#連装砲ちゃん
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kappa-tubot · 25 days ago
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borezet · 1 month ago
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【日報】サイババ(TF: サイバーバース)はシーズン2からみろ
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よくきたな。おれはリバース・インジェクション・プライム。毎日ものすごい回数プライムどもから追放されているが、特に気にせずR・I・プライムを名のっている。
サイババとはトランスフォーマー: サイバーバースというアニメで、実写トイに同名のラインナップがあるが無関係だ。シーズンが4つあり、そのうちシーズン2までが日本語訳されている。
サイーバーバースは当時あまりピンと来ず、「なんかマニア向けだなあ」ていどにしか思っていなかったが、ぐうぜん機械に恵まれ、デッどエンドとバーセプターが出会ったことによる化学反応……DEADCEPTOR……を認識した。つまり、血中サイババ成分が活性化しているじょうたいだ。そして急ぎこの記事を書いている。
なぜか?何も知らずにサイババを観るというのはグリフィンロックに素手で立ち入るのと同義であり、いかにPROの戦士であるカップであろうとナナイトをキメたジャンキーに囲まれ、エナジャイズされて死ぬ。
よってカップですらないふつうのBOTであるおまえの生存率はゼロ……皆無だ。しかし安心しろ。この記事はおまえに生き残るための知識……すなわちGUNを授けるため書かれている。
シーズン2からみろ
マカダムスに連日入り浸っているおまえなら、サイバーバーというアニメがあるだとか、シーズン3がおもしろいとかをホットロッドがじまんげに語っtてるのをオーディオレセップターに挟んでいることだろう。
そしてyOuTubeタカラトミー公式チャンネルでは日本語版が無料で公開されている……。その情報を得たおまえは「エッ!タダで見れるならチョーおトクジャン!」とよろこび、シーズン1の動画を再生し……6わくらいで干からびて死ぬ。
なぜか?シーズン1を見たからだ。おまえはホットロッドが声をデカくし���言ったにもかかわらず肝心なことを聞いていなかった。ユーチューブはほとんどグリフィンロックであり、話を最後まできかないやつはブラジオンに無言で刺されてしぬ。
おまえが本当に聞くべきだったのは、「シーズン2から見たほうがいい」というところで、ホットロッドだかダークロディマスだかよくわからないやつはそのとき野生のドリフトに襲われ死にかけていたのでなんか聞き取れなかった。
そうゆうこともあるので、おまえはつねにその情報は部分的なものでないか?A.I.まとめサイとの引用ではないのか?とかを精査しなければならない。
幸運なことに、ホットロッドはフカしやろうだが腰抜けではないので信用できる情報だ。ドリフトだかデッドロックだかよくわからないやつの襲撃をうけたのもシーズンのせいということだ。
おれはさいしょにサイバーバースはシーズン4まであると言った。すなわちシーズン1がそんざいするということだ。そんなことはこしぬけのシーカー連中に��ってわかる。ではなぜシーズン2からなのか?YoutuBeの検索欄に「サイバーバース」と打ち込めば、タカトミ公式のプレイリストからシーズン2の1話を発見することができるだろう。おまえがすべきことは何か言いたくなる前にそれを再生してみることだ。今すぐにだ。しろ。間違えるな。「シーズン2」の1わだ。
youtube
腰抜けではなかったのでおまえはとりあえずサイババを1話見たことになり、こんなかんじの光景を見たはずだ。月面で戦うオートボットとディセプティコン…ビームで今にも破壊されんとする地球…あほのスタースクリーム…。そしておまえはこうも思ったはずだ。「なんか地球が狙われてたけどシーズン1は月面に向かうエモい話で締められたんだろうな」
じつはそんな話はどこにも存在しない。シーズン1.5もない。ビームはたった今生えてきたものだ。なんなら月も今できた。シーズン2のやつはおまえの心のじゅんびなど待つ気はないのだ。なぜか?と問うひまがあったら続きをみろ。いいからシーズン2を見ていけ。
サイババはCRAZY
シーズン2を見終わったと思われるおまえはALLSPARKが大事なものであることがわかり、おおよそサイバーバースのシナリオ……と特徴をつかめたはずだ。10分しかないのでだいたい唐突に始まり、説明はなく、時間とかもスキップされる蛍光にあることも理解できただろう。
「なんだァ、ぜんぜん干からびて死んじゃったりしないジャン!」とでもおもったか?ホットロディマスのいうとおりシーズン2から見たからカピカピの死体になっていないだけで、スクラップレットども��物陰にひそみ、つねにおまえをねらっている。忘れるな。ここはかこくなグリフィンロックなのだと……。
シーズン2をみたおまえはシーズン3をみたくなっているはずだ。つづきが気になるからだ。しかし日本語版はこしぬけなのでシーズン2までしかなく、飢えた獣-プレダコン-となったおまえはシーズン1に手をのばす……。
そう聞いたお前はじゃあやっぱりシーズン1からで別にいいのではないか、ホットロッドのうわさ話を信じる必要はなかったのではとおもっただろう。だが今からいうことをよく聞け。ホットロッドを裁判にかけることはその後でかんがえろ。
STORY
サイバーバースのあらすじはこうだ。セイバートロン星のオートボッットとディセプティコンが星の命……ALLSPARKを取り合ったあげく地球に落としてしまい、回収に来たオートボットも地球に落ちて二重遭難するのだが、なんとか救助され、そのあとは再び両陣営でALLSPARKを取り合う……。最終的にオートボットがALLSPARKを星に還しHAPPY END…する。
シーズン1の内容はこの「なんとか救助され」の部分だ。
シーズン1の1話、おれはさいしょ「少しずつ仲間がみつかってさいごにオプティマスプライムが見つかる流れだろうな」とおもった。そう思って見たが、ぜんぜんちがった。プロールとプラウルぐらい違った。
18話のうち14話ぐらいまではオプティマスプライムが真の男だとか、メガトロンはワルだとか、スタースクリームはあほだとかの昔話をしていて、ぜんぜん遭難者がみつからない。そしてキューブだとかマカダムズとか昔話……ヴェロシトロン……マカダムズ……爆発……そんなことをしていたのでショックウェーブがやってきてプライムしんじつをつげる……。つまりオプティマスが真の男ではないことを明かされ、バンブルビーはみじめに泣いた。そしてTVでキューブの試合を眺め、エンゲックスを飲む日々が続いた……もうオライオンだかコンボイのことは忘れよう……R・I・P……。
だが15話でグリムロックを見つけたことで運命は変わる。ショックウェーブはドッキリ成功の札を掲げ、バンブルビーはショックからたちなおり、ついでに遭難していたオートボットは全員が発見された。同時にディセプティコンの母艦ネメシスもやってきたが特に何も起こらないのであんしんしろ。これがシーズン1だ。
シーズン1はドッキリ
だいたいわかったとおもうが、シーズン1はプロローグ、あるいはキャラクターの掘り下げみたいなもので、見ても見なくてもALLSPARK争奪戦は楽しめる。だがじゅんばん的にシーズン2→1の順でみたほうがわかりやすい。
りちぎなおまえは前日譚から見たほうが十全に楽しめると考えているかもしれないが、そうゆう思い込みはインセクティコンにでも食わせろ。ぜんぶみないと本当のファンじゃないとか、トイを買ってないからダメだとか、スタースクリームのようなあほはこんな時かならずマウントをとろうとする。そうすればニューリーダー…真のTFマニアになれると信じているどうしようもないやつだ。
おれから言えることはただひとつ……メガトロンになれ。撃たれ、焼かれ、ばくはつしようが関係ない。カノン砲などなくともおまえには拳がある。誇りある剣闘士時代を思い出し、ボコボコに殴りつけて月面に捨てろ。
おわりに
ひとまずおまえはサイババで生き延びるためのGUNを手に入れたわけだが、トランスフォーマのつかうGUNの90%に拡散率が実装されているという調査結果が出ており、つまりぜんぜん当たらないことがある。とうぜんおれのGUNも例にもれない。そうゆうときはバンブルビーとかシャドウストライカーとかほかのやつにきけ。スティンガやマチェーテは時にGUNよりもはるかに有用だ。
それでも「なんか体調がわるくてむり」「ヒューズが飛んだので頭のうによくない」「10分は長すぎる」ということがある。おれは無理強いはしない。だが……おまえが英語があるていどできるというのなら、YouTubeの英語版TF公式チャンネルであるところのTRANSFORMERSOFFICIALをたまにチェックしてみるといい。
こいつは狂っておりある日とつぜん日本をBANしたが、まれに日本からも見られる公式動画をアップロドする。その中にサイバーバースが含まれる可能性は低いがゼロではない。運が良ければシーズン3……続きが気になっていたALLSPARKの行く先を目撃できるかもしれない。おれからは以上だ。(R.I.P)
(最終更新: 2024.12.11)
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kennak · 1 month ago
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私の手元に、古ぼけた書類の束がある。手製の表紙をめくると目に入ってくるのは軍の最高機密を意味する「軍機」の朱印だ。昭和16年12月8日、日米開戦の象徴となった真珠湾攻撃に関する詳細な計画、命令書である。なぜこんなものが私の元に来たのか、そして軍の機密のその中身とは――。 「進藤三郎」という男 昭和15年9月13日、圧倒的勝利に終わった零戦のデビュー戦を指揮し、漢口基地に帰還した進藤三郎大尉 平成12(2000)年2月2日、ひとりの元海軍少佐が88年の生涯を終えた。その人の名は進藤三郎。太平洋戦争に興味のある人ならまず知らない人はいないであろう戦闘機乗りである。 進藤は昭和15(1940)年9月13日、制式採用されたばかりの零式艦上戦闘機(零戦)13機を率い、中国・重慶上空で中華民国空軍のソ連製戦闘機33機と交戦、27機を撃墜(日本側記録。中華民国側記録では被撃墜13機、被弾損傷11機)、空戦による零戦の損失ゼロという鮮烈なデビュー戦を���った。続いて、昭和16(1941)年12月8日のハワイ・真珠湾攻撃では、空母赤城戦闘機分隊長として第二次発進部隊制空隊の零戦35機を率いた。その後、激戦地ラバウルの第五八二海軍航空隊飛行隊長、空母龍鳳飛行長などを歴任し、筑波海軍航空隊飛行長として派遣先の福知山基地で終戦を迎えた。 戦後はトラック運転手や福島県の沼沢鉱山長などの職を転々としたのち、生家のある広島に戻って東洋工業株式会社に入社、出向した山口マツダで常務取締役まで務めた。 戦争中はその華々しい「活躍」がしばしば新聞にも載るほど著名な海軍軍人だったが、戦後は一転して平凡な会社員生活で、戦争の話はよほど心を許した相手にしか、最後���ですることを好まなかった。 進藤が保管していた書類に入る前に、進藤自身の「真珠湾攻撃」について、1996年から99年にかけての私のインタビューをもとに再現しよう。 突然の転勤命令 昭和16年4月、新編された当時の赤城戦闘機隊搭乗員たち。中列中央・飛行隊長板谷茂少佐、その右・分隊長進藤三郎大尉。このメンバーのうち数人は、のちに第五航空戦隊に異動した 昭和14(1939)年、ドイツ軍がポーランドに侵攻したことに端を発する欧州での大戦は、日本がドイツと軍事同盟を結んだことで、もはや対岸の火事とは言えなくなっていた。日米関係は悪化の一途をたどり、昭和16年7月28日、日本軍の南部仏印進駐を機に、アメリカは日本への石油輸出を全面的に禁止、イギリス、オランダもこれに同調する。世にいう「ABCD包囲網」である。 この制裁措置は、石油その他の工業物資の多くをアメリカからの輸入に依存してきた日本にとって、まさに死命を制するものだったった。米英蘭との戦争は、もはや不可避と考えられた。海軍も、極秘裏に開戦準備に入る。 航空母艦赤城、加賀の第一航空戦隊、蒼龍、飛龍の第二航空戦隊を主力に、第一航空艦隊(一航艦=司令長官・南雲忠一中将)が新たに編成されたのは、昭和16(1941)年4月のことである。一航艦は、空母と少数の駆逐艦だけで編成されたが、実戦に際しては、臨時に配属する速力の速い戦艦、巡洋艦、駆逐艦などを合わせ、これが世界初の試みとなる「機動部隊」として作戦に従事することになっていた。 進藤��、機動部隊の編成にともなう人事異動で、南雲中将の座乗する旗艦赤城の戦闘機分隊長に転勤を命ぜられた。進藤の直接の上官、赤城戦闘機隊の飛行隊長は板谷茂少佐である。 「支那事変での長く続いた戦地勤務で、私の体は疲れ切っていました。できれば今度は内地の練習航空隊の教官配置につけてもらえないかと思っていた矢先の転勤命令。空母乗組は“搭乗員の華”、誰もが羨む配置なんですが、正直なところ、はじめはうんざりしましたね」 と、進藤は振り返る。 猛訓練で体が悲鳴を上げていた 機動部隊の旗艦・空母赤城。巡洋戦艦を建造中に空母に改装。当時世界最大級の航空母艦だった 空母搭載の飛行機隊は、洋上訓練や出撃のとき以外は、陸上基地で訓練を行うのを常としていた。搭乗員が揃うと、赤城戦闘機隊は、鹿児島・鴨池基地を拠点に、飛行訓練を開始した。 まずは、搭乗員全員の零戦での慣熟飛行から始まり、着艦訓練の前段階として、母艦の飛行甲板を想定した、飛行場の限られた範囲に飛行機をピタリと着陸させる定着訓練が行われる。5月になると空戦、無線電話、着艦訓練と、訓練もより実戦的になり、空戦訓練は、1機対1機の単機空戦よりもチームワークを重視する編隊空戦に重点が置かれ、2機対3機、3機対6機の編隊同士の空戦訓練が、実戦さながらに行なわれた。吹流しを標的とする射撃訓練も、さかんに行われた。 9月に入ると空母翔鶴、瑞鶴からなる第五航空戦隊が新たに機動部隊に加わり、赤城の搭乗員の一部は五航戦に転勤する。進藤の回想。 「猛訓練が進むにつれ、疲労がどうしようもないほど蓄積してきました。体がだるく、食欲もない。8月には黄疸の症状も出始め、周囲から『君の目は黄色いじゃないか』と言われるほどでした。これはもう、海軍をクビになっても仕方がない、休暇療養を願い出ようと決心したんですが……」 ところが、そう決心した矢先の、進藤の記憶によれば10月1日頃、各航空戦隊の司令官、幕僚、空母の艦長、飛行長、飛行隊長クラスの幹部が、志布志湾に停泊中の赤城の参謀長室に集められ、ここで南雲中将より、「絶対他言無用」との前置きのもと、真珠湾攻撃計画が伝えられた。航空参謀・源田実中佐からは、この作戦に対応するための訓練を急ピッチで進める旨の指示もあった。 少佐の本音 揚子江上空を飛ぶ零戦一一型。進藤大尉が撮影した 「しまった。これを聞いたからには、休ませてくれとは言えないな」 と、進藤は観念したと言う。傍らにいた板谷少佐が、やや興奮の面持ちで、 「進藤君、こりゃ、しっかりやらんといかんな」 と、声をかけてきた。だが、解散が告げられ、基地に帰る内火艇に乗り込むときに、 「俺たちはただ命令通りに死力を尽くして戦うだけだが、その後始末はどうやってつけるつもりなのかな」 と、誰にともなくつぶやいた板谷少佐の言葉がいつまでも心に残った。こちらのほうが本音なんだろうな、と進藤は思った。 昭和16年10月には、戦闘機隊の訓練は仕上げの段階に入りつつあった。訓練項目に航法通信訓練が加えられ、コンパスと、波頭を目視して判断する風向、風力を頼りに長距離を飛ぶ三角航法、無線でモールス信号を受信する訓練などが行なわれた。高高度飛行の訓練も実施され、耐寒グリスを塗った20ミリ機銃による、高度8000メートルでの射撃訓練も行われた。一航戦では、18機対18機の大規模な空戦訓練も実施された。二航戦は9機対9機、五航戦は3機対3機までしかできなかったという。 11月に入ると、志布志湾に機動部隊の6隻の空母と飛行機が集められ、11月3日、南雲中将より機動部隊の各艦長にハワイ作戦実施が伝達された。その日の夜半、「特別集合訓練」が発動され、翌4日から3日間にわたって、全機全力をもって、佐伯湾を真珠湾に見立てた攻撃訓練が、作戦に定められた通りの手順で行なわれた。 〈十一月四日 「ハワイ」攻撃ヲ想定 第一次攻撃隊 〇七〇〇(注:午前7時)発進、第二次攻撃隊〇八三〇発進。十一月五日 第一次〇六〇〇、第二次〇七三〇。十一月六日〇五〇〇ヨリ訓練開始〉 と、進藤はメモに書き残している。11月6日には、戦闘機隊が半数ずつ、攻撃隊と邀撃(ようげき)隊の二手にわかれ、攻撃隊はいかに敵戦闘機の邀撃を排除して攻撃を成功させるか、邀撃隊はいかに攻撃隊を撃退するか、という訓練も行なわれた。激しい訓練で、攻撃隊の九九式艦上爆撃機のなかには不時着する機も出た。 特別集合訓練が終了すると、赤城、蒼龍は横須賀、加賀、飛龍は佐世保、翔鶴、瑞鶴は呉と、それぞれの母港に入って準備を行い、飛行機隊はふたたび、陸上基地に戻って訓練を続けた。このとき、戦闘機が洋上で単機になってしまった場合に備えて、無線帰投方位測定機(クルシー)を使っての帰投訓練が熊本放送局の電波を利用して実施されている。 覚悟を決めた日 第二次発進部隊制空隊(零戦)指揮官・進藤三郎大尉の命令書(軍機) 11月中旬には、各母艦は飛行機隊を収容し、可燃物、私物の陸揚げや兵器弾薬、食糧の最後の積み込みを終え、佐伯湾に集結した。 赤城が佐伯湾を出たのは、11月18日のことである。行動を隠匿するため、出航と同時に、各艦は厳重な無線封鎖を実施した。 空母6隻を主力��する機動部隊は北へ向かい、千島列島の択捉島(えとろふとう)単冠湾(ひとかっぷわん)に集結した。湾の西に見える単冠山は、すでに裾まで雪に覆われていた。11月24日、6隻の空母の全搭乗員が赤城に集められ、真珠湾の全景模型を前に、米軍の状況説明と作戦の打ち合わせが行われた。機動部隊の行動についてはもちろん、攻撃隊の編成や各隊ごとの無線周波数など、詳細な作戦計画が、すでにでき上がっていた。進藤が保管していた機密書類はこの日の日付から始まっている。 11月26日、機動部隊は単冠湾を抜錨、各艦、単冠山に向かって副砲、高角砲の試射を行った。凍てつく空気に、砲声が轟いた。艦隊はそのまま針路を東にとった。 「自信を持って戦いに臨める。しかし、今度こそは生きて帰れないだろうな」 と、進藤は、遠ざかってゆく雪の単冠山を見ながら、しばし物思いにふけった。 時化模様の航海が続いた。護衛の戦艦、巡洋艦、駆逐艦、補給船、潜水艦など、総勢31隻もの艦隊を、隠密裏にハワイ北方までたどり着かせなければならない赤城艦上の機動部隊司令部は緊張の連続だった。 12月1日、機動部隊は日付変更線を越えた。機動部隊は日本時間で行動するので、時差で時間感覚がずれてくる。この日の御前会議で、日本は英米との開戦を決定する。 12月2日、「新高山ノボレ 一二〇八」 という暗号電報が、聯合艦隊司令部より届いた。これは、「X日(開戦日)を12月8日とす」という意味である。開戦は、12月8日午前零時と決まった。ただし、日米の外交交渉次第では、まだ作戦が中止になることもあり得る。しかし反転命令は出ず、矢はついに弦を放れた。 12月8日午前1時半(日本時間)。第一次発進部隊が次々と6隻の空母を発艦した。 第一次発進部隊は、零戦43機、九九艦爆51機、九七艦攻89機(うち雷撃隊40機、水平爆撃隊49機)、計183機で、総指揮官は淵田美津雄中佐である。第一次攻撃では、雷撃隊が二列に並んで停泊している米戦艦の外側の艦を攻撃、水平爆撃隊が上空より内側の艦を爆撃する。さらに艦爆隊は飛行場施設を爆撃することになっていた。 そこらじゅうで火柱が 九九式艦上爆撃機。急降下爆撃を行う 機動部隊の各母艦では、第一次の発艦後、すぐに第二次発進部隊の準備が始められた。 第二次は零戦36機、九九艦爆78機、九七艦攻(水平爆撃のみ)54機、計168機が発艦し、うち零戦1機と艦爆2機が故障で引き返している。こんどは、艦爆が第一次で撃ちもらした敵艦と飛行場を狙い、艦攻が敵飛行場を水平爆撃することになっていた。 赤城から発艦するのは、零戦9機と九九艦爆18機。2時13分、進藤の搭乗する零戦、A1(本来はローマ数字だが、機種依存文字のためアラビア数字で表記)‐102号機��、その先頭を切って発艦した。第二次発進部隊の総指揮官は瑞鶴艦攻隊の嶋崎重和少佐、進藤は、制空隊(零戦隊)全体の指揮官を務める。 「第一次の発進を見送ったときにはさすがに興奮しましたが、いざ自分が発進する段になると平常心に戻りました。真珠湾に向け進撃中、クルシーのスイッチを入れたら、ホノルル放送が聞こえてきた。陽気な音楽が流れていたのが突然止まって早口の英語でワイワイ言い出したから、これは第一次の連中やってるな、と奇襲成功を確信しました」 第一次に遅れること約1時間、真珠湾上空に差しかかると、湾内はすでに爆煙に覆われ、ものすごい火柱が上がっていた。心配した敵戦闘機の姿も見えない。空戦がなければ地上銃撃が零戦隊の主任務になる。進藤はバンクを振って(機体を左右に傾ける合図で)各隊ごとに散開し、それぞれの目標に向かうことを命じた。 「艦攻の水平爆撃が終わるのを待って、私は赤城の零戦9機を率いてヒッカム飛行場に銃撃に入りました。しかし、敵の対空砲火はものすごかったですね。飛行場は黒煙に覆われていましたが、風上に数機のB-17が確認でき、それを銃撃しました。高度を下げると、きな臭いにおいが鼻をつき、あまりの煙に戦果の確認も困難なほどでした。それで、銃撃を二撃で切り上げて、いったん上昇したんですが」 頭によぎった最悪のシナリオ 開戦を告げる昭和16年12月9日の新聞紙面 銃撃を続行しようにも、煙で目標が視認できず、味方同士の空中衝突の危険も懸念された。進藤は、あらかじめ最終的な戦果確認を命じられていたので、高度を1000メートル以下にまで下げ、単機でふたたび真珠湾上空に戻った。 「立ちのぼる黒煙の間から、上甲板まで海中に没したり、横転して赤腹を見せている敵艦が見えますが、海が浅いので、沈没したかどうかまでは判断できないもののほうが多い。それでも、噴き上がる炎や爆煙、次々に起こる誘爆のすさまじさを見れば、完膚なきまでにやっつけたことはまちがいなさそうだと思いました。胸がすくような喜びがふつふつと湧いてくる。 しかしそれと同時に、ここで枕を蹴飛ばしたのはいいが、目を覚ましたアメリカが、このまま黙って降参するわけがない、という思いも胸中をよぎります。私は昭和8年、少尉候補生のときの遠洋航海でアメリカに行き、そのケタ違いの国力と豊かさをまのあたりにしていますから、タダで済むはずがないことは容易に想像できる。これだけ派手に攻撃を仕掛けたら、もはや引き返すことはできまい。戦争は行くところまで行くだろう、そうなれば日本は…………負けることになるかもしれないと、このときふと考えました」 空襲を終えた攻撃隊、制空隊は、次々と母艦に帰投し、各指揮官が発着艦指揮所の前に搭乗員を集め、戦果を集計した。進藤は、赤城の艦爆隊と合流して帰還した。南雲中将が、わざわざ艦橋から飛行甲板上に下りてきて、「ご苦労だった」と進藤の手を握った。 ほどなく、最後まで真珠湾上空にとどまっていた総指揮官・淵田中佐の九七艦攻が帰艦する。大戦果の報に、艦内は沸き立った。しかし日本側にとって残念なことに、いるはずの敵空母は真珠湾に在泊していなかった。 艦上では、第三次発進部隊の準備が進められている。蒼龍の二航戦司令官・山口多聞少将からは、蒼龍、飛龍の発艦準備が完了したとの信号が送られてきた。しかし、南雲中将は、第三次発進部隊の発艦をとりやめ、日本への帰投針路をとることを命じた。 激しい戦闘の代償 日本機の空襲を受けるハワイ・真珠湾の米艦隊 「当然もう一度出撃するつもりで、戦闘配食のぼた餅を食いながら準備をしていましたが、中止になったと聞いて、正直ホッとしました。詰めが甘いな、とは思いましたが…………」 体調不良を押してここまできたが、ようやく任務が果たせた。緊張の糸が切れた進藤は、そのまま士官室の祝宴にも出ず、私室で寝込んでしまった。 真珠湾攻撃で日本側は、米戦艦4隻と標的艦1隻を撃沈したのをはじめ、戦艦4隻、その他13隻に大きな損害を与え、飛行機231機を撃墜、あるいは撃破するなどの戦果を挙げた。資料によって異なるが、米側の死者・行方不明者は2402名、負傷者1382名を数えた。いっぽう、日本側の損失は、飛行機29機(第一次9機、第二次20機。うち零戦9機、九九艦爆15機、九七艦攻5機)と特殊潜航艇5隻で、戦死者は64名(うち飛行機搭乗員55名。別に、12月9日、上空哨戒の零戦1機が着艦に失敗、搭乗員1名死亡)。米軍の激しい対空砲火を浴びて、要修理の飛行機は100機あまりにのぼった。 ――ちなみに、真珠湾攻撃当時、連合艦隊司令長官・山本五十六大将57歳、機動部隊指揮官・南雲忠一中将54歳、航空参謀・源田実中佐37歳、攻撃隊総指揮官・淵田美津雄中佐39歳、第二次発進部隊指揮官・島崎重和少佐33歳、雷撃隊指揮官・村田重治少佐32歳、第一次制空隊指揮官・板谷茂少佐32歳、第二次制空隊指揮官・進藤三郎大尉30歳、加賀戦闘機分隊長・志賀淑雄大尉27歳、そして昭和天皇40歳だった。 真珠湾攻撃の帰途、二航戦の蒼龍、飛龍は、ウェーク島攻略作戦に参加するため、本隊を離れた。残る赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴は、12月23日から24日にかけ瀬戸内海・柱島の泊地に投錨する。各艦の飛行機隊は、零戦隊は佐伯基地経由で岩国基地へ、艦爆、艦攻は鹿屋基地経由で宇佐基地へと向かい、ここでしばしの休養が与えられた。 進藤は、12月25日、岩国基地から呉海軍病院に直行し、軍医の診察を受けた。診断の結果は、「航空神経症兼『カタール性』黄疸」、二週間の加療が必要とのことで、そのまま入院することになった。十二月三十日付で赤城分隊長の職を解かれ、さしあたって任務のない「呉鎮守府附」の辞令が出る。この日から広島の生家での転地療養が認められ、進藤は、ひさびさに正月を両親と迎えることができた。 再び始まる苦しい戦い 昭和17年11月、進藤大尉がラバウルに向け出発直前、東京駅にて 「海鷲・進藤大尉」の帰郷は誰からともなく近所に伝わり、毎日のように真珠湾の話をねだりに客がやってくる。子供たちは、道で進藤の姿を認めると、憧憬のまなざしで、直立不動になって挙手の敬礼をした。 真珠湾攻撃から帰った進藤は、療養生活を送ること2ヵ月半、ようやく黄疸の症状もおさまり、昭和17(1942)年2月12日、〈大分海軍航空隊司令ノ命ヲ受ケ服務スベシ〉の辞令を受けて大分空に着任。四月一日、戦闘機搭乗員の訓練部隊として徳島海軍航空隊が新たに創設されると、その飛行隊長兼教官に補せられた。 最前線・ニューブリテン島ラバウルで作戦中の第五八二海軍航空隊飛行隊長兼分隊長への転勤辞令が出たのは、昭和17年11月8日のことである。処分しそびれていた真珠湾攻撃の軍機書類の保管を元海軍機関大佐の父に託してラバウルに向かう。五八二空に着任したとき、進藤は新たに部下となる隊員たちに、 「海軍戦闘機隊のモットーは編隊協同空戦だ。搭乗員が戦果を挙げる陰には、整備員や兵器員といった裏方の努力が不可欠である。けっして一人の手柄を立てようなどとは思わず、より長く、より強く、一致団結して戦い抜くように」 と訓示をした。そして、進藤の長く苦しい戦いがここから始まる。
1941年12月8日の「真珠湾攻撃」に「零戦35機」を率いて参加した当事者の「貴重な証言」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
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ari0921 · 11 months ago
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織田邦男先生よりシェア
<正論>平和を気取る身勝手な偽善排せ 
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
ロシアのウクライナ侵攻から2年が経過した。昨年10月からウクライナ東部の防衛拠点アウディーイウカで激戦が続いていたが、遂に露軍の手に落ちた。米国の軍事支援が滞っている今、同拠点のみならず全局面でウクライナ軍は苦境に立たされている。
ウクライナ支援継続、強化
「支援疲れ」もあり、「停戦」をという声もある。だが約18%の領土をロシアに占領されたまま停戦が実現すれば、軍事力による国境変更を禁じた戦後の国際規範は崩壊する。しかもプーチン露大統領のいう「停戦」は、次なる戦争への準備期間にすぎず、真の平和が訪れる保��はない。もし日本が侵略され、四国、九州、沖縄(合計で約15%)が占領されたところで、「停戦」を促されたらどう思うか。約18%の領土をあきらめるのは、ウクライナ国民にとって耐えがたいことである。
「力による現状変更」を認めないためにも日本は諸外国と連携しウクライナ支援を継続、強化しなければならない。米国に対してはウクライナ支援継続を強く訴えるべきだ。そのためにも日本自身が武器支援に踏み出す必要がある。
朝鮮戦争の際、日本は武器弾薬を輸出して国連軍に貢献した。しかしながら1967年、佐藤栄作首相が共産圏・紛争当事国などへの武器輸出禁止を決め、76年には三木武夫首相が「武器輸出を慎む」と答弁して武器輸出の全面禁止が定着した。
2014年、「防衛装備移転三原則」が閣議決定され厳格な審査を条件に武器輸出が認められた。紛争当事国へや国連安保理決議に違反する場合、輸出はできない。平和貢献・国際協力や日本の安全保障に資する場合などは認められる。現在、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型のみ認める指針で運用されている。
ウクライナは紛争当事国だから武器弾薬支援は認められない。だがそれでいいのだろうか。ウクライナを支援するのは戦後の国際規範維持のためであり、わが国の平和のためでもある。単に「殺傷兵器だから」「紛争当事国だから」と禁止するのは教条的過ぎる。
「武器」と付くだけで拒否
万が一、日本が侵略された場合、自衛隊は国家国民を守るために敢然と立ち向かうだろう。だが武器弾薬は決定的に不足し、他国の援助に頼らざるを得ない。そんな時、諸外国が「(日本がそうしたように)武器弾薬は日本に支援しない」となることもあり得る。それだけで日本の抑止力は低下する。日本はその覚悟があるのか。
侵略に立ち向かうウクライナに武器支援をしないメリットは何か。平和を気取る、独り善がりで身勝手な偽善にすぎないのではないか。侵略を許さない国際規範を守るため、あらゆる支援を尽くしてこそ国際社会で「名誉ある地位を占める」ことができる。
防衛装備移転三原則は法律ではなく、政府の意思さえあれば変更可能だ。ウクライナ国民を守る「防空兵器」くらいは直ちに支援すべきだろう。5類型に「防空」を加えればいい。昨年末、運用指針改正でライセンス生産の地対空ミサイルを米国へ輸出することが可能になった。これをウクライナにも広げるべきだ。ウクライナに発電機、変圧器は供与しても防空兵器は供与しないというのは、国際社会に理解されないだろう。
かつて機関砲が付いた巡視艇は輸出できなかった。自衛隊のトラックも銃の懸架台があるだけで供与できなかった。「武器」と付くだけで心情的に拒否する偽善��続けている場合ではない。
国際社会で日本の孤立招くな
日本、英国、イタリアとで共同開発する次期戦闘機の第三国輸出に関する問題にも通底している。共同開発品の直接輸出を巡っては、昨年春から自民、公明両党の実務者で慎重に検討がなされてきた。昨年7月、実務者協議で容認の方向性が打ち出されたが、11月になって突然、公明党幹部が「ちゃぶ台返し」をした。この間何があったのか、ここでは触れない。
戦闘機は「殺傷兵器」ではあるが、開発装備品の輸出は「友好国を作る」「抑止力を強める」「安価になり防衛力整備に貢献」といった安全保障上のメリットが大きい。装備品は高性能化、高価格化しており、今や一国では手に負えず、共同開発が主力である。こんな時、共同開発国の日本だけが輸出できないのは、あまりにも理不尽で共同開発国からの信頼も理解も得られない。ロングボトム駐日英国大使も第三国輸出を巡り「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」と述べ、「(日英伊の)対等なパートナーシップに関わる」と懸念を示している。
湾岸戦争では、日本だけが汗も流さず、130億ドル供与という金で済ませた結果、「小切手外交」「身勝手」「価値観共有せず」と非難され、孤立した。国際社会での孤立は、軍事小国としては致命的である。決して繰り返してはならない。武器輸出についても諸外国と価値観を共有し、国際平和実現に貢献すべきである。(おりた くにお)
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thetaizuru · 2 years ago
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 「シルエット」とは、「輪郭の中が塗りつぶされた単色の切り絵」のことを言い、そこから「輪郭」や「ものの形」、「影絵」などを言い表す言葉としても使われる。この「シルエット」という語は、もともとは人名だったらしい。   フランス王ルイ15世の治世下で財務大臣を務めたエティエンヌ ド シルエットは、七年戦争が長引いたことでフランスが財政難に陥った際、特に富裕層に対して厳しい倹約を要求しなければならなかった。これにより、「安上がりで済ますこと」が人々��間で「シルエット」と言われるようになる。  切絵によるシンプルな肖像は人物の特徴を記録する最も安上がりな方法であり、エティエンヌ ド シルエットもこれを好んだため、このような肖像画のことも「シルエット」と呼ばれた。この「シルエット」と呼ばれる「切り絵による肖像画」は、その後、18世紀後半から19世紀前半に、ヨーロッパだけではなくアメリカでも流行し、「シルエット」の語が定着した。
 18世紀末より、シルエットは肖像だけでなく本の挿絵などにも用いられるようになる。複雑なイラストレーションよりも安価で容易な方法でもあり、また、その独特な雰囲気を好む作家も多く、演出技法としても用いられるようになっていく。  童話作家のアンデルセンもシルエットによる表現を好み、切り絵制作を得意とした。自作の切り絵などを貼った絵本を作り、友人への贈り物にした。  シルエットによる表現は、想像力を掻き立てることで、美しさや、あるいは滑稽さなどを際立たせる演出にも用いられるものの、やはり、暗く、怖い。   アンデルセンの、特に初期の作品では、主人公が死ぬ結末を迎えるものが多い。これは、若き日のアンデルセンが、死ぬ以外に幸せになる術を持たない貧困層への嘆きと、それに対して無関心を装い続ける社会への嘆きを、表現を通して訴えようとしたものだと解説されている。  1804年にナポレオン ボナパルトがフランス第一帝政の皇帝に即位(在位 1804年-1814年、1815年)し、イギリスやロシアと敵対する。フランスと同盟を結んでいたデンマークも、イギリスから砲撃や封鎖をされ、不況に陥っていた。  アンデルセンはそのデンマークに1805年に生まれる。貧しい靴職人だった父親は1812年から2年間従軍したが、1813年に国が財政破綻し、軍から支払われるはずの給金も得られなかった。  1835年に最初の小説『即興詩人』と『童話集』を発表したアンデルセンの、初期にあたる1830年代から40年代においては、作品にも現れる貧困層の窮状は写実的であり、多くの人が抱える問題意識でもあった。  七年戦争によって帝国の礎が築かれ、絶頂期となるヴィクトリア朝(在位 1837年-1901年)に入る頃の大英帝国でも、同様の問題意識はあり、アンデルセン(1805-1875)と同時代のイギリスの作家であるチャールズ ディケンズ(1812-1870)の作品にも、貧困層の視点からの社会風刺という形で描かれている。  問題意識としては多くの人が共有しているように見えながら、そこから抜け出す術を見出せないやるせなさは、アンデルセンの作品では、無関心を装う社会への嘆きとして滲んだ。  アンデルセン作品のこうした傾向は晩年になっていくにつれて緩められ、死以外にも幸せになる術があることを作中に書き出すようになっていく。  アンデルセンは1859年に書いた「子供のおしゃべり」という作品で、自身の名前の「アンデルセン(デンマーク語の発音ではアナスン。英語ではアンダースンまたはアンダーソン)」にもある最後の「セン」という言葉は「だれだれの息子」という意味で、それがついている名前はきちんとした姓ももらえなかった貧しい家の出ということを示しているという謂われに触れている。子供たちがそのことを話しているのを、一人の貧しい男の子がドアの隙間から覗いて聞いていて、自分の名も最後がセンで終わるので悲しくなってしまったが、でもこうして生まれてきたんだ、りっぱに生まれてきたんだ、と男の子は考え、そして大人になってりっぱになり、話をしていた子供たちもそれぞれ幸福になった、と書いている。作品は、あの時考えたり言ったりしたことは、あれはただの子供のおしゃべりだったのです、という終わり方をする。最後がセンで終わる名前の男の子はトルバルセンという名前で、アンデルセンの友人である世界的に有名な彫刻家のトルバルセン(1770-1844)をモデルにしている。
 1830年代にエッセイや小説で人気を獲得し、1837年から1839年に連載した長編小説『オリバー ツイスト』で人気を不動のものにしたチャールズ ディケンズは、貧しかった幼少時の経験から、労働者階級の視点に立って、日常生活と多様な登場人物を具体的に生き生きと描写した。エンターテイナーであることを常に心がけ、楽天的で理想主義的なハッピーエンドで締めくくるスタイルを貫いた。そのため、後期や没後の文壇からの批評としては、偶然に頼ったご都合主義的な物語展開と強引なハッピーエンドが批判の的にもなったが、現在に至るまで大衆からの人気が衰えたことはない。  ディケンズは写実主義に分類される。アンデルセンの初期の作品に滲んだ嘆きも写実性であり、1840年代のヨーロッパを覆ったリアリズムだった。そこからなぜか1850年代に大衆文化が花開く。
 「諸国民の春」 と総称される1848年から1849年にかけてヨーロッパ各地で起こった革命により、大国の被支配地域を中心にナショナリズムが先鋭化する。その後、英露対立やフランス第二帝政の成立(1852年にルイ=ナポレオンがナポレオン3世として皇帝に即位)などを背景として、クリミア戦争(1853年-1856年)が起こる。これはウィーン体制の崩壊を意味していた。  ウィーン体制は、ウィーン会議(1814年-1815年)以後のヨーロッパの国際秩序であり、フランス革命とナポレオン戦争で荒廃したヨーロッパを、それ以前の状態に復活させることにより大国の勢力均衡を図っていた。  ウィーン体制は、従来の君主制に立脚する列強を中心に、自由主義と国民主義運動を抑圧していたが、 産業革命による市民生活の発展や大国間の利��関係の複雑化などにより、1830年代から枠組みが揺らぎ始めていた。  「諸国民の春」により自由主義と国民主義を抑圧する機能が維持できなくなり、そして、列強間の平和維持の役割も果たせなくなったことが、クリミア戦争によって露わになった。  以降列強は、各国の国益の赴くままに帝国主義に走ることになる。イギリスは、その国力を持ってして「栄光ある孤立」を選択、大陸の列強は、欧州域内の勢力均衡を図るため交互に同盟を結び、ヨーロッパは産業革命と植民地主義を掲げた新たな時代へと突入した。
 イギリスの歴史区分では、1840年代までを産業革命の時代とし、1850年代からを資本の時代としている。「大衆文化」の成立も1850年代とされ、場合によってはそれ以前の大衆の文化は「民衆文化」や「世俗文化」として区別される。「大衆文化」成立の条件として、大衆の自主的な選択が反映されることが挙げられる。産業革命によって市場の環境が整ったことで、大衆文化が成立したと説明される。  労働と消費が市場を介して社会に反映されるようになっていき、アンデルセンの初期の作品に滲んでいた嘆きから、抜け出す術が見え始める。  一方でディケンズは、1850年代から社会への批判を強めていく。時事的課題に対するジャーナリスティックな関心を強め、クリミア戦争に関する攻府の無策ぶりや、制度の腐敗、慈善活動という名の偽善、金儲け主義と立身出世主義に嵌る産業界などを批判した。  アンデルセンもディケンズも、そして彼らの作品の読者も、変わっていく時代の中で、変わらない美徳を見出そうとしていた。  どんなに機械的に反復されているものでも、外的な賞罰なしには存続しえない行為の中には、美徳がない。
 1756年から1763年まで行われた七年戦争は、 オスマン帝国を除く当時の欧州列強が全て参戦しており、戦闘は ヨーロッパだけでなく、北アメリカ、カリブ海、アフリカ、インドで行われた。そのため、事実上史上初の世界大戦とも呼ばれる。世界中に影響を及ぼし、ヨーロッパにおける政治再編を引き起こしただけでなく、アメリカ合衆国の独立とフランス革命の遠因となった。  イギリスは、ヨーロッパでは同盟国プロイセンに対する資金援助を中心にして深入りせず、海上や植民地での対仏戦争に戦力を集中させた。  植民地での戦闘の勝利により、名誉革命以来長く続いていたフランスとの植民地争奪戦に終止符が打たれ、イギリスは北アメリカ大陸、インド、西インド諸島を掌握し、これらが後に世界最大の植民地帝国となる大英帝国の土台となった。  七年戦争を実質的に指導し、イギリスを勝利に導き大英帝国の基礎を築いたと称される南部担当国務大臣のウィリアム ピットは、「愛国者」「偉大な平民」と呼ばれ、自身もそれを好んだ。  「王 (宮廷)」への「忠誠心」を重要な美徳としていた時代から、「愛国心」と「平民性」を重要な美徳と��る時代へと移る。大英帝国にとっては皮肉なことに、アメリカが独立の精神として重要だと捉えたのが「パトリオティズム」と「コモンセンス」だった。産業革命が進み、「シヴィライゼーション (文明)」と「シビリアン (市民)」を重要視するようになった頃、アメリカでは「シビルウォー (南北戦争 1861年から1865年)」が起こっていた。ヨーロッパではパリなどを中心に「シティ (都市)」と「シチズンシップ (市民性。市民権)」が重視され、現在のフランスの国歌でもある『ラ マルセイエーズ』 の中でも「シトワイヤン (市民)」という言葉がリフレインする。
2023年4月 シバリング コンツール エッセー
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keitavic · 11 days ago
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(Xユーザーのけるちゃさん: 「航空母艦「レキシントン」の8インチ連装砲から摂取できる良質な栄養素 https://t.co/FVGszjioBP」 / Xから)
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oni555 · 6 months ago
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遅くなったけどモンハンコラボ、M3クリアの記録!
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パーティーメンバーは以下。 ナナキの雷属性デバフのおかげでめちゃくちゃ安定しました。
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●ナナキ(バフデバフ役) メイン装備1:スムースカラー(☆8 Lv.80) メイン装備2:シーサイドカラー(☆6 Lv.80) サブ武器1:サウザンドウェイブ(☆12 Lv.80) サブ武器2:シヴァブレイド(☆13 Lv.80) サブ武器3:バハムートレイピア(☆15 Lv.80) LB    :スレッドファングLv.7 マテリア:バイオエスナ(必須)、後は適当※ ※魔防と治癒が下がらない���のであればOkかなと。あまり拘りなし。
・スムースカラーで全体魔防が基本。ずっとAマバリア打ってると言っても過言ではない。 ・誰かが毒食らったら優先してバイオエスナ ・シーサイドカラーの雷属性デバフは特定下で打つ(後述) ・LBはルナティックハイで防御デバフを打ち消せた方がいいかもしれない。 ・基本的に操作するのはナナキ
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●ザックス(物理アタッカー兼魔攻デバフ ) メイン装備1:ジンオウブレード(☆7 Lv.110) メイン装備2:トゥインクルスター(☆8 Lv.80) サブ武器1:シヴァランチャー(☆15 Lv.100) サブ武器2:ビーチパラソル(☆14 Lv.90) サブ武器3:聖火のグローブ(☆15 Lv.120) 召喚獣  :ラムウ(裁きの雷) マテリア:物攻底上げできるものならなんでも。(今回は+3.5%、+6.5%、+3.5%)
・基本は前回の��ベースだけど、魔防を上げるために多少攻撃を犠牲にしました ・今回のダメージソースは召喚獣ラムウなので火力は多少犠牲にしても大丈夫(デュエルオンスロートの物防ダウンもあるので) ・でも少なすぎるとタイムアップになるので注意 ・基本操作しなくて大丈夫 ・3人の中だと一人だけ魔防が低いのでHPが少なくなりがち ・HPが50%を切るとデュエルオンスロートの物防ダウンが入らなくなるので注意
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●ティファ(回復兼魔法アタッカー) メイン装備1:ライフガードハンド(☆10 Lv.100) メイン装備2:キリングローブ(☆11 Lv.120) サブ武器1:パンプキン砲(☆14 Lv.80) サブ武器2:バハムートナックル(☆15 Lv.90) サブ武器3:クッキングミトン(☆15 Lv.100) マテリア:3つ目ケアルラ、他適当(治癒と魔防or魔攻が上がるもの)
・ゲージ4つで全体回復できる性能がまじで強すぎる ・炎耐性もついてるのでライフガードしか勝たん状態・・・ ・マテリアはケアルラだけ固定(ザックスだけHPの減りが速いので単体で回復できるように) ・回復しつつ攻撃も入れる役ですね ・メインアタッカー(今回でいうとザックス)のダメージが10万超えるなら、キリンじゃなくてタイガーファングにして魔法攻撃ダウン連発する役でもいいかも? ・とはいえゲージ減る速さも増すし回復も余裕あったからこれが最適解かな
●戦略 原種も希少種も基本同じ戦法です。 個人的には原種の方がきつかった・・・。
・操作はSEMI設定、基本的にナナキ固定でずっとAマバリア ・ザックスが適度にデュエルオンスロートを打ってくれるのでこれで被ダメは十分抑えられます。 ・全体ブレスを受ける前に防御入れておくと、受けた後リップルエイドが自動で入るので安定します。 ・ゲージ破壊はラムウさん任せです。召喚獣ゲージが溜まったら、ナナキで雷属性デバフ打ったとに3人同時にLB発動 ・基本的にダメージソースはラムウなので、召喚獣ゲージ溜まるまでナナキで壁貼ってティファで回復してザックスが殴る、の繰り返しです。 ・ザックスのダメージが通常時で10万乗るならティファ��武器を補助に回してもいいんだけど、今回はこれが限界でした。
原種倒した時点で残り9分くらい、クリア時点で2:30残し?とかそんな感じでした!
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team-ginga · 7 months ago
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映画『ドット・ジ・アイ』
 U-Nextでマシュー・パークヒル監督の映画『ドット・ジ・アイ』(2003)を見ました。原題は Dot the i ーー「 i の上に点をつけろ」という意味でしょうか。
 先日見た『マッチスティック・メン』とこれはYoutubeの映画��介番組で「どんでん返し映画」として上がっていたのだと思います。
 物語は結婚を間近に控えた女性カルメンとその婚約者のバーナビーとカルメンが偶然出会った映画好きの青年キットの三角関係として始まります。
 ありがちとは言わないまでも、まああってもおかしくない設定ですが、この映画なかなか一筋縄ではいきません。
 結婚が決まったカルメンは女友達と一緒に高級そうなレストランで食事をするのですが、なぜか彼女たちは全員男装で口髭までつけています。
 え? どうして?
 舞台はイギリスなんでしょうか……よくわかりませんが、そういう風習があるんですか。
 そこへキットとその友人二人がやってきます。彼らは予約をしていますが、手違いがあったとのことで、カルメンたちと同席することになります。
 え? 定食屋じゃあるまいし、高級レストランで同席ってあり得るんでしょうか。
 さらにレストランの給仕長がカルメンに「フランスでは結婚を控えた女性は乾杯の際その場にいる男性たちから一人選んでキスをすることになっています」と言います。
 え? そんな風習がフランスにあるんですか。私は聞いたことがありません。
 カルメンはその場にいたキットを選んでキスをするのですが……そのキスの長いこと激しいこと。二人はみんなが見ているのも気にせず熱いディープキスを交わします。
 え? 初対面なのに? なんでそうなるの?
 カルメンは急に怖くなったのか、そのまま逃げるようにレストランから出て行きます。
 翌日、キットはカルメンが働いているハンバーガーショップまでカルメンに会いに行きます(どうして職場がわかったのかーーそれについては後でネタバレがあります)。
 キットはカルメンを説得してなんとかデートの約束を取り付けます。
 その夜(かな)、カルメンは誰かにつけられているような気がします。キットがつけていたに違いないと思った彼女はデートの日、キットと会うなり彼を殴り飛ばします。
 キットは彼女を追いかけ、自分は彼女をつけてなどいないと言い訳します。するとカルメンは……
 あっさり納得して一緒に食事に行こうと言い出します。
 え? カルメンさん、感情の起伏が激しすぎやしませんか。
 で、どこへ食事に行くかというと……
 カルメンは以前働いていたホテルにキットを連れて行きます。そして適当な部屋を見繕って、廊下にある電話からフロントにルームサービスを注文します。
 ルームサービスがステーキとアップルパイを部屋の前に置くと(中まで持って入らず、ドアの前に置くシステムなんですね)、カルメンはそれをサッと取って、非常階段に持っていってキットと二人で食べ始めます。
 なんちゅうことをしとるんじゃ!
 でも、天網恢恢疎にして漏らさずーーすぐに悪事は露見しカルメンは捕まりホテルのマネージャーのところへ連れて行かれます。キットはホテルの非常ベ��を鳴らし、混乱に乗じてカルメンを救い出します。
 何しとるんじゃ、お前ら! ボニーとクライドか。
 そんなこんなでカルメンとキットは急速に接近します。婚約者のバーナビーは何かを予感したのでしょう、カルメンをせき立て判事のところへ行って結婚の手続きをしようとします。
 それを知ったキットは映画『卒業』のように(実際そういうセリフもあります)花嫁を強奪すべく役所に向かいますが……間に合いません。カルメンはバーナビーと結婚してしまいます。
 しかし、カルメンの心はキットにあるのでしょう、カルメンとバーナービーはうまく行きません。二人は喧嘩をしてカルメンは家を出てしまいます。
 行き先は……もちろんキットのところです。
 カルメンとキットはその夜初めて結ばれます。キットはカルメンに打ち明けたいことがあると言いますが、それが何かは言うタイミングを失してしまいます。
 一方、バーナビーは隠しカメラで撮影したカルメンとのセックスシーンをテレビに映して泣きながら見ています。
 え? キットは映画青年で始終カメラでカルメンを撮影していたけれど、バーナビーもそうだったの? それとも単なるそういう趣味の人?
 それからバーナビーはビデオをセットして、カメラの前でピストル自殺をします。
 カルメンが家に戻ると、警察が現場検証をしています。バーナビーが自殺したと知った彼女は、警察のカメラを押し除けて(どうして警察がビデオを撮っているんだろうと思いましたが、それも後でわかります)再びキットの元に向かいます。
 すると……
[ここからネタバレになります。この映画のどんでん返しはなかなか秀逸なので、未見の方はここで読むのをおやめください]
 バーナビーがやってきます。彼は生きていたのです。
 そこからネタバラシになるのですが……うーん、何から言えばいいかな……
 バーナビーはリアリティのある映画を作りたいと思っていました。そこで適当な女性ーーつまりカルメンーーを選んで婚約し、その女性に愛人を作り、最終的には自分が自殺するというシナリオを作りました。
 キットはその映画のために雇われた役者なのです。
 そればかりかキットの二人の友人というのは、本当の友人ではなく、映画のスタッフなのです。
 流石にこれは驚きました。ワンシーンだけですが、バーナビーとキットが何やら話しているところがありましたから、二人は知らぬ仲ではない、おそらくバーナビーは全て知っている、いやそればかりか全てバーナビーの仕組んだことだとは思っていましたが、ここまでは読めませんでした。
 レストランでカルメンとキットを同席にしたのも、給仕長がカルメンにキスをさせたのも、バーナビーが給仕長に金を渡して仕組んだことです。
 もちろんカルメンがどの男性を選ぶかまでは予測できません。でもその点でもバーナビーは抜かりがありません。彼はイケメンの予約は全て断るように給仕長に金をやって頼んでいたのです。
 バーナビーの自殺ももちろん狂言。捜査に来ていた警官も役者で(彼らは映画に使うためにカルメンの様子を撮影していたのです)、家の前に停まっていたパトカーも偽物です。
 そ、そこまでやるか。
 バーナビーとカルメンが同棲している部屋にはもちろん隠しカメラがセットされていましたし、キットの部屋も同じでした。だからキットの部屋でカルメンとキットが何をしていたかは全てカメラ��残っています。
 そ、そんなあ……
 「でもそんな映画公開できないよ。だってカルメンは同意していないから」とキットは言います。でも、その点でもバーナビーに抜かりはありません。
 彼は結婚証明書と称して映画を公開する承諾書を出しカルメンにサインをさせていたのです。
 か、完璧か。
 それから時は流れ、バーナビーが撮った映画はインディペンデント映画祭に出品されます。キットの友人役を演じていたスタッフの二人もキットも、それにカルメンまでにこやかに映画祭に参加しています。
 映画祭で見事新人賞を獲ったバーナビーは誇らしげに壇上に向かいます。するとキットはポケットからピストルを取り出し、バーナビーに向かって発砲します。
 え? そ、そうなの?
 キットはすぐに捕まり警察の尋問を受けます。しかし……彼が持っていたピストルはおもちゃです。キットはバーナビーから映画の宣伝のためにおもちゃのピストルで自分を撃てと言われたと言います。
 え? じゃあバーナビーはなぜ死んだの?
 そこで真相が明らかにされます。
 バーナビーを撃ったのはカルメンです。ニコニコしていましたが、やっぱりバーナビーを恨んでいたんでしょうね。だから彼女はキットがビストルを取り出し発砲したのと同時に、隠し持っていたピストルでバーナビーを撃ち、混乱に乗じてその場にいた映画のスタッフの一人(キットの友人役を演じていた男性)のポケットにピストルを滑り込ませたのです。
 そんなにうまく行くのか。いくらなんでもポケットにピストルを入れられたら気づくだろうーーと思わないではないですが、まあうまく行ったんだから仕方ありません。
 というわけでバーナビー殺害はスタッフの男性の犯行ということになり、カルメンはもちろんキットもお咎めなしーー映画は大ヒットして二人はスターになるというところでオシマイ。
 大したもんです。無理矢理なところもありますし、カルメンという女性の造形も無茶苦茶、まさに性格が破綻しています(カルメンは昔元カレに硫酸をかけられて腕に火傷の跡があるのですが、それが全くストーリーに絡んでこないのも不思議です)が、ここまでやってくれたら「どんでん返し映画」として立派なものだと思います。
 そう、まさにこの映画のポイントは「そこまでやるか」。
 全てはバーナビーが映画を撮るために仕組んだことですが、そこまでやってくれると実に爽快です。
 監督も役者も全く知らない人で大して期待もせずに見ましたが、いやいい映画を見ました。
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stormfrozen · 10 months ago
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塔の頂上・最終戦5
燃える火球を脚に乗せ、流れる水銃を腕に装着する………この2人のダイマックスに関心を寄せるグゥエル。
ふふ。ふふふ。そう来なきゃな………殺し甲斐と言う物が無い。それがあいつらを倒した………キョダイマックスか。
グゥエルと距離を取るエオレンスタ。対してフェリンソワの方はと言うと、詰めずに様子を見ている。
2体1でも俺は構わん。ま、どっちにせよ同じ事だからな。くらえ。
流れる水の如き拳の連続攻撃、それがフェリンソワに対して向かってくる。しかし彼女は冷静に、ダイウォールで防御した。
はぁっ!!
グゥエルの攻撃は触れる攻撃全てが見えない不可視の攻撃。だが、幾ら何でもダイウォールは流石に貫けないはず。そう思ったフェリンソワは、敢えて最初に攻撃しなかった。
貴方の攻撃は確かに見えない物です。でも、ダイマックスの防御までは流石に貫けない………そう思いました。問題はこの後なんですけどね。
そう語る間に、エオレンスタが水銃からダイジェットを発射した。
ぐあっ!!………ふん……
直撃を受けるも、仰け反らないグゥエル。そしてフェリンソワも燃える火球を蹴り上げた。
さあ、覚悟して貰います。行きますよっ!
どっごおおぉぉぉんっ………!!
蹴り飛ばされた火球が凄まじい爆炎を起こし、熱��が吹き荒ぶ。この彼女の攻撃で、グゥエルが大きなダメージを受け………たのかは分からない。
…やはり、そう来ると思ったぞ。流れる水の拳には、火を消す事など容易い。…と言う訳で、食らえオラァ!!
その当のグゥエルはと言うと、何と水流の拳で火球を攻撃し、受けるダメージを軽減していたのだった。そして続け様に、2度目の拳が飛んで来る。
まずい!フェリンソワさん!早く逃げ………
だが、彼女は逃げない。少しでも活路を見出すべく………暗闇の中で光を探す様に、敢えて逃げずに対抗する。彼女のダイジェットによる竜巻が飛ばされた。
ぐふぁ!!
きゃあああ………ぁっ!!
互いに受けた攻撃���だがまだ、何方も譲らない。流石に入る隙の無いアイヴァンヌはその間何もしていない訳では無く、ダイロックに埋もれて動けないジニーエイラとサンディエゴを救出していた。
さあ、早く………
アイヴァンヌが2人を避難させている間、エオレンスタも水銃からビーム砲を発射する。
これはどうかな?グゥエルさん?
どばあああぁぁぁ……!!!
撃ち抜いた急所。血を流すグゥエルの姿を見て、立て続けに攻撃をするエオレンスタ。だがグゥエルの方もただやられるだけでは無かった。
この俺に血を流させるとは。だが、まだまだ!!
遠い距離からダイサンダーを落とし、エオレンスタを撃ち落とした。強烈な雷が彼の体勢を崩す。
うわああぁ!!………っふぅ………
さ、さあ………そんなもんか?だから言っただろ。キョダイマックスしても同じ事だ、と。無駄だ。お前らに勝ち目は無い。諦めろ。
ふらふらするグゥエルと、座り込んでしまったフェリンソワとエオレンスタ。だがこんな状況で、フェリンソワは思わず笑みが溢れた。
ふっ………あはは!………貴方こそ、諦めたらどうですか。私達の攻撃を受けて、そんなに余裕あるんですかね。
ちっ。身の程知らずが………今すぐ消し飛ばしてくれる!
挑発とは思えない挑発に乗ってしまい、熱り立ってフェリンソワを始末しようとするグゥエル。だがそんな状況を、一つの刃が切り裂いた。
はぁ!!
ぐっ………くそ………
それはアイヴァンヌの剣だった。毒を受け、崩れ落ちるグゥエル。そして彼女はフェリンソワに合図を送り、最後の一撃を譲る。
観念して貰います!
頷いたフェリンソワは、火球をお見舞いする。避ける暇もなく、グゥエルは爆炎に巻き込まれて吹き飛ばされ、そのまま倒されてしまった。
お、終わったの?  ……いいえ。多分この程度では未だ………
そのアイヴァンヌの懸念通り、グゥエルは再び立ち上がった。
うぐぐ………またてめえか………アイヴァンヌ!!お前はまたそうやって………!!許さん………この俺を怒らせたな。お前ら全員………奈落の底へ突き落としてやる………!!!
凄まじい膨大なダイマックスエネルギーが、グゥエルの元に集まる。そして、最大限の警戒をする5人を待っていたのは、かつて無い絶望の始まりだった。
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oivgbqiqfz358 · 11 months ago
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--深海人形特別篇-- プロジェクト グランドフィナーレ 準備号 館主様と蒼傑達は噛ませ犬
※クロスオーバー注意
※ショタ・男リョナ注意
※オリ設定注意
※某機動戦士シリーズ、サムスピ、月華並グロテスク、流血残��表現注意
※館主様と蒼傑の噛ませ犬化注意(※何時もの事)。
※ガソダムEXAって漫画あるじゃろ?それをガソダムの奴等が他漫画(※…但し、ドマイナーで、基本的に、其の存在を誰も気にして無い)に対してやって居るみたいなモンじゃ(※男塾勢は読むな)。
※最後に、某ドクサレイカサマ煮卵の出て来る蛇足おまけがあるけど、読むだけムカつくので閲覧非推奨(※…対戦相手も対して強く無いし……)。
…。
蒼傑vs
今回、蒼傑十八番の『双条檄射』で死合をする。然し、相手は、『Effigy(相手を呪う為の儀式人形)』とも呼ばれ、『特級呪物』とも称される謎の強化人間。もしかすると、下手をしたら『呪われる』かもしれない。…其れでも、蒼傑は怯まなかった。
死合開始直前、蒼傑は改めて、相手を見る。…自分とは違う拵えの弓(※疾風の弓ミュルグレのレプリカだと言う ※元ネタ:FE封印の神将器)を構え、銀髪で長髪で、左目だけが金眼で、服装は和装で……、蒼傑と同じか其れより背の高い男だった。かつては、『ソロモンの悪夢』等と呼ばれて居たらしい。
(…『ソロモンの悪夢』?…相手の経歴等、…俺には、関係無い事だ。…別に、如何でも良い……。)
…其の時の蒼傑は、はっきり言って、『身の程知らず』としか言えない。実際、其の力量の圧倒な差は、最終的な試合結果にも表れて居た。
…そして、死合開始。
梁山泊 闘弓術 三連貫!!
すかさず、RXQ-02は自らも矢を放ち、蒼傑が撃つ飛んで来た矢を、一本ずつ、丁寧に、相殺して、撃ち落とす。
それを見た蒼傑は酷く驚く。
「…なっ?!相手は千日ほう鏡の使い手か何かか?!!」
そうは言うも、次は二本続けて、時間差を交えながら、弓を射る。
だが、全弾さらりと避けられてしまう。
(…俺の速射は、速度精度共に、大陸一だと言われて居る……、…其れでも、…何故、避けられる……??)
「…味な真似を……、」
相手の規格外な性能に、段々と追い詰められて行く蒼傑。
(…後、5本か……)
それから、すぐさま、相手が蒼傑に向けて矢を撃って来た。4本の矢を。瞬時にこの矢は如何足掻いても避け切れないと判断した蒼傑は、自分も矢を4本撃つ事で事無きを得る。…そして、其の間一本の矢を混ぜて、相手の頭をスナイプしようとしたが、余裕で相手に見切られており……、…此れで、蒼傑0本、されど、相手方は2本だ。
…かくして、手持ちの矢を撃ち尽くした蒼傑は、もう対抗手段を持っていなかった。
相手方の勝ち。
…此れで死合は終了となった。
「…仕方無い、…俺の負けだ。」
…蒼傑が己の負けを潔く認めた、…其の時、相手方のRXQ-02が口を聞きはじめる。
「…何だ貴様、生き恥だな。…今、私が、もう貴様が二度と生き恥をかかなくて良い様にしてやる。」
すると、蒼傑の降参も虚しく、上からの命令を無視し、容赦無く、RXQ-02は、矢を蒼傑に撃った。
「?!?!!??!!」
「この矢で最後、さらばだ。」
其うして、放たれた矢は、蒼傑の首と脳天を貫く。
…。
館主様vs
…其の瞬間、嶺厳は対戦相手を、しかと見た。
(…あの男、…日本刀を持って居るな……)
虚な目をした、左目だけが金眼で悪人面で紫髪で白い服を着た背丈180cm程度の男が、嶺厳の前に現れる。
すると、予め、対戦相手の情報を知らされて居る嶺厳が思い出す様にぼやく。
「…此れは正に、『一握りの天才』同士の戦いだな……。」
そうして、嶺厳は体術の構えを『魔人』RXQ-03は日本刀を桃の様に構えて、戦闘体制に入った。
(…あの構え方は、剣桃太郎、…剣の構え方だ……)
「…面白い。俺が相手になってやろう。精々惨めな最期を迎えるなよ?」
いざ尋常に、一本目、勝負!!
…翔穹操弾!
…然し、何と、敵目掛けて撃った筈の何発もの操弾が刺さらない。嶺厳は驚愕した(→驚愕する)。
「…何……だと……?!」
嶺厳が一瞬怯んだ隙に、RXQ-03は一気に間合いを詰める。然し、流石の嶺厳も相手を警戒した後、思い切り相手の腹を何度も蹴る、…が、何のダメージをも与えられない。
(…此れが、『強化人間を超えた強化人間』の実力か……!?)
其処で、短期決戦に持ち込みたい嶺厳は、『回頭閃骨殺』で一撃決着を狙うが、其れは相手にも見切られており、空対空で対策された後、其の対戦相手であるRXQ-03は、一気に刀を勢い良く振るい一閃して、嶺厳を袈裟斬りにした。
「…あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛!!!!!」
そして、嶺厳の最期は、丁度、『月華の剣士(第二幕)』と言う対戦剣戟格闘ゲームで、『決!勝負あり!』の後に、対戦相手の、人間の胴体が真っ二つに切れて行く様だった。
そんな中、無表情で立ち尽くす--返り血を浴びて綺麗に染まった白服の--RQX-03。
「…落ちたか、カトンボが。」
そう言うと彼は刀に付いた血を手持ちの布で拭い、血を拭いて綺麗にした後、刀を鞘に収めた。
…。
蛇足試合 マホロアvs
「…キャハッ⭐︎」
ほんとムカつく、ドクサレタマゴの此の笑顔。
「…サァテ、今日のボクの対戦相手ハ、…誰カナ……??…誰カナーーーー?!?!!!!」
やがて、其の相手は、イカタマ野郎の元にのそもそとやって来た。今回の相手、其れは、元々は『幻の撃墜王』とも称された『準魔人』RXQ-05。
「ヤァ、ボクはマホロア!対戦宜シクネ!!」
「…変な生き物?」
「…変な生き物言うナァ!!」
「…嫌な生き物。…何かヤダな。」
其う言いながら、RXQ-05は両手にダガーナイフを装備する。
両者が気が付く前に戦闘は開始されていた。
あのドクサレ煮タマゴは、適度に牽制として魔力球とジェムリンゴボムとキルニードルを撒く。完全に"待ち戦法"狙いである。…然し、其んな当たっても少し痺れるだけの慣性の付いた重い風船の様な物は、可也、魔防の高い相手にはぜーんぜん効かず、キルニードルに至っては当たらず、ジェムリンゴボムに至っても、完全に仕様を見切られており……、
「…ナ、ナンデ!?ナンデダヨ!??ナンデ!???効かねぇンダヨ!当たらねぇンダヨ!」
其のドクサレタマゴは短気なので、早速、キェエエエエエエ!!!(猿叫)状態になって居た。
其うなって居る内に、イカタマ君は、あっと言う前に近付かれ、RXQ-05に此の上無い位強く蹴り飛ばされた。
…まぁ、皆は既に知ってると思うけど、イカサマタマゴの技は、殆ど小回りが効かず、隙がデカい。ストームと異空間バニシュは数少ない例外か(※ストームって言っても、竜巻召喚する技じゃなくて竜巻纏って敵にカミカゼ特攻仕掛ける技だけどね)。
ミリ知ら勢は、シリーズ各ゲームで、此のド腐れ煮タマゴが如何言うモーションしてるかを見れば分かる。
ある程度の反射神経とスピードがあれば、隙を突き放題である。遠くに居ても、無慈悲に飛び道具が飛んで来る。投げ技を持つ個体なら投げ放題。
…ゲーム本編での『彼奴等』は優しかった……。
…さて、其んな此んなで、何度も異空間バニシュ後に着地狩りされ、ソードとブラックホールを出そうとしても、発動を潰され、ストームを出しても、力付くで捩じ伏せられ……、…と、苦戦を強いられるドクサレ煮卵であったが、ある秘策を思い付く。
…彼奴、瓦礫の下敷きにシテ埋めちゃエ。
イカサマタマゴは何とか勝つ為に、其の作戦を全力で実行する。
必死に敵を誘き寄せて、廃墟になったビル群--コンクリートジャングルに来させる。
其処に、RXQ-05が、半ばやる気無く、のそのそ歩いて来ると、
「…ワナに掛かったネ⭐︎御馬鹿サン⭐︎」
「?!!?!」
そう言って、イカタマは繰り出した、あの最強の魔砲、マホロア砲を。
そして、その魔砲は、RXQ-05が近く���いる建物にマホロア砲が勢い良く当たって、瓦礫の雨が出来る。そして、RXQ-05は、其の瓦礫から掻い潜り抜けられず、…瞬く間に埋もれ……、
「瓦礫に埋もれナガラ、昇天でもしナ!!」
瓦礫が完全に、RXQ-05を飲み込んだ後、イカサマタマゴはその上で敵の生死を確認する。
それから、暫くしてから、イカタマは、完全に確認を終えた後に……
…これッテェ…、…ヤッパリボクのッ……!!
「…キャハハハハハッ!!…ボクの大勝利!…魔法使いハ、コウで無くちゃっネ⭐︎」
…等と束の間の勝利を、ダンスを踊りながら、誇って居ると、ドクサレ煮卵を掴みながら、背後から未だ死んでいない『彼奴』が現れた。
「…じゃあ、僕も、魔法使いになろうカナ?」
「…ゲ、ゲェエエエエエエエエ!?!?!!!!!!」
「逃がさない。」
そう言って、イカサマタマゴの頭に、強力な肘打ちを食らわせた上に、乱暴に膝と太腿の中間辺りで締め上げた上に、
「捕まえた。」
両手のダガーナイフでイカタマの首を掻っ切る様に攻撃した後、…勝負あり!!
…。
おまけの資料
RXQシリーズ 魔人・準魔人
生体兵器であり特級呪物。…『Effigy』、『Semi-Effigy』とも呼ばれる。
ティターンズ製の『強化人間を超えた強化人間』。下位存在である生体部品(バイオ・パーツ)達と同様に、阿頼耶識システムめいた接続端子を肉体に内蔵しており、生体部品として機械に接続する事が出来る。
計八体居り、『某桃玉シリーズで未知の魔法とテクノロジーを駆使した古代文明と知られる神の御国で製造された物品』と同じく、科学と魔術で『加工』されて居る。…尚、『素体』となった人間が存在する。
以下、大雑把に特徴
・某水星のエアリアルに、「やめなさい!」されてもトマトみたいに潰れない。頑丈。でも、RX78のおっちゃんに踏み潰されると、トマトみたいに潰れる。
・『準魔人』は、『魔人』に劣るので『準魔人』と言う扱いになって居る。
・どの個体も人間性と精神を破壊されている。だが、最低限の意志と個性は残ってはいるようだ。どれだけやっても完全には消え去らなかったらしい。彼等の詰めが甘いから。技術が未熟だから。
・魔防も異様に高いが、内部破壊と炎と窒息に弱い。イカタマもレボリューションフレイムが溜め技でなければ……、、
…。
今後の計画
RXQ-Vの登場
種、鉄血、水星辺りで同じ様なのを出したい。CEの中で謎公国水泳部してた人とチョコレートの人、出番だ(※本当にロクでも無い)。
…。
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hatohonoka · 1 year ago
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実地試験 3
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マジックアワー
所謂黄昏時、辺りに人気はなく遠くでトラックのエンジン音が響く。点在するライトが点灯し辺りを暗く照らす。
先輩二人が目的のコンテナへと先導する。
なんて事ない、目的の『Bウォッシュ』なる覚醒剤が積まれているコンテナを見つけ、警察に通報する。簡単なお仕事だ。
「止まれ」
先導する霞先輩が制止する。
「天、このコンテナ登るぞ。ひよっこどももついてこい」
山積みになったコンテナの一角に天先輩を踏み台にし霞先輩がコンテナに登り天先輩を引き上げる。訓練でやった登り方だ。
「ほれ、愛衣」
わたしも亜里沙を踏み台にしコンテナをかけ登り亜里沙を引き上げる。
少し視界が開けるが、目的のコンテナがこの山の向こう側だ。
「愛衣、覗いてみろ」
コンテナの山の隙間、先に様子を伺っていた霞先輩が促す。
言われるがまま覗いてみる。山の向こう側、2ブロック先が目的のコンテナがあるゾーンである。そこにもまた山積みになったコンテナが暗がりに鎮座している。
「あれが目的のコンテナの場所ですね?」
「そうだが、それ以外に気づ���ないか?コンテナの影、よく見てみろ」
1ブロック手前、ちらっと人影が見える。よく見れば1人だけじゃない。しかも武装しているようだ。
「まるで歩哨…」
「うっそでしょ?」亜里沙も一緒に隙間を覗き込む。
「良かったなぁ突っ込まなくて。そうだ、奴さん例のブツを守ってやがる。見たところP.M.C.…程の奴らじゃなさそうではあるな、チンピラに銃持たせただけだろうな。配置もまばら左右に固まってる。」
霞先輩のありがたい解説付きで隙間から2人で確認し続ける。確かに偏りがある。
「それと数人確認したが、黄色のバンダナを巻いてる…カラーギャングか…?とまぁひよっこども、準備しとけ。明らかに例のブツ守ってやがる」
緊張が走る。厳密にはわたしと亜里沙だけなのだろう、視界端の心拍数がわたしたちだけ上がっている。
「ひよっこどもが支給されてんのは非殺傷弾だろ?だったら大丈夫だ、目とかに当てなきゃ死なねぇから。天、非殺傷に変えとけよ、今回は人死にはなしだ」
天先輩はいつでもどうぞと言わんばかりに準備を終えている。わたしたちもいそいそとホルスターから銃を抜き、支給されているマガジンを装填する。
「さて、ひよっこども。初出撃で人を撃つことになるとはねぇ。いつかはある事だ、割り切れ。とはいえまだシミュレーションのゲームでしか人型を撃ったことしかないと思う、絶対躊躇う確信がある。なのでお前らは私と天のバックアップ。亜里沙は私。愛衣は天とツーマンで動く。大目標はコンテナの確保、通報。小目標は敵性個体の無力化、と言ったところかな。各自準備は?」
頷く。亜里沙も。天先輩は今にも掛け出さんばかりに体勢が整っている。
「よし、亜里沙。あっこのコンテナ群に一番近いライトを撃て、近いはずだから当てれるだろ?」
50mぐらいだろうか、目的のブロックを照らすライトを指さす。
「ライト破壊次第行動開始する。行動中のコールサインはそれぞれ番号とする、私は01、天が02、愛衣が03、亜里沙が04。万一通信する場合はコールサインで呼ぶように、名前言うんじゃねぇぞ?亜里沙、行けるな?」
「う、うっす」
亜里沙がさらに一段コンテナを掛け上がり、射撃体勢に入る。
「そういえば、サイレンサーは付けなくていいんすか?」
「いい、そのまま撃て」
うっすと短く返事をし、撃った。
銃声が響く。
即座に行動を開始した天先輩のあとへ続きコンテナから降りる。
霞先輩と亜里沙はそのままコンテナの上を進みわざと相手に見つかるように動いている。
『04姿勢低くしろ、足止めんなよ?止まらなきゃ当たらん』
「止まれぇ!!」
散発的な、パンパンと短めな発砲音が響く。
亜里沙たちが相手の注意を引いている間に、天先輩と目的のブロックの裏手のコンテナ群へと迂回できた。
影から様子を伺う。日が落ちかける前の薄暗がりの中、目的のコンテナには男たちが守りを固めるようにたむろしている。数は5。コンテナの周りを3人がうろつき、段になっているコンテナの上に2人、それぞれがライフルでなくハンドガンを携行しているのがわかる。そのうちの1人がスマホでどこかへ連絡を取っている、すごい剣幕で電話口の相手に怒鳴り散らかしているようだ。
「いるね」
「どうしますか?ここから撃ちますか?」
「…私が先行する、キミはここからコンテナの上の2人を牽制、出来れば無力化して欲しい。その間に下の3人を片付ける。合図したらこちらに渡ってきて」
天先輩はポケットからフラッシュライトを取り出し、光がもれないように服に押し当てカチカチと強めの光が点灯し動作の確認をする。
「キミに向けて三回光らせるから」
そういうと、合図もなしに飛び出して行った。
「は?え!?ちょ、もうですか!?」
慌てて射撃態勢に入る。考えている暇は無い、コンテナの上に向けて発砲を始める。上手く当たらない。相手が気づく。が、1人に命中、動きを止めた。身を寄せるコンテナに撃たれた弾が当たる。キュォンと甲高い金属音が響く。こちらはコンテナの影からの射撃に加え防弾の制服を着ている、下手なところに当たらなければ大丈夫。バンバンと応戦し相手に弾が当たりひっくり返る。
ふぅと一息、入れてる場合じゃない。天先輩の援護をしなくては、と意識を巡らす。
わたしが苦労して二人を撃ち負かしている間に、ラスト1人に向かっていくのが見える。うずくまる男たちがピクピクと痙攣している。
天先輩は相手が発砲する中を機敏な左右の動きで射線を躱しどんどん近づいて行く。ついに弾を撃ち尽くした男が眼前に迫る少女に��号をあげ殴りかかろうとする。
チカッチカッ
男の顔目掛けてフラッシュライトが点滅する。目が眩んだ男がライトを避けようと腕で顔を隠す。すかさず懐に潜り込みがら空きになった胴体に一撃。正拳突きを食らった男が呻き声を漏らしながら崩れ落ちる。その後ピクリともしないが、まさか死んでないよね?
チカッチカッチカッ
こちらに向けて3回フラッシュライトが光った
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kennak · 7 months ago
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(注意: つらい内容が含まれます) ヨギタ・リマエ、BBCニュース 丘の上、木々の合間に、ミャンマー軍キャンプの廃墟がある。眼下に、特徴的なハートの形で地元で有名な、絵のように美しい湖が見える。足元には、地雷の薬筒や使用済みの弾丸が散乱している。兵舎があった場所では、散らばるトタン屋根の隙間から、黄色い花をつけた野草が顔を出している。キャンプの一角には、急いで掘られた塹壕(ざんごう)がある。 赤、白、青の横じまの中央にサイチョウという鳥が描かれた旗が、曇り空の下で風になびいている。ミャンマーの西部チン州で同国の軍事政権と戦う、民族武装組織「チン民族軍(CNA)」の旗だ。 CNAは7カ月前、地元の武装住民グループとともに、インドとの国境貿易の町リクホーダルにあるこのキャンプと、チン州の他の地域からミャンマー軍を追い出した。チン州の武装勢力は、2021年のクーデターでミャンマーのぜい弱な民主主義を粉砕した軍事独裁政権と戦ってきた。その彼らにとって、前例のない成果だった。 国軍がこの地域で支配権を失ったのは初めてだ。BBCは今回、同国西部で反政権勢力の躍進を目にするという、めったにない機会を得た。 リクホーダルでの勝利は、決して簡単ではなかった。武装勢力は1年以上にわたり、何度も攻勢をかけた。一部の家族は、耐え難い犠牲を払った。 画像説明,武装抵抗運動に加わったラルヌンプイさん ラルヌンプイさんはダンスが大好きな17歳だった。彼女のソーシャルメディアのアカウントは、人気映像のダンスをまねる彼女の動画でいっぱいだった。 「彼女はいつも自信たっぷりに踊っていた。でも、着飾ることには興味がなかった。兵士に憧れ、国のために命を捧げた兵士についての歌を一日中聴いていた。勇敢で強く、怖いもの知らずだった」。ラルヌンプイさんの母ラルサントルアンギさんは、そう話す。 クーデターが起こると、ラルヌンプイさんは両親を説得し、家族が暮らすハイムアル村で武装住民運動に加わった。その理由を、学校で手書きした英作文の中で、次のように説明していた。 「ミャンマーはいま、壊れている。(中略)ビルマ兵は私にとって敵だ。情けがないからだ。(中略)私の将来は国民防衛隊にあって、私はそれが好きだ」 2022年8月、彼女の村の武装住民らは他のグループとともに、リクホーダルの軍キャンプに攻撃を仕掛けた。 「私たちは13日間連続で、相手側にドローン(無人機)の雨を降らせた。爆弾のほとんどは私が作った。私が部隊で一番の溶接工だったので」と、ラルヌンプイさんの父ラルジディンガさんは言う。彼はクーデター前はトラック運転手だったが、ハイムアルで何人かと国民防衛隊を組織するようになった。 この時の攻撃では、軍キャンプを奪うことはできなかった。双方に犠牲者が出た。 ミャンマーの地図 2022年8月14日、ミャンマー軍は報復攻撃としてハイムアル村を急襲した。住民の話では、民家十数軒に火が放たれた。私たち取材班は、そのような家屋の残骸をたくさん目にした。ミャンマー軍は、北部と西部で抵抗勢力を抑え込むため、何万軒もの民家を焼き払ったと非難されている。 この報復攻撃で、17人が軍に人質に取られた。ラルヌンプイさんと、弟のラルルアトマウィアさん(15)も含まれていた。その後、この2人を除いて全員が解放された。2人の父親に軍が仕返しをしたのだと、家族は考えている。 2日後、ハイムアルの外れにある森の浅い墓の中に2人の遺体があるのを、村人たちが発見した。 どちらも残忍な拷問を受け、銃床で殴り殺されていた。ラルヌンプイさんはレイプされていた。弟の胸、腕、性器には熱湯によるやけどの跡があった。BBCは、遺体の詳細な写真と検死報告書を確認している。 BBCはこの件でミャンマー軍に質問を送っているが、まだ回答はない。 ラルヌンプイさんの弟ラルルアトマウィアさんはまだ15歳だった 「子どもたちに何が起こったのか、考える勇気がない」。父ラルジディンガさんはしばらく黙った後、言葉を探すように言った。「子どもたちは殉死者だ。私よりずっと立派だった」。 少しの間を置いて、彼は続けた。子どもたちのことを愛情をこめて語る、誇らしい父親の姿だった。「息子は私より5センチ背が高くなっていた。話し好きで、家の手伝いを何でもいやがらずにやった」、「2人は切っても切れない仲だった。人が集まっているところに娘が行けば、みんな楽しく笑顔になった」。 母ラルサントルアンギさんは、涙を拭いながら末娘のハダシちゃん(4)を抱きしめ、こう話した。 「夫には、子どもたちの死で落ち込まないように言っている。これは私たちだけの問題ではない。将来の世代も自由は必要だ。何の権利もなく、軍の言いなりになるような、そんな状態で暮らすのは正しくない。命をかける価値がある戦いだ。私は自分の子どもたちを誇りに思っている」 私たちはミャンマー滞在中、戦闘服に身を包んだ人たちに会った。半自動小銃などの銃器を携えている人もいた。ただ、職業軍人ではない。野蛮な紛争に直面し、見事なまでに意を決している農民、学生、一般住民たちだ。 国民防��隊のヴァラ司令官は、ハイムアルの眼下に広がる緑豊かな谷を指さしながら、ミャンマー軍はこの全域から撤退し、最も近い基地でも直線距離で50キロ以上離れていると笑顔で説明した。現地の墓地では、ピンクと白の造花で覆われた新しい墓へと私たちを案内した。 「軍事政権と戦って死んだ人たちのものだ」と、ヴァラ司令官は義理のきょうだいの墓のそばに倒れている花束を戻しながら言った。私たちは、ラルヌンプイさんとラルルアトマウィアさんの墓も見つけた。 私たちが会った住民らのほとんどは、ハイムアルの南にあるチン民族軍のヴィクトリア基地で訓練を受けていた。私たちは、緑深い森と山間部を通る、曲がりくねったでこぼこ道を進み、同基地を���ねた。 そこでは、制服を着た何百人もの若者が新兵となって、広々とした平原を行進していた。 行進が終わると若者たちは、「私たちの祖国、愛する土地、私たちは血と命をかけてそれを守る」と歌う。 そして、武器の訓練へと続く。銃声が響く。 全員18歳以上だと説明されたが、もっと若く見える人も多い。2011年のミャンマーの民政移管で、大勢が自由を味わった。それだけに、もはや軍事政権は受け入れられないと考える10代の若者たちが、それぞれの夢を捨てて、抵抗運動に加わったのだ。 サン・ダール・リンさん(19)は教師を目指していた。 「クーデター後の最初の1年は、それほど悪くなかった。けれども、やがて軍が私たちの村を砲撃し始めた。私たちの家は壊されて、村に入って来た兵士は家を燃やし、人や動物まで殺した。私たちはジャングルに逃げた。かなりの人数がいたので、ジャングルがそのまま村になった」 「おじは無残に射殺された。私は軍が大嫌い。自分の国と国民を守るため、CNAに加わった」 私たちは行く先々で、ミャンマーの若者たちが革命の波に巻き込まれているのを目にした。 ビルマ国家のために働いていた何千人もの人たちもまた、支持する対象を変えた。 ヴァンラルペクタラさん(22)はかつて警官だった。 母親のモリー・キアンさんは、息子が警察で訓練を受けていたころの古い写真を3枚差し出すと、「彼はそこそこの月給をもらっていた。私たちは幸せで満足していた。そうしたらクーデターで政府が倒され、彼は抵抗運動に参加することを決めた」と説明した。 モリーさん自身は青春時代を軍事政権下で過ごした。「当時は楽しい日なんて1日もなかった。軍がとても怖かった。だから私は息子の決断を支持した」。 息子ヴァンラルペクタラさんは2022年3月に抵抗運動に参加。その6日後に殺害された。 モリーさんは胸と首を指さしながら、「息子はこことここを刺された」と言った。「残忍に襲われた。片足は切り落とされていた」。さらに話を続けようとしたが泣き崩れた。「この話をするのはつらい」。 ヴァンラルペクタラさんが死んだ時、彼の妻は妊娠していた。もうすぐ1歳半になる男の子は現在、遠く離れた難民キャンプで暮らしている。 軍が村から追い出されたときの気持ちを尋ねると、モリーさんは拳を突き上げた。「とてもうれしい。でも完全な勝利が見たい」。 彼女の次男も国民防衛隊の一員となっている。 国軍に比べれば弱い複数の反政権勢力が、この紛争の流れを変え、はるかに強力で装備の整ったミャンマー軍を守勢に立たせた。それができたのは、一般国民の幅広い支持があるからだ。 「最初は軍が勝っているように見えた。しかし、戦争であれ政治であれ、国民の支持がなければ誰も勝てない。軍は武器では優位かもしれないが、民衆を味方につけられていない」。チン州の反政権グループが設立した並行政権の「首相」に指名されている政治家、パ・サンさんはこう話す。彼はアウンサンスーチーさんが率いる国民民主連盟(NLD)のメンバーでもある。 並行政権は、チン州全域の80%近くを掌握していると主張する。しかしミャンマー軍は、州都を含め戦略的に重要な町のほとんどを今も支配している。 それでも、反政権勢力には勢いがある。今週初めにはトンザンという町を奪った。 チン民族軍のフテト・ニー広報官画像提供,AAKRITI THAPAR/BBC 画像説明,チン民族軍のフテト・ニー広報官 「ここは私たちの土地だ。ビルマ軍の土地ではない。私たちは勝利を収めつつある。この土地の隅々までよく知っているからだ」。チン民族軍のフテト・ニー広報官はそう言う。 民族軍側が戦果を挙げている理由は、ほかにもある。国内各地の反政権勢力が協調し、軍が力の入れどころを選ばなくてはならない状況を作っているのだ。チン民族軍によると、自分たちはカチン独立軍やカレン民族解放軍、カレンニー軍と協力関係にあるという。 反政権勢力が直面する最大の課題は、グループ同士の内紛だ。チン州だけでも数多くの派閥が活動しており、その多くは従来から敵対している。 前出の政治家パ・サンさんは、結束を維持するのは可能だと主張。クーデター後に軍によって投獄されたアウンサンスーチーさんが率いる、選挙で選ばれた文民政府を代表する国民統一政府(NUG)の下で活動することに向けて、将来的な計画があると話す。 「私たちは鋭意、法律と憲法を作成している。NUGの一員として、チン州から大臣2人と副大臣1人を出す予定だ。ミャンマー軍が敗北を認めるときに向けて、あらゆる準備をしている」 私たちが会った人たちには、明らかな共通点があった。自分たちは勝てると、全員信じているのだ。 「もう、それほど長くはかからない」とパ・サンさんは言う。「こういう予測をするのは良くないが、私たちがあと2〜3年以上戦うような、そんなことにはならない。そう信じている」。 (追加取材:アアクリティ・サパル、サンジェイ・ガングリー) (英語記事 The devastating cost of fighting Myanmar's military dictatorship)
【ルポ】 ミャンマー軍事独裁政権と戦う人たち その途方もない犠牲 - BBCニュース
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ari0921 · 10 months ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)3月15日(金曜日)弐
   通巻第8176号
 明日(3月16日)、北陸新幹線が金沢から敦賀へ延長
  福井県は観光と経済活性化の期待に湧いている
*************************
 北陸新幹線は日本海沿岸の糸魚川(新潟)から富山、金沢を通り、若狭と越前の境にある港町・敦賀まで延長される。『古志の国』の再現だ。
敦賀駅は新幹線駅で最高位の三階建て、駅前は商店街が整備され、あちこちに歴史的な遺物やら銅像、記念館がならんで観光客を待ち受けている。気比神宮から金ケ崎城跡は後醍醐天皇の御代の激戦地、信長潰走のおりは明智光秀が鉄砲隊を組織してみごと殿軍を務めた。
松原海岸から南へ歩くと、水戸藩の武田耕雲斎以下の天狗党を祀る松原神社、このあたりに渤海使をむかえた迎賓館があった。敦賀は観光資源に恵まれているのである。
 筆者、古代史最大のミステリーのひとつである応神天皇、そして継体天皇の取材を数年つづ��ているため何回も訪れてはいるが、訪れるたびごとに新しい発見がある。
記紀では応神天皇が武内宿弥に連れられて禊ぎに気比神社へ赴き、地元の神と名前を取り替えた。なぜ? 
気比神社は仲哀天皇、神功皇后、応神天皇を祀るが、猿田彦と竹内宿彌もちゃんと祀られている。敦賀の応神を祀る神社のほぼすべてで、武内宿彌を祀っている。その謎を解明するために現地の稗史を調べているのです。
 継体天皇は三国に育ち、坂井市にある『天皇宮』に大和朝廷からの使者、大伴金村と物部荒鹿火を迎えた。その近くには執務した高向宮跡がある。また謡曲「花かたみ」の舞台と想定されるのが越前市の「花かたみ公園」と味真野神社。そこから奥へぐんと這入り込むと五星(ごおう)神社がある。応神から継体までの五代をまつる神社だ。このあたりが「文室」(ふむろ)とよばれるのは継体天皇の学問所があったとされるからだ。
 脱線すると能の『花かたみ』は各地の能舞台で演じられるが、ことしは3月17日に長野で催される。残念ながら筆者、先約とかさなって鑑賞に行けない。越前郊外の味真野神社境内には、この能を再現する継体天皇と越前妻とが並ぶふたりの銅像が建立されており、王冠は金で輝いていた(それにしても駅から遠いです)。
脱線すると雇ったタクシーは日産EV。『タクシーの電気自動車は初めて』というと運転手は「寒いから暖房を入れると電池の消耗がものすごい」と愚痴をこぼした。
 新幹線のはなしに戻すと福井駅前には「ふくみち」として商店街が整備され、武生駅は従来線駅よりかなり遠い田圃の真ん中に「越前たけふ」駅が新装されていた。
 沿線にはカメラマンがズラーリ、最後の従来線の車両と新幹線の一番列車を撮影しようと全国から鉄道ファンがあつまって壮観だった。彼らには応神、継体天皇に興味はない。
 さて糸魚川、富山(射水)、伏木、倶利伽羅峠、加賀の小松、そして坂井市の称念寺、敦賀気比神宮と、それぞれに芭蕉の句碑が建立されている。『奥のほそみち』は『古志のほそ道』であったというのが筆者の持論である。(拙著『葬られた古代王朝・高志国と継体天皇』、宝島社新書を参照。古志は「高志」、または「越」とも書きます)。
  ▼
((( 演目事典より )))
越前国味真野(現在の福井県越前市味真野町周辺)に、応神天皇の子孫である大迹部(おおあとべ)皇子(男大迹皇子、男大迹邉皇子とも表記)が住んでいました。皇子は武烈天皇より皇位を譲られ、継体天皇(450~531)となり都へ旅立ちました。帝は味真野にて寵愛していた照日の前に使者を送り、手紙と愛用した花筐(はながたみ:花籠のこと)を届けます。出先で使者を迎えた照日の前は、天皇の即位を喜びながらも、突然の別れに、寂しく悲しい気持ちを抑えられず、手紙と花籠を抱いて、自分の里に帰りました。
大和国玉穂の都(現在の奈良県桜井市池之内周辺)に遷都した継体天皇は、ある秋の日、警護に当たる官人らを引き連れて、紅葉見物にお出かけになりました���そこに照日の前と花籠を持った侍女が現れます。彼女は天皇への恋情が募るあまり、狂女となって故郷を飛び出し、都を目指して旅をしてきたのでした。狂女・照日の前が、帝の行列の前の方に飛びだすと、官人が狂女を押し止め、侍女の持つ花籠をはたき落します。照日の前はこれをとがめ、帝の愛用された花籠を打ち落とす者こそ狂っていると言い、帝に逢えない我が身の辛さに泣き伏してしまいます。
 官人は帝の命令を受けて、照日の前に対し、帝の行列の前で狂い舞うように促します。照日の前は喜びの舞を舞った後、漢の武帝と李夫人との悲しい恋の顛末を物語りつつ、それとなく我が身に引き寄せて、帝への恋心を訴えます。
帝は、照日の前から花籠を受け取ってご覧になり、確かに自分が愛用した品だと確認し、狂気を離れれば、再び以前のように一緒になろうと伝えます。照日の前は、帝の深い情愛に感激し、正気に戻ります。この花筐以降、「かたみ」という言葉は、愛しい人の愛用の品という意味を持つようになったと伝えられています。かくして二人は、玉穂の都へ一緒に帰っていくのでした。
 (( 以上ご参考までに )))
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shukiiflog · 1 year ago
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ある画家の手記if.121  告白 夏祭り
新居の近くには綺麗な池のある広々した公園があって、気が向いたら僕はその公園の池の前のベンチで絵を描いてる。
池の水は溜まりっぱなしじゃなくて公園の外堀の浅い川を巡らせてあって、いつも透明度が高くて綺麗。魚もいる。魚を狙う鳥もくる。 いつも隣のベンチにいてスズメにパン屑をあげてるおじいさんとか、池のまわりをランニングしにくる学生とか、公園に日課で訪れる人たちがいて、僕も通ってるうちに友達が増えた。 静物画を描いてた頃は絵を描くために外に出る必要はなかったから知る由もなかったけど、衆目のある外で堂々と絵を描いてるとちょっと目立つし周囲の興味をひくものらしい。スズメのおじいさんにそう言われた。 そんな公園の友達から、近々この公園で夏祭りが開かれるっていう情報を得た。毎年の恒例行事なんだそうだ。 「直人くんも来てみたらどう?お家は歩いてこれる距離なんでしょう」 「…そうですね。息子と一緒に来ようかな、あの子も夏のお祭りは初めてかもしれないし」 「そういえば息子さんいらっしゃるんですよね、今何歳なんでしたっけ」 なぜか僕が親しくなった相手に香澄のことを話すといつの間にか相手の中で香澄が幼稚園児くらいになってる。 もう成人してますよって言って証拠の写メを見せるときはだいたい絢と香澄のツーショット写真を見せる。 最初に香澄単体の写真を見せて一目惚れとかされたら困るから、となりに香澄とはまた趣の違う華やかで派手な絢もいたら見せられた相手も何がなんだかよくわからなくならないかなとか。実際まあまあそんな感じの効果は上がってる。絢ごめん。 顔立ちだけなら僕と香澄より僕と絢のほうが似てることになるのかもしれないけど、写真を見せても絢のほうを僕の息子だって思う人は意外と少ない。僕も絢もそれぞれ新しい家や家族に馴染んできたのかな。 僕は夏祭りに行ったことは多分ないけど、香澄と行った旅館の初詣でみんな着物着ててお店がたくさん出てた、あんなかんじかな。
前のマンションは立地は住宅街の中だったけど、マンションの方針としてその地域での町内づきあいは一切絶ってあった。今はそういうのが何もない普通の一軒家だから町内の報せとかもご近所から回ってくる。 かいじゅうくんの形のポストに入ってた夏祭りのチラシを取りだして見ながら、簡単に添えられたお祭りのイラストでなんとなくの雰囲気を知る。描かれてる人、みんな着物…浴衣?だ。僕がポストの頭を撫でながらチラシを見てたらちょうど出かけてた香澄が道の向こうから帰ってきた。 最近香澄はよくイキヤのマンションに通ってる。 最初は部屋を貸した身として僕が通って様子を見るべきかなとも思ったけど、結局僕がいつまでも仕事してて行けないでいたら香澄が行ってくれてた。香澄はときどき車出したりもしてた。 二人はけっこう仲良しみたいだ。それは少し、わからないでもない。 イキヤの人間関係はこれまでほとんど画家やそういうことに携わる現場の人間で埋め尽くされてきてる。家庭内にも今は別の画家がいるだけだし。性格や気性を問わず画家同士で穏やかに優しくしあうだけってことにはならない。…その分、誰かに優しくしたい気持ちがずっと行き場をなくしてたりする。 帰ってきた香澄にお祭りのチラシを見せて笑う。 「これ、すぐ近所だし、一緒に行ってみようか」
そんなわけで当日の夕方、まずは自宅まで知り合いの着付け師の子に来てもらった。 浴衣もそこで前もって僕と香澄のぶんを買っておいた、お正月の旅館で知り合った貸衣装をしてたおばあちゃんの呉服屋さん。 あれから何度か仕事でおばあちゃんのお子さんたちにうちに来て手伝ってもらって、ちょっとだけ顔なじみになった。じゅんちゃんとゆなさん。 肖像画の内容にもよるけど、モデルがよく映える服や小道具が欲しいってときもあるから、そういうときに。うちのクローゼットにある服は僕と香澄のを合わせても、お互いに系統が揃ってる上にサイズが大きくてあんまり使えない。 買った浴衣は香澄が白で僕が濃い紫。旅館のときと違って香澄も今回は男性ものの浴衣で、二人とも柄はそんなに派手じゃない。旅先と違って行くのは近所の夏祭りだから、目立つ格好して歩いて妙な虫がついたら払うのに苦労しそうで。 今日は和服だから呼んで来てくれたのはじゅんちゃんだった。浴衣を綺麗に着付けてもらったお礼を昼間に焼いたクッキーと一緒に渡して、二人でお祭りに出かける。布を買って僕が作った簡単な浴衣を出がけに留守番するノエルに適当に着せたらじゅんちゃんに一度脱がされて着付けしなおされてた。
ちょうど陽が沈んだくらいのタイミング。外は昼間に比べたら少し気温も下がってきてる。 となりを歩く香澄の髪にはかいじゅうくんの簪が刺さってる。クリスマスに僕が慧にもらったものだったけど、僕より香澄が使う方が似合っててかわいいからそうしてる。…この方が慧もきっと喜ぶ。 香澄はバレンタイン…本人曰く「誕生日プレゼント」に、まことくんから髪留めをもらって、仕事の日とかによく使ってる。香澄は自分でそういう物はあんまり買わないし僕があげた覚えもなかったから訊いてみた。香澄が友達同士で物を贈りあったりすることにまで口は挟めないけどね。僕が無言でじーっと髪留めを見てたら視線に気づいた香澄は不思議そうに首傾げてた。
公園に入る前から外の道にも普段よりたくさんの人がいて、すでにかなり賑わってた。浴衣姿の人も多い。 はぐれないように手を繋いでたいけどご近所さんも来てそうだから無理かなぁ。 池のまわりをぐるっと夜店が囲むようにどこまでも連なってる。夜店は簡易テントみたいな作りで、高い鉄パイプみたいな骨組みを通してぼんやり光る提灯が頭上に並んで浮かんでる。 香澄と一緒に風を受けてとりあえず見て歩いてるうちにあっという間に空が暗くなって夕方から夜になった。提灯と夜店とところどころの街灯の灯りだけになる。 「あ」 思わず声が出た。飾りみたいにたくさんズラッと並べてあるのの中に、かいじゅうくんがいた。他にもいろんなキャラクター…?色々並んでる。顔だけ… 周りの人たちが買っていく様子を見てると、あれは顔につけるお面らしい。 迷わず買って香澄の頭に装着する。 「…?これって顔につけるんじゃないの?」かいじゅうくんのお面を香澄の頭の斜め上あたりにつける僕に香澄がほわほわ顔緩ませながら訊いてきた。 「香澄の顔が見えなくなったら僕が寂しいからね」 綺麗に装着し終えて満足してたら香澄がさらにほわほわ笑ってた。にっこりしてかいじゅうくんのいないところの髪の毛を梳いて撫でる。 僕はかいじゅうくんと比べたらやけにリアルな描写の般若面を買った。リアルで怖いからあんまり売れてないらしい。僕は首から下げた。背中側に面がくる。般若って女性じゃなかったっけ、とか思うけど、威嚇になる表情ではある。背後の警戒を般若面にお願いする。 二人でかき氷を買って食べ歩く。香澄がオレンジ、僕がブルーのやつ。二人でスプーンですくってお互いの口に運んで食べ比べてみる。どっちも冷たくておいしい。 射的のお店があったから香澄と二人でやってみる。ゴムを飛ばす鉄砲みたいなライフルみたいなやつを使って景品を撃ち落としたらそれをもらえる。 まずやってみた香澄が何発か撃ってお菓子箱を一個撃ち落とした。香澄はこういう体験は初めてだって言うから「コツを掴むのが上手だね」ってにこにこ上機嫌で褒めた。 そのあとに、香澄がちょっとだけ欲しそうに見てたウサギのぬいぐるみを僕が狙う。ルールに則って決められたラインから踏み出さないで鉄砲を構える。着物の袖が邪魔で肩までまくし上げる。たすきがけとかできればよかった。 僕は腕が長いから普通に構えただけでちょっとズルしてる感じになってるのかな。ゴムをつけ直してウサギを何度か撃ったら置かれた位置からずれてバランスを崩してウサギが落ちた。 店の人から受け取ったウサギを香澄に渡したら嬉しそうにしてた。垂れた耳。まだ留学から帰ってきてない絢のことを連想したのかな。 絢は今、まことくんとオーストラリアに留学に行ってる。日本国内ではなんの気兼ねもなく自由に好きなように活動するのが難しいのかもしれないからよかったとも思う、同時に、僕も香澄も心配な気持ちもあった。 だから僕が庭の樹から少し削りだして、二人でお守りを作った。木彫りかいじゅうくんのキーホルダー。 半分くらいのところまで香澄に作ってもらって、僕は最後の仕上げと少し整える程度のほうが絢は喜ぶかな、と、思ったんだけど、あまりに面妖な初期段階が香澄から提出されて僕は思わず難しい顔になった。なにかの形象をあらわしているとおぼしき木片の突起部分を落としていったらネット検索で閲覧に年齢制限がかかるような姿になったのでさらに削って削って磨いていったら最後にかろうじて残ったのはころんと丸っこい鈴みたいな形のかいじゅうくんだった。雛かもしれない。 お祭りはまだ見てまわるけど僕が撃ち落としたウサギは手荷物になるから一旦僕が香澄から預かる。 ヨーヨーがたくさん水に浮かべてあるのを二人で発見。香澄がすくってとった。歩きながら��しそうに手で弾かせて遊んでるから、預からないで香澄に持たせたままにする。 頭にかいじゅうくん、手に水色のヨーヨー。着物を白にしてよかった。香澄の髪の色がよく映えて綺麗。 夜店の焼き鳥とかクレープとかホットドッグの匂いが漂ってくる。僕らは家で早めの夕食を済ませたから匂いだけ。公園のみんな曰く、お祭りの夜店で売ってる食べ物全般は内臓や消化器系によほど自信がないと食べるのは分の悪い賭けなんだそうだ。たとえよく火が通されたものでも油が怪しかったりするらしい。 みんなに団扇を配ってる人がいたから僕もひとつもらって、首筋をあおいで風を通す。じゅんちゃんに片側に流すみたいな幅の広めの紐を一本絡ませた編み方にされたから、いつもみたいに後ろで縛ってるより暑い。 となりで香澄の歩くスピードが少しだけ落ちた、様子からして下駄で少し足が痛むみたいだった。 僕も下駄は履き慣れないけどいまだに全然痛くならないから油断してたな… 少し人混みから逸れた場所に入って、香澄の前に片膝をつく。 「ここに足乗せてごらん」自分の立てたほう��膝をトントンと示して香澄の片足からそっと下駄を脱がせた。そのまま僕の膝の上に乗った白い足を診てみて、すぐに病院に行く必要があるような怪我はまだないことを確認する。 それでも鼻緒があたる箇所は少し赤くなっちゃってるから今日はこの辺でもう帰ったほうがよさそうだ。片足ずつ僕の膝に乗せさせて、その間に僕は自分のハンカチを歯でいくつかに裂いて破って、香澄の下駄の緒の部分を外して抜いて、そこにひとまずの代替にハンカチを通していく。ハンカチが柔らかいガーゼ生地だからもとの頑丈な緒に比べれば痛くないかもしれない。 一度香澄に履いてもらってから、すぐ脱げないけど締めつけない程度に長さを調節した。 家までならなんとかなりそうだったからそのまま二人で帰ろうとして、帰る途中で二人して見つけてしまった。 すぐそこの、ビニールプールみたいなのの中にたくさん金魚が泳いでる…。 香澄と顔を見合わせる。 「足は痛くない?」 「うん。すごく楽。」 「…じゃあ、あれだけ最後に見て帰ろうか」 足を痛めないように、ゆっくり水槽の前に二人でかがんで元気に泳ぎ回る金魚をじっと見る。 …体が白くて…頭だけ朱いのがいる。小さい… 「あの子香澄に似てる」 指差して香澄に言いながら、お店の人にすすめられるまま金魚をすくう小さな道具をもらった。指先で触って確かめる。薄い紙が貼ってあるのを水につけて金魚をすくうみたいだけど、紙の目がどの向きなのかとか裏表とか、踏まえておいたら少しはたくさんすくえないかな…。 「…ん  香澄どこ行った?」 「あそこ!」 僕が道具を見てて見失った香澄に似てる金魚を香澄がずっと目で追跡しててくれた。香澄が指差す先に腕を伸ばしてひとまず一匹目を無事にすくう。香澄確保。 そのあとも僕は香澄に「どの子がいい?」って訊いて、香澄が選んだ子をすくって、五匹すくったところでとうとう紙が破れた。 金魚をもらっていくかここに放して帰るか訊かれて、もらって帰ることにした。
荷物が増えたし夜も更けてきたから、今度こそ本当に今日はこのあたりで帰ることにする。 特に金魚の入った袋を持ってからは僕も香澄も少しおたおたした。生き物が入ってるし、一緒に入れてもらった水は少ないし、袋は歩いてたらどうしても揺れるしで、このままじゃ帰り道の間に弱って死んじゃうんじゃないかと思って。 楽になったとは言ってたけどやっぱりいつもの香澄の歩くペースよりは遅いから、公園を出てうちまでの道の真ん中あたりにきてからは、香澄に金魚を持ってもらって僕が香澄をおんぶして帰った。 香澄をおんぶしたり抱っこして運ぶのが好き。僕も昔小さな頃によくそうしてもらってた。どこへ連れてかれるのか分からない状態でも安心していられるその人との関係が大事だった。今僕の背中で疲れたのか少しうとうとしてる香澄に、嬉しくてにこにこする。あんな安心感を、香澄にあげられたら。 お祭りはあと二日、今日みたいな感じで続くらしい。時間があれば、次は普通の動きやすい格好で寄ってみようかな。
お祭りの夜は家に帰ったら浴衣を脱いで、香澄とうさぎと一緒にお風呂に入った。 香澄を洗ったあとでうさぎも洗って清潔にした。さっぱりしてから普段着に着替えて急いで一人で車を出して金魚を飼うために必要なものを買いそろえてきた。あんな少ない水と袋に入れたままだと一晩で死んじゃうかもしれない。 ひとまず金魚たちを無事広い水の中にうつしてから眠った。
次の日、元気に泳ぐ金魚たちを見ながら、香澄と相談して何人かに金魚を譲る相談を持ちかけてみることにした。 香澄がイキヤに連絡してみたらイキヤは今のマンションの部屋で飼う形でもらってくれるらしい。僕が情香ちゃんに連絡してみたら、長期間部屋を留守にすることもままあるから少し難しいって言ってた。 五匹。白い体に赤い髪のかすみはうちで飼いたい。けど、かすみは一番体が小さくて餌を食べる順番争いでも弱いみたいだから、ほかの子と一緒に飼ったら競り負けて弱っちゃうかもしれない。誰かもらってくれる人…
まだ陽の落ちきってない夕方に今度は浴衣じゃなくて動きやすいいつもの服で、香澄とまたお祭りに行ってみる。 一度来てるから二人ともあんまり気構えがなくて、お祭りを満喫するというより散歩の延長みたいな感覚で。僕は今年の夏祭りの見納めのつもりであちこちを見回す。 僕の横で香澄は今日もかき氷を買って食べてる。僕もたまにスプーンでもらって食べる。 特に目新しいお店が増えてるわけでもなかったから、香澄にそろそろ帰ろうか、って 声をかけようとした瞬間だった 場にそぐわないすごい勢いで僕らの脇を走り過ぎていった男にぶつかられた香澄が 跳ね飛ばされるみたいに 池に落ちた 「ーーーー 香澄!!」 大きな水飛沫と人が落ちた音に周囲からいくつか悲鳴があがって周辺が騒然とする ここの池は綺麗なほうだけど深くなってるところは深い 香澄が一人で岸までたどり着くのは難しそうで僕も泳げるわけじゃないけど迷わず飛び込もうとしたとき、 カンカンカンと乾いた音がした 鉄パイプの屋台骨を踏みつけて走る音? 考える暇もなく夜店の屋根の上から細い人影が舞うように池に飛び込んだ ーーーいつもの特徴的な裾の長い上着は着てなかったけど見間違いようのないシルエットに 僕は香澄とは逆方向に走り出す 信用なんてしたくもないし信用したからこうするわけでもないけど、泳げない僕がたどたどしく救命ベストとか持って自分も池に飛び込むよりあれのほうが確実に香澄を助けられる ああもう 言いたくないけどあれは死生観とか倫理観とか常識とかそういうのが一切通用しないわりにどういう理屈だかこういう場面では迷いなく人命や人権を最優先したりする、あれの倫理観がとくに意味不明になるのは七ちゃんやイキヤや少数の大事な人間相手なのか 知るかそんなこと、ただおそらくこの場ではあれは香澄を助ける 学生時代からいがみ合ってきたから逆にソリの合わないフィーリングは嫌ってほど把握してる 僕の方が歩幅が広いし絵を描いててかなり体が鍛えられてたから、走ったらすぐに追いついた 香澄を突き飛ばして池に落として逃走しようとしてた男  腕を後ろからガシっと掴んだ、暴れて抵抗してきたから前方の空間に誰もいないのを確認して男の腕を掴んだまま前に回り込んで男の体を一度僕の肩と背に軽く引っかけるように乗せて空中で相手の体を大きくひっくり返すみたいに投げて前方の地面に叩きつけた 本気でやると全身あちこちに骨折や打撲を負わせる悲惨なことになるから、あくまで逃走防止の範疇を超えない程度に抑えた 倒れた男の両手を背中でねじりあげて背に乗っかるみたいに膝を当てて体重をかけて地面に這いつくばらせる 「あのね。こんなくだらないことしてないで僕は池に落ちた息子についてたかったんだ、心配だし、僕があの子を直接的に助けられなくても君にこんな風に構ってるよりは幾分かマシだよ僕の気分がね、でもこの祭りに来てるってことは君も近隣住人の可能性がある、そんな人間を正体不明のまま逃して野放しにするのも気持ちが悪いからね…」 取りおさえたまま今思ってる恨みつらみを男にずらずらストレス発散みたいに言い募ってたら、全身びしょ濡れになった香澄と行屋が池から無事に上がって僕のところまでやってきた。行屋が連れてきたというより香澄が僕のところまで来てくれたみたいだ。 「香澄!怖かったね…息ができなくて苦しい思いはしなかった?」 香澄をぎゅっと抱きしめたら、濡れてるせいかもしれないけど元々低めの体温がいつもよりさらに低い。真冬だったらショック死してたかもしれない… 僕の体温であっためるように抱きしめたままきゅっと閉じた目尻に薄く涙が浮かぶ …こわかった 「…池の水は清潔じゃないし、もう夜だけど今から一緒に病院に行こうね」 香澄から少し体を離して安心させるように微笑みかける。本当は救急車を呼びたかったけどここに呼んだらたくさんのいい好奇の目の的にされそうで、悩んだ末に呼ばなかった。 香澄は行屋のいつものマントみたいなカーディガンみたいなエスニック調の上着をバスタオルがわりにして頭からかぶってる。こっちを見てくる他人の視線から髪や顔や特徴的な部分をすっぽり隠せてる。そのために飛び込んでったときいつものこれは濡れないように着てなかったのか…? 行屋は僕がおさえてた男の背中を容赦なく踏みつけて、いつもジャラジャラ首から下げてるネックレスだかペンダントだか天然石がたくさん連なった長い首飾りの中から日本の仏教の行事で使う仰々しい数珠みたいなやつを一本首から外すと、僕が背中で束ねてた男の両腕を寝違えそうなほど引っぱってそれで縛り上げた 「…そんな繊細な装飾品、僕なら簡単に引きちぎるぞ。こんなものが手錠がわりの拘束になるのか」 あんまり行屋を見たくないので見ないようにしながら言ったら、行屋はとくに気取ったふうでも得意げなふうでもなくあっさり答えた。 「数珠を通してんのはピアノ線だ」 そう簡単には千切れないって言いたいのか て��うかそんな仕掛けあったのかそれ… 本人は歌うような口調で、数珠はいいぜ、海外でも宗教上の理由とか言や結構やべえときでも没収されずに見逃される、とかなんとか嘘か本当かわからないことを言いながら、さらにきつく縛り上げてる …に、しても、こいつが人命救助に加害者の捕獲… 行動に一貫性がある…とうとう気が狂ったのか? 「お前いつから善行に目覚めたんだ」 行屋は造形的にはそれほど大きくない口元を三日月みたいに大きくにんまりさせながら言う。 「飛び込みと捕り物は祭りの華だろうが」 「…」 やっぱりまともな理由じゃなかった。香澄が池に落ちたのも僕が突き飛ばした男を捕まえたのも、祭りにそえる花というか一等祭りを盛り上げる余興というか…そんな感覚なのか…?   いや、理解したくない。ここまで。 行屋もそこでくるっと向きを変えて、薄着一枚でずぶ濡れのまま、まるで寒そうな気配もなく一言の挨拶もなしにまた身軽に夜店の屋根に登って身を翻してテントを飛びこえて、あっという間に姿は見えなくなって、祭りの中から去っていった。
その日はすぐに香澄を病院に連れていって診てもらった。 そんなにたくさん水を飲んでなかったおかげなのか、特に体に異常はなし、外傷もなし。医師は多分大丈夫だろうって言ってたけど、細菌とか諸々の検査をしてもらって、後日検査結果を聞きに来ることになった。 香澄を池に突き飛ばしていった男は僕が警察に引き渡した。お祭りの中で起きた事故だっていうんでお祭りの運営にも事の一部始終の説明を求められた。本人曰く、道を急いでいて不注意で偶然香澄に体がぶつかってしまい、そんなつもりはなかったのに香澄が池に落ちてしまって、深い池だったからそのまま溺死させてしまったらと思って怖くなって逃げた、僕に捕まったとき抵抗して暴れたのもそういうことで、香澄個人を狙った意図的な行動ではない、と。 僕はそれを鵜呑みにはしないし、まるで香澄が落ちたせいみたいな言い草がすごく不快だけど、それ以上個人的に関わるのも嫌だったからあとは警察に任せた。
香澄視点 続き
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thetaizuru · 2 years ago
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 19世紀のアメリカにジョシュア ノートンという人物がいた。  生年月日の明確な記録はないが1818年頃イギリスで生まれ、幼少期を南アフリカで過ごし、1849年にサンフランシスコに邸宅を購入してアメリカに移り住み、父親から受け継いだ遺産を運用して一財を作ったが、投機に失敗して1858年に破産する。破産により正気を失ったと考えられている。1859年9月、ノートンはサンフランシスコの新聞各社に次のような手紙を送った。 「  大多数の合衆国市民の懇請により、喜望峰なるアルゴア湾より来たりて過去九年と十ヶ月の間サンフランシスコに在りし余、ジョシュア ノートンはこの合衆国の皇帝たることを自ら宣言し布告す。   ―合衆国皇帝ノートン1世 」  いきなりの合衆国皇帝即位宣言を、声明を受け取った新聞社の一つであるサンフランシスココール紙がジョークとして掲載した。ここから21年間にわたる「帝都サンフランシスコ」を拠点にした「合衆国皇帝ノートン1世の帝位請求」が始められた。後にノートン1世は請求称号に「メキシコの保護者」を追加する。ノートン1世は主にサンフランシスコの日刊紙上に数多くの国事に関する「勅令」を投書として送りつけ、これを帝位請求における主要な活動とした。  「絶対君主制に移行したアメリカ合衆国においては皇帝による親政が行われる必要があり、議会制度は廃止されるべきである」として、アメリカ合衆国議会の解散を命令したりもしたが、皇帝として要求した内容のほとんどは温和なものであり、先進的で価値のある発想と言えなくもないものも多く含まれていた。 サンフランシスコの市民たちは次第に、頭はおかしいが打算や野心のない温和で平和的なノートン1世の人格を敬愛し、「皇帝勅令」に親しむようになっていった。  1867年に一人の警官がノートンを捕え、彼の意に反して精神病の治療を受けさせようとしたときには、市民と新聞による激しい抗議により騒動となった。警察署長はすぐに対応し、ノートンを釈放して警察として公式に謝罪した。ノートン1世は寛大にもこの警官による「大逆罪」に「特赦」を下した。この騒動以降、警官たちは通りで「皇帝」に会った時は敬礼するようになった。  ノートンは生涯極めて貧しいままだったが、彼を敬愛する市民たちが生活を支えた。食事を振舞ったレストランは「皇帝御用達」のプレートを玄関に飾った。「皇帝」がいつも着ている軍服が古びてきたときには、サンフランシスコ市が大仰な儀式とともに新品を買うのに足りる分を支出した。「皇帝」はその見返りに感状を送り、終身貴族特許状を発行した。小額の負債の支払いのために「帝国政府国債」を発行することもあったが、その紙幣は地域経済において完全に承認された。  1880年の「皇帝崩御」は州外にまで報じられた。寄付金により大規模な葬儀が執り行われ、3万人もの人々が足を運んだと記録されている。
 1818年生まれというと、こちらも明確な記録がないため正確な生年は定かではないが、現在では知らない人のいない、現代社会における最も重要な思想の礎を作ったとも言える人物であるフレデリック ダグラスと同い年であり、「皇帝宣言」をした1859年というと、「19世紀のアメリカ人で最も議論の的になる人物」と言われるジョン ブラウンが、その議論の的となる行動を起こした年である。そのため、特に1860年代のアメリカについては、こうした時代背景を抜きに語れることはほとんどないはずだが、「皇帝」陛下のエピソードは時代背景からもぶっ飛んで語られていらっしゃり、また、現在まで語り継がれているということ自体が、というか単なる悪ノリと言われればそれまでなのかもしれないが、社会を取り巻く論争などについて、その党派性や宗派性、イデオロギーなどを超えた視点を与えてくれている、気もする。  1960年代に創立された「ディスコーディアニズム」というパロディカルトはノートンを聖者としたが、そのパロディカルトの教義は、自身を含めたあらゆるドグマを笑い飛ばして超越するというものだ。また、ノートンをオマージュした人物を登場させる小説などのねらいのひとつも、突飛で常識外れな考えの提示によって、社会的な論争の中でねじれてしまっている常識の本来の姿を思い出させるということにある。  ノートンは合衆国の政治体制である共和制と連邦主義にある著しい不備を解決するには、絶対君主制を導入するしかないと信じ、自らがその帝位請求者になろうと決意した。サンフランシスコの市民たちは、「皇帝」に敬意を表する人も、そういうノリをあんまり面白くないと思う人も、特に議論をするまでもなく、君主制には賛同しないという考えと、人生には程度の差はあるだろうが理想やユーモアは必要だという常識を再認識し共有した。ノートン1世の「帝都サンフランシスコ」への愛は、市民たちに誇りを持って共有され、祝福された。
 フレデリック ダグラスの奴隷解放運動は、1861年に就任したリンカーン大統領による1862年の奴隷解放宣言となり、合衆国憲法修正条項第13条および第14条となり、1870年には修正第15条も批准される。さらには1948年の世界人権宣言へとつながった。ダグラスは「公民権運動の父」とも呼ばれる。  ダグラスもリンカーンも奴隷解放論者としては「きわめて穏健派」であり、 1860年の大統領選挙期間は、リンカーンもリンカーンの大統領選挙を後援したダグラスも、「合衆国の新しい領土に奴隷制を拡大しないようにすることで最終的に奴隷制が終わる」と主張した。奴隷制の拡大を止めれば、経済的に奴隷制はいずれ消えるという考えは、ジョージ ワシントンをはじめとする建国の父たちの考えを引き継いだものでもあった。  こうした奴隷制度廃止運動が奨励していた平和主義に対し、「こいつらは口先だけだ。我々に必要なことは行動だ-行動だ!」 と、 アメリカでは初めて、運動の手段として「反乱」を唱道し実行したのがジョン ブラウンである。  1859年10月、ブラウンはバージニア州ハーパーズフェリーで連邦政府の武器庫を襲撃する。武器庫を占拠し、解放黒人1人を含む7名を殺害、10名以上を負傷させた。ブラウンは武器庫の武器で奴隷達を武装させるつもりだったが、結局は失敗し捕縛される。バージニア州に対する反逆罪で、12月、絞首刑となる。これは16ヶ月後の南北戦争開戦の重要な原因の一つとなった。  ブラウンの公判中、ヴィクトル ユゴーは、当時亡命していたイギリス王室属領ガーンジーから、ブラウンに対する恩赦を得ようと試み、公開の手紙を送り、大西洋の両側で新聞に載った。その文章で、内戦の可能性を警告していた。
 ブラウンのような反乱指導者が再び現れることを恐れた南部の奴隷所有者は、老朽化した民兵制度を再構築した。これらの民兵は1861年までに基礎を固め、そのまま南軍として戦争に対する備えとなった。   南部においては、北部による「奴隷制度廃止論」は「人種差別」と「南部侵略の陰謀」を隠すためのカモフラージュに過ぎないという説が以前から広がっていた。これは奴隷たちによる反乱の意思を削ぐために広められた側面もあるが、人種間における格差も、習慣の違いも、制度上の不備も、それらに起因する対立も、事実として存在した。ブラウンの襲撃は、「北部には南部侵略の意思がある」という説にも信憑性を与えることとなり、南部民主党は、奴隷制度廃止論と密接な共和党の政策綱領が、ブラウンの襲撃を必然的にもたらしたと非難した。1860年11月の大統領選挙での、民主党の共和党への攻撃材料となり、共和党はブラウンの襲撃を非難し、その話題からできるだけ距離をとった。  リンカーンが当選し、12月には早くもサウスカロライナ州が合衆国からの脱退を宣言。翌1861年2月までに脱退を宣言した7州がアメリカ連合国を結成。3月4日、リンカーン大統領就任。4月12日、南軍が合衆国のサムター要塞を砲撃、戦端が開かれた。リンカーンは合衆国に残ったすべての州にサムター要塞奪回を呼び掛け、軍事的な協力を要請した。しかしこれは連合国への軍事対決を意味し、まだ合衆国に残っていた奴隷州を刺激した。5月までにさらに4州が合衆国を脱退し連合国に合流した。  南北戦争中、南部は、「奴隷解放は平和と再統一への障害となる」という説を広めた。  リンカーンは、憲法で制限されているため連邦政府には奴隷制を終わらせる権限がないことを理解していた。  南北戦争中、リンカーン大統領は「この戦争における私の至上の目的は、連邦を救うこと」だと繰り返した。
 1862年9月、リンカーン大統領は奴隷解放宣言を発した。  リンカーン大統領は、各州の状況をみながら妥協点を探り、時局を見誤らないようきわめて慎重に指揮を執った。前例のない政治的および軍事的危機に直面し、戦争指揮権を拡大、前例のない権限を使う最高司令官となっていた。「適切で必要な軍事的手段 」として奴隷解放宣言は発せられた。リンカーン大統領は、戦争の発生だけが大統領に合衆国内にすでに存在する奴隷を解放する憲法上の力を与えたと主張して、戦時立法として宣言に署名した。  リンカーン大統領のきわめて慎重な指揮は、「あいつらは差別者だ」と言って奴隷制存続を主張し、「社会が分断される」と言って合衆国を脱退し、「あいつらはテロリストだ」と言って砲撃を始めた連合国には大義がないことを明示することになった。連邦議会は国民的意思の後押しのもと、本来権限がないはずの奴隷制を禁じる法を成立させ、リンカーン大統領は議会に敬意を表してこれを承認した。公式に戦争を終結させるには、奴隷解放宣言を発するしかないという国民的な合意も出来上がっていた。それは奴隷制の廃止と連邦での市民権の確立に関するアメリカ合衆国憲法修正条項第13条および第14条制定の推進力にもなった。  リンカーン大統領の慎重さは、この戦争が国際紛争にならないようにするための奮闘でもあった。  南部の綿花のおもな購入先であり、北軍の海上封鎖を打破しうる海軍力をもっていたのはイギリスだった。アメリカ南部から綿花輸入の8割を頼っているイギリスにとっては南部との関係が断たれたのは大打撃だった。英首相のパーマストン子爵は合衆国に対し強硬姿勢を打ち出していた。1861年末のイギリスの南北戦争介入の危機はヴィクトリア女王夫妻が阻止に動き回避されたが、南北戦争が長期化の様相を呈する中で、再びイギリス政界に南北戦争介入の機運が高まり始めた。  リンカーン大統領の奴隷解放宣言は、奴隷貿易廃止に尽力してきたパーマストン子爵としても共感するところが多かった。イギリス世論も奴隷廃止を支持した。最終的にパーマストン子爵は1862年11月の閣議で南北戦争不介入の方針を改めて決定した。
 解けないはずのパズルを解くように、国家に巣食う内なる敵と戦い、アメリカの精神を世界に示したリンカーン大統領の手腕は、1865年の二期目就任後、南北戦争が実質的に終結した頃、支持者の一部から半ば神格化され始める。が、そのすぐ後に凶弾に倒れる。  1865年4月14日にリンカーン大統領を暗殺したジョン ウィルクス ブースは、 リンカーン大統領によって共和制が廃止され絶対君主制になると思い込み、自分の事をブルータスになぞらえていたとされる。
2023年6月 ミスティック コーズ オブ メモリー
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oni555 · 8 months ago
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討ち取ったぞーーー!!!!! やっぱりモンハンコラボだけはどうしてもアイコン欲しくて!!(普段は全く勝てないので取らない)
まじで頑張った!!!!自分用に装備とかメモメモ。
書いてて思ったけどかなり中途半端な編成だったw けどこれでも勝てるということがわかったので記録!!!
武器の育成も素材不足で全く進んでないけどなんとかなったぞ^^
ちなみに評価はSでした!
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全体はこんな感じ
マテリア厳選はできてないのでゴミ。
HPが頑張って一万超えられるくらいだったので、魔防バフ、魔攻デバフを意識!!!
SEMIで操作。基本操作は防御攻撃の切り替えとリミット技くらい。
●キャラクターストリーム ノーブルメモリー以外のところで、このレベルで解放されている範囲全部開けてます。(ティファ、ザックスは物理、エアリスは魔法優先なので開けてないところもあり) ●ハイウィンド 全然育ててないのでかなり低いw ティファ( 物攻+0.5%、物防+0.9% ) ザックス( 物攻+0.5%、アビ+0.8% ) エアリス( 魔攻+0.4%、治癒+0.8% )
武器の飾り箱 +6.4% 兵士の盾 +1.8%、アビ+2.5% 秘技の石板 +4.3% セトラの書物 +1.8%、アビ+2.6% 福音の鐘 +1.2%、アビ+1.3% マテリア玉座 +1.8% ウェアの飾り箱 物防+1.9%、魔防+1.2% ※実はレウス撃破後に強化してしまったものが3つくらいある・・・ので-0.1%くらいが正しい。
⚫︎ティファ ( 回復役兼物理アタッカー )
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メイン装備1:ザンガングローブ(☆11 Lv.110) メイン装備2:ライフガードハンド(☆9 Lv.90) サブ武器1:パンプキン砲(☆14 Lv.80) サブ武器2:聖火のグローブ(☆11 Lv.110) サブ武器3:シヴァブレイド(☆13 Lv.80) マテリア:サンダラブロウ、ルインラブロウ、ケアルラ
・回復役なのでとにかく絶対に生き残ることを優先。 ・サブ武器のシヴァブレイドで炎耐性とHPを上げる。 ・パンプキン砲で魔防と治癒力上げる。 ・聖火をもう少し防御、治癒寄りにしてもよかったけどめんどくさかったのと火力は残したかったのでこれで。 (ここまででサブの編成がかなり雑なことがわかる) ・ティファさん回復役にする時は必ずライフガードスタイル&ライフガードハンド ・ザンガングローブはステータスが群を抜いて高いので絶対メインウェポンに入る。魔法だろうが物理だろうが回復だろうがあんまり関係なく固定。 ・マテリアは正直なんでもいい。魔防と治癒がアップするもの優先できたらよかったけど、この時はオートで組まれたやつそのままにしてる。 ・3つ目のマテリアだけは全体ステータスが底上げされる「ケアルラ」に変更。(オートだとバイオエスナが選ばれてしまうので) ・ここまで治癒優先に組んでも結局物理アタッカーとしてのダメージは一万超えるしザンガンがまじで強すぎる。
⚫︎ザックス ( 物理アタッカー兼魔攻デバフ )
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メイン装備1:ジンオウブレード(☆7 Lv.110) メイン装備2:トゥインクルスター(☆8 Lv.80) サブ武器1:ディノソード(☆7 Lv.80) サブ武器2:サラマンダークロー(☆5 Lv.110) サブ武器3:サウザンドウェイブ(☆11 Lv.80) マテリア:ルインラブロウ、サンダラ、バイオエスナ
・物理アタッカーとしての役割をメインに、魔防upとHPupをつける。 ・今回のMVPは間違いなくトゥインクルスターの「デュエルオンスロート」(敵単体の魔法攻撃力を中ダウン) ・マテリアはまたしてもオートで勝手についたやつそのまま。 ・3つ目はバイオエスナのまま。 ・攻撃の手数優先なのでとにかくHPと魔防を上げる。
●エアリス( 魔法アタッカー兼回復役 )
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メイン装備1:サンアンブレラ(☆7 Lv.100) メイン装備2:ラムウロッド(☆11 Lv.100) サブ武器1:バハムートナックル(☆15 Lv.90) サブ武器2:ビーチパラソル(☆13 Lv.90) サブ武器3:バハムートレイピア(☆15 Lv.80) マテリア:ルインラブロウ、ルインラブロウ、ケアルラ
・こちらも生存優先で魔防とHP底上げ。 ・バハムート武器は優秀だなぁ!!! ・マテリア3つ目はケアルラに変更、あとはオート編成のまま。 ・ティファさんの回復が間に合わない場合に癒しの風要員
今思えばナナキでもよかったかもしれないと思うほど雑な構成。 サンアンブレラのアビリティが強くて乱用してたけど、魔攻ダウン系を優先してもよかったかもしれない・・・。 でもサンアンブレラのおかげでデータ破壊までが早く進んだと思えばまぁいいか。 武器代わりのやつ候補 ・ミスリスロッドのセービンググレイス(全体魔防小バフ) ・チョコボステッキのマバリアソリッド・改(単体魔防中バフ) ・ガードロッドのマバリアストロング(単体魔防中バフ+回復) ・フェアリーテイルのAケアルガ
●戦闘中
これといった戦略もないですがメモ。
・SEMIで攻撃と防御の切り替え、リミット技発動のみ操作。 ・デュエルオンスロートはSEMIでも優先して打ってくれるので、レウスの地走り炎ブレスの前に発動できるよう攻撃に切り替えておけばOK ・地走り炎ブレスのあとにリップルエイドかけられるように防御を調整 ・噛みつきと尻尾ぶん回しは物理よな?ダメージでかくないから素で受ける(防御に切り替えない) ・連続炎ブレスには防御で耐える ・基本的にHPは半分以上を維持。リップルエイドとエアリスのケアルラがあればなんとかなる。 ・防御にしておくとザックスはすることがなくなってゲージが満タンになるので、攻撃にした瞬間高確率でデュエルオンスロートを打ってくれるところもありがたい! ・後半のブレス連打にはリミット技でキャンセルしつつHP満タンを保てるようにする。 ・ライトニングエッジと水面蹴りがめちゃくちゃダメージ入るので気付いたら相手のHPがミリになってる。 ・HP半分以上は守りつつ多少ごり押し気味に攻めたら勝てた。やはり物理こそ正義。
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