#だまし絵ブラウス
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◇TWINSET(ツインセット)◇ブラウスが入荷しました。 定価:49,500円(税込) 弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/643-340-117/ 素材: (本体1)レーヨン100% (本体2)ポリエステル100% カラー:ホワイト×ブラック サイズ: 42:総丈約62cm、肩幅約39cm、袖丈約66cm、バスト約107cm、ウエスト約104cm 44:総丈約63cm、肩幅約40cm、袖丈約67cm、バスト約112cm、ウエスト約108cm (平置きの状態で測っています。) レースプリントのトロンプルイユブラウス。 実際はレーヨンジョーゼットでレースは全てだまし絵です。 近くで見ても非常にリアルでレースにしか見えない素晴らしいグラフィック。 リボンタイは縫い付け。 襟元と袖口カフスがバイカラーデザイン。 マスキュリンなフォーマル感が可愛いです。 様々なインナーに活躍しそうです。 同柄のパンツとシャツドレスも御座います。 ★パンツ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/643-360-158/ ★ドレス⇒http://www.gallery-jpg.com/item/643-301-058/ ※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。 ※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。 ⠀⠀// 🗣 いいね・保存・コメント大歓迎!ご来店お待ちしております! \\ ━━━━━━━━━■アクセス□━━━━━━━━━ なんばCITY本館の1階 大阪難波郵便局側から入って1軒目 靴のダイアナ(DIANA)の隣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Gallery なんばCITY本館1階店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1階 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】7月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected]
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こんばんはの日記
9/22 こんばんは。笑ったり、泣いたりして、わあ、よかったねえ。生きています。私はからだのなかにある水をほとんど涙に使っているくらい、とっても泣き虫なのです。へへへ。
9/23 こんばんは。通院日でした。いつも悩むのですが、診察でなんと言ったらよいのか分からなくて、げんきです、と言ってしまう。最近、こころのかたちがわからない。
9/23 こんばんは。お気に入りのブラウスにアイロンをかける。明日から、おでかけです。ねむれますように。
9/26 こんばんは。旅行から帰りました。しずかな音楽と、本と、やさしいひとからのお手紙と、それから、それから。言葉にするのにはもうすこし、という、おみやげたち。
9/27 こんばんは。こころが浮いたり沈んだりして、どこかへ行ってしまうのではないかと、わたしのものではないみたいで、かなしい。おだやかに沈んでいきます。
9/28 ごはんが食べられない。夜は眠れない。コーヒーが飲めない。上手にできないことがいくつもあるね。生きています。
9/30 こんばんは。航空券を予約した。お手紙を書いた。haruka nakamuraさんの音楽を聴いている。すこし、体調がわるい。おだやかな一日。
9/30 こんばんは。旅をしてきます、またね。
10/2 こんばんは。夜行バスで神戸へ。本と毛糸を買い、帰ってきました。帰りは空の旅でした。やさしいひとが飛行機のなかで聴けるようにとつくってくれたプレイリストを聴きながら、ぼろぼろ��泣いた。たのしい旅でした。
10/3 こんばんは。夜は、映画を観て、歌集を読み、ときどき片付けをして、日記を書く。そのように過ごしたいと思います。あなたの夜も、おだやかに。
10/5 こんばんは。仕事を辞めてから、自信がなくて、浮かんだり沈んだり、ときどき、おどったりしています。ひつじの絵がかきたい。
10/6 こんばんは。毎晩、ゆきちゃんを抱きしめてねむる生活が馴染んできて、うれしい。ゆきちゃんも、そうだったらいいと思う。お家にきたころは、おそるおそる、抱きしめていた。
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美術モデル
1. 貸しスタジオの扉に『三田美術教室』の張り紙がありました。 美術モデルのお仕事は初めてです。 扉を開けて大きな声で挨拶。 「こん��ちわっ。『アルパカ』から来ました!」 中には女の人が二人、床に座ってお弁当を食べていました。 二人とも食べかけのサンドイッチを口に頬張ったまま、驚いた顔でこちらを向いています。 女の人のうち、一人は年のいった感じ。 明るい色のチュニックにスキニーなジーンズ姿。この人が三田先生ですね。 もう一人はずっと若い女の子。 白いブラウスとグレーのプリーツミニスカート。ブラウスの胸には校章っぽい刺繍。高校の制服? 「あ、モデルさんですか!? 三田静子です。こっちはお手伝いのれいらちゃん」 「玻名城(はなしろ)れいらです。今日はどうもありがとうございますっ」 二人は立ち上がって挨拶してくました。 「『アルパカ』の谷村彩智です! ・・お食事中みたいですけど、もしかして私、時間間違いました?」 「そうですね、まだ1時間くらいありますね」 ありゃ、やっちゃったみたい。 「そうだ、谷村さん。よかったら一緒に食べません?」 「いいんですか?」 「どーぞどーぞ。作り過ぎて余りそうだったんです」 れいらさんが勧めてくれたランチボックスには美味しそうなサンドイッチが。 今日はバイトのシフトが忙しくてお昼ご飯を食べていませんでした。 ぐーっ。 大きな音でお腹が鳴って、お二人がくすりと笑いました。 ・・ 「美味しいです! これ、れいらさんが作ったんですか!?」 「はい。あたしの手作りですっ」 「れいらさんの名字、えーっと」 「玻名城です」 「そうそう、ハナシロさん。珍しい名字ですよね。沖縄みたいな感じで」 「おじいちゃんが沖縄なんです。変わってるけど、すぐに覚えてもらえるから得ですよ」 「ほんとだ。私もう覚えちゃいました。玻名城れいらさん」 「れいらさん、じゃなくて、れいらちゃんって呼んでくれたら嬉しいです」 「だったら私のことも彩智って呼んでください」 「はい、サチさん!」 れいらちゃん、元気で礼儀正しい子。 制服のミニスカートから伸びる太ももが眩しく見えます。 うちのチームに誘いたいくらい。 「れいらちゃん、やっぱり高校生ですか?」 「高校2年生17歳です。 ・・彩智さん、どうして高校生がこんなところにいるのって思ってるでしょ」 「はい。大人向けの教室だと思ってました」 「美術教室は15歳から参加できるんですよ」 三田先生がおっしゃいました。 「そうなんですか」 「美大の進学希望者には普通にヌードデッサンだってやらせてますし」 「え」 2. 急に黙り込んだ彩智さんが可愛いかった。 高校生でもヌードを描くって知らなかったんだろうね。 あたしも1度だけ参加させてもらったことがある。 同じ女とはいえ全裸のモデルさんを間近で見るのはけっこう刺激的だったな。 ���今日は着衣のクロッキーですから、ヌードはお願いしませんよ」 三田先生が言った。 「そうですか。よかったぁー」 「谷村さん。美術モデルのご経験は?」 「いいえ、ありません」 「普段は何をなさってるんですか?」 「『アルパカ』はチアダンスのチームなんで本業はダンスです。お仕事はイベントのアシスタントやらポスターモデルやら節操なくやってますけど」 「じゃあ驚いたでしょう。こんな依頼で」 「はい。チアリーダーのクロッキー、はまだ分かりますけど・・」 緊縛、だものね。 「うちのメンバーは全員成人してますがR18の仕事はしません。でも美術教室のモデルなら挑戦しようってことになりまして」 「嬉しいわ、偏見なく受けてくださって」 「これでもドキドキしてるんですよ」 「あの、」 あたしも質問した。 「そのチームって何人もいるんですよね? そこから彩智さんが来たのは理由があるんですか?」 「ああ、それは私が一番年上の古株だから。まだ24ですけど。・・それと、」 彩智さんは少し恥ずかしそうに答えた。 「一番適性があるのは私だと、私以外の全員一致で決まりまして」 「まあ、適性ですか? 緊縛の?」 「はい。どういうことかさっぱり分からないんですけど」 「うふふ」 先生が笑った。 「おかしいですか?」 「いえ、ごめんなさいね」 どうして先生が笑ったのか、あたしにも何となく分かった。 彩智さんって、あたしより7つも年上だけどかなり奥手な人じゃないかな。 3. 「そろそろ設営しましょう」 三田先生とれいらちゃんが準備を始めました。 スタジオの中央にシートを敷き、その周りに椅子を並べるのです。 その間に私は着替えです。 用意してきた衣装はセパレートの赤いチア服。そこへ同じ色のヘアバンドを着け、シューズを履いて準備完了。 「彩智さん足長いですねー。身長いくつですか?」 「170です」 「うわーっ、羨ましいなー!」 会場のセッティングが済むと、三田先生が段取りを説明してくださいました。 「前半はフリーでポーズをとってください。3分ごとに5ポーズ。それを2セット」 「えっと、ポーズの間は動かないようにするんですよね」 「ええ。ムービングといってゆっくり動くクロッキーもありますが、この教室ではやりません。不慣れでしょうけど静止ポーズでお願いしますね」 「了解です」 フリーポーズの撮影は今まで何度も経験しています。 でもずっと動かないのは初めてでした。 チアの格好いいアクションを見せてあげたいけど、ジャンプやタンブリングは無理みたいですね。 「細かい指図はしませんので自由にお願いします。ただ、」 「?」 「最初は無理のないポーズがいいかもしれませんね」 そうか。3分って案外長いかも。 私、ずっと静止していられるかしら? でも何事も挑戦だよね。 「はい。やってみます。・・それから後半は、」 「緊縛です。ワンポーズ約30分。これは生徒さんの出来具合で少し長くなるかもしれません」 れいらちゃんが横から答えてくれました。 「ポーズはこっちで決めますからご心配なく」 「分かりました。頑張ります」 「彩智さん、緊縛も初めてですか?」 「初めて、です」 「怖いですか?」 どきっとしました。 私をまっすぐ見るれいらちゃんは笑っていませんでした。 彼女が急に大人びて見えました。 「怖いです。・・いいえ、怖くないです。うん多分、怖くない。大丈夫・・です!」 「彩智さんって面白いですね」 4. スタジオに美術教室の生徒さんが集まった。 退職して趣味で絵を描いているおじさん。仲良し主婦の二人組。勤め帰りのお兄さんと大学生のお姉さん。そして高校生で美術系志望の女の子が二人。 全部で7人。 皆さんクロッキー会は慣れているので、静かに椅子に座りスケッチブックを開いて待っている。 三田先生は後ろの壁際。 そしてあたしはストップウォッチを持ってタイムキーパー。 チアのコスチュームに赤いポンポンを持った彩智さんが出てきた。 真中のシートの上に立つと、正面を向いて片足を一歩前に出し、胸を張って両手を腰に当てた。 何だか凛々しい。さっきまでのほんわかした雰囲気はすっかり消えていた。 「では1セット目、始め」 全員が一斉に鉛筆を走らせる。 「3分過ぎました。ポーズを変えてください」 彩智さんの身体がすっと沈んだ。 長い足が前後に伸びて完璧な180度開脚。柔らかい~! そのまま前屈して両手を左右に広げる。 「はい、次のポーズをお願いします」 今度は立ち上がって右腕を真上に突き上げた。 反対側の膝を胸まで引き上げて静止する。 彩智さんは3分ごとにポーズを変えた。 とてもしなやかで、それでいて全然ぶれない。 体幹っていうのかな、すごく鍛えているのが分かった。 最後のポーズでは、右足一本で立ったまま、左足を後方に曲げた。 高く反り上がった爪先を肩の後ろで掴み、そのまま頭の上まで引き上げる。 「うわ~」生徒さんたちの間から声が出た。 床についてぴんと伸びた右足と、美しく反り返った上半身と左足。 片足立ちで逆海老のポーズ。 それでぴたりと静止してマネキンみたいに動かない。 あとで聞いたら、スコーピオンとかビールマンとか呼ぶポーズなんだって。 5. 「びっくりしましたー!! すごく綺麗で柔らかくて」 れいらちゃんが褒めてくれて、私はにやっと笑います。 人前でモーション(ポーズ)を披露するのはやっぱり楽しいですね。 「さすがプロですねー」 「ありがとー。でもチアダンスでご飯は食べれないから、もっぱらアルバイトで生きてるんだけどねー」 「えーっ、信じられない」 5ポーズ×2セットのクロッキーが済んで今は休憩時間です。 私は後半に備えてストレッチ。 スタジオでは皆さん総出でシートと椅子を片付けています。 どうやら後半は各自が椅子ではなく床に座って描くようでです。 次のポーズ���いよいよ緊縛。 そういえば、私を縛る人はどこにいるんだろう? 「あの、緊縛をする方は来られないんですか?」 「縄師さんのことですか? ・・この教室、���師を呼ぶほどの余裕はないんですよね」 「じゃあ、三田先生が縛るんですか?」 「あたしが縛ります」 え、れいらちゃんが!? 「結構上手ですよ。任せてください」 れいらちゃんは手に持った紙袋の中を見せてくれました。 綺麗に束ねた薄緑色のロープがたくさん入っているのが見えました。 6. あたしは小学校の頃から三田先生の造形美術教室に通っていた。 去年から大きな人向けの美術教室が始まって、そちらのお手伝いもするようになった。 美大に行けるほどの実力はないけど、絵を描くのは好きだった。 女の人を縛る緊縛は、造形美術教室のOBのお兄さんが教えくれた。 そのきっかけは3年前の事件だった。 たまたま一人で三田先生のところへ行ったら、先生の前でお兄さんがお兄さんの彼女さんを緊縛していた。 そのときあたしは中学2年だったけど、ぎちぎちに縛られた彼女さんを見ても全然引かなかった。 それどころか、うわーキレイって思っちゃったんだよね。 三田先生は緊縛とかセックスとか、そういう事柄を全然タブーと思わない人で、あたしが緊縛を教わることも公認してくれた。 「御両親がOKしてくださるなら構わないわ。ただし、れいらちゃんが大人になるまで他所では絶対に縛らないこと」 あたしはお兄さんの弟子になって、彼女さんを縛らせてもらったり、あたし自身が縛られたりして勉強した。 (ちなみにこの彼女さん、美人で素敵なお姉さんで、あたしも大好きな人なんだ) 今では一人で縛って大丈夫と太鼓判を押される腕前にはなっている。 クロッキー会の緊縛は今日が初めてだった。 三田先生にダメ元で提案したら、縄を掛けた人体はいいモチーフね、是非やりましょう!と言ってモデルまで探してくれた。 7. 「彩智さん、さっきみたいにキリっとした顔してください」 「無理ですぅ」 皆さん、思い思いの場所でスケッチブックを開いています。 何人かはもう描き始めているようです。 れいらちゃんに縛られるところまでクロッキーされるだなんて、聞いてないよぉ~。 「両手を前で揃えてくれますか?」 「はい・・」 れいらちゃんは私の手首にロープを巻くと、あっという間に縛ってしまいました。 しっかり締まっていて、ぜんぜん緩みません。 「動きますか?」 「動きません」 「じゃここにお尻をついて座ってください。あ、もう少し右に寄って」 「?」 「先生、巻き上げお願いします」 低い音がして、縛られた手首が上に引かれました。 !! 天井に小さなウインチ(巻き上げ機)があってロープを引いているのでした。 あ、あ、あ。 手首が頭の上まで上がって止まりました。 「もう少し上げてください」 手首がさらに上がりました。 吊り上げられる感覚。 ああ、いったい何なの、この気持ちは? 「彩智さん、もう逃げられないって思いますか?」 「・・思います」 「そう思ってもらえると嬉しいです。次は足、縛りますね」 足も縛られるんですか。 右の足首にロープが縛りつけられました。 そっちにもウインチの音。 右足が前方に引き上げ��れます。 「すみません、少しだけお尻を前に滑らせてください」 え? れいらちゃんに言われる前に、右足と一緒にお尻が引かれて私は前にずりりと滑るのでした。 これで両手と右足を吊られた状態。 「無理に踏ん張らないでロープに身を任せてください」 「は、はい・・」 踏ん張ってるつもりなんかないんですけど。 「あとは左足」 ひえぇ。 左の膝を折って縛られ、さらに同じロープの続きで左の足首と右の膝を合わせて縛られました。 右足に連結された左足。 もう手も足も動かせません。自由を奪われたことを実感します。 私、制服の女子高生に縛られた。
「完成です。これだけで4分もかかっちゃった。手際が悪くてすみません」 「いえ、そんな」 「でもあたし、彩智さんのこと理解しました」 「?」 「彩智さんって、確かに適性がありますよね」 「適性、ですか?」 「ええっと、つまり、こんな風に縛られて感じてしまうマゾな人だってことです」 「!!!」 顔面がぼわっと熱くなりました。 私、わたし、制服の女子高生にマゾって言われた。 8. あたしが彩智さんの側から離れると、三田先生が立ってコメントした。 「緊縛ポーズは滅多に描けない貴重なモチーフです。時間は長めに取りますから、モデルさんの雰囲気を掴んでたくさん描いてください」 あたしはストップウォッチをスタートさせる。 時間は30分。 彩智さんにはちょっと長い時間かもしれないな。 「・・れいらちゃん、あなた最後に何をささやいたの?」 先生に聞かれた。 「いえ、特に何も」 「谷村さん、始まったばかりなのに耳まで真っ赤にして、最後まで耐えられるかしら」 「大丈夫です。被虐性が高すぎて混乱してるけど、体力のある人だから壊れてしまうことはないはずです」 「その話し方、イッくんに似てきたわねぇ」 「そうですか?」 イッくんってのはOBのお兄さんのことだ。 「そのセリフだけ聞いたら、れいらちゃんが高校2年生とは誰も思わないでしょうね」 「お褒めいただいて光栄です」 ぷっ。 先生が吹き出した。 「本当に、イッくんそのものだわ!」 「えへへへ」 「れいらちゃんが大丈夫というなら放置しましょう。それに多少は苦しんでくれた方が生徒さんも描き易いだろうし」 「先生、ドS」 「あら、そうかしら?」 7. スタジオの中は静かです。 聞こえるのは皆が鉛筆を動かす音と、ときおり誰かが立ち上がって場所を移動する音だけ。 ああ、れいらちゃんも描いている。 れいらちゃんは床に膝と手をついて猫みたいな恰好で私を描いていました。 少しお尻が痛いかな。でも大丈夫。 手首と足首のロープに身を任せるよう意識したら楽になりました。 れいらちゃんの言った通り。 それよりも私の気持ちの方が大丈夫じゃない感じがします。 縛られて、見られている。 縛られて、絵に描かれてる。 そう思うと、たまらなくなります。 もどかしくて、切なくて、胸が張り裂けそうになります。 「マゾな人」れいらちゃんに言われました。 認めたくないけど、マゾだ私。 縛られて、見られて、こんな気持ちになって、確かにマゾなんだと実感しました。 「あと10分です」 三田先生の声が聞こえました。 「モデルさんの表情が変わってきたのは分かりますか? ・・よーく見て、彼女がどんな気持ちでいるのか想像しながら描くように」 ああ、先生。 そんな解説されたら、私、もう。 8. 「お疲れ様でしたー!」 「いやぁ、面白かったです」「今日は本当に勉強になりました」「描いててドキドキしました~」 生徒さんたちが挨拶して帰って行く。 「大成功でしたねー」 「ええ、れいらちゃんがここまでできる子になってくれて嬉しいわ」 「私、先生の教室にもう10年いるんですよー。できないと思われたら困ります」 「そうだったわねぇ」 「あとは彩智さんですね」 「そうね」 三田先生と一緒に更衣室へ行くと、彩智さんがチア衣装のまま座っていた。 どこか陶然とした表情で自分の膝と手首を撫でている。 彩智さんの膝と手首には縛られた痕がくっきり刻まれていた。 「彩智さん、もう大丈夫ですか?」 「あ、れいらちゃん・・」 「それ、条痕っていうんですよ。人を縛ると肌に残る痕です。愛しいでしょ?」 「え、じょうこん?」 彩智さんは条痕に乗せていた手を慌てて振り払った。 「そんなことありませんっ」 「素直になってください。彩智さんが支配された痕跡なんですよ?」 彩智さんの顔がまたまたぶわっと赤くなった。 「・・はい。愛おしいです」 「それを触るとどんな気持ちになりますか?」 「・・胸がいっぱいになります」 「谷村さんっ、ホントいい子ねぇ~! 嬉しくなっちゃうわ!!」 三田先生が彩智さんを正面から抱きしめた。 そのまま熱烈にキスをする。彩智さんは逃げられない。 「んっ、ん~!!」 彩智さんの二番目の「ん」は裏声になっていた。 「それ先生の癖なんです。気にしないでくださいね」 9. 女の人からキスされたのは初めてでした。 男性とキスの経験もないので、これは正真正銘私のファーストキスになります。 まあファーストかどうかはともかくとして、三田先生のキスはとても甘くて鮮烈で、私は再びぽよよんと脱力してしまったのでした。 ・・ ようやく元気になるとれいらちゃんが言いました。 「今日は初めての緊縛クロッキーなので簡単な縛り方でした」 「あれで簡単だったんですか?」 「はい。次は高手小手とかホッグタイとか、もっと本格的な緊縛で行きたいと思っています」 縛り方の名前は分からないけど、今日よりもずっと厳しい緊縛だとは想像できました。 「そのときは彩智さん、また来てくれますか?」 「いいんですか? 私なんかで」 「彩智さんにお願いしたいんです。あたし、彩智さんのこと大好きになりましたから」 れいらちゃんはそう言ってにっこり笑いました。 三田先生も微笑んでいます。 「こちらこそお願いします。喜んで縛られに来ます」 「よかった! ・・そうだ、これを」 れいらちゃんはスケッチブックにはさんでいた鉛筆画を取り出しました。 あのとき彼女が描いた私でした。 「これを彩智さんに」 手足を縛られたチア服の女性。私、こんなに綺麗だったのか。
涙がこぼれそうになりました。 「れいらちゃん、ありがとう!!」 「ええっと、この絵は彼氏には見せない方がいいと思います。男性ってつまらないところで疑り深いでしょ?」 「はい?」 いえ、残念ながら彼氏はいないんです。 「お付き合いしている人がいないのなら、彩智さんが一人えっちするときのおかずに使ってください」 !!! 「実は、彩智さん独り身じゃないかってうすうす思ってまして、そのつもりで描いたんです」 三田先生がけらけら笑い出しました。 ひ、ひとりえっち。 たまにします。 この絵見て、いろいろ蘇って、ムラムラして、一人えっち。 ・・しない自信、ありません。 「か、活用させていただきます」 「大切に使ってくださいね!」 ああ、私、最後まで制服の女子高生に翻弄されるようです。 れいらちゃんは誇らしげに胸を張っていて、三田先生は笑い続けていました。 二人を前にどう反応したらよいのか分からず、ただ私はもじもじするだけでした。
~登場人物紹介~ 谷村彩智(たにむらさち):24歳。チアダンスチーム『アルパカ』のメンバー。美術モデル初体験。 玻名城れいら(はなしろれいら):17歳、高校2年生。美術教室の生徒兼お手伝い。 三田静子:59歳。元中学美術教師。三田美術教室を運営。 赤いチアリーダーの緊縛と緊縛デッサン会。 どちらも以前書いたことがありますが再び登場です。 実はAIに描かせた緊縛絵の中に赤いチア服があって、昔の嗜好が再燃したのでした。 本話では語り手が二人いるので、本文の文字色を分けています。 赤が彩智さん。青がれいらちゃんです。分かりますよね? 主人公の彩智さんはチアダンスのプロです。でも24歳にして男性経験皆無。 チアのポーズを格好良く決める姿と、れいらちゃんに縛られるときの天然M女っぷりを私好みに描きました。 彼女はこの仕事で初めて自分の性癖を自覚しました。 きっとこれからは、ぐっと色っぽくなってすぐに彼氏もできるのではないでしょうか。 れいらちゃんは『多華乃の彼氏』で小学4年生だった女の子です。 7年経って高校2年生になりました。 本話では緊縛の縛り手ですが、縛られる方もきっと拒まないはず。作者的には使い勝手のいいキャラです^^。 また別のお話で活躍させたいですね。 そして、OBのお兄さんとその彼女さんはもちろんあのカップル。 今では25~6歳くらいになっているはずです。 本話に登場させることも考えましたが、当たり前にサラリーマンをしてそうでプロットが浮かびませんでした。 れいらちゃんの再登場があれば改めて検討することにします。 上記のように挿絵は今回もAI生成です。 思い通りの緊縛はなかなか描いてくれないので、一部を自分で描いて mask 機能で取り込みました。 それでも腕と手指は変な造形だし、生成を繰り返すうちに縄の色は薄緑にww。 挿絵としてなら満足ですが、単品の作品で通用する品質ではありませんね。 変化の激しいAIイラスト生成の世界。今や時代は LoRA らしいです。 自分の環境では使えませんし、そもそも出生の怪しい LoRA を使うのは道義的に躊躇します。 私自身は当分、旧式の方法で細々とやっていくつもりです。 2枚目の鉛筆画は無料の変換サービスで生成したものです。 さて、AIで生成した挿絵からお話を作るシリーズ(シリーズにしたつもりはありませんが結果的に^^)。 次はイリュージョンを描かせてみたいものですね。 どうやったら描いてくれるのか、まだ全然分かりませんが。 それではまた。 ありがとうございました。 [2023.8.10 追記] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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毎週日曜日は先週の大きなひとこま絵日記です。
1週間を1ページにコツコツ描いていくスタイルで、2021年1月から始めて、123週目になりました。
#大阪 の教室で、お客様がご持参された #ファーバーカステル の #ポリクロモス 。
94歳で他界されたお母様が、30年くらい前に愛用されていたものだそう。
思わず写真を撮らせていただきました。
ホテルで一休み。
コーヒーと #ザボトルオーブン さんの #スコーン 。
こちらのスコーン、大好きなんですよね。
全部の教室を終え、次の日 #伊丹空港 から飛行機で帰��。
空港のレストランで見かけたイミテーションのフルーツ。
元気カラーで元気、元気。
松江に帰ったら、近所をお散歩。
#アマリリス の大きなお花、 #ホタルブクロ 、 #タチアオイ の仲間かな?
それからスペースがなくてちっちゃくなっちゃいましたが、 #ブラウス を1枚買いました。
これでこの夏の買い物は終わり。
なんだけど、
パンツがもう1本あるといいのかな?と悩み中。
#art #drawing #pensketch #watercolor #sketchjournal #絵日記 #スケッチジャーナル #ペンスケッチ #水彩 #透明水彩 #1日1絵 #イラストグラム #今日何描いた #今日何描こう #絵を描く暮らし
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わざわざのある長野県東御市でも、ついに桜が満開となりました! まさに春爛漫という感じで、問touのある『芸術むら公園』では多彩な草花が咲き誇っています。
本日から問touでは #石徹白洋品店 ポップアップイベントが始まりました。 今月24日(月)まで開催しています。
今週末4月8日(土)・4月9日(日)は、石徹白洋品店の平��馨生里さん、平野彰秀さんに問touにお越しいただき、直接接客販売していただきます。貴重なこの機会にぜひご利用くださいね。
3月から取り扱いをはじめた「越前シャツ」「はかま」「たつけ」「かるさん」をはじめ、ワンピース、ブラウス、パンツ、ソックス、絵本など約130点ほど販売します。
草木染や藍染めの1点ものも並びますので、ぜひ店頭までお越しいただき、一つ一つ手に取ってご覧ください。
▼耳を傾け、服を作る。石徹白洋品店 https://wazawaza.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=2848554
岐阜県郡上市白鳥町にある「石徹白(いとしろ)」。岐阜県の奥美濃のさらに奥、福井県との県境に位置する、縄文からの集落です。この集落では古くから、直線裁断・直線縫いの服作りが受け継がれてきたといいます。
この石徹白に伝わる知恵や、直線裁断・直線縫いの服作りを学び、次の世代に伝えていく活動を続けているのが「石徹白洋品店」(いとしろ ようひんてん)です。
「石徹白の集落に伝わる服の素晴らしさをより多くの方に知っていただきたい、よりたくさんの方に作っていただきたい」という思いから、その魅力をお伝えするポップアップイベントです。
・・・・・・・・・・・・・・・ ▼わざわざオンラインストア https://waza2.com/
▼わざわざのパン・お菓子 https://kinarino-mall.jp/brand-2482
▼【限定クーポンが届くかも】メルマガ登録はこちら https://wazawaza.shop-pro.jp/secure/?mode=mailmaga&shop_id=PA01189522
#パンと日用品の店わざわざ #わざわざ #wazawaza #問tou #東御市 #東御市カフェ #石徹白洋品店
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◆ゴルチェリバイバル FUZZI(フッジ)2025年春夏コレクション 受注会◆ 開催期間:7/1(月)から16(火)まで 開催場所:Gallery なんばCITY本館1階店
★ブラウス 価格:37,400円(税込) ★パンツ 価格:74,800円(税込) スリーブレスのブラウスと、モザイクタイルを壊したような柄のパンツ。 抽象的な柄と街並みをミックスしたグラフィックはゴルチェでも登場しています。
ジャンポール ゴルチェのソフトチュールを長年製作している、『FUZZI』の受注会を開催致します。 現在、ゴルチェのプリントソフトチュールは再評価が高まり、韓国アイドルのブラックピンク、歌手のビヨンセやデュア リパ、ファッションモデルのケンダル ジェンナー等、海外の著名人がこぞって着用しています。 2003年には、映画「MOONCHILD」でHYDEも着用。 ゴルチェに長年携わってきた、ファクトリーブランドならではの縫製技術を御手に取って頂けます。 特許こそ取っていないものの、世界中のどこを探しても無い素材と技術です。 その境地は他のブランドや工場では到達出来ません。 ジャンポール ゴルチェのパリコレ作品のリバイバルとも云えるアイテムを同素材、同型、同工場、同職人で生産する世界で唯一のブランドです。 2010年頃のゴルチェのインポートと比べて2/3くらいの価格です。 国内では弊社でしかほぼ入手不可能です。 イタリアからの絵型、モデル着用画像を御覧頂き、オーダーを受付致します。 サイズは38(XXS)から48(XL)までオーダー可能。 御客様の為に生産した商品がマイナーカラー&マイナーサイズで有れば、世界で1着の商品に成る可能性も非常に高いです。 ※商品の御渡しは2025年の3月から4月予定。 受注会において御客様からオーダーを頂いた物のみ輸入されます。 是非この貴重な機会に御越しください。 御来店、御待ちしております。 【オフィシャルブランド解説】 『フッジ(FUZZI)』社は元来、1954年にアデル バッチアーニ フッジによって設立されたイタリアのニット、カットソーメーカーでした。 1971年に娘のアンナ マリアがフッジに事業に参加し、1983年にはジャンポール ゴルチェとライセンス契約が交わされました。 1985年にはファッションデザイナーのジャンポール ゴルチェと共にマドンナのツアー衣装を手掛ける様になりました。 それはやがて1990年の『ブロンド アンビション ツアー』で��実し、ローリングストーン誌を以って「精巧に作り上げられたセクシャルで挑発的な狂想曲」と評されました。 このトップモードによる巨大なエンターテインメントは「1990年で最高のコンサートツアー」として認知され、その後のマドンナのイメージを決定づけました。 フッジはゴルチェとのコラボレーション以後、多くのトップブランドのライセンス契約、コラボレーションを実現し続けています。 ライセンス契約ではモスキーノ、マルタン マルジェラ、ヒューゴ ボス、ロメオ ジリ、アズティン アライア等です。 FUZZI社製の全面プリントソフトチュール作品。 ゴルチェのソフトチュールファンにとってはこれ以上のリバイバル品はございません。 ⠀⠀// 🗣 いいね・保存・コメント大歓迎!ご来店お待ちしております! \\ ━━━━━━━━━■アクセス□━━━━━━━━━ なんばCITY本館の1階 大阪難波郵便局側から入って1軒目 靴のダイアナ(DIANA)の隣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Gallery なんばCITY本館1階店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1階 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】7月無休 8月22(木) 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected]
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#ジャンポールゴルチェ#jeanpaulgaultier#パワーネット#ソフトチュール#フッジ#受注会#チュールカットソー#チュールドレス#ドレス#DRESS#チュールパンツ#プリントチュール#デュアリパ#ブラックピンク#ビヨンセ#ケンダルジェンナー#マドンナ#マルタンマルジェラ#トロンプルイユ#タトゥープリント#メッシュカットソー#カットソー#プリントカットソー#プリントドレス#プリントワンピース#ボディスーツ#レギンス#カシュクール#ジャンポールゴルチエ#ボトム
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入院してステロイド点滴始まって、咳楽になった。
腫瘍詳細はまだ検査中。
せやけど、院内カフェ、タリーズで買ったドリップコーヒー飲めたり、
体凄く楽になったよ。
院内コンビニのキーコーヒーのドリップ詰め合わせも買っとこう。
タリーズのドリップ、200ml淹れられてありがたいけど、お昼頃に150ml位飲みたくなるやん。
自分の体や境遇が楽やと、
もっと苦しんでる人見て来たし、食事制限の人とかにも会って来たし、
そんな人が楽になる様に、祈る。
真言数珠で、不動明王真言、稲荷真言。
喉楽になって真言唱えられる様になったら、
かなーり違う!
真言はサンスクリット語の音写やから、意味は秘伝でも「音」に力が籠もっとるからさ。
マントラは良いのよ。
祝詞も神様に捧げる「歌」らしいの。
カトリック教会好きで(プロテスタントも行ってた)、教会行ってた時期は讃美歌歌うの大好きだったから。
祝詞や真言は合うとるねん。
ヨーガマントラもね。
あ、入院中にベイビーのカーディガン届いて感動。
このロココドレスっぽい開きなんやけど、見た時、滅茶苦茶着たい!…でもデザイン着にくいかも…
思たけど、
実際、手に取ってみると、流石のベイビークオリティ。
綿100%で滅茶苦茶、肌触り良い、
前リボンまでサテンかと思ったら、多分、綿をサテンに見える様な加工で、すっごい柔らかいリボンで、手触りナチュラルなのよ。
めっちゃ着やすそうなの実物(今入院着やから試着まだやねん)。
これ普通ーに、ワンピースの羽織や、ボトムジーンズでも合うやーんこれ、て感じ。
中、ブラウスだとせっかくのデコルテ見せロココ風デザインが崩れるから、カットソーとか、デコルテ開いてるブラウスのが良いかなと。
スカート、ベイビーのパステルブルーか、アリパイのベージュ系柄か、シンプルに黒かな。
普通メーカーのチュールスカートや、ラベンダーのシフォンロングスカートめっちゃ合いそう。
靴、ダイアナのビジュー付いたピンクパンプスか、他のパステルブルーパンプス、パステルグリーンパンプス、フォーマル黒でも何でもOKかも。
ロココな感じでコーディネートやとネックレスはチョーカーやね〜。
チェーン短めのネックレスとか。
ヴィンテージのオレンジムーンストーンのが良いかな💕✨
チョーカー、エルメスのジャンボ好きだけど、あれゴシックになるのよ。
黒コルセットとかだと合うんやけど。
フランス革命後のレカミエ夫人とかの様なシュミーズドレスにスパイスにサディスティックなチョーカーと言うコーディネートなら良いんだけど。
レカミエ夫人とかのチョーカーはギロチンラインの意味(怖ッ、超ゴシック、参考文献、中野京子「怖い絵」)。
ロココやともっと甘いチョーカーやね、
サテンリボンで作れるよ。
ピンクのサテンリボンで作ろ〜、ラベンダーも良い。
ロココ風コーディネートのアイデアいろいろくれるのは、
ソフィア・コッポラ「マリーアントワネット」。
コッポラは父ちゃんコッポラのファンなんだけど、父ちゃんコッポラも「地獄の黙示録」全員、非正規ばりばりのミリタリーファッションお洒落やからね…。
この監督親子、お洒落好きよ…。
ソフィア監督「ヴァージンスーサイズ」好きで。
「マリーアントワネット」ね、適度に現代的な感覚をファッションに入れてて充分参考になるの、実は。
マノロブラニクの靴、日本メーカーで履きやすくて手が出る価格でデザイン似てるのダイアナでした(爆)。
ダイアナ良いよ…めちゃ履きやすい。
メイク用品もあのピンクのチーク可愛くて、…キャンメイク…?やったかいの…、
今持ってないからどこのか忘れた、プチプラでああいう発色するの見つけました、薔薇ピンク。
キルスティン・ダンストの出待ちアントワネット、普通に可愛いんだが。
休憩のお煙草、この格好だと異様にロックでパンク。
私は減煙したので、1ミリを朝晩、たまに昼、家でしか吸わなくなった。
今入院中、特に無くても平気。
「少年メリケンサック」みたいに飴で良いよー。
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ダンスニスタを聴くと、いつも思いだすのが、会社で(サボりに近いのだけど、1500円ぐらいの弁当くれるし)、IT系のカンファレンスとか行けたりするから(勉強みたいなかんじで)、その日は行くことにしたの。 それで、渋谷の普段は行かない側のほうの区画にその会場があったから歩いて行くんだけど、あんまり人のいない信号で、信号待ちしてたら、凄い背の高い(おまわりさんが見上げるぐらいの背の高さ)鳥居みゆきって感じの顔の男の人が対向側で「手を上げろ」って言われて手をあげて、その下に3人のおまわりさんがいて、おそらく連行されるだろうって場面をみたの。 その絵面が衝撃的で、今でもはっきり覚えてる。 それを思い出すの。この歌を聴くと。
♪やたら背の高い女がいてさ、
腰のあたりが 俺の顔くらい
顔は完全に鳥居みゆき氏で、背は180どころか190はあったと思うんだけど、それにハイヒー���に革ミニスカートで真っ白いブラウスに真っ赤な口紅でおかっぱって感じ。それで、眼が見開いてるっていうか瞬き一つしないっていう。表情が抱っこちゃん人形みたいなそういう感じだった。
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今日も休みだったので、久しぶりにこの時のメイクした。
結構盛れてる気がしてうれしい。いつもアイライン入れずに単色でささっとやって終わるからwこれはアイメイクちょっと凝った感じになるから一気に可愛く見える気がする。
キャンメイクのちいさいパレットマットカラー&ロムアンドのラメライナーで作った。ラメライナーめちゃくちゃ簡単やから神やわ。
生地買いに行ったら、昨日見てた写真載せたやつが売り切れててびっくりした。はやっ!なんか洋裁なんてあんまりみんなやらんやろうしなーとか思ってたから。びっくり。でも確かにクッソ安いもんなあ。2m400円は。カーテン生地は普通に残ってた。ブルー系や薄紫のやつ、ジャンパースカートにしたらかわいいかも!もちろん、カーテン生地だからしっかり裏地つけるつもり。裏地見かけたけど裏地も静電気防止のやつ安かったなあ。
まあお金持ってくの忘れたから最低限の買い物だったけどもね。結局2m生地一枚しか買ってないし。でも家にもほんとに金ないから、もう最低限の買い物で済ませればいいや!って感じ。
とにかくおうち時間を大事にしたいなと思っている今日この頃。敷布団を畳んだやつの上に座って、それが今はソファがわり。前はベッドあったんだけども、姉が持って行ったからね。わざわざ。謎すぎる。解体とかめちゃくちゃ手間かかるのに。しかも別に全然高いベッドではなく安物。下に収納がついてて、そこに下着類とベッドのカバー類入れてたから便利やった。あと枕元に棚ついてて、そこにカレンダーとか携帯とかフットライト置いてたわ。まあ安いけど、かなり実用的なベッドだったからかもしれん。
私の部屋の隣の、もはや倉庫みたいになってる部屋を漁ったら、昔着てたユニクロのロンTとかヒートテックとかメリのウールセーターが見つかった。姉が持って行ってたのかと思ってたけど、流石にこんなのは持ってかないかwこれは肌着感覚でパーカーやセーターの下に着れるし、もちろんノースリーブのワンピの下に着たらジャンパースカートぽくなるから、冬でも着れるようになるし。
なんか家の収納箱見てたら、着物が入ってて、そこに着物になってない反物の状態のものも結構入ってた。多分シルクとか。母に聞いたら、反物のやつはリメイクしてもいいとのことで、洗って干してみた。でもまだまだ芳香剤の匂いするけども…とりあえず日光に干すのがいいみたいなので、明日も干してみる。生地自体はかなり良いものっぽくて、白地に金のツルの模様が描いてあるやつ。和風なんだけども、ちょっと北欧風?というかツルの絵柄がゆるい感じなので洋服に仕立ててもかわいいかなあと。
���ラウスにする予定。なんか襦袢の生地っぽくて、とにかく幅が狭いんだけども、ブラウスならギリギリいけそうな感じ。袖も幅いっぱいに使って縫おうかと。
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◇PINKO(ピンコ)◇ブラウスが入荷しました。
定価:42,900円(税込)⇒SALE価格:30,030円(税込)
弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/PC0620-92S/
2023年SPRING&SUMMER SHOW SAMPLE
MADE IN ITALY
素材:ナイロン100%
(裏地)ナイロン90%、ポリウレタン10%
カラー:ヌードベージュ
サイズ:S
着丈 約56cm、バスト 約74cm、胴周り 約60cm、ヒップ 約52cm
(平置きの状態で測っています。伸縮性があります。)
ソフトチュール生地のシャーリングブラウス。
ハイビスカス、オフィシャルシグネチャー、チェーン、ジュエルなどのモチーフのタトゥー柄がプリントされたトロンプルイユ(だまし絵)。
これらのモチーフは水兵や船乗りの刺青からきています。
リアルさを出すためにタトゥーインクが滲んだようなグラデーションがプリントで表現され、より肌なじみが良く見える様にスキンカラーのソフトチュールを使用しています。
胸元でクロスデザインのホルターネック。
身頃の両サイド部分でギャザーを寄せています。
裏地付き。
身頃左サイドファスナーで着脱できます。
在庫ラスト1点です。
再入荷の予定はありません。
※ご覧いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。
※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。
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2023年の日記
10月のとある3日間
冬の日記 2023~2024
10月のとある3日間
10/12
今日は散歩をした。とても久しぶりに外に出た。空気を吸い、風にあたり、心地良かった。たくさん歩いた。歩きながら、いろんなことを考えた。自分のこと、将来のこと、健康のこと。久しぶりに履いた靴で踵を擦り、不器用な歩き方をした。黄色の蝶々たちがひらひらと踊るように飛んでいたり、湖の水面が揺れながら光を反射していた。コンビニに寄って休憩しようと思ったが、暖房が暑かったのでやめた。また、歩き出して、来た道を歩いてゆく。音楽を聴きながら歩いた。心細くて、泣きそうになった。泣かずに歩いた。今日は湖畔にある和菓子屋さんまで歩いた。
家に帰ったら、お腹が空いた。祖母のお手伝いをして、祖父と話をした。
これからお昼ご飯を食べる。
10/15
今日は通院日。家に帰ると花束があった。
祖母がフラワーアレンジメントの教室で作ってきた花束である。私の祖母は、料理上手で、明るくて、お喋りが好きな人。
花束の包みを開いて、花瓶に水を入れて差した。生活の中に花があると嬉しい。花のある生活を過ごしていたいと思う。
今日は雨が降っていた。お気に入りのワンピースを着て出掛けた。
10/16
いつまでも大人になれないでいる。
どこかで聞いた話だが、一億年あれば生物も宝石になるらしい。そうなったらいいなと思う。
冬の日記 2023~2024
12/2 Sat.
夕暮れを見ていた。写真を撮った。窓を開けるとき冬の空気が嬉しい。夜、駅のあたりが灯りできらきらとしているのを見るのが好き。
12/7 Thu.
ひとりでいちごパフェを食べた。アイスクリームはしろくてつめたい。眩い幸福。生まれ変わるなら、アイスクリームがいいかもしれないと考えていた。海辺を走る白い犬もいいかもしれない。気に入っている指環がきらりとしている。植物をモチーフにしているところがすてきだ。自然で、馴染んでくれる。
12/13 Wed.
眠かった。友人がリコーダーを吹いていた。今度会う約束をした。
12/15 Fri.
低気圧。ふわふわしている。最近、卒業論文の締め切り前になって風邪を引いてしまっている。焦ったり、眠ったり、作業をしたり、いろいろ。
12/23 Sat.
シュトレンをはじめて食べる。しまむらひかりさんのぬいぐるみをお迎えして、夢のようにうれしい。この子をなんて呼ぼうか考えている。クリスマスの気分だ。
12/24 Sun.
クリスマス・イヴ。ピザとチキンとケーキを食べる。朝が来るまで絵を描いていた。
12/25 Mon.
クリスマス。そして通院日。最近は調子が良いけれど、今日はずっとぼんやりしていた。駅で流れているクリスマスの音楽を聴きながら、ドーナツを買う。先生は無理しないでくださいねって言ってくれた。やさしい人が幸せに過ごせるクリスマスになったらいい。
12/27 Wed.
眠ってばかりいる。眠ることは静かに幸せでいること。眠る前にぬいぐるみを撫でることが、やさしさで包んでくれるようにうれしい。
1/1 Mon.
新しい年。年越しはラジオを聴いていた。青葉市子さんが「生きるよ〜」と言っていたので嬉しかった。めのう/NUUAMの音楽が良かった。
1/2 Tue.
アダンの風プロット集が届いた日。
祈ることしかできない。
1/12 Thu.
大学へ。教授や友人に会えると嬉しい。大学の友人たちが好きだ。もうすぐ終わってしまうのは寂しかった。お昼の電車は空いていて好き。窓から見える風景を眺めている。穏やかな一日だった。
1/15 Sun.
「追風と宝箱」朗読会のアーカイブを観た。市子さんの少女と美しい浜とクリーチャーたちと出会う。
1/19 Fri.
雨の音を聴いている。音楽を聴いている。化粧はささやかな色彩であるところがいい。
1/21 Sun.
雨。低気圧でふらふらしながら病院に行く。雨は私が生まれた季節なので好きだ。雨の日は不登校の女の子が家にいる理由になった。雨の日は傘をさすから学校に行く理由にもなった。雨が守ってくれたのだと思う。夕方、祖母に料理を教わる。
1/22 Mon.
電話をする。私は楽器を鳴らして、友人は歌をうたっている。小さな演奏会。私たちは私たちを救うために絵を描いているね、と話をした。小さいときにみた夢のことを思い出している。宇宙に浮かぶ���にいて、白いベッドで横になりながら、星の海を眺めていて、次に目を瞑ったら、月に辿り着く夢。
1/24 Wed.
大学へ。卒業論文の発表。無事に終了。梅のどら焼きもらった。2月になると、私の住む地域では梅が咲く。道を歩くと小さな花びらが落ちていて、梅の香りがするし、電車に揺られて車窓から梅の花を静かに見つめる。まだ三分咲き、という誰かの呟き。春が来る少し前は時間がゆっくりと流れるのを思い出している。
1/25 Thu.
天使の絵を描く。絵を描くときには、冬、海、天使をイメージしているような気がする。祈るように絵を描いている。しまむらひかりさんのぬいぐるみは、いつも嬉しくなる。眠る前に撫でている。
1/26 Fri.
朝、起きられなかった。朝ご飯を食べて、楽器を鳴らして、絵を描いた。夕方になるまで眠る。大きな苺を食べる。また眠る。好きな女の子からお手紙の返事があって嬉しかった。
1/27 Sat.
tunicaさんのことりさんをお迎えしました。ことりはこのなかでやすんでいます、の文字が祈りの短歌のようで、静かに箱を開ける。しずかにやすんでいることり。はじめまして。夜、『たましひの薄衣』を読む。月の光をからだのなかが満ちるまで浴びて、本を読む時間が生きてゆくために必要。鬱の私が視る世界は悲しくて美しかったと思う。
1/29 Mon.
頭痛が続いている。生きてゆくための小さなお守りを見つけるような旅。
2/1 Thu.
刺繍の練習をした。本にあらゆる悩みが正しいと書かれていて救いだと思った。
2/2 Fri.
正しさが眩しくて突き刺さる。そうなりたかった、頑張りたかった、でもできなくて、自分が大丈夫になれる道を必死になって探して、やっと歩けるようになったのに、悲しい。人に会いたくない。会わなければ良かったなんて思う。
2/3 Sat.
カウンセリングにゆく。朝起きれなくて、もうだめかもと思いながら電車に乗った。その後、楽器屋さんへ向かい、予約していたギターを受け取る。音が柔らかい。せつない。青葉市子さんとおそろい(多分)。
2/4 Sun.
気分に波があるのだと思う。昼間はずっと眠たかった。飲んでいる薬の効果なのかな。元気がない。春服が届いた。白のブラウスとスカート。刺繍が入っている。綺麗。
2/5 Mon.
ずっと眠っていた。雪が降った。家族のことが心配。私の住んでいる地域は積もらずに雨水に溶けてゆきました。
2/8 Thu.
お昼にお好み焼きを食べる。ギターを弾く。冬はお水が冷たくていいね。夜中にカネコアヤノさんの「やさしい生活」を聴いていて、不登校の女の子だったときにもう少し大丈夫になったらってフレーズをお守りにしていたことを思い出していた。まだ大丈夫にはなれてないけど、少しくらいは平気になれたかな。
2/12 Mon.
アップルパイを焼きました。おいしくできた。相対性理論は青春だった。中学生のときに部屋に引きこもって聴いていた音楽だった。22歳の私はギターを抱えてうたったりしています。女の子が私に似合うと言っていた、さよならポニー���ールの「無気力スイッチ」、嬉しかったな。
2/18 Sun.
朝、起きたら春になっていた。通院日。春の空気だ。電車に乗ったら梅の花が見える。みんなは春の匂いがするって言っていたね。春、少しだけどきどきする。通院の間隔が空いてきて、病状が安定しているのだろうか。朝起きて、本を読んで、たまに病院に行くだけの日々だ。海が見たい、人を愛したい。
2/19 Mon.
低気圧。水の中にいるみたいで苦しい。だめになりそう。今日はうまくいかなかった。本当は春になるのがこわい。桜は眩しい。このままでいたい。絵を描いた。
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雨濡れ色のペトル 雨笠煙蓑
期待と諦観の邂逅あるいは金属板の踏み鳴らし
傷みかけた林檎が皮付きのまま、四等分に切られて出てきたとき、ジーナ・チャイカは、ひくりと頬を引き攣らせた。
都会への憧れで、故郷から延々と、かつてあった鉄道の跡を歩いていた中で、ようやく雨に降られていなかった町に出た。そこで、唯一無事らしい飲食店の店主に哀れまれた彼女は、到底年頃の女の子が使うようなものではない、物置のような寝床が提供された。
これまで全く感じなかった疲労と、眠気、そして空腹感を覚えたジーナは、文句も言わずに眠りに落ちる。いつの間にか、黒いブラウスは白に戻っていて、綺麗な青のリボンも褪せた臙脂色になっている。それらの原因は、雨の外だからだ、と漠然と彼女は悟っていた。
そして、目覚めたばかりの彼女に提供された食事が、傷みかけた林檎だったのだ。
タダで提供された、一文なしの彼女は文句など言えない。それでも、少し躊躇うように手が伸ばされた。
一口、喉を通り過ぎれば、それまでほとんど感じていなかった渇きを実感した。先程までの忌避感などなかったかのように、次々と口に含む。が、それは唐突にやってきた乱暴者たちによって止められた。
ジーナよりも少しばかり年上の、二十歳そこそこの青年たちが、凶悪な顔をして店主へと詰め寄る。
曰く、隣町への道のりを教えろ。
曰く、そこでの殺し合いを勝ち抜けばジープが手に入る。
曰く、そうすればすぐに大陸から脱出できる。
曰く、そのためにも食料品を渡せ。
ジーナは彼らの言い分が馬鹿馬鹿しいと思っていた。楽観的で、行き当たりばっかりで、何も考えていないような彼らの態度に、彼女は冷ややかな視線を向ける。
その侮蔑の感情に気づいたのか。青年たちの一人がジーナに近づいてきた。そして、脅しのように彼女の頬を殴りつける。
店主が慌てたように駆け寄ろうとするが、それを男たちが許すわけもなかった。どころか、ジーナを人質のようにして、これ以上の暴力を認めたくなければ食料品を出せと告げる。
歳のわりには痩せたジーナは、綺麗に吹き飛ばされて、店の壁に叩きつけられた。ゆらりと立ち上がった彼女は、どうにか自制心で舌打ちを我慢した。けれど、その反骨芯あふれる��線を隠すことはできなかった。
馬鹿の一つ覚えのように、先程殴ってきた男が、再度ジーナに暴力を振るおうと近づく。
痛みは、雨の中では勝手に薄れる。
怪我は、雨の中では自然に治る。
こんな低俗な連中も、雨の中ではジーナの足元にも及ばない。
それがわかっているだけに、彼女は少しばかり自分の無力さを噛み締める。選別を突破したにも関わらず、こんな事態になるだなんて不甲斐ないと思っていた。
そんな彼女の相手にしていない、見下した態度が、男の琴線に触れたのだろう。何考えてやがると怒鳴りがらも、大ぶりなモーションで彼女の顔を狙った。
が、ビシリと小さな何かが彼の手の甲に当たる。ギャッと汚い悲鳴が店内に響いたと同時に、パチンコ玉が一つ、床に落ちた。
「よぉ、久しぶりだなぁ」
その一声でようやく、全く毛色の違う男がいつの間にかいたことに全員が気づいた。真っ赤な布地のアロハシャツ、クリーム色のズボン、白いパナマ帽、カラコロとなっておかしくない下駄に、感情を読ませないサングラス。見目は派手だし、その言動もまた、まともな大人だとは思えない。そして、静かに開け放たれた店の扉の前に立つ偉丈夫の登場に、青年たちはたじろぐ。
「あ、あんたは……」
先程まで店主を詰めていた男が、青白い顔色をしたまま、偉丈夫を指差す。
ニヤリと笑った突然の闖入者は、次の瞬間ジーナには見えないほどのなめらかさでーーそして男たちが反応できないほどの速度で、力を振るった。
一人は顎を砕かれ、一人は足を踏みつけられて鈍い音をさせ、先程ジーナを殴った人物など手の甲に穴が開けられていた。最後の一人は、襟元を締め上げるようにして持ち上げられている。
ヒッと持ち上げられた男の口から、小さな悲鳴があがった。
「報告だぜぇ。お前たちが引っ掻き回してくれたお陰で、もうあの集団はダメだ。ほぼほぼ壊滅、リーダー以外は全員雨の下だ」
爛々とした目が、横顔のためにわずかに見えた。
その怒気なのか、覇気なのかわからない男のオーラに当てられて、か細い声で「許して」と持ち上げられた青年は零した。が、派手な見目の男は、懇願を聞き遂げる様子は全くなく、さらに持ち上げる。
「俺が怒っていると思ったか? いいや、これは諦観だよ。お前たちの未来を俺は諦めたんだ」
青年が何か弁明をしようとした、ようにジーナは見えた。が、男は躊躇なく手にした人間を壁に叩きつけた。ずりずりと叩きつけられた青年が力なく倒れていけば、壁に血の痕が、適当に筆を滑らせた絵の具のように残る。
青年たち全員が床に崩れ落ちたのを確認して、男は店主に向かって「悪りぃな、汚しちまった」と謝罪した。先程までの恐ろしさが形を潜め、カラリとした笑みを浮かべる彼が、逆に異様に思えるほどだった。現に、店主は青白い顔をして、肩を小刻みに震えさせている。
怯えているのを感じ取った男が、再度謝った。
「見苦しいもんだったな、すまねぇ」
そして、彼はようやくジーナを見た。
男のサングラス越しの目が何色なのか、分からない。今、どのような感情を浮かべているのか、それさえも分からない。
「嬢ちゃんも、怖い思いさせて悪かったな。殴られたところは、難しいかもしれないが、よく冷やしておきな」
他意はないつもりだったのだろうが、男のジーナを子供扱いした言動に苛つきを覚えた。強ばった表情のまま、彼女は「大丈夫よ」と返す。「そうかい」と言った彼は、そのまま青年たちを引きずって店の外に出ていった。
大丈夫か、と店主の心配する言葉に、ジーナは再度安心するように問題ないと告げる。そして丁寧に礼を告げると、彼女は足早に先程の人物の後を追いかけた。
店の外には、もう誰もいない。……が、昨晩はなかった車の轍が続いている。
ジーナは、その轍の上を走る、走る、走る、息切れしながら、走る。徐々に雨雲に近づいていき、町の建物は閑散としている……というよりも崩壊の度合いが激しくなっていった。そして、車が乗り捨てられているのを見つけ、さらに彼女は雨雲へと足を進める。
雨の幕が張る境界の手前に、一人の大人が立ち尽くしている。先程の、派手な見目の男ではない。
ジーナは走るのをやめて、ゆっくりと背後からその人間へと近づいた。何かあれば、雨の中に逃げ込もうと思いつつも、驚かせないように声を掛ける。
緩慢な動作で振り向いたのは、随分と顔色の悪い男だった。これまでジーナが見てきたどんな人間よりも、青白い顔、真っ黒な隈、生気をなくした唇を持ったその人は、彼女の姿を認識すると「どこに行くんだい?」と、掠れがかった声で尋ねてきた。
「ここは、危険だよ。雨が全てを奪っていく、何も残らないんだ。君はまだ若いんだから、すぐにここから逃げるべきだ」
どうやらジーナを自殺志願者だと勘違いしたらしい。その幼児に語りかけるような口調に、彼女は言葉では何も言わず、胸を張って雨の幕へと入っていく。ジーナを止める言葉を吐きながら、けれど彼女の歩みを指一本動かさずに眺めていた彼は、まざまざと彼女の変化を観察できた。
期待の文字が頭の上から滑り落ちる。目を閉じ、意識を遠くへ持っていき、一瞬だけ眠るような夢心地になれば、傷もまた薄れていく。いくつもの期待が、彼女の頭から滑り降り、その跡が黒くなっていった。一筋、一筋と染まっていく彼女の身から、白はなくなり、黒に染め上げられ、そして特徴的な目がきらりと光った。それはロゴスが起きてから、久しく見ることのなかった色だ。真夏の青空、昼の容赦ない陽光を宿した色。
呆然とした男は、やはり何も言わずに立ち尽くしていた。ジーナは一瞥し、さらに先に進む。
何もない場所だ。
ただ、雨が降り続けるだけの場所で、その存在はすぐに分かった。
何かの結晶の山を見下す男の姿は、ジーナと同様に、黒く染め上げられている。黒いパナマ帽、鮮やかなパイナップルが目立つ黒地のアロハシャツ、黒スキニーに下駄の鼻緒さえも黒だった。
ジーナが雨音に���えて、水溜りを踏んだ。規則正しく、一定のリズムの中での水音が崩れる。その音に反応して、男が振り向いた。
やはりジーナからは、サングラス越しのその目は見えない。だが、何か呟いた男は、目を隠し続けたものを取った。
鮮烈な色がそこには収まっていた。キラキラと太陽のように輝く、炎を彷彿とさせる色だ。赤ではない。燃えるように煌めく、その色の名前をジーナは知らない。
「さっきぶりだな、お嬢ちゃん。傷はもうよさそうだ」
男が笑って挨拶をしてきた。それにジーナもまた答える。
「ええ、先程ぶりですね。こんな風なので、心配は無用でしてよ」
同族との邂逅に、ジーナは精一杯の口調で、対等に見せかける。
互いに笑い合って、そうして男から名乗りをあげた。
「諦観、の円城寺吾郎だ。お嬢ちゃんは?」
「期待、のジーナ・チャイカです」
互いになるほどと思ったが、同時に疑問も抱く。
「期待のわりには、物悲しそうな雰囲気だ」
「なら、諦観にしては前向きすぎませんか」
両者ともに答えがないのは、一瞬にして理解できた。自分たちは、そういう者だと既に知っている。そこに、それ以上を求める意味などなかったのだ。
「初めてです、同じ選別をくぐり抜けた人に出会えたのは」
「俺も同じ存在がいるとは思ってたが、会ったのは初めてだな。なんだ、一人でここまで来たのか」
「ええ、そうです。見かける人は、殆どロゴスに耐えられなかった。私以外、誰も」
「そいつは難儀な旅路だ。……失うだけの光景だったのか」
吾郎の同情するような眼差しに、凛とした顔でジーナは言い返す。
「失うだけでしたが、それも選別の結果なのでしょうがないです」
「……さっきから、お嬢ちゃんはロゴスのことを選別って言ってんな。なんだ、その選別って」
「なんでも何も、ロゴスは選別でしょう?」
「ほう、なんでまたそんな風に思ったんだ」
吾郎の纏う雰囲気が変わった。彼の態度の変化に、ジーナは嬉々として得られるものがあり、選ばれるのたる理由を述べていく。
「だって、この世の中にある、大半の下らない物を全て無くしてくれましたから。ロゴスは不要なものは全てなくすのです、私たちの飢えも、傷も何もかも」
ニヤリと彼は笑う。笑うだけで、なんだか本当に、心の底からの喜びのようには、彼女は感じなかった。ただ、顔を歪めたような印象を抱く。
「じゃあ、お嬢ちゃんは大切な身内を失った連中に、それらが不要だって言うのか?」
ジーナは、吾郎の質問に、なんだそんなことかと思った。
「私も母が選別に通らなかったことが悲しいです。でも、それがあの人の精一杯で、限界だっただけ」
「俺たちみたいなのは選ばれたって思っているのか」
「思っているも何も、それが事実でしょう。だから私はロゴスに、私たちと同じ存在に期待するんです。新しい時代、新しい世界がやってきたのだから、私たちは使徒になれるのです」
起きた出来事は事実として解釈し、そこから先を向いていく。過去は変えようもなく、失われたものは戻らない。失われた理由を、失われても問題のない理由を、誰もが探しているのだ。
ジーナは、だからこそあれが選別なのだと思っている。
彼女の故郷は、誰一人として生き残らなかった。彼女だけが生き延びたその理由は、世界が彼女を必要だった、からだ。だが、彼女と相対する男は、その考えをハッキリと否定する。
「俺はロゴスによる新しい世界だなんて思わねぇ。ロゴスは天災だ。どうしようもねえ部分はあるが、俺たちのような存在は、その天災を鎮めるための手段であり、駒だ。英雄でも使徒でもねぇし、そんな大層な役割ができるはずがない」
ある意味、自らの力を弁えた発言であった。諦観の灯り言に相応しい評価だ。だが、天災を鎮めると願うほどの期待と自信が込められた言葉でもあった。ついでに、彼の思った以上に冷酷な側面も見られる。
「冷めていらしてるのね」
「諦観の通りだ」
「雨が憎いのかしら?」
「憎いとは思わない。天災だから、しょうがねぇって思ってるだけだ」
「けれど、今は雨を利用していますわ」
「……ああ、そうだな」
文字の山が何を意味するのかなど、ジーナはよく知っていた。彼女は、山を生み出したこともあるし、道中でいくつも似たようなものを見ている。吾郎が連れていった四人の姿はなく、文字だけがあるのならば、もう答えは出ていた。
しばしの沈黙。やがて、吾郎が戻ろうと言う。雨の外に、人を待たせているから、と。彼は振り向きもせずに、雨の外へと歩きだす。ジーナは、それ以上何か発言することはなく、男の後を追った。
雨の切れ目。あるいは、世界を隔てる銀幕。選別の違えた道。選ばれた者だけの大地、選ばれなかった者の土地。なんだっていい、なんだって本質は変わらない。ただの切れ目なのだ。
そこにいたのは、先程と同じように立っているだけの男。顔色の悪さも、先刻と何も変わっていない。
吾郎は男の名前を呼んだ。男の視線が吾郎へと向けられて、しかしすぐにジーナへと移る。
「君は」
「同類ってヤツさ」
吾郎の説明で、男は納得したようだった。
「そうか……そうだな。コイツのようなヤツが他にいてもおかしくないのか。だが、こんな子供が」
「子供扱いしないでください」
「……すまない。少し、娘に似ていたものだから、つい」
素直に謝ったので、それ以上ジーナは何も言わなかった。男は首を一度だけ横に振り、何かの雑念を払う。そして、今度は吾郎を真っ直ぐに見て、問うた。
「終わったのか」
「ああ、終わったよ」
その過程や様子を一切省略した、簡潔すぎる返答に、男は一歩、二歩と後退り、そして力を抜いて座り込んだ。
「そうか……そうか、そうか! 終わった、終わったんだな」
顔を手で覆い、同じ言葉ばかりを口にしながらも、やがて音は変化し、嗚咽ばかりとなっていく。大人の、それもたった今まで冷静に話していた人間が、あっという間に幼児のように泣き崩れる様を見たジーナは、少しばかり居心地が悪い。
対し吾郎は、慰めるように男のそばにより、肩を優しく叩いていた。苦楽を共にした仲のように、互いの傷を知り合った彼らの言葉にならない情動は、ますます彼女の疎外感を煽る。
だが、その疎外感は思ったほど長くは続かなかった。
鼻を啜り、掠れ切った声で「もういい」と告げた男は、腫れぼったくなった目を何度も拭いて、立ち上がる。
「すまない、少し感情的になってしまった」
そうして、先程とは真逆に大人の顔を男はする。
「円城寺もここまでありがとう。あんなにも我々の手助けをしてくれたというのに、こんな結末になってしまって、すまない」
「どうってことはねぇよ。旅は道連れ、世は情けって言うだろう。それに、最後は俺も謝るべきだ。すまねぇな、お前以外……助けられなかった」
吾郎の言葉に、男は「しょうがないことだった」と慰める。
「それと、円城寺と同じ存在のお嬢さん。最後の最後で、君を巻き込んでしまったようだ。騒がしくしてしまったようで、申し訳ない」
「いいえ、大丈夫ですわ。あの騒動のおかげで、同じパドルに出会えましたもの」
ジーナの零したパドルの言葉に、男は満足そうに微笑む。
「なるほど、君たちはパドルというのか。円城寺は頑なに教えようとしなかったから」
スッと視線を向けられた吾郎は、そのまま顔を逸らし、弁明した。
「パドルって存在に、変に期待されたくはなかったからな。俺にだって限界はあるし、人間であることは変わらねぇぜ」
「……そういうことにしておくさ」
穏やかなやりとりに、先程までの悲壮感は感じられない。男の、今にも倒れそうなほどの、鬼気迫る雰囲気はなくなり、それほどまでに終わったものの重さは測り知れない。
何があったのだろう、とジーナの好奇心がもたげたが、先刻までのなりふり構わない号泣の様子を見れば、さすがに遠慮した。
「それで」
男が微笑みながらも、話を続ける。
「君たちは、これからどうするんだい」
これからの一語に、ジーナと吾郎は互いに視線を合わせる。それはまだ確認していないことだったが、しかし二人とも同種であるが故に、ほぼ確信していた未来でもあった。
「漠然とだが、行くべきだと思っている場所がある。お嬢ちゃんも、そうだろう?」
「ええ、同じく。でもその前に、お嬢ちゃん、て呼び方辞めてくださらない? 私には、ジーナという名前がありますわ」
「じゃあ、ジーナ嬢ちゃん」
「馬鹿にしているのかしら」
「そのつもりはないさ。俺の歳からすれば、お嬢ちゃん呼びの方がしっくりくるだけだ」
「まるきり、子供扱いなのですね」
「ジーナ嬢ちゃんは正真正銘ガキだろう」
ざわりと嫌なものがジーナの喉を通り過ぎた。圧倒的なまでの余裕の表情を浮かべて、それでいて軽薄な様を見せつける諦観のパドルに、無性に苛つく。
スッと彼女の目が細められるも、吾郎はその様子を無視する。
「で、話を戻そうか。俺も、ジーナ嬢ちゃんも、漠然とだがロゴスの中心へ行くべきだと感じている。感じると言うよりも、呼ばれるってのが正確だがな」
吾郎の説明に、男が無言でジーナを見た。期待に応える様に、ジーナもまた頷く。
「ええ、私も感じています。あちらの方に向かうべきだと」
ジーナが指さした方角は、雨雲が広がっていた。それを見た男は「真逆だな」と呟いた。この言葉に、もしかして着いてくる気だろうか、と一瞬だけジーナは心配した。だが、即座に吾郎が心配の芽を摘み取る。
「お前は、さっさとここから脱出した方がいい。もうなりふり構ってはいられない程度には、雨の侵食は進んでいるようだ」
この町自体どの程度保つか、と三人の背後に広がる何もない場所を見て呟く。
「分かっているさ。私はパドルじゃない、人間だ」
「なら、いいんだが」
大人たちの睨み合いに、ジーナは肩をすくめる。冷静なはずの彼らのやり取りは、時に回りくどく、そして面倒だ。
「パドルの私たちは向かうべき場所があり、人間のあなたはそこへは向かえない。なら、合理的に考えましょうよ」
「……ジーナさんに言われたら、もう諦めるさ」
「大変素直でよろしくてよ」
ふふふ、と笑う彼女の様子に、吾郎は何か言おうとして、けれど全く別のことを話し始めた。
「それで、だ。今後の移動手段とやらで、確認したいことがある。俺たちが乗ってきた車は、そのままお前が使え」
「だが、」
「ああ、ああ。気にするな、移動手段はもう目処がついてる。あいつらが言ってただろう? 隣町では、殺し合いで優勝したやつにジープを一台進呈ってな」
その話は、ジーナも覚えていた。あの不快な四人組の男たちが言っていた情報。
「あんな与太話を信じていらっしゃるの? しかも勝ち上がるつもりだなんて、諦観らしくないわ」
雨の中でなら、ジーナとて自信がある。だが、未だ町として体裁が整っているのならば、まず間違いなく雨の外だ。その場合、パドルである彼女たちは、特殊な力を思う存分奮えない。もしかしたら、吾郎は何かしらの自信があるのかもしれないが。
「そうだな、諦観らしくねぇ。とは言っても、こんな指摘をするジーナ嬢ちゃんだって、期待らしくはねぇな」
「余計なお世話だわ」
ふん、と鼻を鳴らしたジーナと、カラカラと笑う吾郎のやり取りを興味深そうに男は眺めていた。
「まぁ、さすがにそんなもんに参加するつもりはねぇよ。ただ、その噂話は結構広まっていたようでな。ちょいと、調べてみたことがあったんだ。そうすると、」
「なにかしら」
わざと区切った彼に焦ったくなって、ジーナが問いただす。その様子を確認した吾郎は……。
「ジーナ嬢ちゃん、今の世界情勢ってヤツは分かるか?」
と、全く違うことを話し始めたように思えた。
「突然なんですか」
「いや、ジーナ嬢ちゃんはロゴスを選別って言ってるからな。選別は選別らしく、現状の勢力図を理解してんのかと思って」
「私は、ほとんど人に出会ってないのですよ。数少ない出会った人々のほとんどは、パドルでもなく、雨に消えていきました。町についたのもここが初めてでしたし」
ジーナの説明に、それまで黙って聞いていた男は口を挟む。
「円城寺。お前が何に警戒しているのかは分からないが、何でもかんでも察してもらえると思うな。話を進めたらどうだ」
その指摘に、吾郎は小さな声で「すまん」と謝ったあと、すぐさま説明した。
「現状から考えてみれば、大国ナルツィアーゾは崩壊したとみていい。となると、序列的にはロヴィエが世界の王者にきて、その次がクリザミアだろう。向こうは、ほとんど被害がないって話だしな。これまで四カ国は、仲良しこよしで成り立っていたし、長いこと戦争なんかねぇ。なら、軍隊ってヤツは必要なかった。でも、国を超えた警察組織はあるし、組織犯罪ってのもなくならねぇ。組織犯罪の中には思想犯てヤツもいて、ここで国に煙たがられるのは、何だと思う?」
再度の問いかけに、ジーナは考えてみた。そして、ロゴスが起きる前に見た映画を思い出す。
「……できあがった国家体制への反抗」
「そうだ、不平不満は誰だってあるし、完璧な国家なんてもんはない」
そこまで説明して、ようやく本題へと戻ってくる。
「何が言いたいかってことなんだがな、こんな大混乱な最中でも、ジーナ嬢ちゃんみたいな考え方ーーロゴスが選別であり、そこに選ばれた連中がいる--は、そう珍しくもないってことだ。終末思想とでも言うのか、大変換への憧れか、或いは強制的な変化への希望かは知らんが、一定数の共感者たちがいる。その中には、表じゃ大成功している人間もな。だからこそ、ここへやってくる連中がいるし、ここでことを始めようとする連中もいる」
吾郎は、そのまま耳にした如何様にでも捉えられる教義と演説を脳裏に思い出した。だが、それを目の前にいる、真っ先に共感しそうな少女には伝えない。
「隣町の件も、おそらくこの手の奴らが裏で動いてる。でなけりゃ、こんな状況で垂涎もののジープをアッサリと手放すかよ」
ついでに、と続く吾郎の言葉で、ようやくジーナは彼の狙いがわかった。
「あいつらが持っているのは、少なくともジープ一台じゃねぇだろうな」
その後の話1
「そういえば君の目は、雨の中だと随分と鮮やかな青になるのだね」
「そうですの? 私、鏡を見ていなかったので気づきませんでしたわ。いったい、どんな色なのかしら」
「真夏の空の色のようだよ。透き通るような海ではないし、ただただ突き抜けるほどの真っ青な色だ。アウィンに似ているな」
「アウィン?」
「美しい石の名前だよ。アピスラズリの主成分でもあるんだ」
「まぁ、素敵」
「君たちパドルの目は、本当に美しい宝石のような目だね。円城寺の雨の中の目も見たことがあるんだが、ファイアオパールのようだと思ったさ。できれば、ずっとその色なら良かったのに、残念だ。ああ、雨の中で奪われたなら、もしかしてずっとその色のままなのだろうか。先程、君の頬にあった傷は治っているが、もしかして雨の中なら治癒するのかい? そうなら、目を貰えないだろうか」
「え、あ���……え?」
「ジーナ嬢ちゃん、そうなったら離れときな。この大災害の中で、ネジが外れちまっただけだ。普段はリーダーらしい奴なんだが、どうにも俺たちの目に関してはこうなりがちでなぁ。始めは口説かれてるのかと思ったが、途中でこれは違うって気付いたんだよ……」
「円城寺の目は本当に綺麗だからなぁ。妻と観に行く予定だった宝石展の目玉の一つだったんだ。なぁ、本当にダメなのか? どうにかして美しいままに保てないか努力するから。ああ、ジーナさんの目もダメなのかい? その色は娘の好きな色だったから」
「……無理です」
「ほら、ジーナ嬢ちゃん泣きそうだぞ。やめろや」
「酷いなぁ、私はただ君たちの目の色が本当に美しくて好きなだけだよ」
その後の話2
「本当に予想通り、車があるとは思いませんでしたわ」
「予感的中ってな」
「そういえば、運転は吾郎おじ様がなさるのですよね」
「ジーナ嬢ちゃんは免許持ってんのか?」
「持っていませんわ。でも今この時に、それが重要と思いですの?」
「そりゃそーだ……興味あるなら、道中どこかで運転してみるか」
「良いのですか」
「こんな状況で物損も人身事故もねえだろ」
「ふふふ、車の運転は映画を見てて憧れていました」
「へぇ、どんな映画がジーナ嬢ちゃんのお眼鏡に叶ったんだか」
「崖の間際でのカーチェイス」
「うーん、やっぱり辞めさせようか」
実際問題、普通にジーナは壁にぶつけたし、おそらく何もなくても免許はとれないんじゃないかと吾郎は思った
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【日記】
暑いけれど、たしかに秋の風が吹いている。 ここ数日やっていた針仕事を終える。 なんのことはない、エコバッグに裏地をつけていた。 版画家の溝上幾久子さんの絵本を買った時についていた、オリジナル版画のエコバッグ。シンプルな生成り生地の手提げも裏地をつけると一気に特別なバッグに変わる(写真2〜5)。 裏地にしたのは20年も前に着ていたリバティプリントのシャツワンピース(写真6)。気に入っていたけど、やはり体型も変わり、今は柄が少々ビビッドすぎるので解体した。代わりに、やや落ち着いた色味の、ベーシックなブラウスを新しく買う(写真7)。じつは買い替えたのは3年ほど前なのだけど、あまり着ていなかった。この秋はもっと着ようと思う。
ちなみに、裏地をつけたアーティストエコバッグは他にもある。山内若菜さんという油彩画家さん(というかアクティビスト?)のもの(写真8)。裏地は、ちょっと色褪せてしまった飯田線てぬぐい(写真9)。でもリバーシブルで使いまくっている。
無心に運針しながらふと、手縫いは木口木版にちょっと似ていると思う。この、ちまちまとした卓上の職人仕事…。 昔の主婦の仕事というのは、あれもこれもハイレベルな職人仕事なのだ。そこに給金は発生しなかったものの、日々の積み重ねと創意工夫でなされるそれは、大いにリスペクトに値する仕事だ。 また、辿々しく縫いながらなぜか、入山時の山を思い出す。未明の山は怖い。ヘッドライトには頻繁に蛾がぶつかり、巨木や巨岩のシルエットが獣や怪物に見えて逐一ゾッとする。けど、じき必ず夜は明けるから、どうにか歩ける。終わらない夜はない。
今だってそうだ。えも言えない終末感。けどそれは転換期であり、きっと新しいフェイズが切れ目なく始まるはず。そして、この世にたった一つの、かけがえのないものに、いかに従事できるか。極力それを基本スタンスにしていくようにしたい。絶望なんてするなよ。
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久しぶりに歌集を買った。俵万智の「未来のサイズ」
読み始めたら、その日が「七月六日」であることに気づいてそんな偶然ある?と自分で少し笑ってしまった。この歌集はコロナ禍の2020年にはじまり、2013年から2019年を振り返るような構成で短歌が収められている。
トランプの絵札のように集まって我ら画面に密を楽しむ
知らぬ間に鬼かもしれぬ鬼ごっこ東京の人と宮崎で会う
コロナ禍の世界の模様を決して悲劇的にではなく、新しいものとしてどこか面白く、それでいてコロナという見えない脅威の迫る様をこうして切り取ってみせるのはやはりさすがだった。
夏らしいことしてみたき夏が来てカフェフラペチーノ丁寧に飲む
なんてのも好きだ。
どのページを開いても必ず1つは好きな歌があり、味わいながらゆっくりとページをめくった。貪るように読む物語やじっくりと頭の中で吟味しながら読む学術の本を普段は読むけれど、歌集には歌集独特のテンポがあって楽しい。俵万智は中学生ぐらいのお子さんがいるようで、お子さんを見つめる歌はどれも様々な味わいがある。
10センチ背丈伸びたる息子いてTシャツみんな新品の夏
服を買い替えるなんてちょっとナーバスになってしまう気もするけれど、俵万智の視点は爽やかで清々しい。結句の「新品の夏」の見事さ!こどもの成長をうれしく思う気持ちがかわいらしく気持ちいい。
私の好みでは「空と口づけ」とまとめられた歌がどれも好きだった。
インスタの桜が騒ぐ���つもの「いいね」の中に君を見つけて
はずみつつつんのめりつつ来るメール小さい「つ」の字ちりばめながら
ひとことで私を夏に変えるひと白のブラウスほめられている
どれも好きだから全部挙げていきたいぐらいなのだけど、描かれている内容も言葉のリズムも、今まで自分が使っている言葉の有り様を新しく見せてくれるようで気持ちがいい。インスタや先のフラペチーノなど、現代ならではの言葉と感性もさすがで、しかしまるで昔の詩人のような言葉遣いの歌もいい。
ひとひらの雲となりたし千年のかくれんぼして君を見つける
私はもしかすると今回これが1番好きかもしれない。
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/// : /// Bag Fair /// : ///
/// : /// Bag Fair /// : /// 2023 5/24(水)〜 アンティークやヴィンテージの布で作った多用なBagを作りました。
まずはトート型をご紹介。
●赤チェック ・ヨコ型25 × 15cm (リネン・コットン織り、絵柄違い数点あります) ・タテ型23 × 25cm (別布ポケット付)
●ショルダートート(ブルーグレー) 46 × 40cm(ショルダーの長さ85cm) ストライプが美しいコットン織り
●トワルドジュイ(Toile de jouy) くすんだ美しい赤 48 × 38 A面とB面あり
●南仏風更沙プリント インテリア用コットン ・トート型(L)35 × 40cm 持ち手レザープラス ・トート型(M)35 × 34 持ち手レザープラス ・巾着型26 × 30cm あい染手織り紐結び
お次はヨーロッパでも人気の吾妻袋。 折りたためて便利です。 美しいお買い物を入れるのに 取り出してみてくださいませ。 ●大きさ46 × 80cm 前述の布地たちを含め、 いろんな柄の布を使用しました。 Tシャツやブラウスを買った時に 「こちらに入れてください」 とお願いしたら、販売員さんに 「とてもすてき!」と評判上々でした。
価格は10,000〜30,000円くらいです。 サイズや布によります。
ご購入・お取り置き可能です。 お電話(0422-22-7951)にて お気軽にご相談ください♪
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こんにちは。
Teddy(ForAdults)Marketです。
三寒四温、
身体が付いていかず
ぐでんぐでんだったり
なんだりしつつ
ぼちぼちやっております。
みなさんも
Teddy(ForAdults)Marketの
online storeをチェックするなど
(一応宣伝を入れ込んでおきますね?)
ともかくゆったりダラダラたまには
していこうではありませんか。
とはいいつつ
最近お出掛けしてきました。
いざ!
「ピカソとその時代
ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」
久しぶりのミュージアムで
どんな���覚を受け取れるだろうか
意気込んで行ったところ
あまりの情報量にクラクラ。
美術に啓蒙が深いわけではないので
(なんならまあ素敵な皆様が
よく美術館など行ってるのを見かけるので
ここは一丁
わたしも行ってみるかという
ミーハー心もあり。)
難しい美術史や技法を踏まえた
知的な感想は言えません。
ただ、無心でアート作品に
触れてみて思ったのは
何がわたしにとって好きと思わせるのか
真剣に向き合うことって
なかなかないな、と。
あら、この絵はなんだか心地いい。
んーこれはちょっと、うっとくるかも。
この配色っていいね。
この絵はずっと観ていたい。
そんな浅はかな感想ばかりだけど
わたしはこういうものが好きで
こういうものが苦手なんだ。
って、ひとつひとつ丁寧に
手にとって考えてみるみたいな
そんな時間。
自分がどういうものに惹かれるのか
ちょっと見つめ直す時間って有意義ですね。
ただなんとなく可愛くて
手に取ったあの服も
強烈に欲しくて
衝動買いしたあの服も
実はそういう
小さな好きを堆積した
趣味嗜好が根底に隠れているんだ。
そう思うと
なんだかソワソワして
クローゼットを
改めて見返すなどしてしまう
今日この頃です。
そんなわけで
アートピースを組み合わせるみたいに
わたしたちも
お洋服を選べたら楽しいな
っと思ったわけです。
印象的なショルダーに
抽象画のようなパターンの
アーティスティックなブラウス。
ブラウスの肩のドレープ感、
ギャザーの立体感にリンクさせて
ギャザー寄せが美しい
コンパクトなスカートを。
メタリックな小物を忍ばせれば
より一層知的だ。
Design sleeve pattern blouse
¥4,800
Gather design skirt
¥5,200
Spangled pouches
こちらは今週末入荷予定。
他にもいくつかかわいいポーチをご用意しているので
金曜日の入荷をお楽しみに。
写実的な薔薇の総柄が
印象的なワンピース。
一面のバラ園を描いたような
贅沢で華やかで
なんだか高貴な感じもします。
合わせるのは
無機質なストライプのパンツ。
アートを
ポップカルチャーに落とし込むように
スウィムトップをプラスすれば
唯一無二のスタイル。
Flower print half sleeve dress Made in France
¥5,800
Swim top
¥3,200
Pants
¥5,400
“FABIO RUSCONI” mule
私物。ファビオルスコー二はどれも履き良くてありがたい。クラシカルなものが多いが、こちらは綺麗な色味にクリアなディテールと、エッジが効いていて気に入っている。
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