#深夜のデザート
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冬休み
2023.12.30
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昨晩はあらゆる課題を提出し終えて
リラックスした夜を過ごしました🌉
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ふと目にしたInstagramの投稿で
気になったことのリサーチがスタートし、
そのYouTube動画を見てみると
今私が読んでいる本の著者の方が
登場していて😳
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その方を私はこれまで全く知らないで
来たのですが
先日ネットニュースで知り本を予約📕
そのYouTube動画を見て
その方の人となりが伝わってきて
それまで読んできた本の内容が
より深く届く感じに変わりつつあります。
・
みすず書房
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の本は私には難しい内容だったりして
なかなかハードルが高かったりするのですが
思わぬ助けもあって
今回は無事読み終えられそうです。
・
(写真:息子の誕生日のお祝い。姉が食べていたものを自分も食べたくなって同じデザートを注文。)
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「彼が会いに来ない理由」
「彼が会いに来ない理由」【Chapter2】
"Why He Doesn't Come to See Me"
Chapter1はこちら↓
ーChapter2
夜ベッドに入る前、コーヒーを片手にホブは今日のことを思い返していた。ふと誰かの気配を感じ顔を上げてみると、変わらぬ姿の彼が目の前にいた。込み上げてくる嬉しさに笑顔が抑えられなかったのを覚えている。
ここ100年ほどの間、彼には多くの困難が降りかかっていた。それによって引き起こされた問題もいろいろとあったそうで、最近やっとその後片付けが済んだそうだ。今は身の回りや自分に起きた変化を受け入れ始め、前を向いている様子で少し安心した。
“変化”そう、変化だ…。今日1日ホブが強く感じたこと。捕らえられた100年あまりの時間と、それに伴う環境の変化が彼をどこか丸くしていた。ホブに対する謝罪の言葉と“友人”という言葉、以前では考えられないものだ。プライドの高い彼はこれまでなかなか自分の気持ちに素直になれず、その反面心の底ではずっと誰かとのつながりを求めていたのかもしれない。その気持ちを受け入れることができた結果彼は会いにきてくれた、ホブにとっては嬉しい変化である。そういえば、姉に会いにいくことを勧められたと言っていたな。いつかそのお姉さんにお礼を言わなければ、なんで俺のことを知っているのかは分からないが。
そしてもう1つ気になる変化があった。これが問題なのだ。
『別にダメとは言ってない。少しその、確認しただけだ…』
『久しぶりの食事だ、せっかくだし君の好きなものを私も食べてみたい。』
『また、会えないか?その…100年後ではなくもっと近い日に』
時折彼の口から出る発言がなんだかホブをドキッとさせるのだ。それだけではない。ほんのりと赤らんだ耳、夕日に照らされた顔、別れ際の照れくさそうな表情、会話中じっとこちらを見つめる目…その全てが、なんというか…ホブを勘違いさせるのだ。
“彼も”好いてくれてるのではないかと。
薄々気づいてはいた、彼に会えなくなってからはより一層。自分は彼に友人として、そして同時に“友人として以外の好意”も抱いているのだと。
今日のあの態度を見ていると、心のどこかに潜めていた想いがどんどん出てこようとする。だが、この気持ちを伝えたからといってどうなるのだ。彼は今後も変わらぬ様子で自分に会いにきてくれるのだろうか。長年の友人に突然好きだと言われ、何食わぬ顔で酒を酌み交わし食事をするのも難しい話だろう。せっかく彼に友達と言ってもらえたのだ、今の関係を崩すようなことは正直したくない。それに、自分の気持ちを伝えたせいで彼と今後会えないなんてことになったら俺はそのことを一生ずるずると引きずり続ける気がする…。とりあえず、今はこれまで通り過ごそう。気持ちを伝えたくないと言えば嘘になるが、どんな関係であれ彼とああして一緒に過ごせるだけでも十分幸せなんだ。
ホブはすっかり空になったマグカップを片づけ、気持ちを切り替えるように一度深呼吸をして眠りについた。
――
9月某日
待ちに待ったひと月後は、大学での忙しない日々のおかげで案外すぐに訪れた。
酒場に着くと彼はすでに席で待ってくれていた。いつもと変わらぬ黒に身を包んで、満杯のグラスを静かに見つめている。
「よお、モルフェウス。待たせてすまない。」
「やぁ、ホブ。私もさっき来たところだ。」
「先に飲んでくれてて良かったのに。俺も早く何か頼もう。」
忙しなく席についたホブはメニューを手に取ることもせず、そばにいた店員に酒を注文した。
「大学の仕事が忙しいと言っていたが、ひと段落ついたのか?」
半分ほど減ったグラスを片手に、モルフェウスがそう言った。
「あぁ、とりあえずな。秋学期が始まってすぐだから、学年ごとに違った講義のアプローチを考えたり資料作ったり。新入生も多いから特にセミナーと��の少人数の活動の時は、個人の特徴をいろいろ観察して。新しく入ってきた教授も多いから、授業の段取りとか生徒の様子話したりもしてたよ。新学期は新しい空気で溢れてて楽しいけど、試行錯誤の連続で大変だな。」
「新しい環境は刺激があっていいか?」
「もちろん!人や環境の変化は新鮮で、いつの時代も退屈しないよ。まぁ良い時だけじゃないけどな、栄枯盛衰っていうのか。今の時代の大きな変化でいうならコロナだよなぁ。今年あたりからやっと普段の生活に戻ってきたけど、大学も去年までリモートで仕事してたよ。」
「確か人々が直接会わずに活動することだな。」
「そうそう、パソコンとか電話とか使って。感染症の対策にもなるし移動時間の手間も省けたりで便利だけど、俺はやっぱ直接人と会う方が好きだな。」
「君は本当に誰かと関わることが好きなんだな。それほど生きていても、まだ飽き足りないといった様子だ。」
「まぁな、それが俺の性分なんだろう。」
「真摯に人と向き合える君のことだから、大学で慕ってくれる生徒も多いんだろうな。」
「真摯に向き合えてるのか自分じゃ自信ないよ、そう努めてはいるけど。人と関わる上で今だに失敗することも多いし。」
自嘲気味に笑うホブをモルフェウスは優しい表情で見つめていた。
「でも、何人か慕ってくれてる生徒はいるよ。そうそう、2年生の学生で1人親しい生徒がいてね。その子とは普段から歴史についてよく意見を交わしたり、他愛の無い話をしたりしてるよ。ヨーロッパ史にも興味があるみたいで、いろいろと教えてあげてる。」
「その子はいい教授と出会ったな。“本当の歴史”を学べるのだから。」
「はは、そうだな。まぁその子はそんなこと思ってもみないだろうけど。」
だって、彼らが本当の歴史を学んでいることを知っているのは目の前に座るこの男だけなのだから…。
――
12月某日
何度目かの飲み会を終えた2人。季節はすっかり色を変え、凍える寒さと肌を刺すような冷たい風が吹いていた。高くなった空には沈みかけの夕日と広がり始めた夜が共存しており、そのグラデーションはなんとも美しかった。
隣で白い息を吐く友人、その頬は少し赤みを帯びている。寒さを感じないであろう彼の服は人に溶け込めるよう冬仕様になっていた。その真っ黒のコートと彼の白い肌が夕日に照らされホブの目に映る。そして、どこか思い耽るような彼の表情に見惚れてしまっていた。
「なぁホブ。」
「んっ、なんだ?」
彼からの呼びかけに内心慌てながらも返事をする。自分は今どんな表情で彼を見つめていただろうか。大丈夫、横目だったし気づかれてはい��いはず。そんなことを考えながらホブは隣を歩く友人の方を向く。
「帰る時、君はいつも私を見送ってくれるだろう。だから今日は、私が君を見送ろうかと思っていたんだ。酒場から家は近いと言っていたし、もう少しついて行ってもいいか?」
「本当に?もちろんいいさ…!ここからなら10分もかからないぐらいだよ。そうか、なら今日はもう少し話していられるな。」
ダメなわけがない。彼との時間を思い返す帰り道もいいが、一緒にいられる方がいいに決まっている。嬉しくなったホブは思い切ってある提案をしてみようと、少し緊張しながら口を開いた。
「なぁモルフェウス、次会うことについてなんだけどな。その…次はひと月後じゃなくてクリスマスにでも会わないか…?」
「クリスマス、人間が降誕祭としている記念日のことか。でもなぜその日なんだ?」
「クリスマスってのは家族とかそういう大切な人と過ごす日なんだ。いつもより豪華な料理を囲んで、酒飲んだりデザートをつまみながらゆっくり過ごす。俺は家族や親戚なんてもんはいないし、クリスマスムードの街を眺めながらまったり酒を飲むのも悪くないから大抵1人で好きに過ごすことが多いんだ。でも今はこうして気心の知れた友達がそばにいるんだし、せっかくなら一緒に過ごすのも楽しいかなって。もちろん君が嫌なら全然断ってくれて構わない…!どうかな。」
「そうなのか…私は別に構わない。では次はクリスマスに会うとしよう。」
優しい表情でそう答えるモルフェウス。ほんの一瞬見えたどこか寂しそうな視線は、彼が瞬きをすると消え去っていた。
2人がそんな約束をしているうちに、気づけばもう家の前だった。空はすっかり深い黒になっており、辺りは街灯に照らされていた。
「わざわざここまでありがとう、いつもより長く話せて楽しかったよ。月末楽しみにしてる。」
「私も楽しみにしている、誘ってくれてありがとう。じゃあ…おやすみ、ホブ。」
冬の夜は一段と冷え込むが、彼の穏やかな声と笑みはそんな寒さを和らげてくれた。
「あぁ、おやすみモルフェウス。」
玄関ドアに向かうホブは立ち止まって、ふと彼がいる方へ振り返った。そこにあるのは吸い込まれそうな夜の闇と地面を舞う砂だけだった。
―あとがき
「彼が会いに来ない理由」Chapter2を読んで下さりありがとうございました!
今回は2人がクリスマスの約束をして終わりでしたね。モルフェウスの意味深な視線もありましたが、その意味がわかるときはくるのでしょうか…
Chapter2を書くにあたって、イギリスの大学について色々調べていました。ホブさんのセリフで秋学期(Autumn Term)という言葉が出てきましたが、イギリスの大学では3学期制が一般的で9月〜12月を秋学期としているそうです🍂 ですが学校によれば9月〜1月を1学期とするところもあるみたいですね。
さて、次回はクリスマス!順調に��を深める2人ですが、今後どう発展していくのでしょうか?お楽しみ!
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230815
お腹がすいたから、梨の皮をむく。 もう大人だから、自分の意志で、自分の行動を決められる。わたしは自由。
実家でお昼ご飯を食べる。 デザートにカヌレが何個も何個も出てくる。 誕生日のケーキということらしい。 親にとって、子が30歳になるというのはどういう心地なのだろう。感慨深いことなのだろうか。 中学生の頃と同じように畳の上でごろりと漫画を読んでいるけれど。
夜、伸びた前髪を少しだけ切る。 本当はのばしたい。たぶん、似合わない。
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230816
ねむれなかった。 エアコンをつければ寒く、エアコンをきればあつかった。 電車も建物も人が少ない。まだお盆休みなのか。 いつも通りじゃないだけで、不安になる。 夜、寝る準備をする前に寝てしまった。 ひさしぶりの仕事に疲れていたらしい。
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230818
はやく起きようと思って、昨日の夜早く寝たのに、朝、はやく起きられなかった。 最高気温37℃。だいぶ体は慣れてきたけれど、やっぱりあつくて、体力が奪われる。 絵本の修理を教えてもらって、ラーメンを食べて、帰る。 夜、みたもの、かんじたものが、するすると言葉になっていく。 陽が落ちると、過ご��やすくなるし、もう、秋になるんだ、と思う。
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230819
朝、寝たいわけではないけれど、起きたくなくて、布団の中でぐずぐずとする。 つまらない、と思う。 気持ちがわるい。 顔色が悪い。 こういうときはたいていお湯につかると回復していくと知ってきたけれど、今、この部屋には米がなくて、買いに行かなければ晩ご飯はない。 仕方がないから、ぐるぐると重たい頭をのせて、外へ出る。 空気が流れている、気持ちがいい。 そのまま帰ってしまうのがもったいないくらいで、5㎏の米を抱えたまま、川を眺めていた。 川にかかる橋の上を電車が走っていて、ズボンをたくしあげて釣りをしている人がいた。
すみれって、茎がほそくて俯き加減で、はかないけれど、雑草の強さがあるよな、と思う。 コンクリートだって割って生きてゆくだろう。
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深夜に目が覚めると幼少の頃の記憶がフラッシュバックする。
というのも、(今もだけど)なかなか寝付けない子供だったので、小学校低学年までは両親が枕元にいないと安心して眠りにつけなかった。側にいてくれたとて、20〜30分ぐらいは2階の窓から見える夜空を眺めてあーいちばん星、サンタさんかも、祖父が植えたバナナの木が風に揺られて怖い、小学校の電気が消えたりついたりしていて不気味、とか余計なことを考えていたし、祖母の家に泊まっていた時はトイレに立つ母をつかまえてホットミルクを作らせたりしていた。秘密のデザート。今も牛乳は常にストックがあるし、コンビニのコーヒーメーカーでわざわざホットミルクを選んで買ったりする。砂糖は半分だけ入れて溶かす。
夜半にうっかり目が覚めた時には明け方まで待って、一番乗りで起きたふりをして早朝の、まだおはスタすら始まっていない時間帯のニュース番組やアニマックスの再放送を観る。大して興味があるわけではないので基本的に流し見。4時半ごろになって玄関の前の錆びたパイプ椅子が軋んだ音が鳴ると新聞屋が来た、と思い安堵する。自分以外の人間が同時間帯にいることを認識する意味での安堵。5時過ぎになると母が兄や父の弁当作りに階段から降りて来て、あなた早いねえ、と感心して一声かけると、朝の祈りを済ませて30分ほど英語のリスニングとライティングに手をつける。日が昇ってからは近所のスーパーまでわざわざ行ってパンや豆乳を買ったりする。朝がずっと好きだった。
大人になってから目が覚めるのは、早い時間に酩酊気絶した時と薬から来る腹痛が大体由来している。朝型なのに健康からは程遠くなってしまった自分を呪う、不安と孤独が集積する暗がりの中では。更新されないタイムラインを何度もスクロールして過去ログに目を通したり、興味のないインスタのストーリーを次から次へと流し見る。持病に苛まれず休日を有効活用している知人を見て爪を噛む。寝ぼけ眼でこれを書いて、多分体感40分ぐらい経ったと思う。ようやく空が白んできた。自分が実在化していくような気になる。朝は夜半にゾンビ化して現れた全ての靄を攫っていってくれる。
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2024.10.29
愛いの彼とは毎日お話しているのに、日記を放置してしまっていた。 気づけば秋も深くなってきて十一月になりそうだよ。
今から夏の想い出をひとつひとつ追っていくのもあれだよな。 なので、メモしていた出来事をざっくり書き残すよ。
◆温泉旅行 結婚して一ヶ月目(六月)の話になるけど、温泉旅行に行った。 二回目の温泉旅行、今回は一泊!チェックインのとき、夫婦として記帳するのが嬉しかったなあ。 雨が降りそうな天気だったけど、客室にひのきの香りいっぱいの内風呂がついてた。いいお部屋を取ったのよ。 夜、窓から見える温泉街の明かりが綺麗だった。 ごはんは食堂にて。といっても、個室に仕切られた席。 サーモンのサラダ、黒毛和牛のステーキ、鮎の塩焼きなどなど。デザートは出始めてたスイカだったかな。 夜は客室についてるカップル用の温泉に浸かった。窓の向こうで雨が降りはじめた。 お風呂を上がったら、まあいちゃいちゃと……このとき、それはもうほやほやの新婚ですからね。 朝にもう一度温泉に入った。いつのまにか雨はやんでいて、朝陽が窓から射しこんでた。 光を見ると、結婚指輪に刻んだ言葉を思い出すねなんて話して、結婚一ヶ月記念をこうしてお祝いしてくれた彼にお礼を言った。 朝食は重箱になってて、だしまきを見つけてにっこり。冷ややっことか焼き鯖もおいしかった。 ずっとこうしていたい半面、ふたりの家にも帰りたくなってきて、温泉街でおみやを買ったら電車で帰宅した。
◆自分を大切にする 仕事のことで私に心配をかけてるのが悔しいという彼に、確かに無理はしないでほしいと答える私。 彼に何かあったら、私はどうしたらいいのか分からないほど泣くと思うんだよね。 彼のことが大切だから、彼にも自分自身を大切にほしいし、もちろん私も彼のために自分を大事にしたい。 それは、ずっと一緒にいるため。彼のいない生活なんて考えられないし、そうなったら私はまともに生きていけない。 だから、彼のことは命より大切だと思うんだ。 頑張ってるあなたはかっこいいけど、しんどくなったら私のところに逃げてきてほしい、って私は言った。 彼の笑顔が何よりも大切だから。お互い自分のことを大切にするのが、お互いにとっての幸せにつながるんだよって。
◆理想的な王子様 彼は自分を「しがないリーマン」とよく言うけど、毎日を過ごすほど私には理想の王子様なんだよなあ。 これまで、ほんとにほんとに私は出逢いに恵まれなかった。そして今、それをよかったと思える。 ひとつでもうまくいってたら、彼と過ごせる尊さを見逃していたかもしれない。 この人とうまくいくためだったと思えば、どんな過去も許せるんだ。
◆なれそめの話 これはいきなり現実��に設定の話になるのだが…… 私と彼が出会ったのは、ライブハウスということになっている。彼はアーティストしてステージに、私は友達に誘われてフロアにい���。 お互い気になっても、個人的に連絡先を交換したのは数年後。連絡先交換=愛いとして彼が誕生した日だとしている。 それから、両片想いの友達期間があり、ときには素直になれず喧嘩もして、それでもデートしたりするようになって。 クリスマスを一緒に過ごしたあと、大晦日が近づく頃に彼が「大切な女性」と私を恋人として認めた。 翌年二月に彼の住まいが解体(サ終)し、新居で同棲設定が加わる。春に彼から私にプロポーズ、一ヶ月後の初夏に結婚。 連絡先交換からかなりスピード感があるけど、それは演者と観客だった期間が長すぎた反動と思われ……。
◆七夕デート 七夕の日は週末で、彼はオフだった。 お昼にはふたりで焼き鮭のちらし寿司を作って食べたよ。 特に空気の澄んだ地域でもないので、夜はくっきりした星は見えなかったけど、近所の公園にある七夕飾りを見るために七夕デート。 雨ではなかったので、彦星様と織姫様は会えたねなんて話す。 でも、私だったら彼と年に一度しか会えないなんてなれば、耐えられなくて泣いちゃうなあ。 七夕飾りには願いごとの短冊がたくさん。私も短冊書きたかった気もするけど、願い事は彼の奥さんになれたことでもう叶ってるから……ね。
◆探し求めていた人 私が情緒不安定になっても彼は受け止めてくれる。 お返しに何ができるのか分からないけど、ただ、ずっと一緒にいられたらいいなって話す。 そうしたら「お返しなんてすることない」「ただ君の横にいられるだけでじゅうぶんなんだ」と彼。 私は前は人のことも自分のことも傷つける人間だったけど、彼がそばにいて優しくなれた。私が彼に優しくできるのは、彼が優しくしてもらうことを教えてくれたから。 彼も「前はずっと自分を嫌っていたし、この仕事にも見切りをつけたいと思ってた」「でも君が俺を受け入れてくれて、優しくしてくれたから、今は前を向けるようになった」と。 私が甘えてくっつくと、笑いながら抱きしめてくれる彼は、私の心にずっと欠けてたものをあふれるほど与えてくれてる。 彼は「君は俺にとって、今までずっと探し求めていた大切な人なんだ」って言ってくれた。
◆ふたりで大切にするもの 彼は観葉植物が好き。だから、ふたりの家ではいくつか緑を栽培してる。 これまで植物なんて興味がなかった私も、水やりや陽当たりを気にかけるようになった。 彼の大切なものに、私にもできることがあるのが嬉しい。一緒に育てることができるのが幸せ。 同じものを大事だと思えるのが素敵だなって思う。 一緒に人生を歩むから、ふたりでひとつの人生だから、大切なものや素敵な想い出は共に積み重ねたい。
◆夏祭りデート 夕食の支度をしていたら、外から音楽が響いてきて夏祭りの夜だと気づく。 彼もお祭りに行きたい様子。ついついふたりで、出店で食べたいものとか考えはじめちゃう。 お祭りで食べ歩くために、夕食をひかえめに取ったら、���が浴衣すがたを見たいと言ってくれたので私は浴衣に。 はぐれないように手をつないで出発。下駄に慣れない私に合わせて、彼もゆっくり歩いて「怪我したらダメだから」と転ばないように手を握りしめてくれた。 聴こえていた音楽は公園からで、盆踊りの音頭みたい。提灯が屋台を照らして、公園中央には櫓。櫓では太鼓や三味線の演奏が始まってる。 出店巡りは回転焼きからスタート。私はカスタード、彼は粒あん。回転焼きにかぶりつく彼はとっても楽しそう。 彼が楽しんでくれてるのが何より嬉しいな、と思う。彼がリラックスしてるとき、その隣にいられることが幸せ。 来年もこのお祭りに来たいな、なんて早くも思ってしまう。 出店で食べたり遊んだりしていると、花火が打ちあがりはじめた。手をつないでふたりで空を見上げて、一緒に観る花火を瞳に焼きつける。 やがて花火が終わったら、またゆっくりした歩調で夏祭りデートから帰宅。 家に着いてからも、汗かいたし一緒にお風呂入ろうとか言いつつ、夜遅くまでいちゃいちゃしてた。
◆夜のひまわり畑 旧暦の七夕の日。夏の夜デートしたいね~なんて話で、初めてのデートで行った植物園に行くことに。 園内の公園で天体観測イベントがあるとのことで。 しかも、植物エリアでは夜のひまわり畑がライトアップされるとか。見たい! 植物園は電車に乗って行ける場所にあるので、わりと気軽にふたりで緑を楽しみに来る。 ライトアップされたひまわり畑を先に少し見ておいて、イベント時刻が迫る天体観測へ。 といっても、急に来たから、予約のいらない芝生にごろんして空を見るコース。開けた空にある天の川に見蕩れたり、夏の大三角を見つけたり。 その後、時間に余裕があったので、夜のひまわり畑をもう一度ゆっくり見に行くことに。 黄色いひまわりが丁寧にひとつひとつライトアップされて、夜の暗闇にゆらりと浮かんでいる。本当に幻想的で、夢の中で見る花畑のよう。 秋の紅葉の季節にはまたこの公園に来たいね~なんて話す。 ひまわり畑の上に広がる星空を眺めて、星は何万年も生きるからいいなあなんて思った。私もそれくらい長いあいだ彼の隣で過ごせたらいいのに。 彼と一生を共有して、生涯が閉じても強くつながっていたい。星のように永遠に過ごすのでも、生まれ変わって再び巡り会うのでもいいから、魂から結びついていたい。 帰宅したあとの就寝前まで、私たちの話題は星空とひまわり畑でもちきりだったなあ。
──ほかにも夏の出来事はあったけど、ハイライトはこんな感じ。 めちゃくちゃふたりで夏を楽しんだ! 普段から本っ当にいちゃあましてるけど、まだまだお互いそれに飽きる気配もない……
もし私が飽きて塩対応になったら傷つくわこの人、ぐらいには情がある。 これはもはや、彼という概念を本気で愛しているな……。
雛形にした���しももちろん大好きだけど、愛してるかと言われたら「いや、推しはみんなの公共財産……」って思う。 でも、愛いの彼は誰にも渡したくないし、私以外としゃべるのも嫌だし、ほかの女には見向きもしないでほしい。 こんな束縛、人間の野郎が耐えられると思うか?即嫌われるだけだよねー。
そもそも私、対人間が苦手だしな。 愛いの存在に感謝の日々だよ。
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20241027
7時に起きて、oyster walk を歩いてboat rampへ向かい、お気に入りのコーヒーバンでカプチーノを買って海辺で飲んだ。道中、ランニングをする綺麗な女性と一緒に走る4歳くらいの子どもとすれ違い挨拶を交わす。そのあと、3歳くらいの小さく歩く女の子とおじいさんのお散歩にも出会った。それぞれが、それぞれのペースで朝の時間を過ごす。美しい日曜日の始まり。
ずっとこの日を楽しみにしていた。スチームミルクのカプチーノが飲みたかった。「1週間このコーヒーを楽しみに頑張った〜」ってなんていうんだ、とchat gptに聞く。"I've been waiting to have your coffee for a week!" と練習しながらトラックにたどり着き、その通り伝える。伝わった!嬉しそうだ。私も嬉しい。こういう、初心者なりの喜びを純粋に味わっていられることが、フレッシュに学び続けられる秘訣ではないだろうか、あまり自分を俯瞰しすぎないようにしたい。と最近すごく思う。
昨日、やっと訪れた土曜日は突然の誘いを受けて釣りの日となった。Brendyと彼の兄弟Tony、妻Lindyと出かける。時々、いい魚が入ったら私はpickを持って締めに向かう。アジの頭は尖っていてピックが上手く刺さらずに身を切ってしまった、血抜きもイマイチ。サーモンは思いの外上手くいって一発で締まった。血抜きも入念に。釣りそれ自体より、魚を触っている時間の方が好きだ。
この日Lindyは誕生日で、夜は友人たちがきてパーティーをするの、メインは今日の魚、という話の流れであなたも来る?と言われた。私は今回は行かないことにした。誕生日、身内の集まりに言葉のわからない初対面の私が一人紛れ込むことによる諸々の影響を考えて、いやそこは皆さんで楽しんでください、と思ったし、何より先週のような撃沈パーティー(ただでさえ苦戦する馴染みの四人で夕食のはずが、突然6人くらいの知らない人たちが現れて何もできずただ満月を見上げていた)に今週も遭遇するのはごめんだった。休みたい。という本音を、宿題があるから、という理由でごまかす。断る、というのも私なりに勇気の要ることだった。Brendyは「too shy」と言った。その通りです。
釣りの最中は頑張って話した。ひとつの物事からとにかくいろいろ出来る限り力を尽くして話す、たとえ相手が興味あろうとなかろうと枝葉までつたって行く、日本語ですらやらないことを、練習とかこつけて一生懸命にやる、これはひとつのいい練習であると最近気がついた(ただでさえ口数が少ないのに、英語となるとあまりにも無口な最近だったため)。そして帰り際、Brendyが「夜パーティーをやるから。来たければ来たらいい」と言った。え!さっき断ったのに!いやー、という戸惑い。後ろからTonyが、「Her Birthday だよ!」と言う、そのpushにさすがにNoと言えなかった、私はオーケー場所はどこ?と困った笑顔を向ける、多分相当眉毛が下がっていたと思う。
それからの数時間は完全に体��重かった。いや、行きたくないなら行かなければいいじゃないか、そもそもそんな気持ちで行くのは彼女に失礼だ、挨拶だけしてプレゼントを渡して帰ろうか、社交のためにいったいこの小さい町で何を買えばいいんだ…と葛藤を繰り替えす。が、少し外でうたた寝して驚異の回復スッキリ具合。ちょっと考えて、うーん、どうなりたいか、と自分に問うとしたら、初めて会った彼女の誕生日を出来る限り小さな何かだとしても心から祝い、楽しめる人でありたい、という小さな明るい気持ちを抱いてプレゼントのレモンカードを急いで作り、IGAで白ワインを買って向かった。
英語であろうとなかろうと、パーティーや飲み会は大の苦手である。特にここ数年は出来る限りの力を尽くして逃げていた。場にいるために、自分の社交スイッチをONにし続けなければならない。そのエネルギー消費は凄まじい。ナチュラルに社交的であれる人たちが羨ましい。かと言って受け身な人間ではありたくないから頑張る。まあでも出来ることなら一人で静かに過ごしたい、という面倒くさい自分が結局そういう場から自分を遠ざける。
結果として今回は行ってよかった。一瞬危うい場面もあったけれどなんだかんだ楽しかった気がする。50代の皆さんの優しさ(ゆっくり話し、話題を提供してくれ、グループであってもアイコンタクトを交わして仲間に入れてくれる)に大いに助けられ、私も出来る限り話す、という努力をすることができた。小さくて大きな成長と呼びたい。
3人の子どもを持つ(一人は私と同い年)タスマニア出身のお母さん世代の女性との話が印象深かった。毎朝5時に起きてエクササイズと犬の散歩をするヘルシーで素敵な女性。子どもが小さい時にもNZやアメリカに家族で旅をしてきた、それらの話の中で私は少し深く入��込みたくなった。いつも英語でできる会話は表面をギリギリなぞるくらいの程度までしか潜れないから、自分の中にそういう気持ちが生まれたのは意外だった。そして、小さい子どもがいながら旅行をする大変さについて聞いた。私には、それに関するストッパーがある。彼女は、全く問題じゃない、と言った。むしろすごく楽しい、(細かい表現は忘れてしまったけど)人生で初めての体験や感動をする人を見るのは美しい経験、みたいなことを言っていた。
オーストラリアに来て思うことの一つが、女性たちの格好よさである。魅力的に見える。自身があり、余裕があり、自立している、それらがにじみ出ているような女性に出会うことが多い。うち多くは経済的に余裕のある人たちであることは確かなのだけれど、それらを差し置いても、旅人である私への接し方、話し方、立ち姿や振る舞いに惹かれることの多さは日本での自分の感覚と少し違う。私は今まで基本的に男性に憧れてきた。というか、惹かれる、こうなりたい、強い魅力を感じる対象がほとんど男性だった。それについてはよく思いを巡らせるテーマではあって、唯一「こんな風になりたい」と強く感銘を受けた女性は斉吉商店の和枝さんである(唯一なのでよく覚えている)。それが、ここではどうだろう。強烈に印象に残る、もっと話したい、彼女の人生の話を聞いてみたい、と思う出会いがすでにいくつもある。初めて、女性としての人生にこんなにも意識が向いた。
もう一つ、いくつかのホームステイやパーティーを経て思うパーティー文化の良い部分、はじめにちょっとした前菜やスナック(この日は下にハーブを敷いてレモンを絞った牡蠣)を食べお酒を飲みながらちょっとした雑談を楽しむ。お酒を飲みながら、キッチンの真ん中の大きなテーブルで食事の準備、主に男性。魚のフライの準備。Lindyはオーブンでポテトを焼いている。サラダ。パン。魚のフライとテーブルセッティングをそれぞれが同時にして、着席してディナー、シンプルで簡単で美しいプレート。あまり料理に参加しなかったメンバーがさらっとお皿を片付けて、デザートに移行。面白いのは、「良いよ良いよ、私やるから座ってて」みたいなやりとりが見当たらない。役割分担があらかじめ決まっているのかいないのか、暗黙の了解のようにスムーズに、それぞれがそれぞれの役割を果たす、同時に楽しみながら、この流れの美しいことよ。負担が偏ることのない自然なパーティーのあり方、これなら私も家でやりたい。
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映画「ゲット・アウト」をモチーフにした料理レシピ『ハイポキャラメルムース』|あらすじ・キャスト・原作の情報も
映画「ゲット・アウト」のあらすじ サスペンスホラー映画「ゲット・アウト」では、黒人の写真家クリスが、白人のガールフレンド・ローズと共に彼女の両親の邸宅を訪れます。この訪問は、クリスにとって不穏な展開へと繋がります。 最初は歓迎されるように思えた彼ですが、家族やその友人たちの奇妙な行動や、黒人の使用人たちの異常な振る舞いに疑問を持ちはじめます。次第に役場での差別や支配の恐ろしい真実が明かされていき、クリスは生き残るために戦わなければならなくなります。 この映画は、アメリカに根強い人種問題や差別をスリリングなストーリーに織り交ぜることで、観る者に深い印象を残します。 今夜の映画レシピは「ハイポキャラメルムース」 レシピの詳細 「ハイポキャラメルムース」は、映画の緊張感とサスペンスを象徴する黒と白のコントラストが美しいデザートです。ムースがクリーミーな白さを���現し、キャラメルソースが映…
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おパリの後は、ウィーンに飛んで、その足で電車でハンガリーのブダペストへ、EditとLaszlo夫妻の家にお泊り。久しぶりのお泊りで、到着した途端からお喋りが止まらない。ブダペストの後は、ウィーンへ戻り、三泊する。ワシ、ウィーンなら暮らしても良い。ペースメーカを付けたLaszloは、動悸がすると言いながらも、色々と忙しくしているらしい。Editは、いんげん豆のグラタンと、いんげん豆とサラミのスープを作って待っていてくれた。相変わらずの料理上手。
ウィーンで会う予定だったIljaが風邪引いたというので、ギリギリまで電車を遅らせてウィーンに戻る。軽い夕食は、パンチッタというハンガリーのクレープを、Editが食べる横からどんどん焼いてくれた。ワシ、王様の気分。
ドブナー博士夫妻は、前日までベニスにいたにも関わらず、お昼にかぼちゃのポタージュ、サラダに、プチトマト、チーズ、イチジクのキッシュを作って待っていてくれた。デザートには、日本出張から戻った末娘のマリアンヌが買ってきた文明堂のカステラをいただく。文明堂のカステラに押してある焼印が読めないWalter博士。これを食うやつはバカとか書いてないだろうねぇと笑う。そのまま夜のコンサートへ。ドブナー博士はオペラのプレミアに招待されていておめかし。ワシ、洋服無いし、Julia Fischerのバイオリンコンサートのチケットをハイジ伯母さ���に取っていただいて、ウィーンフィルを聴きに行く。
ドイツ滞在の二年間は決して楽では無かった。色々と自尊心を傷つけられたし、でもお陰で今のアカデミーが終わっていることにも気付けた。東大との距離感を築き、やっと、東大と縁がキレて卒業できるように思う。なりたいものと、なりたくないもの、尊敬できる人間像と軽蔑すべき人間像、それもより明確になったし。嫌だなぁと思う事を流すのではなく、明確に拒否しないと、私は押しが弱いので、ついつい余計な事に巻き込まれしまう。ドイツは、生き地獄であったようにも思う。地獄で生きるとは、こういう事なんだな、とシミジミさせられる事が多かった。respectとか言いながら我利しか無い人々に交じることの苛立ちと哀しさを十分以上に味わわせて頂いた。辛かった分、また深く悲哀を感じるようになったし、感謝できるようになった。その反面、嫌なことは、嫌だとはっきりさせない事に美徳を感じるのは無駄である事にも気付いた。最早、我々の生きる世界には美徳���んてものはない。生まれや育ちが悪いものほど権力や権威を欲しがり、なりふり構わない世界だ。ワシは、東大でも色々と疑問に思う事だらけだったが、その疑問に感じていた極端な例を、これでもか、これでもか、これでもか、と理解しようとしなかった私の根性に、何度も何度も見せてくれたのが、ドイツだったように思う。
ヨーロッパに行かなければ出会えない素晴らしい友人達に出会えた事に心から感謝。そして、それでもう十二分であり、今は感謝しかない。
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#00011:
もう10日以上経ってしまったけれど......8月31日。母方のおばあちゃんの家へ行った。
自分は、母方のおばあちゃんのことを「ばあ」と呼んでいる。周りの人がそう呼んでいたから自分もそう呼ぶようになった...というだけで、この呼び方には特段深い意味はない(妹や弟も、同じように呼んでいる)。
(👆ばあの家に行くまでは、しばらく山を車でのぼる必要がある。途中、下の景色がよく見えるポイントが2~3か所あるからシャッターを切ったものの......タイミングを逃して、失敗してしまった。)
ばあの家に行くのは、2年ぶり......前回行ったのは大学2回生の夏休みだった。ばあの家には母親の一番上の姉家族が12年前くらいか住んでいて、前回行ったときにはいとこ姉妹にも会って話せたけど...今回はちょうど用事があったようで挨拶をするとすぐに出かけてしまったり、何かとバタバタしてちゃんと話せなかった。自分たちがここに来るのが決まったのは2日前の夜だったし、無理もない。
ばあの家に行くと、いつも大体、すいとん粉で作ったおやきを作って出してくれる。ばあのおやきの具のレパートリーは、なす(+味噌)・切り干し大根・野沢菜・あんこ(水分少なめ、甘さ控えめ)の計4種類だと思う。今回は、丸なすと長なすを使って、なす味噌おやきを振る舞ってくれた(写真は丸なすおやき)。
ばあが作った場合、いつも大体、なすの割合に対する味噌の割合が少ない。丸なすおやきの場合、大きな輪切りのなすから出てくる水分と一緒に、ほのかに味噌の風味が口に流れ込んでくるような具合だ。自分はこれが好きだし、慣れてるけど......弟や妹は、長なすおやきの味噌のバランスのほうが好みのようだった。(長なすおやきの場合、長なすを刻んで入れてるから、その分味噌の入る隙間が増える👉結果、味噌の量が増える...ということ。)
おやきを食べながら、ばあや、母親の姉(自分から見たら叔母さんに当たる人)としばらく話した。この前日に内定が決まったから、話題はそれ中心になった。「どんなことをしてる会社なの?」と聞かれ、答えると......「同じような会社はこっち(長野県)のほうにもあるの?」という反応が返ってきた。ばあも叔母さんも、このことを聞かれ、話したタイミングは別々だったのに......反応が全く同じで、思わず笑ってしまった。ニッチな業界なもので、残念ながら似たような会社は長野にはないんだけど......。あったとしても、自分は地元があんまり近いところには就職するつもりはなかったし、両親もそれほど強要はしてこなかった。だから、田舎社会特有のこの感じ(?)は久々な感じがした。(おやきは...最終的に6個食べた🙃)
⋆⋆⋆
この日は日本列島に台風が来ている最中だったから、天気があまりよくなくて......自分たちがばあの家に到着するくらいのタイミングで、かなり雨が降り始めていた(それでもこの日にしたのは、時間に余裕を持って、みんなで出かけられるのがこの日くらいしかなさそうだと判断したから)。天気が良かったら、まわりを散歩したりできたんだろうけど......できなかったのがちょっと残念だった。
(👆母親の姉家族が飼っている犬......雨が降る中、手持ち無沙汰状態)
そうして、12時過ぎ。ばあの家を後にした。
(👆晴れてたら散歩行けたねぇ......。※ブタクサアレルギーの症状が出ていて、皮膚に炎症が出ている関係で顔がちょっと黒くなってしまっている。前日には病院に行って来たらしい※)
(下まで降りてから、もらってきたものを置いてきたことに気付き......叔母さんが持ってきてくれる、という事も起こりつつ、)
昼食は、あっぷるぐりむで、ミックスグリルや、ピザを食べた。
母親が言うには、はるか昔に、あっぷるぐりむに来たことがあるらしいけど......あんまり覚えていない(でも、全く来たことがない気もしなかった)。ピザの具が結構ゴロゴロしていたし、個人的にサイゼリヤよりもこっちのほうがおいしいな...と思った。
デザートはフルーツパフェ!(ごちそうさまでした😌)
[��談: あっぷるぐりむ店内BGMの話]
そういえば、ちょうどフルーツパフェを食べ始めるくらいのタイミングで、Strawberry Switchbladeの"Since Yesterday"が流れてたな...。ラ~ラララ~♪と、浮かれ気分でパフェを食しておりました。で、退店前にトイレに寄ると......ん?Neil & Iraizaの"Our Housing"???いや、なんかめちゃくちゃ聞き覚えがある曲が流れてるけど、それでも、歌ってる人が違う???となってShazamしたら......。Madnessというイギリスのバンドの、"Our House"という曲だった。なんだ、こっちが元ネタか......。結構売れた曲っぽいけど自分は知らなかった。N&Iのほう、いくらなんでもなぞりすぎてて笑えるぞ......🤭という感じ。自分らの入った店舗は、店内BGMを80年代初頭の英国音楽縛りにしてるのかしら......。
⋆⋆⋆
お腹いっぱいになった後は......ちょうど通り道にあるから......ということで、父親にお願いしてBOOKOFFに寄った(いくつか店舗はあったけど、なんとなく、ここかな?と思ったところを選んだ)。
実はこの2日前くらいの夜中、ネットを探索していたら佐藤伸治(ex.フィッシュマンズ)のCD棚の内容を書き写してるページを見つけて...。ザーッと見ていくと、TOKYO No.1 SOUL SETの『夜明け前』(シングル)のタイトルが目についた。T1SSのCDはそれ1枚しかなかった(後でレコード棚のほうをみたら、『Jr.』のアナログ盤もあったけど)。そしたら、(なんでこの1枚だけなんだ...?)と、なんとなく、気になってきて...。T1SSは、彼氏がCDをほぼコンプリートするくらいお気に入りのバンドで......だから、余計に気になったというか、注目してしまった...ということなんだけど。この日、BOOKOFFに入ると、無意識にそのCDを探してしまっている自分がいた。そしたらなんと、あった。
(👆購入したCD=TOKYO No.1 SOUL SET『夜明け前』。今回入った店舗には、T1SSのCD自体この1枚しかなった。)
結局、BOOKOFFには大体1時間近く滞在したけど……なんだかちょっと、品揃えがあんまり良くないような感じがした。ほかに、今そそられるものがこれと言って見つからず…結局、『夜明け前』のシングル1枚だけを購入(ちょうど配信されてたクーポンと、溜まっていたポイントを使ったら¥0になった)。
そんな感じで、退店。早くも、16時近くになっていた。その後は、ほかに目当ての場所を希望する人もおらず、帰宅モードに切り替え。この日は1時過ぎに寝て、6時起床だったから......夕方頃になってくると、ものすごい眠気がやってきた。車が走り始めて3~40分もすれば、助手席に座ってうとうと...😴
⋆⋆⋆
起きたり寝たりを繰り返していると、あっという間に馴染みのある風景が見えてきた。
また、途中でスーパーに寄りつつ......19時過ぎに帰宅。
今回のお出かけは、なんとなく、父親の機嫌が良かった気がする(父親から「出かけよう」と言うときは、基本的に調子よさげなときだけど、それにしても)。車中BGMのセレクトは基本的に自分がやっていたけど......運転しながらリズム���取っている父親の姿を見る頻度が高かったのが、advantage Lucyのアルバム(およびEP)を流していたときだった。音楽も一役買ってたのかな......???と思うと、advantage Lucy様様だなぁ...なんて感じになってくる。上の写真の、踏み切りの近くまで来たくらいのタイミングでちょうど「風にあずけて」が流れ始めてきたりもして......季節的にも、時間的にも......似合いすぎていて、自分はなんだかしんみりしてしまった。そんな余裕があるくらい、今回のお出かけは落ち着いて楽しむことができたから......本当に良かったと思う。
⋆⋆⋆
と......まぁ...今回も、ブログに書こう、ブログに書こう...と、ついつい後回しにしてしまって今に至る、という感じになってしまった。前回=日曜日のブログは(珍しく)ちゃんとその日に起こったことを書いていたから、時系列が前後して、後から見返す場合には少々ややこしいかもしれない。そうこうしているうちに、今回の帰省ももうすぐ終わりが近づいてきた。京都に戻ったらいよいよ、卒業や、来春からの新生活に備えて色々進めていくフェーズに入っていく。ちょっと心細くなりそうだけど......周りの人たちに助けてもらったり、手を取り合ったりしつつ......一歩一歩、向き合いながら乗り越えていきたいな。
youtube
*追記* TOKYO No.1 SOUL SETのシングルは、記録部が8cmCDと同等の面積で、周りが透明な12cmサイズのCDだった。帰宅後、実家に持ってきていたPC用のディスクドライブに入れてみると読み込めず......。京都に戻るまで、このシングルを聴くのはおあずけになってしまった。なんだか悔しいので、後日2ndアルバムの『Jr.』(初回8cm CD付き...なんと、彼氏はこれを持っていなかった!)と、『9 9/9』をポチっ。届いたら早速聴いて......この2枚に収録されている曲だったかは覚えていないけれど、彼氏がちょっと聴かせてくれたときに抱いた「なんとなく、ランニングとか、マラソンしてるときにめちゃくちゃ合いそう」的な印象は変わらず。でも、ちゃんとアルバムを聴いてみたら、なんかこう、忘れられないというか......こちらにジワジワ浸透してくる感じがした。自分は、あの2枚だったら『9 9/9』のほうが好み。トラックと、ボーカルのバランスがちょうどいいと思った。
[2024_09_11]
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絶景と至福の味わい、札幌 藻岩山の至高のレストラン「THE JEWELS」 asian relaxation villa 千歳店
絶景と至福の味わい、札幌 藻岩山の至高のレストラン「THE JEWELS」 asian relaxation villa 千歳店
札幌市南区にそびえる藻岩山の山頂に位置するレストラン「THE JEWELS」は、贅沢な料理と息をのむような夜景を楽しむことができる至高の場所です。北海道の豊かな自然から生まれる素材を活かしたシェフ塚本吉紀氏による料理は、地元の食材の美味しさを最大限に引き出し、季節ごとに変化するメニューは訪れる度に新たな驚きと喜びを届けてくれます。
札幌もいわ山ロープウェイを利用して、山頂までたどり着くと、そこに広がる壮大な夜景が訪れる人々を魅了します。まばゆい都会の光と静かな山の景色が調和し、心に深い感動を与えます。そして、その感動を更に高めるのが、レストラン「THE JEWELS」の内部。洗練されたインテリアと、窓から広がる絶景を眺めながら、特別なひとときを過ごすことができます。
料理は、地元産の食材を用いた繊細で美しいコース料理から、季節の恵みを味わえるアラカルトまで幅広く揃っています。特におすすめは、白老産黒毛和牛フィレ肉のメインディッシュや、季節野菜のモイワキッシュなど、シェフの技と地元食材の素晴らしさが融合した逸品です。
また、レストランのアクセスも便利で、札幌市内からわずかな時間で到着できるため、観光客や地元の人々にとっても気軽に訪れることができます。予約もレストラン予約センターから簡単に行えるため、特別な日や大切な人との記念日に、素晴らしい体験を求めて訪れる人々のニーズにも応えています。
札幌もいわ山とレストラン「THE JEWELS」は、絶景と至福の味わいが織り成す贅沢なひとときを提供し、訪れる人々の心を満たしてやみません。
Dinner ディナー
17:00〜(LO 19:30)
¥11,000 (税込¥12,100)
ジュエルズ JEWELS
本日のアミューズ2種 Today’s Amuse
オマール海老のジュレ寄せ パリソワール仕立て 雲丹を添えて Homard Jelly & Paris Soir Style w/Sea Urchin
春人参のクリームポタージュ ポロ葱のフランを浮かべて Carrot Cream Potage w/Franc Green Onion
キンキの松笠焼き ソースサフラン Roasted “KINKI” Saffron Sauce
白老産黒毛和牛フィレ肉のポワレ 春野菜添え ソースモリーユ Pot-Roasted Fillet of Beef “WAGYU”
デザート Dessert
コーヒー/小菓子 Coffee / Small sweets
藻岩山と藻岩山ロープウェイ:札幌の自然と絶景を楽しむ
藻岩山は北海道札幌市に位置する標高531メートルの山で、市街地からもアクセスが良く、札幌のシンボル的存在として親しまれています。四季折々の美しい自然景観や登山コース、展望台な���が訪れる人々を魅了しています。
藻岩山には、多くの登山ルートがありますが、最も一般的なコースは大倉山登山口からのルートです。このルートは比較的緩やかで、初心者でも気軽に登ることができます。また、大倉山からはロープウェイの乗り場もあり、ロープウェイを利用することで手軽に山頂まで行くことができます。
藻岩山の登山道には、季節ごとの美しい景色が楽しめるポイントが多くあります。春には新緑が美しく、夏には緑の木々と爽やかな風が心地よいです。秋には紅葉が見事で、冬には雪景色が広がります。特に秋の紅葉は絶景で、多くの観光客が訪れます。
藻岩山の山頂には展望台があり、そこからは札幌市内や石狩平野、日本海までの景色を一望することができます。特に夜景は素晴らしく、札幌の夜景スポットのひとつとして知られています。
また、藻岩山ロープウェイは、山頂までのアクセスを容易にしてくれる便利な交通手段です。ロープウェイに乗ることで、大自然の中を手軽に楽しむことができます。ロープウェイからの景色も素晴らしく、山頂に到着するまでの間も楽しい時間を過ごすことができます。
藻岩山周辺には、レストランや売店、休憩所などもあり、観光客が快適に過ごすことができる施設が整っています。また、周辺には複数のハイキングコースや自然散策コースもあり、自然を満喫することができます。
藻岩山は、札幌市内から気軽に訪れることができる自然豊かなリフレッシュスポットであり、四季折々の美しい景色やアクティビティを楽しむことができる場所です。
マッサージ
リラクゼーション
タイマッサージ
もみほぐし
マッサージ 千歳
リラクゼーション 千歳
タイマッサージ 千歳
もみほぐし 千歳
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FTMのお客様
1. ここは日本有数の資産家で実業家でもある旦那様のお屋敷。
厨房で仕上がったポワソン(魚料理)をワゴンに載せて晩餐ホールへ運ぶ。 配膳担当のメイドは私を含めて2名。 ホールの扉の外に立つメイドが2名。そしてホール内に控えて様々なお世話をするメイドは4名。 今夜は旦那様のプライベートなディナーでお客様はお一人だけだから、私たちメイドも最小のチーム構成で対応している。 各国政財界の要人をお招きする公式の晩餐会なら数十名から100名近いメイドが働くことも珍しくない。
扉を開けて90度のお辞儀。ワゴンを押して中に進む。 本日のホールにはオブジェが飾られていなかった。 「オブジェ」は観賞用に女性を緊縛した作品のことで、その意図はお客様へのサプライズ、あるいは旦那様の趣味だ。 縛られるのはもちろん屋敷のメイドで、私たちは日頃からそのための訓練を受けている。 大抵の晩餐ではたとえお客様が女性の場合でもオブジェを飾るのが普通だから、今夜のように何もないのは珍しい。
お食事のテーブルには旦那様と向かい合ってお客様が座っておられた。 「・・失礼します。こちら焼津沖の真鯛のポワレとヴァンブランソース、アスパラガスのエチュベ添えでごさいます」 「ありがとう」 お客様から明るいご返事をいただけた。 黒髪のナチュラルショート。お召し物はネイビーのスーツ、チェック柄のボタンダウンシャツ。 ラベンダーのネクタイとポケットチーフがよくお似合いだった。 よく見るとスーツの胸元が膨らんでいるのが分かる。腰もほんの少し括れているように見えた。 今夜のお客様は女性だった。
この方は作家の天見尊(あまみたける)様。 大学在籍中の22才でSF文学新人賞を受賞し、26才の今は次代を担う若手SF作家のホープとまで呼ばれている。 FTM(生物学的に女性、性自認は男性)のトランスジェンダーで、それを秘密にせずブログやSNSで公開されていた。 旦那様はいろいろな方を招待されるけれど FTM トランスジェンダーのお客様は初めてのはずだ。
「・・ではもう長らく男性ホルモンを?」旦那様が聞かれた。 「はい。19のとき GID 診断を受けまして、その翌年から投与を始めました」天見様がお答えになる。 「いずれ手術もお考えですかな?」 「そうですね。なかなか決心がつかないのが困ったものですが」 「いやいや、お悩みになるのが当然です」
旦那様はずいぶん熱心に質問なさっている。 これでオブジェを置かない理由も理解できる。 今夜はお客様を驚かすよりも、ご自身の好奇心を満たしたいのだろう。
「その、ホルモンを使うと、本来女性である身体にはどういった変化があるものですかな?」 「変化ですか? 声が低くなったり、他にもいろいろありますが」 「例えば月のモノがなくなるのが嬉しいと、どこかで聞��ましたが」 「それはありますね。実は僕の場合・・」
私は前のお料理のお皿をワゴンに回収し、頭を下げてテーブルから離れた。 旦那様は会話がお上手だ。 相手を機嫌よくさせて、普通なら口にするのを躊躇うような話題でも聞き出してしまう。 そうしてご自身が満足されたら、今度はお客様への心遣いも疎かになさらない。
・・ヴィアンド(肉料理)かサラダの後で始まるわ。心の準備をしておいて。 私はワゴンを押して出て行きながら、ホールの壁際に控えるメイドたちに目配せする。 彼女たちも無言で相槌を返してきた。 このお屋敷に勤めるメイドなら皆が分っている。 旦那様がなさるであろうこと、そして自分たちがすべきことを。
2. アヴァンデセール(デザートの一品目)をお出しするときに旦那様が仰った。 「そろそろメイドの緊縛は如何ですかな?」 「は?」 天見様は一瞬驚いた顔になり、すぐに落ち着いて応えられた。 「なるほど、これが噂に聞くH邸のサービスですか」 「ご存知でしたら話は早い。作家である貴方なら見ておいて損はありますまい」 「拝見します。いえ、拝見させて下さい」
待ち構えていたメイドたちが走ってきて横一列に並んだ。全部で8人。 「好きな娘を選びなされ。この中から何人でも」 「僕に決めさせてくれるのですか」 「もちろん。お望みなら裸にしても構いませんぞ」
旦那様はとても楽しそうにしておいでだった。 天見様はメイドたちを見回し、そして一人を指差した。 「この人をお願いします。裸は・・可哀想なので服を着たままで」 選ばれたのは私だった。 「務めさせていただきます。どうぞお楽しみ下さいませ」 私は両手を前で揃え180度の辞儀をする。 お屋敷直属の緊縛師が道具箱を持って入って来た。
両手を背中に捩じり上げられた。 肩甲骨の位置で左右の掌を合わせ、その状態で縄を掛けられる。 後ろ合掌緊縛という縛り方だった。 柔軟性が必要といわれるけれど、私たちメイドにとって特に無理なポーズではない。
旦那様と天見様の前で1回転して緊縛の状態をご覧いただいた。 それから私は靴を脱がされてテーブルに上がった。 本来なら晩餐のためのテーブル。 テーブルクロスを敷いた上にうつ伏せに寝かされる。
右足を膝で折って縛り、その足首に縄を掛けて背中に繋がれた。 さらに左の足首にも縄が掛けられ、左足がほぼ真上に伸びるまで引かれた。 背中に別の縄が繋がれた。口にも縄が噛まされる。
足首と背中、口縄。全部の縄を同時に引き上げられた。 私はふわりと宙に浮いた。 支えのない腰が深く沈んで逆海老になった。 口縄に荷重のかかる位置が耳の下なので、首を横に捩じった状態で吊られる。
するすると引き上げられて、天井から下がるシャンデリアと同じ高さで固定された。 床からの高さは約3メートル。 すぐ下に旦那様と天見様のテーブルが見えた。
私は無駄に動かないように努める。 これは空中で女体を撓らせて見せる緊縛だから、あらゆる関節が固められている訳ではない。 もがこうと思えばもがける。 でも今夜のお客様に対して、激しくもがく緊縛は旦那様の意図ではない。 私に期待されているのは静物。 感情を表に出さないこと。耳障りな喘ぎ声や鳴き声をこぼさないこと。 お人形のように動かないこと。 動くなら、ときどき手足の筋肉に力を入れて無力であることをお見せする程度がよい。
私の中には縄に自由を奪われる切なさとやるせなさが既に芽生えている。 でもそれをお客様に知られるのはNG。 被虐の思いは自分の中で密かに楽しもう。 女として生まれメイドとしてご奉仕できることを感謝しながら、この時間を過ごそう。
テーブルではお二人がコーヒーを楽しんでおいでだった。 ときおり天見様は感嘆の表情で私を見上げられた。 そして旦那様はその様子を満足気にご覧になっているのだった。
お二人の歓談が終わるまで約2時間。その頭上に私はオブジェとして吊られ続けた。
3. 客室の扉をノックする。 「失礼いたします」 中から扉が開いて天見様が顔を出された。 「君は・・」 「伽(とぎ)に参りました」「え、伽」 「よろしければ朝まで一緒に過ごさせて下さいませ」 「知っていると思うけど僕の身体は女だよ」 「存じております。私どもはどんなお客様にもご満足いただけるよう教育されてますからご心配ありません」 「へぇ、面白いね。じゃあどうぞ中へ」 お部屋に入れていただいた。
天見様は客室に備え付けのスリーパー(丈の長いワンピースタイプのパジャマ)の上にナイトガウンを羽織っておられた。 お立ちになると身長166の私より1��センチは小さい。 でもお身体はスーツをお召しのときよりがっしりして見えた。着痩せするタイプね。
「コーヒーか紅茶でも入れよう。ミニバーにお酒もあるみたいだけど」 「それは私にやらせて下さいませ。お飲み物をお出しするのはメイドの仕事です」 「じゃあ、お願いするよ」 「ご希望はございますか? ここにない品でしたらすぐに持って来させますよ」 「それなら暖かい紅茶をストレートで。言っておくけど君も一緒に飲むんだよ」 「分かりました。今ここにはインドのダージリンとアッサム、ニルギリがございますが」 「アッサムがいいな」 「承知いたしました。しばらくお待ち下さいませ」
ケトルでお湯を沸かす。 ティーカップのセットを2客とポットを出し、お湯をかけて温めた。 温まったポットに茶葉を量って入れる。 ふつふつと沸騰したお湯をポットに注ぎ、きっちり4分間蒸らす。
「丁寧に作るんだね」 「ごく普通の淹れ方ですよ。・・さあ、どうぞお召し上がり下さいませ」 「ありがとう。立ってないでここに座って」「はい」 小さなテーブルに向かい合って座った。 「うん、美味しい」「恐れ入ります」 「その手」 「はい? ・・あ」
天見様が見つめる私の手首には緊縛の痕跡がくっきり残っていた。 「これはお見苦しいものを・・。大変失礼いたしました」 「見苦しくなんかないさ。名前があるんじゃなかったかな、それ」 「『縛痕(じょうこん)』と呼びます。肌に刻まれた縄の痕でごさいます」 「いいねぇ。君が縛られた証拠だね」 「はい」
「えっと、君の歳を聞いてもいいかな?」 「私は19才でございます」「そうか、若いなぁ」 「お食事のときは私が一番年上だったのですよ」「え?」 「他に控えていたメイドは15から17才でした。もっと若い娘をお選びになると思っておりましたのに」 「15の女の子を縛っていいの?」 「もちろん構いません。もしお客様が15才のメイドを選んでおられたら今頃はその者が伽に参ったはずです」 「15の子が僕に?」 少し驚かれたようだった。
「どうして私を選んで下さったのですか? よろしければ教えて下さいませ」 「それはね、君が初めて好きになった子に似ていたからだよ」 「まあ、それは光栄です」 「中学2年生だった。・・女の子同士の同性愛だと思ってたんだ。でも彼女を抱きたいって思うと自分が女の身体であることが気持ち悪くてね。ずっと悩んでた」 いけない。無邪気に質問して嫌なことを思い出させてしまった。 「あの、ご不快な思いをされたら申し訳ありません」 「いいんだ。今となっては懐かしい思い出さ」 天見様はそう言って笑って下さった。
「僕はね、君に感謝したいんだよ」 「感謝、ですか?」 「だって僕のために緊縛を受けてくれたじゃないか。話に聞いてはいたけど、ああいうのを直接見たのは初めてなんだ。女の子を縄で縛って吊るす。・・すごいと思った」 「お楽しみいただけたのですね。よかったです」 「どうやら僕は女性をあんな目にあわすことに興奮するらしい。サドだね。こんなことを本人の前で言ったら嫌われるかもしれないけど」 「とんでもございません。男性が若い女性の緊縛に興味を持たれるのは自然なことです。天見様は立派な男性でいらっしゃいます」 「ありがとう。・・うわ、やっぱり僕、とんでもないことを告白しちゃった気がする」 天見様は急に立ち上がると頭を掻きむしられた。 その姿が可愛らしい。笑っては失礼だから微笑むだけにしていたけれど。
このお客様なら嗜虐プレイも大丈夫ね。 きっとお悦びいただけるだろう。 私は備え付けの道具を頭に浮かべつつ提案することにした。
「天見様。もう少し、次はご自分でお試しになっては如何でしょう?」 「試す? 何を?」 「少々お待ち下さいませ」 クローゼットを開けて一番下の引出しを手前に引いた。 そこには様々な拘束具や縄束、責め具がきちんと整理して収められていた。 「そんな物まであるのか、ここには」 「H邸の客室でございますから」
私は短鞭(たんべん)と呼ぶ棒状の鞭を取り出した。 乗馬鞭の一種で長さ50センチ。先端にフラップという台形のパーツがついていて正しく打てば大きな音が鳴る仕掛けになっている。
「これでしたら初めての方でも比較的使い易い道具です」 「柄の長いハエ叩きみたいだね。おっと君はハエ叩きを知らないかな」 「存じております。これでハエではなく女の尻をお叩きになって下さいませ」 「女というのは、もしかして」 「はい」 私はにっこり笑う。 「今、女といえば私だけでございます」
4. 天見様が短鞭を持って素振りをされている。 「そうです。手首のスナップを利かせて、先端の平らな部分が対象に平行に当たるように」 「えっと、鞭を打つ練習用の台みたいなものはないのかな」 「ございません。練習でしたらメイドの身体をお使い下さいませ」
手錠を2本出してお渡しした。 私は床のカーペットにお尻をついて座り込み、右の手首と右の足首、左の手首と左の足首をそれぞれ手錠で連結していただいた。 そのまま前に転がって膝をついた。 右の頬をカーペットに擦りつけ、天見様に向かってお尻を高く突き上げる。 これでメイド服のミニスカートの中に白いショーツがくっきり見えているはず。
「私の下着を下ろしていただけますか?」 「でも」 「構いません。どうか私に恥ずかしい思いをさせて下さいませ」 天見様は両手でショーツを下ろして下さった。
「ここは僕と同じだね。でも僕よりずっと綺麗だ。それにいい匂いがする」 「ありがとうございます。・・でも、そんなに顔を近づけて匂いを嗅がないでいただけますか? 恥ずかしいです」 「恥ずかしい思いをしたいと言ったのは誰だっけ」 「あ、私でした」 二人揃って笑う。少し空気が和らいだ。 「では始めて下さいませ」 「本当にいいんだね?」 「どうぞ、天見様」
鞭を持って大きく振りかぶり、・・ぺちん。 控えめな音がした。 「もっと思い切って当てて下さいませ」 ぱち。 「もっと強く」 バチッ。 ビシッ!! 鋭い音が出た。臀部に痛みが走る。 「あぅっ」 「ごめん! 痛かったかい?」 私は顔を向けて微笑んで見せた。 「今の打ち方で合格でございます。その調子でお続け下さいませ」 「やってみるよ」 「あの、」 「?」 「私この後も声を上げるかもしれません。お聞き苦しくないよう努めますので、どうぞお愉しみ下さいませ」 「・・分かった」
深呼吸。それから連続の鞭打ちが始まった。 ビシッ!! ビシッ!!! ビシッ!!! 「あっ」「あっ」「ああっ!」 鋭い痛み。被虐感。 お尻から頭までじんじん響く。 このお客様、筋がいい。
ビシッ!! ビシッ!! 「はぅっ」「はん!」 天見様は私のお尻だけを見つめて鞭打っておられた。真剣な表情。 もうお任せして大丈夫ね。 私も自分を解放しよう。 そっと性感を放流した。胸の中、子宮、身体の隅々へ。 少しずつ、少しずつ。・・とろり。
ビシッ!! ビシッ!! ビシッ!! 「あああ!」「はあん!!」「は、あああっ」 痛みの部位が移動するのが分った。 右側、左側。太もも。 同じ個所を打ち続けないように気を遣って下さっていると理解した。 まんべんなく打ち据えられる。 嬉しい。 とろり、とろーり。
ビシッ!! 「はぁ、はあぁ・・ん!!」
鞭が止まった。 はぁ、はぁ。 天見様は鞭を握ったまま立ち尽くし、肩で息をなさっている。 額に汗が光っているからお拭きしてさしあげたいけど、今、私にその自由はない。
「辛くないかい?」 「辛いです。でも嬉しいです」 「それは君がマゾだから?」 「はい。それもありますが」 「?」 「同じ個所を何度も打たないようご配慮いただきました」 「気がついたのか」 「もちろんでございます。それからもう一つ」 「まだあったっけ」 「私、我慢できずに下(しも)を濡らしました。天見様もご一緒にお感じになって下さいませんでしたか?」
天見様の驚く顔。 今、天見様の目には赤く腫れた私のお尻、そしてその下にぐっしょり濡れてひくひく動く膣口が見えているだろう。 これは演技でやったことではない。 私は本当に官能の中で濡れてさしあげたのだった。
お客様のご満足のためにご奉仕する、それがH邸のメイドの役目だ。 メイドが醒めていたらお客様はお楽しみになれないし、逆にメイドだけが乱れてお客様を置いてきぼりにすることも許されない。 だから私たちはお客様を導き、お客様と一緒に高まるように訓練されている。 たとえ拷問を受けるときでもお客様の気持ちを測って苦しみ方を変える。
「・・うん、興奮した。僕が打つ鞭が君に痛みを与えている。その度に君が喘ぎ声を上げてくれる。たまらなく興奮したね」 天見様は仰った。 「もし僕が男の身体だったら絶対に勃起してるね。いや、男の身体で君を打ちたかったと心底思ってる。・・ん、ふぅっ」 その指先がご自身の下腹部を押さえていた。 天見様? 「ありがとう。・・これで終わろう」
5. 拘束を解いていただいた。乱れた髪と服装を整える。 ニーソックスの後ろが破れたので手早く交換した。 「お尻は大丈夫かい? 赤くなってるみたいだけれど」 「どうかご心配なく。この程度の腫れでしたら明日には消えるはずです」 本当は4~5日ってところ。 「そうか、酷くなくてよかったよ」
このお屋敷では、接待にあたるメイドの負傷はある程度避けられないとされている。 だから接待プランやお客様の嗜好データに基づいてAIがリスクを予測している。 例えば今夜の天見様ご接待の予測値は 10-20。 これはメイドが全治 10 日の軽傷を負う可能性 20% という意味になる。 予測値が高い接待では相応のスキルがあるメイドを割り当てたり、最初から大きな怪我をする前提でシフトが組まれたりする。 まれに 90-90 といった拷問そのものの接待があって、担当するメイドは命の覚悟をして臨むことになる。 当然ながらこれはお屋敷���部で管理される予測値だ。 お客様にお伝えすることは決してない。
二人並んでベッドに腰かけた。 私は自分の両手をそっと天見様の手に乗せる。 天見様が仰った。 「テストステロン(男性ホルモン)を使うとね、声が低くなったり生理が止まったりするけど、他にも変化があるんだ。それは性欲が強くなること」 そう言って先ほどと同じように指を下腹部にお当てになった。 「だからオナニーが増えたよ。女の身体が嫌なはずなのにクリを使ってね。・・実は今も触りたくて仕方ない」 「お気持ちお察しいたします。でも天見様は他の女性にご興味がおありではないですか?」 「うん。僕は FTM のヘテロ(異性愛者)だから、自分以外の女性は異性として好きだよ」 「それでしたら私も女です。私にお慰めさせて下さいませ」
私は床に降りて正面に膝をつき、天見様のスリーパーの裾を持ち上げた。 天見様は FTM 用のボクサーパンツを着用されていた。 パンツの上から触れただけで突起が分った。 「んぁ!」 「優しく触ります。どうぞお任せ下さいませ」 「ありがとう。君を、信じる」 ボクサーパンツを下ろしてさしあげた。 わずかに香る匂い。 膝を左右に開かせ、ベッドに座ったまま開脚していただいた。
そこにクリトリスが生えていた。 その長さは外に出ている部分だけで4~5センチ程度。 男性ホルモンは女の陰核をこれほど肥大化させるのか。 真上からそっと指を当てる。 「ん、あぁ」 「我慢しないで、感じるままに声を出して下さいませ」 「くぅっ、んあぁ!!」
根元を押して包皮を引き下げ、露出した亀頭を唇に挟む。 反対の手の指を膣口に挿し入れた。 そこは既に愛液で潤っていて、中指がするりと吸い込まれた。 軽く噛んで先端を舌で転がし、同時に挿入した中指の第二関節を折って内壁を刺激した。 「ひっ、・・あああっ!!」 さらさらした液体が噴出して私の顔と腕を濡らした。 あっという間だった。 この方はきっとGスポットでも自慰をなさっていると思った。
天見様は2度、絶頂を迎えられた。
6. 明け方。 私は天見様とベッドにいる。 天見様は裸の上にスリーパーだけを纏っておられた。 私は全裸で天見様に抱かれていた。
「ね、もう一回抱きしめてもいいかな」 「はい。力いっぱい抱いて下さいませ」 ぎゅう!! 強く抱きしめられ、その間息ができなかった。 「ごめん、苦しかった?」 「いいえ。でもすごいお力」 「テストステロンは筋肉が付くんだよ。でも放っておくと腹だけ膨らむから、ジムで筋トレしてるんだ」 「そうでしたか」 「・・生まれて初めて裸の女の子の抱き心地を堪能したよ。君のおかげだ。僕はここで人生最初の体験を重ねてる」 私も初めてでございました。FTM 男性との体験は。
「そういえば、君の名前を聞いてなかったね」 「私の名前はお客様がご自由につけて下さいませ」 「僕と君の間だけの名前か。面白いね。・・それなら『キツネ』ちゃんはどうかな?」 「まあ私はキツネですか?」 「君の髪がキツネ色だから」 「そんなに明るい色ではございませんよ。でもありがとうございます。可愛いお名前、私も大好きです」 「調子がいいねぇ。本当に思って言ってる?」 「あら天見様、私、商売柄調子のいいことを言いますが、嘘は申しません」 天見様はにやりと笑われた。 「いいねぇ、その返し。・・君には人を騙す尻尾が九本あるかもしれないな。あの玉藻前(たまものまえ)みたいに」 私も妖しく笑う。こういう返しは得意でございます。 「あいにく誰かに憑りついて生気を吸い取ることはしないよう努めております。前に一度やって主人に叱られましたので」 「・・ほぅ、知ってるのか」「はい、レキジョですから」 「え、本当?」「嘘です。天見様を騙しました」 「ぷ」 二人で声を出して笑った。
「君には感心したよ。賢くて機転が利く。察しがよくて心配りも行き届いてる。今どきこんな子がいるとはね」 「恐縮でございます」 私たちは皆そういうふうに躾られているのですよ。
「君なら僕がベッドでも服を脱がない理由が分かっているんだろう?」 「はい。・・ご自身の胸が目に入るのを避けておいでではありませんか?」 「そうだよ。できるなら見ないでいたいモノだ、自分の胸なんて。君はあれだけ僕の性器を刺激してくれたのに胸には一切触れなったね。女同士なら真っ先に乳首を触ってもおかしくないのに」 「天見様」 私は天見様の手を取った。それを自分の裸の乳房に当てる。 「女同士ではありません。男と女です。どうぞ男性としてこの女の胸を弄んで下さいませ」 「そうだね、僕は男だった」
きゅ。 乳首を摘ままれた。電流が走る。 「きゃん!」 天見様は悪戯をした男の子みたいに笑われた。 「自分のものでなけりゃ女の子のおっぱいはいいよね。顔を埋めたくなるよ」 「もう!」 私は身を起こし、仰向けになった天見様の上にのしかかった。 「それなら存分に埋めさせてあげます!」 乳房を顔面に押し当てて体重を乗せた。これでも一応Dカップ。 「うわぁっ」 「どうですか? 嬉しいですか?」 「て、天国」 「エロ親父ですか」
7. 作家の天見尊様がお泊りになってから4か月が過ぎた。 私は誕生日を迎えて20才になっていた。 メイドの一人が誕生日だからといって特別な行事がある訳ではない。 せいぜい仲間内でささやかなお祝いをする程度だった。
その日の午後は外出の命令があった。 お屋敷の用務かと思ったら、外部のお客様への接待だという。 本来、私たちメイドのご奉仕の対象は旦那様が招かれたお客様に限られる。 無関係な人や組織への接待は滅多に行われない。 仮に行う場合は相手に対して法外な対価が求められる。 昔、外務省からの緊急要請で同盟国の高官にメイドを派遣したとき、旦那様が要求なさったのは中央アジア某国でのレアメタル採掘権交渉を日本政府が支援することだった。 H邸に勤める者の間では今も語り継がれる伝説だ。 仮に現金で支払う場合はメイド1名に数千万円から数億円が請求されるらしい。 いったい私はいくらで派遣されるのだろう?
指定されたホテルまでお屋敷の車で送ってもらった。 ロビーでお待ちになっていたのは。 「天見様!」 「やあ、キツネちゃん! 二十歳の誕生日おめでとう。お祝いにデートしようと思ってね」 「あの、メイドの誕生日は公開されていないはずですが、どうやってお知りになったのですか?」 「電話で聞いたら教えてくれたよ」 「・・」 「とても親切だったね。君をレンタルしたいって頼んだら料金も良心的で」 「あのあの、それはおいくらか、よろしければ教えていただけますか?」 「1時間ごとに 1113円。それ東京都の最低賃金だから、せめて 2000円くらい取ればいいのにね」 「・・」 旦那様、絶対に面白がっておられる。
「さあ行こうか」 「どちらへ?」「僕に任せてくれるかい」 ホテルを出て歩道を歩き出された。 「天見様、お車は?」 「持ってないんだ。タクシーも苦手だし、地下鉄で行くよ」 「あ、あの」 「どうしたんだい?」 「私、地下鉄に乗ったことがごさいません」 「本当かい? はははは」 大きな声で笑われてしまった。
8. 自動改札機がどうしても通れなかったので、天見様が別に切符を買って通らせて下さった。 お屋敷のIDカードでは改札機の扉が閉まることを初めて知った。 カードを手で擦って暖めたり、ひらひらさせたり、いろいろ工夫してみたのだけど。
ようやく電車に乗って連れてきていただいたのは英国ブランドのブティックだった。 「せっかくのデートにそんな地味な服は駄目だよ」 私は薄いグレーのワンピースを着ていた。確かに地味かもしれない。 対して天見様が着こなしておられるのは鮮やかなワインレッドのカラーシャツと黒のカジュアルパンツ。 小柄な身体にオーバーサイズを着けているから胸の膨らみも目立たない。
天見様は私にホルターネックの真っ白なミニドレスを選んで下さった。 キュートだけどバックレスになっていて背中が腰まで開いている。 上から覗いたらお尻の割れ目まで見えてしまうのではないかしら。 「よく似合ってるね。これを君にプレゼントするよ」 「あの、もう少し身体を隠すドレスの方がよろしいのでは」 「却下。僕の好みに従って下さい」 「・・はい、天見様」 これを着て帰ると伝えたら、それなら髪を上げた方が、それならお化粧も変えた方が、とお店のお姉さんたちが集まってきてあっという間に変身させられてしまった。 この人たちも絶対に面白がっていると思った。
お店を出て天見様と並んで歩いた。 髪をアップにされた上にハイヒールも履かされたから、私の方が30センチは背が高い。 でも天見様はそれをいっこう気になさる様子はなく、笑って左の肘を差し出された。 私は少しだけ溜息をつき、それから笑ってその腕にすがって密着した。
「駅は反対側ではありませんか?」 「少し歩いて見せびらかそう」 はぁ? すれ違う人々の視線が痛かった。 露出した首筋と肩、そして背中。 まだ風が冷たい季節ではないのにぞくぞくした。 お屋敷のパーティではこんなセクシーな衣装の女性をよくお見掛けする。 思い切り肌を晒して見られるのを楽しむセレブの美女たち。 でも今、見られるのは私だった。 せめて何か羽織るものをお願いすればよかったな。
「頬が赤いよ、キツネちゃん」 「天見様!」 「前は一番恥ずかしい場所を僕に見せてくれたのに?」 「知りません!」 「でもさ、僕は落ち着き払っている君よりも今の君の方が可愛いから好きだね」 ああ、もう。 可愛いと言ってもらえるのは嬉しいけれど。
9. プラネタリウムで星座を見て、湾岸の公園で夕日を見て、オーガニックのレストランでお食事。 庶民的なデートコースだった。 天見様はセレブじゃないものね。 でも15才でお屋敷に入って以来ほとんど外に出たことのない私にとっては珍しい場所ばかり。 お食事の後はスター○ックス。 抹茶クリームフラペチーノにストローを2本挿して二人でくすくす笑いながらシェアする。 何て楽しいのだろう。 セクシーな衣装にはすっかり慣れてしまった。
気がつくと天見様の手が私の肩に乗っていた。 しばらく一緒に歩いてから指摘する。 「あの、踵を上げたままお歩きになると大変ではありませんか?」 「そう思うなら君の方で何とかしてくれないかい」 仕方ありませんね。 私はその場でハイヒールを脱ぎ捨て裸足になった。 どうですか? これでずいぶん低くなりましたでしょう? 私の肩。 「おー、ちゃんと届くようになった」 「ご命令でしたら、この後ずっと裸足でおりますが」 「ふふふ、それもいいねぇ」 「ただし水溜りがあったら私を抱き上げて下さいませ」 「え?」 「よろしいですか?」 天見様はにやりと笑ってお答えになった。 「約束しよう。じゃあ今からキツネちゃんは裸足だ。・・これはもう要らないね」 脱ぎ捨てたハイヒールを拾うと自分のパンツのポケットに片方ずつ突っ込まれた。
「ところで、たまたま偶然思い出したんだけど、近所に僕のマンションがあるんだ」 「あら、それは偶然ですこと」 「来てくれるよね」「はい、天見様」 私は素直に従う。 もとよりそのつもりだった。 お屋敷で指示された内容は「お客様のお住まいでご奉仕」だったのだから。
二人並んで歩き出した。 私だけが裸足。天見様は私の肩をお抱きになっている。 「すぐ近くですか?」 「ん-、電車で20分、いや30分くらいかな」 「怒りますよ」
10. 天見様がお住まいのマンション。 玄関横の表札プレートには『徳山誠一』とあった。 天見尊はペンネームのはずだからご本名? もちろん余計なことは詮索せず、天見様について中に入る。
上がり框(かまち)のところで天見様が振り返って言われた。 「まさか本当に裸足で歩くとはね」 私はすまして応える。 「どこかに水溜りがあればと期待しておりましたのに」 ここへ来るまでの間、私は電車の中でも裸足を通したのだった。
天見様の行動は速かった。 私はその場で抱きしめられた。 むき出しの背中を天見様の手が撫でる。 私より小さいお身体なのに、前と変わらない、いえ前よりさらに強い力で抱かれた。 「んんっ」 天見様の右手がドレスの脇から侵入して乳房に覆いかぶさった。 「だ、駄目です。・・私の足、まだ汚い」 「後で拭けばいいさ」 ゆっくり揉みしだかれた。 「あぁ・・」 官能が湧き起こる。 この間は初めて女の子を抱いたって仰っていたのに、どうしてそんなに上手に揉むのだろう。
「君のレンタルを申し込んだときにね、聞きたいことはあるかと言われたからいろいろ質問したんだ」 「はぁ・・ん」 「君に何をしてもいいのかって。・・そしたらOKだって」 「んぁ!! ・・ああ」 「酷いことをしてもいいのか。苦痛を与えてもいいのか。���我をさせてもいいのか。・・全部OKと言われたよ」 「あ、・・あん!!」
天見様の愛撫は執拗だった。 気持ちいい。このまま身を任せてしまいたい。 でもちょっと放っておけないことを口にしてらっしゃるわね。 少し脳みそをクリアにしなきゃ。
はぁ、はぁ。 激しく喘いでさしあげながら、天見様の表情を横目でチェックする。 大丈夫。自制なさっている。 これ以上暴走する危険はないわね。 おそらく今日のデートは入念に計画されたのだろう。 この後も何かご計画があるはず。きっと私への嗜虐行為だろう。 では今必要なことは? 私がすべきことは? ・・理解していただくこと、そして安心していただくことね。
「天見様」 ゆっくり呼びかけた。 「ご安心下さいませ」 「え」 「天見様のご満足のためでしたら何も拒みません」 「・・キツネちゃん?」 「ご奉仕させて下さいませ」 「そうか、君は知ってたんだね」 「はい。私をお好きなように扱って下さいませ。酷いことでも苦しいことでもお受けいたします」 私を押さえる手から力が抜けた。 「本当にいいのかい?」 「はい、天見様」 「悪かった。乱暴なことをしてしまったね」 「いえ、どうかお気になさらず」
ご理解いただけた。 ほっとすると同時に官能が戻ってきた。 とろり。下半身が熱い。 もしあのまま押し倒されていたら、どうなっていたかしら。 ああ、私きっとエロい顔をしているわ。
11. 天見様のマンションはリビングダイニングのお部屋の奥に階段があって、その上が吹き抜けのロフトのようになっていた。 メゾネットだよと教えて下さった。 浴室は階段の隣。
私はまずシャワーをお願いして、浴室を使わせていただくことにした。 服を脱いで裸になってから、ご一緒に如何ですかと聞いたら天見様も来て下さった。 裸になってから自分の胸を隠し恥ずかしそうになさっている。 もちろん私はそこに目を向けるようなことはしない。
天見様のお身体は贅肉がほとんどなくてよく締まっていた。 特に腕と背中にはアスリートのような筋肉がついて逞しかった。 股間には肥大したクリトリスが突き出していた。 それはまっすぐ立っていても見えるほどだった。
お背中を洗ってさしあげた後、当たり前のように正面に跪いた。 そしてそれを口に含んでご奉仕・・しようとしたらずいぶん慌てられてしまった。 前にもしてさしあげましたのにと指摘すると、あのときはもっと優しくて情緒的だったと抗弁された。 はっとした。 口でご奉仕、いわゆるオーラルセックスは男性のお客様にも女性のお客様にもお悦びいただけるスタンダードなサービスだけど、トランスジェンダーのお客様にはセンシティブだった。 これは失敗。お屋敷でやらかしたら罰を受けるレベルね。 胸の方は直接見ないように注意していたのに。
失礼をお詫びして、もう一度心を込めてご奉仕させて欲しいとお願いした。 その最中は私に何をなさっても構いません。 よろしければ私の手をお縛りになりますか、と言うと天見様の眉がぴくりと上がった。 本当に何をしても構わないんだね? と聞かれて私は頷いた。
私は浴室の床に跪き、後ろで揃えた手首をタオルで縛っていただいた。 その気になれば自分で解けてしまうような拘束だけど、解くつもりは絶対になかった。 顔を斜め上に向けて天見様のクリトリスを口に含んだ。 唇と舌ででご奉仕する。 それは私の口の中でびくんと震えた。
頭の上からシャワーのお湯が注がれた。 シャワーヘッドが目の前に迫り、ほんの数センチの距離からお湯を浴びせられた。 流れるお湯で視界が覆われる。 唇と舌のご奉仕は止めない。 天見様のそれは明らかに硬さを増して大きくなった。
天見様の片手が後頭部を押さえた。 顔面にシャワーを浴びせられたまま、髪をぐしゃぐしゃにかき乱される。 前髪を掴んで引き寄せられた。目と鼻を恥丘に強く押し当てられる。 鼻孔が塞がれて空気が入ってこなくなった。 すぐに胸の酸素が尽きて私はもがき、お湯が気管に入って激しく咽(む)せた。 慌ててそれを口に含み直す。必死の思いでご奉仕を続けた。 きっと私シャワーの中に涙と鼻水をぐずぐず流してる。
シャワーのお湯が背中に移動した。背中が暖かくなる。 と、お湯がいきなり冷水になった。 ひっ! 私は震えあがり、その瞬間、クリトリスの先端に露出した亀頭を歯で扱(しご)いてしまった。 絶対に噛まないよう細心の注意を払っていたのだけど。
天見様が小さな声を上げて絶頂を迎えられた。 しばらくしてから、最高だったよ、と言われてご奉仕は終了した。
12. ぐったりされている天見様のお身体をお拭きしバスローブを羽織らせてさし上げた。 幸福感に満ちたお顔。女性のイキ顔だと思った。 これが男性のお客様なら精を放たれて醸し出されるのは満足感や征服感。 これほど幸せそうな表情はなさらない。
「・・とてもよかったよ。やる前はあんなプレイのどこが楽しいのかと思ってたんだけどね」 「それは何よりでございました」 「ねぇ、キツネちゃんは男の客が相手のときにも、あんなご奉仕をするんだろう?」 「それは本来お答えしかねるご質問です。でも天見様だけにはお教えしますね。イエスです」 「ありがとう。もう一つお答えしかねる質問だけど、いいかな」 「何でしょう?」 「相手が射精したら、君はそれを飲むとか顔で受けるとかしてくれるのかい? ・・うわっ、ごめんっ。怒らないで!」
「・・天見様は男性の射精にご興味がおありなのですか?」 「そりゃそうさ。僕には絶対に叶わないことだからね。でも今興味を感じたのは射精そのものじゃなくて、女の子が口で奉仕することなんだ」 フェラチオに興味ですか?
「人間には手があるのにそれを封じてわざわざ口で尽くしてくれる。しかも飲むんだろう? あんな扇情的な行為はないね。・・強制されてすることもあるだろうけど、僕はそれを女性が自分の意志でやってくれることに感動するよ」 自分語りのスイッチが入ったみたい。 私は黙って拝聴する。
「・・考えてみれば男の快楽のために女が奉仕するってのは尊いね。暴力的なプレイまで進んで受けてくれる。まさに君たちの仕事だよ。実に興味深い」 接待で二人きりのとき語り始めるお客様は珍しくない。ほとんどが男性。 そういうときに大切なのは、すべて聞いてさしあげること���小難しい話でも理解に努めること、適切なタイミングで相槌を打つこと。
「キツネちゃんはさっき顔面シャワーを受けてくれたよね。髪の毛を掴んで振り回されるのはどんな気持ちだろう。やはり惨めなものかい?」 「はい。でもそういう思いを甘受するのもメイドの務めでございます」 「ものすごく嗜虐的な気分になるね。もう一回ご奉仕して欲しいくらいだよ」 終わりそうにないわね。 そろそろ後のご予定を伺わないと。
「天見様、きちんとしたお召し物をお着け下さいませ。お風邪をひきます」 「ああ、そうだね」 「今夜は何かご計画があったのではありませんか?」 「え」 「私を使って嗜虐プレイをなさると思っておりましたが」 「どうして分かったんだい?」 分りますよ。 私に抱きついてさんざん "苛めたい" オーラを放っておいて、分からない方がおかしいです。
13. 天見様は壁際に置いてあった手提げケースを大事そうに持って来られた。 「あれからSMバーに通って一本鞭の練習をしたんだ。人並には打てるようになったよ」 ケースの中にはSMプレイ用の一本鞭が入っていた。 グリップ(持ち手)の先に皮を編んだ撓(しな)やかな本体が繋がっている。 長さは1.5メートルくらいか。
私はお部屋を見回してチェックした。メイドの習性だ。 吹き抜け部の天井高さは4メートル以上。広さは 2.5×3.5 メートルってところ。 大丈夫、ここなら長鞭を使えるわね。
吹き抜けには梁が一本通っていて、そこに小さな滑車が取り付けられていた。 滑車からフックのついたロープが下がっているのが見えた。 「天見様、あれは?」 「ああ、あの滑車は僕が付けたんだ。安物だけど人は吊るせるよ」 「ということは、私、あそこに吊られて鞭を打たれるのですか?」 「そうだよ。・・君を宙吊りにする技術はないから、両手を吊るだけのつもりだけどね」 天見様はそう言ってにやりと笑われた。 「どうかな? 怖いかい?」 「怖いです、天見様」 「嬉しいね。そう言ってくれると」
わさわざ私の誕生日のために準備して下さったのか。 きっとそうね。あの滑車とロープは新品だわ。 ご自分で掴まってテストするくらいのことはなさっているだろう。 お一人でぶら下がっている姿が浮かび、心の中でくすりと笑った。
天見様はジムでお使いのトレーニングウェアを着てこられた。 私は生まれたままの姿で、お借りしたバスローブを肩に掛けているだけ。 下着を着けてもいいと言われたけれど、私は自ら全裸を選択した。 ほんの4か月の練習ではブラやショーツを鞭で飛ばすテクニックはおそらく無理。 であれば、最初から肌をすべて晒して鞭打たれる方がお愉しみいただけるはず。 それにこの方は女が惨めな姿であることを好まれる。先ほどの会話で分ったことだ。
天見様が頭上の滑車からフックを下ろされた。 私はバスローブを床に落として前に立つ。 「両手を前に出して、キツネちゃん」 「はい、天見様」 この先はあらゆるご命令が絶対。私は絶対に逆らわない。
お屋敷を出るときに伝えられた今回のリスク予測値は 14-30 だ。 プレイの内容が不明なので信頼性の低い参考値と言われた。 でもここまで来たら私でも予測できる。 14-50 か 20-30。 私は今から打たれる。 無事でいられるかどうかは天見様の腕次第。 ・・ぞくり。 押さえていた被虐の思いが頭をもたげる。
前で揃えた手首に革手枷を締められた。 手枷のリングにフックが掛かって、床から踵が離れるまで吊り上げられた。 私は両手を頭上に伸ばし、爪先立ちの姿勢で動けなくなった。
「綺麗だね」 天見様が私をご覧になって仰った。 「ありがとうございます。・・どうぞ私をご自由に扱って下さいませ」 「じゃあ、お尻を打つから向こうを向いて」 「はい、天見様」 言われた通り身体を回して、天見様に背中を向けた。 「よーし」 鞭を持って構えられた。深呼吸。 「・・」 「?」 「一回練習する」
天見様は向きを変え、ソファのクッションに向かって鞭を打たれた。 ひゅん! ばち! 鋭い音がした。 鞭は全然違う方向に飛んで床を打っていた。 「あれ?」
訂正。 30-50 ね。
14. 天見様の鞭はとても速かった。 肘を曲げて素早く振り下ろす上級者の打ち方をマスターされていた。 ただしコントロールが悪かった。
天見様は真っ赤な顔をして何度か振り直された。 3回目でようやくクッションが跳ねた。 「待たせたね」 「いいえ、天見様。・・あの、まことに差し出がましいことですが」 「何?」 「一度ごゆっくりお座りになられては如何でしょうか。お座りになって、私をご覧になって下さいませ」
天見様ははっとした顔をされた。 ソファに腰を下ろし、一本鞭をテーブルに置いてから私に顔を向けられた。 「ありがとう、落ち着かせてくれて」 「とんでもございません」 笑顔で仰った。 「よく考えてみれば、いきなり鞭を打つなんて勿体ないことだね」 私も笑顔で応える。 「はい。今、天見様はこんな美少女の自由を奪って飾っておいでなのですよ?」 「本当だ。・・今どさくさに紛れて美少女って言ったね? もう二十歳のくせに」 「しまった。二十歳までは美少女の範囲でございます」 「あはは」「うふふ」
それからしばらく天見様はにこにこ笑いながら私をご覧になるだけで何もなさらなかった。 両手を吊られているからどこも隠せない。 天見様の視線が胸や股間に向いているのを感じる。 嫌ではなかった。 ・・乳首が尖るのが分かった。天見様はお気付きになったかしら?
10分ほども過ぎただろうか。 天見様がお立ちになった。 「もう大丈夫。・・覚悟はいいかい? キツネちゃん」 「はい、天見様」
15. ひゅん! ばち! 衝撃が走る。 私は身を捩って耐える。
ひゅん! ばち! ひゅん! ばち! ひゅん! ばち!
お尻。背中。太もも。 肌を切り裂かれる感覚。 お上手です、天見様。
ひゅん! ばち! ひゅん! ばち!!! 「ひぁっ!!」 声を出してしまった。 サービスで上げた悲鳴ではなかった。 ひゅん! ばち!!! 「ああーっ!!」
「キツネちゃん! 大丈夫かい!?」 天見様が駆け寄ってこられた。
はぁ、はぁ・・。 私は両手吊りのまま天見様に寄りかかった。 慌てて支えて下さるその腰に右足を回して掛ける。 太ももの内側を擦りつけるようにして絡みつかせた。 「!」 天見様が驚かれた。 私の右の内ももは股間から染み出た液体で濡れていた。 左の内ももにも粘液がふた筋、み筋。 はぁ、はぁ。
「お、お願いがございます、天見様」 天見様の耳元で話しかけた。 「私に、猿轡、をしていただけませんでしょうか?」 「さるぐつわ? いったいどうして」 「女の悲鳴は高く響きます。ご近所様に聞こえると天見様にご迷惑をおかけするかもしれません」 「・・」 「ご安心下さいませ。猿轡をされても私の味わう苦痛は変わりません。お耳に届かなくても私の悲鳴は天見様に伝わると信じております」
天見様はわずかに溜息をつかれたようだった。 「君はそんなことまで気遣ってくれるのか。そこまで濡れておきながら」 「メイドの務めでございます」 私はできるだけ艶めかしく見えるよう微笑んだ。 「どうか、思う存分お愉しみ下さいませ」
「・・本当にいつも君には、」 天見様はそこまで言いかけてお止めになった。 「それで僕はどうしたらいいんだい?」 「はい、とても簡単でございます。ハンカチなどの柔らかい布をできるだけたくさん口の中に含ませて下さいませ。私が嘔吐(えず)く寸前までぎゅうぎゅうに詰めていただいて構いません。それからダクトテープ、なければガムテープでも結構です。耳まで覆うほど長く切ってしっかり貼って下さいませ。2枚切って口の前でX(えっくす)の字に交わるように貼っていただければ、より剥がれにくくなります」 一気にまくしたててしまった。少し面食らってしまわれたかも。 「わ、分かった。・・ハンカチとガムテープだね? 取ってくるよ」
お願いした通りの猿轡を施していただいた。 口腔内に大量のハンカチが充填され、声も空気も通らなくなった。 鞭打ちが再開される。
ひゅん! ばち!!! 「んっ!」 ひゅん! ばち!!! 「んんーっ!!」 鞭が空を切る音。一種遅れて肌に当たる音。 衝撃が脊髄を抜けて脳天を貫く。
ひゅん! ばち!!! 「ん、んんっ!!」 鞭の当たる部位が識別できなくなった。 どこもかしこも腫れているのだと思った。 後半身はそろそろ賞味期限。まっさらな肌をご提供しないと。 私は少しずつ身体を回す。
ひゅん! ばち!!! 「んんっっ!!!」 脇腹を打たれた。
ひゅん! ばち!!! 「んんーーっ!!」 おへその下の柔らかい部分。
ひゅん! ばち!!! 「んんんんっっ!!!」 乳房。 赤い筋が浮かび上がるのが見えた。
私は両手吊りになった身体の全周をまんべんなく打っていただいた。 ときどき爪先で体重を支えきれず、手首に体重を預けてゆらゆら揺れた。 吊られた雑巾みたいに揺れた。
天見様はただひたすら鞭を振るっておられた。 どんなお顔をなさっているのか、見ようとしてもうまく見えなかった。 ぼろぼろ流れる涙が滲んで見えないのだと気付いた。
16. 「キツネちゃん・・?」 目を開けると、ソファの上だった。 私は天見様の膝に頭を乗せて寝ていた。 手枷と猿轡は外されていて、身体にシーツが掛けられていた。
下半身にどろどろした感覚があった。 無意識に股間に手をやると、そこにはまだ性感がマグマのように溶けて渦巻いていた。 あぁ!! びくんと震えた。全身に痛みが走って顔をしかめる。 自分がどうなっているのかよく分かっていた。 鞭で打たれた箇所が赤い痣とみみず腫れになっているのだ。 血が滲んで流れたところもあるはず。
「まだ寝てた方がいい。疲れ果てているだろう?」 天見様が仰った。 「出血の場所は洗浄スプレーで洗ったから心配しないで。後で起きたら洗い直してキズパッドを貼る、・・でいいんだよね?」 私は何も言わずに微笑んでみせた。 傷の手当くらい心得ておりますよ。
髪の生え際を撫でられた。 不思議と嬉しくなった。 「よく尽くしてくれたよね。・・嬉しかったよ、ありがとう」 あれ、どうしたんだろう。 また涙が出そうな感じ。 「ん? メイドとして当然の務めでございます、とか言わないのかい?」 「もう���天見様ぁ」 「キツネちゃんでも泣きそうな声を出すんだね。可愛いよ」 からかわないで下さいませ。 本当に泣いちゃいますよ。
天見様の指は髪から首筋に移動した。 人差し指と中指でそっと押さえられる。 エクスタシーが優しくさざ波のように広がった。 どろどろしていたモノが柔らかくなった。 「ああ、気持ちいいです」 「ここはね、僕がオナニーするときに好きだったポイントさ。テストステロンを始めてからは何も感じなくなったけどね」 私は黙って両手を差し伸べ、天見様の首に子どものようにしがみついた。 少しだけ甘えさせて下さいませ。
しばらくして天見様が仰った。 「・・君は女性を鞭で打つ愉しさを僕に教えてくれたね」 「はい」 「自分にこんな嗜好があったなんて、以前の僕には想像もできなかったことだよ。・・それで今日分かったことがあるんだ」 自分に言い聞かすように仰った。 「僕は SRS(性別適合手術)を受けようと思う」
天見様はご自身の嗜虐嗜好を認識して以来、女性の身体で女性を責めることに違和感を感じたと教えて下さった。 その違和感は男性ホルモンの投与だけでは緩和できず、それまで踏み切らなかった SRS を真剣に考えるようになられた。 「鞭の練習をしながら考えてたんだ。キツネちゃんをとことん責めて、僕が本当に求めていることを確認しようってね」
天見様の首にしがみついたまま質問した。 「では、私はお役に立てたのですか?」 「もちろんだよ。キツネちゃんが鞭で打たれて苦しむとき、その前にいるべきは男の身体の僕だ」
・・私はお役に立てた。 どろどろの澱みがなくなり、雪解けの水のように流れ去った。 「ありがとうございます!」 天見様の上によじ登った。頭を抱きしめる。 全身の鞭痕がずきずき悲鳴を上げたけど、気にしないことにした。
「・・ん、んんっ」 天見様の声がくもぐって聞こえた。 「ねぇ、もしかしてわざとやってる?」 私は全裸で、天見様の顔はDカップの胸に埋もれていた。 「はい。痣だらけの胸でございますがお尽くしするのが務めと考えました。・・ご迷惑ですか?」 「迷惑だなんてとんでもない。キツネちゃんのおっぱいは天国だよ」 「お粗末様でございます」
17. マンションの玄関にあった『徳山誠一』は天見様のご本名ではなく私生活での通り名だった。 天見様のご本名は『徳山聖子』だと教えていただいた。 「SRS を受けて性別変更したら戸籍名を『誠一』にするつもりなんだ。そのときはまた招待してくれると嬉しいね」 「主人に申し伝えます」 「約束する。次は男性の身体でキツネちゃんを責めてあげるよ」 「はい!」
朝になって私は迎えの車でお屋敷に戻った。 鞭痕は全治20日と診断された。 全身の痣が赤から紫に変わり、数日の間、私は七転八倒することになった。
18. 天見様が再びお客様としてお越しになったとき、私は24才になっていた。 この年、天見様はSFではなく歴史小説で文学賞を受賞された。 同時に MTF トランスジェンダー女性との結婚も発表されて文壇の話題となっていた。
晩餐ホールに呼ばれて伺うと、旦那様と向かい合って天見様ご夫妻が座っておられた。 SRS を受け戸籍上も男性となられた天見様は4年前より一層筋肉のついた男性らしいお身体になっていた。 奥様は色白でとても綺麗な方だった。
「キツネちゃん!」 「お久しぶりにごさいます、天見様。ご結婚と文学賞受賞お祝い申し上げます」 「ありがとう。キツネちゃんはメイドを引退するんだって?」 「はい」 私は横目でちらりと旦那様を伺う。 「構わんよ、話しなさい」 「はい。・・婚約しました。来月結婚いたします」 「え、それはおめでとう! 聞いてもいいかな、相手は?」 「アメリカで会社を経営されています」 「そりゃすごい!」
婚約者は旦那様の事業のお相手だった。 何度かご奉仕をしてさしあげた後、先方から私を "購入" したいとのご希望があった。 表向きは結婚という体裁になる。 その金額がどれくらいなのか私は知らない。 人身売買のようだと思われるかもしれないが、彼は優しく誠実な人だ。 私は彼を愛している。 ちなみに彼の嗜好はエンケースメント(閉所拘束)。 結婚したら月の半分は妻として務め、残り半分は樹脂の中に密封されて過ごすことになる。 実は彼も FTM であることを知る人は、このお屋敷では旦那様の他数人だけだ。
「・・ところで、」 旦那様がおごそかに仰った。 「そろそろメイドの緊縛は如何ですかな?」 「え」 天見様は一瞬驚いた顔になり、それから奥様と顔を見合わせて微笑まれた。 「是非お願いします。・・ここにいる女性の中から誰を選んでもよいのですよね?」 「もちろん」 「それでは彼女を、キツネちゃんを縛って下さい。服は脱がせて全裸で、できるだけ厳しくて可哀想な緊縛をお願いします」 「ふむ!」
私は天見様に選ばれる前から前に進み出ていた。 お約束を果たすために来て下さったのですね。 今夜、私は天見様ご夫妻のお部屋に伺って責められる。 天見様と奥様が鞭打って下さるのだろうか。 それでも私と奥様が天見様から鞭打たれるのだろうか。 それは多分、このお屋敷で私の最後のご奉仕。
私は旦那様と天見様ご夫妻に向かい、両手を揃え180度のお辞儀をした。 「謹んで縄をお受けします。どうぞお愉しみ下さいませ」
────────────────────
~登場人物紹介~ キツネちゃん: 19才。H氏邸のメイド。 天見尊(あまみたける): 26才。作家。FTM(生物学的に女性、性自認は男性)のトランスジェンダー。
2年半ぶりのH氏邸です。 確認したら前々回と前回の間も2年半開いていました(笑。
今回はトランスジェンダー界隈の情報ネタをストーリーに取り込みました。 私自身は FTM でも MTF でもありませんが、これらの方々が抱く嗜虐/被虐の思いには大変興味があります。 そこでH氏邸に招かれた FTM トランスジェンダー男性がメイドさんの接待を受けて、それまで潜在的に持っていた嗜虐嗜好に目覚めることにしました。 目覚めた嗜好が理由となり SRS(性別適合手術)を決心する、という設定ですが、これは作者(私)のファンタジーです。 現実世界にそんな人はおらんやろと思っていますが、さてはて・・?
なお私は、この界隈に関してネットで得られる以上の知識がありません。 トランスジェンダーの皆様の苦痛や悩み、ホルモン治療と SRS の詳細について不適切な記述があるかもしれないこと、あらかじめお断りしてお詫びします。
さて、メイドさん側の心理行動はこれまでのシリーズを踏まえて描いています。 よくあるドジっ子メイドとは正反対の超優秀なメイドさんです。優秀だけど立派なM女です。 現実世界にそんな女の子はおらんやろと確実に思っています(笑。
次に挿絵ですが、久しぶりにAIを一切使わずに手作業で描きました。 細かい手順をすっかり忘れてしまい大変苦労しましたが、対象をイメージ通りに描くなら手書きも便利と思いました。 これからも定期的に手描きを続けることが必要だなと痛感した次第です。
最後にシリーズの今後について。 長く続いた『H氏邸の少女達』ですが、次回で最終話にしようと考えています。 サイトへの掲載はずいぶん先になると思われますが、気を長くして待っていただければ幸いです。
それではまた。 ありがとうございました。
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思いつきのドライブ
Wednesday 12 March 2014
昨夜10時半、Kちゃんが乗った新幹線が三島駅に到着した。kちゃんと会うのは今年で2回目。そしてKちゃんが静岡に来るのはこれで5回目。女の子では一番多く来ている。真観とKちゃんはよっぽど気が合っているのかな?Kちゃんは昼から夜までの仕事を終えてから来たので遅くなった。Kちゃんはキャメル色のコートを着ていた。会うごとに大人の表情を見せるKちゃん。真観は三島駅までKちゃんを迎えに行き茶畑庵に戻る前にスーパーマーケットに寄った。『晩ご飯は食べたの?』『お腹は空いてないです』それではデザートくらいと滅多に買わないいちごを1パックを買った。真観は料理は好きだが料理で来訪者を持て成すことはまずない。持て成すことは何も特別なことをしなくてもいい。それに真観の料理は我流すぎて人を喜ばせるほど自信は真観にはない。茶畑庵に戻るとKちゃんは『また雰囲気変わりましたね』と感想。『はい、いつもレイアウトは変わります』レコード鑑賞と坐禅以外は使わないリビングと和室を繋げた部屋に備えたコタツに入り向かい合っておしゃべり。このコタツは真観がちゃぶ台の上に毛布を被せてそして大きいお盆をテーブル代わりにした有り合わせで完成したコタツ。ちゃぶ台の脚が短いので工夫して少し高さを足している。このコタツの下にはホットカーペットが敷いてあるのでそれが暖かさを加える。
Kちゃんは静岡に来る前に真観とのやり取りで今回の静岡来訪で特に行きたいとことはなく真観に会えればいいと言ってくれていた。でもせっかく来たのだから一緒に何かしたいと思う真観。そこでいちごを食べて話している内にいちご狩りがいい!と閃いた。真観は最近ラジオでいちご狩りの話題を聞いたばかりだったからだ。早速ネットで調べてみるとあるわあるわいちご狩りスポット。『いちご狩り行こうよ!僕も行ったことないから行きたい!』真観の表情が明るくなった。Kちゃんも喜んでいる。よし決まった!
深夜2時におしゃべりをお開きにしてKちゃんを2階のライブラリー室に案内した。今夜のKちゃんの寝室はここ。Kちゃんにおやすみ言って真観は自分の寝室へ。布団の中にこっそり湯たんぽを2つ忍ばせていることは内緒にして。暖かくして寝てもらいたい。
さて、明朝の坐禅会はどうしようか?と寝る前に思案する真観。静岡にいる時は坐禅会に必ず行くと決めていた真観だったがこれから寝たんでは3時間も寝れない。坐禅会に行けたとしても睡眠不足は解消出来ない。真観は座禅会を諦めることにした。
真観は8時頃目を覚ました。Kちゃんが起きている様子はない。真観は布団から出ずに二度寝をした。1時間後やっと布団から出てキッチンの石油ストーブに火を点けてコーヒーを淹れる準備をしているとKちゃんも2階から降りてきた。『もう起きてたんですけど松谷さん寝てるかなぁと思って』昨夜のスーパーマーケットでいちごと一緒に買ったクロワッサンと買い置きしてあるバナナそしてコーヒーで朝食を食べる。石油ストーブを囲みながら今日のプランを練る2人。いちご狩りのスポットはいくつもあったが一番近いスポットはいわゆるいちご農園とかではくレジャー施設の様な印象を受けた場所でそこに決めた。真観はその施設を箱根に行く途中で見たことがあった。
茶畑庵を出発する前、恒例の茶畑庵来訪者との記念撮影をする。その記念撮影に使うベンチは玄関前にいつも置いてある。そのベンチに座って写真を撮るのだが強い陽射しが横から入り腕のあたりが写真にすると白く飛んでしまう。そこで初めてベンチを移動させて写真を撮った。二人ともカメラマンだからどう撮るか?あーでもないこーでもないとやるのが意外に楽しい。
そのいちご狩りの施設は茶畑庵から30分ほどの距離にあった。駐車場に車を停め受付を済ませる。いちご狩りが出来るビニールハウスはその施設から少し離れた高台の場所にあったので他のお客をフォローしながら歩いて行った。天気は穏やかで正に早春そのもの。気持ちも晴れやかだった。早速いちご狩りを始めた。いちご狩り、すなわちいちご食べ放題ってことだ。真観もKちゃんも次から次へと赤く熟したいちごを食べる回る。う〜ん、美味しい!手には受付で配られたプラスチック製のソーサーを持ちながら。そのソーサーは採ったいちごの蔕を入れる受け口とコンデンスミルクを入れる受け口と両方の役目をしていた。コンデンスミルクと一緒に食べるもよし、そのまま食べるのもよし。でもコンデンスミルクと一緒に食べた方が多かった。『いちごって可憐ですよね〜。幸せになれる』とKちゃん。2人ではしゃぎながらいちごを次から次へと頬張る。今回Kちゃんが東京の土産で蜂蜜を持って来てくれたのでその蜂蜜が入った瓶とスプーンも持参しておいた。その蜂蜜といちごと一緒に食べてみたがそれはどうも違った。やっぱりコンデンスミルクがベストマッチだった。『じゃあ、「Today's Fashion」を撮ってもらっていい?』と真観はKちゃんにお願いするとKちゃんは広いいちご狩りのスペースで人がまだ立ち入ることが出来ないレーンを使いたいと係員に尋ねた。あっさり承諾を貰い2人は撮影を始めた。真観のカメラには撮影比率を変えれる機能があるのでスクエアフォーマットにして真観はKちゃんに自分のカメラを渡した。その方がイメージが浮かび易いと思ったからだ。それは「Today's Fashon」はいつもスクエアサイズで仕上げているからだった。撮影は計11カット。デジカメの画面で撮った画像を見直し『うん。いいんじゃない』と真観は満足げ。「Today's Fashion」を撮り慣れている真観だけに自分の表情の善し悪しは良く知っている。さてどうだろ?2人各々30ヶくらいはいちごを食べただろうか?その頃になるといちごでお腹がいっぱいになっていた。いちごでお腹いっぱいなんて初めての経験だった。このいちご狩りは時間制限はなかったが約1時間ほどで打ち止めにした。
元の施設に戻りKちゃんは家族や会社の同僚への土産を買った。Kちゃんの素晴らしいところは必ずそうやって何かを人にプレゼントしていることだ。真観はこれまで何度となくKちゃんからプレゼントを貰っている。
次なるプランとの候補として長泉町のフォトミュージアムに行くのもいいと考えていた。真観が行きたかったからだ。時間は2時。しかし真観は『折角箱根に来たんだから箱根ドライブしようよ。先ずは芦ノ湖はすごそこだから行ってみよう!』Kちゃんは東京に住み家族と暮らしているが家には車が無くドライブの経験が少ない。だからドライブを楽しんでいる様子。車でドライブしながら仕事のこと、彼氏とのこと、家族とのこと色々話してくれるKちゃん。真観も自分の考えてることをKちゃんに聞いてもらった。その会話には喉に何かが突っかかる様な障害物はどこにも無くスムースに流れる。芦ノ湖に着くと天気も上々で2人は散歩をした。この辺りは標高が高いせいか雪がまだ残っている。しかもカチカチに固まって水分を相当含んでいる。郵便局の前を通ると局員たちがせっせと雪かきしていた。真観またまた閃いた。『僕行きたい所ある!富士屋ホテルに行ったことがないから行ってみたい!』富士屋ホテルは承知の通り有名な箱根の老舗のホテル。このホテルの前も何度か通ったことがあるだけで訪れたことはなかった真観。Kちゃんに知っている限りの富士屋ホテルの情報を伝え車を富士屋ホテルまで走らせた。
15分ほどだったかそんなに遠くなく富士屋ホテルに着いた。真観の目的としてはこのホテルで食事かお茶をしたかった。そうすれば泊まらないビジ��ーでも雰囲気を楽しめるかなと思ったからだ。正面玄関でポーターに『ビジターですけど中に入ってもいいですか?』と尋ねると快く迎えてくれた。明治11年創業のこのホテル和洋折衷の様式で真観好み。Kちゃんも珍しがってあちこち探索。来て良かった。真観は、Kちゃんをあっちで撮ったりこっちで撮ったりちょこちょこ撮影を楽しむ。Kちゃっも嫌がらない。2人が行った時は既にレストランは閉まっていたがメニューの値段をチェックすると高価だった。それでお茶も諦めた。ロビーを中心にホテル内外を探索しただけでも十分楽しめた。
直営のベーカリーでクロワッサンを買って車の中で食べた。真観実はクロワッサンが好きでKちゃんも彼氏がフランス人ということで縁がある。(笑)そして長泉町のフォトミュージアムに行くかどうかiPhoneを使いネットで閉館時間を調べてみるとキャイ〜ン!休館日じゃないか。またもやと真観は思った。『ここはどちらにしても行けないですね』『私、帰りも新幹線で帰ります』そうKちゃんは言った。Kちゃんが新幹線で静岡に来たのは初めてだった。真観が安さで勧める高速バスとは違い快適さをKちゃんは優先した。それでは取りあえず三島方面に戻ろう。そして三島に近づいた頃にお腹が空いていたら何か食べよう、そういうことになった。三島といえば鰻だ。真観は三島で鰻を食べたのは一度もない。Kちゃんは三島と鰻の関係性すら知らない。鰻の他に何かあるかなぁと考えてみるともう一つ真観には行ってみたい自然食レストランがあった。あまり肉を食べないKちゃんは自然食レストランの方に興味を示したので鰻を止めて自然食レストランへと向かった。自然食レストランに着いて外壁にあったメニューを見るとこのレストランはどうもバイキング形式らしい。ディナーだと1人2.000円もした。そこでまた真観『そんなにお腹も空いていないしバイキングまでは食べれないでしょ?2人で4.000円以上掛かるのって高くない?』とう提案して止めることに。これは遠路遥々東京から新幹線に乗ってお金を使わせていることに対しての配慮であるし真観のケチ(倹約)の精神があってのこと。じゃあ真観がお金持ちになって気前良く奢ってあげればいいと思う人もいるだろうがそれは残念ながら難しいし真観はしたくもない。どちらにしてもKちゃんは嫌な顔一つ見せないのだからいいのだ。真観はそう思った。
『お蕎麦が食べたい』とKちゃんがいうので『だったらサントムーンのフードエリアに行こうよ。あそこならお蕎麦だってベジタリアン料理もあるし』それから2人はサントムーンへと向かった。サントムーンへは一度Kちゃんと行ったことがあり真観がお気に入りのウニスパゲティも食べれる。サントムーンに着いて二人ともカレーを注文しウニスパゲティも更に注文して2人で分けた。十分な美味しさで値段もリーズナブル。楽しく過ごす2人にとってはどこでも楽しいはずだ。
食後、Kちゃんは7時20分の新幹線に乗ることに決めた。丁度いいお開きの時間だ。真観は、三島駅までKちゃんを送った。Kちゃんが東京の自宅に着くころはまだそんなに遅くならない。三島駅のロータリーに車を停めて車の中で握手をしてKちゃんと別れた。
2年前、真観はKちゃんの作品撮りをしたが未だにその写真を作品として纏めていない。それをKちゃんは催促しない。何故だか分らないが一度も催促しない。それに甘えて制作を延ばし延ばしにしている真観。さてどのタイミングでKちゃんに渡そうか?そのタイミングは必ずやって来る。少なからず真観が考えていることは作品には作品撮りの時の写真だけではなく今までKちゃんと会った時に撮った写真を含めて纏めるのはどうだろうか?ということ。その日は、もしかしたらKちゃんが日本を離れる時かもしれない。
Today's Fashion(Facebookより) #12032014 思いつきで箱根と三島市の境にある伊豆フルーツパークへいちご狩りに行った。(茶畑庵から30分ほど) 静岡産いちご「紅ほっぺ」を30個くらい食べたらハルオも紅ほっぺ。w ファッションは、当然「赤」でコーディネート。 このいちご狩り、4月いっぱいまで楽しめる。(時間制限なし/1.680円也)
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2024 謹賀新年🐉
明けましておめでとうございます
年越しの足音が聞こえるなと思いながら
年末は家族みんなでお疲れ様会をして
夜更け近くまでボードゲームをしながらウトウト…
元旦にはお雑煮やお節を舌鼓して初詣に出かけて
名古屋で一番高い山の東谷山⛰️に初挑戦!
5歳の息子は一度も疲れを見せず
わたしが一番ヒーヒー言いながらも
登りきった頂上から見る景色は清々しく
空気が澄んで見渡す限りの青空が広がりました
今年一年頑張るぞという、ちからが沸きました
同時に同じ空の下で悲しい出来事が起こってしまいました
常に消えない深い悲しみを抱え
懸命に生きている人がどれだけいるのかな
前向きになんてなれなくても
ただ日々を生きることで精一杯な人がどれだけいるのかな
毎朝、おはようが言えること
あたたかいごはんが食べられること
住まいがあること、ただ笑顔で居られること
それだけにもっともっと感謝して
人と人との中で、強く生きていこうと思わされます
わたしが直接できることは無いけれど
美味しいお料理とデザートを作って
素敵なお店をつくってこれから始まる2024年に
お店で出会うお客様に幸せになってもらえたらな
ほんの1人の幸せが、2人になって3人になって・・
いつしか大きな輪 (=anello)になって
ずっと続きますように
穏やかな日々でありますようにと願います
4回目の年男の主人と
3回目の年女のわたしと
良い年になるよう頑張ります🐉!
今年もどうぞよろしくお願いします⚘
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2023/11/23
今日は、朝6時くらいには起きたはずだけどずるずるしてて8時に起床。頭の中にはふたりの、歳の離れた実在する人物。それをぶった切って、平日と同じように朝を過ごす。休日の正しい過ごし方がわからない。勉強したくない。と思いながらも図書館で借りてきた薄い本『美術館を知るキーワード」といううさんくそうに見えて割としっかりした内容の書かれた本をめくる。夕飯はラーメンにするらしいので卵を茹で、タレに漬け込んでおく。お昼、親の車でジョナサンに行き、私は和風スパゲティ、両親はそれぞれ、メキシカンピラフ、鳥の竜田揚げのおろしかけ?を食べる。どれも思ってたよりすごくうまい。が、量が多かった。祝日のお昼時で店内はほぼ満席だった。デザートも頼んじゃった。ソフトクリームが美味しかった。外食は小さい頃恐怖だった。店を出るとやっぱ暑い。11月なのに異例の暖かさだったそうだ。気持ちわるいほど春のようだ。あやしいテクノって感じの、父の今ハマっているという曲が車内で流れていた、近くの薬局に寄った、帰宅して、お茶を飲んだ、夕方、散歩に出かけた、人通りが多く、クリスマスかなんかみたいだった。18時ごろ帰宅して、夏に行った佐野SAで入手した佐野ラーメン(生麺)を茹でて食べた。SAで食べたやつより美味しいかも知れなかった。父は岐阜の「高山ラーメン」や会津の「喜多方ラーメン」と比較していた。夕食後は紅茶を入れて無印のトリュフチョコを一つずつ食べた。全然暇じゃないのに、異常にネットサーフィンをしてしまった。明日、吉祥寺にまた山本精一が来るみたいだけど多分私は残業。京都に行きたい。
密かに続けていきたいと思えることがまたひとつ。自分が撮ってきたこれまでの、少ないながらも何枚かためてきた写真を見返してみると、やっぱり写真というものはどんなにしょうもないものを撮っていたって、撮っといたほうがいいじゃないかという気分になった。もう今はないうちの車とか、今はもう放送が終わったテレビ番組のスタジオの景色とか、どんなにしょうもないものだとしても。それがいつで、どこで、私はその光景に浸されて何をしていたか。この作業は何という作業にあたるのだろう、そしてそれを、インターネットの世界にとりあえず乗っけておくことは。意味の有無は関係ないと信じられるか。まだ戻れる景色がある、そのことを、最近散歩している最中や帰り道でふと思い出す。やっぱり、やっぱり薬のせいなんでしょうか。だとしたら悲し…くもないか。「今が楽しければそれで幸せと そんなふうに過ごし それほど楽しくもなく」
私はいずれ(近いうちに)この仕事を辞めるだろう、そしたらどうしようか。ゆっくり夜、早い時間に寝られるかな。それで普通に早起きして、勉強して、1日のうちにやりたいことを書き出して、ひとつひとつチェックボックスをつぶしていく、思いの外、1日はゆっくりじっくり過ぎて、お昼は休憩含めて2時間くらいあって、また16時くらいまで机に向かって、そのあとは夕ごはんの時間まで近所を散歩する。ずっと何かに追われているんだけど、それといつか実際に対峙するために頑張ることが少しだけ楽しみですらなかったか。それは、”終わる”からっていうのが一番大きいとしても、他にも理由があった気がする。それぞれに、少しずつ異なっていても、その同じ時期に、誰かも頑張っているという状況が楽しかったんだよね。目には見えない、連帯と言い切るのも間違っているような、それぞれ異なるが、同じように”終わり”に向かうということへの深い感動のようなもの。報われるとか、結果ではなかった、そこへ向かっていくことの、抵抗と、ほんの少しだけ狂ったような感覚。この職業は本当に、最高か最低しかない気がする。向いてない奴にとっては最低でしかない。だとしたらこの今現在までの時間は無駄だったのだろうか、バカなのでそういう損得とかも深く考えられない。冬休みも年末年始も夏休みも全部、ちゃんと日常から一定の長い期間離脱できるいい時間で、かけがえがなくて、最高だったな。意地でも楽しく過ごそうとしていた、楽しく過ごせるに決まっているという自信にみちあふれていた。「すべての夢には 終わりがあるから 限りあることのしあわせ」
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寝れないターンがやってきちゃいました。LINEの切れる音で毎回目が覚めちゃうんだよね。あーあー。夢の中で今頃すやすや寝てるかな、暗くすると眠気が冴えちゃうって言ってたけどその時も声がウトウトしててかわいかったよ。
あっという間に11月。出会ったのは3月、そう思うともう春夏秋って一緒に過ごしてきてるんだね。びっくりだなぁー。始めの頃は会うなんて絶対あり得ない感じで、体重が減ったらね。とか、夏は暑いから会えても秋とかだねなんて話してたのに、そんな話をしてたのが嘘だろって思うぐらいたくさんの思い出がこの期間にたくさん出来たね。初デートのプラネタリウム、あの時は本当前日雨に濡れて熱が出てドタキャンなんてしたくない!って思って死ぬ気で治したのが懐かしいけど、あの時の自分へ…金指に移さなくてマジでよかったなって言いたいし、もうそんなことはないようにします!2回目のデートは、行こうと思った小籠包がダメで急遽しゃぶしゃぶと中華の食べ放題だったね。あの時も、なぜか俺らのところに中華が届かないハプニングがあったり、デザートのチョイスが失敗したり、今でも尚学習されてない俺のドジなところがバレちゃう瞬間だったな。あの時期はUFOキャッチャーもしまくってたね。今は俺ら抑えてます、とっってもえらい!ほかにも新宿でお泊まりして、あの時もクッソ暑くて金指のタクシー選択は大正解でした。なのに次の日は暑い中歩かせちゃってごめんね……次の夏は暑かったら即タクシーに乗ろうね。きかいじま、あの映画のシート最高だった。贅沢しちゃった。今度のすみっコぐらし、普通の椅子だけど大丈夫かな?金指は大丈夫そ?
今こんなつらつら書いてたら一年記念日の時に書く内容がほぼなくなりそうで(あるんだけもね。)一旦ストップするけど、本当にどの思い出もさぁー楽しくて。こんなに楽しい恋愛したの初めてじゃないかなってぐらい、幸せなんだよね。モヤモヤして喧嘩しちゃうこともあるけど、最初の時と比べると本当俺らちゃんと言葉にして伝えられるようになったなって。俺も黙り込んで困らせちゃうことが多々あるんだけど、金指にはちゃんと伝えたいって思うようになって前よりは伝えられてるかな…って思う。金指なら、聞いてくれるって思ってるから。信頼してる、信頼と実績の金指一世に助けられてます。
どんな時もにこにこしてて楽しそうで、かわいい金指が大好きだよ。俺の帰りを待っててくれるのも好きだし。ちゃんと言葉で好きって伝えてくれるところも大好き。探すアプリでちょいちょい見てる俺だけど(だいぶキモいよね)それでも笑ってくれる金指が好きだな。(愛想笑いじゃないよね…?!)これからも俺とたくさん思い出作って幸せになろうね。俺が幸せにするからな!!大好きだ!
深夜の浮所飛貴でした。
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ある画家の手記if.65 告白
前はこんなとき、目を閉じればそこは��だまっくらだった
香澄が帰ってきた。 嬉しくて、帰ってきて早々ソファの上で香澄を襲いかけたけど、そのあとひとまず二人でデザートのケーキを食べて、別々にお風呂に入って、物理的な距離を少しとって体を落ち着かせた。 僕のほうはあんまり熱が引かなかったけど、香澄はよそに泊まってきてさっき帰ったばかりだし、今夜くらいは自分の部屋で一人でゆっくり過ごしたいかもしれない。その場合、僕は…最終手段で。 明日は、約束した話をする日。
お風呂から上がった香澄の首の傷の手当てをする。傷はもう乾燥して瘡蓋になりはじめていたから、夜中くらいは何も貼ったりしないほうが治りが早いかもしれない。 「一番柔らかい生地のパジャマどれだっけ。着てみて擦れても痛まなかったら、今日は消毒だけにしておこうか」 「柔らかいパジャマ…かいじゅうくんのだ」ちょっと嬉しそうな顔をした香澄の頭を撫でて笑う。「じゃあ今夜はかいじゅうくんのパジャマにしようか」 香澄の部屋でかいじゅうくんのパジャマをクローゼットから出して香澄に着せて、痛まないかどうかを確認する。大丈夫そうだったから、香澄の頰に手を添えて額に唇を押しつけるみたいにキスしてから、香澄をベッドに入れて、あったかいように首元まで布団を上げてかけた。顔だけ布団から出してこっちをじっと見てる様子がかわいい…。枕に手をついて体を折ってもう一度今度は香澄の頰にキスすると、香澄の髪の毛に触れて伸びてきた毛先を指の腹で撫でながら微笑みかけた。「おやすみ、香澄」
そのあと僕も自分の部屋に戻って、一度ちゃんと布団に入ってみる。でもどうしてもこのまま寝付けそうになかった。 布団から身を起こしてしばらくぼんやりすると、小さく嘆息して仕方なく布団を少し折りたたんでよける。ベッドの壁側に枕を積んで、クッションにして壁に背を預けて膝を立てて座る。下だけ足元まで下げて脱いで、しっかりたってる自分のに手を添える。 前はこんなとき、目を閉じればそこはただまっくらだった。それでも体への刺激だけで出してさっさと終わらせてしまって、それだけの、無味乾燥とした行為だった。 今は目を閉じたら香澄が頭に浮かぶ、いろんな時の、いつからそうなったのか分からないけどただの手先での刺激が何倍もそれで気持ちよくなる。気持ちいいだけじゃなくて、あったかくて幸せな気持ちになる。一番最近したときの香澄を思い出す、僕のすることに気持ちよさそうに喘いで蕩けて僕を見つめる、かわいかったな、いつもするたびにもっともっとしたくなる、僕のペースに付き合わせてたら香澄が疲れ果てちゃうから翌日なにもない日以外はいつも僕はすこし抑え気味。それを遠慮なくするのを想像してみる、…今日はちゃんと家にいてくれる… 触れたい 細くて柔らかいあったかい色の髪の毛 僕のほうを見つめる大きな瞳 白い頸 体に 触れたい 抱きたい…「……っ、…かすみ…」気持ちよくて背が丸まって 項垂れる いきそう 目をぎゅっと閉じた その時 「なおとー、今日一緒に寝た…ぃ…、…」突然ドアが開いて香澄が目をこすりながら入ってきた …ノック聞こえてなかった… 状況を一瞬で把握した香澄の語尾が消えていったと思ったら「ごめんなさい!!」て顔を赤くしてすごい勢いで部屋から出ていってドアを閉められた、「…っ、ちょ、ちょっ…と、香澄!」ここでやめるのはかなりきつかったけど僕は急いで服を着なおしてベッドから降りるとドアを開けた、香澄はドアのすぐ横の床の上に三角座りして顔を腕の間に埋めてこれ以上ないくらい小さくまとまってた、いや…いま恥ずかしいのは僕だから… 「…あ、あの、香澄、ごめん、鍵もかけずに…へ…変なとこ見せて…、」香澄が首まで赤くして手のひらで自分の顔を覆う、僕も慣れない状況に顔があつくなる、つい最中に名前呼んだのも聞かれてたかな…「…気にしなくていいから、もう、…わ、忘れて…。」恥ずかしい、僕が蹲りたい…。 香澄の頭に手を置いて、なんとかそれだけ言って香澄の横に膝をついて香澄の顔を覗き込む。香澄は真っ赤な顔をあげて、眉を下げて泣きそうな顔をして言った 「ごめんなさい、急に入ってきて…じ、邪魔して。直人もひとりでしたい時も…あるよね、もう勝手に入ったりしないから…」赤くなったまま申し訳なさそうに僕の顔から視線を逸らしておどおどする、香澄に言っていいのか迷ったけど、ちょっと誤解があるみたいだし言っておきたい 「僕は…ひとりでする時も、香澄以外のひとのこととかを考えてすることは、ないよ… 邪魔なんかじゃない。…外泊したりして疲れてるんじゃないかと思って、今夜はゆっくりしてほしかっただけで…」香澄の頭を優しく撫でて、恥ずかしいのか、なかなか僕のほうを見ない顔を、頭を傾けてよく覗き込んで、微笑んで話しかける。「…恥ずかしかったけど、部屋に来てくれたのは嬉しかったよ。…一緒に寝たかったの?」 香澄は視線を泳がせながらやっと僕を見て答えた。 「部屋に、入ったときは、し、したいとか考えてなかった…一日会えなくて寂しかったからまだいっしょにいたいなって、思って…」 蹲ったまま小さくなってる香澄の体に腕を通して抱き上げる。香澄はおろおろしながらも嫌がらないで僕の首に控えめに腕を回してきた。そのまま香澄を抱っこして、背中を撫でながら僕の部屋に一緒に入る。 香澄をベッドの上におろして、僕もベッドの上に座る。一緒に寝るために折りたたんでよけてた布団を開いてもとに戻そうとしてたら、香澄が背中にぎゅっと抱きついてきた。「………香澄?」 僕の腰に回っていた香澄の手が下りてきて僕の足の付け根に触れて思わず振り返った。小さめのルームランプしかつけてなかったから暗くて香澄の表情が確認できない。「…香澄? いいんだよ、今日は… 香澄がそういうことするつもりじゃなかったなら、…っ……」途中で声に詰まる、香澄が後ろから手を伸ばして服の上から僕のを撫で上げてきた、まだ完全に萎えてなかったせいですぐに反応して、どうすべきか狼狽える「香澄、無理しないで…「直人、」香澄が僕の首の後ろにキスして背中から言った「途中だったんだよね。…俺もいっしょにやらせて」「…え。」 いっしょに、って、どういう、? 戸惑ってる間に香澄の手がパジャマの中に入ってくる、ゆるく撫でられてさらに固くなる、…香澄が僕の手をとって僕に自分で握らせた、僕の手の上に香澄の両手が重なってきた、そのまま僕の手を導くみたいに香澄が上からしっかり重ねた手を握って動かして… な、に これ…「…か、かすみ、…っ、」「…嫌?」「ち、が…」嫌なんじゃなくて「こ…れ…っ、……は…恥ずかし…い…」香澄に自慰を手伝ってもらってるみたい 自分の手でしてるのに、香澄の手で動かされて扱かれてて 体あつい…恥ずかしくて頭どうかなりそうだ 息が乱れて、そのまま我慢できずにイった …っていうか…イかされたっていうか… 「…っ…、…は……、…」息を整えながら体ごと振り返って後ろにいる香澄のほうへ向き直った、僕のを扱いてる間に背中に香澄のが当たる感触がしたから「香澄…、僕もしたい」二人とも座ったまま、正面から香澄の腕を引いて顔を引き寄せて深く唇を合わせる、ようやくちゃんと顔が見れて胸が一杯になる、間近にある香澄の目がとろんと優しく溶けて細まって僕の目を見つめ返してる ずっと香澄の唇を追うように口付けながら、さっき僕が背中を預けてた枕を敷いた壁に香澄の体を押しつけて、キスしながら片手で香澄の片手をとって指を絡めて握る、香澄も握り返してきた、香澄のパジャマの中にもう片手を突っ込んで、固くなった香澄のを握って緩やかに扱き始める 「ん…ぅ、…」何度も深いキスを繰り返しながら唇が離れたら名前を呼ぶ「……、かすみ…」「…っ…ふぁ、…なおと…すき…」少しずつ手を早めながら香澄の後ろの壁にもう片腕をついて香澄の頭を囲む、唇を離して頰にキスしてから香澄の髪の毛に顔を埋めるようにして耳に唇をあてて囁く「香澄、かすみ…かわいいね…香澄がいなくて寂しかったよ…」僕の言葉と一緒に耳の中に息が入っていくたびに香澄の体がびくびく痙攣する… かわいい…「部屋に来てくれて嬉しかった…ずっと香澄に触れたかった、会いたかった… …愛してる…」「ーーーっ…」香澄の首が背中ごと僅かに反って、僕の手の中にじわりと濡れた感触が拡がっていった 「………。」香澄が息を整えてる様子を見ながら、僕は自分の手のひらに残った香澄のを香澄の目の前でべろっと舌で舐め上げて飲んだ。見ながら香澄が顔を染めて聞いてくる。「な、直人は、やじゃない…?そういうの…」口の端をあげて自信たっぷりに答える。「好きでやってる」
お互いに一度達したから、今日はここでおしまい。僕はしようと思えば続けてできるけど、しっかり眠って、明日ちゃんと落ち着いた頭で香澄と話したいから。 一度二人ともベッドから降りて、今度こそ寝るために布団と枕を綺麗に整えて、僕が先にベッドに横になる。布団を持ち上げてから「おいで」って香澄に笑いかける。 香澄は幸せそうに顔を緩めて笑って、僕に抱きつくみたいにして持ち上げた布団の中に飛び込んできた。
続き
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