#ネコ花瓶
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花瓶と日記について
例えば道端で、綺麗な色の枝葉をつける樹木があったとする。君はそれをハサミでパチンと切って、袋にしまってスキップしながら家に帰る。階段を登り、玄関の扉を開き、カバンを床に投げ捨てた君は、袋の中の美しい枝葉のことを忘れたまま、ソファーに腰をかけてリモコンを握ったが最後、そのまま動物らしく食欲と睡眠欲を満たすだけの時間を過ごした。
翌朝、カバンの中から財布を取��出そうとした時にようやく、美しい枝葉のこと、そして家に花瓶がないことに気づく。極めて短い走馬灯を経て、急いで空いたペットボトルに水を注いで、萎びた枝葉を挿す。大丈夫、水を吸えばきっと元通り…とまではいかずとも、昨日のように元気な姿を見せてくれるはずだ、と。
しかし、萎れた枝葉は元に戻らない。水分の供給がぴたりと止まったにも関わらず、葉と樹皮からの蒸散は止まらない。ついには、葉にある水分を使って失われる水分を補填、そして蒸散量を抑制したことにより、美しかった葉は細胞から死んでしまったのだ。一度死んだものは蘇らない、1時間経っても、半日経っても、丸1日経っても表情を変えない枝葉を目にして、君は初めて取り返しのつかない小さな後悔を覚えるのだ。
ところで、あるとき俺はハサミになりたかった。カッターナイフや包丁とは違って、二つの手で包むように(或いは抱きしめるように)切断する様が好きだった。ハサミは生かすも殺すも自由自在で、正方形から無理やりネコちゃんを作ることもできる。そのくせして石コロには負ける素直さもある。俺はハサミになりたかった。
またあるとき、俺はいちごになりたかった。甘くて酸っぱくてみずみずしい、ケーキの上の真っ赤な1番星。いっそのこと自分がいちごになってしまえば、ずっとそのままでいられるなんて勘違いしたのだろうか。2日前の朝ごはんも思い出せないのだから、幼い日の記憶、ましてや感情なんて思い出せる由もない。ともかく、俺はいちごになりたかった。
俺は日記になりたい。手垢で汚れたページには平凡だったはずの日常はなく、ビビッドな毎日が描かれている。夜の街灯や展示会、黄色い蝶々のこと、コップに並々と注がれた液体と固く締められた白いおしぼりのこと、喧嘩をしたこと、花瓶に生けた美しい枝葉と花々のこと、たくさんの動物や魚と肘までかかるゴム手袋のこと、一度きりの日々が手垢で汚れていくのが不思議で嬉しかった。ごめんなさい。
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・水族館や動物園で、説明文を読んで得たばかりの知識を、同行者になぜか少し得意げに披露している人の声を聞きながら、動物や魚を見ている瞬間・いいパン屋でいい惣菜パンを買って、包み紙に油が染みているのを見たとき・新しいゲーム機の初期設定をしているときの、焦れるようなワクワクするような感じ・ロイヤルホストなどのファミレスの看板が、雲ひとつない青空をバックにゆっくり回転している・22時22分・式典のために用意された、デカい花瓶に入ったデカい生花の近くを通ったときに感じる、強い花の匂い・12月の雨の日、降っているものにあられが混じっていることに気がつく瞬間・春先に飛んでるオレンジ色のチョウチョ(ツマグロヒョウモン!)・夏場に美術館や博物館に行ったときの、圧倒的な涼しさ(案外人は多くて、静かさはない)・自転車でネコの横を通り抜けるときにネコが見せる、いつでも動けるように緊張した姿(実際には動かない)・波止場に腰掛けたときのコンクリートの冷たさ、フナムシがそのへんをカサカサやっている感じ・トライアルで売ってる75円のイカのフライ(チリ味)・でかい交差点で、ピヨピヨいう音と一緒にみんなで歩き出す瞬間・春〜夏の夜に窓を開けたときの、生ぬるい空気・ひとりで無言で野良猫を構っている若い兄ちゃん・バルセロナのムンジュイック城の中にあったアーチェリー場で、おっさんが矢を射ていたこと・明らかに風が強い日の朝、起きた瞬間にそれがわかる・オクトパストラベラー2 面白い!・バター醤油というもの(うまい)・橋桁の下の、万年日陰という雰囲気・スーパーで買い物してる親子連れのガキンチョが、お気に入りらしい冷凍食品をねだっている声・地元のゆるキャラの2パターンくらいしかない画像を酷使して作られた、コロナ対策のポスター・明らかに古い形式で作られている個人サイトの「最近の更新」欄を見たら、2023年とかの投稿があったとき・歩道橋で立ち止まって虹の写真を撮ってるおっさんなど…
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ASTIER de VILLATTE "Setsuko" Cat Vase φ13.5cm x D19cm x H22.5cm ¥56,650 tax incl. ・ ・ www.v-i-s-i-o-n-s.com
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ソコカラナニガミエル? お友達からのプレゼント チューリップ🌷 可愛いなぁありがとう💕 つぎからつぎに初めて見るチューリップ🌷に興味津々! ではあるが、ユリ科なんで君らには毒だよ〜 食べられないところに移動させたま��た。 #猫と暮らしてるので花瓶を持ってない #保護猫出身 #黒猫 #しゅん #白猫 #オッドアイ #うた #iphoneで猫を撮る #猫 #ねこ #ネコ #にゃんすたぐらむ #にゃんだふるらいふ #cat #cats #catstagram #catstagram_japan #petstagram #instacat #meow #catoftheday #ilovemycat #catsofinstagramsg #プクさんありがとう https://www.instagram.com/p/B7-utJMp0lK/?igshid=9yhhfsrxdltw
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〈鬼灯と花器〉 今日はお盆の送り火で 戦争が終わった日で 大型台風接近中です この花器は見た目より重く吹いてるので 高さのあるものもいいな。。 器は作ったときは 違うかも?と思っても 使ってみると いいなー と思うものもあって それもまた楽しい 今日のボーナストラックは お気に入りのウィルキンソンの箱に住む白猫 #鬼灯#ほおずき#花器#花瓶#フラワーベース#お盆#送り火#敗戦#終戦記念日#吹きガラス#再生ガラス#泡ガラス#器#うつわ#猫#ねこ#ネコ#obon #hozuki #flowerbase#glassblower#glassblowingglass#吹きガラス工房一星 #ひとつぼし #山田奈緒子 ところで 送り火が嵐の場合どうなるやろう じいちゃん もう1日泊まってもらえるんやろうか? https://www.instagram.com/p/B1Kw5B6FNqZ/?igshid=e84i3vnth94b
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📛 1483 「空手バカ一代」 #31。
テレビの中で 「空手バカ一代」 が はじまりました。今回は 「恐怖の赤さそり (第31話)」 というお話です。ハワイで力道山を倒した赤さそり。そんな赤さそりを倒すとアスカケン。「わからない、どうしてもわからないネー」 とわからないトウゴウ。"カラテごろし" と言った赤さそりが許せないアスカケン。「ただそれだけのことです」 とアスカケン。「カラテデビル、言えて妙だな」 とアスカケンは 赤さそりが投げた花瓶をキャッチします。「初対面で俺を試さうとする」 とアスカケン。そんなカラテデビルに 「試合はデスマッチでやることだ」 と赤さそり。「デスマッチ結構だ!」 とケッコー毛だらけネコ灰だらけなアスカケンですけれど、赤いさそりの笑い声に汗をたらりと流します。記者の前でサンドバックにパンチで穴を空け、ボクシング時代の強さを語る (反則負けで追放されたこともついでに語る) 現在はプロレスラーな赤さそり。そんな赤いさそりは ヘビー級ボクサーとプロのフットボーラーふたりをリングに上げて、ふたり纏めて相手することで 対アスカケン戦の仮想特訓を記者に披露します。自慢の “レッド・スコルピオン” を胸にチラつかせる人間核弾頭な赤さそりは、ふたり纏めて あっさりと張り倒します。「カラテデビルに天国へのパスポートをプレゼントだ!」 と赤さそり。そのころ アスカケンは、長い長いひとりごとを呟きながら 特訓に励んでいます。「ころしにかかって来るらしい」 とビビるトウゴウ。「葬式など無用だ」 と、もししんだらサンフランシスコに骨を撒いてくれ、なんてことをいう アスカケン。とりあえず戦いの前に お知らせに入って貰います。お知らせが明け 「赤さそりと対戦して勝つ自信はあるの?」 と アスカケンに聞くトウゴウ。そんな質問がいけなかったのか、就寝中の夢の中で 赤さそりにメッタメタに打ちのめされるアスカケン。夢からバッと覚め 「恐怖を知らなかった俺が、今度ばかりはこわい!」 と震えます。そんなこんなで試合の日が訪れます。リングに向かう通路で立ち止まるアスカケン。「何でもない」 とアスカケン。「ケンアスカ、最後まで頑張るんだ。ミーにはこれしか言えない」 とトウゴウ。リング上で目を瞑るアスカケン。「こわい、奴は俺に向かって全力のパンチをぶつけて来るだらう」 とちょっと試合の流れをシュミレーションしてみるアスカケン。「出来ることなら逃げ出したい!」 とアスカケン。どうやら互角らしいアスカケンと赤いさそり。けれども 「奴のパンチをかわして攻撃を喰らわすことが出来るだらうか」 とアスカケン。「空手の精神、もっと強いはずよ!」 と はずよ!と励ますトウゴウ。「むむむ!」 とアスカケンは 瞳をキラリと光らせ、突然にコーナーポストに向けて手刀を幾度もビシッバシッと浴びせます。赤いさそりも負けじとポストを殴り、何が何だか分からない光景が目前に広がります。モワワッと浮かび上がる 赤いさそりの赤い刺青。そんな中、レフリー無し、時間制限無しのデスマッチがいよいよ始まります。ゴングがガコンッと鳴り響き、互いに攻撃を繰り出すふたり。「予想より遥かに早い!」 とアスカケンは 「今だっ!やぁあああっ!」 とリング上を目にも止まらぬ速さで飛び回ります。そして、いきなりの “空手三角飛び蹴り” という幻の必殺技を 赤いさそりの頭部に浴びせるアスカケン。マットに沈む赤いさそり。「勝つには勝った。俺は嬉しくない。俺は、俺は、卑怯��戦法を使ってしまった!」 と、アスカケンは フェアでは無い勝ち方をしてしまったと めっちゃ悔やみます。
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☆カフェ巡り☆ 珈琲焙煎東風 COCHI COFFEE 香登 さん @cochi.coffee_2019 紫陽花を堪能した後は 珈琲を堪能しなきゃと 訪れたのが東風さん 店内に並べられた珈琲の瓶に 怪しげなほどテンション爆上がり 焙煎した豆もあるんだけど 生豆も置いてあって とってもとっても楽しい空間 色んな焙煎度合いの 色んな国の珈琲がならんでて メニュー見るより 豆見て飲みたい珈琲を選ぶ 迷惑極まりない私 カウンターの奥に見えた焙煎機にも 興味津々で 気になると普通に話しかけるので 目が点になる方はこれまでも多数 多分これからも笑笑 珈琲のディープな話ができるのは とっても幸せで そんな中選んだ珈琲豆は ケニアの浅煎り ちょこっと細めに挽いてもらって 浅煎りなので気持ち湯温は高めで ネルドリップで丁寧に淹れてもらえて めっちゃ幸せ 珈琲とセットのパウンドケーキも 美味しかったなぁ 飲み物とセットになると 50円引きって パウンドケーキ100円!? お値段以上でした 東風さんには来店されたお客さまの 書込みノートがあって 「よかったら書いてください」って 持ってこられたので ネコちゃん描いといた お絵描きの話や焙煎の話をしてたら オーナーがお出ましになり またそこからお話に花が咲く 「こんな絵を描く人の焙煎する珈琲が気になる」と これ以上はない賞賛をもらって とっても嬉しい珈琲時間となりました 珈琲焙煎東風 COCHI COFFEE 香登 @cochi.coffee_2019 備前市大内547-2 0869-66-9258 10:00~17:30 定休日:火曜日・水曜日 #カフェ巡り #珈琲焙煎東風 #珈琲焙煎東風cochi香登 #岡山カフェ #備前カフェ #瀬戸内カフェ #自家焙煎珈琲 #ケニア珈琲 #浅煎り #パウンドケーキ #ちょこっと寄り道岡山県 #find_new_okayama #okayama #cafe #coffee #coffeeroaster #おかやまハレ旅 #おかやまナツ旅 #にじいろトリップ #岡山へ行こう #瀬戸内観光 #瀬戸内旅行 #日本を元気にしたい #sumasumatai_love · · · テイクアウトコーヒー片手に このまま東へドライブ (備前市大内) https://www.instagram.com/p/CfQzybUOsn9/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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:::::::::STORY :::::::::
ストーリー
それはわたしのおじいさんのおじいさん、そのまたおじいさんが聞いたお話です。
そこは美しい��空が広がる自然が溢れ緑豊かな国の、
山に暮らす夫婦に、男の子が生まれました。
Johannと名付けられたその子が、庭を駆け回るくらい大きくなった頃のことです。
おとうさんとおかあさんは、ふとした病気がもとで天国に旅立ってしまいました。
まだちいさなJohannは、山奥に住むおかあさんのおかあさん、
つまりJohannのおばあさんの住む寒い山の森の中に引き取られました。
足のわるいおばあさんはJohannにお願いごとをしました。
それは、湖に水を汲みに行くこと。水は重くてたいへんです。
でも、道の途中でたくさんの動物達と出会うのが楽しくて、Johannは��んで水汲みに出かけるようになりました。
月日は流れ、Johannは10歳になりました。
素直で優しいヨハンは、ためらいながらも今日、森で見た4つ目のネコたちのことを話し出しました。
するとおばあさんは、ニッコリと微笑みました。
「Johannッ!それはヘムネコ(hemneko)というのじゃよ」
「ヘムネコっ(hemneko)!?」
「うん。10歳になるまで〝ウソ〟をつかなかった子にだけ見える〝ようせい〟が、ネコのカタチを借りて現れるんじゃ。 Johannが今まで誰にもウソをついたことがないという証拠なのじゃよ…」
〝妖精!?〟 〝ネコ!?〟
〝10歳になるまで、ウソをつかなかった子だけ?でも、あのおなかについていた目…?〟
頭の中がぐるぐる回るJohannをよそに、おばあさんは続けました。
「ヘムネコ(hemneko)のおなかの目は〝しんじつ〟を見ている目”じゃよ。
〝ウソ〟をついたことがない子を見抜くんじゃよ。
そしてJohann、楽しみにしておいで。おまえはきっと、
〝ヘムタウン(hemtown)〟というまちに連れていってもらえるから」
「ヘムタウン(hemtown)?知らないよ。ぼく、行きたくないよ。おばあさんとずっといたい。おとうさんとおかあさんに会いたいよ」
いつのまにかJohannは泣きやみませんでした。 おばあさんは優しくヨハンに微笑み、
「Johannや、今日あったことをよくおぼえておいで。 今日は疲れたろう。さあ、スープを飲んだらおやすみ」
Johannはスヤスヤと眠りにつきました。すると、どこからか声が聞こえます。
「ヘーッム!ヘムヘム・・・」 なんだか今まで聞いたことのない声なのですが。とても親しみを覚える声なのです。
「ヘム・ヘム・ヘム・・・」 ヨハンは目をあけてみました。
すると部屋の片隅にいる〝ヘムネコ〟(hemneko)がじっとヨハンを見つめています…
ヨハンは「ヘムネコ?」とそっと聞いてみたのです。
すると4つ目のネコ「ヘムネコ」が大きな声で
「ニャーッム!!」と叫んだのです。
「わぁーっ!!」
ヨハンは気がつくとフワフワと空を飛んでいました。
大きなまちが見えてきました。
「ココがヘムタウン(hemtown)!?」
Johannはおばあちゃんが言って��たことを思い出しました。
まちは雪で覆われているのか一面まっ白な銀世界。
それに今まで見たことのないようなぐねぐねの木、電燈はないのにきらきらしています。
赤・青・黄色のきらきらしたものがみえてきました。
だんだん近づいてゆくと、それは湖の川底だったのです。
色んな色の石や水面がきらきらと揺れていたのです。
Johannは尋ねました。
「何であんなに色んな色がきらきらしているの?」
ヘムネコは
「ニャーム!」とひと鳴き。
Johannが何をしゃべっても、
ヘムネコは「ニャーム」か「ヘムヘム」としか言いません。
Johannは空からまちを眺めながら、ワクワクしました。
すると突然…
ヒュー、ドスン!!!
大きな音を立ててヨハンは雪の上におっこちました。
「イタタタ…あれ?冷たくないや!」
ペロリ、Johannは雪をなめてみました。
「甘いお砂糖だ!」
一面雪で覆われていると思ったら、お砂糖の銀世界だったのです。
Johannは嬉しくて興奮しました。
気づくと、へムネコが何やらガツガツと音を立てて食べているのです。
Johannがのぞき込むと、松ぼっくりを一生懸命食べているのです。
〝ネコって松ぼっくりなんか食べるのかしら?〟
そう思いましたが、Johannもはらぺこだったので、へムネコに続いて松ぼっくりを食べてみました。
「おいしい!」
松ぼっくりは口の中でとろけるチョコレートだったのです。
Johannは夢中で食べました。チョコレートの松ぼっくりはJohannの空っぽのおなかをいっぱいにしました。
へムタウンはもしかしたら、すべて食べられるのかもしれません。
Johannはあの白樺にも似た大きな木や、
道に咲くキンポウゲのお花も食べられるのかしら?と思いました。
すっかり食べるとまたへムネコと歩き出しました。
まだ森は薄暗くありましたが、さわさわと木々の葉が重なり合う音や、
歩くにつれポツポツとオレンジ色に、足下を照らしてくれる木の実はJohannを安心させてくれるのでした。
〝へムネコは一体どこにつれていってくれるんだろう。〟
Johannはちょっぴり不安でしたがわくわくしました。
森の中を進んでいくと空からみえた大きな湖にさしかかりました。
赤・青・黄色の色んな色の石が水底できらきらしています。
湖の周りにはシャクナゲやコケモモがたくさん咲いていました。
すると、コケモモのしげみからヒョコっと緑色でにょろっとしたものが現れました。
へムタウン(hemtown)の主に湖に住むリュリュというやつでした。
このリュリュは一日中コケモモのシロップ漬けを食べているのです。
Johannとへムネコ(hemneko)と会った時もリュリュはコケモモの入った瓶に顔を突っ込んでいました。
リュリュはJohannとへムネコ(hemneko)に気づいて嬉しそうに近づいてきました。
リュリュはコケモモのシロップ漬けをわけてくれましたが、へムネコ(hemneko)は食べませんでした。
へムネコは湖に浮かんだお月様をじっとながめて、ヒゲをパッパッとさせていました。
リュリュの湖をあとにして、森の中をすすむと古い小さな教会が見えました。
教会の窓には陽が差し込んでいるのがみえます。
急にへムネコ(hemneko)は立ち止まり、くるっとふりかえり、
じーっとJohannを見つめ、大きな声で
「ニャーーーーム!!!」
と叫びました。
するとどこからか赤いネコ、白いネコ、黄色いネコ、青いネコが出てきました。(すべてhemnekoです。)
ネコたちのおなかの目がギョロッとヨハンを見つめています。
おなかの目は2つづついているので、合計10この目がJohannを見つめているのです。
「なに?ネコたちどうしちゃったの?!」
Johannは何で急にたくさんのネコがあらわれたのか、
なんでみんなこっちを見つめているのかわかりませんでした。
Johannは不安になり、怖くなってきました。
すると、黒いネコが
「ヘムヘムヘムヘム…。」
と鳴きながらJohannを教会の方へうながすのです。
Johannはドキドキしながら教会へ足を運びました。
扉の前にたつと黒いネコ(black cats)はいつの間にか消えていました。
Johannはそっと扉を開けてみました。
すると、
「Johann?」
中からかすかに聞き覚えのある女の人の声がしました。
Johannは思い切って中に入ると、
「お、おかあさん!!!!」
Johannがちいさいときになくなったはずのおかあさんが目の前に立っています。となりにはおとうさんもいっしょです。
「なんでここにいるの?!」
Johannは嬉しくて、おとうさんとおかあさんがおばけでもかまわないとおもいました。
「とても大きくなったわね。いい子にしてる?」
おかあさんはほほえんで言い、おとうさんはJohannの頭をやさしくなでました。
Johannはとてもうれしくておかあさんのひざに抱きついてわんわん泣きました。
そしてそのまま眠ってしまいました。
……どれくらい眠ったのでしょう。
Johannは気がつくと朝で、見おぼえのある自分のベッドの上でした。
「おとうさん!おかあさん!へムネコ(hemneko)!」
Johannは思わず叫びましたが、周りには誰もいませんでした。
〝ぜんぶ夢だったのかしら?〟
��れど、Johannの上着のポケットにはおばあちゃんにあげようとこっそり入れた、
チョコレートの松ぼっくりがちゃんとはいっていました。
HEMNEKO
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. Goodbye, October Hello, November 離開10月 冬天又更近 濕濕冷冷 的時候 用一杯☕ 有溫度的咖啡 溫暖你的味蕾 Fighting 💪 🍼🐄 $38/瓶 🐮🍼 #november #霜月 #鮮牛乳 #牛鮮乳 #拿鐵 #拉花 #咖啡 #fresh #milk #latte #latteart #barista #cafe #coffee #café #ミルク #ラテ #ラテアート #バリスタ #カフェ #珈琲 #taiwan #台灣 #taipei #台北 #四號公園 (在 貓咪日和咖啡屋 - ネコ日和コーヒー屋) https://www.instagram.com/p/BpnfmWdgyLl/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1borzg2trt57y
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森町の波多野農園さんにドライフラワーを見に行きました。 欲しいお花が沢山あって迷いましたがじっくり選んで購入。 取手を割ってしまった思い出のマグカップやお気に入りの密閉瓶に花柄を詰めたり、 とりあえずざっくり飾ってみました。 ネコにいたずらされないように出窓の中へ.... これから少しづつ手直ししながら楽しみたいと思います。 寒くなる季節も大好きなお花を眺めながら美味しいお茶でも飲んでのんびりしたいなぁ←願望😁 波多野農園さんは森高校の向かいを入ってすぐです。 素敵なドライフラワーを買ってルンルンしてたらすっかり写真撮るの忘れました(笑) #ドライフラワーのある暮らし #森町 #道南 #函館 #波多野農園 https://www.instagram.com/p/CGn_g4hnZss/?igshid=1o18g893od3pq
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🚩本日(9/17)20時 Online shopへパペットトリオをアップします🧸�� 2枚目にてネコさんとヤギさん劇場をお楽しみください👭🏼動かし方、まだまだヘタです(笑) 見ているとついつい可愛くて手を入れて遊びたくなります🤲🏻クターッとしてくたびれた雰囲気がまたキュン。 花瓶を入れて立てかけて飾ったり、 お耳をクリップで留めて吊り下げたり、 工夫して楽しんで飾ってくださいね🤡 #アンティーク雑貨 #ヴィンテージ雑貨 #東欧雑貨 #tekuteku東欧雑貨店 #アンティークのある暮らし #パペット #パペット人形 https://www.instagram.com/p/CFOwB3QsmIh/?igshid=14vq7dzudj0ej
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ASTIER de VILLATTE
“Setsuko” Cat Vase
W19.5cm x D9cm x H19.5cm
¥56,650 tax incl.
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本当に知らなかったんです。つい最近まで勘違いしていたこと
集計期間:2020年4月26日~4月28日 回答数:15179
自分の中で常識だと思っていたことが、実は勘違いだった…そんな経験はありますか?
今回は「最近までしていた勘違い」についての調査です。
最近までしていた「勘違い」ありますか?
回答者15179名のうち、最近まで勘違いしていたことが「ある」と答えた方の割合は約28.8%と少数派でした。
ここからは、具体的な勘違いエピソードをみていきましょう。
えっ、そうだったの…?いろいろな「勘違い」
<食べものにまつわる勘違い>
・枝豆が大豆とは知らなかった
・お菓子の柿の種は、ほんとの柿の種を乾燥させて作っていると思っていた。
・ひつまぶしをひまつぶしだと思っていた。
・アボカドをアボガドと思い込み
・ピータンは野菜だと思っていました。
・たくあんは、畑で育つものだと、40数年ずっと思っていた。
・芽キャベツはキャベツの小さいやつだと思ってた
・カリフラワーが太陽に当たってブロッコリーになると思ってた。友達に笑われた。
・玉葱の上の部分は、ネギとして食べれると思っていた。
・サンマー麺がサンマで作られていると思った
・ラーメンのゆで��は食器洗い洗剤のような役目をする
・出汁をデジルと呼んでいた
・乳牛はオスメス関係なく牛乳を出すと思っていた
・ほうじ茶はノ��カフェインだと思っていた事で、夜に飲んで酷い目に遭った。
・ラムネ瓶上部の2つのくぼみは、指をそえるくぼみだと思ってた
・料理酒は、味がないと思っていた。意外にしょっぱかった。
・一日一善をご飯を一膳しか食べたらあかんと
↑サンマー麺は醤油または塩ラーメンにもやし入りのあんをかけたもので、神奈川県のご当地ラーメンとして知られていますが、語源については諸説ありはっきりしていないそうです。
<名前にまつわる勘違い>
・友達の名字、名前でずっと呼んでたから友達の結婚式で間違いに気づいた。
・アマビエをアマエビと思っていたこと。
・アラジンがあの青い奴だと思ってた。青い奴はジーニーって言うのね。
・モンゴルの歴史上の有名な皇帝、フビライをビフライとずーと勘違いしていて、夫にそれを指摘された。エビフライか?と馬鹿にされた。
・マッカーサー元帥を、マッサーカー元帥だと思っていた。
・平野紫耀さん。名前がシオンだと思っていたら、ショウだった
・古内東子ふるうちとうこを、こうちとうこだと思っていた。
・King Gnuが読めなくてキング ガンだと思っていた
・Official髭男dismをOfficial髭男爵と思ってた
・作家の名前の読み方誉田...ホンダをホマレダと思っていた。
・作家の万城目学さんをまんじょうめさんと読んでいた!まきめさんだった。
・ハイルヒトラーが、ずっとアイムヒットラーだと思っていた
・「アメ車」は飴色の車だと思っていたら違いました。。・軽自動車のことをK自動車だと思っていた。K以外を耳にすることがないので、ダントツでKがメジャーなのだと思っていた。
・丁字路をT字路と思っていた・1オクターブを1億ターブだと思っていた
・オーストリア製のお土産をもらったがオーストラリアと間違えていた。
・浅草寺を「あさくさでら」と読んでた
・京王線の駅名「高尾山口駅」の読み方を今までずっと「たかおやまぐちえき」だと思っていた。正しくは「たかおさんぐち」だった。
・茨城県をいばらぎけんと言っていた!今でもなかなか正しく言えない。周りの人たちも同様でなかなか正確に言えないので、皆がこれでいいかって雰囲気になっています。同県の出身者の人たちにはそれ違うからってツッコミ入れられるけど!
↑King GnuにOfficial髭男dism、近ごろ売れているバンドの名前は初見では読めないものが多いですね…
<芸能人にまつわる勘違い>
・古���大魔王とピコ太郎が同一人物とは思わなかった。
・木内みどりと木之内みどりが同一人物だと思ってた
・ディーンフジオカと大谷亮平を同じ人と思っていた
・米津玄師とRADWIMPSのボーカルの人が同一人物だと思っていた。声質もにているし、雰囲気も似ている。
・久米宏さんと、久米明さんが兄弟だと最近まで勘違いしてた。
・TKO は TOKIO のことだと思っていた
・田中マルクス闘莉王をプロレスの選手だと思っていた
・横浜流星は四人組
↑「横浜流星は四人組」という意見は、横浜銀蝿と混同したのでしょうか…ただ、グループ名と言われても納得する名前かもしれません。
<漢字にまつわる勘違い>
・雰囲気をふいんきと読んでた
・月極め駐車場をげっきょく駐車場だとおもっていた
・韓流を「かんりゅう」と読んでいた
・不織布=ふおりぬの
・秀逸をしゅうめんと読んでいた
・台風一過を台風一家と思っていた。
・清々しいをきよきよしいと読んでいた
・漢字の書き方。階段の、白のところを40年以上、日と書いていた。
・漢字の看を 四本棒を書いていた気付いたのは10年位前だが
・完璧の璧を壁と思っていた
・濡れてに泡…じゃなくて粟だった
・未曾有の事態をみぞうゆと自分も勘違いしてた。
・コロナ禍を「コロナか」ではなく「コロナうず」と読んでいた
↑ほとんどは読み方にまつわる勘違いでしたが、中には書き順などに関するものも。スマホ・PC社会の中で漢字を書く機会が減っているのでしょうか。
<人体にまつわる勘違い>
・キスしたら子供ができる
・足の中指だと思ってたところが実は人差し指だった
・お腹がグーッと鳴るのは、空腹を知らせる合図だと思っていた。本当は消化が始まる(消化中)の合図とのこと。
・食後にお風呂に入るとへそからお湯が入り消化液が薄まるので消化効率が悪くなると本当に思っていた。高校生の子供がいますが全力で呆れられました。
・「大は小を兼ねる」という諺を、「大便をすれば小便も出る」という意味だと勘違いしてた。だって大をすれば小も兼ねますもん…
↑最後の意見の「だって大をすれば小も兼ねますもん…」は心からの言葉という感じで心を打たれました。
<歌詞にまつわる勘違い>
・ずっと車の中で歌を聴いてて歌えるほど覚え、カラオケに行って歌詞を見たら、覚えてたフレーズと違った。
・ケンタッキーのCMで流れてる、竹内まりやさんの「すてきなホリデイ」の歌詞を聞き間違えてた。クリスマスが今年もやって来る楽しかった出来事を消し去るようにだと去年まで思ってた。
・おどるぽんぽこりんの歌詞で、「エジソンは偉い人、そんなの常識」を、「そんなノジョウシキ」だと思っていて、どういう意味なんだろうと不思議だった
・どんぐりころころの、歌詞がどんぐりころころどんぐりことずっと思っていました(笑)どんぐりころころどんぶりこ…なんですね。
・巨人の星の、思い込んだら??の歌詞を重いコンダラー(ローラーをそういうものかと)と思っていた。
・ルパンルパーン♪歌詞これやと思ってた。
↑コンダラー、いったいどんな作業に使うのか気になります。
<人生にまつわる勘違い>
・人生が勘違い
・自分は頭がいいと思ってたがバカだった
・自分はもっと能力が有ると思ってた
・自分は生きている
・自分が健康だと思っていた事
・妻が離婚をしないと思ってたが、突然、離婚となった。
・��女だと思ってたら知り合いだって言われた
↑いくつか散見された意見をまとめてみると、なんとも心が重くなる結果に…
<その他>
・アンパンマンは鼻が3つだと思っていた
・ひとまわり年上を10歳年上と思っていた
・ある人を、女の人だと思っていたのが、実は男の人だった。
・10代、20代が若者だと思っていたけど、ニュースで専門家の人やアナウンサーが、10代~40代の若者と言っていた。30代、40代も若者だなんて知りませんでした。
・「正しいマスクのつけ方」という記事を見たら、自分も裏表が逆だった。
・ネコと犬は同じ動物だと思っていた
・ライオンのメスが何故か虎と思いこんでいた。
・少し前まで、スーパー銭湯はスーパーマーケットに隣接した銭湯と思っていた。遅い時間に買い忘れを思いだした夫へスーパー銭湯なら買えるょ…吹き出して笑われた。
・京都人から、いい時計してますなーと言われたら、褒められてると思っていたけど、実はお前の話長いんだよ!時間見ろ。と言う意味と最近知った。ハードル高すぎ。
・花束を入れる籠を花瓶と思っていた。花をいけるものは、瓶じゃなくても花瓶と思った。
・InstagramやTwitterなどが登録するのは月々料金がかかると思っていた事
・マイナンバーカードは全員に配布されると思い、ずっと待っていた。
↑ 「ネコと犬は同じ動物」と思うに至った理由を知りたい。
すぐに共感できる意見もあれば、逆に初めて知るようなことも多い。そんな調査結果でした!
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
グノシーの「アンケート」タブにて、毎日新しいアンケートを更新しています。ポイントが手に入るものもあるので奮ってご参加ください。
こちらの記事に関するお問い合わせは [email protected] までお願いします。
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Rosa Ljung の動物たちやキャンドルスタンドなど入荷します
次回の特集はRosa Ljung です、当店ではずっと扱っているものなのでご存知の方も多いかと思いますが、南スウェーデン、ヘルシンボリという町にあったDecoという陶器メーカーから出ていたものになります。
イタリア、ヴェネチアンガラスからインスピレーションを得たと言われているもので、デザイナーはRosa Ljung、多くは70′sごろまで作られていたようです。Lisa Larson と同じ時代に活躍していた方でLisa は今また作られていますが、Rosaはもう作られていなく、その時代おばあちゃんの家に行けばこのRosaかLisaのフィギュアがあったようですよ。北海道の木彫りのクマもしくはこけしというところでしょうか笑
本当に沢山の種類があって毎回買い付けに行く度にこんなのもあったんだ、という発見があるのですが、今回も沢山の作品を手に入れました。
まずは代表的な小鳥のフィギュア。ミニチュアなのも今回見つけました。二羽くっついているのはカップルで女の子と男の子になっています。後ろの3羽は真ん中が空洞になっていてお花が生けられるようになっています。久しぶりにフクロウも���に入れました。
¥1.500-¥7.900(税込)
そして馬が2頭仔馬は初めて手に入れました、リスは久しぶりに手に入れたもので木の実でも食べているのでしょうか。
仔馬¥4.900/馬6.900/リス7.900
ネコが4匹。一番大きなネコは首に花輪が一周飾られています。
ネコ大(耳にカケあり)¥4.500/その他4.900
最後にキャンドルスタンド、花器、お皿こちらはティーキャンドルやお香、ジュエリー載せにもいいですね。
皿 ¥2.900 花瓶¥3.600 キャンドルスタンド¥3.900
販売開始は4月9日(木)20:00~ https://piccolina.ocnk.net/
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夏、それぞれ。
遠子さん(@tohko_aoi)宅の葵ちゃん、 にぱさん(@28nipapa)宅の潮くん、 グロスケさん(@gusuke3)宅の緒方くんをお借りしました。 学パロです、シンメトリックの続き。そしてまたもやグロスケさんのお誕生日祝いだったり。
「夏の庭には雨がふる、雨のしずくがゆれている——」 爽やかに吹く風に長い黒髪をな���かせながら、少女は傍の少年へ笑んだ。傍の少年、俊は、小さな冊子を片手に開き詩(うた)をよんでいる。薄紙を布に挟んで紐でくくったその冊子は、どうやら少女の作らしい。紙面をなぞる彼の瞳は隣の彼女の微笑みに気づかず、微笑む彼女自身もまた、自らの表情に気づいていないのかもしれなかった。自然と花の開く様に似た、答えを必要としない笑み。 「ありがとう」 少年が詩(うた)を読み終わると、少女は冊子に手を伸ばした。グラウンドから金属バットの高らかな音が聞こえてくる。一部の高校生に取り、夏休みとは平時以上に忙しいものだ。 「いい詩だね」 北側の正門に向かって凸の字に鎮座する校舎は、東側がクラス室で西側がその他の教室といった具合に区分けされており、中央に階段と渡り廊下が設置されている。校舎から飛び出た部分には渡り廊下から直接出れるバルコニーが用意されていて、しばしば生徒らがここに集い、立ち話をしたり、弁当を食べたり、教師の目を忍んでこっそり喫煙をしたりするのである。今この場にいる優等生二人はタバコとは縁もゆかりもないが、憩いの場としてのバルコニーはよく利用している。 「この詩(うた)ね、できたときからずっと俊くんに読んでほしかったの。もし俊くんの声で聴けたらとっても素敵になると思って」 「誰が読んだって素敵な詩だと思うけど、そう言ってもらえるのは嬉しい」 「詩はね、みんな俊くんのことが好きなんだよ。私の詩が、じゃなくて、詩っていうもの、ぜんぶが」 少年は銀色の手すりの、熱さを手のひらで確かめてから、ゆっくりとそれにもたれかかる。抜けるような青空の頂点に陽が燦々と照る。ふと自らの頭が手すりと同じくらい熱くなっていると気づいた彼は、あとで飲み物を買い足すことにする。 「そっか。詩に好かれてる自覚はなかったな」 「あ、いまちょっとバカにしたでしょう」 「そんなことないって」 「詩は声にのせるものだから、うたわれたい声をもってるの。俊くんは演じるひとだけど、歌うひとでもあるでしょう? だから詩に、選ばれやすいんだよ」 拗ねた風に口を尖らせる彼女を見つめ、唇をほんのり緩ませる。それは年下の身内を見つめる兄の顔つきであり実際、彼は家庭において一人の弟を持つ兄であるのだった。少女の黒髪が、大きく風に膨らんで太陽の光を弾く。不意に瞬き��彼を射て彼は自ずと目を細めた。 「まだ疑ってる」 「信じた、信じた」 「うそつき。ときどき、俊くんはひどい」 「ほんとだって。葵のいうことだから、そうなんだろうなって、思うよ」 同い年の彼からなだめるようなセリフを聞かされ不満げな彼女は、未だ納得のいかぬ様子で手すりに両の腕を乗せ、その瞬間にあつ、とないた。からりとした笑い声が立つ。少女はいよいよ膨れ面となる。 「ちゃんと確かめないから」 「だって、俊くんは平気な顔して触ってるから、大丈夫と思って」 「葵の皮膚が俺の皮膚と、同じだけ丈夫な保証はない��ろ?」 なるほど、少年の澄んだ肌はそれでいて“透けるよう”でなく、どちらかといえば頼もしく日差しを撥ね返している。対して自身の肌はといえば、血管の青さの覗く、薄く頼りない肌である。少女は彼の白い肌にじっと目を凝らしいぶかしんだ。これも、男女の違いなのか? 「なんかくやしい」 「そう言われてもな」 「俊くんは、夏って、好き?」 少年はやや面食らった。しかし問いかけの唐突なのは、この少女に関してはまったくいつものことであるのですぐに落ち着きを取り戻し、答える。うん、どちらかというと、好きかな。 「でも、なんで?」 「ううん、あのね。さっき俊くんによんでもらった詩(うた)、あるでしょ」 「うん」 「あれは夏の詩(うた)だけど、俊くんは春の声をしてるでしょ?」 「春の声?」 「そう。春の匂いのするひとが、夏の詩(うた)をうたうのは、少し、不思議な感じ」 少年は物思うそぶりで口元に指を当て、その仕草は彼が何か考える際にときたま見せるものなのだが、ともかくいくらかの間を置いたあと少女へ向けて問い返した。 「もし俺がどうしたって春の匂いのするやつなんだとしたら、俺は夏の匂いのするひとを演じられないってことにならない?」 「え、」 「べつに夏に限らないけど。秋っぽいひととか、冬っぽいひととか」 「え、え、ちがうよ! だって舞台にいるときの俊くんは、もっと、こう、」 彼女の両手があわあわと上下左右にさまよった。先ほどと同様に愛おしげな笑みを浮かべて少年は頬杖をつき、彼女の動揺を眺めている。地平線には、入道雲。 「葵は、夏が似合うね」 「そうかな? 似合うかはわからないけれど、私夏が好きだよ」 「そっか」 「強い太陽も、白い雲も、青空もひまわりも花火も、ラムネの瓶もかき氷も、蝉の声も、海も。みんな好き」 少女の言葉が少年のうちにイメージを瞬かせる。肌の焼ける感覚、目を焼くような青、踏切の先に立つ陽炎、メロン色のソーダフロート、炭酸の音色、溶け落ちるバニラアイスクリーム、そのむっとこもるような甘さ。すべてが鮮やかで過剰な季節。だから、と少年は思う。だから俺は夏が好きなのか。身の���りにある何もかもの輪郭がくっきりとする、その只中にいる、俺も。 「そろそろ戻るよ」 少年は手すりから離れ、自然と少女に向き直る。ふわり香った日焼け止めはおそらく彼女のものだろう。少女は長く引き留めたことを詫びてから、改めて礼を言う。 「また作ったら、よんでもらってもいい?」 少年は頷いて、アルミ製の桟をまたぐ。苛烈に目映い日向を去って渡り廊下の日陰へと消える。少女は彼の背を見送って、髪をひとふさ耳にかけた。階下のグラウンドではそのときキィン、と金属音が伸び、白球が遠い入道雲へ飛び込むように抜けていった。
「ウリする相手待ってたの?」 未成年の身の上でマティーニを傾けながら、彼はあっけらかんとそう言った。軽さにつられてつい首を縦に振ってしまえば、彼は笑ってグラスを置く。暗い店内に飛び交うレーザーが彼の体を時たま横切る。 「うっしーってヘテロでしょ。なんで男と寝るの? イヤじゃない?」 「なんで、……ですかね」 「そんなにお金に困ってるの? 君んちお金持ちじゃなかったっけ」 わざわざ的を外してる、そのように聞こえる口ぶりだった。クラブに大音量で流れるEDMは俺の好みでも、おそらく彼の好みでもなくて、ただこの場には申し分なくふさわしい代物なのだろう。ダンスフロアを囲む形で作られたロフト部分の、奥まった一角にバーカウンターはあり、喧騒を背後に酒を飲む俺たちの周りにはいくつかテーブル席もある。俺はカクテルグラスの台座の円周を徒然となぞって、水滴に指先を濡らす。 「先輩こそ。なんでこんな遅くに」 「僕? 僕はねえ養子なのだけど養家とそりが合わないんだな、どいつもこいつも虫唾が走るからなるべく顔合わせたくないんだよ、あっちもそうだろうしウィンウィンでしょ?」 ためらいもなく発せられた言葉の意外なほどの烈しさに、俺はそのまま閉口する。特別の好感も嫌悪も抱かぬ類の人なのだと、そう、勝手に思い込んでいた。彼は“虫唾が走る”人間の前でどんな表情をするのだろう。少なくとも壇上で見せる快活でうさんくさい笑顔とは、似ても似つかぬに違いない。 「先輩、バイって言ってましたけど。先輩も男と寝るんすか」 「うん寝るよ。かわいい子ならね」 「ってことは、先輩はタチ?」 「そうそう」 「まあ、そんな感じっすよね」 「それどーいうイミぃ? でも確かにね、ネコっぽいとは言われないかなあ」 DJが変わったらしい。流れる曲調の変化に合わせ踊る人々が入れ替わり、二階席もざわめいてくる。下から人が上がってきたことで彼へ向けられる視線も増えて、しかし彼は認めるそぶりも見せず平然と話を続けている。俺はといえば今日逃した客を新たに見繕うべきか数分前から悩んでいて、なれない場所で手を出すリスクを測りかねていた。一人、やたらと目の合うひとがいて、声をかけるなら彼かな、と思う。 「セックスってさ」と、唐突に、彼が口を開いた。 「自分と他人の境界を、ちょっと破ることだと思うんだよね」 「……なるほど」 「でさ。それが双方向なら理想だけど、実際そうはならないじゃない、なかなか」 「……上下がある、ってことっすか」 「そうだね」彼は一瞬、言葉を切った。「うっしー、ウリやるときはネコでしょ」 「——はい」 「僕はタチで、だから一方的に、相手の殻を破ってるワケ。それは一種の侵略でしょう、相手の境界を侵してる。合意の上であってもさ」 露骨なハンドサインを形作って茶化してみせる。近くでまじまじ見てみれば、壮健でいっそ粗野にも感じる手であることに、俺は今更気がつく。 「まあつまり僕は受け入れるひとの気持ちってのがよくわかんないんだな。異物の侵入を許すなんてよっぽど勇気のいることと思うよ。たまに、こっちが食われてるように感じる相手もいるけど、……稀だよ。なんというか相手を受け入れるって本来とても覚悟と親愛の必要なことだと思うんだよね、現実は体と精神は違うし、キライなヤツでも顔が良ければヤれちゃったりとかするんだろうけど」 「そう、ですね」 「なんだか偉そうで気が引けるが。多少なりとも愛のある相手を選んだほうがいいんじゃないかな、なんてね。リスカの代わりに寝るなんてさ、ちょっと寂しいじゃない。ねえ」 ハーブの香りが鼻を抜ける。隣の彼のグラスからそれは漂ってきて、後を追うようにアルコールが匂った。俺は遠くでビートを刻む重低音を耳でとらえ、その僅かな崩れに眉をひそめる。 「佑さんが今ここにいるのは、リスカの代わりじゃ、ないんですか」 少々面食らった気配が体の右側に感じられる。いくらかの間をおいて、先輩は軽く笑みをこぼし、それは先ほどまで浮かべていたものと毛色が異なるように思えた。飲み干しつつあるグラスからオリーブの実をつまみ上げ、彼はパクリと、串ごとくわえる。 「してやられたなあ。うん、確かに。僕も人のこと言えないよねえ」 「なんか、すみません。生意気に」 「いいさ、生意気なのは僕もだし。たかだか君より一、二年しか長く生きてないってのにね」 ほら、お酒なんて飲んじゃってるし。おどけた仕草で縁をなぞって、彼の指もまた水滴に濡れる。ガラスを爪で弾くと彼は言葉を続けた。 「飲酒も一種の自傷だとか言うよね。曰く小さな自己崩壊であると。まあぼく全然酔わないから、あてはまるかはビミョーなトコだが」 「ザルですか。ぽいっすね」 「えっそう? 僕って色々イメージ通りな感じ? 恥ずかしい」 「ココにいるのは、意外でしたよ」 「そうでしょうとも。いそうな人間に見えてたら困るよ、生徒会長ですしね」 「……タバコとかも、吸うんですか」 「吸うねえ。あは、僕ほんとに人のこと言えないじゃない? だめだなあ」 「いえ、」 「僕は、別段現状に不満があるでもないけれど、そうだな。逃げているのは確かだろうね、現実に対処する努力を行なう代わりに、さ」 先輩の肩を叩くひとがいる。振り返りざま彼は驚いた調子で一つ名を呼んで、上手く聞き取れなかったのだがどうやら二人は知り合いらしい。ちょっと抜けるよ、と断りを入れると、彼はスツールを滑り降りフロアの人混みに紛れていく。空いた隣に誰かが座る。きっと何度か目配せを送ってきていた彼だろう。 逃げている、という先輩の言葉が、妙に鼓膜の底に残って、隣の男に話しかけるまで何音かベースを聞いてしまった。
店の奥までぎゅうぎゅうに詰めてもせいぜい五人座れるか否か、そういう狭さのラーメン屋だ。道路に面したカウンター席に丸椅子が三つ並べられ、L字に折れた奥行きに同じものが二つある。厨房は客席より一段高い造りとなっていて、青い髪の少年が厨房側で頬杖をつき、磨りガラス越しの外を眺めていた。 と、黒い人影が、ふらり姿を現してそれはだんだん迫ってくる。少年が慌てて背筋を伸ばすのと引き戸が開くのとはほぼ同時で、ギターケースを背負った男は大胆にあくびをかましたあと、後ろ手に戸を閉める。 「醤油バリカタ」 「かしこまりました! 並盛りで大丈夫ですか」 「……あー、並でいいわ。別に」 少年の挨拶に青年は片眉を上げる。短く整えた黒髪と、浅黒い肌、天井に近い背。上品な一方で荒々しくもあるその顔は、美貌と称して差し支えない。威圧感と気怠さを同時に与える見目をした彼は低い椅子に腰掛けて、ギターケースを躊躇なく、空いた二つの席に渡す。 「あんたバイト?」 「え、あ、俺ですか?」 「お前以外に誰がいんだよ今」 「あ、そうですね、はい、バイトです」 「最近来たワケ」 「えと、はい、まだ一週間くらいで」 「ラーメン屋で『かしこまりました』はねーだろ。カタすぎ」 少年は目を泳がせて、すみません、と小さく返す。大きな瞳を伏せたために、その表情は必要以上に気弱に映り、どことなく大型犬を思わせた。とは言え普通にしていれば、なかなか整った顔立ちである。戸外では何匹かの蝉がうるさく鳴き交わしており、少年の声はどうやらほとんどかき消されてしまったが、男は少年の返事を聞いているやらいないやら、スマートフォンを手にとって、フリップ操作でメッセージを送り、顔色も変えずに舌を��った。 「どうせ寝坊だろクソ」 「えと、……待ち合わせですか」 「は? ああうん、後から一人来る」 「了解です」 「……別のバイト先、探しとけば?」 少年はちらと男の表情を伺ったがそこに手がかりはなく、男はと言えばおしぼりを広げては巻き、巻いては広げ、やがて飽きると今度は卓上の種々の瓶を回し始める。全ての瓶の向きを合わせると、テープに印字された言葉をひとつひとつ読み上げる。醤油、ラー油、ニンニク、七味。 「そんなに、向いてませんかね、俺」 「じゃなくて。ココいつ来てもガラ空きだから」 「あー……確かに……」 「むしろ潰れてねえのが不思議。メシが出て来るまでもクソ遅えし」 じゃあなぜあなたはここに来るのかと、聞こうとしてやめる。実際店主は今、店の奥でおそらく昼寝していてまだ麺をお湯に入れてもいない。本当は声を張り上げて注文を復唱し、ついでに店主を叩き起こさねばならないのだが、少年はついそのタイミングを逸し続けているのだった。意味もなく伝票をめくり、息をつく。 「名前なんつーの」 「はい? あ、俺ですか」 「他に誰がいんだよ」 「あ、はい、……緒方です。緒方竹晴」 「あそ。お前、ロックとか聞く?」 視界の端に黒いケースがある。曖昧に、ひとつ頷く。 「へえ」 気の無い返事をすると彼はカウンターから腕を伸ばし、少年の手にあった伝票を奪い去る。そこに何やらポケットから取り出した紙切れを挟むと、立ち上がりつつ元の通りに戻した。見れば、一枚のチケット。青い長方形の厚紙。 「暇なら来いよ。今日俺ら演るから」 ギターケースを担ぐ様を眺める。ガラス戸を開ける背に今更ながら声をかける。 「お帰りですか」 「ラーメンはいいわ。どうせあの親父寝てんだろ」 「えと、はい」 「じゃ。またご縁があれば、ってことで」 未練なく戸は閉まり、少年はやや途方にくれる。無駄になった伝票を捨てるために板から取り外し、ついでにチケットをあらためた。日付と、場所。参加バンド名。あるグループに丸がついている。
07/XX:ヘッドライナー・The October Country
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