#すずめの戸締りカフェ
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makichibayu · 2 years ago
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Lunch plate ! 鯵の開きでお魚定食。 ご飯に納豆にお味噌で 定番和食ラインナップ。 人参しりしり作ろうと思ったけど 卵がなかったから 家にあったコンビーフと一緒に炒めてみました。 夕方から夜に買い物しに行くから卵購入に間に合わず。 今日はアカデミー賞。ラーゲリとすずめの戸締りが気になります。 #おちごはんlover #rox_captures #フーディーテーブル #ellegroumet #東京カメラ部 #私のおいしい写真 #おうちカフェ #beautifulcuisines #wp_deli_japan #team_jp_ #wp_deli_style #daily_photo_jpn #ig_japan #ごはん記録 #今日のごはん #小鉢 #小鉢料理 #小鉢御膳 #ワンプレートごはん #おぼんでごはん #和食 #おにぎり #うつわ好き #器 #野菜料理 #惣菜 #japanesefood #健康食 #ヘルシーメニュー https://www.instagram.com/p/Cpm0-w7PqJ2/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shredderwastesnow · 10 months ago
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長々と「ゴーストワールド」考
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私がテリー・ツワイゴフ監督の映画「ゴーストワールド」と出会ったのは、2000年代中盤のことだった。映画館ではなく、ツタヤでDVDを借りて実家のリビングで観た。コロナ禍によってビデオ・DVDレンタル屋としてのツタヤが街から消えた今になって振り返ると、あの日からずいぶん遠くに来てしまったことを実感する。
映画冒頭、アップテンポなジャズが流れ出し、こぶしの利いた男性シンガーの声が重なる。「シャンフェケシャンフゥ」--何語だか分からないが、気分を高揚させる陽気なグルーヴ��しかし、映像はアメリカ郊外の白いマンションで、音楽の古めかしさと不釣り合いな印象を与える。
カメラはマンションの外から窓の中を捉えつつ、右へと移動する。それぞれの窓の向こうにいる住人たちが部屋でくつろいだり食事をしたりといった光景がいくつか展開された後、濃いオレンジの壁紙の部屋が映し出される。部屋の中央で、黒縁眼鏡をかけたぽっちゃりめの女の子が、黒髪のボブを振り乱して踊っている。傍らには昔ながらのレコードプレーヤー。そこから大音量で流れる「シャンフェケシャンフウ」--アメリカにおけるサブカル眼鏡女子の強烈な自己主張は、無機質な郊外の光景へのレジスタンスのようだ。
細かい台詞やキャラクターは忘れてしまっても、このシーンだけは鮮烈に頭に残っている。この映画が何を描こうとしているのか、冒頭を観ただけで分かった。自分の世界を持っている人間の素晴らしさと痛々しさ。そんな存在を愛おしむ監督の眼差し。
2時間弱の物語の中では、高校を卒業したものの進路が決まらない主人公イーニドが迷走に迷走を重ねる。そして、彼女が何かを成し遂げるようなラストも用意されていない。
ありがちなティーンエイジャー文化に埋没する無個性なクラスメイトや郊外の退屈な人々を馬鹿にしている割に自分自身もぱっとしないイーニドの姿は痛々しいが、十代の自分にも確かにそんな一面があったことが思い出され、いたたまれない気持ちになる。それでも、映画を見終えた私の心には温かい余韻が残った。監督が最後までイーニドに寄り添い続けていることが伝わってきたから。
2023年下旬、何の気なしに見ていたX(旧twitter)で、ゴーストワールドのリバイバル上映を知った。絶対に行かなければと思った。あの名作と、映画館で出会い直したい。 上映が始まって約1ヶ月後の2024年1月、再開発によって円山町から宮下に移転したBunkamuraル・シネマの座席で、私はイーニドたちと再開することになった。
改めて観てみると、最初に観た時の感動が蘇ったシーンもあれば、初見では気付かなかった要素が見つかったシーンもあり、希有な鑑賞体験になった。 これ以降、個人的に気になった部分を���挙してみる。
自由という試練
物語の序盤で、主人公イーニドと幼馴染みのレベッカは、揃って高校を卒業する。式が終わると、イーニドとレベッカは会場から走り出て、卒業生が被る伝統の角帽を脱ぎ、校舎に中指を突き立てる。二人とも大学には進学せず就職もしないので、これからは受けたくない授業を受ける必要もなく、大人として自分の道を選ぶことができる。スクールカースト上のポジションに惑わされることもない。
しかし、コーヒーのチェーン店で働きながら親元を離れて暮らすためアパートを探し始めるレベッカとは対照的に、イーニドは将来のビジョンを持てないまま高校の補講に通い、髪を派手な色に染めてみたり、映画館のアルバイトを一日でクビになったりしている。ルームシェアをする約束を果たす気があるのかとレベッカに問い詰められれば「自立、自立って馬鹿みたい」と滅茶苦茶な言葉を返して怒らせ、家に帰ってからベッドで泣く。イーニドは自由を満喫するどころか、自由を持て余しているように見えた。
高校生の頃は、学校の教員たちが決めたルールに従い、与えられたタスクをクリアすることが求められていた。経済的に親に頼っている分、親や家族というしがらみもある。大人の介入を避けられない年代にいるうちは、人生の問題を大人のせいにすることもそれなりに妥当だ。
しかし、高校を卒業してしまえば、もう人生の諸問題を安易に大人のせいにできない。複雑な家庭の事情に悩まされていても、「もう働ける年齢なんだから、お金を貯めて家を出ればいいんじゃない?」と言われてしまう。
自分の進路を選び、やるべきことを見極めて着実に実行することは、何をすべきなのか指示してくる人間に「やりたくない!」と反抗することよりもはるかに難しい。与えられた自由を乗りこなすだけの自分を確立できていないイーニドの戸惑いと迷走は、滑稽でありながらも、既視感があってひりひりする。
シスターフッドの曲がり角
この映画には、イーニドとレベッカのシスターフッド物語という側面もある。十代を同じ街で過ごし、お互いの恋愛事情も知り尽くしている二人が、高校卒業という節目を境に少しずつ噛み合わなくなってゆく過程が切ない。二人とも、相手を大切に思う気持ちを失ったわけでは決してない。それでも、環境の変化が二人の違いを鮮明にし、今まで通りではいられなくなる。
イーニドもレベッカも、世界をシニカルに見ている点は共通している。派手に遊んでいたクラスメイトが交通事故で身体障害を負ってから改心し、卒業式のスピーチで命の尊さを語っていたことに対して「人間そんなに簡単に変われるわけない」と陰で批判したり、卒業パーティーでも弾けたりせずぼそぼそ喋っていたりと、どこかひねくれた態度で生きている。世の中が用意する感情のフォーマットに素直に乗っからない低温な二人の間には、確かな仲間意識が見て取れた。
しかし卒業を契機に、二人の関係はぎくしゃくし始める。 イーニドは仮に卒業できたものの、落第した美術の単位を取得するため補講に出なければならない。スムーズに卒業したレベッカはカフェのチェーン店で働き始め、アルバイトではあるが社会に居場所を得る。卒業したばかりの頃はイーニドと一緒にダイナーに行き、新聞の尋ね人欄に出ていた連絡先にいたずら電話をするといった行動にも付き合っていたレベッカだったが、アルバイトも続かずルームシェアの部屋探しにも消極的なイーニドに徐々に愛想を尽かす。イーニドが中年男性シーモアとの関係を隠していたことが、さらに二人の距離を広げてしまう。
イーニドは古いレコードを集めるのが好きで、一癖あるファッションを身に纏い、多少野暮ったい部分はあるにしても自分の世界を持っている。バイト先でも、上司の指示に違和感を覚えれば分かりやすく態度で示す。表面的にはリベラルな国を装いつつ水面下では依然として差別が行われているアメリカ社会に対しても、批判的な眼差しを向けている。
しかし、それを表現した自分のアート作品が炎上した際、イーニドは作品を批判する人々に対して展示の意義を説明せず、展覧会の会場に姿を見せることすらしなかった。どんなに鋭い感性があっても、表現する者としての責任を全うする姿勢のないイーニドは、アーティストにはなれないだろう。黒縁眼鏡の媚びない「おもしれー女」ではあってもカリスマになる素質はなく、かといってマジョリティ的な価値観への転向もできないイーニドの中途半端さは、何とも残念である。
一方レベッカは、シニカルな部分もありつつ、現実と折り合いを付けて生きてゆけるキャラクターだ。店に来たイーニドに客への不満を漏らしながらも、上司に嫌味を言ってクビになったりすることはない。経済的に自立して実家を出るという目標に向かって、地に足の着いた努力ができる。
そして、レベッカは白人で、イーニドより顔が整っている。二人がパーティーに行くと、男性たちはユダヤ系のイーニドに興味を示さず、レベッカにばかり声を掛ける。 どう考えても、社会で上手くやってゆけるのはレベッカの方��のだ。
卒業を契機に、高校という環境の中では���れほど目立たなかった二人の差が浮き彫りになる。置いて行かれた気持ちになるイーニドと、現実に向き合う意欲が感じられないイーニドに苛立つレベッカ。どちらが悪いわけでもないのに、高校の時と同じ関係ではいられない。絶交するわけではないけれど、何となく離れてゆく。
人生のフェーズに応じて深く関わる人が変わってゆくのはよくあることだし、どうにもならない。それでも、楽しかった長電話が気まずい時間に変わったり、昔だったら隠さなかったことを隠すようになる二人を見ていると、人生のほろ苦い部分を突きつけられるようで、胸が締めつけられる。
シーモア:大人になりきらないという選択肢
冴えない中年男性シーモアは、この映画におけるヒーローでありアンチヒーローだ。平日は会社員だが、休日は音楽・レコード・アンティークオタクとして自分の世界に耽溺し、友達も似たような同性のオタクばかり。せっかくライブハウスで女性が隣に座っても、音楽の蘊蓄を語って引かれる。そのくせ「運命の出会い」への憧れをこじらせている。自分の世界を持っている人間の素晴らしさと痛々しさを、これでもかと体現しているキャラクターだ。
イーニドとシーモアの出会いは、イーニドのいたずら電話がきっかけだった。新聞の尋ね人欄を読んでいたイーニドは、バスで少し会話をした緑のワンピースの女性にまた会いたいと呼びかける男性の投書を発見し、この気持ち悪いメッセージの発信者を見てやろうと、緑のワンピースの女性を装って電話をかける。会う約束を取り付け、待ち合わせの場所に友達と共に向かうと、呼び出されたシーモアがやって来る。
待ちぼうけを食らうシーモアを陰で笑いものにするイーニドだったが、別の日に街で偶然見かけたシーモアを尾行して、彼がレコードオタクであることを知り興味を持つようになる。シーモアのマンションで開かれたガレージセールで、イーニドはシーモアが売りに出した中古のレコードを買い、会話を交わし、徐々に距離を縮めてゆく。
シーモアが自宅でレコードオタクの集まりを開いた日、イーニドはシーモアの部屋に入る機会を得、彼のコレクションと生き様に驚嘆する。
恐らくイーニドは、シーモアという存在から、アーティストやクリエーターにはなれなくても自分らしさを手放さずに生きられると学んだ。たとえ恋愛のときめきが去ったとしても、シーモアの残像はイーニドの中に残り、社会と折り合いを付けられない彼女の行く先をささやかに照らすのではないだろうか。
(そして、シーモアの姿が、一応仕事や勉学などで社会と折り合いを付けながらも、家庭を持たず読書や映画鑑賞や執筆に明け暮れる独身中年の自分と重なる。その生き様が誰かの未来を照らしたりすることはあるのだろうか。もちろん作家として誰かの人生に言葉で貢献するのが一番の目標ではあるものの、映画を観た後、最低限シーモアになれたらいいなという気持ちになった。初見の時と感情���入するキャラクターが変わるというのは、なかなか新鮮な体験。)
矛盾を抱えたアメリカ社会への言及
最初に観た時はイーニドや一癖あるキャラクターたちが織り成す人間模様にしか目が行かなかったが、二度目の鑑賞では、画面の端々に映り込むアメリカ社会への皮肉もいくつか拾うことができた。
ライブハウスのシーンに、ブルースに影響を受けたと思われる白人のボーイズバンドが登場する。ヴォーカルは「朝から晩までcotton(綿花)を摘む毎日さ」みたいな歌を熱唱する。確かにブルースにありがちな歌詞だ。しかし、綿花を摘む労働をさせられていたのは主に黒人であり、白人は黒人をこき使う側だったはず。労働者の心の拠り所として作られたブルースという文化を、ブルジョワである白人が無神経に簒奪しているという皮肉な現実が、この短い場面にそっと描かれている。
また、イーニドとレベッカが一緒にパーティーに行くとレベッカばかりが男性に声を掛けられる件には既に触れたが、声を掛けてくる男性はほぼ白人だ。アジア系の男性や黒人男性などがレベッカをナンパすることはない。たまたま二人の住む街が白人の多い地域という設定なのかもしれないが、このようなキャスティングが決まった背景には、制度上の人種差別がなくなっても人種によるヒエラルキーが社会に残っているという監督の認識があるのではないかと感じた。
そして、個人商店がチェーン店に取って代わられ、住宅地が画一的なマンションで占められ、街が少しずつ個性を失ってゆく描写もある。レベッカが働くカフェ(ロゴがスターバックス風)やイーニドがバイトをクビになるシネコン内の飲食店は、無個性なチェーン店そのものだ。モノやサービスが画一的になり、雇用や労働のスタイルも画一的になり、マニュアル通りに動けない人間が排除される世界へのささやかな批判が、様々なシーンの片隅にそっと隠されている。
この映画は、十代の葛藤を単なる自意識の問題として片付けず、矛盾だらけで個性を受け入れない社会にも責任があると言ってくれていた。改めて、監督や制作者たちのティーンエイジャーに対する温かい眼差しを感じた。
ラストシーンをどう解釈するのか
ネタバレになるので詳細は伏せるが、この映画のラストシーンは比喩的で、どう受け止めるのが正解なのか分からない。イーニドの人生に希望の光が差すことはなく、かといって大きな絶望が訪れることもなく、自分を命がけで守ってくれた人の思い出を胸に強く生きることを誓うみたいな展開にもならない。とにかく、分かりやすいメッセージのある終わり方ではないのだ。
(映画館を出た後にエレベーターで乗り合わせた若いカップルも、やはりラストの解釈が難しいという会話をしていた。)
私自身は、このラストを、イーニドが他力本願な自分から卒業することをようやく決意したという意味に捉え��いる。
これまでのイーニドは、心細くなれば友人のレベッカやジョシュを呼び出し、映画の中盤以降ではシーモアにも絡んでいた。人生に行き詰まれば、誰かを頼って気を紛らわす。偶発的に何かが起こって道が開けないかな、みたいな感覚で生きているような印象だった。 しかし、物語の終盤で、一時はイーニドにとってヒーローだったシーモアが、突然遠のく。レベッカとも既に疎遠になっているイーニド。そして、不思議なラストシーン。イーニドは、私たちに背中を向けている。
イーニドは、自分を導いてくれるヒーローも、どう生きるべきか教えてくれる天使も、どこにもいないということに気付いたのではないだろうか。 人間は最終的には孤独で、自分の人生は自分で切り拓いてゆくしかない。ラストシーンのイーニドからは、彼女が紆余曲折の果てに辿り着いた人生の真理が滲んでいるように思える。
そして、イーニドの後ろ姿は、スクリーンのこちら側にいる私たちに対しても「自分の人生は自分で切り拓いてゆくしかないよ」と語りかけている気がする。どう生きるべきか、映画に教えて貰おうなんて思うなよ。自分で行動して、傷ついたり恥をかいたりしながら、自力で見つけるんだ。
以上が私なりの解釈だが、違う見方もあるのかもしれない。他の人の批評も検索してみたい。
おわりに
Bunkamuraル・シネマでの「ゴーストワールド」上映は明日で終わる。しかし、各地の名画座での上映はまだ続くようだ。これからも沢山の人がイーニドたちに出会うことを想像すると、自然と笑いがこみ上げる。
イーニドの冴えない青春は、観た人の心に何をもたらすのか。
これを読んで少しでも気になった方は、是非スクリーンで、ラストシーンまで見届けてください。
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patsatshit · 1 year ago
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東京滞在日記。
◆Day1
12:45 新横浜到着。寒いと思ってヒートテックやらネックウォーマー、起毛したパジャマを持っていったにも関わらず、気温25度で照り返しがきつく汗ばむ気候。東京に住んでいた頃、関東は体感温度が関西よりも5度くらい低い気がしていたのに。レイジアゲインストザマシーンのウィズアウトアフェイス。かっこええー。96年発売の曲の中で一番好きかもしれないな。いや分かんないけど。終わるのが悲しくてリピートしてしまう。
12:57 京急に乗って雑色へ。「ぞうしき」と読むらしい。聞いたことも見たこともない地名。最近友人が引っ越したというので、おじゃまさせてもらうことになった。ありがとう。大田区。飛行機に乗らない私にとってはあまり縁のない地区。東京タワーからは程遠く、都会とは縁のなさそうな樹々が生えていて、なんだか良さそうな街。昔ながらの商店街もある。バックナンバーからaiko、いきものがかりと平成J-popが次々と流れてくる。結構長そうな商店街。天六ほどではないだろうけど、先が見えないので抜けられるのかドキドキする。突然見覚えのある走り方をする人影が見えてきた。
13:55 友人宅到着。ちょっと駅からは離れているけど、立地は最高。大きな窓からは多摩川が見えていて、開放感でいっぱい。空港が近くにあって、すぐにここを飛び出してアメリカへでもいけそう。
14:30 友人は1日在宅ワーク。ずっとパソコンに向かってタイピング&会議私は後ろでひたすらゴロゴロ。ヒモみたいになってた。
16:00 夕方、仕事終わりの友人と茶をしばくため虎ノ門へ。むっちゃ薄暗い照明のお店。店内はマスターのオキニが詰まった宝庫みたいになっていて、グレングールドがかかっている。ライトな雰囲気のカフェと聞いていたけど、かなり荘厳な感じ。バカ話できるかな?友人登場。私が今ちょうどほしかったcasetifyのiPhoneケースを使っていてテンションが上がる。「ちょうど昨日藤原ヒロシが『便利』って言ってたよ」という話から佐川急便男子の話まで途切れることなく2時間強話しまくる。酸味の効いたコーヒーと濃厚なチョコレートケーキ、淡白なチーズケーキの相性がそれぞれ完璧だった。友人の背後からフライヤーの三島由紀夫が鋭い眼光でこちらを睨んでいた。ずっと怖かった。
19:10 『ざっくりYouTube』で見ていた池尻大橋の「喜楽亭」へ。ジュニアさんが座った席と同じところに座れてテンションが上がった。料理はもちろん極上。こう言っちゃなんだけどまずいハンバーグカレーとかあるのかなぁ。ルーとライスを綺麗に分けずに「親父ガケ」して「親父グイ」(ルーを皿一面にかけぐちゃぐちゃにして食べること)してしまう癖、治したい。というか治す。いやだわー。無意識って怖い、気をつけよう。
22:00 帰宅。友人と話す。思い出話2割、今後の話8割。昔は覚えてもないようなどうでもいい話しかしなかったのに、キャリアとか結婚とか出産とか、切ないね。けど仕方ないね。そうそう、何で雑色に引っ越したのか聞いてみた。いい場所だけど都心からはだいぶ離れているし…。友人曰く、最近の日本にますますいやけが差してきたので、すぐ海外に飛べるように空港付近にしたとのこと。かっこえ。昔から彼女の意思&意志が強くてすぐ行動に移せるところ、尊敬してる。
◆Day2
12:00 13時からの打ち合わせに向けて横浜へ。ほどよい都会感。建物の感じもどこかオシャレに見える。今日は風が強い。ふわっと香るくさいにおい。もう銀杏の季節か。『トークサバイバー2』で(シソンヌ)じろうさんが叫んでた「銀杏〜!くせえからうめえのか、うめえからくせえのか?」っていう素朴な疑問、私も思う。いつか教えてくれ。
15:30 一旦帰宅。友人会議中。多摩川を少し散歩する。『セトウツミ』の舞台ってここかなぁ?とかあらゆる平成ジャパニ��ズ映画のロケ地に思いを馳せながら歩いてみる。
16:50 半年ぶりに代田橋へ。行く場所は決まっているのに常に緊張する。Fat Boysを聴いて喝を入れる。
17:01 ジャスミンティー購入。手鏡にてデコに大きなおできと小さなニキビを確認。
17:10 緊張で首が左上右下に動いてる感じ。つまり吐きそう。
18:01 代田橋到着。とりあえずトイレに行く。
18:03 緊急事態。一旦酒を入れなければと彷徨う。
18:09 「納戸」は閉まっていた。がっくし。
18:18 「ジュークボックス」へ入る。マスターに挨拶するも覚えていない様子。半年ぶりだし2回目だから仕方ないかと思ったが、zineの話をしたら思い出してくれた。髪型とファッションで人は変わるということが分かる。コーヒー焼酎のロックを2,3杯入れる。美味い。
19:40 マスターに教えてもらった「大天狗」というお店に入る。焼き鳥がぶりぶりで美味しかった。この書き方だと不味そう。身が大きくて味付けも辛すぎず無すぎず、つまりちょうど良くて美味しかった。特にレバー塩。
23:39 終電に乗れた。代田橋に来る時はいつも終電と共にお別れだ。はー。終電といいながら蒲田までしか行かない。代田橋のお兄さんにもらったハイボールを片手に電車に揺られる。
0:16 蒲田駅から多摩川沿いを歩いている。徒歩22分。結構近い。友人に連絡する。川沿いで合流することに。
...
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↑記憶なし
◆Day3
12:47 起床。若干頭痛。友人は会議中。
17:18 山手線に乗っている。今日学んだこと。二日酔いでも酒は飲め。但し、酒がないと話せない場合に限る。つまり緊張状態に縛られる状��の場合。
17:46 綺麗な夕焼けを写。肝心な時にカメラを持ってきていない。そして非常に落ち込んでいる。
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↑夕焼け
19:15 友人とご飯に行く。カジュアルなフレンチビストロ。ここで「人生の目標」とか「働くこと」とか「死ぬこと」などシリアスな話を熱く語り合う。
20:39 多摩川散歩。酔っ払っていたので写真がすべてぶれている。
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↑彗星到来。ネオ東京
◆Day4
8:45 朝から餃子を作る。大学時代から彼女とはずっと餃子パーティーをしていた。餃子で繋がる友情と言っても過言ではない。彼女の家族たちと餃子パーティーをしたこともある。今後誰と会ってもそうマウントをとっていく。味噌ダレで乾杯。パートナーの話で盛り上がる。いくつになっても色恋の話は楽しいな。しかし外食が多くて、胃が悲鳴を上げ始めてる。
10:45 多摩川の写真を撮る。毎日多摩川を見ながら生活できる幸せ。噛み締めた。川のある生活っていいなぁと実感。天気も良くて雲の形もポテトフライみたいでよかった。
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↑ マンションの広告にありそうなくらい完璧な景色。うまく言えないけれど。
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↑パノラマで撮った
11:00 友人と別れの時。でも12月にまた会える。でも帰り道少しツンときた。それくらい居心地が良くて、一緒にいて落ち着ける存在だったのだと改めて思う。会うのは半年ぶりだったけど、しっかり話すのは2年半ぶりくらい。彼女はすごく…さらにいい方に変われていて、刺激をもらうと同時にすこし、自分に対して不安になったりもした。同じ歩幅で歩いてると思っていたから。全然違ってたんだ!今、小さい頃に遠方の祖父母の家に何泊かして帰らなければならない時の悲しさで涙が止まらなくなる���の感じが襲ってきてる。嬉しいのに少し寂しいな。
12:02 有楽町駅到着。映画館の前を通り、スコセッシの新作今日公開だと思い出す。でも今日は無理。ノーマネーソーリー。
12:06 ある人と待ち合わせ。その後ランチ。
15:33 新幹線到着。いよいよ帰る。おセンチな気持ちなのでブレッドのプレイリストを聴いている。ただ、ウォークマンのプレイリストは厄介。
16:03 『Dumb and Dumber』(ジムキャリーはMr.ダマー)をみる。百面相最高。we love jim carrey!!!
18:40 帰宅
.
おしまい。
東京ってやっぱり刺激のある街。ずっといたら飲み込まれそうで怖いけど。昔からそう思っている。昔東京に数年住んでみたけど、まぁ仕事とか色々なことがあって、いい思い出は全くなかった。でもきっと、その頃の自分は視野が狭くて未熟で卑屈ですごく保守的だったのだと思う。その頃の自分のことを…ようやく客観的にみれるようになった気がした。離れてみるとやっぱ東京って面白い街だと思うし、会いたい人がいれば誰にだって会いに行けるし、刺激の宝庫だなと思う。
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tokyomariegold · 9 months ago
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2023/10/23〜
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10月23日 職場があるまちに着くと、寒さと秋が深まっていた。関西シックに浸りながらお仕事をしたかったけれど、バタバタと忙しそうな雰囲気に呑まれて、自分も嫌な感じで虚勢を張るように忙しくしてしまった気がする。
忙しそうっぷりで誰も競ってないとわかっていても、ぶつぶつ独り言をいったり、準備にばたばた音を立てたりする人たちの中で、彼らは真面目にそれをやっているのに、自分はパフォーマンスとしてやってしまっていて嫌気がさして泣きたくなった。
それに追い打ちをかけるように産業医との面談があり、業務の制限をかけるような診断書を元に「さてそしてあなたはどうして欲しいですか?」みたいなことを訊かれ、それがわからないからこうなっているんだ!!と、普通に「は?」と機嫌悪く悪態をついてしまった。 今日はいつもお世話になっている上司も同席してもらった回だったので、多分彼女の前ではどこまでもいい子ちゃんをしたかった私は、やっておきたい私と今の私が違いすぎてコントロールできない状況にさらに泣きたくなった。 面談を終えて上司から「なんか、難しいね」と言われ、ごめんなさいややこしい私の病気に巻き込んでしまって、と言うこともできずに、もっともっと泣きたくなった。
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職場の方々へ渡したかったお土産も今日は渡さなかった。 1期下の方へマールブランシェのクッキーのお土産だけ渡せた。
帰りはもう一人で帰りたい!と思いつつ、なんとなく流れで一期下の方とそのまま帰ってきて旅行の話などをさせてもらった。
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10月24日 ガラスのキャンドルを割ってしまったinstagramの投稿を見た長島先生から「キャンドル好きなの?うちは猫がいて炊けないので、たくさんあるから今度来た時にあげるよ!」とうれしいメッセージをいただく。 そして長嶋先生が“去年の今日”という新しい本を出されることを知る。名古屋でトークイベントもあるみたいでいいな〜と、今楽しみにしている本がもうひと��増えた(ひとつは最果タヒの新刊)。
そのままSNSを眺めたら、山の上ホテルが休館するとの情報を友人の投稿から知る。ちょうど昨日、一期下の方と泊まってみたいクラシックホテルの話をしたところだった。 あとインターネットで友人の日記を読んだ。 例の感染症を疑われた話があり、私はその感染症とtwitterの後任システムの名前を、なんとなく口に出すのを憚り続けている。
昨日、とても後味の悪い面談をしてしまって、それなのに明日が人事異動に関わる調書の提出機嫌なのでその前にもう一度意向を確認したい、と上司が面談の席を設けて下さった。 どこまでも申し訳なくて、でもありがたい。 今の正直なところの、どちらつかずで自分の体感が自分で全くわからない状況と煮え切らなさも含めて、私の意向をお話しした。 ほんとう、話しながら何をどう考慮してほしいの?あやのちゃん!と思った。
ありがたいと思いつつ、お仕事やっぱりもっと頑張りたいのかな、と思いつつ、長い長い打ち合わせの場を一番乗りで出てきて帰っている。
帰り道、歩きながらiPhoneを見ると03から始まる着信があり、調べてみると某大学(高校生時代にセンター試験の試験会場だけの縁の大学)の保健センターからだった。なぜ?
明日は久しぶりに都庁へ出張。 無事帰って来られますように。
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10月25日 明日まではメールを見ないで過ごしたい。 都庁へ出張をして、もう都庁の概念みたいな存在を全く楽しめなくなって、へとへとに明日からの宿題を抱えて帰ってきた。 東京都を正しい東京都であるべくするに参加するには、こうゆう心のざらつきを抱えないといけないなんて!とまだまだ発見させてくれる社会でした。
人にもよるのだろうけれど、でも、私のファイルをそんな��うに舐めるようにめくらないでくれ!!と思って、打ち合わせ中に、あからさまに冷たい態度へかわって言う自分の大人気なさに泣きたくなった。私はもう、社会科見学でなくて、社会に参加してお仕事をしてしまっている。かなしい。
少し早く帰れているけれど、昨日明日早く帰れたら…、と思っていたことは何ひとつ出来なさそう。
今日やっと京都のお土産を職場の方々へ渡せた。 微妙な数しかなかったけれど、今日お休みの人が多かったのでちょうどよかった。昨日一緒に長い打ち合わせに参加していた方々が揃ってお休みだったので、引き続く長い��談に見切りをつけて早く帰って大正解だった。 神戸出身の方に、三ノ宮駅から新神戸駅まで歩いた途中の有名な洋菓子屋さん(カフェ付き)に行った話をしたら「そこのサンドウィッチはとても美味しいので、いつかぜひ!」とお勧めして下さった。
職場の方々が次から次へと喉の調子を悪くしている。
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10月26日 ソニーの公募がだめだったことが確定した日で、誰からの評価も欲しいわたしはちゃんと傷ついている。
今日あたりから発売される最果タヒの新刊の一部や、新しい言葉が、彼女のSNSに置かれていて少しなんだろうこれからを楽しみに思えた。そして月のことを思い出して、満月の日を調べたら明日らしい。あと29日は月食らしい!
お仕事が忙しくて、デスクワークでも息を切らしてしまっている。 お仕事は社会科見学として、サブロードに位置していたはずなのに最近メインロードに居座っている。 担当する業務の内容が重くなってきているのと、やっぱり診断書を始め持病のことを明らかにしてからそんな感じがずっとある。 いままで自分が自分すぎて人生がつらくても、気を紛らわせるところとして社会(お仕事)があったのに、もうそれまで自分すぎる人生になってきている。どこに逃げる?
一期下の方から科博の日本食についての展示を誘ってもらう。また招待券をもらったとのこと。
電話番号を変更登録したはずの金融機関のから、電話番号に送られたコード番号が届かず、また手続きが滞ってしまっている。
気持ち的に来週末の診察は見送ろうと思っていたけれど、もう忙しすぎて行けない気がしてきた。
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10月27日 京都にいたのが一週間前なんて。とても昔のことのように感じるくらい今週一週間は長かった。長かったけれど、たくさんいろんなことがあり過ぎて、時間は一瞬だった。
今日が満月かと思っていたらまだ十三夜。満月は明後日でした。でも明るい月を見ながら歩いて帰って、どうせ余裕なんてない、と朝お部屋にカメラを置いて来たことを後悔している。 みんな月を見ている時はひとりでいて欲しい。
なんだかんだあって週明けの月曜日も都庁へ行くことになった。ワクチン接種の予約をしていたので変更しようと予約サイトを見ると、ちょうど日曜日が空いていて予約できた。
職場の色々に支配されているこころや頭が、少しこの週末で解放されるといいな、と思っている。一先ず、最果タヒと長嶋先生の本を買おうと思う。
金曜日の魔法(?)で、変に余裕が生まれて、年末調整も提出した!えらい! どんな業務をしている時よりも、自分がある組織に所属して社会人として働いているんだな、と実感させられるイベント。 提出しながら、いつまで“変更なし”のまま今の家に住み続けようか、とか思って、そういえば先日今住んでいる部屋の更新手続きの案内メールが来ていた事を思い出す。きっと今回は引越しなんてできないままな気がする。
何かを��るようなことで毎日を締めくくろうと、ここに書こうとしている。 しないとだめなことが起こりそうで、ジンクスになっている。 でも何もしなくてもいいんだよ。
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mhysd-note · 2 years ago
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小豆島の地表
小豆島へ行ってきた。数日前、天気予報を見ていて当日大雨だったので、これでは山に登れまいと宿をキャンセルしていた。休みの前日になってみると、1日目だけ晴れの予報に変わっていたので、弾丸日帰りで行ってみることにした。
小豆島は小さいのに800mの���(星ヶ城山)があり、寒霞渓周辺だけではなくハイキングスポットがたくさんあったり、雰囲気ある祠や景観が点在する。散策好きにはたまらない島だ。車無しの日帰りではさすがに山頂へ登って帰っては来られないけれど、絵の材料になる写真は撮れよう。
当日、電車のダイヤがみだれてあやうくフェリーを逃すところだったが、無事乗船して島へ渡った。春休みなので、学生さんの団体で船の中は賑々しい。途中スマホの電波が途絶えたので、図書館で借りて積読していた本「極北へ」(石川直樹著)を読み出す。スヴァールバルの陰鬱な冬の港町の様子を読んでいたらいつの間にか福田港へ到着した。
港発のバスに乗り、山地をぐるっと回り込んで役場などがある市街地につく。ここから見上げる山はだいぶ圧迫感がある。普段よく見ている六甲山系(もけっこう的急に海からせり上がっているけど)よりもさらに急角度でそそり立っている。まだ春のはじめだからか、乾いて固く引き締まった雰囲気の山々だ。海辺のカフェでホットドックを食べ一服したあと、海岸線にそって岬のつけ根にある低山へ向かう。
道々、農地や民家を通りすぎると露地がたくさんあり、庭木に花が咲き誇っていたり大きな犬が寝そべっていたり。八朔のあかるいオレンジと海風が、地元の浜名湖のそばの山を歩いたときに似た、ゆったりした空気を醸していた。
山道にさしかかると、周りの森はほとんどウバメガシのようだ。乾いて密度の高い森がずっとつづいている。途中石垣や山桜を見物し、もうこれ以上行っても植生は変わらないだろう、と思ったところでUターンした。バスの時間だ。
土庄港に着いてみると周りをぶらぶらする時間はあまりなかった。最終のフェリーは夕方早々に出てしまうのだ。瀬戸内の島にある小さいけれど趣のある神社が好きで、いくつかチェックしていたがまた今度来ることにして、残った時間でお土産を選んだ(醤油のアソートセットを買った)。
帰りのフェリーは西へ向けて出港した。まだ明るい時間で、島影が遠ざかるのを甲板にあったブランコを思いきり漕ぎながら眺めた。
追記:
帰ってから、地形の由来が気になり「小豆島 地���」で調べると地質図がわんさか出てきた。様々な火山岩で構築された特徴的な島、ということもあるが、数十年前に大規模な土砂災害があり、防災研究の必要性から調査されてきたようだ。私がのんびりホットドックを食べながらウィンドサーファーをながめていたあたりは土砂がせまってきた場所だった。
オリーブの街路樹が印象にのこって、植生図を調べだすと今度は全国版の植生マップを見つけた。これは森の写真を撮りに行くときにとっても役立ちそうだ。やわらかな緑の濃淡がどこまでも奥につづくブナ林なんか、次は探しに行きたいと思う。
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real-sail · 5 years ago
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帰京して、冬 2019
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この12月ははじめの半月だけ日本に戻って、まさに駆け抜けるように過ごした。
うっかり赤信号を渡りそうになった。東京を歩いていたはずなのに、どんな小さい交差点もスクランブル式の、ロンドンでの習慣が顔を出す。目の端に映った歩行者信号が青くなったのを見て渡ろうとしたら、目の前の信号は赤かった。ロンドンで暮らし始めた頃は信号の仕組みに戸惑って、横断歩道ひとつ渡るにも、真ん中の安全地帯で何度か青信号を見送ることも少なくなかった。
自分がその扉を開けたものだから、ドアを引いたまま後ろにいた人に先を譲ったら、とても驚かれてしまった。ジェントルマンの国で、基本的にはレディーファーストが根付いていると言えど、現代のロンドンでは女性も男性も問わずに道を譲り合うことが多い。でもそんな国を知ったあとで戻った日本では、道を譲るという行為がむしろずっと珍しいことのように思った。
鼻をすする音は許されて、思い切り鼻をかむと視線を食らう日本。鼻をかむのは問題ないのに、すすっていると失礼とされるイギリス。レストランで食事が済んだら、席を立ってレジに向かう日本と、庶民的な店ですら席で会��をするイギリス。いくらでもペットボトルで緑茶を買える日本。どこでもミルク入りの紅茶を買えるイギリス。犬も歩けばコンビニに当たる東京。猫も杓子も公衆Wi-Fiに至るロンドン。
そんな、些細なところで、自分の中の「日本」と「イギリス」を見出していく。
きれいに髪を巻いて銀座の裏通りを歩いたら、これから同伴ですかと言われた、スカウトマンだったのだろうか。ソーホーやカムデンでナンパされることはあっても、水商売のスカウトはさすがに経験がない。東京なら安全って思っていたけれど、そんなの嘘だと思った。ロンドンに戻ってすぐのある日、夜11時の家路で、道端の車から降りてきた男の人を咄嗟に警戒した自分に気づく。日本の女性たちがどれだけ無意識に防衛本能を起動していることか、それは東京しか知らなければ、本人すら気づく術がない。
飲食店でのサービスが極めて整っている日本から見れば、ロンドンに驚かされることもたくさんある。ロンドンでは、グラスから飲み物がこぼれに溢れて外側がベタベタで渡されさても、怒ってはいけない。店員がテーブルを拭くという習慣だってちゃんとあるのだけど、日本の掃除のクオリティにはかなわない。カフェで自分が使った食器を自分で戻すのは日本だけ。空いている席に前の人の食器が残っていても、気分を悪くするほどのこともないのがヨーロッパ。
いろんな色がついた薄い酒を永遠に重ねる日本。一発きりっとエールかワインを決めるロンドン。東京の女の子はスカートにパンプスにブランドもののハンドバッグ。ロンドンの女の子はスキニーにショートブーツと革のサッチェル。デートは男の子がおごるのがステータスな日本。食事代はきっちり割り勘か交互に持つイギリス。
どっちも良くて、どっちも悪い。わたしの心の中の天秤は、揺れに揺れる。
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クリスマスの午後、わたしはプリムローズ・ヒルまで散歩に出かけた。この丘はロンドンの街を一望できる場所で、ロンドンっ子の休日の定番スポットだが、近年ではインスタグラマーや観光客のものになりつつある。朝から雲ひとつない快晴の穏やかな日で、わたしは空いたベンチに座って冬の締まった空気を楽しみながら書き物をしていた。ほどなくして、わたしの座るベンチに日本人3人組が座り合わせてきた。
同じくらいの年頃と思しき男性が「お〜ここ空いてる、水たまりで何か汚ねぇけどいいかな?」と一緒の女性2人に呼びかると、わたしに断ることもなく座って、携帯でクリスマスの音楽を爆音で流しながらお酒を飲み始めた。わたしに退いてほしいんだろうと思ったけど、先に座ったのはわたしだし、と思ってしばらく書き物を続けた。男は電話がかかってきて席を外して、女子2人の会話がしばし流れる。
10分20分たって男が電話を終えて帰ってきた頃、わたしはあらかじめ決めていた帰る時間になったので、あくまで自分のペースでPCをしまって立ち上がった瞬間、男性が秒速で「おっしゃ空いたぜ広がろうぜ!」と大きな声で言った。遠ざかりつつ、あまりの速さに辟易したところで、女性たちが「あの人、日本人じゃない?」と話すのが聞こえる。男性も「え、今の日本人だった?」と繰り返す。
3人の挙動に、ちょうどわたしが思う日本の嫌いな部分が全部詰まっていた。
あなたがたは、この公園静かでめっちゃ好きー!と言ったけれど、あなたたちがうるさいのよ。ベンチで相席になるときには、声をかけるなり、目配せするのが英国式だ。女子2人の会話は、パブでナンパしてもらって彼氏を作りたい話、日本は治安が良くて酔っ払っても大丈夫という話。はて、最近だと諸外国において、日本に旅行する人々に対して’飲み物に薬を盛られる被害に気をつけろ’と注意喚起が聞かれるくらいなのに、のんきなものだ。そして、あなたがたの見立て通りわたしは日本人だけれども、だったら何なのか。
でも日本にだって、たとえば新幹線で隣の席に座ってもよいかと声をかけてくれる人はいる。彼女たちを見て、どこにいるかじゃない、自分がどうあるかなんだな、と思った。環境が人に及ぼす影響も大きいけれど、とはいえ、東京にいる、ロンドンにいるってだけで、人は変わらない。東京で、何を見るのか。ロンドンで、何を思うのか。
ロンドン生活も4年目、と言っても、わたしは今まで定期的に一時帰国を挟んでいて、これまでだったら信号機を見誤るようなことはなく、日本に戻れば瞬時にモードを切り替えられた��ので、はたまたロンドンに戻ってもすぐにはギアチェンジをできずに異邦人の感を持ったものだった。でも今回初めて、すぐには東京に適応できなくて、ロンドンには瞬時に馴染める自分が現れた。そこまで来ると今度は、ロンドンという街に嫌気がさす日だって来るだろう。
たとえどこにいようとも、自分がどうありたいか、それを大事にしようと強く思った。
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czrscr · 2 years ago
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春告げ鳥が飛んだ
 某日、曇天。東京のとあるカフェにて。 「絶対言う方」  告白する方とされる方ならどっち? というありきたりな問いに、鈴芽はきっぱりとそう答えた。 「え、そうなん? なんか意外」  店内の喧騒に負けない様、千果が少しだけ声を張る。ぐっと身を乗り出した瞳には、若干の好奇心が宿っていた。きらきらとしたその輝きに、内心で鈴芽はそっと謝る。  ごめん、そんなきれいな話じゃないんだ。 「前に叔母さんとのこと話したでしょ。小さい頃、ひとりになった私を迎えに来てくれた時にね、叔母さん……環さんが「うちの子になろう」って言ってくれたんだ」 「うん」 「ちっちゃかったから、そんなにはっきり覚えてるわけでもないんだけど、環さんが来てくれて、自分がいてもいい居場所を作ってくれて、うれしいっていうか、ほっとした気持ちもあったんだよ。あったんだけど……」  一旦言葉を切った鈴芽が、静かに目を落とす。  その先は正に、告解するような心地だった。 「私……多分どこかで、環さんの言葉を恨んでた。私はお母さんの子なのに、何でよそのうちの子にしちゃうのって」  迎えにきてくれてありがとう、私の為に頑張ってくれてありがとう、という気持ちと、  ──やめて。すずめをつれてかないで。お母さんのところへ行かせて。  ──私にばっか構ってないで、ちゃんと自分のやりたいこともやってよ。  そういう、「どうしようもない駄々」をこねた気持ちを、鈴芽はもう長らく胸で飼い慣らしてきたけれど。  グラスの水面に映った自分の顔は、存外穏やかな顔をしている。ふと頭に、「すずめのだいじ」と蓋に書いた赤い缶のことが過った。環に引き取られた頃、新たに手に入れた「宝物」が入っているあの「宝箱」こそ、今の鈴芽の証左であることは、確かで。 「だからね、今度誰かに何か大事なことを言う時は、絶対私の方から言うんだって決めてるんだ。私が決めて、そのひとを「そう」選んだんだって」 「なんか恥ずかしいこと語っちゃったな」、と鈴芽は明るくおどけ��締めくくる。手持無沙汰にくるくると手許のグラスを回す彼女の様子は、傍から見ても悲嘆さは感じられなかったらしい。だから千果も敢えて深くは触れず、「そっか」と軽く相槌を打つ。 「で、いつ言うの?」 「えっとね……」  だいじにだいじにしていることを、鈴芽はそっと千果の耳元へ囁いた。
 某日、快晴。東京のとある校舎にて。 「あれ、そういえばそもそも、今日は鈴芽ちゃんの誕生日じゃないっけ?」  お前休日出勤してる場合かよ、と芹澤が茶化す。草太は涼しい顔をして、窓の外の校庭へ目を向けた。 「さすがに今回はご家族に譲ったよ」 「ん?」  何だか含みのある草太の言い回しに、芹澤は内心首を傾げて、悟った。 「……ああ、そっか。あの子ももうそんな歳か」 「そう。もうそんな歳」  草太の視線の先には、すっかり葉桜を茂らせている、桜並木だけが映っている。
 Xデー当日、快晴。鈴芽のアパートにて。 「カンパーイ!」  カキン、と小気味良い音をグラス同士が鳴らし合う。用意した酒やつまみに手を伸ばしつつ、環と鈴芽はこれまでの思い出話に花を咲かせた。  幼稚園、小学校、高校、そして大学。伊達に十年以上を共に過ごしていないから、語りたいことはいくらでもあった。  出てくる話題それぞれに、あれから何年とふいに思い返すたび、環の心に少しずつ感慨なんてものが湧いてくる。  この子もとうとう、旧年齢でも成人したのだ、と。自身の役目の終わりをひとつ、悟って。肩の荷が下りて、ほっとした様な、寂しい様な、むなしい様な。漠然とした不安をつい、感じてしまって。  燃え尽き症候群ってやつかしら、と、内心自嘲する。 「ここで不肖岩戸鈴芽、環さんに贈りたい言葉がございます」  ふいに鈴芽が、お行儀よく正座し体制を整え出す。あんまりにもしゃちほこばった様子に、つい笑ってしまった。 「ふふ、なんねなんね」 「あのね」  一拍置いて、
「環さん、私と家族になってくれる?」
 妙にその言葉が、環の耳に刺さって残った。  上がっていた口角が下がるのを感じながら、鈴芽の方をまじまじと見やる。赤茶っぽい瞳もまた、そんな環を一直線に射貫いていた。  少しだけ不安そうなくせに、目が合えばしっかりときれいに笑う、若者。  環の愛の結晶は、確かにそこできらきらと輝いていた。  ──鈴芽、うちの子になろう。  そう、自分で決めて言ったものの。  正直な話、鈴芽を育てることが辛くなかった、といえば、嘘だ。  諦めなきゃいけなかったことも、投げ出してしまいたかったことも、���直両手の指じゃ足りないほどある。  でももちろんそれだけじゃなくて。  幸い環は、比較的周囲に恵まれていた方だった、と思う。鈴芽が熱を出せば早退を許されたし、ある程度学校行事への参加を鑑みて有休も取りやすく計らってもらえた。周りからは、そんなに肩肘張らなくても大丈夫、なんて言われることすらあって。  だけど環は、それでも、片時も目なんか離せなかった。だって所詮、自分の本当の子ではないのだ。血は繋がっているが、それでも自身の腹を痛めて産んだわけではない、他人の女の子。  気を遣うなという方が無理だ。気に負うなという方が無理だ。  身軽だった自分の足枷にしかならないこんな存在、嫌うな、という方が、無理だ。  けれど自分の袂ですくすくと育ちながらも、遠慮を持って自身に懐くこの命を、愛するなという方が、無理で。  ──私の人生返してよ!  いつかの日。今だって死ぬほど後悔してる、死ぬまで言う気が無かった言葉が、不意に環の頭に浮かんでは消える。 「あー……」  咄嗟に呻いて、目の前の鈴芽をぼやけた視界で、そっと見つめる。自身ともう幾何も変わらない体格や、しゅっとしてきた頬と鼻筋に、環は心底実感する。本当に、この子はこんなにもちゃんと、大きくなった。  ぽつり、一粒だけ頬から雫が滑り落ちる。  たとえ取り戻せはしなくても。  失くしたと思っていたものは、確かにここに在ったのだ。
 ああ、私の十六年は、この子の形をしていたのだと。
 そしてこれから先もきっと、それは変わらなくて。ただ、年月だけが積み重なっていくのだと。  自分の宝の重みに、環はそっとこうべを垂れる。やだな、もう。なんて悪態を吐いてしまうほど、眼の奥が熱くて熱くて、痛くてたまらない。更には「お嫁に行って欲しくないな」なんて、突拍子もないことまで考えてしまったので更に泣けてきた。多分無理だろうけれど、と胸中で加えつつ。 「もぉひっどい子……こんなおめでたい日に泣きたくなんかなかとよ……」 「はは、産声みたいなもんだって」 「何のよぉ」 「家族再誕について?」  あっけらかんと──今まで自分には見せなかった顔で──鈴芽が笑う。何だかもう、本当にたまらなくなって、環は手近にあったビールをひっ掴み、勢いよく煽った。  強い酒でも無いのに、喉が焼ける。飲み込んでも、何だかまだまだ泣いてしまいそうで。だけど、うれしくてうれしくて。環はやけくそ気味に、声と缶を高らかに張り上げた。 「はぁ……もぉー! 私のかわいい家族の誕生日に、乾杯!」 「あははっ、カンパーイ!」
 この日、珍しく環が酔い潰れたのだと。翌日に草太は鈴芽から嬉しそうに聞かされて、よかったねと頷いた。
 更に後日。  定例通話の際、妙にふわふわとしている鈴芽の声に、環はいろいろと察してしまった。  ──ああ、そうやね宗像くん……君も待ってた側やもんね……いやでもさぁ……  かわいいあの子の旧成人を首を長くして待っていてくれたことに、感謝半分、親心としては正直、複雑だったと。  そういった話を環から聞かされた芹澤は、こんなに盛大にハタチを待ち望んでもらえる女の子もそうそういないよなあ、と。何だか感慨深くなったとかならなかったとか。  どっとはらい。
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jinmakazuhiro · 2 years ago
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朝ごはん 2022/11/22  ▼今日の献立▼ レシピ有り ─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─ ⌘ すずめのまかないポテサラ焼うどん ⌘ まるでチーズオムレツ  自然をほおばるSola さん  ( @solabakery ) ⌘ ミックスサラダ ─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─・・─ おはようございます😃  実は、公開翌日のあさイチで「すずめの戸締り」を観に行って、その中で「スナックはぁばぁ」で食べてたポテサラ焼うどんが気になってたので、ようやく作ってみました😛 今日のパンはSolaさんのパン。このオムレツはパンというかどっちかわかりづらいですが、チーズたっぷりでレンチンしていただくと、もはやオムレツでした😍 とても売れていたので初購入しましたが、ボリュームがあってチーズも濃厚で、とっても美味しかったです!😋😋 さて、うどんですが、 スナックはぁばぁは兵庫県にあるので、兵庫で有名な焼きうどんを調べてみると、佐用というところでホルモン焼きうどんが人気だそうです。 このホルモン焼うどんはソース焼きそばではなく、しょうゆベースの焼うどんなので、きっとこの地域の焼うどんは和風仕立てなんだろうな。と想像。 また、ポテサラは、ゆで卵を入れるか入れないか?で悩みました。 新宿にできた期���限定の公式カフェのメニューには、焼うどんの上に目玉焼きが乗っていたので、ポテサラにはゆで卵を入れない。ということなのかな?ということでゆで卵なしのポテサラを準備。 また、紅しょうがが映画でトッピングされていたかどうかは、記憶にないのですが、公式メニューにはあったので、刻みしょうがしか在庫がなかったですが、トッピングしてみました。 しょうゆベースの焼うどんの作り方をレシピにしておきます。 ポテサラもなかなか有りやと思う!👍 .............................................................................................. すずめのまかないポテサラ焼うどん 1人前 .............................................................................................. 作中ではポテサラをフライパンに入れて焼き混ぜていましたが、味と出来栄えの面でおすすめしません。公式メニューもトッピングとなっています。 <材料> うどん(茹で) ポテサラ(ゆで卵なし) 玉ねぎ ※野菜類はお好みでよいと思います にんじん キャベツ ブロッコリー (作中では緑の野菜が見えましたが、ピーマンにしてはちょっと大きめに感じたのでアレンジしてみました)  卵 1個(目玉焼き用) 塩 少々 【A】 料理酒 大さじ1 しょうゆ 大さじ1 和風だしの素 小さじ1 <作り方> 焼き上がりの状態(イメージ)は、写真を参考にしてみてください。 ①うどんを所定の時間で茹でる。※目玉焼きは別途、準備してください。 ②フライパンに油をひき、中火で野菜をいためる。ブロッコリーは500W・1分でレンチンするか、沸騰したお湯で2分茹でる。炒めながら、塩少々を加える。 ③①を少し湯切りを少しだけ甘めにして②のフライパンに加えて弱火で炒める。 ④少し水分が飛び、全体をなじませたら、Aを加えて、中火で炒める ⑤水っぽさが減り、麺がフライパンにこびりつく直前くらいが出来上がりのタイミング。 ⑥ポテトサラダ、目玉焼き、しょうがを盛り付けて出来上がり。 .............................................................................................. さて、今日も1日頑張っていきましょう! ┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈ #朝ごはん #朝ごはんプレート  #ワンプレート #ワンプレート朝ごはん #料理 #料理日記 #朝食レシピ  #クッキングラム #おうちごはん #デリスタグラム #朝食プレート #おうちカフェ #朝ごぱん #パンスタグラム #パンのある暮らし #パンとコーヒー #パン好きな人と繋がりたい #パンスタグラム #レシピ #オリジナルレシピ #作ってみた #すずめの戸締り #すずめのまかないポテサラ焼うどん #すずめの戸締りカフェ #焼うどん #まるでチーズオムレツ #自然をほおばるSola #solabakery #松山パン屋 #愛媛パン屋 (Matsuyama, Ehime) https://www.instagram.com/p/ClP7Cj8LQnc/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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usamierina · 3 years ago
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Trip to Hiroshima, March 2022 - Day 1: Drink beer, eat Okonomiyaki
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This is my first trip to Hiroshima. Since I had to work in Hiroshima from early Monday morning, and since Saturday was my birthday, I decided to take the day off on Friday to make the trip to Hiroshima. This was my first trip to Hiroshima since last fall in Fukuoka.
はじめての広島旅。 ちょうど月曜日の早朝から広島での仕事が入り日曜日前乗りとなったこと、さらに土曜日はわたしの誕生日ということで、金曜日におやすみをいただいて、前乗り広島旅を決行。去年秋の福岡以来の旅です。
前日、遅くまで仕事して腹ペコでコンビニに行ったら、なんと広島で行こうと思っていたお好み焼き屋さんのメニューが...!「こりゃいっちょ、食べ比べしとこうかな」ということで購入。
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薄焼き卵が上に乗っていて、あとは焼きそば。さてさて、本場のはこれと比べてどれくらい美味しいのかな。
🚄〜💨
東京〜広島は新幹線で約4時間の長旅なので、朝ごはんに崎陽軒のシウマイ弁当を。到着してからのビールを楽しみにするために、ここでの缶ビールは控えておきました。
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パソコン仕事しようかなと思っていたけど、なんやかんやまったりしてたら広島に到着!
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新幹線で行ったことがあるのは新神戸までだったので、初めての広島! (福岡あたりだともう飛行機で行っちゃうから、広島・岡山あたりが、どっちの交通手段を使うか一番微妙なところなんだよね)
まずは、新幹線内で缶ビールを飲まずに我慢していたので、こちらでビールいただきます!
■ ビールスタンド重富 ekie店
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広島市内にある、「重富商店」という酒販店さんの中で、ビールの注ぎ分けをして提供していた「ビールスタンド重富」。めちゃめちゃ有名になったこともあり、駅中でも楽しめるようにと分店ができた様子。
かけつけ一杯なので、まずは「一度注ぎ」をいただきます!
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(今日の注ぎ手は、ekie店の店長の砂田さんでした)
ググッと飲み干して、ゴリゴリに乾いた喉に突き刺す幸せ...!
次は「シャープ注ぎ」をいただきます。
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はい無くなりました〜!
お腹も空いていたので、次へ移動。次はいよいよお好み焼きです。
■ お好み焼き みっちゃん 総本店 広島駅新幹線口 ekie店
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お昼時ということもあって、めちゃめちゃ並んでるな。(翌日、11:00くらいに駅にきたら、エレベーター前から並んでいたので、金曜日だったからそこまで並ばずに済んだのかも。ラッキーだったな)
到着からのマルエフ2杯したけども、まだまだ入るのでここでは「ちょい呑みセット」(=のみもの+小鉢+お好み焼き=1500円)をいただきます。
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選んだ小鉢は「広島菜のキムチ」。これがけっっこう辛くて、お好み焼きが来るまでにビール呑みきっちゃいそうなくらい。
ラッキーなことに、カウンター前に座らせていただけたので、ビールを飲みながらどんどん焼かれていくお好み焼きを眺めながら待ちます。
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(...どれが私のところに来るのかなとじっくり見つめています...)
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到着〜!
昨晩食べたやつと全然違うやんね!笑
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本場の方がかなりしっかりソースがかかっていて、キャベツもざく切りでしっかりしてる。上に乗ってる卵が、割りたてでふんわりタイプだったので、薄焼きのペナペナな奴と違ってちゃんと焼きそばに絡んでいます。サイコウ!!
お腹がいっぱいになったので、いったん荷物をホテルに置いて、市内観光にでかけます。金曜泊・土曜泊で2泊とったのは駅からも歩いていける、川沿いの「HOTEL FLEX」です。
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お部屋はこじんまりしてるけど、一人で過ごすなら十分。ベッドサイドにコンセントがなかったのがちょっと不便だったくらい。
ウェルカムドリンクもいただけたので、カフェの川沿いにあるテラス席でいただきます。
■ あわストア - OUR STORE-
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新しくできたクラフトビール含む”あわ”がいろいろ置いてあるお酒屋さん。めちゃめちゃおしゃれ!
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散々お昼にビールを頂いたのですが、せっかくなのでここでもクラフトビールをいただきます。Y MARKETは名古屋だし、MARCAは大阪なので、ここはSESSION'S BREWERYをいただくべきでしょ、ということで。
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いただいたのは「広島レモンエール」🍋
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すっきりしてておいしい、けど、「わぁ!なんだこれ!めちゃめちゃうまいな!!!」というほどではなく(苦笑 レモンの軽やかな酸味が感じられつつも、ボディのモルト感が薄めだったのでするっと終わりました。
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棚にはビールがたくさん。東京ではお目にかかれない、西日本のものが多かったかな。広島のものだと、「広島北ビール」・「宮島ビール」・「SESSION'S BREWERY」・「NEIGHBORLY BREWING」・「とびしまビール」・「尾道ビール」などなど。お土産で買うならどれがいいかなと思ってたんだけど、詳しい人にヒアリングしてみたらいまいち評判が良いものは無いとのことだったのでやめておきました(苦笑
■ 重富商店 / ビールスタンド重富
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混んでそうだし、ekieで飲んだから別にいいかな〜と思ったのですが、とりあえず行ってみるかということで重富商店、ビールスタンド重富の本店へ。17:00オープンだったけど、16:50時点で既にオープンしていて、さらに一人だったらすぐ入れそうだったのでお邪魔することに。
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お店には、あの超有名注ぎ手の重富さんがいらっしゃった!
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ということでせっかくなので1杯。
「お昼にもekieで”一度注ぎ”と”シャープ注ぎ”頂いたんですよ〜!」なんてお話したのですが、やっぱり最初はこれかなということで、重富さんが注いでくれた「シャープ注ぎ」をいただきます。
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......レッ、レベルがちがう......
ekieでいただいたものの方が、めちゃめちゃ喉が渇いているタイミングだったので絶対に美味しいはずなのですが、クリーミーな泡、適度な炭酸、どこをとってもこちらの方がウマい。びっくりするくらい違う。
1杯でやめとこうかなと思っていたのに、スルスルと入ってしまったこと���あり、2杯目もいただくことに。お次は、ビールスタンド重富オリジナルの「マイルド注ぎ」をいただきます。
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これもまたすごい。ゆったり飲むのに最適な炭酸のベストバランス。泡のクリーミーさは変わらないものの、お腹にガスがバフバフにたまらない、柔らかな口当たりが最高です。このビール、実は普通の「アサヒ マルエフ」なんだぜ。
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飲み終わった後の、泡のリング「天使の輪」も本当に綺麗。
こちらのお店、1組2杯まで、20分まで、と制限がかかっているのですが、だからこそ変な酔っ払いもおらず、本当にいい空気が流れているのがわかる。20分あっという間で、でもものすごくゆったりできて、なんだか魔法にかかったような時間でした。
■ 中ちゃん
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ビール飲み過ぎだったのもあり、そろそろなんかお腹に入れておくかということで、てくてく歩いて「中ちゃん」へ。ビールは十分だったので、適当なレモンサワーとお好み焼きを注文。
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定番の「そば肉玉」いただきます。
お昼に食べた「みっちゃん」と違い、ここは結構しっかり、ぎゅうぎゅうに押すスタイル。焼きそばがパリッパリになっていて、私はこっちの方が好み♡
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今回の広島旅で行くお店は、1ヶ月以上前からいろんな人にリサーチかけていたので、おすすめの美味しいお店リストが完璧にできてる状態。しかし、実はここ「中ちゃん」で食べるべきだったのは、お好み焼きではなく「牡蠣のバター焼き」と「ウニホーレン」だったようで、、、、しまった、、、食べそびれた...
■ そらや
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ここから、広島在住の友人と合流し夜飲みへ。合流場所は立ち飲みの人気店(らしい)「そらや」さんです。
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結局ここでも乾杯に生ビールいただきます。こじゃれているのでここの生ビールはハートランド!おいしいやつね!!
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マグロの辛子和え。
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こちらは「どぶろくのソーダ割り」。日本酒のソーダ割りなんですが、濁り酒らしいクリーミーな感じと軽い乳酸感、甘みもありつつすっきりしているので飲みやすい〜♡
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いろいろおつまみもいただいて、ワイワイガヤガヤさせていただいて。 さすがの人気店ということで(しかも金曜日だったし)、あっという間にお店は満席。たらふく頂いたのでお次のおすすめのお店に伺います。
■ フロマージュリー ピノ
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さすがにビールに疲れてきたので、ここでは超軽めということでLiefmansのカシス、ON THE ROCKSを。これくらいの薄さと酸味がちょうどいい〜!
こちらのお店はベルギービールとチーズのお店で、けっこうマニアックなお店。変なお客さんが来ないように、一見さんはお断り、お店でチーズの写真撮影もNGということで。(撮っちゃったけど)
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ご一緒した方がベルギービールの変態的な方なので、ここで大瓶のトラピストビールいただきます。濃厚〜!麦芽の甘み〜!酵母の香り〜!もうダイナミックボディのビールいただきました。
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(ここらでちょうど時間は0:00!わたし!誕生日おめでとう!)
■ アイリッシュパブ モーリーマローンズ
「キルケニー販売終了だけど、まだギリギリ飲めるところあるかも!」なんて話で盛り上がって、最後にアイリッシュパブで。先ほどのチーズのお店のオーナーさんもいらっしゃって今夜の締めです。
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でも残念ながらもうキルケニーは無く。泣く泣くギネスをいただきました。ギネスも美味しいけど。ていうか黒ビールの中で唯一飲めるのはギネスな気がする。
最後は酔っ払いだったのと、人に着いていくだけだったので、ふわふわとどこを歩いているのかわからないくらいでしたが、無事にホテル着。これにて(ビール)盛りだくさんの広島1日目終了。
■ 広島 Day 1 総括
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ビール飲み過ぎ!笑
広島は繁華街が分かりやすく、駅からも遠くないので、駅南側にホテルをとれば夜の街は十二分に楽しめますね。ちょうど「蔓延防止期間」も明けていたこともあり、遅い時間までお酒が飲めるようになってたのもラッキー。(とはいえ、早くに閉めちゃうお店も多かったけど)
今日行ったお店はどこも最高だったので、またぜひ行きたいと思ってます!
【2022年3月 広島の旅】 ・Day 1 👈THIS  └ビールスタンド重富 ekie店  └みっちゃん総本店 広島駅新幹線口 ekie店  └あわストア -OUR STORE-  └重富商店 ビールスタンド重富  └中ちゃん  └そらや  └フロマージュリー ピノ  └アイリッシュパブ モーリーマローンズ ・Day 2 前半 ・Day 2 後半 ・Day 3 
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tamanine · 4 years ago
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2021年4月13日の日記
年末に「今年見た映画」のリストを眺めながら見た映画を思い出し、こんなにいっぱい良い映画見て良い一年だったな〜(つまらなかったものは忘れているから)と思うのは大晦日の楽しみだったのだけど、あまりにもメンタルが辛く、そしてこれは絶対に生理前でも無く、明らかに(自民公明)与党への不安とほぼ恐怖、そしてあらゆる停滞への疲労感。
もうこりゃダメだ!!となったら誰かに会おうとすればよかったのに、それができないから何もかも停滞する。
なので今年見た映画のリストを眺めている。15本。
先週末、お金を使っても良いからいい服や新しいスニーカーを買おうかなと思ったが、覚悟が甘く、そこまで響かない安価な服を買い、でもこれを買うくらいならもうちょっと出して胸を張って着られる服を買うべきだった、と今思っている。
日曜日は風が冷たく、軽い方の冬コートを着たかったくらいだけれど、街を歩く人はペラペラのベージュのトレンチやブラウスの下にキャミソール、もしくは薄いカーディガンやデニムジャケットの人ばかりだった。私が着ていたジャケットも私によく似合っていたけれど、ボトムスがややくたびれており、くたびれているように自分から見えてしまったらそれはくたびれており、私は随分とみすぼらしい感じがした。
原宿や渋谷や新宿の人通りの多い道沿いのカフェで道を眺めてぼんやりするのが好きだったのに、今はカフェでぼんやりするのも緊張してしまうから、それもできない。(こちらが向こうをじっと見る時、向こうからも私がよく見えているだろうけど、別に気にしない、みんな流れて行くだけだ、誰も私を知らない)
街を歩く人をぼんやり何十分か眺めながら、私はこんな服を着ようかな、と決めていたのにそれができず、だからいまひとつピンとこない。
美術館も何となく大きいものをやっていない(今京都に来ているピピロッティリスト見たい、昔スペインで見たよ、水戸芸の巡回で見るかも)。
私が好きなのはインスタレーションなので、作家が美術館に合わせて設置してくれないと厳しい。つらい。
ボルタンスキーが東京各所でやっていたあの時はとても良かった。
今年見た映画。ペニンシュラは去年の締めに見た。ダサいボーダーTシャツを着ていてもカンドンウォンは可愛い。アクションも泣かせもバイオレンスも家父長制の破壊もフェミニズムも盛りに盛って盛って出してもらえて大満足だった。
1、Swallow
育った家では家父長制に存在感がなく、大人になってからフェミニズムを勉強しだしたし、友だちにもゴリゴリとフェミニズムの話をできる人がいるけれど、この映画の主人公が孤独なのがとても好きだった。フッドするシスターがいなくても、やるのだ。
エンディング曲で涙が止まらなくなり、トイレで泣いた。
とにかく中絶薬の日本での認可が必要だ。中絶・堕胎は女性の意思と選択で科学・医療・テクノロジーを駆使して苦痛を減らし行われるべきだ。差別の蔓延る日本で生きることは屈辱的ですらある。外国に行ってもマイノリティ性は強まり、あまり解決しないだろう。だからこの国が変われば良いと思う。列島に生きるあらゆる人のために。(私のフェミニズムは機能不全家族入りからの信田さよ子先生スタート)
長くなってきたのでつづく(あと14本)
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arara1212 · 4 years ago
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小諸市「草笛 小諸本店」腹いっぱいもりそば 店名 草笛 小諸本店 場所 長野県小諸市古城1-1-10 電話 0267-22-2105 ジャンル そば屋 バリアフリー ◯ 駐車場 あり 食べたもの 「もりそば 中盛」1000円、「かきあげ」250円   そばって美味いものなのか と、つくづく思うのだ。絶妙なゆで加減と歯ごたえ、��によりそばの香りがいいんだよ、という事は分からなくもないのだが、絶妙なゆで加減と歯ごたえであればうどん、とくに讃岐うどんとの比較の上で語られるべきであるし、香りがよいというのであれば、余計な手を加えずにそば粉だけ口にしていればよいではないか。  などという野暮な事しか思い浮かばなかったのは、正式ないわゆる「美味いそば」を食べたことがなかったからでしかない。ちゃんとした地域の、真面目に調じられたそばはそれなりに美味いのだ。戸隠の某旅館(名を忘れた)の宴席でいただいたそばは驚愕するほど美味かった。そばの強烈な香りと、つるんぬるんとろんという感触に恐れ慄いてしまったのを記憶する。締めだから三ぼっちしかなかったのが残念でならなかった。  とはいえ、そばじゃ腹いっぱいにならねーよ。という者もいる。もちろん私の事であるが、そばに限らず美味いものは少ししか出てこないのだ。池波正太郎のように  「年末銀座で賀状用の画材を買い込み、少し足をのばして浅草寺に参拝したのちに藪蕎麦でひと休み。海苔で熱いのを一本飲んだあと、そばで腹をつくり帰宅」  なんてカッコいい事をしたくてたまらないが、なにぶん胃袋は高校生のままなのだ。困ったものだ、あああそばで腹いっ��いになるところはないものか。   「草笛 小諸店」 私にとっての「そばとの邂逅」は草笛にあるといって過言ではない。上田に住む私の「心のアニキ」に連れられていった、タルに入ったそばの量に驚愕して以来定期的に通い続ける店なのだ。  上田、佐久、長野と昔からある店舗にはお邪魔したことがあるのだが、新しくできた上田お城前と長野MIDORIはいつも混んでいそうだから行った事がない。そういえば小諸の本店にもなぜか行った事がない。ちょうど近くにいるから行ってみようかとしなの鉄道の跨線をくぐる。  道路沿いに駐車したが、せっかくだからぐるっと回って懐古園の門をくぐり店舗へと向かう。小さいとはいえ旧小諸城の門は黒々としていてかっこよい。懐古園をひと回りしたいが、そんな時間はないし季節もまだ早すぎる。  昼どきを少し回っていたが、八割方の入りであるのはさすがの草笛だ。厨房の見えるテーブルに通され、おばちゃんたちが忙しく立ち回るのを愛でながら注文はいつものあれだ。   「かきあげ」250円 ファミリーレストランではないので、各店舗ごとにいろいろ違いはあるが、かきあげがもっとも違いがあると思う。佐久は忘れたが、上田はもう少し小ぶりで、長野はもっとデカくて厚いが揚げが甘くて時としておやきを食べている気分になるときがある。しかし、さすが本店。ピシッとサクサクに揚がっていてとてもよい。  「もりそば 中盛」1000円 懐古園にちなんだ「藤村そば」なるメニューを見かけたが、ここはいつも通りのもりそばで。といっても大盛りを注文する勇気も元気もない。所詮は50すぎのくたびれオヤジ。中盛がほどよいところであろう。  紅と黒のタル目いっぱいにまで詰め込まれたそば。これは乾燥しないように底の深い器を探して、ここに至ったのだそうだが、それにしてもど迫力。上底という概念はおそらくないのであろう。ほかは知らんが、うちは味と量で勝負だぜ、という気概に満ちているようだ。  味といえば鰹節が強烈に効いたつゆも素晴らしい。一部のものから 「そばではなくうどん」 と揶揄されるほど柔らなふわふわそばもよい。こういう存在なのだ。なにか文句あるか。   という事で草笛本店を堪能。やはり私にとってそばは草笛でしかない。ああ腹いっぱいだ、仕事に向かおう。    #長野  #長野観光  #長野カフェ  #長野県  #長野グルメ  #長野旅行  #小諸  #小諸市  #そば  #そば好き  #そば屋  #そば打ち  #そば処  #そば粉  #そばがき  #蕎麦  #蕎麦スタグラム  #蕎麦屋  #蕎麦好き  #蕎麦の花  #蕎麦好きな人と繋がりたい  #蕎麦屋巡り  #蕎麦畑  #蕎麦ランチ  #蕎麦打ち  #蕎麦猪口  #蕎麦部  #コロナに負けるな #좋아요_한국 #좋아요_일본 (草笛) https://www.instagram.com/p/CMFrMIhAJeK/?igshid=10q511ty3i04d
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teretteeen · 4 years ago
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ルシェ族現パロ本あとがき
 2021年3月20日に発行したセブンスドラゴンシリーズルシェ族現パロ本『ラグトレイン』(https://www.pixiv.net/artworks/88376714)について、本に載りきらなかった各キャラの設定や各話のあれそれについてだらだらと語っている記事です。毎回ペーパーでやれと思っています。本同様好き放題にしていますのでご了承ください。また、もしこの本を読んで何かを感じてくださったり想像してくださったことなどがありましたら間違いなくそれが全てです、むしろ教えて下さいお願いいたします…。
■誌名・表紙
 誌名は、稲葉曇(Vo.歌愛ユキ)様の曲『ラグトレイン』(https://youtu.be/UnIhRpIT7nc)よりお借りしていました。
 ご存知の方も多いのではないかと思います。そうでない方も、最高の曲なのでぜひ1度聴いてみてください。今回の『ラグトレイン』だけでなく『ゴーアクション!』『クライアンドダウン!』も曲名からで、私自身は曲名(イメソン)=誌名の同人誌が大好きなんですが、こう、地雷踏んでたら申し訳ありません…特に今回は内容が内容なので…まあやっている時点でアレですしこれからもしていくのですが…最初から話それました。
 ちなみに『ゴーアクション!』の元の曲はこちら(https://youtu.be/VgG6xtXJesM)で『クライアンドダウン!』の元の曲はこちら(https://www.nicovideo.jp/watch/sm18361932)です。どちらも最高曲です。
 表紙色は『ラグトレイン』PVに合わせてグレースケールにしています。表紙に手をつけたのが締切当日だったので色なしで本当に助かった…。誌名フォントは作字鉄道書体(https://sakujitetsu.com/)です。これも予定していたフォントを紛失して当日慌てて探している中で見つけたのですがフォント名で選びました。
■プロローグ
 そもそも『ドラゴンは襲来しなかったがルシェ族は存在する世界線』とは、という話なんですが、ざっくりこんなイメージです。
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 要は『ぼくのわたしのかんがえたさいきょうの自己解釈セブンスドラゴン』です。セブンスドラゴンシリーズの妄想全部そうなので今更ですが…。
 最高個体値の狩る者(=3主人公)が星から生まれることで3の物語は始まりますが、星がそのレベルの狩る者を生み出すためには星自体のレベルを上げなくてはならず(真竜を撃退し歴史や文明を繰り返し続けることで、星が内包するエントロピーをより膨大なものにしていかなくてはならず)、そのレベル上げのために幾千幾億もの2020・2020-iiや無印を含む歴史を繰り返す、というイメージです。つよくてニューゲーム的なセイバールート凛ルートクリアしてからの桜ルート的なスパロボの撃墜数引継&撃墜数による別ルート発生的な…。
 最初はルシェが生まれない歴史や真竜が現れない歴史、2020・2020-iiや無印が存在しない歴史などももちろんありましたが、繰り返していくうちにある程度歴史が固定され、ATL(真竜襲来・ルシェ消滅)→TKY(真竜襲来・ルシェ復活)→EDN(真竜襲来)が基本的な歴史の流れとなりました。これにより多少起こらない事象/予定していない事象があったとしても、基本的な歴史の流れへと修正される力が働くようになります。
『ラグトレイン』はこの基本的な歴史の流れが定まり始めた後かつ3の前の話で、本来は真竜襲来とセットとなっていたルシェの復活が、歴史修正力により真竜が襲来せずとも発生した、そんな世界線の話です。
『ラグトレイン』のルシェ族には首輪がついていますが、これは管理番号や戸籍的なものをイメージしています。ペットにマイクロチップを装着させるようなアレです。ならマイクロチップで良いんですが、絵的にもより人間に管理されている印象を持たせるためにも首輪の方が良いなと思ったのでそうしています。
■1話目/海を見に行きたいルシェ族の少女と人間の少年
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 渾身のおねショタです!!!!渾身のおねショタです、と書いたらそれ以外の語りたかったであろう内容全て飛びました。この話は『ラグトレイン』の歌詞やPVにあるように電車に乗ったりルシェを海へ向かわせたり人間を憎むルシェとルシェを知らない人間の出会いだったりそれが人間の心に残り続けるようなだったり、『ラグトレイン』におけるルシェやルシェと人間、を描けた気がするので結構満足しています。そのふんわり部分を言語化するための記事な気がするのですが、そこは置いておくことにします。強いて挙げるならフキダシやコマの大きさが気になりますね。他、美少女が得意でない絵柄なためルシェ少女を描くのにも四苦八苦していました。マンガ難しいです。
 原稿をしている間『ラグトレイン』の他、稲葉曇様のアルバムCDを購入し聞いていたのですが、その中の『ロストアンブレラ』で人間の少年、『絶体暗星』で死んだルシェ族少女を思い浮かべていました。
■2話目/援交しているルシェ族の少女と人間の青年
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 ルシェ族の男性(3話目)状態になるまであと一歩のところで止まることができた話です。これも結構満足に描けたといいますか、ガッッとキたのをバッッと描いた話だったので、ルシェ族の少女の笑顔に気をつかって描いたこと以外にあまり記憶がないです。なんといいますか、全部の話がそうですが、1番好きに読んで欲しい話な気がします。
■3話目/待ち人はもういないルシェ族の男性
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 未亡人/男やもめが似合うルシェ族グラ選手権断トツで優勝の無印セブンスドラゴン・ルシェヒーラーです!!!!ついでに主人公の母親や病弱なヒロインなどにたまに見られる髪型(軽く結わえた後ろ髪を肩にかける)も似合うけど絶対に死なない選手権も上位狙えると思います。
 これはシンプルにルシェと人は相容れないを無視し続けたらを描きたかったのだと思います、当人達は手を取り合っているのに周囲やこの世界が許さずに。あと、この辺りにとても良い定点観測型の同人誌を読んだので、それの影響を受けてこの型のマンガにしたような気がします。ちなみにこの型のマンガこれ背景1コマで済むじゃん!最高!!とかって余裕こいてたんですがルシェ族男性の表情がほんとにほんとにほんとにほんとに難しくて結局他の話とほとんど変わらない作画時間になりました。どうして…。そしてその御本というのがこれ(https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=758993)です。やはり永夜組は最高…。
■4話目/人間の世界を生きるルシェ族の青年と折れたルシェ族の青年
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 イメージCVについては今は素直に申し訳ないなと思っています。申し訳ありません…。何の事かわからない方はそのままでいてもらえると助かります。
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 けれどしかしカフェ…すごかったな…実質愛機コーデだしどう見てもひとりだけ老けていて…グレイトのGはバスター(ガンダム)のG…それはそれとしてこれがあとちょっとしたら軍に所属し戦争に参加し人殺しの道に進むようになりコーディの為ザフトの為覚悟を持ってというよりはコーディである故の万能さをナチュラルにひけらかしたいといった遊び感覚が勝っていて最初それをあまり意識しなかっただろうのが少し小馬鹿にしていた心優しい仲間が死んだことで実感させられきっと自身にもその感情があったろうに感情を露わに怒り悲しむ他の仲間をなだめるために放棄することを選んだりするのかと思うともう…ここ好きな話なんですね…しかもこの話HDリマスター版でスクライド顔に描き直されているのでつまり重要なシーンと捉えられているということになりませんか?わかる~~~~~~だよね~~~~~~贔屓目で見ている自覚はありますがでもこれはそうですね。2作品とも(4クール×2作品でシンプルに長いのもありますし)個人的に薦めたいと思う作品ではありませんがその部分も含めシン・アスカは何もかもが好きです。HDリマスター版確定わからされ握手最高です。シン・アスカとディアッカ・エルスマンと同僚してて欲しいです。そういうわけでSDガンダムフルカラー劇場をよろしくお願いいたします。話がそれました。
 『ラグトレイン』のルシェ達のほとんどはアトランティスやエデン、ルシェ族の歴史の記憶を持ってはいませんが、稀にどこかのルシェの記憶を持って生まれたり歴史を知るルシェ達がいます。生きるルシェは持たない者、折れたルシェは持つ者です。
 折れたルシェが最後に生きるルシェにも分かるように言った「神サマなんていない」は、『セブンスドラゴン世界での神とは何であるか』といった意味を持たせていました(もちろん生きるルシェはそのことを知る由もありませんが)。
『折れたルシェを殺した世界をこれからも生きていく、そしてそれを選ぶ生きるルシェが誇り』という別れの言葉も、『ラグトレイン』の世界で生きていくには逆に重荷になるかもしれないのですが、それでも生きるルシェはこれからも生き続けるんだと思います。ルシェ族なので。
 4話目も好きに描けましたが、ページ数の割に入れたい要素詰め込みすぎたような気がするのが少しだけ心残りです。マンガ難しいです。でもなきがおがかわいくかけたとおもいます!!
 また、この話は1話で挙げた稲葉曇様のアルバムCDの『渦巻ハナビ』も良いな…と思いながら聞いていました。この話の1ページ��の看板文字の一部はその曲名からでした。
■エピローグ(最後のページ)
 どの話でもこれやりたいあれやりたいというものがありますが、ラグトレインで特にやりたかったページはここだったなと思います。このページを読んだ後、表紙に戻っていただければ嬉しいです。
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keredomo · 4 years ago
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あなたが私を「同じではない」と思っていることに私は気づいている。私はあなたを「初めて出会えた、同じである人だ」と思って慕い始めたことをあなたは知っているのだろうか(多分知っているのだろう)。
 多くの小説には根源的な怯えがない。「自分は人に当然備わっている何かが欠けているのではないか」という狂おしい不安がない。ただ、小手先で大衆にとって面白みのある世界を構築して、自分の築き上げたお山の大将になれたことを愉快がってうっとりと悦に浸っているのを感じる。なんだかそんなのばかりで苛々するよ。
 小説の話をしていた。パークホテルのロビーのカフェだった。太陽が燦々と輝き暴力的な光が窓から差し込んで全てを顕わにする土曜の昼下がり、私は彼女とコーヒーを飲む。大いなる欠落によって確固たる「欠如の世界」を築き上げたある小説家の話をしていた。その不安を称えつつ、その小説家が著すような良質な不安を滅多に享受できない現状への苛立ちを吐露したのが先の話だ。  一呼吸おいて、彼女は戸惑いの表情を示した。
 それ、同じことをさ、言ったのか言わされたのかは定かではないけれど。私はこのあいだ、あなたの文章に対して同じことを言ったよね。
 ぽかんとする私と目を合わせ、彼女は続ける。
 あなたの文章は、社会的に・ちゃんと・問題なく・生きていられる人間が、余技で書いているものであると。授かった、あるいは培った文章力で遊んでいるだけのように見えると。このあいだ、そう言ったよ。あなたが今言ったのと同じことを、あなたに。
 ぱちぱちと瞬きをして、しばし茫然としたのち、
 あは、そうだっけ、そうだったかも。うん、そうだったそうだった。思い出した。酔っ払ってたけど、そこだけ覚えてる。ってことは、私、言われたことを、飲み込まずに他人に転嫁しちゃったのか。あはは。うわ、恥ずかしい。
 笑うしかないので笑った。
 それからずっと考え込んでいる。私のこれは余技なのか、それとも、切実さが伝わるほど熟達していないせいでそう取られるのか、それとも、切実さの質の問題であるのか、書く側と読む側がまったく異なる切実さを抱いている場合そこに断絶が生まれるとかそういうことなのか、それとも、私自身が書くときに本来の切実さから逃げている結果なのか、それとも、私のこれはやはり余技なのか、それとも、余技に見せたくてそのように書いているのか、やはり、切実さの種類によって伝わる相手と伝わらない相手があるのか、それとも、私が抱いている切実な不安は切実さとして成立するほど切実なものではないのか、それともそんなものははなからないのか、それとも技術の未熟ゆえなのか、それとも、やはり逃げているからなのか、それとも、この切実さを知らせるためにはもう一層、重ねる必要があるのかそれとも掘り下げる必要があるのかそれとももっと別の表現を選ぶべきなのかそれとも、私の切実さについての私の認識は、私がでっち上げた虚構の不安なのか。虚構の不安なのか。虚構の不安なのかもしれない。
 彼女は言う。あなたは何も欠いていないと。何も欠如していないと。  こいつ、そのくせ文章を書く輩だと、訝しく思われているのだろうか。そのくせ文章を書く、傲慢な輩だと、思われているのだろうか。私がほかの手遊びで文章を書いている小説家に対して思ったのと同じことを、私に対して思っている彼女を想像する。
 私の手によって書かれたもの。それは私と明らかに地続きで、けれども一枚、「言語」のヴェールを被っている。言語のヴェールを美しく織り上げるのはたのしい。言語のヴェールを美しく織り上げることに私がこれほど躍起になるのがなぜか、彼らは薄々わかっているけれど決して口にしない。
 彼女は「血肉にしようという目的意識をもって本を読む」人間を「確信に満ちた人々」と呼ぶ。何も欠いていない人々であると。彼女は本の世界を生きている。  本の世界を生きている彼女と違って、私はまったくの文盲である。いつだって本が私を跳ね返す。招き入れてもらったことなんか一度だってない。拒絶され、締め出され、それでも食い下がる。お願いだから私もそこに入れてくれ。お願いだから、私もその真っ白な世界の仲間に入れてくれ。
 私は文章が織りなす世界に拒絶されている。この、疎外感。私の周りにいる、当たり前にものを読める人間には絶対にわからない。当たり前にものを読める人間たちは、私も当然同類だろうとふんで、私を受け入れる。うれしい。私はものを読めるふりをする。しかし私はものを読めない。私は本当は何も読めない。この世に書かれてあるありとあらゆる文章が、私を拒絶する。いつだって疎外感に打ち拉がれている。文章が私に寄り添ってくれたことなど、一度たりともない。
 血肉にするしかないじゃないか。
 私はばりばりと食らう。殺して、解体して、肉を食い、血を啜り、骨を残して去る。文章は形を失い、私はもう在りし姿を思い出せない。  食う側に回れなかった時はいつだって食われる。文章に安らぎをもらったことなんかない。一度だってない。活字はきっぱりと私を拒絶する。整然と並ぶ文字列が私を跳ね返す。あるいは私を消滅させようとする。私と文章は敵対関係にある。
 私がいくら、私の精神は五体満足で生まれておらず、精神の不具を、精神の片手落ちを、精神の唖を、精神の瞽を、精神の聾を、食らうことで治癒させようと、治療しようと、そういう切実さでもって必死に食らっているのだと、言ったところであの真っ白な文章の国に恭しく招待された側の人間にはわからない。絶対にわからない。私が必死になって血肉とした私の言葉でどんなに切々と叫んでも、文章の国の人間に、蛮族の言葉は伝わらないのかもしれない。私の切実さは、誰にも。
 すらすら書ける。思ってもいないことをさも思っているかのように書ける。思ってもないことを場の必要に応じて言える。嬉しいとも思っていないのに笑える。同意していないのに微笑む。私は何か得体のしれない糸によって行動を操られている。
 それでも私は、主導権を取り戻そうとして書いている、
 物事が起こっている時わたしは何もわかっていない。何一つわからずただ目がカメラになる、皮膚が印画紙になるそして何もかも終わってから頭が働きはじめる。体に記録された災害を一つずつなぞり始める。はんすうして、反復して、ようやく涙する、
 ようやく涙する。  その時々に、涙できなかったことについて書こうとする。  涙するために書いている。
 私は文章を書いて暮らすあなたを「初めて出会えた、同じである人だ」と思って、嬉しくて、心底安堵して、それがゆえにあなたを慕い始めたことを、あなたは知っているのだろうか(多分知っているのだろう)(あなたはとても聡い人であり、そして、書く人はものごとの帰と結のあいだにある微妙な流れと襞とに敏感であると、私も私でよく知っている)。  あなたがそれを知っているからその微妙な襞のことを慮れ、だなんて図々しいことは言わないから安心してほしい。目的は違えど、私たちは書いている。それで十分、私にとっては救いであった。  大丈夫。私は私のために書いている。それが本当は、いつか誰かにわかってほしいという切実さをはらんだものだとしても。
(2019/06/12 00:19)
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tomoya-jinguuji · 6 years ago
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一 はじめに  平成最後の施政方針演説を、ここに申し述べます。  本年四月三十日、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が翌五月一日に御即位されます。国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう、万全の準備を進めてまいります。  「内平らかに外成る、地平らかに天成る」  大きな自然災害が相次いだ平成の時代。被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありました。  阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお、地域の人々の記憶に刻まれています。  商店街の皆さんは、復興への強い決意と共に、震災後すぐに仮設店舗で営業を再開。全国から集まった延べ二百万人を超えるボランティアも復興の大きな力となりました。かつて水仙が置かれた場所は今、公園に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。  東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭で、たくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。  「この水仙のように、私たちも頑張ります。」  東北の被災地でも、地元の皆さんの情熱によって、復興は一歩一歩着実に進んでいます。平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。  「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」  明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。  急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。 二 全世代型社会保障への転換 (成長と分配の好循環)  この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長しました。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。  そして、この成長の果実を、新三本の矢によって、子育て支援をはじめ現役世代へと大胆に振り向けてきました。  児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少いたしました。  五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇し、新たに二百万人の女性が就業しました。  成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。「成長と分配の好循環」によって、アベノミクスは今なお、進化を続けています。 (教育無償化)  我が国の持続的な成長にとって最大の課題は、少子高齢化です。平成の三十年間で、出生率は一・五七から一・二六まで落ち込み、逆に、高齢化率は十%から三十%へと上昇しました。  世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要です。  子どもを産みたい、育てたい。そう願う皆さんの希望を叶(かな)えることができれば、出生率は一・八まで押し上がります。しかし、子どもたちの教育にかかる負担が、その大きな制約となってきました。  これを社会全体で分かち合うことで、子どもたちを産み、育てやすい日本へと、大きく転換していく。そのことによって、「希望出生率一・八」の実現を目指します。  十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化いたします。小学校・中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。  待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。  来年四月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。  家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちの誰もが、自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる。そうした社会を創り上げてこそ、アベノミクスは完成いたします。  子どもたちこそ、この国の未来そのものであります。  多くの幼い命が、今も、虐待によって奪われている現実があります。僅か五歳の女の子が、死の間際に綴(つづ)ったノートには、日本全体が大きなショックを受けました。  子どもたちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子どもたちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。 (一億総活躍)  女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の三割は女性です。  彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、三年で二倍、急成長を遂げています。  女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。  女性活躍推進法を改正し、このうねりを全国津々浦々の中小企業にも広げます。十分な準備期間を設け、経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援してまいります。  パワハラ、セクハラの根絶に向け、社会が一丸となって取り組んでいかなければなりません。全ての事業者にパワハラ防止を義務付けます。セクハラの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するほか、公益通報者保護に向けた取組を強化し、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいります。  働き方改革。いよいよ待ったなしであります。  この四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行となります。企業経営者の皆さん。改革の時は来ました。準備はよろしいでしょうか。  長年続いてきた長時間労働の慣行を断ち切ることで、育児や介護など様々な事情を抱える皆さんが、その事情に応じて働くことができる。誰もがその能力を思う存分発揮できる社会に向かって、これからも、働き方改革を全力で推し進めてまいります。  障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。  人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。  元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。  この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。  平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。 (全世代型社会保障)  少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならない。お年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。  高齢化が急速に進む中で、家族の介護に、現役世代は大きな不安を抱いています。介護のために仕事を辞めなければならない、やりがいを諦めなければならないような社会はあってはなりません。  現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指し、引き続き全力を尽くします。  二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備します。ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行います。  認知症対策の強化に向けて、夏までに新オレンジプランを改定します。認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減します。  勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆様にお詫び申し上げます。雇用保険、労災保険などの過少給付について、できる限り速やかに、簡便な手続で、不足分をお支払いいたします。基幹統計について緊急に点検を行いましたが、引き続き、再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行ってまいります。  全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味では、全くありません。むしろ、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提であります。  六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減します。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保してまいります。  こうした社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます。  少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  増税分の五分の四を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。  同時に、来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させるため、思い切ったポイント還元を実施します。自動車や住宅への大幅減税を行い、しっかりと消費を下支えします。  来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、「戦後最大のGDP六百兆円」に向けて着実に歩みを進めてまいります。 三 成長戦略 (デフレマインドの払拭)  平成の日本経済はバブル崩壊から始まりました。  出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となりました。設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていきました。  失われた二十年。その最大の敵は、日本中に蔓延したデフレマインドでありました。  この状況に、私たちは三本の矢で立ち向かいました。  早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は十四兆円増加しました。二十年間で最高となっています。人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です。  日本企業に、再び、未来へ投資する機運が生まれてきた。デフレマインドが払拭されようとしている今、未来へのイノベーションを、大胆に後押ししていきます。 (第四次産業革命)  世界は、今、第四次産業革命の真っただ中にあります。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしています。  自動運転は、高齢者の皆さんに安全・安心な移動手段をもたらします。体温や血圧と��った日々の情報を医療ビッグデータで分析すれば、病気の早期発見も可能となります。  新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略であります。  時代遅れの規制や制度を大胆に改革いたします。  交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁します。寝たきりの高齢者などが、自宅にいながら、オンラインで診療から服薬指導まで一貫して受けられるよう、関係制度を見直します。外国語やプログラミングの専門家による遠隔教育を、五年以内に全ての小中学校で受けられるようにします。  電波は国民共有の財産です。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行います。携帯電話の料金引下げに向け、公正な競争環境を整えます。  電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行うことで、引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革します。  急速な技術進歩により、経済社会が加速度的に変化する時代にあって最も重要な政府の役割は、人々が信頼し、全員が安心して新しいシステムに移行できる環境を整えることだと考えます。  膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要です。その上で、国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国、欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築してまいります。  人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立ててまいります。  イノベーションがもたらす社会の変化から、誰一人取り残されてはならない。この夏策定するAI戦略の柱は、教育システムの改革です。  来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにします。  我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。  経済活動の国境がなくなる中、日本企業の競争力、信頼性を一層グレードアップさせるために、企業ガバナンスの更なる強化が求められています。社外取締役の選任、役員報酬の開示など、グローバルスタンダードに沿って、これからもコーポレートガバナンス改革を進めてまいります。 (中小・小規模事業者)  中小・小規模事業者の海外輸出は、バブル崩壊後、二倍に拡大しました。  下請から脱し、自ら販路を開拓する。オンリーワンのワザを磨く。全国三百六十万者の中小・小規模事業者の皆さんは、様々な困難にあっても、歯を食いしばって頑張ってきました。バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんです。  新しいチャレンジをものづくり補助金で応援します。全国的に人手不足が深刻となる中で、IT補助金、持続化補助金により、生産性向上への取組も後押しします。  四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進めます。  後継者の確保も大きな課題です。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大します。  TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小・小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンスです。「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、海外でのマーケティング、販路開拓を支援してまいります。 四 地方創生 (農林水産新時代)  安全でおいしい日本の農産物にも、海外展開の大きなチャンスが広がります。農林水産品の輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。  同時に、農家の皆さんの不安にもしっかり向き合います。二次補正予算も活用し、体質改善、経営安定化に万全を尽くします。  素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引き渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じます。  農こそ、国の基です。  守るためにこそ、新たな挑戦を進めなければならない。若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創ります。この六年間、新しい農林水産業を切り拓くために充実させてきた政策を更に力強く展開してまいります。  農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高めます。  国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とします。美しい森を守るため、水源の涵養、災害防止を目的とした森林環境税を創設します。  水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を力強く支援します。  平成の、その先の時代に向かって、若者が自らの未来を託すことができる「農林水産新時代」を、皆さん、共に、築いていこうではありませんか。 (観光立国)  田植え、稲刈り。石川県能登町にある五十軒ほどの農家民宿には、直近で一万三千人を超える観光客が訪れました。アジアの国々に加え、米国、フランス、イタリア、イスラエルなど、二十か国以上から外国人観光客も集まります。  昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗りました。北海道、東北、北陸、九州で三倍以上、四国で四倍以上、沖縄では五倍以上に増えています。消費額にして、四兆五千億円の巨大市場。  観光立国によって、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業が生まれました。  来年の四千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ空の玄関口、羽田、成田空港の発着枠を八万回増やします。世界一安全・安心な国を実現するため、テロ対策などの一層の強化に取り組みます。国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速します。  来年三月の供用開始に向け、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。発着枠を大幅に拡大することで、アジアと日本とをつなぐハブ機能を強化してまいります。  北海道では、昨年、フィリピンからの新たな直行便など、新千歳空港の国際線が二十五便増加しました。雄大な自然を活かした体験型ツーリズムの拡大を後押しします。広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます。 (地方創生)  観光資源などそれぞれの特色を活かし、地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。これが安倍内閣の地方創生です。  地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設します。  十年前、東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上になりました。  若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。  地域おこし協力隊を、順次八千人規模へと拡大します。東京から地方へ移住し、起業・就職する際には、最大三百万円を支給し、地方への人の流れを加速します。  若者たちの力で、地方の輝ける未来を切り拓いてまいります。 (国土強靱(じん)化)  集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を「想定外」と片付けるわけにはいきません。  七兆円を投じ、異次元の対策を講じます。  全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組みます。  四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱(じん)なライフラインを整備します。  風水害専門の広域応援部隊を全ての都道府県に立ち上げ、人命救助体制を強化します。  ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で、災害に強い国創り、国土強靱(じん)化を進めてまいります。 (東日本大震災からの復興)  九月二十日からいよいよラグビーワールドカップが始まります。五日後には、強豪フィジーが岩手県釜石のスタジアムに登場します。  津波で大きな被害を受けた場所に、地元の皆さんの復興への熱意と共に建設されました。世界の一流プレーヤーたちの熱戦に目を輝かせる子どもたちは、必ずや、次の時代の東北を担う大きな力となるに違いありません。  東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込みです。  原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻ります。  家々の見回り、草刈り、ため池の管理。将来の避難指示解除を願う地元の皆さんの地道な活動が実を結びました。政府も、インフラ整備など住民の皆さんの帰還に向けた環境づくりを進めます。  福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組んでまいります。  来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しようではありませんか。 五 戦後日本外交の総決算 (公正な経済ルールづくり)  昨年末、TPPが発効しました。来月には、欧州との経済連携協定も発効します。  いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルです。  自由貿易が、今、大きな岐路に立っています。  WTOが誕生して四半世紀、世界経済は、ますます国境がなくなり、相互依存を高めています。新興国は目覚ましい経済発展を遂げ、経済のデジタル化が一気に進展しました。  そして、こうした急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出しています。  今こそ、私たちは、自由貿易の旗を高く掲げなければならない。こうした時代だからこそ、自由で、公正な経済圏を世界へと広げていくことが、我が国の使命であります。  昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードしてまいります。  国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。その決意であります。 (安全保障政策の再構築)  平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行ってまいります。  我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟です。  平和安全法制の成立によって、互いに助け合える同盟は、その絆(きずな)を強くした。日米同盟は今、かつてなく強固なものとなっています。  そうした深い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。これまでの二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。  自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。  冷戦の終結と共に始まった平成の三十年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している���実があります。  テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となりました。  もはや、これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能であります。  国民の命と平和な暮らしを、我が国自身の主体的・自主的な努力によって、守り抜いていく。新しい防衛大綱の下、そのための体制を抜本的に強化し、自らが果たし得る役割を拡大します。サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進めてまいります。 (地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ)  我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。  この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。  平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。  昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。  ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。  北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。  北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするため、これまでの発想にとらわれない、新しい時代の近隣外交を力強く展開いたします。  そして、インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げてまいります。 (世界の中の日本外交)  中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開してまいります。  TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援していきます。  世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられています。  我が国は四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しました。他方で、長期目標である二〇五〇年八十%削減のためには非連続的な大幅削減が必要です。環境投資に積極的な企業の情報開示を進め、更なる民間投資を呼び込むという、環境と成長の好循環を回すことで、水素社会の実現など革新的なイノベーションを、我が国がリードしてまいります。  プラスチックによる海洋汚染が、生態系への大きな脅威となっています。美しい海を次の世代に引き渡していくため、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、ごみの適切な回収・処分、海で分解される新素材の開発など、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。  本年六月、主要国のリーダーたちが一堂に会するG20サミットを、我が国が議長国となり、大阪で開催します。  世界経済の持続的成長、自由で公正な貿易システムの発展、持続可能な開発目標、地球規模課題への新たな挑戦など、世界が直面する様々な課題について、率直な議論を行い、これから世界が向かうべき未来像をしっかりと見定めていく。そうしたサミットにしたいと考えています。  これまでの地球儀俯瞰(ふかん)外交の積み重ねの上に、各国首脳と築き上げた信頼関係の下、世界の中で日本が果たすべき責任を、しっかりと果たしていく決意です。  平成の、その先の時代に向かって、新しい日本外交の地平を拓き、世界から信頼される日本を、皆さん、勇気と誇りを持って、共に、創り上げていこうではありませんか。 六 おわりに  二〇二五年、日本で国際博覧会が開催されます。  一九七〇年の大阪万博。リニアモーターカー、電気自動車、携帯電話。夢のような未来社会に、子どもたちは胸を躍らせました。  「驚異の世界への扉を、いつか開いてくれる鍵。それは、科学に違いない。」  会場で心震わせた八歳の少年は、その後、科学の道に進み、努力を重ね、世界で初めてiPS細胞の作製に成功しました。ノーベル生理学・医学賞を受賞し、今、難病で苦しむ世界の人々に希望の光をもたらしています。  二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。  憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。  御清聴ありがとうございました。
第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
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arabia634 · 6 years ago
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神戸! ・ 先月の関西旅行の神戸編 ・ ダンナと息子が甲子園に行っている間私は街を散策。なんの情報もなしに入った喫茶店サントスでホットケーキを。ホットケーキが売りらしく、もふっと厚くて美味しい☆中華街出てすぐの場所です。 ・ まだできたばかりのピーナッツホテルを視察。てっきりホテルとして一から建てたのかと思っていたら、おそらく事務所ばかり入っていたと思われるビルを改装した様子。一階はカフェでお土産も買えます。スヌーピーすきにはたまらない場所。 ・ 旅の締めはロープウェイでハーブ園へ。神戸には出張や旅行で何回か来てますが、新神戸駅近くなので必ずここには来て神戸の海と山キレイってやってる気がする。息子はところどころにあったハンモックに魅力されてました。 ・ #kobe #pancake #cafe #peanutshotel #ropeway #神戸 #ホットケーキ #サントス #ピーナッツホテル #ロープウェイ https://www.instagram.com/arabia634/p/BwA4XlNh_dD/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1udaygkkmpt5x
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xf-2 · 6 years ago
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一 はじめに
 平成最後の施政方針演説を、ここに申し述べます。  本年四月三十日、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が翌五月一日に御即位されます。国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう、万全の準備を進めてまいります。  「内平らかに外成る、地平らかに天成る」  大きな自然災害が相次いだ平成の時代。被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありました。  阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお、地域の人々の記憶に刻まれています。  商店街の皆さんは、復興への強い決意と共に、震災後すぐに仮設店舗で営業を再開。全国から集まった延べ二百万人を超えるボランティアも復興の大きな力となりました。かつて水仙が置かれた場所は今、公園に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。  東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭で、たくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。  「この水仙のように、私たちも頑張ります。」  東北の被災地でも、地元の皆さんの情熱によって、復興は一歩一歩着実に進んでいます。平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。  「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」  明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。  急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。
二 全世代型社会保障への転換
(成長と分配の好循環)  この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長しました。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。  そして、この成長の果実を、新三本の矢によって、子育て支援をはじめ現役世代へと大胆に振り向けてきました。  児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少いたしました。  五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇し、新たに二百万人の女性が就業しました。  成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。「成長と分配の好循環」によって、アベノミクスは今なお、進化を続けています。
(教育無償化)  我が国の持続的な成長にとって最大の課題は、少子高齢化です。平成の三十年間で、出生率は一・五七から一・二六まで落ち込み、逆に、高齢化率は十%から三十%へと上昇しました。  世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要です。  子どもを産みたい、育てたい。そう願う皆さんの希望を叶(かな)えることができれば、出生率は一・八まで押し上がります。しかし、子どもたちの教育にかかる負担が、その大きな制約となってきました。  これを社会全体で分かち合うことで、子どもたちを産み、育てやすい日本へと、大きく転換していく。そのことによって、「希望出生率一・八」の実現を目指します。  十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化いたします。小学校・中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。  待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。  来年四月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。  家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちの誰もが、自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる。そうした社会を創り上げてこそ、アベノミクスは完成いたします。  子どもたちこそ、この国の未来そのものであります。  多くの幼い命が、今も、虐待によって奪われている現実があります。僅か五歳の女の子が、死の間際に綴(つづ)ったノートには、日本全体が大きなショックを受けました。  子どもたちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子どもたちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。
(一億総活躍)  女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の三割は女性です。  彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、三年で二倍、急成長を遂げています。  女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。  女性活躍推進法を改正し、このうねりを全国津々浦々の中小企業にも広げます。十分な準備期間を設け、経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援してまいります。  パワハラ、セクハラの根絶に向け、社会が一丸となって取り組んでいかなければなりません。全ての事業者にパワハラ防止を義務付けます。セクハラの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するほか、公益通報者保護に向けた取組を強化し、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいります。  働き方改革。いよいよ待ったなしであります。  この四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行となります。企業経営者の皆さん。改革の時は来ました。準備はよろしいでしょうか。  長年続いてきた長時間労働の慣行を断ち切ることで、育児や介護など様々な事情を抱える皆さんが、その事情に応じて働くことができる。誰もがその能力を思う存分発揮できる社会に向かって、これからも、働き方改革を全力で推し進めてまいります。  障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。  人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。  元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。  この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。  平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。
(全世代型社会保障)  少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならない。お年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。  高齢化が急速に進む中で、家族の介護に、現役世代は大きな不安を抱いています。介護のために仕事を辞めなければならない、やりがいを諦めなければならないような社会はあってはなりません。  現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指し、引き続き全力を尽くします。  二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備します。ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行います。  認知症対策の強化に向けて、夏までに新オレンジプランを改定します。認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減します。  勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆様にお詫び申し上げます。雇用保険、労災保険などの過少給付について、できる限り速やかに、簡便な手続で、不足分をお支払いいたします。基幹統計について緊急に点検を行いましたが、引き続き、再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行ってまいります。  全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味では、全くありません。むしろ、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提であります。  六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減します。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保してまいります。  こうした社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます。  少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  増税分の五分の四を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。軽減税率を導入するほ��、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。  同時に、来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させるため、思い切ったポイント還元を実施します。自動車や住宅への大幅減税を行い、しっかりと消費を下支えします。  来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、「戦後最大のGDP六百兆円」に向けて着実に歩みを進めてまいります。
三 成長戦略
(デフレマインドの払拭)  平成の日本経済はバブル崩壊から始まりました。  出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となりました。設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていきました。  失われた二十年。その最大の敵は、日本中に蔓延したデフレマインドでありました。  この状況に、私たちは三本の矢で立ち向かいました。  早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は十四兆円増加しました。二十年間で最高となっています。人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です。  日本企業に、再び、未来へ投資する機運が生まれてきた。デフレマインドが払拭されようとしている今、未来へのイノベーションを、大胆に後押ししていきます。
(第四次産業革命)  世界は、今、第四次産業革命の真っただ中にあります。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしています。  自動運転は、高齢者の皆さんに安全・安心な移動手段をもたらします。体温や血圧といった日々の情報を医療ビッグデータで分析すれば、病気の早期発見も可能となります。  新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略であります。  時代遅れの規制や制度を大胆に改革いたします。  交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁します。寝たきりの高齢者などが、自宅にいながら、オンラインで診療から服薬指導まで一貫して受けられるよう、関係制度を見直します。外国語やプログラミングの専門家による遠隔教育を、五年以内に全ての小中学校で受けられるようにします。  電波は国民共有の財産です。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行います。携帯電話の料金引下げに向け、公正な競争環境を整えます。  電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行うことで、引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革します。  急速な技術進歩により、経済社会が加速度的に変化する時代にあって最も重要な政府の役割は、人々が信頼し、全員が安心して新しいシステムに移行できる環境を整えることだと考えます。  膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要です。その上で、国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国、欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築してまいります。  人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立ててまいります。  イノベーションがもたらす社会の変化から、誰一人取り残されてはならない。この夏策定するAI戦略の柱は、教育システムの改革です。  来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにします。  我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。  経済活動の国境がなくなる中、日本企業の競争力、信頼性を一層グレードアップさせるために、企業ガバナンスの更なる強化が求められています。社外取締役の選任、役員報酬の開示など、グローバルスタンダードに沿って、これからもコーポレートガバナンス改革を進めてまいります。
(中小・小規模事業者)  中小・小規模事業者の海外輸出は、バブル崩壊後、二倍に拡大しました。  下請から脱し、自ら販路を開拓する。オンリーワンのワザを磨く。全国三百六十万者の中小・小規模事業者の皆さんは、様々な困難にあっても、歯を食いしばって頑張ってきました。バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんです。  新しいチャレンジをものづくり補助金で応援します。全国的に人手不足が深刻となる中で、IT補助金、持続化補助金により、生産性向上への取組も後押しします。  四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進めます。  後継者の確保も大きな課題です。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大します。  TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小・小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンスです。「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、海外でのマーケティング、販路開拓を支援してまいります。
四 地方創生
(農林水産新時代)  安全でおいしい日本の農産物にも、海外展開の大きなチャンスが広がります。農林水産品の輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。  同時に、農家の皆さんの不安にもしっかり向き合います。二次補正予算も活用し、体質改善、経営安定化に万全を尽くします。  素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引き渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じます。  農こそ、国の基です。  守るためにこそ、新たな挑戦を進めなければならない。若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創ります。この六年間、新しい農林水産業を切り拓くために充実させてきた政策を更に力強く展開してまいります。  農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高めます。  国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とします。美しい森を守るため、水源の涵養、災害防止を目的とした森林環境税を創設します。  水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を力強く支援します。  平成の、その先の時代に向かって、若者が自らの未来を託すことができる「農林水産新時代」を、皆さん、共に、築いていこうではありませんか。
(観光立国)  田植え、稲刈り。石川県能登町にある五十軒ほどの農家民宿には、直近で一万三千人を超える観光客が訪れました。アジアの国々に加え、米国、フランス、イタリア、イスラエルなど、二十か国以上から外国人観光客も集まります。  昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗りました。北海道、東北、北陸、九州で三倍以上、四国で四倍以上、沖縄では五倍以上に増えています。消費額にして、四兆五千億円の巨大市場。  観光立国によって、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業が生まれました。  来年の四千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ空の玄関口、羽田、成田空港の発着枠を八万回増やします。世界一安全・安心な国を実現するため、テロ対策などの一層の強化に取り組みます。国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速します。  来年三月の供用開始に向け、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。発着枠を大幅に拡大することで、アジアと日本とをつなぐハブ機能を強化してまいります。  北海道では、昨年、フィリピンからの新たな直行便など、新千歳空港の国際線が二十五便増加しました。雄大な自然を活かした体験型ツーリズムの拡大を後押しします。広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます。
(地方創生)  観光資源などそれぞれの特色を活かし、地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。これが安倍内閣の地方創生です。  地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設します。  十年前、東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上になりました。  若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。  地域おこし協力隊を、順次八千人規模へと拡大します。東京から地方へ移住し、起業・就職する際には、最大三百万円を支給し、地方への人の流れを加速します。  若者たちの力で、地方の輝ける未来を切り拓いてまいります。
(国土強靱(じん)化)  集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を「想定外」と片付けるわけにはいきません。  七兆円を投じ、異次元の対策を講じます。  全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組みます。  四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱(じん)なライフラインを整備します。  風水害専門の広域応援部隊を全ての都道府県に立ち上げ、人命救助体制を強化します。  ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で、災害に強い国創り、国土強靱(じん)化を進めてまいります。
(東日本大震災からの復興)  九月二十日からいよいよラグビーワールドカップが始まります。五日後には、強豪フィジーが岩手県釜石のスタジアムに登場します。  津波で大きな被害を受けた場所に、地元の皆さんの復興への熱意と共に建設されました。世界の一流プレーヤーたちの熱戦に目を輝かせる子どもたちは、必ずや、次の時代の東北を担う大きな力となるに違いありません。  東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込みです。  原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻ります。  家々の見回り、草刈り、ため池の管理。将来の避難指示解除を願う地元の皆さんの地道な活動が実を結びました。政府も、インフラ整備など住民の皆さんの帰還に向けた環境づくりを進めます。  福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組んでまいります。  来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しようではありませんか。
五 戦後日本外交の総決算
(公正な経済ルールづくり)  昨年末、TPPが発効しました。来月には、欧州との経済連携協定も発効します。  いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルです。  自由貿易が、今、大きな岐路に立っています。  WTOが誕生して四半世紀、世界経済は、ますます国境がなくなり、相互依存を高めています。新興国は目覚ましい経済発展を遂げ、経済のデジタル化が一気に進展しました。  そして、こうした急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出しています。  今こそ、私たちは、自由貿易の旗を高く掲げなければならない。こうした時代だからこそ、自由で、公正な経済圏を世界へと広げていくことが、我が国の使命であります。  昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードしてまいります。  国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。その決意であります。
(安全保障政策の再構築)  平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行ってまいります。  我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟です。  平和安全法制の成立によって、互いに助け合える同盟は、その絆(きずな)を強くした。日米同盟は今、かつてなく強固なものとなっています。  そうした深い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。これまでの二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。  自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。  冷戦の終結と共に始まった平成の三十年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している現実があります。  テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となりました。  もはや、これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能であります。  国民の命と平和な暮らしを、我が国自身の主体的・自主的な努力によって、守り抜いていく。新しい防衛大綱の下、そのための体制を抜本的に強化し、自らが果たし得る役割を拡大します。サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進めてまいります。
(地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ)  我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。  この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。  平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。  昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。  ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。  北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。  北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするため、これまでの発想にとらわれない、新しい時代の近隣外交を力強く展開いたします。  そして、インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げてまいります。
(世界の中の日本外交)  中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開してまいります。  TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援していきます。  世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられています。  我が国は四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しました。他方で、長期目標である二〇五〇年八十%削減のためには非連続的な大幅削減が必要です。環境投資に積極的な企業の情報開示を進め、更なる民間投資を呼び込むという、環境と成長の好循環を回すことで、水素社会の実現など革新的なイノベーションを、我が国がリードしてまいります。  プラスチックによる海洋汚染が、生態系への大きな脅威となっています。美しい海を次の世代に引き渡していくため、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、ごみの適切な回収・処分、海で分解される新素材の開発など、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。  本年六月、主要国のリーダーたちが一堂に会するG20サミットを、我が国が議長国となり、大阪で開催します。  世界経済の持続的成長、自由で公正な貿易システムの発展、持続可能な開発目標、地球規模課題への新たな挑戦など、世界が直面する様々な課題について、率直な議論を行い、これから世界が向かうべき未来像をしっかりと見定めていく。そうしたサミットにしたいと考えています。  これまでの地球儀俯瞰(ふかん)外交の積み重ねの上に、各国首脳と築き上げた信頼関係の下、世界の中で日本が果たすべき責任を、しっかりと果たしていく決意です。  平成の、その先の時代に向かって、新しい日本外交の地平を拓き、世界から信頼される日本を、皆さん、勇気と誇りを持って、共に、創り上げていこうではありませんか。
六 おわりに  二〇二五年、日本で国際博覧会が開催されます。  一九七〇年の大阪万博。リニアモーターカー、電気自動車、携帯電話。夢のような未来社会に、子どもたちは胸を躍らせました。  「驚異の世界への扉を、いつか開いてくれる鍵。それは、科学に違いない。」  会場で心震わせた八歳の少年は、その後、科学の道に進み、努力を重ね、世界で初めてiPS細胞の作製に成功しました。ノーベル生理学・医学賞を受賞し、今、難病で苦しむ世界の人々に希望の光をもたらしています。  二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。  憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。  御清聴ありがとうございました。
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