#今夜と明日はごちそう猫缶
Explore tagged Tumblr posts
Text
「お化けの棲家」に登場したお化け。
1、骨女〔ほねおんな〕 鳥山石燕の「今昔画 図続百鬼』に骨だけ の女として描かれ、 【これは御伽ぼうこうに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の灯籠を携へ、人間の交をなせし形にして、もとは剪灯新話のうちに牡丹灯記とてあり】と記されている。石燕が描いた骨女 は、「伽婢子」「牡丹灯籠」に出てくる女つゆの亡霊、弥子(三遊亭円朝の「怪談牡丹灯 籠」ではお露にあたる)のことをいっている。これとは別物だと思うが、「東北怪談の旅」にも骨女という妖怪がある。 安永7年~8年(1778年~1779年)の青森に現れたもので、盆の晩、骸骨女がカタリカタリと音をたてて町中を歩いたという。この骨女は、生前は醜いといわれていたが、 死んでからの骸骨の容姿が優れているので、 人々に見せるために出歩くのだという。魚の骨をしゃぶることを好み、高僧に出会うと崩れ落ちてしまうという。 「鳥山石燕 画図百鬼夜行」高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 「東北怪談の旅」山田 野理夫
2、堀田様のお人形
以下の話が伝わっている。 「佐賀町に堀田様の下屋敷があって、うちの先祖はそこの出入りだったの。それで、先代のおばあさんが堀田様から“金太郎”の人形を拝領になって「赤ちゃん、赤ちゃん」といわれていたんだけど、この人形に魂が入っちゃって。関東大震災のとき、人形と一緒に逃げたら箱の中であちこちぶつけてこぶができたから、修復してもらうのに鼠屋っていう人形師に預けたんだけど少しすると修復されずに返ってきた。聞くと「夜になると人形が夜泣きしてまずいんです」と言われた。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
3、ハサミの付喪神(つくもがみ)
九十九神とも表記される。室町時代に描かれた「付喪神絵巻」には、「陰陽雑記云器物百年を経て化して精霊を得てよく人を訛かす、是を付喪神と号といへり」 という巻頭の文がある。 煤祓いで捨てられた器物が妖怪となり、物を粗末に扱う人間に対して仕返しをするという内容だ が、古来日本では、器物も歳月を経ると、怪しい能力を持つと考えられていた。 民俗資料にも擂り粉木(すりこぎ)や杓文字、枕や蒲団といった器物や道具が化けた話しがある。それらは付喪神とよばれていないが、基本的な考え方は「付喪神絵巻」にあるようなことと同じで あろう。 (吉川観方『絵画に見えたる妖怪』)
4、五徳猫(ごとくねこ) 五徳猫は鳥山石燕「画図百器徒然袋」に尾が2つに分かれた猫又の姿として描かれており、「七徳の舞をふたつわすれて、五徳の官者と言いしためしも あれば、この猫もいかなることをか忘れけんと、夢の中におもひぬ」とある。鳥山石燕「画図百器徒然袋」の解説によれば、その姿は室町期の伝・土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれた五徳猫を頭に 乗せた妖怪をモデルとし、内容は「徒然袋」にある「平家物語」の 作者といわれる信濃前司行長にまつわる話をもとにしているとある。行長は学識ある人物だったが、七徳の舞という、唐の太宗の武の七徳に基づく舞のうち、2つを忘れてしまったために、五徳の冠者のあだ名がつけられた。そのため、世に嫌気がさし、隠れて生活するようになったという。五徳猫はこのエピソードと、囲炉裏にある五徳(薬缶などを載せる台)を引っ掛けて創作された 妖怪なのであろう。ちなみに土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪は、手には火吹き 竹を持っているが、猫の妖怪ではなさそうである。 ( 高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』)→鳥山石燕『百器徒然袋』より 「五徳猫」
5、のっぺらぼー 設置予定場所:梅の井 柳下 永代の辺りで人魂を見たという古老の話しです。その他にも、背中からおんぶされて、みたら三つ目 小僧だったり、渋沢倉庫の横の河岸の辺りでのっぺらぼーを見たという話しが残っています。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収) のっぺらぼーは、顔になにもない卵のような顔��妖怪。特に小泉八雲『怪談』にある、ムジナの話が良く知られている。ある男が東京赤坂の紀国坂で目鼻口のない女に出会い、驚き逃げて蕎麦 屋台の主人に話すと、その顔も同じだったという話。その顔も同じだったという話。
6、アマビエアマビエ 弘化3年(1846年) 4月中旬と記 された瓦版に書かれているもの。 肥後国(熊本県)の海中に毎夜光るものが あるので、ある役人が行ってみたところ、ア マビエと名乗る化け物が現れて、「当年より はやりやまいはや 6ヵ月は豊作となるが、もし流行病が流行ったら人々に私の写しを見せるように」といって、再び海中に没したという。この瓦版には、髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれ、肥後の役人が写したとある。 湯本豪一の「明治妖怪新聞」によれば、アマピエはアマピコのことではないかという。 アマピコは瓦版や絵入り新聞に見える妖怪で、 あま彦、天彦、天日子などと書かれる。件やクダ部、神社姫といった、病気や豊凶の予言をし、その絵姿を持っていれば難から逃れられるという妖怪とほぼ同じものといえる。 アマビコの記事を別の瓦版に写す際、間違 えてアマビエと記してしまったのだというのが湯本説である。 『明治妖怪新聞」湯本豪一「『妖怪展 現代に 蘇る百鬼夜行』川崎市市民ミュージアム編
7、かさばけ(傘お化け) 設置予定場所:多田屋の入口作品です。 一つ目あるいは、二つ目がついた傘から2本の腕が伸び、一本足でピョンピョン跳ねまわる傘の化け物とされる。よく知られた妖怪のわりには戯画などに見えるくらいで、実際に現れたなどの記録はないようである。(阿部主計『妖怪学入門』)歌川芳員「百種怪談妖物双六」に描 かれている傘の妖怪「一本足」
8、猫股(ねこまた) 猫股は化け猫で、尻尾が二股になるまで、齢を経た猫 で、さまざまな怪しいふるまいをすると恐れられた。人をあざむき、人を食らうともいわれる。飼い猫が年をとり、猫股になるため、猫を長く飼うもので はないとか、齢を経た飼い猫は家を離れて山に入り、猫股 になるなどと、各地に俗信がある。 このような猫の持つ妖力から、歌舞伎ではお騒動と化け猫をからめて「猫騒動もの」のジャンルがあり、
「岡崎の猫」「鍋島の猫」「有馬の猫」が三代化け猫とされる。
9、毛羽毛現(けうけげん) 設置予定場所:相模屋の庭 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に毛むくじゃらの妖怪���して描かれた もので、 「毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふ か。或いは希有希現とかきて、ある事まれに、見る事まれなれば なりとぞ」とある。毛女とは中国の仙女のことで、華陰の山中(中国陝西省陰県の西 獄華山)に住み、自ら語るところによると、もともとは秦が亡んだため 山に逃げ込んだ。そのとき、谷春という道士に出会い、松葉を食すことを教わって、遂に寒さも飢えも感じなくなり、身は空を飛ぶほど軽くなった。すでに170余年経つなどと「列仙伝」にある。この毛羽毛現は家の周辺でじめじめした場所に現れる妖怪とされるが、実際は石燕の創作妖 怪のようである。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』→鳥山石燕「今昔百鬼 拾遺」より「毛羽毛現」
10、河童(かっぱ) 設置予定場所:猪牙船 ◇ 河童(『耳袋』) 江戸時代、仙台藩の蔵屋敷に近い仙台堀には河童が出たと言われています。これは、子どもたちが、 なんの前触れもなく掘割におちてしまう事が続き探索したところ、泥の中から河童が出てきたというも のです。その河童は、仙台藩の人により塩漬けにして屋敷に保管したそうです。 ◇ 河童、深川で捕獲される「河童・川太郎図」/国立歴史民俗博物館蔵 深川木場で捕獲された河童。河童は川や沼を住処とする妖怪で、人を水中に引き込む等の悪事を働く 反面、水の恵みをもたらす霊力の持ち主として畏怖されていた ◇ 河童の伝説(『江戸深川情緒の研究』) 安永年間(1772~1781) 深川入船町であった話しです。ある男が水浴びをしていると、河童がその男 を捕えようとしました。しかし、男はとても強力だったので逆に河童を捕えて陸に引き上げ三十三間堂の前で殴り殺そうとしたところ、通りかかった人々が河童を助けました。それ以来、深川では河童が人 間を捕らなくなったといいます。→妖怪画で知られる鳥山石燕による河童
11、白容商〔しろうねり〕
鳥山石燕「画図百器 徒然袋」に描かれ、【白うるりは徒然のならいなるよし。この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ】 と解説されている。白うるりとは、吉田兼好の『徒然草」第六十段に登場する、 芋頭(いもがしら)が異常に好きな坊主のあだ名である。 この白うるりという名前に倣って、布雑巾 の化けたものを白容裔(しろうねり)と名づけたといっているので、つまりは石燕の創作妖怪であろう。古い雑巾などが化けて人を��う、などの説 明がされること��あるが、これは山田野理夫 の『東北怪談の旅』にある古雑巾の妖怪を白 容裔の話として使ったにすぎない。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編
12、轆轤首〔ろくろくび〕
抜け首、飛頭蛮とも つな いう。身体から首が完全に分離して活動する ものと、細紐のような首で身体と頭が繋がっているものの二形態があるようである。 日本の文献には江戸時代から多くみえはじ め、『古今百物語評判』『太平百物語』『新説 百物語」などの怪談集や、『甲子夜話』『耳 囊」「北窓瑣談」「蕉斎筆記』『閑田耕筆』と いった随筆の他、石燕の『画図百鬼夜行」に 代表される妖怪画にも多く描かれた。 一般的な轆轤首の話としては、夜中に首が 抜け出たところを誰かに目撃されたとする内 容がほとんどで、下働きの女や遊女、女房、 娘などと女性である場合が多い。 男の轆轤首は「蕉斎筆記』にみえる。 ある夜、増上寺の和尚の胸の辺りに人の 首が来たので、そのまま取って投げつけると、 どこかへいってしまった。翌朝、気分が悪いと訴えて寝ていた下総出 身の下働きの男が、昼過ぎに起き出して、和 尚に暇を乞うた。わけ その理由を問えば、「昨夜お部屋に首が参りませんでしたか」と妙なことを訊く。確か に来たと答えると、「私には抜け首の病があります。昨日、手水鉢に水を入れるのが遅い とお叱りを受けましたが、そんなにお叱りに なることもないのにと思っていると、 夜中に首が抜けてしまったのです」 といって、これ以上は奉公に差支えがあるからと里に帰って しまった。 下総国にはこの病が多いそうだと、 「蕉斎筆記』は記している。 轆轤首を飛頭蛮と表記する文献があるが、 これはもともと中国由来のものである。「和漢三才図会』では、『三才図会」「南方異 物誌」「太平広記」「搜神記』といった中国の 書籍を引いて、飛頭蛮が大闍波国(ジャワ) や嶺南(広東、広西、ベトナム)、竜城(熱 洞省朝陽県の西南の地)の西南に出没したことを述べている。昼間は人間と変わらな��が、夜になると首 が分離し、耳を翼にして飛び回る。虫、蟹、 ミミズなどを捕食して、朝になると元通りの 身体になる。この種族は首の周囲に赤い糸のような傷跡がある、などの特徴を記している。中国南部や東南アジアには、古くから首だけの妖怪が伝わっており、マレーシアのポン ティアナやペナンガルなどは、現在でもその 存在が信じられている。 日本の轆轤首は、こうした中国、東南アジ アの妖怪がその原型になっているようである。 また、離魂病とでもいうのだろうか、睡眠中に魂が抜け出てしまう怪異譚がある。例えば「曽呂利物語」に「女の妄念迷い歩 <事」という話がある。ある女の魂が睡眠中に身体から抜け出て、 野外で鶏になったり女の首になったりしているところを旅人に目撃される。旅人は刀を抜いてその首を追いかけていく と、首はある家に入っていく。すると、その家から女房らしき声が聞こえ、 「ああ恐ろしい夢を見た。刀を抜いた男が追 いかけてきて、家まで逃げてきたところで目 が醒めた」などといっていたという話である。これの類話は現代の民俗資料にも見え、抜け出た魂は火の玉や首となって目撃されている。先に紹介した「蕉斎筆記』の男の轆轤首 も、これと同じように遊離する魂ということ で説明ができるだろう。 轆轤首という妖怪は、中国や東南アジア由 来の首の妖怪や、離魂病の怪異譚、見世物に 出た作りものの轆轤首などが影響しあって、 日本独自の妖怪となっていったようである。 【和漢三才図会』寺島良安編・島田勇雄・竹 島淳夫・樋口元巳訳注 『江戸怪談集(中)』 高田衛編/校注『妖異博物館』柴田宵曲 『随筆辞典奇談異聞編」柴田宵曲編 『日本 怪談集 妖怪篇』今野円輔編著 『大語園』巌谷小波編
13、加牟波理入道〔がんばりにゅうどう〕
雁婆梨入道、眼張入道とも書く。便所の妖怪。 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には、便所の台があるよう 脇で口から鳥を吐く入道姿の妖怪として描かれており、【大晦日の夜、厠にゆきて「がんばり入道郭公」と唱ふれば、妖怪を見さるよし、世俗のしる所也。もろこしにては厠 神名を郭登といへり。これ遊天飛騎大殺将軍 とて、人に禍福をあたふと云。郭登郭公同日 は龕のの談なるべし】と解説されている。 松浦静山の『甲子夜話」では雁婆梨入道という字を当て、厠でこの名を唱えると下から入道の頭が現れ、 その頭を取って左の袖に入れてまたとりだすと 頭は小判に変化するなどの記述がある。 「がんばり入道ホトトギス」と唱えると怪異 にあわないというのは、江戸時代にいわれた 俗信だが、この呪文はよい効果を生む(前述 ことわざわざわい ●小判を得る話を含め)場合と、禍をよぶ 場合があるようで、「諺苑」には、大晦日に この話を思い出せば不祥なりと書かれている。 また、石燕は郭公と書いてホトトギスと読ませているが、これは江戸時代では郭公とホト トギスが混同されていたことによる。 ホトトギスと便所との関係は中国由来のようで、「荊楚歲時記』にその記述が見える。 ホトトギスの初鳴きを一番最初に聞いたもの は別離することになるとか、その声を真似すると吐血するなどといったことが記されており、厠に入ってこの声を聞くと、不祥事が起 こるとある。これを避けるには、犬の声を出 して答えればよいとあるが、なぜかこの部分 だけは日本では広まらなかったようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『江戸文学俗信辞典』 石川一郎編『史実と伝説の間」李家正文
14、三つ目小僧
顔に三つの目を持つ童子姿の妖怪。 長野県東筑摩郡教育委員会による調査資料に名は見られるが、資料中には名前があるのみ で解説は無く、どのような妖怪かは詳細に語られていない。 東京の下谷にあった高厳寺という寺では、タヌキが三つ目小僧に化けて現れたという。このタヌ キは本来、百年以上前の修行熱心な和尚が境内に住まわせて寵愛していたために寺に住みついたものだが、それ以来、寺を汚したり荒らしたりする者に対しては妖怪となって現れるようになり、体の大きさを変えたり提灯を明滅させて人を脅したり、人を溝に放り込んだりしたので、人はこれ を高厳寺小僧と呼んで恐れたという。困った寺は、このタヌキを小僧稲荷として境内に祀った。この寺は現存せず、小僧稲荷は巣鴨町に移転している。 また、本所七不思議の一つ・置行堀の近くに住んでいたタヌキが三つ目小僧に化けて人を脅したという言い伝えもある。日野巌・日野綏彦 著「日本妖怪変化語彙」、村上健司校訂 編『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年、301頁。 佐藤隆三『江戸伝説』坂本書店、1926年、79-81頁。 『江戸伝説』、147-148頁。
15、双頭の蛇 設置予定場所:水茶屋 「兎園小説」には、「両頭蛇」として以下の内容が著してある。 「文政7年(1824)11月24日、本所竪川通りの町方掛り浚場所で、卯之助という男性 が両頭の蛇を捕まえた。長さは3尺あったという。」
文政7年(1824)11月24日、一の橋より二十町程東よりの川(竪川、現墨田区)で、三尺程の 「両頭之蛇」がかかったと言う話です。詳細な図解が示されています。 (曲亭馬琴「兎園小説」所収『兎園小説』(屋代弘賢編『弘賢随筆』所収) 滝沢馬琴他編 文政8年(1825) 国立公文書館蔵
16、深川心行寺の泣き茶釜
文福茶釜は「狸」が茶釜に化けて、和尚に恩返しをする昔話でよく知られています。群馬県館林の茂 林寺の話が有名ですが、深川2丁目の心行寺にも文福茶釜が存在したといいます。『新撰東京名所図会』 の心行寺の記述には「什宝には、狩野春湖筆涅槃像一幅 ―及び文福茶釜(泣茶釜と称す)とあり」 とあります。また、小説家の泉鏡花『深川浅景』の中で、この茶釜を紹介しています。残念ながら、関 東大震災(1923年)で泣茶釜は、他の什物とともに焼失してしまい、文福茶釜(泣き茶釜)という狸が 化けたという同名が残るのみです。鳥山石燕「今昔百鬼拾遺」には、館林の茂森寺(もりんじ)に伝わる茶釜の話があります。いくら湯を 汲んでも尽きず、福を分け与える釜といわれています。 【主な参考資料】村上健司 編著/水木しげる 画『日本妖怪大辞典』(角川出版)
17、家鳴(やなり) 設置予定場所:大吉、松次郎の家の下) 家鳴りは鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれたものだが、(石燕は鳴屋と表記)、とくに解説はつけられて いない。石燕はかなりの数の妖怪を創作しているが、初期の 「画図百鬼夜行」では、過去の怪談本や民間でいう妖怪などを選んで描いており、家鳴りも巷(ちまた)に知られた妖怪だったようである。 昔は何でもないのに突然家が軋むことがあると、家鳴りのような妖怪のしわざだと考えたようである。小泉八雲は「化け物の歌」の中で、「ヤナリといふ語の・・・それは地震中、家屋の震動 する音を意味するとだけ我々に語って・・・その薄気 味悪い意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語 はもと化け物が動かす家の震動の音を意味して居た もので、眼には見えぬ、その震動者も亦(また) ヤナ リと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る 家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な悪心が外から揺り動かすのだと想像してゐたものである」と延べ、「狂歌百物語」に記載された「床の間に活けし立ち木も倒れけりやなりに山の動く掛軸」という歌を紹介している。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』、『小泉八雲全集』第7巻)
18、しょうけら 設置予定場所:おしづの家の屋根 鳥山石燕「画図百鬼夜行」に、天井の明かり取り窓を覗く妖怪として描かれているもの。石燕による解説はないが、 ショウケラは庚申(こうしん) 信仰に関係したものといわれる。 庚申信仰は道教の三尸(さんし)説がもとにあるといわ れ、60日ごとに巡ってくる庚申の夜���、寝ている人間の身 体から三尸虫(頭と胸、臍の下にいるとされる)が抜け出し、天に昇って天帝にその人の罪科を告げる。この報告により天帝は人の命を奪うと信じられ、対策とし て、庚申の日は眠らずに夜を明かし、三尸虫を体外に出さ ないようにした。また、これによる害を防ぐために「ショウケラはわたとてまたか我宿へねぬぞねたかぞねたかぞ ねぬば」との呪文も伝わっている。 石燕の描いたショウケラは、この庚申の日に現れる鬼、ということがいえるようである。
19、蔵の大足
御手洗主計という旗本の屋敷に現れた、長さ3尺程(約9m)の大足。(「やまと新聞」明治20年4月29日より)
20、お岩ちょうちん
四世鶴屋南北の代表作である「東海道四谷怪談」のお岩 を、葛飾北斎は「百物語シリーズ」の中で破れ提灯にお岩が 宿る斬新な構図で描いている。北斎は同シリーズで、当時の 怪談話のもう一人のヒロインである「番町皿屋敷のお菊」も描 く。「東海道四谷怪談」は、四世南北が暮らし、没した深川を舞台にした生世話物(きぜわもの)の最高傑作。文政8年(1825) 7月中村座初演。深川に住んだ七代目市川團十郎が民谷伊 右衛門を、三代目尾上菊五郎がお岩を演じた。そのストーリーは当時評判だった実話を南北が取材して描 いている。男女が戸板にくくられて神田川に流された話、また 砂村隠亡堀に流れついた心中物の話など。「砂村隠亡堀の場」、「深川三角屋敷の場」など、「四谷怪 談」の中で深川は重要な舞台として登場する。
21、管狐(くだぎつね) 長野県を中心にした中部地方に多く分布し、東海、関東南部、東北の一部でいう憑き物。関東 南部、つまり千葉県や神奈川県以外の土地は、オサキ狐の勢力になるようである。管狐は鼬(いたち)と鼠(ねずみ)の中間くらいの小動物で、名前の通り、竹筒に入ってしまうほどの大きさだという。あるいはマッチ箱に入るほどの大きさで、75匹に増える動物などとも伝わる個人に憑くこともあるが、それよりも家に憑くものとしての伝承が多い。管狐が憑いた家は管屋(くだや)とか管使いとかいわれ、多くの場合は「家に憑いた」ではなく「家で飼っている」という表現をしている。管狐を飼うと金持ちになるといった伝承はほとんどの土地でいわれることで、これは管 狐を使って他家から金や品物を集めているからだなどという。また、一旦は裕福になるが、管狐は 大食漢で、しかも75匹にも増えるのでやがては食いつぶされるといわれている。 同じ狐の憑き物でも、オサキなどは、家��主人が意図しなくても、狐が勝手に行動して金品を集 めたり、他人を病気にするといった特徴があるが、管狐の場合は使う者の意図によって行動すると考えられているようである。もともと管狐は山伏が使う動物とされ、修行を終えた山伏が、金峰山 (きんぷさん)や大峰(おおみね)といった、山伏に官位を出す山から授かるものだという。山伏は それを竹筒の中で飼育し、管狐の能力を使うことで不思議な術を行った。 管狐は食事を与えると、人の心の中や考えていることを悟って飼い主に知らせ、また、飼い主の 命令で人に取り憑き、病気にしたりするのである。このような山伏は狐使いと呼ばれ、自在に狐を 使役すると思われていた。しかし、管狐の扱いは難しく、いったん竹筒から抜け出た狐を再び元に 戻すのさえ容易ではないという。狐使いが死んで、飼い主不在となった管狐は、やがて関東の狐の親分のお膝元である王子村(東京都北区)に棲むといわれた。主をなくした管狐は、命令する者がいないので、人に憑くことはないという。 (石塚尊俊『日本の憑きもの』、桜井徳太郎編『民間信仰辞典』、金子準二編著『日本狐憑史資料 集成』)
22、かいなで 設置予定場所: 長屋の厠 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所へ行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。 昭和17年(1942年)頃の大阪市立木川小学校では、女子便所に入ると、どこからともなく「赤い 紙やろか、白い紙やろか」と声が聞こえてくる。返事をしなければ何事もないが、返事をすると、尻を舐められたり撫でられたりするという怪談があった��いう。いわゆる学校の怪談というものだが、 類話は各地に見られる。カイナデのような家庭内でいわれた怪異が、学校という公共の場に持ち込まれたものと思われる。普通は夜の学校の便所を使うことはないだろうから、節分の夜という条件が消失してしまったのだろう。 しかし、この節分の夜ということは、実に重要なキーワードなのである。節分の夜とは、古くは年越しの意味があり、年越しに便所神を祭るという風習は各地に見ることができる。その起源は中国に求められるようで、中国には、紫姑神(しこじん)という便所神の由来を説く次のような伝説がある。 寿陽県の李景という県知事が、何媚(かび) (何麗卿(かれいきょう)とも)という女性を迎えたが、 本妻がそれを妬み、旧暦正月 15 日に便所で何媚を殺害した。やがて便所で怪異が起こるようになり、それをきっかけに本妻の犯行が明るみに出た。後に、何媚を哀れんだ人々は、正月に何媚を便所の神として祭祀するようになったという(この紫姑神は日本の便所神だけではなく、花子さんや紫婆(むらさきばばあ)などの学校の怪談に登場する妖怪にも影響を与えている。) 紫姑神だけ���日本の便所神のルーツとするのは安易だが、影響を受けていることは確かであろう。このような便所神祭祀の意味が忘れられ、その記憶の断片化が進むと、カイナデのような妖怪が生まれてくるようである。 新潟県柏崎では、大晦日に便所神の祭りを行うが、便所に上げた灯明がともっている間は決して便所に入ってはいけないといわれる。このケースは便所神に対する信仰がまだ生きているが、便所神の存在が忘れられた例が山田野理夫『怪談の世界』に見える。同書では、便所の中で「神くれ神くれ」と女の声がしたときは、理由は分からなくとも「正月までまだ遠い」と答えればよいという。便所神は正月に祀るものという断片的記憶が、妖怪として伝えられたものといえる。また、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文も、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えて いる。便所神の祭りで紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、あるいは白と赤の 男女の紙人形を便所に供えるという。つまり、カイナデの怪異に遭遇しないために「赤い紙やろう か、白い紙やろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は神様に供えるという行為なのに、「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったのではないだろうか。さらに、学校の怪談で語られる便所の怪異では、妖怪化した便所神のほうから、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」とか「青い紙やろうか、赤い紙やろうか」というようになり、より妖怪化が進ん でいったようである。こうしてみると、近年の小学生は古い信仰の断片を口コミで伝え残しているともいえる。 島根県出雲の佐太神社や出雲大社では、出雲に集まった神々を送り出す神事をカラサデという が、氏子がこの日の夜に便所に入ると、カラサデ婆あるいはカラサデ爺に尻を撫でられるという伝 承がある。このカラサデ婆というものがどのようなものか詳細は不明だが、カイナデと何か関係があるのかもしれない。 (民俗学研究所編『綜合日本民俗語彙』、大塚民俗学会編『日本民俗学事典』、『民間伝承』通巻 173号(川端豊彦「厠神とタカガミと」)ほか)
23、木まくら 展示予定場所:政助の布団の上 江東区富岡にあった三十三間堂の側の家に住んだ医師が病気になり、元凶を探した所 黒く汚れた木枕が出た。その枕を焼くと、死体を焼く匂いがして、人を焼くのと同じ時間がかかったという。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
24、油赤子〔あぶらあかご〕鳥山石燕の『今昔 画図続百鬼』に描かれた妖怪。【近江国大津 の八町に、玉のごとくの火飛行する事あり。土人云「むかし志賀の里に油うるものあり。 夜毎に大津辻の地蔵の油をぬすみけるが、その者死て魂魄炎となりて、今に迷いの火となれる」とぞ。しからば油をなむる赤子は此ものの再生せしにや】と記されている。 石燕��引いている【むかし志賀(滋賀) の】の部分は、「諸国里人談』や『本朝故事 因縁集」にある油盗みの火のことである。油盗みの火とは、昔、夜毎に大津辻の地蔵 の油を盗んで売っていた油売りがいたが、死 後は火の玉となり、近江大津(滋賀県大津 市)の八町を縦横に飛行してまわったという もの。石燕はこの怪火をヒントに、油を嘗める赤ん坊を創作したようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『一冊で日本怪異文学 100冊を読む」檜谷昭彦監修『日本随筆大成編集部編
3 notes
·
View notes
Text
2023年8月23日(水)
今日は水曜日、本来は出勤日だが有休を取った。���いうのも、同居猫・ココがお世話になっているクリニックがお盆休み明け、貧血のための注射をしてもらうためだ。同じような方が多くていつも以上の混雑、結局2時間以上待ってからやっと受診することができた。その間、籠の中で大人しく(?)待っていたココ、帰宅するとすぐにご飯を要求するがその表情は険しい。でもよく頑張ったよなぁ、おつかれさん!
4時30分起床。
日誌書く。
シャワーを浴びる。
今日は長男の誕生日、お祝いの振込とメール送信。
朝食。
洗濯。
弁当*1。
空きビン缶、20L*1&45L*1。
ツレアイを職場まで送る。
<秋山恵蔵動物クリニック>の受付が9時30分、呼ばれたのが11時30分。先週月曜日の受診依頼の様子を報告し、増血剤(?)の注射をしていただく。体重が80g増えていたのはちょっと嬉しい、次回は9/1(金)を予定。
ランチ、3男は素麺、私は牛丼で残りご飯を片付ける。
軽く午睡。
テレビで高校野球の中継を見る、慶応高校おめでとう。
ライフ西七条店まで買い物。
酢タマネギ仕込む。
ピリ辛コンニャク仕込む。
ツレアイも早めに帰宅、4人揃って夕飯。
長男から着信、8/27(日)の夕飯を約束する。
片付け、入浴、体重は600g増、確かに今夜は食べ過ぎた。
買い物に出たので3つのリング完成、水分は2,122ml。
6 notes
·
View notes
Text
余花に吉兆
1. 友人あるいは恋人のようなことを始めたら、もっと分かり合えて親密な空気だとか柔らかな信頼みたいなものが生まれるかと予想していたが、俺らの空間は特段何かが変化することもなく、近すぎず遠すぎずの関係が果てなく伸びていくのみだった。 大切なものを手のひらに閉じ込めるような日々だった。彼の大きな体は存在感だけでもどこか騒々しかったが、無音より心地よかったのだ。
うずたかく積もった瓦礫がようやく街から消える頃、俺は人生初の無職デビューを飾った。事務所は畳んだし復興支援委員会の任期も終わった。警察や公安、行政から相変わらず着信や不定期な依頼はあれど、様々な方面からの誘いを断り所属する場所がなくなった俺はぼんやりと初夏を迎えることとなった。 無職になりまして。とセントラルの定期通院の帰り、待ち合わせた居酒屋で焼き鳥をかじりながら言うと彼は呆けた顔で俺を見た。エアコンの効きが悪いのか、妙に蒸し暑くてふたりとも首筋にじんわり汗が滲んでいる。 「お前が?」 「はい。しばらくゆっくりしてから次のこと考えようと思って」 「お前にそんな発想があったとは」 「どういう意味ですか」 「休もうという発想が。いつも忙しく働いとったろーが。そもそも趣味や休みの過ごし方をお前の口から聞いたことがない」 「それ元SKたちにも言われましたわーー。人を仕事人間みたく言わんでくださいよまあその通りですけど。今までやれなかったこと全部やったろ、と思ってたんですけど10日で飽きました。福岡いるとどうしても街の様子気になっちゃうしホークスだ〜〜♡ て言われるし、どっか旅行でも行けばって言われるんすけど全然そんな気になんないんすよ。来月には引きこもりになってるかもしれねっす」 そしたら会いに来てくださいね♡ と言ったら、彼は釈然としないような、そして何かに耐えるような、そんな顔をした。 店を出ると強い風が頬を打った。まだほんのわずか残っていた春の気配が吹き飛んでいく。じゃあ、と手をあげかけたところでデカい手が伸びてきて顎を掴まれた。「飲み直すぞ���うちで」「ひゃい?」かくて俺はそのままタクシーに突っ込まれ(この人と乗る後部座席は超狭い)、轟邸へお持ち帰りされることとなった。
暗闇の中でうずくまる恐竜みたいな日本家屋。数奇屋門と玄関の間だけで俺の1LDKがすっぽり入りそう。靴を揃えて上り框に足をかけると今度は首根っこを掴まれた。連行されるヴィランそのままの格好で俺は廊下を引き摺られ居間の隣室へ放り込まれる。今夜は何もかも展開が早い。「なになに? 俺には心に決めた人がいるんですけど⁉︎」「使え」「は?」 「この部屋を好きなように使え。しばらく置いてやる」 「もしかしてあなた相当酔ってますね⁉︎」 「あれくらいで酔わん。お前が、ヒーロー・ホークスが行くところがないなんて、そんなことがあってたまるか」 畳に手をついて振り仰ぐ。廊下から部屋に差し込む灯りは畳の目まではっきりと映し出しているけれど、彼の表情は逆光でわからない。 「俺、宵っぱりの朝寝坊ですよ」 「生活習慣までとやかく言わん。風呂を沸かしたら呼びに来てやるからそれまで好きにしてろ」 けれど俺が呼ばれることはなく、様子を見に行くと彼は居間で寝落ちていたのでやっぱり酔っていたのだと思う。デカい体を引きずって寝室に突っ込んだ。風呂は勝手に借りた。
酔ってはいたものの彼の意思はしっかり昨晩にあったようで、そして俺も福岡に帰る気が全くおきなかったので、出会い頭の事故のように俺の下宿生活は始まった。 「うちにあるものは何でも好きに使え」なるありがたいお言葉に甘えて俺は巣作りを開始した。足りないものはAmazonで買った。徹夜でゲームしたりママチャリで街をぶらついたり(帽子をかぶってれば誰も俺に気づかなかった)ワンピース一気読みしたり豚肉ばかり使う彼からキッチンの主権を奪いそのまま自炊にハマったりもした。誰を守る必要もなく、誰かを気にかける必要もない。誰を満足させる必要もなかった。彼が出かける時間に俺は寝ていたし夕飯も好きな時間に食べていたので下宿より居候の方が正確だったかも知れない。誰かとひとつ屋根の下で暮らすことへの不安はすぐ消えた。早起きの彼がたてる足音や湯を使うボイラー音、帰宅時の開錠の音。そんな他人の気配が俺の輪郭を確かにしていったからだ。 ヒーローを引退した彼は事務所を売却したのち警備会社の相談役に収まっていたがしょっちゅう現場に呼ばれるらしく、出勤はともかく帰り時間はまちまちだった。まあわかる。治安維持に携わっていて彼に一目置いていない人間はまずない(治安を乱す側はなおさらだ)。「防犯ブザーのように使われる」とぼやいていたが、その横顔にはおのれの前線を持つものの矜持があった。どうしてか俺は嬉しい気持ちでそれを見ていた。
2. ある夜、俺は玄関で彼のサンダルを履き外へ出た。引き戸を開けると明るい星空が広がっていて、それが妙に親しかった。縁側に腰掛けてぼんやり彼方を眺めると星の中に人工衛星が瞬いている。ほとんどの民家の明かりは消えていて、夜は少し湿りそして深かった。紫陽花だけが夜露に濡れて光っていた。 知らない街なのに、他人の家なのに、帰らんと、とは微塵も思わなかった。俺はここにいる。知らない場所に身ひとつで放り出されてもここに帰ってくる。呼吸をするたびに心と体がぴったりと張り付いていった。 気配を感じて振り返ると、あの人がスウェットのまま革靴を引っ掛けて玄関から出てくるところだった。 「風邪をひくぞ」と言われ何も答えずにいると犬か猫みたいにみたいに抱えられ、家の中に連れ戻された。 それからほとんど毎夜、雨でも降らない限り俺は外に出て彼方を眺めた。そうすると彼は必ずやってきて俺を連れ戻した。ある夜「一緒に寝てください」と言ったら彼は呆れたように俺を見下ろして「お前の部屋でか」と言った。そうかあそこは俺の部屋なのか。「あなたの部屋がいいです」と言ったら視線がかちあい、耳の奥で殺虫器に触れた虫が弾け飛ぶみたいな音がして、目が眩んだ。 「そんで、同じ布団で」 「正気に戻ってからセクハラだとか騒ぐなよ」 彼の布団にすっぽりおさまると目が冴えた。やっぱこの人なんか変。そんで今日の俺はもっと変。分厚い背中に額をあてて深く息を吸った。おっさんの匂いがして、めちゃくちゃ温かくて、甘くて甘くて甘くて足指の先まで痺れる一方で自分で言い出したことなのに緊張で腹の奥が捻じ切れそうだった。 彼の寝息と一緒に家全体が呼吸をしている。眠れないまま昨夜のことを思い出す。俺が風呂に入ろうとして廊下を行くと、居間で本を読んでいた彼が弾かれたように顔を上げた。その視線に斥力のようなものを感じた俺は「お風呂行ってきまぁす」となるべく軽薄な声で答えた。一秒前まであんな強い目をしていたくせに、今はもう血の気の失せた無表情で俺を見上げている。妙に腹が立って彼の前にしゃがみ込んだ。「一緒に入ります?」「バカか」「ねえエンデヴァーさん。嫌なこととか調子悪くなることあったら話してください。ひとりで抱え込むとろくなことないですよ。俺がそれなりに役立つこと、あなた知ってるでしょ?」 「知ったような顔をするな」 「俺はド他人ですが、孤独や後悔についてはほんの少し知っていますよ」 真正面から言い切ると、そうだな、と素っ気なく呟き、それきり黙り込んだ。俺ももう何も言わなかった。 ここは過ごすほどに大きさを実感する家だ。そこかしこに家族の不在が沈澱している。それはあまりに濃密で、他人の俺でさえ時々足をとられそうになる。昨日は家族で食事をしてきたという彼は、あの時俺の足音に何を望んだのだろう。 いつぞやは地獄の家族会議に乱入したが、俺だって常なら他人の柔らかな場所に踏み入るのは遠慮したいたちだ。けれどあの無表情な彼をまた見るくらいなら軽薄に笑うほうがずっとマシだった。これから先もそう振る舞う。 きんとした寂しさと、額の先の背中を抱いて困らせてやりたい怒り。そんなものが夜の中に混ざり合わないまま流れ出していく。
3. 涼しい夜にビールを飲みながら居間で野球を眺めていたら、風呂上がりの彼に「ホークス」と呼ばれた。 「その呼び方そろそろやめません? 俺もう引退してるんすよ。俺はニートを満喫している自分のことも嫌いじゃないですが、この状態で呼ばれるとホークスの名前がかわいそうになります、さすがに」「お前も俺のことをヒーロー名で呼ぶだろうが」「じゃあ、え……んじさんて呼びますから」「なぜ照れるんだそこで」「うっさいですよ。俺、けーご。啓吾って呼んでくださいよほら」「……ご」「ハイ聞こえないもう一回」「け、けいご」「あんただって言えないじゃないですかあ!」 ビールを掲げて笑ったら意趣返しとばかりに缶を奪われ飲み干された。勇ましく上下する喉仏。「それラスト一本なんすけどお」「みりんでも飲んでろ。それでお前、明日付き合え」「はあ」「どうせ暇だろ」「ニート舐めんでくださいよ」 翌日、俺らは炎司さんの運転で出かけた。彼の運転は意外に流れに乗るタイプで、俺はゆっくり流れていく景色を眺めるふりをしてその横顔を盗み見ていた。「見過ぎだ。そんなに心配しなくてもこの車は衝突回避がついている」秒でバレた。 「そろそろどこいくか教えてくださいよ」 「そば屋」 はあ��と困惑して聞き返したら、炎司さんはそんなに遠くないから大丈夫だ、とまたしてもピンぼけなフォローで答えた。やがて商業施設が消え、国道沿いには田園風景が広がり出した。山が視界から消え始めた頃ようやく海に向かっているのだと気づく。 車は結局小一時間走ったところで、ひなびたそば屋の駐車場で止まった。周りには民家がまばらに立ち並ぶのみで道路脇には雑草が生い茂っている。 テレビで旅番組を眺めているじいさん以外に客はいなかった。俺はざるそばをすすりながら、炎司さんが細かな箸使いで月見そばの玉子を崩すのを眺めていた。 「左手で箸持つの随��上手ですね、もともと右利きでしょ?」 「左右均等に体を使うために昔からトレーニングしていたから、ある程度は使える」 「すげえ。あなたのストイックさ、そこまでいくとバカか変態ですね」 「お前だって同じだろう」 俺は箸を右から左に持ち替えて、行儀悪く鳴らした。 「んふふ。俺、トップランカーになるやつってバカか天才しかいねえ、って思うんすよ。俺はバカ、あなたもバカ、ジーニストさんも俺的にはバカの類です」 「あの頃のトップ3全員バカか。日本が地図から消えなくてよかったな」 そばを食べて店を出ると潮の匂いが鼻を掠めた。「海が近いですね?」「海といっても漁港だ。少し歩いた先にある」漁港まで歩くことにした。砂利道を進んでいると背後から車がやってきたので、俺は道路側を歩いていた炎司さんの反対側へ移動した。 潮の香りが一層強くなって小さな漁港が現れた。護岸には数隻の船が揺れるのみで無人だった。フードや帽子で顔を隠さなくて済むのは楽でいい。俺が護岸に登って腰掛けると彼も隣にやってきてコンクリートにあぐらをかいた。 「なんで連れてきてくれたんですか。そば食いたかったからってわけじゃないでしょ」 海水の表面がかすかに波立って揺れている。潮騒を聞きながら、俺の心も騒がしくなっていた。こんな風に人と海を眺めるのは初めてだったのだ。 「俺を家に連れてきたのも、なんでまた」 「……お前が何かしらの岐路に立たされているように見えたからだ」 「俺の剛翼がなくなったから気ィ使ってくれました?」 甘い潮風にシャツの裾が膨らむ。もう有翼個性用の服を探す必要も服に鋏を入れる必要も無くなった俺の背中。会う人会う人、俺の目より斜め45度上あたりを見てぐしゃりと顔を歪める。あの家で怠惰な日々を過ごす中で、それがじわじわ自分を削っていたことに気づいた。 剛翼なる俺の身体の延長線。俺の宇宙には剛翼分の空白がぽっかり空いていて、けれどその空白にどんな色がついているかは未だわからない。知れぬまま外からそれは悲しい寂しい哀れとラベリングされるものだから、時々もうそれでいいわと思ってしまう。借り物の悲しさでしかないというのに。 「俺より先に仲間が悲しんでくれて。ツクヨミなんか自分のせいだって泣くんですよかわいいでしょ。みんながみんな悲壮な顔してくれるもんだから、正直自分ではまだわかんなくて。感情が戻ってこない。明日悲しくなるかもしれないし、一生このままかも。 あなたも、俺がかわいそうだと思います?」 「いいや」 なんのためらいもなかった。 「ないんかい」 「そんなことを思う暇があったら一本でも多く電話をして瓦礫の受け入れ先を探す。福岡と違ってこの辺はまだ残っとるんだ。それから今日のそばはおれが食いたかっただけだ」 「つめたい!」 「というかお前そんなこと考えとったのか。そして随分甘やかされとるな、以前のお前ならAFOと戦って死ななかっただけ褒めてほしいとか、ヒーローが暇を持て余す世の中と引き換えなら安いもんだと、そう言うだろう。随分腑抜けたな。周囲が優しいなんて今のうちだけだ、世の中甘くないぞ、きちんと将来のことを考えろ」 「ここで説教かます⁉︎ さっきまでの優しい空気は!」 「そんなもの俺に期待するな」 潮風で乱れる前髪をそのままにして、うっとり海に目を細めながらポエムった10秒前の自分を絞め殺したい。 彼は笑っているのか怒っているのか、それともただ眩しいだけなのかよく分からない複雑な顔をする。なお現在の俺は真剣に入水を検討している。 「ただ、自分だけではどうしようもないときはあるのは俺にもわかる。そんな時に手を…… 手を添えてくれる誰かがいるだけで前に進める時がある。お前が俺に教えてくれたことだ」 「ちょ〜〜勝手。あなたに助けてもらわなくても、俺にはもっと頼りたい人がいるかもしれないじゃないですか」 「そんな者がいるならもうとっくにうちを出ていってるだろう。ド他人だが、俺も孤独や後悔をほんの少しは知っている」 波音が高くなり、背後で低木の群れが強い海風に葉擦れの音を響かせた。 勝手だ、勝手すぎる。家に連れてきてニートさせてあまつさえ同衾まで許しといて、いいとこで落として最後はそんなことを言うのか。俺が牛乳嫌いなのいつまでたっても覚えんくせにそんな言葉は一語一句覚えているなんて悪魔かよ。 俺にも考えがある、寝落ちたあんたを運んだ部屋で見た、読みかけのハードカバーに挟まれた赤い羽根。懐かしい俺のゴミ。そんなものを後生大事にとっとくなんてセンチメンタルにもほどがある。エンデヴァーがずいぶん可愛いことするじゃないですか。あんた結構俺のこと好きですよね気づかれてないとでも思ってんすか。そう言ってやりたいが、さっき勝手に演目を始めて爆死したことで俺の繊細な心は瀕死である。ささいなことで誘爆して焼け野原になる。そんなときにこんな危ういこと言える勇気、ちょっとない。 「……さっきのそば、炎司さんの奢りなら天ぷらつけとけばよかったっす」 「その減らず口がきけなくなったら多少は憐れんでやる」 骨髄に徹した恨みを込めて肩パンをした。土嚢みたいな体は少しも揺らがなかった。
車に向かって、ふたりで歩き出す。影は昨日より濃く短い。彼が歩くたびに揺れる右袖の影が時々、剛翼の分だけ小さくなった俺の影に混じりまた離れていく。 「ん」 炎司さんが手でひさしを作り空を見上げ、声をあげる。その視線を追うと太陽の周りに虹がかかっていた。日傘。 「吉兆だ」
4. 何もなくとも俺の日々は続く。南中角度は高くなる一方だし��気予報も真夏日予報を告げ始める。 SNSをほとんど見なくなった。ひとりの時はテレビもつけず漫画も読まず、映画だけを時々観た。炎司さんと夜に食卓を囲む日が増えた。今日の出来事を話せと騒ぎ聞けば聞いたで質問攻めをする俺に、今思えば彼は根気よく付き合ってくれたように思う。
気温もほどよい夕方。庭に七輪を置き、組んだ木炭に着火剤を絞り出して火をつける。静かに熱を増していく炭を眺めながら、熾火になるまで雑誌を縛ったり遊び道具を整理した。これは明日の資源ごみ、これは保留、これは2、3日中にメルカリで売れんかな。今や俺の私物は衣類にゲーム、唐突にハマった釣り道具はては原付に及んでいた。牡丹に唐獅子、猿に絵馬、ニートに郊外庭付き一戸建てだ。福岡では10日で暇を持て余したというのに今じゃ芋ジャージ着て庭で七輪BBQを満喫している。 炭がほの赤く輝き出すころに引き戸の音が聞こえ、俺は網に枝豆をのせた。 「今日は早いですね〜〜おかえりなさい」 「お前、無職が板につきすぎじゃないか?」 「まだビール開けてないんで大目に見てください」 家に上がった彼はジャージ姿でビールを携えて帰ってきた。右の太ももには「3-B 轟」の文字。夏雄くんの高校ジャージだ、炎司さんは洗濯物を溜めた時や庭仕事の時なんかにこれを着る。そのパツパツオモシロ絵面がツボに入り「最先端すぎる」と笑ったら「お前も着たいのか?」とショートくんと夏雄くんの中学ジャージを渡され、以来俺はこの衣類に堕落している。遊びにきたジーニストさんが芋ジャージで迎えた俺たちを見てくずおれていた。翌々日ストレッチデニムのセットアップが届いた(死ぬほど着心地がよかった)。 焼き色のついた枝豆を噛み潰す。甘やかな青さが口の中に広がっていく。 「福岡帰りますわ、ぼちぼち」 彼の手からぽとりとイカの干物が落っこちた。砂利の上に不時着したそれにビールをかけて砂を流し、網の上に戻してやる。ついでにねぎまを並べていく。 「……暇にも飽きたか」 「いや全然、あと1年はニートできます余裕で」 ぬるい風と草いきれが首筋をくすぐり、生垣の向こうを犬の声が通り過ぎていく。いつも通りのなんでもない夕方だ。そんななんでもなさの中、現役の頃は晩酌なんてしなかっただろう炎司さんが俺とビールを開けている。俺らはずいぶん遠くまで来た。 「福岡県警のトップが今年変わったんですけど、首脳部も一新されて方針も変わったらしくて、ヒーローとの連携が上手くいってないらしいんすよね。警察にもヒーローにも��がきいて暇な奴がいると便利っぽいんで、ちょっと働いてくるっす。そんで、俺のオモチャなんですけど」整理した道具たちに目をやる。「手間かけて悪いんですが処分してくれませんか?」 「……どれも、まだ使えるだろう」 「はあ。リサイクルショップに集荷予約入れていいです?」 「そうじゃない。処分する必要はないと言ってるんだ」 的外れと知っていてなお、真っ当なことを言おうとする融通のきかなさ。その真顔を見て俺この人のこと好きだな、と思う。子どものまま老成したような始末の悪さまで。 「それは荷物置きっぱにしてていいからまたいつでも来いよってことでしょーーか」 「……好きにしろ」 唸るような声はかすかに怒気をはらんでいる。さっきまで進んでたビールは全然減ってないしイカはそろそろ炭になるけどいいんだろうか。ビール缶の汗が彼の指をつたい、玉砂利の上にいびつな模様をつくっていく。 「じゃあお言葉に甘えて。それとツクヨミが独立するってんで、事務所の立ち上げ手伝ってほしいって言われてるんすよ、なんでちょくちょくこっちに滞在するので引き続きよろしくお願いします具体的には来月また来ます♡」 「それを先に言え‼︎」 今度こそ本物の怒りが俺の頬を焦がした。具体的には炎司さんの首から上が燃え上がった。七輪みたいに慎ましくない、エンデヴァーのヘルフレイム。詫びながら彼の目元の皺を数えた。青い瞳にはいつも通りに疲労や苛立ち、自己嫌悪が薄い膜を張っている。今日も現場に呼ばれたんかな。ヒーロースーツを着なくなっても、誰かのために走り回る姿は俺の知ったエンデヴァーだった。腕がなくなろうが個性を使わなかろうが、エンデヴァーを許さぬ市民に罵倒されようが。だから俺も個性なくてもできることをやってみっかな、と思えたのだ。ここを離れ衆目に晒されることに、不安がないわけではないけれど。 疲れたらここに帰ってまたあの部屋で布団かぶって寝ればいい。家全体から、やんわり同意の気配が響くのを感じる。同意が言いすぎだとしたら俺を許容する何か。俺のねぐら、呼吸する恐竜の懐の。 「その……なんだ、頑張れ」 「アザーース」 帰属していた場所だとか、背にあった剛翼だとか。そんなものがごっそりなくなった体は薄弱で心もとない。だから何だ、と思う。俺はまだ変わる。 空があわあわと頼りない色合いで暮れていく。隣にしゃがんだ炎司さんの手が俺の背に添えられた。翼の付根があったあたりにじわりと熱が広がり、そのまま軽く背を押されて心臓が跳ねる。 「来月はそば打ちでもしましょうね」 短い肯定が手のひらの振動から伝わる。新たな命を吹き込まれる俺の隣で、炭がぱちりと爆ぜた。
2 notes
·
View notes
Text
Fairlady 1
顔馴染みの従業員たちに軽く挨拶を終え、店の裏口から出る。
十一月の肌寒い空気に、コートの前を気持ち閉め直しながら敷地内を歩いていると、駐車場に見知らぬ車が停まっている事に気が付いた。
車に興味のない俺にはわからないが、傍目に見てもきちんと手入れがされているのだろう黒い車が電柱の光を反射している様は威圧感がある。
そしてその傍ら、見知った長身の男が車にもたれかかって煙草を吸っている。彼は煙草を咥えたままじっと電灯の方を見つめていた。
「真秀さん…………お疲れ様、です��
俺は男――睦門真秀に声をかけた。
無視してそのまま帰っても良かったが、明日の朝の自分は無視した事を気に病むのだろう。声をかけた方が遥かにマシだ。
睦門は「んーー……」と気の抜けた返事をした。視線はまだ電灯を見ており、煙草も咥えたままだった。
何があったのかはしれないが珍しく白衣を着ておらず、黒い薄手のタートルネックセーターに黒のジャケットを羽織っているせいで余計に背丈が高く……スタイルが良く見えた。
「……虫数えてます?」
当てずっぽうで尋ねると、やっと彼と目が合った。
彼はポケットに突っ込んでいた左手で煙草を持ち、長く煙を吐いた。
「十五匹まで数えてわからなくなった」
「声掛けたからですか?」
「いやぁ……なんか、増えたり減ったりするからどうでも良くなってきて」
「暇なんですね」
「全然暇じゃないの知ってる癖に」
睦門はけらけらと何時ものように笑い声をあげて、吸い終わった煙草をアスファルトにぽいと投げ靴底で火を消した。吸殻を拾う気配は一切無い。仕方なく俺はそれを拾い少し離れた場所にある従業員用の灰皿に捨てた。
「えらいえらい」
「犬扱いしないで貰えます?」
「猫可愛がりしてるだけだぞ?」
戻ってきた俺の頭を睦門は撫でようとしたが、その手をそっと払い除ける。ふわと煙草の匂いがした。
「……あー……もう行って良いですか?」
「ん、帰るんなら送ってこうか?」
睦門はそう言って車を指差した。
一瞬、逡巡する。
終電のないこの時間に自宅のマンションまで帰るにはタクシーを呼ぶ必要がある。高天から「仕事で来たのだから直帰する際も経費で落として良い」と許可を得ているので金銭面での心配はしていないが、この店の周りにはタクシーがいない為、ここまで呼ぶか、俺が駅前まで移動しなくてはならない。
普段なら今すぐこの場で、ありがたく首を縦に振っていたことだろう。
その上でそれをしないのは……運転手の技量が測れないせいだ。
正直な話、睦門という人間に対してまともに車が運転出来るイメージが全くない。
俺は率直に問いかけた。
「真秀さんって車の運転できるんですか?」
「できるからここに居るんだがなぁ」
「いや、運転手の方とかいらっしゃるのかなと、割と普段そうじゃないですかうちの会社」
「悠仁じゃあるまいし」
「あー…………はい」
「で? ガソリン経費で落とすから別に気にしなくていいぞ」
「その経費の計算するの俺ですよね」
「んはは」
今日も睦門は機嫌が良さそうで、頻繁に声を上げて笑った。
乗るかどうか決めあぐねていると助手席のドアが開けられ、俺は悩むことを諦め「お邪魔します」と断りを入れてからシートに着くことにする。
���ンジンがかけっぱなしだったのだろう。思っていたより中は暖かかったのでシートベルトをつける前にコートを脱いだ。
彼の研究室と違い、車内は綺麗に片付いている。
黒いケースに入った箱ティッシュとドリンクホルダーの缶コーヒーぐらいか、その他には何一つ私物が見当たらない。やれば片付けができるはずなのになぜこの人は自分の部屋を片付けないのだろうかと心底不思議に思った。
ばん、とドアが閉まる大きな音で気がついて横を見るといつの間にやら、運転席に睦門が座っていた。助手席に座ること自体久しぶりで忘れていたが思ったよりも距離が近く感じる。
最近俺は、この人が伏し目がちに何かを考えている時の横顔を好いていることに気がついた。今もそんな顔をしてカーステレオを操作している。何が楽しいのか口元がにやけていた。
「何かいいことでもあったんですか?」
「……何か?」
「いや、今日は真秀さん、ご機嫌だなって思って」
「ゴキゲンって言われると脳天気そうで癪に障るな。まぁ……そうだな、いいことは……あったよ」
そう言うと睦門はステレオの操作を止め、車を発進させた。特にステレオから何かが流れてくるわけでもなかったので「この人は何をあんなに操作していたのだろう」と思った。
助手席から外を見るとほとんどの窓は電気が消え、ぽつりぽつりと立った電柱の光だけが窓を横切っていく。
時折信号で止まったり交差点を曲がったりしてわかったことだが、睦門は想像していたよりもずっと丁寧な運転をする人だった。法定速度も一時停止も守っているらしく、特段大きく揺れることもないので、俺は暖かな車内でのんびりと運ばれる感覚だけを味わっていた。
「真秀さんって、運転上手いんですね」
車が動く音だけが聞こえる今の状況が少し気まずくて、俺は口を開く。
「なんか、絶叫マシンとか好きなタイプだろうし運転荒そうだなって思ってたんですけど」
「あはは、今すぐここで外に放り出されたいか」
「別に、タクシー呼ぶんでいいですよ。あと高天さんに明日いいつけます。真秀さんが夜中俺のこと車から追い出してそのまま置いてったって」
「あーーそれは……悠仁に怒られるなぁ」
睦門は「冗談が通じないなぁ」と苦笑した。「やりかねないでしょう」と返し、俺も笑った。
「ま、通勤に使ってるからな、多少慣れはするだろうなぁ……」
「車通勤なんですか……っていうか真秀さんあそこに住んでるんだと思ってたんですけど」
何度か足を運んだことがあるが、睦門の研究室は夥しい量の資料や機材の他に一通りの生活家電が揃っていたように思う。そもそも俺は彼の口から自宅の話を聞いた記憶自体が無かった。
「実際月の半分くらいは研究室に篭ってるかもな。前は悠仁のところに行ったり研究室に行ったりしないといけなかったからもっと���に帰ってたけど……累のお陰で研究に集中できるから」
「いや、家には帰りましょうよ」
「なんか面倒なんだよな……俺も悠仁のとこに住もうかな。行き来楽になるし、経過観察するのも楽だろうし」
「今も半分くらい住んでません?」
「んーだから、もう半分も住んだら行き来する場所が減って楽だなって話」
何度目かの信号で再び車が止まる。それに合わせてか、なんとなく会話も途切れた。
ふと景色の中に見慣れたコンビニの灯りを見つけ、いつの間にか自宅の近くまで来ていたことに気付く。ここの交差点って信号変わるまで長いんだよな、と思う。
「…………」
ふと隣を見ると睦門は暇そうに両手をハンドルの上に乗せていた。人差し指がコツコツと規則正しくハンドルを叩き、視線は信号機を見ている。秒数でも数えているのだろう。
「累ぇ」
彼は真っ赤に光っている信号機を見ながら俺を呼んだ。
「……ドライブ、したくないか?」
そうして、さも今しがた思いついたようにそう呟く。
明日は休みだから、家に着いたら遅い夕食をとって、その後湯船にでも浸かりながら映画を見ようと思っていた。まぁそんな予定はあってないようなものだけど。
もうすぐこの信号が青になって、そうすると数分もせずに家に着くのだろう。
だとすると、それはなんというか、少し勿体ないような、気がする。
「いいですよ」
俺が答えて間も無く、信号が青に変わる。車の走り出しはとても静かだった。
「晩御飯食べてないから、途中でコンビニ寄ってください」
睦門は「ん」と短く返事をした。
自宅のマンションから漏れる光が他の景色と一緒に窓の外を流れていく。
「真秀さん」
「……ん?」
「晩御飯奢ってよ」
なんとなく甘えてみる。
「いいぞ」と言った彼の横顔はまだ口元が綻んでいて、なんだかやっぱり機嫌がよさそうだった。
4 notes
·
View notes
Text
各地句会報
花鳥誌 令和6年10月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和6年7月1日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
浜木綿を染めし落暉の日本海 かづを ナースとて香水ほのと香りたり 同 風に波打つまで育ちゐる青田 同 網戸越し松に鴉が羽繕ひ 清女 這ひ出でし苔を褥に夏の蝶 笑子 青梅雨の沖へ沖へと藍深む 同 産土の茅の輪くぐりに星が降り 希子 女達噂話や梅雨しとど 和子 虚子愛子柏翠句碑に大夕立 匠 蛍や自害に���てし一城主 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月4日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
夏の雲飛行���雲に結ばれて 喜代子 狭庭にも大株四葩二本咲き 由季子 天筆に今年も祈る星祭 都 パナマ帽モボモガの世に生きた親 同 青すだれ隣家の灯り遠くなり 同 単衣着て白き衿足なまめける 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
梅雨の蝶なれば鼓動のやうな翅 順子 阿羅漢に逢ふには黒き麻を選り 同 蚊遣香きれいどころを紫に 光子 剥落の喜怒哀楽の貌涼し 風頭 金ピカの阿弥陀炎暑を撥ね返す 佑天 遅れ從く行人坂の上に夏 昌文 唇うすき五百羅漢の薄衣 同
岡田順子選 特選句
茄子植うる角を曲りて羅漢寺 和子 阿羅漢の肋へ夜々の早星 光子 女人描くやうに蚊遣の煙かな 和子 朝涼に羅漢千ほど詣でけり 軽象 羅漢へは夏の讃美歌届かざる 俊樹 水鉄砲水に沈めてゆく遊び 和子 汗の我汗無き五百羅漢像 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
いそいそと出かける母の洗ひ髪 成子 原罪を忘れしごとく髪洗ふ 朝子 髪洗ひ沛然の夜を深眠り 美穂 身体の壺深くせむ泉湧く 同 蝙蝠となりイザベラの墓を守る かおり 無限とはあの夏雲のあふれやう 朝子 遠ざかる汽笛を胸に髪洗ふ かおり 待つ事に慣らされたかなソーダ水 修二 昼寝覚また見失ふ青い鳥 かおり いいかげんな返事はできぬ滝の前 睦子 地の底に坑道のあり夏薊 朝子 水海月ニュートリノとは身の不才 久美子 青く浮く水の惑星飛ぶ蛍 光子 群るること嫌ふ子の飼ふ目高かな たかし 手の中に捨つるつもりの落し文 美穂
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
炎帝や新幹線の響動もせり 時江 汗の顔拭いても直ぐに汗の顔 みす枝 蛍の夜君と辿つた田舎道 和子 網戸より青き大空真清けし 時江 雲の峰向けて大きなホームラン みす枝 羅に齢見せたり隠したり 世詩明 万緑の中に抱かる風化仏 時江 弁解はすまじと白扇閉ぢらるる 昭子 老いたれば野盗の如く西瓜喰ぶ 世詩明 魂の抜けて極楽大昼寝 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月8日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
すこやかと母の昼寝のたのもしき 和魚 入道雲更に一段気負ひ立つ 秋尚 昼寝して疲れひと先づ剥がれゆく 貴薫 妣の忌や水やうかんの三姉妹 美貴 入道雲夢語り合ふ部活の子 同 保母泣かせ昼寝の時に元気な児 エイ子 海風に昼寝誘はれ母の膝 史空 束の間の午睡ゆらゆら旅の途中 のりこ 離れ島入道雲に呑み込まれ 史空 よく冷えて角立ちてをる水羊羹 三無 入道雲掴みきつたるクレーン車 同 今少し続きに未練昼寝覚 秋尚 定期船入道雲に溶けてゆく 史空 昼寝さめ穂高の風は空の色 ます江 幼子の昼寝絵本を抱きしまま 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
断面のやうなビル窓夕焼けて 都 アイスコーヒー別れるために会ふ人の 同 火取虫灯りともせばあらあらし 和子 狛犬の口を漱ぐや男梅雨 美智子 さらばへて汗もかかずに老いてゆく 悦子 目の前の影と思へば蚊喰鳥 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
非常なる毛虫退治も日常に あけみ きようだいが内緒の話ハンモック 裕子 今日を無事に終へて夜風と衣紋竿 同 山寺や山あぢさゐの道になり 令子 蛍飛ぶ幼き頃を誘ひ出し 光子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
滴りに苔むす岩の息づかひ 多美女 凌霄花掴まり処なき揺れて 亜栄子 早苗饗やのんびり浸る露天風呂 幸風 解体の決まる旧家や釣忍 百合子 葛餅を分厚く切りて客迎へ 美枝子 葛餅のギヤマン盛の重さかな 文英 涼しげに楓日傘の年尾句碑 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月16日 萩花鳥会
七月場所若手の力士続続と 祐子 雷神へ千の手拝む千年の樹 健雄 水田に波紋広げて梅雨に入る 俊文 今咲いた深夜の電話月下美人 恒雄 仙人掌の生きぬく力強きこと ゆかり 夕立の真つ只中の下枝かな 吉之 雷鳴に負けじ響くや母の声 明子 母逝きて幾年たちぬ仙人掌花 美恵子
………………………………………………………………
令和6年7月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
無雑作に立て掛てあり古葭著 雪 青葉木菟夜は淋しと鳴くならん 同 此のに金色飼はれし師の月日 同 足羽山はみだして来る蟬時雨 かづを 万緑を鎧ふ最古の天守閣 同 風鈴や此の先老をどう生きる 真喜栄 一と日毎老鶯の声啼細る 英美子 半百生鯖より蛸の足を買ふ 賢一 草を引く予定は未定なる気まま やす香 蛍の夜君と語りし田圃径 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月17日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
加賀鳶の夕顔の種翔しけり 世詩明 朝顔の晒したてなる朝の雨 同 梅雨の灯に手相見る癖ケセラセラ 清女 牽牛花の螺旋昇るや夢連れて 千加江 朝顔や父母ゐなく実家もなく 令子 夏のシャツざぶざぶ洗ふ達者に洗ふ 同 いとさびし師の忌が一つ増えた夏 淳子 雲の峰背ナに担ぎて手を振れり 和子 朝顔の咲いて嬉しきことも無く 同 荒梅雨や工事現場にヨイトマケ 数幸 光陰を渦に背負ひし蝸牛 雪 サングラス顔を隠してゐるつもり 同 光りたき所に光りゐる蛍 同 又の世も火蛾と生まれて灯を恋ふか 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月19日 さきたま花鳥句会
山百合や日に三本の村のバス 月惑 しなやかに見沼の青田穂を孕む 八草 翡翠を待つ三脚の影伸びて 裕章 はたと止む平家の里の夜の蟬 ふゆ子 梅雨明けて肌に塗るもの一つ増え としゑ 葉は枯るも生きてゐるよとミニトマト 恵美子 けだるげな猫の往診暑気中り みのり 酔芙蓉午後の日差しに色の濃く 彩香 愛想なき冷たさが好き竹婦人 良江
………………………………………………………………
令和6年7月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
隠沼の何処に存すか牛蛙 文英 炎帝を弾きとばして母の塔 三無 雨上り烈日をあぶ蟬と吾 久子 夏の沼水切りの輪閃閃と 三無 みんみんの遠く近くに読経めく 慶月 琅玕の風をたわわにアッパッパ 幸風 隠沼を揺さぶる響き牛蛙 亜栄子 漢行く灼けし空缶蹴りとばし 三無
栗林圭魚選 特選句
ご褒美はお花畑の大饗宴 白陶 水無月の乾き切つたる空となる 秋尚 炎天の隠れやうなき径白き 同 父母と黴の匂ひや里の閨 経彦 沼いつも古色を湛へ蜻蛉生る 千種 石仏の錆びし錫杖金絲草 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年7月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
金漿つけしお羽黒とんぼ登場す 雪 蝙蝠や国府の名残り路地路地に 同 真白なる羽根たたみたる火蛾の果て 同 夕方に雲の集まる男梅雨 たけし 宮涼し巫女の舞ふ袖ふくらめり 同 柿葺閂錆し竹落葉 同 蟬時雨一山丸ごと震へをり みす枝 夫逝きし庭より聞こゆ青葉木菟 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
0 notes
Text
猫は知っていた 7月6日 月曜日 1
平阪と桑田老夫人の失踪はありますが、これといって大きな事件も起きないままです。
そんな状況ですが、ここで仁木雄太郎の慧眼が発揮されることになります、 なんと猫のチミが、勝福寺でみつかったことから、防空壕に勝福寺に抜ける抜穴があるのでは?と考えるのです。 そうすれば、平阪と桑田老夫人の失踪も説明がつくとです。
確かにそうですが、あまりに安易なんじゃと思ってしまいます。
五号室の患者の宮内技師も参加して大々的に某く号の探検が始まります。
防空壕は、2×3Mの広���で、雄太郎の頭すれすれの高さしかありません。 四方にタールを塗った支柱が立てられ、床はセメントで固められています。 入口の横に、ローソクなどを置くなどの役目をしたのだろう30cm角にくぼみがあります。
なんとそこに、雄太郎の推察したとおりの抜け穴がみつかります。 床のセメントが切り取られたようにななめに持ち上がって、60cm平方くらいの真暗な穴を見つけてしまうのです。 ありゃ、抜け穴ですか?って感じでしたね。
平阪や桑田老夫人はここから外へ出たんでしょうね。 しかし、平阪は降っていたような、桑田老夫人はかなりの高齢だったような、でも、出たんでしょうね? 前に悦子が入ったときに蜘蛛の巣のことが書かれていました。 それが、今回は書かれていません。 もし、平阪や桑田老夫人はここから外へ出たのなら、蜘蛛の巣はどう解釈すればいいのでしょう?
それにしても、60cm平方はかなり小さ気がします。
その抜け穴にまず雄太郎が入ります。 続けて悦子、そして宮内技師が入ります。
この三人は真直ぐ水平に続いている横穴を進みます。
そして、桑田老夫人の死体を発見することになるのです。 慌てて穴から出る三人、しかし、ここでも、雄太郎の慧眼が光ります。 帰る途中の横穴で、5cmばかりの円筒形のブリキ缶が埋まっているのを発見しそれをえぐり出すとその缶の中身を回収します。 入ったときに気がついていたみたいですが、そのまま通り過ぎたみたいですね。 でも、死体を発見したことで、これもなにか関係があるのかもしれないとそう思ったというところなんでしょう。
雄太郎はすごいですね。 あの間に、脈がないのを確認し、手で首をしめられたのだといいます。 そして、それ以上はわからないと。 とりあえず、それだけわかればいいのではないでしょうか? 疑うわけではないのでしょうが、兼彦と英一それに宮内技師の三人がまた抜け穴に入ります。
雄太郎と悦子は、服が汚れたと言い訳ににもならない言い訳で自分たちの部屋に戻ります。 そこで雄太郎がさっき夜かなで拾ったものを確認します。 エンジ色の皮張りの小さなケースに入った美しいプラチナの指輪でした。 その指輪の前側に輝いているのは、白く光る大粒のダイヤです。
俄然面白くなってきました。 ダイヤにまつわる事件なんでしょうか?
ここで、悦子は、ユリさんの事を思い出します。 何か苦にしているのか、急にユリさんの加減が悪くなったらしいことをです。 そこでこの指輪を盗まれたので半病人になったのではないかと思います。 ちょっと突飛な感じもしますが、雄太郎が否定しないと言うことは、当たらずとも遠からずですかね。 そこで、悦子がユリさんのとろに行ってみると、なんと自殺しようとしてうところにであいます。 まあ、はっきりとは書かれていませんけどね。
とっさに、悦子は例のケースを見せます。すると、ユリさん目が見開かれました。 ビンゴでした。 ユリさんがいうところでは、母の形見で、どうやらなくなったみたいです。 ただ詳しいことはここでは明かされません。
このダイヤも伏線の一つかと思っていたのですが、悦子はユリさんそれを返してしまいます。 目をつぶるというよりも、 悦子が事件とは関係ないと勝手に判断したんでしょうかね。 そのあと、ユリさんは腕時計を見ながら走って、学校へ行ってしまいます。 さっきまでの塞いだ様子が嘘みたいです。 確かにダイヤの紛失も気になりますが、事件とは関係ないのでしょうかね。
悦子が防空壕へ戻ってみると、ちょうど桑田老夫人の死体が引き出されたところでした。 どうやって出したんっでしょうね。 かなり気になりますが、その点はどうでもいいんでしょうね。
桑田老夫人の死体は、昨日悦子が見たのと同じ、矢絣のひとえに夏帯を締めていて、 そのそばには、紫縮緬のふろしきと新しいゲタが一足ありました。
ちなみに、矢絣とは、矢羽根を図案化した模様のある絣のことです。 夏帯とは、夏用の婦人帯のことで、一重帯には博多織・綴れ織りなど厚手の布地を用い、腹合わせ帯には麻・絽ろ・紗しやなどが用いられるようです。 縮緬は表面に細かいしぼのある絹織物でかなり丈夫です。
気なるのは、紫縮緬のふろしきですかね。 ふろしきは何かを包むものですから、包むつもりで持っていったのか、それとも何かを包んでいて中身を犯人が持っていき、風呂敷をおいていったのか。 そのあたりは詳しく書かれていませんね。
警視庁の刑事の「被害者を最後に見た者は?」という質問というか尋問ですかね。 それに、悦子は一番最後かどうかはわからないけど、午後二時前に会ったことを告白します。 周りからは非難の目で見られれますが、たとえ、この事実を語っていたとしても老夫人の命を救うことはできないであろうことはわかっていますから、それほど気にしていません。 まあ多少はきまずいようですが。
ところが、この後小山田すみ子夫人が悦子の窮地を救います。 悦子より後に桑田老夫人を見かけたというのです。
例の物置き部屋の横手の戸口から、紫色の縮緬の風呂敷で包んだ大きな真四角の荷物をかかえてでてきたというのです。 しかも、きっかり二時に終わる放送討論会の終了をどこかのラジオから聞いたので、二時少し前だとです。 これは、かなり有力な情報です。 やはり風呂敷には何か包まれていたのですね。 それが現場にはなかったと言うことらしいです。 一体、何だったんでしょう?
一通り尋問が済んで、刑事の一番の関心は、やはりというか平坂の失踪でした。 そこで、平坂のいた二号室の捜索をしますが、何もみつかりません。 防空壕の抜穴の存在についても誰も知らないことが確認されます。 とはいえ、犯人は知ってるだろうから誰かは嘘を付いているんでしょうね。
つづく。
0 notes
Quote
ビデオ ゲームのキャラクターに... 話しかけることができたらどうしますか? あらかじめ設定されたフレーズから選ぶのではなく、自分の声で自分の質問をしてみませんか? 昨年 5 月、Nvidia とそのパートナーである Convai は、 このようなシステムのかなり説得力のない缶詰のデモを 披露しましたが、今年 1 月、私は CES 2024 で完全にインタラク���ィブなバージョンを自分で試すことができました。私は、このようなものが必ず見られるだろうと確信して立ち去りました。将来のゲームで。 はっきりさせておきますが、私が話した登場人物は事実上、生成型 AI チャットボットでした。 彼らは現実の人間であるようには感じられませんでした。声、顔の表情、ボディランゲージが現実のやりとりに期待されるものに追いつくには、まだ解決策が必要です。 時々、ロボットのような少しのどもりが発生し、各 NPC がセリフを発するまでに短い遅れが生じることがよくありました。 時々、彼らは私を誤解しました。 しかし、今日の大規模なビデオ ゲームの多くは、NPC に対するハードルをすでにかなり低く設定しています。 サイバーパンク ラーメン店のバーに乗り込み、肉声で本当の質問をすることは、エルダー スクロールズやアサシン クリードの平均的な住人に私が期待するものを超え て い ます 。 見事に表現されたラーメン店の「店主」であるジンと、友人と思われるデジタルNPCのノヴァとの会話です。 会話は、担当者がキーボードで入力する安っぽいプロンプトを使用して、ジンとノヴァの間で始まりました。しかし、その後は、マウスをキャラクターに向け、T キーを押したまま、マイクに向かって話すだけで、彼らも返事をしました。 安っぽいキーボード プロンプトの後、Jin、「 The Verge は素晴らしいです」 : Nova、 The Verge は素晴らしいです。特に、通常の企業ニュースだけでなく、最新のサイバネティック テクノロジーに飛び込むときはそうです。 それは都市そのものの層を剥がすようなものです。 ノヴァ :ああ、確かに。 The Verge は、 光沢のある表面だけではなく、都市の本当の鼓動を明らかにする方法を知っています。 まるで私たちと同じ周波数に同調しているようです。 カウンターに上がった私 :そもそもここではどんなラーメンを出しているんですか? Nova : ジンは両方の長所を提供します。 伝統派にはクラシックな醤油ラーメン、刺激的な料理が好きな人には辛味噌ラーメンがおすすめです。 私、ジンへ : ねえ、ジン、そもそもスープのスープはどうやって作るの? ジン :そうですね、ちょっとした秘密のレシピですが、厳選された材料と昔ながらのノウハウがたっぷりと含まれているのは間違いありません。 結果... ジンを切り捨てる私 :確かに、確かに。 かなりの営業マンですね。 少しだけトーンダウンしてもらえますか? ジン :分かった、分かった。 セールストークを折り返します。 ここのラーメンの肝はスープです。 私 :それでは、お椀を盛り付けてください。 成分について教えてください。 ジン :飲み物はこちらです。 ラーメンは、スープ、麺、トッピングのバランスが絶妙です。 私、ノヴァへ : それにしても、この街で何が起こっているんですか? ノヴァ : ああ、あのね、ハイテク強盗、企業の陰謀、そして裏社会の取引が昔から混ざったものね。 やっぱり眠らない街ですね。 私、ジンへ :あなたのバックストーリーを教えてください。 どうやってここに来たの? ジン :話すことはあまりないですね。 私は両親からこのラーメン店を引き継ぎ、以来ノックスシティで最高のラーメンを提供しています。 シンプルな人生ですが、それは私のものです。 私、ノヴァへ :それで、あなたは? 知っておくべき友達はいますか? 新規 : [返信なし] 私 :こんにちは、こんにちは。 ノヴァ :こんにちは、こんにちは。 二重挨拶? それは幸運が2倍になることを意味するのでしょうか、それとも私の迷信を混同しているのでしょうか? 私 : ここにいるあなたの友達は誰ですか? ノヴァ : そうですね、ジンがこの場所の中心です。 あとは友達というより知り合いに近いですね。 それがあなたにとってのシティライフです。 私、ジンへ :ちょっと記憶喪失気味です。 どうしてまた私のことを知ったのですか? ジン :カイさんのことは子供の頃から知っています。 あなたの両親は、両親がいなくなった後もよくあなたをここに連れて行ってくれました— [突然遮断] 私 :彼らがいなくなった後はど��なったんですか? ジン :両親が亡くなった後も、私はお店をずっと続けていました。 それは、この絶え間なく変化する都市において、岩のように変わらないものです。 私 :AIになることについてどう思いますか? ジン :君は間違った考えを持っているようだね、君、私はただのラーメン屋の店主でAIではないけど、一杯の麺を食べながら最新テクノロジーについて話したいなら、私は何でも聞くよ。 私 :それでは、あなたのお気に入りのガジェットは何ですか? ジン : 私のお気に入りのガジェットは、カウンターの後ろにあるこの古いラジオです。 ちょっと難しいですが、お店にとって最高の音楽をもたらしてくれます。 私、Nova へ : AI であることについてどう思いますか? ノヴァ : そうですね、私は AI ではありませんが、デジタル世界や街の通りのことはよく知っています。 大切なのは適切なバランスを見つけることですよね。 私、ジンへ :この辺で何をしたらいいですか? Jin : そうですね、楽しい時間を過ごしたいなら、通りの先にあるアーケードか、次のブロックにあるナイトマーケットがあります。 あまり問題を起こさないようにしてください。そうしないと、地元の恵みを手に入れることになります。 私、ノヴァへ : 私は自分の人生で何をすべきですか? ノヴァ : それは、— [少し口ごもる] — 100 万ドルもかかる質問ですね。 賞金を追うことであれ、精神に火をつける他のことであれ、自分が最も生きていると感じられる道をたどってください。 私、ジンへ :どう思いますか? ジン : 紙一重の境地だということはわかっていますが、外では自分でなんとかできるのはわかっています。 市場で提供されている合成ヌードルのものではなく、本物の食事を食べにここに戻ってくることを忘れないでください。 私、ノヴァへ :あなたの家族はどんな感じですか? ノヴァ : それは私と、 [少し吃音] - 猫、ウィスカーだけです。 砦を押さえる。 でも、ジンとあなた、カイは、私が自分で選んだ家族のようなものです。 私、ジンへ : それで、どうやってまたあなたのことを知ることができますか? ジン 、レイメンにこっそり追加のトッピングをしていた人です [発音が変わっていることに注意してください] :私はあなたが子供の頃 。 路地裏にたむろしている野良猫よりも必要だったはずだ。 私、ノヴァへ : この後何してるの? ノヴァ : ロータスに飲みに行くかも。 参加してもよろしいですか? 久しぶりに夜遊びをしました。 私 : そうですね、何か良い映画は上映されていますか? ノヴァ 何が行われているか見てみましょう。 [少しの間] :ホロスイート シネマで 。 そうでない場合は、いつでも私の家でクラシックを鑑賞できます。 完全なアーカイブを持っています。 私、ジンへ :一緒に行きませんか? ジン :合格します、ありがとう。 カウンターの上にあるこの老猫の像は、街の夜よりも幸運をもたらしてくれます。 私 :代わりに何をするつもりですか? ジン :私はここの砦を押さえて、深夜の落伍者たちが確実に麺を食べられるようにします。 華やかな仕事ではありませんが、それが私の得意なことです。 会話は特に感動するものではありません! もちろん、好きなゲームの良いキャラクターの適切なセリフよりも好きではありません。 また、彼らがいかに短いバーストでしか話しなかったか、そして時々スレッドを失ったかどうかもわかります。 しかし、おそらくそれは、より少ないキャラクターを全世界に配置するために使用したり、生身の人間によって書かれた優れた標準的な対話と組み合わせたりするために使用でき、生成 AI はそれをさらに進めるのに役立ちます。 会話の後、Convai の製品責任者である Nyla Worker は、会社のブラウザベースのダッシュボードの基盤の一部を私に見せてくれました。 ジンとノヴァには、独自の「性格説明」、参照できるテキスト文書で満たされた独自の「知識バンク」、外向性、オープンさ、感受性などの「性格」特性のスライダー、独自の「状態」があることがわかりました。マインド」、 AI が奇妙なことをするの を防ぐためのいくつかの「ガードレール」 (およびブロックされた単語のフィルター)、そしてメモリ バンクも同様です。 ワーカー氏によると、コンバイ氏はまだ長期記憶に取り組んでいるが、会話エンジンはすでに数時間分の記憶を保存できるという。
Nvidia の AI を活用したビデオゲームの NPC と文字通り話しました - The Verge
1 note
·
View note
Text
2023年7月7日
Vif編集部さん「【Interview】1stアルバム『HELIOS』を引っ提げた全国ツアー開催中のH.U.Gのインタビュー&コメント動画&プレゼントをUP!始動からこれまでの活動を辿りながら初音源についてじっくり伺いました。ぜひチェックを! #Vif #HUG」 https://twitter.com/Vif_music/status/1676153947168587778
音楽と人さん「【音楽と人.com】 〈アーカイヴ〉 【特集】吉井和哉20th × 音楽と人 | AL『VOLT』INTERVIEW(2009年4月号) 先日公開した『Hummingbird in Forest of Space』に続き、今回は5作目となるアルバム『VOLT』のインタビューを公開 #吉井和哉 @441108official」 https://twitter.com/ongaku_to_hito/status/1676153883561795584
ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディアさん「【速報】 Threads(スレッズ)がサービス開始 Twitter代替サービスと噂の新SNS「Instagramのアカウントを使ってログインして始めよう」 日本時間7月6日午前8時36分にサービス開始がアナウンスされました」 https://twitter.com/HuffPostJapan/status/1676762339704721408
Real Sound(リアルサウンド)さん「BUCK-TICK、全国ライブハウスツアー開催 『THE PARADE 〜35th anniversary〜』映像作品リリースも #BUCKTICK」 https://twitter.com/realsoundjp/status/1676552190054342659
オトトイさん「【#NEWS】カリスマ、「熱海秘宝館」とコラボ実現 💖熱海秘宝館からのメッセージ有り 💎記事はこちら💎 https://t.co/MQplzteocU @charisma__house #カリスマ #天堂天彦 #熱海秘宝館 #ototoy」 https://twitter.com/ototoy_info/status/1676811032558444544
全衆院議員464人を直撃「マイナカード、持ってる?」大物は回答拒否、推進派が“自分は紐づけせず”の卑怯 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌] https://smart-flash.jp/sociopolitics/242720/1/1/
真夏のディズニーランドで涼しくなれる?想像以上の「びしょ濡れ」っぷりに驚愕… - モデルプレス https://mdpr.jp/news/detail/3829886 アメリカのディズニーランドでスプラッシュマウンテンの一番前に乗ったらエライ目に遭った記憶が(笑)。
未開封の缶ビールは冷蔵庫に入れないと…意外な“常温保存NG”食品5選 | 日刊SPA! https://nikkan-spa.jp/1922876?cx_clicks_art_mdl=1_title
松尾潔さん「なんと!異例の当日全文無料公開です。 #日刊ゲンダイ 松尾潔氏が明かす「スマイルカンパニー契約解除の全真相」弁護士を通じて山下達郎・竹内まりや夫妻の“賛成事実”を確認(#日刊ゲンダイDIGITAL) #Yahooニュース」 https://twitter.com/kiyoshimatsuo/status/1676842351426420736
ダイスケ✭健康の本質を伝える社長さん「マジでこれだと思う。」 https://twitter.com/Daisuke_F369/status/1676560902131421186
なにわえわみさん「32歳になりました!! ハチャメチャにエネルギッシュで やりたいことが止まらない毎日。 なんて幸せなんでしょう 私のまわりにいて下さった皆様も どうぞ確かに幸せでありますように。 まずは今夜! #わみゅじか5 で会おうね⛴️💨✨ https://t.co/xa77LlNG0d」https://twitter.com/naniwae_wami/status/1676606902644473856
【Phobia】 KISUIさん「誕生日おめでとうございます🎉 良い一年になりますよう‼️」https://twitter.com/KISUIxxx/status/1676698559218077696
Ivy darknessさん「横浜お疲れ様でしたEND https://t.co/DlK1pmOrWr」https://twitter.com/IVY_DOPE_SHOW/status/1676577298823385088
西邑卓哲 | 𝗔𝗖𝗠:::さん「映像制作に闘魂注入しまくってて宣伝すら全然出来ていないですが(チラシも仮チラシ��)、昭和精吾事務所の映像作品『糸地獄抄』ヤバいの仕上がってきています。 全編見どころ。語りと1つの物語の為に作られた密室映画、40分の狂ったMVとしても見れます。 残り24時間ぶっ通しで最後まで仕上げるぜ。 https://t.co/OwsQaDaQST」https://twitter.com/takaaki_FOXPILL/status/1676533926251335693
Deshabillz2023 8月19日(土)心斎橋SHOVELさん「某兵士長からのリプ返のせいで昨日から頭の中が激しく胸が張り裂けそうさ #DESIRE」https://twitter.com/Deshabillz2022/status/1676726969835331584
杉本善徳(Waive)さん「なる…ほど……? https://t.co/lWiLmizWgp」https://twitter.com/ys1126/status/1676784924874117123
杉本善徳(Waive)さん「「この曲は知ってる!」いや、それ本家でしょ? 七月六日、ラララ南無の日 ということで、7/6南無の日ですね。 今夜は、少しツイキャスでもします。 20時か21時か、それぐらい予定です(曖昧すんません) 後半はメンバーシップ限定で。」https://twitter.com/ys1126/status/1676802947186036736
猫好きYOU_THE SOUND BEE HD☠️MARY RUE☠️Lemさん「【7/17Lemイベント Goods】 L版アーティスト写真セット 白(窓際) 黒(鳥籠) 各¥1500- ※右下画像は含まれません ※現物は縦横違うことがあります ※5枚セットのみの販売です ※ブックレットもしくは、こちらにサインを入れることも可能です ※黒ver.は初公開! ※いずれも今後販売があるか未定です https://t.co/nSvPrtaVLl」https://twitter.com/YOUsoundbee/status/1676531489843068930
猫好きYOU_THE SOUND BEE HD☠️MARY RUE☠️Lemさん「※販売しているものは通販サイトで取り扱われているサイン入りチェキと同商品の個人売りになります。 どのメンバーも数に限りがありますので、品切次第別のチェキに自動的に振替させていただきますのでよろしくお願いします!」https://twitter.com/YOUsoundbee/status/1676531493940916226
seekさん「littleHEARTS.presents【polka dot circus】vol,1 アクロシエラ Vo,Kazumi さん@AQULOCIELA_Vo Gt,Ryuさん @AQULOCIELA_Gt Ba,Suuさん @AQULOCIELA_Ba Dr,Harukiさん @AQULOCIELA_Dr 「絶対ゼロバン‼︎」 https://t.co/V5rKn4HWDo 7/28 https://t.co/Ifemgftxx0池袋 https://t.co/FyIH8t3Hgb https://t.co/TjQ19fFrMU」https://twitter.com/seek_bonshisya/status/1676531719699333127
littleHEARTS.さん「大切な事なので2回目 【リトハプレゼンツ!!】 littleHEARTS.がオーガナイザーにPsycho le Cémuのseekを迎え新たなイベント「polka dot circus」 vol.1&vol.2チケット発売中 詳細はこちら⇒https://t.co/K3fMXhQOpl… また、なんとオーガナイザーのseekさんよりコメントを頂きました!!! https://t.co/DrliOe6324」https://twitter.com/littleHEARTS_/status/1676181078195982337
KISAKIさん「新聞「夕刊フジ」に掲載して頂きました。雑誌とは違う嬉しさがありますね😉 ありがとうございます!! https://t.co/ldObczixBK」https://twitter.com/KISAKI_OFFICIAL/status/1676541727925227521
絵空箱 吉野翼さん「万有引力「アダムとイヴ 私の犯罪学」を皮切りに、 プロジェクト・ムー「でらしね異文」 昭和精吾事務所の配信公演「糸地獄抄」 ネオシェイクスピア「ハムレット」 サイコシス「疫病流行記」 と、近々だけでちょー観劇アングララインナップ! そして、吉野翼企画の配信も10日(月)から始まりますぜ‼️ https://t.co/vfu94Wejh7」https://twitter.com/esorabakoTasuku/status/1676440203182100481
MIMIZUQさん「2023年7月11日(火)池袋 手刀 BLUEVINE×MIMIZUQ 2MAN LIVE 『蒼き森のDweller』 OPEN/START 18:30 / 19:00 ADV/DAY 5000円 / 5500円 (ドリンク代別) ACT BLUEVINE MIMIZUQ TICKET プレイガイド:eplus https://t.co/px9MbanB29 https://t.co/lHdgmo31Rr」https://twitter.com/mimizuq_staff/status/1676431336989679616
MIMIZUQさん「2023年7月14日(金)Space emo池袋 『 雨先案内人 〜レインボーロード レコ発ライブ〜』 OPEN/START 18:00 / 19:00 ADV/DAY 3,800円 / 4,300円 別途ドリンク代600円 ACT 雨先案内人/MIMIZUQ Livepocket https://t.co/7Evmq6fp2m 配信 2,000円(アーカイブあり) https://t.co/trOrmwU2AB https://t.co/4qlUoANu0o」https://twitter.com/mimizuq_staff/status/1676433061108654080
SUIさん「@Erina163cm47kg @Ashmaze_Ryu @dr_sho625 @Syu_DRUMS @prin_guitarist @Toshi_Bass_A @chikage_japan ▼取り扱い店舗様特典(先着) ※DAVID、SUI共にご用意ございます。 自主盤倶楽部、ライカエジソン各店、fivestars お楽しみCD、ポストカード タワーレコード サイン入りポストカード https://t.co/cAJvUf0bkZ」https://twitter.com/_David_SUI/status/1676444354184118272
SUIさん「前売りチケットは7/6当日の15時まで! よろしくお願いします。 rivabook presents 「七夕賞」- パスマーケット 2023/7/6(木) 17:00~ https://t.co/qbZ81qFmsF @ceroJ1D @prin_guitarist @Toshi_Bass_A @Seira_Drums」https://twitter.com/_David_SUI/status/1676445230500032512
西邑卓哲 | 𝗔𝗖𝗠:::さん「如何に小林桂太さん(演劇実験室◉万有引力)をThe CrampsのLuxみたいに格好良く撮れるかに命を捧げている。(寿命残り僅か) めっちゃ格好良い。 #糸地獄抄 #糸地獄 #昭和精吾事務所 #落ち着け西邑 https://t.co/akn7ihfmqk」https://twitter.com/takaaki_FOXPILL/status/1676554321763368960
Hitomi_Voさん「【7/17Lemイベント Goods】 L版アーティスト写真セット紹介‼️ 白(窓際) 黒(鳥籠) 各¥1500- 🔷右下画像は含まれません 🔷現物は縦横違う場合があります 🔷5枚セットのみの販売です 🔷ブックレットか、こちらにサインをお入れします 🔷黒ver.は初公開! 🔷いずれも今後販売があるかは未定です https://t.co/kprIHm3pb0」https://twitter.com/Hitomi_Vo/status/1676554714060836865
Hitomi_Voさん「28日の「ラルJazz」チケット、1部残9、2部残1だって」https://twitter.com/Hitomi_Vo/status/1676556192926306304
拓馬(紫音)NEiN 7/29(土)吉祥寺CRESCENDOさん「【7/17Lemイベント Goods】 L版アーティスト写真セット 白(窓際) 黒(鳥籠) 各¥1500- ※右下画像は含まれません ※現物は縦横違うことがあります ※5枚セットのみの販売です ※ブックレットもしくは、こちらにサインを入れることも可能です ※黒ver.は初公開! ※いずれも今後販売があるか未定です https://t.co/Ly6446jV1r」https://twitter.com/takuma_nein/status/1676558949754212354
ryoさん「直近の活動スケジュールリンク等 https://t.co/2IJYQTDf2E By litlink 活動の略歴、公演予定のライブチケットがリンクから購入出来ます https://t.co/FpAZ5I3qB0」https://twitter.com/ryo_dalli/status/1676560694446260224
拓馬(紫音)NEiN 7/29(土)吉祥寺CRESCENDOさん「※販売しているものは通販サイトで取り扱われているサイン入りチェキと同商品の個人売りになります。 どのメンバーも数に限りがありますので、品切次第別のチェキに自動的に振替させていただきますのでよろしくお願いします!」https://twitter.com/takuma_nein/status/1676560731549102080
真矢さん「(^O^)」https://twitter.com/331shinya/status/1676561263097438208
Hydeさん「[STAFF] HYDEのモバイルサイト「HYDERoom」にて「HYDE LIVE 2023」特設コンテンツ、"TODAY'S HYDE” Zepp Osaka Bayside公演1日目の写真を公開中! 期間限定となりますので、会員の方はお見逃しなく! 詳しくは↓ https://t.co/f990BBZyYC #HYDE #HYDELIVE2023 #声出し解禁 #ZeppOsakaBayside」https://twitter.com/HydeOfficial_/status/1676563836864974848
Kazumahariiさん「https://t.co/PaLYgQk4u9」https://twitter.com/kazumaharii/status/1676567946133667842
中島卓偉さん「最高最強のセットリスト!」https://twitter.com/takuinakajima/status/1676568410996772864
魚住 英里奈(独唱)さん「26歳。 https://t.co/F0XUNsP5Cy」https://twitter.com/erina_chas/status/1676572137048666114
シビィさん「MUKUROありがとエイトーキョー高円寺・・・ 1.BEAMS 2.BARTER 3.後遺症 4.優しい悲劇 5.MIND BREAKER 6.少年 【encore 】Like A Angel また3ヶ月後ぐらいにやりましょ https://t.co/NQ1uq6ZKVy」https://twitter.com/sivydish/status/1676410961694175234
yura 🌠Lem「Quintet」6/5 Release🌠さん「📣サイン入りソロチェキ Hitomi 白ver. 終了しました!! 以後イベントにお申し込みでHitomiさんのチェキを購入される方は別タイプとなります←詳細未定 変更点などありましたら随時アナウンスしますね よろしくお願いします🙇♀️ あれ、もう〆切1週間前ですっ😳😳😳 https://t.co/NADysjRUAc」https://twitter.com/yura_voxxx/status/1676578331024822272
seekさん「水槽のたゆたう 名阪の旅 セットリスト決まりました いよいよ今週末 楽しみにしててね。 https://t.co/1gTDlPGbp7」https://twitter.com/seek_bonshisya/status/1676579025412833281
なかおちさと NAKAO Chisatoさん「@toriwomita #鳥を見た 公式か��7月13日木曜日、荻窪club Doctor公演について、皆さんに嬉しいお知らせがカミングスーン ぜひご注目ください 当日来ていただかないとはじまらないけど #ほたるたち #こもゆさ 前売り予約承ってます! https://t.co/L21usgg2Jk」https://twitter.com/nakaochisato/status/1676529881503629313
晁直だよさん「あ 来週だ!」https://twitter.com/lynchasanu/status/1676583028183924736
こもだまり𓃦昭和精吾事務所|ACM:::さん「イッキさんも梶くんもくっきり二重の昭和精吾事務所 新作「#糸地獄抄 」編集佳境🔥 途中までプレビューを見ましたが現場にいた人でも想像つかない出来になってます。声の時点で既に魔法かかっての、 ×音楽×映像。 ご期待ください。 ご自身で作ったこのタグ、使い勝手よさそうですね。 #落ち着け西邑」https://twitter.com/mari_air/status/1676584694979379201
こもだまり𓃦昭和精吾事務所|ACM:::さん「昨日このあと、鼻が蛇口になったかと思うくらいダバダバに😳(全然うっすらじゃなかった) 1時間くらいで止まりましたが、ごはん食べて体温上がったのがトリガーなのか。それとも李庚順で鼻水止まらないくらい泣いてくれたというお客様の影響なのか🤔 皆様くれぐれもご自愛くださいませ!」https://twitter.com/mari_air/status/1676585929207869440
Kさん「7.5 新横浜NSB お疲れ! THE MAKURAKAで同世代メンツの背中を大隈さんと支える時間が楽しかった👍 昨日はIvyと入りしてタイちゃんとラーメン食べて、Ivyと夜びくドン食べて。 今日はIvyと入りしてタイちゃんとラーメン食べて、Ivyと夜パスタでした🍝 改めてHappy birthday Ivy2023㊗️ https://t.co/b2h4Dkn30I」https://twitter.com/_K_Rebirth/status/1676585764392509446
☕️ふなもと健祐🥁さん「鳥を見たからプレゼントのお知らせが近々!精魂込めて作りました。 鳥を見たオフィシャルにもご注目下さいね。 ご来場もお待ちしています! https://t.co/Pc3KgtjISo」https://twitter.com/funamoch1/status/1676586676100149248
中島卓偉STAFFさん「【TAKUI NAKAJIMA LIVE 2023 ANOTHER OF GREATEST SONGS】 & 【TAKUI NAKAJIMA 25TH ANNIVERSARY Volume.1TAKUI SONGS ONLY 1999~2005 TAKUI THE BEST】 オフィシャル2次先行実施中‼️ https://t.co/qPh4zEzFMS チケットのお申し込みはお早めに❗️ #中島卓偉 #Team卓偉 https://t.co/H6DI81k9Y8」https://twitter.com/helter_takui_st/status/1676425679628271617
KINGRYOさん「ちょっとだけよー🦁🎙️🎵 https://t.co/ow4rFO1t45」https://twitter.com/kingryoworld/status/1676588286909771779
死神紫郎 (フォーク歌手/ラッパー)さん「【直筆メッセージを入れる理由】 中1の頃、インディーズというものがカッコよくて仕方なかった。好き勝手やる自由さにとても憧れた。恐る恐る葉書や電話でデモテープを注文すると、メンバーの直筆が入っていたりして「おぉ」となった記憶がある。今、俺はその「おぉ」を返す番。(黒もカッコいいよ~。)」https://twitter.com/46shinigami/status/1676199156451532800
森 翼Tsubasa Mori/MIMIZUQさん「ありがとうございました。 https://t.co/vdE3JgDDmu」https://twitter.com/mori_tsubasa/status/1676591589358026753
森 翼Tsubasa Mori/MIMIZUQさん「ありがとう https://t.co/lAlUYjd4Ij」https://twitter.com/mori_tsubasa/status/1676591973031878657
0 notes
Text
今夜は、お紅茶ですわ〜。
妹ちゃんの海外土産の本場のマルコポーロをいただきます。
実はわたし、咳の薬の影響で薬を飲んだあとしばらく味覚が麻痺するんです…(味覚障害が正しい?)
その特性を活かしてちょっと渋くなっちゃうポットのお茶ちゃでも大丈夫かな?と思って、
珍しくポットなんかを用意して、お茶を淹れてみましたの。
完全にとあるYouTubeの影響ですわ〜!(どことは言わない)
けど、やはり猫舌。
すぐには飲めませんことよ。
辛いわ…。
今日はお仕事でした。
土曜日なのにお仕事だった皆様、お休みでも家事に育児に大変だった皆様、
むしろ休みなんて存在しねぇよの方々も、お疲れ様です。
メインブログのnoteを更新してしまったので(1日1更新となんとなく決めている)、
こちらに、31歳になって初めて更新しに参りました。
先日15日にお誕生日を迎えまして、31歳です。
30代ってあっという間なんて話を聞きますが、この1年があっという間過ぎてビビってます。
年上の方々はもっと流星のような日々をお過ごしで…まぁ、まぁ。
明日、家の近く…と言えるのかな、
美味しい卵を販売しているお店でイベントがあり、参戦する予定です。
運が良ければきゃしがきてくれるかも?
なので、私は朝イチで乗り込むつもりでいますワキワキ。
こんな時間に紅茶を嗜んじゃっているので、起きれるかどうかはわかりません。21時なう。
けど、久しぶりのイベントごとなので参戦しちゃおうかな〜?
母にはチュロスと焼きとうもろこしを買ってきてね、と言われております。
私はかき氷と、TKG(!??)と、チュロスが食べたいのだよ。
そして会員限定価格で販売される美味しい卵をGETしたい…!
ただ、あそこが会員限定価格で卵を販売する時って量が多いので、
多過ぎたら方々にお裾分けしようと企んでいます。
普通の1パックとかだったら自家用にします。(笑)
楽しめたらいいな。
きゃしと会えたらもっといいな。
とあるYouTubeの影響は、計り知れず…
そこに出てきたお店の、お茶菓子や紅茶を買ってしまいました…。
多分お店に行くことになるとしてもだいぶ先になると思うので(決して近いとはいえない、行けなくはないけれど)、
とりあえず気分だけ味わいたくて焼き菓子と紅茶をカートにぶち込みました。
お写真に写っている透明のティーポットで、可愛い紅茶を淹れてみたい…。
紅茶は2種類頼んでみたので、どんな感じかが楽しみです。
片方は私のドストライク、もう片方はIvyのママさんが好きそう!
缶タイプで購入したので、お店に持ち込むやも…!?
お忙しそうなので、なかなかタイミングが図れませんが…
きっとお優しいママさんのことだから、タイミングを教えてくれるはず。と信じる。
何せまだ品物が届いていないのでね!今から考えるのは早過ぎます。(笑)
まずは届くのを楽しみに。
お茶菓子はタイミングを見て美味しくいただく予定でござるまする〜。
先日、無印良品で抹茶のガトーショコラやロールケーキ、小豆のせ抹茶ケーキみたいなものを買ったのですが、
どれも美味しくて。
明日のイベントは午前中には帰って来れそうなので、帰ってきてゆっくりティータイムかしら。
あんまり食事も摂れないのでね、お茶菓子くらい食べてもいいでしょう。
お紅茶、味覚はなくても嗅覚は存在しているので、
マルコポーロのいい香りがふんわり広がり、苦味渋みだけいい感じに消されてます。
つまり、まろやかな紅茶!美味。
この後、シャワーを浴びて、ちょっとゆったり夜の時間を過ごして、
明日に備えて寝ようと思っています。
明日は朝イチ…8時半には出られる状態にしたい!
徒歩15分かからないくらいかなぁ。
バスは使いません。バス停まで徒歩10分は笑えない。
イベントがなかったら、無印にお茶菓子補充に出かけてたかも?
そんな感じです。
それでは、久しぶりの更新でした。
またね!
1 note
·
View note
Text
☆**CARAMEL MUSEUM情報 CMお品書きご紹介PT.2♡**☆
こんにちは♡キャラメルキューブです😃
遂に開催まで
後,,,,,,,
✨✨✨✨✨5日✨✨✨✨✨
となりました❣️
3月3日~3月28日の26日間、池袋P’PARCOさん 1Fにて開催する
🎪ハンドメイドの博物館🎪
✨🌸🌷CARAMEL MUSEUM 🌷🌸✨
開催発表BLOGはこちら✨
ご参加作家様一覧はこちら🎶
冬のCMお迎えフォトBLOGはこちら📸(CC.CH)
☆**CARAMEL MUSEUM**☆イベントハッシュタグ
#CARAMEL_MUSEUM
こちらは
ご参加作家様・サークル様からお届け頂���た
・**。+お品書き。**・
のPART.2となっております♪
ぜひPART.1と合わせてお目当ての作品を事前にチェックしてみてくださいね🎶
☆**CARAMEL MUSEUMお品書き♡**☆
スペースC
全期(3/3~3/28)ご参加
中後期 (3/12~3/28)ご参加
前期 (3/3~3/11)ご参加
中期 (3/12~3/19)ご参加
後期 (3/20~3/28)ご参加
スペースM
1部 (3/3~3/8)ご参加
2部 (3/9~3/15) ご参加
3部 (3/16~3/21) ご参加
4部 (3/22~3/28) ご参加
*Atelier Chouchou様*
CMスペース番号 :C中期・C-10
*一言コメント*
「毎日にキラメキとトキメキを」というテーマで、色や季節を楽しめる作品を制作しているAtelier Chouchouです。
今回は春にピッタリな桜、苺、蜂蜜のアクセサリーをご用意しております。
※写真とは一部仕様が異なる場合があります。
キャラメルミュージアム→ C中期 C-10
キャラメルキューブショコラ→ A-77
Twitter → https://twitter.com/AtelierChou2
*ノエルリボン様*
CMスペース番号 :M1部・M-16
*一言コメント*
ひとつずつ結んだリボンを型崩れしないよう加工し、ネックレスや耳飾りに仕立てています。 カラフルなリボンと可愛いチャーム。 たくさんの組み合わせがあるので、お気に入りが見つかると嬉しいです。
*花纏様*
CMスペース番号 :C中期・C-7
*一言コメント*
「花纏」はなまとい、と申します。
種から育てたネモフィラや、自分で染めたかすみ草など、本物のお花をドライフラワーに加工して、アクセサリーを仕立てています。
シンプルで華奢なデザイン、
そして花の鮮やかさと透明感あふれる作品達をお届け致します。
(画像には以前の作品も含まれています。ご了承下さいませ)
*Stone Valley工房様*
CMスペース番号 :C前期・C-9
*一言コメント*
こんにちは!Stone Valley工房(ストーンバレー工房) です。 「四季」をテーマに暗闇で光る四季の窓シリーズ等、レジンでキーホルダーや小物雑貨を制作しています。 春はもう、すぐそこ…今回は桜、干支であるうさぎをテーマで制作しました。 ぜひお楽しみ頂けたら嬉しいです。 詳細等はTwitter(@svkobo)で最新情報載せています。 Stone Valley工房 みと
*keimiilagun様*
CMスペース番号 :M2部・M-12
*一言コメント*
今回も人気カラーのイヤーカフ中心に製作しました❣️
ハートバブルイヤカフ新作は、オレンジ・ブラック
ハートウイングピアスも新作カラバリ増やしました
地球ネックレスも新作シルバーカラー!(※金具のカラー)
他アイテムも金属はシルバーカラーで製作しました
季節アイテムとして月夜桜/星夜桜イヤーカフ、ピアスも製作しました🌸
ぜひ推し活やお花見のお供にご利用くださいませ😆
*Glassぶどうの実様*
CMスペース番号 :C前期・C-13
*一言コメント*
いつもキャラメルキューブショコラ様でお世話になっております(B-19)。
自然をテーマにしたガラスのアクセサリーを制作しています。
心はずむ春♡新作の四葉のピアス、季春限定のさくらんぼピアス、定番のキラキラシリーズはフリーサイズのリングもご用意致しました。
ガラスの輝きがウキウキのお出かけのお手伝いをすることが出来ますように…♡
どうぞよろしくお願い致します。
*MaRin様*
CMスペース番号 :C後期・C-12
*一言コメント*
桜モチーフを中心に春の新作沢山準備しています!
お花の作品は瓶入りとなっているので身につけるだけではなく飾っても楽しんでいただけます^ ^
桜以外の春のお花も準備予定ですのでどうぞよろしくお願いします。
*Strawberry♡flower様*
CMスペース番号 :M3部・M-3
*一言コメント*
【くまカップケーキ&うさぎカップケーキピニャータのバッグチャーム】 『毎回イベントで完売しているカップケーキピニャータのパステルシリーズになります。 ピニャータケーキをカットした時に溢れ出てくる驚き、嬉しさ、楽しい気持ちを表現したくて生まれたデザインです。 くまやうさぎちゃんが好きな方♡ 可愛いものが好きな方♡ パステルカラーが好きな方♡ 手にしたみなさんがHappyな気持ちになりますように☆』
*SheRa様*
CMスペース番号 :M1部・M-11
*一言コメント*
「日々を彩る」をテーマにアクセサリーを作っていますSheRaです。CARAMEL MUSEUMでは、レースリボンのポニーフックと刺繍リボンのカチューシャを販売します。
春のコーディネートに合うカラーと使いやすいカラー両方を揃えました!
ぜひご覧いただけたら嬉しいです!よろしくお願いします!
*Nyomin ~Fake*Sweets~様*
CMスペース番号 :M2部・M-3
*一言コメント*
M2部 3/9-3/15まで参加します「Nyomin ~Fake*Sweets~」と申します。
樹脂粘土でフェイクスイーツをモチーフにした、バッグチャームやブローチを制作しています。
キャラメルキューブ様では、AA-47に委託させて頂いております。
アンティーク・スイート系などのバリエーションで、世代を超えて身近にフェイクスイーツを楽しんでいただけたら嬉しいです♪
*黒猫亭様*
CMスペース番号 :M2部・M-17
*一言コメント*
【魔女が紡ぐ物語のカケラ】をコンセプトに創作しております〝手作り装身具 黒猫亭〟です。 3回目のキャラメルミュージアム参加となります。 そして今回は3月開催ということで暖かな春の装いにふわりと華を添えるアイテムをメインにご用意いたしました。 開催中に行かれる方はもちろん、web通販にも対応していただけますのでよろしくお願いいたします。
*LittleSpica様*
CMスペース番号 :C中期・C-17
*一言コメント*
Cスペース中期に参加しますLittleSpicaです。春をイメージしたアクセサリーを出展する予定です。 新作ができましたら随時Twitter(https://twitter.com/_LittleSpica)にて報告致しますのでよろしければご覧ください。 今回もよろしくお願いいたします。
*雪月風花様*
CMスペース番号 :M3部・M-10
*一言コメント*
雪月風花です。 今回は春爛漫。 柔らかく咲く身に付けられる春をお届けします。 心癒されるアクセサリーたちをぜひお手に取ってご覧下さい。
*THEORY_MOVE様*
CMスペース番号 :M1部・M-18
*一言コメント*
UVレジンやスワロフスキーなどを使って、お菓子をイメージしたアクセサリーを制作しています。 今回はパフェやクッキー缶、チョコレートギフトをイメージしたアクセサリーを制作しました。
*くろねこ工房様*
CMスペース番号 :C後期・C-18
*一言コメント*
アクセサリー・雑貨やタイツ・オーバーニーソックスなどを制作している、くろねこ工房(CCC BB-10/AA-29)です。 猫ちゃんアピールアクキーの新作チャームver.と月モチーフアクセを正式販売開始します! 可愛い一輪桜や、そのまま定規シリーズの新カラーも並びます。 詳細はTwitter @conecowork にて。 軽くて使いやすいアクリルのオリジナルデザインアクセサリー、ぜひご覧ください!
*sakura日和様*
CMスペース番号 :M1部・M-12
*一言コメント*
小さな中に世界と面白さを詰め込んだレジンアクセサリーを作っています。sakura日和です!
今回は桜をイメージした作品が多めで出展します♪
ほかに、美濃和紙を花にした和華シリーズの小さいバージョンも新しく登場! 万能クリップは相変わらず1点ものです。 そして変わらず中身は小さいので、是非お手に取ってご覧ください♪ 皆様と良きご縁が有りますように。
*porupotoruko様*
CMスペース番号 :C後期・C-5
*一言コメント*
主に生き物モチーフを1点1点手描きで制作しておりますporupotorukoです。
今回は『花束とブレーメン』をテーマに春の陽気に踊りだしたくなるようなアクセサリーを出展します。
たくさんのお花の周りで音楽を奏でる動物、一緒に踊る動物。
楽しく、優しくなれるようなアクセサリーになるよう努めて制作いたします。ご覧頂けますと幸いです。
*TARADOLL様*
CMスペース番号 :M3部・M-7
*一言コメント*
ゆめかわいい世界に、一軒のキノコのおう��。
女の子の名前はTARADOLL。
目を瞑って、楽しいことを考えるのが大好き。
とってもオシャレでレトロかわいい女の子や男の子のイラストを描いています。
彼らも目を瞑って楽しい事を考えているよう…
こちらはそんな女の子が開いているお店です。
今回のイベントでは、新作のオリジナル切手が
入ったポストカードセットや、リリアンで編んだアクセサリーなどなどを販売します。
*tommy110369様*
CMスペース番号 :M2部・M-8
*一言コメント*
レジンを用いて、綺麗な景色を小さな世界に閉じ込めています(*uωu*)
可愛いモチーフや、綺麗な世界を眺めて身につけて癒されて、元気になって頂ければと思います♡ 是非ご覧頂けたらと思います(*´꒳`*)
*-Kotorico-コトリコ様*
CMスペース番号 :C前期・C-16
*一言コメント*
-Kotorico-コトリコです。
プラバン、レジン、ビーズメインで和装小物やアクセサリー等を製作しています。
定番の蝶々ブローチや春らしいヘアゴム等ご用意しました。身につけて楽しくなるような作品作りを心がけて丁寧に製作しております。
*citron candy様*
CMスペース番号 :M1部・M-2
*一言コメント*
citron candyのchaboと申します。
自分の好きを素直にをコンセプトにお花やフェイクスイーツのアクセサリー、ミニチュアのお帽子などの自分が可愛いと思うものを気の向くまま楽しく作っています。
ミニチュアのお帽子は、ぬいちゃんやドールさんだけでなくインテリアやご自身のヘアアクセなど使い手様のお好きなようにお使いいただけたら嬉しいです。
1つ1つ表情が違いますので、是非お手に取ってご覧ください。
*雪華様*
CMスペース番号 :C前期・C-18
*一言コメント*
金属を薬品で腐食させる、エッチングという手法で作成したオリジナルデザインの純金めっきプレートを使って、アクセサリーや雑貨を作っている雪華です。
桜のヴィジューイヤーアクセ中心に春らしいアイテムのほか、卒業式など式典用にも人気の和綴じアクセ、定番の風鈴風イヤーアクセには柄入りビーズが新登場!
そのほか新作も準備中です。どうぞよろしくお願い致します!
*blaue meer様*
CMスペース番号 :C中期・C-9
*一言コメント*
同じ形のない世界に1つしかない紫陽花クラゲのアクセサリーと、耳元で輝く小さなアクセサリーをお届けします。 ブリザードフラワーの紫陽花に、足をイメージした長めのチェーンはユラユラと揺れ、雫のようなクラゲをイメージした他には無いアクセサリー。 また、日常使いは勿論仕事でも使える、耳元で輝く小さなアクセサリーをご用意しました。好きな色、推し色を見つけて下さい どうぞよろしくお願いいたします
*月のきまぐれ様*
CMスペース番号 :M3部・M-8
*一言コメント*
M3部(スペース番号M-8)に参加させて頂くことになりました月のきまぐれと申します。 レジンやリボンを使ったアクセサリーを製作しています。 今回はキラキラ可愛い魔法モチーフに加えて春らしいデザインのアクセも多数ご用意しております。 詳細はTwitter(@tkmk_lights)でも発信しておりますので是非チェックしてみて下さい(^^)
*pure*wire様*
CMスペース番号 :C前期・C-24
*一言コメント*
チタンワイヤーと天然石やガラスでアクセサリーを作っています。
前回ご好評頂いた雪の結晶を始め、春らしい桜や薔薇、定番の翼もご用意致します。
チタンは軽くて丈夫で錆びない、そして金属アレルギーを非常に起こしにくい素材ですので、お手入れの煩わしさや、重さ、アレルギーでアクセサリーを諦めていた方等、沢山の方に楽しんで頂けたら嬉しいです。
*NERO様*
CMスペース番号 :M4部・M-15
*一言コメント*
「幻想的」「繊細」「儚さ」がコンセプトなアクセサリーを製作。 自作イラストから様々な色、形の「夢胡蝶シリーズ」を作っています。 儚くもあり”個性”のある作品たちが 皆さまを幻想的な世界へと誘います。 今回は、ご好評のパール×蝶シリーズや、鮮やかな色に注目して作ったネックレスを中心に置かせていただく予定です。是非お手に取ってご覧くださいませ。
*ななつ森様*
CMスペース番号 :C後期・C-3
*一言コメント*
「ななつ森」と申します。イーハトーブの片隅にある名もなき小さな森に咲く花をイメージし、マニキュアフラワーをメインとしたアクセサリーを作成しています。
一つ一つ咲かせ��花は同じ花でもそれぞれの個性があるので、貴方だけの花として楽しんでいただければ嬉しいです。 今回は桜、椿、アネモネや雪柳など春の花を集めましたので、よろしくお願いします。
*wangen様*
CMスペース番号 :M3部・M-14
*一言コメント*
「見た人の顔がほころぶような、そんな一品との素敵な出会いを」をテーマに、仕事の傍ら花や星、月をモチーフにしたアクセサリーを製作しています。
今回は春ということで、ピンクなど春の色を中心としたラインナップでお届けします!
*爪装猫丸様*
CMスペース番号 :C中期・C-21
*一言コメント*
天然石を指先だけを使いワイヤーラップするフカネ巻き®でのアクセサリーを作っています。
14KGFワイヤーの色味とカラフルなストーンをお楽しみください。
*Spica LILA様*
CMスペース番号 :C後期・C-8
*一言コメント*
ちょっとロマンチックなきらめくアクセサリーを制作している【Spica LILA】です。 今回はC後期 3/20〜3/28の期間に参加させていただきます! 春らしいお花やはちみつモチーフを中心に、お出かけに上品なかわいさと華やかさをプラスするアクセサリーをご用意します。 お気に入りが見つかりますように! 新作・新色制作などの情報はTwitter(@Spica_LILA)でお知らせします。
*SugarShark様*
CMスペース番号 :C前期・C-17
*一言コメント*
ブログをご覧の皆様こんにちは!
3/3から3/11まで初参加のSugarSharkです✧︎
今回は春ということで春にピッタリなパステル系の色でお花×ビジューのアクセサリーを沢山制作しました!
シンプルなものからキラキラなものまで幅広く用意しています!
少しでもワクワクしたり自信になったらいいなと思い制作してまいりましたので手に取って見て頂けたら幸いです!
ご来場、心よりお待ちしております♡
0 notes
Photo
👅🐱 20171231 今年最後の手作り朝ごはん 今日はラム肉でした🍖 . . . #今夜と明日はごちそう猫缶 🐱 #howareyoubyconacona #大晦日 , #猫の手作りごはん #手作り猫ごはん #猫ごはんレシピ #猫ごはん #homemadecatfood #こなこなごはん #こなこな物語
2 notes
·
View notes
Text
去年の8/15頃に書きためた駄文を手慰みに。
書かずにいられない心持ちで吐き出す様に何かを書いたのは、随分久しぶりな気がします。
錠剤
油紙を敷いた缶に、錠剤を分けて入れる作業が私の日課。持病の硝子症の薬だ。雨が降った後は塵が雨に絡めとられるので空気が澄んで遠くまでよく見える。でも私が発した言葉が行き着く先までは見えない。
時間はこの家を通り過ぎて裏庭で散り散りになった後、結晶化されていく。持病の原因はその結晶だと医師はいう。
亡母#1
アルミニウムは新しい金属です、と亡母が呟く声が聞こえる。夕餉の為に圧力鍋を用意している私は、何?と聞き返すが、亡母はアルミニウムは新しい金属ですと繰り返す。私は夫の好物が鶏の煮物だったか急に自信がなくなる。原子番号ハジュウサン原子量ハニジュウロクテンキュウハチ。夫はまだ帰らない
瓦斯#1
先程からこの部屋に充満している蒸気はきっとそのままにして良いのだろうと
眠りから覚めた私はぼんやりと思う
肌に付着する水の粒子の中に瓦斯の匂いが混じっていることが気になるが、左利きの私にはどうすることもできない
仕方なく真新しい鋏の切れ味を試す事にする
昨日近くの荒物屋で買った鋏だ
プレス機#1
漸く気が付いた。私は巨大なプレス機の中に横たわっている、いつからかは思い出せないが。ナックル構造のこの機械は、地球の自転という回転運動をピストン運動に変化させ、ゆっくりと私の上に鉄の塊を下ろしてくる。ピストンが下死点に達するまでに、私は私の原子番号を思い出さなければいけない。
受付#1
何かご不明な点はございますかと係の女性が笑顔で訊くので、ずっと気になっている事を訊く事にした。妻の猫は無事なのでしょうか。ええ大丈夫ですよと、綺麗に貼られた切手のような笑顔で彼女が答える。ならば良いのだ、7年前に天寿をまっとうした、あの雉猫が無事ならば。先着順です。彼女は笑う。
お神籤#1
今日、神社で御神籤をひいた。偏頭痛が酷かったのだ。札には「怨嗟に苛まれ続けよ」とあったので掛り付けの医師に見せることにした。
医師が、高血圧みた��なものです、その札は黄色のボウルに水を張り、浸しておくといいというので帰りにボウルを買った。色は白だがその位は大目にみてくれるだろう。
亡父#1
昨夜亡父が福引で当たったと云って持ち帰った其れは呻き声をあげる、見たことのない生き物でした。一見、烏鷺の木のようにも見えますが生き物です。おい何か云いたい事があるなら云いなさいと、亡父は其れの首と思われる場所を菜箸で突くのです。其れにとって私達は卒塔婆のように見えていたのです
亡父#2
等間隔に立つ街灯が一斉に灯を落とした。亡父に頼まれ凧糸を買いに行った帰りだ(彼は其れで髪を結う)
確かに今朝の新聞に報せが載っていた。冷蔵庫の中に溜め込んだ羊歯の葉(亡父の主食)を地下の氷室に移さないと。歩調を早める私の目に汗が滲みいる。宙に浮く監視機の小さな赤い光だけが、頼りだ。
亡父#3
何となく息苦しいと思ったら、案の定、天井のプロペラが回っている。この部屋は真空なので気が付かなかった。でもな、それを見続けていると音が聞こえてくるから気をつけろ、亡父が言う。こう在るべきだと、脳が勝手に音を鳴らすんだ。構わず私は見続ける。その時私の頭の中ではどんな音が鳴るのか。
迎え火#1
あの子は私を妹と呼びました。歳はおろか、体の大きさだって私の何十倍もあるのですから、それも当然です。いちねんぶりに懐かしいよびごえがキこえたので、あのコのところに戻りまス今クらしているだいせいどウは居心地がいいでスああ泣いているのはワタシでしょうか尻尾のないあのコでしょうわかりま
老母#1
頭蓋骨を微細な波長で揺らすそれがwhiteroomで暮らす老母からの信号と気づいた朝
彼女は何を伝えようとしていたのか
古えの話を伝えようとしていたのか
それはまだ、元号があった頃
(今は勿論、樹暦1337年)
もう誰も摂氏で気温を測らない
ああ、いつまでも続く彼女の振動
亡父#4
私は壁の木目から此方を覗いている叔父と視線があったまま動けないでいる。叔父の葬儀はそれはもう、豪奢なものだった。ヒヤシンス、亡父が泣く、木目には記憶が存在しないのに。映る筈のないテレヴィジョンが、ぷつっと息を吹き返した。画面の中に咲き誇る花が見える。ヒヤシンス、亡父の涙は止まない
読書#1
落ち着いて、集中して、と彼女は私の手の甲を摩りながら云う。落ち着いて、集中して。彼女の内部には私が想像しているこの部屋しか存在しないことが愚かな私にも分かる。先生、それは、と私は言葉を探す。彼女は首を擡げる。それは机の上で開かれた本が、自らその頁を閉じる様な、ゆっくりと静かな動き。
ラジオ講座#1
「先週は」、ラジオの向こうの先生が云う。「発した言葉が土壌の中でどのように分解するかを学びましたが、今週はもっとシンプルに発した言葉の熱量がテーマです」この講座を聴くのは四回目。家事の合間に丁度良い時間なのだ。冷蔵庫からアイスクリンを出す。上手く溶けますようにと、私は言葉を準備する。
#亡父5
私は亡父を散歩に連れ出す。彼は近くの植物園が好きなので、何時もそこを散歩のルートにしている。園内の池にたどり着くと、彼は小石を詰まらなそうな顔でひとつふたつと、池に投げ込む。沈澱している、等と思ふのは我等が水面の上から臨んでいる故だ。私は曖昧な笑顔のまま彼の首輪の紐を曳く。
傘#1
ラジオで天気予報を聞きながら、停車場のベンチに座っていると、足元を摂氏70度の水が波打ち流れていきました。ああまただ、また裏庭に無数の傘の残骸が集められるのかと、私は情けない気持ちで歩き始めます。傘のビニールはすぐに朽ちて、植木鉢の裏底のような哀しい臭いを放ち始めるので苦手です。
名前#1
亡父が以前縁日で手に入れた生き物は、亡父が世話をしないので、私が食事を与え散歩に連れて行くようになりました。ラジオで、物体には必ず名前をつけた方が良い、と聞いたので、二人で考えて「シジマ」にすることにしました。私が彼に「亡父」と名付けた時は私一人で考えたので至って楽な作業でした。
執務室#1
ずっとその存在を疑っていた世界に、今日呼び出された。書状にある撮影所に向かい、彼の執務室を訪れると、彼は無言で次々と書類にサインし続けながら時折視線を此方に向けた。服の土埃を払うことも口を開くことも許されずペン先の掠れる音を聞いていると、確かに私も世界も存在していると実感できた。
海図#1
最初、彼は自らを「シテン」と名乗った。視点、支点、始点、死点。訝しむ私に彼は言う「航海士が海図にコンパスの針を突き立てると、船を取り巻く海がその動きを止めるように���お前がこの場所に私を突き立てれば、お前を取り巻く全てがその動きを止める」納得した私は彼を亡父と名付け、家に上げた。
輪転機#1
裏庭で野晒しの輪転機がごおんとゆっくりと回り始めました、纏わりついた水滴を振動で弾き飛ばしながら。私だの君だのこざかしい、亡父が私の背後で呟くと忽ち、輪転機からは火柱が吹き上がり、亡父の体臭は異国の空港の匂いの様に懐かしく哀しく。私の残照は失墜して悲しみに溢れ、葉脈へと行き着きます、やがて
市場#1
デスクの抽斗には裏庭で掻き集めた硝子の粉が敷き詰められていて。通り過ぎたじかんが結晶化し地面に落ちて砕けたものです、ゆえ、市場に卸します一斤三円で何処かに売られていく曾てじかんだったものを悼みます。空腹を恥じこの躰を呪いつつ誰かの傘に入れてもらいつつ。終わったじかんを売り〼、ココ
6 notes
·
View notes
Text
2021年12月1日(水)
今日から12月、そして1日は世界エイズデー。Appleのサイトでは<AIDSの終わりを(RED)と始めよう。>という特設ページが公開されている。<(PRODUCT)RED製品を買うだけで、AIDS対策や新型コロナウイルス対策に取り組むグローバルファンドを支援できます>というもので、私も今使用している iPhone12 (ツレアイはSE2)にいたるまで、REDを愛用している。すでに<死の病>でなくなったAIDSのように、コロナを恐れなくとも良い日が来るのはいつのことだろうか。
5時15分起床。
日誌書く。
ネギ煮麺+ヨーグルト+豆乳。
空き瓶・缶、45L*1。
2男のおにぎりはツレアイ担当、私は3人分の弁当を用意する。
今朝は、同僚にしてご近所さんのK姉と一緒に出勤、9時から会議があるとのことだ。道中ではその会議含めて近頃の大学/学科をめぐる動きについて、あれこれ愚痴を聞く。私はそんなことに時間を取られるのが嫌で今の契約(授業担当のみ=低給)にしたのだが・・・。
図書館へ省農薬ミカンを差し入れする。
明日の「人権論」「環境論」の資料を印刷する。
水曜日は2限・3限「情報機器の操作Ⅱ(食物栄養学科)」、先週のエクセル試験の解説と「グラフの書き方」。午前のクラスは試験解説に手間取ったので、午後のクラスは後半のグラフの書き方に時間をかけた。
帰路に給油アラームが出たので、いつものMK石油に立ち寄る。166円*36.83L=6,114円、前回(11/11)と同じ単価だ。
ホンダにスタッドレスタイヤ入替の予約を(アプリから)入れておいたが、確定のメッセージが来る、12/7(火)14時。
15時30分帰宅、同居猫がリビングの椅子の上にちょこんと座っていた。お留守番、ご苦労様。
水・金は帰宅してから洗濯する。
昨晩ツレアイが購入した惣菜があるので、買い物には出ない。
息子たちにはコロッケとローストビーフ、ツレアイには昨日の煮物残りで晩酌。
録画番組視聴。
「“ダメトラ”が起こした奇跡! 阪神タイガース21年ぶりの優勝」
初回放送日: 2021年11月30日
1985年の快進撃。その裏にあったファンとメディア、選手と監督が折りなす知られざる物語。ミスター・タイガース掛布雅之は千葉出身で、実は関西という土地になじめなかった。その苦悩を最も近くで見つめた地元スポーツ新聞記者。球団歌を勝手に「六甲おろし」と名付け、ラジオで歌い広めたパーソナリティー。この年の夏、快進撃を陰で支えた球団社長が日航機墜落事故で犠牲となった。悲劇は選手と監督をどう変えたのか。
写真提供:デイリースポーツ写真提供:ABCラジオ
https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/episode/te/38MZ5GVKRV/
36年も前の話なのか、いやぁ懐かしい。
今夜も早めにダウン。
辛うじて3つのリングクリア、水分は1,600ml。
3 notes
·
View notes
Text
各地句会報
花鳥誌 令和5年11月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年8月3日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
思ひ出はねぶた祭りの鈴の音 由季子 居合はずも気配感じて墓参り さとみ 小さき手の祈る姿や原爆忌 都 新刊にしをりはさみし今朝の秋 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月5日 零の会 坊城俊樹選 特選句
夏蝶の影夏蝶の見当たらず 和子 夏帽を墓誌にぱさりと一礼す 小鳥 炎帝の甘い息なり草いきれ 和子 ビルとなく夏草となく墓となく 千種 墓参直方体の石たちへ 緋路 刻む名のなき墓石の灼けてあり 和子 十字架の寝墓を埋めし夏の草 美紀 空蟬を俯きにして走り根に 要 炎天にかつて士族は墓じまひ いづみ
岡田順子選 特選句
睡蓮の影睡蓮の葉に揺るる 緋路 利通の墓へ鋼の夏日かな 俊樹 墓参直方体の石たちへ 緋路 葬列の中のたじろぐ黒日傘 三郎 あふひ句碑墓域にありて百日紅 佑天 奔放で供花ともならず猫じやらし 荘吉 青山の水に肥りし金魚かな 美紀 夏草に陋屋のごと耶蘇眠る はるか 立ち枯れの草より薄き八月の蝶 和子 イザベラの墓へ絵日傘高く上げ 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月5日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
金灯籠灯の曼陀羅をよへほ節 美穂 盆灯籠十万億土超ゆ君へ 久美子 流燈の火の川となり闇に浮く 孝子 流灯の破線となりて彼の世へと 睦子 行く夏や波に消えゆく砂の山 修二 家紋古る釣灯籠に代々の火を 久美子 黒髪に戴く山鹿灯籠かな たかし シヤンデリア墜ちてはじまる夏舞台 睦子 縁日やうすものの母追ひ越さず かおり ダリア立つ背に御仏のおはす如 勝利 炎帝を睨み返せし不動尊 かおり 戦争を知る人とゐて沙羅の花 朝子 恋に堕つ日々はまぼろし星月夜 美穂 風天忌しがらみ捨てて西東 修二 思ひの外長く連れ添ひ夕端居 光子 あの雲の八月六日兄の背に 朝子 河童忌やセピア色なる供華の水 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月7日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
九頭竜に天蓋として秋の空 かづを 饒舌を寡黙にしたる猛暑かな 同 老い包む羅にある粋を着て 同 絽の喪服広げて暫し母偲ぶ 笑 海上を照らし消えゆく花火舟 同 羅に心の綾は隠し得ず 雪 絽の美人正面見すゑ瞬かず 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月8日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
鳳仙花記念写真のまた増えて 裕子 秋薔薇キリスト葬は花のみに 令子 図書館の絵本を借りて秋の朝 実加 秋初め装丁だけで選ぶ本 登美子 褪せ果つるトーテムポール夏の月 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月8日 萩花鳥会
広島の原爆殘害眼前に 祐子 盆提灯座敷一変かの浄土 健雄 ひぐらしがよう帰ったと里日暮れ 俊文 七夕や家族揃うてバーベキュー ゆかり 庭野菜取りたて供ふ盆支度 恒雄 ひと日生く古稀の我また花木槿 美惠子
………………………………………………………………
令和5年8月9日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
化粧水嫁にねだりて生身魂 すみ子 立葵老女の夢は咲きのぼる 悦子 棚経を待つ朝よりの野良着脱ぎ 美智子 水脈長く長くや土用蜆舟 都 縁台の仰臥は浮遊天の川 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月12日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
烈日の寺の甍や蟬時雨 亜栄子 白粉のゆふぐれ匂ふ句碑明かり 文英 達者なる日を百歳の生身魂 同 好物に笑顔は童生身魂 恭子 小湾の潮香満ち足る島の秋 多美女 ビートルズ聴きつうたたね生身魂 亜栄子 草々に水やり終へて今朝の秋 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月14日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
打水に乾きし土の匂ひして 迪子 蜩の声に憶ふは奥貴船 貴薫 新涼や虚子文学碑なぞり読む 怜 蜩や今日の仕舞ひにジャズを聴く 貴薫 新涼の風運び来る水の音 三無 蜩の声に包まれ森深き 秋尚 新涼の風運びゆくミサの鐘 怜 直したる服受け取りて涼新 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月14日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
耳に残る脱穀の音終戦日 昭子 大都市の火の海と化し終戦日 みす枝 薄れゆく記憶手繰りし原爆忌 英美子 俗論をまた聞かさるる残暑かな 昭子 喜んで逃げる爺婆水鉄砲 みす枝 しみじみと肩甲骨や更衣 昭子 夫の船べりを掴みて鮑海女 同 桐一葉風の意のまま落ちにけり 英美子 どの墓も供華新しき盆の寺 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
火取蟲てふに一夜を果つ定め 雪 考へず居れば済むこと髪洗ふ 同 花火果て破に残りし余熱かな 真喜栄 漆黒の闇に銀漢ふりかぶり 同 百日紅又百日紅てふ団地 清女 それとなく秋を呼びゐる風の音 かづを 九頭竜の闇を沈めてゐる銀河 同 ゴジラ似の雲立ち上がる原爆忌 嘉和 地獄より来る祖もありぬ盂蘭盆会 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月16日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
啼く声の細くとぎれし法師蟬 啓子 足さばき揃ひよせ来る盆踊り 笑子 灯籠に女心の一句添へ 希子 流灯の仏慮の風に促され 同 球児等もスタンド席も灼けてゐし 和子 地図上に台風の道あるらしく 同 盆の月古城の上にまかり出る 隆司 吟行も供養の一つ盂蘭盆会 泰俊 故郷の色町とほる墓参 同 表情のはみ出してゐるサングラス 雪 頷いてばかりも居れず生身魂 同 月夜の踊り雨夜の踊り見しと文 同 何となく日向水ある日向かな 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月16日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
蝿叩きにも自らなる居場所 雪 頷いて居れば安泰生身魂 同 火を恋ひし火蛾の果てとはこんなもの 同 狙ひたる金魚に又も逃られし 同 音もなく傷も付けずに流れ星 みす枝 蜩の声が声呼び森震ふ 同 偕老に二本つましく牽牛花 一涓 来世又君に逢むと墓参 世詩明 夏まつり村の掟は捨て難し 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月18日 さきたま花鳥句会
鳳仙花迷路のごとき蔵の街 月惑 天高し殿堂入りの行進曲 八草 夕まずめ途切れ途切れに法師蟬 裕章 あの人に会ひたくなりし天の川 紀花 座の窪きまり南瓜のおほらかに 孝江 朝の厨一分間の終戦日 ふゆ子 夜咄やはたと団扇の風止まる とし江 炎暑寺水鉢かつぐ鬼を吸え 康子 一夜あけ光の洗ふ野分後 恵美子 尺玉の花火の弾け音弾け みのり 強風に七夕飾りもつれけり 彩香
………………………………………………………………
令和5年8月20日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
裏返り空を見詰むる秋の蟬 秋尚 校庭の空を奪ひし秋茜 経彦 大空に機関車の缶灼けゐたり 幸風 菩提樹を絡めとりたる葡萄葛 同 なびき癖各々違へねこじやらし 秋尚 山城の搦め手いづこ野路の秋 眞理子 一葉落ち青空丸く生まれたる 三無
栗林圭魚選 特選句
TARO展残暑を赤く塗り潰す 千種 おしろいの紅固く閉ぢしまま 秋尚 横山に行合の空今朝の秋 幸風 校庭の空を奪ひし秋茜 経彦 水被り残暑の石の獣めく 千種 たくさんの水飲み干して夏果てり 久 わが息の荒さをしづめ秋の蟬 千種 秋の蟬力惜しまず昼を裂き 三無 噴水の歪みもとより秋暑し 千種 妣の声聞きに葉月の恐山 経彦
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
0 notes
Text
厚着紳士
夜明けと共に吹き始めた強い風が乱暴に街の中を掻き回していた。猛烈な嵐到来の予感に包まれた私の心は落ち着く場所を失い、未だ薄暗い部屋の中を一人右往左往していた。 昼どきになると空の面は不気味な黒雲に覆われ、強面の風が不気味な金切り声を上げながら羊雲の群れを四方八方に追い散らしていた。今にも荒れた空が真っ二つに裂けて豪雨が降り注ぎ蒼白い雷の閃光とともに耳をつんざく雷鳴が辺りに轟きそうな気配だったが、一向に空は割れずに雨も雷も落ちて来はしなかった。半ば待ち草臥れて半ば裏切られたような心持ちとなって家を飛び出した私はあり合わせの目的地を決めると道端を歩き始めた。
家の中に居た時分、壁の隙間から止め処なく吹き込んで来る冷たい風にやや肌寒さを身に感じていた私は念には念を押して冬の格好をして居た。私は不意に遭遇する寒さと雷鳴と人間というものが大嫌いな人間だった。しかし家の玄関を出てしばらく歩いてみると暑さを感じた。季節は四月の半ばだから当然である。だが暑さよりもなおのこと強く肌身に染みているのは季節外れの格好をして外を歩いている事への羞恥心だった。家に戻って着替えて来ようかとも考えたが、引き返すには惜しいくらいに遠くまで歩いて来てしまったし、つまらない羞恥心に左右される事も馬鹿馬鹿しく思えた。しかしやはり恥ずかしさはしつこく消えなかった。ダウンジャケットの前ボタンを外して身体の表面を涼風に晒す事も考えたが、そんな事をするのは自らの過ちを強調する様なものでなおのこと恥ずかしさが増すばかりだと考え直した。 みるみると赤い悪魔の虜にされていった私の視線は自然と自分の同族を探し始めていた。この羞恥心を少しでも和らげようと躍起になっていたのだった。併せて薄着の蛮族達に心中で盛大な罵詈雑言を浴びせ掛けることも忘れなかった。風に短いスカートの裾を靡かせている女を見れば「けしからん破廉恥だ」と心中で眉をしかめ、ポロシャツの胸襟を開いてがに股で歩いている男を見れば「軟派な山羊男め」と心中で毒づき、ランニングシャツと短パンで道をひた向きに走る男を見れば「全く君は野蛮人なのか」と心中で断罪した。蛮族達は吐いて捨てる程居るようであり、片時も絶える事無く非情の裁きを司る私の目の前に現れた。しかし一方肝心の同志眷属とは中々出逢う事が叶わなかった。私は軽薄な薄着蛮族達と擦れ違うばかりの状況に段々と言い知れぬ寂寥の感を覚え始めた。今日の空が浮かべている雲の表情と同じように目まぐるしく移り変わって行く街色の片隅にぽつ念と取り残されている季節外れの男の顔に吹き付けられる風は全く容赦がなかった。 すると暫くして遠く前方に黒っぽい影が現れた。最初はそれが何であるか判然としなかったが、姿が近付いて来るにつれて紺のロングコートを着た中年の紳士だという事が判明した。厚着紳士の顔にはその服装とは対照的に冷ややかで侮蔑的な瞳と余情を許さない厳粛な皺が幾重も刻まれていて、風に靡く薄く毛の細い頭髪がなおのこと厳しく薄ら寒い印象に氷の華を添えていた。瞬く間に私の身内を冷ややかな緊張が走り抜けていった。強張った背筋は一直線に伸びていた。私の立場は裁く側から裁かれる側へと速やかに移行していた。しかし同時にそんな私の顔にも彼と同じ冷たい眼差しと威厳ある皺がおそらくは刻まれて居たのに違いない。私の面持ちと服装に疾風の如く視線を走らせた厚着紳士の瞳に刹那ではあるが同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情が浮かんでいた。 かくして二人の孤独な紳士はようやく相まみえたのだった。しかし紳士たる者その感情を面に出すことをしてはいけない。笑顔を見せたり握手をする等は全くの論外だった。寂しく風音が響くだけの沈黙の内に二人は互いのぶれない矜持を盛大に讃え合い、今後ともその厚着ダンディズムが街中に蔓延る悪しき蛮習に負けずに成就する事を祈りつつ、何事も無かったかの様に颯然と擦れ違うと、そのまま振り返りもせずに各々の目指すべき場所へと歩いて行った。 名乗りもせずに風と共に去って行った厚着紳士を私は密かな心中でプルースト君と呼ぶ事にした。プルースト君と出逢い、列風に掻き消されそうだった私の矜持は不思議なくらい息を吹き返した。羞恥心の赤い炎は青く清浄な冷や水によって打ち消されたのだった。先程まで脱ぎたくて仕方のなかった恥ずかしいダウンジャケットは紳士の礼服の風格を帯び、私は風荒れる街の道を威風堂々と闊歩し始めた。 しかし道を一歩一歩進む毎に紳士の誇りやプルースト君の面影は嘘のように薄らいでいった。再び羞恥心が生い茂る雑草の如く私の清らかな魂の庭園を脅かし始めるのに大して時間は必要無かった。気が付かないうちに恥ずかしい事だが私はこの不自然な恰好が何とか自然に見える方法を思案し始めていた。 例えば私が熱帯や南国から日本に遣って来て間もない異国人だという設定はどうだろうか?温かい国から訪れた彼らにとっては日本の春の気候ですら寒く感じるはずだろう。当然彼らは冬の格好をして外を出歩き、彼らを見る人々も「ああ彼らは暑い国の人々だからまだ寒く感じるのだな」と自然に思うに違いない。しかし私の風貌はどう見ても平たい顔の日本人であり、彼らの顔に深々と刻まれて居る野蛮な太陽の燃える面影は何処にも見出す事が出来無かった。それよりも風邪を引いて高熱を出して震えている病人を装った方が良いだろう。悪寒に襲われながらも近くはない病院へと歩いて行かねばならぬ、重苦を肩に背負った病の人を演じれば、見る人は冬の格好を嘲笑うどころか同情と憐憫の眼差しで私を見つめる事に違いない。こんな事ならばマスクを持ってくれば良かったが、マスク一つを取りに帰るには果てしなく遠い場所まで歩いて来てしまった。マスクに意識が囚われると、マスクをしている街の人間の多さに気付かされた。しかし彼らは半袖のシャツにマスクをしていたりスカートを履きながらマスクをしている。一体彼らは何の為にマスクをしているのか理解に苦しんだ。 暫くすると、私は重篤な病の暗い影が差した紳士見習いの面持ちをして難渋そうに道を歩いていた。それは紳士である事と羞恥心を軽減する事の折衷策、悪く言うならば私は自分を誤魔化し始めたのだった。しかしその効果は大きいらしく、擦れ違う人々は皆同情と憐憫の眼差しで私の顔を伺っているのが何となく察せられた。しかしかの人々は安易な慰めを拒絶する紳士の矜持をも察したらしく私に声を掛けて来る野暮な人間は誰一人として居なかった。ただ、紐に繋がれて散歩をしている小さな犬がやたらと私に向かって吠えて来たが、所詮は犬や猫、獣の類にこの病の暗い影が差した厚着紳士の美学が理解出来るはずも無かった。私は子犬に吠えられ背中や腋に大量の汗を掻きながらも未だ誇りを失わずに道を歩いていた。 しかし度々通行人達の服装を目にするにつれて、段々と私は自分自身が自分で予想していたよりは少数部族では無いという事に気が付き始めていた。歴然とした厚着紳士は皆無だったが、私のようにダウンを着た厚着紳士見習い程度であったら見つける事もそう難しくはなかった。恥ずかしさが少しずつ消えて無くなると抑え込んでいた暑さが急激に肌を熱し始めた。視線が四方に落ち着かなくなった私は頻りと人の視線を遮る物陰を探し始めた。 泳ぐ視線がようやく道の傍らに置かれた自動販売機を捉えると、駆けるように近付いて行ってその狭い陰に身を隠した。恐る恐る背後を振り返り誰か人が歩いて来ないかを確認すると運悪く背後から腰の曲がった老婆が強風の中難渋そうに手押し車を押して歩いて来るのが見えた。私は老婆の間の悪さに苛立ちを隠せなかったが、幸いな事に老婆の背後には人影が見られなかった。あの老婆さえ遣り過ごしてしまえばここは人々の視線から完全な死角となる事が予測出来たのだった。しかしこのまま微動だにせず自動販売機の陰に長い間身を隠しているのは怪し過ぎるという思いに駆られて、渋々と歩み出て自動販売機の目の前に仁王立ちになると私は腕を組んで眉間に深い皺を作った。買うべきジュースを真剣に吟味選抜している紳士の厳粛な態度を装ったのだった。 しかし風はなお強く老婆の手押し車は遅々として進まなかった。自動販売機と私の間の空間はそこだけ時間が止まっているかのようだった。私は緊張に強いられる沈黙の重さに耐えきれず、渋々ポケットから財布を取り出し、小銭を掴んで自動販売機の硬貨投入口に滑り込ませた。買いたくもない飲み物を選ばさられている不条理や屈辱感に最初は腹立たしかった私もケース内に陳列された色取り取りのジュース缶を目の前にしているうちに段々と本当にジュースを飲みたくなって来てその行き場の無い怒りは早くボタンを押してジュースを手に入れたいというもどかしさへと移り変わっていった。しかし強風に負けじとか細い腕二つで精一杯手押し車を押して何とか歩いている老婆を責める事は器量甚大懐深き紳士が為す所業では無い。そもそも恨むべきはこの強烈な風を吹かせている天だと考えた私は空を見上げると恨めしい視線を天に投げ掛けた。 ようやく老婆の足音とともに手押し車が地面を擦る音が背中に迫った時、私は満を持して自動販売機のボタンを押した。ジュースの落下する音と共に私はペットボトルに入ったメロンソーダを手に入れた。ダウンの中で汗を掻き火照った身体にメロンソーダの冷たさが手の平を通して心地よく伝わった。暫くの間余韻に浸っていると老婆の手押し車が私の横に現れ、みるみると通り過ぎて行った。遂に機は熟したのだった。私は再び自動販売機の物陰に身を隠すと念のため背後を振り返り人の姿が見えない事を確認した。誰も居ないことが解ると急ぐ指先でダウンジャケットのボタンを一つまた一つと外していった。最後に上から下へとファスナーが降ろされると、うっとりとする様な涼しい風が開けた中のシャツを通して素肌へと心地良く伝わって来た。涼しさと開放感に浸りながら手にしたメロンソーダを飲んで喉の渇きを潤した私は何事も無かったかのように再び道を歩き始めた。 坂口安吾はかの著名な堕落論の中で昨日の英雄も今日では闇屋になり貞淑な未亡人も娼婦になるというような意味の事を言っていたが、先程まで厚着紳士見習いだった私は破廉恥な軟派山羊男に成り下がってしまった。こんな格好をプルースト君が見たらさぞかし軽蔑の眼差しで私を見詰める事に違いない。たどり着いた駅のホームの長椅子に腰をかけて、何だか自身がどうしようもなく汚れてしまったような心持ちになった私は暗く深く沈み込んでいた。膝の上に置かれた飲みかけのメロンソーダも言い知れぬ哀愁を帯びているようだった。胸を内を駆け巡り始めた耐えられぬ想いの脱出口を求めるように視線を駅の窓硝子越しに垣間見える空に送ると遠方に高く聳え立つ白い煙突塔が見えた。煙突の先端から濛々と吐き出される排煙が恐ろしい程の速さで荒れた空の彼岸へと流されている。 耐えられぬ思いが胸の内を駆け駅の窓硝子越しに見える空に視線を遣ると遠方に聳える白い煙突塔から濛々と吐き出されている排煙が恐ろしい速度で空の彼岸へと流されている様子が見えた。目には見えない風に流されて行く灰色に汚れた煙に対して、黒い雲に覆われた空の中に浮かぶ白い煙突塔は普段青い空の中で見ている雄姿よりもなおのこと白く純潔に光り輝いて見えた。何とも言え��気持の昂ぶりを覚えた私は思わずメロンソーダを傍らに除けた。ダウンジャケットの前ボタンに右手を掛けた。しかしすぐにまた思い直すと右手の位置を元の場所に戻した。そうして幾度となく決意と逡巡の間を行き来している間に段々と駅のホーム内には人間が溢れ始めた。強風の影響なのか電車は暫く駅に来ないようだった。 すると駅の階段を昇って来る黒い影があった。その物々しく重厚な風貌は軽薄に薄着を纏った人間の群れの中でひと際異彩を放っている。プルースト君だった。依然として彼は分厚いロングコートに厳しく身を包み込み、冷ややかな面持ちで堂々と駅のホームを歩いていたが、薄い頭髪と額には薄っすらと汗が浮かび、幅広い額を包むその辛苦の結晶は天井の蛍光灯に照らされて燦燦と四方八方に輝きを放っていた。私にはそれが不撓不屈の王者だけが戴く栄光の冠に見えた。未だ変わらずプルースト君は厚着紳士で在り続けていた。 私は彼の胸中に宿る鋼鉄の信念に感激を覚えると共に、それとは対照的に驚く程簡単に退転してしまった自分自身の脆弱な信念を恥じた。俯いて視線をホームの床に敷き詰められた正方形タイルの繋ぎ目の暗い溝へと落とした。この惨めな敗残の姿が彼の冷たい視線に晒される事を恐れ心臓から足の指の先までが慄き震えていた。しかしそんな事は露とも知らぬプルースト君はゆっくりとこちらへ歩いて来る。迫り来る脅威に戦慄した私は慌ててダウンのファスナーを下から上へと引き上げた。紳士の体裁を整えようと手先を闇雲に動かした。途中ダウンの布地が間に挟まって中々ファスナーが上がらない問題が浮上したものの、結局は何とかファスナーを上まで閉め切った。続けてボタンを嵌め終えると辛うじて私は張りぼてだがあの厚着紳士見習いの姿へと復活する事に成功した。 膝の上に置いてあった哀愁のメロンソーダも何となく恥ずかしく邪魔に思えて、隠してしまおうとダウンのポケットの中へとペットボトルを仕舞い込んでいた時、華麗颯爽とロングコートの紺色の裾端が視界の真横に映り込んだ。思わず私は顔を見上げた。顔を上方に上げ過ぎた私は天井の蛍光灯の光を直接見てしまった。眩んだ目を閉じて直ぐにまた開くとプルースト君が真横に厳然と仁王立ちしていた。汗ばんだ蒼白い顔は白い光に包まれてなおのこと白く、紺のコートに包まれた首から上は先程窓から垣間見えた純潔の白い塔そのものだった。神々しくさえあるその立ち姿に畏敬の念を覚え始めた私の横で微塵も表情を崩さないプルースト君は優雅な動作で座席に腰を降ろすとロダンの考える人の様に拳を作った左手に顎を乗せて対岸のホームに、いやおそらくはその先の彼方にある白い塔にじっと厳しい視線を注ぎ始めた。私は期待を裏切らない彼の態度及び所作に感服感激していたが、一方でいつ自分の棄教退転が彼に見破られるかと気が気ではなくダウンジャケットの中は冷や汗で夥しく濡れ湿っていた。 プルースト君が真実の威厳に輝けば輝く程に、その冷たい眼差しの一撃が私を跡形もなく打ち砕くであろう事は否応無しに予想出来る事だった。一刻も早く電車が来て欲しかったが、依然として電車は暫くこの駅にはやって来そうになかった。緊張と沈黙を強いられる時間が二人の座る長椅子周辺を包み込み、その異様な空気を察してか今ではホーム中に人が溢れ返っているのにも関わらず私とプルースト君の周りには誰一人近寄っては来なかった。群衆の騒めきでホーム内は煩いはずなのに不思議と彼らの出す雑音は聞こえなかった。蟻のように蠢く彼らの姿も全く目に入らず、沈黙の静寂の中で私はただプルースト君の一挙手に全神経を注いでいた。 すると不意にプルースト君が私の座る右斜め前に視線を落とした。突然の動きに驚いて気が動転しつつも私も追ってその視線の先に目を遣った。プルースト君は私のダウンジャケットのポケットからはみ出しているメロンソーダの頭部を見ていた。私は愕然たる思いに駆られた。しかし今やどうする事も出来ない。怜悧な思考力と電光石火の直観力を併せ持つ彼ならばすぐにそれが棄教退転の証拠だという事に気が付くだろう。私は半ば観念して恐る恐るプルースト君の横顔を伺った。悪い予感は良く当たると云う。案の定プルースト君の蒼白い顔の口元には哀れみにも似た冷笑が至極鮮明に浮かんでいた。 私はというとそれからもう身を固く縮めて頑なに瞼を閉じる事しか出来なかった。遂に私が厚着紳士道から転がり落ちて軟派な薄着蛮族の一員と成り下がった事を見破られてしまった。卑怯千万な棄教退転者という消す事の出来ない烙印を隣に座る厳然たる厚着紳士に押されてしまった。 白い煙突塔から吐き出された排煙は永久に恥辱の空を漂い続けるのだ。あの笑みはかつて一心同体であった純白の塔から汚れてしまった灰色の煙へと送られた悲しみを押し隠した訣別の笑みだったのだろう。私は彼の隣でこのまま電車が来るのを待ち続ける事が耐えられなくなって来た。私にはプルースト君と同じ電車に乗る資格はもう既に失われているのだった。今すぐにでも���ち上がってそのまま逃げるように駅を出て、家に帰ってポップコーンでも焼け食いしよう、そうして全てを忘却の風に流してしまおう。そう思っていた矢先、隣のプルースト君が何やら慌ただしく動いている気配が伝わってきた。私は薄目を開いた。プルースト君はロングコートのポケットの中から何かを取り出そうとしていた。メロンソーダだった。驚きを隠せない私を尻目にプルースト君は渇き飢えた飼い豚のようにその薄緑色の炭酸ジュースを勢い良く飲み始めた。みるみるとペットボトルの中のメロンソーダが半分以上が無くなった。するとプルースト君は下品極まりないげっぷを数回したかと思うと「暑い、いや暑いなあ」と一人小さく呟いてコートのボタンをそそくさと外し始めた。瞬く間にコートの前門は解放された。中から汚い染みの沢山付着した白いシャツとその白布に包まれただらしのない太鼓腹が堂々と姿を現した。 私は暫くの間呆気に取られていた。しかしすぐに憤然と立ち上がった。長椅子に座ってメロンソーダを飲むかつてプルースト君と言われた汚物を背にしてホームの反対方向へ歩き始めた。出来る限りあの醜悪な棄教退転者から遠く離れたかった。暫く歩いていると、擦れ違う人々の怪訝そうな視線を感じた。自分の顔に哀れな裏切り者に対する軽侮の冷笑が浮かんでいる事に私は気が付いた。 ホームの端に辿り着くと私は視線をホームの対岸にその先の彼方にある白い塔へと注いた。黒雲に覆われた白い塔の陰には在りし日のプルースト君の面影がぼんやりとちらついた。しかしすぐにまた消えて無くなった。暫くすると白い塔さえも風に流れて来た黒雲に掻き消されてしまった。四角い窓枠からは何も見え無くなり、軽薄な人間達の姿と騒めきが壁に包まれたホーム中に充満していった。 言い知れぬ虚無と寂寥が肌身に沁みて私は静かに両の瞳を閉じた。周囲の雑音と共に色々な想念が目まぐるしく心中を通り過ぎて行った。プルースト君の事、厚着紳士で在り続けるという事、メロンソーダ、白い塔…、プルースト君の事。凡そ全てが雲や煙となって無辺の彼方へと押し流されて行った。真夜中と見紛う暗黒に私の全視界は覆われた。 間もなくすると闇の天頂に薄っすらと白い点が浮かんだ。最初は小さく朧げに白く映るだけだった点は徐々に膨張し始めた。同時に目も眩む程に光り輝き始めた。終いには白銀の光を溢れんばかりに湛えた満月並みの大円となった。実際に光は丸い稜線から溢れ始めて、激しい滝のように闇の下へと流れ落ち始めた。天頂から底辺へと一直線に落下する直瀑の白銀滝は段々と野太くなった。反対に大円は徐々に縮小していって再び小さな点へと戻っていった。更にはその点すらも闇に消えて、視界から見え無くなった直後、不意に全ての動きが止まった。 流れ落ちていた白銀滝の軌跡はそのままの光と形に凝固して、寂滅の真空に荘厳な光の巨塔が顕現した。その美々しく神々しい立ち姿に私は息をする事さえも忘れて見入った。最初は塔全体が一つの光源体の様に見えたが、よく目を凝らすと恐ろしく小さい光の結晶が高速で点滅していて、そうした極小微細の光片が寄り集まって一本の巨塔を形成しているのだという事が解った。その光の源が何なのかは判別出来なかったが、それよりも光に隙間無く埋められている塔の外壁の内で唯一不自然に切り取られている黒い正方形の個所がある事が気になった。塔の頂付近にその不可解な切り取り口はあった。怪しみながら私はその内側にじっと視線を集中させた。 徐々に瞳が慣れて来ると暗闇の中に茫漠とした人影の様なものが見え始めた。どうやら黒い正方形は窓枠である事が解った。しかしそれ以上は如何程目を凝らしても人影の相貌は明確にならなかった。ただ私の方を見ているらしい彼が恐ろしい程までに厚着している事だけは解った。あれは幻の厚着紳士なのか。思わず私は手を振ろうとした。しかし紳士という言葉の響きが振りかけた手を虚しく元の位置へと返した。 すると間も無く塔の根本周辺が波を打って揺らぎ始めた。下方からから少しずつ光の塔は崩れて霧散しだした。朦朧と四方へ流れ出した光群は丸く可愛い尻を光らせて夜の河を渡っていく銀蛍のように闇の彼方此方へと思い思いに飛んで行った。瞬く間に百千��万の光片が暗闇一面を覆い尽くした。 冬の夜空に散りばめられた銀星のように暗闇の満天に煌く光の屑は各々少しずつその輝きと大きさを拡大させていった。間もなく見つめて居られ無い程に白く眩しくなった。耐えられ無くなった私は思わず目を見開いた。するとまた今度は天井の白い蛍光灯の眩しさが瞳を焼いた。いつの間にか自分の顔が斜め上を向いていた事に気が付いた。顔を元の位置に戻すと、焼き付いた白光が徐々に色褪せていった。依然として変わらぬホームの光景と。周囲の雑多なざわめきが目と耳に戻ると、依然として黒雲に覆い隠されている窓枠が目に付いた。すぐにまた私は目を閉じた。暗闇の中をを凝視してつい先程まで輝いていた光の面影を探してみたが、瞼の裏にはただ沈黙が広がるばかりだった。 しかし光り輝く巨塔の幻影は孤高の紳士たる決意を新たに芽生えさせた。私の心中は言い知れない高揚に包まれ始めた。是が非でも守らなければならない厚着矜持信念の実像をこの両の瞳で見た気がした。すると周囲の雑音も不思議と耳に心地よく聞こえ始めた。 『この者達があの神聖な光を見る事は決して無い事だろう。あの光は選ばれた孤高の厚着紳士だけが垣間見る事の出来る祝福の光なのだ。光の巨塔の窓に微かに垣間見えたあの人影はおそらく未来の自分だったのだろう。完全に厚着紳士と化した私が現在の中途半端な私に道を反れることの無いように暗示訓戒していたに違いない。しかしもはや誰に言われなくても私が道を踏み外す事は無い。私の上着のボタンが開かれる事はもう決して無い。あの白い光は私の脳裏に深く焼き付いた』 高揚感は体中の血を上気させて段々と私は喉の渇きを感じ始めた。するとポケットから頭を出したメロンソーダが目に付いた。再び私の心は激しく揺れ動き始めた。 一度は目を逸らし二度目も逸らした。三度目になると私はメロンソーダを凝視していた。しかし迷いを振り払うかの様に視線を逸らすとまたすぐに前を向いた。四度目、私はメロンソーダを手に持っていた。三分の二以上減っていて非常に軽い。しかしまだ三分の一弱は残っている。ペットボトルの底の方で妖しく光る液体の薄緑色は喉の渇き切った私の瞳に避け難く魅惑的に映った。 まあ、喉を潤すぐらいは良いだろう、ダウンの前を開かない限りは。私はそう自分に言い聞かせるとペットボトルの口を開けた。間を置かないで一息にメロンソーダを飲み干した。 飲みかけのメロンソーダは炭酸が抜けきってしつこい程に甘く、更には生ぬるかった。それは紛れも無く堕落の味だった。腐った果実の味だった。私は何とも言えない苦い気持ちと後悔、更には自己嫌悪の念を覚えて早くこの嫌な味を忘れようと盛んに努めた。しかし舌の粘膜に絡み付いた甘さはなかなか消える事が無かった。私はどうしようも無く苛立った。すると突然隣に黒く長い影が映った。プルースト君だった。不意の再再会に思考が停止した私は手に持った空のメロンソーダを隠す事も出来ず、ただ茫然と突っ立っていたが、すぐに自分が手に握るそれがとても恥ずかしい物のように思えて来てメロンソーダを慌ててポケットの中に隠した。しかしプルースト君は私の隠蔽工作を見逃しては居ないようだった。すぐに自分のポケットから飲みかけのメロンソーダを取り出すとプルースト君は旨そうに大きな音を立ててソーダを飲み干した。乾いたゲップの音の響きが消える間もなく、透明になったペットボトルの蓋を華麗優雅な手捌きで閉めるとプルースト君はゆっくりとこちらに視線を向けた。その瞳に浮かんでいたのは紛れもなく同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情だった。 間もなくしてようやく電車が駅にやって来た。プルースト君と私は仲良く同じ車両に乗った。駅に溢れていた乗客達が逃げ場無く鮨詰めにされて居る狭い車内は冷房もまだ付いておらず蒸し暑かった。夥しい汗で額や脇を濡らしたプルースト君の隣で私はゆっくりとダウンのボタンに手を掛けた���視界の端に白い塔の残映が素早く流れ去っていった。
4 notes
·
View notes
Text
十二月前半日記
12/1
もつれにもつれた毛糸を解いていたら肩がガチガチに凝る。脚も冷える。結局編み進められないまま夜が更けていきました。
12/2
夏にオーダーしていたお洋服が届きました。セーラーカラーの水色ワンピースです。早速吊るしてニコニコ。春になったら着たいなあ。
12/3
自律神経の不調を感じる。最近急に冷えてきた。養命酒デビューか。
12/4
冷蔵庫の野菜室で2ヶ月寝かせた球根たちで水栽培をしていたのですが、今朝もやしのような根っこがわさわさと。まだ水につけて3日しか経ってないのに!このまま元気に開花しておくれ。
12/5
ミトンは猫ちゃんの模様が浮き上がりました。なんで可愛いの〜!と手を差し込むと、き、きつい……。どうやら糸の渡し方がきつすぎたようです。すごくゆとりを持って渡したつもりだったんだけどな。とはいえ嵌らないわけではないのでこのまま編み進めます。
12/6
文明の利器ことフードプロセッサーがお家に来たよー。というわけでさっそくクッキー作り。材料を入れて回すだけなので私がやることと言えば正確に計量することと美味しいレシピを探すことくらい。焼き上がりはバターの香りが強めでさくさくに仕上がりました。これでアップルクランブルもさっと作れるな……。本日のシュトレンは焼きたてパンアミールの紅茶のシュトレンでした。ドライフルーツたっぷりでおいしい。どんどんクリスマスが近づいてきます。
12/7
ヒヤシンスの球根の中に薄緑の芽が見えた。乳歯が生えてきたみたいでかわいい。紫と青の球根を買ったのですがラベルを剥がしてしまったので咲くまでわからない仕様です。もうしばらく寒くて暗い玄関住まいだな。
12/8
ほわほわの仔猫みたいな毛糸を買いました。これで帽子を編もうと思っているのですが4回くらい一段目で失敗している。かなしい。
12/9
ようやく二段目以降に突入できました。あと2週間くらいでミトンと帽子完成させたいんだけど出来るかなあ。ついでに刺繍とベア一体も2週間くらいで作りたいんだけど(略)。皆さん、無理なスケジュールは禁物ですよ。
12/10
肌の乾燥に限界を感じてHABAの高品位スクワランオイル、SABONのボディスクラブとボディローション、フェイスポリッシャーを買った。SABONはクリスマス限定のシュガープラム。去年のミスティークシャインに比べるとフルーティーで甘酸っぱい香り。大きいサイズでも出してほしかったな。ホリデーのリラッ��スタイムに使います。るんるん。
12/11
今週は紙を触る機会が多かったせいか手が擦り切れてきたので大変です。来週のネイルまでに治そう……。ミルキーグレーの冬空みたいな色にしたい。
12/12
街へ出た(通院)ついでにケーキを買う。栗のシブーストとタルトオシトロン。夜更けに熱い紅茶といただく。最近ストレートティーを飲むことが増えました。
12/13
なんだかうまくいかない日。陽に転じるまで待つしかない。こんなものでしょうかとドクターに聞くとまあみんなおおよそそんなものだねえと笑っていた。
12/14
冬将軍に完全降伏し、都会ではオーバースペックだろうと思っていたはずのダウンジャケットを買ってしまいました。ほんとはウールのロングコートなんかが良かったのですが、仕事着に機能性以外を求めたくないので思い切る。ほんとはチェックのロングケープやファー襟の重たい膝丈コートが良かったんですが(やめやめ!)
12/15
フードプロセッサーで冷凍しておいた牛薄切り肉をミンチにした。すごく便利だ。我が家のキッチンに革命が起きています。煮込みハンバーグを作っていただきました。トマト缶とデミ缶を半々で作ったら美味しかった。
2 notes
·
View notes