#混ぜご飯の素
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5月17日、キッコーマンのうちのごはん の混ぜごはんの素の「ビビンバ コチュジャンとごま油の風味」を使って作ったビビンバのおにぎり。昼食に食べた。
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2024.10.2 we
作って冷凍しておいたチキンライスの素をあっためて混ぜてたまご焼いただけ。
コロッケは夕飯の残り、しかもオオゼキのおやつコロッケ。
緑は朝ごはんから拝借したピーマンとシャインマスカット。
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全人類よ、今すぐ橋本ライドンさんの『妹・サブスクリプション』を読んでくれ
〔なかよし姉妹 -- 2023年10月10日〕
可愛すぎる妹シリーズの印象で読み始めてみたら、まさか骨太のSFヒューマンドラマになっていくなんて、連載当初は思ってもみなかったんですよ、マジで。
作品の紹介に入る前に
この記事で紹介する『妹・サブスクリプション』(妹サブ)は、ぜひともツイッターで毎日21時に更新される最新話を連載で読んでいただきたい。3月8日に発売される単行本を待つことなく、今すぐ連載で読んでほしいのだ。それくらい、この作品を連載で読む体験にはすさまじいものがある。
今から連載を追いかけるには、まずは min.t で公開されているこれまでの連載まとめを読むといいだろう。連載開始は2023年10月10日であり、これまでの話数は約100話、すなわち100本の4コマなので、それほど難なく追いかけられるはずだ。その後、連載媒体である「ツイシリ」アカウント @twi_sirius、または作者・橋本ライドンさんのアカウント @hashimotorideon をフォローいただければ、最新話の更新やその周知が流れてくるだろう。
以下、この記事は作品紹介の都合上、これまでの連載のネタバレを含んでいる(できるだけ軽微なものに抑えたつもりではある)。妹サブのマンガ体験を十全に味わいたい方は、この記事の続きを読む前に、ご自身で連載を読んでいただければ幸いである。
前置きはここまでにして作品の紹介に入る
妹サブの舞台は、失われた人間を模倣する人造人間技術「レプリカント」が実現された近未来。主人公の一人である姉のみゆきは、妹・今日子(きょんちゃん)のレプリカントとともに暮らしている。冒頭で引いた第1話の時点で、妹は既にレプリカントなのだ。その設定は連載初期に少しずつほのめかされていった。
〔お姉ちゃんの部屋 -- 2023年10月10日〕
〔嫌いな業者 -- 2023年10月12日〕
連載開始から3日目までの印象的な場面を挙げよう。意識を失ったと思しき妹の体躯が、姉によって鍵付きの部屋に引きずられ、「回収センター」を名乗る者によって箱詰めされる。それも複数体が同じような姿で。この時点で、妹は人間ではなくロボットのような何かであること、またタイトルの「サブスクリプション」は昨今の継続購入サービスを意味していることが推察できた。だがその核となる設定はまだ示されておらず、確証がないまま不穏な空気が醸し出されていったのだ。
妹サブのマンガ体験の面白さは、こういった毎日のハラハラドキドキにある。各話で明かされる事実が断片的であり、次の更新は翌日を待たなければならないことから、その間に想像や考察が否応なく膨らむのだ。ここまでに私が述べたあらすじや解説は過去の連載を読んだ後だから書けるのであって、現在進行形で読んでいたときには翌日の展開を予想しても外すことは日常茶飯事だった。外してもその日のうちにスッキリできるならまだ良くて、時には何日も核心が伏せられたまま物語がジリジリと進み、早く真相と答え合わせさせてくれ!と悶絶と期待が入り混じった感情に駆られることもしばしばだった。
〔いつも通りの朝 -- 2023年10月23日〕
〔あなたにだけは話したい-- 2023年10月30日〕
〔あなたは異常 -- 2023年11月3日〕
作中で「レプリカント」という単語が初出するのは連載開始から2週間後、妹がレプリカントだと姉の口から名言されるのはさらに1週間後、そして壊れやすいからサブスク形式だという設定が述べられるのはそのまた4日後であった。ここでようやく、妹が“意識を失った”こと、複数体存在したこと、そして回収されたことに合点がいき、もやが晴れるようなカタルシスが得られた。そして同時に、これらの場面はみゆきとレプリカントの、そしてレプリカントと社会の関わりを示してもいたのだ。
妹サブのタテ軸とヨコ軸
〔妹は そのままで -- 2023年10月13日〕
〔いつも通りの朝 -- 2023年10月23日〕
妹サブの読みどころはいわばタテ軸とヨコ軸に大別される。タテ軸は、みゆき(姉)から今日子(妹)に向けられる“家族愛”の歪さだ。今日子のレプリカントを溺愛するみゆきは、オモテ向きには頼れる保護者でありつつも過保護のきらいがあり、妹離れできていない姉のように見える。だが実際にはもっと悪いのだ。
〔悩めるお姉ちゃん -- 2023年10月14日〕
その悪さは、みゆきが今日子のレプリカントと相対していない、ウラ側の状況で見え隠れする。キーボードを猛烈に叩いてサポートチャットに要望を送り、無機質なビジネス応答に舌打ちしながら怒るみゆき。その態度と「直せ」という強い口調には過保護を超えて、“愛する”妹を自らの管理と制御の下に閉じ込めて作り変えんとする魂胆があらわれている。もちろんリアルタイムの連載時には、本物の今日子は真に素直な子だったという可能性もあった。しかし現在までにその可能性は明確に棄却されている。
〔瞳に星屑をまぶして -- 2023年11月29日〕
さらに悪いことに、みゆきは自身の行いが正しいとかなり純粋に信じている(少なくとも、この記事の公開時点で、これまでの連載を素直に読む限りでは)。みゆきの信念は関係者との間で軋轢を生んでいき、それがまたドラマになるのだ。
もちろん、みゆきはわけもなくレプリカントに手を出したわけではい。作品設定では、レプリカントを正当に得るには対象の家族が亡くなったとされる必要がある。みゆきが今日子自身でなくそのレプリカントと暮らしているのには相応の理由があり、それもまた連載の中で描かれている。これらの事情を理解した上でなお、彼女の“家族愛”は歪だと言わざるをえないものであって、控えめに言っても全てを首肯することはできないものなのである。こういったアンビバレンツな人間模様や読後感もまた妹サブの魅力である。
〔いつも通りの朝 -- 2023年10月23日〕
そして読みどころのヨコ軸は姉妹をとりまく社会との関わりである。それは家族や友人といった近しい他者にとどまらず、文字どおりに世の中の状況を含んでいる。作品世界の中ではレプリカントが社会問題になっており、受容する動きもあれば批判する動きもあることが、連載開始から2週間のうちに示された。そしてこの記事を公開した時点で進行中の連載では、レプリカントと社会のあり方がまさに描かれようとしているのだ。これは本当に連載で読んでいただきたい。
〔違わない -- 2023年10月26日〕
〔初めて わかってくれた人 -- 2023年10月31日〕
〔知らない友達 -- 2023年11月12日〕
〔あるアルバイトの苦悩 -- 2024年1月9日〕
かような背景をベースにして、姉妹の生活とみゆきの思いは他者と相対される。近しい者では、例えば共生を否定した両親、カミングアウトを“ひとまずは”受容したみゆきの友人、何も知らずに“再会”した今日子の友人。より社会の側では、例えばレプリカント企業のカスタマーサポートで働くアルバイト。他にも、みゆきと同様にレプリカントに手を出した別の家族や、レプリカント事業の起業者なども登場する。かくして社会の中で姉妹模様が描かれ、また姉妹模様を通じて社会が描かれる構造は、科学技術の“もしも”と同時にそれが存在する世界での人倫を描く、骨太なSFヒューマンドラマの基礎となっているのである。
〔今日子 中3の夏 -- 2023年12月10日〕
その中にはもちろん、もう一人の主人公である、“在りし日”の妹・今日子も含まれる。今日子の過去、あるいはやがてレプリカントに手を出すことになるみゆきの過去は、これまでの妹サブの連載の中で最も重要な物語である。これもぜひ連載まとめで読んでいただきたい。
「今」すぐ読まれるべき、ということ
以上、私がこの記事で急ぎ語りたかった、今すぐの「すぐ」について語り切ったつもりである。ここからは、連載がまだひと段落していない現状では拙速で蛇足かもしれないが、今すぐの「今」について少しだけ語りたい。本格的な語りは単行本の発売後に別の記事を起こす予定である。
妹サブを読み進めていくと、私は現実の現在におけるいくつかの社会問題をどうしても連想せざるを得ない――ひとつは毒親に代表される支配的な家族である。みゆきは親ではなく姉だが、家族の御旗のもとに個人(今日子はみゆきの姉である前に今日子個人である)の人格を支配どころか改竄までせんとする姿はまさしく毒親のそれに当たると言えよう。もうひとつは人格ある他者を部分的に模倣する技術であり、その最たるものがいわゆる生成AIである。特に妹サブにおいて中心的に描かれる家族と故人というテーマにおいて、私はTEZUKA2020・TEZUKA2023プロジェクトを真っ先に思い浮かべた(奇しくもTEZUKA2020プロジェクトの単行本は、3月に刊行予定の妹サブとの単行本と同じく、講談社から刊行されている)。故人・手塚治虫の版権を管理する法人やその家族が関わるこのプロジェクトは、仮に著作財産権の観点で正当だとしても、死後も譲渡できない著作者人格権の観点では正当性をどのように主張するのか。まさか家族の御旗のもとに正当性を主張するとでも言うのだろうか。よしんば法的に許されたとして、法に先立つ人倫として許されるべきなのか――こういったことを考えてしまうのだ。
妹サブは意図的にせよ結果的にせよ、現実のかような社会問題を空想のSFマンガの形で読者に問いかけているように思う。レプリカントの「レプリカ」は複製を意味する言葉だ。そして人間が『死後に』『他者によって“正当”に』『“複製”と称される行為の対象になる』ことは、人間の尊厳に踏み込み、個人主義を溶融させ、代替可能性を加速させる営みと捉えられるだろう。かような世界において、人間が人間らしくあること、あらゆる何かに先立つ個人であること、そしてその人格が代替不能であることは、いかにして成立し得、また成立“しなければならない”のか――過剰な願いかもしれないが、私はそのひとつの答えを、あるいは少なくともその確固たる問いを、妹サブには描き切ってほしいと思っているのだ。
(すいーとポテト)
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サーモンちらし寿司。キャベツとカニカマの塩昆布和え。
きのこと揚げのお味噌汁。
今日は母の誕生日なので、お米を炊いてちらし寿司に。ちゃんとお米のちらし寿司なんて何年ぶりだろう。以前働いていた食品会社はちらし寿司の素を作っていたのでたまに家でも食べていたけど、辞めてから食べてなかった。まぁ、あの会社のものは未来永劫買うことないんだが。1円たりとも使ってやらないと神に誓ったw
で、山葵を混ぜた醤油麹をまぶしたサーモンも美味しかった。2合炊いた残りはまたおにぎりにして、母の平日お昼ご飯に。
この数年、母には心配かけて頼ってばかりだけど、もう少しの辛抱なので踏ん張って元気でいてほしい。
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実は間違い!やってはいけない「おばあちゃんの知恵袋」時代の変化と根拠のない過去の常識 - ライブドアニュース
以下引用
民間療法は過去の常識を疑おう
「昔は今のように便利なものがすぐに手に入ったり、情報にアクセスできなかったので、身近なもので編み出した“苦肉の策”的なアイデアも多いんです。ただ、医師の立場から言えば、実際に効果があったというエビデンスのないものは、おすすめしません」 と話すのは、公衆衛生学が専門の医師、柳澤綾子先生。
「民間療法はあくまで補助的に行うべきもの。例えば、切り傷の治りが悪いぐらいならまだいいですが、菌が入って化膿(かのう)させてしまうような危険なケースもあります」(柳澤先生、以下同)
逆効果で害に!正しい治療法を知ろう
「昔はアロエがすぐに手に入ったため、『切り傷にはアロエを塗る』といった民間療法は日本だけでなく、海外でもよく知られている方法です。アロエの成分には収れん作用があるので、小さな傷であれば有効である可能性があります。 ただ、土や雑菌がアロエに付着していれば、それが傷口に入り、化膿する危険性も。その結果、傷痕が残る可能性がないとはいえません」 さらに、今も一般家庭で行われている、市販の殺菌消毒薬を使う傷治療も、医学の世界では“時代遅れ”。 「正常な細胞まで破壊してしまう危険性のほうが高いので、泥などを水で洗い流すだけというのが、現在の傷治療の常識。昔の常識が間違っているというより、研究が進んで新常識に塗り替わっているのに、広まっていないということなのでしょうね」 最近の研究では、植物や食材を皮膚に塗ると刺激になってかぶれたり、口にするとじんましんが出る「食物アレルギー」発症のリスクが上がることがわかってきた。 「例えばキュウリパックなどで食物アレルギーになった場合、その発症をきっかけとして同じウリ科のメロンなども食べられなくなってしまうことも。“おばあちゃんの知恵”的な『自然のものだから安全』という思い込みは捨てたほうがいいです」 ほかにもヨーグルトやレモン、米のとぎ汁などでも発症する可能性があるので、皮膚につけるのは避けたほうがベター。乾燥しやすかったり皮膚が弱い人は特に要注意だ。 この時期、風邪のひきはじめや体調が悪いときの言い伝えを試す人もいるのでは? 「『風邪をひいたときにネギを首に巻く』のも効果はないですね。ウイルスが引き起こす風邪に特効薬はありませんし、ましてや特定の食べ物を食べて治ることはないです」 このような民間療法は、誰かひとりに何か良い結果が出たことが、噂として広まっただけかもしれない……と柳澤先生は語る。 「実害がなければ、個人の判断で行うのは構わないでしょう。『心地がいい』『気持ちいい』というのも、私たち人間には大事な要素。ただし、イメージで妄信せず、その民間療法が安全かどうかを事前に確認すべきです」
おばあちゃんの知恵���風邪対策編】
×:ネギを首に巻く 首に巻くとネギの成分「アリシン」が鼻から入ってきて良い……というのが、この対策を“本当のように”思わせてしまう理由。 「アリシン自体は免疫活性化に役立つといわれていますが、風邪を直接、治すものではありません。そもそも、首の皮膚から経皮吸収できませんし、分子が大きいので吸い込んでも吸収されません」(柳澤先生、以下同) 免疫を高めるためには「寝ることに勝るものはありません!」 △:風邪のひきはじめには卵酒 酒に卵と砂糖を混ぜ、温めたのが「卵酒」。卵であれば常備している家庭も多く、液体なら体調が悪くてもとりやすい。 「身体に異物が入ってくると、細胞性免疫や白血球が抗体を使って戦うのですが、この抗体を作る原料がタンパク質。 卵の主成分であるタンパク質(アミノ酸)をとると免疫の原料が増えるという意味では、卵に限らず、良質なタンパク質をとるのは良いことです。ただ、お酒はいらないのでは。 私たちはお酒を消化する際、免疫に必要な栄養素を消費してしまうので、免疫力低下につながります」 △:風邪をひいたらチキンスープ 風邪のとき、欧米ではポピュラーな“おばあちゃんの知恵”が「チキンスープ」。鶏肉や玉ねぎ、セロリなどの野菜を煮込んで作る。 「諸説あるものの、米国胸部疾患学会(ACCP)の報告書では、しっかりしたエビデンスはみつかりませんでした。卵酒と同様、鶏肉はタンパク質が豊富とはいえると思いますが……」 療養食としては適しているが“治る”のは期待しないほうがいい。 △:喉のイガイガにははちみつ大根 咳が止まるといわれている「はちみつ大根」。皮をむいてカットした大根をはちみつに漬け、半日程度冷蔵庫に置いてからその大根やシロップをとるというものだ。 「はちみつには咳を止める効果があるという論文がありますが、大根には今のところ裏付けはないはず。はちみつは上気道炎で咳が出ている小児での調査でも、咳止めの薬と同程度の効果が見込まれました。 抗酸化作用や抗菌作用のある成分が多いからとされていますので、喉が痛いときには、はちみつのみを少しとってみては」 ただし1歳未満の小児に与えるのはNGだ。
昔ながらの生活の知恵
×:ひじきで貧血予防 鉄欠乏症などの貧血を防ぐ食品として日本では知られるひじき。しかし、1950年から発表されている『日本食品標準成分表』では、ひじき100gあたり55mgあった鉄分は、2020年版では6.2mg、つまり9分の1に減っていた。 「そもそも、この鉄分は食材に含まれていたものではなく、鉄釜で調理していたから。今はステンレス鍋などを使うので含まれる鉄分が減ったのだとか。これは切り干し大根も同様」 動物性と植物性の鉄は作用が異なるので、レバーや肉、魚の赤い部分、豆類や小松菜などをバランスよく食べよう。 △:こりや痛みに「こんにゃく湿布」 昔はこんにゃくを温めて、こりや痛みのある患部に当てていたそうで、今もナチュラリストの間では実践する人も。 「現代では温めたいなら、こんにゃくである必要性はありません。湯たんぽやカイロなどで良いはず。ただ急性の炎症の場合は冷却が基本だったり、慢性期は温めるのが基本であったり、症状によって違います。 炎症の種類によって変える必要があるので、自己判断で決めず受診したほうがよいでしょうね」 △:お酒を飲む前に牛乳 お酒好きの人は飲酒前に何かをとって二日酔い予防をしたいという人も多いだろう。そのひとつが、「お酒を飲む前に牛乳を飲むと胃に膜ができてアルコールの吸収を遅らせ、酔いにくくなる」という説。しかし、効果は期待できないという。 「タンパク質は分解酵素の原料としては役には立ちますが、即効性はありません。乳脂肪は胃の動きを抑制してアルコールの吸収を遅らせるという作用はありますが、微々たるもの。酔いがまわるのがほんの少し遅くなるというだけです」 ×:塩で歯磨き 塩で歯磨きをすると浸透圧で歯茎の中の老廃物を排出しやすくなるといわれているが、「浸透圧で分子の小さな水分は外に出てきますが、老廃物は外には出てきません」と、柳澤先生は一刀両断。 「塩の結晶が大きいので、歯や歯茎を傷つける可能性しかないです。塩で歯茎のマッサージなんてもってのほか。刺激は強いので爽快感はあるのかもしれませんが……」 汚れを落とす効果もなく、塩分過多で血圧や腎臓への影響も心配だ。 △:りんごが病気を遠ざける 「1日1個のりんごで医者いらず」ということわざが有名。加えて「りんごポリフェノールが豊富なので皮ごと食べるとよい」、「抗酸化物質の塊」ともいわれ、まるで“万能薬”のようにうたわれるりんご。 「ポリフェノールという意味ならぶどうや緑茶にも入っています。ポリフェノールには脳卒中や高血圧、多くの心疾患リスク要因を減らすという効果が期待できても、その作用を起こすほどの量を食べることは現実的ではありません」 さらに果糖もたっぷりあるので食べすぎると、血糖値の上昇や血中の中性脂肪の増加を招く危険性も。 ×:魚の骨が喉に刺さったらご飯を飲み込む 「ご飯の粘度で魚の骨が取れる人もいるそうですが、ますます深く刺さることもあります。たまたま取れた人がいたとしても、ほかの人���成功するとは限らず、おすすめできません」 食道は縦に裂けやすくなっているため、硬い骨を無理して取ると神経などが通る部分に炎症を起こすことがある。 「人の身体には異物を排除する機能があるので、ある程度は自分の身体に任せておいて大丈夫」 どうしても気になるときは、耳鼻咽喉科で取ってもらおう。 △:やけど・傷はアロエで治る 日本だけでなく世界中で、ケガをしたときによく使われている多肉植物のアロエ。この成分を使ったゲルを塗ることで、にきびの回復、やけどの回復が早まる可能性が研究で報告されている。 「やけどの初期対応としてアロエの葉を使う場合、冷却作用は期待できますが、今はそれより冷蔵庫の保冷剤を取り出すほうが、葉っぱを取りに行くより早いのでは?水道水で良いのでとにかく早く冷やしてください」 また、土にはさまざまな雑菌が含まれているので、アロエの葉とともに雑菌が傷に入れば感染症を起こす可能性が。人によっては皮膚がかぶれたりすることもあるので要注意。 ×:蚊に刺されたらアルカリ性の石けんで洗う 蚊の唾液が酸性なので、アルカリ性の石けんで洗うとかゆみがなくなるといわれている。 「まったく効果はありません。そもそも蚊の唾液が酸性であるという証拠がないのです。それに、皮膚の上に石けん水を塗ったからといって、皮膚内に入った蚊の有害成分に届くことはないですよ」 異物が体内に侵入するのを防ぐ役割を果たしているのが皮膚なので、特殊な医療技術を使わない限り奥まで浸透することはない。 ×:わかめで髪が黒くなる&増える 見た目が“緑の黒髪”という言葉を連想させるためか、伝説のように語り継がれているわかめの効果。 「白髪の予防になるという科学的なエビデンスはまったくなく、増毛作用の根拠もありません」 だが、海藻にはビタミンやミネラル、食物繊維といった、毛髪にも良い成分が豊富に含まれているのは事実だ。 ×:美白のためにキュウリのパック キュウリに含まれるビタミンCには美白効果、βカロテンには美肌効果などの効用は認められているものの、キュウリに含まれる量は少ない。さらにいえば肌に直接のせてパックをしても、ほとんど肌に浸透することはないという。 「キュウ���をパックするというのは、そのメリットがまったくわかりません。冷たくて気持ちいい程度の意味しかないと思います。それに刺激物だと身体が認識して、かぶれてしまう心配もあり、こちらのほうが心配です」
今は効果なし!おばあちゃんの節約術
健康法だけでなく、おばあちゃんの節約術にもハイテクになった現代には使えなくなったワザが。節約に詳しい丸山晴美さんは、次の3つにダメ出しした。 ×:水道水はチョロチョロ少しずつ出す 昔は水道メー��ーの精度が悪かったため、少量ならカウントされず水道代が安くなるといわれており、洗濯機や風呂の水をためるときに実践している家もあった。しかし、今はメーターの精度が高いので、この方法では意味がない。 ×:冷蔵庫内にビニールカーテン 冷蔵庫の開閉時に冷気が逃げないようカーテンをつける人が続出。しかし、電気代の節約効果はいまいち不明……。それよりは食材を詰め込みすぎないこと、無駄な開閉はしないことを心がけてみては。 ×:コンセントはこまめに抜く 何でもかんでも電源プラグからコンセントを抜いていたが、家電の進歩により今は待機電力がほぼかからない。10年以上前の保温式の電気ポット、旧式のガス給湯器についてはプラグを抜くか、主電源を切って。
教えてくれたのは……柳澤綾子先生●医師、医学博士。東京大学医学系研究科公衆衛生学客員研究員、国立国際医療研究センター元特任研究員。集中治療・麻酔科専門医指導医。年間500本以上の論文を読破し、著作本『身体を壊す健康法』(Gakken)では、世界中から集めた情報をわかりやすく解説。
(取材・文/オフィス三銃士)
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旅日記⑤ in South Korea🇰🇷
Busan編
釜山に旅行してか3ヶ月経ってしまいましたが、旅日記は残すべく、今更ながら思い出語り。
何日に何したか、どこのお店行ったかの記憶が朧げなので釜山の魅力を書きます😭次の旅行はその日に書こう。反省。
釜山とソウルどちらも行った身としては、韓国に旅行してみたいけどどこ行こう?という人に、断然釜山をおすすめしたい。(美容にさほど興味のない男性は尚のこと)
釜山の魅力
①ソウルで味わえるようなご飯屋さんは網羅されてる上に、釜山ならではの新鮮な海鮮のお店が多い(し、ちゃんと美味しい)。カンジャンケジャン(写真5枚目)の艶ヤバくないですか?生臭さなんてものは一切なくて、とても美味しかった。
②都会と自然が両方ある。
釜山でいちばん思い出に残っているのは海(海雲台海水浴場:写真1,2枚目)。2枚目の電車はガイドブックに載っているので、多くの観光客が訪れるスポットだけど、予約した乗車時間までの暇つぶしで近辺を散歩していたらたまたま海辺まで辿り着けた。海青くてちゃんと綺麗だな?!!?!?!と興奮した。
Sydneyでもそうだったのだけど、高層ビルと綺麗な海が隣接している絵面が個人的にたまらなく好きで、地震大国の日本では見られない光景なのが少し残念。
③ローカルな朝ごはん屋さんが多い。
これもまた日本にはあまり馴染みのない文化だけど、海外では朝ごはんを外で食べる習慣が根付いている気がする。
美味しかった朝ごはん3選
(1)カルグクス(写真下)
カルグクス(「カル」=包丁,「グクス」=麺)は「韓国風うどん」とも呼ばれていて、味のバリエーションがとても豊富(訪れたお店はいりこの出し汁を売りにしていた)。先輩たちはソンカルグクス(温)、私はネンカルグクス(冷)を注文。優しい味のスープで目が覚めました。
(2)ソコギクッパ(写真下)
ソコギクッパ(「ソコギ」=牛🐄)は、もやしや大根などの野菜を大釜にたっぷり入れ、牛肉と一緒に煮込んだスープ。韓国では二日酔いの日は朝に食べるのが定番らしい。個人的にはデジクッパより好みだった。
(3)デジクッパ(写真下)
デジクッパ(「デジ」=豚🐖)は、豚骨を丸1日かけてじっくりと煮込んで出汁を取ったスープに、茹でた豚肉とねぎとご飯を加えて、たくさんの種類の薬味の中から好みの味付けをして食べる料理。西面にはデジクッパ通りというのがあるくらい人気の料理で、とても美味しかった。
※ 「クッパ」はスープと米を混ぜた料理。お米も入ってるのでお腹も溜まる。
④観光地らしい観光地が結構豊富。↓
甘川洞文化村(山の斜面に建物が連なってて「韓国のマチュ・ピチュ」といわれている美しい村。星の王子さまのオブジェが有名)
海東龍宮寺(韓国でいちばん美しいと有名な寺。寺に向かう108段の階段を降りる(登るんじゃなくて?!)と願いが叶うらしい)
国際市場(なんか栄えてる市場。)
五六島スカイウォーク(崖の上から海上に突き出したガラス張りの展望台で、高所恐怖症の人は多分無理。)
釜山ダイヤモンドタワー(夜景スポット、たぶん日本でいう東京タワーみたいなやつ)
海雲台(釜山でいちばん有名なリゾートビーチ。海めっちゃ綺麗。今回の旅でいちばん良かった��ポット)
海雲台ブルーラインパーク(4人乗りのノロノロ列車��ので1人で乗ったら多分暇だけど、カラフルで可愛いし綺麗な海をずっと一望できるからおすすめ)
南浦洞(釜山のキラキラ繁華街。渋谷っぽかったです)
とかとか、他にも韓流の『サムマイウェイ』のロケ地もあって3泊4日では全然制覇できなかったくらいに観光地多い。ソウルは観光地らしい観光地が少ないイメージだからそこに関しては釜山の方が充実してた。
⑤百貨店やブランド通りもあるので、ほぼ有名なブランドやスポーツ用品店は揃っていて(調べたら多少はソウルにしかないものもあるんだろうけど)、ソウルと同じくらい買い物も楽しめる。
釜山にしかないOPTATUMのハンドクリーム、ぜひお土産に購入してください。
North faceのホワイトレーベル(韓国限定ブランド)のトップスを罪滅ぼしで兄にお土産で購入した😅(正月の航空事故の影響で福岡からギリギリ東京に到着した際、タクシー待ちの列が5時間で、韓国行きの成田便に間に合わない〜と詰んでいた妹を、国試1ヶ月切っていたのにレンタカーで千葉から迎えに来てくれました、、神)
ちなみに屋台もソウルと同じくらい栄えてて楽しかった。屋台のホットク、毎日食べたい。
⑥街の散策が苦じゃない。
個人的な印象だけど、ソウルよりも一駅間を歩くのが苦じゃなかったような気がする。たくさんご飯を食べた後、次の目的地まで二駅だから歩いちゃおう!みたいなことができて良かった。
韓国旅行はグルメメインになるので、胃もたれでしんどくなるイメージが強かったけど、歩きやすい街並みと胃に優しい朝ごはんのおかげで、たくさん食べてたくさん歩いて健康な旅!という感じでした。
⑥ソウルと比べてローカルな都市なだけあって、人との距離が近め(な気がした)。
電車にて3人で日本語で喋っていたら隣に座っていたおじさんたちから話しかけられたり、お店で鍋を突いていたら隣のお姉さんたから声をかけられたり。みんな親切であったかくてなんて素敵な街なんだ〜!と思った。
余談)
新世界百貨店の新世界スパランドもおすすめ(10種類以上のチムジルバンがあって、一番高い温度のチムジルバンは79度)。温泉のあとのご飯が美味しいっていう文化は世界共通なのか。
写真7枚目のフレーク入りヨーグルトは韓国の定番の朝ごはんで、美味しすぎるので日本でも売ってほしい。欲張ってたくさんスーツケースに詰めたら、飛行機の気圧で潰れてスーツケースがヨーグルトまみれになりました。ビニール袋に入れておくべきだった。
タラタラ感想を述べたらえげつない��文日記になってしまいましたが、大好きな先輩2人と楽しい3泊4日を過ごせて幸せな渡韓だった。
またどこか旅行しましょうね🙈
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ようやくというか、九州北部が梅雨入りしたとか。
最近は線状降水帯とか変な気象現象が起きるので、降ったら降ったで注意は必要だが、梅雨に降って盆に晴れると米の出来がいいとか言うから、やはり降るべき時には降らないといかんのよね。
昼飯はいつものように「焼きそば」である。
ウスターソースを大さじで1と1/2にしょうゆを小さじ1というのにはまっている。
目玉焼きは崩れたので鰹節と海苔でごまかしてある。
昨日が父の日で娘が帰っているが、今日は昼間出かけるという。
どこへ行くのかと聞いたら「写経」という。
なんでも近ごろは雑念が多いとかで、精神統一したいのだとか。
ぼくは仏教系の高校だったので般若心経にはずいぶん慣れ親しんでいるが、基本的に写経というのは校則違反なんかをしたときに科される「罰ゲー」であった。
だいたい坊主にするか写経を何十枚かするか。
ちなみにぼくは知能犯だったので罰ゲーは一度もない。
晩飯は娘の好物である「ハンバーグ」を作る。
ウチは豚のひき肉で作る。
パン粉、牛乳、たまご、ナツメグ、塩こしょうを混ぜ合わせる。
今日は煮込みハンバーグにしたので、赤ワインとケチャップ、ウスターソース、水を煮込んでソースを作り、そこに手当たり次第刻んだ野菜の素焼きを放り込んだ。
キモはカラメルソース。
渋みと甘みが加わってコク深いソースになる。
ごちそうさん。
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横浜市立中学校の給食調理中に脱酸素剤が混入したとして、一部の学校で米飯の提供を中止していたことが12日、市教育委員会への取材で分かった。5733食に影響し、調理事業者が保護者に対し約135万円を返金する。 市教委によると、混入があったのは「山路フードシステム」が担当する青葉、都筑、中区の22校で10日に提供された米飯。米飯に混ぜる「押し麦」のパッケージに入っていた脱酸素剤が炊飯前に混入したという。 ランチボックスへの盛り付け後、金属探知機に反応したためふたを開けたところ、脱酸素剤が1個発見された。他にも所在不明の脱酸素剤があったため、米飯自体の提供を取りやめたという。カレーやチーズオムレツなど同日のほかのメニューは予定通り提供された。調理事業者には検品の際に別の容器に開けて確認するよう指示しているが、守られていなかった。
横浜市の中学校給食 ご飯に異物混入で提供中止 5733食に影響 | カナロコ by 神奈川新聞
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【実食】春の恵み・こしあぶら&こごみ&笹竹
↑天然山菜「こしあぶら」「こごみ」「笹竹」を使って、春にしか味わえないメニューを4品作ってみました!
「こしあぶら」「笹竹」の比内地鶏炊き込みご飯
「こごみ」のおひたし
「こしあぶら」「笹竹」の味噌炒め
「笹竹」の味噌汁
です!天然物満載の贅沢サラメシ。レッツクッキング。
↑こごみはおひたしに。シンプルイズザベスト。
↑家の近くで採れた笹竹。採集量が少なく市場にあまり出回らない貴重なたけのこです。「根曲がり竹」よりもずっと細身で、やわらかい食感。お味は根曲がり竹に負けないおいしさ。
↑洗って土を落とし、皮をむきます。
↑そして薄くスライス。
↑1品目の「こしあぶら」「笹竹」の比内地鶏炊き込みご飯です。
具材は、笹竹・比内地鶏・舞茸・比内地鶏だし飯の素。こしあぶらは最後に投入します。
地元秋田でも貴重なお肉である比内地鶏を入れました。秋田名物にこだわってみた。
↑無印良品の土釜おこげちゃんで炊飯じゃ!
↑炊いている間に、こしあぶらの下処理をしておきます。
はかまを取って、根元のかたい部分を薄くそぎ落とし、短めにカット。
↑たっぷり20個くらい刻みました。
↑炊き上がったら、生のこしあぶらを投入!余熱で加熱するので大丈夫。逆に火で下準備してしまうと、火が入りすぎて香りが飛んだり、色が落ちたり、やわらかくなりすぎたりしてしまいます。生のこしあぶらを投入することがポイントです。
↑葉っぱの部分も入りました。こんなに入れちゃって大丈夫か!?と思われるかもしれませんが、おいしくなっちゃうだけなので大丈夫。
↑こしあぶらを入れたら、よくかき混ぜます。
↑10分程蒸らして、「こしあぶら」「笹竹」の比内地鶏炊き込みご飯の完成です!
↑炊き込みご飯を蒸らしている間に、もう1品作りました。「こしあぶら」「笹竹」の味噌炒めです。味付けは味噌・砂糖・みりん。甘塩っぱいお味で、ご飯が進むおかずにぴったりです。
↑さらにもう1品。「笹竹」の味噌汁も作りました。笹竹をサッと茹でたら、お出汁と味噌で味付けするだけ。いつもの味噌汁が笹竹のおかげで豪華になっちゃった。
↑全てのメニューが揃いました!天然山菜をふんだんに使用した超贅沢特製サラメシの完成です~!
比内地鶏の炊き込みご飯は、こしあぶらがさわやかに香って、笹竹の食感が新鮮で、比内地鶏の旨味が効いてて、めちゃうまでした!
こごみにかけたのはごまドレッシング。味噌マヨにしても美味しいし、醤油オンリーにしても美味しい。天才こごみ。食感シャクサク。茹ですぎないのがポイントです。
あまじょっぱいお味の「こしあぶら」「笹竹」の味噌炒めは、お味と香りの相性抜群。炊き込みご飯がさらに進みました。
こしあぶらやこごみが手に入ったらぜひお試しいただきたい!
天然山菜「こしあぶら」「こごみ」はヤフーショッピングで販売中!シーズン後半になってまいりましたので、ご予約はお早めに。
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2023.8.11
わたしのヒースクリフ、休暇も今日で終わり。わたしが修道女になりたかった頃の話を少しするから、適当に聞いて欲しい。
最も修道女になりたい熱が高まり、それが冷えて固まった頃のこと。まだわたしがずいぶん若く、仕事を辞めてぼんやり京都市で暮らしていた頃、北海道の、父方の法事に足寄まで母と父で赴いた。父が故郷に帰る最後の機会になるだろうことはぼんやりと聞いていた。確か季節は十月ごろのことで、セーターを持っていくか行かないかで迷ったはずだ。飛行機で帯広に着くと、父の弟が迎えにきてくれていて、一晩泊まった。次の日が法事なので帯広から足寄まで父の弟(この人にはほとんど会った事がないので、叔父というイメージがない)がわたしたちと一緒に車で連れて行ってくれた。法事が終わると足寄の親���がパックにたくさんの混ぜご飯とおかずを詰めてくれて送り出してくれた。父はずいぶん名残惜しそうで、こっちで働ける場所はないのか、と父の兄に聞いていたが、その答えは意図して耳に入れなかった。
鉄道で函館へ向かう。函館はこの旅行のついでとして設定されていたが、ずいぶん長い距離を電車の中で過ごしたと思う。いつもの京都行きの電車ならもうとっくに京都に着いているだろう時間乗っていても、まったく函館に着かない。わたしは北海道が広いことを知らなかったので、そう感じるのだろうけれど。函館では修道院を見学するつもりだった。もちろん一観光客として。その頃わたしはまだ教会の勉強会にも通っておらず、カトリックとの細い繋がりは、よくしてくださったシスターを介してだった。あんなふうにいられたらどんなにいいだろう。それがそのシスターだったから、ふんわりとわたしは修道女に憧れていたのだ。
修道院では確か、大きな大天使ミカエル像がわたしたちを迎えてくれたと思う。それから慈しみのマリア像。広くて、緑が豊かで、時間の流れ方がずいぶん違うようだった。ミカエル像はまだ写真が残っているかもしれない。土産屋で母はシスターに扮したリカちゃんのキーホルダーを二つほど買い求めたと思う。わたしはなんだっただろう。今もまだ持っているのは、「修道女の生活」という小冊子。そして多分もう一つは『天使の聖母 トラピスチヌ修道院』(野呂希一/青菁社)という写真集。写真集は後から通販などで買ったのかもしれないが、もうわからない。小冊子には修道会に入会を希望される方向けの簡単な説明がある。わたしはそこをだいぶ熱心に読み、何度も読んで、そして諦めたのだった。まず第一に、当時すぐ洗礼を受けても熱心なキリスト教者であることを示すために三年は掛かる。そうすると修道院が受け入れられる年齢の女子ではなくなってしまう(多少の事情は汲むとのことだが)。教会の推薦もなく、親の承諾はまず取れない。そして一番重要だと思われる、身体的・精神的に健康であること。これだけは絶対にクリアできないからだ。性格的に熱心に献身するだけであればそれもできないこともなかったろうが、健康だけはわたしには持ち合わせがなかった。それで、無理なのだと知った。当時はひどい希死念慮と自殺願望があり、ほとんどの物事を見下していて、不摂生極まりない生活をしていたから、今さらなにをするにしてももう、遅かった。わたしのふんわりとした憧れは終わりにする事になった。でもねえヒースクリフ、わたしは、あのシスターに会えたことで本当に今やっと思うのだけれど、あのシスターこそ、わたしに、わたしのみに遣わされた人だったのだということ。そして過去になってはじめてその深い恵みや愛を知ったのよ。あのシスターは当時それなりに高齢だったから、今もまだお元気かはわからない。心残りはあるけれど、わたしたちは姉妹になったので、いずれここではないところに集う事になる。それってとっても素敵でしょう。でも、夜の祈祷に蝋燭を捧げ持って集まりたかったわ、とも思う。
昨日から冷たい飲み物やカフェインの摂りすぎでお腹の調子が悪かったが、今日は網戸を洗った。砂埃などでサッシもひどく汚れていたので気になっていたからだ。去年は連休がなかったから洗わずにほっておいたから、えらい汚れで閉口したけれど、ブラシで擦ったからだいぶ汚れが落ちたと思う。ついでにシェードを下ろしてない方の窓も洗ったらそれも綺麗になって、透き通るような青空が見えた。それは網戸をはめてなかったからなのだけど、晴れた空も案外綺麗なものだな、と思った。少しずつカフェインを摂り始めているが、いったん減らしてみると眠くてたまらない。今日の午後はほとんど寝て過ごしたので、ずいぶん楽になった気もする。でもそれも今日で終わり。明日からはまた一日に七時間四十五分働く事になる……(この十五分の意味を知りたい人は検索してみて。馬鹿げてるから)。大体八時間も働くのは人間には無理なのだ。昼寝でもしないと身体が保たないようになっているというのに、この社会は野蛮だ。
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先日までの暑さが嘘のように、朝晩が急に冷え込んできた。つまりイネ科の花粉が猛威をふるう季節の到来ということだ。秋の訪れを待ち侘びていた人も多いとは思うけれど、僕としては新たな地獄の始まりであり、定量噴霧式気管支拡張剤メプチンエアーを手放せない日々がしばらく続くことになる。幼少期から悩まされている喘息発作、子どもの頃はこの苦しさが続くくらいなら死んだほうがマシやと心のどこかでずっと思っていた。小児喘息に虚弱体質、運動場や体育館で貧血を起こしてぶっ倒れたことは一度や二度ではない。何を食べても太れない体質で、特に鳩尾の凹み具合は周りの友人と比べて自分は異常だと感じていたから、DeerhunterのフロントマンBradford CoxがAtlas Sound名義でリリースした『Logos』のアートワークを見たときには、いろんな意味でゾッとした。
(直視を躊躇う『Logos』のアートワーク)
臨海学修、林間学習、修学旅行などの学校行事はどれも喘鳴に悩まされた苦々しい記憶とともにある。臨海学修のときは勇ましく遊泳するクラスメイトの姿を、タイミング悪く生理になった女子と一緒にボートの上から眺めていて、あのときの情けないような惨めな気持ちは未だに忘れられない。家族旅行の際も必ず夜になると喘息発作を起こしてホテル近くの病院で吸入や点滴の処置を受けていた。いつも横に付き添ってくれていた母親には迷惑をかけっぱなしだった。そんな訳で今月に入ってからは非常に体調が悪く、おまけに歯痛、腰痛にも悩まされて、夜中に何度も目が覚めてしまう。目覚めたときはいつも息苦しくて、慌ててメプチンエアーに手を伸ばす。吸入してしばらくすると呼吸は落ち着いてくる。そのままソファに虚脱して朝を迎える。朝ごはんを要求してくる猫のミューモと文鳥のピッピにご飯を与えて今度は子どもたちを叩き起こし、みんな揃って慌ただしく朝食を済ませて妻のゆきこと子どもたちを送り出し、仕上げに洗濯と食器洗いを済ませてタラウマラへと向かう。自分が家を出るときに「行ってきます」と言える相手が部屋にいることを心から幸せだと思う。ミューモ、ピッピ、ほんまにありがとう。タラウマラのシャッターを開けると朝からたくさんの修理依頼を受ける。整備を終えた自転車が次々に巣立っていく。Googleの口コミで「ここはダメ。自転車の質が悪い」なんていう書き込みがあるにもかかわらず、数ある自転車屋のなかで僕の魂のカタチを具現化したような特異チャリンコ屋を選んでもらえることを素直に嬉しく思う。
(自転車屋としてあるまじきレビュー笑)
昨年末まで一緒に働いていたマリヲくんが退職した際に、自分のなかで掲げた目標がある。まずは借金を完済すること、次に前年対比で売上を向上させること、そしてタラウマラレーベルからの制作/製作を途絶えさせないこと。この三本柱については現時点ですべて達成できた。おまけに今夏に関しては遂にサラリーマン時代の月収も超えることができた。これはひとえにタラウマラを利用してくれる日々のお客さんと、支えてくれる友人や家族、そして自分の意地の賜物だ。ひとりになったとき、何人もの人から「大丈夫なん?」「もう作品づくりできないんちゃう?」と言われ続けたけど、そこは誰に何を言われようとも自分を信じた。人はみな簡単に「嫉妬」という言葉を口にするけど、僕が抱えているのはいつだって「嫉妬」ではなく純粋に「負けたくない」とう気持ちだけ。それも身近な存在に対してではなく、もっと巨大な資本とかムードとか慣例みたいなものに対して。そして何よりも自分自身に対して。でもやっぱり言うは易し行うは難しで、達成する為には精神も肉体も相当に擦り減らしてきた。大好きな少年漫画の『呪術廻戦』に倣って言うと、誰にだって呪力切れは起こり得るということ。そんな訳でここ数日は通院と服薬と寝不足でへとへとなんだけど、お客さんとの何気ない会話から元気をもらうことは、どんなときにでも不意にやってくる。自転車のタイヤについているバルブと虫ゴムを駐輪場でパクられたギャルのAさん、虫ゴム交換後の水調べでチューブにも穴を開けられていることがわかった。しかもパンク修理で補えないレベルのデカい穴。Aさんはマジかぁと叫んで、次のような事柄を捲し立てた。先月、福井県のとある宿に宿泊してからこんなことばっかり起こるんですよ、その宿は幽霊屋敷みたいなボロボロの宿で私が泊まった部屋の天井は人間の手形みたいな痕がいくつもあって、とにかくそこに宿泊してから不吉なことが立て続けにあって、お母さんはここで買った自転車で車に轢かれて全治6ヶ月の重症やし、こないだはカレー屋でカレー食べてたら異物混入してて、気づかずに奥歯で思いっきり噛んでしもうて歯が砕けたんですよ、もう最悪です、お祓い行った方が良いですかね?矢継ぎ早に繰り出される災難の深刻さとは裏腹に、Aさんの表情はなぜか明るかった。まぁ、お母さんは命に別状はないし、自転車も奇跡的に無事だったし、カレー屋の保険対応でインプラントにできるし、ちょっとラッキーかもって思ってるんです、とのことなのだが、どう考えても彼女の置かれた状況はラッキーではない。幸と不幸の帳尻が合わない。そもそも歯を失わなければインプラントなんて必要ないのだ。実際に彼女のスマホで宿の写真も見せてもらったが、確かにいまにも崩れ落ちそうな薄汚い天井のあちらこちらに人間の手形のような染みが点在していた。よくこんな部屋で朝まで眠れたね、と聞くと、私ぜんぜん霊感ないんですけど、このときはさすがに気持ち悪くて、霊を拒絶するには死と真逆の行為をしたら良いって誰かに聞いたことがあったので、めちゃくちゃAV観てめちゃくちゃSEXしました、だから結局ぜんぜん寝れなかったんですよ、と快活に笑う。僕も笑うしかなかった。チューブ交換しないといけないのはめちゃ痛いですけど、この話をお兄さんにできたので良しとします、またお母さんも元気になったら連れてきますね、そう言って颯爽とペダルを回転させるAさんの後ろ姿を見て、ギャルってマジで最強やな、と改めて感心したのでありました。
(Aさんの推しは星乃莉子さんだそうです)
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6月21日、ミツカンのまぜ麺の素を使って作った札幌味噌まぜ麺とキッコーマンのうちのごはんの混ぜご飯の素を使って作った牛ガーリック飯のおにぎり。まぜ麺にはラーメン用の具材 と薬味をトッピング。昼食に食べた。
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学会が終了した翌日も、一日中のツアーを予約。Ring of Kellyというリアス式海岸を見に行くツアー。また午前中には1930年代にアイルランド初の国立公園に認定された保護区へ行く。国立公園では馬車に乗る。GeraldというPennStateの院生が偶然、私と同じバスツアーを予約していた。彼から学会で見かけたと、マジできれいな日本語で話しかけられて、一緒に座ろうと誘ってもらったので、喜んで一日をGeraldと共に過ごす事にする。Geraldは尾道で英語の先生もしていたらしい。西谷啓二や西田を読んでいるらしく、西田の絶対矛盾的自己同一を持参していた。
NYのBrooklyn出身。カリブ系らしい。日本語を熱心に勉強しているようで、二年も日本に行っていないよいう割に上手な日本語で哲学について語る。私も基本英語で日本語を混ぜて話しつつ、楽しい時間を過ごさせてもらった。景色は、素晴らしいのだが、様々な緑色が延々と続き、羊がいる。美しい、ピクチャレスクな風景だった。アイルランドは英語なのが良い。何をするのも楽だし、カトリックなので御飯がとても美味しい。お魚も美味しい。っつーか、ドイツは終わっちょる。魚どころか肉も上手に料理できない。
ツアーを終えてCorkに戻ったら8時前だったので、Geraldが行って見たかったフレンチ・ビストロに行こうと誘ってくれた。彼も今週末のエディンバラの学会にも参加予定らしく、私がDublinで遊んでいる間はLondonで遊んでいるらしい。ビストロではフランス人達が料理を作っているので、garconにもフランス語で喋って喜ばれる。フランス人も大人しくなったもんだ。昔はフランス語話すのが当たり前やろ、という偉そうな態度だったが、最近のフランス人はしおらしい。Geraldは鴨のコンフィ。私はベビーバックリブ。
今日は朝、Cork大学まで散歩し、Kasulis先生と一緒に歩いた坂道で涙する。私が大好きな先生達がお年を召していくのは悲しい。お昼の電車を予約して、Dublinまで電車で移動する。Corkは連日、半袖を着ていないといけない位、とても暑かったが、Dublinは小雨で寒い。駅からタクシーでホテルまで行く。アイルランド式のしっかりしたIrishBreakfastを食べており、お昼を食べなかったので、夜ご飯は早めに取ることにして、ホテル近くのミシュラン、ビスグルマンの店へ予約無しで行ってみる。すると6時過ぎだったから入れてくれる。オススメのステーキは全てが完璧だった。AgedBeefのfilletなのだが、ミディアム・レアの焼き加減、付け合せのサラダといい、ポテトフライといい、ソースといい、全てが完璧。
しかし。デザートはあり得ない。マジか。。。というレベルのデザート。
レモンタルトは、クレームブリュレのように表面をバーナーで焼いてあるのだが、これが焦げているし、ブタンガスの臭いがする。ウェイトレスが即刻気づき、同じ物を持って来てくれるのだが、微妙だな。。。と思っていると、他のデザートに変えてあげると、シュークリームを持って来てくれた。でも。。。ベムちゃんが大好きだったビアード・パパのシュークリームの方が美味しいやん。。っていうレベル。ハウス持ちだと言ってくれるが、デザートを3皿作らせたので、チップをかなり弾んでおく。そんな太っ腹なことをしても、ハンブルグよりは安いように感じた。せしめて12000円程度の夕飯でした。昨晩の5600円の夜ご飯の2倍を払うとミシュランのビブグルマンで食べられるのだが、むぅ。悩む。ミシュランって、何なん?でも、明日はお目当てのミシュランスターで昼食を食べる予定。今日は定休日だったのよね。
明日はダブリン市内観光。明後日は悩んだが、ケルト文化の遺跡を見に行くツアーを予約した。明々後日は朝早い飛行機でエジンバラ飛ぶ。
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海石
海石は海に入るのが好きだ。
彼女の名前は海石と書いて「いくり」って読む。
海中の石って意味らしい。かわいいけど、なんだか暗くて冷たい響き。
そんな彼女の名前が僕は好きだ。
海石は度々海に入っては僕に海中で拾った石をくれる。夏は素潜り、夏が過ぎても磯や浅瀬で拾ってくる。
その石のいろやかたちはまちまちで、どうやらそれは海石のその時々の心情に対応しているらしかった。
僕と喧嘩した次の日は鋭利に角張っててスカスカの石。
海石の家で介護しているおばあちゃんにいじめられた日は海藻だらけでぬめぬめの石。
初めてキスした日は薄くて平らな灰色の石。
初めてセックスした日はフジツボだらけのいびつな石。
日にひとつ、海石は僕に石をくれる。
僕はそれを持ち帰って部屋にかざる。
海石が海に入り出してから7年、僕の部屋は海石だらけになっていた。
潮に侵食された独特な形の、貝や海藻がひっついたそれらに囲まれ、
部屋にいながらにして僕は海石の作り出した海の底に沈んでいるみたいだった。
そしてそんな想像にふけると時間が止まり、ふさぎがちな僕の心は休まるのだった。
僕は時折それらの海石を眺め、愛撫し、味わってみる。
するとその石を拾ったときの海石の心を、海石のゆらぎを感じる。それからやがて朝靄のように、海石の体温が、匂いが、あらわれる。
背筋がぞくっとして鳥肌が立つ。射精のそれとは質が違うけれどたしかにそれは甘いエクスタシーだ。それは脊柱をひた走る潮騒のメロディだ。
海石が産み僕が奏でるフレーズ、僕と海石は混ざり合いひとつとなる。
僕は両親の言うまま来年の冬に東京の大学を受験することにした。
両親のいない海石は、要介護者のおばあちゃんを残して島を出て東京に越すことはできない。
僕が合格すれば僕たちははなればなれだ。けれど「これからどうしようか」というふうな話をすることを僕と海石は無意識に避けている。
僕たちはいつもそうだ。2人ははかない影法師のように、所在なくゆれていた。
つばさは海に入るのを嫌う。
それはつばさが8歳のとき、飼い犬のチロがつばさの目の前で高波に攫われてしまったから。
それ以来、つばさは海を遠ざけてしまった。
つばさが1歳のときにチロはつばさの家へやってきた。友達も兄妹もいないつばさにとって、チロは唯一無二の友だちだった。
そしてつばさ同様に兄妹も友達もいない私は、いつもそんなつばさとチロの後ろをなんとなくついて回っていた。
私も私の両親もチロが大好きだった。けれど私は海に入る。私は海が好きだ。
初めて海で石を拾ったのは小学4年生のときの7月、両親が私とおばあちゃんを棄てて行った日。
朝、両親の書き置きを読んだおばあちゃんは、居間の安楽椅子で壊れたロボットのように両親と私への恨み言を繰り返していた。
私は頭の奥がじいんと痺れて何も考えられなかった。家を飛び出しひたすらに海岸沿いを歩いた。
両親のことやおばあちゃんのことを考えようとしても、それは読みかたがわからない漢字のように、私の心の表面のところでぱちんと弾かれてしまう。
がむしゃらに歩いていると、いつの間にかつばさがついてきていた。
「ついてこないで」
そう言って突き放してもつばさはついてくる。
私はそのときチロが死んでしまってから私に依存して付き纏うようになったつばさのことが急に疎ましくなった。
自分にはお父さんとお母さんがいるくせに、犬1匹死んだくらいでいつまでもしょげてるつばさが憎かった。
私はつばさから逃げるために海へ走った。
自分のなかのどろどろがけがらわしくてたまらなくて、つきまとうものを振り切るように浜から海へ飛び込んだ。
海は私を抱き、眼と耳を塞いだ。
瞼の裏で光を、肌で波を感じた。
ゆらゆら静かに手脚を遊ばせる。
ながれていたじかんが、とまる。
海から顔を出すとつばさが所在なさげにこっちを見ている。
「つばさも海に入れば」
呼びかけてもつばさは困惑した表情でただ立ち尽くしている。
私は足下の掌大の石を拾い、つばさ目がけて投げつけてやった。石はぼとんと鈍い音を立てつばさの足下に落ちた。
つばさは両手でそれを拾い、取り憑かれたようにまじまじと見つめていた。
その様子を見ているとふいに「「海石」という名前には海底から出ずる石という意味があるんだよ」と囁くお母さんの声を思い出した。
そして両親が出て行ってから初めて私は泣いた。
産声のような大きな声で、いっぱい泣いた。
つばさは石を持っている両腕を真っ直ぐに��ばし、泣いている私にそれを重ねてじっと眺めていた。
いつものように僕と海石はほとんど話さずに、ただ海を見ている。
今日も海石は海に潜り石をくれた。それは灰と白のマーブル模様の、円くてすべすべの石だった。
僕はそれを受け取り海石の濡れた頬にキスをする。
「つばさは私がいなくなっても寂しくないよ」
横に座る海石が海を眺めながらぼそりと呟く。
それは僕に向けた言葉なのだろうが、海石自身に言い聞かせる調子を帯びているようにも感ぜられた。
しばらく間を置きまた海石は呟く。
「私、私がなぜ生きているのかずっとわからないんだ」
「だって私の世界には、私だけがいない」
僕はただ黙って海を見つめながら、海石の声を聞いていた。
夕陽が水平線に没しようとしている。
世界の終わりのような黄昏が僕たちを染めていた。
海石を見ると、その頬に涙の筋が光っている。
僕はきれいなそれを吸おうと、海石の頬に唇を寄せる。
海石は驚いて身体を逸らす。
とっさに僕は海石を逃がさまいと海石の両の手首を掴む。
僕のしるしを海石に残したい。
掴んだ両手にぐっと力を入れると、海石から「んっ」って声が漏れる。
それから僕は海石の耳を噛み、それから顔に、身体に、たくさん口付けをする。
そうしていると強張っている海石の身体がだんだんとほぐれていく。
海石はほんとうにかわいい。
僕はそんな海石を傷つけてやりたい。
海石の手首についた僕の指の跡を愛撫しながら、暗雲のように広がっていくそんな欲望に酔った。
いつの間にか黄昏は去り、潮は満ち、波の音はうるさくて、僕たちの頭上には明るい星空が広がっていた。
「ねえ海石」
「ん」
「僕が来年東京に越しても、僕に海石を拾って送ってくれないかな」
「受かってから言え」
僕と海石は膝を抱え、星空の下の明るい海をぼんやり眺めていた。
「私つばさがいらないって言ってもずっと渡すつもりだよ」
「いつかうっとうしくなって捨ててしまうかもしれないけど」
「海石は私が生きた証なんだ。いま、急にわかった」
「��とえ私が死んでしまっても、私が拾った海石はずっと地上にあるでしょう」
「そうだね」
「海石。僕、海石のことがすきだ」
「なにそれ初めて聞いた」
海石はそう言って照れ隠しのように僕抱きしめ口付けをした。
寄せては返す波の音と、いびつな僕たちの舌の絡む音だけが、夏の夜の匂いのなか響いていた。
私はたびたび海石を添えてつばさに手紙を送る。
その内容は簡潔だ。
「今日は海鳴りが聞こえました」
「しけで戸沢さんの漁船が転覆して大騒ぎでした」
「大きなマテ貝にたくさんのかにがむらがってました」
「昨日おばあちゃんが死にました」
「ダイビングライセンスを取ろうと思います」
「最近つばさの夢をよく見るよ」
つばさが東京に行ってから2年間、たびたび私はこんな日記のような手紙を拾った海石を添えて送った。
つばさからの返事はあったりなかったり。
つばさを思って手紙を綴るとき、私は海を感じる。そのことは私の生活をそっと撫でる安寧だった。
私とつばさは深い海の中で繋がっている。そしてだれも知らないところで互いの息遣いを感じている。
それが始まったのは梅雨のことだった。
朝、どうしても起きるのが嫌でベッドから出られなくてその日の講義をさぼった。
その次の日も何もやる気がなくてご飯を食べることすらしなかった。
そして僕は学校やバイトに行くのをやめた。
頭に冷たい砂がたくさん詰まっているような感覚があって何もできない。
僕から色と音が遠のいていく。世界はモノクロになってしまった。
母に促され精神科に行った。医者にありのままを話したところ、自立支援を受けることを勧められた。大学は休校することにした。
頭のなかの砂は東京に出たきた頃から徐々に詰まっていったように思う。
何が原因かはわからないし、興味はなかった。ただ砂はぼくの体温を奪い、それから筋肉を硬直させ表情も奪い、次第に五感を麻痺させていった。
全てがどうでもよかった。
なにもかも古い絵本のように色褪せていた。
僕の当事者性は影の裏の月のように隠れてしまった。
海石へ手紙を返すのも億劫で、ほったらかしにしていた。
けれど海石は僕に海石を添えた手紙を送り続けた。
そのことを考えるとなぜだか僕は悲しくなって泣いてしまう。
そんな時は海石をひとつ胸に抱いて寝た。冷たくて、ずしんと重くて、たましいを感じる。
まどろみのなかゆめとうつつがないまぜになり曖昧になっていく。
ずっと外へ出ずに最低限の用事だけしてあとは薬を飲んで泥のように眠っていた。
昼も夜もなく意識は暗いもやのなかを彷徨っていた。
ひねもす海石に囲まれた孤独な海の底で本を読むようにその海石ごとの海石のことを回想した。
それは自分自身の記憶よりリアルで、現実世界よりも色彩が豊かだ。
やがて僕は海石の海に溶けて散り散りになっていく。
インターホンが鳴っている。
実家から食糧と水の仕送りだろうか、玄関まで移動するのも億劫だけど重い身体を引きずって何とかドアを開ける。
そこに立っていたのは配達員ではなく海石だった。
「手紙もメッセージもぜんぜん返ってこないからつばさのお母さんにどうしたのって聞いたよ」
「今日ずっと寝てたの?」
「部屋真っ暗だね」
「上がっていい?」
海石は部屋に入るなりリュックから水筒とコンビニのおにぎりをテーブルに出し座って食べ始めた。
「今日何も食べてなくておなかすいてたんだー」
「海石、髪伸びたね」
「つばさもね、短いのと長いのどっちが好き?」
海石は自分のもみあげをひょいと摘んでにこやかだ。
「いまのほうがいい」
「じゃ、このままにしとく。仕事のときうっとうしいけど」
「最近仕事のほうはどう」
「楽しいよ、私海に入るの好きだし。スキューバ体験の人を海に案内するのってなんだか友達を私の地元に案内するような気分。私は沢山のことを海の中で考えたから、故郷みたいなもんだね」
「うん、そうだね」
「つばさの部屋に入るなんていつぶりかな」
「薄暗いし私の石の囲まれて海底みたいだね」
「たしかに」
「今日泊まっていい?」
「うん」
海石と少し近所を歩き、鄙びた商店街のスーパーで買い物をして、2人でカレーを作って食べた。
海石はじゃがいもやにんじんの皮を剥かずに入れた。
そのことを知って海石の海がまた少し深くなる。
部屋のまんなかにマットレスを敷き、そこに海石を寝かせた。
僕はその隣に毛布を敷き仰向けになる。
薄暗い部屋で2人呆然と天井を眺めていた。
暗闇に徐々に眼が慣れてくる。
遠くでかすかに電車の走行音が聞こえる。
部屋に配置された海石がぼんやりと光っている。
隣で海石は起きてるのだか眠っているのだか、よくわからない感じ。
僕の心にだんだんと淡い感情が降り積もっていく。
僕は海石をひとつ指差して「あれは初めてキスをした日の海石」と呟いた。
それからぼくはぽつりぽつりとそれを続けて行く。
「あれは2人乗りで「みけや」にラーメンを食べに行った日の海石」
「あれは喧嘩のあと仲直りした日の海石」
「あれはダイビングライセンスを取った日の海石」
「あれはおばあちゃんが亡くなった日の海石」
「あれは海石が僕に最初にくれた海石」
僕は人差し指で星座を結んでいく、その星座にはかすかでほわんとした物語がある。
「よくそんなの覚えてるね」
「私ぜんぜん覚えてないや、つばさ、きもちわるい」
「全部覚えてるよ」
僕は心の中でそうとなえた。
海石から生まれたささやかな海の水底に僕たちは沈んでいる。
やがて海石は微かな潮騒のような寝息を立て始めた。
僕は水底で色々なことを思い出す。
海石とチロと浜を歩いたこと。
チロが目の前で波に攫われたこと。
海石の両親やおばあちゃんのこと。
あの日黄昏に染まる海石の泣く顔がとてもきれいだったこと。
それらはみな、彼方へ去り永遠となったものたちだった。
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2021 espio140 クリスマスマーケット
20230630
知り合いに通話かけてひたすら起きろって言われながら明け方まで仕事した
頭痛薬のブースターにカフェイン剤飲んで仕事した。昼もこうして仕事した。
ずっとずっと仕事している 時間を溶かしてる。制作もする。秘密にする意味がなくなってしまったから言うけど「七夕に何かを」はたったひとつの隣り合う星座のために作っていた。すごく素敵なものができていた。できることならお送りしたかった。詩も書いてた。詩人じゃないけど書くのは好きだった。だった、というか、これからもかくし 発表はする
自分のためでもあるからね
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こうも変わらず私はいらんことを話し続けますが、2018年に死んでるはずだった。
山形県と宮城県の県境 真冬に車がスリップして 崖に落ちかけて塀にぶつかりました。
あそこで人生の軸がガクンと変わったように思います。あそこに乗っていた人全員の人生が傾いた。乗り合わせの位置から何から何まで こればかりは運命だった。
その時に、受け入れる器は大きければ大きいほどいいと思った。あまりに大きすぎた器は頑丈ではなく、たまに穴が空いては水を垂れ流した。
お前のする話は暗くてつまらない そう言われたのをずっと引きずって、口で会話することが苦手になった。たくさん話してね、と言ってくれる人は割といたが、いざ自分が話したい時には誰もいなかった。まあ、いいんですよ
こうして書いてたら姉に見つかって泣かれた 文もひどいって。
そんなこんなでもう話すことは諦めた。自分の話なんぞこういう形態で、呪いのように、一人の人に話すのではなくブログで薄く平らに広げて行くほうがいい気がした。
不安の吐口にされてもにこにこした 馬鹿だから愛嬌でなんとかするしかない。いいよそれで 幸せならいい って いろんな人に言ってきた。なんだよそれって思ってもそうした 自分が許せないから
自分のかけらをむしって捨てるみたいにそういうこと言う。
こういう時に言われるのがご自愛ください。言われるの苦手だった。許されたいから自己犠牲してたんだって そんなこと言ってもわかってもらえなかった まあいいよそれで わたしがしたくてしたんだから
死に損ねたから後はどうでもいいかって。なんとかなるんじゃなくてなるようにしかならない。早すぎることもないと思うんだ。自分のかけらがなくなっても 器にヒビが入って割れても自分はどこにもいなくならないからね。
限界の先で「うちら死に損ねたね」って4年ぶりに会話した 思えば公民館の隅で幸せって何?ってずっと話し続けてた。私たちは今ぐちゃぐちゃで 誰も幸せなんかではなかったらしい。わたしもね みんなでせーので死のうかって話した。わたしはいつも通り道端で寝っ転がって夜空と川と溶け合った。死にたがり3人の会話 この時もお酒飲みすぎて雪道で転んで二週間くらいお尻が痛かった。尾骶骨折れたと思った。
湿気がひどくて今日も息ができない。仕事以外は七夕の準備に明け暮れていた。
明日からまた東京に行く。ゆっくりと傾く太陽にも気づけないまま、交通費と人を養うっていうぼんやりした目標のために働く
助けてーって思ってももう言わないことにしよう 「言わなくてもいいことを言いたい」そんな話は終わった。もうどこにもないんだよ。
なんの話だ いろいろごちゃ混ぜにした、誰でもない話
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詩のどこをとっても好きな曲
これ書いてたら仕事何もできなかったしご飯も忘れた まあいいや いい曲だから
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How to take glucose candy, etc.(message)
Instead of eating it as candy, dissolve it in water and drink it as a juice.
If you mix this with salt and vinegar, it will be very close to "Pocari Sweat".
Glucose is the only nutrient that nourishes the brain.
Sugar is made of glucose and fructose, but glucose is less of a burden on the body.
"Starch" contained in rice and potatoes consists of a lot of glucose bound together.
Lactose in milk is made up of glucose and galactose. Everything turns into glucose.
Looking at it this way, sugar can no longer be said to be a completely safe food.
ブドウ糖キャンディーの服用法そのほか
キャンディーとして食べるのではなく、水に溶かしてジュースとして飲む。
もし、これに塩と酢を混ぜるなら、「ポカリスエット」に非常に近いものとなる。
ブドウ糖は、脳に栄養をあげる唯一の栄養素である。
砂糖は、ブドウ糖と果糖で出来ているが、ブドウ糖のほうが、体に与える負担が少ない。
ご飯、ジャガイモに含まれる「デンプン」(starch)は、ブドウ糖が多く結合したものである。
牛乳に含まれる乳糖は、ブドウ糖とガラクトースで出来ている。全てブドウ糖に変わる。
こう見てくると、砂糖は完全に安全な食品とは言えなくなる。
Rei Morishita
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