#刺青柄ブラウス
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◇PINKO(ピンコ)◇ブラウスが入荷しました。
定価:42,900円(税込)⇒SALE価格:30,030円(税込)
弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/PC0620-92S/
2023年SPRING&SUMMER SHOW SAMPLE
MADE IN ITALY
素材:ナイロン100%
(裏地)ナイロン90%、ポリウレタン10%
カラー:ヌードベージュ
サイズ:S
着丈 約56cm、バスト 約74cm、胴周り 約60cm、ヒップ 約52cm
(平置きの状態で測っています。伸縮性があります。)
ソフトチュール生地のシャーリングブラウス。
ハイビスカス、オフィシャルシグネチャー、チェーン、ジュエルなどのモチーフのタトゥー柄がプリントされたトロンプルイユ(だまし絵)。
これらのモチーフは水兵や船乗りの刺青からきています。
リアルさを出すためにタトゥーインクが滲んだようなグラデーションがプリントで表現され、より肌なじみが良く見える様にスキンカラーのソフトチュールを使用しています。
胸元でクロスデザインのホルターネック。
身頃の両サイド部分でギャザーを寄せています。
裏地付き。
身頃左サイドファスナーで着脱できます。
在庫ラスト1点です。
再入荷の予定はありません。
※ご覧いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がご���います。
※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。
Gallery なんばCITY本館1F店
〒542-0076
大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1F
【営業時間】11:00~21:00
【休館日】7月無休
【PHONE】06-6644-2526
【MAIL】[email protected]
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サン宝石のチョーカー+BABYのジャンスカ①
前回試してみたかったコーデをやり忘れたのでやってみることにした。
サン宝石のチョーカーはロリィタにも合うことが判明。
特にマーガレット風はいい感じ。
Florentinaヘッドドレスとお花の刺繍チョーカーは持ってないけどFlorentinaジャンパースカートの若草のほうが合いそう。
☆使用アイテム
・ヘアアクセ
ALICE and THE PIRATES
Florentinaヘッドドレス 紺
LOTUS ribbon
ヒロインツインテールリボンバレッタ ミント×ホワイト
・ブラウス
BABY’ THE STARS SHINE BRIGHT
お花リボンとうさくみゃちゃんレース衿ブラウス
・ジャンスカ
BABY’ THE STARS SHINE BRIGHT
Fairy tale Herbarium〜永遠を閉じ込めて〜柄リボンジャンパースカート ミント
・パニエ
Wunderwelt
ワンダーウェルトふわふわパニエ黒
・ドロワーズ
maxicimam(マキシマム)
ドゥクラシカルドロワーズ ホワイト
・ソックス
Snowdrop to Saint Maria
ボリュームフリルハイソックス - 白
・アクセサリー
【サン宝石】青/お花の刺繍チョーカー
【サン宝石】白/つながりマーガレット風花型チョーカー
↓続く
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ボツ2
おっぱい、大食い。最後まで書いたけど胸糞なのでここに途中まで投稿してお蔵入り予定。
時: 午前8時05分
所: ○○中学正門前
身長: 標準的。155センチ程度。
衣服: 〇〇中学指定の制服。黒のセーラー。リボンの色より二年生と断定。
年齢: 中学二年生なので14、5。
持ち物: 右手に〇〇中学指定の鞄。左手にスマホを所持。
同行者: 友人1名。興味無しのため略。
背格好: やや細身か。冬服のため殆ど見えなかったが、スカートから覗く脚、そして周りの生徒と見比べるに、肩や腕も細いと思われる。腰回りもほっそりとしていると感じた。正確には引き締まっていると言うべきか。
顔: いと凛々し。小顔。頬は真白く、唇には薄い色付き。笑うと凄まじく整った歯が見え隠れする。この時髪をかき上げ血の色の鮮やかな耳が露出する。
髪: ボブ系統。ほぼストレートだが肩のあたりで丸くなる。色は黒、艶あり。
胸: 推定バスト98センチ、推定アンダーバスト62センチのK カップ。立ち止まることは無かったが、姿勢が良いのでほぼ正確かと思われる。しっかりとブラジャーに支えられていて、それほど揺れず。体格的に胸元が突出している印象を受ける。隣の友人と比べるとな��顕著である。制服のサイズがあっておらず、リボンが上を向き、裾が胸の���めに浮いていた。そのため、始終胸下に手を当てていた。揺れないのもそのせいであろう。制服と言えば、胸を無理に押し込んだかのように皺が伸び、脇下の縫い目が傷んでおり、肩甲骨の辺りにはブラジャーのホックが浮き出ている。されば制服は入学時に購入したものと思われ、胸は彼女が入学してから大きくなった可能性が大である。元来彼女のような肉体には脂肪が付きづらいはずなのだが、一年と半年を以てK カップにまで成長を遂げたところを見ると、期待はまずまずと言ったところか。要経過観察。名前は○○。胸ポケットに入れてあったボールペンが落ちたので拾ってあげたところ、「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀をされる。
時: 午前10時28分
所: 〇〇駅構内
身長: 高い。170センチ強
衣服: 薄く色味がかった白、つまりクリーム色のファー付きコート。内には簡素なグリーンのニットを羽織る。首元に赤のマフラー。
年齢: 22、3。休み期間中の大学生かと思われる。
持ち物: キャリーバッグ。手提げのバッグ。
同行者: 友人2名。先輩1名。何れも女性。貧。
背格好: 体格が良いと言った他には特に無し。腕も見えず、脚も見えず、首も見えず。肩幅の広さ、腰つきの良さから水泳を営んでいると推定される。
顔: その背に似合わず童顔。人懐っこい。マフラーに顔を埋め、視線を下げ、常に同行者に向かって微笑む。愛嬌よし。
髪: ショート。これより水泳を営んでいると断定。色は茶、染め上げてはいるがつやつやと輝く。
胸: 推定バスト129センチ、推定アンダーバスト75センチのR カップ。冬である上に、胸元が目立たないよう全身を地味に作っており、某コーヒーショップにてコートを取っても、無地のニットのために膨らみが分かりづらかった。さらに、胸の落ち具合から小さく見せるブラジャーを着用しているかもしれない。そのため、推定カップはR カップより3、4カップは大きい可能性がある。コートを取った際、胸元が一層膨らんだように感じられた。机の上に胸が乗って、本人は気にしていないか、もしくは気づいていなかったが、柔らかさは至高のようである。他の男性客の腕が肩にぶつかって、驚いた際に胸で食べかけのドーナツを落とす。以降会話は彼女の胸に話題が移ったらしく、左右に居た友人二名が所構わず触れるようになり、両手を使って片胸片胸を��っついたり、揺らしたりして遊ぶ。「机まで揺れる」と言う声が聞こえてくる。「ちょっとやめてよ」と言いつつ顔は相変わらず微笑むでいる。しばらくして四人とも席を立って、地下鉄筋の方へ消えていく。童顔ゆえに顔より大きい胸は驚くに値するが、体格からして胸元に自然に収まっているのを見ると、やはりなるべくしてなったとしか思えず。
時: 午後00時14分
所: 〇〇市〇〇にあるスーパー前
身長: 低い。150センチに満たない。
衣服: 所謂マタニティウェア。ゆったりとした紺のワンピースに濃い灰色のポンチョ。
年齢: 26、7
持ち物: 買い物袋。ベビーカー。
同行者: ベビーカーの中に赤ん坊が一人。女の子である。
背格好: 小柄。寸胴で、かつ脚も長くはあらず、そして手足が細く、脂肪が程よくついている。つまりは未成熟な体つき。身長以上に小さく見える。
顔: かなりの童顔。着るものが着るものであれば高校生にも見える。可愛いがやつれていて、目の下に隈あり。子供が可愛くて仕方ないのか、そちらを見ては微笑む。
髪: セミロングを後ろで一束。中々の癖毛であるかと思われるが、目のやつれ具合からして、もしかしたら本当はもっと綺麗なのかもしれない。髪色は黒。可愛らし。
胸: 推定バスト110センチ、推定アンダーバスト58センチのQ カップ。体格が小柄であるのでQ カップよりもずっと大きく見える。というより迫力がある。私が訪れた時は買い物袋をベビーカーに吊っている最中であった。ほどなくして赤ん坊が泣き出したので、胸に抱えてあやしたが、赤ん坊は泣き止まず。片胸と赤ん坊の大きさはほぼ同じくらいであっただろう。また、胸と赤ん坊とで腕は目一杯伸ばされていた。胸に抱いて「よしよし」と揺らすのはしばらく続いたが、赤ん坊が泣き止むことはなかった。そこで、座る場所を求めて公園へと向かおうと、一度ベビーカーへと戻そうとしたのであるが、一度胸に食らいついた赤ん坊は離さない。「さっきも飲んだじゃない」とため息をついて片手で危なっかしくベビーカーを引こうとする。「押しましょうか」と接近してみたところ、意外にもあっさりと「よろしくおねがいします」と言って、私にベビーカーを預けた。中には玩具が数種類あった。道から離れた日差しの良いベンチに腰掛け、ケープを取り出して肩にかけ、赤ん坊をその中へ入れる。それでもしばらくは駄々をこねていたであったが、母親が甘い声をかけているうちに大人しくなった。私が「お腹が空いてたんですね」と笑うと、「困ったことに、食いしん坊なんです。女の子なのに」と笑い返して赤ん坊をあやす。話を聞いていると、母親の母乳でなければ我慢がならないと言う。授乳が終わってケープを��した時、子供はすやすやと眠りについていた。「胸が大きくなりすぎて、上手く抱っこできなかったんです。大変助かりました。ありがとうございます」と分かれたが、その言葉を考えるに、妊娠してから一気に胸が大きくなったのであろう。授乳期を終えたときの反動が恐ろしい。むしろベビーカーの中に居た赤ん坊の方に興味を唆られる。
時: 午後01時47分
所: 〇〇市市営の図書館。某書架。
身長: 標準的。158センチ程度。
衣服: 白のブラウスにブラウンのカーディガン。
年齢: 30前後か。
持ち物: 白のタブレット
同行者: 無し
背格好: 小太りである。全体的に肉がふっくらとついている。けれども目を煩わすような太り方ではない。豊かである。ただし、著しく尻が大きい。
顔: 目尻は美しいが、柔らかな頬に愛嬌があって、どちらかと言えば可愛らしい方の顔立ち。鼻がやや低く、口元はリップクリームで赤々と照りを帯びている。色白とは言えないが、光の加減かと思われる。眼鏡をかけており、リムの色は大人しい赤。非常によく似合う。
髪: ストレートなミディアムヘア。髪色は黒であるが、不思議なことに眼鏡の赤色とよく合い、前髪の垂れかかるのが美しい。
備考: 司書である。
胸: 推定バスト128センチ、推定アンダーバスト81センチのO カップ。本日の夜のお供にと本を物色中に、書架にて本を正していた。胸が喉の下辺りから流麗な曲線を描いて20センチほど突き出ているばかりでなく、縦にも大きく膨れており、体積としてはP カップ、Q カップ相当かもしれない。頭一つ分背が低いので上からも望めたのであるが、カーディガンで見え隠れする上部のボタンが取れかけていた。本を取る度に胸が突っかかって煩わしいのか、肩を揺すって胸の位置を直す。本棚に胸が当たるのは当然で、文庫本などはその上に乗せる。一つの書架を片付け終わった辺りで、適当に思いついたジャンルを訪ねて接近すると、如何にも人の良さそうな顔で案内をしてくれた。脚を踏み出す度に甲高い音が鳴るのは、恐らくブラジャーのせいかと思われる。歩き方が大胆で胸が揺れるのである。途中、階段を下りなければならないところでは、一層音が大きくなって、臍のあたりで抱えていた本を胸に押し付けて誤魔化していた。そのため、ブラジャーのストラップがズレたかと見え、書棚の方へ目を向けている隙に、大胆にも胸を持ち上げて直していた。なまめかしい人ではあるが、年が年なので望みは無い。
時: 午後02時22分
所: 〇〇小学校校庭
身長: 140センチ前後か
衣服: 体操服
年齢: 10、11歳
持ち物: 特に無し
同行者: 友人数名
背格好: ほっそりとしなやかである。幼い。腕も脚もまだ少女特有の肉が付いている。今日見た中で最も昔の「彼女」に似ている体つきであったが、この女子児童��単に骨格が華奢なだけで、痩せ細った体ではない。健康的である。脚が長く、短足な男子の隣に立つと、股下が彼の腰と同位置に来る。
顔: あどけなさは言うまでもないが、目元口元共に上品。笑う時もクスクスと擽るような、品の良い笑い方をする。眼鏡はテンプルに赤色が混じった、基本色黒のアンダーリム。そのせいで甚だ可愛らしく見えるが、本来は甚く聡い顔立ちをしているかと推定される。が、全般的に可愛らしい。
髪: 腰まで届く黒髪。ほぼストレートだが若干の癖あり。また、若干茶色がかっているように見えた。髪の質がかなり良く、時折肩にかかったのを払う度に、雪のように舞う。
胸: 推定バスト81センチ、推定アンダーバスト48センチのI カップ。体育の授業中のことである。男子は球技を、女子はマラソンでもやらされていたのか、校庭を走っていた。身体自体は小柄であるから胸はそう大きくはないのだが、無邪気に走るから激しく揺れる。揺れるごとに体操服が捲れ上がって腹部が見えそうである。明らかに胸元だけサイズが合っていない。何度か裾を直しながら走った後、耐えかねて胸元を押さえつけていたのであるが、いよいよ先生の元へ駆け寄って校舎内へ入った。そして出てきてから再び走り初めたけれども、その後の胸の揺れは一層激しくなっていた。ブラジャーに何かあったのだろうと思われる。顔には余裕がありながら、走る速さがこれまでとは段違いに遅く、これまで一緒に走ってきた友人に追い抜かれる。結局、彼女は胸を抑えながら、周回遅れで走りを終えた。しかし可哀想なことに、息を整えていると友人に後ろから手で掬われて、そのまま揉みしだかれる。小学生の手には余る大きさである。寄せあげて、掬い上げて、体操服をしわくちゃにしながら堪能する。私にはそう見えただけで、実際にはじゃれついていただけであろうが、指が深く沈み込んでいる様は男子児童の視線を寄せるのに足る。なされるがままにされていた彼女は、そのうちに顔を真っ赤にして何かを言いつつ手をはたき落とし「今はダメ」と言い、以降はすっかり両腕を胸元で組んで、猫背になって拗ねてしまった。この生徒は要観察である。下校時に再び見えてみれば、制服下の胸はブラジャーは着けていないながら見事な球形を為している。先程の光景から張りも柔らかさも極上のものと想像される。名前は○○。名札の色から小学5年生だと断定。ここ一ヶ月の中で最も期待すべき逸材。
時: 午後05時03分
所: 〇〇市〇〇町〇〇にある某コンビニ
身長: やや高い。163センチほど。
衣服: ○○の制服。
年齢: 17歳
持ち物: 特に書くべきにあらず
同行者: 無し
背格好: 標準的だがやや痩せ型。恐らくは着痩せするタイプである。一見してただの女子高生の体であるが、肩、腰つき��もに十分な量の肉量がある。その代わり腕は細い。右手に絆創膏。
顔: あどけない。非常に可愛らしい顔。人柄の良さが顔と表情に出ていると言ったところ。眉は優しく、目はぱっちり。常に口が緩んで、白い頬に赤みが差す。が、どこか儚げである。分厚くない唇と優しい目が原因か。
髪: 後ろに一束したミディアムヘア。一種の清潔さを表すと共に、若干の田舎臭さあり。後ろ髪をまとめて一束にしているので、うなじから首元へかけての白い肌が露出。これが殊に綺麗であった。
備考: 高校生アルバイター
胸: 推定バスト118センチ、推定アンダーバスト68センチのP カップ。服が腰元で閉じられているので、高さ24センチほどの見事な山が形成されている。そのため余計に大きく感じられる。手を前で組む癖があるのか胸が二の腕によって盛り上がって、さらに大きく見える。レジ打ちを担当していた。面倒くさい支払い方法を聞いて接近。レジにて紙を用いて説明してくれるのであるが、胸元が邪魔で始終押さえつけながらでの説明となり、体を斜めにしての説明となり、終いには胸の先での説明となる。ブラジャーの跡あり。よほどカップが分厚いのか胸と下着との境目がはっきりと浮き出ている。この大きさでこのタイプのブラジャーは、1メーカーの1ブランドしかないため、懐かしさに浸る。大体分かりました、では後日よろしくおねがいしますと言うと、にこやかにありがとうございましたと言う。腕の細さと胸の大きさとが全くもって合っていない。腰つきとは大方合っている。顔があどけないところから、胸に関しては期待して良いのではないだろうか? それを知るには彼女の中学時代、ひいては小学時代を知る必要があるが、そこまで熱心に入れ込めるほど、魅力的ではない。
本日も予が真に求むる者居らず、―――と最後に付け足した日記帳を、俺は俺が恐れを抱くまでに叫び声を上げながら床へと叩きつけ、足で幾度も踏みつけ、拾って壁に殴りつけ、力の限り二つに引き裂いて、背表紙だけになったそれをゴミ箱へ投げつけた。八畳の部屋の隅にある机の下に蹲り、自分の頭をその柱に打ちつけ、顎を気絶寸前まで殴り、彼女の残した下着、―――ブラジャーに顔を埋めて髪を掻き毟る。手元に残りたる最後の一枚の匂いに全身の力を抜かされて、一時は平静を取り戻すが、真暗な部屋に散乱した日記帳の残骸が肌へと触れるや、彼女の匂いは途端に、内蔵という内蔵を酸で溶かすが如く、血管という血管に煮えたぎった湯を巡らせるが如く、俺の体を蝕んでくる。衝動的にブラジャーから手を離して、壁に頭を、時折本当に気絶するまで、何度も何度も何度も打ちつけ、忌々しい日記帳を踏みしめて、机の上に置いてあるナイフを手にとる。以前は右足の脹脛��ふくらはぎ)を数え始めて26回切りつけた。今日はどこを虐めようかなどと考えていると、彼女の残したブラジャーが目につく。一転して俺のこころは、天にのぼるかのようにうっとりと、くもをただよっているかのようにふわふわと、あたたかく、はれやかになっていく。―――
―――あゝ、いいきもちだ。彼女にはさまれたときもこのような感じであった。俺の体は彼女の巨大な胸が作り出す谷間の中でもみくちゃにされ、手足さえ動かせないまま、顔だけが彼女の目を見据える。ガリガリに痩せ細って頬骨が浮き出てはいるが、元来が美しい顔立ちであるから、俺の目の前には確かにいつもと変わらない彼女が居る。我儘で、可愛くて、薄幸で、目立ちたがり屋で、その癖恥ずかしがり屋で、内気で、卑屈で、でも負けん気が強くて、甘えん坊で、癇癪持ちで、いつもいつもいつも俺の手を煩わせる。冷え切った手で俺の頬を撫でても、少しも気持ちよくは無い、この胸、この胸の谷間が冬の夜に丁度良いのだ。この熱い位に火照った肉の塊が、俺を天に昇らせるかの如き高揚感を與えるのだ。
だがそれは後年の事。床に広がったブラジャーを拾って、ベッド脇のランプの燈を点けて、ぶらぶらと下へと垂れるカップの布をじっくりと眺める。華奢で肉のつかない彼女のブラジャーだったのだから、サイドボーンからサイドボーンまでの距離は30センチ程もあれば良く、カップの幅も中指より少し長い程度の長さしかない。が、その深さと広さはそこらで見かけるブラジャーとは一線を画す。手を入れれば腕が消え、頭を入れればもう一つ分は余裕がある。記念すべき「初ブラ」だった。
それが何たることか! 今日、いや昨日、いや一昨日、いやこの一ヶ月、いやこの一年間、いや彼女が居なくなってから実に6年もの間、このブラジャーが合う女性には出会うどころか、見かけることも出来ないではないか。細ければサイズが足りず、サイズが足りればぶくぶくと肥え、年増の乳房では張りが足らず、ならばと小学生の後を付け回してはお巡りに声をかけられ、近所中の中高にて要注意人物の名をほしいままにし、飽きる迄北から南の女という女を見ても、彼女のような体格美貌の持ち主は居なかった。風俗嬢へすら肩入れをし、ネットで調子に乗る女どもにも媚びへつらった。
恭しくブラジャーを箱へと収めて床に散らばりたる日記帳の屑を見るや、またしても怒りの感情が迸ってくる。今日は左太腿の上をざっくりとやってやろうか。紙屑をさらに歯で引きちぎり、喉に流し込みながらそう思ったけれども、指を切る程度に留め、代わりに床を突き抜ける位力を入れて、硬い板の上に差す。今日書いた文面はその上にあった。
「なんで、なんで俺はあんなことを、……」
気がつけば奇声を上げつつ髪の毛を毟り取っていた。時計を見れば午後11時28分。点けっぱなしにしておいたパソコンの画面にはbroadcasting soon! という文字が浮かび上がって居る。忘れた訳では無かったが、その英単語二文字を見るだけで、怒りも何も今日の女どもも忘れ、急に血の巡りが頭から下半身へと下り、呼吸が激しくなる。まるで彼女を前にした時のようである。急いで駆けつけて音量を最大限まで上げて、画面に食い入ると、直にパッとある部屋が映し出され、俺の呼吸はさらに激しくなった。
部屋はここと同じ八畳ほど、ベッドが一台、机が一つ、………のみ。
机の上にはありきたりな文房具と、食器類が一式、それに錠剤がいくつか。ベッドの上には質の良さそうな寝具、端に一枚のショーツ、その横に犬用のリードが一つ。これはこれから現れる者が、謂わばご主人さまに可愛がられるために着けている首輪につながっているのである。そしてその横に、あゝ、彼女がまだ傍に居ればぜひこの手で着けて差し上げたい巨大なブラジャーが一つ、………。ダブルベッドをたった一枚で埋め尽くすほど大きく、分厚く、ストラップは太く、今は見えないが12段のホックがあり、2週間前から着けているらしいけれどもカップは痛み、刺繍は掠れ、ストラップは撚れ、もう何ヶ月も着たかのようである。
しばらく見えているのはそれだけだったが、程なくしてブラジャーが画面外へ消えて行き、ショーツが消えて行きして、ついに放送主が現れる。病的なまでに痩せ細って骨の浮き出る肩、肘、手首、足首、膝、太腿、それに反して美しくしなやかな指が見える。顔は残念ながら白い仮面で見えないが、見えたところで一瞬である。すぐさま画面の殆どは、中央に縦線の入った肌色の物体に埋められるのだから。その肌色の物体は彼女の胸元から生え、大きく前へ、横へと広がりながら腰元を覆い、開けっ広げになった脚の間を通って、床へとゆるやかにの垂れており、ベッドに腰掛けた主の、脚の一部分と、肩と、首を除いて、体の殆どを隠してしまっている。床に垂れた部分は、部分というにはおかしなくらい床に広がる。浮き出た静脈は仄かに青々として、見る者によっては不快を感ずるだろう。
言うまでもなく、女性の乳房である。主は何も言わずにただそこに佇むのみで、何も行動をしない。仮面を着けた顔も、たまに意外と艶のある黒髪が揺れるだけで動かないのであるが、極稀に乳房を抑える仕草をして、愛おしそうに撫でることがある。けれどもそれは本当に極稀で、一回の配信につき一度の頻度でしかなく、殆どの場合は、一時間もしたらベッドに倒れ込んで寝てしまうのである。
この配信を見つけてからというもの、俺の日中の行動は、その寝姿を見るため��暇つぶしでしか無い。彼女��っくりな体つきに、彼女そっくりな胸の大きさ、―――しかもこちらの方が大きいかもしれない上に、彼女そっくりな寝相、………見れば見るほど彼女に似て来て、また奇声を発しそうになる。無言で、手元にあった本の背表紙で頭を打ちつけて落ち着きを取り戻し、画面を見ると、ゴロンとベッドから落ちてしまったその女の姿。彼女もよくやった寝相の悪さに、途端懐かしさが込み上げて来て、
「あゝ、こら、叶(かなえ)、寝るんだったらベッドの上で寝ないと、……。手伝ってやるからさっさと起きなさい」
と頬を叩いたつもりだが、空を切るのみで、消息不明となっている者の名前を呼んだだけ、羨ましさと虚しさが募ってしまった。
幼馴染の叶が居なくなってから早6年、片時も忘れた事はないのであるが、隣に住んでいながら出会いは意外と遅いものであった。当時俺は11歳の小学5年生、物凄く寒かったのを思えば冬から春前であったろうか、俺の家は閑静な住宅街の中に突如として現れる豪邸で、建物よりも庭に意匠を凝らしたいという父上の意思で、洋館が一つと離れが一つ庭に面する形で建てられ、俺はその離れを子供部屋として与えられていた。球状の天井を持つその部屋は、本当に子供のために閉ざされた世界かのようだった。庭の垣根が高く、木に埋もれる形で建っているのであるから、内は兎も角、外からだとそもそも離れがあることすら分からない。音も完全に防音されていて、車が通りかかるのすら、微妙な振動でようやく分かるくらい外界から切り離されているのである。いつも学校から帰ると、俺はその部屋で母上と共に話をしたり、ごっこ遊びをしたり、宿題をしたりする。食事もそこで取って、風呂には本館の方へ向かう必要はあるけれども、学校に居る7、8時間を除けば一日の殆どをそこで過ごしていた。だから、近隣の様子なぞ目については居なかったし、そもそも父上から関わるなというお達しがあったのだから、あえて触れるわけにはいかない。学校も、近くにある公立校へは通わずに、ずっと私立の学校へ入れられたのだから、関わろうにも、友人と言える者も知り合いと言える者も、誰も居ないのである。
そんな生活の中でも、よく離れの2階にある窓から顔を突き出して、燦々と輝く陽に照らされて輝く街並みを眺めたものだった。今はすっかりしなくなってしまったけれども、木々の合間合間から見える街並みは殊に美しい。一家の住んでいる住宅街というのが、高台に建っているので、街並みとは言ってもずっと遠くまで、―――遥かその先にある海までも見えるのである。
そう、やっぱり冬のことだ、あのしっとりとした美しさは夏や秋には無い。いつもどおり、俺はうっとりと椅子に凭れかかって街並みを眺めていたのであるが、ふとした瞬間から、女の子の声で、
「ねぇ、ねぇ、ねぇってば」
と誰かを呼びかける声がしきりに聞こえてきていたのだけれども、それが少し遠くから聞こえてくるものだから、まさか自分が呼ばれているとは思わず、無視していると、
「ねぇ!」
と一層激しい声が聞こえてくる。下を見てみると、同年代らしい女の子が、彼女の家の敷地内からこちらを不満そうに見つめてきている。
「僕ですか?」
「そう! 君!」
と満面の笑みを浮かべる。
この女の子が叶であることは言及する必要も無いかと思うが、なんと見窄らしい子だっただろう! 着ている物と言えば、姉のお下がりのよれよれになった召し物であったし、足元には汚らしいサンダルを履いていたし、髪は何らの手入れもされていなかったし、いや、そんな彼女の姿よりも、その家の古さ、ボロさ、貧しさは余りにも憐れである。流石に木造建築では無いものの、築20年や30年は越えていそうな家の壁は、すっかりと黒ずんで蜘蛛の巣が蔓延っており、屋根は黒いのが傷んで白くトゲトゲとしているし、庭? にある物干し竿は弓なりに曲がってしまっていて、痛みに傷んだ服やタオルが干されている。全体的に暗くて、不衛生で、手に触れるのも汚らわしい。広さ大きさは普通の一軒家程度だけれども、物がごちゃごちゃと置かれて居るのでかなり狭苦しく感じられ、俺は父上がどうして近隣の者と関わるなと言ったのか、なんとなく理解したのだった。目が合った上に、反応してしまったからには相手をしなくちゃいけないか、でも、できるだけ早く切り上げて本の続きでも読もう。―――俺は一瞬そう思ったが、ようようそう思えば思うほど、彼女に興味を抱いてしまい、小っ恥ずかしい感情がしきりに俺の心を唆していた。
それは一目惚れにも近い感情だっただろうと思う。というもの、その時の叶の外見は、着ているものが着ているものだけに見窄らしく見えただけで、顔立ちは悪くないどころかクラスに居る女子どもなぞよりずっと可愛いかった。いや、俺がそう感じただけで、実際は同じくらいかもしれないが、普段お嬢様と言うべき女の子に囲まれていた俺にとっては、ああいう儚い趣のある顔は、一種の新鮮さがあって、非常に魅力的に見える。どこか卑屈で、どこか苦心があって、しかしそれを押し隠すが如く笑う、………そういう健気な感じが俺の心を打ったと思って良い。また、体つきも普段見るお嬢様たちとは大きく変わっていた。彼女たちは美味しいものを美味しく頂いて、線の細い中にもふっくらとした柔らかさがあるのだが、叶はそうではない。栄養失調からの病気じみた痩せ方をしていて、ただ線が細いだけ、ただ貧相なだけで、腕や脚などは子供の俺が叩いても折れそうなほどに肉が付いておらず、手や足先は、肌が白いがために骨がそのまま見えているかのようである。兎に角貧相である。が、彼女にはただ一点、不自然なほど脂肪が蓄えられた箇所があった。
それはもちろん胸部である。叶は姉から譲り受けた服を着ているがために、袖や裾はだいぶ余らしていたのであるが、胸元だけはピンと張って、乳房と乳房の間には皺が出来ていて、むしろ���イズが足りないように見える。恐らく裾を無理やり下に引っ張って、胸を押し込めたのか、下はダボダボと垂れているけれども、胸の上は変にきっちりしている。体の前で手をもじもじさせつつ、楽しげに体を揺らすので、胸があっちへ行ったり、こっちへ行ったりする。俺は最初、胸に詰め物をしているのであろうかと思われた。そう言えば、一昨日くらいにクラスの女子が、私の姉さんはこんなの! と言いつつ、体操服の胸元にソフトボールを入れてはしゃいでいたが、その姿がちょうどこの時の叶くらいであったから、自然にやっぱりこの年の女子は大きな胸に憧れるものなのだと納得したのである。だが、叶の胸は変に柔らかそうに見える。いや、それだけでなく、ソフトボールを入れたぐらいでは脇のあたりが空虚になって、はっきりと入れ物だと心づくが、彼女の体に描かれる、首元から始まって脇を通り、へその上部で終りを迎える曲線は、ひどく滑らかである。手が当たればそこを中心に丸く凹み、屈んで裾を払おうとすれば重そうに下で揺れる。
俺が女性の乳房なるものに目を奪われた初めての瞬間である。
それは物心ついた少年の心には余りにも蠱惑的だった。余りにも蠱惑的過ぎて、俺の体には背中をバットで殴られたような衝撃が走り、手が震え、肩が強張り、妙に臀部の辺りに力が入る。頭の中は真っ白で、少しずつ顔と耳たぶが赤くなっていくのが分かる。途端に彼女の胸から目が離せなくなり、じっと見るのはダメだと思って視線を上げると、さっきとは打って変わって潤いのある目がこちらを見てきている。微笑んでくる。その瞬間、徐々に赤くなって行っていた顔に、血が一気に上る感覚がし、また視線を下げると、そこにはこれまで見たことがない程の大きさの胸。胸。胸。………あゝ、なんと魅力的だったことか。
「こんにちは」
「うん、こんにちは。今日は寒いね」
彼女に挨拶されたので、俺はなんとか声を出したのだった。
「私は全然。むしろあったかいくらい」
「元気だなぁ」
「君が元気ないだけじゃないの」
「熱は無いんだけどね」
「ふふ」
と彼女は笑って、
「君どのクラスの子?」
「いや、たぶん知らないと思う。この辺の学校には通ってないから」
「どおりで学校じゃ、見ないと思った。何年生なの?」
彼女がこの時、俺を年下だと思っていたことは笑止。実際には同い年である。
「へぇ、あっちの学校はどうなの?」
「どうもこうもないよ。たぶん雰囲気なんかは変わんないと思う」
「そうなんだ」
と、そこでトラックが道端を通ったために、会話が区切れてしまって、早くも別れの雰囲気となった。
「ねぇ」
先に声をかけたのは彼女だった。
「うん?」
「またお話してくれない?」
少年はしばし悩んだ。近くの者とは関わるなと言う父上の言葉が頭にちらついて、それが殆ど彼女の家庭とは関わるなとの意味であることに、今更ながら気がついたのであったが、目の前に居る少女が目をうるませて、希望も無さげに手をもじもじと弄っているのを見ると、彼女の学校での扱われ方が目に見えてしまって仕方がな��った。そっと目を外すと、隣に住んでいなければ、多分一生関わること無く一生を終えるであろう貧しい家が目に飛び込んできて、だとすれば、良い育ちはしていないに違いはあるまい。だが、今言葉を交わした感じからすれば、意外にも言葉遣いはぞんざいではなく、笑い方もおっとりとしている。それに何より、自分がここまで心臓の鼓動がうるさいと思ったことはないのである。少年の心はこの時、「またお話したい」などというレベルではなく、彼女に近づきたい気持ちでいっぱいであった。近づいて、もっともっとお話をして、その体に触れて、夜のひと時をこのメルヘンチックな我が部屋で過ごせたら、どんなに素敵だろう。この窓から夜景を見て、手を取って、顔を突き合わして、行く行くは唇を重ねる、………あゝ、この部屋だけじゃない、綺麗に見繕って、二人で遊びに行くのも良い、いや、もはや二人きりでその場に居るだけでも僕の心は満足しそうだ。………実際にはこんなに沢山ことを考えた訳ではなかったけれども、しかしそういうことが、父上の言いつけから少年をすっかり遮断してしまった。つまりは、彼女の言葉に頷いたのである。
「もちろん。こうやって顔だしてたら、また話しかけてよ」
「ふふ、ありがとう。またね」
「またね。―――」
これが俺と叶の馴れ初めなのだが、それから俺たちは休みの日になると、窓を通じて10分20分もしない会話を楽しんだ。尤もそれは俺が父上と母上を怖がって、勉強しなくちゃいけないだとか、習い事があるとか、そういう理由をつけて早々に切り上げるからではあるけれども、もし何の後ろめたさも無かったら日が暮れても喋りあったに違いない。
「えー、……もう? 私はもっとお話してたい!」
「ごめんね。明日もこうやって外を眺めてあげるからさ」
その言葉に嘘はなく、俺は休日になれば、堪えきれない楽しみから朝食を終え、両親を煙に巻くや窓から顔を突き出していた。すると叶はいつも直ぐに家から出てきて、
「おはよう」
と痩せ細った顔に笑みを浮かべる。彼女もまた、楽しみで楽しみで仕方ないと言った風采なのである。
「おはよう。今日はいつにもまして早いね」
「ふふ」
会話の内容はありきたりなこと、―――例えば学校のこと、家のこと(彼女はあまり話したがらなかったが)、近くにある店のこと、近くにある交番がどうのこうのということ、近くにある家のおばさんが変人なことなど、強いて言えば、近所の人たちに関する話題が多かった。というのも、この住宅街に住んでいながら、今まで何も知らなかったので、俺の方からよく聞いたのが理由ではあるけれども、話に関係ないから述べる必要はあるまい。
それよりも、あんまり叶が早く出てくるので、いつのことだったか、聞いてみたことがあった。すると、彼女は心底意地の悪い笑顔で、
「私の部屋から丸見えなんだもん。そんなに楽しみ?」
と言うので、無性に恥ずかしさが込み上げてきたのは覚えている。どう返したのか忘れたが、その後の彼女の笑う様子が、強烈に頭に残っているのを考慮すれば、さらに恥ずかしい言い訳を放ったのは確かである。………
そんな��る日のことであった。確か、叶と出会って一ヶ月経った日だったように思う。何でも学校が春の休み期間に入ったために、俺達は毎日顔を合わせていたのであるから多分そうで、非常に小っ恥ずかしい日々を送っていたのであるが、この日は俺しか俺の家には居ないのであった。それも朝一から深夜まで、何故だったのかは忘れてしまったが、両親も居なければ、ハウスキーパーも、確実に居ないのである。然れば初恋に目の暗んだ少年が悪巧みをするのも当然であろう。つまり俺はこの日、叶をこのメルヘンチックな離れに招待しようとしていたのである。
一種の期待を胸に抱きながら、いつもどおり窓から顔を突き出して、今や見慣れてしまった貧しい家の壁に視線を沿わせては、深呼吸で荒れそうになる息を整えようとする。一見、「いつもどおり」の光景だけれども、この時の俺はどうしても、初めての彼女をデートに誘うような心地よい緊張感ではない、恐ろしい罪悪感で押しつぶされそうだった。別に子供が同級生の女の子を連れてくることなど、親からしたら微笑ましい以外何者でもないかもしれない。が、これから呼ぶのは、父上が関わるなと言った、隣家の貧しい娘なのであるから、どうしても後々バレた時の事を考えると、喉が渇いて仕方ないのである。―――出来れば叶が今日に限って出てきてくれなければ、なんて思っても、それはそれで淋しくて死ぬ。まぁ、期待と緊張と罪悪感でいっぱいいっぱいだった少年の頭では、上手い具合に言い訳を考えることすら出来なかったのである。
「おはよう」
そうこうするうちに、いつの間にか外に出てきていた叶が声をかけてきた。一ヶ月のうちに、さらに胸が大きくなったのか、お下がりの服の袖はさらに長くなり、………というのは、服のサイズを大きくしないと胸が入らないからで、その肝心の胸の膨らみは今やバレーボール大に近くなりつつある。
で、俺は焦ることは何もないのに、挨拶を返すこともせずに誘うことにしたのであった。
「ねぇ」
「うん?」
「きょ、今日、僕の家にはだ、だれも居ないんだけど、………」
「え? うん、そうなの」
それから俺が叶を誘う言葉を出したのは、しばらくしてのことだったが、兎に角俺は彼女を頷かせて門の前まで来させることに成功して、庭を駆けている時に鳴った呼び鈴にギョッとしつつ、正門を開けると、さっきまでその気になっていた顔が、妙に神妙なので聞いてみると、
「なんか急に入って良いのか分からなくなっちゃった」
ともじもじしながら言う。それは引け目を感じると言うべき恥であることは言うまでもないが、一度勢いづいた少年にはそれが分からず、不思議な顔をするだけであった。それよりも少年は歓喜の渦に心臓を打たせており、今日という今日を記憶に焼き付けようと必死になっていた。というのは、普段遠目から見下ろすだけであった少女が目の前に現れたからではあるけれども、その少女の姿というのが、想像よりもずっと可愛いような気がしただけでなく、意外と背丈がひょろ高いことや、意外と服は小綺麗に整えてあることや、手も脚も、痩せ細った中にも一種の妖艶さが滲み出ていることなど、様々な発見をしたからであった。特に、胸元の膨らみにはただただ威圧されるばかり。大きさは想像通りだったものの、いざ目の前に来られると迫力が段違い。試しに顔を近づけてこっそりと大きさを比べて見ると、自分の頭よりも大きいような感じがし、隣に並んでみると、彼女の胸元にはこんな大きな乳房が生えているのかと驚かれる。
「ちょっと、どうしたの」
と言われてハッとなって、叶の手を引きながら広大な庭を歩き始めたが、少年の目はやはり一歩一歩ふるふると揺れる彼女の乳房に釘付けであった。
庭の様子は今後必要ないから述べないが、一方はお坊ちゃん、一方は女中にもならない卑しい少女が手を取り合いながら、花々の芽の萌ゆる庭園を歩く様子は、或いは美しさがあるかもしれない。
離れについて、「や、やっぱり私帰るね」と言い出す叶を無理に押し込んで、鍵をかけると、一気に体中の力が抜けて行くような気がした。何となく庭を歩いているうちは、誰かに見られているかのようで、気が気でなかったのに、今となっては何と簡単なことだったであろう。とうとう成功した、成功してしまったのである、叶を一目見た瞬間に思い描いていた夢が、一つ叶ったのみならず、この心の底から沸き起こる高揚感はなんだろうか。期待? それとも単に興奮しているだけ? いや、恐らくは彼女が隣に居ること、手を触れようとすれば触れられる位置に居ること、つまり、彼女に近づいたという事実が、嬉しくて嬉しくて仕方がないのだ。そしてそれが、自分の住処で起こっている、………俺は多分この時気持ち悪いくらいに笑っていたように思ふ。頭は冷静に叶をもてなしているつもりでも、行動の一つ一つに抜けている箇所が、どうしても出てしまって、土足のまま上がろうとしたり、段差に足をひっかけて転けそうになったり、お茶を溢しそうになったり、最初からひどい有り様であったが、彼女は引け目を感じながらも笑って、
「ほんとにどうしたの、熱でも出てるんじゃ、………」
と心配さえもしてきて、その優しさもまた、俺には嬉しくて仕方がなくって、ますます惚けてしまったように思われる。が、それが出たのは昼前のことだったろう、あの時俺は、目の前ある叶の乳房が大きく重たく膨れ上がっているのに対し、それを支える身体が余り痩せすぎている、それもただ単に痩せているのではなくて、こうして間近で見てみると、骨格からして華奢であるので、身長はどっこいどっこいでも(―――当時の俺は背が低かったのである)、どこか小さく感じられるし、そのために、余計に体と胸元の膨らみとが釣り合っていない上に、胸が重いのか、ふらふらとして上半身が風で煽られているかの如く触れる時がある、それが緊張で体が強張っている今でも起こるので、段々と心配になってきて、
「す、すごい部屋、………」
ときちんと正座をしながら目を輝かす彼女が、今にも倒れてしまいそうに思われたのだった。しかし惚けた少年の頭では、ああ言えば失礼だろうか、こう言えば婉曲的に尋ねられるだろうか、などと言ったことは考えられない。ただ、この眼の前に居るかぁいい少女が、かぁいくってしょうがない。あ���? 叶ってこんなにかぁいかっただろうか? と、彼女の一挙一動がなんだか魅力的に見えて来て、手の甲を掻くのすらもかぁいくって、言葉が詰まり、今や何とか頭に浮き出てきた単語を並べるのみ、彼女を一人部屋に残して外で気持ちを落ち着けようにも、今ここに叶が居るのだと思えばすぐさま頬が燃え上がってくる。再び部屋に入れば入ればで、自分の思い描いていたのよりかぁいい少女が、きちんと正座をしながらも、未だに目をキラキラとさせ、口をぽかんと開けて部屋中を眺めている。そんなだから、一層少年の頭は惚けてしまった。同時に、胸の前で、乳房を押しつぶしながらしっかりと握られている両の手が目について、その細さ、そのか弱さに惹き込まれて無遠慮に、
「ねぇ、前々から気になってたんだけど、どうしてそんなに細いの? どうしてそんなに痩せてるの?」
と、彼女の正面に座りながら聞いた。
「あっ、うっ、……」
「ん? だって手とか僕が握っても折れそうだし」
「え、えとね?」
「うん」
「その、食べては居るんですけれど、………」
叶はここに来てからすっかり敬語である。
「食べても食べても、全然身につかなくって、………その、おっぱいだけが大きくなってしまってるの。だから、こんなにガリガリ。骨も脆いそう。………あはは、なんだか骸骨みたいだね」
「全然笑い事じゃないんだけど」
「うん、ありがとう。それだけでも嬉しいな」
とにっこりするので、
「もう」
とにっこりとして返すと、叶はすっかり普段の無邪気な顔に戻った。
「あ、でね、もちろんお母さんも心配してくれて、お金が無いのに、私のためにたくさんご飯を作ってくれててね、―――」
「たくさんって、どのくらい?」
「えっと、………」
と言葉に詰まるので、
「まぁ、別に笑わないからさ。言ってごらん?」
とたしなめた。すると返ってきた言葉は、俺の想像を軽く飛び越していたのだった。
毎日微妙に違うから昨日のだけと、はにかんだ叶の昨夜の夕食は、米を4合、味噌汁が鍋一杯、豆腐を3丁肉豆腐、その肉も牛肉1キロ、半分を肉豆腐へ、半分を焼いて、野菜はキャベツとレタスと半々に、鶏胸肉2枚、パスタ500グラム、………を食した後に寒天のデザートを丼に一杯、食パンを2斤、牛乳一リットルで流し込んだ、と、ご飯中は喉が乾いて仕方がないと言って、水もペットボトルで2本計4リットル飲んだ、いつもこれくらいだが、それでも食欲が収まらない時は、さらにご飯を何合か炊いて卵粥として食べるのだと言う。
笑わないとは言ったけれども、流石に苦笑も出来ずに唖然とするばかりで、俺は、スポーツ選手でも食べきれない食い物が、一体全体、目の前で顔を覆って恥ずかしがる少女のどこに入って、どこに消えたのか、想像をたくましくすることしか出来なかったが、そうしているうちに、今日の朝はねと、朝食までおっしゃる。それもまた米が4合に、やっぱり味噌汁を鍋一杯。そして、知り合いが店を構えているとか何とかでくれる蕎麦を、両手で二束、大鍋で茹でてざる蕎麦に、��ンスタントラーメンを2人前、水を2リットル。言い忘れてけどご飯は大きなおにぎりとして、中に色々と具材を入れて食うと言って、最後に、デザートとは言い難いが、デザートとしてシリアルを、やっぱり牛乳1リットルかけて食べる。その後パンがあればあるだけ食べる。水も何リットルか飲む。で、大体食事の時間は1時間半から2時間くらいで終わるけれども、お腹が空いていたら30分でもこれだけの量は平らげられるらしい。
「いやいやいやいや、………えっ?」
俺のそんな反応も当然であろう。ところで以上の事を言った本人は、言っちゃった、恥ずかしい、と言ったきり黙って俯いているが、益々見窄らしく、小さく見え、やはり可哀想でならなかった。
ポーン、と鳴って、時計が12時を示した。叶の告白から随分時間が経ったように思っていたら、もうそんな時間である。空腹を訴えかけている腹には悪いが、今ここで食事の話題を振れば恐ろしい結果になるかもしれない、一応自分の昼食は、父上が予め出前を取ってくれたのが、さっき届いたからあるし、母上が夕食もと、下拵えだけして行った料理の数々があるので、それを二人で分けて、一緒に食べる予定ではあったのだが、しかし先の話が本当だとすれば、とても量が足りない。だが、恐ろしい物は逆に見たくなるのが、人間の常である。俺は、叶がご飯を食べている様を見たくてたまらなかった。普段、外食は両親に連れられてのものだったけれども、幸い街を歩けばいくらでも食事処にはありつける。日本食屋に、寿司屋に、洋食屋に、喫茶店に、中華料理屋に、蕎麦屋饂飩屋鰻屋カレー屋、果ては創作料理屋まであるから、彼女をそこに連れて行ってみてはどうか。もちろん一軒と言わずに何軒も訪れて、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげてみてはどうだろうか? 俺はそんなことを思って、心の内で嫌な笑みを浮かべていたのであったが、偶然か必然か、その思いつきは叶の願いにぴったり沿うのであった。
「あはは、………やっぱり引いた?」
と叶がもじもじしながら言う。
「若干だけど、驚いただけだよ」
「ほんとに?」
「ほんとほんと」
「じゃ、じゃあ、もう一つ打ち明けるんだけどね、………あ、本当に引かないでよ」
「大丈夫だって、言ってごらん?」
と言って顔を緩めると、叶は一つ深呼吸してから、もじもじさせている手を見つめながら口を開くのであった。
「えとね、私、………実はそれだけ食べても全然たりなくて、ずっとお腹が空いてるの」
「今も?」
「今も。ほら、―――」
叶が服の裾をめくり上げると、そこにはべっこりと凹んでいる腹が丸見えになる。
「すっかり元通りになっちゃった。君と会うために外に出た時は、まだぼっこりしてたんだけど、………」
「お昼は?」
「え?」
「お昼。お昼ごはん。どうするの?」
「我慢かなぁ。いつもお昼ごはんは給食だから、全然平気だよ!」
この時、図らずも俺の画策と、彼女の願い、というよりは欲望が、同じ方向を向いたことに歓喜したのは言うまでもない。俺はこの後のことをあまり覚えていないが、遠慮する叶に向かって、
「ご飯一緒に食べよう!!」
と無理やり立たせて、取ってあった出前を彼女の目の前に差し出したのは、微かに記憶に残っている。彼女はそれをぺろりと平らげた。口に入れる量、噛むスピード、飲み込む速度、どれもが尋常ではなく、するすると彼女の胃袋の中へと消えていった。母上が下ごしらえして行った料理もまた、子供では食べきれないほどあったが、5分とかからなかった。こちらは食べにくいものばかりであったけれども、叶は水を大量に飲みつつ、喉へと流し込んで行く。それがテレビでよく見る大食い自慢のそれとは違って、コクコクと可愛らしく飲むものだから、俺はうっとりとして彼女の様子を見つめていた。食べ終わってから、俺は彼女の腹部に触れさせてもらった。その腹は、3人前、4人前の量の食事が入ったとは思えないほど平たく、ぐるぐると唸って、今まさに消化中だと思うと、またもや俺の背中はバットで殴られたかのような衝撃に見舞われてしまった。ちょうど、叶の乳房に目を奪われた時と同じような衝撃である。思わず耳を叶のヘソの辺りに押し付けて、たった今食べ物だったものが排泄物になろうとしている音を聞く。ゴロゴロと、血管を通る血のような音だった。
「まだ食べられる?」
「もちろん!」
叶は元気よく答えた。俺は彼女がケチャップで赤くなってしまった口を、手渡されたナプキンで綺麗に拭き終わるのを待って、
「じゃあ、行こうか」
と、財布と上着を取りながら聞いた。
「どこへ?」
「今日はお腹いっぱいになるまで食べさせてあげるよ」
俺の昼食夕食を軽く平らげた彼女は、今更遅いというのに遠慮をするのであった。「いや、私、もうお腹いっぱいで」とか、「お金持ってない」とか、「別にいいって、いいってば」とか、終いには「ごめん、ごめんなさい」と言って泣き出しそうにもなったり、なんとかなだめて離れから飛び出ても、動こうとしなかったり、自分の家に入ろうとする。「だ、大丈夫! 嘘! 嘘だから! 忘れて! もう食べられないから!」など、矛盾に満ちた言葉を放っていたのは覚えている。俺はそれをなんとかなだめて、気持ちが先行してしまって不機嫌になりつつも、最終的には弱々しい彼女の腰を抱きかかえるようにして引っ張って行った。
「ごめんね、ごめんね。ちょっとでいいからね。私よりも君がたくさん食べてね」
と食べることには堪忍したらしい叶が、物悲しそうにしたのは、確か家からまっすぐ歩いて、3つめの交差点を曲がって、広めの県道を西に沿ってしばらく行った所にある小綺麗な中華料理屋だっただろう。前にも述べたが、俺はこの日のことをあまり詳しく憶えていないのである。何故この中華料理屋に訪れたかと言えば、ようやく落ち着いた叶に何が食べたい? と聞くと、渋々、春巻きが食べたいとの答えが返ってきたからであるのだが、この店は昔も今も量が多いとの文句が聞こえてくる名店で、俺はよく、父上が天津飯一つすら苦しんで食べていたのを思い出すのである。とまぁ、そんな店であるのだから、そんな店にありがちな、所謂デカ盛りメニューなるものがあって、例えば丼物、―――麻婆丼だったり、炒飯だったり、それこそ天津飯だったり、そういう��はだいたい揃ってるし、酢豚とか、八宝菜の定食メニューもそれ専用の器すらあったりする。そしてそれを30分以内に食べきったら無料なので、これならお金を気にする彼女も安心してくれるだろうと、少年は考えた訳であったが、いざ入ってみて、奥の席へ通されて、
「この春巻きを10人前と、デカ盛りメニューの麻婆丼一つと、それと僕は、………エビチリ定食をご飯少なめでください!」
と注文すると、
「ぼ、僕? 冗談で言ってる?」
と、まず俺を見、そして叶を見して怪訝な顔をするのであった。
「冗談じゃないよ。ねぇ?」
と叶を見るが、彼女は静かに俯いている。
「ま、そういうことだから、お金は出すんだから、早く! 早く!」
「でもね、これはとっても量が多いんだよ?」
「うん、知ってる。だけど叶ちゃんが全部食べてくれるから、平気だよ」
「え、えぇ、………? この子が? 嘘おっしゃい」
そういう押し問答は10分乃至15分は続いたのであったが、とうとう店側が折れる形で、俺達の前には山になった春巻きと、山になった麻婆丼と、それ比べればすずめの涙程のエビチリが、テーブルの上に現れたのであった。俺も驚いたし、店員も驚いたし、何より他の客の驚きようと言ったら無い。奥の席だったから、人気はあまりないものの、写真を撮る者、頑張れよと冷やかしてくる者、わざわざ席を変わってくる者も居れば、自分たちも負けじとデカ盛りメニューを頼む者も居る。彼らの興味は殆どテーブルの上に置かれた理不尽な量の料理と、それに向かう華奢な少女であったが、妙に俺は良い気になって、ピースして写真に写ったり、冷やかして来た者を煽ったりして、相手をしたものだった。本当に、あの時の俺は、自分が一時の有名人になったかのような心持ちで、サインでも握手でもしてやろうかと思った。いや、そんなことよりも、もっと写真に撮って、もっと騒ぎ立てて、もっと人を集めてくれという気持ちであった。有頂天と言っても良い状態だった。が、ふと叶の方を見てみると矢張り俯いたままでいる。―――あゝ、こんなに騒がしかったら美味しいものも美味しくは無いだろうな、早く食べないと冷えてしまう、それに、自分もお腹が空いて仕方がない、そろそろ追っ払おうかしらん。叶の様子にいくらか冷静になった俺はそう思ったのであった。
「ごめんね、彼女、恥ずかしがり屋だから、ほら、あっち行ってて」
そう言うと、店主のハラハラした視線だけはどうすることも出来なかったが、皆次第に散り散りになった。叶もまた、周りに人が居なくなって安心したのか、顔を上げる。
「騒がしかったね」
「うん」
「まったく、野次馬はいつもこうだよ」
「うん」
「足りなかったら、もう一つ頼むことにしようか」
「あ、あの、………」
「うん?」
「いただきます」
この時の彼女の心境は、後になって聞いたことがある。たった一言、ああいう状況に慣れていなかったせいで、食べて良いのか分からなかった、と。実際には、中華店へ入る前から匂いに釣られて腹が減って死にそうになっていたところに、いざ目の前に好物の春巻きと、こってりとした匂いを漂わせている麻婆丼が現れて、遠慮も恥も何もかも忘れて食らいつきたかったの��そうである。事実、麻婆丼は物凄い勢いで彼女の口の中へと消えていった。
ところで麻婆丼は、後で聞けば10人分の具材を使っているのだと言う。重さで言えば8.7キロ、米は5合6合はつぎ込んで、女性の店員では持ち運べないので、男が抱えなければならない。時たま米の分量を誤って、餡のマーボーが指定分乗り切らない時があって、そういう時は乗り切らなかった餡だけ別の器に盛って出す。かつて挑戦した者はたくさんいるが、無事にただで食べられたのはこれまで1人か2人くらい、それも大柄な男ばかりで、女性はまだだと言う。
そんな麻婆丼が、11歳の、それも痩せ細った体つきの少女の口の中へ消えていくのである。休むこと無く蓮華を動かし、時折春巻きを箸に取っては、殆ど一口で飲み込むが如く胃の中へ流し込み、真剣ながらも幸せの滲み出た顔をしながら、水をグイグイ飲む。見れば、心配で様子を見に来ていた店主は、いつの間にか厨房に引っ込んで呆れ顔をしている。叶はそれにも気が付かずに黙々と口を動かして、喉が微かに動いたかと思ったら、蓮華を丼の中に差し込んで、幸せそうな顔で頬張る。あれよあれよという間にもう半分である。こういうのは後半になればなるほど勢いが落ちるものだのに、叶の食べるスピードは落ちないどころか、ますます早くなっていく。やがて蓮華では一口一口の大きさが物足りないと感じたのか、一緒に付いてきたスプーンで上から米もろとも抉って食べる。叶は普段から綺麗に食べることを心がけていて、大口を開けて食い物を口へ運んだとしても、それが決して醜くなく、逆に、実に美味そうで食欲が掻き立てられる。優雅で、美しい食べ方は、彼女が言うには、体の動かし方が重要なのだと、かつて教えてもらったことがある。気がついた時には、もう普通の麻婆丼と殆ど変わらない分量になっていた。一個もらうつもりだった春巻きは、………もう無かった。
俺は、叶の料理を食べている姿をついに見ることが出来て、ただただ感激だった。先程は恐ろしい勢いで食べたと言っても、量は大食いの者ならば簡単に平らげる程度しか無かったのである。それが今や10人前の巨大な麻婆丼を前にして、淡々と頬張っていき、残るは殆ど一口のみになっている。彼女はここに来てようやくペースが落ちたのだが、その顔つき、その手付き、その姿勢からして、腹が一杯になったのではなくて、あれほどあった麻婆丼がとうとうここまで無くなったので、急に名残惜しくなったのであろう。その証拠に、一口一口、よく噛み締めて食べている。俺は、またもや背中をバットで殴られたかのような衝撃に身を震わせてしまい、その様子をじっくりと穴が空くほどに見つめていたのであったが、汗もかかずに平然と、最後の豆腐に口をつける彼女を見て、とうとう食欲がさっぱり無くなってしまった。代わりに無性に苛立つような、体の内側が燃えるような、そんな堪えきれない欲が体の中心から沸き起こってきて、今までそんなに気にしてなかった、―――実際は気にしないようにしていた胸元の膨らみが、途端に何かを唆しているように思えて、もっともっと叶の食事風景を見ていたくなった。
「ごちそうさまでした」
と、声がしたので見てみると、澄ました顔で水を飲んでいらっしゃる。俺は慌て��、店主がテーブルの上に乗せて行ったタイマーを止めて時間を見てみた。
「16分39秒」
「えっ? 食べ終わった?」
「ほんまに?」
「本当に一人で食べたんだろうか。………」
気がつけば観客たちがぞろぞろと戻ってきていた。彼らの様子は、もうあんまりくだくだしくなるから書かないが、俺はまたしても注目を浴びている彼女を見て、ただならぬ喜びを感じたということは、一言申し上げておく必要がある。少年は輪の中心に居る少女の手を取るに飽き足らず、その体に抱きついて(―――何と柔らかかったことか!)、
「やったね叶ちゃん。やっぱり出来るじゃないか」
と歓声を放ち、
「ほら、ほら、この子はデカ盛りを16分で食べきったんだぞ。男ならそれくらいできなきゃ」
と、まるで我が手柄のように、奮闘中の大学生らしき男性客に言うのであった。俺の感性はまたしても有頂天に上り詰めて、多幸感で身がふわふわと浮いていた。隣で叶がはにかんで居るのを見ては、優越感で酔っ払ってしまいそうだった、いや、酔いに酔って、―――彼女の隣に居るのは僕なんだぞ。少年はそう叫んだつもりであるのだが、実際には心の中で叫んだだけなようである。俺がこの日の記憶をおぼろげにしか覚えていないのは、そんな感情に身も心も流されていたからなのである。………
騒ぎが収まってから、俺は半分近く残っていたエビチリを叶にあげた。もちろんぺろりと平らげた訳なのだが、しかしその後余りにも平然としてデザートの杏仁豆腐を食べているので、ひょっとしたら、………というよりは、やっぱりそうなんだなと思って、
「もしかしてさ、もう一回くらいいける余裕ある?」
「あ、………もちろん」
もちろんの部分は小声で言うのであった。そして小声のままその後に続けて、今体験した感じで言うと、もう一回あのデカ盛りを食べるどころか、さらにもう一回くらいは多分入ると思う。なんて言っても、まだ空腹感が拭えない。実のことを言えば、あれだけ店主が期待させてくるから楽しみだったのだけれども、いざ出てきてみれば、美味しかったものの、いつも食べてる分量より少なかったから、拍子抜けしてしまった、30分という時間制限も、頑張ったらさっきの麻婆丼2つ分でも達成できると思う。いや、たぶん余裕だと思う、出来ることならもう一回挑戦してみたいが、あの騒ぎを起こされた後だとやる気は起きないかなと言う。少年は彼女の食欲が未だに失せないことに、感謝さえしそうであった。なぜかと言って、この日の俺の願望は、彼女の食事姿を眺めること、そして、街にある食事処をはしごして、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること、―――この2つだったのである。しかし、前者は達成したからと言って、それが満足に値するかどうかは別な問題であって、既に願望が「彼女の食事姿を飽きるまで眺めること」となっていた当時の俺には、元々の望みなどどうでもよく、叶がお腹いっぱいになっちゃったなどと言う心配の方が、先に頭に上っていた。が、今の彼女の言葉を聞くに、彼女はまだまだ満足していない。腹で言えば、三分ほどしか胃袋を満たしていない。となれば、第二の願望である「彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること」を達成していない。然れば、僕が叶の食事風景を飽きるまで眺めるためにも、そして叶が満腹を感じるまでに食事を取るためにも、今日はこのまま延々と飯屋という飯屋���巡ってやろうではないか。そして、あのメルヘンチックな子供部屋で、二人で夜景を眺めようではないか。………斯くして三度、俺の願望と叶の欲とは一致してしまったのであった。
結局叶は、春巻きをもう一度10人前注文して幸せそうな顔で味わい、その間に俺は会計を済ましたのであったが、あっぱれと未だに称賛し続けている店主の計らいで杏仁豆腐分だけで済んでしまった。本当にあの体にあの量が入ってるとは信じられんとおっしゃっていたが、全くその通りであるので、店を出てから叶に断ってお腹に手を触れさせてもらったところ、ちょうど横隔膜の下辺りから股上までぽっこりと、あるところでは突き出ているようにして膨らんでいる。ここに8.7キロの麻婆丼と、春巻き20人前が入っているのである。ついでに水何リットルと、申し訳程度の定食が入っている。そう思うと、愛おしくなって手が勝手に動き初めてしまいそうになったけれども、人通りの多い道であるから、少年は軽く触れただけで、再び少女の手を引いて、街中を練り歩き出した。
それから家に帰るまでの出来事は、先の中華料理屋とだいたい似ているので詳しくは書かないが、何を食べたかぐらいは書いておこう。次に向かった店は近くにあったかつれつ屋で、ここで彼女は再びデカ盛りのカツ丼4.3キロを、今度は初めてと言うべき味に舌鼓をうちながらゆっくりと、しかしそれでも半額になる25分を6分24秒下回るペースで平らげ、次はカレーが食べたくなったと言って、1つ2つ角を曲がってよく知らないインドカレー屋に入り、ご飯を5回おかわり、ナンを10枚食べる。おぉ、すごいねぇ、とインド人が片言の日本語で歓声を上げるので、叶はどう反応していいのか分からずに、むず痒そうな顔を浮かべていた。で、次はラーメン屋が目についたので、特盛のチャーシュー麺と特盛の豚骨、そして追加で餃子を頼んで、伸びたらいけない、伸びたらいけないと念仏のように唱えながら、汁まで飲み干す。この時既に、一体何キロの料理が彼女の腹に入っていたのか、考えるだけでも恐ろしいので数えはしないが、店を出た時に少々フラフラとするから心配してみたところ、
「いや、体が重いだけで、お腹はまだ大丈夫」
という答えが返ってくる。事実、その移動ついでにドーナツを10個買うと、うち9個は叶の胃袋へ、うち1個は俺の胃袋へと収まった。そして今度は洋食屋に行きたいとご所望であったから、先の中華料理屋の向かい側にある何とか言う店に入って、ナポリタン、―――のデカ盛りを頼んで無料となる19分17秒で完食す。とまあ、こんな感じで店をはしごした訳であったが、その洋食屋を後にしてようやく、ちょっと苦しくなってきたと言い出したので、シメとして喫茶店のジャンボパフェを食べることにした。彼女にしてみれば、どれだけ苦しくても甘いものだけはいくらでも腹に入れられるのだそうで、その言葉通り、パフェに乗っていたアイスが溶けるまでにバケツのような器は空になっていた。そして、喫茶店を出た時、叶は急に俺の体に凭れかかってきたのであった。
「あ、あ、………苦しい、………これがお腹一杯って感覚なんだね」
と、俺の背中に手を回してすっかり抱きついてくる。うっと��として、今が幸せの絶頂であるような顔をこちらに向けたり、道の向かい側に向けたりする。人目もはばからず、今にもキスしそうで、その実ゴロンと寝転がってしまうのではないかと思われる身のこなし。心ここにあらずと言ったような様子。………彼女は今言った量の料理を食べて初めて、満腹感を感じられたのであった。―――あゝ、とうとう僕の願望と叶ちゃんとの欲望が、叶い、そして満たされたしまったのだ。見よ見よこの満足そうな顔を。ここまで幸せそうな顔を浮かべている者を皆は知っているか。―――少年も嬉しさに涙さえ出てくるのを感じながら、抱きついてくる少女のお腹に手を触れさせた。妊娠どころか人が一人入っているかのようにパンパンに張って、元の病的なまでに窪んでいた腹はもうどこにもなかった。胸元だけではなく、腹部にある布地もはちきれそうになっていた。思えばここに全てが詰まっているのである。今日食べた何十キロという食べ物が、………そう考えれば本来の彼女の体重の半分近くが、この腹に収まって、今まさに消化されているのである。少年と少女はついに唇を重ねるや、そっとお腹に耳をつけてその音を聞いてみると、じゅるじゅると時々水っぽい音を立てながら、しかしグウウウ、………! と言った音が、この往来の激しい道沿いにおいても聞こえてきて、この可愛らしい少女からこんな生々しい、胎児が聞くような音を立てているとは! 途端に、股間の辺りから妙な、濁流を決壊寸前の堤防で堰き止めているかのような、耐え難い感覚がして、少年は咄嗟に彼女から身を引いた。今度の今度は背中をバットで殴られたような衝撃ではなく、内側からぷくぷくと太って破裂してしまいそうな、死を感じるほどのねっとりとした何かだった。そしてそれは何故か叶の体、―――特に異様に膨らんだ胸元と腹を見るだけでも沸き起こってくるのであった。少年は恐怖で怯えきってしまった。この得体の知れない感覚が怖くて仕方なかった。目の前でふらふらとしている少女から逃げたくもなった。が、無情なことに、その少女はうっとりと近づいてきて、少年の体にすがりつくので、彼は逃げようにも逃げられず、為されるがままに、その痩せきってはいるけれども上半身の異様に膨れた体を抱いてやって、少女の希望ゆえにお腹を両手で支えながら帰路につくのであった。
「お母さんに何言われるか分からないから、楽になるまで遊んで」
離れに戻ってから、叶はそう言って俺の体に寄りかかってきた。道沿いでしてきた時はまだ遠慮があったらしく、俺はすっかり重くなった彼女の体を支えきれずにベッドに倒れてしまい、じっと見つめる格好になったのであるが、そのうちに堪えきれなくなって、どちらからともなく、
「あははは」
「あははは」
と笑い出した。
「ねぇねぇ」
「うん?」
「さっきキスしてきたでしょ」
「………うん」
俺はこっ恥ずかしくなって、素っ気なく答えた。
「もう一度しない?」
「………うん」
今度はしっかりと叶の顔を見つめながら答えた。
これで俺たちは二度目の接吻をした訳であるが、俺の手はその後、自然に彼女の胸に行った。この時、叶の方がベッドに大きく寝そべっていたので、俺の方が彼女より頭一つ下がった位置にあり、目の前で上下する乳房が気になったのかもしれない。俺の手が触れた時、彼女はピ���リと体を震わせただけで、その熱っぽい顔はじっとこちらを向けていた。嫌がっている様子が見えないとなれば、少年は図に乗って、両手を突き出して乳房に触れるのであったが、それでも少女は何も言わない。思えば、少年が恋する少女の胸に手をかけた初めての時であった。やわらかく、あたたかく、頭ぐらい大きく、手を突っ込めばいくらでもズブズブと沈み込んでいき、寄せれば盛り上がり、揉めば指が飲み込まれ、掬い上げれば重く、少年はいつまででも触っていられそうな感じがした。と、その時気がついたことに、着ている物の感触として、女性にはあって然るべき重要な衣服の感覚が無いのである。
「ぶ、ぶ、ぶ、ぶらは、………?」
と少年は何度もどもりながら聞いた。
「高くって買えないの。………それに、おっぱいが大きすぎて店に行っても売ってないの。………」
と少女は儚げな表情を、赤らめた顔に浮かべる。
それきり、言葉は無かった。少年も少女も、大人にしか許されざる行為に、罪悪感と背徳感を感じて何も言い出せないのである。少年の方は、父上の言いつけに背くばかりか、この部屋に連れ込んで淫らな行為に及んでいるがため、少女の方は、相手が自分の手に届かない物持ちの息子であることから、果たしてこんなことをして良いのかと迷っているところに、突然の出来事舞い込んできたため。しかし両者とも、気が高揚して、場の雰囲気もそういうものでないから、止めるに止められない。そして、どうしてその行動を取ったのか分からないが、少年は少女に跨って下半身を曝け出し、少女もまた裾を捲って肩まで曝け出した。玉のような肌をしながらも、はちきれんばかりになったお腹に、少年はまず驚いた。驚いてグルグルと唸るそれを撫で擦り、次に仰向けになっているのにしっかりと上を向く、丸い乳房に目を奪われた。生で触った彼女の乳房は、服を通して触るよりも、何十倍も心地が良かった。少年は、少女の腹を押しつぶさないように、腰を浮かしながら、曝け出した物を乳房と乳房が作る谷間の間に据えた。と、同時に少女が頷いた。右手で左の乳房を取り、左手で右の乳房を取り、間に己の物を入れて、すっぽりと挟み込み、少年は腰を前後に振り始めた。―――少年が射精を憶えた初めての時であった。
叶の腹がほぼ元通りに収まったのは、日も暮れかかった頃であったろうか、彼女を無事家まで送って行き、すっかり寂しくなった部屋で、俺はその日を終えたのであるが、それからというもの、お話をするという日課は無くなって、代わりに、休みの日になると叶を引き連れて、街にある食事処を次々に訪れては大量に注文し、訪れてはテーブルを一杯にし、訪れては客を呼び寄せる。その度に彼女は幸せそうな顔を浮かべて料理を平らげ、満足そうな顔を浮かべて店を後にし、日の最後は必ずその体を俺に凭れさせる。彼女にとって嬉しかったのは、そうやっていくら食っても俺の懐が傷まないことで、というのは、だいたいどこの店にもデカ盛りを制限時間内に食べられれば無料になるとか、半額になるとか、そんなキャンペーンをやっているのだけれども、叶はその半分の時間で完食してしまうのである。「頑張ったら、別に2倍にしても時間内に食べられるよ」と言って、見事に成し遂げたこともあった。その店には以降出入���禁止になってしまったけれども、痛いのはそれくらいで、俺は俺の願望を、叶は叶の欲望を満たす日々を送ったのであった。
だが、叶を初めて連れて行ってから一ヶ月ほど経った時の事、父上に呼ばれて書斎へと向かうと、いつもは朗らかな父上が、パソコンの前で真剣な表情で睨んで来ていらっしゃった。俺は咄嗟に叶との行動が知れたのだなと感づいて、心臓をドキドキと打たせていると、
「まぁ、別に怒りはしないから、隣に来てくれ」
とおっしゃるので、すぐ傍にあった椅子に腰掛けて、父上が真剣に見ていたであろうパソコンの画面を見てみた。そこには家中に配置されている監視カメラの映像が映し出されていたのであったが、その映像をよく見てみると、若い少年と少女が手を繋いで庭を渡る様子と、端に俺が叶を連れ込んだ日の日付と時間が刻銘に刻まれているのである。俺は頭が真白になって、どういい訳をしたらいいのか、どうやれば許して頂けるのか、―――そういう言葉ばかりが浮かんで結局何も考えられなかったが、兎に角、叶と会っていたことが父上にバレた、それだけははっきりと分かった。
「この映像に思い当たる節はないか?」
無いと言っても、そこに写っている少年の顔は俺であるし、後ろ姿も俺であるし、背丈も俺であるし、況や叶をや。言い訳をしたところで、事実は事実である上に、父上に向かってこれ以上見苦しい姿を見せたくなかったし、嘘を言うなんて事は俺には出来ないので、正直に告白することにした。もちろん、彼女に一杯物を食べさせてたなんて言うべきではないから、ただ一言会っていたとだけ伝えることにした。
「ふむ、正直でよいよい。そんなとこだろう。いや、それにしても、いきなり自分の部屋に連れ込むとは」
と、一転して朗らかになったので、急に恥ずかしくなってきて、キュッと縮こまったのであった。
ところで俺がこの監視カメラを甘く見ていたのには、少しばかり理由がある。1つには、庭は木が生い茂っていて見通しが悪いこと、そしてもう1つには、子供部屋として使っている離れには設置していないこと、だから俺はあの日の朝、部屋にさえ連れ込んだらこちらのものと思っていたのであったが、それ以上の理由として、父上がその防犯カメラの映像をあまりチェックし給はないことが挙げられる。父上は抑止力としてカメラを設置していらっしゃるだけで、その映像を見ることは月に一回あるかないか、それもたまに半年間もすっぽ抜かすこともあれば、チェックをするのも適当に何日かを選んで、早送りをして見るだけというずさんさがあった。俺はしばしばその様子を眺める機会があったのだが、いまいち鮮明でない画面であるがゆえに、もはや人が居るかどうかが辛うじて分かる程度であった。だから、俺はあの時、叶を部屋に連れ込んだとしても、見つかるはずは無いと高をくくっていたのである。
で、子供が一人で家の中で何をしているのか気になった父上が、ひょんなことから防犯カメラの映像を、ぼんやり眺めていると、何者かと共に離れにまで入っていく事を確認し、それが何とも見窄らしい格好をした少女であるから、2、3回繰り返して見ているうちに、隣家の貧家の娘であることに気がついたのであろう。
俺はそれから、また真剣な顔つき���なった父上に、たんまりと諭されてしまった。この住宅街は、その大半が一般庶民の暮らしている家で埋められているのであるが、とある一画にだけは物騒な人(に売られる)が住んでいる。不幸なことにこの家を建てる時に、上手い土地が無かったために、ある一つの家を挟んで、そこと向かい合わせになってしまった。それならば、せめて家の裏にして、木で生け垣を作って完璧に仲を隔ててしまおうと思って、お前の部屋からも分かる通り、風景は見えるようにだけしたのである。もちろん、それなら別に他の所に住めば良いではないかと思うかもしれないが、しかしこの地は俺が子供時代に何年か過ごしたことがある土地であって、そして、お前のお母さんの生まれ育った土地である。つまりは夫婦の思い出の地であって、(言葉を濁しながら、)つまりは俺もお前と同じ穴の狢であるから、近所に住む女の子を一人や二人呼んだところで何も言いはしない。が、裏にある地区だけはダメだ。別にそういう地区ではないが、何しろ物騒な噂ばかり聞く。で、彼女の家はそんな地区と我々とのちょうど境目に建っていて、一番可哀想な境遇を経ているのであるが、向こうから色々と入れ知恵されていると人はよく言う。もし問題が起これば面倒事になるかもしれないし、お前に怪我でもあったら良くない。実際、昔お前のお母さんの友人が、あの地区にいる人といざこざを起こした時に、上辺だけは丸く済んだけれども、その後に復讐として連れ去られそうになったことがあった。彼らは放っておくとどこまで非情なことをするのか分からない。だからあの言いつけはお前を心配してのことだったのだ。そもそも、俺はお前にはもっとふさわしい女性とお付き合いしてほしい。ほら、一人二人くらい学校で仲良くなった子は居るだろう。いたらぜひ言ってくれと、最終的には学校生活の話をするのであったが、父上は諭している途中ずっと真面目であった。俺はそれをふんふんと頷きながら、その実父上がそういうことを話てくれることが嬉しくて、内容はあまり耳に入ってなかった。ただ叶が可哀想なんだなと思うくらいで、始まった父上の詰りに、すっかり考えを逸らされてしまったのであったのだが、
「しかし、可愛い子だな。あんな家に住ませておくのがもったいない。転校して会えなくなる前に、分かれの挨拶くらいは許してやるから、やっておけよ」
と、突然父上が衝撃的な事を言ってのけるので、
「え? 転校?」
と聞き返してしまった。全く、転校するなどとは俺には初耳で、椅子の上でぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
「もう少ししたら、気晴らしに別荘の方で何年か過ごすからな、―――あゝ、そうそう本当に何年間かだぞ、一週間などではなくて。だからそのつもりでな」
俺はぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
それからは急に頭がぼんやりとしてしまって、引っ越しまでどう過ごしたのか憶えて居ない。ただ、最後に叶に会ったことだけは憶えていて、彼女は泣いていたように思う。ようやく自分が満足する量の食事を隔週ではあるけれども、取っている彼女の体つきは、微かに肉付きがよくなっているのだが矢張りガリガリに痩せ細っていた。逆に、胸元だけは一層膨らみ始めていて、その大きさはバレーボールよりも大きかった。俺は木陰に入って、最後にもう一度触らせてもらった。もうこれが最後だと思うと、お腹にも耳を当てた。朝食後直ぐに出てきたというその腹からは、矢張りゴロゴロと中で何かが蠢く音が聞こえてきた。そして泣いて泣いて仕方がない彼女と最後のキスをして、また会う約束を交わして、蕾を付け始めた桜の花を、雲の下にてあわれに見ながら袂を分かった。
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A3! × earth music&ecology Japan Labelコラボ第2弾!
2018年1月に1周年を迎えた大人気ゲームアプリ「A3!」とearth music&ecology Japan Labelのコラボ企画第2弾、受注生産の詳細が決定いたしました!
コラボ第2弾ではアプリ配信1周年を記念し、 第一部に登場したの劇団員20名のモチーフフラワーやカラーなどを落とし込んだアイテムが登場。 MANKAIカンパニーの4つのユニット「春組」「夏組」「秋組」「冬組」、それぞれのユニットをイメージしたコーディネートをお楽しみいただけます。 受注生産となっておりますので、お見逃しなく!
■受注期間 2018/4/10(火)17:00 ~ 2018/4/18(水)23:59
earth公式通販サイト『ストライプクラブ』
■お届け日 2018年6月中旬~下旬を予定しております。
■通常販売 発売開始日:2018年6月23日(土) 発売場所:Japan Label store 東京/池袋サンシャイン店・大阪/梅田ヘップファイブ店 入荷数量はごくわずかとなりますので、ご購入予定のあるお客様はWEB受注をお勧め致します。記載店舗以外の店舗での発売はございません。
【コラボアイテムのご紹介】
<A3!コラボ第2弾 「春組」コーデ>
・A3! 春組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ピンク 春組メンバーのモチーフフラワーであるさくら、すみれ、たんぽぽ、ガーベラ、ジャスミンの花を落とし込んだオリジナルの花柄プリントのブラウス。 軽くて柔らかいジョーゼット素材を使用しており、ゴムシャーリングでふんわり仕上げた袖のデザインもポイントです。前後どちらもフロントにできる2WAY仕様で、気分やスタイルに合わせて表情の変化が楽しめます。 セットアップ対応の【春組 フラワープリント スカート】と合わせて女性らしいワンピース風のスタイルもお楽しみ頂けます。
・A3! 春組 フラワープリント スカート
価格 :5,990円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ピンク 春組メンバーのモチーフフラワーであるさくら、すみれ、たんぽぽ、ガーベラ、ジャスミンの花を落とし込んだオリジナルの花柄プリントのギャザースカート。 ふんわり軽いジョーゼット素材を使用しており、程よく広がる綺麗なフレアーシルエットです。フロントフラットのウエストは、全体のシルエットをスッキリ魅せてくれます。バックゴムシャーリングで快適な穿き心地。 セットアップ対応の【春組 フラワープリント スカート】と合わせて女性らしいワンピース風のスタイルもお楽しみ頂けます。
<A3!コラボ第2弾 「夏組」コーデ>
・A3! 夏組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:イエロー
夏組���ンバーのモチーフフラワーであるひまわり、ゆり、ききょう、ダリア、ハイビスカスを落とし込んだオリジナルの総柄が目を引くブラウス。 軽やかな着心地で清涼感のあるコットンライクな素材を使用しています。 肩と袖口にシャーリングを施した女性らしい立体感のあるシルエットもポイント。コーディネートのアクセントになってくれるデザインです。
・A3! 夏組 デニムタイト スカート
価格 :4,990円+税 サイズ:S/M サイズ カラー:インディゴ
タイトシルエットとミディ丈が今年らしい雰囲気のデニムスカート。 デニム素材にアウトポケットのデザインやステッチを施し、キレイめなワークデザインに。 夏組メンバーのモチーフフラワーロゴと、ポケットからひょっこり顔を出すスーパーさんかくクンの刺繍もポイントです。バックウエストはゴム仕様になっており、リラックスして快適に着用頂けるのも特長。 ベーシックなシルエットなのでトップスを選ばず、様々な着こなしをお楽しみ頂けます。
<A3!コラボ第2弾 「秋組」コーデ>
・A3! 秋組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:F サイズ カラー:ブラック 秋組メンバーのモチーフフラワーであるコスモス、ヒガンバナ、パンジー、カーネーション、キクを落とし込んだオリジナルのモノトーン柄がポイントのブラウス。 ふんわりとしたフレアスリーブは腕をすっきりと見せ、センシュアルな透け感のあるシフォン素材が大人っぽい印象をプラスしてくれています。 フロントのボタンを開けて、スキッパ―風の着こなしもおすすめです。 タイトボトムから、トレンドのワイドタイプのボトムまで幅広く着こなせるのも着回しの効くデザインに仕上げました。
・A3! 秋組 サス付き ラップパンツ
価格 :6,990円+税 サイズ:S/M サイズ カラー:カーキ
ラップ風のデザインが印象的なトレンドのサスペンダー付きワイドパンツ。 柔らかく落ち感のある素材を使用し、ゆったりとしたシルエットで着心地も抜群です。ウエストにはベルトを付け、サイズの微調整も可能な優れもの。 フロントの左ポケットには秋組メンバーのモチーフフラワーロゴをオレンジの糸で刺繍してポイントにしました。 サスペンダーは取り外し可能なので様々な着こなしを楽しめます。
<A3!コラボ第2弾 「冬組」コーデ>
・A3! 冬組 ドルマン プルオーバー
価格 :4,100円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ホワイト
冬組メンバーのモチーフフラワーであるすいせん、らん、アネモネ、バラ、つばきを落とし込んだプリントデザインが印象的なドルマンプルオーバー。 ゆったりシルエット+ドルマンスリーブのデザインが、女性らしい華奢な着こなしを演出してくれます。 柔らか風合いのカットソー素材は肌触りがよく、涼しげな着心地。 袖のロールアップと梯子レースもアクセントになっています。
・A3! 冬組 フラワープリント スカート
価格 :6,450円+税 サイズ:Fサイズ カラー:サックスブルー トレンドのランダムドット柄に冬組メンバーのモチーフフラワーを散りばめたオリジナルのプリントがポイントのフレアスカート。 フロントの飾りボタンがトラッドな印象を与えつつ、ふわりと広がるシルエットでナチュラルに着用して頂けます。 落ち感のある柔らかいジョーゼット素材を使用し、着心地も軽やか。 フロントフラットのウエストは、スッキリ魅せつつバックゴムシャーリングで快適な穿き心地です。
<A3!コラボ第2弾 バッグチャーム>
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ ゴールド箔でオリジナルロゴをプリントした三角のレザーパーツがポイントのバッグチャーム。 第一部登場の劇団員20名のモチーフカラーを落とし込んだタッセルが、同室ペアごとに2個セットになっています。 タッセルは金具で着脱可能。チェ��ン部分やパールの横につけたり、お手持ちのグッズを付けてオリジナルのデコレーションをお楽しみいただけます。普段使いのバッグはもちろん、痛バに付けてもアクセントになるデザインです。 ・A3! 春組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【佐久間咲也&シトロン セット ⇒ カラーA】 【碓氷真澄&皆木綴 セット ⇒ カラーB】 【茅ケ崎至&春組カラー(ピンク) セット ⇒ カラーC】
・A3! 夏組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【皇天馬&瑠璃川幸 セット ⇒ カラーA】 【向坂椋&三好一成 セット ⇒ カラーB】 【斑鳩三角&夏組カラー(イエロー) セット ⇒ カラーC】
・A3! 秋組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【摂津万里&兵頭十座 セット ⇒ カラーA】 【七尾太一&伏見臣 セット ⇒ カラーB】 【古市左京&秋組カラー(オレンジ) セット ⇒ カラーC】
・A3! 冬組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【月岡紬&高遠丞 セット ⇒ カラーA】 【御影密&有栖川誉 セット ⇒ カラーB】 【雪白東&冬組カラー(サックス) セット ⇒ カラーC】
【ご注意事項】 ※サンプルにて撮影を行っております。 実際にお届けする商品と仕様やサイズが異なる場合がございます。
A3!とは…
劇団の主宰兼『総監督』となりイケメン劇団員たちをキャスティングして青春ストーリーが楽しめる、リベル・エンタテインメントより配信中のスマートフォン向けイケメン役者育成ゲーム。2018年2月より待望の第二部の配信がスタートし、2018年3月には500万ダウンロードを達成。
【メインストーリー】
「カントク!オレたちを…咲かせてください!」 東京の郊外の街、天鵞絨(ビロード)町。この町には『ビロードウェイ』と呼ばれる通りがあり、多くの劇団が拠点にする劇団員の聖地となっている。 突然届いた一通の手紙を頼りにこの地に降り立ったあなた。元舞台役者のあなたが出会ったのは―… 【借金まみれ!・お客ゼロ!・劇団員たった1名!】かつての栄光を失った潰れかけのボロ劇団! ひょんなことからその劇団を立て直す事になったあなたは、劇団の主宰兼『総監督』を任されることになって―…?
© Liber Entertainment Inc.
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フタを開けて絶望…間違って洗濯機で洗ってしまったものが悔やんでも悔やみきれない
集計期間:2020年2月20日~2月22日 回答数:14268
洗濯機から洗濯終了の音が鳴り、フタを開けてみたらビックリ!とんでもないものを洗ってしまっていた…そんな経験はありませんか?
洗濯にかけた時間に洗剤の無駄遣い、洗濯物へのダメージなど、いろいろなことが一気に襲いかかってきてグッタリしてしまいますよね。
今回はそんな哀しい経験をみなさんにシェアしていただきました。
Q1. 洗濯機で間違えて洗ってしまったものはありますか?
回答していただいた14268名のうち、約3分の2にあたる方々が「何かしらを間違えて洗濯した経験がある」という結果に。
では、ここからは具体例を見ていきましょう。
Q2. 洗ってしまったものなど、回答した内容に補足がありましたらご自由にお願いします。
<多かった回答>
・ティッシュ
・オムツや生理用品
・湿布
・ボールペン
↑寄せられた回答の中でも特に多かったのはこれら。特にティッシュは全体の半分以上を占める勢いで、いずれも「大惨事になった」というコメントを添えてあるのが印象的でした。
<小物・文具>
・タバコ
・ライター
・カギ類
・メガネ
・目薬
・メイク道具
・リップクリーム
・ヘアピン
・ブレスレット
・印鑑や朱肉
・マジック
・時計
・カイロ
・お守り
・数珠
↑ポケットに入るサイズのものは気づかずに洗濯してしまうことが多いですね。洗ってしまっても特に影響のないものもある一方で、カギ類は最近電子キーやスマートキーも多いので取り返しのつかない事態になることも・・・
<財布・お金・カード類>
・財布
・お金(お札、硬貨)
・パチスロやゲーセンのメダル
・クレジットカード
・ポイントカード
・ICカード
・定期券
・学生証や社員証
・免許証
↑「お札は意外と破れない」という意見もある一方、クレジットカードやICカードなどは再発行せざるを得なかった人が多い様子。ああいうのって防水加工できないんですかね・・・また、洗ってしまった金額も100円~250万円まで大きな差がありました。
<紙類>
・名刺
・チケット類
・大事な手紙
・取っておかなければならないレシート類
・高速の領収書。会社からお金もらえない・・・
・新人の頃に会社のメモを洗濯して頭が真っ白になった
・手帳
・本(文庫本、マンガなど)
・付箋紙をポケットに入れてて終わった後カラフルなチリが付いていました
↑ただの紙切れならまだしも、大事な書類や手紙だと絶望もひとしお。筆者も3万円を超える領収書がチリとなり、慟哭した思い出があります。
<間違った洗い方をした衣類>
・白い服と、青い服
・色落ちするデニム
・シルクのブラウス
・ウール100%セーターがベビーサイズになった
・高級ブランドバッグ
・毛皮のコート
・革ジャン
・洗濯機で洗ってはダメと表示してある子供の洋服、家内にめっちゃ怒られた
・コタツ布団を洗ったが、サイズオーバーで洗濯機が停止した。ビショビショのまま裏のコインランドリーに持っていった。
・ビーズクッション。ドラム式洗濯機で洗ってそのまま乾燥したら中が飛び散り洗濯機が壊れた
・低反発の枕。洗えないのを知らずに洗って干したけど 2日たっても乾かず 洗えないのに気がついた。
・絹のチヂミの大きな風呂敷洗ったら、バンダナ位の大きさに。。。お菓子等包めず…お弁当には、柄が変だし…( ̄▽ ̄
↑洗ったものは衣類だけど「洗い方を間違えた」パターン。一人暮らしを始めたばかりの時はよくありがちですね。
<その他衣類>
・ウィッグ
・バイクのヘルメット
・上履き
・運動靴
・授乳パット
↑靴はまだしも、なぜバイクのヘルメットを洗濯機に入れようとしたのか・・・
<電化製品>
・ケータイやスマホ
・携帯音楽プレーヤー
・USBメモリ
・Wi-fi端末
・イヤホン
・補聴器
・ビデオカメラ
・リモコン
・ハンディマッサージャー
・電子タバコ
・ゲームソフト
・炊飯器(一人暮らしの時キッチン隣にお風呂があってその前に洗濯物入れるかごを置いていたが、キッチンが狭すぎて料理中度々そのカゴの中の洋服の上に使わないものを置いていたら炊飯器置いたの忘れてそのまま洗濯機に入れて洗ってしまっていた)
↑お金を洗ってしまうよりも手痛いのが電子機器の類。最近は小型化も進んでいるため、ますますポケットに入れたままになりがち。しかしながら「サイズ的にも大きいし、なぜそれを洗った」とツッコミたくなるものも・・・
<食品>
・おにぎり
・ガム
・キャンディ
・友達からもらったアンパン
・缶ビール
・牛丼
↑意外と多かった食品。こちらも大半はポケットサイズのものでしたが、「牛丼」も複数回答がありました。経緯を知りたい・・・
<子供のポケットは宇宙>
・子供が拾った貝殻をズボンのポケットに入れたまま洗ってしまった。気付いた時にはポケットで割れていた。
・子供がポケットに入れっぱなしにした、石やドングリ
・息子(当時2歳)がズボンのポケットに仕舞い込んでいたダンゴムシ達
↑子供は「宝物」を見つけると何でもポケットに入れて持ち帰ってしまうもの。特にダンゴムシについては複数の回答が。筆者も母親の大嫌いなカエルをポケットに入れたまま持ち帰り、壮絶な制裁を受けた記憶が・・・
<生き物系>
・飼ってたインコが水浴びしたくて飛び込んだ
・ザリガニ
・猫のフン
・犬のおもちゃ。パーカーのポケットに入れたまま洗ってしまい、柔軟剤の良い香りがついてしまった。それを飼い犬に渡したら、なんか違うみたいな雰囲気をだされた。
・弟
↑もはや事件。入れられてしまった生き物の安否が気になるところです・・・人間に関しては、洗濯機で身体を洗うマンガのキャラを思い出しますが、動画などに録ってSNSにアップすると間違いなく炎上するので避けたいところです。
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
グノシーの「アンケート」タブにて、毎日新しいアンケートを更新しています。ポイントが手に入るものもあるので奮ってご参加ください。
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テーマパークでJKを撃とう!
1.情報雑誌記事 殺戮せよ! ターゲットはJKだ!! オンラインゲーム『殺戮のJKストリート』映画化を記念して、テーマパーク『コンティネンタル・シティ・ジャパン(CCJ)』でスペシャルゲームイベントが開催される。 CCJの『The Park of Scaffold』といえば、廃墟と化した遊園地を巡り襲い掛かってくるゾンビを撃退しながら脱出を目指す人気アトラクションだ。 その『The Park of Scaffold』が一日だけ『The Park of JK Street』に生まれ変わる。 深夜の廃遊園地という舞台はそのまま、次々現れるJKをビームショットガンで撃ちまくる大興奮のゲームだ! 標的のJK役はすべて一般公募のリアル女子高生。10倍以上の応募の中から選ばれたという。 専門家による演技指導を受けて迫真の殺されっぷりを見せてくれるぞ。 ハリウッド仕込みのド派手な流血エフェクトも注目だ! 開催は10月◯◯日。参加資格は15才以上のペア(男女問わず、中学生不可)。30組限定。 詳細はウェブで! 2.俺達のこと、そして前説ビデオ 限定30組の15禁ゲームイベントにダメモトで申し込んだら当選してしまった。 俺は長野、相方は松本。サバゲー仲間の大学生だ。 イベント当日の朝、CCJのアトラクション前に集まると、高校生、大学生から上は50才くらいまで色々な世代の参加者が揃っていた。 女性も10人以上は参加していて、運営側が年齢や男女の割合を調整して当選者を決めたのかと思われた。 さっそくブリーフィングルームに集められてオープニングセレモニー。 そして内容説明のプロモーションビデオを見せられた。 [派手な音楽と『The Park of JK Street』のタイトルロゴ] ・・ようこそ、JKストライカーの諸君! ここは5年前に廃止された遊園地。 いつからか謎の生命体JKが出現する閉鎖空間と化し、興味本位に 侵入して行方不明になる者が続出している。 最近になってさらに深刻な事態が判明した。 閉鎖空間スペシャリスト、発明家でJK研究家でもある漆原太郎博士 の調査によると、出現するJKの数が年々増加しているという。 [白衣を着て丸眼鏡をかけた小柄な中年男性が登場] ワシが漆原博士ぢゃ。 事態は極めて深刻なのぢゃ。 このまま放置すればJKはこちら側の世界にも溢れ、大変ウレシい、 もとい危険な状態になるであろう! ・・報告を受け当局はJKの殺処分を決定した。 キミ達は新たに組織されたJKストライカーユニットの隊員だ。 二人一組のチームで閉鎖空間に侵入し、そこに潜むJKを可能な 限り多く射殺すること、そして脱出ルートを見つけ時間内に 外部世界に戻ってくること。 それかキミ達に与えられたミッションだ! [漆原博士] 武器はワシが発明したこのビームショットガンぢゃ。 うまく狙えば一撃でJKを仕留めることが可能ぢゃぞ! ・・ではターゲットのJKについて説明しよう。 JKは美少女タイプの生命体だ。 その生態は謎に包まれ、まだ十分解明されていない。 多くは制服を着用しており、まれにスクール水着やメイド服など 特殊なコスチュームも確認されている。 JKは神出鬼没だ。突然現れてキミ達の近くを走り抜けたりする。 しかしJKがキミ達を襲うことはないから安心してくれたまえ。 その代わりJKはキミ達に微笑みかけたり、いろいろなポーズで 誘ったりする。 [漆原博士] JKは可愛いぞいっ。その可愛さがJKの武器とも言える。 思わず見とれてミッションタイムを浪費しないよう、特に男性諸君は 注意するのぢゃぞ! ・・キミ達の評価は、射殺したJKの数だ。 ビームショットガンを撃つと内蔵のAIが成果を判定し、ターゲットの 射殺に成功すればスコアが自動的に加算される。 JKを撃つには頭か胴体を狙うのがベストだ! ビームショットガンのビームが頭か胴体に当ると、JKは即座に活動を 停止して死亡する。 手や足にヒットしてもは致命傷とはならず、ターゲットが死亡しない 限りスコアは加算されない。 [漆原博士] そんな場合は、もう一度近くから頭か胴体を撃って確実にトドメを刺す ことが高スコアをゲットするコツぢゃ! ・・JKはミッション達成に役立つ情報やアイテムを持っている。 射殺した後は所持品や衣服を調べることをお勧めする。 なお次の行為は禁則行為、すなわち反則だ! その1。ビームショットガン以外の手段でJKを攻撃すること。 その2。情報、アイテムゲット以外の目的でJKに触れること。 [漆原博士] キミらの行動は常に記録されておるぞ。 可愛いJKを前にムフフな行為に走りたくなる気持ちはワシもよぉーく 理解するが、ミッション中止となる場合もあるから気をつけるように! ・・次に、ビームショットガンの使用方法だ。 照準をターゲットに合わせてトリガを引けばビームが照射される。 トリガを引き続ければ連射も可能だ。 右側に表示される数字はスコア、すなわちそのビームショットガンで 射殺したJKの数だ。 左側の数字はミッションの残り時間だ。 [漆原博士] ビームショットガンのエネルギーは無限ぢゃ。 遠慮なく撃ちまくって、一体でも多くJKを仕留めてくれたまえ! 奮闘期待しておるぞ~! [BGMフェードアウト。画面暗転] ビームショットガンが配られた。 案外重量があって、構えてみると具合は悪くなかった。 照準器はアイアンサイトっぽいのが付いているが、精度は実際に撃ってみるまで分からない。 そもそもオモチャの光線銃で照準に意味があるのか不明だし、およそ撃ちたい方に向って撃てば当ってしまうのではないかと思う。 それより勝負を決めるのはスピードだろう。 JKを見つけたら、いかに早く構え、いかに早くトリガを引くか。 二人とも、そういう所作はサバゲーでさんざん鍛えているから心配はない。 「いけるか」「いけるだろ」 俺達は揃ってにやりと笑った。 よーし、優勝するぞ! 3.あいらちゃんスタンバイ キャスト控え室に呼び出しがかかった。 「シフトB組の二谷あいらさーん、5番ゲートに入って下さい」「はい!」 来た! 何度も繰り返した衣装チェックをもう一度行う。 ブラウスにベスト。きりきりに短いスカート。紺のソックスとローファー。・・OK! ウイッグOK、流血用の血糊袋も、全部OK! せっかくオーディションにうかったこのお仕事。 プロのスタッフさんと一緒だから学べることは多いし、もしかしたら誰かの目にとまるチャンスがあるかも。 かんばるぞー!! 「二谷あいらですっ。よろしくお願いします!」 「ご苦労さん、こっちおいで」 若いスタッフさんが多い中、一人だけ年配のおじさんから手招きされた。 「わし縄師の鮫島です。今日は『囚われJK』のお手伝いをするんで、まあよろしく」 「あ、はいっ。お世話になります」 縄師って? ちょっと考えて分かった。 女の人を縄で縛るお仕事の人だ。 私の配役は『囚われJK』。20種類あるJKの配役で唯一縛られる役だ。 これをキャスト3人が交代で担当する。 訓練では光線銃で撃たれるアクションを何度も練習したけど、緊縛は今日がぶっつけ本番。 縛られるって、どういう感じなのか。 ドラマや舞台でいろんな女優さんが縛られるのは見て知っている。でも自分はまだ経験がない。 鮫島さんは袋から縄の束を出した。 「この柱の前に立って」「はい」 言われた通りに立つと、両手を後ろで組まされた。 きゅ、きゅ。縄が掛かる。 案外締め付けられるんだな。痛くはないけど。 足も縛られて、さらに背中の柱に繋がれて、気が付けばぜんぜん動けなくされていた。 すごいな、あっという間。 プロのお仕事だなぁ。 「縛られるのは初めてやな?」 「はい。痛いかもって覚悟してたんですせど、そんなことぜんぜんないですね」 「せやろ」 鮫島さんはニヤニヤしながら手帳を開��て言った。 「一応、念押しせぇと言われとるから伝えるけどな、」「はい」 「このゲームはお客さんの半分もゴールできへん難しいやつでな。その上ここは最後のゾーンやから、ここまで来る客はなかなかおらへんかもしれへん」「はい、聞いてます」 「今のところ3組入場して2組リタイアや」「すごいですねぇ」 「それでな、出番がなかったら続けて次の客まで待っといてもらうけど、ええか?」 このままスタンバイしてなさいってことですね。 「ええです、やない、了解ですっ」「ふはっ」「あはは」 関西弁がうつって二人とも笑ってしまった。 「・・まあ、若い女の子がこないな状態で放置されたら、高まってしまうのはしょうないもんや。わしらも様子見てるし、あかん思たら早めに交代させるさかい」「はい」 高まってしまうって、マゾって意味ですか? そういう女の人がいるのは知ってます。 でも私、こう見えて役者志望ですよ。 演技はしますけど別に変になったりしませんから。 猿轡をつけられた。大きなゴムの突起が口の中に入って喋れなくなくなった。 「いけるか?」「んっ(はいっ)」 「ほな、せいぜいがんばり」 ライトが点いて私を照らした。 そこは狭い部屋のようで、左右は壁、正面には木の扉が見えた。後ろは振り向けないからどうなっているのか分からない。 鮫島さんも他のスタッフさんも、皆いなくなったみたい。 ここでお客様を待つのか。
鮫島さんに縛られた縄を意識した。 生まれて初めて縛られて一番意外だったのは、気持ちいいことだった。 この縄は常に私を締め付けていて、どんな自由も許してくれない。 でも縄に責められることは、縄に守られるってことでもある。 試しに身体中の筋肉から力を抜いて見る。ほら、どこにも崩れ落ちたりしないんだから。 そこまで考えて、私なりに納得した。 縛ってもらってよかった。勉強になるなぁ。 でもマゾの女の人はこれで高まってしまうのかしら? 私だったら安心して眠ってしまいたくなるけど。 ・・よし、そろそろ役に入ろう。 お客様はいつ来るか分からないしね。 囚われのJKさん。どんな子だろう? 目を閉じてイメージする。 ・・きっと呑気な子。 いつの間にか捕まって縛られていた。射撃ゲームの標的にされるらしい。 撃たれるのは怖いし、何とか生き延びたい。 一生懸命お願いしたら助けてもらえるかもしれないと思ってる。 希望だけは持っている子。 「んんっ、んんんんーっ」(助けてっ。撃たないでーっ) お願いしてみた。猿轡のせいで喋れないけど、がんばってお願いしてみた。 「んんん、んんん~~んん!!」(私、何も悪いことなんかしてません!!) 「んんん~っ。ん、んんんん~~っ!!」(お願いですっ。どうか許して下さいっ!!) んー、ちょっと息が苦しい。 口で呼吸できないから鼻でゆっくり深呼吸する。 す~~ぅ、す~~~ぅ。 少しずつしか吸えないのがもどかしいな。ちょっと切ない。 あと口の中に唾が溜っていて、それをうまく飲み込めないのも切ない。 猿轡って切ないんだね。 緊縛は気持ちいいのに。 でも、囚われのJKさんに猿轡は当たり前。 切ないのくらい我慢してもらわないとね。 さあ、私今から囚われのJK。 お客様がはっと驚くくらい切なくもがくJKになりきってみせるんだから。 4.ローラーコースターゾーン 「いってらっしゃい!」 いよいよミッションへ出発だ。 スタッフの見送りを受けて俺達は入口のドアをくぐった。 そこは薄暗い空間が広がっていた。 正面に見えるのは崩れ落ちたローラーコースターのコース。 コースターの車両が地面に落ちて横倒しになっている。 ビームショットガンのタイマーは 17:34、17:33、17:32 ・・とカウントダウンしている。 ミッションの残り時間はあと17分と半分ってことだ。 普通のテーマパークだとこういうアトラクションは参加者が次々入るが、ここでは前の組がゴールするかタイムアップするまで次の入場はできない。 つまり今、場内にいるのは俺達だけだ。 暗がりの中で何も見落とさないよう目をこらしながらゆっくり進む。 コースターの陰に白いものがちらちら見えた。 やがてミニスカートのお尻がにゅっと現れて、女の子が後ろ向きに這い出してきた。 白いセーラー服に青いスカート。肩に掛けたショルダーバッグ。 JKだ。 「・・やだ。ほこりだらけ」 つぶやきながら立ち上がって、スカートを無造作にぱたぱた叩いた。 高い位置で括ったツインテールにくっきり大きな目が可愛い。 むちゃくちゃ美少女ではないか。 と、JKがこっちを向いた。 一瞬きょとんとして、それからにっこり笑いかけてくれた。 か、可愛い・・。 ズキューン! ズキューン! ビームショットガンの照射音が2回響き、JKはその場に膝をついて倒れた。 「難しくねえわ、これ。照準からズレてても当たるぞ」 隣で松本が構えていたビームショットガンを下ろしながら言った。 ピ。 松本のスコアが0から1に変わる。 「お前、見とれてただろ」 倒れたJKの側に行くとセーラー服は鮮血に染まっていた。 「リアルだな」 「こっちもリアルだぜ。おー、イチゴ模様だ」 松本がスカートの裾を摘み上げ、パンツの上から尻を撫でた。 死んでいる筈のJKがびくっと震える。 「こらっ、失格になるぞ」 通学カバンを開けると『Ferris Wheel No.9』と書いたカードが入っていた。 ふーん、なるほど。 「何て書いてあるんだ?」松本が聞いた。 「観覧車って書いてある」俺は答えた。 5.キャスト控え室 ~失礼しちゃうわ!~ ぷんぷんっ。 「失礼しちゃうわっ」 ツインテールの少女が頬を膨らませて控え室に戻ってきた。 「見てたー。お尻くらい撫でさせてあげなよ」 「でも反則じゃないっ。もう、スカートの下ショーパン穿いちゃおうかなぁ」 「駄目だよ。お客様はJKのパンチラを楽しみにいらっしゃるのぢゃぞっ」 「何その言い方。きゃはは」 仲間と笑いながら血糊の滲んだ制服を脱ぐ。 次のシフトまで20分ほど。急いで新しいのに着替えないと。 「そういえば、あいらちゃんは?」 「もうスタンバったよ」「そっか、緊縛だもんね。大変」 「あいらちゃんの前の子、50分放置されてイキそうになったって」「うわぁ~、羨まし」 「こらこら、現役女子高生がそのような願望を口走ってはならぬ(笑)」 「え~? あんたは羨ましくないの」「いや、羨ましい(笑)」 6.観覧車ゾーン 廃墟と化した観覧車がそびえていた。 どこかにJKが潜んでいる。 さっきは松本に取られたから、次は俺が仕留めるぞ。 観覧車に近寄る。左から2番目のゴンドラのナンバーが『9』だった。 ここだ。簡単すぎるぜ。 ゴンドラの窓を覗き込む。真っ暗で何も見えない。 ドアの取っ手を握った。 「開けるぞ」「おう」 取っ手を回す前にドアが中から勝手に開き、俺を押しのけて女の子が飛び出して来た。 一人、もう一人。 ブレザーの制服を着たJKが並んで逃げていく。 しまった! ズキューン、ズキューン、ズキューン。 「きゃっ!」 松本が連射し、左のJKが悲鳴を上げて倒れた。 もう一人は倒れた子の手を引こうとするがすぐに諦めて駆け出す。 ズキューン、ズキューン。 今度は俺が撃って、その子は足をもつれさせるようにして前に倒れた。やったぜ! 俺は自分のビームショットガンを確認する。スコアは0のままだった。 「急所を外したんだ!」横から松本に言われた。 そのJKは倒れながらも肘で這って逃げよう��していた。 左の白ソックスに血が滲んでいるのが見える。 くそ、足に当っただけか! 松本が走っていって、JKの背中を足で踏んだ。 「やだやだやだぁーっ!!」 叫ぶJK。 「お前の獲物だぞ、長野」 「おお」 俺も近づき、JKにビームショットガンを向けた。 「た、助けて下さい。・・お願いっ」 その子は俺を見上げて言った。 俺は一瞬躊躇する。 「なに迷ってんだよ。こういうときは、とどめを刺せって公式でも言ってただろ」 「そうだったな」 「そうだ。ちょっと待て」 松本はJKの背中に馬乗りに座ると、その両腕を後ろで交差させて片手で押さえた。 もう一方の手でJKの口を覆い、強引に引き上げて逆海老に反りかえらせた。 「お前、要領がいいな」「こういうの、一度やってみたかったんだよ」「呆れた奴だ」 「んんっ、んんんっーー!!」 JKは精一杯もがくが、もはや逃れることはできない。 「殺っていいぞ」「分かった」 俺は膝をついてJKの側頭部に銃口を押し当てた。 JKはぎゅっと目を閉じる。大粒の涙がこぼれた。 ズキューン。 赤い液体が飛び散った。俺の顔にも何滴か当たった。 JKは全身をぶるんと震わせ、脱力して動かなくなった。 ビームショットガンの表示が1に変わる。 「やったな」「おう。・・ん?」 顔に飛んだ血飛沫を無意識に拭ったら指に細長いモノが絡みついた。 何だこれ。髪の毛か? 「わ」 松本が小さく叫んで立ち上がった。 俺も一瞬固まった。 死体の髪がごっそりなくなっていた。銃口を当てて撃った部分だ。 直径20センチくらいの窪みの中に薄いピンクのぬめぬめしたモノが詰まっているのが見えた。 「ま、まさか」 「演出だよ。この血は作りモノだ」 俺は指についた血糊を舐めて言った。本物の血液が無味無臭の筈はない。 まあ、俺も一瞬、本当に脳ミソまで撃ち抜いたかと思ったが。 「はぁ~、ビビったぜ。グロ過ぎるぞこれ」 「ここまで悪趣味だとむしろ尊敬するよ」「まあな」 松本はほっとしたように応えると、JKの頭を足で蹴って首を反対に向かせた。 靴の裏を頬に何度も擦りつけては反応を確かめている。 「やっぱ動かねぇな」 「止めろよ。もう死体なんだぞ」 「でも、こうすると興奮するだろ?」 確かに。それは否定しない。 射殺した二体の持ち物を調べた 片方からどこかのダンジョン(迷路)のマップが描かれたカード、そしてもう一方からは銀色の鍵をゲットした。 7.キャスト控え室 ~カホちゃんドMの目覚め~ 「カホちゃん? ずいぶん殺られたねー」 「銃口押し付けて撃たれちゃった・・」 側頭部を吹き飛ばされた少女が戻ってきた。 キャストは制服の上下とソックスにセンサー付の被弾ギミックを仕込んでいる。 ビームショットガンの赤外線により被弾したと判定すると、その箇所の血糊袋が自動的に破裂する仕組みである。 頭に被るウィッグも同じ仕組みだが、こちらはセンスした光線の強さに応じて頭皮ごと飛び散るようになっている。 今回は、ウィッグのほとんど半分を吹き飛ばされてしまった。 そんな撃ち方のできるゲストが来るとは想定外だった。 メイク担当のスタッフが道具を取りに走る。これはウィッグと流血ギミックの完全交換が必要だ。 回りの慌てぶりをよそに、撃たれた本人は両手を胸に当ててこみ上げる気持ちに耐えていた。 ぞく、そく、ぞく。 震えが止まらない。 先ほどのステージでの自分の最期が鮮明に蘇った。 銃口を押し付けられたときの、あの気持ち。 馬乗りで押さえ込まれて、腕も後ろで組んで動けなくされて。 ぜんぜん抵抗できなかった。男の人ってすごい力。 それにあの人達、あたしの顔、靴のままあしらうんだもの。 あんな惨めな思い、初めて味わった。 オーディションのとき、JKになれるならどんな役でもやりますと答えた。 原作のゲームに出てくるJKが可愛くて大好きで、どうしてもやりたかったから、そう答えた。 でも、いざ迎えた本番は思ってたのと違ってた。 きゃーって悲鳴上げて死ぬ真似すればいいと思ってたら違った。 あたし、JKになる意味、分かってなかった。 今までゲームでいっぱいJKを撃ってきたのに、分かってなかった。 あたし、罰を受けたのかな。 いけない子だから、罰を受けたのかな。 ぞくり。 また震えがきたよ。 あたし、まだまだ何度も殺されるんだ。罰を受けるんだ。 何されたって仕方ないんだ 激しく撃たれて血の海に倒れる自分を想像した。 男性に押さえつけられて泣きわめく自分を想像した。 殴られ、首を絞められ、服を切り裂かれてレイプまがいのことをされる姿まで想像した。 そのイメージはまるで麻薬のように彼女に取り付いて離れなかった。 自分自身の願望だと気が付いた。 ぞくり、ぞくり。 8.メリーゴーランドゾーン 火事で焼け落ちたメリーゴーランドのゾーン。 焼けただれた木馬がずらりと並ぶ様は不気味だが、そんなことを言ってられる状況ではなかった。 次々と現れるJKを狩るのに忙しかったのだ。 目の前をスクール水着のJKが走り抜ける。 ズキューン、ズキューン、ズキューン。 すかさずビームを連射するが横方向に移動する標的を狙うのは至難の業だ。 ズキューン、ズキューン。ズキューン、ズキューン! 「きゃん!!」 仕留めた! 胸を真っ赤にしてごろごろ転がるのを確認する。 ピッ。スコアが加算された。 ズキューン、ズキューン!! 「きゃあっ!」 松本が白い体操服に紺ブルマを穿いたJKを倒した。いや、まだ殺れてない。 「ちっ」 俺が教えてやるまでもなく、松本は駆けていって至近距離からブルマの下腹部を撃った。 「いやぁーーー!!」 スク水やブルマもJKなのかって? もはやどんな格好のJKも「あり」だった。 テニスルックやチアガール、メイド服にバニーガールまで出現した。もはやコスプレ大会だ。 それにしても、そこらじゅうに転がっているJKの死体が邪魔だった。 バーチャルのビデオゲームだと倒した敵は消えてなくなるが、ここじゃ当然残ったままなのだ。 「わ」 松本が死体の一つにつまづき、さっき自分で射殺したブルマJKの股間に顔を埋める形でこけた。 「ご、ごめんっ」 死体に謝ってどうする。 でも確かに聞こえたぞ。 死体が「いえ」と返事する声も。 ようやくJKの出現が止んだとき、俺達二人のスコアは合計16になっていた。 「はぁ、はぁ。稼いだな」 「はぁ、はぁ。稼いだ」 さすがに殺伐とした気分になっていた。 いくらゲームとはいえ、ここまで大量に女の子を殺したのだ。 「行くか」「ああ」 次のゾーンに進む途中で思い出した。 「おい、アイテム」「いけね、忘れてたっ」 俺達は急いで元のゾーンに戻る。 「え」「やられた」 焼け落ちたメリーゴーランドの周囲には何もなかった。 あれだけ転がっていたJKの死体は綺麗に消えていたのである。 9.キャスト控え室 ~きゃいきゃいと~ 「殺られちゃったねぇ」「うぇ~い、全滅だぜぃ」「楽しかったぁー」 一度に10人以上が戻った控え室は賑やかである。 「あんた、ゲストにうっかり返事してたでしょ」「ごめん、聞かなかったことにして」 「誰? テーブルにパンツ置いたの。血まみれじゃん」 「やだわ。きちゃたのかしら、女の子の日♥」「ばぁか。ぎゃははは」 全員が流血していて、下着まで血糊を滲ませている者も多かった。 凄腕のゲストに一人残らず撃たれてしまったのだ。 「ねぇ、誰かカード取られた子いる?」 「ううん」「渡してないよ」 「あらぁ、忘れちゃったのねゲスト様」 何人かの少女が持っていたアイテムカードを出して見せた。 ぞれぞれ次のようなメッセージが書かれていた。 『ダンジョンのJKは必ず交差点に立っている』 『肌に刻まれた秘密のマップをたどれ』 『囚われJKを迷うことなく処理すべし。出口はそこにある』 10.マジックハウスの迷路ゾーン マジックハウスの中はガラスと鏡の迷路だった。 ときどき遠くにJKが見えたが、ガラス越しにビームを撃っても効果はなかった。 苦労してJKがいた場所にたどり着けば、さっき俺達がいた所に別のJKが立っていて笑っているのだった。 まさしくダンジョンだった。 観覧車でゲットしたカードのマップはこの迷路の見取り図だった。 でも見取り図というだけで、それ以外の情報が載っている訳でもなかった。 出口は? 脱出のヒントは? 俺達はいったいどこへ行けばいいんだ? 「残り3分半だ。このゾーンは諦めて先に進むか」 「駄目だよ。どう進めばいいか分からない」 「むう。何としてもここでJKを倒して情報をゲットしろってことか」 「そういうことだ」 俺達は当てもなく迷路を歩いた。焦りと疲労が増す。 タイムアウトは絶対に避けたい結末だった。 鏡の壁を曲がった角、ちょうど迷路の交差点にJKがいた。白いブラウスに濃い緑のミニスカート。 出会いがしらというやつだ。 え? と驚いた顔をするところを、俺と松本が同時に撃った。 ズキューン! ズキューン! JKは驚いた表情のまま、両手を上げてくるくる回った。 鮮血が飛び散ると思ったら、そうはならずにブラウスが腕から肩口に向って流れるように裂けて散った。 どういう仕掛けなのか、胸から下もすべて避け飛び散り、スカートまでばらばらに分解してなくなってしまった。 JKはほんの数秒の間に下着だけになって、そのまま後ろに昏倒して動かなくなった。 倒れた瞬間、後頭部が床に当たるゴトンという音が響いた。 演技とはいえ大丈夫かと心配になったが、今はそれを気遣う余裕はない。 ブラとパンツ、ソックスにローファーだけの格好で仰向けになったJKを調べる。 この子は鞄やポーチは持ってなかった。 「こんな���ッコで何も隠すとこなんてないぞ」 「下着の中だったりして」「いくら何でもそれは」 「おい、ここ」 松本が気付いた。首の後ろに模様のようなものがあった。 二人がかりでJKを転がして背中を上に向けた。 「ほえ~」「すごいな」 「タトゥ?」 「ボディペイントじゃないか」 JKの背中にはダンジョンの俯瞰図があった。 凝った絵柄で描かれていたが、俺達が持っているカードのマップと同じだった。 「おい、ここ」 迷路の一点に★マークがあった。これはお宝情報だ。 「行こうぜ。・・場所覚えれるか?」「任せろ」 カメラで撮れば楽だがスマホは受付で預けさせられている。 俺はボールペンを出して持っていたカードのマップに★マークを書き写した。 「念のためだ。他に情報はねぇか?」 「おっし」 松本がブラの背中ホックを外して広げた。 「また何やってるんだ」 「だってこうしないと全部見えないだろ? 情報ゲットのためだから反則じゃねぇぜ。おっと下の方も隠れてるじゃねぇか」 確かに地図の下の方はパンツに隠れている。 松本はぷりんとした尻が全部出るまでパンツを下ろしてしまった。 「いいケツしてるわ、この子」 「お前という奴は」 JKは死んだように動かなかった。死んでるんだから当然だが。 俺達は地図を調べて他に情報がないことを確認し、それから小走りでそこを離れた。 残り時間が少なかった。 11.救護室で 後頭部を床に打ち付けた少女はすぐに目を覚ました。 医者の診断で脳震盪の心配はないと分かったが、念のため救護室のベッドでしばらく安静にすることになった。 その間、出演のシフトは後の子に詰めてもらわないといけない。 残念だけど仕方ない。 部屋に誰もいないことを確認すると彼女はベッドから起き出した。 下着を脱いで全裸になり、壁の大鏡の前に立つ。 身体を捻って背中のマップを見た。 肩からお尻まで広がるマップは、キャストの体格に合わせてプリントしたタトゥシールである。 自分の肌がキャンバスになった感覚は悪くない。 撃たれたときに制服がばらばらに分解したのは、このイベントのために開発された高価なギミックだった。 わずかな熱で分離するポリマー糊でブラウスとスカートの断片を接合し、これを熱電素子で同期して加熱すれば流れるように分解するのだ。 スタッフからは、自分が意識を失くしている間にブラとショーツを半脱ぎにされたと教えられた。 次からはヌーブラやスポーツ用のTバックを重ね着してガードしたらどうかとも言われた。 やだなぁ、酷いことするんですねぇ~!! 頬を膨らませて怒ってみせたが、内心はちょっと嬉しかった。 もちろん重ね着するつもりなんて、これっぽっちもない。 次はもっと脱がせ易い下着、そうね、紐で結ぶパンツなんて穿いちゃおうかしら。 彼女は両手を上げると、鏡の前でポーズをとってゆっくり回った。 自分の身体は嫌いではなかった。 お客様、じっくり見てくれたかしら、アタシの身体。 けっこうエロいでしょ? 背中からお尻にかけてのカーブはちょっと自信があるんだ。 アタシを抱いた男の子はみんなお尻がいいって言ってくれる。おっぱいが寂しいのが残念だけど。 ・・制服を吹き飛ばすなら、いっそ下着も全部吹き飛ばせばいいのに。 妄想が広がる。 次々とJKが撃たれて、衣装がすべて粉々になるシーンを想像した。 きっと萌えるな。そこらじゅうに全裸で転がる女の子、女の子。 その中の一人はもちろんアタシ。きっと一番エロくて恥ずかしいポーズで倒れてる。 「ずきゅーん」 彼女は鏡に向って銃を撃つまねをした。 鏡の中で撃たれた少女がくるくる回転した。 「きりきり舞い♥」 やがて回転を止めると、鏡に向かい両腕で胸を持ち上げた。 乳首を指で摘み、捻るようにして刺激する。 「あぁ・・、ふぅ・・ん」 貧乳でも感度はいいんだから。 「イオリちゃん!? 寝てなくていいの?」背後から声をかけられて飛び上がった。 「どうして裸でいるの? ・・あっ、イオリちゃん、まさか乳首オナ」 「わぁ~っ。誰にも言わないでぇ~!!」 12.囚われのJKゾーン ★マークの場所に来た。何もなかった。 辺りの壁や床を押してまわると、壁の一枚が奥に開いた。 「見つけた!!」 こんなの、あのJKの背中見てなきゃ絶対に分からないぞ。 開いた壁を通り抜けて奥に入った。 そこには地下に降りる階段があった。いよいよ最終ステージだ。 階段を三段飛ばしに駆け降り、その先にまっすぐ伸びる通路を走った。 突き当たりを右に折れ、また左に折れ、そして正面に扉があった。 古びた木製の扉だった。出口か!? 「鍵が掛かってるぞっ」ノブに飛びついた松本が叫ぶ。 「鍵なら持ってる」俺はポケットから鍵を出した。観覧車のゾーンでゲットした銀色の鍵だ。 鍵穴に刺すとぴたりとはまった。 「声がしねぇか」「する。向こう側だ」 確かに、ドアの反対側で女の声がした。 妙にくもぐった声で、何を言ってるのか分からなかった。 いよいよJKのラスボスか? 「開けるぞ。いつでも撃てるよう構えてくれ」「よっしゃ!」 かちゃり。ぎぃ~。 鍵を開けて重い扉を引いた。 「!!」 「!!」 そこは1畳ほどの小部屋だった。 スポットライトに照らされた空間にJKが立っていた。立ってるのではなく、後ろの柱に縄で縛り付けられいた。
「ん、んん~~っ!」 猿轡の下からうめき声が漏れる。JKは激しくもがいていた。 「ついにキンバクかよ」松本がつぶやいた。 俺も唖然としてJKを見つめる。 女が縛られているのはネットくらいでしか見たことはなかったが、ガチの緊縛なのはすぐに分かった。 肩から足の先までぎちぎちに縛られて絶対に逃れられそうにない。 顔の下半分には皮の猿轡。真っ赤な顔をして胸と肩を上下させていた。 可哀想だと思った。どうしてこの子がこんな目に会うのかと思った。 それからすぐに、あれだけ大量に撃ち殺しておいてこの子だけ可哀想もないと考え直した。 「んんっ。ん~っ」JKが俺達を見て何かを訴えた。 「え、何?」 「んっ、んんっ・・、んんん~っ」 「助けて欲しいのか?」 「ん!」 「助けてやろうぜ。この子だけこんなになってるのは何か意味がある」松本が言った。 「無理だよ。これだけの縄」 「じゃどーすんだよっ」 「う・・」 「もう30秒ないぞっ」 「うるせぇ! 考えてるんだっ!!」 そのとき気付いた。俺達のミッションは。 「殺処分する」「え?」 「だからこの子を撃つぞ。それがミッションだろ? 縛られてても関係ない」「そうか、そうだな」 「ん~~~~~~っ!!!!」 JKが大きく目を見開いて叫んだ。恐怖の声だった。 首を左右に振り、動かせない手足をびくびく震わせて叫んでいる。 「悪いが覚悟してくれ」 「んんんっ! んんっ!! んんん~っ!!」 最初、額を撃とうとしたら頭を激しく振って狙えなかったので、俺は胸、松本はへその位置に銃口を向けた。 「同時に撃とう」「おお」 「んんん~~~~!!!!」 ズキューン! ズキューン!! 胸と腹から血が吹き出した。 JKは全身を痙攣させて、それから首を変な方向に曲げて動かなくなった。 ゴー!! 地鳴りのような音がした。 背後の壁が動いて人が通れる隙間が開いた。 今度こそ出口だった。 ミッションタイムを2秒残し俺達は脱出に成功した。 13.あいらちゃん解放 「よおがんばった!」 鮫島さんが縄を解いてくれた。 その場に崩れ落ちそうになるのを支えてもらい、床に腰を下ろして座った。 猿轡が外された。涎がどわーっと垂れたのをタオルで拭いてもらった。 あ、すみません。 お礼を言おうとしたら「ふぁ、すいはへ・・」としか喋れなかった。 「あいらちゃんゆうたな、よかったで。半分くらいは無理してたかもしれんけど、ええJKやった!」 うまく喋れないから微笑んで返そうとしたら、表情を作ることもできなかった。 何だろ、私、腑抜け��顔。どこもかしこも気持ちいい。 まだ全身が縄に締め付けられているみたいで、うずうず、くらくらしていた。 もう縛られてないのに、どうしちゃったんだろう。 「縄酔いや。心配せんでええ」 「なわよい?」 「知らんか? 後でセクハラ言うて怒らんといてや、・・こおいうことや」 鮫島さんはそう言うなり膝をついて私をハグした。 ぎゅぎゅぎゅぎゅ~ん。 「ひぁ・・!!」 全身に衝撃が走った。ものすごい快感だった。 ぶるぶる震えて耐えた。 たった一人で、もがいていたあの時間が蘇った。 「・・・はぁ、ん」「ええ声や。色っぽいで」 さっきから、私、どうなってるんですか~!? 「縄を受けている間に気持ちよおなったんやな。あいらちゃんは立派なM女いうことや。よかったなぁ」 私、M女じゃないです。 そう言いたかったけど言えなかった。気持ちよくなったのは本当だから。 「将来の夢は女優やて? わしもいろんな女優や女優の卵を縛ってきたから分かる。あいらちゃんやったら、きっとなれるわ」 うわぁ、ホントですか? 嬉しい! 「若いうちに何でも挑戦して自分を磨き。・・今の時代プロ目指すんやったらヌードと緊縛はやっといて損はあらへん。ベッドシーンかてOKや。まあ学校にパレたらえらい怒られるけどな、ひゃひゃひゃ」 ベッドシーンか。思ってもいなかったけど、やってみたいかも。 「あ、あの、ベッドシーンって、どうやって勉強したらいいですか?」 「勉強!? あいらちゃん、歳いくつや?」 「17です。私、まだ彼氏とかいなくて、分からなくって」 あー、私、なに真面目に聞いてるんだろ。 鮫島さんは面白そうに笑った。 「そやな。相手がおらんのやったらオナニーでもええわ。オナニーするとこ、自撮りしてチェックしたらどおや」 お、おなにぃ? 「気持ちようなってきたら、お客さん興奮させるつもりで表現してみ。声が大事やな。あいらちゃん、オナニーするときママにばれへんよう声抑えてるやろ?」 あけすけに喋る鮫島さんの言葉を聞くうちに、顔がかぁーっと熱くなった。最後の指摘は図星だった。 「なっ、わ、私、オナニーなんてしてません!!」 大声で叫んでしまった。 あんまり大きな声だったから周囲にいたスタッフさん全員が振り返った。 皆さん、笑っていた。 顔はますます熱くなって耳まで熱くなった。白状するとじゅんと濡れたあそこも熱かった。 「す、すみません。・・こ、今度、オナニーするとき、がんばってみます」 「わはははっ、ええ子やっ」 不思議と腹は立たなかった。素敵なおじさんだと思った。 「・・ほな、次の準備もあるから交代や」「はいっ」 鮫島さんは腕時計を見ながら言った。 「わしはキミらの教育まで請けてる訳やないけど、あいらちゃんには気をかけたるわ」「?」 「次はさっきみたいに優しない縄にしよか」 え、さっきは優しかったの!? 「それで無理に演技しようとせんと、素直に自分を表現してみ? ・・どや? 未来の女優」 どうしてだろう。とても嬉しくなった。 「あ、ありがとうごさいますっ。がんばりますっ」「その意気や」 「えぇっと、それであの、最後に勝手言って悪いんですけど」「まだ何かあんのか?」 「もう一回だけ、ハグしてもらえますか」 14.俺達の成績、そしてエンディング 全30組のチャレンジが終了した。 ミッションに成功して脱出したのは俺達を含め13組。 俺達チームのスコアは18で総合2位だった。 メリーゴーランドのゾーンでJKを全滅させたものの、迷路ゾーンでの射殺が一体にとどまったのが敗因だった。 どうやらメリーゴーランドでゲットしそこねた情報の中に、迷路JKの攻略ヒントがあったらしい。 ゲームでは2位に終わった俺達だが、審判員特別賞というものをもらった。 それは全参加者の中で『最高に残酷な殺処分』をしたチームに贈られる賞で、対象となったのは観覧車のゾーンでJKの頭を撃ってとどめを刺した行為だった。 JKの背中に馬乗りになって押さえ込む松本と、そのJKの頭に銃口を押し付けて撃つ俺の姿が会場の巨大スクリーンに映し出される中、俺達は当のJKから賞状とキスの祝福を受けた。 別にどんな賞だって喜んでもらうが、頼むからその映像をネットで流したりしないでくれよ。 どの映像だって? 撃ち殺すところとキスされるところの両方だ! 表彰式の後には園内のレストランで懇親パーティが開かれ、JKキャストの女の子達も参加して盛り上がった。 俺はそのとき初めてキャスト全員が現役の女子高生だったと知って驚いた。 松本には「知らなかったお前の方がおかしい」と言われたけどね。 最後にちょっといいことがあった。 キャストの一人で星野華穂ちゃんという女の子とSNSのアカウント交換に成功したのだ。 この子は『最高に残酷な殺処分』をされて表彰式でキスしてくれたJKだ。 あのときの衝撃が忘れられず、自分の「超ドM属性」(本人談)に目覚めたとのこと。 ちなみに松本は手当たり次第女の子にアタックして全敗。わはは、ざまあみろ。 まあそんな訳で俺は今、華穂ちゃんがSNSでつぶやく「超ドM願望」(本人談)を楽しく読んで過ごしている。 「殴られたい」「首を絞められたい」「服を切り裂かれてレイプされたい」(すべて本人談)を未成年相手に実行したら犯罪になってしまうが、いつかそれっぽいことができる関係になれたらいいなと思っている。
~登場人物紹介~ 長野: 主人公。JKを射殺する限定ゲームイベントに参加した大学生。 松本: 長野のサバゲー仲間。一緒にゲームイベントに参加。 二谷あいら: JKキャストの高校生。『囚われJK』役。女優志願。 星野華穂、イオリ: JKキャストの高校生。 鮫島: 裏方スタッフ。『囚われJK』の緊縛を担当。。 サバイバル・ハンティング・ゲーム から派生して生まれた、女性標的の射撃ゲーム第二弾です。 テーマパークのホラーハウス(お化け屋敷)アトラクションに、襲ってくるゾンビを光線銃で撃退するパターンがありますが、これはそのJK版です。 (本話では "JK" と "女子高生" を使い分けています。前者はアトラクション内の仮想生命体、後者は実世界の女子高校生) 舞台は某テーマパークで一日だけ開催される限定版の15禁アトラクション。 参加者はアトラクション内に再現された廃遊園地を巡り、そこに潜むJKを光線銃で撃って仕留めた数を競います。 ホラーハウスのゾンビは撃たれると苦しむ振りをしながら物陰に消えてしまいますが、このJKは撃たれるとその場にぶっ倒れて死んでくれます。 光線銃と連動で自動流血する仕掛けや、ばらばらに吹き飛ぶ制服など超高価そうなギミックもたっぷり。 きっとすごいスポンサーがついてるんでしょうww。 JK役のキャストはオーディションをして集めた本物の女子高生。 女優や芸能界入りを目指す子、ゲームが好きな子、ノリで応募した子。いろいろな女の子がいます。 もちろんどの女の子にも程よいMっ気が備わっていますww。 射殺シーンではいささか惨めな思いも強いられますが、みんな体当たりで務めてくれています。 なぜJKが撃たれるのかという必然性や背景設定は適当wwwwです。 特殊エフェクトの仕掛けもそれらしく書いているだけなので、実現性には突っ込まないで下さいね(汗)。 スタート前の前説ビデオに登場した漆原博士は、拙作 漆原博士の秘密の発明 他で登場したマッドサイエンティストです^^。 あと縄師の鮫島氏も、拙作・・(以後略)。 最後に、本話で描く(リョナ的な)射殺シーンはすべてアトラクション内のパフォーマンス(いわば劇中劇)として演じられているものです。 女性を実際に殺傷する行為は作者の意図するところではありませんので、ご理解の上お楽しみ下さい。 それでは、また。 ありがとうございました。 PS. 皆様ご承知の通り本サイトの作品公開ペースが大幅に長くなっています。 創作活動を停止する予定は今のところありませんが、次作アップ時期のお約束は難しいのでご了解お願いします。 このような公開ペースであってもコメントやメールなどいただいており、大変感謝いたしております。
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6月の刺繍教室はパイナップル柄 GALLERY MUVEILで土曜・水曜に全3回
おしゃれの世界で近頃、「刺繍」が盛り上がっています。刺繍そのものは昔からあるのですが、針仕事特有のハンドクラフト感やあたたかみ、表現力などがあらためて評価されてきました。服の表面に糸で起伏がつくので、立体的な表情が生まれるのもプリントとは違う魅力です。
自分でワッペンやアップリケを添える「DIY(=Do It Yourself)」もブームが続いています。出来合いのワッペン類を縫い付けてもいいのですが、刺繍を覚えれば、自分で好きなモチーフや文字をニードルワークであしらうことができます。
東京・南青山のコンセプトショップ「GALLERY MUVEIL(ギャラリー ミュベール)」では刺繍教室を開いていているので、素敵なレッスンを受けられます。今回は6月に予定されている教室の内容をご案内します。
「ギャラリー ミュベール」での刺繍教室は今回で3回目となります。せっかくこの場所で開くのですから、「MUVEIL(ミュベール)」らしさを感じていただきながら刺繍の楽しさを知ってもらえるようなプログラムを毎回、用意しています。
そこで、今回のモチーフに選んだのが夏らしいパイナップルです。実は「ミュベール」のハイサマーコレクションでもカーディガンやニットプルオーバーにパイナップル柄の刺繍が施されています。教室で題材にするのは、また違った雰囲気のパイナップル柄です。
陽気でプレイフルな気分が強まっていることもあって、この春夏はフルーツモチーフが人気を集めています。今回の教室でパイナップル柄の刺繍をマスターしておけば、好きなアイテムに元気やビタミンを添えることができそうです。
引き続き講師を務めてくださるのは、刺繍デザイナーの田口あゆみさんです。田口さんはコレクションブランドの刺繍・加工デザイン、雑貨の企画、舞台衣装の装飾などを手がけています。独学で刺繍の技術を身につけたそうで、過去2回の教室でも親身で丁寧な手ほどきが参加者から好評でした。
夏本番を目前に控えたタイミングだから、今回は夏の手芸手編み糸の代名詞的な存在とされる「エコアンダリヤ」を使います。木材パルプが原料の再生繊維で、最後は土に戻る、地球にやさしい素材です。さらに、きらめきを宿すスパンコールを加えて、パイナップル柄に華やぎを乗せます。異素材を組み合わせることによって、質感に深みが出ます。
刺繍はオートクチュールで多用される演出です。それは針の操り方次第で様々な雰囲気を醸し出せるうえ、手仕事ならではのリッチ感ややさしげなクラシック感が寄り添うから。手持ちのハンカチの端やブラウスの裾など、ちょっとしたスポットにあしらうだけで、クチュール風の表情が加わるのも素敵です。
自分で仕上げた作品を、ポーチに仕立てたい場合は、講師に依頼することができます。お仕立て代(1800円+税金)が別途かかります。お渡しは依頼から2週間後になる見込みです。なお、申し込みが定員に達し次第、受け付けを締め切らせていただきますので、あらかじめご了承ください。
教室の日程は2パターンから選べます。毎回土曜日のパターンは6月10、17、24日の開催です。毎回水曜日のパターンもあり、こちらは6月14、21、28日となります。土曜も水曜もそれぞれ全3回のコース。各回はいずれも13:00のスタートです。
参加費は1万2000円+税で、初回の参加時にお支払いをお願いします。当日、使う道具は刺繍針とはさみです。使い慣れた物を自分で持ってきても構いませんが、お持ちでない場合は会場で借りることができます。定員はどの回も6人までです。刺繍の魅力を感じ取ってもらえるよう、人数を少なめにしているので、すぐに枠が埋まってしまいがちです。興味のある場合は下記の問い合わせ先へ早めに連絡することをおすすめします。
刺繍の技術は一度、覚えてしまえば、この先ずっとおしゃれに生かせるだけに、習って損がありません。「ミュベール」らしさが詰まった場所での教室はきっと特別な体験になるはずです。(ファッションジャーナリスト 宮田理江)
ご予約・お問い合わせ
GALLERY MUVEIL
東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 B1F
TEL: 03-6427-2162
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2017ssメモ
もう秋冬のショーもちらほら見かけるので、まだ本番は来てないけど春夏の傾向の備忘録
秋冬継続それよりも前から継続のものも多い(いつものことだけど最近��すごく感じるようになった)
前シーズンでメインストリームの流行にならなかったピンポイントのデザインが今季のメインになったりしているイメージ
多様化して久しいので、去年もしくは近年の傾向の中で新傾向かな?と思ったことのみ。定番的なものや今季も見かけるけど新鮮かといったらそうでもないものはあえてメモせず。昔に比べて一定のアイテムがトレンドじゃなくなる(古い、ダサい)、ってことが減って、緩やかな印象。逆にちょっと前ならダサかったり変だと思われてたものがトレンドになって回ってくるのが面白いのでそこをピックアップできればいいな。
■雰囲気
雰囲気の面では同じ空気感の中にあるけどあまりにアイコニックな組み合わせ方やキーワードで喧伝されたものは同じ空気感的になしではないがやるならそれなりでないと×(例えばキャミソール合わせ、ワイドパンツ(スカーチョ、スカンツ等の日本の雑誌の独自呼称))
レトロ、コンテンポラリー、コンストラクティブ、デコラティブ全体に共通するのは違和感。つねに新鮮さという意味では違和感は必要だけど去年くらいから露骨に形の面で見られるように
数年前のクラシカル、トラッド、レトロ、シンプルの流れの逆行という感じ。2~3年くらい前のスポーツ~シンプルな流れはなくなってはないものの落ち着き気味。取り入れ方としてはヴィンテージのアイテムがたまたまスポーツアイテム、メンズアイテム(デイリーウェア、カジュアルウェア)だったという感じ、もちろん2年前くらいから加速してきた(ノームコアが知られるようになった)シンプル、ボーダーレス、無作為感はあり
90年代人気が緩やかにつながって00年代要素(フレアシルエットのボトム、レイブ感をタウンユースに落とし込んだ雰囲気、トラックスーツやアノラックのファッションアイテム化、過剰にセクシーなセレブ趣味、ウェスタン、ミックススタイル、味付けでひねる・悪くする、ヒップホップR&Bメジャーロック趣味)が徐々に濃くなってきている感じ。80年代的なラグジュアリー感、パワフル感、未来感も◯。70年代は00年代フィルター通してる雰囲気?それ以前のレトロ、シック、クラシカルはやや落ち着き気味(2014年以前の10年代でリバイバルされて人気だった)。
シンプルシックは根強いし、数年前に全般的に受け入れられたのでそこから離れない人は多い&身体に負担のないファッションが続いているのであまり循環は促進されないかも
■トップス
・袖ポイント継続
→冬場継続の手首に絞られてフリル状に広がる中性的なカフスのあしらいは継続で人気(ドロストやベルトも○)
→袖長はシャツ・ブラウスがトレンドっぽいがストリート感覚でスウェットやカットソーなどでも継続人気
・着丈は最近はジャストか長め(チュニック丈の復権)が多かったが、今期のシルエットにウエストをきつくしめるデザイン、もしくは丈短く袖長くの風潮があるので袖長く着丈が短いトップス(トレーナーなど)袖長は継続
・チョーカー風に首回りの襟だけ残した(ハイネック、ラウンドネック)Vあきのトップ
・カギ針編み、素材感のニットカーディガンも短め、肩落としシャーリング
・襟元を背中に落とす着こなしは継続人気だがもともとそういう着こなし用のデザインが増えた、スキッパーデザインも多
■ボトム
・サイドラインパンツ継続ストリート、スポーツ方面より
・スカートはフルレングスは継続、袋状のスカートややや高めの位置からはじまるボリューミーなスカート。または膝丈のaラインのわりとソリッドなシルエットのスカート。
・イレギュラーヘム、テールスカート等裾のデザインがポイント。パンツもスリットや裾の形が変わったもの
・柄でボリュームのあるリラックスなパンツ(エスニックリゾートな感じ?)
・上半身ボリュームなので下はスキニーでメリハリも。太めパンツも継続
■アウター・ワンピース
・前シーズンバレンシアガでやってたアウターの肩を落とす着こなしが春にも継続。Gジャンなどでその着こなしがしやすいように首元が大きめで丈が短くウェストで留めてバランスがとれる大きめデザインなど
・アウターは大きく、または長く。でかGジャン人気継続
・フランス人的な着こなしのライダース
・一方でウェストマークと両立させるために着丈の短いものも(アウター上から太幅ベルトもOK)
・ワーク系カバーオールも○(去年にもあったアウターとボトムのセットアップなど)
・ガウンが去年流行ったが今年は前あきのワンピースを羽織風にするほうが○(前開きワンピースを羽織り風は継続)
■靴
・オープントゥよりも先まで覆われていて甲も完全に覆ってるデザインが○もしくは太幅のもの(ナイキのサンダルが去年プチ流行)
・海辺使用な細いストラップのサンダル(数年前にセレブ系ファッションで人気)をデコラティブで着こんだ服装に使用
・サンダルはぺたんこ流れがあったが冬場にもセパレートタイプのパンプスの流行が続いたので、ヒールのあるサンダルが○(つっかけタイプのミュールなど)ただし低めでプラットフォームではないほうが今年ぽい
・厚底、プラットフォームは近年引き続きで人気があったが、去年くらいから底部分は華奢な方がトレンドっぽくなってきた。細い高いヒールでも太めで低いヒールでも、底はあまりボリューミーじゃない方が良い?
→底に厚さがないスリッパ状のサンダル。特徴に成る部分の見た目的には去年と差がない
・冬のサンダル流行の継続、ボリュームのある結びデザインやセパレートデザイン、サイドから見ると水平カットのミュールなど
・去年人気あった編み上げ、ギリー風デザインは今年はあまり
・スティレットは細みストラップの高めヒールのサンダルでちらほら。ストレートヒールは継続(チャンキー、ブロックヒール)
・ポインティドトゥが○バレエシューズもちらほろ、あきの広いデザイン○
・ししゅうのパンプスもあり(ここでの柄は去年人気の東洋風な花柄)
・まだ部分的でしかないが春夏にしっかりしたブーツを履く組み合わせも提案は引き続きされてる(ただしごつくなく軽やかなもの)
・メタリック(シルバー)人気。靴(サンダル、オクスフォード、スリッポンなんでも)
・ナイキエアリフト状の甲ストラップデザインのクッション性の高そうなスポーツサンダル
・スニーカー人気は安定しているので、今まで人気と取りあえげられていなかったブランドや復刻や新型などで流行る(取り入れやすく、動きやすいので割とどんな層までも伝わる)
■カバン
・小さめバッグ(お財布ショルダー)
・ななめがけショルダーバッグをあえて手持ちするのは継続人気
・バッグ二個持ち
・こころもとない細いストラップのラフなかばん(トートバッグなどのこざっぱりしたデザイン)or太くて本体よりも印象の強いショルダー兼手持ちバッグ(ワンハンドル人気)
・バケツバッグ継続(細長いシリンダー状も)
・クリア素材
・かごバッグ、なぜか冬から流行ってたがこれも継続○
・金具のデザインも継続(大きいリング状のバックル。これはいろんなデザインで共通)
■小物、アクセサリー
・クリア素材
・アブストラクトなデザインは継続
・チョーカーはギリギリOK太めで布っぽいもの、もしくは細身のストール、リボン等
・キャスケット継続。無造作リボン状のヘアバンド。ターバンも継続
・極端に大きいアクセ(ピアスなど)
・秋冬でウエストマークがトレンドに戻った感があったが引き続きで、帯状に太幅のサッシュベルトがかなり浸透
■装飾・素材・シルエット
・前シーズンと今シーズンでやや違う気がするのは前期はゆったり×ゆったりがありだったが、今期はメリハリ、しかも極端なメリハリがファッショナブルに見えそう。長すぎたり大きすぎたりも違和感演出、それがおしゃれに見える感じ?
・あしらいとしてはアジア的なデザインはやや落ち着き気味。なくなったわけではなし。装飾面では暑い国的なものが○(かご、マクラメ、カギ針編み、シャーリング、アフリカンな感覚のあるグラフィカルな模様。さわやかな感じよりかは主張ある感じ。リゾート×)
・グラフィカルな花柄(大きめ)、幾何学柄(アフリカンより)、ペイズリー、柄×柄なら小花柄も(単色ネイビーや黒白などの小花柄もカジュアルな着方ならOK)
→70sのどちらかというと壁紙やテーブルクロス等インテリア系の派手な柄
・マルチストライプ・ボーダー(エスニックなものもグラフィックなものもスポーティブなものも)、サッカーストライプ系、ライトブルーと白のストライプ(シャツ、ブラウスで多い)
・チェックもワークテイスト等に織り交ぜる感じが○(可愛すぎる使い方でないのがポイント)
・転写プリント、ロゴ��リント(Tシャツなど、ロゴはブランドロゴから00年代的なスケーターちっくorメッセージTっぽいもの)
・ウエストをきゅっとしめて肩はわりと大きめに(張ってなくてもよい、なで肩あり)着物の帯みたいな幅広で前結びのサッシュベルトや幅広で編み上げになっているコルセットとあいのこみたいなベルト(ボトムにくっついてる場合も)&膝丈〜フルレングスのスカートorボリュームのあるフルレングスのパンツ
→80s感も加味された感じ。ライトブルーのデニムも久々に見かけるように
・キャミソール、キャミソールワンピース重ねは×ではないが去年よりもランジェリー感強め、ゆるめかつ肩ヒモ細い、かなり下に落ちた感じのもの○V字で後ろがかなりあいてるもの。とろみあるもの。ビスチェ、ブラレベルまで短いものとの重ね着○(カギ針編み人気)着丈は最近はジャストか長めが多かったが、今期のシルエットにウエストをきつくしめるデザイン、もしくは丈短く袖長くの風潮があるので袖長く着丈が短いトップス(トレーナーなど)袖長は継続
・下や末端にボリュームがいく前期からのシルエットに加えて肩とウエストにポイントをおいたシルエットとの組み合わせも多い
・ヴィンテージ加工(ストーンウォッシュ、ケミカルジーンズ、穴あき、やぶれ)
・極端なビッグシルエットに華奢なデザインを足すと○(オーバーサイズのワンピースやアウター、ボトムに華奢で細身のベルトのヒールの高いサンダルなど)
・金具にポイントを置いたデザイン。大きいリング状のあしらい(ジップ部分やアクセサリー、バックル等)特にパンツのベルトループについたキーホルダー的なデザインが去年よりも増えそう?あとは垂れ下がるデザインのフープピアス(フープ部分を直で耳につけないデザイン)
・ベルトあしらい(Dカンやリング)やドロスト等。歩くとぶらぶらするくらい長い、装飾的な扱われ方
・プリーツスカート、ショルダーバッグ、靴などメタリック、ラメ、グリッター等も部分的には日常的に取り入れられそう?
・透ける素材(スカート)の重ね着は継続でOKだがあんまり透かせない、下にパンツを合わせてること自体がおしゃれではなくなった(合わせててもよいがそのこと自身にトレンド要素があるわけでない)。上とのバランスでトレンドに
・変なとこが開いてるデザイン継続、左右非対称、重ねたりパッチワークしたりも継続(違和感演出)
・変なとこにラッフル、アシンメトリーにラッフルも継続(スポーツテイストにフリル、ラッフル等も)
・ホルターネックもちらほら、基本的に重ね着する。
・編上げデザインは一昨年よく見かけたが去年はあまり。今年はまた復活している?大きめで違和感を狙ったデザインなどで。
・ベルト等はとにかく長め(人気のガチャベルトやリングベルト等も長い)継続
・スポーツはヴィンテージ、ストリートな方面からの流行。袖にロゴ、モノグラム、柄(切り替えでなくプリント)継続
・スケーターファッション、カーレーサー・ダイバー系デザイン、は継続
・スポーツはずっと一定の人気があるジャンルなので、目新しさがデザイン上だとマイナースポーツにいく傾向ある気が。ブランドも同じく。流行ってる感が関心の薄い層まで浸透したブランドじゃないブランドが流行りになるイメージ。過去に人気のあったデザインの復刻等も多いため(VANSのスニーカー流行やFILA、champion等)
・おもちゃっぽい雰囲気(色使いや柄使いが。ややカントリーで子供っぽいチェックの使い方やレトロ柄、お花等のモチーフ等装飾のレトロで子供っぽい雰囲気)、子供服みたいなデザイン(フリルのV字のヨーク切り替え、極端なプフスリーブ、ミニスカート)
・フォークロア調の刺繍は人気。去年はどちらかというとアフリカンリゾート調が良かったが今年はどちらかというとヨーロッパな民俗調が◯
・星モチーフ。ウェスタンは前シーズンでそこまで大きな流行にならず継続
・どちらかといえば乾いた色の方が人気?
・カナリアイエロー(蛍光でも濃いからしでもなく、乾いた明るい発色のよい濃いめの黄色)
・濃いめでスポーティブな色使い、カラーブロック切り替え
・かなり大きめのフィッシュネット
・中間色かつ発色のよい水色、黄緑、ピンク(特にピンク)。プラスチック製品によくある微妙な色。ポップな色味
・青みある紫ブルーグリーンもOK(前シーズンに復活してそのまま継続)
・メタリックシルバー
・土気色も継続(レンガ色(キーワード的に喧伝されたテラコッタ)ではなくベージュ〜黄色系トーンのが○)
・南国的な色使い○
・淡かったりシックだったりより大胆な方が去年との差はあるが、継続で淡い系統もOK
・同系色合わせは引き続き流行。
・メリハリのある色と柄の組み合わせがよし。爽やかな色味の柄×柄等
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宝石のようにきらきらと。
森の國奥深くに存在するあちらとこちらの境に、彼女はいる。
曰く、彼女は人を食らう化物であると。
曰く、彼女は醜い顔をした婆であると。
曰く、彼女は狂人であると。
彼女の姿を見たものがひと握りしかいないせいか、噂ばかりが募って独り歩きする始末である――……。
かさり、かさりと落ち葉を踏む音。
黒い編み込みブーツ、真紅のワンピースに植物の絵柄が刺繍されている黒いマント。
胸元ではマントの留め具である金の飾りが揺れ、その上ではエメナルドのネックレスが光に反射してきらきらと輝いた。
薄いピンクの唇、高い鼻には瘢が散りばめられ、長い睫毛で伏せられた切れ長なタレ目の中心には、ペリドットを埋めたような柔らかな若葉色の瞳が揺れ、夕焼け色をした艶のある髪の毛は襟足辺りで切りそろえられている。
そしてもっている籠の中には沢山の薬草と、怪しげな何か。
かさり、かさり、と彼女は赤い化粧を施した木々の間を縫うように歩き、時折何かを見つけては籠の中に入れ、また足を進める。
随分と歩き、そして何かを見つけたのか彼女はピタリと足を止めた。
「あら、人の子」
彼女の視線の先には薄汚れた、今にも消えそうな白い白い幼子。着物はあちこちが擦り切れ、最早服の意味を成していない。
彼女は籠を地面に置くと、徐にその幼子を抱き上げた。
「しかもアルビノなんて……珍しい。小汚いし枯れ木みたいだけど十分使えるわ。今日はついてるわね、私」
そう言ってクスリと笑うと、彼女の声で目が覚めたのか、幼子の目がゆっくりと開かれた。
そして彼女が彼の瞳を見た瞬間、ほう、と感嘆の溜息が溢れ出た。
「綺麗な薄紅色……」
白い睫毛に飾られたその瞳は、まるでパパラチアのような優しげな桃色。
「これを研究材料として使うのは勿体ないわねぇ」
彼の瞳をうっとりと見つめながらそう呟いた彼女に抱かれている彼は、状況ができないのか、それとも言葉を理解できないのか、首を傾げ、ぼやっと彼女を見つめ返すことしか出来なかった。
アルビノの幼子は、やはり状況が理解できなかったのか、���髪の女性の腕の中でぽけっと口を開けまま運ばれている。
そんな彼を家まで連れ帰った彼女は、最早ただの布キレと言ってもいい着物を脱がし、魔法で綺麗に洗い、自身のシャツを着せ――無論彼には大きかったのは言うまでもない――、ソファに座らせてひと仕事を終えたような顔をしていた。
綺麗に洗われ、ゆったりとした服に包まれている彼��姿はまるで神の使いの様に神秘的で、淡い雪のような体の中で唯一色を持っている薄紅の宝玉が、いい意味で目立っていた。そして元々可愛らしい顔立ちをしているのであろう、今は痩せこけてはいるが、食事を取ればいつしかその頬も子供特有のふっくらとしたものになる。
当の本人は、少し落ち着かないのか着せられた服を触ったり、匂いを嗅いでみたりと忙しい。
彼女は彼に視線を合わせるようにしゃがみ、サラリと絹のように流れる髪を撫で、額、瞼、頬へと指でなぞった。そして頬を包むかのように掌で覆うと、突然撫でられ驚き目をぱちくりとさせる幼子を覗き込み、にんまりと笑った。
「ふふ、やっぱり綺麗な瞳……アルビノは他のエルフに研究材料として持ってかれることが多いから本当に得したわ。それにしても貴方はどこから来たのかしら?番号が彫られてないのを見ると造られた訳ではなさそうだし、ならどこから逃げてきたとか?いやでもココから人の住まう國まで幼子が歩いてくるにはとてつもなく距離が空いてるしなぁ……」
ぽけっとした表情の彼の頬をやわやわと触りながらマシンガンのように言葉を零す彼女は、ふとなにかに気づいたのか口を閉じ、彼の目をのぞき込んだ。
「……焦点が、合わない……?」
彼の目は彼女を見ているようで見ていない。どこか遠くを見ているような、そんな感じがした。時折ぐっと目に力を入れ焦点を合わせようとする様子を見ると、彼は目が良くないのだろう。
「……ねぇ、貴方。私の顔、見れる?」
ぴくりと反応した彼は、ふるふると首を振った。
試しに、遠くにあるものを見えるかと、壁にかけてある時計を指さすが首を振られ、至近距離で自身が先程身につけていたサファイアのネックレスを見せるも首を振られ。
これは近視でも遠視でもない、彼は恐らく弱視。
しかも眼球振盪も起こしているのか、少し観察してみれば瞳が左右に細く揺れているのが見えた。
彼女は心配になったのか、続けて色覚異常があるかどうかの試験をしてみる――結果は色盲、しかも1色覚と来た。つまり、彼は白黒のぼんやりとした世界を生きている。
この結果に彼女は大きなため息をついた。
「(これはハズレね。いくら見目麗しい幼子だとしても、これじゃあコマ使いにもならないわ……)」
「拾うんじゃなかった……」
「!!」
彼女の言葉に反応した彼は、突然彼女にすがりつくように抱きついた。
「すてないで……! なんでも、するから、へんなものも、みないようにするからっ、だから、だからすてないで、おいていかないで、ころさないで、おねがい……!」
今度は彼女が驚く番だった。初めて聞いた彼の声は小鳥が鳴くような小さく可愛らしいものだが、その口から出てくる言葉は必死の命乞い。
その中で1つ引っかかった言葉があり、彼女は彼を落ち着かせるように背中を叩くと、そっと尋ねた。
「変なものが見えるって言ったわよね? どういうものが見えるのかしら」
幼子は少し喉の奥をひくつかせたが、覚悟を決めたかのように喉を鳴らすと、こう言った。
「ひかりのたまだったり、いぎょうのせいぶつだったり……ここはとくに、ぼくがいたところよりも、そういうのがいっぱいいる……あそこにも、ちいさいはねのはえた、にんげんみたいなのがいる」
それを聞くと、先ほどとは打って変わって彼女はにんまりと口元をあげた。
「ビンゴ」
「へ」
「パピヨン、いらっしゃいよ。この子人間にしては珍しくあなたが見えるらしいわ」
『さっきからその子の話は聞いてるからわかってるわぁ! それと、お生憎様、私達は小さな人間じゃあなくて、妖精よぉ!』
きらきらと鱗粉を散らしながら赤髪の女性の肩に乗り楽しそうに笑うお隣さん。まさか話しかけられるとは思わず、ぽかんと口を開ける彼を、彼女は楽しそうに見て笑った。
「あなたの目が見えないのはしょうがないわ。コマ使いとして使えないのは残念だけれど、もうひとつ、貴方だからこそ進める道がある」
「あなた、魔法使いに興味はあって?」
これが森の賢者と呼ばれる大魔女サージュと、彼女から1番寵愛を受けた、唯一の人間の弟子であるローゼとの出会いである。
ローゼ――薄紅色の君――という安直な名前をつけられた少年が来てから、研究尽くしだったサージュの生活は慌ただしく過ぎていった。
最近では存在すら珍しい、しかもローゼの口振りからすれば恐らく表の世界から迷い込んできた魔力持ちの少年。彼に教えることは彼女が想像してたよりも山ほどある。
最も苦労したのは生活の仕方を覚えさせることだろう。
恐らく彼は生まれ故郷でろくな待遇をされなかったのか、寝床は部屋の隅の隅、食事を出されれば手掴み、シャワーは浴びさせれば突然出てくる生温い水に驚いて逃げ出す始末。出会った頃やけに静かで大人しかったのは矢張り状況を理解できなかったからなのかもしれない。
それに魔法は何でもできるとは言っても、限度がある。彼は人間にしては珍しく魔法使いの素質を持っているが、魔力の保有量の上限はエルフのそれよりも一段と低いもの。彼女と同じように魔法を使用しては、魔力の枯渇により倒れたり、最悪の場合死に至ることだってある。故にこうして生活の基盤は知っておかねばならない重要な事柄の1つなのだ。
何ヶ月も経てば、それなりに慣れてきたのか自分で出来ることは自分でするようになった。言葉もたどたどしいそれからはっきりとした物言いになり始め、元来の明るい性格が垣間見得るようになった。
またそれから1年経てば、彼はすっかり怯えをなくし、異形のものも近付いて良いもの、悪いものを覚え、隣人とも良い関係を築き始めた。
この機会に元々計画していた魔法の基礎をと、サージュは意気揚々とローゼに教えようとしたのだが、彼の障害は様々なところで壁を作った。
まず本が読めない。目事態に問題がある為かメガネを使用しても視力は上がらず、隣人に本を読んでもらっている。幼いおかげで記憶力はいいのか、スポンジのように知識を吸い込んでいくのは良い点だ。
そして明るい場所に出れない。目が眩むのか、外に出るのを嫌がる節がある。そしてアルビノということもあり、肌にも気をつけなければすぐに火傷をしたかのように赤くなってしまうのも難点だ。故に外での材料収集は夜以外は危ない。
何より、色がわからないのは本当に困ったことだった。魔法薬を作るには過程における色の変化が非常に重要なのだが、その色を見れないとなると、魔法薬自体を作れない。嗅覚がいいおかげで、色と共に臭いが変化する魔法薬であればギリギリ作れるが、他はてんでダメ。
幸い勉学に対して非常に貪欲で、知りたいことやりたい事はしつくさないと気が済まない好奇心で研究体質な一面は、サージュにとって素晴らしい物であると感じさせたようだが、様々な問題も同時に彼女に叩きつけられ、中々前に進めない現状にため息が出るばかり。
「(本人は楽しんでやってるし、私も一緒にいて楽しいからいいものの、損したか得したかは非常に微妙な所だわ……)」
サージュは椅子に座り、腕を組んで幻獣や隣人たちと戯れるローゼを横目で見た。
彼は突然内緒話をするように、使い魔とこしょこしょと囁きあうと、こちらをパッと向いて手を振った。
「ししょう!!見ててくださいね!!」
彼はそう言うと、使い魔と躍るように跳ねながら呪文を唱え、持っていた杖で空中を描いた。
すると現れる無数の水の泡。
サージュは目を見開いた。彼には確かに魔法の基礎を教えているが、実践はまだだったはず。
無理な魔法使用は体に障る可能性がある。一言言いたげに口を開いたが、ローゼが満面の笑みで彼女に言った言葉に、より驚く事になる。
「ぼく、ししょうに見てもらいたくてがんばったんですよ!まだこれくらいしかできないけど、ぼく、いつかはししょうみたいなまほう使いになりたいんです!」
「天使か」
「ししょう?」
ハッとしてサージュは自身の口を手で塞いだ。頭の中で思ってただけな筈なのに口から漏れていたと気付いた時には既に遅し。傍で彼女の使い魔のパピヨンがぷくくっと吹き出し、彼女の肩に寝そべった。
『あの森の賢者と言われるサージュ様がぁ? たった一人の人間の小童に絆されるなんてぇ? めっずらしいじゃないのぉ?」
「お黙んなさいよパピヨン……私だってこんな拾い物が私を変えるだなんて思ってなかった」
彼女達がなんの話をしているのか気になったらしい幼子は、パタパタとかけてくると美しいパパラチアの瞳でサージュを見上げた。
彼女は少し慣れない手つきで頭を撫でると、もっと撫でて欲しいと言わんばかりに頭を押し付けてくるローゼ。その様子を見てだらし無く笑うサージュ。
「きっと愛おしいって、こういうことなのかしら」
「なにか言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ」
そう言って彼女はローゼを抱き上げ、瞼に軽く口付けを落とし、膝の上に乗せた。
ぽんぽんと規則正しく幼子の背を優しく叩けば、安心したのか眠たそうにうとうとし始める彼。まだ体力が少ないからか、魔力の行使には酷い疲れが伴う。先程出した水の泡も、習いたてにしてはよくやった方だ。
「(もしローゼの目が良くなれば、もっと色々なことができるようになる。魔法も、きっと世界だって広がる)」
「(彼の目、どうにかしてあげたいわね)」
眠りについた、まだミルクの匂いが残る幼子をサージュはぎゅっと抱きしめた。ローゼを育てていく覚悟ができたらしい彼女の目は、爛々と輝いていた。
幾年、時が過ぎた。ある秋の夜、少年へと育った彼に、サージュは黒いマントを着せた。しっかりと手を繋ぎ移動魔法を唱え着いた先は大きな大木の前。
久しぶりの外出が楽しみなのか、少し落ち着きのないローゼとはぐれない様に繋いだ手を引っ張るサージュ。ローゼはハッとすると彼女の意図に気づいたのかピタリと横にくっつき歩いた。しかし目は正直なもので、きょろきょろと辺りを見回している。
妖精の通り道なのか、夜にもかかわらずきらきらと淡く輝く大きな大木の洞穴の先に、木製の小さな扉があった。サージュがコンコンとその戸を叩くと、中から嗄れた老人の声がした。
「こんな夜更けに、どなたかな」
「夜分遅くに失礼するわイレーナ。サージュなのだけれど、この扉を開けてはくれないかしら」
「さ、サージュ様?!」
酷く驚愕したのか、若干引き攣ったように声を上げた老人と、なにかか倒れガシャーンっと割れる音。たたたたっと足音が近づいてきて、バーンッと勢いよく開けられた扉の先には、
「サージュ様! いらっしゃる時は連絡をくださいとあれほど申し上げましたのに!」
ローゼ程の背丈の、重たげな三つ編みを右肩に垂らした少女がいた。
「ごめんなさいね、イレーナ。しかし貴方も大概ね、未だに玄関前での応答では老婆の声を使うだなんて」
「これとそれとは話が別ですよ! 全くもう!」
どうやら老婆の声の正体はイレーナと呼ばれた彼女だったらしい。フリルのついたブラウス、胸元には爽やかな青いサファイアの飾り留めがついた夜色のリボンタイ、深い海色のミニスカート、黒いブーツは作業用なのかちょっと汚い。そして彼女の全身を覆う小豆色をしたマントは、着ているよりかは着させられているようにも見える。藍色の大きくくりっとした目は愛らしく、頬を膨らませたり、ブンブンと腕を振るといった態度は、彼女をより子供っぽく見せていた。
ローゼもまさかあの声の正体が自分と同じくらいの少女だとは思わなかったのか、唖然としていたが、リスのようなつぶらな瞳を向けられ、驚きのあまりサージュの背に隠れた。
「その子は一体?」
「私の弟子。だから貴女の弟弟子ね」
「弟子?!」
「しかも人間でアルビノよ」
「嘘ォ?! レア物じゃないですか!!」
突然の報告に口をあんぐりと開けたイレーナは、ブンブンと頭を振って、半分顔を出しているローゼを穴が空くほど見つめた。居心地が悪いのか、ローゼはサージュのマントをぎゅっと握って再び背に隠れてしまう。
「こらローゼ、初対面の人に会ったらどうするんだったかしら」
「……挨拶と、自己紹介」
「そうね。大丈夫よ、イレーナは変人だけど貴方に危害を与えるような子ではないわ。ほら、出て来なさい」
そう言われ、おどおどと背から出てきたローゼ。そして前を向くと、パァっと目を輝かせたイレーナと目が合った。吃驚するも、一回深呼吸をし、口を開く。
「師匠の弟子の、ローゼです」
「! あっ、えっと私はイレーナ=ヴァン=レイって言うの! 森の國で唯一人間を研究している第1級魔法使いだよ! 宜しくね!」
パーッと顔を明るくすると、興奮しているのか早口気味に自己紹介をしたイレーナは、ローゼの手を取ってブンブンと振った。握手のつもりなのだろう、しかしその細腕は思ったよりも力強く、振られる度ローゼの体も揺れた。
自己紹介も程々に、研究所の中へ招き入れたイレーナ。綺麗好きなサージュは、実験後必ず後片付けをする為散らかってもないし、一見するとおばあちゃんの家のような雰囲気なのだが、それと比べるとイレーナの家は正反対とも言える。ローゼは長い廊下の途中で見えた実験室を見て唖然とした。蝋燭で照らされた部屋は、あちらこちらで書物山、実験して失敗したものもそのまま、材料やその残骸は机の上に散乱していた。魔女の家そのものである。
そんな実験室を抜け、客室に入った。こちらは比較的綺麗に整えてあるらしい。端で分厚い本が積みかさなっているのに目を瞑れば。
サージュとローゼは部屋の中心にあるソファに座った。続いてイレーナも手前にある一人用の小さなソファに座る。
「それで今回はどんなご用で? もしかしてその人間についてでしょうか?」
「流石ね、そうよ。是非あなたの力を借りたいの」
そう微笑みながらサージュがイレーナに告げると、嬉しそうに身をくねらせて「森の賢者とも言われるサージュ様に頼られるだなんて感激ですぅ」と言葉を零している。そしてローゼはまさか自分の為にここに来たとは露知らず、サージュを二度見した。
「し、師匠どういうことですか」
サージュはそう尋ねたローゼの肩を掴み、自分の元へと引き寄せ真剣な表情でイレーナを見つめた。彼女もこれは只事ではないと、だらしのない顔を引き締めて見つめ返す。
「ローゼの目を治したいの。この子は見ての通りアルビノ、目が弱いという事は書物からの情報で知っていたけれど……この子の場合は弱視と一色覚でね」
「弱視に一色覚ですか、これまた厄介な……」
「魔法に関しては本当に目がいいの。魔力の質も洗練されてて良質なものだわ。弱視は眼鏡をかけさせてあげればどうにかなる、でも一色覚、そしてそれによる弱視は……どうにもならない」
「だから私を訪ねたんですか? その子に鮮明な景色と色を見せるために」
「えぇ、そうよ」
イレーナは額に人差し指を添え、暫く何かを考えている様子。5分経ってもその状態は変わらず。静かな客間に、当人は罪悪感を感じ始めたのか、彼は悩み続ける彼女におずおずと口を開いた。
「あの、イレーナ様……そして師匠も。……僕は別に色なんて見えなくても大丈夫です。目が弱いのも、大丈夫です。今までも大変なことはあったけれど何とかなりましたし、これからも気をつけて行けば、きっと。こんな僕の目のせいで、貴女方を悩ませたくない」
俯いてそう呟くように告げたローゼを、サージュは容赦なく叩いた。「ぐぇっ」とカエルが潰れるような声がした。サージュは頭を抑えて悶えるローゼの頬を手で包み、無理やり顔を上げさせた。
「ローゼ、自分のことを『こんな』だとか言わないことよ。貴方はこの私が認める最高の弟子、最高の弟子に何かを与えたい、困っていたら助けてあげたいと思うのは師匠として当たり前のことだわ。もう一度『こんな僕』だなんて言って見なさい、実験の材料にしてやる」
ペリドットの瞳の奥に見え隠れした怒りの炎に体を強ばらせたローゼは、しゅんとして「申し訳ございません」と小さな声で謝ると、手前にいたイレーナが困ったように笑った。
「サージュ様は相変わらずですね」
「私の弟子なのだから、自信を持つべきよ」
「そうですね、何しろこの國で王の次に強いとされていますし、ローゼ君は素晴らしい師匠の元で魔法を学べることを、そして自分を誇るべきですよ。そしてローゼ君」
「はい」
「魔法使いの世界に限らず、この世界には色が溢れているの。例えば――春には色とりどりの花が咲き、夏には青々と茂る草木が風で揺れ、秋には黄色く赤く化粧をした葉が山を染め、冬は一面銀色の雪景色。空だってそう。朝は優しい薄紅から始まって、昼は爽やかな群青色で元気が溢れ、夕方になれば真っ赤な夕焼けと黄昏て、夜は深い深い紺色で包まれる。そんな素敵な世界を白と黒、しかもぼんやりとしか見えないだなんて、本当に損をしているよ。色は魔法薬を作るにあたってもとっても大事だけれど、私たちの人生にも彩りを与え、そして豊かにしてくれるもだもの。
私も、サージュも、貴方に是非この世界の美しさを見てもらいたいんだよ」
暫く話し合い、イレーナは本棚から何冊か分厚い本を取り出すとサージュに渡した。サージュは有り難そうにそれを受け取ると、ローゼも小さな声ではあるが感謝の念を伝え、移動魔法でその場を去った。
イレーナは誰もいなくなった客間のソファに横たわり、ふーっと溜息をつく。緊張の糸が切れたかのようにダラダラとしていると、奥の扉から背の高い青年が現れた。同じ髪色、同じ目の色、髪型も同じだが、彼女よりも少しツリ目気味な目は涼し気で、エルフにしては高すぎる身長に比べて細い体は少し頼りなさそうにも見える。防水加工がなされているのか、つるつるとした黒いツナギを纏った青年は、ブランケットをイレーナに掛けた。
「イレーナ、おつかれさん」
「ん、ありがとうナハティス」
��にぃっと笑った彼女を指で弾くと、ナハティス――イレーナの双子の弟も悪戯っ子のように笑った。
「しっかしま、今回はよく我慢できたね。人間のアルビノは個体数が少ないが故に実験とか観察といった類の研究結果が少ないんだろう?買おうとは思わなかったのか?」
「私も最初はそうしようと思ったよ。でもサージュ様のあの溺愛っぷり見たでしょう?研究以外に殆ど何も関心を示さなかったあの方が、あんなに自分の弟子を愛して育ててるんだよ? あんなの引き離せるわけないじゃんか……」
「人間狂いとも呼ばれてんのに珍しいこって」
「私だって我慢くらいできるわ失礼な! 」
「ほーへーそー」
「あぁぁーーーーもうナハティスこの野郎からかいやがってーーーー!!」
ソファから起きあがって、涼しい顔で逃げるナハティスを鬼の形相で追いかけるイレーナ。時折水風船が割れたような音もする。彼らの夜はまだまだ始まったばかりだ。
サージュはイレーナから渡された書物を元に、研究漬けの毎日を送っていた。色覚異常の症状、メカニズムを調べ、足りない部分用に魔法を作り、弱視用の眼鏡にかける。
初めはそれで成功すると彼女は確信していたが、結果は否。そもそも一色覚による弱視は網膜に問題があるため、眼鏡をかけても視力は治らない。その上全色盲は全てを補わなければいけない。タダでさえ新しい魔法を作るだけでも月日がかかるというのに、ここまで手間のかかるものであると、その苦労は計り知れないモノだ。
徹夜で魔力を練る毎日。幾ら魔力量が他の人より多いからと言って、休み無しの実験は体力を奪う。
ギリギリまで実験を繰り返し、倒れる寸前で眠りにつく。ローゼはサージュの邪魔をしない程度に世話を焼き、家事全般を行った。
数年経てば、彼の魔法の腕はかなりのものとなった。元々限りなくこちら側であったローゼは、慣れさえすれば息をするように魔法を使いこなせるようになる天才型だ。
いつものように朝食を作り、サージュの元へ届けると、実験室も机でうつぶせになって眠る彼女を見つけた。
目の下にクマをつくった彼女は、いつもの様な飄々とした表情ではなく、小さな幼子のように口を開けてよだれを垂らして久しぶりの睡眠を取っているようだった。
「(今日でたしか徹夜7日目だったかな……)」
彼は、彼女の頬にかかった髪を指でそっと退けた。すると、擽ったそうに彼女は身を捩り、ふにゃりと赤ん坊のように笑った。
師匠の見たこともない表情に、頬に触れていた指先をピクリとさせると、徐々に顔を赤らめるローゼ。胸に手を当て、ドクドクと勢いよく流れる自身の心臓を感じると、彼は困ったように口元を歪めた。
「(駄目だ、これは駄目なやつだ)」
それは開けてはならないパンドラの箱。そもそも人間とエルフである彼女の流れる時間は違いすぎる。ふーっと自身を落ち着かせるために深呼吸をし、朝食を空いてるスペースに置いて彼女を抱き上げた。よほど疲れているのか起きる気配はない。
実験室の奥の彼女の私室を開け、ベットに彼女を下ろすとそっと布団をかけた。
「おやすみなさい、師匠」
ローゼは額に軽く口付けを落とすと、静かにその部屋から立ち去った。
「……まったく、こまったこなんだから」
1人、ベッドの上でぽつりと呟いたサージュは、布団を頭の上まで被り、再び眠りに落ちた。
カーテン越しの朝日が、ほんのりと部屋を照らした。
「さぁローゼ、ここに座って頂戴な」
サージュはローゼの手を取って、木の椅子に座らせた。そして目を閉じるように言い、彼の目蓋が下りたのを確認すると、そっと顔の形を確かめるように皮膚を撫でた。
サージュよりも小さかった彼も、既に齢50。いつしかサージュの身長を優に超え、シワも増え、初老の男性へと変貌した。
だけど彼女の愛は依然として変わらない。白銀色のさらさらとした髪、伏せられた長い睫毛、その中で輝くパパラチアの瞳、少しカサつく白い肌、小心者な性格に似合わず大きな体――その全てが愛おしい。
そしてそっと目蓋に口付けを落とすと、手を離した。
「(貴方の愛に答えられなくてごめんなさいね)」
サージュはそう心の中で謝罪をすると、懐から銀色の縁をした丸い眼鏡を取り出すと、メガネチェーンを彼の首にかけ、今度はそっと眼鏡を耳にかけた。
「師匠」
「まだよ、焦らないでね」
そわそわとしだした彼を牽制すると、彼女は少し離れて眼鏡がズレてないかを確認し、うんうんと頷いた。
「よし、いいわ。ゆっくり目を開けて――……」
ふるふるっと彼の目蓋が震えると、ゆっくりとその目は開かれた。そして、かつて無いほどその目を大きく見開くと、ポタリと雫が目から零れた。
初めて目にするその景色を、彼は一生忘れないだろう。
暖かい木の色で作られた部屋、白いレースのカーテンと、窓から入る緑色の木漏れ日、鉢に植え付けた植物には色とりどりの花が咲き、花の蜜を狙って、小鳥たちが遊びに来る。妖精の通り道はキラキラと虹色に光り、ローゼの様子を見に来た隣人たちは、ニコニコと笑って彼の周りを飛んでいる。
そして、彼の前で慈母のように笑うサージュ。
「(彼女が見える。優莉のように赤い髪も、森のように深い翠の瞳も、肌にちりばめられた小さな瘢や、薄く紅で色づいている唇も、全部、全部。ぼやけてなんかない、鮮明に、見える)」
彼は歓喜で震える両手でサージュを抱き締めた。
そんな彼を優しく抱き締め返し、泣き止まない幼子をあやすかのように背中を撫でる彼女。
世界は宝石のようにキラキラと輝き、彼を祝福した。
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EXHIBITION CRAFTAID×FEEMUE▷
渋谷ヒカリエで展示会「クラフトエイドとフィームー展」開催 -山岳民族を感じる、スラムを感じる6日間(11月1日-6日)
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今年4月に本格的にスタートしたFEEMUEが、日本側で本ブランドを取り扱うクラフトエイドと共に、展示会を行います。
民族の伝統を大切にしたもの作りをするCRAFT AID(クラフトエイド)と、タイ最大の人口密集地域クロントイ・スラム発のブランドFEEMUE(フィームー)が初めての展示会を開催いたします。アジアの山岳少数民族の衣装やスラムの小屋など、現地の<リアル>を着て見て触って体感してみませんか?
クラウドファンディングでたくさんの応援をいただき立ち上がりましたFEEMUEを、感謝の気持ちを込めて東京でご報告いたします。ぜひ会場にお越しいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
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展示会概要
日時
2017年11月1日(水)~11月6日(月)
11:00~20:00 *最終日は17:00終了
会場
aiiima1&2 渋谷ヒカリエ8F Creative Lounge MOVエントランス (東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F) 会場へのアクセス(フロアマップ)
参加費
無料
主催
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 シーカー・アジア財団
協賛
株式会社ニコン
ブランド紹介
CRAFT AID
クラフトエイドは、女性が子どもの教育資金のために手仕事でつくる製品を展開する、シャンティ国際ボランティア会のフェアトレード事業です。タイ・ラオス・カンボジア・アフガニスタン・ミャンマーの国々でもの作りをしています。
アカ族・リス族など山岳民族の衣装6体を一同に展示。30年前に難民キャンプで作られたモン族刺繍絵本も公開。
FEEMUE
フィームーはタイ最大のスラム地域であるクロントイ・スラムから提案するライフスタイルブランドです。縫製所の女性や軒先でものづくりをする人々が生産を行い、ブランドを通してスラムの生活を伝えていきます。
タイのトタンや廃材を張り合わせて作られたスラムの小屋を現地から輸送し展示。
写真家 橋本裕貴撮影のタイ・スラムの写真展示。
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イベントスケジュール
イベントへの参加をご希望の方は、事前に申込フォームからお申し込みください。 ▷申込フォーム(シャンティ国際ボランティア会HP内)
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1)11/1(水)18:00~20:00
オープニングイベント
2)11/3(祝)14:00~15:30
FEEMUEクラウドファンディング報告会
3)11/3(祝)16:00~17:00
CRAFT AID 東南アジアの山岳民族について
4)11/4(土)13:00~14:30
写真家・橋本裕貴ギャラリートーク「旅先のポートレート」
5)11/4(土)15:00~16:00
FEEMUE写真集発売記念トークショー
6)11/5(日)14:00~15:00
CRAFT AID 東南アジアの山岳民族について
7)11/3~5 11:00~12:30
タイの花輪作りワークショップ
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イベント申込はこちらからお願いいたします。
▷申込フォーム(シャンティ国際ボランティア会HP内)
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イベント詳細・登壇者
1)オープニングイベント
スタッフ140名が総力をあげてお届けする、現地の食と旅情報!!現地スタッフおすすめグルメランキングも発表します。数量限定、現地から持ち込むビールや珍味の試飲試食もお楽しみください。(定員20人)
(左)シャンティ国際ボランティア会 鈴木淳子(ラオス駐在経験有り)
(右)シャンティ国際ボランティア会 吉田圭助(タイ駐在経験有り)
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2)FEEMUEクラウドファンディング報告会
たくさんの方から応援していただき、今年の4月にスタートしたライフスタイルブランドFEEMUE。ここまでの歩みを、30年間クロントイ・スラムに関わってきた秦辰也(都市工学)と共にお話しします。(定員20人)
秦 辰也 近畿大学国際学部国際学科グローバル専攻教授 (公社)シャンティ国際ボランティア会常務理事 シーカー・アジア財団副理事長 1959年福岡県生まれ。1984年から現シャンティ国際ボランティア会に参加。インドシナ難民、タイの山岳少数民族、都市スラム問題などに取り組む。バンコク事務所長、事務局長、専務理事などを経て現在に至る。
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3)CRAFT AID 東南アジアの山岳民族について
母から娘へ大切に伝えてきた美しい刺繍や手織り布。クラフトエイドが30年かけて集めた各民族衣装の伝統の技を、手にとってご覧ください。(定員20人)
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4)写真家・橋本裕貴ギャラリートーク「旅先のポートレート」
クロントイ・スラムの写真を撮影した橋本裕貴氏に、一眼レフカメラを使った撮影のテクニックや写真の面白さについてお話しを聞きます。撮影技術の実践タイムもあります。協力:株式会社ニコン(定員20人)
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5)FEEMUE写真集発売記念トークショー
写真集をつくるためにスラムに滞在した4人のクリエイター。スラムで感じた「リラックス」とは?美味しいものから幾何学模様まで、クリエイターたちが見たスラムの今を語り合います。(定員20人)
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橋本 裕貴 1978年神奈川県生まれ。写真家。青山学院大学卒業後、2001年から渡仏し Spéos Paris Photography Schoolで学ぶ。2004年より写真家泊昭雄氏に師事。 2006年よりフリーランスとして活動開始。
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堀 康太郎 / horitz
1979年宮城県生まれ。グラフィックデザイナー。東北芸術工科大学卒業。 スープ・デザインを経て、2012年9月独立。
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. 菅原 信子 1982年東京都出身。2012年ユーフォリアファクトリーに入社。TRANSITのほか広告媒体などで編集、原稿執筆を行う。
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FUJI TATE P 刺繍家・プロダクトデザイナー。刺繍で用いる素材や技術をベースに、建築的 思考でデザインを行う。作品は”ERIKA””SMOCK”の他、ビーズジュエリーブランド PENTAのクリエイティブディレクター。
クロントイ・スラムの縫製所でFEEMUEのデザインを進めるFUJI TATE P
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6)CRAFT AID 東南アジアの山岳民族について
CRAFT AIDの商品に付いてくる「民族カード」のイラストを描いたaurinco(アウリンコ)さんと共に、山岳民族の文化や魅力をお伝えします。 (定員20人)
aurinco(アウリンコ) 1979年宮崎県生まれ。イラストレーター。高校、短大ともに産業デザイン科を修了。2000年よりグラフィックデザイナーとして愛媛県の印刷会社に8年勤続。1年7ヶ月の単身渡英後、拠点を東京に移す。IT系企業にてWEBデザイナー・スマホアプリのデザイナーとして勤務。2014年よりフリーランスのWEBデザイナー、グラフィックデザイナー、イラストレーター、絵本クリエイター、キャラクター作家として独立。オリジナルキャラクターブランドとして「ユニとユト」「ガーディアン・フロッ��ズ」「スティル〜進化した絶滅種〜」を展開。環境や教育に関わっていきたいと感じており、グリーンセイバー・ベーシックの資格取得、NPO法人ビルメロの会とともにミャンマー寺小屋での似顔絵教室、公益社団法人日本環境教育フォーラムの機関紙表紙のイラスト制作、技能五輪国際大会グラフィックデザイン職種エキスパー��着任など多方面で活動中。
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7)タイの花輪作りワークショップ
FEEMUEアイテムのモチーフにもなった、タイの花輪を作ってみませんか?仏様や目上の人へ敬意の気持ちを託すタイの伝統文化を、縫製マネージャーNarisara(ニックネーム:メー)がお教えします。(日本語通訳あり/定員10名/途中参加可/対象年齢10歳以上)
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イベント申込はこちらから
スペースに限りがあるため、事前申し込みにご協力お願いします。 参加を希望するイベントを選択してお申込みください。
▷申込ページ(シャンティ国際ボランティア会HP内)
※イベント、展示会への出入りは自由です。イベント内容は当日変更となることもあります。
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常設販売
CRAFT AID とFEEMUEのアイテム、写真集を会場で販売します。一枚ずつ柄の違う刺繍小物はもちろん、手仕事で作られたアイテムはすべて一点もの。お気に入りを見つけてください。
リス・ヘキサゴンバック(CRAFT AID)
ドークプットピアス(FEEMUE)
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常設展示
民族衣装の試着撮影会
アフガニスタンのブルカ、カレン族のブラウス、華やかなタイ族の衣装(子ども用も有ります)、ラオスのスカートなど、SNSにも映えるさまざまな衣装を用意してお待ちしています。
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スラムの小屋撮影会
廃材やトタンを張り合わせて、クロントイ・スラムで実際に作られた小屋を現地から運びます!中に入ってスラムの雰囲気を体感してください。
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フォトブック販売
約10万人が暮らすタイ最大のスラム、クロントイの飾りのない姿をとらえた写真集『KLONG TOEY』。“FEEMUE”プロジェクトの一環で制作し、11月1日に発売されます。写真家・橋本裕貴がクロントイ・スラムの複雑に入り組む路地を丹念に歩き、撮り下ろしました。会場でも販売します。判型:188×120mm ページ:224ページ 仕様:コデックス装 価格:2500円+税 発行:888(ハチミツ)ブックス
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展示会ちらし▷PDFでご覧いただけます
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イベントへの参加をご希望の方は、事前に申込フォームからお申し込みください。 ▷申込フォーム(シャンティ国際ボランティア会HP内)
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会場でお目にかかれますのを心待ちにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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せいふく
セーラー服が好き。ないものねだりで、だけど。セーラー服が好き。中学校の制服は、セーラー服ではなくて、襟はセーラー服だったかな、純粋なセーラー服ではなくてセーラーブレザー?というものだった。夏服は、あれは、セーラー服だったのかもしれないな。けど、ちがう、あれはちがう。私の通った中学はイメージカラーが緑いろだったため、スカートは緑いろにチェック柄、白いセーラー襟の縁取りは、緑いろ。ね?ダサいでしょ。リボンは普段付け用の赤いろと式典用の青いろと行事以外のときは自由に選べたけど。赤いろはあくまで付属品でかわいい子かクラスの中心の子しか付けちゃいけないかんじだったし、赤いろなんて付ける資格ないの分かってたから、大人しく、いつも青いろつけてたよ。高校は紺いろのブレザー、スカート、ブラウスは丸襟。合服はOLさんみたい。夏服もダサかった。表記するの面倒くさいくらい。ダサかった。でも、あんな、ダサい制服でも、誰かはキラキラだったよ。私はぐちゃぐちゃだったけどね。セーラー服良いよね。だいすきだよ。なんだろうね、別に今着たいわけではないけどさ、15歳の私が、まだ必死に、青春にしがみついて離れてくれないから。誰かの甲高い笑い声は、私のことなんか視界に入れてなんかいないのに、私だけ過敏になって、逃げ場をなくしたところを突き刺す。笑い声に怯えながら教室の隅っこで、大森靖子の焼肉デートじゃないけど、蹲る女の子の絵ばかり描いたり、キクタンと睨めっこしたり、トイレに駆け込んだり、ウォークマンで教室全てを遮断したりしてたよ。せいふくを着てせいふくに埋もれながらせいふくにせいふくされて。また誰かもきっとおなじ
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チャイナドレスやパジャマ風アイテムで着姿に程よいスパイス
ある素敵な女性にオマージュを捧げるような形で企画されている、2017年春夏シーズンの「MUVEIL(ミュベール)」。そのミューズになった実在の女性はチャイナドレスやパジャマ風ウエアといった、一癖あるアイテムまで自己流に着こなして見せるスタイリングの達人。今回は春夏アイテムから、チャイナシリーズとパジャマシリーズをご紹介しましょう。
チャイナと言えば代名詞的なチャイナドレスははずせません。誰もが思い浮かぶシルエットですが、ミュベール版はワンピースの裾からアンダードレスをあえてはみ出させています。東洋風のフラワーモチーフがカラフルな刺繍で大きくあしらわれました。縁を彩るグリーンのパイピングも利いています。チャイナボタンは手作りです。
生地にも工夫を施しました。肌が触れると、ひんやり心地よい接触冷感仕上げだから、夏も涼しく着られます。テンセル素材独特のソフトタッチも快適な着心地の理由。袖幅の余裕がたっぷりあるので、風通しは良好。風合いや色味に自然なムラ感があって、普段使いしやすいのもうれしいところです。色は落ち着いたネイビーで、大人っぽくまといやすくなっています。
チャイナシリーズではジャケットも用意されました。色はネイビー1色です。正面の合わせは5個のチャイナボタンが並んで、オリエンタルなたたずまい。胸元にはにぎやか色の植物柄刺繍を施しています。スタンドカラーは首をすっきり見せてくれそう。チュールを挟み込んだ裾がムードを深くしました。背中側はボックスタックで動きとボリュームを出しています。ワインが大好きなミューズにちなんで、「乾杯」の意味がある「Cheers」の言葉も刺繍で添えました。
近頃はバスローブやナイトガウンといった、おうちでもくつろぐ気分を象徴するウエアを外着にアレンジする試みが世界的に盛り上がっています。チャイナガウンコートはまるで着丈の長いパジャマを羽織ったかのような、ゆったりした着姿。ガウン特有の抜け感もあって、リラクシングに着こなせそうです。
コートの腰に巻いた布ベルトには「ベロンベロンに酔っぱらう」といった意味のメッセージが英語で刺繍されています。この言葉はミューズ女性がワイン好きであるところからの着想。両胸と背中にはこのメッセージに含まれる「FRUIT」の言葉から、色とりどりの果物が刺繍で描き込まれました。色はネイビーです。布を贅沢に使って、ガウンらしい楽ちんな、つかず離れずの着心地を実現しています。
パジャマは本来、他人に見せないタイプの服ですが、あえて場面をずらす「シーンフリー」のスタイリングが拡張して、最近は意外性の高いタウンウエアの仲間入り。今回のパジャマシリーズではブラウス、パンツ、オールインワンの3点をラインアップしました。3アイテムとも細かいリップ柄を全面にプリント。こちらもミューズになった女性の印象的な唇をモチーフにしています。ブランドイニシャル風の「m.v.」の文字も控えめに刺繍されています。
ブラウスは丸みを帯びたパジャマ特有の襟が朗らかな表情。パンツはパジャマライクなゴムウエストで楽に着られそう。でも、センタープリーツが利いていて、過剰にだらしなくは見えません。オールインワンはウエストにギャザーが寄せてあって、ゆるゆるに見えにくい演出。いずれも地色はブラウンとブルーから選べます。
本当に間違えてパジャマで外に出てしまったと勘違いされないよう、ボトムスの上からチュールを巻いたり、主張の強いアウターを羽織ったりといった「足し算」のコーディネートを試したくなります。先にご紹介したチャイナガウンコートを重ねると、のどかさと意外感が交差する装いに。春夏は薄着になり、印象も弱まる傾向があるだけに、チャイナやパジャマといった、サプライズなムードを呼び込んでくれるデザインは着姿に程よいスパイスを添えてくれるはずです。
チャイナドレス navy ¥74,000(+TAX)
チャイナジャケット navy ¥78,000(+TAX)
チャイナガウンコート navy ¥130,000(+TAX)
リッププリントパジャマブラウス blue/brown ¥ 34,000 (+TAX)
リッププリントパジャマパンツ blue/brown ¥36,000 (+TAX)
リッププリントオールインワン blue/brown ¥48,000 (+TAX)
GALLERY MUVEIL
東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 B1F
TEL: 03-6427-2162
OPEN: 11:30~20:00
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ミュベールが仕掛ける「フルーツパーラー」 ワッペンや刺繍に特別感
「MUVEIL(ミュベール)」の2017年春夏コレクションは、ある女性をミューズに位置づけています。その女性がワイン好きというところにちなんで、様々なフルーツのモチーフをあしらったアイテムが企画されました。春夏コレクションのフルーツアイテムに加え、新たにフルーツを主役に据えたプチコレクションも用意されています。こちらはミュベールが10周年を迎えるのを記念した特別企画「MUVEILフルーツパーラー」として打ち出されます。モード誌『SPUR(シュプール)』の5月号(3月23日発売)と同時に、東京・南青山のコンセプトショップ「GALLERY MUVEIL(ギャラリー ミュベール)」をはじめとする限定ショップで発売されます。今回はこのフルーツアイテムと「MUVEIL フルーツパーラー」をご紹介します。
ワッペンが一気に注目ディテールに昇格してきそうなこの春夏シーズン。ミュベールはデニムジャケット(Gジャン)とデニムスカートにフルーツ柄のワッペンをどっさり実らせました。どちらも肝心のデニム生地はナチュラルな質感を生む糸を使い、きれいめに仕上げています。繰り返し洗っていくうちにきれいなブルーに色落ちしてくる、デニムらしい染色にもこだわっています。
Gジャンはフルーツモチーフのワッペンをいくつも刺繍されていて、ポジティブな見栄えです。背中側にはワインの原料であるブドウをはじめ、レモンや洋梨などをカラフルに配置。よく見ると、フルーツの甘い香りに引き寄せられたのか、蜂も飛んでいます。ワイングラスに重ねて、「Cheers!」(=「乾杯」の意味)の言葉も添えられました。襟は取り外せるので、着姿をダイナミックに変化させられます。
スカートは正面側にはイチゴやチェリーなどのワッペンを刺繍(Gジャンと同じ」。膝より上の高い位置にワッペンを集めてあるので、脚がすっきり見えそう。背中側はGジャンとは見せ方を変えて、フルーツ5種類のワッペンを1種類ずつヒップポケットの上から縫い付けています。ポケット周りや裾に細かい加工が施されていて、デニム好きをうならせる出来映え。裾の切り替えやステッチ、切りっぱなし処理なども特別感をもたらしています。
ワッペンに加え、刺繍にも力を入れています。イチゴの刺繍を胸の左右に並べたブラウスはキュートな印象。生地の全体にナチュラルなシワ感があり、1枚で着ても穏やかなムードに。背中側の裾に平ゴムを入れてあるから、着たときに程よいボリュームが生まれます。正面はボタンがお腹の上までで、頭からかぶってゆったり着られます。色はホワイトとブラウンから選べます。
ワッペンとニットツイードを引き合わせた異色のスカートもお目見えしました。ラグジュアリーな風合いのファンシーツイードをジャカードニットで表現しています。その上品な生地の上からブドウや洋梨のワッペンをオン。ウエストと打ち合わせ部分に沿って波線模様が走っていて、着姿にリズムを与えています。ホワイト、レッド、ネイビーの3色が用意されました。
袖先と背中側身頃が透かし模様のレースになっているTシャツは、胸にイチゴとチェリー、蜂のワッペン刺繍が施されています。背中側の裾にはドレープが配してあり、ウエストアウトしたとき、やさしげな表情が生まれます。正面側と背中側レースの生地が同色のパターンと、色違い、切り替えのパターンが用意されています。同色パターンはネイビーとホワイトがあり、正面身頃がグレーでレースがホワイト、正面がホワイトでレースがイエローのバージョンも用意されています。
コレクションラインで提案されていたこれら4アイテムに加え、新たに「MUVEIL フルーツパーラー」用としてデザインされたアイテムもあります。フルーツ柄のビジューをあしらったTシャツもそのひとつ。イチゴ、リンゴ、ブドウ、パイナップルという4種類のフルーツビジューを正面身頃に散らした、リッチな質感のTシャツです。Tシャツの地色ごとに1種類のモチーフをマッチさせてあり、ホワイト×ストロベリー、グレー×グレープ、チャコールグレー×アップル、ボルドー×パイナップルという組み合わせになっています。いずれも透明のビニールのポーチ付き。
フルーツワッペンはバッグにも登場。春夏らしい涼やかなビニールバッグのボディーにチェリー、レモン、ストロベリーという3種類のフルーツモチーフのワッペンを添えました。3種類ともフルーツのそばに愛らしい蜂が飛んでいます。それぞれのフルーツにお似合いの地色が選ばれています。
同じ3種類のフルーツ&蜂ワッペンが付いたパスケースもあります。裏側にはブランド名「MUVEIL」が箔押しされています。バッグとセットで持ちたくなるラブリーなデザインです。
フルーツパーラーにふさわしくデザート柄も用意されました。ケーキとパフェのアップリケが施されたデザートポーチは、手に持っていると視線をキャッチすること間違いなし。地色はホワイトとネイビーがあり、それぞれにケーキ(フォーク付き)またはパフェ(スプーン付き)のアップリケが添えられています。
その他にも、フルーツで着飾ったグランマチャームや、フルーツビジューが付いたソックス、キャミソール、ミニタオルなどのアイテムが3月23日から販売されます。
「MUVEIL フルーツパーラー」の写真撮影で舞台になったのは、フルーツパーラーの代名詞的な存在の「新宿高野本店」。そのフォトは『SPUR』5月号に掲載されます。
フルーツならではのジューシーで元気なムードは春夏の装いにフレッシュでチアフルな雰囲気を寄り添わせてくれます。ワッペンやアップリケなどを添えるディテールも今のトレンドにマッチしていて、自分らしい「オンリーワン」の着こなしに役立つから、この機会にミュベールが仕掛ける「フルーツパーラー」へ足を運んでみてはいかがでしょう。(ファッションジャーナリスト 宮田理江)
FRUITワッペン付きGジャン light blue ¥72,000(+TAX)
FRUITワッペン付きデニムスカート blue ¥48,000(+TAX)
イチゴ刺繍スタンドカラーブラウス white brown ¥38,000 (+TAX)
FRUITワッペン付きニットツィードスカート white/red/navy ¥68,000(+TAX)
バックレースTシャツ 前見頃white×レースwhite
前見頃gray×レースwhite/前見頃white×レースyellow/前見頃navy×レースnavy ¥29,000(+TAX)
フルーツビジューTシャツ white×strawberry/gray×grape/charcoal gray ×apple/bordeaux×pineapple ¥25,000(+TAX)
FRUITワッペン付きビニールバッグ strawberry/rlemon/rcherry ¥8,800(+TAX)
FRUITワッペン付きパスケース strawberry/rlemon/rcherry ¥8,500(+TAX)
デザートポーチ white×ケーキ/navy×ケーキ/white×パフェ/navy×パフェ
¥9,000(+TAX)
GALLERY MUVEIL
東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 B1F
TEL: 03-6427-2162
OPEN: 11:30~20:00
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プレフォールはちょっと主張強めに ギャザー袖ブラウスや飾り襟付きTシャツ
春夏・秋冬というメインシーズンに比べて、それ以外の時期に企画されるコレクションは割と自由な発想のクリエーションが見られるといわれます。それは季節感にあまりとらわれないで済むのに加え、今の気分を素直に写し込みやすいから。「MUVEIL(ミュベール)」のプレフォール・コレクションもほとんどオールシーズンで着やすいアイ���ムが多くなっています。今回はプレフォールの新作からお薦めの品をピックアップしてご紹介します。
袖に表情を持たせる「袖コンシャス」は盛り上がりが続いています。こちらのコットン地ブラウスはひじのあたりから先にたっぷりのギャザーを寄せて、やわらかいボリューム感を帯びさせました。しかも、袖口がリブ編みになっているおかげで、ひじから先の量感が一段と引き立って見えます。
こちらは身頃正面に植物柄の刺繍が施してあるうえ、スリーブに動きがあるので、1枚で着たくなります。赤は薔薇(バラ)、イエローはミモザ、青はアジサイをイメージした、やや抽象的なモチーフです。
背中にも工夫があって、4カ所でリボンを結んでいます。ひもの垂れ下がる景色がロマンティックで、後方からの視線を受け止めるアクセントになっています。地色はホワイト、ホワイト×ブルーのストライプ柄、ブルー、ネイビーから選べます。
Tシャツは気軽に着られて便利ですが、退屈に見えやすい点が悩ましいところ。こちらのTシャツは大ぶりのニット襟が添えてあり、クラシカルな雰囲気。胸に配した「ROSA」の文字はギリシャ語で「薔薇」という意味です。ニットの襟は取り外しできるから、丸首のシンプルなTシャツとしても使い分けられます。
大襟の左右にあしらったレース部分はマーガレットの花を織り込んであります。まるでお金持ちの家の庭に咲いてあるようなイメージだそうで、Tシャツに優美なムードを寄り添わせています。身頃の色はホワイト、グレー、ネイビーが用意されています。襟の色はホワイトにはホワイト、グレーにはブルー系、ネイビーにはグリーン系が引き合わせてあって、素敵なコントラストをなしています。
ロングヒットになっているワイドパンツと、新たなトレンドに浮上したストライプ。その魅力を兼ね備えているのがこのペンシルストライプパンツです。ウエスト部分にゴムを仕込んであるおかげで、楽ちんなはき心地。絶妙な幅がかえって脚をすっきり見せてくれます。
メンズのスーツでよく見かけるペンシルストライプですが、こちらのワイドパンツではネイビー地には水色のラインを走らせ、グレー地には薄いピンクのラインを効かせています。オリジナルな色の組み合わせが生きて、表情に深みが増しました。地色はネイビーとグレーの2色です。
近頃は主張を宿したベルトが装いを華やがせています。このリボンベルトは立体的なリボンが視線を呼び込むデザイン。しっかりした太さ、カウレザーのつややかさが堂々としたフェミニンを印象づけます。プレーンなウエアにもエレガンスを薫らせてくれそう。いつものコーディネートにオンするだけで、着こなしにたおやかなムードが漂います。色はブラックとボルドーの2色から選べます。
夏のうちから着られるプレフォールは冬にもレイヤードに組み込めて、長く付き合えます。程よくアイキャッチーなデザインは装いに「ミュベール」らしさを帯びさせてくれるはずです。(ファッションジャーナリスト 宮田理江)
ギャザースリーブ ブラウス white/white×blue/navy ¥34,000(+TAX)
ニット衿付きTシャツ white/gray/navy ¥28,000(+TAX)
ペンシルストライプ パンツ gray/navy ¥38,000(+TAX)
リボンベルト black/bordeaux ¥36,000(+TAX)
GALLERY MUVEIL
東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 B1F
TEL: 03-6427-2162
OPEN: 11:30~20:00
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自分好みにブラウスとバッグをカスタマイズ 刺繍やオリジナルパーツ、ストールアレンジ
最高のおしゃれは自分だけの愛着アイテムを持つことかもしれません。全くのオーダーメードでなくても、ディテールをカスタマイズするだけで、特別な1着に変わります。「MUVEIL(ミュベール)」ではプレフォールコレクションのブラウスとバッグでカスタマイズサービスを用意しました。今回はこのカスタマイズについてご案内します。
刺繍を施したブラウス2型と、「ミュベール」の定番的なバッグ「バトートート」がカスタマイズの対象となります。まずブラウスからご紹介していきましょう。
��ロントの左右に花やイチゴを刺繍した「フラワー刺繍ブラウス」は綿のタイプライターを使用し、さわやかな着心地に上げました。袖先がフレアになっていて、1枚で着ても印象的な着映え。刺繍モチーフはアネモネ、スズラン、スミレ、ストロベリー、ミモザの5種類があります。色はホワイトの無地、ホワイト×ブルーのストライプという2種類から選べます。
もう1種類は襟に刺繍をあしらったブラウスです。こちらも綿タイプライターを使っています。さらに、襟とカフスはインドの高級綿スビンオックスを仕様。メンズライク雰囲気を宿しています。袖先(カフス)部分は普通よりも長く、ファニーな主張を帯びています。長い袖先は取り外しできるので、着ていくシーンに合わせて使い分けられます。
襟の刺繍タイプはマーガレット刺繍、スパンコール刺繍、ラインストーン刺繍の3タイプ。スパンコールは割とボリューミーで、ラインストーンはすっきりした見栄えです。色はホワイト、ホワイト×ブルーの2種類です。
どのブラウスもカスタマイズできるのは、ボタン、オリジナルパーツ、ハンド刺繍の3点になります。ボタンは東京・銀座の老舗「ミタケボタン」から選りすぐったもののうち、気に入ったボタンを付けてもらえます。価格は1つずつ異なります。あらかじめ「ミュベール」側で、今回のブラウスに似合うボタンをセレクトしてあるので、どのボタンを選んでも、それぞれに異なる雰囲気を寄り添わせてくれます。
オリジナルパーツはビジューモチーフを用意しました。スパンコールでこしらえたカラフルなテントウムシがキュート。背中の星はパールで表現しました。昆虫っぽすぎないので、お好みのスポットに留まらせて、着こなしのアクセントにできます。後ろ腰やカフスに迎えるのもよさそうです。価格は各500円と、お求めになりやすい設定です。
最後はハンド刺繍。お客様の好きなアルファベット1文字を手仕事で刺繍します。こちらはうれしい無料サービスです。糸の色を選べるので、目立たせることも、溶け込ませることも可能。もちろん、ボタン、ビジューモチーフという、残り2つのカスタマイズとミックスすることもできます。
次はバト―トートバッグのカスタマイズです。こちらでは「ミュベール」の発明品と呼んでも差し支えなさそうな「花カモフラージュ柄」のタイプがカスタマイズの対象。プリントの柄・色になじむサテンストールを用意しました。2本で1セットにしたカラフルなストールを、花カモ柄のバト―トートと組み合わせられます。
ストールは肩に掛けるイメージが強い小物ですが、おしゃれ上手な人はバッグに添えるテクニックを愛用しています。今回のカスタマイズでは、ハンドルに巻き付けたり、リボン結びに仕立てたりといった形で、トートとのマッチングを楽しめます。バッグはサイズの異なる2種類(SかM)から選べます。
自分では失敗がこわくなってしまうカスタマイズも、「ミュベール」がしっかり検討した選択肢から選ぶのであれば、安心して試せるでしょう。自分だけのデザインに仕上げれば、さらに愛着がわいてくるから、自分好みのカスタマイズにトライしてみてください。(ファッションジャーナリスト 宮田理江)
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プレフォールからより抜き ファー襟の紺ブレや、ドッグ刺繍のスカジャン
季節はこれから夏に向かう時期ですが、現実よりも3カ月ほど先を行っていて、プレフォールのコレクションがショップに並び始めるタイミングになりつつあります。そこで今回は数あるプレフォール新作の中でも、東京・南青山のコンセプトショップ「GALLERY MUVEIL(ギャラリー ミュベール)」が特にお薦めのアイテムをご紹介しましょう。
この秋冬には世界的にファーがキー素材になります。中でもファーを襟や袖にあしらう「ポイント使い」が装いのアクセントに。「MUVEIL(ミュベール)」は、プレフォールからファーのポイント使いを打ち出していきます。
中山路子デザイナーが一番のお薦めに挙げるアイテムは、ファー襟を備えた2種類のアウター。紺ブレザーとダブルブレストコートです。今回のコレクションを象徴する紺ブレザーは、レオパード柄のファー襟がグラマラスな表情。さらに、リボンでこしらえたボタンがレディー感を漂わせています。
秋口は袖をまくり上げて、軽快に着こなせます。スーパーロング袖のブラウスと合わせて、袖先をあふれさせるレイヤードも楽しめそう。袖裏に程よい主張を宿すアレンジを加えました。裏地は赤地のストライプ柄。襟裏のカラークロスも赤を選んで、飾りステッチを効かせています。
背中のデザインは2パターンから選べます。紺ブレもコートも背中の左右に弓矢を構えたエンジェルのワッペン刺繍を施しました。背骨の真ん中あたりには真っ赤なハートモチーフ。筆記体のブランドロゴも大きめに赤く刺繍されています。もう1パターンは刺繍飾りのない無地タイプ。コートはファーのボリュームをさらにアップ。背中側からファー襟がしっかり見えて、ゴージャスな後ろ姿に仕上がっています。
のどかな着映えに導くウエアとして注目を集めているのは、ローブやガウンといった、ゆったり羽織るタイプのアウターです。「ミュベール」がプレフォールで用意したのは、刺繍入りのガウンコート。色はホワイトとネイビーから選べます。どちらの色にもすっきりしたストライプ柄を配してあるので、着丈の長さも手伝って、着姿が縦に長く���ります。
ガウンコートの左胸にあしらったフロントワッペンには、「MUVEIL」のロゴ、「M」「V」「L」のイニシャルを組み合わせたマークを刺繍しました。背中の真ん中には名門一族の紋章を思わせる、王冠や馬、楯などを組み合わせたオリジナルモチーフを刺繍しています。
厚手の羽織り物は重たく見えがちですが、こちらのガウンコートは上質なイタリア製の綿レーヨンで仕立ててあるので、さらりとした着心地。だから、夏のうちから着られそう。袖まくりもできます。前をしっかり重ねないで、ゆるく打ち合わせると、内側に着込んだウエアがのぞいて、軽やかな印象に。生地の適度な光沢感がリッチなムードを引き出しているから、ルーズにまとってもたるんで見えません。
今シーズンはベルトを垂らして縦落ち感や自然体ムードを漂わせるスタイリングが支持される気配が見えています。ガウンコートとセットになっているベルトもきつく結ばず、長く遊ばせて、伸びやかな雰囲気を醸し出せます。真正面で結び目をこしらえないで、左右のどちらかにずらすだけでも、表情が変わります。
シーズンに関係なく重宝するTシャツですが、いかにもイージーな見え具合は避けたいもの。こちらのTシャツは、先ほどご紹介したガウンコートの背中と同じような、王冠や馬などを組み合わせた紋章風モチーフが身頃の正面に特大サイズで刺繍されています。ありきたりのプリント柄ではなく、しっかりとした起伏が感じられる刺繍なので、Tシャツだけで着てもさびしく見えません。ワッペンでもなく、服地の上からダイレクトに刺繍しているから、しわになったり、ごわついたりもせず、快適に着られます。
ネック周りに切り替えが施してあり、丁寧な仕上がり具合を感じさせます。裏毛仕様で肌当たりもソフト。色はグレーとネイビーを用意しました。
最後は「ミュベール」ならではのウィットフルなスカジャンをご紹介します。スカジャンと言えば、見どころは派手めの刺繍。こちらは背中に犬2頭がちんまりと並んだ姿をビッグモチーフのワッペン刺繍であしらいました。しかも、普通の刺繍にとどまらず、フェイクファーを使って、犬の耳や足を立体的に見せています。フワフワしたフェイクファーが愛くるしさを目に飛び込ませます。
バックスタイルには「Oinusama」「BOW WOW」という文字が添えられています。ただのペットではなく、過剰に甘やかされている「お犬様(Oinusama)」なのです。しかも「ワンワン(BOW WOW)」とやかましい。表情もかわいらしいのだけれど、どこか素直じゃない雰囲気を帯びています。
正面側には左右の胸元に異なる花モチーフを刺繍しました。真っ赤な花には黄色い蜂が寄り添っています。昆虫柄は「ミュベール」の定番的モチーフです。襟と袖先のリブ編み部分にはラインを走らせ、スポーティー感を引き立てています。ラインを構成するレッドとグリーンは葉っぱとも響き合って見えます。
スカジャンの地色はボルドーとネイビーの2色があります。犬のモチーフは茶色と白の2種類。地色と柄の組み合わせはボルドー×ブラウンドッグ、ボルドー×ホワイトドッグ、ネイビー×ブラウンドッグの計3パターンから選べます。スカジャン生地は柔らかいうえに、光沢のある綿レーヨンツイルを使用しています。
プレフォールコレクションのよさは、実は初夏や春先にも着られて、ほとんど通年で出番があるところ。気候や気分に合わせて、自在の着こなしに生かせます。「ミュベール」らしいしゃれっ気やこだわりも注ぎ込まれているので、5月26日からの立ち上がりを見逃さないように、ショップを訪ねてみてください。(ファッションジャー��リスト 宮田理江)
ファー付き紺ブレザー(エンジェル刺繍入り) ¥78,000(+TAX)
ファー付き紺ブレザー(エンジェル刺繍無し) ¥54,000(+TAX)
ファー付きWコート(エンジェル刺繍入り) ¥89,000(+TAX)
ファー付きWコート(エンジェル刺繍無し) ¥68,000(+TAX)
刺繍入りガウンコート white / navy ¥89,000(+TAX)
馬刺繍 裏毛Tシャツgray / navy ¥76,000(+TAX)
犬刺繍スカジャン bordeaux×brown dog / bordeaux×white dog /navy×brown dog¥76,000(+TAX)
GALLERY MUVEIL
東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 B1F
TEL: 03-6427-2162
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