#バイデン政権でのインド太平洋構想
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見事な岸田演説、覚悟して実現を
櫻井よしこ
日本ルネッサンス 第1095回
国賓としてワシントンを訪れた岸田文雄首相を米国は厚くもてなした。岸田氏は好感のもてる指導者の姿で、日本国の意志を明確に示し、米国と共に世界秩序を作っていくとの意気込みを語った。
一例が4月10日、首脳会談後の合同記者会見だ。岸田氏はバイデン大統領より1.5倍長く語り、日米は今や、人間の尊厳を基にした価値観を地球社会に提示するグローバルパートナーとしての責任を果たすべきだとし、中国の「力による現状変更」を名指しで牽制した。
11日の米議会上下両院合同会議では、「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ」と題してユーモアを交えて語った。ブリンケン国務長官は「(恐竜がのし歩いていた石器時代を舞台にした米国のテレビ漫画の)フリントストーン一家の話で上下両院議員を笑わせたのは岸田首相が初めてだ」と、ほめ上げた。
岸田氏の柔らかな表情、満足そうな笑み。国内では余り見られない感情発露で首相が米国人の心の琴線に触れたのは確かだろう。同じことが日本でも出来るとよいのに、とつい思ったものだ。上下両院で岸田氏はまず日本の覚悟に言及した。
「今の私たちは、平和には『理解』以上のものが必要だということを知っています。『覚悟』が必要なのです」
中国の対外的姿勢や軍事動向がこれまでにない最大の戦略的挑戦をもたらし、経済的威圧や「債務の罠」外交で経済を武器化する事例が増えているとの指摘は驚くほど率直だった。ウクライナ支援を渋る米国議会(共和党)に対しても正論を語った。
「ロシアのウクライナに対するいわれのない、不当で残酷な侵略戦争は3年目を迎えました。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれません」
岸田氏は米国の支援なしにはウクライナは敗北する、それではいけないのだと訴えたわけだ。
重大な責任 そして、こう語りかけた。
「ほぼ独力で国際秩序を維持してきた米国。そこで孤独感や疲弊を感じている米国の国民の皆様に、私は語りかけたいのです。そのような希望を一人双肩に背負うことがいかなる重荷であるのか、私は理解しています」「世界は米国のリーダーシップを当てにしていますが、米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません」「日本国民は、自由の存続を確かなものにするために米国と共にありますそれは日米両国の国民にとどまらず、全ての人々のためにであります」
大きな拍手。当然だろう。
4月10日付けでランド研究所のジェフリー・ホーヌン氏が『フォーリン・アフェアーズ』誌に寄稿した内容を思い出す。冷戦時代、米国が最も頼った同盟相手は、北大西洋条約機構(NATO)だった。21世紀の今、最大の脅威、中国に対峙するには日本こそが最重要の同盟相手だという内容だ
日本を、「自由で開かれたインド・太平洋」だけでなく「自由で開かれた国際秩序」を支える国だと評価し、従来の米戦略であるhub-and-spoke system(自転車の車輪の中心軸つまりハブが米国で、車輪を支える1本1本の棒が米国の5つの同盟国、日豪韓比タイ、という意味)の中心軸を、米国一国でなく、日米同盟に置きかえるべき時が来たと提言しているのだ。
安全保障問題において重きをなす保守系シンクタンクのランド研究所の提言とほぼ同じ内容を、岸田氏が語ったことになる。日本国の歩むべき道、方向性としては正しいと私は思う。しかし、それは重大な責任を引き受けることでもある。その責任を果たすには何をしなければならないかは後述するとして、岸田氏はこうも語った。
「私は理想主義者であると同時に、現実主義者です。自由、民主主義、法の支配を守る。これは、日本の国益です」「世界中の民主主義国は、総力を挙げて取り組まなければなりません。皆様、日本は既に、米国と肩を組んで共に立ち上がっています。米国は独りではありません。日本は米国と共にあります」
広島出身の政治家として核なき世界を目指すと主張してきた岸田氏が、日本は米国と共にあると誓って、さらに発言した。
「日本は長い年月をかけて変わってきました。第二次世界大戦の荒廃から立ち直った控えめな同盟国から、外の世界に目を向け、強く、コミットした同盟国へと自らを変革してきました」「地政学的な状況が変化し、自信を深めるにつれ、日本は米国の最も近い同盟国という枠を超えて、視野を広げてきました。日本はかつて米国の地域パートナーでしたが、今やグローバルなパートナーとなったのです」
新たな中東戦争
岸田演説の二日後、イランがイスラエルを攻撃した。昨年10月7日にテロ組織ハマスがイランの支援の下、イスラエルを攻撃した。その上に今回のイランによる攻撃である。世界はイスラエルの出方を固唾を呑む思いで見詰めている。米国は無論、イランでさえ、全面戦争に突っこみたくないと考えているのは明らかだ。イスラエルにとっても事は容易ではないが、新たな中東戦争が始まらないという保証はどこにもない。
日本周辺では韓国の与党「国民の力」が4月10日の総選挙で大敗した。日本を敵と見做す左翼勢力が大勝し、韓国政治はいつでも親北朝鮮、親中国路線に転換しかねない。
台湾でも親日勢力の民進党は、総統職は確保したが立法院で敗北した。親中国の国民党が第一党となり、政権運��は非常に厳しくなった。
韓国、台湾の政情不安定の中で、日本は米国と共にこの地域の安全保障環境を安定させる役割を買って出たのである。そのためにすべきことが、今回の日米首脳共同声明に記されている。
その中で評価すべき第一点は自衛隊が統合司令部を常設し、米国が在日米軍司令部の作戦機能を強化するとした点だ。日米の緊密な連携に加えて、韓国、豪州、フィリピン、タイ、台湾、インドなどの力をどう結集していくかが重要になる。
第二点として、日米の2+2(外相・防衛相会合)で拡大抑止に関する突っ込んだ議論をするとの合意も非常に大きい。中国が核の増産に走る中、中国の核攻撃をどう抑止するのか、攻撃にどう備えるのかを日米で具体的に話すことほど重要なことはないはずだ。
わが国の軍事力は、弾薬の備蓄ひとつとっても中国に及ばない。足りないところを早急に補い、憲法を改正することなしには、米国のグローバルパートナーには到底なれない。首相の発言は日本国としての誓いである。その目標に向けて岸田氏は現実志向で、具体策をひとつひとつ実現していかなければならない。
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TEDにて
ラビ、ジョナサン・サックス卿: 恐れずに共に未来へ向かうには?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
2017年時点、歴史的にみて、運命の時が訪れています!不安や不確実性に、煽られ、分断的な選挙や分断的な社会、過激主義の増長が見られるようになってきました。
トランプ大統領?
2024年時点では、バイデン大統領からカマラ・デヴィ・ハリス副大統領が大統領選挙にでています。
「恐れることなく、将来に立ち向かうことができるように、私たちそれぞれが行えることがあるだろうか?」ラビ、ジョナサン・サックス卿はこう問います。
この精神的���導者は、鮮烈なトークで、「私事」の政治から「私たち全員が共に」の政治へと移行するための3つの方法について語ります。
私は、哲学を学ぶ20歳の大学生でニーチェとショーペンハウアー。
そして、サルトルとカミュにハマっていました。私は、存在の不確実性と実存的な不安に満ちていました。素敵でしたよ。
一神教。多神教。人々は様々なものを崇拝して来ました。
太陽、星々、嵐。ある人々は、多神教を崇拝し、またある人々は、唯一神を。
または、神を持たず、19世紀と20世紀には、人々は国家システムを崇拝しました。アーリア人種、共産主義国家を。では、私たちは、今、何を崇拝しているでしょうか?
人類学者たちの結論はこうでしょう。この時代に、私たちが崇拝したのは「自己、自分、私」だったと。それは、それで素晴らしいんです。
開放的で力を与えてくれます。素晴らしいことです。
でも、私たちは生物学的には、社会的動物だということを忘れてはなりません!
この違いはなぜでしょう?
ご説明します。アメリカは、初めから移民の波が押し寄せて来た国だったのです。
建国から200年あまりの新興国であり、現在進行中の「移民による移民のための社会実験国家」がアメリカです。
史上初の人類史における共和国制国家システムは、古代ローマやベネチア共和国など都市国家という小さな単位とは異なり、大国規模であることがポイントです。
これも社会実験中です。
共和国制国家システムは、君主のいない国家で自律したデモス(市民)を主体とした「民主制国家システム」とすることを根本としています。
これも社会実験中です。
移民の国ではない日本やヨーロッパ、中国、インドとは違います。
つまり、巨大な社会実験中なので、アイデンティティを創り出す必要性があったのです。
それは、物語(ストーリー)を語ることで為されました。皆さんは、それを学校で学び、記念館で読み、大統領就任演説で繰り返し耳にします。
イギリスは、近年まで移民の国ではなかったのでアイデンティティーを当り前のように捉えることができました。
問題は、今、同時に起こるべきではない2つのことが起こってしまったということです。まず、西洋では、私たちが何者であり、それは、何故かという話を語ることを止めてしまいました。
アメリカでさえもそうです。
同時に、今まで以上に移民は増える一方です。物語(ストーリー)を語るとき、あなたのアイデンティティは確立されていて、見知らぬ人も歓迎できます。
しかし、物語を語ることを止めてしまったら、あなたのアイデンティティは脆くなり、見知らぬ人に脅威を感じるようになります。それは良くありません。
ユダヤ人たちは、2千年もの間追放され、方々に散らばって生きてきましたが、アイデンティティーを決して失いませんでした。
なぜでしょう?
少なくとも、1年に1度は過ぎ越しの祭りに、物語(ストーリー)を子供たちに教え、奴隷の苦渋を味わう無発酵の苦難のパンと苦いハーブを食べます。
トーラやカバラ。
日本は、神仏習合。
こうして、私たちは、アイデンティティーを保ってきました。私たちは、皆、立ち戻って物語を語るべきだと思います。
政治の場に妄想的な考えが現れるようになったのに気づきましたか?
私たちは、強力な指導者を選べばいいと考えます。彼、あるいは、彼女は、あらゆる問題を解決してくれるだろうと!
それは幻想です。
それから、極端な思考に陥ります。極右、極左。極端な信仰主義や極端な反宗教主義。存在しなかった黄金時代を夢見る極右。存在しないユートピアを夢見る極左。
信仰者も反宗教主義者も同じくこう信じています。私たちが救われるのは、神の存在あるいはその不在。それだけにかかっているのだと。
それもまた幻想です。
自分自身から私たちを救えるのは、私たち人民です。私たち全員が共にそうしたら「自分」だけの政治から「私たち皆」という政治に移り、美しく、反直感的な真理を見出すんです。
国家システムは、弱者を省みる時に強く、貧しい者を思い遣れる時に豊かで、弱き者を守る時に、真に力強い存在になります。
それが、偉大な国家システムの礎です。
私たちが、何者で、どこから来たのか?どのような理想のもとに生きているのか?を語るんです。そうすれば、私たちは見知らぬ人々を歓迎し、こう言えるほど強くなります
「こっちに来て、私たちの生活、私たちの物語、崇高な願望や夢を共有しましょう」これが私たちのアイデンティティで。
私たちは、人間の進化の歴史の殆どを小さなグループで過ごしてきました。私たちが、実際に顔を合わせ、利他主義の調整を学び、友情や信頼、忠誠心や愛など、私たちの孤独な心を満たす精神的な産物を作ります。
だから、未来のあなたを守る最も単純な方法は3つの面において、未来の「私たち」を強くすることです。
最後に、政治にはまったく興味はありません。テクノロジーに興味が有ります。
マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども��がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
(合成の誤謬について)
合成の誤謬とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが、合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じること。物理学では、相転移みたいな現象です。性質が変わってしまうということ。
ミクロのメカニズムが個人同士の経済における仕組みであるのに対して、マクロのメカニズムは、国家間や経済全体の循環における仕組みだからである。
例えば、家計の貯蓄などがよく登場するが悪い例えです。前提条件が、所得が一定の場合!!所得が一定じゃない増加する場合は?これは、論じていませんので参考になりません!!(法人が提供する製品やサービスの価格も一定の場合も前提条件です)
1930年代のアメリカ経済が金融危機2008と似たような状態に陥った時、ケインズは、「倹約のパラドックス」というケインズ経済学の法則を発見しています。
それは、ポール・A・サミュエルソン(1915-2009)が、近代経済学の教科書「経済学」の冒頭で「個人を富裕にする貯金は、経済全体を貧困にする!(所得が一定の場合)」というわかりやすい言葉で表現しました。しかし、庶民の所得が増加し、貯蓄が投資、消費に回る場合には、「倹約のパラドックス」は生じません。
その後、この「倹約のパラドックス」は、アメリカの経済学者・ケネス・J・アロー(1921- )が「合成の誤謬」を数学的論理に基づいて���個人個人がそれぞれ合理的選択をしても、社会システム全体は合理的選択をするとは限らない」を検証してみせた。 要するに、部分最適ではなく、全体最適させていくということ。
つまり、新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との 戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!ということに集約していきます。
なお、金融危機2008では、マイケル・メトカルフェも言うように、「特別資金引出権(SDR)」は、2008年に行われた緊急対策で、一国だけで行われたのではなく、驚くほど足並みの揃った協調の下に国際通貨基金(IMF)を構成する188ヶ国が各国通貨で総額2500億ドル相当を「特別資金引出権(SDR)」を用いて世界中の準備通貨を潤沢にする目的で増刷してます。
このアイデアの根本は、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」です。この研究がなければ、誰一人として、変動相場制での当時の状況を改善し解決できなかったと言われています。
それ以前では、固定相場制でのマーシャルプランが有名です。
続いて、トリクルダウンと新自由主義
インターネットの情報爆発により隠れていた価値観も言葉となり爆発していくことになった。
しかし、法定通貨の方が、その価値、概念に対する通貨量拡大として価格で応じることができず、圧倒的に通貨量が足りない状況が生まれていたのが、2010年代の問題点のひとつでした。
リーマンショックの後に、新自由主義が誤りであることが、ピケティやサンデルによって指摘され、当時のFRBバーナンキ議長が、通貨供給量を大幅に増やした対策により、ベースマネーの金融、銀行間の相互不信を解消して収束した。
それでも、まだ足りないが、適正水準に収まったことで、さらに価値も増幅され、マネーストックの財政政策から再分配、事前分配を大規模に行い、さらなる通貨供給量が重要となっている現在の日本国内。
例えば
Googleがしようとしてた事は、まだ新産業として、基礎研究から発展できない機械学習の先端の成果をすべて持ち込んだ社会実験に近いこと。
シュンペーターの創造的破壊は、一定数の創造の基礎を蓄積後に、未来を高密度なアイデアで練り上げてから破壊をするのが本質です。
こうして、憎しみの連鎖や混乱を最��限にする。
アルビン・トフラーの言うように、法人と行政府とのスピードの違いが縮まらないのは、構造上の違いであって、それを補うためにプラスサムな連携するということが、必要になってくることを説いています。
三権分立が、規制のないGAFAMを非政府部門としてMMT(現代貨幣理論)からプラスサムに連携したらどこで均衡するのか?という社会実験も兼ねています。
このような前提で、あらゆるインターネット企業が、創業時、貢献するためコンセプトの中心であったものが、今では、悪性に変質して違う目的に成り下がっています。
再分配、事前分配の強化がスッポリ抜けてる欠点があり、ここに明かしたくないイノベーションの余地があります!!
2021年には、新自由主義のような弱肉強食では自然とトリクルダウンは生じないことは明らかになる。
確かに、トリクルダウンは発生しないが、法律で人工的に同じ効果は、貨幣の再分配、事前分配という形にできる可能性は高い。
再分配や事前分配をケムにまく「金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない」「価値を生み出している人を罰するつもりがないのであれば税に差をつけないほうがいい」(サッチャー)
とあるが、新自由主義は誤りで、ピケティやサンデルによると違うみたいだ。
2024年のノーベル経済学賞でも指摘しているように・・・
国家システムが繁栄するかどうかは、幅広い政治参加や経済的な自由に根ざす「包括的な制度(ポジティブサム)」の有無にかかっているとデータでゲーム理論から実証した。
欧州諸国などによる植民地支配の時代のデータを幅広く分析し、支配層が一般住民から搾取する「収奪型社会(ゼロサム)」では経済成長は長く続かない(収穫遁減に陥る?)
一方、政治や経済面での自由や法の支配を確立した「再分配や事前分配を同時に行う包括型社会(ポジティブサム)」なら長期の成長を促すと理論的に解明した(乗数効果とは異なる経路の収穫遁増がテクノロジー分野とシナジーしていく?)
「再分配や事前分配を同時に行う包括型社会(ポジティブサム)」は、日本の高度経済成長時代のジャパンミラクルが、一度、先取りして体現しています。
2020年代からはもう一度、ジャパンミラクルが日本で起こせる環境に入っています。安倍総理が土台、管、岸田総理が再分配や事前分配の包括型社会(ポジティブサム)の土台を形成しつつあります。
日本の古代の歴史視点から見ると・・・
安土桃山から江戸幕府初期の農民出身徳川家康が国際貿易を促進しつつ再分配や事前分配の包括型社会(ポジティブサム)を形成してます。
その後、大航海時代の覇権争いを避けるため数代かけて「収奪型社会(ゼロサム)」になってしまい、綱吉の頃には基本的人権の概念も希薄になり選挙もないため
低収入者の農民から商人も収奪していきます。
江戸幕府末期まで数度改革をしましたが、ノーベル経済学賞の人達によると包括型社会(ポジティブサム)に転換しずらい
結局、薩摩と長州が徳川家康式の国際貿易のイノベーションを復活させるも(水戸藩の文献から)国民主権の憲法や選挙がないため
明治維新を起こすしかなく、第二次大戦で原爆が投下されるまで軍備拡大して資源が枯渇します。
国家システムの独裁から法人や個人の優越的地位の乱用にすり替わるため、財産権や特許権などを含めた低収入者の基本的人権を尊重することで独占禁止法の強化も必要になっていくことも同時に示しています。
(個人的なアイデア)
日本では、西遊記の物語にでてくる天竺(てんじく)に行く三蔵法師が有名だが、アビダンマは、根本経典である三蔵(経・律・論)の一部。
阿毘達磨とも。サンスクリット語から、漢字に翻訳するとこう書かれる。武道の達人でもあった達磨大師。ダルマ様とも呼ばれる。
数十年単位では、悪性でも数百年単位では善性という事象は多数ある!
なぜ?一神教に比べて、多神教や漢字などに概念が多いのは、お釈迦さまが膨大に構築し、先人達の蓄積したアビダンマが根本だから!
宗教の創始者たちの概念上の教え。
原本は、ものすごくパワー(「パワーかフォースか?」の本でのパワー)の高い状態であることが確認されている。
ここで言われる「Powerパワー」は(スターウォーズでのライトサイドのForceフォース)そして、「Forceフォース」は(ダークサイドの方)という前提です。
しかし、宗教概念が、二元的であればあるほど(例えば、「神と悪魔」や「法律で暴力装置をがんじがらめにしたテロリスト集団が警察機構なのに絶対に善のような先入観を強調する構造」など)
つまり、ゼロサムになると誤訳される危険性も大きくなるように思います。
ロジェカイヨワの戦争論にある「いけにえ」も似ている。
あれこれと姿は変わっても、それらは常に存在し続けてきました。
上があれば下があるように、光と闇があります。人間の心理への探求、そして、高い精神的レベルに達しようとするコミットメントは、宗教として社会的に組織化されます。
逆に、そうなることによって、最も低いエネルギーフィールドに落ちていくのです。
よく組織に入ると優秀な人が無能化するのもこの構造原理にあるためです。
なぜなら、組織化されると言う偽りが最初から伴っているからです!!
だから、マスメディアを通すと意味が反転して届き易くなる傾向があります。
世界中のさまざまな宗教の創始者たちの概念上の教えが言うように、慈愛と言うエネルギーフィールドは、一神教でいう神の恩恵への入り口です。
多神教の仏教では慈悲とも言う「悟りへの入り口」とも呼びます。「ラーマ」「道(タオ)」バージョンもあります。
これ���のキャパシティを増やすことで、私たちは、誰であり、なぜ?ここにいるのかと言う最終的な気づきに導かれ。
さらに、このアトラクタフィールドの光の中では溶かされ、すべての存在の究極の源へと導かれます。
これが、この世界で自らのパワーを高める唯一の方法なのです!!
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教って、すべて一神教。
数学の群論、トポロジーの圏論で多神教の仏教の視点で俯瞰すると、ある意味、多神教の一形態とも言えるんだよな。
インドでも似たようなのあるからね。ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神など。
なお、日本では、あまり知られていないヴィシュヌ神は、日々、時空を超越して、同時に姿を変えて人々を救っていたという場の量子論的な特徴があります。
その時のそれぞれの姿は化身を意味する「アヴァターラ」と定義されており、オンラインゲームなどで呼ばれる自分の分身となるキャラクター「アバター」の由来ともされています。
日本では、観自在菩薩に似ていますが、シヴァ神よりも強くて最強。宇宙を維持する役割もあるので、最新物理学では、イメージ的に不確定性原理に近く、スーパーストリング理論や陰陽五行理論も含まれています。
日本人は皆、神社にいくでしょ!
あれ神道で神社庁も公的にありますよ。
お寺にいくでしょ!あれ仏教ですよ。
お盆やお祭りや年中行事に参加するでしょ!あれ仏教ですよ。
これらに関わらない人も・・・
数%の大企業を中心にしたマスメディアやテレビなどもナショナリズムと言うカルトの定義になるんだけどね。
カルトの定義「中立的なバランスの欠けた極端な思想を対象にする少人数の狂信的な崇拝を持つ教団」に当てはまる?
カルトを論じる前にカルトの定義をしないと風評被害になります!
ご注意下さい。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
テーラワーダ仏教では「色」も定義されていて、「色」とは「五蘊(ごうん)」の一部であり「存在する物や事を視覚で認識」すること。
「色即是空」の「色」です。
「五蘊(ごうん)」は「五根(ごこん)」という身体の感覚器官から執着が生じていると論じています。
偶然の一致か否か?不思議なことに・・・
「量子力学」という分野を開拓し、発展させた三人の物理学者「ニールス・ボーア」「ヴェルナー・ハイゼンベルグ」「エルヴィン・シュレーディンガー」たちは
とても奇妙なことに気がつきました。
素粒子の物理学を究極まで追求していくと、驚いたことに、はるか昔の東洋の賢者たちが説いた哲学に
どんどん接近してしまうのです。
これは何を意味するのでしょうか?
次に
老子の道教の徳(テー)とアリストテレスのニ��マコス倫理学の徳(アリテー)が似ていることから・・・
どちらの起源が先か?調べるととても面白い仮説が出てきた。
中国の道教は紀元前750年位。古代ギリシャ末期のアリストテレスは紀元前350年位。
共に多神教。この時代の情報の伝達速度を考えるとシルクロードで相互的に交流して伝わった可能性も高い。
プラスサムな概念だから。道(タオ)が先で、アリストテレスのニコマコス倫理学の徳(アリテー)が変化して
老子の道教の徳(テー)となり、神仏習合みたいな道徳になった?アリストテレスのニコマコス倫理学の徳(アリテー)は具体的だが、道徳経ではあいまい。
当時は、西洋と東洋の最先端を統合?古代中国では、老子は仙人とも言われていたし、始皇帝もこの頃の激動の時代。
どうなのか?
バラモン教に対して創始した仏教もブッダにより誕生し、アリストテレスの時代に近い年代であることは偶然の一致だろうか?
ニコマコス倫理学に似ている仏教最高レベルの奥義が「中道」ということ。チベット経由で中国にも伝わります。そして、日本にも。
その後、古代ギリシャは300年後、多神教の古代エジプト���明を滅ぼしてローマ帝国になっています。キリスト教も誕生。
その後、国教へ。一神教が広まり紀元後が始まります。
現在のEUは、NATOがウクライナ侵攻でクローズアップされたこと。さらに、13の暦がひと回りして2000年前位の状況も含めて考えると
トルコまで領土にしたローマ帝国の民主主義版をフランス、ドイツは構築しようとしてる?
イギリスがブレグジット(Brexit)で離脱したのは、かつてのローマ帝国の過ちを回避した可能性も?
もし、以前、機運が高まった時にロシアがEUに加盟していれば、古代ローマ帝国2.0(民主主義版)が建国していたかもしれない。
大西洋を超えてアメリカ大陸からロシアを含めて、北半球に巨大なモンゴル帝国を超えた人類史上最大の領域が誕生するので・・・
今からでもロシアは遅くないので加盟したほうがいいような気がします。
真実はわからないが、そんな仮説がインスピレーションとして出てきた。
仏教最高レベルの奥義が「中道」と言葉で言うのは簡単だけど、体得して実践するのは至難の業。
ピータードラッカーも言っている。
それを可能にする方法を段階を踏んで導いた最初の人が釈迦です。
初心者向けとして、アビダンマや八正道がそれに当たります。具体的な方法を体系化しています。
極端な見解にとらわれない(顚倒夢想:てんとうむそう)よう人が心の苦しみから逃れるには、八つの道を守れば良い。
正しい見かた、正しい思い、正しいことば、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい判断。そして、正しい考えかたである。
ところで「正しい」とは、何をもってそう言うのだろうか?
ここでは、アリストテレス(サンデルの正義)の定義ではありません。
この場合の定義は、ブッダの説いている「中道」が「正しい」という意味です。両極端にとらわれない正しい立場(中道)が悟りへと導く唯一の道なのです。
���りから始まり、この世は、様々な概念が重なり合うため、概念の機微や均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!
最初は大変だが、ドラゴンボールに登場するスーパーサイヤ人みたいに、これを大変なレベルじゃなくなるくらいに習慣化することがコツです。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
続きは、後ほど。倫理は強制ではなく一定のプロトコルに基づく自由権なので
アリストテレスのニコマコス倫理学には、快楽的生活、社会的生活、真理を追求する生活がある。
思考の知的な徳は、形式知の根本?
もう一つ、性格の徳は、暗黙知の根本?
アリストテレスのいう定義である悪徳の反対は、有徳。有徳に転換する努力が必要。
悪徳に似た概念として、仏教でも、具体的に邪道四つと定義されてい��。
テーラワーダ仏教に似ている。顚倒夢想(てんとうむそう)になるため悪行為を段階的に最小限する努力が善行為。
こうすることで「パワーか?フォースか?」の書籍でいうパワーが人類全体で平等に底上げされる。
ここで言われる「Powerパワー」は(スターウォーズでのライトサイドのForceフォース)そして、「Forceフォース」は(ダークサイドの方)という前提です
そして、ブッダの説いている「中道」は、「パワーか?フォースか?」の書籍でいう「意識のマップ」内の「中立」レベルに当たるかもしれない。
アビダンマとは異なる領域なので、うつ病、ADHD、自律神経失調症、発達障害などは、精神科医や心療内科へどうぞ。
もう少し、テーラワーダ仏教で教え伝えられている経験則を初心者向けから二、三歩、歩みを進めると「預流道心」と言われる悟りの最初の心が生まれる瞬間があります。
自力で到達するのは危険なので、お寺のお坊さんに詳しくは聞いてください。
自分の解釈では、ここに到達する感覚としては、量子力学の本質である「場の量子論」を本当に理解した瞬間が一番近い感覚です。しかし、検証できないので本当に到達したかわかりません。
テーラワーダ仏教のアビダンマでは、「預流道心」に到達すると自然と悟りの道に自動的に回帰できるようになるそうです。次に、七回生まれ変わるまでに完全に悟りの流れに乗れる。
前世で「預流道心」に到達してると子供の頃から、桁の違う天才になりやすい傾向が発現してくるそうです。
そして、六道輪廻するのは、人間界か天界のみだそうです(一神教では、天国に近い領域に似ている)他にいくつか特徴があります。
「預流道心」に到達すると「第一禅定(ぜんじょう)」状態に自動的になります。
一神教では「天国」に相当することですが、テーラワーダ仏教には、この先がありますが、ここまでに��ます。
厳密には違うけど、わかりやすく言うと精神領域がスーパーサイヤ人に到達するようなイメージ。しかし、すぐ心の状態は普通になります。
漫画のイメージのように身体は強くなりません。
言葉の定義として「禅(Zen)」は、ブッダが伝授された「第一禅定(ぜんじょう)」が起源。
言葉の定義として、ここでの「定」は、サマーディとも「梵天」の「梵」とも呼ばれます。
日本語ではわかりずらいけどサンスクリット語などにすると全て関連してることがわかります。
サマーディ瞑想とも深く関連していて、瞑想しすぎると「あの世」の人になってしまうので、ほどほどの八正道で「この世」の状態を維持しないと危険です。
戻ってこれなくなります。
再起不能になる可能性が高いため、本当に詳しくは、歴史あるお寺でお坊さんに聞いて下さい。
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歴史に耐え抜いた哲学の基盤がない権力者が最も危険な存在です。
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「こんなに仕事をした政権はない」小泉環境大臣の言葉ですが、実際はどうだったのでしょうか。菅総理の補佐官として官邸で勤務している私がこの一年間を振り返り、ファクト(事実)として記録しておきます。 ◎新型コロナ対策に全力。医療体制を確保し、感染防止を徹底するとともに、感染対策の決め手となるワクチン接種を進めてきた。7月末までに希望する65歳以上の高齢者のワクチン接種を完了。3000か所の職域接種を含め、6月以来、1日100万回を超える接種を実現。8月末に全国民の5割近く、9月末に6割近くの2回接種を行い、現在の英米なみに近づく見通し。重症化が防げる画期的な中和抗体薬を1万人以上に処方。入院しなくても使えるように、外来でも使用可能とした。この中で、新型コロナの影響を受けた方々の声に耳を傾け、徹底し��支援。事業者の人件費や資金繰りへの支援、困窮する世帯への支援を行う。また、9月には、ワクチン接種が進展したのちの社会経済活動の規制の緩和の在り方について検討し、基本的な考え方を提示する。 以下、時系列に記します。 1. デジタル庁発足 (20年9月30日準備室発足、21年5月12日関連法成立、9月1日発足)昨年の総裁選で御約束して1年弱という異例の短さで「デジタル庁」を発足。強力な司令塔として、デジタル化により暮らしを便利に。マイナンバーカードを使って、引っ越しや児童手当などの申請が自宅からオンラインでできるようにする。 2.不妊治療の保険適用(20年9月検討開始、21年1月助成引き上げ)共働きで頑張っても、一人分の給料が不妊治療に消えてしまうとの声に応えるため、今年1月から、補助 制度の所得制限を撤廃して、補助する金額は倍増( 1回15万円→ 30万円)、回数も増やした。来年度から保険を適用して、若い人にも使いやすくする。 3.携帯電話料金の値下げ(20年9月検討開始、20年末 大手3社新プラン発表)法改正などにより、利用者の方々が携帯会社の乗り換えを簡単にできるようにして、競争を促進。昨年末には、大手3社が従来より6割以上安い料金プランを発表。家計負担は4300億円軽減。 4. 初外遊でASEAN 訪問(20年10月18日~20日)イ���ド太平洋地域の中心に位置するアセアンは、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組の要(かなめ)。「インド太平洋国家」である日本として、地域の平和と繁栄に引き続き貢献していくとの決意を明確に��信した。 5. 2050年カーボン・ニュートラルを宣言(20年10月26日施政方針演説)政権発足直後に「2050年カーボンニュートラル」を決断。温暖化対策は経済の制約ではなく、投資や雇用を生むものだと発想を転換し、成長戦略の柱に。洋上風力、水素、蓄電池などの技術開発や投資を進め、2030年に140兆円の経済効果を見込む。 6.RCEP締結(20年11月15日署名式)中国を含めたRCEP協定参加国のGDPの合計、貿易総額、人口のいずれも世界全体の約3割を占める。昨年秋の協定署名、そして先の通常国会での承認は、自由で公正な経済秩序の形成に向けた、画期的で重要な一歩となった。 7. 国土強靭化 5年15兆円(前例のない長期コミットメント) (20年12月11日閣議決定)ここ数年、大規模な水害が頻発。「5か年対策」により「5年で15兆円」を約束。川底の工事(しゅんせつ)や、役所の縦割りを解消したダムの事前放流の一元化などで、豪雨被害の軽減に取り組む。 8. 若い世代のための医療費窓口負担見直し(20年12月15日閣議決定)若者と高齢者で支え合う社会保障改革の第一歩として、75歳以上の高齢者のうち、年収200万円以上の方々の医療費の2割負担をお願いし、現役世代の保険 料負担を720億円軽減。 9.2025年大阪・関西万博に向けた準備(20年12月21日第1回国際博覧会推進本部開催)国際博覧会推進本部を設置し、第1回会合を開催。『いのち輝く未来社会のデザイン』と『いのちを救う、いのちに力を与える、いのちをつなぐ』がテーマの同博覧会に向けた政府の基本方針を決定。 10.コロナ禍での雇用対策を徹底強化 (21年2月5日産業雇用安定助成金創設)雇用調整助成金の特例措置を本年9月末まで延長したほか、労働者向けの休業支援金・給付金についても対象を拡大。加えて、在籍型出向を活用して雇用維持を図る事業主(出向元・先)を支援する「産業雇用安定助成金」を新たに創設するなど、「失業なき労働移動」を実現するための取組を強化。 11. 農林水産品の輸出額が過去最高 (21年2月5日20年輸出額公表)農水省、厚労省などの縦割りを解消し、認可手続きなど、輸出のハードルを改善。産地の支援も行い、新 型コロナの中でも昨年の輸出額は9,000億円を超えて、過去8年で倍増。本年も対前年30%増。 12. 孤独・孤立担当大臣の新設(21年2月12日)新型コロナの中の人々の不安に寄り添うため「孤立・孤独担当大臣」を創設���自殺防止、子供食堂など、NPOの活動に異例の60億円の支援を決定。行政と民間団体との連携を強化し、きめ細やかなセーフティネットを構築。 13. バブル崩壊後の株価最高水準(21年2月15日)株価も本年2月には3万円の大台を超え、その後も27000円台と順調に推移。30年ぶりの高水準。昨年度の税収は過去最高に。 14. 初の QUAD 首脳会議(21年3月12日)3月、日米豪印(クワッド)会議を、初めて閣僚級から首脳級に格上げして開催。普遍的価値と戦略的ビジョンを共有する4カ国のリーダーが、「自由で開かれたインド太平洋」の具体化に向けた決意を一致して発信する重要な機会となった。 15.10兆円大学ファンド創設(21年3月26日第6期科学技術・イノベーション基本計画閣議決定)大学の国際競争力の強化、わが国成長への貢献という長年の課題に対応するため、10兆円の大学ファンドを創設。運用益を、トップレベルの大学の研究に充てる。 16. 小学校35人学級決定 (21年3月31日改正法成立、4月1日施行)40年ぶりに「義務教育標準法」を改正し、公立小学校の1クラス当たりの定員を40人から35人以下に引き下げ。少人数によるきめ細かな教室づくりを実現。学校の先生方の負担にも配慮し、長年の議論に決着をつけた。 17.教育のデジタル化(21年4月1日)21年4月から、「GIGAスクール元年」の施策として小中学校における一人一台端末環境下での学びを本格的にスタート。 18. こども庁開設準備(21年4月1日検討指示)担当省庁が複数にまたがる子供に関する施策について、役所の縦割りを打破して、真に子供の視点に立った政策に取り組む省庁横断組織の創設の検討を党に指示。 19. 福島第一原発処理水問題に結論 (21年4月13日関係閣僚会議で基本方針決定)福島第一原発のアルプス処理水について、6年以上にわたり処理方法の検討が続けられてきたが、国内 の規制基準の40分の1となる高い安全性を確保し、事業者の風評対策を十分に行う前提で、海洋放出 が現実的と判断。 20. 日米同盟の強化(21年4月16日日米首脳会談)4月、バイデン政権発足後、初の外国首脳として訪米し、日米同盟の固い絆を力強く発信。新型コロナ、 気候変動などのグローバルな課題、中国や台湾、北朝鮮の拉致問題などにつき率直に議論し、首脳声明にも反映できた。声明での台湾への言及は52年ぶり。 21.「慰安婦」という用語用いることが適切と閣議決定(21年4月27日質問主意書答弁閣議決定)政府が質問主意書(馬場伸幸衆議院議員)に対し、「『従軍慰安婦』という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、��従軍慰安婦』又は『いわゆる従軍慰安婦』ではなく、単に『慰安婦』という用語を用いることが適切である」と答弁。今年度以降の教科書検定で当該政府見解が反映される見通し。 22.わいせつ教員への厳正な対処(21年5月28日新法成立、6月4日公布)児童生徒を教育職員等による性暴力から守るため、これを禁止し、一度行った教員が教壇に戻ってくることのないよう、教員免許が失効した者のデータベースの整備や教員免許の再授与を制限する法律を制定(議員立法)。 23.ワクチン外交 (21年6月2日ワクチン・サミット、6月4日台湾への第一弾分到着)国内接種に必要な量を確保しつつ、ワクチン外交にも注力。6月にはワクチン・サミットを主催し、「途上国人口の3割分のワクチン確保」との目標の達成に貢献した。台湾やアジア諸国などに既に2300万回分の供与を実施し、今後も拡大していく。 24. 男性育児休業取得 (21年6月3日改正育児・介護休業法成立、22年4月1日から段階施行)出産・育児の負担が女性に偏る中で、男性の育児参加を進める。男性国家公務員には1か月以上の育休取得を求め、結果として平均50日取得されている。法改正により、民間企業でも、男性が育休取得しやすい職場環境を義務付け。 25. 国民投票法改正(21年6月11日成立、9月18日施行)憲法改正に必要な手続きを定める改正国民投票法が、法案提出から約3年を経て、通常国会で成立。 26. 英国 G7の成功に貢献 (21年6月11日~13日)6月、英国でのG7では、普遍的価値を共有するチームとしての結束を確認し、世界が直面する重要課題につき率直に議論した。中国をめぐる課題についてのセッションでは議論を積極的にリードし、その成 果は首脳宣言に反映された。 27. 重要土地等調査法(21年6月16日成立、22年9月全面施行)自衛隊の施設の周辺などの土地について、不適切な利用を防ぐ法案を通常国会で成立させ、安全保障上重要な土地を守るべきとの長年の議論に決着をつけた。 28. オンライン診療2022年度解禁決定 (21年6月18日規制改革実施計画閣議決定)住んでいる場所にかかわらず、医療が受けられるように、オンライン診療を大幅に拡大。これまでは、同 血圧や糖尿病のみで、初診は対象外。来年度からは、初診も対象となり、対象となる病気の限定もなくなる。 29. 最低賃金の引き上げ率過去最高へ(21年7月16日中央最低賃金審議会答申)今年の最低賃金は史上最大の28円、3.1%アップ。非正規労働者をはじめ、新型コロナによる賃金格差を是正。引き上げの環境整備のため、飲食・宿泊を中心に、雇用調整助成金などによりきめ細かく支援。 30 . 黒い雨訴訟上告断念、 救済措置 (21年7月27日上告断念の総理談話閣議決定)84名の原告に被爆者健康手帳を発行。さらに、原告以外でも同じような事情にあった方々については、訴訟への参加・不参加に関わらず、認定し救済措置を講ずる。 31 . 東京五輪・パラリンピック (21年7月23日~9月5日)五輪には約1万1,000人、パラリンピックには約4,400人の選手が参加。国民の命と健康を守るために、感染対策、水際対策、セキュリティ対策などを徹底し、安全・安心な大会を実現。開催国としてその責任を果たした。また、東日本大震災からの復興五輪として立ち直った被災地の姿を発信した。
菅義偉政権の1年の成果 | 木原みのる公式サイト
身内からなので“強力に”や“徹底”といった過飾気味な表現もあるけど、内容は貴重な話。 メディアからは絶対出て来なそう。
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韓米首脳が21日(現地時間)にミサイル指針解除と原子力産業協力で意見が一致したのは、今後の両国関係の発展に少なからず影響を及ぼすというのが、両国外交関係者の共通した見方だ。特に今回の首脳会談の主な議題だった北朝鮮の核問題、コロナワクチン、半導体など経済協力のほか、新しい次元のイシューが追加されたという点で注目を引く。 韓米ミサイル指針は朴正熙(パク・ジョンヒ)政権当時の1979年、韓国が米国からミサイル技術を受ける条件として設けられた。当時の条件は射程距離180キロ・弾頭重量500キロだった。その後、韓米ミサイル指針は金大中(キム・デジュン)政権の2001年、李明博(イ・ミョンバク)政権の2012年、文在寅(ムン・ジェイン)政権の2017年と2020年の計4回にわたり改定された。 現在のミサイル指針は、射程距離800キロに弾頭重量制限はなく、宇宙ロケットに固体燃料を使用できる水準にまで緩和された。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者は「政府は文大統領の任期が終わる前にミサイル指針解除問題を解決するという意志と構想を持っていた���と説明した。 ミサイル指針の解除は何よりも韓国ミサイル開発の「足かせ」を外すという意味がある。国防力が外交交渉力を左右するという点で、ミサイル指針が解除される場合、国家の外交力量を高めるという期待もある。忠南大のホ・ファンイル航空宇宙学科教授は「軍事用ミサイル技術の発展は宇宙ロケット開発にも直接・間接的に影響を与える」とし「足かせが外れる���いうこと自体が、国内研究陣の創意的な研究を可能にする」という見方を示した。 ミサイル指針の解除はインド太平洋戦略に基づく米国の中国牽制の布石と見ることができる、という評価もある。自主国防ネットワークのシン・インギュン代表は「米国の中国包囲戦略の布石の一つとしてミサイル指針の解除を見るべきだろう」と述べた。現在の指針でも北朝鮮全域がミサイル射程距離内に入っている状況で、米国があえて射程距離制限を解除した意味に注目する必要があるという説明だ。 北京の場合、ソウルとの直線距離が約950キロと、現在のミサイル指針の射程距離制限外にある。しかしミサイル指針が解除されれば北京も射程距離内に入る。シン代表は「韓国が直ちに中国を打撃する可能性は極めて低いが、韓国のミサイル射程距離内に自国の首都が入るということ自体が中国には負担になるはず」と述べた。 このためミサイル指針の解除が韓国には対中関係悪化の「爆弾」になるかもしれないという指摘もある。亜洲大のキム・フンギュ米中政策研究所長は「ミサイル指針の解除は米国が進めている高高度防衛ミサイル(THAAD)のアップグレードなど中国牽制という巨大なゲームの一環と見ることができる」とし「中国を攻撃する武器体系は具体化していないが、空間を開いただけにその波紋は意外に大きくなるかもしれない」と予想した。 韓米原発産業協力案も注目される。青瓦台関係者は「原発産業の場合、韓国と米国の協力がシナジー効果を生む可能性が高い」と話した。続いて「中国を除けば韓国ほど価格競争力と品質・施設管理の側面で優秀性を持つ国もない」とし「基礎技術と設計技術の場合、韓国もレベルは相当高いが、米国も優秀な技術を保有している」と説明した。 韓米両国が原発技術協力を通じて第3国に共同で進出する案も考慮されている。この関係者は「中東や欧州では原発建設需要が確実に存在する」とし「韓米両国が提携して進出する場合、相当な競争力を持つはず」と述べた。 こうした協力案が文在寅政権の脱原発政策に矛盾するという批判が出てくる可能性もある。文大統領が2018年にチェコを訪問して現地原発市場への参加を打診した当時も「国内では原発を閉鎖しながら外国に行って原発を買ってほしいと言えるのか」という批判が出てきた。 これに関し両国外交関係者の間では「次世代原発と呼ばれる小型モジュール原発(SMR)産業の戦略的育成のために韓米が協力するのは別の次元の問題であり、未来の産業の競争力という側面で少なからずシナジーを生み出すことができるだろう」という見方が出ている。与党・共に民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表も14日、民主党指導部招請の青瓦台懇談会で、文大統領に「SMR分野で韓米協力を強化する必要がある」と建議した。 米国側が板門店(パンムンジョム)宣言を尊重するという立場を明らかにした点も意味が少なくないという分析だ。この関係者は「バイデン政権の今回の対北政策検討に韓国が大きく寄与した」とし「南北関係を尊重して認めるという意味で、ホワイトハウスも板門店宣言に言及した���みることができる」と話した。板門店宣言には核なき韓半島の実現、敵対行為の全面中止などの内容が含まれている。 バイデン政権は2018年6月の米朝首脳間のシンガポール合意を土台に柔軟かつ実用的な接近で北朝鮮問題を解決していくという基調を決めた状態だ。青瓦台関係者は「米国は米朝合意だけでなく南北合意も尊重するという意味」と解釈した。統一研究院の高有煥(コ・ユファン)院長は「トランプ政権で進行した韓半島平和プロセスの流れをバイデン政権も継続するという意味」とし「板門店宣言には北が望む韓半島平和体制と韓国が望む完全な非核化が一対で含まれているが、こうした交換の枠組みで北の問題解決の動力を見つけるものと考えられる」と述べた。
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トランプ氏、再出馬に強い意欲 米首都で退任後初演説
【ワシントン共同】トランプ前米大統領は26日、2021年1月の大統領退任後初めて首都ワシントンに戻って演説した。「国をただすため、もう一度やる必要があるかもしれない」と述べ、24年の次期大統領選への再出馬に強い意欲を示した。バイデン大統領の政権運営への審判となる11月の中間選挙前に再選出馬を正式表明する可能性があるとの見方が出ている。 1 バイデンよりかは遥かにいい 2 トランプさんにとっても盟友と言って良い安倍さんの遺した 自由で開かれたインド太平洋構想を発展させ世界平和を実現 してくれると期待します。 3 トランプさん宜しくお願いします。 4 議会襲撃をけしかけた前大統領が国民の支持を得られるなら世も末。バイデン氏も高齢で、立候補は難しいだろう。両党とも世代交代が必要。 5 流石に二度目はないでしょう…
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大軍拡の裏に米要求
GDP2%「同盟国の下限」
2022年6月5日【1面】
5月23日の日米首脳会談で、岸田文雄首相は日米同盟の「抑止力・対処力の強化」と称して、(1)大軍拡=「防衛費の相当な増額の確保」(2)敵基地攻撃能力=「反撃能力」の保有検討を公約しました。その背景を探ると、いずれも、日本を「力対力」の道に引き込もうとする米国の要求が浮かび上がってきます。根源にある日米軍事同盟の存在が正面から問われています。
首脳会談に先駆け、自民党は5年以内の「軍事費GDP(国内総生産)比2%以上」達成を提言し、維新も「GDP比2%」を公約。暮らし破壊の大軍拡を競っています。これを実現すれば、軍事費は現在の約5・4兆円から11兆円規模まで膨れ上がります。
「軍事費GDP比2%」の発端はNATO(北大西洋条約機構)です。2006年、米国の要求で「GDP比2%」の指針を設定。14年のロシアによるクリミア侵略を受け、同年9月のNATO首脳会議で、「24年までの2%達成」を目標に掲げました。
17年に発足したトランプ米政権は、NATO以外の同盟国にも「2%」を要求。当時のエスパー国防長官は20年10月20日、ワシントン���内の講演で、「われわれはNATOを超えて、すべての同盟国��防衛にもっと投資することを期待している。少なくともGDP2%を下限として」と発言。オブライエン大統領補佐官も21日、GDP比2%は「NATO以外でもゴールドスタンダード(黄金律)だ」(米軍事専門誌ディフェンス・ニュース)と述べ、絶対的な数値だと強調しました。
21年に発足したバイデン政権は、中国に対抗していくため、日本の大幅な軍事分担拡大を要求します。菅義偉前首相は同年4月16日のバイデン大統領との共同声明で、「自らの防衛力を強化する」と誓約。自民党は10月の総選挙で、初めて軍事費の「GDP比2%以上」を公約しました。エマニュエル次期駐日米大使(現大使)は10月20日、上院外交委員会の公聴会で自民党の公約に触れ、日本の軍拡は「同盟に不可欠だ」と発言しました。
(1面のつづき)
軍事費GDP「2%」 根拠も財源も示さず
敵基地攻撃能力 次つぎ具体的要求
米側はこれまで、日本の軍事費の目安である「GDP1%以内」は「少なすぎる」と批判してきました。中国の大軍拡やロシアのウクライナ侵略を利用して、一気に「2%」達成を狙っているのは明らかです。
ただ、なぜ2%なのか。具体的な根拠は示されていません。NATO加盟国でも、今年3月時点で「2%」を達成しているのは30カ国中、米以外では7カ国だけです。それにもかかわらず、政府と自民・維新は財源も示さず、「2%」ありきで米への忠誠を競い合っているのです。
米のアイデア?
「専守防衛」を根本から覆す敵基地攻撃能力の保有について、岸田首相は日米首脳会談後の記者会見で、「いわゆる『反撃能力』も含めて、あらゆる選択肢を排除しない」と表明しました。
「敵基地攻撃能力」=「反撃能力」と言う言葉を最初に用いたのは、20年12月に公表された米戦略国際問題研究所(CSIS)の対日要求報告書=「第5次ナイ・アーミテージ報告」とみられます。報告書は集団的自衛権の行使容認などを高く評価した上で、「今後の課題は日本がどのように反撃能力とミサイル防衛を向上させるか」だとして、「反撃能力」=敵基地攻撃能力を次の目標に設定しています。
対中戦争に参戦
「反撃能力」と言いますが、攻撃を受けて「反撃」するわけではありません。岸信夫防衛相は5月31日の参院予算委員会で、日本共産党の小池晃書記局長に対し、集団的自衛権の行使でも「敵基地攻撃」を行うとの考えを示しました。日本が攻撃を受けていなくても、自衛隊が米軍の海外の戦争に参戦し、「反撃」と称して武力行使するのです。
米側は、既に具体的な要求を出しています。米インド太平洋軍は、「対中国」を想定した「太平洋抑止イニシアチブ」(PDI)の20年版予算資料で、九州沖から南シナ海にいたる「第1列島線」に、巡航ミサイルなどによる「精密打撃網」の構築に言及。そして、この打撃網は「増強された同盟国の地上配備��器の参加」が前提とされています。
既に防衛省は、奄美、宮古、石垣に陸自ミサイル部隊配備を進め、沖縄本島への配備も検討。射程を大幅に延ばした12式地対艦誘導弾をはじめ、極超音速誘導弾や高速滑空弾など最新鋭の長距離ミサイル開発に乗り出しています。これらが米軍の対中軍事戦略に組み込まれ、「反撃能力」として活用されようとしているのです。
(竹下岳)
(2面)(しんぶん赤旗)
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有料会員登録サインイン 日本語 (Japanese) 2021年1月31日
60年超え現役、米B52爆撃機が活躍する事情 将来の戦争に備え、冷戦時代の爆撃機に頼る 米戦略爆撃機B52 U.S. Air Force/Getty Images 2021 年 1 月 28 日 09:10 JST 更新 【東シナ海上空】「戻れ」。中国の航空管制官が警告を発した。「中国の領空に接近している。直ちに進路を変更せよ。さもなければ迎撃する」 中国の沖合160キロをゆっくりと進む米空軍爆撃機B52の乗員は、無線機から聞こえる警告を無視した。就役60年を経た機体はそのまま飛び続けた。 これは爆撃機のプレゼ���スを示すための任務だ。こうした飛行の狙いは、米軍がカバーする範囲の広さを誇示し、領有権争いをする空域で国際通過通航権を擁護することにあった。 同時に、米国防総省の計画が垣間見える機会でもあった。すなわち将来の戦争への備えを、冷戦時代初期に作られた航空機に頼っているということだ。 この任務はグアム島のアンダーセン空軍基地で夜明けと共に始まった。乗員は酸素マスクと「プーピースーツ」を身につけた。万一海に不時着した場合、寒さをしのぐための膨らみのある全身スーツだ。 そして、操縦する乗員よりはるかに年季の入った爆撃機は、ご���音を立てて滑走路を走った。アナログ式ダイヤルと老朽化したレーダーを頼りに、太平洋上をジグザグ飛行し、米国は未承認だが中国が「防空識別圏」と主張する空域内で機動作戦を行うために。 中東やアフガニスタンで反政府勢力との戦争を20年近く続けた国防総省は、ここにきて「大国間競争」に軸足を移した。同省の支出や計画を対中・対ロに大転換するために頻繁に使われる決まり文句だ。 この装備の一新は、過激派武装グループとの戦いで疲弊し、より危険性の低い北東アジアや中東のならず者国家への対応に焦点を移している米軍にとって、コストのかかる軌道修正となる。この戦略はジョー・バイデン大統領の下で就任したロイド・オースティン国防長官もおおむね支持するが、同長官は今後、実現への道筋をつけなければならない。 海兵隊は戦車全廃を進め、代わりに西太平洋の島々を起点に中国艦隊を封じ込める軍事能力を備えようとしている。陸軍は最近、人工知能(AI)やセンサーネットワークを活用し、敵に攻撃を仕掛ける訓練を実施した。海軍は無人艇の開発を進めている。 だが、この戦略転換が特に大きなチャンスをもたらしたのは長距離爆撃機だ。国内に新型コロナウイルスの感染拡大問題を抱える中、米国は長距離爆撃機の力を借り、世界中で力を発揮できることを示している。 敵の高度な防空網をすり抜けるため、空軍は次世代ステルス爆撃機B21「レイダー」の開発を進めている。この爆撃機隊には1948年設計の戦略爆撃機B52「ストラトフォートレス」も加える予定だ。同機はコンピューター以前の航空計算尺を組み込んでいる。 「それは実際、作りがタフだった時代に作られた古いトラックのようなものだ」。空軍参謀総長で元太平洋軍司令官のチャールズ・Q・ブラウン大将はこう話す。「そうしたプラットフォームが現在抱える課題は、新しい技術と機能をいかに搭載するかだ」 古い家屋を全面改装するのと同じく、耐久性のある航空機の機体は保存し、燃料を大量消費するエンジンや、年代物の無線機、アナログ式計器類、胴体内部の爆弾倉は最新のシステムに入れ替えられる。 空軍の長期計画にB52は不可欠な存在で、少なくとも2050年まで76機を運用することになっている。その頃には最新のものでも機体年齢が90歳近くに達する。軍幹部の一部は100歳の「長寿」を祝う可能性もあると話す。1960年代にB52(ノーズコーン部分)の形状に似たビーハイブヘアが流行し、後にその髪型をしたバンドの名になったことは今��人々の記憶に残る。 空軍が今後数十年続くこうした異例の解決策に頼ることになったのは、国防総省が冷戦は終結したとみなし、中東で武装組織と戦うのにその後の年月を費やした判断の産物だといえる。 年代物の爆撃機への依存は、国防総省が大国間紛争の多発する世界にかじを切り直すまでの道のりの長さも映し出す。国防総省は財政赤字拡大に直面する中で、戦力を維持しつつ、最先端技術を導入するのに大いに苦戦している。 核の時代の幕開けと共に登場したB52はそもそもの役割が核戦争の抑止であり、必要ならば、戦闘にも出向くというものだった。フットボール競技場の長さの3分の2近い翼幅を持ち、8基のエンジンを搭載するB52は「BUFF」(Big Ugly Fat Fellow=巨大で醜く太ったやつ)という親しみを込めた愛称で呼ばれた。 1960年代には、核兵器を搭載した十数機のB52が24時間、空中待機の状態にあった。その胴体には核爆発の熱を表す光沢ある白い塗料が塗られていた。 「核兵器環境での戦闘のストレスや緊張に耐えるよう設計されていた」。元B52パイロットで現在はミッチェル航空宇宙研究所の所長を務めるマーク・ガンジンガー氏はこう話す。 紛争の非核化によってB52には戦闘の役割が与えられた。核爆弾2基を搭載できる設計だった同機はベトナム戦争では約27トンの通常爆弾搭載能力を持つよう改造された。 空中発射巡航ミサイルの開発によりB52は国防総省が「スタンドオフ」と呼ぶ、敵の射程圏外からミサイルを発射できる能力を備えた。B52は1991年の湾岸戦争を機にその役割を引き受けた。同機はアフガンやシリア、イラクの武装勢力に対し、衛星誘導爆弾を投下するプラットフォームとなり、過激派組織「イスラム国(IS)」からモスルを奪還する戦いでも活躍した。 B52が適応できた一方で、他の爆撃機は逆風にさらされた。B52の最初の代替機はB70になるはずだった。極めて高速かつ高高度の飛行に力点が置かれたが、ソ連がそうした脅威に照準を合わせる防空体制を整えたために意義を失った。 空軍が開発したB1B爆撃機「ランサー」は、可変後退翼の採用によって低高度飛行が可能になった。だがアフガンや中東での高高度任務のために翼を前に倒すと予期せぬストレスに直面した。 ステルス爆撃機B2「スピリット」は空軍が最先端技術を駆使して開発した。だがロシアとの緊張緩和や予算ひっ迫のため、当初の132機から21機に計画が大幅縮小され、1機当たりの費用は20億ドル(現在のレートで約2074億円)を超えた。 だが、同機は長距離ミサイルを発射できるほか、衛星誘導爆弾や地雷を搭載することが可能であり、現在運用されている空軍爆撃機の中で唯一、核弾頭装備の その一方、国防総省との意見対立で、次世代爆撃機(NGB)開発��遅れが生じた。空軍の提案がコスト急増を招きかねないと懸念したロバート・ゲイツ国防長官(当時)は2009年、この提案を白紙に戻し、立証済みの技術だけを用いるよう空軍に指示した。 2018年には、台頭する中国との摩擦拡大やロシアとの新たな緊張が、国防総省の考えに変化をもたらし、当時のジム・マティス国防長官は中ロ両国が今後数十年にわたる米国の主要な脅威だと認識するに至った。 この戦略シフトはさまざまな空中戦システムの開発に弾みをつけた。例えば操縦士が乗るジェット機とドローンが編隊を組むといったことだ。それはまた、長距離爆撃機の新たな黄金時代の始まりでもあった。 空軍の将官らは昨年、戦略核戦力の3本柱(長距離爆撃機・陸上発射型ミサイル・潜水艦発射型ミサイル)を維持する一方で、通常任務用の爆撃機を少なくとも220機保有するよう軍に要求した。この目標は現在の158機からの大幅増を意味する。 コックピットを背後からみた様子 Photo: Michael Gordon/The Wall Street Journal だが、同機は長距離ミサイルを発射できるほか、衛星誘導爆弾や地雷を搭載することが可能であり、現在運用されている空軍爆撃機の中で唯一、核弾頭装備の 空軍は新型ステルス爆撃機B21の開発を進めている。2020年代の中盤から終盤には戦力に組み込まれる見通しで、少なくとも100機は配備する意向だ。空軍は爆撃機の体制を維持するため、B52の寿命を延ばすと同時に、機体が少ないB2や戦闘で消耗したB1Bを段階的に退役させ、資金を節約する方針だ。 「空軍がB52の近代化にこれほど依存する理由の1つは、他の後継機候補が途中で挫折したことにある」。米議会調査局(CRS)の軍事航空アナリスト、ジェレマイア・ガートラー氏はこう指摘する。「空軍は性能より搭載能力が必要だと判断した」 B52では強固な対空防衛能力をかいくぐることは見込めず、燃料を食う同機のエンジンはもう製造されていない。空軍は予備のエンジンや部品に頼るしかなく、備蓄は減る一方だ。 巡航ミサイルを搭載できる。これは同機に残された唯一の核兵器能力だ。 B52には別の利点もあった。同機が購入された当時、価格は1機当たり600万ドルをわずかに超える程度だった。 「近頃その値段ではリアジェット(小型ジェットのブランド名)1機も買えない」。B52の元レーダー航法士で、現在は米空軍地球規模攻撃軍団のB52担当副プログラム・マネジャーを務めるアラン・ウィリアムズ氏はこう述べた。 空軍はB52の爆弾倉を改造し、攻撃能力を高める方法を考え出した。そうすれば精密誘導兵器8基を胴体に格納した上で、さらに12基を翼に搭載できる。翼下にパイロンを取りつけ、空軍が開発中の射程約1600キロメートルの極超音速ミサイルを運べる可能性もある。 中国は自国沿岸に米軍を近づけないため、南シナ海で米軍艦の後を追いかけたり、中国が「防空識別圏」と呼ぶ沿岸から約320キロメートルの範囲の東シナ海上空に米軍機が侵入しないよう要求したりしている。この海域には日本の尖閣諸島があり、中国が領有権を主張��ている。 グアムはこの紛争における米国の重要な前哨基地だ。空軍はアンダーセン基地の第一弾薬庫地区に要塞(ようさい)化した掩蔽壕(えんぺいごう)を建設中で、同軍最大の爆弾・ミサイル保管施設の一つとなっている。米インド太平洋軍司令部は、2014年にグアムに配備された地上配備型ミサイル迎撃システム「THAAD(サード)」を補完するため、16億ドルの防空ネットワークをここに構築するよう提案している。 B52の順応性の高さはゲーツ元国防長官にとっても驚きだった。同氏は少年時代、カンザス州ウィチタの自宅上空に向けて近くのボーイングの工場からB52が飛び立つのをよく眺めていた。「60年後、こいつがまだ空を飛んでいると誰が想像できただろう?」
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米国の対中宥和策は有害無益だ
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櫻井よしこ
6月2~4日、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開催された。オースティン米国防長官は3日に演説したが、事件はその直前に起きた。米海軍のミサイル駆逐艦「チャン・フーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が台湾海峡の国際水域を北上中、中国艦船がチャン・フーンを追い抜き、船首前方を二度横切った。一時、中国艦はチャン・フーンの前方140メートルまで接近、チャン・フーンが減速して辛うじて衝突を免れた。
中国人民解放軍(PLA)の無謀な行動はこれが初めてではない。5月26日にも南シナ海上空で中国の戦闘機が米偵察機の前方400フィート(約120メートル)に接近、あわや大惨事になるところだった。米軍は「不必要な攻撃的作戦だ」として抗議した。
このような状況下でオースティン氏が演説し、翌日、中国の李尚福国務委員兼��防相が演説した。メディアは両氏が非難合戦を繰り広げたと報道したが、公平に言えば、オースティン氏と李氏の演説は各々、理性と感情の演説とも言うべき性格を帯びていた。感情的非難を展開したのは李氏だった。
オースティン氏は多くの時間を世界情勢の分析に割き、最後の部分で台湾に触れた。米国は「ひとつの中国政策」を軸に、「現状維持」を重視し台湾海峡の平和と安全を守ると強調した。紛争は悲惨な結果をもたらすだけで米国は紛争も冷戦も望んでいない、そのために米国は中国との、とりわけ軍と軍の意思の疎通が大事だとして次のように語った。
「中国が米中両軍の危機管理機構に真剣に関わろうとしないことを深く懸念する。大国は透明性と責任において世界の灯(ともしび)であるべきだ」
演説でも質疑応答でも氏は中国を必要以上に非難することなく自制的だった。世界中が憂慮する中国の急速な核増産及び台湾侵攻に関しても、中国との紛争は差し迫っておらず不可避でもないと繰り返し、インド太平洋にアジア版NATOを創る気はないと強調した。
李国防相の挑発
他方、翌4日の李国防相の演説は烈しかった。米ニューヨーク・タイムズ紙が李氏の態度を「北京はますます自信を深めた様子」と報じたように、李氏は冒頭から挑発的だった。「世界を見渡すと冷戦思考がよみがえっている」、「習近平主席は地球安全保障構想を呼びかけた」が「アジア太平洋はかつてない安全保障上の挑戦を受けている」、「誰が地域の平和を乱しているのか。混乱と不安定の原因は何か。某国はカラー革命を起こさせ、世界各地で代理戦争をやっている」と、明らかに米国を念頭に置いて批判を展開した。
さらに中国は多くの国々と、国連の精神と国際法に基づいたウィンウィンの関係を築いてきたと空虚な自慢をした後、台湾に言及した。
「台湾は中国の国内問題だ。台湾は中国の台湾だ。台湾についての決定は中国人が下す。180か国以上が『ひとつの中国の原則』に同意している」と語り、悪いのは「民進党(DPP)の指導者で、彼らは(中国と台湾はひとつの国だとする)92年合意を否定し、台湾独立勢力の拡張を推し進めた」と非難した。
台湾独立の動きには、「中国軍は一秒たりとも躊躇しない」との強硬発言を二度、繰り返した。
李氏は「中国は米国と新型大国関係の構築を目指す」と語って演説を締めくくったが、これは2008年に中国が米国に「太平洋分割統治」を持ちかけて以来の彼らの夢である。太平洋をハワイを基点に東西に二分し、中国が西を、米国が東をとるという考えだ。後に習近平主席が二度オバマ大統領に提案し、オバマ氏は危うく同案に乗りかけたことがある。
この後の質疑応答では、前日に発生した中国艦によるチャン・フーンへの挑発的な接近問題について問われた。質問はシャングリラ会議の主催者によってこう提起された。
「中国艦と中国機が国際水域、国際空域で他国の艦船や機体に近づきすぎたと思われている件について、指摘したいことはありますか」
極めて中立的かつ公平な問い方だったが、李氏はいきり立った。
「ご指摘の事案はなぜ他の国々の近くではなく、中国の近くで発生したのか。中国機も中国艦も他国の近海で主導権を取ろうとして展開することなどない。この種の事故を防ぐには、軍艦や戦闘機を所有する国々が他国近くの空や海で(他国を)取り囲むような行動をしないことだ。なぜそこに行くのか。我々に言わせれば、自分のことをやれ、自分の戦艦、戦闘機を大事にしろ、自分の領空領海の面倒を見ろということだ。そうすれば何の問題も起きないはずだ」
一気にこう語った李氏は明らかに怒り心頭に発していたのだ。我を忘れて罵ってしまった。国際会議でこんな発言をするのは国際政治において言葉がどれ程の重要性を持つかを理解していない証拠だ。理性に徹することのできない人物が中国人民解放軍の幹部であることに怖ろしさを感じる。
烈しい米国非難
このような中国に対して米国はこれまでに高官級で十数回、実務レベルで十回近く会談を呼びかけた。だが中国側はそれらすべてを断ってきた。
シャングリラ会議開催の最中、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が5月に訪中していたこと��明らかになった。氏はバイデン氏が最も信頼する側近だという。昨年、バイデン氏はナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問を止めさせるために、バーンズ氏を使って説得しようとした。ペロシ氏は断ったが、大統領がそうした重要な仕事を頼むほど信頼されているのだ。
バーンズ訪中と同月、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はウィーンで中国外交のトップを務める政治局委員、王毅氏と会談した。サリバン氏は6月2日、「米国は、ロシアや中国を抑止するために核戦力を増強する必要はない」、中露両国との核軍縮協議について「無条件で臨む用意がある」と語っている。
米国務省のクリテンブリンク次官補は現在(4~10日)、中国とニュージーランドを訪問中だ。
米中関係の雪解けは多層的に進んでいるのだ。李国防相の烈しい米国非難が米国の足下を見透かしての発言である可能性もある。台湾海峡や南シナ海での人民解放軍の無謀な挑発も同様かもしれない。米中会談を切望するバイデン氏が中国に宥和的すぎる姿勢を取っているからだ。宥和的に懇願すればするほど、中国は多くを要求する。米国は後退を迫られる。力しか信じない中国に宥和的姿勢は禁物である。米国が譲りすぎることは日本をはじめ西側世界にとって大問題だと、ここでバイデン氏に忠告すべきではないか。それができるのは中国と
2000年以上の交流があり、それ故に中国の怖ろしさを知っている日本である。日本の国益のために、岸田文雄首相はバイデン政権の対中宥和策に警鐘を鳴らすべきだ。
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中国は米国にチキンゲームを仕掛けている。いつから中国は「北朝鮮」になったのか・・・
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「米中衝突やむなし」
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峯村健司
【ニュースの裏表】習近平主席「台湾併合」見据えの意思表示 中国軍トップとの会談は水泡に…米国務長官「北京の屈辱」第2弾
先週号で解説したアントニー・ブリンケン米国務長官の「北京の屈辱」の背景について迫りたい。米政府側は、ブリンケン氏が「冷遇」されることを事前に知っていたのだろうか。対中政策に携わる米政府当局者は振り返る。
「中国側との事前協議で、厳しい交渉になることは分かっていた。それでも、われわれが強く求めてきた習近平国家主席と会談できた意義は小さくない。トップに直接、伝えることが重要だからだ」
ブリンケン氏の訪中の最大の目的は、習氏との直接会談だったことがうかがえる。今年3月に3期目が本格的始動した習政権は完全な「一強体制」を確立した。ブリンケン氏の交渉相手である秦剛外相と会談しても、トップと直談判をしなければ効果がない、というのがジョー・バイデン政権の判断だったのだろう。
では、バイデン氏は「冷遇」を承知で、習氏に一体何を伝えたかったのだろうか。前出の米政府当局者は続ける。
「中国との軍事的緊張が、かつてないほど高まっている。衝突を回避するための『ガードレール』を構築する必要があることを、軍トップである習主席に直接伝えなければならないと判断した」
この当局者が「かつてないほどの危機」と指摘するのが、今月3日に起きた米中両軍によるニアミス事故だ。米海軍のミサイル駆逐艦「チャンフーン」が台湾海峡を通過していると、中国海軍の駆逐艦が前方を横切った。米インド太平洋軍によると、約140メートルの距離まで接近した。
当時の状況を知る同軍関係者は筆者に対し、「チャンフーンがとっさに減速したことで衝突が避けられたが、私が知る限りで『最も危険なニアミス事故』だった」と振り返る。
すでに本欄で紹介したように、その8日前には南シナ海上空を飛行していた米軍偵察機の眼前を中国軍の戦闘機「殲16」が横切る事件が起きている。
こうした軍事行動について、「現場の独断」という見方もある。しかし、南シナ海や東シナ海における軍事行動については、習氏がトップを務める共産党海洋権益維持工作指導小組が統括するようになり、2018年には同小組は廃止され、中央外事工作委員会に移行している。いずれも習氏の意向と指示で実施された軍事行動とみるのが合理的だろう。
だからこそ、ブリンケン氏は中国軍トップの中央軍事委員会主席も務める習氏との直談判にこだわったのだ。
ところが、ブリンケン氏から衝突防止のための「軍同士の対話チャンネル再開」を提案したのに対し、習氏はこれを拒否。トップ会談は水泡に帰した。
このことは、トップ自らが「衝突やむなし」と判断したことを意味する。中国として、「台湾併合を」見据えて米国との対立を避ける意思がないことを内外に示したと言ってもいいだろう。
歴代の米政権は、中国に対して、「関与(エンゲージメント)政策」を採ってきた。経済支援や国際秩序への取り込みを通じて発展を促せば、中国の政治体制も変化して将来の民���化につながることを期待してきたのだ。
ドナルド・トランプ前政権が2017年にまとめた国家安全保障戦略で、中国への関与政策を「その前提の大半が誤りだった」と批判し、強硬路線に転換した。
米シンクタンク、戦略予算評価センター(CSBA)のトシ・ヨシハラ上級研究員は、バイデン政権の対中政策について次のように指摘する。
「中国に対して関与政策の幻想を抱くべきではない。『台湾有事』を含めた対中抑止を高めるには、対話ではなく力、つまり軍事力しかないとみた方がいいだろう」
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米新政権下、日本の気概が問われる
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米国大統領選挙の結果はまだ正式には確定されていない。とはいえ、 ジョー・バイデン前副大統領は人事を筆頭に政権構想を次々に発表し始め た。他方、トランプ大統領は選挙での不正投票を巡る法廷闘争に関して弱 気に転じており、巻き返しの見通しは明るくない。
この間の11月12日、菅義偉首相はバイデン氏と電話会談をし、バイデン氏 は尖閣諸島に日米安保条約第5条を適用する旨語った。同件は日本では大 きく扱われたが、バイデン氏側の発表文には尖閣の文字はなかった。
明らかにバイデン氏が中国に遠慮したのであろう。中国が弱小国を脅かし 領土や島を奪うことに明確に反対し、中国の圧力下にある国々を護ると、 ポンペオ国務長官は明言した。このトランプ政権の対中政策と鮮やかな対 照をなすのが、バイデン氏の対中配慮外交であろうか。
菅・バイデン対話のもうひとつの重要点は「インド・太平洋戦略」に冠 (かぶ)せた形容詞だ。バイデン氏は菅首相に「安全で繁栄するインド・太 平洋」と語った。韓国、豪州、インドの首脳にも同じ表現を使っている。
「安全で繁栄する」は中国が使う表現で、「自由で開かれた」とは全く異 なる意味が込められている。中国には「A2AD」(接近阻止・領域拒 否)という戦略がある。南シナ海も西太平洋もインド洋も中国が席巻する 海とし、米国の進入と自由な航行を締め出すのがA2ADだ。中国が「自 由で開かれた海」に反対なのは明らかだ。インド・太平洋を中国が主導 し、その限りにおいて安全が担保されての繁栄こそ望ましいと考える。
中国の思惑そのものの表現をバイデン氏は各国首脳との電話会談で使った ことになる。バイデン氏は選挙戦でも、「2020年民主党プラットフォー ム」でも、「自由で開かれた」「インド・太平洋戦略」という表現は全く 使用していない。氏は安倍・トランプ両氏のインド・太平洋戦略を確信的 に変えるつもりだと見るべきだろう。
拉致問題に冷淡
安倍前首相は07年8月にインドを訪れて「二つの海の交わり」というすば らしい演説をした。太平洋とインド洋を、従来の地理的境界を突き破る拡 大アジアの戦略的舞台ととらえ、二つの海を「広々と開き、どこまでも透 明な海として豊かに育てていく」という構想だ。日本とインドにはその構 想を実現する力があり責任もあると強調する内容だった。
それから5年後、第二次安倍政権発足直後に、安倍前首相は「民主的安全 保障のダイヤモンド構想」を発表した。インド・太平洋域内の民主主義国 家の協力こそ大事だとして、豪州、インド、日本、米・ハワイがダイヤモ ンドの形を作ってインド洋から西太平洋に広がる公共の海を守るという戦 略だ。安倍前首相のこの一連の考えから「自由で開かれたインド・太平洋 構想」が生まれた。
同構想は13年9月に習近平国家主席が打ち上げた「一帯一路」構想への対 案となり、やがてトランプ政権が米国の戦略に取り入れた。トランプ氏は 17年11月、ベトナムのダナンで開催されたアジア太平洋経済協力会議 (APEC)で右の戦略を正式に発表した。
安倍・トランプ両政権の推進するインド・太平洋戦略を貫く考えは、両 地域は世界経済の最大の原動力で、インド・太平洋の平和と繁栄に全世界 の利害関係がかかっているからこそ、二つの海は自由で開かれていなけれ ばならないというものだ。地政学的にインド・太平洋の中心は南シナ海で ある。その南シナ海を自国領として力で現状変更を迫る中国への、強烈な 対抗の枠組みがインド・太平洋戦略なのだ。
しかし、前述のようにバイデン氏の政策構想からは「自由で開かれた」と いう表現の一切が消えている。
バイデン氏は「フォーリン・アフェアーズ」誌の20年3・4月号に「なぜ米 国は再び主導しなければならないか」と題して寄稿し、トランプ氏は民主 主義も同盟関係も破壊したなどと厳しく批判した。バイデン論文の特徴は 米国に対立する国として中露両国を論じながら、ロシアに厳しく、中国に 寛容なことだ。
ロシアを侵略勢力と呼び、同盟国共々軍事力の強化を含めて多様な対抗手 段を講ずるべきだとする。他方中国は経済・貿易面での競合による知財窃 盗を批判しながらも、気候変動などで協力すべきだと説く。
バイデン氏が副大統領だったオバマ政権をつい想い出す。オバマ政権は拉 致問題に冷淡だった。トランプ大統領が金正恩と3回会談し、3回とも真っ 先に拉致問題を持ち出し、解決を促したのとは好対照だ。
疑惑を生んだ訪中
オバマ政権は尖閣に日米安保条約第5条を適用すると言明するのに非常に 慎重だった。ポンペオ国務長官の発言は先述したが、トランプ政権は第5 条適用を言明した。
オバマ政権は中国の南シナ海侵略も丸々4年間、黙認した。結果、中国が 同海域のほぼ全域に実効支配に至る基盤整備を許してしまった。
もう一点、日本も直接被害を受けるのが、東シナ海上空に中国が設定した 防空識別圏(ADIZ)である。13年11月、中国国防省は突如、当該空域 を管理する、圏内を飛ぶ航空機は飛行計画を中国側に提出せよ、従わない 航空機には中国軍が「防御的緊急措置を講じる」と発表した。
無法な要求に屈してオバマ政権は民間航空各社に中国の意図を尊重せよと 指示した。安倍政権は反対に一切無視せよと指示した。日本の対応の方が はるかに理に適っている。
そのようなことがあった翌12月にバイデン氏は中国を訪れた。同行した子 息のハンター氏はこの訪問の直後に中国の投資会社の役員に就いた。
ちなみに大統領選挙期間中にハンター氏所有とされるコンピュータが修理 に出され、そこからハンター氏の中国及びウクライナを巡る疑惑が報じら れた。疑惑を生んだハンター氏の訪中は中国のADIZ設定の時期とほぼ 重なる。国際社会に敵対的な措置を講じた中国に、なぜ、バイデン氏は副 大統領として訪問し、子息を伴ったのか。なぜハンター氏は中国の会社の 役員に就いたのか。トランプ氏ならずとも、バイデン一家と中国の関係に 注目するのは当然だろう。
私は日本政府の対中政策も懸念する。安倍政権の終わりにかけて政府は 「インド・太平洋戦略」を「インド・太平洋構想」と言い変えた。中国へ の配慮か。そんな小手先の技が効くと思うのか。着々と軍事力強化を進め る中国の脅威の前では、日本を守る真の力を強化することが正しい。それ は尖閣を守る海保の力を強化し、自衛隊の力を強化し、日米豪印の軍事協 力を強め、インド・太平洋戦略により多くの国々を招き入れて、大同団結 することだ。
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日本人を思考停止に追い込んだ非核三原則、見直しが急務
織田 邦男
ロシアによるウクライナ侵略戦争の出口が見えない。
この戦争で明確になったことは、国連の常任理事国が、核の脅しを背景に、力による現状変更、つまり侵略戦争を始めれば誰も止められないということだ。
国連は無力な醜態を晒し、米国は早々に武力不行使を宣言した。
ウラジーミル・プーチン露大統領は2014年のクリミア併合を巡るインタビューで、「核兵器を使う用意があった」と述べた。
ジョー・バイデン米大統領が早々に米軍は派遣しないと宣言したのも、この発言が多分に影響を及ぼしている。
戦略家エドワード・ルトワックは「核兵器は使われない限り有効」と喝破した。核はなるほど使い難い兵器になった。広島、長崎以降、核は使用されていない。
では核は無駄かというと残念ながら現実はそうなっていない。核による威嚇、恫喝が極めて有効であり、外交力、国防力を格段に向上させることをロシアは世界に証明してみせた。
日本にとって、これは他人事ではない。
我が国の隣には、もう一つの「力の信奉者」である常任理事国、中国がいる。中国は台湾併合を国家目標と掲げ、武力併合を否定していない。
中国が台湾武力併合に動いた時、習近平国家主席が「米国が参戦すれば、核の使用も辞さない」と言えば米国はどう動くのだろう。
台湾有事は日本有事である。核をちらつかされても日本は台湾への支援を実施するのか。
核に対しては核である。核を通常兵器で抑止することはできない。
日本への「核の傘」は果たして有効なのか。ウクライナ戦争の現実をみて、不安を覚える国民が増えたようだ。
NATO(北大西洋条約機構)の「核共有」の話題が降って湧いた。
世論調査では、核共有について賛成が約2割、核共有については反対だが、核の議論はすべきが約6割あった。国民の約8割が核について議論すべきと考えている。
先日、安倍晋三元総理が核の議論を提起した。これだけで有力メディアはヒステリー気味になり、バッシングが起こり、言論封殺の空気が蔓延した。
メディアは国民の感覚と相当ずれている。
安全保障政策は国民の自由闊達な議論の末に決定されなければならない。それは核抑止政策についても同じはずだ。
日本はこれまで「核」と言った途端、思考停止してきた。非核三原則に「考えない」「議論しない」を加えた非核五原則だとも言われてきた。
そのせいか、核に対する国民の知識レベルは驚くほど低い。
こちらの方がよほど恐ろしい。正しい知識をもって、自由闊達な議論が行えるようにしなければ国を誤ることにもなりかねない。
「核共有」(Nuclear Sharing)についても、政治家、メディアの知識レベルは低い。
冷戦時、NATOの最大の課題はソ連の機甲部隊を阻止することであった。
ソ連機甲部隊がウクライナからポーランドを経て欧州に進撃するのに、これを邪魔する山はない。
幅約300キロ以上にわたる前線に、何千という戦車が一斉に雲霞のごとく押し寄せることが想定された。
これを阻止するには、とてもNATOの通常戦力では足りない。そこで米国は戦闘機に戦術核を搭載し、これを空から阻止する作戦を立てた。
だが、米軍の戦闘機を総動員しても手が足りない。そこで米軍以外のNATOの空軍にも支援を求めたのが「核共有」である。
現在、核共有しているのは、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコの5カ国 、6カ所(イタリアが2カ所)であり、約150の核爆弾(B61)が保管されている。
冷戦の最盛期には最大約7000の戦術核がNATO加盟国に配備されていた。
ソ連の防空網をかいくぐって戦術核を機甲部隊に落とすため、超低高度を高速で侵出し、目標手前で急激に引き起こし、上昇角度約45度で戦術核を切り離す。
戦術核はそのまま上昇し放物線を描いて落下する。その間の時間を利用して爆発地点からできるだけ遠くに離脱し、核爆発で自機を損傷しないようにする。
この爆撃方法を「トスボンビング」と呼んでいる。
いわば敵と刺し違える危険な戦法なので、訓練でも事故が多発した。西ドイツはこのために超音速戦闘機「F104」を導入したが、事故の多さに「未亡人製造機」と揶揄された。
冷戦終了後、ソ連が崩壊し、機甲部隊の大規模進撃想定も幻となった。核共有も役目を終え、約7000発の戦術核も徐々に削減されていった。
だが2014年、ロシアによるクリミア半島併合が起きた。プーチン大統領の「核を使う用意」の発言があり、削減は凍結され、現在、5か国に約150発が残された。
現在は機甲軍団の進撃阻止という戦術的目的ではなく、米国の「核の傘」の信頼性を向上させる、いわば「安心」の提供が目的となっている。
核使用については、NATOが決心して米国と核共有国が実行する。その際、米国が拒否すれば核共有国も核使用はできない。
逆に米国が同意しても、核共有国が拒否すれば共有した核は使用されない。
だが、核共有国が拒否しても米国は単独で核使用ができるため、事実上、米国が決心すれば、核共有国も核使用は不可避となる。
核共有は、いわば「レンタル予約」と表現した学者もいる。米国の核を予約しているだけで、米国がノーと言えば共有国が単独で使用することはできない。
核共有国のメリットは、核使用の協議や作戦計画策定に参画できることである。
米国、英国、フランスという核保有国が勝手に核使用を決断するのではなく、非核国も核使用のプロセスに参画できるメリットは大きい。安心感が「共有」できる。
日本で核を議論する場合、欧州の「核共有」は参考にならない。中国の戦車が雲霞のごとく海を渡って攻めてくるわけでない。船舶であれば核でなくても対処できる。
結論から言うと、日本に今求められているのは、今後とも「非核三原則」を続けるか否かの議論である。
中国は通常兵器のみならず、核兵器でも米国を凌駕しようとしている。
ロイド・オースティン米国防長官は、中国は2030年までに核弾頭を約1000発に増勢し、核戦力の3本柱(地上配備、潜水艦発射、戦略爆撃機搭載)強化を目指していると述べた。
戦略核も問題だが、日本にとっては、中距離核戦力が既に米中で著しく不均衡になっている問題が大きい。
1970年代後半、ソ連は中距離核ミサイル(SS20)を配備した。核の不均衡が生じ、「核の傘」に疑念を抱いた欧州はSS20と同等の中距離核戦力(パーシング II、地上発射巡航ミサイル)の欧州配備を米国に迫った。
核配備で均衡が実現するや、米ソ軍縮交渉が始まり、1987年、中距離核戦力は全廃された。
軍拡によって軍縮を実現した成功例であるが、皮肉にもこの成功が米中の中距離核戦力の著しい不均衡を生んだ。
条約の制約を受けない中国は、日本、グアムを射程に収める中距離ミサイルを着々と整備し、今や1250基が配備されている(米議会報告)。
これに対して米国はゼロであり、著しい不均衡が生じた。憂慮したドナルド・トランプ政権はINF条約から離脱し、中距離核戦力を急ピッチで再構築中である。
「力の不均衡」はウクライナを見るまでもなく、戦争の可能性を高める。
「力の信奉者」である中国への抑止が崩れれば、東アジアの平和と安定は危うくなる。核による威嚇、恫喝を無効化し、日本に向けられた中距離核戦力をどう廃絶させるか。
2021年3月、米インド太平洋軍司令官は議会に要望書を提出した。
中国への抑止は崩れつつあり、完成した中距離ミサイルは第1列島線(九州から沖縄、台湾、フィリピン、南シナ海に至るライン)に配備すべしとの要望である。
英国のマーガレット・サッチャー首相やドイツのヘルムート・シュミット首相(当時)が、反対世論を押し切って米国の中距離核戦力を持ち込み、均衡をとり戻して中距離核戦力を全廃したように、まずは「力の均衡」を取り戻し、米中の核軍縮交渉を開始させねばならない。
日本は積極的に受け入れるべきである。
中距離ミサイルは核弾頭も搭載可能である。米国は否定も肯定もしない(Neither confirm nor deny)戦略をとっている。
日本に配備する場合、当然、非核三原則に抵触する。ことは日本および東アジアの安全保障である。そのために必要であれば、非核三原則も見直すべきだ。
平和の確保が目的であり、非核三原則の継続自体が目的であってはならない。この議論が今求められている。
自民党は3月16日の安全保障調査会で、「核共有」をはじめ核抑止に関して勉強会を開いた。
だが「唯一の戦争被爆国として、世界平和に貢献する我が国の立場は絶対に崩すべきではない。『(非核三原則は)国是』とは大変適切な言葉だ」とさしたる議論もなく結論ありきで思考停止した。
この1回で検討は終了し、継続もしないという。まさに「アリバイ作り」で終わった。
「非核三原則」は我が国の安全のためになっているのかという国民の疑問に答えていない。もし「非核三原則」を続けることが日本の安全保障にマイナスであれば、見直すべきである。
安全保障政策は感情に流されてはならない。日本の国民、領土領海を守るには、いかなる政策が必要なのか。政治家は現実を直視すべきである。
「あやまちを繰り返さないため」にも、「非核三原則」の継続が目的であってはならないし、金科玉条であってはならないのだ。
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▪️ウクライナ危機は他人事ではないぞ
櫻井よしこ
ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官が2月11日、ウクラ イナ在住の米国人全員に48時間以内の退避を勧告した。20日閉幕の北京冬 季五輪の間にもロシア軍のウクライナ侵攻があり得るとして、侵攻は空爆 とミサイル攻撃で始まり、国籍を問わず民間人が犠牲になる可能性がある と語った。「退避できたのにしなかった人々を救出するために、米兵士を 戦争地帯に送りこんで危険にさらすことを大統領はしない」とも氏は述べた。
「ニューヨーク・タイムズ」紙は12、13日の週末にウクライナ軍の訓練の 為に駐留していた米軍人約150人が撤退し、キエフ空港から米国人を乗せ て飛び立ったチャーター機やプライベート・ジェット機がこの6年間で最 多を記録したと報じた。
ウクライナがどんな状況に陥っても軍事介入しないというバイデン政権の 固い意志は明らかだ。そうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領がバ イデン氏に、この2~3日間にウクライナの首都キエフを訪問してほしい、 緊張緩和に必ず役立つと懇願したことが、非現実的な夢想に縋(すが)るも のとして冷ややかに論評されている。欧米諸国のある種突き放した視線 が、私には他人事と思えない。岸田文雄首相の夢見る核なき世界と、国防 を他国に頼るという姿勢が、いまや米国を鼻白ませていることに岸田氏こ そ気づくべきだろう。
米国の軍事不介入の決断が西側諸国のウクライナ政策の基調となってい る。英仏、わが国を含む多くが米国に追随中だ。プーチン露大統領の軍事 侵攻を経済制裁中心の戦術で乗り切れるとは思えないが、それでも今は G7諸国をがっちりまとめることが第一だ。だが���れさえもバイデン政権 はできていない。
「冷戦以来最も親密」
その典型例がドイツである。14~15日にウクライナとロシアを訪れたショ ルツ独首相の目的は、プーチン氏のゴールがどこにあるのかを見極めるこ と
だった。ロシアはキエフを陥した後、ウクライナをどう治めるのか。資 源豊富な東側を奪うとして、資源も少なくチェルノブイリを含む西側もと るのか。ロシアとの国境にある東側のドネツクとルガンスクの両人民共和 国は親露派住民に支配されているが、二つの共和国を独立させるのか、そ れともカザフスタンでロシアが企んで成功したように、キエフに親露政権 を打ち立てて、ロシアの支配下に置くのかなど、シナリオはいくらでも考 えられる。
ショルツ氏はそうした中で、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン、ノ ルドストリーム2の操業に漕ぎつけようとするのではないか。エネルギー の60%をロシアに依存するドイツは結局、G7の中の異端児となって、ロ シアを利する行動に走る可能性も心しておくべきだ。
混沌の中で、16日にもロシアが軍事侵攻か、との情報が永田町に走った。 岸田氏は14日午前、国家安全保障会議(NSC)を開いたが、ウクライナ 問題についての方針を明確に示したわけではない。岸田氏はバイデン氏と 共に迷走し始めていないか。
米国の大戦略はいま、最大の脅威である中国に力を集中させるという当初 目的から大きく外れて、最も好ましくない方向に展開しているのではない か。カーター政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務めたズビグ ニュー・ブレジンスキー氏はかつて、中露を大連合させてはならない、中 露大連合は米国にとっての最大の脅威となると警告した。
バイデン大統領は昨年8月末にアフガニスタンから這々(ほうほう)の体で 撤退した。それでも中東から手を引き中国に集中するという戦略意図は正 しいものとして受け入れられた。
しかし今米国は、中国に集中するのではなく、中露を接近させてしまっ た。北京五輪を機に行われた中露首脳会談後の共同声明を見れば、彼らの 大連合路線は明白だ。中露は自分たちこそが真の民主主義国だと主張し、 国連中心主義を謳い上げた。弱小国を巻き込んで数で勝負すれば勝目はあ ると見ているのだ。
ロシアは「一つの中国政策」を支持し、「台湾は中国の一部」「台湾の独 立は認めない」と宣言した。日米主導のインド太平洋戦略は「閉鎖的ブ ロック圏の構築」だとして反対し、「AUKUS」にも強い異議を表明、 ロシアは習近平主席の「人類運命共同体」の実現が重要だとへつらい、日 本のトリチウム水の海洋放出も非難した。そのうえで、両国は「冷戦以来 最も親密な同盟関係にある」とした。情報筋は、「軍事同盟でないこと が、辛うじての救いだ」と語る。
政界一の酒豪
国家基本問題研究所副理事長でニクソン研究の第一人者である田久保忠衛 氏が指摘した。
「いま、逆ニクソン戦略をとるべきときなのです。ニクソンはソ連が強 かったとき、その弟分の中国をソ連から引き離して、ソ連を崩壊に導い た。中国が巨大になったいま、ロシアを中国から引き離すことに知恵を絞 らなければならないのです。それを目指したのが、安倍元首相であり、ト ランプ前大統領でした」
両氏の試みは道半ばだが、両氏の想い描いた大戦略は正しかったと言え る。にも拘わらず、ウクライナ危機に岸田首相は何をしているのか。
岸田氏は安倍晋三首相の下で4年7か月も外相���務めた。政界一の酒豪であ る岸田氏はロシア外相のラブロフ氏と幾度も酒を酌み交わす機会があった はずではないか。その人脈をなぜ、活かせないのか。岸田氏は著書で、 「自分ほどの外交、防衛の専門家はいない」と書いているではないか。秀 才といわれる林芳正外相も同様だ。明晰な頭脳をなぜ、ロシア外交に活用 しないのか。
外務省首脳は、日本にはそのツテがないと嘆く。だが、日本が危機打開に 向けて何の努力もしなければ、同じような危機が台湾、尖閣、沖縄を襲う とき、米欧諸国に力を貸してくれと頼めるわけがない。欧州の生命線を脅 かすウクライナ危機の局面で日本は動かなかったと認識されてしまえば、 台湾有事は日本の有事だ、助けてくれと要請しても、国際社会が応じてく れるとは思えない。
ウクライナは、国連常任理事国全てがウクライナを侵略することはないと 誓ったその言葉を信頼して、かつて持っていた核を全て放棄してロシアに 渡した。しかし今、どの国も、軍事介入してまでウクライナを助けようと はしない。だからウクライナ人は自分たちの力で戦うと文字どおり必死の 思いである。
他方日本は憲法改正もしていない。自衛隊は「国軍」でさえない。国民に 戦う気はあるか。岸田氏は非核三原則を唱え、核戦力縮減を唱えるばかり だ。余りの非現実性ゆえに米国が岸田氏に疑念を抱いている兆しが見てと れる。岸田氏も林氏も現実を見て出直さなければ、日本も、いわんや台湾 も守れはしないだろう。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)6月28日(火曜日)
通巻第7385号 <前日発行>
G7盤「一帯一路」に6000億ドルとかバイデンの打ち上げ花火
「クアッド」に「オーカス」、IPEF。そして「パートナー・イン・ブルーオーシャン」
************************
ドイツで開催されたG7はロシア制裁の強化などを協議した
「われわれはウクライナとともにありロシア制裁の絆を保持しなければならない」と米英。
舞台裏ではジョンソンがマクロンに絡んだ。「おまえんとこ、ウクライナ援助、すくなすぎないか?」
一方、会ではバイデン大統領は、中国の一帯一路は「借金の罠」だとし、次に世界経済の活性化、新興国のインフラ整備に6000億ドルを投じ、G7盤の「一帯一路」の構想実現を諮った。
米国がまず2000億ドル。日本はそれなら「650億ドル以上応じる」としたが、ほかの西欧主要国とカナダからの反応は聞こえなかった。
米国が提言したTPPは、米国が途中でおりた。そこでバイデンは五月にクアッドの会合のため来日し、突如、新しい貿易協定の枠組み「IPEF」(インド太平洋経済枠組み)を提唱した。参加表明国は多いが、実質的な準備も始まっていない。これもTPPの二の舞? 中国のRCEPも発足はしたが、それだけである。
クアッドはインド太平洋の安全保障の枠組みであり、インド、豪に日米に加わる。英国が追加参加を予定している。しかしインドが途中から熱意をうしなった。豪は労働党政権に交代したため、中国包囲網に本気で取り組むとは思えなくなった。
英米が原潜技術を豪に提供する「オーカス」も、予算があまりに巨額であり、十年後に実現しているという計画は遅延するか、規模縮小となるだろう。中国の軍事的脅威に取り組むとした意気込みは稀釈されている。
そして南太平洋への中国の進出に対抗するために、こんどは「パートナー・イン・ブルーオーシャン」構築構想を発表した。
日米と豪,NZ、旧宗主国の英国も加わるが、タヒチ、ニューカレドニアを維持するフランスは横を向いている。
これが「西側の団結」の現状だ。
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#jbプレス #織田邦男 先生の論考です
中国の尖閣諸島侵攻から始まる台湾有事
尖閣に地対空ミサイル「S-400」設置を狙う中国
2021.4.21(水)
織田 邦男
菅義偉内閣総理大臣は3月16日(日本時間17日)、ホワイトハウスでジョセフ・バイデン米国大統領と日米首脳会談を行い、共同声明を発出した。
共同声明の重要なポイントは、覇権主義的な動向を強める中国に、共同して対抗する姿勢を強く打ち出したことである。
中でも「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことは時宜を得ている。台湾海峡有事は差し迫った危機なのである。
3月9日、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官は、上院軍事委員会公聴会で、今後6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言した。
23日には、次期米インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官は同じく公聴会で、中国による台湾侵攻の脅威は深刻であり、「大半の人が考えているよりもはるかに切迫している」と述べた。
なぜ今、台湾海峡有事なのか。
本気の中国、他人事の日本
これについては、拙稿「北京五輪後に台湾侵攻狙う中国、ソチ五輪後にクリミア併合の二の舞を避けよ」(3月12日掲載、https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64426)に書いたのでここでは省略する。
いずれにしろ共同声明で「威圧の行使を含む国際秩序に合致しない中国の行動について、懸念を共有した」と中国を名指し、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した意味は大きい。
中国は即座に反応した。
共同声明に対し「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、「中国の懸念に厳粛に対応し、直ちに中国内政への干渉をやめるよう求める」とする中国外務省報道官談話を発表した。
加えて「あらゆる必要な措置を取り、国家主権、安全、発展の利益を断固として守る」と報復をも示唆している。
台湾海峡危機を未然に防止するには、バイデン政権が戦争をも辞さず台湾を守るという覚悟を示す必要があり、今後のバイデン政権の対中姿勢次第であると拙稿にも書いた。今回、日米で台湾海峡有事に言及し、中国に対し力強く牽制したことは、北東アジア情勢の安定にも寄与するに違いない。
問題は、この共同声明に基づく今後の具体的行動である。日本の政界の反応、メディアの報道ぶりを見ると、台湾海峡有事に対し、どこか他人事のように感ずるのは筆者だけだろうか。
ピントが外れ、リアリティーが欠如しているとしか思えない報道も多い。軍事的知識の欠如や想像力の貧弱さから来ているのかもしれないが、今後の対応が懸念される。
日本は巻き込まれるのではない
台湾海峡有事に対する日本人の一般的認識は、中国が台湾に武力侵攻すれば、米軍が参戦し、日本が米軍を支援する。こういう単純な構図である。
簡単に言えば、米軍の実施する戦争に日本がどう支援するかだと思っているようだ。
従って、またぞろ日本が米国の戦争に「巻き込まれる」といったデジャブ的報道を垂れ流すメディアもみられる。
良識的な新聞でも、「重要影響事態」「存立危機事態」など真剣に論評を加えるが、基本的には米軍が実施する戦争を日本が支援するという構図に変わりはない。
だが、これは大きな誤りである。
台湾海峡有事は、すなわち日本の有事である。それは米軍の参戦有無には関係がない。
台湾侵攻作戦の戦闘エリアには、沖縄を含む日本の南西諸島が含まれる。否が応でも日本は戦争に巻き込まれる。
作戦は尖閣奪取から始まり、日本の初動対応いかんによっては、沖縄の米軍が後方に下がる可能性がある。
台湾攻略に中国が最も留意することは、可能な限り米軍を参戦させないことである。
米軍が本気になれば、今でも中国は敵わない。だが米軍が初動で参戦できない状況を作為する、つまり米軍が参戦する暇もなく既成事実を作ってしまえば、後からの参戦は非常に難しい。
ロシアのクリミア半島併合を見れば分かる。
他方、沖縄の米空軍戦力が存在している限り、台湾周辺の制空権獲得は難しい。制空権のない現代戦に勝利はない。
逆に言えば、制空権がとれない限り、中国の台湾侵攻はないだろう。中国は何としても、初動で沖縄の米空軍戦力の無力化を図っておきたい。
尖閣に地対空ミサイル設置を狙う中国
米軍とのガチンコ勝負を避け、可能な限り流血の事態を回避しつつ、台湾周辺の制空権をとる作戦はあるか。当然、中国はこれを模索しているはずである。
考えられるシナリオは、平時の内に海警を使って、尖閣に地対空ミサイル「S-400」を搬入し、尖閣で稼働させるという作戦である。
S-400は、ロシア連邦で開発された同時多目標交戦能力を持つ超長距離地対空ミサイルシステムである。
空自が保有する地対空ミサイル「PAC3」の2倍の射程を有し、400キロ先の6つの目標に対する同時撃墜能力を有している。
ステルス機に対する能力も高く、極超音速ミサイルや弾道ミサイルにも対処可能とされ、中国は2014年から導入を開始し、現在実戦配備されている。
現存する最強の地対空ミサイルといえる。NATO(北大西洋条約機構)の一員でもあるトルコが導入を決め、米国のドナルド・トランプ前大統領が激怒して制裁を発動したのもこのミサイルシステムである。
尖閣から沖縄本島まで約400キロ、台湾までが約170キロである。尖閣の久場島はなだらかな丘��地形であり、山もなく地対空ミサイル配備の好適地である。無人島であるから流血なく確保できる。
久場島にS-400が配備され、いったん稼働されれば、台湾、沖縄はその射程圏内に入る。嘉手納基地、那覇基地からの軍用機の活動は大きく制約される。
これを無力化しない限り、嘉手納の米空軍は三沢かグアムに後退せざるをえなくなる。
台湾侵攻も始まっていない平時であれば、日本が対応しない限り、米軍はこれを破壊するのは困難であろう。
だが台湾への侵攻作戦が始まった途端、S-400の威力が発揮され、米空軍は、尖閣、台湾に接近することさえ難しくなる。
「平時のうちに尖閣奪取」が号砲
尖閣諸島は台湾侵攻のために欠かせない戦略的要地である。台湾侵攻の作戦準備として、平時の内に中国軍は尖閣を取りに来るだろう。
尖閣と台湾は、政治的には切り離せても、安全保障上は切り離すことはできないのだ。
平時に、海警を使って作戦準備を整えるというところが肝である。
海警はコーストガードではあるが、中央軍事委員会に直属する武装警察の隷下にあり、海軍と同じ指揮系統で動ける第2の海軍である。2月1日の海警法改正により、自衛行動がとれ、武力行使もできるようになった。
台湾侵攻の作戦準備活動として、平時に海警がS-400を搬入するのを日本は阻止できるのか。阻止できなければ日米同盟は地に堕ちる可能性がある。
海警が平時に作戦準備に使われる場合、日本の対応は非常に難しい。海警の行動が純粋な警察活動か、軍事活動か判断できない上に、仮にS-400の搬入だと分かったとしても、これを阻止する法的根拠(任務、権限)がないからだ。
海保はいつものように領海侵犯として対応し、現在と同じように無線と電光掲示板による警告だけが関の山であろう。
仮に海上自衛隊に海上警備行動が下令されても基本的には海保と法的権限は同じであり、海保以上のことはできない。S-400を破壊することはもちろん、没収も調査さえすることもできない。
では「明白な危機が切迫している」として「武力攻撃事態」を認定し、防衛出動を下令して自衛隊にこれを破壊させればどうか。
国会で最優先に議論すべき内容
法律的には可能であるが、今の日本では小田原評定が続き、「認定行為」自体が政治的に難しいことが予想される。
中国が海軍を出動させていない段階で、そして物理的な武力攻撃を受けてもいない時点で、自衛隊に流血を伴う武力行使をさせる。政府にその腹はあるか――。
今回の共同声明を受け、こういったことこそ、国会で堂々と議論してもらいたい。
巷間言われているように、中国の台湾武力侵攻には、米軍が参戦し、日本は「重要影響事態」か「存立危機事態」を認定して、米軍を支援する。ことはこんな単純な話ではないのである。
「台湾有事が起これば、日本は集団的自衛権の行使も含めて対応を検討する。ただ、米軍が介入する本格的な戦争になれば、中国軍は在日米軍基地や南西諸島も標的にするとみられる。政府高官は『日本有事を意味するので武力攻撃事態と認定し防衛出動することになるだろう』と語る」と某保守メディアでもこうだ。
こんなシナリオは軍事的にはあり得ない。
中国もバカではない。核戦争を覚悟してまで米軍とガチンコ勝負をする蓋然性は低いだろう。現実的、合理的、かつ蓋然性の高いシナリオで議論しなければ、有事に必要な処方箋は得られない。
我が国としては、可能な限り、事態のエスカレートを避けるため、平時にあっては海警には海保が対応し、有事は、海軍には海自が対応するのが正しい。
海保のソフト・ハード強化が急務
このシナリオで分かることは、作戦準備期間といったグレーゾーンにあって、海保のハード、ソフトの強化が急務であることだ。
自民党国防議員連盟は、中国の海警法改正に危機感を抱き、海上保安庁法改正に、そして領域警備法制定に精力的に取り組んできた。
だが結果的には、国土交通部会の反対で「必要があれば法整備も検討��る」という腰砕けになった。
大山鳴動して鼠一匹も出ないような結果となったのは、いかに台湾海峡危機が他人事であり、リアリティーと想像力が欠如している証左でもある。
菅首相は日米首脳会談後の記者会見で「防衛力強化への決意」を表明した。これはある意味、対米公約である。
「防衛力強化」といえば、これまでは兵器購入というハードを中心とした強化であった。だが今回はそれだけであってはならない。
戦闘機の購入を決め��も、それを手にするのは4年後である、護衛艦を購入しても部隊に配備されるのは5年後である。
前述のように、台湾侵攻は6年以内、いやそれよりも早く起きる可能性があり、今から兵器を購入しても間に合わない。
「防衛力強化」は台湾海峡有事を抑止するための強化でなければならない。米国が日本に求めているのは、今までのような「負担の分担」ではなく、「抑止力の分担」である。
初動の対応が抑止の全局を左右する。その初動は日本の役割なのだ。
「防衛力強化」とは、明日にでも起こりうる台湾海峡有事に対し、日本が初動で主体的に対応できる強化でなければならない。
それはグレーゾーンにおける、自衛隊、海保、警察の有機的な連携と有効な作戦活動を可能にしなければならない。そのためには、法整備と政府の覚悟、そして国民への説明が大きな比重を占める。
危機管理の要諦は、起こりうる事態を「まさか」と捉えるのではなく、「もしかして」と捉え、最悪を想定して準備をしておくことだ。
台湾海峡有事は、「重要影響事態」でもなければ、「存立危機事態」でもない。
日本の有事そのものであり、グレーゾーンにおける日本の初動対応が戦争抑止の処方箋になり得ることを忘れてはならない。
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バイデンの対中政策に異変あり
櫻井よしこ
米国の対中政策が変化している。「中国とは強い立場」から交渉すると 言ってきたバイデン米大統領が、必ずしもその強さを維持できていない。 日本にとっては切実な問題である。岸田新政権はこの米中関係の変化を見 てとり、全ての面で日本の地力を強める手立てを急がなければならない。
振り返れば、ブリンケン国務長官は上院での指名承認公聴会で、中国によ るウイグル人の扱いを「ジェノサイド」と認めた。その厳しい対中姿勢は 3月18日、アラスカにおける米中会談での楊潔?国務委員との烈しいやり とりにつながった。
ブリンケン氏の中国に対する姿勢の厳しさは、バイデン氏の対中姿勢と一 致しているはずだ。現にアラスカ会談のひと月前、2月10日に行われた米 中首脳電話会談でも、バイデン氏の強気は明らかだった。
米中首脳の初の電話会談は2時間も続いた。双方が発表した情報から、習 近平氏が「両国関係の改善」を熱望し、米中協力の必要性を訴えることに 時間を割いたことが見てとれる。
習氏が特に強調したのが米中対話の枠組み再構築だった。バイデン政権が 人権問題などで強く出てくることは織り込み済みだ。中国は状況が不利な 時は時間稼ぎをする。それがハイレベル対話の再開であろう。意思疎通の 機会を増やすことで、リスクを管理しやすい状況を作る思惑があったと考 えるべきだ。
一方、バイデン氏は、習氏の求める「対話」や「協力」とは距離を置く姿 勢をとり、中国が中国封じ込めの枠組みと見て強く反発している「自由で 開かれたインド太平洋」戦略の維持が政権の優先事項だと明言した。香 港、台湾に対する中国の圧政に関しても、米国の「根本的な懸念」を伝え ている。
中国側は米中関係について、「協力」や「対話」という言葉を両首脳の発 言として強調したが、米側は「関与」というより控え目な表現にとどまっ ており、中国の方が米中関係の維持に前のめりだった。
こうした中、4月14日、バイデン氏が重要演説をした。9月までにアフガニ スタンから撤退、軍事力を中東からアジアに移し、中国の脅威に対処する 方針を明確に語った。そのために、日本を含む同盟諸国の協力拡大を求めた。
2日後の16日に、バイデン氏は就任以来初めての対面首脳会談にわが国の 菅義偉首相(当時)を招いた。米国の要請に応える形で菅氏は、自衛隊を 強化し、日米同盟をさらなる高みに引き上げ、日米間の協力で抑止力を強 化すると語った。国土、文化など主権に関わることについては絶対に譲歩 しないとも語った。これらすべては中国を念頭にした発言で、日本政府は ルビコン河を渡ったと評価されたゆえんである。
だが、バイデン氏のアフガン撤退作戦はこれ以上ない程、拙劣だった。7 月2日、アフガン全土を監視できるバグラム空軍基地を捨てて、米軍は文 字どおり夜陰にまぎれて撤退した。タリバンは勢いづき、一気に全土制圧 に向かった。
負の効果
丁度この頃、米国務副長官のシャーマン氏が中国の天津を訪れ、王毅国務 委員兼外相と会談した。王毅氏は高圧的とも言える対応に終始し、中国側 はファーウェイ副会長、孟晩舟氏の釈放を含む対米要求事項の数々を長い リストにして渡した。
米軍のアフガン敗走は、明らかに米国の威信を傷つけ、その負の効果は中 国による米国への侮りとなって外交交渉に影を落としている。9月1日、 ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が天津を訪れた。相手は ベテランの解振華氏である。ケリー氏はCO2を削減しなければ地球が滅 びるとでも考えているような人物だ。米中関係には多くの懸案事項がある が、それらに関わりなく、「世界2大CO2排出国は純粋に協力しなければ ならないと、中国に懇願した」(9月2日、ウォール・ストリート・ジャー ナル紙)。
CO2のことなどほとんど気にしていないのが中国の本音であろう。彼ら にとってケリー氏のような環境問題が全てだと思い込んでいる人物はカモ である。CO2削減に協力するか否かで条件闘争ができるからだ。予想ど おり、中国側は気候変動問題のみを特別扱いにはできない、中米関係全体 の中で考える、と冷たく言い放った。このとき中国側は米国に提出済みの 「二つのリスト」に回答せよと求めたという。
二つのリストとは、1米国が必ずやめなければならない誤った言行のリス ト、2中国が重大な関心を持つ重点個別案件のリストである。
前者は、中国共産党員およびその家族のビザ制限、中国の指導者・政府高 官・政府部門への制裁、中国人留学生へのビザ制限、中国企業や孔子学院 への圧力などについてだ。先述の孟晩舟氏の引き渡し要求も入っている。 後者は、中国人留学生の訪米ビザ申請の拒絶などを解除すること等だ。
「貿易戦争で米国に勝利した」
国際社会で米国への信頼が揺らぐ中、9月9日、バイデン氏は習近平氏と2 度目の電話会談に臨んだ。中国側は「米国側の求めに応じて」会談したと 報じた。会談に応じてやったと言わんばかりだ。
WSJ紙によると、約90分の会談で、習氏はもっぱら米国批判に終始した が、2大国は共に働けるとの楽観的見通しも示した。同紙はバイデン氏は 特別の目的を定めて会談に臨んだわけではないが、中国からの輸入品に対 する懲罰的関税の削除を交渉してほしいと、米国経済界が圧力をかけてい ると報じた。バイデン氏の国内政治における立場は��しく、氏は中国が要 求した二つのリストを丸呑みしたと、批判されている。
現に、孟晩舟氏は9月24日に解放された。ファーウェイは中国政府とは無 縁の民間企業だという主張だったが、孟氏は中国共産党のシンボルカラー である真っ赤なドレスで深?の空港に舞い降りた。テレビ局は帰国の模様 を生中継し、人民日報は「中国は貿易戦争で米国に勝利した」と狂喜の社 説を掲げた。
バイデン政権発足10か月目にして、米中関係は変わりつつある。10月4 日、米通商代表部のキャサリン・タイ代表が「米中貿易関係の新戦略」に 触れ、翌5日にはシンクタンクでの講演でこう語っている。
「米中の経済切り離し(ディカップリング)は非現実的だ。より建設的な リカップリングが必要だ」
8日、タイ氏は劉鶴副首相とリモートで話し、両者は、米中貿易はより強 化されるべきだと合意した。年内に米中首脳会談がリモートで行われるこ とも発表された。
米中の動きを時系列で辿れば、バイデン政権が徐々に後退しているのが明 らかだ。中国の無法やジェノサイドは許さない、という米国の気概が失わ れつつある。日本よ、岸田首相よ、しっかりしなければ国を守れないぞ。
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【全文】2020年アーミテージ・ナイ・レポート(翻訳)
2020/12/08 12:28
米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)が新たに日米同盟に関するレポート発表しました。このレポートはいわゆる「アーミテージ・ナイ」レポートの最新版です。
序文
大きな不確実性と急速な変化の時代にあって、米国と日本は並々ならぬ課題に直面している。それは、容赦のないパンデミック、ナショナリズムとポピュリズムの台頭、世界経済の混乱、複数の技術革命、新たな地政学的競争などである。日米同盟は、この大きな不確実性の時代において、安定性と継続性の最も重要な源泉の一つである。しかし、日米両国が共に、過去70年のどの時代よりも大きなストレス下にある地域秩序と世界秩序に備えなければならないことに疑いの余地はない。
米国ではバイデン政権が誕生し共和党が上院の多数派を占める見通しで、ワシントンではこの課題に対処することになる。ねじれ議会の可能性はあるが、日米同盟は超党派のコンセンサスに基づいた重要な分野の一つであるため、米国が前向きなアジェンダを持って前進できると信じる強い理由がある。
これは、超党派の「アーミテージ・ナイ」レポート・シリーズの最新作であり、日米同盟の状況を評価し、新たな課題と機会に向けた新しいアジェンダを提案している。今回の報告書は、アジアのパワー・ダイナミクスの変化と日本への新たな期待から、特に重要である。実際、日米同盟の歴史の中で初めて、日本は、主導的とまではいかないまでも、同盟の中で対等な役割を果たしている。日本のリーダーシップを奨励し、より対等な同盟から最大限の価値を引き出すことは、ワシントンと東京の双方の指導者にとって重要な課題である。
日本がより積極的な姿勢を示すようになった背景には、2つの要因がある。第一に、日本はますます厳しい国家安全保障環境に直面している。第二に、米国の一貫性のないリーダーシップが、日本にアジアや世界の戦略的問題をリードする力を与えてきたことである。
この変革の多くの功績は、安倍晋三元首相にある。安倍晋三元首相は、日本が国連憲章に基づき集団的自衛権を行使することを認める日本国憲法第9条の解釈変更を実現し、米国や他の志を同じくする国々との新たなレベルの共同国際安全保障協力に乗り出したのである。また、環太平洋経済連携協定(CPTPP)を完成に導いた。さらに、「自由で開かれたインド太平洋構想」を掲げ、中国の非自由主義的な野心に対抗するための戦略的枠組みを構築した。
日本の革新的でダイナミックな地域的リーダーシップは、米国と地域に利益をもたらす。著者らは日本のリーダーシップの役割を維持しようとする菅義偉首相の努力を熱烈に支持し、ジョー・バイデン大統領と最も早く会談する訪問者の一人になるよう奨励している。世論調査によると、日本への信頼度は米国だけでなく、南アジアや東南アジアでもかつてないほど高くなっている。かつては日本のイニシアティブがワシントンで懸念された時期もあったかもしれないが、現在では日本の戦略が米国の目的に沿ったものであることは明らかである。米国と日本は共通の利益を共有している。さらに、日米両国は共通の価値観を共有しており、それが日米同盟の基盤となっている。米国の縮小が懸念されているにもかかわらず、主要な世論調査では、世界における米国の積極的な役割を一貫して支持していることが示されている。さらに世論調査は日米同盟が両国で依然として支持されていることも示している。
米国と日本は今日、歴史上、これまでにないほどお互いを必要としている。世界の中でも両同盟国は、前向きな未来像を実現し、中国の台頭に対応するために必要な地政学、経済、技術、ガバナンスの4つの戦略的課題のすべてに不可欠な国である。共通の枠組みを創設し、優先順位と実施を調整することが、今後数年間の同盟の最重要任務であるべきである。
同盟の前進
日本は必要不可欠で対等な同盟国になっただけでなく、アイデアの創案者(innovator:イノベーター)にもなっている。自由で開かれたインド太平洋構想から地域的パートナーシップのネットワーク化に至るまで、東京は共通の価値観を推進するための考える作業の多くを行っている。その結果、日米同盟は相互運用から相互依存へと移行しつつあり、危機に対応するだけでなく、長期的な課題にも対応するために、双方がお互いを必要とするようになってきている。これは、アメリカの外圧の時代から日本のリーダーシップへの大きな転換である。
同盟にとって最大の安全保障上の課題は中国である。アジアの現状を変えようとする北京の努力は、中国のほとんどの近隣諸国の間で安全保障上の懸念を高めている。米国が支援する日本の航空・海上活動、米国の尖閣諸島を含む第5条へのコミットメント、日本の南西諸島の軍事力を強化するための共同計画の実施は、同盟の対応の重要な部分である。しかし、米国、日本、および他の志を同じくする国々が取り組まなければならないもっと大きな課題がある。それは、競争的共存(competitive coexistence)のための新しい枠組みをどのように構築するかということである。
中国のいわゆる「グレーゾーン」の威圧は、日米両国が、日本から台湾、フィリピン、マレーシアを経てマレーシアに至る第一列島の戦略的性を重視していることを浮き彫りにした。日本は米国のように台湾関係法を通じた台湾の安全保障を支援する法的・外交的義務はない。しかし、中国の台湾に対する軍事的・政治的圧力の増加に対するワシントンの懸念を日本が共有していることに疑いの余地はない。このような中国の圧力の増加は、日米両国が台湾との政治的・経済的な関わり方において、より一層の協力を必要としている。
第二の地域的安全保障上の懸念は、北朝鮮である。25 年間の外交的失敗を経て、非核化は長期的な目標ではあるが、短期的には非現実的であることは明らかである。だからといって、米国が新たなアプローチへの扉を閉ざすべきということではないが、北朝鮮の新たな能力に直面した際の抑止力と防衛力を強化することで、核武装した北朝鮮をいかにして封じ込めるかを考えることが優先である。良いニュースは、金正恩氏が政権の存続を心配していることであり、自殺願望がないことである。したがって、抑止力と封じ込めは容易ではないが、可能である。これは日米同盟と米韓韓同盟にとって優先事項である。また、日米韓三国間の情報・防衛協力を強化する必要性もある。
これらの課題は、地域の安全保障上の課題に対して、より多くの調整と資源の投入を必要としている。しかし、防衛予算は、東京とワシントンの両方でより一層の圧力下に置かれている。このため、共同技術開発や、同盟協力の効率性を高めるための努力が重視される。日本は「多次元防衛力」を実現するため、防衛予算を6年連続で増加しており、現在はは年間約500億ドルである。今後は、二国間および内部の指揮統制、地域の平和と安定への貢献、同盟の枠組みの中で役割、任務、能力に関する大きな議論の中で、反撃能力とミサイル防衛が重要な問題となる。同様に、ミサイル防衛も有用であるが、同盟国は、過度にコストを課す可能性のある高額な投資や重複投資を避けるために協力しなければならない。日本の能力向上の質は量と同様に重要であるが、数も重要である。日本は国内総生産(GDP)のわずか1%しか防衛に費やしておらず、日本の防衛予算の総額は現在、英国を上回っているが、中国が拡大する人民解放軍の予算のほんの少しに過ぎない。
もう一つの協力の機会は、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドとの情報共有ネットワーク「ファイブアイズ」に日本を含めることである。米国と日本は、シックス・アイズのネットワークに向けて真剣に努力すべきである。
現在、米国と日本は、同盟を強化し、地域協力を構築し、地域経済と世界経済を統合するために力を共有している。重要なのはこの力の共有であり、同盟をどのように活用するかについての議論は、この概念に焦点を当てるべきである。同盟は重荷ではない。著者らが主張してきたように、日米同盟は今、共有された戦略的ビジョンの実現に目を向け、努力しなければならない。米国は言説をリセットし、一刻も早く日本との間で在日米軍駐留経費負担に係る特別協定(a Host Nation Support Agreement)を締結しなければならない。二国間および地域全体での戦略的協力の実施が、今後の米国の関心の焦点となるべきである。
パートナーシップと連携の拡大
日米同盟は、地域内又は欧州などの価値を共有する国々との間で、多くの補完的で協力的な関係を強化しなければならない。共通の利益と価値観に基づく一連のネットワーク化された連携は、共通の地政学的、経済的、 技術的、ガバナンス的目標を守るために極めて重要である。これらの連合は、強要や武力行使を抑止し、国際経済秩序を刷新し、重要なサプライチェーンと情報の流れを保護し、ルールに基づく秩序を刷新する新たな技術に関する世界基準を設定することを目的とすべきである。日米同盟は、この一連の連携(coalitions)の核となるべきである。
過去20年間、北京の活動は、日米の支援によって促進されたアジア域内協力の新たなパターンに拍車をかけてきた。日本はオーストラリアやインドとの二国間、三国間の連携を強化し、クアッドが有望な新たな役割を担うようになった。しかし、クアッドが地域の秩序にとってより不可欠な存在となるためには、他の地域機関や連合に影 響を与えないよう、包括的でなければならないだろう。北朝鮮に関する日米韓三国間の政策調整は、地域の安全保障にとって引き続き重要である。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム、ASEAN 国防相会議、東アジアサミットなどの制度化されたフォーラムとは異なり、この種の非公式なネットワークは、プロセスではなく、機能性を中心としたものである。アジアにおける共通の利益と価値観を守るためには、このような制度の網を強化することが非常に重要である。
ワシントンと東京は、これらの連携を構築する上でいくつかの課題を克服しなければならない。その中でも特に重要なのは、日本と韓国の間の緊張が続いていることである。米国は、北東アジアの2つの同盟国が、さまざまな地域的・世界的な問題について建設的かつ現実的に協力することを必要としている。北朝鮮や中国の課題に対処し、より広範な経済、技術、ガバナンスの課題を設定するためには、両同盟国は極めて重要である。双方は、過去ではなく未来に焦点を当てる必要がある。東京とソウルの関係を強化することは、米国の同盟国との二国間関係を強化することになる。菅首相と文大統領が再出発の重要な機会として捉えるべき��進的な進展の兆しがある。その意味では、五輪に向けた二国間協力が目前に迫っている。
ロシアや中国との協力は、もう一つの課題である。日米両国の指導者は、モスクワや北京との交渉には時間がかかるが、目に見える成果は少ないことを学んできた。とはいえ、北朝鮮、気候変動、パンデミックなど、地域的・世界的な様々な課題に対処するためには、これらの国々との協力のあり方を明確にすることが必要であろう。
経済技術協力の強化
日米の経済・技術協力の深化は、日米同盟の基礎である。日米安保条約第二条は、日米両国に対し、「両国の国際経済政策における紛争の解消を図り、両国間の経済協力を奨励する」ことを求めている。貿易、技術、インフラ、エネルギーを含む強固な経済的要素がなければ、インド太平洋戦略は空虚で持続不可能である。この地域における貿易や技術のルール、基準、規範は南シナ海と同様に争われており、日米はこれらの問題の大部分で緊密に連携している。宇宙もまた、日米両国が民間・防衛分野で協力を強化すべき分野の一つであり、競争が激化している。さらに、コロナウィルスのパンデミックで明白になったように、日米両国は、地域の繁栄と経済安全保障を維持するために不可欠な安全なサプライチェーンに関わる利害関係を持っている。
米国はCPTPPに参加し、経済ルールを形成するリーダーとして日本と連携すべきである。参加への政治的困難さは明らかだが、米国の繁栄と安全保障に対するより大きなリスクがあるため、参加は必須である。11月15日に調印された地域的な包括的経済連携協定(RCEP)は、米国を含まないアジア太平洋地域の広範な貿易協定であり、ワシントンは目を覚ますべきである。
CPTPPは、米国が地域の経済空間を取り戻し、日本と協力して経済ルール作りのリーダーシップを強化するための不可欠な手段である。2017年初頭にトランプ氏が離脱した後、当初のTPP協定を救うための日本の大胆な策略は、ルールに基づく秩序のために重要であった。東京は、米国の再参加を促進するために、新協定を構造化した。新政権がCPTPPの変更を合理的に期待する場合には、既存の参加国との交渉で対応することができる。しかし、まずはワシントンが参加の意思を示し、テーブルの上に座る必要がある。米国、日本、その他の地域のパートナーにとっての経済的・戦略的利益に加え、米国を含むCPTPPは世界経済の40%以上をカバーすることになり、その基準や規範に世界的な重みを与え、世界貿易機関(WTO)の改革に向けて志を同じくする国々と結束するための力を与えることになる。
CPTPPの美点の一つは、デジタルガバナンスの高水準にある。データは21世紀の経済の石油であるが、インターネットはEU、米国、中国が主導する3つのデジタルレジームに分断され始めている。米メキシコ・カナダ協定(USMCA)や2019年9月の日米デジタル貿易協定でさらに強化されたCPTPPの規律は、この重要な領域におけるルールや規範をグローバル化するために構築される可能性がある。これらには、国境を越えたデータの自由な流れ、デジタル製品への無関税、データのローカライズ要件不要などの原則が含まれる。日本は、G20 大阪サミットにおいて、世界貿易機関(WTO)の電子商取引交渉において、このような原則を推進するプロセスの上で、重要なリーダーシップを担った。ワシントンと東京は、G7やアジア太平洋経済協力(APEC)を通じて志を同じくする国々を動員し、データガバナンスのより一貫したシステムに向けたコンセンサスを構築することで、この作業を推進していくことができるだろう。
一方、人工知能、ロボティクス、バイオテクノロジー、ナノエンジニアリング、新素材、5G ネットワークなどの新技術は、デジタルと物理的世界を融合させ、今後数十年の経済成長を牽引し、地政学を形成していくものと思われる。米国と日本は、新技術を管理する技術標準や規則がオープンで、包括的で、相互運用性を促進することに重大な関心を持っている。
そのためには、主要な新興技術(5G、IoT、AIなど)を管理する技術基準や規範が世界的に互換性のあるものとなるように、国際電気通信連合(International Telecommunications Union)などの国際的な基準設定機関における日米の連携を強化する必要がある。北京は「中国標準2035」構想で、中国の技術に有利になるような新しい基準を策定しようとしている。米国は、日本やその他の国々と協力して、より効果的な官民パートナーシップを促進するために、国際的な基準設定に力を入れる必要がある。
5Gは21世紀の知識経済における重要な実現技術であり、日米両国はこの分野での共同作業を優先すべきである。両政府は、ファーウェイに代わる代替技術を生み出すための民間部門の努力を促進すべきである。日本は、5G(最終的には6G)へのソフトウェア・ベースのアプローチであるオープン無線アクセス・ネットワーク(O-RAN)の開発で主導的な役割を果たしており、垂直調達モデルに代わるコスト競争力と相互運用性のある代替手段となり得る。
インド太平洋地域における日本のリーダーシップのもう一つの重要な分野は、地域インフラと経済発展である。中国の「一帯一路」が汚職、負債、劣悪な基準の上に成り立っているという指摘が強まっていることは、実行可能で透明性の高いインフラプロジェクトを形成する機会を示唆している。東京は2015年に2000億ドルの「質の高いインフラパートナーシップ」を設立し、オープンな調達、環境と債務の持続可能性、インフラファイナンスの透明性などの原則を定めた。日本は2019年の大阪サミットでこれらの原則についてG20首脳の承認に勝ち取った。バランスシートと戦略的マンデートを強化した新しい米国国際開発金融公社は、国際協力銀行(JBIC)、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行グループと協力し、2030年までに25兆ドルの地域インフラニーズに対応すべきである。ワシントン、東京をはじめ、オーストラリアや韓国など、他の主要な地域・地域外のプレーヤーとの間でこれらの活動を調整することは、日米両国の指導者にとってますます重要な役割となるであろう。米国と日本は、インフラに関する決定が完全な透明性をもって行われるよう、良好なガバナンスと説明責任を促進するために、受益国への支援を拡大すべきである。
最後に、エネルギーと気候変動は日米経済同盟の重要な側面である。2050年までに日本経済をカーボンニュートラルにするという菅首相の公約は、韓国の同様の公約と一致しており、クリーン・エネルギーの拡大の緊急性を強調している。日本の国内と国際的な目標を達成するためには日本は石炭の使用と投資を抑制する必要がある。原子力と天然ガスの協力に基づき、日米両国はクリーンエネルギーと気候に関するパートナーシップを拡大すべきである。共同開発のための優先的なクリーンエネルギー技術には、水素、蓄電池(輸送の電化と再生可能エネルギーの拡大の鍵となる)、二酸化炭素回収貯留(CCS)、リサイクル、スマートグリッドなどがある。これらの技術は、市場ベースの効果的な気候変動緩和のために有望である。
結論
ここで概説されているように、より対等な日米同盟を構築することは、地域的課題と世界的課題の両方に対処する上で重要である。日本は、あらゆる面で米国の利益と価値観に最も沿った同盟国である。いくつかの分野では、日本はすでに主導権を握っており、共通の価値観、高い基準、自由な規範を推進している。実際、米国は多くの分野で東京のアプローチとより緊密に連携することで利益を得ることができる。日米同盟は、進化する多極化した世界をリードする立場にある。本報告書では、日米同盟が関係を前進させるために優先すべき課題を明らかにした。世界の安全保障と繁栄のために 東京とワシントンの新政権は、これらの課題に立ち向かうべきである。
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