#今日のトレイシーさん
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strabin · 2 years ago
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 絵チャです。ビクター・イソップ・アニーさんの絵は、ゲーム内の落書きをイメージして「こんなのあったら俺得」って描いたやつ。卯年だしね(?)。
ノートンはこれの模写。
 下の漫画はなんとなくイメージだけはあるけど具体的な話の展開とかを即興で描いてたら、「いや、別キャラにこうさせた方が……」など描き直すたびに修正案が思い浮かぶせいで一旦中断したもの。多分イソップ以外はボツになるけど、せっかくかわいく描けたし残しておこうと思って。要は供養です。
 いつか完成するかも。ネタはあるの。
あらすじ:いつも頑張っているみんなのために、荘園にビーズクッションが導入された。(クッションで寝てるイソップの図。安らかな眠り「棺以外にも安らかな眠りがあるとは……」)
新しいクッション導入に喜ぶサバイバーたち。アニーはビーズを使ってぬいぐるみを作り始めた。ビクターとかトレイシーとか他のサバイバーも集まって、ペットを作ってみたりおふざけでナワーブの肘宛てを作ってみたりしてる。
一方、一部のキャラたちはなかなか休みが取れていない(ノートン、戚、マジシャン、デミなど環境キャラ)ため、クッション導入ことは知らない(ご褒美に何かがもらえるらしいまでは聞いたものの、何が来るかは知らない)
環境キャラは今日もゲーム参加要請がたくさんかかるせいで今日も試合に行く。特に、ナワーブは(マルチにもランクマにも出動要請があり)環境キャラの中でも飛びぬけて忙しいためか、ここ最近はずっと待機画面で寝ている。かわいそうに、と思ったみんなは、起こさないようにそっとクッションを傍においてあげる。手探りだけで手元に寄せて、短い睡眠時間を効率のいいものにしようとするナワーブ。みんなは頑張れーとちょっとガッツポーズとかしてるといいな。
しかし、みんなの気遣いはかえって試合に影響を及ぼした。ぐっすりと深い眠りに入ってしまったせいか、寝ぼけたまま持ってきた肘当てらしきものを手繰り寄せ、試合に臨んだ。試合でのナワーブの動きが寝起き同然でおかしい。チャットを見ていないのか、他の人が解読している暗号機と所に行って時間にロスが生じたり、何度も調整に失敗している。
仲間がダウンした。ナワーブ「解読中止、助けに行く!」で救助に行く。さあ肘宛て使うぞと壁際によるが、「モフッ」「は?」必死に頭を働かせる傭兵。「待てなんだこれは」急いで走って向かうも、肘宛てがある前提の時間で救助に向かったため、5割を超えてしまった。ハンターもよし来たと救助をせかす。殴られ5割で救助した。その後は何とか冷静さを保とうとする傭兵だったが、あっけなく救助者はダウン、「先に行くよ!」と飛んで行ってしまった。
「何をしているんだナワーブ」「すまない。いや、その、肘当てと間違えてこれを持ってきてしまったらしい」「お前もそんなミスするんだな……なんだこれ?」「試合お疲れなの!これはクッションなの!みんなで作ってるの~」「そういうことか……(そんなことしなければ今回のゲームでも失敗せずに済んだのに)」「支障出るから作らないでくれるか?」「え、でもみんな頑張ってるからってご褒美でもらったものなの。眠れなかった人(ノートン)も��っすりなの!だから……ペットも作ったのにみんないなくなるのも嫌なの……(と��渋る理由)」「(ご褒美ってこれか。。。)」「そうだな、そもそもこんなミスをするほど我々を酷使している荘園の運用方法に誤りがある。ナイチンゲールさんに相談してゲーム参加回数を減らしてもらおう。お前が休まないと、他の者が困るんだ。」
こうしてナワーブはお休みがとれるようになりました。(ハンター陣営:BANしなくても傭兵が来ないのは嬉しいな)
END
とかね!これを漫画にしようとしたらお前……どんだけかかるんだ一冊の同人誌作れるレベルじゃないか もう小説にしたら?とこのメモ書いてて思った。
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honyakusho · 11 months ago
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2023年12月8日に発売予定の翻訳書
12月8日(金)には34冊の翻訳書が発売予定です。 そのうちハーパーコリンズのロマンスが16冊を占めます。
ブランド幻想
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アリッサ・ハーディ/著 相山夏奏/訳 南出和余/解題
明石書店
ハイブリッド・イノベーション イノベーションの障壁を リモートワークで乗り越える!
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ハイス・ファン・ウルフェン/著 高崎拓哉/翻訳 三宅泰世/監修 西村祐哉/監修 山本伸/監修
サウザンブックス社
ウォンカとチョコレート工場のはじまり
シベアル・パウンダー/著 武富博子/翻訳
評論社
オーケストラの危機:芸術的成功と経済的課題
ロバート J. フラナガン/著 大鐘亜樹/翻訳
美学出版
ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 クローズアップ 新装版
ブライアン・ピーターソン/著 武田正紀/翻訳 ナショナルジオグラフィック/編集
日経ナショナルジオグラフィック社
使徒的勧告 ラウダーテ・デウム――気候危機について
教皇フランシスコ/著 瀬本正之/翻訳
(宗)カトリック中央協議会
使徒的書簡 わたしはせつに願っていた
教皇フランシスコ/著 宮内毅/翻訳
(宗)カトリック中央協議会
聖なるセックス : あなたのエロスを覚醒させる方法
ガブリエラ・ハースティク/著 西山レオン/翻訳
ヒカルランド
セルブーミトン図案集 : ノルウェーの伝統ニット 500を超えるモチーフと35のクラシックパターン
アンネ・ボーデュゴール/著 佐藤公美/監修
グラフィック社
東ドイツ小都市ズールの総合技術授業1958年-1989年 : 人格の全面発達をめざした教育の実相
グンター・ドレスラー/原著 三村和則/翻訳
教育評論社
金枝篇ー呪術と宗教の研究 8 スケープゴート 8
J.G.フレイザー/著 神成利男/翻訳 石塚正英/監修
国書刊行会
後漢書 志[一]
司馬彪/著 劉昭/著 渡邉義浩/翻訳
早稲田大学出版部
家族の世界史 5
メアリー・ジョー・メインズ/著 アン・ウォルトナー/著 南塚信吾/監修 秋山晋吾/監修 ほか
ミネルヴァ書房
農の世界史 6
マーク・B・タウガー/著 南塚信吾/監修 秋山晋吾/監修 戸谷浩/翻訳
ミネルヴァ書房
ある日、戦争がはじまった 12歳のウクライナ人少女イエバの日記
イエバ・スカリエツカ/著 神原里枝/翻訳
小学館クリエイティブ
海賊のキスは星空の下で
ジュリア・クイン/著 村山美雪/翻訳
竹書房
Lady Ludmilla’s Accidental Letter(原題)
ソフィ・ラポルト/著 旦��子/翻訳
竹書房
天使は同じ夢を見る
エリカ・スピンドラー/著 佐藤利恵/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
情熱はほろ苦く
リン・グレアム/著 田村たつ子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
思い出の海辺
ベティ・ニールズ/著 南あさこ/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
永遠が終わる頃に
シャノン・マッケナ/著 新井ひろみ/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
アンダルシアの休日
アン・メイザー/著 青山有未/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
プレイボーイ公爵
トレイシー・シンクレア/著 河相玲子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
スター作家傑作選~シンデレラの白銀の恋~
シャロン・サラ/著 葉山笹/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
��ブの約束
キャロル・モーティマー/著 真咲理央/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
振り向けばいつも
ヘレン・ビアンチン/著 春野ひろこ/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
禁断の林檎
ベティ・ニールズ/著 桃里留加/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
薬指は片想いのまま
ダイアナ・パーマー/著 平江まゆみ/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
愛なき結婚指輪
モーリーン・チャイルド/著 広瀬夏希/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
今夜だけはシンデレラ
リン・グレアム/著 飯塚あい/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
失われた愛の記憶と忘れ形見
ケイト・ヒューイット/著 上田なつき/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
悪魔に捧げた純愛
ジュリア・ジェイムズ/著 さとう史緒/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
大富豪と秘密のウェイトレス
シャロン・ケンドリック/著 加納亜依/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
ブラック・チェンバー 米国はいかにして外交暗号を盗んだか
H・O・ヤードレー/著 平塚柾緒/翻訳
KADOKAWA
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takahashicleaning · 1 year ago
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TEDにて
ロドニーブルックス:なぜ?私たちはロボットに頼ることになるのか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
ロボットに仕事を奪われ、人は要らなくなると、まことしやかにさやかれています。
でも、ロボットは私たちの重要な協力者となり、私たちは単純で機械的な作業から解き放たれ他のことに時間を割けるようになります。
ロドニー・ブルックスは、労働人口が減少し老齢人口が増える中、これがどれだけ価値のあることか指摘します。彼がここで紹介するロボットのバクスターは、目を動かし、腕に触れば反応します。
バクスターは、高齢化する労働者のそばで働くことができ、さらに家庭でも少子化の先進国での高齢者を支援できるかもしれません。
アーサー・C・クラーク。1950年代の著名なSF作家は言いました「我々は、短期的には技術を過大評価し、長期的にはテクノロジーを過小評価する」
このことがよく表れているのが、人工知能やロボットで仕事がなくなると私たちが心配していることです。つまり、短期的な視点でテクノロジーを過大評価しているのです
でも、私が心配なのは、長期的に必要になるテクノロジーを得られるか、人口構成の変化により、労働力が不足 私たちの社会は、将来、ロボットの鉄の肩にすがらざるを得なくなります。
だから、私はロボット不足になることが怖いのです。長い間、テクノロジーの進歩で仕事がなくなると心配されてきました。
1957年。スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンの映画の結末をご存知でしょう。スペンサー・トレイシーは、資料調査業務にコンピューターを導入します。
1957年当時の大型コンピューターです。その会社では、司書は会社の幹部の知りたいことを調べていました。
「サンタクロースのトナカイの名前は?」と聞かれればその答えを調べます。このコンピューターは、その仕事を助けるはずでした。
もちろん、1957年当時のコンピューターはさほど役に立ちません。司書は、自分たちの仕事がなくなると心配しましたが、でも、現実は違いました。
この種の職の雇用は、1957年以降。ずっと増え続けました。インターネットが普及し、ウェブサイトや検索エンジンが普及して、初めて資料調査という業務が減りました。また、1957年。当時には、誰もが現在の技術を過小評価していたと思います。
現実には、今は、皆がこうしてポケットに入れて技術を持ち運べ「サンタクロースのトナカイの名前は?」と言えば、すぐに答えが返ってきて、何でも知ることができるのにです。
ちなみに、その間、司書の賃金は、アメリカのどの仕事よりも早く上がりました。司書がコンピューターのパートナーになったからです。
コンピューターがツールとなったことで、使えるツールが増えて当時の司書の仕事は、より効果的になりました。同じことが、オフィスでも起こります。かつては、表計算がされていました。
つまり、紙の表計算用紙を使って���で計算をしていました。でも、ここで面白いことが起こります
1980年頃のパソコン革命で表計算ソフトは、事務員のために改良されました。事務員に取って代わるのではなく、事務員はプログラムができる人として尊重されたのです。
つまり、事務員は、努力の末に、表計算のプログラマーになり、その能力は向上しました。つまらない計算作業をしなくてもよくなり、それ以上の人間的な価値のあることができるようになったのです。
事実。ロボットはいろんな形で、私たちの生活に浸透しています。でも、それが工場用ロボットとなるとまだ怖がられていると思います。
そばに置くには危険な存在ですから。プログラムするにも4次元や6次元で考える必要があり、普通の人が一緒に作業することはでき���せん。
このテクノロジーは、間違った方向に進んでいると思います。テクノロジーから労働者を締め出しています。だから、私たちが 本当に目を向けなければいけないのは、普通の労働者が一緒に作業できるテクノロジーです。
そうした例として、今日は、バクスター(Baxter)を紹介します。このバクスターは、工業環境において普通の人たちが共に作業できるロボットの第一世代と考えています。
1980年代に事務員たちができる仕事の技量を上げたように、私たちが提供したいのは何年も勉強しなければ使えないツールではなく、数分もあればどうやって操作するか?学べるようなツールです。
今、意志に左右されるが避けられない二つの大きな力があります。気候変動と人口動態です。
先進国各国によって変わりますが、人口動態は本当に私たちの世界を変えます。これは労働人口の割合です。過去40年で少し下がってきていますが、これからの40年では、劇的に変わります。
中国でさえです。労働人口の割合は劇的に下がり、定年した人たちの割合は本当に急速に上がります。ベビーブーム世代が定年を迎えるからです
つまり、社会保障にあてるお金が減る一方、より多くの人が社会保障を必要とするわけです。でも、それ以上に年を取れば、力も弱くなって、かつてはできていた作業もできなくなります。
介護士の年齢についての統計を見ると介護士たちの年齢層もどんどん上がって行くのが分かります。今、まさに、統計的に起こっていることです。
定年退職を迎えた人たちが、さらに年を取り増えていく一方で世話をする人たちは減っていきます。私たちは、ロボットの助けが本当に必要になります。ロボットを付き添ってくれる仲間とは考えていません。
ロボットは私たちが年を取ってするのが、難しくなったことをしてくれるもの。車から食料品を出して、階段を上り台所へ運ぶようなことです。
もっと年を取れば、人に会いに自動運転車を運転することもです。ロボット工学があれば、年を取っても尊厳を維持できるかもしれない。つまり、ロボットによる解決策をコントロールしさえすれば良いのです。
2020年。現在では、この���ンセプトを元にした同機能な数万円くらいのロボットも大量に開発されてきています。
ロボットの開発に取り組んでいたリシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)は事業停止しています。しかし、開発は止まるところを知りません。現在も研究に精力的に取り組んでいます。
この人は、あのロボット掃除機「ルンバ」も開発した人です。
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
当然、通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!また、これは日本では憲法で保障されている通信の秘匿強化も重要です。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
(個人的なアイデア)
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました。
参考として・・・
月面は、太陽風によりもたらされたヘリウム3が、鉱物資源として豊富に存在していることが確認されています。原子力発電や核融合に最適です。
これでもバカのひとつ覚えのように、生産性を高めますか?基本的人権も無視して・・・
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
しかし、人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処���されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
<おすすめサイト>
シリコン生命体についてのアイデア2019
ケイド・クロックフォード:顔認証による大衆監視について知る必要のあること!
マリリン・ウォーリング:GDPに計上されない無償労働。なぜ?その価値を考慮すべきなのか
マーティン・フォード: 職が無くなる未来の社会システムでのお金の稼ぎ方
デイヴィッド・オートー : 自動化で人間の仕事はなくなるのか?
ロボットの宇宙空間での活用2019
アンソニー・ゴールドブルーム: 機械に奪われる仕事? — そして残る仕事?
グレン・グリーンウォルド: なぜプライバシーは重要なのか!
エリック・ブリニョルフソン: 成長のための鍵は何?機械との競争?
アンドリュー・マカフィー:アンドロイドに仕事を奪われるのか?
ロバート・ゴードン:「イノベーションの死?成長の終わり?」
人工知能が人間より高い情報処理能力を持つようになったと��何が起きるか?2019
人工知能にも人間固有の概念を学ぶ学校(サンガ)が必要か?2019
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
個人賃金→年収保障、ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2022(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
<提供>
東京都北区神谷の高橋クリーニングプレゼント
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team-ginga · 1 year ago
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映画『イーグル vs シャーク』
 U-Nextで映画『イーグル vs シャーク』(2007)を見ました。ニュージーランド映画です。
 ニュージーランド映画と言われてもあまりイメージが湧きませんが、ピーター・ジャクソン監督のあの怪作(個人的には最高傑作)『ブレイン・デッド』もニュージーランド映画のはずーーそれを思えば、拾い物もあるかもしれません。
 『イーグル vs シャーク』というのは、いかにもZ級映画っぽい題名で、巨大化したワシとサメが戦いそうですが、そういう映画ではありません。
 U-Nextのキャッチコピーには次のように書いてあります。
 「リリー・マ��キノン「君のおかげで、僕はレストランで一番幸せな男だ」リリーは不器用で孤独なウェイトレス。ジャロッドはひとりよがりなロウソク職人。復讐という使命のために故郷へ帰るジャロッドに、恋するリリーはついていく。ただ少しでも自分を信じてくれる人を必要としているジャロッド、愛する人を必要としているリリー。完璧な相手じゃないけれど、戦う価値のある相手なのかもしれない。」
 わかったような、わからないようなキャッチコピーですね。
 ちなみに「君のおかげで」云々は、映画の冒頭でリリーが鏡に写った自分に言うセリフです。恋人のいないリリーは鏡の前で自分にそういう愛の言葉を言ってくれる男を演じているわけです。「世界で一番幸せな男」ではなく、「レストランで一番幸せな男」というところが泣かせます。
 リリーの恋人になるジャロッドが「ロウソク職人」だというのは間違いーー広末涼子の不倫騒動があって、いま日本ではロウソク職人にスポットが当たっていますが、彼はただ趣味でいろいろなロウソクを作っているだけで、仕事はゲーム屋の店員です。
 「復讐という使命のために故郷へ帰る」も間違ってはいませんが不正確ーージャロッドは高校のとき(ジャロッドは28歳ですからもう10年前のことです)自分をいじめていたサモア人の同級生エリックが故郷の町に帰ってくるというので、復讐をしようと思っているのです。
 その復讐を「使命」と思っているのはジャロッドだけーーかなり重症の中二病患者です。
 前半は正直言って退屈……というか、リリーがどう見てもオタクで魅力に乏しいジャロッドを好きになり、彼女の働いているハンバーガーショップに彼がやってくるのをドキドキ、ワクワクしながら待っているところや、ジャロッドがリリーの同僚をパーティーに誘って、同僚が行かないと言って捨てた招待状をリリーが拾って、兄と一緒に行くところは、「イタい」というかなんというか、見ていられません。
 なお、このパーティーは動物の格好をしてくるという仮装パーティーで、リリーはサメ、ジャロットはワシの格好をしています。だから、『イーグル vs シャーク』というわけですね。
 パーティーの最大のイベント(?)はストリートファイター風の格闘ゲームーーテレビゲームです。リリーはなぜか異様に強く、どんどん勝ち抜いてチャンピオンのジャロットと対戦。でも、リリーはゲームそっちのけでジャロットに見惚れているので当然負けます。
 パーティーの後、部屋に残ったリリーとジャロットはベッドインーーでも、「キスしたい?」、「ええ」、「セックスしたい?」、「ええ」と言って、引き出しからゴソゴソ、コンドームを取り出すところは、ロマンティックには程遠い感じです。
 翌日の昼休み、リリーはジャロットが働いているゲーム屋の前でわざとらしくサンドイッチを食べます(私は正直ここで「うざい女だ」と思ってしまいました)。ジャロッドはリリーを見つけて、「今夜『ウルヴァリン』を見に行くんだけど、君もいかない?」���言います。
 もちろんリリーは行きます。行かないはずがありません。それもジャロットのために大きなケーキを焼いて持っていきます。イタいし重い女ですね。
 でも、ジャロットは来ません。それでもリリーは何時間もケーキの箱を抱えて映画館の前で待っています。
 夜遅く(かな? 次の日かもしれません)ジャロッドがリリーの家にやってきます。彼は「僕は鬱状態なんだ。使命を果たしに実家に帰らなきゃならないから」と言います。例の「復讐」ですね。
 ジャロッドは車を持っていないので、リリーの兄の車で実家まで送ってもらいます。もちろんリリーも一緒です。
 実家には車椅子に乗ったジャロッドの父親と姉夫婦と姉夫婦の子どもと9歳か10歳くらいの女の子が住んでいます。女の子はジャロッドの子どもだそうです。
 驚愕の事実ーーオタクでイタい男なのに、そういう部分だけは結構発展家なんですね。
 ジャロッドは姉夫婦に部屋がないからテントで寝ろと言われます。
 ジャロッドは高校の同級生で同じくエリックにいじめられていたパソコンオタクのメイソンと復讐のための策を練ります。
 そのうちだんだんジャロッドの家庭環境がわかってきます。ジャロッドにはゴードンという兄がいて、非常に優秀な青年だったのですが、死んでしまったとのことーー兄は火事から子どもを救おうとして焼け死んだとジャロットは言いますが、これは彼特有のイタい嘘で、本当は周囲の期待が大きすぎ、それに耐えられなくなり自殺したことや、ジャロッドはそのために親の愛を受けられずに育ったことがわかります。
 ある日、兄ゴードンの恋人だったトレイシーが家にやってきます。翌日、ジャロッドは何を思ったか花を持ってトレイシーに会いに行き、リリーに「別れよう」と言います。
 リリーは「いいわよ」と言いますが、もちろん心中は穏やかではありません。彼女は兄に電話して迎えにきてもらおうとしますが、かけてもかけても留守番電話になっています(留守番電話のメッセージが「こちらジェームズ・ボンドです。ただいま女王陛下のための作戦に従事しているため出られません」となっているのがキュートです)。
 仕方なくバスで帰ろうとバス停で待っていると、メイスンから「次のバスは3日後の日曜だよ」と言われてしまいます(リリーがジャロッドと別れたと聞いたメイスンは「じゃあ僕とつきあってみる?」と言います。奥手の彼としては勇気を振り絞って言ったのでしょうが、答えはもちろん「ノー、サンキュー」。するとメイソンは「もちろんジョークで言ったのさ」と言い、自転車に乗って泣きながら「もちろんジョークさ」と何度も叫びます。ここもキュートだと思いました)。
 田舎なんですね。結局リリーは日曜までジャロッドの実家の庭で寝袋に入って寝ることにします。
 そうこうしているうちにサモア人のエリックが町に戻ってきます。ジャロッドはエリックに電話をかけて高校の校庭に呼び出します。
 映画はこの辺りからようやく面白くなってきます。
 この日のためにトレーニングを積んできたジャロッドは、心配そうなリリーやカメラを構えたメイスンや家族たちが見守る中、エリックを待ちます。
 やがてエリックが現れますが……
 彼は車椅子に乗っています。8年前にスキーの事故で半身不随になったとのことです。なるほど、そういう展開ですか。いや、悪くないと思います。
 ジャロッドは復讐をやめるかと思いきや、なんとヌンチャクでエリックをめったうちにします。最低ですね。エリックは車椅子から落ち、ジャロッドとつかみ合いになります。
 父親はジャロッドに「やめろ」と言いますが、どうしてどうしてエリックの方が優勢です(ジャロッドはそういう情けない男なのです)。
 ジャロッドはその場を逃げ出し、リリーは後を追います。
 ジャロッドは I'm a loser(僕は負け犬だ)と言います。その通りですね。自業自得です。
 するとリリーは It doesn't matter(そんなことは重要じゃないわ)と答えます。なるほど……これはなかなかキュートなセリフですね。
 日曜日、リリーは家に帰るためバス停に行きます。ジャロッドの家族たちはリリーと仲良しになったのか、彼女を見送りにゾロゾロついてきます。
 バス停に着くとそこには……
 ジャロッドが待っています。彼はリリーに百合の花(リリーですね)と自分で作ったロウソクをプレゼントします。
 ラストで二人は一緒にバスに乗っています。道路脇にいる馬を見て、ジャロッドはリリーに「馬だ」と言います。
 これにはちょっと説明が必要でしょう。リリーの兄の自動車でジャロッドの実家に行く途中、リリーと兄は二人にしかわからないゲームをしていました。馬を見つけたら「馬だ」と言う、道中たくさんの馬を見つけた方が勝ちというゲームです。
 それを聞いたジャロッドは「なんだくだらない」と失礼なことを言い、ジャロッドにゾッコンなリリーは兄に「そうね。やめましょう」と言いました。
 ラストでジャロッドは自分から進んでそのゲームをしているのです。彼は身勝手で他人の気持ちを考えられない男でしたが、少しは成長してリリーに歩み寄るようになったというところでしょうか。
 全体として、前半は退屈、後半はまあ悪くはないよね、でも……という感じでしょうか。私は自分を弱い人間、ダメな人間だと思っているので、弱い人間、ダメな人間が必死になっている物語が好きです。その意味では好みの映画のはずなんですが、あまりにもイタすぎるという気がしてしまいました。
 もちろん上に書いたようにキュートな部分もあります。リリーとすっかり仲良しになったジャロッドの父親がリリーに「ジャロッドはダメな男だ。別れる方がいい」と言うと、リリーは「どうしてダメな男ってわかるんです」と尋ねます。父親が「息子のことはよく知ってる。あんたより知ってるさ」と言うと、リリーは「じゃあ、ジャロッドがどんな動物を好きかわかります?」と尋ねます。父親はいろいろな動物の名前をあげますが、どれも不正解。ジャロッドが好きなのは……もちろんワシです。
 息子のことを知っているつもりで、ダメな男と決めつけていた父親が思わずハッとする名シーンです。私は父と息子の物語に弱いからかもしれませんが、このシーンは好きでした。
 日本のインディペンデント系のゆるいコメディ映画にありそうな映画です。日本でリメイクしてもいいかもしれません。
 まあ、リメイクしても私は見ませんが、それはまた別のお話です。
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obaasan-art · 5 years ago
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【似顔絵】  Today’s Tracy😆  今日のトレイシーさん😆  #今日崔西#今日のトレイシーさん#TodaysTracy#似顏繪#似顔絵#portrait  #日本#東京#新幹線 #阿婆上街買菜 #obaasan_peijung_tsai #挿画#插畫#繪#marker#マーカー#clickart#水性マーカー #sketches#illustration#illustrator#illustrationdaily#practicing #sketch#イラスト (東京駅 新幹線の中) https://www.instagram.com/p/B6zF3yYlR61/?igshid=10f087jlp5k9x
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asa-wt0 · 2 years ago
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あさの約100冊
エラリー・クイーン/オランダ靴の謎 エラリー・クイーン/ギリシャ棺の謎 エラリー・クイーン/エジプト十字架の謎 エラリー・クイーン/災厄の町 エラリー・クイーン/十日間の不思議 エラリー・クイーン/九尾の猫 パット・マガー/四人の女 パット・マガー/七人のおば 有栖川有栖/ダリの繭 有栖川有栖/スイス時計の謎 北村薫/空飛ぶ馬 北村薫/鷺と雪 宮部みゆき/ステップファザー・ステップ 宮部みゆき/心とろかすような マサの事件簿 宮部みゆき/ぼんくら 宮部みゆき/我らが隣人の犯罪 宮部みゆき/小暮写眞館 今村夏子/星の子 三浦しをん/風が強く吹いている サリンジャー/ライ麦畑でつかまえて サリンジャー/フラニーとズーイ サリンジャー/ナイン・ストーリーズ カズオ・イシグロ/わたしを離さないで ウィリアム・アイリッシュ/幻の女 堀江敏幸/雪沼とその周辺 綾辻行人/十角館の殺人 ローラ・インガルス・ワイルダー/大草原の小さな家 島田荘司/占星術殺人事件 サマセット・モーム/月と六ペンス 絲山秋子/袋小路の男 彩瀬まる/あの人は蜘蛛を潰せない 西加奈子/ふくわらい 西加奈子/炎上する君 谷崎潤一郎/春琴抄 佐藤多佳子/しゃべれどもしゃべれども 田牧大和/花合せ 濱次お役者双六 千早茜/あとかた 津村記久子/この世にたやすい仕事はない 津村記久子/ミュージック・ブレス・ユー!! 加納朋子/ななつのこ 朝井リョウ/もういちど生まれる 瀬尾まいこ/卵の緒 瀬尾まいこ/あと少し、もう少し 庄司薫/赤頭巾ちゃん気をつけて 本谷由紀子/嵐のピクニック 小川洋子/猫を抱いて象と泳ぐ 中島京子/小さいおうち 辻���深月/ぼくのメジャースプーン 辻村深月/スロウハイツの神様 円城塔/これはペンです 川端康成/眠れる美女 三崎亜記/バスジャック 飛鳥井千砂/はるがいったら 吉田篤弘/針がとぶ―Goodbye Porkpye Hat 梨木香歩/春になったら苺を摘みに 川上弘美/センセイの鞄 中山七里/さよならドビュッシー 桜庭一樹/私の男 恩田陸/夜のピクニック 時雨沢恵一/アリソン 江國香織/流しのしたの骨 山崎ナオコーラ/昼田とハッコウ 東野圭吾/悪意 冲方丁/光圀伝 最果タヒ/死んでしまう系のぼくらに 森絵都/風に舞い上がるビニールシート 司馬遼太郎/燃えよ剣 北方謙三/三国志 角田光代/八日目の蝉 近藤史恵/にわか大根 いしいしんじ/トリツカレ男 いしいしんじ/麦ふみクーツェ 木原音瀬/美しいこと 西川美和/ゆれる 米澤穂信/��回りする雛 アガサ・クリスティ/春にして君を離れ ハリイ・ケメルマン/九マイルは遠すぎる 多和田葉子/百年の散歩 サン=テグジュペリ/人間の土地 穂村弘/本当は違うんだ日記 ミヒャエル・エンデ/モモ 中勘助/銀の匙 ボリス・ヴィアン/日々の泡 古谷田奈月/リリース 長嶋有/ねたあとに 皆川博子/開かせていただき光栄です 桜庭一樹編/江戸川乱歩傑作選 獣 ネイサン・イングランダー/アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること トルーマン・カポーティ/ティファニーで朝食を ジョン・ディクスン・カー/火刑法廷 ジョン・ディクスン・カー/皇帝のかぎ煙草入れ クリスチアナ・ブランド/招かれざる客たちのビュッフェ シャーリイ・ジャクスン/ずっとお城で暮らしてる カレン・マクマナス/誰かが嘘をついている フランシス・ハーディング/嘘の木 Roald Dahl/The Witches Louis Sachar/Someday Angeline ジル・チャーチル/ゴミと罰 ルシア・ベルリン/掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集 佐藤亜紀/スウィングしなけりゃ意味がない ジェフリー・ディーヴァー/ウォッチメイカー リアーン・モリアーティ/ささやかで大きな嘘 藤野可織/ピエタとトランジ サラ・ウォーターズ/荊の城 M・W・クレイヴン/ストーンサークルの殺人 ドロシー・L・セイヤーズ/学寮祭の夜 シャーロット・マクラウド/納骨堂の奥に P・J・トレイシー/沈黙の虫たち
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mpwebmag-interview · 3 years ago
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日本で最も長い商店街として知られる、大阪の天神橋商店街。個人的にはフリーランスとして独立し、だんだんと仕事が軌道に乗り始めて、事務所を最初に構えたのがこの場所で、いい時代を過ごした思い出深い土地である。約2.6キロの長い商店街には約800店舗の商店があり、昔から続く個人商店も多く、古き良き大阪の商人の匂いを楽しむことができる。
そんな天神橋商店街に気になるレコード店・tototo RECORDSがある。コロナ禍真っ只中の2019年10月にオープンし、店主の個性を強烈に感じることができる品揃えで注目されている。GWを利用し、懐かしの天神商店街に足を向けて、店主の岡本ガンモ氏にtototo RECORDSのユニークなお店づくりについてなど話を伺ってきた。
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昭和の中古レコード屋を令和のおじさんがやったらどうなるか
ーまずはtototo RECORDSのオープンまでのお話を。
今年でちょうど50歳なんですけど、世代的に『宝島』とかバンドブーム直撃で。生まれが大阪の平野区で、エイリアンスポットっていうライブハウスがあって、そこに自転車で行ってたら、たまたまそこにパンクスの人がいたなとか。僕、元々、キングコング(大阪の老舗中古レコード店、一時は梅田、難波で数店舗を構えていた)で働いていたので、ジャッキーさん(大阪が世界に誇るマンゲル・スラッシュ・クラストコアバンド・FRAMTIDのギターであり、大阪難波にあるレコード店・REVENGE RECORDSのオーナー)などが先輩でいて、そこで繋がったり。でも、当時はグチャグチャな世代やったんですね。バンドブームだけでなくて、ブレイクダンスやサーフィンやったり、暴走族の真似事をする友達がいたりと、夜な夜な仲間と集まってはカセットテープに好きな音楽を録ったのを聴いたり、情報交換するって感じでした。
ーそうしてキングコングに勤め出すと?
元々、音源はCDで買っていて、22、23歳の時にキングコングに入って、そこでアナログに出会ってからその良さに気づいたんです。それで、CDを全部処分して、アナログを買い直しました。キングコングに入ったのは接客が好きだから。キングコングの前にレンタルビデオ屋さんでバイトしていて、お客さんや先輩がすげぇ面白くって。例えば先輩で、(アインシュテュルツェンデ・)ノイバウンテン(ドイツの実験的インダストリアルバンド)やスロッビング・グリッスル(イギリスのインダストリアルバンド)が好きなんだけど、ボウイも好きなんですよ。ボウイからノイバウンテンに辿り着くっていうのが面白くって。お客さんも、レンタルビデオ屋って音楽も聴けるしエロも借りれるから幅広くって。で、そんな中、音楽の仕事がしたいなって思った時に、ノリでキングコングのバイトの面接を受けたら受かって。でも、入った頃は音楽のことなんか全然知らなかったから、先輩にめちゃくちゃ怒られたりもして。当時のキングコングはジャンルごとに受け持ちはないんですよ。オールジャンルに対応しなきゃいけなくて、入ったら即店番でした。でも、買取の値付けも分からなくて、いきなりワールドミュージックの査定とか。当時はパソコンもない時代やったから、ナンボで値付けをしたらエエか分からへんし大変でした。すげぇ鍛えられましたね。この店を始める直前までキングコングに居続けてました。で、縮小で退職という流れになりました。古くから、長く置いてくれてとても感謝しています。一度自分が白紙になったとき、やっぱりレコードが好きという思いを再確認して、お店を始めました。
ーtototo RECORDSは品揃えや店構えがユニークだし、かなり貴重な店だと思いますよ!
一応、「こうしたいな」「ああしたいな」とかざっくりとしたヴィジョンがあって。まだそこには近づけてないですけど。やっぱり、商品集めが一番苦労します。ヴィジョンの一つが、中古レコード屋さんの良いところを残��たくて、「昭和の中古レコード屋を、今の令和のおじさんがやったらどうなるか」っていうもので。場所を天満、天神橋商店街にしたのは雰囲気が良かったから。
ー天満��含め、天神橋周辺は昔から住まわれている人だけでなく、会社やお店も多いからお客さんも幅広いんじゃないですか?
そうなんです。自分が思っている以上に幅広く来てくれるんで、それはよかったなと思ってます。地元の人が売って、地元の人が買っていくっていう地産地消型。お店を始めるまでは、天満はたまに飲みにくるぐらいで土地勘がなかったんです。けど、お店を開けてみたら居心地の良い場所でした。あんまりガツガツしているところは嫌やったんで、微妙にゆるい感じが良くって。世代型というか、売りに来られる方も買いに来られる方も世代が固まっているんです。一番のメインが30歳後半から50歳前半ぐらい。だから、欲しいものと売りたいものが合致しているというか、扱っているのはオールジャンルなんですけど、パンクもニューウェイヴもその世代が欲しいものが入ってくる。だから、掘り出し物はいっぱいあります。でも、入ってきたものは自分では買わないって決めてるんです(笑)。若い人も来ますよ。最近のアナログブームもあって。あと、関西特有かもしれないですけど、和物DJをやるパンクの人とか。大阪は特殊なのか、そういうシーンができているのはすごく嬉しいです(笑)。通販はガッツリとはやっていなくて、(Instagramで)DMが届いた時に対応してますけど、まだホームページではレコードではなく別のものを売ってるので。レコードの販売は、できれば店をベースにしてやれたらいいかなと思っています。バンドの新譜もゆくゆくは考えているんですけど、今はまだそこまで考えられる余裕がなくて(笑)。今は中古で土台を作っていこうかなと。
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相場はあまり気にしていない
ーソフビやマンガとかレコード以外も良いものが並んでますね。
できる限り、持ってきてくれた物はなんでも査定はするつもりです。結構面白いものが入ってくるし、そういったものが売れていきますね。八百屋とか魚屋の感覚でやっているので、仕入れが安ければ安く出して、高い仕入れの時は申し訳ないけど相応��値段を付けています。相場がこの値段だからっていうのはあんまり気にしてなくて、この方が面白いかなって。藤子不二雄Aの複製原画が貼ってあるのは、全体的に丸っこい絵の漫画というか、トキワ荘関連が大好きで。(レジ側に置いてある)『まんが道』はできるだけ多くの人に読んで欲しくて、無料貸し出しをしています。
ー店名の「tototo」というのは?
友達から「自分の名前を入れたらええやん」って言われたんですけど、自分の名前だと、やりたいお店のイメージとちょっと違うなと思って。で、覚えやすくて、名前を聞いた人に「なんやろ?」って思われるようなのはないかなと。あと、ザ・ブルーハーツの「キスしてほしい」のフレーズ(「トゥートゥートゥー」というコーラス)から。商品も店名も含めて、好きなものに囲まれとったら最高! 今までキングコングで働いてきたのが約20年で、それをもう一回するって考えたら、自分の好きなものを置いて、お客様とそれを共有したいなって思っています。音楽のブームの周回が回ってきて、置いてあるものとのタイミングが合えばより良いですね。
ーお店で人気のあるジャンルはありますか? コミックソングやシティポップとかは一部店舗でプレミアが付いていたりしますが。
コミックソングはニーズが弱くなったけど、買う人に強烈な人が多いので死ぬまで買い続けていくんだろうなって。シティポップは値段の上がり方がかなわんので、なるべくそういう店じゃないよって雰囲気を出してます。シティポップ感を出さないように(笑)。とりあえず、ボウイとかレベッカが随時ある店を目指しています。ファンは一定数いるし、値段を上げずにずっと売り続けられたらいいかなと。最近、バンドブーム関係は入りにくいですね。最近は中古レコード屋のワゴンセールでも売ってないですもんね。ちょっとマイナーなバンドだったら見つけにくくなってますし。こないだもトレイシーが入ってきたんですけど、即完しましたから。レジ横に積んでいたらお客さんが「アッ!」って手に取って。他にもコンプレックスのファーストのアナログ盤を頑張って手に入れて、結構な値段を付けたんですけどすぐ売れましたね。でも、店に欲しいのでずっとアンテナは張ってます。これからはCDにも力を入れていこうと思っていて、今は溜めているんですけど、バンドブームの棚が完成したら結構イカツイものになると思いますよ! あと、まだ、外国からの観光客の方が来て盛り上がるというのを体験したことがないので、コロナが明けた後にそれを体験できないかと期待していて(笑)。
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tototo RECORDS https://tototorecords.business.site/
〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋1丁目18-14国際実業ビル3階 電話番号 0643973121 営業時間 12:00~20:00(定休日:毎週水曜日・第3木曜日) 谷町線・堺筋線「南森町駅」4-B出口から徒歩3分/JR東西線「大阪天満宮駅」7号出口から徒歩3分/JR環状線「天満駅」から徒歩15分
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mareinny · 6 years ago
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#59 What To Import?
小学5年生で初めてブロードウェイミュージカルは「 RENT」の来日公演だった。凄まじい衝撃を受け、翌年には母が私をNYに連れて行ってくれた。12歳にして、私は誓った。「またこの場所に戻ってくるぞ!」
さて、「ヘアスプレー」の日本版上演が決定したことはミュージカルファンならもうご存知だろう。
私が初めてのNYで観た作品の1つでもある。その後日本で来日公演もあり、ミュージカル映画で一躍人気になった作品だ。 個人的なストーリーとしては、我が家三姉妹揃って衣装から小道具やらかき集め、家でDVDをつけ、テレビの前で歌い踊り、セリフまで覚えて「ヘアスプレーごっこ」をしていた、というのを覚えている。 ハッピーで、ポップな作風は「kawaii culture」の発祥である日本でウケるわけだ。
その日本版上演は来年の6月。その主役が発表された。 コメディ界のプリンセス(って呼んでるのは私だけ?笑) 渡辺直美さんだ。 Wooooow。ありゃま、こりゃびっくり。今朝妹が朝一で私にそのニュースを伝えてきてくれて、朝食の場ではディスカッションが繰り広げられた。
海外作品を輸入することに対して、私は否定的な考えを持っているわけではない。そこはまずこれを読んでいる方たちに知っておいていただきたい。私も出演してきたミュージカルのほとんどが海外作品であることは間違いないし、それを日本で上演することにもたくさんの意味や価値があると思う。
ただ、私が恐れていることは、「作品本来のメッセージの消失」なのだ。
例を挙げ出せばキリがないことは分かっているため、辛口にはなってしまうが「ヘアスプレー」について考えてみよう。
舞台は1960年代のボルチモア。アメリカ東部のメリーランド州に位置する。現在は白人が5割以上、黒人が約3割を占める州であるが、作品から分かるように60年代���まった頃はその2つの人種間での格差や対立が著しかった。住宅地、学校、バス、テレビ��組…全てが2分割されていた。
これが作品の大前提となる背景である。 そこに存在する主役が、スターを夢見る少女、トレーシー。周囲の人々の凝り固まった考え方や価値観を変えていくきっかけを次々に作っていく。 トレーシーは白人であるというマジョリティー、そして周りのテレビスターとは違って太っているというマイノリティー、どちらの面も併せ持っている。それがこの主人公の持つ最大の鍵。
渡辺直美さん。唯一無二のルックスとユーモアセンスによって成り立った新たなスター像であることは間違いない。彼女とトレーシーの共通点はそこであろう。
がしかし、映画版のトレーシーはオーディションで選ばれた新人俳優だったことを私は覚えているのだ。まだ彼女がどんな俳優であるか知らなかったからこそ、彼女は作品の中で間違いなく「トレーシー」だった。
日本で大きなミュージカル作品に無名俳優を使えない理由は承知の上で、やっぱりこう思う。その作品に、その役として、そのスターをキャスティングする理由は何なのか?と。
今朝、日刊スポーツの記事では(以下引用)
「へアスプレー」は60年代の米国を舞台に、明るくパワフルなビッグサイズの女の子トレイシーが、テレビのダンス番組出演を目指して奮闘。華やかで踊りたくなる数々の曲にのって、前向きに生きる大切さを描いた作品。
と作品が説明されていた。
「前向きに生きる大切さを描いた作品」
その通りである。しかし、日本で単一民族である日本人が表現するには限界があると私は考える。肌の色が違うことによって社会的に虐げられてきた人々の気持ち、理解しようと努力することはもちろん出来るし大切である。
でも、それを歴史的に語り継がれてきた背景がある俳優と、そうではない俳優が演じるのとでは、滲み出てくるものがあまりにも違いすぎるのではないかと懸念している。
私の頭をちらっとよぎった考えがある。
もしかすると、日本でこの作品を上演することを決めた方々は、「Hamilton」のように、人種や民族といった境界、括りにとらわれずに、あえて人種問題を取り扱った作品を日本人キャストが演じることが、これからの世界にとって意味がある。と、そこまで考えていたのではないか?
(妹にそんな訳ないだろって言われたけど。笑)
でも、だとしたら、どんな表現で「ヘアスプレー」が本来持つメッセージを舞台上に残してくれるのか期待してしまう。
これを今読んでくれてる人だけでもいいから分かっていてほしい。 ヘアスプレーはただのハッピーなサクセスストーリーじゃあありません。
じゃあ、ボルチモアってどういう歴史があったの?60年代ってどんな時代だったの?私もまだまだ知らないことだらけ。たくさん勉強して、どうしてこの作品が生まれたのか、アメリカに必要だったのか、そして「なぜ今日本で上演されるべきなのか」を考え続けていく意味があると思う。
それぞれの意見があると思うけど、今日の春日希はそう思いを馳せたのだった。
Be HOPE, Be MARE!
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honeydip5123 · 6 years ago
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Sometimes It Snows in April 時には4月に雪が降る Tracy died soon after a long fought civil war 長く続いた内戦のあと間もなくトレイシー*1は命を落とした Just after I wiped away his last tear 最後の涙を僕がぬぐった後だった I guess he's better off than he was before かつてよりうまくやっているだろう A whole lot better off than the fools he left here 彼が置いてけぼりにした愚かなやつらよりずっと I used to cry for Tracy cause he was my only friend 僕はトレイシーを思い泣くこともあった、ただ一人の友だちだったから Those kind of cars don't pass you every day 彼が乗っていたような車は毎日通るものではない I used to cry for Tracy cause I want to see him again 僕はトレイシーを思い泣くこともあった、彼にもう一度会いたいから But sometimes, sometimes life ain't always the way けれど人生はいつもそううまくはいかない Sometimes it snows in April 時には4月に雪が降る Sometimes I feel so bad 時には気分がバッドになる Sometimes I wish that life was never ending 人生に終わりがなければいいのにと願う時もある And all good things, they say, never last いい事はどれも長続きしないらしい Springtime was always my favorite time of year 春はいつだって大好きな季節だった A time for lovers holding hands in the rain 雨のなかで手をつなぐ恋人たちのための季節 Now springtime only reminds me of Tracy's tears 今となれば春は僕にトレイシーの涙を思い出させるだけ Always cry for love, never cry for pain 愛のために泣いても、痛みのために涙を流しはなかった He used to say so strong unafraid to die 彼は強く言っていた、死を恐れはしないと Unafraid of the death that left me hypnotized 死はうっとりさせてくれる、恐いわけがないと No, staring at his picture I realized でも彼の写真を見ていてわかった No one could cry the way my Tracy cried 僕のトレイシーみたいに涙を流すやつなんかいない I often dream of heaven and I know that Tracy's there 天国の夢をよく見る、トレイシーがそこにいるのがわかる I know that he has found another friend 彼は別の友達を見つけているだろう Maybe he's found the answer to all the April snow 全ての4月の雪への答えを見つけただろうか Maybe one day I'll see my Tracy again いつかまた会うだろう、僕のトレイシーに Sometimes it snows in April 時には4月に雪が降る Sometimes I feel so bad 時には気分がバッドになる Sometimes I wish that life was never ending 人生に終わりがなければいいのにと願う時もある And all good things, they say, never last そしていい事はどれも長続きしないらしい All good things, they say, never last いい事はどれも長続きしないらしい And love, it isn't love until it's past 愛は過ぎ去るまで愛ではない ------ ディアンジェロがテレビ番組で披露したプリンスへのトリビュートがすばらしかったので、カバーしていた曲の歌詞を勝手に訳しました(誤訳あるかも)。 プリンスの訃報を知ってPop Lifeを聞き直したら滲みたので別の記事で歌詞を訳したのですが、このSometimes It Snows in Aprilの歌詞も、状況にハマりすぎて、なんだかもう・・って感じです。ちなみに曲中に登場するクリストファー・トレイシーをプリンスが演じた1986年の映画Under the Cherry Moonは公開時に評論家からも一般の観客からも酷評されて、プリンスは最低監督や最低主演男優などその年のラズベリー賞の主要部門を独占したそうです。 *1:トレイシー: 主演・監督した映画Under the Cherry Moonでプリンスが演じた役名であり、プリンスのオルター・エゴ(別人格)とも言えるクリストファー・トレイシーのこと
 時には4月に雪が降る - D'angeloによるPrinceトリビュート              
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c3oyama · 4 years ago
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3/30 #マフィアの日 誕生日/ #ローラ #エリッククラプトン #千原ジュニア #坂本冬美 #ゴッホ #RIKACO #島倉千代子 #高田好胤 #井上珠沙 誕生日 1746年 ゴヤ(画家) 1844年 ヴェルレーヌ(詩人) 1853年 ゴッホ(画家) 1903年 片岡千恵蔵(俳優)[1983年3月31日歿] 1924年 高田好胤 (僧侶,薬師寺管主)[1998年6月22日歿] 1926年 中条静夫(俳優) 1927年 堤清二(実業家・セゾングループ)[2013年11月25日歿] 1937年 ウォーレン・ベイティ(俳優) 1938年 島倉千代子(歌手)[2013年11月8日歿] 人生いろいろ https://youtu.be/F2JaJF02o0M 1945年 エリック・クラプトン (英:ギタリスト) 1945年 寺沢武一(漫画家『コブラ』) 1958年 坂東眞砂子(作家) 1958年 石黒ケイ(歌手・女優) 1960年 ダニエル・カール(タレント) 1960年 安寿ミラ(元宝塚) 1960年 目加田頼子(アナウンサー) 1961年 M.C.ハマー(ミュージシャン) 1962年 小川洋子(作家) 1962年 藤臣柊子(エッセイスト) 1964年 トレイシー・チャップマン(歌手) 1965年 破矢ジンタ(ジッタリンジン・ミュージシャン ) 1966年 村上里佳子(RIKACO・タレント) 1967年 坂本冬美(歌手) また君に恋してる https://youtu.be/bVYu3f4qfsU 1967年 林原めぐみ(歌手・声優) 1968年 セリーヌ・ディオン (カナダ:シンガーソングライター) My Heart Will Go On https://youtu.be/WNIPqafd4As こんなんありました@@ To Love You More (with 葉加瀬太郎)https://youtu.be/P3yJL4bbrnU 1973年 ヤン・コラー(サッカー) 1974年 千原ジュニア(千原兄弟・タレント) 1977年 井上珠沙(画家・アル中) 1979年 ノラ・ジョーン���(歌手) 1980年 倉野麻里(アナウンサー) 1990年 ローラ (モデル,タレント) 1991年 佐々木未来 (声優) 2002年 綾波レイ (漫画キャラ(『新世紀エヴァンゲリオン』)) 誕生花は デージー、花言葉は“あなたと同じ気持ち” 誕生石は パール(Pearl)、宝石言葉は“健康・長寿” マフィアの日 1282年のこの日、マフィアの名前の由来となったとされる「シチリアの晩鐘事件」が起こった。 当時のシチリア島はフランス国王の叔父であるシャルル・ダンジューの苛酷な支配下にあった。 1282年のこの日は復活祭の翌日の月曜日であり、晩祷の為に教会の前に市民が集まっていた。そこへフランス兵の一団がやってきて、その土地の女性に手を出そうとしたため、その女性の夫はいきなりその兵士を刺した。その場に居合わせたほかの市民もフランス兵に襲いかかり兵士の一団を全員殺してしまった。そのとき晩祷を告げる晩鐘が鳴ったことから、「シチリアの晩鐘事件」と呼ばれる。 この叛乱は全島に拡大し、フランス人は見つかり次第に殺され、その数は4000人以上に及んだ。この叛乱の合言葉「Morte alla Francia Italia anela(全てのフランス人に死を、これはイタリアの叫び)」の各単語の頭文字を並べると「マフィア(mafia)」となり、これがマフィアの名前の由来であるという説がある。 シャルル・ダンジューのアンジュー王家はシチリアから追放され、代ってシチリアの支配者となったアラゴン王家との間に20年に及ぶ戦争が起った。 国立競技場落成記念日 1958(昭和33)年のこの日、神宮外苑に国立霞ヶ丘陸上競技場が完成した。 敷地面積は22000坪で約58000人の収容能力を持ち、1964(昭和39)年には東京オリンピックの開閉会式の会場になった。 歴史・出来事 1856年 クリミア戦争終結 1858年 消しゴム付き鉛筆が発明される 1867年 米政府、720万ドルでアラスカを購入 1959年 砂川事件で、外国軍隊の駐留は違憲と東京地裁判決 1968年 TVアニメ『巨人の星』放送開始 1969年 フランシーヌ・ルコント(仏の女学生)、ベトナム戦争に抗議して焼身自殺 1981年 レーガン大統領狙撃事件 1987年 安田火災がゴッホの『ひまわり』を53億円で落札 1987年 白根全が50ccバイクで世界初のサハラ砂漠横断に成功 1995年 國松孝次警察庁長官狙撃事件 1997年 ポータルサイト「goo」開設 2001年 大阪「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」オープン 2006年 「ラルフ・ローレン表参道」開店 2007年 「ザ・リッツ・カールトン東京」開業 http://c3-cube.com #今日は何の日 #パーソナルカラー #カラードレープ #カラーパレット #色見本 #PCCS #ドレープ120色 #パーソナルカラー用品 #テストドレープ #金銀ドレープ #ケープ #カラーシート #カラーチップ #C³ #色のみかた #顔タイプ診断 #パーソナルカラ (パーソナルカラー用品ドレープ、見本帳,PCCSのご用命はc3(シーキューブ)) https://www.instagram.com/p/CNBXITYAT4P/?igshid=1ps2b9kb7uqqc
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nagako · 7 years ago
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2018.02.19 スウェイする
毎週月曜日は渋谷のラジオ。16:10から日本気象協会 tenki.jpさんによる『渋谷のお天気』をお届けした後、MCカワムラユキさんの『道玄坂爆音部』にレギュラー出演させていただいております。
19日も、お天気予報爆読みに続き、いろいろとおしゃべりさせていただきましたが、その中で、先週はドラマや映画を観たり、本を読んだりするインプット一辺倒週間であったと申し上げるくだりがありまして。そのチョイスが、ざっくばらんなようでいて関連性があったり、ぜんぜん関係なかったり。そもそもチョイスの軸となるのがポルノに食い物にされた女優トレイシー・ローズと俳優の松重豊氏ですからね。およそ何の接点もなさそうですが、私が同時期に気になっちゃった事実こそが唯一の接点というわけで諦めていただいて、改めて、インプット大会の推移をメモ的にまとめてみようかなと。
まず、先週は昭和の女の表現するところの玉姫様ご乱心につき、心身ともに調子が極悪で、何もできずに寝そべりながらSNSを眺めていたところ。このところ盛んな #metoo 運動関連のハラスメント事例、性暴力、HIPHOPと男尊女卑、AV強要被害、ポルノにおける表現の自由などなど、女性の人権を蔑ろにする事例への怒りが、我がTLに噴出しておりまして。私は映像以外にも、女性性やジェンダーにまつわるコラムも書いているので、フェミニズムも含めて気になるトピックスが自ずとTLに浮上するわけです。
そのトピックの1つ1つについては、個人的に強い思い入れもありますし、まだまだ勉強不足な点もあるので、言及の機は改めます。が、AV強要問題についての情報を読むにつれ、「そういえばトレイシー・ローズの自伝『トレイシー・ローズ 15歳の少女が、いかにして一夜のうちにポルノスターになったのか? 』がうちにあったな」と思い出して、再読することにしたんです。
本書は、子供の頃に性暴力を受け、15歳にしてヌードモデルからポルノ出演へとなだれ込み、麻薬中毒になりながら3年間でポルノクイーンと呼ばれるまでに至った壮絶な半生と、以降、拭えないポルノクイーンのレッテルと戦いながら女優や音楽制作やDJに挑戦する彼女のチャレンジングな後日談によって構成されている自伝です。かなり有名な本なので、一度は読んだことがある方はたくさんいるのではないでしょうか。本の文体は、彼女自身が自分のその時々の感情を克明に表現する語り口で、その繊細さ、冷静な分析力に、胸がえぐられます。若い女性が性暴力や性産業の餌食となる状況を「なぜ防げないのか」。本書には、被害者の感情や心の拠り所のなさについての描写が克明に登場します。気になる方はぜひご一読ください。
と、おすすめがてら amazonの本書のリンクを貼ろうとしたら、アダルトコンテンツ扱いで18歳未満は買えないって。ムカついたのでツイ。
トレイシー・ローズ自伝 15歳の少女が、いかにして一夜のうちにポルノスターになったのか? 』を再読して。若年女性が性暴力やポルノに際した感情描写が壮絶かつ克明で、10代の若者に読んでほしいと思いamazon検索したら、アダルトコンテンツ扱いで18禁だって。何の冗談だよ。@snacknagako
若年層ならではの繊細な感情、足りない知恵、力、金、心の拠り所のなさ、彼女の心に定着しなかった両親の愛情、男や恋愛への依存、欠落を埋める酒や麻薬。子供を騙し搾取する大人の醜さ。15歳の女の子が「こんな目に合わないための教訓」満載なのに、同年代の若い子が読めないなんてもったいない。@snacknagako
他のサイトか書店でどうぞ。
このトレイシー・ローズの自伝には、彼女が出演したジョン・ウォーターズ監督のミュージカル映画『クライ・ベイビー』の話題も登場します。久しぶりに「みたいな」と思うと同時に、自伝とは異なる超個人的レイヤーの疑問がふいっと浮上しまして。
実は私、ミュージカルが嫌いなんです。子供の頃、何かの舞台を観て、「舞台上の人が、全員満面の笑みで、全員足並みを合わせ、こちらに向かって迫り来る」という増殖状況が気持ち悪くて、��いたことがあるんですね。ミュージカル映画は、リアル舞台よりは冷静に観れるのですが、今度は「意味がわからない」。なぜ、この人たちは、急に歌い始めたのか。踊る必然性はあるのか。1人ではなくて、集団で踊るのはなぜか。どうして、人体や車や書き割りや小道具が音に合わせて軽妙に動くのか。
理屈がさっぱりわからない。いや、音楽とダンスとヴィジュアルのリズミカルなシンクロニシティが、最高に気持ちの良い感覚の快楽をもたらしてくれることは、MVをこよなく愛する者として人一倍理解しているつもりです。そう、それが、オーディオとヴイジュアルの感覚信号を用いて出来うる表現の限りを尽くすMVであるならば理解できるのです。実際に、MVにおけるオーディオとヴィジュアルのシンクロニシティーの快楽には溺れ放題なわけですが、それはMVとしての理に適っているから受容できるというものです。
どうも私の頭の中は、聴覚野や視覚野よりも、言語野が幅を利かせているようで、万事何事も理屈と説明を求める悪癖があります。映画は、人間の感情の機微や言動の意図など、言語野の想像を駆り立てるような画音作りについ期待してしまいますし、台詞回しや脚本の筋道の魅力にも耽溺したいです。もちろん、テーマを突き詰めたうえで、ミュージカルという仕様を選択するに至った必然性やその意図を演出に盛り込んでいる作品については何の文句もないんです。ただし、確固たる根拠もステイトメントもなく感覚表現に頼っているように見える作品については「だから、なんで急に歌い出したのか」と問い詰めてしまうのです。理屈病でしょうね。ミュージカルや、オープニング5分で飽きた『ラ・ラ・ランド』が悪いのではなく、私の脳が理屈を愛で過ぎているのかもしれません。この常に意味を問い続ける理屈屋の頭が真っ白になるくらいのスピード感で、圧倒的な熱量で、ミュージカルに没頭したいものです。
また、もしかしたら、約5分間に濃厚凝縮されたMVシンクロを見すぎて、緩慢な長尺シンクロに退屈する脳になってしまっている可能性もあるかなと。普段、映画をみる時に一番注意しているところが「音の使い方」なのですが、必然性ありきで楽曲や音響を使うのは当たり前として、画だけではもたない、台詞を入れてももたない、だから楽曲や音響を入れて雰囲気を充実させようと企む演出も散見されます。これが私には気持ち悪い。かえって無音を効果的に扱う演出の技に出会うと惚れ惚れします。
この音の雰囲気ちょろまかしスタイルですが、いわゆるごまかしではなく、ド派手な美術とテロップと拍手と笑い声がモリモリのテレビ番組や、音数も文字数も膨大なアニメーションソングや、デザイン無視でバナーを貼りまくるインターネットのサイトのような「情報量過多コンテンツ」を大量に甘受している現代人を満足させるためには、無駄な音でもガンガン足しまくるエンタメ采配が必要なのかもしれません。これを下手な人がやると公害となり、上手な人が捌くと作品となる。というのはミュージカルとか映画とかMVに限ったことではないですね、失礼しました。
さて、ミュージカル映画に対していろいろと難癖をつけがちな私ですが、そもそもMVの一部はミュージカルの作りを踏襲して来た歴史があるので、先人の表現には敬意を評します。ミュージカル表現を踏襲するMVやCMも大好きですし、ミュージカル映画の中でも大好きな作品、監督がいます。その代表例がジョン・ウォーターズ監督で、『ヘアスプレー』『クライベイビー』は好きです。
なぜ、私はミュージカル映画は苦手なのに、ジョン・ウォーターズ作品は好きなのだろうか。勢い自問しても、かえってくる答えは「ジョン・ウォーターズが好きだから」というシンプルな理由のみ。ミュージカルが大好きな児玉裕一監督の作品は大好きなのに、ミュージカルそのものは苦手なのはなぜかと問うても、「児玉裕一が好きだから」以上。この調子で、映像ライターとして大丈夫でしょうか。不安になって来たので、もう一度ウォーターズ作品を観て、考えてみようと思うに至りまして。
同時に、今月より、テレビ東京で始まったドラマ『バイプレイヤーズ 〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら』の録画を観ていて、黒沢清監督作品をいくつか見返そうとも思いまして。
というのも、私は同作の前シリーズ『バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』のファンで。先月はセカンドシリーズの番宣のため数話をGYAOで無料公開していたので、一気に見返したところ、主演のバイプレイヤーズの1人である松重豊氏の映画デビュー作が黒沢清監督の『地獄の警備員』であるという情報に改めて遭遇し、「あ、みなきゃ」と。
余談ですが、私はそもそも松重氏主演の深夜の飯テロでおなじみ『孤独のグルメ』も大好きで、原作:久住昌幸氏、作画:谷口ジロー先生による原作漫画はもちろん、同じく久住氏原作の『花のズボラ飯』(漫画:水沢悦子先生)、『野武士のグルメ』『荒野のグルメ』(画:土山しげる先生)、泉昌之氏(原作:久住氏+作画:和泉晴紀先生)名義の『食の軍師』『最後の晩餐』『昼のセント酒』(コミカライズ版は魚乃目三太先生)なども全部チェックしております。以上の漫画の気になるレシピを実際に真似て調理するのみならず、ドラマ主演の松重氏のファンになってしまい、今期は『バイプレイヤーズ』と『アンナチュラル』(TBS系)が楽しみでしかたありません。
その松重氏のみならず、バイプレイヤーズのリーダーである大杉漣氏や、ゲストで登場した役所広司氏は黒沢清監督作品の常連です。黒沢作品はかつて何本も拝見しておりますが、改めて再見した後『バイプレイヤーズ』をみるとまた味わいが変わるのではないかと期待して、作品についていろいろ調べたところ、たまたま10日にBSにて黒沢監督初ドラマ作品で西島秀俊氏が主演の『ニンゲン合格』(1999年)が放映されることがわかり、録画チェック。
かくして16日、『地獄の警備員』含め、ネットで閲覧できない黒沢作品とウォーターズ作品を借りるべく、うちの近所のささやかな規模のTUTAYAに出向いたところ、『地獄の警備員』も『クライベイビー』もない。うちは東京都下の郊外にあるのですが、だいたい郊外都市ってユニクロも西松屋もニトリもでかいはずなのに、どうしてTUTAYAだけ小規模なのかと、デビュー時の松重氏やポルノ卒業後のトレイシー嬢をみれなかった無念をTUTAYAにぶつけながら、『ヘアスプレー』と『CURE』と『岸辺の旅』など合計8本借りまして。
そして、3日くらい外に出なくて食いしのげる程度の食材や、趣味のジャンボ数字クロスワーと雑誌と書籍7冊を買い込み、帰宅。DVDパッケージを開けたら、『ヘアスプレー』がジョン・ウォーターズじゃなくて、2007年にリメイクされたアダム・シャンクマン監督の方で、虚脱。いやでも、久しぶりに観ましたけど、やっぱりジョントラボルタのお母さん役はすごい。オリジナルのディヴァインの方が好きですが、いや本当にすごい俳優さんだなと改めて度肝を抜かれました。
黒沢監督作品については、人間の実在と不在という大きな命題について考えさせられる一方です。私は、私の生は私の夢で、私の死は世界の終わりで、死後の世界などないと思う主観的な人間なのですが、生死の狭間や人間の意識の持ち用や肉体と精神ののりしろのような曖昧な境界線に寄り添おうとしている(ように見える)黒沢監督はとてもロマンティストで、ホラー表現はその優しさや救いや祈りの潜在性を顕在化するために必要な呼び水ではないかと、月並みながら想像しました。
その他、様々な場で興味の対象を見つけては、あっちに行��たりこっちに行ったりスウェイする毎日を送っています。仕事で作品をみたり、資料を読んだりする時は、筋道立てて確認しますが、普段は行き当たりばったり、思いもよらない作品や情報に事故的に遭遇したり、これまでの自分が想像もしてこなかった思考のヒントを賜ると、嬉しくて仕方がありません。こんな感じでスウェイ生活を楽しみたいと思います。今週こそは、ジョン・ウォーターズの『ヘアスプレー』を間違いなく借りてこられますように。
追記:このブログを更新した二日後に、大杉漣さんが急逝されたとのことで驚きました。自分のブログと結びつけるのはあまりにも恐縮ながらも、『ニンゲン合格』の難しい役所、『CURE』の変な髪型、『バイプレイヤーズ』の厄介なリーダーなどなど、様々な役柄の大杉さんを立て続けに拝見したばかりだったのでびっくりしました。
バイプレイヤーズのメンバーに見守られて息を引き取られたとのことで、それが実際の最期なのか、ドラマの最終回のシーンなのか、虚実が混同する状況に胸を突かれてしまいました。急逝の報が出た直後のオンエアでは、グループLINEのくだりが寂しかったですね。その翌日のぐるぐるナインティナインの『ゴチになります』スペシャルでは、きっちりビリですからね。ただの偶然か、生の自然か、諸々は神様の演出か、いずれであっても、その死やフィルムが、多くの人々の胸に深い味わいをもたらしたことと存じます。
これからも旧作をどんどん見ます。ご冥福をお祈りいたします。
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takahashicleaning · 4 years ago
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TEDにて
ロドニーブルックス:なぜ?私たちはロボットに頼ることになるのか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
ロボットに仕事を奪われ、人は要らなくなると、まことしやかにさやかれています。
でも、ロボットは私たちの重要な協力者となり、私たちは単純で機械的な作業から解き放たれ他のことに時間を割けるようになります。
ロドニー・ブルックスは、労働人口が減少し老齢人口が増える中、これがどれだけ価値のあることか指摘します。彼がここで紹介するロボットのバクスターは、目を動かし、腕に触れば反応します。
バクスターは、高齢化する労働者のそばで働くことができ、さらに家庭でも少子化の先進国での高齢者を支援できるかもしれません。
アーサー・C・クラーク。1950年代の著名なSF作家は言いました「我々は、短期的には技術を過大評価し、長期的にはテクノロジーを過小評価する」
このことがよく表れているのが、人工知能やロボットで仕事がなくなると私たちが心配していることです。つまり、短期的な視点でテクノロジーを過大評価しているのです
でも、私が心配なのは、長期的に必要になるテクノロジーを得られるか、人口構成の変化により、労働力が不足 私たちの社会は、将来、ロボットの鉄の肩にすがらざるを得なくなります。
だから、私はロボット不足になることが怖いのです。長い間、テクノロジーの進歩で仕事がなくなると心配されてきました。
1957年。スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンの映画の結末をご存知でしょう。スペンサー・トレイシーは、資料調査業務にコンピューターを導入します。
1957年当時の大型コンピューターです。その会社では、司書は会社の幹部の知りたいことを調べていました。
「サンタクロースのトナカイの名前は?」と聞かれればその答えを調べます。このコンピューターは、その仕事を助けるはずでした。
もちろん、1957年当時のコンピューターはさほど役に立ちません。司書は、自分たちの仕事がなくなると心配しましたが、でも、現実は違いました。
この種の職の雇用は、1957年以降。ずっと増え続けました。インターネットが普及し、ウェブサイトや検索エンジンが普及して、初めて資料調査という業務が減りました。また、1957年。当時には、誰もが現在の技術を過小評価していたと思います。
現実には、今は、皆がこうしてポケットに入れて技術を持ち運べ「サンタクロースのトナカイの名前は?」と言えば、すぐに答えが返ってきて、何でも知ることができるのにです。
ちなみに、その間、司書の賃金は、アメリカのどの仕事よりも早く上がりました。司書がコンピューターのパートナーになったからです。
コンピューターがツールとなったことで、使えるツールが増えて当時の司書の仕事は、より効果的になりました。同じことが、オフィスでも起こります。かつては、表計算がされていました。
つまり、紙の表計算用紙を使って手で計算をしていました。でも、ここで面白いことが起こります
1980年頃のパソコン革命で表計算ソフトは、事務員のために改良されました。事務員に取って代わるのではなく、事務員はプログラムができる人として尊重されたのです。
つまり、事務員は、努力の末に、表計算のプログラマーになり、その能力は向上しました。つまらない計算作業をしなくてもよくなり、それ以上の人間的な価値のあることができるようになったのです。
事実。ロボットはいろんな形で、私たちの生活に浸透しています。でも、それが工場用ロボットとなるとまだ怖がられていると思います。
そばに置くには危険な存在ですから。プログラムするにも4次元や6次元で考える必要があり、普通の人が一緒に作業することはできません。
このテクノロジーは、間違った方向に進んでいると思います。テクノロジーから労働者を締め出しています。だから、私たちが 本当に目を向けなければいけないのは、普通の労働者が一緒に作業できるテクノロジーです。
そうした例として、今日は、バクスター(Baxter)を紹介します。このバクスターは、工業環境において普通の人たちが共に作業できるロボットの第一世代と考えています。
1980年代に事務員たちができる仕事の技量を上げたように、私たちが提供したいのは何年も勉強しなければ使えないツールではなく、数分もあればどうやって操作するか?学べるようなツールです。
今、意志に左右されるが避けられない二つの大きな力があります。気候変動と人口動態です。
先進国各国によって変わりますが、人口動態は本当に私たちの世界を変えます。これは労働人口の割合です。過去40年で少し下がってきていますが、これからの40年では、劇的に変わります。
中国でさえです。労働人口の割合は劇的に下がり、定年した人たちの割合は本当に急速に上がります。ベビーブーム世代が定年を迎えるからです
つまり、社会保障にあてるお金が減る一方、より多くの人が社会保障を必要とするわけです。でも、それ以上に年を取れば、力も弱くなって、かつてはできていた作業もできなくなります。
介護士の年齢についての統計を見ると介護士たちの年齢層もどんどん上がって行くのが分かります。今、まさに、統計的に起こっていることです。
定年退職を迎えた人たちが、さらに年を取り増えていく一方で世話をする人たちは減っていきます。私たちは、ロボットの助けが本当に必要になります。ロボットを付き添ってくれる仲間とは考えていません。
ロボットは私たちが年を取ってするのが、難しくなったことをしてくれるもの。車から食料品を出して、階段を上り台所へ運ぶようなことです。
もっと年を取れば、人に会いに自動運転車を運転することもです。ロボット工学があれば、年を取っても尊厳を維持できるかもしれない。つまり、ロボットによる解決策をコントロールしさえすれば良いのです。
2020年。現在では、このコンセプトを元にした同機能な数万円くらいのロボットも大量に開発されてきています。
ロボットの開発に取り組んでいたリシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)は事業停止しています。しかし、開発は止まるところを知りません。現在も研究に精力的に取り組んでいます。
この人は、あのロボット掃除機「ルンバ」も開発した人です。
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
当然、通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!また、これは日本では憲法で保障されている通信の秘匿強化も重要です。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
<個人的なアイデア>
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました。
参考として・・・
月面は、太陽風によりもたらされたヘリウム3が、鉱物資源として豊富に存在していることが確認されています。原子力発電や核融合に最適です。
これでもバカのひとつ覚えのように、生産性を高めますか?基本的人権も無視して・・・
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すこと��できるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
しかし、人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
<おすすめサイト>
グレン・グリーンウォルド: なぜプライバシーは重要なのか!
エリック・ブリニョルフソン: 成長のための鍵は何?機械との競争?
アンドリュー・マカフィー:アンドロイドに仕事を奪われるのか?
ロバート・ゴードン:「イノベーションの死?成長の終わり?」
人工知能が人間より高い情報処理能力を持つようになったとき何が起きるか?2019
人工知能にも人間固有の概念を学ぶ学校(サンガ)が必要か?2019
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2020(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
ベティーナ・ウォーバーグ: ブロックチェーンが経済にもたらす劇的な変化
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322dayo · 5 years ago
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Winter
 沸騰した鍋にパスタの束を放り込んで、さあ茹でようと思ったところでそれは不意にノートンの視界の隅に入ってきた。無地の柔らかい紙に数字が整然と並んでいるだけのカレンダー。几帳面なこの部屋の主人は、1日が終わるたびにそこに鉛筆で斜線を引いている。既に22日まで線が引かれたカレンダーを見て、ノートンは「あっ」と小さく声をあげた。 「ねえルキノさん」  リビングのソファに沈みながら分厚い本と睨めっこをしていた男はしばらく顔を上げてくれず、それから数十秒ノートンが沈黙を守ったところで、ようやく一つに結んだ三つ編みを揺らしながらこっちを向いてくれた。 「私のことを呼んだかな」  家に帰ってから飲み食いも喋りもせず、ひたすら熱心に本を読んでいた男の声は少しだけかさついていた。 「呼びました。でもまずあなたはお水を飲んだ方が良いですね」  手元にあったグラスを手に取りジャバジャバと水を入れて男に手渡す。よほど喉が渇いていたのか、男はそれを一口であっという間に飲みきった。 「麺を茹でてる匂いがする」 「もうすぐ夕飯ですよ。それで、麺を茹でていたら気づいたんですけど、あなた二十四日の予定は?」 「二十四日?‥‥‥今日は二十三だから、明日‥‥‥ああ、明日はゼミのクリスマスパーティだね」 「‥‥‥ゼミのクリスマスパーティー」  むん、と背中を伸ばしながら男は、 「ちょうど外に講演会を聞きに行くことになっていてね、ついでだからそのままクリスマスを祝おうかという話になった」 ノートンはそうですかと頷きながら、男が受け持っているゼミ生たちの顔を思い出す。「爬虫類の進化分類学」というびっくりするほどつまらそうなゼミに入っている先輩たちを一通り頭に浮かべ、クリスマスに何の予定がなくとも不思議ではないなと早々に思い至った。 「だから君とは二十五日に一緒に過ごそうと思っていたのだが、言ってなかったかな」 「聞いていませんが問題ないです。僕もバイトが入っていますから」 「クリスマスまでバイトだなんて、大変だねえ」  それはこっちの台詞だと思いつつ、ノートンは空になったコップを受け取った。キッチンに戻る間に急いでポケットから携帯を取り出してメールを開く。バイト先のマスターに「明���はラストまで大丈夫です」と用件だけのメッセージを送ると、ものの数秒で返事が返ってきた。「失恋?」とだけ表示された画面を見て、ノートンは小さく舌打ちをしながらポケットに乱暴に突っ込んだ。
 彼について人に話すとき、「それって本当に恋人なの?」と聞かれることがよくある。  そんなとき、ノートンは決まって一瞬言葉を詰まらせ、当たり前じゃないかというようなことを口にしようとして、最後にはすべて飲み込んで曖昧に笑ってしまう。彼と一緒にいる時間が長くなるにつれ、ノートンはよくそうやって笑うことが増えた。  例えば、昼間に手を繋いでポルティコの下を歩いたり、クリスマーケットをホットワインを飲みながら回ったり。そういう二人を恋人と呼ぶのなら、自分と彼はどうしたってその枠に入れない。そんな姿を誰かに見られたら彼はまず間違いなく大学を追い出されてしまうし。そうでなくとも、そもそも彼は「普通の恋人らしい行為」というものに興味がない。彼の形の良い頭蓋骨の中は未知への探究心と爬虫類への好奇心ですでにほとんどを埋め尽くされていて、ノートンはそこになんとかして自分を入れてもらおうと意地汚く努力を続けて、そうしてやっと今の関係を手に入れたのだ。  ノートンが曖昧な笑みを浮かべると、友人やバイト先のマスターは必ず「フゥン」という表情をした。そして次に「訳��りなんだ」とどこか労わるような、お節介じみた言葉を口にした。彼らがどんなラブロマンス映画を思い浮かべているのかノートンには想像もできないけれど、訳ありだなんてまったく馬鹿らしい話だ。自分と彼の関係ほどシンプルなものはないと思う。ただ言葉にするには少し寂しい、それだけのことだ。
「なんだ失恋したんじゃないのか」  ガラスの小さなグラスを揺らしながらマスターはあからさまになあんだという表情をした。  オレンジの綺麗な色のウイスキーは彼の一番のお気に入りで、予約がたくさん入っている日なんかはお水のようにゴクゴクと飲んでしまう。栄養剤だよと彼は言っているけれど、そのせいで五回に一回はメジャーカップからシロップを零すので止めてほしいと思っている。 「ご期待に添えず申し訳ないですけど、あっちに仕事が入ったってだけなので」 「クリスマスイブも仕事だなんて働くねえ‥‥‥まあ、それを言ったら私も君もそうなんだけど」 「ジョゼフさんは、あれっ、今は独り身でしたっけ」 「失礼だね君。誘えば飛んでくるような婦人は何人もいるよ」 「独り身なんですね。‥‥‥でもこんなに予約が入ってるとは思ってなかったので、これはこれで良かったかな」 マスターは眉を顰めて、 「勤勉なのは良いことだけど、学生がそんなこと言うもんじゃないよ」  となぜかノートンをたしなめた。  駅からマッジョーレ広場に向かう途中の道を少し逸れた、小さな一本道にあるこのワインバーには二年前からキッチンとして週に四回バイトをしている。この辺りは学生街で、安くていっぱい食べれる大衆料理屋が人気なのだけど、ここはお酒もつまみも少し値が張るいわゆる「ちょっといい感じのお店」だ。小さなカウンター席も、二つしかないテーブル席も普段は満席になんてならないのだけど、クリスマスイブの夜はすでにどの時間も予約で席が埋まっている。おかげでノートンは予定より二時間も早く店に呼び出され、ボウルいっぱいのジャガイモの皮むきをするはめになった。隣では同じように呼びつけられたフロアのトレイシーまでもが玉ねぎのみじん切りにかり出され、ポロポロと涙を流しながら玉ねぎの山をつくりだしていた。 「そうだよノートン!なんだって僕が、こんな、クリスマスに、玉ねぎのみじん切りをしなくちゃいけないのさ!」 「ボーナス出すからってナワーブにも声をかけたんだけど、どうしても予定があるから無理って断られたから。悪いねトレイシー」 「くそっ!あいつ絶対女だよ!この前ロシアンテキーラした時に、恋人がめちゃくちゃロマンチストでクリスマスもすごく楽しみにしてるから今から準備が大変って酔っ払ってニヤニヤしてたもん!」 「げっ、在庫の数が合わないと思ってたらまた君たちそんなふざけた遊びを」 「ノートンの彼女はさあ、仕事人間って感じなの?」 マスターの言葉を遮ってトレイシーがノートンをちらりと見る。 「仕事人間というか、趣味を仕事にしたみたいな人だから。純粋に楽しくて仕方がないんだよ」 「ふーん」  最後の玉ねぎを切り終わったトレイシーは真っ赤になった目元を袖で擦って、 「それで、君はそういうとこを好きになったんだ」  たいして興味もなさそうに呟いた。ノートンはジャガイモに包丁を入れながら小さく頷いたけれど、彼女は気づかなかっただろう。  あの人を好きになったきっかけを思い出す。  それは何か一つの大きな衝撃だったかもしれないし、もしくは小さな発見の塊だったかもしれない。始まりを思い出すのが難しいくらいに、出会った日からどんどん増えていった。柔らかいオレンジ色の髪、ジャムの瓶すら開けるのに手こずる大きくて非力な手、考え事をするときの静かな横顔、笑うと目尻にできる繊細なリネンのような皺。頭のてっぺんから爪先まで、挙げろと言われればいつまでだって口にできるくらい、本当にたくさんあるのだ。  ノートンがそれを言葉にすると、あの人はいつもなんだか困ったような表情をして笑ってしまう。それから、「私も同じだよ」と薄くて冷たいくちびるを額にくっつけてくれる。たくさんの場所でたくさんのキスをしてきたけど、この小さな子どもを相手にするようなチープなキスがノートンは一番好きだ。  一度だけ少し意地悪なことを言ったことがある。熱心に本を読んでる表情が好きだとノートンは言って、彼はいつもの言葉を返してくれた。暖かいベッドの中だったと思う。ノートンの額はうっすらと汗が滲んでいて、くちびるを落とした彼はついでにぺろりと舌を出して、「しょっぱいね」と笑っていた。 ──私も同じだって言うけど。 ──けど? ──僕、熱心に本を読んだことなんかないよ。  ノートンの言葉に、彼のオレンジのひとみがまあるくなる。  彼を困らせたいというただの意地悪なのだけど、これは本当のことだった。ノートンは勉強が好きだし、本だって人並みには読むけれど彼のように食事も忘れてかじりつくように読書をしたことなど一度もない。そもそもノートンが本を読むのはテストで良い点をとって奨学金をもらうためであって、知識が欲しい、知るのが楽しいという彼の純粋さとは根本的にかけ離れている。  オレンジ色のひとみはまあるくなったあと、ノートンを小馬鹿にするかのようにゆっくりと細くなった。 ──そりゃあ君は熱心に本を読まないが。  囁くような小さな声だった。 ──熱心に私を見るし、さわってくれる。その欲求の熱は私が本を読むのと全く同じものだ。だから私は想像できる、君がもし熱心に本を読むことがあるならこんな表情をするんだろうって。そして私は君のそういう表情がとても好きだよ。  ノートンは驚いた。彼はこうして時々、とんでもないことを言ってノートンを驚かせる。  どんな言葉を返せばよいのか分からないノートンを見て、彼はくちびるをつり上げた。ずるい大人の表情だった。いつだって欲しいときに欲しい言葉をくれるような、気のきいた恋人ではない。クリスマスの予定を一人でさっさと埋めて、次の日は一緒に過ごそうかなんて平気で言ってくる人だ。だけど、誰も知らないノートンのことを一番に見つけて好きだと言ってくれる、優しい人だった。
 七時の開店と共に店はあっという間に満席になり、いつもとは違う賑わいをみせた。  扉のベルを鳴らして店に入ってくる人たちはみんな夜の冷たい空気と、クリスマスイブの陽気で頬を赤くさせていた。扉が開くとキッチンの奥にまでほんの一瞬冷たい冬の匂いが流れてきて、頬に触れるたびノートンはどこにいるのかも分からない恋人のことを思った。  ディナーコースは提供するものが決まっていてすでに準備はできていたのでキッチンはそんなに慌ただしくはなかったのだけど、あちこちの卓からお酒の注文が止まないのでノートンは珍しくフロアの手伝いに回ることになった。お皿を下げて、注文を聞いて、ワインを注いで。休みなく動く途中、トレイシーが申し訳なさそうに目配せを何度もするので、片手を上げながらノートンはやっぱり今日はラストまで入って正解だったなと思った。  十一時を過ぎるといったん注文の��が止んで、二人は久しぶりにキッチンに奥に戻って一息つくことができた。テーブル席の客はついさっき二組とも帰っており、今はカウンターに数名お酒を楽しんでいる人が残っているだけだ。 「疲れたあ‥‥‥こんなにテキパキ動いたの、運動会ぶりだよ」  テーブルにべったりと頬をつけて座り込むトレイシーに、マスターはまかない用に取り分けてあったチキンのグラタンを差し出した。 「お疲れ様。それ食べたらもう上がっていいよ、あとはノートンがなんとかしてくれるから」 「やったーグラタン!でもまだお客さんいますよね?僕もラストまでいけますよ」 「女の子を日付を越して帰らせるわけにはいかないだろう。もう遅いからタクシーで帰って、領収書もらってきて」 「ジョゼフさんこんなに優しいのになんで彼女ができないんだろう」 「君は頭が良いのにいつも一言余計だね、静かに食べてさっさと帰りなさい。ノートンも食べ終わったらフロアに戻ってきてくれ」  用件だけ告げてマスターは駆け足でカウンターへと戻った。 「ノートンありがとうね。僕一人だったら回らなかったよ」 大きな口でグラタンを頬張りながらトレイシーが笑う。 「トレイシーも玉ねぎ手伝ってくれただろ。お互い様」 「ノートン食べるの早いから、先にこれ渡しちゃうね」  そう言ってトレイシーはポッケからごそごそと取り出したものをノートンに渡した。 「カイロ?」 「今日帰り遅くなるかなーってたくさん持ってきてたの。ノートンもあったかくして帰ってね」 「ありがとう、カイロなんて持ってきてなかったから、すごい助かる」 「よかった!‥‥‥使い捨てカイロって大丈夫だよね?彼女さん的に。イブに渡したとはいえ、使い捨てカイロだもんね?」  急にはっとした表情をして慌てだしたトレイシーに、ノートンは思わず笑ってしまった。 「全然大丈夫。そういうの全く気にしない人だから。多分僕がカルティエの財布とか貰ってきても平気な顔するよ」 「えー‥‥‥それは逆に困っちゃうね」 「もう慣れたから。カイロ本当にありがとう、僕はもう戻るから、気をつけて帰って」  笑顔のトレイシーに見送られながら、ノートンはカイロをポケットに入れてキッチンを後にした。
 すでに残っているのは常連のお客さんたちだけとなっていた。  喧騒が去った店内はさっきまでの熱気を知っていると少しだけ寂しく感じられたけれど、静かであたたかい幸福があった。ふしぎな雰囲気だった。いつも赤ワインを好んで飲む上品な身なりの夫婦は珍しくシャンパンを頼んでいて、見慣れた透明の泡さえもが、まるで天国にある水か何か、素晴らしく美しいもののようにノートンの目に映った。  シャンパンを熱心に見つめていたノートンに気づいたのは老紳士の方だった。いつもは赤を飲んでいるからふしぎに思われたのだろうと彼は、「イブは特別だからね。昔からシャンパンを飲むと決めているんだ」と言った。 「ふしぎですね。見慣れたシャンパンだけど、今日は特別美しい飲み物のように見えます」 紳士はノートンを見上げて、朗らかに笑ってみせた。
 深夜十二時半。  お店はさっきまでのあたたかさを残したまま、フロアの明かりが落とされていた。  スツールに腰を落とすと、一気に疲労感がやってきて今夜の忙しさをノートンはしみじみと感じた。あんまり忙しいので途中からは恋人のことなんてすっぽり頭から抜けていたほどだ。生徒とのパーティーなら夜通し開催しているということはないだろう、彼もそろそろアパートに帰っているだろうか。考えると無性に彼の声を聞きたくなって、そんな自分に驚いた。センチメンタルにもほどがある。明日会えるのだから、今夜の数時間がなんだと言うのか。 「お疲れ様。今夜は本当に助かったよ、片付けは明日に回すからもう上がって大丈夫」  心なしか肌や髪がくたびれたマスターは、 「あと、これ持って帰りなさい」  そう言って大きな紙袋をカウンターに置いた。  まかないの残りだろうかとのそりと体を起こして中を覗く。そこに見えたつるりとした綺麗なボトルに、ノートンは思わず声を漏らした。 「えっ」 「常連さんが君にって。詩的な言葉を貰ったから、そのお返しだってさ。‥‥‥君の口から詩だなんて、私には想像つかないけど」  引っ張り出したボトルは老夫婦が飲んでいたものと同じだった。緑色のボトルに、金色の美しい装飾が控えめに光っていた。ノートンは次にこのボトルの値段を思い浮かべた。こんな気軽に貰っていいような値段ではなかったはずだと眉をしかめている間に、マスターはノートンのコートや荷物をぽいぽいカウンターへと投げ捨てて、さっさと帰れとノートンをせっついた。 「��もジョゼフさん、僕こんな高いもの受け取れません」 「私だったらやらないさ。だけどあの人があげるって言ったんだから、素直に貰っておいたら良いよ」 「でも‥‥‥」 「さあ!さっさと帰ってくれ!私もこれから用事があるんだ、楽しい用事がね!」  コートもろくに着させてもらえないまま、ノートンは紙袋を押し付けられあっという間に店から追い出されてしまった。  外はとびきり冷たい風が吹いていて、ノートンはたまらずコートに袖を通してメインストリートへと駆け出した。冷たい夜の空気と一緒に、お店に漂っていた幸福の残り香が街にも溢れていた。ふしぎなことに足は広場をまっすぐ駆けて、自分のアパートとは反対へとぐんぐん進んでいった。  揺れる視界のあちこちにピカピカと電球の灯りがテールランプのように光り、すぐに後ろに流れて消えていく。紙袋を両手で抱えたまま走るから時々石畳につまずきそうになった。あの人のアパートが見えて、二階の角部屋に明かりがついていないのが分かると、足はのろのろとスピードを落として古い階段の前でぴたりと止まってしまった。  肩を上下させながらノートンは一階にあるポストにおもむろに手を突っ込んだ。そこに紙の感触があるのを確かに確認してから、ゆっくりと古い階段を登った。廊下を歩いて一番奥の部屋まで歩き、人の気配が少しもしない扉に背を預けてずるりとそこに座り込んだ。  背中に触れる扉も、コンクリートの地面も、抱えたシャンパンも全てが悲しいくらいに冷たかった。あれだけ街に漂っていた幸福の匂いはもうしない。視界には相変わらずピカピカと光る電球が映っているけど、それがノートンを少しだけ、本当に少しだけ悲しい気持ちにさせていた。  期待していたわけじゃなかった。だって、約束なんてしていなかったし。  誰にたいしてなのか言い訳のような言葉をノートンは胸の内でずっと呟いた。そして百個つぶやき終わったら、すっぱりと諦めて帰ろうと思った。それから二十個目でもう吐き出せる言葉がないことに気づき、呟くことも止めた。あの人が聞いたらカラカラと笑っただろう「だから本はたくさん読みなさいと言っただろう!」って。  もうそれでも良いし、ここに来てくれるのならなんでも良かった。だって今日はクリスマスで、自分たちは恋人なんだから、それくらい願ったってバチも当たらないだろうに!
「ルキノさんのアホ」 「誰がアホだって、うん?」
 ぎょっとした。  紙袋を放り投げそうになって、慌てて抱え直した。勢いよく上を向くと、ずっと会いたかった恋人の姿があった。ノートンが立ち上がるよりも早く、ルキノはその場にしゃがみこんで大きな手でノートンの頬を触った。 「どのくらい待ってたんだ。かわいそうなほど冷たいぞ」 「あなたが帰ってくるのが遅いから」 「連絡をくれれば良かったのに。気分を悪くした子がいたから、家まで送りに行ってたんだよ」 「そりゃあメールをすれば良かったんだろうけど、‥‥‥いや、そうだね。そうすれば良かったね」  何を言っても自分のわがままにしかならないことは知っていた。イブだからなんて、自分が淡い期待を勝手にしただけなのだから。  ノートンが口を閉じると、ルキノは白い息を吐いて困ったように眉を下げた。怒られるかと思ったけど彼は何も言わず、代わりに冷たくなったノートンの頬を労わるように撫でた。 「その紙袋は?」 「常連さんから貰ったシャンパン」 「それは素敵だね」 「あなたにあげるとは言ってないよ」 「意地が悪いな、君。じゃあこれと交換しよう」  ルキノの手がノートンに小さな何かを握らせた。冷たい感触に思わず手が震えた、恐る恐る視線を落とすと銀色に光るピカピカの鍵があった。傷ひとつない、作りたての鍵だった。ノートンは慌てて顔をあげた。その瞬間、くちびるに一瞬だけ冷たいものが触れた。彼のお気に入りの赤ワインの味が僅かに残っていた。どこもかしこも冷たかったけれど、彼の舌はびっくりするくらい熱くて、ワインの味がして、街に溢れていた幸せの正体がそこにはあった。夢中でそれを追っていると、彼の指がノートンの腕を痛いぐらいに掴んだ。鼻で息をするんだよと教えてくれたのには彼なのに、なぜかそれを実践できないのも彼だった。
 くちびるを離してお互いに大きく息を吸った。  冷たい鼻先をくっつけながら聞く彼のメリークリスマスは今まで聞いたこともないくらいに、とびきり美しい発音だった。
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fanficfanfic · 5 years ago
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ハリー・ポッターと合理主義の方法 78章「|交換不可能な価値《タブー・トレードオフ》(序)——不正」
Harry Potter and the Methods of Rationality
ハリー・ポッターと合理主義の方法
Chapter 78: Taboo Tradeoffs Prelude: Cheating
78章「|交換不可能な価値《タブー・トレードオフ》(序)——不正」
It was Saturday, on the 4th of April, in the year 1992.
一九九二年四月四日、土曜日。
Mr. and Mrs. Davis looked rather nervous, as they sat in a certain special section of the Hogwarts Quidditch stands - though today the cushioned benches did not look upon flying broomsticks, but rather viewed a gigantic square of something like parchment; a great white blankness soon to flicker with windows into grass and soldiers. For now it showed only the reflected dull gray color of the surrounding overcast skies. (Looking rather stormy, though the weather-wizards had promised that the rain wouldn\'t break before nightfall.)
デイヴィス夫妻は不安げな面持ちでクィディッチ場を一望する特別席についた——ただし、クッションつきのその椅子から今日見えるのは、飛びかうホウキたちではなく、ひたすら巨大な四角形の幕である。 真っ白な羊皮紙のような平面状のその幕についているいくつかの窓から、地上の兵士たちのすがたが映しだされることになっている。 いまのところはどの窓も一面灰色のくもりぞらの色を映しているだけだった。(雨が近そうにも見えるが、気象魔報士によれば夜まではもつことになっている。)
Ordinarily it was the ancient tradition of Hogwarts that mere parents were to Stay Out - for much the same reason that impatient children are told to get out of the kitchen and not meddle in the cook\'s affairs. The only reason for a parent-teacher conference was if a teacher felt that a parent wasn\'t shaping up properly. It took an exceptional circumstance to make the Hogwarts administration feel that it had to justify itself to you. On any given occasion, generally speaking, the Hogwarts administration was backed up by eight hundred years of distinguished history and you were not.
ふだんなら、保護者は校内のことについて〈口出し無用〉というのがホグウォーツの伝統である——厨房で料理がおこなわれているとき、子どもが無闇に手出ししようとすれば止められるのとおなじように。 教師と保護者の面談も、教師が親をしかりつける必要を感じたときにしかおこなわれない。 よほど特別な場合でもないかぎり、ホグウォーツ運営陣が外部に自己正当化してみせようとすることはない。 ホグウォーツ運営陣はどんなときも八百年のかがやかしい歴史に裏打ちされている。親たちにはそれがない。
Thus it had been with some trepidation that Mr. and Mrs. Davis had insisted on an audience with Deputy Headmistress McGonagall. It was hard to muster a proper sense of indignation when you were confronting the same dignified witch who, twelve years and four months earlier, had given both of you two weeks\' detention after catching you in the act of conceiving Tracey.
そのため、デイヴィス夫妻はマクゴナガル副総長との面談を要求したときも内心かなりびくびくしていた。 親として怒る権利はあると分かっていながらも、当の教師が十二年と四カ月まえに二人のとある行為を発見して二週間の居残り作業の罰を課したこと、その行為がそもそもトレイシーを生みだしたのだということを思いだすと、つい及び腰になってしまう。
On the other hand, Mr. and Mrs. Davis\'s courage had been helped by angrily waving about a copy of The Quibbler whose headline showed, in bright bold text for all the world to see:
いっぽうで、『クィブラー』をかざしながら乗りこむというのは、勢いをつける意味で効果的だった。『クィブラー』の見出しには見のがしようのない大きさの文字で
PACTS WITH POTTER?\ BONES, DAVIS, GRANGER\ IN LOVE RECTANGLE OF FEAR
ポッターを巡る恋の駆け引き? ボーンズ/デイヴィス/グレンジャー 恐怖の四角関係
とあった。
And so Mr. and Mrs. Davis had argued their way into the Faculty Box of the Hogwarts Quidditch stands, where they were now ensconced with an excellent view of Professor Quirrell\'s enchanted screens, so that the two of them could see for themselves \"Just what the Fiddly-Snocks has been going on in this school, if you\'ll pardon the expression, Deputy Headmistress McGonagall!\"
交渉の結果、デイヴィス夫妻はホグウォーツのクィディッチ場の教員席の一角の席を確保した。クィディッチ場に設置されたクィレル先生特製のスクリーンの真ん前に位置する特等席だ。『この学校がどれだけめちゃくちゃなことになっているのか、この目でしっかり見せてもらいましょうか、マクゴナガル副総長!』というのが決めぜりふだった。
Seated to the left of Mr. Davis was another concerned parent, a white-haired man in elegant black robes of unmatchable quality, one Lucius Malfoy, political leader of the strongest faction of the Wizengamot.
デイヴィス氏の左に、別の生徒の親が列席している。最上級品の黒ローブに身をつつむ銀髪の男性——ウィゼンガモート最大派閥の領袖、ルシウス・マルフォイがいる。
To the left of Lord Malfoy, a sneeringly aristocratic man with a scarred face who had been introduced to them as Lord Jugson.
マルフォイ卿の左には、傷のある意地悪そうな顔をした紳士がいる。名前はジャグソン卿、と紹介があった。
Then an elderly but sharp-eyed fellow named Charles Nott, rumored to be nearly as wealthy as Lord Malfoy, seated on Lord Jugson\'s left.
そのむこうには、眼光するどい老年の男性チャールズ・ノット。マルフォイ卿に劣らない資産家だとも言われている。
On the right of Mrs. Davis, one would find the comely Lady and yet handsomer Lord of the Noble and Most Ancient House of Greengrass. Young they were as wizards counted age, garbed in grey silken robes set with tiny dark emeralds embroidered into the shape of grass blades. The Lady Greengrass was considered a key swing vote on the Wizengamot, her own mother having retired from the body with surprising speed. Her charming husband, though his family was not noble or wealthy of itself, had taken a seat on the Hogwarts Board of Governors.
|デイヴィス夫人《ミセス・デイヴィス》の右には、〈元老貴族〉グリーングラス家の美貌の貴婦人とそれに輪をかけた美丈夫の当主がいる。 二人とも魔法族としてはまだ若い。衣装は灰色の絹ローブで、細かく草のかたちに刻まれた暗色のエメラルドがちりばめてある。 |グリーングラス卿夫人《レイディ・グリーングラス》は異例の若隠居をした母親から議席を継いだウィゼンガモート評議員であり、重要な浮動票のひとつだとされている。 その婿は貴族でも資産家でもない家の出だが、ホグウォーツ理事の座を射止めている。
To their right, a square-jawed and incredibly tough-looking old witch, who had shaken hands with Mr. and Mrs. Davis without the slightest hint of condescension. This was Amelia Bones, Director of the Department of Magical Law Enforcement.
もうひとつ右には、えらの張った頑丈そうな体格の老魔女がいる。〈魔法法執行部〉長官アメリア・ボーンズその人だ。デイヴィス夫妻は着席するまえに握手しに行ったが、とても気さくな女性だった。
To Amelia\'s right was a seniorish woman who had set the fashion scene of magical Britain on its ear by integrating a live vulture into her hat, one Augusta Longbottom. Though she was not addressed as Lady, Madam Longbottom would exercise the full rights of the Longbottom family for so long as their last scion had yet to attain his majority, and she was considered a prominent figure in a minority faction of the Wizengamot.
さらに右にはかなり年配の女性が一人。生きたハゲタカを帽子にあしらったことでブリテン魔法界のファッションシーンに激震をもたらしたオーガスタ・ロングボトムである。 『レイディ』の称号はないものの、ロングボトム家の継嗣が成人するまでは一族の全権をにぎっており、ウィゼンガモートの少数派閥の一員として存在感をはなっている。
At the side of Madam Longbottom was seated none other than Chief Warlock Supreme Mugwump Headmaster Albus Percival Wulfric Brian Dumbledore, legendary defeater of Grindelwald, protector of Britain, rediscoverer of the fabled twelve uses of dragon\'s blood, the most powerful wizard in the world &c.
マダム・ロングボトムのむこうにいるのは、ほかでもないアルバス・パーシヴァル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア総長兼主席魔法官兼最上級裁判長。伝説のグリンデルヴァルトの討伐者、ブリテンの守護者、伝説の〈ドラゴンの血の十二の用法〉の再発見者、当代最強の魔法使いなどその称号は多岐にわたる。
And finally, on the far right, one would find the enigmatic Defense Professor of Hogwarts, Quirinus Quirrell, who was leaning back on the cushioned benches as though resting; seeming entirely and naturally at ease in the rarefied company of a voting quorum of the Hogwarts Board of Governors, which had dropped by on this fine Saturday to learn just what the Fiddly-Snocks had been going on at Hogwarts in general and with Draco Malfoy, Theodore Nott, Daphne Greengrass, Susan Bones, and Neville Longbottom in particular. The name of Harry Potter had also been much discussed.
そして右手一番端には、ホグウォーツ〈防衛術〉教授クィリナス・クィレルがクッションつきの長椅子に背をあずけてくつろいでいる。ホグウォーツ理事会の定足数をなすこの面々が同席していることを意に介さず、気楽な姿勢をとっている。よく晴れたこの土曜日、この面々がここに臨席したのはそもそも、ホグウォーツ全体でなにが起きているのかをたしかめるため……わけても、ドラコ・マルフォイ、セオドア・ノット、ダフネ・グリーングラス、スーザン・ボーンズ、ネヴィル・ロングボトムの様子をじかに見たいがためのことだった。 ついては、ハリー・ポッターの名前もくりかえし話に登場していた。
Oh, and one mustn\'t forget Tracey Davis, of course. Director Bones\'s eyebrows had climbed in some interest upon hearing the young couple introduced as her parents. Lord Jugson had given them a brief, incredulous stare before dismissing them with a snort. Lucius Malfoy had greeted them politely, his smile containing a hint of grim amusement mixed with pity.
それともちろん、トレイシー・デイヴィスの名前も。 夫妻が挨拶の際に『トレイシーの親』だと言うと、ボーンズ長官は興味をひかれたように眉をあげた。 ジャグソン卿は一度まじまじと二人を見てからフンと鼻を鳴らした。 ルシウス・マルフォイは丁重に挨拶をかえしつつも、その笑みにはどこか哀れなものを見て楽しむようないやらしさがあった。
Mr. and Mrs. Davis, whose last vote on anything of significance had been touching their wands to the name of Minister Fudge, who had all of three hundred Galleons stored in their Gringotts vault, and who respectively worked at selling cauldrons in a Potions shop and enchanting Omnioculars, were pressed up tightly against each other, sitting rigidly erect upon their cushioned benches, and desperately wishing they\'d worn nicer robes.
デイヴィス夫妻自身はといえば、ファッジ大臣の名前に杖をあてたとき以来、投票らしい投票をしたことがなく、財産はグリンゴッツの金庫に保管している三百ガリオンがすべて。かたや|〈薬〉《ポーション》屋の|釜《コルドロン》売り、かたや〈|万眼鏡《オムニオキュラー》〉の製造業をなりわいとしている。二人して肩をせまくしてこのクッションつきの長椅子に座り、もっとましなローブを着てくるんだったと後悔するばかりだった。
The sky above was a solid mass of cloud dispersed into darker and lighter grays, grim with the promise of future storms; though no lightning flickered as yet, nor distant rumbles of thunder echoed; and only a few threatening droplets had fallen.
光と影のある巨大な灰色の雲が上空にそびえ、嵐の到来をつげている。 ただ、いまのところ稲妻の光や雷鳴はなく、予告じみた水滴だけがぽつぽつと落ちてきている。
To their designated starting place in a certain forest, the Sunshine Regiment marched, though it was really more like a slow walk; you wouldn\'t want to tire yourself out before the battle even started, and the breezes of April were annoyingly humid, though cool. Ahead of them, a yellow flame wandered slowly through the air, guiding them according to their pace.
〈太陽部隊〉はとある森のなかに割りあてられた地点をめざして、行軍をはじめた。実際には行軍というより、ただゆっくり歩いているのに近い。 戦闘開始まえに疲労をためてもいいことはないし、四月とあって風は涼しくはあるが、いやになるほど湿気がある。 先頭では黄色の炎がひとつふらふらと飛んでいて、一行の速度にあわせて行く手を案内している。
Susan Bones kept throwing worried glances toward the Sunshine General as they marched through the grayly illuminated forest. Professor Snape\'s going after Hermione seemed to have really shaken her. Hermione had even missed her Sunshine Regiment Official Planning Meeting, which seemed understandable enough; but when Susan had offered her sympathy afterward, Hermione had stammered that she\'d lost track of time, which wasn\'t at all a usual thing for her to say, and the girl had looked exhausted and frightened like she\'d just spent three days locked in a bathroom stall with a Dementor. Even now, when all the Sunshine General\'s focus should\'ve been on the coming battle, the Ravenclaw girl\'s gaze was constantly darting in all directions, as though she expected Dark Wizards to jump out of the bushes and sacrifice her.
薄光の森のなかをすすむあいだ、スーザン・ボーンズはしきりに〈太陽〉軍司令官ハーマイオニーのほうへ目をやった。 スネイプ先生からの仕打ちがよほどこたえたのか、 ハーマイオニーは〈太陽部隊〉の〈全体作戦会議〉を欠席していた。そればかりか、あとでスーザンがなぐさめに行くと、ハ��マイオニーは会議の時間が来ていたことに気づいていなかったと漏らした。ふだんのハーマイオニーにはまずありえない言動だ。そして見た目にも、トイレの個室にディメンターといっしょに閉じこめられて三日間をすごしたあとのように、疲弊し、おびえた様子だった。 もうすぐはじまる戦闘に全霊をそそいでいるべきいまでさえ、ハーマイオニーは落ちつきなくあちこちに目をうごかしている。まるで茂みから〈闇の魔術師〉が飛びでてきてハーマイオニーを生けにえにするのを待ちかえまえているかのように。
\"The ban on Muggle artifacts cuts down our options a lot,\" Anthony Goldstein was saying in the dour tones the boy used to denote deliberate pessimism. \"I had the idea of trying to Transfigure nets to throw on people, but -\"
「マグル製品が禁止されたおかげで、ぼくらにできることはだいぶ少なくなった。」とアンソニー・ゴルドスタインは重い声で言う。その声をつかうことで、あえて悲観的に言っているのだということを伝えている。 「〈転成術〉で網をつくって敵に投げつけるっていう戦法も考えてはみたけれど——」
\"No good,\" said Ernie Macmillan. The Hufflepuff boy shook his head, looking even more serious than Anthony. \"I mean, it\'s just like throwing a hex, they\'d dodge.\"
「だめだろうね。」と言って、アーニー・マクミランはアンソニーに輪をかけて真剣な表情でくびをふる。 「呪文とおなじで、よければすむことだから。」
Anthony nodded. \"That\'s what I figured, too. Do you have any ideas, Seamus?\"
アンソニーはうなづいた。 「そういうこと。 シェイマス、なにかいい案は?」
The former Chaotic Lieutenant still looked a bit nervous and out-of-place, marching along with his new comrades in the Sunshine Regiment. \"Sorry,\" said the newly minted Captain Finnigan. \"I\'m more the strategic master type.\"
元〈カオス〉軍士官のシェイマス・フィネガン隊長は〈太陽部隊〉の隊列に混じって行軍することにまだあまり慣れていない様子だ。 「あいにく。おれはもっと大局的に考える参謀タイプなんだ。」
\"I\'m the strategic master type,\" said Ron Weasley, sounding put-off.
「大局的に考える参謀はぼくだぞ。」とロン・ウィーズリーが不服そうに言った。
\"There are three armies,\" the Sunshine General said acerbically, \"which means we fight two armies at once, which means we need more than one strategist, which means shut up, Ron!\"
「軍は三つあるのよ。」と〈太陽〉軍司令官がとげのある声で言う。 「つまり、わたしたちは二つの敵を一度に相手する。つまり、参謀役も一人じゃたりない。つまり、だまりなさい、ロン!」
Ron gave their General a surprised and worried look. \"Hey,\" the Gryffindor boy said in a calming tone, \"you shouldn\'t let Snape get to you so much -\"
ロンははっとして心配そうな目で司令官を見た。 「どうしたんだ。スネイプのことは、あんまり気にしないほうがいいよ——」
\"What do you think we ought to do, General?\" Susan said very loudly and quickly. \"I mean, we don\'t really have a plan at this point.\" Their official planning session had failed amazingly with Hermione gone and both Ron and Anthony thinking they were in charge.
「司令官はどう思う?」とスーザンは大声で割りこんだ。 「ほら、けっきょくまだ、作戦らしい作戦はできてないじゃない。」  ハーマイオニーが不在だったので、ロンとアンソニーそれぞれが自分に主導権があると思いこんだ結果、作戦会議はもののみごとに失敗していた。
\"Do we really need a plan?\" the Sunshine General said, sounding a little distracted. \"We\'ve got you and me and Lavender and Parvati and Hannah and Daphne and Ron and Ernie and Anthony and Captain Finnigan.\"
「作戦はなくてもいいんじゃない?」と司令官はどこかうわの|空《そら》な声で言う。 「あなたとわたしとラヴェンダーとパーヴァティとハンナとダフネとロンとアーニーとアンソニーと、それとフィネガン隊長までいるんだから。」
\"That -\" began Anthony.
「それは——」とアンソニーが言いかけた。
\"Sounds like a pretty good strategy,\" Ron said with an approving nod. \"We\'ve got as many strong soldiers now as both other armies put together. Chaos\'s only got Potter and Longbottom and Nott left - well, and Zabini too, I suppose -\"
「その戦略でいいんじゃないかな。」と言ってロンがうなづく。 「これだけ優秀な兵士がたくさんいれば、ほかの二軍の合計に匹敵するくらいだ。 〈カオス〉軍にのこってるのは、ポッターとロングボトムとノットだけ——あ、ザビニもいたか——」
\"And Tracey,\" said Hermione.
「トレイシーもね。」とハーマイオニー。
Several people swallowed nervously.
その名前を聞いて、何人かが不安げにごくりとした。
\"Oh, stop it,\" Susan said sharply. \"She\'s just a battle-hardened member of S.P.H.E.W., that\'s all General Sunshine means.\"
「変な風に考えないでよ。」 スーザンはぴしゃりと言う。「トレイシーはS.P.H.E.W.にいたから戦闘経験が豊富。司令官が言ってるのは、それだけだから。」
\"Still,\" Ernie said, turning to look seriously at Susan, \"I think you\'d better go with whatever group fights Chaos, Captain Bones. I know you can\'t use your double magical powers except when innocents are in danger, but I mean - just in case Miss Davis does, you know, go out of control and try to eat someone\'s soul -\"
「それでも……」と言ってアーニーは真剣な表情でスーザンを見る。 「やっぱりボーンズ隊長には、〈カオス〉軍を担当するグループについていってほしいな。 弱きを助けるときにしか超魔法は発動しない、っていうのは分かったけど——もしもミス・デイヴィスがさ、暴発して、だれかの魂を食べようとしたときは——」
\"I can handle her,\" Susan told him, keeping her voice reassuring. Admittedly, Susan hadn\'t been replaced by a Metamorphmagus at the moment, but then Tracey probably wasn\'t Polyjuiced Dumbledore or whoever.
「わかった、まかせて。」  といっても、いまのスーザンは〈|変化師《メタモルフメイガス》〉と入れかわってはいない。けれど、それを言うならトレイシーだって、〈|変身薬《ポリジュース》〉を飲んだダンブルドアかだれかと入れかわっているわけじゃないはず。
Captain Finnigan intoned in a deep, sort-of-rumbling voice, \"I find your lack of skepticism disturbing.\" He raised his hand with his thumb and forefinger almost touching, pointed at Ernie.
フィネガン隊長が低い一種のガラガラ声で、 「きみらみんな、懐疑心がなさすぎやしないか。」 と言って片手をあげ、親指と人差し指をぎりぎりのところまで近づけて、アーニーに向ける。
For some reason Anthony Goldstein seemed to be having a sudden choking fit. \"What\'s that supposed to mean?\" said Ernie.
横にいるアンソニー・ゴルドスタインがなぜか発作的にむせている。
「なにが言いたいんだよ?」とアーニー。
\"It\'s just something General Potter says sometimes,\" said Captain Finnigan. \"Funny, when you first join the Chaos Legion it all seems crazy, and then after a couple of months you realize that actually everyone who isn\'t in the Chaos Legion is crazy -\"
「いや、これは、ポッター司令官の口癖みたいなものなんだけど。」とフィネガン隊長が言う。 「〈カオス軍団〉に参加してしばらくは、自分以外の全員が狂ってるように見える。でも何カ月かすると、実は逆で、〈カオス軍団〉以外の全員が狂ってるんだということに気づく——」
\"I said,\" Ron said loudly, \"it sounds like good strategy. We don\'t Transfigure anything, we don\'t tire ourselves out, we handle whatever they throw at us, and then we just overrun them.\"
「もう一回言うぞ。」とロンが言う。 「事前になにも〈転成〉せず、消耗を避ける。敵がなにかしてきたら対応して、数で押す。この戦略でいいと思う。」
\"Okay,\" said Hermione. \"Let\'s do that.\"
「わかった。それでいきましょう。」とハーマイオニー。
\"But -\" said Anthony, shooting a glare at Ron. \"But General, Harry Potter\'s got sixteen people left in his army. Dragon and us each have twenty-eight. Harry knows that, he knows he\'s got to come up with something incredible -\"
「でも——」と言ってアンソニーは一度ロンをにらみつける。 「でも司令官、ハリー・ポッターには兵士が十六人しかいない。 〈ドラゴン〉とうちは二十八人ずつ。 ハリーはそれをよく分かってるから、きっとなにかとんでもない戦法を考えてくるんじゃないか——」
\"Like what?\" demanded Hermione, sounding stressed. \"If we don\'t know what he\'s planning, we might as well save our magic for doing massed Finites. Like we should\'ve done last time!\"
「とんでもない戦法って、どんな?」 ハーマイオニーがいらいらとした様子で問いつめる。 「相手がなにをしかけてくるか分からないなら、一斉に〈|解呪《フィニート》〉できるように魔法力を温存したほうがまし。前回もそうしていれば、あんなことにはならなかったんだから!」
Susan touched Hermione gently on the shoulder. \"General Granger?\" said Susan. \"I think you should take a break for a bit before the battle.\"
スーザンはハーマイオニーの肩にそっと手をあてた。 「グレンジャー司令官? 戦闘がはじまるまえにちょっと休んでおいたら?」
She\'d been expecting Hermione to argue, but Hermione just nodded and then walked a little faster, pulling away from the Sunshine Regiment Official Officer Group, her eyes still watching the forest, and sometimes the sky.
てっきり反論がかえってくるだろうと思っていたが、ハーマイオニーはただうなづいて、〈太陽部隊〉士官集団から離れていった。目はちらちらと森のなかや空にむいていた。
Susan followed her. It wouldn\'t do, having it look like the Sunshine General was being ejected from her own Official Officer Group.
スーザンはそのあとを追いかける。 司令官が士官集団から追いだされたかのような格好では、しめしがつかない。
\"Hermione?\" Susan said softly, after they\'d walked a bit away. \"You\'ve got to focus. Professor Quirrell\'s in charge here, not Snape, and he won\'t let anything bad happen to you or anyone.\"
「ハーマイオニー?」と、ある程度離れた場所まで来たところでそっと声をかける。 「しっかりしてね。 ここを監督してるのはスネイプじゃなくてクィレル先生。クィレル先生は、あなたにもほかのだれにもけがをさせたりしない。」
\"You\'re not helping,\" Hermione said, sounding shaky. \"You\'re not helping at all, Captain Bones.\"
「そんなこと言われても、どうしようもないの。」  声が弱よわしい。
The two of them walked faster, circling around some of the other soldiers, inspecting the marching perimeter and glancing at the surrounding trees.
二人は速度をあげ、兵士を何人か遠まきに追い越し、隊列の外周にまわり、周囲の木々に目をくばっていく。
\"Susan?\" Hermione said in a small voice, when they\'d gotten further away from all the others. \"Do you think Daphne\'s right about Draco Malfoy plotting something?\"
「スーザン?」 ほかの兵士たちからいっそう離れたところで、ハーマイオニーがそっと声をかけてきた。 「ダフネがね、ドラコ・マルフォイの行動には裏があるって言ってたでしょう。あなたもそう思う?」
\"Yes,\" Susan said at once, not even thinking about it. \"You can tell, because his name\'s got the letters M-A-L-F-O and Y in it.\"
「思う。」 考えるまでもなく即座にこたえがでた。 「そりゃあ、マ・ル・フ・ォ・イって名前を見ればね。」
Hermione looked around, as if to make sure that nobody was watching, although of course that was a wonderful way to get other people to pay attention to you. \"Could Malfoy have been behind what Snape did?\"
ハーマイオニーは、まるでだれかに見られていないか心配するように左右に目をやった。そんなことをすれば、かえって気づかれやすくなってしまうというのに。 「スネイプがああしたのも、マルフォイの差しがねだったりすると思う?」
\"Snape could be behind Malfoy,\" Susan said thoughtfully, remembering dinner-table conversations she\'d heard at Auntie\'s, \"or Lucius Malfoy could be behind both of them.\" A slight chill went down Susan\'s spine as this last thought occurred to her. Suddenly, telling Hermione to just focus on the coming battle seemed a lot less reasonable. \"Why, did you find some sort of clue about that?\"
「むしろスネイプが黒幕なのかも……」と言って、スーザンはアメリアおばさんの家の夕食で聞いた会話を思いだしながら考える。 「それか、ルシウス・マルフォイが黒幕で二人は駒にすぎないとか。」  そう思うと同時にスーザンは背すじにすこし、冷たいものを感じた。 急に、『いまは模擬戦に集中しろ』というのが無理な注文だったような気がしてきた。 「でも、どうして? なにかそういう証拠を見つけたとか?」
Hermione shook her head. \"No,\" the Ravenclaw girl said, in a voice that sounded almost like she was about to cry. \"I was - just thinking about it myself - that\'s all.\"
ハーマイオニーはくびを横にふった。 「いいえ。」  泣きだしそうな声だった。 「ただ——ひとりで考えて——そんな気がしただけ。」
In their designated place in a forest near Hogwarts, the Dragon General and the warriors of Dragon Army waited where their red flame had led them, beneath grey skies.
司令官ドラコ・マルフォイが率いる〈ドラゴン旅団〉が割りあてられたのは、ホグウォーツに近い地点。森のなかを赤い炎に案内され、たどりついたその場所で、一同は待機していた。
At Draco\'s right side stood Padma Patil, his second-in-command, who had once led all of Dragon Army after Draco had been stunned. At Draco\'s back was Vincent, the son of Crabbe, a family which had served the Malfoys into the distance of forgotten memory; the muscular boy was watchful as he was always watchful, whether battle had been declared or no. Further back, Gregory of the Goyles stood waiting beside one of the two broomsticks Dragon Army had been given; if the Goyles had not served the Malfoys so long as the Crabbes, yet they had served no less well.
ドラコの右には副司令官パドマ・パティルがいる。彼女はドラコが失神させられたときに全軍を指揮したこともある。 うしろにはヴィンセント・クラッブ。クラッブ家は歴史をさかのぼれる範囲でずっとマルフォイ家に仕えてきた家柄だ。筋肉質な体格で、戦闘がはじまっていようがいまいが、いつもどおり周囲の警戒をおこたらない。 そのうしろにはグレゴリー・ゴイルが、〈ドラゴン旅団〉に支給された二本のホウキのそばに待機している。ゴイル家はマルフォイ家に奉仕した歴史の長さではクラッブ家におよばないとしても、奉仕の質ではおとらない。
And at Draco\'s left side, now, stood one Dean Thomas of Gryffindor, a mudblood or possible half-blood who knew nothing of his father.
ドラコの左には、あらたに加わったグリフィンドール生ディーン・トマス。彼は父親を知らず、泥血なのか半純血なのかも分からない。
Sendning Dean Thomas to Dragon Army had been a quite deliberate move on Harry\'s part, Draco was certain. Three other former Chaotics had also been transferred to Dragon Army, and all were watching Draco hawklike to see if he offered the former Lieutenant the slightest insult.
ハリーはわざとディーン・トマスを送りこんできたにちがいない。 〈ドラゴン旅団〉に転籍してきた元〈カオス〉兵はもう三人。その全員が、ドラコが元士官ディーン・トマスをほんのすこしでも侮辱する瞬間を見のがさないよう、目を光らせている。
Some might have called it sabotage, but Draco knew better. Harry had also sent Lieutenant Finnigan to the Sunshine Regiment, even though Professor Quirrell\'s mandate had only required that Harry give up one Lieutenant. That too had been a deliberate move, making crystal clear to everyone that Harry wasn\'t dumping his least-favored soldiers.
これを|妨害工作《サボタージュ》と見ることもできるが、そう単純な話ではないはずだ、とドラコは思う。 ハリーはもう一人の士官フィネガンを〈太陽部隊〉に送った。クィレル先生は、士官を一人放出しろとしか言っていないにもかかわらず。 これもやはり、わざとだ。放出したのはハリーにとって一番不用な兵士ではない、という明確なメッセージだ。
In one sense, it might have been easier for Draco to win the true loyalties of his new soldiers if they\'d thought Harry hadn\'t wanted them. In another sense... well, it wasn\'t easy to put into words. Harry had given him good soldiers with their pride intact, but it was more than that. Harry had showed kindliness toward his soldiers, but it was more than that. It wasn\'t just Harry playing fair, it was something that... that you couldn\'t help but contrast with the way the game was played in Slytherin House.
ある意味では、むしろ不用品あつかいされて送られてきた兵士であったほうが、ドラコとしては忠誠心を勝ちとりやすかったかもしれない。 別の意味では……。どうも表現しにくい。 ハリーは優秀な兵士をえらび、兵士当人のプライドを傷つけないままこちらに送りこんだのだとすれば……いや、もっとなにかある。 ハリーは兵士の気持ちを尊重しているように見せたかったということか。いや、もっとなにかある。 ハリーはフェアプレイをしようとしている……だけでもない。ハリーはなにか……きっと、スリザリン寮の流儀とは正反対のやりかたでゲームをしようとしているのではないか。
So Draco hadn\'t offered the slightest insult to Mr. Thomas, but brought him straight to his side, subordinate to himself and Padma but no one else. It was a test, Draco had told Mr. Thomas and everyone, not a promotion. Mr. Thomas would have to show himself worthy of rank within Dragon Army - but he would be given a chance, and the chance would be fair. Mr. Thomas had looked surprised at the ceremony of it (the Chaos Legion, from what Draco had heard, didn\'t stand on formality) but the Gryffindor boy had stood a little straighter, and nodded.
そう思ってドラコはトマスをほんのすこしでも侮辱することのないようにした。かわりに自分のすぐそばに置き、パドマとドラコ以外のだれにもしたがう必要のない地位をあたえた。 これは昇進ではなくテストだということを、トマス本人にもほかの全員にもつたえておいた。 それだけの地位にふさわしい人間であることをみずからの働きを通じて証明しろ、しかしそのための機会は十分にあたえてやる、ということだ。就任の儀式でそう聞かされて、トマスはおどろいたようだった(〈カオス軍団〉にはそう��う儀式がないらしい、とドラコは聞いていた)が、すこし姿勢をただしてからうなづいた。
And then, after Mr. Thomas had done well enough in one of Dragon Army\'s training sessions, he\'d been brought into the strategy session in Dragon Army\'s huge military office. And a few minutes into the session, Padma had happened to ask - as though it was a perfectly normal question - whether Mr. Thomas had any ideas about how to defeat the Chaos Legion.
それからトマスは〈ドラゴン旅団〉の演習で優秀な成績をおさめ、〈ドラゴン旅団〉の広い司令官室での戦略会議に出席を許された。 会議がはじまって数分してから、パドマがふと——まるでごくふつうの質問をするようにして——〈カオス軍団〉を攻略するアイデアはなにかないかと、トマスにたずねた。
The Gryffindor boy had said cheerfully that Harry had predicted that General Malfoy would get one of his soldiers to ask him that, and that Harry had given him the message that General Malfoy should ask himself where his relative advantage lay - what Draco Malfoy could do, or what Dragon Army could do, that the Chaos Legion couldn\'t match - and then try to exploit it for all it was worth. Dean Thomas couldn\'t think of what that advantage might be, but if he did come up with any ideas for beating Chaos, he\'d share them. Harry had ordered him to, after all.
ディーン・トマスはにっこりとして、マルフォイ司令官なら部下にそうたずねさせるだろうという予想つきでハリーから託されていた返事を披露した。その返事は、『〈ドラゴン旅団〉がどういう点で〈カオス軍団〉に対して比較優位にあるか、考えてみろ』というものだった。つまり——ドラコにできること、〈ドラゴン旅団〉にできることのなかで、〈カオス軍団〉が太刀打ちできないようなことを見つけろ——そしてそれを存分に活用しろ、ということだった。 ディーン・トマス自身は、なにが優位な点なのかについてはこころあたりがないが、〈カオス〉を倒せそうなアイデアを思いついたら進言する、と言った。それもハリーの命令だった、とも。
Sigh, Draco had thought, since he couldn\'t actually sigh out loud. But it was good advice, and Draco had followed it, sitting at his bedroom desk with quill and parchment listing out everything that might be a relative advantage.
『はぁ』とドラコは内心ためいきをついた。もちろん声にはださず。 ともかく、実際いい助言ではあったので、ドラコは個室の机で羽ペンと羊皮紙をまえにして、比較優位と呼べような点をリスト化してみた。
And, almost to Draco\'s own surprise, he\'d had an idea, a real one. In fact he\'d had two.
そして、自分でもそう簡単にいくとは思わなかったのだが、使えそうなアイデアが浮かんだ。しかも一つではなく、二つも。
The hollow bell sounded through the forest, somehow sounding more ominous than ever before. On the instant, the two pilots cried \"Up! \" and leapt onto their broomsticks, heading into the gray sky.
いつになく重おもしく、空虚な鐘の音が森にひびく。 その瞬間、乗り手二人が「あがれ!」と言ってホウキに飛びのり、灰色の空をかけあがった。
Mr. and Mrs. Davis had now slumped slightly against each other, more from sheer muscle exhaustion than from any decrease of tension. Before them, the vast blank white parchment flickered with three great windows, as though holes had been cut through into the forest, showing three armies on the march. Lesser windows showed the six riders upon their broomsticks, and the corner of the parchment showed a view of the entire forest, with glowing dots to indicate armies and scouts.
デイヴィス夫妻は肩をよせあったまま、すこしうなだれていた。けっして緊張がとけたのではなく、単純に筋肉の疲労が限界になったのだった。 目のまえには、大きな窓が三つついた巨大な白い羊皮紙がある。窓はまるで森へ通じる穴のように見え、三軍それぞれの行進の様子が映しだされている。 それとは別に小さめの窓もいくつかあり、合計六人のホウキの乗り手が映しだされている。羊皮紙のすみには、森全体に対する軍や斥候の位置を光点でしめした地図がおかれている。
The window into Sunshine showed General Granger and her Captains marching in the center of the Sunshine Regiment, protected by Contego screens along with a number of other young witches. The Sunshine Regiment, the Defense Professor had remarked, knew well that it had now acquired a strong advantage in experienced soldiers, and it meant to protect those soldiers from a surprise attack. Aside from that, the Sunshine Soldiers were moving forward at a steady march, conserving their strength.
〈|太陽《サンシャイン》〉軍の窓では、グレンジャー司令官と配下の隊長たちが中央から兵士たちを率いている。それを守っている『コンテゴ』の幕の列と多数の魔女が目につく。 〈防衛術〉教授の説明によれば、〈太陽部隊〉は自分たちが今回熟練の兵士を多くしたがえて戦力で優位に立っていることを理解しており、奇襲をふせぐ手をとっているのだという。 その点をのぞけば、〈太陽〉軍は戦力を温存しつつ着実に前進をつづけている。
The soldiers in General Malfoy\'s army, at least those with higher Transfiguration scores, were picking up leaves and Transfiguring them into... well, if you looked at Padma Patil, who was almost done with hers, it looked like her leaf was becoming a left-handed glove bearing a dangling strap. (The window had zoomed in to show this.)
マルフォイ司令官の軍では、〈転成術〉の成績がよい者を中心にしてこぞって落ち葉をひろい、それでなにかを〈転成〉している……。パドマ・パティルの手もとを見ると、ほぼ完成したものがある。左手用の留め具つき手袋のようだった。(窓がズームして手もとを見せていた。)
Lord Jugson was watching the screen with a flat expression; his voice, when he spoke, seemed to ooze and drip with disdain. \"What is your son doing, Lucius?\"
平坦な表情でスクリーンを見ているジャグソン卿が、くちから軽蔑を吐きだすような声で話しだす。 「ルシウス、あれはなんのつもりかね?」
The foreign-born witch who stood at Draco Malfoy\'s right side had finished Transfiguring her glove, and was now bringing it before the Dragon General like a sacrifice.
ドラコ・マルフォイの右どなりでパドマ・パティルが手袋を完成させ、それをささげもののように司令官に献上した。
\"I do not know,\" said Lucius Malfoy, his tone calm though no less aristocratic, \"but I must trust that he has good reason for doing it.\"
「わたしも知らされていない。」とルシウス・マルフォイは静かに、貴族的な雰囲気をくずさずに返事する。「だが、あの子ならそれなりの勝算があってのことにちがいない。」
All Dragon Army stopped for a moment as Padma slid the glove over her left hand, strapped it in place, and presented it before Draco Malfoy; who also stopped in place, took several deep breaths, raised his wand, executed a precise set of eight movements and bellowed \"Colloportus! \"
〈ドラゴン旅団〉の兵士全員が注視するなか、パドマが自分の左手に手袋をはめ、留め具をしめ、ドラコ・マルフォイに差しだした。ドラコ・マルフォイはその場で何度か深く息をついてから杖をかかげ、八段階の動作を終えてから、大声で「『コロポータス』!」と言った。
The Dragon Warrior raised her gloved hand, flexed it, and gave a small bow to Draco Malfoy, who returned it more shallowly, though the Dragon General was staggering slightly. Padma then returned to her place at Draco\'s side, and the Dragons began marching once more.
パドマは手袋をした手をあげて、指をまげのばししてから、ドラコ・マルフォイに一礼した。ドラコ・マルフォイも軽い目礼で返したが、すこし姿勢がふらついていた。 パドマはドラコのとなりの位置にもどり、〈ドラゴン〉軍は行軍を再開した。
\"Well,\" remarked Augusta Longbottom. \"I don\'t suppose someone would care to explain?\" Amelia Bones was frowning slightly as she gazed at the screen.
「そろそろどなたか、説明いただけるとありがたいのですが?」とオーガスタ・ロングボトムが言った。 アメリア・ボーンズはやや眉をひそめてスクリーンを見つめている。
\"For some reason or other,\" said the amused voice of Professor Quirrell, \"it seems that the scion of Malfoy is able to cast surprisingly strong magic for a first-year student. Due to the purity of his blood, of course. Certainly the good Lord Malfoy would not have openly flouted the underage magic laws by arranging for his son to receive a wand before his acceptance into Hogwarts.\"
「どうやら、なんらかの理由があって……」とクィレル教授の愉快げな声がする。 「マルフォイ家の坊ちゃんはとても一年生とは思えない強力な魔法をかけることができるらしい。 すべて��一点のけがれもない血統のたまものでしょうな、もちろん。 まさかマルフォイ卿ともあろうおひとが、未成年魔法の法律にあからさまに違反して、ホグウォーツ入学まえのご子息に杖を持たせるはずはあるまい。」
\"I suggest you be careful in your implications, Quirrell,\" Lucius Malfoy said coldly.
「ほのめかしのしかたには気をつけたまえ、とだけ言っておこう。」とルシウス・マルフォイが冷ややかに言う。
\"Oh, I am,\" Professor Quirrell said. \"A Colloportus cannot be dispelled by Finite Incantatem; it requires an Alohomora of equal strength. Until then, a glove so Charmed will resist lesser material forces, deflect the Sleep Hex and the Stunning Hex. And as neither Mr. Potter nor Miss Granger can cast a counterspell powerful enough, that Charm is invincible upon this battlefield. It is not the original intent of the Charm, nor the intent of whoever taught Mr. Malfoy an emergency spell for evading his enemies. But it would seem that Mr. Malfoy has been learning creativity.\"
「それはご親切に。 ……『コロポータス』の封印に対し|『解呪』《フィニート・インカンターテム》は通用しない。 封印とつりあうだけの強度の『アロホモーラ』が必要になる。 『アロホモーラ』で解除されないかぎり、あの封印をかけられた手袋は相当の物理的衝撃に耐え、〈睡眠の呪文〉と〈失神の呪文〉をはねかえす。 そしてミスター・ポッターにもミス・グレンジャーにも同等の強度の解除呪文をかけるだけの実力はない。つまりこの戦場にかぎって言えば、あの封印は敵なしだ。 『コロポータス』は本来そういう用途のためにつくられた呪文ではないし、ミスター・マルフォイにあれを教えた人物も、緊急退避用にというつもりでしかなかったにちがいない。 ミスター・マルフォイはだいぶ発想力がついてきたとみえますな。」
Lucius Malfoy had straightened as the Defense Professor spoke; he now sat erect upon his cushioned bench, his head held perceptibly higher than before, and when he spoke it was with quiet pride. \"He will be the greatest Lord Malfoy that has yet lived.\"
そこまで聞いているうちに、座っているルシウス・マルフォイの背すじがだんだんのび、あたまもはっきりと上がった。「あの子は歴代最高のマルフォイ家当主になる。」 声にも誇らしげなひびきがあった。
\"Faint praise,\" Augusta Longbottom said under her breath; Amelia Bones chuckled, as did Mr. Davis for a tiny, fatal fraction of a second before he stopped with a strangled gargle.
「歴代があれじゃねえ。」とオーガスタ・ロングボトムが聞こえないように言った。 アメリア・ボーンズは笑い、デイヴィス氏も思わず笑いそうになってしまったが、寸前のところで思いとどまって、咳ばらいでしのいだ。
\"I quite agree,\" said Professor Quirrell, though it wasn\'t clear to whom he spoke. \"Unfortunately for Mr. Malfoy, he is still new to the art of creativity, and so he has committed a classic error of Ravenclaw.\"
「おっしゃるとおり。」 クィレル教授はそう言うが、だれにむけて言ったのかは不明だった。 「当人には申しわけないが、ミスター・マルフォイはまだ発想力の点では初心者。そのせいで、いかにもレイヴンクロー的なあやまちを犯してしまったようだ。」
\"And what might that be?\" said Lucius Malfoy, his voice now turned chill once more.
「ほう、そのあやまちとは?」とルシウス・マルフォイがまた冷ややかな口調にもどって言った。
Professor Quirrell had leaned back in his seat, the pale blue eyes briefly unfocusing as one of the windows shifted its viewpoint within the greater screen, zooming in to show the sweat now on Draco Malfoy\'s forehead. \"It is such a beautiful idea that Mr. Malfoy has quite overlooked its pragmatic difficulties.\"
クィレル教授は椅子に背をあずけている。あわい水色の目が一度焦点をはずすと、スクリーン上のひとつの窓の視点が切りかわり、ドラコ・マルフォイのひたいの汗を拡大して映しだした。 「ミスター・マルフォイは魅力的なアイデアを思いつくことができた。そう思いこんで、実用上いろいろな欠点のあるアイデアであることを見すごしてしまった。」
\"Would someone care to explain that?\" said Lady Greengrass. \"Not all of us present are experts at such... affairs.\"
「どういうことか、どなたか説明していただけません? ……この席にいるのは、そういう分野に詳しいかたばかりではないことをお忘れなく。」とグリーングラス卿夫人が言った。
Amelia Bones spoke, the old witch\'s voice somewhat dry. \"It will tempt them to try to catch hexes that they would be wiser to simply dodge. The more so, if they have had little practice catching them. And the casting of so many Charms will tire their strongest warrior.\"
アメリア・ボーンズがどこか乾いた声で話しだす。 「兵士はあれをつけていると、かわすべき呪文も受けとめようとしたくなってしまう。 受けとめる訓練をまだろくにしていないなら、なおさら。 そして自軍でもっとも優秀な戦士にあれだけの仕事をさせてエネルギーを消耗させるのは損。」
Professor Quirrell gave the DMLE Director a half-nod of acknowledgment. \"As you say, Madam Bones. Mr. Malfoy is new to the business of having ideas, and so when he has one, he becomes proud of himself for having it. He has not yet had enough ideas to unflinchingly discard those that are beautiful in some aspects and impractical in others; he has not yet acquired confidence in his own ability to think of better ideas as he requires them. What we are seeing here is not Mr. Malfoy\'s best idea, I fear, but rather his only idea.\"
クィレル教授は〈魔法法執行部〉長官にむけて軽く首肯してみせた。 「まさしく。 ミスター・マルフォイはまだアイデアをうみだすことに慣れていない。そのため、ひとつ案を思いついた時点で、やりとげた気になってしまったようだ。 本来なら、まず十分な数のアイデアを思いついてから、魅力的ながらも実用性に劣るアイデアを容赦なく切り捨てるという段階を踏まねばらならない。 彼はまだ、必要に応じてつぎつぎにアイデアをだす能力が自分にあると信じることができていない。 つまりいまわれわれが見せられているのは、ミスター・マルフォイの最良のアイデアではなく、唯一のアイデアだというわけだ。」
Lord Malfoy simply turned to watch the screens again, as though the Defense Professor had used up his right to exist.
マルフォイ卿はスクリーンに視線をもどした。これでクィレル教授は存在する権利を使いはたしたとでも言いたげな態度で。
\"But -\" said Lord Greengrass. \"But what in Merlin\'s name is Harry Potter -\"
「しかし——」とグリーングラス卿が言う。「しかし、ハリー・ポッターはいったいあそこでなにを——」
Sixteen remaining soldiers of the Chaos Legion - or fifteen plus Blaise Zabini, rather - marched confidently through the forest, their shoes thudding over the still-dry ground. Their camouflage uniforms blended into the forest even more than usual, all colors washed out by the tints of an overcast day.
〈カオス軍団〉にのこった兵士十六人が——いや、のこった十五人とブレイズ・ザビニが——のしのしと森のなかを進軍していく。まだ乾いた土を踏む足音がする。 曇天のため森にいろどりはなく、迷彩服がふだんよりもよく背景にとけこんでいる。
Sixteen Chaos Legionnaires, against twenty-eight Dragon Warriors and twenty-eight Sunshine Soldiers.
〈カオス軍団〉十六名に対して〈ドラゴン旅団〉二十八名と〈太陽部隊〉二十八名。
The common consensus had been that, with odds that bad, it was practically impossible for them to lose. After all, General Chaos was bound to come up with something really spectacular, facing odds like that.
下馬評では、これだけ不利な状況におかれて〈カオス〉が負けることはまずありえない、という意見が一般的だった。 〈カオス〉軍司令官ならこういう状況下できっとなにか壮大なことを思いつくにちがいない、と。
There was something almost nightmarish about how everyone seemed to now expect Harry to pull miracles out of his hat, on demand, any time one was needed. It meant that if you couldn\'t do the impossible, you were disappointing your friends and failing to live up to your potential...
いつでも必要なときに帽子から奇跡をとりだすことができる、という期待をされるのは、どこか悪夢じみている。不可能を可能にすることができないだけでがっかりされる、期待して損をしたと思われてしまうのだから……。
Harry hadn\'t bothered complaining to Professor Quirrell about \'too much pressure\'. Harry\'s mental model of the Defense Professor had predicted him looking severely annoyed, saying things along the lines of You are perfectly capable of solving this problem, Mr. Potter; did you even try? and then deducting several hundred Quirrell points.
ハリーは『プレッシャーをかけるにしてもやりすぎだ』という苦情をクィレル先生につたえようかとも思ったが、意味がないと判断した。 ハリーのなかのクィレル先生の心的モデルは、そう聞くとひどく不愉快そうな表情で『これはきみなら十分解決できる問題だ。挑戦しようともしないのか?』と言って、クィレル点を数百点減点するだけだ。
From above, from where two broomsticks watched their march, the high young voice of Tess Walsh cried \"Friend!\" and after another moment, \"Gingersnap!\"
ホウキが二本、上空から隊列の周囲を警戒している。その一人、テス・ウォルシュが「友軍です!」とさけんだ。一瞬間があいてから、もう一言、「ジンジャースナップ!」
A handful of seconds later, the soldier who\'d code-named herself Gingersnap returned bearing a double handful of acorns, sweating slightly in the cool but humid air from the jog that had taken her to the oak tree Neville had spotted. Gingersnap approached to where Shannon was holding a uniform-shirt with the neck tied off, in lieu of anyone having to Transfigure a bag. When Gingersnap brought her hands forward to try and dump her acorns into the holding-shirt, Chaotic Shannon, giggling, jerked the shirt to the right, then to the left again as Gingersnap made another effort to dump the acorns, until a sharp \"Miss Friedman!\" from Lieutenant Nott caused Shannon to sigh and hold the shirt still. Gingersnap dumped her acorns into those accumulated, and then headed out for more.
数秒後、コードネーム『ジンジャースナップ』を自称する女子兵士が両手にいっぱいのドングリをもって帰投した。ジンジャースナップはネヴィルが見つけたオークの木までひとっ走りしてきたのだった。森は涼しいが湿度があるので、すこし汗をかいている。 シャノンが制服のシャツの首部分をむすんだもの(〈転成術〉をつかうまでもなく作れる即席の袋である)を持って待っているところへ、ジンジャースナップが近づいていく。 ジンジャースナップが両手をシャツの上にもっていってドングリを落とそうとしたところで、シャノンが笑ってシャツを右に振る。ジンジャースナップがもう一度落とそうとすると、また左に振る。そこで士官のノットが「ミス・フリードマン!」としかりつけたので、シャノンはためいきをついて、動くのをやめた。 ジンジャースナップは収穫を袋にあずけると、またドングリを集めにいった。
Somewhere in the background, Ellie Knight was singing her very own version of the Chaos Legion\'s marching song, and around half the other soldiers were trying to step along with it despite not knowing the tune in advance. Nearby, Nita Berdine, who had a high Transfiguration score, finished creating yet another pair of green sunglasses, and handed them to Adam Beringer, who folded up the sunglasses before tucking them into his uniform pocket. Other soldiers were already wearing their own green sunglasses, despite the cloudy day.
背景のどこかで、エリー・ナイトが〈カオス軍団〉行進曲を独自に改変したものを歌っている。 のこりの兵士もオリジナルを知っているにもかかわらず、約半数がエリー・ナイトにあわせて歌おうとしている。 そのちかくで、〈転成術〉の成績がいいニタ・バーディーンがまた一つ緑色のサングラスをつくり、アダム・バーリンガーに手わたした。アダム・バーリンガーはそのサングラスをたたんで制服のポケットにいれた。 雲の多い天気にもかかわらず、ほかの何人かはもらったサングラスをすでにかけている。
You might guess that there was some sort of incredibly complicated and fascinating explanation behind this, and you would be right.
この一連の作業の背後にはものすごく複雑でおもしろい理由があるはずだと思うだろうか。それで正解だ。
Two days earlier Harry had been sitting amid his bookcases in the comfy rocking-chair he\'d obtained for his trunk\'s cavern level, pondering silently in the quiet span between classes and dinnertime, thinking about power.
二日まえの放課後、夕食まえの時間、ハリーは書棚が立ちならぶトランクの最下層で、最近入手した快適な|揺り椅子《ロッキングチェア》に腰をおろし、一人静かに|出力《パワー》について考えてい��。
For sixteen Chaotics to defeat twenty-eight Sunnies and twenty-eight Dragons they would need a force amplifier. There were limits to what you could do with maneuver. There had to be a secret weapon and it had to be invincible, or at least moderately unstoppable.
十六名の〈カオス〉兵で二十八名の〈太陽〉兵と二十八名の〈ドラゴン〉兵を倒すには、出力を増幅するなにかが必要だ。 戦術を工夫してもできることには限界がある。 なにか秘密兵器がなければならない。無敵の秘密兵器か、せめて、そう簡単に止められないようななにかが。
Muggle artifacts were now illegal in Hogwarts\'s mock battles, banned by Ministry edict. And the trouble with finding some other clever and unusual spell was that an army twice your own size could brute-force Finite almost anything you tried. The Sunshine Regiment might have missed that tactic with the Transfigured chainmail, but nobody would miss it again now that Professor Quirrell had pointed it out. And Finite Incantatem was a brute-force counterspell which required at least as much magic as the spell being canceled... which, if you were severely outnumbered, made it a whole new order of military challenge. The enemy could Finite anything you tried, and still have enough magic left over for shields and volleys of Sleep Hexes.
〈魔法省〉の命令で、マグル製品は校内の模擬戦で使用禁止にされた。 それ以外に巧妙な予想外の呪文を使おうとしても、二倍の物量を有する敵が相手だと、力技の〈|解呪《フィニート》〉で突破されるのがオチだ。 前回〈太陽部隊〉が鎖かたびらに対してその戦術をつかいそこねたのは事実だが、クィレル先生にあそこまではっきり言われて、また見おとすことはありえない。 『フィニート・インカンターテム』は力技の|対抗呪文《カウンタースペル》であり、対象の呪文と同等以上の魔法力をかけてはじめて打ち消しの効果がでる……のだが、相手の兵力がこちらを大幅に上回る場合、また次元のちがう軍事的課題が出現する。 こちらがなにをしようが相手は『フィニート』で打ち消すことができ、残余の魔法力で十分防壁を用意して〈睡眠の呪文〉を連打することができるのだ。
Unless, somehow, you could invoke potencies beyond the ordinary strength of first-year Hogwarts students, something too powerful for the enemy to Finite.
これを解決できるとすれば、どうにかして通常のホグウォーツ一年生の集団にだせないような……敵が『フィニート』しきれないほどの出力を引きだすしかない。
So Harry had asked Neville if he\'d ever heard of any small, safe sacrificial rituals -
ということで、ネヴィルに『小規模かつ安全な生けにえの儀式がどこかにあったりしないか』とたずねてみたところ——
And then, after the screaming and the shouting had subsided, after Harry had stopped trying to argue about Unbreakable Vows and just given up the whole thing as impossible from a public relations standpoint, Harry had realized that he hadn\'t even needed to go there. They taught you how to invoke potencies far beyond your own strength in ordinary Hogwarts classes.
それからひとしきり大声で二人がやりあって、ハリーはようやく〈不破の誓い〉のことを引きあいにだすのをあきらめ、イメージ戦略的にはたしかにこの方向にすすむのはやめるべきだ、ということを認めた。そして落ちついて考えれば、実はそこまでやる必要もない、ということに気づいた。 自分自身の魔法力の限界を超えた出力を引きだす方法なら、授業でちゃんとおそわっている。
Sometimes, even though you were looking straight at something, you didn\'t realize what you were looking at until you happened to ask exactly the right question.
ひとは自分の目のまえにあるものを理解できていないことがある。適切な問いをたてないかぎり、理解できないことがある。
Defense. Charms. Transfiguration. Potions. History of Magic. Astronomy. Broomstick Flying. Herbology...
〈防衛術〉、〈|操作魔法術《チャームズ》〉、|〈転成術〉《トランスフィギュレイション》、|〈薬学〉《ポーションズ》、〈魔法史学〉、〈天文学〉、〈ホウキ飛行術〉、〈薬草学〉……。
\"Foe! \" screamed the voice from above.
「敵影!」と上空から声が飛んだ。
It was a good thing that Neville Longbottom hadn\'t the tiniest idea that his grandmother was watching; or he would\'ve been more self-conscious about screaming scary battlecries at the top of his lungs while casting Luminos every three seconds as he rocketed through a dense forest of trees, hot on the tail of Gregory Goyle.
ネヴィル・ロングボトムはおばあちゃんに観戦されていることをまったく知らなかった。知らなかったおかげで、なにを気にすることもなく、思いきり雄叫びをあげたり、『ルミノス』を三秒ごとに撃ちながら木々のあいまを突き抜けてグレゴリー・ゴイルを追跡したりしたりすることができていた。
(\"But -\" Augusta Longbottom said, her expression showing almost as much astonishment as worry. \"But Neville is afraid of heights!\")
(「あの子は——」とオーガスタ・ロングボトムが不安と驚嘆が半分半分の表情で言う。「あの子は高所恐怖症だったはず!」)
(\"Not all fears last,\" said Amelia Bones. The old witch was favoring the great screen before them with a measuring gaze. \"Or perhaps he has found courage. It is much the same, in the end.\")
(「時間が解決してくれることもあります。」 アメリア・ボーンズは値ぶみするように大スクリーンにまなざしを向けている。 「……あるいは、勇気を身につけたのか。どちらも実質的にはおなじこと。」
A glimmer of red -
ちらりと赤い光が見え——
Neville dodged, very nearly into a tree but he did dodge; and then Neville somehow also managed to dodge almost all of the branches before they smacked him in the face.
ネヴィルはよけた。あやうく木に衝突しそうだったが、なんとかよけた。 それから枝もほぼすべてよけたが、よけられなかった枝で顔をしたたかに打った。
Now Mr. Goyle\'s broomstick was pulling further and further away - even though the two of them were riding exactly the same broomstick and Mr. Goyle weighed more, somehow Neville was still falling behind. So Neville slowed down, pulled back, angled up out of the forest and began to accelerate back toward where the Chaos Legion still marched.
ミスター・ゴイルのホウキはみるみる遠ざかっていく——二人のホウキはまったくおなじ型で、ミスター・ゴイルのほうがネヴィルより体重が重いというのに、なぜかネヴィルは追いつけない。 なので減速し、うしろをむいて、森をぬけ〈カオス軍団〉が行軍している場所へと急ぐ。
Twenty seconds later - it hadn\'t been a long chase, just an exciting one - Neville was back among his fellow Chaotics, and dismounted his broom to walk on the ground for a little bit.
二十秒後——エキサイティングな追跡ではあったが、そう長く飛んではいなかった——ネヴィルは友軍のもとへもどり、ホウキをおりて、しばらく地上を歩いた。
\"Neville -\" said General Potter. Harry\'s voice was a little distant, as he walked carefully and steadily through the forest, his wand still applied to the almost-finished Form of the object he was slowly Transfiguring. Beside him, Blaise Zabini, working a smaller version of the same Transfiguration, looked like a shambling Inferi as he stumbled forward. \"I told you - Neville - you don\'t have to -\"
「ネヴィル——」と司令官の声がしたが、まだ距離がある。森のなかをハリーは一歩一歩慎重にすすんできている。杖のさきには時間をかけて〈転成〉している物体があり、完成にちかづいている。 そのとなりから、すこし小さなおなじ物体をつくろうとしているブレイズ・ザビニが、よろよろと〈亡者〉のようにして出てきた。 「ネヴィル——無理はするなって言っただろう——」
\"Yes, I do,\" said Neville. He looked down at where his fingers grasped the broomstick, and saw that not just his hands, but his whole arms were shaking. But unless anyone else in Chaos had been practicing dueling for an hour a day with Mr. Diggory, and then practicing their aim in private for another hour afterward, Neville was probably the best shot from a broomstick even after taking into account that he wasn\'t a very good flyer.
「無理じゃないよ。」と言ってネヴィルはホウキを持つ手を見おろした。手ばかりか腕全体が震えていた。 それでも、〈カオス〉軍のなかに毎日ミスター・ディゴリーに一時間稽古をつけてもらって、さらに一時間一人で射撃の練習をしていた人は、ほかにいない。だとすれば、空中射撃をさせるなら、ホウキ飛行が得意でないことを勘案してもネヴィルがおそらく一番適任だ。
\"Good show, Neville,\" Theodore said from where he was walking ahead of them all, leading the Chaos Legion forward through the forest while wearing only his undershirt.
「よかったぞ、ネヴィル。」と先頭のセオドアが言った。セオドアは下着のシャツ一枚で、森のなかを行軍する〈カオス軍団〉の先頭に立っている。
(Augusta Longbottom and Charles Nott exchanged brief astonished glances and then wrenched their gazes away from one another as though stung.)
(オーガスタ・ロングボトムとチャールズ・ノットが思わずおどろきをあらわにおたがいを見あったが、その瞬間になにかに刺されたかのように、すぐに横をむいて目をそらした。)
Neville took a few deep breaths, trying to steady his hands, trying to think; Harry might not be good for deep strategic thinking while he was in the middle of an extended Transfiguration. \"Lieutenant Nott, do you have any idea why Dragon Army just did that? They lost a broom -\" The Dragons had started the combat with a feint to provide a distraction for Mr. Goyle\'s approach through the forest; Neville hadn\'t realized there were two brooms attacking until almost too late. But the Chaos Legion had gotten the other pilot. That was why broomsticks usually didn\'t attack before armies met, it meant a whole army would concentrate fire on the broomstick. \"And the Dragons didn\'t even get anyone, did they?\"
ネヴィルは数度深く呼吸して、手の震えをとめ、考えようとした。 長時間の〈転成術〉をしている最中で、戦略を考えている余力がないかもしれないハリーにかわって。 「ノット士官、〈ドラゴン旅団〉はなんのつもりであんなことをしたんだと思う? あちらはホウキを一機うしなっただけで——」  〈ドラゴン〉軍は陽動の攻撃をしかけることで、ミスター・ゴイルが森のなかから接近する余地をつくった。ネヴィルはぎりぎりになるまで、攻撃してくるホウキが二機いることに気づかなかった。それでも、〈カオス軍団〉はゴイルでないほうの乗り手を撃ってしとめることができた。 こうだから、ふつう交戦開始まえにホウキを敵地に乗りこませることはしない。地上から集中砲火をうけることが分かっているからだ。 「……なんの戦果もなかったように見えるんだけど?」
\"Nope!\" Tracey Davis said proudly. She too was now marching by General Potter\'s side, her wand gripped low and watchful as her eyes scanned the surrounding forest. \"I threw up a Prismatic Sphere like a split second before Mr. Goyle\'s hex got Zabini, and the way Mr. Goyle had his other arm stretched out I think he planned to knock down the General, too.\" The Slytherin witch smiled with vicious confidence. \"Mr. Goyle tried a Breaking Drill Hex, but learned to his dismay that his weak magic was no match for my newfound dark powers, hahahaha!\"
「そう!」とトレイシー・デイヴィスが誇らしげに言う。 彼女もポッター司令官のそばについて、杖を低くかまえて周囲の森に目をくばりながら歩いている。 「ミスター・ゴイルの呪文がザビニにあたりかけたところで、あたしが|〈虹色の球体〉《プリズマティック・スフィア》を飛ばして間にあった。もうかたほうの腕の方向からして、ミスター・ゴイルは司令官もいっしょに仕留めようとしてたんだと思う。」  そう言って彼女は獰猛な笑みをした。 「ミスター・ゴイルは〈破壊のドリルの呪文〉で対抗しようとしたけど、あたしの闇の魔法力にはとうていかなわないと気づいて顔を真っ青にしてたわ。フハハハハ!」
Some Chaotics laughed with her, but a queasy sensation was starting in Neville\'s stomach as he realized how close the Chaos Legion had come to complete disaster. If Mr. Goyle had managed to disrupt both Transfigurations -
何人かそれにあわせて笑った〈カオス〉兵もいたが、ネヴィルはなにかいやな予感がしてきた。ひとつまちがえば、大惨事になるところだったのだ。仮にこの二人の〈転成術〉がミスター・ゴイルに妨害されていたら——
\"Report!\" snapped the Dragon General, doing his best to conceal the fatigue he felt after casting seventeen Locking Charms, with more yet to come.
「報告せよ!」と〈ドラゴン〉軍司令官として言うドラコ。疲労しているが、見た目にはそうさとられないように注意している。〈施錠の魔法〉をかけたのはここまでで十七個。まださきは長い。
Beads of sweat now dotted Gregory\'s forehead. \"The enemy got Dylan Vaughan,\" Gregory said formally. \"Harry Potter and Blaise Zabini were each Transfiguring something dark-grey and roundish, I don\'t think it was finished but it looked like it would be big and hollow, sort of cauldron-shaped. Zabini\'s was smaller than Potter\'s. I couldn\'t get either of them or disrupt their Transfigurations, Tracey Davis blocked me. Neville Longbottom is on a broomstick and he\'s still a terrible flyer but his aim is really good.\"
グレゴリーのひたいに汗の粒が見える。 「ディラン・ヴォーンがやられました。 ハリー・ポッターとブレイズ・ザビニがそれぞれ、黒灰色の丸いなにかを〈転成〉していました。まだ未完成品のようでしたが、大きくてなかが空洞の……|釜《コルドロン》のようなかたちでした。 かたちは同じですが、ザビニのほうは小さめ、ポッターは大きめでした。トレイシー・デイヴィスに邪魔されて、二人ともしとめることができず、〈転成〉を止めることもできませんでした。 敵のホウキはネヴィル・ロングボトムで、飛ぶのはまだへたですが、射撃はかなり正確でした。」
Draco listened, frowning, and then he glanced at Padma and Dean Thomas, who both shook their own heads, indicating that they also couldn\'t think of what might be big and grey and shaped like a cauldron.
ドラコは報告を聞いて、眉をひそめ、それからパドマ��ディーン・トマスをちらりと見た。二人はそれぞれくびを横にふった。だれも大きくて灰色の釜型のものにこころあたりはないらしい。
\"Anything else?\" said Draco. If that was it, they\'d lost a broom for nothing -
「ほかには?」とドラコ。 もしこれだけなら、ホウキ一機を無駄死にさせてしまったことになる——
\"The only other weird thing I saw,\" Gregory said, sounding puzzled, \"was that some Chaotics were wearing... sort of like goggles?\"
「もうひとつだけ妙な点が。〈カオス〉兵の何人かがなにか……ゴーグルみたいなものをつけていたんですが……?」
Draco thought about this, not noticing that he\'d stopped marching or that all of Dragon Army had automatically stopped with him.
ドラコは考えはじめた。そのせいで、自分が足を止めたことにも、〈ドラゴン旅団〉の全員がいっしょに止まったことにも気づかなかった。
\"Was there anything special about the goggles?\" Draco said.
「そのゴーグルになにか特別なところはなかったか?」
\"Um...\" Gregory said. \"They were... greenish, maybe?\"
「そうですね……たしか……色が緑色だったかと?」
\"Okay,\" said Draco. Again without thinking, he began walking once more and his Dragons followed. \"Here\'s our new strategy. We\'re only going to send eleven Dragons against the Chaos Legion, not fourteen. That should be enough to beat them, now that we can neutralize their special advantage.\" It was a gamble, but you had to take gambles sometimes, if you wanted to come in first in a three-way battle.
「わかった。」と言って、ドラコはやはり無意識のうちに歩きだし、兵士たちもそれにつづいた。 「戦略を変更する。〈カオス軍団〉にむけて派遣する兵士は十四名から十一名に減らす。 むこうは工夫しているようだが、こちらにはすでに対応策がある。人数的にはそれで十分倒せるはずだ。」  これは賭けだが、三つどもえの戦闘を勝ちぬきたければ、賭けにでるべきときもある。
\"You figured out Chaos\'s plan, General Malfoy?\" said Mr. Thomas with considerable surprise.
「もう〈カオス〉の作戦が読めたんですか?」  ミスター・トマスはかなりおどろいている。
\"What are they doing?\" said Padma.
「どういう作戦だったの?」とパドマ。
\"I haven\'t the faintest idea,\" said Draco, with a smirk of the most refined smugness. \"We\'ll just do the obvious thing.\"
「まだぜんぜん読めていない。」と言ってドラコは優雅なしかたでにやりとした。 「それでもひとつ、当然ためしてみるべき手はある。」
Harry, having now finished his cauldron, was carefully scooping acorns into the container while the scouts searched for a nearby source of water that could be used as a liquid base. They\'d come across frequent sinkholes and miniature creeks in the forest before, so it ought not to take long. Another scout had brought a straight stick that would serve as a stirrer, so Harry didn\'t have to Transfigure one.
ハリーは慎重にドングリをすくって、完成したばかりの釜のなかにいれていく。 まず必要な水については、手近な水源を探す斥候を数名すでに派遣してある。 森を歩いているあいだにも陥没孔やちょっとした小川はいくつも見かけたし、そう長くはかからないはず。 別の斥候がもってきてくれたまっすぐな棒きれは、攪拌棒につかえそうだ。だから棒を〈転成〉する必要はない。
Sometimes, even though you were looking straight at something, you didn\'t realize what you were looking at until you happened to ask exactly the right question...
ひとは自分の目のまえにあるものを理解できていないことがある。適切な問いをたてないかぎり、理解できないことがある。
How can I invoke magical powers that ought to be beyond the reach of first-year students?
『一年生としての限界を超えた魔法力を発揮するためには、どうすればいいか?』
There was a cautionary tale the Potions Master had told them (with much sneers and laughter to make the stupidity seem low-status instead of daring and romantic) about a second-year witch in Beauxbatons who\'d stolen some extremely restricted and expensive ingredients, and tried to brew Polyjuice so she could borrow the form of another girl for purposes better left unmentioned. Only she\'d managed to contaminate the potion with cat hairs, and then instead of seeking a healer immediately, the witch had hidden herself in a bathroom, hoping the effects would just wear off; and when she\'d finally been found, it had been too late to reverse the transformation completely, condemning her to a life of despair as a sort of cat-girl hybrid.
〈薬学〉の危険性をつたえる目的で、スネイプ先生が授業中に逸話をひとつ紹介したことがある(かわいらしい恋ごころとも呼べる話だったが、スネイプ先生は表情も声も嘲笑まじりで、くだらない愚行と見なしているようだった)。ボーバトンに、厳重に規制された高価な材料を盗み、〈|変身薬《ポリジュース》〉を調合しようとした二年生女子がいた。とある目的で別の女子のすがたを借りようとしていたのだが、その目的はここではおいておこう。 彼女は〈変身薬〉にうっかりネコの毛を混入させてしまい、しかも即座に癒者の診察をうけにいくべきところ、自然になおることを期待してトイレに身を隠した。最終的には隠れているところを発見されたが、その時点ですでに手遅れな段階にまで完了していた変身を巻き戻すことはできず、以来、ネコと人間の雑種として一生を送るはめになったという。
Harry hadn\'t realized what that meant until the instant of thinking the right question - but what that implied was that a young wizard or witch could do things with Potions-Making that they couldn\'t even come close to doing with Charms. Polyjuice was one of the most potent potions known... but what made Polyjuice a N.E.W.T.-level potion, apparently, wasn\'t the required age before you had enough magical power; it was how difficult the potion was to brew precisely and what happened to you if you screwed up.
ハリーはその話が意味することにずっと気づいていなかったが、適切な問いをもてたことで、気づくことができた。未熟な魔法使いは強力な呪文をつかえないが、はるかに強力な効果のある|薬《ポーション》をつくることはできる、ということだ。 〈|変身薬《ポリジュース》〉は最上級に強力な薬とされている……が、N.E.W.T.水準に分類されているのは、一定の年齢に達していない人の魔法力では調合できないからではなく、手技の難度や失敗した場合のリスクの大きさを考えてのことらしい。
Nobody in any army had tried brewing any potions up until then. But Professor Quirrell would let you get away with nearly anything, if it was something you could also have done in a real war. Cheating is technique, the Defense Professor had once lectured them. Or rather, cheating is what the losers call technique, and will be worth extra Quirrell points when executed successfully. In principle, there was nothing unrealistic about Transfiguring a couple of cauldrons and brewing potions out of whatever came to hand, if you had enough time before the armies met.
模擬戦中に|薬《ポーション》を調合しようとした軍はまだひとつもない。 だが、クィレル先生の基準では、現実の戦争でやれるようなことはほとんどなんでも許される。だったら問題ないはず。 実際クィレル先生は授業で、『不正も技術のうち。……というより、勝者の技術を敗者が不正と呼ぶだけのこと。効果的に不正を成功させた者には、クィレル点をおまけすることを約束しよう』と言っていた。 原理的には、|釜《コルドロン》を数個〈転成〉して、その場で入手できるものをあつめて調合することは、なんら非現実的ではない。交戦するまえに、そうするだけの時間さえあれば。
So Harry had retrieved his copy of Magical Drafts and Potions, and begun looking for a safe but useful potion he could brew in the minutes before the battle started - a potion which would win the battle too fast for counterspells, or produce spell effects too strong for first-years to Finite.
そう考えて、ハリーは『魔法水薬・油薬』の本を手に、もとめる条件にあてはまる|薬《ポーション》を探す作業をはじめたのだった。安全かつ有用で、開戦まえのわずかな時間に調合できるもの。|対抗呪文《カウンタースペル》が間にあわないほど一気に勝ってしまえるようなもの。あるいは、一年生が〈|解呪《フィニート》〉できないような強力な呪文の効果が生じるもの。
Sometimes, even though you were looking straight at something, you didn\'t realize what you were looking at until you happened to ask exactly the right question...
ひとは自分の目のまえにあるものを理解できていないことがある。適切な問いをたてないかぎり、理解できないことがある……。
What potion can I brew using only components gathered from an ordinary forest?
『どんな薬なら、一般的な森のなかで入手できる材料だけをつかって調合することができるか?』
Every recipe in Magical Drafts and Potions used at least one ingredient from a magical plant or animal. Which was unfortunate, because all the magical plants and animals were in the Forbidden Forest, not the safer and lesser woods where battles were held.
『魔法水薬・油薬』に書かれている薬の調合レシピにはどれも、魔法植物や魔法動物に由来する材料が最低ひとつはふくまれている。 これが厄介な部分だ。模擬戦がおこなわれるのが〈禁断の森〉だったとしたら、��法植物や魔法動物が豊富に入手できるのだが、残念ながら戦場は安全かつ小規模なほうの森だった。
Someone else might have given up at that point.
ハリー以外のだれかであれば、この時点であきらめるかもしれない。
Harry had turned the pages from one recipe to another, skimming faster and faster in dawning realization, confirming what he had already read and was now seeing for the first time.
ハリーはそれから、つぎつぎとページをめくる速度をあげて、いくつもの調合レシピに目をとおしていくうちに、とあることに気づいた。以前読んだことはあれど、そのときになるまで見えていなかった知識に気づいた。
Every single Potions recipe seemed to demand at least one magical ingredient, but why should that be true?
〈薬学〉の本��見るかぎり、どんな調合にも最低ひとつ、魔法力をおびた材料が必要とされる。しかし、なぜそうでなければならないのか?
Charms required no material components at all; you just said the words and waved your wand. Harry had been thinking about Potions-Making as essentially analogous: Instead of your spoken syllables triggering a spell effect for no comprehensible reason, you collected a batch of disgusting ingredients and stirred four times clockwise, and that arbitrarily triggered a spell effect.
呪文をかけるには、実体ある構成要素はまったく必要とされず、詠唱と杖のうごきだけで足りる。 ハリーは|薬《ポーション》の調合も本質的には似たような行為だと思っていた。 まったく必然性なく決められたとしか思えないとある文言をとなえると効果が発生するのが呪文であるなら、 おぞましい各種材料をあつめてきて時計まわりに四回かきまぜれば、それでなぜか効果が発生するのが|薬《ポーション》だと。
In which case, given that most potions used ordinary components like porcupine quills or stewed slugs, you\'d expect to see some potions using only ordinary components.
さらに、たいていの|薬《ポーション》の材料には、ヤマアラシのとげやナメクジの煮こごりなど、どこにでもあるものがふくまれる。ならば、どこにでもある材料だけを使ってつくれる|薬《ポーション》だってあってよさそうなものだ。
But instead every single recipe in Magical Drafts and Potions demanded at least one component from a magical plant or animal - an ingredient like silk from an Acromantula or petals from a Venus Fire Trap.
なのに実際には、『魔法水薬・油薬』に書かれている調合レシピはきまって、最低ひとつの魔法植物か魔法動物由来の材料——たとえばアクロマンチュラの糸やファイアーフラワーの花びら——を要求している。
Sometimes, even though you were looking straight at something, you didn\'t realize what you were looking at until you happened to ask exactly the right question...
ひとは自分の目のまえにあるものを理解できていないことがある。適切な問いをたてないかぎり、理解できないことがある……。
If making a potion is like casting a Charm, why don\'t I fall over from exhaustion after brewing a draught as powerful as boil-curing?
『もし調合術と呪文詠唱が似た行為であるなら、皮膚治癒薬など強力な薬を調合したとき、調合者が魔法力を消耗して疲労困憊することがないのはなぜか?』
The Friday before last, Harry\'s double Potions class had brewed potion of boil-curing... although even the most trivial healing Charms, if you tried to cast them with wand and incantation, were at least fourth-year spells. And afterward, they\'d all felt the way they usually felt after Potions class, namely, not magically exhausted to any discernible degree.
その一週まえの金曜日の〈薬学〉の合同授業で、ハリーたちは『皮膚治癒薬』の調合をした。……杖と詠唱を通じて実践する治癒の場合は、どんなに簡易な呪文でも四年生かそれ以上の水準にあたるというのに。 その回の授業を終えたとき、みなの様子はふだんの〈薬学〉を終えたときとかわりがなかった。つまり、目に見えて消耗している人はだれもいなかった。
Harry had shut his copy of Magical Drafts and Potions with a snap, and rushed down to the Ravenclaw common room. Harry had found a seventh-year Ravenclaw doing his N.E.W.T. potions homework and paid the older boy a Sickle to borrow Moste Potente Potions for five minutes; because Harry hadn\'t wanted to run all the way to the library to find confirmation.
そこでハリーは『魔法水薬・油薬』をぱちりと閉じ、レイヴンクロー談話室へと駆けこんだ。 図書館に行って確認している暇はないと思い、N.E.W.T.級薬学の宿題をしている七年生をみつけ、一シックルを渡して『劇薬調合術』という本を五分間だけ借りた。
After skimming through five recipes in the seventh-year book, Harry had read the sixth recipe, for a potion of fire breathing, which required Ashwinder eggs... and the book warned that the resulting fire could be no hotter than the magical fire which had spawned the Ashwinder which had laid the eggs.
七年次のその教科書をひらき、レシピ五件にざっと目をとおしたあと、六番目のレシピが目についた。『炎の吐息の薬』。これを作るにはアシュワインダーの卵が必要だとあり……これを飲むと炎を吐くことができるが、その卵を生んだアシュワインダーを生んだ魔法性の炎以上の熱は生じない、という注意書きもあった。
Harry had shouted \"Eureka! \" right in the middle of the Ravenclaw common room, and been severely rebuked by a nearby prefect, who\'d thought Mr. Potter was trying to cast a spell. Nobody in the wizarding world knew or cared about some ancient Muggle named Archimedes, nor the ur-physicist\'s realization that the water displaced from a bathtub would equal the volume of the object entering the bathtub...
そのときハリーは談話室のまんなかで「エウレカ!」とさけんだ。近くにいた監督生はそれを呪文の詠唱だと思ったらしく、ハリーは厳重に注意された。 魔法族は、アルキメデスという名前の古代人マグルが物理学者の原型のようなことをして、風呂にいれたものの体積は風呂からあふれた湯の体積にひとしいと気づいたときのことなど、いっさい興味がないらしい。
Conservation laws. They\'d been the critical insight in more Muggle discoveries than Harry could easily count. In Muggle technology you couldn\'t raise a feather one meter off the ground without the power coming from somewhere. If you looked at molten lava spilling from a volcano and asked where the heat came from, a physicist would tell you about radioactive heavy metals in the center of the Earth\'s molten core. If you asked where the energy to power the radioactivity came from, the physicist would point to an era before the Earth had formed, and a primordial supernova in the early days of the galaxy which had baked atomic nuclei heavier than the natural limit, the supernova compressing protons and neutrons into a tight unstable package that yielded back some of the supernova\'s energy when it split. A light bulb was fueled by electricity, fueled by a nuclear power plant, fueled by a supernova... You could play the game all the way back to the Big Bang.
保存則。 保存則という考えかたが基礎になってマグル世界で発見されたものごとは数知れない。 マグル技術で羽一枚を一メートル地面から浮かしたければ、そのための動力をどこかからもってくる必要がある。 火山の火口から流れだす溶岩を見て『この熱はどこから来たのか』といえば、地球の内核にある放射性重金属についての答えが物理学者からかえってくるだろう。 重金属の放射性はどこから来たのかといえば、地球が形成される以前の初期宇宙で超新星が自然限界より重い原子核を焼き上げ、陽子と中性子が不安定な状態にとじこめられて、それがやがて分裂することで超新星にもらったエネルギーの一部を放出するのだ、という答えになるだろう。 電球の光のみなもとは電気であり、その電気のみなもとは核分裂発電であり、その核分裂エネルギーのみなもとは超新星……。もとをただせば、究極的にはビッグバンにまで行きつく。
Magic did not appear to work like this, to put it mildly. Magic\'s attitude toward laws like Conservation of Energy was somewhere between a giant extended middle finger, and a shrug of total indifference. Aguamenti created water out of nothingness, so far as anyone knew; there was no known lake whose water level went down each time. That was a simple fifth-year spell, not considered impressive by wizards, because creating a mere glass of water didn\'t seem amazing to them. They didn\'t have the wacky notion that mass ought to be conserved, or that creating a gram of mass was somehow equivalent to creating 90,000,000,000,000 joules of energy. There was an upper-year spell Harry had run across whose literal incantation was \'Arresto Momentum!\' and when Harry had asked if the momentum went anywhere else he\'d just gotten a puzzled look. Harry had kept an increasingly desperate eye out for some kind of conservation principle in magic, anywhere whatsoever...
魔法は、ひかえめに言って、そういう風にはできていないらしい。 〈エネルギー保存則〉のような法則に対する魔法の態度は、思いきり中指を突き立てて見せるのと、どうでもよさげに肩をすくめるのとの中間くらいに位置している。 『アグアメンティ』は無から水をつくりだす魔法として知られている。そのたびにどこかの湖の水位がさがったという報告はない。 これは五年生がおそわる簡単な呪文で、魔法族はさほど特別なものではないと思っている。たかがコップ一杯の水をつくりだすことくらい、たいしたことではないと思っている。 魔法族は質量は保存されるべきであるという珍妙な考えかたをしないし、一グラムの質量を生むことがなぜか九〇兆ジュールのエネルギーを生むことに相当するとも思っていない。 高学年でおそわる呪文のひとつに、その名も『アレスト・モーメンタム』というものがある。それを知ってハリーは、止められた|運動量《モーメンタム》がどこか別の場所にいくのか、と質問してみたところ、 怪訝そうな顔をされただけだった。 ハリーは、魔法にもなんらかの種類の保存原理がどこかにあってくれないかと思い、必死にさがしつづけたが……
...and the whole time it had been right in front of him in every Potions class. Potions-Making didn\'t create magic, it preserved magic, that was why every potion needed at least one magical ingredient. And by following instructions like \'stir four times counterclockwise and once clockwise\' - Harry had hypothesized - you were doing something like casting a small spell that reshaped the magic in the ingredients. (And unbound the physical form so that ingredients like porcupine quills dissolved smoothly into a drinkable liquid; Harry strongly suspected that a Muggle following exactly the same recipe would end up with nothing but a spiny mess.) That was what Potions-Making really was, the art of transforming existing magical essences. So you were a little tired after Potions class, but not much, because you weren\'t empowering the potions yourself, you were just reshaping magic that was already there. And that was why a second-year witch could brew Polyjuice, or at least get close.
……実はそれは、毎回の〈薬学〉の授業で自分の目のまえにあったのだった。 調合術は魔法力を生みだすのではなく保存する。だからこそ、魔法性の材料を最低ひとつは必要とする。 『反時計回りに四回かきまぜ、時計回りに一回かきまぜる』などといった手順を通して——ハリーの説にしたがうなら——魔法使いは材料のなかにある魔法力を変形する小さな呪文をかけている。 (そして個々の材料の物理的形状をひきはがすことにより、ハリネズミのとげのようなものも溶かし、飲み薬にしたてることができる。おそらくマグルがまったくおなじレシピを実践したとしても、とげだらけでとても飲めないようなしろものになるのではないだろうか。) つまり、既存の魔法のエッセンスを変形させる魔術こそが調合術だということになる。 〈薬学〉の授業に参加すると、多少疲労はするものの、疲労困憊することはない。自分の魔法力を���そいでいるのではなく、すでにそこにある魔法力を変形させているだけだからだ。 だからこそ、二年生女子でも〈|変身薬《ポリジュース》〉を調合できた……すくなくとも完成しかけたのだろう。
Harry had kept scanning through Moste Potente Potions, looking for something that might disprove his shiny new theory. After five minutes he\'d flipped the older boy another Sickle (over his protests) and kept going.
できたてのこの仮説を反証する例があるかもしれないと思い、ハリーは『劇薬調合術』をめくっていった。 約束の五分間が経過すると(そのことで文句を言われたので)もう一シックルを支払い、まためくりつづけた。
The potion of giant strength required a Re\'em to trample the mashed Dugbogs you stirred into the potion. It was odd, Harry had realized after a moment, because crushed Dugbogs weren\'t strong themselves, they were just... very, very crushed after the Re\'em got through with them.
『巨人の力の薬』はダグボッグのすりつぶしを〈|巨牛《レエム》〉に蹂躙させたものを投入してつくられる。その部分を読んでから、ダグボッグ自身に力強さはないことを考えると変だ、ということに気づいた。レエムに踏まれたとして、ダグボッグ自身はただ……もっと粉ごなになるだけだ。1
Another recipe said to \'touch with forged bronze\', i.e., grasp a Knut in pliers so you could skim the potion\'s surface; and if you dropped the Knut all the way in, the book warned, the potion would instantly superheat and boil over the cauldron.
別のレシピには『鋳造された銅を触れさせよ』という一節があった。クヌート銅貨を一枚ペンチでつまんで、溶液の表面にかすめさせる、という意味である。どっぷり漬けてしまうと液が高熱を発して沸騰する、という注意書きもあった。
Harry had stared at the recipes and their warnings, forming a second and stranger hypothesis. Of course it wouldn\'t be as simple as Potions-Making using magical potentials imbued in the ingredients, like Muggle cars fueled by the combustion potential of gasoline. Magic would never be as sensible as that...
ハリーはそこでレシピと注意書きの数かずを目にしたまま、第二の、もっと奇妙な仮説を考えた。 もちろん調合術のしくみが、材料にもともと埋めこまれている潜在魔法力をつかうという単純なものであってくれるはずがない。それではマグルの自動車がガソリンの潜在燃焼力をつかうのと大差ない。 魔法はもっと非常識なものだ……。
And then Harry had gone to Professor Flitwick - since he didn\'t want to approach Professor Snape outside of class - and Harry had told Professor Flitwick that he wanted to invent a new potion, and he knew what the ingredients ought to be and what the potion should do, but he didn\'t know how to deduce the required stirring pattern -
それからハリーは——授業外でスネイプ先生に会う気はなかったので——フリトウィック先生の部屋をたずね、新しい|薬《ポーション》をつくろうとしていて、材料と効果については決まっているが、かきまぜかたをどう決めればいいかを相談したい、と話し——
After Professor Flitwick had stopped screaming in horror and running in little circles, and Professor McGonagall had been called into the ensuing fierce interrogation to promise Harry that in this case it was both acceptable and important for him to reveal his underlying theory, it had developed that Harry had not made an original magical discovery, but rediscovered a law so ancient that nobody knew who had first formulated it:
それを聞いてフリトウィック先生はしばらくわめきまわってから、マクゴナガル先生を呼び、執拗な訊問がはじまった。そのときにかぎっては実験の背後にある仮説を二人に明かすべきだと言われ、話してみるとそれが新発見ではなく再発見であることが分かった。非常に古くに発見された、発見者の名前も知られていない法則だった。
A potion spends that which is invested in the creation of its ingredients.
『ポーションは材料の生まれに寄与したものを放出する。』
The heat of goblin forges that had cast the bronze Knut, the Re\'em\'s strength that had crushed the Dugbogs, the magical fire that had spawned the Ashwinder: all these potencies could be recalled, unlocked, and restructured by the spell-like process of stirring the ingredients in exact patterns.
クヌート銅貨を製造するときのゴブリンの熱、ダグボッグを踏みつぶすレエムの怪力、アシュワインダーを生む魔法炎。そういった生成源の効能が、呪文の言語に相当する一定のかきまぜのパターンからなる工程により、呼び出され、解放され、再構成される。
(From a Muggle standpoint it was just odd, a deranged version of thermodynamics invented by someone who thought life ought to be fair. From a Muggle standpoint, the heat expended in forging the Knut hadn\'t gone into the bronze, the heat had left and dissipated into the environment, becoming permanently less available. Energy was conserved, could be neither created nor destroyed; entropy always increased. But wizards didn\'t think that way: from their perspective, if you\'d put some amount of work into making a Knut, it stood to reason that you could get exactly the same work back out. Harry had tried to explain why this sounded a bit odd if you\'d been raised by Muggles, and Professor McGonagall had asked bemusedly why the Muggle perspective was any better than the wizarding one.)
(マグル的に考えれば、それは熱力学のできそこないのような奇妙な法則に見える。人生は公平であるべきだと考える人がつくった法則のように見える。 マグル的に考えれば、クヌート銅貨製造時の熱は銅貨に流れこむのではなく、環境中に散逸し、再利用しにくい形態になる。 エネルギーはいつも保存され、生成も消滅もしない。いっぽうで、エントロピーは増大する。 けれど魔法族はそう考えない。魔法族は、クヌート銅貨をつくるために労力をそそげば、あとでその労力をとりだせるはずだと考える。マグル育ちの人にとって妙に聞こえるのはその点なのだということをマクゴナガル先生に説明してはみたが、マクゴナガル先生にマグル式の考えかたのほうが優れていることを理解させることはできなかった。)
The fundamental principle of Potions-Making had no name and no standard phrasing, since then you might be tempted to write it down.
これは調合術の基本原理だが、決まった名前も文言もない。もしあれば、だれかが書きとめたがるだろうから。
And someone who wasn\'t wise enough to figure out the principle themselves might read it.
だれかが書きとめれば、自力でこの原理を発見できない人がそれを読むかもしれないから。
And they would start having all sorts of bright ideas for inventing new Potions.
読めば、無闇に新作ポーションのアイデアを考える人がでてくるだろうから。
And then they would be turned into catgirls.
そういう人はネコ女になってしまうだろうから。
It had been made very clear to Harry that he wasn\'t going to be sharing this particular discovery with Neville, or Hermione either after the next armies\' battle. Harry had tried to say something about Hermione seeming really off lately and this being just the sort of thing that might cheer her up. Professor McGonagall had said flatly that he wasn\'t even to think it, and Professor Flitwick had raised his little hands and made a gesture as of snapping a wand in half.
この発見はネヴィルにもハーマイオニーにも共有しないようにと念押しされた。 ハリーはハーマイオニーが落ちこんでいるようだからこういう話をすれば元気づけられるかもしれない、というようなことを言おうとした。 ��クゴナガル先生はもってのほかだと言い、フリトウィック先生は小さな両手で杖を折る手ぶりをしてみせた。
Although the two Professors had been kind enough to suggest that if Mr. Potter thought he knew what the potion\'s ingredients should be, he might be able to find an already-existing recipe that did the same thing; and Professor Flitwick had mentioned several volumes in the Hogwarts library that might be useful...
二人はそれでも、どういう材料を使うべきがもう分かっているのなら、おなじことをやっている既存のレシピがあるかもしれない、という助言をしてはくれた。フリトウィック先生は役に立つかもしれないと言って、ホグウォーツ図書館にある本の名前をいくつかあげてくれた……。
The vast parchment-like screen now showed only an aerial view of the forest, from which you could barely make out the camouflaged forms of three armies, split up into two groups each, converging to fight their three-way battle.
巨大な羊皮紙状のスクリーンはいま、上空から見た森だけを表示している。兵士たちの迷彩服はほとんど木々と見わけがつかないが、それぞれ二集団ずつに分かれていた各軍が合流し、三つどもえの戦いをはじめようとしている。
The benches of the Quidditch stadium were now rapidly filling up with the more easily bored sort of spectator who only wanted to be there for the final battle and skip out on all the boring points along the way. (If there was anything wrong with Professor Quirrell\'s battles, it was widely agreed, it was that his spectacles didn\'t last nearly as long as Quidditch matches, once they actually started. To this Professor Quirrell had replied only, Such is realism, and that had been that.)
クィディッチ場の観客席が急速に埋まっていく。ここまでの点数の増減を追うほど暇ではなかったが最終戦だということで見に来た、飽きやすい種類の人たちだ。(クィレル先生の模擬戦に問題点があるとすれば、ひとたびはじまれば、クィディッチの試合よりずっと早く決着がついてしまうことだと広く言われている。 クィレル先生自身は、『それも戦闘のリアリズムだ』とだけ応じ、それ以上の議論の必要性を認めなかった。)
Within the huge window - it was all one window now, observing from a great height - the vague collections of tiny camouflaged forms grew closer.
巨大な窓——いまある窓は、上空からの映像を見せている窓一つだけ——に映された、小さな迷彩服の人間のあつまりらしきものまでの距離が近くなった。
Closer.
もっと近くなった。
Almost touching -
最後には手がとどきそうな距離にまで——
The vast white parchment window showed the first touch of battle between Sunshine and Chaos, a screaming mass of running children with smiley-faces upon their breasts, charging forward with Contego shields held high and others shouting \"Somnium! \" -
巨大な白い羊皮紙の窓が、〈太陽〉軍と〈カオス〉軍の最初の交戦を映しだす。|鬨《とき》の声とともに、|ニコちゃん《スマイリー》マークを胸につけた子どもたちが『コンテゴ』の盾を手に、あるいは「『ソムニウム』!」と叫びながら突撃し——
Until one of their number shrieked \"Prismatis! \" in a terrified voice and the entire charge came to a sudden halt before the sparkling wall of force that had appeared in front of them.
そのうちの一人が不意に、恐怖にかられた声で「『プリズマティス』!」と叫んだ。全員が突撃を中断し、すぐに光かがやくエネルギーの壁が前方に出現した。
Tracey Davis had walked out from behind the trees.
木々のあいだからトレイシー・デイヴィスがすがたをあらわした。
\"That\'s right,\" said Tracey, her voice low and grim as she leveled her wand on the barrier. \"You should fear me. For I am Tracey Davis, the Darke Lady! That\'s Darke Lady spelled D-A-R-K-E, with an E!\"
トレイシーは壁にむけて杖をつきつけながら、低く暗い声で話しだす。 「ふっふっふ、ぞんぶんに怖がるがいい。〈|闇黒《あんこく》の女王〉トレイシー・デイヴィス見参! あ、これ、『やみ・くろ』と書いて『アンコク』ね。」
(Amelia Bones, Director of the Department of Magical Law Enforcement, was sending an inquiring look at Mr. and Mrs. Davis, both of whom looked like they would have dearly preferred to die on the spot.)
(〈魔法法執行部〉長官アメリア・ボーンズが物問いたげなまなざしをデイヴィス夫妻に送った。夫妻はできることならその場で死にたいという感じの表情をしていた。)
Behind the Prismatic Barrier, there was some kind of hushed argument taking place among the Sunshine Soldiers, one of whom in particular seemed to be getting scolded by several of the others.
〈|虹色の障壁《プリズマティック・バリア》〉に守られた〈太陽〉軍兵士がひそひそとなにか言いあっている。そのうちの一人が、ほかの何人かから頻繁にしかりつけられているようだ。
Then, a moment later, Tracey flinched.
しばらくして、びくりとしたのはトレイシーのほうだった。
Susan Bones had come to the front of the Sunshine contingent.
スーザン・ボーンズが〈太陽〉軍集団のまえに出たのだった。
(\"Goodness,\" said Augusta Longbottom. \"What do you suppose your grand-niece has been learning at Hogwarts?\")
(「まあ……お嬢さん、ホグウォーツでどういう教育を受けているのかしら?」とオーガスタ・ロングボトムが言った。)
(\"I don\'t know,\" Amelia Bones said calmly, \"but I shall owl her a Chocolate Frog and instructions to learn more of it.\")
(「さあ。」とアメリア・ボーンズが落ちついた声で言う。「でもわたしも興味があるので、あとでチョコレート・フロッグを送って、あれのこつを聞いておきます。」)
The Prismatic Barrier vanished.
〈虹色の障壁〉が消えた。
The Sunshine Soldiers resumed their charge forward.
〈太陽〉軍兵士の集団が突撃を再開した。
Tracey yelled, her voice high with strain, \"Inflammare! \" and the Sunshine charge came to another sudden halt as a line of fire blazed up between them in the half-dry grass, extending to follow the path of Tracey\'s wand as she pointed it; an instant later Susan Bones cried \"Finite Incantatem! \" and the flames dimmed, brightened, dimmed in the contest of their wills, other soldiers raising their wards to aim at Tracey; and that was when Neville Longbottom plunged shrieking out of the sky.
トレイシーが緊張で声をうわずらせて叫ぶ。 「『インフラマーレ』!」  〈太陽〉軍の動きがまた止まる。トレイシーとのあいだの、やや乾燥した草地の上に炎でできた線が引かれ、それがトレイシーの杖の軌跡にあわせてのびていく。つぎの瞬間、スーザン・ボーンズが「『フィニート・インカンターテム』!」と声をあげた。炎のいきおいが弱まったかと思うと、また盛りかえし、両者の意思のぶつかりあいで一進一退がつづく。周囲では、ほかの兵士たちが杖をトレイシーに向けようとしている。ちょうどそのとき、ネヴィル・ロングボトムが上空から大声をたてて飛びこんできた。
One of the Dragon Warriors, Raymond Arnold, made a hand-sign, pointing forward and oblique left; and there was a sudden hushed hiss of whispers among the Dragon Army contingent as they all quietly reoriented themselves in the direction of the enemy. The Sunnies knew they were there, of course both armies knew; but somehow, in this moment, they had all become instinctively quiet.
〈ドラゴン旅団〉兵士の一人、レイモンド・アーノルドが手信号で前方ななめ左を指した。 その場にいる〈ドラゴン旅団〉集団内ですぐにひそひそと声がかわされ、全員が静かに敵のいる方向に対峙する位置をとった。 〈太陽〉軍はこちらの位置を知っている。知っているのはおたがいさまだが、なぜかこの瞬間、全員が本能的に静まった。
The Dragons crept forward further, and then further, the dull camouflaged forms of the Sunnies beginning to appear among the distant trees, and still nobody spoke, nobody bellowed the call to charge.
〈ドラゴン〉兵たちがじりじりと歩みをすすめていくと、〈太陽〉兵たちのくすんだ色の迷彩服が遠い木々のあいだに見えだした。〈ドラゴン〉はやはり全員無言で、|鬨《とき》の声をあげる者もいない。
Draco was now at the forefront of his soldiers, Vincent behind him and Padma only a shade further back; if the three of them could take the shock of Sunshine\'s best, the rest of Dragon Army might stand a chance.
ドラコは兵士たちの先頭に立っている。うしろにはヴィンセント、そのすぐうしろにパドマがいる。この三人で〈太陽〉軍の渾身の一撃をくいとめられれば、〈ドラゴン旅団〉のほかの兵士たちに勝機があるかもしれない。
Then Draco saw one Sunnie staring at him from the distance, in the vanguard of her own army; staring at him with a look of fury -
まだ距離のある〈太陽〉軍の先頭集団に一人、ドラコのほうをじっと見る人影があった。だれかがじっと、怒りの目でドラコを見ている——
Across the forest battleground, their eyes met.
戦場をはさんで、二人の視線がかさなった。
Draco had only a fraction of a second to wonder, in the back of his mind, what Hermione Granger was so angry about, before the shout went up from both their armies; and they were all running forward to the charge.
ドラコはこころのかたすみで、ほんの一瞬だけ不思議に思う——ハーマイオニー・グレンジャーは、なにをあれほど怒っているのか。考えつづける間もなく、両軍が雄たけびをあげ、全員が一斉に突撃していった。
The other Chaotics had appeared now from among the trees, some had dropped out of trees, and the battle was in full force now, everyone firing in every direction at anything that looked like an enemy. Plus a number of Sunnies crying \"Luminos! \" at Neville Longbottom as the Chaos Hufflepuff twisted and rocketed up through the air on courses that could only be described as, indeed, \"chaotic\" -
ほかの〈カオス〉兵たちも木々のあいだから出てきた……というか、落ちてきた兵士もいた。全面衝突となり、全員敵らしいものが見えるたびに四方八方に撃っている。 それと〈太陽〉兵が何人も、ネヴィル・ロングボトムに向けて「ルミノス!」と叫び、ネヴィルは旋回、急上昇して『カオス的』としか言いようのない軌跡をたどり——
And it happened, the way it happened only one time out of twenty in mock aerial combat, that Neville Longbottom\'s broomstick glowed bright red beneath his clenched hands.
ネヴィルが空戦を練習していたときには、二十回に一回しか起きなかったことが起きた——手ににぎったホウキが赤く光った。
It should\'ve meant that Longbottom was out of the game.
これはネヴィルが試合を脱落したことを意味しているはずだった。
Then, in the Hogwarts stands, among the watching crowds of students, a scream went up -
それからクィディッチ場の観客席で、生徒の集団のなかから叫び声があがった——
Combat realism. It was Professor Quirrell\'s one master rule. You could get away with anything if it was realistic, and in real life, a soldier didn\'t just vanish when their broomstick got hit by a curse.
『戦場におけるリアリズム』というのがクィレル先生が命じる唯一の規則である。 つまり現実にありえることであれば、なにをしても許される。そして現実には、ホウキを呪いで撃たれても兵士は消滅しない。
Neville was falling toward the ground and screaming \"Chaotic landing! \" and the Chaotics were wrenching their attention away from fights to cast the Hover Charm (and run at the same time so they wouldn\'t be sitting ducks), almost everyone else stopping to gape -
ネヴィルは地面にむけて落ちながら『カオス式ランディング!』と叫んだ。〈カオス〉兵たちは戦闘をほうりだして(止まっていては格好の標的なので、走りながら)、そろって〈浮遊の魔法〉をかけた。まわりのほとんど全員が足をとめて息をのみ——
And Neville Longbottom slammed into the leaf-laden forest ground, landing on one knee, one foot, and both hands, as though he were kneeling down to be knighted.
ネヴィル・ロングボトムは落ち葉たっぷりの地面に、片ひざと片足と両手をついて落ちた。騎士号を授与されるときのような姿勢だった。
Everything stopped. Even Tracey and Susan paused in their duel.
すべてが止まった。トレイシーとスーザンすら決闘を中断した。
In the stadium, all crowd noises vanished.
クィディッチ場では、観客席全体が静まりかえった。
There was a universal silence composed of astonishment, concern, and sheer dumbstruck gaping awe, as everyone waited to see what would happen next.
だれもが驚嘆と心配の表情でただ唖然として絶句し、つぎになにが起きるのか、待ちかまえた。
And then Neville Longbottom slowly rose to his feet, and leveled his wand at the Sunshine Soldiers.
そしてネヴィル・ロングボトムがゆっくりと立ちあがり、〈太陽〉軍の方向に杖を突きつけた。
Though nobody on the battlefield heard it, a large segment of the stadium audience had begun chanting, in steadily rising notes each time the word was uttered, \"DOOM DOOM DOOM DOOM DOOM\", because you just couldn\'t see that and not think it required musical accompaniment.
戦場にはとどかなかったが、スタジアムの観客席ではかなりの人数が声をあわせ、だんだんと音量をあげて『ドゥーン ドゥーン ドゥーン ドゥン ドゥン ドゥン』と歌いはじめていた。あの離れわざに音楽をつけないわけにはいかないと思ったらしい。
\"The crowd is cheering your grandson,\" said Amelia Bones. The old witch was favoring the screen with a measuring look.
「あれはあなたの孫への応援歌ね。」と言うアメリア・ボーンズは値ぶみするようにスクリーンにまなざしを向けている。
\"So they are,\" said Augusta Longbottom. \"Some, if I hear correctly, are cheering, Our blood for Neville! Our souls for Neville! \"
「おっしゃるとおり。」とオーガスタ・ロングボトムが言う。「ただ、なかには、『ネヴィルに血を! ネヴィルに魂をささげよ!』という声援もまじっているような。」
\"Quite,\" said Amelia, taking a sip from a teacup which had not been there moments earlier. \"It shows the lad has leadership potential.\"
「ええ。」と言って、アメリアは数秒まえまであとかたもなかったティーカップにくちをつける。 「指導者の素質がおありのようで。」
\"These cheers,\" continued Augusta, her voice taking on an even more stunned quality, \"seem to be coming from the Hufflepuff benches.\"
「しかもこの声援……」とオーガスタがまた言う。いちだんと衝撃を受けたような声をしている。 「ハッフルパフ生がいるあたりから来ているようですが。」
\"It is the House of the loyal, my dear,\" said Amelia.
「仲間おもいで知られる寮ですからね。」とアメリア。
\"Albus Percival Wulfric Brian Dumbledore! What in Merlin\'s name has been happening in this school? \"
「アルバス・パーシヴァル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア! いったいこの学校でなにが起きているのですか?」
Lucius Malfoy was watching the screens with an ironic smile, his fingers tapping at his armrest in no discernible pattern. \"I do not know what is more frightening, the thought that he has some hidden plan behind all this, or the thought that he does not.\"
ルシウ��・マルフォイは皮肉な笑みをうかべてスクリーンに目をやりながら、指が一見まったく不規則に肘掛けをたたいている。 「ダンブルドアはこのすべての裏になにか策略を隠しているのか、そうでもないのか。どちらを恐れるべきなのか分かりませんな。」
\"Look!\" cried the Lord of Greengrass. The dapper young man had risen half out of his chair, pointing his finger at the screen. \"There she goes!\"
「見ろ!」と若きグリーングラス家当主が声をあげ、席を立ち、スクリーンを指さす。 「こんどはあの子の番だ!」
\"We\'ll both take him at once,\" Daphne whispered. She knew that a few fear-filled minutes of real combat experience, a handful of times each week, might not be enough to match Neville\'s regular dueling practice with Harry and Cedric Diggory over the same period. \"He\'s too much for one of us, but both of us together - I\'ll use my Charm, you just try to stun him -\"
「二人で一気にやるからね。」とダフネが小声で言う。ダフネたちも一週間に数回、恐怖に満ちた実戦を数分間ずつ経験していたとはいえ、ネヴィルとハリーが受けていたセドリック・ディゴリーの決闘術の訓練におよばないことは分かっている。 「一人じゃ無理でも、二人でちからを合わせれば——わたしはあの〈魔法〉を使う。ハンナはできるだけ撃って——」
Hannah, beside her, nodded, and then they both screamed at the top of their lungs and charged forward, the Hover Charms of two supporting Sunshine Soldiers moving them faster and making them light on their feet, Daphne already crying \"Tonare! \" even as Hannah kept a huge Contego shield moving in front of them, and with a brief extra lift they leapt over the heads of the front screen of soldiers and landed in front of Neville with their hair billowing high around them -
となりにいるハンナがうなづくと、二人は絶叫しながら突撃した。それに合わせて支援兵二人がかけた〈浮遊の魔法〉で走りが加速される。 ダフネは走りながら「雷光の——」ととなえはじめ、ハンナは巨大な『コンテゴ』の盾を二人の前方につくりだしている。そこで一度、追加の浮揚力がくわわり、二人は前列の兵士たちの頭上を飛び越え、髪の毛をふわりとなびかせ、ネヴィルの目のまえに着陸する——
(Photographs were strictly prohibited at all Hogwarts games, but somehow this moment still ended up on the front page of the next day\'s Quibbler.)
(ホグウォーツではあらゆる競技の写真撮影が厳格に禁じられているが、それでもなぜかこの瞬間の写真が翌日の『クィブラー』の一面をかざることになった。)
- and in the same instant, because fighting older bullies had burned away the slightest traces of hesitation, Hannah fired her first Sleep Hex at Neville (she\'d started the incantation while she was still in the air) even as Daphne, concentrating more on speed than on force, slashed down with her Ancient Blade at where she thought Neville\'s thighs would be after he dodged -
——着陸と同時にハンナが、上級生を相手にいじめ退治をした経験を生かし、いっさいの躊躇を捨て、すぐさまネヴィルに〈睡眠の呪文〉を撃つ(着陸するのを待たずに詠唱をはじめていたのである)。ダフネは威力より速度を重視して〈元老貴族の剣〉でネヴィルの太ももを切りつけようとするが、ネヴィルはすでによけていた——
But Neville leapt up, not sideways, leapt up higher than he should\'ve been able to go, so that her glowing sword cut only the air beneath his feet. Somehow Daphne realized what it meant, that Neville still had other Chaotics Hovering him, in time for her to raise her Blade up over her head, but Neville fell too fast and when his Blade smashed into hers it was like being hit by a Bludger. It knocked Daphne off her feet and sent her sprawling backward onto the grass, hitting the ground hard on her back. It might have been all over for her, then, if Neville hadn\'t landed too hard himself and gone to his knees with a pained gasp. And then before Neville could bring his glowing Blade down, Hannah shouted \"Somnium! \" and Neville lurched frantically backward - though of course no spell had actually come from Hannah\'s wand, the Hufflepuff girl couldn\'t really have fired again that fast - which gave Daphne a second to scramble to her feet and get both hands around her wand again -
ネヴィルは横ではなく、上によけていた。不自然なほど高く。光の剣は、ネヴィルの足の下の空気を切る。それがなにを意味するか、ダフネは不思議とすぐに気づくことができ、〈剣〉を自分のあたまの上にもっていった。しかしネヴィルが落ちてくる速度は予想以上だった。たがいの〈剣〉と〈剣〉がぶつかったとき、ダフネはブラッジャーにしたたかに打たれたような衝撃を受けた。 その衝撃で体勢をくずして草の上をころがり、地面に背中を強打した。 それで一巻の終わりになってもおかしくなかったが、ネヴィルのほうも着陸の衝撃が強すぎて地面にひざをつき、苦悶の声をあげていた。 ネヴィルが〈剣〉を振りおろそうとしかけたところで、ハンナが「『ソムニウム』!」と叫んだ。ネヴィルは必死にあとずさる——が、もちろん実際にはなにも発射されていない。ハンナにはそう早く呪文を連射できない。——ダフネはその一瞬の時間をつかって、急いで立ちあがり、また両手で杖をにぎり——
\"Dear Merlin,\" said Lady Greengrass. Her voice seemed unsteady, the aristocratic poise well-punctured. \"My daughter is fighting with the Charm of the Most Ancient Blade. In her first year. I never knew she possessed - such extraordinary talent -\"
「まさか……」とグリーングラス卿夫人がどこか落ちつかない声で言う。貴族らしい態度がくずれてきている。 「まさかわが子が〈元老貴族の剣〉で戦っているなんて。それも一年生で。 あの子にあんな——才能があったとは——」
\"Excellent blood,\" Charles Nott said approvingly, causing Augusta to snort.
「血統の優秀さのたまものですな。」とチャールズ・ノットが言ったのを受けて、オーガスタは鼻をならした。
\"My good Lady,\" said Professor Quirrell, sounding grave. \"Do not wrong your daughter so. That is not mere talent which you see.\" His voice grew a little dryer. \"Rather, it is what happens when children put their competitive efforts into a game which involves actual spellcasting.\"
「なにをおっしゃる。」とクィレル教授が深刻そうに言う。「娘さんをみくびりすぎですよ。 あれはたんなる才能ではない。」 もう一歩乾いた声になる。 「実戦的な呪文をつかう試合形式をあたえられれば、子どもたちは競って腕をみがく。その成果です。」
\"Expelliarmus! \" shouted Draco, trying not to let his voice crack as he simultaneously dodged the blazing red stunbolt that Hermione Granger had fired at him, his muscles twisting with the need to dodge in the wrong direction - she\'d pointed to his left, and then with a mysterious twitch fired right -
「『エクスペリアームス』!」と叫びつつ、声をからさないように注意するドラコ。同時にハーマイオニー・グレンジャーが撃ってきた赤い失神弾をかわそうとして、急な方向転換で筋肉がねじれる思いをする——相手は杖を左にむけていたのに、謎の切り返す動きをして右に撃ってきた——
Hermione dodged the fast-moving dueling hex, and cried with hardly another moment\'s pause, \"Steleus! \", a wide-angle Hex that Draco couldn\'t avoid, but he managed to point his wand at his own face and cry \"Quiescus! \" before the sudden urge to inhale could devolve into a sneezing fit that would\'ve ended the battle.
ハーマイオニーは高速に飛ぶ『エクスペリアームス』をかわして、間髪をいれず「『スティレウス』!」と叫んだ。これは作用範囲が広い呪文でドラコの位置からは回避できないが、なんとか自分の顔に杖をあてて「『クワイエスカス』!」と言うことはできた。すぐに息を吸いたくなる衝動が生まれるが、抑えようとする。吸えば発作的なくしゃみが止まらなくなり、そうなっては一巻の終わりだ。
Draco Malfoy was already half-exhausted from all the Locking Charms and Transfigurations earlier, but his confusion was beginning to give way to a sense of his own blood boiling, he didn\'t know why Granger was attacking him so angrily all of a sudden, but if she wanted a fight he\'d give her one -
ドラコ・マルフォイはすでに大量の〈施錠の魔法〉と〈転成術〉で疲弊しかけていた。だが、困惑の感覚はだんだんと、熱をおびた怒りにおきかわりはじめた。なぜ唐突にグレンジャーがこれほど怒って攻撃してきたのかは分からない。だが売られた喧嘩は買ってやるまで——
(The Dragons and Sunnies weren\'t stopping to watch the duel of their Generals, the Dragons were too disciplined to stop and watch and that meant the Sunnies had to go on fighting too; but the gaping audience in the Hogwarts Quidditch stands were being distracted even from Neville and Daphne\'s spectacle, shifting their eyes to the duel of two Generals as Malfoy and Granger fired hex after hex and jinx after jinx at each other, casting more rapidly than any other student in their year could have managed, the Dragon General\'s trained dueling dance matched by the Sunshine General\'s frantic energy, the combat between them beginning to resemble an adult duel as the two most magically powerful first-years resorted to spells more exotic than the usual Sleep Hex.)
(〈ドラゴン〉兵と〈太陽〉兵はたがいの司令官が決闘するのを目のあたりにして動きをとめてはいなかった。〈ドラゴン〉軍は規律がしっかりしていて、それくらいで動きをとめることはない。相手がとまらない以上、〈太陽〉軍もとまらない。 だがクィディッチ場にいる観客たちは、ネヴィルとダフネの華ばなしい決闘すらも忘れて、マルフォイとグレンジャーがつぎつぎと呪文をくりだすのを固唾をのんで見守りはじめていた。二人の応酬はほかのどの一年生よりも高速だった。〈ドラゴン〉軍司令官の訓練された身のこなしと〈太陽〉軍司令官のなりふりかまわない熱量とが釣り合い、〈睡眠の呪文〉にとどまらない多種多様な呪文を援用する大人の決闘を思わせる撃ち合いがくりひろげられていた。)
- although, Draco was beginning to realize, when he and Harry and Professor Quirrell had dismissed Miss Granger as having as much intent to kill as a bowl of wet grapes, they\'d never seen her angry.
——ただ、ドラコはひとつだけ気づいたことがあった。以前ドラコとハリーとクィレル先生は三人して『ミス・グレンジャーには生ブドウ一皿ほどの殺意しかない』と言って切り捨てたものだが、そのときはまだ三人とも彼女が怒るところを見たことがなかったのだった。
Daphne lashed out with her Ancient Blade, again not trying to hit hard but just moving the Blade as fast as possible, at the same time Hannah cried \"Somnium! \" and Neville leapt back again, but it had been another bluff and Hannah was moving in to fire a real spell almost point-blank -
ダフネはもう一度、やはり威力���二の次で速度を重視して〈元老貴族の剣〉をネヴィルにおみまいする。同時にハンナが「『ソムニウム』!」と言い、ネヴィルがとびのく。今回もはったりで、ハンナはその隙に位置をとり、ほんものの呪文を至近距離から撃とうとする——
- and Neville Longbottom did exactly what - he would explain afterward - Cedric Diggory had trained him to do if he was fighting Bellatrix Black, which was to spin around and kick Hannah really hard in the pit of her stomach.
——そこでネヴィル・ロングボトムは——あとで本人が説明したところによると——ベラトリクス・ブラックとの戦闘を想定してセドリック・ディゴリーに訓練されたとおりのことをした。つまり、一回転してハンナのみぞおちに痛烈な蹴りをいれた。
The Hufflepuff girl made a sad little sound, a gasping cry of pain, as she was knocked off her feet by the hard shoe sinking into her abdomen with the force of Neville\'s whole body behind it.
ネヴィルの全身の体重がのった靴がハンナの腹にしっかりはいりこむ。ハンナは体勢をくずし、痛みでろくに声もだせず小さくうめいた。
For an instant the battlefield stood still, everything halted except Hannah\'s falling form.
一瞬だけ、倒れ���いくハンナをのこして、戦場全体が静止した。
Then Neville\'s face turned to absolute dismay and he lowered his wand, the Chaotic Lieutenant starting instinctively toward his House-mate as he reached for her with his other hand -
そしてネヴィルがさっと顔色を変えた。完全に狼狽した表情になって、杖をおろし、本能的にもう片ほうの手で同寮生ハンナを受けとめようとし——
Even as Hannah turned her fall into a roll and came out with her wand raised and shot him.
ハンナのほうは倒れきるまえに一回転し、杖をネヴィルにむけて呪文を撃った。
A fractional second later, Daphne, who hadn\'t hesitated either, sank her Most Ancient Blade squarely into Neville\'s back, causing the Chaotic Lieutenant\'s muscles to jerk convulsively with the stunning magic discharging into him even as Hannah\'s Sleep Hex took effect, and then the last scion of Longbottom was sprawled still on the ground with a look of total surprise frozen to his face.
一秒と経たないうちに、ダフネも躊躇なく〈元老貴族の剣〉をネヴィルの背中に突き刺した。ハンナの〈睡眠の呪文〉が効果を発揮するのと同時に、〈剣〉のエネルギーが流しこまれてネヴィルの筋肉が痙攣し、ロングボトム家継嗣は驚愕の表情のまま、手足をひろげて地面に倒れた。
\"Today Mr. Longbottom has learned a valuable lesson about his feelings of pity and remorse,\" said Professor Quirrell.
「この戦いでミスター・ロングボトムは憐憫と慈悲の感情のあつかいに関して貴重な教訓を学んでくれたと思う。」とクィレル教授が言った。
\"And chivalry,\" said Amelia, sipping her tea again.
「それと、騎士道についても。」と言って、アメリアはまた茶をすすった。
\"Are you all right?\" whispered Daphne, as she stood protectively over where Hannah lay on the ground clutching her stomach. The girl didn\'t give anything back in reply except more retching sounds that sounded like Hannah was trying not to throw up while trying not to cry.
「だいじょうぶ?」と小声で声をかけつつ、ダフネはハンナを守るように立ちふさがる。ハンナは腹をかかえて地面に倒れている。ハンナは返事せず、むせかえすような音をだしていた。吐くのと泣くのを我慢しているようだった。
Somehow, even though it might not have been good tactics - it would\'ve been better if Hannah had been hexed outright, than for other soldiers to be tied up protecting her - a number of Sunnies seemed to be standing in front of Hannah with their wands clutched tightly, staring angrily at the Chaotics. Someone had thrown up a Prismatic barrier between the two groups, Daphne couldn\'t see who.
戦術的にはそうすべきではないのに——ハンナ一人がただ呪文で撃たれたほうがまだ、こうやって何人もの手をかけて援護するよりはましだったと思う——なぜか〈太陽〉軍の兵士がハンナのまえにあつまり、杖をかたくにぎって、〈カオス〉兵のほうをにらみつけている。 だれかが両軍のあいだに〈虹色の障壁〉をつくったが、だれがやったのかダフネからは見えなかった。
And for some reason the Chaotics didn\'t seem to be pressing the attack. Even Tracey had completely dropped the grim look on her face and was shifting her weight nervously from one foot to another, as though she was having trouble remembering which side she was on -
そしてなぜか、〈カオス〉軍は攻撃に積極的ではないようだった。トレイシーさえ暗い表情をして、不安げに足踏みをしている。まるで自分がどちらの所属なのか分からなくなったかのように——
\"Hold! \" shouted a voice. \"Hold battle! \"
「いったん戦闘停止!」と声がした。
There wasn\'t much battle going on anyway, but it held.
もともとないに等しかった戦闘がとまった。
General Potter, looking every inch the Boy-Who-Lived, strode out from the trees with something large and camouflage-cloth-covered held under one arm.
ポッター司令官がいかにも〈死ななかった男の子〉らしい態度で木々のあいだからすがたをあらわした。片手には、迷彩柄の布をかぶせた大きななにかを持っていた。
\"Is Miss Abbott breathing all right?\" General Potter yelled.
「ミス・アボットの呼吸に異常はないか?」とポッター司令官が呼びかけた。
Daphne didn\'t look back. She didn\'t trust that this wasn\'t a trap - it was absolutely certain that if the Chaotics took the opportunity to attack, Professor Quirrell would not only rule it legal but also award them extra points afterward. But Daphne could hear the answer well enough with her ears, it wasn\'t like Hannah was trying to breathe quietly, and so she said, \"Sort of.\"
ダフネはその声にふりむかない。これが罠でないという保証はない。もしその隙を利用して〈カオス〉軍が攻撃すれば、クィレル先生はそれをルール内の行動だと認定するばかりか、あとでクィレル点を加点しさえするだろうことはまちがいない。 とはいえ、答えはもうダフネにも聞こえるくらい明らかだった。いまのハンナの呼吸音は静かとはほどとおい。なので、返事することにした。 「……一応は。」
\"She should get out of here and to someone who can use healing Charms,\" Harry said. \"Just in case that broke something.\"
「退場させて、治癒の魔法をつかえる人のところに送ったほうがいい。どこか折れたりしていないともかぎらない。」とハリー。
From behind Daphne, a small gasping voice said, \"I - can - still - fight -\"
ダフネの背後から、息も絶え絶えの声がした。 「わたしは——まだ——たたかえる——」
\"Miss Abbott, don\'t -\" Harry said, just as there was the sound from behind Daphne of someone collapsing back to the grass after trying and failing to get to her feet. Everyone winced, but Daphne didn\'t turn her back on Harry.
「ミス・アボット、無理することは——」とハリーが言いかけたところで、ダフネの背後でだれかが立ちあがろうとして失敗し草の上に倒れる音がした。 全員がひるんだが、ダフネはハリーに背を見せなかった。
\"Why haven\'t the teachers stopped the battle?\" said Susan, her voice angry.
「なんで教師は模擬戦を止めさせないの?」とスーザンが怒った声で言った。
\"I expect it\'s because Miss Abbott is in no danger of permanent damage and Professor Quirrell thinks we\'re learning valuable lessons,\" Harry said in a hard voice. \"Look, Miss Abbott, if you go, Tracey will also retire from the battle. You already outnumber us, so that\'s a very good deal for your side. Please take it.\"
「止めていないということは、ミス・アボットの容態は治療可能な範囲なんだろう。それと、クィレル先生はぼくらが貴重な教訓をまなんでいると思っているんだろう。」とハリーがかたい声で言う。 「じゃあこうしようか。ミス・アボット、きみが退場すればこちらもトレイシーを退場させる。もともと数ではこちらが不利だから、これはきみたちにとっていい取り引きのはずだ。受けてくれ。」
\"Hannah, just go!\" said Daphne. \"I mean, just say you\'re out!\"
「ハンナ、そうして!」とダフネは言う。「いいから、『退場する』って言って!」
When Daphne glanced back she saw that Hannah was shaking her head, still curled up in a ball on the grass.
ちらりとうしろを見ると、ハンナは草のなかにうずくまったまま、くびを横にふっていた。
\"Oh, screw this,\" said Harry. \"Chaotics! The faster we stun them, the faster she\'s out of here! We\'re going to do this very quickly, even if we take casualties! End truce! TUNAFISH! \"
「わかった、もういい。」とハリーが言う。 「〈カオス〉軍! とっとと全員しとめてしまえば、それだけ早く彼女を退場させられる。 味方に犠牲をだしてでも、早く決着をつけよう! 停戦はここまで! 『ツナフィッシュ』!」
Daphne\'s political hindbrain had only an instant to admire how Harry\'s few words had just made the Chaotics the good guys, and then in almost perfect unison, the Chaotics were plunging their hands into the pockets of their uniforms and drawing out green sunglasses in an unfamiliar style. Not like anything you would wear to the beach, more like goggles for advanced Potions -
それを聞いてすぐに、ダフネの後脳の権謀術数の領野がハリーを賞賛した。ハリーはたった一言で〈カオス〉軍の立ち位置を善にしてしまった。それから〈カオス〉兵たちは全員、制服のポケットに手をつっこみ、奇妙な様式の緑色のサングラスをとりだした。 海辺でつけるようなサングラスではなく、むしろ上級〈薬学〉でつかうゴーグルに似ている——
Then Daphne realized what was about to happen and snapped up her other hand to shield her eyes, just as Harry ripped the cloth off the cauldron.
そこでダフネはつぎになにが起きるのかを察知し、あいた手をすぐさま両目にあてた。ちょうどそのとき、ハリーが釜にかけられた布をやぶった。
The fluid that spilled forth as Harry Potter threw the cauldron\'s contents into the air was too bright to be seen, too brilliant to be imagined, incandescent like the Sun magnified a dozen times -
ハリー・ポッターがぶちまけた釜から飛びちったのは、まばゆい液体だった。想像をこえるほどのまぶしさ、太陽を何十倍にも拡大したような燦然とした輝きがあった——
(which was exactly what it was)
(実際そのとおりのしろものだった。)
(the sunlight which had been invested to create the acorns, the bright energy that had fueled a tree rising up from the bare dirt)
(地面に芽吹いた木々が成長しドングリをつくりだすのに寄与した太陽光を原料としてできた光は……)
(blazing a searing purple, the color of the mixed blue and red wavelengths that chlorophyll absorbed)
(葉緑素が吸収した青色と赤色の波長の光の混合である紫色で……)
(with almost none of the green wavelengths that chlorophyll reflected to create the green color of leaves)
(葉緑素に反射して外に出て葉の緑色を構成する緑光の波長をほとんどふくんでいない。)
(which was the color of the Chaos Legion\'s sunglasses, made to pass through green wavelengths, blocking red and blue, reducing even the most incandescent purple glare to something bearable)
(〈カオス軍団〉がつけている緑色のサングラスは、緑色の光だけを通過させ赤色と青色をブロックするので、この強烈な紫色の光をなんとか耐えられる程度に減衰させている。)
- the violet light blazed on and on, Daphne tried dropping her arm from her eyes but found that she couldn\'t look directly at anything, even the secondhand purple glare was so bright she had to squint; and she had only time to cry one Finite Incantatem, which didn\'t work, before a Sleep Hex took her.
——光はやむ気配がなく、ダフネは一度目から腕をおろして見ようとしてみたが、なにひとつ視認することはできなかった。間接的な反射光でさえ、まぶしくてとても見ていられなかった。ダフネはそのわずかな時間に一度だけ|〈解呪〉《フィニート・インカンターテム》を詠唱してはみたものの効果はなく、やがて〈睡眠の呪文〉で撃たれた。
What was left of the battle didn\'t take very long after that.
それからの戦闘が終わるのに長くはかからなかった。
\"NOW!\" bellowed Blaise Zabini, formerly of Sunshine, now commanding a detachment of Chaos Legionnaires. \"I mean, TUNAFISH!\" The Slytherin boy\'s hand grasped the cloth shielding the cauldron from the triggering touch of daylight, already beginning to move it aside.
「よし!」と元〈太陽〉軍でいまは〈カオス軍団〉分隊を率いるブレイズ・ザビニが言う。 「『ツナフィッシュ』だ!」と言って、釜のふたをしている布を手でつかみ、太陽光で起動して自分から離す準備をする。
\"NOW!\" bellowed Dean Thomas, formerly of Chaos, commanding a consignment of Dragon Warriors. \"DO WHATEVER THEY DO!\"
「よし!」と元〈カオス〉軍でいまは〈ドラゴン旅団〉の一部をまかされたディーン・トマスが言う。 「敵の動きをそっくりまねしろ!」
The Chaotics of Zabini\'s detachment plunged their hands into their uniform pockets, and came forth bearing green sunglasses -
ザビニの分隊は両手を制服のポケットにつっこんで、緑色のサングラスをとりだした——
- an action almost perfectly mirrored by Dean and the Dragon Warriors, who drew forth green-colored Potions goggles, and quickly drew the straps over their own heads, even as the Chaotics put on their sunglasses and the violet incandescence blasted forth.
——それをディーンたち〈ドラゴン〉兵もそっくりまねして、緑色の〈薬学〉用ゴーグルをとりだし、急いでストラップをあたまに回して装着した。そのときにはもう〈カオス〉兵も装着していて、強烈な紫色の光が押しよせてきていた。
(As General Malfoy had explained, if Mr. Goyle reported that the Chaos Legion was wearing green-colored Potions goggles, you didn\'t have to know why to Transfigure some copies.)
(〈カオス軍団〉がそろって緑色の〈薬学〉用ゴーグルという報告がミスター・ゴイルから来たら、理由を考えるまでもなくおなじものを〈転成〉すればいい、というのがマルフォイ司令官の説明だった。)
\"THAT\'S CHEATING!\" shrieked Blaise Zabini.
「ずるいぞ!」とブレイズ・ザビニが声をあげる。
\"THAT\'S TECHNIQUE!\" Dean yelled back. \"DRAGONS, CHARGE!\"
「これも技術だ!」とディーンが言いかえす。「〈ドラゴン〉、突撃!」
(\"Pardon me,\" the Lady Greengrass said. \"Could you stop laughing like that, Mr. Quirrell? It\'s unnerving.\")
(「失礼ですが、ミスター・クィレル、その笑いかた、やめていただけませんか。耳ざわりですわ。」とグリーングラス卿夫人が言った。)
\"FINITE THEIR GOGGLES!\" shouted Blaise Zabini, as the two armies ran headlong toward each other through omnipresent eye-searing purple glare. \"WE CAN STILL WIN!\"
目を焼きつくすような紫色の光が満ちる戦場で両軍がまっこうから衝突するなか、 「敵のゴーグルを〈|解呪《フィニート》〉しろ! まだ勝機はある!」とブレイズ・ザビニが言った。
\"YOU HEARD HIM!\" bellowed Dean. \"GET THEIR GLASSES!\"
「聞こえたか! ゴーグルを狙え!」とディーンも言った。
Blaise Zabini\'s reply to this wasn\'t anything articulate.
それを受けてブレイズ・ザビニは言語にならないなにかを口にした。
That battle went on a lot longer.
それからの戦闘が終わるまでには長くかかった。
\"Stupefy! \" shrieked the Sunshine General.
「『ステューピファイ』!」と〈太陽〉軍司令官がさけぶ。
Draco didn\'t dodge, he didn\'t counter, he didn\'t have enough energy left for either, all he could do was whip his left hand into position and hope -
ドラコはよけない。反撃もしない。もうそれだけの余力がない。できることは、左手をもちあげて無事を祈ることだけ——
The red stunbolt dissipated again on Draco\'s Colloportused glove, which he\'d Transfigured and spell-locked to his hand the same as the rest of Dragon Army. It was all that was saving him now, that shield.
赤色の電撃はドラコの手袋にあたって散った。『コロポータス』で封じられたこの手袋は、〈ドラゴン旅団〉の全員がはめているのとおなじく、ドラコが〈転成〉したもの。ドラコがまだやられずにすんでいるのは、ひとえにこの盾のおかげだ。
It should have been a time to counterattack, but Draco could only catch his breath, as the two of them danced backward and forward beneath the trees in the never-ending movements of their duel. Across from him, General Granger was panting hard, the young girl\'s face glistening with sweat like dew, her chestnut hair wetted into brown plaits. Her camouflage uniform was stained with damp spots, her shoulders visibly trembling with exhaustion, but her wand was still steel-steady where it stayed level on Draco through all their motion. Her eyes glaring, her cheeks flushed with rage.
二人は森の奥で休むことなく一進一退の攻防をくりひろげていた。反撃に転じるべきときなのに、ドラコは呼吸をととのえることしかできない。グレンジャー司令官のほうも、呼吸はみだれ、顔は大粒の汗で濡れ光り、茶色の髪はべたりとした束になっている。 迷彩服はまだらに汚れ、疲労で肩を震わせているが、どんな姿勢をとるときも杖だけはしっかりとドラコの方向につきつけている。 目はぎらつき、頬は怒りで紅潮している。
So, little girl, why\'re you pretending to fight like a grownup today?
どういう風の吹きまわしだ? 大人のまねをしてみたいお年頃かな?
The taunt came to mind, but he didn\'t really think he needed Granger any angrier; so instead Draco just said - though he could hear his own voice cracking - \"Any reason you\'re feeling mad at me, Granger?\"
ふとそんなせりふが浮かんだが、わざわざこれ以上怒らせることもない。 なのでドラコはただ——とぎれとぎれの声で—— 「グレンジャー、なにをそんなに腹をたてているんだ?」と言った。
The girl was gasping for breath herself, her own voice wobbling as she spoke. \"I know what you\'re up to,\" said Hermione Granger, her voice rising. \"I know what you and Snape are up to, Malfoy, and I know who\'s behind it!\"
ハーマイオニー・グレンジャーは苦しそうに呼吸し、たどたどしく話す。 「隠しても、もう分かってるから。 ��ルフォイ、あなたとスネイプがなにをしているかも。ほんとうはだれが黒幕なのかも!」
\"Huh?\" Draco said without even thinking about it.
「はあ?」  ドラコは思わずそう言った。
That only seemed to increase Granger\'s fury, and her fingers whitened on the wand she held leveled on him.
それを聞いてグレンジャーは余計いらだったらしく、ドラコにつきつけている杖をもつ手の指に骨が浮き出た。
And then Draco got it, and it boiled his own blood in his veins. Even she thought he was secretly plotting against her -
そこで話が見えてきて、ドラコははらわたの煮えくりかえる思いがした。 ドラコがグレンジャーに対してなにかたくらんでいるという話を、グレンジャー本人も鵜呑みにしていたのか——
\"You too? \" Draco yelled. \"I helped you, you bucktoothed bint! You, you, you,\" - stuttering past all the Dark curses that came to mind until he found something he could actually cast at her - \"DENSAUGEO! \"
「おまえもか! 恩知らずな出っ歯女め! おまえなんか……」 ——いろいろな〈闇〉の魔術を思いうかべては却下していき、いま使えるものがやっと一つあった—— 「『デンソーギオ』!」
But Granger flashed and whirled around the Tooth-Lengthening Hex, and then her own wand came around and leveled at almost point-blank range, even as Draco brought up his left hand like a shield, placing the magic-locked glove between himself and whatever she was about to fire, and the Sunshine General\'s own voice rose to a shriek audible across the whole battleground -
〈歯伸ばしの呪文〉。しかしグレンジャーはそれをひらりとかわし、至近距離といっていい位置からドラコに杖をつきつけた。それと同時に、ドラコは魔法で封じた左手の手袋を盾のようにかまえ、被弾にそなえた。グレンジャーは、戦場全体にひびきわたるほどの声で——
\"ALOHOMORA! \"
「『アロホモーラ』!」
Time should have paused.
そこで時間が停止したならよかった。
But it didn\'t.
実際には停止しなかった。
Instead the padlock clicked and fell off the glove.
そのかわり、かちりと音をたてて手袋から錠が落ちた。
Just like that.
あっさりと。
Just like that.
実にあっさりと。
The screens showed it all very clearly, to the entire watching Hogwarts stadium.
どのスクリーンにもその様子がしっかりととらえられた。クィディッチ場の観客全員がしっかりとそれを目撃した。
And the bone-dead-silent hush that fell over every bench in every bleacher said that everyone understood quite clearly what it meant, that the scion of House Malfoy had just had his magic overcome by a Muggleborn.
観客席はすみずみまで静まりかえった。マルフォイ家の継嗣が純粋な魔法力の勝負でマグル生まれに負��たということ、だれもがそう理解したということを、その静寂がものがたっていた。
Hermione Granger didn\'t pause in her fight, gave no sign that she even knew what she\'d done; instead her foot snapped out in a Muggle-style kick that knocked Draco\'s wand cleanly out of his hand, his shocked mind and body moving just a little too slowly. Draco dove after his wand, scrabbling frantically on the ground, but from behind him a girl\'s cracking voice said \"Somnium! \" and Draco Malfoy fell and didn\'t rise again.
ハーマイオニー・グレンジャーは立ちどまらず戦いつづけた。自分がなにをしでかしたのか、気づいたそぶりもなく、 マグル式のするどい蹴りをドラコの杖にあてた。衝撃があとを引いていて、とっさに反応することができず、ドラコの手から杖がするりと落ちた。 ドラコは必死に杖を追いかけて地面に転がりこんだが、背後では少女が声をしぼりだして「『ソムニウム』!」と言っていた。ドラコ・マルフォイは倒れ、起きあがることはなかった。
There was another moment of frozen silence. The Sunshine General was wobbling on her feet, looking like she might faint.
また一度、あたりが静まりかえった。〈太陽〉軍司令官は足もとをふらつかせ、気絶寸前のように見えた。
Then the Dragon Warriors screamed at the top of their lungs and charged forward to avenge their fallen commander.
それから〈ドラゴン〉軍の兵士たちが司令官の仇討ちのため、絶叫しながら突撃した。
Mr. and Mrs. Davis were shaking as they stood up from the comfortable chairs of the faculty Quidditch box; they couldn\'t quite clutch each other while walking, but they held hands tightly, pretending hard to be invisible. If they\'d been children young enough for accidental magic they probably would\'ve spontaneously Disillusioned themselves.
デイヴィス夫妻は震えながら、クィディッチ場の教員席の快適な椅子から腰をあげた。肩を抱きあうわけにはいかなかったが、それでも手はしっかりつないで、透明になったようなふりをして歩いていった。 二人がもし魔法事故をおかすような年齢の子どもであったとしたら、勝手に|〈幻解〉《ディスイリュージョンメント》が発動してしまっていたかもしれない。
The elderly Charles Nott said nothing as he stood from his chair. The scarred Lord Jugson said nothing, as he stood from his own chair.
老齢のチャールズ・ノットが無言で席を立った。 傷のはいった顔をしたジャグソン卿も無言で席を立った。
Lucius Malfoy said nothing as he stood.
ルシウス・マルフォイもやはり無言で立ちあがった。
All three of them turned without pause and strode toward the stairwell of the elevated bleachers, moving in eerie unison like an Auror trio -
三人とも、立ちどまることなく観客席に沿った階段へとむかっていく。三人一組の〈闇ばらい〉のように不気味にそろった歩調で——
\"Lord Malfoy,\" the Defense Professor said in mild tones. That man was still seated in his own chair, looking upon his parchment-like screens, arms limp at his side, as though for some reason he didn\'t feel like moving.
「マルフォイ卿。」とクィレル教授がやわらいかい声で呼びかけた。 クィレル教授はまだ席についていて、羊皮紙状のスクリーンに目をむけ、両腕をぶらんとさせ、『動く理由などない』と言いたげな態度をしている。
The white-haired man halted just before reaching the exit archway, and the elderly man and the scarred man halted as well, flanking him. Lord Malfoy\'s head turned, too slightly to be any form of acknowledgement, but in the Defense Professor\'s direction.
銀髪のマルフォイ卿はアーチ門をくぐる寸前のところで足をとめた。もう二人も足をとめ、両脇にひかえた。 マルフォイ卿は呼びかけに応じたようには見えない程度にごくわずかな角度だけ、クィレル教授のほうをふりかえった。
\"Your son performed exceptionally well today,\" said Professor Quirrell. \"I must confess that I underestimated him. And he has earned his army\'s loyalty, as you have witnessed.\" Still very mild, the Defense Professor\'s voice. \"Speaking as your son\'s teacher, it is my opinion that he will not benefit if you interfere in his -\"
「息子さんは今日、みごとな活躍ぶりでした。 わたしは過小評価してしまっていたらしい。 あなたもご覧になったとおり、彼はしっかりと兵士たちの忠誠を勝ち得てもいた。」  そのさきも、やわらかい口調のまま。 「その彼を教えている者として言わせていただくと、この件で彼に干渉することはひかえたほうが本人のためですよ。彼はこれからきっと——」
Lord Malfoy and his compatriots vanished down the stairs.
マルフォイ卿一行は階段をくだり、すがたを消した。
\"A fine try, Quirinus,\" Dumbledore said quietly. The old wizard\'s face showed small lines of worry; he hadn\'t risen from his own seat either, staring at the parchment screens as though they were still active. \"Do you think he will listen?\"
「よく言った、クィリナス。」とダンブルドアが静かに言い、心配げに眉間にしわを寄せた。 ダンブルドアもまだ席についたまま、もうなにも写っていないはずの羊皮紙状の画面に目をむけている。 「マルフォイ卿は実際干渉をひかえると思うかね?」
The Defense Professor\'s shoulders twitched in a slight shrug, the only movement they\'d shown since the battle ended.
クィレル教授はごくわずかに肩をすくめるような動きをした。戦闘がおわってから身動きをとったのはこれがはじめてだった。
\"Well,\" said the Lady Greengrass, as she rose up and cracked her knuckles, stretching, her husband silent beside her. \"I must say, that was quite... interesting...\"
「さてと……」と言ってグリーングラス卿夫人が指の骨を鳴らしてストレッチする。となりの当主は無言でいる。「これは……けっこうな見ものでしたわね……」
Amelia Bones had risen from her own cushioned seat without any fuss. \"Interesting indeed,\" said Director Bones. \"I do confess, I find myself disturbed by the skill with which those children were fighting one another.\"
アメリア・ボーンズはさっさと自席から立ちあがっていた。 「まったく。子どもたちがあれだけの戦闘技能を身につけているというのは、正直、心配なくらいです。」
\"The skill?\" Lord Greengrass said. \"Their spells didn\'t seem all that impressive to me. Except for Daphne\'s, of course.\"
「戦闘技能というと?」とグリーングラス卿が言う。「そうたいした呪文をつかっていたようには見えませんでしたが。 もちろんダフネのあれは立派でしたがね。」
The old witch did not move her eyes from where she was gazing at the Defense Professor\'s balding head. \"The Stunning Hex is not a first-year spell, Lord Greengrass, but that is not the skill I had in mind. They supported each other with those simple spells, they reacted at speed to surprises...\" The Director of the DMLE paused, as though searching for words that a mere civilian could understand. \"In the midst of battle,\" she said finally, \"with spells flying in every direction... those children seemed quite at home.\"
アメリア・ボーンズはクィレル教授の髪のない後頭部をじっと見る姿勢のままでいる。 「〈失神の呪文〉は一年次水準の呪文ではありません。それはともかく、わたしが言っている技能というのはそういうことではありません。 初歩的な呪文しかつかえていないにせよ、きちんと友軍を支援し、突然の敵襲にも反応できるということ……」  ボーンズ長官は民間人にも理解できる表現をさがすかのように、一度ことばを切った。 「……とりわけ、あちこちから呪文がふりそそぐ戦場のまんなかで……あの子どもたちはずいぶんと落ちついて行動できていました。」
\"Indeed, Director Bones,\" said the Defense Professor. \"Some arts are best begun in youth.\"
「そのとおりですよ、ボーンズ長官。」とクィレル教授が応答する。「ある種の技能は若いころから仕込むにかぎる。」
The old witch\'s eyes narrowed. \"You are readying them to become a military force, Professor. To what end?\"
アメリア・ボーンズの視線がするどくなる。 「あなたは生徒たちを軍隊として育成していらっしゃるようですが、 なんの目的で?」
\"Now hold on!\" interjected Lord Greengrass. \"There\'s plenty of schools where they teach dueling in first year!\"
「いやいや!」とグリーングラス卿が割りこんで言う。 「一年生に決闘術を教える学校だっていくらでもあるでしょう!」
\"Dueling?\" said the Defense Professor. From behind it wasn\'t visible if the pale face was smiling. \"That is nothing, Lord Greengrass, to what my students have learned. They have learned not to hesitate in the face of ambushes and greater foes. They have learned to adapt when combat conditions change and change again. They have learned to protect their allies, to protect more those who are more valuable, to abandon pieces which cannot be rescued. They have learned that to survive they must follow orders. Some have even learned a little creativity. Oh, no, Lord Greengrass, these wizards will not hide in their manors and wait to be protected, when the next threat comes. They will know that they know how to fight.\"
「決闘術?」 クィレル教授はそう言って笑ったかもしれないが、位置的に後頭部しか見えていない。 「そんなものは、この生徒たちが学んでいることにくらべれば、とるにたりませんよ、グリーングラス卿。 この生徒たちは、数でまさる敵に突然襲われても躊躇しないことを学んでいる。 戦場の条件がどれだけ変化しつづけても遅れをとらず、 友軍を援護し、より有用な生存者を優先し、見こみのない者を切り捨てることも学んでいる。 生きのびるためには命令にしたがわなければならないということも学んでいる。 人によっては、多少の創造性も。 将来この生徒たちが大人になり、来たる脅威に直面したとき、邸宅にこもって救いの手がさしのべられるのを待つと思うのは大まちがいですよ。この生徒たちは、そのときになればしっかりと応戦することができる。」
Augusta Longbottom loudly clapped her hands together three times.
オーガスタ・ロングボトムが、パン、パン、パンと大きく拍手した。
We won.
——〈ドラゴン〉軍は勝った。
It was the first thing Draco heard when he woke up on the battlefield, Padma telling him how his soldiers had rallied after he fell. How, thanks to the Dragon General\'s foresight, Mr. Thomas had led his detachment to victory over Chaos. How General Potter had defeated the portion of the Sunshine Regiment that clashed with him. How Mr. Thomas\'s Dragon Warriors had rejoined the main body of soldiers bearing both their own goggles and the sunglasses of the defeated Chaotics. How, only moments later, General Potter\'s remaining contingent had attacked both other armies with a potion that emitted searing purple light. But Dragon had held the numerical advantage over Sunshine and Chaos both, and enough sunglasses for their warriors; and so Padma had managed to lead her inherited army to victory.
ドラコは戦場で目がさめてすぐ、そのことをパドマから知らされた。パドマは詳細も話してくれた。ドラコが倒れたあと〈ドラゴン〉軍の兵士たちが一心になって戦ったこと。司令官の先見の明のおかげで、ミスター・トマスの分隊が〈カオス〉軍を倒すことができたこと。ポッター司令官が〈太陽部隊〉の分隊を倒していたこと。 ミスター・トマスの分隊が自前のゴーグルと倒した〈カオス〉兵からうばったサングラスをもって〈ドラゴン〉軍本隊と合流したこと。 そのすぐあとにポッター司令官の残存兵力が〈ドラゴン〉と〈太陽〉の両方を強烈な紫色の光をだすポーションで攻撃したこと。 〈ドラゴン〉は〈カオス〉と〈太陽〉のどちらよりも数でまさり、全員にいきわたるだけのサングラスも持っていたので、司令官を代行したパドマは勝利にこぎつけることができたということ。
From the light in Padma\'s eyes and her arrogant smile that would have done proud to a Malfoy, she was expecting congratulations. Draco managed to grit out some form of praise from between his clenched teeth, and couldn\'t have said afterward what it was. The foreign-born witch, it appeared, hadn\'t any idea what\'d happened, or what it meant.
パドマの目のかがやきとマルフォイ家に負けない尊大な笑みを見ると、パドマはあきらかに賞賛のことばを期待していた。 ドラコは歯ぎしりしながらも賛辞らしきものをひねりだした。実際なんと言ったのか、自分自身記憶にのこらなかった。 ドラコの身になにが起きたのか、それがどういう意味だったのか、外国生まれであるパドマには察しがつかないようだった。
I lost.
——ドラコは負けた。
The Dragons trudged back to Hogwarts beneath gray skies, cold droplets landing heavy on Draco\'s skin, one by one. While he\'d been stunned, it had begun, the long-promised rain finally beginning to fall. There was only one option left to Draco now. A forced move, as Mr. MacNair, who\'d taught Draco chess, would have termed it. Harry Potter probably wouldn\'t like it, if he really was in love with Granger the way everyone said. But the forced move, as Mr. MacNair had defined it, was one you needed to make if you wanted the game to continue at all.
〈ドラゴン〉軍の一行は灰色の|空《そら》のもと、重いあしどりでホグウォーツ城をめざした。ドラコの肌に冷たい雨粒がぽつぽつと落ちる。 予報どおりの雨が、ドラコが失神しているあいだに降りはじめていたらしい。 とるべき行動はもはや、一手しかない。 『強制手』。ドラコにチェスを教えたミスター・マクネアであればそう表現するところだ。 ハリー・ポッターはおそらくこれをよく思わない……もしみなが言うとおり、グレンジャーを好いているのであれば。 しかしゲームを降りたくなければ打つしかないのが強制手だ。
It kept on playing in Draco\'s mind, over and over again, even as he walked like an automaton through the massive portals of Hogwarts, sent away Vincent and Gregory with two sharp words, and became alone within his private bedroom, sitting on his bed, staring at the wall above his desk. Filling his mind like a Dementor had locked him into the memory.
ドラコはずっと、おなじひとつのことを考えつづけた。ホグウォーツの巨大な門を自動人形のように歩いてくぐるあいだにも、ヴィンセントとグレゴリーに『来るな』とだけ言って追いはらい、個室で一人になり、ベッドの上に腰をおろし、机の上の壁をながめているいまでも。ディメンターがドラコをその瞬間の記憶のなかに閉じこめたかのようだった。
The padlock on his glove clicking and falling away -
——手袋につけた錠がかちりと音をたてて落ち——
Draco knew, he knew what he\'d done wrong. He\'d been so tired after casting twenty-seven Locking Charms for all the other Dragon Warriors. Less than a minute wasn\'t enough time to recover after each spell. And so he\'d just cast Colloportus on his own padlocked glove, just cast the spell, not put in all his strength to bind it stronger than Harry Potter or Hermione Granger could undo.
自分がどこでしくじったのかは、よく分かっている。 まず自分以外の全兵士のために十七回もの〈施錠の魔法〉をかけたことによる疲労があり、 一回につき一分たらずの休息では十分回復できていなかった。 そのせいで、自分の手袋に錠をかけるとき、並の『コロポータス』だけですませてしまった。ハリー・ポッターにもハーマイオニー・グレンジャーにも解除されないよう、全力をかけて封印しておくべきだったのに。
But nobody was going to believe that, even if it was true. Even in Slytherin, nobody would believe that. It sounded like an excuse, and an excuse was all that anyone would hear.
だが仮に事実であったとして、そんなことを言ってもだれ一人信じない。 スリザリン生ですら信じない。 言いわけじみて聞こえるし、実際そうとしか受けとられないだろう。
Granger whirled and spun and screamed \'ALOHOMORA!\' -
——グレンジャーが身をひるがえして『アロホモーラ!』と叫ぶ——
Draco\'s mind kept playing it over and over as the resentment built. He\'d helped Granger - cooperated with her on banning traitors - held her hand as she\'d dangled off the roof - stopped a riot from breaking out around her in the Great Hall - did she have any idea what he\'d risked, what he\'d probably already lost, what it meant for the heir of House Malfoy to do that for a mudblood -
ドラコはこころのなかでその光景をいくどとなく再生し、敵意をつのらせた。 ドラコはグレンジャーを助けてやっていた——裏切り者を禁止させるため共闘した——屋根から落ちかけた彼女の手をとった——大広間で彼女のまわりで発生しかけた暴動を止めた——。そうすることでドラコがどれだけ大きな賭けにでていたか。すでに生じてしまったかもしれない損失がどれだけあるか。マルフォイ家の人間が|泥血《マッドブラッド》を助けるということがなにを意味するか。グレンジャーはなにも知らずに——
And now there was only one move left, and the thing about a forced move was that you had to make it, even if it meant getting detention and losing House points. Professor Snape would know and understand, but there were limits (Father had warned him) to what the Potions Master would overlook.
いまや、のこされた手は一手しかない。罰則を課されようが寮点を減点されようが、打つことを強制された一手。 スネイプ先生は事情を察してくれるだろうが、スネイプ先生が目をつむることのできる範囲には限界がある(と父上から言われている)。
Challenge Granger to a wizard\'s duel, in open defiance of Hogwarts regulations. Attack her outright, if she tried to refuse. Defeat her one-on-one, in public, not with clever dueling technique, but by overpowering her magic. Beat her solidly, completely, crush her as utterly as the Dark Lord himself had crushed his enemies. Make it absolutely clear to everyone, so that nobody could possibly doubt, that Draco had just been exhausted from casting the spell so many times. Prove that the Malfoy blood was stronger than any mudblood\'s -
グレンジャーに決闘を申しこむ。まっこうから校則をやぶることになるが、しかたない。 もし向こうがことわるようであれば、ただ攻撃するまで。 公衆の面前で、一対一の決闘でグレンジャーを倒す。決闘の作法や小細工にたよらず、純粋な魔法力の実力差で倒す。 〈闇の王〉その人が敵を倒すときのように、グレンジャーを完膚なきまでにたたきつぶす。 前回はドラコが魔法を使いすぎて疲労していただけだということを徹底的に明確にし、だれにもうたがわせないようにする。 マルフォイ家の血統からくる実力にはどんな泥血も対抗できないということを知らしめる——
Only it\'s not, Harry Potter\'s voice whispered inside Draco\'s mind. It\'s easy to forget what\'s really true, Draco, once you start trying to win at politics. But in reality there\'s only one thing that makes you a wizard, remember?
『そうじゃないだろう』と、こころのなかでハリー・ポッターの声がする。 『人は政治的駆け引きに勝つことばかり考えていると、真実がなんだったかをすぐに忘れてしまう。でも実際には、人間を魔法族にしているのはたったひとつのものだった。そうだろう?』
Draco knew, then, he knew the reason for the disquiet in the back of his mind, as he stared at the blank wall above his desk contemplating his forced move. It should\'ve been simple - when you only had one move, the thing to do was make it - but -
ドラコはそのとき気づいた。机の上のなにもない壁をじっと見つめて強制手のことを考えるあいだにも、こころの奥底に感じられる不安の正体に。 打つ手がひとつしかないなら打てばいい、ただそれだけのこと——ただ——
Granger whirling, spinning, sweat-dampened hair flying around her, bolts flying from her wand as fast as his own, jinx and counter-jinx, glowing bats flying at his face, and through all of it the look of fury in Granger\'s eyes -
ひらりと回転し、汗に濡れた髪を振りまわしては、ドラコに負けないスピードで杖からつぎつぎに呪文や対抗呪文をはなつグレンジャー。電撃を飛ばし、光るコウモリをドラコの顔に投げつけ、そのさなかにも怒りのこもった目でドラコを見すえる——
There\'d been a part of him admiring that, before it had all gone wrong, admiring Granger\'s fury and power; a part of him that had exulted in the first real fight he\'d ever been in, against...
あのとき、最悪の結末の瞬間がくるまでは、ドラコも内心どこかでグレンジャーの戦いぶりに目をみはり、その怒りの激しさと魔法の実力を賞賛してもいた。どこかで喜んでもいた。生まれてはじめて本格的な戦闘ができ、その相手に……
...an equal opponent.
……自分と対等な実力があることを。
If he challenged Granger, and lost...
これからグレンジャーに決闘を申しこんで、もしも負けてしまったら……
It ought not to be possible, Draco had gotten his wand two full years before anyone else in his Hogwarts class.
負けるはずはない。ドラコはこの学年のだれと比較しても、二年は早く杖をもたされていたのだから。
Only there was a reason why they usually didn\'t bother giving wands to nine-year-olds. Age counted too, it wasn\'t just how long you\'d held a wand. Granger\'s birthday had been only a few days into the year, when Harry had bought her that pouch. That meant she was twelve now, that she\'d been twelve almost since the start of Hogwarts. And the truthy was, Draco hadn\'t been practicing much outside of class, probably not nearly as much as Hermione Granger of Ravenclaw. Draco hadn\'t thought he needed any more practice to stay ahead...
とはいえ、たいていの親が九歳の子どもに杖をもたせないのにも理由がある。杖をもたされた年数もさることながら、本人の年齢も重要だ。 グレンジャーは学年がはじまってすぐに誕生日をむかえた。ハリーがあのポーチをプレゼントした日だ。 入学してすぐのことだったから、もうグレンジャーが十二歳になってずいぶん経つことになる。 それにドラコは実際のところ、授業以外であまり魔法の練習をしていない。練習量ではおそらくレイヴンクロー生ハーマイオニー・グレンジャーにおよばない。 これ以上練習せずとも同級生には負けないと思っていたからだが……。
And Granger was exhausted too, whispered the Voice of Contrary Evidence inside him. Granger must have been exhausted from all those Stunning Hexes, and even in that state she\'d been able to undo his Locking Charm.
『それに消耗しきっていたのはおたがいさまだ』と、こころのなかの〈反証の声〉がささやく。 グレンジャーもあれだけの量の〈失神の呪文〉を撃って、消耗しきっていたにちがいない。にもかかわらず、その状態で〈施錠の魔法〉を解除することができた。
And Draco could not afford to challenge Granger publicly, one-on-one with no excuses, and lose.
公衆の面前での一対一の決闘を自分から言いだして、言いわけのきかないかたちで負ける、などというリスクは引き受けられない。
Draco knew what you were supposed to do in this sort of situation. You were supposed to cheat. But if anyone discovered Draco cheating, it would be disastrous, perfect blackmail material even if it never got out publicly, and any Slytherins watching would know that, they\'d be looking...
ドラコはこういう場合の常套手段をよく知っている。 騙し討ちだ。 しかし、決闘で不正をしたことをだれかに知られれば、とりかえしのつかないことになる。仮に曝露されなかったとして、格好の脅迫のネタにされる。スリザリン生ならだれでも分かっていることだし、だからこそみなそういうネタには目を光らせている……
And then, if you were watching, you would have seen Draco Malfoy get up from his bed, and go to his desk, and take out a sheet of the finest sheepskin parchment, and a pearl-carven inkwell, filled with greenish-silver ink that had been made with true silver and crushed emeralds. From the great trunk at his bed\'s foot, the Slytherin drew forth a book bound also in silver and emeralds, entitled The Etiquette of the Houses of Britain. And with a new, clean quill, Draco Malfoy began to write, frequently looking to the book where it lay open as a reference. There was a grim smile on the boy\'s face, making the young Malfoy look very much like his father, as he carefully drew each letter as though it were a separate artwork.
そしてここに見る者がいたとすれば、ドラコ・マルフォイがベッドから腰をあげ、机にむかい、最上級の羊の羊皮紙を一枚と真珠製のインク壺ととりだすのを見たはずである。インクの色は緑がかった銀色で、ほんものの銀とエメラルドの粉末が入っている。 ドラコ・マルフォイはベッド下の大きなトランクから、やはり銀とエメラルドを使って製本された『ブリテン貴族作法集』をとりだす。 そしてその本を脇においてときどき確認しながら、新品の羽ペンで書きはじめる。 彼の父親を彷彿とさせる暗い笑みを浮かべながら、一文字一文字を念入りに芸術品のように書いていく。
From Draco, son of Lucius son of Abraxis Lords of the Noble and Most Ancient House of Malfoy, son also of Narcissa daughter of Druella Lady of the Noble and Most Ancient House of Black, scion and heir of the Noble and Most Ancient House of Malfoy:
『元老貴族マルフォイ家アブラクシスの子である現当主ルシウスの子、元老貴族ブラック家当主ドルエラの娘ナルシッサの子にして、元老貴族マルフォイ家の継嗣たるドラコより』
To Hermione, the first Granger:
『グレンジャー家初代、ハーマイオニーに告ぐ。』
(That form might have been meant to sound polite, long ago when it had been invented; nowadays, after centuries of being used to address mudbloods, it carried a lovely tinge of refined venom.)
(泥血への呼びかけとして用いるこの文句はかつては丁重な表現とされていたのかもしれないが、数百年後のいまでは、透明な悪意をほのめかす効果のある表現である。)
I, Draco, of Most Ancient House, demand redress, for
『過日 』
Draco paused, carefully moving the quill aside so that it wouldn\'t drip. He needed a pretext for this, at least if he wanted to impose the duel\'s conditions. The challenged had the choice of terms unless they had insulted a Noble House. He needed to make it look like Granger had insulted him...
いったんそこで羽ペンを止め、インクがたれないよう、慎重に脇にのける。 まずなにか口実が必要だ。すくなくとも、決闘の条件をこちらから決めたいのであれば。 通常なら決闘を申しこまれたほうが条件を決めるのだが、ことが〈貴族〉に対する侮辱なら話が変わる。 つまり、ドラコがグレンジャーに侮辱された、と言えるような口実を探さなければ……
What was he thinking? Granger had insulted him.
いや、なにを考えているんだ。侮辱は実際あったじゃないか。
Draco flipped the book to the page of standard formulae, and found one that seemed appropriate.
ドラコは文例集が書かれているところまでページをめくり、よさそうな文例を見つけた。
I, Draco, of Most Ancient House, demand redress, for that I have thrice over helped you and offered you only my goodwill, and in return you falsely accused me of plotting against you,
『過日、貴君は三度にわたり我が衷心よりの援助を受け取りながら、その恩を仇で返すがごとく、奸計をしかけられたと言い立て、虚偽の誹謗中傷を行い、』
Draco had to stop and take a breath, forcing down the seething anger; he was starting to genuinely feel the insult now, and he\'d just written out the last phrase and underlined it without thinking, like it was an ordinary letter. After a moment\'s reflection, he decided to let it stand; it might not be the exact formal phrasing but it had a raw, angry tone that seemed appropriate.
ドラコは一度とまって息をすい、怒りを静めなければならなかった。 自分はたしかに侮辱されたのだという思いが強くなり、無意識に『虚偽』の部分に下線をつけてしまっていた。決闘状にはふさわしくない書きかただが、すこし考えてからそのままにすることにした。 作法にのっとらない表現であるにせよ、多少感情をあらわにすることも適切なように思えた。
which insult you committed before the eyes of Britain.
『公衆の面前で我が名を貶めた。』
Thus I, Draco, compel you, Hermione, by custom, by law, by
『その賠償として、慣習と法、ならびに』
\"The seventeenth ruling of the thirty-first Wizengamot,\" Draco said aloud without looking, a line delivered in many plays; he sat straighter as he said it, feeling every pulse of the noble blood in his veins.
「第三十一期ウィゼンガモート第七回の判決の先例に従い……」  この部分は芝居にもよく登場するので、ドラコは本を見ずに口述することができる。口述するあいだに背すじがのび、自分の貴族の血が脈うつのを感じた。
Thus I, Draco, compel you, Hermione, by custom, by law, by the 17th ruling of the 31st Wizengamot, to meet me in wizard\'s duel with terms: That we each come alone and in silence, speaking to none before or after,
『慣習と法、ならびに第三十一回ウィゼンガモート第七番の判決の先例に従い、下記の規定のもとでドラコ対ハーマイオニーの魔法による決闘を要求する。一、両名は単身で参上すべし。事前にも事後にも他言は無用。』
If the duel went poorly, Draco could just say nothing and leave it at that. And if he did defeat Granger, he would have learned experimentally that he could beat her again in a public challenge. It wasn\'t cheating, but it was Science, which was almost as good.
これなら、決闘が思うような結果にならなかったとしても、だれにも言わなければそれでいい。 もし勝てれば、その実験結果をもとに、つぎこそは公開試合でも倒せそうだということが分かる。 不正もいいが、〈科学〉もそれなりに役に立つ。
contesting by magic solely, without death or lasting injury,
『二、武器は各々の魔法力のみ。死や深刻な後遺症をもたらす呪文は禁ずる。』
...where? Draco had been told about a room in Hogwarts that was good for duels, where everything valuable was already protected by wards, and there were no portraits to tattle on you... which one had it been again...
……場所はどうする? 決闘に適した部屋がこの学校にひとつあることは以前から聞かされている。その部屋なら、室内の貴重品はすべて結界で守られていて、肖像画もいないから告げぐちされる恐れもない……その部屋の名前はたしか……
in the trophy room of the Castle of the Hogwarts School of Witchcraft and Wizardry,
『三、場所はホグウォーツ魔術学校の陳列室。』
And their second and public duel had better be soon, like tomorrow, it would take very little time for his reputation in Slytherin to go irretrievably to sludge. He needed to fight Granger for the first time tonight.
二度目の、公開するほうの決闘は、早いうちにやるにかぎる。たとえば明日。スリザリン寮内でドラコの名声が失墜するのに長くはかからない。ならば、一度目の決闘の時間は今夜しかない。
upon midnight\'s stroke that shall end this very day.
『四、時は本日深夜零時。』
Draco, of the Noble and Most Ancient House of Malfoy.
『以上、元老貴族マルフォイ家、ドラコより。』
Draco signed the formal parchment, and then drew forth his ordinary and lesser parchment, and his regular ink, for his post scriptum:
ドラコは決闘状にそう署名してから、それほど上等ではない羊皮紙をもう一枚とりだして、ふつうのインクで追伸を書いた。
If you don\'t know how the rules work, Granger, here\'s how it is. You insulted a Most Ancient House, and I\'ve got the lawful right to challenge. And if you affront the conditions of the duel, like by having Flitwick show up at the trophy room, or even just telling anyone else, my father will take you and your false honor straight to the Wizengamot.
『追伸——法律上の位置づけについて、念のため言っておく。 ぼくは元老貴族として、自分を侮辱した者に決闘を申しこむ法的権利がある。 フリトウィックを陳列室に連れて来るのはもってのほかだが、だれかに他言するだけでも神聖な決闘の条件にそむいたことになる。そうなれば即座に父上が介入する。一発でウィゼンガモートものだから、そのつもりでいろ。』
Draco Malfo
『——ドラコ・マルフォ 』
On the last letter his quill pressed down on the parchment so viciously that the nib snapped off, creating a streak of ink and a small rip in the parchment, which Draco decided also looked appropriate.
最後のもう一文字を書くところでちからがはいりすぎ、ペン先が折れてインクがしたたり、羊皮紙が小さく破れた。これも悪くない、とドラコは思うことにした。
That night at dinnertime, Susan Bones came to Harry Potter and told him that she thought Draco Malfoy was going to carry out his plot against Hermione very soon. She was warning all the members of S.P.H.E.W., and she\'d warned Professor Sprout, and she\'d warned Professor Flitwick, and she was going to send a letter to her Aunt tonight, and now she was warning Harry Potter, too. Only they couldn\'t quite talk about it with Padma - Susan said, looking very serious - because Padma was feeling torn between her loyalty to Hermione and her loyalty to her General.
スーザン・ボーンズはその夜の夕食で、近ぢかドラコ・マルフォイがハーマイオニーに謀略をしかけそうだということを教えるため、ハリー・ポッターのところに来た。 すでにスプラウト先生とフリトウィック先生にはそのことを伝えてあり、アメリアおばさんにも夜のうちに手紙を飛ばすつもりだという。S.P.H.E.W.のメンバーにも、ハリー・ポッターにも言っておきたいが、パドマにだけは言わないでおきたい、パドマはハーマイオニーも自分の軍の司令官も裏切れないと思って困っているようだから——と、やけに真剣な表情でスーザンは言った。
Harry James Potter-Evans-Verres, who was at this point feeling more frustrated with the entire situation than anything really productive, snapped at her that yes, he knew something had to be done.
ハリー・ジェイムズ・ポッター゠エヴァンズ゠ヴェレスは、もっと生産的なことをしているべきなのにこれではやってられないと思い、『なんとかしないといけないことは分かっている』とスーザンに強く当たった。
After Susan Bones left, Harry looked over at the other end of the Ravenclaw table, where Hermione had sat down away from him or Padma or Anthony or any of her other friends.
スーザン・ボーンズが去ると、ハリーはレイヴンクローのテーブルの端のほうを見た。ハーマイオニーはそこで、パドマやアンソニーともほかのどの友だちとも離れて座っていた。
But Hermione didn\'t look like she was in a mood where somebody going over and bothering her would be taken very well.
ただ、見るかぎりとてもだれかに話しかけられたそうな雰囲気ではなかった。
Later, looking backward, Harry would think of how, in his SF and fantasy novels, people always made their big, important choices for big, important reasons. Hari Seldon had created his Foundation to rebuild the ashes of the Galactic Empire, not because he would look more important if he could be in charge of his own research group. Raistlin Majere had severed ties with his brother because he wanted to become a god, not because he was incompetent at personal relationships and unwilling to ask for advice on how to do better. Frodo Baggins had taken the Ring because he was a hero who wanted to save Middle-Earth, not because it would\'ve been too awkward not to. If anyone ever wrote a true history of the world - not that anyone ever could or would - probably 97% of all the key moments of Fate would turn out to be constructed of lies and tissue paper and trivial little thoughts that somebody could\'ve just as easily thought differently.
ハリーはあとになってこのときのことを振りかえるとき、なぜSFやファンタジー小説の登場人物は重大な決断をするときかならず重大な理由を持っているものなのだろうか、と思うことになる。 ハリ・セルダンが〈ファウンデーション〉を作ったのは〈銀河帝国〉を再建するためであり、自前の研究グループをもって偉そうにしたかったからではない。 レイストリン・マジェーレが兄との縁を切ったのは神になるためであり、人間関係に失敗したうえだれにも相談する気がなかったからではない。 フロド・バギンスが〈指輪〉を受けとったのは彼が英雄であり〈中つ国〉を救いたかったからであり、受けとらないと格好がつかないと思ったからではない。 この世界の真の歴史をだれかが書いたとしたら——実際にはだれにもそんなことはできないが——さまざまな〈運命〉の瞬間のうち九十七パーセントは実は、うそや��ィッシュペーパーでできていたり、なんの必然性もないちょっとした風の吹きまわしにすぎなかったりするのではないだろうか。
Harry James Potter-Evans-Verres looked at Hermione Granger, where she\'d sat down at the other end of the table, and felt a sense of reluctance to bother her when she looked like she was already in a bad mood.
ハリー・ジェイムズ・ポッター゠エヴァンズ゠ヴェレスはテーブルの端っこの席についているハーマイオニー・グレンジャーを見て、わざわざ機嫌がわるそうなときに声をかけることもないのではないか、と感じた。
So then Harry thought that it probably made more sense to talk to Draco Malfoy first, just so that he could absolutely positively definitely assure Hermione that Draco really wasn\'t plotting against her.
なので、まずドラコ・マルフォイと話しておくほうがいいと考えた。ドラコがハーマイオニーをおとしいれようとしている可能性など、ほんのすこしもありえないということをはっきりさせるために。
And later on after dinner, when Harry went down to the Slytherin basement and was told by Vincent that the boss ain\'t to be disturbed... then Harry thought that maybe he should see if Hermione would talk to him right away. That he should just get started on unraveling the whole mess before it raveled any further. Harry wondered if he might just be procrastinating, if his mind had just found a clever excuse to put off something unenjoyable-but-necessary.
ハリーは夕食がおわってから、スリザリンの階におりてい��、ヴィンセントに迎えられ、『親分からだれも通すなと言われてる』と告げられた。そして……それならいますぐハーマイオニーに話しにいこうか、とも考えた。 これ以上事態がからまりあうまえに、ほどきにかかったほうがいいのではないか、とも考えた。 そうしないのはただ、後回しにしたいと思っているからではないか……自分は不愉快だがやらねばらないことを先送りするために都合のいい言いわけを考えてしまっているのではないか、とも考えた。
He actually thought that.
そこまで考えたのだった。
And then Harry James Potter-Evans-Verres decided that he\'d just talk to Draco Malfoy the next morning instead, after Sunday breakfast, and then talk to Hermione.
ハリー・ジェイムズ・ポッター゠エヴァンズ゠ヴェレスはそう考えたうえで、翌朝日曜日の朝食が終わった時にドラコ・マルフォイに話しに行くことにし、ハーマイオニーとはそのあとで話そうと決めたのだった。
Human beings did that sort of thing all the time.
人間はついこういうことをしてしまう生きものである。
It was Sunday morning, on the 5th of April, 1992, and the simulated sky above the Great Hall of Hogwarts showed great torrents of rain pouring down in such density that the lightning flashes were diminished and scattered into small pulses of white light that sometimes transformed the House tables, paling their faces and making all the students appear briefly to be ghosts.
一九九二年四月五日、日曜日の朝。ホグウォーツ大広間の模造の|空《そら》は猛烈な雨にみまわれている。雷光が千々に乱れて四列の寮テーブルにふりそそぐと、テーブルは真っ白になる。そのたびに生徒たちの顔が一瞬だけ|幽霊《ゴースト》のように見える。
Harry sat at the Ravenclaw table, wearily eating a waffle, waiting for Draco to make an appearance so that he could get started on sorting this whole thing out. There was a Quibbler being passed around which had somehow ended up with Hannah and Daphne on the front page, but it hadn\'t gotten to his place yet.
ハリーはレイヴンクローのテーブルの席でぐったりとしてワッフルを食べながら、ドラコの到着を待っている。やっとこれで、一連の事態になんとか収拾をつけることができると思いながら。 なぜかハンナとダフネの写真を一面にのせている『クィブラー』がそこらじゅうで回覧されているが、ハリーのところにはまだ届いていない。
A few minutes later Harry finished eating his waffle, and then looked around again to see if Draco had arrived yet for breakfast at the Slytherin table.
ハリーはワッフルを食べおえてから数分後、もう一度あたりを見まわしたが、ドラコがスリザリンのテーブルに来ている様子はなかった。
It was odd.
おかしい。
Draco Malfoy was almost never late.
ドラコ・マルフォイはめったに遅刻しない。
Since Harry was looking in the direction of the Slytherin table, he didn\'t see Hermione Granger entering through the huge doors of the Great Hall. Thus he was rather startled when he turned back and discovered Hermione sitting down directly beside him at the Ravenclaw table, just as if she hadn\'t not-done that for more than a week.
ハリーはスリザリンのテーブルのほうを見ていたので、ハーマイオニー・グレンジャーが大広間の大扉を通過してきたのに気づいていなかった。 なので、ふりむいたとき、となりの席にあたりまえのようにハーマイオニーが座っているのを見てびっくりした。ハーマイオニーはその習慣が一週間以上とだえていたことを認識していないかのようだった。
\"Hi, Harry,\" Hermione said, her voice sounding almost exactly normal. She started to put toast on her plate and a selection of healthy fruits and vegetables. \"How are you?\"
「おはよう。」とハーマイオニーは完全に平常どおりの声で言って、トーストを自分の皿にとり、健康のためにくだものと野菜も何種類かとっていく。 「元気?」
\"Within one standard deviation of my own peculiar little average,\" Harry automatically replied. \"How are you doing? Did you sleep okay?\"
「ぼく独特の平均値からすると標準偏差1以内かな。」  ハリーは無意識にそう返事する。 「きみは元気だった? ちゃんと眠れてる?」
There were dark bags under Hermione Granger\'s eyes.
ハーマイオニー・グレンジャーの目の下にはくまがあった。
\"Why, yes, I\'m fine,\" said Hermione Granger.
「えっ、別になんともないけれど。」
\"Um,\" Harry said. He took a slice of pie onto his plate (as his brain was occupied with other things, Harry\'s hand simply took the tastiest thing within range, without evaluating complex concepts like whether he was ready to eat dessert). \"Um, Hermione, I\'m going to need to talk to you later today, is that okay?\"
「あの……」と言ってハリーはパイをひと切れ皿にとった(ハリーの脳はほかのことに気をとられていたので、手がかってに動いて、近くにあるうちで一番おいしそうなものをとってしまい、もうデザートを食べる段階なのかといった複雑なことを考慮にいれることができなかった)。 「あの、ハーマイオニー、ちょっとあとで話があるんだけど、いいかな?」
\"Sure,\" said Hermione. \"Why wouldn\'t it be?\"
「ええ。いいに決まってるでしょう?」
\"Because -\" Harry said. \"I mean - you and I haven\'t - for the last few days -\"
「いや——その——ここ数日、ぼくらは——ほら——」
Shut up, suggested an internal part of Harry that seemed to have been recently allocated for governing Hermione-related issues.
いいからだまれ——と、最近ハリーのこころのなかでハーマイオニー関係の問題にわりあてられたらしい部分が言った。
Hermione Granger didn\'t look like she was paying much attention to him in any case. She just stared down at her plate, and then, after about ten seconds of awkward silence, began to eat her tomato slices, one after another, without pause.
ハーマイオニー・グレンジャーはそもそもあまりハリーのことが目にはいっていないらしく、 つづきを言えないハリーをよそに、目のまえにある皿を見たまま十秒ほど止まっていた。それから、皿にあるトマトのスライスを一枚ずつ、ぱくぱくと食べていった。
Harry looked away from her and began to eat a slice of pie which, he discovered, had somehow materialized on his plate.
ハリーもそちらを見るのをやめて、皿の上にいつのまにか出現していたパイを食べだした。
\"So!\" Hermione Granger suddenly said after she\'d polished off most of her plate in silence. \"Anything happening today?\"
「ところで! 今日、なにか特別なことはある?」  ハーマイオニー・グレンジャーはだしぬけにそう言った。無言で食べていた皿の上の食べものはもうほとんどなくなっている。
\"Um...\" Harry said. He looked around frantically, as though to find something-happening that he could use as conversational fodder.
「ええと……」と言って、ハリーはなんとか話をつなぐため、なにか特別なことが起きていたりしないかというように、必死にあたりをきょろきょろ見まわす。
And so Harry was one of the first to see it, and wordlessly point, although the sudden swell of whispers that swept through the Great Hall showed that a number of other people had seen it too.
なのでハリーはいちはやく『それ』を目にし、無言で指さすことになった。同時に大広間じゅうからひそひそと声が聞こえてきたことからして、ほかにも大勢の人が目にしたようだった。
The distinctive crimson tinge of the robes would have been recognizable anywhere, but it still took Harry\'s brain a few moments to place the faces. An Asianish-looking man, solemn, and today looking rather grim. A man with a piercing gaze that swept over the room, his long black hair waving behind him in a ponytail. A man thin and pale and unshaven, with a face so blank that it was like stone. It took Harry a few moment to place the faces, and remember the names, from that long-ago day in January when the Dementor had come to Hogwarts: Komodo, Butnaru, Goryanof.
着用しているローブの赤色だけで十分識別できてよかったはずだったが、ハリーの頭脳がその人たちの顔を認識するまでには数秒を要した。 一人はアジア系の厳粛な顔だちの男で、今日はとりわけ暗い表情をしている。 一人は部屋全体をにらみつけるように見わたし、一本にたばねた長い黒髪を背後になびかせる。 一人は彫りのあさい白いひげづらの男で、石のように無表情な顔つき。 ハリーはその三人の顔を数秒かけて認識し、はるか遠い一月のディメンターが来た日の記憶から名前を思い起こした。名前はコモドとブトナルとゴリアノフ。
\"An Auror trio?\" Hermione said in a strange bright voice. \"Why, I wonder what they\'d be doing here.\"
「〈闇ばらい〉?」とハーマイオニーは奇妙に明るい声で言う。 「ふうん、いったいなんの用事かしら。」
Dumbledore was in their company as well, looking as worried as Harry had ever seen him; and after a moment\'s pause while the old wizard\'s eyes scanned the Great Hall and the students whispering over their breakfasts, he pointed -
ダンブルドアがその三人に同行している。いつになく憂慮した表情をしている。 ダンブルドアは一度立ちどまり、大広間の朝食の席でひそひそ話している生徒たちを見わたしてから、手をあげて——
- straight at Harry.
——まっすぐハリーを指した。
\"Oh, now what,\" Harry said under his breath. His inward thoughts were a lot more panicked than that, as he wondered frantically if anyone had connected him to the Azkaban breakout somehow. He looked at the Head Table, trying to make the glance casual, and realized that Professor Quirrell was nowhere to be seen, this morning -
「こんどはなんなんだ。」とハリーは一人つぶやく。 内心ではもっとずっとパニックになっていて、どうにかしてアズカバン脱獄事件の足がついてしまったのではないかと思い、気が気ではない。 〈主テーブル〉の教師席に(さもさりげない感じで)目をやると、今朝はクィレル先生のすがたがない—��
The Aurors swept toward him with swift strides, Auror Goryanof approaching from the other side of the Ravenclaw table as though to block any escape in that direction, Auror Komodo and Auror Butnaru approaching from Harry\'s side, the Headmaster following straight on Komodo\'s heels.
〈闇ばらい〉の三人はすたすたとハリーのほうへ歩いてくる。 ゴリアノフはレイヴンクローのテーブルの向こうがわで、逃げ道をふさぐように近づいてきている。コモドとブトナルはハリーがいるがわを歩いて近づいてくる。ダンブルドアもコモドのすぐうしろについてきている。
All conversation everywhere had ground to utter silence.
大広間がすみずみまで静まりかえった。
The Aurors reached Harry\'s place at the table, surrounding him from three angles.
〈闇ばらい〉たちはハリーがいる場所までたどりつくと、三方向からハリーをとりかこんだ。
\"Yes?\" Harry said, as normally as he could. \"What is it?\"
「ぼくになにか?」とハリーはできるかぎり平静な声で言った。
\"Hermione Granger,\" Auror Komodo said in a toneless voice, \"you are under arrest for the attempted murder of Draco Malfoy.\"
「ハーマイオニー・グレンジャー。」と〈闇ばらい〉コモドが平坦な声で言う。 「おまえをドラコ・マルフォイ殺人未遂の容疑で逮捕する。」
http://www.hpmor.com/chapter/78
原作品の著者:J. K. Rowling ファンフィクションの著者:Eliezer Yudkowsky
レエム (ראם / Re'em) - 旧約聖書ヨブ記に登場する。日本語では「野牛」「一角獣」とも。 ↩︎
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ventlakaoru · 7 years ago
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「むきだし」覚書
アルバムとして 
 2015年暮れ〜2016年初頭にタイトル曲「むきだし」を作った時、次にアルバムを作るとしたらこの楽曲が核となる構成にしようとふと思った。曲についての詳細は後述するがとにかく当時、いや物心ついてから���在まで変わらずに感じていたであろうことをある程度の形をもって、それでいて具体的になり過ぎることなく表出させることが出来た気がしたからだ。 
 この楽曲に引き寄せられるようにして、古いものは2009年頃、新しいものでは今年の初夏に出来たいくつかの楽曲が、「むきだし」という曲に内包されたらしい風景であるとかいったものにそれぞれのまなざしを向けるように集まった。勿論制作中は無我夢中なのでそうして俯瞰することはなかなか難しかったのだが、いざ出来上がってみるとこのアルバムは「むきだし」に向かって進み「むきだし」から出発し終結する構造であると解釈するに相応しい選曲と曲順だったのではないかと、普段自分自身を褒めることはない自分としては珍しく「やれることをやったな」と思ったのであった。 
 言葉というものの扱いを恐らく人よりも苦手とする自分に、抽象的であったとしても特に問題のない(と思っている)"歌詞"ならいざ知らず、可能な限り具体的な言葉で"解説"めいたものを書くという試みは今ここまで書いている時点でなかなか脳に負担をかけているが、以下に「むきだし」に収録された各楽曲についてちょっとした"解説風"にメモを残しておきたい。
「夏の人さらい」
  思いついたのは今年の頭だったか。サニーデイ・サービスの昨年のアルバム「DANCE TO YOU」とそのツアー(金沢公演では光栄にもキーボーディストとして演奏に参加させて頂いた)で己の中の「ストレートなロックサウンド熱」が何度目かの再燃を促され、自分でもそうした曲をまた作りたくなった。 
 冒頭で「彼女は遠い渚にて」と歌っているのは作詞当時聴いていたトレイシー・ソーンのアルバム「遠い渚」から。一番のサビの言葉には全く意味がなく(アルバム全編を通して大体そうだが)、「なきむしなおらない」と9文字まるまる韻を踏める言葉として「かりぶちなのらない」をチョイスした。「かりぶち」は昨年放送されたアニメ「ブレイブウィッチーズ」の主人公の名字から来ているが、勿論意味はない。
 アルバムを通して全ての音を自宅で収録したのだが、ギターのフィードバック音を出す上でE-bowが本来の使い方ではないながら非常に役に立った。
「浅い眠り」
去年の暮れに突然電車の中でサビを思いついた。歌詞の内容は大体いつも見る夢の内容。作ってすぐにライブでも披露したがその時はまだアレンジ等が定まっておらず朗々と歌い上げギターをフィードバックさせることに終始していた。
「秒速15メートルの女 其ノ参」
 其ノ参、と記されている通り3バージョン目のアレンジとなる。初出は2009年のCD-R作品。筋肉少女帯「福耳の子供」のようなオリジナルの都市伝説を作りたかったのだと記憶する。一番の前半では少し押韻しているが途中から諦めており二番ではラップ風であることすら放棄し語り始めるというこの情けない癖は残念ながら現在も治っていない。 
 最初のバージョンを「マーク・スチュワートのようだ」と評してもらえたことがあり、それならばとスチュワートの1st等をリリースしているON-U soundをより意識しダブのパートを付け加えてみたが、ちょっと違うものになってしまった。ギターソロはここ最近の自分としては会心のもの。
「megalomania」 
今年6月、DALLJUB STEP CLUBを観た時に「こういうリズムアプローチで一曲出来ないものか」と思い立ち翌日早速制作した習作。思いの外歌モノとしても聴ける楽曲になったため収録することに。  他の楽曲同様歌詞に意味はないが、数多くのネタを散りばめているので注視されたし。
「むきだし」
もともと2012年に別名義でCD-RとデジタルでリリースしていたEP「Necessary Changes And Mired Suffering」に収録の「Apples In The Church」という楽曲(制作自体は2010年)のコードと歌詞をブラッシュアップしたもの。前述の通り、これが「むきだし」として生まれ変わったことがこのアルバムの制作の直接の同期となった。 
 歌われている言葉は全て抽象的だが、極めて個人的な、言葉による説明が非常に困難な感覚からすると、物心ついた時から現在までずっと心の奥底で感じていた明文化不可能な何かが表出したような気がするのである。 
 リスナー諸氏においては、その何かがハッキリとはわからないまでも、その曖昧模糊としたモコモコとしたむきだしなニュアンスを感じて頂ければこれ幸いと思う。 
「Monday」
  全く詳しくないどころかアルバムとしては恐らく2枚ほどしか聴いていないはずなのだが、何故か90'sマンチェスター的なるものを作ろうと思い制作にとりかかった。
 この曲のドラムはApple Logic Pro Xの「Drummer」という機能でフレーズを自動作成したもので、このドラムパターンに合わせベースラインを考えるののは大変骨を折った。
  この歌詞にもまた様々なネタを仕込んだ。
「滞るヒト」
2010年作曲。学生時代の怠惰な生活の中で生まれた歌詞。今の生活がマシになったかといえば否だが。
「zoo」
今年2〜3月頃制作。新しく購入したエフェクターのテストとして録音した音に何パターンかのリズムとターンテーブルのスクラッチノイズを乗せ、最終的に多摩動物公園で録音したフラミンゴの鳴き声を入れたインスト。だから「zoo」。
「雨模様です」 
 Koochewsen(クウチュウ戦)で初めて作詞作曲共に担当した楽曲のセルフカバー。  もともとは2011年のCD-R作品「きくにたえない」収録の「サイコ野郎の恋」をもとに全く別の曲としてリメイクしようとした結果生まれた楽曲である(「サイコ〜」は結局2015年リリースの「EGO IS EGO」で再録されるのだが)。  アレンジ的にはSLAP HAPPYのアルバム「Acnalbasac Noom」的なシンプルさを目指したつもりだったがやはり例によって少々異なるものになった。
 その後「魔法が解ける」などKoochewsenでは自分の作曲したレパートリーが増えていくが、この「雨模様です」はまだバンドとして一つの塊になる前の作品であるためか「Koochewsenの曲」というより「自分の曲」という意識がまだ残っているようだ。
「恥質」
「ちしつ」と読む。サビでは普段考えていることをそのまま歌っており、こうした歌の作り方は自分としては珍しい。ちょっとはしゃいでいる必要以上に手数の多いベースラインがお茶目だと思う。
 是非ラストのフィードバックノイズからすぐさま「夏の人さらい」を再生し、繰り返しこのアルバムを聴いて欲しい。
以上全10曲、これだけつらつらと書いたが、実際に聴く際は全て忘れてもらえたらと思う。
2017年11月15日 「むきだし」発売当日
ベントラーカオル
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asoboyo · 5 years ago
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11月9日(土)絵本の旅@カフェ 「きょうりゅう、大あばれ」 
こんにちは。絵本の旅スタッフの那須です。 11月9日(土)の絵本の旅は「きょうりゅう、大あばれ」です。
昔のむかし、この地球に住んでいた「きょうりゅう」! どんなすがたで、どんなものを食べていたんだろう? もしかして、今もどこかできょうりゅうが暮らしてるとしたら?! 今週は「きょうりゅう」の絵本、いろいろ集めました。
☆きょうりゅうじま だいぼうけん 作・絵:間瀬なおたか タンタンとケンケンはきょうりゅうじまにたんけんにでます。 ふたりはしげみのむこうのあちこちにきょうりゅうをみつけます! さて、そのしょうたいは…? ☆バーナムの骨 ティラノサウルスを発見した化石ハンターの物語 作:トレイシー・E・ファーン 絵ボリス・クリコフ 訳:片岡 しのぶ ティラノサウルスの化石をはっけんしたバーナム・ブラウンさんのおはなし。 化石のためなら、せかいじゅうかけまわります。 くろうもあるけど、バーナムさんの化石ハントはわくわくがたくさん。 ☆いいわけサウルス 作:おおなり修司 絵:丸山誠司 ちこくやわすれものがおおい、きょうのたかしくん。 ついつい、いいわけをくりかえします。 そのたびにたかしくんのからだがへんかして、さいごには… などなど …   【お申込み方法】
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