#俺と文哉くんは仲良しこよし。
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高野的豆知識。文哉くんの口癖は、「らしい」。ずっと語尾によく付くよなあって思ってた情報を初出し。
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文哉マン。文哉とも長い付き合いになってきたね。よく語ってくれたり、メッセージをくれたり、だからいつかお返しをしたいなと思ってたんだ。文哉は年下なのにしっかりしてて、と思えばどこかぬけてたり、はしゃいでたりするところ見るとやっぱりこいつ年下だわって思ったり。なんか文哉見てると面白いんだよね。友達思いで周りをちゃんと見ててすごいなって尊敬するところばかりで、だから自分のことは後回しにして、いっぱいいっぱいになって。それは文哉の良いところでもあり悪いとこでもあると思うから。きっと最近は話せる人に話せてると思うし、聞くことくらいしか出来ないけど俺なりに返せる答えがあるかもしれないからさ。俺ふざけてばっかりでまじ頼りないけどなんだかんだ頼ってくれることすげぇ嬉しかったりするよ。事後報告でもいいから、あんま無理すんなよ。もっと人に甘えろ、自分を甘やかせ。それとね文哉にもすげぇ感謝してんの。再会できたこと、樹と再会させてくれたこと。こんなマイペースな俺をずっと綱として見てくれてほんとにありがとう。最高な友達であり、仲間!これからもよろしく。
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へいへい、お待たせ!ってこればかりは申し訳ないと思いながら必死に語りたい気持ちをこらえて今日まで先延ばしにしてきました。あの時のツイートにハートくれたのも葵汰だけだったの!まじですごいよね!アカウント変える前だったから今より人数もいたけどまさか気付いてくれるの一人だけってさ、なかなかなくね?って感じだから特別に思って欲しいな。最近は話せてないから、きいちゃん不足です!ってそのうちツイートで暴れてやろうかって思うくらいには正直不足してるけど。でも、だからこそその分、きいたから文哉ー!って連絡きたら、すぐ返すのが目に見えてるよ。まじでほんとにさ!お互い忙しいとかだと連絡もどうしようってなってできないとかもあるから俺はきいたからツイートにハートが飛んでくる度、勝手に生存確認してる!それこそきいた��るって安心感も繋がるから。きいたはね、面白さもあるんだけど人のことよく見てるからそこも尊敬してるしなによりTumblrに綴ってる気持ちに毎回心を動かされてる自分がいる。うんうんって読みながら、相槌を打って共感してるもんねぇ。って多分電話した時にも伝えたはずだけど。人のTumblr読むの好きだけど、気づいたらきいたのページに必ず飛んでるから。っていうのをここで教えておきます。元気を貰ったり、励まされたり、不思議なんだよね。きいたが紡ぐ言葉にいつもありがとうってなってる。とりあえず落ち着いたらきいたと話せるのを楽しみにつつ、これからも仲良くしてね!という気持ち。p.s DM送ったけど届いてる?
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〖イベントレポート〗6/7(金)公開初日舞台挨拶実施!
映画『明日を綴る写真館』がついに全国162館で公開を迎えました!6月7日(金)にTOHOシネマズ日比谷にて公開初日舞台挨拶&全国同時生中継が実施され、主演の平泉成さん、佐野晶哉さん(Aぇ! group)、嘉島陸さん、咲貴さん、田中洸希さん、そして秋山純監督が参加しました。
この日、自身初の主演映画が封切りとなった平泉さん。満席の会場&全国159館の映画館への生中継カメラを見ながら「昨日はドキドキして眠れませんでした」と80歳の初々しい照れ笑い。当初はオレンジ色のネクタイを締めていたそうですが、佐野さんから誕生日プレゼントとしてもらった緑色のネクタイを締めての登壇となりました。
平泉さんが「佐野君がメンバーカラーのネクタイをプレゼントしてくれましたので急遽それに変えました」と明かすと、佐野さんは「メッチャ嬉しい!今日着けてくれたら嬉しいなと思ってプレゼントしたら、すぐに着け替えてくれました。本当におめでとうございます」と嬉しそうに祝福していました。
さびれた写真館を営むカメラマン・鮫島を演じた平泉さんは「主演ならば何でも嬉しいという歳は過ぎましたが、台本を読んだらピッタリ僕でした。喜んで二つ返事でお答えさせていただきました」と主演を引き受けた理由を紹介。平泉さんとは30年来の関係を持つ秋山監督が「ポリシーとして主演はや��ないとずっと仰っていたので、そんな成さんから『お前が言うならばやるよ』と言ってくれた時は嬉しかった」としみじみすると、照れ隠しなのか平泉さんは「主演だと責任がありますからねえ」とほっこり呟いて笑いを誘っていました。
鮫島の写真に心を奪われ、華々しいキャリアを捨てて弟子入りする太一役の佐野さん。平泉さんとの共演を振り返り「成さんは皆がホッとするような、緊張感を無くしつつ締めてくれる方。ホンマ素敵な大先輩として遠い背中を見つめていたら、今では気づいたらメル友」とすっかり仲良し。平泉さんの誕生日の夜にLINEを送った際には「長文が返って来て、さらに次の日の朝に『ごめんな、佐野君。酔っぱらったまま文章を打ったから読みにくかったろう?』という文章が返って来て…。成さんは好きな子にするような追いLINEするんだと思った」と平泉さんの可愛らしい一面を暴露していました。
若い世代との共演について平泉さんは「若い人は良いね。体が細いし、フットワークも軽いし、せりふ覚えも早い。顔も小さい。若い人たちからは沢山の刺激を貰いました。芝居を始めると一つのボールをゴールに向かって追いかける様に、みんながスーッとついてくる。いい関係が出来ました」と刺激を受けた様子。
佐野さんは同年代キャストたちとの共演を振り返り「撮影期間中に(嘉島)陸と二人で銭湯の露天風呂で星空を眺めながら裸の付き合いをしました。二人で成さんについて30分くらい熱い話をしたのが忘れられない」と思い出すと、鮫島のひとり息子・直哉役の嘉島さんは「成さんからは、これから芝居を続けるうえでのためになる話を聞かせてもらったので、それを佐野君と語り合っていました。あの時間はとてもいい時間でした」と懐かしそう。すると佐野さんは年上の嘉島さんの『佐野君』呼びに「あれ?俺は陸と呼んでいるのに…佐野君?俺は22歳で陸は25歳?距離感おかしい」と首をかしげて「この舞台挨拶が終わるまでには『まぁー君』と呼んで」とお願いしていました。
写真館の近くにあるケーキ屋の娘でパティシエの景子を演じた咲貴さんは、平泉さんとの共演に触れて「ご一緒した時間は短くても、撮影後にロビーに集まってみんなで話したのが楽しかった」としみじみ。
太一の同級生でエージェントマネージャーの林透留を演じた田中さんは、佐野さんとの共演を「ある場面で交わした握手は撮影を通して生まれた感情の中での握手だったので、お互いに熱いものが伝わったと思った」と振り返りました。
舞台上でのトークが弾む中、主演の平泉さんに佐野さんが声をかけ、バースデー・サプライズが発動!佐野さんの「これをなくしてこの回は終われない!」との号令から、全員で「♪Happy Birthday to You」を大合唱。平泉さんの趣味であるカメラとバラの装飾が施された特注バースデーケーキも運び込まれました。
「幸せなことですね~」と喜ぶ平泉さんに対して佐野さんが「22歳という大事なこのタイミングで、これからしんどいことがあった時に踏ん張れると思えるような色々な言葉をいただきました。以前に約束した通り、僕が主演する時には絶対に成さんに出てもらいます。元気に長生きして背中を見せ続けてください」と言葉を送ると、平泉さんも「わかりました!」と力強く快諾。その際の役柄について「おそらく逆転している」と平泉さんが言うと、佐野さんは「ということは…僕が師匠で成さんが弟子!?」とまさかの提案にビックリしていました。
一方、平泉さん初主演映画の監督という念願が叶った秋山監督は「こんな満員の中での初主演映画の公開。しかも80歳の誕生日もあり、言葉がありません」と感無量で「成さんのことは100歳まで僕がこきつかいますので、まだまだゆっくりしないでください。バンバンやりますから!」とエール。平泉さんは「本当に幸せなことです。まさか80歳でこんな日が来るなんて思いもしませんでした」と祝福に目尻を下げて、佐野さんから「芸歴60年80歳の抱負は?」と聞かれると「何にもないよ~!でも写真を撮りに行きたいな」と述べていました。
最後に主演の平泉さんは「秋山純監督の映画に対する情熱と優しさ、若いスタッフさんと若い俳優が力を合わせて温かく優しい、後味の良い映画になりました。これからもお客さんが入ればパート2をやりたいので、宜しくお願いいたします」と続編への意気込みも口にしていました。
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映画『明日を綴る写真館』絶賛上映中!
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橋本環奈のクラスメイトに、小関裕太・瀬戸利樹ら注目の若手俳優集結!生徒を追い込む"最狂教師"に中村獅童!
橋本演じる樫村に密かに想いを寄せる、サッカー部一のモテ男・榊蒼汰役に、映画『春待つ僕ら』や NHK 連続小説「半分、青い。」など話題作への出演が絶えない小関裕太、クールな性格の持ち主でクラスメイトたちからは一歩距離を置く和田隼役に、ドラマ「偽装不倫」のピンク髪のボクサー・八神風太役で注目を浴びる瀬戸利樹、そして、生徒を絶望の淵へと追い込む担任教師・下部役には、京都南座「八月南座超歌舞伎」にて初音ミクと共演したことでも話題の中村獅童が務める。
また、生徒役のキャストには、小関演じる榊と同じくサッカー部に所属しキャンプテンを務める仲間思いの西園寺聖也役に、舞台「デスノート THE MUSICAL」の主演が決まっている甲斐翔真、同じくサッカー部所属で内気ながら優しい心を持つ藤春昴役に、ドラマ「あなたの番です」などの中尾暢樹、同じくサッカー部所属でムードメーカーの桐野玄役に、『JK☆ROCK』などの福山翔大、 野球部に所属し彼女思いの羽柴健太役に、雑誌「MEN'S NON-NO」専属モデルとしても活躍する中田圭祐、人と関わるよりも読書が好きなクールな図書委員・園田樹里役に、雑誌「NON-NO」の専属モデルとしても活躍する 山田愛奈、樫村と共にバドミントン部に所属する親友の小泉はるか役に、ドラマ「今日から俺は!!」などの 若月佑美、ダンス部に所属するクラスのお調子者・関克美役にドラマ「あなたの番です」などの前原滉���DJ 部に所属するノリが軽い山本英司役に、ドラマ「ルパンの娘」などの栗原類、身体が弱いながらもマネージャーとして健気にサッカー部を支える箕輪紀子役に、『凪待ち』などの恒松祐里らが務める。
今注目を集める若手キャストたちが、どんな演技バトルを繰り広げるのか?また中村獅童は、生徒たちを奈落の底に突き落とす“最狂教師”をどのように演じるのか?是非ご期待ください。
ーコメントー
◆榊蒼汰役:小関裕太 スリリング作品が大好物な上、原作が大好きなので、出演が決まった時は嬉しくて飛び跳ねました。 何を信じていいのか。何を疑わなければいけないのか。崩れて行く人間関係。1秒1秒のその人の選択するものによって未来が変わってしまう恐怖。 そんなスリリング映画を観終わった後僕はいつも、水一滴の美味しさ、生きることへのありがたみ、自分の悩んでいることのちっぽけさを感じます。 『シグナル100』の現場では、予測不可能な展開にリアルに怯える撮影の日々でした。 是非この映画を観に来てくださる皆様には、僕たち生徒36人の「生きよう」とする様を、一瞬も逃さず手に汗握りながらご覧いただきたいです。
◆和田隼役:瀬戸利樹 和田隼役を演じさせて頂きました。 この役は自分にとって挑戦でした!どう演じるか悩みに悩んで挑んだ役です。 自殺催眠にかけられた生徒が生き残りを賭け、足掻いている姿、人間の本性、必見です! 撮影中は狂気的な作品ということもあって刺激的な毎日を過ごさせてもらっていました。 それと同時に毎日学校で撮影だったので、どこか高校時代に戻った気分になりました。 僕にとって初めてとなる、心の中のどこか一部分に小さな狂気を宿しているような 役柄を是非見て頂ければと思います。
◆下部役:中村獅童 教師役というのは、あまり演じる機会がなかったのでとても新鮮でした。 下部の狂気じみた行動は、周りからみれば特異ですが、彼自身はそれが正義だと思っています。何を考えているのかわからない謎めいた不気味さを出せるよう努めました。 撮影現場は、橋本さんを中心に明るく活気があり、束の間でしたが良い刺激を受けました。 ストーリーがとても面白い作品なので、映画館の大きなスクリーンで是非ご堪能いただければと思います。
<バレー部> 何でも話し合える親友のふたり。学校内では常に行動を共にしている。 野島芽衣子役・工藤綾乃:『HiGH&LOW THE MOVIE』 君津早苗役・鈴木つく詩:SUBARU TVCM "Your story with"シリーズ「灯台」編 <不良少年グループ> 先生に楯突くこともある、クラスの問題児たち。 久保田純哉役・中島健: 『HiGH&LOW THE WORST』 堂上真一郎役・市川理矩:『花燃ゆ』 児玉力役・小出水賢一郎:『スマホを落としただけなのに』 <遅刻常習者の自由人> 明るい性格の持ち主だが、何度注意されても遅刻癖は治らず、先生たちには半ば諦められている。 吉川絵美役・三上紗弥:「覚悟はいいかそこの女子。」 <帰宅部> クラスの中ではあまり目立たない優等生グループ。 井沢学役・白石拳大:『いぬやしき』 森聡志役・安田啓人:ドラマ「不甲斐ないこの感性を愛してる」 米村麗華役・真崎かれん:『君は月夜に光り輝く』 渡辺望役・中島来星:ドラマ「西郷どん」 <イケてる女子グループ> クラスの中でも目立つ存在の女子グループ。みんな榊が好きで、あわよくば彼女の座を狙っている。 小宮山澪織役・北村優衣:『黒崎君の言いなりになんてならない』 朝比奈優子役・さいとうなり:『ホットギミック ガールミーツボーイ』 萩野里未役・宮下一紗:舞台「SECW(School entrance ceremony wars)~入学式戦争はモノガタリの始まり~」 佐々木萌香役・駒形咲希:『ハルチカ』 <ラグビー部> 責任感の強い爽やかコンビ。 加藤涼役・神田穣:ドラマ「クロスロード~声なきに聞き形なきに見よ~』 坂本紀人役・黒澤胤也:AbemaTVドラマ「1ページの恋』 <バスケ部> 明るくふざけてばかりいるやんちゃコンビ。 藤田陽太郎役・東啓介:劇場アニメ『薄墨桜 -GARO-』 日野匠役・宗綱弟:浅草軽演劇集団・ウズイチ メンバー <ダンス部> 関(前原滉)と水谷、江崎と小山内は、クラス公認のカップルで、ラブラブすぎて目に余ることも。 小山内夏生役・戸苅ニコル沙羅:ドラマ「相棒 Season16」 江崎大和役・吉田仁人: 『斉木楠雄のΨ難』 水谷雫役・山本彩加:NMB48メンバー <文化系女子グループ> クラスの中でも地味な部類の女子グループ。共通の趣味で毎日密かに盛り上がっている。 津島愛役・大森つばさ:ドラマ「ぬけまいる」 安西桃子役・河井つくし:舞台「some day」 鈴木みのり役・宮本夏花:AbemaTVドラマ 『1 ページの恋」
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三山凌輝 | BE:FIRST
愛知県出身. 1999/4/26生まれの23歳. Japanese | English | Korean
About me
仲良くなりたい!構ってー!!が基本姿勢。最初ぐっと距離を縮められなかったら一生離れたままになってしまうと思ってて。だから、繋がったばっかの時はいつも以上に絡みに行きます。それでも距離が縮まない、フィーリングがあまりにも合わない場合は早い段階で手を離させてもらいます。オンリーワンなんで、そこは真剣にシビアに行かせてください。
No thank you
絵文字、顔文字、無駄な改行、キラキラした装飾 →姿を借りてるって意識を頭の片隅に置きつつ、言葉でのやり取りを楽しめる人ならめちゃくちゃ相性いいと思う!
Communication
あ、もうこの会話終わりかなというか終結したなと思ったらリプもDMも止めるマン。だから、返って来ないなと思ったら気にせずリプもDMもバンバン送って!俺も気になるツイートがあれば声掛けに行くし。ツイートは多分かなりしてる方。絡んで欲しいし、何話したらいいのか分からないなって時の会話の種にして欲しいから敢えてしてるとこある。だから、繋がった人にも俺をきっかけにいろいろツイートしてくれるようになったら嬉しいかも。DMだから早く返すとかは特別ないっす。
Follower
上にも書いたけど。距離が縮まない、フィーリングがあまりにも合わない場合は早い段階で手を離させてもらってます。だから、正直人数はかなり増減あると思います。今は少し多めかもしれないけど、明日には20人くらいになってるかもしれない。一人一人と楽しく会話ができるように。それが俺のモットー。
My friends
BE:FIRST SHUNTO、RYUHEI
BMSG Aile The Shota
THE RAMPAGE 吉野北人、��、陣
GENERATIONS 片寄涼太、白濱亜嵐
三代目 J Soul Brothers 登坂広臣、山下 健二郎
iKON ジナン
DISH// 北村匠海
AAA 西島隆弘
Actor 高橋文哉、磯村勇斗、塩野瑛久、藤原竜也、前田公輝、城田優、山本舞香、千葉雄大、赤楚衛二、菅田将暉、板垣瑞生、川口春奈、志尊淳、山田裕貴
Musician 柳田周作(神はサイコロを振らない)
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No.2 「Say " Hello "」
でーん。吉川太郎です。
リアルタイムの更新頻度が全く定まりません。
毎日更新しよう!と言っても無理にやってしまうと、絶対続かへんし内容が薄くなっていく一方(吉川の性格上、大いに有り得ます)になりかねないので、それは果たしてどうなんやろう…と悩んでおります。
日付変わりまして9/13。本日はAmBitiousから3人関バリに出演します。お楽しみに。
ところで吉川は、絶賛挨拶回り中でございます。その話を少ししましょうかね。
「加入するにあたってメンバーの皆さんへの挨拶は必須」
これは社会でもそうですが、常識ですよね。
ただ、皆さんの目に留まりやすい挨拶って何がええんやろう…と、考えた時。1人の先輩からこんなことを言われました。
「俺は検索避け好きじゃないから画像に文章書いて、一言添えて回ったよー」
よし。俺もそうしよう。(即決)
となり、今の形になりました。
と言っても、スタJには加工師という役職を持つ方がいらっしゃいますが、到底お足元にも及ばない吉川の画像制作能力。
不器用なもので…。
フォントの大きさや画像の配置、さらにはコントラストの具合まで、まだまだでございます。
褒めてくださる方も多くて大変恐縮でございます。やっぱり優しいメンバーさん多くて幸せやな。
ちらっとさらっと、中間報告。
休止中の方を除いては、あと2日ほどで一応1周致します。
1期生の方からお伺いしていて、明日は22.5期生さんから参ります。
それより番号がお若い方は、休止じゃないのであればリプまたはDMをご確認ください。
基本的には、bioや固定ツイートを拝見し、DM希望という記載がなければTLで行っております。
もちろん誰一人として同じ姿の方はおらへんし、東西、デビュー組やJr.にかかわらず、たくさんの人に出会えるめっちゃいい団体ですよね。
中でも関西の仲間おったらめちゃめちゃテンション上がる。
僕は2016年入所なのですが、スタJには同期の斗亜、晶哉が先輩として活動しています。
2人とも僕と出会った時、「同期増えたー!」って喜んでくれて。可愛いですね。
同期やけど先輩。ではありますが、タメ口でいいよーとも言ってくれて。これから��のすごく仲良くなる予定。です。
16年組、増えたらええなぁ…
ってか、俺も6年経つんか。入所してか���。
なんの話をしてたか分からんくなって来ましたが。
とりあえずこれからよろしくお願いします。
最初の目標は、昇格すること。
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AVAILABLE TO STREAM/DOWNLOAD ON NOV 23th CHECK IT OUT "Spotify"
"Apple Music"
"Amazon Music"
youtube
RECORDING MEMBER 野口英律 (Hidenori Noguchi) LeftsideDrums,Keybords,Synth,Bells,Tabla etc 石原雄治 (Yuji Ishihara) RightsideDrums, Bells アライカズヒロ (Kazuhiro Arai) Nylon Gt, Mandolin 安西哲哉 (BxAxNxZxAxI) ElectricGuitar Tsubatics ElectricBass 安藤裕子 (Yuko Ando) SopranoSaxophone 遠藤里美 (Satomi Endo) AltoSaxophone 桑原渉 (Wataru Kuwabara) Trumpet 松井修司 (Sshuji Matsui) Metallophone エリヲ (Eriwo) Percussion 武田理沙 (Risa Takeda) Keybords DJ MEMAI Turntable 千代 (Chiyo) Lyric 永田健太郎 (Kentaro Nagata) Mix & Master release event 2019 / 01 / 14 @新代田FEVER MUSQIS (ORCHESTRA SET) PANICSMILE 二宮友和+MUSQIS open 17:30 / start 18:00 adv2500 / door3000 yen + DrinkOrder
COMMENT “イマジネーションのブイヨン、そしてコーダのまろみ。 エスノすぎずラップすぎずカオスすぎずポップすぎず、 オモシロ具材が沢山入ってるけど、 キチンと破綻しないポトフ。“
赤倉滋(LOOLOWNINGEN&THE FAR EAST IDIOTS)
“人間は何処から来て 人間は何者なのか。 日々模索する日々。 MUSQISという音楽があると言う事は 自分にとって共にこの時代を 共に戦う仲間が居るという事。 そんな強くて、繊細な音が 本作には詰まっています。 更に先へ行こう。“
クロダセイイチ(Genius P.J's)
"舞台はチベットの山岳。 礼装した人々が供物を載せた家畜を引き練り歩く。 人はどこから来て、どこへ行くのか、それは誰のための祈りなのか。 人類のルーツを探る一大スペクタクルここに誕生。 そんな映画みたいな作品です。かっちょいい。"
長谷部 (大塚MEETS店長/DOSTRIKE)
"1945年の敗戦以降、 アメリカによる徹底的な文化侵略に曝され続ける子供達。 舶来のロックミュージックを浴びるように聴いて育った植民地第三世代は、 己れの遺伝子と模倣子の共鳴する音楽の起源を探求する中で 現在進行形の民族音楽を発明するに至った。 普遍性と個別性が同居する矛盾、 調和と混沌の狭間に生じる時空の裂け目をじっと覗き込んでみよう。 家の裏庭で幻の超古代兵器を発掘してしまったみたいな戦慄と興奮があなたの知的好奇心を刺激するに違いない。"
原田卓馬 (WINDOWZ)
"また来る冬を越えて僕らは何を覚えているのだろう。 ツギハギの社会、情報過多、積み重ねた忘却、幼少期、脳内で反復する言葉、季節の匂い。ノイズ。 そんな記憶を呼び覚まされる楽曲。"
100take(Light Source Definitions)
"人間という言葉はヒトとヒトの間に形成されるものなので、 プログラムでもあると僕は思ってます。 美辞麗句を超えたあるべき人間の姿について詠う事と空を眺める事を同じくらい忘れそうになってました。 この音楽が今鳴らされることに頼もしさを感じます。"
tani (ギタリストのような何か/インプロヴァイザー/ Tabletop Guitars/drop the delay)
"配信リリースおめでとうございます! MUSQISというバンドは、というより野口さんという人は多分、 宇宙から来たいや、宇宙に適応しちゃいそうな人なんだと思います。 交信はもう始まってますね、多分。 適応した後に、なんか適応しちゃったとか笑ながら言うんだと思います。 宇宙とノリで適応しちゃいそうな人が作る音楽興味ありますよね? サイケデッリクでオリエンタルなMUSQIS式宇宙適応術講座です、激必聴。"
藤村JAPAN (SEMENTOS / 新宿NINE SPICES 店長)
たとえば金曜日、午後9時50分。 しばしの休息を前にした、仕事帰りの労働者であふれるセブンイレブン。 ヨレヨレのスーツを着たサラリーマン風の男が、レジ前に立っている。 30代半ばくらいだろう。 耳には、Appleの白い純正イヤフォン。 大量のカップ麺と、大量のヨーグルトと、大量の発泡酒。 週末のプライベートタイムを、 ただれた飲食に費やすのだろう。 会計を終えた店員が尋ねる。 「お箸とスプーンお付けしましょうか?」 スーツの男は下をうつむいたまま、無言だ。 ふたたび、店員がさらに尋ねる。 「お箸とスプーンお付けしましょうか?」 スーツの男は無言だ。 やや声を張り、店員がさらに尋ねる。 「お箸とスプーンお付けしましょうか?」 スーツの男は無言だ。 吐き捨てるように店員が尋ねる。 「お箸とスプーンお付けしましょうか?」 スーツの男はそれでも、無言だ。 男の背後には、会計待ちの列ができている。 殺気。 舌打ちとため息。 「お箸とスプーンお付けしましょうか?」 スーツの男は無言だ。 よく見ると、男は右手の人差し指を一定のBPMで動かしている。 心なしか、頭も左右に揺れているようだ。 とてもゆっくりと。 男はグイッと、Appleの白い純正イヤフォンを力強く、耳に挿しなおす。 もしかすると、男の唯一の意思表示なのかも知れない。 「俺は今、音楽を聴いている。このツインドラムが醸し出すDOPENESS。 このリリックが浸食するWILDERNESS。それを遮る権利は誰にもない」 あるいは、そんな脳内宣言を繰り出しているのかも知れない。 男が聴いている音楽が、 たとえば、MUSQISだとすれば。
山下哲史(ターンテーブル奏者/即興演奏者)
"JTNCに呼応するかのようなMUSQIS最新型Experimental Music!!! "
高澤 瑛 (lang / Bridge Guitars店主)
"万物を楽器と捉えることができる自然なイマジネーション。 確かに光っているものであればどんなに見えにくい光でも、 その光の魅力を感じることができる審美眼。 そして、時を経ても尚、正解のない問題を明日も新鮮な気持ちで解きあかそうとする精神。 そこに住む人々の独特な呼吸音から始まり、民族音楽は生まれたと聞く。 MUSQISの呼吸を、しっかりと感じとれる。 それはセンセーショナルでありながら、何かの否定から生まれたものではなく。 全てを包み込むような温かさを持ちながら自然の中で力強く生きていく文化が生んだ呼吸。 わいは美しいものを心で自然に美しいと感じられる尊さを感じたんや。 ほんまやで。 "
Taka-shit JPN aka 安藤 (ライブハウス北浦和KYARA店長)
"リリースおめでとうございます。 野口くんはまず人柄がとても良いのですが、 彼の音楽を聴いたりパフォーマンスを見たりすると、 この人なんなんだろうな、とわからなくて面白いです。 天然の部分とコントロールされた緻密さがすごいなと思います。 この曲も、スピリチュアルで抑制された雰囲気の中、聴くたびにいろんな音といろんな意図が発見できる曲です。"
キシノジュンヤ ( HOPI / the mornings )
"直線的イメージと、 360°包囲される感覚 出発と、エンディング どこだか分からない異国感と、 どこで感じたか分からない懐かしさ 伝達系統の中で ネットワークが意志を持って 自由に拡張と収束を繰り返す そんな行ったり来たりをしているうちに いつの間にか曲が終わってました! リリースおめでとう!!。"
まいこ (つしまみれ)
"ライブとは別物のテクスチャとバランス感覚。 でもブレない。 極端さはないが、穏やかに近づいて、穏やかに喉元まで登ってくる。"
タナカユウキ (extremeOBSN/suthpire/ZENANDS GOTS/whales)
"優れたミュージシャンたちの集まりがMUSQISだと思っていたが この音源を聴いて認識を改めた。 強烈な芸術家集団である。 油絵のように色を織りなし一個の明らかなイメージとなり、 音楽的知性とは違うところにある感性に迫ってくる。"
二宮友和(PANICSMILE、uIIIn)
"東京を離れて5年ぐらい経つと住んでいた時にぼんやり感じていたものが輪郭を持ってくるのか、 摩訶不思議な街だったんですよね、強烈で。 海外の映画に出てくる東京、 とかあと80年代の東京のニューウェーヴ/オルタナロックから感じた強烈なアジア感、みたいなキラキラ感、猥雑な感じ。 スパイスカレーが大好きな人が沢山周りにいたなあとか。 それを再認識しております。 こうして福岡でMUSQISの曲聴いていて更に明確になったというか、 とてもリアリティがあって、 正に今の「気分」の曲でした。 言葉も音も凄く面白いです。"
吉田肇(PANICSMILE)
"ノスタルジーと先進。洗練と混沌。美と醜悪。 幻想的でいつつひどく現実的。 相反するものが同居する音世界"
イワモトミサト (HELLO STRANGER)
"歴史や匂いや風景や色や建物とか、 たくさんのレイヤーが統合される寸前のギリギリを保ってそこに存在している感じ。 液体よりは個体。 ラストは都会の雑踏、 ��大なスクランブル交差点の中で長い夢から覚めた感覚。"
おのてらえみ (The Taupe)
"楽曲も音もとても好きです。 緻密でミニマル、でも人間味がありワイルドで力強く、 作戦を遂行する姿は、幻影旅団みたいだなと思いました。"
小倉直也 (MASS OF THE FERMENTING DREGS , baduerykah , SYMBOL)
"この楽曲に持ったイメージは砂漠を���するジプシー。 MUSQISというグループはリーダーの野口氏を核として流動的に活動しているのでその辺もまたジプシー感を僕は感じています。 ただここに出てくる砂漠とはいわゆる東京砂漠。 混沌と秩序、 狂気と正気、 理性と感覚、 不安と平静、 とそんなものが同居しているようなまさに東京という砂漠を僕自身も旅している気分になりました。 リリースおめでとう!"
久恒 亮(AxSxMxUx / Transkam / studio Zot)
"部屋で一人で聴くの危険! ディープな精神世界から戻れなくなっちゃう!"
御代田悟 (K-MIX SHIZUOKA HITS ON PARADE パーソナリティ)
"哲学的な響きだ。 聴き終えて、もう一度聴く。 冒頭の砂利を踏むような音が人間が前に進む思考する音に聴こえる。 哲学的な響きだ。 緻密に構築された音が幻惑的で民族感があり、 個人差あるだろうが、これはリゼルグ酸かなんかで俺の脳内で流れていて 現実には存在しない音楽なんじゃないか? と心配になるほどサイケデリックに鳴る。 一度聴けば、ロジカルな音像に、 もう一度聴けば、ラジカルで哲学的で、 さらに一度聴けば、全て引っ括めて脳へのドープだ。 うだうだ言いましたが、とにかく素晴らしいの一言です。 作ってくれて有難うございます!!"
榮勇太 (ゆれる)
"やばいです! 音楽で地球とか作ろうとしてるんじゃないかって思いました。 (MUSQISが地球作ろうとしている前提で話しますが)あなたは音楽で地球作ろうと思ったことありますか? 俺は残念ながら思ったことがありません。。。(これから作って見ます!) 大地の鼓動や地平線のはるか向こうや生命の脈々と受け継がれし何やかんや、 そして最新のテクノロジーまでを感じたい方はぜひご一聴を。"
松本一輝 (Temple of Kahn , ravenknee , phai)
"十数年前、はじめてDCPRGを聴いたとき 「どんな生活をして、何を食べ、どんな体験をすれば、こんな音楽に辿りつくのか?!なんだこの(よい意味で)キチガイな音楽は?!」 ってなったことが記憶に蘇ってきた。 たとえば、それがMUSQISだったとしても、そのときの僕は同じ印象を持っただろうな。"
タニタカヤ ( LLRR, ex.otori )
"宇宙と無。 異国と日本。 古代と現在。 BGMと精神的音楽。 相反する要素がたっぷり詰まってて、しかも全てハマってる。 面白い。 MUSQISは10年後もMUSQISのままでいてほしいし、きっとそうであってくれると思う。"
森大地(Temple of Kahn / kilk records)
"踏みしめる足音、 旅の途中、 脳内で繰り返すギターメ��ディ、 雪月風花、 四分半の己との対峙、葛藤、 ただ、つま先は前を向いてる"
キドウラコウイチ (World Wide Size/kiyasu orchestra/HAIGAN)
"東京銀河音楽です。"
MORIKON (pocketlife / PAPRIKAN / Delicate Zoons )
"目標物が何も無く、薄暗い一面雪の中を真っ直ぐ、ただただ歩いている映像。 対して、遊牧民が周りを浮遊、回転しながら祝祭を行なっている様にも思え、混乱。 エネルギーの向かう方向、かつて内に向かって凝縮されるように感じていた。 CuriousSystemでは強烈に外へ。 矢印は様々な曲がり方、でもあくまで個。 音楽としての次元が上がったから?以前よりハッキリと感じる。 霧散されているわけでは無く、複数の線が世界地図を手前から奥に塗り潰す様。 混乱。 高円寺の喫茶店、お婆さんが隣の席のBボーイ、ガールカップルに声をかけオリジナルマッサージを施術中。 お婆のテンションはエスカレート、 Bボーイ彼氏の背中をハデにバシバシ、シバきはじめた。 喫茶店中が注目しているが、お婆は御構い無しにバシバシシバく。 あ、Bボーイがキレた。霧散。 昨日一昨日、酔いに任せ夢遊し何度も聴いていた。 高円寺、博多駅、呟きながら歩いた。 左右に振られたドラム、野口君のツイートを思い出しながら数えながら歩く。 MUSQISのブレイクから戻ってくるスピードが速いとこがたまらなく好き。 いまは福岡、今はどこか?いつか? ヴィジョンや言葉で表現できないこと、面白いけど、今回のムスキスはなんだか掴めそう? 掴んでいる?かも。"
じった(マクマナマン / KELP / snarekillsnation)
"8+6の変拍子が身体に落とし込まれて、 言葉が何かを訴えていく果てに破綻して広がる宇宙感覚は太い幹のようだ。 荒寥として無国籍エスニックな皿は既に僕らの背骨を貫通している。 そこに言葉が刻み込まれて解放される。 深く深く。 野口の長い髪の匂い。"
佐々木すーじん (scscs)
"僭越ながら、こうして楽曲にコメントをさせていただくのは初めての経験でして、とても嬉しく思います。 「Curious System」を聴きまして、 スピリチュアルとか虚無的といったイメージや手触りがまずあったのですが、 何度も聴いていくうちに不思議なあたたかみのようなものを感じるようになりました。 "わたしたち"や"かつてのわたしたち"がためらってしまったであ��う藪を掻き分けていった先に広がる茫洋たる思索の荒野、 その果てに集った人間たちの祝賀か呪詛かそのどちらもか。 次なる荒野を目指すかのように���大かつ粛々と奏でられる音に、 脳細胞と筋肉とぜい肉と骨が等価値で躍動させられながら "音楽のはじまり"に思いを馳せました。"
kawauchi banri (てあしくちびる)
"ラップの声に癒されます。中東な音もいい感じ"
宝生久弥 (Scaperec)
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magazine - 2018.10.23
ookubofactoryインタビュー 聞き手 安孫子真哉
ゲラーズのメンバーでもある大久保日向のソロ・プロジェクトookubofactoryのアルバムが9月に発売となった。90年代に様々な音楽を吸収し2000年のスタートともに音楽活動を開始した世代の一人として、彼の辿った道筋はそのパーソナリティーと相まってとてもユニークなものだった。彼のオルタナティブ志向と不思議なポップセンスはいったいどこからきたのか、レーベル・プロデューサーの安孫子が本人に直接話を聞いた。
構成 与田太郎
ー 大久保さんはいまいくつですか? オ 37です。 ア 僕らの周りにはあんまりいない世代ですね。 オ そうなんですか?安孫子さんは? ア 40です。 オ 僕らはちょっとしたの世代なんですね。 ア キリキリヴィラだとLINKが39ぐらいかな。 オ セヴンティーン・アゲインは? ア 彼らは33ぐらい。 オ ちょっと下なんですね。 ア 大久保さんは僕のひとつ下ぐらいかと思ってましたけど、3つ下なんですね。 オ そうです、後輩です。中学だと入れ違いで伝説として聞く先輩です(笑)。 ア 3つ違いは誤算だったんですけど、はじめて会って話した時もはじめて会った気がしなかったんですよ(笑)。 オ 世代が近いからですかね? ー いや、パーソナリティーの問題でしょう(笑)。 オ そうですね、銀杏ボーイズも上の世代の音楽として聴いてたんですよ。メロコアやパンク、オルタナを聴いてきて、それで…。 ア ハイスタ、ブッチャーズやナンバーガールなんかがいて。 オ そうです、そうです。銀杏はその次ぐらいじゃないですか。その時にちょうど自分もバンドはじめたんですよ。 ア ゲラーズが最初のバンドですか? オ ゲラーズが最初です、その前は高校生でコピー・バンドやっていて。 ー 当時はハイスタとかですか? オ そうですね。高校のときにグリーン・デイとかを聴いてる友達がいて、そのまえにもブルー・ハーツ聴いてるやつとかもいたんですけどその時はあんまり仲良くならなくて。高校での友達の影響でメロコアやパンクから入りました。 ア それも意外だよね。 オ 自分のいまの趣味というより最初だったんでキッズ的な感じで。そこからウィーザーとかに行き、いろいろ辿って音楽を知っていった感じです。中学のときにブルー・ハーツ聴いてたのがゲラーズの人たちだったんですけど、彼らと話すようになって���ートルズやキンクスを知って、良質なリスナーになっていく、みたいな(笑)。キッズ卒業的な(笑)。 ー 文脈的な流れを辿って音楽を探すようになったんですね。 オ そうです。ゲラーズの人たちは音楽雑誌読んだり、ケーブルテレビでスペースシャワー見てるような人たちだったんで。それに影響されましたね。最初はハードコア、たとえばヌンチャクとか聴いてましたから。 ア それは僕も一緒ですよ。 オ そうなんですね!安孫子さんはもうちょっと前じゃないですか? ア いやヌンチャクが出てきたのが高校生の時だったんで同じですよ、僕もめっちゃ好きでしたよ。でも僕の入り口はもうちょっと前で、中学のときに従兄弟が70’sパンクが好きで、まずそこに影響されて中学で初期パンク聴いて高校でメロディックに出会ったんですよ。 オ あー、そうなんですね。僕らはグリーン・デイでも「バスケット・ケース」あたりからだし。 ア 3枚目ですね、あれが1994年で、僕も青春ど真ん中ですよ。 オ そうか、僕らは直撃ではなく後追いですね。そのタイミングラモーンズとかクラッシュをチェックしたんですよ。 ア その辺りに3年の違いがでるんですね。そうなると2000年前後のシカゴ周辺の感じは青春時代って感じですか? オ あれは青春が終わって(笑)、大人の階段登り始めた時期です。大人になりきれない大人の時代ですね(笑)、これからどうしようみたいな悩みとロックが融合してるっていう。 ア 地元はどこなんですか? オ 練馬の石神井です。当時練馬区ってポスト・ロックにはまる最高の環境だったんですよ。 ア 先輩がいたとか? オ いや、ポスト・ロックをめちゃ揃えてる図書館があって、シカゴ系やローファイやオルタナが何でもあって、これは誰かバイヤーいるな、みたいな(笑)。たぶん好きな人がいたと思うんですけど。そこでいつも借りて聴くっていう。 ア それは都内の全体の図書館がそうなのか、練馬の図書館が格別そうだったのか実際どうだったんですかね。 オ それは練馬だけだったと思います、杉並の図書館いくとあるのはJ-POPだけで大黒摩季とかの(笑)。でも練馬の図書館にはトータスがあったりして、なんか小さいジャニスみたいな感じでした。当時はお金もないじゃないですか、そこで一回に4枚借りれるんですけど、毎週通ってました。 ア それは仲間内みんな通ってました? オ そうです、ゲラーズはみんな行ってました。だから行ってないとメンバーのだれかが借りてるっていう(笑)。そいつの家にいくとあるんですよ。その時期はみんな聴いてる音楽が共有されてました。シカゴ系から音響、打ち込みのマウス・オン・マースとかまで聴いてました。 ア 図書館がそういう場所になってるってはじめて聞きました(笑)。 オ あんまりないと思います。だいたいタワーレコードとかじゃないですか。ローカルにそういう場所があったのは大きいですね。それと雑誌の情報の組み合わせで。 ー 雑誌はなにを読んでました? オ スヌーザーです、最初はクロス・ビートで。 ア ドールみたいなパンク雑誌にはいかなかったんですか? オ ドールはいかなかったですね、たまに読んだりはしてましたけど毎月買うってことはなかったですね。 ー オオクボファクトリーってパンクがベースというよりは明確にオルタナ・ベースですよね、そのあたりは世代の感じがでてるんじゃないですか?ちょっとインテリジェンスなエッセンスはそこから来てるんじゃないですか。ある程度音楽を聴いて、ちょうど好奇心が最高潮のタイミングでポスト・ロックや音響なんかの新しいサウンドが出てきた時と一致したっていう。アメリカのインディーが面白かった時代。 ア そうですね、衝動もインテリジェンスに見せたり、とぼけたユーモアがあったりっていうのはそういうことなんじゃないですか? オ なんかシュールなことやったりとか、ローファイな感覚出したり打ち込みとオルタナの並立とかは時代の影響がありますね。本気の頭脳派じゃなくて、そういう時代が好きだったんですね、だからベックとか大好きですし。 ー しかもどこか一方に振り切ってしまってないですね。 オ そうなんです、それぞれ好きなんです。だからコーネリアスみたいなこともやりたいんですよ(笑)。とりあえず歌をバラバラで歌ってコラージュした、みたいな(笑)。 ー それは世代の感覚なんでしょうね。リアルタイムで聴いて衝撃を受けたっていうのは大きいですよね。僕の周りには大久保さんの世代の人がいないので、今話しながら気がつきました。 オ 確かに90年代後半のジャンルがクロスオーバーしていった時のリスナー体験は大きいですね、一回目のフジロックがあったりして。 ー 1997年の天神山! オ そうです、あの時のラインナップの感じとかを飲み込んでいくっていう。まさにフジロック世代っていう。 ー フジロックとともに成熟していったっていう(笑)。 ア ルーキーに出演するのが目標というオオクボファクトリー結成の経緯的な(笑)。 オ そうですね、憧れですね。いまでも毎年見たいアーティストいますから。 絶対なにかありますから、だからサマソニよりは完全にフジロックですね。 ー なにか思い出のステージってありますか? オ 2000年ぐらいにヨ・ラ・テンゴを見た時ははじめてライブで泣きました(笑)。ホワイト・ステージでもモグワイとかドライ・アンド・ヘヴィーが解散がきまってからのライブとか、低音がすごすぎて内臓が揺れました、本当になんかしら凄いライブがあるんですよ。 ア 大久保さんは僕の周りの人たちのキャラクターの中でもいろんな意味で中間のキャラですね。 オ そうですかー、でもエクシーとかCAR10とか全然違うスタイルの好きなアーティストがいるんで、僕にとっては違和感ないんですよ。P-Vineもそうなんですけど、あそこはもっと幅広いというか多いんで。 ー P-Vineはプロですから(笑)。 オ そうですね、プロですね(笑)。キリキリヴィラはもっと���った刀みたいな感じですね、凝縮されてるというか。 ア キリキリはわざわざパンク・レーベルって言いたいレーベルなんですけど、実際はいろんなサウンドが混在していていろんな人がいるのがいいと思うんですよ。いろんなキャラクターにいて欲しいですね。 オ なんか通じるものがあればっていうことですね。 ア そうですね、一緒に居て嬉しいっていうのが結構大事なんですよ。意見がちがっても気が��うみたいな。それとみんな仕事しながらでも音楽を諦めないでいて欲しいので、こういうやり方があってるとも言えるんです。 オ そうですね、オオクボファクトリーもみんな仕事やりながらですし、僕も完全な正社員になるとバンドできなくなるんで���リギリまで時給上げて線を引いて働いてます、バンドをやる時間も作れるように。そこでバンドのほうで少しお金がつくれたらなにも問題ないですし、家族も納得(笑)。 ア いまオオクボファクトリーのライブってあんまりできないですよね?木曜日限定でしたっけ? オ そうなんですよ、やっぱり週末でないとこれない人も多くて。 ア そうですね、年齢重ねたり色々な環境が変わってくると週末でないと動けないケース多いですもんね。子供が小さいとかね、いろいろありますから オ それで最近昼のライブが多いじゃないですか、それを僕らも考えようかと思ってて。 ア 僕らの周りのバンド結構やってますよ。 オ そうなんですか! ア やり方の一つとしていいと思いますよ、僕らはシェルターやスリー、ベースメントの昼けっこうやってます。NOT WONKも日曜日の夜には北海道に帰らないといけないことほとんどなので土曜日にライブやって日曜日の昼やってからフライトってパターン多いですし。 オ へー!なるほど。平日の夜より土日の昼のほうがいいんですね? ア 日曜日の昼だと終わってもまだ夕方前じゃないですか?そこから一杯飲んで帰っても夕食前だし、色々なライフスタイルの人がいるので、ライブハウスもそういう時間帯の対応してくれて本当にありがたいですね。 オ そうなんですね、翌日仕事でってよりもいいですね。それに最近、出演者もみんな帰るの早いですよね。残って打ち上げみたいな感じでもないし、テレビで哀川翔が言ってたんですけど、最近は撮影終わっても打ち上げいかない、みたいな(笑)。 ー そうですね。世の中全体に余裕がないことも影響してるんじゃないでしょうか。経済的にもこの10年間ジリジリ厳しくなってきてるじゃないですか。とくに今の20代、30代はその影響強く受けてるだろうし。だから昔みたいにバイトしながらバンドって考えることも難しくなってると思うんですよ。 オ 全体が効率求めすぎですよね。 ア そう、無駄がなくなってるというか余裕がないというか、さびしいですよね。 ー そういう状況の中で工夫したいですよね。 オ そうですね、自分もわりとゆるい中でも効率的に考えようとしてきたんですけど、まわりも余裕なくなるとバランスがとれなくなってきたりして。ジャニスがなくなるとか、音楽は全部スマホで聴くとか、ネットで進めてくる音楽が機械的だったり、なんか少しづつそういうのが増えてきて…。 ー そうですね、音楽を自分で選ぶってそういう世間の流れに背くっていう面もありますから。それが自分自身を探す第一歩になったりするじゃないですか。 ア それぞれのディグリかたが大事ですよね。そこにでてくる人間性が面白いし、キャラクターが出る(笑)。初めて聴くバンドの1stや名盤といわれる作品でなく、謎に4枚目から聴き始めてるオマエは何なんだみたいな(笑)。 オ そのやりとりが楽しいですよね。 ー 機械やアルゴリズムにおすすめされたくはないですよね(笑)。 オ ほんとそうですね(笑)。やっぱ文脈がないと入っていけない部分ありますから。もちろん、いきなりしらないものでいいのもあるんですけど、めったに起きないですね。僕はパヒュームもすきなんですけど同時にオヴァルも聴くじゃないですか、そういうのって人にしかない物語というか、要素ですね。 ア 便利っていわれても、それが面倒くさい(笑)。 オ そう!タワーで探す方がまだ確率が高い。それこそお店でチェックしてスマホで聴くみたいな(笑)。 ー 僕らの世代は店で探して雑誌をチェックしてという行為が体験としてあるけど、今の20代は最初からスマホでしょ、もう聴き方から違うでしょうね。僕らはオアシスが好きならローゼズ聴いて、そこからスミスとクラッシュに行って、やっぱりビートルズにたどり着く、みたいなこと普通にしてきたじゃないですか。いまの10代はオアシスをいいと思ってもそこで終わるんじゃないかと思って。 オ 最近オオクボファクトリーのドラムを手伝ってくれてる北野さんはグレープヴァインが好きなんですよ。それでオアシスも好きでしょ?ってきいたら全然聴いてないんですよ。そういうこともあるんだって驚いたんですよ。彼女はUKロックを聴かず日本の音楽が好きなんですね、だから出会い方も大事なんだろうと思いました。僕は雑誌のレビューや日本盤のライナーを辿って聴いたんですけど、それはよかったって思いますね。そういう意味では自分にとって雑誌は大きかったです。スヌーザーは昔のシーンの特集とかダンス系の定番特集とかがあって、まずそれが入り口になってました。そういう記事で音楽の背景を知ることができたし。いまだったらエレキングとかを参考にしますけど、初心者にはハードルが高いですよね。 ア それとある特定のシーンに依存し過ぎているとそれ以外の情報をまったく見ないというか、知ることができないことも多い。ジャンルを横断できない。でも2014年にキリキリヴィラをスタートして色々な人達に出会ってみたらみんな自由にやってたし、面白かったんですよ。その面白さがもっと広がったらいいなと思ったんですよ、音だけでなくて活動の仕方なんかにも筋が通ってて。 オ そうなんですね、安孫子さんはもっとパンク的なスタイル、もうちょっとジャンルを固定したイメージだと思ってました。 ア いやわりとジャンル横断が好きなんですよ。 オ それ聞いてキリキリヴィラの感じに納得がいきました。 ア ほんといろんな人がいるじゃないですか、ギラギラした人がいてもいいし、あくまで自然体でやってる人がいてもいいし。自分たちの中にある様々な好きな物に素直でいたいんですよ、僕ら組織でもないし。 ー 大久保さんの同世代のバンドっていうと誰になりますか? オ 同世代だと、ユーリ・ガガーリンとかオーガ・ユー・アスホールとか、ちょっと下だとシャムキャッツですかね。40手前の世代ですよね、あんまりいないんですよ。 ー もしかしたら大久保さんの世代はダンス・ミュージックに行った人が多いんですかね? オ ダンス系もそんなにいないような…。クラブ系もスヌーザーに教わった感じなんですよ。新宿リキッドのクラブ・スヌーザーはよく行ってました。DJシャドウとか、アンクルとかアンダーワールドあたりはよく聴いてて、だからトレインスポッティングですね(笑)。 ー 直撃世代なんですね。 オ トレインスポッティングのサントラがすべてみたいな、まわりじゅうみんな聴いてましたから。でもそういダンス・ミュージックが簡単にはできなかったんですよ。ゲラーズでもライブでそういうことやろうとして、西荻ワッツとかで。 ア ゲラーズもワッツに出てたんですね。 オ いちばんやったハコかもしれません(笑)。 ア それは���つごろですか? オ 15年ぐらい前かなー。 ア 角張君はもういない時期? オ 角張さんはもういなかったと思います、2001年とか2002年ぐらい。 ア あれ、それなら彼もまだいたし、僕もしょっちゅう行ってる時期ですよ。合わなかったですねー。 オ ゲラーズはそのころから下北沢の屋根裏とか渋谷のサイクロンとかにで始めたんです。はじめは店のブッキングからで、そのときはよく「やりたいことはわかるんだけど、もっとテクニックほしいね」とか良く言われながら(笑)。シンセがあって鉄琴もいて、トクマルはフルート吹いたりしてたんで(笑)。 ア 話かわるんですけど、トクマルさんのソロが出たときのゲラーズのムードはどういう感じでした? オ 最初から並行してたんで、もう別物でした。 ア ゲラーズやりながらソロもやってたんですね。 オ 自分の宅録はずっとやってて、彼はそれ以外もサポートとかもいろいろやってたんで。そういう意味では別のベクトルで動いてました。 ア なるほど、彼のアルバムメチャ良くて聴いてましたよ(笑)。 オ いいですよね、彼ほんとすごいと思うますよ、天才っていうか。ちょんとしてるじゃないですか、それでいて変わったこともやるし。素養があるっていうですかね、そのうえで遊んでるっていう。こいつはすごいなって。大瀧詠一のカバーをアカペラとハンド・クラップだけでやってるんですけど、ボーカル10パートぐらいをひとりでハモってるんですけど、こいつは変態だなって思いますよ(笑)。 ア 自由なんですね。 オ そうなんです、その自由さの広がりもあるし入り込みやすさもあって。そこの広がりにゲラーズが追いつかなかったいう(笑)。ゲラーズは違う自由というか。 ア 僕はサマー・オブ・ファンからのシングルがでるまでゲラーズ知らなかったんですよ。 オ ほんとアングラなんで。 ア 「クンパルシータ」のMVが公開されたときに僕のSNSのタイムラインもざわざわしてて、拝見したらめちゃくちゃ良くて オ あの時代にシティー・ハンターをモデルにしてましたから(笑)、そんな盛り上がりがあったんですね。 ア ヤバイって思いましたよ。 オ だいぶ変換されましたけど、ボーカルはやっぱりペイブメントとかが好きで、それからポスト・ロックに行って出す音も病んだ感じになり。それから突然尾崎豊に行ったり河島英五の「酒と泪と男と女」にはまったりして(笑)。だんだん渋くなって男の哀愁系になってブルー・ハーツからの哀愁がどんどん変わって行って、どんどんストレンジな方向へ(笑)。謎の化学変化でできったっていう、岡村ちゃんとかも好きなんで。そのあたりは自分も共通なんですけど。まあ本気とギャグが混在してるけっこうカオスですよね。年も30を超えたからでしょうかね(笑)。 ア オオクボファクトリーの始動はいつですか? オ 始動は、えーっと3年前にアルバム出してて、その2年ぐらい前かな? ア 2013年ぐらいですか? オ そのあたりです。その頃にフジのルーキーでたいってなって。 ア 毎年応募してますか? オ もうやめました(笑)。その時期にサウンドクラウドに自分の弾き語りをあげはじめて、なんとなく評判よかったんでルーキー目指すの口実にしてバンドをはじめたんです。ゲラーズの後半というか途中ぐらいですね、はじめてから5年ぐらいですか。活動してる実感はそんなにないんですけど(笑)。 ア 曲はもう出し切りですか? オ それがあるんですよ、お渡しした以外にもミックス途中のもあるんですけど、ジャンルはみ出しすぎて排除しました(笑)。プレフューズ73みたいなのもやろうと思って(笑)。ジャコパスみたいなベース・フレーズを弾いて、それをチョップしてキーボードにアサインしてありえない感じにして、みたいな。 ア 面白そう! オ まんまプレフューズの方法なんですけど、あんな風には作れませんでした(笑)。最近だとジェームス・ブレイクも好きで、シンプルだけどダブっぽいものとかもやりたくて。まずはアルバム完成させて、それからと思ってました。まずは自分の好きなオルタナ感でまとめた感じです。 ア ガンガン作りましょうよ、大久保さんの好奇心を遺憾なく発揮してほしいですね。 オ 本当ですか、それは嬉しいです。本当はもっとバンドで録ったりしたいんですけど、年齢的にもみんなのスケジュールを合わせるのがけっこう大変で。いままた別でアートレス・ノープっていうバンドやってる水谷くんという人がいて、彼打ち込みをやるんですけど、トラックを作ってもらって僕がラップやろうというプロジェクトはじめたんです。 ア おー、聴いてみたい。 オ それがまたちょっと迷走してて。ラップなんですけど、最後にスカートみたいなサビ作っちゃって(笑)。メチャいいメロ入れてしまってビートがのらない(笑)。来年はそういうのもできたらと思います。 ー なるほどー、今日の話を聴いていろいろわかってきました。最初に音源を聴いたときには実態がつかめない感じだったんですよ、でライブを見て「なるほどこういうことがやりたいんだ」ってはっきり伝わってきて、今日の話で全部が繋がりました(笑)。 オ そうなんですよ、来年はライブをもっとやりたいですね。僕がライブでやりたいのはナンバーガールとか2000年前後のあの感じ、54-71とか。でもいまの時代ってもっとゆるくてムーディーじゃないですか? ア そうですね、本来はもっとバリバリにストイックですね。 オ そうなんですよ、ストイックなのが好きなんですよ。そこが今の時代と違うなって感じてて。ゆるくてももっとジャンクならいんですけど、今はけっこうきれいですよね。 ア でも荒野をあることにこそ醍醐味があるじゃないですか。 オ 逆にね、確かに。 GEZAN見たときにも思ったんですけど、荒野っていうよりも砂漠を歩いてるじゃないですか。すごいなと思って、しかも今回のアルバムはアルビニですよね。すごいことするなって思って音源きいたらちゃんとアルビニの音で、驚きました。 それに彼らはOMSBとかともちゃんと繋がるじゃないですか、それもいいと思いました��� ア GEZANは砂漠や荒野を走りながらそれこそ石器で自分たちで道具をつくりながら逞しく進んでますよね。オオクボさんはそのまま飄々と素っ裸で腰に草だけ巻いて歩くのでいいんじゃないですか(笑)。あんまり周りのことやシーンも考えずに好奇心で突き進む オ 今回もそれこそNOT WONKにインスパイされた曲とかもあるんですよ(笑)、カッコいいとどうしても影響されて(笑)。 ア それでいいんじゃないですか(笑)。 オ そうですね、そういう自由さはなくならないと思います(笑)。でもCEROとか見ても「いいなー、俺もああいうのやろうかな」みたいに思っちゃうんですよ(笑)。 ア その持ち前の好奇心そのままで良いと思いますよ。大久保さんのキャラクターを知ってもらいましょうよ、音楽って人の魅力から入る部分もおおいにあるじゃないですか。僕は最初にお会いした時から友達発見って思いましたよ(笑)。
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対談①-1「社会課題に当事者意識を持てなかった」(森川)
はじめに
BLOG担当インターンの小林です!第6期インターン募集中ということで、これからインターンのあんなこと、こんなことをBLOGでお伝えしたいと思っています!
インターンのあれこれを伝えちゃう特集、最初の企画はズバリ「対談」!
インターン同士だから話せることあるんです!
まずは大学2年生コンビの対談です!活躍する二人の本音や実情をきいちゃいます!
(写真:小林撮影)田代雄哉(たしろ ゆうや) 中央大学総合政策学部2年
リディラバに入る前にも社会課題の現場に足を踏み入れていていました。(田代)
小林 まずは(田代)雄哉から、自己紹介を簡単にしてもらってもいいですか??
田代 中央大学の総合政策学部二年の田代雄哉です。出身は東京の多摩地区ですね。事務所のある御茶ノ水から家までは1時間20分ぐらいかかります。事務所から家まで遠いので、 リモートでプログラム参加することも多いです。
普段は定例ミーティング(毎週火曜日19時~20時)が終わってから別件のミーティングをす��ことが多いのですが、そういう日は帰るのが23時ごろになります。
小林 雄哉は大学2年生でインターンしていると思うのですが、リディラバに入る前の1年生のころは何をしていたんですか?
田代 アイセックという学生団体に入っていました。
リディラバに入る前にも社会課題の現場に足を踏み入れていていました。中央大学の周りに山があるので、林業についてやっていました。
森林の中に足を踏み入れるまでは、実際に目の前に森林があって山があるぐらいしか知りませんでした。
ただ実際に足を踏み入れてみると、見えていた樹木って人が植えたものが大きくなっただけで、昔から植えたあった自然な状態ではなかったって知って、衝撃を受けました。
森川 Ridiloverっぽい。(笑)
田代 近しいことをやってました。
小林 ほんとほんと。大学では社会課題ってのがキーワードになっていると思うんですが、雄哉はどんな高校生だったんですか?
田代 まじで自分高校時代は何もなかったんですよ。
小林 男子校だった?
田代 いや、違いますね。
あ、でも中3とか高1ならありましたよ。
森川 どんなことあったの?
田代 中高一貫だったんですけど、中3の終わりに一大決心をしまして、当時好きだった女の子に夜ぐらいに直接自分の思いを伝えたんですよ。そこから付き合うことになって。
ただ面白かったのは、二か月後ぐらいにやっぱ友達の感覚の方がいいわって言われて振られたんですね。(笑)
森川 残念(笑)
(写真:田代提供)高校時代の田代雄哉
田代 自分授���ではほとんど寝てたんですよ。なぜかっていうと、高校では野球一筋だったからです。周りは推薦の子がいっぱいいて太刀打ちできなくて…でも、ここであきらめたらかっこ悪いなと思って、必死に食らいついたんですよ。
そしたら、朝早く、夜遅いもんだから、昼眠いなって感じになって。
自分、休憩時間も寝ちゃったんですよね。
そしたら女の子と接点が無くなっちゃって、気が付いたら女の子と喋れなくなってました。(笑)
森川 なるほど!共学にいながら男子校状態だったと!
田代 交友関係を広げることが出来なかった高校時代でしたね。
(写真:小林撮影)森川正崇(もりかわ まさたか) 慶応大学理工学部2年
社会課題に対して当事者意識を持てなかった。(森川)
小林 次に森川くん自己紹介してもらってもいいですか?
森川 森川正崇と申します!! 下の名前が全部Aで(M)A(S)A(T)A(K)Aで言いにくい。(笑)
出身は山口なんですけど、すぐにこっちに引っ越してきて、大井町っていう品川の隣に暮らしています。実家暮らしです。
事務所(御茶ノ水)から家までは40分ぐらいですね。 意外と時間がかかる。徒歩があるからで、電車は20分なんだけど。
田代 乗り換えおおいの?
森川 2回とか。
僕は大学のサークルが、雄哉と同じなんですよね。
リディラバでは社会課題を扱ってますが、入る前は社会課題が分からない。
社会課題に対して当事者意識を持てなかった。
それで、リディラバみたいな活動をしているのは気持ちよくないなっていうのがスタートでした。
そのリディラバがアイセックと関りがあって、先輩にこういうやつがあるよって紹介されて、1年生の終わりぐらいに入りました。
田代 リディラバに入ったのは、当事者意識を持てなかったことが持てるようになるかもと思っ��から?
森川 それが一番大きい。社会課題全然知らなかったから入った。
小林 そうなんですね。森川くんは理系だと思うんですが、専門は何をやっているんですか?
森川 専門は機械工学科です。普段はリディラバのインターンで忙しいイメージがあると思うんですが、結構大学も忙しいです。今年度は実習系の授業が二つあって、設計図を描く授業と、実際に製品を作る授業がありました。 製品をつくるとか、やばい、頭おかしいぞってなってましたね!!
(写真:森川提供)製品の写真
僕は製品を作る人間になるらしい。(森川)
田代 製品をつくるのは自分でやるの??
森川 うん。俺はその時、杖とコンピューターを合体させたものを作ろうと思っていて、杖に付ける事ができるマイクロコンピュータがあるんだけど、それに心拍計とか歩数計とか音を発するスピーカーとかを付けて、自動で一定以上の距離以上になったら音を鳴らすっていう製品をつくろうとしました。
これがめちゃめちゃ大変だった。(笑)
田代 それは完成したの?
森川 半分は完成した。
機能は全部出来たけど統合できていない。
ただそれはそれで終わりで、提出した。
ほんと、大変だった。
どうもこれが三年の前期にもあるらしい。僕は製品を作る人間になるらしい。(笑)
そういう感じの大学生活で、あとは数学と物理。数式解くだけ。
田代 いやー、文系がどんなに楽な大学生活を送っているかと。
小林 たしかに。
これまでの話だと大学とリディラバで忙しいように思えるのですがプライベートはあるんですか??(笑)
(写真:森川提供)大学1年の時に台湾にて撮影
森川 遊びはどうなの?って話ですね。(笑)
田代 時間はとれてるの?
森川 食事の時間は誰と過ごそうが、一人で食べても、同じ時間を使うじゃないですか。
そこで友達と食べて、友達を増やしていければなって思ってます!
小林 理系は固まってるイメージがあるんですが、友達はどうやって増やしていくんですか??
理系は男子ばかりな気がします、、、!!
森川 まあこう、男子はゆーても同じ製品を作る授業で仲良くなって、同じ苦しみを共有すると。
同じ強大な敵に立ち向かうと仲良くなりやすいなって思います。
だから実験や実習が多い理工系の人達はめっちゃ男子の友達が多いみたいな。
田代 女子は?
森川 会わないですね(笑)
最近はそうっすね。まあまあたまに友達に合コン開いてもらったりとか、それで女子と関わりを持つっていう時間を取っております。(笑)
小林 話を聞いていると、大学もプライベートも充実してて羨ましいです、、、。
次は、なんでインターンなしでも充実しているのにも関わらずリディラバでインターンをやっているのか。
これを聞いてもいいですか?
(第2回「Youtubeの向こう側」(田代)へ続く)
第1回「社会課題に当事者意識を持てなかった」(森川)、いかがだったでしょうか?
まだ初回ということで、2人の情熱はそこそこですが、第2回ではRidiloverでの思いを熱く語ってもらいました!
お楽しみに!
★★Ridiloverインターン募集情報!★★
現在、Ridiloverでは新しいインターン生を募集しています!
応募締め切りは【3月18日まで】
詳しい情報はこちらから
▶インターン募集特設サイトへ
★★説明会情報★★
インターンって何するの??実際疑問を持っている人いませんか???
そんな人へ向けて、今回インターン説明会を開催します!!
現役インターン生と話す時間もあるので、リアルな話が聞けますよ!
▶説明会の詳細はこちら
※開催日程
・3月5日㈪ 19時~20時半@リディラバ事務所
・3月14日㈬ 19時~20時半@リディラバ事務所
先着順!25歳以下限定無料ツアー決定! ★★3/21㈬ソーシャルインサイトハブ開催★★
社会課題に興味がある、課題解決を仕事にしたい!
同じ問題意識を持つ学生と話してみたい!
と思う大学生・院生の方必見!
ソーシャルインサイトハブは全3部構成になっています!
【第1部】社会課題の現場に訪問!
【第2部】リディラバ独自のワークショップ!
【第3部】懇親会!
懇親会含め無料で参加いただける(交通費等除く)機会となっています!
リディラバでインターンをしている現役大学生・大学院生が、自身のキャリア選択の時に抱えた悩みを基に企画したイベントです。
「社会課題に関わりたい。だけどよくわからない。」
その思い、確かめに来ませんか?
社会課題に向き合う1日にしませんか?
【情報】
日時:3月21日(水・祝)
場所:都内ツアー現場(詳細は応募後)
参加費:無料
対象:25歳以下の方
↓企画への思いなど、詳細はこちらから↓
https://traveltheproblem.com/tours/305
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街それ自体を踊るためのノート・お気に入りの喫茶店でコーヒーを飲むために
1:前書き
1-1:コーヒーの美味しさは私の人生には関係がない
俺は、街で友達と遊べるようになりたいだけだ。 そしてそれはとても難しい。 街で遊ぶ、ということは、どういうことなのだろう。 例えばそれは、お気に入りの喫茶店を見つけて、そこに入って「ゆっくりする」ことだろうか。 これに対して問い返し、増幅してみる。 住んでいない街なのに?/自分がその店を営んでいるわけでもないのに?/地元を出て、自分が偶然住んだにすぎない街なのに?/誰かがインターネットに写真をあげていて、それを良いと思っただけなのに?/ここが地域で愛されているのを知ってしまった上で訪れているのに?/この店を訪れたということは、自分の明日にはなんの関係もないのに?…… そして、この問いかけが空虚であるということの証明は、返ってくるこだまそれ自身によってなされることになる。つまり、 「コーヒーの美味しさは自分の人生にとって何の役にも立たないのに?」といったような言葉で。 確かに、コーヒーの美味しさは人生において意味がない。しかし、私は味しいコーヒーを飲んでいるとき、その美味しさに浸ることができる。それがたとえ一瞬のことでも。
1-2:街で遊べなくなる
抽象的な言葉で言うなら、ここでの「街で遊ぶ」ことが指しているのは、「街と自分を強く関係させる」こと、そしてその時に関係元となる街の「読み方」がすぐに行為となるような遊び方のことだ。 街を読むことにとって、自分がその「読まれる」街の一部になること。そのような「遊び方」に問いを持とうとすると、それは究極的には、「世界にとって私は必要ないのに?」といった問いまで深化してしまう。 東京が、かつて80年代に存在したらしい”「パルコ的」な記号で満たされた渋谷”のようであったら、どれだけ楽だったろうか、と思う。 そこにはあらかじめ用意されたうねりがあり、波の出るプールのように、そこを「海」と見立てて楽しむような、場所との関係性の強固さに無頓着になることによって「楽しさ」の中に身をおくことができるような、楽しさ。いつでもそこにあり、そこに行けばその楽しさが約束されている場所。自分からその空間にはたらきかけなくとも、楽しめてしまう場所。 でも、そんな渋谷だって、もうない。いつまでもそこにあり続ける(と思わせてくれる)ものなんか、たぶんどこにも無いっていうことを、私たちはだんだん知ってしまっている。 そして、そういう場所には決まって「外部」が存在する。いま、私達がいる、あなたがこの文章を読んでいるところ、それがその場所にとっての外部だ。 「内部」へと向かうその境界をまたぐことで、私たちは「外部」に気づかないふりをすることで、「遊び」を行える。 そういう論理が遂行されている場所は、いまあなたが思い浮かべているようなレジャー施設に限ったことではない。 「境界を引け、強い意思と共に」という声は、既にあなたの中に届いているかもしれない。後で記すことになるが、あなたは、私は、その声によってすでに動かされているかもしれない。 あなた(私)が、意思を持って街に降り立ち、意思を持って街を遊んでいるとき、その声は深く、身体へと届いているのかもしれない。 ”いま、ここ”の先に見える街で、自由に遊べなくなっていく。自分から、ある街へ線をひこうとすればするほど、自分がいまいる場所とのかけ離れたものになっていく。 「私」にすべてを関係づけようとすることによって、すべてが内部化し、外部なき、答えなき問いへと思考の矛先は向いてしまう。つまり、「世界にとって私は必要ないのに?」だ。
1-3:街を踊る、美味しいコーヒーに浸る
先に書いた、街と私を関係づけ、そこに強い意味を持たせることを「遊び」と呼ぶことは、生活している世界の境界を自分で決定・固定することだ。 この文章では、この「遊び方」を乗り越えていくことになる。 導かれる問いは、「しかし、果たして本当に、街と私は、強い関係がなければいけないのだろうか?」というものだ。 街にとって、私は必要がないのかもしれない。ただ、きっと大事なのは、「遊びたい」という欲望があることだ。私は街で遊びたい。しかも、自由に。 街から、街との関係性から自由になる。その上で、街を再び遊ぶ。 つまり、”街それ自体”を思考し、”私それ自身”が街を遊ぶこと。遊び続けながら、遊びをやめることもできる。”いま、ここ”と街をさえぎる境界のヴァイヴを楽しみ、街と自分を関係させつつも無関係であること。 街のゆらぎを楽しみ、しかし、ゆらぎを受動的に待ち続けるのではなく、次のゆらぎに乗りつづける。 この行為を「街を踊る」と呼びたい。 街を踊る。気に入った街の、気に入った喫茶店で、美味しいコーヒーの美味しさに浸るために。あるいは、美味しくなさを笑うために。
2:街を踊る 2-1:街、接触‐切断
昨日まであったものが消え、明日には知らない風景が現れる。それはすでに消えてしまっているかもしれない。消えつつあるかもしれない。 その「なにか」の喪失、そのあらわれに気づくためには、私たちは「何か」の外側に立たなければならない。自分の好きな街に線を引き、その外側に引き下がることによって私たちは観測者にも、観光者にもなれるだろう。 しかし私たちは、振動し、増幅を続ける輪郭の中に生きている。そこには自由がある���私たちは、街において街から自由でなければいけない。外部からも内部からも自由でなければいけない。 自由であるということとして、踊りがある。そして、それは街「において」踊ることではない。街「を」踊ることだ。 街の中にひっかかりをみつけて、それを取り出し、それ自体と戯れる。踊りは、その街の上に身体として現れる。街をつむぎ、身体へと結びつける。次のムーヴでは、その結びつきはほつれてしまうかもしれない。あるいは、絡まりあって自らの動きを妨げるかもしれない。 街を踊る。糸がほつれ��ら次の糸を紡ぎ、動きを妨げるものがあったらそれを切断することによって、常に、街そのものと私=身体を接触-切断させ続ける。
2-2:街の糸を紡ぐもの
風になびき続ける、かつて私の踊りと共にあった糸は、再び誰かがつむぐかもしれない。切断されたまま、たゆたい続けるかもしれない。自らの髪についたままになってることに、自分すらも気づかないかもしれない。また、切断された糸は自分と無関係に誰かの糸と絡まりあい、街に堆積するかもしれない。
街はそれ自体として存在する、私はわたし自身として存在する。 街は私ぬきにも存在するが、私は街に存在する。踊りは、誰か/何かに強制されるものでもないが、必ずしも意思のもとで行���れるものでもない。そこには偶然性があり、しかし偶然性のみに身をまかせた動きを「踊り」とみることはできない。
昨日まであったものが、誰の許可もなく明日へと取って代わっていく世界、あるいは、すべてに輪郭が与えられようとしている世界において、街を私たちが踊り続けるために。私達が、街から自由であるために。
3:悲しき熱帯への声、私達の寝息
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。」
(クロード=レヴィ・ストロース,p425)
20世紀の初頭、かつて、隆盛の最中にあったブラジル・サンパウロにその身を置いた、偉大な社会人類学者の「かつて」を語る言葉を読む。
「制度、風俗、慣習など、それらの目録を作り、それらを理解すべく私が自分の人生を過ごして来たものは、一つの創造の束の間の開花であり、それらのものは、この創造との関係において人類がそこで自分の役割を演じることを可能にするという意味を除いては、恐らく何の意味ももってはいない。」(同) 悲しき、かつての熱帯。共同幻想としての過去のための感情をノスタルジーと呼ぶなら、ここには現在まで堆積している「かつての」悲しみを伴う過去への感情、サウダージが通奏低音のように響き渡る。その可聴領域ギリギリで鳴る音に、今一度耳をそばだてることはできないだろうか。 失われたものを構造化し、自分の側へと引きつける。自分と世界の間に線を引き、いまの自分の物語を再び作り直すために、私たちはしばしば過去を見る。 しかし、見えない過去もまた存在する。わたしたちの寝息は寝室の壁に吸収されて消える。 寝息はおそらく、誰のもとにも届かない。寝息は過去のものだが、私たちは自分のその寝息を、夢の中ですら聞くことはできない。 寝息は出来事ですらない。そういった類の「過去」が、選択されなかった、知られもしない過去が、世界には堆積し、低音を鳴らし続けている。それを、たまに聞いてしまうことがある。 存在しているはずの、しかし何とも関係しない「かつて」に出会ってしまうとき、私は、既に何かと関係してしまっている、関係しつつある自分を強く揺さぶられる感覚に陥って、うまく立っていることができなくなる。
4:荒廃の先に
4-1:かつての街を歩く
2017年の夏、私はかつての生家周辺を歩いていた。
埃とカビと雑草の匂いが、熱気で膨張して長時間身体を包み込んでいたせいか、めまいを起こしそうになった。曇天が、視界のコントラストを下げ、定めるべき焦点を迷わせ続ける。 ハグロトンボがよたよたと飛んで、視界の隅をかすめた。辺りを見ると、いくつもの黒い羽が地面に張り付いて呼吸をしていて、ぞっとして声が出そうになる。線香の煙がたまに鼻に入ってくる。うず高く積まれ、山のようになった墓石たちは、帰るあてのない女郎の墓だと聴かされたことがある。その山が、トタン屋根の家屋の連なりの向こうに、頭だけ出している。 かつての城下街であり、絹織物で栄えた街。 家の前にスーパーができることに当て込んで、祖父が飲食店を営み始めたのは、母の中学の入学式の日だったという。隣のお茶屋とはいざこざが耐えなかったが、郊外に庭付きの一戸建てを買うことができる程度には儲かったのだろう。その土地には今の私の「実家」がある。生家はもう無い。祖母が死に、祖父が死に、生家があった場所には雑草が生い茂っている。 埃と錆にまみれた、スナックの看板がある建物の裏手に回り込むと、朽ちた木造家屋のドアに新聞が何重にも刺さっていた。ファインダーを向けると、どこかの家から甲子園の実況中継の音が聞こえてきた。シャッターは切らずにカメラを下げる。 色あせた幼児用の自転車に、蔦が絡まっている。ちぎれたカーテン、割れたガラス、セイタカアワダチソウの群生を囲むフェンス。 その奥にある生活は、生かされているわけでも生きているわけでもなく、私がカメラで切り取ろうとしていたものたちと並列して、ただそこにある。 カメラを首から下げ、自分が生まれ育った街を歩く26歳の自分は、あるいはすべてから無関係な身体として、情動と風景を自らの手で循環させる機械にでもなったような思いだった。 私は、この町で遊ぶことはできない。
4-2:街それ自体、私それ自身
私の身体は、この街それ自体と関係できないのだ、という事実が、突きつけられる。 語られなかった過去、出来事以前の過去、過去それ自体が、街それ自体とくっつき、滅びるのを待つ。 そこに、「未来から借りてきた過去」ではない、圧倒的な現在性が立ち現れていることに、ゆらぐ。ここが再び未来を向くことは無いだろう。 しかし、母から、祖父母から聞いた、彼/彼女らの物語が、私をこの街に関係させようとする。否応なしに、意思とは無関係に、街と私は関係する。 祖父が死に、祖母が死に、俺とは無関係なはずのこの場所で、この、人が生きていてるだけの「街」で、私はその街との物語を作ろうとするほど、その空虚さに包まれる。 過去は通奏低音のように鳴り響いている。ずっと、聞こえないだけで、過去の体積はこの場所に、低く、微弱な振動と共に流れている。
地元があり、東京に住んでいる。そのどれもが、私を固定されたアイデンティティから退ける。
4-3:アイデンティティを街と固定することのあやうさ
もし、「物語」への固定化を行ったとしたら、という例を挙げてみよう。 そこには外部として、郊外、というものが立ち現れる。 そして、”「グローバリゼーションによって衰退したかつての地方都市」に生まれた���”という構図は見事に完成される。その中において、私は雄弁に語ることができる。東京を、地元を、自分を。未来さえも描けるかもしれない。 完成された図式の内部に引き下がり、その外部/内部の輪郭を固くすることで、得られる物語は多い。物語作成機構と言ってもいいかもしれない。 それは永遠に物語を再生産し続ける。読み、読まれ、しかもその物語の一部として読み手が存在できる。向精神薬のような、毒に当てられていることに誰一人として気づかない、治療という名のもとで行われるアイデンティティ汚染。 「まちづくり」も「コミュニティ」も「地方創生」「地元らしさ」も、結局、いつか「かつて」として読まれる時間を「いま、ここ」に落とし込む動きにすぎない。前借りした未来の中で、物語は確固たる元ネタ=過去をサンプリングし続ける。 その境界の中ではアイデンティティは決して揺さぶられれない。同じように、「東京らしさ」だって「東京ローカル」だって「ダイバーシティ都市」だって、「ストリートに集う仲間たち」だって、すべて、精神疾患の治療薬が持つそれぞれの名前と同じ理由で存在している。効き目が長いか/短いか、ゆっくり効くか、朝飲むか、夜飲むか。街において、処方箋を書き続ける医者は誰なのか。わかったところで、彼を弾劾すべきではないだろう。投与される薬の量は増えていく。確定されたアイデンティティなしでは生きられない私/街になっていく。
5:さいごに
私たちは、内部に引きこもることも、常に身を外部に置いておくこともできない。
「無数の高層ビルやタワーが集まって形作られる、大都市の輪郭線について考えてみよう。感覚的対象である限りにおいて、そうした建造物が互いに接触可能なのは、もちろん、それらを経験する仲介ないし媒介のみである。そしてまた、私は実在的対象としての建造物に接触することはできない。理由は単純で、実在的対象は、つねに互いから退いているからである、(…)感覚的領域で生じる出来事は、どうにかして、あらゆる経験の外部にある実在へと遡及的に影響力を与える必要がある��だ(…)」(グレアム・ハーマン.p.120) 目指していた街に出会うとき、わたしは街に出会えない。街は降り立つと際限なくひろがり、はるかかなたに、また別の街が浮かび上がる。 街には、どこへでもいけるという自由はあるが、どこへでも行けてしまうがゆえに、不自由である。 街において自由であるということは、この「つねに互いから退いている」まちたちを、すべて捉えきろう、とすることではない。 すべての存在を「経験」しようとすることは、「経験していないもの」も同時に存在させてしまう。「経験」とは、私と街の間に関係をもたせることだ。 街において自由であるということは、退いている街の中で、「街を」楽しむ主体=私自身の身体 を、常に仮固定しておくことにほかならない。 街を踊り続けること。 風のなびきに身を任せ、街において踏むステップの軽やかさを楽しむこと。 そして、自由は、踊ることをやめることもできる、という可能性によって獲得される。ムーブを中断し、喫茶店に入る。そしてまた街へ出る。家へと帰る。 そこでは境界は振動は緩やかになるだろう。踊る自由は、安息をももたらすに違いない。 恋の句を作るのは恋をすることであり、野糞の句を作るのは野糞をたれる事である。/叙景の句とはどういう事になるか。/それは、一七字の中に自分の欲する景色を再現するだけではいけなくて、その景色の中へ自分が飛び込んで、その中でダンスを踊らなくては、この定義に添わないことになる。 (寺田寅彦p.110) 私たちは、街を叙景の句にすることができよう。 街を踊ることは、街を見たり、自分がしたい振る舞いをすることではない。街の中に自分が飛び込んで、その中でダンスを踊らなくては、街は現れないのだ。
参考文献 北田暁大,2002,『広告都市・東京——その誕生と死』,廣済堂出版 國分功一郎,2017,『中動態の世界-意思と責任の考古学-』,医学書院 カンタン・メイヤスー,2007=2016,『有限性の後で-偶然性の必然性についての試論-』(千葉雅也、大橋完太郎,星野太訳),人文書院 クロード=レヴィ・ストロース,1955=2001,『悲しき熱帯Ⅱ』(川田順造訳) ,中央公論新社 グレアム・ハーマン.2010=2017,『四方対象-オブジェクト指向存在論入門』(岡島隆佑監訳 山下智弘,鈴木優花,石井正巳訳),人文書院 千葉雅也,「勉強の哲学-来たるべきバカのために-」,2017,文藝春秋 高野岳彦,1991,「訳者あとがき――人間主義的地理学とエドワード・レルフ」,Relph,E.『場所の現象学』筑摩書房,所収. 寺田寅彦,1996,「柿の種」,岩波文庫 吉見俊哉,1987,『都市のドラマトゥルギー――東京・盛り場の社会史』,弘文堂 フレッド・デイヴィス,1975=1999『スタルジアの社会学』(相場寿一,荻野美穂,細辻恵子訳),世界思想社
執筆者:小川哲汰朗(https://twitter.com/_maoxiong_)
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【アンケート企画】 「2017年の3本」
WLでは読者のみなさんから2017年に見た舞台作品の中で印象に残った3本を、その理由などを書いたコメントとあわせて募るアンケートを実施しました。WLスタート以来毎年行っているこの企画、3回目の今回は20名の方にご参加いただきました。掲載は到着順です。
雨宮 縁(会社員) ・劇団四季『ノートルダムの鐘』(四季劇場〔秋〕) ・ホリプロ『パレード』(東京芸術劇場 プレイハウス) ・ホリプロ『ファインディング・ネバーランド』(東急シアターオーブ ) 『ノートルダムの鐘』は何が悪なのか? 怪物は誰なのか? 人間の業と差別について圧倒的なクワイアの歌声で問われる秀逸な作品。 ミュージカル『パレード』はストレートプレイを見ているようなミュージカル。アメリカ南部で起こった実話の冤罪事件をミュージカル化した異色作。ある少女殺人事件をきっかけに人種差別や成功者への妬みなどから警察やマスコミ、政治家様々な立場の人達により犯人に仕立て上げられていく恐ろしさ。これが物語ではなく実話であるというさらなる恐ろしさに声が出ない程の衝撃だった。実力者ぞろいの出演者達で見応え満点だった。 ブロードウェイミュージカル『ファインディング・ネバーランド』は来日公演。ミュージカルらしい作品。イマジネーションの世界は自由だと夢のあるミュージカル。窮屈な現実から解き放される感動作で前向きな気持ちにしてくれます。(年間観劇本数:24本)
小田島 創志(大学院生・非常勤講師) ・KAAT『オーランド―』(KAAT神奈川芸術劇場) ・やみ・あがりシアター『すずめのなみだだん!』(小劇場てあとるらぽう) ・地人会新社『豚小屋』(新国立劇場 小劇場) 1.KAAT『オーランド―』…ジェンダー、言葉の意味、文化慣習、時代精神などの脱自然化を、舞台上で緻密に表現。観客の想像力を喚起する役者さんの演技も白井さんの演出も圧巻。「男である」「女である」のではなく、「男になる」「女になる」というボーヴォワール的な価値観を、演劇的にスタイリッシュに表現していて素晴らしかった。 2.やみ・あがりシアター『すずめのなみだだん!』…個人と社会、個人と宗教の関係性を、コミカルかつ丁寧な言葉を紡いで描いた意欲作。テーマが複層的で、観客側の思考を誘う。 3.アソル・フガード『豚小屋』…個人よりも集団が過剰に優先され、個人の犠牲の上に集団が成り立つ状況下で、戦争に駆り立てられる庶民の「受難」を、北村有起哉さんと田畑智子さんの壮絶な演技で伝えていた。(年間観劇本数:53本)
��川 涼太(学生) ・ロロ『父母姉僕弟君』(シアターサンモール) ・木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談 通し上演』(あうるすぽっと) ・ままごと『わたしの星』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) 今年の3本を選んでみると、全てが再演(初演はどれも観ていない)だった。 特にロロ『父母姉僕弟君』はキティエンターテイメントプロデュースで、より大きなサイズで大きなスケールで上演できていた。 他の方々も語るように、再演賞を設ける等、演劇界全体で再演文化の定着に力を入れて欲しい。(年間観劇本数:50本程度)
なかむら なおき(観光客) ・月刊「根本宗子」『スーパーストライク』(ザ・スズナリ) ・劇団四季 『ノートルダムの鐘』(四季劇場〔秋〕) ・こまつ座『イヌの仇討』(紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA) 『スーパーストライク』は良し悪しの前にもっとも欲していることが届く作品だったので。『ノートルダムの鐘』はあえて出来事だけを表現して観客に判断を任せているのが面白かった。そして『イヌの仇討』は忠臣蔵を下敷きに目に見えない得体の知れない大きな力を描いていて続々としたなぁと。あ、これらは趣味です。 で、上演された作品を見ると、今の世の中に応答するような作品が多いように思うのです。そして小劇場界隈で育ってきた演出家が大劇場の演出を務めるようになってきているように思うのです。また少し変わったかなぁと思うのです。(年間観劇本数:100本ぐらいですかね)
北村 紗衣(研究者) ・ケネス・ブラナー演出、トム・ヒドルストン主演『ハムレット』(RADA) ・カクシンハン『マクベス』(東京芸術劇場 シアターウエスト) ・モチロンプロデュース『クラウドナイン』(東京芸術劇場 シアターイースト) 今年は『ハムレット』���6本見て、アンドルー・スコット主演版や川崎ラゾーナ版なども良かったのですが、ヒドルストンの『ハムレット』が一番好みでした。ハムレット以外の若者役を全員女性にするキャスティングが効いていました。カクシンハンの『マクベス』はまるでゴミみたいなセットでしたが、内容はゴミとはほど遠いエネルギッシュなものでした。『クラウドナイン』は大変面白かったのですが、あまりよく考えずに「レズ」とか「少年愛」などという言葉を使っているマーケティングは大変残念でした。 (年間観劇本数:121本)
町田 博治(会社役員) ・青☆組『グランパと赤い塔』(吉祥寺シアター) ・小松台東『山笑う』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・ SPAC『アンティゴネ ~時を超える送り火~』(駿府城公演特設会場) 『グランパと赤い塔』 吉田小夏が人の綾なす思いを紡ぎ、丁寧に織り上げられる。 背筋が伸び厚みと洒脱さを合わせ持つ老紳士を佐藤滋が見事に演じ、福寿奈央の初老の妻も見事。二人が作品に一本の筋を通す。 裏の主役とでも言うべき女中役を大西玲子が、目線、ことば、仕草、身体で見事に演じていた。役者が皆素晴らしい。 『山笑う』 兄と妹、地方と都会、肉親ゆえの諍い。 静かに光る小さな宝石の様な作品。 松本哲也の演出がシリアスさと笑いをバランスさせ絶妙。厚みのある演技、役者達のバランスも絶妙。 『アンティゴネ』 冒頭女優石井萠水がミニ・アンティゴネを演じ客を引き込む。 舞台は一面水。灯篭が浮かび明かりが揺れる。あの世と現世の境としての水、水上で舞台が静かに進む。背後に投射された動きが影となり、台詞、歌唱が絡み、幻想的。 「弔い」にこだわるアンティゴネ、最後、円く連なってゆく静かな盆踊りが弔いを暗示胸を締め付ける。(年間観劇本数:299本)
文月 路実(派遣社員・フリーライター) ・ゴキブリコンビナート『法悦肉按摩』(都内某公園) ・NODA・MAP『足跡姫』(東京芸術劇場プレイハウス) ・ 範宙遊泳『その夜と友達』(STスポット) 「五感を総動員する」と謳っていたゴキコンの本公演は、まさにその通りの悪夢だった。入り口で目隠しされ、何が何やらまったくわからない状態で味わう地獄。四方八方から泥水や血糊や��物や虫が飛んでくる。突然役者が飛び出してきて身体の上に載る。内容はいつも通りのひどい話だ。テント内はかなり暑く、なにやら異臭がすごい。終わったときには頭に虫がとまり、レインコートは泥や血糊でぐしょぐしょ、汗で眉毛が半分消えておったとさ。そんなに過酷だったのにもかかわらず爽快感を覚えたのは不思議。普段使わない感覚を刺激されたからか。これこそが演劇の力なのでは。『足跡姫』は勘三郎へのオマージュ。ここ数年の野田作品のなかで一番ストレートに「想い」が伝わってきて、純粋に美しいと思った。『その夜と友達』は、生きづらさを抱えた「夜」というキャラクターが個人的に刺さった。「しんどさ」を知ってしまった人間にも希望はあるのだと信じたい。(年間観劇本数:42本)
永田 晶子(会社員) ・努力クラブのやりたくなったのでやります公演『フォーエバーヤング』(人間座スタジオ) ・燐光群『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』(ザ・スズナリ) ・dracom Rough Play 『ぶらんこ』(OPA_Lab) 上演日順です。 ・説明が削られ、描くべきことだけ残った合田団地氏の劇作は、努力クラブの魅力のひとつです。同世代の俳優による静かな演技で、人生における中途半端な時間の儚さをより楽しめました。 ・燐光群の公演で、劇場という閉ざされた空間が持つ危うさを確かめました。戯曲に負けない強い演技と、暗闇にわずかな光を感じるラストシーンが印象的でした。失われた街に思いを馳せる機会にもなりました。 ・既存戯曲を本読み一回・稽古一回で上演するラフプレイを観て、演劇は一度きりの瞬間に在ると思いました。会場全体に広がる「わかりあえなさ」に、戸惑いつつも笑いました。戯曲を忠実に辿ろうとするデッサンのような行為は、dracom の新作での慎重な表現にも繋がっていたと思います。(年間観劇本数:100本くらい)
青木 克敏(地方公務員) ・SPAC『アンティゴネ〜時を超える送り火〜』(駿府城公演特設会場) ・ロシア国立サンクトペテルブルク マールイ・ドラマ劇場『たくらみと恋』(世田谷パブリックシアター) ・NAPPOS PRODUCE『SKIP〜スキップ』(サンシャイン劇場) あまりぱっとしない演劇状況に思えました。その中で、SPACの宮城聰さんの取り組みは素晴らしいものに感じています。アンティゴネは構成がしっかりとしていて分かりやすいかったですが、私の価値観を揺るがしてくれるほどの感動を、与えてくれました。たくらみと恋では、俳優陣をはじめとして芸術レベルの高さを見せつけられました。そして、スキップ。なんだかんだ言っても、キャラメルボックスは、夢と希望をいつだって分かち合おうと走り続ける劇団です。(年間観劇本数:32本)
矢野 靖人(一般社団法人shelf代表理事・芸術監督) ・WORLD STAGE DESIGN『The Malady of Death』(台北国立芸術大学) ・HEADZ『を待ちながら』(こまばアゴラ劇場) ・SCOTサマーシーズン2017『サド侯爵夫人 第二幕』(新利賀山房) The Malady of Death”はバンコクの盟友、僕がいちばん信頼している僕自身のプロデューサー的存在でもあるリオンが演出する作品とあってわざわざそれを観るためだけに台湾まで行った作品。そういうことが出来る/したいと思える仲間がいることに感謝。今年いちばん記憶に残っている。デュラス晩年の最後の恋人は実はゲイで、しかし献身的にデュラスを愛し、デュラスに尽くしたという。美しく儚い作品だった。鈴木忠志「サド侯爵夫人 第二幕」はこの超絶技巧のこのアーティフィシャル(人工的)な日本語台詞をねじ伏せた俳優陣に快哉。久しぶりに劇場で観劇した飴屋法水さんの「を待ちながら」はこちらが思っていた以上に泣けるほどに清々しくベケットで。選外に1作品、APAFワン・チョン氏演出の「Kiss Kiss Bang Bang2.0」を。ノンバーバル且つインターナショナルな演劇の新たな可能性を垣間見せてくれた���(年間観劇本数:43本)
野呂 瑠美子(一観客) ・劇団昴ザ・サードステージ『幻の国』(サイスタジオ大山第1) ・劇団チョコレートケーキ『熱狂』(シアターウェスト) ・文学座創立80周年記念公演『中橋公館』(紀伊国屋ホール) どの時代をどういう切り口で、どのように選ぶかは作者の意識と力量による。劇団チョコレートケーキの古川健さんは、大きな歴史の流れを巧妙に切り取り、多大な資料を元に、新たに肉付けをして、その時代がどんなであったかを観客に見せてくれる。『幻の国』『熱狂』ともに、3時間ほどの舞台からは、困難な時代に置かれた人々の思いと息遣いが伝わってくるようであった。文学座の真船豊の『中橋公館』も、殆ど知られることがなかった、外地・北京で敗戦を迎えた日本人の様子をよく伝えていて、感心した。どの作品も、過ぎ去った時代を描きながら、実は現代をきちんと映し出している秀作揃いで、感動とともに、印象深い作品となった。最近あまり見なくなった歌舞伎だが、今年は仁左衛門の『千本桜』がかかり、おそらく彼の一世一代の知盛であろうと思われて、拝見した。人生は速い。(年間観劇本数:80本)
片山 幹生(WLスタッフ) ・SPAC『病は気から』 (静岡芸術劇場) ・ゴキブリコンビナート『法悦肉按摩』 ・平原演劇祭2017第4部 文芸案内朗読会演劇前夜&うどん会 「や喪めぐらし」(堀江敏幸「めぐらし屋」より) ノゾエ征爾翻案・演出のSPAC『病は気から』は17世紀フランス古典主義を代表するモリエールの喜劇の現代日本での上演可能性を切り拓く優れた舞台だった。ゴキコンはいつも期待を上回る斬新で過激な仕掛けで観客を楽しませてくれる。高野竜の平原演劇祭は昨年第6部まで行われ、いずれも既存の演劇の枠組みを逸脱する自由で独創的なスペクタクルだったが、その中でも文庫版200頁の小説を4人の女優がひたすら読むという第4部の企画の体験がとりわけ印象的だった。食事として供された変わったつけ汁でのうどんもおいしかった。(年間観劇本数:120本)
kiki(勤め人) ・日本のラジオ『カーテン』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・あやめ十八番『三英花 煙夕空』(平櫛田中邸/シアトリカル應典院) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) カーテン:この一年で拝見できた日本のラジオの作品はどれも面白かったが、結局一番好みにあったのがコレ。劇場の使い方や題材の面白さに加えて、奥行きのある人物描写で15人のキャストの魅力が充分に生きた。 三英花 煙夕空:あやめ十八番初の二都市公演で、東京と大阪の会場がどちらも物語によく似合いつつ印象はガラリと変わって面白かった。音の響きや照明も変わり、キャストも変わって、東京公演では濃密な仄暗さが、大阪公演ではエッジの効いた明暗がそれぞれ印象に残った。 アンネの日:風琴工房の題材への取り組み方にはいつも心惹かれるが、観る前には地味だろうと思っていたこの作品がこの一年で最もツボにハマった。描かれた人々の誠実さと強さ、それを演じるキャスト陣の説得力が魅力的だった。(年間観劇本数:155本)
りいちろ(会社員) ・第27班 キャビネット公演B『おやすみ また明日 愛してるよ』(シアターミラクル) ・コマイぬ『ラッツォクの灯』(石巻 GALVANIZE gallery) ・アマヤドリ『青いポスト』(花まる学習会 王子小劇場) 2017年も足を運ぶ先々に多彩な舞台の力がありましたが、中でも常ならぬ舞台の密度や呼吸を感じた3作品を。 この一年、くによし組や劇団ヤリナゲ、劇団普通、KAZAKAMI、遠吠え、キュイなど若い作り手たちの作品にも心惹かれつつ、てがみ座『風紋』、風琴工房『アンネの日』、青組『グランパと赤い塔』、うさぎストライプ『ゴールデンバット』、ワワフラミンゴ『脳みそあるいてる』など実績のある作り手の更なる進化を感じる作品も数多く観ることができました。FunIQの5人の作演での連続上演の試み,ロロの「いつ高シリーズ」やシンクロ少女の『オーラルメソッド4』のように過去作品と新作を合わせて上演することも作品の世界観を再認識させ作り手の進化を感じさせる良いやり方だったと思います。またあやめ十八番や水素74%などの歴史建造物での上演にも、スイッチ総研の諸公演やガレキの太鼓ののぞき見公演などの企みにも捉われました。(年間観劇本数:315本)
矢作 勝義(穂の国とよはし芸術劇場 芸術文化プロデューサー) ・ イキウメ『天の敵』(東京芸術劇場 シアターイースト) ・TBSテレビ『俺節』(TBS赤坂ACTシアター) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) 『天の敵』は、戯曲・演出・美術・俳優など全てのピースが寸分の狂いもなく組み合わされた、これまで観たイキウメ作品の中で一番素晴らしい舞台でした。 『俺節』は、主演の安田章大の歌・芝居ともに素晴らしく、回りを固める小劇場系の俳優も一丸となり、見事に劇世界を支えていました。何と言っても、脚本・演出の福原充則の仕事ぶりが充実していました。 風琴工房の詩森ろばさんは、2017年の1年間で多数の作品を生み出していましたが、なかでも『アンネの日』は、教養エンターテイメントと名付けたいと思います。事実の羅列や解説にとどまらず、それをエンターテイメントに昇華しながらも、一つの物語として創り上げられたとても素敵なものでした。 番外として、自身の劇場制作の、青木豪作、稲葉賀恵演出の「高校生と創る演劇『ガンボ』」と桑原裕子作・演出の穂の国とよはし芸術劇場プロデュース『荒れ野』を上げておきたいと思います。(年間観劇本数:132本)
須川 渡(研究者) ・ dracom『空腹者の弁』(ウイングフィールド) ・山下残『無門館の水は二度流せ 詰まらぬ』(アトリエ劇研) ・アイホールがつくる「伊丹の物語」プロジェクト『さよなら家族』(AI・HALL) 今年も関西で多くの作品を観ました。劇場の閉館はたびたび議論になりますが、dracomと山下残はこの問いかけに作品という形で応答していました。dracomはウイングフィールドという場所で演劇を続けること、山下残はアトリエ劇研がなくなることの意味を、どちらも非常に挑戦的な方法で示していました。『さよ���ら家族』は、伊丹という場所と時間をかけて丁寧に向き合った秀作です。スタイルは様々ですが、観客である私も、同じ場所にとどまって演劇を観続けるとはどういうことかに思いを巡らせた1年でした。 (年間観劇本数:133本)
かいらくえんなつき(演劇ウォッチャー) ・ロロ いつ高シリーズvol.4『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』(こまばアゴラ劇場) ・悪魔のしるし『蟹と歩く』(倉敷市立美術館 講堂) ・範宙遊泳『その夜と友達』(STスポット) 2017年も前半は大阪にいたので、関東近辺の演劇はそこまで多くは観ていません。とはいえ、ここにどうしても挙げたいと思う関西の作品に出会えなかったのは、残念。 選んだのは今後ずっと忘れないだろうなと思う観劇体験だったものです。 この他に挙げられなかったのは、FTで上演された『忉利天(とうりてん)』 (構成・演出・美術:チェン・ティエンジュオ)。 これだけをみていうのもと思いますが、それでもいいたくなるぐらい、中国の勢いを感じさせられ、それと裏返しの日本の閉塞感を感じました。 2017年は(も?)色々と区切りとなる出来事の多かった1年だったような気がしています。 毎年同じようなことを書いている気がしますが、2018年はもっともっと新しい刺激的な作品に出会いたい!!(年間観劇本数:おそらく150本くらい)
薙野 信喜(無職) ・ Schauspiel Leipzig『89/90』(Berliner Festspiele) ・Akram Khan Company「Until the Lion」(Main Hall, ARKO Arts Theater) ・日本総合悲劇協会『業音』(西鉄ホール) 2017年は、海外で観た20数本の作品の印象が強い。パリで観たオペラ・バスティーユ『ラ・ボエーム』、オデオン座『三人姉妹』、コメディ・フランセーズ『テンペスト』、ベルリンドイツ劇場『フェードル』『しあわせな日々』、ソウルで観た Yulhyul Arts Group『Defeat the ROBOT 3』、明洞芸術劇場『メディア』の印象が強烈だった。
九州に来演した作品では、ヨーロッパ企画『出てこようとしてるトロンプルイユ』、サードステージ『舞台版ドラえもん のび太とアニマル惑星』、イキウメ『散歩する侵略者』、トラッシュマスターズ『たわけ者の血潮』 などが楽しめた。 九州の劇団では、劇団きらら『プープーソング』、そめごころ『ちずとあゆむ』、転回社『夏の夜の夢』 がおもしろかった。(年間観劇本数:156本)
でんない いっこう(自由人) ・東京芸術劇場『リチャード三世』(東京芸術劇場 プレイハウス) ・新国立劇場『プライムたちの夜』(新国立劇場小劇場) ・文学座『鳩に水をやる』(文学座アトリエ) 1.リチャード三世の人格形成に身体の障害を前面に出さなかったし、最期の苦しみを、脳内の様子が突然飛び出し襲い掛かるような映像と音響で訴えたプルカレーテ演出の意外性が惹きつける。 2.人は何に向って本心を言えるのか、自身の老後は応答するロボットを考えていたが、人型のAI・スライムなら2062年でなくとも頷けてしまう身近な物語であった。人を失した悲しみ、本来わかりえない存在、一個の人間。 3.童話作家だった男、今は認知症の鳩に水をやる男。誰にわかると言うのだ、その内面の心理が。過去を生きている男に通じる回路を持たない今を生きてる者達。次点は若い俳優、演出家の成長が嬉しい『その夜と友達』『ダニーと紺碧の海』『ナイン』気になる劇作・演出家で楽しかった『ベター・ハーフ』大野一雄に惹かれ、その時代の映像が見たくて、疑念を持ちながら観たのに何故か後半引き込まれてしまった『川口隆夫「大野一雄について」』等がある。(年間観劇本数:27本)
小泉 うめ(観劇人・WLスタッフ) ・点の階『・・・』(京都芸術センター 講堂) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・神里雄大/岡崎藝術座『バルパライソの長い坂をくだる話』(京都芸術センター 講堂) 前半は人生最高ペースの観劇本数だったが、後半は落ち着いて、おしなべてみれば例年並みの本数になった。そのため見逃したと思っている作品も多い。演劇が演劇であるが故の悔やみである。 『・・・』 ファンタジーという言葉だけでは済まされない不思議な観劇体験となった。窓の外の雪や隙間から入ってくる冷たい空気までもが演劇だった。 『アンネの日』 詩森の戯曲はいつも緻密な取材力とそこからの跳躍力に支えられているが、この戯曲からは一人の女性として、ひいては一人の人間としての彼女の姿が明瞭にうかがえ、彼女の代表作となるだろう。 『バルパライソの長い坂をくだる話』 神里のターニングポイントと言える。再び上演される機会もあるだろうが、あの場所であの役者陣でのスペイン語上演は、当然のことながら二度とないものを観たという印象が強い。 西日本での観劇も例年よりは少なかったが、結局KACで上演された2本を選んでいるあたりも私らしいところか。(年間観劇本数:355本)
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WASITE.store 2020.02.20 now OPEN 今日の海 1883年の今日 小説の神様と謳われた「志賀直哉」誕生!!! だれ!? いやいや、思い出して欲しい。 「白樺派」 って聞いたことない? ないなら仕方ない・・・。 「俺は、なっち派、いや、俺はゴマキ派」 かつてはこんな会話がそこかしこから聞こえたもんです。(?) それが今は、「推し」という表現をする。 まぁ、それはいいや。 〜〜派というなんとも古風なこの語感。 白樺派は、日本の文学において、 「大正デモクラシーなど自由主義の空気を背景に、 人間の生命を高らかに謳い、 理想主義、人道主義、個人主義的な作品を製作執筆、 自然主義に変わって1910年代の文学会の中心になった!!!」 説明を書いてもさっぱり。 詳しい人に聞いてみた。(ググった) 「要するに「白樺派」というのは、 上流階級の育ちのいいお坊ちゃん作家のグループであり、 人間は自由であるべきだとか、人を信じることは素晴らしいとか、 貧しい人たちにも愛情を注げば明るい社会ができる、 などと考えるタイプで、 よく言えば『モラリストで理想家肌』、 悪く言えば『苦労知らずのおめでたい人』が 集まった仲良しクラブのようなものです」 辛辣っwwっwwwwwww!!! いや、でもね、それでも新しい文化を創造したってことは、 本当にすごいことで、 事実14年間の白樺派がつくったムーブメントは、 日本最大の文化運動だったんだって。 功績は素直に認めよう。 そこで、今日の主人公「志賀直哉」さん。 作風はひとことで「写実の名手」。 なんでも、 「鋭く正確に対象を捉え、簡潔な言葉で表現している」 また、 「無駄を省いた文章は、文体の理想の一つと見なされる」 グレイト!!! 無駄のなさに憧れる! (無駄だらけに書き散らかすスタイルの私) 芥川龍之介からは「もっとも純粋な小説」とまで言わせしめる! どう? 読みたくなった? 白樺派、もとい「白樺」はすごいんやで。 なんせ、白樺の樹液は「キシリトール」の原料や。 さらに、お酒のウォッカは、白樺の炭のフィルターで濾過されることで、 あの純粋でクリアーなスピリッツ(蒸留酒)になる。 (楓の炭フィルターで濾過するのがジャックダニエル、また無駄な説明をw) そして、白樺は賢い! 種が良い土地に散布されると、一斉に発芽して白樺の森を作るんだけど、 良くない土地に散布されると、地面の中で寝て待つんだって。 休眠する!!! で、 山火事とかで熱を感じると起きて、芽が出る!!! また、 湿ってる土地が乾燥していい感じの陸地になったら芽が出る!!! と言った具合に、これを 「先駆種としての能力」 といいます。 日本の文学「白樺派」って何?ってなったら、 ウォッカみたいに純粋で、 虫歯がないようなお坊ちゃんの文芸サークルだけど、 新しい時代の文化を作った先駆者たち。 みたいな感じで記憶に残してもらえたらどうでしょう? (そうとう説明をはしおってるので、言葉足らずをお許しください) 今日もよき日を。 #WASITE #ワシテ (Wasite) https://www.instagram.com/p/B8xh4m0D5PA/?igshid=14up9ddy8hw8l
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御指名はいりました 10
妻が出て行く前の晩に 俺がこの家を出ていこうか、と妻に言った。 そこまで甘えられないと落ち着いた声で言われて、そうじゃない、俺は夜景も高層マンションも本当は好きじゃないんだと言えば 妻は一瞬表情を固めた後に小さく笑った。
「それ、全然知らなかったなぁ」 「言うことでもなかったし」 「じゃあ、なんでこのマンション買ったの?」 「お前がここがいいって言ったから」 「それは、私が喜ぶから?」 「……そうじゃねぇの?」
妻はまた笑った。でも気がついた。 妻の笑い声は楽しいものではないのだと。
「自分のしたことに疑問系って、そんなのありかな?」 「……あんま覚えてないから。でも俺は夜景とかよりかずいが近くで遊べる川沿いがよかったのは覚えてる」 「……今、それ言うんだもんね、一護君は」 「……だって、お前喜んでたし」 「でも言って欲しかった、一護君がそう思ってたこと。…………そっかあ、ここ買う時に気づけばよかったよね」 「何が」 「一護君と私はやってけないって。きちんと相談事すら話し合えないんだって」 「……」 「一護君大好きだったから、あたし、結婚出来てそれだけで満足で幸せで。うん 幸せだったんだよあたし。でも、そんなんじゃ一護君はたいして幸せでもなかったでしょ」 「そんなこと考えたことないからわからないんだけど」
妻はまた、笑う。
それは笑顔なのにちっとも楽しい笑顔ではなくて、つられて笑うこともなかった。
「あたし、本当はどこかで揺れてたんだ、さっきまで。ほんの、少し前までだよ?」 「何が」 「一護君が少しでも寂しそうだったり悲しそうなら、出ていくのをやめようと思ってた」 「なんで?」 「……その言い方」 「何、」 「……ううん、もう、いい。一護君は嘘でもあたしを引き留めなかったし浮気も攻めなかったね。それは本心からどうでもよかったんだよね。それを嫌でも感じながら過ごしたこの数日が一番きつかった、きついよ、本当に」 「……」 「もう、会わない。 かずいと会うのは自由だけど、私と一護君は会うこともうないね」 「そうか」 「おやすみなさい、話せば話すほど落ち込むから。もう出ていって」
そう言われて何も言えずに部屋を出たのは 浮気されて離婚する自分は確かに何も感じてないのに 妻は傷ついているのがわかったからだ
妻を愛していたかどうかと言えば よくわからない 結婚はいつかするものなんだし 妻がかずいを身籠ったから 結婚した それだけだった それでもかずいは可愛かったし 妻の希望に沿った家を買う自分は それなりに家族を愛していると思っていたのだが 他の男の元へ行く妻に何の感情もなかったのは事実で 言葉の通り「そうか」と思っただけだった
それが妻を最後まで傷つけていたということすら
わからなかったんだ
寄りかかっている彼女に、自分の気持ちを話しても彼女は何も言わない。 また寝たのか、と笑いそうになりながら 長めの前髪をそっと指で掬う。 聞いて欲しかった気もするし 聞かれなくてよかった気もした。 でも聞いてきたのはコイツなのにな、とフッと口許が緩む。
頬は淡いピンク色で瞼も同じ色をしている。 付け睫かと思うほど長い睫毛にも指で触れてみたがぴくりとも動かない。
さてどうしようかな、と今度は頬も緩む。
バカみたいな話だが この10歳も年下の小さな女に自分は惚れている。 とても、好きなのだと思う。 そして年上の余裕どころか、この女を手離したくなくてそのくせ怖がらせたくもなくて どうしていいのかわからないまま 酒を飲ませて酔わせて俺に寄りかかったまま 俺が「添い寝」してやる有り様だ
本音を言えば 触れていたいキスしたい そして、抱きたい。
あの駅で彼女を掴まえた時からそう思っていた。 でもあまりに照れたり楽しそうに笑う顔が可愛くて 欲を押し付けるのを躊躇ってしまった。 一度躊躇うと今度はとても難しい。
あのタクシーの中で 勢いであのままキスでもすればよかった。 精一杯の気持ちを伝えたのにこの女は 一瞬泣きそうな顔を見せたくせに 直後に
「本当か?」
と握った手を持ち上げて、もう片方の手とあわせてブンブンふりやがった。
「よかった、私もだ!」
あまりに元気よく嬉しそうに言われて それはそれで嬉しいけれど、何だか最初のテンションは崩れてしまったのだ。
「黒崎さんに慣れてしまって、今日も本当は行きたくなかった」 「……でも行くんじゃねーか」 「それはだって、仕事だから。でもな、黒崎さんの横で眠るのが好きだ」
スゲェ嬉しいんだけど そんな仔犬みたいに嬉しそうに言われて何だか拍子抜けしたのだ。
なんであのとき そうじゃなくて、俺としか寝るなと迫れなかったのか悔やんでももう遅い。
「じゃあこれからも呼んだら来てくれる?」 「勿論だ!……って、だって、黒崎さんが指名してくれなくなったのではないか」 「は?俺は電話何回もしてたんだけど?そっちが他の指名受けてて俺んとこ来なくなったんじゃねーか」 「違うっ!」
その時は彼女��ムキになってタクシーの中で声を張り上げた。
「私は黒崎さんの家に行った日を最後に、もうずっと添い寝の仕事してなかったんだから。今日が久々のご指名だったんだぞ?」 「嘘だ、俺なんか恥ずかしいくらいお前んとこの会社に電話してたんだ、ストーカーと思われるくらいにな?」
そうだ その話をしたかったのも確かにあった
朽木書房が買収された話はぼんやりとしか知らなかった。
何があったかとかそこまで興味はなく、藍染文庫と合併だか買収というニュースがあったのを覚えてはいたが 当時は特に詳しく知りたいとも思ってなかった。 彼女が「朽木ルキア」と名乗って朽木書房で翻訳された本を誕生日にくれたことで まさか?と調べてみれば
朽木書房の取締役、朽木白哉が事故死していたこと、ひき逃げで犯人が捕まってないこと、後継者が決まらないでいるうちにかなりの負債額があきらかになり、藍染文庫が合併の話を持ち出したこと等を知った。
そして 朽木白哉は 親も妻もなくしていて 当時身内は大学生の妹だけだった 写真は何処にもなかったが その名前は間違いなく 彼女が名乗った名前だった。
朽木書房で専務をしていた男が 藍染文庫には行かず、神保町で古本屋をやっているというのがわかって訪ねた。 不審がられるかもしれないと思ったが 男は彼女の名前を口にすると元々優しそうな顔を更に砕けさせて笑った。
「白哉が馬鹿可愛がりしちゃってねぇ、世の中のことなんて何も知らないお嬢様にしてしまったんだ。でも彼女は良い子だ、実際の年齢より幼くても彼女は優しい、人の気持ちを思いやる良い子なんだ」
古本屋の店主、浮竹という男は彼女の話をする間は始終笑顔だった。それは人を欺く為などでないのが伝わってきた。 だが朽木白哉が死んで 会社が崩れていく話になる頃には顔を歪めていた。
「財務に裏切り者がいたのを、誰も気がつかなくてね。白哉も知らないままだったと思うけど、それでよかったと今は思う。白哉は社員をとても信頼していたし大事にするいい社長だったからね。でも結果的にはそれでルキアちゃんは全て失ってしまったんだけどね」 「そんなドラマみたいなことが、あるんですね」 「だよね、そうなんだ。誰もその男を疑わなかったし。元々障害者枠入社の男だったから余計にね。白哉は障害者枠のその男を財務の部長にしたことでも一時有名だったんだよ? 憐れみや新しい試みなんかじゃない、彼は優秀だからと評価をしての昇進だったんだ。 本当に優秀だったね…………会社まるごと潰せるくらいにはね 」
浮竹さんはその時は忌々しいといわんばかりの顔を見せた。
「藍染文庫の事を、何も知らない君に言うのはよくないとは思うけど。あの男は本当に嫌な奴でね。ルキアちゃんを最初は妻にすることで買収でなく合併の話を持ちかけたりもしたんだ」 「え?妻って?」
思わず声が裏がえった。
「藍染は男が好きなんだ。この業界では有名だけれど、それを世間に知られたくないが為にルキアちゃんにお飾りの嫁になれば買収はしないと交渉してきたんだよ」 「……そんな、馬鹿げた話あるんですか?」 「朽木家も藍染家も名家だからねぇ……体裁やら名前を護ることは植え付けられて育てられてきてると思うよ」 「……彼女は、それでも結婚しなかったんですか。家を、捨てても」 「うん、そう。でも僕はそれはそれでよかったと思った。この先永遠に生活に不自由しなくても、心は腐るだけだったと思うからね」
何も知らなかった 自分の知らないところで 色々な世界はあるのだ��と思った まさか彼女が そんな世界の住人で 齢二十歳にしてそんな選択をさせられていたと思えば苦しくなった。
「ルキアちゃんは藍染に断る時に、合併でなくてもかまわない、朽木の名前を消して構わない、でも社員全員を路頭に迷わせたくないから藍染文庫で雇って欲しいと藍染に交渉したんだ。それは、たぶん……当時ルキアちゃんの家庭教師もやってくれていた俺の部下の男が結婚して子供が出来た頃だったからね。職無しにさせたくなかったんだろうね。もちろん他の奴等のことも」 「……そうですか。……でも貴方は?藍染文庫に行かなかった?」
ははは!と浮竹さんは豪快に笑った。
「行くもんか、藍染の所なんかに。僕は白哉だから朽木に勤めていたんだ。金のために藍染なんかのところで働きたくないからね。ルキアちゃんの気持ちは受けとっても僕以外も上の人間は誰も藍染文庫には行かなかったんだよ」
まるで本当にドラマか小説のような話だと 迂闊に口を挟めず聞いていた。
「上層部の人間全員が辞退したことで、朽木の屋敷は取られることがないと聞いていたんだ……でも違った。気がついた時にはあの家も取られてルキアちゃんは僕達の前からいつのまにか、消えてしまったんだ」 「屋敷……ですか」 「そう、屋敷としかいいようがない立派な家でね」
そんなところに住んでいたのか。 そうなんだ
「どうかした?」 「あ、いえ。……以前、僕の家に来た時に彼女があまりにはしゃいでたので……本人がお屋敷住まいとはちょっと、意外に感じて」 「うーん、日本家屋だったから���ぁ。君の家がハイカラなんじゃないのかな?」
そう言われて少し納得した。 なるほどな だからかずいみたく、子供のように高層からの夜景に目を輝かせていたのかもしれない
「君の家に、ルキアちゃんは来たことあるのかい?」
そう聞かれて微妙に焦った。 しまった、うっかり余計なことを話してしまった。咄嗟に出任せが口から飛び出した。
「はい、数回ですが……実はその、その時忘れ物をして届けたいのですが、その、電話も通じなくて……家もわからなくてご存じかなと思ったんです」 「あー、そういうことかぁ。うーんとね、電話は僕も知らないんだけど、年賀状貰った時に住所が書いてあってね、そこに今もいるかわからないけどそこならわかるよ?」 「教えていただけますか?」 「勿論だよ」
浮竹さんという人が、疑り深い人間でないことに心底ほっとした。 2年前の年賀状なんだけど、とガサガサと棚を焦って1枚の葉書を取り出すと、メモ帳に住所を書き写してくれた。綺麗な字だなと思った。
「ルキアちゃんが消えてから、2年目にこれが届いたんだ。僕は会いに行ったんだけどその日は仕事らしくてルキアちゃんとは会えなくてね。お人形みたいな女の子と一緒に住んでいるようだったよ。その子のアパートらしかった」 「重ね重ねありがとうございます」 「いやぁ全然。会えたら僕も会いたがってると伝えてくれ」
彼女は確かにその住所に今も住んでいた。 でも会えたのは、浮竹さんのいう「お人形みたいな女の子」だった。 リルカと名乗ったその女の子は何故か俺の名前を一発で当てた。 くるくると表情のよく動く女の子だった。
「ルキア、寂しがってるよ、あんたが眠れるようになって」
そう言われて困惑した。 意味が、わからない。
「あんたの指名なくなって、ルキア寂しそうだもん。てか、それでアンタ何しに来たの?え?もしかしてそういう関係になってんの?」 「は?すみません、意味がよくわからないんだけど……何回電話しても彼女は、ルキア…さんは他の仕事が入ってると断られてしまって」 「……は~ぁ? ルキア最近暇そうだよ? ここ一週間はちょっとアッチの家に行ってるからわかんないけどね?」 「アッチの家?」 「……あー、うん、ルキア拾った雇い主んとこ」 「彼女は、家がないんですか?」 「ないわね。うちにだいたいいるけど。たまーに連れてかれる」 「連れてかれる?どういうこと?」 「そ。んーとね、んーんー」
リルカと名乗る子は慌てたようにでもにやにやとして首を横に振りながら 言葉を考えているようだった。
「保護者、気取りの奴にね、連れてかれる」 「はぁ…」
意味がよくわからない。彼女が何故困ったように笑うのかも。
「それで、何?あぁ予約入らないって話よね。あのさぁそれさぁ……」
彼女は今度は真面目な顔になると少し考えるポーズを取った。
「…妨害されてるかも、ね」 「え?」 「あのさ」 「はい」 「試しにさぁ、んとね、」
ちょっと待ってぇと彼女は大きな天使の羽のついたスマホをいじりだした。
「あ、コイツでいいや、うん、メモある?」 「……はぁ」 「名前はぁ獅子河原萌笑。電話番号はぁー」
そう言って知らない奴の名前と住所と電話番号をメモにとらされた。
「駅は鶯谷だわ」 「……あの、これは?」 「これでルキア指名してみて?で、その日に駅でアンタが待ち伏せれば会えるでしょ?」 「何でこんなことをしないと?というかこの獅子河原て人は誰?」 「獅子河原のことはどうでもいいじゃん。あんたがルキアと会えればコイツに迷惑かかんないもん。とにかくこれで一回やってみなよ」 「……わかりました……というか、ルキアに拒否されてるとかではない、のかな」 「あ、今ルキアって呼んだ」
いたずらっ子のような顔で言われて、一瞬恥ずかしくなった。
「あの店さぁ、名前は嘘じゃないんだよね。いかがわしい店じゃないからとかくだらないこと社長がこだわってさ。アンタが呼んだルキアって名前は本名なんだよ。普段ルキアって呼んでるの?」 「……教えてもらったのは、最後に添い寝に来た時で。でも名字を知ったのはつい最近なんだ」 「……それで?まさかルキアが朽木ルキアだったから興味持ったの?」 「違う」
即答すると驚いた顔のあとに、彼女は柔らかく笑った。
「そっか。まぁいいや。とにかくそれで電話してみてよ。それでも指名取れなかったら教えて?」 「わかりました、あの、色々ありがとう」 「……いいわよ、別に」
帰り間際、あたしはルキアが好きなんだと彼女は言った。
だから誰の味方をするっていうならあたしはルキアの味方をするの、覚えといて?
そう言って俺の背中をぱしんと叩いて、笑った。
「そうなのか、リルカに言われて獅子河原なんて名前で指名してきたのか……それにしてもおかしな話だなぁ」
タクシーの中でルキアとその話をした時、 彼女は眉間に皺を寄せて伏し目がちに 口許に指をあてた。
「もしかすると」 「もしかすると?」 「……いやな、うちの予約を受け付けている事務員の女性なんだが……恋次に言わせるとあまり仕事が得意じゃないらしいんだ」 「……仕事が、できないってことか?」 「予約を間違えたり、忘れたりしているんだろうか?」 「そんなことあるのか?」 「わからぬが……恋次はあの受付を嫌ってて私にもあまり仲良くするなとか言ってたからなぁ。余程問題でもあるのかなと思っていたのだ」
彼女の口から同じ名前が2回出た。 とても自然に口にする「レンジ」とは男の名前なことに何となくひっかかった。
「レンジって?」 「ん?あぁ社長だ」 「呼び捨てなのか?社長を」
屈託なく話すせいで思わず面白くないはずなのに笑ってしまえば彼女も笑った。
「恋次は仕事より先に知り合っていたから、今更社長なんて呼べないんだ」
へぇ、と聞きながら頭は素早く回転した。
確かリルカという女の子が何か言ってなかったか? ルキアは彼女の家ともう1人の家に交互に住んでると。 保護者代わりだと。 それがレンジじゃないのか? 男で、社長の家にルキアは時々行っているのか?
妨害されてるかもね
その言葉が頭のなかに突然浮かび上がった。リルカという女の子は確かそんなことも言っていた。
まさか
考えたくないけれど
ルキアはレンジという社長の彼女なのだろうか?もしくは愛人とか。 でも自分の彼女に添い寝の仕事なんてさせるだろうか? でもそれなら? それなら 妨害をしているのはレンジなんじゃないのか? それなら辻褄があう。 レンジは何度も指名する俺からルキアを離したいんじゃないだろうか?
「黒崎さん、」
くいくい、とシャツを引っ張りながら呼ばれていた事にはっとして彼女に顔を向けると、彼女は少し困った顔をしていた。
「ちょっと恋次に、いや、社長に話してみるよ」 「いや……いいよ。受付の人を責めるみたいになるし、それに、もう会えたから」
そう言うと彼女は薄暗いタクシーの中でもわかるくらいに頬を染めた。なんでいちいち可愛いんだろうかと笑いながら頭を撫でた。
「……あの、あのな」 「なに?」 「わたしは、その…」
シャツの袖を握りしめたまま、彼女が何かを言おうとした時
「お客さん、エクセレントタウンの海側?駅側?」
とタクシーの運転手の声が彼女の言葉を遮った。海側です、と答えたたったの数秒の間に彼女は俺から手を離して前を向いてしまった。 タクシーを降りても彼女は何も言わない。
「さっき何か言いかけたよな?」 「……いや、なんでもない」 「気になるから話してよ」 「…また、ベランダ出たい」 「は?」 「東京タワーみたい」 「……ガキ」
なんだとぅ?とシャーと威嚇する猫みたいな彼女の頭に手を置いて家に入る。 久しぶりの匂いだ、と彼女はフフと笑った。なんとなく、彼女が緊張しているように思えてなるべく自分を抑えた。 普通ならきっと 部屋に好きな女と二人になれたこと、ですぐにでも手を伸ばしてしまいたいのに やっとまたこの部屋に来た彼女を怖がらせたくなかった。
「なぁ前から気になってたのだが」 「何?」 「お酒がたくさんあるな、この家」 「そうか?飲みたいのあれば飲んでいいぞ?」
ネクタイを緩めながら、彼女のいる酒の入っている棚まで行けば彼女が顔をあからさまに顔を背けた。
「なんだよ、おい」 「いや、あのな、あの、たまにわたしは、黒崎さんを直視できなくなるので…気にしないでくれ」 「はぁぁ?なにそれ」 「だって、なんというかカッコよすぎて、怖いんだ!」
思わずブハッと笑えば彼女は泣きそうな顔をする。本当に勘弁してほしい。そんなことされたら理性が保てなくなる。 こっちが何とか普通にしようとしているのにどうしてそんなことを言うのか そんな顔をみせるのか。
「すごい事言うな?かっこいいとか普段言われないから自惚れちまうんだけど」 「嘘だ!いつも言われるだろう?私の周りに黒崎さんみたいな人なんかいないぞ?」 「へぇ?じゃあ俺に惚れそう?」 「そ、それとこれとは話が別だ!」 「なんだ残念」
素直にそう言うと、いや、それはその、とアタフタするのは面白いが、とにかく理性を崩さないようにするので自分も精一杯だった。 響きが気に入ったというのでアマレットを飲ませてやれば「杏仁豆腐の味だ!」と喜んだ。
「さすがに舌が肥えてそうだな」 「さすがとは何だ?」 「いやお嬢様だから、ちゃんとしたモン食ってきてんだろうなって思っただけだ」 「……私のこと調べたんだっけ」 「調べたというか、会いたいから、探す手がかりが欲しかった。それで浮竹さんて人に会ってー」
彼女は浮竹さんの名前を聞くと、切ない笑顔になった。 兄のことや家のことなんかを ポツリポツリと話してくれた。 それから俺の話も聞きたがって
気がつけば二人でたくさん話をした たくさん酒を飲んだ そして彼女は俺に寄りかかり眠った
何も言えなかったな
と笑うしかなかった。 次こそはと思っていたのに 、獅子河原の名前で2度めに彼女と会った時も柔らかい時間を過ごした。 それでもその時は 二人向かいあって、笑いながら話ながら眠った。 背中合わせに眠ることはもうなかった。
自分が強く彼女に迫れないのは 彼女を恐がらせたくないなんていうのは 自分への言い訳でしかなかった。
どうしても「レンジ」の事を聞けない
もしかしたら
彼女はレンジという男が好きで 俺のことは男としてでなく、客として気に入ってくれてるだけなのかもしれないと思うと 言葉も手もその先を求めるのを躊躇った。 もしも彼女が「レンジ」を愛しているのなら
俺が迫れば彼女とはもう こんな風に過ごせなくなる
それはどうしても嫌だった 例え仕事でも 金を払ってでも
彼女と眠りたかった
だから
「お金払われるのが嫌だと言ったら 黒崎さんは困るのか?もう、会ってはくれなくなるのか……?」
と
獅子河原の客として3度めにウチに来た彼女が その日、ベッドの中で呟いた時 一瞬言葉に詰まったのは、頭が追い付かなかったからだ。 その沈黙から彼女は逃げなかった。 小さな灯りでも彼女が俺を見つめる顔をはっきりと俺は見ていたから だからそれが 彼女の精一杯だとちゃんとわかった。
ごめん、と言えば彼女は瞬時に俺から目を反らすように目蓋を閉じようとしたから 手を伸ばして頬に触れた。
お前に言わせてごめんな
俺が言いたかったのに
でも金払ってでも、どうしてもおまえが欲しかったかんだ
水晶のような瞳ともう一度目が合った時 初めて彼女の唇に触れることができた
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吉田豪 萩原健一を語る
吉田豪さんが2008年3月にTBSラジオ『ストリーム』コラムの花道で萩原健一さんについて話していました。
(吉田豪)今日はショーケンこと萩原健一さんの特集ということで。
(小西克哉)前にやったことなかったっけ?
(吉田豪)やっていますね。ただ、新刊が出ました。今月、講談社から自伝『ショーケン』が出たんですね。
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(小西克哉)今月出たんだ。『ショーケン』。
(吉田豪)装丁がすごいわかりづらいんですけど、これショーケンさんが書いた絵ですね。
(小西克哉)ああ、そうなんだ。ちょっとかっこいいじゃないですか。黒枠で。
(吉田豪)文芸っぽい。厚いし、ハードカバーだしで。なんですけど……たしかに、すごいいい本なんですよ。「衝撃の自伝」って書いてあるだけあって。あまりにも面白いんで、僕は面白いところは折っていくんですけど、折るところが多すぎてキリがなくなって途中で諦めちゃったぐらいです。
(松本ともこ)へー。すごい!
(小西克哉)付箋をつけているなんて、珍しいじゃなですか。
(吉田豪)そうなんですよ。付箋をつける派じゃないですからね。で、どういうことか?っていうと、もう本文の2ページ目からオープンで。「朝からマリファナ、ビール。マリファナを吸っちゃあ、ビールを飲む。昼になったら酒、コカイン。酒をあおっちゃコカを吸う。スーッと鼻から、たまらねえ」っていう(笑)。正直なね(笑)。
(小西克哉)フハハハハハハッ!
(吉田豪)まあ、タレント本にはまずない表現。「たまらねえ」が効いてますね(笑)。反省が全然見えない感じっていうのがこの人の本当にいいところで(笑)。
(松本ともこ)2ページ目から(笑)。
(小西克哉)それ、今月出た本ですよね? なんか80年代とかじゃなくて。
(吉田豪)昭和の本だったらわかりますけどね。すごい密度で。で、僕の大好きな梶原一騎先生がドラッグの常用を疑われて別件逮捕されるきっかけとなった映画『もどり川』っていうのがありま��て。
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(小西克哉)ほう。
(吉田豪)それは製作・総指揮が梶原先生で主演がショーケンさんだったんですけども。その時も「こういう役には麻薬がいると考えて、撮影している間はずっと大麻とコカインを吸っていました」っていう(笑)。
(小西克哉)その本の中で告白してんの?
(吉田豪)告白していますよ。そのせいで、梶原先生もやっていると思われて。
(小西克哉)ああ、そう?
(吉田豪)で、梶原先生はその頃、膵臓が悪くて、トイレで痛み止めを飲んでいたんですね。だからいつもイライラしている梶原先生がトイレに入るとスッキリした顔で戻ってくるから「あいつは絶対にやっている!」っていう話になったんですけど、ただ膵臓が悪かっただけだったっていう(笑)。
(小西克哉)フハハハハハハッ! いろいろ疑われるんだなー。
(吉田豪)よりによって一緒に映画を作っちゃったせいでという。で、そんな感じですごい面白い本なんですけど、正直読んでみると僕にはすごい既視感、デジャヴな感じがあって。「どこかで読んだ話だな?」みたいなのが大量に出ていまして。というのは、前も紹介したショーケンさんのものすごい素晴らしい名作『俺の人生どっかおかしい』っていう、これは1984年。大麻で捕まった直後ですね。ワニブックスから出た作品です。
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(小西克哉)1984年。24年前か。
(吉田豪)その時に出した本とほぼ、エピソードは重なっているんですよね。面白いとされる話は実はすでにここに出ていますっていう話なんですよ。まあ、中学時代にオナニーをしていてバレたというエピソードがまず出てくるんですけど、それも思い切り出ています。全く同じです。たとえば『ショーケン』の方だと「末っ子の僕は母の隣で寝ていて、朝の早いお袋が寝入った頃を見計らい、いそいそと自分の股間に手を伸ばした。そんなある日、『敬ちゃん、もういい加減にしたら!』。突然、お袋の怒声が飛んできた。びっくりした。ものすごいショックだった」って書いているんですけど、結構サラッとしている気がするんですよ。
(小西克哉)フフフ(笑)。これでもサラッとしている?
(吉田豪)これでもサラッとしているんですよ。『俺の人生どっかおかしい』だと「中学の頃、私は人並みにマスターベーションを覚えた。当時、お袋の隣で布団を敷いて寝ていたが、マスターベーションをする場所といったらそこしかない。お袋は寝床につくのも早い。てっきり寝入っているものと思いガサゴソとやっていたら、いきなり一喝を食らった。『敬ちゃん、もういい加減にしたら!』。これはショックだった。マスターベーションを見つかった少年としては最もショッキングな叱られ方だった」。このマスターベーションを連呼とか……(笑)。すごい効いているんですよ。
(小西克哉)フハハハハハハッ! これはやっぱり80年代の方がインパクトあるな!
(吉田豪)同じエピソードでも描写の濃さが……本としては薄いんですけども、要はそういう幼少期のエグめな話だとか、ドラッグ絡みの話とかをものすごい密度で書いているのがこっちで。
(小西克哉)だってその状況がもう画になって見えてくるよね。80年代の方がね。
(吉田豪)で、『ショーケン』っていうこっちの新しい方はすごい広くいろいろと押さえていていい本なんですけども、多少駆け足になっちゃっているんですね。で、童貞喪失の話とかも重なっているんですけど。いちばん違いが出ているのが「パー券」っていう描写がありまして。いわゆるパーティー券ですね。ヤンチャな人たちがパー券を売り払うみたいなの、あるじゃないですか。
(小西克哉)はいはい。
ショーケンとパー券
(吉田豪)で、この頃の不良はパー券をいろいろと後輩��ちに「お前、売れ!」って押し付けて……みたいな話で。で、「面倒なパー券を抱え込むといろんな友達や後輩が僕のところに相談に来て。『俺が話をつけてくる』って。『あいつら、俺の友達だからさ。これで勘弁してくれよ』『じゃあお前がさばいてこい!』『いや、そういうことはできないから』。結局はだいたい勘弁してもらった」とかすごいサラッと書いているんですけども、そんな話じゃないんですよ。この話、実は。
(小西克哉)80年代の方は。
(吉田豪)もともと、「銀座のロコという清川虹子さんや越路吹雪さんのやっていた喫茶店があって……」とか、そのへんから話が始まって。「リキパレスのパー券をさばけと言われた」とか、まずディテールがいいんですね。
(小西克哉)ディテールが。
(吉田豪)で、「パー券がさばけなくて。お袋の金を盗んで……」とか。いろいろとあって。で、さらに結局お金が足りず、話に行くわけですよ。それで「『パー券のお金ですけど……』って。35000円集めろと言われたが、2000円しかない。『お前、ふざけるな! なんだ、このガキ! なめるな!」っていきなり蹴りが飛んできた。私の腹に命中した。『うっ!』と体を2つに折った瞬間、隠していた刺身包丁が床に音を立てて転がった。『しまった』と思って私は慌ててそれを拾った。『マズいものを見せた。隠さなきゃ』と思ったが、相手は余計に慌てた。一斉に店の外に逃げ出した」という。
(小西克哉)ああ、びっくりするね。
(吉田豪)で、ショーケンはショーケンでパー券の決着をつけないといけないから、包丁を再び懐に隠した格好で彼らを追いかけた。そして警察に店のウェイトレスが通報をし、それでもショーケンはずっと呑気に追いかけて大騒ぎになってしまい警察沙汰に。さらには「お前、包丁を持って高校生を追い回したそうだな」ってことで捕まる。ところが、これがひとつの転機になって。「あいつは中3なのに包丁を持って高校生を追い回した」ということで、妙なところで株が上がり。そして、その追い回した仲間の大ボスの先輩やCさんという番長��「お前はすごい」と褒めてくれて。その大ボスの先輩が「ダイケン」と呼ばれていて。Cさんっていうのが「チューケン」。それでいちばん小さいから「ショーケン」っていうあだ名になったという。
(小西克哉)なるほど!
(吉田豪)で、「落っこちた包丁を慌てて拾って胸に隠したはずの男がいつの間にかヒーローになってしまったのだから、不良少年の世界は面白い。いつもいじめられていたショーケンがこれで株が上がった」という。そして今度はパー券を売る側に回るみたいな。ディテールがすごい濃いんですよ。で、さらにそのパー券を売る側に回ったら、すごい強引な売り方をしたせいで、ヤクザに売っちゃったらしいんですよね。で、ダイケン、チューケンとのバトルになって。ショーケンは逃げたんですけど。それでもヤクザは本気で怒り狂っているから、「その最中にアイスピックで刺されたやつが出てきて。それが最終の都電にハネられた。そのためにこの事件は翌日の新聞の三面を飾ることになる」っていう。すごい大問題になっているんですよ(笑)。
(小西克哉)都電にハネられちゃうの?
(吉田豪)ええ。で、これはヤバいっていうことでショーケンは逃げようとしたんだけど。このまま捕まったら最後、リンチされて下手したら殺されるかもしれないということで、仲間の1人がどこからかムスタングを直結して盗んで持ってきて。それで逃げて。でも、指紋が付いているので見つかるということで、それを川に乗り捨てて。
(小西克哉)ええーっ?
(吉田豪)さらにもう1台盗んで……とかを繰り返すみたいな。すっごい大変な騒ぎを、新しい方ではものの10行ぐらいで終わらしてしまっているんですよ。
(小西克哉)新しい方で?
(吉田豪)さっきのパー券の話から、「ダイケン、チューケンというのがいて、私はショーケンになった」っていう風になっていて。
(松本ともこ)すごい省略(笑)。
(吉田豪)重要なのはそこ、そこ!っていう(笑)。
(小西克哉)すごいいちばん大事なところじゃない。名前の由来が出てくるところだもんね。
(吉田豪)そうなんですよ。というような感じで「あれっ?」っていうのがいくつかある惜しい本で。たとえば、あれですね。まあ大麻で捕まった後、仏門に入るんですよね。
(小西克哉)ああ、ありましたね。いつ頃でしたっけね?
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青春残酷ものがたり
鉄拳7FRでのファランのコス公開時に書きかけてずっと放置してたネタを発売前に。 当時「誰だこれ」と「結膜炎?」というのを猛烈にやりたかったのですが、しばらく寝かしておいたところ、作中にあるサム〇ンが発火事故を起こしたのはともかく、そこから回収騒ぎに発展し、その後大統領との癒着で国家レベルの騒動になって、規模が大きすぎ時事ネタすぎて、嫌韓ネタと思われかねなくて、出すに出せなくなってました(;´д`) でもそういえば、結膜炎発言はH田Pもなさってたのですね。ならばよし! https://twitter.com/Harada_TEKKEN/status/750328092468535296 結膜炎ファランがいろいろ誤解を受ける展開は、あのコス公開直後に光の速さで呟いてたバカです、ログにも残ってます重篤です;; 祭の前夜パワーでお蔵出しさせて戴きます 基本お笑い、メタ、でもカプ臭腐臭も少々。シャオ仁ベースのつもりで置いてあったのが、辻褄合わせでいじってたら非常に花仁くさくなり。アルェ? (仁がやたらキラキラしてるのは、元がシャオ仁だったせいです。6ED的なあれ。) +++++++++++ 俺の災難は 「結膜炎です」 「へ」 「あと角膜に傷が付きかけです」 「ハァァ?」 そんな具合に始まった。 最近何やら目が痒いと思い、ひたすらゴシゴシやっていたらカユイではなく本気で痛くなり、ついでに鏡で見たらなにやら右目がどろんと変な具合になっていたので、ああ面倒臭えと思いつつ病院に行った。 行ったら何か凄くヤバそうな事を白衣のババアに言われた。(厳密なとこ、ババアって歳でもなさそうだったが、愛想ゼロのクールな返事しかなかったのでババアにカテゴライズする。文句あるか。) 「エアコンか風当たりの強い所にいませんか、ああ、ゴーグルは御持ちのようですが」 (そういや、このゴーグル、シリーズ約二十年、本来の用途で使ってる場面全然なかったですスンマセンシタ。でも6BRまでバイク自体に乗らなかったのにライダースーツ持ってた奴よりはいいんじゃないかと) 「ではPCの見過ぎとか何かですね」 (なんだその言外に『エロ動画ばっか観てんじゃね』と含んでそうなひんやりしたオーラは、決めつけっぽいクールな目線は。しっつれーなババアだな、いや、そんなのあいつだってそういうフォルダの一つぐらいは持ってると思うんだぜ!たぶん、きっと、いくらなんでも) 「バイクで御出でですか?帰りはタクシーを使ってください」 (えっ、このナリで『すんませーん、最寄りの地下鉄口までオネシャス』て笑顔で言うのか?言うのか?できるかよ、あいつじゃあるまいし! おい、ちょっと待てってこら、ババア!) 「お大事に」 (オイ、オイイィィィ!!!) クールビューティーって、基本的に腹が立つ。 細身で、黒のスパッツで、白いカチューシャをした年齢不詳に綺麗な女医だった。でもババアと呼ぶ。文句あるか。 ***** 結膜炎 てのは、そもそも。かかる理由はいろいろあるらしいから特定は難しそうだしパスする。ねちょねちょした目ヤニが出て視界不良で、鏡で見ると地味にグロイのだけわかっていればそれで十分だ。 それと、感染率が凄く高いんでヒトサマに迷惑かけないよう注意しろってのだけ。なんだけども!大変に!面白くなかった。 何故そんな衝動に駆られたかといえば、いきなり自分の存在自体がバイキンみたいな扱いをされたようにも感じ、こっそり傷付いたからかもしれない。あ?こう見えて俺はナイーブなんだ反論は許さねえ。 手は念入りに洗え、洗った後の洗面台もきれいにしろ、公共の温泉、プールには絶対行くな、ジム等のシャワーも一番最後に使え、そして責任をもって掃除と殺菌を徹底しろむしろこっちも行くななどとの。それ、基本的にオレサマで過ごしてる俺のキャラじゃないから!いや、ちゃんと順守するけど! するけどむかつくわ~~~。 やっぱりあのババア女医は思い出してもなんかむかつく。親の顔ってか、むしろガキがいるならそいつの顔も見てやりてえと思ったもんである。絶対性格ブスが遺伝で顔に出てんだぜバーカバーカブワ���ーーッカ!!! てのはさておき、 xxxxx 眼帯を外す。どろん、とした黒目を鏡で見返し、目薬をさす。 ***** というわけで、鉄拳大会に参加する前の間、俺の日々は極めてストイックかつ自己研鑽的な物になった。(褒めていいぞ。) 峠を攻めに行くのもその後のメシだ飲みだで俺に惚れてる女の子たちにうっかり感染させるような距離になる可能性が多々あるんで暫く休むと断りを入れ(褒めるだろ~?) 道場を使わせてもらう時間帯も他の生徒とずらし最後にし、その後掃除と除菌スプレーも徹底し(褒めろ) 病院に初めて行った時に既にプリン頭になりかけていたのを道場やどこかで染め直すのは潔く諦め、何年振りかの黒い頭になっていくのも受け入れ、あとで一筋ぐらいメッシュ入れればいいかなと妥協し(褒めろってば) 不健康な生活だと治りにくいかもしれないとの情報に、ひたすら健康なメシを一人作ってみたはいいんだが、仲間が来る時想定でばかり作ってしまいがちで、それを気合で全部一人で食い、一人で筋トレしていた。(ちなみに安くて体にいいからって、タマネギとヨーグルトの食い過ぎは良くないと知った。前者は屁が臭くなり、後者は炎の様に熱い屁がやたら出る) そうしたらウェイトが想定より大分はみだし、道場を見に来た師匠が俺を見て、「ああ、新規の方ですk」とか笑顔で言いかけて、そして、ラグとともに気付いたらしくそのまま気まずそうにサササッと引っ込んだり二度見しにまで来たので、ひょっとしたらこれはまずいらしいとも思った。自分の体形はかなり劇的に変化したのかも、と。 が、身体の方は十分切れキレだし、スピードの落ちた感もなかった。なら体重と筋力分、パワーも上がってるだろ、いいんじゃね?とも思った。俺O型だし、こっそりは気にしてるけど基本キニシナイ。 ***** というわけで(二度目)、後は最近少々窮屈に感じる事もある普段の勝負服の予備を用意しようと思うに至った。 ちょっとサイズ戻っても大丈夫そうなTシャツと、すげーカッケー系の俺の志の旗になりそうなジャケット。(被服としての機能は一切認めてない)までで予算が尽きたので、また俺は腕立て伏せに戻った。 絶賛結膜炎中だけどおめーらには俺様倒せねーから!との主旨でのバックプリントで、背中のスカルも眼帯中だ。 (そこからついでに、今やってる眼帯も完全にファッションだと勘違いしてくれる相手も出れば、実は結構なハンデを抱えていると気付かれなくて済む、との計算もある。) xxxxx 綿棒で、瞼の内側に軟膏を塗る その後、粘着テープみたいなデカい絆創膏を貼り付けてから眼帯をする。 でもうまくやらないと、そこからツーッて目薬が漏れて来るんで困る あーもーやめろよ泣いてるみたいに思われたらどうすんだ そんな具合の中、鉄拳大会は始まったのだった。 ***** 「え~~~?誰?誰??」 少なくとも絶対ファランじゃあないよね?誰? そう言い、ビフォーアフターとかいう番組の『なんということでしょう』テーマを端末で探して流し、笑い転げてついてくる中国のツインテ女をさて置き、見まわし、「あいつ」を探す。 おうコラ、パンダ女、あいつはどこだよそう聞かれれば、相手は、ええちょっと登録遅れたけど、普通にいるよ?会えてないのー?と更に楽しそうになった。 (これが野郎だったら、ヒールエクスプロージョンを入れたい。溜めを待っていてくれれば) そんなことを思っていれば、 「えー、だったらファラン、避けられてるんじゃない?との、言葉が来た。 えっ なんで。 ***** そもそも、風間仁なる人物は―― あー、そう、あいつの名前だ、 6のシナリオキャンペーンや映画Blood Vengeance等に準拠するならば、想像以上に人付き合いは至って普通にもしくはむしろ手広くしていたらしい。宇宙一のオッサンからBA〇I顔の中国拳法の達人からあろうことか世界規模でも人気最下位だという相撲取りまで。(えっなにそれ俺聞いてない!) お騒がせしちゃってる最近じゃなかったら、以前から知ってる人なら結構誰とでも話しはするんじゃないかな、とのこと。 「だから、それでねーこれも昨日インスタグラムに載せさせてもらったやつ」 そんな楽し気な声と共に、ツインテ女の隣には、一応国際指名手配犯な奴が仏頂面でいた。黒に近い濃紺のフードを下し、ピースサインまでさせられており。 いろいろおかしい。 しかし、ひょっとしたら今回のコレ(結膜炎)対策で、俺は疎外感を感じ過ぎているんだろうか、考えすぎなんだろうか。こいつとあいつで案外仲良しイベントまでやってるとか、まじか。 そうぐるぐる考えていると、ファランこそおかしいよー、なんでそんな別人レベルに超鍛えちゃったのーイヤなことでもあったの?とけらけら笑い、ねえ、なんでこんな激しくイメチェンしたの、と巻き髪にしたツインテを揺らして寄って来る。女じゃなくて、オンナノコの可愛い匂いとともに。まあこれだったらあいつも自撮りにぐらいは付き合ってやったかもなあと諦め、しかしそこからの、なにこれコスプレ?と眼帯をいじりに来る手は叩き落した。
「触んじゃねえ」 説明が無駄に長くなるのでそうとだけ言ったら、相手はすくんで固まった。いや、でも本当に触ったら伝染るからさ。 「ああ、あとな、今触った手、ちゃんと消毒しとけ、いいな?」 ウェットティッシュを投げてよこし、そうとだけ言い、俺は場を後にした。 ***** 大会側が提供したジムの隣のシャワールームは使うわけに行かないので、用がある、時間がないなどと言い訳しつつ自室に戻る。 水音と、それを考慮した馬鹿みたいにでかい声量での言葉のやり取り、湿気、熱。そんなものを片目で(文字通り片目で)見て通りすぎようとすれば、風間があの意味不明なアーマーじみた格好ではなく、その下に来ているらしいやわらかそうな黒いインナーだけですれ違った。 指抜きの長袖シャツを着た手がふと上がって、あの非常に鬱陶しそうな前髪を掻き上げた。 石鹸ときれいな水の匂いがした。 だが、あいつはちらとも、こちらを見なかった xxxxx 目薬は二種類出されている。 なので、すぐに目の縁から決壊して、絆創膏でも止められないわ、眼帯しててもダダ漏れるわで、 ああ、本当にいやになってくる。 トイレの洗面台で絆創膏を貼り直し、出ようとすると、丁度入れ違いになった無駄に派手な格好の祓魔師が、無駄に派手な動作で反応した。なんなんだあれは。 ***** 「―――と、まあそういうわけで、他人のプライバシーは尊重するべきだと思うんだが」 そんなことを言い、全英ボクシングチャンピオンの青年が悩まし気にテーブル上で腕組みした。大会参加者の為のラウンジでのことだった。 何か面白いゴシップでも出るのかと思いつつ、俺は通路でコーヒーをすすり、遠めから話を聞くことにした。なにしろ、イメチェンが激しいだのそのアイパッチはどうしただの厨二かだのととにかくいじりにくる奴が多いので。 (だからやめろ伝染ったらマジで面倒なんだぞお前らー!) 「『彼』にも諸事情あるのだとも思う」 「そうだねえ」 ツインテ女がテーブル脇で相槌を打つ。 おそらく、この場に居合わせない風間のことだろう 「今大会、一切シャワールームを使用しようとしないのといい、」 ん?使ってたじゃん 「関係者との接触に異様に警戒心が強いのといい」 えっ、そうだっけ? ん? 「しょっちゅうトイレから泣きながら出て来るのといい」 おう? 「ファランは何か不健全な問題を起こしているのではないかと思わざるを得ない!」 「うん、そうだよね!」 俺は紙コップの縁を噛み砕きそうになった。 バカヤロウですか、てめえらは。 嗚呼何と罪深い!なんて言いつつ、新入りの祓魔師が十字を切ったりしているのがさらにうざい。 そこからの、 どうしようそんな生々しいエッチな話題耳にしたら仁が気絶しちゃう駄目だよー、とか、大丈夫です、マスターがさらわれたり気絶するのは年中行事みたいなものですシャオさん、とか、よしファラン君には帰国して戴こうそうしようそっちの方が疑惑が疑惑のままに後々残って今後の展開として面白いエクセレントとか、 濡れ衣とそこからの斜め上な話が雪だるま式に膨れ上がり、おいちょっと待てとおいふざけんなと、その討論を録音しておくべく端末を尻ポケットから取り出そうとしていれば、その目の前を静かに通り過ぎる奴がいた。 また、きれいな水の匂いがした。 ***** すまないが、いいか? そう言い、風間が小さなポーチをテーブルの上に置く、それで、あっと気付く。 「食堂の洗面台にこれが置かれていた。目薬と綿棒が出してあったから、なんだろう、結膜炎か?罹ってる人間はいるだろうか?」 プールで泳いでた奴はいないと思うんだが、とズレた事を言い首を捻る風間(あー、お前の結膜炎の思い出と感染経路は、小学校の水泳の授業だったんだな、そうかそうか)の向こう、予備の目薬や眼帯や絆創膏を勝手にひっぱり出し、ああそういうことかと得心に至る連中に、半ばむかつき、半ばわかったかよばーっかバーッカヴァーーーーッカとも快哉をあげる。 よっしよくやった風間、さすが俺がライバルと認めてやった男! 拳を握りしめ、開き、よーしよーしここでライバルと感動の握手にでもいってやろうかと気合溜めに入っていると、風間が言った 「ところで、」 俺の方にちらりと目を預け、 「あそこにいるのは新キャラか?」 「えっ」 えっ 「えええ—――」 「「「「「「ファラン(オレ)だよ!!!!」」」」 という一斉ツッコミ(俺含む)。 なるほど口もきかず目も合わせようとしなかったわけだ!! ***** 詰め寄り、そして目薬漏れではなく、本当に涙目になりかけつつ、風間の胸倉を掴みギリギリ締め上げる。と、らしくなく、やめてくれ、というようにせわしなく両拳をてのひらで叩かれた。 その純粋に苦しいのか詫びているのかな反応に、何かどきりとし、手をゆるめれば、最初から大きくはだけていたくせにシャツの前を直し、咳払いし、そして、風間は口を開いた。 距離がちかくなってみれば、すっと鼻に抜けるような無駄にいい匂いがする。風間なのでガムを噛んでるわけじゃないだろう。石鹸か茶か喉飴かなんかか。ローズマリー?とかラベンダー??みたいな呼気とともに寄越された言葉は 「『怒り心頭に』という言葉はあるが」 「おう」 「ならお前の場合は怒ると尻から煙が出るのか」 「え?」 「いや、そこが」 「えっ」 えっ 「えええ—――」(二度目) ええええぅあああああああああ”あ”あ”あ”!? 電源を入れかけたギャ〇クシーが尻ポケットで煙を上げ、いましもそれが炎になりかけていた (リチウム電池の問題で、電源を切っていても同様の発火騒動が起きていたらしいが、知るかよ俺ニュース見ねえし) 結果、サム〇ンはギャラ〇シーの製造中止を発表したという。 そんな2016年10月中旬 ****** 「まあそんなわけでだな」 「うん」 「あいつのことはずっととても嫌いだったし今後も嫌いだ」 ほんと、碌なことが起こらねえ 「うん」 でもな、憎いと思ったことは一度もない おかしいか? そう聞けばツインテ女はくすくすくすくす長いこと笑った 「あたしもね、わりとそうかも」 (了)
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