#元旦から多肉と戯れる
Explore tagged Tumblr posts
Photo
20230105 明けましておめでとうございます♪ 昨年はこっちに帰ってきて久し振りにクリスマスや年末を家族と過ごせました。 今年もこっちに居られると良いんですが。。。 写真①は初日の出とベランダ多肉温♪ また多肉LOVEな一年になるんだろうねww 実生っ子も僅かながら育ってますし、 あれやこれやガンガン多肉りますぞ! 皆様今年も宜しくお願いいたします。 #20230105_itm #多肉植物 #ベランダ多肉 #多肉オヤジ #エケベリア #Echeveria #Echeveria_itm #元旦から多肉と戯れる #これを幸せと呼ぶ #すぐに二日は来ちゃいましたけどね https://www.instagram.com/p/CnAqSEVSJnz/?igshid=NGJjMDIxMWI=
0 notes
Text
--深海人形-- 敷島隊の秋
※題名とは関係無いけど、草田先生三回忌、生きていれば31歳。
※閲覧&キ��ラ崩壊注意
※ネタも話題も雑多(※闇鍋)。
※機体直結・生体CPUネタあり
※某絵師は、何故、自らの意志で天国に旅立つ事を選んだのか?についての考察があります。注意
彼女が自らの意志で天国に旅立った理由を考える
--彼女は日頃から、睡眠時間が圧倒的に足りてなかった。更には、もう既に体がボロボロであり、群発頭痛と首の痛み持ちだった。
此処の画像(https://x.gd/BASfE)を参照すると、一日十五時間前後は、絵を描いて居たと言う。睡眠時間は四時間程度しか無く、他は家事か風呂か食事の時間である。食材を調理する時間も無いのか、食事の時間も大変短い。
最早、ブラック企業のブラック労働としか言い様が無い生活である。
其んな中、彼女は、人気イラストレーターとして、自らの命を懸け、その命を費やし、削り、戦い抜いて来たのだ。只、私達は敬服するしかない。
更に、彼女は群発頭痛持ちであり、酷く強烈に痛む頭部のそれ以外にも、それに匹敵する程耐え難い辛さであろう首の痛みとも戦って居た。
そうやって、彼女の人生において為されて来た、一人のイラストレーターとしての、絵を描くと言う業務。
絵を、日常的に、何枚も描いた事もある方なら分かると思うが、本来、絵を描くと言うことは、其の位の苦行なのだ。
…。
--生前からクライアントから言われた納期を一つも落とさず完了していたが、完成した仕事に粗が見えて居た
生前、彼女は、締切も納期も厳粛に守って居た。こんな逸話がある。彼女が死亡したのち、旦那さんが仕事のスケジュールを確認した所、仕事をキャンセルした痕跡は見つからなかったと言う。
彼女は、人気イラストレーターとしての職務を全うするべく、何処迄も真面目に仕事をこなしていた。その上、同人誌の原稿を落とすと言う事も無かったし、そんな中、沢山グッズも作っていた。正に、同人者、絵師の鑑である。
此処で少し話を変えるが、今思えば、既に、生前当時から、心身の損耗と衰弱が酷くなって居ると言う兆候は既に見えて居た。
----具体的には、彼女の名誉の為にも、書かない事にするが----、ある立ち絵での手の描き方が、何時もの描き方とは��って居たり、人の死を仄めかす弱気の発言が多く呟かれる…………等のそれらが。
そして、彼女は、晩年(…と言う言葉が似合う歳では決して無いが)に「お金が無い」と言って居た。鬱病特有の貧困妄想かもしれないが、彼女は、どれだけ体ボロボロでも、人気イラストレーターであるが故に仕事をしなければならなかった……。
仕事を休みたくても休めない状況が、彼女を死に追いやって行ったのでは無いだろうか?
…尚、一部では「AI画像生成プログラム台頭の所為で仕事と未来が無くなる」と悲観し、此の世を去ったと言う説もあるが、此れも自らの意志で天国に旅立った原因、要素として定かでは無い。
…。
--仕事の重圧に苛まれていた
前述した通り、彼女は真面目にイラストレーターとして働き、沢山のイラストを描いていた。更には、同人誌の執筆制作も同時に並行しており、そして、頻繁に同人誌即売会に出て、売り子としてもサークル活動して居たと言う。
一見充実した人生に見えるが、そんな中でも彼女は、下手に地には落とせない『人気絵師』、『造船絵師』…と言う肩書きの重苦しさに、苛まれ、苦しめられて居たのだろう。
その苦しみと重圧の強さを想像する事は容易い。現に、それは、彼女を死に到らせてしまったのだから。心身共に耐久力が限界で、満身創痍の中……、彼女は、自ら選んで得た覚めることの無い眠りに安らぎを得て。
どうか涅槃で待っていてください。其処には、皮肉屋も攻撃的な人々も敵も害悪も重圧も義務も病気も鬱も苦痛も悲しみも、そのような存在は、一切何も無い、一切皆苦が幻(マーヤ)の様に消滅した涅槃の中で。故に今は安らかに居られるでしょう。十二分に御休みください。
…。
……此うして、色々と、長々と、書きましたが……、最後に……、…御冥福をお祈りします。
…。
以下、補足として、記しておく。
栄養学の界隈辺りでは、ストレス過多、栄養失調や拒食症のような状態では、塩味や塩分の強い食品を好むことがあると言われて居る。
丁度、生前、彼女は、生ハムと塩そのものを偏愛して居た事で有名であった。
多分彼女が生ハムや塩そのものを、此処迄、偏愛していたのは、それが理由では無いだろうか。
…。
草田氏と類似する状況の故人に、漫画家の藤原ここあ氏、酸欠少女さユり氏、神田沙也加氏が居る。彼女達の場合、直接の死因は不明であるが、一部では、何れも自死では無いかと囁かれている。
更には、男性の方では、明確に自死��報じられた方に、しんがぎん氏(厳密には死因は心不全とされる)、佐渡川準氏、青山景氏が居る。
どう言う訳か、二十代後半〜三十代後半のクリエイター業を営む未だうら若き青年と乙女達は、突然死及び急逝し易い、或いは、自らの意志で天に旅立つと言う選択肢を比較的選ぶ傾向にあるようだ。
…。
シン・ヤマトって何だよ。ヤマト家へ養子に入りました〜〜、…みたいな名前しやがって(※定番の種ネタ)。
…。
ルガール氏は龍虎乱舞を完全ラーニング出来るのか真剣に考察したりしてた(※後、ルガには鳳凰脚位なら簡単に習得してくれるイメージがあります ※カイザーウェイブが出来るなら、覇王翔吼拳も出来るのかな?)。
…。
…逆に、ルガールがラーニングしてもあまり有効じゃない技は、草薙流、八神流、神楽流古武術、動物を使うのとか位かな(※我流の人達のスタイル、カインの暗黒真空拳もか?)。
…。
シロカスにしろデラフリにしろガトカスにしろ、自分の所業と正義に酔いしれる為に他者を踏み潰し、踏み躙る、正にザラ派、ソレスタルビーイング、ブルーコスモスと同じ穴の狢、彼奴等はどうしようも無い悪党ですよ(※確信)。
…。
ZZ、木星では貴重な大出力発電機説(※木星では電気を起こすのも一苦労なので高出力のZZに発電させようぜの発想でしかないが)。
此の手の機械は、充電池になるって度々何処でも言われて居る。
…で、時々、ジ・オとかも同じで、充電池やら発電機として利用する為にも作られてんじゃないのかなとは思う(※寧ろ、推進剤無しだったら、寧ろ、其う言う使い方しか出来無い)。
…。
其処迄アージェント・キール仕様を罵る事も無いと思うんすけど。……まぁ良いんじゃ無いですか?銃全盛の時代に開かれた集団武術大会に、弓矢で参戦する人も居るんだし(笑)。
何れだけ弓矢に秀でても(有効射程200〜400m)、銃火器が跋扈してる時代じゃなぁ(※狙撃銃は狙撃する際に600〜1kmの距離を取るなんてザラ)、ゴルゴか赤井さんか其れ以下のスナイパーに狙撃されて終わりだからね(※実際リアルFEの人でギリギリでした)。
…。
WW2兵器オタからしたら、近代化改修であのレベル以上に迄強くなって良いのは、戦車か艦船だけ、生粋のガ��タなら、戦艦か輸送機だけと言う風潮、意外とあるからね(※公式がEXA並に雰囲気や世界観ブチ壊しに来て草)。
だが、航空機は其うでは無い。公式はMSを航空機では無く戦車と捉えてる説(※適当)。
…。
例のアージェント・キール仕様、真面目に考えたら、「…実は中に超低性能サイコミュかサイコフレーム仕込んでます!!!(迫真)。」位の展開をやりそうだけど、如何でも良いや(※投げやり)。
…。
…ガトカス(アージェント・キール仕様)、欲しい(※此れでは最早ヒトでは無く刹那)。
…。
ザクII「高々近代化改修で彼処迄、性能良くなれるんなら、デラーズ フリートもネオ ジオンももっと楽出来たで。巫山戯んなや(※面倒臭いガノタ並)。
※…そうだそうだとソロモンの悪夢も閣下もハミャミャーン様(※後、何かマシュマーとか言うの)も言って居ます(※らどん並に)。
…でも、此処のデラフリは機体じゃ無くてガトーを近代化改修しそう(小並感)。
…。
アージェント・キール構文の出典 :https://x.gd/UKgjc
…、
ソロモンの悪夢(アージェント・キール仕様)
57歳。旧式(ほぼ爺い)ではあるが、近代化改修によりその性能はロ⚪︎コンで有名な赤いあれ何とか星(34)に匹敵する。ニュータイプかもしれない(知らんけど)。
ソロモンの悪夢(57)「俺こそがガソダムだ!(※断言)。」
アージェント・キールの人達「あれ?此の人惚けはじめてない?(※震え声)。」
※生き恥ww(※あなべるをおもちゃにするな)。
…。
グレイ・ストーク(アージェント・キール仕様)
旧式ではあるが、近代化改修により
その性能はジュドー・アーシタに匹敵する
アージェント・キールの人達「其れって、唯の若返りでは?(真顔)。」
…。
ジェリド・メサ(アージェント・キール仕様)
30歳。年齢的には旧式では無い。近代化改修(某グレイズの如く機体直結加工)により、その性能はR-9Cのエンジェルパックに匹敵する。尚、当の本人は、「これがそうなんだ。これこそが俺の本来あるべき姿(※本人談)。」らしいので、普通に気に入って居ると思われる(※Zガソダムの没案とグレイズアインの中身君が元ネタです)。
…。
戦後、ガトカス専用高機動ザクII何処やったの?
ワイにくれ。売って大金にしたいから(頭ジュドー)。もし現存してて手に入ったら速攻でオークションで売るわ(※ガソダム売るよ!並)。
でもさ、余程のガトカスファンじゃない限り、頭ジュドーじゃなくても平気でオークション等で皆売るやろ?(※中には、ガトカス本人付きで、連邦へ売りに出そうとする人も居ると思うけど)。
…。
ファンタ……何とかも其うだけど、悪に対する理解がおざなりなのはアメリカらしいなと思う(※実際、ティターンズもブルーコスモスも相当アメリカめいてるし)。
…。
…コズミック・イラに置いて、ブルー コスモスは癌細胞みたいな物(※…では無いかと時々思って居ります)。
…。
※クロスオーバー注意
カクリコン・カクーラー(アージェント・キール仕様)
生体CPU。正直作中的にもパッとしない上に、最序盤で御役御免だし、割かし無能で、旧式ではあるが、『近代化改修』により前頭部はフサフサになり(最重要事項)、更に、その性能はスーパーコーディネーターかアコードに匹敵する(当社比)。
其れ位はしないと印象に残らないとは言えカクリコンが幾ら地味だからって内容盛り過ぎだろ(率直な感想)。
皆様の感想
「アージェント・キールに拾われてるww」
「此れって、只の強化改造では?」
「宇宙世紀かコズミック・イラなのかこれもう分かんねぇな。」
…。
スコープ ドッグ(アージェント・キール仕様)
旧式ではあるが、近代化改修により
その性能はRGM-79 GMに匹敵する
※全うに性能良くなってて……むせる(※むせない)。
…。
0 notes
Text
夏目漱石の『吾輩は猫である』は、「吾輩は猫である。」という書き出しで始まる。もともとは一話のみの読み切りとして執筆され、高浜虚子らの文章会で1904年12月に朗読される形で発表したところ、好評を博し、タイトルが未定であったものを高浜虚子が決め、1905年1月に雑誌『ホトトギス』で発表された。これも好評となり、翌年8月まで全11回の連載となった。『ホトトギス』は売り上げを大きく伸ばし、元々俳句雑誌であったが、有力な文芸雑誌の一つとなった。 『吾輩は猫である』は、ローレンス スターンやジョナサン スウィフトなど中世ヨーロッパの「脱線文学」あるいは「パロディ文学」と呼ばれる作品の系譜にあるとされ、そうした作品の影響を受けて書かれたとも考えられている。これは、当時の日本の文学の主流の傾向が西洋近代文学として自然主義を取り入れ私小説へと向かっていくのとは対照的で、漱石独自の、世俗を忘れ人生をゆったりと眺めようとするような作風は「余裕派」と呼ばれるようになる。が、そもそも、当時教師をしていて色々うまくいかずに悩んだ挙句に神経衰弱を患っていた漱石が、高浜虚子から治療のつもりで創作でもしてみたらどうかと勧められて書いたのが『吾輩は猫である』である。朗読される形での発表になるだろうからということで、落語などを参考にした口語文で書き、あらすじやストーリーめいたものは無く、いわば随筆だが、それを猫の視点から書くということでフィクションに仕立てている。漱石は、そうした文学の系譜があること自体は知っていたが、連載しながら読者と共に小説の読み方を作っていった。結果として、パロディ文学あるいはメタフィクションとして成立し、そして、そこには20世紀の文学が目指した方向性が示されてもいた。 20世紀の文学、特に小説が目指したものは何だったのかということは、作家や評論家によって様々な考察がされている。その一つに、「小説に特有のエッセーの技法」というのが挙げられている。これは、明白なメッセージをもたらそうとするのではなく、あくまで仮説的、遊戯的、アイロニー的なものとしてとどまるエッセーの技法であるという。
1905年2月に発表された『吾輩は猫である』の第二話に、「今年は征露の第二年目だから」という文がある。この「征露」というのは1904年に開戦した日露戦争のことで、戦争が足かけ二年になった1905年の元旦以降、「征露の二年目」「征露二年」というのが戦勝を祈願して年賀状に書かれるなどの形で流行語のようになったらしい。タイムリーな時事ネタとしてさりげなく書かれているだけで、それ以上の意図はないのかもしれないが、『吾輩は猫である』が書かれた時代的背景には日露戦争がある。 日露戦争は1905年9月に日本の勝利で終わる。日本はロシア帝国の南下を抑えることに成功し、加えて戦後に日露協約が成立したことで日露関係も急速に改善する。相互の勢力圏は確定され、日本は朝鮮半島の権益を確保したうえ、南満洲鉄道を獲得するなど満洲における権益を得ることとなった。当時列強諸国からも恐れられていた大国であるロシアに勝利したことは、列強諸国の日本に対する評価を高め、明治維新以来の課題であった不平等条約改正の達成に大きく寄与したのみならず、列強諸国の仲間入りをし、第一次大戦後には「五大国」の一角をも占めることとなる。その発展と成長への路線が示されたのが、日露戦争の勝利であった。 日露戦争の勝利は、日本の近代化の成功を象徴していた。が、『吾輩は猫である』には、ところどころ、滑稽さを出すためのアイロニカルな表現なのか、猫の視点から見ればバカバカしいということを表すためなのか、やっぱまだ神経衰弱結構きてたのか、なんだかよ��わからない、ぼんやりとした不安のようなものが顔を出す。悲願だった近代化に成功したからこそ、もう後戻りできないのではないかということや、そもそもその成功した近代化というのは何なのかよくわからないが、もしかしたら誰もわかってはいないんじゃないか、みたいな。
ソ連時代のロシアの文芸批評家ミハイル バフチンは、「脱線文学」あるいは「パロディ文学」とも呼ばれる作品系譜を「カーニバル文学」と呼び、パロディなどに見られる両義性や価値倒錯の世界を創り出す効果を「カーニバル性」と呼んだ。バフチンはカーニバル性を持つ作品を「グロテスク リアリズム」とも呼んでいる。バフチンはグロテスク リアリズムの特徴として、カーニバル性を持っていることのほかに、「物質的、肉体的なものの肯定」を挙げ、「笑い」を極めて重要な要素であるとした。 バフチンは、近代文学における「パロディ」は、形だけの、否定的性格のものになっており、再生させるという両面的な価値を失っていることを批判し、近代文学における「笑い」についても、一面的にのみ理解された、もはや価値転換を起こすことのできない、純粋に娯楽的な笑いになっていることを批判した。
ちょっと前に、いくつかのポッドキャストやブログ記事などで、シニカルな笑いについて話題にしてるのを見た。それらで話されていたことの延長線上にあるような話は、シニカルな笑いにフォーカスしてるわけじゃないが、一層盛り上がったように思う。それらを聞いていて、たしかに「笑い」には二つの種類、あるいは相反する二つのベクトルがあるのかもなとも思った。それらを仮に「ソリタリー ラフター (独り笑い)」と「ラヴァーズ ラフター (恋人たちの笑い)」と呼ぶことにして、そのネーミングだとダサくて使いたくないみたいな感じは、拒絶を喜ぶ笑いで、シニカルな笑いであり、「独り笑い」である。もう一方の「恋人たちの笑い」は、同意を喜ぶ笑いということになるだろう。 同意を喜ぶ「恋人たちの笑い」が嬉しいのはもちろんだけど、「独り笑い」に救われることもあるっちゃあるよねみたいな感じの話が、「独り笑い」のようなものによって、偽の信念を拒絶するということはとても重要なことなんじゃないかという話になったのがちょっと前で、確かに似たような経験はあるとか、最近の出来事とかその解説とか聞いて、みんな真剣に聞いてたみたいだけど、なんかバカバカしく思えて笑えたみたいな話で盛り上がったのがつい最近なんだけど、これってなんか、「拒絶を喜ぶ笑い」が「同意を喜ぶ笑い」へと転換しているようでもあり、奇妙と言えば奇妙な感じというか、やっぱこの分類じゃ何言ってんのかわからない気もしてくる。そもそも誰かに「シニカルだ」「冷笑主義の差別者だ」「プロジェクト2025の共謀者だ」とか呼ばれることに対して、最後のやつ初耳だけど新ネタでたの?みたいなことを聞いてる人を見て噴き出したりってだけのことを、なぜか真剣に受け取りすぎていただけなのかもしれないが、何かの話題から別の話題に移るたびに、ついさっきまで考えていたことや感じていたことが一気にかけ離��ていく感じで、何を考えようとしてたのかもわからなくなる感覚がある。
『存在の耐えられない軽さ』(1984)などで知られる小説家のミラン クンデラが、もう一つの代表作とも呼ばれる『笑いと忘却の書』(1978)で、「笑い」には「天使の笑い」と「悪魔の笑い」という2つの笑いがあると書いた。「天使の笑い」とは、世界の意味を確信した、生命の喜びとしての笑いであり、「悪魔の笑い」とは、何もかもバカバカしくなる、すべて無意味だということを表す笑いだという。天使の笑いは、それが極端にもたらされると、自分たちの世界の意味をあまりに確信し、自分たちの生の喜びに与しない者は殺してもよいという笑いになる。小説の語り手の耳には、悪魔の笑いのほうが、救済のかすかな約束のように響いた、という描写もある。 クンデラは、「プラハの春」で改革への支持を表明し、それにより、ワルシャワ条約機構軍による軍事介入の後、チェコスロバキアにおいて次第に創作活動の場を失い、著作は発禁処分となった。1975年には、フランスに事実上亡命。1979年には、チェコスロバキア国籍を剥奪される。『笑いと忘却の書』が国籍剝奪の原因だとも言われる。このことから、クンデラは共産主義や全体主義に立ち向かった作家だと言われ、「天使の笑い」というのも、全体主義化に警鐘を鳴らすための言葉として持ち出されることも多い。『笑いと忘却の書』には、共産主義者たちを無垢な残酷さを持つ「天使」に見立てて書いてる箇所もあるし、「あの天使たちの恐ろしい笑い声が響いている」という文などは、例えばジョージ オーウェル『1984年』(1949)の「ビッグブラザーの愛」のように、美しい単語に隠されているものの恐ろしさを暴くものだというような解説もされる。 しかしクンデラは、「共産主義体制で迫害を受けた」というような理解で作品が語られるのを拒み、また、『1984年』などの作品についても、それが政治へと「還元」されるのは容認できないとも書いている。この還元はプロパガンダとして役立つものだし、まさにこれこそが、人生の政治への還元、政治のプロパガンダヘの還元だからだという。 人間は、善と悪とが明確に判別されうるような世界を望み、というのも、人間には理解する前に判断したいという生得的で御しがたい欲望があるからだと、クンデラは言い、さまざまな宗教やイデオロギーのよって立つ基礎は、この欲望だと言う。世界中の人々が、今や、理解することよりも判定(ジャッジ)することを望んでいるようであり、問うことよりも答えることを大切だと考えてるように感じられる。神聖にして冒すべからざる「アンサーズ(答え。確信)の世界」には、小説のいるべき場所はない、とクンデラは言う。とにかくみんなすぐに、理解する前に理解することなく裁くという人問の慣行に反対し、道徳的判断を中断すること、それがクンデラにとっての小説であり、それは小説の不道徳なのではなく、それこそが小説の道徳なのだという。クンデラにとって小説世界とは、判断の中断の中にある世界であり、「クエスチョンズ(問いかけ)の世界」である。 「天使たち」というのは、輪になって踊りながら上昇するというイメージを表すものでもあり、「悪魔」というのは、その輪からはじかれて落ちていくイメージを表すものである。その輪というのは「党」の比喩でもあるが、それだけにとどまるものではない。「列」であれば、離れてしまっても戻ることができるが、輪は閉じるので、いったん立ち去ると帰れない。「惑星が輪を描いて動き、惑星から離れた石が遠心力によって容赦なく運ばれ遠ざかってゆくのは、偶然ではないのだ。惑星から引き離された隕石のように、私は輪のそとに出てしまい、今日でもまだ、落ちるのをやめていない。旋回のなかで死んでしまう定めの人々もいれば、墜落の果てにぺしゃんこになってしまう人々もいる。そして、後者の人々 (私もそのひとりだ) は、失われた輪への、遠慮がちな郷愁のようなものをつねに心のそこに宿している。それというのも、私たちはみな、万物が輪を描いて廻っている宇宙の住人なのだから。」
「小説の読み方」には、なんらかの「継続性」あるいは「持続性」が付随している。一つの作品を読む期間というもそうだし、しばらく読んでなくても、過去に呼んだ作品や読んでた時期を思い出したりとかというのもそうで、そのことを、「アクチュアリテ(今日性)に固定されない」とも言う。「アクチュアリテ」というのは「目下の現実」というような意味で、とりあえず「目下の現実」こそが最重要で、「アクチュアリテに固定されている」のが「ニュース」である。新しい出来事や新しく判明した事実によって「アクチュアリテ」が書き換わった後で、「昨日のニュース」を「今日」読むというのは、「ニュースの読み方」ではなく、別のニュアンスを持つものになる。 「アドボカシージャーナリズム(提言報道。政策決定などに影響を与えることを目的にしたジャーナリズム)」と呼ばれる形態に限らず、前面に押し出されて語られる出来事や議論などの奥には、提言団体の勢力図だったり、語るまでもなくよく知られた背景情報があったり、つまりどんな話題にも「奥行き」がある。が、フォーカスがぶれると伝わらない情報が多いため、どうしても焦点を定めた固定的な見方で語られる。どこかの視点に固定されたり、あるいは、昨日の視点と今日の視点があまりにかけ離れすぎたりすると、その「奥行き」も、奥行きを見るための「視差 (パララックス)」も失われてしまう。 「小説に特有のエッセーの技法」というのも、「アクチュアリテに固定されない」ためのものだと説明される。それは、今日起きたことを書くのだとしても、「今日の出来事」ではなく「持続し、過去と未来をつなげるべきもの」として書く姿勢だという。 日露戦争中、新聞以下マスコミ各社は、戦争に対する国民の期待を煽り、修正が利かなくなっていた。それもあって講和条約であるポーツマス条約��、国民の多くが考えていたものとは大きくかけ離れるもので、日本に対するロシアの賠償金支払い義務はなかった。全国各地で講和条約反対と戦争継続を唱える集会が開かれ、1905年9月5日の日比谷焼打事件をはじめとして各地で暴動が起こり、戒厳令が敷かれるまでに至った。12月22日、桂内閣は総辞職した。 その時期をちょうど真ん中に置いて、その前後に、人の視点と猫の視点のパララックスが連載されていた。
2024年7月 イフ ザ ライン オブ サイト イズ パラレル トゥ
0 notes
Text
サルトルの『アルトナの幽閉者』
原則として(?)自分が読んだ本のことをここに書くことはないのですが、サルトルの『アルトナの幽閉者』について書くことにします。
私はサルトルに特に思い入れはありません。カミュとの絡みでサルトルの小説や戯曲を少し読んだだけです。政治的哲学的著作は全くと言っていいほど読んでいませんし、そもそもカミュ・サルトル論争はカミュの方が正しかったと思っています。
ただ『蝿』、『出口なし』、『恭しき娼婦』については、それぞれ論文を書いたことがあります(『出口なし』は大竹しのぶ、多部未華子、段田安則出演の舞台を、『恭しき娼婦』は奈緒、風間俊介出演の舞台を見ています)。サルトルの戯曲は面白いし、サルトル入門にはうってつけだと思っています。
今回なんとなく、本当になんとなく『アルトナの幽閉者』を手にとって久しぶりに読んだのですが……ひどい! これはひどすぎます。
「アルトナ」というのはドイツの都市の名前です。この街にヨーロッパで有数の造船会社社長の邸宅があります。住んでいるのは父親と息子ヴェルナーとその妻ヨハンナ、それに娘のレーニです。
父親は喉頭癌にかかっていて余命いくばくもありません。彼は息子のヴェルナーを次期社長に指名します。しかし、ヴェルナーも妻のヨハンナもそれをよしとしません。ヴェルナーはもともと弁護士で、兄のフランツがアルゼンチンで死んだために急遽呼び戻されて、父親の会社で働き、父親の家に住んでいるのですが、家を出てもう一度弁護士に戻りたいと考えています。
物語が進むにつれて、フランツは実は生きていて、邸宅の2階のある部屋に閉じこもっていること、妹のレーニがフランツの世話をしていること、そればかりかフランツとレーには肉体関係を持っていること、父親は自分の死後、ヴェルナーとヨハンナにフランツのことを託したいと考えていることがわかってきます。
物語の中心は、フランツがなぜ閉じこもっているのかにあります。
それに対する最初の答えは比較的すぐに出ます。第二次大戦中、父親はナチに迎合して自分の地所を強制収容所建設のために提供しました。それが気に食わないフランツは強制収容所から逃げてきたユダヤ人を匿いますが、熱烈なナチ支持者のお抱え運転手にそれを見られてしまいます。
父親はフランツを庇うためにナチの幹部にユダヤ人のことを話します。すぐに軍人が現れ、脱走したユダヤ人を殺害します。フランツはユダヤ人を匿った罪を不問にするための条件としてロシア戦線に出征することになります。
戦後、フランツはなんとか生きて帰宅します。街には大勢のアメリカ兵が住んでいて、妹のレ��ーは彼らを誘惑し、ベッドに入る瞬間に「私はナチよ」と囁いて揶揄っています。
私はまずこれがよくわかりませんでした。レニーの悪魔的な性格を表すエピソードなのかもしれませんが、なぜそんなことをするのでしょう。そんなことをしてやばいことにならないのでしょうか。
実際あるときやばいことになります。怒ってレニーに襲いかかったアメリカ兵をフランツが殴り傷害事件になります。父親はここでもフランツを守るため、アルゼンチンに行かせようとします。
しかし、フランツは2階の部屋に閉じこもり出てきません。仕方がないので父親は金にものを言わせて、フランツはアルゼンチンに行き、そこで死んだということにします。
以来13年にわたってフランツは部屋に閉じこもっているわけですが、もちろんそれだけが彼の「幽閉」の理由ではありません。
フランツは彼の元を毎夜訪れ、おそらくは肉体関係を結ぶようになったヨハンナに戦場での出来事を話します。
フランツが所属していた隊は多くの犠牲者を出し、上官が戦死したため、フランツとその同僚とが指揮を取らねばなりませんでした。あるとき彼らは二人の農民を捕まえます。どうやらパルチザンのようです。
粗暴な曹長は彼らを拷問にかけて情報を引き出そうとします。フランツの同僚は拷問はしたくないと言います。決定権を握ったフランツは拷問はしないと決めた、しかしそのために部隊はパルチザンに襲われ、フランツを除いた全員が戦死したと、フランツは言います。
フランツは善意の人ですが、その善意ゆえに仲間の兵士たちを死なせてしまったというわけです。
しかし、話はそこで終わりません。
なるほど、そういうわけか。まあわからなくはないけれど……と思っていたら、フランツは突然、実は自分は拷問をした、そればかりか他の村人まで拷問にかけたと言い出します。
え?
フランツは村人の命を取るか、仲間の兵士の命を取るかの選択を迫られ、仲間の兵士の命を取り、村人たちを拷問にかけた。彼らがパルチザンだったかどうかはわからない。いずれにせよ誰も口を割ることはなかった。
彼は無実かもしれない村人を拷問しただけで、それは何の役にも立たなかった。仲間の兵士を救うことはできなかったーーというわけです。
そうか……それがトラウマになり13年間閉じこもっていたわけか。
うーん、それってどうなんだろう。わかるような、わからないような……
この芝居の初演は1959年ーー私が生まれた年ですが、フランスではアルジェリア戦争真っ盛り。アルジェリアでフランス人たちがアラブ人を拷問にかけることが社会問題になっていて、サルトルはそれを念頭に置いてこの芝居を書いたのではないかと言われていますが、そう言われてもなあ……
それならなぜ敗戦国であるドイツを舞台にしたのでしょう。
私自身は当初、戦勝国であるフランスの作家が敗戦国ドイツを舞台に芝居を書いたのは面白いと思いました。同じく敗戦国である日本人にとって特別な意味を持つ芝居になるかもしれないと思いました。
現にフランツはドイツの崩壊を望んでいます。実際にはドイツは戦後目覚ましい復興と発展を遂げています。しかし、フランツはそれを知ろうとしません。
彼は敗戦によりドイツ国民は飢えていること、多くの戦災孤児が死んでいっていることを望み、天井裏に住んでいるはずの未来人、30世記の蟹たちに自分たちのしたことを証言しようとしています(なぜ「蟹」なんでしょう。サルトルはLSDの服用実験をした際、蟹の幻想を見て、それ以来蟹が大嫌いだったようですが……)。
自分たちの時代が無罪ならば自分も無罪である、逆に自分たちの時代が有罪ならば自分も有罪である、その場合はドイツも自分も罪を背負って滅びねばならないということなんでしょうか。
そういう設定自体は面白いと思うのですが……これじゃあね。
フランツ以外の人物が何を望んでいるかもよくわかりません。
私は演劇学校で主任講師の辰さんこと島守辰明さんから「自分の演じる人物が何を望んでいるかがわかるような演技をしなければならない」と教わりました。その通りだと思います。
でも戯曲を読んでも、父親や妹のレーニや弟のヴェルナーやその妻のヨハンナが何を望んでいるかわかりません。
レーニはまだマシかな。彼女はフランツを自分だけのものにしたいと思っていて、ヨハンナがフランツと会うのを嫌がっています。それはわかるのですが、彼女がなぜ実の兄のフランツにそれほど執着するのかはよくわかりません。
ヴェルナーは……父親の権威に逆らえない男です。彼は一旦、父親から離れ、弁護士になりヨハンナと結婚しました。父親は長男のフランツに跡を継がせるつもりだったので、ヴェルナーは自由にさせていたということです。しかし、フランツが引きこもってしまったため、父親の命令で弁護士を辞めて父親の会社で働くようになりました。
フランツが生きていることを知ったヴェルナーは家を出て弁護士に戻りたいと言います。しかし、父親には逆らえません。彼は社長に就任します。会社はフランツが継げばいい、自分たちは自分たちの人生を生きようという妻の懇願に彼は耳を貸しません。
彼の気持ちはわからないではありません。彼はフランツが生きているとは知らず、父親の命令で弁護士としての自分の人生を捨てたのです。フランツが生きていたからといって、そうやすやすと元の人生に戻れるはずがありません。戻ってしまったら、自分の人生を捨てたのは何だったのか、彼のこの13年は何だったのかということになってしまいます。
彼は父親の命令に従い、自分の人生を捨てることを選択したのです。その選択が間違っていなかったと証明するには、社長の座にしがみつくしかありません。
それに対して、父親とヨハンナが何を望んでいるかは全くの謎です。
ヨハンナは終始一貫した夫のヴェルナーに家を出て弁護士の生活に戻ろうと言います。しかし、その一方でフランツに惹かれ、毎夜彼の元を訪れ、肉体関係まで持っているようです。
彼女はフランツに恋をしているのだと言われればわかりますが、そういう感じでもありません。
父親は父親で、フランツに会いたいと言ったり、会う必要はないと言ったり、そのときどきで言うことが変わります。変わっても構いませんが、最後まで本心が見えないのが困ります。
だから父親とフランツが自動車で家を出ていき自殺(心中?)するという結末も全く納得できません。
これって結局、イプセン風の家庭劇なんでしょうか。それならそれでもちろんいいのですが、そうもなっていないような気がします。
私は正直好きになれませんでした。
���ットで調べると『アルトナの幽閉者』は2013-2014年に新国立劇場で上演されたようです。演出は上村聡史。出演は岡本健一(フランツ)、辻萬長(父親)、吉本菜穂子(レニー)、横田栄司(ヴェルナー)、美波(ヨハンナ)。
舞台を実際に見ればまた違う印象があったかもしれませんが、見たかったような、見たくなかったような複雑な気持ちです。
0 notes
Text
iFontMaker - Supported Glyphs
Latin//Alphabet// ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789 !"“”#$%&'‘’()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ Latin//Accent// ¡¢£€¤¥¦§¨©ª«¬®¯°±²³´µ¶·¸¹º»¼½¾¿ÀÁÂÃÄÅÆÇÈÉÊËÌÍÎÏÐÑÒÓÔÕÖ×ØÙÚÛÜÝÞßàáâãäåæçèéêëìíîïðñòóôõö÷øùúûüýþÿ Latin//Extension 1// ĀāĂ㥹ĆćĈĉĊċČčĎďĐđĒēĔĕĖėĘęĚěĜĝĞğĠġĢģĤĥĦħĨĩĪīĬĭĮįİıIJijĴĵĶķĸĹĺĻļĽľĿŀŁłŃńŅņŇňʼnŊŋŌōŎŏŐőŒœŔŕŖŗŘřŚśŜŝŞşŠšŢţŤťŦŧŨũŪūŬŭŮůŰűŲųŴŵŶŷŸŹźŻżŽžſfffiflffifflſtst Latin//Extension 2// ƀƁƂƃƄƅƆƇƈƉƊƋƌƍƎƏƐƑƒƓƔƕƖƗƘƙƚƛƜƝƞƟƠơƢƣƤƥƦƧƨƩƪƫƬƭƮƯưƱƲƳƴƵƶƷƸƹƺƻƼƽƾƿǀǁǂǃDŽDždžLJLjljNJNjnjǍǎǏǐǑǒǓǔǕǖǗǘǙǚǛǜǝǞǟǠǡǢǣǤǥǦǧǨǩǪǫǬǭǮǯǰDZDzdzǴǵǶǷǸǹǺǻǼǽǾǿ Symbols//Web// –—‚„†‡‰‹›•…′″‾⁄℘ℑℜ™ℵ←↑→↓↔↵⇐⇑⇒⇓⇔∀∂∃∅∇∈∉∋∏∑−∗√∝∞∠∧∨∩∪∫∴∼≅≈≠≡≤≥⊂⊃⊄⊆⊇⊕⊗⊥⋅⌈⌉⌊⌋〈〉◊♠♣♥♦ Symbols//Dingbat// ✁✂✃✄✆✇✈✉✌✍✎✏✐✑✒✓✔✕✖✗✘✙✚✛✜✝✞✟✠✡✢✣✤✥✦✧✩✪✫✬✭✮✯✰✱✲✳✴✵✶✷✸✹✺✻✼✽✾✿❀❁❂❃❄❅❆❇❈❉❊❋❍❏❐❑❒❖❘❙❚❛❜❝❞❡❢❣❤❥❦❧❨❩❪❫❬❭❮❯❰❱❲❳❴❵❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿➀➁➂➃➄➅➆➇➈➉➊➋➌➍➎➏➐➑➒➓➔➘➙➚➛➜➝➞➟➠➡➢➣➤➥➦➧➨➩➪➫➬➭➮➯➱➲➳➴➵➶➷➸➹➺➻➼➽➾ Japanese//かな// あいうえおかがきぎくぐけげこごさざしじすずせぜそぞただちぢつづてでとどなにぬねのはばぱひびぴふぶぷへべぺほぼぽまみむめもや��よらりるれろわゐゑをんぁぃぅぇぉっゃゅょゎゔ゛゜ゝゞアイウエオカガキギクグケゲコゴサザシジスズセゼソゾタダチヂツヅテデトドナニヌネノハバパヒビピフブプヘベペホボポマミムメモヤユヨラリルレロワヰヱヲンァィゥェォッャュョヮヴヵヶヷヸヹヺヽヾ Japanese//小学一年// 一右雨円王音下火花貝学気九休玉金空月犬見五口校左三山子四糸字耳七車手十出女小上森人水正生青夕石赤千川先早草足村大男竹中虫町天田土二日入年白八百文木本名目立力林六 Japanese//小学二年// 引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春書少場色食心新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万明鳴毛門夜野友用曜来里理話 Japanese//小学三年// 悪安暗医委意育員院飲運泳駅央横屋温化荷開界階寒感漢館岸起期客究急級宮球去橋業曲局銀区苦具君係軽血決研県庫湖向幸港号根祭皿仕死使始指歯詩次事持式実写者主守取酒受州拾終習集住重宿所暑助昭消商章勝乗植申身神真深進世整昔全相送想息速族他打対待代第題炭短談着注柱丁帳調追定庭笛鉄転都度投豆島湯登等動童農波配倍箱畑発反坂板皮悲美鼻筆氷表秒病品負部服福物平返勉放味命面問役薬由油有遊予羊洋葉陽様落流旅両緑礼列練路和 Japanese//小学四年// 愛案以衣位囲胃印英栄塩億加果貨課芽改械害街各覚完官管関観願希季紀喜旗器機議求泣救給挙漁共協鏡競極訓軍郡���型景芸欠結建健験固功好候航康告差菜最材昨札刷殺察参産散残士氏史司試児治辞失借種周祝順初松笑唱焼象照賞臣信成省清静席積折節説浅戦選然争倉巣束側続卒孫帯隊達単置仲貯兆腸低底停的典伝徒努灯堂働特得毒熱念敗梅博飯飛費必票標不夫付府副粉兵別辺変便包法望牧末満未脈民無約勇要養浴利陸良料量輪類令冷例歴連老労録 Japanese//小学五〜六年// 圧移因永営衛易益液演応往桜恩可仮価河過賀快解格確額刊幹慣眼基寄規技義逆久旧居許境均禁句群経潔件券険検限現減故個護効厚耕鉱構興講混査再災妻採際在財罪雑酸賛支志枝師資飼示似識質舎謝授修述術準序招承証条状常情織職制性政勢精製税責績接設舌絶銭祖素総造像増則測属率損退貸態団断築張提程適敵統銅導徳独任燃能破犯判版比肥非備俵評貧布婦富武復複仏編弁保墓報豊防貿暴務夢迷綿輸余預容略留領異遺域宇映延沿我灰拡革閣割株干巻看簡危机貴揮疑吸供胸郷勤筋系敬警劇激穴絹権憲源厳己呼誤后孝皇紅降鋼刻穀骨困砂座済裁策冊蚕至私姿視詞誌磁射捨尺若樹収宗就衆従縦縮熟純処署諸除将傷障城蒸針仁垂推寸盛聖誠宣専泉洗染善奏窓創装層操蔵臓存尊宅担探誕段暖値宙忠著庁頂潮賃痛展討党糖届難乳認納脳派拝背肺俳班晩否批秘腹奮並陛閉片補暮宝訪亡忘棒枚幕密盟模訳郵優幼欲翌乱卵覧裏律臨朗論 Japanese//中学// 亜哀挨曖扱宛嵐依威為畏尉萎偉椅彙違維慰緯壱逸芋咽姻淫陰隠韻唄鬱畝浦詠影鋭疫悦越謁閲炎怨宴援煙猿鉛縁艶汚凹押旺欧殴翁奥憶臆虞乙俺卸穏佳苛架華菓渦嫁暇禍靴寡箇稼蚊牙瓦雅餓介戒怪拐悔皆塊楷潰壊懐諧劾崖涯慨蓋該概骸垣柿核殻郭較隔獲嚇穫岳顎掛括喝渇葛滑褐轄且釜鎌刈甘汗缶肝冠陥乾勘患貫喚堪換敢棺款閑勧寛歓監緩憾還環韓艦鑑含玩頑企伎忌奇祈軌既飢鬼亀幾棋棄毀畿輝騎宜偽欺儀戯擬犠菊吉喫詰却脚虐及丘朽臼糾嗅窮巨拒拠虚距御凶叫狂享況峡挟狭恐恭脅矯響驚仰暁凝巾斤菌琴僅緊錦謹襟吟駆惧愚偶遇隅串屈掘窟繰勲薫刑茎契恵啓掲渓蛍傾携継詣慶憬稽憩鶏迎鯨隙撃桁傑肩倹兼剣拳軒圏堅嫌献遣賢謙鍵繭顕懸幻玄弦舷股虎孤弧枯雇誇鼓錮顧互呉娯悟碁勾孔巧甲江坑抗攻更拘肯侯恒洪荒郊貢控梗喉慌硬絞項溝綱酵稿衡購乞拷剛傲豪克酷獄駒込頃昆恨婚痕紺魂墾懇沙唆詐鎖挫采砕宰栽彩斎債催塞歳載剤削柵索酢搾錯咲刹拶撮擦桟惨傘斬暫旨伺刺祉肢施恣脂紫嗣雌摯賜諮侍慈餌璽軸叱疾執湿嫉漆芝赦斜煮遮邪蛇酌釈爵寂朱狩殊珠腫趣寿呪需儒囚舟秀臭袖羞愁酬醜蹴襲汁充柔渋銃獣叔淑粛塾俊瞬旬巡盾准殉循潤遵庶緒如叙徐升召匠床抄肖尚昇沼宵症祥称渉紹訟掌晶焦硝粧詔奨詳彰憧衝償礁鐘丈冗浄剰畳壌嬢錠譲醸拭殖飾触嘱辱尻伸芯辛侵津唇娠振浸紳診寝慎審震薪刃尽迅甚陣尋腎須吹炊帥粋衰酔遂睡穂随髄枢崇据杉裾瀬是姓征斉牲凄逝婿誓請醒斥析脊隻惜戚跡籍拙窃摂仙占扇栓旋煎羨腺詮践箋潜遷薦繊鮮禅漸膳繕狙阻租措粗疎訴塑遡礎双壮荘捜挿桑掃曹曽爽喪痩葬僧遭槽踪燥霜騒藻憎贈即促捉俗賊遜汰妥唾堕惰駄耐怠胎泰堆袋逮替滞戴滝択沢卓拓託濯諾濁但脱奪棚誰丹旦胆淡嘆端綻鍛弾壇恥致遅痴稚緻畜逐蓄秩窒嫡抽衷酎鋳駐弔挑彫眺釣貼超跳徴嘲澄聴懲勅捗沈珍朕陳鎮椎墜塚漬坪爪鶴呈廷抵邸亭貞帝訂逓偵堤艇締諦��摘滴溺迭哲徹撤添塡殿斗吐妬途渡塗賭奴怒到逃倒凍唐桃透悼盗陶塔搭棟痘筒稲踏謄藤闘騰洞胴瞳峠匿督篤凸突屯豚頓貪鈍曇丼那謎鍋軟尼弐匂虹尿妊忍寧捻粘悩濃把覇婆罵杯排廃輩培陪媒賠伯拍泊迫剝舶薄漠縛爆箸肌鉢髪伐抜罰閥氾帆汎伴畔般販斑搬煩頒範繁藩蛮盤妃彼披卑疲被扉碑罷避尾眉微膝肘匹泌姫漂苗描猫浜賓頻敏瓶扶怖附訃赴浮符普腐敷膚賦譜侮舞封伏幅覆払沸紛雰噴墳憤丙併柄塀幣弊蔽餅壁璧癖蔑偏遍哺捕舗募慕簿芳邦奉抱泡胞俸倣峰砲崩蜂飽褒縫乏忙坊妨房肪某冒剖紡傍帽貌膨謀頰朴睦僕墨撲没勃堀奔翻凡盆麻摩磨魔昧埋膜枕又抹慢漫魅岬蜜妙眠矛霧娘冥銘滅免麺茂妄盲耗猛網黙紋冶弥厄躍闇喩愉諭癒唯幽悠湧猶裕雄誘憂融与誉妖庸揚揺溶腰瘍踊窯擁謡抑沃翼拉裸羅雷頼絡酪辣濫藍欄吏痢履璃離慄柳竜粒隆硫侶虜慮了涼猟陵僚寮療瞭糧厘倫隣瑠涙累塁励戻鈴零霊隷齢麗暦劣烈裂恋廉錬呂炉賂露弄郎浪廊楼漏籠麓賄脇惑枠湾腕 Japanese//記号// ・ー~、。〃〄々〆〇〈〉《》「」『』【】〒〓〔〕〖〗〘〙〜〝〞〟〠〡〢〣〤〥〦〧〨〩〰〳〴〵〶 Greek & Coptic//Standard// ʹ͵ͺͻͼͽ;΄΅Ά·ΈΉΊΌΎΏΐΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩΪΫάέήίΰαβγδεζηθικλμνξοπρςστυφχψωϊϋόύώϐϑϒϓϔϕϖϚϜϞϠϢϣϤϥϦϧϨϩϪϫϬϭϮϯϰϱϲϳϴϵ϶ϷϸϹϺϻϼϽϾϿ Cyrillic//Standard// ЀЁЂЃЄЅІЇЈЉЊЋЌЍЎЏАБВГДЕЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯа��вгдежзийклмнопрстуфхцчшщъыьэюяѐёђѓєѕіїјљњћќѝўџѢѣѤѥѦѧѨѩѪѫѬѭѰѱѲѳѴѵѶѷѸѹҌҍҐґҒғҖҗҘҙҚқҜҝҠҡҢңҤҥҪҫҬҭҮүҰұҲҳҴҵҶҷҸҹҺһҼҽҾҿӀӁӂӇӈӏӐӑӒӓӔӕӖӗӘәӚӛӜӝӞӟӠӡӢӣӤӥӦӧӨөӪӫӬӭӮӯӰӱӲӳӴӵӶӷӸӹӾӿ Thai//Standard// กขฃคฅฆงจฉชซฌญฎฏฐฑฒณดตถทธนบปผฝพฟภมยรฤลฦวศษสหฬอฮฯะัาำิีึืฺุู฿เแโใไๅๆ็่้๊๋์ํ๎๏๐๑๒๓๔๕๖๗๘๙๚๛
see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
#FAQ#ifontmaker2#Symbols#Dingbat#Cyrillic#Greek#Coptic#thai#character set#character sets#list#language
6 notes
·
View notes
Text
いつも共感シアターを応援していただきありがとうございます! 毎週火曜日21時より生放送をしている「共感シアターナビ」では、"俺たち共感族!!“という視聴者の皆さまと戯れるコーナーがあります!視聴者の皆さまに「お題」を投げかけ、ご投稿いただいたお答えの中から抽選で10名の方の投稿をご紹介します。そして、その10名の中からさらに抽選で1名の方にどんな映画でも使える「ムビチケGIFT」をプレゼントします!そんな、11月8日のお題は「映画で学んだ生活の知恵」です。以下の投稿は抽選の結果、読み切れなかった方の投稿を掲載しています。他の方の投稿も気になりますよね、ぜひ、ご覧ください!
—– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —– —–
teppeiさん:『フローズン』
お疲れ様です。いつも番組楽しみにしてます。推しメンは瀬田ミナコさんです。「映画で学んだ生活の知恵」ですが、中々難しいお題ですね。ただ、瀬田さんが考えたお題だということで、なんとか頑張りました。自分は、「フローズン」です。3人の若者がスキー場にある地上15mの高さのリフトに取り残されるという話の映画です。次の営業再開日が1週間後というわけで何とか助かるために1人がリフトから飛び降りるんですが、両足が骨折し、挙句の果てオオカミの餌になりました。高さ15mは調べたらマンション5階にあたる高さだそうです。仮にリフトに取り残されても絶対に飛び降りてはいけませんね。瀬田さんや共感族の皆さんもこれからのシーズン、スキー場に行く機会があるかもしれませんが、頭の片隅に入れておいてくださいね。生活の知恵でした。
甘えん坊将軍ユウスケさん:『困った時には旧式の方法/道具に戻れ!』
皆さんも、ハワイに不時着してきた侵略宇宙人に打つ手が無くなったり、ならず者国家の基地のど真ん中で撃墜されてしまった経験ってあると思います。ありますよね?僕はあります。それはさておき、仕事でも日常生活でも「こりゃぁ、どうにも手詰まりだぞ?」って場面有ると思います。そんな時こそ、一旦物事をシンプルに考えて昔ながらの方法に戻ると案外スルっと解決してきたことは僕自身、多い気がします。あとやっぱり、旧式の道具ってシンプルにロマンですもんね笑。そんなライフハックをバトルシップやトップガンマーベリック等、追い込まれた主人公たちが、最後に旧式機で何とかする「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?♡」映画は教えてくれた気がします。
リノス屋さん:『一人用の弁当』
よくアメリカの映画とかで、ランチの時に出てくる〈一人用の弁当〉です!透明のジップロックみたいな袋に、カットしていない丸ごとのリンゴと、耳を切っていないサンドイッチを一緒に入れておいて、ランチ時にそれを取り出して食べるというシチュエーションを、幾度となく見掛けた事があります。いっとき、それに憧れて真似してみた思い出があります。
三分旧作(ミブキュウサク)さん:『死肉バエ』
感染したばかりのゾンビを判別するのは、非常に困難ですよね。でも、そんな時に便利なアイテムが!それが「死肉バエ」!恋愛物語の古典的名作『高慢と偏見』の世界に、「ゾンビ」を素敵に融合させた『高慢と偏見とゾンビ』の冒頭、ゾンビハンターのダーシーは、死肉バエを使い、パーティーに紛れ込んだゾンビを発見。そして、ベネット家の姉妹たちはカンフーと見事な剣��ばきでゾンビたちを退治します。身近な人がゾンビに感染しても、死肉バエさえあれば安心です。
さにわさん:『THE WAVEウェイヴ』
私が映画で学んだ生活の知恵はドイツ映画『THE WAVEウェイヴ』とその元ネタを参考にした実験です。数年前、私は当時好きだったゲーム会社が配信してる社長兼原作者がパーソナリティのニコ生番組のリスナーでした。ネット番組をちゃんと観るのが初めてだった私が最初に持った感想は「気持ち悪い」です。その感想がQアノンやオルトライトを生みやすくなるエコーチェンバー現象だと知るのは後の事で、私はTHE WAVEに酷似したその状態を調査するためTHE WAVEの洗脳方法を参考にしたメールを投稿して自分を目立たせることでその証明にしようと行動を開始しました。結果的にそのゲーム会社の社長や社員からも認知されるようになり、名誉社員と呼ばれるなどファン代表的な地位に上り詰め、原作者を含んだファンコミュニティが生まれるきっかけになりました。しかし、そのコミュニティは原作者が質問するとすぐ反応する縦は強固なのに横の繋がりは稀薄な組織でした。調査結果としては大成功なのですが、その中で強く意見を出す私にアンチが出たり、それに関わるの避ける人達の結果私は孤立していきました。そして番組内で原作者がホモソーシャルなノリで言った。「アイツのアレ舐めるなら金出す」「一緒に風俗行って穴兄弟になったら」といった言葉が決定打となり私は心は壊れ、人間不信になり、年間20本程度だった映画を300以上観るようになっていきました。現実逃避ですね。映画で学ぶ生活の知恵も用法・用量を守って正しく使いましょう!
liontarouさん:『ダイ・ハード』
飛行機を異常に怖がる私はダイハードのおかげでこれまで乗り切ることができました。裸足で歩き回り、足の指をこぶしのように握ると旅が快適になることを知りました。もちろん効果はありません。しかし、イワシの頭も信心とは言ったもので、怖くなくなります。きっとブルースが守ってくれるんです。ありがとうね、ブルース!
0 notes
Text
シナリオ『ベビーローテンション』
【概要】
所要時間:2~3時間程度 推奨人数:1〜2人 推奨技能:基本の探索技能
遠縁の親戚の家で、一晩ベビーシッターをすることになった探索者たち。 母親いわく元気だという赤ちゃんは、ある時を境にどうも様子がおかしくなり……?
支部シナリオページはこちら。
※KP向け
築三年くらいの一軒家でホラーがワーッ!なのをやりたい方向けです。部屋数はそんなに無いのでさっくり遊べるとは思います。初心者KPさんもそこそこ回しやすい、筈。
【あらすじ】
二年前、風呂場で起きた事故で娘を亡くした母親。娘を助けられなかった詫びを残し警察官の父親は家を出て行ってしまい、翌年生まれた息子の存在を言い出せないまま時が過ぎる。
ある日、母親は条件付きで死者の霊と対話する方法を手に入れる。そうして呼び出した娘が口にしたのは、自分が父親に殺されたという内容だった。
ちょうどその寸前、息子がいることを人伝に知った父親は復縁の電話を掛けており、恨みと次は息子が殺されるかもしれないという恐怖で発狂した母親は父親の殺害、そしてその後自身も自殺することを決意する。
探索者たちは、突発的な計画が決行されるその夜、母親から息子のベビーシッターを頼まれる。
計画が実行された夜中、死してなお「子供が溺れている姿を見たい」という嗜好を持った父親の霊により、探索者たちは次々と怪奇現象に襲われることとなるだろう。また、父の来訪を知った亡くなった娘の霊は、何とかそれを伝えようと赤ちゃんに取り憑き、危機をいち早く教えてくれる。
シナリオは、その晩に死んでしまった母親の霊を呼び出し、再び父親を殺させることでクリアとなる。
【導入】
ある日、探索者は突然、遠縁の親戚から一晩だけ子供と留守番をしてくれないかと頼まれる。夕方から夜にかけてどうしても家を空けなければならない用事があるらしく、お礼もかなり弾まれることから、引き受けることになるだろう。
家に向かうと、1歳くらいの子供を抱いた女性が探索者を出迎えてくれるだろう。彼女の顔は長らく見ていない為、記憶にあるかもしれないしないかもしれない。
【NPC情報】
⭐︎母親 森永詩代子(もりなが しよこ)
⭐︎赤ちゃん 森永令人 (もりなが れいと)
1歳を迎えたばかり。つたい歩きをし始めた頃で、親のことを「まんま」車のことを「うーう」と言える程度の言語力。
アイデア、心理学:彼女が少しばかり疲れているように見える。クリティカルが出れば、かなり思いつめているようにさえ感じるだろう。
もし疲れている理由を問うならば「この子とっても元気で、すごく笑う子だけど泣く時も激しいんです」と苦笑しながら答えられる。
迎え入れられた場所は一軒家で、探索者たちは一階のリビングに通される。そこで、食事や服の場所の説明を受ける。食べ物は基本冷蔵庫、専用のご飯も作り置きがあり、洋服も汚れた時用にリビングに複数着持って来てくれている。お気に入りのおもちゃも近くのカゴにまとめてくれているようだ。
また、探索者たちの夕食も準備してくれている。
アイデア:かなり細かく説明をしているため、几帳面なのだろうかと考える。もしクリティカルが出たのなら「元来こんな性格では無かったため、少し様子がおかしいのではないか」と気づいてよい。
全ての説明を終えると、行かなければならないと彼女は立ち上がる。赤ちゃんの頭を撫で「良い子でね」と声をかけると���のまま家から出て行くだろう。
時刻は17時頃。
以下は茶番、RPが好きな方の赤ちゃんと戯れるフェーズとなります。 そこまでお好きでない方は、食事の��写を行ったのちに夕食後の描写まで飛んで下さい。
【赤ちゃんとあ��ぼう!】
母親がいなくなって10分ほどして、赤ちゃんが泣き出す。KPは泣いている理由を1d4で決めること。
1.母親が見えず不安になった 2.オムツが濡れてしまった 3.お腹が空いた 4.眠い
探索者はアイデア、心理学、または子供の気持ちが分かる何某かの技能を使うことにより、これらの理由を知ることが出来る。理由に合った対処を行えば、彼は満足そうな表情を見せるだろう。
また、オムツを上手く変えられるか、上手に抱っこできるか、などを、DEX×5で決めてもよい。 上手くあやすことが出来れば、懐くような描写を入れても良いかもしれない。
ある程度RPで赤ちゃんと親交を深めたら、適当と思われるタイミングで次に進む。
ここで部屋の探索をしたい場合、以下の情報を出すこと。 また、風呂場やキッチン、トイレへの移動は自由で構わないが、何の理由もなく二階に向かおうとした場合は赤ちゃんを泣かせるなどしてやんわり止めること。 そもそも一階に全てが準備されているため、彼らが二階に行く理由は現時点ではない。
目星:小さな仏壇が隅にあることに気付く。また、部屋の隅に一枚の絵が飾られている。
⭐︎仏壇
骨壷が置かれている。写真などはなく、ただ活けたばかりと思われる綺麗な花が供えられている。
⭐︎絵
子供が描いたような絵が壁に画鋲で留められている。
アイデア、絵画に関連する技能:一人は警察官のような格好をした笑顔の男、一人は女の子に見える。
もし、剥がしてこの裏を見るのであれば、ひらがなで辿々しく何かが書かれているのを見つける。
「ぱぱとかくれんぼ ぱぱがみるじゅんばんはいつもいっしょ おふろば きっちん りびんぐ たたみのへや ちよこのへや ままとぱぱのおへや みーつけた」
【夕食後】
赤ちゃんも満足したのか専用の布団ですやすやと寝入り、探索者も自分たちの夕食を済ませると、眠気が襲ってくるだろう。布団はリビングに準備されているが、そこに辿り着くかつかないかと言ううちに、眠ってしまう。部屋の明かりもついたまま、探索者の意識は波が引くように消える。
そして、ざざ、ざざ、という音で探索者は目を覚ます。電気を消した記憶はないのに気付けば辺りは暗く、何故かリビングの真ん中のテレビだけが付いていた。
テレビは砂嵐が流れているが、探索者がそちらへ視線を向けた途端、画質の荒い映像が流れ出す。洗面所に立っている少女の動画だ。
画面には、7歳くらいの女の子が顔を洗っている様子が映っている。時折振り向きながら誰かと会話をしている様だが、声はノイズが入っていてうまく聞き取れない。カメラ��徐々に近づき、洗面台の鏡に人の影が映りかけた所で映像は電源ごとぶちりと途切れた。
探索者はリモコンに触った覚えはなく、また再生デッキ等も近くに見当たらない。突然の現象にSANチェック0/1。
アイデア:ここの家の洗面台ではないか、と思う。
我に返ったと同時に次は近くからごそごそと音が聞こえる。慌てて明かりをつけようとするが、部屋の電気が点かない。 時刻を確認すると深夜一時となっている。
スマホのライトで辺りを照らすならば、仏壇の前の異変に気付く。
そこには赤ちゃんが座っており、探索者をじっと見ていた。また、何かを食べているように口をもぐもぐと動かしている。周囲を見た探索者は、仏壇にあった骨壷の蓋が開いていることに気付いてよい。
近寄って口の中を確認するならば、赤ちゃんの口からは小さな骨が出てくる。また、その手に何か握りしめられていることに気付く。
握られていたのは部屋に飾られていた子供の絵だ。ここで探索者は裏側の文字に気づいてよい。
⭐︎絵
子供が描いたような絵。先程までは壁に貼られていた。また、裏に以下の文言が書かれている。
「ぱぱとかくれんぼ ぱぱがみるじゅんばんはいつもいっしょ おふろば きっちん りびんぐ にかいのたたみのへや ちよこのへや ままとぱぱのおへや みーつけた」
アイデア、絵画に関連する技能:一人は警察官のような格好をした笑顔の男、一人は女の子に見える。
また、それを読み終わったところで、探索者は風呂場から水音のようなものが響いてくることに気付く。
※確認しない場合、そのままインターホンのイベントまで飛ぶ
◎風呂場
脱衣所の明かりは付いており、浴室から水が捻りっぱなしになっている音が聞こえる。聞き耳に成功すれば、溢れているような響きであることが分かる。
浴室の扉を開けると、少女が水に沈んでいた。
彼女は仰向けの体勢で目を見開いたまま浴槽の底におり、天井をじっと見つめている。その肌は体温があると思えないほど白く、所々紫に染まっていた。また、よく見れば指先が水を吸ったように膨れていることにも気付く。
これ��死体だ、と探索者ははっきりと分かるだろう。SANチェック1/1d3。
また、アイデアに成功しなくても、沈んでいるのが先ほど画面に映った少女だということが分かってよい。
死体に何か行おうとしても浴室を後にしようとしても、惨状を認識した数秒後にそれはふっと消えてしまう。蛇口も止まっており、浴槽は空っぽだ。探索者はこれが一瞬の夢や幻覚だとは思えず、気味が悪くなるかもしれない。SANチェック0/1。
◎インターホン
風呂場から出ようとした瞬間、インターホンが鳴り響く。
時刻は深夜一時だが、そんなことを気にしていないかのように、それは少し間を置いてもう一度聞こえてくるだろう。
また、廊下に出ると赤ちゃんが立っている。 彼は骨壷を腕に抱いており、そのまま真っ直ぐ探索者を見つめた。
「でちゃだめ」
探索者はそのはっきりとした言葉が、赤ちゃんの口から発せられる瞬間を見る。 唖然としていると、彼はもう一度口を開いた。
「パパがかえってきたから、だめ」
先ほどまで泣いたり笑ったりと忙しかった彼の顔は無表情で、愛らしい幼児の面影はどこにも無い。突然の信じられない出来事にSANチェック0/1。
※もし、最初から探索者が赤ん坊を連れて移動していた場合、死体を見た直後に同じイベントが起こる。また、その場合も骨壷をしっかりかかえており、離そうとしない。
アイデア:声が、女の子の声のように聞こえる。
◎かくれんぼ
赤ちゃんが喋り出した直後、玄関先から男性の声が響く。
「あぁ、鍵があったんだった」
探索者はドアノブに鍵をさす音を聞いてよい。 そして、男の声が人間の声の筈だが、どこかノイズのようなものが混じっており、人の様に思えない。
次から基本的に自由行動となる。もし、ドアに近づこうとするのなら、赤ちゃんが「にげなきゃ」と表情を変えぬまま話しかけてくる。
⭐︎父親の霊
森永明慈(もりながめいじ)。 令人と茅代子の父親、詩代子の元夫となる。
彼はドアを開けると、
①風呂場 ②キッチン ③リビング ④和室(2階) ⑤子供部屋(2階) ⑥寝室(2階)
の順で進んで行く。
念入りに子供を探している為、探索者がひと部屋を探索する間、彼もひと部屋に留まっている形になる。KPは時折「どこかなぁ」「ここかな?」「かくれんぼ上手だぁ」と言った声が聞こえて来る描写を挟むと良いかもしれない。
また、出くわしてしまった場合、子供、もしくは骨壷が連れていかれる。処理は後述。
また、窓やドアは何故か開かなくなっている。ガラスを破る様なことも出来ない。閉じ込められてしまったことに気付いた探索者はSANチェック0/1d2。
もし探索者が紙に書かれた順番に回ろうとして風呂場に最初に行くなら、赤ん坊は「あったらだめだよ」と注意をしてくる。あまり早々に鉢合わせないようにうまく誘導すること。
◎キッチン 目星、アイデア:包丁がないことに気付く。 ※KP情報:詩代子が夫の殺害の為に持ち出している。
◎電話
2階にあがろうとリビングに戻ると、突然固定電話が鳴り出す。相手は非通知である。 受話器を取ると、砂嵐の様なひどい響きに混じって男の声が聞こえてくる。
「ごめん、君にあの時2人目の子がいるなんて知らなかったんだ。もう一度一緒に暮らそう、今度こそ幸せになろう」
アイデアを振らなくても、それが玄関先で聞いた声だと気付いてよい。
※このあと、二階に上がらずトイレ等を見ようとした場合、探索者さんのクトゥルフ慣れ度的に詰みそうな雰囲気を感じれば、玄関近くのリビングと廊下をつなぐ扉を開かなくしてしまっても構わない。
◎和室(2階)
扉は雪見障子(下半分がガラス、上半分が障子)となっている。
開けるとそこは畳が見えないほど、ガラスや物が散乱していた。額縁が落とされ、中身が千切られ、ショーケースが破られている。唯一何も起きていないのは障子と、部屋の隅の金庫だけだ。 正気の沙汰と思えない状況にSANチェック0/1。
目星:床に散らばった紙の中に、写真と破れた表彰状を見つける。 写真:1人の警官が表彰される姿が写っている。 表彰状:川で溺れた近所の男の子を助けた旨が書かれている。名前は「森永明慈」となっている。
部屋を出ようとした所で、探索者は障子に映る複数の黒い影に気付く。足もガラス部分からはっきり見えており、音もなく現れたその姿に息を呑むだろう。SANチェック0/1d2。
また、その影はざわざわと何かを話している。
目星:40〜50代の女性の足の様だ。 聞き耳:噂話のような囁き声が聞こえる。「残念ねぇ、あんなに良い人なのに」「旦那さん、新築のお家も何もかも奥さんに残して出ていかれたって」「お風呂場で最初に見つけたのに助けてあげられなかったって泣いてたわ」「大体奥さんは何で家にいなかったのかしら」「学校を休んでいる子をおいて買い物に行くなんて、どうかしてるじゃない」「買い物じゃなかったのよ、きっと」
⭐︎金庫
3桁の数字を入れる形式となっている。
「214」で開き、中には一本の鍵と、「死者に触れる、還す、殺す、そのどれもが可能なのは、神職の者か、或いは同じ死者のみである」と書かれたメモが入っている。
◎子供部屋
扉を開けるとベッドや机がある。雰囲気的に女の子の部屋のようだ。
目星:床にこびりついた汚れを見つける。円のようなものが書かれているように感じる。また、窓際のカーテンがわずかに揺れていることに気づく。 床の円に医学、生物学:この円が血で書かれていることに気付く。
カーテンを開けると、��は開いていない。 しかし、曇ったガラスに指でなぞったような文字が書いてあることに気付く。
「ねいいわかはもどこるれぼお」
⭐︎ベッド
くしゃくしゃになった紙が一枚落ちている。目星で見つけられてもよい。
紙には、以下の内容が書かれている。
【奪われた者、或いは奪った者との対話】
「死を他者より与えられた霊、もしくは与えた霊を呼び寄せる呪文である。生前の居場所に血液で魔法陣を描き、以下の文言を唱える。霊がとどまっている時間は僅かだが、運が良ければ会話などを試みることも可能である。
しかし、彼らは強い怨恨を持っている。そのため、寄せられたものは必ず何かを奪い去って行く。あるものは正気を、あるものは命を奪う。そのせいで死者が死者に二度殺され、魂が二度と形を持たなくなることも少なくはない。
また、この呪文を唱えられるのは一生に一度のみである。一度その言葉を聞いたものが、再び同じ呪文を口にすることは出来ない。」
下には呪文のようなものが書かれている。
この呪文を唱える場合、MPを6、SAN値を1d6減少させること。また、一度唱えてしまうと、唱えたものも聞いていたものも、二度とその呪文を使用できなくなる。
⭐︎机
二年前のカレンダーが置かれている。調べてみるのなら、2月14日部分にケーキの絵が書いてあることに気付く。
◎寝室
鍵がかかっている。鍵開け、もしくは金庫の鍵で開けることが可能。 開けると、この部屋だけ電気がついている。
眩しさに細めた目がその明るさに慣れれば、白い壁に書かれた文字が目に飛び込んでくる。
「絶対に私が殺す」
壁には赤黒い文字でそう綴られている。また、カッターが一本転がっているベッドにも同じ色の染みがあり、辺りには鉄臭さが充満している。技能を振らずとも、これが血であることに気付くだろう。SANチェック0/1d2。
部屋は整頓されており、ベッドと壁はひどく汚れているが、和室のような荒れ具合ではない。 また、本棚が一つある。
アイデア:直前にしっかり片付けられた印象を受ける。 目星:ローテーブルに手紙が一枚置かれている。封筒には「令人へ」と書かれている。
⭐︎手紙
中には二枚の便箋が入っている。
一枚目には「令人へ お姉ちゃんと一緒に空からずっと見守っています。元気で大きくなってね、幸せになってね。ごめんなさい」と書かれている。 二枚目には、森永令人へ全ての財産を譲る旨が書かれている。日付は本日で、名前は森永詩代子となっている。
⭐︎本棚
図書館、目星:死者と会うことを目的とした書籍が多い。また、一冊の本にメモが挟まっている。
⭐︎メモの挟まっている本
「未練や怨恨、強い嗜好を生前から持つ霊は他と比べて地上に残りやすい。また、自身が死んだ事に気付かず、死んだ直後に彷徨いながら生きていた時と同じ行動を取るのは、よく知られた話である」
⭐︎本の間のメモ
「誰も信じてくれないかもしれません。でも���の子は父親に殺されたと言いました。また殺されるかもしれない。電話があった。殺しに来る。その前に私が殺します 殺しても死んでも二度でも三度でも殺してやる許さない絶対に許さない今日行って殺してやる殺してすぐ私も死ぬ茅代子に会いたいもういきてなんていけないゆるして令人でもアイツは私が絶対に殺す」
【エンド分岐】
★母親を呼びよせた
「子供部屋でない場所」で「血で魔法陣を描き」「森永詩代子」を呼び寄せる。身体を傷つけて血を出す場合は、1d4のHPを減少させること。そしてこの呪文を唱える場合、MPを6、SAN値を1d6減少させること。一度唱えてしまうと、唱えたものも聞いていたものも、二度とその呪文を使用できなくなる。
呪文を唱え終えると、部屋の中にゆらゆらと陽炎のようなものが立ち上がり、徐々に人の形となってゆく。その姿は森永詩代子に間違い無かったが、目は虚ろで生気は微塵も感じられず、利き手に血塗れの包丁を握っている。いつもの穏和な笑みを浮かべていない彼女は、別人にすら見えるだろう。
聞き耳:彼女がずっと「殺す殺す殺してやる」と小さく呟いていることがわかる。探索者の姿など目に入っていない様だ。 目星:彼女の首に赤い縄の跡を見つける。
亡霊の姿を見た探索者はSANチェック1/1d3。
そして、ほぼ変わらないタイミングで扉がゆっくりと開く。 その奥には、血塗れの男が立っていた。
体の至る所から血を流し、肉のえぐれた痕がある男には、明らかに致命傷と思われる傷が複数存在している。殺されたことを感じさせる生々しい姿の亡霊を見た探索者はSANチェック1/1d4。
男は惨状を微塵も感じさせない笑顔をこちらに向けている。その視線は探索者の腕の中、いつのまにか目をぱっちりと開いた子供の顔に向けられているだろう。
「やっと見つけた」
男がそう微笑んだ瞬間、天井のスプリンクラーが作動する。噴き出た水が探索者たちを襲うが、身体を1ミリも動かすことが出来ない。
男は動けない探索者に突進しようとするが、次の瞬間、絶叫が響き渡る。
探索者の前、正確には子供の前には、詩代子が立ちはだかっていた。そして、手に握られていた包丁は深く男の胸に沈められている。
絶対に殺す、と先程と同じ言葉が聞こえ、男は断末魔を上げながらゆっくりと消えて行くだろう。
男が消えると詩代子が振り向き、赤ん坊に手を伸ばす。探索者との会話は二、三言出来て構わないが、正気はやはりないも同然なのか、あまりまともな会話にはならないだろう。
血塗れの手が子供に触れると、そこからするりと抜け出す様に少女の姿が現れ、母親の手を握る。少女が風呂場で沈んでいた子供であるということには、技能を振らずとも気付いてよい。
二人は赤ん坊の頭を数度撫で、小さく謝罪の言葉を残して消えてしまう。
いつの間にか薄らと明るくなってきた部屋に、まんま、と声が聞こえ探索者は我に返る。
腕の中に目を落とせば、子供が楽しそうな顔をあなたに向けていた。
その後、森永詩代子の訃報が入る。元夫を殺し、側で首を吊っていたようだ。 探索者たちは事情を聞かれるが、妙な疑いをかけられる様なことはない。 しかし、この子供の血縁者は探索者��かいないことを警察に聞かされる。
子供を引き取っても、たまに顔を見せるだけでも、もしくはこれきりの縁にしても構わない。
どの道を選んでも、彼は案外逞しく生きていくだろう。
《エンドA:TRUE》
★娘を呼び寄せた
母親を呼ばなければ、死者に対抗する手段は無い。
もしも娘の方を呼び寄せた場合、赤ん坊からするりと影が抜け、子供の形となる。真っ白な顔をした少女は、風呂場で見た死体と変わらない姿で悲しそうに探索者を見つめるだろう。
そして、ほぼ変わらないタイミングで扉がゆっくりと開く。
その奥には、血塗れの男が立っていた。
体の至る所から血を流し、肉のえぐれた痕がある男には、明らかに致命傷と思われる傷が複数存在している。殺されたことを感じさせる生々しい姿の亡霊を見た探索者はSANチェック1/1d4。
男は惨状を微塵も感じさせない笑顔をこちらに向けている。その視線は少女に真っ直ぐに注がれている。
「やっと見つけた」
近寄ると逃げることも出来ない少女の腕を男は掴んだ。
男に何かしらの攻撃を加えようとしても、探索者の体はすり抜けてしまい触れることが出来ない。
少女は次第に苦しそうな表情となり、やがて空中に泡を一つ吐く。父親はそれを見て笑みを浮かべ、二人の姿は消えるだろう。
その後、森永詩代子の訃報が入る。元夫を殺し、側で首を吊っていたようだ。 探索者たちは事情を聞かれるが、妙な疑いをかけられる様なことはない。 しかし、この子供の血縁者は探索者しかいないことを警察に聞かされる。
子供を引き取っても、たまに顔を見せるだけでも、もしくはこれきりの縁にしても構わない。
ただ、どれだけ話しかけても何をしても、彼は笑い方を忘れてしまった様に無表情となってしまう。
また、事件後から探索者の家では夜に誰かが溺れる様な音と男の密やかな笑い声が聞こえるようになる。少女の静かな断末魔は絶えることなく、探索者の鼓膜を蝕むだろう。
《エンドB:BITTER》
★誰も呼ばなかった。
母親を呼ばなければ、死者に対抗する手段は無い。
最後の寝室にいなければ、その後父親は探索者たちを見つけるまで追いかけて来る。そして、探索者の前にその姿を現すだろう。
体の至る所から血を流し、肉のえぐれた痕がある男には、明らかに致命傷と思われる傷が複数存在している。殺されたことを感じさせる生々しい姿の亡霊を見た探索者はSANチェック1/1d4。
男は惨状を微塵も感じさせない笑顔をこちらに向けている。その視線は探索者の腕の中、いつのまにか目をぱっちりと開いた子供の顔に向けられているだろう。
「やっと見つけた」
男がそう微笑んだ瞬間、天井のスプリンクラーが作動する。噴き出た水が探索者たちを襲うが、身体を1ミリも動かすことが出来ない。
ここで探索者は幸運を振る。
成功すれば、子供が手から何かを落とす。それはしっかりと抱えていた筈の骨壷だった。 近づいて来た男はそれを拾い上げると満足そうな笑みを浮かべ、徐々に消えていくだろう。
成功した場合は、《エンドB:BITTER》へ進む。
探索者の家では少女の溺れる音が聞こえる様になり、助かった赤ん坊は二度と笑わない。
幸運に失敗した場合、気がつくと朝になっている。いつの間にかその場に倒れてしまっていた探索者は、足元に転がった小さな塊に気づく。
赤ん坊は、制帽の中に溜まった水に顔を突っ込み溺れていた。その体は、既に冷たくなっていた。
その後、森永詩代子の訃報が入る。元夫を殺し、側で首を吊っていたようだ。 探索者たちも子供が死んだことに関し事情を聞かれるが、逮捕までは至らないだろう。
しかし、事件後から探索者の家では夜に誰かが溺れる様な音と男の密やかな笑い声が聞こえるようになる。少女の静かな断末魔と赤ん坊の鳴き声は絶えることなく、探索者の鼓膜を蝕むだろう。また、時折夢に母親が現れ、恐ろしい形相で睨んでくる。
「何で助けてくれなかったの」
彼女は恨みがましそうにそう言うだろう。
《エンドC:BAD》
【生還報酬】
赤ん坊を守った:1d4 骨壷を守った:1d4
【余談】
苦手だったホラー映画を初めて見ることが出来ました。見たら新居でめっちゃ心霊現象が起きる話が見たくなりました。お察しの来る奴です。
バレンタイン近いのでチョコっぽい名前にしましたが、バレンタインは関係ございません。
楽しんでいただければ幸いです。
それと作中に描写がなく申し訳ないですが、お父さんの職業は悪事を隠ぺいしやすそうだからという理由でこんな感じとなりました。
お読み下さりありがとうございました。 今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
詐木まりさ @kgm_trpg
0 notes
Text
ひとみに映る影シーズン2 第三話「招霊上等仏恥義理」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第三弾 加賀繍へし子「我等、五寸釘愚連隊」はこちら!☆
?????
その夜、私は激しい雷雨の音で目が覚めた。雷が鳴る度に地面が微かに振動し、天井から垂れ下がる人天蓋も揺れているようだ。ベッドから起き上がり、着崩れた僧衣を軽く直して様子を見に行く。重たくなった引き戸をこじ開けると、水没した橋のようになった露台から雨水が雪崩込んできた。目の前に見える安達太良山は山頂付近が重い雲で覆われ、普段露台で寛いでいると挨拶をしてくれるトンビやカラスも、当然今日は飛んでいない。妙だ。石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)で、天気がこんな風に荒れるのは初めてだ。私は美しい木彫りの観世音菩薩像の御前で印相を組み、真言を唱える。 「オム・マニ・パドメ・フム……オム・マニ・パドメ・フム……」 すると仏像に蛍火のような淡い光が灯り、既に御仏になられた私の恩師、ここ石筵観音寺の和尚様が金剛観世音菩薩として顕現された。 『外で何が起きているのですか』 声ではない波動で、和尚様の言葉を感じる。私は雨が降りしきる露台の方を向き答えた。 「まだわかりません。ですが昨日、散減という怪物と遭遇しました」 『チルベリ』 それはこういう怪物でしたか? と聞かんばかりに、和尚様の手から霞のようなエネルギーが立ち上り散減の姿を象った。飛行機の機内では気がつかなかったけど、散減は毛虫状の体の両端に顔がついていて、どちらも頭になっているようだ。右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している。和尚様はそれをグシャッと握り潰した。彼の御顔は穏やかな観世音菩薩から、憤怒相をたたえる馬頭観音に変わっていた。 『行くのです、一美。偽りの金剛を斬るのです』
དང་པོ་
午前〇時半、ホテル千里アイランドリゾート宴会場。川の字に並べられた中央の布団で、私は目を覚ました。どうやら観音寺の夢を見ていたようだ。外は夢と同じ雷雨。とても嫌な予感がする。様子を見に行きたい。けど、佳奈さんの枕元からスマホの光が漏れている……まだ起きているみたいだ。さてどうしたものか、と考えていると、私の背中側に誰かがコロンと寝転んだ。 <こんばんは! お邪魔していい?> 私の影にテレパシーが伝わってくる。万狸ちゃんだ。 <一美ちゃん、ムニャムニャ寝言言ってたけど大丈夫?> <うん、ありがとう万狸ちゃん。……お願いがあるのだけど> 私は夢や嫌な予感の事を万狸ちゃんに伝えた。そして、私の代わりに少し外を見てきてほしいと。 <散減……一美ちゃんは、お昼の怪物の事知ってるの?> <ほんの少しだけね。昔戦った悪霊の仲間なんだって> <じゃあ、一美ちゃんがパトロールに行った方がいいかな。私がこの体回しておくから、行ってきていいよ!> <頼んじゃっていいの? じゃあ、十分ぐらいお願いしようかな> <オーケー。あ、ちょっと待ってて> 万狸ちゃんは襖をすり抜け、男性側の寝室に入っていった。『体を回す』。つまり霊能者が幽体離脱をする時に心臓や呼吸が止まらないよう、誰か他の霊に体を預けておくことを意味する専門用語だ。普通は親戚とか、余程信頼できる霊にしか頼まないものだけど、彼女はプロ霊能者である後女津斉一さんの娘だ。安心して体を預けられる。 程なくして万狸ちゃんは、斉三さんを連れて戻ってきた。護衛につけてくれるそうだ。私は万狸ちゃんに肉体を預けた後、肉体から念力で影だけを集め、幽体離脱した霊魂に纏う。こうする事によって、影法師使いは影と念力でできた体を持つ強力な霊体になれる。世間では未確認生物シャドーパーソンとも呼ばれる、まさに『影法師』という形態だ。準備ができた私と斉三さんは、ホテルの中庭方面へ見回りに向かった。 「こんな時間にお付き合いさせてしまってすみません」 「構いませんよ。むしろこの島では、一人で出歩かれる方が困る」 「……あの、万狸ちゃんから伺ったんですが、あなたは……斉一さんの、ドッペルゲンガーだとか」 歩いていた斉三さんがピタリと立ち止まる。 「……十年以上前の話です。台風による津波から��難するため、斉一は身重の妻を乗せて運転していた。すると山が崩れ、彼らは土砂で生き埋めになりました」 「土砂災害……!」 「三人は救出されましたが、斉一が次に目覚めた時、妻は酸欠の後遺症で植物状態に。子供も流れていました。それを聞いた斉一の精神は三つに分裂して、そのうち一つが僕……」 斉三さんはゆっくりと振り向きながら、狸から人間の姿に変身した。 「事故当時のまま、時が止まってしまった側面です」 それは十数歳ほど若い頃の斉一さんだった。右半身が血と細かいガラス片でキラキラと輝いていて、右腕は折れているのか肘から下がだらりと垂れている。嫌でも凄惨な事故現場を想起してしまう、痛ましい説得力のある姿だ。 「すいません、そんな過去とは知らずに……」 「お気になさらないで下さい。今の僕達には、万狸がいますから」 後女津万狸ちゃん。流産してしまった水子の魂が妖怪になったのか。十数年前に赤ちゃんだった彼女は今、中学生ぐらいだ。恐らくは、生きている子供と何ら変わらない愛情を注ぎ込まれて育っているんだろう……。何があっても、この島で彼らの縁は守らなければならない。そう思った丁度その時だった。 「きゃああっ!」 ホテル棟とやや離れた中庭奥、業者用駐車場方面から悲鳴が上がった。私達は一瞬顔を見合わせ、声の方向に駆け寄る。斉三さんは小さな化け狸姿に戻ってコンクリート壁をすり抜け、私は壁沿いに灯る照明の光をつたって影体を這わせた。
གཉིས་པ་
駐車場にいたのは加賀繍さんを取り巻いていたおばさま軍団だ。よく見ると中央のおばさまがナイフを掲げている! 「不思議よねぇ……。今日までずっと一緒に活動してきたのに、なーんかストンと醒めちゃったわ。加賀繍へし子なんかペテン師よ、ペテン師……イヒヒ……」 「な……何を言ってるの!? こんな夜中に急に呼びつけて……ともかくそのナイフを下ろして!」 別のおばさまがナイフを持ったおばさまを宥めている。ナイフのおばさまは口角から茶色い液体を垂れ流し、目も焦点が定まっていない。それを見た瞬間、私の中で二つの手がかりが繋がった。 『右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している』 『母乳を奪えば子は親の因果を失い、他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる』 「そうか、あの液体が縁の母乳なんだ!」 「縁の母乳?」 「はい。どういう仕組みかはわからないですけど、散減は人���縁をミルクみたいな液体にするんです。あの人のは茶色く濁ってるから、散減に縁を奪われて、代わりに悪縁を植え付けられたんだと思います」 「母乳か……エーテル法具と呼ばれる物の類だろう。それじゃあ、散減は何処に……?」 斉三さんが周囲を見渡す。確かに大雨で視界が悪いせいでか、散減本体が見当たらない。おばさまはナイフを舌なめずりし始めた。 「一体どれだけの人間が、あの強欲バブアァァーに毟り取られたのかしら。成敗しなきゃ……共犯者の私達が責任取らなきゃでしょぉ? 暗殺ゥ、あなた達も協力しなさいよォォ……!」 フシャアァァァ! おばさまの口から穢れた母乳が霧状に吹き出す。霧は雨風に飛ばされる事なく、他のおばさま方の方に流れ……すかさず斉三さんが飛び出した! 「そうか、気枯地(けがれち)だ! まずい!」 「気枯地?」 「説明は後!」 斉三さんの尻尾が回転しだす。たちまちそれは極彩色に輝く糸車になった! そこから数本の糸が放たれ、伸長しながらおばさま方を繭状に包み込む。すると繭に触れた穢れ母乳霧は空気清浄機を介したように消滅! 「ふぅ……。気枯地、パワースポットの逆、厄や災いを招く地。木々は曲がりくねって伸び、水が歪んで流れ、磁場も気圧も狂っている。この島に来た時からずっと嫌な感じがしていた。地相学的に言えば、この島全体が大きな悪霊なんです」 斉三さんは極彩色の尻尾を引っ込めた。 「それじゃあ、あの人は……千里が島そのものに取り憑かれているんですか!?」 言われてみると、確かに私も島に来てから体に不快感を覚えていた。しかも今、母乳霧は雨を貫通して漂った。これは明らかに異常だ! 「どうして? どうして仲間になってくれないの! 断ち切ってやる……お前達のその縁、断ち切ってやるゥーーーッ!!」 ナイフのおばさまがおばさま方に襲いかかる! 「きゃあああ!!」 「危ない!」 私は咄嗟に飛び出し、ナイフのおばさまの影を踏みつけた。するとおばさまはスカートの裾を踏まれたようにその場から進めなくなり、べしゃりと転倒した。 「ギャッ!」 影法師の『影踏み』という技術。でも夜は暗く、しかも大雨で影が朧になっているから力が出せない。私にとって最悪のコンディションだ。 「ヒヒヒィーッ……悪霊だあぁぁ! 悪霊が私を押さえつけていて動けない! 誰かあぁーーーっ助けてぇーーー!!!」 おばさまが大声で喚き散らしながら暴れる。私も彼女に必死にしがみつくけど、長くは押さえつけていられない。 「斉三さん!」 叫ぶより前に、斉三さんはおばさまからナイフを奪い取ってくれていた。アンダースローでナイフが投げられたと同時に、私の念力も限界を迎えて影体がおばさまから弾け飛んでしまった。一瞬気が遠くなるような浮遊感を覚えた後、魂が雨に流されないよう何とか街灯の光で影体を繕う。 「今よ、エイッ!」 ナイフがなくなった隙におばさま軍団が暴れるおばさまを取り押さえた。これでひとまず一安心か…… 「……! みんなその人から離れろ!!」 突然斉三さんが叫んだ。しかしカラキシであろうおばさま方には聞こえていない。すると先程まで暴れていたおばさまがビクンと大きく痙攣し、ボキボキ脱臼音を立てて仰け反っていく! 「ゴッ……ゴボッ……ホバアアァァーーーーッ!!!!」 バキミチッ、パァン!! おばさまの体が背中側に折りたたまれ、さながら昔の二つ折り携帯電話を無理やり逆向きに閉じた時のように背骨が砕ける音がした。皮膚伸縮の限界を迎えた胸は裂け、彼岸花状に開いた肋骨が剥き出しになる! そこから天高く鮮血を吹き上げながら、次第に右第二肋骨が膨張しだし……いや、おばさまの魂や血、生命力を吸収しだし、グロテスクな芋虫状の怪物に姿を変えていく! 「きゃああーーーっ!」「誰か、誰かあぁーーーっ!」 おばさま方は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。雨で足元が覚束ず、何人かは転倒する。 「ボココッ……ポコッ……ンマアアアァァーッビャアアァーーー!!!」 おぞましい咆哮! 細長い芋虫状の体にまばらに毛が生えだした怪物……散減は、逃げ遅れたおばさまの一人に狙いをつけた。 「いぎゃあああ! 何かがいる、何かが私に触ってるのぉーーっ!」 散減は飛行機内で見た物と比べれば遥かに小さい。ただ、それでも全長一メートル程はある。片方の口に二つ折りおばさまを咥えているからリーチは短いけど、足がもつれたおばさまに組み付こうとビタビタ暴れ回っている。 「やめろ!」 斉三さんは咄嗟に二つ折りのおばさまに憑依した。苦痛に歪んだ表情のまま散減を掴むと、力任せに放り投げる! 「ン厶ァッ!」 地面に叩きつけられた散減は陸に打ち上げられた鯉のようにのたうち回る。斉三さんは血反吐を吐きながら脱臼した肉体の姿勢を整え、尻尾の糸で傷口を塞いでいった。 「大丈夫ですか!?」 「はあ、はあ、言ったろ……僕は、止まっている側面……死にかけた人間を未練がましく延命させるのが得意なんだ……妻の、時……」 掠れた最後の一言は雨音にかき消されて、『妻の時』とだけ聞き取れた。しかしそれを考察する間もなく、身軽になった散減が猛烈な勢いで逃げ遅れのおばさまに迫っていた! 「オゲエェェ、ヴォエエエェェェ!」 「ぎゃああああ! くっさあああぁああ!?」 散減が口から大量の穢れ母乳を吐瀉! おばさまを悪縁汚染させようと試みる。 「させるか!」 私はまだ復旧が不完全な影体を振り絞って、おばさまの周囲の影を編みドーム状バリアを張る。行き場を失った光線がメロン格子状に輝き、念力と光エネルギーで多少は霊体からの攻撃を防げるんだ。でも相手が怪物では、数秒しか持たない! 「ンマウウゥゥゥ!」 「う、くぅ……!」 散減がバリアに体を何度も叩きつける! 想像の何十倍もの衝撃に、まるで息が出来なくなるような鈍い激痛が私を襲った。ジリ貧だ。せめて明るい昼間だったら。せめて雨が止んでさえいれば。せめて自分の本体とプルパさえ近くにあれば力を出せるのに! もう、ダメなのか……? 魂の消滅をも覚悟した、その時だった。
གསུམ་པ་
ブアァァン、ギャギャギャギャギャ!! 張り詰めた状況を突然切り裂くエンジン音。昨日昼に見たイケメンライダーズのバイクが、中庭にドリフトしながら現れた! 爆音に驚いた散減は攻撃を止める。停車したバイクから降りたライダーは、ダマスク柄のフルフェイスヘルメットを脱ぎながら念仏を唱え始めた。 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」 それはお経にしては余りにも禍々しく、殺意に満ちた響きだ。ヘルメットの下からライダーの素顔が見えかけた瞬間、ビシャァァーン! バイクの背後に雷が落ち、そのライダーを……特攻服に身を包んだ占い師、加賀繍へし子のシルエットを強烈な後光が照らした! 「加賀繍さん!?」 加賀繍さんは昼間と同じぬか床の壺を地面に置いて開く。そして猛禽のような目つきで散減(がいると思しきアサッテの方向)を睨みつけると、 「救急車を呼びに行け」 「はい!」 逃げ遅れのおばさまを逃がした。そして散減(が実際はいない方向)を睨みつけ、壺からヌラリと光る金属製の何かを取り出す。あれは、五寸釘……? ぬか漬けの色を良くするために入れていたんだろうか。 「よくも私の可愛い仲間を乗っ取ってくれたね……ご先祖様の怒りを知れ!」 更に加賀繍さんはぬか床からナスビやキュウリ等を取り出すと、そこに五寸釘をプスプスと刺していく。まさか、あの形は…… 「精霊牛と精霊馬!?」 そうだ。あれはどう見ても、お盆にご先祖様を送迎するのに使う野菜の牛馬だ! けど脚を丑の刻参りじみた五寸釘で作る事で、何やらとんでもなく罰当たりで禍々しい物体になっている! 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」 殺意に満ちた念仏に連動して、ナスビとキュウリはフルフルと震えだす……ブォン……ブォン……バッバッバッバッバッ! するうちまるでエンジン音のような唸り声を上げ、眩いエクトプラズム光を発した! 次の瞬間そこにいたのは……精霊牛馬ならぬ、精霊大型改造バイクに跨る二人のレディース怨霊暴走族だ。 「五寸釘愚連隊(ごすんくぎぐれんたい)総長、悪死蟇魔耶(おじま まや)! 夜露死苦(ヨロシク)!」 「五寸釘愚連隊総長妹、悪死蟇禍耶(おじま かや)! 喧嘩上等!」 レディース二人は目に殺気をたたえ、燃え盛る二本の蝋燭を『五寸釘愚連隊』と極太毛筆フォントで書かれたハチマキで額に巻いている。更にスレッジハンマーを背負い、胸からは藁人形を彷彿とさせる巨大な釘の頭が飛び出している。総長魔耶さんは牡丹が刺繍された特攻服を纏い、針山のようなマスクをつけた薄幸そうな女性だ。一方妹の禍耶さんは薔薇が刺繍された特攻服を纏い、『ナメるな危険』と書かれたスプレー缶を腰に携えた高飛車そうな女性だ。 「ああ、嫌な夜だわ。とっても嫌な夜。それで、今日は誰を祟り殺せばいいのかしら?」 物騒な事を言いながら、バイク上で禍耶さんが色っぽく脚を組んで私を睨む。 「ち、ち、違います! 敵はあっち���」 殺されては困るから、私は慌てて散減を指さした。 「ヤダ、何あの毛虫!? 気持ち悪~い。あっち殺そっと!」 助かった! しかしなんて横暴な即断だろう。そうと決まれば禍耶さんはブォンブォンとエンジンを吹かせ、加賀繍さんが作る他の精霊漬物からどんどん凶悪そうなレディース暴走族を顕現していく。呆気に取られていると、魔耶さんが申し訳なさそうに耳打ちしてきた。 「ごめんね、ごめんなさいね。最近へしちゃんが呼んでくれないから、今日の禍耶は不機嫌なの。手出ししなければ殺さないから安心して」 へしちゃん……って、やっぱり加賀繍さんの事だろうか。手出ししたら殺されるんだから何一つ安心できないけど、いずれにせよ満身創痍な私はただウンウンと頷くだけしか出来なかった。気がつくとぬか漬け野菜は全て立派なレディース暴走族になっている。しかしそこに散減が破竹の勢いで突撃! 「ンマアアァァァ!」 「あらいけない。ちょっと待っててね」 魔耶さんが精霊牛バイクを急発進、散減の横腹に闘牛めいて突撃した! 「ムバァッ!」 バコォン! 散減は五メートル先の自販機まで吹き飛び、機体を大きくへこませた。ガコンガコン、ピヨヨヨヨヨ!! 故障した自販機から缶ジュースが飛び出し、けたたましく非常警報音が鳴る! 「ああ、惨たらしい。私ったらなんて惨い事をするのかしら……」 魔耶さんが恍惚とした表情で呟いた。そこに先程顕現した愚連隊員も寄って集って散減を罵倒し始める。 「ダセェ音出してんじゃねーぞクソ虫が!」「五寸釘愚連隊なめんな夜露死苦!」 ブォン、ブォン! 五寸釘愚連隊はエンジン威嚇音をたてながら散減の周囲を旋回する。一方散減は間抜けにも、頭にりんごジュース缶を乗せたままヒクヒクと痙攣している。 「そうだわ。みんなでジャンプして、あの缶だけを轢けるか勝負しましょ。ねえしましょうよ!」 「「「押忍!」」」 禍耶さんの鶴の一声で五寸釘愚連隊は総員散減目掛けてジャンプ! 集団ウィリアム・テル・チャレンジだ! 「ゴッ……コハッ! ンママ……マバーーッ!」 全員失敗! 缶ジュースもろとも連続轢殺! 「トドメよ、お姐さん!」 「ええ、見せてやりましょ禍耶。目にもの見せてやる!」 魔耶さんと禍耶さんは互いのバイクを横付けして、エンジンを空吹かしながらスレッジハンマーを振り回し始めた。鬼冥武魎呪女霊、亡武噴火死戯荒……ブォン、ブォン、ブゥン……鳳憎墓殺陰意地、罪攻死罪汚物消……ブァブァブァブァ、パラリラパラリラ……殺気に満ちたツッパリ念仏が、空吹かしのエンジン音が、隊員達の掲げる五寸釘愚連隊チーム旗が、総長姉妹を禍々しく高めていく! 「「怒悪羅阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿(ドォラアアアアアアアアアアア)!!!!」」 ブァオォォン! 精霊牛馬発進! 勢いをつけた総長姉妹がフルスイングでスレッジハンマーを振るい、散減を吹き飛す! 「マバアァアーーーッ!!」 更に愚連隊総員が一斉に猪突猛進! 散減に追突! 衝突!! 激突ゥゥ!!! 「「「翔進激憑張怨覇霊怒(ショウシンゲツッパリオンパレード)ォォォ!!!」」」 ドガアァァアン……! くぐもった爆発音と共に散減は分解霧散し、あっけなく灰燼と化した。あるいはそれは遠くで鳴った雷の音だったんだろうか。ともかく安心した私は影体を闇に還して幽体離脱した。散減を生み出したおばさまは斉三さんの糸で護られたまま、到着した救急車に搬送される。ふと加賀繍さんを見ると、彼女はまだ念仏を唱えていた。 「いっけなぁい。終わったわよ、へしちゃん。終わったわよーーっ!」 ブォンブォン! パラリラパラリラ!! 魔耶さんが五寸釘愚連隊を率いて、加賀繍さんを取り囲み今日一番の爆音を鳴らした。 「ン……」 そこで初めて霊の存在に気付いた加賀繍さんは、先程作った精霊達から釘を回収し壺に収めた。残った漬物は手近な生垣の土に埋め、悪鬼除滅水をばら撒く。私はそれがお清めの水だったのだと今更理解した。
བཞི་པ་
それから数時間後、私は宴会場の布団の上で目が覚めた。傍らには万狸ちゃんが寝ていて、玲���ちゃんと佳奈さんも布団の中。外はうっすらと明るくなっている。洗面所に向かうと、途中ロビーのテーブルで誰かが話していた。近づくと、魔耶さんと禍耶さん、それに斉一さんだった。 「おはようございます、紅さん。ご無事でなによりです」 「おはようございます。あの、皆さん、昨夜は本当にありがとうございました」 「『皆さん』? あなた見えてるの?」 禍耶さんと目が合った。 「あ、私が昨夜の影法師です」 「あら、あの命知らず! よくもまあ、あんな夜に影の体で出歩こうと思ったわね」 「そんな言い方無いじゃない、禍耶。この人達がいなきゃ、へしちゃんのお弟子さん今頃は死んでたんだから」 今頃は? という事は…… 「魔耶さん、あのおばさま助かったんですか?」 「ええ、そうよ! そうなの。おかげさまで一命は取り留めたわ。あなたと、この狸ちゃんのお陰でね」 魔耶さんの視線を追うと、斉一さんの膝の上で斉三さんが横たわっていた。尻尾は竹串みたいに細くなって、モフモフだった毛並みも養鶏場の鶏みたいに所々禿げてしまっている。 「だ、大丈夫ですか!?」 「……峠は越えました。依然重体だが命に別状はない」 「いやお前の事心配して下さってるんだよ」 斉一さんが白いパワーストーンの指圧棒で斉三さんをマッサージしながらツッコむ。禍耶さんも乗じて斉三さんのお腹をムニムニつまみ始めた。 「あなた達ってとんだお人好しね。そんなボロボロになるまで、敵の私達を助けるなんて。理解できない。全然理解できないわぁ」 「あはは、私達コンペには興味ないので。そう言う禍耶さんと魔耶さんはその、加賀繍さんのご先祖様……なんですか?」 「やだぁ、違うわ! 違うわよ。私達がそんなに大昔の人間に見えるってーの?」 「いえいえそんな! でも加賀繍さんが」 「あの子は一人だけ助かっちゃったのよ」 「え?」 魔耶さんが意味深な事を言う。 「天険断崖(てんけんだんがい)でチキンレースしてね……いえ、あれはもう殆ど集団自決だったわ……きっかけは何だったかしら。確か皆で同じ男を奪い合って、殺し合って……ああ懐かしい、懐かしいなぁ……」 「わわ、わかりました! もういいですありがとうございます!!」 これ以上聞いていると、魔耶さんの醸し出す殺気で斉三さんがもっと禿げそうだ。 「ま、いくらへしちゃんでも守護霊が私達だって事ぐらい気付いてるわよ。さすがに昔の族仲間だって言うのは世間体が悪すぎるから、ご先祖様って言ってるだけでさ」 「そうなんですねぇ……」 禍耶さんがついに加賀繍さんを『元レディース』だと明言した。なんだか今後加賀繍さんを見る目が変わってしまいそうだ。 「では、私達はこれで」 斉一さんが席を立つ。壁時計によると、朝食の時間まであと三十分ぐらいか。私も五寸釘の総長姉妹に一旦の別れを告げ、洗面所へ。途中でふと外を見ると、水たまりの上でザトウムシが一匹死んでいた。
0 notes
Text
ジカンダ
最初見た時それを人間だと思った。 「油断するな!」 だがそれと目が合った直後には仲間の打った麻酔がそれを貫いて眠らせていた。 猿のような形をしたそれは防護服を着ていなかったが、この汚染された区域でも問題無く呼吸し生命活動をしているようだった。痩せ細っているのは地上にほとんど食料が見つからなかったためだろう。 「…すごい爪だな」 「牙もあるな、口が閉じれてない…皮膚もおかしいな、硬い。猿じゃないのか?」 汚染された土地にも適者は生存している。一部の鳥類や虫、それに植物。地下の人々は汚染区域の様相を荒廃した大地だとイメージすることが多いようだが、実際は緑が生い茂っている。そういう地上に適合した生命体は研究の対象だった。 この生き物も研究対象にされるだろう。鳥や虫ではない、人の形に近い動物…今までになく重要なサンプルだ。 鋭い爪と牙を振るえないよう厳重に拘束し、危険区域から持ち帰り 研究所へと引き渡すことにした。
持ち帰ったそれは差し出すやいなや大勢の研究員に取り囲まれて隔離部屋に押し込まれた。 何事か早口でまくし立てる解説じみた言葉を適当に聞き流して、成果物の引き渡しと報告を済ませると俺はとっととその場を出て行った。どうせ会話しても半分も理解できん。 あとのことは連中に任せて、防護服を脱ぐと地下の地下にある自宅へと降りていく。
地上へ調査に出た後は数日間の休みがもらえる。その間誰とも会えず、健康状態も警戒されるが、俺は別にこの期間が嫌いじゃ無かった。家に帰って存分に寝よう、睡眠は生き物が与えられた唯一の安楽であり救済である。 俺も研究員の一部ではあるものの、地上調査に出るような研究員は末端の捨て駒だ。汚染された地上のたった二層下に俺の住んでるアパートがあるが ここよりもっと地下の安全な場所に、頭脳となる科学者たちが住んでいる。彼等がこの地下都市を支配し、人工知能を介して研究の指示を出している 今、人間の世界にあるのは人間が作り出した地下都市と 人間が作り出した遺伝子組み換えの食料と 人間が作り出した危険なエネルギー源 …すべて、科学の力だ 労働も営みも全てそこに依存する それゆえか、世界で科学信仰がすすみ 研究施設は宗教団体のようになっていた 地上に現存する生命体を研究しているのだって、狭い地下から脱出するために彼等の遺伝子構造をパクり、人類を汚染された地域でも生きていける生命体へ進化させようということらしい。汚染された地域を浄化するのではなく、生命を操ろうとする方へ向かっている… 他に生きる術が無いから仕方が無いが、俺はそーゆうのは好きじゃ無かった。今の社会が、自分の生きてる世界が、何もかも気にくわない だけどそこから外れてしまえば待っているのは死のみだった。
数日後、研究所で検診を受けた後なぜか俺はあの拾ってきた生き物の様子を見て世話をする役目に任命された。 なぜだ。 なるべく四六時中の観察記録などをつけるよう言われたが正直部屋で引きこもって寝ていたい。言葉の通じない生命体の相手なんて…人間同士でも億劫だというのに、やってられるか。相手は爪も牙もあるんだぞ。 …これもまた捨て駒扱いってやつか。 それが保管されているエリアに出向き、檻からなるべく離れたまま恐る恐る中をうかがってみる。 壁を破壊して襲ってこないだろうかと警戒していたんだが… 「……え、ぉぉう」 杞憂に終った。この数日間でどんな扱いをされたのやら、その生き物はすっかり怯えた様子で、狭い檻のさらに隅の方で縮こまって身を固くしていた。 俺に気付くと凶悪な泣き笑いに似た表情を顔だけでこちらに向けてくる。表情筋があるから動物なりの感情表現は伝わってくるな。しかし人間の表情とはやはり違うのか、その必死に口角をつり上げた泣き笑いは…威嚇だろうか。口を閉じれないほどの牙をむき出しにして俺を威嚇してる。 なんだか哀れになって、俺は檻越しの観察室でなるべくそいつを刺激しないよう、凝視もしないように過ごした。俺だって得体の知れない生物に近付きたくはねえし。部屋の端に椅子を持って行って最大限離れた場所に陣取ると疲れにくい体勢で座った。 途中で一度施設内の自動販売機で食事を買って戻り、内容スカスカな観察記録をつけながら食べた。チラチラ何度か俺が視線を投げたうち数回、そいつからも視線が返ってきたのを感じた。 「時間だ、上がってくれ。交代しよう」 「やっとか。お疲れさん」 ひたすら観察室でそいつの気配に注意しているだけの時間が過ぎ、その日の予定は終った。長かった。帰って寝よう。
職務があんまりにも暇なんで、こっそり紙の本を持ち込むようになった。身体チェックのセンサーにも引っかからないし、薄いのだったら服の下に何種類か忍ばせられる。腹部と背中側と両脚の裾と… 食事を買いに出る回数もわざと増やして、買ってくる量も多めにした。時間がある限りだらだらと食べる。味覚で楽しむのは貴重な娯楽の一つ。 俺がそうやってサボってるうちに、檻の中の生き物は俺が持ってる物に興味を示し始めた。俺が視線を向けても過剰に怯える様子は見られなくなり、部屋の隅から脱し、狭い部屋を存分に使って手足を伸ばすようになってきた。 匂いの強い食物のパッケージをあけた時に鼻を鳴らして檻越しに見てきたので、その食い物を檻の中へ転がしてみた。途端びくついたそいつは一旦部屋の隅に戻った後、丸まった姿勢でじっと俺の方をうかがってきた。俺が食物を口に運び飲み込むのをしばらく眺めた後で、じりじり近付いて口を上から被せるようにして歯で掬い取って食べた。 「……うまいか?」 戯れに訊いてみると顔を上げてこちらを見た。もう食物は飲み込んだらしい。 そいつの腕?前足?部分には、栄養補充用の点滴が差し込まれている。餌付けしたなんて知られたら怒られるかもしれないので、これは誤って落とした食物をこいつに食われてしまったということにして、観察記録に書いておいた。 「時間だ、お疲れ」 「おー」
経口摂取についてはお咎めが無かった。むしろその翌日からそいつの点滴は外されて、時間になると食い物がチューブからごろごろ出てくるようになった。おかげで暇すぎた俺の仕事にそいつが何をどのくらい食えるのか記入する作業が加わった。 けどどうやら与えられる食物は好ましく無いのか、あまり食いたがらずにそいつは俺の食ってるものを欲しがることが増えた。清掃機械が床の食べかすを隠滅していくのを脇に眺めながら、餌付けした内容も全て記録していく。 食ってるものはほとんど俺と同じだ。清掃機械を攻撃することも無い、暴力性は感じられず、今日に至るまで非常に大人しく落ち着いている。最初の数日間は怯えられたけど。 無警戒に餌付けされるものを食ってるように見える。毒殺しようと思えばできるんじゃないか… と考えた矢先、チューブからの食事でそいつが泡を吹いて倒れたらしい。俺が観察室に居ない、別の奴が見てる時間でのことだった。死ぬかもしれないと連絡が来て、医療措置をとる間、俺は仕事が休みになった。 死ぬかもしれない か あんな檻の中で、まぁ実験体だものな。有毒な食事だって、偶然食っちゃったんじゃなくて、わざと与えられた物かもしれない。中には人間の食わない物も当然のごとく混じっていたのを、記録媒体をつけていた俺は当然知っている。他の連中も。 その毒物事件では結局、そいつは死ななかった。休みが明けて観察室に赴けば、相変わらず檻の中にそいつが居た。 変ったところと言えば、そいつが前以上に弱った雰囲気をしていたことと チューブから与えられる食べ物を、口にしなくなったことだった。 ならば何なら食えるのかと言えば、俺が気紛れに投げ入れてやる物だけらしかった。他の奴からだと食わないらしい。 俺が与える食べ物ばかりを食うようになったせいでそいつの餌は俺が持っていくことになってしまった。 観察室に入る前に餌を受け取る。中には、や���り毒性の強いものも混じっていた。 「……うーん」 バレませんように。と思いながら、餌はほとんど廃棄して自分の食い物をそいつに分けて与えた。毒をそのまま与えてたら、俺の手から与えられる物を素直に口にするそいつをだまし討ちする形になる。もしまた苦しめたらと思うと…俺にそんな責任を負わせるなと思った。実験をし��いなら自分らでやれ。 床に転がされた餌を、そいつが牙のある口では食いづらそうにしてることに気付いてからは 俺が直接口に投げ入れてやるようになった。牙は恐ろしかったが、こいつにとって俺は食料を持ってくる生命線のはずだ、攻撃を加えることは無いだろうという予想に賭けた。予想通りだった。
そいつが餌を口を開けて待つようになり、俺も投げ入れないで手ずから食物を口に運んでやるようになった頃、一時的に弱っていたそいつの様子もだいぶ落ち着いてきた。 もうじっと見守っていなくても大丈夫だろうと思い、また本などを持ち込んで時間を潰すことにした。部屋の真ん中に椅子を置いて座ると、本を開く。 その時、檻の中から 「時間だ」 と 声がした。 「……え?」 本から顔を上げる。目の前には見慣れた生き物が居て、そわそわと頭を揺らしながら俺の方に近寄ってきた。 他に誰も居ない。 今の、こいつが言ったのか? 半信半疑で目を見詰めかえしてたら、もう一度「時間だ」と 今度こそ目の前の口が動いて はっきりと、発声した。いやはっきりとはしてない、たどたどしい、歯が邪魔そうな発音だけど… でも 言葉を発音している …人間と遜色ない咽の機構を持っているのか 「……お前、どういうつもりだ」 「ジカンダ~ォゥ~」 「……」 意味がわかって言っているんじゃ…無いのか。そりゃそうか。 何が始まるわけでもないとわかってほっと息を吐く。改めてそいつの方に視線を向けると心なしか目を見開いて俺の方を見詰めてきた。そわそわと檻の前で動く。 俺に呼びかけてるつもりなんだろうか。本に意識を戻すふりをしてみせたらまた「ジカンダー」と鳴いた。顔を上げるとそわそわと動く。…呼びかけているので間違いなさそうだ。 腹でも減ったのか?食物を差し出してみたらぱかっと口を開けた。放り込んで俺も一つ食べる。 「うまいか?」 「ンー」 発声がみられたのは初めてだな。記録しておくか。それにしても「時間だ」って、なんでそのチョイスなんだ…俺はそんな単語言ったことは…あ。 交代の時、仲間が呼びかける言葉…時間だ、 あれのせいか。 仲間が俺に呼びかける時… …俺の名前だと思ってる? 「…違うぞー俺は。時間だってのはそういう意味じゃなくて」 「ン」 残り時間を使って説明に費やしたものの、訂正は難し��うだった。諦めて俺はジカンダってことになった。多分。
「ジカンダー」 「はいはい」 その後たまたま俺が何も食物を持っていない時にしつこく呼ばれ、腹が減ってるわけじゃなくただ構ってほしいだけだとわかった。試しに本を読み聞かせてやったら大人しく聞いていた。相変わらず呼び方はジカンダだし本の内容はわかってないんだろうけど、俺の注意が向いてさえ居ればいいっぽい。 今日も別の本を持ってきて開く。 自分では読み古した本でも、声に出して朗読してみると不思議と新鮮だった。 「こっちは絵があるぞ。ほら」 「ンー」 貴重な紙の本。…正直渡したくは無かったが、見せて反応を見てみたくもあった。 受け取ったそいつは触感を楽しむように本を触り、ぱたんと開くとじっと絵をなぞった。 鋭い爪のある指先。けれど破らずに本に触れる。俺が本を扱っていたように。 真似るだけの知能がある、と思う。力加減もできている。 開かれているページを見ながら、何度も読み古して覚えた内容を絵に合わせて暗唱していくと、俺の語りの法則性に気付いたのか、そいつはページを繰って見ていないページを探し始めた。 「もうお別れの時間だ、私は帰らなくては」と台詞を言った時、ぱっと顔を上げて俺の方を見た。指さして口を開いてる。 「…俺の名前だと思ったのか、ははは」 思わず手を伸ばして 頭を撫でそうになった …いや、待て、何しようとしてんだ俺は いや、ずっと殺菌もしてない生き物の毛なんて触らない方がいいに決まって…いや…そういう問題でも、無くて 手袋はしてるし…いや、突然触ろうとしたらこいつが驚いて攻撃してくるかもしれない、危険だ …いや… 宙に浮いた手を引っ込めて、椅子に座り直す。目の前で本をパタパタと動かして遊んでいる生き物が居る。 …笑ったのなんていつぶりだろう。 「時間だ」のページは気に入られてしまい、何度も繰り返し読む羽目になった。
本や食べ物を手渡すうちに、いつしかそいつの手に触れることができるようになっていた。 いざそうなって、硬い爪の間に入り込んだ食べかすを取ってやってる時にはっと自覚した。こんなに無警戒に触れあっている自分にも相手にも一瞬驚いて、その一瞬の硬直すら察して俺を見詰めてくるそいつを安心させるために更に手を撫でた。 …そしてそのおかげで前々から無意識に視認していた事実をはっきりと確かめることができた。 その鋭い爪も 牙も 肉を引き裂き食いちぎれるような、歯茎や付け根、筋肉に基づいてはいない、…ということ。 皮膚は確かに傷付きにくそうな硬さなのだろう けれどその付け根は人間と大して変らない脆さをしているのが、触れてみるとわかる。 俺に優しく触れてくる、それは知能の高さゆえでもあるし、まずもってこいつに見たとおりの矮躯ぶんの筋力しか無いってことでもあった。爪も仮に俺に突き立てたとして、こいつの指先からべろっと剥がれてお終いだろう。 それに、柔らかいものを好んで食べる。…記録にはそこまで書いてないけど、じかに反応を見ていた俺はこいつが何をうまそうに食べて何を食いづらそうにしてたか、知っている。牙が咀嚼に実用的なものでは無い。そのぶんろくに噛まずに飲み込んでも、腹を下したりはしなかった。 ―――――― 奇形の 子供だったんじゃないか? 「……」 この後に及んで…とでもいうのか…こいつを知れば知るほど、俺の中にふっとその考えが浮かぶ。その可能性が主張の頻度を増していく。 奇形で生まれたり障害を持って生まれたら、…それとわかった時点で地上へ捨てられる。こんな薄汚れた世界だ、生む側の受けた影響は当然多くの子供に現れる、奇形児も障害児も年間にいくらでも居る。地上は子供達の墓場だ。 もしも…生き延びた子供が居たら それはこんな姿をしてやしないか? 汚染に適応した身体 汚染によって変異した身体、元から 奇形の身体 …それだけで 彼も人間なのだとしたら 俺は… 「時間だよ。最近長い勤務で大変だな」 「あ、あぁ…ありがとう」 大変、…だろうか。こっそり服の下に忍ばせた本を上着越しに押さえる。 「ジカンダ…」 ぎりぎり聞こえる小さな声が、横顔に投げかけられた。振り向けば檻のすぐ前までそいつが乗り出してこっちを見てる。 最近では俺が出て行くとき、こうして細い声で呼んでくる。 「本当に喋るんだな。これだけ人間に近い生体サンプルは貴重だ」 「…ああ」 サンプル 人間に近い、…近いって何だ この世界のやけにシビアなニンゲンのひな形には当てはまらないかもしれないけど だったらこいつはニンゲンじゃ無いのかな ニンゲンじゃないものなら …生体実験も、当然のこと?人間至上主義のこんなやり方 俺はずっと好きじゃ無かったけど どっかで、生きるためなら仕方ないって 思ってた 思ってたはずだった。
それからまたしばらくは食べ物を与えたり、本を読み聞かせたり たまにうとうとしてるそいつを眺めてたりもした。気持ちよさげに目を閉じて安心しきったそいつを見ながら、一緒に家帰って寝る妄想なんかをして…してしまって それを自覚したら ああ もう 駄目だ、と思った。俺は ここにこいつと居ることが、心地よくなってしまってるんだ 拾ってきてから、どのくらいの時間が経ったんだろう。もう数日やそこらではきかないことは確かだ こんなに誰かと 何かと 共に過ごしたことはなかった 人間でも、そうじゃなくても。
「俺は寂しかったのかもな」 「オレワ?」 きょとんとしてるように見えるそいつを、腕を差し伸べて抱きしめた。別にいいだろ、手袋してるし。こいつは俺にビビらない。 「寂しい」 わかるか? 「サビシイ」 「そう。…お前が居なくなったら寂しいな…」 俺は一人で平気なんだと思ってた、むしろ人付き合いとか億劫で 一人が好きなんだと思ってたけど 「お前と居るのがどんどん好きになってきてる」 「ウー」 「うー…」 声の 跡が 震えた。 今日、ここに来る前に …こいつを実験室に戻そうって話が出てるのを、聞いた。色々採取して、解剖もしよう、と 解剖されればこの子は死ぬ。楽には死ねない 生体実験だ 研究者たちにはこの子が化け物にしか見えていないのかもしれない ジカンダ、って言葉を聞いても 俺への呼びかけじゃなくて ただ音を繰り返してるようにしか見えていないかも だけど俺にとってはもうこいつは人間だった それもただの人間じゃなくて、友達とか、兄弟とか、何だろう 居なくなったら寂しい、そういう人間になっていた。 いつ、連れて行かれるのか …これからその日まで、毎日、最後かもしれないって怯えながら接しないといけないのか?
目の前で研究員にこいつを連れて行かれるところを想像した 簡単に想像できた 一度は見た光景なんだから
「……だめ、だ」 駄目だ。
―――――― その夜 そいつを盗み出した。
完全なる武力行使だった。まごうことなきテロ行為…スマートにマスターキーとか用意できるセキュリティじゃなかったんで破壊して連れ出した。科学や知恵に対抗できるは純粋な暴力、駆け引きの前にぶん殴れ、鍵を開けるんじゃなく壁を爆破しろ、これに尽きる。他に手段は無い。見つかれば少なくとも俺は確実に始末されることだろう。 だから逃げる そいつの手を引いてひた走る これで俺も非人間の一員てわけだ。 「 ――――っ!」 なぜかこみ上げてくるもんがあった 脚がもつれそうなスピードで 息の続く限り地上へ 駆け上がりながら、 生まれて初めてくらいの勢いで声を上げて笑った。 こんなに楽しかったことは無い 人生初だ、口元をつり上げて地下都市を見下ろして、笑う 思い切り走るのも 高らかに笑うのも 誰かの手を取るのも 初めてだ 楽しい 死への階段を駆け上がっていく。
「 あ は は は は ! 」
…生きるためなら仕方ないって? それって結局誰のためなんだよ 何で生きてんだよ 俺は …俺はそれ、もうわかったからさ わかったからもう 死んでもいいって思っちゃったな。 「ゥアッゥアッ」とそいつもつられたみたいに笑い声を立てた。四つ足で走って俺を追い越し、視界から外れないところで待って、また走る 俺はその姿を追いかけた 地上に出るとがばっと飛びついてきたそいつに押し倒されて、雑草の上に転がった。「わっ、あは、はは」急に身体が横になって心臓がどくんどくんと破れそうなほど脈打つ。俺にじゃれついてくる様子は嬉しそうだった。俺も嬉しい。固い毛並みをわしゃわしゃと撫でた。 「はぁっ、はぁっ、はは、はは…」 「ウー、ゥ」 「…はー、んなことしてる場合じゃない」 急いで身体を起こすと辺りを見回して、どの出口から地上のどの辺りに出たかを把握する。ここは… 「……お前、覚えてるかな」 「ン」 …汚染区域に行こう。 すぐに追っ手が来たとしても、防護服を着ていなければ手前で引き返すはずだ。俺は生きられないけど、こいつは自由になれる。 手を引いて歩き出して 数歩ですぐにでも息が苦しくなり、眩暈がしてきた。走ったせいでまだ息切れしてんだと思い込もうとしたけど…難しい。嘔吐感で一歩を踏み出すのもつらい。走ったせいで…血の巡りが速まって、地上の影響が出るのが早いのか。 そいつは俺の様子が変だと気付いたのか、三本脚歩行しながらじっと俺を見上げて身体を支えるようにぴったりくっつけてきた。 「お前…」 ぎゅ、と 空いてる方の手で胸を押さえる 苦しい だけじゃない 何か なんだろう やっぱ��苦しいのか、でも 嫌じゃ無い、この苦しさは 「ありがと…」 タン、っと 銃声がした。 脚が 崩れる 熱い まずい、もう来たのか 「…っ逃げろ!!」 自分の脚がどうなってるかも確認する暇がない 指を指す 今にも追っ手が来るような気がする、気配が迫ってくるような 錯覚か? 撃たれた まだ距離がある まだ…まだ逃げられる 叫ぶ 「捕まるな!!行け…っはやく…」 ウ、ぅ 言葉が通じない そいつは俺の傍から離れようとしなくて 初めて苛立って怒鳴りつけた 無理矢理に背中を押す 「行け――――!!」 眩暈がする 身体中、痛い 内側から食い破られそうな激痛が全身に広がる 意識が混 濁し てく る あいつ 行った か? 目 かすんで み え な
…「ジカンダ」 「……」 傍らからの呼び声に、意識が戻る さっきまで気絶するほど苦痛にまみれていた身体が、麻痺している どこが手で脚なのかもわからない …俺間もなく���にそうじゃん。耳だけ、顔だけは、そいつの声のおかげで何となくわかった。 視界に映り込んだそいつの手は血だらけで…爪が全部剥がれてた。 ぼやけた視界の中 四つ足の獰猛な怪物が 着ぶくれた人間のシルエットを引き裂くのを みた気がする 倒れた人間が嘔吐してた 赤い 血液が 散って …人間は ここじゃ生きていけない 呼吸も できない 次々に防護服を破られて、倒れていく人間の真ん中で ――――立ち続けてるそいつは確かに 違うモノだったんだろう。 「ジカンダ…」 「…ん…」 俺の身体に縋り付くように、抱きしめてくるそいつの、血まみれの腕に俺もすり寄る。そいつが触れたところだけ まだ、身体の動かし方がわかる。 「… 俺 本名より、その呼び名が好きだなぁ」 お前が呼んでくれたから。 「…… 」 不意に ぽつんとそいつが、別の言葉を漏らした。 「え?」 「…ィ 」 ぎゅ、と俺を抱きしめて 離れない、離そうとしない子供が呟く。 「サビシイ」 寂しい
「居なくなったら 寂しい ジカンダ」
――――…… それ どういう、つもりで 言ってんのかな。 「俺も、だよ…」 力を振り絞ってその子を抱きしめ返す。
遠くから銃声が聞こえてきた。
…
0 notes
Photo
今日はヘトヘトです(^◇^;)💦 なんか、ちょっと間が悪かった1日💦 とりあえず1枚目 今日のぴぃーちこ弁当 帰宅してバタバタと作った ハンバーグ弁当🍱 スゲェ〜雑なんですけど(^◇^;)💦 2枚目 昨日のぴぃーちこの深夜めし ぴぃーちこ鍋www 鶏肉で何鍋にする?聞いたら「味噌」言うので味噌鍋にしといた。 んで、今日のお昼はうどん入れて食べさせたが、絵面がない💦 3枚目 本日の深夜に喰らうであろう ぴぃーちこ飯 手抜きですんません(^◇^;) ミニストップのチルドのガーリックグリルチキン弁当と朝の味噌汁に卵を落としたやつ 若布納豆 ミニストップのローストチキンサラダに若布とプチトマトプラスで 4枚目は、昨日のあたしのつまみはミニストップ海鮮丼(上だけつまんだwww)韓国海苔にミニストップのミックスサラダとめかぶ からあげクンレモン味 5枚目は今、喰らってるつまみ ミニストップのローストチキンサラダと鯛竹輪 めかぶにからあげクン辛チー味 今日はセブンのビールとか呑んでますwww 6枚目 今朝のあたしの朝食 御飯 きのこ豆腐南関揚げ玉ねぎ南瓜キャベツ人参の味噌汁 ぬか漬け そして、本日の納豆(7枚目〕 山盛り葱となめ茸マヨネーズ納豆 コレがまた…堪らん❤️ 今朝は…飯が足らんとか思うた(^◇^;) 8枚目は、今日のお昼 ミニストップのゴマだれ冷やし中華 なんか…今年は無茶苦茶冷やし中華と冷麺とか冷やし混ぜ麺とか…食べてる気がする(^◇^;) そろそろ…普通にラーメン食べたいかな… でも、好きなんだもんね 嗚呼…昨日も今日も 後半戦は新人さんと、2人体制 疲れる やらかしてくれた(^◇^;)💦 クレーム対応大変 ついでに新人君のフォローも大変 お客さんカンカンで電話して来たしな💦 そうかと思えば 訳のわからん 絶対!うちで買ってないやろ〜的な客が交換してくれとか来るし どうも様子がおかしかったので、交換は拒否 本当…厄介な事が多かった1日 今朝は出鼻挫かれた ゴミ出ししなきゃ行けなくて すっかり忘れて 出勤しようとしたら、元公園のフェンスに、カラスが止まってて それ見て「ゴミ出し忘れた」で、家に一度戻る羽目に(^◇^;) 一旦帰宅してから mybluの会社とやりとり ログインできない、パスワード変更出来ない パスワード変更メール来ないから始まり、ゲストで買い物してくれ言うから、やるんだけど、今度はクーポンコードが読み取れない もう 一昨日からずっとやってて 困ったもんやわ 今日はガチ疲れた(^◇^;)💦 #疲れた#一括払い#ぴぃーちこ#ぴぃーちこ飯#ぴぃーちこ鍋#ぴぃーちこ弁当#深夜めし#雑めし#that's飯#酒婦#酒婦のひとり呑み #酒婦の雑飯 #酒婦のthat's飯#酒婦の独り言 #酒婦の戯言 #酒婦のwワーク #クタクタ https://www.instagram.com/p/CDRGOTFAqNy/?igshid=18ct8bk20b13l
#疲れた#一括払い#ぴぃーちこ#ぴぃーちこ飯#ぴぃーちこ鍋#ぴぃーちこ弁当#深夜めし#雑めし#that#酒婦#酒婦のひとり呑み#酒婦の雑飯#酒婦のthat#酒婦の独り言#酒婦の戯言#酒婦のwワーク#クタクタ
0 notes
Photo
YAMABUSHI Kunihiro (YOKOYAMA Masafumi)
「舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語り」見てきましたー!
包括的な感想:刀の2.5次元を見るのはこれが初めてですが、裏テーマで「信長モンペ最強王決定戦」でも開催しているんですか
以下ネタバレ箇条書きです。気が向いたら付け足すかもしれません。「ここは内緒にしといたほうがいいかも」という部分はライビュ後に付け足す予定です。
(山伏と同田貫が仲良くしてるのが大好物な人間の視点です)
【パンフ・グッス】
・事前に告知された「パンフ表紙のネタバレ」は文字部分。強いて言えば月の箔押しもなんだけど、わかるかー!!
・お小夜が劇中で極になって帰ってくるのだけど、ブロマイドでネタバレしてる。館内物販が当初パンフのみだったのはそういう理由もあるんじゃないだろうか……
・パンフの中身はもちろんネタバレ。1部と2部でメインで活躍するキャラが違うのだけれども我らが山伏さんはどっちでも重要な役をはっているので見開きページが2倍。やったね!
・コスチュームのままのオフショット、みたいなページが1ページあるのだけど、ちょこんとパイプ椅子に座ってて可愛い ていうかどつもこいつもみんなかわいい いみわからない
・遡行軍のみなさんの経歴に「HiGH & LOW」が書かれていることが多く、ほんとにアクションできる人集めてくれてるんだなあと嬉しくなりました。
【第一部】<序>伝
・OPがある!わあいみんな立体だ!解像度たけえ!
・山伏さんの最初からいたような安定感ある存在感 まだこの本丸では太刀が山伏さんだけというのもあるかも
・突然のたぬぶし修行シーン というか 石器時代の武器みたいな自作アレイこさえて、モンハンのようにそれで戦ってた。山伏さん。結構長い時間。多分遡行軍のみなさんもツッコミ入れたくてウズウズしてたと思う。
・偉い人のはずなのに誰かに突き飛ばされたかのように出てくる長政。ここでまず違和感。
・ヤリチンDJ…じゃなかった 弥助が出てきたところで、「あ」と思う。弥助は織田信長配下の外国人で、その最後は信長亡き後「妖精の国にお帰り……(湾曲表現)」と粛清対象外にされた事を知っていたからだ。そして、そこから「もうこれ改変済の時代じゃねーか!!」という考えに一瞬で至る。なので、弥助の存在を知っているかいないかでこの1部の見方がだいぶ変わる。私はここで(ってことはさっき突き飛ばしたのは…)と理解できた。
・山伏さんの対人間スキル(ただし進研ゼミでやった所は思わず叫ぶ)
・ノッブの悪口をいうことで保ってた気持ちを脇腹から刺された長谷部さん
・遡行軍かわいい
・アクションシーンで遡行軍のみなさんが階段落ちをたくさんしてくれた上に綺麗に舞台からはけてくれるので遡行軍が好きになるし、今日 バブのメディケイティッドを箱買いして遡行軍の皆さんに差し入れしようかどうか直前まで悩んでた 肉襦袢着てるのにあんなに動いてくれてる ありがとう
・まんばちゃんが2人!で、この後の展開が明確になる。
・推しがまさかの刀剣破壊。いや、お兄ちゃんキャラは死ぬ運命なのだ…からの高速復活。マジ高速で回りが混乱するレベル。実際たぬきはわけわかんねえってブチ切れてた。
・一番戦闘大好きな同田貫が負けを認めて引こう、って言ってくれたから先に進むことができた。本丸自体が出来たばかりだけど、彼らはこの先がどれだけ長いのかまだ知らないんだものね。
【第二部】<如>伝<助>
・またOP。黒田面子が増えて同田貫・ばみ・お小夜が見当たらず。
・博多くんの大型犬の子犬みたいな量感の足すごいね……
・ゲームシステムの「同じ時代に何回も行ける」を利用したシナリオと明確に判明。頭に被り物してる国広兄弟がその利点を活かして過去と未来を行ったり来たりこっそり同時に存在したりと大活躍 そしてセリフ以外で『同じシーンを繰り返してる』と気づかせるように見せるだけの練度が
・弥助のセリフ。ゲームシステムとはいえ、彼はこっちの脳死周回の度に死ぬ信長と守ろうとする遡行軍とそれをぶった切る刀剣男士を見せつけられてるんだよな ほんとスマン……
・遡行軍かわいいを天丼で
・黒田官兵衛さんの歪んだ所をゆがんでるなあといえる秀吉さんまじ強いし天下人
・最後は親子対決。刀剣男士たちの空気読む能力はたぶん私より高い。
・ED。お小夜の番傘が壊れてはらはらする。多分皆お遊戯会の保護者のような感じで手に汗握ってたと思う。
・そういえば内番のブロマイドとかあったけどそういうシーンなかったね?!
キリがないので一旦ここまでー!
4 notes
·
View notes
Text
--深海人形-- 死後の娯楽
…御前も思うよな?!「人類滅べ!」って!(※前書き)
※Twitterの自アカウントより引用(※…一部、修正、若しくは、改変)。
[[MORE]]
…『青鯖みたいな』なぞより不愉快な顔しやがって……(※タイツマンへ)。
…藤木遊作も、天人天女パロで天人の一人として、背広組してるぞ(※…制服組、特に、無言の不審者とは非常に仲が悪い 菅野大尉とは出来るだけ、絶対に会いたくないくらいに距離を置く ※シェーンコップとキャゼルヌみたいな関係では決して無い ←※例え)。
(※生前は)タイツマン「…酒の味に注文をつける余裕がある内は、まだ大丈夫のようだな(※真顔)。』 ※…元ネタ:銀英伝(※…ヤン提督が査問会笑で居ないのに、イゼルローン要塞に帝国艦隊が攻めて来たぞ!…の所で、シェーンコップがコーヒーについて注文付ける奴に対する、いつものキャゼルヌ並反応)。
…遊作が居なくなった後、健康とか顧みず飲酒と言う堕落趣味を再開する草薙さん(※…煙草は、飲食業なので無理です)。
…と言うか、…酒はやって無いしな、あのホットドッグ屋(※……居酒屋でも無ぇし……)。
ホワイティ「…ウェイン同志〜!(※儲かりまっか〜?!)」ウェイン兄弟「…ホワイティ同志〜!!(※ボチボチでんな!)」
…遊作が、まだ、未成年の子だったから(※…一人の時は弟が長い間アレだし ガンガン煽ってたけど)、飲酒を一旦長期自粛してた草薙さん(※ーー対酒当歌 人生幾何 譬如朝露 去日苦多 〜〜中略〜〜 唯有杜康 ーー短歌行 作曹操孟徳)。
郭嘉奉孝「…アンチ乙!…短歌行は、孟徳が僕の為に作った詩だから!(※断言)」 方正孝直「…へー、そうなんだー(棒 ※…以上、天人天女パロネタ)。」
…了見くんの席ww空いてますよww(※…死んだら、天人天女パロで天人として採用 曹父子並予約 ※当然、上司は菅野大尉で…… ※御国次元と言う名の地獄)
…えっ、穂村?ww御前の席ねーからww(←※氏ね)
…人様の作品を、まるで、『気さくな友人同士での挨拶』のように上から目線で見下して来る奴に、最初から良い物語なぞ描けぬと思うがね(※…実際ワイが描けない)。
…試しに、遊戯王ARC-V、VRAINSを、ただ、「…自分が気に食わない(上から目線 」と言う理由で、偉そうに見下す物描きの作品でも読んでみろ。すぐに分かる(※…プロフェッショナルを、簡単に子供染みた理由で否定するのがアマチュアである)。
…もう、あそこ迄、下品で全く品の無い女の子と其んな服装を絵師運営一丸となって考え付いたり、絵と二次元娘にして世に送り出す才能なら、確かに、抜きん出てるよね、アバズレーン(※…これを褒めて居る事にしたければ、そうすれば良い)。
…ブルーエンジェルもブルーガールもブルーメイデンも品があるよね(アレのKAN-SENと比べて)。 …そうじゃ無ければ、兄貴とスペクターが……いや、あの人達は何があっても『財前葵が財前葵である限り』逃げないよな。愛が大和型の排水量より重い漢達である(※感動出来る結論)。
…こんな人達にも勝るとも劣らないように、私も、例のウェイン兄弟に対して、紀伊型並排水量の愛を捧げ続けたいと思います(※…因みに、紀伊型戦艦は起工する前に建造自体が無しになったので、実際の排水量:0tです)。
…良く考えたら(※…良く考えなくても)、一人の人間がどんなに変わり果てようとも、それでも、其の人を、変わらず、愛し続けるのは凄いぞ(※…ワイには、如何足掻いても無理)。
…文ストのキャラは皆、服装も中身もオシャレで上品だから、品性について考える上で参考になる(※…だが、アルの方はそうでも無い)。
…文詐欺は、『草野心平と言う名の人虎君(※…美少女じゃないけど、中国でも人気がある銀髪)擬き(※可也見た目が似てる)』が居る時点で…(※死)、
…他にも、文スト中也の帽子をそっくりそのまま同姓同名の別人に持って来たりとかな、文詐欺は凄ぇよ(褒めてる)。
〜節分〜 ウェイン兄弟「…鬼は外!鬼は外!鬼は外ォ!(無☆職☆王と互いに豆を弾幕の如く投げ付ける 」無☆職☆王「…鬼は外!鬼は外!鬼は外ォ!(…おい、福は内も言えよ)」 ※…其の様は、まるで敵機を撃墜せんとす対空火砲のようだと目撃者(←※…具体的に誰?)。
…天人天女の服って具体���な資料無ぇ〜〜(※…一応、ちゃんと調べるようにしとるで)。
…最近の深海人形、塾ネタをまとめた記事が人気らしいね。これ絶対ストーカー型閲覧者が居るだろ、キモッ!(※エゴサして来た)
…塾の虎丸?莫迦だから嫌い(※とっととくたばれ池沼野郎 しのぶさんのような満面の笑みで)
…塾の話してあげたのに……喜ば無いんですか?(※しのぶさん並上目遣い)
こいつ様「…あ、やっと死んでくださいました?良かった。(しのぶさん並)」>元��推しへ
…高次異層次元の音色、聞いた事ある?(※…そうだよ、高次の異層次元はすぐ君の隣にある)
…格ゲー視聴勢おばさんやらて占い師とは名ばかりの詐欺師で其の上偽善者おばさんみたいなおばさんには、ワイならないゾ〜!(※魂の後生にかけた誓い)
…まだ生きて居る穂村と死後の遊作(※天人天女パロ外伝作)。
…高次元&高密度弾幕(マニアック)シューティング!(※作ってみたい)。
…私は 『 #毒親デスノート 』しよ(※下衆顔)
…皆、死ねば良いし、殺されれば良いし、いざとなったら殺し合えば良い。拙作での鉄則です(※…拙作で嫁推しは、此の法則で動いています)。
…毒親を合法的に殺す為の研究(※たーのーしーいー)。
…『攻めをさりげなくブッ殺す食材をさりげなく食わせるBL(※愛情100%)』とか��行ってる筈なのに(※…何故、流行んないんだろうね?)。
… #旦那デスノート の本家サイトが酷過ぎて寧ろ爆笑(※…此のサイトのおばさん達、ガチの犯罪者が多いね笑)。
…信シェフ一読以来、『ナツメグを大量に食わす奴は最低(※…実際、作中でしてたのは毒殺と言うかガチの暗殺)』って学んだけど、こうも旦那を合法的に殺そうとするおばさん達が活用しとるとは……(※…因みに親も人間である限り殺せるよ!有難いね!!)。
…ストロングZEROさん(…と其れの製造元のサン⚪︎リーさんと其の類似品の他製造元 へ、父親と社会の屑共を効率的に殺してくれてありがとう…………(※←某デュエリスト蟹に見せたいつぶやき)。
…結局、「…御前それ、大東亜戦争で散った英霊達に同じ事言えんの?(※銃殺刑不可避 」案件(※莫迦は死んだ方が良い)があった(※報告)、
…逆に、最低過ぎて、心の中でwwって笑った(※…分かり易い、旦那より女の方が最低なパターン)。 ttps://danna-shine.com/note-103348
…福岡では、度々大虐殺が起こるから仕方無い(笑)
…何れだけ、嫁推しが死のうが、不幸になろうが、「…イエス・キリストを信じない輩なんて、如何死のうが関係無いし、どうでも良い(※イエス様を信じないし、弱いからそうなるのよ ※高嶺響並感)。……で、一蹴出来るから、…じゃけん、皆様で、イエス様を信じましょうね〜〜(※可也無理矢理な宣教)、
…だけど、キリストを信じてる嫁推しが死んだ場合も「…同胞よ、貴方が此処で死のうとも、主なる神は天の御国で貴方を祝福して下さるであろう(※黙祷)。」で終わるから、…強い!!(※確信)
…他には、靖国神社、阿弥陀様…と言う、別の『救済処置』が設けられて居る場合がある(※…本当に救済されるかは…?と教会は言う)。
…旦那を殺したい奥さんに、適当に自動小銃(※…なるべく軽くて反動が無い扱い易いの)を持たせて、「…殺して良いんだよ(※好きに殺して見て御覧)」…って言ったら、如何出るかが見たい(※…それから、さりげなく奥ゆかしく?背後から撃って殺すタイプも出て来るやろうしな)。
…多少以上の戦争、銃器耐性とグロ耐性付いたの、『時雨沢作品の御蔭(※…矢張り一番はキノの旅…)』…って言う、オタク(※割と居る)。
Q.脹相「…勝つには、如何すれば良い?(※…尚、此の場合、戦術的勝利では無く、戦略的なものとす)」A,…先ず、呪術高専内で殺し合いをさせれば良い(※同士撃ち誘発作戦が有効 ※……そして、補給は全て敵地での掠奪で賄うべし ※←重要)
…遊戯王ネタを投稿するよりも毒親デスノートネタを投稿するの方が楽しい(←※死ねこいつ様)。
…一般的に考えて、『遊戯王ネタ』より、『毒親デスノートネタ』の方が人気あるだろうし、需要あるだろうな……(※遠目)。
…SEVENS始まる前に死んでたらすまんな…御悔やみ申し上げてくれ……(※…そうじゃ無くても、普通に、御悔やみ申し上げてくれ…… …人としての礼儀でもあるから…)。
キャノンダンサーの彼奴「…呼んだ?(※…矢鱈、マニアックなネタ ※麒麟が来た)」
…狄の皆さんに、…又、会いたいですよね?(※…それから、会ってみたい人も居るよね?)
…露出が多かったり、扇情的過ぎたりする服は、基本、堪らなく耐えられ無い程恥ずかしくて着ない性格の子にさ、そう言うのを、敢えて着て貰いたい(※…だが、それを人は嫌がらせと言うのだ…… ※当たり前)……、
…で、…上(↑)の呟きで、ワイが想定してんのは、蟹とかタイツマンみたいな、苦痛慣れはしてるけど、快楽慣れはして無いような青年だけどな…!!(※爆弾投下)
…愛国の為に戦って居るけど、もうしんどいから御国の為に自殺するね(※大義語)。
…もう神は何処にも居ない。だが神居(カムイ)は居る(※カムイの末裔・キャッチコピー)。
…若くして死ぬ、喜びを(※鬼舞辻無余涅槃・キャッチコピー)。
……榊遊余涅槃(※神仏習合の趣)。
…100日後に死ぬ筈の鰐を、殺して鰐肉料理にして、其の皮をバックか財布にでもしてやる(※…此の私がして良いですか?)。
…100日後に死ぬ筈の鰐…、皆であの鰐を食肉にして、鰐肉料理を食べようね……(※…そして、皮を鰐皮製品にしてメルカ⚪︎でハンドメイド商品にして売りさばこうね…)、…鰐君…、…これで死に怯える事無く、安らかに(※全然安らかなどでは無い)あの世に行けて良かったね…(※最低のヒト科で並感)。
…札幌では、鰐肉の焼肉が出来る所があるらしい…(※付け焼き刃の知識)。
…鰐肉食べたい、鰐皮欲しい、私のようなヒト科の野蛮生物共が、徒党を組んででも、鰐を狩ろうとすると、『11匹の猫』ならぬ『nm匹の人類』になる(※…矢張り、見るからに、蛮族過ぎた…)、
…『鰐肉を食いたい』より『狩りがしたい(…そして、戦利品として皮が欲しい)』みたいな蛮族(※…確かに、ヒトと言うより鬼かもしれ無い)
…人類滅ぶべし、慈悲は要らない(※…以上の結論)。
Q.…でも、どうせ、ヒト科は地球史上最低最悪の生き物!地球をジワジワ悪魔のように殺す癌細胞!人類廃滅!人類滅ぶべし、慈悲は無い(忍殺)したいだけだろ?(※人間の取るに足りない屑から死んで行けば良い ※満面笑)A,…そうだよ(※迫真)。
…どうせ、100日後に死ぬ定めなのなら…今、此処で、殺してやるのが、せめてもの、慈悲…(※岩柱並)、
…動物、大好き(※…食べると美味しいから ※野蛮人並の理論)。
…世界!蛮族発見!(※…今も尚、キリが無い)
旧約は残酷だが偉大な書物であり、新約は慈悲深い偉大な御言葉である。
…キリストは人身御供を許さない。…だが、ユダヤ人にとっての神は違う。…だから、『燔祭(※ホロコースト 』と言う言葉がある(※タナハと新約の間)。
0 notes
Text
英雄と想い人
ケイ���ェナSS。 ※ 性的要素ありなので苦手な方はご注意ください。
【破り取られたメモ】 第四紀201年, 黄昏の月 2日 深夜 夢を見た。彼女の姿が頭から離れない。 ヴァーミルナの影響だろうか?いやそんな筈はない。夢の内容は悪夢ではなかった。もっと、甘美な――。 頭を冷やすためにこれを書いている――いや彼女に見られては事だ。この頁は破って暖炉にくべておこうか? この年齢になって、数十年前にとうに過ぎ去った思春期のような思いをしている。どうしたらいいのか分からない。 マーラに祈るべきなのだろうか?私自身が今、マーラの使者としてスカイリムを回っているというのに! ああ、賢きジュリアノスよ。どうかこんな時にこそ冷静に思考する力を授けてください。 彼女は旅のパートナーであり、よき友人だ。彼女の笑顔、凛とした声、華奢な手足……夢の中で彼女の指が、唇が私に触れた。優しく撫でられて、そして……。 彼女の全てが眩しく見える。目を閉じてその姿を思い浮かべるだけで胸が苦しくなる。 彼女が私と同じ気持ちだったらどんなに幸せだろうか?だがそんな保証はどこにもない。 自分で自分が嫌になる。とても冷静ではいられない。思いつめた結果、おかしな事をして彼女を傷つけたくないんだ。私は――。 (ページが破られ、文はここで途切れている) ---------------------------------- ---------------------------------- スカイリムの北東部にある港町、ドーンスター。ふた月ほど前までは悪夢を司るデイドラ、ヴァーミルナの術に町全体が悩まされていたが、今ではすっかり平和になり、人々の顔色にも生気が戻っている。 アルトマーの魔術師ケイモアが、マーラの司祭エランドゥルと共にヴァーミルナの神殿に入り、元凶となっていたデイドラアーキテクトを破壊したことで、町が長く苦しめられてきた悪夢の日々はようやく終わりを告げた。 その後もアルトマーはたびたび町を訪れ、人々の悩み事を嫌な顔ひとつせずに聞き、次々に���決していった。賊に奪われた宝を取り戻し、長年探し求められていた貴重な書物を見つけ……といった具合に。ケイモアはスカイリム中を旅しているため、時には依頼を受けてからひと月ほど経った頃に届けに来るということもあったが、堅実に仕事をこなすこのお人好しで働き者のアルトマーに、人々は好感を抱き、尊敬の念を込めて「ドーンスターの英雄」と呼んでいた。 ケイモアはスカイリム中の各ホールドで分け隔てなく人助けをして回っていたが、ドーンスターは魔術師たちの学び舎、ウィンターホールド大学に程近かったため、彼の主要拠点の一つである大学経由で行き来をする際には、よくこの海岸沿いの町の宿を利用していた。 果たしてその日も、彼は従者である傭兵ジェナッサを連れて、双子の月が夜空に輝き始める頃にドーンスターを訪れた。真っ直ぐ宿屋に入り、雪道を歩いてきたと話しながら疲れた様子でカウンターの椅子に腰掛けた彼は、ハチミツ酒とチーズにパン、鹿肉のソテー、リーキのグリル、それからリンゴを注文する。ジェナッサと和やかに話しながら、金貨を惜しまないたっぷりの食事を楽しんだ。 食事を終えて休んでいる頃合に、主人から泊まっていくかと問われ、勿論だと優しく微笑む。宿泊代金のセプティム貨をカウンターに置き、案内された部屋にジェナッサを連れて入っていった。 彼は、彼自身が思っているよりも人々から興味を持たれていた。特に、恋愛的な意味合いにおいて。筋肉質で高身長の恵まれた体格の彼が、見た目に反して温和な性格であることが、ドーンスターの女性たちの注目を集めた要因のひとつだった。 彼の側から片時も離れない、ダンマーの女傭兵ジェナッサの存在が、女性たちが彼に言い寄ることを思いとどまらせてはいたが。 果たして、ケイモアとジェナッサは連れ立ってスカイリムを旅しており、息がぴったりの名コンビだと噂されていた。これだけ仲の良い二人が未だに男女の仲になっていない事については、皆が不思議に思っているほどだった。原因は種族の違いによるものだとか、身分差があるからだとか、勝手な噂を流されてはいたが。 案内された宿の個室にはシングルベッドがひとつしかなく、ジェナッサはそのことを確認すると、慣れた手つきで石の床にベッドロールを敷き始める。ケイモアは申し訳無さそうにジェナッサに声を掛けたが、ジェナッサは首を横に振る。鎧を脱ぎ、下に着ていた楽な服装に変わると、早々に毛皮のベッドロールにもぐりこんでしまった。 それを見たケイモアも諦めた様子で上着を脱ぎ、ベッドにかけられた毛皮の上から丁寧にかける。そのまましばらくベッドの上に腰を掛けて、その日の旅の記録を手帳に書き付けたりしていたが、眠気に襲われたのか大きな欠伸を一つすると、手帳を閉じてベッドの中に入った。 そのまま二人は少し話をしていたが、日付が変わる頃に、ようやく眠りについた。 -------------------------------------- ベッドの傍らに気配を感じ、ケイモアは目を覚ます。
「……ジェナッサ?」
ベッドロールで眠っていた筈の彼女が、いつの間にか起き出してきたらしい、とケイモアは気付く。 彼女は昔から傭兵稼業を生業にしている。主人の護衛にかけては、平常時や戦闘中だけでなく、就寝中も得意だと話していたことを思い出す。
「どうした?何か異常でも……」
夜中の町に襲撃があったら、起きて戦わなければならない。ドラゴンや吸血鬼が襲ってきたとしたら、町の守りは衛兵達だけでは心許ないだろう。 身を起こしかけたケイモアの肩に、ジェナッサの指が優しくかかった。
「シーッ。あなた。じっとしてて」 「ジェナッサ」
触れられた箇所から、じんと甘い熱が伝わる。するり、とジェナッサの脚が毛皮を掻き分け、ベッドの中に入ってきた。彼女の脚が衣服の布越しに触れ、ケイモアは彼女が何も身に着けていないことに気付く。
「……」
自然な動作で筋肉質な腕を伸ばし、彼女の裸の肩を抱き寄せた。
「ケイモア」
ジェナッサはクスクスと笑いながら彼のベッドにもぐりこむ。両腕で強めに掻き抱くと、彼女の笑い声はいっそう楽しげに響く。 いつの間にかケイモアも一糸まとわぬ姿になっていた。 ジェナッサを仰向けにベッドに押し倒した格好で、ケイモアが覆いかぶさり、彼女の真っ赤な瞳を見つめて囁く。
「ジェナッサ。好きだ」 「私も。好きよ」
愛の言葉を紡ぐ唇に、ジェナッサが下からふわりと口づけると、不意に二人の体勢が逆転した。 今度は仰向けでベッドに横たわるケイモアの上に、蠱惑的な笑みを浮かべたジェナッサが跨る。 しなやかで丸みのある腹部の上に、形の良いふたつの膨らみが見える。下から乳房を見つめるケイモアの視線に気付くと、ジェナッサは悪戯っぽく笑った。
「いい子ね。目を閉じて、そう。楽にして」
ケイモアが言われるがまま目を閉じると、下半身に強い快感を覚えた。ジェナッサが彼のペニスに手を掛け、緩く扱き、そして先端にキスをする。
「ああ!愛してる……」
彼女の甘い手つきに合わせてぶるりと腰を震わせ、精を放った。 -------------------------------------- 下着の違和感に気付いて目を覚ます。 精を吐き出した快感でぼんやりしていた頭が、事態を把握して急速に醒めていく。
――しまった、何ていうことを。
想い人との甘い夢は、多くの人にとっては幸せなことだが――真面目な性格の彼にとって、たとえ夢の中であっても、未だ付き合ってすらいない女性についてそのような扱いをすることは、許されてはならないことだった。 部屋の床に目をやると、ベッドロールにくるまってジェナッサが平和な寝息を立てている。何も異常はない静かな夜だ。 彼女の寝姿を見ているうちに、ふと夢の内容を思い出し、胸が苦しくなる。息が詰まり、下半身に疼きを覚えた。
――駄目だ、とにかく下着を替えないと。
枕元に置いた鞄を手探りで開け、替えの下着を取り出し、袖の中に入れる。重い毛皮をめくり、そっとベッドから抜け出した。ジェナッサを起こさないように忍び足で部屋を出る。 宿の主人のソーリングがまだ起きていて、明日の朝食で出すスープの仕込みをしていた。
「おや。魔術師の旦那。どうしたね」 「ちょっとおかしな夢を見てね……汗をかいたので着替えたいんだ。従者を起こしてしまいそうだから、場所を貸してくれないか」
ケイモアの言葉を聞いて、ソーリングの顔がさっと青ざめる。
「もしかしてまたヴァーミルナのせいで悪夢を見たっていうんじゃないでしょうね!やっと騒動に片がついて、行商人や旅人が泊まってくれるようになってきたってのに……」
高い声を上げる主人を手で制し、なだめる。
「シー。大丈夫だ。私が少し疲れていただけで……ヴァーミルナのせいじゃない。彼らの聖堂に行って来た私が言うんだから、安心して」 従業員用の部屋を借りて下着を替え、上着を着込むと、ソーリングには「夜風に当たってくる」と説明して外に出た。ちらほらと雪が舞う中、船着場の水に手をつけると刺すように冷たい。自らの精液で汚れた下着を洗いながら、言いようのない脱力感と、夢から醒めきらないようなふわふわした気持ちに囚われる。
「ジェナッサ……」
彼女の名を呟くと、白い吐息が顔の前をよぎる。
――極寒の夜中に背中を丸めてこそこそと下着の洗濯をするだなんて、情けない。とんだ「ドーンスターの英雄」だ。
あらかた濯ぎ終え、苦笑しながら立ち上がる。 寒空の下に出たことで頭が冷え、多少冷静さを取り戻していた。 ――この想いを隠し続けることは、きっと出来ないのだろう。
いつも傍らにいる存在だというのに、彼女を遥か遠くに感じる。胸にズキリとした痛みを覚えながら、宿屋の寝室へと戻るために踵を返した。
1 note
·
View note
Text
深川怪談2017 「お化けの棲家」お化け詳細情報
2017年8月20日、深川江戸資料館夜間特別開館「お化けの棲家」終了致しました。ご来場の皆様、ありがとうございました!今年の江戸の町並みに潜んでいた妖怪は全部で17箇所、以下のようなものがおりました。
1.「鍋の付喪神(つくもがみ)」…八百屋の台所 2.「ハサミの付喪神(つくもがみ)」…舂米屋の座敷、箪笥の上 3.「五徳猫(ごとくねこ)」…舂米屋の座敷、長火鉢の前 4.「河童(かっぱ)」…猪牙舟の船縁*深川に伝承あり 5.「毛羽毛現(けうけげん)」…船宿「相模屋」の中庭、手水鉢の横 6.「傘化け(かさばけ)」…船宿「升田屋」の玄関 7.「がんばり入道(がんばりにゅうどう)」…船宿「升田屋」の便所、便壺の中 8.「三つ目小僧」…火の見櫓の下*深川に伝承あり 9.「深川の海坊主」…火の見櫓の裏、掘割の上*深川に伝承あり 10.「なき茶釜」…水茶屋の茶釜の上*深川に伝承あり 11.「蔵鬼女」…舂米屋の土蔵、階段裏*本所に伝承あり 12.「しょうけら」…長屋「於し津」の屋根、明かり取りの窓の上 13.「かいなで」…長屋共同便所、便壺の中 14.「家鳴り(やなり)」…長屋「木場の木挽き職人 大吉」の床下 15.「木枕」…長屋「舂米屋の職人 秀次」の部屋*深川に伝承あり 16.「狂骨(きょうこつ)」…長屋井戸の中 17.管狐(くだぎつね)」…お稲荷さんの祠横 以上、17カ所でした! いかがでしたでしょうか?アンケート等で「潜んでいた妖怪の解説を」というご要望が多数ございましたので、追記させていただきます。(『日本妖怪大辞典』村上健司編著角川書店版他より)
1.+2. 付喪神(つくもがみ) 九十九神とも表記される。室町時代の『付喪神絵巻』によれば『陰陽雑記云器物百年を経て化して精霊を得てよく人を化かす是を付喪神と号といへり』という巻頭の文がある。煤祓で捨てられた器物が妖怪となり、物を粗末に扱う人間に対して仕返しをするという内容だが、古来日本では器物も歳月を経ると、怪しい能力を持つと考えられていた。『絵画に見えたる妖怪』吉川観方 ちなみに、これらの付喪神は深川江戸資料館の壊れて廃棄処分になった展示物を再利用して作られています。展示物を粗末に扱って壊せば妖怪となる?!実物に触れる体感展示がこちらの資料館の売りではありますが、化けて出ぬよう大切に扱っていただきたいものです。
3.五徳猫(ごとくねこ)
五徳猫は鳥山石燕の『図画百器徒然袋』に尾が二つに分かれた猫又の姿として描かれており、[七徳の舞をふたつわすれて、五徳の官者といいしためしもあれば、この猫もいかなることか忘れけんと、夢の中におもひぬ]とある。『鳥山石燕 図画百鬼夜行』の解説によれば、その姿は室町期の伝・土佐光信画『百鬼夜行絵巻』に描かれた五徳を頭に載せた妖怪をモデルとし、内容は『徒然袋』にある『平家物語』の作者といわれる信濃前司行長にまつわる話をもとにしているとある。行長は学識ある人物だったが、七徳の舞という、唐の太宗の武の七徳に基づく舞のうち、2つを忘れてしまったために、五徳の冠者のあだ名がつけられた。そのため、世に嫌気がさし、隠れて生活するようになったという。五徳猫は、このエピソードと囲炉裏にある五徳(薬缶などを載せる台)を引っ掛けて創作された妖怪なのであろう。(『鳥山石燕 図画百鬼夜行』高田衛監修・稲田篤信・田中直日編)
4.河童(かっぱ)*深川に伝承あり 全国各地でいう水の妖怪。河童という呼称は関東地方の方言カワッパが語源だと言われている。地方によりさまざまなよび名があり、大別すると、水神を思わせる名前の系列、子供の姿を強調した名前の系列、動物の名前に近い名前の系列、その他の計4つに分けられる。 水神系には、東北地方のメドチ、北海道のミンツチなどがあり、���供の姿系には、関東地方のカッパ、カワランベ、九州地方のガラッパなどが入る。動物系には、中国四国地方のエンコウ(猿猴)、北陸地方のカブソ(川獺)、カワッソーなどが挙げられる。その他、特定の信仰に関わるものとしてのヒョウスベ、祇園坊主(ぎおんぼうず)、身体の特徴からのサンボン、テガワラなどと、上記3つの系列に入らないものがある。 姿形についても、地方によって相違があり、頭に皿が無いものや、人間の赤ん坊のようなもの、亀やすっぽんのようなものと、実にさまざまに伝えられている。 起源についても、草人形から河童になったとする説、水神が信仰の対象から外されて零落して河童になったとする説、アジア大陸から渡来して土着したとする説など諸説ある。 人に憑く、物に変化する、人間の作業の手伝いをするなど、地方ごとに河童の特徴は異なるが、ほぼ共通していることは、大の相撲好きであることと、胡瓜(きゅうり)などの夏野菜や人間の肝、尻子玉が好物だということだろう。 人間の肝をこのむというのは、昔の人たちの観察力によるものらしい。溺死した死体は腹が膨れて肛門がポカンと開いてしまうといわれる。このようなひどい姿を見て、河童が手を入れて内蔵を引き出したと人々は想像したのだろうといわれている。河童の凶暴性は水難事故の恐ろしさに起因するといっても過言ではないようである。また、相撲や胡瓜を好むのは、河童が水神としての性格を有していたことにほかならない。かつての相撲は神事であり、端午の節句や七夕あたりに行われ、東西の土地の代表者が豊凶をかけて争った。相撲は神と精霊との争いを表しているともいわれ、神が水の精霊を打ち負かすことにより、農耕に欠かせない水の供給を約束させるのだという。胡瓜などの初なりの野菜も、水信仰に欠かせない供物だった。このことからみても、河童が水神として信仰の対象になっていたと考えられる。 古(いにしえ)の水に対する信仰と、近代までの民間信仰とが複雑に絡み合い、無数の枝葉にわかれているので、一口に河童は稿であるとはいえないのが現状だろう。 深川ではカッパは、仙台堀と木場の2箇所で捕獲されていたという。仙台堀では伊達候の蔵屋敷で河童を撃ち殺して塩漬けにしたという。仔細は、伊達候の屋敷では子供がよく水難事故に遭う。怪しむべしということで、堀の内、淵ともいえるところを堰き止めて水を干したところ、泥を潜って風のように早い何かがいて、ようやく鉄砲で撃ち仕留めたという。木場入舟町では、この辺の川で水に入ると引っ張り込むものがいる。木場のいなせな兄いが捕らえてみると河童。この水辺の者には、二度と悪さをしないと詫び証文を書かせて手判を押させて許したという。(『河童の世界』石川純一郎、『河童』大島建彦編、『神話伝説辞典』朝倉治彦・井之口章次・岡野弘彦・松前健編、『総合日本民族語彙』『民俗学研究所編、『日本未確認生物辞典』笹間良彦、『日本妖怪変化語彙』日野巌・日野綏彦、『耳袋』根岸鎮衛)
5.毛羽毛現(けうけげん) 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』にけむくじゃらの妖怪として描かれたもので、[毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふか。或は稀有希現とかきて、ある事まれに、見る事まれなればなりとぞ]とある。毛女とは中国の仙女のことで、華陰の山中(中国陜西省陰県の西の空獄華山)に住み、自ら語るところによると、もともとは秦が亡んだため山に逃げ込んだ。そのとき谷春という道士に出会い、松葉を食すことを教わって、遂に寒さも飢えも感じなくなり、身は空を飛ぶほど軽くなった。すでに170余年経つなどと『列仙伝』にある。 この毛羽毛現は家の周辺でじめじめした場所に現れる妖怪とされるが、実際は石燕の創作妖怪のようである。(『鳥山石燕 画図百鬼夜行』高田衞監修・稲田篤信・田中直日編)
6.傘化け(かさばけ) 一つ目あるいは二つの目がついた傘から日本の腕が伸び、一本足でぴょんぴょん跳ねまわる傘の化け物とされる。よく知られた妖怪のわりには戯画などに見えるくらいで、実際に現れたなどの記録はないようである。(『妖怪学入門』阿部主計)
7. がんばり入道(がんばりにゅうどう) 加牟波理入道(がんばりにゅうどう)雁婆梨入道、眼張入道とも書く。便所の妖怪。 鳥山石燕の『図画百鬼夜行』には、便所の脇で口から鳥を吐くにゅうどう姿の妖怪として描かれており、[大晦日の夜、厠にゆきて「がんばり入道ホトトギス」と唱ふれば、妖怪を見ざるよし、世俗のしる処也。]とある。 松浦静山の『甲子夜話』では雁婆梨入道という字を当て、厠でこの名を唱えると下から入道の頭が現れ、その頭を取って左の袖に入れてまた取り出すと、頭は小判に変化するなどの記述がある。「がんばり入道ホトトギス」と唱えると怪異に会わない、というのは江戸時代に言われた俗信だが、この呪文は良い効果を生む場合と禍を呼ぶ場合があるようで『諺苑』には、大晦日にこの諺を思い出せば不詳なりと書かれている。 村上健司著『日本妖怪大辞典』より「加牟波理入道」の項より抜粋
8.三つ目小僧(みつめこぞう)*深川に伝承あり 「海からの声」明治33年永代町生まれの伊東進一郎さんの談話 十二、三才の時でしたね。釣りに行っての帰り、お台場を通る頃には暗くなっちゃう。そうすると、「オーイ、オーイ」と声が聞こえるんです。だんだん近づいてくると、船頭が「口を聞くんじゃない」と言って、用意してきた、底の抜けた杓とか土瓶の底のないやつをほおるんです。そうすると、みんな沈めたと思って、声が聞こえなくなる。永代橋に来ると、みんなホッとしましたね。海坊主だとか、海で死んだ人の怨念だとか言われましたけど、今考えてもわからないです。 それから、人魂を永代二丁目のところでみました。もう一人いたんですけど、片っ方は腰抜かしちゃった。まだあります。うちのおばあちゃんが、渋沢倉庫の横の河岸っぷちの柳の植わっているところから。川を見ている女の人に「ねえさん、何やってるんだ」と言ったら、のっぺらぼうなので、腰抜かして、熱出して、しばらくして死んじゃった。背中からおんぶされて、みたら三つ目小僧だって、そういうの本当にあったんです。 (江東ふるさと文庫『古老が語る江東区のよもやま話』より)
9.深川の海坊主(うみぼうず)*深川に伝承あり これは、母から聞いたものだが、深川一帯では桑名屋徳蔵が有名であったらしい。彼は深川の何処かの掘割の岸で廻船問屋をやっていた。若い衆の数も多く、繁盛していた。ある年のおおみそか、大事なお客から今夜中に荷を運んで欲しいという伝言があった。だが、深川のあたりでは大晦日の夜はあの世のご先祖様たちが、お盆とお同じように家へ帰って家族と元旦の雑煮を祝うと信じられていた。こういうわけで、川で死んだ人の霊も水から上がって来るので、その邪魔をしてはならないと、大晦日の夜は船を出すのを厳禁していた。 徳蔵は日頃恩になっているお得意だから、そんな迷信に構っちゃいられないと考えたが。若い衆はみんな休みを取って出払っていたので、若い女房の止めるのも聞かずに船を出した。 ところが、しばらく漕いで行くと、川いっぱいに大きな山がぬーっとせり上がってきた。豪胆な徳蔵は「しゃらくせえ真似をしやがる」と叫んで、その山へまともに船をぶっ���けた。その途端に、山はスーッと煙のように消え徳蔵はなお船を進めて行った。が、今度は舳先の川面に大きな海坊主が現れてケ��ケタと笑った。海坊主とは、首から上が目も鼻もない真っ赤な大入道で、胴体はこれも真っ赤なマントをきたような血の袋が水の上ににょきっと立ち上がっていたらしい。徳蔵は舳先に走って行って海坊主を棹で叩きのめした。海坊主はぎゃっと言って、血しぶきをあげながら川の底へ沈んでいった。だがそれをきっかけに、船のまわりに大小の海坊主がニョキニョキ現れて、声を揃えてケタケタと笑った。徳蔵は夢中になって駆け回り、片っ端から海坊主を叩きのめした。 その頃、留守宅では女房が急に癪を起こして苦しみ始めた。幸いにも表の通りから按摩の笛が聞こえてきたので、子供に呼ばせた。按摩は鍼を打たなければいけないといって、たくさんの鍼を畳の上に並べた。女房は按摩がいい男なのに安心して鍼を打たせたが、鍼を打つたびに血がパッと天井に跳ね上がり、梁の上で小さな海坊主になってケタケタト笑った。仕舞いには梁の端から端まで海坊主が並んでしまった。 徳蔵が仕事を終えて帰ってきた時には、女房は全身の血を失って白蝋のようなむくろになっていた。 田辺貞之助『江東昔話』より
10.心行寺のなき茶釜(なきちゃがま)*深川に伝承あり 『深川心行寺の泣き茶釜』 文福茶釜は「狸」が茶釜に化けて、和尚に恩返しをする昔話でよく知られている。 群馬県館林の茂林寺の話が有名だが、江東区深川二丁目の心行寺にも文福茶釜が存在したという。 『新饌東京名所図会』の心行寺の記述には「什宝には、狩野春湖筆涅槃像一幅及び文福茶釜(泣き茶釜と称す)とあり」 とある。また、小説家の泉鏡花も『深川浅景』の中でこの茶釜を紹介している。 残念ながら関東大震災(1923)で泣き茶釜は、他の什宝と共に消失してしまい、文福茶釜(泣き茶釜)という狸が化けたとされる同名が残るのみである。文福茶釜という名前の由来は煮えたぎる湯の音がそう聞こえるという説や福を分けるという説がある。
11.「蔵鬼女」*本所に伝承あり 『十方庵遊歴雑記』「本所数原氏石庫の妖怪」に載る話 本所二つ目の相生町と緑町との境にある横町に、数原宗得(すはらそうとく)という五百石二十人扶持の御典医が住んでいた。 屋敷には石でできた立派な蔵があったのだが、蔵の中で尿意を我慢すると小女や小坊主、傘お化け、大ダルマ、鬼女、牛馬など、色々な妖怪が出現した。 また、近くで火災がある時は、夜に蔵の中で鉄棒を引いて歩く音がした。音が聞こえて家の者が用心していると、必ず近くで火災が発生し、数原家だけは火災の難を逃れた。 ある時、近隣で出火があり、道具類を蔵の中へしまおうとしていたところ、人手が足りずに困っていると、蔵の中から髪を振り乱した女の妖怪が現れ、積まれた品々を蔵の中へと運び入れた。この時も、数原家は類焼を免れた。
12.「しょうけら」 鳥山石燕『図画百鬼夜行』に、天井の明かり取り窓を覗く妖怪として描かれているもの。石燕による解説はないが、ショウケラは庚申(こうしん)信仰に関係したものといわれる。庚申信仰は道教の三尸(さんし)説がもとにあるといわれ、60日ごとに巡ってくる庚申の夜に、寝ている人間の身体から三尸虫(頭と胸、臍の下にいるとされる)が抜け出し、天に昇って天帝にその人の罪科を告げる。この報告により天帝は人の命を奪うと信じられ、対策として、庚申の日は眠らずに夜を明かし、三尸虫を体外に出さないようにした。また、これによる害を防ぐために「ショウケラはわたとてまたか我や土へねぬぞねたかぞねたかじねぬば」との呪文もつたわっている。石燕の描いたショウケラは、この庚申の日に現れる鬼、ということがいえるようである。(『衛鳥山石燕 図画百鬼夜行』高田衛監修・稲田篤信・田中直日編)
13.かいなで 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所へ行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。昭和17年(1942年)頃の大阪市立木川小学校では、女子便所に入ると、どこからともなく「赤い紙やろか、白い紙やろか」と声が聞こえてくる。返事をしなければ何事も無いが、返事をすると、尻を舐められたり撫でられたりするという怪談があったという。いわゆる学校の怪談という物だが、類話は各地に見られる。カイナデのような家庭内でいわれた怪異が、学校という公共の場に持ち込まれたものと思われる。普通は夜の学校で便所を使うことは無いだろうから、節分のよるという条件が焼失してしまったのだろう。しかし、この節分の夜ということは、実に重要なキーワードなのである。節分の夜とは、古くは年越しの意味があり、年越しに便所神を祭るという風習は各地に見ることができる。その起源は中国に求められるようで、中国には、紫姑神(しこじん)という便所神の由来を説く次のような伝説がある。寿陽県の李景という県知事が、何媚(かび)(何麗卿(かれいきょう)とも)という女性を迎えたが、本妻がそれを妬み、旧暦正月15日に便所で何媚を殺害した。やがて便所で怪異が起こるようになり、それをきっかけに本妻の犯行が明るみに出た。後に何媚を哀れんだ人々は、正月に何媚を便所の神として祭祀するようになったという(この紫姑神は、日本の便所神だけではなく、花子さんや紫婆(むらさきばばあ)などの学校の怪談に登場する妖怪にも影響を与えている。) 紫姑神だけを日本の便所神のルーツとするのは安易だが、影響をうけていることは確かであろう。このような便所神祭祀の意味が忘れられ、その記憶の断片化が進むと、カイナデのような妖怪が生まれてくるようである。新潟県柏崎市では、大晦日に便所神の祭りを行うが、便所に上げた灯明がともっている間は決して便所に入ってはいけないといわれる。このケースは便所神に対する信仰がまだ生きているが、便所神の存在が忘れられた例が山野理夫の『怪談の世界』に見える。同書では、便所の中で「紙くれ紙くれ」と女の声がしたときは、理由は分からなくとも「正月まではまだ遠い」と答えればよいという。便所神は正月に祀るものという断片的記憶が、妖怪として伝えられたものといえる。また、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文も、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えている。便所神の祭りで、紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、あるいは白と赤の男女の紙人形を便所に供えるという。つまり、カイナデの怪異に遭遇しないために「赤い紙やろうか、白い紙よろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は神様に供えるという行為なのに、「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったのではないだろうか。さらに、学校の怪談で語られる便所の怪異では、変化した便所神のほうから、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」とか「青い紙やろうか、赤い紙やろうか」というよになり、より妖怪化がすすんでいったようである。 島根県出雲市の佐太神社や出雲大社では、出雲に集まった神々を送り出す神事をカラサデというが、氏子がこの日夜に便所に入ると、カラサデ婆あるいはカラサデ爺に尻を撫でられるという伝承がある。このカラサデ婆というものがどのようなものか詳細は不明だが、カイナデと何か関係があるかもしれない。(『総合日本民族語彙』民俗学研究所編、『日本民族辞典』大塚民族学会編、『現代民話考七 学校』松谷みよ子、『民間伝承』通巻173号「厠神とタカガミと」川端豊彦)
14.家鳴(やなり) 家鳴は鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれたものだが、(石燕は鳴家と表記)、特に解説はつけられていない。石燕はかなりの数の妖怪を創作しているが、初期の『画図百鬼夜行』では、過去の怪談本や民間でいう妖怪などを選んで描いており、家鳴りも巷(ちまた)に知られた妖怪だったようである。昔はなんでも無いのに突然家が軋むことがあると、家鳴りのしわざだと考えたようである。 小泉八雲は「化け物の歌」の中で、[ヤナリといふ語の…それは地震中、家屋の震動する音を意味するとだけ我々に語って…その薄気味悪い意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語はもと化け物が動かす家の震動の音を意味して居たもので、眼には見えぬ、その震動者も亦(また)ヤナリと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な悪心が外から揺り動かすのだと想像していたものである]と述べ、『狂歌百物語』に記載された[床の間に活けし立ち木も倒れけり やなりに山の動く掛け軸]という歌を紹介している。(『鳥山石燕 図画百鬼夜行』高田衛監修・稲田篤信・田中直日編、『小泉八雲全集』第7巻)
15,木枕(きまくら) 昔三十三間堂近くに、住むと病気になる空き家があった。その家の持仏堂にあった木枕が妖をなすとわかり、荼毘にふしたら屍を焼いたのと同じ臭気がし、完全に焼けるまでの時間は人一人を焼き尽くす時間と同じくらいかかったという。
16.狂骨(きょうこつ) 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に井戸から立ち上がる骸骨姿で描かれているもので、【狂骨は井戸の中の骨なり。世の諺(ことわざ)に甚だし事をきやうこつといふも、このうらみのはなはだしきよりいふならん】と解説されている。肉の落ち尽くした白骨をきょう骨といい、神奈川県津久井郡では、すっとんきょうなけたたましいことをキョーコツナイと言う。狂骨という妖怪の伝承は無い事から、石燕が言葉遊びから創作したものと思われる。(『鳥山石燕 図画百鬼夜行』高田衛監修・稲田篤信・田中直日編)
17.管狐(くだぎつね) 長野県を中心にした中部地方に多く分布し、東海、関東南部、東北の一部でいう憑き物。関東南部、つまり千葉県や神奈川県以外の土地は、オサキ狐の勢力になるようである。管狐は鼬(いたち)と鼠(ねずみ)の中間くらいの小動物で、名前の通り、竹筒に入ってしまうほどの大きさだという。あるいはマッチ箱に入るほどの大きさで、75匹に増える動物などとも伝わる。個人に憑くこともあるが、それよりも家に憑くものとしての伝承が多い。管狐が憑いた家は管屋(くだや)とか管使いとかいわれ、多くの場合は「家に憑いた」ではなく「家で飼っている」という表現をしている。管狐を飼うと金持ちになるといった伝承はほとんどの土地で言われることで、これは管狐をつかって他家から金や品物を集めているからだなどという。また、一旦は裕福になるが、管狐は大食漢で、しかも75匹に増えるので、やがては食いつぶされるといわれている。同じ狐の憑き物でも、オサキなどは、家の主人が意図しなくても、狐がかってに行動して金品を集めたり、他人を病気にするといった特徴があるが、管狐の場合は使う者の意図によって行動すると考えられているようである。もともと管狐は山伏が使う動物とされ、修行を終えた山伏が、金峰山(きんぷさん)や大峰(おおみね)といった、山伏に官位を出す山から授かるものだという。山伏はそれを竹筒の中で飼育し、管狐の能力を使うことで不思議な術を行った。管狐は食事を与えると、人の心の中や考えていること悟って飼い主に知らせ、また、飼い主の命令で人に取り憑き、病気にしたりするのである。このような山伏は狐使いと呼ばれ、自在に狐を使役すると思われていた。しかし、管狐の扱いは難しく、一旦竹筒から抜け出た狐を再び元に戻すのさえ容易ではないという。狐使いが死んで、飼い主不在となった管狐は、やがて関東の狐の親分のお膝元である王子村(東京都北区)に棲むといわれた。主をなくした管狐は、命令するものがいないので、人に憑くことはないという。(『日本の憑き物』石塚尊俊、『民間信仰辞典』桜井徳太郎編、『日本狐付き資料集成』金子準二編著)
館内配置図はこちら。
5 notes
·
View notes
Text
穴を塞ぐ方法、あるいはそのバリエーションと結果ー5/6 ( 回想 3. 詩 )
(今までの投稿) 1/6 2/6 3/6 4/6
一つの作品の回想をしたい。
去年の7月、ブルックリン美術館にて開催された「Radical Women: Latin American Art, 1960–1985」というグループ展で観た、Poema ( Poem )という6枚組の写真作品について。ブラジル人女性、Lenora de Barros (b.1953~) によって1979年に作られた作品である。 (ネットでみれる作品画像はこちらから)。 Lenora de Barrosは言語学出身のヴィジュアル・ポエトリーの実践者として知られており、 Poema ( Poem )と題されたこの作品は、その初期の作品である。
同サイズの組み作品は、一見すると動作の連続性を思わせるが、確実な一筋の繋がりはみえず、彼女のメッセージは観客に積極的に委ねられている。ときにアーティストが選択する突飛な行動は、あえて社会的規範からはずれながら、笑いを誘いつつ本来の意図の過激さを一旦オブラートに包んでおくことがある。彼女の場合もその例に漏れず、「ほら、口紅をつける年頃の女がこんなふうにタイプライターを舐めちゃうよ」といわんばかりの口角の上げようでそれをやってのけ、そしてその裏に世の中への挑発と挑戦を潜ませている。いくつか彼女の意図と思えるようなことについて (作品の情報が少なく、多くは推測の域を出ないのだが)、そしてそこから連想する、何か新しいものが生まれる領域の、その確保の仕方について記録しておきたい。
観客はまず彼女の舌が二つの領域、 ⑴タイプする部分の、今でいうキーボード部分の文字と、 ⑵それを用紙に刻印するための活字部分、その両方にアクセスしていることに気付く。 なぜどちらかだけでなく、その両方だったのか。 そしてなぜこれがpoemと題される作品なのか。 そのあたりがこの作品を紐解くポイントであろう。
6枚の写真の一番上と一番下の写真は、一番上は舌が、そして一番下はタイプライターのキーが複数印字箇所に向かって集まっている状態が撮影されている。タイプライターは日本語圏にはあまり馴染みのない機械だが、今でいうキーボード部分の特定のキーを叩くと、それに対応した、先端に活字がついたアームと呼ばれる細長いパーツが中央に向かって動き、用紙の手前にあるインクリボンを通して紙に文字を印字するというものである。通常はもちろん1キーずつ印字するため、最下部の写真のようにたくさんのアームが集められた状態を作るには、わざわざ複数のキーを押す必要がある(よってこの写真のアームの動作は印字を目的としていない)。このタイプのタイプライターの動作としては、アームは印字するべき中央の一点に向かっていくので、複数集まるとこのような形状の集合体になるようだ。彼女はこのアームの集合体のゆるやかな三角形の形態と、自身の舌を、線対称に反転させて類似性を見出している。確かによくよく舌を見ると、束ねられたアームの連想にふさわしく、たくさんの突起物が表面に見て取れる。 またブラジルの公用語であるポルトガル語の舌を意味する línguaは(英語の tongueも)、ラテン語の「言語」という言葉を起源に持つ。よってその意味では彼女はタイプライターを機能させずともすでに舌に言語を有していることになる。ということは、にもかかわらず彼女は彼女の舌=言葉自体を直接タイプライターに接触させる必要があった。 さらにモノクロ写真を採用することによって、唇が縁取る肉感のある舌は、各アルファベットの白いキー部分が同じように黒く縁取られるさまと類似し、ここにだって言語はあるのだと強調する。舌は指先の代わりにキータッチをしようとし、活字部分に触れることで印字機能にもなんらかの影響をもたらそうとしているかのようだ。子どものイタズラともいえるようなそれらの行為は、タイプライターのもつ機能や活動をまるで妨害するかのように、言葉や文章が用紙に印字される過程にできるだけ割り込もうとしている。 そうやって彼女は舌とタイプライターの類似性を細かく見出しながら、機械の仕組みの中に自身の舌を割り込ませ、まるで存在の置き換えを試みるかのように、新しいシステムの書き換えを行なっていく。その様子は、おそらく社会にすでに出来上がっている(とされる)言語を生産する社会システムへの介入を目的にしている。
では舌を介して行うメッセージとはなにか。舌を介入したからといって、本人の発する言葉以上のものが宿る可能性はどこかにあるのだろうか。言葉とは、詩とは、結局どこに宿るものなのだろうか。
私は詩には明るくないのだが、彼女の作品が思い出させてくれるのは、ときに詩は論理的な理解によってのみ成立するわけではないということ、論理性を超えた理解の飛躍が起こりえるということである。 文章では記述できない、心に発生する「なにか」は、確実に詩 (的) なるものに向かい、そこに存在を発揮できる。そしてそういった詩 (的) なるものに確保された「なにか」のありようは、一見人とは共有できないかと思いきや、実はそういったものも強固に共有できる存在だということを、詩 (的) なるものはよくよく思い出させてくれる。またたくさんの国のたくさんの時代の節目、革命と呼ばれるようなものに詩が寄り添ってきたという事実について。それはおそらく従来の社会の理論やシステムが限界を迎え、無形の、まさにそのときに生まれつつある新しい理論やシステムが展開されるその前後・瞬間に、その革命を求める人々の「なにか」を表現するのは文章ではなく詩の方が得意だからなのではないかと、そう思っている。
彼女が自分の訴えを伝えるために、ただタイプライターを使うだけでは叶わない思ったのはなぜか。それはタイプライターで刻印された言語には自分の言葉は宿らない、もしくは十分でないと判断したに他ならない。そして逆にいうと接触するということ、あるいはその接触面におけるなんらかの作用に意義や可能性を見出しているということになる。
社会システムの大部分が男性によって作られてきたわけだが、彼女はタイプライターに直に介入することで、自分がそのシステムの生産過程に十分に含まれていないということを訴えているのだろう。発売当時は言語にまつわる新しい道具として生まれたタイプライターだが、彼女がこの作品を作った1979年にはすでに当たり前のものとなっている。とすると、彼女は彼女にとっての現在というよりむしろ、かつての知識に向けての更新としてもこの作品を作ったのかもしれない。歴史は未来から過去へ地殻変動を起こし、語られてこなかったものが掘り起こされうる。知識はそれによって良い方向にも更新されうるし、書き換える希望はそこにある。
悪戯げに口角をあげる彼女の口元の表情に戻りたい。その挑発的な態度を通した彼女の企みは、その勢いに反し、たった一台の小さなタイプライターに込めるにはあまりに大きな企てだ。せっかく触れた活字部分に託したものも果たしてインクリボンを通過できるかわからない。けれども美術作品とは不思議なもので、たった1つの作品空間内に世界の全てを内包することがあり、まるでそこで起きている現象が鑑賞している己を通して現実世界を変えてしまうようなことが起こることがある。少なくとも私にはこの物言わぬ静かなモノクロ写真から大音量の彼女の詩が響き、1979年から2018年に、そしていま2019年のこのテキストまで届いている。
彼女にとっての詩というものが写真というメディアを選んで表現されるその理由について、ネット上で観れる彼女の作品をみていくと、いくつか��作品からその特徴をみることができる。彼女にとっての言語活動とは、おそらく容易に届け入れられることはないだろうということを前提に展開されている。彼女の作品のなかに、音の反響しやすい空間の中で、SILENCEと一字ずつ印刷された紙を壁に釘で打ち付けるパフォーマンスがあるが、結果としての沈黙の存在の、過程に潜む大音響に人々は耳をすます。
社会におけるある仕組みだけを抽出し、その前提を問うだけのコンセプチュアルアートは、しばしばその瞬間のある立場におけるあるコンテクスト(だけ)が尊重されるあまり、物質としての貧しさに陥ることがあるが、彼女の場合は機械と身体の物理的接触とその抵抗感を写真を通して示すことでそれを回避している。さらにそれとは別に、ユーモアについても強調しておきたい。実際に見たことがある作品が1点のみという段階で判断するのは時期尚早ではあるが、見る限り、おそらく彼女自身の身体を用いながらシニカルに寄り過ぎない空気を作ることで、表現の貧しさを回避しているように思う。世の中の負の側面…あまりに個人という単位は小さいということ…うまくいかないこと…すぐには解決しそうにはない有形無形の諸問題…抗えない身体の老い…理想と完成の限界…などなど…。数々の世界の深刻さに対し、真剣かつ実直に扱うあまり、反転して人間の滑稽さが表にでる場合がある。その滑稽さは笑いを導き、人々の肩の力を抜き、真実をユーモアで中和する。
紡がれて活字になった言葉だけが事実ではない。たくさんの地殻変動で記述は変わり、記憶も認識も更新されていく。歴史に刻まれた活字だけを重んじても、また軽んじてもいけない。世界が偏っているからといって、沈んだ気持ちで生きる必要はないし、またフタをして見て見ぬ振りをしているだけでもいけない。
いま、西洋の白人中心社会が、ひとつのムーブメントとしてマイノリティーに目を向けてマーケットを開拓している真っ最中だ。女性、LGBTQ、ラテンアメリカ etc…。この一年だけでもむせかえるほどの量のマイノリティーの表現を観た。観ることができた。この作品が展示された展覧会、それを構成するにあたって中心となったハマー美術館のあるロサンゼルスは、去年の2018年、世界で初めて一年間の美術館における展覧会での出品男女比で女性が上回ったそうだ。記事
片方ではその希望と可能性が語られ、片方ではそれを白人(男性)中心社会が単にマーケットに必要とする、ひと時の・循環としてのムーブメントとして選んだだけのトピックでしかないと語られ、どちらの意見も真っ当に、各立場から正しい立ち振る舞いでもって存在している。真実はわからない。というよりむしろ、現代はすでにひとつだけの真実などないという状態こそを思考せよと求めている。光の当たっていなかった場所に焦点が当てられることで出会えることがあるのなら、私も彼女のように口角をあげ、未知の理論に笑いを含ませていきたい。
0 notes
Text
混乱する夫6
ふと時計に目を遣ると時間はさほど過ぎてはいなかったが、妻が隣町で食事をして帰ってきた時に平常心で迎えられるか心配になった。痴態を晒す姿を見て自分の性器も最大に伸長しており、それは妻の濡れそぼったそこをひたすらに求めていた。この興奮はすぐには収まらないものであることは明らかであり、妻が帰宅と同時に玄関でも即座に結合を求めてしまうだろう事を想像できた。 こうして映像が届いたということはいつか送信した加工済みのファイルが手元に送られることを予期させるので、それを待って犯人の追求にあたるまでは妻との今の関係を壊したくなかった。すでに妻が陵辱されているとしても、暗黙の内にこれが解決したなら自分の胸にこのことを秘めておくだけで妻を傷つけることをせずに済むと思われた。 自分への言い訳じみていることを情けなく思ったが、今打つ手がない以上、妻の帰宅で自分の様相を��せることは避けるべきだった。洗濯籠に投げたシャツを着ると、偶然その下にネットに入った妻の下着が目に入った。手に取りそれをみると、それは妻が先ほどの映像で履いていたピンクの下着だった。着替えるときにややうなだれた股間に再び血が登ってゆく感覚を感じるとそれを戻し、足早に家を出るのだった。 駅へと向かう路肩を歩いていると、前方でタクシーが客を降車させているところだった。あまり人を付近に寄せたくなかったのでやや歩速を早めつつライトの照らす範囲にはいると手を挙げて合図した。初老の感じのよい運転手にいつか妻の映像をみたインターネットカフェのある街を行き先に指定すると、流れる街路を眺めて気を鎮めようとしたが、先ほどのの妻と同じようなブーツを履いた女性を見ると、視線にゴーグルをかけたように妻の映像が浮かびその度に、視線を逸らしては気を鎮めるのだった。 運転手の経路選択が適切だったのか目的地にはさほどの時間がかからずに到着し、歩いてすぐのインターネットカフェに入店した。店は比較的空いており、付近に人のいないブースを選ぶことができた。 pcを起動するとUSBメモリからファイルを起動した。自宅で常用しているビューアーと異なる画面の操作に���惑いを覚えたが使い勝手はさして変わらず、スライダーの位置を動かすとすでにみた映像が早回しでダイジェストのように流れ、暗転したところでポインタを止めた。 やがて唐突に画面が明るくなると、妻の脚の位置が変わっている以外はさほど差のない映像が現れた。同じように股間は異物で塞がれており開いた脚はやや閉じていたが、肘まで下がり両腕を拘束していたブラウスはさらにその位置を下げ上半身は乳房の下に押し下げられたブラジャーにより上方に圧迫されその形をさらに豊かにみせている胸と、これも体にまとわりついているキャミソールのみとなっていた。 肌の露出面積が多くなったことは画面に白い肌を写す面積が増え、それがグレーのストッキングからブーツにグラデーションする様はおよそ妻の姿とは思えなかったが、その覆われた目を除けば髪型から優美な曲線を見せる肢体まで確かに妻であることに疑いはなかった。 表情はバンドに覆われていたので明らかでなかったが、自然に引かれた眉の線はハの字を描いており妻が表情を歪めていることが察せられた。 カメラが持ち上がると静かな中だったがカーペットフロアを踏みつける足音が聞こえ、それに反応���たのか妻は僅かに身じろぎした。家ではpcのスピーカーのためほとんど音は聞こえなかったが、ヘッドホンで聞けば環境音も聞こえそれが臨場感をさらに高めていた。 妻に接近したカメラから再び手が伸びるとそれは妻の手を取ると、胸の頂に物欲しげに勃起した乳首に指をあてた。下から回す格好となった手は犯人の誘導によって手のひらで乳房を下から覆うと親指と人差し指で乳首を摘まむように形を変えた。 そこまで誘導すると犯人の指は妻の指に手を添え左右から乳首を圧迫し、捻り、捩るように刺激を与えるのだった。妻の指は半ば諦めたようにその誘導に従っていたが、数十秒の内に薄く桃色に染まった乳輪がやや収縮すると乳首はさらにその張りを増し、妻の体が刺激に反応していることを如実に語っていた。犯人は妻の指から手を離すと、促すように妻の手の裏に添えて数度乳房を揺らした。重力に逆らってその形を主張する程サイズのある膨らみでありながら、それはゆらゆらと全体をたわませるとその柔らかさを想像させるのだった。 カメラが妻の一歩手前にあるので画面一杯に乳房が写り、それは高精細の技術を賞賛するように隅々まで現実に目の前にそれがあるような臨場感をもたらした。妻の喉から視線を下げるとそこは二つの頂に挟まれた窪地のようだった。ブラジャーが形を抑えていないため、谷間は緩やかな起伏となっていたがそこにはうっすらと肌に汗がしっとりと滲み出していた。 次の犯人の動きは予想がついたが、画面の推移をアダルトビデオのように焦れて見ている自分が悲しくなったが、自分の期待通りに画面が下腹部に移ると興奮した自分は画面に集中してエロチックな妻を感じること以外の感情が動かなくなっていった。 犯人が手を離してからも妻の手は乳房を抱えたまま自身の胸の性器を緩やかに摘まんでいた。犯人は妻のもう片方の手首を掴むとそれを引っ張り股間に誘導した。妻の体は股間を前方のカメラに見せつけるように突き出していたが、腕を股間まで伸ばすため上体をやや曲げることになりその姿勢が俯き加減に自慰する女性のように見えるようになった。 一旦妻の手は内股に誘導にされると、指を伸ばし性器周辺の粘液を塗り伸ばすように股関節を上下に動いた。その指には結婚指輪が嵌っており、その鈍い輝きが動くたび、自分の妻の体が他者に支配されている事と、それに単純に反応しているジレンマを感じるのだった。 性器の両脇の太腿につながる窪みにたっぷりと潤いを与えている間、何かに埋められた妻の性器の下に見える肛門は色素の沈着も薄く、それをまじまじと見ることのなかった自分に妻の体に未だ知らなかった部分があり、それが犯人が先に知ったことを悔しく思っていると動く指の刺激に時折その形がすぼまり流れでた粘液を絡まれたそれはひくひくと妖しく蠢いていた。 陰毛を隠すように手を被せると、犯人の手は妻の人差し指を取ると、秘裂の上端に差し入れた。瞬間妻の体は電流に撃たれたように震え、ほぼ無音のヘッドホンに間違いない妻の呻き声が響いた。 自分とのセックスでも愛撫は行うが、それが児戯に思えるほど妻はこの刺激に反応していた。指先が大きく口を開き咥え込んだ性具と小陰唇の間に僅かに見える妻内部のピンクに光る肉から液体を絡め取るように入ると、そのままスライドし最も敏感な箇所に押しやられた。 妻は下腹部を大きく収縮させてその動きに応え、震えた身体の動きは見上げる乳房を揺らした。 声こそでなかったが、妻の吐息が聞こえその脳髄に送り込まれた刺激の強さが感じられた。 犯人の指は妻の指を依然捉えつつ執拗にそこを円を描いていた。時折妻の胎内から粘液をすくい上げるとそれを塗り伸ばすように同じように動きを繰り返していた。自分の視線は湿って肌に張り付いたことで妻の陰部を隠す用をなさなくなった陰毛のすぐ下に肌の色と奇妙なコントラストを描く充血しフレッシュピンクのクリトリスから始まる秘裂の上部に釘付けとなっていた。いまや埋没した本来の場所から繰り返し嬲られたことにより粘液を纏いそれは小豆大に勃起していた。 妻の手に添えられた犯人の指が不意に画面から消えたと思うと、画面に残されたのは自らの快感を生む器官と、それを2本の指で上下に柔らかくさする妻の指だった。結婚指輪はその上下動に沿って妖しく濡れた銀の輝きを放っていた。 数秒の事だったと思うが、犯人の誘導によらず自身を慰めて快感に浸っていたことに気づいたのか妻の指の動きは止まり、その指はおずおずと陰毛のあたりに移動した。妻の感情が見えるように思えた動きに、少しの時間でも快楽に流された妻に対しては、貞淑な妻の表皮が剥がれその女性を見たように思った。 画面にでは自分の思いを無視するように、するすると画面に犯人の手が入るとそれは再び妻の指を同じ動きに誘っていた。あきらめにも思えるほどゆっくりだったが、犯人が妻の指を取るまでもなくその指は先ほどと同じ場所に下がると、先ほどより明らかでに滑らかに動きを再開するのだった。 妻の指の動きはクリトリスにとどまらず、妻の弱点を示すように白く太い異物を咥えた小陰唇の側面を両脇から舐めるように動いていた。犯人の手はそれを待っていたのか満足げに妻の手の甲に触れると、指が動いたことで空いた間隙に掌を上に人差し指が差し込まれた。 音声には、次第に妻の吐息がやや荒い息遣いとして聞こえていたが、手前から関節毎に感触を確かめるように、ゆっくりと胎内に差し込まれた指がすべて埋没した時、自分とのセックスできいた妻の声が聞こえた。それは確かに自分の性器を妻に埋めた時に柔らかな圧迫とともにもたらされるもので、画面の下半身を写した妻の表情が想像できた。なにかにすがるように眉をひそめ形の良い薄い唇は下唇を噛むように時折理性を突き破って漏れ出る声を抑えているのだろう。 犯人の手首の筋は妻の内部を弄る指を推察できるようにぴくぴくと動いており、おそらく露出した性器のなかの潤った内壁はその腹部側のやや硬さがあり自らの性器に微細な突起を感じさせる部分を刺激されていると思われた。自分とのセックスではあまり声をあげることは無く、荒い吐息に時折、強いて文字にすれば、ん、ないし、あ、を含める程度だったが、それでもその端正な顔立ちが歪むさまはそれだけでも充分妻に侵入した性器とともに快感を生んだ。 犯人の手は角度を変え、妻の性器と同じ角度となると、その人差し指を埋めたまま親指を白い物体に回り込ませ、性器の下端をほじりはじめた。もう少しで肛門に届く割れ目が再び結合する辺りは漏れ出た粘液が滴っており、ゆるゆると微動しながらそこに移動したやや太さのある指は、妻を穿つ白い物体を抑えると、それごと捻るように動いた。 さほど硬さのないそれは、思ったほど全体の動きはなかったが、妻から突き出た端は確かに角度を変え、妻に侵入した部分も抑えられつつもその肉壁をじりじりと擦り回していると思われた。 数度の角度をそれが変えた時、遂に妻の下腹部から届いた刺激はその閉ざされた唇を決壊させた。深い吐息の後、淫猥な液体に塗りたくれられた性器全体を弾き上がらせ、同時に吐息ではない快楽の声をあげた。 膝上の腿の中程まであったグレーのストッキングはいつの間にか膝上数センチまで下がっており、これまでのあまり動きがない中でもわずかな微動がまとわりつくそれを下ろしていったことを思わせた。それがずり落ちるさまは妻が堕とされる様を暗示しているように感じ、妻の痴態に興奮する自分の感情は高まっていたが、それを諌める理性は徐々に声を落としているのだった。 画面で大写しになっている妻がその吐息をあげない淫らな唇で咥えているものが、ふと気になり痴態を晒す妻を画面の横にずらすと、ブラウザを立ち上げた。 検索に打ち込む語句に迷ったが、それを見ながら、性具、繊維など打ち込んでいくと、すぐにそれの名称が判明した。 それの名称は、ひごずいき、というもので、九州地方の性具で江戸時代には大奥にも持ち込まれた歴史ある品のようだった。土産物を紹介するサイトに掲載された画像は、隣のウィンドウで使われているものと寸分違わなかった。説明文を読めば、それ自体が分泌する成分は女性器の快感を高める作用があるので古くから夜の営みに使われたものであり、貞淑な女性にも淫らに歓喜するほどとのことで、ずいきには随喜の字があてられて紹介されていた。 無論妻とのセックスには何らかの器具を用いたことなどなく、先日の映像から妻が幾つかの性具を咥えたことは衝撃だったが、犯人が妻にこのような作用をもつものを差し込んだことはショックだった。 妻の胎内に埋まっている形状をサイトの映像を食い入るように見ていると、次第にヘッドホンから聞こえる妻の声は吐息でない、明らかに性的な快楽を歌うものとなっていた。しかし、それは押し殺した声でまだ妻がその下半身を責める獣の思い通りにはなっていないことを示していた。犯人は抵抗を続ける妻に焦れたのか、妻の性器から生えた肥後随喜を掴むと強引にそれを引き抜いたかと思うと、その先端が妻の小陰唇が口を離さぬ間に素早く突き込んだ。妻は視界がない中、自分の体が伝える反応が一瞬遅れたのか、元の位置より深く埋まったそれに下半身の反応はなかった。が、快楽に麻痺した神経がようやく大量の情報を送ったのか、腰を引くように大きく下腹を閉めると、それを咀嚼��るように脚を閉じ大陰唇で圧迫した。その動きは差し込まれた動きから間をおいて急激なもので、僅かな隙間を開けた股間が白く異様な物体を生やしている様は官能という言葉が相応しく、同時に画面に映る面積を増やしたブーツが日常とストッキングを挟んで非日常を分けているように見えた。 自分との性交では、妻がオルガスムに達したかを確かめたことはなかった。自身が射精の間際に急速に妻の奥底を求めると、それに応じて妻の腰は浮き上がることで密着性を高め、その締め付けが強くなることを感じるのみだったが、コンドームを装着していても妊娠を避けるため妻の胎内での射精はしていなかった。引き抜いた男性器から白濁した液体をこぼさぬよう外しながら、荒い息をつく妻を見やることが多かったが、今思えば妻が快楽の頂点まで達していたかは疑わしいと思えるのだった。 犯人の手は強引に妻の膝に触れ、股を開くのだったがその指についた粘液はグレーのストッキングに染み込み僅かにその色調を濃く染めた。それが妻に穢したように汚らしく思えたが、同時になにか妻にマーキングを残されたように屈辱を感じた。 妻の手は未だ性器にあったが、犯人の手はその間にある肥後随喜に手をかけると左右の肉壁にその感触を留めさせるようにじりじりと引き抜いていった。 妻の分泌液で潤ったそれは最初の整った形からやや形を歪ませており、それが妻の胎内で役目を果たし、その妖しい分泌液を放出したことを誇るようだった。画面から���えた肥後随喜に変わって現れた犯人の手は力なく太腿にかかった妻の手を取ると、妻の指が肌を離れる時に細い糸をひいた。 風呂上りのようにしっとりと潤った妻の優美な細い指は、犯人の言いなりとなっており、その指の第一関節を両側から掴むと、撓んだ指の形のまま、だらしなくピンクに光る妻の女陰に差し込んだ。妻のそこはすでに抵抗することもなく、広がった大陰唇は膣の入り口を隠そうともせず、異物の侵入を阻むのもはなかった。妻が自分の胎内の形にあわせ指を整えたとは思えなかったが、指先が触れると間も無く人差し指から束ねられたように薬指までがぴったりと張り付く小陰唇に迎えられ挿入していくのだった。 ピンクに染まった肉壁にずぶずぶと淫靡に肌色の指が挿入される様は、肉棒が差し込まれるように思え妻を汚しているように感じていたが、第2関節を過ぎ、銀色に輝く結婚指輪がその胎内に埋まるといいしれない不安感に囚われた。 犯人の指はその動きを続けるように促すと、さほどの抵抗もなく妻の束ねられた指は適度な太さをもってその内壁をまさぐっていた。画面から犯人の手が消えるとカメラは妻の股間から離れ、椅子に腰を浅く掛け、女性として隠すべきところを全て露出させた妻の全景を写した。 妻の表情は思っていたように苦悶の表情ではなく、見える眉間からはなんの表情も想像できなかったが、その唇はもはや引き結ばれておらず、浅く息をつき、時折吐息が漏れるように薄い唇を浅く開いていた。 食い入るようにその画面を見つめていると画面が一瞬暗転すると、次の瞬間にはカメラは妻のショーツをつまみ上げていた。それを全く重量がないように軽やかに画面の中央に移動させると、カメラの視線はそのまま股間を弄り続ける妻に接近した。これまで妻を陵辱していた犯人が無害とも思えるショーツを片手に、次に妻をどのように責めるのか緊張して画面を見ていると、犯人の手がブーツのふくらはぎを手にとった。ブーツを脱がすものと思ったが、続けての行動は意外だった。持ち上げたブーツに薄い布切れを器用に通しそれが妻の膝に絡んだと思うと、反対の脚を取り思いのほか伸縮性に富むその生地を伸ばしするするとブーツを通すのだった。すでに自分の性器は目一杯に充血していたがブーツに掛かったピンクのショーツはそれだけで非日常を演出し、既に膝までずり落ちたグレーのストッキングが片方では執念深く妻の腿にまとわりついていた非対称が画面をえもいわれぬほど醜悪なものとしているにもかかわらず、自分の股間はその妻の蹂躙された姿にもはや耐えられなかった。 音声がなくなってもここで妻を前に射精する他ないと決断するほど、自身の性欲はかつてないほど切迫しており、公共性の低くない場所でオナニーすることは躊躇われたが、犯人が画面で妻のショーツに手を掛けると、行為を留めることはできなかった。 自身の性器を握りしめながら、画面の妻の愛液と妻の感覚を刺激する肥後随喜の妖しい分泌液でぬめる妻の股間に、左右から犯人の手がショーツを引き上げる様は背徳的という言葉では収まらないほど淫靡だった。ショーツが動きつつその布地を広げている妻の滑らかな肌は本来自分以外の誰にも晒されてはならない秘密の肉体であるところ、妻は抵抗もなく異物の挿入を許した上そこが快感を貪ることを自らの手で許したのだった。その箇所に淫靡とは対象的なピンクのショーツが被せられてゆくことは、性の欲情に自らを委ねた肉体が偽りの貞淑さを装うように思えた。 自分が絶頂を意識したころ、妻の下腹部にショーツがぴったりと装着された。それは濡れそぼった陰毛と湿った肌にだらしなく快楽を求めて涎を垂れ流す性器を急激に自分の知る妻に変えたが、犯人の手がショーツの側面を腰骨まで引き上げると平凡な形が、男性を誘惑する形となり、その股間が素肌に触れたことにより早くもピンクを湿った色に染めていることは、妻が陵辱されたことの象徴とも思えた。 画面に広がる、暗色に妻の股間の潤いで色を変えたショーツに目が釘つけになりつつ一気に上り詰めた。息づかいはやや荒くなってしまったが、備え付けのティッシュで覆ったことで部屋を汚すことはせずにすんだ。 一方画面のなかでは、妻は胸をはだけたまま、椅子にぐったりともたれ掛かっており、そのまま画面は暗転し、少しの録画時間が残っていたがあとは映像のない部分だった。 射精をすると、いままでの頭に血が登っていた興奮がたちまち霧散し、俗に言う賢者状態となった。 画面に映った映像からは、妻が望んだ行為であるはずはなく、間違いなく脅迫など犯罪に属するものと思われた。いままでの映像は妻が自らの肉体を慰めるものだったが、これは妻以外に妻を責める役割がおり、その段階で当面の相手を認めた。 犯人からの映像により犯人特定を目指しているが、もし妻が陵辱されている現場で待ち伏せできれば、そこで犯人を捕捉することもできると思われた。 冴えた頭では犯人に至る手段を幾つか考えられたが、先ほどまで様な怒りがまったく湧かない点が不思議だった。
2 notes
·
View notes