#龍折り財布
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galleryshinsaibashi · 9 months ago
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◆artherapie(アルセラピィ) 新作が入荷致しました◆ 【ネオドラゴン2つ折りがま口財布(BLACK×BLUE)】 定価:19,800円(税込) 弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/230862-62/ artherapie 株式会社ホワイ製〔WHY Co.,Ltd〕 素材:牛革 サイズ:約高さ110mm×横幅120mm×マチ幅35mm カラー:ブラック×ブルー カード入れ:9枚 日本製 前作のドラゴンシリーズをベースにした新シリーズ「ネオドラゴン」がリリースされました。 ドラゴンのデザインも新たに、判も新調した今回のシリーズ。 より、立体感のある型押しに、以前と同様に職人の手作業による着色で仕上げられています。 ※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。 ※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1階 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】4月無休、5月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected]
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aoiyhvh · 1 year ago
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仕事がしまって。帰省して、年が明けて…
お休みも折り返しに。
年明け、1月1日、震度7の大地震。石川能登の地でのこと、まだ全容は掴めておらず、この投稿のタイムリーには、馳知事が会見をしている。
東京の地では、なんだか変な、長い揺れだった。この寒い時期の東北で、大晦日明けの夕方、非常にしんどい夜かと思う。今後集まる情報が、最低限の被害であることを願う。津波の警報が続いているが、その被害についても確認中である。
午前中は羽田に、人の見送りに。別れ、搭乗時に財布を無くしたとかでバタり、結果見つかって良かったのだが、午前中のフライトから16時過ぎのフライトとなった。
目指す地は福井県。最寄りは石川県小松空港であり、直撃。当然欠航。予定のとおりであれば到着してい���だろうが、それはそれで、現地で直撃していたかもしれない。
限られた帰省は、明日のこともわからず、東京への戻りもどうなることやら、でもあり今年は諦めるとのことで、財布を無くしたことが、今回は良し悪し微妙なところだが、大きく左右したことに、なる。
閑話休題。
会社は、何年振りかの納会にて、締まった。ギリギリまでいろんなことが重なったが、そこで頑張ったおかげか、今のところ、休暇中になんか発生したとかはない。しかし、どこかで仕事を整理せんと、5日から早速パンパンの仕事が始まる…
翌日は午前中から、銀行→スタバで仕事→久々に映画に行った。とある成り行きで買ったチケット。内容には期待していなかったが、
良かった。とても。宇宙旅行に行く!は金だけでは実現できないことがよーくわかった。信念も、必要なのだ。金出してもらっても、少なくとも今の私では行けない。その後、三田の九頭龍で前倒しのそばとソースカツ丼。
翌日30日。やや空きのはず、と麻布台ヒルズに。やや空きだった。33階展望も、この程度。ご飯屋はまあ、時間帯もあり混んでいた。夕方、前倒しの帰省。ジャパネットおせちと、甥っ子も弄り倒す。お年玉を渡して、日帰り帰宅。
大晦日。大掃除は、29日に割と進めていて、その続きをし、またやや空きのはず、と麻布台ヒルズに。短縮営業だったので、普通に空いていて、平常時はまだ並ばずの食事は無理であろうが、とんかつ屋がするっと入れたので、特上ロース(2,700円)をいただいた。その後、ここも並ばずでは買えない京都発、アラビカコーヒーを飲む。ブルボ系。
年越しは、マッサージガンを当てていたら、明けていた。
で、今日。割と早起きで羽田に行って、その後は前述のとおり。
断捨離は、細かく、けっこうガシガシに捨てたが、年を越えた本日、まだ寿命ではないがこっちに越してきたときに買って一年足らずで小指の網のとこが破けてしまったサロモンと、調布のほうに住んでた時だからもう10年以上は経過した、加水分解バリバリのエアマックス1(A.P.C.)とのサヨナラが発生した。マックス1はマジでよく履いた。そろそろ捨てねばと、思ったこの3ヶ月ぐらい、さらに頻度を上げて履いたので、本体とソールがパカパカしていた。
とりあえず日本、私の感じたところではあるが「あけおめ」という感じはあんまりない。担当サービスの激烈忙殺や障害発生、松本さんと文春の件も年を越してからの本格進展かと思われ、元旦早々の大地震…辰年、暴龍。何かが起きそうだ、動き出しそうだ。
2024。信念あけましておめでとうございます。
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sencablog · 2 years ago
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【2018年11��公開ssの転載】
ドリィムシリーズ・直人の過去恋愛話スピンオフです。
前・中・後編を一つにまとめてます。
一夜以外とのカップリングストーリーですので、攻略対象の脇カップリング等が苦手な方は、閲覧非推奨です。 また、直人は中学生、カップリングとしては『受け』立場ですので、そのような立場逆転が苦手な方もご注意ください。
終盤にちょっとだけ一夜が出てきます。
 直人がその男性に出会ったのは、人もまばらな、夜のライブハウスだった。  駅前を通り過ぎ、路地裏に入った先の地下にある、小さなライブハウス。その場所のオーナーと知り合ってから、直人がそこへ足を運ぶのは、これで数えて2度目だった。  当時、直人はまだ齢十四の中学生だ。看板の灯りが点くその時間、本来なら、未成年は立ち入れない時間帯だった。  だが、ライブハウスオーナー――橋元の厚意で、直人はマイナーなバンドが代わり替わり音を奏でるステージを、大人たちから少し離れた後ろの方で、ぼんやりと眺めていた。  直人が気になるバンドの出番は、まだ少し先だった。今の演者は全くと言っていいほど興味がないし、好みにも掠らない。  こうして物事に対する興味が極端に薄くなったのがいつからかは、直人自身にも解らなかった。  ただ、気がついたときには"好奇心"というものが自分の中から消えて、与えられるものをただ受け入れる、そんな人生を歩み始めていた。  直人は、ステージの近くでバンドマン達と盛り上がる一部のファンを視界に入れながら、紙コップに入った烏龍茶を一口、飲み込んだ。  ――きっと、自分は好きなバンドが演奏を始めても、あんな風に騒ぐことはないだろう。  喉を下る冷たさを感じながら、そんなことを頭の片隅で考える。同時に、諦めにも似た喪失感が自身を襲った。 「……っ?」  瞬間、直人の体へ衝撃があった。それに合わせて、殆ど減っていなかったカップの中身が僅かに飛び出す。 「うっわ、ごめんね」  知らない男の声と同時に、直前まで吸っていたのか、煙草の香りが直人の鼻腔を突いた。 「いえ……」 「服、濡れた��しなかった?」 「……大丈夫です」 「そう、よか……って嘘じゃん。袖んとこ濡れてるよ」  男は困った様子で上着のジャケットからポケットティッシュを取り出すと、直人へ差し出す。 「ごめん、これしかないや。早く拭かないと染みになるかも」 「……どうも」  直人がポケットティッシュを受け取るも、男は空いた手をそのまま差し出し続ける。 「……?」  直人は一瞬訝しげに思うも、すぐにカップを代わりに持つ気だと悟り、入れ替えるように差し出した。  男にカップを預けると、改めて、濡れた袖口に目をやる。  薄い色の服だったため、洗うまで跡は残ってしまいそうだった。  ……自分自身は別にかまわないけど、母親が煩そうだ。  少しだけ滅入った気分を感じながら、直人は受け取ったティッシュで、濡れた部分を拭き取った。 「……もしかして、高い服だった?」 「え?」 「いや、不機嫌な顔してるから」 「……すみません」 「ん、なんで君が謝る? 汚したの俺だから。弁償しようか?」 「そういうのじゃないので。……ありがとうございます」  直人は残りのティッシュを返そうと、男へ差し出した。 「ああ、あげるよ。それ配ってたから貰ったやつだし。……はい、改めてごめんね」  男は人のいい調子で言いながら、直人へ烏龍茶の入ったカップを返した。  直人は一瞬迷うも、カップを受け取ると、そのままティッシュをポケットへしまった。 「ところで君、未成年だよね」 「……」  これで去るだろう、と思っていた直人に、予想外の質問が投げられる。  バツの悪い質問に慣れ慣れしさまで感じて、直人は気の重さから、思わず視線を床へ落としていた。 「高校生?」  男は直人の隣で壁に寄りかかると、視線を拾うようにしながら問を重ねた。 「…‥ああ、別に注意したいわけじゃないよ。ただの興味」 「……ここのオーナーと、知り合いで」  多少の面倒さを感じつつ、引き気味に答える。 「ああ、橋さんの知り合いかあ。あの人その辺ユッルイもんなあー。もう高校も卒業するしいいよね、みたいな?」 「……高校生じゃない」 「え? ああごめんね、大学生だったか」 「……」  直人は、おもむろに財布を取り出すと、一枚のカードを男へ示した。 「……あっは、マジかあ。そうは見えなかったわ」  それを見た男は、途端に戸惑ったような声を上げた。  直人が男へ見せたのは、塾の生徒証だった。男は"高校受験コース"の表記があるカードを見て、直人が中学生であることを理解した。 「で? 今日は誰見に来たの? それとも暇つぶしの冷やかし?」 「……」  直人は一瞬、事実を知って男が去ることを期待したが、結局すぐに気を取り直して話を続け出した男に、本格的な面倒さを感じ始めていた。  もともと、あまり人との交流が好きではなかった。考えなしに踏み込んでくる相手も、苦手だ。 「……あっは、解りやすいなあ」 「……」  だが、次に耳へ飛び込んだ言葉���、直人は思わず男へ視線を向けていた。すると困ったように笑う、耳のあたりで軽くパーマがかった黒髪の男が目に入る。 「俺ね、今日恋人に振られちゃってさあ。橋さんに愚痴ってたら、たまたま好きなバンドが出るのに気がついて、応急処置で気分上げに来たんだよね」 「……」 「慰めるつもりで、今日のところは俺の相手してよ。適当でいいからさあ」 「……俺、そういうの向いてないタイプだと思うんですけど」 「だからだよ。変に共感してくれる人より、全然興味持ってくれない人の方が楽な時もあるんだよ。君くらいの年齢相手なら、プライドも捨てられるし」 「……」  直人は少し考えたのち、そっと、セットリストに書かれたバンド名の一つを指さした。 「え、本当に?! ちょっと君、いい趣味してるじゃん!」  とたん、一転して男のテンションは上がる。 「俺も今日そいつら見に来たの! え、どこで知ったの?」 「……、」  直人は男の反応へ少しだけむず痒いものを感じながら、質問へ答える。  こんな小さいライブハウスでやるような、マイナーなバンドだ。当然、いままで直人の周りに知っている人間はいなかった。  直人は積極的に人に勧めるような性格でもない。ましてや、相手は名前も知らない年上の相手。好きなものの話題で共感しあうなど、初めての経験だった。  それから、二人は最後のアンコールが終わるまで、同じバンドの話を交わし続けた。  どの曲が好きなのか、こんな話は知っているか、今日の演奏にミスがあった――。この時の直人にとって、これらの会話は学校の友人と交わすどの会話よりも、魅力的なものだった。  *** 「いやあ、今日はありがとうね。今まで、振られたこと忘れてたよ」  ライブが終わり、すっかり夜も更けた頃、まだ少し余韻の残るライブハウスの外へ出て、男が切り出した。 「……こちらこそ」 「あっは、最初面倒そうにしてたから、その言葉聞けてよかったよ。……あ、俺バイクなんだけど、帰り送ってこうか? 学生一人じゃ危ない時間でしょ」 「大丈夫です。そんな遠くないし、ニケツとか、親にバレたら怒られるんで」 「そ。あ、それとさ、またここ来る? 連絡先教えておくから、良かったらまた話そ」  そう言うと、男はチケットの半券とペンを取り出して、連絡先を書き出した。  直人が返答に迷っている間に、早々に書き終えた男がメモを差し出す。直人は、反射的にそれを受け取っていた。  『ニシモリ ミノル』という名前の下に、アドレスと電話番号が記されている。 「……どうも。……俺は」 「橘直人くん」 「……」  直人は一瞬意表を突かれるも、先ほど塾の生徒証を見せたことを思い出す。 「……はい」 「しっかりしてそうなのに変なとこ抜けてんだね。あんま知らない人に名前わかるもん見せちゃダメだよ」 「……」 「じゃ、直人。気をつけてな」  ニシモリと名乗った男��、ヒラヒラと手を振りながら一方的に告げて、駐輪場へと向かっていった。  直人は、あまり感じたことのない、悔しさにも似た奇妙な感情を覚えながら、再び手渡された連絡先へ目を向ける。  自分から連絡することがないのは明白だった。  けれど、また会えるなら、それはいいかもしれないと思った。  直人は渡されたメモと、一度ポケットにしまった、本日二個目になってしまったポケットティッシュを鞄へしまうと、帰るために駅へと歩き出した。 ***  数日後。  直人は学校帰りに、先日も来たライブハウスへと立ち寄っていた。  とはいえ、今日、直人はライブを見に立ち寄ったわけではなかった。  直人は音楽の道に興味があることもあり、これもまた橋元の厚意で、自由にライブハウスへの出入りを許可されていた。  そうして時折、店にあるギターなどを触らせてもらっていたのだ。 「西森君から聞いたよー、直人」 「……何を?」  好きな曲の耳コピーでもしてみようかとギターを構えたところで、直人はオーナの橋元に、からかうような調子で声をかけられた。 「この間のライブの時、二人共仲良くなったらしいじゃん」 「……まあ」 「珍しくない? 直人、学校でもぼっちだろ?」 「ぼっちではない」 「直人はあれかなー、同年代の子より大人といる方が波長が合っちゃう子なのかなあ。あ、あとね、今日、西森君来ると思うよ」 「……来るの?」 「直人が来たら教えてって言われたから、連絡しておいた」 「……」  その言葉に、直人は小さく息を漏らした。  あの日以来、特に直人の方から西森へ連絡を入れたことはなかった。  それは、西森に関わりたくなかったから、という訳ではなかった。単純に、神経を使ってまで連絡するのが嫌だったからだ。  けれど、橋元へそんなことを言っていたということは、きっと、相手の方はある程度、自分からの連絡を待っていたのだ。  だとしたら、会えば「なぜ連絡をくれなかったのか」と聞かれるだろう。  それが、直人にとって、少し気が重い案件だった。  紛らわすように適当に一度弦を弄んで、それにしても、と直人は思う。  自分が面白い人間でないことは、直人自身が一番よく理解していた。  それなのに、わざわざ来たことを伝えるように頼む西森の行動が、直人にはよく理解できなかった。  ましてや、自分はまだ義務教育も終えていない学生で、西森は、少なくとも煙草が吸える年齢だ。――こんな子供を相手にして、楽しいものなのだろうか。  一度考え出すと深みにはまってしまうのが、直人の昔からの癖だった。振り払うように、直人は出だしのコードを模索して、弦を弾く。  ……ああ、この音だ。――そのまま直人が更に続きを弾こうとした時、部屋の扉が開いた。 「お疲れ様でーす」  数日前に聞いた声が、室内へ響き渡る。  直人も、一度手を止めて扉の方へ視線を向けた。 「あ、本当に直人いる! 久しぶり」 「……どうも」  直人は西森の明るい表情に対し控えめに返して、少しだけバツの悪そうな表情を浮かべた。  おそらく切り出されるであろう、なぜ連絡しなかったのかという質問へ、身構える。 「あれ、ていうか直人ギター弾けんの?」 「……、少しなら」 「え、少しってほどでもなくない? 俺は将来有望だと思ってるけどなあ」 「マジ? 橋さんのお墨付きかあ。弾いてみてよ」 「……聞かせられるものじゃないので」  直人はそう言うと、興が冷めたとでも言うように、ギターをスタンドへ戻した。 「ほらー、橋さんが期待させるようなこと言うから辞めちゃったじゃん」 「直人は少し自信と度胸つけなきゃいけないんだから、この位でいーの」 「え、っていうことは何? プロ志望?」  見開いた目が直人を捉える。直人は、その視線に「まあ」と遠慮がちに答えた。 「へえー、成る程なあ。あ、じゃあさ、今度俺んち来なよ。ギター弾き放題だよ」 「……西森さん、弾くんですか?」 「ああ、いいんじゃない? ついでに、西森君にギターちゃんと教わったら?」 「……」  橋元の後押しするような言葉に、直人は西森への視線を改めた。  直人は、橋元の目利きをかなり信頼していた。その橋元が教わる事を薦める相手なら、それなりの腕の持ち主であることは容易く想像できた。 「……西森さんは、なんでギターを?」 「あっは、俺、元バンドマン」 「一時期、うちの箱でも結構人気だったんだよ。若くしてポテンシャルすごくてねー、期待してたんだけど解散しちゃった」 「なんで」 「定番、音楽性の違い」  冗談のような口調で、西森が言った。 「そういうことだから教えることもできるし。多分、直人よりは弾けると思うよ? ちょっとブランクあるけど」 「……考えておきます」 「うん、いつでも言ってね。橋さん、俺ちょっとニコチン入れてくるね」  そう言うと���西森は早々に部屋を出ていった。 「……西森さんって、いくつ?」 「ああ、21だよ。大学生」 「へえ……」  予想通りの年の差に、直人は再び解せない気持ちが湧き上がる。  同じものが好きという親近感だけで、ここまで気にされるものなのだろうか。  ふと、直人は思い出したように時計を確認して、すでに帰宅したほうがいい時間になっていることに気がついた。 「……そろそろ帰ります。ありがとうございました」 「お、そんな時間かー。おつかれー」  橋元に一礼して、直人は急ぎ足気味に、地上への階段を上った。  そうして建物を出ると、すぐに煙草を吸っている西森の姿が目に入った。 「あれ、帰るの?」 「……親に苦い顔されるので」 「へえ、大変だね。気をつけてね」 「……どうも」 「あ」 「?」 「さっきの話、考えといてね」 「……はい」  微笑みながら手を振る西森へそれだけ答えて、直人は足早に駅へと向かった。  改札を抜け、丁度来た電車に乗り込んでふと、そういえば、と思い出す。  連絡しなかったことに、西森は全く触れなかった。  ギターの話をしていたし、たまたまだったのかもしれない。けれど、聞きたそうにしていたか、と考えると、そうでもないような気がした。 「……」  すっかり日も落ち、ビルの明かりが流れていく電車の景色を眺めながら、直人はイヤホンから流れる音楽へと耳を傾ける。  先日のライブで聞いた曲が流れるたび、直人の脳裏に、西森の顔がちらついた。  その夜、直人は初めて、新く追加されたアドレスへ、メールを送った。 ***
 ――直人が西森へ初めてのメールを送ってから、最初の土曜日。  直人は、自分の家から数駅離れたアパートの一室へ、足を踏み入れていた。  元々は白かったのであろう壁の一部は、煙草のヤニを受け止め続けて、黄色く変色している。臭いも顕著だ。それだけで、この部屋の持ち主がヘビースモーカーであることが伺えた。 「適当に寛いでよ。あ、それとも早速弾く?」  部屋の持ち主である西森は、飄々とした調子で、肩身の狭そうな様子を見せる直人へ言った。 「……」  直人は返答に困ったように一度辺りを見回すと、一先ず、落ち着けそうなところへ腰を下ろした。 「あっは、そんな畏まんなくっていいって。適当にいこうよ、適当に」 「……いえ……」 「あー、お互いのことよく知らないのがいけないのかな。なんだかんだ、そんなに話してないしね。んじゃ、なんか話すか」 「……、」 「手始めに、直人、飲み物なにが好き?」  勢いよく言葉を重ねてくる西森に気圧されるものを感じつつ、直人も必死に言葉を捻り出す。 「……水?」 「あっはは、要はなんでもいいってことだな! 適当に持ってくるからちょっと待ってて」  直人の返答に笑い声を立てると、西森はキッチンの方へ姿を消していった。  直人はそれを確認して、小さく一度息を吐いた。  まだよく知らない、年上の人の部屋に来て、緊張しないわけがない。  直人は、過去に西森へメールをした自分を、少し恨めしく思った。こういった、落ち着かない状況が、直人は何よりも苦手だ。そこへ、解っていたのに自分から飛び込むようなことをしてしまった。  やっぱり、早々に帰ってしまおうか。西森に対し、この先どう立ち振舞っていいのか解らない。  直人がそんなことを考え始めたとき、西森が、直人のもとへ戻ってきた。  透明な液体の入ったペットボトルが、直人の前に置かれる。 「……ありがとうございます」  直人は、置かれたそれをまじまじと見る。店でよく見る、ミネラルウォーターのパッケージが直人を見つめ返していた。 「なにがいいか考えたけど面倒になったから水持ってきた。好きなんだろ?」 「……まあ……」  西森を見ると、西森は缶コーヒーを手にしていた。腰を下ろすと、早々に飲み始める。 「……ん? やっぱコーヒーが良かった?」 「……いえ……」 「冷蔵庫ん中にあるから、飲みたかったら勝手に取ってきていいよ。熱いのがいいなら粉あるし」 「どうも……」  そんな西森の態度を見て、先ほど直人の脳裏にあった、帰ろうという考えは消え去った。  この間から、なにかと直人の中ではこういったパターンが目立っていた。  直人が一人気にし出して後ろ向きになることを、西森が自然と覆していく。 「……」  ――俺は、気楽さを感じているのだろうか。  直人の中に、一つの考えが湧き上がる。浮かんだそれは直人にとって、とても貴重な感情だった。 「直人って基本喋んないんだな。大丈夫? 学校でちゃんと友達いる?」  伺うような西森の視線に、直人は「はっ」とする。 「います」 「そ? ならそのクールさちょっと分けて欲しいわ。俺なんて前の恋人にウザイって言われたもん」 「……」 「���しかして、直人もそう思ってる?!」 「……そんなことは」 「つーかさ、俺にも橋さんみたいな感じで接してよ。橋さん、俺より年上なのに直人もっと砕けてたよね」 「橋元さんは……、親戚のおじさんみたいな感じなので」 「わっは、おじさんっ! そっか、中坊から見たら橋さんはおっさんだよなー。本人聞いたら傷つきそうだけど」 「……すみません」 「はは、面白いからそのままでいいよ。……俺は? 俺はギリギリお兄さんでしょ?」  ニヤリ、と、試すような、それでいてからかうような視線で、西森が直人を見る。  直人は思わず視線を逸らすと、小さく頷いた。 「よかったー。今度橋さんに自慢しよっと」  直人が視線を戻すと、西森の楽しそうな表情が目に入った。  だが、そこまで楽しそうにする理由が直人にはいまいちピンとこず、不思議そうな表情を浮かべてしまう。  自分と話して、こんな反応をされることも滅多になかった。 「はい。じゃあ次、直人の番」 「え?」 「親睦を深めるために俺のことなんか聞いて。なんでもいいよ、今日の朝飯でも、明日の天気でも」  考え、いままでの西森の言葉と態度で、直人の中に、僅かな好奇心が湧き上がった。 「……明日の天気」 「雨」 「……本当に?」 「ほんとほんと。俺の予報結構当たるから」  西森の適当そうな言葉が返る。直人は徐々に、言葉を投げかけるのが楽しくなるのを感じた。  それはライブハウスで出会った夜、同じ話題で盛り上がった時に、とても良く似ていた。  ――この人と話すときは、何も考えなくていいのかもしれない。  直人のその気づきは、普段は無口な直人から、言葉を引き出す鍵になった。 「……あの」 「ん?」 「もし、昔作った曲とかあれば……聴いてみたいんですけど」 「おっ、聞いちゃう? ちょっと待って、どっかに音源あると思うから」  言うやいなや、西森は生き生きとした様子で引き出しの一つを漁り出す。  恥ずかしげの欠片もない西森の態度に、直人は尊敬の念を抱く。  自分なら、きっとあんな対応はできない。先日のように、聴かせるられるものじゃない、と一蹴してしまう。  ……こんなことじゃ、いけないのだろうけど。  直人が自己嫌悪に陥りかけていると、一枚のディスクを手にした西森が戻ってくる。 「インストだけど。作曲はボーカルで俺は編曲。割と気に入ってるほうかな」  そう説明しながら、西森がCDをプレイヤーにセットする。 「橋さんは俺たち人気だった、なんて言ってたけど、あくまで内輪の話だからあんまり期待しないでね」  かち、と、再生ボタンを押す音が室内に響く。  数秒後、ギターの音を筆頭に、曲が流れ始めた。  ベースやドラムが混ざる中でも、直人は特に、ギターの音に集中する。  安心して聴いていられる、安定した演奏。逆に、時折微妙に乱れるベースの音が気になるほどだった。 「……うっわ、懐かしくて恥ずかしくなってきた! 俺、煙草吸ってくるから、適当に聞いてて」  直人があまりにも真剣に聞いていたせいか、西森はそう言い出すと、煙草を手にしてベランダへ消えていった。  直人は西森の行動に少しだけ驚きながらも、すぐに曲へと意識を戻す。   橋元さんの目利きは、やはり間違っていない。――そして、このギターが、とても好きだ。    それから直人は、西森が戻ってくるまで、ずっと一人、曲を繰り返しかけ続けていた。 ***  その後、直人たちは部屋を移動して、ギターを弾き始めることにした。  西森は、CDの曲の感想について、直人に何も聞かなかった。そのため、直人も西森のギターがとても気に入ったことを、伝えそびれていた。  改めて直人が案内された部屋には、ギターが二本と、編曲に使っていたのであろう、音楽機材が置かれていた。  西森の自室と違い壁の変色はなかったが、その代わり、自作と思わしき、防音の壁が作られていた。 「ギターは好きな方弾いていいよ。違いとかわかる?」 「……一応」  直人は、二種類のギターへ近寄ると、まじまじと観察する。  学校や塾の帰り、楽器屋に寄ってギターを眺めたり、好きなアーティストが使用しているギターを調べたりと、それなりの知識は頭に入れていた。 「つーか直人はさ、そんなにギター弾きたいのに持ってないの? ……まー、安いもんでもないか」 「……値段もあるけど……、親が、こういったことに批判的なので」 「ふーん。前にも思ったけど、直人んちって親が厳しそうだよね」 「……」  直人は、西森の言葉を無視して、片方のギターを手にする。あまり、家のことは話したくなかった。 「俺も直人にはそっちが合ってると思うなあ」  西森は、直人の感情を悟ったのか、単純に興味がなかったのか、すぐに話題を切り上げて、直人の手にしたギターへ話を移した。 「……弾けんの?」  挑発するような視線を直人へ向けて、西森が言う。  もちろん、ギターが弾けるのか、の意味ではない。"人前で"弾けるのか、という問いだった。  直人は、暫し無言で視線を落とすと、部屋にあった椅子へと移動する。  そうして、音を確かめるように、何度か弦を弾いた。  西森はそれを見て、小さく笑う。直人は気づかないふりをして、何を弾こうか、と、最初の音を探り出した。 「ねえ、このあいだの弾いてよ」 「……このあいだ?」 「俺が来るまで、なんか弾こうとしてたじゃん」 「……」  ああ、と、直人は思い当たる。耳コピーをしようとして、西森が来たから中断した曲だ。  直人は言われたとおり、最初の音を弾こうと指を添える。 「あ、ちょっとたんま」  と、その瞬間、西森から静止が入った。 「……?」 「あの時、なに弾こうとしてたか当てるから」  言うと、西森はCDラックから一枚のケースを取り出し、直人に見せた。 「このアルバムの3曲目」 「……」  正解だった。直人は驚くも、聞き込んでいれば最初の一音で解るものかも知れない、と思い至る。  実際、自分も最初の音を見つければ後の音も続けられる。この曲が好きなことは知っているし、イントロクイズのようなものだ。 「コピーすんだろ? 原曲は聴きながらのほうがいいよ」  はい、と、西森はポータブル型のCDプレイヤーとヘットホンを直人へ手渡す。  直人はそれを躊躇いなく受け取ると、装着し、再生ボタンを押した。  元の曲を聞きながら、ギターのパートを一つ一つ確認していく。  西森はそんな直人の姿を、少し離れた壁に寄りかかりながら見守っていた。 「直人見てるとノスタルジックになるわ。昔の自分思い出して」 「……」 「あ! 今ちょっと嫌な顔しただろ?!」 「……別に」 「嘘��け。言っとくけど、お前結構わかりやすいからな」  そんなやり取りをしながら、直人は自分の口角が小さく緩むのを感じた。悪くないやりとりだった。  その後、直人は好きにギターを弾き、なにかの曲を演奏すれば、西森が所々でアドバイスを語った。  西森は、直人一人ではいつ気が付いたか解らない、色々な技術を教えてくれた。だが、直人は技術を教わる喜び以上に、自分が好きだと思える弾き手に教えてもらえることが、嬉しかった。  そして気付けば、外は暗くなり、直人が帰らなければならない時間も近づいていた。 「……」  携帯で時間を確認して、直人は名残惜しくなるのを感じた。  直人にとって、家は決して居心地のいい場所ではない。息苦しくて、常に親――特に母親の――顔色を伺わなければいけない場所だ。 「なあ、直人んちって門限破ったらどうなるの?」  そんな直人の様子に気がついたのか、西森が何気ない調子で問いかけた。 「……怒られる」 「まあ、それはそうだろうけど。普通に怒られるのとは違うの?」 「……うまく言えない。ただ、普通に怒られるのとは違うと思う」 「へえー……」  西森は曖昧な返事をしながら、直人をじっと見つめる。その視線に、直人は気まずさから思わず視線を逸らした。 「……帰りたくないんだよね?」 「え?」 「俺のこと利用してみる?」  にやり、と、今日何度目かの試すような笑みを浮かべる。そして直人は、今ようやく、その笑みの中にいたずらっぽいニュアンスが含まれていることに気がついた。 「うまいことやれば、今日は帰んなくて済むかもよ?」 「……だけど……」 「あっは、お利口さんだなあ。最初に会った時からずっとそうだよね」 「……」 「直人の親ってさ、子供の交友関係とか全部把握してるタイプ?」  直人はいきなり何を、と思うも、西森の考えが気に��って、質問へ答えることにする。 「……むしろ、全然気にしてないと思う。多分、信頼してくれてるんだと思うけど」 「はは、子供信頼してる親が、息子にそんな顔させる訳無いじゃん」 「……」 「携帯貸してみ?」 「……?」  直人は訝しげに思いながら、西森へ携帯を差し出す。  西森は携帯を受け取ると、なにやら操作をして、直人の携帯からどこかへ電話をかけ始めた。 「……、」  西森の行動に気づくと、直人はすぐさま携帯を取り返そうと手を伸ばす。  なんとなく、どこへかけたのかは予想がついた。  が、直人が携帯へ伸ばした手は、ひらりと軽快な動きで交わされてしまう。 「ちょ……」 「ああ、どうもお世話になっております。私、直人君のご学友の兄で橋元と申しますが」 「……?!」  わざとらしい声色で吐き出された言葉に、直人は言葉を失った。 「いいえ、こちらこそ。……ええ、ご本人もそばにいますよ」  西森は、普段の適当そうな態度とは打って変わり、真面目な態度で話していた。  直人の母親にかけたのであろうことは、直人にも予想がついた。ただ、何を言おうとしているのかまでは、予想がつかなかった。 「……はい。それで、私は大学生なのですが、今日は弟と一緒に、直人くんの勉強を見させていただいておりまして――」  それから西森が電話を直人に代わるまで、直人はただ、呆気にとられながら成り行きを見守ることしかできなかった。  西森は最後まで、臆面もなく、直人の母へありもしない話をつらつらと並べていた。  直人が傍目から理解できた、西森の作り話はこうだった。  ――橋元の名を借りていない弟の存在を作り出し、直人と共に勉強を教えていた。直人はとても優秀だったため、本人の希望もあって、このまま泊まり込みで勉強を教えたい――。  もともと、外では人のいい顔を浮かべる母親だ。この申し出を、断る可能性は低かった。加えて明日は休日だ。尚更、断る理由は少ない。  結果、最終的に直人に電話を代わり、絶対に迷惑をかけるなということ、そして、後日お礼を持って行きなさい、という約束だけして、母親は通話を終えた。 「……」  直人は暫く、受け取った携帯を眺めるしかなかった。確かに名残惜しさは感じていたが、泊まる気など微塵もなかったし、こんなことになるなど考えてもいなかった。  そして、明日母親の顔を見るのが、少しだけ怖かった。 「あれ、浮かない顔してるね」  西森は、椅子の背もたれに肘を起きながら座ると、直人の顔を覗き込んだ。 「……、……勝手に進められても」 「迷惑?」 「……」  直人は視線を逸らす。厚意でしてくれたことなのは解るため、頷くことはできなかった。 「でも、結果は良かったじゃん? なにを気にする必要がある?」 「……建前とか、大人の対応とか、そういう……」 「そういうのさ、面倒くさくない?」 「……」 「いいならいい、嫌なら嫌でいいじゃん。大体、勝手に話進めたけど、俺、強制はしてないよ。選択肢を与えただけ。帰りたかったら帰ってもいいんだよ」  直人がぎこちなく視線を西森に向けると、西森は何でもない表情で、直人のことを見つめていた。 「……なんで……」 「別に。そのほうがお互いウィンウィンじゃねって思っただけ」 「……お互い?」 「興味ない相手は構ったりしないでしょー。直人、あんまりガキっぽくないし、俺は一緒にいて結構楽しいよ。音楽の趣味も合うしね」  そう言って、西森は笑顔を浮かべる。  その顔を見て、直人は再び言葉に詰まった。――こんな好意の向けられ方をしたことは、今までなかった。 「一日くらいハメ外してみなよ。これ本当は内緒だけど、橋さんも心配してたんだよ。直人はいつも肩身が狭そうだって」 「……」  橋元が自分のことを気にしているのは、直人も薄々気がついていた。かと言って、橋元は積極的におせっかいを焼くほうでもない。だから、直人も適度な距離感で付き合っていた。  だが、こうして西森に行動されたあとに伝えられると、自分が思っていたよりも心配をかけていたように感じて、込み上げてくるものがあった。 「……はい」  少しして、直人は静かに、頷きを返した。 「あっは、ほんと面倒くさいやつ! とりあえず飯にしよ。いい時間でしょ」 「あ……」  リビングへ移動しようとする西森を、直人が静止する。 「ん? 腹減ってない?」 「いや……、なんなら、作りますけど」 「え、作れるの?!」 「両親が忙しい時とか、俺が作るから」 「うっわ、マジか。……うーん、でもまた今度でいいや」 「……そう、ですか」  そう言うと、西森は先に部屋を出ていく。  直人は「また今度」という言葉に少々疑問を覚えつつも、急いで西森の後を追った。 ***  夕食を終え、先に入浴を済ませた直人��、西森の自室でぼんやりと座っていた。  こんな時間に自宅以外の、それも、出会って数回の人物の部屋にいることなど、直人は初めてだ。  緊張よりも、不思議な感覚がずっとまとわりついていた。 「……お、服のサイズぴったりだね。やっぱ直人デカいよな」  タオルを頭にかけて戻ってきた西森の声に、直人は振り返る。 「俺も最初解んなかったし、年齢間違われること多いでしょ」 「……まあ、割と」 「だよねー。あ、そう言えばさあ……」  西森は置きテーブルのそばに腰を下ろすと、置いてあった煙草の箱から中身を一本取り出して、トントンと机で弄ぶ。 「さっき直人の母親に電話した時、うしろで子供の声してたんだけど、あれ弟?」 「……そうだと思います。8歳下の弟がいるので」 「うわ、直人お兄ちゃんかー。なんか納得」 「……そうですか?」 「うん。俺、一人っ子だからこんなんに育ったんだと思うもん」  言いながら、西森は「あはは」と愉快そうに笑った。 「でも、直人いいお兄ちゃんなんだろうなー。さっき電話の時、うしろで嬉しそうに『直人から?』って聞いてたし」 「……仲がいいとは思うけど」  答えて、直人の脳裏に弟の顔がよぎる。少しだけ、帰らなかったことへの罪悪感が湧き上がった。  弟の隆弘は、あからさまなお兄ちゃんっ子だった。両親が忙しいせいもあってか、休みの日などは、よく直人と遊びたがった。  もしかしたら、今日は退屈な思いをしているかもしれない。 「あ、ところでさ。これもあとで聞こうと思ってたんだけど」  西森は話題を切り替えると、傍らにあった一冊の雑誌を手に取り、未だ火の点いていない煙草を引っ掛けたままの手で、ちょいちょいと直人を呼び寄せた。  直人は仕草に従い近寄るも、手にある煙草が気になってしまう。 「……吸っててもいいですよ」 「ん? ああ、ごめんね。本当はさー、もうやめたいんだけどね」  そう言うも、西森は今度こそ煙草に火を点ける。 「ずっとそう言ってるのに結局吸っちゃうんだよなあ。……あ、でね、これ」  西森は煙草を咥えながら、雑誌の1ページを直人へ示す。そこには、いくつかのバイクの写真が並んでいた。 「今度買い換えよっかなって思ってるんだけど、迷ってるんだよね。直人はどっちが格好いいと思う?」 「……」  直人は、指定された二台のバイクに視線を向ける。正直、直人自身にはバイクへの興味など微塵もなかった。  格好良さなどもあまり解らない。強いて言うなら、どちらも同じように、格好良く見える。 「……、」  なかなか答えを返さない直人を見て、西森は吹き出すように大きく煙草の煙を吐き出した。 「……すみません」 「いや違くてさ、迷うとかじゃなくて、すっげーどうでもよさそうな顔で見てるんだもん。そんな反応……、ふっ、初めて見たっ……」  言いながら、尚も西森は小刻みに肩を震わせる。 「っ……ごめん、今度から直人にこの手の質問はしないようにするよ。あー、面白かった」  満足したように言うと、西森はまだ点けたばかりの煙草を早々に灰皿へと押し付けつた。  直人は西森の反応に戸惑ったまま、どうしていいのかを迷う。 「というか直人ってさ、音楽以外は何が好きなの?」  そして突然切り出された質問に、はっとした。  音楽以外で好きなもの。……直人はすぐに���その答えには辿り着けなかった。 「無いんだ」  西森が頬杖を付きながら、目を細めて問う。 「……かも、しれないです」 「知らなかったものを知ったら、意外と好きになるかも」 「それは、あるかもしれない」 「煙草は?」 「? 未成年……」  疑問とともに答えかけた次の瞬間には、直人の唇は、西森の唇によって塞がれていた。 「っ……?!」  突然のことに直人が混乱しているうちに、西森の手が頭部へ回され、舌が直人の唇をこじ開ける。直人がそれに気がついた時には、既に口内に煙草の味が広がっていた。  そのまま暫く舌を弄り回され、呼吸が怪しくなってきた頃、ようやく直人は解放された。 「っは……、なに……」 「今日のお礼の代わりかな」 「……?」  まだ理解が追いつかない直人をよそに、西森の手が直人の手首を掴んだ。 「俺ね、女の人だと勃たないんだよ」 「……、」  じり、と、西森が僅かに距離を詰める。馴染みのないシャンプーの匂いが、直人の鼻腔を掠めた。 「バンド解散しちゃった本当の理由も教えてあげようか。俺がベースの人好きになっちゃってキモい無理だで仲間割れ。音楽性の違いも確かにあったけどね」 「……、……」  普段、あまり動揺することのない直人の心臓が、徐々に脈拍を上げた。どうしていいのか、適切な対応が、すぐに導き出せなかった。 「怖い? なら振り払ってもいいよ。今ならまだ終電にも間に合うし」 「……、な、んで」  結果、この状況で、直人の口からこぼれた言葉は、それだった。 「ん?」 「最初から……、これが目的だった?」  直人の控えめな視線が、西森に向けられる。  すると、試すような表情で直人を見ていた西森が、小さく笑い声を立てた。 「自分でもびっくりなんだけど、なんか、すげー好きなんだよね。直人のこと」 「……」 「いや、もうほんとびっくり。2時間くらい前まではこんなことする気全然なかった」  苦笑いで吐き出された言葉が嘘か本当か、今の直人には、判断ができなかった。 「ただ、嫌だったら本当に帰っていいよ。強姦する趣味はないし」 「……、」  直人は、迷うように視線を落とす。同時に、すぐに決断に至らない自分に気がついた。  そしてそれは、拒否して関係が壊れる恐怖からではない。直人は、そういった物にあまり執着しない性格だった。  ――なら、これは。  ゆっくりと、直人は西森の肩へ手を伸ばした。 「……あっは、マジで?」  西森が、逆に驚いたような表情を浮かべる。 「……知らなかったものを知ったら、意外と好きになるかも」  直人が、冗談交じりに言葉を発した。 「余裕そうだけど、男相手で反応するの?」 「それは、知らない」 「……何事も経験だよね。目瞑って違うこと考えててもいいよ」  そんなやり取りを終えると、西森の先導で二人はベッドへ移動する。  直人は自分の奥底にある感情までは捉えられないまま、今は、西森に身を委ねることにした。  ***  翌朝、直人は鈍い体の痛みで目を覚ました。  そして、次の瞬間には煙草の匂いが鼻に触れる。見ると、傍らで先に起きていた西森が、煙草を吸っているのが目に入った。 「ん、おはよ」  直人が目を覚ましたのに気がついた西森が、軽い挨拶を投げる。  直人は起き上がろうと身をよじるも、だるい体と走る痛みのせいで、上手く起き上がることができなかった。 「無理しないほうがいいよ。寝起きキツイでしょ」 「……」  直人は思わず小さなため息をつく。そして昨夜のことを思い出して、僅かに瞼を落とした。  ――最初に直人が西森の手で欲を吐き出した時点で、西森は、ここでやめても構わない、と申し出てくれた。  だが、それを断って受け入れることを選んだのは、直人だった。  受け入れたのは、ここでやめるのは何か違うと感じたことや、直人自身にも伴う気持ちがあったからだった。  男同士の性行為については直人も多少なりとも知識はあったが、終わってみれば痛みばかりが記憶に残り、気が滅入る思いが無いといえば、嘘だった。   西森は回数をこなすしかない、などと言っていたが、今の直人に、その言葉を信じることはできなかった。  それでも、心のどこかには満たされたものも感じて、西森を責める気は、微塵も起きなかった。 「飯食えそう?」 「……まだいい」 「そ。んじゃ休んでなよ。俺、ちょっと買い物行ってくる」 「……うん」 「あ」 「?」 「さっきメール来てたよ。はい」  西森が直人の携帯を手渡す。直人はそれを受け取ると、新着メールの差出人を確認した。  それは、直人の母親からのメールだった。 『今日は家に隆弘が一人なので、早めに帰宅してください』  本文には、それだけが書かれていた。 「……西森さん」 「ん?」 「今日、早めに帰ります」 「え、帰れる?」 「帰ります」 「……飯食ったら鎮痛剤だな。とにかく買い物だけ行かせて」  呆れたような苦笑を浮かべると、西森はどこか早足で部屋を出ていった。  直人は携帯を握り締め、枕に顔を埋めると、二度目の溜息を吐きだした。  体の痛みからではなかった。……急激に込み上げた罪悪感が、直人を襲っていた。  西森と体を重ねたこと自体には、不快感も後悔もない。ただ、家族の事を思うと、もの凄く重い罪を犯してしまったような気持ちに見舞われた。  そしてそれは、西森に見送られ、帰りの電車に乗り込んだあとまで続いた。  ――自分は昨日、同性と体を重ねたのだ。  ここにいる誰も、そんな事実は知らない。なのに、誰の視界にも入りたくないと感じてしまう。  出来るだけ気を逸らすように、直人はイヤホンをして、外の世界を遮断する。  ――だけどまた、西森さんに会いたい。  プレイヤーの音量を上げる。昨日、散々聞いたギターの旋律が、脳内に響く。  西森が自分に向けた言葉のひとつひとつが、音に乗って流れていく。  ――会いたい。  その後も、音に埋もれて身を隠すようにしながら、直人は自宅への家路を急いだ。 ***
 まだ陽も登りきらない、休日の静かな住宅街。  気だるげな体を意識しないようにしながら、直人は予備で持ち歩いている自宅の鍵を取り出し、玄関を開いた。  とたんに、馴染みのある空気が肺の中へ入り込む。そのことで、自分が煙草の香りに鈍感になっていたことに気がついた。  とにかく着替えよう、と部屋へ向かおうとするのと同時に、軽快な足音がリビングから近づいてくるのに気がついた。 「直人! おかえり!」  音の方を見ていると、弟の隆弘が、嬉しそうに直人を出迎えた。 「ただいま。……母さんたち、出かけるって?」 「うん」  答えて、隆弘は不思議そうな表情で直人を見た。 「……どうかした?」 「直人、変な臭いがする」 「……」  直人は一瞬ぎくりとして、だが、��ぐに西森の部屋で着いた煙草の臭いだと思い至った。 「ごめん、すぐに着替える。ご飯は?」 「食べた」 「そう」  答えて、直人は逃げるように自分の部屋へと向かう。隆弘は、再びリビングへ戻ったようだった。  気持ちわるいものが胸中を渦巻く。  ――罪悪感。  多分それが一番近いだろうと、直人は思った。  今日、帰ってきた母親に会うことを考えると気が重い。自分は、悪いことをして帰ってきたのだ。  なのに、それに反して、西森に会いたいという気持ちは消えはしない。  着替えを持って、バスルームへと向かう。一瞬鏡に映った自分の顔は、酷く疲れた顔をしていた。  なぜか、昨日の夜の出来事が脳裏に蘇って、咄嗟に鏡から視線を逸らす。とにかく今は、全てを一度リセットしたかった。  シャワーを軽く浴び、選択機を回して廊下へ出ると、再び隆弘がリビングから顔を出した。 「直人、今日は一緒にお絵かきしたい」 「……」  いつもならば二つ返事で頷く言葉だった。でも、今日は酷く居心地が悪い。 「……ごめん、ちょっと休みたい」 「じゃあ、直人の部屋で書いてていい?」 「……いいよ」 「わかった!」  一転して嬉しそうに答えると、隆弘は絵かき道具を取りに別の部屋へとかけていった。  直人は小さく溜め息を吐くと、ベッドへ向かうために自室へと歩き出した。  両親があまり家にいないこともあってか、直人は普通の兄弟より、少し強めに隆弘のことを気にかけていた。  でも、今は少しだけ、煩わしい。そして、そう感じてしまう自分に、また嫌気がさした。 「……、」  直人が自室へ辿り着き、ベッドへ身を投げ出したのと同時に、部屋の扉が開いた。  そのまま、隆弘が絵かき道具と、最近好きな戦隊物の人形を手にして、静かに直人の部屋と入ってくる。  そして床に画材を広げると、何を言うでもなく、真っ白の画用紙に色を走らせ出した。 「……」  直人はそんな隆弘の様子を、同じく何も言うでもなく見守る。  隆弘は、いつからか妙に空気に敏感になっていて、こうして、何も言わずとも適切な行動をしていた。 「……隆弘」 「うん?」 「今日、天気予報、見た?」 「見た! おひさまだった!」 「……そう」  答えながら、直人は昨日の西森との会話を思い出した。    "……明日の天気"  "雨"  直人は、おもむろに窓の外へ視線を向ける。  当たると、言っていたのに。 「……はずれ」  ぽつり、と、直人が呟く。  視界の先には、雨なんて振りそうもない、晴れ晴れとした青空が広がっていた。 *** 「お疲れ様でーす」  乱雑と物が置かれたライブハウスの一室に、飄々とした言葉が飛び込んだ。 「お、西森くん。いらっしゃい」  自身がいつもかけている眼鏡を拭いていた橋元が、手を止めて振り返った。 「今日は誰が来んの?」  西森は、机の上にあったフライヤーを一枚手に取って確認する。 「うーん、あんまりピンとくる奴いないなあ」 「はは、たまにはそういうのも見てみたら? 意外と新しい発見があるかもよ」 「今はいいや。あんま興味ない」  素っ気無くそう言って、西森はフライヤーを机に戻した。  そうして、いつか直人が弾いていたギターのもとへ向かうと、手に取り戯れるように弦を弾いた。 「……ねえ、橋さん」 「ん? どうかした?」  橋元は眼鏡をかけ直して、改めて西森を見る。 「俺、直人のこと食っちゃった」  西森はふざけるように目を細めて言うと、ジャン、とギターで軽快な音を鳴らす。 「……え?」  対照的に、橋本は呆気にとられた顔を見せた。 「え? ……え、まって、直人あれでも中学生だよ?! 解ってる?!」 「もちろん」  再びジャン、と、今度はフラットな音を鳴らす。 「っていうかなんでそうなった?! 無理やりか?! 直人のこと脅したのか?!」 「ひっど。親戚のおじさんは過保護だなあ」 「おじ……!」 「残念ながら合意のもとです」  今度はジャカジャカジャン、とオチをつけるような音を奏でると、西森はギターを戻して傍らの椅子へ腰を下ろした。 「……ちょっと、頭が追いつかないんだけど」  橋元は言いながらこめかみを押さえた。 「びっくりだよね。俺もびっくり」 「……本当に合意?」 「合意も合意、大合意。疑うなら直人に聞いてみたら」 「……聞いて正直に言うかなあ、直人のやつ……。しかしなんだって直人も……」  はあ、と、橋元は大きなため息を吐いた。 「直人も立派な男だってことだよ」 「あのねえ、普通の男はそう簡単に男と寝たりしないんだって」 「世間一般的にはそうだよねえ。なんで直人は良いって言ったんだろ」 「だから、断れなかったんじゃないの」 「そんなことないよ。俺、ちゃんと挿れる前にやめていいよって言ったもん」 「生々しいこと話さなくていいから。……直人はああ見えて建前とか凄く気にするんだよ。だから」 「それも知ってる」 「……」 「わかりやすいのにわっかんないな、アイツ」  西森は妙に真面目な顔で言いながら、煙草の箱を取り出す。 「禁煙。吸うなら外」 「はいはい」  火の点いていない煙草を一本加えて立ち上がると、西森は部屋の外へ歩き出す。 「……西森くん、直人で遊んでるわけじゃないよね」  すれ違いざま、橋元が言う。 「……本気だから不安になってるんじゃん?」  再び目を細めて言うと、西森は今度こそ部屋を後にした。  一人部屋に残った橋元は、西森の消えた先を見ながら、眉をひそめる。 「……変に近づかせない方が良かったのかなあ……」  独りごちると、頭を抱えるようにして机に肘をついた。 ***  直人が西森と一晩を明かした日から、一週間が経っていた。  ――あの日以来、直人は西森と一度も顔を合わせていなかった。  ライブハウスも、避けるように帰路を急いだ。ギターを弾きたい気持ちはあったが、それ以上に、橋元と顔を合わせるのが嫌だった。  もしかしたら、西森と会ってしまうかもしれない。あんなにも会いたかった気持ちが、なぜか今は、戸惑いへと変わっていた。  塾のない放課後。この日も直人は、真っ直ぐに自宅へと帰るために駅を通り過ぎた。  時々、他校の生徒や高校生の姿が目に入る。彼らを見て居心地が悪くなるのは、もう何度目かわからなかった。  同じ男と体を重ねてしまった事実は、直人の中で、だんだんと後悔になろうとしていた。  学校で友人たちが下世話な話をするたびに、直人は、人知れず耳を塞ぎたくなった。    ――ヴヴッ… 「……?」  制服のポケットの中で、直人の携帯が震えた。  直人は、届いたメールの送信主を確認する。――西森だった。  気持ちがざわつくのを感じながら、直人は内容を確認する。 『最近ライブハウス来ないね』  件名の部分に、それだけ書いてあった。 「……」  無視して携帯を閉じてしまおうとして���直人の歩みは止まった。  無視してしまいたいのに、言葉の意図を考えてしまう。  『最近来ないね』。その言葉のあとに続くのは、"どうして"、だろうか。  ……それとも、"会いたいのに"、だろうか。  あの日、西森は直人に好きだと言った。そして、直人はその言葉を受け入れた。  なのに、あれから直人は西森と一切の連絡を取っていない。本来なら、連絡が来ないほうが不思議だった。  なんにせよ、きっと西森は待っていてくれたのだろう、と、直人は思い至った。 「……、」  直人は、返信ボタンを押して、文字を打ち込み始める。 『今日は行く』  送信を済ますと、通り過ぎた筈の駅へと、踵を返した。  路地裏を抜け、ライブハウスへ続く階段を降りると、直人は緊張した面持ちで、スタッフルームの扉を開いた。 「お、直人じゃん。久しぶり」  すぐに、橋元の笑顔が直人を出迎えた。  直人が部屋を見回すも、どうやら、室内には現在橋元しかいないようだった。 「……西森さんは?」 「西森くん? ちょっと前に帰ったよ」 「え……」  橋元の言葉に、直人は唖然とする。今日は行くと言ったのに、なぜ帰ってしまったのか解らなかった。 「……用事?」 「さあ? そろそろ帰るわーって出てったよ」 「……そう」 「で、直人は? 久々に弾きに来たんじゃないの?」 「……、」  橋本の問いへの返答はせずに、直人は再びライブハウスの外を目指す。  訳がわからなかった。携帯を取り出して、西森へのメールを打ち込む。 『行ったけどいなかった』  感情のまま、そう送った。  送ってから、直人は「はっ」とした。そもそも、西森は今日会おうだなんて、一度も言っていない。  近くの電柱で足を止めると、寄りかかって一息ついた。こんなにも動揺した自分に、直人自身も驚いていた。  きっと西森相手じゃなければ、仕方がないの一言で済ませている。  直人がそのまま若干の気疲れを覚えていると、再び、西森からのメールが届いた。 『暇ならうちに来なよ』  また、件名の部分にそれだけが書かれている。 「……」  今度は返信をせずに、直人は携帯をしまう。  あまり自覚したくはない期待を抱きながら、直人は、西森の部屋を目指して歩き出した。 ***  二回目になる部屋の一室のインターホンを押して、直人は中からの反応を待った。  緊張。恐怖。いま、直人が抱いている感情を表すならば、その類のものだった。  でも、それらの中に、ほんの僅かな楽しみが混ざっている。  直人が自分の足元を見ながら待ち続けていると、ゆっくりと、扉の開く音が聞こえた。 「おっひさ」 「……」  久し振りに見る西森の目を細めた表情に、直人は少しだけ、憤りを覚えた。 「あがりなよ。暇してたんだ」  そう言って部屋の奥へ戻る西森を追うように、直人も部屋へ入り込む。相変わらず、部屋の中には煙草の臭いが染み付いていた。 「どうする? 久々に弾く?」  部屋に入るも口をつぐんだまま立ち尽くす直人へ、西森が軽い調子で問う。  それでも直人が視線を合わせないまま黙り込んでいると、やがて、西森が吹き出した。 「あっは、すっげー不満そう」 「……おちょくられた気がしたから」 「わかってんじゃん」  臆面もなく答えると、西森は直人の側へ歩み寄った。 「一週間も恋人をほったらかしにした罰でーす」  小さく腰を曲げ、直人を覗き込むようにしながら言う。その口角は、ざまあみろ、と言いたげに上がっていた。 「……それは、」  反��しようとした直人を遮るように、西森が直人の額へ軽いデコピンを繰り出した。 「なに、ん……」  そしてそのまま、自らのそれで直人の唇を塞ぐ。 「…っ……、」  直人の肩に掛かっていた学生鞄がずり落ちる。西森の舌は、すでに直人の口内で好き勝手に遊んでいた。 「……っ、ちょっと、待って」  直人が一度は腕で西森を引き剥がすも、西森は簡単には食い下がらなかった。 「やだ。早く直人慣れさせたいもん」 「っ……!」  再び、西森が直人の唇を塞ぐ。今度は、先程よりも強く頭を抑えられた為、簡単に引き剥がすことができなかった。  直人が舌の感触へ気を取られているうちに、西森の手が、下半身へと滑り込んでいくのが解った。 「……、」  直人が、意図的に鞄を床へ落とす。  これ以上、抵抗する気が起きなかった。  罪悪感も、後ろめたさも、もう何も考えたくなかった。  ――ずっと会いたかったのは、自分の方だ。  その考えが直人の脳裏をよぎった瞬間、直人の腕は、西森の背へと回されていた。  今は、全部どうでもいい。  直人は西森へ身を委ねると、ゆっくりと、思考を手放した。 ***  直人と西森が再び体を重ねた日を境に、直人は、頻繁に西森の部屋へと出入りするようになっていた。  その頃には体もすっかりと慣れて、時には、���人から体を求めることもあった。  西森と体を重ねている間は、人間関係のしがらみも、家族間での責任も、全部忘れらる。  それが、直人が西森を求める、一番の理由だった。  そしてそれが「なにか違う」ということは、直人も薄々気がついていた。自分よりずっと大人な西森が、そのことに気がつかない訳もないと思っていた。  でも、西森はいつまで経っても、直人へ何も言わなかった。  そんな関係が続いていたある日、西森は一人、橋元の元を訪れていた。  いつかも見たような、眼鏡を拭きながら西森を出迎える橋元を横目に、西森は、適当な椅子へ腰掛けて、小さく溜め息を吐いた。 「どうしたの。西森くんが溜め息とは珍しいね」 「んー……。やっぱり、年の差って難しいのかなあって思ってさ」 「直人と上手くいってないの? ここに来る時とか仲良さそうにしてるじゃん」 「まあね」 「……惚気なら聞かないよ」 「仲はいいよ、仲は」 「どういう意味」 「直人はさあ、甘えられる人がいないんだよね、きっと」 「……なにかあったの」 「これでいいのかなあ、って思ってさ。いや、俺がどうとかじゃなくて、直人のためにね」  頬杖を付きながら、伏せ目がちに西森が続ける。 「俺は、直人を甘やかすの全然いいんだよ。直人のこと好きだし、えっちできるし。でも、直人をダメにしてるかもなあって」 「……直人はしっかりしてるから、大丈夫だと思うよ、俺は」 「それ。そういうのに、押しつぶされてんだよ、きっと」 「……」  橋元が、眼鏡をかけ直して西森を見る。 「離れたほうが直人のためかなあ、って思うんだけど、離れちゃいけない気もすんだよね」 「……難しい話だね」 「でしょ? もし、俺がもう会わないようにしよう、って言ったら、直人どんな顔するかなあ」 「……。頷いて終わりじゃないかなあ」 「でしょ?! でも、それって強がりでさ、そのあと直人どうやって生きてくんだろう、とか色々考えちゃうんだよ」 「西森くん、そんなに面倒見良かったっけ?」 「ね。俺もびっくり。前の恋人に散々ウザイって言われたのに」  はあ、と、西森は再びため息を吐く。 「次、直人にしたいって言われても、俺、拒否しちゃうかも」 「��したらきっと悲しんじゃうよ、直人」 「だよねー。でもこんな気持ちで直人抱けないし」  西森はトントンと指で机を叩くと、急に立ち上がった。 「だめだ。ニコチン入れてくる」  そう言って、スタッフルームを出て行った。  西森を見送った橋本は、苦笑を浮かべる。 「……やっぱり、変に近づかせない方が良かったのかなあ……」  いつかのようにそう独り言を零すと、頭を切り替えるように、傍らにあったノートパソコンを弄りだした。 *** 「直人、そのギター、あげるよ」  西森が唐突に直人へ切り出したのは、直人の卒業も近づいた、冬の日だった。 「……え……」  西森の言葉を聞いて直人が零したのは、喜びではなく、戸惑いだった。 「卒業祝い。それに、いい高校受かったんだし? よく頑張りましたのご褒美」 「……」  直人は、弾いていたギターをまじまじと見る。買えば、結構な値段がするギターだ。 「あ、でも今日はまだね。そうだな……、直人が高校に入学して、俺にやりたいことをしっかり宣言できたらあげる」 「……卒業祝いじゃないの?」 「俺にとっても大事なギターだからね。そう簡単にはあげない」  西森は目を細めながら言う。からかうような冗談を言う時、西森はいつもこの表情を浮かべた。 「……わかった」 「うん。……あ、そろそろ帰んないとまずい時間だろ」  部屋の時計を確認して、西森が言った。直人は、相槌を打ってギターを元の場所に戻す。  この頃には、体を重ねる回数も減っていて、西森は、時間になると直人を返すようになっていた。  直人は物足りなさを感じるも、拒絶されたときのこと思うと、強く出ることはできなかった。 「……」  西森と別れ、一人電車に揺られながら、直人は、小さな予感を感じていた。  ギターをあげる、という話。時期的に、卒業間近なら、確かに卒業祝いでもおかしくはない。  ただ、なにか。直人の中に、一抹のさみしさが湧き上がっていた。  その後、直人は高校に上がり、約束通り、西森からギターを受け取った。  「音楽の道に進みたい。だから、軽音部にも入った」――そう、直人は西森へ伝えた。  西森は、いつものように目を細めて笑みを浮かべると、おめでとう、と、直人へ軽いキスをした。  でも、それだけだった。  ――そして、それ以来、西森はライブハウスへ姿を現さなくなった。  直人が橋元に西森のことを聞くも、橋元は、俺にも解らない、と言うだけだった。それが嘘か本当か、直人が知ることはできなかった。  直人は、自分から西森へ連絡をしなかった。西森がライブハウスに来なくなった、という事実が、直人をそうさせていた。  以前に感じた、小さな予感のせいもあった。あれは紛れもなく、別れの予感だったと、直人は思った。  そのうち、直人は西森のことを考えるのを、やめることにした。  結局、西森から貰ったギターも殆ど触る気が起きず、直人はバイトの貯金で、新しく安価なギターを買った。  それから、直人が成人を迎えて西森の年齢を超えても、西森と直人が言葉を交わすことは、二度となかった。 *** 「……というのが、あのギターにまつわる話」  薄暗い一室のベッドの上で、直人は、そう、話を締めた。  直人の腕の中では、年下の、今の恋人である一夜という名の少年が、すっぽりと収まっている。 「たしかに、自然消滅だな、それは」  直人の言葉に、一夜は静かにそう返した。 「でも、直人さんがあのギターを新居に持ってこなかったの、納得したかも」  西森から貰ったギターを、直人は新居��越すと同時に、ライブハウスへ預けていた。  そして、直人が今回過去を振り返ることになったのは、そんなギターにまつわる一夜の要求がきっかけだった。  いい加減、昔の恋人とギターのことをちゃんと聞きたい――何度目かのまぐわいの後、一夜は、直人へそう強く申し出た。  一夜はなかなかに察しがよく、直人がなんとなく誤魔化せばいつもそれを悟って引き下がるが、この日の一夜はそうではなかった。  だから、直人も潮時かと、あまり積極的に話したくは無い過去の話を、一夜へと語ることにした。 「今度こそこれで全部だから。……これ以上は聞かれても困る」 「うん、サンキュな。……それにしてもさ」  一夜は改めて直人を見ると、続ける。 「前に、直人さんがその……西森さんを見かけたことがあっただろ?」 「……クリスマスの時だっけ」 「そう。なんか、その時見た人と、少し印象が違う気がするんだけど」 「……うん」  直人は静かに答えると、思い出すように、遠い目で視線を逸らした。 「だから、俺も西森さんかははっきりと解らなかった。ただ、煙草の銘柄が一緒だったのと、バイクが、昔俺に訊いたのと同じだったから」 「なるほどな……」  年齢も、自分の目測だと三十代くらいだった、と、一夜は思い返す。それなら、大体の条件は話の人物と一致している。 「……俺にとっては、あまりいい経験ではないから。それを君に重ねて、もどかしい気持ちをさせてしまったとは思ってる」 「それは……、まあ、仕方ないしな。直人さんの気持ち、わかるし」  一夜にとって、今のような距離感で直人と過ごせるまでは、とても長く感じることだった。  だが、直人自身が感じた思いを汲めば、そうなってしまうのかもしれない、とも思った。 「……ギター」 「ん?」 「一夜が聞きたいなら、今度、聴かせる」 「……マジか」 「うん、簡単なものだけど」 「それでいいから聴きたい」  目に見えて嬉しそうな一夜の反応に、直人も微笑を浮かべる。堪らなくなって、一夜を抱きしめる腕に力を入れた。 「じゃあ、予定の会う日に」 「ああ、楽しみにしてる」  どちらからともなく軽いキスを交わして、「そろそろ寝よう」とお互いに瞼を落とす。  滅多に口にすることはないが、直人は、腕の中の少年に出会えてよかったと、何度も思ったことがあった。  そしてこの先は、それを伝えていきたいとも、思っていた。  思い返せば、どちらも出会いのきっかけは、決して良いものではなかった。  でも、だからこそ。  こうして今があることが、直人は、なによりも幸せに感じた。  きっとこの関係は、この先も強く、続いていく。   傍らから聞こえる小さな寝息を聞きながら、直人も、ゆっくりと眠りに落ちていった。
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galleryshinsaibashi · 9 months ago
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◆artherapie(アルセラピィ) 新作が入荷致しました◆ 【ネオドラゴン2つ折りがま口財布(SILVER)】 定価:19,800円(税込) 弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/230862-71/ artherapie 株式会社ホワイ製〔WHY Co.,Ltd〕 素材:牛革 サイズ:約高さ110mm×横幅120mm×マチ幅35mm カラー:シルバー カード入れ:9枚 日本製 前作のドラゴンシリーズをベースにした新シリーズ「ネオドラゴン」がリリースされました。 ドラゴンのデザインも新たに判も新調した今回のシリーズ。 より立体感のある型押しに、以前と同様に職人の手作業による着色で仕上げられています。 『がま口』について詳しい説明はこちら ※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。 ※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1階 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】4月無休、5月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected]
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galleryshinsaibashi · 9 months ago
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◆artherapie 母の日 ギフト コレクション開催◆ 開催日:5月12(日)まで 場所:Gallery なんばCITY本館1階店 GalleryなんばCITY店では、母の日ギフトに最適なアルセラピィのレディスアイテムを強化し多数取り揃えました。 BAG (A4サイズ、ハンド、サッチェル、ボストン、リュック、クラッチ、ボディ、シザーズ等)、財布、名刺入れ、パスケース、カード ケース、キーケース、小銭入れ、タバコ入れ、キーホルダー等。 artherapieの取扱い国内最多、120型以上を誇るGalleryなら最高のプレゼントが見つかるはずです。 弊社によるデザイン企画の為、国産ゴルチェの復刻的作品多数。 ★テディベアシリーズが復刻。 ビッグボストン、リュック、ショルダーの3型を御用意。 再発は未定ですが、最短でも1年から2年後です。 ジャンポール ゴルチェのプレタポルテ2003年秋冬パリコレクションのロリータファッションで発表されたテディベアのグラフィックへのオマージュです。 当時、WHY(株)により国産化されました。 当時、このシリーズにおいて弊社が形や素材の監修をしています。 更に弊社監修により、アルセラピィでも過去に数シリーズ製品化されています。 久々の復刻で今回は、非常に使いやすい素材と形に再開発されました。 コーティングにより防水性や耐久性を高めました。 グラフィックの印影もより美しく仕上がっています。 ★新作のナイロンシリーズが大人気です。 キルティングしていないのに、肉感のある分厚い生地を開発しています。 80年代初期から、ジャンポール ゴルチェのコレクションではMA-1等のエアフォースジャンパーを高品質な素材で、アール・デコ調にデザインしたシリーズが発表されていました。 ランウェイでもその素材をバッグに落とし込んだ作品が有ります。 現在のゴルチェのオートクチュール迄続く得意の表現です。 80年代からWHY(株)はそのシリーズを意図的に拡大解釈して、多数の名作バッグを生み出しています。 今回のアルセラピィのナイロンバッグもその延長です。 ★新作ネオドラゴン artherapie(アルセラピィ)から進化したドラゴンシリーズ、Neo DRAGON(ネオ ドラゴン)の長札財布がリリースしました。 型押しの精度が高められ、より迫力のあるドラゴンになりました。 さらに、ドラゴン部分に陰影を付け、定着に時間を掛け、立体感を���すことにベストを尽くしています。 ジャンポール ゴルチェのドラゴンと全く同じ職人と生産背景で製作しております。 特にこの水準の盛り上げ加工が出来る職人は国内に3人しかいません。 その為、希少数しか生産出来ません。 一旦完売すると、約8ヶ月待ちになる為、是非この機会に御検討下さい。 国産ゴルチェと同型、同素材、同パーツなどを使用し、同工場にて同工程で生産。 是非この機会にGalleryに御来店下さい。 スタッフ一同、心より御待ちしております。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】4月無休、5月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected] 【なんばCITY店Facebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg_vw 【Blog】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【online shop】http://gallery-jpg.com/
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galleryshinsaibashi · 9 months ago
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◆artherapie 母の日 ギフト コレクション開催◆ 開催日:5月14(日)まで 場所:Gallery なんばCITY本館1階店 GalleryなんばCITY店では、母の日ギフトに最適なアルセラピィのレディスアイテムを強化し多数取り揃えました。 BAG (A4サイズ、ハンド、サッチェル、ボストン、リュック、クラッチ、ボディ、シザーズ等)、財布、名刺入れ、パスケース、カード ケース、キーケース、小銭入れ、タバコ入れ、キーホルダー等。 artherapieの取扱い国内最多、120型以上を誇るGalleryなら最高のプレゼントが見つかるはずです。 弊社によるデザイン企画の為、国産ゴルチェの復刻的作品多数。 ★テディベアシリーズが復刻。 ビッグボストン、リュック、ショルダーの3型を御用意。 再発は未定ですが、最短でも1年から2年後です。 ジャンポール ゴルチェのプレタポルテ2003年秋冬パリコレクションのロリータファッションで発表されたテディベアのグラフィックへのオマージュです。 当時、WHY(株)により国産化されました。 当時、このシリーズにおいて弊社が形や素材の監修をしています。 更に弊社監修により、アルセラピィでも過去に数シリーズ製品化されています。 久々の復刻で今回は、非常に使いやすい素材と形に再開発されました。コーティングにより防水性や耐久性を高めました。 グラフィックの印影もより美しく仕上がっています。 ★新作のナイロンシリーズが大人気です。 キルティングしていないのに、肉感のある分厚い生地を開発しています。 80年代初期から、ジャンポール ゴルチェのコレクションではMA-1等のエアフォースジャンパーを高品質な素材で、アール・デコ調にデザインしたシリーズが発表されていました。 ランウェイでもその素材をバッグに落とし込んだ作品が有ります。 現在のゴルチェのオートクチュール迄続く得意の表現です。 80年代からWHY(株)はそのシリーズを意図的に拡大解釈して、多数の名作バッグを生み出しています。 今回のアルセラピィのナイロンバッグもその延長です。 ★新作ネオドラゴン artherapie(アルセラピィ)から進化したドラゴンシリーズ、Neo DRAGON(ネオ ドラゴン)の長札財布がリリースしました。 型押しの精度が高められ、より迫力のあるドラゴンになりました。 さらに、ドラゴン部分に陰影を付け、定着に時間を掛け、立体感を出すことにベストを尽くしています。 ジャンポール ゴルチェのドラゴンと全く同じ職人と生産背景で製作しております。 特にこの水準の盛り上げ加工が出来る職人は国内に3人しかいません。 その為、希少数しか生産出来ません。 一旦完売すると、約8ヶ月待ちになる為、是非この機会に御検討下さい。 国産ゴルチェと同型、同素材、同パーツなどを使用し、同工場にて同工程で生産。 是非この機会にGalleryに御来店下さい。 スタッフ一同、心より御待ちしております。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】4月無休、5月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected] 【なんばCITY店Facebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg_vw 【Blog】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【online shop】http://gallery-jpg.com/
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