#一言では言い表せない魅力の塊
Explore tagged Tumblr posts
Text
youtube
youtube
youtube
🗝️💸ローレン·イロアスの好きなところ
歌声が良すぎる🗝️どんな曲でも何を歌ってもローレンの世界にできる🗝️それできるのは歌が上手い以上にクる🗝️芸人のようなトークの瞬発力🗝️ゲームがガチで上手い🗝️才能も相当だけど努力も相当🗝️人に対してすごく思慮深い🗝️その場の空気を和やかに繋げる(掌握するのではない)コミュ強🗝️ゲーム時の集中力が凄い🗝️自分の見せ方、需要が分かっている🗝️周囲への感謝が滲み出ている🗝️有象無象のリスナーの扱い方が上手い🗝️色々あった過去を踏まえ、リスナーやライバーを大切にしているのがそれとなく分かる🗝️普段はやかましいが実は頼りになる近所の兄貴感が凄い🗝️多分気のせいだけどスパダリ感もある、いやない🗝️とにかく思慮深い(2回目)🗝️色気のある声質、声量ともにギャップの山🗝️
……to be continued
#Youtube#lauren iroas#nijisanji jp#ローレンイロアス#本当にハマるとは思えなかった#というか今でも信じがたい#一言では言い表せない魅力の塊#深夜テンションすまない#さくらみこでも同じことやってます
2 notes
·
View notes
Quote
私は「里見八犬伝」(1983年公開。以降は角川版と表記)世代なので 「虚の世界」のパートでの比較は避けられず、JACスター勢揃いの角川版からのパワーダウンが半端ないのだ。 ちなみに、2作はどちらも馬琴の書いた八剣士の物語ではあるものの、ストーリーが大きく異なっている。 それについては本記事の後半で��介するが、ひとまず本題に戻そう。 角川版の八犬士��ヘビー級なら、本作の八犬士はミドル級にも程遠く、せいぜいライト級かフェザー級といったところ。 敵役も玉梓が夏木マリから栗山千明では勝負にならない。 浜路の河合優実も、全く彼女の良さが出ていなかった。 角川版では八剣士の中心人物であった親兵衛は本作ではほぼ空気。 ちなみに演じている藤岡真威人は藤岡弘の息子で、2020年にセガ創立60周年を記念して せがた三四郎の息子・せが四郎としてメディアデビュー。 先日から始まった実写ドラマ版「ウイングマン」では主演を務めている。 原作が違うのだからストーリー展開が異なるのは仕方ないとはいえ 演者も演出も外連味の塊とも言える角川版に比べると芝居が圧倒的に軽く、演出もVFX頼みで迫力に欠ける。 旬の俳優を集めた超豪華な2.5次元舞台、と書くとその筋のファンの方に怒られるだろうか。 唯一頑張ったのは、犬坂毛野を演じた板垣李光人。 角川版でも登場した暗殺シーンは、志穂美悦子の見惚れる剣術とはまた違ったアプローチでなかなか良かった。 皆がああいった形で角川版とは違う魅力を見せてくれていれば印象は随分と変わっていたはず。 ここまで「実の世界」のキャストを実力派で固めるのであれば 「虚の世界」は「キル・ビル」のように、いっそアニメで作っても良かったのではないだろうか。 「平家物語」「犬王」のサイエンスSARUあたりに頼めていれば...。 「実の世界」は、物語進行と同時に馬琴の作家としてのプライドの高さやへんくつさ、 良き父・良き夫ではなかった部分を浮かび上がらせていて見応えは抜群。 特に北斎と連れ立って芝居を観に行く場面での立川談春とのヒリヒリするやり取りこそが 本作の最大の見所とも言える。 辛い現実が多い世の中で、せめて物語の中ぐらいは最後に正義が勝つ物語を作りたいと主張する馬琴と 空蟬に漂う毒を露悪的に舞台に取り入れる南北は、まさに水と油。 しかしどちらかが言い負かすまでは続けず、わだかまりを残したまま剣を収め、互いの信じ���日常に戻っていく。 この場面を見れただけでも、149分付き��って良かったと思える。 反面、馬琴の妻の寺島しのぶは最初から最後までヒステリックに悪態をついているだけで、 息子の磯村隼斗もいつの間にか病に倒れてしまい、チラリと登場した息子以外の子もほとんど出て来ない。 『ここを描きたい』という監督の思いにムラがあり過ぎる。 光を失った馬琴の代わりに無学だったお路(黒木華)が筆を取り、 叱責されながらも教えを乞い続けてついに作品を完成させた偉業すら エンドロール直前に文章でつらつらと表示して終わりではあまりにも軽い。 本作が馬琴の物語ならばそこは端折るべきではなかったし 八犬士の物語をしっかり描くなら、和風ハムナプトラのような安いCGでお茶を濁すべきではなかった。 思い入れのある作品なので何もかも自分でやりかたったのかも知れないが、脚本は別の人に任せた方が良かったように思う。 散々あれこれ書いてきて何だが、「里見八犬伝」世代だから気になる箇所がたくさんあっただけで 149分間一度も退屈だと感じることはなかったので、予備知識のない方のほうが素直に楽しめそう。 本作を見て楽しかったなら、鑑賞後に補完のつもりで角川版も見て欲しい。 (そもそも今作には出てこない)静姫と親兵衛の恋愛を軸にした大胆なアレンジは 一流の役者陣による本気のごっこ遊びとして、また違った楽しさを得られるはず。
映画「八犬伝」虚と実の重量感の差が惜しい|「南総里見八犬伝」「里見八犬伝」との違いも解説 - 忍之閻魔帳
4 notes
·
View notes
Text
タツノコプロとのコラボ第2弾|クラシック ヤッターマンコレクション
創立60周年を迎えた、日本を代表するアニメーション制作プロダクション、���式会社タツノコプロとの共同企画第2弾「クラシック ヤッターマン コレクション」が登場します!
全国のビクトリノックス直営店舗、及びビクトリノックス公式オンラインストア楽天市場店、Yahoo!ショッピング店、Amazon店で、2023年5月26日より販売します。
商品をみる
-
クラシック ヤッターマン コレクション 価格:3,300円(税込)
-
カラフルな10種のデザイン
ビクトリノックスのベストセラーマルチツール「クラシックカラーズ」をベースに、タツノコプロ不朽の名作、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のキャラクターを採用した、カラフルな10種類のコレクションです。
-
クラシック ヤッターマン1号
本名は高田ガン。 機械いじりが得意な、 正義感に溢れた少年。父親が造りかけていた犬型メカ ・ ヤッターワンを完成させ、世のために役立てようと正義の味方ヤッターマンになる。ドロンボー一味の悪事を阻止するために、 ヤッターマン2号と共に戦いを繰り広げる。 ケン玉型の武器ケンダマジックを使う。
-
クラシック ヤッターマン2号
本名は上成愛。 ガンちゃんのガールフレンドで、 心優しく気丈な少女。ガンちゃんと一緒に正義のために活動しようと、ヤッターマン2号になることを決意し、1号と共にドロンボー一味と戦う。電撃で敵をしびれさせる伸縮自在のシビレステッキが武器。
-
クラシック ヤッターマン オモッチャマ&ヤッターワン
表面はヤッターマンのサポートをするサイコロ型ロボットのオモッチャマ。 動力は乾電池。ヤッターメカをパワーアップさせるメカの素を胴体に収納している。裏面にはヤッターマンと共に闘う犬型メカ、ヤッターワン。1号、 2号を両脇に乗せて、 世界中のどこにでも出動する。
-
クラシック ヤッターマン ドロンジョ
悪党三人組ドロンボー一味の女ボス。 スタイル抜群の美女で金銀財宝をこよなく愛し、 部下のボヤッキー、トンズラーと共に大金塊のありかを示すというドクロストーン獲得を狙う。
-
クラシック ヤッターマン ドロンボー
謎の存在ドクロベエの命令で、ドクロストーンを集める悪党三人組。表面は女ボスのドロンジョ。裏面はヤッターマンとの戦いで負けたドロンボー一味が逃げる際に使う三人乗り自転車、通称おしおき三輪車に乗る三人。逃げている途中に必ずドクロベエからのおしおきを受けることになる。
-
クラシック ヤッターマン ボヤッキー
悪党三人組ドロンボー一味の頭脳担当。インチキ商売の道具や、各種メカを開発している。メカ造りの天才ではあるが、いつも余計な機能を付けたりどこかに欠陥がある。
-
クラシック ヤッターマン トンズラー
悪党三人組ドロンボー一味の怪力担当。強面と自慢の腕力を振るって悪事や戦闘で活躍するが、機転が利かずにやられてばかりいる。妙な関西弁で話すのが特徴。
-
クラシック ヤッターマン ドクロ雲
ヤッターマンとドロンボーのメカ戦の末に、負けたドロンボーのメカは毎回大爆発。その爆発の際にのぼる、まるでドクロのような形をした雲。
-
クラシック ヤッターマン おだてブタ
ドロンボーメカの操縦席に仕込まれている様々な小型メカ、通称コックピットメカの中の一体。 誰かがおだてられるとその言葉に反応して現れ、「ブタもおだてりゃ木に登る」と言って引っ込む。ただそれだけのメカ。
-
クラシック ヤッターマン ドローイング
1977年のアニメ制作時に描かれたキャラクター設定画。シンプルな線画でもヤッターマン、ドロンボー一味共にそれぞれの個性的なデザイン性が際立つ。
-
機能詳細
1.スモールブレード(小刃) 2.つめやすり 3.マイナスドライバー 2.5mm 4.はさみ 5.キーリング 6.ツースピック 7.ピンセット
サイズ:縦58 x 横18 x 厚み9mm 本体重量:21g
商品をみる
-
コンプリートボックス(全10アイテム)
クラシック ヤッターマンコレクション 全10アイテムと、ドロンジョの描き下ろしイラスト入り機能説明書をパッケージ化しました。
ビクトリノックス製品や、タツノコプロ作品のファンのみならず、全世界のアニメファンも注目する、ビクトリノックス・マルチツールとヤッターマンの魅力を詰め込んだ、初回生産300個限定のプレミアムBOXです。
BOXサイズ:縦243 x 横256 x 厚み30mm 価格:33,000円(税込)
※画像はイメージです。実際の商品と異なる場合があります。
©タツノコプロ
-
クラシックカラーズ
2020年の発売以来、ビクトリノックス・マルチツールのベストセラーを獲得し続けている、30色のカラフルなカラー展開の「クラシック カラーズ」。
長さわずか58mmのスモール・マルチツールで、ブレード、つめやすり、はさみなどが搭載された機能的で、スタイリッシュなツールです。
その豊富なカラーの中から「ヤッターマン」のキャラクターカラーに合わせたマルチツールのハンドルに、それぞれのキャラクターを描きました。
商品をみる
-
ヤッターマン
タイムボカンシリーズ第2作「ヤッターマン」は、大金塊のありかを示すといわれるドクロストーンをめぐって、正義の味方ヤッターマンと悪党三人組ドロンボー一味が世界中を駆け巡り争奪戦を繰り広げる、シリーズの人気を決定づけたヒーローギャグコメディ。
正義のヤッターマンだけでなく、敵役であるドロンボーのキャラクターもとても人気が高く、全てのキャラクターを揃えたくなる、かつてないコレクションの誕生です。
#Victorinox#MyVictorinox#ビクトリノックス#マルチツール#クラシック#クラックカラーズ#アニメ#アニメコラボ#タツノコプロ#ヤッターマン#ドロンジョ#オモッチャマ#ヤッターワン#ドクロベエ#ボヤッキー#トンズラー
17 notes
·
View notes
Text
2024年3月5日
youtube
昭和50年代 広島市写真展(広島テレビ)
昭和50年代と現在の広島を比較し、変遷をたどる写真展が、きょうから広島市内で始まりました。
カープが初優勝した1975年。山陽新幹線の岡山・博多間が開業し、「カープの優勝は新幹線のおかげ」とも語られました。
旧日本銀行広島支店では、広島市が大きく発展した昭和50年代の街並みと現在を比較する写真、およそ170枚を展示しています。
会場には1981年に撮影された巨大な空中写真も展示。訪れた人たちは現在のマツダスタジアムの近くにあった貨物駅などを見ながらかつての景色を懐かしんでいました。
「ほとんど見たことがある写真団塊の世代ですからちょうど」
写真展は、今月10日まで開かれています。
減少する街の書店、国が本格的支援へ…読書イベント・カフェギャラリーなど個性的な取り組み後押し(読売新聞)
全国で減少する街の書店について、経済産業省が大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」を5日設置し、初の本格的支援に乗り出す。書店は本や雑誌を売ることを通し、地域文化を振興する重要拠点と位置づける。読書イベントやカフェギャラリーの運営など、個性ある取り組みを後押しする方策を検討する。
経産省によると、プロジェクトチームは映画や音楽、文芸などを扱うコンテンツ産業課に事務局を置く。キャッシュレス決済の推進や中小企業支援を担当する部署も参加し、部局横断型で事業内容の議論や調査を進める。
今後、経産省の担当者らと書店や出版関係者による車座ヒアリングの開催を予定。非効率な出版流通の改善や店舗運営におけるデジタル技術活用の必要性など課題を把握する。店主が一冊ずつ良書を選んで入荷し、店のサイトやSNS上で紹介する個人書店や、カフェや文具店を併設し魅力的な読書空間を作る書店チェーンなど優れた事例を共有し、支援策の参考にする。
街の書店は、インターネットの普及による紙の出版物の不振やネット書店の伸長により苦境が続く。日本出版インフラセンターによると、2013年に全国1万5602店あった書店の総店舗数は、22年に1万��495店に減った。
一般財団法人・出版文化産業振興財団(東京)の調査によると、全国の市区町村のうち、地域に書店が一つもない無書店自治体はおよそ4分の1にのぼる。本や雑誌を直接手に取って購入できない人が増える深刻な状況となっている。
本と出会う機会喪失に深刻な危機感
経済産業省が大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」を設置する背景には、街の書店が減り、多くの人がリアルな空間で未知の本と出会う機会を失っていることへの深刻な危機感がある。全国の自治体のうち約4分の1はすでに書店がなく、実際に地域による文化格差は生まれている。
世界経済のグローバル化が進む中、経産省は、映画や音楽をはじめコンテンツ産業の振興を掲げる。「経済が成熟する中で、自国のサービスや商品が海外で勝ち抜くには、文化による新たな付加価値をつけることが必要」と語る。だが文化の基盤である活字や本に人々が広く触れる環境がなければ、新たな魅力的な発想は生まれないだろう。
韓国では、日本の文化庁やスポーツ庁などにあたる文化体育観光省管轄の「韓国出版文化産業振興院」が中核になって支援事業を担当。独立系書店と呼ばれる中小の書店が活気づく。
東京都文京区で街の書店「往来堂書店」を営む笈入(おいり)建志さん(53)は、「雑誌が売れた頃は、お客が定期的に街の書店を訪れる習慣があった。今は2000年頃に比べ、お客は7~8割になった感覚だ」と語る。人々が本を買いに店に立ち寄るきっかけを作るため、トークイベントや読書会などを開く工夫をしている。
各地の書店には、優れた選書眼や読書イベントの経験を持つ書店員たちがいる。まずは、現場から優れた事例を集め、何ができるのか国や民間の垣根を越えて知恵を絞りたい。(文化部 小杉千尋)
西川立一(ラディック代表/流通ジャーナリスト/マーケティングプランナー)
見解 街の書店の苦境は、稼ぎ頭だった週刊誌などの雑誌の衰退や漫画の電子本の台頭も要因で、それに店主の高齢化による廃業や後継者不足で店舗数の減少が加速化した。
一方で、若い人を中心に特色ある書店の出店も盛んになりつつあり、紀伊国屋書店をはじめとする大手は堅調で、大型のショッピングモールには書店が必ずと言ってある。
経産省の「書店振興プロジェクトチーム」の設置は、遅まきながら��感もあるが支援は必要だ。ただ、官主導での取り組みだけではなく、地域の人たちがどれだけ書店を必要としているか、そのため主体的に何ができ、何をするのかが求められている。
中井彰人(株式会社nakaja lab 代表取締役/流通アナリスト)
見解 生き残って頑張っている街の書店は、イベントやSNS発信によって文化の灯を消さぬよう努力をしている。しかし、書籍小売業が苦しいのは、本が売れなくなったことに加えて、本がある程度売れたとしても、粗利率が低く抑えられているため(2割強)、収益の確保が難しく、持続するのが困難なことにある。この解決策を見つけたのが、ヴィレッジヴァンガードである。今は店舗を広げすぎて業績が苦しい状態ではあるが、かつて、ヴィレヴァンは、総売上の6割以上を雑貨で構成することで、読んでもらいたい本の売場(売上の3割弱)を維持することに成功した(2002年時点のデータ)。この時の同社の雑貨粗利率36%、本は21%であり、これで事業としての持続可能性を構成していたのである。書店支援は単に予算を流し込むのではなく、書店が事業として収益確保するため、商材やサービス及び、自立的ビジネスモデル開拓の支援に、重点を置いてほしい。
「書店」10年間で764社が倒産や廃業で消えた(東京商工リサーチ 3月10日)
「書店」倒産、休廃業・解散、新設法人 社数推移(1-12月)
書店運営会社(以下、書店)の市場退出が止まらない。2014年以降、書店は倒産・休廃業が新設法人を上回る状態が続き、10年間で764社が市場から退出した。店舗数の減少も続いている。経済産業省は3月5日、「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げ、支援意向を示すが、ネット書店や電子書籍に押された書店の減少に歯止めがかかっていない。
書店の倒産 ピークは太洋社破産の2016年
書店の倒産(負債1,000万円以上)は、2014年から2023年の10年間で140社に及ぶ。
ピークの2016年は25社発生した。2016年は、出版取次の(株)太洋社(千代田区)が自主廃業の方針から一転して3月に破産を申請した。連鎖する形で同月30日までに18社の書店が、次々と倒産や廃業に追い込まれた。書店の経営環境が厳しさを増し、書籍を卸す取次店の業績悪化も深刻な時期だった。
その後、書店の倒産は一進一退が続き、コロナ禍では資金繰り支援や巣ごもり需要などを背景に、倒産は減少に転じた。2021年、2022年の倒産は各5社と小康状態にあったが、支援縮小や特需が一巡した2023年は一気に13社と2.6倍に急増した。
書店の休廃業・解散が高止まり
倒産以外で事業を停止した休廃業・解散も分析した。太洋社が破産した2016年の休廃業・解散は63社(前年比28.5%増)と急増。その後も増勢をたどり、2018年は78社、2019年は77社と高水準が続いた。
コロナ禍では倒産と同様、休廃業・解散も減少したが、60社前後で高止まり状態にある。
倒産と休廃業・解散の合計は、ピークの2019年に101社に達した。コロナ禍では減少したが、2023年は67社に微増し、過去10年間で764社が市場から退出している。
書店は8年連続で純減
一方、書店の新設法人は、2013年が81社だった。2013年の倒産と休廃業・解散の合計は75社で、書店は6社の純増だった。
ところが、新設数の減少から2014年は8社の純減に転じ、2019年は56社まで純減が拡大した。コロナ禍の2022年も21社の純減で、2014年から8年連続で純減が続いている。
電子書籍が浸透し、書店の存在が揺らいでいる。店舗で目当ての本を探す楽しみや、知らない本との出会いも、書店の減少で失われつつある。書店の復活には“待ちの営業”から客足を向かせる創意工夫への転換と同時に、国や出版社の継続的な支援が必要だ。
3 notes
·
View notes
Text
MUCC、『志恩』・『球体』ツアー Zepp Shinjyuku公演オフィシャルレポート
MUCC 画像を全て表示(10件) 7月26日(水)にZepp Shinjukuで開催された『MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」~志恩・球体~』のオフィシャルレポートが到着した。
MUCCが、2023年7月26日(水)に東京Zepp Shinjukuで『MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」~志恩・球体~』を行なった。結成25周年を記念して、過去に発表したアルバムを軸にするツアーを2022年から開催しているMUCC。この日は、2008年に発表した8thアルバム『志恩』と2009年に発表した9thアルバム『球体』を中心にしたツアーのひとつ。またライブ・タイトルでは一切触れていないものの、7月26日はギターのミヤの44回目の誕生日でもある。
そのミヤがセレクトした開場BGMと、ミヤの誕生日を祝う気持ちで、開演前からすでに熱さも充満するソールドアウトとなったZepp Shinjuku。SE「球体Instrumental」が響くとハンドクラップも起こり、ステージは照明で赤く染まっていった。まず登場したのはサポートの��田トオル(Key)とAllen(Dr)。そしてストロボ・ライトも点滅し始めたステージに現われるYUKKE(Ba)とミヤ(Gt)。一気に高まる興奮と緊張感。SEが「99」のシーケンス・フレーズへと切り替わり、一人、照明を浴びながらミヤがギター・フレーズを奏でていった。泣きと哀愁のメロディが夢烏たち(オーディエンス)の気持ちを惹き込んでいく。
だがその直後のこと。逹瑯(Vo)がステージに登場し、大きく足を広げたと思えば、衝動の塊のような咆哮をとどろかせた。同時に何本ものスモークが激しく上がり、バンド・サウンドは業火のごとく夢烏を襲う。身体も脳も叩き起こされ、荒れ狂う海原のように極悪なうねりを夢烏たちはフロアに作り上げていった。 『志恩』と『球体』の世界観を現在のMUCCが再構築した曲が、1曲目となった新曲「99」だ。歪んだ声や突き抜けるメロディを駆使した逹瑯のボーカル、メロディック・デスの旨味もたっぷり吸った攻撃的リフやリズム。そこに煽情的なフレーズも入り込む。この25年間で培ったMUCCの圧倒的実力は、ライブに次ぐライブでさらに研ぎ澄まされ、熱量も説得力もハンパじゃない。
「オイ、新宿! 俺の誕生日だ、暴れてけよ!!」―ミヤ
本日の主役自らが夢烏たちを荒っぽく歓迎。逹瑯も「全力で祝おうかー!!」とシャウトのように叫びながら、曲は「咆哮」へ。ラウドで激情たっぷりの音が暴れ狂う。 なにしろ、『志恩』と『球体』は、AVENGED SEVENFOLDやBULLET FOR MY VALENTINEらとのカップリング・ツアー<Taste of Chaos 2008>など、MUCCが精力的な海外ツアーを行なっている最中にリリースや制作されたアルバムでもある。エレクトロやメタル・テイストも強めで、ハジけていく曲や尖ったナンバーも多い。つまりライブで威力を発揮する曲たちだ。そうしたナンバーを次々とたたみ掛け、熱を注ぎ込み続けるMUCC。歓声も掛け声も思いっきりあげながらモッシュでぶつかり合う夢烏たち。熱狂と狂騒の渦がMUCCを激しく彩り続けていく。
「新宿区歌舞伎町でここだけが唯一、治安がいい場所。思う存分、はっちゃけて、暴れていってくれ」―逹瑯
ライブの様相は激しさを増すばかりながら、MUCCを愛する夢烏たちしかここにはいないから、治安は確かにいい。一切の遠慮なく強烈なプレイや邪悪な歌いっぷりで圧倒しながら、楽しさマックスの笑顔もこぼすメンバーたち。夢烏たちの身も心も激しく突き動かしながらライブは展開していった。
しかし中盤には、もちろん『志恩』からの「小さな窓」や、『球体』からの「讃美歌」など、想いの溢れる言葉や音で、心をつかんで魅了するMUCCも。それぞれの楽曲を生み出して、すでに10数年もの時が経った。その間にバンドとして、メンバー個人として経験した出来事の中には、当然、悲しさや寂しさを伴なうこともあったはず。そうしたことが意識せずとも曲にフィードバックされ、メロウな曲や歌から自然に滲み出る様々な想い。生まれたとき以上に膨らみと包容力のある曲になって、夢烏たちの心を丁寧に包み込んでいった。
だがミヤの呪術的なフレーズを合図に「志恩」へ突入すると、ライブは再び急展開。照明で不気味な陰影も浮かべた表情で、メンバーは邪悪な音を叩きつけていく。「空と糸」では「起きてるのか、新宿! コロナでなまってんじゃねーぞ!!」とリフを弾きながらミヤはさらに焚きつける。鋭利で凶暴なMUCCサウンドが夢烏たちを激化させ続ける。しかし、そんなもんでは本日の主役は満足しない。「今日のために、わりと緩めの会場選んだつもりだ。やれるヤツは、やれ!!」とミヤ。そうして始まった「フライト」では、夢烏たちの肩車がいくつも出現し、曲のキメと同時に、ミヤの誕生日を祝うクラッカーのテープのごとく跳び、そのままクラウドサーフも。こんな祝福されたら、やっぱり黙っちゃいないのがミヤ。「フライト」の勢いのまま「1曲追加します!」と、『極彩』からの「謡声」をブチ込んだ。イントロ直後に慌てふためく吉田トオルの姿に、全く予定になかった曲だったことが伺える。こうしたお祝い返しなどもありながらライブはエンディングへと向かっていった。
アンコールでは、一人、ミヤが感謝しながらステージに登場。「44歳になりました。ありがとうございます。18~19歳で上京して、すぐ歌舞伎町でバイトを始めたんですよ…」―ミヤ カラオケ屋でお客さん勧誘のバイトをしながら曲を作っていた話や、バイト時代の様々なおもしろい出来事も暴露。「俺の第二の故郷は、ここなんで」と、お笑いトーク・ライブと化すミヤ@Zepp Shinjukuである。YUKKEと逹瑯も加わって、歌舞伎町にまつわる話が止まらない。トリオ・ザ・MUCCの独演会となっていく。
また話は、グッ��のひとつ“パイ扇”のことに。LEDで鮮やかに光る扇子だ。「みんな、点けてみて。せぇ~の!」とYUKKEの言葉を合図に光らせると、吉田トオルが「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」をピアノで弾き始め、LEDスクリーンには“HAPPY Birthday TO MIYA”の文字やキャンドルのCGが。夢烏たちが歌いながら祝う中、ステージには巨大な誕生日ケーキも登場。さらに、MUCCのFC旅行<ムックランド>シリーズのキャラ“チャッピー・ラビット”(ミヤがデザイン)も駆けつけて、生みの親を祝福。にぎやかで愛に溢れるお誕生日会となった。
約20分のトーク・ライブの後は、フライングVを持つチャッピー・ラビットも交えて「蘭鋳」を全員でかき鳴らす。曲の中盤、座ってからの一斉ジャンプの合図を出すのは、もちろん主役のミヤだ。「MUCC最初の44歳、一緒に遊ぼうぜ! 歌舞伎町、全員、死刑!!」―ミヤ
全身全霊で楽しむMUCCと夢烏たち。そして25年前のバイト中、この第二の故郷で見た人間ドラマから作った「娼婦」も披露。いろいろな曲展開が入ってくるあたり、当時からの音楽的貪欲ぶりが現われている。この日のラストを締めくくるのは、未来に向けた願いも込めた「WORLD」。メンバーがハーモニーを歌いながら曲に入っていくと、夢烏たちも歌声を響かせていく。MUCCの演奏と夢烏らの歌はひとつになって、さらに夢烏たちは愛も込めて手を掲げ続ける。互いに笑顔を見せながら感動のエンディングを迎えた。
取材・文=長谷川幸信 撮影=冨田味我
セットリスト MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~志恩・球体~ 2023年7月26日(水)Zepp Shinjuku 01 99 02 咆哮 03 アゲハ 04 梟の揺り篭 05 オズ 06 レミング 07 ファズ 08 アンジャベル 09 カナリア 10 浮遊 11 燈映 12 小さな窓 13 讃美歌 14 志恩 15 空と糸 16 塗り潰すなら臙脂 17 シヴァ 18 フライト 19 謡声 20 hanabi 21 リブラ <ENCORE> 22 蘭鋳 23 娼婦 24 WORLD
quelle: spice-eplus.jp
2023.08.03
3 notes
·
View notes
Text
〜いつメンへ贈ることば〜
「いなくなる前におれらへの愛、語ってもらわなきゃこまるよなあ?」『そうだそうだ!』ってヤジが飛んできたので、おれらが悪かったって!ごめんって!ってなるくらい熱く語ってやろーと思います。正直、こんなふうになかよくなれるなんて1ミリも思ってなかった。それは、この4人でいつメンって呼べるようになれるとか以前の話で、個々としてまずここまで深く関われるなんて夢みたいだと思ってます。それでは、どーぞ!
みおさんへ。お友だちがすごく多そうで、性格的にも真逆やとおもってたし、今までのゆうかからしたら見てるだけで幸!ってタイプのおんなのこだと思ってた。お酒がすきな女子に出会えるとおもってなくて、最初はキャスでたくさん話してたのが懐かしいな。おたがいに人見知りやのに一緒に飲みたいっていう夢を叶えて、最初はふたりとも素なんて出せなかったと思うし、あの頃はいっぱい誘わないと!って思ってた頃が微笑ましく思える。ちょっとした緊張感の中でも不思議と波長があって、割とはやい段階で本音をこぼせるような仲になって、気付いたころにはいつもみおさんがいた。時間があけば、みおさんに会いにいきたいと思うようになった。それに気付けたときはすごくうれしかったな。みおさんはいい意味でぜんぶひっくり返してくれたおんなのこ。そして、理想でもあるおんなのこ。他人への思いやり、言葉の噛み砕きかた、人への伝えかた、おんなのことしてのありかた、ガサツさをいっさい感じさせずどこまでもかわいさを見せれる数々のギャップ。どこを切り取ってもいい女やし、彼女のようには生まれ変わらない限りなられへんと思います。こんなにちがうのに、それでも居心地がいい場所。自分のことよりも他人への思いやりがつよすぎて、抱え込んでしまうみおさんのことはすごく心配やけど、それでもあたりまえにそれができるひとは数少ない貴重な人間やから、みおさんのすごく素敵なところだと思います。尊敬します。そんな中で、素直に甘えられるひとがたったひとりやふたりでもいてくれたらあとは見守るだけです。だれかの肩にもたれかかりつつ、心の底からやさしいそんなみおさんを変わらず見守っていられたらゆうかは幸せです。申し訳ないことにゆうかは鈍いので気付いてあげられへんことはたくさんあるけど、必要なときはいつでも駆けつけます。みおさんがたまにこぼしてくれる「あのね」がだいすきやし、これからもみおさんの感じた気持ちをほんの一握りでもおすそわけしてもらえたらそれでいいな。それと、いろんなこと悩んだとおもうけど、自分のことを後回しにしてまでもゆうかのことお見送りしてからにするって言ってくれてありがとう。みおちゃんもおつかれさまでした!ゆっくりやすんで、これからはのんびりと一緒に歩いてこ。申し訳ないっていってたけど、今までもこれからもゆうかの今田美桜枠はみおさんだけです。だいすきですヨ!これからもね。
のむさんへ。悪い意味じゃなくて、3人の中でいちばんこんなにも近くにいられるようになるとは思ってなかった。なんとなく、のむさんの中に入りこめるスペースはなさそうというか、自分にはその権利を与えられないやろなって感じでなんとなく手の届かない存在と思ってた、はず(テキトーなこと言うな)。なんか、学生時代のカースト上位の男子グループをただ目で見て追ってたようなそんな感覚?でもそれは間違いで、のむさんはいくら友だちが多かろうが、みんなとの距離感を大事にしていろんなひとを楽しませる天才の男だった。すげーよ。陰キャ丸出し女は、のむさんの気さくさにあっという間に惹かれてて、きっかけなんてどこにもないのに自然とのむさんのことがだいすきになったし、会えば自然とぺちゃくちゃ話すようになった。自分らしさを見せるようになった。なんかほんまにすべて気付けばって感じで、自分からあそぼー!って駆け寄りたくなるような存在になったし、このひとの背中をみてようって思ったんですよね。たのしければいーよな!なんとかなるって!精神のうちらは、たぶんこのメンバーの中でいちばん深い話というものをしてないと思います。必要以上に一緒にいないうちらは、時間だけでいうと遊んだ時間もすくないと思います。それでも、この男に気持ちをあずけたらなんと��もなる、とも思うようになったし、どんな場でもどうにかしてくれるっていう頼もしさに甘えまくってる気はしますが、のむさんがその場におるだけでゆうかの中の安心感というものが一気にあがります。それくらい、のむさんはゆうかにとってすごい男で信頼してるひとです。全部なんとなくやけど、ゆうかはこれからものむさんと一緒におるんやろうなって思ってる。言葉の壁にぶつかりすぎて多分1割くらいしか気持ち伝わってないのはすまんな。だいすきヤ!
しょうくんへ。しょうくんは、ほんまにアツいひと。彼のこと何度語ってきたんでしょう。このひとに愛されると、すごいです。いい意味で。彼は素直で、全部の道封鎖されたんか?ってくらいまっすぐにしか進めなくて、ほんまにうそがつけなくて。だからこそ最初は不思議なひと、ちょっとこわいかもしらんって正直思ってました。この言葉で傷つかないでおくれ。でも、そこの壁をこえると彼は知らない世界をぜんぶみせてくれた。人間らしく生きることの大切さ、ほんまに好きなひとたちに想いを伝えることの大切さ、日頃の他人を思いやる態度(言葉ひとつ、他のひとのことを考えて行動する大切さを改めてたくさん教わったなあ)、それをしょうくんが全部言葉と態度でおしえてくれたんです。ゆうかがなにかこまったとき、なにかを決断したとき、表立ってゆうかへの気持ちをあつく語ってくれるのはいつだってしょうくんがいちばん。いやあ、愛されちゃってますよねえ、まじで。ゆうかちゃんかわいい、ゆうかちゃんといるとたのしい、ゆうかちゃんの声が聞きたい、ゆうかちゃんと話したい、ゆうかちゃんのことがだいすき。たぶん、こんなにまっすぐ恥ずかしげもなく伝えてくれるのはだれよりもしょうくんだと思います。ぐるぐるまわって見ているだけで忙しいしょうくんやけど、見ていてたのしいし、無邪気なしょうくんはゆうかはすきです。ゆうかがなにかの壁にぶちあたったとき、ふざけんなよ!って怒りながら、ゆうかちゃんがだいすきだから!って言ってすべて守ってくれる頼もしさにいつのまにかたくさん心をあずけるようになりましたね。いつもは変な歌うたったり、どっから思いついたん?っていうような言葉発したり、わがまま炸裂しちゃったり、すねちらかしたり、かわいい子どもみたいなところもたくさんあるのに、急に男らしくなっちゃうもんだから魅力の塊ですよ、彼は。照れくさすぎていつも無視する!って怒られるし、言葉として返せてないことたくさんあるけど、内心はたくさんしょうくんに感謝してる。ゆうかが心をあずけられるなんて、ほんとうに貴重な存在です。そういうことです。伝わりましたか?いつもたくさんの愛の言葉を届けてくれてありがとう。こちらもだいすきです!
正直、ゆうかはグループという輪にはいるのも、そういうのを組むのも苦手です。人付き合いがうまくないのでせまいお付き合いが多いけど、それでも親密に関わることも、決まったメンバーみたいなものもほんとうは得意ではありません。でも、それをこういうのいいなあって思わせてくれたのが、いつメンって学生みたいでおもろいなって思ったのが3人でした!ありがとう!おれら永久不滅卍!世界平��!
3 notes
·
View notes
Text
★2024年読書感想まとめ
2024年に読んでおもしろかった本の感想集です。寝て起きると昨日のすべてを忘れてる……っつう繰り返しで日々一切が過ぎていくので、一年の記録を��とつにまとめとくのもいいかなと。以下ざっくばらんに順不同で。ちなみにNot 新刊、ほんとにただ読んだものの感想です。
◆◆小説◆◆
●アンナ・カヴァン『氷』(山田和子訳・ちくま文庫) 巨大な”氷”の進行によって全世界が滅亡の危機にさらされるなか、男はヒロインたる”少女”をどこまでも追い求める……。もっとゴリッゴリにスタイルに凝った幻想文学かと思って足踏みしてたのですが、こんなに動き動きの小説とは。意外なほど読みやすかったです。唐突に主人公の夢想(?)が挿入される語り口も最初は面食らったけどすぐに慣れたし。内容はウーン、暴力まみれの病みに病んだ恋愛小説という感じ? 構成の一貫性とかは疑問だったりしたんだけどそのへんはどうでもよく。後半尻上がりに面白くなっていくし色々吹っ飛ばす魅力があってかなり好きでした。 それと解説に書いてあった「スリップストリーム文学」というのがすなわち自分の読みたい小説群だなーという嬉しい発見もあり。つってもジャンル横断的な定義だから、該当するものを自分で探すのはムズいけどね。
●スタニスワフ・レム『惑星ソラリス』(沼野充義訳・ハヤカワ文庫) 何年も謎に包まれたままの海洋惑星に降り立った主人公が遭遇する怪現象の正体とは?……っていう超有名なSF。「実はこの海は生き物なんじゃね?」がオチだったらどうしよう……と思ってたけど杞憂、それは出発点に過ぎませんでした。途中に挟まる惑星ソラリスの(仮想)探険史の部分がすごく面白い。あとはこの小説のまとめ方はちょっと神がかってると思う……。自分はSFは全然明るくなく、ちょっと異様な感触みたいなものを求めてたまーに手に取るぐらいなのですが、その点この本はほんとにセンス・オブ・ワンダーを味わわせてくれて良かった……。SF���ールタイムベスト1とかになるのもむべなるかなぁと。
●庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(新潮文庫) 東大紛争終息直後の1969年を舞台に、あれこれ思い悩む男子高校生の一日を描いた中編。自意識過剰気味の饒舌な一人称文体が特徴で、すごくユーモラスだけど主人公がかなりナヨナヨした人物にも見える……。でもその中から、外界の強烈な変化に対してありのままで居られない精神の揺れみたいなものが浮かび上がってくるところがおもしろくて、確かに青春小説の名作かも……と思いま��た。 リアルタイムにはどうだったか知らんけど、今の眼で見るといわゆる”1968年”以降の状況とか、70年代カウンターカルチャー的な空気の”乱暴さ”に対する、一見弱々しいけど切実な返歌って感じもしました。 もっとも読み終えてから、この小説をあえて政治的な色で塗るならいわゆる”保守反動”的な感性に分類されるのかなぁとかはちょっと思ったけど。しかし、リベラルにあらざれば人にあらずみたいな価値観こそ断然間違ってるしなぁなどと、ひとりで勝手に問答したりもしました(笑)。それに現実的にはそんな二分法で単純に分けられるもんでもないだろうし。なんとなく「その時代の作品」という感じなのかと思ってたけど、今読んでも全然おもしろかったです。
●フランツ・カフカ『審判』(池内紀訳・白水uブックス) 理由も分からないまま突然逮捕された主人公が、裁判の被告の立場にずーーーっと留め置かれるっていうお話。何ひとつ確かでないものに延々振り回され続ける理不尽が、ときに笑っちゃうほど面白く、逆に陰惨すぎるくだりもあったりして、総じて非常に好みでした。バカバカしいけどブラックな不条理ユーモア小説? カフカって自分が漠然と抱いてたイメージよりもずっと大胆で、わりとアホなことをあっけらかんと書いたりもするのねーという発見がありました。このお話には裁判的なものの外枠と手続きのみがあって、そこに「法」はないのでは? というふうに読んでたのですが……。終盤の「大聖堂にて」っていう章が凄かったです。
●スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』(野崎孝訳・新潮文庫) ニューヨーク郊外に暮らすギャツビーという名の大富豪の生き方を、たまたま隣に住んだ青年が垣間見る、みたいなお話。ストーリーそのものはわりとベタだと思うんですけど、それを語る会話パートの書き方の巧さと、ドラマの合間の地の文が醸し出すほどよい叙情性がすばらしい。純粋ゆえの虚飾、虚飾ゆえの純粋さみたいな、テーマの核心部分にもちょっと飛躍があって面白いなーと。この短さの中に、アメリカっていう国の一断面をパチリと切り取ってる感じがするのもまた。ひとことで言うと絶品でした。英語圏小説のランキング上位に入ってるのもむべなるかなぁと。
●三島由紀夫『仮面の告白』(新潮文庫) この人の長編はあんま肌に合わないかも……と思って敬遠してたのですが、初めて好きなものに出会えました。言わずと知れた一発目の代表作。同性にしか欲望を抱けない青年の葛藤を、韜晦まみれの絢爛たる文章で綴った青春小説。個人的には、い��ゆる”ふつう”でない自分を露悪的に飾り立てるような自己陶酔を振りまきながら、でもそれは”ふつう”でない自分を守るための防御姿勢にすぎなくて、結局は苦々しい現実と向き合わざるを得ない……みたいな話として受け取りました。読み方合ってるのか分からんけど。前半が下地で、後半がその実践編(あるべきとされる自分との葛藤編)なのかな。特に後半のなんとも言えないみずみずしさとその帰結がよかったです。
●横溝正史『獄門島』(角川文庫) 初・横溝。瀬戸内海の小島で巻き起こる猟奇連続殺人事件に金田一耕介が挑む。事件の過程はわりとふつう……と思いながら読んでいきましたが結局かなりおもしろかったです。振り返ると1から10まで本格ミステリじゃなきゃ成立しないような物語だったなと思って。国内ミステリーベスト1になるのもむべなるかなぁと。
●筒井康隆『敵』(新潮文庫) 折り目正しく”余生”を送っている渡辺儀助の生活風景を描いた老境小説。章題が「朝食」「友人」「物置」などとなっていて、各章ではそのカテゴリーごとに儀助の暮らしが掘り下げられていき、その積み重なりから彼の老境が浮かび上がってくる、みたいな趣向。特に食生活に関する記述が多いのですが、自分がほとんど興味ないのもあって前半は正直重く……。しかし地盤が固まり「役者」が揃ってからの中盤以降がけっこう楽しく、終盤は圧巻! けっきょく御大はすごかった……。 的を射てるかは分からないけど、小説の語り口的にもかなりおもしろいことをやってるような。老主人公の生活が章ごとにあらゆる角度から掘り下げられていきますが、そこで語られてるのは「ここ数年の彼の生活のディティール」っていうフワッとした塊としての時間であって、実は小説内では「敵」関連以外ではほぼ全く時間が流れてないように思います。A→B→……→Zみたいに、出来事同士を順番につないでいくことでドラマを進行させていくのとは全然違う手法で物語を語っていて、しかもそれにかなーり成功しているような。もちろん類例はあるんでしょうけど、個人的にはとても新鮮な小説でした。
★★★総合しますと、いわゆる名作と言われてるものって確かによく出来たものが多い……っつうめっちゃくちゃふつうのことを思わされた年でした。というか単純に数を読めてないのよなぁ。
◆◆その他の本◆◆
●『石垣りん詩集』(ハルキ文庫) 石垣りんのテーマは、貧しさ、労働、生活の苦しみ、”女性”性、戦争、戦後の日本、生きること、殺すこと、食べること、それらもろもろに否応なく内在する「ここにあることの残酷さ」みたいなものかなと思いました。��うした感情を、ゴロッとした異物感のある黒いユーモアで表現している詩が自分は好き。婉曲的に表現された切実な慟哭という感じもします。特に「その夜」っていう、入院中の書き手が人生の孤独と疲労を歌う作品が凄かった……。こんなん泣いちゃうよ。 「詩」というジャンルに依然として親しめてないので、定期的に読んでいきたい。
●柳下毅一郎『興行師たちの映画史-エクスプロイテーション・フィルム全史-新装版』(青土社) エクスプロイテーション=「搾取」。リュミエールやメリエスといった黎明期の作り手にとって、映画は緻密に作り込む「作品」ではなく興行のための「見せ物」に過ぎなかった――というところから説き起こして、観客の下世話な関心を狙って作られた早撮り・低予算・儲け第一主義映画の歴史をたどった本です。 取り上げられてるのはエキゾチズム(物珍しい異国の風景)、フェイク・ドキュメンタリー、魔術&奇術、畸形、セックス、特定人種向け映画、画面外ギミック映画などなど。現代の一般的な価値観や、映画=「それ単体で完結した(芸術)作品」みたいに捉えるとどうなのよ? ってものばかりなのですが、あの手この手でお客の関心をかき立て、乏しい小遣いを搾り取ろうとする映像作家たちの商魂たくましい姿が垣間見られる楽しい本でした。 見せ物小屋的映画論というのはある意味もっとも俗悪でいかがわしい映画論だと思うんだけど、確かにそれって実写映画のもっとも本質的な部分ではあるかも、という気がしてしまう……。個人的には、画面外のギミックで客を呼び込んだウィリアム・キャッスルの非・純粋なる邪道映画のパートが特に楽しかったです。一点だけ、エクスプロイテーションという概念設定はちょっと範囲が広すぎるような気はしないでもなかったかなぁ。でもこれを元に、観られるものをちょこちょこ観ていきたい所存。
●氷室冴子『新版 いっぱしの女』(ちくま文庫) 『海がきこえる』などの少女小説で有名な作者が、ふだん思ったことを自由に書き綴ったエッセイ集という感じでしょうか。一見柔らかいけどその実めっちゃ鋭い切り口と、それを表現するしなやか~な筆運びに痺れました。1992年に出た本だけど、新版が出てる通り読み物として全然古びてないと思う。おすすめです。
●『精選女性随筆集 倉橋由美子』(小池真理子選・文春文庫) この方のシニカルさと毒気がもともと好き、というのはあったのですが、とても良かったです。それでも最初のほうはあまりに歯に衣着せぬ攻撃性がなかなか……と思ったりもしたけど、中盤���文学論、特に大江健三郎、坂口安吾、三島由紀夫に触れたエッセイがなんともよくて。”内容はともかく独自の語り口を練り上げた文体作家として大江を読んでる”みたいなことを確か書いてたりして、言ってることが面白い。積んでる小説作品も読も~という気になりました。
●吉田裕『バタイユ 聖なるものから現在へ』(名古屋大学出版会) すんごい時間かかったけどなんとか読めた本。フランスの怪しく魅力的な思想家、ジョルジュ・バタイユの思想を、彼自身の記述を中心に先行テキストや時代背景なども織り交ぜて分析し、一本の流れにまとめた総論本。〈禁止と違反〉とか〈聖なるもの〉とか、彼の提出したテーマが結局面白いというのがひとつと、それらを論じていく手つきの周到さ・丹念さがすごい。特に日記や著書のはしばしの記述から、バタイユが影響を受けた先人の哲学(へーゲル、ニーチェ、マルクスとか)や同時代の思想潮流(シュルレアリスム、コミュニズム、実存主義とか)の痕跡を読み取り、そこから彼自身のテーマの形成過程を立体化していくあたりは本当に息詰まるおもしろさ。重量級の本でしたがめっちゃよかったです。もっとも自分は肝心のバタイユ自身の本を『眼球譚』しか読んでないので、現状この本のイメージしか持ててないというのはあるんだけど。とりあえず『内的体験』と『エロティシズム』だけはどうにか読んでみるつもり。
◆◆マンガ◆◆
●ジョージ秋山『捨てがたき人々』(上下、幻冬舎文庫) いろんな意味で深ーい鬱屈を抱えた狸穴勇介(まみあなーゆうすけ)という青年が、新興宗教の信者である岡辺京子という若い女性と出会ったことで始まる物語。性欲と金銭欲を筆頭に、あらゆる現世の欲望にまみれた救われぬ衆生たちの下世話で深刻な人間絵巻、といった感じでしょうか。ふつうに考えるとまぁそこまではいかんやろ……という境界を軽々と乗り越えてくる常軌を逸した展開がすごい。それと人間っつうのはホントにどうしようもない生き物だね~という気持ちにもさせられます。学生のときに買ったんだけど当時はつまらなくて挫折、自分にとってはあまりに読むのに早すぎたんだな……と今にして思いました。最序盤の伏線とかをきれいに回収し切ってはいないんだけど、この際そのへんはどうでもいいかなと。ここまで徹底的な方向へ流れていくならもう何も言えねえわ……って感じの終盤もすばらしい。 これが2024年に読んだものの中で一番面白かったです。
●小骨トモ『神様お願い』(webアクション)、『それでも天使のままで』(アクションコミックス) 両方とも短編集。子供のころや学生時代のイヤ~~~~~~~な記憶、それもおもに自分の弱さや性欲といった、一番目を向けたくない部分がどんどん脳裏によみがえってくる、えげつないけど得難いマンガでした。10代なんてまだまだ若いし人生これから! っていうのも本当だけど、それと同時に人生自体はとっくの昔に始まってて、けっこう多くのことは取り返しがつかないし人間の根っこの部分は歳食ってもそうそう変わりはしないっていう、しんどすぎるけど(自分にとっては)大切なことを思い出させてくれたところが何ともありがたかった……。お話の展開も総じてすんごいテクニカルな気がします。 それでも新刊の『天使』のほうが、『神様』よりほんのちょっとだけ優しさを感じる部分は多いかしら。
●吉田秋生『カリフォルニア物語』(全4巻、小学館文庫) 自分はおそらく作り手への愛とか感謝の念にはめっぽう乏しいほうで、何でも作品単体で眺めて、あーでもないこーでもない、ワンワンギャンギャン吠え猛ってしまう人間なのですが、吉田秋生だけは例外。何でも好き。丸ごと好き。読めるだけで幸せ。どのへんが琴線に触れてるのか正直自分でも分からないのですが、気になる部分があっても好きがそれを上回ってしまう気持ちというのは幸せだなーと思ったりします。 これは最初の代表作に当たるのかな。ニューヨークを舞台に行き場のない若者たちを描いた群像劇。彼女の描く、イタミやすい少年少女が自分は好き……。舞台はニューヨークなのに題名がこれなのもスマートでイカしてる。 もっともファンみたいに書いたけど、実は『BANANA FISH』と『海街diary』っつう一番大きいふたつをまだ読んでません。買ってはあるんだけどなんかもったいなくて……。でも2025年中には読もうかな。
●高橋しん『最終兵器彼女』(全9巻、ビッグコミックス) 部屋の片隅に長ら~く積んである『セカイ系とは何か』をいよいよ読むべく、『イリヤ』ともども手元に揃えてやっと読了。結果、あらゆる方向に尖りまくった傑作じゃん! と思いました。世界の崩壊に対して主人公2人の恋愛という、圧倒的に超無力なモノを対峙させ、理屈ではなくエモーショナルの奔流として無理矢理! 成立させた名作という感じ。まぁこの2人にほとんど感情移入できないほど自分が歳取っちまってることは悲しみでしたが、いい意味でのぶっ壊れっぷりが面白く。 それと自分はこれを読みながら、たまたま以前読んでいた米澤穂信の某初期長編を思い出したり。世界は刻々と変化しているのに自分たちは無力な青春の中で何もできないでいる、みたいなこの感じって90年代から00年代の日本独自の感覚なんでしょうかね……。ちなみに『イリヤ』はまだ1巻しか倒してませんが読み��す。今年中にはきっと読みます。読み切ることになっています。
●梶本レイカ『悪魔を憐れむ歌⑤』 4巻までで連載が打ち切りになってしまったマンガを、作者ご自身が5巻を自費出版して完結させた作品、だと思います。 舞台はさまざまな腐敗に揺れる北海道警察管区。人間の四肢を逆向きに曲げて殺害する、「箱折犯」と呼ばれる過去の猟奇殺人が突如再開され、そこからふたりの男のウロボロスめいた運命の輪がまわり始める……。 出版形態のためかは分からないですけど、最終5巻はこれまで以上に描写のタガが外れてる感じで、それがすごい楽しかったです。1巻の出だしからはこんなとこまでフッ飛んでくる話だとは思わなかった……。それでいて猟奇殺人ミステリーとしてもなるほどーと思うところもあって。この方はすごい前に『コオリオニ』っていうマンガも読んだのですが、主要キャラクターをとつぜん突っ放す感じがこわい。けど面白い。お疲れさまでした。
◆◆補足◆◆
・安部公房もちょろちょろ読んだり。今のところは、異常どころかめっちゃ理知的なアイデア作家という印象なんだけどこれが覆ることがあるやいなや。 ・『めくらやなぎと眠る女』というアニメ映画の予習をするついでに村上春樹の短編もちょこっと。ファンには超怒られそうですが、彼の小説ってパスタ茹でたりジャズを聴いたり昔の恋愛とか人間関係の失敗を感傷的に懐かしんだりといった、ザ・村上春樹なことをやってるときは…………なんだけど、その先で訳分からんことになる話がたまにあってそれがめっちゃ面白かったです。現状読んだものだと「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「納屋を焼く」が最高でした。できれば全作読んでみたい。 ・フランク・ハーバートの『デューン』シリーズも2個目まで。SFファンタジーの大家というイメージで読んだらメインで使う語り口(作劇法?)が超・会話劇なのが意外でした。
★★★これを書いている2025年1月現在はドスト先生の『悪霊』を読んでいます。が、全体の十分の一すぎてもまだ若者世代の話に入らないので投げ出しそう……。シニカル成分100%の語り口はけっこう好みなのですが。前に読んだ『罪と罰』と比べても視点が格段にいじわるな気がして、これを書いてたときの作者の精神状態やいかに? 2025年はもうちょい数をこなせたらいいなと思っています。ではー。
0 notes
Text
2024年遊んだゲーム振り返り
2024年お疲れさまでした。
例年のごとく、一年で遊んだゲームの振り返りです。思い出せる限りで、EDまで到着している・ある程度遊び尽くしている作品をリストアップしています。 直接的なネタバレは避けるようにはしますが、その判別は私の基準のためご注意ください。(「物語を詳細に書き起こしてはいない」をネタバレ回避ぐらいに捉えています)
・未解決事件は終わらせないといけないから(1月)steam
レプリカ、リーガルダンジョン、The Wake、に続くSOMIさんの作品。過去三作よりものすごーーーーく遊び���すくて、主題もわかりやすく、フレンドリーに作られているなあ、という印象でした。実際大きな反響があって、色々な人が遊んでいるのを目にしました。とても嬉しい。 誰が・いつ喋ったものかもわからない証言の山を見比べて、話者・前後関係を明らかにしながら少女誘拐事件の真相を追いかける、テキスト主体のミステリーアドベンチャーです。二重三重にめぐらされたミスリードをくぐり抜け、物語を紐解いたときに残るやるせなさと温かさ。 スタッフロール後のあとがきとして表示されるのでまま引用しますが、「他人に理由なく優しくしたとき それまで存在しなかった物が 新たに作り出されて 人生のプロットが変わると信じながら 私はこのゲームを完成させた」の一文、これを過去三作のあとに出てきた作品として受け取った身として、深く息をつく思いでした。
・The Case of the Golden Idol(1月)steam
(かなりネタバレです) 穴埋めミステリーがもっと遊びたい! という動機で遊んだゲーム。不思議な力を持つ像を手にした人々が歴史上で巻き起こす、凄惨な事件の繰り返しを追っていくアドベンチャーです。たしか有志の方の日本語パッチを当てて遊んでいたはず。 遊びやすかったか、というと正直NOなのですが、金の像に魅了された人々が燃え上がらせてゆく火をハラハラしながら見守っていました。相続争い、カルトの関与、ゆくゆくは戦争にまで発展するそれらが突然、ひどくあっけない理由で終わってしまうところ、歴史だな~と笑っていたように思います。
・かがみの特殊少年更生施設(4月)web
これゲームかな……web上で遊びきれるものだからギリギリゲームの範疇でいいか……。 第四境界さんが提供するARG(代替現実ゲーム、現実とフィクションの境目を曖昧にするゲーム)のひとつで、「ゲーム」としてのガワはなく、web上に公開されているひとつのホームページに直接アクセスして触れる形を取っています。 一見ふつうの少年院のものとして公開されているそのページには、いくつかの不自然な点が。気にかかるワードをページ内の検索窓で調べていくと、職員用に秘匿された機密ページが引っかかってしまいます。こうしたワードを見つける→検索をする、のくり返しで、施設の隠した後ろ暗い秘密を暴いていくことになります。 この作品に触れる「私」はおおよそのゲームのように、プレイヤーとしての人格を別に取るものではありません。あくまで私であり、ただそのページにアクセスしているだけの部外者です。なにかを解決することもなければ、危害に晒されることもありません。ただ薄気味悪い内情があったことだけを能動的に知ってゆく体験、得がたいものでした。おもしろかった。 似た形式でサイレントヒルとのコラボサイトがあるようなので、そちらも遊んでみたいなあとおもいつつ、つつ、足踏みをしています。遊ぶカロリーが高い……。
・ユニコーンオーバーロード(4月)switch
今年!? 去年ぐらいの気持ちでいました。本当に面白かったです。 ヴァニラウェア発のSRPG。私はオーディンスフィアも十三機兵防衛圏も未プレイで、こちらの作品は初めて。 突如巻き起こった反乱により転覆したコルニア王国、反乱軍の将により再興された古代帝国、彼の手に落ちていく周囲の国々。母であるコルニア女王を城に残したまま落ち延びた王子アレインは、やがて解放軍を率い、祖国を取り戻す旅に出ることとなります。物語は王道も王道、主人公も良心の塊で、この時代に珍しく、心ゆくまでヒロイックなロールプレイをさせてくれる作品でした。 すばらしいのはなんといってもその自由度の高さ! 序盤の必須イベントを除いて、ほとんどのシナリオは順不同で進めることが可能です。それでいて推奨レベルである程度の導線を引いてくれるので、チャレンジを選ぶもよし、導かれるまま遊んでもよし、と快適にプレイすることができました。(ただ、その自由度と引き換えに、どうしてもメインストーリーの臨場感は薄れてしまうなあと思うところもあって……両立の難しさを感じました) ドラケンガルド王国でのサブシナリオ「岩山に薔薇よ咲け」がよかったな、と今でもしみじみ思いだします。残した者・残された者の気持ちが交錯する、今度こそはと気が逸る、彼らの後悔を掬い取る。名シナリオです。だばだば泣きました。
・Staffer Case(5月)、Staffer Reborn(6月)steam
作品としては別個ですし、システムも違うのですが、同じ世界観であり繋がりを持つもののため一緒に。 超能力者「ステッパー」の存在する世界、彼らを管理する街ロンドンが舞台。ステッパーらの起こす事件専門の警察部署に配属された新人捜査官ノートリックの物語です。 ゲームのジャンルはミステリーアドベンチャーで、証拠同士を突き合わせて疑問を解いていく形です。並外れた聴力で心臓の鼓動を聞き取り「嘘を聞き分ける」能力者、現場に残った見えざる証拠を見出す能力者、そして、ミステリーものでは掟やぶりであろうサイコメトラー。彼らの中で奮闘するノートリックにご期待ください。 操作性は……よい、とはいえず……テキスト送りや演出のテンポが遅くてせっかちプレイヤー(私)は歯噛みしながら読み進めていたのですが、Case2の展開が非常によくて、評価ががらりと変わった作品でした。悪いことは言わないのでネタバレを踏まないうちに遊んでください。Case2までは無料体験版があります。Case2以降もすさまじいのでひっくり返ってほしい。 Staffer Rebornのほうが短くて遊びやすく、一応独立はしているのでどっちを先に遊ぶか……なのですが、私個人はCaseの後をお勧めします。
・鏡のマジョリティア(8月)PC app
いわゆる架空言語翻訳ゲームーーただし読み取るのはカードゲームの専門用語だ!フリフリをコンコンしてもらおうか! 主人公はカードゲーム「魔女の布陣(マジョリティア)」が大好きな少年――ではなく、それを模したものの記憶が欠落してしまったアンドロイド。そんな彼には、マジョリティアに負けた瞬間に時間を巻き戻す能力が備わっていて……。 すなわちゲームの核は、用語の意味を掴みながら何度もやり直し、相手の出方を覚えて、それにカウンターを構える死に覚えシステムです。カードゲームの用語を読み解く特性上、「これは私」「これはあなた」のターンが不要になっているのが、この種のゲームでは本当に画期的! そのうえ、キャッチ―な読解ゲーム部分を前振りとしつつ、あるときゲーム性ががらりと変わる瞬間があって。たどり着いた瞬間に息を呑んだものでした。やれることが大きく広がってしまう。 物語にはいくらかのオタクノリがありつつも、基本的にはホビアニ(ホビーアニメ)の熱血テンション。テレビにかじりついて見つめていたころのことを思い出しました。おもしろかったです。
・Citizen Sleeper(9月)steam
辺境の宇宙ステーション「アーリンの瞳」に流れ着いた漂流者の視点で、そこに住む人々との交流を重ねてゆく物語。ステーションに跋扈するギャングたち、労働者を酷使する大企業――資本主義に圧迫された暮らしを送る人々。ステーションを揺るがす動乱に身を投じていくもよし、場末の小さなバーに力を貸すもよし、日に一度だけ振られる複数のダイスの目を行動リソースとして、様々なアクションを試みていくTRPGチックなゲームシステムとなっています。日本語ローカライズが丁寧で、UIもSEもたいへんに気持ちがいいので、文章を読んでいるだけで豪華なものを味わっている心地になりました。 はじめは行動回数も少なくて、生き延びることさえぎりぎり。他人を救ってなんかいられません。それでも懸命に住民と関わっていこうとする試みのあいだに、ステーションの内情や彼らの苦しみが明らかになってくる――こうして出会う誰もの力になりたくなってしまう。 体制をひっくり返そう!という壮大なドラマにも浸ることができたのですが、私個人としてはもっと小さな、必死に毎日を生きている人たちの物語に感じ入ることが多かったです。初めに出会ったのはひとりでバーを切り盛りするタラさんだったし、寡黙な料理人のエンフィスに口を開いてほしいと思ってしまった。 いっぱいに堪能して満足です。よい作品でした。
・レイトン教授と不思議の街(9月)SP
DSによるレイトン初期の��部作では最初も最初の作品。ほか二作は先に遊んでいるので、これが最後になりました(アロマさんが誰だったのかがやっとわかった……)。 三作ひっくるめて、ストーリーの点ではこれが一番好きでした。劇的なものはなく、物語の終わらせ方にレイトンらしさがある。あの展開であればいくらでも壮大な展開にできたであろうところ、こう落ち着けてくるんだなあ、というバランス感に染み入りました。 ナゾは比較的とんち系のものが多かったな~という印象。私自身が手数の多いパズル系が苦手なのもあって、遊びやすかったなと思います。
・ゼルダの伝説 知恵のかりもの(10月)switch
これおもしろかったなあ。おもしろかった。 私がゼルダに入ったのは「夢をみる島」からだったので、そのリメイクが出たときにも驚いたのですが、そうした最新グラフィックで丁寧に整え直されたマップをいい意味で「破壊」して、縦横無尽に駆け回る姫様の姿に度肝を抜かれたのを覚えています。PVで木の上に飛び乗る光景が目に入った、その次の瞬間にはゲームを購入していました。 想定手順をぶち壊していく瞬間が一番楽しいんだよな~! を地で行く作品。こうしてクリアして欲しいんだろうなあ、は理解するとして、それをどうスキップしていこうかな? と考えているのが楽しかったです。遊ぶ人によって回答が違うのもわかっているので、配信者さんが遊んでいる動画を眺めていることも多かった作品でした。 物語にもちょうどよさがあって、今回のナビゲーターであるトリィとの触れ合いを経てのEDには涙が滲みました。よかった。
・Limbus Company(12月)steam・SP
ソシャゲ枠です。関連作にあたるLobotomy Corporation、Library of Luinaは既プレイだったこともあり、初めて遊んだのはリリースのその日ではあったのですが、手持ちぶさたになって離れていた時期があって――。久しぶりに手を付け、毎章毎章ストーリーでぼろ泣きして、すっかり元の場所に戻ってきたような形です。厳しいにもほどがある世界観で人間讃歌をやっている作品。 めいっぱい楽しむにはもちろん前二作を遊んでほしい、のですが、そちらも難易度が高いゲームではあるので、なかなか勧めづらい作品です。ここから入るでもおそらく問題はないので、気に入ったらぜひ前作も、と言わせてください。 ふんわりした感想になってしまった。現行のソシャゲなので……。
以上です。今年はこのほかにも謎解きキットを遊んだり、リアル脱出ゲーム(オフラインを含む)を遊んだりと、謎解きに触れることの多い一年でもありました。来年もたくさんゲームを遊びたい!
それでは、よいお年をお迎えください。一年間お疲れさまでした。
0 notes
Text
遅延提出
白です。新人終わりましたねえ。ええ、それも随分前に、、すみませんでした。怠惰です。お詫びにみんなをちょっと贅沢にしたんで、、
筝
ずっとメインキャスっていうめちゃくちゃすごい人。用無しの通し稽古をしているのを見てやばくないか??って焦ったのを今でも覚えてます。できない...って悩んでるのを見かけるけど結局最後には仕上げちゃってその役はルーベ以外考えられなくなっちゃう。それでいて謙虚というおまけ付き。ゲラで場を和ませるし本当に36期にいなくてはならない存在です。
「ぶどう」
BIGブルーベリー=ぶどうの公式
森々仙入
秋公でラムダがすごすぎて震えてました。漫才は本当にプロの芸人がしてるのかと思うぐらいおもしろかった。そして、なんと言っても佐川よ!!素で面白い人があの役を演じたら相乗効果であんなにも面白い役になるんだって感じてました。次に何を言うのか分かってるはずなのに通し・ゲネでいっつも笑っちゃいました。ラムダのドコメディ役をまた見たいな。
「とりあえず柴犬」
桃太郎のお父さん
月銀蓮
ザ・関西人。コテコテ関西弁でめっちゃ面白いことを言うの本当に好き。個人的にはアネモネが36期で1番面白いと思ってる。PV撮影前日に絶対早く寝た方がいいのになんだかんだ話し込んじゃって夜遅くになっちゃって次の日めっちゃ眠くなったのはいい思い出です。この役者紹介も一緒に過去公演見ながら書いたもんね〜。書いたネモネ〜。
「家族」
父もね、母もね、姉もね
埖麦
秋公と新人で全く逆の立場で稽古した時にエモくて脳内のフロアが沸きました。イントネーションひとつとっても今と変えてみたらどうなるんだろうって考える努力家であって、それがむぎの演技力の高さに繋がってるだろうなあって思ってます。いつであろうとある時間になるとコンビニに買い出しに行くのはちょっと面白い。
「パン」
オーブンでぬくぬく、布団でもぬくぬく
叶イブ
秋公の子どもの役見てこの人どんな役でもできるんじゃないか?って思ってます。だから配役見てちょっと嬉しかった。ふぃあの言葉の刃はギコギコはしません。みんなに可愛いって言って褒めるし、今回は「ぶらんのメイク似合ってるよね」って褒めてくr...いや、やっぱスーって感じ。
「葉っぱカッター」
最高の斬れ味
ポンにゃ
言葉の刃がすごい。中国語のせいで悪化して今やチェンソーみたいになってる。それがなびやの魅力ではあるんだろうけど。それはそうと秋公から演技どんどん上手くなってる!「鬼め!」も震えたのに今回の妹の「なんのために勉強させてたの?」でさらに震わされた。これからどんなすごい役者になるのか楽しみ。
「GPSや!!」
ナビよりGPSの方がすごいそう、知らんけど
雨々単元気
コメディといえばてに、てにといえばコメディと思ってる。キャスト発表で本当にびっくりした。自分があのてにとコメディシーン、えぐい!?稽古中のこの動きどうかなっての提案がものの見事に面白くて、天才を感じまくってました。シーン最初、結局最後まで口の中を噛んでないと我慢できないぐらいおもしろかった。
「デデデデーン」
運命は贅沢でしょ。
紫苑
なつめを知れば知るほど面白い人だなって感じてる。天然?変わってる?というかなんというか。とにかく急に突拍子もないことを言うのが本当に面白くて好き。かなり重めの小道具振っちゃってごめんね。文句言っても仕方ないはずなのに頑張って探してくれて本当に助かりました。ありがとう、立派な猪鹿蝶だったよ。
「スパイスカレー」
ガンガ���行こうよ
暁レミエル
演出にえると稽古しといてって言われて見た時に本当にびっくりしました。ヒスの演技めちゃくちゃ上手い!なんか悪口みたいな響きだけど本当に上手くて完成され尽くしてるなって思ってました。あと、この人と脚本の話するのまじで楽しい。列車の戦隊モノの舞台ってどうやって実現するねん。
「Z」
最終進化的な
熊吉
オムニを見てちゃうかに入りたいっていう人がいるって話を聞いて本当に嬉しかった。36期は嬉しいと思���た人の方が多いんじゃないかな?実際、熊吉の体験稽古の時にいたのは36期ばっかりだったから。熊吉は途中参加だったのにもう既にめちゃくちゃ話した気がするなあ。でも、まだまだ話せる!まだまだ仲良くなれる!これからもよろしくね。
「プー大吉」
なんか芸人みたいになっちゃった
張潤玲
オムニ期間の阪大坂でウシガエルの鳴き声を牛?って言ってたのが可愛くて今でも覚えています。新人期間になってから話す機会がたくさん増えた気がする。何とは言わないけど難しいセリフの読み方を手伝ってくれてありがとう。サイゼのシーン、マーモットがほぼ百発百中でウケてて正直羨ましかったよ。
「大盛り」
まあまあ?いや、もっともっと!
和來
秋公から役者を始めたとは思えないぐらいに演技がうますぎる。秋公の通しで初めてきなこの演技を見た時、演劇やってました??って思いました。「は?」が怖すぎた。スマホのアドリブとか才能の塊すぎるって思わされることばかりです。衣装収集遅くて申し訳ありませんでした。
「きなこもち」
年末ですし
鞠凸二郎
毎度の如く映像すごかったねえ。作業の説明聞いて球面に文字貼り付けるとかすごいことしてるんだからそりゃああなるわってめっちゃ感動しました。幕裏でみんなにグータッチしながらうるうるしてたら歯ブラシみたいなバナナみたいなハゼが変な動きしてなんか冷めてうるうるが止まったのはいい思い出です。
「大トロ」
新人のために走り回ってくれてありがとう
東愛莉
天然だよね。エチュード中にキッチンペーパーって何?は可笑しいよ。鯛焼きの時に初めてあずを見て動き方上手いなあって思ってたらどんどん上手くなっていって秋公でメインキャスもしてスゴすぎる。アサはそんなあずの集大成見てるみたいで本当に見てて楽しかったです。
「ダブ東ドラドラ」
ロン!!
錫蘭リーフ
会話に対してボソッとクリティカルな面白いことを言う人。セイロンかと思ったら襟足が赤い別の人でしたなんてことがよくありました。チクショーですね。髪を切ってからお兄さん感が増して役ともめっちゃ合って可愛かったです。お酒飲んだあとにバイバイって手振るのもめっちゃ可愛かった。かわいいは正義CAN MAKE TOKYO
「ひよこ豆」
かわいい
城戸大夢
前期はスタオンだったからあんまり関われなかったけど秋公でめっちゃ関われて嬉しかったよ。新人だと誰が分かるねんぐらいの音響ミスを反省したり、秋公だとダメに対して〜ってこと?って聞いたりするの本当に真面目なんだろうなって思う。1回しかオームの役者見れてないからまた役者して欲しいな。あわよくば共演しちゃったりして。
「V」
A掛けると
大良ルナ
演劇経験者って知らなかったからゾンビを通しで初めて見た時、やばい人いるなって思ってました。だから新人で自分らのシーン練してもらった時に上手い人から指導貰える!って嬉しかったです。舞監としてみんなにメリハリつけさせて本当に助かりました。ちょっとというかだいぶ怖かった。
「スーパームーン」
わが星で輝けますように
海月
かさね裏でエンドロ組が稽古してたときに用無し組が来て、そこでスミが放った一言でこの人はやべえぞと思いました。その後通しでCを見た時は本当に震えました。それ以来ずっとファンです。脚本も本当に面白くて、なんでそれ思いつく?の連続でした。新人期間本当に楽しくて幸せでした。
「センター」
ここしか考えられない
1 note
·
View note
Text
TEDにて
デミス・ハサビス:AIが自然と宇宙の秘密を解き明かす方法
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
これからの未来のヴィジョンとしての大前提は・・・
チャットGPTなどのAGIは、人工知能時代には、セレンディピティ的な人生を良くしてくれるメッセージを伝えてくれることの他に貨幣を事前分配、再分配して生活を下支えする役割に徹するべき。
例えば、GAFAMのようにアカウントに本人以外がアクセスしたら自動的にお知らせしてくれる方向性は良いサポートです。
注意!!現在、基本的人権を侵害するストーカーアルゴリズムしか能力のない人工知能です。
注意!!現在、基本的人権を侵害するストーカーアルゴリズムしか能力のない人工知能です。
「公正」の定義は、「公平」の「判断や言動などがかたよっていないこと」に加えて、「正義」の方向に現在進行形で進んでいる事象のこと。
「正義」の定義は、この場合、マイケルサンデルによると、ジョンロールズの格差原理から最下層の便益に合わせて社会を動かすことが正義である!と言っています。
知ってるつもりで思い違いしてること!
公平概念は「ハンデをつけて上限を公平に!」
平等概念をわかりやすく言葉にすると「上限の公平ではなく底上げの平等!」みたいな感じで、これ以上でも以下でも概念が変わるから拡大解釈しないこと。
法人の平等な競争はあまり聞いたことない。公平な競争がしっくりくる
AIは、人生の最大の疑問に答える手助けをしてくれるのか?
この先見性のある対談では、Google DeepMindの共同創設者兼CEOのデミス・ハサビスが、TED代表のクリス・アンダーソンとともに、AIの歴史と驚くべき能力について掘り下げる。
ハサビスは、アルファフォールドのようなAIモデルが、科学で知られている2億個のタンパク質の形状を1年足らずで正確に予測したことで
人類に利益をもたらす科学的発見がすでに加速していることを説明する。
次は?
ハサビスは、AIは私たちの心、身体、宇宙を取り巻く最大の謎を解き明かす可能性を秘めていると言う。
クリス・アンダーソン デミス、来てくれてありがとう。
デミス・ハサビスです: クリス。ありがとう。
デミス・ハサビス:ありがとうございます。クリス。あなたは「タイム」誌にこう語っていますね。
AIを開発することが、そのような疑問に答えるための最短ルートだと思ったのです。
なぜそう思ったのですか?
DH: 子供の頃、好きな科目は物理学で現実の根本的な性質や意識とは何かなど、大きな問題に興味があったんです。
それに興味があれば、普通は物理の道に進むだろう。でも、私は偉大な物理学者やファインマンなど私の科学的ヒーローたちをたくさん読んでます。
そして、ここ20年、30年というもの基本的な法則の解明があまり進んでいないことに気づいたんだ。
そこで私は、私たちを助ける究極のツール。つまり、人工知能を作ったらどうかと考えたのです。
そして同時に人工知能を作ることで、私たち自身や脳をより深く理解することもできるのではないかと考えたのです。
つまり、信じられないようなツールであるだけでなく、大きな疑問そのものにも役立つものだったのだ。
CA: とても興味深いです。
AIが多くのことを可能にするのは明らかですが、この対談では、AIが本当に大きな問題や巨大な科学的ブレークスルーを解き明かすために何ができるのかというテーマに焦点を当てたいと思います。
DH: つまり、AIができる大きなことの1つで、私がいつも考えているのは、20~30年前、インターネットの時代やコンピュータの時代が始まった頃でさえ
生産されるデータの量や科学的なデータの量は、多くの場合、人間の頭では理解できないほどでした。
AIの用途のひとつは、膨大なデータからパターンや洞察を見つけ出し、それを人間の科学者が理解し、新たな仮説や推測を立てられるようにすることだと思います。
ですから、科学的手法と非常に相性がいいように思います。
CA: そうですね。
でもゲームプレイは、あなた自身がこのことを理解する旅において大きな役割を果たしましたね。左の若者は誰ですか?あれは誰?
DH: あれは僕で、9歳くらいだったと思う。イングランドU-11代表のキャプテンをやっていて、4カ国対抗戦に出場するんだ。フランス、スコットランド、ウェールズだったと思う。
CA:それはとても奇妙なことです。夢の中で。
チェスだけでなく、あらゆるゲームが好きだったんですね。
DH: あらゆるゲームが好きで���た。
CA:そしてディープマインドを立ち上げると、すぐにゲームに取り組ませるようになりましたね。なぜですか?
DH: そうですね。
そもそも私がAIにのめり込んだのはゲームがきっかけでした。当時は、80年代半ばだったと思うけど、初期のチェス・コンピューターを使って、お互いに対戦したり、練習したりしたんだ。
大きなプラスチックの塊で物理的な盤で覚えている人もいると思うけど、実際にマスを押してLEDライトが点灯するんだ。
私はチェスのことだけでなく、このプラスチックの塊が、誰かが賢くなるようにプログラムし、実際に高い水準でチェスをするようにしたという事実に魅了されたことを覚えている。
それにただ驚いた。そして、考えることについて考えさせられた。脳はどうやってこのような思考プロセスやアイデアを思いつくのか、そして、それをコンピューターで真似るにはどうしたらいいのか。
そう、それが僕の人生のテーマなんです。
CA:しかし、あなたはディープマインドを立ち上げるために多額の資金を調達し、すぐにそれを使って例えばこんなことを始めました。
これは奇妙な使い方ですね。どういうことなんですか?
DH: そうですね、DeepMindの設立当初はゲームから始めました。これは2010年のことで、約10年前のものですが、私たちの最初の大躍進でした。
というのも、私たちは1970年代の古典的なアタリゲームから始めたからです。ゲームを使った理由のひとつは、アイデアやアルゴリズムを試すのにとても便利だからです。
テストが実に速い。また、システムの性能が上がれば、より難しいゲームを選ぶこともできる。
この「ブレイクアウト」というゲームでは、ボールを壁の裏側に回せば、壁のタイルをすべて倒すことができることを発見しました。アタリの古典的なゲームだ。
それが、私たちが最初にハッとした瞬間だった。
CA:つまり、このマシンには何の戦略もプログラムされていなかったわけだ。ただ、勝つ方法を考えろと言われたんだ。ただバットを下のほうに動かして、勝つ方法が見つかるかどうか見るだけだ。
DH: 当時はまさに革命でした。2012年から2013年にかけて、私たちは「深層強化学習」という言葉を作りました。
そのシステムで重要なのは、画面上のピクセル、生のピクセルから直接学習するということです。
つまり、「スコアを最大にしろ、ここに画面上のピクセルがある、3万ピクセルだ。システムは、何が起こっているのか、何を制御しているのか、どうやって得点を得るのか、第一原理から自分で理解しなければならない。
それが、そもそもゲームを使うことのもうひとつのいいところ。ゲームには明確な目的がある。だから、システムが向上しているかどうかを簡単に測定することができます。
CA:しかし、そこから数年後のこの瞬間まで、韓国をはじめとするアジアの多くの地域、そして実際、世界が熱狂した瞬間があった。
DH: そう、これは2016年のことですが、私たちのゲームプレイの仕事の頂点で、アタリもやったし、もっと複雑なゲームもやった。
アジアではチェスの代わりに囲碁が遊ばれていますが、実際にはチェスよりも複雑です。チェスを解読するのに使われた総当たりアルゴリズムは、囲碁では不可能だった。
なぜなら、囲碁はよりパターンベースのゲームで、より直感的なゲームだからだ。
ディープ・ブルーが90年代にガルリ・カスパロフを打ち負かしたにもかかわらず、私たちのプログラム、アルファ碁が囲碁の世界チャンピオンを打ち負かすまでにはさらに20年かかった。
私やこのプロジェクトに長年携わっている人たちは、囲碁の世界チャンピオンに勝てるようなシステムを作るには、何か面白いことをしなければならないと考えていました。
アルファ碁は基本的に、何百万、何千万もの対局をこなすことで、囲碁に関する考え方や正しい戦略を自ら学んでいったのです。
囲碁は現存する最古のボードゲームであり、2,000年以上もプレイされているにもかかわらず。だから、かなり驚かされたよ。試合に勝っただけでなく、まったく新しい戦略も思いついた。
CA:そして、囲碁について何も教えずに、囲碁やチェスをゼロから独学できるように、ただ第一原理からプレイするシステムを構築するという新しい戦略を続けましたね。
アルファゼロと、そのときチェスで起こった驚くべきことについて話してください。
DH: それに続いて、私たちはAlphaGoにインターネット上でプレイされている人間のゲームをすべて与えることから始めました。
アルファ碁の知識の基本的な出発点として。そして、ゼロから、文字通りランダムなプレイから始めたらどうなるかを確かめたかった。
これがAlphaZeroです。なぜゼロなのかというと、予備知識がゼロの状態からスタートするからだ。
アルファ碁は囲碁しか打てませんでしたが、アルファゼロはどんな2人用ゲームでも打てます。まあ、それほどゆっくりではありませんが、実際には24時間以内に、ランダムな状態から世界チャンピオンを超えるレベルまで上達しました。
CA:それで、これは私にとってとても驚きなんです。私は囲碁よりもチェスの方が詳しいんです。何十年もの間、何千、何万というAIの専門家が、信じられないようなチェス・コンピュータを作ることに取り組んできた。
最終的には、人間よりもうまくなりました。あなたは数年前、アルファゼロが9時間で、これまでのどのシステムよりも上手にチェスを指せるようになったことがあります。
それについて話してください。
DH: 本当に信じられない瞬間だった。それで私たちはチェスに着手しました。あなたが言ったように、チェスとAIには豊かな歴史があり、チェスのアイデア、チェスのアルゴリズムでプログラムされた専門家システムがあります。
私はこの日のことをよく覚えているんですが、朝、ランダムにスタートするシステムに座って、コーヒーを飲みに行って、また戻ってくる。昼までには、まだギリギリ勝てるかもしれない。
それからまた4時間放っておく。そして、夕食の頃には、今まで存在した中で最高のチェスをする存在になっている。チェスのような、自分がよく知っていて、専門家であるものを生で見て、それを目の前で見るというのは、とても素晴らしいことなんだ。
そして、それが科学や他のことで何ができるかを推定する。
もちろん、ゲームは手段でしかない。それ自体が目的だったことはない。
ゲームは私たちのアイデアのトレーニングの場であり、わずか5年足らずでアタリから囲碁へと急速な進歩を遂げたのです。
CA:つまり、だからこそ人々はAIに畏敬の念を抱くと同時に、ある種の恐怖を感じているのです。
つまり、単なる漸進的な改善ではないのです。
何世紀にもわたって何百万人もの人間が成し遂げられなかったことを、数時間で成し遂げられるという事実。
そう考えると、考えさせられる。
DH: そうですね、非常にパワフルな技術です。
信じられないほどの変革をもたらすでしょう。その能力をどのように使うかについて、私たちは非常に熟慮しなければなりません。
CA:では、その利用法についてお聞かせください。というのも、これもまた、あなたがこれまでやってきた仕事の延長線上にあるもので
今、あなたはそれを世界にとって信じられないほど有用なものに変えようとしているのです。左の文字と右の文字は何ですか?
DH: 子供の頃から、AIを使って科学的発見を加速させることが私の目標でした。
実際、ケンブリッジ大学で学士課程を修了したときから、いつかAIにこの問題をと考えていました。生物学における50年にわたるグランドチャレンジのようなものです。
説明するのはとても簡単です。タンパク質は生命にとって不可欠なものです。生命の構成要素なのだ。体内のあらゆるものがタンパク質に依存している。
タンパク質はそのアミノ酸配列によって記述される。これはタンパク質を記述する遺伝子の配列とほぼ同じだと考えることができる。
CA: そして、その一つ一つの文字が、それ自体で複雑な分子を表しているのですね?
DH: そうです。
この文字がそれぞれアミノ酸です。そのアミノ酸は、下の方にある数珠つなぎのようなものだと思ってください。でも自然界では、あなたの体内でも動物の体内でも、この文字列(配列)が右のような美しい形になる。
それがタンパク質だ。この文字がその形を表している。自然界ではこのように見える。
この3次元構造について重要なことは、タンパク質の3次元構造が、体内でどのような働きをするのか、何をするのかを教えてくれるということだ。
つまり、タンパク質の折り畳み問題は アミノ酸配列から立体構造を直接予測することができるか?
つまり、文字通り、機械(AIシステム)に左の文字を与えれば、右の3次元構造を作り出すことができるのか?
これがAlphaFoldが行うことであり、我々のプログラムが行うことである。
CA:文字から計算するのではなく、既知の他の折り畳まれたタンパク質のパターンを見て、そのパターンから「こういうやり方があるかもしれない」と学ぶのですか?
DH: このプロジェクトを始めたとき、実はAlphaGoの直後で、準備はできていると思っていました。
囲碁を解いた時点で、タンパク質の折り畳みなど、科学的な問題に実際に取り組む準備が、20年近くかけてようやく整ったと感じました。
この40数年間、実験生物学者たちは、非常に複雑なX線結晶構造解析技術やその他の複雑な実験技術を駆使して、約15万個のタンパク質構造を丹念につなぎ合わせてきた。
経験則では、1つの構造を明らかにするのに1人の博士課程の学生、つまり4、5年かかると言われている。しかし、自然界で知られているタンパク質は2億種類もある。
だから、そのためには永遠にかかることになる。私たちはアルファフォールドを使って、科学的に知られている2億個のタンパク質を1年で折り畳むことに成功しました。
つまり、博士課程の学生の10億年分の単純で無為な作業時間が節約できたわけです。
CA:ですから、それがどれほど確実に機能するのか、私には驚きです。
つまり、これがモデルで、実験をしてみてください。そして案の定、タンパク質は同じように出来上がる。2億倍だ。
DH: タンパク質のことを深く知れば知るほど、その精巧さがわかってきます。
つまり、これらのタンパク質がいかに美しいかを見てください。それぞれが自然界で特別な働きをしている。
まるで芸術品のようだ。そして、AlphaFoldが予測できることは、今日でも私を驚かせてくれます。緑がグランドトゥルースで、青が予測です。
CA:あなたは驚くべき決断をしました。それは、2億個のプロテインの実際の結果を公表することでした。
DH: 私たちはAlphaFoldをオープンソース化し、素晴らしい同僚であるEuropean Bioinformatics Instituteとともに、巨大なデータベースにすべてを公開しました。
CA: つまり、あなたはグーグルの一員です。デミス、今何をしたんだ?という電話はありましたか?
DH: 幸運なことに、グーグルは科学にとても協力的で、これが世界にもたらす利益を理解してくれている。
そして、ここでの議論は、私たちはこれで何ができるのか、その可能性の表面をかすめたに過ぎないということでした。
これは、科学界がこれを使って行っていることの100万分の1かもしれない。世界中の100万人以上の生物学者がアルファフォールドとその予測を使っています。
世界中の生物学者や製薬会社のほとんどがAlphaFoldを利用していることになります。
ですから、私たちはおそらく、このすべてがどのような影響を及ぼすのか知ることはないでしょう。
CA: しかし、あなたはGoogleからスピンアウトしたIsomorphという新会社でこの仕事を続けていますね。
DH: Isomorphicです。
CA:同型ですね。そのビジョンを教えてください。どんなビジョンですか?
DH: AlphaFoldは基礎生物学のツールのようなものです。
この3次元構造は何なのか?
そして、もし、私がこれを考え、これにとても興奮した理由は、これが病気の理解の始まりであり、薬の設計にも役立つかもしれないということです。
つまり、タンパク質の形がわかれば、そのタンパク質の表面のどの部分をターゲットに化合物を作ればいいかがわかるということです。
そしてアイソモルフィックは、アルファフォールドで行ったこの研究を化学の領域に拡張し、タンパク質の適切な場所に正確に結合する化合物を設計することができる。
つまり、副作用がなく、毒性などもない。アルファフォールドの姉妹モデルのようなもので、化学空間の予測に役立つAIモデルを他にも多数構築しています。
CA:だから私たちは、今後数年のうちに、かなり劇的な健康医学のブレークスルーを見ることができると期待できる。
DH: 創薬にかかる時間が、数年から数ヶ月に短縮されると思います。
CA:わかりました。デミス、少し方向を変えたいと思います。
私たちの共通の友人であるリヴ・ボーリーは、昨年のTED AIで 「モロクの罠 」と呼ばれる講演をしました。
モロクの罠とは、競争状態にある組織や企業が、その企業を経営している個人が自分ではやらないようなことをやるように仕向けられる状況のことです。
私はこの話にとても衝撃を受け、ある種の素人観察者として、モロクの罠がここ2、3年で衝撃的に作用していると感じました。
ディープマインドが素晴らしい医学的ブレークスルーと科学的ブレークスルーを追求し、そして突然、マイクロソフトとオープンAIがChatGPTをリリースした。
そして、世界は熱狂し、突然「AIってすごい!」と誰もが使えるようになった。
そして、ある種、モロクの罠が発動したように感じました。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、「グーグルは検索分野で800ポンドのゴリラだ。我々はグーグルを踊らせたかった。
どのように・・・?
そして、グーグルは踊った。
劇的な反応がありました。
あなたの役割は変更され、Google AIへの取り組み全体を引き継いだ。
製品は急ピッチで作られた。
ジェミニは、ある部分では素晴らしく、ある部分では恥ずかしかった。ジェミニについては、別のところで取り上げているので、あなたに聞くつもりはありません。
しかし、これはモロクの罠のようなもので、あなたや他の人たちは、このような触媒のような競争的なことがなければやらなかったようなことをやるように押し付けられたように感じます。
メタも似たようなことをした。
彼らはAIのオープンソース版を急いで発表したが、それ自体が間違いなく無謀な行為だ。
私には恐ろしいことのように思える。
恐ろしい?
DH: もちろん、複雑なトピックだ。
そして、まず第一に、つまり、それについて言うべきことはたくさんあります。
まず、私たちは多くの大規模な言語モデルに取り組んでいました。
ご存知のように、グーグル・リサーチは5、6年前にトランスフォーマーを発明しました。そのため、社内には多くの大規模なモデルがありました。
しかし、ChatGPTの瞬間が何を変えたかというと、それは、彼らも驚いたと思いますが、一般大衆がこれらのシステムを受け入れる準備ができていて、実際にこれらのシステムに価値を見出す準備ができていることを証明したのです。
印象的なことではあるけれど、私たちがこのようなシステムに取り組んでいるとき、たいていは欠点やできないこと、幻覚など、今皆さんがよく知っていることばかりに目が行ってしまう。
私たちは、あれもこれもできるのに、それを本当に便利だと思う人がいるのだろうかと考えている。そして、それを世に送り出す前に、まずそれらを改善してほしいと思う。
しかし、興味深いことに、そのような欠点があっても、何千万人もの人々が非常に便利だと感じていることがわかった。
いわば、私たちが研究室で行ってきたこれらの素晴らしいことが、科学の狭い世界を超えて、一般に使用される準備が整ったということです。これは、いろいろな意味でとてもエキサイティングなことだと思います。
CA:現在、私たちはエキサイティングな製品の数々を手に入れ、みんな楽しんでいます。
そして、このジェネレーティブ人工知能は素晴らしいものです。
しかし、時計の針を少し進めてみましょう。マイクロソフトとOpenAIは、1000億ドルを投じて、今あるものよりも何桁も高い計算能力を持つ、モンスター級のデータベース・スーパーコンピューターを開発中だと報じられている。
これを動かすには5ギガワットのエネルギーが必要だと言われている。これはデータセンターを駆動するためのニューヨーク市のエネルギーに相当します。
つまり、この巨大な頭脳にエネルギーを送り込むわけだ。グーグルはこの投資額に匹敵する投資をするのでしょうね?
DH: そうですね、具体的な数字は話しませんが、長期的にはそれ以上の投資をしていると思います。
2014年にグーグルと提携した理由のひとつは、AGIに到達するためには大量の計算機が必要だということがわかっていたからです。
それが実現したのです。グーグルは最も多くのコンピューターを持っていましたし、今も持っています。
CA:つまり、地球は、���本的に未来の経済の多くを動かす巨大なコンピューター、巨大な頭脳を作ろうとしているわけです。
そして、それはすべて、互いに競争している企業によって作られています。誰かが先行し、他の誰かが1000億ドルを投資しているような状況をどう回避するのか。
誰かが「ちょっと待てよ。もしここで強化学習を使って、AIが自分でコードを微調整し、自分自身を書き換えて、とても強力なAIにしたら、週末に9時間で、彼らがやっていることに追いつけるかもしれない。サイコロを振るしかない。さもなければ、株主のために大金を失うことになる」という具合に。
そうならないためにはどうすればいいのか?
DH: もちろん、それは避けなければなりません。
そして私の考えでは、AGIに近づくにつれて、もっと協力する必要があると思います。
良いニュースは、これらの研究所に関わる科学者のほとんどがお互いをよく知っているということです。学会などでもよく話をしています。そして、この技術はまだ比較的初期段階にある。
だから、今のところはまだ大丈夫だろう。しかし、AGIに近づくにつれて、社会として、どのようなアーキテクチャを構築するかについて考え始める必要があると思います。
ですから、私はとても楽観的です。もちろん、だからこそ私は生涯をAIの研究に費やし、AGIを目指してきたのです。
しかし、安全で、堅牢で、信頼性が高く、理解しやすい方法でアーキテクチャを構築する方法は、たくさんあると思います。
そして、何らかの形で安全でない、あるいは、リスクのあるアーキテクチャを構築する方法も、ほぼ確実に存在すると思います。
ですから、人類が突破しなければならないボトルネックのようなものがあると思います。
それは、最初のタイプのAGIシステムとして安全なアーキテクチャを構築することです。
その後、その後です。安全なアーキテクチャーからシャーディングされたさまざまなタイプのシステムが繁栄し、理想的には数学的な保証や、少なくとも実用的な保証があるようなシステムを構築することができるのです。
CA:公平な競争の場とはどのようなもので、何が絶対にタブーなのかを定義するために、政府は重要な役割を担っているのでしょうか?
DH:そうですね。AGIに近づくにつれて、どのような競争条件が必要なのか?
どのような協力が必要なのか?
どのようなコラボレーションが必要なのか?
そういったことを産業界の研究所とともに形成していくために、政府、市民社会、学界、社会のあらゆる部分が重要な役割を担っていると思います。
CA: なるほど、あなたは依然として楽観的なようですね。このイメージは何ですか?
DH: 僕の好きなイメージの一つなんだ。あらゆる知識の木と呼んでいるんだ。
だから、科学についてたくさん話してきたけど、科学の多くは、世界に存在するすべての知識を知識の木として想像すると、煮詰めることができる。
AIは、科学者である私たちが、いつかその木全体を探索することを可能にするツールだと私は考えています。
アルファフォールド(タンパク質の折り畳み問題)のように、ルートノードの問題を解くことができれば、新たな発見や研究が可能になる。
ディープマインドとグーグル・ディープマインドでは、この問題を解くことに注力しています。
もしこれがうまくいけば、根本的な豊かさを実現し、あらゆる病気を治し、意識を星々に広めるという、信じられないような新時代を迎えられると思います。人類が最大限に繁栄します。
CA:もう時間がありませんが、あなたの夢の中で、あなたが生きている間にAIが私たちを連れて行ってくれるかもしれないと思うような、夢のような質問の最後の例は何ですか?
DH: つまり、AGIができたら、それを使って現実の根本的な性質を理解しようと思っています。プランクスケールで実験するんだ。可能な限り小さなスケール、理論的なスケールで、ほとんど現実の解像度のようなものです。
CA: 私は宗教的に育ちました。聖書には知識の木の話が出てきますが、あまりうまくいきません。
私たちが知識を発見して、宇宙が「人間よ、あなたはそれを知らないかもしれない」と言うようなシナリオはあるのでしょうか。
DH: 可能性はある。つまり、わからないことがあるかもしれない。でも、科学的な方法というのは、人類が生み出した最も偉大な発明だと思う。
悟りとか科学的発見とかね。そのおかげで、私たちの周りには信じられないような近代文明が築かれ、私たちが使うすべての道具がある。
だから科学的方法は、私たちを取り巻く宇宙の巨大さを理解するための最高の技術だと思います。
CA: さて、デミス、あなたはすでに世界を変えました。おそらくここにいる誰もが、私たちが正しい方向に加速し続けるためのあなたの努力を応援していると思います。
DH: ありがとうございます。
CA:デミス・ハサビスです。
(個人的なアイデア)
数学のトポロジー分野の基礎研究成果を反映した?
アルファフォールドなどで2024年にノーベル化学賞を受賞しました。
イリヤ・サツキバーの数式をMMT(現代貨幣理論)とマクロ経済学からの視点で解釈してみると・・・
ある仮説に辿り着いた!
数式は「y=a/(2040-x)」でyはGNP。xは西暦の年数。ジェレーティブ人工知能が登場した2020年代から次第に急勾配になり
この先も数式どおりにGNPが成長すれば、2040年には無限大に到達する。
これまで人工知能時代に関したうっすらイメージ位のインスピレーションだったが、この数式が「様々な国家のGNPの推移」に当てはまる
という情報から確信に変わった!
この数式を根拠にすれば、基本的人権を貨幣数で表現できるかもしれない。ダニエル・カーネマンによると幸せを感じる年収は600万円あたり。
時給にすると時給3000円あたりと計算できるからこのあたりになるまで行政府は毎月の給付金をプラスして下支えをしていく基準にする。
資本主義なので競争はしてもらうけど、景気が冷えて時給が低くなりがちな時期は毎月の給付金を手厚く。
景気が加熱したら(中央銀行が金利を上げる前に)時給が上がりがちになるため毎月の給付金は年収に応じて減らしていく。
付加価値は、人と人にしか発生しないので対価としての貨幣は低収入者になればなるほど、多くの貨幣を国家が与える根拠にもなる���
サミュエルソンも「事前分配、再分配の給付金の支給」のアイデア以外は似たような事を言ってるけど最新の金融工学のテクノロジーは織り込まれていない。
このますます加速する人工知能時代とバランス、折り合いをとって同時に達成させていくことで・・・
このまま巡航速度で経済を成長させつつ、最新の金融工学のテクノロジーとインターネットをもってすれば・・・
働きながらも給付金を与える基本的人権的なベーシックインカム型も導入できるし、軽犯罪を急激に減少させる効果も確認されている。
参考までに
GDP(Gross Domestic Product)=「国内」総生産。GNP(Gross National Product)=「国民」総生産。1993SNAの導入に伴い、GNPの概念はなくなり、同様の概念として「GNI(Gross National Income)=国民総所得」が新たに導入された。
GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。 「国内」のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。
一方GNPは「国民」のため、国内に限らず、日本企業の海外支店等の所得も含んでいる。
以前は日本の景気を測る指標として、主としてGNPが用いられていたが、現在は国内の景気をより正確に反映する指標としてGDPが重視されている。
そして
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
その後、西洋占星術でいう風の時代が到来。
2020年から新型コロナウイルスのパンデミック。
2022年から続いて、ロシアのウクライナ侵攻。
2023年では、幼稚ではあるが人工的な神のような回答するチャットGPTが登場。
「エピソード7意識のマップの数値と人工知能を訓練する計算回数が相似?」でも指摘しているように
兆候が顕在化してきています。
エピソード7の意識のマップでも、表示しているように、人工の神を創造するともなれば、その最初のステップで一神教が言うような全知全能の神ではなく
カイヨワも言い一神教も言うようなあらゆる悪魔が顕現するような可能性も否定できません。
よく一神教で登場すると言われるパンドラの箱の話に似ています。
ニックボストロムが言う「黒い玉」「死の玉」のことかもしれません。
Before 2022, this would not have been possible, but with Apple, Google, and Microsoft agreeing to expand the use of “passkey,” a passwordless authentication system…
2022年以前では、不可能だったが、Apple・Google・Microsoftがパスワードな しの認証システム「パスキー」の利用拡大に合意したことで・・・
…on the basis of high security and a high degree of privacy as well…
高いセキュリティと高度なプライバシーも基本にして・・・
…and if, as Ivan Pupilev says, all everyday objects have gesture interface capabilities…
イワン・プピレフの言うように日常的な物すべてにジェスチャーインターフェース機能を搭載していれば・・・
By integrating them with a common smart home standard, “Matter,” and making it possible to automatically connect to them by simply approaching them, assuming permission and authentication…
スマートホーム共通規格「Matter」で���合して近づけるだけで本人の許可、認証を前提とし自動接続できるようにすることで
It may be possible to customize even simple functions as complex functions by combining various devices in a stand-alone manner.
単体では、単純な機能でもさまざまな機器を組み合わせることで複雑な機能としてカスタマイズできるようにできるかもしれない。
In the past, OpenDoc, a technology developed by Apple to realize compound document and document-centered operation, was available.
かつて、OpenDoc(オープンドック)は、Appleが開発したコンパウンド・ドキュメントとドキュメント中心の操作実現する技術があったが
Can we extend this technology to shift from a document-centric to a gesture-centric interface?
これを拡張して、ドキュメント中心からジェスチャーインターフェース中心にできないだろうか?
If you want to work on a larger screen from your smartphone, iPhone, or iPad with a user interface by wearing the Oculus Dash or HoloLens from Oculus Quest
Oculus QuestにあるOculus DashやHoloLensなどを身につけることでユーザーインタフェースをスマートフォン、iPhone、iPadからもっと大きい画面で作業したい場合
It was usual to use a computer with a large screen, but now it is possible to use a huge screen! However, there were limits to the amount of money and placement of the display.
大画面のパソコンでというのが、普通でしたが、もっと、巨大な画面で!!という場合はディスプレイの金額的、配置場所にも限界がありました。
Virtual reality as the future of the holographic age, Virtual reality Virtual reality OS and its extension to the gesture interface center.
ホログラム時代の未来にあるものとして、Virtual reality バーチャルリアリティのOSとジェスチャーインターフェース中心への拡張
Seamlessly linked together, there will be no spatial limits, and you’ll be able to work in a small room with any number of huge, large screens that you can place anywhere in 360 degrees!
シームレスに連携させることで、空間的に限界は無くなり、小さな部屋でいくらでも巨大な大画面で360度どこにでも置いて作業できるようになります!!
For example, even if it is not possible to display 3D without wearing glasses like the gesture interface in the sci-fi movie “Iron Man”…
例えば、SF映画「アイアンマン」に出てくるジェスチャーインターフェイスのようにメガネをかけずに立体表示させるとまではいかないまでも
It may be possible to “make it look realistic by wearing special glasses” such as Oculus Dash and HoloLens in Oculus Quest, so…
Oculus QuestにあるOculus DashやHoloLensなど「特殊なメガネをかけることでリアルに見せる」ことはできそうなので・・・
It would be fun to display the setting panel of a simple function device that you touch through the special glasses as if it pops up from inside the device in CG in a hologram format (image: Genie Effect on Mac)
特殊なメガネを通して、触った単純な機能の機器の設定パネルをホログラム形式でCGで機器の中からポップアップするように表示してくれると楽しそう(イメージは、Macのジニーエフェクト)
警察比例の原則。
警察比例の原則。
警察比例の原則。
最近2023年から始まったジェネレーティブ人工知能の流行によって
ジェネレーティブ人工知能で作られたメディア(画像・映像など)が人々の目に触れる際には、情報源を開示するよう求めている(オープンAIなど10社が自主ガイドラインに署名した)
ヘンリー・マークラムの研究で脳のイメージが数値化されたデータから・・・
この膨大なデータをディープラーニングを搭載したジェネレーティブ人工知能に候補を複数映像化させる
こうすることでストーカーしかできない人工知能の問題を解消できる?かもしれない
憲法第19条にもあるように「内心の自由」正確に特定しないようにして
権力者の頭脳の中身をリアルタイムに複数映像化したことをチャットGPTに説明してもらう。
これは三つしかない内のひとつ。リカレント・ニューラル・ネットワークを使います。
この権力者の頭脳の中身をリアルタイムに映像化したことをニティシュ・パドマナバンの老眼鏡を含めた未来の自動オートフォーカス搭載メガネなどを用いて
特殊なメガネを通して、ホログラム形式でCGからポップアップ表示できる可能性もありそうです。
しかし
機械学習ディープラーニング物体検出データベースのことを「Darknet」と呼んでいます。
フェイフェイ・リー構築した機械学習ディープラーニング画像データベースのことを「ImageNet」と呼んでいます。
他には、今のところ、リカレント・ニューラルネット(RNN)フレームワークなど・・・
たった三つしかないのが2022年の現状です。
チャットGPTは、大規模言語モデル。
懸念されることとして、アメリカ政府が諜報に使用するエシュロンやPRISMに近い可能性もある。
Google検索データは、広告に使われるが、オープンAIはMicrosoftと資本提携で入力データが何に使用されるか?
これを明示していないという危険性がある可能性があります。
続いて
Could it be that Apple is developing its own search engine to compete with Google, which has reinvented semantic web search based on chat GPT and entered the market?
Appleが独自の検索エンジンを開発しているのは、もしかしてチャットGPTを基盤にしてセマンティックウェブ検索を再発明し参入Googleに対抗するため?
In the past, Linux made the OS open source and extinguished Microsoft’s monopolistic Wintel-closed dominance.
かつて、LinuxはOSをオープンソース化してMicrosoftの独占的なウィンテルクローズの優位性を消滅させた。
In 2023, AMD and Apple Silicon are in the midst of blowing the wind out of the last Intel monopoly from the consumer market sector.
AMDとAppleシリコンが、最後のIntelの独占体制にコンシュマー市場分野から風穴を開けている最中の2023年。
Google has opened up the search engine market for a new industry by putting all of its machine learning research results to work to break Microsoft’s Internet Explorer monopoly.
Googleは、機械学習の研究成果をすべてぶちこみ新産業の検索エンジンの市場を切り開いてMicrosoftのインターネットエクスプローラの独占的な体制に風穴を開けた。
And now, right now, open-source AI is taking over Google’s monopoly on the search engine market with chat GPTs. It may be about to wind down with the reinvention of the semantic search engine proposed by Tim Berners-Lee.
そして、今まさにオープンソースAIが、チャットGPTでGoogleの独占している検索エンジン市場をティム・バーナーズ・リーが提唱したセマンティック検索エンジンという再発明で風穴を開けようとしているのかもしれません。
Is Twitter, which Eron Musk went to the trouble of investing a huge amount of money to acquire, comparable to Google and Facebook in terms of data accumulation?
イーロンマスクがわざわざ巨額の資金を投じてまで買収したTwitterもデータの蓄積から見るとGoogle、Facebookに匹敵している?
Is it possible that Eron Musk, a founding member of Open AI, is trying to reinvent Twitter based on chat GPT?
これを立ち上げてるオープンAI設立メンバーのイーロンマスクは、可能性を見越していてチャットGPTを基盤にTwitterを再発明しようとしている?
Open AI, a San Francisco-based nonprofit organization, is dedicated to being the first to develop a “general-purpose artificial intelligence” (AGI) with human learning and reasoning capabilities, so that all people can benefit from it.
サンフランシスコを拠点とする非営利団体のオープンAIは、人間の学習能力と推論能力を持つ「汎用人工知能(AGI)」を最初に開発し、すべての人にその恩恵が及ぶようにすることを目的として設立されています。
Deep Mind,“ which has similar goals, is building a system similar to the chat GPT.
同様の目的を掲げてる「ディープマインド」もチャットGPTと同じようなシステムを構築しています。
As for other derivative…
他の派生的なこととして・・・
As for the use of deep fakes, if they are built into the algorithm for all surveillance cameras, they can be removed only with the person’s permission.
ディープフェイクの活用としては、すべての監視カメラ用のアルゴリズムに組み込んでおけば、外すには本人の許可を得てからにすることもできる。
This would also deter voyeurism by the mass media and police who would abuse the system without the person’s permission.
こうすれば本人の許可なく悪用するマスメディアや警察の覗き見行為も抑止できる。
To temporarily deter misuse, a comprehensive mechanism could be created to protect videos with NFT and a two-factor authentication passkey, and to confirm one by one whether or not the user has permission to disseminate the videos.
一時的な悪用抑止には、NFTと二要素認証によるパスキーで動画を保護し拡散の許可の有無を一つ一つ
If a comprehensive mechanism can be created to confirm whether or not the user has permission to spread the video, it may be possible to create time for the spread of quantum encryption and the commercialization of quantum computers.
本人に確認できるような総合的な仕組みを創れば、量子暗号化や量子コンピューター商用化普及までの時間をつくれるかもしれない。
Released in November 2022. Almost a few months later. A search engine like this appeared.
2022年11月にリリース。そのほぼ数ヶ月後。こんな検索エンジンが登場しました。
perplexity
この回答がどこの記事から引用されたかも表示されはじめた!数字に対応して引用元が表示される。
Next, why? What if the chat GPT could explain how it might have come to this explanation? Perhaps we are getting closer and closer to an explainable AI?
次は、なぜ?この説明に至ったのかもチャットGPTが説明できたら?もしかして、説明可能なAIにもどんどん近づいてきてる?
In about a few months, this threatening? No, an astounding achievement.
数ヶ月位でこの脅威的な?いや、驚異的な成果。
And the Schrödinger equation?
シュレーディンガー方程式も?
For explanations other than equations, it could be comparable to Wolfram Alpha, which is similar to semantic web search.
数式以外の説明に関しては、セマンティックウェブ検索に近いウルフラムアルファにも匹敵する可能性もある。
そして
チャットGPTの人気と爆発的な成長に乗りMicrosoftが先行してチャットGPT 搭載 Bingをリリースするも登録しないと検索結果は会話調で返ってこない?インターフェイスがわかりずらい。
一方、Googleも億人単位規模ネット情報サービスにも関わらず、わずか一日位で対応すると言う離れ技を繰り出すが、検索エンジンの検索結果は、まだ会話調で返ってこない。
両者共に、まだまだ時間がかかりそうだ。
このチャットGPTタイプの新型検索エンジンperplexityのほうに分はあります。
巨大な権力を持つに至ったGAFAMの検索エンジン開発競争が加速。日本のネット情報サービス人口以上で、その規模が人間の限界を遥かに超えた別次元。
権力者処世術は悪性だが、カントの言うように、権力者を完全リアルタイムで行動を透明化する条件限定なら善性に転化する。
同じ権力者のTV局やマスメディア、行政府、警察は、透明化を高くガラス張りにしないから悪性だけど、GAFAMが最善の手本を示してます。
<おすすめサイト>
ノーベル賞受賞者のジェームズ・ワトソン:DNA構造解明にいたるまで
ラリー・ペイジ:グーグルGoogleが向かう未来!
実用に向けた大規模言語モデルApple インテリジェンス 2024
コナー・ルッソマンノ:あなたの心を増強するための強力な新しい脳神経技術ツール
ビラワル・シドゥ:あなたの想像力をスーパーチャージするAI搭載ツール
アムジャド・マサド:AIがアイデアを次の素晴らしいアプリに変えるのにどのように役立つか
エリック・トポル:AIは医師が見逃しているものをキャッチできますか?
シェーン・レッグとクリス・アンダーソン :AGI(汎用人工知能)のトランスフォーマーアルゴリズムな可能性 - そしてそれがいつ到達するか
リフィク・アナドル:AIアートが人類の集団的記憶を高める方法
キャシー・ウッド:AIが指数関数的な経済成長を引き起こす理由
ウォルター・デ・ブラウワー:AIが人間であることの意味をどのように学んでいるか?
エリエザー・ユドコフスキー:超知能AIは人類を滅亡させるだろうか?
スティーブン・ウルフラム:AI、宇宙、そしてすべてについて計算的に考える方法
リヴ・ボーリー :AIにおける競争のダークサイド
ゲイリー・マーカス:暴走するAIの緊急のリスクと、それらについて何をすべきか?
マックス・テグマーク:AIをコントロール下に置く方法
マックス・テグマーク: AIに圧倒されるのではなく、AIからパワーを得る方法
イリヤ・サツキバー:AGIへのエキサイティングで危険な旅
グレッグ・ブロックマン:ChatGPTの驚くべき可能性の裏話
アロナ・フィッシュ:人工知能は本当に私たちを理解しているのでしょうか?
エピソード7意識のマップの数値と人工知能を訓練する計算回数が相似?2023
エピソード7 Episode7 - テーラワーダ仏教の「結び」と意識のマップ、マクロ経済学について(パワーか、フォースか 改訂版―人間のレベルを測る科学 - デヴィッド・R・ホーキンズ Amazon)
Apple Vision Pro 2024
ケイド・クロックフォード:顔認証による大衆監視について知る必要のあること!
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
個人賃金→年収保障、ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2022(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
<提供>
東京都北区神谷の高橋クリーニングプレゼント
独自サービス展開中!服の高橋クリーニング店は職人による手仕上げ。お手頃50ですよ。往復送料、曲Song購入可。詳細は、今すぐ電話。東京都内限定。北部、東部、渋谷区周囲。地元周辺区もOKです
東京都北区神谷高橋クリーニング店Facebook版
#デミス#ハサビス#ディープ#ラーニング#ノーベル#セキュリティ#GPT#ベーシック#インカム#貨幣#概念#倫理#Apple#Vision#カーツワイル#コロナ#ウルフラム#ブラウワー#NHK#zero#ニュース#発見#discover#discovery#トポロジー#電力
0 notes
Text
「ブルータリアルの魅力:ユニークな特徴と知られざるエピソード」
もちろんです。私がお届けするブルータリアルの魅力にたっぷりと触れてみてください!🐾 — ## 🐶 ブルータリアルの魅力に迫る 🐶 ### 1. 元気いっぱいなハート ブルータリアルという犬種を一言で表すなら、それは「エネルギーの塊」と言えるでしょう。彼らの体は小さいながらも、無限のスタミナを持っています。散歩が好きな方にとって、これほどうってつけのパートナーはいません。まるで電池が切れ知らずのように走り回る姿は、まさに一日中楽しませてくれることでしょう。🐕💨 ### 2.…
0 notes
Text
テラヒューマニティ・星海殉葬
0.
「なんて、エキゾチックなの」と母は言った。
異国風という言葉選びは、果たして正鵠を射たものなのか。判断しかねた俺は、沈黙を保つ。
部屋には、三人がいる。自分、母、そして一人の少女だ。
少女は、その外見に人類にはない色彩を持っていた。それは、彼女が異星種……つまり宇宙人の血を引いているということを示していた。
地球以外の星に知的生命は存在するか、という宇宙に関する問いは、新天地よりも、ゴールド以上の価値がある物質よりも、強く人を惹きつける命題の一つだった。その一方で、決して実在が確認されることもなく、専ら、フィクションの中だけの存在だと目されてきた過去がある。未解決問題、だったのだ。
今、その結論が目の前にあるという事実に、母は目を輝かせていた。
ひょっとすると、人は無意識レベルで宇宙人と出会うことを渇望していたのかもしれない。何せ、そうすることでしか、宇宙の知的生命のスタンダードを知ることなどできないのだ。
人は古来より、異人との接触によって、自身の性質や、自身の所属する集団の特徴を俯瞰してきた。他所の人と話をしている時、ふと「これは、うちだけのローカル・ルールらしい」と気づくみたいに、だ。これが何を意味しているかと言えば、人は宇宙人を見ることで、地球人らしさというものを、初めて自覚するだろうということだ。
いずれにせよ、宇宙開拓時代を迎えてから百年以上の月日が経った太陽系圏でも、地球人らしさというものは未だ存在しているらしい。
母の言葉は、その実在を証明するものだと言えた。
彼女を見て「自分とは異なる存在だ」と、確かにそう評したのだから。
1.
小さなモニタを光点が滑る。世間では空間投影だの、網膜投影だのとモニタの流行は移り変わっているが、目の前にあるのは溜息が出るほど古いタイプの板だ。コクピットのシート右側からアームで支えられた、それは、機体が向きを微調整する度に慣性で軋んで揺れていた。
左舷スラスタの反応もやや鈍い。きっちり整備しているはずだが、これはもう、こいつが年寄りだからとしか言えないだろう。
両手のコントロール・スロットルを微細に動かして、今後こそ、光点をモニタの中心に。三次元レーダーで、飛来する目標物を正面に捉えた。
「FL1からFL2、及びFR1からFR2マニピュレータ展開」
呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。搭載された四対八本のマニピュレータのうち前面側四本で、捕棺網を展開した。ここまで異常無し。長めに息を漏らし、中ほどまで注意力を落とす。
手元のモニタから目を離し、前を見る。そう広くないコクピットの前面を、星空を映すメインモニタが占めている。
漆黒の宙に、星々が瞬いていた。目標物は、まだ視認可能範囲外にあるが、三次元レーダーで正面に捉えている限り、待っていれば、向こうからやって来るだろう。
俺は、棺を待っていた。チタニウムの棺だ。何の比喩でもない。
宇宙を漂う棺を、中型の作業ロボット……汎用船外作業用重機コバンザメに乗って、待っている。
平らな面を上とした正三角錐に、楕円柱状の胴がくっついたようなロボットだ。コバンザメという俗称に反して、マニピュレータ四本で網を張る様子は、深海に漂うクラゲのように見えるかもしれない。
こうして指定ポイントで網を展開し、彼方から飛んでくる棺をキャッチする。
それが、俺の仕事だった。人類が地球から宇宙に進出したばかりの頃、このような仕事が生まれることを、誰が想像しただろう。
「ダズン、聞こえていますか?」
無線から、名を呼ぶ声がした。少女の声だ。
母船シーラカンスで留守番をしている同居人の声だった。
「どうした、シャル」と名前を呼ぶ。発音としてはシヤロに近い。
「どうしたということはありませんけど」
通信の向こうで、逡巡するような間が空く。別に騒がしくしている覚えもないが、静かな艦に残されて、やはり落ち着かなさを感じているのだろう。脳裏に、少女が、話題を選んでいる様が思い浮かんだ。輝くような金髪が目を引くハイティーンである。
「これってやっぱり、地球方向に飛んでいるんでしょうか」
数瞬して、いつもの話題に行き着いた。これというのが、レーダーに映る光点……チタニウムの棺を指すことは明らかだ。
「多分な」
第一に肉眼で地球が判別できる距離ではないし、シーラカンスにしろ、コバンザメにしろ、ヘリオスフィア規模の分解能を持つ絶対座標系の航路計なんて高級品は積まれていないので、確かめようもない。
だが、星海葬という性質上、恐らくそうなのだろうと思う。
星海葬。それは、人は地球に属し、地球に還るべきだという思想から生まれた、人が地球へ還るための儀式だ。
彼女はこれに、少しばかり疑問を持っているのだろう。
「何故、人は星海葬の魅力に囚われるのでしょう」
「……地球をルーツとする知的生命だからだろう」俺は答えた。
宇宙で死期を迎えた人間は、その魂が地球へ帰還することを望むという。
人類がまだ地球を主な生活圏としていた頃、地球上で死んだ人間が地球の生命に転生するという考え方は普通だった。実際、物質的に見ても、人が死んだ時、人体を構成する元素は別の地球上の物体へと姿を変えていくのだから、魂の循環という考え方は感覚的にイメージしやすかったはずだ。
しかし、地球を遠く離れた場所で人体が処分されれば、地球に還ることはない。その事実は、魂もまた、還れなくなるという自然な連想を生んだ。人類が地球を離れて活動するようになった時、転生という宗教概念は破綻したのだ。
実際、宇宙開拓初期における、地球の神々の凋落はシリアスな問題だったらしい。地球が宇宙に浮かぶ光点の一つに過ぎないと分かった時、たかだか半径六千三百キロの岩石塊の表面で謳われていた神々に何ができようか……と思うのも、無理からぬ話ではある。宇宙開発黎明期、ソ連の宇宙飛行士チトフもこう言ったという。「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と。
あるいは、いやだからこそというべきか──そう認めるからこそ、神の恩寵の届く星に還りたいという欲求は強まるばかりだったのだろう。
「そうまでして地球に還りたいのでしょうか」
「宇宙で死んだ人間の灰を、地球に持ち帰ることが禁止される程度には」
それが一般的だった頃、いずれ地球は灰まみれになるのではと揶揄されていた。
地球行の宇宙貨物艦の荷に占める灰の割合は加速的な増加傾向にあった。宇宙規模で繁殖し始めた人類が、帰属意識と伝統と宗教心のままに灰を地球に送るようでは、当然そうなる。そして、今後も増えていくことを危惧した連邦により禁止された。当時は反発もあったというが、長期的に見て公益性は高く、今では妥当視されている。
星海葬なるものが市民権を得たのは、その頃からと聞いていた。
物質的な帰還が叶わぬ以上、魂だけは帰還できるように。人々はそう願いを込めて、地球へ向けて棺を打ち出すようになった。
「そうしたら、今度は金属資源の散逸だ、なんだという話になった」
広大な宇宙空間に棺という形で無作為に金属資源が散らばる傾向は、嬉しい事象ではない。単に資源の有無だけで言うなら、適当な地球型惑星から採掘し続ければいいわけだが、それを無駄にしていいかは別だ。
保安上の都合から見ても、意図的にデブリを増やす行為が推奨されるわけはなく、星海葬もまた、連邦によって禁じられる瀬戸際にあった。
「しかし、それは今でも行われています」
「そうだな」誰が見ているというわけでもないが、俺は頷いていた。「スペース・セクストンと呼ばれる団体が生まれ、星海葬をシステム化した」
スペース・セクストンは、宇宙教なる宗教機関として星海葬を斡旋し、宇宙に流された棺を適切に回収する役目を公然と担うこととなった。
今では、星海葬は宇宙で最もポピュラーな葬儀だ。純粋な地球生まれの地球人がほとんどいなくなった現在でも、セクストンはしっかりと存続しており、多くのエージェントが所属している。
俺もその一人だ。改装した古い小型貨物艦船で、棺を回収している。
連絡艦、旅客艦、貨物艦、遺棄船漁りのスカベンジャー、宇宙海賊、軍艦。宙を往く船にもいろいろあるが、セクストン認可艦の辛気臭さは最高峰だろう。他人を乗せることもなく、華やかな客室もなく、積荷は棺で、一攫千金の夢もなく、争いもなく、地位も名誉もない。
「私がいるではないですか」
どこからか、口に出していたらしい。
不意に、そう言われた。何故だか慰めるような言葉を投げ込まれ、俺は笑う��
2.
コバンザメの狭いコクピットから這い上がり、シーラカンス艦内に戻ってきた。艦内の人工重力に気怠さを感じながら、ヘルメットを外し、後部右舷通路を歩く。流れで首元に手をやりかけて、直ぐに下ろした。
「やれやれ」と口の中で呟き、そのまま、棺を運び入れた格納庫へ向かう。
棺の回収が終わったら仕事が終わるかと言われれば、そうでもない。
回収した棺自体は最終的にはセクストンの溶鉱炉で生まれ変わるわけだが、受け渡す前には、中身のチェックをする必要がある。
セクストンの仕事は総じて気乗りしないが、個人的に一番気乗りしない作業だ。人によっては、一番ワクワクするらしい。死者が生前愛した何某を棺に入れる……という風習は根強くあり、炉に入れると不純物になるからというような大義名分の下、懐に入れることが認められているからだ。
以前、少しばかり同業の集まりに参加する機会があったが、それで美味しい思いをしただとか、そういう話は聞く。俺はその説について賛同できないが、昨今の情勢は安定しているので、腐乱しているだの、欠損しているだの、そういう死体を目にすることは、あまりない。それだけが唯一の救いだ。
梯子を下りると、格納庫の前には黒いボディスーツに身を包む少女が待っていた。
彼女……シャルは、しなやかなボディスタイルを露わにする、いつも通りのスーツ姿である。宇宙での活動は今なお、決して安全ではないが、古典映画で見るようなモコモコとした着ぐるみは廃止されて久しい。今の主流は、生命維持デバイスと防護外骨格の展開機構が備わった汎用スペーススーツである。俺や、彼女が着ているそれだ。
彼女は手にしていた情報端末からこちらに視線を動かすと、壁から背中を離した。
「お帰りなさい、ダズン」
「ああ。どうも、異物反応があるらしいな」俺が言うと、彼女は頷いた。
棺をシーラカンスの搬入口に運び入れた時にアラートが鳴ったかと思うと、すぐにシャルから通信が来たのだ。棺の中に、何かがいる、と。
気が重くなる。
異物反応センサーは棺内をスキャンした結果、動体と熱源が確認された場合にアラートを出す。そういう意味では、しょうもない悪戯(例えば、熱を出して動くおもちゃが入っていたとか)の場合もある。
しかし、棺の中に、もしも生きている人間が入っていたら? 放っておけば、そのまま焼却されることになる。寝覚めは最悪だ。
「じゃあ、始めましょうか」
彼女は首元にあるパネルをトンと叩いた。そこには防護外骨格を着脱するためのパネルがあって、青く点灯する。シャクシャクと小気味のよい金属質の擦過音が響き、彼女の体表を、背中から包むようにアーマーが広がっていた。
防護外骨格は、背骨に沿って等間隔に配された六つの小さな突起パーツ内に圧縮格納されているため、展開する際には背面から広がるようなプロセスを踏む。
俺は、自身のアーマーを確認しながら、シャルの展開を待つと、格納庫のシャッターにアクセ��した。
ブザーの音。大仰な開閉音。一瞬遅れて、照明が点灯する。
「また家族が増えるかもしれないですね」シャルはそう言いながら、格納庫に入った。
「それは、ゴメンだな」
そう返すと、彼女は苦笑した。
俺たちは、いくらか積まれている棺たちを見ながら、最後に格納した棺の方……つまり、搬入口に近い方へと足を向けた。
棺は、基本的に幅二メートル、縦三メートルのサイズだ。その大きさの大部分は装甲/気密機構/保冷材/副葬品というように、遺体以外の要素に由来する。遺体を入れるスペースは必要以上に広くする理由もなく、人が最後の旅に出る船としては、適度なサイズとも言えるだろう。
見栄っ張りな富豪が、とてつもない大きさの棺で星海を往くこともあるが、そういう手合いはVIPなので、俺みたいな末端のエージェントが担当することはない。
これらの棺は、この後、金属製の外装部と内部の有機物フレームに分別される。外装は溶鉱炉へ、内容物は焼却炉へ投入されることになる。しかし、回収してすぐに炉に行くというような感傷的なスケジューリングは基本的に認められないため、回収された棺はこうして庫内で並べられて、その時を待っているのだ。
「これですね」「ああ」
棺を挟んで、立ち止まる。
俺は腰の自衛用のハンド・レーザーウェポンを抜いた。マニュアルによれば、棺の中に異物反応がある時、それはセクストン・エージェントの脅威となる可能性もある。本人が死んでない場合。遺体が別のものにすり替わっている場合。遺体もあるが、別の生物が紛れ込んでいる場合。それぞれ事情は異なるが、どの場合でもレーザーウェポンによる対象の殺傷がベストプラクティスとなるケースは多い。結局のところ、棺の中にいるのは死んでいるはずの存在なのだから。死人に口なしだ。
向かい側に立ったシャルに目を向けた。
金色の髪に、金色の瞳。色白の肌。整った美貌は作り物めいている。彼女は、俺の視線に気づいて、こくりと頷いて見せた。
「……では開けよう」
棺にアクセスし、アンロックコードを送信する。セクストンの関係者だけが取得できるコードだ。このロックの施錠もセクストンが司っているため、セクストンが開けられる棺は、セクストンが斡旋した正規の棺である、という証明ともなる。
ピッという簡素な認証音。
何かの手続きを無視した葬儀ではないようだった。少なくとも今回は。
スライド式のドアが開き始めて、冷気が漏れる。
「顔を近づけすぎないように」
腐敗を防ぐためにドライアイスが入っているのが通例だ。濃い二酸化炭素は一瞬で好気性生物の意識を刈る。別れを告げる遺族が棺に溜まった二酸化炭素を吸引して意識不明となり、そのまま死亡するケースは多い。
「……異物反応があるんですよね?」
「一応だ」確かに、棺内の空気成分自体に問題はない可能性は高い。紛れ込んでいる異物が生きているということは、逆説的に空気に問題ないとも取れる。
いよいよ、ドアは完全に開いた。
初老の男性だ。体格はいい。髪は白髪交じり。確かに、生命反応が無いとしても、今にも動き出しそうではある。新鮮な死体だ。
「今のところ、異変は無い」
「そうですね」
と言った舌の根も乾かないうちの話だった。視界の隅で、黒い何かが蠢く。
瞬間的に、レーザーウェポンを向けて、スイッチする。青いエネルギー弾が瞬き、遺体の腕を焼いた。黒い何かは、素早く這い回っている。大きさは三、四十センチに達する。大型の齧歯類ないし、比較的小型の猫科。そう思い、いや、と否定する。
黒毛のずんぐりとした胴。手足には毛がなく、灰色で、不気味なほどに細長い。脳内の何にも該当しない生物だ。
そいつがガサゴソと棺の中を這う音は、耳障りで、嫌悪感を抱かせた。
「閉じろ!」俺は怒鳴っていた。
シャルが頷くと、ガコンと力任せにドアが閉じた。だが、棺が閉じきる前に、そいつはもう、飛び出していた。
「ちっ……!」
目の端に映った影に、エネルギー弾を叩きこむ。
棺が積まれた庫内に火花が散った。だが、それだけだ。
当たろうはずがなかった。この倉庫には、棺があり、死角が多すぎる。
俺は、そのクリーチャーを捕捉できていなかった。
事実、そいつの鳴き声は背後から聞こえた。
「ダズン!」
その声に振り向いた時、目の前にそいつが迫っていた。
黒い毛の中に、醜悪なまでに開いた口が見えた。口蓋が見えるほどだ。汚れのこびりついた不清潔な牙が、ずらりと二重に並んでいる。明瞭に見えた。それは紛れもなく、死の前にある体感時間の伸長体験のように思えた。
だが、幸い死ぬことはなかった。怪我をすることも。
透明な何かに弾かれたように、そのクリーチャーが吹き飛び、強かに、床に叩きつけられたからだ。
「捕えます」少女の声。そして、手のひらを、下から上に。握る仕草をする。
不可視の尾の如き力場が、クリーチャーを巻き上げた。
黒い毛が不自然に押さえられ、手足があらぬ方向に曲がっている。その様が、よく見えた。目の高さに浮かんでいる状態だからだ。その様はまるで、見えない蛇に巻き付かれて、全ての動きを封じられた哀れな被捕食者だった。いや、全てではない。活路を探しギョロつく眼球、手足の指はもがき、そしてその心臓は動いている。
そいつは、潰されまいと懸命に爪を立てるが、抵抗は無駄だった。
彼女の力場には、痛覚も実体もない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
「ふー」
それが、彼女の……血統(ジーン・)加速者(アクセラレイテッド)、シャル・ラストテイルの異能だった。
彼女は、地球人と異星種との交配種だった。
異星種のサイキック遺伝子を継承し、研究施設で生まれた実験体である。それだけでも驚いたが、彼女はただの交配実験体ではない。血統加速……時空歪曲を利用した人為的な世代交代の加速による特定能力の選択的先鋭化実験……によって現代に生まれた、約五千年後の世代と推定される超能力者だった。
本来ならば、交配種に連なる者たちが五千年の月日の中で獲得する超強度サイコキネシスを、現代に持ち込む技術。それは、彼女に超越的な力と、絶対的な孤独を与えている。
「ありがとう。助かったよ、シャル」
少女は前に出していた手を下ろした。クリーチャーは宙に捕えたままだ。力の尾は、彼女の手の動きに同期するものではないので、手を動かすのは、近くにいる俺に注意を促す意味が強い。
「これ、どうしますか?」彼女は言った。
「始末しよう」
特に、他の選択肢はない。明確な対人凶暴性を発揮した危険生物だ。特に、生きたまま保護して提出するような義務もない。
俺がレーザーウェポンを構える前に、彼女はこくりと頷いた。
「グギィ……ッ」
なんとも耳に残る断末魔だった。尾が締まり、クリーチャーが弾けた。付近の棺に、床に、赤い血肉が飛び散る。
「……ああ、うん。ありがとう」
「ううん」彼女は顔色一つ変えず、軽く頭を振るう。
既に尾は消えていた。それ自体は間違いなく不可視だが、斥力の集合体なので、周囲の空気を押しのける。発生や消滅は空気の流れで何となく分かる。避けられるかと言われれば、俺には不可能だが、有無の変化くらいは分かるものだ。
「シャルは先に戻っていいぞ」
「ダズンは?」
「掃除だ。シャルも、興味あるか?」
彼女が微妙な顔をするので、俺は笑った。
彼女を見送り、改めて惨状を確認する。どんな寄生虫を持っているかも分からないクリーチャーだ。消毒も必要だろう。肉塊にくっついたままの眼球が、こちらを恨めしそうに見ていた。無論それは主観的な感想に過ぎず、それは既に絶命している。
3.
片付けを終えて通路に出ると、そこは既に暗くになっていた。足元にはぼんやりと光る非常灯が、点々と続いている。夜になったらしい。
宇宙において昼夜という概念は希薄だが、人間の営みには、昼夜という概念が必要である。それは宇宙開発が進み、宇宙が一時的にいる場所ではなく、生活圏へと次第に変わっていくなかで、明確にルール化する必要が出た事柄だった。人は一時的に昼夜のない場所で過ごすことはできるが、それがずっととなれば話は異なる。
地球人は、地球上の環境に適応した地球生物種の一つであり、地球で生きていたからこそ、今の形になった。となれば、地球環境の一要素である昼夜が消滅した時、人はその異常にストレスを感じるし、その���境で世代を重ねるごとに、地球人ではない別の何かへと変貌していくことになるだろう。
人が人として種の形を保つための法。それは連邦により規定された照明制御規則として、宇宙船やコロニーで運用されている。ライフライン設備、防災上の事情により特別に規定された区画を除き、約十三時間の連続した活動タームにつき、十一時間の休息タームを設け、当該施設内共用部分の照明を規定光量まで落とさなくてはならない。
このルールは制定以来、その制定理由の尤もさから重要視されており、少なくとも、民間モデルの宇宙船にはデフォルトで採用されている。当艦……シーラカンスも、もちろんそうだ。
目が慣れて来たので、俺は非常灯の明かりを頼りに歩きだす。
別に、手動で点灯させることはできるが、最近は、そういうことはしない。同居人がいるからだろうか。自問しながら歩く。
しかし、そういう気遣いは、とりあえず今回は無駄だったらしい。
居住区画に入ると、明るい光が俺を出迎えた。
「お帰りなさい。シャワーにしますか? サンドにしますか? それとも練・り・餌?」
目の前にシャルが立っていた。逆光のためか、不思議な圧がある。
その右手には、トレーに乗ったサンドイッチが。左手には、銀の包装に包まれた手のひら大のパックが乗っていた。
「……なんの真似だ、それは」
俺がトレーを受け取りながら横を抜けると、彼女は「同棲する地球人の男女は、古来より、このようなやりとりをしていたそうですよ」等と言った。
「そうか」と流した。俺も別に、地球生まれではない。だから、絶対に嘘とも言いきれないが、無論、本当とも思えない。あと、同棲ではなく同居が正しい。
「練り餌は違うんじゃないか」
その名の通り、ペースト状であることが特徴の宇宙糧食だ。銀色の密閉されたパッケージに入っており、保存性に富む。もちろん、それは俗称であり、非常に長く厳とした公式名称も、公式略称もある。だが、その風情なさとネットリとした食感から、専ら溜息混じりに練り餌と呼ばれるのが常だ。
談話スペースにある背の高いスツールに腰かけると、向かいにシャルが座る。
「確かに、これでは食の選択肢が被っていますしね」
そう言いながら、彼女はその話題には大した興味も無いようだった。
「というより……起きてたんだな」
「先に消灯するのも申し訳ないなと思いまして」そう言いながら、手伝おうという方向にはいかないのが、彼女の意外と強かなところか。
サンドイッチを口に入れる。
パサパサした合成パン。風味のない合成バター。ひたすら特徴のない辛味を放つ合成マスタード。コクがなく、平面的な合成マヨネーズ。脂っこいだけのベーコン。しんなりした食感の合成レタス。青臭さがオミットされ、味が単純化した合成トマト。フードプリンターが有機フィラメントから生み出す食材は、全てがオリジナルに劣る胡乱な複製物だが、それでも練り餌よりかはマシだった。
「美味しいですか?」彼女は言った。
「ああ」と俺は返す。
それは、彼女を料理係として雇った時から、繰り返しているやり取りだった。
「……客観的に見て、美味しそうに食べているようには見えませんけど」
確かに不味い。それは、シャルの料理の腕とは別の部分にある問題だ。すなわち、食材の限界である。
だが、スペースを取り、保存コストも嵩む天然食材の貯蔵には限度がある。仕入れても、一、二週間もすれば、また合成食材の生活になるだろう。中途半端に積むより、オフや寄港の楽しみにしておく方がメリハリになろうというものだ。
それに、彼女には、複雑な味わいの食材を上手く扱うことはできないだろう。
「手料理なのが重要らしいぞ」
目の前に料理があるなら、いつもの二倍幸せだ。それが手料理なら、さらに二倍。自分以外の手によるものなら、そのさらに二倍。つまり八倍の幸せだ。それは、父親の言葉だった。とても古い記憶の一つだ。父が、まだ明朗だった頃の。
尤も、その言葉の続きには「だが不味ければ零倍」というオチもあったが、言わぬが花という言葉の意味は知っているつもりだ。
「私も、少し、喉が渇きました」
彼女は言った。どうでもよさそうな声色だ。
そのくせ、金の瞳は輝いていた。
「そうか」
予想外ではなかった。力の尾は、彼女の体力を消耗させるからだ。
折よくサンドイッチを食べ終えた。
俺が立ち上がると、シャルも椅子を降りた。
特に言葉は必要ない。それはすでにルーティーンとなっていたのだから。
「じゃあ、シャルも食事にするか」
彼女は頷いた。シーラカンスには、それぞれに個室を用意してあるが、今日は二人で俺の部屋に入ることになった。
そこはこぢんまりとした部屋であり、備え付けのベッド、棚、情報端末だけが置かれており、古の単位で言えば、六畳ほどだ。これは、シャルの部屋でも同様だった。宇宙船の設計というものは、有限のスペースを活動空間/装置/リソースで取り合う陣取りゲームである。精神健康上の観点から、登録乗員に対する最小の居住区画容積と、人数分の個室の設計が遵守されているが、削減されやすいのは個室のサイズだった。
そんな狭い室内で、俺は汎用スペーススーツを脱ぎ始めた。といっても、大袈裟な話でもない。肩を抜いて、上半身を開けるだけだ。
隣で、シャルもスーツに手をかける。
彼女の、白い肢体が露わになった。
金の髪、金の瞳、いっそ不自然なまでに整った美貌。華奢な首元には鎖骨がくぼみを作っており、乳房がふっくらと佇んでいた。薄い胴はしなやかに伸びており、まるで無意識下にある理想を彫像にしたようだ。
その途中、鳩尾辺りから、肌がすっと透け始めている。幾重もの白い半透明の表皮が覆うようになっており、その下にある、青い筋肉が見えていた。彼女の下半分は、シルエットこそ人間のようだが、異星種の特性を確実に受け継いでいる。
背中側はお尻のすぐ上までは人肌で、前後で変貌の境界は異なっていた。ただ、頭から肋骨の辺りまでが人間で、腹から下が異星種であるという意味では、一定のルールの下で明瞭に分かれている。
白いショーツだけになった彼女が、じっと、俺を見ていた。
ベッドサイドのパネルを操作して、光量を落とす。仰向けに寝転ぶと、シャルがゆっくりと俺の上に覆い被さって来た。まるで恋人同士がそうするみたいだったが、彼女の瞳に宿るのは愛だの肉欲だのではないようだった。
ゆっくりと俺に体重を預けてくる。青い筋肉が透ける下半身も、見た目の印象からは想像もできないほど熱い。彼女はそのまま、俺の首元へと唇を寄せてきた。俄かに、甘い香りが鼻腔を擽った。
そう思うのも束の間、じくりとした痛みが首に広がった。我慢できないほどではないが、気にせず無視しようというのも難しい、痛痒にも近い、鋭い感覚。しかしその感覚も、熱で曖昧なものへと変わっていく。牙で穴が開いているのか、血に濡れているのかも、はっきりとは分からなかった。
ただ、こくんと、嚥下する音が響いた。その音は小さかったが、血が飲まれていることを自覚するのには十分だった。音は静かな部屋の中にあって、強く耳に残る。
彼女は血を飲んでいた。
彼女が引き継ぐ異星種の遺伝子がそうさせた。シャル・ラストテイルは、地球人と同じ方法で栄養補給をすることができない。内臓の作りが異なるからだ。彼女にとって食糧とは哺乳類の血であり、そのことが判明した時から、俺はこうして、彼女に血を飲ませていた。
俺は上半身を開けて。彼女は下着姿になって。
しかしそれは、儀式めいた行為だった。
やがて彼女が口を離すと、身体を起こした。
ぽたりぽたりと、赤い雫が落ちた。彼女の口元から滑り落ちた血がしずくになって俺の胸元に落ちた。
首元に手を伸ばすが、そこに傷はない。傷が塞がった後みたいな滑らかな膨らみの感触が、指先に小さく残るだけだ。
不思議なものだ。これは彼女が引き継ぐ吸血種の性質なのだろう。彼女たちは、ある種の麻酔成分と、血液の凝固を防ぐ成分を送り込む。多くの吸血生物と同様に、だ。それと同時に、牙を引き抜く時には傷跡の再生を促す。
尤も、彼女も最初からそれができていたわけではなかった。
彼女には、それを伝える親がいなかったからだ。
食事には、痛みと、今くらいでは済まない多くの出血を伴った。
彼女が自分の性質に気づき、慣れるまでは。
4.
ぼたぼたと血が滴った。シーツに赤い染みが広がっていく。
先ほどまで彼女が噛みついていた場所から、急速に痛みが広がっていた。
俺は用意していたタオルで押さえて、開けていたスーツを着込んだ。その手首にあるコンソールで、ナノマシン統制プロトコルを小外傷整形モードにする。普段は待機状態で循環/代謝されている医療用ナノマシンが、傷を察知して人体の働きを補助することで、通常の何十倍もの自然治癒力を発揮できる。
「……ごめんなさい」と彼女は言った。
その少女はシャル・ラストテイルと名乗った。美しい少女だ。正直なところ、彼女の口から謝罪の言葉が出ることにすら、俺は驚きを感じていた。
彼女は殉葬者だった。
かつては別の意味もあったが、我々の業界では、捨て子という意味になる。
彼女は、俺が回収したチタニウムの棺の中で、深い眠りについていた。
セクストンのライブラリによれば、そういった事案は稀にあるという。政治的な事情から、食糧事情……いわゆる口減らしまで。
宇宙開拓時代にもなって、望まれない境遇に生まれるケースというものは変わらずあるらしい。いずれにせよ、殉葬者らにとって、それは死んで元々の旅��はあるが、立ち会ったセクストンの匙加減次第では、生きる道が開かれることもある。
彼女は、棺で、俺の船にやってきた。
そして、その前は「ヒト殺しだった」という。
シーラカンスで目覚めた彼女の一言目は、それだった。
『二人の部屋は、ガラス張りの部屋。そこは白くて清潔で、狭くて、周囲にはいつも誰かがこちらを見ていた。食べる姿、寝る姿、彼らは何にでも興味があるようだった。時には血を奪われた。痛めつけられた。尾の力を見たがった。妹は、籠から出るには籠を壊すしかないと言った。だから、私はみんな殺して自由になった』
それは、彼女の観測する現実の話で、事実とは異なるかもしれない。
しかし、実際に超越的な力は彼女に宿っている。
それ故、彼女の事情も、また真なるものだと明らかだった。
俺は、その境遇から考えて、他人の痛みに対する常識レベルの配慮が欠けている可能性は決して低くないだろうと思っていたのだ。
「いや」と俺は少女に返していた。
何が「いや」なのだろう。俺は誤魔化すように続けた。
「だいぶん、体重は戻ったか?」
「……そうですね」と、シャルはスーツに包まれた自分の身体を、緩く抱く。
そんな彼女の肢体は、俺の目にも、最初に見た時より幾分か健康そうに見えていた。
シーラカンスで目覚めたばかりの彼女は、酷く痩せていた。生きていたのは、その身体に流れる異星種の血がもたらした強靭性の賜物だろう。
俺はシャルを引き取ってから、違法な情報屋を少しばかり頼った。
彼女は研究施設で生まれた実験体であり、地球人と異星種の交配実験体で、血統加速実験の被験者だった。試験管から生まれ、妹とされる存在とペアで生きてきた。そして妹と共に研究所を破壊し、外の世界へと飛び出した。一方は当局により身柄を確保されたが、もう一方は現在も行方不明である……。
それは推測だらけで、不確かで、そして馬鹿げたレポートだった。
だが、疑う必要があるだろうか。
彼女を棺から出して、ベッドに寝かせる前に、俺は外傷の有無を確認するために、その肢体を診る必要があった。その時から、彼女に人並み外れた事情があるだろうことは、明白だった。
上半身は地球人で、下半身は異星種。
彼女の身体には、それがハッキリと形として表れていたのだから。
シャル・ラストテイルは人ではない。
不意に目の前に現れた異形様の少女に、驚きがなかったわけではなかった。
彼女が持つ力に恐れがなかったわけでもない。
宇宙開拓時代でも、人殺しは罪である。それでも、殺すことでしか救いが得られないこともある。実験のために生み出された彼女が、実験のない日々へと至る道を、殺し以外で掴む方法があったかは分からなかった。
そうして外の世界に出ても、彼女たちには行く当てというものが無かった。
だから、棺の中にいたのかもしれない。
星海を漂い、殉葬者としてセクストンを頼る。その切符は一枚しかなかった。死者を納める棺に、内側の取っ手は不要なのだから。
彼女は多くを殺め、最後には、妹の献身によって、ここに至った。
それが、彼女の生だった。
人には人の生があり、実験体には実験体の生があるとも言えるだろう。そして、それを逸脱するには、罪を犯し、死に、そして生まれ変わる必要があったのだとも、解釈できた。彼女と人の差は何かと問えば、生まれとしか言いようがないのだから。
それは上手くいくだろう。
このまま地球人らしく振る舞うことを覚えれば、彼女は人の隣人になれる。
彼女は明らかに異星種の特徴を有しているが、人前で服を脱がなければ露見することはない特徴だ。人としての振る舞いを覚えれば、秘密は秘密のまま、人の輪に溶け込める可能性が残されている。
ただ、彼女の方は、そう思ってはいないようだった。
彼女の瞳には絶望があり、声は暗く、その立ち姿は、人間らしさからいっそ遠く空虚だった。
俺一人では、彼女をどうこうするのは難しいのかもしれなかった。
そう思ったのを、覚えている。
……。
「ありがとう、ダズン」
「ん、ああ……」
少しばかり、ぼうっとしていたらしい。
すでに彼女はベッドを降り、床に落ちたスペーススーツに手を伸ばしていた。
スーツと一体型となったショートブーツを揃えて、足を入れた。さらりと流れた金髪を少し押さえてから、彼女は足元でひと塊になっていたスーツに取り掛かる。脱ぎっぱなしにしていたそれを整えて、袖の位置を確かめると、ゆっくりと引き上げていく。丸まった背中に肩甲骨が浮かびあがり、揃えた脚を、ぴったりとした黒い布地が徐々に、包んでいった。
青い筋繊維が透ける白いヒップは、見た目の印象とは裏腹に、確かな女体の柔らかさを持っていた。スーツへと収まっていきながら、少し窮屈そうに形を変える。その肉感は、色彩を無視できうるほど艶めかしいものとして、目に映っていた。
実際、そこまでスーツを着ると、彼女は普通の……というには語弊のある美貌ではあるが……地球人の女性に見えた。
だが、そのスーツの下の秘密は、無かったことにはならない。
その事実を忘れさせないために、彼女はその美しい裸身を晒し、俺の血を飲むのかもしれない。
5.
汎用スペーススーツの上に羽織ったジャケットが、歩くのに合わせて揺れる。俺は腰までの黒い上着で、シャルはクロップド丈の白い上着。
セクストンのオフィスに、俺たちは連れ立って入った。
ホールには、数人のエージェントの姿がある。目は合うが、顔見知りはいない。そこで、シャルが視線を集めていることに気付く。
「あまり離れるなよ」耳打ちすると、彼女は心得たように頷いた。
同じエージェントとは思いたくない素行の人間は多い。
スペース・セクストンは、宗教団体と考える人もいるし、極めて物理的な、死体処理機関であるとも言える。いずれにせよ、地球人の勢力圏であるヘリオスフィア全域で星海葬を管理しており、単一��組織が影響する範囲としては、連邦に次ぐ。人類の宇宙開拓の総指揮を執り、渉外にあっては人類の意思決定機関として働く連邦という機関に次ぐと聞けば、高尚な感はあるが、実際に所属する人間はぴんからきりまでだ。
セクストンの人事は来るもの拒まず。それは、いい面もあり、悪い面もある。悪い面の一つが、末端ほど、何某崩れしかいないという点。良い面は、社会信用度ゼロの人間でも、エージェントとして生きていける点。つまりは、セーフネットとしての面。俺もその面には少しばかりの恩恵を得た身だった。
シーラカンスは、荼毘炉に寄港していた。
ここしばらくの回収にひと段落がつき、一度、荷を下ろす必要があったからだ。
荼毘炉は、セクストンが経営する小さなコロニーの総称だ。ヘリオスフィア全域に点在しており、どこでも同じ機能を備えている。宇宙港、簡単な整備ドッグ、精錬プラント、遺体焼却炉、一時滞在用のホテル、エージェントを管理するオフィス、オフィスワーカーたちの居住区、マーケット、食糧生産プラント、小規模な歓楽街等があり、収容人数は場所によって異なるが、最小では数万ほど。
オフィスの窓口に近づくと、カウンターの向こうにいる男性は肘をついてこちらを見た。妙に若く、気怠そうな表情だが、小規模な荼毘炉オフィスの窓口係としては、やはり珍しくない。隣のシャルは何か言いたげにして、黙った。
「……納入ですかね?」
「ああ。艦名は、シーラカンス」
情報端末を差し出す前に、食い気味にピピッという認証音がした。本当に確認しているのか怪しい速度だが、手続きは済んだ。
しばらく待っていれば、セクストンの分柩課が勝手にシーラカンスの体内に貯め込んだ棺を運び出し、代わりに連邦クレジットが口座に入る。
分柩課は、文字通り棺を分別する役目を担っている連中だ。金属として溶かして再利用する部分と、遺体を焼くための部分を分別し、炉に投じる準備をする。
「他に何か?」
「報告があるんだが」
俺が言うと、彼は「はあ」と気の乗らない声。
「棺から、このくらいの獣が現れて、襲われたんだ」
言いながら、両手でサイズを示していると、その係員はやっと俺の顔を見た。彼の瞳が初めて俺を映す。面倒くさそうに、鼻を鳴らした。
「防疫課は向こうだよ」
「怪我はしてない。そうじゃなくて、例えば、似たような報告は? ああいうのを棺に仕込むのは流行りだったりするのか? 何か情報は?」
「さあね」
シャルがほとんど溜息のような、長い息をついた。
やれやれ。
オフィスを出て、メインストリート・ブロックに入る。通常のコロニーは、いくつかのモジュールの集合体である。いわゆる隔室型宇宙都市だ。屋内/屋外という概念は無いため、隔室型宇宙都市の全ては屋内だが、どの施設でもない接続用モジュールも存在しており、それらはストリート・ブロックと呼ばれている。
「やる気がなさすぎると思いませんか?」
「セクストンとは、結局、そういうものだ」
「それにしてもです」
「まあな……」と俺は空を見上げた。
空と言っても、天井の映し出された空だ。閉塞感を緩和しようとしているもので、その努力を考慮しないとすれば、モジュール単体のサイズは、さほどでもない。上方向だけで言うなら、三階建て以上のビルは入らない程度だ。
二人でメインストリート・ブロックを歩く。
宇宙都市内には当然のように空気があり、疑似重力によって、地球人にとって都合のいい環境が整えられている。宇宙都市というのは何型であれ、どこもそうだ。空気がなかったり、無重力だったりする環境は、人間種の正常な生育にとって都合が悪いのでコロニーとして認められない。
通りは晴天状態で、通行人はぼちぼちと行き交っていた。荼毘炉にはセクストンやその関係者しか近づかないが、閑散��しているわけではない。エージェントにはそれなりの人数がおり、そしてそれぞれに家族がおり、空腹になれば、食欲を満たす必要があるからだ。昼時になって、人々の動きは活発だった。
「……仮想レストランですね」と彼女が言う。
「だな」
軒先から見える限り、どの店もそれなりに盛況なようだ。客がスツールに座り、虚空に向かって見えないフォークを繰っている様子が見えた。一見すると、少し滑稽なようにも見えるが、彼らには美味しそうな料理が視えていることだろう。
ミクスト・リアリティによる食事提供は、現代では一般化した光景だ。彼らは、網膜に投影されたホログラムを現実に重ね、レストランのネットワークとナノマシン統制プロトコルを連携することで、任意の味覚/食感データを脳内に再生している。
「入ります?」
「いや」
「私の作る料理より、あっちの方が美味しいのでは」
「そうかもな」
味覚/食感はデータで楽しみ、栄養補給は練り餌で済ませるというのは、コストパフォーマンスに優れた食の形式だ。データは買えばコピーペーストできるし、練り餌も完全栄養食として流通している。本来論で言えば、こうして店先にいる必要性もないのだが、友人と食事している、とか、外食している、といった事象自体にバリューがあるのだろう。会計時に渡される練り餌をそっちのけで、味覚の摂取と世間話に集中しているようだった。そして、店側としても、調理によってハイクラスな味と栄養を両立できる形に加工するのは、よりコストが必要となってしまう。
総じて、料理というものに、こだわりがある人というのは少ない。
俺がそこに拘泥しているのは、親の教育の成果だろう。
ふと、シャルを見ると、彼女は少しばかり面白くなさそうな顔をしていた。
「どうした」
「美味しくないけど、作れと言っています?」
「まあ、そうだ」
「あまりに悪びれもなく言いますね」
「不味いとは言ってない。プロの域には達してないというだけだ」
自分からそう言うよう誘導したくせに、とは口にはしない。
そもそも彼女は料理に関してはハンディキャップがある。
彼女は地球人とは栄養補給方法が根本的に異なり、従って、人と同じ体系の味覚器官も持っていない。それでも、食べられるラインのものを作ることができるのは、分量の計算で味の着地地点をコントロールできうるからだ。
とはいっても、言うは易く行うは難しというもので、実際にそれをハズレなく遂行できるのは彼女自身の努力の結果であり、師が良かったという面も多分にあるだろう。
それから、有機フィラメント食材の味が単純化されているという面も。辛いものは辛く、甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく、各食材の個体差や複雑な要素は、詳細には再現されていない。よって、甘いものと甘いものを合わせれば、もっと甘い……くらいの解像度でも、想定と大きくずれる味になりにくいらしい。
「でも、言うなれば、私もプロですよ」
「……」と黙る。彼女の良い分も尤もだった。
俺と彼女の間にあるのは、まさにそのサービスを供給する契約だ。
シャル・ラストテイルは料理係として雇った。
「別にいいだろう。雇い主がいいと言っているのだから」
そういうと、彼女は「まあ……」と煮えきらない返答。
噛みついてはみたものの、料理を今以上の仕上がりにすることが困難であることは分かっているだろう。そして、それが原因でクビにされても困るということも。
そもそも、何か仕事を……と言い出したのはシャルの方からだった。シーラカンスに乗っていたい。そして、乗るからにはクルーとしての仕事を熟さなければならないのだと、そう思ったのだろう。
別に、捨てられて生きていけないということもないだろうに。彼女の容姿と能力を以てすれば、それなりの待遇を得られる可能性は高い。単に荷運びとして考えても、彼女の力は非常に有用だ。服の下がどうなっていようと運送に支障などない。
確かに血を飲むが、別に輸血パックでもいいとも言っていたし、実際、施設にいた頃はそうだったと本人も言っていた。
「あの……ダズン?」
どこかに行こうとしていた思考が、その声で帰って来た。
シャルは路地の方を指さしていた。そこにはフードを被った男がいて、こちらを見ていた。人通りの中から、自分たちを見ているのだと、何故か理解できる。彼は、そのまま、お辞儀をするような仕草をして、踵を返した。
「追おう」
「う、うん」
路地に入る。どこの路地裏もそうであるように、表に入りきらずに溢れた猥雑さが溜まっている。勝手口に、室外機に、ゴミ箱に、非常階段。少し歩くと、フードの男が俺たちを待っていた。彼はフードを被っているばかりか、サングラスと、マスクを着けていた。これでは黒い肌を持つことしか分からない。この手の、身元グレーなメッセンジャーの正体を暴くことに何の意味もないが。
「誰かが、お前たちを狙っている」と男は告げた。
その誰かとは、恐らく、シャルの行方を捜す者たちだ。
しかも、多分、思っていたのとは違うタイプの。
脳裏に二つの声が響く。これまでバレなかったのに、という声と、それから、ずっとバレなければよかったのにという声だった。
6.
「どこに向かっているのか、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
艦橋に響くシャルの声は、少し非難の色を帯びていた。シーラカンスくらい小型の宇宙船でも艦橋というものはあり、コクピットとは異なるものとして定義される。立派ではないが、そこには艦長の席があり、オペレーターの席がある。前方には、シアターのようなサイズのスクリーンがあって、最低限ながら、宇宙船の艦橋というものの体を成していた。
そして、スクリーンには航路図が表示されているが、今は、コンソールの向こうに立ったシャルが視界を塞いでいた。
「そうだな。別に、教えたくないということもなかった」
「なら、もっと早く言ってくれて、よかったじゃないですか」
そう言われてから、どうにも気が急いていたのだなと、ついに初歩的な自己分析に達する。しかし、それを正直に言うのも憚られた。憚る理由の方は分からない。自己分析が足りないのかもしれないが、もはや手遅れだろう。思考を放棄する。
荼毘炉を去ってから、すでに三日経っていた。そのことから、彼女の忍耐力は非常に高いといって差し支えないと言えた。
「ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ」
「月ですか」
「正確には月の裏側だが」
「……それ、どこから見た時の話ですか?」
「地球だ」
シャルが「ふーん」と俺を見た。言いたいことは分かる。別に地球生まれというわけでもないくせに、というような顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「連邦の定義だ」
この連邦の定義というのが、重要なのだ。何しろ、ヒトが人類史の中で学習したものは、その大半が地球環境を前提に語られる。代表的なのは、暦や時間だ。地球から遠く離れた場所でも、太陽暦や地球時間は基準として大きな意味を持っている。宇宙開拓による混乱を避けるため、連邦が基準として定めたためだ。
そう言いながら、航路計をチェックする。ヘリオスフィア連邦相対航路計だ。
艦の進路と、進行中の航路との誤差を割り出し、必要があれば軌道修正する。航路線と呼ばれる、宇宙空間に便宜的に引かれた線との退屈な比較/修正作業だ。
それをしなければ、シーラカンスが宇宙を飛びまわることはできない。連邦の定義する航路線が一定範囲に無い場所では、航行できないとも言う。
これは特にシーラカンスが旧式だからというわけでもなく、ほとんどの宇宙船は同じだ。相対座標系の航路計しか積んでいない。ヘリオスフィア内の艦は、どのみち、星々を最短経路で結んだ航路網に基づいて運航するものだ。航路線に関わらず自身の座標を知ることができるという絶対座標系の優位性を、航路網が充実しているヘリオスフィア内で感じることはない。道具は、それを役立てる機会のある船にこそ意味がある。例えば、ヘリオスフィア外を往く、連邦開拓局の艦とか。
「里帰りですか」と彼女は言った。
「そうだ」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、月の裏に作られた都市だった。
そして、俺の両親が住んでいる。
「半年ぶりくらいですね」
言われてから、そうなるかと、表情には出さないままに自問した。
シャルと出会って、すぐ後に、一緒に訪れたことがあった。助言をもらいに、あるいは、そのまま実家に置いて行こうかと考えて。
その頃の俺は、シャルの扱いに迷っていた。どうにも、年頃の女の扱いが分からなかったというのもある。幼少から、周囲には女ばっかりだったはずなのに。長いセクストン生活が祟ったとでも言うのだろうか。
もちろん今も、分かってはいないが、仕事仲間だと思えば、何とかはなった。
俺がそう扱えば、こいつもそう応えてくれた。
「真顔で、えっと、日数でもカウントしているんですか?」
もちろん違う。
「……月に行く理由は、あれが父からのメッセージだと思うからだ」
心裡にある感慨のようなものについて、あえて彼女に告げる必要はなく、俺は話の流れを元に戻した。少女は思案顔。
「そうだとして、どうして、その……怪しいメッセンジャーを?」
丁寧にオブラートに包んだ表現だ。コロニー内という安定環境下で目深にフードをしており、さらにサングラスとマスクで人相を隠している様を、不審ではなく、怪しいという範疇に留めておくのは理性的である以上に、少し面白くはあった。俺は一目で違法メッセンジャーの可能性を考えたが、彼女の目に、オブラートに包むことに足る何かが映っている可能性も皆無ではない。
「まず、普通に艦載通信システムが疎通できる距離ではないからだろう」
あの荼毘炉と月は距離が離れていた。航路線上で、七単位以上だ。航路線単位は、航路上の中継となり��る惑星間の距離である……という規定であるから、実際の距離としては、かなりタイミングによる揺らぎが大きい。普通の艦載通信であれば、航路線上で一・五単位も疎通できればいい方だった。
「では、連邦公共通信を使うとか」
「それが普通だな」と俺も思う。時空歪曲を利用した超長距離通信だ。
地球人が実効支配できる宇宙規模は一日以内に通信が届く距離に依存し、宇宙開拓の速さは通信技術の発展速度と相関するだろう……という宇宙進出前の未来予測は尤もなものだった。そして、それを乗り越えたからこそ、人類に宇宙開拓時代が訪れたとも言う。現代では、お金さえ払えば、民間でも利用できる類のサービスだ。
それならば、七単位も一瞬ではある。
含みのある俺の返答に、彼女は議論を諦めたようだった。
「それは、会えば分かるという判断ですか?」
「そうだ」
本当は、シャルの身柄を追う者には心当たりがある。父以外のイリーガルな存在が俺たちに警告を行った可能性もゼロではないが、あえてその可能性ではなく、父がグレーなメッセンジャーを用いた可能性を追求することについて、十分な説明ができる。
だが、それを口にするには時期尚早のようにも思えた。推測に過ぎず、何ら確信もない。父を訪ねようと決めたのは、確信を得るためとも言える。
「跳躍潜航に入る」
会話を断ち切るように俺が告げると、彼女も黙って定位置に着いた。
7.
到着には、それからさらに数日を要した。
ともあれ、延べ七単位分の超長距離移動が数日レベルの旅行で済むのは、跳躍潜航の恩恵と言えるだろう。これも、時空歪曲技術の進歩が地球人に齎したものだ。
そうして俺たちは、月の裏側最大の都市に降り立った。
直径百キロ余りもある冷えた溶岩による湖。その岸に、巨大ドームに覆われた月面都市がある。月の都、ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ。宇宙開拓が始まって間もない頃、そこは新しいもの好きが集まる最先端の宇宙都市だった。地球から最も近く、遠い都市として人気となり、栄華を極めていたらしい。今となっては、偏屈の巣窟だ。
「相変わらず、継ぎ接ぎだらけですね」
「旧い宇宙都市の特徴だからな」
都市内部には、どこもかしこも、その施行年の新旧が年輪のように表れている。それが、時代遅れの天蓋型宇宙都市の特徴だった。
宇宙都市の寿命は決して長くない。外に空気が無いからだ。大気がない環境というのは、温度にも課題が生じる。月面では、昼夜で摂氏三百度近い温度差がある。そのような酷環境では、人工の殻の綻びが、そのまま人の死を意味する。安全基準は厳しく、経年劣化で問題が起こる前に改修することになる。ワイズマンズ・シーサイドスクエアだけでない。現存する天蓋型都市というものは、常に改修を続けている。全体のドームとしての機能を維持しながら、内装も外装も、だ。
港からキャリヤーを乗り継ぎ、俺たちは、一際寂れた区画に降り立った。
すん、と隣を歩く少女が小さく鼻を鳴らす。
「慣れないか」
「ええ、まあ」
人の生活の匂い以上に、都市工事用の重機による排気や、建材の加工時に生まれる粉塵、真新しい金属部品が放つ独特な臭いが、この都市の空気というものを構成している。俺にとっては慣れたものだが、彼女にとっては違うのだろう。
「この町は、やはり人の気配というものがありませんね」
「それなりに多く住んでいるはずだが」
「荼毘炉などよりも、むしろ陰気なほどです」
エアクリーナーも働いているが、健康への影響を軽微なレベルに抑える以上の効果を期待するのは難しい。この都市の空気で病にはならないが、別に快くもない。
だから、この都市には往来の人間というものがない。
人々はフィルターを通した無味無臭な空気を堪能するため、室内に籠っている。家同士を直接繋ぐ回廊文化ができるほどだ。高い天蓋に建ち並ぶビル群。その間を繋ぐチューブのシルエット。改修工事ですぐに書き換わる交通標識。道を往くのは、無人重機たちばかりだった。ビルは人々の生活の明かりを漏らすこともなく、暗いモノリスのように沈黙している。
かつて、このいかにも先鋭的な天蓋型宇宙都市を設計した天才たちも、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの人々がドームの強みを捨て、このようなゴースト・タウンを作り上げるとは考えていなかっただろう。
「俺の故郷なんだ。手加減してくれ」
そう言うと、彼女はフームと頷いた。
ともあれ、ワイズマンズ・シーサイドスクエアが初期の宇宙開拓の失敗であったという点は明らかだった。この反省を活かして、以降の宇宙都市開発では、モジュール毎に安全な付け外しが可能な隔室型へと立ち戻っている。ここのように、ドームを維持するためにドームの改修を続けるような、財的にも住環境的にも高い負荷の生じる都市の在り方は、早々に否定されていた。
この都市の最大の悲劇は、宇宙開拓ペースが、多くの地球人の想定を遥かに上回っていた点にあるのだろう。ワイズマンズ・シーサイドスクエアが出来上がった後、連邦はその版図を爆発的に拡大し、すぐに多数の宇宙都市が出来上がった。かつてワイズマンズ・シーサイドスクエアに集まっていた人も、財も、果てなき宇宙に拡散したのだ。
流行に見放され、商業的な意義を失っ��田舎は、顧みられることなく廃れゆくはずだった。それでも未だワイズマンズ・シーサイドスクエアが存続しているのは、この都市を維持せんとする、血よりも濃い連帯があるからだ。
「皆は、元気にしているでしょうか」
「恐らくな」
角を曲がると、下品なネオンに彩られた店が姿を見せた。
店の外観など、回廊が整備されたワイズマンズ・シーサイドスクエアにあっては、どうでもいいだろうに。いや、どうでもいいからこそ趣味に走れるのだと、父は言っていた気もする。看板には、裏月酒店の文字。
ホテル・リーユェンと呼んでもいい。食と性を満たすための店。それが、俺の実家とも言える場所だった。
裏手に回って、勝手口のドアを開くと、ちょうど一人の女性と目が合った。彼女の手から、空の小型コンテナが落ちるのを、力の尾が掴んで、床に軟着陸させる。
「ダズン」とその女性は俺を呼んだ。恰幅のいい立ち姿。白髪交じりの、ざっくばらんなショートカット。目尻に小皺を作り、笑んだ。母だ。
「……父は?」
「上よ」
彼女は頷いて、俺に近づいてきた。
「前より健康そうに見える」そう言って、両側から腕をパンパンと叩く。
「……だとしたら、シャルのお陰だ」
「ふうん」と母は薄く笑んだ。「それは、師である私のお陰とも言えるね」
そうかもしれないなと、俺は苦笑した。彼女が、シャルの料理の師だった。それと同時に、シャルをヒトとして教育したのも母だった。ヒト殺しであり、殉葬者であり、地球人ではなかったシャルを、今の彼女にしたのは母の功績だと言える。
俺は、シャルを母に押し付けて、一人でエレベーターに乗った。
8.
父の私室は、ビルの上階にある。月面都市の街並みを眺望するのにうってつけの場所だが、肝心の景色がよいというわけでもない。それだけが残念だった。ドームが気密性を失ってしまった時に備えて、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの建物には隔壁を閉じる機能が備わっている。裏月酒店のそれは開いているが、ここから見える建物のほとんどは完全に閉じていた。開いているとしても、中に火は灯っていない。この数年で多くの仲間を失ったと、父は言っていた。最後にこの景色を見た時のことだ。その時も、こうして向かい合って、俺はシャルをここに残して、去ろうとしていた。
俺が部屋に入ると、父は応接用のソファに座って、俺を迎えた。
「来ると思っていた」
父の声は、深い溜息混じりだった。まだ背筋はしゃんと伸びており、耄碌しているという雰囲気ではない。そのことに俺は、少しばかりの安堵を感じている。
テーブルを挟んで向かいのソファに座り、父と相対する。
「訊きたいことも分かっているつもりだ。メッセージのことだろう」
全くその通りだ、と頷く。
「私が送った」
「俺たちを狙う誰か、とは?」
俺が聞くと、父は眉を顰めて逡巡するように顔を俯かせた。それから、一度は床まで落とした視線を、じっくりと俺の顔に戻す。
「あの娘の言っていたことは、嘘偽りではない」
「最初から、そこを疑ってなどいない」俺はそう断って左膝に肘をつく。「何を濁す必要がある?」
「分かるだろう。うちを継がず、家の力も借りずに、独力で生きる道を選んだお前になら。お前は、結局、聡明で正しい」
「……」
「確かに、この月の裏に未来はない」
かつて俺がこの家を飛び出した時には、ついぞ認めなかった言葉だった。
俺がセクストンとして生きることになった切欠となる口論、その結論だ。家業を継げと言う父と、このワイズマンズ・シーサイドスクエアに未来はないと言う俺。あの頃は一致しなかった意見が、ついに合意に至ったらしい。
十余年という月日は、父の考えが変わるのに十分な歳月だというのだろうか。
それとも、父が納得するまでに十年以上もかかったというべきか。
「だが、今は、あのままお前と縁を切っておけばよかったのにと思う。そのくらい、あの娘は危険だ」父は吐き捨てるように言った。
シャルと一緒にいることを選ぶのなら、裏月酒店に迷惑をかけないよう、縁を切れと言っているようにも聞こえた。
「危険? あの尾が?」
「馬鹿なことを言うな。あの娘には、理性がある」
その言葉に俺は頷いた。否定の余地もなかった。危険な力を持つだけで制御の利かない少女であるなら、俺はすでに死んでいてもおかしくはないだろう。
「だが、やはり、関わるべきではなかった」
「母は、そうは思ってないみたいだが」
「あいつもあいつだ」父は自身の胸元を指先で���突いた。「情が深すぎる」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、その維持を連邦から第三セクターの管理下に移譲されて久しい。現在その維持を担っているのは、まさにここに住む市民たちだ。この天蓋型宇宙都市の莫大な維持費を賄うため、市民は掟を作り、団結する必要があったはずだ。外貨を稼ぎ、都市に富を齎す。その一点で、都市はまとまっていた。幼い頃、父もその情とやらを大事にしていた。それは今や、呪いと化して、目の前の壮年の男を苛んでいるのだろうか。
「誰がお前たちを狙っているか、答えは明白だろう」
「……」
「お前が、今、考えていることを言ってみろ。ダズン」
「それは」と逡巡する。それに何の意味がある?
推論がお互いに一致していようと、それが事実であろうと、なかろうと、もう話は決裂しているように思えた。
しかし、その推論を披露する前に、扉は開いていた。
お盆にドリンクを載せ、女性が入って来た。彼女は、その女体のほとんどを見せつけるような、シースルーの挑発的なドレス姿だった。裏月酒店の女だろう。
「レイシィ」父が咎めるような声音で、その名前を呼んだ。レイシィと呼ばれた女性は肩を竦める。「奥様に頼まれたんです」
彼女はドリンクを二つ、ゆったりとした動きで差し出す。
一つは父の前に、一つは俺の前に。
それから、俺に妖艶な笑みを向けて、囁く。
「お姫様をお連れしましたよ」
彼女は再び扉が開いた。
そこにはシャルが立っていた。薄藍のドレスを着こなしている。いわゆる、チャイナ・ドレスだ。薄い布地の下に、美しい曲線が浮かび上がっており、スリットから覗く脚は、白いタイツに覆われている。彼女の特徴的な下半身の彩りさえ、それを薄っすらと透けさせたタイツによって、艶めかしく活かされていた。
幸い、シャルが俺に感想を求めるような言葉を告げることはなく、ただ彼女の視線がゆらゆらと俺の右耳と左耳の辺りを掠めるだけだった。
二人はそのまま俺の両隣を挟むように座った。
今、俺たちは重要な話をしている。とは、言えなかった。邪魔をするな、とも。レイシィは兎も角としても、拳四つほど離れて控えめに座るシャルに対して無関係だから離席するよう告げるには無理があった。他ならぬ彼女の話だからだ。
母は、俺と父の話し合いが険悪なものになることを予見して、二人を送り込んだのだろうか。そうだとしたら、その効果は覿面だと言える。
父が立ち上がった。
「話は終わりだな」
「待ってくれ」
腰を浮かせて、後を追おうとする。父が扉に手をかける前に。
何かを告げようとして、その前に変化が起きた。
そこで再び、扉が開いたのだ。
男が、父を押し退けて部屋に入って来た。
その大男ぶりと言ったら、そう低くもない扉を、上半身を傾げて通るほどだ。縦に大きいだけでなく、横幅もあり、筋骨隆々という言葉で評するのに相応しい。彼が入って来ただけで、部屋は狭くなり、その厳めしい顔を見るだけで、息が詰まるような錯覚を覚えた。
それからもう一人、その後について、女性が入って来る。先に入った男の後では小柄にも見えるが、その実、しっかりと身体を鍛えているようだった。ヒールを履いているが、その足運びには安定感があり、タイトスカートの稼働範囲をいっぱいに使った大きな歩幅で、ほとんど部屋の中ほどまで進入する。
二人は汎用スペーススーツの上から、黒いスーツを着ていた。
そして、腕には連邦捜査局の腕章を着けていた。
「貴様らは……」
父の誰何に、その女性は小首を傾げた。結い上げた金髪が、肩を撫でて滑った。
「私は連邦捜査官、エスリ・シアンサス。彼は、部下のア・スモゥ」
連邦捜査官。
そうだ。
「連邦宇宙開拓秩序に基づいて、シャル・ラストテイルの身柄を拘束する」
彼女たちこそが、シャル・ラストテイルを追っていた。
それは、全く意外ではない。
言うまでもなく、時間と空間は、世界の最重要ファクターである。時空歪曲は、宇宙開発においてブレイクスルーを引き起こす技術であり、超長距離通信や、跳躍潜航が生まれる端緒であった。そして、それにまつわる全ての研究は、連邦が主管している。全ては宇宙開拓秩序の為だ。
そして、宇宙開拓の先に、地球人と異星種の交流という大きなマイルストーンが想定されていたことは想像に難くない。地球上での開拓史ですら、開拓者と原住民の出会いというものは、あったのだから。
同時に、地球人と異星種が交わることが可能なのかという命題も存在している。
血統加速という技術には、それを測る意図があったのだろう。少なくとも、研究が始まって、間もない頃は。それがいつから能力開発の側面を持つようになったのか、あるいは、最初からそれを期待した交配実験だったのか……その委細にそれほどの興味はないが……いずれにせよ、その成果物であるシャルを追うのは、連邦だったのだ。
「よろしいですね?」
エスリ・シアンサスが、無造作にハンド・レーザーウェポンを抜いた。
9.
「お二人とも、逃げてください!」
鋭い、レイシィの声。彼女の手には、どこからか取り出したハンド・レーザーウェポンが握られていた。
「あああ、馬鹿者が」頭をガシガシと掻き乱し、父も懐から銃を抜いていた。
無論、俺も。
逃げる? それはいかにも考えられない選択肢だった。
「ナノマシン統制プロトコル、戦術モード!」
俺と父の声が響く。汎用スペーススーツを着ていないシャルとレイシィを、背に隠した。ナノマシンがアドレナリンを合成して、身体を戦闘モードへと切り替えていく。そのまま銃を構えながら、肩で首元のコンソールを圧迫した。
防護外骨格が、全身をアーマーのように包んでいく。その装甲展開の隙間を縫うかのような眼光の鋭さで、エスリ・シアンサスはトリガーを引いていた。
そして、それに応じる形で、室内に多数のレーザーバレットが飛び交う。
エスリは、ア・スモゥの巨躯を盾にしていた。
光弾を生身で受けたように見えた大男だが、恐るべきことに、些かも痛みを感じたようになかったし、その活動に支障が生じたようにも見えなかった。
「かぁああああああああ!」
それどころか、エスリを守るために広げた腕をそのまま振り回し、こちらに飛びかかって来た。大男の体重の乗った振り下ろしを受けても、外骨格を破壊せしめることはないだろう。だが、そのまま拘束される愚は犯したくない。
逃げるしかない。だが、後ろにはシャルもいる。
迷いで、身体が硬直する。それは命取りになるような隙だった。
「……ダズン!」
少女の声。
ア・スモゥの巨躯が、何かにぶつかった。まるで室内でトラック同士が正面衝突を起こしたように、爆ぜるような空気の振動が巻き起こった。
力の尾だ。
不可視の尾の如き力場が、巨漢を受け止めた。
彼女の力場は、疾く奔り、破壊される心配もない。それは彼女の心のままに動く、自由自在の第三のカイナだった。
自分が把握する限り、その上限を感じさせないほど力強いものだ。
「う、ん!?」
だが、シャルは疑問と、そして苦しそうな声を漏らした。
「ん・ん・ん!!!」
拮抗し、しかしそれでも、尾を振りぬく。
ア・スモゥは弾き飛ばされて、壁に背中から激突した。
この一瞬、形勢は逆転した。
エスリはそれを理解していた。タタタンと素早く部屋を走り、父とレイシィに狙われながら、レーザーバレットをやり過ごす。これで、位置関係が逆転した。今、俺たちの方が出入口に近くなっている。尤も、それは相手も承知している。
「ア・スモゥ、起きなさい!」
エスリの声で、大男が起き上がった。まるで効いていないとでも言うのか。
そう思うが、彼は頭から流血していた。血が滴り、床を汚す。それでも、その歩みは止まらなかった。傷つかないわけではない。だが、歩みを止めるには至っていない。
「……もう一度……」シャルが言った。
俺は彼女の肩を掴んだ。
「ダズン、邪魔しないで!」いつになく悲痛な声に聞こえた。
いや、と俺は逡巡していた。レーザーウェポンが効かない相手に対して、結局、戦力として期待できるのは彼女の超常の力だ。だが、彼女に「ア・スモゥをぶちのめしてくれ」と願うのが本当に正しいことなのだろうか。
「このデカブツめが!」
父がレーザーウェポンを乱射した。
その言葉に反し、エスリの方に向かって、だ。それは有効な目論見だった。大男はエスリを守るために歩みを止めざるを得なかった。
「お二人とも、逃げて!」
レイシィが叫んだ。彼女の妖艶なドレスは何かに引っ掛けてボロ布のようになっており、父もすっかり埃で汚れている。ソファは破れ、テーブルは盾の如く立てられたままだ。ひび割れた床のタイル。へこんだ壁。部屋は、何もかもが滅茶苦茶だった。
それらは全て、連邦捜査官の来訪により引き起こされた。
「いや……」
俺がシャルを保護しようと考えたことが、この状況を招いたのだ。
そうであるのだとしたら。ヒトならざる存在であるシャルの扱いに困り、この都市に連れて帰ったことが間違いだったのだろうか。
あるいは、棺の中で深く眠っていたシャル・ラストテイルを、そのまま殺していればよかったというのだろうか。
俺はシャルの腕を取って、走り出していた。
表は、さすがに見張られているだろう。裏口から出た。ワイズマンズ・シーサイドスクエアの暗い路地裏が、今は有難い。
「とはいえ、どうする」
「逃げましょう」シャルが言った。「宇宙に」
「……まあ、そうなるか」
だが、ここから港までは遠い。
シャルが不意に俺の手を振り払った。
「どうした」
「では、急ぎましょうか」
「あ、ああ? そうだな」
何だ、このやり取りは、と首を傾げた瞬間、俺はシャルに足払いされていた。
視界がほぼ半回転する。
「は?」
そして気付くと、俺は、横抱きに抱え上げられていた。シャルに。
力の尾を使っているのだろう。不思議と、落とされそうだという不安感は無い。
「舌を噛まないでくださいね」
「何をするつもりだ、お前は」
少女の金の瞳が、俺を見下ろしていた。その後ろに、星海を背景に黒いビルが浮かび上がっている。その壁面からガシャンと音がして、何かが弾けた。
「……来たぞ、シャル!」
その言葉で、すっと滑るように横に避ける。
先ほどまで俺たちがいた場所に、黒い塊が落ちて来た。タイルが砕ける。
ア・スモゥだ。そしてその肩には、エスリが座っていた。
俺たちは、そのまま見合っていた。
「……滑稽ですね」ぼそりと、エスリは呟いた。明らかに俺を見ていた。
「何だと、お前」
「貴方も、我々と同じですよ」
彼女の目には、犯罪者を捕まえよう、みたいな色は無かった。
哀れだとか、そういう心情がありありと浮かんでいるようだった。
その手にあるハンド・レーザーウェポンが、ゆっくりとこちらを向いた。
「跳びます!」
シャルが叫んだ。その瞬間、俺は、俺たちはワイズマンズ・シーサイドスクエアの空に投げ出されていた。飛んでいると言ってもいい。いや、跳躍と言うべきか。
ともかく、大気がうるさいくらいに耳元で荒んでいた。
「……追っては、来ないみたいですね」
「真似できるものなのか」
俺たちは、ゴースト・タウンを俯瞰する身にあった。
これを生身の人間に?
「分からないですけど」と彼女が呟いた。「彼も、血統加速者かもしれません。彼の拳は明らかに重かったですし」
確かに、そのような節はあった。謎の頑強さは、レーザーバレットを受け止めることから、裏月酒店の最上階からの着地まで、ハッキリと示されていた。それを血統加速者の何らかの特質によるものだと仮定した場合、俺たちを追って跳躍できる可能性は何パーセントあったのだろう。
「……」
「全く的外れなのかもしれませんけど」
俺は流れていく景色を見ながら、そうなんだろう、と思った。彼女が思うなら。
次に、そうだとして、と考えた。血統加速者の連邦捜査官がいる。
それは、血統加速者の力を連邦が利用しているということだ。
そんな話は聞いたことがない。
脳裏の誰かが警告する。一介のセクストンに過ぎない俺が、連邦の何を知っているのだと。俺は描きかけた邪推を掻き消して、あとはされるがままになった。
一度の跳躍で港までは辿り着けないので、俺たちはもう既に何度か弾んでいた。
全く苦に感じないのは、シャルが慎重に力場を操っているからだろう。
途端に手持ち無沙汰となり、その顔を眺めてみた。
以前に聞いたことがあるが、力の尾という念動は、野放図的にパワーを引き出すことよりも、精密に制御する方が大変なのだと言っていた。星海の下の彼女の顔は、眉を顰めて凛々しく歪んでいる。
彼女はもう、棺で目覚めた頃のままではないのかもしれない。
「……あの、そう見られると、集中力が乱れます」
「すまん」
10.
都市の出入口たる宇宙港は、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの中で最も活発な施設だった。ゴースト・タウンじみた都市の様子とは裏腹に、多数の宇宙船が普段からそこを利用している形跡がある。それは、この天蓋型宇宙都市の維持資金を稼ぐための選択肢に出稼ぎというものがあるからだろう。あるいは、資材の搬入である。
シャルを連れて、運送業者側の通用口から港に入る。シーラカンスは輸送船の一種と言えるので、正当な入り方と言えるだろう。まあ、俺が運ぶのは棺だが。
いずれにせよ宇宙港の宇宙港の構造と、俺たちの進路は単純だ。このままターミナルビルを抜けて発着場に進入し、そこにあるシーラカンスに乗り込む必要がある。
だが、シーラカンスの前には、連邦捜査官たちが詰めていた。
それはそうだ。
「……見張ってますね」
「そうだな」
「艦まで着いたとして……かもしれませんけど」
彼女がそう言った理由は、よく分かった。物陰に隠れながらでも、はっきりとその理由は見えた。連邦の艦が、その巨体で離着陸用ゲートをブロックしている。これでは、宙に逃げることはできないだろう。
俺はハンド・レーザーウェポンを抜いて、残弾を見た。
「……それでも行きますか?」
「それでも、だ」
連邦捜査官は三人いた。ア・スモゥのように無茶をしてくることはなさそうだ。油断ならない雰囲気もない。有り体に言えば弛緩しており、エスリ・シアンサスのような真剣さがなかった。少なくとも彼女の部下には見えない。一人を撃って無効化する。もう一人は、力の尾が吹き飛ばしていた。
異変に気付いた三人目が武器を構える。ライフル型だ。
銃口がこちらに向く。シャルの方じゃなくて幸いというべきか。
力の尾でレーザーバレットが防げるかというと、そうもいかない。
力の尾は力場であって、物質的な特性はない。実弾ならば防げるが、レーザーバレットは防げないのだ。できるとしたら、マイクロブラックホールレベルの力場を生成し、空間ごと光弾の軌道を歪曲する方法だけだ。
だが、血統加速者であっても、できる事とできないことがある。つまるところ、彼女の出力では、レーザーウェポンを防ぐことはできない。
身を盾にする。不運にも、光弾は装甲の間を抜けて、左肘を僅かに焼く。
だが、二発目は来なかった。
シャルが打ち倒したからだ。
「大丈夫ですか?」
「…………俺のセリフだが」
「私は後ろにいただけですから」
「違う。力を使いすぎじゃないのかってことだ」
彼女は言われてから、ニコリと笑んだ。
「それこそ大丈夫です。普段から余分に飲んでいますし」
「お前……、……まあいい」
とりあえず、平気ならいい。だが、溜息はついた。
「とはいえ、さすがに宇宙船サイズのものは」
「だろうな」俺は頷いた。「コバンザメを使おう」
今もシーラカンスの船底にくっついているソレに、シャルはなるほどと頷いた。
コバンザメの逆正三角錐の頭には、船底のポートに接続するためのジョイントと乗降用のハッチが備わっている。これにより、艦の外部に連結した状態で運搬・必要に応じて稼働できる仕組みだ。船内に格納スペースを設けなくても配備可能な汎用船外作業用重機だとして、小型輸送艦の類では定番なのである。
コバンザメのサイズは全高五メートルほど。シーラカンス自体のサイズとは比べるべくもない。ブロックを抜けることができるだろう。
シーラカンスに乗り込み、コバンザメの搭乗ポートに向かう。
その途中で、防護外骨格を格納した。
「ヘルメット、どうします?」
「要らん」コバンザメの気密性は十分安全とは言えないが、二人で乗り込もうという時には、邪魔にしかならないだろうからだ。
「言っておくが、狭いからな」
「まあ……そう……ですよね」
床のハッチを開く。
コバンザメは船底にくっつくようになっているので、梯子を降りる格好だ。
今はワイズマンズ・シーサイドスクエアの重力下だから関係はないが、艦の装甲内には、艦載重力機関による疑似重力域の境界がある。宇宙空間では、そこを行き来する際に重力を感じることができた。例えて言えば、プールで水面に出たり入ったりするような感覚だ。だから梯子を降りる……つまりコバンザメに乗る……のは楽だが、梯子を上がる……つまりコバンザメを降りる……のは、しんどくなる。
「……よし、いいぞ」
まず俺が座り、そこへシャルが降りて来る。脚の間に座らせる形で考えていたが、すぐにその計画は修正することになった。膝の上に座ってもらうしかない。二人乗りが想定されていない、狭いコクピットの中だ。スペースはギリギリだった。
「どこかに掴まってくれ」
「どこ���って、どこにですか?」
「とりあえず、変なところを押したり引いたりはしないでくれ」
「それは、難しい注文ですね」シャルはそう言いながら、狭い機内で器用に身体を反転させた。そうしてそのまま、ぎゅっと俺に抱きついてきた。柔らかい肢体が、先ほどまでよりも克明に感じられる。
「……、……何をしているんだ……お前は」
「論理的に考えて、これが一番安全ではないですか?」
そう、かもしれない。
コバンザメの内部には様々なコンソールが並んでいて、どこを触れても何かを操作してしまいそうだった。論理的に考えて、触れる場所の選択肢はそう多くない。
「……このまま出発するからな?」
どうぞ、と彼女は言った。
「システム起動」
コンソールを小突く。
機体コンディションチェック、エネルギー残量チェック、ハッチ閉鎖、気密確認、分離準備。一つ一つ確認していると、不思議と落ち着いてきた。
いつもと何ら変わらない。
腕の中のシャルも、口を挟まず、邪魔をすることもなかった。
狭いコクピットの前面は、メインモニタになっている。
船底は床面より下に位置するから、ここからは港の下部構造が見えた。
「メインモニタよし」
それから、両手をコントロール・スロットルに置いてみた。
操縦には問題なさそうだ。
問題は、三次元レーダーモニタが使えないことだ。さすがにシャルを抱える形になっている現状では、アームを動かして見える位置に固定しておくというのも難しい。目視で何とかするしかないだろう。
「分離するぞ」
呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。
ガクンと、重力に引かれてコバンザメが落ち始めた。耳元で、シャルが息を吸う音が聞こえた。
スラスタを噴かす。
重力と推力が均衡する。
「さっさと出よう」
目論見通り、コバンザメの小さい機体ならば、連邦艦の進路妨害は何の障害にもならなかった。だが、何かしようとしていることはバレたらしい。
メインモニタの左隅で、同系の汎用船外作業用重機のシルエットが動き出した。
連邦捜査局のそれだから、対重機用戦闘機と言うべきかもしれない。その腕には大口径のレーザー・キャノンが装着されている。
もっと言えば、その腕の大口径のレーザー・カノンはこちらに向いており、その銃口は既に瞬いていた。
「う、おお!?」
メインモニタが青く輝く。即座に輝度補正が掛かるが、何も見えない。それから、強烈な横Gが掛かっている。どうやら、左に大きく移動しているらしい。被弾したわけではない。その証拠に、俺はまだ生きているし、シャルの熱も感じている。
一瞬して、揺さぶられるような衝撃が全身を貫いた。衝撃アラート。機体コンディションの左半分が赤い。何が起こった?
考える前に、脳裏に閃きが起こった。左舷スラスタだ。
どうも調子が悪いと思っていたところだった。このタイミングで、ダメになったらしい。それで、バランスが崩れて左に滑ったのだ。いや、ダメになったお陰で、銃撃には当たらなかったと捉えるべきかもしれない。悪運だ。
だが、左舷スラスタが使えない状態で、キャノンを装備した戦闘機から逃げおおせることができるかと聞かれると、それは疑問だった。
「……大丈夫ですか?」
「どうも、駄目そうだ」
メインモニタが復活した。目の前に、戦闘機が近づいていた。
「貴方には、私がいるではないですか」
お前は、勝利の女神か何かなのか?
俺が問うと、彼女は笑った。
「私は、シーラカンスのクルーです」
力の尾が、取りつこうと近づいてきた戦闘機を薙ぎ払う。
そいつは、反射的にスラスタの出力を上げるが、それはわずかな抵抗だった。
彼女の力場には、物理的な隔たりも意味をなさない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
それが、シャル・ラストテイルの異能だった。大型の宇宙船をどうこうはできなくとも、コバンザメと同程度のサイズならば、排除できうる。
「クルーとして迎えて、良かったでしょう」
「そう……らしいな」
俺は苦笑して、コントロール・スロットルを握り直した。
「このまま港を出よう。手伝ってくれるか」
「ええ、もちろん」
11.
港を脱出した勢いで、月面を行く当てもなく、進む。
だが、それに限界があることは明らかだった。汎用船外作業用重機であるコバンザメには、宇宙空間を長距離航行できる能力はない。空気も燃料も数日は持つが、それだけだ。
「これから……どうするかな」
「もし行けるなら、月の表に行ってみたいです」
彼女は言った。
幸い、追手はない。今の時点では、と悲観的な補足をしておくべきだろうか。
「分かった」
左舷スラスタは沈黙したままだ。
だが、急がないなら、それを補って進むことはできる。
シャルの尾を借りる必要もない。
「行くか」
「はい」
逃亡の終わりは、すぐそこに迫っているはずだった。
その終着が、地球を臨む丘なら、それもいいのかもしれない。
月の裏で生まれた俺には、地球への帰属意識なんて無いし、シャルにだって、そんなものはないのだろうけど。それでも。
やがて、白い大地と黒い星海だけの世界に、青い星が現れた。
「……」
随分と久しぶりに、しっかりと地球を見た気がした。
「なんで、こちら側に都市を作らなかったんでしょう」
もし、そうしていたら、いつでもこの美しい星を眺めることができる都市になったのに、と彼女は言った。
そうかもしれない。もし月の都が、地球側にあったら。
ワイズマンズ・シーサイドスクエアの空には、青い星が浮かんでいただろう。
「地球人の月への興味は、美的なものに留まっていたんだろう」
「美的、ですか」
「夜空に浮かぶ月が綺麗なままであることは、地球人にとって一番重要だったんだ」
「地球人っていうのは、ロマンチシストなんですか?」
「俺は、現実的だったんだろうと思っている。綺麗な景色に意味を見出すというのは、一見、ロマンに見えるかもしれない。だが、綺麗な海を守ろう、綺麗な川を守ろう、綺麗な町にしましょう……宇宙開拓前時代の地球では、そういったスローガンの下、環境問題に取り組んでいたという。これは、ロマンだと思うか?」
「……いえ」
「対象への美意識を意識させるというのは、最も基本的な環境保護施策だ」
だから、ワイズマンズ・シーサイドスクエアは月の裏にある。
月の表では大規模開発をしない。それが、宇宙開拓時代に入るに先立って連邦が決めたルールだった。地球の総意だったのだ。
実際には、月は巨大だ。仮にワイズマンズ・シーサイドスクエアが表にあったとしても、地球から見れば、ひとかけらの黒い点にも見えないことだろう。しかし、一を許せば、それはいずれ千になり、億にもなるかもしれない。地球人には、地球でそれを証明してきた歴史があった。空き缶一つで直ちには環境が破壊されないからこそ、そこを意識することには意味がある。
「……詳しいですね」
シャルが俺を見ていた。その表情には見覚えがある。別に、地球生まれというわけでもないくせに、という顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「父の影響だ」
父のする、地球の話が好きだった。
もっと言えば、海の話だ。地球の生命は海から生まれ、やがて生命は陸上を支配し、宙を目指し、ついには月に根差した。そんな、壮大な生命と人類の物語を聞くのが好きだった。
「そういう、気の利いたお話しをするタイプの方だったんですね」とシャルは言った。
「はは」
彼女にとって、父は気難しい人間に見えたかもしれない。そもそも父は、あまり彼女と顔を合わせないようにしていたみたいだった。
シャルを可愛がっていたのは、母の方だった。
まるで娘が出来たみたいだと喜んでいたのを覚えている。そうして短い期間で、人形のようだったシャルを随分と表情豊かなヒトにしてみせたのだから感心する。そして、そんな母の様子を見ながら、父は深すぎる情を案じていたのだろうか。
父が、彼女は危険な存在だと言い、縁を切れと言ったことを思い出した。そうしないのなら、俺との縁を切るとすら言ってみせた。
それでも、仲が悪かったというわけではない。良かったはずだ。
「……ただ、意見が合わないだけだ」俺は言った。「昔からそうだ。俺がセクストンになる前、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの将来について二人で話していた時もそうだった。でも議論での対立は、決して仲の良し悪しとは関係ないだろう?」
「……それは、希望ですか?」
「そうかもしれない」
だが的外れとも思わなかった。土壇場で銃を抜いたからだ。
父は、俺を連邦に突き出すことも、静観することもしなかった。そうすることもできたはずだ。事実、そうすると思っていた。
でも、抵抗を選んだのだ。
議論の上では、俺たちは対立していた。父はシャルのことを危険視していた。俺と同じように、違法な情報収集手段を活用したかもしれない。父からすれば、自分や母を守るのに支障がない限りで、俺を守り、俺を守るのに支障がない範疇ならば、他人に手を貸してもいいとするのは当然の順位付けだ。
意固地になっているのは俺の方なのだろうか、と、ふと思った。
じゃあ、シャルを見捨てれば良かったのか?
それも甚だ馬鹿らしい話だ。
最初から確固とした理由があって彼女を助けたわけではない。敢えて言うなら、放り出すことを選ぶのには不快感があったからだ。そこには意外と同情も憐憫もなく、俺の考えの芯には、いつも俺自身がどう思うかが根差している。
それは、そんなにダメなことなのだろうか。大したワケもなく人助けしてはならないという理由で、見捨てることを選ぶべきだと言うのなら。
これからがあれば、の話だが……俺は、これからも偽善だと言われるような行為をするだろう。コバンザメの狭い筒状のコクピットの中で、そう思った。
「暑くないか?」俺は言った。
「そ……うですね。空調、強くできないんですか?」
「やろうと思えばできるが、それだけバッテリーを食う」
端的に返すと、沈黙があってから、彼女は小さく言った。
「それは、よくないですね」
シャルも、終わりを理解しているのだろう。それが近づいていることも、それを早めることをしても、しんどいだけだとも。
空気も燃料も有限だし、コバンザメは故障しており、ワイズマンズ・シーサイドスクエアに残していった父や母や、裏月酒店の皆だって連邦に拘束されただろうし、俺たちが月の表に来ていることも、もう明らかになっているだろう。
だから、俺たちの時間は、あと僅かしかないだろうと思う。
「次は、どうする?」と俺は聞いていた。
「次……ですか?」
「やりたいことはないのか?」
しばし、沈黙に包まれた。それから、遠慮がちに声がした。
「最後に…���貴方の、ダズンの血が飲みたいです」
「そんなことか」
思えば、彼女はここまで何度も力の尾を行使していた。
スーツの首元を開けてやる。
シャルも、いつも通り、するりとスーツを脱ぐ。狭い機内の中、メインモニタいっぱいに広がる青い星を背景にして、彼女は白い肌を晒していた。
窮屈そうに腰の辺りまでスーツを下ろして、綺麗な裸体を晒す。
「ダズン」
唇が近づいてくる。首元にしっとりとした感触が触れた。
そのまま抱き合うようにして、俺たちは密着していた。隔てるものはなく、肢体の柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
じくりとした痛みが首に広がった。牙が首元を小さく穿つ感触だ。
それから、こくんと、嚥下する音がコクピットに響いた気がした。
「いっそ、全部飲んだっていいんだ」
彼女が弾かれたように顔を離した。
唇の端からつうと血が垂れて、酷く苦しそうな顔で、俺を睨んでいた。
「そんなこと、私は望んでいません」
「……そうだな」
「本当に分かってますか?」彼女が詰め寄ってきた。「私が何を望んでいるか」
「多分、分かっていないんだろう」
俺が白状すると、彼女はそれほど気を悪くした様子もなく、しかし、あっさりと頷いた。気を悪くした様子もないというのは、希望的観測かもしれないが。
「私が、なんで、こうして脱ぐのかも?」
「分かっていない」
分かっていないのだ。
以前からずっと、俺はただシャルの裸身を眺めていたわけではない。
予想してきた。そして、自分で、その予想が嘘くさいとも気づいていた。
普段から一緒にいたら半人半異星種であることを忘れられそうだから、肌を見せているのだなんて、酷い、こじつけだ。
それと伝える為だけなら、もっと相応しい手段があり、脱ぐ必要はない。
そもそも俺は、常から彼女がそうだと感じているのだ。外見や、力の尾は、その認識に直接的に関係ない。そもそも食べるものが違う。それに付随する、生活様式が異なる。彼女の振る舞いは、やはり純粋な地球人とは異なる。
然るに、その問題をクリアできずして、彼女は人の輪の中に混ざることができない。
俺は常にそう思っていて──彼女も理解しているだろう。だから、わざわざ肌を見せる必要などなく、お互いが違うことは、お互いが一番分かっている。
「私は別に、ヒトの輪の中で隣人として生きたいなんて、思ってないんです」彼女は自分に言い聞かせるようだった。それから、俺に伝えるよう、声を大きくした。「ただ、貴方と一緒が良いんです」
彼女はそう言った。
言われながら、俺は今、彼女にとても人間を感じている。
そのことに気付いた。
「……そうか」と、動揺から声が揺れないように努める。
「俺のことが好きだって言いたいのか?」
「そう……なのかもしれませんね」
そのような煮えきらない返事にさえ、生々しさがあり、つまり、血統加速者だとか、半分は宇宙人なのだとか、問題はそういうことではないのだった。
そういう思想に傾倒して、彼女の感情から逃げていたのは俺自身だ。
目の前にいる女性が、ずっと俺の情欲を引き出そうとしていたのだと気付いた。
今になって。
「ダズンは、どう思ってますか?��私のこと」
どうだろう。
俺は、ついに戸惑いを隠そうとも思えず、逡巡していた。
口を半端に開いて言葉を見失った俺を、シャルは真っ直ぐに見つめてくる。彼女は意外にも微笑を浮かべており、その身は青い地球を背負っていた。
指先に、何かが触れる。彼女の手だ。指先が絡み合い、その美しすぎる貌は間近に迫って来た。
「……どう、なんですか?」
彼女の掠れるような声が脳に染み、痺れるような錯覚を覚えた。
そうだな。
結局のところ、俺は彼女に情を持っていると思う。だが、それが友情なのか、愛情なのか、あるいは色情なのかというところを断ずるには、至れなかった。
単純な話ではなく、それは、渦巻いている。
混ざり合った青なのだ。
だが、あえて遠くからそれを眺めるとするならば。
絡み合った指先に力を入れると、彼女はそっと瞼を閉じていた。
テラヒューマニティ・星海殉葬(了)
2024.1.16 - 3.31 first draft(35k) 2024.4.8 update
0 notes
Text
ファミレスを享受せよ (Nintendo Switch)
VTuberが実況していて、タイトル名と画面にビビッと来たのでSwitch版が出たのをきっかけに購入。
やってみるとボリュームは少なめなんだけど所々にキレがあり、久々にこれセンスの塊か…?と思った。
タイトル。元々呼び掛けるセリフっぽいタイトルには個人的に弱い自覚はあったが(『ベルカ、吠えないのか?』)、『~せよ』をタイトルにするのはそれに輪を掛けてツボだった(��かも作中では『なあ君、』で始まる…『なあ君、』も刺さった)。こんな文字だけで突ける弱点を今更知ることがあるんだな…と驚いた。まぁ、これはたまたまハマっただけとして…
画面。これが見た目に一番わかりやすく個性的だけど、黄・水・青・黒の4色しか使ってない(たぶん)だけで統一感があり、視覚的な負荷が低く抑えられている…気がする。線は歪んでいるし雑にも見えるが、それでいて不思議な端正さがある。
線が1ドットでかつ少ない色数 を守ればこの感じって出るものなのか…?これをパクるのは少し安直さが出てしまう気もするが、似た表現をやってみたい。思えば、色数が少ないにも拘らず解像度が高い画面で、しかもあまり細部を描き込まない。といった画作りのゲームは珍しく(そういう制約のあるハードが無かったから?)デジタルアート表現のエアポケットだった気がする。そんなこと無いか…?
別のメディアだと、漫画が雑誌で白黒の制約を保ってるのがこれに近い効果を生んでいる気がする。色塗りのリソースを軽減して、しかも線も描き込まずにネタで勝負するというか。まあ普通に描きこみが凄くて面白い漫画も多いけど…
ストーリーや世界設定。ここも良かった。SF/謎解きをベースにキャラの関係としては百合や重めの異種ラブ要素もある。なのに振り返るとキャラもそんなにアセットのボリュームがあるわけではないし(キャラの立ち絵や名前や話し方には不思議な魅力があるけど)、世界観も隔離されたファミレスとか月とか、限定した世界だけを描いている。けど、これで良いんだなという気付きがあった。
システム面もそうで、マップとアイコンだけで移動、操作もアイコンを選ぶだけで作り切っていて過不足が無く、ミニマムさが美しい。
ただ小さくまとまっているゲームではなくて、小ささを逆手に取ったギミックの仕掛け方が上手かった。間違い探しにしても総当たりの箱にしても、メインのゲームシステムが小さいぶん、相対的にボリューミーなアセットやデカいギミックを入れてきたなあ!?という気持ちになった。特に後者は本当にこれをやらないとイカンの!?とハラハラさせられる部分もあるし…
なんというか、全体的な雰囲気の優しさ・柔らかさがまず作られていて、その上で対比が効いた無機質さ・冷たさをもった仕掛けでプレイヤーをビビらせる、コントラストの効いた凄みがある。プレイヤーを信じて試す、フロムみたいな作り方の姿勢がある…というと言い過ぎかもしれないけど。シナリオとギミックの両方でそれをやっているのが嬉しい。
一般的な話、サブの要素が大きすぎるとゲーム全体のバランスを崩してしまうから良くないと思っていたんだけど(ファミレスで、間違い探しや総当たりで戸惑ったり詰まってしまった人はたぶんいる)、そうとは限らないんだなと思った。上手く作ればプレイヤーをビビらせられるんだなと…最近だと Dave the Diver にもそれを感じた。また一般的な話に戻すと、ビデオゲームには異質な複数のものを埋め込める良さがあるんだなと思った。
あとは…題字も良いし、音楽も良いし、エンド画面も良いし…グッドエンドが用意されている点も(ここは好みだけど)、凄く良い。この作者が作るゲームは絶対にもっと遊びたい。
(追記)題字のフォントは「ヒグミン」というものっぽい (追記2)『いるかにうろこがないわけ』、難しすぎる…
0 notes
Text
真っ向からの私小説、シュッとしてるけれど、実は無様で狡くて格好の悪い主人公。序盤の圧倒的な描写。幾つかの油彩画のモチーフとそれ以上に盛り込まれた数々の彼自身の作品からのモチーフ。お話はシンプルなファンタジーだけれど織り込まれたものが多くて複雑に見えるかもしれない。エンターテイメントではなくてアートだった。個人的にはそっちの方が好き。
お婆ちゃんたちは何人だったか、白雪姫の小人のモチーフなのかな、序盤は青鷺もまだシュッとして飛んでいたのが、お婆ちゃんの登場シーンで急にデフォルメされて異質感が凄くて狡い。きもかわいい。あのカタチは彼の魅力のひとつ。しかし、あんな家付きの老婆っぽい老婆というのは最近ではとんとお見かけしないが昔は結構いらしたらしく、私の母の実家に居たお手伝いさんもあんな感じだったのかな。
宮崎さんが良いところのお坊ちゃんだったのは存じているが、描写が豪商過ぎて現実感が無いところも狡い。それが現実に近しいというのがもうやっぱり存在自体がファンタジーだよなあ。
特に、お屋敷の門の柱のモチーフが気になって目を凝らしたけれどわからなかった。図録が欲しい。
個人的にグッと来たのは人力車から降りる新しいお母さんの脚よ。脚フェチきた!だったし、酷く艶めかしく、且つ主人公の複雑な心持ちをあの数秒で描写しきっちゃうの凄くない?お母さんにひどく?すごく?だったかな、似てるって言うだけという。あそこ誰が描いたんだろうなあ。惚れる前から失恋してるのが良い。母への憧憬と思慕、父への反発と拒絶、相まった存在としてのナツコさん、女の業を背負わされた感じが最高に好きかもしれん。村上春樹とかと違って、その辺りの気持ち悪さが歳食っても絶妙なんだよなあ。若いスタッフが身近に居るからかなあ。
ところどころ宮崎監督がそんなところをただの暗転で終わるのか、という箇所があって、意図的だったのか時間が無かったのか分からないような部分もあったけれど、すぐにまた濃密な絵画表現に飲み込まれて判断が付かなかった。
学校での騒動のあと、自傷した絆創膏が塔から沈んで落ちた異世界で剥がれ、吹っ切れたように快活になる。分かりやすい快活ぶりではないけれど、世界が急にアニメーションして、不思議と戦争中の現実世界よりも死の匂いが近くなる。ワラワラの不気味かわいい、こ��まとかまっくろくろすけとかってあれは全部、可愛さの演出じゃなくて得体の知らないものの塊の暗喩だったのかな。
インコの強烈さに持ってかれてしまって鍛冶屋の暗喩もまだ飲み込めてない。インコ観たら暫く思い出してしまう。暫くで済めば良いけれど。
あと、キムタクの声に途中で気が付いてしまってノイズになった。キムタクのせいというより私がキムタク好きなんだろうなやっぱり。世代的にど真ん中なアイドルなので。
卓ごと真っ二つにした王様は誰だろうね。
エンドロールが手書きかどうか判別するのに忙しくて米津玄師の曲はあんまり頭に残らなかった。良いメロディだとは思ったけれど、曲は後からゆっくり聴けるはずだと思ってエンドロールに集中した。嬉しい名前が沢山あった。あれは多分手書きなのでは。どちらにせよ素敵なエンドロールだった。
何故お迎えに行かなければ、彼女らは帰りたがらなかったのか、産屋で何を産もうとしていたのか。よく分からないところも沢山あってもう一回観たい。
私には最高だった。
1 note
·
View note
Text
自由は制限に対して存するのみだとすれば、絶対の自由を求めた場合にはさまよい、挙句の果てに宙ぶらりんになること必定であろう、しかし体系の極限のところで、ふいに開けたところに出ることがある、それを自由と呼んで求めたいのだ
習慣づけられた或る卑屈さのなかに彼らは常に住まっているので、その目の遠さも相俟って照らされ影へと逃げ込む醜い奇形の塊のうちには昔の匂いする暴力の妄想が、滾々と、その身を内に包み守るように湧出する
行ったり来たりにも達せず、思い、撤回しを繰り返している、しかしそれに伴う足踏みや後ずさりが、足元に何らかの形をなしている、そう思いなしたいだけかもしれない、しかしこれを頼りにしたいとは思っている
黒南風や ふすまを隔て 遊ぶ声
ひと過ぎの楽観と悲観を繰り返しているが、悲観の方が過度で初めのとこまで否定が及んでしまう
梅雨が明けない
表層的我を滅却、否定しきって根柢的統一を絶対的に肯定する、己を全く虚しうした後根底的全を肯定する、この意味での自己同一をはかる、これが絶対矛盾的自己同一である、かく生きねばならない、人と対せずしてただ天とのみ向かう、これもこの事実を表していると思う、己を殺しきってしかるのち己を生きることが可能となる
私には宗教が必要である、しかし神の隠れたもうたこの時代に、果たしてかような信心が可能であろうか、なればまずは、哲理を尽くした先の豊穣たる無の世界を神とあやかり生きてみようと思う。
雨が降っては雨と生きなん 風が吹いては風と生きなん
かかる先、私はやっと安んずること能うように思う
創作からある種の神聖さが失われたことを契機として、また理性への懐疑に伴って、人は人の創作の持つ型、構造に対して批判的になりそれを超出しようとしたのだろう。ポストモダン、脱構築の時代である、そこでは人間存在のぎりぎりのところで活動が行われる(それが成功しているのかは分からない)。
そうした運動の先端のところでは自らの精神を危機的状況に追い込みながらの悪戦苦闘が繰り広げられる、しかし、中流のところでは態度だけは一丁前な、血を流すこと能わずかつそれに無自覚な人々の活動が蔓延していくことになる、ここに「メタフィクション」が生まれたのではないか、創作を行うところの自己の認識における、思いなしの所産である。そしてその見た目の新奇さ、態度の崇高さに引かれて人々はそれをつくりもてはやす、中流域はそうした贋作で埋まる、そこにもとから生存していた純粋なフィクションは、その持っていた残存した神聖さをついに全くはぎ取られて絶滅していき、先端での真なる運動は中間の煌びやかさに影となり、もとよりそれは自傷的な活動なのである、影の中で自ずから死んでいく。後に残るのは繁茂した、内容の無い脱形式という形式である
あと全然関係ないけど伏線回収を過度に賞賛する最近の傾向はふつうに大嫌いです。関係あるかも。メタフィクションも伏線回収も、アレゴリーとして何らか神聖さを持っていたフィクションが死んでしまったあとの、そしてその死を冷笑する人々の娯楽物って感じがする。一歩引いて作り物として見る、その高階に立って見ていることの優越感だけを楽しみとするさもしい神なき国の人々の感性を、おもねるように刺激するだけの形式的装置。名前のない快楽的玩具。それがマジョリティーとなった時代にあっては、内容は高踏的と嘲笑われ、しかももし内容を持ったとしても、その生の躍動は受け手のさもしさによって実用的価値、道徳、イデオロギーと化してしまう。語ることの許されない時代。かつて実用性、相対主義と結びつけられた私秘性が、今や崇高さの生きる道となってしまっているのかもしれない。
道化という言葉を西洋の詩人はわりとよく使う気がする、けど日本人にとって、少なくとも私にとっては道化という言葉は使用に際しあまりに強く、また稚拙にうつる。詩の中に見る場合はよくとも、とても使用しようとは思えない。しかしそこに仮託される「無為を承知でことを為す」という考えは、何かとことに意味を求めてしまう現代の傾向からして魅力的である、代用の語が欲しい。それとして行動してみたい
本来の意味での蛙化現象というのはなんとなく理解できる気がする 好意とは動的��ある存在の特定面の顕在化を求めることである、拘束性である それが性的好意であれば、目は性的自己の顕在化を要請し、そのように行動せよと拘束するだろう 肉よりできた不気味な拘束具、おもねるようにしてついてくる、そうした視線、振舞、言葉の底に拘束の圧力を潜ませた すえた匂いの粘液的な肉の塊、即ち蛙である 視線と視線とよりなる場の内で人が蛙と化す
プロット・登場人物
0 notes
Text
祝福で溢れました。🤍
あらためて、おめでとう。
*愛のかたち。
去年、マタニティYogaのレクチャーをZoomで受けてくてたYuちゃんがご旅行の最後の日に京都へ寄ってくれて、会えるの念願でした。
そして、私のアヴィヤンガ(アールユヴェーダ・オイルマッサージ)を楽しみにしてくれていた。
人との繋がりが繋がって、同じ気持ちが繋がって😭。
対面で会うのは初めてです。
大きな瞳がとても美しい方で、思った通りの女性でした。
@matsushita_yuko
対面でお会いするのは初めてなのに。
昔からのお友達だったような?
いつも遠くで、見守ってくれている波に映るキラキラとした光のような
私の中ある、ここ(心のひかり)に居る存在でした。
なんだか夢か現か。。
そして、隣にはお腹の中でTriYogaを一緒にフローしていた赤ちゃんが♥️
今、目の前にこんなに愛らしく現れてくれている。👶🏻💖
マタニティのTTの内容で、赤ちゃんは宇宙人(人間としてというより未知なる創造の神でもあり、深い癒しの源)と話してたなぁ〜✨
それを一緒に👀目を丸くし、パンチャプラーナの話や、エネルギーのお話、興味深いねーと話していた去年のことです。
そんなワクワクした去年から流れ、
小さな赤ちゃんを抱いたYuちゃんと大切な時間を共に出来しました。
アーユルヴェーダの薬用のオイルを使ってトリートメントアヴィヤンガをさせてもらえたこと幸せです。
神聖過ぎて
鳥肌が立つくらい内側が震えて
至福で溢れ、
実際に感じ、体験出来たこと、ありがたく、潤う自分自身があることに感謝の気持ちでいっぱいの日になりました。
この経験はずっと続きつづけると思います。
ありがとう♡
ありがとう♡
また、トリートメントを受けている間、大切なお友達が寄り添って赤ちゃんをあやしてくれていたこと、ちひろちゃんありがとう♡
@chihiro.suki.and
彼女は生まれ持って優しい塊の持ち主さん💖
そんな愛のエネルギーの輪の中で、幸せな気持ちでした。
*・゜゚・*:.。..。.:*・♡・*:.。. .。.:*・゜゚・*
*産後のお母さんにとって、少しの癒しがどんなにホッと出きることか。気持ちを緩めること大切です。
インドのアーユルヴェーダでは産後直ぐにオイルのマッサージ、アヴィヤンガをお母さんも赤ちゃんもするそうです。(刺激の少ないもの)
オイルの持つ効果は素晴らしいです。
そして、《アヴィヤンガ》の意味は、愛ある手を離さない!です。
まさに、妊婦さんがいつもお腹に手を添えるように。
お母さんがお子さんのカラダから手を離さないように。
手の中で、安らかでいるように。
寄り添う気持ちをしっかり持って、アーユルヴェーダのアヴィヤンガを続けて行きたいと思う日になりました。
必要な人に届きますように。
ありがとうございます。
#産後ケア
#アヴィヤンガ
#アーユルヴェーダ
#愛
#ありがとう
#triyoga
#マタニティヨガ
#愛のかたち
���アーユルヴェーダオイルマッサージ『アヴィヤンガ』内側を整え、女性の持つ魅力を引き出すヒーリング。日々のケアに。
《ご自身の内側に植物の美を魅るように、体験ください》
毎週木曜日トコ会館Salon
●5月11日
●5月25日予約済み
●6月8日
●6月15
こちらの木曜日ご予約いただけます。
お時間などはお問い合わせくださいね。
お待ちしております。
お申し込みは私まで。
https://www.tocokaikan.com/fiveelements-privatesession?fbclid=IwAR0eycBZ8Fh76ET33rmVxaCfE7C7uJvc16QDWeSWnhT7v7a6OHpQnhd-7V0さんのsalon
●6月4日は満月🌕の演奏会●
こちらでマッサージしてます。
音楽との融合❣️ぜひチェックしてみてください。
https://www.facebook.com/events/1265986740999122/
………………………………………………………
@nakedmarket_kyoto で出店予定6月13日🤍✨
●アーユルヴェーダの代表的なセラピー、シローアヴィヤンガ『ヘッドマッサージ』や『フェイシャル』お身体の気になる部分のオイルマッサージを行ってます。お気軽に受けてもらえる体験メニューです。お買い物に自分癒し時間にいらしてください。
アーユルヴェーダ、古代からの教えでは、人体を逆さの木と考えるそうです。頭は根にあたり、根が木に栄養を与えるのと同じように頭部へのオイル浸透やマッサージは重要とはれています。
ぜひ、20分の極上ヘッドヒーリング、もしくは体のトリートメント!体験にいらしてくださいね。お待ちしております。(^^)
◆施術後には、帽子やマフラーなどで、頭、首回りを冷やさないように、ご用意ください。
………………………………………
アーユルヴェーダ、ドーシャを整える。生命の科学と言われるように自然に存在するものを使った、薬用オイルの養生法です。体や内側が整うと神秘的な純粋さと皆さん繋がります。(サットヴァ性)
105分全身トリートメントは手で繋がります。振動が、ツボに。心地いい"ゆるみ"を与え、整えます。体験くださいね。
0 notes