#大地から食卓へ
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みんな知らない「実は略語」の言葉をまとめました。詳しくは...
食パン:主食用パン
食パンの語源に関しては複数ありどれが正しいかわかりませんが、有力な説を2つ紹介します。1つは、「主食用パン」の略。パンが日本に入って来た当時はイースト菌などもなく、比較的小さな菓子パンだけが作られていました。それからパンが大きく膨らむようになり、米の代わりになり得るようになったため、「主食用」と名付けられました。もう1つは、消しパンではない「食べられるパン」の略。昔は美術のデッサンなどでパンを消しゴム代わりに使用していたためです。
ブログ:ウェブログ
ウェブサイトの一種で日記形式のもの。英単語でも”blog”がありますが、もともとは”Web”と記録を意味する”log”が合わさった言葉である”web log”の略です。
軍手:軍用手袋
元々軍隊用の手袋として使われていたためです。日露戦争の際に、寒冷地を戦場とする兵士に支給するために考案されたものです。その後、荷物運搬や土いじりなど日常生活で使われるようになりました。
演歌:演説歌
元々は自由民権運動の政治運動家(壮士)たちが演説の代わりに歌った壮士節が始まりとされます。1930年代にジャズやクラシックが大衆歌に組み込まれていき、歌詞も政治とは関係のない叙情詩的なものに変わっていきました。
教科書:教科用図書
主に小・中・高および特別支援学校などで学ぶ時に配布される中心的な教材のことで、「教科用図書」の略です。教科書と教材の違いは、文部科学大臣の検定に合格したものが教科書と呼ばれます。
チューハイ:焼酎ハイボール
焼酎とハイボールを組み合わせた「焼酎ハイボール」の略語。焼酎やウォッカなど無色で香りのない酒類をベースに、炭酸で割ったものを一般的に指しますが、炭酸ではなくウーロン茶で割ったウーロンハイもチューハイの一種です。
ジャガイモ:ジャガタライモ
ジャガイモはそもそも南米原産の食材であり、日本には16世紀末にインドネシアのジャカルタからオランダ人により伝えられました。そのため当時は「ジャガタライモ」と呼ばれていましたが、後に略されていきました。ちなみに日本では中国語由来の馬鈴薯とも呼ばれます。
ワイシャツ:ホワイトシャツ
主に男性が背広の下に着るシャツのことですが、元々は和製英語である「ホワイトシャツ」の略。よく「Yシャツ」と記載されることがありますが、これは完全に当て字です。一方で、「Tシャツ」はアルファベットのTの字に似ているためこう呼ばれるようになりました。
割勘:割前勘定
友人との飲み会などでよくある割勘は「割前勘定」の略。割前とは分割してそれぞれに割り当てることを意味する言葉です。江���時代後期の戯作者で浮世絵師として有名な山東京伝が発案されたと言われており、当時は「京伝勘定」と言われていたそうです。ちなみに世界的に見ると割勘の文化は少数派で、男性や年上が払うのが一般的のようです。
カラオケ:空オーケストラ
歌のないオーケストラの意味で、「空(から)オーケストラ」から「カラオケ」と略されました。カラオケは日本で1960年後半に誕生したとされ、その後世界に広がっていきました。そのため英語でも”karaoke”と書きます。ちなみに中国語では「卡拉OK」と突然アルファベットが出てくる不思議です。
バス:オムニバス
ラテン語で「すべての人のために」という意味の「オムニバス」が語源で、フランスの乗合馬車の発着所の雑貨屋の看板に書かれていたことに由来します。そこから多くの人が利用する乗合自動車をオムニバスと呼ぶようになり、その後略されました。
リストラ:リストラクチャリング
英語で「再建」を意味する”restructuring”から略されたものです。リストラと聞くと人員削減をイメージしますが、本来の意味は事業構造を再構築することです。その中の一環として、人員削減が起こります。
リモコン:リモートコントロール
英語で「遠隔操作」を意味する”remote control”から略されたものです。TVなどに向かってリモコンから赤外線をデジタル信号で送ることでチャンネルや音量などを操作することができます。
ソフトクリーム:ソフト・サーブ・アイスクリーム
海外では「柔らかいクリーム?」となり伝わらない和製英語です。英語では” soft serve icecream”であり、ソフトクリームサーバーの製造などを行っている日世の創業者・田中穰治が日本でソフトクリームを広めるのにわかりやすくするために省略したとされています。
ペペロンチーノ:アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
唐辛子をオリーブ油で炒めたパスタ料理。正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」と言います。イタリア語で「アーリオ」は「ニンニク」、「オーリオ」は「オリーブオイル」、「ペペロンチーノ」は「唐辛子」を意味しています。
経済:経世済民
中国の晋朝について書かれた歴史書である『晋書』に書かれた「経世済民」を略した言葉です。現在の政治と同じような意味で昔から使われていました。明治以降、”economy”の訳語として頻繁に使われるようになったようです。
首相:首席宰相
首席はトップを意味し、宰相は辞書で調べると「古く中国で、天子を補佐して大政を総理する官。総理大臣。首相。」と載っています。首相の言葉の中に首相が含まれている二重表現のような言葉です。ただ「首相」は日本国��法に記載された言葉ではなく、報道などで使われる内閣総理大臣の通称です。
切手:切符手形
お金を払って得た権利の証明となる紙片のことを古くから「切手」と呼んでいました。日本の近代郵便制度の創始者である前島密が、“郵便物に貼って支払済を表す印紙”に「切手」という言葉をそのまま当てたそうです。
出世:出世間
元々は仏教語で、仏陀が衆生を救うためにこの世に出現することを指す言葉で、「出+世間」でした。そこから略され、日本では僧侶が高い位に上ることを意味するようになり、世間一般でも役職が上がることなどを指す言葉となりました。
断トツ:断然トップ
2位以下を大きく引き離すことを指す言葉ですが、元は「ずば抜けて」の意味を持つ「断然」と首位を表す英語の”top”が合わさった言葉の略。そのため「断トツの1位」という表現は二重表現になります。
押忍:おはようございます
朝の挨拶である「おはようございます」から「おっす」と短くなり、さらに「おす」へと略されました。そこから「自我を押さえて我慢する」という意味を込めて「押忍」という漢字が当てられました。
デマ:デマゴギー
大衆を扇動するための政治的な宣伝を意味するドイツ語の「デマゴギー」を略したものです。元の意味の通り、政治的な意味合いを持つ言葉でしたが、昭和になってから、単純に「嘘」や「根拠のない噂」の意味で使われるようになりました。
おなら:お鳴らし
屁を「鳴らす」の名詞である「鳴らし」に「お」をつけて婉曲に表現した言葉で、そこから一文字略されました。元々の言い方の方が上品な感じがあって良いですよね。というのも、一般庶民は昔から「屁」と言っていましたが、宮中に仕える女房たちは隠語として用いていたためです。
電車:電動客車
電動客車をより細かく表現すると、「電動機付き客車」または「電動機付き貨車」となります。電車は架線あるいは軌道から得る電気を動力源として走行しています。
電卓:電子式卓上計算機
計算機という本来役割を表す意味の言葉が略されています。1963年に世界初の電卓が登場し、1964年に現在のシャープから日本初の電卓が発売されました。当時の価格は53万5千円と車を買えるほどの値段でした。今では100均で売られているものもあるのに驚きですね。
ボールペン:ボールポイントペン
英語で”ball-point pen”と言い、これを略した言葉です。ボールという単語が使われている理由は、ボールペンの構造上、先端に小さな回転玉(ボール)があるためです。
インフラ:インフラス��ラクチャー
英語で「下部構造」や「基盤」を意味する”infrastructure”から略されたものです。電気・ガ��・水道・電話・道路・線路・学校や病院などの公共施設など、私たちの生活に欠かせないものを指す言葉となっています。
シネコン:シネマコンプレックス
「コンプレックス”complex”」が「複合の」を表す英単語で、同一ビル内に複数のスクリーンを備えた複合型映画館のことを表します。国内の代表的なものとしては、TOHOシネマズ、イオンエンターテイメント、MOVIX、ユナイテッド・シネマなどがあります。
シャーペン:エバー・レディー・シャープペンシル
シャーペンが「シャープペンシル」の略ということを知っている方は多いと思いますが、実はこれも略語。1838年にアメリカで「エバーシャープ」という筆記具が登場し、その後1915年に現シャープの創設者である早川徳次氏が国内初となるものを考案し、「エバー・レディー・シャープペンシル」という商品名をつけヒットさせました。
ピアノ:クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ
イタリア語で「小さい音と大きい音を出せるチェンバロ」という意味です。いつの間にか「小さい音」を表すピアノだけに略され、楽器を表す名詞となりました。元のピアノの意味は今でも音の強弱を表す「メッゾピアノ」や「ピアニッシモ」と合わせて音楽記号として使われていますね。
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名前 菊池 日菜
生年月日 2004年2月11日
出身地 埼玉県
身長 155cm
趣味 食べること、運動、音楽を聴くこと
特技 卓球
2004年埼玉県生まれ。幼い頃から器械体操を始める。中学生から始めた卓球に夢中になり、高校は青森の強豪校へ入学。現在、東京女子体育大学で卓球部に所属。全国大会に出場するなど、活躍を見せている。芸能プロダクション「seju」に所属。
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食べると体も心もあったかくなるご飯を作る友人が、お店で使うお椀を新調しようとしていた時に「能登の輪島塗のお椀をみんなで買いませんか」と声をかけてくれた。以前小豆島に住んでいた彼女の友人が今、能登半島地震で被災され手放さなければいけなくなった大切な生活道具たちを新たな人のもとへ届ける活動をされています。そうして島へ届いたお椀たちはとっても美しく小ぶりで愛らしい。これからそれぞれの食卓で大切に使われていくんだろうな◎
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『 京都食堂探究 「麺類・丼物」文化の美味なる世界』加藤 政洋、〈味覚地図〉研究会 著 (筑摩書房)
食の本にしてはやや薄味。
はしがき 西陣のうどん屋から/寿司、カレーライス、もち/本書のメニゥ 第1章 上方〈麺〉問答─諸説覚書 1「きつね」は「けつね」か 「このうどんはたまらねえ」/「まったり」として……/断じて、きつね/エンタツ・ アチャコの回想 2 「きつね」か「たぬき」か 「めしのお菜」/「大阪にそんなもんはない!」/「うどんですか、そばですか?」/ たぬきは一枚上手 3 「きつね」は化ける (仮想)小林カツ代の驚き/謎の狐蕎麦 4 油揚げの魅力 油の臭み/惑いの〈麺〉問答 第2章 〈しっぽく〉の美学 1 京都のうどんには〇〇がのっています 華麗なる上おき/薄くて小さい○○ 2 卓袱から〈志津ぽく〉へ 《下河原》の卓袱料理/「京坂の温飩屋」と「江戸の蕎麦屋」/江戸麺界の下剋上/異 風か異称か/「おかめ」のような 3 にゅうめんの正体 玉子焼き幻想/むかしのメニゥ/土鍋の真ん中に/「にゅうめん」は夏の味覚か 4 〈しっぽく〉鍋のミッシングリンク 「長崎ちゃんぽん」鍋の謎/「うどんのすき焼き」/ベトベトの蕎麦/〝エンタツ〟鍋 /「芳香炉」をめぐる語り/食堂の「しっぽく鍋」 第3章 なにを「とじる」か 1 謎かけ丼 丼物の名前/「親子」と「他人」/どちらをとじるか?/玉子で蓋をする 2 〈麺・丼〉問答 丼物の「都鄙問答」/しっぽくの変態 3 とじなくても美味しいんです ねぎの切り方/食堂でお月見を 4 「あんかけ」をご存じですか? 出汁を食べる/それは玉子とじなのか?/「たぬき」にあらず/夏の涼味/のっぺいの 謎 第4章 食堂と町中華の不思議 1 どこでも 〈中華そば〉 スバといなり/かまぼこはあるやなしや 2 〈ちゃんぽん〉とりどり 丼のなかの別世界/昭和京都の「チヤンポン丼」/長崎憧憬/〈中華〉と〈和風〉 3 〈あんかけ〉の都 [龍鳳]の品書き/町中華のチャンポン麺/魅惑の白/〈けいらん〉系中華/カ���ー丼 の正体 4 台を替える愉しみ 「そばだいで」/うどん出汁の中華麺/「キーシマ」と「中はく」/京料理のような/ 「台ぬき」のいろいろ/空飛ぶマダムの後口直し/「玉吸い」と甘味でささやかなぜい たくを
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月27日(水曜日)参
通巻第8070号
AIは喜怒哀楽を表現できない。人間の霊的な精神の営為を超えることはない
文学の名作は豊かな情感と創造性の霊感がつくりだしたのだ
*************************
わずか五七五の十七文字で、すべてを印象的に表現できる芸術が俳句である。三十一文字に表すのが和歌である。文学の極地といってよい。
どんな新聞や雑誌にも俳句と和歌の欄があり、多くの読者を引きつけている。その魅力の源泉に、私たちはAI時代の創作のあり方を見いだせるのではないか。
「荒海や佐渡によこたう天の川」、「夏草や強者どもが夢の跡」、「無残やな甲の下の蟋蟀」、「旅に病で夢は枯野をかけ巡る」。。。。。
このような芭蕉の俳句を、AIは真似事は出来るだろうが、人の心を打つ名句をひねり出すとは考えにくい。和歌もそうだろう。
『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天香具山』(持統天皇)
皇族から庶民に至るまで日本人は深い味わいが籠もる歌を詠んだ。歌の伝統はすでにスサノオの出雲八重垣にはじまり、ヤマトタケルの「まほろば」へとうたいつがれた。
しかし人工知能(AI)の開発を米国と凌ぎを削る中国で、ついにAIが書いたSF小説が文学賞を受賞した。衝撃に近いニュースである。
生成AIで対話を繰り返し、たったの3時間で作品が完成したと『武漢晩報』(12月26日)が報じた。この作品は『機憶(機械の記憶)の地』と題され、実験の失敗で家族の記憶を失った神経工学の専門家が、AIとともに仮想空間「メタバース」を旅して自らの記憶を取り戻そうとする短編。作者は清華大でAIを研究する沈陽教授である。生成AIと66回の対話を重ね、沈教授はこの作品を「江蘇省青年SF作品大賞」に応募した。AIが生成した作品であることを予め知らされていたのは選考委員6人のうち1人だけで、委員3人がこの作品を推薦し
「2等賞」受賞となったとか。
きっと近年中に芥川賞、直木賞、谷崎賞、川端賞のほかに文学界新人賞、群像賞など新人が応募できる文学賞は中止することになるのでは? 考えようによっては、それは恐るべき時代ではないのか。
文学の名作は最初の一行が作家の精神の凝縮として呻吟から産まれるのである。
紫式部『源氏物語』の有名な書き出しはこうである。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」
ライバルは清少納言だった。「春は曙、やうやう白く成り行く山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる」(清少納言『『枕草子』』
「かくあり��時すぎて、世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経るひとありけり」(道綱母『蜻蛉日記』)
額田女王の和歌の代表作とされるのは、愛媛の港で白村江へ向かおうとする船団の情景を齊明天王の心情に託して詠んだ。
「熟田津に 船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕こぎ出いでな」(『万葉集』)。
「昔、男初冠して、平城の京春日の郷に、しるよしして、狩りにいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。」(『伊勢物語』)
▼中世の日本人はかくも情緒にみちていた
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫(うたかた)はかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(『方丈記』)
『平家物語』の書き出しは誰もが知っている。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとへ)に風の前の塵におなじ」。
『太平記』の書き出しは「蒙(もう)竊(ひそ)かに古今の変化を探つて、安危の所由を察(み)るに、覆つて外(ほか)なきは天の徳なり」(『太平記』兵藤祐己校注、岩波文庫版)
「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」(『徒然草』)
古代から平安時代まで日本の文学は無常観を基盤としている。
江戸時代になると、文章が多彩に変わる。
井原西鶴の『好色一代男』の書き出しは「「本朝遊女のはじまり、江州の朝妻、播州の室津より事起こりて、いま国々になりぬ」
上田秋成の『雨月物語』の書き出しはこうだ。
「あふ坂の関守にゆるされてより、秋こし山の黄葉(もみぢ)見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海がた、不尽(ふじ)の高嶺の煙、浮島がはら、清見が関、大磯小いその浦々」。
近代文学は文体がかわって合理性を帯びてくる。
「木曽路はすべて山の中である」(島崎藤村『夜明け前』)
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降り��一週間ほど腰を抜ぬかした事がある」(夏目漱石『坊っちゃん』)
「石炭をば早はや積み果てつ。中等室の卓つくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒らなり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌カルタ仲間もホテルに宿りて、舟に残れるは余一人ひとりのみなれば」(森鴎外『舞姫』)。
描写は絵画的になり実生活の情緒が溢れる。
「国境の長いトンネルをぬけると雪国だった」(川端康成『雪国』)
谷崎潤一郎『細雪』の書き出しは写実的になる。
「『こいさん、頼むわ』。鏡の中で、廊下からうしろへ這入はいって来た妙子を見ると、自分で襟えりを塗りかけていた刷毛はけを渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据みすえながら、『雪子ちゃん下で何してる』と、幸子はきいた」。
「或春の日暮れです。唐の都洛陽の西の門の下に、ばんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました」(芥川龍之介『杜子春』)
▼戦後文学はかなり変質を遂げたが。。。
戦後文学はそれぞれが独自の文体を発揮し始めた。
「朝、食堂でスウプをひとさじ吸って、お母様が『あ』と幽(かす)かな声をお挙げになった」(太宰治『斜陽』)
「その頃も旅をしていた。ある国を出て、別の国に入り、そこの首府の学生町の安い旅館で寝たり起きたりして私はその日その日をすごしていた」(開高健『夏の闇』)
「雪後庵は起伏の多い小石川の高台にあって、幸いに戦災を免れた」(三島由紀夫『宴のあと』)
和歌もかなりの変質を遂げた。
正統派の辞世は
「益荒男が 手挟む太刀の鞘鳴りに 幾とせ耐えて今日の初霜」(三島由紀夫)
「散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐」(同)
サラダ記念日などのような前衛は例外としても、たとえば寺山修司の和歌は
「マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの 祖国はありや。」
わずか三十一文字のなかで総てが凝縮されている。そこから想像が拡がっていく。
こう��た絶望、空虚、無常を表す人間の微細な感情は、喜怒哀楽のない機械が想像出来るとはとうてい考えられないのである。
AIは人間の霊感、霊的な精神の営みをこえることはない。
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サイドシートの君
ゆかは旅先で呼んだコールガール。
地元が近いのと趣味が合った事がきっかけで連絡先を交換した。
そしてお盆の帰省のタイミングで会う約束を決めた。
ゆかのいる町まで車で一時間ほど。
来るか来ないかは半信半疑だった。
約束を破るような子では無いと思ってはいたけれど、連絡の返信の遅さがちょっと気になっていて、来なければ来ないでいいやと思っていた。
約束の時間の十分前に待ち合わせ場所に着いて車を停めた。
ゆかに着いた事と車の特徴を書いたメッセージを送る。
来ても遅れるだろうと思い、二十分後に発走する競馬を予想して買った。
既読が着いたのは約束の時間を二分過ぎたあたり。
あと五分くらいで着くらしい。
少し安心した。
それから十分後にメッセージ。
車のナンバーはこれですか?と来て、車の後ろを振り向くと、こちらを見ているゆかと目が合った。
手招きをして助手席に呼ぶ。
ゆかが席に乗り込んでくる。
「すみません」
「久しぶり」
「お久しぶりです」
「元気だった?」
「はい」
「ありがとね、来てくれて」
「いえいえ」
「じゃあ行こうか」
プランを二つ提案した結果、神社に行って近くにある貝出汁のラーメンを食べることにした。
近くのコンビニでコーヒーを買う。
「そうだ、さっき競馬買ってたんだよね」
「そうなんですか」
「一緒に見る?」
「見ましょう!」
一緒に見たレースは見事に的中だった。
ゆかも喜んでいた。
車を走らせる。
車内ではゆかが同棲中の彼氏に薦められて見た頭文字Dの話を熱く語っていた。
今度聖地巡礼に行くらしい。いろは坂はあのまんまだよと言っておいた。
ゆかが今日着ている服はライトなロリータ風のワンピースで、童顔の彼女にはそれがとても似合っていたので伝えた。
嬉しそうに笑うゆか。ロジータというブランドらしい。
田舎道を走っているとひまわり畑を見つけた。
下りてみると一面ひまわりが咲き誇っていて、その後方にある風力発電のプロペラがまたいい味を出していた。
夢中で写真を撮るゆかは無邪気な少女のようで、転んてしまわないか心配になるくらいだった。
車を再び走らせて神社へ向かう。
険しい階段を上って本殿でお参りをする。
「五円あった」ゆかが財布から硬貨を取り出す。
「俺は欲張りだから五円が十倍あるように五十円にするよ」
「なるほど!」
神様に祈ったことは今日が楽しく終わりますように。きつねの神様は俺を助けてくれるだろうか。
反対側に下りて行くと無数の赤い鳥居が並んでいる。何度来ても圧倒されるが、ゆかも同じだったようだ。
ここで少し雨が落ちてくるが気にせずに歩いていく。鳥居の中を歩いていくと横に水場がある。そこに咲く蓮の花を見つけたのでゆかに教えると鳥居から蓮にスマホを向けて撮影した。
白い花びらが水から顔を出して咲く姿は可愛らしさだけではなく強さも感じた。何となくそれはゆかの姿にも重なった。
高台から鳥居が並ぶのを眺める。
雨が本降りになってきたので木の下で雨宿り。
ゆかの持っている赤いバッグには傘が入っていないらしい。
「折りたたみもってくればよかった」
「雨降るなんて考えてなかったよ」
「県の真ん中の方は降るって聞いてたんだけどなぁ」
「しゃあないよ、ここ真ん中じゃないし」
しばらく経ってもやまない雨。結局少し濡れながら歩くことにした。
雨降りにも関わらず別な色の蓮の花を見つけて二人で写真を撮った。
階段を上って下り、おみくじをひいた。
天然石が入ってるおみくじで、パワーストーンが好きなゆかにはぴったりだった。
昼食の時間になったので店へ向かうが、時期や時間もあって行列ができていたので、同じく貝出汁のラーメンを出している別な店で食べることにした。
運良くすぐに座れ、ゆかとあれこれ話した。
ゆかは小学校から高校まで卓球をしていたらしい。
大学ではクラゲの研究をしていて、クラゲの生態にも詳しかった。
「一応理系なんで」
確かに同人小説を書き方を聞いたら実に論理的に話を作っているなと感じていた。
そんな話をしているとラーメンが出来上がって食べた。貝の出汁とバターの風味がうまくマッチしていて絶品だった。ゆかも気に入ってくれたようだ。
店の外に出るとまたもや雨。
近くの公園にあった遊具も濡れていた。
「晴れてたらやりたかったのになぁ」
「これじゃ濡れちゃうね」
残念そうにするゆか。
ここの段階で時間は十三時をまわっていた。ゆかは十六時くらいまでならと言っていたので、次の場所を迷ったが、思い切って賭けに出ることにした。
市街地へ車を走らせる。
「あのさ」
「ん、なに?」
「夜の仕事、まだやってるの?」
「いや、しばらくやってない。昼の仕事で稼げるようになったから。このままやめようと思ってる」
「そっか、昼の仕事が順調ならいいね」
「うん、もう知らない人に会わなくてもいい」
「お疲れ様。よう頑張ったと思うよ」
「彼には絶対言えないけどね」
「体調もよさそうだね」
「うん、抗うつ剤は飲んでないし、元気になったよ」
「よかったよ」
ゆかの手に触れて握ると、握り返してくれた。
川沿いの堤防を走る。
カーステレオからは真夏の果実。
市街地にあるホテルへ入り車を停めた。
ゆかの表情は暗くて見えなかった。
「いい?」
「タダじゃ嫌」
「そっか」
その返答は予測していた。元々は金で繋がった関係だ。
「いくらくれる?」
価格交渉が始まるが、割とすぐにまとまった。
タッチパネルで安い部屋を選んで入る。横にあるシャンプーバーの香りが鼻についた。
部屋に入ってソファに座る。
唇を重ね、ゆかの胸に顔をうずめた。
その後の事は何となくしか覚えていない。何度もキスをして、何度も愛を囁いた。
そして二人並んで眠った。
ゆかの寝息を聞きながら時間を気にしていた。
リミットの時間はとうに過ぎている。
目を覚ましたゆかに聞いた。
「時間大丈夫なの?」
「ああ、うん。別に花火があるからそれまでに帰れれば。そんな花火見たいわけじゃないんだけど」
その日はゆかの住む町で祭りがあって二十時から花火が上がる日だった。
「そっかそっか。一緒に見る?」
「うーん、誰かに見られると嫌だから」
「だよな」
その後はゆかの書いた小説を読んだ。そしたら俺もゆかに自分の書いた物を見せたくなった。
「ゆかの事書いた作品があるんだけど見る?」
「えー!恥ずかしいからやだ」
「まあまあ、自分だと思って見なきゃいいからさ」
「うーん、ちょっと興味はあるんだけどね」
そしてTumblrに投稿してたコールガールを見せた。
時に笑いながら、時に考えながら読んでいた。
「この表現好き」
ゆかを花に例えた部分が気に入ったらしい。
「人の書いたもの見ると勉強になる。すごく読みやすかった」
「ありがとう」
「今日の事も書くの?」
「そうだなぁ、たぶん書く」
「めっちゃ恥ずかしい」
そんな事を話しながら、不思議な関係だなと思った。
現実で会った人にTumblrを見せたのは初めてだった。
彼女でもなければセフレでも無い。そもそも会って二回目の関係なんだから名前をつけようにもまだ難しいだろう。
それでもこの関係は何だろうと思いながら気づけば温くなった風呂に二人で入っていた。
洗面台で歯を磨くゆかに後ろから抱きついたり、服を着るのを邪魔してみたりした。
帰路につく。
夕焼けの時間だった。
この様子だとゆかの町に着くのは十九時くらいになりそうだ。
「今日さ」
「うん」
「何で来てくれたの?」
「えっ、うーん…誘われたし暇だったから」
「そっか。お金もらえるって思ってた?」
「いや、それはない。ただ会ったらするかもなとは思ってた」
「そうなんだ」
「うん」
途中の海辺で夕焼けの写真を撮った。
「すごくいいね!あとで送って」
「いいよ、今送るよ」
すぐゆかに送った。
「ありがとう」
そっとゆかの手に触れた。自然と繋ぐ。
車は海沿いの道を駆け抜けていく。
町に着くと大勢の人で賑わっていた。
「どこで下ろせばいい?」
「真ん中は嫌だから…朝会ったとこ」
そこへ向かって車を進めると、警備の人が立っていて入れなかった。
「ちょっと入れないな…」
「うーん、どうしよう」
ぐるぐると町中を周る。
「やっぱ入れないよ」
「離れたとこなら一緒に見ても���い」
「えっ、あっ、そっか。じゃあそうしよか」
「うん」
「食べ物買いに行こか」
「屋台はダメだよ。知ってる人いるかもしれないから」
「そうだな。コンビニでいいか」
その町にある唯一のコンビニで食事を買った。
その隣りにある駐車場から花火が見えそうだったので、そこに停めて見ることに決めた。
花火が始まる。
ここでもゆかは写真を撮るのに夢中。
俺も撮ってみたけれど、信号が邪魔して上手く撮れなかった。
合間に見せてくれるゆかの写真は上手に撮れていた。
プログラムの間、ひたすらゆかはスマホをいじっている。その動きが止まると俺のスマホに通知が来た。
「アルバム作った」
開いてみるとトーク画面に日付が入ったアルバムが出来ていた。花火や蓮、ひまわりの写真がたくさんおさまっていた。
「おー、いいね。ありがとう!」
「ふふっ」
ゆかはまた外にスマホを向けた。
「あの色はリンで…」
花火の色を見ながらそんな事を言っていた。
「覚えたことって言いたくなるよね」
ゆかが笑う。そうだなと俺も笑う。
あっという間に花火大会は終わった。
「帰ろっか」
「うん…」
帰りに降ろす場所を探しながら車を進めた。
「あっちに行くと公園がある」
「そこで降ろす?」
「いや、遠いからいい」
「行ってみようか?」
「うん」
公園に行くと暗くてよくわからなかったが、日中は眺めがいいだろうなと思った。
「あっちには小学校がある」
「行ってみよか」
何となくゆかの気持ちがわかった。
「あれだろ」
「なに」
「別れが惜しくなったんだろ?」
笑いながら言った。
「でも明日は友達と遊ぶから泊まれない」
「もうちょっとドライブするか」
「うん」
小学校へ入った。ゆかが通っていた小学校はかなりきつい坂の上だった。
「こんなのだからめっちゃ足腰鍛えられた」
「これは中々スパルタだな」
「でしょ」
小学校を後にして車を俺の地元方向へ走らせた。
「あれだよね」
「なに?」
「泊まっても寝ればいいじゃん」
「うーん」
「俺いびきかかないし」
「そうなんだ」
ゆかの右手に左手を重ねた。
「朝、めっちゃ早起きだよ?」
「いいよ。またここまで送るからさ」
「わかった」
「じゃあ、泊まろっか」
「親に連絡しとく」
コンビニでコンタクトの保存液とビールとほろ酔いを買った。
ホテルへ入る。今日二度目だ。
カラオケがついていたので酒を飲みながら二人で歌った。
夜は深くなっていく。
シャワーを浴びる。マシェリでゆかの髪を洗った。
洗面台でそれを乾かしてベッドへ入る。
互いに欲望のまま相手を求めあう。
眠っては起きて、キスをして、何度も何度も。
「俺に好きって言ってみてよ」
「言わない」
「いいじゃん、嘘でも言ってみなよ」
「嫌だ言わない」
「そっか」
力一杯抱きしめて、それをゆかも返した。
俺は六月にあったことを話した。
自殺未遂のことも。
「ガチで死のうとしたんだね」
「うん、そうだよ」
「生きててよかったね」
「ほんとそう思う」
「今も彼女のこと好き?」
「いーや、全然」
「そっか」
「新しい好きな人いるらしいし」
「いなきゃ好きなの?」
「いや、そういうわけでもない。俺にはあわなかった」
「切り替え早いね」
ゆかの首筋にキスをして眠りについた。
結局は予定の時間にゆかは起きれなかった。
俺も軽くは起こしたけれど、別れを早くしたくないなんてエゴが出た。
「私ほんと時間にルーズなんだよね」
と言いながら、そんなに慌てないゆかが滑稽だった。
「私と付き合わない方いいよ」
「どうして?」
「時間守れないし、好きなこと話すと止まらないし」
「時間を守れないのはよくないな。でもそれはパートナーがちゃんとしてれば支え合っていけるんちゃうか?」
「うん…」
ワンピースを着ながらゆかは俺を見た。
「うしろのチャック閉める?」
「閉めよっか」
「自分でも出来るけど」
「いいよ、閉めるよ」
背中を向けたゆかの背中のファスナーを閉めた。
「上のボタンもかけて」
「はいはい」
ボタンを掛けて後ろから抱き締める。
「かわいいよ」
「ふふっ」
ゆかにかわいいと言うといつも笑う。
そんなとこはあざといのかもしれない。
「友達との待ち合わせ場所まで送ってくれるんでしょ?」
「うん、送るよ」
「やったー」
「そのかわり」
「なに?」
「お金は無しな」
「えー、少しも?」
「当たり前だろ。泊まったし送るんだし」
「ふふっ、そうだよね。わかった」
「交渉成立な」
「電車代浮いたからいいや」
「なんだよそれ」
ゆかが笑った。
ホテルを出てコンビニでコーヒーと朝食を買った。
予定時刻までに着かないのはわかっていた。
友達やら予約しているカラオケに電話をしながら、車の中でアイラインを引き、ルージュを塗った。
「ちょっとはおしゃれしないと」
「昨日と同じ服だけどね」
「それはしょうがない」
「そうだな」
「そうだ、スッピンどうだった?」
「あー、うん。可愛かったよ」
「ふふっ」
相変わらず笑う。
海辺を見ながらゆかは言った。
「普段海見な��けど、やっぱりこっちの海のが好き。向こうはなんか深くて怖いから」
戻ってこいよ。なんて言おうと思ったけど、別に俺がそれを言える立場じゃ無い。
「やっぱさ、十八年見た海は特別なんだね」
「確かにそうかもな」
「今回帰ったら、次見るのは冬か」
「その時も一緒に見たい」
「うん、いいよ。あっ、あとは会いに来てくれれば会えるよ」
「行きたいなとは思ってるよ」
海辺を過ぎて内陸へ入る。
あと五分で目的地。
信号で止まった時にゆかの唇を奪った。
信号の色が変わるのを感じで離れる。
ゆかの表情はどこか寂しげだった。いや、そう思いたいからそう見えたのかもしれない。
カラオケの前で降りる間際にもキスをした。
去り際にゆかは俺を見てこう言った。
「死なないでね」
短いけど重い言葉だった。
「そっちもな」
車を大通りへと向かわせる。
何度もゆかの耳元で囁いた言葉を思い出す。
車線を変えながら車を一台二台と抜いた。
「俺って本当に」
アクセルを踏んで帰路につく。
サイドシートにマシェリの香り。
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役者紹介
らいらも皆もきっと生まれ変わり。
大切な日ともの (敬称略)
東愛莉
10/10 地図
大良ルナ
7/6 小石
児
12/1 靴下
うみつき
1/23 チョーク
統括のフォーニャー
5/12 水
緒田舞里
8/3 鉛筆
白
3/17 梅
埖麦
8/25 時計
岡崎仁美
9/16 折り鶴
雨々単元気
6/11 コンロ
舞原の絞り滓
11/1 切符
じゃがりーた三世
2/29 アルミホイル
オーム
1/4 懐中電灯
テキストを入力
12/6 みかん
縦縞コリー
9/26 フォーク
大福小餅
4/10 クレヨン
叶イブ
3/31 ガラス
アリリ・オルタネイト
1/28 桶
オペ's
紫苑
6/9 糸
肆桜逸
11/13 寝袋
森々仙入
8/17 箪笥
演出
はぜちかきつ
9/9 電卓
秋公に参加した34期の皆さんへ
ビアゲ
◯岡崎仁美
ぬぴ!ふわふわ���可愛い人だっていうのが第一印象です。そしたら舞監をごりごりにこなすかっちょいい先輩でした。可愛いものを見せたら一瞬でふわふわになるけど。
役者もっと見たかったです。正直初めて会ったとき新歓の子供役だと思わなかったです。自然な演技で私とは違った演技をする人だな、と思ってました。どこかで同じ座組で共演できたり?!やりたいなぁ。舞台監督の仕事も教えてもらってありがとうございます。こふくさんと一緒に頑張ります💪
いつでもお家きてください。ご飯も一緒に行って美味しいものたくさん食べましょ!!観劇とかも一緒に行けたり…1月、がんばりましょ!!
◯ 緒田舞里
新歓隊長!!最初の印象はやっぱこれですよね。新歓の舞台で見たときはあの人だ!ってなってこういう演技をするのかぁってわくわくをもらって帰ったことを覚えています。今回の共演、本当に少しでしたけど優のお母さんがしっかりといて毎回楽しかったです。美菜に悩んでたときはいろいろ聞いて話してくれて嬉しかったです。だから次の機会ではたくさん共演するんだ!とりあえず1月に向けて一緒に頑張りましょ!!
一緒に目見開いたり、ぎゅーってしてくれたりまりおさんと一緒にする些細なことが大好きでした。ぎゅーってしにきてください。目玉がとれるくらい目を見開きます
◯ 児
オムニがこたちさんの脚本で良かったです。まあセクハラはほどほどにした方がいいとは思いますが。11月末楽しみにしています。
第一印象はずっと歌ってる人でしたね。毎稽古休憩時間とかなんかしら歌ってたのでそう思ってました。今もそのイメージです。自分の世界を大切に持ってるのいいなって思います。セクハラはほどほどにした方がいいとは思いますが。
今回共演できてウルトラスーパーハッピーでした。一緒にするたび震えてました。私の友達、一瞬新美南吉だって気が付かなかったらしいです。本当にすごいことだと思います。
◯ らっしー
第一印象は「王です」ですね。この人がちゃうかの王なのかってなりました。すっごくあたたかい人でお話ししたいなぁって思ってたんです。そしたら合宿でお部屋が同じになりました。一緒にたい焼きカルタやりましたね。なぽりさんとらっしーさんと話せて私はあのときすごく幸せでした。マイホームでした。
秋公の打ち上げも一緒にがつがつ食べて楽しかったです。やっぱりご飯はたくさん食べなきゃいけませんよね?!
役者をみたのは一回だけでしたが後輩可愛かったです。せーんぱいって呼ばれたい人生でした。一緒に頑張りましょう💪
◯ 統括のフォーニャー
オムニのときにはゾンビメイクでお世話になり、今回は共演まで果たしてしまいました。こんなに幸せでいいのでしょうか??第一印象はやっぱり、ギャルですよね。そのうちイケメンであることがわかってきて最強でした。話したら優しくお話ししてくれるし嬉しかったです。栞つくってるときは様子がおかしかった気もしますがおもろかったのでなんでもありですね。
看護師役、シーンが変わってふぉにゃさんが出てきたときの安心感、舞台上でいつも感じてました。あと本で盛り上がるところ目合わして話せるの楽しかったです。
◯ 舞原の絞り滓
声でけぇ、最初の印象です。え、誰この声って探したら髪サラサラな人から出てる声だったんですよ。私の人生経験上髪サラサラな人ってそんな声通ることなかったのでやっぱ大学って違うんだってなりました。本当に声が通るの羨ましいです。外公では楽しそうにそれを発揮していたのでみているこっちもにっこにっこです。
変顔楽しかったです。まほろさんとする変顔不足すぎて大学ですれ違ったときにでもしてしまいそうなくらい楽しかったです。変な話しても真面目なのか不真面目なのかいい加減に返してくれるのが心地よかったです。
後輩が、いるよ‼️‼️
◯ じゃがりーた三世
第一印象ですか?毎日第一印象変わるんですよね、これが。なんてこったい。エチュードのときにらいらって普通に呼びながら入ってきたのおもろすぎて何しようかとか全部吹っ飛んだの覚えてます。そのままでいてください。今回の料理人父役もうまい具合にレプトンさんと役とを混ぜ合わせてレプトンさんにしかできない演技をしていたのいいなぁって思いました。私はどうしても役!!っていうふうに固く考えてしまいがちなので美菜をするときその柔軟さを取り入れたりもしました。実は。
◯ アリリ・オルタネイト
第一印象、絶対末っ子やんでしたね。体験稽古のときにちゃうかのみんなからよしよしされてて可愛い人だなって思ってました。舞美作業で一緒になったら過去の作った写真を見せてくれてこんなに可愛い人からこんなにすごいものが生まれてくるのかと驚いた記憶があります。明るく楽しくお話ししてくれてでもブラックコーヒーを飲むというギャップの持ち主でした。しかも長女らしい、なんだと。子供役が似合いすぎてるし、英語かっちょええし、その人にしかできない役があるのってすげえ強いことだと思います。
たくさん栄養たっぷりなご飯食べてくださいね!!!!
栞
◯ たぴおか太郎 4/7 メガネ
同じ出身地?!が1番の印象でした。オムニのときの桃色サンゴちゃん、激かわでしたね。外公、ステで髪型変わるの好きでした。今回の秋公、なすかさんのアパレルの方みれて本当に良かったです。もっと観たい!!だから私は向かいます。楽しみです。オムニの打ち上げでは隣の席に座ったらずっと変なこと話してました。おもろかったです。私たちの出身地の代表としてこれからも頑張っていただきたいです。こんなおもろい人がいるんだぞと。でもやっぱり共演したかったです。
なすかさんのらいらちゃんって呼んでくれるのが本当に大好きです。私の名前を呼ぶためだけに稽古場にたぴおかの天使としてきてください‼️‼️
◯ 水琴冬雪 1/3 パソコン
一回は同じ脚本に参加したかったなぁと。悲しい!最初は物理の人だっていう印象でした。なんだかんだ最初に1番話した先輩です。宣美講習会のあとですね、覚えてますか??高校演劇してたんだっていう話しましたよね。懐かしいです。だからこそ同じ舞台に立ちたかったなぁ。機会があれば必ず一緒にやりましょう。
ベガさんはよくタブレットをくるくるしてましたね。だから次のバイトはピザ屋さんをおすすめします。すぐにプロ級になれるのでは??上手に焼けるかと言われればんー、って感じですけどベガさん自身熱々な人なので焼けるかもしれないですね。逆に焦げてしまうかもしれないですけど。
◯ 肆桜逸
突然舞台班に入った私。これがなかったら全然話さなかった先輩じゃない��な、と思ってます。舞台映えする先輩だなっていうのが第一印象です。なんでだっけ?忘れました。
大道具作業に行き始めて話して正直こんなに話しやすい人だとは思ってなかったです。だからいつのまにかニキって呼んでました。
外公はっちゃけてましたね。読み合わせのときから楽しんで読んでて見てるこっちも楽しかったです。今回は高校生役ですっと教室にいるし空気に馴染むのがうまいなってなりました。吹田最高でした。あとカスタネット、斬新な使い方でしたね。
大好きな先輩方。未来に向かってスタンバイ
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576:名無し:24/09/03(火) 14:07:29 ID:ob.96.L5 思春期入る中学生くらいの頃って、特有の男女対立みたいなのはありがちだと思う 女子「��子ふざけてないでまじめにやって!」 男子「真面目ぶって女子うぜー!」 みたいな感じの、幼い時期特有の対立 俺が中3の時のクラスでもそういう雰囲気があったんだがみんなある程度弁えてて、 手は出さない、口喧嘩も言ってはいけないラインは踏み越えない、相手を怒らせはしても傷つけない、 みたいな制限はかかってた だけど男子側に一人だけ限度を弁えてないのがいて、女子より優位に立つためなら 傷つくことを平気で言う、机や椅子を蹴り飛ばす、黒板や教卓をデカい音を立つように殴る、女子に向かって物を投げるなど DV男の片鱗を見せていて、よく男子の代表面して女子と対立してたが、男子側からも引かれて一歩距離を置かれてた 行き過ぎな行為に担任が注意もしたが、当時の担任が若くて未婚の女性だったから、舐めて一切聞き入れなかった ある時事件が起きた 俺は詳しい現場を見てなかったんだが、昼休みにDV男子と同類の別クラスのやつがうちのクラスに集まってて、 クラス委員長の気の強い女子と喧嘩になってたらしい 俺は給食当番で教室を出ており戻ってきた頃には喧嘩の終盤だったので何きっかけかはわからないが、 DV男子とその仲間がクラスの男子たちからも遠巻きにされている中、長身のDV男子が下を俯いて肩を震わせる委員長を 見下ろし、罵倒して嘲笑って、取り巻きもニヤニヤしていた 委員長は言い返さず顔を伏せたまま教室を出ていったのを女子の何人かが追いかけ、残ったクラスの男女双方とも いくらなんでもやりすぎ、謝るべきとDV男子に意見していた だけどDV男子は意地悪く笑ってるだけで、むしろクラスから委員長を排除したと武勇伝のように語ってた 掃除の時間が終わっても授業が始まっても委員長は教室に戻ってこなくて、それが原因で喧嘩のことが 担任と学年主任にまで話があがった 学年主任はとても厳しい先生だったので、勉強ができずスポーツ推薦で進学予定だったDV男子の推薦を いじめを理由に取り消した それが決まった日の翌日、DV男子が父親を連れて教室に乗り込んできて朝礼中の担任に怒鳴り声をあげた その際黒板をガンガンなぐり教卓の足を蹴り、ジリジリと担任に迫り、女性の担任を見下す姿はDV男子と瓜二つだった すぐに隣のクラスの担任が駆けつけたが、女性だったので同じように威圧し話を聞かず、 異変に気づいた先生たちが警察呼んだり体育教師を呼んだりして、その間俺達は後ろの扉から教室外に避難��せられ、 1時間目をほぼ潰す形でDV親子は連行されていった その日からDV男子は学校に来なくなって、保健室登校してた委員長がクラスに戻ってくるようになった
DV男子が高校進学したのかは知らないし興味もなかったが、その後コロナ禍前に校舎建て替えに際し タイムカプセル発掘のための同窓会があり、そこでDV男子と再会した 皆30代なので年相応の貫禄が出ていたし、結婚して子持ちも多かった だけどDV男子は年齢不詳、顔は確かに老けてるけど服装と言動が稚拙な感じでチグハグだった 明らかに女性たちから避けられてたので、仕方なく男性らでDV男子と話してたんだが、立派な女叩きに仕上がってた 自分の人生が狂ったのは委員長と担任と当時俺を一方的な悪者と決めた女共が原因だと恨んでいた 謹慎処分を受けて卒業式に出られなかったのも大袈裟に泣いて 俺がいるからクラスに行けないと言い張った委員長のせいだと言っていた でも当時を見てた俺からすると、卒業式にまで出られなかったのは明らかに教室に乗り込んできて警察沙汰にしたそいつと 父親が原因だし普段からDV男子の行動は目に余るものがあったうえ、全部見てた他の男性たちの話によると 委員長を傷つけたお仲間が人身御供のようにDV男子に罪をなすりつけたんだから 恨むならDV男子に全責任をなすりつけて逃げ切った男子たちと大事にした自分の父親と過去の愚かな行動であるべきだ 学生の頃のノリで周りの男性も一緒に女子への愚痴で盛り上がれると思ってたようだけど、 そんな思春期特有の異性との衝突は皆とっくに卒業して大人として異性にどう接すればいいか年相応に学んで 経験積んでるから、当時の幼さを恥はしてもその時のことをネタに女性たちを叩こうなんて考えもつかないわ
今年の夏に同級生と会った際にDV男子の話が一瞬出たんだけど、今でもネットで女叩きやってて呆れた 開示請求するって言われたらしくてどうしたら良い?って地元の弁護士事務所で働いてる人に相談があったみたいで 「どうしたらって、どうしようもないだろ」と愚痴ってたわ
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2024/3/23〜
3月23日 11月23日の日記を文字起こししながら出かけた。
なかなか起き上がれなくてかなり遅くまで寝てしまった。14時に近美で待ち合わせだったので、その前に昨日一期下の方と帰りながら話に上がった人形町へ行ってみることにした。 半蔵門線と日比谷線の地上乗り換えの際に降り立った時に気になっていた街。
人形焼屋さんは二店舗見つけた。 一つはとても行列ができていて、もう一つはそうでもない感じ。行列のお店に人形町のガチャガチャがあり思わずやってみる。中身が見えないタイプのカプセルだったので、週明けに一期下の方と中身を楽しもうと思ってまだ開けていない。
水天宮を眺めて、明治座こんなところにあったんだ〜と、確認して、甘酒横丁は甘酒屋さんよりもなぜか潰れない婦人服屋さん、がたくさん並んでいた。 行列のたい焼き屋さんがあった。 鶏ものを売っているお店で厚焼き卵が焼かれる様子がほかほかしていてよかった。
そのまま日本橋から大手町まで歩いて、知らない街と知っている街を繋げることができて充実感。 あまり写真は撮れなかった(撮りたくなかった)。
和菓子屋さんはたくさんあって、なんとなく入ったお店にすはまだんご(!)があり嬉しくて写真を撮ってしまった。あとギンビスの建物があった。
友人と合流して、中平卓馬の展示を鑑賞。 夏に葉山館で観た展示に上書きする様な感覚で鑑賞していた。
その後竹橋のパレスサイドビルのスターバックスコーヒーでお茶を少しして別れた。 パレスサイドビルから出た時に、学生時代に毎日見ていた風景があって、雨上がりのやたら明るい空と春の感じに、はっ!となった。
お茶の席で友人と話した話、彼女から「日記には書かないでほしい」と言われ、私の日記に登場するかもしれない、と思ってもらえたことが嬉しかったり、日記を書かなくてもいいのか、とほってしてしまったり、彼女の話そっちのけで他人をしてしまってひとでなしだと思っている(そして少し誇っている)。
今日はこの出来事の間中、ずっとずっとめまいと吐き気がひどくて、途中何度かもう帰ろうと思っていて、でも一日過ごして、帰宅して掃除や日記の更新をしてしまった。
掃除をするのは別に過度に脅迫的な行為ではない気がしてきた。 掃除をして綺麗になるのは嬉しい。でも今はちょっとした日常の生活行為をする体力すらない状態なのだと思う。 掃除をするのが悪いのではなく、体調が良くない。
スーパーに行こうと外に出たら、明後日の満月を控えた月が出ていた。 見切り品の野菜コーナーでズッキーニに出会ってしまいなんとなく買ってみる。お味噌汁に入れたら美味しいかな。この数日売れ行きを観察していたちいかわのランチパックは値引シールが貼られていた。
写真を見返してみたら前世はきつねなのかもね、とか可愛いことを言いたくなるくらい、最近油揚げばかり食べているみたいだった。
とにかく足がおぼつかなくなってきたので終わり!
3月24日 心が無になる1週間を目の前に、昼過ぎから出かける予定もあったので、朝一のヨガを受けて開店したばかりのスーパーでスパイスカレーの材料を買って先に作っておく、という初めての試みをした。
野菜の見切り品コーナーに���ワイトマッシュルームがいたので買ってみたけれど、なんか黒っぽくて弾力がない気がして、半分くらいは使わずに捨ててしまった。 使った分も悪くなっていないのか不安になりながら、後で調べたら断面が黒いのは通常らしい。でも弾力がなくなっていたのもあって不安(だけど調理してしまったので、食べてしまうと思う。人体実験。)。 そもそもきのこは水洗いしない?らしく、洗ってしまったから弾力がなくなってしまったのかな、とか今日はマッシュルームのことばかり考えていた気がする。
カレー作って冷蔵保存するために粗熱をとる間でお掃除などをして、初めての試みだったので出かけるまでの逆算がうまくできずにタイムトライアル的でとてもとても疲れてしまった。
最近は前より料理(っぽいこと)をしていて、でもそれは全く写真にならないな、と今日改めて思った。 CONTAXに入れたフィルムを撮りきれず、昨日から1日レンタルの期間を延長して、料理の写真でも撮ろうか、とそばにカメラを置いていたけれど、カメラとかiPhoneとかの衛生レベルが料理の現場もかけ離しておきたい気持ちが強くて無理でした。
料理も衛生面や食材の鮮度の面で不安なことばかりだしやめたほうがいい��がする。 とにかくしなくてはいけない生活のタスクが増えるだけのような気がする。
午後の予定で会った方は昨日まで金沢と富山に行ってきたとのこと。今は金沢もちょっといいビジネスホテルは一泊20,000円くらいしてしまうらしい。 北欧に行きたい話やタイとベトナムの国民性の違いの話(タイはいつも笑顔で迎え入れてくれて、ベトナムはわりと無愛想。でもシャイ故らしい。)をした。 いま割と一番��たいことは北欧に旅行に行くことかもしれない。 行った方がいいかもしれない。 パートナーと旅行に行ったその方は「やっぱりそろそろ一人旅をしないだめだ…」と言っていた。
好きなひとを好きなままでいるためには、一緒に仕事をしない、家族にならない、が、今のところの人生で私が見つけた人間関係で気をつけたいこと。
これからカレーを食べます。 お腹痛くなりません様に。
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薔薇の鉢を一時避難させて目覚めたら、台風一過で鮮やかな青空が広がっていました。上陸しないでなによりでしたが、私が住む地域では最高���温が37度になる予報が出ています。皆さまも十分に気をつけてお過ごしください。
私の『死ぬまでに読みたい本リスト』に入っていたガブリエル・ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を一週間かけてやっと読み終わりました。毎晩、自分を寝かしつけるように少しずつ楽しみ、まだその余韻にどっぷりと浸っています。先月文庫化されたばかりなので誰かがテレビやネットで紹介したのか、それとも例の都市伝説のせいなのか、Amazonで一時在庫切れになったほどバズっていましたが、隣駅の本屋には高く平積みになって普通に売っていました。
この神話的な物語の最大の特徴は、『マジックリアリズム』の影響を強く受けていることです。Wikipediaでは、『マジックリアリズム』とは日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法、と説明されています。主に小説や美術に見られるジャンルでシュルレアリスムと似ていますが、少し異なります。
『百年の孤独』の中では、奇妙で幻想的な出来事が疑問や矛盾を感じさせることなく描かれています。何世代にも渡る登場人物たちや未開の土地である架空の村を舞台に、叙事詩のような壮大な物語がほぼリニアに綴られてゆきます。その中で霊的なシンボルが幾度も現れたり、遠隔ヒーリングや死者との対話のシーン、古い羊皮紙に書かれた“針金に吊るした洗濯物のように見える”サンスクリット語の予言書などのマジカルなエピソードが宝石のように散りばめられていますし、目に見えるものと見えないもの、陰と陽を現す2人の主要な登場人物、雨季と乾季を繰り返す天候という、相反するエネルギーが互いに交錯しながら融け合い、新たなるエネルギーを生み出すという錬金術のような世界観にワクワクさせられました。そしてまた、いつか読みたいと思っていた非日常の『マジックリアリズム』が、いつの間にか私にとって日常になっていることに気づかされたのも予期せぬ展開でした。
100年前の人々から見たら、現在の私たちの生活や環境も『マジックリアリズム』満載の非日常な世界でしょう。この物語の中でジプシーの老人メルキアデスが吹聴している、「科学のおかげで距離なんてものは消えた。人間がわが家から一歩も外に出ないで、地上のすべての出来事を知る日も、そんなに遠くない。」ことを可能にしたインターネットの出現を筆頭に、あらゆる事が凄まじいスピードで起こり、変化し続けています。
以下のリンクは、『百年の孤独』に興味のあるヒト向けの動画と、本を読みながら登場人物やその複雑な関係、膨大なエピソードをその都度確認するために便利な読み解きキットです。
youtube
マルケスはこの作品に関して、こう言い残しています。
私は権力の性質についてずっと問いかけていくことになるでしょう。けれども、こうしたことを本当に自覚しはじめたのは、『百年の孤独」を書いている時だったと思います。
あの時、私の背中を押したのは、おそらく法と秩序の勝利をうたっている公式の歴史に逆らってでも、悲劇的なあの事件の犠牲になった人たちを歴史の闇から救い出せるかもしれないという思いでした。
※ 『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』ガブリエル・ガルシア・マルケス著(新潮社)より抜粋
思えば、『百年の孤独』は不自然なほどに食に関連する具体的な表現が少ない小説です。調理の風景や食器、食卓の場面は登場しても、お皿の上に盛り付けられているはずの料理の視覚、味覚、嗅覚的描写はほどんどありません。フードファイトのシーンがありますが、これも肯定的に描いていません。唯一、おいしそうに描かれている食べ物が、物語の舞台であるコロンビアの村、マコンドを訪れたアメリカ人の商人ミスター・ハーバートが生まれて初めて食べたバナナです。
この物語に出てくるバナナ農園のエピソードは、1924年コロンビアのシエネガという町で実際に起こった『バナナ労働者虐殺事件』を元に描かれています。私たちが店頭で見かけるバナナの99.9%はキャベンディッシュという品種ですが、このバナナがどのようにして生産され、流通し、市場を独占しているのかはアップルTVのドキュメンタリー『雑食するヒト』のシーズン1エピソード4の中で説明されています。ちなみに、私はこのエピソードの中に出てくるアップルバナナや、あまり流通していないバランゴンバナナ、ホムトンバナナを生協で注文していますが、キャベンディッシュとはまた違う独特の美味しさがあります。
youtube
100年前の人が想像しなかったものに、多様性が重要視されている点も挙げられるでしょう。以前は多様性=ダイバーシティという言葉は消極的な意味で使われていましたが、それも今は変わりました。“より早く、より便利に、より確実に”を求めているうちに、私たちがいつの間にか失ったものがあることを『百年の孤独』は思い出させてくれます。この物語が今また人々の関心や共感を集めているのは、私たちの潜在意識の中にある回帰への要求が呼び覚まされているからかもしれません。『百年の孤独』は何世代にも渡る回帰、輪廻転生の物語でもあるのです。
Netflixによる『百年の孤独』のドラマ化が決定し、全16話で配信予定(時期は未定)となっています。
youtube
・・・・・
私がアウェアネスクラスの生徒だった頃、夏休みの宿題として以下のことをしていました。ご興味のある方は、残りの期間にやってみてくださいね。
・積読している本を読む
・アウェアネステキストを読み返す
・展覧会などで美術やアートに触れる
・映画を観る
・絵を描く
・運動をする
・オグ・マンディーノ著『この世で一番の奇跡』の100日行
・ワークショップに参加する
・・・・・
Spirit of Wonder 〜シックスセンスと六大要素〜
8月24日(土)10:00~17:00(1時間のお昼休憩あり)
8月26日(月)10:00~17:00(1時間のお昼休憩あり)
料金:1回 8,000円(アイイス会員・税込)・10,000円(非会員・税込)
どなたでもご参加いただけます
最少催行人数:3名
私たちの周りにある五大要素ともう一つの元素、そしてそれらと自分自身の中にある五感と直感との関連について学びます。あなたの外側と内側にあるエネルギーについて理解を深め、その学びを日常生活において実践し、継続しながら、さらなる霊性開花を目指す6時間ワークショップです。レクチャーやゲーム感覚で楽しめる実習やカルマの法や輪廻思想などの哲学を通した内観を通して、ご自身の中にある光をさらに見出していただきたいと思います。
あなたの中に潜在する能力を探り、知り、育み、五感や直感の中で特化した感覚をさらに伸ばして磨き上げましょう。そして同時に自分の苦手分野を知り、それを伸ばす方法も試してみましょう。
私たち全員が生まれついた時点で履修する、人生においてずっと学び続けることのできる共通のカリキュラムが霊性開花です。それは私たちが永遠の可能性を秘めていること、大いなる存在に近づき、さらに明るい光になること教えてくれます。けれど、霊性開花は1人だけでは学べません。あなたの霊性を導いているスピリットの介在、その指導や協力があってこそ、あなたの魂は磨かれ、輝くことができます。スピリットとのコミュニケーションに欠かせないのが自分の感覚を伸ばし、育むことです。このワークショップでは五感や直感、インスピレーションやアイデアのアンテナをさらに伸ばしながら、霊であり光である本来の自分に出会っていただくお手伝いをしたいと思います。
レクチャー内容
・五大要素と最初の元素
・シックスセンスと直感
・大宇宙と小宇宙
・チャクラとオーラ
・聖なるマトリックス
・ミディアムシップにおける六大要素
実習
・シッティング・イン・ザ・パワー
・六大要素を感じ、活かす
・マトリックス内観
・直感と指導霊により深く繋がるための各実習
このワークショップは以下のような方に向いています
・六大要素への理解を深めたい
・直感の練習、経験をしてみたい
・人体とオーラ、チャクラ、元素、世界との関連を知りたい
・指導霊との繋がりを深めたい
・本当の自分の人生の目的を探りたい
・自分自身の可能性や能力を探りたい
・霊性開花を通して人の役に立ちたい、社会に貢献したい
このワークショップは、2019年夏イベントで開催した同タイトルのワークショップを一部変更し、内容を加えたりアレンジしてアップデートしています。
詳細・お申し込みはこちらからどうぞ。
ショップからも直接お申し込みいただけます。
・・・・・
秋学期クラスへのお申し込みを受付中です。クラスの詳細とラインナップはサイトとショップからご覧いただけます。(アイイスのサイトでも告知されています)
もうすぐ秋学期が始まります。今年1年間のアウェアネス、霊性開花の総まとめです。私も講師として参加してはいますが、クラスの中で皆さまの目標、夢や憧れを共有させてもらいながら、更なる気づきや学びと癒しのエネルギーを受け取っていきたいと思います。3ヶ月間、一緒に今年1年を振り返りながら更なる光の道を進み、来年への道筋へと繋げてゆきましょう!
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アウェアネス・ベーシック前期 Zoomクラス
土曜日:19:00~21:00 (後期も土曜日・同じ時間に開催) 日程:9/7、9/21、10/5、10/19、11/2
・・・
アウェアネス・ベーシック後期 Zoomクラス
火曜日:10:00~12:00 日程:9/3、9/17、10/1、10/15、10/29
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アウェアネス・ベーシック通信クラス
開催日程:全6回 お申し込み締め切り:9/15
・・・
アウェアネス・オールレベルZoomクラス
火曜日:19:00~21:00 日程:9/10、9/24、10/8、10/22、11/5
木曜日:10:00〜12:00 日程:9/5、9/19、10/3、10/17、10/31
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アウェアネス・マスターZoom クラス
火曜日:19:00〜21:00 日程:9/3、9/17、10/1、10/15、10/29
金曜日:19:00〜21:00 日程:9/13、9/27、10/11、10/25、11/8
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サイキックアートZoomクラス
日曜日:17:00~19:00 日程:9/8、9/22、10/6、10/20、11/3 水曜日:16:00~18:00 日程:9/11、9/25、10/9、10/23、11/6
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インナージャーニー 〜瞑想と内観〜 Zoomクラス
月曜日:16:00~17:00 日程:9/16、9/30、10/14、10/28、11/11
土曜日:10:00~11:00 日程:9/7、9/21、10/5、10/19、11/2
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マントラ入門 Zoomクラス
土曜日:13:00~15:00 日程:9/14、9/28、10/12、10/26、11/9
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トランスZoomクラス
水曜日:10:00~12:00 日程:9/11、9/25、10/9、10/23、11/6
土曜日:19:00~21:00 日程:9/14、9/28、10/12、10/26、11/9
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サンスクリット・般若心経 Zoomクラス
月曜日:13:00~15:00 日程:9/16、9/30、10/14、10/28、11/11
水曜日:19:00~21:00 日程:9/11、9/25、10/9、10/23、11/6
クラスの詳細はサイトのこちらのページをご覧ください。
継続受講の方は直接ショップからお申し込みください。
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サンデー・サービス(日曜 12:30〜14:00)詳細はこちらから。
9月29日 担当ミディアム:惠子・森
11月17日 担当ミディアム:松山:森
ご参加は無料ですが、一口500円からの寄付金をお願いしています。
当日は以下のリンクよりご参加ください。
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ドロップイン・ナイト
10月17日(木)19:00〜20:00 会員限定・参加費2,500円
指導霊(スピリット・ガイド)のサイキックアート
詳細とお申し込みはこちらからどうぞ。
過去の開催の様子はこちらからご覧ください。
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モーニングワーシップ&コミュニオン(目覚めと祈りと瞑想)
10/27(日)9:00〜10:30 担当ミディアム:開堂・森
ご参加は無料ですが、一口500円からの寄付金をお願いしています。
当日は以下のリンクよりご参加ください。
#Youtube#spiritualism#spiritual growth#spirituality#awareness#unfoldment#スピリチュアリズム#スピリチュアル#アウェアネス#霊性開花#mediumship#spirit communication#cien años de soledad#百年の孤独#ガルシア・マルケス#gabriel garcía márquez
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7月12日(金)より事前予約をスタート!時代を超えて愛されるビクトリノックスとムーミンのコラボレーション。
日常・アウトドア・防災に便利なマルチツール、折りたたみ式ピクニックナイフとカッティングボード
2024年8月9日(ムーミンの日)に「ビクトリノックス ムーミンコレクション」を発売いたします。
発売に先駆けて、全国のビクトリノックスショップにて事前予約をスタートいたします。※8月8日(木)まで
また、ムーミンコレクションを総額10,000円(税込)以上お買い上げのお客様には、数量限定のトートバッグをプレゼント。数に限りがございますので、お早めにご予約ください!
※7月18日追記 ご好評につき、オンラインストアでのトートバック配布は終了いたしました。7月18日現在、ビクトリノックス直営店舗(アウトレットを除く)のみ在庫がございます。ぜひ、お早めに店頭へお越しください!
店舗情報はこちら
▼事前予約はこちら▼
・ビクトリノックスAmazon店 ・ビクトリノックスRakuten店 ・ビクトリノックスYahoo!ショッピング店 ・全国のビクトリノックスショップ
※Amazon店は購入特典対象外。 ※アウトレットストアは取り扱いなし。
※限定トートバック
マルチツール
ビクトリノックスを象徴する「マルチツール」にムーミントロールと仲間たちをかわいらしくデザインしました。
ナイフやハサミなど、様々なツールがキャンプやピクニックなどアウトドアはもちろん、封筒や段ボールの開封、タグや衣類の糸のほつれを切ったりと、日常生活のちょっとしたことを手軽に解決します。
クラシックSD(スモールマルチツール)
¥4,180(税込)/ サイ�� 5.8 × 1.8 × 0.9 cm , 21g
小さなボディの中に、日常生活のさまざまな問題を解決するツールが詰まっています。
クライマー(ミディアムマルチツール)
¥9,900(税込) / サイズ 9.1 × 2.7 × 1.8 cm , 81g
ムーミントロールやスナフキン、ニョロニョロをモチーフに大人っぽいクールさを表現しました。
ナイフやハサミ、缶切りなど14の機能を備え、アウトドアや防災グッズとしても便利です。
カトラリー
日常使いのテーブルウェアから切れ味を極めたシェフナイフまで、どのアイテムも高度にデザインされ、人間工学に基づいた快適な使い心地と作業の効率性をもたらします。
ピクニックナイフ 「ザ ムーミンズ」
¥4,400(税込) / サイズ 23 × 2.4 × 1.3 cm(刃渡り11cm) , 42g
スイス製の折りたたみ式の波刃キッチンナイフは、切れ味抜群で、お肉や野菜、パンなどをきれいにカットするのに便利です。折りたたんで安全に持ち運べるので、ピクニックなど屋外でも活躍します。
カッティングボード 「ザ ムーミンズ」
¥6,600(税込) / サイズ 23 × 29 × 0.5 cm , 250g
ウッドファイバー製で、木のぬくもりを感じながらも、食器洗浄機での使用が可能、機能性と耐久性を兼ね備えています。
サービングボードとしても活用でき、チーズやハムなどを盛り付けて食卓で提供するのにもおすすめです。
▼事前予約はこちら▼
・ビクトリノックスAmazon店・ビクトリノックスRakuten店・ビクトリノックスYahoo!ショッピング店 ・全国のビクトリノックスショップ
※Amazon店は購入特典対象外。 ※アウトレットストアは取り扱いなし。
予約期間
2024年7月12日(金)〜 8月8日(金)
購入特典
ムーミンコレクションを総額10,000円(税込)以上お買い上げのお客様には、限定トートバッグをプレゼントいたします。数に限りがございますので、お早めにご予約ください!
※7月18日追記 ご好評につき、オンラインストアでのトートバック配布は終了いたしました。7月18日現在、ビクトリノックス直営店舗(アウトレットを除く)のみ在庫がございます。ぜひ、お早めに店頭へお越しください!
店舗情報はこちら
※在庫が無くなり次第終了。 ※ビクトリノックスAmazon店は、本特典対象外です。予めご了承ください。
オフラインストア限定特典!
全国のビクトリノックスショップ(オンライン・アウトレットストアを除く)では、事前予約で次回ご購入時に店頭で使えるメンバーズアプリポイントをプレゼント!
1点ご予約で500ポイント、総額30,000円(税込)以上で1,000ポイントをプレゼントいたします!
対象店舗:サッポロファクトリー店、うすい百貨店、銀座店、東武百貨店池袋店、日本橋髙島屋S.C.店、横浜ランドマークプラザ店、テラスモール湘南店、東武百貨店船橋店、 羽田エアポートガーデン店、グランフロント大阪店、名古屋栄三越店、福屋八丁堀本店、マークイズ福岡ももち店
※ビクトリノックスメンバーズアプリ会員様限定(新規入会含む) ※商品お受け取り時にポイントを付与いたします。
#ビクトリノックス#victorinox#myvictorinox#マルチツール#キッチンアイテム#カトラリー#カッティングボード#ナイフ#ムーミン#ムーミンコレクション#スイス製#コラボレーション#限定コレクション#限定#リトルミィ#にょろにょろ#フィンランド
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【11月17日(金)のごはん@奈良】
・朝京都着いて家族サービスのち奈良に向かう。よしくんと合流していざ。
・いろいろびっくり+ドキドキの下見のち滞在させてもらうあすかさんちへ。
・...たぶん...私がやった方がいいんやろなこの状況...とか思ったのであるもんでごはん作る。
・実家のご近所さんからいただいたお野菜持っていった。りっぱすぎるカブとはっぱ、あすかさんちの在庫の豚バラで炒めもの。片栗粉が見つけられなかったのでおニクに小麦粉はたいて火を通して一旦取り出してカブと炒めてはっぱ足して確か冷凍庫にあった生姜のすりおろしお酒おしょゆ合わせてじゅわー
・カブのはっぱがりっぱすぎるのでもう一品。大豆ミート、コチュジャン発見したのでピリ辛みそ煮なんていかがでしょ?
・っておみそ、みりんが切れてた。さらに長女ちゃんは辛いのが苦手だそう。一部取り分けてコチュジャン合わせる。
・カブ薄切りしてはっぱちょっと合わせて塩モミモミ、りんご酢お砂糖少々合わせて浅漬け。
・ごはんは土鍋で炊いてくださった。卵は次女ちゃんが焼いてくれた。
・おだしとってお揚げとカブのはっぱでおみそしる...っておみそ切れてるんやった。ス���プに。
・お野菜はほぼ地域の方が作られたものとのこと。「こういうつながりがうれしい」とあすかさん。
・ずっと忙しくて、家族揃ってごはんを食べたのが10月以来とのこと。...。「みんなで食卓囲めてうれしい」とあすかさん。
・確かアースオーブン作るためにいったんやけど...
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園 子温(その しおん、 1961年〈昭和36年〉12月18日 - )は、日本の映画監督・脚本家。愛知県豊川市出身[3][4]。 来歴 出生から高校 1961年(昭和36年)、愛知県豊川市生まれ[3][4]。父である園音巳は英語を教えていた愛知大学の教授であった[1]。豊川小学校、豊川東部中学校を卒業[4]。とても厳格な家庭で育った反動で17歳の時に実家を飛び出し、上京したとされるが[1]、豊橋東高校は卒業している[4]。17歳で詩人デビューし、『ユリイカ』と『現代詩手帖』に詩が掲載された。 大学入学以降 映画監督として活動する以前は漫画家志望でもあり、法政大学入学後、20歳の時に出版社に漫画の持ち込みを行うも「まだ他人の気持ちがよく判らないんじゃないかな」と言われボツを喰らう[5]。 その後、リベンジのため本を読み漁り、映画を年間何百本と鑑賞したことがきっかけで8mm映画を撮り始める。 1986年、8mm映画『俺は園子温だ!』がぴあフィルムフェスティバル(PFF)入選。翌年、8mm映画『男の花道』でグランプリを受賞[4]。 1990年、ぴあフィルムフェスティバルスカラシップ作品として制作された16mm映画『自転車吐息』は、第41回ベルリン映画祭正式招待された[4]。 1993年、『部屋』を制作。翌年、サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。 『桂子ですけど』(1996年)、『風』(1998年、通産省制作)など、映画制作を続ける。 一方、街頭詩パフォーマンス「東京ガガガ」を主宰する。4000人のパフォーマーが渋谷のストリートで展開。このドキュメントを収めたジャン=ジャック・ベネックスのテレビ番組はフランスで視聴率40パーセントを超える。 ファッションデザイナー荒川真一郎とのプロデュース、短編『0cm4』(1999年)を上映した。 1994年3月10日〜17日、吉祥寺バウスシアター全館を貸し切り「園子温降臨祭」を開催。 1995年、100時間に及ぶ素材からなる大長編映画『BAD FILM』制作に取りかかる(2012年完成)。 2000年、『うつしみ』を制作、劇場公開。 2001年、『自殺サークル』を公開。新宿武蔵野館における過去最高の観客動員数となった。カナダファンタ映画祭(ファンタジア2003)にて“観客賞”を獲得。同時に“今年、最も優れた映画に贈る賞”も獲得。2002年度日本映画プロフェッショナル大賞第10位 。 2002年、『HAZARD』という ニューヨークを舞台にオダギリジョー扮する不良青年の青春映画を制作した。 2003年、前作に続けてオダギリ、田中哲司、村上淳、市川実和子等が出演した『夢の中へ』を制作。さらに同年、宮崎ますみ主演でR18指定の家族劇『奇妙なサーカス』を制作。 2006年『紀子の食卓』を公開。第40回カルロヴィヴァリ映画祭・コンペティション部門の“特別表彰賞”と、国際シネマクラブ連盟による“ドン・キホーテ賞”を受賞。また韓国で開催された第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門の観客賞と主演女優賞受賞した。 2007年、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』に監督として参加した。 2008年、『愛のむきだし』を公開。第9回(2008年)東京フィルメックスにおいて観客の投票によって選出される「アニエスベー・アワード」を受賞。第59回(2009年)ベルリン映画祭に出品され、「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」を受賞した[4]。続く『ちゃんと伝える』では故郷・豊川を舞台にした。 2011年、『冷たい熱帯魚』を公開。第67回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品した[4]。さらに同年『恋の罪』を公開。 結婚以後 2011年10月23日、監督した映画『冷たい熱帯魚』『恋の罪』に出演した神楽坂恵と婚約した旨が報じられた。結婚以降も妻の神楽坂を多くの自身の作品に出演させている。 2012年、『ヒミズ』を公開。古谷実の同名漫画を映画化で映画監督と脚本を担当した。園にとって、初の漫画原作物の映画化担当であった。第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティションに出品され、主演の染谷将太、二階堂ふみが「最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)」を受賞した[4]。 10月、原発事故を描いた『希望の国』を公開。 第37回トロント国際映画祭にて「NETPAC アジア最優秀映画賞」を受賞。主演の夏八木勲は第63回芸術選奨・文部科学大臣賞並びに第67回毎日映画コンクール男優主演賞を受賞した。 2013年4月、テレビ東京系ドラマ『みんな!エスパーだよ!』にて総合監督を務めた。同月、「芸人」宣言をし舞台デビュー。9月、『地獄でなぜ悪い』を公開。 第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品された[4]。第38回トロント国際映画祭では、ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞[4]。 2014年6月、小説「毛深い闇」を河出書房新社より出版。8月、井上三太原作の『TOKYO TRIBE』を公開。11月、雑誌「GQ JAPAN」が「GQ MEN OF THE YEAR 2014」を受賞した。 2015年5月、和久井健原作、綾野剛主演で『新宿スワン』を公開。園作品最大のヒットを記録。同年6月、「魂の集大成」と謳ったSFファンタジー怪獣映画『ラブ&ピース』を公開。第5回北京国際映画祭にて日本映画として初の出品作になった。カナダ・モントリオールの第19回ファンタジア国際映画祭では観客賞を受賞したものの[4]、翌2016年公開されて81億円の興収を出した『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己主演の映画であるが興収は5300万円であった[6]。 2015年7月、山田悠介の原作にオリジナル要素を加えた『リアル鬼ごっこ』を公開。第19回ファンタジア国際映画祭にて最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)、審査員特別賞を受賞した[4]。スペイン・マラガ・ファンタスティック映画祭では最優秀作品賞と特殊効果賞を受賞[4]。 同年9月、テレビドラマシリーズも監督(3人)と脚本(4人)の一人として担当した『みんな!エスパーだよ!』の映画化時には、脚本を田中眞一と共に[7]、監督は一人で務め、全面愛知県の東三河でロケしている[4][7]。 2015年7月、初の個展「ひそひそ星」展を開催。同時期にワタリウム美術館オン・サンデーズにて絵本「ラブ&ピース」の原画展も開催。9月、Chim↑Pom発案の「Don’t Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて映像インスタレーションを発表した。 2015年に地元の「とよかわ広報大使」に就任する[4]。 2016年4月、美術館では初の個展、園子温展「ひそひそ星」をワタリウム美術館にて開催。5月、第40回トロント国際映画祭にてNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した『ひそひそ星』を劇場公開する。大島新監督のドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」が公開される。 心筋梗塞による入院以後 2019年2月7日、心筋梗塞を発症し、病院に救急搬送され手術を受ける[8]。同月21日、退院[9]。6月25日、「Netflixオリジナル作品祭」に出席し、病後初めて公の場に姿を見せた[10]。 2021年10月8日、ハリウッド初挑戦となる映画である、『プリズナ��ズ・オブ・ゴーストランド』が公開された[11]。ニコラス・ケイジを主演として起用し、2019年に撮影を終えていた『エッシャー通りの赤いポスト』のワークショップ参加者も多数参加した作品である。 2021年12月25日、原点回帰のインディーズ作品として2019年に撮影が完了していた『エッシャー通りの赤いポスト』が公開された[12]。51名の無名役者が参加するワークショップで制作された映画作品であり、出演者が店舗や路上で宣伝活動やチケットの手売りを行ったり、関東の複数のミニシアターで多数回の舞台挨拶も行った。 性加害報道以後 詳細は「#不祥事」を参照 2022年3月、セクハラ・性行為強要を告発される。(#不祥事参照) 2022年11月7日、SmartFLASHが報じたところによると、12月20日から上映される『もしかして、ヒューヒュー』にて、偽名を用いて脚本を担当したと、妻であり事務所社長でもある神楽坂が取材に応じている[13]。 人物 洋画好き 著書によれば幼少期・少年期から映画好きであり、それも洋画ばかり見ていた。少年期から好きな作品にアメリカンニューシネマのアーサー・ペン『俺たちに明日はない』『左利きの拳銃』やフランス映画のジャン・ギャバン主演『望郷』や『ジャンヌ・ダルク裁判』にフランソワ・トリュフォー作品、1960年代までのアメリカ映画はかなり見ていたと述べている。好きな監督にウィリアム・ワイラーやイタリアのヴィットリオ・デ・シーカ、好きな役者・スターにジョン・ウェイン、リチャード・ウィドマークやジャン・ギャバン、アラン・ドロン、ソフィア・ローレン、リリアン・ギッシュ、ポール・ニューマン、イングリッド・バーグマンなどを挙げ、とりわけイングリッド・バーグマンとは本気で結婚したいほど好きな思いを抱いていたという[14]。 出演したラジオ『スカパー! 日曜シネマテーク』でルネ・クレマン監督のフランスの反戦映画の名作『禁じられた遊び』を好きな映画に挙げ、「この映画は小学生の時にテレビで見ました。当時はほぼ毎日、地上波で夜9時から映画番組があって、ゴダールやトリュフォーすらも放送していたんです。家族で『ウルトラマン』を見た後にゴダールを見るなんて、今ではちょっと信じられないですよね(笑)」と述べている[15]。 深作作品・格好良いヤクザ好き また別の回のラジオ『スカパー!日曜シネマテーク』では深作欣二監督の『仁義なき戦い』を選んでおり「深作監督とお話する機会はなかったんですが、僕にとっては心の師匠。映画を作る時は常に深作監督のことが頭にあり、『地獄でなぜ悪い』でも「深作警察署」が登場したり、『仁義なき戦い』の音楽が流れたりします。それくらいずっと憧れてきた、影響を受けてきた監督です。」「ヤクザ映画なんですが、実は深作監督も菅原文太さんもすごく真面目なタイプで、ヤクザに対して距離感を持っている人です。でも実はそれがヤクザが格好良く描ける秘訣。コッポラが『ゴッドファーザー』を撮った時も同じで、ヤクザやマフィアをまったくリスペクトしてない人が撮ると、客観的に描けるので格好良くなるんです。」と評している[16]。 主張 ジャパニーズアニメ嫌悪 2016年は「近年稀に見る邦画の当たり年と言われた本年」と呼ばれたが、そのなかでも話題を一手に集めたのは、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』と、庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』の二作品であり、『君の名は。』は年間興行収入ランキング1位の251.7億円、『シン・ゴジラ』は3位であるが、例年なら邦画興行収入で首位となるレベルの81億円を記録する大ヒットとなった。しかし、園子温は2016年12月9日に、「糞ジャパアニメ、すべて死ね。」「あとよ、怪獣映画のリメイクで儲けたクズどもも。」「二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズ��も」、と下記の島国辺境ツイートと共に四時間にわたって連続で罵倒のツイートをした[17]。後に上記のツイートは削除された。ネット上では『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己を主演で前年に撮られた自身の怪獣映画『ラブ&ピース』が興収5300万円だったことから、「園が嫉妬のあまり中2病を発症させた」と園を批判するツイートが殺到した[6]。 ただし、インターネットメディアリテラは園による『君の名は。』『シン・ゴジラ』批判について、「まさに正論だと思うが、しかし、こうした意見はしょせん異端に過ぎない。」と賛意的な報道をした[6]。 護憲・SEALDS支持 自民党が2016年の参院選で改憲を現実のモノにしようとしているとして、2015年9月11日に安倍晋三内閣における特定秘密保護法・集団的自衛権行使容認への反対や護憲、「従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集」を訴える『TAKE BACK DEMOCRACY(民主主義を取り戻せ)#本当に止める SEALDs 5時間SPECIAL!!!!!』に、磯部涼(司会)、SEALDs、中野晃一上智大学教授、日本学術会議の廣渡清吾前会長らと共に出演した[18]。 2016年12月に上記のジャパニーズアニメーションへの批判の際に、「評論家のための評論しやすい映画ばかり。狙ってんのかお互い癒着して。革命家も産めない肉体のない言葉、、乾いた言葉を。」「去年見たSEALDSの何倍も何倍も薄めた小さなセカイ系とやら。セカイ系の正体は地球上の規模じゃねえ。このセカイの小さな島国辺境の、空想されたせ・・か・・い・・やめろ。」とツイートしている[6]。 批判 宇野維正はキネマ旬報にて、2021年12月に園が映画監督を務めた「エッシャー通りの赤いポスト」について、「現実から浮遊したスモールワールドで若い女優が暴れ回り、反体制的なイメージと戯れる」という園子温自身のシグネチャー・モデルに回帰した作品で5段階中星1という完全否定的な評価をしている。園の帰属する「日本のサブカル村」についても演者も含んだ村内で互いに誉め合っている2010年以前と変わっておらず、園の作品は客観性の徹底的な欠如はずっとそのままであるとし、「ここまでの作家的増長の責任は、本人よりもそれを看過してきた業界にあるのではないか」と業界を含めた批判をした[19]。 園子温作品の著名なファン・友人 ファンであり友人である著名な者として、水道橋博士[20]や『映画秘宝』を創刊した映画評論家・コラムニストの町山智浩が知られる。町山は2009年のベスト10を選んだ際に、園の『愛のむきだし』を一位に選んだ。同年に日本で公開されたクリント・イーストウッド監督・主演『グラン・トリノ』を二位にして「『グラン・トリノ』は『愛のむき出し』を見るまで一位の作品」「どちらも(『グラン・トリノ』と『愛のむきだし』)「不在の聖母」を描いた作品。」と評した[21]。水道橋博士とは親交が深く[22]、お笑いライブを二人で開催したりしている[23]。水道橋博士は園子温を「映画監督として圧倒的に天才」と絶賛している[24]。他に園と親交が深い友人として、茂木健一郎、会田誠[25]、宮台真司がいる。宮台はあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」に対する批判意見への反論に友人・園子温の作品を例にあげ、「そもそもアートは心に傷を付ける。心を回復させる娯楽とは違う」「こうした基本的なことでさえ、行政、政治家、そして市民までもが分かっていないことに驚きました」と開催を擁護している[26]。 2009年のキネマ旬報のオールタイムベストの日本映画編のアンケートにおいて、熊切和嘉は自身のベスト10に園の『紀子の食卓』を選んでいる。熊切は『紀子の食卓』を鑑賞した日の夜に興奮のあまり園に電話をし、「あの妹役(吉高由里子)って誰ですか!?」と直接聞いたと述べている[27]。 不祥事 2022年3月、『週刊文春』による性加害告発の流れが起きている中、日本人ハリウッド俳優で映画『硫黄島からの手紙』等に出演した松崎悠希が、Twitterにてアクターズヴィジョンのワークショップにおける園のセクハラ・性行為強要を告発。被害者は何十人もいるとしている[28]。告発後、アクターズヴィジョンは園のワークショップ映画第二弾に向けて行われる予定だったオーディションの中止を発表した[28]。 4月1日、園の制作プロダクション「シオンプロダクション」のホームページで謝罪コメントを掲載。「事実関係を整理して、改めて発表いたします」としている[29]。 4月4日、「週刊女性PRIME」が園の性加害を出演女優らが告発した記事を掲載。[30]。週刊女性PRIMEが園に電話取材を行ったところ性加害疑惑��ついて否認。電話口を代わった女性から文書での質問を要求されたため対応したものの、期限までの回答はなかった[30]。 4月6日、「週刊女性PRIME」の報道を受けて園が謝罪文を発表。関係者や作品の視聴者にお騒がせしたことを謝罪し、監督として今後の在り方を見直したいと記した。一方で性加害の報道内容については事実と異なる点が多く、自分以外の関係者にも迷惑が掛かっていることを考慮し、法的措置をとる姿勢を示した[31]。その後、5月18日付で『週刊女性』を発行する主婦と生活社を相手取り、損害賠償や謝罪広告、ネット上の記事の削除を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした[32]。 12月27日、主婦と生活社が『週刊女性』2022年4月5日発売号および4月12日発売号の記事と同一内容の「週刊女性PRIME」のインターネット上の記事を全文削除することを受け入れ、裁判上の和解により解決した[33][34]。 作品 映画監督作品 LOVE SONG(1984年、劇場未公開) 俺は園子温だ!(1985年、劇場未公開) 愛(1986年、劇場未公開) 男の花道(1986年、劇場未公開) 決戦!女子寮対男子寮(1988年、劇場未公開) 自転車吐息(1990年5月12日) 部屋 THE ROOM(1993年10月23日) BAD FILM(1995年当時未完、2012年完成。Hi-8撮影によるオリジナルビデオ。2015年1月6日DVD発売) 桂子ですけど(1997年2月8日) 男痕 -THE MAN-(1998年10月31日) 0cm4(パリコレクションバージョン)(1999年7月14日) うつしみ(1999年12月18日)[35] ある秘かなる壺たち(2000年2月7日)- 公開時のタイトルは「性戯の達人 女体壺さぐり」 風(2001年1月27日。製作は1998年。16mmフィルム作品) 父の日(2001年、劇場未公開) 自殺サークル(2002年3月9日) プロムナイト(2002年、未完) ノーパンツ・ガールズ 大人になったら(2005年11月12日。製作は2004年) 夢の中へ(2005年6月11日) Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年12月24日) 紀子の食卓(2006年9月23日) HAZARD(2006年11月11日。製作は2002年) 気球クラブ、その後(2006年12月23日) エクステ(2007年2月17日) 愛のむきだし(2009年1月31日) Make the last wish(2008年、未完) ちゃんと伝える(2009年8月22日) 冷たい熱帯魚(2011年1月29日) 恋の罪(2011年11月12日) ヒミズ(2012年1月14日) 希望の国(2012年10月20日) 地獄でなぜ悪い(2013年9月28日) TOKYO TRIBE(2014年8月30日) 新宿スワン(2015年5月30日) ラブ&ピース(2015年6月27日) リアル鬼ごっこ(2015年7月11日) 映画 みんな! エスパーだよ!(2015年9月4日) MADLY(2016年4月14日) ひそひそ星(2016年5月14日) 新宿スワンII(2017年1月21日) アンチポルノ(2017年1月28日) クソ野郎と美しき世界「ピアニストを撃つな!」(2018年4月6日) 愛なき森で叫べ(2019年10月11日、Netflix) 緊急事態宣言「孤独な19時」(2020年8月28日、Amazon Prime Video) プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年10月8日、ハリウッドデビュー作品) エッシャー通りの赤いポスト(2021年12月25日) テレビドラマ 時効警察 第4話 (2006年2月3日) 「犯人の575は崖の上」 第6話 (2006年2月17日)「恋の時効は2月14日であるか否かはあなた次第」 帰ってきた時効警察 第3話 (2007年4月27日)「えっ!? 真犯人は霧山くん!?」 第6話 (2007年5月18日) 「青春に時効があるか否かは熊本さん次第!」 みんな!エスパーだよ! - 総合監督 第7話・番外編では自らもカメオ出演 第1話 (2013年4月12日) 「なんで僕に超能力だん?バス停の風、大作戦!」 第6話 (2013年5月24日) 「エスパー抗争勃発?縛られたあの娘を救え、大作戦!」 第7話 (2013年5月31日) 「禁断のコーヒー!?"セクシー女"大量生産を止めろ、大作戦!」 第10話 (2013年6月21日) 「(最終章・序)恋の罪!?モーニングコーヒーはあなたと!」 第11話 (2013年6月28日) 「(最終章・破)時は来た!善と悪の最終決戦…チームエスパー解散!?」 第12話 (2013年7月5日) 「(最終回・青春の夢)僕が世界を救うんだ!ワンワンワン大作戦!?」 番外編〜エスパー、都へ行く〜(2015年4月3日) ビデオ・オン・デマンド 東京ヴァンパイアホテル(2017年6月16日配信開始、Amazonプライム・ビデオ) 愛なき森で叫べ:Deep Cut(2020年、NetFlix) ミュージックビデオ Mail Me / 桃井はるこ (2000年) 書籍 『自殺サークル 完全版』(2002年4月 河出書房新社 / 2013年9月 河出文庫) 『夢の中へ』(2005年 幻冬舎) 『愛のむきだし』(2008年12月 小学館 / 2012年1月 小学館文庫) 『希望の国』(2012年9月 リトルモア) 『非道に生きる』(2012年10月 朝日出版社) 『けもの道を笑って歩け』(2013年9月 ぱる出版) 『毛深い闇』(2014年6月 河出書房新社) 『受け入れない』(2015年6月 中経出版) 受賞歴 映画賞 俺は園子温だ! ぴあフィルムフェスティバル入選 男の花道 ぴあフィルムフェスティバル入選 自転車吐息 第4回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品 第41回ベルリン映画祭フォーラム部門正式出品 部屋 THE ROOM サンダンス映画祭 in Tokyo 審査員特別賞 自殺サークル 第7回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 画期的映画部門観客賞・画期的映画賞審査員賞 StrangeCircus奇妙なサーカス 第56回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 ベルリナー・ツァイトゥング紙・新聞読者審査賞 第10回ファンタジア国際映画祭(カナダ) グランプリ・最優秀主演女優賞(宮崎ますみ) 紀子の食卓 第40回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 特別表彰 国際シネクラブ連盟(FICC)ドン・キホーテ賞 第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭 観客賞・主演女優賞(吹石一恵) 第28回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞(吉高由里子) 気球クラブ、その後 第16回日本映画批評家大賞審査員特別監督賞 エクステ 第3回オースティン・ファンタスティック映画祭 ホラー審査員賞 愛のむきだし 第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ賞・国際批評家連盟賞 第11回バルセロナ・アジア映画祭 観客賞 第13回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 審査員特別賞・最優秀主演女優賞(満島ひかり)・観客賞(アジア映画部門金賞・革新的映画部門金賞) 第8回ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル グランプリ 第13回プチョン国際ファンタスティック映画祭 NETPAC賞特別賞(満島ひかり、安藤サクラ) 第9回東京フィルメックス アニエスベー・アワード(観客賞) 第34回報知映画賞 最優秀新人女優賞(満島ひかり) 第64回毎日映画コンクール 監督賞・スポニチグランプリ新人賞(西島隆弘、満島ひかり) 第83回キネマ旬報ベスト・テン 助演女優賞(満島ひかり)・新人男優賞(西島隆弘) 第31回ヨコハマ映画祭 助演女優賞(安藤サクラ)・最優秀新人賞(満島ひかり) 第14回日本インターネット映画大賞 新人賞(満島ひかり) 冷たい熱帯魚 第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門正式出品 第43回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 ファンタスティック・フェスト2010 ファンタスティック部門 長編部門脚本賞 第13回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第15回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 観客賞(アジア映画部門金賞) 第35回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞(でんでん) 第54回ブルーリボン賞 作品賞 第66回毎日映画コンクール 男優助演賞(でんでん) 第36回報知映画賞 作品賞・助演男優賞(でんでん) 第21回東京スポーツ大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第33回ヨコハマ映画祭 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第16回日本インターネット映画大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 恋の罪 第64回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品 第44回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞 第16回日本インターネット映画大賞 監督賞 ヒミズ 第68回ヴェネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(染谷将太、二階堂ふみ) 第14回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第30回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭オービットコンペティション部門 グランプリ 2012年映画芸術日本映画ワーストテン2位 希望の国 第37回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞 第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画9位[36] 2012年映画芸術日本映画ワーストテン1位 地獄でなぜ悪い 第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞 ファンタスティック・フェスト2013 ガットバスターコメディー部門 作品賞・監督賞 リアル鬼ごっこ 第19回ファンタジア国際映画祭 最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)/審査員特別賞/最優秀女優賞(トリンドル玲奈)[37] ひそひそ星 第40回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞[38] 映画賞以外 GQ MEN OF THE YEAR 2014(2014年)[39] 出演 テレビ スタジオパークからこんにちは(2011年12月20日、NHK総合) 園子温ケーブルテレビ実験室(2013年4月 - 2013年9月、ケーブルテレビJCN) アウトデラックス(2013年8月22日、フジテ���ビ) 有吉ジャポン(2013年11月8日、TBS) 100秒博士アカデミー(2013年12月3日・10日、TBS) ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!(2013年12月21日、テレビ朝日) さんまのまんま(2014年3月8日、関西テレビ) 言いにくいことをハッキリ言うTV(2014年3月31日、テレビ朝日系列) 踊る!さんま御殿!!(2014年4月15日、日本テレビ) 竹山ロックンロール(2014年5月10日・17日・24日、テレビ埼玉・千葉テレビ・tvk・サンテレビ) たかじんNOマネー(2014年5月17日、読売テレビ) 情熱大陸(2014年6月15日、TBS) ダウンタウンDX(2014年6月26日、読売テレビ) ゴロウ・デラックス(2014年7月17日、TBS) ニノさん(2014年8月3日・10日、日本テレビ) - 「だって男の子だもん」回 ゲスト キン肉マン THE LOST LEGEND(2021年10月8日 - 12月10日、WOWOW) - 本人 役 ラジオ 園子温のズバリ!ラジオ(2013年1月25日、ニッポン放送) スカパー!日曜シネマテーク 特別版(2014年5月5日、TOKYO FM) ドキュメンタリー映画 園子温という生きもの(大島新監督 2016年) 伝記 速水由紀子『悪魔のDNA 園子温』祥伝社、2013年 参考文献 東方出版『KAMINOGE』vol.64 家賃3部作 園子温監督による実際の事件をベースとした3シリーズ 冷たい熱帯魚 - 1993年に埼玉県熊谷市で発生した埼玉愛犬家連続殺人事件がベースとなっている映画である。 恋の罪 - 1997年に東京都で発生した東電OL殺人事件がベースとなっている映画である。 愛なき森で叫べ - 2002年から福岡県北九州市で発生した北九州監禁殺人事件がベースとなっている映画である。 関連項目 サブカル[19] Category:園子温の監督映画 日本の映画監督一覧 脚注 [脚注の使い方] ^ a b c “厳しいを通り越して異常!? 園子温の「犬神家の一族」���たいな実家とは”. AERA dot.. (2016年5月16日) 2020年7月29日閲覧。 ^ 園子温 12月公開映画に「脚本・山本孝之」でステルス復帰!妻・神楽坂恵も“偽名”は「事実」と認める FLASH ^ a b c “愛知)園子温監督の復帰作品、豊橋市でロケ”. 朝日新聞DIGITAL. (2019年8月12日) 2020年7月29日閲覧。 ^ a b c d e f g h i j k l m n o p とよかわ広報大使 - 園子温氏の紹介 - 豊川市公式HP ^ 『月刊漫画ガロ』(青林堂)1996年4月号 ^ a b c d “園子温が『シン・ゴジラ』『君の名は。』を罵倒!「金儲け映画ごときで3.11を安易に暗喩にしたてるな」 (2016年12月18日)”. エキサイトニュース. 2022年4月4日閲覧。 ^ a b https://sgttx-sp.mobile.tv-tokyo.co.jp/static/html/bangumi/esper/introduction.php テレビ東京 ^ “園子温監督、心筋梗塞で入院し手術、命に別条なし”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月7日) 2019年2月7日閲覧。 ^ “園子温監督が退院「これからも作品をつくり続けます」 事務所通じコメント”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月21日) 2019年2月21日閲覧。 ^ “園子温監督 心筋梗塞後、初の公の場で「1回死んでよみがえって来ました」”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2019年6月25日) 2019年6月25日閲覧。 ^ “映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』”. bitters.co.jp. 2022年2月7日閲覧。 ^ “映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト”. 映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト. 2022年2月7日閲覧。 ^ bw.asuka (2022年11月7日). “園子温の “ステルス復帰” に「セコすぎる」の声声声…神楽坂恵の言い分にも苦言”. Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]. 2022年11月8日閲覧。 ^ 『非道に生きる』(2012年10月 朝日出版社)13p-16p ^ http://www.tfm.co.jp/movie/index.php?itemid=79809&catid=1737 ^ https://web.archive.org/web/20140222062821/http://www.tfm.co.jp/movie/index.php?itemid=69985 ^ “園子温監督、過去には「糞ジャパアニメ、すべて死ね」ツイッターで暴言事件も | リアルライブ”. archive.ph (2022年4月9日). 2022年4月10日閲覧。 ^ “DOMMUNE PROGRAM INFORMATION 2015/09/01 (火)”. DOMMUNE. 2022年4月4日閲覧。 ^ a b “映画鑑賞記録サービス KINENOTE|キネマ旬報社”. www.kinenote.com. 2022年4月4日閲覧。 ^ “水道橋博士が語る、天才・園子温監督の生き様 | CINRA”. www.cinra.net. 2022年4月4日閲覧。 ^ 『映画秘宝』2010年3月号 ^ “水道橋博士、園子温監督のモノマネで「地獄」を体験”. ORICON NEWS. 2022年4月4日閲覧。 ^ Inc, Natasha. “園子温が芸人デビュー、水道橋博士とお笑いライブ開催”. お笑いナタリー. 2022年4月4日閲覧。 ^ “水道橋博士が語る、天才・園子温監督の生き様 | CINRA”. www.cinra.net. 2022年4月4日閲覧。 ^ “1億円突破!園子温監督『地獄でなぜ悪い』を茂木健一郎、会田誠、水道橋博士がヒットの秘密を分析!”. シネマトゥデイ. 2022年4月4日閲覧。 “大ヒットを記念するトークショーに園子温監督が登場。日ごろから親交の深い脳科学者・茂木健一郎氏、現代美術家・会田誠氏、お笑いタレントの水道橋博士とともに、ジョークと毒舌、ときには会場を煙に巻くような過激なトークを繰り広げた。” ^ “そもそもアートは誰かの心を傷つける。宮台真司さん 「生半可な覚悟で見に行けば不快になって当然です」”. ハフポスト (2019年12月30日). 2022年4月4日閲覧。 ^ 「キネマ旬報オールタイムベスト 映画遺産200」。2009。同書57pの熊切のアンケートより ^ a b “日本人ハリウッド俳優、園子温監督のセクハラ告発「知り合いは身体を要求された」被害者は何十人も?”. リアルライブ (リアルライブ). (2022年3月31日) 2022年3月31日閲覧。 ^ “性加害報道の園子温監督 制作プロが謝罪【全文】 11年に20歳下出演女優と結婚”. デイリースポーツ (デイリースポーツ). (2022年4月5日) 2022年4月5日閲覧。 ^ a b “園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求””. 週刊女性PRIME (主婦と生活社). (2022年4月4日) 2022年4月4日閲覧。 ^ “園子温監督、性加害疑惑報道を受け直筆謝罪文を発表「今後のあり方を見直したい」「事実と異なる点が多く…」法的措置とる姿勢も”. 中日スポーツ (中日新聞社). (2022年4月6日) 2022年4月6日閲覧。 ^ “園子温監督、週刊女性側を提訴 「性行為強要」の記事「事実異なる」”. 朝日新聞デジタル (2022年5月19日). 2022年8月9日閲覧。 ^ “園子温監督が「週刊女性」記事巡り出版社と和解 性行為強要の記事を削除”. 産経ニュース. 産経デジタル (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “園子温氏、“性加害疑惑”週刊誌訴訟で和解を報告「記事は全文削除されております」【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “公式ホームページ” 2022年9月6日閲覧。 ^ “2012年・第86回キネマ旬報 ベスト・テン”. キネマ旬報社. 2018-08-07m閲覧。 ^ “トリンドル玲奈に最優秀女優賞!初主演『リアル鬼ごっこ』が作品賞含む3部門受賞の快挙!”. シネマトゥデイ (2015年8月6日). 2015年9月22日閲覧。 ^ “園子温監督が夫婦で作った『ひそひそ星』がトロントでNETPAC賞受賞!【第40回トロント国際映画祭】”. シアターガイド (2015年9月21日). 2015年9月24日閲覧。 ^ “GQ MEN OF THE YEAR 2014”. GQ JAPAN (2014年11月20日). 2014年11月21日閲覧。
園子温 - Wikipedia
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【かいわいの時】享保十四年(1729)四月二十日:将軍吉宗御用の象、尼崎から大坂に到着。南組惣会所に逗留。
1728年(享保13)6月、将軍徳川吉宗に献上される象が2匹、交趾国〔ベトナム〕から長崎に入港した。うち1匹が長崎で病死したので、残る1匹を江戸まで無事に届ける事が、通行道筋に当たった領主達の負担となった。翌年3月13日長崎を出発した象行列の一行は、4月19日尼崎別所村に一泊した。翌日大坂へ送り出したが、長崎出発から1か月余りは、尼崎藩・町村役人・一般住民を含めての情報収集と受入れ準備に奔走することとなった。象の大きさ・飼料の種類と量、小屋の造り、象使いの待遇など集め���れた情報からは、この珍獣を好奇と驚異の目で送迎した様子が知られる(山下幸子)。
この象がやってくるという情報は早くから大坂に伝わっており、河内の人たちもこの巨大な珍獣を一目見ようと待ちかねていました。四月二十日には到着ということで、その前日には芝村(現石切)・日下村・善根寺村から村人がぞくぞくと大坂へ向かいます。
いよいよ二十日になり、象は尼崎から神崎・十三へ向かい、天神橋筋を通り、大坂城の南西にあった南組惣会所へ到着します。沿道では大坂人のみならず、近郷の村人が馴染の宿屋に泊りこんで象を見物しています《略》象は��組惣会所で四日間を過ごし、四月二十六日に京都に到着し、天皇に拝謁します。しかし御所に上がるには位が必要ということで、「広南従四位象」という位が与えられ中御門天皇の上覧に供したのです。宮中では象をお題とする歌会まで開かれました。その時の天皇の御製が、
時しあればひとの国なるけだものもけふ九重にみるがうれしき
というもので、天皇ばかりでなく、この時象を見た文人は和歌・俳句・狂歌などの作品を残しています(日下古文書研究会)。
(写真)池田正樹『難波噺 後編四』(写)より「大象の次第」 同書によると、オスの象は全長約3m、高さ約1.8m、胴回り約3m。耳はコウモリの羽に似ており、約40cm、鼻は約1mと記されています。また六、七百年も生きると思われていたようです。1日に草3荷・大豆8升、水6~7升を食し、好物は芭蕉〔ばしょう〕の葉・根だったようです。蟻〔あり〕は大の苦手で、鼻で砂を吹き散らすのはそのためだと記されています。また象遣いは45歳ぐらいの男性で、中国人とは違った服装をしていたこと、鳶口〔とびぐち〕と手綱〔たづな〕で象を自由に扱っていることなどが記されています(岩城卓二)。《Web版 図説尼崎の歴史》より。画像は国立公文書館より。
(参考文献) 山下幸子「享保の象行列」『地域史研究』第2巻第2号 1972、Web版尼崎地域史事典『apedia』 石切崇敬会広報誌『いしきりさん 夏号 Vol.11』2012
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リチとの遭遇(冒頭試し読み)&通販のお知らせ
こたつの天板をひっくり返すと麻雀のラシャだった。あの緑色が現れると夜だった。布端がちょっとほつれて毛羽立っていて、直行はいつも焦れったかった。剥がれかけたかさぶたを引っ掻くみたいに手が伸び、びーーっと引っ張りたくてたまらなかったが、あれは父とその友人、あるいは伯父たちが夜な夜なジャラジャラやるためのものだった。勝手に触ると叱られそうな気がしてがまんしていた。 母家の隣のプレハブ小屋だ。父たちはしょっちゅうそこに集まり、ときには半裸になって酒を飲んでいた。母や祖母はほとんど来ない部屋だった。酒とかつまみとかを運んで溢れた灰皿を交換する役目は直行だった。夏の小屋はかなり蒸すが、窓も扉も全開にして扇風機をまわしておくと夜風が涼しかった。 ぶおお……ぶおお……と風に乗って鳴き声が響く。あれは牛蛙だと祖父が言った。火を通すとささみみたいだがあまりうまくはない、ただし唐揚げにすれば鶏か蛙かわからない。直行は、六年生になったら授業でカエルの解剖をやる、一人一匹カエルを与えられて必ずお腹を割かねばならないと上級生からおどかされていたため、いつまでも響く鳴き声が怖かった。そうしたら祖父が励ますみたいに「鳴いているのはみんな雄だ」と教えてくれた。変な励ましだと思った。 日が暮れる。父は小屋に向かう。麻雀牌にベビーパウダーをまぶし、夏場は長い時間やっているうちに牌と牌が汗でくっついてしまうからで、直行が赤ん坊のころ汗疹やおむつかぶれにはたかれたのと同じ粉だった。いそいそと作業する父の背中は汗ばんで、太い首が桃色に染まっていた。小屋の中を甘いにおいでいっぱいにして仕度し、父は客を待った。そうしていいにおいは男たちの汗やたばこでたちまちぐちゃぐちゃになった。 牌は杏仁豆腐みたいに見えた。しっかり固くて、スプーンを押し当てたらすとんと切れる、甘いシロップの中に浮かんでいる……。牌山を見ているとひんやりと甘い味が口の中によみがえった。甘味が虫歯に滲みる気さえした。あるいは父たちのツモったり切ったりの手つきは寿司職人みたいだと思っていた。伏せられた牌の白色はシャリで、背の黄色は……、黄色いネタって何かな。沢庵とか卵とか。もしくは辛子を塗られた? そんなもの見たことはないがたぶんバラエティ番組の罰ゲームっぽい何かが頭にあった。直行がじっと見ていても父も誰も麻雀のルールを教えてくれなかった。そばで携帯ゲーム機をいじりながら勝手な想像ばかりしていた。 父の後輩らしきちょっと若い男。日焼けした体がケヤキの若木みたいで、背中も眉も額も、体の全部がまっすぐだった。定規で引いたみたいな輪郭だと直行は思った。彼が「ロンです」と控えめに発声する感じがいいなと思っていた。あ、ロンです。あ、ツモ。おとなしく勝つ感じが格好いいもののように思えた。ただどうもロンとかツモとか宣言しても必ずしも勝ちとはならないようで、直行にはますます謎めいていた。 昼。男たちがいなくなったあとも直行はそれについて考えた。授業中や掃除の時間にふと思い出した。ポン、チー。卓のあっちからこっちへやりとりされる点棒。あれは算数セットの何かに似ていなくもない。小屋の麻雀はいつも長い時間やっているから直行は途中で寝てしまうこともあり、誰かが布団へ運んでくれた。男の横顔。彼はたばこを吸わない。漬物の茄子を齧るとき、汁がこぼれないようにあるいは惜しむように、口に運んだ箸をちょっと吸う。直行も真似をしてみたが茄子漬けを好きになれなかった。においも感触も苦手だった。鉢に残った漬け汁の青色は朝顔みたいな色だと思った。授業で育てた朝顔。直行のだけ成長が遅かった。みんなが実をスケッチしたり種を収穫したりしているころ、直行の鉢だけまだ青い花を咲かせていた。 苦手だとわかっているのに客の前で見栄をはり、茄子を口に入れたら飲み込めなくてべえっと吐いた。父はべつに叱らなかったが声をかけてくれるでもなかった。若い男がティッシュをとってくれた。しゅっしゅっとすばやく二枚。二枚も使って母親に怒られないかと、小屋にはいないのにとてもどきどきした。そうして若い男は出し抜けに「子どものころ学校のトイレでうんこするのが恥ずかしくて、体育館横のトイレは幽霊が出るって噂を流したよ」と言った。おれ専用のトイレにしたんだと笑った。 鳴いている蛙はみんな雄だ。いつかの祖父の励ましは理屈として通らないと思ったが、あれは理屈を言いたいわけではなかったのだとしばらく経ってからふと思い至った。体育館でマットを運んでいたら急にそう思った。たんになぐさめようとして言葉を継いだのだ。直行の学校は体育館の横にトイレはなかった。渡り廊下がいつも薄暗かった。 それならばと直行は思い、父たちのいない昼のうちにこっそりラシャのほつれを毟ることにした。学校から帰ってきてそっと忍び込み、昼間の小屋はかえって薄暗かった。カーテンの隙間から差し込む光が埃の粒子に跳ね返り、光の道筋を作ってキラキラしていた。直行は口を開け、ぱくっぱくっと空気をかじって吸い込んでみた。キラキラが埃だというのはわかっていた。汚い粒が自分の胃袋に溜まっていく背徳感に酔った。 天板を浮かせて隙間に手をつっこみ、布端を探った。天板は重く、指を挟むと爪がぎゅっと白くなった。痛くはないが圧迫される感じがよかった。思ったより少ししか糸はほどけず、びーーっとはならなかった。千切った糸は絨毯の裏に隠した。すっかり擦り切れたパンチカーペットで、タバコの焦げ穴があいている。直行の人差し指がちょうど嵌まる穴。そこに指を突っ込むのが好きだった。自分の指が芋虫になって絨毯を食う。きっと穴はどこかちがう場所につながっている。ワープ。そのころ髪を抜くのもちょっと癖になっていて、ぷちっと抜いたときの案外痛くない感じがやみつきになっていた。根元の白いかたまりが大きいとうれしくて、いい感じのかたまりが取れるまでぶちぶち抜いた。抜いた毛も糸と一緒に絨毯に挟んだ。 直行は一人で小屋に入り浸るようになった。毎日緑の布地をこすった。父たちがラシャと呼んでいたからこれはラシャなんだろうなあとおぼえたが、本当はもっとちがう名前があるのか、このような敷物がラシャというのは世の中の常識なのか、直行にはわからなかった。ラシャは音を消した。酔った父たちのでかい声に反し、牌を切る音はことんことんとおとなしかった。おらっとふざけて乱暴な打牌をすることはあったが、それでも大した音は鳴らない。寿司っぽい。寿司のことはよく知らないけど。白い調理服の男のイメージ。たまに連れて行ってもらう回転寿司は若いアルバイトとおばさんのアルバイトが多く、ちょっとちがった。伯父は醤油をむらさきと呼ぶ。伯父の太鼓腹には盲腸の手術跡がある。盲腸の痛みがいかに大変だったか、伯父は大仰に語り直行を怖がらせたが、手術跡というのは格好いい気がしていた。酔った伯父のひたいはてかてか赤く光った。 重い天板に手首の骨のところをわざと挟んでみて、痛くないのに痛がってみた。手がちぎれる! 罠が仕掛けられていた! 鰐に噛まれた! そういう想像。なかなかいい演技だったと直行は思うが一人きりでやっていたことなので誰も見ていない。昼間の小屋には誰も来なかった。やがて自慰を覚えた。 挟まれる感じといえば、重たい布団に押しつぶされるのも好きだった。押入れに積まれた布団の間に体をねじこみ、圧迫される感じがうれしかった。そしてそういう喜びは人に知られてはいけないものだろうと直感していた。これは誰にもばれてはいけない感情だと直行は噛み締めた。 でも従兄弟たちは察していたのかもしれない。集まった子どもたちで床にうつぶせになって何人も重なる遊びをよくやっていて、直行は一番下にされがちだった。その遊びのことはペチャンペチャンと呼んでいた。一番下はじゃんけんで決めようとは言うが小さい子が下になってはかわいそうだともっともらしく言われ、だいたいいつも直行が下敷きになった。どんどんみんな積み重なって、他人の体と密着したのはこれが最初の記憶かもしれない。自分ではない体のぐにゃっとした重さや熱。におい。 二つ上の従兄はそんなに背が高いわけではなかったが腕や足が骨っぽくて重かった。のしかかられると日焼けした腕にうっすら毛が生えているのがよく見えた。従兄の輪郭も定規で引き直されつつあると思った。直行が重いと叫ぶと毛が揺れた。草原だと思った。自分のとはちがうよその家の服のにおいがくすぐったかった。ペチャンペチャンをやっていると母たちに叱られた。内臓が破裂しちゃったらどうするの。直行はそのスリルにもひそかにドキドキしていた。ペチャンペチャンは三人目くらいから腹がぐっと押され、潰される感じで、苦しい苦しい、痛い痛い、ぺちゃんこになっちゃうよと直行はわめいた。ほんとはそんなに痛くなかった。痛みよりも快感があったのだが、ごまかすみたいに苦しいと叫んでいた。 やがて従兄は中学生になり麻雀の輪に入っていった。卓を囲む四人の男たち。じゃあ、従兄が入ったぶん誰が抜けたのだろう。そ���とも誰も抜けずに仲良く交代で? 疑問に答えは出ないまま、やがて直行が中学に入るころには父たちはあまり集まって遊ばなくなった。若い男は結婚し、子どもが生まれたときいた。直行は小屋をもらって自分の部屋とした。
5/21文学フリマ東京の新刊です。3万字くらいの短い小説で、薄い文庫本です。
通販開始しましたのでよかったら覗いてみてください〜
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あなたや私と同じ普通の少女の話
FAITH: The Unholy Trinity fanfiction
エイミーのお話です。
※バチカン非公認
1. 家(予兆)
誰も口にしないパーティーのチキンをゴミ箱へ捨てる。招待状を捨て、お誕生日の飾りを捨てる。地下からだかだかとミシンペダルを踏み込む音が聞こえる。毎日、毎日。父さんから中東だかアフリカだかの人形が送られてきてから、お母さんは毎日地下室にこもってマネキン相手になにかを作り続けている。父さんはどうかしている。不安を抱えてるお母さんにあんな気持ちの悪い人形を送りつけるなんて。家にもろくにいないのに。この家にいるのは私とお母さんの二人きり。そして会うことのなかった弟たちの二人。
階段を上がり、隣の部屋へと続く扉を見つめる。もうあの扉を開けたくない。真新しかったはずのおもちゃにうっすらと埃がかぶっているのを見るのがつらい。父さんもお母さんも誰もずっとなにもできないでいる。捨てることも、掃除することさえも。ほんとは片づけるべきなんだろう。家に来たお医者さんの先生もそう言っていた。だけど、あの部屋を片付けた瞬間に私の家は終わる。どうしてだろう。でも、あの部屋だけが私たちを何とかつなぎ留めている。気が狂いそうだ。
リビングの片づけが終わっても、ミシンのだかだかという音がまだ聞こえる。きっと明日も、明後日も。今度は何を作るのだろう。ミシンのあの音は大嫌いだけど、何か作っているあいだのお母さんの具合はまだよかった。一度、あのミシンの音をやめてほしくてお願いしたら、急にすごい大声でいつもの双子の話をまくしたて、森へと飛び出してしまった。慌てて森に探しに行こうとしたら、両手を血まみれにして帰ってきた。「狼がいるの。あなたも、あの子たちも、私が守らなくちゃ」と呟きながら。このあたりに狼なんていないよと言ったけれど、お母さんは手を洗って、そのままふらふらと地下室へ行ってしまった。
お母さんに私の声は届かない。ずっと双子に憑りつかれているから。
お母さんの調子が悪くなって、父さんは仕事で家を空けることが多くなった。それとも、逆だったろうか。外に続く森は暗く、幹線道路を走る車の音も聞こえない。この家にずっと私とお母さんと二人きりでいる。地下室のミシンの音がようやくやんだ。その代わりにすすり泣く声が聞こえる。
お母さんは可哀想な人なんだ。これ以上傷つけたくない。私がしっかりしなくちゃいけない。気が狂いそうだ。
2. 樹
お気に入りの松の木に寄りかかって座る。どの木も同じに見えるけれど、この木はとりわけ枝張りがよく、近くにいると落ち着けた。この場所ならおかしな声も音も聞かなくて済む。家のことを考えるのが怖かった。中にいると、歪んで、まっすぐに進めなくて、家自体が軋んで悲鳴をあげている気がする。お母さんには、学校に行けずに家に閉じこもっているからストレスがたまっているのだろうと言われた。私とお母さん、おかしいのはどちらなんだろう。この家と森にふたりでいると、すべてがどんどんおかしくなっていく。出口が見えない。
前にこの木のそばでひとりで泣いていたら、そのすすり泣く声がお母さんにそっくりで、それが怖くてもうずっと、泣けなくなっていた。
誰もいない木々のあいま、鹿が通り抜けていくのだけを眺めている。ずっと眺めていると、赤いものを身に着けた大人の人たちが歩いていくのが見えた。ふとその一人と目が合ってしまうと、あちらか声をかけてきた。
「そんな顔をしてどうしたの、お嬢さん。なにか辛いことでもあった?」
なんてことない言葉だったけれど、そこには随分とひさしぶりに感じた暖かさがあった。
3. 診療所
ハートフォードのクリニックでお手伝いをするのはとても楽しかった。チームのみんなが近くまで車で迎えに来てくれるし、街には森にはない色々なものがあった。それにクリニックでボランティアをすることは、すごく人のためになることのように思えた。そこにはいろいろな悩みや不安を抱えた女の人たちがやってくる。私は医者でも看護師でもないから大したことはできないけれど、ちょっとした事務仕事や患者さんの話し相手になることはできた。
「赤ちゃんを失ってしまったことは、あなたのせいじゃないんです」
「今はつらいけど、きっと受けいれられる日が来ます」
そうだ。本当にそうなんだ。
少しだけ肩の荷が下りたようにクリニックを出る人を見ると、私の心も少し軽くなる。だから、このクリニックのことを悪く言う人がい ても気にならなかった。
一度だけ、このクリニックを経営する団体のトップだというミラーさんという人と会ったことがある。スタッフみんなに親しげに声をかけながら、最後に私のところへと来た。赤いへんなローブから覗く瞳が、真正面からこちらを見つめる。
「いつもクリニックのため頑張ってくれてありがとう。これからも期待しているよ」
強面のわりに言葉は思いのほか優しく、握手した右手は骨ばっていた。そしてなにより見つめた瞳の奥の翳りは、どこかで見覚えがあるような気がした。ミラーさんと一緒にいた女の人が私を睨んでいたような気もしたけれど、私はあの翳りをどこで見たのか、そればかり思い出そうとしていた。
4. 家(変容)
頭がぼんやりする。眠れないとき、不安で息が苦しくてたまらないとき、クリニックでもらった薬を飲むようになった。あれを飲むと、すこし不安が消えて落ち着ける。時々、ぼうっとしてしまったり、たまに何かよくわからないものが見えることもあったけれど、形の見えない不安に苛まれ続けるよりはよかった。
父さんもお母さんも私がクリニックでボランティアすることを快く思っていなかった。変な噂があるとか、私の様子が最近おかしくなっているとか。確かにそうかもしれない。けれど、この家にいるよりずっと普通だし、ちゃんと誰かの役に立てている。チームのみんな、私の話を聞いてくれるし、親切にしてくれる。
夕方の食事の席で、久しぶりに帰ってきた父さんが諭す。
「お前のことを心配しているだけなんだよ。」
「そうよ。あそこには変な人が出入りしてるっていうじゃない。」
「うちよりずっと普通だよ。」
「どうしたの、エイミー?」
「うちよりずっと普通だって言ってるの!」
なぜか、これまでずっと言えなかった言葉が喉の奥で渦巻いている。目の奥が引き攣り、頭の中で聞いたことのないノイズが呻き鳴く。
「どうしたの、あなた……ねえ、本当におかしくなってしまったの?」
「おかしくないよ。私はずっとまとも。」
「エイミー、そういう話は食卓では……」
「エイミー、何がおかしいっていうの?」
「うちだよ。」
「えっ」
「うちがおかしいんだよ。」
耳鳴りがひどくなる。家が軋む音が聞こえる。戸棚がガタガタと震え始める。
「父さんもお母さんも、ずっとおかしいよ。」
「エイミー、」
「弟たちがいるふりなんかして。」
「エイミー、やめなさい……」
「とっくに双子なんていないってわかってるくせに。」
「エイミー!」
「あなた、おかしいわ……」
「おかしくない。」
口の端からごぼりと血がこぼれ出す。
「エイミー、やめなさい!」
「いもしない双子の幻影なんかにすがり続けてるほうがおかしいんだよ!」
「エイミー、お前がおかしい。謝りな���い!」
「私はおかしくなんてない!」
「あなた、悪魔が憑いてるのね!」
バン、とグラスがはじけた。
救えない。この家は、もう救えない。
ふらふらとダイニングを出る。手足がガクガクと震えてうまく歩けない。ふと振り返ると、鏡に映った自分が見えた。そして、気付いた。あのゲイリーという人の目にあった翳りをどこで見たのかを。
それは、自分の眼の中にあった。
5. 家(事件)
椅子に縛り付けられ、どこかからやってきた大人たちが私に向かって聖書を読み上げている。無性におかしくて笑い声をあげると、自分のものじゃないノイズが混じる。薬が切れたせいだろうか、やけに息苦しくて体が震える。なんで神父さまなんか呼んできたんだろう。ふたりとも、神様なんて信じていないくせに。いつもそうだ。ずっとそうだ。救ってもくれない幻影を、偽りの救いを信じ続けるなんてあまりにも哀れだ。そういえば、結局なんの役にも立たなかった、アフリカに派遣された神父さまの手紙は地下のどこに置いたっけ?口が勝手になにかを叫ぶ。体は震え、熱く苦しい。なのに心だけは、驚くほど静かだった。
一人きりになった年長の神父さまがなにかを唱え、十字架を掲げる。途端に体が燃えるように熱くなり、胸の奥に蠢く何者かごと圧し潰そうとしてくる力を感じる。今までのものとは比べ物にならないほど苦しい。胸の奥の「それ」が苦しみ外に出ようと滅茶苦茶に暴れ出す。口から聞いたこともない悪態の言葉が飛び出す。苦しい。死んでしまいそうだ。でもまだ死にたくない。神父さまのほうを見上げると、その表情は力強くまったく揺るがない。だめだ。私では勝てない。このままでは圧し潰される。まわりを見渡すと、奥にマネキンたちが見えた。視線を強く向ける。自分とマネキンの間に繋がりを感じ、触ってはいないけど手ごたえがある。そのまま引っ張るように顔を引き上げると、がしゃんとマネキンが倒れた。警戒しながら神父さまが振り返る。めくれた布の間から、異様に精巧で生気のない、まったく同じ表情をした二つの少年の顔が覗く。神父さまの眼に一瞬、戸惑いと疑念が浮かんだ。それで十分だった。
胸の奥の「それ」が無限の力を貸してくれる。私には何をすべきか分かっていた。
手に力を入れるだけで、それはあっけなく終わった。
ブレーカーの方に視線を向ければ、バチン、と音を立てて家の中が暗くなる。明かりはなく真っ暗だけど、私には家のすべてが見えている。足を踏み出さなくても、どこへでも移動できる。この家は、いまや私の手中にある。なぜなら私が、私だけが、この家の真実を知っているからだ。
暗闇の中、私の手がずぶずぶと人の体に沈んでいく。粘土細工をこねるようにかき混ぜる。内臓が引き千切れる音がしようとも、断末魔の叫びが響こうとも、私の心はずっと静かなままだった。
6. 家(対面)
家中の電気がすべて落ちても、月明かりが差し込むこの屋根裏だけはほんのりと明るい。差し向かいに立つ若い方の神父さまの顔は、けれど屋根の影になっていて私には見えない。
「戻ろう、エイミー。君は良くならないと。」
良くなるってなんだろう?これ以上、いったい何が良くなるというのだろう?若い神父さまの言葉は弱くて偽りだらけで頼りない。誰かを救うにはまったく足りない。視線は揺らぎ、握った十字架は小刻みに震えている。それでも一歩こちらに近づいた神父さまの顔を月明かりが照らす。その眼の中には、見覚えのある翳りがある。見つけた。
「あなたはメレディスを救えなかった。違う?あの人はいま、私と同じところにいるんだよ。」
「やめてくれ。」
神父さまの体がぶるぶると震えはじめる。やっぱりだ。これでいい。この人の言葉は、心はあまりに脆い。大きいのは図体だけ。掲げられた十字架も怖くはない。十字架を見た胸の奥の「それ」が騒ぎ出す。自分の体が勝手に動き、よじれ、眩暈がするなかで、神父さまの眼の奥すべてが恐怖に呑み込まれるのが見えた。これで終わりだ。
手を伸ばすと、急にまばゆい光が目の前ではじけた。
頭を強く打ったのだろうか、気が付いたら床に仰向けで横たわっていた。右手と左足がありえない方向にねじ曲がっている。傷はついていないのに、血が鼻と口からだらだらと流れ出す。あの神父さまは、入口の奥に積み重なったマネキンの向こうにいるのか、もう見えない。激痛の中をぼんやりと漂っていると、急にわかった。
『私はおかしい。』
すべてから裏切られた気がした。すべてを失ったのだと知った。
この家で、屋根裏の窓から見える月だけが好きだった。月はいま、目から流れる血で赤く染まっていた。
7. 病院
ずっと頭がぼんやりとしている。麻酔、鎮痛剤、抑制剤、見舞いに来たクリニックのメンバーが差し入れる薬。あの日から、私の体はよくわからない薬漬けとなっている。時の流れももうよくわからない。混濁と覚醒を繰り返しながら、時折体の、心の激痛に叫ぶ。そしてほんの束の間、はっきりと物事がわかる時がある。
親戚は一度だけ面会に来て、二度と姿を見せなかった。当たり前だけど見放されたのだろう。病院の先生たちも、重罪を犯し、よくなる見込みもなく、うわ言しか言えなくなった私を哀れな厄介者としか見ていなかった。頻繁に見舞いに来るクリニックのメンバーたち、彼らのことはもう信用できなかった。けれど、すべてから見放された私を気にかけているのは彼らだけだった。先生たちも、親切で情け深い友人たちとして、あの人たちを何の躊躇もなく病室に入れた。そして彼らはいつもなにかを唱え、大量の薬を渡して帰っていった。
私の体はじょじょに腐っていくようだ。悪臭でも放つかのように。まともな人は誰も私に近づかない。私はまともじゃない。私はおかしい。ずっと。ずっと前から。そういえばあの人はどうなったろう?だれも救えないあの神父さまは。わからない。わからない?なぜあの人は助けられた?どうして私はこんなことになった?始まりはどこ?始まらない道はあった?私はとっくに終わってる。終わってるのに終わらない。私の終わりはどこにあるのだろう。
8. 儀式
目覚めると、いつもは外から施錠されている病室の扉が開いていた。変な気がした。なんでもいいから、この場所から出たかった。ずっとまともに動かせなかった体はふらつき、足はおぼつかない。あせらずに歩く。一歩ずつ進んでいく。
あの場所に戻らなければいけない。家に帰らなければいけない。あの場所だけが、私の終わりで、私の始まりだ。あの場所できっと、私に手を下してくれる人が待っている。手を差し出してくれる人はいなくても。
わき目もふらず、まっすぐ歩いていく。と、急に手を引かれる。その手は赤く染まっていた。
体が動かない。おぼえのある気怠さが体全体を覆っている。顔になにか被せられている。内側になにか塗られているのかドロドロして気持ち悪い。皮膚が溶けていくように熱い気もするけど、感覚がなくなってよくわからない。もう喋れない。もう動けない。私はどこまでも降りていく。ここが本当の終わりだろうか。ちがう。いやだ。ここじゃない。顔からなにか引き剥がされ、息をのむ音が聞こえる。赤い人影は見分けがつかない。ろうそくの灯のなか、まばゆく光るナイフが見える。目が痛くてほかに何も見えない。あの煌めきの先に私の終わりは、私の救いはあるのだろうか。
あとがき
あるいは、失われた断片について。
エイミーに何回もMortisさせられ、この娘はなんでこんなに強いん?と思ったので書きました。書いてみて、これじゃ100回Mortisさせられても文句言えないなあと納得したので、満足です。
つよつよ悪魔になったら楽しく悪魔ライフをエンジョイしていてほしい。
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