#蒼い刹那
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Title: Izanagi Industry
Arrangement: 紅い流星
Album: 東方爆音ジャズ16 虹
Circle: 東京アクティブNEETs
Original: The Obsolescent Industrial Remains, Ore from the Age of the Gods
#touhou#misumaru tamatsukuri#ore from the age of the gods#The Obsolescent Industrial Remains#unconnected marketeers#東京アクティブNEETs#tokyo active NEETS#東方爆音ジャズ16 虹#紅い流星#紅維流星#蒼井刹那#ショボン#山石本薫#��ロコマン
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Kenshi Yonezu - 「Shunrai」
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現れたそれは春の真っ最中 えも言えぬまま輝いていた どんな言葉もどんな手振りも足りやしないみたいだ その日から僕の胸には嵐が 住み着いたまま離れないんだ 人の声を借りた 蒼い眼の落雷だ
It appeared in the midst of Spring one year. I stood there, stunned, watching as it blazed before me No matter what I said, no matter what I did, it felt like nothing would've been good enough Ever since that day, a storm has lodged itself in my heart It was a bolt of lightning that had borrowed a human's voice, its eyes azure
揺れながら踊るその髪の黒が 他のどれより嫋やかでした すっと消えそうな 真っ白い肌によく似合ってました あなたにはこの世界の彩りが どう見えるのか知りたくて今 頬に手を伸ばした 壊れそうでただ怖かった
The black of your hair swayed as we danced, more graceful than anything in this world Your pure white skin always looked on the verge of fading away. It suited you so well I wish I could know how the colors of the world looked to you I reached out to touch your cheek, it seemed like you were about to break. I was scared
全てはあなたの思い通り 悲しくって散らばった思いも全て あなたがくれたプレゼント ゆらゆら吹かれて深い惑い 痛み 憂い 恋しい
Everything's going just as you wanted All these sad, scattered thoughts, each and every one of them is a gift from you This delusion, this pain, this sorrow, this yearning
言葉にするのも 形にするのも そのどれもが覚束なくって ただ目を見つめた するとあなたはふっと優しく笑ったんだ 嗄れた心も さざめく秘密も 気がつけば粉々になって 刹那の間に 痛みに似た恋が体を走ったんだ
Putting it into words, giving it form, it all seems so uncertain As I gazed at you, you suddenly smiled at me with all the kindness in the world My weary heart, this secret bursting at the seams - before I knew it, they'd both shattered In an instant, my whole body erupted into pain. It felt like love.
深い惑い痛み憂い繰り返し いつの間にか春になった 甘い香り残し陰り恋焦がし 深く深く迷い込んだ
This profound delusion, this pain, and this sorrow repeated endlessly. I blinked and it was Spring yet again A sweet scent lingered, my heart clouded over, my love was aflame. I had gone wildly astray
花びらが散ればあなたとおさらば それなら僕と踊りませんか 宙を舞う花がどうもあなたみたいで参りました やがてまた巡りくる春の最中 そこは豊かなひだ��りでした 身をやつしてやまない あんな嵐はどこへやら
Once the flower petals scatter to the wind, it's farewell. If this is how things must be, then would you like to dance? The flowers whirled through the air and vanished. Just like you Before long, at the height of Spring's return, there stood a brilliant patch of sunlight I wonder, where did that storm disappear to, the one that had enthralled me so?
まだまだ心は帰れない その細い声でどうか騙しておくれ カラカラに枯れ果てるまで ふらふら揺られて甘い香り 残し 陰り 幻
My heart still hasn't returned home Please, I want you to deceive me with that shaky voice of yours, talk to me until your throat is bone dry A sweet scent lingered faintly, swaying in the wind. It was a lingering shadow, an illusion.
聞きたい言葉も 言いたい想いも 笑うくらい山ほどあって それでもあなたを前にすると 何にも出てはこないなんて 焦げ付く痛みも 刺し込む痺れも 口をつぐんだ恋とわかって あなたの心に 橋をかける大事な雷雨だと知ったんだ
There's so many things I want to ask you about, so many things I want to say. It's laughable, really And yet, if I put you first, nothing will come of it This pain clinging to me, this numbness shooting through my body, I realized it was love keeping my mouth shut I knew I had to brave this storm if I wanted to reach your heart
どうか騙しておくれ 「愛」と笑っておくれ いつか消える日まで そのままでいて
Please, I want you to deceive me. I want you to laugh and say this is love Until the day we fade away, I want you to stay just the way you are
どうか騙しておくれ 「愛」と笑っておくれ いつか消える日まで そのままでいて
Please, I want you to deceive me. I want you to laugh and say this is love Until the day we fade away, I want you to stay just the way you are
どうか騙しておくれ 「愛」と笑っておくれ いつか消える日まで そのままでいて
Please, I want you to deceive me. I want you to laugh and say this is love Until the day we fade away, I want you to stay just the way you are
どうか騙しておくれ 「愛」と笑っておくれ いつか消える日まで
Please, I want you to deceive me. I want you to laugh and say this is love Until the day we fade away
言葉にするのも 形にするのも そのどれもが覚束なくって ただ目を見つめた するとあなたはふっと優しく笑ったんだ 嗄れた心も さざめく秘密も 気がつけば粉々になって 刹那の間に 痛みに似た恋が体を走ったんだ
Putting it into words, giving it form, it all seems so uncertain As I gazed at you, you suddenly smiled at me with all the kindness in the world My weary heart, this secret bursting at the seams - before I knew it, they'd both shattered In an instant, my whole body erupted into pain. It felt like love.
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雑 詠
花鳥誌 令和6年10月号
雑詠巻頭句
坊城俊樹主宰選 評釈
雑詠巻頭句
ばつさりと切つて未練の髪洗ふ 野口 孝子
これは女性ならではの感性であろう。男にはわからない世界。この「未練」とは何か。むろん髪を切ったことによるのだが、私には永遠にわからないこの世の刹那なのかもしれない。「ばっさり」はそれらすべてのしがらみ断ち切る心の動き。
匂ひたる女の齢髪洗ふ
これも髪を洗うことによる女性の感性。匂うということはとても大切で深淵である。女性の存在そのものにかかわることなのだろう。実際に匂うというより匂うような妖艶な存在。そしてこの齢というものは妙齢を越えた存在ということなのだろうか。
あの人もああこの顔も走馬灯
「ああ」とは「嗚呼」。走馬灯のように儚く廻っていた人生。それはやはり亡くなっていった人への感雑詠評釈 坊城俊樹慨。全人生の感慨を諷詠したこの句ほど巨大なものを見たことが無い。走馬灯の句としても唯我独尊の境地にある存在。
蓮池や底は樹海に魚の影 生本 道代
蓮池の蓮というものは水面に浮いている。しかしそれを支えている茎は水中に樹海を形成しているという。そこを漂う魚はあたかも鳥のようにも見えてくる。
読経らし葉のひしめきか蓮の池
蓮池であるからこそ仏教の読経を想像する。それが滔滔と流れ、葉は犇めきてあたかも仏教の経典を流しているようにも見えた。
底見えぬ池にまぶしき白睡蓮
底が見えないのは濁りによるか深さによるか。しかし唯一咲いている白い睡蓮の花はそれだけの世界を作っている。あたかも白い光を発光させているように。
髪洗ひ沛然の夜を深眠り 渡辺 美穂
沛然とは雨をさす。そんな夜にこそ髪を洗う。しとどの雨に打たれるように。
着くづれに若さの匂ふ初浴衣 伊藤 ていこ
若きには若きなりの着崩れというものがある。この夏の浴衣にもそんな色気が。
出雲路の神話の杜を夏蝶と 池垣 真知子
夏蝶と行く神話の国の杜。そこにはあらゆる神々が存在する。とても高貴なる句。
今日はより濃く紫陽花の通学路 蒼井 音呼
今日という日はここにしか無い。ゆえにこの紫陽花の色はまたかくべつ。
玉葱を切つて左右の生まれたる 佐伯 緋路
玉葱というものはまんまるの玉ではない。それを切るとそこには左右の歪みがある。
今夜だけ風鈴しづか話さうよ 坂井 令子
風鈴の静かさは風もそうだが、作者の心の静かさでもある。
いそいそと出かける母の洗ひ髪 鮫島 成子
なにしろこの句の命は「いそいそ」。母もまた女の性の持ち主。
戦場となりし子らの地ゼラニューム 平田 伸子
例のあの国どうしの殺戮を尽した戦争。子たちの聖域に咲くゼラニューム。
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悲哀に満ちた血戦の果て
ラグナロク戦争。グゥエルと紫・橙・黒の翼を持つ3姉妹を首謀者として起きたそれは余りにも過酷で、非常に苛烈な戦いだった。5つの世界のその全てにおいて、数で制圧しようとする敵陣営に対して、各世界の陣営が選りすぐりの精鋭達を集め、戦闘を繰り広げては鎮圧していた。だがそれでも、流された血。既にどの世界も満身創痍の戦闘員達で医療が逼迫し、満足に戦えなくなっていた。
そんな中、神界の新体制で生まれた新たな組織[Aile]が、グゥエル達のいる巣窟を遂に突き止める。ところが、その彼の嗾けた何種類もの生体兵器の圧倒的な戦闘力により、神達はおろか、何とあの上位の「テン・ジュエルズ」ですら戦闘不能にさせると言う最悪の事態を前に、残された[Aile]の人達ならびに、一部の未だ戦える人達が代表して最後の戦いとなる「双拳の塔」の攻略戦に挑む事に。
塔での戦いではメガシンカやダイマックスと言った戦闘テクノロジーを使い、最新技術を取り込んだ生体兵器や3姉妹達を次々と退け、いよいよグゥエルのいる最上階に足を踏み入れる。だが、彼は最高傑作の生体兵器「No.OO」や脱獄する際に手引きして連れたシュトゥールを使い、神の力を授かった2人やガラルの神達を戦闘不能にさせていたのだった。[Aile]の中でもトップクラスの集団である「アヴェック・スター」も流石にNo.OOの前に苦戦するが、機転を効かせたグルナッシュにより形勢が逆転。神の子と言う正体を持つ「ナチュラル・ミスティ」を救い、そして駆けつけたフェリンソワ、エオレンスタ、アイヴァンヌによってシュトゥールも撃破した。
その後、アイヴァンヌが戦闘不能にさせていたガラルの神達を「テン・ジュエルズ」から預かっていた取って置きの最終手段、聖なる灰で復活させ、遂にグゥエルの野望を止めるべく[Aile]の王達が対峙した。彼が非情な手段で手にした力を前に、終始苦戦を強いられるが、それでもダイマックスエネルギーを使用したフェリンソワとエオレンスタによって一時は戦闘不能にさせたのだった。しかし彼は諦めず、キョダイマックスを使用して一撃の型と連撃の型、それぞれで2度も相手をする事になったが、復活した神達と神の力を授かった2人…グリッシーニと、マリナディアの活躍により鎮める。戦闘に必要なダイマックスエネルギーも尽きかけたその時、グゥエルの体に異変が生じ………。
────────────────────
う………うううああああああ………っ…!!
怒りと共に、グゥエルが強烈なバリアを展開する。あらゆる攻撃から身を守るこのバリアはダイマックスエネルギーで満ちており、ダイマックスによる攻撃でなければ致命傷を与えるに至らない。
な、何が起きてるんですか!? 奴は暴走している、このままでは危険だ。そなたらは未だいけるか? ええ、行けますけど………
豊穣神に聞かれ、答えるフェリンソワとエオレンスタ。2人は最初の戦いでキョダイマックスを使い、エネルギー切れで使う前の元の姿に戻っていた。再使用までには時間が掛かるが、もう少し持たせられれば未だ戦況を打破出来ない事もない。だが、ここまでの状態となると、無限神もかなりの警戒をしている様だ。
此処は一度私達にやらせて貰おう。 時間稼ぎくらいにはなってやるぜ。 さあ、止めよう!
駆け付けた「アヴェック・スター」の6人。3人の竜の波動に、2人の斬撃、そしてトラヴェリアが撃った2本の矢。小賢しいと言わんばかりに振り回すグゥエルの攻撃をかわし、バリアを破壊していく。
もう一撃だ。 此処で一気にいくよ! さて………覚悟してね?
2枚の翼による2連撃、悪の波動に波動弾、地震の衝撃、そして光弾に闇に紛れる一撃。またしてもバリアを破壊し、グゥエルが苦しむ。だが………
全員、纏めて消えろ。
締めのダイドラグーンを喰らって一度は怯むが、それでも奴は止まらなかった。最初に出したのは大きな氷塊。
きゃあああ!! うわあっ………!! きゃあっ!!
流星群の如く降り注ぐ巨大な��の如き氷塊に、キャステラナ、パトリオット、そしてトラヴェリアが氷の爆発と共に吹き飛ばされる。
さてさて、これはどうかな。早業で攻めるぞ!
巻き込む暴風がアーレンティとサランバートを襲う。素早いその一撃に反応が間に合わず、壁に激突するサランバート。
がはっ………!! あ…!!………未だ、未だ諦めない………!!
その大砲に持てるエネルギーを全集中し、体に負担が掛かる程のビーム砲を発射したグルナッシュ。そしてその砲撃が顔面に直撃した次の瞬間、グゥエルが力業を繰り出して来た。
その昔………ヒスイとか言う、アルミアの隣にあった地に代々伝わる「早業」、そしてこの「力業」………この時代になっても喰らう気分はどうだ?
その刹那、グゥエルの発言に何か嫌な予感を感じたグルナッシュ、そして警戒していたアーレンティに、巨大な両拳が力強く振り抜かれた。
きゃあああぁぁぁ!!! ぐは………っ………
バリアを何枚か破る事には成功したものの、グゥエルからの激しい攻撃の応酬に遭い、「アヴェック・スター」の全員が戦闘不能になってしまった。
う、嘘………そんな………!! アヴェック・スターの6人が………一瞬で………!
思わず狼狽えるジニーエイラとサンディエゴ。そんな2人をよそに、豊穣神が前に出る。先程は黒い馬の力を手にしていたが、今は白い馬の力を手にしている。
下がれ。此処は余が………私が道を切り開く。
強力なサイコパワーを使い、鋭い無数の氷柱の槍を生成する。そしてそれらを、暴れ回るグゥエルに向けて射出した。
貫け。そして………その心臓を穿て!
グゥエルの体中に刺さり、砕ける氷柱の槍。その余りの痛さに苦しみ出し、猛攻に耐えきれずバリアが砕けた。
ごおほっ!!!が……が………ぐああ………うぉああああ!!
またしても血を吐く。その隙を見て豊穣神に続こうとした蒼剣神、紅盾神、無限神を前に、グゥエルはまた一吠えし、ダイアースを繰り出した。
なっ……!? きゃあっ!! いやっ………!! うっ………
4人はダイアースで戦闘不能にこそならなかったものの、続く左手の巨大連撃と右手の巨大一撃の2連発を喰らい、再び力尽きてしまった。
何度も奇跡は起こらん!!この塔と共に滅びろ!!
グゥエルは再びバリアを展開し、一時的にダウンさせるダイマックスエネルギー由来の波動を飛ばした。それをウバーデゴスが音波で相殺し、目の前に立ちはだかる。
そうはさせねぇ………。俺がお前達の為に、時間を稼ぐ。 私達も協力します。 未だ終わってない。
そしてその彼の隣にいたのは、グリッシーニとマリナディア。その隣にもファジーフェがいた。何としてでもフェリンソワとエオレンスタの時間を稼ぐ為に、戦いに備えてマリナディアが光を放出する。
………���ぁ!!!
生命神の持つ光を放出するジオコントロールを使い、4人の能力を強めた状態でこの暴走状態のグゥエルに挑む事に。
何人でかかっても同じ事よ!!
毒に塗れた腕で殴りつけようとするグゥエル。だが、その攻撃を吹き飛ばしたのはウバーデゴスの「巨大鼓乱打」だった。
…それはどうかな………
爆音が響き渡り、この一撃でグゥエルが崩れ落ちる。見た事無いキョダイマックスの攻撃と言う予想外のダメージに苦しみ、バリアが強く砕けた。
ぐあおおお!貴様ら……!!
その隙を逃さずに、すかさず追撃するグリッシーニとマリナディア。噴火弾と噴水弾の攻撃が上から降り注いでくる。
このまま押し切ります! 吹き飛ばせ! 私も続きます。
追撃目的のファジーフェの「エレメンタルレイ」により、火・水・草・雷・氷・光の6発のビームを浴びた事で不思議なバリアが猛攻に耐えきれず破壊され、再び防御が疎かになるグゥエル。しかし未だ終わらないのであった。
ウググ………ウグウオオオオオオオオ!!
勢いに任せ、強烈なダイマックスエネルギーの嵐を攻撃に変えて周囲に強くぶつける。
きゃあああっ!!! がふっ………!!!
同時に敵の能力を一時的だが消し、残った僅かなエネルギーで最後のバリアを張る。まさに最後の最後で野獣の如き荒々しさを見せたグゥエル。しかしそれでも、王達には未だ諦められない理由があった。
何とか………する!ディエゴ、私に続いて。
今も尚暴れ回るグゥエルの前に立ったのは、剣と盾を構え…最後の覚悟を決めたアイヴァンヌとサンディエゴだった。
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原作:吉田修一×監督:大森立嗣 10年ぶりのタッグへの想いが到着!!
5月17日(金) から公開される映画『湖の女たち』より、原作・吉田修一と監督・脚本の大森立嗣のコメントが到着しました。
大森と吉田は、2013年に映画化した『さよなら渓谷』で第35回モスクワ国際映画祭にて日本映画48年ぶりとなる審査員特別賞を受賞し、そのほかにも数々の国内賞を受賞し高く評価されました。本作は、『さよなら渓谷』以来2度目のタッグとなります。
10年ぶりのタッグに期待が高まります。
■大森立嗣(監督・脚本) もし『さよなら渓谷』と『湖の女たち』が似ているのだとしたら、どちらの主人公の男女も惹かれ合うが、決して恋愛ではない。だが、ふと愛が生まれそうになる。澄んだ水が、次の瞬間流れていってしまうような愛は『さよなら渓谷』。停留し淀んだ水に浮かび上がるような愛は『湖の女たち』。ふたつの愛は純で美しい。けれども、いや、だから捉えようとすると水面の泡のように消えてしまう。「美は刹那にあり」とでもいうように。吉田修一さんの小説はそれを撮ることを迫ってくる。
■吉田修一(原作) 例えば、いかがわしい歓楽街で、この先には進まない方がいいと肌で感じる。だが作家の性なのか、そんな路地にこそ足が向く。そして大森立嗣という映画監督は、そんな路地の先にすでにいる。 映画『さよなら渓谷』を観た時の衝撃を未だに忘れられない。赤い橋の欄干から渓流を見下ろす男と女の佇まいに、痺れるほどの生命力とエロティシズムがあった。公開後、主人公かなこを演じた真木よう子さんが主演女優賞を総なめにしていく様子も圧巻だった。 あれから10年になる。 自分ではこの『湖の女たち』で、さらにいかがわしさを増した歓楽街の、さらに怪しげな路地に入り込んだつもりだったが、やはりそこにも大森監督はすでに立っていた。 そして、人間というものが、いかに愚かで美しいものか、その露わな様を表現する手腕はさらに研ぎ澄まされ、湖の魔にとり憑かれた福士蒼汰さんと松本まりかさん演じる男と女の、豊かな表情や無表情、その冷えた身体や火照った肌からあふれ出る生命力とエロティシズムに、見る者は溺れるだろう。 『さよなら渓谷』から10年。大森監督が再び分け入った人間ドラマ『湖の女たち』は、さらに奥深い所で見る者を待っている。
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--深海人形-- 重力のある夢の大地
※クロスオーバーネタ注意
※星のガンダムネタあり
※全体的に閲覧注意
※雑多にネタをぶち込み
※キャラ崩壊注意
…。
…私は、バトルガレッガを、CAVEシューを、ダライアスを、レイフォースを、レイストームを、メタルブラックを、イメージファイトを、R-TYPEの事を、ずっと覚えてる。心の内に持ち続けて、抱き続ける。死んで、あの世に逝っても。ずっと。
…。
「…だからネェ、ハルカンドラはとーってもステキな所なんだヨォ!」
イカサマたまごの、出鱈目満載なハルカンドラの話を、純粋な眼差しで興味津々に聞くウラキ。
「…其のハルカンドラに僕も連れてってくれるかな?!!?」
「…イヤ、駄目ダネ。オマエ何もして無イジャン。」
…。
「…ハルカンドラは約束の地でネ、沢山の未知なる魔法とテクノロジーが眠っているンダ!!」
「…ほぅ、面白い。…其のハルカンドラとやらを、私の目で実際に見て来てやろうでは無いか。」
そして、荒廃したハルカンドラの光景を見て頭抱えるシロッコであった。
「…クックックッ……、…ドウシタノ??ww」
…。
「…自慢のアトラクション、刹那の見切りダヨォ!!」
…マホロアが其う嬉しそうに言うと、其処で、
「…何故、私がそんな遊びをせねばならん?」
…特に、大それた理由も無く、シロッコが、マホロアを強く掴みながら聞く。…すると、マホロアは此う答える。
「…デモネェ、モシィ、シロッコが参加シテ、ボクに勝ったラァ、メタルジェネラルを分解シテ良イ権利をあげるからネェ!!」
「…なぁ、シロッコ。此んな奴の言う事なんざ……、」
…意外と良心的な所を持って居るヤザンは、シロッコの身を案じて、声を掛けるが………、
「…受けて立つ!!!!!!!!(←※MS・MA鍛冶屋なので、ハルカンドラの機械製造技術が何としても欲しい)。」
「…ハァ???????」
…思わずヤザンは、此の上無く呆れ返る。
「…ソウソウ!ソウコナクッチャ!!…キミは此レ使ってネェ!ウルトラソードォ!!」
「…嗚呼、…分かった!!」
…其うしたゲームの説明と準備(※Now Loading)の後、ゲームは初まった。
…。
…。
!!
其の時、僅かに、マホロアの方が早く、あのスイカバーの様にシロッコに、マホロアと同じ位の大きさのローアのフィギュアが刺さる。
「…キャハハハァッ!!!無様ダネェ!!!!」
そして、あんな無様な姿を見て、大笑いするマホロア。
「…ほらな。あんな勝負に乗る方が如何かしてんだよ。」
其う言うと、割と面倒見が良くて優しいヤザンは、シロッコの事を生暖かい目で見守って居る(※本当はあんな奴なんて無視したいのだが)。
…、
…ト言ウ訳デ、当然の様ニ、ボクの放ッタローアは、スイカバーの如ク、シロッコに刺さりましたトサ(※オシマイダヨォ⭐︎)。
…。
…皆「…シロッコは玩具じゃないけど、玩具にして良い(※あすらんも割とそう)!!。」…って、思ってるよね、奇遇だなぁ、…ワイもだよww(※此の界隈仲間居過ぎるww)。
…。
…某イカサマタマゴ所有の天駆ける船は、滅茶苦茶人類を監禁する事に適して居ると思う今日この頃(※某女みたいな名前の子とソロモンの悪夢を閉じ込めたい)。
其のイカサマ卵には、拷問器具も沢山作って欲しい。処刑器具だけどギロチンも作って欲しい(※某有名なアレ帝国並のセンス)。
…漫画版のローアって、意図も容易く動けなくなったり、破壊されたりしてるから、モビルアーマー系出さなくても、ザクIIのヒートホークは無理でも、ジ・オ位性能と機体馬力が高かったら、案外、簡単に撃沈出来んじゃないかな??…って、思いはじめてる(※撃沈する気満々)。
…。
…『館主様と蒼傑達は噛ませ犬』では、RXQシリーズの性能を見せる為の対戦相手として館主様達に相手をさせて��ますが、本当は、『ある種身内的存在(※同じシリーズ内の存在で、各種ゲーム等で度々共演)』…と言う事で土門やチボっち、サイ君辺りでも良かったのです。
然し、多分、相手を土門かチボっちかサイ君にすると、彼等に刃身が触れる前に、彼等が斬られる何処か、逆に柄を破壊されるだろうし、RXQ-03(※元々生体部品としての運用が前提���ので、白兵戦には、実は、向いていない)を完封するだろうと推測しているからです。…なので、館主様達は犠牲になったのだ……。…サムスピ&月華的斬殺演出、其の犠牲にな……(※…後、館主様等は無様に惨殺されても、…文句言う人全然居ないし……)。
…RXQ絡みの話で土門とチボっち達出すなら、RXQがやる仕事の監督をさせる(※製図の仕事をさせた際に、逃げたりサボらない様にする為の)話でも良いと思うけどね(※個人的に)。
…。
※クロスオーバー注意
※Effigy-RXQネタ
詳しくは此処参照(※ https://www.tumblr.com/azure358/744844690918162432/%E6%B7%B1%E6%B5%B7%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%AF%87-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88-%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AC-%E6%BA%96%E5%82%99%E5%8F%B7 )
※RXQ-03、ハルカンドラへ
…"ハルカンドラ"。
…かつて、其処は、『未知の魔力とテクノロジーが眠る約束の地』…と呼ばれた、非常に高度な科学技術と魔術の文明が咲き誇った地。其の高度な文明と技術は『願望を具現化する』…と言う驚くべき機能を持った神器すら作り上げたと言う。…然し、其の詳細、全貌については、未だ明らかにはなっては居ない。さて、其のハルカンドラのハルドラボ火山地帯、其の近くには、かつて興隆を誇ったが、其の後に、衰退に衰退し切り、廃墟寸前の状態になった大規模な工場地帯があった。
更には、其の工場地帯には、ローアを移動手段にして襲来して来たと言う屈強な盗賊団に荒らされたと言う事件もあった。
----過去に、其の様な強盗事件もあり----、工場地帯の廃墟化、衰退は益々止まらない。
だが、そんな中でも、新たな"来訪者"は現れた。
…。
…其のヒトの男は刀を持っていた。
紫色の髪で、右目が髪と同じ色、左目が金眼の、白い服装の男。とても端正な顔立ちで甘いプロポーションをした美青年、…だが、"心が壊された様"に虚な瞳をしている。…大変不気味だ。
「…嗚呼、素晴らしい……。」
…彼だけで無く、『彼等』は、未知のテクノロジーを求めていた。
「…私にとって、甘い、機械の匂いがする。」
敵部隊として遭遇したドゥビア群を瞬く間に手討ちにし、其の異様で不気味な雰囲気に強く怯えるハルカンドルディ達を尻目に、彼は火山地帯に繋がる橋に向かう。其の途中には、メタルジェネラルがいた。
メタル ジェネラルは、其のメインカメラで侵入者を見ると、即座に迎撃の準備を初める。
其の様子を見た刀を持つ剣士の青年は、此う、少し、物思いに耽けた。
----誰かが遠隔操作しているとは思えん……
「…自立行動AI搭載か?矢張り、面白い機械だ。」
…既に戦闘を開始しようとしている、其の様なメタル ジェネラルを見ても、RXQ-03は、余裕の表情であった。
そして、戦闘開始。
…早速、其の機械は熱く、頭部中心部から蒸気を吹き出しながら、すぐさま、ビームサーベル(※ゲーム制作公式の名称)を出してRXQ-03に向かって振るい初める。
「…小型のビームサーベル!?!???」
…其う、驚嘆の言葉を言いながら、RXQ-03は軽く楽勝で避ける。…すると、メタルジェネラルは十何発ものミサイルを出す。…然し、RXQ-03は其れ等を、余裕で全て斬り落とす。
そして、更には、電磁ニードルが飛んで来るが、其れ等はまるで"敵"には当たらない。
…其の他の兵装も、"敵"には敵わなかった。
…其の様な中々の強敵の登場に、メタルジェネラルは、其のAI思考に少しずつではあるが、ショートを起こして行く。
…其れから、其うして、
「…カトンボが。落ちろ!!」
其の一瞬に、一閃--RXQ-03渾身の一撃を受けたメタル ジェネラルは、完全に、自身の機能を動かす事が出来無くなり、戦闘に敗北した。
「…何だ。…弱いでは無いか。」
其の、自分御目当ての機械が倒れたのを見た、RXQ-03 ペットネーム「オーキッド」が、…機能停止したメタル ジェネラルを、手持ちの刀"矢山"と自前の工具で分解して、中身を確かめようとする、其の時……、
…其処で、分離状態のランディアが現れた。
大事な仲間であるメタル ジェネラルに凄まじい無体を働くRXQ-03に対して、ランディアは酷く警戒している。
「…此れは面白い。驚いたな。」
--…本物のドラゴンの御出ましとはな?
彼の言葉が分からないランディアは、クゥー!クゥー!!と威嚇し続けて居る。
其の後、色々考えた挙句、武器の刀あれど、「…然し、白兵戦では、あの空飛ぶ爬虫類に私は勝てん。」…と悟った彼は、刀を鞘に納め、火山のある方向に背を向けて踵を返す。
「…好きにしろ。どうやら、私はやり過ぎた様だ。だが、今度は、私の機動兵器を連れて此処に来させて貰うぞ。…さらばだ。」
…其う言うと、其の『侵略者』は其の場を去って行った。
…。
…。
※この先館主様グロ注意
※小ネタ
「…嶺厳が、妖怪腐れ外道に食われてから……もう二年か……(多分ふーけつ)。」
「…早いな……(多分鴻元君)。」
----…何!???!??!!この一発ギャグ?!??!!!!!(※的確なツッコミ)。
…。
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ヤンヨグトラック卓#1 異世界上等!ド級猛暑のヤベー森
!ご注意! このログには、裁定ミス、吟遊プレイ、内輪ノリなどが大量に含まれます。 どんとこいガハハ!な方のみ、お酒でも飲みながらのんべんだらりとお楽しみください。
ちなみに文中で使用しているナイスな各種シートは公式サイト(http://www.bouken.jp/pd/yy/)からDLできるぞ! るるぶを購入したら、今日から君もヤンキーだ!!
遥かなる異世界、ガイヤンキー。 かつて偉大なるグッドヤンキーに救われたという、ファンタジーとヤンキー文化がざっくりと混ざってしまったこの世界で、人々は平和な時を過ごしていました。
ですが… 耳をつんざく蝉の声。辺りが霞むような湿気。 ここ、フォレストウェイの町の人々は、目を剥き、口をだらしなく開けて、その場にへたり込んでいます。 そんな最中、歓声が聞こえてくる場所がありました。 名状しがたい神の像を祭った邪教の神殿。ここもやはり、うだるような暑さなのにも関わらず、中にいる男たちは皆熱狂しています。 リーダー格と思われる男が足を踏み出すと、それを称えるように群衆が声を上げます。 ザンッ!(足音) \ショー番長!/ ザンッ! \ショー番長!/ ザンッ! \ショー番長!/ ザンッ!!! \ショー番長!/ 「お前ら…」 刹那の静寂。 「夏は好きかあああああ!!!!!!」 うおおおおおおおおお!!!!!!! バッドヤンキー、斬馬祥とその取り巻きたち。そして、無理やり従わされているエルフたちは滝のような汗を流し、喉を枯らしながら、祥の声に応えます。 その様子を陰から見ながら、涙を流す少年が一人。 「父さん…母さん…」 少年は走り出しました。 手には、神殿に忍び込んで探し当てた禁断の魔導書。 人気の無いところで、少年は見様見真似で魔導書の魔法陣を書き始めました。 ありったけの想いをこめて、呪文を口にしながら。 「ヤンキー様、ヤンキー様、どうぞお出でください…」 「遥かなる異世界より…どうか、どうか我らをお救いください…!!」 少年は最後の呪文を魔法陣に書き込みます。 ”夜” ”露” ”死” ”苦”
召喚されたあなた方を、むわっと息苦しい熱気が包み込みます。 目にまず映るのは、広大な森。いえ、巨大な木々の立ち並ぶ中にいる、と言った方が正しいでしょう。どうやらあなた達は、巨大な樹の洞の中にいるようです。
似天堂裕太郎:おおお……お…… 稲原 アギト:すごい難しい呪文だぜ! 小野 蒼真:少年…頑張ったな… GM:少年、がんばりました。 GM:そして暑いです。めっちゃ暑い。 小野 蒼真:みんなまとめて一緒にいます? GM:はい、います! 小野 蒼真:やったーひとりじゃない! GM:少年「勇者(ルビ:ヤンキー)様…伝説のヤンキー様だ…!」 劔 理一:「…オイオイオイオイちょっと待てや、12月のはずじゃあねえのか? このクソ蒸し暑さは一体…」 「弁当が傷むだろうが! ざけんな!」
※たいへんだ。
似天堂裕太郎:「あちーーーー!!! switchの発熱がYABEEEEEE」 稲原 アギト:「どうやらここはとんだメキシコのようだな」とシート・ベルトを外し車から降ります 車はたぶん本セッションでは使わないと思います GM:はい。ここで安全に確保されておけます>車 小野 蒼真:「……!?!?(暑いな!?となにこれ!?を含みつつ、つけまを固定している)」 劔 理一:「メキシコはもっと乾いてンだよ! …あ? お前…」なんか知ってる人の声がするぞ! 稲原 アギト:「この弁当は…!」 ※前回でも触れましたが、アギトとリヒトは前卓で同席しています。気になる方は「#ヤンヨグ鮭卓」で検索だ! 似天堂裕太郎:メイク崩れ少しもしてなさそうだな、そーまくん 小野 蒼真:さすがに夏用じゃないから長居するとすっぴんになっちゃう…!
※たいへんだ。
劔 理一:12月にメイクキープパウダーは携帯してないか…! GM:メイクの上から汗拭きシートパタパタしたりしそう 持ってないか! 小野 蒼真:すっぴんでも魂がギャルだからきっと大丈夫 GM:あまりにもつよい 劔 理一:生き様だから…! リヒトもなにしろ冬のつもりだったから卵とか入れちゃったんだぞ弁当に 炊き込みご飯は痛みやすいんだぞ
※ギャルとは生き様。ルールブックにもそう書いてある。
小野 蒼真:あぶない はやく食べないと! 劔 理一:「保冷剤は入れてあるが…いつまで持つか…」 稲原 アギト:せっかくだから露のところに停めるか
GM:まあ辺りを見回すと、噂のヤンキーと、あるいは見知った顔と、異世界が広がっているわけです 稲原 アギト:注目するべき場所が多い どこから裁く? GM:みなさんが狼狽えているとですね、少年が口を開きますよ GM:少年「ぼ、僕、ボビー=ケイです!ヤンキー様、僕たちを助けて!」 稲原 アギト:「おれを呼ばなかったか、いや、弁当がおれを呼んだかもしれん」スチャ 稲原 アギト:開いた口に弁当を入れてほしいと GM:「え、えーっと。僕のぬるくなったクラフトコーラならあります…」少年オロオロ 稲原 アギト:うろたえさせてしまった 劔 理一:「わりと良いモン飲んでんじゃねえか」 劔 理一:等と言いながらアギトさんの口に梅肉カツを一切れ押し込みます(フレーバー) GM:相変わらずのおいしさです 稲原 アギト:稲原 アギトが仲間になった! というシステムメッセージが出ます チョロいな 小野 蒼真:テイムされている GM:早いな!!! 似天堂裕太郎:ユータロくんは通信が途切れてしまったのであたふたしています 「レートが落ちちまう!」 GM:たいへんだ!!>レート
※たいへんだ。
劔 理一:ああっ切断厨だと思われてしまう! GM:「す、すみませんヤンキー様!僕が急に召喚なんてしたばっかりに!!」オロオロオロ 小野 蒼真:蒼真と他のみんなはどれくらいの知り合いでいたらいいんだ! 印象はあるから顔見知りくらいではあって良い? GM:顔は知ってる他校のヤベー奴くらいの距離感ですかね 小野 蒼真:噂は知ってるくらいの距離感 了解です! GM:おいおいあんなやつらがいるのかよまじかよみたいな 友情は追々深めていけばよきです 小野 蒼真:わあい、深めたい 稲原 アギト:スプラのネームは「ベイブ」、二つ名は「ファッションヤンキー」です 劔 理一:スプラやってる!!! GM:スプラやってる!!!! そんな中、ボビーと名乗った少年は皆さんに友好的ですね 劔 理一:そうだそうだ とりあえずオロオロしている少年をなんとか落ち着かせてあげよう 似天堂裕太郎:オロオロ 「べべべべべつにおれはびびってねーからな!」 GM:じゃあボビー君は似天堂君と一緒にオロオロしてます 稲原 アギト:おろおろしている少年が二人になった GM:「ヤヤヤヤンキー様すすすみませあわわわ」 似天堂裕太郎:「おおおおおちつけ、ガキンチョ、レートなんてレートなんて回線落ちなんて1ヶ月で元に戻せるからららら」 小野 蒼真:「ヤンキーじゃなくて、アオちゃんだよ」としれっと呼び名を少年に覚えさせます 劔 理一:「…おう、落ち着けや。お前、俺たちを呼び出して、何を助けてほしいってんだ?」 劔 理一:と、一度��勢を正して座ってから言い出しましょうかね 「そこのキョドってる奴も含めて、俺らは話は聞く漢だからな」 稲原 アギト:「しょく生活か?ドリトスはいいぞ」茶々を入れますが無視してください
※ドリトス…逆噴射先生の愛するスナック。おいしい。
GM:「一か月!!!それは本当にすみません!すみません!!!」してからリヒトさんに「説得」されました 落ち着いて説明をしはじめます ボビーはたどたどしく説明をし始めます。 ヤンキーたちの感覚だと、彼は10歳前後といったところでしょうか。 相応の語彙力ではありますが、以下のような内容です。タウンマップ貼りまーす
※「洞窟系ダンジョン」は、基本ルールブックの「山系ダンジョン」の名前を変えて運用しています。追加ルールブックのそれとは違う効果となっておりますのでご了承ください。
小野 蒼真:たうんまっぷ! クラフトコーラ流行ってるんだ GM:クラフトコーラ流行ってます。なんせ素材が豊富 ここ、フォレストウェイの町は、巨大な樹の上に築かれた町です。 ツリーハウスが作られた大樹同士を魔法で補強された吊り橋やキノコの橋、空洞になった枝などが繋いでおり、中には大樹の洞そのものが小さな集落になっているような、巨大な樹もあります。 樹に成る果実や、枝の傾斜を利用した小さな段々畑から取れた作物を出荷したりして、皆おだやかに暮らしていました。 似天堂裕太郎:ナワバリがある 「スプラの新マップ……だいぶ勝負仕掛けてきてん��」 GM:ですが、ある日どこからともなくバッドヤンキーたちがやってきてからというもの、暦の上ではもう収穫の時期だというのに、毎日が真夏日。農作物の生育は悪く、皆動く気力と体力さえ失っている有様だと言います。 劔 理一:ウッドエルフとかが住んでそうな街だあ… 稲原 アギト:闇落ちエルフもいる! GM:実際、住んでる住民はほとんどがエルフですね 小野 蒼真:毎日が真夏日、忘れていた怒りを思い出してしまう
※シナリオの狙い通りの反応、ありがとうございます。
GM:ボビー「あのショー番長って奴はあまりにも強くて…どうしようもなくて…皆『ゼツボウ』しているんだ。」 ボビー「僕のパパとママまで連れ去られて、あのショー番長を称える変なギシキっていうのに参加させられているんだ!」 ボビー「お願い、あいつらをやっつけて、ヤンキー様!!」 ボビー「ヤンキー様は強いんだ!強くて、優しくて、かっこよくて、悪い神様だっておっぱらっちゃうって!寝る時に、パパにいつも聞かせてもらってたんだ!!」 (この後町をうろついて、NPCとの交流シーンがあって、戦う理由を固めていく感じなので、ここで承諾しなくてもOKです。) 稲原 アギト:あまり協調性のないヤンキーにも優しいシステム 劔 理一:「チッ…夏はある程度アツくなけりゃあ、野球も盛り上がらねえし良い米も育たねえ。だが、暑すぎるってのは頂けねえな。まして今は冬だぜ、なァ?」 「俺は断る理由もねえ。この喧嘩、噛ませてもらうぜ」 小野 蒼真:男前~~~~~~ GM:「勇者様…!」ボビーが目をキラキラさせてます 劔 理一:今年の猛暑のせいで新潟のお米が壊滅してるんだよ! 問屋は大弱りさ!!! というか今週末の最高気温が20℃あるのもお前らのせいか!!!!(某地方の某所より) GM:リンゴももっさで蜜も入ってないよ!!! 似天堂裕太郎:何らかの念を感じる! 小野 蒼真:ゆるすまじ!!! GM:PLのさついがあがっていくぞ!いいぞ!! 劔 理一:魚沼のコシヒカリをお客さんに胸張って勧められない日が来るなんて!!! ハアーッハアーッ これはゲームです 現実と混同してはいけない
※だいじ。でもシナリオの狙い通りの反応ありが…オシゴト大変デスネ……。
小野 蒼真:「よく分かってないんだけど、その、なに? 何か悪いやつをボコしたら帰れんの?」 劔 理一:「前に来たときはそうだったな」 GM:「あっ……あの、もし帰りたいって言うのであれば…その…すぐにでも…」少年泣きそうになりながら 小野 蒼真:あっ少年を泣かしてしまう 稲原 アギト:「待て。悪いが車がどかせない」 稲原 アギト:「バックはこれから習うところだったんだ」あれ?時系列がおかしいな
※おかしいね?
GM:「でも、でもお願いです!まるで夏のまま時が止まっちゃったみたいで…!!」 劔 理一:「まあ任せな。チビが泣いてんのを放って帰るほどシャバくねえよな、お前ら?」と他の三人を 小野 蒼真:「うわ~~~やめてやめろ泣くんじゃない、全部拾っちゃうから!!」 今朝も5匹分のトイレの世話とご飯を用意してからお化粧をはじめました 里親募集しています GM:「すみませんアオ様…!ありがとうございます!!」
※事前に、「貴方がたは雨の中鳴いている子猫を放っておけないようなグッドヤンキーです!」と説明したら、ガチで拾っていらっしゃった。グッドヤンキーの鑑だ。
稲原 アギト:プイプイ 「まあおれはメキシコが毎日でもかまわんが、そのショーという男とは拳を交えてみたい」 GM:ちなみにモルモット的にも危険な暑さですが、グッドヤンキー力でどうにかなってます(はいりょ) 小野 蒼真:良かった 劔 理一:子供と動物の無事は確認された よかった 似天堂裕太郎:「(ウッウッ)おう おれはガキのみかただ (オレノレート……ウウ)」 似天堂裕太郎:「ガキンチョには優してやるもんだぜ(ピエン)」 GM:「すみませんヤンキー様、すみません」似天堂さんにはひたすら頭を下げます 似天堂裕太郎:「ちっさいやつは頭下げるもんじゃねーぞ! おら!頭上げる! おれの肘置きになる! いいな!」
※頭くしゃくしゃしてるのかもしれないし、ガチでただの肘置きにされてるのかもしれない。
小野 蒼真:やさしいお兄ちゃんだあ GM:「うっうっうっ、はい…!!!」少年ちょっと元気づけられました 劔 理一:滑り台を占領していたバッドヤンキーを撃退した逸話がひかる! GM:皆さんが好意的なので、文句なしにボビーから皆さんへの友情度が上昇します! 関係表オラー!
GM:こうなりました! GM:純粋な少年だった よかった 劔 理一:わあ勇者様だ 素直にうれしい 小野 蒼真:つよい 似天堂裕太郎:すごそう 稲原 アギト:協力することになった皆さんは、まずは町の様子を見て回ることにしました 小野 蒼真:ボビー「あ、あの!ショー番長は熱いお風���が好きなんだって!もし行くなら気をつけて!」
※GMからの露骨なヒント。無いのが普通ですので、もしこれから卓を囲む方はこの卓が特殊だと思ってくださいましね。
そしてうろつきフェイズの説明を終え、1サイクル目。
うろつきフェイズ 1サイクル目
似天堂裕太郎:2:2になった???? GM:綺麗にペアができましたね 小野 蒼真:ニテンドくんが一緒にきてくれてる! 似天堂裕太郎:ニテンド さみしがりや 稲原 アギト:さきほど弁当をもらってパーティー加入しておいたかいがあったな 劔 理一:わーいわーい GM:では順番に処理していきましょう~ 似天堂裕太郎:はーーい
GM:1 風呂屋 大樹から大きな湯舟が花弁のように突き出しており、魔法の給湯器で常に新鮮なお湯が供給されている魔法の風呂屋です。 身を乗り出せば、360度に近い絶景パノラマが楽しめます。洞の中には、洗い場や内湯もあります。 ですが今はバッドヤンキーの指示により、どの湯船も足をちょんとつけただけでひっこめてしまうようなグラグラの熱湯で満たされています。 小野 蒼真:無事奪還したら是非いきたい風呂屋 GM:斬馬が入ってきて「ヌルい!!勝手に温度下げてんじゃねーぞクソが!!!!」「そ、そんなことしてませんん…」「うるせえ!!!」 さらに温度が上がって、斬馬たちの陣地になりました 小野 蒼真:さらに暑くされちゃった… 稲原 アギト:良い湯だったな… 似天堂裕太郎:サービスシーンだった
GM:3 お祭り舞台 良い感じの樹の枝元を利用し、噴水や植え込みの作られた、風光明媚な公園だったようですが、 今は「偉大なるショー番長」と、でかでかと書かれたデコトラステージが中央に準備されています。 周囲でうなだれているエルフに話を聞くと、斬馬を称える集会を、夜な夜なやらされているそうです。 GM:兵隊ショゴスが、テケリ・リ!テケリ・リ!と、会場の様子を満足そうに視察しています ここも敵の陣地になりますね 小野 蒼真:かわいいな
GM:5 ボウリング場 かつて世界を救ったヤンキーによってもたらされたという競技専用の施設で、立てたピンにボールを投げ込んで遊びます。今は斬馬の命令で、冷房ではなく暖房が入っているようです。 まだどちらの陣地にもなっていません 小野 蒼真:ひどいよお あついよお
GM:6 邪教の神殿 もともとは祭事などに使われていた神殿のようですが、現在は入り口に不気味な石の塔が作られ、内部の祭壇には斬馬率いる「大花火」のシンボルが描かれ、そして名状しがたい異形の神の像が安置されています。 闇堕ちエルフたちが怪しげな儀式をしています。敵の陣地になります。 似天堂裕太郎:まるでクトゥルフだ
※そう たぶんそう 部分的にそう
稲原 アギト:似天堂の文字列が出るだけで面白いのずるいよ 似天堂裕太郎:ふふふ
GM:さて、残りの2施設ですが、洞窟系ダンジョンでアギト&リヒト組が参謀、似天堂&蒼真組が兵隊ショゴスとかちあったので、「喧嘩上等!」が発生して喧嘩になります。先に洞窟系ダンジョンを処理します 小野 蒼真:わあい喧嘩だ喧嘩だ
GM:2 洞窟系ダンジョン 樹木の内部を利用して作られていた通路でしたが、邪神の影響により迷宮化しています。 内部は瘴気と異臭、そして湿気が立ち込め、未知の菌糸や玉虫色の植物で浸食されているようです。 通りすがりのエルフが、奥には宝箱や菌の親株のようなものがあるという噂があるが、除去しようとしに入って行った冒険者たちは誰も帰ってこなかったと教えてくれます。 内部に入ると、壁に張り付いた植物や虫がひっきりなしに襲ってきますが、グッドヤンキーである皆さんの敵ではありません。 で、中で二人は宝箱を発見します。 稲原 アギト:おれは今脳ないのビジュアルをスカイリムにしている 劔 理一:「木の洞なら多少涼しいかと思ったが、この空気じゃ温度が多少低かったところでだな…しかし、何だありゃあ?」 わかる 今脳内でテルヴァンニの領域がフルカラー再現されてる 稲原 アギト:「宝ばこが自生しているな」 劔 理一:「自生してたまるかそンなもん」 小野 蒼真:野生の宝箱 GM:ついでに、宝箱を燃やそうとしている『大花火』の参謀と目が合います。
劔 理一:! 稲原 アギト:こいつらにはブレワイとか買い与えたほうがいいんじゃないか GM:「なんだなんだァ?まーた弱っちい冒険者が…アン?てめえら…俺らと同じ世界の人間か…?」 劔 理一:「…あ? 可燃物満載の部屋で花火ブチ上げようって魂胆の野郎と『同じ世界の人間』扱いされたかねェな」 GM:「っせーなぁ!!ここはショー番長のナワバリなんだよォ!わかって入ってきてんのかアァン!?」 稲原 アギト:「その宝ばこのギミックはおまえには難しそうだな。じゅんとうに敵を倒したらあくということにするか」
GM:「俺こそ『大花火』のブレイン、花田!やれるもんならやってみろやァ!!」 喧嘩でーす!PCの番からです! どちらからでも、お好きなヤンキースキルを宣言して攻撃をどうぞ! 稲原 アギト:おもむろにるるぶを参照している 少々待たれよ
※すかさずルール確認をするPLの鑑。
GM:喧嘩はP198ですね 稲原 アギト:1かいずつ攻撃だな 劔 理一:まだテンアゲでもないし武器もないしとりあえず【殴る】か… GM:はい!では判定どうぞ! 劔 理一:【剣術】で【殴る】を使います! オラオラァ
劔 理一 2d6 -->3,1-->合計4
劔 理一:ウーン GM:「ハンッ!なんだそのトロイ動きはよォ!!」 当たりませんでした アギトさんどうぞー 劔 理一:ちょっと暑すぎたな… 稲原 アギト:おれも殴ることしかできないようだな GM:蒸し暑いね ベイブでテンアゲすれば武器攻撃いけますよ
※アギト氏のテンアゲアイテム。使うとぷいぷい応援してくれる予定。
劔 理一:拳を空振って、額の汗を拭いながら一旦間合いを取り直そう 稲原 アギト:なるほど、いやまあボクシングだからな 殴るでいいだろう 【ボクシング】で【殴る】!
稲原 アギト 2d6 -->1,1-->合計2
稲原 アギト:暑い 小野 蒼真:暑くて大変そうだ GM:ふるわない 稲原 アギト:気温表示がMEXICOになってる 劔 理一:気温はMEXICOだし湿度はナムの地獄だよぉ
※忍殺語。お経を読んだわけではないがそうかもしれない。
GM:「ハッハー!なんだそのふぬけた攻撃は!こっちから行くぜ!『華の花田』の一撃、受けてみろ!」 GM:リヒトさんに殴りかかります 5以上で成功!
GM 2d6 -->5,4-->合計9
小野 蒼真:っょぃ 劔 理一:だめだ完全に相手が地の利を得てる GM:5点ダメージです 打たれ���さを引いて4点ですね HPを減らして、テンションを一段階上げてください 稲原 アギト:2りもいるから完全に勝ったなと思ったはずだったが 似天堂裕太郎:やばそう GM:では2ラウンド目です!PCのターン! 稲原 アギト:おれはどうせ殴る、いいところノーガードでついでにテンションをあげるくらいしか作戦がないからリヒトにまかせるぞ 劔 理一:武器がなあ! ないんだよなあ! 再び【殴る】ですかね
※戦闘スタイルが「剣」のため、武器を切望するリヒトPL。
GM:そこに尖った棒とかもあるよ 劔 理一:あっそうかその場にあるやつ使っていいんでした 稲原 アギト:スカイリムでよくおちてるよな
※だいたいは元の所有者が近くに転がっている。
GM:そうそう テンアゲになったから使えます 劔 理一:じゃあいける そのへんに転がってるうち…こう…いい感じの棒を拾い上げて 二、三回素振りした上で【武器攻撃】だ! GM:はーい!判定どうぞ!
劔 理一 2d6 -->2,5-->合計7
GM:当たります!ダメージまずは1d6でどうぞ!
劔 理一 1d6 -->2
GM:2+2+1+1で6点ですね 劔 理一:ヨシ!!! GM:打たれ強さがあるので引いて5点ダメージです
※ここ裁定ミス。「尖った棒」には出血効果があるので、本来花田くんには出血が付与されます。
GM:「クッ!!!こいつ、急に攻撃が鋭くなりやがった…!」 稲原 アギト:物理的に鋭い棒を使っているきがする 劔 理一:絶対物理的に鋭い だから突きはやめといてあげたよ GM:アギトさんどうぞ! 稲原 アギト:はい!相変わらず【ボクシング】で【殴る】!
稲原 アギト 2d6 -->3,3-->合計6
GM:当たります! 計算するまでもなく倒れますね「チ、チク…ショウ…」ばたっ 稲原 アギト:よし テンションは普通なのでそのまま5点ダメージと思います!引いて4かな…!? 余ったダメッジは募金箱に入れた 稲原 アギト:チャリチャリチャリン GM:チャリチャリン。 GM:戦闘に勝利したので、お二人ともテンションが1段階上がります! 劔 理一:「…やれやれ。心頭滅却すればどうのこうの、ってな」 劔 理一:「さて、宝箱は開くか? 効果音はセルフで頼むぜ」 稲原 アギト:「ホットな男になっちまう。よし。せーので開こう」 GM:ではせーので…普通に開きました。パカッ 【利用効果】に明記されているアイテムからお持ちください! 劔 理一:ヤッター!!! あっ長剣と木刀どっちにしようかなあ! 劔 理一:扱いにくさ1かー
※戦闘スタイルが「剣」なので、ルンルンで剣系武器を物色するリヒトPL。
稲原 アギト:テンションが普通→テンアゲになった GM:そんなあなたに武器リスト リヒトさんはテンションがマジ切れになりましたね GM:攻撃力だけなら岩オススメです 稲原 アギト:たしかにつよい 魔法の爆弾も気になったがおれは真の男 このMEXICOてきな岩を持っていこう 劔 理一:じゃあ私は素直に木刀にしようかな 一番オーソドックスなのが一番つよい はず GM:はーい どうぞお持ちください あとアイテムもポーションかテンアゲアイテムどっちかがついてきます ポーションは「変調」の回復に使えますね 稲原 アギト:おれにはすでにE:ベイブがいるからポショーンにしよう ポショーンをいただこう
※(´・ω・`)ポショーン
GM:はーいどうぞー 劔 理一:テンアゲアイテムどうしよっかな 既にマジ切れしてるからな GM:「既にマジ切れしている」 小野 蒼真:ワードがつよい 劔 理一:私もポーションにしようかな! なんかこう…これから先ちょっと火傷とかしそうな気配がするし… 稲原 アギト:じゃあ乾杯して いや飲まずに持っていこう 喉が渇く… 劔 理一:「クラフトコーラ、貰っときゃよかったな」 稲原 アギト:「同いけんだ……」 GM:ではその先をさらに進んで行くと、菌の親株のようなものがありまして。それを破壊すると瘴気が薄れ、異臭も収まり、周囲を覆っていた菌や玉虫色の植物、そして今まで襲ってきていた有象無象が、その活動を停止しました。相変わらず少しじとっとしていますが、暑さしのぎの場にはなるかもしれません。 劔 理一:「チッ…ダチのアパートの風呂場を掃除し終えたときみてえな気分だ」
GM:では少しだけ涼しくなったダンジョン内にいるアギトさんとリヒトさんの他愛のない会話ですね。一休みしてるのでしょうか、戻る際中でしょうか。 代表の方、話題決めのd66をお願いします。 劔 理一:これはアギトさんに振っていただこうかな! 代表は多分そっちだろう… 稲原 アギト:やった~!
稲原 アギト d66 -->61
GM:嫌いなものの話 盛り上がらなそうなら振り直しても大丈夫です 劔 理一:アッこれはシリアスにもくだらない方向にもいけるやつ GM:オッ 似天堂裕太郎:ヤンヤヤンヤしてよう 劔 理一:アギトさんさえよければこの話題で! 稲原 アギト:いいだろう おれは必死に逆噴射文体をグーグルでググっていた GM:お望みならさっきブッ飛ばした参謀がへっぴり腰で逃げて行くシーンとかお挟みいたします 逆噴射インストール 稲原 アギト:こしぬけだろうなと言う気がしたがこのシチュエーションにふさわしいのかはわからないところだった おっ GMの誘導に乗るとするか 劔 理一:ですね! GM:では、頭から血を流しながら(処理しそこねていた出血)「ひ、ひぃ~~~~ッ!ショー番長ォ~~~ッ!!!」と、へったらべったらおっちら逃げて行きます 稲原 アギト:結構ケガしてる 劔 理一:さらっと未処理の部分を回収する華麗なるGMしぐさ GM:せっかくなので思いつく限り情けない走り方で逃げます
※手足だばだばさせて逃げる感じ。
劔 理一:で、リヒトは多分その後姿を眺めながら汗を拭いつつ 「…あんなシャバい奴でも、その『番長』だかのことは好いてンだろうな。あと暑さもか」 なんて感じでぼそっと GM:ベイブは暑さが和らいだので嬉しそうにプイプイ鳴いています 稲原 アギト:「ふむ。気に入らないな。しんのおとこなら一人で立ちむかってこそだ、なあベイブ」と言いながら取得した岩を置きます GM:プイ! 劔 理一:「いや今俺ら普通に二対一やってたけどな???」 小野 蒼真:>岩< GM:>取得した岩を置きます 稲原 アギト:「それにしても暑い。おれはホットな男は好きだがこの暑さはいただけない」 劔 理一:「まあそれはともかく、だ。――お前はアレか、暑いのは嫌いか」 似天堂裕太郎:テーマにいった!上手! 稲原 アギト:「フ……」ちょっと笑う「おれはしんのおとこであるためしゃく熱は甘んじるが、ベイブはそうでもない」 GM:プイ… 稲原 アギト:「ベイブはメキシコ生まれじゃないんだ」アギトもそうでもない 劔 理一:ああーーーその返し最高です というかその流れを待っていました 似天堂裕太郎:待ってください モルモットの原産地は南米です 劔 理一:そうです モルモット、わりと南米です GM:プイ
※ここから暫し、モルモットの生態談義に。
劔 理一:リヒトは多分モルモットがメキシコ産か否かはそれほど気にしていなくて、ただベイブへの言及に 劔 理一:「そうだな。――なあ、俺は別に、どこのどいつがどれだけ暑いのが好きだろうが、別に構わねえと思う」 「例えば俺の親父みたいに、音楽といえばジャズかクラシックだ、みたいな奴をどうこう言う気はねえ。だが」 と、ベイブのほうをチラ見し、それから参謀が逃げてったほうを見ます GM:プイ? 稲原 アギト:やはり、ベイブはかわいい 似天堂裕太郎:ダーティーで硬派な二人の会話だわ 小野 蒼真:だわ 稲原 アギト:ダテにダブってないというわけだ(アギトだけだよ!)
劔 理一:「その『好き』でカタギに迷惑かける奴、それだけは気に食わねえな」 「自分は好きだがこいつにとっちゃ苦手だ、そんな当たり前のことが奴らは解ってねえ」 ベイブを気遣うアギトさんにちょっと敬意を表するかたちで 稲原 アギト:「そういう連中ははいて捨てるほどいるな」とうなずこう GM:プイ!
劔 理一:「――そんなに暑いのが良けりゃ、てめえらだけでサウナにでも籠もってりゃいい。籠もらせてやるよ。俺はそう決めた」 「で、お前はどうする」 稲原 アギト:「みながみなおれ……いや、”おれたち”のようにしんのおとこというわけではない。おれもこしぬけどもを黙らせてやるとしよう」 「あとたんに暑い」 GM:プイプイ! 劔 理一:「へッ、お前ならそう言うと思ってたぜ。――『たち』に入れてくれんのか、有難うよ」
小野 蒼真:ユウジョウ~~~~! 劔 理一:「それはそうと単に暑いのはマジだ。ああ畜生、本気でコーラ貰っとくんだったな… って感じですか??? いやアギトさんの嫌いなものの話してなくないか 稲原 アギト:こしぬけNGなのでいいと思います! 劔 理一:わーい! GM:ありがとうございました~!お互いへの友情度を1点増やしてください!関係を変更することもできます
かく��てダイスを振ってみたりやっぱり考えてみたりで、最終的な友情度の変動はこうなったのだった。
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作品集『TOKUSATSU』
1.「Prologue ~ 君が地球に降り立った日」
それは、特撮の世界だと思っていた。 あの日が来るまでは。
それは、空想の産物だと信じていた。 あの日が来るまでは。
かつてバイロンは綴った。 「事実は小説よりも奇なり」と。 今ならその意味が手に取るようにわかる。
数年前の出来事から世界は変わっていった。 光の速度で変わっていった。 君が存在するのが当たり前になった。
明日、生きているかわからない。 今日、生き残れるかわからない。
何故なら、彼らはいつどこに現れるかわからないから。
それでも、君がいる限り。 君が地球に存在する限りは。
僕は生きることを諦めないでいようと思う。
君が地球に降り立った日。 僕に「生きろ」と勇気づけた瞬間。
僕たちは君を―――と呼ぶ。
2.「地球防衛軍は共生の夢を見る」
私の両親は怪獣に殺された。 ずっと怪獣のことが憎かった。 怪獣を殺したくて仕方なかった。
言葉にならない憎しみを溜め込んでいた。 そのうち、恋人が星人に殺された。 彼らへの憎悪はますます増幅していった。
大学卒業を機に、創設されたばかりの地球防衛軍に入隊した。 私が配属されたのは、怪獣と星人を調査する部署だった。 駆除部隊への配属を希望していただけに、失望した。
地球防衛軍は彼らを必ずしも駆除対象として見てはいなかった。 共生の可能性を常に模索していた。
現実に、身体の一部を引きちぎられたり、心に深い傷を負ったりした人がいるのに。
一応、戦闘行為が可能な巨大ロボットも保有していた。 しかしながら、それらの行為は駆除部隊の管轄で何も出来なか���た。
言葉にならないもどかしさを溜め込んでいた。 そのうち、街がひとつ消えた。 政府の計画に巻き込まれたらしい。
廃墟と化した街に横たわる巨大な亡骸。 見たところ、星人に敵対心はないように見えた。
意思疎通に悩んでいただけで。 自らの言葉では何も伝えられなかっただけで。 私たちが見つめようとしなかっただけで。
なぜ、彼は殺されなければならなかったのか。 なぜ、街は殺されなければならなかったのか。
人も、怪獣も、宇宙人も。 たったひとつの命なのに。 たった一度の人生なのに。
夜明けがやけに美しかった日、私は変わった。 そして、地球防衛軍の思惑が更にわからなくなった。
3.「異銀河からの侵略者」
最近、妙なことが起こっているらしい。 あるブランドの靴を履いた人がいなくなっていく。 しかも、まるで取り憑かれたように、何処かへ行ってしまうそうだ。
地球防衛軍はただちに調査を開始。 一般人が報道で知ることの出来る情報はここまで。
だが、好事家たちは独自に情報網を構築。 不思議の正体を突き詰めようとしていた。 僕も情報網の存在は風の噂で知っていた。
ある夜のことだった。 いつもと変わらない大学の帰り道だった。 駅から離れると人が減っていく。 遠くに悲鳴が聞こえた。
見ると、星人が女性を連れ去ろうとしている。 女性は必死に抵抗するが、星人は力が強く、まったく相手にならない。 通りすがりの男性が掴み掛かったものの、一瞬で伸びてしまった。
僕は電信柱に隠れ、地球防衛軍に緊急出動要請を行った。
何故だろうか。 この先の記憶がない。
地球防衛軍に情報を伝え、星人が逮捕されるまで。 星人が逮捕されてから、女性とともに取り調べを受け、帰宅するまで。 記憶の断片が繋がらない。
噂には聞いていた。 怪獣や宇宙人、地球外の現象に遭遇した者は記憶を消されると。 それでも、日本政府も地球防衛軍も、そんなことはしないと信じていた。
まるでぽっかりと穴が空いたかのように、存在しない記憶。 そこを埋めるかのように、辻褄の合わない記憶。
僕は一体何を見ていたのだろうか。 何に出逢ってしまったのだろうか。
秘密裏に処理された存在に想いを馳せる。
4.「宇宙怪獣に感情はあるか」
宇宙から怪獣がやってくる。 一週間前に宇宙から降ってきた怪獣を見るまで、非現実的だと思っていた。
一日目、その怪獣は工場地帯に現れた。 石油化学コンビナートの液体をすべて飲み込んだ。 地球防衛軍は迎撃するが、まったく歯が立たなかった。 怪獣は生物然とした姿をしており、海へと帰った。
二日目、その怪獣は都市に現れた。 まるでダクトのような構造物の中心に蠢く内臓。 地球防衛軍は新型ミサイルで攻撃するが、まったく歯が立たなか った。 怪獣はすべての戦闘車両を行動不能にした後、空へと帰った。
三日目、その怪獣は山に現れた。 野生怪獣を次々と叩き起こし、蹂躙した。 地球防衛軍は野生怪獣を守ろうとするが、まったく歯が立たなかった。 怪獣はまるで満腹になったかのように、数日間、山で眠り始めた。
私たちのチームは怪獣の調査を始めた。 行動パターンの予測が立たず、常に姿を変化させる怪獣。 攻撃も、防御も、意思も、すべてが存在しない。 ただ毎日現れ続けては、甚大な被害を与え続けた。
地球防衛軍は怪獣を凍結させる作戦を立てた。 かつて地球に初めて怪獣が現れた日と同じ作戦。 今回はさらに自動運転が可能な車両を転用し、火力を増幅させる。 困った時には必ずといっていいほど実行されてきた案だ。
だが、今回の怪獣にはそれが通用しなかった。
翌日、二日目の形態が人型に変形したかのような姿に変わった。 いわゆる第五形態である。 宇宙からやってきた怪獣は街を光線で破壊し始めた。
しかし、ある少女が涙を流しながら、テディベアを差し出した。 すると、怪獣は同じように涙を流し、翼を生やして、地球を去っていった。
私はその少女の記憶を削除した。 少女は無邪気に怪獣の話をしていた。 ほんとうに健気でやさしさのある少女だった。 すべての作戦が終わった時、私の何かが壊れた音がした。
5.「謎のエージェント・ナギを見破れ!」
僕が裏路地であの星人を見つけた時、心が凍りつくような感覚。 そして、プリンア・ラ・モードのような甘美さ。 トラウマに焼き付けられた愛の記憶。
あらゆる世界が塗りかえられていく音がした。 だが、その刹那に銃撃音。 星人を追いかけていく地球防衛軍の兵士たち。
僕はその場から立ち去った。 真夜中、夢の中に星人の笑顔が焼き付いていた。
真昼、夏の風が衣を替えようとしていた頃。 友人とサンドイッチを頬張る。 カフェテリア、突然の混乱。
慌てて手足が動かなくなった友人に、星人が迫る。 僕は友人を助けようとしたが、身体が固められてしまった。 一歩ずつ、距離を縮めてくる中で、スローモーション。
空っぽになった友人の肢体。 次は、僕の番だ。
星人が友人の声で喋る。 いつもひょうきんな友人が野望を語るが、語釈が見えない。 どうやら星人は日本語を知らないらしい。
語り終わると、突きつけられたナイフ。 いや、ナイフのようなもの。 次の瞬間、僕は蒼空を見つめていた。
夢の中に現れた女性。 その名をナギと名乗った。
プラネタリウムのような空間、突然の覚醒。 見渡せば、友人が眠っている。 僕は星人を詰問した。
星人はふと仮面を外して、こちらに距離を縮めてきた。 僕は星人の正体をひと目見た時、驚いた。 そして、銃声とともに、目の前に白い血が広がる。 さようなら、ナギ。
6.「いつも地球を守ってくれる君へ」
「もう少し、私たちがしっかりしていたら」って思う。 生まれたばかりの組織で、ちゃんとした戦力もなく。 大隊長が戦死してからは本部の直轄になった。 そんな私たちに、君を助けられるわけがなかった。
今回、初めて君が怪獣に敗北した。 これまでの怪獣や宇宙人とは訳が違った。 私たちの武器は何も役に立たなかった。
戦いの中で何人もの仲間が散っていった。 駆除部隊ではないけれども、戦闘には参加する。 このところ、戦死者が増えすぎている。 でも、新しい武器が投入される様子はない。
君に地球を守ってくれとは言わない。 守ってほしいとも思わない。 ただ、今は君なしでは何もできないらしい。 悔しいけれども。
私は怪獣が憎い。 異星人を恨んでいる。
いつか、君が怪獣を倒さなかった日があった。 正確には倒せなかったのかもしれない。 私は理由がわからなかった。
それでも、今なら言える。 あの怪獣の死体は私たちのよく知る動物そのものだったと。 彼らに悪意なんてなかったんだと。 ひょっとしたら、ほとんどの怪獣がそうかもしれない。 私たちが見ようとしていないだけで。
私は君とともに戦いたい。 君とともに、より良い地球の未来を描きたい。
素直に思う。 地球のことが好きじゃなくてもいい。 地球人が嫌いだっていい。 せめて、今だけは。 もう一度私たちと一緒に戦ってくれませんか。 大地に横たわる君へ。
7.「奇跡は君をもっと優しくする」
巨人が敗れた日、僕たちは避難所にいた。 地球防衛軍の対怪獣作戦は完全なる失敗に終わった。 それだけではない。 世間は地球防衛軍への信頼を失くしていた。
さまざまな思惑が入り乱れる世界。 日本人、地球人だけでなく、あらゆる星人が暗躍する。
だが、彼らは諦めなかった。 僕はそんな姿を見て、あらためて生きることを決めた。 この世界に希望を持てたのだ。
二度目の対怪獣戦の時、巨人は少し姿を変えていた。 腕に何かが見えるような気がして。 あまりにも遠すぎてオペラグラスからも見えなかったけれど。 なんとなく、やってくれると確信していた。
今回の戦闘は地球防衛軍もよく戦った。 巨人もその奮闘に応え、怪獣を終始押し切っていた。
一度は巨人を倒した怪獣。 肉体的にも精神的にも有史上最強の生物だった。 その強さを打ち破るにはより強くなければならなかった。
だけど、もっと大切なことがあった。 それは優しさだ。 巨人はわずか五分ほどで怪獣を追い込んでい��た。 怪獣は傷ついた翼で飛び立とうとした。
地球防衛軍は怪獣を完全に絶命させようと準備を始めた。 しかし、巨人はそれをさせなかった。
その最期はあまりにも鮮烈だった。 青白い球体で怪獣を包み込んだのである。 これまで見たことのない神秘的な光景に驚いた。
後日、夜空に小さな流れ星が現れた。 地球に現れた怪獣は太陽系の彼方で絶命したらしい。 僕たちは怪獣の最期を報道で知った。 奇跡は君をもっと優しくする。 そんな見出しに飾られて。
8.「大いなる栄光とそれを錆びつかせる虚栄心」
かつて、私の住んでいた街にはヒーローがいた。 そのヒーローは下町に住んでいた。
あなたに出逢うまで、私は正義という言葉を信じなかった。 クラスでは変わっていることを理由にいじめられ、味方はいなか た。 先生もいじめっ子の味方で、家族も助けてくれなかった。 私は何度も自らの命を絶とうとした。
そんな時、ひとりのヒーローが現れた。 いつも通っていた喫茶店のおじさんだ。
あなたに出逢ってから、私は自分自身を大切にするようになった。 他の人の評価や見られ方なんて、案外どうでもいいことに気付いた。 いつも静かに話を聞いてくれたおじさんのおかげだ。 私は彼のことをヒーローと呼ぶようになった。
いつか、おじさんは二号店を立ち上げた。 美味しい珈琲と食事が評判になった。
あなたにもう一度出逢った日、私はその変わりぶりに失望した。 かつての優しいおじさんは消えて、何処にでもいる大人に成り果てていた。 感謝を述べても、まるで覚えていないような表情だった。 私はその店に二度と足を踏み入れなかった。
かつて、この場所には喫茶店があった。 おじさんはどこかへ消えた。
あなたの住んでいた下町の家は、駐車場に変わっていた。 辺り一体が再開発の対象となって、ほとんどの家が立ち退いたそうだ。 反対運動も起こったが、住人たちのその後は誰も知らないらしい。 この国にはよくある話だ。
きっと、私の住んでいた街にはヒーローがいた。 そのヒーローはとても素敵だったと思う。
今、あなたの記憶を巨人と照らし合わせる。 もしも、巨人があなただとしたら。 巨人の中に人が入っているとしたら。
いや、巨人に中の人なんかいない。 ヒーローなんてこの世界には存在しないんだ。
9.「奇想劇団アンバランス」
僕の街には不思議な劇団がある 突然現れては 話題になると消えていく そんな彼らのことを 人々は奇想劇団と呼んだ
ちょっと気になるけれど 噂になる前に 見つけなきゃいけない
明日は別の場所へ 行ってしまうから また見つけなきゃいけない
僕はついに見つけたんだ いつもの公園で テントに入ると不思議な世界 歌と踊りと物語 虜にされてしまった
友達を連れていきたいけれど 噂になったら 風のように消えてしまう
記憶に残したいけれど 一度観たら 風のように忘れてしまう
そんな彼らのことを 人々は奇想劇団と呼んだ 不思議な劇団 まぼろしの劇団 僕もいつか観たんだよ
あの不思議な世界 スラップスティックな世界 また見つけなきゃいけない
地球のものとはちょっと違う 世界にただひとつの劇団 その中身は…… 風のように忘れてしまった
10.「ニュース速報」
ニュース速報です。 今日未明、東京都内に過去最大級の怪獣が出現しました。 全身から怪光線を出す怪獣は、地球防衛軍の精鋭部隊を全滅させました。 霞ヶ関をはじめ、既に東京都内は甚大な被害を受けています。 繰り返します。 霞ヶ関をはじめ、既に東京都内は甚大な被害を受けています。 国際会議出席のために海外へ出ていた総理は、首都機能の大阪移転を指示。 しかし、すでに官房長官や防衛大臣を筆頭に、何名かの大臣の死亡が確認されています。 国民の皆さんは、地下や各家庭のシェルターなど、安全な場所に避難してください。
そのニュースは、地球防衛軍日本支部の壊滅を示唆していた。 都内に現れた怪獣はすでに二十三区を蹂躙。 関東各県にも被害が到達しており、東京は首都機能を失った。 私たちはそれを観ていることしかできなかった。 こうして、幾度もの怪獣災害にも堪えてきた東京が崩壊した。
在日米軍の指揮のもと、怪獣には数えきれないほどの攻撃が行われた。 核兵器や水爆の使用も検討されたが、さすがに総理は拒絶した。 それでも、一般市民の避難を条件に新型爆弾の使用は飲まざるを得なかった。 私たちは必死に反対したが、何の発言力もなかった。
こんな時、あの巨人ならどんな戦い方をしたのだろう。 強襲された日本支部の残骸から怪獣の表皮を集めながら、考える。
そういえば、今回はあの巨人が現れない。 いつもは助けてくれるのに。 どんな時だって守ってくれたのに。
こんな時、こんな時に限って来ないなんて。
私たちはどうしたらいいの? このまま、怪獣に殺されてしまったらいいの? あなたは何処へ行ってしまったらいいの?
涙が止まらなくなった。 動けなくなった。 もう、理不尽ばかりだよ。 地獄だよ。
私が何もできずに佇んでいた今日。 ふと背中を叩かれた。
11.「本日この瞬間から……」
僕のことを、見ていてほしい。 何が起こったのかわからないけれども、やれるだけやるから。 だから、どうか諦めないでほしい。
顔見知りの女性に向けて、こう告げる。 女性はきょとんとした表情で見つめていた。
僕だって、何が起こったのかわからない。 自分の部屋で眠っていたら、いきなり光に包まれた。 どうも、あの巨人になる権利を与えられたらしい。 身体全体に力が漲っている。
ずっと「僕なんかが……」と迷っていた。 それでも、もう腹を括るしかないんだ。
目を瞑り、両手を空に掲げる。 僕は光に包まれ、数秒のうちに巨人に変貌した。
これから起きた出来事は、今でも夢としか思えない。 簡単に言うと、数時間にも及ぶ死闘の末、怪獣は爆発四散した。 周りを見渡せば、都市機能を失った故郷の街が広がっていた。
そして、怪獣が去った後、見たことのない巨人が現れた。 その巨人は右手を伸ばして、緑色の穏やかな光線をこちらに向けた。 僕の身体は浮遊し、地上に実体を取り戻した。 最初で最後の変身は終わった。 もう、巨人になることはないだろう。
しばらく瓦礫の中心で抜け殻のように佇んでいた。
数分後、ようやく自我を取り戻した。 僕は顔見知りの女性の元に駆け寄った。 女性は僕に巨人になった経緯やメカニズムを問い詰めてきた。 ただ、何もわからないとしか答えられなかった。
数ヶ月前から、僕たちはよく逢っていた。 だから、最近の話になると会話がよく弾んだ。 地球防衛軍に所属している女性は、ヘルメットを外した。 女性の表情はどこかすっきりとしていた。
秋の風が吹く中で、女性は「今日で終わるはずだったんだ」と告げた。
12.「Epilogue ~ 地球は怪獣の星」
東京での怪獣災害の後、私は現在の部署から異動になった。 新しく出来る怪獣と星人保護を専門とする部署だ。 私以外は誰もいない部署だった。 同僚からは何度も異動を止められたが、聞かなかった。
最近では巨大怪獣の出現頻度は減少傾向にある。 だからといって、怪獣自体が姿を見せなくなったわけではない。 むしろ、その生態系は様々であることがわかってきた。
私は怪獣を殺したくて仕方なかった。 憎らしくて、恨めしくて、地球防衛軍の入隊試験を受けた。 でも、実際の現場にはさまざまな怪獣や星人がいた。 明らかに悪意のある者もいたが、そうでない者の方が多かった。 そうしているうちに、隊の方針と相反することも増えた。
まだまだ怪獣たちは出現するだろう。 星人もやって来るだろう。
今回の怪獣が出現する直前。 私に出来ることを探したくて、辞めようと決めていた。 ただ、貴方に出逢って、その考え方が変わった。 貴方が巨人になる姿を見てから、何かを見つけたくなった。
私には恋人ができた。 相手は、あの日偶然出逢った貴方だ。 何度か会って話しているうちに、恋に落ちてしまった。 告白したのは私から。 今は同棲している。
そういえば、あの日以来、巨人は姿を見せていない。 貴方が最後の変身者になるのだろうか。 そもそも、これまで巨人は誰が変身していたのだろうか。 いずれは答えを見つけなければいけない。
最近、国際連合は怪獣や星人との共生構想を打ち出した。 地球は怪獣と宇宙人の共生惑星として、多銀河のハブ的存在になるらしい。
これからの旅は貴方と共に行く。 背中を叩かれた日。 私たちの運命は変わったんだ。
作品集『TOKUSATSU』クレジット
Produced by 坂岡 優
All the words were written by 坂岡 優
Respect to Heroes from around the world Written at Yuu Sakaoka House Studio
Demo Track Recorded at Yuu Sakaoka House Studio(#9) Keyboards & Programming by 坂岡 優(#9)
Designed & Edited by Yuu Sakaoka Special Thanks by TORIMOMO, Yurine, Sakura Ogawa
Dedicated to 金城哲夫・上原正三・クレージーキャッツ(#8)
Very very very thanks to my friend, my family, and all my fan!!
2023.11.3 坂岡 優
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Orizzontia / Aether_Eru feat. 初音ミク (English Translation)
Under that same sky
Countless thoughts
Walking on the cotton clouds
Flowing westward
And beyond...
Falling from the sky towards a dark sword
In the silence, tears are shed
Tracing the stars in the night sky with my fingertips
I searched for, and have found you
I wish upon this blue star
With all my heart
The moonlight fills the sky
Lighting up an unseen tomorrow
The place where we first met
Do you still remember this?
"One moment... turned into eternity"
Even if you lose everything
We can only meet again in a night of light
The stars shining in the night sky
Are now connected one by one
I bid you farewell
Trust your feelings to that red star
Slowly I reach for your hand
In a place far away
We will meet again
Eventually, your shadow disappears
After being melted by the morning sun
What you can see beyond is painted white
Orizzontia
同じ空の下 数え切れない想いが
千切れた雲に乗って 西へと流れてく
彼方…宙に落ちて
闇の帷に包まれた
静寂の中 ぽつり涙零れた
夜空に流れる 星の軌跡 指でなぞって
キミと探し見つけた あの蒼い星に願いを
込めて
月明かり満ちて 見えない明日照らして
初めて出逢ったあの場所 今も覚えてる?
「刹那…永久へと変われ」
全てを失ったとしても
光交わる夜にだけまた逢える
夜空に瞬く 星と星が今繋がる
キミとサヨナラした あの紅い星に想いを
託して
僕はゆっくりと手を伸ばすけど
掴めない場所 いつかまた逢えるよね?
やがて君の姿 朝陽に飲まれて消えてく
白く染まってく その先に見えるものは
Orizzontia
#hatsune miku#Hatsune Miku translation#Vocaloid#vocaloid translation#aether_eru#orizzontia#english translation#japanese kanji#anime#SoundCloud
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#近況 . . . まぁ(*´罒`*)配信あれこれ✋(◉ ω ◉`)。。。。 最近では主にワンセブンになりました✨🈁m(_ _)m ライバーとリスナーの関係性👌の上で考えたらいちばんバランス的に良いかなと(☝°﹆°)☝ #修羅の国 と恐れられている配信プラットフォームですが、困難なだけやり甲斐があり、やり切った時に見える景色は絶景そのものです🗿💬🌼*・☾⋆·̩͙⑅*👁👁 ついこの間に、『200回フルエール✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。』のプライズを贈った時も感ひとしおでした。 僕は僕として僕なりに僕のできる事をするだけです🗿💬🌼*・☾⋆·̩͙⑅*👁👁 結果とか評価🤔は気にならなくなりました😊✨✨✨✨ すべてはこの広大な天体の計画どおりに進んで居るのであり、僕みたいな塵埃でも、太陽が輝けば、埃も輝きます(。⊿°」∠)モッモッ これからの時代はなにかとむつかしい時代ですが、時代があのループなら、『諦める事の中の刹那』しか手立ては無いでしょう。 とにかく、楽しんだモン勝ちです🗿💬🌼*・☾⋆·̩͙⑅*👁👁 . . . . . #一般社団法人亜細亜美術協会 #一般社団法人社員画家 #亜細亜現代美術展 #ワンセブンライブ奏蒼 #17ライバー奏蒼 #ほとんどの配信アプリでキャリさん #美女たちの森と沼 #奏蒼マジック #変態枠 #世界のピンク枠 #broadcast #livestreaming #BIGO #REALITY #ゲーム配信 #宮崎県産まれ三重県育ち #統一を諦めない精神は多様性を称揚する #否定ほど芸術に多くを与えるものはない #似顔絵 #ギリシア神話画 #世界一の画家になるために https://www.instagram.com/p/CqNPfCQuH9g/?igshid=NGJjMDIxMWI=
#近況#修羅の国#一般社団法人亜細亜美術協会#一般社団法人社員画家#亜細亜現代美術展#ワンセブンライブ奏蒼#17ライバー奏蒼#ほとんどの配信アプリでキャリさん#美女たちの森と沼#奏蒼マジック#変態枠#世界のピンク枠#broadcast#livestreaming#bigo#reality#ゲーム配信#宮崎県産まれ三重県育ち#統一を諦めない精神は多様性を称揚する#否定ほど芸術に多くを与えるものはない#似顔絵#ギリシア神話画#世界一の画家になるために
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お花畑編③ 12/16 19:30
この後の撮影は順調に進み、各スタジオごとに着替え、エモートを合わせていた
〜真っ白な床に蒼い華が咲く〜
青は自分の気持ちを素直に行動でしめせたことに自然と笑みがこぼれている
撮影中にも関わらず鼻歌が微かに聞こえるほどに♫
対照的に赤は横たわる青の傍らでやさしく見つめているも真剣な顔つきで、いつもと違う何かを感じていた…
最初に気付いたのは、このスタジオハウスに入る前、青の手を引いた時だった
微かに感じた違和感が今になって気になっていた
〜オーロラと月のステージ〜
撮影側の無理な要望と気まぐれで立ち位置を確認するも気分がのらず
さらに撮影側の要望で着ぐるみを受け取る2猫
まるで困った時の神頼みのようにナマズオの被り物とカエルスーツを渡され、仕方なく言われるままポーズを撮る
なぜか撮影側は満足したようで次の部屋でもハロウィンの衣装とデブチョコボの被り物を渡してきた…
さらに、それだけは飽き足らず赤への無茶苦茶なリクエストを言い渡していた
青「これで壁ドンできるの?」
赤「いや、その前にクチバシが刺さるんだけど…」
赤&青「これ何の撮影なんですか?」
カメラを通して訴えるその表情??に撮影者は上機嫌であったことを2猫は理解できないでいた
〜アグライアステージ〜
サベネアンダンスで華麗に踊りつつ青をリードする赤
流れるようなステップで赤を魅了しつつも身体を預け、息を合わせながら青と赤は
お互いの気持ちを確認していた
休憩中
水槽の魚達を眺めながら食事休憩をする2猫
お互いの好物を言い当てながら笑顔の絶えない幸せな時間を過ごしていた
青「ほっぺたにソース付いてるよ」
赤「えっ?さっきちゃんと拭いたよ〜」
青「う〜そ♫すーぐ騙されるんだからキミは♫」
自然に触れ合う時間も微笑ましく
楽しい時間は過ぎてゆく
そして静かに絶望の足音が近付いている事に気付いていない2猫
〜メインホール〜
ようやく他の撮影グループが中央の巨大なツリーの撮影を終えたのを確認して
2人はそれぞれのロールを確認して撮影準備に入った
撮影イメージは初めて星芒祭の日にツリーを見に行く約束をして、メスッテが綺麗な飾り付けを見てハイテンションになり、オスッテは照れながらも合わせるシーンだった
なんともありきたりなコンセプトだが
青にとっては自分の気持ちを素直に表現出来る最高のシーンであった
撮影の合間、すれ違い様に青は赤に想いを伝える
青「今、私、すっごく幸せだよ、私だけを見ててね♫」
赤「いつも…のこと見てるよ」
順調にツリーでの撮影を終え
赤は衣装を着替え、次の場所へ移動しようと
部屋の隅に目を移すと次の撮影順を待つ黄色い髪のメスッテがいる事に気付く…
ほんのわずかだったろうか
赤が黄色い髪のメスッテに目を奪われた刹那の瞬間…青は見逃さなかった
思うより素早く、右手は的確に赤の頬を捉えていた
青「この浮気猫!」
奥の小部屋へ走っていく青を目で追う赤だったが戸惑いを隠せないでいた
黄色髪のミコッテの姿は既になく
時間だけが虚しく過ぎてゆく
赤は自分の目を疑いつつも
確かにそこに居たはずの幻とスタジオに入る前の違和感について
青にどうやって説明したら良いのか困り果て天窓から見える星空を仰いでいた
赤「どうすれば…またアイツを失ってしまうのか…」
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Title: Don't You Worry 'bout a Baby
Arrangement: 紅い流星
Album: 東方爆音ジャズ15 獣
Circle: 東京アクティブNEETs
Original: The Stone Baby and the Submerged Cow
#touhou#touhou project#touhou music#urumi ushizaki#the stone baby and the submerged cow#wily beast and weakest creature#東京アクティブNEETs#東方爆音ジャズ15 獣#紅い流星#紅維流星#蒼井刹那#ショボン#山石本薫#ヒロコマン
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悠花の一生
幼少~青年期(0~15歳)
水仙郷にて 悠花(中央)・水蔡(悠花の右隣)・柳禅(右の大人)
情勢
環内は将軍三日月の施策により鎖国状態にあったが、開国派は水面下で外国勢力蓬莱(ほうらい)との国交、ひいては開国を目論んでいた。
概要
環内大老の女と蓬莱の女の隠し子として生まれる。 当時は鎖国体制が敷かれていたため���悠花の存在は大老にとって禁忌となるものだった。 大老は悠花の存在を隠すため、身柄を橋玄(きょうげん)の孤児院「水仙郷」に移す。 水仙郷は開国派の管理下にあり、鎖国体制を敷く公儀を転覆することを目的とした暗殺者の養成を行っていた。 暗殺者は正体を隠すため全て身寄りのない孤児が使われた。素性を隠すその性質が大老にとって都合が良かったのである。 当時の剣士達は剣筋を見るだけでその流派を特定する目を持っていたため、孤児たちは剣術において基礎以外の訓練は受けず暗殺に駆り出されていた。実戦で生き残るほかないのである。 しかしながら、そんな水仙郷にも名もなき極意があった。相手の刹那の体勢から取りうる全ての剣筋を瞬時に全て予測し、不可避の一閃を放つというものである。 水仙郷の院長、柳禅(りゅうぜん)が達した境地だが、その極意を会得する暗殺者は後の悠花が現れるまで存在しなかった。
悠花の変化
悠花は他人と真に分かり合おうと、友になろうとすることはなかった。接する人間は暗殺対象か、いつ死んでしまうか分からない孤児達のみだったからである。 しかしながら、悠花と同じく長い間生き残ってきた女がいた。水蔡(すいさい)といった。いつしか悠花は水蔡にだけは徐々に心を開いていった。
青年期(15歳)
蓬仙
情勢
開国派の開国への熱気が高まり、将軍三日月の直属護衛にして環内で最も高い剣力を持つと言われた蓬仙の暗殺を企てる。
概要
蓬仙の暗殺には、悠花、水蔡を含む水仙郷きっての剣力を持つ5人の剣士が選ばれた。 このとき悠花と水蔡は15歳、その他はいずれも年長者であった。 蓬仙は強く、水蔡を含む3名が死亡、1名が再起不能、残りは悠花だけとなった。 その時、悠花は名もなき極意の境地に達し、蓬仙を斬った。 その後悠花は水仙郷を去り、傭兵業で生計を立てることとなる。
悠花の変化
水蔡を失ったことで水仙郷に居場所としての在り方を見出せなくなった。 あてもない流浪の民となることを決意し、水仙郷を去る。
傭兵(無所属→公儀)時代(17~25歳)
星希
情勢
将軍三日月は何者かに暗殺され、開国に比較的肯定的な楊絹(ようけん)が新たな将軍となった。その裏に水仙郷の暗躍があったかは定かではない。 しかしながら、環内には攘夷派勢力も根強く存在していた。攘夷派勢力は尊天攘夷なる、環内の天子の名のもとに攘夷を掲げていた。本来、将軍楊絹と天子の関係は良好で、これは尊天攘夷派の暴走ともいえる。 開国肯定派の公儀と尊天攘夷派の関係は徐々に水面下の冷戦状態から顕在化した熾烈な闘争へと変貌していく。
概要
悠花は傭兵として各地を転々として人斬りの仕事をしていた。公儀お抱えの流派を潰すこともあれば、攘夷志士を斬ることもあった。 途中、水仙郷の剣士を名乗る希良(きら)の襲撃を受ける。希良は悠花と同様名もなき極意を会得した自負があり、悠花に挑戦したのである。希良の初手の斬撃には確かに高い剣力をうかがわせた。しかし悠花は金にならない人斬りはしないと、これを相手にしなかった。 番頭の星希(せいらぎ)はかつて蓬仙を斬った悠花を公儀お抱えの剣士として雇いたいと考え、その居所を追っていた。 ある日、星希は南界の旅籠にて、1人の剣士が5人の尊天攘夷派志士を斬ったという情報を入手した。調査したところ、それは紛れもなく悠花の手によるものだった。この時悠花は公儀お抱えの流派蒼天流に助っ人に入っていて、その流派が事件のあった旅籠を襲うことは星希の知るところでもあった。 星希は蒼天流を経由して悠花の居所を掴み、悠花に公儀直属の剣士として雇われてくれないかと打診した。悠花はそれを承諾した。
悠花の変化
誰を斬るかはもはや重要ではなくなっていた。情勢にも興味が無かった。ただ人を斬り金を得るということが悠花にとって唯一の生きる道だった。
傭兵(公儀)時代(25~30歳)
悠花(左)・閃蘭(右)
情勢
公儀と尊天攘夷派の闘争は熾烈さを増していた。両陣営が様々な流派を取り込み武力の増強を図るようになり、それは流派間の闘争にも発展した。 尊天攘夷派は特に高い剣力を持つ無伝流(むてんりゅう)を取り込んだことで、公儀は対応に追われた。 環内の天子はこの情勢を憂いていた。将軍楊絹と密書のやり取りを行い、この闘争を鎮静化させる打開策を模索していたが、難航していた。 環内との国交を望む蓬莱は、尊天攘夷派を鎮圧できない公儀に対し徐々に懐疑的になっていき、環内内部での解決を断念、ひいては公儀の力を頼らず自身の武力介入を模索し始める。
概要
悠花は星希のもとであらゆる尊天攘夷派が抱える流派を打ち崩していった。 星希からの推薦で、悠花は尊天攘夷派の取り締まりを目的とした公儀内に設置され星希が管理役を担う組織桜花(おうか)組へ副局長として参入する。 局長の閃蘭(せんらん)は高い剣力を持つ剣士だが、情勢について語ることのできる知力と組員の人心を掌握するカリスマ性を兼ね備えていた。 途中、悠花は蓬莱からの使者彩(さい)と出会い、彩は尊天攘夷派の武力構成を把握するため、悠花と行動を共にする。 悠花に対抗心を燃やす希良は、悠花の敵対勢力に加担することで悠花が決闘を受け入れると考え、尊天攘夷派に身を寄せ、悠花を襲った。お互いが名もなき極意をぶつける形となり、勝ったのは悠花だった。希良は自身に流れる血を憎んだ。希良は環内の女と外国勢力崑崙(こんろん)の女との合いの子で、当時は混血は珍しかったこともあり、混血であることに技の多寡を左右する要因を見出していたのである。
悠花の変化
閃蘭が情勢に高い関心を持っていることを理解できなかった。しかしながら、閃蘭には剣力だけでは為せない生き様の在り様を感じさせた。 初めてふと将来のことを考えた。加齢で衰えた体で、自身は剣の道を突き進み���けることができるだろうか。進み続けられなかったら、自分は何者なのか。 斬り合っていれば長くは生きてはいないだろう、そう思って将来を考えることをやめた。 一抹の胸のつかえを残して。
傭兵(公儀→翠花)時代(30~32歳)
楊絹
情勢
桜花組は外国勢力中つ国の宝梁幇(ほうりょうほう)を筆頭にいくつかの同盟関係を結び、尊天攘夷派の無伝流の撃破に成功する。しかしながら、これには公儀側にも多くの犠牲を払う結果となった。 これを皮きりに、蓬莱は本格的に直接的な武力介入を開始する。外国勢力中つ国が無伝流の撃破に関与していたことが、蓬莱側としては開国交渉において先を越されたように受け取られたのである。蓬莱の標的は尊天攘夷派の中心にいる(ということなっている)天子の命である。
概要
無伝流撃破の一報は将軍楊絹の耳にも入るところとなった。このとき、楊絹は悠花がかつて大老が残した混血の隠し子ではないかと思い至る。 楊絹は大老がかつて混血の子を水仙郷に隠したことを知っていた。悠花が水仙郷出身であると星希から伝えられ、年齢的にも辻褄が合う悠花がかつての大老の娘ではないかと考えたのである。楊絹は悠花に謁見の場を用意したいと申し出る。 楊絹の眼前の悠花の顔には大老の面影があった。楊絹は悠花に彼女の出自について知る限りのことを話す。その上で、楊絹は悠花に天子の護衛を依頼する。 楊絹は蓬莱が天子の命を狙っていることを認知しており、情勢的には敵対関係にあるとされる天子であっても、その身を案じ高い剣力を持つ護衛を天子のもとに送り込みたかったのである。 悠花は天子親衛隊翠花(すいか)の一員となる。天子側についた後でも、蓬莱からの使者彩とは裏で親交があった。
悠花の変化
自身の出自を楊絹から聞いた悠花は、徐々に情勢に対して関心を向けるようになる。 自分が生まれた当時の情勢が違っていたら、剣の道とはまた違う人生を歩んでいたかもしれない。今とは違う自分がいたかもしれない。 自分にとってより良き世界とは何なのか。そんなことをふと考えるようになった。 これまで多くの命を奪ってきた。そんなことを考える資格があるのかもわからなかった。 「私は天子の敵ではない。攘夷志士が、憎い。」そんなことを漏らした楊絹の苦渋に満ちた表情が頭から離れなかった。
傭兵(翠花)時代(32~35歳)
天子
情勢
蓬莱が天子の命を標的に動き出したことに、公儀側では反発の声が上がっていた。元々公儀の敵は天子ではなく、あくまで攘夷志士達である。開国肯定派である中でも蓬莱を敵視する者とそうでない者とで分裂の危機にあった。 将軍楊絹は蓬莱の暴走の抑止に追われ、公儀で勃発する内紛に対応しきれないでいた。 尊天攘夷派の中でも、一部開国に肯定的な姿勢を示す勢力とそうでない勢力の分裂が生まれつつあった。蓬莱の先進的な武力を前に、国力の増強のために国を開くべきという考え方が生まれたのである。
概要
翠花の一員となった悠花は蓬莱の暗殺者の討伐に追われていた。暗殺者の情報の多くは秘密裏に彩から提供されたものだった。 翠花とは別に尊天攘夷派が暗殺者の情報を独自に掴み、同一の暗殺者の対応に悠花と攘夷志士がかち合うことも多々あった。一度、希良とともに暗殺者を討つことがあった。希良の剣力は以前に増して高まっているように見えた。悠花はなぜ希良が自分に対抗心を燃やすのか問いかけたが、希良は答えなかった。 悠花は多くの暗殺者を屠った功績が天子の目に留まり、天子との謁見を果たす。悠花はその場で天子は今の情勢をどう見ているのか問うた。天子の答えは次のようなものだった。 公儀、攘夷志士、全てはこれ天子の子である。開国する、しないの声明を出すことはすなわちどちらかを切り捨てることになる。世の移ろいに対して天子が口を開くことはない。ただし、公儀が天子の敵とみなされるのは、これは本意とするところではない。蓬莱は非常に危険な勢力である。環内が蓬莱の言いなりになることは到底認められない。しかしそれは全諸外国に向けた鎖国体制を特段支持するというものではない。
悠花の変化
誰を斬ればいいかわからなくなっていた。暗殺者をいくら斬ったところで、情勢は何も変わらない。 私にとって世界がどうあるべきなのか、悠花は頭を悩ませた。 私は本当はどう生きたかったのか。それが悠花にとって世界がどうあるべきなのかの答えに繋がる。しかし、剣の道しか知らない悠花はその「どう生きたかったか」が分からないでいた。 血に汚れた両の手が、そんな思考を余計曇らせてもいた。
傭兵(翠花)時代(35~36歳)
悠花(左)・彩(右)
情勢
将軍楊絹は政権を天子に返上する決断を下す。公儀内の内紛の激化を避けるためには、両者に共通する「公儀は天子の敵ではない」という姿勢を貫き通すことである。 加えて、開国派の公儀が天子を担ぎ上げつつ実権を握ることで、蓬莱が天子を標的とすることを抑止する狙いもあった。 しかしながら、尊天派は政権の重鎮を公儀の人間が占めることに納得していなかった。天子が実質的な政治実権を持つ新政府樹立の動きが高まった。 尊天派の中で「攘夷」と呼べる勢力は少数派になっていた。多くの攘夷志士達は開国肯定派に転向していたのである。争点は攘夷ではなく天子の政府における実権にあった。
概要
蓬莱からの暗殺者がその後現れることはなかった。悠花にとっては人生で初めて、長らく人を斬らない時間を過ごすことになる。 試しに書などを嗜もうとしてみたが、長続きはしなかった。気付けば剣を握り呼吸を整えているのである。
悠花の変化
未だ情勢は新政府樹立を目論む尊天派による戦火が消え去ってはいないが、徐々に剣士の世は終わりに近づいていると感じていた。 悠花は人を斬らない時間を通して、自身が剣の道でしか生きていけないことを思い知る。 人斬りとして生きてきた。私に許されるのは結局のところ剣士として生涯を終えることである。 悠花は戦火を求めて、翠花を離れることを考えるようになる。
晩年(旧公儀派勢力)(37歳)
希良
情勢
尊天派は政府の本営芳流閣(ほうりゅうかく)に攻め込むが、楊絹はこれに抵抗せず開城し、尊天派による新政府への引き渡しを行う。 楊絹はもはやこれ以上環内の内紛で血を流すことは蓬莱に付け入る隙を与えることになると考えていたのである。 しかしながら、少数の旧公儀派の残党はこれに反発し、新政府軍との抗争が勃発する。 旧公儀派の残党は新政府軍に環内の北側北角(ほっかく)まで追いやられ、六条院(ろくじょういん)に籠城するがやがて全滅する。
概要
旧公儀派の残党にはかつての桜花組も含まれていた。悠花は旧公儀派勢力に参入を申し出るが、閃蘭は一度はこれを拒否する。 閃蘭はこの戦いの勝機は薄く、もはや矜持の問題と考えており、悠花に無駄死にさせるのは忍びないと考えていた。 しかし、悠花が死に場所を探していることを理解すると、これを受け入れた。 剣士としての死を覚悟した悠花の剣の技は、その生涯で随一の冴えを見せていた。悠花の剣は四方からの銃弾や矢を弾いた。名もなき極意は更なる発展を見せ、元々瞬間的な精神統一であったものが持続的なものになり、更に発せられる斬撃は一閃から二の太刀三の太刀と続くものとなっていた。かつての蓬仙と比肩し得る剣力に至ったのである。 新政府軍がこれに対抗し得る剣士として選んだのは希良であった。それは希良が新政府軍内部で確固たる信頼を築いた証でもあった。ただし、希良にとってその信頼とは自身が混血であることを隠してきたことを前提とするものであると認識していた。 悠花はなぜ希良が自分に対抗心を燃やすのか問いかけた。 希良はかつて蓬仙と闘った5人のうち、再起不能となった1人の娘であった。希良には悠花が蓬仙を斬った功績を母から奪ったように映っていたのである。 両者は共に名もなき極意を応酬し、打ち勝ったのは悠花だった。 自身が混血であることに忸怩たる思いを希良が呟いた。 新政府軍は、希良が混血であることに一時の動揺を見せた。 沈黙の中、悠花は自身も蓬莱との混血であることを希良に告げた。 「私を斬るためなら、お前の体に恥ずべき血など流れていない。」 沈黙が走っていた新政府軍の中の一人が、希良を鼓舞した。それは新政府軍全体へと広がっていった。 蓬莱からの使者彩は、このとき悠花の死と時代の変わり目を予感した。 希良は悠花の言葉を聞くと、呼吸を整えもう一度名もなき極意を発動させた。その一閃は悠花の体を貫いた。 彩が悠花の死を見届け、後に橋玄(水仙郷の所在地)に葬った。近くには水蔡の墓があった。
悠花の変化
悠花の剣の道が終わりを迎えたと同時に、希良の剣の道も終わりを迎えた。 悠花の死に際に、彩は何か思い残すことはないかと問いかけた。 ふとよぎったのは、希良の今後の人生である。 希良は剣の道以外の道を歩むことができるだろうか。これからの世界で生きていけるだろうか。 血に汚れた両の手を携えて、己を信じて��きていけるだろうか。 そんなことを一瞬考えたが、それは希良自身の領分だろう。 「ねぇよそんなもん。早く寝かせてくれ。」 そう言い残すと、悠花は息を引き取った。
<完結>
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星辰選集
花鳥誌 令和6年4月号
令和6年1月号の掲載句より再選
坊城俊樹選
この星辰選集は、私が各月の掲載句の中で、雑詠選・撰集選・さいかち集の成績などに関係なく、改めて俳句としての価値が優れていると判断したものを再度選句したものです。 言わば、その号における珠玉の俳句ということになります。
秋日傘上る高さに水平線 中里 三句 秋声や置いてけ堀の風の中 伊藤 ひとみ 華麗なる家族からつぽ蔦灯る 斉藤 いづみ 空席のまま木の実時雨のベンチ 横田 美佐子 雲と雲重なるところ秋の声 渡辺 彰子 これよりは鏡の間なり秋の声 緒方 愛 華やかに滅びゆく香や秋薔薇 栗原 和子
流星のかの世に消えてゆき��けり 続木 一雄 曼珠沙華もの思ふ翳ありにけり 飯川 三無 あてどなくさ迷ふ蟻や秋の暮 秋吉 斉 蓮の実やあの世この世と飛ばしをり 田上 喜和 恐ろしき事をさらりと秋扇 村上 雪 梢に絡まれ蓑虫の空へ鳴く 田中 惠��� いにしへの子らも吹かれし秋の風 後藤 軽象
月光の鏡の中で逢ふ二人 平山 きみよ 秋の蟬さらにはるけき声重ね 田丸 千種 眼裏に映る我が家や暮の秋 菊井 美奈子 柏翠忌ベレーのバッジべらんめえ 坂井 令子 留学生TENPURA抓む月見船 蒼井 音呼 姫娑羅の肌秋霖に艶めける 本間 白陶 捨案山子闇夜に踊るかも知れず 鈴木 月惑 騒がしき鶏舎の真昼曼珠沙華 津野 おさむ
とんぼうの空中停止して暫し 高山 八草 コスモスの声わきあがる虚空かな 鮫島 成子 つくづくと美男葛の真くれなゐ 安原 さえこ 両の手を月にとどけと肩車 大和田 博道 神田川そつくり秋の水となる 藤森 荘吉 宇宙目差し目的不明のクラゲかな 粟倉 健二 秋出水思考停止となる刹那 小川 笙力
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厚着紳士
夜明けと共に吹き始めた強い風が乱暴に街の中を掻き回していた。猛烈な嵐到来の予感に包まれた私の心は落ち着く場所を失い、未だ薄暗い部屋の中を一人右往左往していた。 昼どきになると空の面は不気味な黒雲に覆われ、強面の風が不気味な金切り声を上げながら羊雲の群れを四方八方に追い散らしていた。今にも荒れた空が真っ二つに裂けて豪雨が降り注ぎ蒼白い雷の閃光とともに耳をつんざく雷鳴が辺りに轟きそうな気配だったが、一向に空は割れずに雨も雷も落ちて来はしなかった。半ば待ち草臥れて半ば裏切られたような心持ちとなって家を飛び出した私はあり合わせの目的地を決めると道端を歩き始めた。
家の中に居た時分、壁の隙間から止め処なく吹き込んで来る冷たい風にやや肌寒さを身に感じていた私は念には念を押して冬の格好をして居た。私は不意に遭遇する寒さと雷鳴と人間というものが大嫌いな人間だった。しかし家の玄関を出てしばらく歩いてみると暑さを感じた。季節は四月の半ばだから当然である。だが暑さよりもなおのこと強く肌身に染みているのは季節外れの格好をして外を歩いている事への羞恥心だった。家に戻って着替えて来ようかとも考えたが、引き返すには惜しいくらいに遠くまで歩いて来てしまったし、つまらない羞恥心に左右される事も馬鹿馬鹿しく思えた。しかしやはり恥ずかしさはしつこく消えなかった。ダウンジャケットの前ボタンを外して身体の表面を涼風に晒す事も考えたが、そんな事をするのは自らの過ちを強調する様なものでなおのこと恥ずかしさが増すばかりだと考え直した。 みるみると赤い悪魔の虜にされていった私の視線は自然と自分の同族を探し始めていた。この羞恥心を少しでも和らげようと躍起になっていたのだった。併せて薄着の蛮族達に心中で盛大な罵詈雑言を浴びせ掛けることも忘れなかった。風に短いスカートの裾を靡かせている女を見れば「けしからん破廉恥だ」と心中で眉をしかめ、ポロシャツの胸襟を開いてがに股で歩いている男を見れば「軟派な山羊男め」と心中で毒づき、ランニングシャツと短パンで道をひた向きに走る男を見れば「全く君は野蛮人なのか」と心中で断罪した。蛮族達は吐いて捨てる程居るようであり、片時も絶える事無く非情の裁きを司る私の目の前に現れた。しかし一方肝心の同志眷属とは中々出逢う事が叶わなかった。私は軽薄な薄着蛮族達と擦れ違うばかりの状況に段々と言い知れぬ寂寥の感を覚え始めた。今日の空が浮かべている雲の表情と同じように目まぐるしく移り変わって行く街色の片隅にぽつ念と取り残されている季節外れの男の顔に吹き付けられる風は全く容赦がなかった。 すると暫く��て遠く前方に黒っぽい影が現れた。最初はそれが何であるか判然としなかったが、姿が近付いて来るにつれて紺のロングコートを着た中年の紳士だという事が判明した。厚着紳士の顔にはその服装とは対照的に冷ややかで侮蔑的な瞳と余情を許さない厳粛な皺が幾重も刻まれていて、風に靡く薄く毛の細い頭髪がなおのこと厳しく薄ら寒い印象に氷の華を添えていた。瞬く間に私の身内を冷ややかな緊張が走り抜けていった。強張った背筋は一直線に伸びていた。私の立場は裁く側から裁かれる側へと速やかに移行していた。しかし同時にそんな私の顔にも彼と同じ冷たい眼差しと威厳ある皺がおそらくは刻まれて居たのに違いない。私の面持ちと服装に疾風の如く視線を走らせた厚着紳士の瞳に刹那ではあるが同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情が浮かんでいた。 かくして二人の孤独な紳士はようやく相まみえたのだった。しかし紳士たる者その感情を面に出すことをしてはいけない。笑顔を見せたり握手をする等は全くの論外だった。寂しく風音が響くだけの沈黙の内に二人は互いのぶれない矜持を盛大に讃え合い、今後ともその厚着ダンディズムが街中に蔓延る悪しき蛮習に負けずに成就する事を祈りつつ、何事も無かったかの様に颯然と擦れ違うと、そのまま振り返りもせずに各々の目指すべき場所へと歩いて行った。 名乗りもせずに風と共に去って行った厚着紳士を私は密かな心中でプルースト君と呼ぶ事にした。プルースト君と出逢い、列風に掻き消されそうだった私の矜持は不思議なくらい息を吹き返した。羞恥心の赤い炎は青く清浄な冷や水によって打ち消されたのだった。先程まで脱ぎたくて仕方のなかった恥ずかしいダウンジャケットは紳士の礼服の風格を帯び、私は風荒れる街の道を威風堂々と闊歩し始めた。 しかし道を一歩一歩進む毎に紳士の誇りやプルースト君の面影は嘘のように薄らいでいった。再び羞恥心が生い茂る雑草の如く私の清らかな魂の庭園を脅かし始めるのに大して時間は必要無かった。気が付かないうちに恥ずかしい事だが私はこの不自然な恰好が何とか自然に見える方法を思案し始めていた。 例えば私が熱帯や南国から日本に遣って来て間もない異国人だという設定はどうだろうか?温かい国から訪れた彼らにとっては日本の春の気候ですら寒く感じるはずだろう。当然彼らは冬の格好をして外を出歩き、彼らを見る人々も「ああ彼らは暑い国の人々だからまだ寒く感じるのだな」と自然に思うに違いない。しかし私の風貌はどう見ても平たい顔の日本人であり、彼らの顔に深々と刻まれて居る野蛮な太陽の燃える面影は何処にも見出す事が出来無かった。それよりも風邪を引いて高熱を出して震えている病人を装った方が良いだろう。悪寒に襲われながらも近くはない病院へと歩いて行かねばならぬ、重苦を肩に背負った病の人を演じれば、見る人は冬の格好を嘲笑うどころか同情と憐憫の眼差しで私を見つめる事に違いない。こんな事ならばマスクを持ってくれば良かったが、マスク一つを取りに帰るには果てしなく遠い場所まで歩いて来てしまった。マスクに意識が囚われると、マスクをしている街の人間の多さに気付かされた。しかし彼らは半袖のシャツにマスクをしていたりスカートを履きながらマスクをしている。一体彼らは何の為にマスクをしているのか理解に苦しんだ。 暫くすると、私は重篤な病の暗い影が差した紳士見習いの面持ちをして難渋そうに道を歩いていた。それは紳士である事と羞恥心を軽減する事の折衷策、悪く言うならば私は自分を誤魔化し始めたのだった。しかしその効果は大きいらしく、擦れ違う人々は皆同情と憐憫の眼差しで私の顔を伺っているのが何となく察せられた。しかしかの人々は安易な慰めを拒絶する紳士の矜持をも察したらしく私に声を掛けて来る野暮な人間は誰一人として居なかった。ただ、紐に繋がれて散歩をしている小さな犬がやたらと私に向かって吠えて来たが、所詮は犬や猫、獣の類にこの病の暗い影が差した厚着紳士の美学が理解出来るはずも無かった。私は子犬に吠えられ背中や腋に大量の汗を掻きながらも未だ誇りを失わずに道を歩いていた。 しかし度々通行人達の服装を目にするにつれて、段々と私は自分自身が自分で予想していたよりは少数部族では無いという事に気が付き始めていた。歴然とした厚着紳士は皆無だったが、私のようにダウンを着た厚着紳士見習い程度であったら見つける事もそう難しくはなかった。恥ずかしさが少しずつ消えて無くなると抑え込んでいた暑さが急激に肌を熱し始めた。視線が四方に落ち着かなくなった私は頻りと人の視線を遮る物陰を探し始めた。 泳ぐ視線がようやく道の傍らに置かれた自動販売機を捉えると、駆けるように近付いて行ってその狭い陰に身を隠した。恐る恐る背後を振り返り誰か人が歩いて来ないかを確認すると運悪く背後から腰の曲がった老婆が強風の中難渋そうに手押し車を押して歩いて来るのが見えた。私は老婆の間の悪さに苛立ちを隠せなかったが、幸いな事に老婆の背後には人影が見られなかった。あの老婆さえ遣り過ごしてしまえばここは人々の視線から完全な死角となる事が予測出来たのだった。しかしこのまま微動だにせず自動販売機の陰に長い間身を隠しているのは怪し過ぎるという思いに駆られて、渋々と歩み出て自動販売機の目の前に仁王立ちになると私は腕を組んで眉間に深い皺を作った。買うべきジュースを真剣に吟味選抜している紳士の厳粛な態度を装ったのだった。 しかし風はなお強く老婆の手押し車は遅々として進まなかった。自動販売機と私の間の空間はそこだけ時間が止まっているかのようだった。私は緊張に強いられる沈黙の重さに耐えきれず、渋々ポケットから財布を取り出し、小銭を掴んで自動販売機の硬貨投入口に滑り込ませた。買いたくもない飲み物を選ばさられている不条理や屈辱感に最初は腹立たしかった私もケース内に陳列された色取り取りのジュース缶を目の前にしているうちに段々と本当にジュースを飲みたくなって来てその行き場の無い怒りは早くボタンを押してジュースを手に入れたいというもどかしさへと移り変わっていった。しかし強風に負けじとか細い腕二つで精一杯手押し車を押して何とか歩いている老婆を責める事は器量甚大懐深き紳士が為す所業では無い。そもそも恨むべきはこの強烈な風を吹かせている天だと考えた私は空を見上げると恨めしい視線を天に投げ掛けた。 ようやく老婆の足音とともに手押し車が地面を擦る音が背中に迫った時、私は���を持して自動販売機のボタンを押した。ジュースの落下する音と共に私はペットボトルに入ったメロンソーダを手に入れた。ダウンの中で汗を掻き火照った身体にメロンソーダの冷たさが手の平を通して心地よく伝わった。暫くの間余韻に浸っていると老婆の手押し車が私の横に現れ、みるみると通り過ぎて行った。遂に機は熟したのだった。私は再び自動販売機の物陰に身を隠すと念のため背後を振り返り人の姿が見えない事を確認した。誰も居ないことが解ると急ぐ指先でダウンジャケットのボタンを一つまた一つと外していった。最後に上から下へとファスナーが降ろされると、うっとりとする様な涼しい風が開けた中のシャツを通して素肌へと心地良く伝わって来た。涼しさと開放感に浸りながら手にしたメロンソーダを飲んで喉の渇きを潤した私は何事も無かったかのように再び道を歩き始めた。 坂口安吾はかの著名な堕落論の中で昨日の英雄も今日では闇屋になり貞淑な未亡人も娼婦になるというような意味の事を言っていたが、先程まで厚着紳士見習いだった私は破廉恥な軟派山羊男に成り下がってしまった。こんな格好をプルースト君が見たらさぞかし軽蔑の眼差しで私を見詰める事に違いない。たどり着いた駅のホームの長椅子に腰をかけて、何だか自身がどうしようもなく汚れてしまったような心持ちになった私は暗く深く沈み込んでいた。膝の上に置かれた飲みかけのメロンソーダも言い知れぬ哀愁を帯びているようだった。胸を内を駆け巡り始めた耐えられぬ想いの脱出口を求めるように視線を駅の窓硝子越しに垣間見える空に送ると遠方に高く聳え立つ白い煙突塔が見えた。煙突の先端から濛々と吐き出される排煙が恐ろしい程の速さで荒れた空の彼岸へと流されている。 耐えられぬ思いが胸の内を駆け駅の窓硝子越しに見える空に視線を遣ると遠方に聳える白い煙突塔から濛々と吐き出されている排煙が恐ろしい速度で空の彼岸へと流されている様子が見えた。目には見えない風に流されて行く灰色に汚れた煙に対して、黒い雲に覆われた空の中に浮かぶ白い煙突塔は普段青い空の中で見ている雄姿よりもなおのこと白く純潔に光り輝いて見えた。何とも言えぬ気持の昂ぶりを覚えた私は思わずメロンソーダを傍らに除けた。ダウンジャケットの前ボタンに右手を掛けた。しかしすぐにまた思い直すと右手の位置を元の場所に戻した。そうして幾度となく決意と逡巡の間を行き来している間に段々と駅のホーム内には人間が溢れ始めた。強風の影響なのか電車は暫く駅に来ないようだった。 すると駅の階段を昇って来る黒い影があった。その物々しく重厚な風貌は軽薄に薄着を纏った人間の群れの中でひと際異彩を放っている。プルースト君だった。依然として彼は分厚いロングコートに厳しく身を包み込み、冷ややかな面持ちで堂々と駅のホームを歩いていたが、薄い頭髪と額には薄っすらと汗が浮かび、幅広い額を包むその辛苦の結晶は天井の蛍光灯に照らされて燦燦と四方八方に輝きを放っていた。私にはそれが不撓不屈の王者だけが戴く栄光の冠に見えた。未だ変わらずプルースト君は厚着紳士で在り続けていた。 私は彼の胸中に宿る鋼鉄の信念に感激を覚えると共に、それとは対照的に驚く程簡単に退転してしまった自分自身の脆弱な信念を恥じた。俯いて視線をホームの床に敷き詰められた正方形タイルの繋ぎ目の暗い溝へと落とした。この惨めな敗残の姿が彼の冷たい視線に晒される事を恐れ心臓から足の指の先までが慄き震えていた。しかしそんな事は露とも知らぬプルースト君はゆっくりとこちらへ歩いて来る。迫り来る脅威に戦慄した私は慌ててダウンのファスナーを下から上へと引き上げた。紳士の体裁を整えようと手先を闇雲に動かした。途中ダウンの布地が間に挟まって中々ファスナーが上がらない問題が浮上したものの、結局は何とかファスナーを上まで閉め切った。続けてボタンを嵌め終えると辛うじて私は張りぼてだがあの厚着紳士見習いの姿へと復活する事に成功した。 膝の上に置いてあった哀愁のメロンソーダも何となく恥ずかしく邪魔に思えて、隠してしまおうとダウンのポケットの中へとペットボトルを仕舞い込んでいた時、華麗颯爽とロングコートの紺色の裾端が視界の真横に映り込んだ。思わず私は顔を見上げた。顔を上方に上げ過ぎた私は天井の蛍光灯の光を直接見てしまった。眩んだ目を閉じて直ぐにまた開くとプルースト君が真横に厳然と仁王立ちしていた。汗ばんだ蒼白い顔は白い光に包まれてなおのこと白く、紺のコートに包まれた首から上は先程窓から垣間見えた純潔の白い塔そのものだった。神々しくさえあるその立ち姿に畏敬の念を覚え始めた私の横で微塵も表情を崩さないプルースト君は優雅な動作で座席に腰を降ろすとロダンの考える人の様に拳を作った左手に顎を乗せて対岸のホームに、いやおそらくはその先の彼方にある白い塔にじっと厳しい視線を注ぎ始めた。私は期待を裏切らない彼の態度及び所作に感服感激していたが、一方でいつ自分の棄教退転が彼に見破られるかと気が気ではなくダウンジャケットの中は冷や汗で夥しく濡れ湿っていた。 プルースト君が真実の威厳に輝けば輝く程に、その冷たい眼差しの一撃が私を跡形もなく打ち砕くであろう事は否応無しに予想出来る事だった。一刻も早く電車が来て欲しかったが、依然として電車は暫くこの駅にはやって来そうになかった。緊張と沈黙を強いられる時間が二人の座る長椅子周辺を包み込み、その異様な空気を察してか今ではホーム中に人が溢れ返っているのにも関わらず私とプルースト君の周りには誰一人近寄っては来なかった。群衆の騒めきでホーム内は煩いはずなのに不思議と彼らの出す雑音は聞こえなかった。蟻のように蠢く彼らの姿も全く目に入らず、沈黙の静寂の中で私はただプルースト君の一挙手に全神経を注いでいた。 すると不意にプルースト君が私の座る右斜め前に視線を落とした。突然の動きに驚いて気が動転しつつも私も追ってその視線の先に目を遣った。プルースト君は私のダウンジャケットのポケットからはみ出しているメロンソーダの頭部を見ていた。私は愕然たる思いに駆られた。しかし今やどうする事も出来ない。怜悧な思考力と電光石火の直観力を併せ持つ彼ならばすぐにそれが棄教退転の証拠だという事に気が付くだろう。私は半ば観念して恐る恐るプルースト君の横顔を伺った。悪い予感は良く当たると云う。案の定プルースト君の蒼白い顔の口元には哀れみにも似た冷笑が至極鮮明に浮かんでいた。 私はというとそれからもう身を固く縮めて頑なに瞼を閉じる事しか出来なかった。遂に私が厚着紳士道から転がり落ちて軟派な薄着蛮族の一員と成り下がった事を見破られてしまった。卑怯千万な棄教退転者という消す事の出来ない烙印を隣に座る厳然たる厚着紳士に押されてしまった。 白い煙突塔から吐き出された排煙は永久に恥辱の空を漂い続けるのだ。あの笑みはかつて一心同体であった純白の塔から汚れてしまった灰色の煙へと送られた悲しみを押し隠した訣別の笑みだったのだろう。私は彼の隣でこのまま電車が来るのを待ち続ける事が耐えられなくなって来た。私にはプルースト君と同じ電車に乗る資格はもう既に失われているのだった。今すぐにでも立ち上がってそのまま逃げるように駅を出て、家に帰ってポップコーンでも焼け食いしよう、そうして全てを忘却の風に流してしまおう。そう思っていた矢先、隣のプルースト君が何やら慌ただしく動いている気配が伝わってきた。私は薄目を開いた。プルースト君はロングコートのポケットの中から何かを取り出そうとしていた。メロンソーダだった。驚きを隠せない私を尻目にプルースト君は渇き飢えた飼い豚のようにその薄緑色の炭酸ジュースを勢い良く飲み始めた。みるみるとペットボトルの中のメロンソーダが半分以上が無くなった。するとプルースト君は下品極まりないげっぷを数回したかと思うと「暑い、いや暑いなあ」と一人小さく呟いてコートのボタンをそそくさと外し始めた。瞬く間にコートの前門は解放された。中から汚い染みの沢山付着した白いシャツとその白布に包まれただらしのない太鼓腹が堂々と姿を現した。 私は暫くの間呆気に取られていた。しかしすぐに憤然と立ち上がった。長椅子に座ってメロンソーダを飲むかつてプルースト君と言われた汚物を背にしてホームの反対方向へ歩き始めた。出来る限りあの醜悪な棄教退転者から遠く離れたかった。暫く歩いていると、擦れ違う人々の怪訝そうな視線を感じた。自分の顔に哀れな裏切り者に対する軽侮の冷笑が浮かんでいる事に私は気が付いた。 ホームの端に辿り着くと私は視線をホームの対岸にその先の彼方にある白い塔へと注いた。黒雲に覆われた白い塔の陰には在りし日のプルースト君の面影がぼんやりとちらついた。しかしすぐにまた消えて無くなった。暫くすると白い塔さえも風に流れて来た黒雲に掻き消されてしまった。四角い窓枠からは何も見え無くなり、軽薄な人間達の姿と騒めきが壁に包まれたホーム中に充満していった。 言い知れぬ虚無と寂寥が肌身に沁みて私は静かに両の瞳を閉じた。周囲の雑音と共に色々な想念が目まぐるしく心中を通り過ぎて行った。プルースト君の事、厚着紳士で在り続けるという事、メロンソーダ、白い塔…、プルースト君の事。凡そ全てが雲や煙となって無辺の彼方へと押し流されて行った。真夜中と見紛う暗黒に私の全視界は覆われた。 間もなくすると闇の天頂に薄っすらと白い点が浮かんだ。最初は小さく朧げに白く映るだけだった点は徐々に膨張し始めた。同時に目も眩む程に光り輝き始めた。終いには白銀の光を溢れんばかりに湛えた満月並みの大円となった。実際に光は丸い稜線から溢れ始めて、激しい滝のように闇の下へと流れ落ち始めた。天頂から底辺へと一直線に落下する直瀑の白銀滝は段々と野太くなった。反対に大円は徐々に縮小していって再び小さな点へと戻っていった。更にはその点すらも闇に消えて、視界から見え無くなった直後、不意に全ての動きが止まった。 流れ落ちていた白銀滝の軌跡はそのままの光と形に凝固して、寂滅の真空に荘厳な光の巨塔が顕現した。その美々しく神々しい立ち姿に私は息をする事さえも忘れて見入った。最初は塔全体が一つの光源体の様に見えたが、よく目を凝らすと恐ろしく小さい光の結晶が高速で点滅していて、そうした極小微細の光片が寄り集まって一本の巨塔を形成しているのだという事が解った。その光の源が何なのかは判別出来なかったが、それよりも光に隙間無く埋められている塔の外壁の内で唯一不自然に切り取られている黒い正方形の個所がある事が気になった。塔の頂付近にその不可解な切り取り口はあった。怪しみながら私はその内側にじっと視線を集中させた。 徐々に瞳が慣れて来ると暗闇の中に茫漠とした人影の様なものが見え始めた。どうやら黒い正方形は窓枠である事が解った。しかしそれ以上は如何程目を凝らしても人影の相貌は明確にならなかった。ただ私の方を見ているらしい彼が恐ろしい程までに厚着している事だけは解った。あれは幻の厚着紳士なのか。思わず私は手を振ろうとした。しかし紳士という言葉の響きが振りかけた手を虚しく元の位置へと返した。 すると間も無く塔の根本周辺が波を打って揺らぎ始めた。下方からから少しずつ光の塔は崩れて霧散しだした。朦朧と四方へ流れ出した光群は丸く可愛い尻を光らせて夜の河を渡っていく銀蛍のように闇の彼方此方へと思い思いに飛んで行った。瞬く間に百千幾万の光片が暗闇一面を覆い尽くした。 冬の夜空に散りばめられた銀星のように暗闇の満天に煌く光の屑は各々少しずつその輝きと大きさを拡大させていった。間もなく見つめて居られ無い程に白く眩しくなった。耐えられ無くなった私は思わず目を見開いた。するとまた今度は天井の白い蛍光灯の眩しさが瞳を焼いた。いつの間にか自分の顔が斜め上を向いていた事に気が付いた。顔を元の位置に戻すと、焼き付いた白光が徐々に色褪せていった。依然として変わらぬホームの光景と。周囲の雑多なざわめきが目と耳に戻ると、依然として黒雲に覆い隠されている窓枠が目に付いた。すぐにまた私は目を閉じた。暗闇の中をを凝視してつい先程まで輝いていた光の面影を探してみたが、瞼の裏にはただ沈黙が広がるばかりだった。 しかし光り輝く巨塔の幻影は孤高の紳士たる決意を新たに芽生えさせた。私の心中は言い知れない高揚に包まれ始めた。是が非でも守らなければならない厚着矜持信念の実像をこの両の瞳で見た気がした。すると周囲の雑音も不思議と耳に心地よく聞こえ始めた。 『この者達があの神聖な光を見る事は決して無い事だろう。あの光は選ばれた孤高の厚着紳士だけが垣間見る事の出来る祝福の光なのだ。光の巨塔の窓に微かに垣間見えたあの人影はおそらく未来の自分だったのだろう。完全に厚着紳士と化した私が現在の中途半端な私に道を反れることの無いように暗示訓戒していたに違いない。しかしもはや誰に言われなくても私が道を踏み外す事は無い。私の上着のボタンが開かれる事はもう決して無い。あの白い光は私の脳裏に深く焼き付いた』 高揚感は体中の血を上気させて段々と私は喉の渇きを感じ始めた。するとポケットから頭を出したメロンソーダが目に付いた。再び���の心は激しく揺れ動き始めた。 一度は目を逸らし二度目も逸らした。三度目になると私はメロンソーダを凝視していた。しかし迷いを振り払うかの様に視線を逸らすとまたすぐに前を向いた。四度目、私はメロンソーダを手に持っていた。三分の二以上減っていて非常に軽い。しかしまだ三分の一弱は残っている。ペットボトルの底の方で妖しく光る液体の薄緑色は喉の渇き切った私の瞳に避け難く魅惑的に映った。 まあ、喉を潤すぐらいは良いだろう、ダウンの前を開かない限りは。私はそう自分に言い聞かせるとペットボトルの口を開けた。間を置かないで一息にメロンソーダを飲み干した。 飲みかけのメロンソーダは炭酸が抜けきってしつこい程に甘く、更には生ぬるかった。それは紛れも無く堕落の味だった。腐った果実の味だった。私は何とも言えない苦い気持ちと後悔、更には自己嫌悪の念を覚えて早くこの嫌な味を忘れようと盛んに努めた。しかし舌の粘膜に絡み付いた甘さはなかなか消える事が無かった。私はどうしようも無く苛立った。すると突然隣に黒く長い影が映った。プルースト君だった。不意の再再会に思考が停止した私は手に持った空のメロンソーダを隠す事も出来ず、ただ茫然と突っ立っていたが、すぐに自分が手に握るそれがとても恥ずかしい物のように思えて来てメロンソーダを慌ててポケットの中に隠した。しかしプルースト君は私の隠蔽工作を見逃しては居ないようだった。すぐに自分のポケットから飲みかけのメロンソーダを取り出すとプルースト君は旨そうに大きな音を立ててソーダを飲み干した。乾いたゲップの音の響きが消える間もなく、透明になったペットボトルの蓋を華麗優雅な手捌きで閉めるとプルースト君はゆっくりとこちらに視線を向けた。その瞳に浮かんでいたのは紛れもなく同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情だった。 間もなくしてようやく電車が駅にやって来た。プルースト君と私は仲良く同じ車両に乗った。駅に溢れていた乗客達が逃げ場無く鮨詰めにされて居る狭い車内は冷房もまだ付いておらず蒸し暑かった。夥しい汗で額や脇を濡らしたプルースト君の隣で私はゆっくりとダウンのボタンに手を掛けた。視界の端に白い塔の残映が素早く流れ去っていった。
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第30話 『赤子の視る夢 (2) - “異界”』 Fetus dream chapter 2 - “Abyss”
目の前の白いガウンの男をじっと見ていると、まるでぐにゃりと地面が揺らぐような錯覚に陥った。私は自分でも不思議になるほど、とんとひとかけらも思い出せないのだ。そんな私に真実とは何かを判断する術は持ちようがない。
けれど、このような装丁まできちんとした論文を用意してまで、私を騙して何か利することはあるのだろうか。全く想像がつかない。冊子を持て余す私を見かねたのか、ヴァルター博士は私の手からそれを拾い上げ、手早く近くの書棚へと返した。
そして、別の資料を私に押し付ける。少し角が折れたり、曲がったりした羊皮紙の束だった。私はぐるぐると巻かれた革紐を解きながら、ちらちらとヴァルター博士の様子を伺った。
「……次は、なんです?」
「異界に関する資料です」
「詳しくは分かっていないのでは……?」
「ええ。ですが、『異界』の存在自体は周知の事実と申しましょうか……存在は分かっていて、ある程度調査が進んでいると――、私たちは信じていました。ですが、少なくとも我々が調査してはじめて分かったこともあったわけです」
羊皮紙にはびっしりと神経質そうな文字が並んでいる。
「読みにくいかもしれませんが……今回の件にまつわるものをまとめております」
「こんなに……」
私は半ば脅迫的に、その羊皮紙に目を落とした。
医療団派遣 嘆��書
歎願者 シェルノ医院医師一同
当院医師は当該事件についての医師団派遣を希望する。伝染病の恐れあり。至急返答求む。
6月某日、農業と林業を主たる産業とする山村ロルコールにて、ある青年が亡くなった。清廉潔白で村の青年団を務めたような堅強な青年であるが、前兆無く不帰。家族が農地周辺を探すも姿が見えず、親族と共に周辺を探す。上述の理由から失踪とは考えにくく、事故ではないかと他の村民たちも捜索に加わるが、痕跡なし。
3日後、青年は帰宅するが、尋常ではない様子。家の隅に座り、壁に顔を向けたままブツブツと何かを唱えているばかり。実妹が心配し、食事を持って行った際にようやく返事をしたものの、会話が成り立たない。よほどのことがあったのか、無理やりにでも医者に連れて行くかと思案するうち、青年の容体が急変。突如苦しみ出し、介抱する間もなく死亡。直前、支離滅裂な発言と共に胸を異様なほど掻きむしっていたため、精神の病ではないかと考えられ、そっと荼毘に付される。(当院医師、看護婦等への連絡はなし、後ほど聴取と解剖行った)この青年をAとする。Aの家は豪農であり、農地を有する裕福な家系であった。
その後同じ村からまた行方不明者が出る。幼年から親しく付き合う仲だった若者達B、C、Dが、先述のAと同様にブツブツと独り言を繰り返し、三者一様に徘徊する様子あり。B、C、Dは、Aの家の農地を小作する家の出。発狂した青年を慕っていた者たちでもあったため、家族共は相談し、様子を見守っていたが、その内2名B、Cが行方不明となる。Dは家族が取り押さえているうちにぱったりとこと切れた。Dの遺体には暴れた後はあるものの、絞殺に見られる圧迫痕や打撲痕等見られず、この時点では心不全と考えられた。
当院医師が呼ばれ、死亡したA、D、2名の解剖を行う。解剖の結果両者の首筋に腫瘍状の肉塊あり。この異物の影響で異常行動をとったのではないかと推測。葬儀の許可を与える。
再度同村から連絡あり、急行。腐敗した子牛大の肉塊が2つあり、村民は先日の行方不明者B、Cだったものだと主張する。
経緯不明のため確認したところ、B、Cが、突然A、Dの共同葬儀に現れたとの説明を受ける。A宅で行われる葬儀のため、煮炊きする下女が驚いて腰を抜かしているところを通り過ぎ、屋敷の表から入る。B、Cともに、山などに潜んでいたにしては汚れておらず、いなくなっていた時と同様の衣類を身に着けていた。しかし、親しくしていたA、Dの葬儀だというのに妙に陽気に笑っている姿に、変事が続いていた村民は警戒を露わにした。中でも、彼らと年の近い青年Eは2名の変様に異常を察知し、鍬を手に制止を呼びかけ、それぞれ頭部と腰部を柄で強く打ちつけた。
絶命するほどの強さではなかったとEから証言を得ているが、姿を現した2名はその場で倒れ、全身が急激に腐乱し崩壊したという。この異常な結果を鑑みて、精神の病ではなく何らかの伝染病ではないかと判断し、解剖を担当した医師を呼び寄せる。
しかし、当院医師が確認しようにも人体とは判断できない肉塊であるが、衣服等の散乱した形跡あり。ほとんどの村民は半ば恐慌状態にあり、村を出て山を降りると主張する者が他の村民と諍いを起こす様子も見られ、口裏を合わせた殺人などの可能性も低い。
以上が、一連の事件の経緯である。状況を放置した場合、山麓の町々にも影響が出る可能性があると考えられる。至急、派遣・調査を願いたく、報告とする。
王立医師団への報告書写し
報告者:クラウス 王命監視団付医師、医学博士
王命監視団団長に任ぜられ、ロルコール村に到着。陛下誠に心が痛むとお答えになり、すぐさま調査団の組織を命ぜられた。伝染病対策のため、看護団とともに入村。異界の門を確認、奏上。
王命を受け、招聘した2名の博士を含め、監視団を再編。団長職をマティアス博士に委任する。
マティ���ス博士:55歳男性、王立魔道学院異界研究室 教授、代表論文『赤子の視る夢』:通達にあった通り、若干視野狭窄が認められる。門への好奇心が極めて強く、門に案内したところそのまま突入しそうになったため、慌てて隊員ふたりがかりで制止している。それ以外はおおむね問題なく体調等変化なし。
ヴァルター博士:41歳男性、王立魔道学院異界研究室 教授、代表論文『召喚術に於ける被召喚物と現実の交差構造について』:比較的落ち着いているものの、マティアス博士の突発的な行動を警戒し神経質になっている様子。門へのアクションは最小限にしたいという考えを表明している。
両博士の確認により、門を異界に通ずるものと確定。ロルコール村の村民の立ち入りを禁ずる。
同日、調査開始したことを報告する。
そこには一枚の集合写真が挟まれていた。十数人の白衣の人間がずらりと並び、中心には目の前にいるヴァルター博士と、穏やかそうな笑みを讃える好々爺然とした男性が立っていた。
「これは私たちが着任した時に撮った写真です。ほら、これがあなたです」
ヴァルター博士はすぅっと写真の、ヴァルター博士の隣に立つ男を指さした。すらりと均整の取れた体つきの、若い男だった。
……これが、私。
私はきょとんとしたまま、近くのガラスを振り向いた。戸棚にはめ込まれたそのガラスは、透けて薬瓶が見えるものの、うっすらと私の顔が映り込んでいた。
確かに、写真の男によく似ている、今の私はかなり痩せているようだが、同じ顔をしている……。だというのに、何の実感も込み上げてこない。
「医学者だったあなたとモニカ嬢は陛下の命で結成された調査団のメンバーでした。あなたが指揮を執り、村での不審死が未知なる伝染病か――はたまた、実は単なる殺人なのか、調査していました」
「お、覚えていない……!」
首を大きく振って、私は否定した。覚えていない、何一つとして。何を言われても、ぴくりとも記憶は蘇ってこないのだ。
「門を覚えておいでですか」
「いいえ……博士にどんなに説明されても、異界も門も、その肉片とやらも思い出せません」
「落ち着いてください、責めているわけではないのです」
ヴァルター博士は私をなだめるように続けた。
「あなただけが真相に最も近づいているのです。あなたが異界中での出来事を思い出せれば、門や異界の謎に大きく近づく事ができ、門を封じる糸口も見つかるかもしれない……」
「私が真相に……? あなたは博士なんですよね? 専門家のはずじゃ……」
ヴァルター博士は哀し気に微笑んだ。
「あの時、全員が門に入るわけにもいかず、私はこちらに残っていました」
笑みは自嘲じみて歪み、しおれたようにヴァルター博士は小さくなった。
「ですから、私は門の中を知り得ないのですよ。あなたとマティアス博士が門に向かった時、私は一緒ではなかった。……帰ってきたのはあなたとマティアス博士だけでした」
「マティアス博士も一緒に?」
「はい。ご一緒でした。ただ、マティアス博士は帰還を果たした自分達が危険な状態にあると、あなたとご自身を隔離され……私も近づくことは許されませんでした」
「隔離……? どこにですか?」
「監視室です、門を監視するためにこしらえていました。あなただけをそこに残し、マティアス博士は再び門を越えたようです。しばらくして、監視室からの連絡も途絶え、私は博士の言いつけを破り、監視室に踏み込んだのです。そして、我々は監視室で倒れたあなたを発見しました」
「それで私は、あの監獄部屋に……?」
羊皮紙にびっしり書かれた異界との遭遇事例、ヴァルター博士の淡々とした、だからこそ感じる強い悔恨の声、私はおどおどとみっともなく体を竦めるしかなかった。
「マティアス博士の姿はなく、あなたが倒れている姿を見た時に、まず、保護しなければと咄嗟に隔離する形を���ったことは申し訳ないと思っています。ですが、あなたが再び目を覚ました時、何が起こるのか分からず……このような形にしてしまいました」
「私が何かするとでも思ったのですか……」
「どちらかというと、あなたもマティアス博士のように門を超えてしまうことや、ロルコール村の青年たちのように形を失うことを、私は恐れたのです。万が一、あなたが暴れても、誰にも危害を加えないようにする必要もありましたし」
私はこれ以上羊皮紙に書かれた『異界』や『門』『肉片』『乳母』という言葉を見ていられなかった。元のようにぐるぐると革紐を結わい、ヴァルター博士に返そうとした、その刹那――、
(……あれは、)
ヴァルター博士の影が動いたのだと、はじめは思った。しかし、そんなわけはない、どこか赤黒い、血のような色をした影が彼の首筋にすぅっと入り込んでいったのだ。ヴァルター博士は私から目を逸らさないが、自分の首筋を這っていた影を気にする様子もなく話し続けている。
「あなたは、思い出す義務があります」
「思い出す、義務……」
「ええ、異界がこれ以上世界に災厄をもたらす前に、唯一帰還した『赤子の異界』を経験したものとして、是非記憶を取り戻していただきたい」
思い出せない、何も……記憶がない。どうして私には記憶がないのだろう。あれだけ確かに聞こえるモニカの声も聴き間違いだと断じ、私を監視所の責任者だったと言いながらあんな監獄に閉じ込めて…
この男は、何者だ。先ほどの赤黒い影は……、赤黒い、まるで血の塊のような……あれこそが肉片ではないか……。
「あなたの記憶が世界を救う鍵になるかもしれません。思い出してください」
私は答えずに紙の束を突き返した。ヴァルター博士はそれを受け取ると、棚に戻すために体を捻る。
――……今だ。
咄嗟に私はそばにあった一番分厚い本を手に取り、素早く振り下ろした。鈍い手ごたえと同時に「ぐぅ」というつぶれた悲鳴が聞こえ、ヴァルター博士が天鵞絨の椅子から床に崩れ落ちる。
お前こそ、赤子に成り代わっているんじゃないか。
犠牲者の首筋からは、腫瘍状の肉塊が摘出されている。さっき見えた影が、きっと……。
私は部屋から飛び出した。
必死で廊下を駆け始めると、ブウウンという音がどこか遠くで高鳴り始める。殺風景な廊下の角向こうから、ピチャリという湿った音と同時に聞こえる。あの監獄部屋に近づいているような気がして、私は足を向ける方向を変えた。
「くそ……っ」
急に頭が激しく痛み、視界がぐらりと歪んだ。どんどん意識が半濁していくが、私は必死で抗った。
ドクリ、ドクリ、と痛みが周期となって襲ってくる。
音を避けながら歩き続けたが、看護婦には会わなかった。
クラウス、と誰かが呼ぶ声がした気がする。
濁っていた意識がじわりと浮上する。
あの女の声は――私を愛しそうに呼ぶ声は、モニカなのではないか。私と一緒に調査に来たという恋人。生憎私は思い出せずにいたが、彼女はあれほど切実に呼びかけていたではないか。
ヴァルター博士は誰もいないと言った。
ここは本当に、監視所なのだろうか?
モニカは、ここのどこかに、いるはずなのだ。
「モニカ! モニカ、いるんだろう!」
「クラウス! クラウス!」
「ああ、やっぱり君はいるんだな!」
モニカの声は少し離れたところから聞こえた。彼女の声を頼りに私は見覚えのない監視所なる建物の中を駆け回った。
山村というだけあって、奥深い山中に監視所はあった。窓から見える鬱蒼とした木々は、清らかな雪を被り、シンとそこに立ち尽くしている。監視所は山を抱くように回廊型で、どうやら中庭があるようだ。
「でも、きっとそうじゃないわ。私の勘でしかないけれど……そうね……ええ……」
モニカの声がはっきりと聞こえるのに、私はずっと無視をしていたのか。ヴァルター博士に化けた赤子に騙されて、恋人を見捨てるところだった。
いくら記憶がないからと言って、どう言い訳をすればいいか、モニカは今のように親しげに私の名前を呼び、失われた記憶について優しく語ってくれるだろうか。
「クラウス!」
声は、あの扉の向こうからする。
扉には鍵がかかっていなかった。そして、飛び込んだ私は凍り付いた。
モニカはおろか、人の姿はなく、そこにあったのは巨大な窓だった。
「――……これが、門、か」
思い出したのではない、ただ、そう考えた方が自然だっただけだ。窓の向こうには空間を切り裂くように開いた不可解な裂け目があった。荷馬車の幌ほどの巨大さで、怪しく禍々しい光を放ち、赤黒いその内の空間を覗かせている。
赤子の異界……。
「も、モニカ……?」
この部屋で間違いないと思った。そのほかに扉はなくて、声がするなら、この扉の向こうだと。
ただ、そこに人影はなかった。門に面した大きな窓には簡素な数脚の椅子が並び、扉側に置かれた事務机の上には書面が散乱していただけだ。
「……これは……?」
散乱した書類の上、手帳が置かれている。
罪悪感よりも、救いを求める気持ちが強かった。この手帳に何かを思い出すきっかけがあるのではないか。
表紙をめくった中扉には小さくMとサインが書かれていた。そのサインを見た瞬間、私は取り憑かれたようにページを手繰り始める。
6月7日
山中の門を確認。報告にあった遭遇事案は近年では稀に見る規模。発見した王命監視団のクラウス隊長に歓迎される。監視団全員の健康状態の確認のため写真をひとりひとり撮影。その際、ヴァルター君の提案もあり、集合写真も撮影する。医学者でもあるモニカ女史の手伝いを受け、私とヴァルター君と手分けし、隊員たちの問診をする。現在赤子の異界への曝露の影響はほぼ見られない。
6月8日
門の周囲に仮設キャンプの監視所設営。隊は青年が多く、村人の多くも手伝ってくれる。監視所が完成するまで、問題の村を定宿とす。経緯で『成り代わり』が現れているため、疑わしい場合に隔離する独房の必要性を主張。クラウス君は快諾。スムーズに設営が進む。門を常時監視できる部屋は今のままでは手狭とヴァルター君が主張。
6月23日
監視所の設営が完了。監視所に定宿を移す。村、隊、また門に異常なし。
6月26日
監視所に移動してから、挙動不審の隊員あり、名前を確認するとテオ隊員とのこと。モニカ女史と診察。身体的な異常は見当たらないが、言動等から赤子の異界の影響を受けている可能性がある。念のため全員の診察を行う。問題なし。テオ君の独房入りはヴァルター博士に反対され、実施できず。危険性を訴えるも、仲間である隊員の幽閉は各隊員たちも抵抗がある様子。一方で、これは間近で観察する好機とも取れる。肉片が孵化しないか……様子を見る。
6月27日
テオ隊員がいない。探す。村人に姿を見たものもなく、狩りの罠などにも異常がないとのこと。赤子の異界に行ったのではないか? 距離が近づいたための影響と思われる。クラウス君曰く、防寒具も荷物もそのままで、山中は手ぶらで出ていける状況でない事から門に入った可能性が高いとのこと。
6月28日
テオ隊員やはり戻らず。門の中への潜入調査を進言。ヴァルター博士は反対。隊員の身柄を預かっているクラウス君、モニカ女史は賛成。もしやヴァルター博士は二心あって反対しているのではないだろうか……このケースを逃せば、これほどの稀有な遭遇事案は二度とないだろう。この失踪は、千載一遇の好機なのだ。何より何日も放置しておけない、彼を見つけなければ。
6月29日
ヴァルター博士の反対を押し切り、有志の隊員――といってもヴァルター博士と医療補助のための看護婦を除いた研究者――で探索に向かう。門はいつも通りに見える。
7月3日
生きている。
7月4日
少し落ち着いた。しかし、想定外のことが起きた。我々は門をくぐったが、その先は肉片と嚢胞で満ちた、これまで見られたものとは全く異なる異界だった。何人かは���吐、他メンバーが介抱する。奥には進めず。内部は異常に暑く、防寒着のまま進むことは困難を極め、装備で何とか肉片をかき分けて進むうち、先頭を進むクラウス君ら若い衆は上半身裸になり、それでも尚異様に汗をかいていた。モニカ女史も肌着ばかりになっていた。非常に暑い。その後間もなく、我々の捜索隊は”乳母”の襲撃を受けた。考えていた理論は概ね肯定される形となったが、異界の乳母は想像以上に危険な化け物だった。抵抗の余地なく、瞬く間に壊滅。目覚めた時、クラウス君とふたりきり門の外に投げ出されていた状態。待機していた医療補助の隊員とヴァルターに保護される。ヴァルターたちに指示を出し、内側に私とクラウス君を残して門を二重隔離する。監視室内には突入以前にはなかった異音が満ちている。幻聴か? クラウス君は目覚めない。確認のため彼の首を切開、腫瘍状の肉片なし。昏睡はしているが無事か、孵化の心配はないだろう。だが、何故?
7月5日
理論は肯定されたと考えていたが、それは誤りだった。門の向こうには行ってはいけなかった。赤子の異界は触れてならなかったのだ。門を閉じる方法が見つかるまで放置するべきだったのだ。乳母は確実に人間を狙う意思を持っている。肉片に秘められた力は我々に理解できるものではない。私は既に影響を受け、孵化の時へと近づいていることを感じる。我々には奴の牙が既に突き立てられている。患部ごと切除しなければ。私に出来ることは、これが最後だろう。時間がない。全身にその毒が回る前に、手を打たねば。
ヴァルター君、君が正しかった。私はもっと慎重になるべきだった。クラウス君のことは任せる。クラウス君とふたり、必ずやこの危険な門を閉じてくれ。
心臓が早鐘のように打っている。私は震える手でさらにページをめくろうとした時、背後で扉が軋み開かれる音がした。
その音に驚き、飛び退るように振り向いた先には、ヴァルター博士に見せられた写真の中央に映っていた男――マティアス博士その人が立っていた。
~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
赤子の視る夢 (3) - “錯誤”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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