#息子ながら羨ましい
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変態親父と二日目 – GNT24/365 ーゲイの淫乱セックス体験談ー
ズルチン親父は、約束通り日曜の朝からやって来た。
飲み物を買って部屋に入る。
服脱ぐのも、もどかしいみたいに抱きしめkissして、
お互いを貪り合いギンギンのエロ竿をこすり合わせた。
互いの物からジワァ~っとガマン汁が滲み出す。
キメの用意するのに椅子に座り、
親父にシャクらせながら親父のズルチンを足で弄ぶ。
シャクらせたまま先に自分に針を刺す。
打ち終わると全身に鳥肌がたち、親父に触られてる部位全てが気持ちいい。
鳥肌に気づいた親父が乳首や脇・脚を撫で回しだし、親父の頭を掴み激しく動かした。
親父が咽せて『はっ!』て我に返り、あわてて親父にキメる準備を…。
椅子から立ち上がろうとする俺を座らせ親父が、
『このまま出来るか?』って聞くから、腕を持ち上げたら血の道がベストポジションやったから、
返事もせずに肩口を縛り定位置に針を刺しポンピング!
親父は、根本までガッツリくわえたまま動かなくなったが、
ズルチンからは、漏らしたって勘違いする位ガマン汁が出まくっている!
親父の頭を引き剥がしてベットに押し倒しズルチンのガマン汁を吸い出すようにシャブり付き、
唾と混ぜながら親父に口移しすると舌が千切れるか思う位に吸いつかれた。
何度かやってる内に我慢出来なくなり、
唾ガマン汁の混ざった奴をケツマンに塗り騎乗位で一気に串刺しにされた。
親父に乳首激しく姦れながら腰を振りまくった。親父が、小袋の中からRを取り出した。
親父が手にした奴は新のRだった。
動きを抑え親父がラベルを剥くのを待った。
蓋を開け親父は、自分より先に俺に吸わせてくれた。
深呼吸後思い切り吸い込んだ。
古い物と違い新だけあって最初は刺激臭も無く吸えたんかな、って思いながら、
親父が吸うのを小刻みに動きながら見てたら、一気に効きだして来た。
親父に『来た来た♪』『凄っげぇ~♪』と言いながら親父��胸を力任せに掴みあげた。
俺の激変に親父も急いで爆吸し腰を掴み下から突き上げてきた。
乳首を責めようと親父が乳首に触れた途端に、
全身がキュ~っと引き締まったようになり、
ケツマンの中にあるズルチンの形が分かる位に絡みつき、
ガマン汁が親父の首筋まで飛び散った。
親父が、『締め付けながら絡み付いて来るエロマンコやな!』
『チンポがマジで溶ける位熱々やでぇ!』と言いながら起き上がり、乳首を甘噛みしてきた。
Rをまた吸わしてもらい、出来るだけ息を止め限界点で吸えるだけの息を吸込んだ。
乳首とケツマンを中心に全身性感帯になったみたいで何されてもOK状態に…。
つながったまま押し倒され正上位になり親父がガン掘りしてきた。
親父の首に巻き付きキメ汗を舐めてはkiss舐めてはkissを繰り返した。
二人の腹の間でガマン汁を吐きまくってる俺のキメチンをそろそろ親父に突っ込みたくなり、
『掘りたくなった!』って言うやいなや脚を絡ませ親父をひっくり返し、
親父のケツマンにキメチンを突き立てた。
亀頭が半分入った所で親父がRを手にしたから吸い上げるのを待った。
ケツマンが緩んだのを見計らって一気に押し込んだ。
ケツ慣れしてない親父やから前回の時は痛がったのに流石に新のRは違う。
自分で膝を抱え『もっと奥まで…』とせがんでくる。
キメ汗とガマン汁でドロドロヌルヌルの身体は、掴んでも掴んでも掴みきれず、
それと親父の要望が面倒になり、口に俺のローライズを詰込み。
タオルで猿轡と目隠しをして、
更に温泉浴衣の帯二本で手首足首を縛り、
達磨さん状態なるぐらい身体を丸め首の後ろで結び固定した。
親父にRを吸わせ自分も爆吸して、身動き取れない親父をガンガン掘りだした。
ほぼ初釜に近い親父のケツは、キメチンが千切れる位に締め付けて来るが、
中は、キメとRのお陰で熱々トロトロですっげぇ~気持ちがいい。
いい気になって1時間以上ガン掘りしてたら、
加減もせずに縛った親父の手首足首がフト気になり、
慌てて猿轡を外し親父に調子に乗りすぎた事を謝りながら、目隠しと帯を弛め外してあげた。
親父は息を切らしながら『気持ち良かった♪』と抱きつきkissしてくれた。
身動き取れない親父をガン掘りしてる時、流し放しのエロDVDの中に入り込んで、
ガッチリのバリタチに背後から乳首を姦られながら、
3連結で掘られてる真ん中の奴の感覚にトリプった事を話すと、
親父は興味津々であれこれ聞いて来た。
話してる間にチョイ萎えはじめ親父のケツ圧に押し出された。
お互いに一度、ドロドロを流し休憩する事にし���親父・俺の順に汗を流した。
部屋に戻ると親父はズルチンに電マを当てギンギンにしながら目を閉じていた。
掴んだ手からはみ出ている亀頭からはガマン汁が溢れてた。
俺は、親父の亀頭を舐めながら、ガマン汁を亀頭に塗り広げながらくわえたり、
舌を尖らせ尿道に差し込んだりしてガマン汁を喉を鳴らして飲み続けた。
親父が電マとズルチンを離し、乳首を姦りだしたから腰に巻き付き、
根本までくわえたり亀頭だけ吸いまくったりして結局休憩するはずが、そのまま二回戦突入に。
ヌルヌルのズルチンに乗っかろうとした時、親父から追加の提案!
『K君の体験談みたいに掘られながら…』って希望されたんで、
親父にシャブらせガチガチになったのをぶち込み親父の血の道に針を刺した。
途中からRを吸い出しポンピング終わる頃には、エロマンコ親父が出来上がっていた。
ケツの気持ち良さにズルチンは萎えたままガマン汁を吐き出していた。
それを乳首に塗り舐めるを繰り返すと、
一昨日は『乳首感じへんねん』と言っていたのに、
『乳首が感じる!』『気持ちいい♪』と言いながら乳首が起ってきた。
優しく噛んだり摘んだりして責めると、ケツマンがヒクヒクしながら絡み付いてくる。
二・三分程激しく突き上げ、親父自身に乳首を弄ぶように指示しながら俺も追加をキメた。
後始末をして親父を掘り出したが、萎えだしケツ圧で押し出された。
ガマン汁まみれの親父の腹を舐めまくり、69でシャブり合いをしながら、
ガチガチになったら親父が乗るってやってたが、中々挿入する事が出来ずにお互い断念。
俺は、仰向けになりベットから頭を垂らし、
膝立ちになった親父のズルチンをシャブりながらキメチンをシゴキ始めた。
親父は、乳首を舐めたり亀頭を舐めたりしながら弄んでくる。
お互いユックリ勃起し始めるが、
クチから引き抜いたりシゴクのを止めると萎えてしまいつながる事が出来ない。
仕方なく、お互い中出しでは無く、手コキでイク事にして、
先に親父のズルチンをシャブりながら一発目を自分の腹や胸にまき散らした。
親父が腹や手についたキメ種を舐めとりながら種だらけのキメチンをシャブってくれた。
一度起つと長時間寸止め状態だったから、
ぶっ放しても萎えないから親父に『今なら入るかも!』と言いながら正上位で挿入!
なんとか親父の中に入ったけど萎えるのが早く押し出されてout。
ズルチンと裏筋合わせで二本同時にシゴいたり、電マで刺激したりしてる内に、
ズルチンがガチガチになったんで今度は俺が乗っかった。
ケツマンに生チンが入ったっ感覚だけで俺のキメチンはガチガチになり出した。
根っからの掘られ好きなんやと自覚し、親父にこのままシゴいてぶっ放すと伝え、
腰振りながらシゴきまくり、
頭を持ち上げて見ていた親父の顔面を直撃しながら胸・腹に二発目をぶっ放した。
顔シャ食らった親父はビックリしながらも、
垂れてきたキメ種を舐めながら腹胸の種を寄せ集め掬って舐めだした。
俺はまだパワーのある内にと思い親父の脚の間��入りぶち込んで掘り出した。
暫くガッツリ掘ったがやっぱ押し出され敢え無く撃沈。
ズルチンをシャブりながら前立腺責めをしてやり、
親父はガマン汁を出しまくりながらたまに全身を突っ張らせ、
『イク~!』と叫ぶけど滲み出るって感じ。
親父自身も派手にぶっ放したくて仕方がないけどイケないらしい。
何度目かの時親父が叫んでもシゴくのを止めずに前立腺を責めながらシゴキ続けたら、
ズルチンがガチガチになり亀頭がパンパンになった。
前立腺を押さえながらケツを持ち上げ、
なんとか亀頭半分位をくわえたり舐めたりしながらシゴキ続けたら、
『グワっ!』って叫び親父がぶっ放しはじめた。
第一段・二段をクチで受けたけど、背中が痛くなり残りは親父の腹にぶちまける事に…。
俺のが水ぽいのに比べ、親父のは濃く手指や親父の腹毛に絡み付いて羨ましかった。
俺は、親父がしてくれたようにキメ種を舐めとり、
親父と種kissをして暫く抱き合って親父のバクバクを胸で感じていた。
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汚辱の日々 さぶ
1.無残
日夕点呼を告げるラッパが、夜のしじまを破って営庭に鳴り響いた。
「点呼! 点呼! 点呼!」
週番下士官の張りのある声が静まりかえった廊下に流れると、各内務班から次々に点呼番号を称える力に満ちた男達の声が騒然と漠き起こった。
「敬礼ッ」
私の内務班にも週番士官が週番下士官を従えて廻って来て、いつもの点呼が型通りに無事に終った。辻村班長は、これも毎夜の通り
「点呼終り。古兵以上解散。初年兵はそのまま、班付上等兵の教育をうけよ。」
きまりきった台詞を、そそくさと言い棄てて、さっさと出ていってしまった。
班付上等兵の教育とは、言い換えれば「初年兵のビンタ教育」その日の初年兵の立居振舞いのすべてが先輩達によって棚卸しされ、採点・評価されて、その総決算がまとめて行われるのである。私的制裁をやると暴行罪が成立し、禁止はされていたものの、それはあくまで表面上でのこと、古兵達は全員残って、これから始まる凄惨で、滑稽で、見るも無残なショーの開幕を、今や遅しと待ち構えているのであった。
初年兵にとつては、一日のうちで最も嫌な時間がこれから始まる。昼間の訓練・演習の方が、まだしもつかの間の息抜きが出来た。
戦闘教練で散開し、隣の戦友ともかなりの距離をへだてて、叢に身を伏せた時、その草いきれは、かつて、学び舎の裏の林で、青春を謳歌して共に逍遙歌を歌い、或る時は「愛」について、或る時は「人生」について、共に語り共に論じあったあの友、この友の面影を一瞬想い出させたし、また、土の温もりは、これで母なる大地、戎衣を通じて肌身にほのぼのと人間的な情感をしみ渡らせるのであった。
だが、夜の初年兵教育の場合は、寸刻の息を抜く間も許されなかった。皓々(こうこう)とした電灯の下、前後左右、何かに飢えた野獣の狂気を想わせる古兵達の鋭い視線が十重二十重にはりめぐらされている。それだけでも、恐怖と緊張感に身も心も硬直し、小刻みにぶるぶる震えがくるのだったが、やがて、裂帛(れっぱく)の気合
怒声、罵声がいり乱れるうちに、初年兵達は立ち竦み、動転し、真ッ赤に逆上し、正常な神経が次第々に侵され擦り切れていった。
その過程を眺めている古兵達は誰しも、婆婆のどの映画館でも劇場でも観ることの出来ない、スリルとサスペンスに満ち溢れ、怪しい雰囲気につつまれた素晴しい幻想的なドラマでも見ているような錯覚に陥るのであった。幻想ではない。ここでは現実なのだ。現実に男達の熱気が火花となって飛び交い炸裂したのである。
なんともやりきれなかった。でも耐え難い恥辱と死につながるかもしれない肉体的苦痛を覚悟しない限り抜け出せないのである。ここを、この軍隊と云う名の檻を。それがあの頃の心身共に育った若者達に課せられた共通の宿命であった。
この日は軍人勅諭の奉唱から始まった。
「我ガ国ノ軍隊ハ代々天皇ノ統率シ賜ウトコロニゾアル……」
私は勅諭の奉唱を仏教の読経、丁度そんなものだと思っていた。精神が忘れ去られ、形骸だけが空しく機械的に称えられている。又虐げられた人々の怨念がこもった暗く重く澱んだ呻き、それが地鳴りのように聞こえてくるそんな風にも感じていた。
勅諭の奉唱が一区切りついたところで、一人の古兵が教育係の上等兵に何か耳うちした。頷いた上等兵は、
「岩���、班長殿がお呼びだ。すぐ行けッ」
全員の目が私に集中している。少くとも私は痛い程そう感じた。身上調査のあったあの日以来、私は度々辻村机長から呼び出しをうけた。あいつ、どうなってんだろ。あいつ班長殿にうまく、ゴマすってるんじゃないか。あいつ、俺達のことを、あることないこと、班長殿の気に入るように密告してるんじゃないか。同年兵も古兵達も、皆がそんな風に思っているに違いない。私は頑なにそう思い込んでいた。
つらかった。肩身が狭かった。
もともと私は、同年兵達とも古兵達とも、うまくいっていなかった。自分では余り意識しないのだが、私はいつも育ちや学歴を鼻にかけているように周囲から見られていたようである。運動神経が鈍く、腕力や持久力がからっきし駄目、することなすことがヘマばかり、ドジの連続の弱兵のくせに、その態度がデカく気障(きざ)っぽく嫌味で鼻持ちがならない。そう思われているようだった。
夏目漱石の「坊ちゃん」は親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしていたと云うが、私は生まれつき人みしりのする損なたちだった。何かの拍子にいったん好きになると、その人が善人であれ悪人であれ、とことん惚れ込んでしまうのに、イケ好かない奴と思うともう鼻も引つかけない。気軽に他人に話しかけることが出来ないし、話しかけられても、つい木で鼻をくくったような返事しかしない。こんなことではいけないと、いつも自分で自分を戒めているのだが、こうなってしまうのが常である。こんなことでは、同年兵にも古兵にも、白い眼で見られるのは至極当然内務班でも孤独の影がいつも私について廻っていた。
あいつ、これから始まる雨霰(あめあられ)のビンタを、うまく免れよって――同年兵達は羨望のまなざしを、あいつ、班長室から戻って来たら、ただではおかないぞ、あの高慢ちきで可愛いげのないツラが変形するまで、徹底的にぶちのめしてやるから――古兵達は憎々しげなまなざしを、私の背に向って浴せかけているような気がして、私は逃げるようにその場を去り辻村班長の個室に急いだ。
2.玩弄
部屋の前で私は軽くノックした。普通なら「岩崎二等兵、入りますッ」と怒鳴らねばならないところだが、この前、呼び出しをうけた時に、特にノックでいいと辻村班長から申し渡されていたのである。
「おう、入れ」
低いドスのきいた返事があった。
扉を閉めると私はいったん直立不動の姿勢をとり、脊筋をぴんとのばしたまま、上体を前に傾け、しゃちこばった敬礼をした。
辻村班長は寝台の上に、右手で頭を支えて寝そべりながら、じっと私を、上から下まで射すくめるように見据えていたが、立ち上がって、毛布の上に、どっかとあぐら��かき襦袢を脱ぎすてると、
「肩がこる、肩を揉め」
傲然と私に命じた。
私も寝台に上がり、班長の後に廻って慣れぬ手つきで揉み始めた。
程よく日焼けして艶やかで力が漲っている肩や腕の筋肉、それに黒々とした腋の下の毛のあたりから、男の匂いがむっと噴き出てくるようだ。同じ男でありながら、私の身体では、これ程官能的で強烈な匂いは生まれてこないだろう。私のは、まだまだ乳臭く、淡く、弱く、男の匂いと云うには程遠いものであろう。肩や腕を、ぎこちない手つきで揉みながら、私はふっと鼻を彼の短い頭髪やうなじや腋に近づけ、深々とこの男の乾いた体臭を吸い込むのだった。
「おい、もう大分、慣れて来たか、軍隊に」
「……」
「つらいか?」
「いエ……はァ」
「どっちだ、言ってみろ」
「……」
「つらいと言え、つらいと。はっきり、男らしく。」
「……」
「貴様みたいな、娑婆で、ぬくぬくと育った女のくさったようなやつ、俺は徹底的に鍛えてやるからな……何だ、その手つき……もっと、力を入れて……マジメにやれ、マジメに……」
辻村班長は、岩崎家のぼんぼんであり、最高学府を出た青白きインテリである私に、マッサージをやらせながら、ありったけの悪態雑言を浴びせることを心から楽しんでいる様子であった。
ごろりと横になり、私に軍袴を脱がさせ、今度は毛深い足や太股を揉みほぐし、足の裏を指圧するように命じた。
乱れた越中褌のはしから、密生した剛毛と徐々に充血し始めた雄々しい男の肉茎が覗き生臭い股間の匂いが、一段と激しく私の性感をゆさぶり高ぶらせるのであった。
コツコツ、扉を叩く音がした。
「おお、入れ」
私の時と同じように辻村班長は横柄に応えた。今時分、誰が。私は思わず揉む手を止めて、その方に目を向けた。
入って来たのは――上等兵に姿かたちは変ってはいるが――あっ、辰ちゃんではないか。まぎれもなく、それは一丁目の自転車屋の辰ちゃんなのだ。
私の家は榎町二丁目の豪邸。二丁目の南、一丁目の小さな水落自転車店、そこの息子の辰三は、私が小学校の頃、同じ学年、同じクラスだった。一丁目と二丁目の境、その四つ角に「つじむら」と云ううどん・そば・丼ぶり物の店があり、そこの息子が今の辻村班長なのである。
私は大学に進学した関係で、徴兵検査は卒業まで猶予されたのであるが、彼―― 水落辰三は法律通り満二十才で徴兵検査をうけ、その年か翌年に入隊したのだろう。既に襟章の星の数は私より多く、軍隊の垢も、すっかり身についてしまっている様子である。
辰ちゃんは幼い時から、私に言わせ��ば、のっぺりした顔だちで、私の好みではなかったが、人によっては或いは好男子と言う者もあるかもしれない。どちらかと言えば小柄で小太り、小学校の頃から既にませていて小賢しく、「小利口」と云う言葉が、そのままぴったりの感じであった。当時のガキ大将・辻村に巧みにとり入って、そのお気に入りとして幅をきかしていた。私が中学に入って、漢文で「巧言令色スクナシ仁」と云う言葉を教わった時に「最っ先に頭に想い浮かべたのはこの辰ちゃんのことだった。ずる賢い奴と云う辰ちゃんに対する最初の印象で、私は殆んどこの辰ちゃんと遊んだ記憶も、口をきいた記憶もなかったが、顔だけは、まだ頭の一隅に鮮明に残っていた。
辻村班長は私の方に向って、顎をしゃくり上げ、辰ちゃん、いや、水落上等兵に、「誰か分かるか。」
意味あり気に、にやっと笑いながら尋ねた
「うん」
水落上等兵は卑しい笑みを歪めた口もとに浮かべて頷いた。
「岩崎、裸になれ。裸になって、貴様のチンポ、水落に見てもらえ。」
頭に血が昇った。顔の赤らむのが自分でも分った。でも抵抗してみたところで、それが何になろう。それに恥ずかしさに対して私は入隊以来もうかなり不感症になっていた。部屋の片隅で、私は手早く身につけていた一切合切の衣類を脱いで、生まれたままの姿にかえった。
他人の眼の前に裸身を晒す、そう思うだけで、私の意志に反して、私の陰茎はもう「休メ」の姿勢から「気ヲ付ケ」の姿勢に変り始めていた。
今日は辻村班長の他に、もう一人水落上等兵が居る。最初から突っ張ったものを披露するのは、やはり如何にもきまりが悪かった。しかも水落上等兵は、私が小学校で級長をしていた時の同級生なのである。
私の心の中の切なる願いも空しく、私のその部分は既に独白の行動を開始していた。私はどうしても私の言うことを聞かないヤンチャ坊主にほとほと手を焼いた。
堅い木製の長椅子に、辻村班長は越中褌だけの姿で、水落上等兵は襦袢・軍袴の姿で、並んで腰をおろし、旨そうに煙草をくゆらしていた。班長の手招きで二人の前に行くまでは、私は両手で股間の突起を隠していたが、二人の真正面に立った時は、早速、隠し続ける訳にもいかず、両手を足の両側につけ、各個教練で教わった通りの直立不動の姿勢をとった。
「股を開け。両手を上げろ」
命ぜられるままに、無様な格好にならざるを得なかった。二人の視線を避けて、私は天井の一角を空ろに眺めていたが、私の胸の中はすっかり上気して、不安と、それとは全く正反対の甘い期待とで渦巻いていた。
二人は代る代る私の陰茎を手にとって、きつく握りしめたり、感じ易い部分を、ざらざらした掌で撫で廻したりしはじめた。
��痛ッ」
思わず腰を後にひくと、
「動くな、じっとしとれ」
低い威圧的な声が飛ぶ。私はその部分を前につき出し気味にして、二人の玩弄に任せると同時に、高まる快感に次第に酔いしれていった。
「廻れ右して、四つん這いになれ。ケツを高くするんだ。」
私の双丘は水落上等兵の手で押し拡げられた。二人のぎらぎらした眼が、あの谷間に注がれていることだろう。板張りの床についた私の両手両足は、時々けいれんをおこしたように、ぴくッぴくッと引き吊った。
「顔に似合わず、案外、毛深いなアこいつ」
水落上等兵の声だった。突然、睾丸と肛門の間や、肛門の周囲に鈍い熱気を感じた。と同時に、じりッじりッと毛が焼けて縮れるかすかな音が。そして毛の焦げる匂いが。二人は煙草の火で、私の菊花を覆っている黒い茂みを焼き払い出したに違いないのである。
「熱ッ!」
「動くな、動くとやけどするぞ」
辻村班長の威嚇するような声であった。ああ、目に見えないあのところ、今、どうなってるんだろう。どうなってしまうのだろう。冷汗が、脂汗が、いっぱいだらだら――私の神経はくたくたになってしまった。
3.烈情
「おい岩崎、今日はな、貴様にほんとの男ってものを見せてやっからな。よーく見とれ」
四つん這いから起きあがった私に、辻村班長は、ぶっきらぼうにそう言った。辻村班長が水落上等兵に目くばせすると、以心伝心、水落上等兵はさっさと着ているものを脱ぎ棄てた。裸で寝台の上に横になった水落上等兵は、恥ずかしげもなく足を上げてから、腹の上にあぐらを組むように折り曲げ、辻村班長のものを受入れ易い体位になって、じっと眼を閉じた。
彼白身のものは、指や口舌で何の刺戟も与えていないのに、既に驚くまでに凝固し若さと精力と漲る力をまぶしく輝かせていた。
「いくぞ」
今は褌もはずし、男一匹、裸一貫となった辻村班長は、猛りに猛り、水落上等兵を押し分けていった。
「ううッ」
顔をしかめ、引き吊らせて、水落上等兵は呻き、
「痛ッ……痛ッ……」と二言三言、小さな悲鳴をあげたが、大きく口をあけて息を吐き、全身の力を抜いた。彼の表情が平静になるのを待って、辻村班長はおもむろに動いた。大洋の巨大な波のうねりのように、大きく盛り上がっては沈み、沈んでは又大きく盛り上がる。永落上等兵の額には粒の汗が浮かんでいた。
凄まじい光景であった。凝視する私の視線を避けるように、流石の永落上等兵も眼を閉じて、烈しい苦痛と屈辱感から逃れようとしていた。
「岩崎、ここへ来て、ここをよーく見ろ」
言われるがままに、私はしゃがみこんで、局部に目を近づけた。
一心同体の男達がかもし出す熱気と、激しい息づかいの迫力に圧倒されて、私はただ茫然と、その場に崩れるようにすわりこんでしまった。
戦いは終った。戦いが烈しければ烈しい程それが終った後の空間��時間は、虚しく静かで空ろであった。
三人の肉体も心も燃え尽き、今は荒涼として、生臭い空気だけが、生きとし生ける男達の存在を証明していた。
男のいのちの噴火による恍惚感と、その陶酔から醒めると、私を除く二人は、急速にもとの辻村班長と水落上等兵に戻っていった。先程までのあの逞しい情欲と激動が、まるで嘘のようだった。汲(く)めども尽きぬ男のエネルギーの泉、そこでは早くも新しい精力が滾々(こんこん)と湧き出しているに達いなかった。
「見たか、岩崎。貴様も出来るように鍛えてやる。寝台に寝ろ。」
有無を言わせぬ強引さであった。
あの身上調査のあった日以来、私はちょくちょく、今夜のように、辻村班長の呼び出しをうけていたが、その度に、今日、彼が水落上等兵に対して行ったような交合を私に迫ったのである。しかし、これだけは、私は何としても耐えきれなかった。頭脳に響く激痛もさることながら、襲いくる排便感に我慢出来ず私は場所柄も、初年兵と云う階級上の立場も忘れて、暴れ、喚き、絶叫してしまうので、辻村班長は、ついぞ目的を遂げ得ないままであった。
その時のいまいましげな辻村班長の表情。何かのはずみでそれを想い出すと、それだけで、私は恐怖にわなないたのであるが、辻村班長は一向に諦めようとはせず、執念の劫火を燃やしては、その都度、無残な挫折を繰り返していたのである。
その夜、水落上等兵の肛門を責める様を私に見せたのは、所詮、責められる者の一つの手本を私に示す為であったかもしれない。
「ぐずぐずするな。早くしろ、早く」
ああ、今夜も。私は観念して寝台に上がり、あおむけに寝た。敷布や毛布には、先程のあの激突の余儘(よじん)が生温かく、水落上等兵の身体から滴り落ちた汗でじっとりと湿っていた。
私の腰の下に、枕が差し込まれ、両足を高々とあげさせられた。
「水落。こいつが暴れんように、しっかり押さえつけろ。」
合点と云わんばかりに、水落上等兵は私の顔の上に、肉づきのいい尻をおろし、足をV字形に私の胴体を挟むようにして伸ばした。股の割れ目は、まだ、水落上等兵の体内から分泌された粘液でぬめり、私の鼻の先や口許を、ねばつかせると同時に、異様に生臭い匂いが、強烈に私の嗅覚を刺戟した。
「むむッ」
息苦しさに顔をそむけようとしたが、水落上等兵の体重で思うにまかせない。彼は更に私の両足首を手荒く掴んで、私の奥まった洞窟がはっきり姿を見せるよう、折り曲げ、組み合わせ、私の臍の上で堅く握りしめた。
奥深く秘められている私の窪みが、突然、眩しい裸電球の下に露呈され、その差恥感と予期される虐待に対する恐怖感で、時々びくっびくっと、その���分だけが別の生き物であるかのように動いていた。
堅い棒状の異物が、その部分に近づいた。
思わず息をのんだ。
徐々に、深く、そして静かに、漠然とした不安を感じさせながら、それは潜行してくる。ああッ〃‥ああッ〃‥‥痛みはなかった。次第に力が加えられた。どうしよう……痛いような、それかと云って痛くも何ともないような、排泄を促しているような、そうでもないような、不思議な感覚が、そのあたりにいっぱい。それが、私の性感を妖しくぐすぐり、燃えたたせ、私を夢幻の境地にさそうのであった。
突然、激痛が火となって私の背筋を突っ走った。それは、ほんのちょっとした何かのはずみであった。
「ぎゃあッ!!」
断末魔の叫びにも似た悲鳴も、水落、上等兵の尻に押さえつけられた口からでは、単なる呻きとしか聞きとれなかったかもしれない。
心をとろけさせるような快感を与えていた、洞窟内の異物が、突如、憤怒の形相に変わり、強烈な排便感を伴って、私を苦しめ出したのである。
「お許し下さいッ――班長殿――お許しッ ――お許しッ――ハ、ハ、班長殿ッ」 言葉にはならなくても、私は喚き叫び続けた。必死に、満身の力を振り絞って。
「あッ、汚しますッ――止めて、止めて下さいッ――班長殿ッ――ああ――お願いッ――お許しッ――おおッ――おおッ―― 」
「何だ、これくらいで。それでも、貴様、男か。馬鹿野郎ッ」
「ああッ、……痛ッ……毛布……毛布……痛ッ――汚れ――汚れますッ――班長殿ッ」
毛布を両手でしっかりと握りしめ、焼け爛れるような痛さと、排便感の猛威と、半狂乱の状態で戦う私をしげしげと眺めて、流石の辻村班長も、呆れ果てで諦めたのか、
「よしッ……大人しくしろ。いいか、動くなッ」
「うおおおー!!!」
最後の一瞬が、とりわけ私の骨身に壊滅的な打撃を与えた。
「馬鹿野郎。ただで抜いてくれるなんて、甘い考えおこすな。糞ったれ」
毒づく辻村班長の声が、どこか遠くでしているようだった。
終った、と云う安堵感も手伝って、私は、へたへたとうつ伏せになり、股間の疼きの収まるのを待った。身体じゅうの関節はばらばら全身の力が抜けてしまったように、私はいつまでも、いつまでも、起き上がろうとはしなかった。
班長の最後の一撃で俺も漏らしてしまったのだ。腑抜けさながら。私はここまで堕ちに堕ちてしまったのである。 瞼から涙が溢れ、男のすえた体臭がこびりついた敷布を自分の汁と血で汚していた。
どれだけの時間が、そこで停止していたことか。
気怠(けだる)く重い身体を、もぞもぞ動かし始めた私。
「なんだ、良かったんじゃねぇか、手間取らせやがって」
おれの漏らした汁を舐めながら辻村班長が言った。
そして汚れたモノを口に突っ込んできた。
水落上等兵は、おいうちをかけるように、俺に覆い被さり、聞こえ��がしに口ずさむのであった。
新兵サンハ可哀ソウダネ――マタ寝テカクノカヨ――
(了)
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その暗闇では、既に交尾が始まっていた。仰向けになったタチ様は、頭の上で手を組み、余裕の表情で、奉仕するウケの様子を眺めている。それに釣られて俺もそこに目をやる。ねっとりとした動きだが、ストロークが大きい。思わずゴクリと唾を飲み込む。二人はこれからどんな一戦を繰り広げるんやろう、と興味が湧いた。
その大部屋の奥には、ちょうど座りやすい高さの段差がある。二人から少しだけ離れたタチの足元側で、だがその様子がよく見える位置に、俺は腰掛ける。そして、自分のを弄りながら、観察し出す。
こちらからよく見えるということは、向こうからもよく見えるということだ。早速タチ様が気付く。組んでいた手をほどき、片手でウケの頭を撫で回し始める。もう片方の手は、ウケの乳首を刺激している。しゃぶりながらビクンとしているようだ。そして、こちらに見せ付けるように、頭を押さえて腰をゆっくり振り始める。その様を見ていると、俺は自分の穴に自然と手が伸びでしまう。たまんなくなってきたな…
すると、ウケの体を起こし、跨るように促している。お互いの必要な部分にローションを塗り込み、静かに乗っかり出す。あぁ…見ているこっちまで犯していただいている気分になる。すげぇ、穴にナマでどんどん入っていってる。やべぇな…そして全部入ったであろう時に、ウケから切ない声が洩れる。タチ様は、すぐには動き出さない。馴染むのを待っているようだ。たまらなくなった相手は、自らゆっくり腰を動かし出し、のけぞっている。快感がこちらまで伝わってくるようだ。いつの間にか、俺の先も濡れている。
そしていよいよタチ様が下からガツガツと突き上げ始め、ぬちゃぬちゃという音が響き渡る。さすがずげぇ迫力た。ウケも負けじとそれに応えている。本当にそのウケが羨ましくなる。マジで疼く。笑
そのとき、足に何かが触れ、一瞬ビクッとなる。タチ様の足先だ!これって誘ってくださっている?見ると手招きをしてくださっている。喜んで二人に加わり、ウケの乳首を後ろから責める。ほんまに気持ちよさそうにしているな。あとで俺も嵌めてもらいたいぜ 笑
しばらく掘られた後、一旦引き抜き、そのウケが再び奉仕するのを見て、自分もそこに顔を寄せる。両側から同じそれを丁寧にしゃぶりまくる。タチ様の乳首も責めてみる。すると目の前でビクンと動いた。疼く。ウケ二人でだらしない顔を晒しながら、懸命にご奉仕する。
今度は俺が跨がるように言われた。いいんすか?内心とても嬉しい。二人の交尾を見ながら、そこは既に解してある。ローションを双方に塗り付けると、入口を先端にそっと当てた。やべぇ…ナマの感触がトロけそうだ。ゆっくり腰を落としてゆく。あぁぁぁ…亀頭が…たまんね…あ…���み込んだ…幹が入ってく…る…あぁ…奥の奥に入ってゆく…亀頭の形を想像して思わずまとわりつかせてしまう。あぁ…っ!
たまらなくなって、腰を上下させてしまう。ダラダラと涎が垂れるほどだ。
「今、緩めてるやろ?今度は少しだけ締めてみ」
腰の動きは止めずに、トロマンに少し力を込めてみると、やべぇ、全身ゾクッとするほどの新しい快感が襲う。
「感じ方、変わるやろ?」
さっきも気持ちよかったが、今度は鳥肌が立つほどだ。そのウケも後ろから乳首を刺激してくれるので、体中、電気が走ったみたいだ。するとそのウケが、騎乗位の俺の姿勢を、前に倒してくる。ん?あ、穴に、別の生あたたかい感触が…リバだった?後ろ手に触ると、こちらもデカい!と思ってる間もなく、メリメリと侵入を始めるが、
「あ………………………………っ」
開ききった俺のトロマンは、喜んで銜えこんでしまう。
「動かすぞ!」
うぉっ!あぁ…二本のデカマラが擦れ合いつつ、えぐってくる。あぁ、どんどん押し拡げられる…あぁぁぁ…たまんねぇ…
「少し締めてみろ…そうだ…やるじゃねぇか…さっきよりいい具合だぜっ!」
あぁ…全身ゾクゾクしてやべぇ…頭ん中まで性感帯や…気持ちい…い………っ!
「あぁ、このトロマン最高、たまんねぇ……あぁぁぁ、やべやべ、奥に種付けちまう…おぉ…イクイク…イクイクイクイクイクイク…」
「俺もやべぇ、…イクっ!…イクイクイク…イクっ!」
あぁ…ぬるんとまた奥に入る……やべやべやべ…なんか出るぅ………………ク……っ!
ひとしきり汁を出し合い、繋がった姿勢のまま、皆肩で息をしている。ハンパない精子の匂いだ。だいぶ大量に注いでくださったに違いない。二人に感謝を示したくて、中を締めつつさらに奥へと導く。二人からビクンと合図があり、俺はまたドロっと吐き出した…やべ…
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(...)吉祥寺駅前での待ち合わせに伺うと、茨木さんが待っておられ、「お話があるので、お茶を飲みましょう」と仰る。恥ずかしいことに、私は現金の持ち合わせがあまりなかった。おたおたして謝ると、優しく「いいんですよ」と微笑まれた。
駅前の喫茶店に入ると、茨木さんが「申し訳ないけれども、私はあまりよい感想を書けなかった。それでもいいですか?」と仰るのである。私が何と答えたかは忘れてしまったが、コーヒーをご馳走になった礼を言い、原稿を押し頂いて帰ってきながら、何と率直な人だろうと驚いたものである。私は原稿を届けた後、すぐに書店に行き、茨木さんの詩集を買った。茨木さんのお仕事も知らずに、原稿を取りに行った自分が恥ずかしかったのだ。(...)
ある日、寺山修司さんが「下にいるけど、入れるか」と電話してきた。私は慌てて招待券を持ってビルの一階に下りた。すると、寺山さんは女性連れだった。「あっ、二枚だった」と息を飲むと、私を見た寺山さんが申し訳ないような表情をされた。その時のお顔が忘れられない。
また、『ねむの木の詩』という宮城まり子さんの「ねむの木学園」の記録映画を上映した際、過労のために入院していらした宮城さんのところに行ったこともある。宮城さんはベッドの上で、「わざわざありがとう」と優しくねぎらってくれた。髪は下ろしたままで、無化粧、少女のようだった。帰って先輩の編集担当の女性に報告すると、「宮城さんて、いい女でしょう」と羨ましそうに言ったのを思い出す。
どんな作家も有名人も、いい仕事をしている人は偉ぶらずに、原稿を取りに来る使いの女も馬鹿にしないのだ、という印象は強烈だった。
ー桐野夏生「岩波ホールで会った人々」(文春ムックCINEMA! 2022夏号 特集 さようなら、岩波ホール)
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はじめて大麻を吸ったときのレポ
―――小学校からの幼馴染である“しのはる a.k.a. BUDDHA ON SHROOM”(以下“しのはる”)が、当時留学していたカリフォルニアから日本にいる僕に電話をかけてきては、大麻の使用の煽り・唆しをしてきていた。
彼の話を聞いているうちに、僕は大麻を吸ってみたくて仕方がなくなっていたので、大麻の使用を目的として、しのはるが住んでいるカリフォルニアの家に居候しに行くことにした。
そうして���本を離れ、しのはるの家に到着するなり、しのはるは「初めての人は吸い方が悪いのか、効いてるかわからないって人が多いから、肺に死ぬほど煙を溜め込むイメージで吸って、少し息を止めてから吐くといいよ」などと僕に忠告をすると、「景気づけにいっちゃってください」とか言いながら、早速ジョイントを渡してきた。
僕は少し不安を抱えながらも、不慣れな手つきでジョイントの先に火をつけ、忠告通りに大量の煙を肺に溜め込んでみたのだが、急に肺に苦しさを覚えたために、息を止める間もなく強烈に咳き込んでしまった。
咳き込みすぎてもはや吐きそうになりながら過呼吸的な浅い呼吸を繰り返している僕を見ながら、しのはるはニヤニヤと可笑しそうに「うわー吸ったねーこれ絶対ハイになるやつじゃん」などと言いながら、残りのジョイントをゆっくりと吸っていた。
5分ほど経ってようやく肺が楽になってきた頃、僕は座禅を組みながら、大麻の効果が効いてくるのを神妙に待っていたのだが、さらに15分ほど経過してもとくに変化がなかったので、「全然効いてる感じしないなー」などと言って残念がっていた。
しかし、気づくとなぜか上半身が右に傾いていたのだ。僕は上半身が倒れそうになったところでハッとして姿勢を直したのが、それでもまた徐々に上半身が右に傾いてしまっていた。僕のその様子を見ていたしのはるは、「時計の秒針みたい」などと何の気なく僕を茶化してきていたのだが、僕はその言葉を受けると、まるで暗示にかかってしまったように、1秒ごとに1秒分の角度で小刻みに上半身が右に傾いていってしまった。
僕は秒針になるのをやめるために立ち上がってみたのだが、今度は沼地に立っているかのように足がカーペットに沈んでいく感じがしてきた。その感覚はとても愉快で、僕は幼児のようにはしゃぎながら左右交互に足踏みをしていたのだが、次第に足踏みをするのを止められなくなってしまい、しかもその途中で、“ただのカーペットの上で成人男性が足踏みをしてはしゃいでいる”という状況の可笑しさに気づいてしまったので、止められない足踏みをしながら腹を抱えて笑っていた。
すると、壊れたおもちゃのようになってしまった僕を見ていたしのはるも、まるで伝染したかのように笑い転げ出したので、それにつられて僕もさらに笑いが止まらなくなった。何が面白くて笑っているのか、もはや途中で忘れてしまっていたのだが、なにが面白くて笑っているのか分からないのに笑っていることがもはや可笑しくて、ヒステリックに笑い狂っていた。
そうして大麻のハイの愉快さを知ると、僕は毎日のように大麻を喫煙したくなり、2週間ほど滞在していたカリフォルニアでは、ほぼ毎日大麻を喫煙する生活を送っていた。
―――しかし帰国してから2年間ほどは、大麻とは無縁の生活を送っていた。旅行に行った時などには大麻を吸いたくなることもあったが、わざわざ日本でリスクを犯してまで吸おうとは思わなかったし、当時は周囲の交友関係の中に大麻を嗜む人がいなかったのもあって、大麻のない生活に特に支障を感じていなかった。
そんな中、しのはるが日本に帰ってきた。しのはるは、「間違えてポッケにTHCグミを入れたまま飛行機に乗ってたみたいで、図らずも密輸入しちゃった」などというメッセージと共に、トリッピーなデザインをしているグミの写真を送ってきて、その数時間後には、「もう食べちゃったんだけど、日本でハイになるの色んな意味でおもしろいわ」などと羨ましくなることを言ってきた。
しのはるのせいで大麻を吸いたくてうずうずしていると、数日後にしのはるから電話がかかってきて、「あのグミはもう食べちゃったんだけど、weed調達できたから、今日一緒に吸わない?」などと誘ってくれたのだが、僕はそのありがたさはさておいて、ツテがなくても日本で大麻を入手できることと、彼がひとりでに行動に移していたことに仰天した。
当時はまだ珍しかったのだが、Twitterで「都内 大麻 手押し」などと検索をして出てきたプッシャーとDMでコンタクトを取って、新宿駅の構内で落ち合って引いてきたらしい。
僕は意図的に法の外に出る経験は実質初めてだったので、少し不安に思ってもいたのだが、再び大麻の感覚を味わえることを想うと、多少のリスクを冒してでも大麻を吸いたいと思ったし、日本で吸ったらどういう感覚や気持ちになるか興味があったので、ありがたくいただくことにした。
そうして、僕は少し緊張しながらも集合先の公園で待っていると、しのはるはニヤついた顔でやってきて、早速ポケットからパケに入った大麻を取り出しては、「こちらが乾燥大麻らしき植物片です」などと言いながら、なんの悪びれもなく大麻を僕に見せつけてきた。
日本で大麻を見ること自体もそうだが、しのはるが違法行為である“大麻所持”をしていることの非日常性というか異常性が可笑しくて、僕はなんだか精神が昂った。
それから早速、その大麻で作ったジョイントを一緒にまわしたのだが、2年ぶりということもあってか、「本当にこれは大麻なのか?」と勘繰るほどにサイケデリックなトビ方をした。
あとでその時の僕の様子をしのはるに聞いたら、ついに頭がバグってしまったんじゃないかと不安になったくらいには、様子がおかしかったらしい。
実際、せっかくだから日本ならではの食事をしようということでくら寿司に行ったのだが、なぜか店内でインド風のBGMが流れていて、僕はその要因だけでインドのくら寿司にいると思っていたし、普段は割と苦手なとろサーモンを口に入れたら、脳細胞の多くが死滅したのではないかと思うほどに、2分くらい「美味い」ということしか考えられなくなっていて、店を後にする頃には、美味すぎたことによって心身ともに疲弊しきっていた。
アメリカでハイになるのとはちがって、馴染みのある環境でハイになると、“シラフのときとハイのときとでは感覚や情報の捉え方が違う”ということがよりハッキリと分かったし、法律で禁止されている日本でハイになるというのは、背徳感がスパイスされた解放感があった。
それから、僕は大学を卒業して東映株式会社に入社し、寮生活の元に社会人として初めての労働を行っていた。ただ、ゆっくりと大麻を嗜む生活とは無縁だったために、(寮でこっそり吸っていたこともあったけど)苦しくなってしまい、あっさりと会社を辞めて、もう少しゆるい会社に転職した。
時間に余裕を持てるようになると、僕としのはるは頻繁に大麻を吸って遊ぶようになり、僕は一人でも大麻を引きに行くようになった。そうして、しのはるとプッシャーの情報を共有し合ったり、一緒に引きに行ったりする中で、僕らにはお気に入りのプッシャーができた。
そのプッシャーはLSDなるものも持っていて、LSDのことを「大麻の8倍くらい凄いヤツ」とかいうテキトーな説明をしていたのだが、僕らはそれを聞いて、俄然やってみたくなっていた。
・
つづく(この物語は雑誌「さいばーひっぴー」の「さいばーひっぴーができるまで」に載っている内容とほぼ同じものです)
・
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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ジョージさんの歌
一枚目は偽
本日の夜中に到着🛬の息子ですが、出張先を出る前に少々写真を送ってくれました。彼は以前アメリカ南部の幾つかの州を向こうのローカルの友人達と旅してました。(いいね〜)
テネシーやアラバマにも行ってるし、南部の有名どころは見てきていて本当に羨ましいです。
今日の一枚目はのモノクロ写真は偽ミシシッピー川(笑)ご存知の方が見たらすぐお分かりかと思います。地元の川ですがミシシッピーのようなどんよりした川で(大きなチョウザメもいるよ)、ここに行くと柳ジョージの懐かしい歌��脳裏に流れるのでした。
息子から本物のミシシッピーの写真が来て、そんな偽写真を思い出したのです。(笑)
百聞は一見にしかず
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キャラクター・ビジュアル解禁!
人は誰しも、色々な面を“心の中”に隠しもっている―。 この度、11月8日公開、映画『本心』の豪華俳優陣が演じる人物たちそれぞれが、心の奥底に隠し持つ“本心”や“葛藤”が見え隠れするセリフ入りキャラクターポスターを解禁しました。
「僕は自分が誰なのか既に見失い、迷子になっていた」 ――池松演じる石川朔也は母・秋子と2人でつつましくも幸せな生活を送る青年。しかし、ある日突然「大事な話があるの」と言い残し母が急逝してしまう。その後、生前の母が“自由死”を選んでいたと聞き、その決断に至った本心を知るために、最新AI技術を搭載したVF(ヴァーチャル・フィギュア)として仮想空間に〈母親〉を蘇らせます。葛藤を抱えながらもVFの母と向き合う朔也でしたが、次第に母の“隠された一面”を目の当たりにし、母だけでなく自分自身の本心をも見失っていくことに。
ポスターに写し出される真っ直ぐな眼差しの奥には、母親を亡くし、進化する時代に取り残され彷徨う不安や葛藤が垣間見えます。
「朔也くんの本心が分からなくて、怖くなっただけ…」 朔也の母・秋子のVFを作るため朔也に協力するのが、三吉彩花演じる生前の秋子の親友三好彩花。過去のトラウマから他人に触れることができないが、ひょんなことから朔也の家に同居することになり、2人は特別な絆を築いていきます。しかしながら、朔也が自分自身をも見失っていくことで、2人の間に心のすれ違いが起こり…。
「でもこれが、朔也さんの本性だからね」 不敵な笑みを浮かべるのは水上恒司演じる朔也の幼馴染岸谷。ある事故をきっかけに昏睡状態へと陥り、目覚めたときには仕事を失っていた朔也を気にかけ、自身のカメラ付きゴーグルと依頼者のヘッドセットを繋ぎ、依頼者の体として擬似体験する新たな時代の職業“リアル・アバター”を紹介したり、AIで人を再現できる技術があることを教えてくれます。朔也の過去を知る数少ない人物でもあり、刻まれるセリフからも、岸谷が朔也の心をかき乱し、本心にも切り込んでいく重要な役割。果たして岸谷の朔也に対しての感情は――?朔也との交流の中で、彼の本心も暴かれて…。
「朔也さんはいずれ本当のことを言ってくれると思っていましたから」 ある出来事を機に朔也に興味を持つ仲野太賀が演じるイフィー。世界的に有名なアバターデザイナーで裕福な暮らしをしているが、実は事故で車椅子での生活をおくっており、リアル・アバターの朔也と専属契約を結びます。身体が不自由な自分とは違い、自身の身体を丸ごと依頼主に貸し出すような仕事をしている朔也を羨ましいと言っているが彼の本当の心は――?イフィーとの出会いは朔也にどのような影響を与えていくのでしょうか。
「人は心の中に、色々な面を隠し持っています。違いますか?」 妻夫木聡が演じるVFの開発者野崎将人は、AI技術を駆使したビジネスの成功者で、朔也の母・秋子をVFとして蘇らせる。はじめは、亡くなった人をAIで蘇らせること、そして「本物以上のお母さまを作れます」という野崎の言葉に不安を抱く朔也でしたが、野崎が生み出したVF・中尾(演:綾野剛)が語る“VFの���”についての話を聞き、覚悟を決めます。しかし、VFの母から自分の知らない面が見え始め朔也は混乱。野崎のセリフに込められた人の本心とは――。
「大切な話があるの。帰ったらいい?」 田中裕子演じる朔也の母石川秋子。息子に何も告げずに自分で死を選択できる制度“自由死”の認可を受けていました。そして、過去に朔也にも言っていない重大な秘密を抱えています。生前の情報を取り込んだVFとして蘇り、朔也と他愛もない日常を取り戻していきますが、徐々に隠された一面が明らかに…。秋子が朔也に伝えられなかった「大切な話」を朔也は聞くことができるのでしょうか――?
今年のカンヌ国際映画祭で注目を集めた『ぼくのお日さま』(公開中)や、SNS上で演じる役柄 #津野くん がトレンド入りし人気を高めたドラマ「海のはじまり」など、話���の映画やドラマへの出演が続く池松壮亮さんは、本作で演じる朔也について
「原作を���んで、自分がまだ言葉にできない、または実感のない不安が全て描かれていて『これは自分の話かもしれない』と思いました。撮影中、未来の朔也に対して"距離”を感じることはありませんでした。朔也の不安や恐れを痛いほど理解できましたし、今作において正しい感情、朔也として、場面ごとの最もシンプルな感情に到達できることを目指していました。」と、自身と演じる【朔也との重なる心情】の部分を語っています。
テクノロジーが著しく進化する現代を生きる誰しもが“自分事”になり得る物語。池松演じる朔也が目にするその物語の行方は、あなた自身の近い将来、もしくは今かもしれません。
時代に翻弄され彷徨う人間の【心】と【本質】を描いた革新的ヒューマンミステリー『本心』を是非劇場で。
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SNSを鍵垢にすることでしか得られない安心感があるなと最近感じている。
Twitter(現X)(わたしはずっとTwitterと呼び続けたいからこういう書き方をする)のアカウントは、今数えたら7個あった。すべてログインしていて、すべてのアカウントを使っている。SNS依存症にも程がある。7アカウントのうち、1つを除いてはすべて鍵アカウントだ。
さいきん、その1つの公開アカウントを鍵垢にした。たった1タップで得られる安心感が大きくて、もう二度と鍵を開けられそうにない。でも、仲良くしていただいている人の中にはこちらのアカウントをフォローしていない方もいて、自分はその人のことがめちゃくちゃ好きだから「あなたのポスト好きだよ!」って伝えたいのに、こちらが鍵垢だと相手にいいねの通知が届かないじゃん? それ、どうにかしてよって感じ。そういう事情もあるから、いつかは殻を破って公開アカウントに戻したいけれど、それは今じゃないなとも思うし。
雑多にたくさんの人と交流できるSNSって、使い方が難しいね。見たくないものを見てしまうし、うっかり見られたくないものを見られてしまう恐ろしさも孕んでいる。成人でさえこうなんだから、小中高生にSNSトラブルが絶えないのは頷ける。
一度プライベートのインスタで繋がっていた人間たち(約250名)との交流を切りたくて、インスタのアカウントを消したことがある。今現在、わたしのプライベートインスタはフォロワー11人、フォロー11人で、その中にはDMで予約する系の美容師とか、あとは同じ子のサブ垢が含まれていたりするから、純粋な交流目的で繋がっている友人は数名だ。これがわたしにとって一番やりやすい形。誰かの生活をうらやむこともなく、妬ましく思うこともない最適解だ。
それなのに最近はなんなんだろう。物書きを始めて、フォローよりもフォロワーの方が多いアカウントを持つようになってから、わたしはずっとSNSだとかイン��ーネットだとかいった思惑の塊に疲れている。ずっと忌避していた妬みだとか羨ましさとかいった感情を抱くことが増えたなと思う。マジで何なんだ。
言わなくていいことを言わない才能が、わたしにも、そしてみんなにもあったらいいのに。そうしたらSNSどころか世界はちょっとだけ平和になって、この息苦しさはちょっとだけましになるのに。(これは特定の誰かを指しているわけじゃないからね。一応)
まあ、なんというか、この投稿を読んでくれた人が夜きちんと眠れればわたしはそれで良いです。ぜんぶ些細なことなんだよ。
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ネタ帳:もとかの@ノアニール
ホンマは漫画として描きたかった話で2年前程からのんびり暖めていたのですが、実現が未定なのでとりあえずネタ帳として公開します...。女王の名前だけ考えておいて若者の名前とか名無しマンですがすみません🙇♀️
長いのでしおりが挟めるpixiv版はコチラ
軽く登場人物の紹介▼
※長めです。ノアニールでのお話。 ベースはゲーム通りですが、うちのキャラによる超捏造設定やら色々絡んでいます😂
PTメンバー ・女勇 ロゼア(16歳)『まけずぎらい』 ・女武 リアンダ(15歳位)『おとこまさり』(HD2Dだと『つよき』?) ・男(自称)賢 エルフリード(フリード)(※71歳位の老人だが見目は30前後)『おちょうしもの』 ※生来声が出せないテレパシー会話の為セリフは『』の二重カギ括弧です ・男魔 エルマー(25歳位)『やさしいひと』
登場人物はその他大勢、フリードやエルマーの家系の皆さんがわらわら出ます。 コチラ↓
@ノアニールネタ タイトル:もとかの (エルフの女王:アントニエッタがフリードの大昔の元カノ)
※エルフリード(以下フリード)、エルマーの故郷でもある (自称)賢者フリードは大分昔に故郷ノアニールを離れ隠居している為、 魔法使いエルマーは成人した16歳~魔法修行の旅へ此処を発っていたので、上手い事エルフの呪いは免れている。 (※後にスーに飛ばされ、そこで世話になった戦バーバラと結婚した為、スーに居住していた)
フリードは数十年ぶり、エルマーは約10年振りにノアニールに帰省すると、住民が皆眠っていた…
フリ『なんと!住民が皆眠っているではないか!』
エルマー「私が帰省出来なかった内になんでまたこんな事に… 姉さん眠らされてないかな…💦」
フリード『ワシはエルマーの姉にはちょこちょこ会っておったぞ。おぬしの両親…ワシの愛娘でもあるエルマーの母亡き後、悟りを開きたいと旅立ったようじゃ。眠らされる前に旅立っていそうじゃの。その内何処かでバッタリ会えたりしてのう笑』
エルマー「有り得ますね…暫く会っていないので姉にも会いたいです…��
ロゼ「エルマーさん、お姉さん居るんでしたね。私は一人っ子なので、きょうだいが居たリアンダちゃんもエルマーさんも羨ましいです。フリードさんはきょうだいいらっしゃいますか?」
フリード『ワシもロゼア殿と同じく一人っ子じゃ❤お揃いじゃな、ロゼア殿❤』
フリ嬉しそうにロゼアの肩を抱く ロゼア照れている😳
エルマー(モヤッとしつつ) 「姉は年子で私とそっくりですよ笑 祖父さん…いくらロゼアさんが祖母さんに似てるからって馴れ馴れしいんじゃないですか?💧」
フリ『なんじゃ、羨ましいのかエルマー? おぬしの祖母ロゼリアに似てる以前にワシはロゼア殿がタイプだし、もっとお近づきになりたいぞ❤』
エルマー「……(すんごいモヤモヤな表情)」
リアンダ「きょうだい多いのも以前はうるせーなとか思ったけどな… 空の上でもあのチビ共、親父と��袋に怒られながらも賑やかなんだろーな… ところでじーさん、眠ってる人達にまでもちょっかい出すなよw」
フリ『ワシが欲求不満そうに見えるのか小娘…💢』
ロゼア「…😅リアンダちゃん、フリードさんに何て事言ってるの…💧」
フリ『そうじゃそうじゃ小娘!ワシは確かに助平じゃがいつも発情してる訳じゃないわ、たわけ💢』
リア「えーw だってじーさん実際見てくれからしてエロいし、自分がスケベって認めちゃってんじゃん😂」
フリ(ドヤ顔で)『色気がある、と言わんか小娘😤✨ワシは助平さを隠すつもりはないけど笑 世の男達が助平じゃないと子孫が繁栄せんじゃろ。まあ我が孫みたいに紳士装おってる男ほどむっつりじゃなwww』
エルマー「…いくら住民が眠ってるからって、ナニ堂々としょーもない話をしてるんですか…」
フリ『ふぁふぁふぁふぁw エルマーは典型的な『むっつりスケベ』じゃなw 子がおるくせにのう、ほっほっほ笑』
エルマー「…!あんたも子供が居た父親でしょうが祖父さん💢だからあんたの娘が姉と私を産んでくれたんでしょうが!」
フリ『そらそーじゃなふぁふぁふぁw ワシが祖母さんと交合ったからおぬしの母が生まれ、 その母がおぬしの父と交合っておぬし達姉弟を産んだんじゃもんなあ。』
エルマー(…なんで私はこの人(?)の子孫なんだろうか…💧 祖父がこんなアホなジジイだったなんて…)
エルマーは顔を真っ赤にして祖父に呆れている フリ、すかさずエルマーにツッコむ
フリ『ぬう?エルマーよ、このワシをアホなジジイと思ったな? ワシが祖母さんと交合わなければおぬしの母もおぬしもこの世におらんかったんじゃぞ?祖父を敬うのじゃな!ふぁふぁふぁふぁw』
フリは少しだけ心が読めるようだ。 エルマーは苦笑している。
エルマー「!じ、祖父さん心が読めるんで��か…?」
フリ『いつもではないけどたまにじゃよ。 特に良からぬ考えの方が読めてしまうのう。』
ロゼア「フリードさん、色々な能力お持ちで凄いですね… 初めから���者さんですし、実際戦っていてもいきなり高度な呪文唱えられるし…」
フリ『半魔族に生まれたからじゃろうな。 何かと実父の魔族の能力を継いでいるようじゃの。と言ってもワシは実父は知らんがの…どんな魔物だったかもさっぱり分からんし、何処かでピンピンしてそうな気もするわい。 しかしロゼア殿は褒め上手じゃな❤誠にイイ女じゃの❤』
リアンダ「ひゃー💧じーさんの前でへんな事考えられないな💦しっかしじーさん、見てくれ若くてエロくても中身がマジでジジイだよな…言葉が古語で…笑」
フリ『やかましいわ小娘💢おぬしもいずれは姿ごとババアになるんじゃぞ💢』
ロゼア(顔を赤らめながら😳) 「と、ところで誰か起きてる方いないかしら。話を聞かないと何とも動けないわよね…」
住民の老人「おお!どなたかおいでですかの?ワシはここの住民じゃ!」
ロゼア「!奥の民家からおじいさんの声が…!話を聞きましょう!」
フリ『おお!ワシと同世代ぐらいの爺さんかのう…』
リア「じーさん同士茶飲み友達にでもなれんじゃね?w」
フリ『ほんっと口の悪い小娘じゃな…💢きっと相手の爺さんがワシに驚くわい笑 まあキザモード(※若い頃の紳士な言葉遣い)演じたるけどなw』
勇者ロゼア一行は南奥の民家で唯一起きていた老人に詳しい話を聞いた。
老人「おお……どなたかは知りませぬが、どうかエルフ達に『夢見るルビー』を返してやって下され……ルビーを探してエルフに返さなければ、この村に掛けられた呪いが解けませぬのじゃ。 この村の若者がエルフのお姫様とそのルビーを持ち出して駆け落ちしたもんじゃから、母君のエルフの女王様の怒りをかってしまい、村ごと呪われてしまったんじゃよ……。」
フリード(※キザモード)『!!なぬぅ!?エルフの女王だと!?』
エルフの女王の話を聞き、フリードが微妙な顔をし始めた… 女王はフリードの亡き愛妻ロゼリアと結婚前の元カノだった まだ女王が姫だった頃、フリードがかなり若かりし頃に交際していたとか
女王は『がんこもの』でその頑固さに酷く嫌気がさしてフリードが振ったらしい リアンダすかさずツッコミ
リアンダ「えー、じーさん未だにあちこち現地妻いるんじゃねーの?w」
フリ『私は未だにモテるが人聞きの悪い事言うでない小娘💢 亡き愛妻と結婚前の大昔の元カノだ!たわけ💢』
エルマー「祖母さんの前の元恋人ですか… (何人元カノとか居るんだか…💧) 女王様ともし結婚されてたら母も姉も私も居なかったんですねえ…」
ロゼア(フリードさん自分でモテる自覚あるんだ…)
フリ『あんの『がんこ女王』に話付けに行くぞ!私と孫の故郷の者に何たる仕打ちだ💢成敗してくれるわ💢』
老人「…?耳の尖ったエルフのような兄さんや…エルフの女王とお知りあいですかな? じーさん呼ばれとるし、今『私と孫』言う��たし、お若く見えるがおぬしは一体いくつぐらいなんじゃ?」
フリード『はっ!ごっ、ご老人よ…((ワシもジジイだけど笑))細かい事は気にするでない💦ともかく私たちは直ちにエルフの女王の元へ行って参る!』
老人「ほむ…そうか。エルフの隠れ里はここから西の洞窟のそばにあるぞい。 不思議な兄さん達よ、どうか宜しくお願いしますじゃ…」
ーーーーー
ロゼア一行はノアニール西のエルフの隠れ里へ。 フリードの大昔のもとかの、『がんこもの』のエルフの女王に話を付けに行く。 隠れ里に入るとエルフの姫と駆け落ちした若者の父親がいた。
ロゼア「おじいさん…あなたはもしやノアニールの方では… あなたもエルフの女王様に掛け合いに来られたのですか?」
若者の父「…ノアニールの村が呪われたのは、ワシの息子のせいじゃ… あいつがエルフのお姫様と駆け落ちしたから… 息子の代わりにこうして謝りにきておるのに、話さえ聞いて貰えぬ。 ああ…ワシはどうしたらええんじゃ!」
フリード(※キザモード口調継続中) 『そなた、若造の父君か。私はエルフの女王と旧知であってな。 今、これから正に女王に村の呪いの事で掛け合う所だ。』
若者の父「!?青い髪で耳の尖ったあんたもエルフの仲間かの?」
フリード『若造の父君よ、私はエルフではなく魔族と人間の血を引く者だが この私があの『がんこもの』の女王と何としても話を付けようではないか。』
若者の父「なんと!魔族と人間の…?これまた摩訶不思議な! エルフに似ていて人間離れした見目のあんたの話ならきっと聞いてくれそうじゃの… すまぬが、女王様と上手く掛け合って貰えんかの…」
リアンダ「はぁ~?話聞いてやらないってどんだけタカビーなんだよ、ここのエルフの女王様はよぉ!」
エルマー「…何だかかなり頑なそうな性格ですね、エルフの女王は…」
勇者ロゼア一行とノアニールの若者の父が話込んでいる所を見かけたエルフの民がズカズカと近寄ってきた。
エルフの民「何ですか、あなた達!人間が入って良い場所では… あっ!?フリードさん?何十年ぶりでしょう…久しぶりですね!」
フリード『!!そなたは昔交流のあった…元気そうで何よりだ。 かなり前に女王からこの里への出禁を喰らってしまったが、急ぎで女王に大事な話がある。 どうか謁見をさせて貰えないだろうか…』
エルフの民「私、ラタフィアと申します。女王様の昔のよしみですし、あの時から大分経っていますし大丈夫だと思います。私が女王様の所にお連れします!」
フリード『助かる。かたじけない、ラタフィア殿…。』
ラタフィアというエルフはかなり昔、フリードが若かりし頃に顔見知りだったようだ。
ラタフィア「フリードさん半魔族だから、女王様とお付き合いしてた頃と変わらずカッコイイですね❤あれからあの人間の女の子とはご一緒なんですか?」
フリード(ニヤケつつ)『そうか?ラタフィア殿……そなたもあの頃と変わらず可愛らしいではないか。 あのロゼリアとは結婚して娘ともう一人子を儲けたが…妻はその第二子を身籠ったまま亡くなり、娘も今は亡くなった… だが娘が私の孫を遺してくれた。そこのローブ被った魔法使いが私の孫息子だ。』
ラタフィア「まあ!お孫さんもカッコイイお方ですね❤フリードさんにそっくり! そうでしたか…結婚してお子さんも儲けたのにロゼリアさんもお子さん達も亡くなられていたのですね…」
エルマー(照れながら)「あ…ありがとうございます。ラタフィアさん、フリード祖父さんとお知り合いなんですね…ロゼリア祖母さんにもお会いしているんですか?」 (エルフ族も見目は歳取らない種族なのか?💧祖父さんと知り合いってことは、祖父さんよりも年上かもしれないんだよな…)
ラタフィア「ええ、かなり昔ですがフリードさんがこの里にロゼリアさんを連れて来た事があったんです…」
フリード『ラタフィア殿、シッ🤫💦』
ラタフィア「大丈夫ですよ、フリードさん🤭さあ、こちらが女王様の謁見の間です。」
ロゼア、リアンダ、エルマー (…女王様となんかあったんだろうな…きっと…)
フリード『アントニエッタ女王様にご挨拶申し上げます…。ご無沙汰しているな。何十年ぶりか…』(※捏造女王の名前)
女王「はっ!あなたは…フリード!まあ…本当に暫くぶりだこと。 以前出禁にしたはずですが、かなりの時が経っていますし、まあ良いでしょう… 相変わらずお顔だけは良いままですね…あの時はよくもこのわたくしを振ってくれましたね…」
フリ『ふん、ここへの出禁は時効って事か…。そなたも未だに美しいが相変わらず『がんこもの』そうだな。 ところでそなた、ノアニールの村に危害加えおったそうだな💢何て事しでかしてくれたのだ?エッタよ。』
他のPTメンバーハラハラドキドキ💦 女王は渋った顔で経緯を話し始めた。
エッタ女王「なんですって?ノアニールの件ですか?そういえばそんな事もありましたわね。 …その昔、わたくしの娘のアンとノアニールの人間の男が恋に落ち、駆け落ちしたのです…。アンはこのエルフの里の宝、『夢見るルビー』を持ったまま、男の所から帰ってきません。 たぶん夢見るルビーもその男に奪われ、この里へも帰れずに辛い思いをしたのでしょう。アンは騙されたに決まっています。」
フリがキレた!
フリ『エッタよ!その決めつけがそなたの『がんこもの』なのだ! 私はそなたのその頑固さに嫌気がさしてそなたとの交際を終わらせた。 その後そなたは別の男と娘を儲けたにも関わらず、何故娘の愛する者を認めないのだ!何様のつもりでいる!』
エッタ「フリード…元はと言えば、あなたがこのエルフ族の姫であったわたくしを振り、連れの人間の女とすぐ交際したではありませんか!この浮気者が! おまけに人間など欲深い生き物…わたくし達崇高なエルフとは違うのですよ。我が里の宝を奪い、わたくしの愛娘アンを騙した人間の男の故郷に制裁を加えただけです。」
フリ『おのれ『がんこもの』め…💢とんでもない女だ。そんな昔の事まだ引きずっておったのか。ロゼリアと恋仲になる前にきちんとそなたに別れ話を持ち掛けたではないか。 しかもそなたの娘が人間に騙されたと思い込み、かつての私と孫の故郷でもあるノアニールに村ごと危害を加えるなど…』
エッタ女王は勇者ロゼアを見るなり驚き戸惑った。
エッタ女王「孫ですって…!?あああっ!お前は…わたくしの彼だったフリードを奪ったあの時の人間のロゼリアとかいう女?! いや…あれからかなり経つしあの女の子孫…?」
ロゼア(…私よっぽどフリードさんの奥さんと似ているのね..まあ以前フリードさんの記憶魔法で見せて貰ったけど….) 「いえ、私はロゼリアさんではありません…」
エッタ女王「そうなの…どうやら別人のようですね。あまりにあの女に似ていたから驚いてしまいました。では、そこのフリードそっくりな魔法使い風の者があなたの孫ですか…? フリード…あの人間のロゼリアとかいう女と子を儲けたのですね…」
フリ��あれからロゼリアとは結婚して子も孫も儲けたが…。((子が先に出来たけど🫣)) 勇者殿はロゼリアに似ているが私の孫ではないし、ロゼリアの家系の子孫かまでは不明だ。…私の孫は魔法使いの方だ。』
エッタ「そう…。こんな大人な孫まで居るなんて… あなたの魔族の血ゆえ見目は未だに若々しいですが、フリードも歳を取りましたね…。」
エッタ女王はエルマーの深緑のローブのフードをいきなり下ろした。 エルマーは突然の事で驚いてしまった。
エルマー「!?ナニするんです、女王様?」
エッタ女王「ふん…フリードの孫とかいうあなたは一見フリードとお揃いの青銀髪が魔族風ですが、耳は尖っていないし殆ど人間ではありませんか。 ロゼリアとやらに似た女…その出で立ちからあなたが噂の女勇者ですか…?所詮は人間。 魔王を倒せる力などあるのかしらね。 後の女はわんぱくそうな脳筋のじゃじゃ馬娘ってところですか? ああ…人間など見たくもありません…」
リアンダ「あぁん?💢何だとこの耳長の高慢ちきなクソババア! 話聞かねえわ、人間見下すわ、そりゃ元彼のフリードじーさんに『がんこもの』って言われるわなァ!」
エッタ女王「なっ…!なんて下品な女なのです!」
ロゼアはリアンダの前に手を出した
ロゼア「リアンダちゃん、落ち着いて。」
リアンダ「何だよロゼア!こいつめちゃくちゃイキってるじゃんか!」
ロゼア「いいから!ここは私に任せて。」
リアンダ(!!あっ…ロゼアもちょっとキレてるなコレは…ロゼアは冷静にキレるタイプなのか💧)
エッタ女王の高慢ちきな態度にロゼアは勇者らしく毅然とした目付きですかさず反論。 (『まけずぎらい』が発揮される)
ロゼア「エッタ女王様…私はアリアハンの勇者、ロゼアと申します。 私がフリードさんの奥様の家系の子孫かは不明ですが、人間を見下すような発言は取り消して下さい。 エルフ族が何にどれだけ優れているか私には分かりかねますが、世界を担い救い出すのに種族など不問です。」
エッタ女王「何ですって?人間ごときが…このわたくしに逆らうのですか?」
ロゼア「エルフの『女王』という肩書きで偉そうにされていますが、人間『ごとき』などと言われる筋合いはありません。 私の父オルテガは『人間』ですが、世界中に名を知らしめた勇者で 私はその父の跡継ぎで同じく勇者なのです。 女王様及び他のエルフたちが人間よりも優れている自信がおありならば、 魔王を倒す自信もおありなのでしょうか?」
エッタ女王「おのれ、勇者ロゼアとやら…💢なんと生意気な人間なのかしら。そなた、勇者と言いながらこのエルフ族の事を知らぬならば教えてあげます。 わたくし達エルフ族は人間などと比べ物にならない魔力を持ち、魔法を得意とする種族なのですよ。その気になればわたくし達と対張れる魔族をもひれ伏せられるのです。 そなたの父オルテガの噂は時々耳にしますが、行方不明というではありませんか…。 所詮人間なんかに世界平和など取り戻せるものですか!」
エルマーは心の中で静かにブチ切れていた
エルマー(こんのエルフのクソババア…💢私のローブのフードをいきなり下ろすわ、 ロゼアさんやリアンダさんを馬鹿にするわで何て失礼な奴なんだ… 祖父さんはこいつの綺麗な顔とか見てくれに騙されていたのか…?こんな『がんこもの』が恋人だったなんて信じられない…) ※エルマーはキレると口が悪い
フリさらにブチ切れ
フリ『やかましい!この『がんこもの』め!また以前みたく人間の事を馬鹿にしおって エルフがなんぼ偉いんだ、たわけ! この私も半魔族故半分人間だ!聞き捨てならぬぞエッタ! そなたも若く見えて私よりずっと歳上で結構なババアではないか💢 とにかくそなたの娘アンと恋人を連れ戻し、その夢見るルビーとやらを持ち帰れば良いのだな?そなたをギャフンと言わせてやるからな!皆の者!必ずやルビーを見つけ出すぞ💢』
ロゼ「もちろんです!フリードさん!」
リア「けっ💢この頑固ババア、そんなんだからじーさんに振られるんじゃんwwwザマアwww」
リアンダ、エッタ女王にあっかんべーする
エッタ女王「んまあ…この低俗な人間共め!直ちに立ち去りなさい💢」
エルマーはしかめっ面のまま
エルマー(祖父さんがコイツと結婚しなくて良かった…😑💧)
ーーーーー
フリ(※素のじいちゃん言葉) 『みっともないとこ見せてすまんのう…皆の者…💧なんでワシあんな頑固女と付き合ってたんじゃろ…』
リア「あのエルフの頑固ババア、じーさんの顔は認めてたし、 きっと相当若かった頃だと思うから見てくれでお互い盛り上がったんじゃねーの?」
フリ『確かワシが22、3歳の頃じゃったかな… あのガンコニエッタと(がんこもの+女王の名前)別れた後、祖母さん…亡妻ロゼリアと結婚してワシ25の時に娘生まれたからの。 ワシが丁度今のエルマーぐらいか。 しかし、小娘のくせにえらい悟っておるな…』 (※フリはこの時点で71歳頃)
リア「ひゃー!じーさん、そんな若かりし頃の話だったんだ! オレ、実は恋バナ好きなんだよねえ❤まあオレもカッコイイ兄さん好きだけどなw これからカッコイイ彼氏出来るといいなあ❤」
フリ『おぬしは色気はないけど、顔は可愛いしいい尻しとるから普通に男が出来そうじゃな笑』
リア「!!じーさんオレのケツいつ見たんだよ!エロジジイ!!」
フリ『戦闘中に散々飛び蹴りだの脚を高く振り上げるじゃろ。 おまけにえらい短パンじゃし見えちゃうんじゃよ笑』
リア「オレは動きやすいように短パンはいてんだよ💢キーッ!」
ロゼ「リアンダちゃんとフリードさん、漫才コンビですよねえ笑」
エルマー「祖父さんと仲良くケンカしてるよねえ笑」
まずは夢見るルビーを見つけなくてはいけない。 勇者ロゼア一行はエルフの里付近の洞窟に向かう。
ーーーーー @地底の湖 洞窟に入ると神父に出会った。
神父「おお…そなた達は旅の者ですかな?」
ロゼア「はい…。エルフの里の宝物を探しに来ました。」
神父「左様であったか…。 この洞窟の何処かに体力や気力を回復してくれる聖なる泉があるらしい。 しかし、どうしてこんな所にそんな泉が湧いたのか… 私には悲しげな呼び声が聞こえますぞ…。」
リアンダ「その聖なる泉になんかありそうだな。 あのエルフのババアの娘と彼氏の事の何か分かるかもしれねーぞ。 泉にも寄ってみようぜ、ロゼア!」
ロゼア「そうだね、リアンダちゃん!」
フリード『怪しいニオイがプンプンするな…神父殿、かたじけない。』
エルマー「神父さん、貴重な情報をありがとうございます。」
神父から聖なる泉の情報を得た勇者ロゼア一行は、洞窟の奥へ進んで行った。 深層部で多数のマタンゴにフリード以外のPTが眠らされる
フリ『なんと!甘い息が効かなかったのはワシだけか💦』
エルマーが眠ったままHP1の瀕死大ピンチになる (※ゲームでその状態で暫く踏ん張ってくれたが後に1度全滅💧 これが元でこのお話が閃きました…)
フリ『!!おお!エルマー!ワシが今ベホマを…!?(※(自称)賢者の為、全ての魔法を習得済み) ぬおおお💦毒キノコめ!わらわら出てきよって気色の悪い💢』
ーーーーー
エルマー、三途の川?で目覚め辺りを見回す
エルマー「ここは…?随分綺麗な花畑だな…」
懐かしい声が聞こえてきた…エルマーの関連者のようだ。 声の主はエルマーがかつて魔法修行の旅へ出征後、帰省出来ずにいた間に亡くなってしまった両親だった。 父アンドレアス(人間)に母エルヴィーラ(魔族¼)。
エルマー「!!父さん!母さん!」
父アンドレ「!?おお!我が息子エルマーではないか!😭 お前が16で魔法修行へ旅立って以来か…大人になったなあ… お前もまさか死んじゃったのか?💦」
母エルヴィ「エルマー…?まあ…素敵な大人の男性になったわね😭 旅立ってから全然帰って来ないから寂しかったのよ!うわああああん!」
母エルヴィは咄嗟に我が息子に泣きながら抱きついた。
エルマー「帰れなくてすみませんでした…父さん、母さん… あの魔法修行の単独の旅立ちから数年後に実は結婚しまして…子供も生まれて子育てに追われてなかなか帰れなかったんです… それから私は今、勇者オルテガ様のご息女の女勇者様と、フリード祖父さん…母さんの父親と、仲間の武闘家さんと魔王討伐隊として旅をしています。 私は多分まだ死んでいないと思うけど会えて嬉しい…まさか帰れなかった内に二人して亡くなっていたなんて…」
母エルヴィ「まあ…エルマーったら結婚して子供も居るの? お嫁さんはどんな方?人間?魔族?」
エルマー「人間の…女戦士で美人の頼もしい妻です。私が妻の家に住みついた形になってしまったので、婿のようなものだけど。」
母エルヴィ「まあ…!人間の美人女戦士ですって?カッコイイ奥さんね、エルマー! うふふ、私たち祖父母なのね❤母さん、孫に会いたいわぁ… それに女勇者様と母さんのパパ達と旅しているの…楽しそうねえ❤」
父アンドレ「そうか😭エルマー父親になったのか…。お前の子…父さん達の孫はきっとお前そっくりなんだろうな☺️ 父さんと母さんは旅行中に事故に巻き込まれてな… お前、父さんも母さんもカナヅチだって知��てたか? 母さんと久々にハネムーン気分を味わっていた旅船上で海の魔物に出くわして我々の魔法でやっつけた迄は良いが、母さんがバランス崩して船上から深海に落ちてしまってな… 父さんもすぐ飛び込んだんだが、母さんも父さんもカナヅチって事すっかり忘れて溺れてしまってどうすることも出来なかったんだよ…」
エルマー(父さん鋭いな…娘が私にそっくりってなんでわかったんだろう😮) 「…りょ、旅行中に…そうだったんだ父さん、母さん…」
エルマー泣きながら両親の肩を抱く
初老の女性「まあアンドレさん、エルヴィ、あなたたちの息子?」
そばには勇者ロゼアに似た初老の白髪混じりな黒髪の女性と、同じく黒髪で耳が尖ったエルマーにそっくりな若い男性がいた。
初老の黒髪女性は祖母ロゼリア、今一緒に旅している未だに健在な祖父フリードの愛妻だった。 エルマーはあまりに勇者ロゼアと声までそっくりで驚き戸惑う。 ロゼリアは夫フリードにそっくりな孫息子を見て感涙している。
祖母ロゼリア「なんてフリード様そっくり…我が娘のエルヴィにもそっくりね。 あなたは私の孫息子ね?私はロゼリア。あなたの祖母よ。」
父アンドレ「お義母さん、うちの息子は妻にもお義父さんにも本当にそっくりで…」
母エルヴィ「ママ、息子はエルマーっていうの。」
エルマー「エルマーと申します…。ロゼリア祖母さん…お会い出来て嬉しいです。」 (祖父さんが言ってた通りだ…本当にロゼアさんにそっくりだ…)
エルマー泣きっぱなしで祖母を見つめる。
祖母ロゼリア「エルマー…フリード様と私の可愛い孫息子エルマー…」
ロゼリアは感涙しながら夫や愛娘にそっくりな孫息子エルマーを抱きしめた。
黒髪の若い男性(それでも36歳位だそう)は祖母没時お腹に宿っていた二人目の子、エルバートだった。 祖母ロゼリア没後、こちらの世界で生まれた。エルバートはエルマーの叔父にあたる。
母エルヴィ「エルマー、この子は母さんの弟よ。こっちの世界で生まれたの。」
エルマー「母さんの弟…?」
母エルヴィ「母さんのママが亡くなった時、お腹にいた子なのよ。 母さんが10歳ぐらいの時にママが事故で亡くなっちゃったの…😭」
祖母ロゼリア「そうなの…私二人目の子が出来たばかりで死んじゃって… なかなか二人目が出来なくて、10年振りにやっと赤ちゃん出来たと思ったら、私の『おっちょこちょい』で足を滑らせて頭強打してしまってね… フリード様程の魔力のザオリクでも蘇生出来なかったのよ😭」 ※祖母ロゼリアの性格 『おっちょこちょい』な『おじょうさま』
エルマー「な���と…!😭そういえば祖父さんが祖母さんは二人目の子を身籠ったまま亡くなったと言ってましたね…」
エルバートことバートは母譲りの黒髪に、父フリードそっくりで父母の瞳の色のオッドアイを持つ。 (右、父のすみれ色で左、母のスカイブルー) 口数が少ないが無表情ながらもテレパシーで嬉しそうに甥に挨拶。 ただし、姉のエルヴィに隠れながら笑
※バートは『ひっこみじあん』(無表情でテレパシー会話) バート『僕、エルバート…エルマー君、キミ…���上の息子で僕の甥っ子なんだね。 会えて嬉しい…バートと呼んでね』
エルマー(おお…祖父さんそっくりだなあ…祖父母の血が上手いこと混じってるような…) 「バートさん…私の叔父さんですね…こちらこそお会い出来て光栄です…」
叔父バート『エルマー君、キミ父上達と旅しているんだって…? 父上はどう?母上には『おちょうしもの』って聞いているけど… 僕、父上の顔もどんな人かも知らないんだ…僕と父はそっくりらしいけど…』
エルマー「…💧えっと…そうですね…お顔はバート叔父さんにも私にもそっくりで、青銀髪でやたら面白くて若々しい方ですよ笑」(アホだけど…)
叔父バート『面白いんだ…笑 母上の言う通りだね…』
祖母ロゼリア「フリード様は『おちょうしもの』で笑わせ上手な方だったわね笑」
母エルヴィ「エルマー良いわねぇ…女勇者様の旅にパパとお仲間さんと楽しそうにしちゃって!」
父アンドレ「本当だなあ、エルヴィ。私達も女勇者様に付いて行きたいよなあ笑 お義父さんも面白い方だし色々笑わせてくれるだろう?エルマー。」
エルマー(祖父さんは家族にも面白い人認識なんだ…笑)
ーーーーー
変わって地底の湖内。 エルマーの祖父フリードが1人必死で戦っていた。勇ロゼア・武リアンダ共に爆睡中だが2人のダメージは軽い。
ザメハやベホマラーを早く仲間にかけたいが、マタンゴのあまりの数に自分まで眠らされたらアウトと思い必死にやっつけていた…
マタンゴが瀕死の孫息子、魔エルマーに襲いかかろうとしていた。 フリブチ切れ。
フリ『!!あっ!この毒キノコどもめ!孫に手を出すな💢!』
フリどうにか引っぱたく。 勇ロゼア、武リアンダようやく目覚める。
フリ『!!ロゼア殿、小娘(※武リアンダ)、目覚めたか!! おぬし達は少し下がって まずは傷の回復をするのじゃ。エルマーの事も頼む!ここはワシに任せるのじゃ!!』
ロゼア「はっ、はい!!」
フリ『よくもワシの可愛い孫息子を追い詰めよったな💢ええい、まとめて氷漬けじゃ!!』
フリマジギレ→オッドアイの瞳は真っ赤になり(ド3にはない)マヒャデドスを唱え、多数のマタンゴを一気に氷漬けにした。
(※アプリやswitchのAIはマタンゴにヒャド系を唱える。まれにバギ系。)
リアンダ「ぎえええええええ🥶じーさん寒いいいいいい!こっ凍るぅぅうぅ!」
ロゼア「す、凄い冷気…💦洞窟ごと凍りそうな勢いだわぁあぁ」
ーーーーー
フリ『先程、悲しげな雰囲気のある聖なる泉がある、と言うていた神父がおったな。 とりあえず今のうちにそこへ避難じゃ!』
なんと!フリードは瀕死のエルマーを背に乗せ、ロゼアとリアンダを両脇に抱え 自前の悪魔のような羽根を生やし飛び上がった! 何とかマタンゴやバリイドドッグなどの魔物の群れをやっつけながら、一行は回復の泉へ移動。
ロゼア「フ、フリードさん?無茶しないで下さい??」
リアンダ「うわああ💦何すんだよじーさん!」
フリ『ワシが敵の魔族どもに応戦するから落ちないようにな。特に小娘は暴れたりしてくれるな!』
フリードがPT全員を背負い抱き抱え飛行しながらしつこい敵たちに魔法で器用に応戦。
フリード『しつこい魔物どもめ…マヒャド!』 (※普通のゲームの進行度ではこの時点でマヒャド使えません笑)
ロゼア「フリードさん、私達を抱き抱えながら呪文唱えるって器用ですね💦」
リアンダ「しつけーなもう!(蹴りとか叩きながら) じーさんはもう只者じゃないの分かってるから、何でもアリな気がしてきた💧」
フリ『これ、小娘!暴れるでない!』
一行は泉に辿り着いた。
フリード『ここがあの神父殿が言うてた…おお…美しい泉じゃのう。なんか哀しげな雰囲気もあるがの…』
ロゼア「そうですね…美しいけどどこか儚い感じがします。」
中央に進むと今までのダメージやMPが全回復した。 フリード、孫息子の無事を確認し涙ぐむ。
フリ『おお…エルマーが死なないで良かった…無事そうじゃな…』
ロゼア「エルマーさん、無事回復しましたね☺️フリードさん。」
リアンダ「エルマーさん死なないで良かったな、じーさん。」
フリ『ロゼア殿、リアンダ殿…かたじけない…感謝する…。』
フリの涙、エルマーの顔に落ちる。エルマーそれで目覚める。 気が付くと目の前に泣いているフリ。
エルマー「祖父さん…?」
フリ『エルマーよ…無事で良かった…おぬしまで失ったらワシは…』
フリ、泣きながらエルマーにハグ🫂 (※フリは自身の妻、娘、息子(妻没時妊娠中だった)を亡くしている地味に『くろうにん』)
ロゼアほっこり リアンダちょっぴりうるる
リア(オレも自分の家族全員死んだけど、じーさんもほぼ自分の家族亡くしてるもんな…) ーーー ※066メモ このノアニールの時点で生存しているフリードの家系のキャラ ・フリ実父(人間フリ母エルヴィーラを犯した魔族)→生死不明 ・エルマー(孫)・エルマー姉エルーセラ(孫) ・エルマー娘エレア(ひ孫) フリ自身の家族は皆故人。 妻(人間)ロゼリア、長女エルヴィーラ、長男エルバート
エルマー「祖父さん… そういえば夢の中で両親と祖母さん、叔父さんにお会いしました」
フリ『なぬ!?そうじゃったのか!おぬしの記憶をシェアするのじゃ!!』
フリ、エルマーのデコにビタンと手を当てる
エルマー「あでぇ!祖父さん思い切り良すぎ…」
リア「それって三途のなんとやらじゃ…💧 エルマーさん、かなりの瀕死状態だったのか💦」
ロゼ「さすがテドンの神父さんの娘ね、リアンダちゃん。 エルマーさんは臨死体験して来たって事ですね… あ!!それじゃあ私に似ているというフリードさんの奥さんやご両親とかに会えたんですね?」
フリ、エルマーの額に手を当てたまま、記憶操作魔法する もやんもやんもやん… エルマーの三途体験の思い出が皆の頭上に映像化された!
ロゼ「わ!!この女性がロゼリアさん…本当似てますね😮 私がおばあさんになったらこんな感じなのかしら」
フリ『おお…我が妻はばーさんになったけど相変わらずイイ女じゃな❤ な?ロゼア殿そっくりじゃろ❤エルマーの父、アンドレ殿も三途で元気そうじゃな!』
リア「あっ…じーさんの娘さんと…もう1人の黒髪のイケメンは息子さん? やっぱじーさんと同じ顔してるな。遺伝子濃っw」
フリ『魔族はどーも遺伝子濃いめみたいじゃな笑 まあこのワシのイイ男遺伝子が代々継がれて誇りに思うわい❤ 我が孫エルマーもひ孫のエレアもワシそっくりじゃしの❤』
エルマー「(苦笑しつつ)ロゼリア祖母さん、綺麗で気品ある方でしたね… 本当ロゼアさんそっくりで…😳」
フリ『そーじゃろそーじゃろ❤おぬしの祖母さんはロゼア殿そっくりで美しい上に品がある女で『おじょうさま』じゃった… 『おっちょこちょい』でドジだったがそこも可愛くてのう…んふふふ❤』
リア「はいはいじーさん、ゴチでした!」
フリ『なんじゃ、我が娘エルヴィはワシらと旅したそうにしておるのう… 我が娘も賢者のようなもんじゃ、呼びかけて��るか?』
エルマー「えっ、亡くなった母さんに呼びかけ出来ちゃうんですか?」
フリ『だがエルヴィは一度完全に亡くなっとるからの… 流石にワシだけの魔力じゃ厳しいと思うから、エルマーとロゼア殿の魔力をお借りしたいのう』
フリ両手をそれぞれの手と繋ぐ
ロゼ「私、魔法苦手で微力だと思いますが、それでも良ければ…」
フリ『ロゼア殿の勇者オーラで十分百人力じゃよ❤』
どさくさにロゼほっぺにチューするフリ ロゼ顔真っ赤 エルマー複雑そうな顔
エルマー(祖父さんえらい積極的だな…まあ…寡夫で独身らしいし良いけど… 独身…だし…)
※フリはキス魔
リア「じーさんちゃっかりロゼアにチューすんじゃねえよ! …オレ魔法出来ねえし出番ねーけど見守りなるわ💧」
フリ『なんじゃ、小娘もワシに接吻して欲しいのか?w』
リア「ジジイのチューなんかいらねえよ💢」
フリ『照れるでない、小娘よwほれ、ちこうよれ❤このワシの熱~い接吻を受けるが良いw』
リア「照れてねええぇえぇ💢なんておめでたいジジイなんだよ!」
エルマー「…うちの祖父がなんとも頭が『しあわせもの』でごめんね、リアンダさん…💧」
フリード『なんじゃ!ワシは『おちょうしもの』じゃ!祖父を敬わんかい!』
エルマー「あなたがナニ者だろうと私の祖父なんですもんね…こんだけそっくりだし💧」
ーーーーー
三途のなんとやらへ
フリ『我が愛娘エルヴィよ…父じゃ。聞こえるか?』
エルヴィ「!!パパ?あああパパ…お元気ですか…?」
エルヴィ涙ぐむ。
バート『!?父上??』
ロゼリア「!!フリード様?」
アンドレ(エルマー父)「!!お義父さん!!」
フリ『もちろん元気じゃよ❤エルヴィ、おぬしワシらと共に勇者殿を手伝いたいのか?』
エルヴィ「!!まあ…息子のエルマーの記憶をご覧になったのね… ええ、パパ達と一緒に旅してみたいわ❤女勇者様にもお会いしたいし☺️」
洞窟内のPT
フリ『ロゼア殿…一瞬三途のなんとやらへ行ってくる。 このまま手を繋いでいておくれ。』
ロゼ「!?そ、そんな事出来ちゃうんですかフリードさん?」
リアンダ「ぶっwww マジで?えらい規格外なじーさんだな💦」
フリ『幽体離脱ってやつじゃな。亡き妻やこの世で生まれなかった 我がせがれらしき者達にも会いたいしの…』
エルマー「あ…エルバート叔父さんは母さんの弟と言っていました」
フリ『…おお!せがれはエルバートと言うのか… ロゼリアが亡くなった時に身籠っていた子が三途で生まれておったのじゃな…😭 …では、しばし三途へ行ってくるとするかの。』
カッ! フリードのヘーゼルとすみれ色のオッドアイが真紅に染まり、ロゼア、エルマーと両手を繋いだまま脱力した…
エルマー「!祖父さんの薄れた姿が浮かんで登って行った…」
ーーーーー
フリ幽体離脱で三途に現れる
フリ『皆の者…元気そうじゃな。』
アンドレ「お義父さん!ご無沙汰しております🙇♂️相変わらずお若いですなあ… 私よりも(※56歳位)見目の大分お若いあなたを『お義父さん』呼ぶのも不思議ですが現実、妻エルヴィの父君ですからな……😅」
フリ『ほっほっほ…ワシいつ見目が本格的にジジイになるかわからんのう💦』
初老ロゼリア「ああ…フリード様!! 相変わらずお若くて素敵です😭」
ロゼリア、涙目で夫に抱きつく
フリ『おお、我が愛しの妻ロゼリア!😭30ン年振りぐらいかの! …おぬしは今66か?人間はやはり姿も加齢するもんなんじゃな… ワシがこの見目で71のジジイなのが変なんじゃな💧』
ロゼリア「変じゃないですよ、フリード様!! あなたも、もう71歳なのですね… いつまでもお若く素敵で羨ましいです😭 ですがやはりフリード様も中身はお爺さんになられましたわね…お言葉遣いが…笑」
フリ『おぬしに死なれて30ウン年���つからの…そりゃワシもジジイなるわい笑』
(※ロゼリアは30歳頃没) ロゼリア「私はすっかり歳相応になりましたわ…フリード様は半魔族で暫くお若いままですけど」
フリ『ロゼリア…だが会えて嬉しいぞ…年齢重ねてもおぬしは相変わらず美しい…』
フリうっすら涙ぐみ妻にキス😙
ロゼリア「フリード様、この子は私たちの二人目の子ですよ。 この子もフリード様に似たのでエルバートと名付けました。 バート、あなたのお父様よ。」
フリ『おお…ロゼリアが亡くなってしまった時身籠っていた子か😭』
フリ、息子バートを見て感涙。 バートは父を見て少し照れくさそうだ。母のロゼリアの後ろに隠れている。
フリ『おぬしはワシのせがれか…エルバート… こっちに来るのじゃ。もっと顔をよく見せておくれ、我がせがれよ…』
バート照れながら父に近づく
バート『父上…本当僕と似てますね…お会い出来て嬉しいです…』
フリ『ほっほっほw バートよ、おぬしがこの父に似ておるのじゃよ。 バートもテレパシーなのじゃな笑』
バート『はい…僕も父上のように声が出なくてテレパシー能力が覚醒しました…』
フリ『そうかそうか…バートはワシと母ロゼリアの良いとこ取りな見目じゃな❤ 母の黒髪にワシと母のオッドアイでミステリアスなイイ男じゃの❤』
フリ、愛息子にハグをしほっぺにチューをした。
バート『!!ち、父上…🫣』
フリ『ナニ照れておるのじゃ、バートよ。父が愛息子に接吻しても良いじゃろう❤』
ロゼリア「フリード様、バートは『ひっこみじあん』な照れ屋さんなのですよ笑 フリード様そっくりで美しいのに、全然恋人とかいないみたいですわ。」
フリ『なんじゃ、バートよ。おぬしはこの父と美しい母の良いとこ取りなイイ男なのに…。その気になればモテモテじゃろう。』
バート『ボ…僕は声掛けられるんですけど、恥ずかしくて… 逃げちゃうんです…どう接したら分かんないし…💦』
フリ『せっかくワシ似のイイ男なのにの…勿体無いのう…』
ーーーーー
フリ『さて…我が娘エルヴィよ、もう一度生き返ってこの父とおぬしのせがれと勇者殿、もう一人若い女子がおるが一緒に旅してみるか? ワシは可愛い娘のおぬしが加入してくれればとても嬉しいぞ❤ おぬしもこのワシのように魔法が得意じゃったもんな!』
エルヴィ「ああ…是非!大好きなパパと息子と一緒に 勇者様の冒険に旅立って、私の魔法が役立てたらなんて素敵かしら☺️❤」
エルヴィ、父フリに抱きつく
フリ(ニヤけながら)『エルヴィは「あまえんぼう」な所もあるのう… バートもどうじゃ?父や姉と一緒に勇者殿を手伝わないか?』
※フリとロゼリアはエルヴィをめちゃめちゃ溺愛して育てた
バート(照れながら) 『父上…有難いのですが僕は「ひっこみじあん」でコミュ障だから… 母上や義兄上と見守っています…僕も魔法は出来るし、特に回復呪文が得意なので僧侶にでもなれる気はしますが…』
フリ『そうか…残念じゃのう…まあ無理強いは出来ぬし勇者殿にも許可を得ないといかんしの。エルヴィ、ちょっと勇者殿達に声掛けるから待ってておくれ。』
エルヴィ「はい、パパ❤」
地底の湖へ フリ『ロゼア殿…我が娘エルヴィーラをどうかPTに加えてはくれぬか… 三途在住の我がせがれのエルバートは回復呪文が得意だそうなので、 こやつのザオリクで我が娘を蘇生したいのじゃ。 ロゼア殿とエルマーの魔力をこのまま借りながらワシの魔力も合わせて、 せがれのバートのザオリクで計4人の魔力が集まり大きな力となり、 1度完全に亡くなった者をも蘇生するのが可能じゃろう。』
ロゼ「!フリードさんのお嬢さんが加入してくれるんですか?是非お願いします!」
エルマー「おお!なんと私の母が?」
リア「ええー!じーさんの娘さんでエルマーさんの母さんが合流?なんか面白そうだな!」
三途へ フリ(にこやかに)『…許可をありがとう、皆の者…では我がせがれバートよ、 おぬしにワシと勇者殿と孫の魔力を送るので、どうかバートのザオリクで姉を蘇生しておくれ…』
バート『はい、父上。僕のザオリクがお役に立てれば…』
地底の湖からロゼア、エルマーはフリの手を強く握り祈りを込めた… フリは二人の魔力を感じ取り、更に自分の魔力も込め息子のバートにアイコンタクトで魔力を送った…瞳が魔族化し、瞳孔が細く紅くなっている
バート(瞳が紅い)『父上…勇者様や甥のエルマー君と父上の魔力を受け取りました。姉上を蘇生させます…』
フリ『おっと、バートよ。ワシのお下がりだがこの衣装着てみると雰囲気出て良いぞ!』
バート『!僧侶のコスプレですか…笑 (※漫画版PT紹介でフリが着てたもの) 父上、賢者になられてるのにわざわざ僧侶の衣装ご用意されたんですか笑』
フリ『前職ありきの賢者ってものを演じてみたくてのう笑 まあ結局初っ端から賢者として旅立っておるがw もう着ないからバート、おぬしそのまま持っておれ』
バート『ありがとうございます、父上😊』
バートはくすくす笑いながらフリが以前着ていた僧侶の衣装を着て エルヴィの下に跪き彼女の両手を包み、父フリード、勇者ロゼア、甥エルマー、 更に自身の魔力を込めたザオリクを唱えた…
エルヴィ「バートが姉さんにザオリクしてくれるのね…あっ!」
みるみるエルヴィの姿が薄くなっていく… エルヴィが三途から消えてしまった!
フリ『!皆の魔力を込めたザオリクが成功したか?』
バート『父上、どうやら僕達のザオリクは成功したようです。 どうか姉上を宜しくお願いします…』
フリ『バート、本当にありがとう。 父はせがれのおぬしに会えて嬉しかったぞ…』
フリ涙ぐみながら愛息子バートにハグ バート照れながら父フリにハグし返す
バート『父上…僕もです…この僧侶の衣装は父上と思って大切にします…』
フリ『その衣装で時々この父を思い出しておくれ、我が愛息子よ…』
フリ、バートにチューしまくる
バート『あわわ父上💦ですからキスは恥ずかしいですってば💦』
フリ『照れるでない愛息子よ❤可愛い我がせがれに愛情表現しとるのじゃよ❤』
ロゼリア「バート、お父様はキス魔なのよ笑 あなたを愛してるのだから好きにさせてあげて🤭」
バート『父上がこんなキス魔だなんて聞いてないですよ、母上ぇええ😫🫣』
フリード『照れまくって可愛いのう♥️我が愛するせがれよ♥️♥️😘💕』
ーーーーー
フリ『…ではバート、ロゼリア、アンドレ殿。ワシは地上に戻る。元気でな… 恐らく我が娘のザオリクの効果は一度完全に死亡しているが故、徐々に姿が薄れてまたその内ここの三途に帰るであろう。 地上で生きている間は可愛い愛娘と孫達と勇者殿を手助けするわい。』
アンドレ「お義父さん、妻を…エルヴィを…そして我が息子のエルマーの事も宜しくお願いします。私も魔法使いとして付いて行ってみたかったですが、息子が既に魔法使いだし 賑やかすぎて勇者様がお困りになるかもしれませんな笑」
フリ『おお…アンドレ殿も実は加入したかったのか💦 すまぬの…我が娘がキラキラした顔でパパと旅してみたい❤なんて言うもんじゃからつい…』
アンドレ「お義父さんが妻に激甘なのは分かっていますよ笑」
フリ『そういうおぬしもじゃろ、アンドレ殿笑 本当にワシらの娘が世話になっとるな…感謝する、アンドレ殿。』
ロゼリア「フリード様、エルヴィを宜しくお願いしますね。 お会い出来て本当に嬉しかったです…」
フリ『ロゼリア…ワシらの可愛い娘はきっと役立ってくれると思う。 ワシもそなたにまた会えて嬉しかった…愛してるぞロゼリア…』
ロゼリア「私も愛しています。フリード様…」
愛妻と熱烈キッスしてフリ地底の湖に戻る
フリ本体の意識が戻る。その表情は涙ぐんでいた。愛妻、愛息子、仲良くしていた娘の夫と別れを惜しんだようだ。
フリ『戻ったぞい、皆の者…。おおう💦』
エルヴィはいきなり父フリードに抱きついた!
エルヴィ「パパぁ!私、生き返ったのねえぇぇえ😭嬉しいわぁああぁあうわーぁああん😭😭😭」
フリ『おおぉ…愛娘エルヴィよ!😭この父も可愛い可愛いおぬしに再会出来て嬉しいぞい…😭 しかし…頭上の天使の輪がついたままなのじゃな…😇』
エルヴィ「だって私、一回溺れ死んじゃったもの…でもまた生き返らせて貰って嬉しくてまた死んじゃうかもぉお😭うわぁああぁあん😭」
エルヴィ、生き返るなり父に抱きつきながら号泣 エルヴィの性格は『なきむし』で『さびしがりや』だった…
ーーーーー
フリ『改めてワシの愛娘、そしてエルマーの母のエルヴィーラじゃ。 ロゼア殿、無理言って娘を加えてくれて有難う。 既に賢者の衣装着ておるが、賢者として加入する気満々じゃったんじゃな笑』
エルマー「母さんと一緒に戦うの初めてだなあ…お手並み拝見だね、母さん。」
エルヴィ「パパと息子とお仲間さんで勇者様のお供でファミリーフレンドアドベンチャーね❤ 初めまして、ロゼア様、武闘家さん!エルヴィと呼んで下さいね❤ うちのパパ…いえ、父フリードと息子のエルマーがお世話になっております! 父譲りで魔法には自信があります❤」
ロゼア「私は勇者オルテガの娘、ロゼアです。美人さんで心強い仲間が増えて嬉しい限りです。宜しくお願いします。 様付けではなく、お気軽に呼んで下さいね。」
リアンダ「エルヴィさん、宜しくな!めっちゃキレー…😍 オ��はリアンダ。武闘家なんで魔物ボコボコにするからサポ宜しく❤」
エルヴィ「まあリアンダさん、元気いっぱいで可愛らしい😊❤ ロゼアさんもとっても気さくな方…❤では、さん付けで呼ばせて頂きますね❤ ロゼアさんは私のママ…いえ、母にそっくりですね… お名前も一文字違いだなんて。母と血縁なのかしら。」
フリ『びっくりじゃろ、エルヴィ。ワシもロゼア殿に初めて会った時ロゼリアー!と叫んでしまったわい笑』
エルヴィ「これは叫んじゃうわね、パパ笑 本当、母の若い頃のような…」
ロゼア「さっきエルマーさんの三途での記憶をフリードさんの魔法でシェアして頂いて、奥さんのロゼリアさんを見て私も驚きました…ロゼリアさんと血縁なのか、後で私の母に聞いてみようかしら…」
エルマー(もし祖母さんとロゼアさんが血縁なら、私とも遠い血縁ってことだよな…良いような微妙なような…)
ロゼア「では、エルマーさんも無事回復したし、頼もしい仲間のエルヴィさんも加わってくれたし、夢見るルビーの発見を再開しましょう!」
エルヴィ「まあ…捜し物の最中だったの?それらしきものは、このもう1階下に有りそうですよ、ロゼアさん。」
エルヴィの隠していた角が現れた笑 角の先端は下を向いた。アンテナ📡代わりにもなるようだ。
ロゼア「まあ!エルヴィさんは角をお持ちなのね」
リアンダ「うおおすげえ!宝発見アンテナみたいな?」
フリ『エルヴィはワクワクしてるんじゃな笑 娘はコーフンすると角が出てしまうのじゃよ』
エルマー「母さん、楽しそう笑」
エルヴィ「だって生き返って皆さんと旅が出来て嬉しいんだもの❤ こっちです、皆さん。私に付いて来て下さいな…って、 キャーーーーーー!イヤー!」
敵の魔物は容赦ない。バンバン現れた。エルヴィは泣き叫びながら上級呪文をバンバン放っている。
エルヴィ「きゃー魔族の皆さんごめんなさいぃいい😭私も魔族の血引いてますけど寄らないでぇええ😭痛いのいやぁああぁあ!」
あらゆる属性の上級呪文がエルヴィから繰り出される… PTの皆はボーゼンとしていた…
ロゼア「エルヴィさん、とっても頼もしいですね…泣きながら途切れなく上級��文放ちまくって…」
エルマー「か、母さん凄いな…💧きっと最上級呪文もガンガン放ちそうな勢いだな…」
フリ『多分もっと恐怖感を感じたら、ワシがキレたら放てる最上級呪文を(※先程マヒャデドス放った)放ってくれると思うぞ…』
リアンダ「嗚呼…さっきのクッソ寒い冷気のデドス級かあ…🥶 魔族って本当に魔力ハンパねえんだな…」
捜し物にたどり着くまでも敵の魔族は容赦なく襲いかかって来たが 殆どエルヴィの上級魔法で難なく応戦した。 目的の夢見るルビーが入っている宝箱を発見!
エルヴィ「ぐすっ…敵の魔族は容赦ないわね… ロゼアさん、捜し物はこれかしら?なんて見事な輝きのルビーかしら…」
ロゼア「!これがエルフの女王が言っていた… さすが里の宝物だけありますね…」
リアンダ「うわ!なんてでっけーゴージャスな宝石!目がくらむな…」
エルマー「おお…しかも中にエルフの模造まで飾られていて凝っているなあ…。」
エルヴィ「エルフの女王?まあ…しかも里の宝物がどうして洞窟に…? あら、お手紙が入っているわ。」
フリ『なぬ?エルヴィ、読んでみるのじゃ。』
エルヴィ「はい、パパ…。 『お母様、先立つ不幸をお許しください、私達はエルフと人間。 この世で許されぬ愛なら…せめて天国で一緒になります。 アン』 まあ!まさかこのエルフと人間の恋人同士が…なんてこと…」
エルヴィは咄嗟にボロボロと涙をこぼした。 フリードは眉をひそめ宝箱から悲しげなオーラを察知した…
フリ『先程、ワシらが全回復した聖なる泉からも悲しげなオーラがあった… エッタ女王の娘アンとノアニールの若造はここで心中し、あの泉が湧いたようじゃな… この宝箱からも無念さが伝わるのう…』
フリは目を閉じ、夢見るルビーが入っていた宝箱に両手を添え記憶操作魔法を放った。 もやんもやんもやん… エルフのアンとノアニールの若者の念が映し出された… 美しいエルフのアン、凛々しいノアニールの若者が共に泣き、抱き合いながらこの世に別れを告げている悲しい場面だった…
フリ以外のPT一同「!!」
フリ『なんと悲しそうな2人じゃ… 誠の愛があれば種族など関係ないじゃろうに… このワシの人間の亡妻も…ワシのような異形の者を見目ごと愛してくれたのう…』
エルヴィ(ボロボロ泣きながら) 「そうよそうよ!人間の私の夫…エルマーの父さんも、私のこの魔族な見目や青銀髪もろとも、心から愛してくれたわ! エルフはなぜ人間を認めてくれないの…酷いわ!うわぁあぁああん!」
エルマー(バーバラ(戦士)も…私の青銀髪や魔族の家系事情を大らかに受け入れてくれたな…) 「…エルフは誇り高き一族なんだろうけど、人間に対するしがらみが強くてこのような悲劇が起きてしまったのかもしれませんね…。」
ロゼア「エルマーさん達の御一家は、皆さんお相手が人間なんですね。 理解あるお相手に恵まれて良かったです… 私も、種族関係なく皆が平和に過ごせる世界を少しでも早く取り戻せれば…と思っています…。」
リアンダ「ロゼア…勇者は半端なく負担がのしかかって大変だろうけど、 オレはロゼアとオレの死んだ家族の為、そしてPTの仲間と共にサポ頑張るからな! 遠慮しないでくれよ!」
エルマー「ロゼアさん…私も貴女の補佐に邁進します! どうか一人で抱え込まないで頼って下さい…。」
フリ『ワシにもどんどん頼っておくれよ、ロゼア殿…。 そなたの為に喜んで力になるぞい❤』
エルヴィ(涙を拭いながら)「私は皆さんのお力のお陰で生き返った身…いつまで皆さんとご一緒出来るか分からないけど、(自称)賢者として一生懸命ロゼアさんに仕えますわ..❤」
ロゼア「皆さん、ありがとうございます…。皆で力を合わせて頑張りましょう! では、地上へ戻りましょうか。エルフの里にこのルビーを返さないと。 それにしても本当…細工が施されて見事…な…ほう…」
バタッ! 夢見るルビーを見つめていたロゼアはその場に倒れ込んでしまった!
エルマー「ロッ、ロゼアさんっ!?どうしたんですか?しっかり!」
エルマーはバッタリ倒れて痺れているロゼアを抱き抱えた。
フリ『ぬう?なんじゃこの宝石は…除き込むと麻痺してしま…』
バターン! なんと!フリードまであっさり倒れ込んだ!
エルマー「!!じっ、祖父さんまで!?」
エルヴィ「きゃああ?パパ!どうしちゃったの?まさかこのルビーが…!」
リアンダ「やべー宝石だなあ💧綺麗に見せかけて盗難防止に痺れるよう仕掛けていやがったんだな!」
エルマー「…それかあまりに思い詰めてこの宝石の麻痺効力を使ってアン王女と恋人が…」
リアンダ「あっ…そうとも言えるな…あんのエルフのババア💢はっ倒す!! ほんと『がんこもの』だな!」
エルヴィ「エルマー、母さんが二人にキアリクするわ!」
エルマー「お願いします、母さん。私も僧侶の呪文も修行すれば良かったな…」
エルヴィ「エルマー…あなたは魔族の血を引くこの母さんとパパ…いえ、あなたのお祖父さん、そしてグリンラッドの偉大なる魔法使いの息子である父さんの…魔法に長けた血を引いているのよ。 その気になれば賢者にだってなれるわ。目指してみたら?」
エルマー「…そうだね…。私も回復魔法が使えるようになりたい。 ロゼアさんや皆の役に立ちたいから…。」
エルヴィ「母さん、エルマーの為にもサポートするから母さんが生き返っている内にいっぱい頼ってね❤」
エルマー「母さん…」
エルヴィはキアリクをロゼアと父フリードに唱えた! 2人はあっさり痺れが取れ、動けるようになった。
ロゼア「あっ…ありがとうございます、エルヴィさん…。ルビーがあまりに綺麗で凝視してしまって…」
フリ『おお…すまぬの、エルヴィ…。ワシとした事がうっかりルビーにやられてしもうたわ笑 夢見るルビーなんて言うくらいじゃし、美しい輝きで麻痺させる仕掛けなんぞ施してあったんじゃな… エルフ族らしいというか、エッタ女王が作った物かは分からんが…』
エルヴィ「パパ…エルフの里にこのルビーを返す、って事だけど、どういう経緯なの?」
フリード『エルフの娘アンとノアニールの若造が恋仲になり、アンの母であるエッタ女王に認めて貰えず、娘が里の宝のルビーを持ち出し駆け落ちしたらしい。 それでエッタの怒りを買って若造の故郷ノアニールに呪いを掛けたんじゃ… ノアニールはワシやエルマー達姉弟の故郷でもあった…エルマーがノアニールを発って暫く後の事件のようじゃな。孫達が呪われなくて良かったがの。』
エルヴィ「まあ…😭それでエルフのアン王女と恋人が思い詰めてここで…女王様も娘の好きな人が違う種族だろうと認めてあげたら良いのに…」
フリード『エッタはなんせ『がんこもの』じゃ。今思えば昔から人間を好いていなかったかもしれんな…』
(※後に載せたい小説『祖父母の恋バナ』にてエッタ女王が人間嫌いだった訳が少しあります。若かりし頃のフリードと亡妻ロゼリアのお話です。 おるる物語の場合はフリードの亡妻、人間であったロゼリアにエッタ女王の彼だったフリードを取られたと逆恨みにより人間が大嫌いになりました…)
エルヴィ「パパってそのエルフのエッタ女王さまとお知り合いなの?」
フリード『…おぬしに話してなかったっけかの💦 エルフの女王、エッタことアントニエッタは…ワシの大昔の''もとかの''じゃ!🫣 エッタがまだ姫じゃった頃、おぬしの母ロゼリアの前に付き合ってた女じゃ!💦』
エルヴィ「まあ!パパったら一体何人恋人いたの?笑 ママが亡くなってからも再婚こそしなかったけど、人間やエルフや魔族や色んな恋人途絶え無かったわよね…」
フリード『シッ!🤫エルヴィよ💦要らんことバラすでないっ💦 ワシが未だにモテるのじゃからしょーがないじゃろ! あまりにモテすぎてえらいこっちゃじゃから、とある隠れ家で隠居しておったのじゃよ…』
エルマー「…祖父さん、そんな理由でご隠居されてたんですね苦笑 それは孫の私に長い事会わなかった訳ですね…。姉には会ってたと仰ってますが 私には『赤子以来の再会』との事ですし。」※PT紹介漫画で少し触れています (恋人だけじゃなく絶対セフレも居たんだろうな…���スケベ|祖父《ジジイ》め…😑)
リアンダ「じーさんの子供たちって本当にエルヴィさんと、あの黒髪イケメンのバートさん二人だけかあ?笑 そんだけ相手居たんなら隠し子色々いるんじゃねえの?www 」
フリード『失敬な!小娘💢ワシは亡妻ロゼリアにしか子を産ませておらんぞ!おのれぇえ! エルマー!おぬしもよくもこの祖父を『ドスケベ|祖父《ジジイ》』呼ばわりしよったな…祖父を敬わんかい!』
エルマー(しまった…祖父さん少し心読めたんだったな💧) 「あ、はい…私を産んで下さりありがとうございます(棒読み)」
ロゼア(まあ…フリードさんってば、モテ過ぎて隠居する位フェロモン凄い色男ですものね…😑) 「あの…私とフリードさんがルビーで痺れてしまったばかりにお時間取らせてすみません…。どなたかリレミトお願いできますか?ルビーをエルフの里に返しに行きましょう。」
エルマー「あっ!じゃあ私が唱えます!ロゼアさん!」
エルマーは(張り切って)リレミトを唱え、勇者ロゼア一行はノアニールの洞窟を後にした!
ーーーーー @エルフの隠れ里
フリード『これであのガンコニエッタ女王をギャフンと言わせられるのう…ほっほっほ。 あの悲劇も伝えなければならぬのは心苦しいが…』
ロゼア「王女様と恋人の事を認めなかった女王の所為ですから仕方がありません…」
隠れ里に舞い戻った勇者ロゼア達の姿を見るなり、エルフのエッタ女王がズカズカと近づいて来た。
エッタ女王「…何です?勇者ロゼアとやら、我が里の宝『夢見るルビー』を持ち帰ったのですか?」
ロゼア「エッタ女王様…はい、この通り『夢見るルビー』を見つけて来ました。 ここのそばの洞窟の深層部にありました。女王様にお返し致します。」
エッタ女王はふんぞり返ってロゼアから夢見るルビーを奪い取った。
エッタ女王「ふん…人間共のくせになかなかやりますね。 まあ半魔族のフリードの助けもあったんでしょうし、有難く頂戴致しましょう。 それで、わたくしの娘と男は見つけたのですか?」
フリード(※キザモード、若い頃の話し方) 『そなたの娘と恋人についてはこの手紙を読むが良い…エッタよ。』
フリードは複雑な表情であの地底の湖の宝箱にあった手紙をエッタ女王に手渡した。 エッタ女王は訝しげな表情でフリードから手紙を受け取った。 手紙を見るなりエッタ女王は震えだし、涙をこぼし始めた…
エッタ女王「!!な…なんと…アンとあの男は地底の湖に身を投げたというのですか!? わ…わたくしが二人を許さなかったばかりに…アン…うぅううっ…」
エッタ女王の大声を聞き、里でずっと待っていた王女アンの恋人の父が駆け寄ってきた…
若者の父「む、息子が死んでいただと…! こ、この事を妻に伝えたらどんなに悲しむか… ああ!嘘だと言ってくだされ!」
エッタ女王「…!あなたは我が娘アンの恋人の父親…。まさかこのような悲劇が起こっていたなんて…わたくしは…わたくしは…」
若者の父「うう…女王様…うちの息子は心からアン王女様を愛していました…我が家は二人の愛を祝福しておったのですぞ…」
エッタ女王「…。」
フリードはそっとエッタ女王と若者の父の間で、アンと若者の最後の記憶を放った… もやんもやんもやん…
フリード『…アン王女と若者の最後の思念だ。見るが良い。』
エッタ女王「!!!嗚呼…アンよ…なんと悲しげな…!わたくしは…ママはお前たちを追い詰めてしまったのね…おお、アン!ママを許しておくれ…!」
若者の父「なんということだ…息子よ…」
フリード『親として我が子が異種族の者と恋に落ちるのは心配だろうが 誠の愛があれば種族など関係ないぞ、エッ��… 半魔族の私と人間の我が亡妻ロゼリアとの娘も、孫も人間と結婚して子を成しておる…。 異種族の者も色々おるのだ。必ずや相性の良い者はどんな種族にもおる…。』
エッタ女王「…そういえば、なんか一人女が増えましたわね… あなたも青銀髪を持つ魔の者ですか…?」
エルヴィ「私はエルフリードの娘、エルヴィーラです。ご覧の通りパパ…いえ、父に似て魔族が顕著に出ている見目です。 ママ…いえ、母は人間でしたわ。私の夫も人間ですし、息子の魔法使いも奥さんは人間ですし子供も居ますのよ。(まだ孫の顔見れてないけど😭) 人間や他種族にも良い人々は沢山いるのです。親は子の幸せを願うものですわ、エッタ女王様…」
エッタ女王「エルヴィーラ…あなたがフリードとあの人間のロゼリアの娘ですか…。 やはりフリードそっくりなのですね。魔族の血は濃いという事かしら… あなたや息子…フリードの孫も異種族である人間と結婚して親となっているとは… 良い人間に恵まれたのですね…。 …分かりました。この目ざめの粉をもって村におもどりなさい。 そして呪いをときなさい。 アンもきっとそれを願っていることでしょう…。 若者の父よ…わたくしの頑なさにてこのような悲劇が起こってしまい誠に申し訳ありませんでした…」
若者の父「…」
エッタ女王は涙を流しながら懐から小さな巾着袋を取り出し、勇者ロゼアに手渡した。
ロゼア「ありがとうございます、エッタ女王様。おじいさん…お悔やみ申し上げます… 私達と共にノアニールへ戻りましょう…」
若者の父「面目ない…すまぬがお願い出来るかの…」
エッタ女王「…あなたがたにはお礼をいわねばなりませんね。けれど… わたくしは人間を好きになったわけではありません。」
リアンダ「あぁ?💢折角話せば分かるじゃんって見直してたのに ナニそんなにしつこく人間嫌ってんだよクソババア!あんた人間に何かされたのかよ?」
エルマー「エッタ女王様、フリード祖父さんが言ってた通り本当に『がんこもの』なんですね…💧ナニをそう頑ななのか…」
エッタ女王はブチキレた!
エッタ女王「んまあっ💢人間のそのような低俗な態度や欲深いところが好きではないのですよ! わたくしが人間嫌いになったのは、かつてわたくしの彼だったフリードを人間の女、ロゼリアに奪われたからですわ!💢」
フリードはやべえ…という表情ながらもエッタ女王に言い訳した。
フリード『エッタよ…人聞きの悪い言い方をするでない。 ロゼリアがそなたから私を奪ったのではなく、私がそなたを振ってすぐさまロゼリアと付き合っただろう。』
エッタ女王「だって!あまりにも突然の別れ話だったじゃありませんか! 人間の女連れてきてナニ事?と思いきや、フリードは突然わたくしを振り、わたくしの目前であのロゼリアとの口付けを見せつけられたのは未だに忘れていませんよ!ムキーッ💢」
フリードは気まずそうな顔をしながらも淡々と話し続けた。
フリード『……💧ああでもせんとそなたは私と別れてくれないだろうと思ったからだ。しかし『がんこもの』なそなたも私の後に良い者と出会えたようだし、娘も儲けて良かったではないか。』
エッタ女王「その良い者…元夫は随分昔に離縁して亡くなりました!元夫もわたくしの事『がんこもの』ってなじりましたわ…… 愛娘にも先立たれてしまうし、わたくしはそんなに『がんこもの』なのですか…?おおぉ…」
エッタ女王は顔を両手で覆い号泣してしまった。 フリードはいつの間にかこの里の道具屋で買っていた本をエッタ女王に手渡した。
フリード『これは私からの餞別だ。これでも読んだら少しは今後が変わるのではないか?』
エッタ女王「!!こっ…これは…! うちの道具屋に売っている『やさしくなれるほん』ではありませんか!」
エッタ女王はそばにいた道具屋のエルフの民・ラタフィアを睨みつけた。
エッタ女王「おのれラタフィア…よくも人間どもに商品を売りましたね!?」
ラタフィア「女王様💦だっ、だってフリードさん、女王様がお姫様だった頃によくこの里に来てくれていたし、顔馴染みだったから懐かしくて💦 …それに人間には見えないですし。」
エッタ女王「ですがこの男は半分『人間』なのですよ!」
ラタフィア「半分『人間』なのに女王様、フリードさんがカッコイイ❤とか言って昔お付き合いされてたじゃないですか〜💦」
エッタ女王「ぐぬっ…髪が青く耳も尖ってお顔が美しいフリードがまるでわたくし達エルフのようだったからです…」
フリード『私は元々イイ男だからな笑』
フリードはサラリと前髪をかき上げいい気になった!
エルヴィ「パパったら相変わらずナルシね笑」
リアンダ「見目だけは色男だよなあw」
エルマー(ナルシでアホで『おちょうしもの』の祖父かぁ…)
ロゼア「フリードさんは昔から素敵な方だったんですね☺️」
エッタ女王は顔を真っ赤にしつつもすぐに女王の威厳を取り戻した。
エッタ女王「コホン…。フリード…この本はうちの里の商品ですが有り難く頂いておきますわ。さあ、勇者ロゼア達よ…さっさとノアニールの呪いを解きにお行きなさい…」
ロゼア「エッタ女王様たちにも幸ありますよう…では、私達はこれにて失礼します。」
フリード『エッタよ…達者でな。半分『人間』の私は先に逝くだろうが、長寿のそなた達エルフ族は穏やかに過ごしておくれ…』
ラタフィア「フリードさん達!またいつでもこの里に来てくださいね…」
フリード『ラタフィア殿もありがとう…また世話になってしまったな…』
ーーーーー
メンバーが一人増え賑やかになった勇者ロゼア一行と若者の父はエルフの里を後にし、ノアニールへ戻ってきた。
フリード『フヒー!キザモードしんどかったのう!ロゼア殿、ガンコニエッタ女王を何とか説得出来て良かったの😁』
ロゼア「キザモードと素の切り替えが素早いですね、フリードさん笑 まさかエルフのエッタ女王様がフリードさんの昔の恋人だったとは予想外でしたが。」
フリード『ワシが若かりし頃の甘酸っぱい(?)思い出じゃ笑 まさかン十年も後にこのノアニールに呪い掛けていたなど思いもせんかったわ。』
若者の父「なんとまあ、エルフのようなフリードさんは昔あの女王様と恋人だったんですな… しかもこんな大人な美しいお嬢さんにお孫さんやひ孫さんまでおるように見えんのう…💧 ノアニールへ来た途端にわしみたいな話し方になったが、実は若く見えて結構じいさんなんかの?…💧」
フリード『ほっほっほ…ワシもここの生まれであり、半魔族ゆえ見目だけはいつまでも歳とらない変なジジイじゃ笑 気を張っている時はあのような普通(?)の口調になれるのじゃが… まあ細かい事は気にするでない。おぬしのせがれの件は誠に辛かったの…ワシも妻とせがれを亡くしておるから辛いお気持ちはよく分かるぞ…』
若者の父「おお…フリードさんもこの村出身で…。この美しいお嬢さんの他にも子供がおったんですな…。うちは亡くなった息子一人でした…。 しかし…返ってありがとうございました。こちらの話も聞いてくれないエルフ達や女王様にやっと掛け合えて、王女様と息子の安否が分かったからの… さて..わしは家に戻ります…。皆さん、本当にありがとうございました…。」
若者の父はフリード達に深々と会釈をし自宅へ帰って行った。 フリード達は彼が家に入るまで見守った。
フリード((一度溺死しているエルヴィは無理やり生き返らせたんだがの💧)) 『…さあ、呪いを解こうではないか。『目覚めの粉』を振りまいておくれ、ロゼア殿!』
ロゼア「はい、フリードさん。」
ロゼアはエッタ女王より授かった目覚めの粉を手の平にのせた。 フリードが粉を吸い込んでしまい、思い切りクシャミをした! その勢いで目覚めの粉がノアニール中に舞い散ってしまった。
フリード『は…はっ…ぶええぇえぇっくしょいぃいいい!』
リアンダ「うわっ💦きったねえなじーさん!手で口抑えろよ!粉飛んでったじゃんか!」
エルヴィ「もう、パパったら💦ギャグみたいな事件解決ね笑 エッタ女王様によってノアニールが呪われていたのは驚いたけど懐かしいわ… 私はバハラタ生まれだけど、エルマーの父さんと結婚してここに移住して暮らしたのよね。パパとエルマーはここが出身地だものね。エルーセラ…エリーは元気にしているかしら。(※魔エルマーの姉)」
フリード『んあ~…(←※クシャミの後 笑)エルヴィよ、エリーはおぬしと夫アンドレ殿が亡くなった後「お祖父ちゃん、私も悟りを開きに旅立つわ!」と言って旅立ったぞい。この村にはおらんはずじゃ。』
エルヴィ「まあ!じゃああの子もやっと魔法使いになるのに目覚めたのかしら!「魔法に興味な~い!」って遊び呆けていたから… 私が生き返っている内にエリーにも会いたいわ…😭」
フリード『そうじゃな…エリーも母のおぬしと再会となれば喜ぶじゃろ。この先何処かで会えると良いのう…』
エルマー「あっ、村人たちがだんだん目覚めていってる! 知り合いに話を聞いてみよう!」
フリードの予期せぬクシャミで舞い散った『目覚めの粉』にて笑、ノアニールの村人たちが目覚めた。 フリード、エルヴィ、エルマーの思い出の地は活気に溢れてきたのだった。
フリード『すまんの…まさかワシのクシャミで故郷のノアニールを復活させると思わんかったわい笑 無事に村人が目覚めてくれて良かったの。』
リアンダ「さす『おちょうしもの』な面白じーさんだな…ほんと笑かしてくれるよなあ😂」
ロゼア「何とも可笑しな事件解決でしたね……笑 エルマーさん、村人たちに色々聞き込みしましょう!」
エルマー「はいっ、ロゼアさん!」
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Demon Slayer Entertainment District Arc. / 鬼滅の刃 遊郭編
Episode 1 : Sound Hashira Tengen Uzui / 第一話『音柱・宇髄天元(おとばしら・うずいてんげん/Oto-Bashira, Uzui Tengen)』
*Green colored words are only in anime, not in original manga, and we usually call them “アニオリ/ani-ori(アニメオリジナル/anime-original)".
竈門炭治郎「煉獄さん… 煉獄さん… 煉獄さん!」
Kamado Tanjiro “Rengoku-san… Rengoku-san… Rengoku-san!”
Tanjiro Kamado “Rengoku… Rengoku! Rengoku!”
煉獄杏寿郎「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は、誰も死なせない!炎の呼吸・奥義!」
Rengoku Kyojuro “Orewa oreno sekimu’o matto-suru! Kokoni iru monowa, daremo shinase-nai! Honoo’no Kokyu, Ougi!”
Kyojuro Rengoku “I… I will fulfill my duty! I will not allow anyone here to die! Flame Breathing… Esoteric Art!”
杏寿郎(心を燃やせ…)
Kyojuro (Kokoro’o moyase…)
Kyojuro (Set your heart ablaze.)
炭治郎「煉獄さん!」
Tanjiro “Rengoku-san!”
Tanjiro “Rengoku!”
杏寿郎「うあああーっ!」
Kyojuro “Uaaaaa!”
猗窩座「てやああーっ!ハッ、ハハッ!」
Akaza “Teyaaaaa! Ha, haha!”
杏寿郎「ていっ!うおおおおーっ!」
Kyojuro “Tei! Uoooooo!”
杏寿郎(心を燃やせ…)
Kyojuro (Kokoro’o moyase…)
Kyojuro (Set your heart ablaze.)
炭治郎「煉獄さん…」
Tanjiro “Rengoku-san…”
Tanjiro “Rengoku…”
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炭治郎「煉獄さん… 煉獄さん… 煉獄さん…」
Tanjiro “Rengoku-san… Rengoku-san… Rengoku-san…”
Tanjiro “Rengoku… Rengoku… Rengoku…”
嘴平伊之助「泣くんじゃねえ!��めえ!のんきに気絶してるんじゃねえ!修業だ!」
Hashibira Inosuke “Nakunja nee! Temee! Nonkini kizetsu-shiterunja nee! Shugyoda!”
Inosuke Hashibira “Stop that crying! And you! Snap out of it for crying out loud! We’re gonna train now!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
産屋敷輝哉「そうか。炭治郎が…」
Ubuyashiki Kagaya “Soka. Tanjiroga…”
Kagaya Ubuyashiki “I see. Tanjiro said that?”
―――――――――――――――――――――――――――――――
猗窩座「どあっ!」
Akaza “Doa!”
炭治郎「逃げるな卑怯者!逃げるなぁ!いつだって鬼殺隊は、お前らに有利な夜の闇の中で戦っているんだ!逃げるな馬鹿野郎!馬鹿野郎!卑怯者!」
Tanjiro “Nigeruna hikyo-mono! Nigerunaa! Itsu-datte Kisatsu-Taiwa, omaerani yurina yoruno yamino nakade tatakatte-irunda! Nigeruna baka-yaro! Baka-yaro! Hikyo-mono!”
Tanjiro “Don’t run away, you coward! Don’t run away! The Demon Slayer Corps… is always fighting you demons in the dark of the night where you have the advantage! Don’t run away, you bastard! You bastard! You coward!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
輝哉「杏寿郎の思い、皆で繋いでいこう」
Kagaya “Kyojurono omoi, minade tsunaide-iko.”
Kagaya “Let us all carry on Kyojuro’s will together.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
女性客「まあ、本当に利発そうな子ですわね」
Josei-kyaku “Maa, hontoni rihatsu-sona ko desu-wane.”
Female guest “My, he certainly seems like a bright young child.”
養父「いやぁ、私も子供を授からず落ち込んでいましたが、良い子が来てくれて安心です」
Yofu “Iyaa, watashimo kodomo’o sazukarazu ochi-konde-imashitaga, ii koga kite-kurete anshin desu.”
Adoptive father “Seriously… Not being blessed with my own offspring had had made me despondent… but now that such a find boy has come to us, I can rest easy.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
養母「毎日楽しくてね。幸せですわ。優しい子なんですよ。使用人にまで気配りしてくれてね。あの歳の子とは思えないくらい物腰も柔らかで」
Yobo “Mainichi tanoshikutene. Shiawase desuwa. Yasashii ko nan-desuyo. Shiyo-nin-ni-made kikubari shite-kuretene. Ano toshino ko-towa omoe-nai-kurai monogoshimo yawarakade.”
Adoptive mother “Each day is so blissful. I couldn’t be happier. He’s such a kind little kid. So considerate toward the help. I’ve never seen a child his age who was so gentle-mannered.”
養父「血の繋がりは無くとも、親子の情は通うもの。私の跡はあの子に継がせますよ」
Yofu “Chino tsunagariwa naku-tomo, oyakono jowa kayou-mono. Watashino atowa ano koni tsugase-masuyo.”
Adoptive father “Blood has nothing to do with parental affection. I’m going to have that boy take over my business for me!”
男性客「ああ、羨ましいなあ。うちのバカ息子と取り替えて欲しいくらいだ」
Dansei-kyaku “Aa, urayamashii-naa. Uchino baka-musukoto torikaete-hoshii-kuraida.”
Male guest “I really envy you! I wish I could trade our idiot son for him!”
養父「よくできた子です、本当に。あ…ただ――皮膚の病に罹(かか)っていまして、昼間は外に出られないのです」
Yofu “Yoku dekita ko desu, hontoni. A… Tada…hifuno yamaini kakatte-imashite, hirumawa sotoni derare-naino-desu.”
Adoptive father “He’s a fine boy. No doubt about it. It’s just that… As he suffers from a skin disease, he can’t go outside during the day.”
女性客「まぁ、可哀想に…」
Josei-kyaku “Maa, kawaisoni…”
Female guest “Oh dear, the poor thing.”
養父「その特効薬もね、うちの会社で作れたらと思っているんです。一日でも早く」
Yofu “Sono tokko-yaku-mone, uchino kaishade tsukure-tarato omotte-irun-desu. Ichi-nichi-demo hayaku.”
Adoptive father “I’m hoping that we can develop a wonder drug for him at my company. The sooner the better.”
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猗窩座「御報告に参りました―――無惨様」
Akaza “Gohokokuni mairi-mashita―――Muzan-sama.”
Akaza “I am here to report to you… Master Muzan.”
鬼舞辻無惨「例のものは見つけたのか?」
Kibutsuji Muzan “Reino monowa mitsuketa-noka?”
Muzan Kibutsuji “Have you found what I asked for?”
猗窩座「調べましたが、確かな情報は無く、存在も確認できず――… “青い彼岸花(ひがんばな)”は見つかりませんでした」
Akaza “Shirabe-mashitaga, tashikana johowa naku, sonzaimo kakunin-dekizu――… ‘aoi higan-bana’wa mitsukari-masen-deshita.”
Akaza “I looked into it but came up empty. Having no way to even confirm its existence… I was unable to locate the Blue Spider Lily.”
無惨「で?」
Muzan “De?”
Muzan “And?”
猗窩座「無惨様の御期待に応えられるよう、これからも尽力致します。ご命令通り、柱の一人は始末して参りましたので、御安心くださいますよう…」
Akaza “Muzan-samano gokitaini kotae-rareru-yo, kore-karamo jinryoku-itashi-masu. Gomeirei-doori, Hashirano hitoriwa shimatsu-shite-mairi-mashita-node, goanshin kudasai-masuyo…”
Akaza “I will continue to do my utmost to live up to your expectations, Master Muzan. As ordered, I did eliminate one Hashira, so you may rest assured.”
無惨「お前は何か思いちがいをしているようだな。猗窩座」
Muzan “Omaewa nanika omoi-chigai’o shite-iru-yodana. Akaza.”
Muzan “You seem to have the wrong idea about this… Akaza.”
猗窩座「ゴフッ」
Akaza “Gofu.”
無惨「たかが柱…… それを始末したから何だと言うのか?鬼が人間に勝つのは当然のことだろう。私の望みは鬼殺隊の殲滅(せんめつ)。一人残らず叩き殺して、二度と私の視界に入らせないこと。複雑なことではないはずだ。それなのに未だ叶わぬ… どういうことなんだ?」
Muzan “Takaga Hashira…… Sore’o shimatsu-shita-kara nandato iu-noka? Oniga ningenni katsu-nowa tozenno koto-daro. Watashino nozomiwa Kisatsu-Taino senmetsu. Hitori nokorazu tataki-koroshite, nidoto watashino shikaini hairase-nai-koto. Fukuzatsuna koto-dewa nai-hazuda. Sore-nanoni imada kanawanu… Do-iu koto nanda?”
Muzan “So what if you disposed of one Hashira? As if that were such a feat. A demon beating a human is a forgone conclusion. What I want is for the Demon Slayer Corps to be annihilated. Pummel the life out of every last one of them and never let another one enter my line of sight again. It’s hardly a complicated task. And yet, I’m still waiting for it to happen. What do you have to say about that?”
無惨「お前は得意気(とくいげ)に柱を殺したと報告するが、あの場にはまだ三人の鬼狩りがいた。なぜ始末して来なかった?わざわざ近くにいたお前を向かわせたというのに… 猗窩座。猗窩座。猗窩座。猗窩座!!」
Muzan “Omaewa tokuigeni Hashira’o koroshita-to hokoku-suruga, ano ba-niwa mada san-ninno onigariga ita. Naze shimatsu-shite konakatta? Waza-waza chikakuni ita omae’o mukawaseta-to iu-noni… Akaza. Akaza. Akaza. Akaza!!”
Muzan “You boast of having killed a Hashira, but there were three other Demon Slayers there. Why did you fail to kill them off after I made a point of sending you there because you happened to be nearby? Akaza… Akaza… Akaza… Akaza!"
猗窩座「ゴフッ」
Akaza “Gofu.”
無惨「お前には失望した。まさか柱でもない剣士から一撃を受けるとは、“上弦の参”も堕(お)ちたものだな。下がれ」
Muzan “Omae-niwa shitsubo-shita. Masaka Hashira-demo-nai kenshi-kara ichi-geki’o ukeru-towa, ‘Jogenno San’mo ochita mono dana. Sagare.”
Muzan “You have disappointed me. To think that you suffered a blow by a swordsman who isn’t even a Hashira… How far you’ve fallen, Upper Three. Dismissed.”
養父「大きな音がしたけど、大丈夫��い?」
Yofu “Ookina otoga shita-kedo, daijobu-kai?”
Adoptive father “I just heard a loud noise. Are you okay?”
猗窩座「くっ… うぬう…」
Akaza “Ku… Unuu…”
炭治郎「卑怯者!!」
Tanjiro “Hikyo-mono!!”
Tanjiro “You coward!”
猗窩座「だああっ!であああーっ!」
Akaza “Daa! Deaaaaaa!”
炭治郎「卑怯者!!」
Tanjiro “Hikyo-mono!!”
Tanjiro “You coward!”
猗窩座「貴様の顔…!! 覚えたぞ小僧!次会った時は、お前の脳髄(のうずい)をぶちまけてやる!!!」
Akaza “Kisamano kao…!! Oboetazo Kozo! Tsugi atta-tokiwa, omaeno nozui’o buchi-makete-yaru!!!”
Akaza “I know what you look like, boy! The next time we meet, I’m going to spray your brain matter everywhere!”
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我妻善逸(炭治郎でも、落ち込んだり、だめかもしれないって思っちゃうことあるんだな。そりゃそうだよな。煉獄さんみたいな、鍛え抜かれた“音”がする人でさえ、死んじゃったんだからな。悲しい��、取り乱すよな。伊之助だってギャン泣きだった。いっぱい悔しかったんだろうな。どんな強そうな人だって、苦しいことや悲しいことがあるんだよな)
Agatsuma Zen’itsu (Tanjiro-demo, ochikon-dari, dame-kamo shire-naitte omocchau koto arun-dana. Sorya so-dayona. Rengoku-san-mitaina, kitae-nukareta otoga suru hitode-sae, shinjattan-dakarana. Kanashiishi, torimidasu-yona. Inosuke-datte gyan-naki datta. Ippai kuyashi-kattan-darona. Donna tsuyo-sona hito-datte, kurushii kotoya kanashii kotoga arun-dayona.)
Zenitsu Agatsuma (So, even Tanjiro can sink into despair and feel hopeless, too. Well, why not? Even someone who sounded as well-trained as Rengoku ended up dead. That would make anyone sad and fall right apart. Look at Inosuke. Even he was bawling. I guess he was beyond frustrated. Even the strongest person can suffer and feel sorrow, huh?)
善逸(だけど、ず―――っと蹲(うずくま)ってたって仕方ないから、傷ついた心を叩いて叩いて立ち上がる。煉獄さんも、きっとそういう人だったはず。そういう音の人だった。ちょっと風変わりだったけど、強くて優しい音だった)
Zen’itsu (Dakedo, zuuuuuuutto uzukumatte-tatte shikata-nai-kara, kizu-tsuita kokoro’o tataite tataite tachi-agaru. Rengoku-sanmo, kitto so-iu hito datta-hazu. So-iu otono hito datta. Chotto fu-gawari datta-kedo, tsuyokute yasashii oto datta.)
Zenitsu (Even still, since there’s no point in cowering forever, they beat their wounded souls again and again and get back on their feet. I’m sure that Rengoku was that kind of person, too. That’s the kind of sound he gave off. Not that it wasn’t a little odd, but his sound was strong and kind.)
善逸「炭治郎!こっそりまんじゅうもらってきたから、食おうぜ!」
Zen’itsu “Tanjiro! Kossori manju moratte-kita-kara, kuoze!”
Zenitsu “Tanjiro! I secretly snagged us some bean paste buns, so let’s eat!”
寺内きよ「ああ!炭治郎さんがいませぇん!! あ―――っ、善逸さんごめんなさぁい!!」
Terauchi Kiyo “Aa! Tanjiro-sanga imaseen!! Aaaaaaa, Zen’itsu-san gomen-nasaai!!”
Kiyo Terauchi “Oh no! Tanjiro’s missing! Oh! Zenitsu! I’m so sorry!”
善逸「いや全然大丈夫。どしたの?」
Zen’itsu “Iya, zen-zen daijobu. Doshitano?”
Zenitsu “No, I’m totally fine. What’s wrong?”
きよ「焦点が大丈夫じゃないですぅ!ほんとにごめんなさい!炭治郎さんがどこにもいなくって。炭治郎さん、傷が治ってないのに鍛錬なさってて、しのぶ様もピキピキなさってて…!! 安静にって言われてるのに!」
Kiyo “Shotenga daijobuja nai-desuu!! Hontoni gomen-nasai! Tanjiro-sanga doko-nimo inakutte. Tanjiro-san, kizuga naotte-nai-noni tanren nasattete, Shinobu-samamo piki-piki nasattete…!! Anseinitte iwareteru—noni!!”
Kiyo “Your focus is totally off! I really am sorry! Tanjiro’s nowhere to be found, so… Tanjiro’s wounds aren’t even healed yet, but he’s been training, so Lady Shinobu has really been on edge, too! He was told to rest in bed!”
善逸「んっ!腹の傷かなり深かったんだよね?馬鹿なの?」
Zen’itsu “N! Harano kizu kanari fuka-kattan-dayone? Baka nano?”
Zenitsu “That stomach wound of his was pretty deep, right? How dumb is that?”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎(煉獄さんの鴉… ありがとう。煉獄さんの意を汲んで、案内してくれている)
Tanjiro (Rengoku-sanno karasu… Arigato. Rengoku-sanno i’o kunde, annai shite-kurete-iru.)
Tanjiro (Rengoku’s crow… Thanks! He’s carrying out Rengoku’s will by guiding me to his house.)
炭治郎「あっ、うっぐ… くっ、うう…ああ…」
Tanjiro “A, uggu… Ku, uu… Aa…”
炭治郎「千寿郎…君?煉獄杏寿郎さんの訃報(ふほう)はお聞きでしょうか…… 杏寿郎さんからお父上と千寿郎さんへの言葉を預かりましたので… お伝えに参りました」
Tanjiro “Senjuro…kun? Rengoku Kyojuro-sanno fuhowa okiki-deshoka…… Kyojuro-san-kara otosamato Senjuro-san-eno kotoba’o azukari-mashita-node… otsutaeni mairi-mashita.”
Tanjiro “Are you Senjuro? Have you heard of Kyojuro Rengoku’s passing? I have messages from Kyojuro for his father and for you, Senjuro. So I’ve come to relay them to you.”
千寿郎「…兄から?兄のことはすでに承知しておりますが…… あの…大丈夫ですか?あなた顔が真っ青ですよ」
Senjuro “…Ani-kara? Anino kotowa sudeni shochi-shite ori-masuga…… Ano… Daijobu desuka? Anata kaoga massao desuyo.”
Senjuro “From my brother? I already know what happened to my brother. Excuse me! Are you all right? Your face is deadly pale!”
炭治郎「あ…」
Tanjiro “A…”
煉獄槇寿郎「やめろ!! どうせ下らんことを言い遺(のこ)しているんだろう!たいした才能も無いのに剣士などなるからだ!だから死ぬんだ!! くだらない… 愚かな息子だ、杏寿郎は!!」
Rengoku Shinjuro “Yamero!! Dose kudaran koto’o ii-nokoshite-irun-daro! Taishita sainomo nai-noni kenshi-nado naru-karada! Dakara shinunda!! Kudaranai… Orokana musukoda, Kyojurowa!!”
Shinjuro Rengoku “Knock it off! He would’ve only left the most worthless of messages, anyway. Look what he got for becoming a swordsman when he had no real talent! No wonder he died! Worthless! What a fool of a son Kyojuro was!”
槇寿郎「人間の能力は生まれた時から決まってる。才能のある者は極(ごく)一部。あとは有象無象(うぞうむぞう)。何の価値もない塵芥(ちりあくた)だ!! うう、杏寿郎もそうだ。大した才能は無かった。死ぬに決まってるだろう」
Shinjuro “Ningenno noryokuwa umareta-toki-kara kimatteru. Sainono aru monowa goku-ichibu. Atowa uzo-muzo. Nanno kachimo nai chiri-akuta-da!! Uu, Kyojuromo soda. Taishita sainowa nakatta. Shinuni kimatteru-daro.”
Shinjuro “A person’s talent level is determined the day he’s born. Only a mere handful have any talent. The rest are just members of the masses! Completely useless trash, they are! Kyojuro was in that group. He had no real talent. So why wouldn’t he end up dead?”
槇寿郎「千寿郎!! 葬式は終わったんだ!いつまでもしみったれた顔をするな!!」
Shinjuro “Senjuro!! Soshikiwa owattanda! Itsu-mademo shimittareta kao’o suruna!!”
Shinjuro “Senjuro! The funeral’s over now. It’s high time you wiped that gloomy look off your face!”
炭治郎「…ちょっと!あまりにも酷い言い方だ。そんな風に言うのはやめてください!」
Tanjiro “…Chotto! Amari-nimo hidoi iikata-da. Sonna-funi iu-nowa yamete kudasai!”
Tanjiro “Hold on! That’s going way too far! Please stop talking about him like that!”
槇寿郎「何だおまえは!出て行け。うちの敷居を跨(また)ぐな…!」
Shinjuro “Nanda omaewa! Dete-ike. Uchino shikii’o mataguna…!”
Shinjuro “Who the hell are you? Get out! Don’t you dare set foot on our property!”
炭治郎「俺は、鬼殺隊の…」
Tanjiro “Orewa, Kisatsu-Taino…”
Tanjiro “I’m with… the Demon Slayer Corps!”
槇寿郎「んっ!お前… そうか、お前… “日の呼吸”の使い手だな?そうだろう!!」
Shinjuro “N! Omae… Soka, omae… ‘Hino Kokyu’no tsukaite dana? Sodaro!!”
Shinjuro “You… I get it now! You… You’re a wielder of the Sun Breathing technique, right? Am I right?”
炭治郎「“日の呼吸”?何のことですか?」
Tanjiro “‘Hino Kokyu’? Nanno koto desuka?”
Tanjiro “Sun Breathing? What are you talking about?”
槇寿郎「ぬうっ!ぬんっ!」
Shinjuro “Nuu! Nun!”
炭治郎(速い!! 素人(しろうと)の動きじゃないぞ…!!)
Tanjiro (Hayai!! Shirotono ugokija naizo…!!)
Tanjiro (So fast! Those were no amateur moves!)
千寿郎「父上!! やめてください!! その人の顔を見てください!具合が悪いんですよ!!」
Senjuro “Chichiue!! Yamete kudasai!! Sono hitono kao’o mite kudasai! Guaiga waruin-desuyo!!”
Senjuro “Father! Please stop! Just look at his face! Can’t you see that he’s not well?”
槇寿郎「うるさい、黙れ!!」
Shinjuro “Urusai, damare!!”
Shinjuro “You keep your mouth shut!”
千寿郎「うっ…」
Senjuro “U…”
炭治郎「いい加減にしろ、この人でなし!! ぐっ!さっきから一体何なんだ、あんたは!! 命を落とした我が子を侮辱して、殴って!! 何がしたいんだ!!」
Tanjiro “Iikagenni shiro, kono hitode-nashi!! Gu! Sakki-kara ittai nan-nanda, antawa!! Inochi’o otoshita waga-ko’o bujoku-shite, nagutte!! Naniga shitainda!!”
Tanjiro “That’s enough, you monster! Why are you acting like this, anyway? Insulting your own child, who’s lost his life… Striking him… What is it that you want to do?”
槇寿郎「お前、俺たちのことを馬鹿にしているだろう」
Shinjuro “Omae, ore-tachino koto’o bakani shite-iru-daro.”
Shinjuro “You… You’re mocking us, aren’t you?”
炭治郎「どうしてそうなるんだ!! 何を言ってるのかわからない!! 言いがかりだ!!」
Tanjiro “Doshite so narunda!! Nani’o itteru-noka wakara-nai!! Iigakari-da!!”
Tanjiro “What makes you say that? I have no idea what you mean! Now you’re just slandering me!”
槇寿郎「お前が“日の呼吸”の使い手だからだ。その耳飾りを俺は知ってる!書いてあった!!」
Shinjuro “Omaega ‘Hino Kokyu’no tsukaite dakarada. Sono mimi-kazari’o orewa shitteru! Kaite-atta!!”
Shinjuro “That’s because you’re a wielder of the Sun Breathing technique! I know all about those earrings! I-It was in the book!”
炭治郎(ああ… “日の呼吸”ってもしかして、ヒノカミ神楽のことなのか?)
Tanjiro (Aa… ‘Hino Kokyu’tte moshika-shite, Hinokami-Kagurano koto nanoka?)
Tanjiro (Sun Breathing… Could he be talking about Hinokami Kagura?)
槇寿郎「始まりの呼吸…!一番初めに生まれた呼吸。最強の御技(みわざ)!そして全ての呼吸は“日の呼吸”の派生!全ての呼吸が“日の呼吸”の後追いに過ぎない!“日の呼吸”の猿真似をし、劣化した呼吸だ!火も水も風も全てが!!」
Shinjuro “Hajimarino Kokyu…! Ichi-ban hajimeni umareta Kokyu. Saikyono miwaza! Soshite subeteno Kokyuwa ‘Hino Kokyu’no hasei! Subeteno Kokyuga ‘Hino Kokyu’no ato-oini sugi-nai! ‘Hino Kokyu’no saru-mane’o shi, rekka-shita Kokyuda! Himo Mizumo Kasemo subetega!!”
Shinjuro “First Breathing. The first breathing technique ever created! The most powerful of them all! And all the other techniques are derived from Sun Breathing! All the others just mimic Sun Breathing. They’re just cheap imitations, retrograde versions of Sun Breathing! Fire, Water, Wind… All of them!”
炭治郎(あ?どういうことだ… うちは代々炭焼きだ。家系図もある。日の呼吸… ヒノカミ神楽… いや、それよりも、そんなことよりも)
Tanjiro (A? Do-iu kotoda… Uchiwa dai-dai sumi-yakida. Kakeizumo aru. Hino Kokyu… Hinokami-Kagura… Iya, sore-yorimo, sonna koto-yorimo)
Tanjiro (What does he mean? We’ve been charcoal burners for generations. We have the records to prove it. Sun Breathing… Hinokami Kagura… No. Never mind that. There’s something more important than that!)
槇寿郎「“日の呼吸”の使い手だからと言って、調子に乗るなよ小僧!!」
Shinjuro “‘Hino Kokyu’no tsukaite-dakarato itte, choshini norunayo Kozo!!”
Shinjuro “Don’t get cocky just because you’re a wielder of the Sun Breathing technique, boy!”
炭治郎「くうう… 乗れるわけないだろうが!! 今俺が自分の弱さに、どれだけ打ちのめされてると思ってんだ!この!糞爺(くそじじい)!!」
Tanjiro “Kuuu… Noreru-wake nai-daroga!! Ima orega jibunno yowasani, doredake uchinome-sareteru-to omottenda! Kono! Kuso-Jijii!!”
Tanjiro “As if I could! Can’t you see how devastated I am by my own weakness? Why, you… miserable old fart!”
千寿郎「危ない!! 父は――」
Senjuro “Abunai!! Chichiwa――”
Senjuro “Look out! My father is…”
炭治郎「煉獄さんの悪口言うな!!」
Tanjiro “Rengoku-sanno waru-guchi iuna!!”
Tanjiro “Don’t you badmouth Rengoku! Don’t you dare!”
千寿郎「元“柱”です!」
Senjuro “Moto ‘Hashira’ desu!”
Senjuro “…a former Hashira!”
炭治郎「うあっ!」
Tanjiro “Ua!”
槇寿郎「でいっ!」
Shinjuro “Dei!”
千寿郎「やめてください、父上!!」
Senjuro “Yamete kudasai, Chichiue!!”
Senjuro “Please stop… Father!”
炭治郎(何でだ、もしヒノカミ神楽が“日の呼吸”だったなら、なんであの時、煉獄さんを助けられなかった!!! 何でだ!何でだ!)
Tanjiro (Nandeda, moshi Hinokami-Kaguraga ‘Hino Kokyu’datta-nara, nande ano-toki, Rengoku-san’o tasuke-rare-nakatta!!! Nandeda! Nandeda!)
Tanjiro (But why? If Hinokami Kagura is a Sun Breathing technique… then, that day, why wasn’t I able to save Rengoku? Why? Why?)
槇寿郎「ぬうっ!ううっ!」
Shinjuro “Nuu! Uu!”
炭治郎(何でなんだ!!!)
Tanjiro (Nande nanda!!!)
Tanjiro (Why couldn’t I?)
槇寿郎「うわっ」
Shinjuro “Uwa.”
千寿郎「あっ」
Senjuro “A.”
槇寿郎「うあ…」
Shinjuro “Ua…”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎(やってしまった…)
Tanjiro (Yatte-shimatta…)
Tanjiro (Now look what I’ve done.)
千寿郎「お茶です。どうぞ…」
Senjuro “Ocha desu. Dozo…”
Senjuro “Here’s some tea. Please drink it.”
炭治郎「ああ… ありがとう。ごめんね本当に。お父さん頭突いちゃって…大丈夫だった?」
Tanjiro “Aa… Arigato. Gomenne hontoni. Otosan zutsui-chatte… Daijobu datta?”
Tanjiro “Oh, thank you. Sorry, I mean, for head-butting your father. Is he okay?”
千寿郎「大丈夫だと思います。目を覚ましたら、お酒を買いに出かけて行ったので」
Senjuro “Daijobu-dato omoi-masu. Me’o samashi-tara, osake’o kaini dekakete itta-node.”
Senjuro “I think he’ll be fine. He even went out to buy some sake once he came to.”
炭治郎「そっか…」
Tanjiro “Sokka…”
Tanjiro “Is that right?”
千寿郎「ありがとうございます」
Senjuro “Arigato gozai-masu.”
Senjuro “Thank you very much.”
炭治郎「えっ?」
Tanjiro “E?”
Tanjiro “Huh?”
千寿郎「すっきりしました。兄を悪く言われても、僕は口答えすらできなかった。兄は、どのような最期(さいご)だったのでしょうか」
Senjuro “Sukkiri shimashita. Ani’o waruku iware-temo, bokuwa kuchi-gotae-sura deki-nakatta. Aniwa, dono-yona saigo dattano-deshoka.”
Senjuro “You took a load off my mind. I could never even talk back when he badmouthed my brother. What were my brother’s last moments like?”
千寿郎「そうですか…… 兄は最期まで立派に… ありがとうございます…」
Senjuro “Sodesuka…… Aniwa saigo-made rippani… Arigato gozai-masu…”
Senjuro “I see. So, my brother was valiant until the end. Thank you very much.”
炭治郎「いえ、そんな… 力及ばず、申し訳ありません」
Tanjiro “Ie, sonna… Chikara oyobazu, moshi-wake ari-masen.”
Tanjiro “Oh, no, please… Forgive me for coming up short.”
千寿郎「気になさらないでください。兄もきっと、そう言いましたよね?」
Senjuro “Kini nasara-naide kudasai. Animo kitto, so iimashita-yone?”
Senjuro “Please don’t worry about it. I’m sure that my brother told you the same thing, didn’t he?”
千寿郎「父がよく見ていた書物には、心当たりがありまして。これではないかと思うのですが…」
Senjuro “Chichiga yoku mite-ita shomotsu-niwa, kokoro-atariga ari-mashite. Kore-dewa naikato omouno-desuga…”
Senjuro “Something in a book my father often read rang a bell. I believe this must be it.”
炭治郎「あ… ありがとうございます」
Tanjiro “A… Arigato gozai-masu.”
Tanjiro “Th-Thank you very much!”
千寿郎「炭治郎さんが知りたいことは、書かれているでしょうか?」
Senjuro “Tanjiro-sanga shiri-tai kotowa, kakarete-iru-deshoka?”
Senjuro “Is what you’d like to know in those pages?”
炭治郎「こ…これは!」
Tanjiro “Ko…Korewa!”
Tanjiro “L-Look at this!”
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千寿郎「これは!」
Senjuro “Korewa!”
Senjuro “Look at this!”
炭治郎「ああ… ずたずただ… 殆(ほとん)ど読めない。元々こうだったのかな?」
Tanjiro “Aa… Zuta-zutada… Hotondo yome-nai. Moto-moto ko-dattano-kana?”
Tanjiro “It’s ripped to shreds. It’s unreadable for the most part. Was it like this from the start?”
千寿郎「いいえ… そんなはずはないです。“歴代炎柱の書”は、大切に保管されているものですから。恐らく父が破いたのだと思います… 申し訳ありません」
Senjuro “Iie… Sonna hazuwa nai-desu. ‘Rekidai En-Bashirano Sho’wa, taisetsuni Hokan-sarete-iru mono desu-kara. Osoraku chichiga yabuitano-dato omoi-masu… Moshi-wake ari-masen.”
Senjuro “No. That’s not possible. After all, the Flame Hashira Chronicles are stored very carefully. I believe it was my father who tore those pages. I’m so sorry.”
炭治郎「いいえ!千寿郎さんのせいではないです。どうか気になさらず」
Tanjiro “Iie! Senjuro-sanno sei-dewa nai-desu. Doka kini nasarazu.”
Tanjiro “No. It’s not your fault, Senjuro. Please don’t feel bad about it.”
千寿郎「わざわざ足を運んでいただいたのに、“ヒノカミ神楽”や、父の言っていた“日の呼吸”について、結局何も…」
Senjuro “Waza-waza ashi’o hakonde itadaita-noni, ‘Hinokami-Kagura’ya, chichino itte-ita ‘Hino Kokyu’ni tsuite, kekkyoku nanimo…”
Senjuro “But you came all this way for it only to end up learning nothing about Hinokami Kagura or what my father called ‘Sun Breathing.’”
炭治郎「大丈夫です。自分がやるべきことはわかっていますので。もっと鍛錬します。舞の手順を知っている“ヒノカミ神楽”ですら、俺は使いこなせていないんです」
Tanjiro “Daijobu desu. Jibunga yaru-beki kotowa wakatte-imasu-node. Motto tanren shimasu. Maino tejun’o shitte-iru ‘Hinokami-Kagura’de-sura, orewa tsukai-konasete-inain-desu.
Tanjiro “It’s all right. I know what it is that I must do. I’m going to train harder. Even when it comes to Hinokami Kagura… though I know how to perform the dance… I still haven’t managed to master it.”
千寿郎「そうなのですか…」
Senjuro “So-nano-desuka…”
Senjuro “Is that right?”
炭治郎「全集中の状態で“ヒノカミ神楽”を使うと、体が思ったように動かなくなります。俺の問題です。技に体が追いついてない。全集中の常中で体力は向上しましたが、それでも足りない… 常中できれば、日一日と体力が上昇してゆくはずとのことだったけど、一瞬で強くはなれないんです」
Tanjiro “Zen-Shuchuno jotaide ‘Hinokami-Kagura’o tsukauto, karadaga omotta-yoni ugoka-naku nari-masu. Oreno mondai desu. Wazani karadaga oitsuite-nai. Zen-Shuchuno Jochude tairyokuwa kojo shimashitaga, sore-demo tari-nai… Jochu dekireba, hi-ichi-nichito tairyokuga josho-shite-yuku-hazu-tono koto datta-kedo, isshunde tsuyokuwa nare-nain-desu.”
Tanjiro “When I use Hinokami Kagura while maintaining Total Concentration, I can’t move my body the way I want to. I’m to blame for that. I can’t physically keep up with it. My stamina’s improved thanks to Total Concentration, Constant, but it’s still not enough. I’m supposed to gain stamina by the day if I can maintain Constant, but I can’t get stronger in an instant.”
炭治郎「…あの時、俺がもっと強かったら… 一瞬で煉獄さんを助けられるくらい強くなれる方法があったら… ずっと考えていました。だけどそんな都合のいい方法はない。近道なんてなかった。足掻(あが)くしかない。今の自分ができる精一杯で前に進む。どんなに苦しくても、悔しくても。そして俺は、杏寿郎さんのような強い柱に、必ずなります」
Tanjiro “…Ano toki, orega motto tsuyo-kattara… Isshunde Rengoku-san’o tasuke-rareru-kurai tsuyoku nareru hohoga attara… Zutto kangaete imashita. Dakedo sonna tsugono ii hohowa nai. Chika-michi nante nakatta. Agaku-shika nai. Imano jibunga dekiru sei-ippaide maeni susumu. Donnani kurushiku-temo, kuyashiku-temo. Soshite orewa, Kyojuro-sanno-yona tsuyoi Hashirani, kanarazu nari-masu.”
Tanjiro “That day, if only I’d been more powerful… In an instant… If only there’d been a way for me to become strong enough to save Rengoku… I’ve tried to come up with one. But there’s no such convenient method. There just weren’t any shortcuts. All I can do is struggle. To move forward by pulling out all the stops to do whatever it is that I can. No matter how grueling or frustrating it may be. And then, I… am going to become a powerful Hashira like Kyojuro! No matter what!”
千寿郎「兄には“継子”がいませんでした。本来なら私が継子となり、柱の控えとして実績を積まなければならなかった。でも、私の日輪刀は色が変わりませんでした。ある程度の剣術を���につけないと、日輪刀の色は変わらないものですが――どれだけ稽古をつけてもらっても、私は駄目だった」
Senjuro “Ani-niwa ‘tsuguko’ga imasen-deshita. Honrai-nara watashiga tsuguko-to nari, Hashirano hikae-to-shite jisseki’o tsuma-nakereba nara-nakatta. Demo, watashino Nichirin-Towa iroga kawari-masen-deshita. Aru-teidono kenjutsu’o mini tsuke-naito, Nichirin-Tono irowa kawara-nai mono desuga――Doredake keiko’o tsukete-morattemo, watashiwa dame datta.”
Senjuro “My brother didn’t have a Tsuguko. Normally, I would’ve become his Tsuguko… and would’ve had to train as a Hashira reserve. But… my Nichirin Sword failed to change color. Nichirin Sword don’t change color until you’ve acquired a certain level of sword skills… but no matter how much training I underwent, it was no good.”
千寿郎「剣士になるのは諦めます。それ以外の形で、人の役に立てることをします。炎柱の継承は絶たれ、長い歴史に傷がつきますが、兄はきっと許してくれる」
Senjuro “Kenshini naru-nowa akirame-masu. Sore-igaino katachide, hitono yakuni tateru koto’o shimasu. En-Bashirano keishowa tatare, nagai rekishini kizuga tsuki-masuga, aniwa kitto yurushite-kureru.”
Senjuro “I’m going to forget about becoming a swordsman… and be useful to others in some other way. This will break the line of the Flame Hashira and inflict damage on its long history… but I’m sure that my brother… will forgive me.”
炭治郎「正しいと思う道を進んでください。千寿郎さんを悪く言う人がいたら、俺が頭突きします」
Tanjiro “Tadashiito omou michi’o susunde kudasai. Senjuro-san’o waruku iu hitoga itara, orega zutsuki shimasu.”
Tanjiro “Walk down the path that you feel is right. If anyone dares to badmouth you, Senjuro, I’ll personally headbutt them!”
千寿郎「それはやめた方がいいです」
Senjuro “Sorewa yameta-hoga ii-desu.”
Senjuro “I don’t think that’s a good idea.”
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千寿郎「“歴代炎柱の書”は、私が修復します。他の書も調べてみます。父にも聞いてみて、何かわかったら鴉を飛ばします。お話ができて良かった。気をつけてお帰り下さい」
Senjuro “‘Rekidai En-Bashirano Sho’wa, watashiga shufuku shimasu. Hokano shomo shirabete-mimasu. Chichi-nimo kiite-mite, nanika wakattara karasu’o tobashi-masu. Ohanashiga dekite yokatta. Ki’o tsukete okaeri kudasai.”
Senjuro “I’ll restore the Flame Hashira Chronicles myself. I’ll look into other books, as well. I’ll also ask my father, and if I find out anything, I’ll send word through our crow. I’m glad that I got to talk to you. Please get home safely.”
炭治郎「いいえ、こちらこそありがとうございました」
Tanjiro “Iie, kochira-koso arigato gozai-mashita.”
Tanjiro “No, I’m the one who should be thanking you.”
千寿郎「そうだ、炭治郎さん。これを受け取ってください」
Senjuro “Soda, Tanjiro-san. Kore’o uketotte kudasai.”
Senjuro “Wait, Tanjiro. Please take this.”
炭治郎「おお……」
Tanjiro “Oo……”
千寿郎「兄の日輪刀の鍔(つば)です」
Senjuro “Anino Nichirin-Tono tsuba desu.”
Senjuro “It’s my brother’s Nichirin Sword guard.”
炭治郎「い…いただけません、こんな大切なもの…… 俺は…」
Tanjiro “I…Itadake-masen, konna taisetsuna mono…… Orewa…”
Tanjiro “I-I can’t accept something as valuable as this! I…”
千寿郎「持っていて欲しいんです。きっとあなたを守ってくれます」
Senjuro “Motte-ite-hoshiin-desu. Kitto anata’o mamotte kure-masu.”
Senjuro “I want you to take it with you. I’m sure it will protect you.”
炭治郎「…ありがとう……」
Tanjiro “…Arigato……”
Tanjiro “Thanks.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
千寿郎「失礼します。お戻りでしたか… あの… 先程の」
Senjuro “Shitsurei shimasu. Omodori deshitaka… Ano… Saki-hodono.”
Senjuro “Excuse me. Are you back? Um, our visitor―”
槇寿郎「うるさい!! どうでもいい、出て行け!!」
Shinjuro “Urusai!! Do-demo ii, Dete-ike!!”
Shinjuro “Shut up! I don’t give a damn! Get out of here!”
千寿郎「え… でも、兄上の」
Senjuro “E… Demo, aniueno.”
Senjuro “B-But my brother’s message to you―”
槇寿郎「くだらん!! どうせ俺への恨みごとだろう!わかりきってる!! さっさと出て行け!」
Shinjuro “Kudaran!! Dose ore’eno urami-goto daro! Wakari-kitteru!! Sassatto dete-ike!”
Shinjuro “Worthless! It’s probably just his gripes toward me. I already know what he’d say! Now get out of my sight!”
千寿郎「わかりました。……体を大切にしてほしい。兄上が父上へ遺した言葉は、それだけです」
Senjuro “Wakari-mashita. ……Karada’o taisetsuni shite-hoshii. Aniuega chichiue’e nokoshita kotobawa, soredake desu.”
Senjuro “Very well. ‘Please take care of yourself.’ Those are the only words that my brother left behind for you, Father.”
杏寿郎「行って参ります、父上」
Kyojuro “Itte-mairi-masu, Chichiue.”
Kyojuro “I’ll be heading out now, Father.”
槇寿郎「ぬう…んっ、う… チッ。……杏寿郎!!」
Shinjuro “Nuu… N, u… Chi. ……Kyojuro!!”
Shinjuro “Kyojuro…”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎(発熱してるのか… 苦しい…)
Tanjiro (Hatsunetsu shiteru-noka… Kurushii…)
Tanjiro (Do I have a fever? I can’t breathe.)
炭治郎「大丈夫だ禰豆子。もうすぐ蝶屋敷に着くから。うっ…」
Tanjiro “Daijobuda Nezuko. Mosugu Cho-Yashikini tsuku-kara. U…”
Tanjiro “Don’t worry, Nezuko. The Butterfly Mansion’s not far off.”
鋼鉄塚「ぬぬぬぬぬぬぬっ、ぬぬぬぬぬぬぬっ」
Haganezuka “Nu-nu-nu-nu-nu-nu-nu, nu-nu-nu-nu-nu-nu-nu.”
炭治郎「はあっ!」
Tanjiro “Haa!”
Tanjiro “Huh?”
鋼鉄塚「くあ―――っ!」
Haganezuka “Kuaaaaaaa!”
炭治郎「鋼鐵塚さん!!」
Tanjiro “Haganezuka-san!!”
Tanjiro “Haganezuka!”
鋼鐵塚「刀を失くすとはどういう料簡(りょうけん)だ貴様ァアアアア!万死に値する…!万死に値するゥ!!! ア゛アアア゛ア゛アアア!!!」
Haganezuka “Katana’o nakusu-towa do-iu ryokenda Kisamaaaaaa! Banshini atai-suru…! Banshini atai-suruu!!! Aaaaaaaaa!!!”
Haganezuka “You lost your sword? Are you out of your mind, you fool? You deserve to die ten thousand times over!”
炭治郎「すみません、すみません!! もうほんとにごめんなさい!!」
Tanjiro “Sumi-masen, sumi-masen!! Mo hontoni gomen-nasai!!”
Tanjiro “I’m sorry! I’m sorry! Please! I’m truly sorry!”
鋼鐵塚「ぬう、わわわあっ!ぬおおおーっ!」
Haganezuka “Nuu, wawawaa! Nuooooo!”
炭治郎「へっ、へっ、へっ…」
Tanjiro “He, he, he…”
鋼鐵塚「だああああ!」
Haganezuka “Daaaaa!”
炭治郎「わあっ!」
Tanjiro “Waa!”
鋼鐵塚「あああう!」
Haganezuka “Aaau!”
炭治郎「えいっ」
Tanjiro “Ei.”
鋼鐵塚「ばん!あう?あう?あう、あう?あああーっ!」
Haganezuka “Ban! Au? Au? Au, au? Aaaaa!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
善逸「鋼鐵塚さんの追跡は、夜明け近くまで続いたんだって」
Zen’itsu “Haganezuka-sanno tsuisekiwa, yoake-chikaku-made tsuzuitan-datte.”
Zenitsu “He says that he got chased by Haganezuka until close to daybreak.”
伊之助「それで食欲ねえのか。くれよ!」
Inosuke “Sorede shokuyoku nee-noka. Kureyo!”
Inosuke “So that’s why you’re not eating? Gimme!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
鋼鐵塚「ぬああーっ!」
Haganezuka “Nuaaaa!”
炭治郎「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒィッ!」
Tanjiro “Hi, hi, hi, hii!”
鋼鐵塚「わああーっ!」
Haganezuka “Waaaaa!”
神崎アオイ「こっちこっち!」
Kanzaki Aoi “Kocchi kocchi!”
Aoi Kanzaki “This way!”
炭治郎「すみません!」
Tanjiro “Sumi-masen!”
Tanjiro “Sorry!”
鋼鐵塚「わああーっ!」
Haganezuka “Waaaaa!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎「ああ…アオイさんたちがなだめてくれなかったら、昼まで続いていたと思う」
Tanjiro “Aa… Aoi-san-tachiga nadamete kure-nakattara, hiru-made tsuzuite-itato omou.”
Tanjiro “If Aoi hadn’t calmed him down for me, he would’ve kept chasing me until noon.”
アオイ「おかわり要りませんか?」
Aoi “Okawari iri-masenka?”
Aoi “Would anyone like seconds?”
きよたち「要りませんか?」
Kiyo-tachi “Iri-masenka?”
Kiyo and others “Would you like some?”
伊之助「あっ…くれぇ!」
Inosuke “A… Kuree!”
Inosuke “Gimme!”
炭治郎「アオイさん、昨日はありがとう。すみちゃん、きよちゃん、なほちゃんも」
Tanjiro “Aoi-san, kinowa arigato. Sumi-chan, Kiyo-chan, Naho-chanmo.”
Tanjiro “Aoi, thank you for yesterday. You, too, Sumi, Kiyo and Naho.”
三人「ひゃん」
San-nin “Hyan.”
アオイ「お安い御用です」
Aoi “Oyasui goyo desu.”
Aoi “Don’t mention it. It was nothing.”
善逸「鋼鐵塚さんは、今どうしてるの?」
Zen’itsu “Haganezuka-sanwa, ima do-shiteruno?”
Zenitsu “What’s Haganezuka up to now?”
アオイ「鋼鐵塚さんなら縁側で、みたらし団子を食べていらっしゃいますよ」
Aoi “Haganezuka-san-nara engawade, mitarashi-dango’o tabete irasshai-masuyo.”
Aoi “Haganezuka? Oh, he’s sitting on the veranda, eating rice dumplings.”
きよ「何とか機嫌も直ったようですよ」
Kiyo “Nantoka kigenmo naotta-yodesuyo.”
Kiyo “And it seems like he’s finally back in a good mood!”
炭治郎「良かったぁ…」
Tanjiro “Yokattaa…”
Tanjiro “Thank goodness!”
中原すみ「みたらし団子は鋼鐵塚さんの大好物なんです」
Nakahara Sumi “Mitarashi-dangowa Haganezuka-sanno dai-kobutsu nan-desu.”
Sumi Nakahara “Rice dumplings are Haganezuka’s favorite food!”
高田なほ「怒りだしたら、買いに行くといいですよ」
Takada Naho “Okori-dashitara, kaini-ikuto ii-desuyo.”
Naho Takada “Next time he starts fuming, you should go by some.”
伊之助「あっ、俺も食いてえ!」
Inosuke “A, oremo kuitee!”
Inosuke “I want to have some, too!”
アオイ「はいはい。後で買っておきますから」
Aoi “Hai-hai. Atode katte-okimasu-kara.”
Aoi “Fine, I’ll go get you some later, all right?”
―――――――――――――――――――――――――――――――
伊之助「どえーっ」
Inosuke “Doeee.”
善逸「ひぃ~、ふぎー、ふぎぎぎーっ」
Zen’itsu “Hiiii, fugiii, fugigigiii.”
炭治郎たち「うあーっ、うあーっ」
Tanjiro-tachi “Uaaa, uaaa.”
善逸「ギャーッ!死ぬ、死ぬぅ!」
Zen’itsu “Gyaaa! Shinu, shinuu!”
Zenitsu “Help! I’m gonna die!”
炭治郎たち「うわーっ、うわーっ」
Tanjiro-tachi “Uwaaa, uwaaa.”
きよ「あと百回!」
Kiyo “Ato hyakkai!”
Kiyo “100 more to go!”
炭治郎たち「うわーっ!」
Tanjiro-tachi “Uwaaa!”
炭治郎(煉獄さんの死から、四か月が過ぎようとしていた。俺たちは毎日鍛錬をしながら、合間に入る鴉からの指令に従い、それぞれ鬼を倒しに行った)
Tanjiro (Rengoku-sanno shi-kara, yon-kagetsuga sugi-yoto shite-ita. Ore-tachiwa Mainichi tanren’o shinagara, aimani hairu karasu-karano shireini shitagai, sore-zore oni’o taoshini itta.)
Tanjiro (Almost four months had gone by since Rengoku’s death. Every day, we trained… while following the crow’s orders in between. And we each headed out to take down demons.)
娘たち「気をつけて~」
Musume-tachi “Ki’o tsuketeee.”
Girls “Take care!”
炭治郎(一人で行く任務の時も、善逸は駄々をこねなくなった)
Tanjiro (Hitoride iku ninmuno tokimo, Zen’itsuwa dada’o konenaku-natta.)
Tanjiro (Zenitsu no longer threw fits, even when he had to go on solo missions.)
善逸「禰豆子ちゃんの髪を一房(ひとふさ)くれ。頑張るから」
Zen’itsu “Nezuko-channo kami’o hito-fusa kure. Ganbaru-kara.”
Zenitsu “Give me a lock of Nezuko’s hair! I promise I’ll do my best!”
炭治郎(伊之助は以前より尚更、猪突猛進に)
Tanjiro (Inosukewa izen-yori naosara, chototsu-moshinni.)
Tanjiro (Inosuke became even more aggressive than before.)
伊之助「骨が砕けるまで走り込みだ!! 来い!お前ら!」
Inosuke “Honega kudakeru-made hashiri-komida!! Koi! Omaera!”
Inosuke “We’re gonna run hard until our bones shatter! C’mon, you guys!”
炭治郎(一人じゃないことは)
Tanjiro (Hitorija nai kotowa)
Tanjiro (Not being all alone…)
炭治郎「もうちょっとだ!頑張れ!」
Tanjiro “Mo-chottoda! Ganbare!”
Tanjiro “You’re almost there! You can do it!”
炭治郎(幸せなことだと思う)
Tanjiro (Shiawasena koto-dato omou.)
Tanjiro (I think it’s a blessing.)
善逸「禰豆子ちゃ~ん!」
Zen’itsu “Nezuko-chaaan!”
Zenitsu “Nezuko! Nezuko!”
鎹鴉の天王寺松右衛門「北北西!北北西!山寺ニ潜伏シテイル鬼ヲ討伐セヨ。北北西!北北西!」
Tennoji Matsuemon (Kasugai-Garasu) “Hoku-hoku-sei! Hoku-hoku-sei! Yamaderani senpuku shite-iru oni’o tobatsu-seyo. Hoku-hoku-sei! Hoku-hoku-sei!”
Matsuemon Tennoji (Kasugai Crow) “North-northwest! North-northwest! Destroy the demon lurking in the mountain shrine! North-northwest! North-northwest!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎「禰豆子、大丈夫か?雨、濡れてないか?」
Tanjiro “Nezuko, daijobuka? Ame, nurete-naika?”
Tanjiro “Nezuko, are you okay? You’re not getting wet from the rain, are you?”
禰豆子「ん~ん」
Nezuko “Nnnn.”
炭治郎「この辺りに鬼がいるはずなんだ。んっ。くっ!ハッ!」
Tanjiro “Kono atarini oniga iru-hazu nanda. N. Ku! Ha!”
Tanjiro “The demon should be around here somewhere.”
鬼「だあっ!」
Oni “Daa!”
炭治郎「禰豆子!行くぞ!」
Tanjiro “Nezuko! Ikuzo!”
Tanjiro “Let’s do this, Nezuko!”
炭治郎(しまった、てこずった!人里に下りてしまう!)
Tanjiro (Shimatta, tekozutta! Hito-zatoni orite-shimau!)
Tanjiro (Dammit! I messed up! We’re going to end up in the village!)
鬼「くっ…クッソ、ありゃいったいどういう鬼狩りなんだ。鬼をけしかけてきやがった… ううっ」
Oni “Ku… Kusso, arya ittai do-iu onigari nanda. Oni’o keshi-kakete-kiyagatta… Uu.”
Demon “D-Dammit! What kind of Demon Slayer is that? Provoking a demon like me…)
炭治郎「ここまでだ。覚悟してくれ。申し訳ないけど」
Tanjiro “Koko-madeda. Kakugo shite-kure. Moshi-wake-nai-kedo.”
Tanjiro “You’re finished. Better resign yourself. I’m really sorry about this.”
鬼「ナメるなよ!小僧!」
Oni “Namerunayo! Kozo!”
Demon “Don’t gimme that… you little punk!”
炭治郎(全集中。水の呼吸・肆ノ型。打ち潮!)
Tanjiro (Zen-Shuchu. Mizuno Kokyu, Shi-no Kata. Uchi-Shio!)
Tanjiro (Total Concentration… Water Breathing! Fourth Form… Striking Tide!)
少年「おかしいな… 確かに物音がしたんだけど…」
Shonen “Okashiina… Tashikani mono-otoga shitan-dakedo…”
Boy “That’s strange. I know I heard something.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎「フウ…疲れた。禰豆子、もう一息で蝶屋敷に着くからな」
Tanjiro “Fuu… Tsukareta. Nezuko, mo hito-ikide Cho-Yashikini tsuku-karana.”
Tanjiro “I’m exhausted. Nezuko, we’ll be reaching the Butterfly Mansion soon.”
アオイ「やめてください!」
Aoi “Yamete kuasai!”
Aoi “Please stop, will you?”
炭治郎「あ?」
Tanjiro “A?”
アオイ「放してください!私っ… この子はっ… お願いします!」
Aoi “Hanashite kudasai! Watashi… Kono kowa… Onegai shimasu!”
Aoi “Please let us go! I… This girl is… I’m begging you!”
宇髄天元「うるせぇな、黙っとけ」
Uzui Tengen “Uruseena, damattoke.”
Tengen Uzui “Stop yammering. Just shut up!”
きよ「やめてくださぁい!」
Kiyo “Yamete-kudasaai!”
Kiyo “Please stop!”
すみ「放してください~」
Sumi “Hanashite-kudasaiii.”
Sumi “Please let them go!”
アオイ「カッ、カナヲ!!」
Aoi “Ka, Kanao!!”
Aoi “K-Kanao!”
栗花落カナヲ(任務、命令、しのぶ、上官、アオイ、なほ、柱、銅貨、命令、銅貨――銅貨…銅貨を投げて決める)
Tsuyuri Kanao (Ninmu, meirei, Shinobu, jokan, Aoi, Naho, Hashira, doka, meirei, doka――Doka… doka’o nagete kimeru.)
Kanao Tsuyuri (Mission… Order… Shinobu… Superior… Aoi… Naho… Hashira… Coin… Order… Coin… Coin! I’ll decide by flipping a coin!)
炭治郎(心のままに)
Tanjiro (Kokorono mamani.)
Tanjiro (Follow your heart.)
カナヲ(ハッ…)
Kanao (Ha…)
アオイ「カナヲ!」
Aoi “Kanao!”
Aoi “Kanao!”
なほ「カナヲさま――っ!」
Naho “Kanao-samaaaaa!”
Naho “Lady Kanao!”
アオイ「カナヲ…」
Aoi “Kanao…”
Aoi “Kanao…”
すみ・きよ「カナヲさま…」
Sumi, Kiyo “Kanao-sama…”
Sumi & Kiyo “Lady Kanao…”
天元「地味に引っ張るんじゃねぇよ。お前は先刻(さっき)指令がきてるだろうが」
Tengen “Jimini hipparunja neeyo. Omaewa sakki shireiga kiteru-daroga.”
Tengen “Could you be more unflashy? Stop that yanking. Did you forget that you just received orders?”
カナヲ「うう…」
Kanao “Uu…”
天元「何とか言えっての!! 地味な奴だな!!」
Tengen “Nantoka ietteno!! Jimina yatsu-dana!!”
Tengen “Say something, dammit! You really are unflashy!”
きよ「キャ―――ッ!とっ、突撃―――――!!」
Kiyo “Kyaaaaaaa! To, Totsugekiiiiiiiiiii!!”
Kiyo “Ch-Charge!”
すみ「突撃――!!」
Sumi “Totsugekiiiii!!”
Sumi “Charge!”
きよ・すみ「突撃―――!!」
Kiyo, Sumi “Totsugekiiiiiii!!”
Kiyo & Sumi “Charge!”
天元「え?ちょっ…てめーら!! いい加減にしやがれ!!」
Tengen “E? Cho… Temeeera!! Iikagenni shiyagare!!”
Tengen “Hey! You guys! Knock it off right now!”
炭治郎「女の子に何してるんだ!! 手を放せ!!」
Tanjiro “Onna’noko’ni nani shiterunda!! Te’o hanase!!”
Tanjiro “How dare you treat like that! Let go of them!”
きよ・すみ・なほ「あ~?」
Kiyo, Sumi, Naho “Aaa?”
炭治郎(いや…群がられている?捕まっ…どっちだ?)
Tanjiro (Iya… Muraga-rarete-iru? Tsukamatt… Docchida?)
Tajiro (No. Are they swarming around him? Or being held? Which is it?)
きよ「人さらいです~っ!助けてくださぁい!」
Kiyo “Hito-sarai desuuu! Tasukete kudasaai!”
Kiyo “He’s kidnapping them! Please rescue them!”
天元「この…」
Tengen “Kono…”
Tengen “Why, you…”
きよ「キャ―――!」
Kiyo “Kyaaaaaaa!”
天元「馬鹿ガキ…!」
Tengen “Baka-Gaki…!”
Tengen “You little idiot!”
きよ「キャ―――!」
Kiyo “Kyaaaaaaa!”
炭治郎「えい…くうっ…くっ!どあっ!うっ」
Tanjiro “Ei… Kuu… Ku! Doa! U.”
きよ「わう!」
Kiyo “Wau!”
炭治郎「大丈夫!?」
Tanjiro “Daijobu!?”
Tanjiro “Are you all right?”
きよ「はい~っ」
Kiyo “Haiii.”
Kiyo “Yes!”
天元「愚か者」
Tengen “Oroka-mono.”
Tengen “You’re a fool.”
炭治郎「くっ」
Tanjiro “Ku.”
天元「俺は“元忍(もとしのび)”の宇髄天元様だぞ。その界隈(かいわい)では派手に名を馳(は)せた男。てめェの鼻くそみたいな頭突きを喰らうと思うか」
Tengen “Orewa ‘moto-shinobi’no Uzui Tengen-sama dazo. Sono kaiwai-dewa hadeni na’o haseta otoko. Temeeno hana-kuso-mitaina zutsuki’o kurauto omouka.”
Tengen “I’m Lord Tengen Uzui, former shinobi. A flashy man renown around these parts. Do you really think I’d fall victim to one of your pissant head-butts?”
炭治郎「アオイさんたちを放せ!この人さらいめ!!」
Tanjiro “Aoi-san-tachi’o hanase! Kono hito-saraime!!”
Tanjiro “Let Aoi and Naho go, you lousy kidnapper!”
きよ「そーよ、そーよ!」
Kiyo “Sooyo, sooyo!”
Kiyo “You heard him! You heard him!”
炭治郎「一体どういうつもりだ!!」
Tanjiro “Ittai do-iu tsumorida!!”
Tanjiro “What do you think you’re doing?”
すみ「変態!! 変態!!」
Sumi “Hentai!! Hentai!!”
Sumi “Hentai! Hentai!”
天元「てめーらコラ!! 誰に口利いてんだコラ!! 俺は上官!! 柱だぞ、この野郎!!」
Tengen “Temeera kora!! Dareni kuchi kiitenda kora!! Orewa jokan!! Hashira-dazo, kono-yaro!!”
Tengen “Hey, you two! Who do you think you’re talking to, dammit? I’m your superior! I’m a Hashira, dammit!”
炭治郎「お前を柱とは認めない!! むん!!」
Tanjiro “Omae’o Hashira-towa mitome-nai!! Mun!!”
Tanjiro “I don’t acknowledge you as a Hashira! Huh!”
天元「むんじゃねーよ!! お前が認めないから何なんだよ!? こんの下っぱが!! 脳味噌爆発してんのか!? 俺は任務で女の隊員が要るから、コイツら連れて行くんだよ!! “継子”じゃねえ奴は胡蝶の許可を取る必要もない!!」
Tengen “Munja neeyo!! Omaega mitome-nai-kara nan-nan-dayo!? Konno shitappaga!! No-miso bakuhatsu shiten-noka!? Orewa ninmude onna’no taiinga iru-kara, koitsura tsurete-ikun-dayo!! ‘Tsuguko’ja nee yatsuwa Kochono kyoka’o toru hitsuyomo nai!!”
Tengen “Don’t ‘huh’ me! Who cares if you don’t acknowledge me? You little bottom-feeder! Did your brain matter explode or what? I’m taking these two because I need some female Corps members for a mission! And I don’t need permission from Kocho to take anyone who’s not a Tsuguko!”
きよ「なほちゃんは隊員じゃないです!! 隊服着てないでしょ!!」
Kiyo “Naho-chanwa taiinja nai-desu!! Tai-fuku kite-nai-desho!!”
Kiyo “Naho isn’t a member of the Corps! Can’t you see she’s not wearing the uniform?”
天元「じゃあ、いらね」
Tengen “Jaa, irane.”
Tengen “I don’t need her, then.”
炭治郎「うわあ!何てことするんだ、この人でなし!!」
Tanjiro “Uwaa! Nante koto surunda, kono hitodenashi!!”
Tanjiro “How could you do such a thing, you inhuman brute?”
なほ「わーん、落とされましたぁ!」
Naho “Waaan, oto-sare-mashitaa!”
Naho “He dropped me!”
天元「とりあえずコイツは任務に連れて行く。役に立ちそうもねぇが、こんなのでも一応隊員だしな」
Tengen “Toriaezu koitsuwa ninmuni tsurete-iku. Yakuni tachi-somo-neega, konnano-demo ichio taiin dashina.”
Tengen “For now, I’m just going to take this one on my mission. Not that she looks like she’ll be of any use. But somehow, she is a Corps member, at least.”
炭治郎「人には人の事情があるんだから、無神経に色々つつき回さないでいただきたい!! アオイさんを返せ!!」
Tanjiro “Hito-niwa hitono jijoga arun-dakara, mushinkeini iro-iro tsutsuki-mawasa-naide itadaki-tai!! Aoi-san’o kaese!!”
Tanjiro “Everyone has their own personal reasons, so don’t be so insensitive and stir things up! Give us back Aoi!”
天元「ぬるい。ぬるいねぇ。このようなザマで地味にぐだぐだしているから、鬼殺隊は弱くなってゆくんだろうな」
Tengen “Nurui. Nurui-nee. Kono-yona zamade jimini guda-guda shite-iru-kara, Kisatsu-Taiwa yowaku natte-yukun-darona.”
Tengen “Lame. So lame. No wonder the Demon Slayer Corps is getting weaker and weaker, with guys like you wailing and moaning in your unflashy way!”
炭治郎「くう、くくっ…。アオイさんの代わりに、俺たちが行く!」
Tanjiro “Kuu, kuku… Aoi-sanno kawarini, ore-tachiga iku!”
Tanjiro “We’ll go in place of Aoi!”
天元「“俺たち”だと?」
Tengen “‘Ore-tachi’dato?”
Tengen “What do you mean by ‘we’?”
伊之助「ウウッ」
Inosuke “Uu.”
天元「何だ?てめぇら。何が言いたい?」
Tengen “Nanda? Temeera. Naniga iitai?”
Tengen “What’s going on, you three? What do you have to say?”
伊之助「今帰ったところだが、俺は力が有り余ってる。行ってやってもいいぜ!」
Inosuke “Ima kaetta-tokoro-daga, orewa chikaraga ari-amatteru. Itte-yattemo iize!”
Inosuke “I just got back this second, but I have power to spare! I’ll be glad to go!”
善逸「アアアアアオイちゃんを放してもらおうか!たとえアンタが筋肉の化け物でも俺は一歩も、ひひひ引かないぜぇえええ」
Zen’itsu “AaaaAoi-chan’o hanashite-moraoka! Tatoe antaga kinnikuno bakemono-demo orewa ippomo, hihihihikanai-zeeeee.”
Zenitsu “Y-Y-You let Aoi go, you hear me? You may be a muscular monster, but I’m not b-b-b-backing down! No, sir!”
三人「んぬっ」
San-nin “Nnu.”
天元「あっそォ。じゃあ一緒に来ていただこうかね」
Tengen “Assoo. Jaa isshoni kite-itadako-kane.”
Tengen “Is that right? Then I guess I’ll take you with me.”
三人「あっ…」
San-nin “A…”
炭治郎(やけにアッサリ引き下がるな)
Tanjiro (Yakeni assari hiki-sagaruna.)
Tanjiro (You backed down just like that, hun?)
天元「ただし絶対俺に逆らうなよ、お前ら」
Tengen “Tadashi zettai oreni sakaraunayo, omaera.”
Tengen “But remember this… Don’t you dare defy me!”
アオイ「キャッ!」
Aoi “Kya!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
きよ「ヒクッ、炭治郎さん…」
Kiyo “Hiku, Tanjiro-san…”
Kiyo “Tanjiro…”
善逸「でけえ」
Zen’itsu “Dekee.”
Zenitsu “He’s gigantic.”
伊之助「んで?どこ行くんだ、オッさん」
Inosuke “Nde? Doko ikunda, Ossan.”
Inosuke “So? Where are we going, old man?”
天元「日本一、色と欲に塗(まみ)れたド派手な場所。鬼の棲む“遊郭(ゆうかく)”だよ」
Tengen “Nihon-ichi, iroto yokuni mamireta dogadena basho. Onino sumu ‘yukaku’dayo.”
Tengen “The number one spot in Japan that’s dripping with lust and desire. A super-flashy place, The Entertainment District where demons reside.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
大正コソコソ噂話/Taisho Koso-koso Uwasa-banashi/Taisho Secret
炭治郎・善逸・伊之助「にんにん」
Tanjiro, Zen’itsu, Inosuke “Nin-nin.”
Tanjiro & Zenitsu & Inosuke “Nin-nin!”
天元「いよいよ始まりやがったぜ。っていうか、お前たちで今回の任務、本当に大丈夫なんだろうなぁ?俺はお前たちのことをよく知らねぇ。ちょっとそこで自己紹介やってみろ」
Tengen “Iyo-iyo hajimari-yagattaze. Tte-iuka, omae-tachide konkaino ninmu, hontoni daijobu nan-daronaa? Orewa omae-tachino koto’o yoku shiranee. Chotto sokode jiko-shokai yatte-miro.”
Tengen “So, it’s finally underway! Anyway, I hope you three are really up to this mission! I don’t know much about you. So introduce yourselves right now on the spot!”
炭治郎「じゃあ俺から!名は竈門炭治郎。好きな物はタラの芽。こっちは妹の禰豆子。好きな物は金平糖です」
Tanjiro “Jaa ore-kara! Nawa Kamado Tanjiro. Sukina monowa taranome. Kocchiwa imotono Nezuko. Sukina monowa konpeito desu.”
Tanjiro “All right, I’ll go first! My name is Tanjiro Kamado. My favorite food is fatsia sprouts. This is my little sister, Nezuko. She loves konpeito.”
禰豆子「む~!」
Nezuko “Muuu!”
善逸「俺の名前は我妻善逸。好きな物は甘い物。高級なうなぎなんかも…」
Zen’itsu “Oreno namaewa Agatsuma Zen’itsu. Sukina monowa amai mono. Kokyuna unagi-nankamo…”
Zenitsu “My name is Zenitsu Agatsuma. I love sweets most of all! Not to mention high-quality eel!”
天元「だあ~!」
Tengen “Daaaa!”
善逸「ヒッ」
Zen’itsu “Hi.”
天元「そんなこと聞いてんじゃねえ!鬼と戦うにあたって何ができんだって聞いてんだ!遊郭に潜む鬼は強えぞ~」
Tengen “Sonna koto kiitenja nee! Onito tatakauni atatte naniga dekindatte kiitenda! Yukakuni hisomu oniwa tsueezooo.”
Tengen “Who asked you about that stuff? I’m asking what you can do to fight off demons! The demons in the Entertainment District are crazy strong!”
善逸「イヤ~ァ!死にたくない!死にたくないよー、ヤダー!」
Zen’itsu “Iyaaaa! Shini-taku-nai! Shini-taku-naiyooo, yadaaa!”
Zenitsu “Nooooo! I don’t want to die! I don’t want to die! Nooooo!”
天元「死なねぇように戦えばいいだろ」
Tengen “Shina-nee-yoni tatakaeba iidaro.”
Tengen “Then all you have to do is fight so you won’t die!”
善逸「強い鬼にも会いたくない!まだ禰豆子ちゃんと何もしてないのに、そんなの無理!」
Zen’itsu “Tsuyoi oni-nimo aitaku-nai! Mada Nezuko-chanto nanimo shite-nai-noni, sonnano muri!”
Zenitsu “I don’t even want to run into a powerful demon! I still haven’t done anything with Nezuko yet, so there’s no way!”
天元「くっ…ぬう」
Tengen “Ku…Nuu.”
善逸「んぐんが…」
Zen’itsu “Ngunga…”
天元「少し黙ってろ!」
Tengen “Sukoshi damattero!”
Tengen “Shut up for a second.”
伊之助「俺は嘴平伊之助だ!俺の話が聞きたきゃ、俺を倒してからにするんだな!」
Inosuke “Orewa Hashibira Inosukeda! Oreno hanashiga kikitakya, ore’o taoshite-karani surundana.!”
Inosuke “I’m Inosuke Hashibira! If you want to hear about me, you’ll have to take me out first!”
天元「何こいつ偉そうに言ってやがんだ?」
Tengen “Nani koitsu erasoni itte-yaganda?”
Tengen “What’s this guy’s problem, shooting off his mouth like that?”
伊之助「何だと!」
Inosuke “Nandato!”
Inosuke “What did you say?”
天元「今日はここで大正コソコソ噂話。俺の自己紹介を聞かせてやろう。俺は忍の家系に生まれた。だから幼い頃は忍として影に隠れ地味に生きて来たんだ」
Tengen “Kyowa kokode Taisho Koso-koso Uwasa-banashi. Oreno jiko-shokai’o kikasete-yaro. Orewa shinobino kakeini umareta. Dakara osanai korowa shinobi-to-shite kageni kakure jimini ikite-kitanda.”
Tengen “Now it’s time for today’s Taisho-era secret! Let me introduce myself. I was born into a shinobi clan. So when I was a kid, I led an unflashy life in the shadows as a shinobi.”
炭治郎「え~?」
Tanjiro “Eee?”
Tanjiro “Really?”
善逸「嘘だぁ」
Zen’itsu “Uso-daa.”
Zenitsu “No way!”
伊之助「嘘は良くねえぞ」
Inosuke “Usowa yoku-neezo.”
Inosuke “You shouldn’t lie.”
天元「嘘じゃねえ!そんときの不満が爆発して、今はこう派手になったわけだが、まっ、もともとその素質があったってことかもなぁ。お前らも任務では派手な活躍を見せんだぞ!」
Tengen “Usoja nee! Son-tokino fumanga bakuhatsu-shite, imawa ko hadeni natta-wake-daga, ma, moto-moto sono soshitsuga attatte koto-kamonaa. Omaeramo ninmu-dewa hadena katsuyaku’o misendazo!”
Tengen “It’s not a lie! All my pent-up resentment from those days exploded, turning me into the flashy guy I am today. But that may be because I always had it in me. I want you three to show me some flashy moves during this mission, okay?”
炭治郎「この人からは責任感の強い匂いがする。信頼できる人だ」
Tanjiro “Kono hito-karawa sekinin-kanno tsuyoi nioiga suru. Shinrai dekiru hitoda.”
Tanjiro “I’m picking up the scent of a strong sense of responsibility from this man. We can trust him.”
天元「何ニヤニヤしてんだ?お前。次回、第二話『遊郭潜入』。お前ら!ちゃんと仕事すんだぞ!」
Tengen “Nani niya-niya shitenda? Omae. Jikai, dai-niwa ‘Yukaku Sennyu.’ Omaera! Chanto shigoto sundazo!”
Tengen “What’s with that smirk on your face? Next, Episode 2, ‘Infiltrating the Entertainment District.’ Do your jobs, you three!”
炭治郎たち「おー!」
Tanjiro-tachi “Ooo!”
Tanjiro and others “Right!”
禰豆子「ムー!」
Nezuko “Muuu!”
(Continue to Episode 2)
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9月21日午前6時に父が亡くなった。 老健からの退所が決まり、週末のみ自宅で過ごすことが決定してからの 我が家はまさに上を下への大騒ぎだった。 家の中までの導線を確保した上で車椅子が通るよう道を整備し、 父が使っていた寝室に入るサイズの介護ベッドを調達して 高齢の母の負担が極力減るようにヘルパーの力を頼りながらの受け入れ生活だったが あれほどの労力をかけて準備したにも関わらず、わずか2ヶ月ほどでピリオドを打った。 コロナ感染からの重症化で一時は命も危ぶまれた父は、奇跡的に回復するも 肺炎により嚥下機能が著しく低下していたため誤嚥性肺炎を繰り返しては再入院し、 「急変した際の延命治療はどうしますか」とその都度医師に聞かれた。 そして3度目の再発で入院し、同じように「どうしますか」と問われた時、 半ば慣れっこになっていた私たちは「回復の希望があるならできるだけのことはやってほしいが 機械の力を借りて心臓を動かすだけの措置なら不要」と回答した。 そしてその翌日、まるで私たちの会話を盗み聞きしていたかのように父は逝った。 今年もケムコ様より東京ゲームショウにお誘いいただいていたのだが 父の容体が安定していないことからギリギリまで返事を待っていただいていた。 (快く待ってくださったケムコ様には本当に感謝しかない。ありがとうございます。) 最初から断ることも考えたが、遠出すれば気分転換になるかもという現実逃避的な思考もあり 引き延ばすだけ引き延ばした挙句に父が選んだ旅立ちの日は9月21日、東京ゲームショウの開幕初日だった。 父についてのエピソードで一番古い記憶を辿ると、幼稚園のクリスマス会になるだろうか。 園児のところにサンタがやってきて菓子を配る恒例の会で私も楽しみにしていたのだが 当日やってきたのはサンタのコスプレをした父で、特に素性を隠すでもなく 大声で私の名前を呼びながら「おおしのびん、今年はワシがサンタじゃ」と菓子を手渡した。 私は幼稚園の年少組にして「サンタは親が演っている」ことを知ってしまったのである。 生粋の目立ちたがりで役職のつくポジションが大好きだった父を見て育ったせいか 私は人一倍自分を表に出すことを避けるようになり、今もこうしてハンドルネームでブログを書いている。 母から「お父さんのようになってはダメよ」と言われて育った私は、 言ってみれば父を反面教師にして出来上がった集合体のようなもので、何から何まで合わない。 合わないのに、成長するにつれて父に似た部分が体のあちこちに、思考の節々に現れては嫌悪した。 今にして思えば、父のようになりたくない、は、父のように何事にもオープンで大らかには生きられない 内向的な自分の劣等感が生んだ、羨望からくる逆恨みだったのかもしれない。 そのことを受け入れ、父の中に幾らかの可愛らしさを見出してからの親子関係は 世間で言うところの仲の良い親子には届いていなかったかもしれないが、そう悪くもなかったと思う。 3度目の入院の知らせは突然だった。 デイサービスから「微熱があり酸素量も少ないため念のため病院に連れていきます」と連絡があり またかと思いながら病院に駆けつけた。 前々回、前回と同じようにしばらく入院して、回復すればまた退院するのだろうとぼんやり考えていたので 入院手続きのために膨大な枚数の用紙に記入しなければならないことの方が気が重かった。 翌朝面会に行くと、父は痰を吸入してもらって楽になったのか静かに眠っていた。 夜中も1、2時間おきに吸入をしていたと聞き、頭の下がる思いがする。 とてもではないが、このケアを自宅ではできなかったろう。 父は私のことはわかっていたようで「会いにきたよ、わかる?」と聞けば小さく頷いていた。 「元気になって、また家に帰ろうな」と声をかけるとまた小さく頷いていて 「この様子なら大丈夫だろう」と少し安堵した。 しかし、翌朝の医師の説明では、心臓の機能が大分弱っているので 肺炎が治るよりも先に心臓が持たないかもしれないと告げられた。 そして、冒頭に書いたように「無理な延命治療は本人も辛かろうし不要。 楽になるための治療なら全力でお願いします」と回答して帰宅した。 その日の深夜、病院から容体がおかしいと電話があり、孫たちも連れて慌てて深夜の病院に 大勢で押しかけると、別室に移動した室内で父はスヤスヤと眠っていた。 「みなさんが到着される直前に急に安定し始めて」とナースは申し訳なさそうに笑ったが 「人騒がせなじいじだ」と悪態をつきながらも皆笑顔だった。 その翌日、またしても深夜に病院から電話があり、同じように大勢で深夜の病院に向かった。 酸素がなかなか上がってこないと昨夜より病室内の空気に緊張感があったが 当の本人は傍目には穏やかに眠っているように見えた。 「こんなことがこれから毎晩続くのかしら」と母が疲労困憊の様子で口にするのを聞きながら 昨日医師に「まぁ、こんな感じで心臓がゆっくり止まってしまうほうが本人は楽だと思いますよ。 本当に眠るように、何も苦しまずに済むので。」と言われたことを思い出していた。 ほどなくして心電図を表示している機械から危険を知らせるアラーム音が鳴り、慌ただしくナースが入ってきた。 「まだいったらだめだよ」「起きてじいじ」「起きないと怒るよ」と孫たちがそれぞれ父に声をかけ 「家に帰ろうよ」と姉が語りかけた後に、それまで黙って見守っていた母が父の手を取って話し始めた。 「じいじ、ねえじいじ、本当に好き放題に生きたわね。 突然商売をすると言い始めて、30年間も私にその店を手伝わせている間に 他所で女を作ったり、こっそり家のお金に手をつけたり。 その人を連れてゴルフに旅行にと遊びまわり、飲み歩いてね。 子育てなんて全部私に任せっきりで、ほとんどしなかったでしょ。 でもねじいじ、私はそれでも、あなたにまだ居て欲しい」 父の左手を両手で包み込み、まるで駄々っ子を宥めるように話しかける母の言葉を聞きながら 「おいおい、こんな男にだけはなるなと刷り込み続けて今更それはないだろう」と思ったりもしたが その言葉を聞いて、つくづく夫婦のことは夫婦にしかわからないのだと思い知らされた。 そして母が話し終えるのを待っていたかのように、9月21日午前6時に父の心臓は動きを止めた。 息を引き取る直前まで、話しかければ反応していたし、ゆっくりと腕を持ち上げたりピースサインも出せていて 「ぎゅっと握ってごらん」と言えば握り返していた父の時間は、本当に呆気なく止まったのだった。 けたたましい機械音さえなければ寝落ちを疑うほど穏やかな最期だった。 入退院を繰り返したとはいえ、何週間も昏睡状態が続いたわけでもなく、 在宅介護開始から2ヶ月、再入院から僅か2日で逝った父は ピンピンコロリとまではいかなくとも、ほどほどコロリぐらいの��号は与えても良い気がする。 面倒を見ていた親族の誰も介護疲れに陥らせず 別れを惜しむ気持ちを十分に残した上で旅立ったことは、家庭を振り返らず仕事に恋に奔放に生きた父が 珍しく見せた父親らしい気遣いと言っていいかもしれない。 週末は自宅で皆に介護されながら、コロナ感染の入院直前に食べるはずだった念願の鰻もちゃんと食し 早朝にも関わらず親族8人が見守る中で逝けたのだから、幸せだったろう。 亡くなる前日の朝、家族がいる手前では気恥ずかしさが勝ってしまい、正直な気持ちを話せないと思った私は ひとりで病院に面会に行き、眠っている父に向かって幼い頃から反抗的な態度を取ってきたことを詫びた。 「できの悪い息子でごめんな」と耳元で話していると、父が一瞬、私の手を握り返してきた、気がした。 あの時間がなければ、私の後悔はもっとずっと大きかったと思う。 テレビで何度も見かけた「9月21日午前6時21分、お亡くなりになりました」という医師の言葉を聞き終えて外に出ると もう空は明るくなり始めており、電話1本で飛んできた葬儀屋と話をしているうちにすっかり陽は昇った。 秋晴れの爽やかな朝だった。 悲しみに浸る暇もなく、数々の段取りが始まった。 実を言うと、2年ぐらい前から「親が亡くなった時にするべきこと」という ハウツーのページをブックマークしていて、折に触れて読み返すのを癖づけていた。 10年以上前の別れでは狼狽してしまい、何もかも人任せにしてしまった反省から いざという時にあたふたせず、冷静に適切な行動とれるための予習をしていたのだ。 親族と親しい方々への連絡、役所への届け出、葬儀の手配など まるで流れ作業のように進んでいって、翌日には通夜、翌々日の葬儀がすんなり決まった。 通夜の翌日、親族の集まった部屋に入ると、皆が見守る中で父が風呂に入れられていた。 旅立ちの前に全身を綺麗にするオプションサービスで、母が頼んでいたらしい。 髪も丁寧に洗い、顔もパック&化粧までしてほとんど韓流スターのようなフルコース。 一部始終を近くで見ていた姉が「私がやって欲しいぐらいのサービスだったわ」と感心していた通り 仕上がった父はこざっぱりして生気を取り戻したように見えた。 昼時になり孫たちが腹が減ったと言うのでGoogleMapで調べてみると 田舎のため近くにはコンビニぐらいしか引き当たらない。 「仕方ないから適当におにぎりでも買ってこようか」と義兄は言ったのだが 騒がしく葬るのが我が家のスタイルだからと、私の提案でデリバリーを頼むことにした。 幸い、配達圏内にカレー屋とピザ屋が引き当たったため Uberと出前館に一軒ずつ注文を出し、数十分後には親族控室はカレーとピザの匂いで充満した。 父の想い出話を肴にワイワイと盛り上がり、「こんなに騒がしい親族の控室はないんじゃないか」と 誰かが口にするほど賑やかな昼食になった。 年を取ってもジャンクフードが大好きだった父は、すぐ横で羨ましく見ていたに違いない。 皆で盛り上がっているところに葬儀屋が入ってきて、一枚の紙を置いていった。 折り鶴の形をした形状記憶用紙で、皆で一言ずつ別れの言葉を書いてお棺に入れるのだという。 「お疲れ様でした」「あちらでは偉そうな振る舞いをしないように」(←私)など各自が書き込み、 最後に全員のメッセージを読んでいると、看護学生をしている姪が書いたと思しき一文が目に留まった。 「きちんと面倒をみてあげられなくてごめんなさい。立派な看護師になってみせます。」 淡々と皆の様子を俯瞰で眺めてきた私は、その一文を読んで初めて涙腺が緩んだ。 父親としては赤点だったが、祖父としては孫達に慕われる良きじいじだったのだ。 父の顔の広さもあって、葬儀場には置き場所に困るほどの花が届き、弔問客で溢れ返った。 コロナ禍ではとても実現できなかったであろうし、やはり父はツイている。 「いよいよお別れの時です。 生前お付き合いのあった方は、どうか前に出てきてお顔を見て差し上げてください。 仏様は亡くなっても私達に多くのことを教えてくださいます。 命の儚さ、尊さ、多くの教えを私達の心に遺して旅立たれるのです。」 お棺を閉じる前のお坊さんの言葉に誘われるように棺の前に立ち、眠っている父の顔を覗き込んでみた。 次々と収められる花に囲まれた父は、加工アプリで装飾し過ぎた写真のようなビジュアルで少しだけ滑稽だった。 そしてその姿を見てフフッと少し笑った後に、訳もわからず涙が流れた。 時間にしてほんの1分ぐらいだったと思うが、どこかの栓が抜けたようにドバドバと流れて自分でも驚いた。 「最後ぐらい泣いてくれ」と、父が私の涙腺(栓)を抜きにきたのかも知れない。 こんな機会でもなければ会うことの無かったであろう、数十年振りの知人や親戚と再会し 様々な思い出話をしていると、この時間も父の置き土産なのだと感じる。 簡略化の進む現代風の葬り方にも良い点はあるが、昔ながらの葬式も、その煩わしさも込みでなかなか良い。 親族用にチャーターした火葬場までの送迎バスに乗り込む際、 片手で骨壷を持ち、片手でスマホを持って自撮りをした。父とのツーショットである。 山の中腹にある火葬場は薄曇りで少し肌寒かったが、待ち時間中はやはり四方山話で盛り上がった。 火葬を終え、小さな骨壷に収まった父と帰宅してから 四十九日までの予定を親族で確認し、それぞれが日常に戻っていった。 数日して何気なくiPhoneの写真フォルダを見ていると、入院時に父と撮った写真が出てきた。 亡くなった9月21日は金曜日、その写真は2日前の19日だったので 写真の上にはまだ『水曜日』と表示されている。 iPhoneの写真は1週間以内なら曜日で表記され、1週間以上が経つと○月○日の表記に変わる。 水曜日という表示に、まだ数日前まで父はこの世にいたのだと気づかされた。 老健に長く入っていたし、それほど頻繁に会っていたわけでもないのに 「もういない」ことが日毎に実感となって、音もなく雪が降り積もるように静かに寂しさが募っていく。 あっという間に四十九日を迎え、近しい親族だけで法要を済ませた。 葬儀の時と同じお坊さんがやってきて、最後にまたひとつ話をしていった。 「四十九日が経ちましたね。 毎日元気にお過ごしでしょうか。 今日はひとつ、時間と命について皆さんに考えていただきたいと思います。 私たちは皆、等しく流れる時間の中で生きています。 亡くなった方の時間はそこで止まり、しかし私達の時間は動き続けます。 時間の止まった方との距離は日々遠くなり、日常で思い出す機会が減ってきたり 悲しみが薄れたりしますが、そんな時こそ、生きていることを自覚していただいたいのです。 今日この場で皆さんと過ごした時間が二度と戻らないのと同じように 時間は先にしか流れないと自覚しながら、1日1日を大切に過ごして下さい。」 私にとって父が良い父でなかったように、父にとって私も良い息子ではなかったろう。 生きているうちにもう少し何とか出来たかもと思わないでもないが、全ては後の祭り。 是枝裕和監督の映画「歩いても歩いても」に出てくる 『人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない。』を、まんまと私も体験してしまった。 先人からの教��を受け取っていたのに、実践を怠って同じ後悔をして その気持ちをこうして文章に残し、誰かが悔いを残さないようにと祈る。 そうやって、人は生きていくのだ。
四十九日 - 忍之閻魔帳
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2024.08.13 (Tue)
ロンドンから夜行バスでエディンバラへ。夜行バスは限界海外旅行サバイバル感を味わるので非常に良い経験になった。そして安い!多分3000円しないくらいなので、一泊一万強(2名)で宿泊費を抑えようと頑張ってた身としては超ありがたい。
早朝についたエディンバラは息を呑む美しさ。パリロンドンに行ったけれど、それらよりも格段に風格があってさすが世界遺産の街〜となる。ロンドンと同じく二階建てのバスとメトロが走り、クレジットのタッチ決済が使えるのでとても便利。
日本で知り合った友人宅にお邪魔し、スコッチスタイルの朝ごはん。平日なのに家族総出で迎えてくれボリュームたっぷりの朝ごはんと紅茶を用意してくれた。食べてみたかったスコッチフードのハギスは独特な味で悪名高いらしいけど、全然そんなことなくてむしろ好きな味、脂身があって美味しかった :)
それからエディンバラ市内へ。友人の案内で街を歩く。ローカルらしくDick Placeという趣のある名前のストリートを教えてくれた。
この時期はちょうどFringeという大きなフェスティバル期間らしく、街中は多くの人や大道芸で賑わっていた。日本人の大道芸人がパフォーマンスしていたので思わず見入る。
スコット記念塔は元々きれいな褐色だったそうだが、産業革命の廃ガスの影響で黒く変色してしまったらしい。国が汚れを取り除こうとしたけれど、実際はこの黒い汚れが建物を老朽化から守っていたらしい。なので今日まで、黒くなったままで佇んでいるそう。
友人の友人が働くレストランでInns & Gunnのビールを飲む。スコットランドにはもう一個TENNENT’Sってビールが有名らしいんだけど、その友人はマジでまずいと言ってたので怖くて飲めなかった。サービスでハギスを肉団子みたいにして揚げた料理を出してくれた。
そして念願のTrainspotting撮影地!学生時代たまたま英語の勉強してたら出会ったTrainspottingという単語、意味を調べたら出てきた映画があまりにもエポックメイキングだったので見てみたら好きになった。最初は完全に「かっこいい映画を知ってる私かっこいい〜」だったけれど、何回も見たりT2を見たりするうちに、長い人生で若さだけでは決して乗り切れない現実、逃げてもいいけど逃げ方を間違えるとツケが回ってくるんだなぁって目の当たりにする��うなしんどさと、それでも刹那的に日々を駆け抜ける彼らが少し羨ましかったりして、普通に映画として好きになった。映画の冒頭レントンが駆け抜ける階段、車に轢かれて浮かべた猟奇的な笑顔を思い出す。映画自体は20年以上も前のはずなのに、映る景色は映画の中からほとんど変わらず。自然災害が少なく歴史的な建造物も長く残るヨーロッパが羨ましい。
最後にシティにある丘に登り、街を見下ろす。それからバスに乗って宿泊先のEdinburgh College Residenceへ。名前の通り学生寮らしく、夏場は一般客に向けて開放しているらしい。シティからバスで30分くらい。こじんまりとした部屋、落ち着いた街の雰囲気ですっかりスコットランドが好きになる。勿論シティは栄えているけれど、コンパクトだし、なんとなく人も穏やかだし、張り詰めていたガードを少し緩めることができるような感覚。宿泊先近くの大型スーパーでラザニアを買って夜に食べた。
丘から見えた💩にしか見えない建物 lol
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まだここ見てる人いるんかな?
別に続きを書いている訳ではなく、久しぶりに詩帆ちゃんのことを思い出してたら降ってきたネタを書き留めました。
いまいち時間が取れなくて書けなくてすみません。でもたまにこうやって吐き出さないと精神衛生上良くないので(全然まとまってないけど)打ってたりはします。
まぁ何にせよ見てくれている人が居れば幸いです。
実は詩帆は知っていた。
事は今から10年も昔の話だ。当時4歳だった彼女にとって幼稚園は小さなものだった。昔から歳を同じくする子たちとは頭1つ2つ飛び抜けて大きかった彼女は、幼稚園入学当初からすでに机の上に立っているような背の高さであった。
「まぁ、大きいですね~」
なんて送り迎えのお母さん方には言われたけれども、自分の子供の大きさに絶対の自信を持つ保護者からは、なんだか羨望というか嫉妬、―――女の子なのに息子を胸の下に完璧に置いてしまうような彼女を、まぁ謂わば目の敵にするような表情で言われた時は流石に申し訳無いような気持ちになりはした。
私だけどうしてこんなに大きくなったんだろう。
よく分からない彼女は部屋の隅で他の子を見ながらこんなことを思ったものである。
そんな彼女に母親は見かねて光昭の母親に助けを求めた。
「光昭くんって今身長何センチ? 140センチ? ちょうどいいんだけど、ちょっと頼みたいことが…」
母親の作戦はこうであった。同学年の子よりも頭1つ2つ大きいなら、それと同じくらいの背の子を、―――例えそれが5歳上の子でも、―――紹介して詩帆と遊ばせればいいのではないかと。
互いに歳を知らせずに遊ばせれば、お互いに4歳の、―――光昭にとっては酷だが、―――子として接するのではないかと。
「光昭、今日はお母さんたち大事な話があるからあっちの子と遊びなさい。これを持って行って」
と女の子が好きそうなぬいぐるみを渡された彼は、よろしくねと言う詩帆の母の後ろに居るあどけない女の子を見て、ああ、この子と遊べばいいのか、はいはい、と思ったそうな。
さて、彼女の部屋へと行った彼であったが、なぜか距離感を詰めて接してくる詩帆に心臓をバクバクと言わせていた。それは彼女が、もはや誰とも似つかないとびっきりの美少女だったということもあるが、それ以上に彼はまだ他人を好きになったことが無いことが関係しているのである。おそらくこれが彼にとって初めての恋であったろう。そんな彼女に、もう互いの体温すら感じられるほどの距離で話しかけられるのである。
「うん、うん…」
完璧にリードする予定だった彼であったが、出鼻を挫かれて向こうの女の子に、―――しかも5歳も下の女の子に主導権を握られ、そして自分は恋心を抱きつつある。
―――これで、小学3年生の男の子が喋れようか。
だが、詩帆はそんな彼にお構いなしに接して行く。
「ねぇねぇ、これ、わたしのたからものなんだよ」
と、小物入れにはぴったりな、綺麗な装丁の箱を開けて綺麗な石を取り出して、嬉しそうな顔をしながら光昭と一緒に眺める詩帆。
彼女は滅多にこういう顔をしないのである。
それもそうなのである。彼女にとっては初めての自分と目線を同じくする相手なのである。
「いーでしょー。これはね、あめじすとといってね…」
と言って、石の名前と蘊蓄を手の上にそれを載せて喋る詩帆。彼も石は多少なりとも知っている。
「ああ、これはね…」
と負けじと詩帆に応戦する。
しかしまぁ、光昭はドキドキしっぱなしであった。それは詩帆の一挙手一投足が、どういうわけか彼にはたまらない宝物のように思えたからであった。
彼にはもはや彼女が髪をかき分ける仕草すら魅力的に見えたのである。
だが光昭はある違和感に引っかかりつつあった。隣に居るのは詩帆という名の美少女。背はだいたい自分と同じくらいだし、喋り方も、知識量もだいたい自分と同じくらい。だがどうして? この違和感は一体何なんだろう?
そう思って光昭は現状を確認しつつ詩帆の全身を下から頭のてっぺんまでも見、今この部屋を包んでいる空気、………いや、甘いいい匂いなんだけど、それと大事なものがあるはずの机の上を見て、やっぱり違和感がする…
この子、行動はやたら幼いし、やたら舌っ足らずだし、ランドセルは部屋には見当たらないし、机の上にはノートも教科書もない。
そう思ったとき、光昭はガーンとうなじら辺を岩で殴られるような感覚に襲われた。えっ、いや、そんなことは、………
いや、まさかな、………
―――詩帆は、小学生じゃない?………
そうは思ったが、息のかかる位置に居る詩帆、見たこともない綺麗な顔かたちの詩帆、いつまでも聞いていたくなるような声の詩帆、なんだかいい匂いもしてきて、頭がクラクラと揺れるような感覚に、
そんな状態が5時間は続いたろう。もう何を話したのか
そして最後に、
「みつあきくんせがたかいねAー、せいくらべしよっ」
と詩帆が提案してきた。そしてガバっと抱きついてきた。
光昭は驚いて現状を把握するのに手一杯であったが、詩帆の方は自分の頭の上から光昭の方へ手をスライドさせて背を測っている。
「うーん、よくわからないな~………」
何度もそうやっていたが、やっぱり分からないらしい。
そこで光昭は気づいた。詩帆の顔が、目が、各パーツが、自分よりも少し高いことに………
うっ、と思ったけれども、彼は彼女に勧められるがまま壁に掛けられている簡単な160センチまでのメジャーへと足を運んだ。
なぜなら小学生かも怪しい女の子に負けるはずがないから。
まずは光昭が先の簡単なメジャーに背を当てた。………1センチでも4月から伸びていますように!!
………
詩帆が光昭の身長を読み上げる………
「141せんち! すごーい!! おおきーい!
―――こんどはわたしのばんね!」
と、光昭は先程まで自分が背筋を合わせていた場所に、詩帆の背中が当たるのを確認した。
そして彼女の身長を読み上げた。
と同時に得体の知れない恐怖が頭の中で爆発した。
―――自分より背が高い。
光昭の手はもうガタガタと揺れていた。
「どうしたのー? てがすごくふるえてるよ?」
「あ、ああ、ごめん。えっとね………ちょっと、待ってね………」
もう光昭は涙目で詩帆の顔すら見えなかった。
「えっとね、………1、…144センチ…」
喉の奥から絞り出すかのように彼は言った。
負けた………
「んふふー、みつあきくんよりたかーい!」
膝を崩しそうになる彼を他所に、詩帆は嬉しそうに手を広げてジャンプをした。
光昭の記憶は残念ながらここで途切れているが、その後糸が切れたように項垂れる彼に詩帆はなんとか彼を立たせて、反応の薄い彼を相手に
ちょっと悪いことをしてしまったと反省しているが、自分と同じくらいの背の男の子と遊べたのだから今となってはいい思い出である。
それが5つも上のお兄さんだったとは知らなかったけれども…
そして今、すっかりと小さくなった光昭と、膝を曲げに曲げて肩の高さを揃えつつ、それでもこっちの威圧感か遠慮しているのかどうか知らないが、微妙に距離のある彼に引っ付いて手の上にあるもう豆粒大の石を見る。
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一旦シャワーを浴びて、水分補給して休憩していると、その男からアプローチがある。突き出されたデカマラを頬張り、丁寧に尺る。やべぇ…このままずっとしゃぶっていてぇ。そんな気持ちをよそに、それを引き抜くと、今度は騎乗位を促される。静かに跨り始めると、生ケツが押し拡げられる感覚が心地よい。縮んだ俺のからは透明な嬉し涙が垂れてくる…やっと全部、奥まで入った…気持ちよさに思わず声が洩れる
「うぉ…ぅ…あぁぁ……っ…!」
お互いに、そこを上下させて、じっくりと味わい合う。奥まで生でデカいので抉られて、つい涎をだらしなく垂らしてしまう…
ふと後ろに別の男の気配がある。そいつは結合部に指を入れてきた。ぬちゃぬちゃと出し入れしてくる。一旦指が抜かれると、後ろの男は、今度は、どうやら俺を掘っている男のケツに指を入れているようだ。
「嗅げ…」
後ろの男は、仰向けになっている男に、小瓶を差し出す。俺は、多分、羨ましそうな顔をしていたと思う、その男が吸うところを、腰の動きを一旦止めて観察していた。
すると、吸い終わる頃を見計らって、後ろの男は、そのケツに嵌める。
「うわぁぁぁっっっ!」
俺を掘っていた男が大きな声を出す。どうやら後ろの男もデカマラだったらしい。俺の中のデカマラも一際大きくなる。三連結だ!俺も腰振りを再開して快楽を与え合う。
「お前も吸え…」
後ろから俺の鼻のところに、それが近付けられた。久しぶりの匂いに、それだけで興奮して思い切り吸い込む。すると後ろの男は、その男のケツから引き抜くと、俺のケツマンコに嵌め込んでくる。
「あっ………………………っ!」
やべぇ…また拡がってしまう…二本挿しや!嬉しい…気持ちいい…二本の生デカマラが俺の中で擦れ合ってる…あぁ…拡がる感じがたまらねぇ…やべぇ…あぁ…勃起してくる…
「たまんねぇなぁ、このデカマラとこのケツ………あぁ…たまんね、やべやべ、イクっ……!!」
「俺もたまんね……………イクっ……!!」
あぁ…ぬるっと奥の奥まで入ってくる…うぉあ…エロっ…たまんね…気が付くと俺の先から透明の液体が吹き出している。そのまま腰を深く下ろして、自ら奥を味わうと同時に、精子を漏らしてしまった。辺り一面の精子の匂いと生デカマラの感触と小瓶の匂いに浸り、汗だくのまま肩で息をしながら、余韻を楽しんでいる…………。
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PinocchioP- Non-Breath Oblige (ノンブレス・オブリージュ) English Lyrics
世界中のすべての人間に好かれるなんて気持ち悪いよ
だけど一つになれない教室で 君と二人 手を繋いでいたいの
数の暴力に白旗をあげて 悪感情を殺してハイチーズ
ポストトゥルースの甘いディープキス エロく歪んでるラブアンドピース
自己中の光線銃 乱射する 強者のナンセンス
オートクチュールで作る 殺しのライセンス
分断を生んじゃった椅子取りゲーム 無痛分娩で授かるベイブ
壮大な内輪ノリを歴史と呼ぶ
生きたいが死ねと言われ 死にたいが生きろと言われ
生きたいが死ねと言われ 死にたいが生きろと言われ
幸せ自慢はダメ? 不幸嘆いてもダメ?
図々しい言葉を避け 明るい未来のため
さんはい 「この世には息もできない人が沢山いるんですよ」
さんはい 「この世には息もできない人が沢山いるんですよ」
あちらが立てば こちらが立たず 譲り 奪い 守り 行き違い
地雷原で立ち止まり 大人しく犬になるんだワン
It feels kinda gross being loved by people the world over
But I wanna keep holding hands, split, in this classroom, alone, together
Waving white flags at the tyranny of the majority, shouting “Hey! Say cheese!” to kill animosity
We receive the sweet, passionate kiss of post truth. Love and peace erotically warp in our views
The raygun of self-worship fires indiscriminately. The strong continue to act nonsensically
Haute couture makes licenses to kill selfishly
Musical chairs, a division bearing game. Epidurals and life painlessly granted to babes
History, a grand inside joke, one that we named
Those who want to live are told to die. Those who want to die are told to live.
Those who want to live are told to die. Those who want to die are told to live.
Are we not allowed to be proud of our happiness? Are we not allowed to grieve over our sadness?
We avoid brazen words for the sake of our bright futures
Now sing! “There’s so many people in this world who can’t even breathe.”
Now sing! “There’s so many people in this world who can’t even breathe.”
If one side stands, the other side falls, yielding, stealing, protecting, clashing
Frozen in a minefield, I’ll just be a good boy and wag my tail
ノンブレス ノンブレス ノンブレス ノンブレス・オブリージュ
I love you 息苦しい日々の水面下 ゆらゆらと煙る血の花
ぼくらは コンプレックス コンプレックス コンプレックス
コンプレックスを武器に争う
それぞれの都合と自由のため
息を止めることを��制する
Non-breath non-breath non-breath non-breath oblige
I love you. Below the surface of these stifling days, a bloody flower smokes and sways
Our complexes, complexes, complexes,
Complexes are turned into weapons we fight with
To accommodate all circumstances and insure everybody’s freedoms
We’re enforced to hold our breath
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
生きたいが死ねと言われ 死にたいが生きろと言われ
生きたいが死ねと言われ 死にたいが生きろと言われ
正当防衛と言ってチェーンソーを振り回す まともな人たちが怖いよ
愛燦燦 春爛漫 日々だんだん大事なものが消えていくよ
さんはい 「この世には愛も知らない人が沢山いるんですよ」
さんはい 「この世には愛も知らない人が沢山いるんですよ」
共感 羨望 嫉妬 逆恨み 黒い涙がこぼれ落ち
醜い感情が吹き出し 真っ白い鳥になるんだな
Those who want to live are told to die. Those who want to die are told to live.
Those who want to live are told to die. Those who want to die are told to live.
I’m scared of the sane people who wave around chainsaws in the name of self-defense
Love’s glimmer and gleam, the blossoming of spring, slowly and surely, we’re losing the important things
Now sing! “There’s so many people in this world who don’t even know what love is.”
Now sing! “There’s so many people in this world who don’t even know what love is.”
Empathy, envy, jealousy, pettily resenting others for your own lies, it makes black tears stream from my eyes,
My ugly feelings start to arise, and transform into songbirds white as snow
ノンブレス ノンブレス ノンブレス ノンブレス・オブリージュ
I love you 深海魚と泳ぐ氷点下 見上げている ザラメの星
ぼくらは 直接 直接 直接 直接 手を下さないまま
想像力を奪う液晶越しに 息の根を止めて安心する
ノンブレス ノンブレス ノンブレス ノンブレス・オブリージュ
I love you それぞれの都合と自由のため
息を止めることを強制する
Non-breath non-breath non-breath non-breath oblige
I love you. Below freezing temperatures, I swim with deep-sea fish and look up at granulated stars
We still don’t directly, directly, directly, directly involve ourselves
On the other side of our imagination-stealing LCDs, we choke ourselves to feel at peace
Non-breath non-breath non-breath non-breath oblige
I love you. To accommodate all circumstances and insure everybody’s freedoms
We’re enforced to hold our breath
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
息を止める息を止める息を止める息を止める
息を止める息を止める息を止める息を止める
息を止める息を止める息を止める息を止める
息を止める息を止める息を止める息を止める
息を止める息を止める息を止める
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Itssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocatingitssuffocating
Holdyourbreathholdyourbreathholdyourbreathholdyourbreath
Holdyourbreathholdyourbreathholdyourbreathholdyourbreath
Holdyourbreathholdyourbreathholdyourbreathholdyourbreath
Holdyourbreathholdyourbreathholdyourbreathholdyourbreath
Holdyourbreathholdyourbreathholdyourbreath
ノンブレス ノンブレス ノンブレス ノン��レス・オブリージュ
I love you それぞれの好きを守るため
君と防空壕で呼吸する
Non-breath non-breath non-breath non-breath oblige
I love you. To accommodate all our likes and insure their protection,
In this bomb shelter, I breath with you
#pinocchioP#vocaloid#translations#is there I reason I needed to translate this?#not really#I just like this song and wanted to practice lol#p sure everyone is familiar with the official translation so I feel like I have an excuse to use this for practice#went pretty ham on it though ngl
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新ネタ入荷
別の世界では
ヨーロッパでカブ。でもホンダじゃないけど・・・
将来欧州移住を計画している息子が、滞在先の個人売買で不動車の中華カブを超激安で買った。友人のステーションワゴンに載せて持って帰ってきて、早々にバラして無事に稼働(笑)
もう当分古いバイクは買わないとか言ってた息子、オヤジがカブの話を時々するのでヨーロッパで走るカブも見ていたそうだ。ヨーロッパには小型バイクも沢山あるから羨ましい。
日本は天下のホンダ スーパーカブの国ですから、中華コピーカブはそれほど走っていないと思うけど(私が日本にいた頃は、ほぼなかったと思う)、ヨーロッパではコピーカブもよく走っているらしく、中古市場にも出てるそうだ。
そして必殺訳アリ品を激安で購入。何処の国行ってもやる事同じだった。(笑)やっぱりセコオヤジに似てしまったんだね(苦笑)
レッグシールドも白に交換予定だって。これからカブツーも予定してるから、その時のヨーロッパ写真を楽しみにしてます。
ネタが絶えない
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