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二次創作ゲーム|ゼロからの脱出 ②設定とキャラ定義、コンセプト
━━━━━━━━━━ ①ゲームづくりの発端・使用ツールなど ②設定とキャラ定義、コンセプト ③ロゴ・UIデザイン ④未定(シナリオ、謎づくり……) ━━━━━━━━━━
※この記事内にはゲーム全体のネタバレがあります
┃コンセプトづくり(タイトル決め)
プレイしてくださった方にはご承知いただいているかもしれませんが、「ゼロからの脱出」というタイトルは ①脱出部屋"ルーム:ゼロ"からの脱出 ②ゼロから友達になったあとの"関係値ゼロ"からの脱出 のダブルミーニングになっています。
このタイトルを仮称に決めた時点で、舞台を里のはずれからブルベリに移しました🌊 "ゼロ"という響きがどうこねても里の廃墟には似合わなさそうだな……というのと、ブルベリであればアオイの制服を🍊と🍇で悩まなくて(または差分を作らなくて)済むという今更の思い至り──!
┃ふたりの関係値
"関係値ゼロ"からの脱出……ということで、目指すコンセプトのベースは『両片思い』の切なすぎないも��かしさ・甘酸っぱい関係の可愛さ! 特に「切な(シリアスにし)すぎない」という部分はとっても大事にしました。 ※↑ドンヨリ暗くしたくないの意図なので、「切なくて~」というご感想はメチャ褒め言葉です、ありがとうございます……!!😭✨️
■ふたりが恋愛感情を自覚するタイミングって…… スグアオに限らず当然ですが、公式で明確な(明言された)描写がない以上、また片方が主人公キャラである以上、ここはとっっっても想像や解釈の幅が広い……!特にアオイ たのしい きっと初めて会った瞬間や初バトル、オモテ祭りがきっかけなふたりも存在すれば、前後編の間や再会した時に自覚するふたりも、エリアゼロも……番外編も……いっそアオイがパルデアに引っ越す前とかいう可能性だって……(※ワンライ小説で書いたネタ)
※弊サの"好きなタイミング"はあえて決めるなら スグリ:初めてバトルした時(微自覚、だんだん気付く) アオイ:番外編後もうちょっと先 ですが正直ほんといつでもおいしい 全部ください
これはかっこよく言うとサブ・コンセプトなのですが、今回つくるゲームでは「ふたりの・原作のこういうところ、たまらんよねえ~!」という"同じイチファンとして、遊んでくださる方の原作に対する思い入れへの共感"に振り切った(もちろんわたしが描きたい・描いてて楽しいが前提の)二次創作にしたいなというのを漠然と考えていました。 より原作の思い出に準拠……と言うとあまりにおこがましいですが、たとえばスグアオに触れたことがない方が遊んだとしても「フーン、関係性ゲキモエじゃねーの……」と感じていただける&それが本編(のふたりのやりとり部分)からわたしたちが得たあの栄養と近しい味になれてたらいいなァ~~~ッとか…… どういう文章?(消しますか?)(脳内のヒューベルト)
となれば、本編後まだ"友達"感強めのスグ&アオでも・すでに意��しあっているスグ♡アオでも解釈に大きな差が出ないように、幅広く「恋愛感情に育つまで」を想像できる余白があれば尚良し!ということで舞台は"本編から約一年後"のブルベリに決定!
■ちなみに スグ主もちょこちょこ描いてきましたが、弊サにおいての主人公とアオイとの書き分けはこんなかんじ🍊 ※ここってべつに全然明確に分けなくてよいものだと思ってるのですが、あくまで自分が書(描)きやすいようにこう定義してるよ~の図です!
┃タイトル絵
一年後のブルベリと決まったところでおおよそ頭身が定まったので、立ち絵とタイトル絵を並行して描いていきます
最初のラフ(寝っ転がって天窓を指差すアオイ&なんで照れさせたか忘れてしまったスグリ)
脱出パートのとある場所を探索すると発生する「手錠を気にしすぎないように手を繋ぐ」という会話を意識して、最初はフツーに繋いでもらっていたのですがCPイベント合わせのタイトル画面やぞ!いい加減にしろ!と己の魂の叫びに従って素直に恋人つなぎにしました 欲望を手放すな ちゃんと握ってるのはアオイだけですが……
ただ手錠そのものを描いちゃうのはちょっとビジュが異質(悪目立ち)かな?というのと、ネタバレほどではないが先出しされても情報の再放送でしかないので省略しました。 看板やリモコンよりはネタバレにならなさそうなラインのアイテムを入れつつ……(そういえば、当初は真ん中にモルペコロボが寝ていました)
タイトルにもバナーにもほぼ入りませんでしたが、ブルベリの指定靴ってメ~~~チャかわいいですよね……!!
あとこれ自分で言わないほうがいいってわかってるんですけど、スグリの視線の先はリンゴ��つもりで描いたんですけど、なんか……
┃立ち絵
「おおよそ頭身(一年後)が定まった」と言いつつかなり最後の方まで調整を繰り返していました、頭身……! 今でもちょっと高いかな?と感じる瞬間があるのですが、これ以上縮めるとほぼ本編頭身になってしまって……🤔(※わたしの塩梅の限界)
夜中にせや!途中で髪型変更しよ!と思いついた時は己への感情がふたつに分裂しかけましたがここ描くのとっっても……楽しかったです……!!描けてよかった スグリのポーチはシナリオに合わせて途中で慌てて外しました 腰まわりが……さみしい……
本当はそれぞれもうひとつポーズ差分つくる予定だったのですが、ラフをアテて動かした際にあんまり動いてもうるさいな(それより表情が多いほうがしっくりくる)と思いボツにしました。 ※スグリ:口元に拳をあてて考えている、本編にもあるあのポーズ ※アオイ:右手を胸元に・左手を自然におろした落ち着きポーズ
最終的な表情表……!(超アナログ!)
※表情差分は最初「aoi_pokan01」「sgr_smile03」という感じで名付けていたのですが、どれがどれだか直感的じゃなかったので"目元"と"口元"の組み合わせを使う・使わないに関わらず全通りの番号を振って、表と見比べながら打ち込む形に変更しました。 例)aoi01_tere.png , sgr16_tere_ase.png
next:③ロゴ・UIデザイン(仮)→
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1973年 「鉄砲玉の美学」
監督:中島貞夫
脚本:野上龍雄
音楽:荒木一郎、頭脳警察
出演:渡瀬恒彦、杉本美樹、碧川ジュン、川谷拓三、小池朝雄、城恵美、岸洋子、荒木一郎 ほか
従来のヤクザ映画とはかけ離れた表現が今も強く支持を集めている名作映画で、非商業主義芸術作品を次々と送り込んだ名映画会社「ATG」が制作。
元料理人で、テキヤをしながら風俗嬢の居候をしている暴力団・大阪天祐会のチンピラ小池清(渡瀬恒彦)が、組幹部の命令で鉄砲玉(殺し屋)として九州に乗り込み暴れるが、敵対する宮崎の暴力団、南九会は一向に反撃の狼煙を上げない。
(途中、いろんな女が登場するけど、話が長くなるのでここでは割愛)
もどかしいまま、九州の街中を歩いていたら、以前危機を救った女、石井(米松)律子と偶然出会う。
「霧島に一緒に行こう」と彼女を誘うが、新婚だからと誘いを断る律子。
暫くして組から「戦争は終わりだ。手打ちだからすぐに大阪に戻れ」との連絡が入るが、鉄砲玉になって、どうしようもないチンピラから一流のやくざになれると思っていた清は行き場を失う。
律子との霧島旅行を諦めきれない清は大阪に帰る前に予定していた霧島旅行当日、再び律子の家に出向くが、彼女は警察を呼んでいて逮捕されそうになり頭に血が上った清はとっさに発砲して警察官を負傷させる。
自らも警察官の弾丸を胸に受け、街中を逃げ回り、自動車の廃車置き場で力尽き倒れ込む清。
かすむ目を何とか開いて見えたのは霧島の山姿・・。
ここで映画も終わりかと思いきや、場面は突然霧島の山岳道路を走る観光バスが映し出され、具合の悪そうな客がいるので声をかけるバスガイド。
そこには明るい日差しに照らされて既に息絶えている清が・・・。 (どうやってバスに乗ったんだ?笑)
大声で叫ぶバスガイドと急停車する観光バスを空撮で引きながら映し出されて映画は終わります。
オープニング音楽は頭脳警察、シャンソン歌手の岸洋子がマージャン仲間として登場、南九会幹部役は、後に「刑事コロンボ」で声優として大出世する、俳優としても有名な小池朝雄。
制作会社は黒木和雄の「とべない沈黙」や羽仁進の「彼女と彼」で有名なATG(日本アートシアターギルド)の制作なので面白くないはずがない。
中島監督は「東映調のやくざを英雄視した作品ではなく、社会からドロップアウトした人間を追い、その中から人間性を描きたい」と決意しただけあってヤクザ映画なのに派手なアクションシーンやドンパチシーンがほとんど出てこないある意味美しいヤクザ映画。
当時のマスメディアから「やくざ映画にも"芸術やくざ映画"なるジャンルが現れた」と高く評価されました。
映画の製作費は2400万円。
(東映が1400万円出してくれたそう)
東映出身の中島監督がATGで映画を撮ると噂が流れると、多くの東映の役者が出演を希望し、東映の番線映画に近いキャストになりました。
(なるほど、狂った野獣の俳優も結構出てるのはそういう理由だったのか。笑)
中島監督と仲の良かった主演の渡瀬恒彦は「ノーギャラでもいい」と申し出ましたが、結局、自身の愛車・フェアレディZを撮影用に提供するという条件で20万円で出演したそうです。
中島監督は「渡瀬が最初に手を挙げてくれなかったら、全然違うキャストになっていたかもしれない」と後に述べています。
60年代から70年代のオープニング手書きロゴのカッコよさは相変わらずで素敵。
70年代の街並みやファッション、風景が新鮮。
従来のやくざ映画とはかけ離れた何とも言えないクールな映像とストーリーの表現が今でも多くの日本映画ファンの支持を集めている名作です。
(映画はカラー作品です)
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よしもとかよ 「日々是好日」。vol.138 (2024/7/17 + 7/24)
2024 17th + 24th july
M1 pacifique (Deep Forest)
M2 geassebeaivi (Niko Valkeapaa) M3 libego (Szaloki Agi)
M4 Guantanamera (Sarah Willis) M5 voyage en Italie (Lilicub) M6 tango Italiano (Connie Francis) M7 il bacio (Giovanni Allevi) M8 che luce sei (Filippa Giordano)
[好日の素…Tシャツを選ぶこと。]
一年中着る機会の多い、 好きなアイテムのひとつであり、 特に夏に活躍するのが、Tシャツ。
以前は じぶんに似合うかどうか、というより デザイン重視で購入することが 多かったのですが、 引っ越しを機に、一旦整理。 手放せなかったお気に入りと ここしばらくの間に購入したもの、また プレゼントでいただいたものなどを 日々選んで着ています。 シャツやブラウスのお話を した際には、 ストライプが多い、ということだったんですが、 Tシャツは、というと こちらはボーダー柄が多い… 縦ではなく、横、です(笑! 流行り廃りがあまりないからでしょうか、 着ていて安心感がある気がします。 続いては、ロゴや文字が入ったもの。 なかなか出会えないのですが、 今密かに(って、番組で言っちゃったけど・笑) 集めているのが、 bonjourと書かれたTシャツ。 実は結構な人見知りの わたしにとって、勇気をくれるデザインです…! そして、この頃特に 注目しているのは デザインより素材や機能を重視したもの。 父が生前着用していた マウンテンスポーツ用の素材のTシャツなどが 軽くて乾きやすく、重宝しています。 Tシャツにデニム、スニーカーという コーディネイトの ミドルエイジの女性を 「カジュアルおばさん」と 呼ぶ、なんて話も 小耳にはさみましたが、 年齢よりも 自身が着て心地よいものや 動きやすいものを選べば それでいいのではないかな、とも 思いますし、 そもそも好きな服を 選んで着られるって しあわせなこと。 きびしい暑さの夏を 着るものでもたのしんで 乗り切りたいな、と思います。
* * * * * * * * * * *
[日々是食べたい!… パンナコッタ ]
これほど長く 番組をお届けしているのに、 まだご紹介していなかったとは…と じぶんでびっくりしてしまいました! 夏だけでなく、 なにかデザートを用意したいんだけど…と 困ったときに 真っ先に思い浮かぶのが、このパンナコッタ。 イタリアの伝統的なスイーツのひとつです。 1990年代には 日本でもブームになって 市販されたこともあるので 召しあがったことのある方も 多いのではないでしょうか。 材料はとてもシンプル。 パンナ(クリーム)、コッタ(煮た)の 名前のとおり、 生クリームと牛乳、砂糖とゼラチンが 主な材料。 そこに香りづけでバニラやラム酒が 加わることも。 ゼラチンをつかうので 加熱する時間も短く、 比較的手軽につくれるデザートだと思います。 伝統的な食べ方は、 何も添えずにそのままいただくのだそうですが、 フルーツや ソースが添えてあるものを よく見かけます。 わたしが特に気に入っているのは 桃やベリー類との組み合わせ。 季節によっては 栗のペーストを添えたりして たのしむこともあります。 シンプルだからこそ いろんな食材との組み合わせが たのしめる、ともいえます。 また、生地そのものに 紅茶や抹茶などを加えた アレンジ版のパンナコッタも 味わいが変わって、よいものです。 暑い日に のど越しよく、ひん��りした デザートとして、 わたしの中ではすっかり定番の一品です。
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「キノコ雲の子」と呼ばれた高校生がいた。 原爆のキノコ雲に誇りを持つべきでしょうか――。早稲田大4年の古賀野々華さん(23)は5年前、留学先の米ワシントン州リッチランドの高校で、そう疑問を投げかけた。核産���で発展した町での勇気ある行動は、広島市で6歳の時に被爆した後東利治さん(85)の背中を押した。思い出すだけでつらく、向き合うことを避けてきた記憶の扉を開け、体験を語ることを決意した。 ■キノコ雲の校章に疑問 リッチランド高校に留学中の古賀さん。校舎にはキノコ雲の校章が大きく掲げられている(古賀さん提供) 「キノコ雲の校章を誇りに思う」「こんなにユニークな校章は他にはない」 米リッチランド高校。2019年5月、校内向けに配信された3分40秒の動画番組「AtomicTV」で、米国人の生徒が原爆のキノコ雲をかたどった校章を口々に称賛する中、古賀さんが口を開いた。 「原爆で亡くなった人は、町で生活していた一般の人だった。多くの人を無差別に殺した原爆を、私は誇りに思うことはできません」 リッチランドは、核施設で働く労働者や家族のために建設された。第2次世界大戦中に原爆を開発した「マンハッタン計画」の拠点で、長崎に投下された原爆の原料プルトニウムを製造したその施設は、1987年まで操業していた。 ■核産業で栄えた誇り リッチランド高校の校章。原爆のキノコ雲をシンボルにしている(古賀さん提供) 古賀さんが福岡県大牟田市の私立高校から留学したのは2018年8月。最初はリッチランドがどういう場所か知らず、校章を気に留めることもなかった。 半年ほどが過ぎた頃、男性教諭から校章の由来を教えられ、涙があふれた。 「原爆投下で戦争が終わって今がある」。周りの生徒は核産業で発展した町の誇りを当たり前のように口にした。2019年6月の帰国を前に、動画への出演が決まり、校章をテーマに話すと決めた。誇りを否定するつもりはない。ただ、被爆地で起きたことを知ってほしかった。 <日本人留学生、リッチランド高校のキノコ雲ロゴについて語る>。出演後すぐにワシントン州の地元紙で紹介され、ニュースは日本でも報道された。 ■40年続いた悪夢 被爆体験を語る後東さん(左)。古賀さんもその様子を見守った(7月14日、広島市中区で) 被爆者の後東さんはニュースを知って衝撃を受けた。「米国のど真ん中で原爆を批判するこの子はすごく勇気がある。自分も何か話さんといけんのんじゃないか」 1945年8月6日、天満国民学校(現・広島市立天満小)の1年生だった後東さんは、登校して間もなく学校の廊下で被爆した。窓ガラスが黄色く光り、轟音と同時に木造2階建ての校舎の下敷き��なった。 何とかはい出し、避難時に見た光景が忘れられない。 あおむけで川を流れる無数の遺体、「助けてください」という叫び声。そして、やけどで頭皮の右半分がずり落ちたまま歩いている人の姿――。自宅を目指したが、がれきの上をはだしで歩くので痛くて前に進まない。様子を見かねたある男性がおぶって神社まで避難してくれた。その夜は神社で一人過ごした。 それから毎夜、目をつむると脳裏に惨状が浮かぶ。46歳頃まで続いた。思い出すことも、体験を口にすることも嫌だった。 ■返事が来ない 後東さんと古賀さんが交わした手紙 古賀さんの勇気に心が動いた後東さんは2019年8月、古賀さんに手紙を出した。<その勇気に私も背中を押され、被爆証言を始めようと決意しました> しかし、返事は、待てど暮らせど来なかった。「原爆にこれ以上深入りしたくはないんじゃろう」。大きく膨らんだはずの決意がしぼんでいった。 古賀さんには、後東さんのほかにも手紙やメッセージがいくつも届いていた。原爆に特別な関心があるわけではなかった。日本人として素朴な疑問を口にしただけだ。反響に戸惑い、手紙は返事を書かないまま自分の部屋にしまった。 以前から興味のあった福祉を学ぶため、2020年4月、早稲田大社会科学部に進んだ。上京時、後東さんからの手紙も持っていった。「いつか話を聞きたいという気持ちがあったのかな」 コロナ禍での大学生活。児童養護施設のボランティアに応募しても受け入れてもらえない。経験を積めず、人とも会えない。やる気がなくなっていった。 2022年2月、ロシアによるウクライナ侵略が起きた。テレビで流れる戦車や爆撃の映像に衝撃を受けた。ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用をちらつかせている。「私にできることは何だろう」。後東さんの手紙を思い出した。 ■動き出した2人の時間 古賀さんが制作したドキュメンタリー「あのプラタナスの木のように」の一場面。左が後東さん <戦争や核、平和について自分にできる事はないかと考える日々が続いておりました。被爆の話をお聞きする事が今の私にできる事だと思いました>。2022年5月、後東さんに返事が届いた。手紙を出してから3年がたっていた。 後東さんは驚きと同時にうれしさがこみ上げた。手紙の最後に書かれていた携帯番号にすぐに電話をかけた。「またまた勇気をもらいました」 翌6月、広島で初めて顔を合わせた。古賀さんの手にはハンディーカメラ。後東さんの初めての証言を記録し、ドキュメンタリーを制作したいと思った。 まず向かったのは、原爆ドームそばのお��。被爆死した近所のお���ちゃんの墓に手を合わせる姿を撮影した。被爆した小学校の校庭にはプラタナスの木がある。被爆で幹が空洞になりながらも緑の葉を生い茂らせる木の前で後東さんは語った。「人間もたくましく生きていかにゃあいけんなあ」 4日間密着した映像は、約15分間の作品にまとめた。タイトルは「あのプラタナスの木のように」。古賀さんには後東さんの姿がプラタナスと重なって見えた。 ■核兵器の町を再訪 核施設から放出された放射性降下物で被曝したと語るトム・ベイリーさん。約1年後に死去した(2022年12月、古賀さん撮影) 2022年10月、古賀さんは3年ぶりにリッチランドを訪れた。 後東さんの被爆証言を聞いて、「原爆投下は絶対悪だ」と強く思った。でも、世界を見渡すと多くの核兵器があるのはなぜなのか。答えを求め、大学を休学して海を渡った。 2か月かけて住民約20人に核兵器に対する考えを聞いた。肯定的な意見が相次ぐ中、一人だけ反対する人がいた。当時70歳代後半のトム・ベイリーさん。施設から放出された放射性降下物で被曝し、甲状腺がんを患っていると語った。 「私は最後のヒバクシャではない」。核開発が続く限り犠牲者が出るとの訴えが、重く響いた。ベイリーさんは今年1月に他界した。 ■人生初、英語の勉強に挑戦 田中さん(右から2人目)に通訳してもらい、留学生と交流する後東さん(中央)(広島市中区で) 後東さんも動き出した。町内会の慰霊祭や区民センターなど、機会を見つけては、どこへでも行って自らの被爆体験を語る。「今さら証言してどうなるという気持ちもなきにしもあらずだが、それを振り切ってやろうと思いよる」。昨秋には自身の証言活動に「ひろしま平和塾 きのこ雲」と名前を付けた。 昨冬に知り合った広島大4年の田中美月さん(22)に通訳を頼み、留学生に話をする機会も増えた。今年に入って毎週3時間、人生で初めての英語の勉強を始めた。 ■2年ぶりの再会 世代を超えて交流を深める後東さん(左)と古賀さん。それぞれの目線で原爆と向き合っている(7月14日、広島市中区で)=東直哉撮影 7月14日、古賀さんが後東さんの初証言を追ったドキュメンタリーの英訳付き版が完成したのに合わせた上映会で、2人は広島で2年ぶりに再会した。会わない間もLINEで近況を報告し合っていた。 「負けんように、証言しようと思っていた」。後東さんが古賀さんと出会ってからの心境を明かすと、古賀さんは「被爆証言が多くの国に伝わってほしい」。2人の思いは呼応し合う。 後東さんはさらに証言に力を入れ、古賀さんは大学卒業後に渡米し、米国での核被害の研究に挑戦したいと考えている。 核兵器が使われない未来へ。1本の動画をきっかけに生まれた世代を超えた交流は、その一歩だ。 ※こ��記事は読売新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
「キノコ雲の子」、原爆投下の米国で疑問投げかけ 長年口閉ざす被爆者に勇気 #戦争の記憶(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
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ラジコン備忘録 2024/9/2
仕事もラジコンも忙しくて数日分溜まっているのでまとめて投下。
まずは本番用ボディ作成。アウディR8、マクラーレン12Cの2台を塗っていきます。軽くて走るボディとされる2台ですね。未塗装ボディなので自分で塗ります。塗装に必要な小物類も買い足しました。
袋から出してまずはバリ取り・洗浄。紙やすりでバリを取りつつ、洗剤で剥離剤を取ります。下地作りの意味も込めて。
塗装の前にエアブラシの点検。最後に使ったのが1年前なので固着部分を掃除します。
準備ができたら、塗装・マスキングの繰り返し。今回、塗装ブースは換気扇を買って自作しました。めちゃくちゃ良いですね自作の塗装ブース。吸引が強くてミストが舞わないので臭いも改善されました。
乾燥させている間にデカールを自作。プラモデル用の既製品デカールを使う人もいたりしますが、ここは僕の重要こだわりポイント。既製品だとサイズは調整できないし、めちゃくちゃ高いです。自作すると好きなサイズに印刷できるし、何より好きなロゴを貼れるのが良いですね。実車じゃないんだから自分の好きなもの貼って満足しておけばいいじゃんという気持ちです。自作デカール用の台紙が売っているので印刷。
色分けができたらデカールを貼っていきます。この作業が一番好きかもしれません。自分でデザインしたのが形になっていく瞬間ですね。走りこめばボロボロになるボディですが、完成度の高いボディはボロになってもかっこいいものです。
デカールを貼ったらクリアコートを吹き付けて終わり。エアブラシを使うと塗膜が厚くなり過ぎない分、乾燥が早くて助かります。あとは窓やウイング等の小物パーツを取り付けて完成です。突貫で作成してトータル1��間くらいで完成。
塗装する前は色んなデザインを考えたりしましたが、完成すれば結局いつものカラーリング。北海道では、僕といえばこのカラーリングがもう定番になってしまったのであまり変えずにいきます。
走行といえば、まだデフで悩んでいます。トラクションのかかり方が不安定なのか、立ち上がりで変な感じ。バラして洗浄→組付け→走行を繰り返してました。いろんなデフグリスを試しても変わらない感じ。
何本もデフを組もうとして、手持ちの新品デフを30分くらいかけて丁寧に研磨・グリスアップした後にシャフトの長さが違うというミス。ナロー幅のシャフトで組んじゃった...。見なかったことにします。
色々と試して、どうやらシャフトの軸位置を低くした方が良いというのが分かりました。僕の使っているアルミモーターマウントでは4か所の位置調整ができるので、軸位置を一番高い位置から一番低い位置に変更。シャフトの位置が下がるということはリア車高が低くなるということで、リアがロールしすぎる感じが無くなって良い感じ。
重心位置も下がって非常に良い感じです。今まで重心が高くてインリフト気味だったのかな。
よく考えれば当然です。車高・重心を低くした方が振られない分、安定感は増します。それでもリア車高を今まで高くしていたのは、相対的にフロントを低くすることでフロント荷重を多くして曲がりやすくしようという思考があったから。最近のトレンドでは違うっぽい。
あとはタイヤづくり。ホイールに5mm幅のお気に入り両面テープを貼ってパーツクリーナーを少し垂らしてタイヤをはめ込む。ホイールの歪み・クラックがあると嫌なのでレース用は全部新品ホイールで組みます。
そんなことをしていると、こんなに小さいのに本気でやると1カ月のタイヤ代は3万円は超えてるはず。これに他の消耗品・バッテリーの入替もかかると考えると恐ろしいですね。
あとは好みのタイヤ径を量産するために、ひたすら削ります。これだけ手間をかけても、タイヤのおいしい部分は1セットあたり10分くらい。それでも、何もしてない新品状態から良い状態に持っていくのにそれなりにかかると考えればいいのかな。ラジコンだとフロントタイヤは新品��必ずしも良い状態とは限らないのが難しいところ。それなりに走ってブリスターが出た状態が僕は好きです。
色々と作業で大先輩のピットスペースを借りましたが、整頓された作業スペースというのはもちろん作業性が良くていいですね。見習って僕も整頓できるかな。
気づけば北海道大会本番まで約1週間。北海道大会の予告レイアウトも発表されたのでショップコースのレイアウトも大会レイアウトに変更。ヘアピンが多すぎる。正直言って退屈なレイアウトですね。これでは腕というよりマシン差が出るようなコースなのかな。それでも最終シケインはきちんと走らせ方を分かっていないと失速するのでそこは面白いです。
今年は全国の代表権を放棄して、もし獲得できる順位でも下位に譲ることを各方面に伝えているので、あまりナーバスにならずに参加できそうです。それでももちろん表彰台は狙いますが...。昨年はあまりにもピリピリしすぎました。代表権がどうのこうのよりも、年に1回のお祭り気分で楽しむことが一番ですね。
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ドクターヘリとマルチツール。災害と備え。|ビクトリノックス × 日本医科大学千葉北総病院
ビクトリノックス ジャパン株式会社は、2011年3月よりCSR活動として、重傷救急患者の救命活動に大きな役割を果たし、救命率向上に貢献している日本医科大学千葉北総病院 救命救急センターのドクターヘリ事業(救急医療用ヘリコプター)を支援しています。
今回、実際にドクターヘリに搭乗し救急医療の現場で活躍されている救命救急センター 助教 安松 比呂志 医師に、ドクターヘリの取り組みについて、そして、災害時におけるマルチツールの役割についてお話を伺いました。(2024.2.19インタビュー)
リンク:日常・防災・災害時に。 「もしも」に備えるマルチツール
年間1,800回出動!? ドクターヘリの取り組みとは?
まずは、ドクターヘリについて詳しく教えてください。
ドクターヘリは、救急現場へ医師をいち早く送り込み早期に患者の初期治療を行い、そして、患者を迅速に病院へ搬送するツールです。
現在、国内では46都道府県に56機が導入されており、千葉県は北部の北総ドクターヘリと南部の君津ドクターヘリがそれぞれ2機のヘリコプターを所有し、千葉県と茨城県南部を対象として日々医療活動を行っています。
救急現場において、ドクターヘリが要請されるタイミングは大きく2つあります。
現場から要請:119番通報を受けて現場へ到着した救急隊が、実際に患者の状況を確認し、重症、そして緊急度が高い場合にドクターヘリが要請されます。その場合、救急隊から北総病院へ直接連絡がきて現場へ急行します。
覚知要請:消防の指令センターで119番通報を受けた段階で、指令センターがドクターヘリを要請します。「胸痛」「麻痺」「意識障害」「交通事故」など、重症および緊急性が非常に高い状況である可能性を示唆するキーワードをピックアップし、ドクターヘリが必要か否かを判断します。
出動頻度はどの程度ありますか?
1年間で約1,800件程度の要請があり、そのうち実際に出動するのは1200件、1日平均3 ~ 4回出動しています。要請の半分以上は覚知要請です。
実際は現場に到着した救急隊が状況を確認し、3割程度が、軽傷や意識が回復したこと等の理由で要請がキャンセルとなっています。
キャンセルが多いような印象を受けます。
我々は、少しでも重症度、緊急性が高いと疑った段階でためらわずに要請をする(オーバートリアージを許容)ように消防と連携しています。
現場で、実際に状況を確認してからの要請だけの場合だと、本当に重症かつ緊急性の高い患者への治療(接触)が遅れてしまう可能性がでてきます。本当に必要な時には必ずドクターヘリで向かっている状況��するため、少しでも重症の可能性があれば、ドクターヘリを要請するような環境を整えています。
そのため、3割程度がキャンセルとなっているのです。もちろん、要請の精度を高めるために、キャンセルとなるキーワードを精細する等、日々改善を図っています。
救急現場におけるドクターヘリの重要性。
ドクターヘリの最大の特徴は何ですか?
ドクターヘリに対して、「患者を病院へ早く移送する」という印象をお持ちの方も多いかと思いますが、医療者を現場にいち早く運ぶこと(ドクターデリバリー)が、ドクターヘリの最大の目的です。
北総病院の医療圏は、最大で車で1時間程度かかる距離があります。患者の受け入れ要請を受けて、最大で1時間程度、患者の到着を待たなければいけないわけです。ドクターヘリがあることで、これまで医師が病院で患者の到着を待っていたところを、ドクターを現場に搬送することで、現場でいち早く処置を開始できるようになります。これがドクターヘリの最大の特徴です。
ドクターヘリだからこそ救えた命も多いですか?
はい。 まず、北総病院は、重症のケガを負った患者(外傷患者)の搬送が多い医療機関です。外傷患者は大量出血の場合が多く、その場合、「いかに早く手術を開始できるか」が非常に重要となります。
ドクターヘリがあることで、医師が現場で患者の状態を正確に判断することができ、細かな事前情報を把握することができます。そうすれば、病院では患者の到着後すぐに処置(手術)を開始できるよう、準備することが可能となります。事前情報の有無が、処置の開始スピードに大きな影響を与えるのです。 事前情報をいち早く共有できることもドクターヘリにとっての大きな意義です。
また、北総病院では救急外来でも手術ができる環境を整えており、実際に患者が到着してから、最短10分以内には手術を開始できる状況を整えています。もちろん、患者の状況によってその限りではありませんが、今すぐにでも手術をしないと間に合わ��い場合に、最速で手術ができる環境が整っているのは強みです。
私自身も、ドクターヘリで急行し、現場で緊急処置を施して病院へ搬送したこともあれば、病院で待ち構えていて、ドクターヘリ到着後すぐに手術を行ったこともあります。ドクターヘリがあったからこそ救えた命です。
リンク:日常・防災・災害時に。 「もしも」に備えるマルチツール
災害時におけるマルチツールの活用と、「もしも」の備え。
ビクトリノックスは、ドクターヘリのロゴをプリントしたマルチツール「ドクターヘリ支援モデ���」を製造し販売しています。また、マルチツールをはじめ、救急現場での道具の運搬時に活用いただけるバッグを提供し、活動を支援しています。
マルチツール ドクターヘリ支援モデル ※左から ハントマン 価格:6,050円(税込) ミッドナイトマネージャー 価格:6,050円(税込)
現在、お使いいただいているマルチツールは、災害時や救急現場では必要だと思いますか?
マルチツールは必要だと思います。私は、2024年1月に発生した能登半島地震の災害支援に行き、石川県災害��部にてドクターヘリでの搬送調整業務を行いました。そこで聞いた現地活動隊の話は、お風呂がない、トイレも困難など、通常の生活とはかけ離れた、とても過酷な環境だったと聞きました。
実際に被災された方の状況を考えると、やはり逃げることが精いっぱいだったと思います。いかなるものですら持ち出すのは難しかったかもしれません。
そんな危機的な状況でも、マルチツールは簡単に持ち運ぶことができますし、“もしもマルチツールを持ちだすことができれば”、避難所でもやれることが各段に増えるのではないかと思います。
災害発生時に、パッとカバンひとつで持ち出すことができる準備を整えておく、さらにその中にマルチツールがひとつ入っているだけで「備え」として非常に安心できます。
最近は、ビニール袋で子供のおむつを作る等、災害時の様々なアイデアや対策が取り上げられていますが、それらを実際に実現するために必要な道具として、切ったり、穴を開けたり、ライトで照らす、缶を開ける等、色々なことをこのマルチツールひとつでできるのは、とてもすごいです。
自然災害の多い日本で、いつ起こるか分からない災害に対する備えはどうすればよいと思いますか?
私が上司から常に言われていることは、「想定外を想定する」ことです。地震など、いつ起こるか分からない災害、可能性が低いことでも想定し備えておくことが大切だと思います。
大人になると避難訓練などをする機会はなかなか無いですが、会社でも家庭でも、災害時を想定し、避難経路を確認しておく、災害グッズを備えておく等、緊急事態に備えておくことで、“その時”に正確な判断ができると思います。
災害現場でマルチツールを使うためには、当たり前ですが“持っていること”が前提となります。
マルチツール、防災アイテムを持ちだすためにも、日頃から事前に準備をしておき、災害・緊急時にちゃんと持ち出すことができれば、様々な場面で活用することができ、とても心強いと思います。
リンク:日常・防災・災害時に。 「もしも」に備えるマルチツール
ドクターヘリの更なる活躍のために。
ドクターヘリの課題はありますか?
まず、ヘリ設備の問題で夜間や悪天候では飛べないという、活動範囲が限られている現状があります。また、着陸現場の消防の安全確認等、着陸時の制約が厳しいところも、乗り越えなければいけない壁です。
現在は46都道府県で56機が配備されていますが、日本のすべての範囲をカバーできるわけではありません。さらにドクターヘリを増やす必要があるか検討も必要ですが、ドクターヘリを飛ばすパイロット不足の問題や、地域によっては救急医も足りない現状もありますので、ドクターヘリに従事する人材の確保も大きな課題だと思います。
安松先生は今後どのような形で医療に貢献していきたいですか?
ドクターヘリ業務では、現在は指導する立場となり、搭乗するのも月に数回程度です。これからは、ドクターヘリがもっと社会に貢献できるよう、若い医師や看護師をしっかりと育てていきたいと考えています。
また、私自身は外傷外科医としてさらなる研鑽を積みがなら後進を育てていきたいと考えます。
貴重なお話ありがとうございました。
日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター 助教 安松 比呂志 医師
2005年3月金沢大学医学部を卒業。金沢市内の病院で初期研修を経て、外科の修練を積む。外科修練期間中に救急や集中治療の勉強の必要性を痛感し、救急の世界に飛び込む決断をする。
2011年4月より日本医科大学千葉北総病院救命救急センターに入職しドクターヘリと外傷外科医の修練を開始。現在は外傷外科医として研鑽を積みながらドクターヘリ、外傷手術ともに若手の指導も行っている。ドクターヘリ搭乗回数1200回。
日本医科大学千葉北総病院
日本医科大学千葉北総病院は、1994年に日本医科大学4病院の中で最も若い新進気鋭の大学病院として開設されました。
千葉県印旛医療圏の「地域中核大学病院機能」を基盤に、わが国随一の歴史と実績を誇るドクターヘリを最大活用した「救命救急」、「脳卒中救急」、「循環器救急」などの「高度急性期医療」を展開しております。2001年に全国に先駆けて「ドクターヘリ医療」を導入し、爾来年間1200例以上の患者を搬送・治療しております。
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アルバム「rush to you」映像制作メイキング
2024年2月18日に投稿された「【GUMI】アルバム「rush to you」【アレンジメドレー】」の映像を担当・制作しました。そのメイキングになります。技術的にあまり役立つことは書いていないのであしからず。
動画はこちら
①主題の決定と構想・準備
2023年12月頃に運営から声をかけていただき、音MAD合作「ラブコメ合作」のメドレー単品動画の映像を担当することとなりました。
自分は映像を作る際に結構時間がかかるタイプであり、通常の動画でも1~2か月はかかってしまいます。実写となるとさらに長く、以前作成した音MDM天告知動画では4か月近く作り続けていました。今回の動画の投稿予定日は2月半ば。なかなかスケジュールに余裕がなく個人的にも冬は仕事の繁忙期であり完成させられるか不安はありました。しかし引き受けた以上はベストなものを作りたいですし、むしろ追い込まれている状況ほどいいものができる(経験則)ので、毎日コツコツと作っていました。
映像の主題としてはラブコメという合作テーマから「女子中学生のデコレーションノート」を主役に置きました。しかし僕は女子でもなければ中学生でもない。そんなカワイイものが作れるのだろうか…困った…。
なのでピンタレストでそれっぽい写真を参考にしつつ、100均や雑貨店でデコシールやステッカーを買いそろえノートをどう構成していくか考えていきました。
本当は題材となるアニメにちなんだノートのつくりにしたかったのですが、アニメを履修する時間と余裕がほとんどなかったためノートの構成自体は汎用性のあるものにし、要所で関連のあるオブジェクトを混ぜる、というスタイルにしました。本編制作で忙しい中でもオブジェクトやキーワードを教えてくださった参加者さんたちに感謝です。
メドレーの流れが朝→午後→夕方→夜→翌朝という時間の流れを意図しているという運営の考えを最大限に表現するため、静止画を中心としながらも時間経過という動きを見せるにはどうすればよいか考えた結果、日差しとライトで時間を表現するという方法に落ち着きました。この動画の主役はあくまでメドレー(音楽)であり、過度な動きを出して目立つのはふさわしくないと思い、静かだけど飽きない程度に動きがある作風を模索していきました。
また、とても悩んだのが本編映像の見せ方です。基本的にこういったメドレー単品動画は本編映像を流すのが一般的ですが、今回はノートに貼ったポラロイド風写真で本編を見せるという演出上、写真に映像を流すのは違和感が生じてしまいます。例えばここにスマホを置いて、そこに本編映像を流すのであれば違和感はないのですが、今回はアナログ・手作り感を重視していたため電子機器は雰囲気に合いませんでした。悩んだ結果、本編の映像を切り取ってポラロイド風写真にするということになりました。最終的には参加者の方々に提出してもらった画像を使用し、本編にない場面なども写真として使っていますが、これはこれで新しいアイディアだと思いました。別に本編の場面を必ず使わなければいけない決まりはありませんし、斬新であったと気に入ってます。
②デコレーションノートの作成
この動画の制作時間における9割はノート作りに費やしました。なにせ主役の扱いであり、雰囲気を最も左右するものと予想していたため、時間をかけて丁寧に作っていきました。先述の通り女子中学生が作ったという設定ではありますが、それ以前に曲名や本編画像が明確に伝わらなければなりませんので、いい塩梅を探りつつ悩みながら1ページ1ページ作っていました。
下準備としてカワイイ系のシールや素材を買いそろえ、それを組み合わせてページを構成させています。どんなアニメの雰囲気にも応用が利くように、ほとんどのページでは当たり障りのない構成を基本としています。作成手順は以下の通り
1.下地部分にテクスチャを貼る(ルーズリーフ・地図等)
2.曲名・写真の貼付場所を大まかに決める
3.シールや素材を貼り雰囲気を作っていく
4.写真を貼り、マスキングテープで飾り付け
5.タイトルを作成。手書きだったり切り抜きだったり印刷だったり
この時点では写真はすべて真っ青のブルーバックを印刷したもので、後で編集で画像を組み込もうと考えていました。本編映像がまだ完成していなかったための苦肉の策でしたが、これが後にめんどくさいことになってしまいます。
ノート作りは非常に地味でちまちました作業が続くものですが、こういう時間が一番楽しいと感じる自分にとっては時間を忘れて没頭できるものでした。貼ったシールの上にまたシールを重ね貼りしていく乱雑さ、整然のなさが主題と合っていると思い意図的にゴチャゴチャした作りにしています。後先考えずにペタペタとシールを貼るの、なんだか中学生っぽいような気がします。
最終的に本編の合作が2月14日に投稿され、その本編から写真に使用する場面を選んだので撮影ギリギリまでノートを作り続けていました。余裕のないスケジュールは覚悟していましたが割と冷や汗が出る感じでした。
③撮影・編集について
撮影は投稿の前々日に行いました。上記の告知は出ていましたが、なんとこの告知が出た時点ではまだ撮影の開始すらできていませんでした。ちなみにこの画像は雰囲気を確認するために仮撮影した際になんとなく撮ったものであり、そんなにしっかりと告知用として撮影したものではありませんでした。
撮影が遅れた要因として、ポラロイド風写真に組み込む予定だった画像の選定に手間取ったことと、ブルーバックに合成することが上手くいかなかったためです。結局、使用画像を実際に印刷して貼り直す方法に切り替えたため撮影にあまり余裕がありませんでした。
合作本編が完成したらすぐに各場面を切り出し、使用するシーンを運営や各パート担当者に確認をしてもらい、実際に印刷して貼り付ける作業をしました。かなり時間がなく焦っていたのですが、多くの人に迅速に対応してもらったおかげでなんとか間に合いました。本編が完成して打ち上げムードだったdiscordサーバーの会議にめちゃくちゃ焦ってる僕が乱入してくるの、はたから見ると結構面白かったんじゃないかと思います。(正直余裕がなかった)
撮影をしたのは投稿前々日の金曜日。運よく朝から快晴だったため早速撮影を始めました。撮影用の特殊な機材などは持っていないのでタイミングのいいときに一気に撮影するしかありません。机上にノートや小物を置いてセットを作り、ちまちまと撮影していきました。全部で3回ほど繰り返し、撮影自体は1~2時間程度で終了しました。
撮影が終わったらさっさと編集です。撮影時にカメラの画面ではバッチリに思えてもモニターで見るとなんか違うな…ってことは普通にあるので、早く確認してダメなら再撮影に臨む必要があります。今回は時間的余裕がなかったのでそこらへんは迅速に行動していました。
編集自体はわりとシンプルなもので、音楽に合わせて写真をスライドショーするような感覚です。全体を通してそこまで動きがあるわけではないので、そのままでは映像としてあまり面白いものではありません。なので先述の通り時間経過を表すものとして日差し・ライトの演出や、ただようホコリなどを後付けで加える処理をしています。
日差しは単純に写真コンポジションを複製し輝度・明度を上げ、マスクで窓の形にしたうえで動かしているだけです。ホコリもParticularで作成したもので、過度に目立たないようにしています。あくまでメドレー(楽曲)が主役の動画なので、主張が激しくならず、かつ見ていて変化を読み取れる程度の映像を目指しています。
朝→昼→夕方→夜→翌朝という時間経過も色調補正でなんとかしました。絵コンテ時点では実際にその時間に撮影した映像を組み込もうと考えていましたが最終的には一つの流れにしています。
(時間経過のイメージとして制作したもの)
時間によって日差しも微妙に色が違ったりしますが、勉強してみると非常に奥が深い分野であり一朝一夕には表現できないような沼でした。朝の青みがかった影や月夜のぼんやりとした影。ここらへんをリアルに再現するにはまだ勉強が必要です。今後頑張ります。
④おわりに
まず合作本編が映像・音声共にとても高い完成度であり、それが少しずつ出来上がっていく様子を遠くから眺めているうちにやる気とプレッシャーが高まっていったのをよく覚えています。自分にできる表現を模索しながら映像を作っていくことは悩みの連続であり苦しく、だからこそ楽しいものでありました。機会をくれた運営の方々や参加者さんたちに感謝いたします。
⑤参考にした作品
【メドレー単品】のんのんびより こらぼれーしょん! のんすとっぷ
アレンジメドレー「いろはかるた」(蛇組)
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BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE -めっちゃ楽しかった〜!
新体制でのBABYMETAL DEATH最高でしたね!!!MOMOMETALが名乗った時の会場の歓声も胸が熱くなりましたし、何よりカメラに抜かれたMOMOMETALがマジで格好良くてテンション爆上がりでした。
BABYMETALの終焉と誕生を見届けられたことがとても感無量です。
〜以下ライブの感想〜
光と影、現実と虚像など対であることをテーマとしている曲が多いTHE OTHER ONE。特にTHE LEGENDはSU-METALとMOAMETALのふたりの曲であるように感じていたので、NEW METALが発表される前の2人体制でオープニング曲に選ばれることは予想していましたが、そこからの1日目のセトリは全く予想外で驚きの連続でした。
そして1日目はNEW METAL明かされてからBMDでライブが終わることを予想していたので、NEW METALが指名される前にDEATH-shinが挟まるのも驚きでした。あの磔は3人体制からの2人体制だけでなくアベンジャーズ体制も含めた終焉ということなのでしょうね。 新曲たっぷりの1日目とそれを踏まえて3人体制になった2日目と、セトリ満足度がすごいライブでした。 いいねやMETAL KINGDOM、KARATEなどが特に顕著だったと思うのですが、SU-様が多彩な歌声の表現を披露していて、止まることを知らない進化にドキドキしました。
新曲で一番楽しみだったのはTime Waveだったのですが、サビ前のブレイクからの爆発はやはりライブ映えしてめちゃくちゃ楽しかったですね!新曲の映像はどの曲も面白かったのでWOWOWか青デロが出たらじっくり観たいですね。映像といえば私はDistortionのMVがめちゃくちゃ好きなので2日ともドーンと映っていて最高でした!!!
KARATEのメタルバース組のVoさんは幕張のドキモよりもSU-様に声寄せてきていて、すごい!そして歌が上手い!!と思いながら鑑賞していたのですが、いざベビメタ組のターンになったらSU-様が王気をまといながら歌いだしたので圧倒されてしまいました。はい、この曲は我が王の曲です……。
METALIZMはどういったノリの曲になっていくのだろうと1日目は思っていましたが、ズムズムのZ踊りを客席も踊っていく形で落ち着きそうで面白いですね。
2日目のRoRが2曲目だったのはすごくびっくりしたけど、旗が新しいロゴに変わってて新体制のお披露目だったんだな〜!と思いました。今回の発表の流れを考えるとラストで満を持して出すより早めに出すほうが重要なのでしょうね。何よりMOMOMETALの笑顔がすっごく良くて…!! 1日目にO字に光ってたゲーミング銅鑼でしたが、2日目では登場しなくて「今日は銅鑼なしか」って思った瞬間に花火が爆発して口から心臓飛び出るかと思いました。音がデカい。
これから始まるワールドツアーはBMD始まりになるのかな、いまから2024年の日本公演が楽しみです。
ワールドツアー、いってらっしゃいー!
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Billlie TSUKI YouTube番組『포장막차』タイトルロゴ - - - - - - 韓国のアイドルグループ〈Billlie〉のTSUKIさんが出演するYouTube番組、 『포장막차』のタイトルロゴを制作しました。 ロゴのかたちや色は、こちらがオリジナルです。 夜空のイメージと屋台の食べものを入れてほしい、というのが今回のオーダーでした。 モノクロバージョンは発注にはなく、個人的に制作したものです。 ////// BILLLIE TSUKI YOUTUBE PROGRAM “포장막차” TITLE LOGO - - - - - - LOGO: KUNO TAKASHI CLIENT: ILLDAN STUDIO 츠키츠키차카차카 TSUKITSUKICHAKACHAKA https://youtube.com/@TSUKITSUKICHAKACHAKA *
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「カエルはカエる」の話
かなり初歩的なダジャレを使ったタイトルのゲームを作った話。
第15回WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)に参加しました。 初めてのウディコン参加&ゲームの公開でした。 ゲームのウラガワ的な話はしない方がカッコイイけど、 ストーリーがあるようなゲームじゃないのでテキトーに書いてみます。 (2023-08-17追記) ここでウディコンの結果やコメントの紹介などをしました。見たい方だけどうぞ。
どういうゲーム?
ゲームボーイ風のみじかい横スクロールアクションです。 いろいろな理由からこういう感じになりました。
まず、最初はゲームボーイ風でなく、 ロボットが冒険するシンプルなドット絵のアクションゲームにしようとしてました。メトロイドっぽいゲーム? 「第14回のウディコンにだすぞう」とか言ってました。 ちょうどこの時、洞窟物語に感動してそれっぽいものを作りたくなってたんですよね。
見切り発車で作ってしまったため、システム以外の部分が全く思い浮かばず、開発中止。
せっかく作ったシステムをどうにか活用したいということで、 ストーリーも何もないただのアクションゲームを ミニゲームとしてRPGか何か別のゲームに入れようと開発を再開します。
「ミニゲームだし、絵もほとんど描かなくていいように画面小っちゃくして色も少なくしよう」ということでゲームボーイ風になりました。 とにかく楽をするためのゲームボーイ風です。 ちょうど桜井政博さんの星のカービィ開発秘話を見て、「こんなゲーム作りたい!!」となったのもあります。
ベロ
ロボットのアクションゲーム段階ではワイヤーアクションはありませんでした。弾をうったり、空飛んだり、重力反転したり、そんな感じ。 でも、ゲームボーイで使えるのはAボタンとBボタンくらいで、 何個もアクションを入れるのは違うなーと。 シンプルだけどいろんな遊び方ができるアクションないかなーと過去のウディコンゲームで色々遊んでいたところ、 ボクとハカセと白いハコというゲームに出会います。
伸び縮みするワイヤーでゆらゆら揺れてゴールを目指すゲームで、 いろんなワイヤーの使い方をして先に進む技術が必要とされます。 めっちゃ面白かった。
「ワイヤーアクション、ええやん。」ということで自分もそれっぽいものを作ることにしました。 ワイヤーアクションをするようなキャラクターでドットで描きやすいものを考えた結果「カエル」になりました。 タイトルを「井の中の蛙」とかにして、ベロを使って井戸から出て大きな海をみて終わりとかシンプルでいいじゃん。
しかし、ワイヤーアクション、全然作れない!!!! こんなキモい動きになってしまった…
ということで、ベロで出来るワイヤーアクションをゆらゆら揺れるものから、 つかんだらジャンプするヨッシーストーリーの「!」みたいなものに変更しました。
タイトル
「井の中の蛙」でいいやと思ってたんですけど、ずっと井戸の中って見た目が地味になりすぎるなということで、 井戸から出て外の世界を回る話にしよう!となりました。 結果的に、森とか空とかが出てくる、全体的にカービィっぽい世界観になりました。 そうなるとタイトルが変な感じになるわけで… 冒険の動機付けもよくわからなくなったので、「蛙が家に帰る」でいいじゃんとなりました。 こんなダジャレのゲームは重厚なストーリーなんてないだろうと。 いい感じの安っぽさがあって、変な期待をせずにゲームを遊んでもらえるというハードルを下げる目的もありました。 ちなみに、タイトル画面は「カエルのために鐘は鳴る」っぽい画面を意識しました。 四隅に装飾があってキャラ二人いる感じ。え?全然違う?
音
音楽はかなりこだわって作りました。 曲の内容ではなく、曲の鳴らし方の部分ですが。
ゲームデータ内にある「shobo.html」にも書きましたが、 ぽり0655さんのブログで「ウディタでもレトロゲームのような演奏が可能である」ということが紹介されています。 レトロゲームの音楽が大好きな僕にとってこの機能はロマンの塊でした。 「他の誰かに先を越される前に、ゲームに実装して公開しなくては!!」
ずっと温めていた(?)このシステムをウディコンで披露してやろうという思惑からこのゲームに組み込むことになります。 ゲームボーイ風のゲームと相性が悪いわけないんです。絶好のタイミングでした。
しかし、このシステムを使うということは世にある音楽素材が使えないというわけで… いままで作った曲をシステム用に変換するなどして急ピッチで使う音楽を用意しました。 ゲーム開発で一番時間がかかったところです。
サウンドテストも入れました。 ゲーム本編には全く必要のない機能ですが、視覚的に演奏しているところを眺めるのが僕の趣味なので、ニヤニヤしながら作りました。
ほんとは効果音も演奏させる予定だったんですけど、 さすがに処理が重すぎる気がしたのでDawで作ったものを流すだけにしました。
ちなみに、効果音が鳴っている間はちゃんとそのチャンネルがミュートされるように作りました。 変に音が途切れるのはこれのせいです。
そのほか
ゲームを起動するとウディタのロゴが表示されます。 実はここ、たまにバグったロゴが出てゲームが止まるようになってます。 本家ゲームボーイではここに不正カセット対策が施されていて、 ちゃんとしたカセットじゃない場合、起動できなくなるらしいです。(参考記事) この機能にならい、このゲームをテストプレイモードで起動させると100%バグったロゴが出るようになってます。 ゲームデータを公開してるので意味ないんですけどね。
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マップがテキストだったり、フォントも画像になってたり、 「それホントにやる必要ある?」みたいなことを多くやってますが、 理由はただ一つ、「容量を小さくするため」です。 自己満足でしかないんですけど、 ウディコンに出されたゲームの中で一番容量が小さくなるように頑張りました。 (この目標は多分達成できたと思う!) ちゃんと音楽が鳴って、ちゃんとマップが表示される、 容量以上の動きをするゲームってなんかカッコイイなって…
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マップがピクチャ表示だったり、データベースを全然使っていないのは、 最初の方に書いた「ミニゲームとして何か別のゲームに組み込む」ことを前提に作ったからです。 ミニゲームと本編でマップを移動させたりするのめんどくさそうだなぁと。
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ゲームのグラフィックはできるだけ8×8単位で3色しか使わないようにして作りました。 できる限りゲームボーイの仕様に近づけるようにいろいろ意識しました。 真のゲームボーイ好きに「こんなことはゲームボーイではできない!」と怒られるかもしれませんが… ゲーム部分とは関係のないこだわりが無駄に多いですね。
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あと、ほんとはステージエディタを別で作ってマリオメーカーみたいな遊び方をしてもらおうと考えてました。 エディタは没となりましたが、自分だけのステージとか作って遊んでほしいなと思ってます。
(ウディコンのBBSにて難易度を下げたファイルを公開してくださった方がいました!本来これくらいの難易度で作るべきだったのかと勉強になりました。ぜひプレイしてほしいです!)
最後に
こんなに読みづらい文章をここまで読んだあなたはすごい!
TwitterやBBSで感想などを書いてくれた方がいて、めちゃくちゃ驚いています。 うれしすぎて家族に自慢しました… 本当にありがとうございました!
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三輪秀次の小説(二次創作)
きみは河を渡る
切れた電線はうねり、パチパチと鳴っている。もうもうと立ちのぼる埃と煙は視界を狭める。降ってくる灰を吸い込んで、喉が痛い。ゴホと咳が出た。
空を雲が厚く覆っていた。
時折、低く戦闘機が飛ぶ。空気を震わせる爆音も、いつの間にか聞こえなくなる。
無駄を知り還ったのだ。替わりにヘリコプターのバタバタという回転音が耳に障る。避難を促すサイレンがとうと���途絶えた。
道路や瓦礫の上にうち捨てられた、おびただしい数の死体ももはや何も言わなかった。
それらの胸には皆、着衣の上から同じ箇所にこぶし大ほどの穴が開いていた。彼らが開けていったのだ。心臓の脇を的確に単調にえぐり取っていく様子は、実りの季節を迎えて収穫にいそしむ農夫のようだった。
鋭い鉄の匂いが鼻の奥を刺す。血だまりに足が取られる。地面のいたるところにできた血液の浅い湖は徐々に固まり、粘度を持ちはじめていた。その上に、ぽつりぽつりと何かが落ちてくる。
……雨。
『姉さん』
三輪は姉を探していた。
「お断りします」
三輪の返事に根付は下がり気味の眉をさらに下げた。
「うーん、やっぱり無理かねえ」
「去年に引き続き、申し訳ありませんが……」
これ以上は目を合わせないように顔を伏せて押し黙る。可愛げのない態度だったが、断る選択肢しか持っていない。
ボーダー本部メディア対策室である。
いかにもオフィス然としたレイアウトだ。メディア対策室の名の通り、棚を並べた一角があり、派手なロゴのついたグッズたちが飾られている。
棚の横にも小ぶりの段ボールがいくつか置かれ、中にはビニールに包装された何かが入っていた。
さらにはミニスタジオのようなものがつくってある。
雑然としているが、外部の人間への窓口だけあって、明るい開放的な空間であった。
三輪がめったに訪れない部署だ。それも入り口で済ませる所用くらいで、もしかしたら、ボーダーに所属して四年近く、初めて足を踏み入れたかもしれない。
A級隊員の嵐山をデフォルメしたぬいぐるみの飾ってあるテーブルで、茶を勧められている。早く作戦室に帰りたい。自然と眉間が寄ったが長い前髪に隠されて、根付が気づいた様子はなかった。おそらく、気にしてもいない。
「原稿はこちらで用意するし、内容はちゃんとチェックしてもらうんだけどね、ダメかね」
根付が頼んでいるのは、来月に行われる三門市主催の追悼式典のスピーチだった。
近界民による大規模侵攻から四年目の式典となる。
公会堂のステージに設置した祭壇を花で埋め尽くし厳粛に行われる。市外からお偉方や著名人がたくさんやって来て、それぞれ追悼の意を表わす。最後に遺族代表数人にお鉢が回ってくる。大人枠が何名かと青少年枠が一名。
三輪に白羽の矢がたったのはその青少年枠だった。理由はボーダー隊員で遺族である人物のうち、比較的年下で一番長く所属しているからである。
日頃から「ボーダーの印象向上」を仕事にしている根付からの依頼は筋の通ったものだった。
しかも、直属ではないが上役である。
「三輪くんには業務外のことを頼んでいるのはわかっているんだけどねえ」
人を丸め込む技量の高さがなんぼの職に就いている根付だが、実はかなり弱気に出ている。
理由はわかる。
三輪に式典のスピーチを依頼するのは初めてではない。
一年目のとき、三輪は流されるままに引き受けたものの、原稿に目を通した段階で押し寄せてきた感情に引きずられて過呼吸を引き起こしてぶっ倒れ、騒ぎになったのだ。当然、本番のスピーチは見送られた。彼が中二のときの話だ。
二年目は話がやってこなかった。当時、所属していた隊の隊長である東が反対したのだと思う。頼まれたとしてもとても務まらなかっただろう。
三年目は根付は本部長を同伴してわざわざ頼みにきた。しかし、断った。三輪にとってこの依頼は荷が重く、片手間にできるものではなかった。高校生になったばかりで何かと忙しかったし、そのころ広報部隊としてメディア展開をはじめた嵐山隊を売り出す根付の派手な手法に若干いやな予感がしたのだ。
そして、四回目の式典である。
遺族でボーダー所属、さらに今年は初めて自分の部隊を結成している。
千六百人超の死者行方不明者を出した異世界からの侵略戦争によって、最愛の家族を失いながらも生き延びた子どもが立派に成長し、隊長となって隊員を率い街を守っている。
『これからもボーダーの一員として、三門市を守っていくことを誓います』
おそらく、そんな言葉で締めくくられるであろう、未来への宣誓。
三輪もボーダーの印象がよくなることに否やはない。
いまのところ命令はされていないが、任務ならば遂行しなければならないというのもわかっている。
ただ、ことこれに関してはそつなくこなせる自信はなかった。
「ちょっとしたインタビューもあるけど、一局に絞るから」
「……」
元々、要領のいいほうではない。愛想はかけらも持ち合わせていない。人前でしゃべることも苦手だ。ましてや全国に映像が配信されるなどと聞くと気が遠くなる。
それだけではない。
……雨はあっという間に激しくなった。
血のにおいに、ドブのようなそれが加わるなか、ようやく彼は探し人に出会えた。
折り重なるように積み上がった死体の山が崩れたのか、その脇に彼女は転がっていた。
他のそれらと全く変わることなく、彼女の胸にはぽっかりと穴が開いていた。死に神は何もこぼさずに等しく命を刈り取っていったのだ。
「姉さん」
誰か。
誰か姉さんを。
当日は各メディアも入り、騒がしくなるであろう時期を避けて、そこを訪れることにしている。
追悼の意を込めた公園は市街地に近い高台に造られていた。
本当の追悼の場所は、いまだボーダー管理下の警戒区域だ。
まだ真新しい石碑が幾本か建っている。
円柱の形をした石碑には名前がただ刻んである。犠牲者の名前だ。
三輪は一つの石碑の前でたたずんでいた。腕を上げ、石碑にそっと触れる。指を滑らせる。知っている名前もある、知らない名前もある。ゆっくりと滑らせていく。
一点で指が止まる。
彼女の名前だった。
『誰か』
『誰か姉さんを助けて』
目の前に広がる風景はいまも鮮やかだ。音も匂いも。足にまとわりつく重さも。降ってくる雨の粒まで。
足下の彼らはみな目を開けているが、そのまぶたは動かない。その指は動かない。
今の彼は知っている。死体は苦しまない。
大丈夫だ。
向こう岸で、穏やかに微笑んでいる。そこまでの距離はいつでも一歩だ。ひとあし、踏み出すだけで届くほどに近い。
時間は流れる。仮にマイクの前に立ち、メディア対策室のしたためた美しい文章を読み上げても、もう息がくるしくなることはないだろう。それでも、引き受ける気にはならなかった。
三輪は立ち上がると頭を下げた。
「お役にたてず、申し訳ありません」
強引に話を終わらせる態度を根付は咎めず、一緒に席を立った。
「残念だけどねえ。来年もまたお願いすることになると思うけど」
来年は五年という節目の年のために大々的になる��いう。おおっぴらに全国規模でボーダーの存在をアピール出来る数少ない機会だ。遠征には金がかかる。そのスポンサー集めも兼ねているという。民間組織であるボーダーにとって、金の話はいつでも切実だ。
「まあ、気にしないでいい、他に方法はあるからね」
頼りになるだろう、と彼はにやりと笑った。
これからの物語を紡ぐことは彼にとっては今までの物語をひとまず終わらせることになる。彼にはそれはどうしてもできない。
向こう岸はまだそこにある、いつでも行ける。死者たちは微笑んで待っている。一歩、踏み出せばすぐに会える。
黒い河の冷たい流れに脚を膝まで浸し、目の前の彼岸を見つめて彼は立っている。
この場所から立ち去りたくはないのだ。
いまは、まだなお。
了
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『金持を喰いちぎれ』公開決定
モーターヘッドのレミー、ポーグスのシェインほか大挙映り込み!
金と権力があるからといって、おまえらに権利はない! <社会の底辺が金持ちを喰いちぎる映画> 『金持を喰いちぎれ』 世紀の怪作がデジタルリマスターで、7月14日(金)よりシネマート新宿他にて公開決定!
1987年の初公開時、あまりの過激さに誰にも理解されず映画史上空前の空振りを記録したとんでもない英国産社会派ブラック・コメディ『金持を喰いちぎれ』がこの度、デジタルリマスターにより新たに息を吹き返し、7/14(金)よりシネマート新宿ほかにてリバイバル公開が決定!
ロンドンで最も金持ちの集まる高級レストラン<バスターズ>でウェイターとして働くアレックスは、いけ好かない客やマネージャーにいびられクビになり、身寄りも友人も家もなく社会の最下層に沈んだ。
同じくロンドンでは乱暴で下品だが実行力のある上流階級の権力者、超タカ派内務大臣ノッシュが、ソ連のスパイである英国情報部司令長官が仕掛けた女性スキャンダルの罠にはまるが、送り込まれた高級コールガールは一発でノッシュの子をはらんだ。
底辺部隊を組成するアレックス。<イート・ザ・リッチ>と改名されたその高級レストランでミンチ肉料理に舌鼓を打つ金持ちたち。
社会の最上位と最底辺の対決のときが迫る! 無能な者が権力者になるという、この世の摂理に切り込み、あらゆる差別とヒエラルキーを吹き飛ばして見事に散った、社会派超怪作!
1980年代、パンク・ムーブメントを力ずくで押さえこみ社会保障カットとフォークランド戦争で大英帝国を再建した剛腕サッチャー政権下、生活苦に耐えきれなくなったイギリス国民がついに立ち上がった! 一部の金持ちだけが優雅な生活を謳歌し、庶民ばかりが苦しむ世の中を痛烈批判。海外のキャッチコピーは「おまえが食べているのはおまえだ!」。
人種差別、性差別、階級差別、選民主義、権威主義に怒りを爆発させ、反旗をひるがえす大貧民たちが、大金持ちしか入れない超高級レストラン<BASTARDS>を乗っ取り、<EAT THE RICH>と改名して金持ちを血祭りにする!
イギリスの庶民派テレビ局で人気を呼んだ社会風刺コメディ番組「ザ・コミック・ストリップ」でポストモンティ・パイソンとして注目を浴びた英国コメディ集団���ミック・ストリップの一員であるピーター・リチャードソン監督が、パイソンズより遥かに過激に強烈な風刺を利かせて制作、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」やビートルズの楽曲「Piggies」のテーマにも通じる、猛烈な社会批判を展開するも、初公開時、その猛毒に誰もついて行けずに映画史上空前の空振りを記録した、勇気溢れるとんでもないブラック・コメディ『金持を喰いちぎれ』が36年ぶりに戻ってきた。
「グルメの叙事詩」とも評され、あまたあるグルメ映画に『ハンニバル』(レクター版)と『博士の異常な愛情』をぶち込んで、じっくり煮込まず肉汁滴るスパイスかけすぎのハンバーグステーキに仕上げたグルメ映画史にさん然と輝く極悪異端作でもあり、近年の英国媒体による「映画史上最大の失敗・愚行TOP50」では、歴史的超大作が軒並み名を連ねるなか、超インディペンデント低予算映画にもかかわらず第49位にランクイン(マイケル・チミノ『天国の門』が2位、デヴィッド・リンチ『砂の惑星』が3位)、今でも凄まじい存在感を発揮している前人未到の社会派超怪作である。
製作総指揮は『ロッキー・ホラー・ショー』(75)や、ポリス、XTC、ディーヴォなど出演の音楽映画『Urgh! A Music War』(81)を手掛けたマイケル・ホワイト。
主演にはジェンダーのボーダーをかるく突破、舞台、映画、テレビ、ラジオ、音楽などどんなところでも活躍するラナー・ペレー、元ヘヴィ級プロ・ボクサーであり���007シリーズのスタントのほか『荒野の用心棒』(64)にも映っているノッシャー・パウエルが上流階級の内務大臣にふんしている。
また暴走ロックンロールの帝王であり人類の切り札といわれるバンド、モーターヘッドをサウンドトラックに起用、劇中に唐突なライヴシーンが差し込まれ、その創始者であるロックンロールの化身、極悪レミーが台詞を含めた演技を披露している。
そしてポール・マッカートニー、アンジー・ボウイ、サンディ・ショー、クー・スターク、ミランダ・リチャードソン、シェイン・マガウアン(ポーグス)、ヒュー・コーンウェル(ストラングラーズ)、ビル・ワイマン(ローリング・ストーンズ)ら超豪華ミュージシャン、俳優、モデル、作家、アーティストたちが大挙カメオ出演、なぜ映っているのかは誰もわからないが、作品のテーマに賛同したと信じることも可能だ。
<作品内容と完成度、そして世の中の反応、作品が受けた仕打ち>
すべてがあまりのことにたいへんなこととなった本作は、数十年の熟成を重ねて気づくと『ロックンロール・ハイスクール』『さらば青春の光』『スパイナル・タップ』『ザ・コミットメンツ』『スクール・オブ・ロック』等々のロック映画好きはもちろん、この世の金持ちと庶民は必ず観なければならない作品となっていた。
製作から36年、なぜいま、これがリバイバルされるのか、まったくわからないが、食料品も軍事費も何でも値上げで生きづらさ増す日本の現状からすれば、我々は80年代英国人の気持ちに納得するだろう。 そして何の躊躇もなくそれを映画という表現で世に叩きつけた本作は、あらゆる物事が<ふつう><平均>に落ち着こうとする現代において人類が忘れ去ろうとしている何かをもたらすにちがいない。 この年月を経て、人類はこの猛毒の理解に近づいたのか、それとも遠ざかったのか、進化か退化を問われるまさかの正式リバイバルで、遂に金持ちを喰いちぎるときがやってきてしまったのだ。
今回解禁となったポスタービジュアルは、日本初公開当時のデザインをベースに新たに作成!
「金と権力があるからといって、おまえらに権利はない!」というメッセージ性の強いコピーと共に、お皿のまわりに多彩な出演者、豪華ゲストを配し、センターには本国ビジュアルでも使用されている強烈上流階級権力者キャラ“ノッシュ”が足を喰っているイラストを使用。 腹には本作のサントラも手掛け、出演も果たしているモーターヘッドの有名なロゴ“War Pig”が燦然と輝く!
『金持を喰いちぎれ』は7月14日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋にてロードショー。以降全国順次公開となる。
『金持を喰いちぎれ』 (1987年|イギリス映画|89分|アイアン・フィスト・ピクチャー制作|原題:EAT THE RICH) 監督:ピーター・リチャードソン 脚本:ピーター・リチャードソン/ピート・リッチェンス サウンドトラック:モーターヘッド 出演:ロナルド・アレン/ジミー・ファッグ/ラナー・ペレー/フィオナ・リッチモンド/サンドラ・ドーン/レミー/ノッシャー・パウエル/ロン・ター ゲスト出演の“ザ・コミック・ストリップ”メンバー:ロビー・コルトレーン/ドーン・フレンチ/ナイジェル・プレイナー/エイドリアン・エドモンドソン/リック・メイヨール/ジェニファー・ソーンダース さらにゲスト出演:キャシー・バーク/カトリン・カートリッジ/ショーン・チャップマン/ダーレン・ネスビット/ミランダ・リチャードソン/クー・スターク/ルパート・ヴァンジッタート さらに豪華ミュージシャン出演:ヒュー・コーンウェル(THE STRANGLERS)/ジュールズ・ホランド/ポール・マッカートニー/シェイン・マガウアン(THE POGUES)/サンディ・ショー/スティーヴ・ウォルシュ(KANSAS)/ビル・ワイマン(THE ROLLING STONES)/アンジー・ボウイ/ウェンディ・O・ウィリアムズ/ワーゼル(MOTORHEAD)/フィル・キャンベル(MOTORHEAD)/フィルシー・アニマル・テイラー(MOTORHEAD)
© 1987 National Film Trustee Company Ltd. All rights reserved. キングレコード提供|ビーズインターナショナル配給
公式サイト:bastards-eattherich.jp
シネマート新宿/シネマート心斎橋にて7月14日(金)より公開ほか全国順次公開
<Motörhead – Eat The Rich>
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スペースシャワーTV 様の番組ロゴをデザインしました。
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連日の報道で、忘れたい記憶がどんどんよみがえってくる。劇団内部の人間ではないものの、その近くで数年携わり、生活も精神も壊した身として、心当たりが多すぎる。便乗ファンによる創作だと思ったら、どうか読んだら忘れてほしい。固有名詞や用語の意味が分からない人は、そのまま一生分からずにいてほしい。でも、どこかに、仲間がいると思うから。自分以外にも壊れた人がいるはずだから。まとまりもないほどの書きなぐりになるだろうけど、腹を決めた今、匿名で言わせてほしい。もう無視できないところまで来ていると、心当たりのある各位に気付いてほしい。該当劇団には、公式ファンクラブ以外にもジェンヌ個人の私設ファンクラブ(以下「会」と呼ぶ)があることは有名だと思う。いわゆる代表やお付きと呼ばれるマネージャー的責任者と、スタッフやお手伝いといわれる他数名の小間使いが組織を運営している。自分は新人公演にも出演し、何度か主演も演じた人気ジェンヌの会運営スタッフを数年担当した。明確な時期や個人名の明言は避けるが、当ジェンヌは現役在団中とだけ書き記しておく。毎朝晩の入出待ち立ち会いからお茶会などイベント企画・運営、チケットの取次配席およびグッズ作成など...会所属経験のあるファンなら思いつくであろう業務、全部に携わった。会員数百人に対し、片手以下のスタッフで。無給は当たり前、経費も持ち出し、24時間365日ジェンヌや関係者の呼び出しに応えながら平日フルタイム会社員。睡眠時間も金も体力も心の余裕も何もかもなくなった。倒れて運ばれ、スタッフを辞めた。業務をもう少し細かく説明すると、・入出立ち会いよく日比谷の劇場前で見るようなスクワットでジェンヌのお迎え・お見送り。あれをやる時に暴走���るファンが出ないか見張ったり、一般人のクレームに頭を下げたりする。毎朝7時前後、早いときは6時前に毎朝集合場所で立ち合いをして会社へ出勤。ジェンヌから翌朝の入り時刻連絡が来るのは平均深夜1-2時。それを待ってファンクラブ会員へ見送り場所への集合時刻を配信、他ファンクラブ運営へ報告したりするので自分��寝られるのは3時を回るのもザラ。毎日5時前には起床、始発の電車に飛び乗り現着から動き回ってフルタイム勤務で夜にはまた出��ちに立ち会う日々。大体毎日何かしらの細かすぎる指導が上級生会から入り、寝不足により回らない頭で必死の謝罪文をしたためお送りしていた。しんどい。・イベント企画・運営お茶会や新人公演出待ち後のミニお礼グリーティング、季節や誕生日の入出イベントなどなどあらゆる企画・運営。ただ企画すればいいだけでなく、上級生会に逐一お伺いを立て、実施許可を得、内容も重箱の隅を最早ぶっ壊れるまでつつかれまくる。あらゆる方面の顔色を窺い、企画や台本が出来上がるまで気が遠くなるほどの時間と神経を要する。それでようやく実施まで漕ぎつけたと思ったらジェンヌ本人の機嫌ひとつで全部イチからやり直しになる。三徹で必死に準備を間に合わせたお茶会を、本人会場到着までのタクシー内で「やっぱ嫌」の一言でひっくり返されたときは殺意が芽生えた。しんどい。・チケット取次・配席ファンクラブ会員はジェンヌ個人の販売成績に結び付くよう、会からチケットを取り次ぐ。が、限られた座席数、入団年数が長い上級生に多くのチケットが劇団より宛がわれる、入団から5年くらいは1公演で2席しかチケットがないこともザラ。それでも会員はもちろん贔屓の舞台姿をたくさん見たい、当たり前だ、たくさん申し込んでくださる、だがしかし席がご用意できない。そんな限られたチケットと大量の申込データ(自会は全部エクセルに手打ち管理)を照らし合わせ、ファンクラブへの貢献度諸々を加味し、どのお席にどなたへお座りいただくか決める。こちらも最大限のチケット確保に奔走するものの、ご用意できなければ面と向かっての罵倒はまだ良し、掲示板に名指しで役立たずと晒される始末。データ捌いて配席悩んで胃を痛めているところにジェンヌ本人や関係者からも配席や取次内容に文句を言われ身内用にチケットを攫われていく。しんどい。・グッズ作成お茶会のお土産、総見のおまけ、お茶会で販売する小物や舞台写真、お礼状、グリーティングカード、挙げればキリがないほど準備物が多い。ジェンヌ本人にイラストや手書き文字の提供協力を頼みこむも多忙の一言で切り捨てられ、こちらでロゴなど用意すれば会員やジェンヌ本人からすらもダサいと文句を言われる。しかも当たり前だがこれらすべて事前の商品発注で毎度結構な金額が必要とされる、が、ジェンヌの家族が会運営の経費用口座を管理していて前借も楽ではない。結局毎回数万~場合によっては数十万円(お茶会会場費用など)も立て替える。そうじゃないと間に合わないほどすべてのスケジュールがカツカツなため。しかも公演終わりの経費精算まで数か月待ったりする、携わっていた最後の公演では大卒初任給くらいの経費が返ってこなかった。グッズの売り上げは全て会運営費としてジェンヌ家族が持っていくため、スタッフに一切の還元や儲けはない。公演期間中は飯が食えなかった。しんどい。・正直ここでしか言えないが人間関係が一番重労働ファンクラブ会員、つまりジェンヌを愛し会活動に貢献してくださっている方々は熱量も並のものではない。そこは覚悟してスタッフ就任を引き受けた。そのため会員から妬まれたり文句を言われたり、会の中での派閥争いや揉め事などは(楽ではなかったものの)捌くのもまあ堪えられた。しかし何故か同じ運営という立場で苦楽を共にしている他会運営陣やジェンヌ家族・関係者対応など、これが本当に一番きつかった。ジェンヌたちが厳しい上下級生文化に生きているというのは既報の通りだが、ほぼその文化がそのまま会運営にも持ち込まれる。朝は上級生会スタッフより早く出動・席および場所取り・雑用使いっ走り・全ての解散前には「ご指導」というクソ細かい姑のような小言...大劇場のチケット出し前には劇場内レストラン施設の一部(クリスタルルームでわかる人は仲間)を陣取り、謎の待機時間が発生する、もうこれが本当に耐えられなかった。上級生会代表の飲み物をお持ちし、その時通るルートや差し出し方全てに厳格なルールがあり、数時間も使いっ走りに待機するのに作業および会話禁止という苦行。2回公演の日ほど朝も早く夜が遅い、業務も溜まっていて限界なところにこの謎待機と小言で5-6時間は奪われる。それもこれもすべて「上級生会の様子を見て学び、自分たちが将来は組の会全体を取り仕切れるように指導する」という、どこかで聞いたことのある理論。劇団への、ジェンヌへの、下級生会への愛があれば全ては指導という建前のもと許される。代表は毎日きついいびりに泣いていた。本当に、本当に、しんどい。ジェンヌでもなく、会運営の委託契約を結んだわけでもない、ただの一般人がこのザマである。会に所属したことがある人は、多少なりこの空気感をわかっていただけると思う。あの、「私たちも御贔屓の一部」と見做されるような感じが。全ての言動の根底には愛があり、清く正しく美しいジェンヌ像やファンダムイメージを求められていた、それにそぐわないものはすべて闇に葬られていたあの感じが。会運営陣は、ジェンヌを、劇団を愛しているから。無給でいつ何時でも労力を捧げてくれる。常に最善最良の案を考え前向きに運用してくれる。寝る暇がなくてもそれだけ携われることが幸せ。妬み僻みも有難いご意見として真正面から受け止める。上級生会からの理不尽な指導も意味あるものとして理解・昇華する。仕事よりも私生活よりも会運営を何よりも最優先してくれる。どんな無茶ぶりや激務も手を取り乗り越え逞しくなってくれる。そんなことがあるわけないだろ。平日フルタイムで8時間の仕事に会運営10時間以上を兼業し、公演期間中は1日1時間眠れたら御の字。仕事のパフォーマンスはそれはそれは最悪だった。盆や正月の連休はもちろん全て会運営に求められ、ロクに身体を休めることも実家に帰省することも友人と会うこともかなわなかった。急いで来いと急な呼び出しがかかり、内容も知らされないが仕事を無理言って早退し駆けつけると「明日からの公演で必要なものを近所のドラッグストアで買ってきて」という内容だった。社会人数年目で貯蓄もさほどなかった頃に無給の会運営で全国を飛び回り、立て替えの嵐、慢性的な寝不足で眠気も止まらず、安価で血糖値の上がらないもやしやカット野菜しか食べられなかった。周りのすべての人から「早く辞めろ」と言われ続けたが、もはや洗脳のように愛や貢献という言葉に縛られ何も自分で判断できなくなっていた。死にたいという気持ちが募り、毎朝駅で線路に飛び込もうか悩み始めた頃、千秋楽の出待ち後に倒れ運ばれた。栄養失調だった、この現代社会で。入院で強制的に劇団や会と離れられなければ、いずれ自ら命を絶っていたと思う。亡くなった彼女の生活円グラフは、まさに会運営に携わっていた時の私のようだった。鬱も発症し精神的にも不安定になっていたことをやっと自覚し、ジェンヌ本人にスタッフを辞める旨申し出た。代表も鬱で会から去ったと聞き、LINEを送ったが既読がつくことはなかった。もう一度繰り返す。ジェンヌじゃない一般人にすらこれほどまでに異常な文化がまかり通っている。劇団内部はいかほどばかりか、想像するだけで息苦しくなる。携わっていたジェンヌ本人も、本当に寝る時間もないほど過酷な環境に身を置き、公演前夜の3時に稽古から帰るところも目撃したことがある。会運営に携わるようになってからは度々言葉を失うような「指導」の様子を伺うようになり、いつの間にか自分は一切観劇する気力が湧かなくなっていた。何が愛だ。何が清く正しく美しくだ。何も清くも正しくも美しくもない。ただのパワハラ過重労働異常上下関係いびりしごきいじめ。社会的な常識が一切通用しない、異常な文化が形成され受け継がれ、異を唱えるものは全て排除され隠ぺいされてきた、ただそれだけである。亡くなった彼女のおかれていた環境や報道の事実関係は知り得ない��め、それに関しては軽率な発言はできないものの、でも、遂にこうなったかと思った。その手前でぎりぎり退団していった人を、何人も知っていたから。巨大企業やファンダムに抗う力を持ち合わせていないがため、ただ黙って去っていった人たちを見てきたから。自分も、声を上げられなかったひとりだから。彼女の死は、自分も無関係じゃないと、毎日罪悪感に涙が止まらないから。溢れ出る記憶も思いも止まらず、何が書きたいのか、どこまで書けそうか、もう分からなくなってしまった。このあたりで切り上げることにする。いつか追記や修正をするかもしれないし、しないかもしれない。もうこの編集画面に戻ってこないことが最良と分かりつつ。自分は今後二度と件の劇団に関わらないと決めているが、報道の行く末はしっかりと追おうと思う。もう誰もこんな目に遭わない未来を願って。同じ罪悪感を抱えることがないように。誰かに手を延ばし声を上げられるように。かけがえのないいのちを、薄っぺらい言葉で葬ることがないように。妹さんにはお世話になりました、心からのご冥福を祈ります。助けてあげられなくて、ごめんなさい。
ジェンヌの個人FC運営で鬱になった話
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名刺代わりの私の過去
笹幡みなみ
差し出された紙片を、私たちははじめから読みとる。
紙片は縦横比が1:1.654の横長で、白い用紙の上に横書きで日本語の文字が並んでいる。文字情報は用紙左側に左揃えで整列し、その整列から外れた用紙右上部にはロゴマークがついている。ロゴマークは「T」の文字に惑星環の意匠を取り入れた青色のデザインをしており、「Telesto Technologies」というロゴとセットになっている。左揃えで整列している文字情報の最上部には「株式会社Telesto Technologies」との記載があり、この文字列はロゴと同様の青色で、サンセリフ体である。その下に続いて、「インテリジェンス事業部」、改行、「エンジニア」とあり、これは黒色のゴシック体である。続けて行を改めたのちに、これまでのフォントよりも2.5倍ほどの大きさのゴシック体で「姫野伊織」とあり、その下部には小さなローマン体の「Himeno Iori」が添えられている。その下部には再び小さな、ややウェイトを落としたフォントで、「〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町8番1号 紀尾井フロントプレイス22階」とある。続けて「Tel:」「E-mail:」と記載があり、それぞれに連絡先を特定する文字列が続いているが、いずれも差し出されている現在では有効なものではない。
次の紙片を確認すると、紙片はやはり縦横比が1:1.654の横長で、白い用紙の上に横書きで日本語の文字が並んでいる。紙面の左上にはマークが置かれており、赤色の円に同じく赤色の二本の直線が重なり、うち一本は円の外で鉤のように折り返している。続けて「NAKA」のサンセリフ体のロゴが、やはり赤で配置されている。同じ赤の細い水平線がセクションを区切り、その下に続けて、いずれも黒の明朝体の左揃えで「次世代コミュニケーション研究部門」、改行、「越時知性研究室」、改行、「研究員」。改行して大きなフォ���トで「姫野伊織」とある。紙面の下部には「株式会社那珂技術研究所」とあり、住所「〒211-0053 神奈川県川崎市中原区上小田中8丁目1-1」、電話番号、メールアドレスの情報が記載されている。最下部の余白にはごく小さなフォントで「地球環境にやさしい紙を使用しています」とある。また、「姫野伊織」の右側のスペースには、藍色の市松模様を環状にしたエンブレム、「TOKYO 2020」、青、黄、黒、緑、赤の五輪、さらに同じく藍色の市松模様が上部を開いているエンブレム、「TOKYO 2020 PARALYMPICS GAMES」、赤、青、緑の動きを思わせるシンボルがつき、それらをとりまとめる下部に「東京2020オフィシャルパートナー」の文字が配置されている。
次の紙片を確認すると、先のものと全体的な印象は変わらないが、「次世代コミュニケーション研究部門」、「越時知性研究室」に続いていた「研究員」の部分が「主任研究員」となっている。また、「東京2020オフィシャルパートナー」の記載がエンブレムを含めてなくなっており、それらがあったスペースには代わりに、二つのマークが並んでいる。左側は、黒色で「B」、「S」、「I」の三文字を組み合わせてハート型としたものを円で囲い、上部に「bsi」と表記したロゴ、その隣には、青い四角形の地に、簡略化された人を表現する「i」に似たシルエットが抜かれ、そのマークの下部に「ISMS-AC」および「ISO 27001」と記載されている。
次の紙片を確認すると、紙片の縦横比はやはり1:1.654であるが、長辺を縦とする縦型となっている。白い用紙に、黒の明朝体の日本語文字列のみが縦書きで配置されており、ロゴマークやエンブレムの類い、あるいは黒以外の色味の印刷は存在しない。紙面の右側に「文部科学省」。続けて、「研究開発局 宇宙開発課 技術専門官」とある。紙面の中央に「姫野伊織」。紙面の左側には「〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号」、続けて電話番号とメールアドレスの記載がある。
次の紙片を確認すると、紙片は再び横型に戻るが、縦横比が先ほどまでと異なり1:1.75となっており、寸法としても先ほどまでよりも一回り小さく、より細長い形になっている。記載されている文字列は全て英字である。紙面の右肩にロゴマークがあり、青色の円のなかに白い点で遥か彼方の星々、それに周回する惑星が表現されており、赤いV字形の紋章が組み込まれたデザインの中央に、「NASA」とある。ロゴマークの右側にはサンセリフ体で「National Astronauts and Space Administration」とあり、紙面中央部に中央揃えで、この部分だけがややウェイトのあるフォントで「Iori Himeno」、その下に「Senior Researcher」、改行、「Omni-time Presence, External Affairs」とある。左下と右下にそれぞれ左揃えの文字列のブロックがあり、左下のブロックには「NASA Ames Research Center」、「236 De France Ave, Mountain View, CA 94043」とあり、右下のブロックには電話番号とメールアドレスが記載されている。
次の紙片を確認すると、この紙片が現在の私たちの前に差し出されているものである。紙片の縦横比は1:1.654の縦置きで、「文部科学省」のものと似たデザインであるが、これには「外務省」とあり、「総合外交政策局 国連政策課 首席事務官」と続く。紙面の中央に「姫野伊織」。
いま現在私たちの前に、彼ら彼女らの代表として送り込まれてきた人物である。
紙片から顔を上げた私たちはそれを受け取り���この人間の顔をよく見る。
自信に満ちた表情であることが私たちにはわかる。
私たちがなにを見ているか、知っているのだ。
私たちはそれをはじめから読みとる。
それはか細い泣き声を上げ、必死に呼吸していた。
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