#猫柄見つけると買うよね
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2024.08.14 (Wed)
早起きしてバスに乗りHay Market駅へ。事前にネット予約していたチケットを受け取り、はじめてのスコットレイルに乗車。日本でいう特急列車的な感じでした。前日の晩スーパーで拵えた1ポンドのドーナツとスタバのコーヒーを持って、車窓からどんどん緑が増えていくさまを眺める。
1時間でDunblane駅に到着。バス乗り継ぎまで40分あったので、駅近くの大型テスコへ。 (テスコは大きさ別に4種類あるらしい。街中にあるテスコエクスプレスから、テスコメトロ、テスコスーパーストア、テスコエクストラ。でも今調べたら他にもあった :0) 前日晩にドライヤーを誤って使ったせいで変換プラグを死亡させてたので、ずっと日本プラグに適合するやつがないかを見てた。
40分後、Stage Coachというスコットランドの遠距離走行バスに乗る。チケットは事前に予約済み。QRついてるのに結局ス��ャンされなかった(夜行バスもそうだったな)あれはなんなんだろう? 目的地はCrieffという街。Dunblaneも小さな駅だったけれど、バスが進むにつれどんどん景色がのどかになっていく。大量の羊や牛が草原でチルしてるのをたくさん見た。そして約1時間後、Crieff到着。ここも閑静でこじんまりとした街。たむろしていると工事のおじさんから「なんでこんなとこまで来た?」と珍しがって話しかけられる。
バス停から更に歩いて30分移動。道中に公園があったので遊具で遊ぶ。赤ちゃんはみんなかわいいけど、ヨーロッパの赤ちゃんってレベチでかわいい。途中迷い込んだ道は等々力みたいな渓谷だった。
そしてはるばる到着したのは、最終目的地であるグレンタレット蒸留所。スコットランドに来た理由の一つは、ウイスキー蒸留所にいきたかったから (恋人がウイスキーにハマってる) 本当はスペイサイドやアイラ島まで行ければよかったのだけど、時間が足りなかったのでここにした。グレンタレットは日本であまりメジャーな銘柄ではないが、スコットランド最古の由緒ある蒸留所らしい。宿泊先から約3時間で到着し、蒸留所ツアースタート。蒸留所内は撮影禁止だったが、どでかいポットスティルを生で見て、木製の樽で熟成させている部屋はお醤油みたいな麹みたいな良い香りがした。そしてグレンタレットには伝説の猫タウザーがいたらしく、ネズミの捕獲数でギネスに載ってるらしい (捕獲後彼自身が食べたらしいけど、尻尾だけ残すので尻尾の数を数えてギネス認定されたらしい :0) 嘘みたいな本当の話。
最後にウイスキーのテイスティング。自分はピートが効いてるほうが好みかな、と思いつつ、普段ストレートでウイスキー飲まないからテイスティングだけで結構なダメージを喰らう… ツアーだけで2種類飲ませてもらったのに、事前に追加のテイスティングも予約していたので(滅多に来れないので予約しよう、となった記憶だが我々以外に誰もいなかった xD) 結局すべて飲みきれず、小瓶に入れて持ち帰るオチ。場違いくらいの素敵なバーで、ウイスキーたくさん出てきて嬉しいはずなのに、2人して「飲めないよね…」って小声で言い合う日本人があまりにもダサすぎて、「私たちアルコール強くないので…」って思わず店員さんに言ってしまった(じゃあ何でオーダーしたのだ?と思われてそうでまた草ですね)
小瓶を携えて蒸留所を出発。ノリで寄り道することになり、スターリングというスコットランドの古都を経由して帰ることに。バスに揺られて1時間で到着。スターリングはエディンバラよりも更にこじんまりとした街だが、とてものどかで美しいところ。到着後smokeysというバーガ��屋さんで遅めのお昼。変換プラグを購入し、スーパーで水を買ってたらまさかの日本人の方に遭遇。スターリング大学に留学しているのだとか。ロンドンやパリで会うのとはわけが違うので少し感動(相手も嬉しそうだったのでよかった)
せっかくなのでスターリング城へ。しかし思ったよりも急な坂で険しい道、連日2万歩歩いていた疲労困憊の体を引きずりながら、何度も引き返そうと思いながら頂上に到着。こんなに人いたの?ってくらい人がたくさんいて、何より最高にチルなスポットで気持ちよかった。こういうのって写真で全然伝わらないので載せないが、頑張って登ってよかった。
この時点で19時。すっかり疲れたので帰宅してもよかったけれど、スコットランド最後の夜なのでエディンバラ市内のパブへ行くことに。スターリングからエディンバラのウェーブリー駅まではスコットレイルで1時間。スコティッシュパブでビールとfish&chipsをいただく。
夜のエディンバラはまたまた綺麗で、この度を通して自分はすっかりスコットランドのファンになりました (元々映画で気になってたのもある) エディンバラはとっても美しく歴史のある街、パリやロンドンと比べて華やかさは少ないのかもしれないが、コンパクトだからこそ見渡す限り常に歴史の色香がただようので、本当にずっと浮かれていた。また来れたらいいな��次はグラスゴーにも行ってみたい。1日大移動してよかった :)
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2024年7月3日(水)
日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』、東京の寄席事情と噺家の消息を知るために定期購読している。以前イベント��販売されたグッズ、Webで購入可能となったとのことで早��注文した。ポチ袋・手ぬぐい(同柄色違い2枚)、それにクリアファイルだ。落語会へ行くとプログラムやチラシをいただけるが、それをきれいに持ち帰るにはこのクリアファイルが役立つのだ。折り目が付くと、スキャンしても汚いからね。今は亡き林家正楽師匠の紙切りがちりばめられた(ファンにとっては)逸品、大事に使わせて頂こう。
5時起床。
日誌書く。
朝食準備。
洗濯開始。
朝食はそば、それようにツレアイが買ってきた天かすをトッピング。
珈琲。
洗濯物干す。
弁当*2。
空き瓶・缶、45L*1。
ツレアイの職場経由で出勤する。
茨木ICから豊中ICまで故障車渋滞とのことだったが、影響を受けることなく茨木で下りることができた。
昨晩の寝方が悪かったのか、背中から腰に掛けてとてもこわばっている。おそるおそるラジオ体操第一、昨年9月の左腕の痛み以来休んでいたのだが、身体がまったく動かない。やはり続けなければ。
水曜日は、2限・3限<情報機器の操作Ⅰ(栄養学科)>、今週はExcelの操作の復習、先週の例題を一緒に復習した上で、実習問題2題を自習させる。全員時間内に提出出来たので、大丈夫だろう。
帰路は順調、暑さでエアコンフル稼働の��めか、燃費が悪い。
すぐに買物、セントラルスクエア花屋町店で猫砂・介護食・ひげそり用ジェル、コレモ七条店で鶏もも肉。
汗だくで帰宅、すぐに着替える。
東京の落友・Nさんに関西ローカルの落語番組を送っているのだが、今回は74・75・76の3枚、ラベルを印刷し、レターパックライトに封入する。室内着に着替えてしまったので、ポスト投函は明日の朝にしよう。
クロネコが配達、浜峰商店姉妹から純米大吟醸が届いた、いつもありがとう!
ツレアイも間に合って、早速みなでいただいた<純米大吟醸 米鶴>の味見をする。今宵堂の器の金魚も涼しげ、たまりまへんなぁ!
今夜も枝雀、「くしゃみ講釈」「鷺とり」。
例によって、入浴前にダウンしてしまった。
辛うじて、3つのリング完成。
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映画『生きる』
U-Nextで黒澤明監督、志村喬主演の映画『生きる』(1952)を見ました。
その昔、母から話を聞いた映画です。母は本が好きな人でしたが、映画も好きだったのかな。おそらく母が話してくれた映画はこれだけだったと思います。
母曰くーーぼんやりと暮らしていた市役所勤務の男が胃癌で余命いくばくもないと宣告される。男は死ぬ前に何かを成し遂げようと、子どもたちのために公園を作ることにする。公園が完成して男は死んでいく。男が公園のブランコに乗って「いのち短し恋せよ乙女」と歌うシーンは名シーンだ。
まさにそれがこの映画の中核ですが、実際に見てみると当然ながらそれだけではなく、いろいろなものが付け加えられています。
主人公の渡邉(志村喬)が胃癌で余命いくばくもないというのはその通りなのですが、実際に医者にそう言われるわけではありません。病院の待合室で見知らぬ患者と雑談をして「胃癌というのは恐ろしいものです。医者は軽い胃潰瘍だと言い、特に消化の悪いものでなければ好きなものを食べてい��と言うのですが、あっという間に悪化して死んでしまう」と聞いた���邉は、医者にその通りのことを言われてショックを受けます。
直後のシーンで医者同士が「あの人はいつまでもちますかね」ーー「半年くらいかな」と言っているので間違いはないのでしょうが、時代を考えれば本人に宣告しないのは当然としても、家族にも教えないものなんでしょうか。本人も家族も知らず、医者だけが知っているというのは、今の感覚からするとちょっと変な感じがしました。
渡邉は早くに妻を亡くし、一人で息子を育てました。息子は社会人になり結婚して、渡邉と一緒に暮らしています。
渡邉は市役所の市民課の課長です。ある地区に住む女性たち(その中には若き日の菅井きんもいます。こんなに可愛かったんだ、菅井きん)が空き地の水たまりをなんとかしてくれと陳情に来ていますが、市民課から公園課へ、公園課から土木課へたらい回しにされるだけで、一向に埒があきません。
渡邉も若い頃は仕事に熱意を持っていたようで、仕事場の机の引き出しには市役所の運営の改革に関する私案の書類が入っています。若い頃に渡部が書いたのでしょうが、結局提出しないままになってしまったということですね。必死に書いたはずの書類の最初のページを破ってペン先の掃除に使うシーンは、渡邉の現在と過去を一瞬で対比するいいシーンだと思いました。
癌で余命いくばくもないと知った渡邉は市役所を欠勤し、銀行から5万円おろして飲みに行きます。当時の5万円って今のいくらに当たるんですかね。100万くらい? まさか500万ということはないでしょうが、かなりの金額です。
でも、遊び慣れていない渡邉は何をすればいいかわかりません。彼は飲み屋で知り合った小説家(演じるは伊藤雄之助。痩せて精悍な感じで、まさに無頼派の小説家という感じです)に余命いくばくもないことを話し、パチンコやキャバレーに連れて行ってもらいます(この時代のパチンコって立ったままやるんですね。知りませんでした)。
キャバレーでピアニストに「リクエストはありませんか」と言われた渡邉は『ゴンドラの唄』をリクエストし、ピアノに合わせて歌います。
あ、ここでまず歌うんだ。
このシーンは凄みがあります。志村喬はうつむき加減で虚空の一点を見つめながら、口をほとんど動かさず、調子はずれに歌います(音をはずすというよりリズムをはずし、ピアノの伴奏と合わない歌い方です)。
彼の横に座っていたホステスは怖くなってどこかへ行ってしまいますが、むべなるかなーーそれほど鬼気迫る感じです。
いいなあこのシーン。当然ラストで志村喬はもう一度『ゴンドラの唄』を歌う���ですが、私はこっちのシーンの方が好きです。
一晩中遊び歩いた渡邉は翌朝、自宅に帰る途中、市役所の部下の女性・小田切と偶然で会います。小田切は市役所の仕事は退屈だから転職する、ついては辞表にハンコが欲しいと言います。小田切の靴下が破れているのに気づいた渡邉は洋品店でストッキングを買って彼女にプレゼントします。
小田切は「これ欲しかっただけど高くて」、「もしこれを買ったら、1ヶ月間お弁当のおかずはメザシになってしまいます」と言って喜びます(彼女は二間のアパートに3家族で住んでいるとも言っていました。まだ日本全体が貧しかったということでしょうか)。
渡邉は小田切と一緒に遊園地やスケート場や映画館に行きます。息子や息子の妻は年甲斐もなく若い愛人を作ったのではないかと疑います。
渡邉は息子に病気のことを打ち明けようとします。しかし、息子は愛人ができたという話だと思っているので話が噛み合わず、渡邉は打ち明けるのをやめます。
一方、小田切は最初こそ渡邉と一緒に出かけるのを喜んでいましたが、だんだん不自然なものを感じて、もう出かけたくないと言います。渡邉は最後に一度だけと言って、小田切を喫茶店に連れて行きます。
渡邉は余命いくばくもないことを小田切に打ち明け、「私はミイラのように生きてきた」、「君はどうしてそんなに生き生きしていられるんだ」と尋ねます。小田切は「さあ」と言った後、バッグからウサギのおもちゃを取り出し(彼女は市役所を辞めておもちゃ工場で働いているのです)、「これを作ってるからかしら。どこかの赤ちゃんがこのおもちゃで遊んでいると思うと嬉しくなるの」と言い、「課長も何か作ったらどうですか」と言います。
でも渡邉は何を作ればいいかわかりません。小田切も「あの役所じゃ無理ですよね」と言います。しかし、渡邉は何か閃いたように喫茶店を出て行きます。
その喫茶店は2階建てで中央に階段があり、渡邉と小田切は2階にいます。階段を挟んだ向こう側では、大勢の若者たちが仲間の誕生日を祝っています。
渡邉が階段を駆け降りるとき、ちょうど誕生日を祝ってもらっている女性が現れたのでしょう、若者たちは一斉に「ハピーバースデイ」を歌います。
次のシーンで渡邉は役所の部下たちに市民からの要望に応えて、空き地を整地し公園を作ると言うのですが、そのシーンでも「ハピーバースデイ」が流れます。
それまでミイラのように生きていた、本当の意味で生きているとは言えなかった渡部が、この瞬間生き始めるということを示す演出ですが、うーん、どうなんでしょうね、これ。わかりやすいだけに少しあざとさを感じてしまいました。
そこから時間が飛び、渡邉の葬儀の夜になります。これはちょっと驚きました。渡邉の死から遡る形で渡邉のしたことを描くわけですか。なるほど……これは予想していませんでしたが、なかなかいいですね。
同僚や上司が渡邉の自宅に集まっているところへ、新聞記者たちがやってきます。空き地に公園を作ったのは渡邉なのに、それを自分の手柄にした助役にインタビューしたいとのことですが、そんなことで葬儀の場にまで来るものですかね。
助役(演じるは中村伸郎)は「記者たちは役所の仕組みを知らないから困る。公園を作ったのは渡邉君ではない。渡邉君一人の力では何もできない」と言い、土木課長や公園課長も「取りまとめたのは助役ですから」とお追従を言います。
そこへ陳情に来た女たちが焼香にやって来ます。彼女たちは泣きながら焼香をしますが、何も言いません。この「何も言わない」ところがいいですね。下手に何か言うと艶消しです。
女たちが出ていくと、助役たちは居心地が悪くなったのか早々に立ち去ります。残った市民課の職員たち(藤原釜足がいて千秋実がいて左卜全がいます。いつものメンバーですね)は最初「あの公園ができたのは課長一人の力ではない」と助役たちと同じことを言いますが、若い課員が「いや、あれは渡邉課長の力だと思います」と言うのをきっかけに、渡邉が公園設置のために何をしたか、それぞれが思い出話をすることになり、最終的には「課長は立派だった」、「俺たちも課長のように頑張るぞ」と言います。
そこへ巡査が現れ、焼香します。巡査は前夜遅く、渡邉が一人で公園のブランコに乗り「ゴンドラの唄」を歌っていたと言い、あの時きちんと保護していれば亡くなることもなかったと悔やみます。
そこでフラッシュバックーーブランコに乗った志村喬が「ゴンドラの唄」を歌うシーンが流れるのですが、私は知っていたからかもしれませんが、このシーンよりキャバレーで「ゴンドラの唄」を歌うシーンの方が凄みを感じました。
翌日の市役所ーー職員たちは前夜「課長のように頑張るぞ」と言っていましたが、何も変わりません。以前と同じように陳情に来た住民をたらい回しにしています。
葬儀の場で渡邉を擁護した若い職員が、渡邉の作った公園へ行き、子どもたちが遊んでいる姿を見ているところで「終」とでます。
確かにいい映画です。批判はしたくないしできません。
黒澤が渡邉という人間の生と死を描くとともに役所の縄張り主義、硬直したシステムを批判しようとしたのはよくわかります。
でも、個人的にはそういう風刺はどうでもいい、渡邉だけにスポットを当てて欲しかったという気がします。
志村喬はもちろん名演です。猫背でオドオドして、病気が進むにつれてだんだん掠���声になっていくところなぞ誰も真似できないと思いますし、『七人の侍』のリーダーと同じ役者がやっているとはとても思えません。
でもなあ……いつも濡れた目をしている(これももちろん役者としての技術ですが)のを見ていると「病気の犬」か何かに見えてしまうというのもまた事実です。
息子もかわいそうだよなあ。物語の流れとして息子夫婦には打ち明けない/打ち明けられないというのはわかるのですが、自分が息子なら「親父、どうして言ってくれなかったんだ!」と言いたくなります。
息子は知る由もありませんが、渡邉は初対面の小説家や職場の部下にす��ない小田切に癌のことを打ち明けています。他人には打ち明けられるのに息子には打ち明けられない……世の中にはそういうこともあるとは思いますが、息子としてはたまらないだろうと同情してしまいました。
『生きる』はミュージカル化(!?)されているそうです(渡邉役は市村正親と鹿賀丈史のWキャスト)し、最近イギリスでリメイクもされているそうですが、もしあの話を現代に置き換えるとどうなるんでしょう。
ちょっと見るのが怖い気がします。
追記: 志村喬は1905年生まれ。ということはこの映画のときには47歳。 え? 47歳? とてもそうは見えません。 もっとも当時の定年は55歳ですから、渡邉はまだ50代前半ということになります。 今とは年齢の感覚が全く違うということでしょうか(『サザエさん』の波平だって50代前半、うっかりすると40代なわけですし)。
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先日までの暑さが嘘のように、朝晩が急に冷え込んできた。つまりイネ科の花粉が猛威をふるう季節の到来ということだ。秋の訪れを待ち侘びていた人も多いとは思うけれど、僕としては新たな地獄の始まりであり、定量噴霧式気管支拡張剤メプチンエアーを手放せない日々がしばらく続くことになる。幼少期から悩まされている喘息発作、子どもの頃はこの苦しさが続くくらいなら死んだほうがマシやと心のどこかでずっと思っていた。小児喘息に虚弱体質、運動場や体育館で貧血を起こしてぶっ倒れたことは一度や二度ではない。何を食べても太れない体質で、特に鳩尾の凹み具合は周りの友人と比べて自分は異常だと感じていたから、DeerhunterのフロントマンBradford CoxがAtlas Sound名義でリリースした『Logos』のアートワークを見たときには、いろんな意味でゾッとした。
(直視を躊躇う『Logos』のアートワーク)
臨海学修、林間学習、修学旅行などの学校行事はどれも喘鳴に悩まされた苦々しい記憶とともにある。臨海学修のときは勇ましく遊泳するクラスメイトの姿を、タイ��ング悪く生理になった女子と一緒にボートの上から眺めていて、あのときの情けないような惨めな気持ちは未だに忘れられない。家族旅行の際も必ず夜になると喘息発作を起こしてホテル近くの病院で吸入や点滴の処置を受けていた。いつも横に付き添ってくれていた母親には迷惑をかけっぱなしだった。そんな訳で今月に入ってからは非常に体調が悪く、おまけに歯痛、腰痛にも悩まされて、夜中に何度も目が覚めてしまう。目覚めたときはいつも息苦しくて、慌ててメプチンエアーに手を伸ばす。吸入してしばらくすると呼吸は落ち着いてくる。そのままソファに虚脱して朝を迎える。朝ごはんを要求してくる猫のミューモと文鳥のピッピにご飯を与えて今度は子どもたちを叩き起こし、みんな揃って慌ただしく朝食を済ませて妻のゆきこと子どもたちを送り出し、仕上げに洗濯と食器洗いを済ませてタラウマラへと向かう。自分が家を出るときに「行ってきます」と言える相手が部屋にいることを心から幸せだと思う。ミューモ、ピッピ、ほんまにありがとう。タラウマラのシャッターを開けると朝からたくさんの修理依頼を受ける。整備を終えた自転車が次々に巣立っていく。Googleの口コミで「ここはダメ。自転車の質が悪い」なんていう書き込みがあるにもかかわらず、数ある自転車屋のなかで僕の魂のカタチを具現化したような特異チャリンコ屋を選んでもらえることを素直に嬉しく思う。
(自転車屋としてあるまじきレビュー笑)
昨年末まで一緒に働いていたマリヲくんが退職し��際に、自分のなかで掲げ��目標がある。まずは借金を完済すること、次に前年対比で売上を向上させること、そしてタラウマラレーベルからの制作/製作を途絶えさせないこと。この三本柱については現時点ですべて達成できた。おまけに今夏に関しては遂にサラリーマン時代の月収も超えることができた。これはひとえにタラウマラを利用してくれる日々のお客さんと、支えてくれる友人や家族、そして自分の意地の賜物だ。ひとりになったとき、何人もの人から「大丈夫なん?」「もう作品づくりできないんちゃう?」と言われ続けたけど、そこは誰に何を言われようとも自分を信じた。人はみな簡単に「嫉妬」という言葉を口にするけど、僕が抱えているのはいつだって「嫉妬」ではなく純粋に「負けたくない」とう気持ちだけ。それも身近な存在に対してではなく、もっと巨大な資本とかムードとか慣例みたいなものに対して。そして何よりも自分自身に対して。でもやっぱり言うは易し行うは難しで、達成する為には精神も肉体も相当に擦り減らしてきた。大好きな少年漫画の『呪術廻戦』に倣って言うと、誰にだって呪力切れは起こり得るということ。そんな訳でここ数日は通院と服薬と寝不足でへとへとなんだけど、お客さんとの何気ない会話から元気をもらうことは、どんなときにでも不意にやってくる。自転車のタイヤについているバルブと虫ゴムを駐輪場でパクられたギャルのAさん、虫ゴム交換後の水調べでチューブにも穴を開けられていることがわかった。しかもパンク修理で補えないレベルのデカい穴。Aさんはマジかぁと叫んで、次のような事柄を捲し立てた。先月、福井県のとある宿に宿泊してからこんなことばっかり起こるんですよ、その宿は幽霊屋敷みたいなボロボロの宿で私が泊まった部屋の天井は人間の手形みたいな痕がいくつもあって、とにかくそこに宿泊してから不吉なことが立て続けにあって、お母さんはここで買った自転車で車に轢かれて全治6ヶ月の重症やし、こないだはカレー屋でカレー食べてたら異物混入してて、気づかずに奥歯で思いっきり噛んでしもうて歯が砕けたんですよ、もう最悪です、お祓い行った方が良いですかね?矢継ぎ早に繰り出される災難の深刻さとは裏腹に、Aさんの表情はなぜか明るかった。まぁ、お母さんは命に別状はないし、自転車も奇跡的に無事だったし、カレー屋の保険対応でインプラントにできるし、ちょっとラッキーかもって思ってるんです、とのことなのだが、どう考えても彼女の置かれた状況はラッキーではない。幸と不幸の帳尻が合わない。そもそも歯を失わなければインプラントなんて必要ないのだ。実際に彼女のスマホで宿の写真も見せてもらったが、確かにいまにも崩れ落ちそうな薄汚い天井のあちらこちらに人間の手形のような染みが点在していた。よくこんな部屋で朝まで眠れたね、と聞くと、私ぜんぜん霊感ないんですけど、このときはさすがに気持ち悪くて、霊を拒絶するには死と真逆の行為をしたら良いって誰かに聞いたことがあったので、めちゃくちゃAV観てめちゃくちゃSEXしました、だから結局ぜんぜん寝れなかったんですよ、と快活に笑う。僕も笑うしかなかった。チューブ交換しないといけないのはめちゃ痛いですけど、この話をお兄さんにできたので良しとします、またお母さんも元気になったら連れてきますね、そう言って颯爽とペダルを回転させるAさんの後ろ姿を見て、ギャルってマジで最強やな、と改めて感心したのでありました。
(Aさんの推しは星乃莉子さんだそうです)
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日記2
雨。まぼろしの公園で居眠りをした。
A遠がわたしたちの庭に入る夢をみた。そんなところ。
今日の用事はあとひとつ、これが、不安で不安で。裁きの時間。
スマホ故障の彼是でlineのやりとりみんな消えてよかったです。
ぼくはそれでよかったのだとおもう。
あの人の住所もわからなくなった、
今日から。いいのだこれで今はもう。
なにもかもを売っぱらいたくなるぜ。
Instagramに写真がすごくいいなと思う方がひとりいる。
どの人もみんなみんなそれぞれみなさんいいのは勿論だけど。
プロにむかって生意気にもっていうのでなくきっと一般の方で、
ある時話しかけてくれてぼんやり話していたらその人もまた、
「あなたを見てはじめました」って君みたい。君かとおもた。
「弟子にしてください」の別の方とか...
あまいお世辞たちよ、おだや🦀。。
前略遠くの歩道橋の天使魚座さま
集合住宅に一緒でいやなら向かいに住んでいーい?
窓と窓で話して。めぞん一刻感っていうかロマンティック。
はしごを渡したりぶどう食べたり糸電話したりたのし荘です。
やってトライ見たいです。おまけに二人羽織してみる?こわい。
ナイフが苦手ならハサミの術もありますよ。大丈夫。
これだけはともかく妄想ではないです。
本当にだめなら飼ってもらおかな。
でもきっと大丈夫ですよ君は。
東京のころOLさんとのアパートの夏は毎時セックス。
ちょっとなんていうか...野球部のごとし地獄でした。
誰かやかんで水もってきてください...くらい。
すっごいえろい人でぼくまだ18歳ですよ、
それでいてなんにも知らないのをいいことに、
(※ここからは有料版でお楽しみいただけます)
セックスあまり得意じゃないかもという癖?があります。
いわゆる多分コンプレックスなんでしょうね、何かが。
上手じゃないんじゃないかとすっごい考えてしまったり。
最近「お人柄ですよ」ってよく言われる度ごと内蔵の部位に、
どことなく両性具有のお祈りを見すかれてしまっているのかもと。
行為と話が破綻していますが、なんか、ありがたいことです(?)。
...まだおやつの時間ですよね、わたしは何を言っていますか?
人生で何回か突然��プロポーズをうけたうち2回、
「あなたの子どもがほしい」でおっかなくなりました。
今週あんまり不安定で大人用おしゃぶりを買いました。
ぼくは口淋しいみたい、たばこにまつわることすべても。
パイポよりか落ち着くのではないかって。これもヘンな話。
ちなみに今夜のじゃがたまねぎにんじん鶏を炊いたものは、
炊飯器でも作れるよ。ショウガと塩コショー(あらびき)で充分。
おしゃぶりしながら、ナンですが...。
外は雨がつよまってきた。宅配物を持ってきてくれるおねいさん、
腕章どうにしたらいいですかねと訊いたら別の腕章もってきてくれ、
試しに装着いい感じ。腕白いたくましいってわかってる気にしてる。
今日した会話、レスポンスみんなそれだけっぽいです。~fin~
あ、Twitterでモスめ師匠とお菓子のお話したんだ。
警視庁の腕章ですあしたから、グッバイ職務質問。
真新しいペンでお手紙をって。
今、というかあれからずっとメルカリで売れたレシート集めていて、
貼り合わせて展の入り口の暖簾にしようかなって謎幻想。
野球場横の市営プール、今年はひらくかな。
チャリでいこかなって。そばに温泉まであるんです。
かあさんビスケット買ってたお店はなくなった、淋し。
でもクリーニング屋さんは駄菓子屋さんも兼業されていて、
夢だった子たちとガチャガチャする性悪猫の毎日でした。
もうすぐごはんですよ、でておいで。さようなら。
youtube
��じめお店でジャケ買いのものでした。これも学生。
スーパーの脇のレコード市へ行くのがたのしみだった。
こんなことがしたかった音でした。このファーストがいちばん好き。
キスしてください白鳥さん。
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グッズ制作① かごねこさまより、 【SAKURAJIMAねこグラス】 のグッズ制作のお手伝いをさせていただきました。桜島の猫たちを撮影しに行って写真を見ながらイラストを描きました。猫ちゃんたちをナデナデさせてもらいましたが、同じ柄でも顔つきがこんなにも違うんだな、1匹1匹個性があるんだなと感じました。 あえてデジタルでなく、アナログで水彩色鉛筆を使用しあたたかみとやわらかさ、尊さを表現できたらと描きました。 グッズの売り上げは支援活動に寄付されます。 猫ちゃんは買えないけど活動の支援をしたいという方はぜひ、覗くだけでもどうぞ😊♥ かごねこさん (@kago_neko_ ) https://www.kagoneko.info/ ↑ 地域猫の支援活動をされています! https://www.instagram.com/p/CpCBOU7P8nE/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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#コスメ
13日目はポーチ……だけれど、1日目とは形が異なる、今度は巾着型のもの。
そしてこの白黒猫柄!!この猫!!!!
白黒ハチワレで、黒の入り方もキャップ&サドル型!!!!そして目は緑!!!!
これ……もう……うちの猫の巾着袋やん!!(ちがう)
間違いない……モデルはうちの猫だな………(ちがう)
このポーチだけでも大勝利ですわ……。衝動買いして良かった〜〜〜〜!!!!
14日目は……何だろうこれは。透明のジェル状で、中に黄色〜オレンジ系のラメが入ってキラキラしています。
何ぞ??と思って裏側を見てみると……えっ!?これもプライマー??
このキラキララメが下地になるってこと……?え……?顔面がキラキラするの……????
まだ使っていないですが、どんな感じになるのか全く想像ができません。この下地の上にファンデを塗った場合、ラメがどんな感じになってくるんでしょうか??
15日目、チークでした。
今更ですが、袋の柄と中身のパッケージも関連付けてあるんでしょうか?どちらの花柄も、雰囲気は違うけれど可愛いです。
チークの色自体は、コーラル系でゴールドラメなので、スプリングさん向けの色合いでしょうか……?
16日目。2個目のクリームアイシャドウです。
今度はピンクオレンジ系の色合いですね。多分これ、私が塗ると目が腫れたみたいになる色かも……。つらい。いや、でも、実際塗ってみるとまた色の見え方が変わってくるかもしれないので、一縷の望みをかけて一度試してみることにします。
このパッケージの落書きみたいな猫は味があって可愛いんですけどね。
追記:使ってみました。案の定……サマーの民にはこの色は合いませんでした。予想通り腫れたような瞼になりましたよね!悲しい。
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ラーパオ短歌集
2首ずつツイッターで詠んでいました、50首貯まったので一旦まとめます。テーマがあります、見つけてみてね。大人になっている前提の短歌もあります。
お揃いも嬉しいけれど本当の麦の穂色の髪が愛しい
ライラック色をしている君の髪花言葉は恋の芽生え
開けないで約束破って見た中身私の心に光をくれた
言葉だけそれだけでは自信なくもっと自信ない絵を描き足した
雷撃は人を懲らしめまた助けまるであなたの人となり
心模様に左右される水流も笑顔の増加と共に安定
昼休み書類を片付けランチ広げいただきますとメールを送る
メール見てお腹の減りを自覚して二人で用意したご飯を食べる
リビングでトレーニングを欠かさないきっと十年後���そのままだろうな
ヒーロー史人命救助に法律まで棚に並ぶのは頑張りの証
僕たちはNEXTのおかげで会えてそして関係なく恋に落ちた
最初期は末っ子扱いの私達
今じゃ連続QOBH
無意識に君の前に出る癖はそろそろ不必要になってきたね
ラーラってパオリンの隣歩くよねとカリーナさんに言われて気づく
昨晩の言い争いを引きずったふくれ面すら少し可愛い
珍しく喧嘩してる我が社バディ素人目にはそうは見えない
キャンディを買っていたよと教えられた似ているお二人気持ちが嬉しい
キャンディは大好きですよと笑う君あとで二人で食べましょうとも
お酒を飲めるようになったならあなたと乾杯したい何度でも
誰よりも酒豪な二人になっちゃってみんなを送って着く家路
熱入るトレーニングで火花散り部屋は二人だけの世界
背伸びする猫の視線の先は龍 額を寄せ合いたいからこそ
HEROは秘密だらけのものだけど助けられるなら打ち明けてほしい
秘密とは縁遠そうなあの人が私にだけ見せる涙
イベントのためにボイトレ励む君甘く芯あるその歌が好き
昔出した曲をこっそり聴いている明るく可愛いデュエットしたいな
好きな模様特にある訳じゃないけど思いつくのはシオンの花柄
花柄と言われて理由を聞いてみたら優しいもので羨ましかった
冬の雲そろそろ雪が降るようで寒さに手を握りたくなる
イワシ雲美味しそうだと言ったなら笑う君の笑顔が好き
かすり傷すぐあなたは言うけれど流石にそろそろ見破れますよ
傷だらけそれでも僕の無事を祝い良かったと泣いてくれる君は優しい
どこかの国では池の魚と僕らの気持ちは同じ音らしい
猫キャラが災いして出てきた魚料理困っていたら箸がすくった
夢を見るママがHEROをやめさせる夢嫌だと飛び起き溜め息をつく
夢を見たラーラが鳥籠の中にいる夢起きてホッとしてもまだきっと彼女は
とけるよな暑さも君の手のひらからの水が忘れさせてくれるんだ
素敵だね新しいコートにそう微笑むから冬なのにとけちゃいそうです
大雪の日に出動した時は互いにアウターお願いしようかと考える
あのカフェのドリンクも良いねと言いながら雪舞う街を二人で帰る
食べる量何年経っても勝てなくてでもそれがずっと続けば嬉しい
2ポイント負けてクイーン逃したら大粒の涙君も僕も
あなたのこと昼夜問わず考えてたいせめてラーラでいるときくらい
一昼夜怪我で目覚めない君をキスで目覚めさせられたらなんて
お饅頭あまり食べてこなかったけどあなたに出会って買い置きしてる
PDA鳴ったら終わるこのデート食べてるケーキより甘くなればいい
持ち寄ってツリーを飾る君の部屋互いの色ばかりで笑顔に
クリスマス一緒に過ごしませんかと私が出来る最大の告白
#tiger and bunny#タイバニ2#lara tchaikoskaya#larpao#kidcat#pao lin huang#tanka poem#tiger and bunny season 2
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【日記】
一気に寒くなった。 暖かさに惑わされ咲いてしまった河津桜がなんだかいじらしい。ようやく背中を押されて服の入れ替えをする。といっても、持ち服が少ないので、奥の冬物と手前の夏物を入れ替えるだけですが笑。Tシャツからいきなりニットだ。
・
ここしばらく作業中BGMは、午前中メンデルスゾーン、午後はミセス、というちぐはぐな感じ笑。メンデルスゾーンは、訳あって個人的にちょっと憶えなきゃならない曲があるため。まっこんとハナが寄って来てにゃあにゃあ鳴く。波長に何か感じるのかな? 弦も、声も?
・
"えっさかほいさ 猫にバイオリン 牝牛が月を飛び越えた 仔犬がそれ見て大笑い お皿はスプーンとかけおちしたのさ"
だったかな ちょっとうろ憶えだけど…
"ミルクよバターになーあっとくれ はやくーバターになっとくれーー ピーター待ってる門のそば ピーター待ってるバターケーキをー♪"
母が長年やっている合唱団で そんなのを歌っていたこともあったっけ。 マザーグース訳詩が 思い出と絡んで印象に残っている。 谷川俊太郎さん、 ついに惜別か…
今から10年ほど前、辻征夫さんの詩がらみのお仕事をさせて頂いたおりに、葉月ホールハウスのトークイベントを始め、シマウマ書��さんや詩人の八木幹夫さんを介して二度ほどお会いしたことがある。ある時は、東京の下町の昔ながらの食堂で。ふつうに電車で来られた。大変小柄で、庶民的な雰囲気もありながら、佇まいはしゅっとして上品で、第一印象はなぜか、無着・世親の、無着像。貴重な、ありがたい接点でした。
・
子どもの頃家にあった『いちねんせい』『ことばあそびうた』『わらべうた』『これはのみのぴこ』… 母が若い頃、ぽえむぱろうるという店で買った、南桂子装画の初版詩集『うつむく青年』、私が書店員時代に社割で買った『あさ』、友人知人から頂いた訳詩集色々、最近の絵本『ぼく』… 絵本的なものが多いけど、ちょこちょこ手元に。
とりたてて、深く読み込んだことはない。でも思い返してみれば、いつも身近にさりげなく在って、ふとした瞬間よみがえったり、日常に寄り添ってくれるようなことば。小難しいことは言わず、ご機嫌とらずに済む(笑)詩の世界で、ことばっていいな面白いな、と思わせてくれる、唯一無二の方だった、のかもしれない。
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ヘビー級おすそわけ
先月、コインさんから誕生日プレゼントと一緒に紙もののおすそわけをいただきました。 プレゼントももらったんだけど、おすそわけのウエイトがあまりにでかすぎたので今回はおすそわけについての記事となります。誕プレのネコチャン型スコーンは写真を撮る前になくなりました(食べた)。
それでは見ていきましょう。 これが全数です。
・メモ 698枚(349柄×各2枚) ・デザインペーパー 22枚 ・シートシール 3枚 ・フレークシール 60枚
総枚数 783枚 総重量 460g
写真では伝わりきらないかもしれないけど、けっこうな量。箱で届いたんですけど。これは本人にも手紙でお礼とともに、失礼を承知で伝えたことなんだけど「正直引きました」って。どうしたのこの量は…おすそわけじゃないでしょ。 そしてそのあと枚数カウントした話をしたら、今度は私が引かれました。「数えたの!?」と。数えちゃったね…記録魔だからね…数えたし量ったし測ったよね。
メモは全柄につき2枚ずつ入れてくれる手厚さ。 すべて広げて写真を撮るために脚立(!)にのぼりました。地上からではカメラの画角におさまらないのだ。ナスカの地上絵かもしれない。
こちら積み上げサイドビュー。
高さ約10cm。 「おすそわけ」ってなんだろう、と宇宙猫になった日でした。
ちなみにこれは送られてきたパッケージング状態のもの。
このパック作業のために、全部出して、数えて、仕分けして、詰めて…大変なこっちゃと思います。ありがとうございました。 大切に保管・使用します。
おすそわけだけでこんななのに、本体はどんな量なんだろう。しかも今回いただいた以外にもあるのだろうし、コインさんはRollbahnのリングノートもコレクションしてるの知ってるから、あれは場所とるだろうなっていつも思っている。
私も文具は好きで買うけど、どっちかというと「使用」するほうに寄っているので実はそんなに在庫は多くないのかな。
レターセットとか。いや、使うのが追いつかなくて保管箱が7~8箱あるんだけど。でも使うつもりだから!コレクション用のつもりじゃないから!(よくわからない言い訳) 買う時の基準が「かわいい!使お!」なので手紙を書く機会さえあれば減ってくれる。 シールは…ああ、シールはたまりがちかもしれない。近年、このままではいかんと思い手紙の端々に貼るようになった。ぴよこ豆がよく貼ってあると思う。
かわいい文具、使うのもったいないけど、使わずに終わってしまうのはもっともったいないのでできれば使っていきたい。
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City Market
Magandang araw po!
バギオの街の中心部に位置するマーケットを散策してみました!
マーケットには主に東西に200mほどの通りと、そこから張り巡らされる細かい道もたくさんあり、歩いても歩いてもまだ知らない通りがあるくらい広いです...!
売っているものは野菜、果物、お米、肉や魚などに加えて、バギオのお土産、古着や靴、ティッシュなどの日用品など、生活に必要なものはだいたいここで揃うくらいなんでもあります!
マーケットの中で一番広い通り。
左手には果物、右手にはお土産を売っている店があり、後ろは野菜コーナー。
私は通学で毎日ここを通るので、学校帰りに野菜を買って帰ります。
山盛りのいちご。
バギオはフィリピンで唯一いちごの生育ができる気候らしく、いちごがいたるところで売られています。
一度だけ買ったことがあるのですが、日本のいちごに比べると少し酸っぱく感じました、、
いちごだけでなく果物全般がとても安い!!
↑のいちごは500gで150ペソ(約393円)。日本だったら1パックの値段ですよね^^
ほかにもいろいろな果物があり、マンゴーやドラゴンフルーツなど東南アジアらしい果物もあるので、最近は一つずつ買って朝食べるのにはまっています♪
立派なバナナが並んでいるのを見るとフィリピンを感じられますね^^♪
先ほどの通りを西に歩いていくとビルの中につながっているのですが、古びたビルの中におびただしいほどのお土産が置いてあるお土産屋さんが並んでいます。
真ん中に見えているストライプ柄の布は、コルディリエラ地域の伝統衣装として使われるもの。これはお土産用に加工されたものと思われますが、実際にお祭りなどの際に使う衣装を売っているお店もあります。帰るときにぜひ買っていこうと思っています^^
これで終わりかと思いきや、ジープの乗り場を進んだ先にまた別のエリアもあり...!
ここは生活圏内ではなかったので、最近散歩していて発見しました!こんなに広かったとは!
この量の魚を果たしてどれくらいかかって売り切るのだろうかと毎回不思議に思いますが^^;
パエリアに添えられる黒くて大きい貝(伝わっていますように)が山積みで売られていて面白かったです。
お米エリア。フィリピンは米食文化の国なので、米だけでマーケット内の一区画を占めています。
先日米を買おうと思ったのですが、kg単位でしか販売していないらしく、一人暮らしの私には量が多すぎるのと持って帰るのが大変なので諦めてしまいました...。やっぱり米は食べたいから再チャレンジしてみようかな...
こちらは古着コーナー。人一人がぎりぎり通れる通路にびっしりと古着が並んでいます。このズボンは3枚で100ペソ(約280円)と衝撃のお値段。日本の大きな古着屋さんに比べると質は保証できないですが、うまく利用すればかなり便利そう。(まだ買ったことはない)
野菜コーナーを上から見た様子。
この狭い中を子供や猫が走り回っていたりしてかなり活気があります。
売り子さんたちは元気な人が多く、タガログ語で注文したりするととても喜んでくれて、ローカルなコミュニケーションを経験出来るので、バギオの中でも好きな場所の一つです!日々の買い物に加えて、まだ家に帰りたくない気分の時はぶらぶら散歩したりすると思わぬ発見があったりするのも楽しみの一つです。まだ全容はつかめていないくらい広いので、帰るまでにもう少し開拓しようと思います^^
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2024/9/8
桃「眠れない夜」
昨日の疲れがどっときて、1日中体が重い日だった。何に対してもやる気が出ず、映画とドラマとYouTubeと昼寝に費やした1日。
夜はくしゃみと鼻水が止まらなくて、おそらくエアコンのフィルター掃除をサボっているせいだろうなと思いながら、起き上がる元気もなく、悶え苦しんだ。よくわからない夢を見ていた気がする。
柚
9時に大阪の約束が起きたら8:38であぁしまったと思いながら母親に連絡する。急いでシャワーを浴びて身支度、今日が誕生日の母の家に向かった。両親といい焼肉を食べ、食べ過ぎ、お腹重いまま商店街で恐竜の柄の食器を押しつけるように母に買いプレゼントし、お目当てだった山王美術館へ。佐伯祐三・荻須高徳・藤田嗣治 展。一番好きな画家・佐伯の絵を初めて美術館で見られた。ぐっとのめり込んで眺めて、それから遠目に眺めて、本当によかった、画集と比べ物にならない。油絵は立体物だとすら思う。鬱蒼とした街の空気と佐伯の熱量が詰まっている。若い頃の荻須は佐伯に近いけれど全体的にもっとわかりやすく、晩年は特に暖かな感じ。父親が好きな藤田は緻密で美しいけれど佐伯とはあまりにも対照的だった。猫の絵は好きだった。訳のわからないこと言いますが、友���になるなら荻須だな、というのが3人続けて見た感想。それから陶磁器の美術館にも行った。大昔の器を、きっと本当に使われていたのだろう器を静かに見てまわるのはなんだか変な感じでちょっとわからなかった。実用物はどれだけの美しさを持とうと静的な美術品にしてしまうより、実用物としての機能的意図や作り手・使い手の姿が見えた方が魅力的なように思う。母親と、この皿なら使いやすそうだし可愛いわね、みたいな全く高尚でない会話をして楽しんだ。父親が何かに拗ねたのか気がついたら帰ってしまっていて、ほんと、そういうところだけはいつまでも変わらないのかと呆れる。それはないでしょう。母とふたりで少しお茶してからお洒落な中華をご馳走して神戸に帰った。夜に恋人と電話。曲の空耳の話なんかでげらげら笑う。
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Episode 15 : Raw Fish / 第15話『鱠(Namasu)』
武官「聞いたか?この前の小火(ぼや)のこと」
Bukan “Kiitaka? Kono maeno boyano koto.”
Military Officer “Hey, did you hear about the fire the other day?”
武官「李白のやつ、お手柄だったな」
Bukan “Rihakuno yatsu, otegara dattana.”
Military Officer “Lihaku did a really good job with it.”
武官「あいつが解決するとは、意外だった」
Bukan “Aitsuga kaiketsu suru-towa, igai datta.”
Military Officer “I never expected he’d be able to solve it.”
武官「それが、どうも噂によると…下女が事件解決に一役買ったらしい」
Bukan “Sorega, domo uwasani yoruto…gejoga jiken-kaiketsuni hito-yaku katta rashii.”
Military Officer “Actually, I heard a rumor that a servant girl helped solve it.”
武官「下女?」
Bukan “Gejo?”
Military Officer “A servant girl?”
武官「壬氏様の部屋付きの下女だって」
Bukan “Jinshi-samano heya-zukino gejo datte.”
Military Officer “They say she’s a personal attendant of Master Jinshi.”
武官「へえー、本当か」
Bukan “Heee, hontoka.”
Military Officer “Wow, really?”
武官「壬氏様と言えば、この前、緑青館の妓女を身請けしたんだろ?なんでも、知的で冷たい目つきの美女だとか」
Bukan “Jinshi-samato ieba, kono-mae, Rokushokanno gijo’o miuke shitan-daro? Nandemo, chitekide tsumetai me-tsukino bijo datoka.”
Military Officer “Didn’t Master Jinshi buy out a courtesan from the Verdigris House the other day? I hear she’s a beautiful intellectual with cold eyes.”
武官「ああ、見た連中が騒いでたぞ」
Bukan “Aa, mita renchuga sawaidetazo.”
Military Officer “Yeah, the guys who saw her wouldn’t shut up about her.”
武官「あっ、ああ…羅漢様」
Bukan “A, aa… Rakan-sama.”
Military Officer “Master Lakan?!”
―――――――――――――――――――――――――――
羅漢「フフッ。その話、詳しく教えてくれないか?」
Rakan “Fufu. Sono hanashi, kuwashiku oshiete kure-naika?”
Lakan “Mind telling me more about that?”
高順「小猫、ちょっといいでしょうか?」
Gaoshun “Shaomao, chotto iideshoka?”
Gaoshun “Xiaomao, could you spare a moment?”
猫猫「高順様。どうしたのですか?」
Maomao “Gaoshun-sama. Doshitano-desuka?”
Maomao “Master Gaoshun. What is it?”
高順「見てもらいたいものがあるのですが」
Gaoshun “Mite-moraitai monoga aruno-desuga.”
Gaoshun “There’s something I’d like you to take a look at.”
猫猫「古い事件の資料ですね。10年前の商家で、フグのなますにあたって食中毒が起きたと…」
Maomao “Furui jikenno shiryo desune. Ju-nen-maeno shokade, fuguno namasuni atatte shoku-chudokuga okitato…”
Maomao “Records of an old incident. Ten years ago, at a merchant’s home, there was a food poisoning incident involving a raw pufferfish dish.”
猫猫(フグの毒…!あのピリピリした痺れがいいんだ…ああ、食べたい)
Maomao (Fuguno doku…! Ano piri-piri shita shibirega iinda… Aa, tabetai.)
Maomao (Pufferfish poison… I love how it tingles and stings. Oh, I really want some now!)
高順「今度、その手の料理屋に連れて行きますから…」
Gaoshun “Kondo, sono-teno ryoriyani tsurete ikimasu-kara…”
Gaoshun “I can take you to a place that serves it sometime soon.”
猫猫「はあ~!はああ…これが、どうしたのですか?」
Maomao “Haaaa! Haaa… Korega, doshitano-desuka?”
Maomao “So, what about this?”
高順「昔、私がこの事件について、仕事で関わっていたことがありました。これとよく似た事件が最近起こったということで、元同僚に相談を受けたのです」
Gaoshun “Mukashi, watashiga kono jikenni tsuite shigotode kakawatte-ita kotoga ari-mashita. Koreto yoku nita jikenga saikin okottato-iukotode moto-doryoni sodan’o uketano-desu.”
Gaoshun “A while ago, I was officially involved with this case. A colleague asked me for advice, because a similar incident occurred recently.”
猫猫「よく似た事件?」
Maomao “Yoku nita jiken?”
Maomao “A similar incident?”
高順「官僚が、フグのなますを食べて、昏睡状態に陥っているのですよ」
Gaoshun “Kanryoga, fuguno namasuo tabete, konsui-jotaini ochiitte-iruno-desuyo.”
Gaoshun “A bureaucrat ate pufferfish, raw and seasoned with vinegar, and fell into a coma.”
猫猫「昏睡状態…。申し訳ありません、高順様。それは、私が聞いてもよろしい話でしょうか?」
Maomao “Konsui-jotai… Moshi-wake arimasen, Gaoshun-sama. Sorewa, watashiga kiitemo yoroshii hanashi deshoka?”
Maomao “A coma? Master Gaoshun, my apologies. Is it appropriate for me to learn about this?”
高順「問題ありません。小猫は、自分の立場をわきまえていますから」
Gaoshun “Mondai ari-masen. Shaomaowa, jibunno tachibao wakimaete imasu-kara.”
Gaoshun “That won’t be an issue. You are someone who knows her place.”
猫猫(つまり、喋るな、と…)
Maomao (Tsumari, shaberuna, to…)
Maomao (In other words, stay silent about this.)
高順「それに今さら、毒の出てくるこの話を途中で切ってもいいのですか?」
Gaoshun “Soreni ima-sara, dokuno dete-kuru kono hanashio tochude kittemo iino-desuka?”
Gaoshun “Besides, this story involves poison. Are you sure you want me to stop here?”
猫猫「ぐっ…。どうぞ、お話の続きを」
Maomao “Gu… Dozo, ohanashino tsuzukio.”
Maomao “Please, do continue.”
高順「うん。今回、なますには、フグの皮と身を湯引きしたものを使っていたそうです。それを食べて昏睡状態に陥ったと」
Gaoshun “Un. Konkai, namasu-niwa, fuguno kawato mio yubiki shita-mono’o tsukatte-ita-sodesu. Soreo tabete konsui-jotaini ochi’ittato.”
Gaoshun “In this instance, they served parboiled pufferfish skin and meat. He ate this and fell into a coma.”
猫猫「フグの身ですか?毒が多いのは、肝などの内臓ですが…」
Maomao “Fuguno mi desuka? Dokuga ooi-nowa, kimo-nadono naizo desuga…”
Maomao “The meat? Most of the poison is in the gut.”
高順「ええ、皮と身です」
Gaoshun “Ee, kawato mi desu.”
Gaoshun “Yes, the skin and the meat.”
猫猫「身は比較的、毒が薄いはずなのに…。まあ、種類や環境によっては、身に毒がある場合もあるかもしれない。別におかしな点はないのでは?」
Maomao “Miwa hikaku-teki, dokuga usui hazu-nanoni… Maa, shuruiya kankyoni yottewa, mini dokuga aru baaimo aru-kamo shirenai. Betsuni okashina tenwa naino-dewa?”
Maomao “The meat isn’t supposed to have much poison in it… Maybe it depends on the type of pufferfish or the environment it’s from. Nothing seems out of place, then?”
高順「…それが、今回の事件も、前の事件も、料理人は“フグを調理に使っていない”と言い張っているのですよ」
Gaoshun “…Sorega, konkaino jikenmo, maeno jikenmo, ryori-ninwa ‘fuguo chorini tsukatte-inai’to iihatte iruno-desuyo.”
Gaoshun “The thing is, in both cases, this time and in the past, the cook claims they hadn’t used pufferfish in the dish.”
猫猫「面白そうな話ですね」
Maomao “Omoshiro-sona hanashi desune.”
Maomao “That sounds interesting.”
高順「共通点は、それだけではありません。倒れた2人…今回の役人と、前回の商人は、共に美食家で珍味を好んでいました。普段から魚の生肉などもよく食べていて、フグも好物だったそうです。事件のあと、厨房のゴミから、内臓や皮が全て発見されたことから、肝は食べていないと判断されました。二つの事件の料理人は、共にフグは前日の料理に使ったもので、なますには別の魚を使ったと、無罪を主張しました。しかし、証人と���る人間がいなかった。役人は料理を全て食べ終えた30分後、中毒症状を起こして倒れ、痙攣していたところを発見されました」
Gaoshun “Kyotsu-tenwa, sore-dake-dewa arimasen. Taoreta futari… Konkaino yakuninto, zenkaino shoninwa, tomoni bishoku-ka-de chinmio kononde imashita. Fudan-kara sakanano nama-niku-nadomo yoku tabete-ite, fugumo kobutsu datta-sodesu. Jikenno ato, chubono gomi-kara, naizoya kawaga subete hakken sareta koto-kara, kimowa tabete-inaito handan sare-mashita. Futatsuno jikenno ryori-ninwa, tomoni fuguwa zenjitsuno ryorini tsukatta monode, namasu-niwa betsuno sakanao tsukattato muzaio shucho shimashita. Shikashi, shoninto-naru ningenga ina-katta. Yakuninwa ryorio subete tabe-oeta sanjuppun-go, chudoku-shojo’o okoshite taore, keiren shite-ita tokoro’o hakken sare-mashita.”
Gaoshun “That’s not the only thing in common. The two who fell ill… The bureaucrat from this case and the merchant from the past one were both gourmets who loved eating rare foods. They both often ate raw fish and pufferfish was one of their favorites. After the incident, all of the organs and skin were discovered in the trash, so it was determined that the guts were never consumed. In both cases, the cooks claimed innocence, said the pufferfish was served the night before, and that on the day of the incident, they’d used a different fish. However, there were no witnesses to provide proof. The bureaucrat ate all the food served, then became intoxicated and collapsed half an hour later. He was discovered convulsing.”
猫猫(案外、しっかり調べてるんだな…適当な調査で犯人をでっちあげる、ろくでもない役人もたくさんいるのに)
Maomao (Angai, shikari shirabeterun-dana… Tekitona chosade han’nin’o dekchi-ageru, roku-demo-nai yakuninmo takusan iru-noni.)
Maomao (He did a more thorough investigation than I’d expect. Plenty of other bureaucrats would put in zero effort and just make up a suspect.)
高順「どう思われますか?」
Gaoshun “Do omoware-masuka?”
Gaoshun “What do you think?”
猫猫「症状はフグの毒みたいですが…今の話だけでは何とも。高順様、もう少し情報を集めてきてもらえますか?」
Maomao “Shojowa fuguno doku mitai desuga… Imano hanashi-dake-dewa nantomo. Gaoshun-sama, mo sukoshi joho’o atsumete-kite morae-masuka?”
Maomao “The symptoms do sound like pufferfish poison, but I can’t say for certain without more details. Master Gaoshun, can you try to find more information?”
高順「分かりました。調べておきます」
Gaoshun “Wakari-mashita. Shirabete okimasu.”
Gaoshun “Understood. I will look into it.”
猫猫(今の季節なら、生ごみを数日置いていたとしても、おかしくはない。別の魚を使ったという話も、残りかすが見つかっていて、矛盾はない…)
Maomao (Imano kisetsu-nara, nama-gomio sujitsu oite-itato shitemo, okashikuwa nai. Betsuno sakanao tsukattato-iu hanashimo, nokori-kasuga mitsukatte-ite, mujunwa nai…)
Maomao (At this time of year, it’s not rare to have food trash sit out for a few days. The testimony of using different fish matches the evidence of the leftovers…)
壬氏「何の話をしてたんだ?」
Jinshi “Nanno hanashio shite-tanda?”
Jinshi “What were you talking about?”
猫猫「うわあっ…!」
Maomao “Uwaa…!”
壬氏「…さすがにその顔は俺も傷つく…」
Jinshi “…Sasugani sono kaowa oremo kizu-tsuku…”
Jinshi “That look would wound anyone, even me.”
壬氏「高順の話を、やけに熱心に聞いていたようだが」
Jinshi “Gaoshunno hanashio, yakeni nesshinni kiite-ita-yodaga.”
Jinshi “You seemed to be listening very eagerly to Gaoshun’s story.”
猫猫「面白い話なら、人は耳を傾けるものですから」
Maomao “Omoshiroi hanashi-nara, hitowa mimio katamukeru mono desu-kara.”
Maomao “People naturally pay attention to stories that are actually interesting.”
壬氏「ん?おい、ちょっと待て。お前、俺の話はよく途中で…」
Jinshi “N? Oi, chotto mate. Omae, oreno hanashiwa yoku tochude…”
Jinshi “Wait, hold on. You often cut me off mid-speech―”
猫猫「それでは、遅くなりましたので、帰らせていただきます」
Maomao “Sore-dewa, osoku nari-mashita-node, kaerasete itadaki-masu.”
Maomao “Oh dear, it’s getting late. With that, I’ll take my leave.”
壬氏「なっ、おい、まだ話は終わってない…」
Jinshi “Na, oi, mada hanashiwa owatte-nai…”
Jinshi “Hey, I��m not done talking-“
水蓮「あらあら、動かないで。ほら、じっとして」
Suiren “Ara-ara, ugoka-naide. Hora, jitto shite.”
Suiren “Oh, no, don’t move. Come on, stay still.”
壬氏「ん…」
Jinshi “N…”
―――――――――――――――――――――――――――
高順「小猫。昨日の話ですが…これは、調理書です。使用人の証言だと、主人に出す料理は、ほとんどここに書かれていると」
Gaoshun “Shaomao. Kinono hanashi desuga… Korewa, chorisho desu. Shiyonin’no shogen dato, shujinni dasu ryoriwa, hotondo kokoni kakarete-iruto.”
Gaoshun “Xiaomao, about the discussion we had yesterday… These are the cook’s notes. According to the servant, it describes everything served to their master.”
猫猫「ありがとうございます。…湯引きした魚に細切りの野菜を加えて酢であえる…なますの作り方に特におかしなところはないですね…」
Maomao “Arigato gozai-masu. …Yubiki shita sakanani hoso-girino yasaio kuwaete sude aeru… Namasuno tsukuri-katani tokuni okashina tokorowa nai desune…”
Maomao “Thank you. Parboil the fish. Add cut vegetables. Season with vinegar. The recipe looks normal.”
高順「酢の配合は何種類か書かれていますが、材料は詳しく書かれていません」
Gaoshun “Suno haigowa nan-shuruika kakarete-imasuga, zairyowa kuwashiku kakarete imasen.”
Gaoshun “There are several types of vinegar mixtures outlined, but the list of ingredients lack detail.”
猫猫「恐らく、季節によって、手に入る魚や野菜が変わるからでしょう。これでは肝心の、何を使って作ったかが分かりませんね…」
Maomao “Osoraku, kisetsuni yotte, teni hairu sakanaya yasaiga kawaru-kara desho. Kore-dewa kanjinno, nanio tsukatte tsukuttakaga wakari-masenne…”
Maomao “That must be because the types of fish and vegetables available differ by season. This won’t help us understand the key facts around what was actually used to cook the dish.”
壬氏「分からないのか?」
Jinshi “Wakaranai-noka?”
Jinshi “You can’t understand?”
猫猫「ハア…」(話に加わりたいらしい…)
Maomao “Haa…” (Hanashini kuwawari-tai rashii.)
Maomao (He wants to join in.)
壬氏「…で、何が分からないって?あ~ん…ん…」
Jinshi “…De, naniga wakara-naitte? Aaan…N…”
Jinshi “So, what can’t you understand?”
水蓮「お食事前ですから…」
Suiren “Oshokuji-mae desu-kara…”
Suiren “It will be mealtime soon.”
壬氏「分かっている」
Jinshi “Wakatte-iru.”
Jinshi “I know.”
猫猫(随分、子供っぽいことを…)
Maomao (Zuibun, kodomoppoi koto’o…)
Maomao (That’s quite childish.)
猫猫「事件が起きたのは?」
Maomao “Jikenga okita-nowa?”
Maomao “When did the incident occur?”
高順「一週間ほど前です」
Gaoshun “Isshukan-hodo mae desu.”
Gaoshun “About a week ago.”
猫猫「冬場の野菜となると…なますの材料は、大根か人参といったところですか?」
Maomao “Fuyubano yasaito naruto… Namasuno zairyowa daikonka ninjinto itta tokoro desuka?”
Maomao “Meaning winter vegetables, so probably radishes and carrots?”
高順「それが、海藻を使ったと言っていまして…」
Gaoshun “Sorega, kaiso’o tsukattato itte-imashite…”
Gaoshun “Actually, I hear they used seaweed.”
猫猫「海藻ですか?」
Maomao “Kaiso desuka?”
Maomao “Seaweed?”
高順「海藻です」
Gaoshun “Kaiso desu.”
Gaoshun “Seaweed.”
猫猫(珍味を好むということは…変わった海藻を入れることもあるだろう)
Maomao (Chinmio konomuto iu-kotowa… kawatta kaiso’o ireru kotomo aru-daro.)
Maomao (If he likes rare foods, I guess he could have tried strange seaweeds.)
猫猫「もしよろしければ、その家の厨房を見せてもらうことはで��ませんか?」
Maomao “Moshi yoroshi-kereba, sono ieno chubo’o misete morau kotowa dekima-senka?”
Maomao “If possible, could I take a look at the kitchen involved?”
―――――――――――――――――――――――――――
猫猫「ん?…高順様から、ここに来るようにと言われたのですが」
Maomao “N? …Gaoshun-sama-kara, kokoni kuru-yonito iwaretano-desuga.”
Maomao “I’m here under Master Gaoshun’s orders.”
馬閃「馬閃だ。話は聞いている」
Basen “Basen da. Hanashiwa kiite-iru.”
Basen “I’m Basen. I’ve heard about you.”
猫猫「猫猫です」
Maomao “Maomao desu.”
Maomao “I am Maomao.”
馬閃「これから屋敷に向かうが、お前はあくまでも私のお付きだ。いいな、勝手なことはするなよ」
Basen “Korekara yashikini mukauga, omaewa akumademo watashino otsukida. Iina, kattena kotowa suru-nayo.”
Basen “We’re heading to the mansion now, but remember, you’re my follower. Don’t do anything without my permission.”
猫猫「分かりました」
Maomao “Wakari-mashita.”
Maomao “Understood.”
馬閃「向こうに行けば、屋敷の下男が厨房を案内してくれる」
Basen “Mukoni ikeba, yashikino genanga chubo’o annai shite-kureru.”
Basen “Once we arrive, the servant there will show us to the kitchen.”
猫猫「はい」
Maomao “Hai.”
Maomao “Understood.”
猫猫(さすが高順様。仕事が速い…。それにしても…見たことない武官だな。誰かに似ている気がするが…良く思われてなさそうだが、まあいいか)
Maomao (Sasuga Gaoshun-sama. Shigotoga hayai… Soreni-shitemo… Mita-koto-nai bukan dana. Darekani nite-iru kiga suruga… Yoku omowarete-nasaso-daga, maa iika.)
Maomao (Master Gaoshun sure does work fast. That aside… I’ve never seen this officer before. He looks familiar, though. He doesn’t seem to have a good impression of me. Oh, well.)
下男「こちらが厨房です。毒の一件以来、使われておりません」
Genan “Kochiraga chubo desu. Dokuno ikken-irai, tsukawa-rete orimasen.”
Servant “This is the kitchen. It hasn’t been used since the poison incident.”
馬閃「ん?おい!」
Basen “N? Oi!”
Basen “Hmm? Hey!”
役人の弟「勝手に入るな!出ていけ!何をしてる!」
Yakunin’no ototo “Katteni hairuna! Dete-ike! Nanio shiteru!”
The official’s younger brother “Who let you in here?! Get out! What are you doing?!”
下男「ああ…」
Servant “Aa…”
役人の弟「こんな奴らを連れてきたのはお前か!」
Yakunin’no ototo “Konna yatsurao tsurete kita-nowa omaeka!”
The official’s younger brother “Did you bring these people here?!”
馬閃「ちゃんと奥方に確認は取っています。それに、これは仕事ですので」
Basen “Chanto okugatani kakuninwa totte-imasu. Soreni, korewa shigoto desu-node.”
Basen “I’ve gotten permission from the mistress, and this is official business.”
役人の弟「それは本当か?」
Yakunin’no ototo “Sorewa hontoka?”
The official’s younger brother “Is that true?”
馬閃「入ってもよろしいか?それとも、何か不都合でも?」
Basen “Haittemo yoroshiika? Soretomo, nanika futsugo demo?”
Basen “May we continue? Or would that inconvenience you in some way?”
役人の弟「勝手にしろ!」
Yakunin’no ototo “Katteni shiro!”
The official’s younger brother “Whatever.”
猫猫「誰ですか?」
Maomao “Dare desuka?”
Maomao “Who is that?”
下男「旦那様の弟君です。旦那様が昏睡状態になって、奥方様も疲労で寝込んでしまい、弟君が屋敷を取り仕切っていまして…」
Genan “Danna-samano ototo-gimi desu. Danna-samaga konsui-jotaini natte, okugata-samamo hirode nekonde shimai, ototo-gimiga yashikio tori-shikitte imashite…”
Servant “That is the master’s younger brother. After the master fell into the coma, and the mistress took ill from fatigue, the younger brother manages the mansion.”
猫猫「そういうことですか…」
Maomao “So-iu koto desuka…”
Maomao “I see.”
猫猫「馬閃様」
Maomao “Basen-sama.”
Maomao “Master Basen.”
馬閃「ああ」
Basen “Aa.”
Basen “Yeah.”
猫猫(調理器具は、料理人が洗ってしまったらしい…他には…ん?)
Maomao (Chori-kiguwa, ryori-ninga aratte shimatta rashii… Hoka-niwa… N?)
Maomao (The cook washed all the cooking utensils. Other than that…)
猫猫「これは?」
Maomao “Korewa?”
Maomao “What is this?”
下男「ああ…旦那様が好きなやつだ。お気に入りで、よく食べておられましたので、毒はないと思いますが…」
Genan “Aa… Danna-samaga sukina yatsuda. Okini-iride, yoku tabete orare-mashita-node, dokuwa naito omoi-masuga…”
Servant “Ah, the master loved that. It’s his favorite. He ate it often. I don’t think it’s poisonous…”
猫猫(嘘はついてなさそうだな…)
Maomao (Usowa tsuite-nasaso-dana…)
Maomao (He doesn’t seem to be lying.)
役人の弟「だそうだ。終わったなら早く帰ってくれ」
Yakunin’no ototo “Da-soda. Owatta-nara hayaku kaette-kure.”
The official’s younger brother “So that’s that. If you’re done here, please leave.”
猫猫「そうですね。ご迷惑をおかけしました」
Maomao “Sodesune. Gomeiwakuo okake shimashita.”
Maomao “Indeed. Sorry to bother you.”
―――――――――――――――――――――――――――
馬閃「なんで簡単に引き下がった?」
Basen “Nande kantanni hiki-sagatta?”
Basen “Why did you back down so easily?”
猫猫「引き下がったとは思っていません」
Maomao “Hiki-sagatta-towa omotte-imasen.”
Maomao “I don’t consider that backing down.”
馬閃「なっ…持ってきたのか!」
Basen “Na… Motte kita-noka!”
Basen “You brought it with you?”
猫猫「これ、不思議なんです。この海藻が採れる時期には、まだ少し早い。だからと言って、塩漬けにしたところで、今の時期までもつものでもありません」
Maomao “Kore, fushigi nan-desu. Kono kaisoga toreru jiki-niwa, mada sukoshi hayai. Dakarato-itte, shio-zukeni shita-tokorode, imano jiki-made motsu mono-demo arimasen.”
Maomao “This is strange. This seaweed isn’t in season quite yet. But even if salted and preserved from last year, it wouldn’t last this long.”
馬閃「なるほど」
Basen “Naruhodo.”
Basen “I see.”
猫猫「恐らくこの近辺で採れたものではないと思います。例えば、交易で南から仕入れたものだとか…どこから仕入れたか分かるとよいのですが…」
Maomao “Osoraku kono kinpende toreta mono-dewa naito omoi-masu. Tatoeba, koekide minami-kara shiireta monoda-toka… Doko-kara shiiretaka wakaruto yoino-desuga…”
Maomao “I don’t think it was gathered in our region. Perhaps it was imported from the south. It would be good if we could find out where it came from.”
馬閃「ハッ…」
Basen “Ha…”
猫猫(分かってくれたらしい…。なら、私も私のやるべきことをやろう)
Maomao (Wakatte kureta rashii… Nara, watashimo watashino yaru-beki-koto’o yaro.)
Maomao (I think he gets what I mean. In that case, I’ll do what I have to do.)
―――――――――――――――――――――――――――
壬氏「何だ?これは」
Jinshi “Nanda? Korewa.”
Jinshi “What’s this?”
猫猫「屋敷から持ってきた海藻です。事前に2つに分けて、水にさらしておきました」
Maomao “Yashiki-kara motte-kita kaiso desu. Jizenni futatsuni wakete, mizuni sarashite oki-mashita.”
Maomao “The seaweed I got from the mansion. I’ve split it into two and put it in some water.”
猫猫(なぜ壬氏様もいるのだろう…)
Maomao (Naze Jinshi-samamo iruno-daro…)
Maomao (Why is Master Jinshi here?)
馬閃「調べたところ、やはり海藻は、南方から持ち込まれたものでした。下男の証言では、主人が冬場にその海藻を食べることはなかったとのことでした」
Basen “Shirabeta tokoro, yahari kaisowa nanpo-kara mochi-komareta mono deshita. Genanno shogen-dewa, shujinga fuyubani sono kaiso’o taberu-kotowa nakatta tono-koto deshita.”
Basen “The seaweed was indeed imported from the south. According to the servant, the master never ate that seaweed in the winter.”
高順「料理人からも、普段使っている海藻と同じ種類で、毒のはずがないと」
Gaoshun “Ryori-nin karamo, fudan tsukatte-iru kaisoto onaji shuruide, dokuno hazuga naito.”
Gaoshun “The cook also said this is the same as the seaweed they normally use, and can’t be poisonous.”
猫猫「同じ海藻なら毒がない…というわけじゃないんです。もしかしたら、南ではあまりこの海藻は食べる習慣がないのかもしれません。美食家の役人の好物だと知った交易商が、金になると思って、わざわざ地元民に海藻の塩漬けを作らせたとしたら?」
Maomao “Onaji kaiso-nara dokuga nai…to-iu wakeja nain-desu. Moshika-shitara, minami-dewa amari kono kaisowa taberu shukanga naino-kamo shire-masen. Bishoku-kano yakunin’no kobutsu-dato shitta koeki-shoga, kaneni naruto omotte, waza-waza jimoto-min’ni kaisono shio-zukeo tsukura-seta-to shitara?”
Maomao “You can’t assume it’s not poisonous just because it’s the same seaweed. Maybe this seaweed isn’t eaten often in the south. Perhaps a merchant learned that it’s a favorite of this bureaucrat, and, looking to profit from that, went out of his way to get some locals to make a salted version of it?”
壬氏「それのどこが問題になるのだ?」
Jinshi “Soreno dokoga mondaini naru-noda?”
Jinshi “Why is that a problem?”
猫猫「世の中には、毒が無毒になることがあるんです。例えば、鰻には本来、毒がありますが、血を抜いたり、加熱することで食べられるようになります。この海藻の場合は、石灰水に漬けることが必要だったはずです。ここに用意したものは、石灰水に漬けたものと、そうでないものです」
Maomao “Yono-naka-niwa, dokuga mu-dokuni naru-kotoga arun-desu. Tatoeba, unagi-niwa honrai, dokuga ari-masuga, chio nuitari, kanetsu suru-kotode tabe-rareru-yoni narimasu. Kono kaisono baaiwa, sekkai-suini tsukeru-kotoga hitsuyo datta hazu desu. Kokoni yoi shita monowa, sekkai-suini tsuketa-monoto, sode-nai mono desu.”
Maomao “Sometimes, poisons can become not poisonous. For example, eels are originally poisonous, but by bleeding them out or cooking them, they become edible. In the case of this seaweed, I think it had to be soaked in limewater first. What I have here is one batch soaked in limewater, and one batch without that.”
3人「ぎょっ!」
San-nin “Gyo!”
壬氏「何してる!」
Jinshi “Nani shiteru!”
Jinshi “What are you doing?!”
猫猫「大丈夫です、たぶん」
Maomao “Daijobu desu, tabun.”
Maomao “It’s fine. Probably.”
壬氏「たぶんって何だ!」
Jinshi “Tabuntte nanda!”
Jinshi “What do you mean, ‘probably’?!”
猫猫「ご安心を。ちゃんと嘔吐剤はここに…」
Maomao “Go-anshin’o. Chanto oto-zaiwa kokoni…”
Maomao “Don’t worry. I have an emetic agent right here-“
壬氏「自信満々に言うな!高順!」
Jinshi “Jishin man-man-ni iuna! Gaoshun!”
Jinshi “Don’t say that so proudly! Gaoshun!”
高順「はい!」
Gaoshun “Hai!”
Gaoshun “Yes.”
猫猫「ちょっ…」
Maomao “Cho…”
Maomao “Hey―”
壬氏「吐け―――!」
Jinshi “Hakeeeeeee!”
Jinshi “Vomit, now!”
猫猫(フウ…フウ…一夜漬けで無毒化できるかどうか、食べて検証するつもりだったのに)
Maomao (Fuu…fuu… Ichiya-zukede mudokuka dekiruka-doka, tabete kensho suru tsumori-datta-noni.)
Maomao (I wanted to test if the detoxification could be done overnight…)
猫猫「え――、気を取り直して。ここで問題なのですが、交易商人に海藻の塩漬けを持ってくるよう提案したのは、誰でしょうか?取り寄せたのが食べた当人であれば、ある意味、自業自得ですが…でも、もし、そうでないなら…食べる習慣のない地方から取り寄せれば、危険性が高いのは当たり前です」
Maomao “Eeeee, kio tori-naoshite. Kokode mondai nano-desuga, koeki-shoninni kaisono shio-zukeo motte-kuruyo teian shita-nowa, dare deshoka? Tori-yoseta-noga tabeta toninde areba, aru imi, jigo-jitoku desuga… Demo, moshi, so-de nai-nara… Taberu shukanno nai chiho-kara tori-yosereba, kiken-seiga takai-nowa atari-mae desu.”
Maomao “Um, back on topic. So, the issue is: who suggested that the trader bring the salted seaweed? If the one who ate it imported it himself, it’d be his own fault, in a sense. But, if he didn’t… Bringing it in from a region that doesn’t eat it is obviously taking a pretty big risk.”
高順「わかりました」
Gaoshun “Wakari-mashita.”
Gaoshun “I understand.”
猫猫(ここにいる者たちは賢い。これ以上言う必要はないだろう…とりあえずは一件落着かな)
Maomao (Kokoni iru mono-tachiwa kashikoi. Kore-ijo iu hitsuyowa nai-daro… Toriaezuwa ikken-rakuchaku kana.)
Maomao (The people here are smart. I don’t have to elaborate further. I guess that settles it for now.)
猫猫「��?フフフフッ…」
Maomao “N? Fufufufu…”
壬氏「こら!」
Jinshi “Kora!”
Jinshi “Hey!”
猫猫「うううう…」
Maomao “Uuuu…”
―――――――――――――――――――――――――――
高順「結局、犯人は倒れた役人の弟でした。買い付け先を見つけたところで、自分が買ったと白状したそうです。動機は、次男の自分がないがしろにされて、長男を邪魔に思ったからだそうです。よくある話です」
Gaoshun “Kekkyoku, han’nin’wa taoreta yakuninno ototo deshita. Kaitsuke-sakio mitsuketa-tokorode, jibunga kattato hakujo shita-sodesu. Dokiwa, jinanno jibunga naigashironi sarete, chonan’o jamani omotta-karada-sodesu. Yoku aru hanashi desu.”
Gaoshun “The culprit was the official’s younger brother. When we found where he bought the seaweed, he confessed to being the one who’d purchased it. His motive was that, being the younger son, he wasn’t treated well. He wanted to remove his older brother from the picture. A commonplace story.”
猫猫「でも、そんな浅はかな理由で殺人を犯そうとした男が、どうやって海藻の毒を知ったんでしょう?」
Maomao “Demo, sonna asahakana riyude satsujin’o okasoto shita otokoga, do-yatte kaisono dokuo shittan-desho?”
Maomao “But how could a person who’d plot to murder someone for such a thoughtless reason have learned about the seaweed poison?”
高順「酒場で横に座った客から、偶然教わったそうです」
Gaoshun “Sakabade yokoni suwatta kyaku-kara, guzen osowatta-sodesu.”
Gaoshun “He happened to hear about it from a person sitting next to him at a tavern, apparently.”
猫猫「偶然、ねえ…」
Maomao “Guzen, nee…”
Maomao “‘Happened to,’ huh? Sure…”
猫猫「結局、毒の残っている海藻は食べられなかったな…」
Maomao “Kekkyoku, dokuno nokotte-iru kaisowa taberare-nakattana…”
Maomao “In the end, I didn’t get to try the poisonous seaweed…”
猫猫(それにしても、何に使おう~?あの、干からびた虫から伸びた枯葉色の茸…!薬酒にしようか?丸薬にしようか?ウフフフフフッ…)
Maomao (Soreni-shitemo, nanni tsukaooo? Ano hikarabita mushi-kara nobita kareha-irono kinoko…! Yaku-shu-ni shiyoka? Gan’yaku-ni shiyoka? Ufufufufufu…)
Maomao (By the way, what should I use it for? That mushroom the color of dry leaves growing from the dead insect! Should I make medicinal booze?! A pill?!)
猫猫「おかえりなさいませ」
Maomao “Okaeri-nasai-mase.”
Maomao “Welcome home!”
壬氏「んっ!んっ!」
Jinshi “N! N!”
猫猫「えっ…」
Maomao “E…”
高順「何事ですか?!」
Gaoshun “Nani-goto desuka?!”
Gaoshun “What’s going on?!”
猫猫(私のせいじゃない!)
Maomao (Watashino seija nai!)
Maomao (It’s not my fault.)
壬氏「ハア…」
Jinshi “Haa…”
水蓮「お疲れのようですね」
Suiren “Otsukareno yo-desune.”
Suiren “You seem tired.”
壬氏「仕事が溜まってるんだが、どうにもウマが合わない相手がいて、意見が違ってしまうのだ」
Jinshi “Shigotoga tamatte-rundaga, do-nimo umaga awanai aitega ite, ikenga chigatte shimau-noda.”
Jinshi “I have so much work piled up, but there’s someone I just don’t get along with. We just can’t see eye-to-eye.”
猫猫「壬氏様にも苦手な方がいるのですね」
Maomao “Jinshi-sama-nimo nigatena kataga iruno-desune.”
Maomao “I never would have thought you’d ever have trouble with people.”
壬氏「相手は頭の切れる軍部の高官だ。家柄は良いのに、四十を過ぎて妻帯もせず、甥御を養子にとって家の管理を任せている。有名な変人だ…」
Jinshi “Aitewa atamano kireru gunbuno kokanda. Ie-garawa yoi-noni, shiju’o sugite saitaimo sezu, oigo’o yoshini totte ieno kanrio makasete-iru. Yumeina henjinda…”
Jinshi “This man’s a razor-sharp high official in the military. He comes from a good family, but even though he’s past forty, he hasn’t married. He adopted his nephew as his son and has him handle his household. A famous weirdo.”
猫猫(四十を過ぎた軍部の高官で…変人?)
Maomao (Shiju’o sugita gunbuno kokande…hen-jin?)
Maomao (A forty-plus, high-ranking military officer… and weirdo?)
壬氏「興味のあるものといえば、もっぱら、碁と将棋と噂話。難癖をつけては突撃してきて、案件の判を押すのを先延ばしにしてくる。どうも、標的にされたらしい…このところ、毎日執務室に居座られて…」
Jinshi “Kyomino aru monoto ieba, moppara, goto shogito uwasa-banashi. Nan-kuseo tsuketewa totsugeki shite-kite, ankenno han’o osuno’o saki-nobashini shite-kuru. Domo, hyotekini sareta rashii… Kono tokoro, mai-nichi shitsumu-shitsuni isuwa-rarete…”
Jinshi “His only interests are go, shogi, and rumors. He files complaints, barges in, and keeps extending deadlines on decisions that need to be made. I think he has it out for me for some reason. He’s been camping in my office for several days in a row.”
猫猫(…よし!忘れよう~!思い出しても、ろくなことにならない)
Maomao (…Yoshi! Wasureyooo! Omoi-dashitemo, rokuna kotoni nara-nai.)
Maomao (Okay, let’s forget about this! No good can come from dwelling on this.)
―――――――――――――――――――――――――――
猫猫(…しかし、まあ…忘れたところで、いつもの嫌な予感は当たるのだが…)
Maomao (…Shikashi, maa… Wasureta tokorode, itsumono Iyana yokanwa ataruno-daga…)
Maomao (However, no matter how hard I try to forget, as usual, my bad hunches are correct.)
―――――――――――――――――――――――――――
壬氏「案件はもう通ったはずですが…」
Jinshi “Ankenwa mo tootta hazu desuga…”
Jinshi “This matter was settled already.”
羅漢「冬に花見は難しい…ならばこちらでと思いましてな…」
Rakan “Fuyuni hanamiwa muzukashii… Naraba kochirade-to omoi-mashitena…”
Lakan “Flower viewing in the winter is difficult. I thought this would be better instead.”
壬氏(この男の名は、羅漢。軍師をやっている。どうやら、突っかかってくる理由は、緑青館に縁のある猫猫を下女にしたことにあるらしい…)
Jinshi (Kono otokono nawa, Rakan. Gunshi’o yatteiru. Do-yara, tsukkakatte-kuru riyuwa, Rokushokanni enno aru Maomao’o gejoni shita-kotoni aru-rashii…)
Jinshi (This man is Lakan. He is a strategist. It seems like the reason he’s confronting me is because I made Maomao, who is connected to the Verdigris House, my servant.)
羅漢「そういえば、緑青館に昔、なじみがいましてね」
Rakan “So-ieba, Rokushokanni mukashi, najimiga imashitene.”
Lakan “Come to think of it, I have an old acquaintance in the Verdigris House.”
壬氏(…意外な話だ。色恋など全く興味ないのかと思っていたが…)
Jinshi (…Igaina hanashida. Irokoi-nado mattaku kyomi nai-nokato omotte-itaga…)
Jinshi (That’s unexpected. I thought he had no interest in romance.)
壬氏「どんな妓女ですか?」
Jinshi “Donna gijo desuka?”
Jinshi “What kind of courtesan is she?”
羅漢「フッ…」
Rakan “Fu…”
壬氏(ハッ…つい聞いてしまった)
Jinshi (Ha… Tsui kiite shimatta.)
Jinshi (Shoot, I asked without thinking.)
羅漢「いい妓女でしたよ…碁と将棋が得意で、将棋では勝てるが、碁では負けてばかりだった」
Rakan “Ii gijo deshitayo… Goto shogiga tokuide, shogi-dewa kateruga, go-dewa makete-bakari datta.”
Lakan “She was a good courtesan. She was very good at go and shogi. I could beat her in shogi, but never in go.”
壬氏「軍師殿を負かすとは…それは強かったのでしょう」
Jinshi “Gunshi-dono’o makasu-towa… Sorewa tsuyo-kattano-desho.”
Jinshi “Defeating our master strategist? She must have been good.”
羅漢「あれほど面白い女にはもう会えないだろうと、身請けも考えましたが…世の中うまくいかないものでね。物好きの金持ちが2人、競い合うように値を釣り上げていった」
Rakan “Are-hodo omoshiroi onna’niwa mo aenai-daroto, miukemo kangae-mashitaga… Yono-naka umaku ikanai mono-dene. Mono-zukino kane-mochiga futari, kisoi-au-yoni ne’o tsuri-agete-itta.”
Lakan “I considered buying her out, since I felt I would never meet another woman as interesting as her. But sometimes, things just don’t work out. Two rich men with curious tastes endlessly tried to outbid each other.”
壬氏「それはそれは…」
Jinshi “Sorewa sorewa…”
Jinshi “Is that so?”
壬氏(時に、妓女の身請け金は、離宮が一つ建つほどの額になるという)
Jinshi (Tokini, gijono miuke-kinwa, rikyuga hitotsu tatsu-hodono gakuni naruto iu.)
Jinshi (It’s said, at times, buying out a courtesan could cost about as much as a small palace.)
羅漢「変わり者の妓女でしてね…」
Rakan “Kawari-monono gijo deshitene…”
Lakan “She was a strange courtesan.”
壬氏(しかし、そんな話をして、何が言いたいのか…)
Jinshi (Shikashi, sonna hanashio shite, naniga iitai-noka…)
Jinshi (Where is he trying to go with this story?)
羅漢「芸は売れど、身は売らず。それどころか、客を客とも思わない。客に茶を注ぐ時も、下賤の民に施しを与えるような、尊大な目で見ておりました。しかし、それにうつつを抜かす物好きもいるもので…かくいう私も、その一人なのですが…背筋にゾクゾクッとくる感覚がたまらないものでして…」
Rakan “Geiwa uredo, miwa urazu. Sore-dokoroka, kyaku’o kyaku-tomo omowa-nai. Kyakuni cha’o sosogu-tokimo, gesenno tamini hodokoshi’o ataeru-yona, sondaina mede mite-orimashita. Shikashi, soreni utsutsu’o nukasu mono-zukimo iru-monode… Kaku-iu watashimo, sono hitori nano-desuga… Sesujini zoku-zokutto kuru kankakuga tamaranai mono deshite…”
Lakan “She would sell her skills, but never herself. In fact, she didn’t treat guests as customers at all. Even when pouring tea, she had an arrogant look, like she was being charitable to a lowly peasant. But there were many with curious tastes who were head over heels for her. Myself among them, naturally. That chill down my spine was truly irresistible.”
壬氏「う…」
Jinshi “U…”
羅漢「フッ。いつか押し倒してみたいと思っていたものですよ。フフフッ、フフフッ…。結局その妓女を諦めきれず、仕方なく少々汚い手を使いました」
Rakan “Fu. Itsuka oshi-taoshite-mitaito omotte-ita mono desuyo. Fufufu, fufufu… Kekkyoku sono gijo’o akirame-kirezu, shikata-naku sho-sho kitanai teo tsukai-mashita.”
Lakan “Oh, how I wanted to try to force myself on her one day. In the end, I couldn’t give up on her, so I had no choice but to use a bit of a dirty trick.”
壬氏「というと?」
Jinshi “To-iuto?”
Jinshi “Meaning?”
羅漢「高くて手が出せないなら、安くなれば問題ないわけでして…希少価値を下げたんですよ。どんな方法か、知りたいですか?」
Rakan “Takakute tega dasenai-nara, yasuku nareba mondai-nai wake-deshite… Kisho-kachi’o sagetan-desuyo. Donna hohoka shiritai desuka?”
Lakan “If something’s too expensive, you simply lower its value. I made her less exquisite. Do you know how I did that?”
壬氏「ここまで来てもったいぶるのですか?」
Jinshi “Koko-made kite mottai-buruno-desuka?”
Jinshi “Why play hard-to-get all of a sudden?”
羅漢「フッ。フフッ。…まあ、その前にちょっと、頼みたいことがあるんですが」
Rakan “Fu. Fufu. …Maa, sono maeni chotto, tanomitai kotoga arun-desuga.”
Lakan “Well, before I get into that, I have a favor to ask.”
壬氏「何ですか?一体」
Jinshi “Nan-desuka? Ittai.”
Jinshi “What is it?”
羅漢「そちらに最近入った下女というのが、なかなか面白いようで…妙に謎解きが得意なようですな?ああ…私の知人に、宮廷御用達の彫金細工師がいたんですよ…そいつが先日、ぽっくり���ってしまった…ちゃんと後継者を指名しないままにね…。やつには3人の子供がいて、弟子にしていたんですが…秘伝と言える技術を伝えぬまま逝ってしまったのが、不憫でねえ…。きっと彼の思わせぶりな遺言が、何かの手がかりだと思うんです。それが引っかかっていてねえ…」
Rakan “Sochirani saikin haitta gejoto iu-noga, naka-naka omoshiroi-yode… Myoni nazo-tokiga tokuina yo-desuna? Aa… Watashino chijin’ni, kyutei-goyotashino chokin-zaikushiga itan-desuyo. Soitsuga senjitsu, pokkuri itte shimatta… Chanto kokeisha’o shimei shinai-mama-nine. Yatsu-niwa san-nin’no kodomoga ite, deshini shite-itan-desuga…hidento ieru gijutsu’o tsutaenu-mama itte shimatta-noga, fubinde-nee. Kitto kareno omowase-burina yuigonga, nanikano tegakari-dato omoun-desu. Sorega hikkakatte-itenee…”
Lakan “I heard that the servant girl you hired recently is quite intriguing. They say she has a strange knack for solving puzzles. I was acquainted with a metalworker who was the palace purveyor. He suddenly passed away a few days ago, and failed to name a proper successor. He had three children who were also his apprentices. Unfortunately, he died before passing on his secret techniques to his children. He left a puzzling will, which might be a hint. That’s been bothering me for a while.”
壬氏「何が言いたいのでしょうか?」
Jinshi “Naniga iitaino-deshoka?”
Jinshi “Where are you going with this?”
羅漢「いや?何、大したことではない…その秘伝の技術を知るすべがないかと思ったまでです…ああ、例えば…頭の回る、そちらの下女が調べてくれやしないものかと…」
Rakan “Iya? Nani, taishita koto-dewa nai… Sono hidenno gijutsuo shiru subega naikato omotta-made-desu… Aa, tatoeba…atamano mawaru, sochirano gejoga shirabete kureya shinai-monoka-to…”
Lakan “Nowhere special, really. I just wonder if there’s some way to learn that secret technique. Perhaps, for example, by having your clever servant girl take a look.”
壬氏「フウ…とりあえず、話だけでも聞かせてもらえないでしょうか」
Jinshi “Fu… Toriaezu, hanashi dake-demo kikasete morae-nai-deshoka.”
Jinshi “Well… I suppose I could hear the whole story.”
―――――――――――――――――――――――――――
猫猫「…よく降るなあ…」
Maomao “…Yoku furu-naa…”
Maomao “That’s a lot of rain.”
(Continue to episode 16)
#apothecary english#apothecary romaji#the apothecary diaries#apothecary diaries#薬屋のひとりごと#薬屋 英語 学習#薬屋のひとりごと 英語#learning japanese
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猫は知っていた 7月4日 土曜日
さて、7月4日になり、仁木兄妹が箱崎医院に引っ越してくるところからです。
夏空に“ソフト・アイスクリーム”の形の入道雲という表現が面白いです。 今なら、ソフトクリームですね。
不二家が、昭和26年(1951年)にソフト・アイスクリームを作る機械をアメリカから輸入したそうです。 昭和27年(1952年)5月13日の朝刊に不二家洋菓子の広告に〈ソフトアイスクリーム〉の掲載があります。 昭和28年(1953年)には、ソフトクリームブームが到来したみたいです。 でも、ここでソフト・アイスクリームと表現したということは、不二家の影響が強いのでしょうか? 恐るべし不二家ですね。
荷物は、小さなオート三輪で運んできました。 昭和34年の話だとして、小さなオート三輪なら昭和32年に発売された「ミゼット」でしょうか?
さて、案内された部屋は七号室でした。 八号室では夕日のせいで暑くなるだろうからという理由でです。
わざわざ八号室から七号室に移ることを明確に書いているということはなにかあるのでしょうね。 というか、何かあるとしたら、部屋を変えさせた人物が関係しているのかも。 箱崎医院の関係者ですかね。
家永看護婦の嫌味がチクリと刺さりますが、これも伏線でしょうね。 階段の上り下りはギシギシとでも音がするのでしょうね、手術があったので静かにといってます。
悦子は、そんな家永看護婦のようすを“権柄尽く”といってます。 権力に任せて、強引に事を行うことですね。
2階に上がると今度は野田看護婦とあいます。 野田看護婦は、悦子の持っているブラックの絵に関心を示します。 ブラックとしか書かれていませんが、ジョルジュ・ブラックですかね。 パブロ・ピカソとともに「キュビスム」を生み出したフランスの画家です。凡人には全くわかりません。
この後、入院患者がわざとらしく紹介されます。 これも、何かの伏線でしょうね。
一号室は、小山田すみ子という中年の婦人で、頸部リンパ腺炎だそうだが、もうほとんどいいらしい。一人で入院している。 二号室が例の平坂勝也です。例のというのは、プロローグに出てきたからですね。 清子夫人が付添って看護しています。 職業は貿易商で、外人に日本の浮世絵や古美術品を売りつけているみたいです。 三号室は空室です。 五号には若い男の患者がふたりはいっています。 宮内正は26、7の機械技師で職場で左手を負傷したのだが、もう痛みもないので毎日を退屈しきっている。 桐野次郎は大学生でサッカーの練習中ころんで足を折り、つい二日ばかり前に入院した。 六号室は、工藤(くどう)まゆみで、十三くらいの女の子です。 背中におできができて手術したのが今日です。 七号室は、引越し先ですね。 で、不思議なんですが、八号室についてはかかれていません。 誰かが入っていればそれを書くのでしょうから、空室なんでしょうがなぜそのことにふれないんでしょうか?
で、部屋の片付けの途中で、 兄が大事にしている“フレウム・アルピヌス”(Phleum alpinumフレウム・アルピヌムのことですかね)にちょっとふれてます。 これは、兄が植物学を専攻していることと、それ以外にもなにかの目的があってここに挿入されいるのかもしれません。 フレウム・アルピヌムは学名で、みやまあわがえり(深山粟返り)の頃らしい���すが、7月だと花がしている時期だと思うのですが、そのことにはふれていません。
片付けをしていると、夕食の案内にユリさんが入ってきます。 ところが、このユリさん、様子が変です。 心ここにあらずで、顔色も青く、寝不足の時のように、いらいらと血走った目をしています。 これは、何かありますね。
さて、夕食です。 院長夫妻、おばあちゃん、英一さん、幸子ちゃん、それに仁木兄妹の七人が食卓を囲んでいます。 箱崎家のはなれの八畳の茶の間です。
・気分が悪いというユリのこと。 ・仁木兄は、大好きなくせにアルコールに弱く、すぐ眠くなってしまう。 ・幸子ちゃんが、金魚の模様のゆかたのことを。 ・おしゃれにうるさい敬二は、四月から医大へ行っていて、中野で下宿している。 ・病院と台所が離れているので、患者や看護婦の食事を運ぶのが大変だと。 ・洗濯も、病院専用の大きな電気洗たく機を買ってからは、楽になった。 ・調理場も建て増しして、家族と別にする。 ・親が読んでためになる小さい子供の音楽のおけいこに参考になる本このこと。
と多岐にわたります。
そして、これが一番の核心なんでしょうか。 英一が、“ヒヨドリジョウゴ”は、毒草なのかと、仁木兄に尋ねます。
鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)は、つる性多年草で日本全土の山野に分布しています。 ジャガイモの新芽に含まれることで有名な有毒成分である“ソラニン”を含むみたいです。 なんと、種が鳥や土に運ばれて、家庭の庭やベランダのプランターから突然生えてくることもあるようです。 他にも、モクレン科の常緑小喬木であるシキミにも、きれいな実がなるが、猛毒で子供が食べて死んだりします。 もともと『悪しき実』と呼ばれていたのが、シキミという名になったらしいです。 直接ではないのかもしれませんが、毒による事件でも起こることの伏線ですかね。
夕食の最後に女中のカヨさんが、水蜜桃を運んで来ます。 水蜜桃とは桃全体のことを意味しているみたいです。 そのため「水蜜桃」という品種はなく桃はほとんどがもともと「水蜜桃」だそうです。 知りませんでした。 ももではなく「水蜜桃」というと、通っぽくていいですね。
その後、仁木兄妹は、英一の書斎を訪ねることになります。
英一の書斎は、家の東側にあたる八畳の和室です。 窓際に勉強机と腰掛があって、本のぎっしり並んだ大きな書棚が二つあります。 きちんと整頓されていた書棚は、英一の几帳面な性格を表しているようです。 専門の医学書が大部分で、通俗科学書も少しありそれ以外の本は見当たらないようです。
英一は、平たいボール箱を探しますが、見当たらないようで、悦子が、壁ぎわの書類ののっている机を指さして「ここにあったのでは?」といいます。 理由は、丁度箱ぐらいの大きさの四角な物ぐらいに、ほこりがななかったからでした。 それに、英一は、例の用心深い目の色で、じっと悦子を見つめ、“置いてあったのは、人から預かって置きっ放してあったのを、返した”と答えます。 これも、なんだかわざとらしく挿入されていますね。 これも伏線なんでしょうか? いったいどんな箱なんでしょう?
英一が、探偵小説が好きなのかと悦子に振ります。 その部屋には敬二の本棚があり、探偵小説ずらりと並んでいます。
いくつか名の売れた一級品として挙げられています。
「ABC殺人事件」 ・1936年発表。 ・アガサ・クリスティの推理小説。 ABC殺人事件 (創元推理文庫) ISBN-10 : 4488105386 ISBN-13 : 978-4488105389 ポアロの元に、「ABC」と署名された挑戦状が届いて、その通りに事件がおきます。 面白そうです。
「赤い家の秘密」 ・1921年発表。 ・A・A・ミルンの推理小説。 赤い館の秘密【新訳版】 (創元推理文庫) ISBN-10 : 4488116027 ISBN-13 : 978-4488116026 「赤い館」で「銃声のような音が聞こえた」と、そこに人が倒れている。 この事件の謎を素人探偵のアントニー・ギリンガムが調査します。
「血の収穫」 ・1929年発表。 ・ダシール・ハメット作の1929年の探偵小説。 血の収穫【新訳版】 (創元推理文庫) ISBN-10 : 4488130062 ISBN-13 : 978-4488130060 悪党たちの対立によって荒廃した町に主人公が現れ、複数の陣営に接触して扇動や撹乱を行い彼らの抗争を激化させて殲滅する。 ハードボイルドやアクション小説というところでしょうか。 大好きなジャンルなので、今度読んでみたいですね。
「Xの悲劇」 ・1932年発表。 ・エラリー・クイーンの長編推理小説。 Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫) ISBN-10 : 4488104436 ISBN-13 : 978-4488104436 密閉状況での殺人やダイイング・メッセージとして「X」の形を作っていたなど、推理小説しては非常に面白そうです。
「カナリヤ殺人事件」 ・1927年発表。 ・S・S・ヴァン・ダイン作の長編推理小説。 カナリア殺人事件【新訳版】 (創元推理文庫) ISBN-10 : 4488103200 ISBN-13 : 978-4488103200 殺害現場が密室で犯人を特定するために、ポーカーによる心理探偵法を実践するという話です。
日本の作家がないのが残念ですが、ここにのは載せられないような事情があるのでしょうね。
英一と仁木兄は、毒草のことで盛り上がっています。 ヤマトリカブト(山鳥兜)は、特に根にアコニチン(アルカロイド)と呼ばれる毒が大量に含まれているみたいです。 アコニチンは、猛毒で、嘔吐・痙攣・呼吸困難・心臓発作を引き起こすみたいです。 そんなのここにあっていいのでしょうか?
英一さんのところから自分たちの部屋に帰るとき、桑田のおばあちゃんとあって、ユリさんの状態を確認します。 この状況は、ユリさんの部屋から出てきた桑田のおばあちゃんと仁木兄妹が会ったという感じでしょうか? その後、桑田のおばあちゃんは、脇玄関の戸をあけて外に出て行きます。 何をしに外に出たのかは説明されいません。 そのとき、桑田のおばあちゃんは、そでの中に何かをかくしてでもいるような感じだったとあります。 何かを持って外へ出たみたいですね。 様子のいおかしいユリさんも気になりますね。 これもなにかの伏線なのでしょうか?
これで、翌日に続きます。 特に何も起きないのが、かえってワクワクしますね。
つづく
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2024年6月23日の読書、24日の読書
撮りすぎる写真 椿の葉を磨くものが時間と知りながらなお
新生児並べるようにタッパーへ夜のしじまへご飯を分ける
/穴根蛇にひき「雪と雪の鵺」(『短歌研究』2024年7月号)
日に照るのは確かに花より葉の部分と思うから磨くにすごく納得感があった 〈すぎる〉とか〈なお〉があると、長くてゆるやかな時間の流れ/短くて急に加速する時間の流れの対比が見えて、加速の危うさというか緊迫感がほんの少し出てくる気がする
タッパーを手元に見るときの日常の感覚から〈夜のしじま〉で生活空間を外側から見る把握に移るときに新生児や日常のにぎやかさが削ぎ落とされるのがかっこいい 無音は揺るぎなく詩情だと思う それまでは音とかが聞こえてるけど〈ご飯を分ける〉動作は無音でモノクロの映画っぽく再生される気がする
いつかのホームページにあったドット絵の桜吹雪が流れるしかけ
スタンドバイミーがきこえてスタンドバイミーのストーリーを思い出す
/梨とうろう「8週目の天気」(『短歌研究』2024年7月号)
〈いつかの〉がおもしろい ドット絵とかのレトロな感じは共有できる全員のためのいつかにも思えるし〈ドット絵の桜吹雪が流れるしかけ〉は容易に想像がつく分かなり自分史的な、個人のいつかにも思える スタンドバイミーの歌もそういう側面があって並んである状態で読んでうれしかった
思い出を取り出してきたはずなのにとても似ている油絵だった
また一つ歩いていない道を消し四半世紀にさらに奥行き
/橙田千尋「パッチワーク」(『短歌研究』2024年7月号)
〈取り出してきた〉に対しての〈油絵〉、質感があることによって物体っぽく見えるのが本当に良い 映像や絵というか景の話は平面っぽいけど、この歌は厚みのある立体としてそれらを扱うから思い出がその人の身体に基づく実感のあるものに思える 歌を読んで、���の他者の実感を信じきれると思った
〈また一つ〉でその人の暮らしの四半世紀を思い浮かべるんだけど、〈さらに奥行き〉でこれから消す/残るだろう暮らしを想像するときにそこにはその人以外の(私を含む)他者の暮らしも含まれている気がする 巨大な見せ消ちっぽい
からだは街へ柳のやうにしなだれてわたしはわたしの祭司をさがす
ガムを買つたレシートにガムを吐き捨てる立体駐車場の機能美
/佐原キオ「なにかある街」(『短歌研究』2024年7月号)
しなだれることの喩として柳は全然使われると思うけど、この歌ではわたしにとっての祭司が未だに不在である状態の街を想定したときに、風に吹かれる様とか、そういった動きを伴う柳として再度喩が立ち上がる 心底かっこいい
立体駐車場の内部には多分吐き捨てられたガムとかあるだろうな、とか、レシートから立体駐車場が商業施設に付随するものだったりすることを思うときに、内部にいる人まで含んで機能は機能たらしめられると思った 機能美に説得力がある
海のことざっと調べてぼくたちに還る資格はないと思った
がらがらの弱冷房車でいろはすをすこしこぼして靴でのばした
/遠藤健人「猫の形の」(『短歌研究』2024年7月号)
昨日ともだちと読んでていちばん笑った おもしろすぎる 〈ぼくたちに〉で謎の��帯をしようとしているところとか、〈がらがらの〉〈すこし〉でなにかから免れようとしつつ〈弱冷房車〉でその免れの手付きを描写にすり替えようとしている感じとか 丁寧なおもしろさがあると思う
行かなかった社員旅行のおみやげのパインケーキをデスクに飾る
デザインを依頼しながら渡してる栃の実せんべいは飛騨の銘菓
/城下シロソウスキー「トランジション・ピリオド」(『短歌研究』2024年7月号)
〈行かなかった〉の選択を踏まえたときに、パインケーキは食べるでもなく飾っているわけだし、つくづくこの社員旅行に魅力を感じていないように見えて通底した温度感のなさや結果として発生した動作がおもしろく感じる 栃の実せんべいについての説明や〈ながら〉の動作も同様で、歌における心身の捩れのなさやその空気感がしみじみ良い
引いた歌はもちろんすべて好きな歌だが、表題の記載があるものの中だと「雪と雪の鵺」「パッチワーク」「なにかある街」が良かった 好きな歌が多い
変じゃなく面白いって言いなさい、という指導が入っているな
/岩倉曰(『短歌研究』2024年7月号)
おもしろくてみんなに見せたかった
この冬のため手に入れたマフラーに描かれている冬の生き物
色々な指の曲げ方をしていると知らない鳥が来て調べたい
/奥村鼓太郎(『短歌研究』2024年7月号)
〈冬の生き物〉とか〈色々な指の曲げ方をしている〉手がバリエーションのある感じで平面的に立ち上がるのが良い
食べきればおのおの骨を返しゆくKFCが滲んだ箱に
/景川神威(『短歌研究』2024年7月号)
〈おのおの〉や〈滲んだ〉でファーストフードの感じが残りつつ、受け取れるところは余韻のような空気感なのが良い 箱のシンプルそうな感じもうれしい
てのひらの上で形を見いだした餃子に蓋をして焼いている
屋根裏を見たことがないひとのためシルバニアファミリー駆けつける
/新上達也(『短歌研究』2024年7月号)
私に常識がなければぜんぶの歌引きたいくらい良い
〈形を見いだした〉でまず 餃子の完成形のイメージがあって/そこに沿わせて成形し/てのひらに餃子が乗っていること がわかること、〈蓋をして焼いている〉ことからなんとなくてのうえにあったときと同じ姿勢の餃子がフライパンの上に並ぶことがわかる気がする 言い回しから受け取れるものが多い
〈シルバニアファミリー駆けつける〉ときの動機として〈屋根裏を見たことがないひとのため〉が挙げられたときに、家っぽさで言えば屋根裏とシルバニアファミリーの取り合わせは納得ができるのに、状況としては具体的にはわからないから〈シルバニアファミリー駆けつける〉の空想的な感じを損ねない 取り合わせのバランスが抜群に良いと思う
それに〈シルバニアファミリー駆けつける〉様はコマ送りで撮られた映像のようだと思うと可愛らしくて人形にもともとのコンテンツが与えるキャラクター性も改めて付与される気がする、そうなると〈ひとのため〉のための部分にも説得力が生じてきて読んでいてすごくうれしかった
〈見いだした〉も〈駆けつける〉も、動詞の選択が抜群に良い
新上達也さんの短歌、とんでもなく良い...... しみじみ......
むんむんとシャンプー提げて下ってく坂がなんだか友達みたい
考えていると時間が経っている花梨もこれでふくらむんだな
/橋本牧人(『短歌研究』2024年7月号)
むんむん............?
割と2首とも膨張の感じがあって、その膨張は長めの時間の経過が前提になっている気がする そこに対して坂の実際の距離や考えている時間が沿うように置かれると長い時間のほうは過程も含めて一枚絵みたいに景として置かれているように思えてきて、なんか、たぶん主体はめちゃ長生きしようとしていると思った
初恋を描くとしたら足癖の悪さをできるだけ美しく
/宇田川美実(『短歌研究』2024年7月号)
〈できるだけ〉がよかったと思う 〈足癖の悪さ〉自体は美しくなくて、美しいのはその足捌きだと思うけれど、そこも含めて〈できるだけ美しく〉描こうとするときに自分の体験から離れた/もしくは語に引っ張られたイメージとして〈初恋〉が独立して存在するのがおもしろい 自分の経験をもって概念のすりあわせをしようとしている感じ
撫でているとふわふわになるカーペットそのうちうんちしてくれないかな
/太田垣百合子(『短歌研究』2024年7月号)
怖いと思った
許しあうことに慣れたら本棚の日なたにちかい本がきいろい
/髙田皓輔(『短歌研究』2024年7月号)
〈きいろい〉理由として〈日なたにちかい〉が挙げられているけれど別にちかいだけで日なたにあるわけではないから確定しようと思うと変な感じ、日焼けでも装丁の色でも〈ちかい〉だと説明しきれない この歌では〈日なた〉と〈きいろい〉のイメージの近さだけ受け取ってなんとなくわかった気がする一瞬があって、歌の中ではそれが物理的な近さとして置かれているのがおもしろいと思う 〈許しあうことに慣れたら〉、一応解決っぽいことにはなっているけどよく考えたらちょっと変なことばっかり起きている可能性が高い
純粋に数とレイアウトで目がすべる 読書ってむずかしいかも
気をつかうと気を遣わせてしまうから多めに肉団子を皿に取る
/松下誠一(『短歌研究』2024年7月号)
解説が先に来る実況が内包するのは〈気をつかうと気を遣わせてしまう〉の展開の実況と実際に行動に移すまでの考えごとをしている人の姿の実況で、この歌では後者の部分、あるいは元気そう/明るそうに見せようとする感じを肉団子が担保している気がする メインっぽい料理、肉料理として 〈多めに〉もその結果......みたいな感じで読んだのでこの歌は結構精緻な描写がなされているのではないか、と思った 〈から〉の接続でもしみじみと主体の善良な人柄や丁寧な気遣いの様を受け取れる気がして読んでいて好感度があるなとうれしくなる
鮭を焼くにおいのなかで実感は塩のかたちになって指から
/豆川はつみ(『短歌研究』2024年7月号)
塩を振るのであれば〈実感〉は既に焼いているときの〈におい〉の部分がそうなのではないかと思いつつ、焼かれている鮭に対しての能動的な動作は塩を振ることくらいかも......となった ひとつの動作の - 一連の動作の中の - 手順 だけ剥ぎ取ってラグを強引に生じさせる手つきがある気がする 指から離れた塩が鮭に届くまでの時差もこの歌は含んでいて、全体的に切れ切れの、階段状の放物線を思わせるフォルムの歌だと思う
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