pkg(pokegi: Pokemon Personification) Illust & setting (Color/Monochrome) Twitter→@StormFrozen (Japanese)
Don't wanna be here? Send us removal request.
Text
End of the Age
そして、次の日の朝。[Aile]の王達が集まると、何も変わらない朝の会議を始める。
ふぁ〜…。 眠たいね。 ウバーデゴスさん、そう言えば警戒しろって言ってたね。大怪我してたみたいだけど…。 でも本当なの?イヴ。 警戒した方がいいみたい。ジニィも気をつけてね。
会議前に今回の騒動を起こした敵である、「Domino 7s」と「Balaeda Kongdi」についてそんな話をしていると、豊穣神が慌ててやって来た。
集まっているか、全ての王達よ。緊急事態だ! え?豊穣神様? 何が? ここまでとは珍しい…ま、まさか!
話す前から嫌な予感がする。そう思っていると、豊穣神が真剣に話した。
つい先程…いや、朝か。神界の下位なる世界…もとい、I.A.本部・ジャルダン、そして18の世界と4つの世界(天界・常界・地界・魔界)全ての時間が止まってしまった………!! と、止まった!? な、何故5つの世界が………。 いや、厳密には………。こう言うべきか?「或るべき時間を奪われた」。 そ、そんな…っ!
事態は彼ら、彼女らが思っていた以上に悪化していたのだった。あまりのヤバさに、豊穣神が『テン・ジュエルズ』とモニター越しでの会話と会議を始めた。
聞こえるか。[Aile]の諸君。私は『時間』を司るNo.03の神…グリニッジだ。今回、私達の神界も残念ながら影響を受けてしまった…。状況を打破するべく私は先駆けて時を動かそうと何とか躍起にはなったが、あろう事か『テン・ジュエルズ』の神達すら干渉が不可能な高次のパワーが働いている様で、時間を歪める『時の咆哮』すらも全く通用しなかった…。その間もワールドゲイザーやネクストゲイザーも問答無用で敵に倒された様で、アルカディアはエルアルミナにすんでの所でメッセージを送り、[Aile]で一夜を過ごしていた彼女が私達『テン・ジュエルズ』に伝えたのだ。 あ、あの。それならば…何故私達『王』は無事なのですか? 中位なる世界の[Aile]からは私達が時を動かしているからまだ問題無いとはいえ、事態は一刻を争う。今いるのは…
この干渉を受けなかったのは、[Aile]の王達とテン・ジュエルズ以外だとエルアルミナと以前の任務で[Aile]に匿われていた夏空神・冬空神、予定されていた任務で別行動をしていたブリオッシュ、雨見、黒飴、護衛で[Aile]から呼ばれていた蒼剣神・紅盾神・無限神、そしてアルゼリアン、高濃度のテラスタル結晶から危機を予知しテン・ジュエルズに来ていたエルヴァスとエルスハウト(翼の王)だけである。
…それだけの様だな。 一応、他にも別世界の方で誰かと戦っていたものもいた様だが… そう言えばペルピーニャさんは? あー、あいつか。そう言えば彼を連れて来ていたぞ。 彼って? アルゼリアンさんが言っていた、アーシアの遠い親戚だ。 え? キタカミの方で、何か危険な企みを聞いてきたのだろうな。
何はともあれ、今はもう時間が無い。王達と残された神達は異世界の方へ向かい、事件の真相を突き止めに行く事にした。
その通りです。 ペルピーニャさん!? 話はアルゼリアンから聞いたぞ。俺が去った後に…『Domino 7s』の奴らが調子に乗ってキタカミの里を滅ぼしているんだって? そうだ。 と言ったところで…一通り揃ったな? うん。 では行くぞ。これ以上好きにはさせん。
戦いに出向かう神達、王達。そして、マリナディアはジャンクションの人達に声を掛けた。
クラムに、この手紙をお願いできますか? え…?マリナディア様、今何と…
そう言った後、彼女は別行動を取り、直ぐに神達と行動を共にする事に。
では参りましょう。 「オーヴァーグロー」と「エーデルヴァイス」は私達やセブンスヘブンの4人と共に敵の本拠地へと向かう。「フェアボーテン」と「ジャンクション」は蒼剣神や紅盾神、夏空神、冬空神と共にクラムを救出してくれ。また、「アヴェック・スター」は無限神と行動を共にしてもらい、とある場所へ行ってもらう。いいな? はい…。
それは『一時代の終わり』か、それとも『新時代の始まり』か。不安を抱えながらも、神達と王達は異世界の先へ出向く。
0 notes
Text
消えた家族・姉弟の絆
豊穣神達が上層部会議を行った同時刻、グリッシーニとマリナディア、オーヴァーグローの3人はアローラにあるエーテルパラダイスに向かっていた。
仲良さそうですね、グリッシーニ様とマリナディア様は。 いえいえ、そんな事は…あ。 マリナ。 どうしたのですか、シーン。 あ、その。弟さん…クラムさんは何故、マリナが苦手なんだろう、って思って。 クラムが私を苦手としている理由、ですか。 それに関しては…
エレベーターのコンパネを触り、地下1階に降りる2人。そんな他愛無い話をしていると、エーテル財団職員が慌てて来た。
あの、もしかして、マリナディア様とグリッシーニ様では!? はい…どうかしましたか? 大変です!支部長のクラムさんが、何者かに襲われて拐われました…!! やっぱりそうなるか! 場所はわかりますか? いえ。クラムさんを襲った人物は、どこに繋がるのか分からないウルトラホールを介して逃げてしまったので…私にもさっぱりなんです。
モルドレット、ノアスィエルは他の情報を得る為、職員に質問する。
その、犯人の特徴とかありますか? 聞いた事のない組織の名前を名乗って、消えていったんです。確か、「Domino 7s」と名乗っていたと聞きましたが…。 何が目的だったんでしょうか? それは分かりません。ただ、その人物もかなりの手練の様で、抵抗したクラムさんを一方的に痛め付けていたんです。 ノアスィエル様、少し宜しいですか。 は、はい…マリナディア様? それについては、私とシーンを誘き寄せる罠を仕掛ける為にクラムを拐った可能性が高いでしょう。 罠…? あ。犯人の供述の中に、確か「姉より優れた弟を先に連れ去る」って言ってましたので、それもあるかもしれないです。 姉より優れた弟…ですか。
ふう、とため息を吐くマリナディア。そして、彼女は冷静に返す。
既に私も、シーンも別行動で疲れている以上、今行っては敵の掌の上で踊らされるだけになってしまうと思われます。 え。で、でも弟さんは…? いや、流石にまずい。マリナの言う通り、僕とマリナはまだ満足に回復していない。 2人の言う通りです。単独行動されては、豊穣神様に怒られますよ。
カミラティエがそう言った所で、逸る気持ちを抑えたモルドレットとノアスィエル。別の質問を、マリナディアにぶつけた。
もしマリナディア様が嫌であるなら語らなくて結構なんですが、弟さんとはどんな関係で…? …いえ。こうなっては仕方ありません。個別の部屋があるので彼方で話しましょう。
「タイプ:フル」についての資料が置かれている個室に5人は入り、そこで込み入った話をす���。
以前にも話したかもしれませんが、弟は、クラムは…私よりも優れていました。それは事実です。そんな弟が何故、エーテル財団の道を選んだのか。全ては私が関係しているのです。遠い昔、私がまだ紺色のショートヘアーだった時から、弟は頭角を表しました。その優れた、卓越した才能で私よりも先に進化を果たした程なので…それに比べて、私は力の制御が出来ませんでした。最後まで進化して、それでも尚クラムより力の制御が効かなかったのです。泡沫のアリアも、海神のシンフォニアも、弟は美しく、そして整うのに…私がやればいつもびしょ濡れになって、雨に打たれている訳でも水中に入ってもないのに気が付けば服は下着も含めてぐっしょりと濡れて…嫌になりました。
自虐を交えて話すマリナディア。しかし、それでも家族や姉弟の絆は最悪という程でも無かった。
でも、一番大きかったのは家族、特に両親が共に可愛がってくれた事です。父上はショックを受けていた私を天界の笛を使って神界に向かわせたり、母上は私の別の才能を上げようと必死になって褒めてくれました。弟に負けてはいられないと、私も努力していたそんなある日の事です。クラムは私に、勝負を挑んだんです。どちらが「海神のシンフォニア」を使い熟せるか…。前日に、やっとの思いで完成させたばかりの技を、姉弟で撃ち合いすると言うものでした。勝てる訳ない。私は内心、そう思いつつも全力でやらせて頂きました。 そ、それで…どちらが勝ったんですか?
カミラティエの質問に対して両手を見た後、マリナディアは答える。
普通に考えれば、クラムの方が強く、勝利する。ここまでの話を聞けばそう思っている人はいたと思います。しかし実は、この勝負に勝ったのは私なんです。そう、制御が効かない、不安定なはずの私が…。 な、何故? クラムの方が姉の私が相手だからと言って、手を抜いたのか?と聞かれると、「No」です。弟は戦いである以上、家族が相手でも決して手は抜かない…曲がりなりにも貴族なので、たとえ姉の私が相手だとしてもその矜持を持って真剣に立ち向かったのです。ただ、その結果が『姉に負けた』。水のバルーンを制御出来てしまったが故に、リミッターを自らに掛けてしまい、優秀さが仇となって…力加減を知らない私に負けた。でもあの戦いでも、私が撃った海神のシンフォニアは未完成でした。そして私は、ある決意をしたんです。
彼女はグリッシーニの方を向き、そう言った。それはつまり…
家族と離れ、アイドルを目指す事にしました。幼馴染のグリッシーニと一緒に。そして、努力の末にトップスターになった一方で、私の話を聞いたクラムも自身の道を歩く為、エーテル財団の職員に就職する事にしたのです。そんな弟も、今や支部長に就任している…全く、時の流れと言うものは怖いですね。 まあ、そうだね…。
沈黙する4人。そんな中でモルドレットが彼女に声をかける。
その…シアスティナは今いないんだが、彼女には話して良いのか? 勿論、構いません。と言っても、ここにいない…私達と同じ誓いを持つ人達に共有しますので問題なく。 あー、成程。
マリナディアが言う「同じ誓いを持つ人達」とは、王になったミルフィーユ、シャーベット、フェリンソワ、エオレンスタ、シアスティナ、アルフェニン、モルシージャの7人である。
戻りましょう。そして、体を休めてから戦いに行かなくてはなりません。 その…最後に一つだけ聞いても宜しいですか? はい…。 マリナディア様にとって、弟のクラムさんはどんな人ですか?
意外と答えられそうで答えにくいノアスィエルの質問。しかしながら、マリナディアは答える。
そうですね…一言で言えば「努力を惜しまない、愛する1人��弟」です。今考えれば私も、クラムも両親に恵まれたと思いますね。勝った方も、負けた方も互いに労いを頂き、褒められましたので…両親からしたら、何方も大事な子供達。そう思っていたからこそ私も、同じ様に接する事にしました。貴族の家系の跡継ぎは私になった訳なんですが、クラムはエーテル財団にすっかり慣れてしまって、今ではあまり家にも帰りませんし「海神のシンフォニア」も披露する機会が無くなってしまったのは残念ですが…それでも、全盛期と全く変わらない力加減を使えるそうです。それは私には最後まで出来なかった事です。あの…UB戦争まで………。
ふと、そう語りながら目を瞑っていたマリナディアの右目の桃色の瞳から涙が溢れ落ちた。彼女にとって、UB戦争は相当に残る深い傷だった様だ。
えっ…? …ごめんなさい、何でもありません。取り敢えず、今の所私が弟に抱いている想いはそれだけです。もう、行きましょう。 うん。戻らなきゃね…。
………
………
………
エーテル財団とアローラ地方を後にして、[Aile]本部に帰ってきた5人。そして、シアスティナがふにゃふにゃの状態でベンチに倒れ伏していた。
あれ?シアスティナ様…? あ!帰って来たんですね!私、得た神様のエネルギーを豊穣神様との模擬戦でぶつけていたんですけど、あの後疲れちゃって寝てたんですよー! あ、あはは…。それで、どんな感じなのかな? マリナディア様にグリッシーニ様!何か、こう…一度戦いの為に出力を上げると常にオーバーフロー状態になる、みたいなそんな状態でした。 僕やマリナと似ているね…。 あの、そう言えば豊穣神様はどちらに? あー、豊穣神様なら「翼の王」が来たから別部屋で『上層部会議』を行うって言ってましたよ。
それから10分して、豊穣神が他の神達と一緒に帰って来た。
豊穣神様! うむ、お疲れであろう。今日はゆっくり休め。体には出ていなくても、疲労はどこかで必ず訪れる。そして、明日に備えよ。 分かりました。 お休みなさい。
既に晩い時間。疲労を取る為、王達も神達も眠りに就く。そして、その次の日………[Aile]はとんでもない光景を目の当たりにする事になる………。
0 notes
Text

リベティーナ(★Hisuian Zoroark♀): Swimsuit Style
0 notes
Text
蠢く野望
カントーの北の方に位置すると言われるキタカミの里。近年起きた大震災でほぼ全てが荒地と化し、スイリョクタウンの住民が避難を余儀なくされた為、消滅集落となっていた。そこに止めと言わんばかりの厄災が大昔同様にこの地に再び降り注いだ為か、あえなく廃村となった。そんな殺風景も良い所な場所に来るのはと言うと………。
ああ、全員揃った様だな。今回来てもらったのは他でも無い。これより「Domino 7s」と「Balaeda Kongdi」による合同会議を行う。 はっ、アレクシード様!
3体の獣と、5体の蠢く影。緑の犬と、青い猿と、黄色の雉が3体の獣の方で、5体の蠢く影の方は…木簡を飾りにしている黄色い髪の男性は桜のタトゥーを体に付けている。勾玉を飾りにしているのは水色の髪の毛の女性で、光のタトゥーが入れられていた。器の様な帽子を被っている赤い髪の男性は紅葉のタトゥーを入れている。折れた剣を武器にしているのは桃色の髪の女性で、雪の結晶のタトゥーが体にあった。それぞれ季節の「春」「夏」「秋」「冬」を意味しているが、唯一残りの1体はそれに当てはまらない。そして、その最後の1体はと言うと………。
待たせた! おぉ、来たかい。さて、会議始めんぞ!
その最後の1体は、中性的な見た目の人間であり、蠢く影達の残滓とも言うべき姿をしている。こいつを含め、「Domino 7s」は結成されていると言う事だろう。
さて…今回集まったのは我々がこれから「世界再構築計画」を始めようと一念発起し、それを伝える為だ。まずはその内容を話そう。大まかに分けて3つある。
アレクシードは緑の犬と、青い猿と、黄色の雉にそれぞれ、掛け軸の様なものを渡した。
ひとつ。「世界の停止・滅亡」だ。我が力を使い、異世界全ての時間を強制的に停止させ、その間に「Domino 7s」による災厄で世界を滅ぼす。行く行く神を滅ぼした暁には我らが支配する。
緑の犬が掛け軸を下す。
ふたつ。「生物の恐怖・絶滅」だ。『Balaeda Kongdi』に頼む仕事だが、異世界の生物の色を奪って来い。あらゆる生物に恐怖症を植え付け、色と自由を奪い苦しませながら死なせろ。
青い猿が掛け軸を下す。
みっつ。「最凶の育成・征服」だ。特別な強さを持つであろう人材が、[Aile]に集まっているとの噂を彼(黄色の雉)から聞いた。その中でも天界や地界に在籍していながら王の座にいる者や元々の精鋭部隊の集まり『アヴェック・スター』などは特に警戒しろ。『UB』の力を借り、確実に狙え。そして彼らのデータをもとに、最凶の生体兵器は生まれると言うわけだ。いいな?
黄色の雉が掛け軸を下す。
さ・ら・に・だ! それを全て完遂した時…よっつ。「全世界の掌握・再構築」は我らの手によって、完遂する。さあ、共に新たな未来を目指そうか。
高らかに掲げた野望は、彼らの新たな未来を目指す為に。果たして生き残るのは彼らなのか、それとも………?
………。
遂に、遂に来たね。『Aeterna Innocentia』…今回で、滅ぼしてやる。ふふっ、ふふふ………! …なんかやけに楽しそうだな、ウルージュ。 うん。だってそうでしょ?あたしの大事な人を奪ったんだから。復讐の機会が来るのよ!あんたも協力する? …まあ、程々にな。俺は俺で、話したい奴がいるから。 ふーん…あっそ。 さて…「あの時」の続きと行こうじゃねーか。
会議が終わり、『Domino 7s』はアレクシードと共に残っていた。ルドラ、ブラーマ、ケルト、カルキス、グリエル、ランバー、メルカ、そしてターナー。8人は追加で、今回の作戦について会議する。
まずは、お邪魔していた各地方について報告してもらおう。まずはルドラから。 あー…はい。俺は以前俺達に敵対したと言われる、仮面の女性を追ってました。アローラでバカンスしていた所を目撃したとは聞きましたが、それ以降は行方を晦ましているそうです。 他に誰かいたか? 緑の髪の女と話をしていたと聞きました。彼女はI.A.のマークを付けていたので恐らく神界の関係者だと思われます。 ほう、良いね、良い情報だ。 ありがたき幸せです。
与えられた情報。これは、ハノハノリゾートのホテルで客として宿泊していた[Balaeda Kongdi]の構成員からの話によるものである。
続いて、ブラーマ。 はい。俺は各地を転々とする『蒼のリヴァイアサン』と『紅のサラマンダー』を探していた所、『蒼のリヴァイアサン』をカロスのミアレシティで、『紅のサラマンダー』をパルデアの方で目撃した…との記録があります。 ほうほう。 どちらも[Balaeda Kongdi]の「鉄の毒蛾」が『紅のサラマンダー』を撃退し、「鉄の腕」が『蒼のリヴァイアサン』を撃退した…しかし、どうやら直後に子供の姿にまで弱体化してから逃げ仰られ、I.A.の関係者に見つかって壊滅した模様です。 あー…失敗したか。で?その…I.A.の関係者については何か分かるか? 18の世界の神とI.A.を護っている庭の存在から恐らく『ジャルダン』では無いと推測します。
それを聞き、アレクシードは何かを思い出す。
ほー…となると、前の戦争でグゥエルの野望を潰した[Aile]辺りか?まあ気にはなるが…次にケルト。教えてくれ。 はーい。僕は…以前このキタカミの里になる前、違う名前で呼ばれていた時代のこの土地に崇められていた神様を見ちゃったよ。 ほう? 最初は疑ったよ。「いやいや、まさかそんな…資料や伝説の神話とか、その程度でしか見た事の無い様な神様がいる訳が…」ってね。でもね、捨てられた島…ユジン島から飛んでる所を遠くで見てたら、確信に変わった。資料で見た通りに、剣や盾を持ってて、翼と武器を目印に大三角が光るもんだからこれはやばい、ってね。剣を持ってた方が、イッシュに来てて、盾を持ってた方が、オーレにいたよ。 ふふん。そうなるか。
興味深い話を聞き、次は5人の方に話を向けた。
次はカルキス、グリエル、ランバー、メルカ、ターナー。聞いて良いか? 勿論です。 うん! うちらなんかで良ければ。 ええ…。
桜のタトゥーがある男性、カルキス。光のタトゥーがある女性、グリエル。紅葉のタトゥーがある男性、ランバー。雪のタトゥーがある女性、メルカ。そして、蠢く影達の残滓…色のある楔のタトゥーを持つターナー以外の4人がそう答える。
ターナー、お前はどうなんだ? …このわしからお一つ、良いですか? ああ。 彼らに代わって、報告をさせてもらえないですか。実はとんでも無い事が起きまして…。 何だ。教えろ。
若そうな見た目に反して、意外にもターナーの一人称が「わし」なのはさておき、アレクシードに許可を得て報告を始めた。
実は…アローラの祠と、パルデアの祠にエネルギーを手にした不届者が最近出ました。 な、何だと…!? いわば、祀られているあれはわしらと分離した残滓なのですが…それでも取りにこようとしていたのがいました。こいつらです。
ターナーは自身のサイコパワーを使い、映像を見せた。そして、映っていたのはと言うと…
…?何だ、子供か? 全て回ることが叶わない故に祠の内部しか映せなかったのですが、音声と映像の一部が映っています。この通り…。
その内容。それは、どれも幼い姿で映っていた。銀色のショートヘアの男の子、紺色のショートヘアの女の子、そして青緑のショートヘアの女の子。そしてその3人は、何故か服を着ていない。
話の内容から、それぞれ『グリッシーニ』、『マリナディア』、『シアスティナ』の3人と推測出来ます。 んん…?シアスティナとか言う奴はとにかく、何故アイドルがそんな所なんかに来ている? あの、ご存知なのですか? ああ。天界だけではない…他の世界でも有名な奴らだよ。2人は[Aeterna Innocentia]…と名乗ってるがな。そのアイドルが何故、祠を巡礼しに行ったのか…と聞いている。 分かりませんが…わしの推測ですが、何か惹かれるエネルギーという物を感じたのでしょう。前の大戦…ラグナロク戦争でも相当な強さを持っていたので、彼も、彼女も…警戒すべき相手と認識します。 そうだな。 あの…一ついいですか?他の人は…
おどおどしながら、メルカは手を挙げて話す。他の3人に話す内容があるかどうかを確認し、首を横に振るジェスチャーから、ない事を確認してアレクシードに話した。
実は私…感じました。あの、強い強い2人のエネルギーを! なるほど。今は? …感じません。ただ、あの2人がある儀式をしていた時に、幼い2人の増幅された力が湧き上がってくる感覚があったんです…。 体に異変はあるか? 平気です。 そうか。では最後に、任務を与えよう。まずは1つ!カルキス、グリエル、ランバー、メルカの4人はアローラにいるエーテル財団支部長にして、クラムを捕えろ! 他の者は、侵入者に備え準備せよ。 以上で合同会議を終了する。一同解散!
0 notes
Text
狙われた偶像
『オーヴァーグロー』に所属し、行動を共にするシアスティナとの話をしたかったグリッシーニとマリナディアだったが、彼女自身がその集団での行動が忙しい様で、急遽2人で豊穣神と話し合う事に。
ふーむ…今のところ体に違和感は? ありません。 私も異常は見当たりません。 神の力に、上乗せのエネルギーか。実に恐ろしいな。少しその力を見せてもらってもいいか? 良いですが…かなり危険ですよ? ああ、それなら気にするな。豊穣神とも呼ばれているのでな…私は簡単にはやられん。では始めるぞ。
儀式を終えたグリッシーニとマリナディアの2人。その強さを確認するべく、豊穣神は外のバトルフィールドへ出た。
…準備完了だ。来るといい。 では…参ります。
物は試しと火を放つグリッシーニ。だが、それは彼の想定を大幅に超えていたのだった。紅に燃えて湧くエネルギーは、周囲の空気を熱で満たし、彼の半径数メートルに立っているだけで膝をつきそうな程のパワーを持っていた。
この威力…異常ですね。
しかし、にも関わらずマリナディアと豊穣神は全く動じない。やはり強敵が相手では、それに対抗し得る強さを持つと言う事の証左であろう。彼��頭上に昇る猛烈な日差しがフィールドを照らし、グリッシーニからは闇のオーラが放出されている。
最初はこの技を。
彼は体を高速回転させ、漆黒の竜巻を起こす。豊穣神が動かずに立ち止まる中、そのまま回転体当たりを当てた。
うっ!効いたなぁ…。 …?何故避けないのですか? ああ、別に問題無い。私には未来予知する力がある。今のもそれを使った上で、どう避けるかは見えていたから可能だった。しかしただ避けるだけではそなたの得た強さと言うものが分からない。だからこそ…敢えて受けている、これでもラグナロク戦争の前に起きた数多の歴戦も潜り抜けたからな。傷を負う事に恐怖はない。もっと来たまえ。
全身に傷薬を撒き、再び技を受ける準備をした豊穣神。限られた一族しか使えない、最強の火が迸る。そして、グリッシーニはそれを思いっきり放出した。
ぐはっ…! ふぅ…。
その爆発の火炎の一撃に、仰け反る豊穣神。あまりのダメージに立つのも難しい。グリッシーニは攻撃を止めて、エネルギーの放出をストップする。
あの、お怪我の程は…? 随分と容赦無い一撃だな。少しだけ、治療する時間が欲しい。 次は…マリナディア様が行きますが、豊穣神様は宜しいですか。 構わない。 分かりました。私も全力で、それに応えます。
息を吸い込み、水を放つマリナディア。しかしやはりこれも、彼女の想定を大幅に上回っていた。蒼に流れて落ちるエネルギーが、空気を霞で湿らせ、彼女の近くにいるだけで冷え切って動けなくなる程の強いパワーを持っていた。
異常な…エネルギーを感じます。
勿論、グリッシーニと豊穣神の前では影響は無い。特に相性が悪いはずなのにも関わらず、グリッシーニに至っては気圧されてすら無い。彼女のエネルギーの影響が関係しているのか豪雨が降り注ぎ、フィールドをしっとりと濡らす。マリナディアは光のオーラを放出した。
行きます。
その光のオーラから彼女が撃ったのは、月の神秘的なエネルギーだった。さっきのグリッシーニの攻撃よりは相性が悪い訳では無いのだ��、そのエネルギーの強さに押されて豊穣神はダメージを受ける。
ふむ…。強いな。 …やはり、避けないのですね。効いてはいるのですか? 勿論だ。まさかここまで、私が苦戦するとはな。水の方はどうだろうか?そのまま、撃ってみて欲しい。 は、はい。
豊穣神に言われるがまま、マリナディアは限られた一族しか使えない、最強の水を収束させる。そして、彼女はそれをキャノン砲として発射した。
うわああぁぁっ!!
その余りの水圧の強さに、びしょ濡れになる豊穣神。マリナディアは思わずエネルギーの放出をストップし、気絶してしまった彼女の元へ駆け寄った。
うう…流石だな。 申し訳ありません、私は元より、戦いになると力加減が出来ないもので…。 ふむ、それでか。弟君が「海神のシンフォニア」を使うのに選ばれた理由というのは。 え…?クラムの事を知っているのですか? ああ、聞いているよ。マリナディアが、初めて神界に来た頃のあの時にね。 私が…初めて来た時…あ!
ぐっしょりと濡れた服を脱ぎ、外干しで乾燥させながら豊穣神は語った。
確か…マリナディアは弟君よりその力を制御出来ないと、天界の笛を持っていた父親から聞いたよ。 父上から…? グリッシーニは聞いていたか? その件については存じていました。ですが、「海神のシンフォニア」の件については、僕もマリナディア様が使う所は一度見ただけなので…。あの「一度きり」に、相応な苦労をして来たと言うのは聞きました。 はい。グリッシーニ様に話すのもかなり気を遣いました。合間に1人で何度練習して、何度心が折れた事か…。 成程。その一度きりと言うのはいつ成功した物だ? UB戦争を起こした黒幕である組織『ビジオ』の首魁に、ほぼ瀕死の状態で使ったあの時です。代償として、一度全てのエネルギーを失いましたが…。
息も絶え絶えの状態で撃った「海神のシンフォニア」を思い出すマリナディア。確かにあの時、彼女が作り上げた水のバルーンは弟のそれよりも遥かに大きく、強い物であったのだが、何故こんな切り札に近い物を封印していたのか。それは彼女のエネルギーを制御する能力が弟より低く、最悪使った全力のエネルギーが自らに返って来て命を落とす可能性すらあったからであり、UB戦争の際に使ったのは今際に近かった時まで使わないと決めていたからである。そして、その時が最終決戦の際に訪れ、普段力の制御が不安定なはずの彼女がぶっつけ本番、それも一度きりで成功して成し遂げたと言うのだからとても恐ろしい。だが、それとは別にまた1つ新たな疑問が。
そうだったのか…。 そう言えば、マリナディア様って弟君と…その、模擬戦をした事は…? 何度かありますが全て、私が勝ってきました。 えっ…!
意外や意外、弟のクラムと何度か模擬戦をしているにも関わらず、全て姉のマリナディアが勝っていると言う事実。海神のシンフォニアを普段使いで使えるにも関わらず、何故クラムは彼女に勝った事が無いのか。
実は、クラムはエネルギーの制御が上手い一方で、リミッターをかけてしまうのです。何度か練習して、一度と言わず二度までも本気を私にぶつけて、海神のシンフォニアを使っても尚私に勝てなかった。それがトラウマになったのか、私がグリッシーニ様と共にアイドルになってからは一度も勝負を仕掛けてきませんでした。 それが…いつの話だ? 16の時なので…15年程前の話ですね。
右手を見ながら、下を向くマリナディア。そして、目を瞑り彼女は続ける。
でも私は…持っていたエネルギーの全てを失い、車椅子に運ばれていた私を再び蘇らせてくれたのが…カロスにいた世界の神様と、『テン・ジュエルズ』の神様です。お陰様で、一番の懸念だった『不安定な力の制御』を解消してもらいましたので。 とりあえず、2人に聞こう。王に選ばれたのは大変かもしれないが、正直な所はどうだ? それは、僕は全くは思いませんが……… 只今帰還しました! まずいな。一度着替える。
既に乾いていた服を着直し、豊穣神は帰還した王達に会う。帰ってきたのは『オーヴァーグロー』のモルドレット、カミラティエ、ノアスィエル、シアスティナの4人。彼女達はそれぞれ話を始めた。
後で…お手合わせ願えませんか? ああ、良いだろう。シアスティナもだったな。だが…少し待て。 グリッシーニ様、マリナディア様。良い所に。 は、はい…? 何でしょう? 実はだな…マリナディア様。つい先程、貴方の弟君が、何者かに狙われた。 なっ…!! 何でも、カミラティエによればエーテルパラダイスに来た不審な人物は『彼に似た例のアイドルを探している』との事の様で………。 職員は対応したのですか? はい、勿論対応に駆けつけましたが…あっという間に気絶させられたとの事です。 一度…エーテルパラダイスに行ってみますか?
勿論、此処で行かずに保守的な自衛をする事は可能ではあるがそれではクラムの命は無い。だが自分達が狙われている以上、次に襲われるかもしれない…と言う不安がある。それでも、全ては愛する家族の為、2人は向かう。
行きましょう。癪に障りますが………。 珍しいですね。マリナディア様がそんな事を仰るとは。 事実だからね。うん、行こう。
次の標的に狙われたアイドル。果たして一体、クラムを狙う人物とは誰なのか………。そんな陰謀を探るべく、グリッシーニとマリナディア、そして『オーヴァーグロー』の4人?はアローラに出発する。
…アローラに参りましょう。 くれぐれも…敵に警戒する様に、な。 かしこまりました。確と受け止めます。 おっと待て。 はい…? シアスティナ。そなたは居残りだ。 な、何でですか!?…あ…。そう言えば…。 私につい先程、お手合わせ願えないかと付き合ってもらおうとしていたのではないのか。 い、言いました…。 では始めるぞ。
あまりのシリアスな展開に、思わず自身で言った事を忘れかけていたシアスティナ。渋々ながらも彼女は豊穣神にその新たなエネルギーを振るう事にした。その為に居残りになった事はとにかくとして。
0 notes
Text
上層部会議
『フェアボーテン』と『ジャンクション』の尽力もあり、弱っていた所を保護された紅のサラマンダーと蒼のリヴァイアサン。そして『ジャンクション』はエリアゼロから帰還するその道中に、エルスハウトと出会っていた。
ほう。翼の王と出会った、とな? はい。I.A.に帰還する道中、出会いました。 あの人、私達がI.A.に帰還するって聞いた後、『俺は下にいる奴に用があるから。豊穣神様に伝えておけ』って言ってきたの。 ふむ。奴は私に何を伝えて欲しかったのだ? 『後でエルヴァスを連れてそちらに行く』との事だそうです。 いいだろう。
後で来ると言うエルスハウトの話を聞き、紅のサラマンダーと蒼のリヴァイアサンに豊穣神は話を聞いた。
此処に来るまでに非常に大変な思いをしてきたのだな。今から私は上層部会議を開き、そなたらの話を存分に聞くとしよう。それでも良いか? は、はい。少しだけの間なら… 今は2人共疲労があると察する、しばし休め。 分かりました。御気遣い感謝します…
2人が治療を受けていると、翼の王…もとい、エルスハウトが帰還した。
じゃあ、また後でね。 ああ!
エレベーターで上位なる世界の『テン・ジュエルズ』に行くエルヴァスを送り、エルスハウトは[Aile]本部に向かった。尚、彼はI.A.に来る前に『テン・ジュエルズ』を継いだキャンベラに予め伝え、そこで彼女が他の11人に伝えたので『テン・ジュエルズ』側は既に、彼が来る事を事前に知っていると言う事になる。
やあ、豊穣神様。 うむ、来たな。では始めるぞ。私達は今から神達との上層部会議を行う。他の王たちは、暫し体を休めよ。 分かりました。
豊穣神が神達を招集した別部屋、大きな円卓の会議室。召集された神達は、蒼剣神・紅盾神・無限神・夏空神・冬空神・火精神・水雹神、そしてエルスハウトとアルゼリアン。
あー………。随分と物々しい雰囲気だな。 あの、私は何故呼ばれたのですか?神様でも無いのに…。 アルゼリアン。君を今回呼んだのは他でもない。『キタカミの里』について、重要参考人として来てもらったのだ。話せる内容はあるか? あ、ありますけど…本当に良いんですか。 うむ。今回の件は、特に緊急となる会議だ。 分かりました…。
今回起きた騒動は、Domino 7sとBalaeda:Kongdiが会議していたと言う、キタカミの里に関する物の様だ。
夏空神と冬空神、2人にお聞きしたい。以前この地に棲んでいて、崇められていたと聞いたが…アルゼリアンと会った事はあるか? はい。その頃は、私達のいる遺跡の祭壇に手を合わせていた事は知っています。 あの地が「カントー」に倣って、「トーホク」と呼ばれていた時代ですね。懐かしいものです。 では、その「トーホク」が厄災により消滅し、復興して「キタカミ」と呼ばれた今、その彼女が「鬼」と呼ばれていた事は知っていたか? いえ…最近来ていなかったもので…知りませんでした。彼女は当時、仮面を持っていなかったのですが非常に強かったとお聞きしています。 自分も、ユジン島から来る際に、この地の呼称が「キタカミの里」に変わっていたのを知ったのも、このI.A.に連れられてからなんで………。 情報提供に感謝する。続けて、アルゼリアンにお聞きしよう。2人の会話に、事実との相違は無いな? …はい。概ね事実です。
以前聞いた話なのだが、今回の事件に関与する為改めて他の神達と一緒に共有の場を設け、会議を開いたのだった。続けて、豊穣神は蒼剣神・紅盾神・無限神に話を聞く。
では2人に聞こう。互いの剣を受けて、互いの盾で受けて、感想をお聞きしたい。そして、無限神も夏空神と冬空神の強さをどう感じたか教えて欲しい。 どう感じたか、ですか………。
蒼剣神は着ている服を見て、複雑な顔をする。それを見た無限神は彼女の肩を叩く。
私から先でよろしいですか? はい、どうぞ。 氷雪の剣と言っても差し支えない、非常に鋭い切れ味を持つと存じます。私が戦った感想としては、氷に勝る鋼の剣…それを持つ私の巨獣斬を防がれたのと、他にも豊穣神様に似た氷の槍の如き攻撃。そして何より、私が追い詰められたのが何よりの証拠です。 ふむ、続いて紅盾神に聞こう。どうだった? 自身が戦った感想としては、とても…面倒な相手でした。妖精の盾…相手から攻め入るのを非常に困難にしています。何せ、倍にして返すだけでなく、その受けた傷を回復させる程の物なので…戦いを通して、自分とはまた違う防御の在り方を見せ付けられました。
相手に気を遣い、起きた事は話さない2人。そして無限神は、それを何となくだが察していた。
私からも宜しいですか。 うむ。どちらにせよそなたの意見を聞きたかったから丁度良い。 恐らくですが、比較的相性が良く有利を取れる2人ですらこれなので、私が真正面から正々堂々と夏空神や冬空神と戦ったら負けると思います。 ほう。その根拠はあるのか? 夏空神だと、彼女と戦ったと言う彼の話を聞く限りでは、私の戦い方だと回復出来なくなるか、有効打が入らずにジリ貧になると予想します。冬空神だと、仮にムゲンダイマックスを使ったとしても私の耐久では間違い無く倒されると思います、彼と戦った彼女の様に………。
淡々と答えた無限神。そんな彼女の根底には、恐ろしい強さを秘めているながらも手放しに称賛する考えがあった。何せ、彼女は眠っている所を1000年間のエネルギーを渇望した何者かに無理矢理に目覚めさせられ、オーバーロードした状態で蒼剣神・紅盾神と戦い、鎮められた過去を持っていたのである。そんな2人が持つ強さを、目の当たりにした彼女は手放しで讃えていた。以前に、圧倒的な強さを持った自身と冠の雪原で相見えた嘗ての豊穣神と同じ様に。そして、その2人に夏空神と冬空神が共に互角以上に立ち向かえると言う事は、即ち互いに近い強さを持つ存在であると認識したからであろう。
意見を有難う。そして、最後は紅のサラマンダー…「火精神」・蒼のリヴァイアサン…「水雹神」の2人に話を聞こう。そして、2人に会った古代神、エルスハウトにも聞いて良いか? ああ、勿論。 一体、何故怪我をしていたのか共有したいのだが…もし未だ心が追いつかないと言うのであれば。 い、いえ!話せますよ。 こちらもだ。 では、少し話して貰う。
少し咳払いをした火精神、水雹神。そして、2人は静かに話し始めた。
他の地方を色々と周回していたら、エリアゼロに辿り着いたんです。でも、私はそこで赤い羽根を持つ蝶もしくは蛾のロボットの生物にやられました。そこで必死になって………。
赤いエネルギーの生物が分離し、火精神が女の子の姿に変化した。
こ、こんなふうに。「かりそめ」のおんなのこのすがたで、ずっとこっそりかくれてました。そのあと、わたしをほごしてくれたひとたちのおかげでことなきをえましたが………。
そう話すと赤いエネルギーの生物を戻し、姿を女性の姿に変える。そして、その話を聞いた古代神が何かを話した。
蛾のロボットの生物…「鉄の毒蛾」だな。 えっ?どんな生物なんですか? 話は俺のいるパルデアで聞いている。『月刊オーカルチャー』8月号で、UFOに似た扱いを受けている。名前の割に虫の生態が失われた様で、名前の通り毒は使うが正式に言えば『太陽の蛾の生物に似た未来の生物』と言った方が近いな。背面に「637」とデジタル数字が書かれている。確かに火精神となれば、相性が最悪なのも分からんでも無いな。 そうだったんですか…教えて頂き有難うございます。
そして、パラドックスの生物に襲われたのは水雹神も同じだった。
実は、僕も同じ様な生物?と言って良いんでしょうか。とある生物を目の当たりにしました。 ほう?そちらは誰に? 機械の姿をしたお相撲さんのロボットでした。非常に手強くて、その………
青いエネルギーの生物を分離させ、水雹神が男の子の姿に変わった。
ぼくも、こうやっておとこのこのすがたになってにげていました。いわゆる「かりそめ」のすがたなんです。そうやってやすんでたら、なにかまたちかづいてくるんじゃないかとおもって………
そう話した後、青いエネルギーの生物を戻し、元の男性の姿に変わった。その話を聞き、古代神は一つ理解した。
成程、君が言うには…「鉄の腕」と対峙したのだな? て、鉄の腕…?そんな名前なんですか? ああ。だが奴の生態に関する記述がなされている『月刊オーカルチャー』5月号でも仮称なのか本当にそう呼ばれているのかは不明だが、どうやら同名の物体が存在し、そのまま採用・命名されている。一部では瀕死の重傷を負ったアスリートがこの姿に改造されたと言われているが、何故お相撲さんに似た姿だったのかは謎に包まれているとの事だ。 うーん…確か、僕が戦った限りでは格闘技と電撃を使っていたと聞いてますが、合ってます? その通りだ。格闘戦主体で電気をメインで使える奴は珍しいからな。腰の発光部にデジタル数字で「297」…つまりこいつはもしかしたら、そのアスリートと言うのが、力士だったのかもしれない。本当に君の言う、お相撲さんの生物が未来の姿で機械化して、エリアゼロを抜けてパルデアを抜け、隣国のカロスに迷い込んでしまったのだろう。
予想外の襲撃に、表情が曇る2人。そんな時、無限神が古代神に質問する。
その…「パラドックスの生物」って、他にもいるのですか? ああ、いる。2人が接敵したのは機械化した「未来の姿」だが、原始的な姿の「古代の姿」も存在するのだ。俺もその1人で、「翼の王」と呼ばれていた。特徴としては、現代の生物と思しき「通し番号」が記載されている。
履いているズボンの裾を見せた古代神。漢数字で「玖陸漆」と書かれており、これが元の生物の通し番号と言われている様だ。
でも、何故漢数字なんですかね?それも、普段会計でしか使わない様な… そして、古代の姿は通し番号を「漢数字」で、未来の姿は通し番号を「デジタル数字」で記載されている。何故難しい方が使われているのかは俺にも分からない。但し、本来の表記なら「967」は「玖百陸拾漆」となるはずだが、そうでは無い以上、明確に表記してない辺りただの通し番号でしかないのだろう。では…ひとつ。俺が出会った「古代の姿」を1人紹介しよう。 誰がいるんだ…? さあ………。
こいつだ。翼竜のゴーストとも呼ばれているが、不思議にも竜の力を持たない精霊の扱いとなっている。立て髪を靡かせながら飛行する精霊と言う事か、「羽撃く髪」と命名された。通し番号は裾の赤いところに記載されていて、「弐零零」と書かれている様だ。そう…「弐百」じゃなくて、0は零で記載している。これらの事から、通し番号は番号ではなくただの数字の羅列でしか無い、という事が窺える。俺からは以上だ。
説明を一通り終え、古代神は豊穣神に話を返した。
ふむ。説明に感謝する。他に何も無ければ以上で会議を終了するが、宜しいな?
首を振る神達。そして、豊穣神は高らかに宣言する。
以上で上層部会議を終了する!そして最後に1つ。今日はこの[Aile]本部で体を休め、明日に備えよ。一同解散!
ベッドルームを借りる事になった神達。そして王達も、明日に備えて就寝する。しかしそれが、その「明日」が、新たな戦いの引き金を引く1日になってしまう事を、この時は未だ誰も知らないのであった……………
0 notes
Text
予想外の襲撃者(後):蒼のリヴァイアサン
同時刻、『フェアボーテン』は再開発計画が進んでいるカロスのミアレシティへと向かっていた。目撃情報によるとビルの屋上の方へと青い炎が揺らめいているとの噂が立っている。
この辺みたいね。 誰だろうねー…。 あの辺りか?
早速、装置を使って上を目指す5人。噂を確かめまいと、ビルの屋上を渡ってみるのだが…
ん。あっちにいるくない? 確かに…
ヴェール広場から、ジョーヌ広場の通りを抜けて再び浮上する何か。それはどう見ても青色にゆらめく炎に似たものである。大太刀を構えるベリエラ、杖を構えるグレイスとセラフィス。
どうやら、あの辺に何かあるらしい。行ってみるよ。 ああ、頼むぞ。
ビルの屋上から降りる5人。その間、『ジャンクション』からの報告を聞くアーシア。
うぅ〜…いたいよぉ…
広場に出る細い通りの先に、傷だらけで蹲る男の子がいた。5人は気になり、彼に近付いていく。
あの子…かなり痛そうだわ。 君、大丈夫? う、うん…。
声を掛けたセラフィスとグレイス。そして、その男の子に、ゆらゆらした青いエネルギーが吸い込まれた。その瞬間、眩い光を放ち………
きゃぁ!! 少し離れよう! な、あれはまさか…!?
深蒼の光が放出された。そして、先程いた男の子は、いつの間にか大人の男性の姿に変わっていたのだった。その変わり様に、声を上げられないフェアボーテンの5人。
ふぅ…。 あ、あの…? ん?まさか僕を倒しに来たのか? いや!違います!戦うつもりなどありません! 違うのか。 さっき此処にいた男の子はどちらに行ったのでしょうか?
まだ手負いの状態なのか、彼は最大限の警戒をする。
ん?男の子?あー、それは僕の仮の姿だね。と言う事は、君達はもしかして青い炎の様なエネルギーを見たのかな。 はい…。 ヴェール広場を通って行ったのを見た。 あれね…僕の力の源なんだ。本来の僕は『蒼のリヴァイアサン』って呼ばれててね、『紅のサラマンダー』と呼ばれてる女の子とは対の関係にあるんだ。 うーん…え!?
驚くライラ。その隣では、アーシアがベリエラに『エーデル・ヴァイス』からの通信を報告していた。
どうやらその『紅のサラマンダー』も…怪我していたそうです。 そ、そんな!誰にやられたんだ!? 詳しくは分かりませんが、予想外の襲撃者によって負傷したそうです。彼らの話によれば、蛾のロボットの様な生物だと………。 蛾のロボット…!?聞いた事ないが、まさか僕が戦ったのと似た様な敵か?
彼の問いに、怪我を見てグレイスが聞いた。
似た様な敵…。もし良ければ、どんな敵に君がやられたのか教えて欲しい。 うーんとね…なんだろう、何と言えばいいかな。その…大きな手をしたお相撲さんみたいな機械の敵だ。名前あるのか?
嫌な予感がした5人。アーシアは、彼の話を『ジャンクション』にも流した。
ま、まさか…? あ!何かいる!!
すーっと動いた機械の物体。それは、新たに舗装されたワイルドゾーンへと向かって動いている。セラフィスが怪しげな動きを察知し、6人が確認しに向かう。果たしてそれが、彼の言っていた機械の敵なのか、確かめる為に。
いた! 君の言っていた敵ってこの敵? うん。間違い無い。僕が言っていた通りの敵だ! な、何故カロス地方に!?
きょろきょろと動く機械の敵。その姿は彼が言っていた通り、まさにロボットのお相撲さんと言ってもいい物だった。黄色い手のひらから電撃を放ち、対象を気絶させる。良く見ると腰回りの液晶部分に、デジタル数字の「297」が刻まれていた。これがもし、あのパルデアにあるエリアゼロから来たパラドックスの生物だとすれば、とんでも無い戦闘力を秘めている故、間違い無く危険である。
分からない。とにかく止めよう! あれを放置したら、カロスの生態系がおかしくなってしまう…!
戦闘準備に入る5人。手負いの蒼のリヴァイアサンをかばい、防衛に回った。機械の敵も、5人を確認し戦闘の準備に入る。
行きます。覚悟して下さい! 落ちろ。
グレイスとセラフィスは杖を使い、サイコパワーを解放して機械の敵にダメージを与えた。意外と結構効く様で、間接攻撃に対する耐久はあまり高く無い様だ。
ビー!ビー!
しかし、お返しと言わんばかりに敵は手のひらで思いっきり張り手を飛ばして来た。意外と距離があっても飛び、まるでそれ自体を飛び道具とでも言わんばかりに操る。
流石に5対1ではな…! ふっ!
飛んできた両手を攻撃で止めるベリエラとアーシア。しかし、敵の方もただ黙ってやられる事は無く、ベリエラに向かってまたパンチを繰り出す。
うっ…!? おっと!
間一髪でライラが割って入り、攻撃を無効化した。そしてその、勢いのままに連続で打撃を浴びせて吹き飛ばした。
倒れた…? いや、終わりでは無い。
倒れても立ち上がり、本気になった機械の敵はビートを刻み、パワー全開になった。電気がそこら中に放出されている。
まずいな…早く倒さなくては。 任せて下さい。
セラフィスはそう言うと杖から眩い光を放出し、敵に致命傷を負わせる。動けなくなっている隙に、アーシアは止めの一撃を繰り出した。
えーいっ!!
吹き飛ばされて、機械の敵は動きを停止した。調査をするべく、残骸は撮影を行った後に、異世界の彼方へと放逐する事にした。
これが、予想外の襲撃者か…。 あの…君達は一体…? 紹介が遅れましたね。私達は神界にある組織[Aile]の『フェアボーテン』です。以降お見知り置きを。 では…そろそろ戻ろうか。
戦闘データの情報と共に、5人は彼を連れて神界へと帰還する。
0 notes
Text
予想外の襲撃者(前):紅のサラマンダー
エリアゼロに調査しに向かっていたのは『ジャンクション』。エーデル・ヴァイスが去った後に、6人は目撃したとされるパラドックスの姿を確認しに向かっていた。
こんな少数で大丈夫なのかな…? それは大丈夫だよ。 いや、君ねぇ…そんな事言っちゃっていいの?この場所はやばいからね? 知ってるだろそれ位。そうだな、フラガラッハとやら。 うん。私は信じてるから。
すり鉢上の地形になっている坂をゆっくり下っていくと、6人はある光景を目撃する。
…えっ? どうした、アルフェニン? 見て下さい。あの生物も、パラドックスでしょうか? いや…見た事は無いが、多分違うだろーな。
第3観測ユニットの洞窟付近にいるのは、燃える火の生物。遠くから様子を見ていると、その生物がすーっと、洞窟の奥へと姿を消していった。
追うぞ。何かあるかもしれない。 モルシージャ!?何考えてんの君!? 慎重に向かってね。 ああ、分かってる。武器を構えよう。
前に出たモルシージャ。腰に下げていた扇子を取り出し、戦闘態勢に入る。彼を見た他の人達も、武器を手に取り襲撃に備えた。
『フェアボーテン』に通達する。これより我々『ジャンクション』は、内部となるエリアゼロ深部へ突入する。 こちらで明らかになった生態系の詳細は、追って話します。
6人は、ジニーエイラが結局入らず引き返したエリアゼロの深部へと足を踏み入れる。この先にどんな生態系がいるか分からない現状では、『ジャンクション』に任せた彼女の判断は正解と言えよう。
うっ!?
洞窟内の地下深部、そこで爆発の赤い光が放出された。下に降りようとしたその時、何者かの群れが行く手を遮った。
待って下さい。何かいます。 ちぃ!
氷の包みを腰脇に抱えたサンタの様な生物に似たロボット。良く見るとその包みの表面には、デジタル数字で「225」と書かれている。
きゃあぁ!!
その生物は一斉に、包みから凍らせた水の塊を発射して攻撃して来た。実は金属製のあの袋は氷水で満たされており、先端から氷や水のビーム砲を飛ばして砲撃すると言うもの。その外見から、この生物は『鉄の包』と呼ばれていた。噂によれば、サンタの様な鳥の生物を遥か遠い未来で大砲の兵器か何かを使役する姿に改造したのだと言う。
退いてもらうよ。
オルフェウスはエネルギー弾を撃って迎撃し、5機(?)の鉄の包を吹き飛ばした。良く見ると首がバネの様になっており、かなり不気味な造りである。
えぇ!!怖っ!! 首がもげてる…本当に生物なのこれ? 雑誌「オーカルチャー」によると一応『生物』らしい。名前からして既に胡散臭え内容だが、生態が詳しく書かれている。 あの首の内部からも、冷気を放出する器官があるんだってね。 あの…とにかく、行きましょう。肝が冷えました。
洞窟内部を進み、事故で壊れかけの第4観測ユニットを通り過ぎて更に深部へと進むと、行く手を遮る複数体の茸の生物に似た者が登場。
何だコイツは? さっきのロボットとはまた違うみたいね。 何処かで見た様な、見ない様な…。
笠の様な帽子の鍔に、垂れ下がる草。その姿は『荒ぶる茸』と呼ばれ、脳筋のハードパンチャーとまで呼ばれ恐れられているとか。帽子は現代の茸の生物と同じく、例の如くモンスターボールに似ており、側面には漢数字で「伍玖壱」と書かれていた。
アルフェニン、援護をお願い! 支援します。
前線に出たのはフラガラッハとフリスワーベ。臆する事なく真正面から立ち向かい、次々と打ちのめして行く。そんな彼女の後ろで戦うはフリスワーベ。氷の礫を生成し、次々とマシンガンの様に連射した。
ふー…。 今僕達が戦ったのが『古代の姿』と『未来の姿』。そうだね?フリスワーベ。 おう、そうだ。さっき戦ったのは『未来の姿』だ。 未来の姿の方は機械で良く見るデジタル数字が刻まれていて、古代の姿の方は漢数字が刻まれてるね。その漢数字も、普段使わない方の。 そう考えたら、0は「零」で書かれるのかな。 知らないわよそれ! 確かこの辺に…
水が滝という形で地下まで流れているにも関わらず、何故かこの地下深くでさえも水溜まり程度でしか満たされていない。靴底を濡らす程度であり、足元を濡らす池にすらならないと言う状態である。何処かに排水する場所がこのエリアゼロに存在するのだろうか。
あ、いた!あの光だ!! あれが…まさか?
テラスタル結晶の壁、それに続く小さな上り坂。そこにいたのは深紅に燃えて光る妖精だった。6人はその坂を登り、近付いていく。
………。人の気配を、感じます………。此処は、何処なのでしょうか………? 間違いない。さっきの赤い光が此処に消えた火の生物と言うのであれば、あの姿は仮の姿。そして今、僕達が目の当たりにしているこの人は………。 真の姿って事か? 恐らく、そうなるね。
深紅��光る妖精の生物が目を開ける。外見の姿は女性の様である。きょろきょろと辺りを見渡し、彼女は6人に話を振った。
あの…貴方達は何故私の元に? いや、さっきの赤い生物を探しててな。そしたら此処に辿り着いたんだよ。その…何故お前さんが、こんな場所に1人で来ているんだ? 何故って、それは…私、実は先程傷を負って、無理して此処で休んでいたんです。力の源である火の生物を分離させて、幼い姿になってまで………ですが………。 うーん、そっか…そう言われちゃあ、逆に見たくなるなぁ。 いや、そこなの?キャリデュラ。 すみません………何処か分からないので、火の生物にうろうろしてもらってこの場所の全体像を把握させてもらいました。一体何処なんですか?
質問するフリスワーベと、キャリデュラに突っ込むフラガラッハ。その火の生物自体に敵対心も悪意も無い様で、特に何もせず逃げて行ったのだと言う。そして、彼女の問いにアルフェニンが答えた。
この地は…パルデア地方中央にある大穴の本部『エリアゼロ』です。本来なら非常に危険な地帯なので誰も近寄れないのですが…私達は神界、即ち神様のいる世界から派遣された調査員としてエリアゼロを周回するのを許されているのです。 えっ!?それでは、私はやってはならない事をやってしまったと…!? まあ、無理もありません。この地帯は人の目に触れずに、今どんな時間なのかも分からないまま過ごせる環境となってますので…。 何故、その…エリアゼロ?と呼ばれるこの場所は危険なのですか? 簡単に言いますと、この場所は研究者がいて、透明な『テラスタル結晶』の技術を応用したタイムマシンを使って生物を送っていたんです。それが原始的な古代の姿だったり、機械的な未来の姿だったり。他の生物よりも危険極まりない強さを持っている上にそれらが此処一帯で数100体といるので、厳重に管理しているそうなんです。 そうなんですね。…そうであれば、そろそろお暇しないといけませんね。
彼女にとって未知の場所『エリアゼロ』について、モルシージャとフラガラッハから教えてもらったところで、此処から帰る手段を探す。しかし…
でも、どうやって帰れば良いのでしょうか。今飛ぶ力は私にはありませんので…。 あー、まあ、そうだな。取り敢えず、あっちの方に第4観測ユニットがあるからそこまでは歩けるか? 一応…そこまでは大丈夫です。
オルフェウスとフラガラッハが彼女の両脇を抱えて介抱しながら、ゆっくりと拉致帰還する。良く見ると、彼女の傷は体に血が滲んでおり、服も所々が破れている。こんなに満身創痍となるまで、一体誰と戦ったと言うのだろうか?
あー、こちら『ジャンクション』。紅のサラマンダーを保護した。 彼女は負傷している模様です。治療の為、直ちにI.A.に帰還します。
0 notes
Text
消滅と破滅の運命を辿った歴史と土地と生物
2人の星座の神を連れてきました。此方が夏空神です。あ、此方が冬空神です。
冬空神と夏空神を連れ、I.A.に帰還する『アヴェック・スター』と『エーデル・ヴァイス』。蒼剣神と紅盾神に、豊穣神が話を聞く。
な、何故そのコートを着てるんだ? や、やめて下さい!実は、その…戦いで………。
紅盾神に聞かれ、コートを押さえる蒼剣神。実は彼女は冬空神との戦いで服を切り刻まれてしまい、戦闘の後にグルナッシュからコートを借りていたのである。
替えの服は無いのか? 今は、アヴェック・スターの人達に頼んで持って来てもらってますけど…
彼女のいる「剣の世界」の王子であるクッチーラと、アヴェック・スターの7人が彼女の服の替えを持って来ているのだと言う。
え?でも何でです���ね? あ、それはこの青い女が剣同士で真剣勝負するって言ってたから、真っ向から戦ったらこうなった。 氷の剣と言う事なので怪我はしませんでしたけど、随分と切れ味が良かったと言いますか…私の服が切れてしまったのです。 ところで下着は? まあ、下着はやられませんでしたけど……いやぁ!見ないで下さい!
脱がされそうになり、抵抗する蒼剣神。だが良く見ると冬空神も、カウンターで攻撃した蒼剣神の振り抜いた一撃が致命傷になりかかっていた。氷はやはり鋼の剣に砕かれる運命なのだろう。
僕が相手すれば良かった? いや…多分同じだと思います。でも、盾なら防げるかもしれません。私の場合は剣で剣の分身を捌くのに精一杯だったので…。
攻撃に向かない盾を攻撃に使っていた紅盾神と同じく、防御に向かない剣を防御に使っていた蒼剣神。無理をしたのか、それとも不意のアクシデントか。体勢を崩した所をやられた様で、彼女のひらひらしたフリルのある下着が見えてしまったのだ。
あー、その…申し訳無かった。まさかここまでの切れ味とは思わなくて…。 いえいえ!私も急に服が飛び散るとは思わなかったので…でも、ちょっと恥ずかしかったです…。 そうか、成程。この冬空神とやらは、女の子(?)の服をバラバラに刻んだのか。 いや、豊穣神様。その言い方だとかなり悪意ありません?
あらぬ偏見を掛けられる冬空神。しかしその流れを、蒼剣神が断ち切った。
いえ、違います。戦いの最中に、私が締まった雪に足を取られ、踏み外して転倒したのです。そこを同じく剣を持つこの神様に隙を突かれて、ソードテンペストを弾く暇も無く服を切られただけなのです。本来なら氷の剣では鋼に勝てないので、あまりにも予想外な事であったのか、彼はわざとやったのではないと、戦いの後に私に謝ってくれました。なのでこんな恥ずかしい思いをしたのは彼の意図ではありません。言わば私の剣の王という強さに感けた、その慢心が起こした事故です。 そんなに強い代物なのか。 私が目の当たりにした上で言いますが、恐らく…豊穣神��氷の槍にも匹敵するでしょう。
ふむ…と言いつつ、夏空神と冬空神の方に顔を向ける豊穣神。その強さを確認しつつ、2人に話を振った。
時に…夏空神とやら。その盾はどんな性能を持っている?もし良ければ教えてくれないか。 此方の盾ですか?受けたダメージを返しつつ回復する能力があります。 そうか。実に厄介な能力だな………。そして冬空神とやら。その剣はどんな性能があるか教えて頂きたい。 此方ですか?これは急所を確実に貫き、相手の持っている能力に関与する事無く戦えます。 ふむ。そちらも厄介だな。 お待たせしました。
と、そこに新しい服を持ってきたアヴェック・スターの7人が合流した。
…少し着替えてきます。 うむ。
立ち話も疲れるだろう、と豊穣神は2人の神と紅盾神を椅子に座らせ、お茶をしながら蒼剣神が着替え終わるのを待つ。その間、何故2人がイッシュやオーレに顔を出したのか、理由を話し始めた。
…うーんと、な。単なる旅だ。特に理由なんか無い。 風の行くままに行ってたって事? それは…そうですね。そもそも、私もオーレを知らなかったので素敵な場所なのは目にして初めて知ったのです。 氷の剣…思ったより結構切れるんだな。僕の盾も、もしかしたら壊されるかな。 いやー…多分無理だな。私の『ソードテンペスト』は衣服程度なら普通に微塵切りになるが、流石に金属質の硬い盾の前では剣が折れて終わりだ。 どんな剣も盾も、毎回万能と言う訳じゃ無いんだね。 はい。 すいません、お待たせしました。
蒼剣神は借りていたコートをグルナッシュに返し、着替え直して本来の服装に戻り、合流したところで豊穣神が再び話を進める。
今回、何故反応が無かった2人の行方を掴めたのか?元々は異世界にいたのか?余は…いや。私達はそれを聞きたい。一体何故此方の世界に?
夏空神と冬空神は神妙な面持ちで、この異世界に来た理由を話した。
実は私達はな………。 住処を追われた神なんです。 住処を追われた?一体それは…。 元々は緑豊かな自然のある場所で暮らしていたのですが、その時はその地に名前がありませんでした。 当時は生態系が全く違うものだった。生存競争で必死の時代に、力無き私達はこの地を去った。その緑豊かな自然の中で頂点にまでなった女の子が突然行方を晦まし、いなくなってから災厄が降り注いで、不毛な荒地と化した………。 それからです。あの地が後に、人々と共に大自然が復活して『キタカミの里』と名付けられた事を知るのは、私達が再び同じ地を訪れてからでした。 え!と言う事は………。
やはり、2人をアルゼリアンが知っているのも無理は無い。しかし問題は、その過程で何故育ちの故郷の地に戻る事を決意したのか?
うーむ、そう来たか。 私達が風来坊の如き神となり様々な地を訪れては、育った故郷に一度戻る決意をしたのだ。そして目の当たりにしたのは…、毒に魅せられた犬と、猿と、雉の言い伝えだ。奴らは「ともっこさま」と呼ばれて崇められているが、何故鬼を退けたのかは知らん。それこそ、彼女を捕まえでもして話を聞ければいいのだが、今何処にいるのやら………。 そう言えば生まれ故郷って何処なんだい?キタカミの里と呼ばれた地じゃないのかな? それが、その………非常に言い辛いのですが、その「ともっこさま」と同じ地で生まれ育っています。もちろん、彼らは私達より後に生まれたのですが。 成程、つまりキタカミの里を拠点にした彼らは『外来種』と言う事なのだな。
歴史も、土地も、生物も全く違う場所に生まれ変わっていた事に驚いた2人。そして、一番気になるのは、何処に一番長くいたのか。
一体どんな場所に長く住んでいました? 『ユジン』と呼ばれる島だ。シンオウからはその存在を消されていると噂の、な。
と言っても、2人の話によるとシンオウのチャンピオンロードが岩盤が崩れた影響で跡形も無くなったため、ポケモンリーグが224番道路の南にあった小さな島に移され、その道路のある島にあった跡地を改築して博物館及び「勝負所」として残し、224番道路に続く道と博物館への道を簡易化及び開拓して新たにその東に続く大きな島にファイトゾーン…もとい、バトルフロンティアを移設したのだと言う。何故こんな事になったのかと言うと、やはりシンオウ・アルミア付近で起きた大きな地震の影響なのだとか。
うーん? 聞いた事ないな…。 何でそこが無くなったのですか。 ああ、何でも………地震が起きた所為で、崖崩れと土砂の流出が激しくなったのが原因らしい。ユジン島にあったリゾートエリアの場所以外は危険過ぎて、誰も行かなくなったんだとよ。 それはそれは………。 そしてその後、急遽、バトルゾーンの移設が決まったのです。 何と言う事でしょう…。 ユジン島は歴史の闇と化して『消滅』し、キタカミの里は『破滅』したのか。ううむ…まいったな。 でも私達は、久々に色んな所を見たいと思ってユジン島を出たんです。他の場所に行くと大騒ぎになるので………。 ん?何故だ。 と言うのも私達自身が、残された資料だけが存在を確認出来る唯一の手段だけと言う事もあって、完全にもうUMAとかそう言った類の生物の扱いをされているのです。 時代も変わって、歴史を継ぐ生き証人もいなくなり、ほぼ見た事も無い人だけが私達の存在を面白おかしく話すだけ。そんな何処にいるのか分からない、探しても基本見つからない私達が…普通の人間が辿り着けない場所。歴史の闇に葬られた場所にいる。そんな事が誰に想定出来ようか。 何かを思い、私達は再び世界を回った。忘れていた頃に来た生物。しかし、とある組織にそれがバレた。 それが…僕達「I.A.」の…?
2人の存在は長い歴史上に継がれず、過去にいた生物なのにも関わらず、それらを幻の生物と宣う扱いに多少なり辟易としていた様だ。紅盾神の質問に、首を振る冬空神。
いや、違うね。君達が来る前に、私達はその存在をとある組織の奴にバラされた。 大昔に元々いた、私達と同郷の地にいた雉の生物だ。 成程。それで、その…組織の名前は分かりますか? 確か、『Domino 7s』と名乗ってましたね。イッシュとオーレの位置関係から、目撃していた私も気付かれました。 それはまずいね…。 念の為聞くが、2人はその組織…『Domino 7s』の関与とか、癒着云々はないのだな? それは問題無い。 全くありません。
遂に明かされた組織『Domino 7s』。果たして災厄が降り注いだのは、本当に彼らの仕業なのだろうか。5人の神は再び、話を続ける。
0 notes
Text
異郷の地で交わる剣盾(後)
ウルトラホールを使い、イッシュにあるジャイアントホールに向かった『アヴェック・スター』と蒼剣神。反応があったとされる、クレーターの内部へと向かった。
こんな場所があったんですね。 シンオウやガラルでもここまで寒いところは何度か見て来てはいるが、まさか隕石が降って出来たクレーターだったとはな。 そう言えば、無限神みたいな神様もいたという事になりますか? …ああ。俺は聞いた事がある。確か…真実と理想を求める境界の神だ。このイッシュの、ある地域では化け物だと呼ばれてて、夜の晩に襲い掛かってくるからあまり出歩くな………と、そんな噂話が広がっている。 あくまでそれは、噂なんですよね? ああ。 私の生まれのカロスで言うなら、秩序の神が終の洞窟にいるのと同じ理由だね。 そうだったのか?僕のいるアローラには似た様な場所がポニ島にあったけど、そんな話は聞かなかったな…。 そこって、エンドケイブだね?でもあっちはあっちでUBがいた気がするけど。 それもまた、化け物ですね。 そうだね。『UB:Gluttony』がいた。 ね、ねえ!この辺、寒くない?
クレーター内部へと来た辺りで、冷え冷えした空気にキャステラナとパトリオット、トラヴェリアが震え始める。
あの3人は寒いのが苦手なのですか? いや、私はガラルにいた事があるので寒くないですけど…あれ? どうした。 あっ…あれは!?
指を差した先にいたのは、翼を広げ飛び立つ青きグリフォンの様な神。見るからに、男性の姿をしていた。
こいつが、あの…? 態々ここに来ていた私の元に来るとは、随分と楽しませてくれるぞ。では…これは一つ、挨拶代わりに行くぞ。 ま、まずい!離れて!
光る剣の分身を展開。同時に、彼の翼と剣を繋ぐ3つの三角の星が光った。この姿を言うなら、『冬空神』と言ったところか。剣の分身を自由自在に展開し、上から雨の様に落とした。
えい!!
それらの内、飛んできた1本を蒼剣神が剣を振り抜いて弾き返す。それを見た冬空神は思わず笑みを浮かべた。
ふっ。はははは!私の『ソードテンペスト』を弾くとは!貴様が初めてだろう! な、なんて事を…!貴方は一体… あれ?木が! う、嘘でしょ!?
針葉樹林の木々があっという間に真っ二つに伐採され、バラバラになってしまった。その余りにも強い威力に、思わず絶句するアヴェック・スターと蒼剣神。
やばいだろこれ…一体どうやって戦えと? 私が行く。 ドワイエンヌ?君が行くの? 大丈夫です。グルナッシュ、貴方の手は煩わせません。 無理はしないでね。
冬空神の目の前に出るドワイエンヌ。そして冬空神は、猛吹雪で地面を凍らせ、雪を積もらせた。
いやああああぁぁぁ!!! 寒ぅぅぅぅぃぃぃいいい!!! も…もう無理ですぅ…。
吹雪をくらったトラヴェリア、キャステラナ、パトリオットが思わず洞窟の中へと避難した。彼女達は寒いのが非常に苦手である。
ふ。龍にとってはさぞ、苦しい環境であろう。では行くぞ! はぁ!!
光の一撃であるリニアレールガンを発射し、冬空神を牽制するドワイエンヌ。だが、冬空神はそれに臆さずに空気の刃を飛ばした。
そう来ましたか…これならどうですか? ふははは!もっと撃て!もっと撃つのだ!
ドワイエンヌは電撃を放出して空気の刃を撃ち落とし、またしてもすかさず鋼鉄の光を飛ばした。直撃の爆発に巻き込まれ、ダメージを受ける冬空神。しかし彼は、少し笑みを浮かべた後、吹雪をお見舞いしたのだった。
くぅ…これはっ……!! おやおや?終わりか?
まだこっちは必殺技を出してもないのに、と言わんばかりに光る剣を見せつける冬空神。対するは、跪くドワイエンヌ。
………流石に無理ね。 そうか。この私が相手では無理もなかろう。 えっ…?
彼女は挑発された上に降参したので、飽きられるかと思われた。だが、冬空神の反応は全然違っていた。その強さ故に立ち向かえる奴が極小数な世界で生きてきたのか、自身の強さを自覚していたが為のこの発言であった。
十分、善戦しましたね。ではそろそろ、私の出番です。 ははっ、遂に真打のお出ましか。
剣を抜く蒼剣神。青く光る剣を持つ物同士、何かシンパシーの様なものを感じた様だ。不敵な笑みを目の当たりにして不安になる蒼剣神、純粋に戦いを楽しまんとする冬空神。
喰らうが良い、私の剣の分身を。 どうか、お気を付けて下さい…! 本数多くねえか?
無数の剣の分身を目の当たりにして、持っている剣を蒼く光らせる蒼剣神。『巨獣斬』の構えを取った。その名前の様に流星の如く雨霰と降る剣の分身に対し、一振りを見せた。
面白い。その切れ味、正に私が求めていた物だ!『攻撃は最大の防御』…なんて良く言うよな? な、何の話ですか?
懐まで近付き、剣を振り下ろす蒼剣神。しかし、冬空神はすかさず剣でガードする。剣による防護の構えに、硬さで勝るはずの彼女の剣がただ弾き返されていた。
おかしい。おかしいです。 ん、何がだ? 貴方の剣…まさか氷で出来てます? いいや、ちょっと違うなぁ。でも、氷の剣では無くとも、『氷の成分を持った剣』に近いかな。それが関係あるのか? 氷の要塞の生物…私が知る限りだと、それに近い硬さを貴方の剣から感じました。 そんな生物見た事ないが…とにかく貴女の言い分は私の剣が、鋼に負けず劣らず硬いと言いたいんだな? ええ、それで構いません。必ず、斬ります。 そうかそうか。ではこちらも…
互いに聖なる剣で薙ぎ払い、互いの剣先が服を切り、体に軽い裂傷を入れる。
もっともっと! うっ…!速い…!?
氷柱を剣の様な形に生成し、落として行く。先程まで打っていた『ソードテンペスト』とはまた違う趣の技の様だ。この絵面に、思わず戦慄するのは蒼剣神。
えーいっ!!!
それでも彼女は聖なる剣で大回転斬りを繰り出し、降ってくる氷柱を全て破壊する。
やるねえ。今のはソードテンペストじゃないぞ? すいません。私は今、デジャヴを感じましたので。
そのデジャヴ…既視感とは、豊穣神が使っていた氷の槍である。ほぼ同じ様な生成の仕方に、感心しつつも立ち向かったのだと言う。
ここまで面白いと思ったのはいつ以来だろうな…しかし。そろそろ終わらせてやろう。こいつが私の最後の一撃だ。 臨む所です。
またしても氷の剣の分身を生成し、最後に一撃浴びせようとする冬空神。その剣の多さに、嫌な予感を過らせたのはグルナッシュだった。
まずい…来る!青い翼と、剣の雨が…!! と言うか、流星群を使えるはずなのに使わないのか…? 何故分かる? あの星座を持つなら、多分使えるはずだ。俺はそう見ている。 いや、使えるにしてもあの神様は妖精の力を持つの。竜の攻撃なんて素通りしてしまう物を、ね。 あ、そうだったのか…
蒼剣神が持っているのが、妖精王の剣と言うのを危うく忘れていたアーレンティ。剣戟の音と、剣の分身が落ちた事による雪飛沫が冬空神と蒼剣神の周囲に飛び散った。
それぇ! そりゃあ!
剣の分身の雨を必死に捌く蒼剣神。だが低温と踏みしめられた事により、雪が締まって固まった所為で氷の如く滑る足場となってしまい、そこに運悪く彼女の右足が乗っかって滑り、バランスを崩してしまった。
うわっ!? 隙ありだ!行くぞ!
右手の剣を落とした彼女に、容赦無くソードテンペストが襲い掛かった。降り注ぐ剣の分身の雨霰に、ダメージを受けた蒼剣神。
うぅ…痛ぁ…。 成程、剣の王は耐えるのか。流石に金属は氷では切れない様だな。 まさか…滑るとは思いませんでしたね。
ソードテンペストの剣については、頭の方は狙わなかったので蒼剣神の髪の毛は切れていない。少し凍ってはいるが、どうやら問題は無い様だ。…と思いきや、彼女の服に切れ込みが入る。
想定外の事象…と言った所だな。…!? わっ…!?きゃあああぁぁぁ―――――!!! そんな、馬鹿な…。
露わになった、蒼剣神の霰もない姿に思わず絶句した冬空神。何と、ソードテンペストの無数の剣の攻撃により、彼女の服がバラバラに切り刻まれてしまったのだ。流石に靴まではやられなかったが、ベストやスカートまでも刻まれてしまい、下着だけの姿になってしまった事で、彼女の顔が紅潮する。
な………何こんな破廉恥な事をしてくれるんですかぁぁぁ!!! ちょっと待て!私は何も見てない!!ぐはぁ!!
蒼剣神が未だ嘗て経験した事のない、下着だけのみっともない姿にされてしまい、怒りの余り落とした剣を拾い、蒼く光らせる巨獣斬で冬空神をぶった斬った。一応彼女の力が入ってないので冬空神のダメージは軽傷で済んだが、思わぬ大ダメージを受けたのは他でもない彼女の方であった。
はぁ……はぁ………寒い!寒いです!!くしゅん…
これ以上は収拾がつかない為、戦いはそこで終わった。跪く冬空神をよそに、両腕で体を隠しながら震える蒼剣神に対して、グルナッシュは自身の着ていたコートを貸した。
あの、良ければ使って下さい!ちょっと重いかもしれませんが。 あ、有難うございます…。 と、とにかく。神界へ一度戻るが、同行してもらえないか? はは。いいとも。 お、終わったよね? 何か凄い悲鳴が聞こえましたけど…。 寒いのは苦手だ。一刻も早く、一度I.A.に帰還したい…
色々とありつつも、アヴェック・スターの7人と蒼剣神は冬空神を連れて、開いたウルトラホールから一度I.A.に帰還する事に。
0 notes
Text
異郷の地で交わる剣盾(前)
オーレ地方に向かっていたのは『エーデル・ヴァイス』の7人と紅盾神。余りにも乾燥した土や砂漠地帯が続く為、基本は移動がバイク前提になっている。
この辺…『鉄の大蛇』で走れない? 何だそれは。 いや、あれはバイクに変形出来ますけど…何人必要になるんですか。 まあ…8人だ。 無理だろ。パルデアにそんなに連れて来れるのか? ロースト砂漠だと思って走るしかないですね…。
似た様な場所にパルデアの東3番エリアやロースト砂漠、カロスの13番道路などがあったがそれでも、こんなに人の気配も無い土地では無かった。ウルトラホールを介して向かったはいいが、肝心の移動手段が少ない。止む無く、8人はバイクを借りる事に。
場所はどの辺なんですか? 確か、パイラタウンの方に反応があったと思いますが… こっちだ!
紅盾神は飛び回る物体に反応した。それを見て彼は切り返し、パイラタウン付近にあるオーレコロシアムへ向かう。
えっ…! ついて行ってみましょう。もしかしたら………。
7人もそれに応じ、砂漠の中にぽつんと点在するオーレコロシアムへ向かった。入り口付近でバイクから降り、コロシアム内部を確認する。
こんな広い空間にいるんですかね………? あっ………!あれは!
真正面最奥には4つの鋭い列石、所々が壊れかけのコロシアム。石柱は何本か倒れており、嘗て古の時代にでも使われていた様な形跡が見て取れる。そんな場所に待っていたのは、紅い翼を持つ1人の女性だった。そんな彼女に対し、毅然とした態度で歩み寄るは紅盾神。
貴方は………? 君が紅の盾の獣……………だな。私はガラル地方にいる紅盾を持つ英雄だ。君がこの場所にいると聞き、コンタクトを取るべく来た。 そうですか………。申し訳ありませんが、人違いだと思いますよ。他をあたってもら………っ!? 惚けるな。既に調べはついている。
そう言うと紅盾神はコピーしてもらった資料を彼女に投げつけ、それが彼女に関しての情報と全く同じ内容が書かれている事を証明させた。
こ、これは………いつの間に!? 此処まで見せられて、まだ逃げるのか! うっ………。………分かりました、良いでしょう。誰が相手だろうと、私は負ける気は無いので。
そして彼女は背中に収納していた盾を取り、戦闘体制に入った。
私の『夏の天体エネルギー』を、お見せしましょう。1人相手に8人でも、1人ずつでも構いません。
広げる赤い両翼、盾と合わせて光る大三角の天体。その出立ちは言うなれば、差し詰め『夏空神』と言ったところか。何の能力を持つか分からないままだが、先ずは『エーデル・ヴァイス』が立ち向かう。
この星々は………星座神の仲間なんだね。 そうと決まれば私からやらせてもらうわ。貴方に聞きたい事があるの。 アイヴァンヌさん…?
前に出て、剣を抜くアイヴァンヌ。それを見た夏空神は少し笑った。
…!?今、笑った…? ふふっ…まあ良いでしょう。では…貴方達には一つ、伝えなければならない事があります。それは戦いながら教えますね。
妖精の翼を広げ、浮かぶ夏空神。盾を右手に構え、戦闘態勢に入った。
天体のパワーを持つなら、超能力を得ているはず。ならば私は、彼女が盾を構える前に倒す…それだけだから。
そう考えたアイヴァンヌ。しかし、夏空神はそんな事を知らずに、流星群を落として攻撃してきた。
きゃあ!! …貴方も盾を持っているのに、何故防御してこないのでしょうか。 今は…使う時じゃない。それに、貴方の戦い方も気になるの。 そう…それならば話は早いです。
星屑の塊を降らせる夏空神。それでも、アイヴァンヌは盾でガードする。だがまだ終わらない。
くらってもらいますよ。 ふっ。読み通りだわ…。
神通力を飛ばす夏空神。しかしそれは、アイヴァンヌには効かない。飛び上がり、彼女は剣を突き刺す。
…!?そんな…! 馬鹿な…!?
互いに攻撃の手応えがない。まさか…と言わんばかりに、アイヴァンヌは盾を構える前に、毒の剣を振り抜いて攻撃する。
やられたわ。でも…これなら。 なっ…!?やっぱり貴女は…。
不利だったのは自分だった。妖精のエネルギーがあるとは言え、まさか超能力が無いとは思いもしなかった。天体のパワーを持ってても、やはり関係は無い様だ。夏空神の「リバイブシールド」によって、くらった攻撃を返されてしまったアイヴァンヌ。相手には毒が効いてしまった様だ。
そ、そんな…。 やられても私には、これがあります。だから負けません。
イヴ!大丈夫? ふぅ………取り敢えずは。でも、非常に厄介だわ。これじゃあ、彼女を倒せない…。『防御は最大の攻撃』なんて、よく言うわ。 いや、でもさっきの攻撃は効いていたよ? ううん。回復された。あの盾は、相手から受けた傷を返してから回復する効果があるみたい。 面倒だなそりゃ…。次は誰が行く? いや。もう良い。僕が相手しよう。君の強さが良く分かった。
エーデル・ヴァイスを制止し、紅盾神が遂に前線に出る。それもそのはず、テラスタル環境がこのオーレには対応していないと言うのもあり、サンディエゴ以外では彼女に立ち向かえる術が無いと言う事なのだ。
行くぞ。 ええ、楽しみにしてます。
互いに赤く光る盾を構える夏空神、紅盾神。そして、先に仕掛けたのは紅盾神の方だった。
盾同士なら…どっちが堅いのか。見せてもらおう。 ええ。…きゃっ!?
盾に身を任せた重い一撃を繰り出した。思わず夏空神は抵抗し、リバイブシールドで受けたダメージを返す。
あまり効いてない様だな。君の盾もまさか重いのか? いいえ。貴方のよりは軽いと思いますよ。 まあどっちでも良いが…それならば、これは防げるのかい。
光を放出し、紅とマゼンタの盾を前にして突撃する攻撃態勢に入ったのは紅盾神。あまり効いてなかったのに、まさかまた真上から行くつもりですか。 いいや。
盾と共に敵を弾き飛ばす巨獣弾の一撃。それに対し、夏空神は何とリバイブシールドを構えずに受けにいった。
…!?な、何故だ!? きゃあっ…!!
空気の刃を飛ばすが、盾に吹っ飛ばされた夏空神。流石にこれは紅盾神も唖然とする。
何故………盾を構えない? 油断しました。それだけです。 油断した…?
神らしからぬ判断。確かに普通に考えれば、リバイブシールドを構えて反撃しても良いはずである。ましてや夏空神は妖精なので、金属や鋼による攻撃は苦手と言う物。それならば尚の事なのに、であった。
さっきの貴方から受けたダメージ…あまり効かなかったんです。なので、相手から受けたダメージを返すリバイブシールドも無用の長物だと思いまして、攻撃に転じさせて頂きましたが…私の判断ミスですね。 そうか。だが…君の判断は間違っては無い。 え?でも…私の負けですよ? いや…僕も攻撃を受けている。悪いが、引き分けだ。
紅盾神の服に切れ目が入った。突撃したのは良いが、そのまま夏空神が飛ばした空気の刃を何発も喰らってしまったのである。ちょっとだけ夏空神の能力が判明したところで、戦闘は終了した。
この後、私を探してどうするつもりですか? I.A.に同行して貰いたい。神界に行くが、それで良いんだな? そうですね。そちらが宜しければ…。 良いですよ。向かいましょう。ところで、私の片割れに当たる人を探しているのですが…会えますかね? 剣を持っている方ですね。それなら…。 ああ、それはうちの剣の方の神が相手しているはずだ。向かうぞ。 は、はい…。
ウルトラホールを介して神界へと帰る『エーデル・ヴァイス』と盾を持つ2人の神。何故彼女は、この異世界へと来たのか。それはI.A.に帰還した後に、明かされる事となる………。
0 notes
Text
2体の竜と2体の獣
何故こんな事に。
神界の[Aile]本部に戻り、豊穣神に改めて報告するエーデル・ヴァイスの7人。アルゼリアンを連れて帰ってはみたものの、そこに至るまでの経緯を話す事になった。
あ、あの…私は、キタカミの里の『てらす池』にあるテラスタルの結晶に触れてみたのですが、どうやら私とエオレンスタの持っていたこの宝石が、アルゼリアンさんの持っている仮面と共鳴を起こしたそうなんです。 ふむ…。それは本当か、エオレンスタ。 はい。先のラグナロク戦争でも、黒幕であるグゥエルにトドメを指す一手となったのは僕とフェリンソワが使ったキョダイマックスと、この『テン・ジュエルズ』の神様達のエネルギーを宿した宝石のパワーが解放されたテラスタルです。 戦争…確かそうだったな。ジニーエイラ。2人のテラスタルについては何か、君が以前会ったと言うアルゼリアンの方からは言われたか? いえ。彼方も彼方で、仮面ごとテラスタルして巨大化したものですから、彼女の方も特殊なテラスタルだと思われます。 …ふう…。フェリンソワ…エオレンスタ…アルゼリアン…特殊なテラスタルか。他にテラスタルを使ったのはいるのか? それは私です。彼女がどれ程強いのか力試しするべく、エリアゼロの結晶を触ったら…私の頭に、指輪にあるジュエルの様な結晶が冠の様に乗ったんです。 そうかそうか…。恐らくそれが何の変哲も無い、本来のテラスタルかもしれない。
3人のテラスタルが特殊なのだろう、と結論を述べる豊穣神。そして、サンディエゴとジニーエイラはアルゼリアンからもらった資料を彼女に手渡した。
こちらも、どうぞ。 あの鬼からか? はい。 うーん…余が少し気になる記述がある。読んでも良いか? ええ。構いません。 では…『赤き生物、幼き仮初の姿から火そのものが燃える竜を喰らいし時。成長した火の妖精の真実の姿、現す。』そして片方は…『青き生物、幼き仮初の姿から水そのものが流れる竜を喰らいし時。成長した凍れる水の蛇神の真実の姿、現す。』…何処かで、彼女がその生物の姿を見かけたのか? …分かりません。ただ、この資料を持っている事に関して言えば、恐らく知っている可能性はあると思われます。 ふむ…2体の竜と獣か。そして…此方は? それは、カロルディアの創設者達である星座神の仲間の神だそうです。ガラルの剣の王と盾の王に何かしらの関連性があるかと思いまして…ほう。そうと決まれば、少し待たれよ。
豊穣神は連絡を取り合い、蒼剣神と紅盾神に来て貰う様に勧めた。
もう直ぐ2人が来る。くれぐれも、『キタカミの里』に向かう際は警戒せよ。あの地は、嘗ての地震で倒壊し、人の気配が消えた今や災厄が降り注いでいると言う噂も後を絶たない、エリアゼロ以上の禁足地になりつつある。戦争を生き抜いた身とは言え、油断はするな。いいか? …分かりました。
とにもかくにも、2体の獣の相手となれば相当な強さである事には間違いないだろう。少し待機しながら、誰を向かわせるかを決めている王達。
『アヴェック・スター』と共同で探しにいきましょうか? それはいいかもね。 『ジャンクション』と『フェアボーテン』に2体の竜の方を探して貰う…でも大丈夫ですかね。 うーん…。 まあ確かにそれはありだろうな。
キタカミの里を再び訪れようか考えてると、蒼剣神と紅盾神がやって来た。
『ジャルダン』にいる、姫様のペスカトーラに話を付けてきた。 私も王子様のクッチーラに任せてきました。 今回の為に態々申し訳ありません、お待ちしておりました。
紅盾神は同志の魚の魂を力に変えている生物のペスカトーラを、蒼剣神は燃える紫の剣を武器としている剣士のクッチーラに自分達のいる地帯の管理を任せ、[Aile]の協力を仰ぐ形で同行する事に。
はい、では早速… 大変です! えっ…? 常界の『オーレ』と『イッシュ』に、謎の巨大生物が現れました!! それは…イッシュの方は『ブルーベリー学園』か? いいえ。本土の方の模様です。 了解、では向かうぞ。 準備は宜しいですか。 万全です。 久々に行くか………。 彼らを宜しく頼むぞ。 はい。 勿論です。
豊穣神が頼み、2人は快諾する。突如のアクシデント、『アヴェック・スター』と『エーデル・ヴァイス』は2人の神と共に異変のあったと言うオーレとイッシュに向かう。
0 notes
Text
語られるキタカミの真実
最後はこれで行きます。昔々、この地で出会った男性との思い出が、この仮面に宿っています!
これまでアルゼリアンはフェリンソワ、エオレンスタ、ブリオッシュの3人と戦い、それぞれ仮面を変えて戦闘していた。そしていよいよ、最後にして原点の碧の仮面がテラスタルされ、巨大化する。思いっきり喜んでいるその仮面は正に、彼女の元来の性格を表現している様である。棍棒も刺刺した蔦が巻きつき、本来の力である草が生えている。喜びの表現で草が生えた訳では無い。
ここは私にやらせて。 ジニィ!? 良いのか…? イヴ、そしてサン。気にしてくれてありがとう。私も一度ね、アルゼリアンさんがどれ程強かったのか、知りたかった。でも、この近くで今、目の当たりにして相当強いのが分かったよ。本心を言えば、体は震えてる。まあ、不安の要素もあるけどそれ以上に、戦うのが楽しみで仕方ない。なかなか無いよ、こんな私は。 そっか。怪我はしないでね。 草しか使わないとは言っても、あまり油断なさらないで下さいね。 そう…だね!
最後はジニーエイラとの対決。アルゼリアンは棍棒を持ち、それで地面を殴りつけた。足元には草が生い茂り、彼女の持つ棍棒の草のエネルギーが強まる。
行きます!ジニーエイラさん!! うわぁっ!?
素早くステップを踏むかの如く地面を踏み締め、棍棒を叩き付ける。思わぬ速さにびびり、翼でガードするジニーエイラ。少し距離を取ってから、カウンターで出したのは火と水の渦を両翼で出すと言う、バインド効果のある攻撃。
……っ! 逃げられるかな。 えーい! い、一瞬で…!?
渦を起こした草の竜巻で破壊し、今度は草原を滑る様に素早くジニーエイラに突撃する。ガードが間に合わず、真正面から受けてしまう。
きゃあ!!い、痛い…!! それでおしまいですか。
まだ負けないと、ジニーエイラは暴風を起こす。それにアルゼリアンは吹き飛ばされ………なかった。高い所から棍棒を叩きつけ、棘がジニーエイラの体に刺さる。相性不利なのにも関わらず、ジニーエイラとの戦いではアルゼリアンが終始押していたのだった。
はぁ、はぁ…このままだとやられる…!足元の草を何とかして消さないと…。 それー!
ジニーエイラは流れている川の水を足に付けて冷やし、氷を作り出す。実は彼女の一族は、寒い場所が苦手な竜でありながら元々が水棲生物の竜の一族であるからなのか、天候を自由自在に操る力を応用して冷気や熱を変換させる事が可能である。そして、それは彼女も例外ではない。アイヴァンヌと初めて出会った頃は現在の様に飛べなかったが、代わりに持っていたペンダントの水晶からその能力を使っていたのだった。そんな彼女が久々にそれを使い、出したのは…。
これでどうかな! え!?…きゃあ!!
何と、凍り付いた足で生い茂った草を散らし、そのままアルゼリアンの振り抜いた蔦棍棒に蹴りを入れて氷を砕いた。
ふぅ…何とかなった。そして後は…! そうはさせません! 私も!やってみる!
アルゼリアンは再び足元に草を生成する。しかし、ジニーエイラはそれの対策で周囲にあったエリアゼロの結晶を使いテラスタルして、ジュエルの形のテラスタルのシンボルを戴冠する。
はぁぁぁ…! ふぅっ!!
目にも留まらぬぶつかり合い。何とジニーエイラは、先程の草を滑る攻撃に対抗するべく、神速で応戦する。
あっ…!きゃあっ!! ふ、ふぅー………。
アルゼリアンが吹き飛ばされ、テラスタル結晶が光を放って爆散した。ジニーエイラも光に包まれ、テラスタルが解除された。吹き飛ばしたジニーエイラの方もあまりの壮絶な戦いに膝をついて座り込み、戦闘が遂に終わった。
つ、強い…。立てないや。 いえ…そちらこそお強いですね。旅に行っていたあの時…貴女と会えて良かったです。 2人とも、大丈夫ですか? とりあえず、はい。これ使って。 うん。
アイヴァンヌは2人に回復の傷薬を渡し、手当てさせる。そして、アルゼリアンは遂にこの仮面とキタカミの里の真相を語った。
キタカミの里………私が嘗ていた場所は大昔に、ありのままの自然の姿で森や草木が無造作に生い茂っていて、生態も全然違いました。アイヴァンヌさんや、リベティーナさん…そして、サンディエゴさんが来た『カロルディア』に移住し、生き残っている種族もいますが、その他にも絶滅してしまった種族もいます。
アルゼリアンは神社に残された資料を元に、話を進めた。
あー…そっか。 興味深いのもいれば、どうでもいいのまでいるね。 あの…ジニーエイラさん、それは個人的感想ですね? まあ、そうだけど…。 その地にいた種族の全てが今で言う『メレンジア』…でしたよね? ええ、合ってるわ。 カロルディアを異世界に創造し、そこで一部の種族を移住させた星座神…大昔はこの地にいて、崇拝の対象となっていたそうです。会いましたか? いや。カロルディアでは会ってないなあ。でも戦争の時には、力を貸してくれたよ。 その他にも、こんな神様もいたんです。
アルゼリアンが追加で見せた資料。それは、青いグリフォンの神と赤いガルグイユの神。青いグリフォンの方は冬の大三角の星々が翼や武器と繋がっており、背中の武器として剣を持っている。赤いガルグイユの方は夏の大三角の星々が翼や防具と繋がっており、背中の防具として盾を持っている。それらを見て、うーん?と唸るのはフェリンソワとエオレンスタ。
ええと、その…カロルディアにこの神様はいました? いや…見てない。 もう一度カロルディアに行って、聞きに行った方が良いのか…?でも何でエオレンスタまでそんな反応なんだ? あ、それがね…ガラルで王として伝えられた蒼い剣の神と、紅い盾の神に何かしら共通点があるのかなーって。どっちも剣と盾持っているし…。 一応聞いてみましょうかね、神界に帰ったら。 ところで、アルゼリアンさんは帰した方が良いのかな。どうする? 私は他に行く宛は無いので、こうして会えたのも何かのご縁と思いまして…神界に行っても大丈夫ですか? 構わない。では豊穣神にも伝えるぞ。
エリアゼロから神界に帰る途中、ブリオッシュは豊穣神にアルゼリアンの事を伝え、今後の話し合いを行う事とした。
0 notes
Text
仮面の秘密
かなり久々ですが…ちょっとだけ、肩慣らしと行きましょうか。 でもまさか、本当にアルゼリアンさんが鬼様だったとは…。 本当の素性を隠していたのはお互い様ですよ、ジニーエイラさん。
1つそう言うと、アルゼリアンは赤い仮面を手にした。怒りのエネルギーで満ちた、燃える仮面である。
それは…? 『竃の面』です。そちらは何方が? 火を使うのであれば、私の出番ですね。私も………テラスタルします。 分かりました。では、参りましょう。いざ!赤の仮面よ!全てを燃やせ!
決め台詞を一つそう言いながら、アルゼリアンはテラスタルを使い、お面を巨大化させた。草と火を使うこの形態は、攻撃面に重きを置いた姿。そんな彼女に対し、フェリンソワが相手をする。
解放します!テラスタル!
そのフェリンソワも赤い宝石を使い、全身が宝石のカットの姿で光り輝く。『Ω』の宝石が彼女にエネルギーを与え、神様由来の凄まじい力に満ち溢れている。
行きます…!それっ!!
輝きを継ぐ者…「終焉の幕」の赤い光が、彼女の強さをより増幅させた。
よっと。
フェリンソワが振り抜いた火炎の蹴り。それをアルゼリアンは、蔦を巻きつけた棍棒で弾き返した。手に持っている棍棒が燃えている。
見えますか?フェリンソワさん、この力こそ…私の持っている仮面の秘密です。仮面には面影が宿っていて、過去の思い出が私に自然の力を与えてくれるのです。 その過去の思い出は? この仮面には、以前の星座の神がいた頃の思い出が宿っています。 そ、それならその仮面が無かった時代は…
面影を宿し、仮面から力を貰ったアルゼリアンは強気に攻める。フェリンソワはエリアゼロに落ちていた小さな石を足で燃やし、火炎のボールを生成して蹴り飛ばす。
多分、その頃から非常に強かったのですね。…えーいっ!! 来ましたか…負けませんよ!
しかし、アルゼリアンは両手で棍棒を持ち、飛んできた燃えるボールをまるでスラッガーの如く打ち返した。崖に直撃し、爆発が起きる。
そんな…!ジャストミートされた…。 それっ!!
アルゼリアンは攻撃の手を止めない。種の爆弾を放り投げ、周囲に爆発を起こした。だが、フェリンソワの姿が無い。
少しだけですが、私も飛べます。 君のは『跳躍』の方の『跳ぶ』だけどね…。 なっ!いつの間に!
実はフェリンソワは爆発が起きると同時に飛び上がり、崖を掴んでいた。その高度から急降下し、アルゼリアンにぶつかる。反応が遅れたか、彼女はダメージを受けた。
あいたっ…! そしてこのまま、もう一撃入れます! きゃあ!
蔦棍棒を燃え盛る蹴りで弾き返し、仮面が元の大きさに戻る。フェリンソワも宝石のエネルギーを収束させ、テラスタル前の元の姿に戻る。戦闘が終わった。
…やりますね。久々とは言え、まだ私は以前の強さが… ま、まさか!そんな訳が無いですよ。そうでなければ、私のテラスタルが此処まで対応されるなんて思いませんので!
決着は付かなかったものの、流石に自身より素早く火力も負けず劣らずなフェリンソワが相手では不利だった様だ。
では僕も…戦ってもいいかい。 ええ、誰が相手でも私は構いません。
次に戦うのはエオレンスタ。そして、蔦棍棒を再び手に取り、代わりに取り出したのは青い仮面だった。哀しみのエネルギーが、涙の如く流れる。
青の仮面よ!全てを濡らせ! その仮面は? 『井戸の面』です。この仮面に宿っているのはキタカミの里の思い出が…詰まってます。 井戸………そう言う事だね。
エオレンスタは「原始の栄光」の青い光を継いでいた。対して、アルゼリアンの井戸の面にもキタカミの里の村人と共に踊ったあの思い出が蘇っている。草と水の力を持ち、手に持っている棍棒は、川や滝の様な物が流れて濡れていた。仮面をテラスタルして、再び巨大化させる。
撃ち抜いて!テラスタル!
対するエオレンスタも、青い宝石によるテラスタルで全身が宝石をカットした様な姿になる。『α』の宝石は神のエネルギーが含まれていて、彼にそのパワーを与えた。
良し、行きますよ。
濁流を流し、視界を遮るエオレンスタ。しかし、アルゼリアンは容赦しない。
それぇ!
押し寄せる濁った水の波を蔦棍棒で縦に一振りし、真っ二つに両断した。アルゼリアン自身には草を蘇らせる能力こそあれど、この水の波を消す程の力は無い。では何故なのか。
これが…井戸の面の力です。ある時は流れる水を堰き止め、ある時は滝の様に強くしなやかに押し流す。今のは堰き止める方ですね。 波を切り裂くとは…!
『堰き止める』力と『押し流す』力を使い分ける、攻防一体の形態。それがこの井戸の面である。当然、これではエオレンスタに成す術は無い…と思われたが。
これはどうかな。 きゃあ!?
彼は冷気のビームを撃ち出し、蔦棍棒の流れている水を凍らせると言う戦法に出る。しかし、アルゼリアンはそんな事で狼狽えない。
…なーんて、それっ!! しまった!
種爆弾の爆風で吹き飛び、エオレンスタはダメージを受けた。しかしながらその反動で飛び、遠くから空気の刃を何発も飛ばした。
成程…まさかですが、空中にいれば大丈夫とか思ってないですか? …? まあ、そのまさかなんですけどね。
空中戦では分が悪い。そんな事は、アルゼリアン自身が良く分かっていた。蔦を伸ばし、飛び乗る足場を作り出す。そしてそこから、エオレンスタに接近して棍棒を叩き付ける。
…!思ったより速い!? えーい!
殴られる前にクイックターンで距離を取り、再び空気の刃が撃ち出される。そして、それらでアルゼリアンを牽制した直後に、彼から撃った大量の水が彼女に襲い掛かった。
きゃああぁーーー!! ふぅ………
相性が最悪だったとは言え、エオレンスタは何とか善戦した。アルゼリアンも、井戸の面により精神が強まったのもあってか、致命傷までは喰らってない。仮面が再び、元の大きさに戻った。それを見たエオレンスタも、解放していた宝石のエネルギーを収束させる。
…やはり、お強いですね。次は此方のお面で行きますが、どうしますか。 ちょっと、戦っても良いか? 私は誰でも良いけど…イヴはどう?この戦いはブリオッシュ様に任せて良いの? いや、良いんじゃない?私だと多分苦戦しそうな気がする。 あのイヴが苦戦するって!? いや、サン。驚き過ぎだよ。
次に取り出した仮面は『礎の面』。岩の様な灰色の面は、防御に特化した姿。無骨ながらも、楽しそうなエネルギーが宿っていた。
手合わせ願おう。 ええ。良いですよ。所で…貴方が『セブンスヘブン』の貴族と言う事は、[Aile]の王では無いのですね? …ああ。だが、俺が身を置く『セブンスヘブン』には貴族が後7人いる。その内の4人は[Aile]の王にもなっている。 えっ? 俺は何故王になれなかったのか。それは、同じ一族は2人以上[Aile]には置かない豊穣神様の方針だからだ。その代わり俺は新たに…[Aile]内で新たに結成した組織『エーデル・ヴァイス』のトップとして就任する事になった。そして俺も、緑の宝石を神様から授かっている。
ブリオッシュが手にしている緑の宝石。それは、天空神・逆転神・秩序神のパワーが込められており、Δの文字が表面に刻まれている。そして、この宝石も勿論…
影を滅せよ!テラスタル!
光と闇のハイブリッド、その2つのエネルギーに包まれてブリオッシュがテラスタルした。頭部にΔの文字が浮かび上がる緑の宝石が出現し、彼が宝石で形作られた姿になった。
面白いですね。私もやりましょう。
アルゼリアンは何と、ジニーエイラとの旅の思い出を宿してテラスタルした。一番最近の事なのもあってか、ジニーエイラが思わず反応する。
…あ、アルゼリアンさん…!私との思い出が…!
その仮面とテラスタルに込められていたのは、大切な思い出達。世捨て人となって他の地方へと向かっても、彼女の中で思い出は色褪せていなかった。
では始めるぞ。これをかわせるか?
ブリオッシュが召喚した無数の矢。光と闇、2つの矢がアルゼリアンに襲い掛かった。しかし彼女は、それをかわそうとはしない。
…?かわさない、だと…? ふう。油断しましたね?
テラスタルして巨大化した仮面を盾にしてどっしりと防御し、懐に近付いたアルゼリアン。そして、岩の如くゴツゴツした棍棒で、ブリオッシュを殴る。
ぐっ……!まだだ。
だが彼も諦めない。今度は、本来なら使えないであろう3本の矢でアルゼリアンに蹴りを入れた。そして動きを止める矢と、守りを崩す矢と、急所を狙う矢が彼女を襲った。
きゃあ!?…な、何故貴方がその技を…?本来の種族なら使えないのに… 気付いたか。俺は先の戦争の際に、ヒスイの時代に生まれた祖先からこの『闘気で矢を飛ばす』能力を継いでいる。その証拠に俺の翼は………捥がれた片方が深い緑の色になっている、と言う事だ。
何とか彼女の守りを崩し、ブリオッシュは再び矢を飛ばす。しかし、何故か当たらない。
成程…でも、これならどうですか!蹴りも出来ないでしょう! それはどうだろーな。
針山の盾を生成するアルゼリアン。しかし、ブリオッシュは臆さず蹴りを入れた。
…?何故、針に刺さらないのですか!? …もう一個言い忘れたな。俺に対しては触れると効果を発揮する類の小細工や搦手は一切通用しない。どんな技も、触らずに戦えるからな…と言う訳で。
尖った葉っぱを集めて剣を作り、アルゼリアンを飛ばして戦闘が終了した。礎の面のテラスタルが解除され、ブリオッシュも緑の宝石に光を収束させる。
俺はこれでも一応、『エーデル・ヴァイス』のリーダーを務めている。 やはり、お強いですね…。では、最後の最後にこれで行きますか。
そう言ってアルゼリアンが取り出したのは、残った碧の仮面だった。
0 notes
Text
鬼を探しに
本当に、常界にいるのか?彼女が…
ジニーエイラはワールドゲイザーとネクストゲイザーに写真を見せ、アルゼリアンがいたと言う場所を『エーデル・ヴァイス』の他の5人と一緒に探す事に。
一応ね、私はこの写真を撮ったホテルで会ったの。でも、それも大分前だからもしかしたら…。 違う地方に旅行しているかもしれないって事だね? 多分。
どう考えても規模が広過ぎるその人探しに、6人は少し考える。
こんな傷だらけの大自然だらけの地から探すのでしょうか? うーん、確かにね…。 でも、山だけは何とか無事だって言う話を聞いたが…? 行ってみましょう。
使命を受けて向かったキタカミの里。嘗ての鬼がこの場所を拠点にしていた時期があり、また、カロルディア特有の生物は大半が大昔に元々この地にいたと言われている。しかし、その時代では何者かによって災厄が降り注ぎ、キタカミの里となったつい最近では大きな地震が襲い、今はもう瓦礫と土砂を残すのみのただの大自然のままの荒地と化していたのだった。6人はその中で、唯一地震の影響を受けなかった鬼が山の頂上、てらす池に向かう。
此処が、かの有名な『てらす池』ですね。 僕が持っている宝石と、同じエネルギーが出ているよ。 えっ…?
よく見ると、フェリンソワのスカートにあるポケットの中の赤い宝石と、エオレンスタのスーツの内ポケットにある青い宝石が、大きく光り輝いていた。宝石を取り出す2人。
そう言えば、ラグナロク戦争でも最後に戦った時に…私とエオレンスタの宝石でテラスタルが起きましたね。 うん。僕とフェリンソワの宝石だけ、他のテラスタルとは一線を画する物と��いたけど…どうなのかなぁ。 テラスタル…?確かカロルディアでは『八角形の世界』で見ましたね。 エリアゼロは無いけど、大元の結晶さえあればテラスタルは使えるのかもね。あっちの世界でも見たし。 ああ…。そう言えば俺達が旅している間にエリアゼロの楽園の守護龍と戦ったんだってな、ジニーエイラ?
テラスタルと言えばパルデアのエリアゼロを想起させるが、ジニーエイラはその上空を飛んでいた『翼の王』と呼ばれる楽園の守護龍と一度戦闘を交えている。当の彼女の感想はと言うと………。
ふぇっ!?…うん。でも、そんな私もカロスからパルデアに飛んで向かう途中だったからね。結構強かったよ。互いにテラスタルしてなかったけど、仮にしてたらどれ程大変だったか…。 そっか。ジニィですら大変なら、私が戦ったら多分負けてたかも。 え。イヴは知ってるの? 一応ね。旅している間に『テラスタル』の現象を調べてたら、天候と足元の効果を消す『ゼロフォーミング』と呼ばれるパワーを持っている神様の話を知ってね、それで古代や未来から来た生物をジニィの撮ってくれた写真を元に辿ってみたの。そして、『日緋色の鼓動』を持つのが翼の王で、古代の野生的本能の血を目覚めさせる効果を持ってるの。
翼の王にアイヴァンヌが勝てないと言う理由。それは、相性を考えれば否が応でも思い知らされる事になるだろう。
古代の世界ではあの化石になる前の恐竜達ですら負ける程の強さだったと聞いたぞ。肉弾戦や格闘技では誰も勝てる生物はいなかったとか。 あ………そうだった。
そう考えると、相性上最悪な彼女がグゥエルに立ち向かえたのは恐らく、最低限の戦い方で対抗すると決めていた彼女の潜在能力の高さだろう。それを窺わせる程に、真性のメレンジアのしぶとさは恐ろしい。
うわっ!?…見て下さい! どうした? あれを…!
フェリンソワとエオレンスタの持っていた宝石が光を放った。それを浴びた結晶の光が、とある1人の女性を光照らす。その女性はと言うと…。
この人だ。私が会った人は…! え? お面が光っている………! 本当にこの人が、ジニィが言ってたアルゼリアンさん? うん!
強い光で共鳴した結晶。もしこれを彼女が知ったら、どんな反応をするか分からない。だが、それでも7人は会わなくてはならない。反応が少し怖いが、大元の大きなテラスタル結晶のあるパルデアの地に向かい、そこで彼女を合流させる事を考えた。
エリアゼロは流石に今調査中だから…東1番エリアとかで待ち合わせするか? それは良いかもしれませんね。 パルデアは多分、初めて行くかも…。 まだ慣れない? んー、うん。
そんなこんなで、7人はキタカミの里を後にし、パルデアへと向かう。
何も無い場所だな………。 草しか無いです。
風車のある町、ボウルタウンを抜けてハッコウシティに向かう最中に通る道、それがあるのが東1番エリア。辺り一面だだっ広い草原地帯で、ハッコウシティ周辺には海岸沿いの砂浜まである。
この辺で待っていましょう。 見せたテラスタルの光に導かれて、彼女は来るはず… でも僕達がいたら、流石に警戒はするとは思う。一応隠れた方が。 いや、そこまでしなくても良いと思うよ。ジニィがいれば、あっちから声をかけるだろうし。
1箇所の木に固まり、7人は他の王達とやりとりをする。それから30分が経ち…
確かこの辺に………反応が。あ!ジニーエイラさん! 久し振り、アルゼリアンさん!
緑の花柄のワンピースを着ている女性が1人。やって来たのは、7人が今回探していたと言う『鬼様』基…アルゼリアンだった。ジニーエイラとは以前会った時とかなり間が空いてはいるが、互いに旅に行ってた頃を覚えていた。
あの…そちらの方々は? 初めまして。 私達は、神界の神様達が所属する世界機関『I.A.』に所属する組織『Aile』の王であり………その1人、ジニーエイラの同僚の『リベティーナ』です。 私は『フェリンソワ』と申します。 僕は『エオレンスタ』です。 私は『アイヴァンヌ』だ。 俺は『サンディエゴ』と言います。 そして…俺が天界の貴族『セブンスヘブン』が1人…『ブリオッシュ』だ。 …と言う訳なんです。隠しててすいません。 え…?ジニーエイラさんって、王様だったんですか!? はい、と言っても[Aile]はかなりの実力者の集まりで構成されてまして…その強さを讃える為、『王』と言う称号を与えられているだけですので。全員で50人はいるとされていますが、王は王でもいわゆる『国王』とか『天皇』みたいな『帝』や『主君』では無いので、街を統治したりとかはしていませんよ。 そ、そうなんですね…
少し咳払いをして、ブリオッシュは本題を話した。
実は、俺達はその所属している[Aile]の命を受けて、以前にジニーエイラが出会った『鬼様』に会うべく…この場所で待ち合わせをしていた。もし嫌なら直ぐに言って欲しい。一応、コンタクトが取れた時点で此方としては構わないが… ごめんね、アルゼリアンさん。キタカミの里まで来たんだけど、手掛かりが掴めなくて。
素性を明かしたとは言え、やはりあまり会ってない人に掌を返されるのでは無いかと不安になったジニーエイラ。だが、当のアルゼリアンから返って来た言葉は………
…いえ。私はこの場所、実は知ってるんです。とある男の人と会いまして、この地にある結晶の事も全て知ってます。そうでなければ、私の持っていたこのお面は光りませんので。
過去を話しながら、懐に入っていたお面を取り出すアルゼリアン。その4つのお面とは緑色の喜びの仮面、赤色の怒りの仮面、青色の哀しみの仮面、灰色の楽しげな仮面。そしてそれらと、反応する様に光るのはフェリンソワとエオレンスタの宝石。
成程。2人の宝石で私は導かれたのですね。テラスタルの結晶が共鳴している以上、それはただの宝石では無さそうです。もし…宜しければ私と、お手合わせ願えませんか? えっ!? それは光栄ですが…アルゼリアンさんは大丈夫なんですか? はい。
何と拒絶するどころか、お手合わせする事になった2人。とは言え、どれ程の規模になるのかは未知数なのでテラスタルでの対決は流石に街付近ではしない事にした。
『エーデル・ヴァイス』としては、会えればそれで良いんですけど。 それにしても…エリアゼロは大変ですね。 え…と言うか私達、普通に禁足地に入っちゃってるけど大丈夫かな。 あー、イヴ。それは大丈夫だよ。 [Aile]はそもそも神界でも相応の実力者なので、中位なる世界にあるのです。 まあ、そう言われたらそうだね…。
何とエリアゼロにて、アルゼリアンとお手合わせする事に。地下深い第3観測ユニットから少し離れた隠れ岩場で、フェリンソワ・エオレンスタが彼女と戦う。
此処なら邪魔は入らないでしょう。 今、『ジャンクション』と『フェアボーテン』が確か第4観測ユニット付近で調査を続けているので、問題無いでしょう。 では、行きます。
0 notes
Text
分離した「神」のエネルギー
うーん………ここは?
何も無いはずの、光に包まれた何処かの空間。その中で目を覚ました白い髪の男の子。体を大きな衣服で覆い、意識がぼんやりとしたままゆっくりと体を起こした。
………えっ………ええっ!?
着ている、いや、着ていた服は大きさが合わずに体をすり抜けて落ちてしまい、幼い体が見えてしまった。
な、なんでぼくのふくが………!?
このまま起きたら生まれたままの姿になってしまうと思ったのか、その男の子は身動きが取れなかった。
——————
ふ、ふわぁ…。
別の世界で目を覚ましたのは青い髪の女の子。同じく、幼い顔立ちと体とは裏腹に大きな服が体をすっぽりと隠している。
ど、どこなんだろ………きゃっ!?
やっぱり、同じくサイズが合わないのかするりと落ちてしまい、あまりにも驚いたのか小さな手で服を止めた。
いやぁ………はずかしい………!
スカートが入っておらず、中にはいていた下着と共に足下に落ちていて、幼い女の子の体が半分程見えた状態で服を掴んでいた。
——————
う〜…むにゃ…
もう1つの世界、目を覚ました若草色の女の子。着ていたワンピースに体が隠れており、首元だけが見えると言う状態。
どこだろ?ここは………うわぁ!!
足が見えないまま、歩こうとしたからなのか着ていた服に躓いて前のめりに倒れてしまった。それだけ着ていた服が大きく見える…のではない。
ど、どうしてこんなことに…?
どうやら、中に履いていたドロワーズと下着が足元に落ちたまま歩いた所為で足を取られてしまったらしい。体が幼くなってしまったのか、袖が余った服から手足が出ない。
————————————
「聞こえますか 神の能力の継承者『グリッシーニ』さま」
え?………このこえは!
彼にとって聞き覚えのあった声。そう、この男の子は実は分離した神の能力を引き継ぐ為、火難の祠に来ていたグリッシーニなのだ。何故彼はこんな幼い姿になってしまったのか。
「今から 能力継承の儀式を 行います。貴方の意識と体のみが ワープした この名も無き場所でならば 誰も来る者はいません」
そう。でも…なんでぼくのからだはこどものすがたになっちゃったの。
「安心して下さい。体が幼くなってしまったのは 一時的なものです 余計な雑念が無い 無垢なその姿であれば 神の能力を 引き継ぐのに 最適で 早く終わるのです、最適化を目指した結果なのです」
…え。じゃあ、ほんらいのおとなのからだならどれくらいかかるのかな。
「恐らくですが 大人の体では 雑念が多く 最短でも1ヶ月は かかると思います。分離した私達は 消えかけていて そこまで 長く体を 持たせられないので 私の 能力を継ぐ 後継者を 探していたのです」
複雑な思考を持つ大人の体よりも、単純な思考を持つ子供の体の方が神の能力を継ぐのに適していた���と言うのが結論の様だ。幼児の体型になってしまった事を知り、顔を赤くするグリッシーニ。
「一糸纏わぬ姿で、来て下さい。流石に その体では 服を着て 行くのは 危険です」
そ、そんな…!
「勿論 約束します 儀式が 終わったら 貴方の 体を戻します。その時に 着直して下さい」
わ、わかりました。では…
グリッシーニはぶかぶかになってしまった服を脱ぎ、上と下、そして下着を含めてそれらを丁寧に畳み、先に進んだ。生まれたままの姿とは言え、幼少期から彼の体型は細い様だ。銀髪になったのは10代後半からなので、この頃は未だ白く、髪の毛も首元までしか伸びていない。
——————
「お待ちしておりました。神の能力を継ぐ『マリナディア』さま」
だ、だれ?まさか、まもりがみさま!?
名前を呼ばれ、困惑する。彼女は普通の幼い女の子ではなく、力が弱った守り神の自然と能力を継ぐ為に彼岸の遺跡に来ていたマリナディアだったのだ。そう、彼女も当然…。
あ、あのう。ちいさなおんなのこになってしまったわたしのからだは、もとにもどりますか。
「はい。儀式が終われば戻しますので、安心して下さい。複雑な考えを持たない子供の姿であれば、雑念に邪魔をされずに滞り無く終わります」
うーん…でも…
「今この場にいる貴女の事を誰も見てはいません。名も無き場所で話しかけている私ですら、その姿を見てはいませんので安心して下さい」
体が小さくなってしまった事で、ブラウスと上着が彼女の膝下までを覆ってしまい、足までしか見えない状態になっていた。下を見るマリナディアをよそに、話を続ける。
「今、消えかけている私の能力を救えるのは貴女です。準備が宜しければ、着ている服を全て脱いで来て下さい。その姿で向かうのは危険です」
えーっ!いやです………なんていえないですね………
「着直すのは儀式を終えてからの方がよろしいでしょう。来れますか?」
いきます。どうかなにも………
自分で決めた事と言うのもあり、今更もう嫌とは言えない。何も起きません様にと一つ呟きながら、マリナディアはぶかぶかになっていた服を下から脱いだ。幼少期の彼女は未だ金髪では無く青い髪の毛になっており、長さも肩あたりまでのショートヘアーであった。丸みを帯びた幼く細い体をしているが、背は今より高くない。誰にも見られていないとは言え、裸で行くには多少なりとも抵抗があったのか、先に向かう彼女の顔が真っ赤になる。
——————
「シアスティナ様 やはり、帰って来られたのですね。この地に」
なんで………わたしのなまえをしってるの?
「私は 貴女を 見守っていました そして今 私と同じ 能力を手にした 貴女が 戻る日を、消えかける 私の能力を 継ぐのを ずっと 待ってました」
大きなワンピースを着ていた小さな女の子の正体。それは、共鳴する強い力を感じ、4つあるパルデアの祠の1つに向かっていたシアスティナであった。この神は、パルデア出身の彼女が戻る日を朽木の祠で待っていた。
そうなんだ…。どうしてわたしはこどものすがたになってるの?
「この場所で起きる 不思議な現象です 儀式が終われば 元に戻せますが それを未だ 行っていなければ 貴女がどれ程 願おうとも 戻す事は 出来ません」
やだっ!そんなの…ずっとこのままなの!?
「行く前にも 言いましたが、その 幼い子供の姿なら 儀式は 直に 終わります 神のエネルギーが 注がれ 満たされるまでが 一瞬です 雑念が多いと その分 時間が掛かって しまいますので。用意が 出来たら 服を 脱いで 来て下さい」
周りを見渡して、誰もいない事を確認したシアスティナは改めて聞く。
このままきたら、だめなんだね?
「そうです そのままでは 危険ですね 着ている服は 元の体に 戻ってからでも 大丈夫ですよ」
…もう、いかないとね。
幼い体を覆っていた緑のワンピースを上から下に脱いでいき、足元に落ちたドロワーズと下着を置いて畳む。シアスティナの幼い姿は、やはりこの頃から既に細かった様で、あまり太らない体質である様だ。黄緑の髪の毛は短めで、まだ髪を結んではいない。
————————————
…さあ、きたよ。ぎしきって、なにをするの?
「置いてある 勾玉に 触れて下さい 私のエネルギーが 詰まってます」
こ、これが………うわぁぁぁっ!?
空中に浮いていた白黒の勾玉。それを触った途端、強い赤い闇がグリッシーニに流れる。手を離す事はなく、流れたエネルギーを受け取るが、あまりの暗い闇に彼の両目が閉じる。
うぅ………っ。
闇が晴れ、共鳴した2つのエネルギー。吸い込まれたそれは彼の体にしっかりと注がれ継がれた。
「これで 儀式は終わりです 感じますか 私の能力を」
うん………なんとなくだけど、かんじるよ。ぼくのからだがもどったら、つよくなってるかな。
「そうですね 私を 救ってくれて 本当に 感謝します。最後に、貴方の 体を 戻します」
う………うわぁっ!!
闇に包まれ、子供だった彼の体が大人の姿に戻った。長い銀髪に戻り、引き締まった肉体が甦る。
……ん………本当に戻ってる。皆の所にそろそろ戻らないとね。
脱いでいた服を着直し、グリッシーニは元の世界に繋がる光の先から出口に帰った。
「また いつの日か 会いましょう」
——————
…なんでしょう、うみのいきものが…
マリナディアがそのまま進むと、目の前にカジキのオブジェクトが浮かんでいた。
「それは私の能力を封じ込めたカジキのアクセサリーです。触れれば私の能力を継ぐ事が可能です、如何致しましょうか」
いきます。…いやっ!きゃああぁっ!!
ポニ島の守り神の力が宿った、カジキのアクセサリーを触った。青い光が強く放出され、その眩しさに彼女は片目を閉じてしまった。それを通じて、分離した神のエネルギーが流れ込む。
ふぅ………お、おわりですか?
光が晴れ、2つのエネルギーは彼女に全て継がれた。1つ呼吸して、守り神の力を体で感じる。
「儀式は無事に終わりました。私を救って頂き、本当に有難う御座います」
す、すごい………。わたし、たぶんですけどまえよりかみさまのちからをかんじます…!
「では最後に、体を元に戻しましょう。此処に来た際に、後ろにあった光の先から、元の世界に帰れますよ」
あ………きゃあぁっ!!
光を浴びた彼女。子供から大人の姿に戻り、短い青髪が長い金髪に戻った。その髪が、美しく豊満な体を隠している。
何とか戻れましたね。とにかく、着直さなくてはなりません。
さっき脱げてしまった服も、今は元通りに入る。マリナディアは着直しが終わり、元の世界に繋がる光の先へ消えた。
「私は、ずっと貴女のそばにいます」
——————
これ………なにかな。きのいたみたいな………
「それは『木簡』です 私の能力を それに 封じ込めて います」
も、もっかん?…きゃっ!?
空中に浮く木簡。紙という物が無かった時代、誰かに一報を書く際に、紙の代わりに木の板の表面に知らせる内容を書いて渡したと言う、歴史ある宝物である。その木の板に恐る恐る触るシアスティナ。深い闇に包まれ、手を伝って彼女の幼い体がそれを吸い込んでいく。
はぁ…はぁ、からだが、うごかない…。
あまりの強い闇に跪く。木簡に手を取ったまま、動けなくなっていたシアスティナだったが、闇を吸い切って晴れるとゆっくりと立ち上がった。
「良く出来ました 儀式は これにて 終了です。未だ 体が重かったりは しませんか」
いや…もうしない。いまはもう、かるい。こんなにつよいちからが、わたしのからだに…。
「貴女を 選んで 本当に 良かった。では、お望み通り 体を 元に 戻しましょう」
ほ、ほんとに!?…やぁっ!!
瞬きしてしまったシアスティナ。あっという間に彼女の体が元の大きさに戻り、幼い子供の体が成長し切った大人の体になって帰ってきたのだった。ふわっと髪の毛が伸び、しなやかな女性のスタイルを取り戻す。
私の方こそ、体を戻してくれて有難う。そろそろ、皆の所に帰らなきゃ。
置いて来ていたドロワーズと下着、そしてワンピースを体に通し、彼女は元の世界に繋がる光の先へ帰る。
「どうかご加護が 在らん事を」
0 notes