていたコロンボは追突事故を起こしてしまう。地方警察のサンチェス警部は、かねてからコロンボのファンだったので、これ幸いと、コロンボを足止めし、国民的英雄で元闘牛士のルイス・モントーヤの牧場で起きた事故の現場検証にコロンボを連れて行く。
片付け、入浴。
体重と血圧測定、どちらもずいぶん高め。
日誌書く。
今日は一歩も外へ出ず、明日からまた忙しくなる。
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吟麦製麺@博多区美野島
2024年11月16日土曜日11:30
中華そば ¥650
住所:福岡市博多区美野島1-9-20
TEL:092-292-4211
営業時間:11:00〜15:30 日曜日は8:00〜
定休日:金曜日
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虚子自選揮毫『虚子百句』を読む Ⅷ
花鳥誌2024年8月号より転載
日本文学研究者
井上 泰至
14 道のべに阿波の遍路の墓あはれ
初出は『ホトトギス』昭和十一年四月号「句日記(昭和十年四月)」。「四月二十二日。風早西ノ下に句碑を見、鹿島に遊ぶ。伊豫松山、黙禅邸。ホトトギス会」と前書き。『五百句』にほぼ同文の注記あり。
この句の詠まれた事情については、『ホトトギス』昭和十三年十二月号巻頭に虚子自身が書いた「阿波のへんろの墓」の一文がある。虚子が新田宵子夫妻・池内友次郎夫妻・高濱(当時)章子と故郷西ノ下を訪ねた消息を書いたものである。まずは決まって訪れる大師堂の大きな松に佇み、裏手にある「阿波のへんろの墓」を確認したが、なかったのであった。虚子の証言によれば、江戸時代の標準的な書体である御家流で書かれた古いものであったという。
虚子は碑が無くなっているのを嘆きつつ、恐らく行き倒れの曰くなどがあろうことを想起し、子供時代に目撃した遍路の一行を回想している。二、三歳の頃、遍路の女に抱き上げられ、大師堂まで連れていかれた想い出を語り、おそらくその女は、自分と同じくらいの子供を無くしていたのだろう、と語っている。このエピソードは、その後自分の人生を振り返った『虚子自伝』(昭和二三年刊)でも書き記されており、虚子のふるさとの記憶として刻印されていたことがうかがえる。
「遍路」は『ホトトギス』雑詠欄によって季題になった。一見古そうに見えて新しい季題である。西村睦子『「正月」のない歳時記』(本阿弥書店)によれば、大正十三年に三句登場して以来、昭和九年までに二六〇句も載る人気の季題となったと指摘されている。虚子が季題を選んだ改造社版『俳諧歳時記』春の巻(昭和八年刊)に、虚子の詳しい解説と例句の二七が確認でき、出典はすべて『ホトトギス』からである。虚子編『新歳時記』(昭和九年刊)にも同様に詳しい解説付きで立項され、例句二二を数える。つまり、伊予出身の虚子によって「遍路」は季題になったのであり、この句はその例句として加えられ、そのトドメを打ったのである。
『俳諧歳時記』の解説につけば、春の、しかも女性の景物としてのこの季題のイメージが確認できる。弘法大師の巡礼にあやかって、四国に散在する八十八か所を順拝する全道程一二〇〇キロ、日数四〇日余りを要する。宗旨・老若男女を問わず、服装は軽いが、三月から四月の季節がよくなる時期に、菜の花・青麦・紫雲英の鮮やかに彩られた道をぞろぞろと通る。この風景との一体化が単なる「巡礼」でなく、季語としての「遍路」の拠って立つところであると特記する。
特に若い娘たちは華やかなセルの着物に、白木の納札挟みを胸高にかけ、鬱金や浅黄色の手甲脚絆をつけ、同じ色の姉さま冠りの上に真っ白な菅笠をかぶり、緋の腰回しもあらはに裾を端折り、白木の杖をついた姿を虚子は詳細に活写している。高濱年尾の次の句などは、この虚子が特記した美しさの方に拠ったものであろう。
お遍路の美しければあはれなり
虚子の句にもどれば、山本健吉『現代俳句』に的確な評がある。まず「遍路の墓」とだけあって無名であることがかえって叙情を増すこと、「阿波」の地名から、浄瑠璃でよく知られた、長年別れた母と出会うもそれと気づかない巡礼お鶴(「傾城阿波之鳴門」)の連想で、子別れの哀話が想像されることを指摘する。
さらに健吉は重要なことを言っている。「遍路の墓」そのものに、春の季感はない。むしろ春の季語「遍路」が置かれることで、子供時代の春遍路の記憶と現在の春とが結び合わされるのであって、新興俳句の中でも有季定型を守った水原秋櫻子の流れの季感主義を批判している。季語は言葉そのものに意味があるのか、言葉の背後にある季感に意味があるのか? これは有季定型俳句の一大論点である。
過剰な、「今」「此処」にこだわる季感主義では、この虚子の句などは取り落とされてしまう。言葉が残ることによって、過去の季感を学び、それを想起し、対話する。下手をすると昨今頻出する「昭和の日」俳句の甘い回想句の氾濫のような惰性に堕ちてしまうのだが、言葉の由来や歴史性を無視しては、多くの俳句の財産を無くすことも自覚しておくべきだろう。掲句はその文��において、今日重要な意義を持っていると言えよう。
15 白酒の紐の如くにつがれけり
この句の成立は若干の問題を含む。『ホトトギス』昭和二十年六月号の「句日記(昭和十九年三月)」には、「三月四日句謡会。鎌倉要山、香風園」の前書に「白酒の餅の如くに濃かりけり」「瓶のまま白酒供へ雛は粗画」と併記される。
しかし、『六百句』には、前日の「(昭和十九年)三月三日 家庭俳句会。日比谷公園。丸之内倶楽部別室」と注記され、〈洋服の襟をつかみて春寒し〉と共に掲載される。
「句日記」では、「洋服の」の句の他、「春草を踏まえて鳩の足あかし」「斯く行けば春風寒し斯くは行く」「その中に大樹芽ぐは物々し」といった吟行句が並び、「白酒」句はない。
すなわちこの句は当初、雛祭を題詠的に詠んで四日の鎌倉の句会に出したものだったが、後に三日の家庭俳句会での作、ということにしてしまったものなのである。
虚子の句集における注記は、必ずしも実際に忠実なわけではなかったことが知れるが、これは掲句を三日の発表ということにした方が、効果があると考えたからであろう。なお、家庭俳句会は、婦人俳句会などとともに『ホトトギス』に立ち上げられた、女性中心の句会で名句が多く生まれている(『俳壇』二〇二四年七月号「座談会」(西村和子・井上・堀切克洋)。そのこともこの発表時期の変更という「操作」の理由ではなかったかと思う。
掲句は、端的にして的確な比喩によって、「白酒」の様態を鷲つかみにした写生句で、間然とするところがなく、名句としてはよく引かれるものの、解説は意外に少ない。
ポイントは「白酒の」の「の」である。これが「や」では、なぜいけないか?「や」「けり」と切れ字が重なることを嫌ったのは、すぐわかる。
降る雪や明治は遠くなりにけり 中村 草田男
この句のように上五とそれ以下の間に「飛躍」があるなら、切れ字が重なっても問題はないが、「白酒」の句は典型的一物仕立てで、「や」では煩い。
「の」の効果はそれだけではない。「紐の」と「の」を畳みかけることで、「白酒」の様態に焦点を当てることができる。
鴨の中の一つの鴨を見てゐたり この庭の遅日の石のいつまでも 蛍火の今宵の闇の美しき 立秋の雲の動きのなつかしき
以上のような虚子の作例につけば、上五の下に「の」を軽くつけて、以下で「の」を繰り返して、リズムを作り、対象にフォーカスを当てていったことに気づか��れる(井上『俳句のマナー、俳句のスタイル』)。
「白酒」の句の主題は、液体の動きにあるので、「つ��れけり」と用言でまとめた。虚子は「眼」の詩人ではあるが、これをことさらに強調せず、さりげなく、品よく提示してみせる。鷲づかみの「写生」にありがちな生々しさを包むデコレートの感覚(井上「品格ある写生」『俳句』二〇一九年四月号)こそ、作家虚子の「写生」を代表するものとして、ここに指摘しておきたい。
*先月号記事に脱落がありました。「紅梅の苔は固し不言」の句は『ホトトギス』九年二月号で『五百句』同様「二月二十二日。臨時句会。発行所。」と前書きされています。記してお詫び申し上げます。(筆者)
『虚子百句』より虚子揮毫
15 白酒の紐の如くにつがれけり
16 紅梅や旅人我になつかしき
国立国会図書館デジタルコレクションより
___________________________
井上 泰至(いのうえ・やすし) 1961年京都市生まれ 日本伝統俳句協会常務理事・防衛大学校教授。 専攻、江戸文学・近代俳句
著書に 『子規の内なる江戸』(角川学芸出版) 『近代俳句の誕生』 (日本伝統俳句協会) 『改訂雨月物語』 (角川ソフィア文庫) 『恋愛小説の誕生』 (笠間書院)など 多数
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ネクロニカ 「暗渠に落ちる蟲毒の雫」 オリジナルシナリオを回してきました🙌 画像は本シナリオに登場するNPCの春華ちゃんです
※この先は血や縫合のような表現があります 耐性のない方は他の記事をご覧ください ※
この人、また初めてのGMをオリシにして! はい、そうです よく考えなくても初めてのネクロマンサー(NC)でした
公開されているシナリオの数、 ありがたいことに目移りするくらい多いのですが PL数やらシナリオ傾向やらを吟味することを 手間に感じてしまう性分が出てきてしまい…
「それなら自分の好きな味付けの料理でもするか」 のノリでシナリオを書くという🍳 本当はもっと人様の書かれたシナリオを 読んだり遊んだりした方が良いと思うのですが、 NCをするなら先に遊びたい心がね… というわけでシナリオを書き下ろして 遊んでいただきました
2PL、アドベンチャーパートは 人間の汚いところを包み隠さず、 戦闘自体はいやらしい敵で取り囲む、 システム以外にも色んなものへ慣れた人向け そんなものでも楽しく超えてくれた PLのおふたりに感謝しないと…! さすがは私と一番TRPGしてくれている ある意味 歴戦の猛者たちです😎ありがとう
そんな書き手の好きなものを散りばめたシナリオには NCの趣味を盛り込んだNPCも登場します この子👇
わたなべ 海洋生物 すき なので存分に海洋生物っぽいものを継ぎ接���しています 水の中で揺蕩うヒレ 重力などの縛りがない、地上の生物とは異なる骨格とか そういうものが好きなのです🐟
なので四つ足以外の動物である鳥類や 地を這う蛇のような爬虫類も好きなのですが🐦
あとは柔らかいものと硬いもの、 カワイイものとゴツいもの、 そういった対極のイメージを盛り込むのも好き ギャップというかアンバランスさというか そういうバランスの崩れ、私によく効きます
こういうデザインも可愛いと受け止めてくださる 愛しの猛者たち 大好きだぞ😘
シナリオとNPCはまとめて公開するかも知れません とりあえず、戦闘の難易度を落とすのと アドベンチャーパートで出す情報を もうちょっと精査してから…
夏休みの宿題?にします🍉
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昨日のスープ(飲み干せるスープ)が一人分残ったので、本日のお昼も冷やし中華。昨日のものは十分おいしかったのだけれども、その旨さはトマトのうま味に依存しているな、と(スープも甘すぎ・酸っぱすぎではなくよかったけれども)。 なので、今日はトマトのうまみに依存しない冷やし中華をつくる。思い付きで。思い付きで吟味する時間はないので、瑞々しさはオクラで、うま味は豚肉で担保しようとしたのがコレ。オクラを大葉と豚バラ肉で巻いて蒸し焼きしたものを加えてみた。 僕としては及第点。 あと味とは関係なく赤の色味がないと���栄えが良くない。
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窓の梅酒造から社名変更した佐嘉酒造。330年以上の歴史を誇る佐賀県最古の酒蔵。明治4年を皮切りに日本中で酒蔵が爆発的に増えましたが、それ以前からの歴史を持つ酒蔵というのは江戸幕府によって設定された 酒造株を取得した者のみに許された生業でした。年貢としても重要な��米を使って酒を作るのですから、当時の酒造業は幕府のもとで厳しく管理され、そのために製���量に規制を受けることもしばしばでした。
佐嘉 純米吟醸 さがの華
開栓しています。
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2023/12/5
おはようございます!念のためにこんにちはとこんばんはも。
12月らしく寒いですね、銀行で座って順番を待っていたらお尻が温かくて眠くなってしまいました。
もちろん持ち前のガッツで持ち直しましたが、あの椅子が店にも欲しいです。
# 天明 荒セメ閏号 (曙酒造・福島)
閏年(うるうどし)! ということで四年に一度の閏号、まずは荒ばしり(お酒を搾るとき最初に出てくるところ)と、セメ(最後に出てくるところ)のブレンドがキラキラ登場です。 山田錦を30%まで精米、普段は使用しないカプロン酸エチルを大量に生成する酵母で仕込む四年に一度のお祭りスペック。
透明林檎と言いますか、ピュアリンゴ米水と言いますか… 華やかな香りはあくまで心地よく、五味がバランスよく流れていきます。
天明シリーズとしては珍しくというかほとんどない、分かりやすい「the 純米大吟醸」。
それでも天明らしさを感じるのは、食中酒としての柔軟性と耐用性です。
香るのに鼻につかず、甘いけど、それは軽やかでビターと酸をちゃんと伴っていて、、、
天明としての酒質を残しつつも、舌に乗る甘旨はすぐにいなくなりますので、ギュッと抱きしめといてください;-)
それでは本日もはりきっていきましょう。
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不夜城が如くネオン煌めく繁華街。煌びやかな様子とは裏腹に、一歩道を外れれば影色濃く腐臭漂う裏道へたどり着く。
男は一心不乱に走り続ける。何故自分が追われているのか皆目見当がつかない。ただちょっと扇動されて、「小包」を公園に置いただけ。最近思い当たる節と言えばその程度。たかだかその程度しか思いつかない。俺のせいじゃない、悪いのはあいつだ!
足がもつれ、運悪くごみ溜めにダイブする。走り続けた足は疲労でだるく、絶え絶えの息は腐臭を吸い込みむせる。
追跡者の影が、煌めく繁華街への出口を背におもむろに得物を取り出す。人生の終点に突っ込んでしまった男は喚き散らし、笑う膝で懸命にもがく。カチリと音がする。
男の顔に落ちた通りからさす光が、追跡者の姿で陰る。
男が最期に見たのは、銃を突きつける少女だった。
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ー入学ー
横浜駅。世界でも5本の指に入るとか入らないとか言われてる程の駅。掲示板と手元の地図とを眺め続けてどれくらいたっただろうか。完全に迷子である。
わたし望月愛衣は齢12…もうすぐ13だが、冷や汗出るほどに迷子になったのはいつぶりだろうか。フィーリングで目的地を目指しても今までなんとかなっていただけに地図の見方すら分からない。完全な詰み。
「うわぁ、ちょっとまずいかも…」
もしかしてなんか試験的なものなのだろうか?入口を探し当てられなければ入学すら認められないとか
そんなはずない、こんなにウェルカムな入学式の案内を送り付けておいて試験なわけが無い。てかこの地図分かりにくい、簡略化しすぎでほぼ一本道しか書いてない。
途方に暮れても仕方がない、目印のお店を探し当てるしかなさそうだ。などと再起したのはこれで3度目ぐらいか
そろそろ足が疲れてきた。近くにあったベンチに腰掛ける。
行き交う雑踏を探しても、自分と同じような制服を着た子は見当たらない。平日の昼間だというのにどこから湧いて出てくるのか分からないぐらいには人が行き交っている。
仕事に行く人だろうか、あの人は観光?あの子たちはショッピングかな?
平和そのものである。よきことよきこと。こんな日常に一人立ちしたいが為に施設から『孤児院』という学校施設がある横浜まで来たっていうのに、入学出来ませんでした〜で帰るのは格好が悪すぎる。
「どうしたもんかぁ〜」
背もたれに仰々しく身を預け伸びをする。
「どうしたの?」
見上げた先、顔を覗き込む女の子、いや見た感じ年上のお姉さんがいた。落ち着いた雰囲気、これが大人びたという表現でいいのか分からないけども。まじまじと見られている。いや、顔近。まつ毛なが。
また着慣れた感じにわたしと同じ白の制服を身にまとっている。ということは
「助かったぁ、やっと同じ制服着てる人見つかったぁ」
上級生であろう彼女がふふっと笑う。上品だ。
「きみ、新入生?駅迷いやすいよね。私もよく迷う。今もそう」
上級生でも迷うってんだ、じゃあ新入生のわたしなんかたどり着くつけないわけだ…って
「ちょっと待ってください?今も迷ってるんです?」
キョトンとした彼女は短く「そう」とだけ返した。
あぁ、完全に終了のお知らせってやつだ。
─────────────────────
と、まあ入学式の会場にはなんとか間に合ったというわけで。
あの後、彼女の寮の同室の方が怒りながら迎えに来たおかげで『孤児院』の施設、更には会場にまでたどり着けたって訳だ。
別れ際、頑張ってねと言われたが入学式に何を頑張るのだろう。長時間椅子座り耐久があるという事だろうか?
純白の制服の群れが体育館のような会場に集まっている。水銀灯が照らす会場はやや薄暗く、傍から見たらお嬢様学校もかくやあらむだろうか。近くの椅子に腰をかける。
ざっと見渡して自分含め100人?ぐらい居るだろうか。規則正しく等間隔に机付きの椅子に座って近くの子達同士でソワソワと話し合っている。
さらに数人、様子を伺っているのかコンクリ打ちっぱなしの壁際でたむろしている。
どのグループに混ざろうか吟味でもしているのだろう。当たり前だ、ここにいる子達はわたし含め孤児。12,3歳の子達が集められている。
『孤児院』からの招待状を配られた子達だ。今つるむ相手を見誤れば今後どうなるかわかったもんじゃない。
…というかみんな迷わず来れたんだね、どうやらわたしが一番最後の到着だった様だ。出入口の扉が施錠される音がした。
「どもども、隣いい?」
活発そうな、ショートヘアの子に声をかけられる。バスケとかやってそう、女子にモテる女子だ。
「あ、どうぞ」
断る理由もなく、快諾。
「あたし幸 亜里沙、ちょっとギャグっぽい名前でしょ?亜里沙って呼んでいいよ、あなたは?」
「自分で言っちゃうんだ…望月愛衣よろしくね」
「ねぇ!愛衣はどこから来たの?あたし青森から来たんだけど横浜駅めっちゃ人いすぎじゃね〜?」
ガハハと言わんばかりにはしゃいでいる。てかいきなり名前呼びか、カルチャーショックを受ける。
「おかげで人酔いしちゃったよ。わたしは埼玉から」
「埼玉か!うん、埼玉。埼玉って何があるの?」
この話題はあまり広げない方が良さそうだ。
ふと、椅子の下に箱が置いてあるのに気付く。ちらっと足元を見ると自分の椅子の下にも箱がある。
「あ、っと〜。あれ?亜里沙その足元にある箱って?」
これでも緊張していたのか、今まで気付かなかったそれを手に取る。30cm四方の箱。シルバーのケース?ジュラルミンでできた箱には開けられそうな蓋が付いているが鍵がかかっていてビクともしない。持った感じずしりと重みを感じる。他の子も箱に気付いたのか各々手に取っている。
「なにこれ?新入生へのプレゼント的な?」
中身を確かめるように亜里沙が箱を振る。蓋と本体がカタカタと鳴る以外、中から音はしない。
キーンとマイクがハウる音が響く。ありがちな。
「失礼。諸君着席を」
正面の壇上、舞台袖からツカツカと長く綺麗な黒髪に鋭い目つき真っ黒なスーツを来た大人の女の人が現れた。マイクはインカム型なのだろうか、手には鎖のようなものを持っている。その鎖の先、遅れて舞台袖から現れたのは、手錠をはめられ目隠し、さらにヘッドホンで耳栓までされたツナギの男の人が引っ張られて現れた。
会場がどよめく、これが大人の世界なのだろうか?
「静粛に。この男の説明については後ほど。まずはようこそ『孤児院』へ。諸君らはここで一般常識から外れた存在になっていただく。座席の下にケースがある、確認がまだの者は早急に確認を。」
会場が不安げにざわめく。
「もしかしてコロシアイさせられちゃう?なんちって」
亜里沙が冗談めかしく囁く。
「そんな訳ないでしょうに、映画の見すぎ」
「これよりケースの電子ロックを解除する。各自内容物を確認するように。中身の取り出しは指示があるまで待つように、ケースは落とさぬように」
『先生』?が軽く手を挙げ合図の様な仕草をする。
ガチャリ!会場に電子ロックが解錠された音が響く。
わたしの手元の箱も、大きな音をたてた。
亜里沙と顔を見合わせる。互いに箱の中身を確認する。
恐る恐る、ケースの蓋を開ける。ビクともしなかった蓋がすんなりと開く。
中には、拳銃が収められていた。
「これから諸君らとその銃は一心同体。我々の必需品と��る。紛失、破損のないようしっかりと整備すること。」
「どういうことだてめぇ!ふざけるのも大概にしろ!」
前の方に座っていた如何にも不良な感じの子が、銃を手に壇上へ飛び上がる。
「席へ戻りなさい」
「うるせぇ!なんだこれはよぉ?映画の撮影かぁ?あぁ?いいからさっさとセンコーをだせやセンコーをよォ!」
不良生徒が『先生』?へ銃を突きつける。
あまりにも血気盛んすぎる。怖くないのだろうか?万が一これが本物の銃であったら、まずいのではないか?舞台まで止めに入る?いやこの距離じゃ間に合わないか?
マイクがハァとため息を拾う。
「なんだてめぇなにk」
ズダン!
あれは柔術?だろうか、綺麗な動作で『先生』?は不良生徒を床に叩きつけ、同時に銃まで奪ってしまっていた。不良生徒はぴくりとも動かない。気絶でもしたのだろうか?
「今年は血の気が多いですねぇ…静粛に。まだ説明の途中です。」
何事も無かったかのように説明を続け始めた。
やっぱり映画の撮影なんじゃ…?逃げるか?亜里沙だけでも連れ出せそうだけど、他の子は?唖然としてる。出口は一つだけ?会場がざわめき始める。何人かが立ち上がり
パンッ
会場に破裂音がこだまする。遅れて悲鳴。
壇上。男が倒れる。壁に赤が跳ねる。
「いいでしょう、もう面倒だ。この方が効率がいい。そこ!席を離れるな!ったく面倒臭い!」
逃げ出そうとする生徒を一蹴する。
「いいですか?聞いてください。説明します。この男は今日死刑執行の死刑囚です。国家転覆を企て捕まった犯罪者だ。今日から君たちは国家に仇なす犯罪者どもを消し去る存在になってもらいます人事担当がどう説明したかは分かりませんがつまるところ公務員になりますただ公には姿は見せずあくまでも影としてこの国を支えてもらいますそのための『孤児院』でありそのための場所になります───────」
おそらく決まっていただろう口上をめちゃくちゃ早口で垂れ流している。その間、どうすることも出来なくなってしまった会場は、すすり泣く声が聞こえ始めていた。あの男は本当に死んでしまったのだろうか?遠くからでははっきりとは分からない、前の方では吐いてる子も居る。ってことはやはりそうなのだろう。
「亜里沙?大丈夫です?」
ちらっと隣の亜里沙を確認すると、泣きはしてはいないが血の気が引いた顔でケースを抱え固まっている。
「…えっ、えぇ。あぁうん。だ、大丈夫。じゃないよ。愛衣は?逃げる?」
「いえ、下手に動くよりあの先生?の指示に従ってた方がいいかも。立ち向かったりしなければ問題なさそうだし」
落ち着かせようと話しかけるが反応が鈍い。大丈夫じゃなさそうだ。かと言って逃げ出せそうにもない。『先生』?の話は聞かざるを得ない。
「────────ということです。ふぅ、諸君落ち着きましたか?よろしい。では、諸君。その銃で隣の人を撃ってください。」
つづく
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バタースカッチ・コキュートスのホテルへようこそ! セイレーンのイブニング
テンプレ元はこちら
◆イブニング身上調査書
通名:Evening Eckuculea(イブニング・イークキュレア) 真名:不明 イークキュレアの人魚たちにとって名を知られることは支配されることであり、生涯をともにする伴侶以外には名を明かさないのが習わし 愛称:イブ 年齢:1017歳 性別:女 種族:セイレーン 寿命:不老 誕生日:1006年3月9日 おおかみ座の超新星SN1006が出現した年 星座:うお座 体長:頭からつま先まで2mくらい 170cm女性くらいの体格 体重:97kg 髪色:浅瀬の海のターコイズブルー 瞳の色:ヘリオトロープ 肌の色:乳白色 尾の色:髪色と同じターコイズブルーから乳白色へのグラデーション 声の質:透き通るような甘く美しい声で、時にエコーがかかったように反響する 魔術、特殊能力:歌と音楽で惑わせ虜にする 身体的特徴:上半身は人間で下半身は魚、先祖のセイレーンからの名残で背中に鳥の羽、頭に触覚のような飾り羽がある 下半身は熱帯魚のように色鮮やかでふっくらしており、尾ひれが長い 恋愛、結婚観など:死ににくい種族のため誰しもが子孫を残そうとするわけではないが、恋愛体質 出身:エーゲ海のイークキュレア一族 職業:特になし 癖:ぽろぽろと涙を流す 人間に対して:血の気の多い若い男が特に好物 近づいてきた人間はたとえ女子供であろうと本能で声や姿で惑わせ、水に引き摺り込んで食べようとする ホテル役割:ゲスト
*交流向け 婚約者:ルーカス・ゴダ・キロン 一人称:私 二人称:あなた 呼び方:あまり人の名前を呼ばない あればフルネームか呼び捨て/ルーカスのことは「ルーカス様」と呼んでいる
*概要
エーゲ海のセイレーン。歌と乙女の姿で人間の男を惑わせ海に落として食べる。繊細で泣き虫なロマンチスト、そしてわがままで残酷な怪物。花と退屈と美しいものを愛し、ホテルのサービスをおおいに楽しんでいる。 人魚としてはとても古い一族で、老いることなく長い時を娘の姿のまま生きる。肉を食べても不死にはなれないが、若返りの水薬「キュプリア」を作ることができる。
*性格 感受性豊かで繊細、そして乙女らしいロマンチスト。強かでわがままな甘えん坊。内向的で感情を胸に秘めるほうで気持ちを言葉にすることが苦手だが、コミュニケーションを取ることは得意。どちらかというと無言で泣いたりじっと目で訴えたり、しっぽや羽を動かしてのボディランゲージが顕著で、親しい相手になればなるほどその傾向が強くなる。 人間や自分の身内でない相手には残酷であり、恐怖に歪む顔を見ながら相手を生きたまま食べたり、魂を閉じ込めて苦しめては遊んでいる。また捕食のためにか弱い乙女のように振る舞って嘘をつくのもお手のもの。 長い時を生きるせいか時間感覚がのんびりしており、手間暇をかけることそのもの、退屈自体を楽しむ。自分の身につける化粧品や装飾品はほとんど自ら作っている。
*モンスター生態 やや鳥の特徴を残した人魚。先祖にあたる魔鳥セイレーンとほとんど生態は変わらず、海を渡る船乗りたちを甘く美しい歌声と竪琴の調べで誘惑し、海に引き摺り込んで食べる。不老で寿命と呼べるものは存在せず、病気にも非常に強いが、外傷や他の理由で命を落とすことはあるため不死ではない。彼らの一族は食べても不老不死になるような効能はない。 基本的に海中で生活するが、陸上でも活動は可能。水に入っていたほうが体は楽。下半身を二本足に変えて人間に擬態することもできるが、その際は声を出すことができなくなる(※普段から喉から声を出しているわけではなく空気を震わせて声や歌を発しているため、姿形が変わるとうまく発声できなくなる)。力は人間よりは強いがモンスターの中ではとても非力。普段は見えないが食事をするときは歯が鋭くなり、流す涙は白い真珠になる。
*家族、一族について エーゲ海の特に暖かい海に生息する古きイークキュレアの一族。紀元前8世紀のホメロス作「オデュッセイア」に登場する人の顔と鳥の身体を持つ怪物セイレーンがルーツ。古い時代の者ほど鳥の特徴を色濃く残し、近代に生まれた者は人魚の姿になりつつある。一応は深い海中の洞窟に住居があるが、どちらかというと皆個人で好きな棲家を作ることが多い。 イブニングは姉妹ばかりの群れに生まれ、皆それぞれに人間の男を誘惑する術に長けており、一様に美しい歌声を持つ。最近は特にコスメなどの発展著しく人魚の美しさ可愛さ、ファッションも多種多様になってきている 紙にインクで書くという習慣はなく文字はあるが基本は碑文で、大事な伝説や教えなどはぽつぽつと故郷に点在しているが、ほとんどは口伝で一族の者たちが吟遊詩人のように語り継いでいることが多い。外部に伝える必要があるときは石か珊瑚のプレートに彫って渡すことも。
*能力 生まれてこの方人間を食べたり遊泳したりとのびのび気ままに過ごしているため、あまり働くということをしたことがない。繊細な作業に時間をかけることが好きで、自身の顔にメイクを施すことや、身につける装飾品や化粧品を自らよく作っている。その最たるものが若返りの水薬「キュプリア」の精製であり、人魚でも作れる者は珍しい。審美眼は確かであり、美しいものを目利きするのも得意である。ただしそれが地上において金銭的、歴史的価値あるものとは限らない。 種族的なものではあるが音楽の才能に溢れており、竪琴の演奏も見事なもの。特に歌声には聴く者を惹きつける魔力がある。人間に近い種族にはよく効くが、人間的特徴の薄い種族やあまりに上位存在相手には「とても心地いい歌声」程度のもの。
*ホテルでの過ごし方 ホテルには何度か来たことがあり、部屋を暖かい水で満たし、人間料理に舌鼓を打つ。すいすい水槽カートを利用したり人間に擬態したりしてホテルを散歩するのが好きで、特に真珠の池と薔薇庭園が大のお気に入り。
*ホテル外での活動 海のある場所であればどこにでも泳いでいく。どちらかといえば暖かい海のほうが好きだが、冷たくても問題はない。自分が美しいと思ったものを集めるのが好きで、エーゲ海の水中洞窟の中の、水に浸かっていない空間に宝物庫を持っている。古代の金貨や宝石、王侯貴族がつけるようなアクセサリー、美術品、素敵な形の貝殻や流木などさまざまなものを1000年かけて膨大にコレクションしている。普段はあまり持ち歩かないが、必要なときは財産としていくつか持ち出すことも。なにか物作りをしたくなったら、材料を集めたりここから選んだりすることが多い。
*好きなもの 食べ物:人間(特に若い男) ほか 肉食なので哺乳類の肉なら割と好き 調理されているものより生をバリバリ踊り食いするのが大好き 骨や内臓も食べるが魂は食べない 飲み物:生き血 白ワイン 気候:温暖な海の浅瀬 色:紫色や青色などの寒色 香り:白ワイン、バラ、ゼラニウム、ヘリオトロープ、イランイランなどの甘くて華やかな香り 書籍:ギリシャ神話の碑文 動物:魚 ファッション:白金や珊瑚を使ったクラシックで華やかな服 場所:花のある場所、美しいものがある場所 愛用:花の形をした珊瑚の髪飾り 趣味:化粧品、美容液、装飾品、人間の魂の貝殻ランプなどを手作りすること 美しいものや価値あるものを集めたり、音楽を聴くのも好き
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2023.06.30fri_tokyo
朝7時、見た夢は二本でした。これは私としてはかなり少ない方。なので、今朝は疲れていなかった。いつもは大量の夢と強い食いしばりで、起きた時が一番疲れている。10時からアイスクリームブランドの打合せがあるので、それまでに別のCMの企画作業をする。昨晩終わらせられなかった分。アイスの打ち合わせのスタートが15分遅くなったので、そのすきに頂き物のりんごを食べた。Jazzという名前のシールが貼られたミニサイズのりんご。を、さらに半分に切る。ミニりんごを半分に切るぐらいが、私にできる最大級の料理で、もちろん皮は剥けないのでそのままかぶりつく。
アイスの打ち合わせが終わったら駅前のスタバに向かって、ホワイトチョコ抹茶スコーンを食べながらCMの企画のつづき。なんだか朝から食べ物が多いね。スコーンはお昼ご飯のつもり。
CMの企画を済ませたら、ミュージックビデオの撮影の準備をする。これはもう来週撮影だ。お仕事というより作品撮りに近いので、規模も小さくて、予算もぱつぱつ。衣装も小道具も自力で用意する。でもいい音楽でうれしい。軽やかで淡々としたメロディで、とても孤独。いい音楽なのでいい画をつけたい。撮影のスタッフや出演者のみんなを入れて、グループLINEをつくった。初めまして、よろしくお願いしますと挨拶が送り合われる。こうやって細い糸のような出会いが繋がり繋がり世界ができている。
夕方には大好きなクリーニング屋さんに駆け込む。もともとクリーニングとアイロンは好きなんだ。前から持っている服が、買いたてみたいに綺麗になって、「買う!」と決めたあの時のフレッシュな愛が戻ってくる感覚。だから引っ越すたびにまずクリーニング屋さんを近所に探すのだけど、今のお店が一番好きだわ。やさしいおじいがやっているんですよ。いつも私が派手な服をどっさり持って行くと、にこにこしながら��いいね、賑やかなのたくさん着なさい」と言ってくれる。今日受け取ったのは、レモン柄のワンピース。おじいが「こういう柄は好きなんだよ〜」と言いながら出してくれた。私もだよ〜。
レモンのワンピースを家に放り込んだら、ダッシュでラフォーレ原宿に向かう。その道中、竹下通りのダイソーに寄って、ミュージックビデオの小道具(の種)を物色。外国人観光客のファミリーがダイソー店内ではしゃいでいてかわいい。しかし私はそれどころではない。18時半までにラフォーレにつかないといけない。自分がやっているワンピースのブランドが今ラフォーレでポップアップストアを開いていて、毎日店頭に立っている。でも今日は日中の仕事が忙しくて、店頭にいられるのは夜だけ。18時半に会いにきてくれるお客さんがいるので、小道具を選びきる時間がなく、買うに至らずお店を出た。ああ〜明日買うしかない!
竹下通りを抜けて、昨日オープンしたばかりのフェンダーのお店の前を過ぎて、ラフォーレの階段を駆け上がる。初めてラフォーレで買い物をしたのは小学生の時だから…一体何年ここで買い物してるのかな。さすがに今やチェックするお店は1軒か2軒だけど、それでもおそろしいことですね。いい意味で。その場所で自分のブランドのお店を、期間限定でも出せるのはなかなか幸福な事件です。 18時半に約束していた方が、カヌレを差し入れてくれた。こぶりでもずっしりと重量があって、表面が甘みで包まれてつやつやしている。今日の夕飯にしちゃおう。そのうちに、映画の上映で出会った女優さんもお店に来てくれた。お顔がつよくて良い。そもそも色鮮やかなワンピースだけど、彼女が試着するとさらに華やかに見える。楽しいです。明日はどんな人が訪れて着てくれるだろう。
ガールズにまぎれてちょんまげ男子が登場。よく一緒に組んで作品をつくっている相棒のアートディレクターで、今日も店頭のレイアウトを調整しに来てくれた。必要な部品が足りなかったので、20時の閉店間際に一緒にラフォーレを出て、渋谷までまた買いに向かう。今日は梅雨空がご乱心で、降ったりやんだり晴れたり降ったり。昼間はお天気雨タイムもあった。夜はまったりした小雨。渋谷のビルの光で雨に濡れた道路がメラメラしていて、イキった照明の撮影セットみたいで悪くない。買い物を終えたらおそろしくはらぺこだったので、よく行くご飯屋さんに飛び込もうとしたけど、貸切営業で入れない。OH。おなかの具合としてはお店を吟味している場合ではない。ので、近くのFriday’sで手を打った。TGI Friday’s。Thank God It’s Friday!なので、正しい曜日に来たわけですね。久々です。ジャンクなアメリカン。メニューを見ただけでおなかいっぱいになってくる。でも負けずに食べました。カヌレ、夕飯にできなかったな。明日の朝ごはんにしようと思う。
また帰り道はラフォーレの前を通る。こちらのビルも雨でメラメラです。明日は豪雨で、明後日はピーカンの予報だけど、果たしてどうでしょうか。それではおやすみなさい。
-プロフィール- イリエナナコ 東京 映画監督・クリエイティブディレクターなど Instagram @nanacoss Twitter @dapponanacoss HP www.irienanako.com
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2023年3月21日(火)
7年ぶりに友人が上洛、午後のひとときを散策し、私にとっても久しぶりの夜の繁華街で夕食をいただいた。八寸のゆり根が桜の花びら、若竹煮、蕗の薹の天ぷら、春満開のメニューは五感を激しく揺さぶってくれる。何もせずとも料理が運ばれる・・・、兼業主夫にとっては至福の時間を楽しませていただいた。もちろん、友人との会話も愉しかったことは言うまでもない。
5時30分起床。
日誌書く。
朝食には、奥川ファームの手打蕎麦をいただく。
洗濯1回。
可燃ゴミ、30L*1&45L*1。
ツレアイは昼までの勤務、職場まで送る。
テレビではWBCの準決勝、途中から選抜高校野球と行ったり来たり、結局さよならシーンを見逃してしまった。
息子たちには日清ラ王醤油味を用意し、その後ツレアイを迎えに行き、彼女には辛ラーメン葱たっぷりバージョン。
<三重県熊野市・浜峰商店>の社長が名古屋経由で京都へ、新幹線ホームに迎えに行く。夕飯まで時間があるので、<新熊野神社>へ案内する。大樟に感動してくれたのは嬉しい限り。
夕飯は、高島屋7階の<本家 たん熊>、ツレアイも合流してくれた。
生ビールで喉を潤し、純米吟醸とともに和食の粋を楽しむ。
彼のホテルは高島屋の少し北、早い再開を約束して帰路についた。
入浴、体重は50g減、良かった〜。
歩数は久しぶりの12,000歩越え、結構歩いたのだなぁ。水分は、1,780ml、ただしビールと酒は含まず。
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