#1皿でも栄養満点
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2024年10月16日(水)
今の職場に着任して20年、はじめは電車通勤だったが、この10年ほどは家庭の事情もあって車通勤をしている。Door to door で所要時間は(ほぼ)半分になったのは有り難いが、時々困ったことになるのが名神高速道路の渋滞だ。今日も3限終了して帰り支度、いつものようにアプリで道路情報を見ると、なんと下り線の一部が事故のために通行止めとなっている。幸い私は上りなのでいつも通り50分で帰宅、反対方向のドライバー、恐らく夜まで大変だったろうなぁ。
4時45分起床。
日誌書く。
ツレアイの起床を待って洗濯開始。
朝食を頂く。
洗濯物を干す。
弁当*2を用意する。
時間の都合で、珈琲はなし。
空き瓶缶、20L*1&45L*1。
彼女の職場経由で出勤する。
換気、ラジオ体操第一、お茶。
明日の<共生社会と人権>の資料作成、印刷。
水曜日2限は<情報機器の操作Ⅱ(栄養学科)>、月曜クラスと同様にPowerPointの試験、欠席者ゼロでほっとする。
昼休み、ラジオ体操第二。
先ほどのクラスの採点、A4用紙1枚に8枚分のスライドを印刷し、モニターでチェックしたものを紙に書き込み、自習学生に返却する。
3限も同内容、こちらのクラスはいつも雰囲気が良く、大半の学生が課題を自習してきていてよく出来ている。部屋に戻って採点すると、満点が3名いて嬉しくなる。
帰路の名神、下り線が大変なことになっている。反対方向で良かった。
彼女は昼までの勤務、帰宅して弁当を食べ、買物や片付けなどしてくれている。
私はすぐにコレモ七条店へ、昨日の安売りのスペアリブと炊き合わせる大根を仕入れる。
AppleからiPad mini7 発表、見なかったことにする。
夕飯前に、ココに点滴。
今夜はすき焼き、とは言え卓上で作るのは面倒なので、いつものように大皿盛り。
録画番組視聴、趣味どきっ。
春風亭一之輔の江戸落語入門 (2)粋に生きる!江戸っ子の噺
初回放送日:2024年10月15日 春風亭一之輔さんが、ディープな落語の世界にあなたをご招待。落語をぜんぜん知らない人も楽しめる!さらに、NHKに残る名���たちの名演VTRにはマニアも垂ぜん。今回��江戸っ子気質がさく裂するお話。啖呵(たんか)が気持ち良い「大工調べ」、負けず嫌いの「強情灸」を紹介する。
片付け、入浴、体重は250g減。
明日の夕飯用に、スペアリブと大根を煮る。
いつもより、就寝時間がⅠ時間遅くなってしまった。
今日も3つのリングは届かず。
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【北海道】函館「センチュリーマリーナ函館」
【朝メシまで。】ビュッフェ激戦区・北海道で人気No.1に輝いたホテル『センチュリーマリーナ函館』2024/9/4放送 〒040-0064 北海道函館市大手町22−13 #朝メシまで。 #児嶋一哉 #ウエンツ瑛士 #坂東彌十郎 #ヒコロヒー #小�� 詳しく見る↓
���ンチュリーマリーナ函館 函館山と津軽海峡の絶景を一望できる地に佇むホテル。 「じゃらんアワード2023」の「じゃらん OF THE YEAR 泊まって良かった宿大賞(朝食)101~300室」で1位を獲得した朝食ビュッフェが話題。 朝食ビュッフェは、単なる食事を超えた、五感で楽しむ贅沢なひととき。 北海道の新鮮な食材をふんだんに使用し、一皿一皿に情熱を込めて作られた料理の数々は、訪れる人を感動させている。 函館近海で獲れた新鮮な魚介類は、その日の朝に調理され、刺身や焼き魚など、 素材の味を活かしたシンプルな調理法が、海の幸の旨みを最大限に引き出す。 北海道の広大な大地で育まれた旬の野菜は、彩り豊かで栄養満点。 地元の農家から直接仕入れた新鮮な野菜を使ったサラダや温野菜は、身体に優しい味わい。 ホテルのベーカリーで焼き上げた、出来たてのパンも魅力の一つ。 【ミヤネ屋…
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間食の適量ってどのくらい? おすすめの間食ってあるの
出来れば、健康づくりやダイエットには、間食はほどほどに。
わかっていてもどうしても小腹が減って・・・。
そんな時に我慢して食べないだけが選択ではないと思います。
もし間食するなら実際にどのくらいの量を食べても大丈夫なのか?
今回は最近言われている間食の適量といわれる「200kcal」の理由、そして間食にお勧めなものの具体的な量についても紹介します目次
間食は1日200kcal内がよい理由
お勧めな間食200kcal
お勧めな間食200kcal1・果物
お勧めな間食200kcal2・ドライフルーツ
お勧めな間食200kcal3・ナッツ
お勧めな間食200kcal4・乳製品
お勧めな間食200kcal5・主食系
お勧めな間食200kcal6・菓子類
間食をとるタイミング
最後に
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間食は1日200kcal内がよい理由
間食は1日200kcal以内におさめるようにすると、健康づくりやダイエットに役立ちます。
この200kcalというのは、農林水産省・厚生労働省による「食事バランスガイド」で示されている��で“楽しく適度に菓子類や嗜好飲料を楽しむための目安”とされています。
200kcal程度であれば、食事のバランスを崩しすぎずに、間食を適度に楽しめると言われています。
特にダイエット中の方は、間食はできる限り控えるようにするか、100~150kcal程度までにした方が効果が期待しやすく、理想的ではあります。
しかし、間食をとりすぎている傾向のある方は初めの一歩として、200kcal以内を目標にすると、無理なく続けやすいでしょう。
お勧めな間食200kcal
200kcalの間食とは、何をどのくらい食べて大丈夫なのか?
健康づくりやダイエットにおすすめできる間食の種類と量の例をご紹介します。
ここでは、さまざまな間食を組み合わせて食べることも考えて「100kcalの目安の量」を紹介します。
お勧めな間食200kcal1・果物
果物は水分が多いため、たくさん食べてもカロリーを摂りすぎる心配が少なく、ダイエット中にぴったりの間食です。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も摂れるため、健康づくりや美容にもうれしい効果が期待できます。
【100kcalの目安の量】いちご10粒(200g)みかん2.5個(200g)キウイフルーツ(緑)2個(200g)バナナ1本(100g)りんご1個(200g)パイナップル1/6個(200g)
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中でもバナナは、ほかの果物に比べるとカロリーが高いため、食べすぎには注意が必要ですが果物だけなら意外と多く食べられると感じませんか。
お勧めな間食200kcal2・ドライフルーツ
果物を乾燥させたドライフルーツは、濃厚な味わいで少量でも満足しやすく保管にも適した間食です。
また食物繊維も摂れるのがうれしいポイントです。
【100kcalの目安の量】いちじく小7個(35g)干し柿1枚(50g)プルーン4~5個(40~50g)ドライバナナ6枚(30g)干しぶどう大さじ3杯(36g)ドライマンゴー3枚(30g)
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ドライフルーツだけで200kcal分をとってしまうと、糖質を摂りすぎてしまいやすいため、なるべくほかの間食と組み合わせるのがお勧めです。
お勧めな間食200kcal3・ナッツ
ナッツ類はよく噛んで食べられるため、少量でも満足しやすい間食です。
ビタミンEや食物繊維も摂れるため、美容や腸内環境を整えるのに役立ちます。
【100kcalの目安の量】アーモンド10粒(15g)カシューナッツ10粒(15g)くるみ6かけ(16g)マカダミアナッツ7粒(14g)ピーナッツ殻つき2粒入り10個(20g)
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手軽に食べられるナッツ類は、ついついたくさん食べてカロリーを摂りすぎてしまうため、小袋に入ったものを買うようにしたり、食べる分だけ小皿に出したりするなどの工夫が必要です。
お勧めな間食200kcal4・乳製品
乳製品は適度な脂質も含むため、消化がゆっくりとなり、腹持ちのよさを期待したいときにぴったりの間食です。
不足しがちなカルシウムも摂れるため、積極的にとり入れましょう。
【100kcalの目安の量】ヨーグルト2個(200g)チーズ2切れ(40g)
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ヨーグルトは出来れば無糖のものを選び、砂糖類の摂り過ぎに注意。
お勧めな間食200kcal5・主食系
意外と思うかもしれませんが穀類である主食系の間食もお勧め。
しっかり食べたいときによいでしょう。
腹持ちもよいため、適量を守れば次の食事のドカ食いを防ぐ効果も期待できます。
【100kcalの目安の量】オートミール1食分(30g)ロールパン1個(30g)ふかし芋1/3本(80g)クラッカー1袋6枚(20g)
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ふかし芋はまとめて調理して冷凍しておくと便利です。
クラッカーは日持ちするため、ストックしておくのもよいでしょう。
お勧めな間食200kcal6・菓子類
ときには楽しみのひとつとして、菓子類を選んでもOKです。
種類によってカロリーが大きく異なるところが注意点です。
【100kcalの目安の量】ポテトチップス1/4袋シュークリーム1/3~1/2個ドーナツ1/3~1/2個どら焼き1/3~1/2個クッキー2枚チョコレート5粒プリン1個コーヒーゼリー2個
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ポテトチップスや洋菓子などは、脂質や糖質が多いためカロリーが高くなる傾向があります。
一方で水分の多いプリンやゼリーは、カロリーが低めになり、食べられる量が増えます。
もしカロリーの高い間食をとった場合は、翌日は控えめにするなどして日々の管理でなく週単位で調整してもいいと思います。
間食をとるタイミング
間食をとるタイミングは、おやつの時間15時ごろまでがベストです。
夕方以降はBMAL1(ビーマルワン)という脂肪をため込むたんぱく質が増加することが知られているため、早めの時間に済ませた方が太りにくくなると言われています。
夕食後や寝る前に間食をとると、同じカロリーでも太りやすくなることが考えられるため、できるだけ控えるようにしましょう。
最後に
間食が楽しみのひとつである方には、上手に付き合うのが大切。
おいしいものは「たまに楽しむ」程度にしておき、普段は栄養も摂れるような間食を適量とることを心がけてみませんか。
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5/8
敗北
休んでしまった 鼻風邪
YouTubeでちょっと長めの切り抜き見たり、漫画漁ったり、溜まった録画見たりした めっちゃ楽しい
有吉ゼミ見てたら実家に帰りたくなってきた テレビ、だいたい誰かが点けててそれを横目で見ることが多かったので家にいる時間の半分はテレビが意識の中にあった だからか、だいぶ自分の中で実家の象徴になってる
これは夜ご飯
健康に良さげなもの食べたかったから皿3つ
・白米
・ハリハリ
・いわし煮
・野菜スープ
コンソメ味 野菜ミックス入れて火つけただけ
朝は焼きおにぎり、ヨーグルト
昼はウィンダー、パンを食べました
5/9
髪の毛のうねりがヤバい
空気を吸い込むと鼻がストップかけてきて満たされない 肌寒い
これは夜ご飯
・焼きおにぎり
冷凍ごはんが尽きてたけど炊く気力とかないので焼きおにぎり 買っててよかった
・野菜スープ
これで最後
・ミニトマト
彩り
・茄子ときのこと豚の炒めもの
名前の通り 茄子は乱切りにしたほうがいい 砂糖、醤油、みりん、酒で炒めた
鼻詰まってて味が完全にはわからなかった めっっちゃめちゃめちゃ悲しい 悲しすぎ
朝は食パン、野菜スープ、バナナ
昼は学食を食べました
5/10
今日いいことあった 明日の希望にしとこ
でもそれはそれとして、不安と焦りと風邪で頭がパンパンになってた 曲を流しながら動けないし、なんなら曲を受けつけなくなってる 昨日もいいことあったけどそれ以上に怯えていた 動けなくなっていた
こんな感じでバチボコのメショメショになっていたからセルフメンタルケアした 日向ぼっこして通話して課題全部終わらして絵描いて…
今日が暖かな晴れの日でよかった
朝はバナナ、うずまきソフト(遅刻しそうだったし1時間もてばいいので)
昼はお弁当
夜はその残り半分を食べました
雑記
風邪ひくと全然頭回らないから、身内以外の人(特に初対面の方)との会話に挑むのやめたほうがいい 本当に
風邪ひくと全然頭が回らないから、セルフレジ(初めてなら特に)に挑むのやめたほうがいい 本当に
単純な、本当に単純な喜びを見つけることを尻目にやってしまっている たぶんそれで全てがマイナスになっている そう思いたい 今、原始的な喜びは目に入ってるけどそれを原始的と思わずにただ脳の栄養としか見てないのかもしれない 喜びを日常にしたい もうそろそろ逃げとか焦燥感を先のものにしたい やることやれ!
日向ぼっこ最高
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#休校 #自粛 #一日3食フルうちご飯 #パッと済ませたかったり #片付けもササっと #単品で野菜多め #1皿でも栄養満点 #ベイビーリーフ #サーモン #ドライトマト #ナッツバター🥜 #うましー🍽 #どんぶり #ヘビロテ丼皿 (ピグマリオン商會|ポーランド食器と雑貨) https://www.instagram.com/p/B-JOH7JFS6I/?igshid=dr46a21pltxo
#休校#自粛#一日3食フルうちご飯#パッと済ませたかったり#片付けもササっと#単品で野菜多め#1皿でも栄養満点#ベイビーリーフ#サーモン#ドライトマト#ナッツバター🥜#うましー🍽#どんぶり#ヘビロテ丼皿
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『ブロッコリー&いくらのカルボナーラ』★レシピ パスタで一番好きなのはやっぱりカルボナーラかも! この卵黄とチーズのクリーミーな味わい美味しいですよね。 外食でも悩んだ末に結局カルボナーラを選ぶ率の多いこと! REGALO公式アンバサダーの今月のレシピは、 「私の好きな一品」を選んだアレンジレシピです! ということで、今回は、パスタソース「カルボナーラの原点」を使って アレンジしてみました。 栄養満点のブロッコリーと 1月なので少し華やかなアクセントにいくらを添えたアレンジです。 食感もプラスされて食べ応えがあります! 美味しかった~!! レシピは下記になります。是非試してみてください* 『ブロッコリー&いくらのカルボナーラ』2人分 (材料) ・パスタソース「カルボナーラの原点」 2人前 ・スパゲッティ 1.5㎜ 2束(200g) ・ブロッコリー 1/2個(80g) ・いくら 20g ・水 2Lパスタ茹で用 ・塩 小さじ2パスタ茹で用 ・水 レンジ用 大さじ1 (作り方)所要時間15分 ➀ブロッコリー1/2個を洗って、食べやすい大きさに切り分けたら、 耐熱容器に大さじ1の水と合わせて入れ、ラップをして、W600のレンジで2分温める。 ➁鍋に2Lのお湯を沸かし、塩小さじ2を加えて、スパゲッティ200gを6分茹でる。 ③パスタソース2人前を袋から出し、フライパンで温め、1のブロッコリーと合わせる。 ④茹で上がったスパゲッティを3に入れて混ぜ合わせる。 ⑤4をお皿に盛り、最後にいくらを添えて出来上がり。 今月は公式アンバサダーの皆さんがそれぞれ好きな一品を選んでレシピを紹介しているので、 是非 #REGALO公式アンバサダー のタグを見てみてくださいね! #レガーロ #REGALO #REGALOスパゲッティ #REGALOパスタソース #REGALO公式アンバサダー #カルボナーラの原点 #pr #たくみパスタ #レガーロで満たす食卓 #レガーロスパゲッティ #あなたを満たす最高の贈り物 #instagramjapan #igersjp #フーディーテーブル #おうちごはんlover #おうちごはん #今日のごはん #私のおいしい写真 #wp_deli_japan #パスタ #時短レシピ #時短料理 #パスタアレンジ #パスタレシピ #wp_deli_style #カルボナーラ #ブロッコリー #いくら #パスタ部 https://www.instagram.com/p/CJ8airOl1Uo/?igshid=1qc88q0279b70
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see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
#FAQ#ifontmaker2#Symbols#Dingbat#Cyrillic#Greek#Coptic#thai#character set#character sets#list#language
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人造人間国型
ディストピアっぽい世界で働くアーサー・カークランド型アンドロイドの話です
第455代ダービー伯爵に招かれ、オオサカの隠れた名店と名高いキタシンチのソウメン・バーを訪れた。ソウメンは、決して自己主張の激しい麺ではない。ネギとツユの下に隠れて決して目立たず、しかし田園の河川のように清涼なのど越しと小麦と塩のうまみが感じられる。ソウメンの質実剛健さは英国紳士の美学に通ずるものがある。
(警告:規定文字数超過 投稿不可)
アーサー・カークランド9286-R レベル2-6 / マッチング110 スコア未計測 宇宙標準時 556:6E
足の長さが不揃いでがたつきを起こす、不快な座り心地のパイプ椅子に体を縮こめながら、俺はロンドン・アイ――この手元の端末のことだ――に今しがた打ち込んだ文字列をじっと眺めていた。オオサカ・エリア4インターナショナル展示場の建設現場に併設された栄養供給所は、今日の作業を終えた無数のアンドロイドの群れがひしめき合い、店員を呼ぶ怒号に似た声と、仲間内でのお決まりの話題の応酬ですさまじい騒音に満ちていた。俺は決して目線を向けないように―― ましてや睨みつけるなんてことのないように――注意しながら、彼らが繰り返し交わし合っているフレーズに耳を済ませてみた。ラバ、ダブ!ダブ!ラバ、ダブ!ダブ!ラバ!ダブ!ダブ! 思わずため息が漏れた。なんてことだ、ほんの2ヶ月前までは、俺にはあの意味不明の暗号の意味がちゃんと理解できたし、なんだったら彼らに混じって同じ暗号の応酬が出来たはずである。しかしもうそれは叶わない。あの言語で会話ができるのはレベル3以上のアンドロイドに限られる。俺はつい先日の、あの事件が切欠で、レベル2へと転落したのだ。
俺の席はレベル2アンドロイドに割り当てられたスペースにあり、ソウメン製造機の丁度、真向かいの位置だった。この岩山の如く聳え立つ「シェフ」のレパートリーは中々広かったはずだが、レベル2のアンドロイドが注文できるようなメニューは事実上ソウメンしかない。ソウメン風グルテン・ネギ風ミドリムシフレーク添え。それが確か正式名称だったはずだ。もちろん、ローストビーフ風高アミノ酸キューブだの、カレーライス風味イソロイシン錠剤だのの比較的栄養価の高いのを注文したい日もある。特に今夜のような疲労が極度に達している夜は…しかし、それらの消費スコアの高すぎる品物が並ぶのは上座のテーブルだけで、今の俺にはとても手が出せない。きっとあのテーブルに座ってるのは知ってる奴らだ――俺にはそんな風に思えてならなかった。同じ建設現場で働く同僚のことだ。奴らのことだから、わざと俺の席が見える位置に陣取り、俺のみじめな様子をあざ笑いながら錠剤を齧り、発泡神経酩酊剤を煽っているに違いない。俺はテーブルに詰め寄ってよほど嫌味の1つでも言ってやろうかと考えたが、すぐにやめた。むやみな絡みは「品のよろしくない行為」と見做される可能性がある。これ以上のスコア減点は、とりわけ、「火星」に関して口にするような、自殺行為はなんとしても避けねばならなかった。
俺はロンドン・アイに意識を集中させ、規定文字数以内でソウメンを褒め称える文章を推敲し続けた。その間我らがシェフは、排水管から汚物まみれの下水が吹き出すような濁った音を立てて、ずらりと並んだカップへソウメンを順番に叩きつけていた。小さすぎるカップからだらしなくはみ出したソウメンもツユも、全く拭われる様子もない。殺気立った様子の店員が、トレイにソウメンを乱暴に並べながら、また店中のあちらこちらにすっ飛んでいく。この供給所に配置されているスタッフは彼1人だけのようである。 それでもここのソウメンの品質は良いんだ、ほんとに。という、良かったところを探し出す系の書き込みををするべき、だろうか。それともストレートに、この供給所はキタシンチの名店どころか廃材置き場同然の簡素な作りで、ソウメンもほんのりと不純物処理所の芳香がすることを書くべきだろうか。 どちらの書き込みの方が、「英国紳士らしい」のか。
☓☓☓☓思 ☓ ☓こと☓☓☓☓、思っ☓まま☓☓☓☓☓書☓ばいいんだ。☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓人☓目☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓
アーサー・カークランド8756-E レベル3-5 / マッチング13568 スコア5532/6693 宇宙標準時 586:3F
その間にもロンドン・アイには、誰なんだか分からない「アーサー・カークランドたち」の書き込みが次から次へと流れ込んできた。レベル3.5以上のアンドロイドの書き込み――よって、ロックがかけられた俺のアイセンサーでは文字化けして意味を為さない文章としか読み取れない文字の羅列。だが、スコアの高さから見てそれは極めて英国紳士らしく、社会性に富み、読む者を感嘆せしめる内容であるようだ。 俺は少しでも高スコアの根拠を知るためにその文字列を隅から隅まで観察した。こんなふうに、文字数は適当な長さにカットした方がいいのかもしれない。内容はどうか。ところどころに散っている判別可能な文字から推測するに、「思ったことを思ったまま書けばいい」と書いてあるように思えた。何の計算もなく、思ったことを思ったままに――俺は自分の想像したそのエンパワメント・フレーズにわずかに失望感を覚えた。少なくともその紳士的なアドバイスは、今夜の俺にとってはなんの意味もなかった。なんとしても、このスコアに匹敵する書き込みをしなくてはならない――近頃は、英国紳士らしくないとして書き込みの連投は忌み嫌われるため、今夜のチャンスは一度きりだ。成功すれば、俺のスコア��ォレットの残高はいくらか潤い、今夜の労働者移送用エア・コンテナでリラクシングシートを利用できるだろう。
英国紳士、その不可思議なもの。立派なイエガラの出身であること。ノブレス・オブリージュであること、その他もろもろ。ずっと前に予想屋に聞いた話だと英国紳士は四六時中、不純物処理所に行くのにすらリラクシングシートを利用するような連中だったという。俺が「そんな奴らしい」書き込みをし、振る舞いをせねばならないというのはいかにもおかしな話なように思える。しかし俺はアーサー・カークランド型なので、アーサー・カークランドらしく話し、振る舞い、トレンド予想に高い消費スコアを支払い、プラ���イゼロすれすれのスコアアップに努力する。そうして当局は個ではなく群れとして、何らかの方向性を持ったアーサー・カークランド像を形成する。俺が存在する現実世界と、ロンドン・アイを通じた向こう側にある仮想世界とで。俺がそれがどんな像になっているのかを知るすべはない。何しろアーサー・カークランド型だけでも、とにかく数が多すぎる上、ネットワークにはレベル違いのみならず無数のセキュリティの壁が立ちはだかっているのだ。 俺たちアーサー・カークランド型の思考ユニットが制限の無い同一クラウドネットワークに接続されているならば、今この世界に存在している英国紳士なるものの実像を、大まかにつかむことができるのでは思われるが、俺にとっての英国紳士アーサー・カークランドとは、極めて断片的な、時にはお互いを打ち消し合うワードの群れに過ぎなかった。無数のアーサー・カークランドの情報は日々更新が繰り返され、当局と少なからず繋がりのある予想屋は熱心に今日のトレンドワードの宣伝を行う。すでに太古の時代に消えてしまった、アーサー・カークランドなる謎めいた人物の限りない再生。彼の天まで達するほどの巨大な立体映像が俺たちの頭上をすっぽりと包み込み、のしかかってきているようである。
モラリスト。なけなしのスコアを支払って、今月の始めに予想屋から買ったトレンドワードはそれだった。やはりソウメンをけなすのは止めておこうか。いや、建設現場労働者として利用せざるを得ないこの供給所の欠点を的確に指摘してこそ、モラルの高い紳士的な行動といえるんじゃないか。例え親愛なる第455代ダービー伯爵の紹介の名店だったとしても(そして、第455代ダービー伯爵なるアンドロイドは本当はどこにも存在していないとしても)。いったいどんな風に…決して攻撃的にならないように…その表現方法は…俺の思考ユニットは空腹と疲れで通常の稼働率の50%程度の力しか発揮しなかった。 3日前に作業中の感電で損傷した左腕が、いま��何度信号を送っても全く反応せず、持ち上がらないので俺は右腕だけで全ての業務を行わなければならなかった。身体全体がコール���ールに漬かったかのような重苦しさも消えず、俺はここ数日、課せられたノルマを達成できていない。左腕の事故は、モジュールA-4の配線を確認している時に端子が接触して起きた。1か月前までの俺であればまずありえないミスである。だがあの時の俺は極度に疲労し、与えられた工程をこなす以外に気を配る余裕がなかったのだ。
俺がこのような状況に陥るきっかけとなったのは、火星だ。正確に言えば、火星に関する情報を漏らした奴が原因で、こうなった。俺たちの労働区画では、地球から遠く離れたあの赤い惑星に関する話題は非常に品がよろしくないとされている。 1か月前、キュービクルの内部清掃を行っていた時、俺の3メートル後ろあたりで何か諍いのようなものが起こっていた。諍いというよりは、一機のレベル2アンドロイドを数機のレベル3が囲んで、通電したり、刺激によって発生した短い奇声を真似したりして遊んでいた、という方が正しい。アンドロイドに時折ああした全く不可解に思える行動が見られるのは、数千年前に絶滅した我々の祖先の習性の名残りであるらしい。 この作業現場で働いているアンドロイドは、オオサカ・エリア4労働管理局の所有物だ。当局の許可なく損傷を与えることは例えレベル2アンドロイドであっても許されない。許されていない、はずだ。しかし、この現場はこの件に限らずとにかく規律が緩み切っている。2か月前にだって俺の持ち場の床に大量のグリスをぶちまけた奴がいた。犯人はすぐに思考洗浄にかけられるものと思っていたが、大量のスコアを支払ったのか、レベルが高い奴だったのか、とにかくグリスがぶちまけられたのは俺の現場監督行き不届きが原因ということにされた。思い出しただけで腹立たしい出来事だ。それだけじゃない、半年前は・・・気が付くと俺は通電していた奴を殴り飛ばし、馬乗りになってそいつの持っていた電極を首筋へ突き付け、いいか、今度風紀を乱したら殺すぞと毒づいていた。 その夜、俺のロンドン・アイに1通のダイレクトメールが届いた。送信主は、あのレベル2アンドロイドだった。
助けてくれて感謝している。とても感謝■■いるんだよ、今だから言うが、俺はずっと俺は■は俺はあんたと交遊を持ちたいと思ってたんだ・・・・・ あんたにだけに、俺の秘密を打ち明けたい。俺はこないだ、ロンドン・アイのセキュリティ1ロックを突破したんだ。ヤバ筋の友達がいてさ、教えてもらったんだ・・・壁に穴を空ける方法をさ。驚くべきことに、セキュリティ1ロックの向こう側の仮想世界では、火星の話題は制限なんて■■てないんだ。火星について話すななんておかしなルールがあるのは、オオサカだけだったんだ。その他にも、 ここからは、ロンドン・アイから仕入れた極秘情報だ。誰にも誰にも言わないでくれよ・・・���たちがせっせと拵えているこのバベル・・・この天に到達するのが目的の塔だがな、このガラクタを作ってる俺たちの■■はどこで作られたと思う?それはな、火星なんだ。当局の連中が話すことも、記録に残すことも一切禁じているあの■■で・・・俺たちの足や腕は作られたんだ。コスト削減のためだよ・・・地球の、しかもヨーロッパ純正アンドロイドとなれば、その値段は天井知らずだからな。 オオサカ・エリア4インターナショナル展示場が完成すれば、サミットだの世界アンドロイド耐久競技だので無尽蔵に利益が得られる。奴らはそう説明してるが、今時天に届くような展示場なんか、観光客がどれほど長い間面白がってくれるかわからんぜ。当局は我々の威信をかけた事業だなんて言ってるが、内心このデカブツを極限まで安い作りで仕上げようとしてる‥このままじゃ、そして、俺たち全員は使い潰しにされ
グスタフ・サイトウ 1150-U レベル2-4 / マッチング85 スコア未計測 <Private message> 宇宙標準時 640:7D
そいつは建設現場に二度と戻って来なかった。そして、俺もオオサカ・エリア4労働管理局に拘束されることとなった。奴からのメールを読んだ瞬間、事態のまずさを察知してメールの痕跡を全て消去しておいたがもう遅かった。メールをハッキングで盗み見されたのか、もしくは俺がぶん殴った奴が、2人まとめて通報したのか。グスタフ・サイトウに脱獄方法を教えた奴の情報を手に入れるために、当局はサイトウを泳がせていたのかもしれない。とにかく俺は、永遠に続くかのような思想洗浄を受ける破目になった。我々の親愛なる当局が緊縮に励んでいるという情報は本物だったようで、記憶の完全な消去と洗浄が可能な最新式のブレインウォッシャーは導入されていなかった。俺の洗浄には極めて旧式の、思考ユニットに繰り返し電気ショックを与える式のブレインウォッシャーが使用された。拘束された俺は昼夜を問わず「私は模範的な英国紳士であり、わが国と地域の発展と文化の持続に寄与し続ける」と洗浄完了とみなされるまで発言し続けるよう命ぜられ、その合い間に数えきれないほど反射的嘔吐を繰り返した。指一本動かせなくなった俺が待機所に放り出された頃には、俺のスコアは大幅に減点されレベルは3から2へ格下げされていた。
俺の陥っているこの苦境も、元はといえばあのバベル野郎のせいなんだと思うと忌々しい思いにかられた。今月のトレンドワードから考えると、職場の規律を遵守した俺の評価がこの有様だというのはいかにも理不尽な結果に思えてならなかったが、いくら頭の中で反論や異議申し立てを考えても無駄だった。恐らく当局はあのバベル野郎と俺を通報した奴に大量の特典スコアを授けたことだろう。バベル野郎を虐待していた奴にはリラクシングシート利用パス3カ月分が授与された可能性もある。とにかく、オオサカでは火星はタブーなのであって、火星に関するすべての痕跡を消去する運動こそがモラルの高い行為とみなされるのだ。 俺が今やるべきなのは、とにかく可能な手段でスコアアップに励み、リラクシングシート利用パスを手に入れることだ。そうすれば、シートのメディカルケア装置を使ってこの体を、特に左腕をいくらか使い物になる状態まで回復させることが出来る。そうすればこの数日来のノルマ未達による低評価を巻き返せるだろう。だが、例え身体が回復したとして、そんな非現実的な働きができるのだろうか?それに、また同じようなミスを犯して身体のどこかが損傷したら?またシート利用パスを手に入れればいい・・・だが、予想屋のトレンドワードを買うのもままならず、階級上位のアンドロイドの書き込みの分析も不可能なこの状況で、果たしてスコアを獲得し続けることは出来るのだろうか?トレンドワードも利用パスも、とにかく恐ろしく高くつくのである。この状況はいつまで続くのだろう?3か月、もしくは1年、それまで俺の身体は持つのだろうか?何も考えたくない。もがけばもがくほど引きずりこまれる底無し沼に落ちてしまったかのようだ。あのバベル野郎は、レベル1へ格下げされたのだろうか。もし自分が、レベル2からレベル1へ転落するようなことになれば・・・それが何を意味するか、俺は知らなかった。重労働ののちに廃棄処分だという奴もいれば、思考洗浄よりも過酷な目に合わされるという噂もあった。じっとりと湿気と熱気に満ちたこの供給所でも、自分の将来について考えるとうすら寒さを覚えずにはいられなかった。
気が付けば客足もまばらになり、供給所は静けさを取り戻しつつあった。俺はいまだにロンドン・アイに書き込むべき文章を決めかね、じっと手元を見ながら途方に暮れていた。視界の上側の方に白い影がよぎって、止まった。見上げてみると、店員がソウメン製造機にもたれかかってふうっと息を吐いていた。疲労しきっている様子で、点々と薄茶色のシミが染みついた自分のエプロンを見つめながら首を曲げてじっとしていた。そいつは俺と同じアーサー・カークランド型だった。 俺はソウメンはまだか、遅すぎじゃねえか、と言うつもりだった。しかし、口をついて出たのは思いがけない言葉だった。 「なあ、アンタはなんつーか…すごく良くやってると思う。これだけ大勢のわけわかんねえ客のわけわかんねえ注文を、実に手際よく捌いてる‥誰でもできることじゃない。本気で言ってんだぜ。ああ、それと・・・ここの食い物は・・・いや。いい。忘れてくれ」 俺はここで言葉を切り、黙りこんだ。奴は口角を上げることもせず、緑色の目を見開いてこちらをじっと見つめた。一切反応らしい反応を返さないので、俺は話してる間にすっかりバツが悪くなってしまった。永遠とも思える長さの気まずい沈黙が続き、奴はふいに踵を返してソウメン製造機の裏手に���っ込んでしまった。俺はあっけに取られて無人となったカウンターを見つめ続けた。悪態の一つでもついてやろうかと考えたがその気力もなかった。そんなものだろう、というわずかな諦めを感じただけだった。
どん、と目の前に大きな皿が置かれた。カウンターがビリビリと震えるほどの衝撃にぎょっとして思わず見上げると、さっきの店員がやはり同じような無表情でこちらを見つめていた。「わりいな、ソウメンは切れちまったんだ。代わりにこれで、おんなじワショクってことで、頼むわ。」 店員はそこで言葉を切って首筋に手をやり、2~3度引っ掻くと、意を決したように再度口を開いた。 「アンタ最近おかしいぜ。死人同然の顔してる」店員の緑色の目にはさっきまでとは違う、わずかな感情の動きが感じられた。 そしてすばやく顔を伏せながら、別にあんたのために用意してたってわけじゃねえからな、と呟き、また巨大な「シェフ」の裏側へ帰ってしまった。
俺は呆然としながら、店員が置いていった皿を見つめた。そして、果たして、ソウメンの代わりが茹でブロッコリー丸ごと一本に変わるなんてことがあるだろうかと考えた。巨大なブロッコリー風の何か――タンパク質か何かの塊だろうか――はこの供給所にしては比較的清潔な、白い皿に載せられて天に向かって真っ直ぐに屹立していた。この件は、この件こそロンドン・アイに投稿するべきユニークな出来事なのではと考えたが、俺の思考ユニットも、片腕も、どうしても文章を紡ぎだそうとしなかった。 誰かが俺の身を案じている。たったそれだけの出来事が、全身に染み込んでいくような感覚がした。 スコアよりも何よりも、ほんのたったこれだけのものを。おれの体はどれほど欲していたことか。なぜ、おれの体はこんな風に訳のわからない反応を示すようにできているのだろう。これは、祖先のどのような習性の名残りなのだろう。 俺はロンドン・アイの電源を落として右側のポケットに仕舞い、 黙って皿に添えられたフォークを手に取り、ブロッコリーを横倒しにし、押さえつけて切り分け始めた。この瞬間、ここには奴がくれたブロッコリーと俺だけの世界があり、その世界は誰の目にも晒されることのないまま儚く解けて消えていく。それは考えてみれば美しい営みのような気もしたからだ。これでいいんだ。リラクシングシートはまた明日、なんとか頑張ってスコアを稼いで使えばいいじゃないか。
そして俺は今留置場にいる。あのブロッコリーの、炎天下のヘドロを更に1週間腐敗させたような強烈な味は、口に入れて噛み締めた瞬間俺の口内センサーを貫き、脳天に達した。俺が吐き出したブロッコリーは弾丸そのもののスピードでソウメン製造機を直撃した。嘘のように粉々に大破した「シェフ」の補償スコアを支払うことなど当然出来ず、俺は器物損壊罪でお縄となった。 リラクシングシートもスコアアップも夢のように消えてしまった。俺はこれから、レベル1へ格下げされるだろう。あんなに恐れていたはずの、この数々の事実は、しかし今の俺にはなんの脅威も与えなかった。俺は薄暗い監獄の隅でうずくまりながら、自分の両腕を眺めていた。 限界積載量300kg・・・400kg・・・500kg。俺のアイセンサーには両腕に凄まじいエネルギーが満ちていく様子がありありと映し出された。微動だにしなかった左腕には何事もなかったかのように感覚が戻っている。両腕だけではない。あんなにも重かった身体は羽のように軽く、両足はひと蹴りするだけでちょっとしたビルを飛び越せそうだ。これは、なぜ、こんなことになったのか。あのブロッコリーのかけらをほんのわずかに飲み込んだだけで(そう、ほんの少しは飲み込んだのだ)、こんなパワーが得られるなどということが現実にあり得るのだろうか。 あのブロッコリーは何なのか。あの店員は何者なのか。いや、直接本人に聞けばいいのだ。間もなく俺の両腕のパワーは監獄のチャチな鉄棒をへし折れるほどに高まるだろう。監視の目が緩んだスキを見て――ここを脱出出来れば、オオサカを出て、いずれ俺の両腕と両足を故郷の火星へ連れてゆけるだろうか。現実離れした想像の泡沫を頭の中で弄びながら、俺は来るべきチャンスをじっと待つことにした。
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【レシピまとめ】妊婦さんにも嬉しい!栄養満点野菜◎ブロッコリー
🥦 妊婦さんにも嬉しい!栄養満点野菜◎ブロッコリー #ブロッコリー 過去投稿したレシピより 今日は #ブロッコリー にピックアップしてレシピ をご紹介📝 カリウム・鉄・葉酸・ビタミンCを含む、嬉しい食材、ブロッコリー🥦妊婦さんだけでなく、疲労回復や風邪予防にも期待できる食材です! バリエーションを増やしたい方ぜひご参考にどうぞ💡 #がっちゃんレシピ #料理好きな人と繋がりたい #料理好きな人とつながりたい
海苔を使って韓国風副菜◎海苔とブロッコリーのサラダ ① ブロッコリー1/2個を小房は小さく分け、芯は微塵切りにし、耐熱皿に入れてレンジで700W2分加熱し水気を切る ② ボウルに焼き海苔1枚を小さくちぎり、〈醤油小さじ1・酢小さじ1/2・いりごま小さじ1・サラダ油小さじ1〉を加えて混ぜておき、①と和える 投稿ページ Instagram すりごまドレッシングが美味しい◎ブロッコリーとトマトのサラダ ① 冷凍ブロッコリー80gを解凍し水気を切り、ミニトマト4個は半分に切って盛り付ける ② 〈すりごま大さじ2・酢小さじ1・醤油小さじ1・砂糖小さじ1/2〉を加えて混ぜ、①の上からかける 投稿ページ Instagram 具材の食感を楽しむ◎ブロッコリーと卵とチーズのサラダ ① 卵3個で茹で卵を作り、4等分に切る ② 冷凍ブロッコリー80gをレンジで解凍し、粗熱を取る ③…
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3月22日〜3月31日まで [段階的緩和期間]下でのスタイル 3月23日(火) ○【特記】○ 居酒家あきばのスタイルは変わらず現行のスタイルを続けます… ○ 写真1、、 〈黄金つくね&ピーマン〉ピーマン肉詰め と同じですね 、、違いはピーマンだけの焼き時間を調整できます。お好みで硬くも柔らかくも…… ○ 今日の主なメニューは 写真2 です。持ち込みもOKです。 ○本日仲間入りしたメニューはこちら↓↓↓↓↓ 〈黄金つくね&ピーマン〉 スピード125円シンプルメニュー 〈フィッシュ かつ〉 《黄金つくね》 ふわっとした(黄金つくね〉は10種以上の食材を練り込んだ 居酒家あきば の味です。 〈たれ&卵黄〉(たれ&ダブルチーズ〉〈鶏スープ〉の三種は お店イチオシ‼︎ です。 《ボイルドにこみ 》 〈モツ煮豆腐 ピリ辛 あっさり やわらか〉ボイルドつまりモツをボイルして最後にモツだけ味付けです。モツの下いっぱいの豆腐はまた別味で煮込みます。それぞれ合体させてネギを乗せて出来上がり!まっ、手が込んでいます…面倒くさい事やってるとも言います…笑笑 究極の炊き込みご飯 《玄米ひじき飯》 16種以上の食材で栄養満点‼︎ ご飯には 白米 玄米 他穀類多数…ひじき 豆 肉 あさり ごぼう 他…トッピングに 玉子焼き ほうれん草 鮭フレーク ごま のり…ケミカルではなく多数の食材を使い、味が合わなくならないよう3年以上掛けて厳選配合し ひと皿にまとめ、素朴な味わいに仕上げました。 (私は〈玄米ひじき飯〉を少しずつでも毎日食べることで健康になってきた実感があります) 〈営業スタイル〉 時間 16:30〜21:00〔LO 20:00〕 休み 全水曜日 と 全日曜日 ドリンク 種類は変わりありません。提供時間は 20:00まで フード スピード125円シンプルメニューを中心に出来る範囲で、、 持ち込みOKにします。 自分の食べたいもの(お店の販売品にしてください。自作品はご遠慮ください) をご用意ください。シェアは基本無しです。自分の食べる分だけご用意ください。どうしてもシェアしたい時には勝手に配らず あきばちゃん に相談してみてください。(衛生上の問題です) こんな感じで…営業にはなってないのでお店のカンバンはあげません。いつもの方で、行き詰まったら集える場所を作って置いている感じです。感染対策をしながら少し飲んで小さくおしゃべりしましょう。 (居酒家 あきば) https://www.instagram.com/p/CMwE6uTJEjI/?igshid=1rfp8od7fypa4
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12150006
軽快なメロディが音割れしていることにきっと全員気付いているはずなのに、誰も指摘しないまま、彼は毎日狂ったようにそれを吐き出し続けている。
時刻は朝の8時過ぎ。何に強制されたでもなく、大人しく2列に並ぶ現代の奴隷たち。いや、奴隷ども。資本主義に脳髄の奥まで犯されて、やりがいという名のザーメンで素晴らしき労働という子を孕まされた、意志を持たない哀れな生き物。何も食べていないのに胃が痛い。吐きそうだ、と、50円のミネラルウォーターを一口含んで、押��付けがましい潤いを乾く喉に押し込んだ。
10両目、4番目の扉の右側。
俺がいつも7:30に起きて、そこから10分、8チャンネルのニュースを見て、10分でシャワー、10分で歯磨きとドライヤー、8:04に自宅を出て、8:16に駅に到着。8:20発の無機質な箱に乗る、その最終的な立ち位置。扉の右側の一番前。黄色い線の内側でいい子でお待ちする俺は、今日もぼうっと、メトロが顔を覗かせるホームの端の暗闇を見つめていた。
昨日は名古屋で人が飛び込んだらしい。俺はそのニュースを、職場で開いたYahoo!のトップページで見かけた。群がる野次馬が身近で起きた遠い悲劇に涎を垂らして、リアルタイムで状況を伝える。
『リーマンが飛び込んだ』
『ブルーシートで見えないけど叫び声聞こえた』
『やばい目の前で飛び込んだ、血見えた』
『ハイ1限遅れた最悪なんだけど』
なんと楽しそうなこと。まるで世紀の事件に立ち会った勇敢なジャーナリスト気取り。実際は目の前で人が死ぬっていう非現実に興奮してる変態性欲の持ち主の癖に。全員死ね。お前らが死ね。そう思いながら俺は、肉片になった男のことを思っていた。
電車に飛び込んで仕舞えば、生存の可能性は著しく低くなる。それが通過列車や、新幹線なら運が"悪く"ない限り、確実に死ぬ。悲惨な形を伴って。肉片がおよそ2〜5キロ圏内にまで吹き飛ぶこともあるらしい。当然、運転手には多大なトラウマを植え付け、鉄道職員は線路内の肉片を掻き集め、乗客は己の目の前で、もしくは己の足の下で、人の肉がミンチになる様を体感する。誰も幸せにならない自殺、とは皮肉めいていてよく表現された言葉だとつくづく思う。当人は、幸せなのだろうか。
あの轟音に、身体を傾け頭から突っ込む時、彼らは何を思うのだろう。走馬灯とやらが頭を駆け巡るのか、やはり動物の本能として恐怖が湧き上がるのか、それ��も、解放される幸せでいっぱいなのか。幸福感を呼び起こす快楽物質が脳に溢れる様を夢想して、俺は絶頂にも近い快感を奥歯を噛み締めて堪えた。率直に浮かんだ「羨ましい」はきっと、俺が人として生きていたい限り絶対漏らしてはいけない、しかし限りなく本音に近い、5歳児のような素直な気持ち。
時刻は8:19。スマホの中でバカがネットニュースにしたり顔でコメントを飛ばして、それに応戦する暇な人間たち。わーわーわーわーうるせえな、くだらねえことでテメェの自尊心育ててないで働けゴミが。
時刻は8:20。腑抜けたチャイムの音。気怠そうな駅員のアナウンス。誰に罰されるわけでもないのに、俺の足はいつも黄色い線の内側に収まったまま、暗がりから顔を覗かせる鉄の箱を待ち侘びている。
俺は俯いて、視界に入った己のつま先にグッと力を込めた。無意識にするこの行為は、死への恐怖か。馬鹿らしい。いつだって、この箱の前に飛び込むことが何よりも幸せに近いと知っているはずなのに。
気が付けば山積みの仕事から逃げるように、帰りの電車に乗っていた。時刻は0:34。車内のアナウンス。この時間でこの場所、ということは終電だろう。二つ離れた椅子に座ったサラリーマンがだらりと頭を下げ、ビニール袋に向けて嘔吐している。饐えた臭いが漂ってきて貰いそうになるが、もう動く気力もない。死ね。クソ野郎が。そう心の中でぼやきながら、俺はただ音楽の音量を上げて外界を遮断する。耳が割れそうなその電子音は、一周回って心地いい。
周りから俺へ向けられる目は冷たく、会社に俺の居場所はない。同期、後輩はどんどん活躍し、華々しい功績を挙げて出世していく。無能な俺はただただ単純で煩雑な事務作業をし続けて、それすらも上手く回せない。ああ、今日はただエクセルの表作りと、資料整理��倉庫の整理に、古いシュレッダーに詰まった紙の掃除。それで金を貰う俺は、社会の寄生虫か?ただ生きるために何かにへばりついて必要な栄養素を啜る、なんて笑える。人が減った。顔を上げると降りる駅に着いていた。慌てて降りる俺を、乗ろうとしていた騒がしい酔っ払いの集団が睨んで、邪魔そうに避けた。何だその顔は。飲み歩いて遊んでた人間が、働いてた俺より偉いって言うのか。クソ。死ね。死んでくれ。社会が良くなるために、酸素の消費をやめてくれ。
コンビニで買うメニューすら、冒険するのをやめたのはいつからだろう。チンすれば食べられる簡単な温かい食事。あぁ、俺は今日も無意識に、これを買った。無意識に、生きることをやめられない。人のサガか、動物としての本能か、しかし本能をコントロールしてこその高等生物である人間が、本能のままに生きている時点で、矛盾しているのではないか。何故人は生きる?生きるとは?NHKは延々とどこか異国の映像を流し続けている。国民へ向けて現実逃避を推奨する国営放送、と思うと笑えてきて、俺は箸を止め、腹を抱えてしこたま笑った。あー、死のう。
そういえば、昔、俺がまだクソガキだった頃、「完全自殺マニュアル」なる代物の存在を知った。当然、本を変える金なんて持ってなかった俺は親の目を盗んで、図書館でそれを取り寄せ借りた。司書の本を渡す際の訝しむ顔がどうにも愉快で、俺は本を抱えてスキップしながら帰ったことを覚えている。
首吊り、失血死、服毒死、凍死、焼死、餓死...発売当時センセーショナルを巻き起こしたその自称「問題作」は、死にたいと思う人間に、いつでも死ねるからとりあえず保険として持っとけ、と言いたいがために書かれたような、そんな本だった。淡々と書かれた致死量、死ぬまでの時間、死に様、遺体の変化。俺は狂ったようにそれを読み、そして、己が死ぬ姿を夢想した。
農薬は消化器官が爛れ、即死することも出来ない為酷く苦しんで死ぬ地獄のような死に方。硫化水素で死んだ死体は緑に染まる。首吊りは体内に残った排泄物が全て流れ出て、舌や目玉が飛び出る。失血死には根気が必要で、手首をちょっと切ったくらいでは死ねない。市販の薬では致死量が多く未遂に終わることが多いが、バルビツール酸系睡眠薬など、医師から処方されるものであれば死に至ることも可能。など。
当然、俺が手に取った時には情報がかなり古くなっていて、バルビツール酸系の薬は大抵が発売禁止になっていたし、農薬で死ぬ人間など殆どいなくなっていたが、その情報は幼かった俺に、「死」を意識させるには十分な教材だった。道徳の授業よりも宗教の思想よりも、何よりも。
親戚が死んだ姿を見た時も、祖父がボケた姿を見た時も、同じ人間とは思えなかった俺はきっとどこか欠けてるんだろう。親戚の焼けた骨に、棺桶に入れていたメロンの緑色が張り付いていて、美味しそうだ。と思ったことを不意に思い出して、吹き出しそうになった。俺はいつからイカれてたんだ。
ずっと、後悔していたことがあった。
小学生の頃、精神を病んだ母親が山のように積まれた薬を並べながら、時折楽しそうに父親と電話をしていた。
その父親は、俺が物心ついた、4、5歳の頃に外に女を作って出て行った、DVアル中野郎だった。酒を飲んでは事あるごとに家にあるものを投げ、壊し、料理の入った皿を叩き割り、俺の玩具で母親の顔を殴打した。暗い部屋の中、料理が床に散乱する匂いと、やめてと懇願する母親の細い声と、人が人を殴る骨の鈍い音が、今も脳裏によぎることがある。あぁ、懐かしいな。プレゼントをやる、なんて言われて、酔っ払って帰ってきた父親に、使用済みのコンドームを投げられたこともあったっけ。「お前の弟か妹になり損ねた奴らだよ。」って笑ってたの、今思い返してもいいセンスだと思う。顔に張り付いた青臭いソレの感触、今でも覚えてる。
電話中は決まって俺は外に出され、狭いベランダから、母親の、俺には決して見せない嬉しそうな顔を見てた。母親から女になる母親を見ながら、カーテンのない剥き出しの部屋の明かりに集まる無数の羽虫が口に入らないように手で口を覆って、手足にまとわりつくそれらを地面のコンクリートになすりつけていた。あぁ、そうだ、違う、夏場だけカーテンをわざと開けてたんだ。集まった虫が翌朝死んでベランダを埋め尽くすところが好きで、それを俺に掃除させるのが好きな母親だった。記憶の改変は恐ろしい。
ある日、俺は電話の終わった母親に呼ばれた。隣へ座った俺に正座の母親はニコニコと嬉しそうに笑って、「お父さんが、帰ってきていいって言ってるの。三人で、幸せな家庭を作りましょう!貴方がいいって言ってくれるなら、お父さんのところに帰りましょう。」と言った。そう。言った。
俺は、父親が消えてからバランスが崩れて壊れかけた母親の、少女のように無垢なその笑顔が忘れられない。
「幸せな家庭」、家族、テレビで見るような、ドラマの中にあるような、犬を飼い、春には重箱のお弁当を持って花見に行き、夏には中庭に出したビニールプールで水遊びをし、夜には公園で花火をし、秋にはリンゴ狩り、栗拾い、焼き芋をして、落ち葉のベッドにダイブし、冬には雪の中を走り回って遊ぶ、俺はそんな無邪気な子供に焦がれていた。
脳内を数多の理想像が駆け巡って、俺は、母の手を掴み、「帰ろう。帰りたい。パパと一緒に暮らしたい。」そう言って、泣く母の萎びた頬と、唇にキスをした。
とち狂っていたとしか思えない。そもそも帰る、と言う表現が間違っている。思い描く理想だって、叶えられるはずがない。でもその時の馬鹿で愚鈍でイカれた俺は、母の見る視線の先に桃源郷があると信じて疑わなかったし、母と父に愛され、憧れていた家族ごっこが出来ることばかり考えて幸せに満ちていた。愚かで、どうしようもなく、可哀想な生き物だった。そして、二人きりで生きてきた数年間を糧に、母親が、俺を一番に愛し続けると信じていた。
母は、俺が最初で最後に信じた、人間だった。
父親の家は荒れ果てていた。酒に酔った父親が出迎え、母の髪を掴んで家の中に引き摺り込んだ瞬間、俺がただ都合の良い夢を見ていただけだと言うことに漸く、気が付いた。何もかも、遅過ぎた。
仕事も何もかも捨てほぼ無一文で父親の元へ戻った母親が顔を腫らしたまま引越し荷物の荷解きをする姿を見ながら、俺は積み上げた積み木が崩れるように、砂浜の城が波に攫われるように、壊れていく己の何かを感じていた。母は嬉しそうに、腫れた顔の写真を毎度俺に撮らせた。まるでそれが、今まで親にも、俺にも、誰にも与えられなかった唯一無二の愛だと言わんばかりに、母は携帯のレンズを覗き、画面越しに俺に蕩けた目線を送った。
人間は、学習する生き物である。それは人間だけでなく、猿や犬、猫であっても、多少の事は学習できるが、その伸び代に関しては人間が群を抜いている。母親は次第に父親に媚び、家政婦以下の存在に成り下がることによって己の居場所を守った。社会の全てにヘイトを募らせた父親も、そんな便利な道具の機嫌を損ねないよう、いや、違うな、目を覚まさせないように、最低限人間扱いをするようになった。
まあ当然の末路と言えるだろうな。共同戦線を組んだ彼らの矛先は俺に向いた。俺は保てていた人間としての地位を失い、犬に、家畜に成り下がった。名前を呼ばれることは無くなり、代わりについた俺の呼び名は「ゴキブリ」になった。家畜、どころか害虫か。産み落とした以上、世話をするほかないというのが人間の可哀想なところだ。
思い出したくもないのにその記憶を時折呼び起こす俺の出来の悪い脳を何度引き摺り出してやろうかと思ったか分からない。かの夢野久作が書いた「ドグラマグラ」に登場する狂った青年アンポンタン・ポカン氏の如く、脳髄を掴み出し、地面に叩きつけてやりたいと思ったことは数知れない。
父親に奉仕する母は獣のような雄叫びをあげて悦び、俺は夜な夜なその声に起こされた。媚びた、艶やかな、���く情欲を煽るメスの声。俺は幾度となく吐き、性の全てを嫌悪した。子供じみた理由だと、今なら思う。何度、眠る父親の頭を金属バットで叩き割ろうと思ったか分からない。俺は本を読み漁り、飛び散る脳髄の色と、母の絶望と、断末魔を想像した。そう、この場において、いや、この世界において、俺の味方は誰もいなかった。
いつの間にかテレビ放送は休止されたらしい。画面端の表示は午前2時58分。当然か。騒がしかったテレビの中では、カラーバーがぬるぬると動きながら、耳障りな「ピー」という無慈悲な機械音を垂れ流している。テレビの心停止。は、まるでセンスがねえな死ね俺。
ずっと、後悔していた。誰にも言えず、その後悔すらまともに見ようとはしなかったが、今になって、思う。何度も、あの日の選択を後悔した。
あの日、俺がもし、Yesと言わなかったら。あの日の俺はただ、母親がそう言えば喜ぶと思って、幸せそうな母親の笑顔を壊したくなくて、...いや、違う。あれは、幸せそうな母親の笑顔じゃない、幸せそうな、メスの笑顔だ。それに気付けていたら。
叩かれても蹴られても、死んだフリを何度されても自殺未遂を繰り返されても、見知らぬ土地で置き去りにされても、俺はただ、母親に一番、愛されていたかった。父親がいない空間が永遠に続けばいい、そう今なら思えたのに、あの頃の俺は。
母親は結局、一人で生きていけない女だった。それだけだ。父親が、そして父親の持つ金が欲しかった。それだけだ。なんと醜い、それでいてなんと正しい、人間の姿だろう。俺は毎日、父親を崇めるよう強制された。頭を下げ、全てに礼を言い、「俺の身分ではこんなもの食べられない。貴方のおかげで食事が出来ている」と言ってから、部屋で一人飯を食った。誕生日、クリスマス、事あるごとに媚びさせられ、欲しくもないプレゼントを分け与えられた。そうしなきゃ殴られ蹴られ、罵倒される。穏便に全てを済ませるために、俺は心を捨てた。可哀想な生き物が、自己顕示欲を満たしたくて喚いている。そう思い続けた。
勉強も運動も何も出来なかった。努力する、と言う才能が元から欠けていた、可愛げのない子供だったと自負している俺が、ヒステリーを起こした母親に、「何か一つでもアンタが頑張ったことはないの!?」と激昂されて、震える声で「逆上がり、」と答えたことがあった。何度やっても出来なくて、悔しくて、冬の冷たい鉄棒を握って、豆が出来ても必死に一人で頑張った。結局、1、2回練習で成功しただけで、体育のテストでは出来ずに、クラスメイトに笑われた。体育の成績は1だった。母親は鼻で笑って、「そんなの頑張ったうちに入らないわ。だからアンタは何やっても無理、ダメなのよ。」とビールを煽って、俺の背後で賑やかな音を立てるテレビを見てケタケタと笑った。それ以降、目線が合うことはなかった。
気分が悪い。なぜ今日はこんなにも、過去を回顧しているんだろう。回り出した脳が止められない。不愉快だ。酷く。それでも今日は頑なに、過去を振り返らせたいらしい脳は、目の前の食べかけのコンビニ飯の輪郭をぼやけさせる。
俺が就職した時も、二人は何も言わなかった。ただただ俺は、父親の手口を真似て、母親の心を取り戻そうと、ありとあらゆるブランド物を買って与えた。高いものを与え、食わせ、いい気分にさせた。そうすれば喜ぶことを俺は知っていたから。この目で幾度となく見てきたから。二人で暮らしていた頃の赤貧さを心底憎んでいた母親を見ていたから。
俺は無邪気にもなった。あの頃の、学校の帰りにカマキリを捕まえて遊んだような、近所の犬に給食のコッペパンをあげて戯れていたような、そんな純粋無垢な無邪気さで、子供に戻った。もう右も左も分からない馬鹿なガキじゃない。今の俺で、あの頃をやり直そう。やり直せる。そう思った。
「そんなわけ、ねぇよなぁ。」
時刻は午前4時を回り、止まっていたテレビの心拍が再び脈動を始めた。残飯をビニール袋に入れて、眩しい光源を鬱陶しそうに睨んだ。画面の中では眠気と気怠さを見せないキリリとした顔の女子アナが深刻そうな顔で、巷で流行する感染症についての最新情報を垂れ流している。
結論から言えば、やり直せなかった。あの女の一番は、俺より金を稼いで、俺より肉体も精神も満たせる、あの男から変わることはなかった。理解がし難かった。何度殴られても生きる価値がない死ねと罵られても、それが愛なのか。
神がいるなら問いたい。それは愛なのか。愛とはもっと美しく、汚せない、崇高なものじゃないのか。神は言う。笑わせるな、お前だって分かっていないから、ひたすら媚びて愛を買おうとしたんだろう。ああ、そうだ。俺にはそれしかわからなかった。人がどうすれば喜ぶのか、人をどうすれば愛せるのか、歩み寄り、分り合い、感情をぶつけ合い、絆を作れるのか。人が人たるメカニズムが分からない。
言葉を尽くし、時間を尽くしても、本当の愛の前でそれらは塵と化すのを分かっていた。考えて、かんがえて、突き詰めて、俺は、自分が今人間として生きて、歩いて、食事をして、息をしている実感がまるで無い不思議な生き物になった。誰のせいでもない、最初からそうだっただけだ。
あなたは私の誇りよ、と言った女がいた。そいつは俺が幼い頃、俺じゃなく、俺の従兄弟を出来がいい、可愛い、と可愛がった老婆だった。なんでこんなこと、不意に思い出した?あぁ、そうだ、誕生日に見知らぬ番号からメッセージが来てて、それがあの老婆だと気付いたからだ。気持ちが悪い。俺が人に愛される才能がないように、俺も人を愛する才能がない。
風呂の水には雑菌がうんたらかんたら。学歴を盾に人を威圧するお偉いさんが講釈を垂れているこの番組は、朝4時半から始まる4チャンネルの情報番組。くだらない。クソどうでもいい。好みのぬるめのお湯に目の下あたりまで浸かった俺は、生きている証を確かめるように息を吐いた。ぼご、ぶくぶく、飛び散る乳白色が目に入って痛い。口から出た空気。無意識に鼻から吸う空気。呼吸。あぁ、あれだけ自分の傷抉って自慰しておいて、まだ生きようとしてんのか、この身体。どうしようもねえな。
どうせあと2時間と少ししか眠れない。髪を乾かすのも早々に、俺が唯一守られる場所、布団の中へと潜り込んで、無機質な部屋の白い天井を見上げた。
そういえば、首吊りって吊られなくても死ぬことが出来るんだっけ。そう。今日の朝だって思ったはずだ。黄色い線の外側、1メートル未満のその先に死がある。手を伸ばせばいつでも届く。ハサミもカッターも、ガラスも屋上もガスも、見渡せば俺たちは死に囲まれて、誘惑に飲まれないように、生きているのかもしれない。いや、でも、いつだって全てに勝つのは何だ?恐怖か?確かに突っ込んでくるメトロは怖い。首にヒヤリとかかった縄も怖い。蛙みたく腹の膨れた女をトラックに轢かせて平らにしたいとも思うし、会話の出来ない人間は全員聾唖になって豚の餌にでもなればいいとも思う。苛立ち?分からない。何を感じ、生きるのか。
ああ、そういえば。
父親の頭をミンチの如く叩きのめしてやろうと思って金属バットを手に取った時、そんなくだらないことのためにこれから生きるのかと思うと馬鹿らしくなって、代わりに部屋のガラスを叩き割ってやめた。楽にしてやろうと母親を刺した時、こんなことのために俺は人生を捨てるのか、と我に返って、二度目に振り上げた手は静かに降ろした。
あの時の爽快感を、忘れたことはない。
あぁ、そうか、分かった。
死が隣を歩いていても、俺がそっち側に行かずに生きてる理由。そうだ。自由だ。ご飯が美味しいことを、夜が怖くないことを、寒い思いをせず眠れることを、他人に、人間に脅かされずに存在できることを、俺はこの一人の箱庭を手に入れてから、初めて知った。
誰かがいれば必ず、その誰かに沿った人間を作り上げた。喜ばせ、幸せにさせ、夢中にさせ、一番を欲した。満たされないと知りながら。それもそうだ。一番も、愛も、そんなものはこの世界には存在しない。ようやく分かった俺は、人間界の全てから解き放たれて、自由になった。爽快感。頭皮の毛穴がぞわぞわと爽やかになる感覚。今なら誰にだって何にだって、優しくなれる気がした。
そうか、俺はいつの間にか、人間として生きるのが、上手くなったんだ。異世界から来てごっこ遊びをしている気分だ。死は俺をそうさせてくれた。へらへらと、楽しく自由にゆらゆらふわふわ、人と人の合間を歩いてただ虚に生きて、蟠りは全部、言葉にして吐き出した。
遮光カーテンの隙間から薄明るい光が差す部屋の中、開いたスマホに並んだ無数の言葉の羅列。俺が紡いだ、物語たち。俺の、味方たち。みんなどこか、違うようで俺に似てる。皆合理的で、酷く不器用で、正しくて、可哀想で、幸せだ。皆正しく救われて終わる物語のみを書き続ける俺は、己をハッピーエンド作者だと声高に叫んで憚らない。
「俺、なんで生きてるんだっけ。」
そんなクソみたいな呟きを残して、目を閉じた。スマホはそばの机に放り投げて、目を閉じて、祈るのは明日の朝目が覚めずにそのまま冷たくなる、最上の夢。
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