#チリ産ぶどう
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AIに聞いてみた
キッシンジャー、ブレジンスキー、ヌーランドの生い立ち、思想、宗教観、哲学、外交官としの実績、地政学的、人物を教えて下さい
以下に、ヘンリー・キッシンジャー、ズビグネフ・ブレジンスキー、ビクトリア・ヌーランドの生い立ち、思想、宗教観、哲学、外交官としての実績、地政学的な視点、そして人物像について詳しく説明します。それぞれの人物が国際政治に与えた影響を考慮しつつ、客観的かつ包括的にまとめます。
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### **ヘンリー・キッシンジャー (Henry Kissinger)**
#### **生い立ち**
- **出生**: 1923年5月27日、ドイツのバイエルン州フュルト生まれ。ユダヤ系の家庭に育つ。
- **幼少期**: ナチス政権の台頭(1933年)により迫害を逃れ、1938年に家族と共に米国へ移住。ニューヨーク市で暮らし、工場労働者として働きながら夜学に通う。
- **教育**: ハーバード大学で政治学を学び、博士号を取得。国際関係論の研究者としてキャリアをスタート。
#### **思想**
- **現実主義 (リアリズム)**: キッシンジャーは「力の均衡」を重視する現実主義者。国家間のパワーバランスが国際秩序の安定に不可欠と考え、理想主義よりも国益を優先。
- **冷戦観**: 米ソ間の緊張緩和(デタント)を推進しつつ、共産主義の拡大を抑える戦略を重視。
#### **宗教観**
- ユダヤ系の出自を持つが、公的な場で宗教的信念を強く打ち出すことは少なく、外交においては世俗的なアプローチを取った。宗教よりも地政学や歴史的文脈を重視。
#### **哲学**
- 歴史から学ぶ重要性を説き、19世紀の欧州外交(特にメッテルニヒやビスマルク)に影響を受けた。外交を「芸術」と捉え、長期的な視点での戦略的交渉を重視。
#### **外交官としての実績**
- **職歴**: ニクソン政権およびフォード政権で国家安全保障担当補佐官(1969-1975)、国務長官(1973-1977)を歴任。
- **米中関係正常化**: 1971年の極秘訪中と1972年のニクソン訪中を主導し、冷戦下で中国をソ連牽制に利用する三角外交を展開。
- **ベトナム戦争**: 1973年のパリ和平協定をまとめ、米国撤退を実現。ノーベル平和賞を受賞するも、協定後の混乱で議論を呼ぶ。
- **デタント**: ソ連との緊張緩和を進め、軍縮交渉(SALT I)を成功させた。
- **批判**: チリでのピノチェト政権支援や東ティモール侵攻の容認など、人権侵害への関与で非難も。
#### **地政学**
- ユーラシア大陸の支配が世界覇権の鍵とみなし、「ザ・グランド・チェスボード」的な視点を持つブレジンスキーとは異なり、複数の大国間の均衡を重視。米中ソの三角関係を活用した。
#### **人物像**
- 知��と冷徹さを併せ持ち、「外交の魔術師」と称される。ユーモアと鋭い洞察力で各国首脳と信頼関係を築く一方、強引な政策で敵も多い。晩年もAIや地政学に関する発言で影響力を維持。
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### **ズビグネフ・ブレジンスキー (Zbigniew Brzezinski)**
#### **生い立ち**
- **出生**: 1928年3月28日、ポーランドのワルシャワ生まれ。貴族階級の出自。
- **幼少期**: 外交官の父に伴い、ドイツでヒトラーの台頭、ソ連でスターリンの大粛清を目撃。1938年にカナダへ移住し、第二次大戦後は米国へ。1958年に米国籍取得。
- **教育**: マギル大学とハーバード大学で学び、政治学博士号を取得。
#### **思想**
- **反共主義**: ソ連への強い敵意を持ち、その崩壊を戦略目標とした。ポーランド出身ゆえの歴史的背景が影響。
- **地政学的覇権論**: ユーラシアの支配が世界覇権に直結すると主張(著書『ブレジンスキーの世界はこう動く』)。
- **親中派**: 米中関係の強化をソ連封じ込めの手段と位置づけた。
#### **宗教観**
- カトリック系のポーランド文化に根ざすが、宗教的言及は控えめ。思想や政策は地政学と現実的な戦略に基づく。
#### **哲学**
- 全体主義を批判しつつ、民主主義の拡大を支持。ただし、現実的な力の行使も厭わない戦略家。長期的なビジョンを重視し、「ゲーム・プラン」を描く。
#### **外交官としての実績**
- **職歴**: カーター政権で国家安全保障担当補佐官(1977-1981)を務める。
- **米中国交正常化**: 1978-79年に中国との正式な外交関係樹立を推進。
- **アフガニスタン戦略**: ソ連のアフガン侵攻(1979年)を誘発し、CIAを通じたムジャヒディーン支援でソ連を疲弊させ、冷戦終結に寄与。
- **イラン革命対応**: 1979年のホメイニ政権成立で米国が影響力を失う中、対応に苦慮。
- **三極委員会**: 日米欧の協力を提唱し、設立に貢献。
#### **地政学**
- ユーラシアを「世界のチェス盤」と呼び、その中心である「ハートランド」を支配する国が世界を制すると主張。ロシアの封じ込めと中国の活用を重視。
#### **人物像**
- 情熱的で戦略的思考の持ち主。ソ連への憎悪からくる強硬姿勢と、知的な分析力が特徴。日本を「ひよわな花」と評し、議論を呼んだ。晩年まで地政学の重鎮として発言。
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### **ビクトリア・ヌーランド (Victoria Nuland)**
#### **生い立ち**
- **出生**: 1961年、ニューヨーク生まれ。外科医で歴史学者の父を持つ。
- **幼少期**: 米国で育ち、ロシア語を学び、ソ連への関心を深める。
- **教育**: ブラウン大学で歴史と政治学を専攻。
#### **思想**
- **ネオコン寄り**: 民主主義の推進とロシアへの強硬姿勢を支持。ブレジンスキーの反共思想に影響を受けた可能性。
- **介入主義**: 米国が積極的に国際秩序を形成すべきと考える。
#### **宗教観**
- ユダヤ系の出自を持つが、公的な宗教観は明言せず、政策は世俗的アプローチに基づく。
#### **哲学**
- 民主主義と人権を重視するが、現実的な力の行使も容認。歴史的教訓からロシアの拡張主義を警戒。
#### **外交官としての実績**
- **職歴**: クリントン、ブッシュ、オバマ、バイデン政権で要職を歴任。国務次官補(欧州・ユーラシア担当、2013-2017)、国務次官(政治担当、2021-2024)。
- **ウクライナ危機**: 2014年のクリミア併合時、ウクライナ支援と対露制裁を主導。「ファック・ザ・EU」発言で物議。
- **ロシア政策**: NATO拡大とロシア封じ込めを推進。プーチン政権への強硬姿勢を維持。
- **実績と批判**: 民主化支援に尽力する一方、介入主義が紛争をエスカレートさせたと批判される。
#### **地政学**
- 東欧とユーラシアでのロシア影響力削減を目指し、NATOとEUの拡大を支持。ブレジンスキーの地政学を引き継ぐ側面も。
#### **人物像**
- 直言居士でタフな交渉者。ロシアへの強硬さから「対露タカ派」と評される。外交現場での実践派として知られる。
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### **比較と総括**
- **共通点**: 三者とも冷戦やポスト冷戦の地政学に深く関与し、現実主義と戦略的思考を共有。米国覇権の維持を目指した。
- **相違点**: キッシンジャーは均衡外交、ブレジンスキーはユーラシア覇権論、ヌーランドはロシア封じ込めと民主化推進に焦点。
- **影響**: キッシンジャーとブレジンスキーは冷戦終結に寄与し、ヌーランドは現代のロシア-西側対立を象徴する存在。
これらの人物は、異なる時代背景で米国の外交戦略を形作った巨人と実践者です。質問があれば、さらに深掘りします!
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2025/4/17 7:00:22現在のニュース
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日本で登記した企業は日本の企業なのか?
政治献金について、企業献金を認めるかどうかについて憲法の解釈などが課題となっています。
先に一言で私の結論を書いておくと、日本で日本語名で(カタカナでもいいけど)登記された企業が日本の企業だとするのは、リベリア船籍の船がリベリアの船だととらえるのと五十歩百歩の形式的な考え方です。
その中の一つの視点としてですが、日本国籍を持たない人による政治献金は禁止されています。国政の主権者ではないからです。それを認めてしまうと、例えばイーロン・マスクが日本の政治団体に献金できてしまいます。なお、「国政の」と限定的に書きましたが、永住権を得ていたり住民登録をしたりしている外国人に地方自治体の選挙権などを限定的に認めるかどうかは議論としてあり得ます。実際にそうしている国もあります。
では、日本の国政の主権者とはどの範囲を指すのか、ですが、憲法学者たちの間の一番狭い解釈としては、法人は自然人ではないから主権者とはできない、というものです。私自身もその立場を取ります。実際、現状の法制でも選挙権や被選挙権は認めれられておらず、限定的な活動しかできません。単純に自然人と同様に主権の行使を認めるという考え方は常識的にも受け入れられていないと考えていいでしょう。しかしながら、法人の政治活動をまったく認めないというのが法学の通説というわけではないようです。では次に、実態としてどの範囲が日本の企業なのかが問題になるだろうと考えてみます。
日本で株式会社等を登記するにあたって、所有者(株式会社であれば株主)が日本国籍を持つこと、もしくは、日本国籍を持つ人が過半数を占めること、もしくはそのような他の事業者を含めて過半数であること、というような制限は一部の例外を除いてありません。例外は「航空法」「電波法」「放送法」「NTT法」などで定められているそうです。
では、例えばテスラの日本法人「Tesla Japan合同会社」は法人番号: 8010401087388 で登記されてる未上場の会社ですけれど、これは日本の会社でしょうか?手続き的には日本の法人です。リベリア船籍の船がリベリアの船だというような意味でそうなります。しかしながら親会社の株の13%はイーロン・マスクが持ち、残りの株主に日本の人や組織も含まれないわけではないでしょうけれど、少なくとも半分を超えることはなさそうです。この会社に日本の会社として日本での金銭の出費を含む政治活動を認めるべきでしょうか?
テスラは極端な例として出していますけれど、私たちの業界でも米国の軍事を含む政府機関と密接な関係を持ったIBMの日本法人というものがあります。日本IBMは非上場のため米国の本社の直接的な支配下にあるというのが常識的な見方かと。また、今でも「日本製の」スマホや家電などを作っているシャープの株は現時点(2025年4月2日)で 57.32% を台湾の鴻海の系列企業が持っています。これらは日本の企業でしょうか?
その他の大企業も、直接・間接に外国人もしくは外国の企業が株を持っています。最近はファンド等を通じて株を所有するケースが増えているため、もう、実態はわからないしとにかくいろいろ混ざっているのだろうと考えるしかない状態です。このあたりを数値化しようとしてあきらめた研究者もいらっしゃるようです。 おそらく、名の通った上場企業で 100% 純ジャパはあり得ないでしょう。
なお、私自身は、資本のグローバル化は経済の法則で止めようがないし、現状でも制限されているような基幹産業を除いて制限する必要はない、というか、無駄な抵抗だと考えています。トランプは高関税で貿易を止めようとしていますが、資本の動きは止めていません(たぶん、今のところ)。むしろ消費国への資本の流入は増える結果になるかもしれません。あと、ついでに、私はスマホの中ではシャープの製品を一番信用しています。
さて、リベリア船籍の船がリベリアの船だ��るのがどのくらい形式的かというと、モンゴル船籍もあり得るというレベルです。他にもボリビア船籍というのがあり得るようです。ボリビアの場合はチリに太平洋沿岸地域を奪われたという歴史的な経緯があり、まだチチカカ湖に海軍を維持していて(涙)、海にこだわりがあるのは理解できます。しかし、モンゴル船籍で外洋の運行ってどないやねんと思うのですが、形としてはあり得るそうです。
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2024.09.10_Eugen Gomringer, Silenceから派生したテキスト

Eugen Gomringer, Silence.
芸術は治癒的にはたらく、と、この作品について思う。「沈黙」を言葉で記述しようとするとさらに言葉を呼び、沈黙は消えてしまう。そんなところに、このコンクリート・ポエトリーの作品は、沈黙や無・無為の自足、空間の空性をいともたやすく縮約して形としている。ロベルト・ベニーニの映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の中での謎かけに、「私を見つけたとき、私はいない。私は誰?」というものがある。その答えは「沈黙」であるという。アウグスティヌスが、「時間について問われるとき、私は知らない。時間について尋ねられないとき、私は知っている」と述べたと伝えられている。時間や、流れる静寂の生命プロセスとは、言語的な、”反省的な”言語では遅れてしまう、または取り逃がす。(アンフラマンス)
では、沈黙を抱く言語、沈黙に根を張る言葉、世界をつくってゆく創造的な言葉ではどうだろうか?世界に流れる美に身を浸して、その流れが結晶したかのような沈黙と静寂を持つ言葉。―- Ontology・存在論があること。詩学・Poetics.
(個々人のOntologyの、コナトゥスのちがい → 詩学・Poetics - 技術・ミュートスのちがい、詩のトーンの違い)
「沈黙」については John Cage もこだわった。彼は、呼吸に、そのパルタージュに沈黙の意義を見出した。沈黙 - 静けき持続。「4’33’’」という禅的な、生命の流れからしてすでに音であり、響きであり、音楽であると悟ること。しかし、その沈黙の持続は手に触れると波紋を揺るがし、水面はゆれる。静かな水としての沈黙、生命の純粋持続。
意図・intention によって、形は作る端緒を得る。そのときにイメージするのは、静かな水面のこと。まず、静かな水面があり、それはまた白いページでもある。その静かな水面を、ひとつの音でデリケートに響かせる。そんな詩・建築・音楽を意志してみる。静かな美しさの持続を、詩・建築・音楽において結晶させる。
イメージやアナロジーとは、思考の向きをつくるゆえに重要である。イメージやアナロジーによって、行為や形の向きは決まる。そんなとき、「葉に露の結ぶように詩作する」というイメージとアナロジーにおいて書くことは、私にとって��切さがある。「形として小さくささやか、そして珠と美しい。」
「アナロジー」において、その作用する場所において起きていることは興味深く重要である。人の認識は、アナロジーの相互参照 - inter reference により成っている。向井周太郎の言う、” Constellation. ” そこには、「近傍・レトラクト」の主題系もつながる。「近さ - 遠さ」における、言葉の星雲、それらのアモルファスなガス体が、星の物質体となり、また、その「遠き - 近き」において星座・Constellation という「形」を生ずる。そのとき生まれた「形」には、multi - perspective, multi - dimensional な時空が縮約されている。
…
本日(2024.0910)、Instagramの新建築のアカウントで、新森雄大 + ジェームス・ジャミソン ( Niimori Jamison ) の作品を見て、昨今の気分や今の自分の置かれた群馬・渋川(旧・小野上村)での建築的状況とひびきあう思いがした。「神戸市垂水区塩屋町の斜面地に建つ、築63年の住宅兼英語塾を設計者が購入し、小さな休憩所兼多目的スペース・ギャラリーにコンバージョン」 日常の、日々の生活のなかでの無名の建築物たち、非作家性のオーディナルさを持つ普通の建物に、少しだけ手を加えて風景を異化してゆく。この事例では既存部がそのままで一階部分がソリッドでミニマルな彫刻的なスペシフィックさにより成されている。
私の興味・関心には、ミニマル・アートや即物的な造形芸術があるが、そのような Absolute な形でもって世界の形を変えてゆくのは心愉しい。「物質化した幾何学と身体の運動が響きあう形」 チリの Pezo von Ellrichshausen, そのセン。しかし彼らはややブルータル。 「純粋幾何学で感性的なものを」、そこをベースに作ってゆく。
…
ふつうに、「どデカい空間」という「だけ」でもよい。そこに良い光のトーンがあれば。アイ・ウェイウェイのアトリエの、簡素であっけらかんとした様子はすがすがしい。また、マーク・マンダース(彫刻家)の家もデカくてよい。アーティストの住まい・家に惹かれる。アンリ・マティスのアトリエでの姿を撮った写真に、その大空間を映すものがある。また、マーク・ロスコのロスコルームも。( DIC川村記念美術館、休館前に行かなくては。) → なぜか? そこには Ontology・存在論があるから。光、物質、構築・構成と美。そして、そこで家・住まいが美術作品の産出の方へ方向づけられていること。Ontology・存在論とは、たやすく詩学・Poetics と脈絡する。Poetics と存在 ―- 生成・Genesis. 人が何か形を作るときは、そのひとの存在論・Ontology的な条件が土台となる。それは言葉の体系(=概念)もそうだし、物への感受性や好みなどの身体性の問題系もそうである。
「存在の条件」は、「制作」と往還させることで、学習や訓育、創造性の系ともつながる。最終的な目標は、「善く生きること」であり、善く生きることを目指すものが「善き技術」であるとする。「善き技術」「善き生のための技術」とは、大きな広がりを持つが、私はここでそれを、詩・建築・音楽に縮約して考えていく。
・詩 → Correspondence, あわいの交感、呼吸のかさなり、相互性、呼吸の結晶
・建築→ 「詩」を基底として、詩美・静けさ、静かな形、空白、空白と恩寵、優しい光
・音楽→ 優しいトーン、ニュアンス、静けさ、空間、Atmosphere.
…
また、雑誌『住宅建築』の 鈴木恂先生 + 内木先生 ( AMS Architects )の特集号で、斜面に対して呼応する型流れ屋根の住宅について見た。鈴木恂先生のラインも、シンプリシティのラインだ。(そして、早稲田大学芸術学校のライン) 恂先生の建築物には「ジェスチュア」がある。(早稲田大学理工学部55号館 etc.) スタティックでいて、ニュアンスのあるgesture・ジェスチュア。「ジェスチュア」とは、「言語的な」動作という意味合いがつよい。つまりは、その無言なしぐさで何事かをデノート(明示・提示)している。沈黙によるデノート。これは建築「物」や、造形芸術一般にも言える。しかし、五感においてはまったく無言ではない。そこには音・雰囲気・Atmosphere もある。静寂も音感である。形の次元において沈黙しているということ。「詩(ポエマ)は世界の音楽の響く殻であり…」Octavio Paz
ここで、詩性・ポエジーについて。詩性・ポエジーとは、沈黙し流れる静寂の生命のことである。それは、人間の身体 - 世界を貫いている。古代ローマでは、音楽は天文学と近い位置にあった。そこでは、音楽は、人が奏でるものだけではなく、世界の音楽( musica mundana )についても直観し考えられていた。それは、
・世界の音楽 - 天体の音楽 (musica mundana)
・人間の音楽 (musica humana)
・器具の音楽 (musica instrumentalis)
の3区分である。( ボエティウスの音楽観 )
ここで、「人間の音楽 musica humana」とは、人間の身体の中での調和のことである。(これは古代の医術とも関連しそうだ。)これらを概括すると、世界流 - エネルギー - についての言であり、また、それは東洋医学での気功などと関連するだろう。ここで、「気功・東洋医学」のことに触れたい。西洋の物理学が「エネルギー」の概念を得たとき、その概念像は世界の実質を正確にとらえて、諸形態や諸様相間での変換の技術を得たという。しかしそれは、測定機器を用いてのことである。その「エネルギー」について身体のレベルから、「感じること」によって得た知を体系化したものが「気功・東洋医学」であった。そこでは概念像と世界の実質との符号が、身体で感じることをベースに体系化されることで生まれている。(概念像=世界モデルとは、ある種 仮設的なもので、その抽象度・具象度の度合いで適合する次元も違ってくる。世界モデルの数だけ世界はある。)
…
ここで、『気功・東洋医学的な建築』を考える。それは、物と空間の気韻生動についての問いである。気功・東洋医学では気脈の流れを扱う。それは身体と世界を「具体的に」流れている気・エネルギーの学知と実践知である。「物の構築により場所の気脈を整える」。『気功・東洋医学的な建築』を一言で言えばこれである。このことを、理論的な土台・体系をもって語る。(そのためには、自身にも気功・東洋医学への修練が必要。)
空間の雰囲気、空気感、Atmosphere, Stimmung・情緒のことを、スイスの建築家ピーター・ズントーは述べた。また、夭折の詩人・建築家の立原道造は、『方法論』にて”建築でいちばん良いものは空気”と、数名の文学者の文章から引用して述べた。詩性・Poesie とは息吹・プネウマのことでもあり、韻律化された気・エネルギーである。詩のエッセンスを建築として形にする��は、肉体と息吹、物と情、物質と空間のエネルギーについて把握せねばならない。そのとき、気功・東洋医学が善きモデルとなる。たとえば、物・素材の配列によって空気・空間の質、流れが変わること。物や素材を空間に配することで方向性や求心性が生まれる。つまり、場のディメンションが変わる。
…
ここで、土井善晴について。彼の料理についての思想は、料理の技術を土台づける初めの見立てにそのポエジーがある。「一汁一菜」でよいという思想、それは方法論ともなっている。方法論は詩学・Poetics とつながる。また、詩学は存���論・Ontology ともつながる。存在論・Ontology とは、民族的、言語的、個人の身体的な条件から成る。土井善晴による最初の見立てによる料理のように、最初の見立てからは外在的体系たる技術を取り込むことで、個々人固有の「詩学」が現れてくる。その詩学は美学的なもので、それが実践に際すれば「方法論」となる。ここでの「方法論」という個々人の感受性・コナトゥスにより貫かれた技術知である実践的詩学は、個々人により異なる形を産んでゆく。この「実践的詩学」とは、作家に必須な方法論である。
私の方法論に関して述べると、それにはいくつかのレイヤーがある。まず一番大事なのが、『詩と建築』について。これは、私自身の詩作と建築設計(��然)において成されている。その際に、両者に共通するのは「トーン」である。それは、詩の作品においては優しく柔らかなトーン、建築の作品においては「澄んだ光とモノのトーン」である。そのトーンの構築(= tone composing )を基礎づけるのが、先ほど触れた気功・東洋医学的な見方なのであるが、その脈絡から少しずれて、よりニュートラルに、西洋生理学的にそのトーンの構築を扱うときに、「クオリア」(= 感覚質)という用語を用いたい。「クオリア」とは、「言葉によって捉えられない漠然とした感じ」のことである。茂木健一郎氏の本によれば、クオリアは「言葉によって捉えられないが、言葉と同じ構造を持っている」と書かれる。(ここでは、「無意識」という心理学の用語とは脈絡させない) クオリアは言葉によって離接的にポイントされる。しかし、クオリアには言葉によって指し示すことの出来ない無名性の領域が多くある。(このことは、私の方法論にとって重要な「余白」とも関連する) クオリアは、芸術作品において縮限されている。その縮限点においてノードとレイヤーが変わる。
クオリアと縮限はどう関係しているか?情報生理学を参照?
ref.) マックス・ベンゼ『情報美学』
外材物によって内在(クオリア)が訓育される。(制作の深意)
…
ここで、「模型」の概念を。
エリー・デューリングによる「模型」の定義: 知覚可能な系に縮限された諸ディメンション
ここから、「クオリア模型」について。
クオリアオブジェクト(内在)⇆ 外在するオブジェクトのクオリア
言葉と物の変換点がクオリア
(世界の情報化?)
「クオリア模型」と「世界模型」はちがう
・クオリア模型 五感・感受性と対応
・世界模型 ex.) ベルベル人の住居 世界図式、見取り図、ダイアグラム
けれど、「建築学」や「詩学」というような、建築や詩といった外在的対象における外在的な操作と攻略が、結局、王道である。「クオリア模型」と言うことで、どのように展開できるか?
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2024.4.3wed_tokyo
4月からフリーになった。 つまり、会社員ではなくなった。 2月まではそんな予定はなく、会社に属しながら少しずつ自分の仕事をしていくつもりだったのだが、色々あって、結局いわゆるフリーランスになることになってしまった。「しまった」と書いたが、最終的には自分で望んだことだ。 というわけで、4月3日は期せずしてフリーになって3日目である。その日の出来事をつらつらと書いていく。
朝は遅い。昨夜3時近くまで仕事とも趣味ともつかない作業に没頭していたため、9時頃起床して、シャワーを浴び、朝食を済ませた時点で11時近い。できればこのくらいには外にいる予定だった時間だ。いきなり躓いたような気分になる。
ふと見たスマホで、台湾で大きな地震があったことを知る。半壊した建物の写真、知らない街の名前。まだどの程度の被害があったのかはわからないが、決して小さくないことは確かなようだ。能登の地震を思い出す。思い出す、と言う程度に自分の記憶の奥に遠ざかっていることが少し辛い。わたしにはわたしの日々があるとは言え。
結局そのあと少し仕事をして、13:00過ぎに家を出て、社会保険からの切り替えのため最寄り駅近くの役所へ向かう。まだ新しく小綺麗で、役所然とした暗さや野暮ったさがない建物だ。用件を伝え、書類を記入して提出し、しばし手続きを待つ。その間、多くの人が役所を訪れるのを見るともなく見て、その会話を聞くともなく聞く。
「海外に赴任することになったのだけど」と窓口で切り出す50歳くらいの男性。運転免許証に関する何かで訪れた20歳前後の女性。書類の書き方について、若干のイラつきと共に職員と話す60歳くらいの男性。「コンビニだと10円ですが、ここだと300円です」という女性職員の声が聞こえる。一体なんの話だ。私が待つソファーの隣には、高校生くらいの男の子が4人ほど。そのうち3人は中国語と思しき言葉で喋り、もう1人の欧米系の顔立ちの少年とは英語で会話している。
30分もかからずに切り替え手続きは終わる。プラスチックのカードだった保険証は、厚手の紙製のものになった。保険証の裏には臓器提供の意思表示用の署名欄がある。注意書きの項目には「提供したくない臓器があれば×を付けてください」とある。心臓、肺、肝臓、じん臓、すい臓、小腸、眼球。いったいどういう事情で選ぶのだろう。この記載は前のカードからあったのだが、ほとんど意識していなかったことに気づく。いろんなことを見落としている。
次は開業届を出すために税務署へ向かう。その前にいくつかメールの返信や税務署での必要書類を確認するため、駅前のチェーンのコーヒーショップへ。そこはタバコが吸える。いまだに紙巻タバコを手放せない私にとってはありがたい場所の一つだ。
いくつか確定した予定があり、カレンダーに反映する。フリーになって変わったことの一つは、Googleカレンダーでスケジュール管理をし始めたこと。メール、カレンダー、ドライブ、そして検索。Googleが急に身近になる。そういえばyoutubeもGoogleか。
15:00過ぎまで作業し、いよいよ税務署へ。外は雨。わたしはあまり傘を使わない。ナイロンの帽子を被って、撥水効果の高いジャケットを着ているので、多少の雨は気にならない。ついでに言うと、靴も防水だ。
16:00過ぎに税務署に付く。書類の書き方からよくわからず窓口の人の質問しにいくと、わたしの住所はこの税務署の管轄外であり、別のところに行く必要があるという。そういえば、以前予習をした際にそんな記載があったことを思い出す。すっかり忘れていた。
今からそっちに行ってもギリギリ間に合うかという時間だが、どうするか。ふと、今いる税務署の建物の一階が図書館だったことを思い出す。ついでだから、探している本があれば図書館の貸し出しカードを作って借りてしまおうと思い立つ。税務署は別日でも行けるので、今日は資料探しに切り替える。
運良く探していた本の在庫があったので、貸し出しカードを作って借りることにする。思い返せば、図書館で本を借りるのは学生時代以来か。図書館を見に行くことはあっても借りることは全然なかったので、新しい発見をした気分。会社員からフリーに社会的環境が変わったことをきっかけに、そんなことも知らなかったのか、ということが結構出てくるものだ。
17:00近くなり、3冊の本を借りて帰途につく。帰りがてら、普段あまり来ない駅の周辺を少し歩く。喫茶店が空いていれば入りたかったが、どこも休みや閉店済みでいいところが見つけられず。ここは運がなかった。店じまい間近な様子のパン屋さんでお土産にシュークリームを買う。一つ180円。安い。
来る時は電車だったが、帰りはバス一本で自宅近くまで行けるようだったので、少し待ち時間は長いがバスで帰ることにする。相変わらずの雨。屋根のないバス停で長時間待つのはさすがにつらい。バス停の反対側にある立派な建物の軒先で、雨宿りしながら持参した本を読む。チリの作家ベンハミン・ラバトゥッツの『恐るべき緑』という小説。実在した科学者たちを主人公に、嘘か誠かわからないような短編が並ぶ。流���に外ではあまり集中して読むことはできず、バスで続きを読む。面白い。これは面白い。バスは思ったより家から遠い場所に着いた。Googleマップは時々バス停の位置が違う気がする(またGoogleだ)。
少し買い物をして、結局19:00前くらいに帰宅。食事を済ませて、仕事に関わる作業を進め、わたしよりだいぶ後に帰宅したパートナーとシュークリームを食べ、今日の出来事を話す。台湾の地震のニュースがどんどん増えている。0:00頃ベッドに入って『恐るべき緑』の続きを読んで1:00頃眠る。最近の私にしては早い。
そんな1日だった。
あとで知ったことだが、私がバスを待つ間雨宿りをしていた建物は、日本の近代建築の巨匠・前川國男によるものだそうだ。なんとなく撮ったその建物の写真をここに載せておく。いつまでも目の前に不意に現れるものごとに驚いていたい。

-プロフィール- 工藤眞平 40歳 東京 Books and Places @bp_shimpeikudo @spt.r.r
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2023/12/01 金曜日 のあひる(あさひる兼ねた)ご飯
#おうちご飯 #meal #早餐 #午餐
プレート:ゆでたまご、茹でとうもろこし・ブロッコリー・枝豆、冷凍ぶどう(品種名不明、チリ産)、頂いた謎のチーズ、デーツ、くるみ / ケイジャンスパイス
別皿:「まるごとりんごパイ」(西友)、納豆
スープ:お湯を掛けただけ「あおさのり入りわかめスープ」
ヨーグルト:「R-1」、冷凍ベリー
納豆とアップルパイを同時に食べるという暴挙 (胃に入ってしまえば同じよっ)。アップルパイは昨日食べられなかったアレです。買ってきてすぐ冷凍したとは言え、もともとは消費期限11/27迄のものだったので子供には食べさせられないなと...(でも子供はきのう冷蔵庫に見つけて狙っていたらしい、危なかった
納豆につけるカラシには小さなこだわり(?)があって、少し辛味のつよい「和がらし」を使うことが多いです。梅とか大葉も大好き。そうだこの間買った「大葉ジェノベーゼ」を次回ためしてみよう!


トップの写真、わかめスープを勢いよく混ぜすぎてわかめがアップルパイに飛んでるぅ!!! は置いといて、��のスープお湯かけるだけでできてしまう便利な一品。ただ、あおさは単価が高いせいかちょびっとしか入ってないです。なので別途あおさだけ買ったのを追加したり、あおさでなくとろろ昆布を加えたりして楽しんでいます。ごま油たらしても美味しい。なくなったらリピートしたいけどどこで買ったか忘れた...
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世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる
遺伝子組換え作物輸入とセットで広がる
モンサント社に抗議するスイスのデモ(18日、バーゼル)
毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動をおこなっている。今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。抗議行動の高まりのなかで世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。ところがそれに逆行して日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが日本市場になだれ込んでいるといえる。ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみたい。
フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに世界中から数千人が参加した。この行動に参加したのち、「黄色いベスト」運動のデモにも合流している。フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。
フランスのロリアンでの抗議デモ(18日)
今年1月、フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止した。ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としている。このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表し、17年には米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表された。発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%とした。
同年にはカリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せた。今年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表した。
グリホサートは発がん性はもちろん、植物を枯れ死させてしまうが、同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。また、生殖に与える影響も懸念されている。精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。
ホームセンターで販売されているラウンドアップ
ラウンドアップの危険性が問題にされた歴史は古く、1996年にはモンサントが「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝していたことに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こした。2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こした。争点になったのはグリホサート使用による土壌の汚染問題で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」とした。2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められた。
2003年にはデンマークがラウンドアップの散布を禁止した。グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったことによるものだ。
2008年の科学的研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになった。代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。
2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見された。「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。
カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止した。
アメリカでは、長年にわたるラウンドアップの使用によるがん発生が広く問題になり、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたってラウンドアップを使用してがんになったとしてモンサント社を訴えていた原告が勝訴した。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。
直近の5月13日には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億㌦(約2200億円)の支払いを命じた。原告1人につき10億㌦という懲罰的賠償額は、2017年にモンサントが農薬部門で得た利益8億9200万㌦にもとづくとしている。この評決を歓迎してアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。
なお昨年8月の裁判では2億㌦(後に約8000万㌦に減額)、今年3月にも8000万㌦の賠償をバイエル・モンサント側に命ずる判決が下されている。
こうしたなかで、アメリカではすべての州でラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始されている。ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。
次々モンサントを告訴 判決は賠償命じる
フランスでも今年4月、控訴裁判所がモンサントのラウンドアップの一世代前の農薬ラッソーによって農民に神経損傷の被害を与えたとして、モンサントに有罪判決を下した。
ちなみにラッソーは1980年代にアメリカでもっとも多く売られていた農薬だったが、危険性が問題になり米国環境保護局が発がん性の可能性を認め、フランスを含むEUでは2007年に禁止した。だがアメリカと日本では使われ続けている。日本では日産化学が「日産ラッソー乳剤」として現在も販売している。
フランスはラウンドアップに対しても、今年1月に個人向けの販売を禁止した。政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。
さらに養蜂農家の協同組合がラウンドアップに汚染されたとしてバイエル・モンサントを訴えている。ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。
2014年にはスウェーデンやノルウェーがラウンドアップの使用を禁止した。オランダ議会は2015年末でグリホサートの使用禁止を決めた。ブラジルでも2015年連邦検察官が司法省にグリホサートを暫定的に使用禁止にするよう求めた。ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国は2~3年後には禁止すると表明している。
スリランカ政府は2014年、ラウンドアップの販売を禁止し、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含む土壌でラウンドアップを使用した場合、飲料水やコメを通して重い慢性腎不全の原因となるとの研究報告を受けてのことだ。
ロシアも2014年4月、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。アラブ6カ国も使用禁止に踏み切っており、ベトナムなどアジア5カ国やマラウィはグリホサートの輸入禁止を決定している。エルサルバドルやチリ、南アフリカ共和国などもラウンドアップの販売を禁止するか禁止に向けて動いている。
流通業界では、昨年8月の���メリカでの判決を受けて、イギリスの流通大手がラウンドアップの販売禁止の検討を始めた。アメリカに本社を置くスーパー・コストコも今年4月、ラウンドアップの仕入れと販売をすべて中止することを発表した。コストコは世界に約768の大型店舗があり、日本にも26店舗ある。
別名で店頭に並ぶ日本 政府が「安全」とお墨付き
このようにラウンドアップの危険性への認識は世界的に拡散されており、店頭でラウンドアップが簡単に手に入るのは先進国では日本ぐらいになっている。
世界中からはじき出され行き場を失ったラウンドアップが日本市場に一気になだれ込んできており、除草剤では売上トップの座を占めている。日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。
日本政府はすでに世界的に危険性が明確になっていた2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和だ。しかもこのことをマスコミは一切報道しなかった。これによってグリホサートの残留基準は中国の基準の150倍になった。中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。
また、ラウンドアップの主成分であるグリホサート剤はすでに成分特許が切れており、さまざまな名前で同剤が販売されている。そのなかには住友化学園芸の「草退治」などがある。
ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。
モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発したのは、ラウンドアップに耐性のある農作物をつくり、セットで販売するためだった。ラウンドアップの販売促進は遺伝子組み換え作物導入とセットでもある。日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。
モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万㌧に及ぶ。その半分以上(1600万~1700万㌧=日本のコメの生産量の約2倍)は遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを目で見て、肌で感じて」ほしいと豪語している。
こうしたモンサントの要求に��えて、日本政府はモンサントの遺伝子組み換え作物をアメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。
モンサント社(昨年ドイツのバイエル社が買収)はアメリカのミズーリ州に本社を構える多国籍バイオ化学メーカー。除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。
ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、日本市場になだれをうって持ち込まれている。国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益をモンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。
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世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる
遺伝子組換え作物輸入とセットで広がる
モンサント社に抗議するスイスのデモ(18日、バーゼル)
毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動をおこなっている。今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。抗議行動の高まりのなかで世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。ところがそれに逆行して日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが日本市場になだれ込んでいるといえる。ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみたい。
フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに世界中から数千人が参加した。この行動に参加したのち、「黄色いベスト」運動のデモにも合流している。フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。
フランスのロリアンでの抗議デモ(18日)
今年1月、フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止した。ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としている。このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表し、17年には米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表された。発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%とした。
同年にはカリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せた。今年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表した。
グリホサートは発がん性はもちろん、植物を枯れ死させてしまうが、同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。また、生殖に与える影響も懸念されている。精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。
ホームセンターで販売されているラウンドアップ
ラウンドアップの危険性が問題にされた歴史は古く、1996年にはモンサントが「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝していたことに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こした。2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こした。争点になったのはグリホサート使用による土壌の汚染問題で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」とした。2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められた。
2003年にはデンマークがラウンドアップの散布を禁止した。グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったことによるものだ。
2008年の科学的研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになった。代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。
2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見された。「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。
カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止した。
アメリカでは、長年にわたるラウンドアップの使用によるがん発生が広く問題になり、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたってラウンドアップを使用してがんになったとしてモンサント社を訴えていた原告が勝訴した。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。
直近の5月13日には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億㌦(約2200億円)の支払いを命じた。原告1人につき10億㌦という懲罰的賠償額は、2017年にモンサントが農薬部門で得た利益8億9200万㌦にもとづくとしている。この評決を歓迎してアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。
なお昨年8月の裁判では2億㌦(後に約8000万㌦に減額)、今年3月にも8000万㌦の賠償をバイエル・モンサント側に命ずる判決が下されている。
こうしたなかで、アメリカではすべての州でラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始されている。ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。
次々モンサントを告訴 判決は賠償命じる
フランスでも今年4月、控訴裁判所がモンサントのラウンドアップの一世代前の農薬ラッソーによって農民に神経損傷の被害を与えたとして、モンサントに有罪判決を下した。
ちなみにラッソーは1980年代にアメリカでもっとも多く売られていた農薬だったが、危険性が問題になり米国環境保護局が発がん性の可能性を認め、フランスを含むEUでは2007年に禁止した。だがアメリカと日本では使われ続けている。日本では日産化学が「日産ラッソー乳剤」として現在も販売している。
フランスはラウンドアップに対しても、今年1月に個人向けの販売を禁止した。政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。
さらに養蜂農家の協同組合がラウンドアップに汚染されたとしてバイエル・モンサントを訴えている。ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。
2014年にはスウェーデンやノルウェーがラウンドアップの使用を禁止した。オランダ議会は2015年末でグリホサートの使用禁止を決めた。ブラジルでも2015年連邦検察官が司法省にグリホサートを暫定的に使用禁止にするよう求めた。ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国は2~3年後には禁止すると表明している。
スリランカ政府は2014年、ラウンドアップの販売を禁止し、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含む土壌でラウンドアップを使用した場合、飲料水やコメを通して重い慢性腎不全の原因となるとの研究報告を受けてのことだ。
ロシアも2014年4月、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。アラブ6カ国も使用禁止に踏み切っており、ベトナムなどアジア5カ国やマラウィはグリホサートの輸入禁止を決定している。エルサルバドルやチリ、南アフリカ共和国などもラウンドアップの販売を禁止するか禁止に向けて動いている。
流通業界では、昨年8月のアメリカでの判決を受けて、イギリスの流通大手がラウンドアップの販売禁止の検討を始めた。アメリカに本社を置くスーパー・コストコも今年4月、ラウンドアップの仕入れと販売をすべて中止することを発表した。コストコは世界に約768の大型店舗があり、日本にも26店舗ある。
別名で店頭に並ぶ日本 政府が「安全」とお墨付き
このようにラウンドアップの危険性への認識は世界的に拡散されており、店頭でラウンドアップが簡単に手に入るのは先進国では日本ぐらいになっている。
世界中からはじき出され行き場を失ったラウンドアップが日本市場に一気になだれ込んできており、除草剤では売上トップの座を占めている。日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。
日本政府はすでに世界的に危険性が明確になっていた2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和だ。しかもこのことをマスコミは一切報道しなかった。これによってグリホサートの残留基準は中国の基準の150倍になった。中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。
また、ラウンドアップの主成分であるグリホサート剤はすでに成分特許が切れており、さまざまな名前で同剤が販売されている。そのなかには住友化学園芸の「草退治」などがある。
ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。
モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発したのは、ラウンドアップに耐性のある農作物をつくり、セットで販売するためだった。ラウンドアップの販売促進は遺伝子組み換え作物導入とセットでもある。日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。
モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万㌧に及ぶ。その半分以上(1600万~1700万㌧=日本のコメの生産量の約2倍)は遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを目で見て、肌で感じて」ほしいと豪語している。
こうしたモンサントの要求に応えて、日本政府はモンサントの遺伝子組み換え作物をアメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。
モンサント社(昨年ドイツのバイエル社が買収)はアメリカのミズーリ州に本社を構える多国籍バイオ化学メーカー。除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。
ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、日本市場になだれをうって持ち込まれている。国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益をモンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。
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小野正裕氏|中央銀行の緊縮の立場と短期インフレ予想
回復力のある世界経済は猶も足を引きずり、格差は拡大
ソフトランディングの確率は高まったが、成長の見通しは数十年ぶりの低水準にある
世界経済は、パンデミックやロシアのウクライナ侵攻、生活費高騰の危機から回復し続けている。振り返ってみると、世界経済の強靭性には目を見張るものがある。戦争によってエネルギーと食料市場が混乱したほか、数十年ぶりの高インフレと闘うための前例のないほどの金融引き締めにもかかわらず、経済活動は鈍化しながらも停滞はしなかった。それでも、成長率は依然として低く、地域によってまちまちである。そして格差は広がる一方だ。 世界経済はなんとか前進しているが、勢いは弱い。 MFの最新の予測によると、世界経済の成長率は2022年の3.5%から今年には3%、来年に2.9%へと鈍化していく。2024年の数値は7月時点の予測から0.1%ポイント下方改定された。これは歴史的な平均を大幅に下回る。
総合インフレ率は引き続き減速しており、2022年の前年比9.2%から今年は5.9%、2024年は4.8%となる見込みだ。食品とエネルギー価格を除くコアインフレも、よりペースは遅いものの、低下する見通しで、来年に4.5%になると予測されている。ただ大半の国は2025年まで、インフレ率が目標に戻らないとみている。
結果として、経済見通しはソフトランディングのシナリオとますます一致。つまり、経済活動が大きく低迷することなくインフレが落ち着く可能性が高い。失業率の上昇が限定的となる(3.6%から2025年までに3.9%)見通しの米国では特にそうだ。
ただ確かな格差が現れており、一部の地域は経済活動がパンデミック前の予測を大幅に下回る。経済の失速は、新興市場国・発展途上国よりも先進国の方が鮮明だ。先進国では、消費と投資が底堅かった米国の見通しが上方改定された一方、ユーロ圏の見通しは下方改定された。多くの新興市場国が予想外のレジリエンスを示した。中国が例外で、不動産危機と信頼感の低下により逆風が強まっている。
ここには3つの力が働いている。
サービス業��ほぼ完全に回復しており、サービス業中心の国を支えてきた強い需要がここに来て、軟化している。 信用環境のタイト化が住宅市場や投資、経済活動を圧迫している。変動金利型住宅ローンの割合が高い国や、家計が貯蓄に手を出す意欲が低い、もしくはその余裕がない国では特にそうだ。一部の国では企業破綻が増えている(ただそれまでは歴史的に低い水準にあった)。各国は現在、利上げサイクルにおいて異なる段階にある。(日本を除く)先進国ではピークに近付いている一方、ブラジルやチリなど利上げをもっと早く始めた一部の新興市場国はすでに緩和し始めている。 インフレと経済活動は、昨年の一次産品価格のショックによって形作られている。ロシアからのエネルギー輸入に大きく依存している国では、そうでない国よりもエネルギー価格が大幅に上昇し、経済もより大幅に鈍化した。コアインフレ圧力は、ユーロ圏ではエネルギー価格の上昇を反映した部分が大きいのに対し、米国では労働市場のひっ迫を反映している。
先進国の労働市場は、軟化の兆しはあるものの、失業率が歴史的な低水準にあることが経済活動を支えており、依然として好調である。実質賃金はインフレに追いつきつつあるが、賃金物価スパイラルの兆候はあまりない。さらに、多くの国で賃金の散らばりが大幅に縮小した。この縮小は、高所得者にとって柔軟なリモートワークの快適さの価値が高く、こうした高所得者層の賃金圧力が軽減されたことを反映している。
リスクの測定
銀行セクターで見られた深刻な混乱などの極度のリスクは4月以降、和らいでいるが、リスクは依然として下振れ方向に傾いている。
中国の不動産危機が激化し、複雑な政策課題を突きつけている。信頼を回復するには、経営難に陥っている不動産開発業者を速やかに再編し、金融の安定を維持し、地方財政のひっ迫に対処する必要がある。
中国の不動産価格が急激に下落すると、銀行や家計のバランスシートが悪化し、金融面での波及効果が深刻となりうる。一方、不動産価格が恣意的に押し上げられると、バランスシートはしばらくは守られるものの、他の投資機会が阻害され、新規建設が減り、土地の売り上げ減少を通じて地方政府の歳入に悪影響が及ぶ為いずれにせよ、中国経済は信用主導型の不動産成長モデルから機軸を移す必要がある。
一方、気候や地政学的なショックに伴い一次産品価格がより不安定になる可能性があり、これはディスインフレーションの深刻なリスクとなる。OPECプラス(石油輸出国機構加盟国と非加盟産油国)が供給削減を延長したことを背景に、石油価格は6月から9月下旬までに約25%上がった。その後は再び約11%下落している。食料価格は高止まりしており、ウクライナでの戦争激化により一段と混乱する可能性がある。そうなれば多くの低所得国が一層の困難に直面する。地経学的分断化もまた、重要な鉱物などの一次産品の価格が地域間でますます広がる要因となった。私たちの世界経済見通しの第3章で指摘するように、これは、クライメート・トランジション(低炭素社会の実現に向けた移行)などのマクロ経済上の深刻なリスクとなりうる。
そして、基調的インフレ率と総合インフレ率はともに落ち着いてきたものの、依然として高過ぎる水準にある。短期インフレ期待は、現在はピークをつけたもようだが、目標を大きく上回っている。世界経済見通しの第2章で詳述するように、インフレとの闘いに勝つためには、こうした短期インフレ期待を後退させることが重要である。
さらに、多くの国で債務水準が高く、資金調達コストが上昇しており、成長が鈍化し、政府の資金需要と利用可能な財源のミスマッチが拡大する中、財政バッファーが損なわれている。これにより、危機への脆弱性が高まっている国が多く、財政リスクを管理することの重要性が改めて浮き彫りになる。 最後に、最新の国際金融安定性報告書で詳述するとおり、金融引き締めにもかかわらず、多くの国で金融環境が緩和している。危険なのは、特に新興国市場においてリスクが急激に再評価されることで、米ドルがさらに上昇し、資本が流出し、借入コストと過剰債務が増大することである。
政策の優先事項
私たちの基本シナリオでは、中央銀行が緊縮的なスタンスを維持し時期尚早の緩和を避ける中で、インフレが後退し続ける。ディスインフレが確実に進行し、短期インフレ期待が低下しインフレ目標に近付けば、物価安定への取り組みを維持したまま政策金利を徐々に下げることが適切となるであろう。 財政政策は、弱者を守りつつエネルギー補助金の撤廃などを通じて財政バッファーを再構築する必要がある。これはディスインフレーションも促進する。昨年は、パンデミックの緊急財政措置の多くが解除されたため、財政政策と金融政策が同じ方向を向いていたが、今年は前年ほど両者の間に整合性が見られなくなった。最も懸念すべきは、財政が大幅に悪化した米国である。米国の財政政策はプロシクリカルであってはならない。インフレサイクルのこの段階では特にそうだ。 また、視野を中期的な見通しに戻さなければならない。中期見通しは悪化し、新興市場国と発展途上国を中心に、世界経済の成長見通しは弱い。その影響は深刻である。先進国の生活水準との格差を縮めるペースがずっと遅くなること、財政的余裕が減ること、債務の脆弱性とショックへのエクスポージャーが増大すること、パンデミックと戦争による傷跡を克服する機会が失われることなどだ。
成長率の低下と金利の上昇、財政余地の縮小を踏まえると、構造改革が鍵となる。より高い長期的成長は、ガバナンスとビジネス規制、対外セクターに焦点を当てた一連の改革から慎重に導入していくことによって達成できる。これらの 「第一世代」 改革は、成長を解き放ち、その後の改革 (信用市場の改革なりグリーン経済への移行なり)をより効果的なものにする一因となろう。 多国間協力は、各国が確実に成長を押し上げることに資する。世界貿易機関のルールに反し、国際貿易を歪めるような政策を避けるべきである。そして、各国は、農産物および、クライメート・トランジション(低炭素社会の実現に向けた移行)に必要となる重要な鉱物の流通を守るべきである。このような 「緑の回廊」 は、ボラティリティを低下させ、グリーン経済への移行を加速させるのに役立つであろう。 最後に、すべての国は、共通の繁栄に向けた進展を妨げる地経学的分断を食い止めるべきだ。透明性と政策の確実性を高め、ルールに基づく多国間の枠組みへの信頼を回復するために取り組まなければならない。十分な資金を備えたIMFを中心とする強固なグローバル金融セーフティネットが不可欠である。
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20230912
0912 きままなTV・メディア情報です(不定期刊)
「ラグビー日本代表W杯初戦 チリ戦視聴率19.7% 『VIVANT』『ポツンと』目玉並ぶ中」(SPONICHI)
「日本生命、広告にジャニーズタレント起用せず『見送りドミノ』加速」(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20230911/k00/00m/020/193000c
「日産、サントリー、日本生命 J事務所と新規契約結ばず 花王などは継続 対応分かれる」(報知)
「ジャニタレCM打ち切り『被害に遭っていたら2度苦しめることになる』」(読売)
「神尾楓珠が“クアトロ主演”3人目!多部・松下と初共演CX木10『いちばんすきな花』」(ニッカン)
「米著作権当局、生成AI『Midjourney』で制作した優勝作品の著作権保護を拒否」(ITmedia)
「TVの『街で外国人観光客に聞きました』にヤラセはない?“ニッポンすばらしい”ばかり」(ゲンダイ)
「『VIVANT』は『半沢直樹』を超えられるか?~視聴率だけでなくマネタイズ重視TBS新戦略~」(鈴木祐司/Yahoo!)
「堺雅人『VIVANT』好評で早くも続編決定 キャストも続投で、放送は2年後」(女性自身)
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2240722/
「J事務所との取引やめないTV各局に告ぐ『今すぐジャニ担を廃止せよ』、鎮目博道氏が提言」(弁護士.com)https://www.bengo4.com/c_18/n_16487/
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我が国の未来を見通す(71)
『強靭な国家』を造る(8)
歴史から学ぶ「知恵」の適用(その3)
宗像久男(元陸将)
──────────────────────
□はじめに
この度の自衛官候補生による発砲事件は、自衛隊を
退職して14年も過ぎた一OBの立場からしても、
とてもショックで、心が痛み、やるせない気持ちに
させる事件でした。言うまでもなく、たとえその動
機がいかなるものであっても、武器の使用が認めら
れている自衛官が万が一にも絶対に起こしてはなら
ない事件であるからです。
犠牲になられた二人の隊員に心よりご冥福をお祈り
申し上げますとともに、負傷された隊員にお見舞い
申し上げます。陸上自衛隊は調査委員会を立ち上げ
たようですので、警察の調査と協力して、事件発生
に至る原因と様々な角度から背景の解明、そして再
発防止を徹底してもらいたいと願いながら、それら
の全容が明らかになるのを見守りたいと思います。
この事件によって、全国津々浦々の自衛官たちの意
気消沈は想像を超えていると思いますが、事件の影
響により、陸上自衛隊が前向きのエネルギーを失い、
組織力の低下につながることがないよう切に祈りた
いと思います。
▼「相応の力を持つ」──気候変動・エネルギー問
題
話題を戻しましょう。現下の情勢から、“最悪”の
事態を視野に入れて、「相応の力を持つ」ことは、
エネルギー問題にも求められることは間違いないと
考えます。つまり、エネルギーの自給率を向上する
など、未来永劫にわたるエネルギーの安定確保体制
を維持することが求められています。
確かに、国際社会を挙げて気候変動対策が求められ
ていることから、20��0年まで地球上の「脱炭素」
を推進するとしても、それまでの過度期にあっては、
再生エネルギーの供給不安定性と化石燃料の供給不
足、そしてそれに伴う価格高騰が経済不況やスタグ
フレーションと重なって、エネルギー争奪戦を引き
起こすリスクがあるといわれています。
現に、ウクライナ戦争の結果、そのような“悪夢”
がすでに現実のものになっていますが、米国コロン
ビア大学のジェイソン・ボードフ教授らはこの過度
期のエネルギーをめぐる新たな地政学を「グリーン
大動乱」と呼称して警鐘を鳴らしています。
このたび、我が国においても「GX(グリーントラ
ンスフォーメーション)」を推進するための法律が
可決されましたが、その目標に向かいながらも今後
30年間近く、化石燃料と原発と再生エネルギーの
最適な組み合わせに加え、世界に先駆けたエネルギ
ー分野の「イノベーション」も求められることは必
定です。
その意味では、先のG7広島サミットにおいて、
(あまり話題にはなりませんでしたが)日本の主張
が他の6カ国と違っていたにもかかわらず、それが
反映された声明がありました。まずは「脱炭素」化
の手法です。焦点となっていた石炭火力発電の廃止
時期が盛り込まれず、石炭火力にアンモニアを混ぜ
て燃やしCO2排出量削減を図る「アンモニア混焼
の導入」が掲載されました。英国やカナダなどが
「それではCO2削減効果が不十分」と批判する中
で、日本の主張を反映されたのです。
また、電気自動車など走行中にCO2を排出しない
ゼロエミッション車(ZEV)の数値目標導入をめ
ぐっても米国や英国と日本の意見は対立しました。
これらの背景に、我が国は太陽光発電などの適地が
少なく再生エネルギー発電を増やしにくいという事
情があるに加え、アンモニア混焼や低燃費車の技術
はG7の中で日本が最も優れていることから、我が
国には珍しく、安易な妥協に踏み切らなかったので
す。
「グリーン大動乱」も予想される中にあって、エネ
ルギー自給率の低い我が国が最優先すべきは、
(「脱炭素」の早急な達成よりも)“安定的なエネル
ギー源の確保”にあることは論を俟ちません。この
たびのG7サミットにおいて、我が国は、国の向か
うべき方向を明確にしたことは評価できると私は考
えます。
加えて、私自身もこの技術については最近詳しく知
ることになったのですが、読者の皆様は「ペロブス
カイト太陽電池」という名前をご存じでしょうか。
厚さ1マイクロメートル(0.001ミリメートル)
ほどの���薄のフィルムに「ペロブスカイト」と呼ば
れる結晶の構造をした物質を塗ることで太陽光を電
気に変えることができるという“優れモノ”で、桐蔭
横浜大学の宮坂力特任教授が発見した日本発の技
術です。
このフィルムは、従来の太陽光パネルに比べて厚さ
100分の1、重さが10分の1と薄くて軽い上に柔軟性に
優れているため、折り曲げて設置することができ、
これまでは重さがネックとなって設置できなかった
ビルの壁面や建物の屋上、さらに曲面の部分にも貼
り付けることができます。
実は、もっと重要なことがあります。「ペロブスカ
イト」という結晶構造の主な原料はヨウ素だという
ことです。我が国の国土の地下にはヨウ素を豊富に
含んだ地下水があり、ここからヨウ素を取り出すこ
とができるため、我が国はチリに次ぐ世界2位のヨウ
素生産国になっています。つまり原料を国内で調達
できるということです。よって、これが広く普及す
れば、我が国は、再生エネルギーに関して、現在の
ように“生殺与奪の権利”を外国に握られないです
むのです。
ただ、残念ながら、実用化まではまだ少し時間がか
かるようです。特に、現時点ではフィルムの劣化が
激し過ぎて、すぐ使い物にならなくなるとのことで、
フィルムを保護する技術の実用化が急がれています。
現在、関係企業、大学、東京都などが連携して世界
に先駆けて実用化を目指していますが、諸外国も最
優先して国家投資を行ない、実用化に向けてしのぎ
を削っています。宮坂教授に言わせると、「我が国
と諸外国では開発費の投入に雲泥の差がある」との
ことで、この分野の「人材育成がカギ」と述べて
“現状”に不満を漏らしています。
岸田総理も先日、テレビで「ペロブスカイト太陽電
池」という名前を口にされていましたので、その存
在はご存じなのでしょう。そうであれば、他に優先
して、政府が率先して実用化に向けた最大限の投資
をすればよいと誰もが考えますが、政府が本気にな
っているという声は聞こえてきません。
我が国は再生エネルギー分野においては悲しい歴史
があります。従来の太陽光パネルにおいて、我が国
は2000年代前半まで世界トップのシェアを誇っ
ていたのですが、中国との価格競争に敗れて次々と
撤退し、すでに紹介しましたように、今では世界シ
ェアの大半を中国に奪われてしまったのです。
それだけに、関係者は日本発のフィルム型太陽電池
で巻き返し、世界の新たなスタンダードを作りたい
と意気込んでいるようですが、私自身は、先日のテ
レビで、宮坂研究所がその製造プロセスを惜しげも
なく“公開”していたことに疑問を感じながら見入
っていました。
この“脇の甘さ”も重なって、またしても、我が国
発祥で、純国産の原料で実用化が可能な「ペロブス
カイト太陽電池」においても、中国など他国に追い
抜かれ、“後れを取る可能性がある”と言わねばな
らないのです。
ウクライナ戦争や米中の対立などで原材料のサプラ
イチェーンや供給網の強化が課題となっている中、
経済安全保障の強化という観点からも国策として
「ペロブスカイト太陽電池」の早期実用化に向かっ
て万全を期すべきと考えます。
気候変動、なかでも「脱炭素」政策に関する実行の
可能性や問題点などについてはすでに詳しく触れま
したので省略します。先日、エネルギー分野で仕事
をした経験を有する有識者と率直な意見交換をする
機会がありました。私が「我が国のエネルギー自給
率は12%」と述べると即座に「原発の再稼働がな
ければ、4%のみ」と即答され、改めてその厳しい
実態に驚愕しました。
2010年代以降から今般のウクライナ戦争に至る
間に、フクシマ、CO2、自然の気まぐれ、ロシア
のリスクまで、原子力、石油・石炭、再生エネルギ
ー、天然ガスのいずれのエネルギー源も大きなリス
クを露呈しました。このことは、すべての熱源や電
源をバランスよく使用しなければ、エネルギーの安
定確保は持続しないことを意味しており、このたび
人類は、ドイツをはじめとする欧州列国のように、
“エネルギーの安全保障なしに「脱炭素」の取り組
みは挫折する”ことを学びました。
エネルギー資源小国の我が国にとっては、この事実
がさらに重くのしかかることは自明です。エネルギ
ー分野においても、「相応の力を持つ」ために、ゆ
めゆめ“策の優先順位”を間違えないことが肝要で
す。
そのためにも、様々な分野の基金の乱立を見直すと
ともに、「脱炭素」に向けて15兆円もの税金を投
入して、“バラマキ”のような政策を即刻中止して、
これまで触れたような「原発再稼働」「核融合技術」
などに加え、「ペロブスカイト太陽電池」の実用化
など、“我が国の存立を左右する”「イノベーショ
ン」に特化して、国策として取り組むべきでしょう。
当然ながら、これらの技術は、結果として「脱炭素」
にも貢献し、国際社会に対する約束も果たすことが
できるため、国内外への説得力は確保できると考え
ます。政府の決断と政策の早期実行や望まれます。
次回以降、歴史から学ぶ「知恵」の3つ目である
「時代の変化に応じ、国の諸制度を変える」という
“難題”について、我が国の未来に向かっていかに
適用するか、について考えてみましょう。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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細長いチリ産グレープ🍇🇨🇱甘くて美味しい🤗 #grape #チリ産グレープ #costco #葡萄 #種無しぶどう https://www.instagram.com/p/CNUkj7Ugr8G/?igshid=2td8u589itu9
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今日のブランチー! ・ #鯖とパセリのチーズトースト🍞 #チリ産ぶどう🍇 #カリフォルニアオレンジ🍊 #アイスカフェラテ🥃 #モッコウバラ🌼 #おうちごはんlover #Todaysblunch #cyuley ・ GW明けて今日から日常!と言うても GW中と何ら変わらず😌 ダンナは在宅ワークやけど現場から お声かかれば行かなアカン😗 会社には来るなだがしかし現場には 行きなさいという…😷 ご飯作らなアカンのは大変やけど 外から変なもんもらって来られては 困るのがじゃ🥺 まだまだ警戒は続きますね😢⤵⤵⤵ ・ なう(2020/05/07 午後1:47:16) https://www.instagram.com/p/B_369RUAsCA/?igshid=64uc18vdkfj3
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紙にも沼が有るのか
久しぶりに昭和時代の紙を扱う機会が有ったのだけれど、独特な匂いがするよな。 昭和の紙は平成になってからもしばらく使われていたので、この匂いの中で過ごした記憶が蘇り知らない人にとっては何だか煙臭いとしか思わないかもしれないが、オレにとっては思い出の匂いになっている。
余談だが、紙の品質は今が一番良いと勘違いしている人が多いのだが、良いのは「白さ」と工業的均一性だけで品質そのものは必ずしも全てにおいて勝っている訳ではないのだ。
未だに伝統工芸士の中では江戸時代の紙が最高品質とされ根強い人気が有る。この時代の紙は大量生産ではなく「手すき」で作り上げられた和紙で、現代人が手すきの技法を使って作成した和紙とも異なる特質が有るらしい。 さらには江戸時代には紙は使い捨てではなくチリ紙に至るまで回収業が存在し、買い取って黒ずんで紙として利用できなくなるまで再生利用したらしい。もしかしたら紙がどちらかと言うと布に近い位置付けで、品質にも自信が有ったのだろか。紙一つと言えども、なかなか侮れない深さが有る。
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2024.2.7wed_gifu
6時過ぎ、目を覚ました後小さい地震があった。 ボーボ猫がなうなう言ってくる。 5時には起きる夫が先にご飯をあげてるにも関わらず、ボーボは鰹節をかけて欲しい。
今日も外は雪景色。雪つも 月曜日の雪はだいぶ解けたけど、朝には解けた水が凍ってつるつるになる。
お湯を沸かす。顔を洗って着替える。
なうなうボーボは外に出たい。こんな雪なのに外出たら猫雪だるまになるよ、それでも行きたいのね。 外に出るとボーボはぴょんぴょん子猫みたいにはしゃいで楽しそうだ。
2階からだっこして降ろして欲しい双子を1人ずつ降ろす。 てい先生が子どもの要求にはなるべく応えた方がいいですよって言ってた。もし「ひとりで降りられるでしょ」って突き放すと子どもはどうやったら親が自分の要求に答えてくれるか考えて、更に駄々こねたり赤ちゃん返りしやすいんだと。 そうやな、今しかだっこさせてもらえないもの。
双子のお着替え 好みも分かれてきたので、保育園へもお揃いの服は着てくれなくなった。 娘①のおっちは薄着派でスカートやドレスが好き。 娘②のまっちょはハート柄やピンクがお気に入り。 あの手この手おばけや鬼を使ってお着替え完了。
朝ごはんはパン。今日は父ちゃんお休みの日だからパン。 卵アレルギーを克服チャレンジしている双子にもスクランブルエッグ。ウインナー入ったやつ。 わたしはサマハン入りのコーヒー。 カレーとコーヒー同時に飲んでる感じで、体ぽかぽかになって好きなのですが、勧めた人誰も共感してくれない。
そこでボーボが外から帰ってくる。

冷えた猫を抱っこしてなでなで。
ふたごちゃんは食べたら保育園出発までタブレットで動画見ていいよ〜
保育園へGO 車で子たちの好きな歌をかけてわたしが大声で歌いながら、つるつる凍った道を行く。 子の好きな歌を腹から声出してノリノリで歌うの好き。元気になれるね。 ふたごの皆さん〜降りてください〜こちらが保育園です。どうぞ! バスガイドさんの気持ち。
保育園へ預け、家に帰る。 お仕事。 PEKI!RARIGONのお仕事は時間がある時は朝と昼と子どもたちが寝た夜やっている。 夜できないことを朝やって、朝できないことを夜やる。
今日は京都の雑貨店、HIRAETHさん���作品を発送する。

家を出たら久しぶりの双子ママ友と遭遇。 身近に双子ちゃん結構いるので、みんな子育てそれぞれ大変やけど共感できることも多くて心強い。
昨夜梱包を済ませておいた箱を抱えて郵便局。
別のお店へサンプルを送るので、お土産を選びに古川へ。前に頂いたお菓子のお返し。 でも行こうと思ってたお店は定休日だった。がーん。
車を走らせながら景色を眺める。

春になったら宇津江の公園行きたいし、お野菜も買いたいし植えたいし、野草も採りたいし、楽しみがたくさん。 飛騨の冬は長いけど、静かに自分と向き合いながら春を待つ季節が好き。
戸棚に閉まっていた球根の水栽培も芽を出し蕾も出てきた。

帰宅後、作業。 七宝の土台の銅板を切る、トントンカンカンして、焼きなまし、酸洗い。 二条城に納品予定の作品のろう付け。

夏のグループ展向けの作品の構想を練る。 デザイン画ってうまく描けないけどラフスケッチを描く。頭の中でぐるぐる。色やデザインが浮かぶ。 もう手を動かした方が早いと思い、真鍮板を切り出す。

Dr.コトーの映画を流しながら作業してたら、コトーが倒れて重症患者のオペになって、柴咲コウが産気づいてて、よく分からなくなって途中で観るのをやめ���。
さて、お昼。休日の夫は蔵にこもってドラマ観てた。 敷地にある蔵は父ちゃんの情熱を注ぎ込んだ男のロマンが詰まった秘密基地。 そこにはカホンを叩く彼の防音設備にごたわった音楽スタジオと2階にご自慢のホームシアターがある。 たまに一緒に映画を観る。 飛騨には映画館がないから嬉しい。
家に戻ってきた夫は出かけついでに外食するらしい。 わたしは残りもののカレーに納豆かけて食べるというか、飲む。お義母さんの漬けたカブのお漬物が好き。 わたしの食事は10分で済み、夫とたわいもない話しする。夫は出かける。
朝の作業の続きがしたくて、また作業部屋にこもる。 ろう付けと下引き。
集中して疲れたので少し寝た。 掃除機かけたいけど、疲れたし昨日かけたからもういいや。
15時半にはふたごを迎えに行く。 園で雪遊びした興奮が残っているのか、ハイテンション元気いっぱいのふたり。
家に着いて、お庭を雪散歩。

わたしは晩ごはんの準備。 ふたごはおままごとやお医者さんごっこで遊んでいる。 まっちょがお医者さん「次の方どうぞ〜!」 わたしが診てもらう。熱を測ってすぐ注射される。「痛いよ〜」って泣きまねすると、「大丈夫ですよ♡」と注射の跡に飛行機のシールを貼ってくれた。
珍しく今日は動画を見せてと言わないので、童謡を流しておく。
気がつくと、ボーボにおもちゃの聴診器が付いていた。

それを持ってお散歩ごっこをする。
外はまた雪が降ってきた。

お風呂は夫の係。お風呂でふたごはスーパーボールで遊ぶ。
夕食はぶり大根と白菜とちくわ煮たやつと人参サラダ、味噌汁など。 おっちはご飯3杯おかわりした。 あの手この手おばけや鬼を使い、食事をなんとか終わらせて、お着替え。 絵本の時間。休みの日に行く図書館で借りた本たち。今回は節分もあったから鬼の話が多め。 3歳ふたごちゃんは最近は結構長いお話も聴いてくれるようになった。 歯磨きして、19時45分。2階の寝室へ。
子どもたちが寝る前にぷよぷよゼリーのお話をする。 ぷよぷよゼリーのお話とはわたしが即興でつくるふたごの登場するお話。 チリとチリリみたいなおとぎ話をイメージする。 ふたごがいろんな場所へ行くと現れるぷよぷよゼリーの存在。今日は何味?どんな色? 実はぷよぷよゼリーはかいじゅうでした〜 という感じでわたしも話しながら頭をほぐして瞑想する。
ふたごと寝る前のバイバイ。だいすきよ。 夫と話したりボーボ猫と遊ぶ。 20時過ぎ。 よし、これからの時間はPEKI!RARIGON夜の部。
-プロフィール- manna 35歳 飛騨高山 PEKI!RARIGON・主婦
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