#三宅瑠人
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2024-7月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏��したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「猫」です◆
今月は参加者の皆様に「猫」のお題でアンビグラムを制作していただいております。今月も逆さまな作字が集まっておりますので、ごゆるりとご鑑賞ください。今号は失礼ながら簡易的なコメントとさせていただいております。皆様のコメントがいただけますと幸いです。
「猫/ネコ」 図地反転型:ぺんぺん草氏
「猫」の隙間に「ネコ」が見える、ラングドン御大の作品でも見られる伝統的Figure-Groundタイプ。我々が現在定義している図地反転型の定義より弱いアンビグラムとはなりますが、ネコっぽいタイポグラフィも楽しい良い作品ですね。
「三毛猫」 旋回型:ヨウヘイ氏
「三毛」を回転重畳すると「猫」になる作品。文字幅がアンバランスでも読みやすくて面白いです。
「虎/猫」 旋回型: いとうさとし氏
虎のような模様のネコ。アンビグラマビリティは高くない語句だと思うのですがキレイに回っていて素晴らしいです。
「わんこ/ねこ」 交換型:kawahar氏
「わんこ」をうまく敷詰めると「ねこ」になり、さらに重ねるようにすると犬か猫かのような絵になる面白いデザインです。
「捨て猫」 回転重畳型:ラティエ氏
「捨/猫」の共存対応がキレイです。背景の絵も併せて回転重畳になっているのがすごいですね。素晴らしい。
「ネコ/液体」 敷詰振動型:Jinanbou氏
「液」の敷詰と「体」の敷詰と「ネコ」の敷詰が一致するようになっています。確かにネコは液体であるようです。
「肉球」 回転型:lszk氏
猫と言えば。図形を欠けさせつつ読ませるデザインに驚愕です。
「CAT TOWER」 図地反転鏡像型:ちくわああ氏
「TT/W」のハマり具合が気持ちいいですね。折り返しの「O」の自然さに驚きます。
「熊猫」 図地反転敷詰鏡像型:松茸氏
「熊」はパーツ反転しています。「正図」「図地反転」「逆図」「逆図地反転」を敷き詰めると、「非自明な対称軸や回転対称中心」が現れるのでアンビグラムの定義に当てはまる、という意図の驚異の作品。
「家族同然」 鏡像型:.38氏
「家/然」の対応がキレイですね。「族」の変形が楽しいです。
「ギコ猫」 旋回型 「ゴルァ」 回転型:無限氏
匿名掲示板で流行したAAの一つ��ギコ猫」とギコ猫のセリフ「ゴルァ」をAAベースのアンビグラムに仕立てるという面白い作品。
「逝ってよし!」 回転型:うら紙氏
こちらもギコ猫のセリフより。吹き出しとしんにょうの一体化が面白いです。
「猫娘」 図地反転型: いとうさとし氏
ゲゲゲの鬼太郎より。「猫」は字画がバラバラになっているの��重要なパーツ分けはしっかりしているので読めてしまいます。
「F.D.C.WILLARD/CHESTER」 回転共存型:兼吉共心堂氏
科学論文誌を執筆した物理学猫の名前より。F.D.C.ウィラードがペンネーム、チェスターが本名です。文字数の差の吸収のさせ方に注目です。
「ドラえもん」 図地反転回転型: いとうさとし氏
言わずと知れたネコ型ロボット。読みやすくていうことがありません。
「仲良くケンカしな」 回転型:繋氏
「トムとジェリー」の主題歌の歌詞より。同作のロゴ風の処理ですね。「ケ」第一画の思い切った処理が好きです。
「ねこねこ日本史」 回転型:あおやゆびぜい氏 日本の史実の人物を猫にして歴史を描く4コマ漫画シリーズでアニメ化もされました。読みやすくなるように文字組が工夫されていますね。「ね」のループは飾りとして処理しやすいのですね。
「黒船屋」 回転型:douse氏
竹久夢二の代表作の一つで、和服の女性が黒猫を抱いているさまを描いた絵画。「船」の自然さをはじめ、「黒/屋」も自然に読めすぎて脱帽です。
「吾輩は猫である」 回転型:きいろいビタ氏
夏目漱石の代表作。ひらがなをすべて袋文字風にすることで漢字との字画密度差を解消していますね。素晴らしいです。
「猫の手も借りたい!」 回転型:peanuts氏
近松門左衛門の浄瑠璃の一節が由来と言われています。文字組が面白いですね。最後の「!」が工夫できれいに対応付くようになっています。
「猫に小判」 回転型:つーさま!氏
猫の付くことわざと言えば。ひっそりと猫の横顔と猫の目のようなあしらいが楽しいですね。
「猫も杓子も」 回転型:lszk氏
何もかも。「杓子」の二つのハネがちょうど猫耳になるのが気持ちよいですね。
「猫の恩返し」 回転型:douse氏
図案が非対称のため共存型と見る方が良いかも知れません。全体的に網目のような文字が面白いです。
「宅急便」 内包型:螺旋氏
3重内包型。本家ロゴに似せているのもあり一目で読めますね。内包の関係にあることの発見が素晴らしいです。
「観測するまで猫の生死は判らない」 内包型:超階乗氏
現実に書いたものを実際に重ねて表現された3重内包。細かい調整と猫の絵が見所ですね。
「窮鼠猫を嚙む」 敷詰振動式旋回型:Σ氏
「窮鼠+を」の敷詰と「猫+噛む」の敷詰が一致します。「窮/猫」「鼠/噛」「を/む」の対応がピッタリですね。
最後に私の作品を。
「異郷で会える猫」 回転型:igatoxin
旅先で猫に出会う。
お題 猫 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「夢」です。真夏の夜の夢、レム睡眠、無我夢中、夢の島、トロイメライ、枕、荘子、儚、夢窓国師、枯野 など 参加者が自由に 夢 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は7/31、発行は8/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー} 2月{TV} 3月{クイズ} 4月{健康} 5月{回文} 6月{本} 7月{神話} 8月{ジャングル} 9月{日本史} 10月{ヒーロー} 11月{ゲーム} 12月{時事}
2024年 1月{フリー} 2月{レトロ} 3月{うた} 4月{アニメ} 5月{遊園地} 6月{中華} 7月{猫}
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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2024年8月24日(土)
今月は<ハルカス寄席><大須演芸場><木馬座><よこはま落語会>と、露の新治師匠の追っかけ強化月間だった。今日は<天満天神繁昌亭>、関東遠征から戻ったばかりの師匠が一日だけの出演、早めに<ぴあ>でチケットを押さえておいた。一番太鼓に私服で登場して雰囲気を盛り上げる、私は先に入場したのだがツレアイによる写真を拝借。しかし今日も酷暑、冷房の効いた場内は格好の避暑地だった。
5時45分起床。
体重は150g増。
洗濯機回す。
朝食を��ただく。
洗濯物干す。
珈琲を淹れる。
第4土曜日は<使用済み天ぷら油回収>、7時30分に幟とタンクをセットする。
夕飯用に、カボチャを煮る。
酢タマネギを仕込む。
10時、業者が回収に来てくれる、今回は6Lだった。
ツレアイは和服に着替え、残りもので軽くランチを頂いてから天満天神繁昌亭へ向かう。
桂駅から淡路駅まで彼女にとっては初めての<PRIVACE>体験、周囲の景色が違って見えるとのこと。
今週の昼席は桂三歩師が主任、今日だけ新治師匠が仲入り。場内は8割程度の入り、小文三・福枝のお二人は初見、バイオリン漫談は東京からの���演、変化に富んだ良い番組だ。我らが師匠は鈴本楽日の演目、五目講釈の最後で大谷君の40号ホームランを教えてもらう。
帰路も<PRIVACE>利用、桂駅の<GOZEN>でいつも通り惣菜を購入(¥2,579)して帰宅。彼女は三男とココに点滴、私は夕飯の準備。
唐揚げ・竜田揚げ・イカの磯辺揚げ、息子たちには冷や奴を付ける。
録画番組視聴、
林家染雀「金明竹」
初回放送日:2024年8月24日 土曜の早朝は関西の笑いをたっぷりと!▽今回は林家染雀の落語「金明竹」▽「30分まるごと林家染雀」…“早口のスピード”秘話▽おめでたい「金のしゃちほこ立ち」も披露
落語でたのしむ上方芸能
初回放送日:2024年8月23日 笑いの芸として愛されている「落語」。実は落語にはさまざまな古典芸能が取り入れられ、またその逆もあるんです。今回は、落語を入口にして、古典芸能をたのしみます。 上方の落語では、古典芸能の見どころやセリフ回しを巧みに取り入れたり、アトラクションさながらに高座で踊ったり、なんでもあり!落語でさまざまな古典芸能までたのし��ます。 その理由を上方特有の芸能どうしの「近さ」に探り、そして、落語の芸にルーツをもつお座敷の舞『南地大和屋へらへら踊り』についてもご紹介します。ゲスト:桂吉坊(上方落語家) <ご紹介するイベント・内容など>▽生國魂(いくたま)神社での”彦八まつり”▽浄瑠璃たっぷり!落語『浄瑠璃息子』(橘ノ円都)▽歌舞伎『忠臣蔵』が落語になると・・・▽桂吉坊の舞の稽古に潜入!?
片付け・・・する前に、私はダウン。
電車移動ばかりなので、3つのリングは完成せず。
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何ていうか、メンタルヘルスの安定しない人だよなぁ…/「女」を武器に仕事してる感がすごくて、なんかすごいな。すごい。
[B! 三浦瑠麗] 三浦瑠麗氏、文春新社長と小6娘を連れ夜遊び姿 自宅は六本木ヒルズから“都落ち”、軽井沢別荘は「夫の保釈金のため」売却 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
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2024/11/8 19:00:22現在のニュース
電気・ガス補助を再開、ガソリンは延長へ 経済対策原案 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/11/8 19:00:06) 戸籍の読み仮名登録、届け出は原則不要に 法務省 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/11/8 19:00:06) 厚生年金の要件調整 「勤労者皆保険」目指す 働き方の多様化で(毎日新聞, 2024/11/8 18:57:48) 人間国宝の吉田簑助さん、91歳で死去 人形浄瑠璃文楽の人形遣い(毎日新聞, 2024/11/8 18:57:48) ベスト4入りのJFE西日本 成長の要因は「書き初め」 日本選手権(毎日新聞, 2024/11/8 18:57:48) 地震後初の本格操業、輪島港でスタート 仮桟橋からズワイガニ水揚げ(朝日新聞, 2024/11/8 18:53:11) 住宅に侵入し90歳女性殺害容疑、アルバイトの男逮捕 山形県三川町(朝日新聞, 2024/11/8 18:53:11) リンクサイド:りくりゅう「ミスしても戻る練習やってきた」 NHK杯ペアSP(毎日新聞, 2024/11/8 18:49:18) れいわ新選組、国対委員長に山川仁氏 衆院選で初当選(毎日新聞, 2024/11/8 18:49:18) 「米国の会社なので違法ではない」 逮捕の「FC2」創業者が供述 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/11/8 18:49:04) 小沢一郎氏が目指す3回目の政権交代 剛腕の「神通力」今も? | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/11/8 18:49:04) 石破政権初の政府税調 首相「所得税のあり方課題」103万円の壁とは別に中長期の議論も([B!]産経新聞, 2024/11/8 18:49:02) 女児への不同意性交罪で懲役6年 アルコール依存症、責任能力認める(朝日新聞, 2024/11/8 18:44:40) マスク氏、ケネディ氏… 第2次トランプ政権の人事、注目されるのは(朝日新聞, 2024/11/8 18:44:40) 特集ワイド:政権交代は夢まぼろしか 長居無用 細川護熙・元首相が語る 野党の勝負は来年の参院選 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/11/8 18:42:29) 写真まとめ Honda vs. 三菱重工East 社会人野球日本選手権(毎日新聞, 2024/11/8 18:42:03) 「103万円の壁」見直しで税収170億円減 熊本市試算(毎日新聞, 2024/11/8 18:42:03) 政治改革と法務も立民 衆院委員長人事 憲法審会長は枝野氏(毎日新聞, 2024/11/8 18:42:03) 「1試合ごとに成長、というよりも」 「りくりゅう」が感じた手応え(朝日新聞, 2024/11/8 18:36:54) 障害者向けGH「恵」、全事業所を神戸の会社に一括承継へ(毎日新聞, 2024/11/8 18:34:56)
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2024年4月12日に発売予定の翻訳書
4月12日(金)には28点の翻訳書が発売予定です。 そのうち15点がハーパーコリンズ・ジャパンからのものです。
人はいかに学ぶのか
全米科学・工学・医学アカデミー/編 秋田喜代美/監訳 一柳智紀/監訳 坂本篤史/監訳 ほか
北大路書房
マップス・プラス 新・世界図絵
アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ/著 徳間書店児童書編集部/翻訳
徳間書店
フランス田舎暮らし12カ月
イザベル・ボワノ/著 トリコロル・パリ/翻訳
パイ インターナショナル
チェンニーノ・チェンニーニ 絵画術の書
辻茂/翻訳 石原靖夫/翻訳 望月一史/翻訳
岩波書店
17.18世紀大旅行記叢書〔第Ⅱ期〕5 仏領アンティル諸島滞在
佐野泰雄/翻訳
岩波書店
17.18世紀大旅行記叢書〔第Ⅱ期〕6 世界巡航記
平野敬一/翻訳
岩波書店
まじめにエイリアンの姿を想像してみた
アリク カーシェンバウム/著 穴水由紀子/翻訳
柏書房
マインドフルネスそしてセルフ・コンパッションへ
クリストファー・K・ガーマー/著 伊藤絵美/翻訳
星和書店
尹致昊日記 5
尹致昊/著 木下隆男/翻訳
平凡社
Apache Spark徹底入門
Jules S. Damji/原著 Brooke Wenig/原著 Tathagata Das/原著 Denny Lee/原著 長谷川亮/翻訳 弥生隆明/翻訳 北村匡彦/翻訳 竹下俊一郎/翻訳 小谷尚太郎/翻訳 北岡早紀/翻訳 市村幸一郎/翻訳 永里洋/翻訳 野上将嗣/翻訳
翔泳社
古代技術
ヘルマン・ディールス/本文 平田寛/翻訳
筑摩書房
ザ・ロード アメリカ放浪記
ジャック・ロンドン/本文 川本三郎/翻訳
筑摩書房
台湾の妖怪図鑑
何敬堯/著 魚儂/著 出雲阿里/翻訳
原書房
雨の日突然に
ダイアナ・パーマー/著 三宅初江/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
暗闇の中の愛
レベッカ・ウインターズ/著 東山竜子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
この手はあなたに届かない
J・R・ウォード/著 琴葉かいら/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
死者のカーテンコール イヴ&ローク57
J・D・ロブ/著 青木悦子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
愛の記憶が��ったら
ミランダ・リー/著 森島小百合/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
永遠の一夜
アン・メイザー/著 茅野久枝/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
君を取り戻すまで
ジャクリーン・バード/著 三好陽子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
いくたびも夢の途中で
ベティ・ニールズ/著 細郷妙子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
ギリシア海運王の隠された双子
ペニー・ジョーダン/著 柿原日出子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
瞳の中の切望
ジェニファー・テイラー/著 山本瑠美子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
熱い闇
リンダ・ハワード/著 上村悦子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
ギリシア富豪と契約妻の約束
ケイト・ヒューイット/著 堺谷ますみ/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
五日間で宿った永遠
アニー・ウエスト/著 上田なつき/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
スター作家傑作選~甘く、切なく、じれったく~
ダイアナ・パーマー/著 松村和紀子/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
傲慢富豪の父親修行
ジュリア・ジェイムズ/著 悠木美桜/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
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五篇 追加 その一
伊勢音頭で伊勢の山田と歌っているのは、和名抄の陽田からとったのだろうと思うほどその町は大きい。 十二もの村からなっており人家は、九千軒もあるだろうか。 商店が軒を並べどの店もそれほど派手ではないが、こまごましたところに神経を使っているようだ。 まさしく神都の風俗が自ずから備わり、柔和にして荘厳な雰囲気は他の国にはない光景だ。 参宮の旅人は絶え間なく訪れ、繁昌さらにいう言葉もない。
弥次郎兵衛と北八はあの上方者といっしょに、この町の入り口に着いた。 見ると両側の家ごとに、御師(『おし』と読み伊勢神宮の神職の一つ)の名を書いた板がまるで、竹林のように立っている。 更にその板には『用立所』とも書いてある。 ここで袴・羽織をひっかけた男と、何人となく行き違う。 どうやらこの男たちは往来の旅人を、御師に迎えるているようだ。
そのうちの一人の侍が、弥次郎兵衛に近づいてきた。 「もしあなたがた、どこへ来られたのでございますな。」 「言わずもがな、太神宮さまへ参ります。」 弥次郎兵衛が神妙な面持ちで答えると、 「いやいや、太夫はどなたで。」 「たゆう?」 弥次郎兵衛が聞き返すと、 「そう御師のことでござる。」 「ああ太夫は竹本義太夫殿さ。」 と浄瑠璃で有名な人物の名を口から出任せに言う。 男は、きょとんとした様子で、 「はあ義太夫というのは、どこのどなただ。」 とつぶやくように言うので、弥次郎兵衛が、 「その義太夫というのはな江戸ならわかるが、はて大阪ならさしずめ道頓堀だろうか。」 と、小首を傾げながら答える。 北八が調子に乗って、 「そう京では四条、お江戸では葺屋町で、永らく御評判になっておりました。」 と言うと、そこで男はからかわれていることに気が付いて、 「道頓堀で有名な、見世物小屋の者はお前方だったのか。」 と、洒落る。 「ふざけたことを言うと、ひっぱたくぞ。」 と今度は北八が、か��かわれたことが判ってそう言うと、 「えらい、威勢がいいことじゃな。ははは。」 と、笑って行き過ぎる。
上方者が茶屋を示して、 「ちと、休んで行こかいな。」 と言うと、北八が、 「ここらは、汚い所のようだ。 みな御師の便所らしく、ようたし所と書いている。」 と言うと、 「つまらないことを言う。ははは。」 と弥次郎兵衛が答えて、三人である茶屋に入りしばらく休む。
そのうち向こうより上方の参詣者が、大勢そろいの格好でやってきた。 女も何人かいるらしく聞こえてきた歌には、華やいだ色がある。 「ござれ、夜みせは~、順慶町の~、通り筋からそれ、 ひょうたん町を~、やあ、とこさあ、よいとこさあ、ちちち、ちんちん。」 弥次郎兵衛らが、その方を見ると、 「ひやかしや~、浮かれ騒ぐは~、阿波座のからす。 そりゃさ、かわいかわいも~やあれ、格子さき、 やあとこさ、よういとなあ、ありゃやこりゃや、 このなんでもせ~、ちちちん、ちちちん、ちんちん、ちんちん。」 と、通り過ぎる。
その後から太太神楽(だいだいかぐら)を奉納する、太太講(太太講)の連中がやってきた。 二十人ばかりいるだろうか、御師より向けられた迎えのかごに乗ってくる。 御師の使いの者が、先に立って、 「さあさあ、これじゃこれじゃ。 さあどなた様も、ここで御休息なさいませ。」 と案内してくると、かごは残らず茶屋の角にとまってしまう。 どうやら太太講は江戸の者らしく、いずれも全身絹の優雅な身なりで短い太刀を腰に挿している。
連中はめいめいかごを出て座敷に通りだしたのだが、その中の一人の男が弥次郎兵衛を見つけて、 「いやこれはどうだ。弥次殿きさまも参宮か。」 と声をかけてきた。 弥次郎兵衛はびっくりして見れば、町内の米屋の太郎兵衛である。 江戸をたつ時この米屋の払いをしないでないしょで旅立ったので、何となく居心地が悪くて弥次郎兵衛はしょげかえって、 「や、これは太郎兵衛さまか。よくお出かけなさいました。 しかしここで、あなたのお目にかかってはめんぼくない。」 と、頭を下げる。 太郎兵衛は、ニコニコしながら、 「いやいやわしも仲間の太太講で、その上この連中の世話役というものだから、しかたなく出かけたがよい所であった。 旅先ではとかく、同じ国の人が懐かしい。 まあ奥に来て、一杯やろうじゃないか。」 と誘ってきた。 「ありがとうございやす。」 と弥次郎兵衛は、かしこまっている。 「連れは誰だ。ははあ、まんざら知らぬ顔でもない。」 と太郎兵衛は、北八を見つけてそう言うと弥次郎兵衛の方を見て、 「そうだちょうどいい。太太講に参加しないか。 それも飛び入りとなると、ちょっとばかりだが金が出るから不躾だがわしらの供になると、一文も使わず腹いっぱいご馳走になっておがまれるというものだ。どうだ。」 と、言う。
弥次郎兵衛は、ちょっとびっくりして、 「それは願ってもないことで、ありがとうございます。 しかしそん��事が出来ましょうかね。」 と問うと、太郎兵衛が、 「はてわしが講親だもの。どうにでもなる。まあ、とにかく奥に来い。」 と弥次郎兵衛をつかまえて奥に連れて行こうとする。 「はいそれなら。すまんが上方の。ちょっとばかりここで待ってくんなせえ。」 と弥次郎兵衛は振り向きながら、連れの上方者にいうと、 「よいわいの。いってきなさい。」 と、言っている。
太郎兵衛が、 「さあさあ二人とも、こっちこっち。」 とこの太郎兵衛にいざなわれ弥次郎兵衛も北八も、わらじをとって奥に通る。 この間上方者は店先でひとり、酒など飲んで待っていることにした。 奥では太太講の事なので御師よりのご馳走で、さいつおさえつ大騒ぎの真っ最中である。 と又表に一群れのかごが、十、四五ばかりやってきた。 この連中も太太講らしく、御師の使いが先にたって案内する。 かごかきが、 「ほう、よいよい。えっこらさっさっさ。」 とこれも同じく、この茶屋に入ってくる。 御師の使いが、 「さあさあ、御案内御案内。」 と言いながら連中をこの茶屋に通すと、茶屋の女中が、 「いらっしゃいませ。さあ、奥へお通りなさいませ。」 と奥に上げる。 女中はすぐに酒と肴を持ち出して、太太講、二組の大騒ぎが始まった。 さてこの座敷でもいろいろあったのだが、あまりクダクダしいので略す。
やがて奥の酒盛りも終わりお立ちといことになったのだが、なんと二組の太太講がいっしょになってしまった。 わいわいがやがやと二組の太太講が奥から出てくると、最初の方の御師の使いが一番先にたって、 「さあさあおかごの衆これえこれえ。どなたもさあおめしなされませ。」 と、あっちこっちをかけまわりかごにのせ始める。 それより遅れて後から来た方の、御師の使いも同じく駆け回りて、 「こちらのおかごは、これへこれへ。」 と横付けして、みなを乗せ始めた。
米屋の太郎兵衛はろれつの回らない口調で、弥次郎兵衛の手をとると、 「おい弥次公。貴様は俺のかごに乗っていけ。」 と弥次郎兵衛に言ってきた。 「いや、とんだことをおっしゃる。」 と弥次郎兵衛は、手を振り払い言う。 「いや俺はここから、酔い覚ましに歩いて行く。 貴様、洒落に乗っていけ。」 となおも太郎兵衛がしつこく言うので、弥次郎兵衛は、 「なるほどそれなら、乗らしてもらおう。」 とかごに乗ることにした。
さあ、お立ちじゃと両方のかごがいっしょに担ぎ上げると、混雑しているからかそれともただの間抜けか弥次郎兵衛の乗ったかごの人足は、後から来たほうのかごの中へ紛れ込んだのに気が付かないでさっさと担いで行く。 ところが他の連中もこの混雑の中で、誰もそれにきがつかない。 だんだんと急いでいくほどに、山田のまん中すじかいという所で米屋の太郎兵衛がいる太太講は内宮の御師へ行くので左へ、もう一つの太太講は外宮の御師なのでここで右の方に行きやがて、田丸街道の岡本太夫宅に着いた。
門前には盛り砂がありほうきで掃き清められ、更に打ち水で清められている。 玄関には幕がはってある。 御師が羽織・袴で迎えに出ると、太太講の連中はみなかごを降りて玄関から奥に入って行く。 弥次郎兵衛も促されるままに座敷に上がったのだが、みな知らない顔ばかりである。 それもその通りである。 かごかきの失敗で間違った方向にやってきたのだから。
「はて、どうしたことだろう。もしもし米屋の太郎兵衛さまはどこにいらっしゃいます。」 と弥次郎兵衛がうろうろしていると、そばにいた男が、 「なんじゃいな、太郎兵衛さんとは。わしゃ知らんわいな。 それにお前さんはまるっきり見ん顔じゃが、誰じゃいな。」 と、詰め寄って来た。 「はい。私はそれ太郎兵衛さんの町内のものじゃが、はてなんだか場違いな気がする。北八はどうしたろう。」 と弥次郎兵衛が無性に、うろうろきょろきょろとまごついていると、みんなもびっくりして互いにそでをひきあいて荷物を片側に寄せてささやきあいだした。
つづく。
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×××
「ごめん、そこ譲って!」
瑠真とアンドリューが角から転がり出てきた。それでそのとき、望夢とシオンの間にあった緊迫と予期された動きは破壊された。
シオンが距離を取り、英語でなにかアンドリューとやり取りする。アンドリューも言葉少なに返す。にやりと笑ったシオンが再び地形の影へと消えていった。瑠真は体勢を立て直すと同時、激しくアンドリューを狙撃するが、アンドリューは手に持っていたものを裏返した。
地形カードだ。突然周囲が飛び石の水辺になり、滑る。バタバタとパネルが音を立てた。
パネルを見て、目を疑う。いつの間にそれだけの点差がついていたのだ 地形変更はおよそ四度目だったが、ゴースト撃破数の桁が文字通り変わっていた。
Japan Player: 0 Ghost: 4
America Player: 0 Ghost: 30
「望夢、あいつカード狙いで動いてタイミング見て切って、ずっとこっちの邪魔狙い」
すれ違いざまに瑠真が囁いた。
「ムカつくから本人トバそうとしてるんだけど、その間に雑魚ばっかり撃って稼いでる」
「……バトンタッチ」
「うん」
ペアと視線が交錯する。
「私じゃジリ貧になる。音楽の解除はもうできる」
「ああ」
一度目で解析は済んだ。曲が変わっても上辺が影響されるだけだ。根本の解除方法は変わらない。最初の分担に戻ったほうがいい。瑠真がいくら相手の音楽戦法の乗りこなしを覚えてもそれは相手のフィールドで踊っているだけだ。
フィールド││物理的なフィールドカードも同時に思い出す。キングという苗字が似合いだ。音楽と地形を支配する青年。
瑠真の言葉を改めて思う。
フィールドカードを使うのは、本当に「こっちの邪魔」││撹乱のためか 彼は周囲に音楽を聞かせたいのだとシオンは言っていた。音楽と重ねて、全く別個の攪乱を行う意味とは
望夢は離れていく瑠真の背中に、インカムを構えて語り掛けた。
「瑠真、できるだけ長引かせて」
「了解」
特にためらいのない返事。言葉を交わすのと同時、それぞれが、今来たのと反対側に飛び出した。瑠真はシオンへ、望夢はアンドリューへ。
アンドリューが狙うゴーストを、彼の発砲と同時に撃った。アンドリューが振り向く。こちらに注目が向く。
まずはアンドリューを継続的に狙った。青年は小刻みにこちらの照準を避けながら移動を始めるが、撃ち返してはこない。
望夢は気合を入れ直した。戦術解析なら得意分野。レーザーガンもペタル式のため、望夢の干渉操作系能力の範囲内だ。
会場全体のペタル銃へ、そして周りのすべての状況に感覚を巡らす。自分自身の動きも感知のコントロール下に置くことで、照準を繊細に調整していく。
「……ああ、やっぱり狙ってるな。こいつでどうだ」
そして、少し遠くにいたゴーストを二体ほど、連続して撃ち抜いた。
Japan Player: 0 Ghost: 5
USA Player: 0 Ghost: 30
協会側のスコアパネルがパタパタ言う。アンドリューがまとめて点数を入れるときよりは、よほど控えめな数だ。
なのに、アンドリューは先ほどより露骨に嫌な顔をした。自分が狙われたときより反応が大きい。こちらが彼のゴースト狩りの邪魔をしていると気づいたのだろう。
「いい反応」
にやりとして銃を構え直す。
「もうちょっと、その顔見せてくれ」
仮説更新。奴はプレイヤーを狙わない代わりに、ゴースト狩りをできるだけ意味あるものにする方策を練っている。では、その方策とは ゴーストは地形に紐づいたものだ。望夢は今度は地形を形成するペタルを探る。
正直集中対象が多すぎて、地形のような広い範囲を対象にすると何がなんだか判断できない。だが、だからこそ浮かび上がってきたものがあった。
地形に影響されない地点が会場内にいくつかある。
その正体はすぐにわかる。カードの配置だ。
カード台の周りはペタル流が止まっているのだ。理由は単純。物理的な感触を『ペタルで形作っている』各地系とは異なって、カードとカード台は実際に物理だ。であれば、それが完全に見えなくなるような地形セットは発生しない。どんな地形の変動が起こっても、そこだけペタルの地形には覆われない形になる。
アンドリューは音楽とゴースト、そしてカードを使って、何をしたいのだ
彼が向かっている先を見極める。カード台はその先にあるか 向かうならこれだろうという方向の台には当たりがつくが、アンドリューは真っ直ぐそこに向かっているわけではない。周囲のゴーストを狩りながら、不規則に回り道している。
「……、」
不規則だろうか。──実は法則性があるのではないか。
移動しながら望夢は途中でアンドリューを追うのを辞め、横道に飛び込んだ。その先には別のカード台がある。それを取って切ろうとしたとき、「ヘイボーイ」シオンの声が響いた。
思わず首をすくめた望夢の頭の傍を通って、レーザー光が岩の形をした壁に当たる。
「うわっ」
思わず身を隠す。近くをシオンと瑠真がそれぞれ走り去っていった。巻き添えを食らうところだった。通りすがりに見つけてこちらの邪魔をし��のだろう。
その間にアンドリューが別のカード台に辿り着いたらしい。バタバタバタと、また点数パネルが捲れた。今度は火山口のような、殺風景な凹凸地形が開けた。
そろそろ気がついていた。
アンドリューが地形を組み替えるごとに、動く点数が大きくなっていく。
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地形自体には元々、フレーバー程度の要素しかないはずだ。なのにこれだけ点数が変わるのは明らかに設計ミスではないか。あくまで地形による凹凸で、無理な位置になるエネミーの発生キャンセル分だけのはずだ。
エネミー発生キャンセル──望夢は横切っていくゴーストを睨みつけた。
「よう、お前、消えたら何秒後に再生するんだっけ」
撃つ。
しばらく何も起きなかった。
また瑠真とシオンが横切るのを危惧する空白のあとに、ぼこり、と同じ位置に煙霧の発生。それが人の形になり、ゴーストになって歩き去っていった。
「四秒……ってとこかな」
あるいは。アンドリューが鳴らす音楽で言うと、八拍程度。
望夢はインカムをつけた。直接の会話の邪魔になるからと仕舞っていたが、これは一応味方との通信に使える。
「瑠真」
『だぁ今集中してるとこなのぉーっ、何』
「俺たちが控室で見るより前から、地形バリエーションって公開されてた」
『はぁ』
瑠真が怪訝な声をあげた。
『当たり前でしょ。あの説明映像、選手には開会前からずっと渡されてるわよ。くじ引きでここになっただけなんだから、当たり前でしょ』
ビンゴ。
角から飛び出してきたアンドリューと目が合った。今はカードは持っていない。再びゴースト狩りのターンだろう。
アンドリューがあえて、撃てるゴーストを見逃すことがあることに、望夢は気がついていた。だから嫌がらせが効くのだ。
「仕掛け合戦なら俺も得意だぜ、バンドマン」
どうせ通じない日本語で煽る。
あとは、正しく盤面を読むだけだ。
×××
幼少期、自分のいた場所にこんな立派な音響設備はなかった。タイラー・ドレイクはしみじみと思う。
タイラーは、一九四八年生まれのありふれた男だった。
実家はスラム。ジョンは路地裏で物心ついた。家賃を払う金がなく、そこにたむろしているホームレスの一員だったのだ。
あるとき暮らしていた街は政府の掃討に遭い、「きれいに」された。当時の福祉施策で金を受け取った。路地裏を追い出され、代わりに立った公営住宅に押し込められたところでタイラーにも家族にも、お仕着せの生活は似合わなかった。
ただ、スラム時代の路上で聞いていた、カセットの音をよく思い出していた。
ある戦争で異能の存在を知った。
悪名高い戦争だった。母国は国際条約を破って侵略し、化学兵��を用い、そのうえで明確な勝利を収めず撤退したというもの。国内でも反対の声が噴出し、平和活動というものが目に見えて動き始めた。
しかしその頃ずっと現地にいたタイラーにとって、それらは実感のない話だ。代わりに覚えているのは、むせかえるような雨の匂い、土の感触、怒号、血の味。
ゲリラ戦が行われていた時期だったのだ。そして民間の力を投入していた当時の敵対国には、まだ存在が表に出ること自体貴重だった、自然開花異能者がいた。
少女だった。
ピンク色のスカーフを腕に巻いて、静かな瞳で彼女はアメリカ兵を殺した。
念動力使いだった。宙に固定された仲間の腕や足がおもちゃのように折られるのを確かにタイラーは見た。彼女の存在は恐慌を生んだ。初期作戦にはいなかった戦力として彼女は投入され、その正体を理解できる者はあまりに少なかったのだ。
ある日、彼女を集中的に排除する作戦行動が取られた。
他のゲリラ兵に何人撃たれても彼女に到達するという目標の下、たくさんの仲間が犠牲になった。少女は三方向からの追撃を受け、ついに念動力での対応をし切れずに斃れた。
「たすけて」
その時、彼女を撃てるのはタイラーと隣の同僚だけだった。
タイラーは彼女を撃てなかった。
代わりに同僚が彼女を撃って終わらせた。
✕✕✕
「ニューヨーク一帯の防音設備がある建物」では広すぎる。翔成は調べ始めてすぐに、考えるまでもなくそのことに思い至った。
『ホムラグループの足の数でもダメなのか』
「正直言いますね おれ、下っ端なのでホムラグループに情報共有したとこで、全体を動かす力はありません」
宝木隼二の純粋な疑問に、翔成は電話越しに白状した。他人事の高校生はそれを聞いて少し笑った。
『でも君のお嬢様のことだろ 動かせる人がいるでしょ』
「いー……そう言われたら一人、おれが頼んだら繋いでくれそうな人が思いつく……」
ホムラグループで莉梨のお目付け役をしている青年を思い浮かべ、翔成はこっそりと溜息をついた。個人的に苦手なのだ。
と、ふいに翔成のSMSの通知が響いた。
「お」
『情報更新』
電話の向こうの宝木の声が弾む。その通り。現場で聞き込みを行っている帆村式の妖術師たちから、思念調査情報が送られてきていたのだ。誘拐時間と場所がわかったらしい。
脅迫状が来るまでの時間を鑑みて、ほぼ間違いなくNYから出てはいない、という推論が述べられていた。目撃情報からして、NY中心を北上していった可能性が高いということだ。
宝木のために読み���げかけて、覚えのある文字列に目が止まる。
「誘拐場所は││あ」
『何だ』
「協会のホテルの、リネン室だ。宝木さん、泊まってますよね」
宝木が通話の向こうで唖然とした。
『なんでホムラグループのお嬢様がうちのホテルで攫われてるんだ 現地に先に来てたって言わなかったっけ うち、何か巻き込まれてる』
「い、いやぁそれが事情が複雑でして」
リネン室、である理由も翔成は薄々察していた。半ばお忍び、半ば以上お遊びでメイド服を来ていた帆村莉梨の姿が思い浮かぶ。何を思ってか今朝もまたメイド服で協会補欠メンバーと合流しようとし、そこで不意を打たれたというわけだ。
ホムラグループの既定の滞在場所であれば彼女の護衛はごまんといたはずだ。知っていた自分もホムラグループ内で怒られるような気がしてきて翔成は天を仰いだ。
「て、力抜けてる場合じゃない」
慌てて連絡を読み返す。莉梨はおそらく意識を奪われた状態で、車で三〇分ほどの距離を北上させられ、どこかに監禁されてから脅迫状に接触した可能性が高いとのことだ。その監禁場所が、先ほど宝木が予測した通りに防音設備のある施設であるなら、探索範囲はホテルから十数km圏内に絞れる。
『まだ足で探すには広いな』
「うん。でも、だいぶマシにはなる。話してみる」
正直聞いてもらえる気はしないながら、翔成は一度、宝木に断って電話を切る。
代わりに繋ぐ対象は、ホムラグループ社員にして妖術師・児子操也。莉梨のことであれば、翔成が個人的に連絡をつけられる範囲で最も力を持っている。
彼もまた莉梨に続いてアメリカにいるはずで、発信番号は国内宛てになった。
『なんだい、小姓くん』
二コールですぐに電話に出た青年の声は、さすがに荒んでいた。彼が傍目にも入れ込んでいるお嬢様に無法者の手出しを許してしまったのだ。仕方がない。
翔成はお疲れ様です、と挨拶もそこそこに本題に入った。初対面の記憶が最悪だっただけに、との会話は最低限にしたい。
「ええと、これは大変類推に類推を重ねた、ワトソンの提言なんですが……」
『何がワトソンだって』
「言葉の綾です」
すぐに説明に入る。莉梨を誘拐する可能性があるのが、旧秘匿派だけではないこと。やり口からしてヒイラギ会シンパの一般人ではないかと思うこと。一般人であれば、ある程度の防音機能を持った設備は必須であるということ。
『……ふむ。妥当な線……と言ってあげなくはないけど、秘匿派に先立って潰す意味はあんまりないんだよね』
相手の反応は色よいとは言いがたかった。
『俺たちってほら、組織的に嫌いじゃん、他の秘匿派』
「ですよねー……」
予想通りだ。莉梨の捜索先が即座にNY秘匿派アジトに決定したのは、おそらく組織的な事情もある。これを理由にホムラグループが海外の秘匿派事情に頭を突っ込む動機。いざとなれば、寵愛しているお嬢様も切り捨てて利用する組織であると、翔成自身もよく知っていた。
「おれができる範囲で総当たりするので……せめて児子さんの声が届く範囲だけでも、人動かしてもらえたら」
それでも食い下がる。こと話が帆村莉梨の身の安全におよぶのだ。翔成が児子を苦手だからとか、組織の都合があるからと、引き下がってはいられないのだ。
『や、君が動く必要はないんじゃない 興味あればエリアに移動しとくくらいでいいよ』
と、児子が突然言った。
「え でも、さっき組織は動かせないって」
『俺たちの組織はね』
児子操也が含み笑いした。翔成がその意味合いを受け取れずにいるうちに、説明が続く。
『高瀬式には、君の一件で横槍入れられ��貸しがあってね。秘匿派狩りなら協力するって。NYに来てるらしい分隊から連絡があったとこだよ。
それなら、秘匿派狩りより、君のヒントをまとめて渡して、莉梨の発散を感知して辿らせたほうが早くない あの猟犬たち、鼻の良さが強みでしょ』
×××
試合は合計一〇分以上続いていた。
動き続けた身体はアドレナリンが出ているとはいえ疲労を訴えている。アンドリューが攪乱のために流す音楽は、傾向が分かっているとはいえ曲が変わるたびに望夢には負荷を与える。最初に瑠真に教えられた曲から数えて三曲目に突入し、そのたびに遠くにいる観客たちが湧いていた。やはりファン向けのライブの役割もあるのだろう。
今のところ瑠真も自分も落ちていない。それが救いだった。
会場の地形は洞窟のような、入り組んだ迷路じみたものに戻っていた。望夢がそういうカードを切ったのだ。視界が封じられるということもある。有利な地形カードを見つけ、保持して、アンドリューやシオンに狙われたタイミングで使う。それで持久戦に食い下がっている。
それでも日本とアメリカの点差はまだ圧倒的にアメリカ優位だった。もはや日本チームは、アメリカ側の二人を落とすしか勝ちの目がない。残りの地形カードをかき集めてギリギリ間に合うかどうかという点数差だ。
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制限時間は一五分。終了が刻々と近づいてくる。
望夢としてはできれば、それらすべてを理解したうえで、手あたり次第の地形カードを積極的に切りたくはなかった。
『望夢』
インカム越しに瑠真が叫んだ。
『アンドリュー、そっち向かってる』
「……サンキュー」
望夢やアンドリューにとっては、視界が封じられる地形だが、瑠真やシオンにとっては違う。
壁と壁の間や高いその稜線を身軽に駆け回る彼女たち身体強化系術師は、それぞれのチームの目としても活躍している。昔の瑠真なら時間を稼げ、見張りをやれと言ったら嫌がっただろうが、今の彼女は能力に貪欲だ。インカム越しに二つ返事で分担を聞いてくれた。
最初こそ目になってもらわなくても、望夢が自分でアンドリュー自身の発散を感知して戦っていたが、今は、集中すべき対象が変わっている。それどころではない。
壁の一つに身を隠す。アンドリューが気づかず通り過ぎていく。その行き先を思い浮かべた。全身の感覚でペタルを辿る。
「……あの台か」
制限時間も、未使用カードの残り枚数も少ない。そろそろ勝負どころだ。
試合時間、残り四分ほど。アンドリューが流していた前の曲が終わり、また曲が変わった。今までの曲と音の感じは変わらないが、静かな曲調のギターイントロ。遅いテンポ。
『さっきのバンドのボーカルの、ラストソング』
瑠真が早押しのようにインカムで叫んだ。
『時間的にも最後だと思う。狙って組んでるのね』
「ありがとう」
残り時間ぴったりまで流す気だ。そのつもりでセットリストを用意しているのだろう。
望夢は迷路を構成するペタルを辿りながら、アンドリューの元へと走った。いくつかの曲がり角の先で、アンドリューが振り向く。その手はすでにカード台のボタンを押している。
彼はこのフィールドの王者だ。切るたびに増えるフィールド切り替え時の点数は、もはや日本チームにとってはオーバーキルだ。残り少ない時間で、日本に逆転の目はもはやない。観客はそう思っているだろう。
それでも席を立たないのは、純粋にアンドリューが鳴らし、シオンが踊るこのステージを楽しみにしているのだ。
俺たちは誰にも注目されていない。
──そういう状況が望夢は得意だ。
アンドリューの頭の周りを撃つ。背後にいたゴーストが弾けて消えた。アンドリューはもはや反応しなかった。別に必要のない小さな的の一つや二つ、望夢に書き換えられても仕方がないと思っているのだろう。
立ち位置は丁度、アンドリューが壁に据え付けられたカード台を背に、望夢を見据えている形になっていた。こちらにはアンドリューとシオンの両方を狙って落とす程度しか抵抗の方法はない。狙われるとわかっていても、自身も狙うために迷路から飛び出さざるを得ない。
間に合わない。この距離で間に合うわけがない。アンドリューの手が、開いた強化ガラスの間に入り込み、カードを取る。最後の図柄──真っ平に続く床面に何種類かの縦方向の足場だけが用意された、シンプルで見通しのいい地形。
望夢との相性は最悪だ。
曲はまだ続いている。痛々しげな訴えに似たボーカルが叫ぶ。そしてアンドリューはまだカードを切らなかった。こちらに銃口を向ける。とっさに避けようとしたとき、インカムの瑠真が何か言った。
『危ない』
「わかって──」
『違う、こっち』
望夢が飛び出したばかりの岩場の上から、軽やかに金色の影が舞い降りた。シオンだ。
「お──」
「キミ、何するか怖いから」
すれ違いながら彼女はそう言った。
「最後まで邪魔させてね」
言いながら、彼女がまばたきする。瞬間、視界が狂った。何らかの光術を使われたのだ。
反射で解除したとき、向かいの壁から瑠真が飛び出して���シオンを牽制した。シオンは舌をぺろりと出して再び路地に消え、瑠真もそれを追う。
そこで気が付いた。銃がない。
「え」
足元に望夢の銃が転がっている。……自分で取り落としたのだろう位置。
本当に取り落としたのだ。おそらくシオンはこちらの銃の位置を錯覚で狂わせていった。完全に奪えば試合の根本ルールに差しさわり、ルール違反だ。こちらが勝手に手を放すよう、あるいはそこまで行かなくても少なくともアンドリューやシオン自身に銃口を向けられないよう、望夢の視界が銃を認識する位置を軽く前後させて混乱させてきたのだ。
「うわ」
それ以上考える前に危機感が頬を叩いた。とっさに自分の銃の上に転がるように倒れたとき、アンドリューの放ったレーザーが背後の壁を打ち抜いて行った。
「Don’t you give up, boy」
青年が何か言った。煽られていることはわかる。ギブアップと聞こえた。諦めろ。
完全に座り込み、相手を見上げるだけの姿勢になった望夢に、アンドリューが一歩ずつ近づいてくる。
「It’s singing ”You Know You’re right”」
どうせ望夢は答えないのだ。彼は世界に向けて話している。
「You are right, ah I know everybody says so. We don’t deny. But cannot live together, just like lovers in lyrics, you know We are not hysteric lovers, just compete in game instead of quarrels. That’s the slogan of this tournament and also what “they” said」
背後には彼の稼いだ圧倒的な点数差のボードが見えている。
もはや何を言われようと勝ち目がないことを印象づけるだけだ。彼はわかってて話している。曲が終わりに向けて盛り上がる。これは、演出だ。彼らが美しい勝利を収めるための。
「History is written by the victors」
目の前で足が止まる。
「And today you are the loser」
こちらに銃口を向けたまま。
アンドリューは、軽やかな動作でカードを裏返す。
最後の地形が発動する。小細工をする望夢には相性最悪で、そして観客からは最も見通しやすく演出性が高い、まっさらな平地。
それによりまたスコアパネルが回る音が響き、アンドリューは曲の終わりとともに、最後に望夢を撃ち抜く。
││そのはずだった。それをアンドリューは企図していただろう。
アンドリューが戸惑った。
地形が変わる。灰色の壁がなくなり、周りが明るくなった気がする。それでもパネルが回る音が響かない。
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さらに言うなら。
この地形変化で開けた視界に、大量のゴーストが佇んでいる。いくつも、尋常じゃない数。最初にこれだけ同時発生はしていなかっただろう密度で。
沈黙の中に、曲が最後の一節を響かせる。
「Why──」
望夢は笑って、手元にもう一つだけ残っていたカードを裏返した。
「っ」
青年が怯えたように身を引いた。
当然のことだ。その瞬間、再び景色が変わったからだ。最初の地形と同じもの。高い壁とステップを持つ見通しの悪いものだ。観客席もシオンや瑠真の姿も見えなくなる。
バタバタバタと、見えない視界の向こうで、スコアパネルが回った。言うまでもない。音を立てたのは、協会のパネルだ。
「What……」
「陣地を変えれば、発生エネミーの位置と回数が変わる」
望夢は言いながら立ち上がった。アンドリューはこちらを狙う気概も失せている。
なぜなら、そこはもう彼が敷いた演出の中ではないからだ。
「発生時に誰かのカードで地形変化により発生をキャンセルされたエネミーは、カードを切ったプレイヤーの手柄になる」
使用済みのカードを放り投げる。どうせもう試合は終わる。
「地形はあらかじめ公開されてる。ゴーストの初期位置はランダムとは言うが、自分のペタルから出てるんだ。俺みたいに多少感知系が使えれば読める。お前はどう把握してたんだろうな。これはただの推測だけど、音楽の一部として発生テンポを見てたんじゃないかと思う」
エネミー消滅から再発生まで四秒。あるいは八拍。
曲によっても違うが、あるいは音楽というのは経過時間の秒単位の管理にも使える。
誰かに撃たれるたびに、そして地形変化のたびにゴーストは消え、そして四秒後に再生する。次に自分が使う地形がわかっていれば、その地形上でキャンセルされる位置にゴーストを誘い込み、それらが揃ったタイミングでカードを切ればいい。彼らの移動ルートは単調な直線だ。法則性を掴めば、各地形で何秒後にどこにいるかの計算は比較的容易だ。
アンドリューは最初から、手に入れた瞬間にはカードを使わず、保持していた。
こちらの攪乱のためかと思ったが、おそらくゴースト位置が揃うのを待っていたのだ。
最大の演出、それは影の人型もすべて消し去り、広いフィールドの真ん中で敵を撃ち抜くこと。計画を崩されたアンドリューは、青い顔で口を動かす。どうやって、という顔に見えた。
「得意だからだ。悪いな、姑息で」
望夢が方針を決めてからの試合の間中、走り回りながらやっていたこと。アンドリューが撃ったゴーストを四秒後の再発生で再度撃ち、全てのゴーストの位置を四秒ずつずらすこと。
結果、アンドリューが『必要な位置に揃えた』と思い込んで切った地形カードは、全て空振った。
四秒後、望夢が彼の揃えた条件を乗っ取った。いや、正確にはさすがに全てのゴーストの位置を踏まえて乗っ取ったわけではない。望夢自身も同じ方法で、自分が最初に見た地形にゴーストを揃え続けていたのだ。偶然そのカードが手に入って助かった。
「俺はヒイラギ会式になったつもりなんか一度もない。真正面から、あんたの策に乗っからせてもらっただけだ」
アンドリューに聞こえないことは承知だ。彼に聞こえなくても変わらない。この試合は全世界放映だ。
ヒイラギ会が「己の心に従う」という、ある意味での「自分自身らしさ」を追求するのなら、望夢たち高瀬式��いうのはほとんど最も遠い世界解釈だろう。高瀬式の役割の最も重要な部分は、自身の解釈ではなく他者の解釈への介入だ。それぞれの世界認識を他人の言葉でしか語ることがない。それを世界に伝えなくてはならない。
アメリカチームはパフォーマーだ。「夢を叶える」に重きを置いている���
それを反対側から揺さぶって「打ち消す」のが望夢の勝ち筋だ。
簡単なことだ。
彼らが作った舞台に乗った上で、その夢の主役を乗っ取ればいい。
舞台の真ん中で、望夢は自分のレーザー銃を拾い上げ、相手の額に突き付ける。
「覚えとけ」
浅い息を吐きながら望夢は汗を拭った。動いたことというよりも緊張が極致を超えたことにより出たものだった。
「他人の夢のダシにされるほど安くない」
遊んでいる場合ではない。望夢にこれができても、ペアにできるとは到底思えない。
その瞬間、正々堂々とアメリカチームのパネルが片方、戦闘不能で落ちた。
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×××
「あいつら、銃持ってる」
翔成が電話越しに言うと、宝木は『さすがアメリカ』と言った。
『どういうレベル 拳銃』
「それが……かなりゴツい武装ですよ。何人もいる。軍っぽい」
『民間軍事会社』
「そういうのもあるのか……」
翔成はホムラグループ社員から送られてきた画像を見る。高瀬式が突き止めた誘拐犯の潜伏地の画像だった。
高瀬式は秘匿派の警察という性質上、民間人には手出しができない。帆村莉梨の発散の報告と同時に、「他には異能の気配がない」ということを伝えてきた。その時点で高瀬式の出番は終わりだった。あとは直接お嬢様を攫われているホムラグループの問題だ。
翔成は先に行動を始めていたこともあり、かなり近くに来ている。このままであれば突入隊に混ざれる位置にいる。
『陽動撹乱、君がやってみる 洗脳の基本だよ』
先ほど連絡してきたホムラグループの青年は言った。
『まあ、もちろん君以外に十分、カバーできる戦力がある状態で、だけど』
教育くらいの軽い口調だった。ホムラグループのお嬢様に付き添ってきただけのことはある、荒事慣れした青年である。
自分がやるかどうかは置いておいて、とにかく翔成も現地に向かっていた。まずは最速で到着した妖術師が報告を寄越してきている。それによると、待機している武器持ちの見張りたちに害意はない。銃を持ってはいるが、テロ目的などの攻撃的な意志はない。であれば翔成も交ざっていい、というのが児子の判断で、そのため画像等の共有も受けているのだった。
とはいえ自分一人ではあまり落ち着いていられる自信がない。まだ電話は切れなかった。
「……ん」
翔成は電話を片耳に、画像の一部に目を留めた。
「なんかみんな、カメラとかスマホ手に持ってる」
『パフォーマンス目的 誘拐の助けが来���ら配信したいとか』
「趣味わる……」
辟易したが、無くはない気がする。ヒイラギ会の支援者ならヒイラギ会本体と似たようなことをするかもしれない。不意に思い出す。莉梨の「騙されないで」。
あれはこういった話なのではないだろうか。うかつに踏み込むと不祥事にされかねない。
「……おれ、行かないほうがいいかな」
『翔成くんの歳なら、そうかもな……。もし本当に撮られるとしたら、顔が映る。親御さんが心配する』
脳裏をぐるぐると予感が渦巻き始めた。
「もしかして、あいつらの目的、わかったかも……」
『え』
「莉梨さんが攫われた理由。『おれたち』じゃないですか」
翔成は電話に力を込めた。
「何故莉梨さんなのかって……ヒイラギ会の関係者だとしたら、『おれたち』がヒイラギ会と対立してるのも知ってておかしくない」
『おびき出されてる』
「はい。それに……丹治さんが試合に出られなくなった理由、偶然だって話したじゃないですか。本当なら、莉梨さんを助けに行く人の中には『瑠真さんや高瀬もいておかしくなかった』」
『……』
考え込むように宝木は黙った。
「あいつらがパフォーマンス目的でカメラ持ってるとして、映ったら一番まずいのはあいつらですよね。宝木さんの言うとおり、あいつらっておれと同じでただの学生だから。今までの事件も流されちゃってるんだったら、合わせて何て言われるかわからない」
『……とりあえず、来てないから良かったじゃないか』
「まあね だけど、たとえばこの誘拐犯がアメリカチームと連携取ってるとしたら」
宝木が息を止める気配があった。
『アメリカを勝たせるために、日本を邪魔してるって』
「ちょっと違う。あいつらが莉梨さんを助けに向かったらそれを暴いて、不祥事にする。万一向かわなかったら会場で、協会の不祥事取りざたして暴く。そういう二段構えだとしたら」
『……君は、アメリカ代表チームが誘拐犯とグルだとか、そういう話をしてる?』
翔成は少し黙った。
「そこまでは保留です。でも、どっちに転んでも損な状況に変わりはない」
電話機を持つ手に力を込める。
「ともかく、『あいつら』が狙われてる可能性は全然ある。そうしたら、今どっちかっていうと奴らの本命は試合会場にある! やっぱりこのまま試合を続けさせるのは良くない。試合中はおれじゃ通信を取れません……誰かそれを教えて。運営に今の異常さを伝えて止めさせて」
『できるかはわからない。この分じゃ大会ごとアメリカのグルだ。だけどオレが戻る。どこに何を言えばいいかくらいはわかってる』
頼りになる高校生は決然と言った。翔成はまだ胸のざわめきを消すことができない。
「それに。おれの役目が、みんなの見落としてることを拾い上げる役目だとしたら……。これで終わりだと思えないのが怖い。試合が続いてること自体怖いよ。暴くだけじゃなくて、その先の目的があったら? そこにヒイラギ会が噛んでたら尚更だ」
宝木に断って電話を切り、翔成はすぐに電話を児子にかけなおした。連続使用で熱��なった筐体が悲鳴のようにコール音を鳴らす。
『翔成くん?』
児子が出た気配がある。翔成は息を急ききる。
「会場、会場が不安なんです! 今ってホムラグループも高瀬式も、パークから離れてる状態になってますよね? 誰かが仕掛けるなら手薄すぎる!」
『待って、順番に話して』
児子は決して翔成に対して友好的な青年ではないが、この時ばかりは親切だった。翔成が混乱しているのを見て取るや、冷静な聞き手になって翔成の懸念を解きほぐしにかかる。
翔成がひとしきり、会場で戦う二人の先輩への心配を吐き出したとき、児子は肯定した。
『間違っちゃいないと思うよ。手薄なのは困る。こちらの規模ももう概ね分かったところだしね。高瀬式の犬たちとうちの役に立てない警備要員は戻させよう。君の懸念がアタリでもハズレでも、どいつにとっても都合のいい偏りができるのは困る』
ありがとうございます、と翔成は乱れた呼吸で感謝する。電話越しに児子が指示を飛ばしている声が聞こえる。さすがは莉梨のお目付け役だけあって、こうしたときの指揮系統ではかなり上に来るらしい。
──その声が、面白そうに「ちなみに」と言った。
『今から莉梨の救出なんだ』
「え」
翔成は一瞬、自分がどこにいるべきなのか逡巡する。ホムラグループ警備隊や高瀬式、それに宝木がパークに戻ったのであれば、非力な翔成がいる理由はないのだろうか。
見ろと言われた理由が気になった。目下の主である莉梨のこと。
『偵察ウサギを行かせたんだ。交代で出入りしてる敵グループの一人が捨てたタバコを使って、「感染」、連中にウサギのぬいぐるみが味方だと誤認させた。手紙を持たせて、嘘の二枚目の脅迫状を用意して、彼女にまた生存確認を仕込ませようという架空の任務を持たせてね』
児子はすらすらと自身の妖術のからくりを語る。彼の妖術にいい思い出を持たない翔成は少々背筋を震わせる。
『脅迫状カッコ嘘が帰ってきて、無事に莉梨とコミュニケートできたよ。今から彼女が脱出するから、銃持ちの連中の攪乱、手伝ってくれ』
「おれが……」
『今日は戦力足りたらそうするって言っただろ。これもレッスンだよ。──ああそうだ』
青年は愉しげに言った。
『俺、君の心配、結構当たると思ってるんだけど。探偵としてはヘタクソだと思うんだよなあ。論理性ないもの。
多分ね、俺たちのお嬢様なら全部わかってるから、まあ脱出させられたら訊いてみようよ』
次>>
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各地句会報
花鳥誌 令和6年1月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年10月2日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
日本海見ゆる風車や小鳥来る 泰俊 駅近の闇市跡に後の月 同 山門を標とするや小鳥来る 同 師の墓の燭新涼のほむらかな 匠 渡り鳥バス停一人椅子一つ 啓子 紫に沈む山河を鳥渡る 希 ひらひらと行方知らずや秋の蝶 笑 なりはひの大方終了九月尽 数幸
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
朱の色に蝋涙たれし日蓮忌 ただし コスモスのたなびく道を稚児の列 洋子 抱かれて稚児は仏よ日蓮忌 同 めらめらと朱蝋のうねり日蓮忌 同 ピストルの音轟ける運動会 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月5日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
友の墓秋空の下悠然と 喜代子 棟上げの終はりし実家や竹の春 由季子 菊人形幼き記憶そのまゝに さとみ 長き夜や楽し思ひ出たぐり寄せ 都 強持てに進められたる温め酒 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月6日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蜜と恋どちらも欲しく秋の蝶 都 八幡の荘園かけて飛ぶばつた 美智子 彼岸花軍馬の像を昂らせ 都 露の手に一度限りの炙り文 宇太郎 杖の歩や振返るたび秋暮るる 悦子 露けしや既視感覚の病棟に 宇太郎 コスモスの乱れ見てゐて老いにけり 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
天高く誇り高きは講談社 きみよ 華やかに滅びゆく香や秋の薔薇 和子 秋冷を暗くともして華燭の火 千種 白帝は白い梟従へて きみよ 薔薇は秋その夜会より咲き続け 順子 肘掛に秋思の腕を置いたまま 光子 爽やかや罅ひとつなきデスマスク 緋路 一族の椅子の手擦れや秋の声 昌文 邸宅の秋に遺りし旅鞄 いづみ 洋館に和簞笥置いて秋灯 荘吉
岡田順子選 特選句
栗の毬むけば貧しき実の二つ 瑠璃 流星を見ること永きデスマスク いづみ 正五位のまあるき墓を赤蜻蛉 小鳥 秋天の青は濃度を増すばかり 緋路 月光の鏡の中で逢ふ二人 きみよ 聖堂は銀に吹かるる鬼芒 いづみ 実石榴をロイヤルホストで渡されて 小鳥 石榴熟る女人の拳より重く 光子 秋の灯を落して永久のシャンデリア 俊樹 毬栗を踏み宰相の家を辞す 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
コスモスの島にひとつの小学校 修二 檸檬の香そは忘れざる恋なりき 美穂 嫁がせる朝檸檬をしぼりきる 朝子 母乳垂る月の雫のさながらに 睦子 タンゴ果て女は月へ反りかへる 同 護送車の窓には見えぬ草の花 成子 やはらかく眉をうごかし秋日傘 かおり 天と地を一瞬つなぐ桐一葉 朝子 流れ星太郎の家を通り過ぎ 修二 正面に馬の顔ある吾亦紅 朝子 傘たゝみ入る雨月のレイトショー かおり 幾千の白馬かけぬく芒原 成子 古備前に束ねてさびし白桔梗 睦子 糸芒戻れぬ日々を追ふやうに 愛 黒葡萄いつもの場所の占ひ師 修二
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
新生姜甘酢に浸り透き通り のりこ 風を掃き風に戻されむら芒 秋尚 足音にはたと止まりし虫の声 怜 朝露に草ひやひやと眩しかり 三無 出来たての色の重たき今日の月 秋尚 徒競走つい大声で叫びたり ことこ 秋落暉炎のごときビルの窓 あき子 秋祭り見知らぬ顔の担ぎ手に エイ子 秋霜や広がる花を沈ませて のりこ 面取ればあどけなき子や新松子 あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
万葉の歌碑一面に曼珠沙華 信子 金木犀優しき人の香りかな みす枝 昇る陽も沈む陽も秋深めゆく 三四郎 廃線の跡をうづめて草紅葉 信子 駅に待つ猫と帰りぬ夜寒かな 昭子 天の川下界に恋も諍ひも 同 ひらひらと���イクで走る盆の僧 同 蟋蟀の鳴く古里や母と歩す 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月10日 萩花鳥会
夜鴨なく門川暗くひろごれり 祐子 サムライ衆ナントで決戦秋の陣 健雄 これ新酒五臓六腑のうめき声 俊文 露の身や感謝の祈り十字切る ゆかり 虫食ひのあとも絵になる柿落葉 恒雄 すり傷も勲章かけつこ天高し 美惠子
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令和5年10月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
魁の櫨紅葉の朱句碑の径 三無 花よりも人恋しくて秋の蝶 幸子 咲き初めし萩の風呼ぶ年尾句碑 秋尚 女人寺ひそと式部の実を寄せて 幸子 豊年の恵みを先づは仏壇へ 和代 篁を透かし二三個烏瓜 三無 日の色の波にうねりて豊の秋 秋尚 曼珠沙華に導かれゆく道狭し 白陶 二人居の暮しに適ふ豊の秋 亜栄子 林檎好き父と齧つたあの日から 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月14日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
ガシャガシャと胡桃を洗ふ音なりし 紀子 秋日和小児科跡は交番に 光子 歩かねば年寄鵙に叱咤される 令子 稲の秋チンチン電車の風抜けて 実加 不作年新米届き合掌す みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
街騒も葉擦れも消して秋の雨 三無 大寺の風を擽る榠櫨の実 幸風 尾を引きて鵯のひと声雨の句碑 秋尚 水煙に紅葉かつ散る結跏趺坐 幸風 菩提樹を雨の宿りの秋の蝶 千種
栗林圭魚選 特選句
観音の小さき御足やそぞろ寒 三無 絵手紙の文字の窮屈葉鶏頭 要 駐在も綱引き離島の運動会 経彦 小鳥飛び雨止みさうにやみさうに 千種 秋霖や庫裏よりもるる刀自の声 眞理子 句碑の辺に秋のささやき交はす声 白陶 秋黴雨だあれもゐない母の塔 亜栄子 梵鐘の撞木の先や秋湿り 眞理子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
考へる事に始まる端居かな 雪 おは黒を拝み蜻蛉と僧の云ふ 同 道草の一人は淋しゑのこ草 同 朝霧の緞帳上がる音も無く みす枝 秋灯火優しき母の形見分け 同 役目終へ畦に横たふ案山子かな 英美子 孫悟空のつてゐるやも秋の雲 清女 穴感ひ浮世うらうら楽しくて やす香 栗食めば妹のこと母のこと 同 天高し飛行機雲の先は西 嘉和 屋根人を照らし名月たる威厳 和子 秋深し生命線の嘘まこと 清女 蜩に傾きゆける落暉かな かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
枯れて行く匂ひの中の秋ざくら 世詩明 一声は雲の中より渡り鳥 同 見えしもの見えて来しもの渡り鳥 同 菊まとひ紫式部像凜と 清女 越の空ゆつくり渡れ渡り鳥 和子 秋扇に残る暑さをもて余す 雪 山川に秋立つ声を聞かんとす 同 鳥渡る古墳の主は謎のまま 同 鳥渡る古墳は謎を秘めしまま 同
��順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月20日 さきたま花鳥句会
SLの汽笛を乗せて刈田風 月惑 寝ころびて稜線を追ふ草紅葉 八草 残る海猫立待岬の岩となる 裕章 大夕焼分け行く飛機の雲一本 紀花 曼珠沙華二体同座の石仏 孝江 白萩の花一色を散り重ね ふゆ子 秋の野や課外授業の声高に ふじ穂 秋寒し俄か仕立てのカーペット 恵美子 秋空や山肌動く雲の影 彩香 爽籟や赤子よく寝る昼下り 良江
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令和5年10月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
生身魂梃子でも動かざる構へ 雪 古団扇此処に置かねばならぬ訳 同 飾られて菊人形の顔となる 同 亭主運なき一枚の秋簾 一涓 菊の香に埋り眠る子守唄 同 叱りてもすり寄る猫や賢治の忌 同 友の家訪へば更地やそぞろ寒 みす枝 叱られて一人で帰るゑのこ草 同 朝霧が山から里に降りて来し やすえ 隣家より爺の一喝大くさめ 洋子 菊師にも判官贔屓あるらしき 昭子 人の秋煙となりて灰となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月27日 月例会 坊城俊樹選 特選句
靖国の秋蝶は黄を失ひて 愛 柿に黄をあづけ夕日の沈み行く 緋路 神池の何処かとぼけた鯉小春 雅春 細りゆく軍犬像や暮の秋 愛 うらがへり敗荷の海のなほ明し 千種 英霊の空はまだ薄紅葉かな 愛
岡田順子選 特選句
秋蝶に呼ばれ慰霊の泉かな 愛 鉢物はしづかに萎れ秋の路地 俊樹 年尾忌も近し小樽の坂の上 佑天 道幅は両手くらゐの秋の路地 俊樹 秋天へ引つ張られたる背骨かな 緋路 老幹の凸凹としてそぞろ寒 政江 板羽目の松鎮まれる秋の宮 軽象 御神樹の一枝揺らさず鳥渡る かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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まごころサポート プラス
シニアの為のデジタルスキル向上支援プログラム #Branding #Logo #Package #Product https://magocoro.me/plus/
地方にお住まいのシニアの方々に、スマホを使うことで 生活がより豊かになることを知ってもらうプログラム「まごころサポート プラス」を開発しました。
例えば「腰が痛い」となれば、検索エンジンに打ち込むだけで ・腰痛の原因解明、改善するための勧め ・グッズや薬の紹介 ・YouTubeで、腰痛に効くストレッチ動画 ・Google Mapsで、近くの接骨院や病院をお知らせ など様々なサポートを受けることが可能になります。 他には、 道に咲いている花は何? 今日の献立は何にしよう? 現在地付近にあるトイレはどこ? 新しい趣味を始めるためにはどうしたら良い? など、スマホを使うことで、いろいろな事が可能になり世界が広がります。 そんな世界をシニアの方々にも味わってもらえたらと、まごころサポートプラスを開発。 スマートフォン教室体験会の実施や、 コンシェルジュによるサポートやインタビューなどを繰り返し、サービスを開発しました。 対象エリアでは、新聞広告で宣伝をし、 そこに住むシニアの方々向けにサービス提供をしています。 今回はそれらを宣伝するためのツールのデザインや、テキストツールなど、 ブランディングに関わるデザインをしました。 スマホを持ったおじいちゃん、おばあちゃんを可愛くイラストに表現してもらい、 スマホを使えば世界が広がる様子を、 たくさんの事柄やモチーフのアイコンで、カラフルに楽しく仕上げました。 これを見たシニアの方々が、楽しい気持ちで、スマホに触るチャンスが増えれば、嬉しいかぎりです。 - CREDIT Client:大手インターネット関連会社、MIKAWAYA21、各新聞社(読売、東京、福島民報、デーリー東北、大分合同、上毛、岐阜) Creative director:尾崎 賢司 Copy writer:宮本 真帆 Planner:大島 聡、岩邊 駿、塚越 皓平 Business Producer:鈴木 衛、杉山 良子 Media Planner:森内 勇策、秋山 駿 Art director:三宅 優輝 Creative Producer:久野 稚代 Designer:JCスパーク 増田 啓人、佐藤 祐太郎 Designer’s Producer:今若 琴音 Illustrator:中山 信一 Printing:日庄 稲餅 信之 Pamphlet Photo’s Photographer:刑部 信人 Pamphlet Photo’s Photo producer:VONS 濱中 英華 Works Photographer:小泉なみこ Works Photo producer:吉崎千佐子 Works Photo Retoucher:安藤瑠美
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2024年7月20日(土)
<夏休み文楽特別公演>は今日が初日、例によって午後の第二部を楽しんだ。<文楽友の会>に入っているので、チケットは一般販売の一日前に購入出来る。近頃は前の人を気にしなくて良い最前列をとることにしている、その分上の字幕は少し見づらいが。それにしても酷暑の土曜日、冷房の効いた観劇は選択肢として悪くないと思うのだが、第二部の入りは良くなかった。太棹三味線の音色、浄瑠璃の節回し、三人遣いの人形の動き、どこからでもいいから興味を持ってほしいなぁ。
5時起床、体重は450g増。
日誌書く。
6時、洗濯開始。
朝食、そろそろお蕎麦は冷たくしていただこうかな。
珈琲。
洗濯物干す。
糠床メンテナンス。
酢タマネギ仕込む。
きゅうりのしょうゆ漬け仕込む。
<もったいない本舗>に明日の集荷依頼、今回は段ボール箱3個。
ココに点滴、今日は私がサポートする。
残りご飯で、早めのランチ。
和服に着替えたツレアイと、文楽劇場を目ざす。
第二部の『生写朝顔話』、やはり「笑い薬の段」が楽しみ。仲野徹さんの<文楽かんげき日誌>がわかりやすいので、是非ご覧下され。
休憩時間にチラシをチェック、次回は何と<仮名手本忠臣蔵>の通し、これは通して観なければ。
いつも通り、帰路の桂駅で惣菜買って帰宅、バスがスムーズで帰宅は18時57分だった。
息子たちの好きな唐揚げと竜田揚げ、私の好きなイカの磯辺揚げ、美味しくいただく。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
第20話「野望の果て」/ Candidate for Crime 「組織犯罪撲滅」を公約に掲げている上院議員候補ネルソン・ヘイワードに脅迫状が届いた。投票日が近いことから、警察はヘイワードに24時間の警備をつけることにするが、脅迫は選挙参謀のハリー・ストーンが票集めのために仕組んだ狂言だった。その筋書きを利用してヘイワードは別の計画もしていた。
片付け、入浴、今夜は忘れずに血圧測定、113/67。
電車移動で歩数は届かないが、3つのリングは辛うじて完成することができた。
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ニュース 02/20〜02/22
わっかり易いなぁーw
→三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由! ネットはこんなに盛り上がっているのにコワモテ週刊誌がなぜ?|LITERA/リテラ
来ないってよ。 そしたらまた懲罰委員会開いてクビだな
→ガーシー議員「議場での陳謝」を決定 参院懲罰委で全会一致 あす本会議へ(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
防衛費とかマイナンバーとかサクサク決めるのに、こういう大事なことは「めざしたい」 とか何とか。検討しても実行しないんだから 「めざしたい」なんて言われたら絶望しかないな…
→岸田文雄首相「少子化、反転させたい」 子ども政策会議 - 日本経済新聞
ほぉ。
’「デート代を男性がおごらないといけない理由が、私の中で3つあります。デートのために女性は美容室に行きます、ネイルに行きます、新しい服を買うことだってあります。あなたよりも2時間早く起きてメイクをしています。あと、あなたのために新しい下着を買っています」’
なるほど、デートに誘ったら新しいパンツを買うのか?
なんで?
パンツ見せてくれるの?
っていうかヤル気満々のビッチじゃんw w w
→大島麻衣“男がおごるべき論争”で持論「男性がおごらないといけない理由は3つあります」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
はぁ?受信料返せよ
→NHKアナウンサーを知人女性宅への不法侵入疑いで逮捕 ベランダから飛び降りけがをして入院(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
何、他人事みたいに淡々と書いてるの? 本当、利権ってクズだわ
→NHK職員が邸宅侵入の疑いで逮捕 | NHK | 事件
くだらない言葉狩り
→「女子アナ」「女医」はNG? ジェンダー表現考えるイベント27日に(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
犯罪はいかんが、国民が困窮しているのに見て見ぬ振りして何の政策も具体案も示さないからこういう犯罪増えてるんじゃないの?
→ウクライナ募金箱が盗まれる 名古屋の緑区役所、空の状態で発見(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
完全に大人の都合。大人も平和ボケ
→「はだしのゲン」削除は撤回を 広島市教委 「ゲンの価値は理解 いつでも読める場所に」(RCC中国放送) - Yahoo!ニュース
どう言い訳するのか? もう原発には「想定外」は通用しない
→
スクープ!東海第二原発で「非常用電源喪失」!岸田政権の「原発推進政策」に赤信号(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
→「首相秘書官が笑った」 泉立民代表、予算委で憤り(時事通信) - Yahoo!ニュース
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妻と夫は別人格>>一般論としてはそうかも知らんが、旦那の本業ずばりの政府の有識者会議に参加して政策議論まで誘導してたとなると、それはさすがにちょっと。
[B! エネルギー] 三浦瑠麗氏に「投資詐欺の宣伝塔」疑惑。特捜部が夫会社を家宅捜索、過去の“匂わせ”大量発掘で失業危機、テレビ番組降板も? - まぐまぐニュース!
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"【ホリエモン】三浦瑠麗さんの夫が狙われた原因が分かりました。2回逮捕された事のある経験者の僕が真実を話します【三浦清志 家宅捜索 ソーラー 太陽光発電 めざまし8 堀江貴文 切り抜き】" を YouTube で見る
youtube
世の中は、変わらなきゃ駄目だよね。
ホリエモンは、ある意味ライトワーカーだw🤣
色んな忖度やら有り、彼を崇める必要も無いし、蔑む必要もないw
たださ、ほぼ無罪なのに刑務所で2年も過ごした人なんて、いないから。
これは本当に酷い事だし、彼の言うように、それをやった奴らは、本当に下らない連中だ。
大勢で一人をいじめる、これを何度も繰り返す日本社会…
どうかしてると、いい加減みんな目を覚ました方がいいw
いじめ側に居たら、自分はいじめられないで済むという、低能過ぎる思考はやめた方が良い。
某運送会社で、2分位の間に、温泉水を30ケースくらい流して来たw私のバイトの話ねw🤣
社員も見てるのに、薄ら笑いながら手伝う気ゼロw
ただ、計り知れない運動能力の俺は、サラッとカゴ台車に積んだw🤣
まあ、わざとだw🤣
2人か3人がかりで、気が狂ったようにコンベアに水を流し、苦しめてやろうという、極めて低能ないじめであるw🤣
私は対応出来るが、対応出来ない場合どうなるか?
水で他の荷物が潰されて、荷物事故になるw🤣
誰が損するかって、お客さんに迷惑がかかり、保険会社が儲かるという、そして信用を失うというやつなw🤣
ホリエモンみたいに、広くこういう馬鹿連中の正体を暴くのは、とても意味があり、価値のある事ですね。
これをバラす事によって、馬鹿連中は、なかなかいじめをやり辛くなるw
俺も散々バラして、仕事依頼を絶たれたw🤣🤣🤣
誰得なんよ、そのいじめって話だし、闇や膿は、がんがん出して、世の中きれいにしないとですねw
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【家宅捜査された】三浦瑠麗さんの超高級マンション自宅【画像】
東大卒の国際政治学者である三浦瑠麗さんの超高級マンション自宅です。 Googleマップと本人Instagramなどからまとめました。 https://www.instagram.com/lullymiura/ ご存知の方も多いと思いますが、三浦瑠麗さんの夫が代表を務める『トライベイキャピタル』で太陽光発電への出資を名目に約10億円を騙し取ったとして刑事告訴されたため、この自宅も東京地検特捜部に家宅捜査されたようです。 三浦さんは一部報道は事実とした上で、ホームページ上で「私としては全く夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないこと」などと主張していますが、太陽光を推しまくる発言をしていたり、妹が夫の会社の理事だったり無関係とはいいがたいようです。 真相解明が必要ですが、無関係という主張は無理があると思います。 【国際政治学者】三浦瑠麗さんの軽井沢の別荘【画像】 【国際政治学者】三浦…
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20230126
0126 きままなTV・メディア情報です(不定期刊)
「民放連遠藤会長『世帯視聴率が時代に合わなく…』TVerも評価の指標に」(ニッカン)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202301250000773.html
「『世界に通じる番組を』 NHK稲葉新会長が就任」(産経)
https://www.sankei.com/article/20230125-SNV73ERB2NNQXNL2UC2BBLL2UE/
「NHK稲葉新会長、政治と適切な『距離』を保つ姿勢強調 記者会見」(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20230125/k00/00m/040/252000c
「NHK新会長就任 政権の意向反映 経営能力を評価」(産経)
https://www.sankei.com/article/20230125-E2EKM5OLFVKVFLQA22IO6ML7SE/
「NHK、受信契約が21.7万件減。4月開始の割増金は『一律請求しない』」(Impress)
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1473234.html
「NHK武田真一アナがフリー転身へ 今年度内にも退局 報道の顔」(報知)
https://hochi.news/articles/20230125-OHT1T51221.html?page=1
「三浦瑠麗氏『めざまし8』当面出演見合せ 夫の会社を地検が捜索、CX判断」(ニッカン)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202301260000058.html
「KTV、サンケイビルが大阪都心部にデータセンター 運営はオプテージ」(産経)
https://www.sankei.com/article/20230125-6RV7UN3GUROFZDZCXC544NOH3E/
「ABEMA関連は34%増収 サッカー・W杯で注目」(産経)
https://www.sankei.com/article/20230125-COTP2WFWGBLY5O7AVJOYQEKICI/
「創刊40年『週刊ザテレビジョン』が3月に休刊 約4年で印刷部数半減」(ENCOUNT)
https://encount.press/archives/410491/
「三浦瑠麗氏、夫の投資トラブルで家宅捜索 私生活はタワマンと軽井沢」(POST7)
https://www.news-postseven.com/archives/20230126_1835304.html?DETAIL
「草彅剛 主演『罠の戦争』で起きていたSMAP5人の“再集結”」(女性自身)
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2171896/
「TVマンが使いたいMCランク 3位は橋本環奈、2位は川島明、1位は?」(FLASH)
https://smart-flash.jp/entame/219318/1
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