#文章プロデューサー
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みんなが好きな「『百年の孤独』みたいな大河小説」ベスト10|秋永真琴
『楡家の人びと』北杜夫
『チボー家の人々』ロジェ・マルタン・デュ・ガール
『ブッデンブローク家の人びと』トーマス・マン
『大地』パール・バック
『千年の愉楽』中上健次
『べっぴんぢごく』岩井志麻子
『笛吹川』深沢七郎
『ルーツ』アレックス・ヘイリー
『アブサロム、アブサロム!』ウィリアム・フォークナー
『永遠の都』加賀乙彦
『警官の血』佐々木譲
『天冥の標』小川一水
『紀ノ川』有吉佐和子
- - - - - - - - - - - - - - - - 「響け!ユーフォニアム」も部活の年代記なのかも。
(順不同)
『ときめきトゥナイト』池野恋
『精霊たちの家』イザベル・アシェンデ
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
『炸裂志』エン・レンカ
『大聖堂』ケン・フォレット
『警察署長』スチュアート・ウッズ
『枯木灘』中上健次
『奇蹟』中上健次
『ワイルド・スワン』ユン・チアン
『邯鄲の島遥かなり』貫井徳郎
『平家物語』古川日出男/訳
『血脈』佐藤愛子
『源氏物語』紫式部
『奏で手のヌフレツン』酉島伝法
『俺の屍を越えてゆけ』桝田省治(ゲームデザイン)
『助左衛門四代記』有吉佐和子
『指輪物語』J・R・R・トールキン
『チグリスとユーフラテス』新井素子
『星へ行く船(他、コバルト文庫のシリーズ)』新井素子
『彼方なる歌に耳を澄ませ���』アリステア・マクラウド
『火星夜想曲』イアン・マクドナルド
『黎明の王 白昼の女王』イアン・マクドナルド
『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
『ジョイ・ラック・クラブ』エィミ・タン
『ウォーリアーズ』エリン・ハンター
『異形の愛』キャサリン・ダン
『王朝四代記』ククリット・プラモート
『ベルリン三部作(1919・1933・1945)』クラウス・コルドン
『六道ヶ辻シリーズ』栗本薫
『鳥の歌いまは絶え』ケイト・ウィルヘルム
『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド
『征途』佐藤大輔
『あすなろ坂』里中満智子
『ケインとアベル』ジェフリー・アーチャー
『ゲームの達人』シドニィ・シェルダン
『氷と炎の歌』ジョージ・R・R・マーティン
『エデンの東』ジョン・スタインベック
『グリークス』ジョン・バートン/ケネス・カヴァンダー(編)
『リーマン・トリロジー』ステファノ・マッシーニ
『雪の練習生』多和田葉子
『鯨』チョン・ミョングァン
『火の山-山猿記』津島佑子
『レオポルトシュタット』トム・ストッパード
『地の果て至上の時』中上健次
『岬』中上健次
『彼女はマリウポリからやってきた』ナターシャ・ヴォーディン
『九時半の玉突き』ハインリヒ・ベル
『土地』パク・キョンニ
『レ・ミゼラブル』ビクトル・ユゴー
『棺のない埋葬』 ファン・ファン
『楊家将演義』作者不明
『デューン砂の惑星』フランク・ハーバート
『ゴッドファーザー』フランシス・フォード・コッポラ監督
『北京から来た男』ヘニング・マンケル
『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』堀井雄二(ゲームデザイン)
『舟を編む』三浦しをん
『櫂』宮尾登美子
『孟夏の太陽』宮城谷昌光
『血族』山口瞳
『華麗なる一族』山崎豊子
『大奥』よしながふみ
『血脈 西武王国・堤兄弟の真実』レズリー・ダウナー
『シンセミア』阿部和重
『流離譚』安岡章太郎
『雲の都』加賀乙彦
『ロマンシングサ・ガ2』河津秋敏(ゲームデザイン)
『サガフロンティア2』河津秋敏(プロデューサー)
『颶風の王』河﨑秋子
『リア家の人々』橋本治
『アラビアの夜の種族』古川日出男
『聖家族』古川日出男
『白夜を旅する人々』三浦哲郎
『導きの星』小川一水
『地図と拳』小川哲
『機動戦士ガンダムAGE(小説版)』小太刀右京
『われ逝くもののごとく』森敦
『本格小説』水村美苗
『始まりの魔法使い』石之宮カント
『夜明け前』島崎藤村
『カムカム・エヴリバディ』藤本有紀(脚本)
『男樹』本宮ひろ志
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「セクシー田中さん」調査報告書、日テレ版より小学館版の方が圧倒的に「作品内容についての具体的なやり取りの内容」が伝わってきて良かったです。印象3つ述べると①小学館担当編集者は想像してたより断然仕事してる②諸悪の根源扱いされてる脚本家は被害者要素も③一番やばいのは明らかに日テレのプロデューサー(小学館版ではY氏、日テレ版ではA氏と呼ばれている人)と思った。 なんかこの >>> 「原作者」→「小学館担当者」→「日テレ担当者(プロデューサー)」→「脚本家」 <<< っていう”グダグダ伝言ゲーム”が全然機能してなくて、原作者の声を小学館担当者はかなり豊富なニュアンスも含めつつ日テレへの配慮も込めつつ丁寧にコミュニケーションしてる印象があったが、なんかそれがなぜか脚本家まで全然伝わらない感じ。 イメージ的には、「原作者」のところで100ぐらいだったメッセージが小学館担当者で95ぐらいになり、その後日テレプロデューサーのところで突然30ぐらいになって、それを元に脚本家が書いた30%しか原作者の意図が伝わってないプロットが原作者のところに戻ってきて原作者が唖然とする、みたいな? ひ��っとすると小学館担当者は当初は気を使ってマイルドにマイルドに言い過ぎて、日テレプロデューサーは面の皮が厚すぎてメッセージが届かなかったのかもしれないが、それにしたって最後の方になっても日テレプロデューサーが全然この伝言ゲームにちゃんと参加できてない感じなのはなんかものすごいヤバい不作為を感じた。 なんせ、制作が進むにつれてどんどん信頼関係が破綻して、最終的に原作者が >>> 「このメールの言うことを一言一句確認してこの通りやってくれないと許諾を取り消します」 <<<< っていうどう読んでも正真正銘「ガチギレメール」を送ってきて、小学館担当者も今まではソフトな言い方に転換して伝えてたけどこうなったらしゃあないと思ってその「ガチギレメール」をそのまま日テレプロデューサーに転送してるのに、まだその後もちゃんと意図が伝わっておらず、脚本家にはどうもその指示が届いてないかのようなプロットが上がってきて決裂する・・・とか、普通に考えてなんでこんなことが起きるのかわからん。 大事な取引先が見るからに大激怒してて、「このメール一言一句読め!」ってビジネスマナーも吹き飛んじゃったぐらいの剣幕のメール送ってきてるのに、その後それが担当部署に伝わらないとかってことあるぅ? テレビ業界にはときどきそれほどまでに原作者を見下してる人もいるってことなんだろうか? ・ あと気になったのは、小学館版報告書にちらほら載ってる「メールの文章の地の文」「電話やLINEでの発言のトーン」とか考えると、 原作者・小学館担当者は、 >>> 「このキャラはこういう理由でこの行動をしているので、このセリフをここに持ってくるのはやめてください」 <<< とかなり”ニュアンスや奥行き情報つき”で伝えているのが、日テレプロデューサーを経て脚本家に伝わるときには、 >>> 「原作者の意向で、このセリフは良くないので変えてくれっってことらしいっす!」 <<< …ぐらいしか伝わってないんじゃないか?というような印象を受け(日テレ版報告書との記述レベルの違いなどからも感じられる)、そして脚本家の方も「理由がよくわからないリテイクの繰り返し」に困惑し疲弊しているようなところがあったような。 あまりに日テレプロデューサーのところで情報が途絶しすぎていて、何か脚本家さんの落ち度をごまかす隠蔽のために罪をかぶってたりするんじゃないかと勘ぐってしまうほど(あまりに厳しい言葉の指摘は日テレプロデューサーが間に入って要旨だけ伝えてほしいと要望するなど、脚本家さんが完全に無罪だとも言い切れないようなことを描写も少しはあったので) でも少なくとも報告書を素直に読めばとにかく日テレプロデューサーが仕事できなさすぎてなんかヤバい感じ��しました。 ただこの人は、ゴールデン?でドラマ担当するのは初の若手さんだったらしく、そして報告書の最後の方にあったけどプロデューサーの仕事はあらゆる関係者がひっきりなしに要望を述べまくってくるのを捌く必要があって、経験の少ない若手には荷が重すぎる任務だったのかもしれない。 けど、それならそんな若手に、異例なほど難しい案件を異例なほどタイトなスケジュールでやらせる事自体駄目だったんでは、という感じがしました。 ・ とりあえずざっくり感想でした。 あ、日テレ版の報告書は、「原因究明」はよくわからん言い訳ばかりして終わった印象だったけど、例えば別紙3の「有識者の方からいただいたコメント」とかで他の漫画家さんとかが、どうやって脚本家とコミュニケーションするのか、とか話してる再発防止策とかはいいなと思いました。 「原作者の性格は人それぞれだから決まった正解はない」ってどちらの報告書にも書かれてたけど、でもやはりこういうのは一回だけでもいいから「直接密に」やりとりできるような機会がないとすり合わせるのは難しいと思ったなあ。 あと、小学館の報告書見てると、「自営業者が命をかけて作った作品」が、「メディアの正社員」の気まぐれでザクザク手を入れられてしまうときの「痛み」みたいなのが自分の経験からもめっちゃ感じられてそこは心が本当に痛かったです。。。 再発防止にちゃんと役立ててほしいですね。
Xユーザーの倉本圭造@新刊発売中です!さん
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Persona 3 Movie Spring of Birth blu-ray interview.
劇場版「ペルソナ3」第1章
インタビュー
熊谷純 (脚本) & 田口智久 (シリーズ演出・第2章監督/第4章監督) & 足立和紀 (プロデューサー)
劇場版「ペルソナ3」はこうして生まれた
今期は、「PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth」Blu-ray&DVDのブックレットの対談ということで、お三方に集まっていただいたわけですが、そもそも本作はいつぐらいから動き出されたのでしょう?
田口 脚本会議が本格的に始まったのっていつでしたっけ?
熊谷 第一章の脚本を書き始めたのが一昨年(2012年)の9月くらい?
足立 今、そのときの議事録を確認してるんですけど⋯⋯第一回の会議が2012年の8月になっていますね。ただ、企画自体はそれより前に動き出していて 「PERSONA4 the Animation -the Factor of Hope -」(劇場上映)で情報解禁できれば、という話をしたのは、TVアニメ「ペルソナ4」(2011年10月~2012年3月放送)が終わったあとのスタッフとの打ち上げの場でした。
熊谷 酒の勢いで決まったわけですね。
田口 やめてください(笑)。
足立 いろいろな要素を加味した結果、そこが一番良いタイミングじゃないかと。断じてお酒の勢いではありません。
田口 情報解禁したときの理が召喚器を撃つパートアニメーションは渡部圭祐さん(キャラクターデザイン/アニメーションディレクター)に描いていただいたんですけど、あの時点ではまだ、劇場版のお仕事を渡部さんにお願いするとも正式には決まってなかったんですよ。なのに描いて頂けて、本当にありがたかったです。
そうだったんですね(笑)。では実際に劇場版の「ペルソナ3」を制作するという話を聞いたときは、いかがでしたか?
熊谷 「ペルソナ3」はすごく好きだったんで、それはぜひやりたいと。ただ、ストーリー構成は「ペルソナ4」以上に難しそうだとも思ったので、そこはどうしようかなって。
田口 どうするも何も、熊谷さんがうまく書くしかないですよね(笑)。
熊谷 まあそうなんですけど(笑)。「ペルソナ3」ってゲームとしての完成度がずば抜けてる作品だと思ってて、だからこそゲーム以外では成立しにくい要素が多いんですよ。一番わかりやすいのが、タルタロスですね。
田口 ゲームでは基本的にレベル上げの場所ですからね。
熊谷 そうそう。でもアニメの劇中で「今レベル上げしてます」とは言えないし。だからといってタルタロスを出さない 「ペルソナ3」なんてもっとありえないでしょ?
足立 登っていることにも、実はちゃんと意味がありますからね。ゲーム的要素といえば、今回はキャラクターが武器を持って戦います。
熊谷 その設定っていつ決まったんですか?
田口 あれは、岸(誠二)さん(スーパー バイザー)と飲み屋で話しているときに出たアイデアです。
足立 岸さんから、「ペルソナ4」とは違ったアクションを見せたほうがいいのでは?と言われて。武器を持たせる事は当初全く考えていなかったので盲点でした。でも、言われてみれば桐条グループという設定を使えば武器を持つ理由も作れるし、いいアイデアだなと思って盛り込むことになったんです。「ペルソナ4」では仲間達も本当に普通の高校生だし、敵も主に仲間のシャドウで人間の形をしているという事もあったので、武器で攻撃しちゃうのはさすがに⋯⋯ということで避けていたんですけどね。
熊谷 登場人物が武器を持って戦うのって、やっぱ画面映えするしカッコイイですよね。でも武器を持つことによって、今度はペルソナとの差別化をしなきゃいけなくなって。
田口 アニメの「ペルソナ4」みたいに常にペルソナを召喚している状態だと、武器を使うタイミングがな いですからね
熊谷 だから今回はペルソナの召喚を原作通りスキルとして扱ってるんです。武器では倒せないような敵に、そのつど召喚して強烈な一撃を叩き込む必殺技。ただしスキルだから、召喚するとその人物は消耗してしまう。
田口 だから召喚しっぱなしにはできない。普段は武器で戦わなきゃいけない、と。
足立 でもそのおかげで、理の連続召喚とか順平のガス欠とかの見せ場も作れたのでよかったと思いますよ。
田口 ペルソナを乱発するとすぐガス欠になっちゃう。そういうところは結果的にすごく原作の雰囲気に近付きましたよね。
主人公“結城理”を生み出す苦労
そういう意味では、「ペルソナ4」以上に原作を忠実に再現しているというところでしょうか?
足立 そうですね。原作を忠実に再現しようというのは当初からのコンセプトです。
熊谷 でも実際は、原作どおりに見せつつ、いろいろ変えてるんヴぁですけどね。厳密に言うと変えているように思われ ないように作る、という事になるかも。
足立 そうですね(笑)。アルカナの設定とかペルソナのルールとか、大幅に設定を変えている部分もあります。コミュエピソードに関しても全コミュをMAXまで上げるのは時間の都合上どうしても無理なので、結構カットしていますからね。あとはなんといっても主人公の理のキャラクター性です。これは完全にアニメオリジナルなので、ファンのみなさんにこうじゃないと言われないかビクビクしながら作っていますね(笑)。
熊谷 理には特に気を遣いましたね。最初の脚本だともっとトゲのあるキャラクターだったんですが、いろんな方に「やりすぎだ」と言われましたし(笑)。
田口 主に足立さんが仰ってたんでしたっけ?
熊谷 もうちょっと、“かわいげ”がほしいって言われました。
足立 ああ、僕かも。でも熊谷さんの琴線には、その“かわいげ”がまったく触れないみたいで(笑)。女性的にして欲しいという事ではなく、主人公としてちゃんとファンに愛されるキャラクターにして欲しいという意味なんですけどね。キツイ言い方をしていても憎めないような。
熊谷 劇場版1作90分という時間はやっぱり短くて、その中で理にはきっちり主人公として立ってほしかったんですよね。ただそれを意識しすぎると、どうしてもインパクトのあるセリフの方に偏っていっちゃう。それがみんなにはキツイと思われたんでしょうね。ていうか、そもそも「ペルソナ3」の主人公って俺の中ではけっこうキツイこと言うやつってイメージだったんですよ。代表的なセリフは「どうでもいい」だし、選択肢でも突き放すようなもの多いし。
田口 主人公へのイメージって人それぞれだから本当に難しいですよね。スタッフの中にも、もちろんお客さんの中にもみんな「わたしの主人公像」みたいなのがある。
熊谷 理のキャラクター調整は、そういうみんなの中の「わたしの主人公像」にいかにして近付けるか、みたいな感じでした。大変だったよ。どんなセリフにしてもスタッフの誰かが文句言うんだもん(笑)。
足立 でも、作品を見てくださったお客さんのなかには、理が自分の描いていたイメージとピッタリだったって方もいらっしゃいましたからね。
熊谷 結果的には、いいチューニングになったんだと思います。
足立 今、過去の会議の議事録を見返していたんだけど、第5回の議事録で「主人公���検討。現状、少しきつすぎる?」ってある(笑)。
熊谷 トゲトゲしすぎていた頃かな?どこのシーンでのことだろう⋯⋯。
田口 順平に対してですかね?
足立 そうですね。脚本の初稿を読み返してみると、順平と友近とゲームセンターで遊ぶシーンで、友近が一緒に楽しもう的なセリフを言ったあとで、理が「最初で最後だな」って言っちゃうという(笑)。
田口 突き放しすぎ(笑)。
足立 そのあと友近が「最後なんて言うなよ」って(笑)。
田口 周囲のキャラクターが優しい!
熊谷 え、でもゲームの選択肢だったらありそうじゃね?
足立 あとは、風花が夏紀に突き飛ばされたあとで、たこ焼きを食べるシーンもそうかな。初稿では、たこ焼きじゃなくておにぎりなんだけど、風花が「ごめんなさい。なんかもらっちゃって」って言ったあと、理が「120円」って(笑)。
田口&熊谷 ひどい(笑)。
足立 そのあと風花が「う、うん。あとで払うね」ってなってて。
田口 やっぱり周囲の優しさがないと成立しないキャラかも。
足立 あと、最後の風花を救出したあとのシーンでも、順平が風花の復帰パーティをしようみたいなこと言ったあとで、理が「せいぜいがんばれ」って返してますね(笑)。
熊谷 いや、そこまでくると、そのバージョンで見たくなりませんか?
足立 たしかに初稿バージョン見てみたいかも。ファンのみなさんにも見せて、ちゃんと吟味して決定稿に至っているんだということを伝えたい(笑)。
熊谷 じゃあ、コンテは田口さんに描いていただいて。
田口 なんでわざわざボツ稿を描き起こさなきゃいけないんですか(笑)。
熊谷 でも、初稿ってその他の部分だとじつは原作に一番近いんですよね。初稿だと後半の風花救出シーンで、理も一緒にタルタロスに潜入していましたから。ただ、そうしてすんなり物語に組み込んでいくと、結城理の物語から逆に逸れていってしまうので、彼にどんな引っ掛かりをつくっていくか、かなり悩みました⋯⋯。ゲームを忠実に再現すると、どうしてもゲーム寄りの人格のない主人公になってしまう。そうすると理の物語ではなく、個性をしっかり持っている仲間たちの物語になってしまうんです。あくまで本作は結城理の物語でなくてはならないという意識もあって、初稿から強い個性を与えたかったんだと思いますね。
田口 主人公といえば、名前もかなり時間をかけましたよね。
足立 かけましたね。最初は“月”に関係する言葉で考えていていくつか候補を挙げていました。
熊谷 ただ、それだと狙いすぎているという話にもなって⋯⋯。
足立 そうそう、なんだかホストみたいな名前が多かった(笑)。
田口 “結城理”って名前に決めたのは足立さんでしたよね?
足立 “結城”は比較的早めに決まったんだけど、名前は悩みました。
田口 最終的に“まこと”が“つかさ”まで絞れたんですけど、“つかさ”だとアイギスが主人公を呼ぶときに「つかささん」になってしまって呼びつらいからということで、“まこと”に 決まったんですよね。そんな理由でいいのかよって感じですが(笑)。
熊谷 まあ第2章の途中までは、脚本上“山田月太郎”で進めていたぐらいですから、いいんじゃないかと(笑)。あとは舞���版「ペルソナ3」の男主人公の名前を他の候補の中で挙がって いた“朔也”にさせて頂きました。
劇場作品だからできたこだわり
ほかに、第1章でみなさんが印象に残っているシーンはありますか?
田口 自分で絵コンテを切ったからという理由も大きいと思うんですが、オープニングにあわせて主要キャラが登場するシーンは、ああいう形にしてよかったなと思っています。
足立 当初は、もっとゲームのオープニングムービーに近い案もありましたよね?
田口 そうなんです。ゲームのオープニングのようにデザインチックなものも考えたんですけど、やっぱり見てくださるみなさんはキャラクターの顔を見たいだろうと思って。あそこで思いとどまって正解だったと思います(笑)。
足立 自分は印象に残っているシーンというより全体の話になるのですが、画面作りでいえば、やはりカラコレ(カラー・コレクション)について ですかね。
田口 そうですね。完成した画面にフィルターをかけたり、コントラストを調整したり⋯⋯フィルムの色を最終調整する技術なんですけど、これをやると画面の情報量が上がってフィルムのグレードが格段にアップするんです。今回は、映画やミュージシャンのMVなどを手がけてらっしゃる茶圓一郎さんという方が参加してくださって、すごくいい仕事をしていただきました。
足立 画面がリッチになるんですよ。実写的な色の作り方で、季節感とか時間帯とかも加味した目を飽きさせない画面作りになる。
田口 ぜんぜん違いますよね?
足立 ぜんぜん違う。一度あれを見ちゃうと、ないと物足りなく感じてしまう。
田口 あとは、原画を描く紙も大きなものを使っています。通常のアニメはA4サイズが多いんですけど、今回はB4サイズで描いています。これは、渡部さんからの要望でした。たしかに大きい紙にたくさん描き込めるので、情報量が増えることで密度も増しますし、実際に作業してみて劇場作品は大きい紙のほうがいいなと感じました。
足立 今回、渡部さんに作画の主軸になって頂けたのは大きかったよね。
田口 とにかくメチャクチャうまいですからね。いつも助けてもらっています。
足立 印象に残るシーンの多くは、渡部さんの作画だよね。第1章だと、理が最初にペルソナを召喚するシーンとかかな。
田口 TVアニメ「ペルソナ4」だと、 第1話ラストの鳴上悠のドヤ顔とか(笑)担当されてました。すごく真面目で仕事に対する責任感も非常に強い方なので、頼りにさせていただいてます。あとは、渡部さんが副島さんの画風を非常にリスペクトしているというのもポイントだったかもしれないですね。ご自身で副島さんの画集を買われていましたから。
足立 キャラクターの設定画もうまいんですよね。今回の劇場版は渡部さんに設定を描いてもらえたのは本当に大きかったと思いますよ。このBlu-ray&DVDのジャケットイ ラストも渡部さんですし。
そうなんですね。ほかに何か「じつはこんな要素を盛り込んでいた」なんていう隠しネタなどはありますか?
田口 隠しネタかぁ⋯⋯コミュキャラ をこっそり散りばめてあるとかかな。
足立 それは、公開後すぐにみなさん気づいていて、さすが��なと思いましたよ。あとは⋯⋯公式HPでも公開されていましたけど、田口さんの絵コンテのラクガキ絵は面白いですよね。本編で描かれるわけではないので、本当に完全に隠しネタですが。
熊谷 そんなことやってたんだ。
田口 あれはもう、確実に心に余裕があるときだけです(笑)。
熊谷 でも、ああいうのって余裕なくてもやっちゃわない?
田口 たしかにうっかりやってしまいますけど⋯⋯、余裕がないときはやっても消します。逆に余裕があるんじゃないかと思われちゃうので(笑)。
足立 ほかに何かあります?隠しネタ。
田口 う~ん⋯⋯言えない秘話ならあるんだけど。
足立 どんなの?
田口 いや~、これはさすがに言えないですよ。
熊谷 試しに言ってみて。大丈夫かもしれないじゃん?
田口 う~ん⋯⋯じゃあ⋯⋯。
(注:本当に掲載できないお話でした)
足立 あ~(笑)。
熊谷 それは絶対ダメなヤツだわ(笑)。
田口 だから言ったのに!
ディレクターズカット制作秘話
今回はDC(ディレクターズカット)版ということで追加シーンがあるわけですが、劇場公開時にこれらのシーンはどういう理由でカットされたのでしょう?
熊谷 それは俺も聞きたいです!
田口 熊谷さんとしてはせっかく書いたシーンなんですから、全部入れてほしいですもんね(笑)。
熊谷 脚本の段階でDC版があるという事は把握しているのですが、実際にどこを上映時にはカットするかというのは俺は判っていなくて。試写で見て、「あれ?あのシーン、カットしたんだ⋯⋯」って初めて気づくんですよ。
田口 今回、上映時の尺を90分目安にしていたんですが、コンテを切った時点で100分近くありましたね。そうなると、ちまちました細かい尺調整では収まりきらないので、どこかのシーンをカットすることになります。
足立 劇場公開版を約90分としているのは、お客さんに飽きさせず、どれだけ気持ちよく見せるか、流れを途切れさせずに見せるかという点を重視しての事です。但し、それは劇場で観るときの感覚なので、ビデオを買って家のリビングで観る感覚はまた違いますからね。ファンの方がどうしても観たい原作名場面シーンというのもあるし、脚本の段階ではとにかく盛り込む事から始めて、DC版には収まるかな、とかこれはカットしないと駄目だな、とか を考えながら編集時に決めていくわけです。ビデオを買ってくれた方へのお楽しみ要素というのももちろん大きいですしね。
DC版で収録されているシーンとして大きいところだと、病院で理が目覚めるシーンと、モノレール戦のあとでモノレールを止めるシーンがあるようですが、それ以外にはどんなシーンがあるのでしょう?
足立 それ以外は、テストのシーンとか部活のシーンとか日常生活の点描ですね。あ、ベルベットルームのシーンも追加されています。ペルソナの説明をしているシーンをカットしちゃっているという(笑)。
熊谷 あ、そうだったんだ。気づかなかった(笑)。
田口 制作スタッフも意外と気にならずにすんなり観れてるんですよね(笑)。
足立 あそこは悩んだんですよね。どうしても原作のゲームを知らない人には説明不足になってしまうので。ただ、ドラマを優先していくと、どうしても説明台詞が中心となるシーンの方がカット候補になっていくんですよね。そこのバランスをとる作業はかなり大変でした。
DC版に追加されたシーンは、最初から用意はされていたんですか?
田口 そうですね。普通のアニメーションって、コンテを切って作画に入り、作画が完成したところでカッティング(※)をしてからアフレコという流れなんですが、今回はコンテであらかじめアフレコ用にカッティングをして、その後作画に入り、作画が完成したところで更にカッティングをするというひと手間多い流れで制作しています。だから、コンテで描いていたDC版のシーンもアフレコしてあるんです。
熊谷 それってやっぱり大変なやり方なの?
田口 一長一短ですね。声がすでにあるので、演技に合わせて絵を作れるというのはメリットとして大さいですよ。
足立 でも、それはDC版じゃなくても同じことじゃない?
田口 DC版のためだけにやるってことなら、正直めんどくさいだけですよ!(笑)
足立 だよね(笑)。
田口 劇場公開用のものの納品が済んで終わった気になっているのに、公開後もDC版の作業を続けないといけないんですから!
足立 こういった、現場の人のき労が詰まっているのがDC版なんです(笑)。
熊谷 うまいこと締めようとしてる(笑)。
では、うまく締まったところで、Blu-ray&DVDを買ってくださったみなさんへメッセージをいただければと。
田口 第2章では僕が監督を務めさせていただきます。第1章に負けないような作品に仕上げる意気込みで制作していますので、第1章を楽しんでくださったみなさんは、引き続き第2章も楽しんでいただければと思います。
熊谷 第2章といわず、最後まで楽しんでいただけるとうれしいです。
足立 この度はBlu-ray&DVDをお買い上げ頂きありがとうございます。是非繰り返しご覧頂いた上で、第2章以降も劇場に足を運んでいただけるとうれしく思います。
ライター:長谷川暢俊
編集:片山和哉(電撃マオウ編集部)
カラー・コレクション before after
C-053
[before]
白熱灯の明かりを受けた、全体的に均一な状態。
[after]
直後に影時間になるカットのた��怪しげな雰囲気が出るよう全体的にブルーグレーに寄せてコントラストを締め込み、理の手前と通路の奥に別々の濃淡をつけることで奥行きを出している。
C-329
[before]
影時間のグリーンで統一されている画面。
[after]
全体的にコントラストを締めつつ手前をより暗く落とし、奥の方の空と炎の上がる先の上空に光の影響として差し色を入れている。
※「カッティング」⋯⋯カットごとの時間を調整��たり、演技やセリフの間を調整する編集作業。
TVアニメでは30分枠に収まるようにここで時間を調整している。
#persona 3#p3#i guess theres a bit about the p4 anime too...#tsukasas such a nice name#also SAKUYA SHIOMI MENTION YEAAAHHHHH!!!!!!
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ワンナウツ
マリア様の庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。 汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。 スカートのプリーツは乱さないように、 白いセーラーカラー��翻さないように、 ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。 私立リリアン女学園。ここは、乙女の園。 味わい深い文章ですね。 こちらは"マリア様がみてる"の導入です。こってりしてて好き。 わいもロサ・ギガンティア・アン・ブゥトンのプティ・スールになりたいンゴねえ。
ということなのですが、今回私が話したいのはマリみてのことではなく、ワンナウツというアニメが最高だったという話です。 ▼ワンナウツ ワンナウツは2008年の野球アニメで、 沖縄の米軍基地周辺でワンナウツという野球もどきの賭博でピッチャーをしてた、心理戦の天才”渡久地 東亜”(とくち とうあ)が、プロ野球にスカウトされて数々の奇策でチームを救う話です。 今年も早くから名作を見つけてしまった、、 きっかけは、我らが薔薇様こと畑亜貴お姉様が 「終わるのがさみしすぎて最終回をしばらくみられなかった」とお話しになっていたから。(お姉様は名作を生み出すペースがあまりに早いので、ネットでは11人いるとのお噂がたっているとか) とりあえず、本作のOPをご覧ください。
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いやどっからもってきたんこのインディーエモww そしてサビのギターリフのちょっと変則的な展開ジワるw なんでこのドンパッチみたいな主人公はずっと脱いでんだよ笑 この時点でめちゃくちゃ笑った。 低知名度のインディーエモと、B級作画のマッシュアップに爆笑した。 ボケなのか本気なのかのギリギリのラインの演出を最後まで引っ張るのはおやめになったら? 副題の”Nobody wins,but I!” もよく見るとじわるんだよなあ。 なんか、すごく"B級"ベクトルの洗練を感じた。 以前トミーのPVやあゆのドラマにも反応してしまったのですが、私はB級がとても好きです。 B級は、A級の下位互換という見方もあるが、それは間違っている。YOASOBIのアイドルがアメリカを除く全世界のチャートで1位になって話題になったが、あれも言ってみれば本場HIPHOPの"なんちゃって曲"であり、B級である。 そういうのがウケるとわかって、海外の有名なプロデューサー達がB風の楽曲を作ろうと頑張ったが、意外とむずくて作れないらしい。もしかすると、洗練されたA級より、洗練されたB級の方が再現が難しいのではないか…? 話が逸れたが、ワンナウツはOPのB級感がそのまま続いていく作品で、野球アニメを初めて観たけど25話の最後まで面白かった。 第8話「反則合戦」あたりからおもろさが加速していって、ギャグ要素だけじゃなくて、めっちゃカリスマな渡久地のことがどんどん好きになっていきます。ぜひご覧ください。
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William S. Burroughs – Dead City Radio(1990)
音を探しているいつかの時分にたしかにそうだと言葉のウイルスの教え、「麻薬中毒者は成長を停止しない」と。スクラップブックやマイオウンマガジンは何をば形にした物だったか、心の中で聞こえる自分の音声が 「そんなもんあかん全部や」 と分からないことへ知らないことへと疑問へと仕向ける。そんなもの気が狂うではないかと、そうなれば糞溜め沙汰の無作為、目に見えた物から手が出てしまうもはや暗中の模索。骨抜きをした肝心な言葉はイメージを物事を起こす、それを続けるには目的を持ってはいけない限定してはいけないと今は思う。JG Ballardの『残虐行為展覧会』を初めて読む無知が派手に占領した、何も残らなかった。目で文章をなぞるに過ぎなかった全く分からなかった。読み続けるとぼやけながらも言葉が静止した映像になる。人糞も糞で言葉のウイルスにより努力のヤケ糞にでもなれば十分だろう。頭で把握するよりも身体の内から言葉を漏らす。固定されたボロアパートに「帰る」を生活にもたらした、病と薬の宿痾の遁世。Marlene Dietrichの『Ich Bin Von Kopf Bis Fuss Auf Liebe Eingestellt 』をプロデューサーと話した事から発生した亡くなる都市のラジオ。
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「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2018年14号から連載中の『呪術廻戦』が面白い。人間の負の感情から生まれる化け物・呪霊を呪術を使って祓う呪術師の闘いを描いたダークファンタジー。読者の予想を裏切りまくる展開で、数多の考察系YouTuberを幾度となく地獄に叩きつける作者のイヤラシイ才能に惚れ惚れする。ストーリー、人物造形、魅力的な術式の数々、どこをとっても見どころ満載で語り始めたらそのまま夜を駆けて呪いに転じてしまいそうなんだけど、特筆すべき点をひとつ挙げるとすれば、主要なキャラクターのひとりである羂索という呪詛師の存在。他人の身体を乗っ取り、永い時を越え自らの野望を叶えるために存在する人物。この羂索が物語を牽引するから本作は特別なものになっている。どこまでも純粋に面白い���とを追求する奴が真に面白いと思ったことだけを次々に実践していく訳だから、その内容が面白くならない筈がない。
彼が目指すのは「呪力の最適化」である。 呪霊のいない世界でも牧歌的な平和でもなく、自らの生み出すもの以上の可能性を見つけること、つまりは呪術の力で新たな世界を創造しようとしている。 呪術師・呪霊・非術師、これらは彼曰く「人間という“呪力の形”の可能性の一つ」に過ぎないらしく、さらなる呪力の可能性の探求の為に、1000年もの間、様々な術師の身体を渡り歩いて暗躍を続けていた。 そして最終目標は日本全土を対象に人類への強制進化を成すため、人類と天元を同化させることである。 おまけに乗っ取った人物の身体能力、特徴だけでなく術式等の能力をもそのまま引き継ぐことができるのだが、本人の年齢及び本来の顔、性別も未だに不詳。ここまで書けば勘の鋭い方なら既にお気づきだろう。そう、これは完全にドゥルーズの生成変化である。生成変化とは他なる物事への複数の「外在的」な「関係」の付置それ自体としての、言うなれば「関係束」としての「自他」が組み変わることである。それは万象の渾然一体ではなく、互いに区別される関係束の多様な組み変わりである。ドゥルーズの動物論は、スピノザ的「生態学的倫理」として解釈されることが多い。要するに自己の「身体の能力」を開発し、他者のそれと絡み合わせ、自他が一緒に活力を増していく「強度の共同性」を拡大することである。まさに「闘争領域の拡大」というやつだ。そしてそれは数々の漫画作品からの場面引用と構図、展開等の組み合わせで『呪術廻戦』を構築する作者の意図としても汲み取ることが可能である。
つまりは羂索≒芥見下々であると、わざわざ声を大にして僕は言いたい訳だが、これは世界とは、断片的な物事のあらわれを「想像」に於いて「連合」した「結果=効果」であり、そして世界のいたるところに、互いに分離した想像する「精神」があるというヒューム主義を独自に咀嚼した庵野秀明原作・監督によるオリジナルアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の概念を字義どおりに渡り歩いた芥見下々の巧みな筆捌きからも察することは容易い。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で作中人物の碇ゲンドウが目論んだ「アディショナルインパクト」をゲンドウ自身の言葉で要約すると「セカンドインパクトによる海の浄化。サードによる大地の浄化。そしてフォースによる魂の浄化。エヴァインフィニティを形作るコアとは魂の物質化。人類という種の器を捨てその集合知をけがれなき楽園へといざなう最後の儀式だ」ということであるが、これは羂索の最終目標である日本全土を対象に人類への強制進化を成す為、人類と天元を同化させようとする「超重複同化」と思想的にもかなり近しいものがある。『新世紀エヴァンゲリオン』は言わずもがな、他作品へのオマージュをふんだんに散りばめる『呪術廻戦』そのものが芥見下々なりの「アディショナルインパクト」であり「超重複同化」であり「生成変化」の一端であると言い切ってしまうのは、いささか暴論に過ぎるだろうか?
『呪術廻戦』と同じく「週刊少年ジャンプ」で連載中のギャグ漫画『僕とロボコ』の第156話「オマージュとロボコ」と題された一話にはオマージュを最大の武器としている作者・宮崎周平の意図を盛り込んだ内容で、そのあまりにも大胆かつバカバカしい試みに失笑を超えて思わず仰け反った。「パクりはもう卒業しました!」と切り出す主人公ロボコは「複数の作品の良いトコロを参考にすれば、それはオリジナルになりうる!」と豪語する。そして数え切れないほどの他作品の「良いトコロ」をつまみ食いしてオリジナル漫画を描き上げては周囲を唖然とさせるも、本人は至って冷静に「オマージュの範囲内ですね」と嘯く。そしてキャリア2年目の編集者が編集長の目を盗んで本誌掲載に踏み切り、結果、見事に大炎上するという極めてメタメタで知的な内容だった。オマージュについては『リズム・サイエンス』(青土社)という書籍にも深い洞察が垣間見える。本書はヒップホップやジャズなどのブラック・ミュージックから現代音楽、果てはメタルまでを往還する境域のミュージシャンDJスプーキーが本名ポール・D・ミラー名義で上梓した渾身の音楽論である。前述のロボコが描いたオリジナル漫画のタイトルが『ドキ♡孫・D・炭太郎の青春‼︎大秘宝‼︎』であったことを鑑みれば、宮崎周平の目論見は明確である。ミドルネームの「D」それは単なる偶然にしては出来すぎた話ではないか。近/現代思想を核に、音楽、映画、小説、詩をサンプリングしながらも、「他人の思考を自分のものにするのは発明するのと同じくらい難しい」と天を仰いだその真意とは。彼の試みは確実にイギリスの批評家マーク・フィッシャーに受け継がれ、氏の没後は言うまでもなく……。
東京を拠点に活動するラッパー、J.COLUMBUSが長野県松本市のトラックメーカーMASS-HOLEをプロデューサーに迎え、制作したアルバム『On The Groove, In The City』は、幾つもの言葉の断片が虚実の被膜ではなく、自己/他者の被膜をねっとりと愛撫するように言葉が置かれる。しかもそれらは決して打点を刻むことなく、じわじわと地中に溶解する。もはやJ.COLUMBUSの言葉とPAUL AUSTERの言葉に差異はない、否、具体的には決して交わらない他者と自己の言葉が混ざり合うことも溶け合うことも拒絶して地表に吐き捨てられる。これはストリートの詩情などという陳腐な戯れではなく、現前する意志を喪った風景を浮かび上がらせようとする稀有なる試みだ。因みに芥見下々は「パロディやオマージュの線引きは、自分の中では明確な基準がある」と明言している(コミックス16巻を参照)。ここまで記してきた僕の文章自体もWikipedia、ピクシブ百科事典、千葉雅也の論文「ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学」を渡り歩いたものに過ぎず、無論、オリジナリティは皆無である。
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「君たちはどう生きるか」
ジブリの新作映画 宮崎駿監督作
これ、予告もないしなにを言ってもネタバレな気がする。情報を入れたくない人は読むな。
キービジュの鳥のインパクト。まさか鳥一本で話題をつなげる気か…!?とびっくりしてたけど、見終わった後だと「あの鳥で!?!?」と更に新鮮に驚ける。
これは広報スタッフに正気がない。
宮崎駿の原液を飲まされてる。ものすごく原液。いままで手加減されてたのか……。味だとハウルとポニョと風立ちぬが近いのかな。いや割と全部の味がするんですけどね。
〜〜ここから完全ネタバレ〜〜
解釈!!!!
眞人が宮崎駿、または宮崎駿の後継者、観客。アオサギが鈴木プロデューサー。大叔父が高畑先生または宮崎駿監督だったのかなと思う。そして積み木は作品。おばちゃんたちはスタッフかな。
アオサギが鈴木プロデューサーなのは分かりやすいよね、嘘の使い手。アオサギは友達って作中で言われてるの、あ〜良かったね…と二人の関係に感動しちゃったよ。あーだこーだ言いながら人生を付き添ったんだもんなぁ。
映像作品としてどのカットも動きが繊細に組まれていてアニメーションへの執念を感じる。アニメ文化を築いてきた偉大な監督が出す作品がここまでのものを積んでくるの怖すぎる。マジで後輩に負ける気ねぇじゃん……。
永遠に絵がうま過ぎる。なんというか、絵が綺麗じゃなくて絵がうまいなんだよね。見た目じゃなくて本質がヤバいというか。ぬかるみの土とか戸を開ける動作、物に触る仕草とか。現実を観察して研究して描いてるじゃん。細かい所も見逃さずに生活してるんだろうな。その上でちゃんとディフォルメもしてファンタジーであるのがほんと、宮崎駿監督のバランス感覚がえげつないわ。
ストーリーも結構好みでした。ジブリ作品、結構上手く飲み込めない時があるんですが今回のはスッと自分の中を通った。後妻の夏子にもエゴがあるし、実母もそう。やりたいことを通す力のある母親像を見せてもらえてうれしい。元々、コクリコ坂でも母親が勉強してたり宮崎駿監督はそういう部分を気にしてる作家だと思う。というか病弱な母親で共にいられなかったから、作品の中では強い母親像を出してくるよね。癖なんだろうな……。
この映画、とにかく説明しない。いろんな場面で説明が入りそうなところでも、絵の力で押し通す。ジブリほど絵が巧みだとこんなことできるのかよ……。
作者は観客を信じた、という所もあるでしょうね。最初の場面、あれ空襲でしょ。爆撃機もなにも映ってはいないけど、警報が鳴っていて家事で病院が燃えて主人公が東京を離れるってそういうことでしょう? 君たちはどう生きるかというタイトル通り、作り手が観客に投げかける映画であって教えてやる映画ではないなと感じた。両者は対等じゃない。
今回、情報を出さなかったのもこういう作りの映画だったからなんだろうな。見てる最中、ずっとどういうことなんだろう?と考えながらみるじゃないですか。絵が綺麗な新海誠系の映画が流行っている中で、““絵で伝える””映画を送り出す宮崎駿のメッセージ性は強い。
もっとストーリーの話とか主人公の眞人くんの話もしたいんだけど、複雑で整理がつかないから2回目観た後になんかまた文章にするわ。たぶん。
ラスト、東京に戻る場面で鞄の中に本と手紙を詰めていたように思う。勉強してるんだな。友達、出来たんだね。良かった。ここのシーンちゃんと確認したい。あれ手紙で合ってるのかな。
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一徳会+犀の角『犬神家の一族』
2022年12月3日(土)、4日(日)
犀の角
原作:横溝正史 脚色・演出:石井幸一 出演:丹野晶子、鈴木正孝、櫻内華恵、戸崎真、中村岳史、月影瞳(特別出演) 舞台監督:村上梓 照明デザイン:染谷和彦 照明操作:伊藤茶色 音響操作:永峯克将 アンダー:爲近敦夫 フィジカルアドバイザー:伊藤全記 宣伝美術:小松順子 制作:唐川恵美子 プロデューサー:荒井洋文 主催:一般社団法人シアター&アーツ上田 企画:合同会社犀の角 協力:(株)KADOKAWA
妄想の諏訪、信州の正史
「信州財界の巨頭、犬神財閥の創始者、日本の生糸王といわれる犬神左兵衛が信州那須湖畔にある本宅で永眠した……」という書き出しから『犬神家の一族』という小説は始まります。なお、ここに書かれている「那須」というのは「諏訪」がモデルになっています。 1934年7月から39年12月までの5年半ほどの間、横溝正史は結核の療養のため長野県上諏訪に住んでいました。そして諏訪の滞在中に『鬼火』という短編小説を、戦後になってから『犬神家の 一族』を書き上げました。
「私たちは自分の幸福のために戦わねばなりません。たとえ人様から非道の誹りを受けましょうとも」
自分や自分の愛する人の幸福を願わない者はいないように思います。しかし自分が幸せになることが他者を不幸にすることだったとしたら……それでも自分は自分の幸福を求めることができるだろうか……『犬神家の一族』という物語にはそういう人間がずっと悩み続けている諸問題と、その回答を誤った人々が描かれています。
閑話休題、横溝正史が20世紀初頭の諏訪に幻視した風景……そこに住む犬神家の人々の言葉、彼らの身の上に起こったこと……皆さんにはそれらのことを”かの有名な探偵”になった気持ちでご覧いただけたら幸いです。
本日はご来場ありがとうございました。
〜当日パンフレット掲載文章より〜
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Recommended Books 【大人女子】
フランス人だけが知っている「我慢」しない生き方 世界で一番、自分のことを大切にできる秘訣 単行本 – 2023/9/5
クララ・ブラン (著)
フランス人は我慢も無理もしない。パリジェンヌの毎日心地よく暮らすヒント今、もっとも注目されている東京のパリジェンヌ���クララ・ブランの初書籍! カバーイラストは大人気漫画家・新井すみこによる書き下ろし。
アカウントディレクター兼プロデューサー、アトリエルージュのブランドディレクター、モデル、そしてコンテンツクリエイターと、実は4つの顔をもつクララ。 何事にも本気で取り組むクララですが、彼女の生き方はとにかく「エフォートレス」。 エフォートレスとは「不要な我慢と無理をしないこと」を意味します まず、完璧であろうとしない。クララは不必要にやらなきゃ、と自分を追い込んだりしません。 また、モデルの仕事をしているけど、苦しいダイエットはしません。 普段はヘルシーな食事ですが、ビッグマックもポテトもコーラも大好きだから食べます。 それと、キレイにシャツにアイロンをかけたりもしません。シワがあってもいいんじゃない?と思うからです。 髪の毛を巻くのもちょっぴり苦手なので、ヘアセットはラフです。でもやりたくなったら挑戦しています。そう、クララはほどよく手を抜いて、あまり「我慢」をせず、「自分らしく」生きているんです。それは世界で一番、自分を大切にしているフランス人ならではかもしれません。実は、クララが毎日幸せでいる秘訣は日々のルーティンに隠されています。
・言いたいことこそ本人に直接言う ・好きな人の好みの服装より「自分らしい」ファッションを楽しむ ・食事は80/20の割合で好きなものを食べる ・朝のルーティンの最後には、大好きなカフェを1杯飲む ・朝はロケットのように起きる!
日本大好き・日本在住のクララが今こそ伝えたい、 パリジェンヌ流の「自分らしく生きる」ためのマインド。 クララと一緒に「エフォートレス」な自分にチェンジしてみませんか?
ニューヨークの女性は1本の赤い口紅で運命を変える 単行本 – 2019/3/16
一色由美子 (著)
あしたは昨日と違う私で勝負する 見た目を変えれば自分がもっと好きになる。 ニューヨーク帰りの大人気イメージコンサルタントが教える 世界基準の女になるための「ニューヨーク流」イメチェンメソッド。 □人生を変えたいならヘアサロンを変えなさい □赤い口紅で別人級のオーラをまとう □アイラインよりマスカラで勝負する □Tシャツはワンサイズ下げて洗練された女になる □できる女性はジムで女に変身する □クローゼットは1軍だけ □服は1センチに手を抜かない □しぐさを変えて女王蜂のオーラをまとう
大人パリジェンヌStories おしゃれと恋と日常と 単行本(ソフトカバー) – 2019/1/22
米澤 よう子 (著)
《おしゃれも! 生き方も! 40代からはパリジェンヌのように》 著者累計42万部超! 人気イラストレーターYOKOの最新刊は“大人パリジェンヌ”!おしゃれも生き方も、40歳を過ぎたらパリジェンヌのように楽しみたい! ファッションだけでなく、恋愛・食・美容・時間の使い方……、 年齢を重ねても、素敵であり続ける彼女たちの秘密をイラストとストーリーで紐解きます。
ハイヒールは、いらない~レディ・レッスンseason2 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/23
ケリー・ウィリアムズ・ブラウン 著 鹿田 昌美 訳 (著)
10万部突破の大ヒット本、待望の続編! ! ただ綺麗ななだけじゃない、本当に魅力的な女性とは…? ●他人からの承認を必要としない ●自分に自信があって堂々としている ●誰にも媚びないけど人に好かれる ●いつも安定して人に親切にできる ●他人にどう思われるか気にしない ●意地悪をサラリと流せる ●SNSで炎上しない 人と適切な距離をとって、自分を大切に生きるのが真のレディ道! 全米でも大ヒットの著者による、人付き合いのレディ・レッスン、待望の邦訳!
体も心も暮らしも心地よくする美習慣 パリジェンヌ流シンプル食ライフ (文春e-book) Kindle版 発売日 : 2015/7/25
米澤よう子 (著)
食を変えれば、暮らしが変わる!! パリジェンヌはおしゃれ同様、食習慣もシンプル・シック。目にも口にもおいしいフレンチ食でヘルシー&ハッピーに。自宅にいながらパリジェンヌ気分が味わえる簡単レシピ付き。
レディ・レッスン~ポジティブガールの教科書~ 単行本(ソフトカバー) – 2015/5/17
ケリー・ウィリアムズ・ブラウン (著), 鹿田昌美 (翻訳)
◆全米で話題の「女子力アップ本」ついに上陸! Q.あなたが本当にやめたいと思っていることは? ○大好きだけど人生は預けられない男性とのお付き合い ○昇進の見込みがない仕事 ○つい飲み過ぎちゃうクセ ○元カレをネットストーキングすること… 一つでも当てはまる人には、すぐにこの本が必要です! 社会は、努力すれば必ず報われるというわけでもなく、正直でいれば成功するというものでもありません。 そこには、現実的な「ルール」と「作戦」があります。 本書には、大人としての「心構え」や「恋愛」はもちろん、「仕事」や「友人」、「家族」とのつきあい方まで、350もの超実践的アドバイスがユーモラスに書かれています。 どこから読んでもOK!ぜひ大人社会を生き抜くコツを身につけてください!
あたまからつま先まで ザ・まさこスタイル 単行本(ソフトカバー) – 2013/9/30
伊藤まさこ (著)
スタイリスト・伊藤まさこさんの春夏秋冬、季節ごとのお気に入りコーディネートを全公開。 ウソ偽りのないおしゃれ哲学を披露していただきました。 ワードローブや靴、小物の紹介はもちろん、肌のお手入れのこと、 収納のこと、下着のことまでつつみ隠さず、おとこまえに。 1冊まるごと、まさこさんのおしゃれについておしゃべりした本といってもいいかもしれません。 聞き手は雑誌『クウネル』でおなじみの、鈴木るみこさん。 ちょこちょこイケズな質問をしては、真実をひきだしていきます。 伊藤まさこさんの、あたまからつま先までぴかぴかのつるつる、の理由はどんなところにあるのか? ぜひご一読ください。
私が輝く、パリジェンヌ・レッスン いくつになっても魅力的なファッション・暮らし・生き方 単行本 – 2012/12/26
畠山 奈保美 (著)
中村江里子さん推薦! パリ在住歴20年の著者が、パリジェンヌのエイジレスな美の秘密に迫る! パリジェンヌは、いつも自分の信じる道をいきます。 そのために、彼女たちは日々感性を磨いているのです。 本書は、そんなパリジェンヌたちのファッション、暮らし、生き方をご紹介しながら、年を重ねるごとに輝きを増す彼女たちの美の秘密に迫ります。 「軽快で分かりやすいパリジェンヌ分析。 同感!!新発見!!でいっぱいの一冊でした。」 中村 江里子(フリーアナウンサー)
理論派スタイリストが伝授 おしゃれの手抜き (講談社の実用BOOK) 単行本 – 2009/11/25
大草 直子 (著)
おしゃれにセンスは必要なし!お金をかけない(着まわしやすい1枚を選ぶ、飽きのこない1枚を探す、自分にあう1枚を見極める……)時間をかけない(かんたんにおしゃれに見えるコーディネートテク、収納テク……)方法を人気スタイリストが雑誌では書けない本音を教えます。手を抜くのではなく、ここにこだわれば少ない枚数、少ない小物でもおしゃれに見える。安い服も、選ばれた服として見違えるなど、おしゃれのアイデア満載!時間がなくても、洋服の数が少なくても、センスがなくてもおしゃれになれます! 人気スタイリストがコツ紹介。 第1章 アイテム選びでおしゃれの8割は決まる! えっ!ここにこだわって選ぶの? ジャケットの袖丈はどこをチェックする? パンツ丈は何を基準にする?など長く着られる、たくさん活用するための選び方の極意をアイテム別に紹介します。 第2章 小物使いにその人のセンスが表れる! 小物にこそセンスが出ます。パンプスは黒とヌーディだけあればいいってホント? パールは何cmが使える? など最小��で使える小物の揃え方を。 第3章 コーディネートの基本を見直す コツさえつかめれば、あなたのおしゃれはぐっとあかぬける! 第4章 おしゃれの意識革命 漫然としていたら、おしゃれにはなれない。ちょっとの意識するだけでも、変われるのです
レディーのノート (1974年) (カラーブックス) - 1974年7月 保育社発行
著者 呵里 清
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2024年6月23日放送分 満点DAMミュージックレジェンズ 文字起こし(後半)
横田さん
はい、そういう忙しい中で、でもやっぱり安全地帯とはバンドのメンバーのような形で関わってたってところに関しては結構やっぱり安全地帯に関しては時間を割いて関わってたおられたんですか?松井先生は、
松井さん
そうですねえ、あのー皆様ご存知のように、玉置浩二が3枚組を作るとか言い出したり(笑)
横田さん
あー!
松井さん
やっぱりこう、すごい企画が後から後から、出てたもんだから。
武沢さん
しかも3ヶ月くらいでやんなきゃなんない。
松井さん
ま、そのあたり、彼の最初のソロアルバムで海外へ言ったりとかね〜。なんかそんなこともあったりとかして。
武沢さん
そうだね。あの3枚組ん時、ちょうどそれをやってたんだよね、確か、ソロも作ってって。
松井さん
ま、当然あのー、安全地帯の時間割の中で
武沢さん
うんー、の中でね。
横田さん
そうですね、Ⅴとかってあのー、玉置さんの部分は海外で録音されてたり、しておられますもんね。
松井さん
曲によって、ですね。
横田さん
はい。
武沢さん
うん、そうだね。
横田さん
それに松井さんは、同行されてた?
松井さん
そうですね。あの、向こうで書いたりしたりとか。うん。
横田さん
あー。そうなんですねぇ、あ、向こうでねー。うん
武沢さん
ほとんど寝る時間が無いんじゃないかっていう感じなんじゃないですかね。
松井さん
ただ僕とあの、いわゆる音楽スタッフチームっていうのはこう時間が逆なんですよね。あの要するに、歌ったりあれ(演奏?)するために、僕が、みんなが寝てる間に僕は詞を書くっていうみたいな感じが、裏返しになるということが多くって。 まあそのスタジオで一緒にこう例えば何か録音したりする時に居たりもしますけど、まぁほとんどやっぱり最終的に歌入れの時に間に合わせなきゃいけないって事で、まぁちょっと時間のサイクルは違ったりするんです。
武沢さん
なるほどね。
横田さん
歌入れしている時にこう、詞を変えたりされる事ってあるんですか?
松井さん
ああ、ありますよ。それはやっぱり、さっきの話じゃないですけど、あの本人が歌いにくければこの音の方が綺麗だなぁと思ったらそこだけその言葉だけ変えて行ったりとか、ね。 彼がどれぐらいこう感情移入出来るかってところも含めて見ながら、うん。もう彼はあんまりこう���らないと歌ってくれないんで(笑)
武沢さん
(笑)へへへへ
横田さん
あ、あ、そうなんですね、あ、そうなんですね。
松井さん
どうのこうのって事をほとんど言わないんですよね、なんか。ま、気に入れば、ちゃんと歌うし。納得いってないなぁって時はそんなにこう何回も歌わないからまぁそれは分かりやすい。で、それについてこう、どうのこうのっていうようなことはあんまり話し合って決まるというよりは、あ、これは違うんだな、と思ったら違うものを提出…、まぁ書き直す、
武沢さん
とかね。
横田さん
あー。そうなんですね。
武沢さん
その感じ分かる。
横田さん
わかる、あ、じゃあ武沢さん的に出したけど、なんか気乗りしてないなみたいん感じで変えたりとか、したりしてるって事…
武沢さん
あ、もちろんその、僕だけであれしてるわけじゃないですけど…あの、ありますよ、何曲かね。少ないけど、で、その詞、歌入れしてる時にちょっと詞変えたりとかしてたのは、その時に松井さんがスタジオに来たかどうかわかんないけど、電話でなんかやってたりとか言ってたような事は、ちょっと記憶に残ってます。うん。
横田さん
あー、電話でね。
松井さん
基本的に浩二が何かを言うって言うよりは、まあ、ちょっとお亡くなりになっちゃったけど、プロデューサーの金子さんていうのが、ま、星勝さんと金子さんがプロデュースみたいな形で、
武沢さん
そうですね。
松井さん
どっちかっつーと浩二の気持ちを代弁して(笑)僕に具体的な事を伝えてくるっていう…
横田さん
あー、そうなんですねぇ。
武沢さん
特に詞に関しては章平さんがメインだったかな。
横田さん
へー。
武沢さん
サウンドに関しては、あの星さんがメインで。で、プロデュースやってるって感じだったよね。基本的にね、はい。
横田さん
そうなんですねぇ、そうですか。 いやぁでも本当にねぇ聞きたいことがあまりにもたくさんあり過ぎて、とは言え時間は限られているんで、曲の話をしたいなぁと思っておるわけですけども。 えー、まぁこの曲、先ほどオープニングでギターを弾いて頂きましたけど、この曲は、武沢さんのほうから、松井先生に依頼されてということですか?
武沢さん
これね、…
横田さん
覚えてない?
武沢さん
ちゃんとは覚えてないですけど、たぶん、コンちゃんてディレクターのね、ちょっと相談してるうちに、ええとね、この前に一曲1stシングル作ってて、2曲目にやっぱりこれは、その曲を作った時にね、やっぱり松井さんにやってもらえないかなってちょっと僕の中にあって。で、それであの、コンちゃんと相談して、それで…具体的にどうなったかわからないけどそれでパッといったんじゃないかと思うんですけど。
横田さん
はい、ああ、そうなんですね、それで松井さんに依頼が来て、松井さんの方で、と言うことですね。
武沢さん
この曲で勝負しようって。
横田さん
うんー。
武沢さん
という気持ちだったと、思ってます。
横田さん
了解です。では、じゃあこの曲、最初に聴かせて頂きたいとおもいます。”r”project 「ノアール・ブルーの涙」
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横田さん
というわけで武沢さんがプロデュースされた、”r”project 、まぁ武沢さんももちろんメンバーの一人として活動された”r”projectの「ノアール・ブルーの涙」と言うことなんですが。松井先生これメナード化粧品のCMという事が最初にあって、こう歌詞を書かれたりするんですか?
松井さん
いや、あのー、どうでしたかねぇ、ちょっとそこらへん…
武沢さん
多分ねー、あのそれは後で決まったと思いますね。
横田さん
あ、そうですか。
武沢さん
出来た後この曲がね。曲によるんですけど。
横田さん
ノアール・ブルーって色をこうタイトルに使われたので、あ、化粧品の関係だからそういう風にしたのかなと一瞬考えたもんですから。
武沢さん
ノアール・ブルーって響きが既に…、あの、ヤラレましたね。あの、聞いたときにね。
横田さん
うん、いやぁ素敵な響きですよね。うん。
武沢さん
なんか…
横田さん
うん。これ、松井先生は詞、色んな…生活されてる中で、色んな言葉をハンティングしていくというか、常にメモったりなんかされてらっしゃるんですか?
松井さん
いや、あんまりそういうことはしないですね。よく、聞かれますけど、なんかあまり詞を書くためにやってるっていう意識って実はあまり無くて、
横田さん
はー、
松井さん
やっぱり、普通の人と同じように、ご飯を食べたらそれが美味しかったとか、映画を見たら面白かったとかっていわゆるそういうなんか色々日常の中の刺激の中から、なんていうんですか、感性を育んでいくっていうかな。なんか、詞を書くために探してっていうようなそういう生活、ま、今でもそうで���けど、なんかちょっと違う感じですね。
横田さん
あ、そうですか。いやでも、書かれている詞、ま、今も2曲聴かせてもらいましたけど、両方とも違うタイプのもので、もう色んなこうストーリーというか、色んな松井先生がいらっしゃるというか、色んなペルソナがあるといういうか、なんかそれはどうやって育んでいるんだろうなっていうのはすごく気になったもんですから。
松井さん
まぁ、好きな言葉っていうのはあるから何回も使ってたりとかね、してますけど。あとはやっぱり出会い、ですよね。あの、曲との出会い…
武沢さん
曲との出会いね。
松井さん
ボーカリスト…
武沢さん
基本的にはあれですもんね。曲が最初にあって、それに松井さんが詞をつけるっていうことが多いですよね、きっとね。
松井さん
昔はね。
横田さん
あー。
武沢さん
あ、昔はね?
松井さん
うーん…、昔はやっぱりオケをみんな先に作るのが早いんですよ。
武沢さん
そうですね。曲を先に作って。
松井さん
うん。それで最後に歌を入れるっていうシステムが、ま、割と多いですけど。最近例えば演歌系、の歌謡曲とかってやってるとやっぱり詞が先に欲しい、って言われたりとか。
武沢さん
ああ〜。
横田さん
例えば、坂本冬美さんの「まだ君に恋してる」とかは、
松井さん
「また君に恋してる」ね。
横田さん
はい。
松井さん
あれはちょっとカバーだったんで、また違いますけど…
横田さん
あっ、失礼いたしました。あ、そうかそうか、失礼しました。
松井さん
なんかあの、まあ今回、もうすぐリリースされる石川さゆりさんをこないだやったんですけど、石川さゆりさんとかはもう詞先で。それに加藤登紀子さんが曲を書いて、みたいなやり取りをしたみたいな感じで。あと、フォーク系の人も詞が先に欲しいって言いますね。うん。
横田さん
ああ。
武沢さん
あ、そうなんだ?最近は逆にそういう事がね多くなってきてるんですね。
松井さん
そう、だから南こうせつさんなんかは絶対詞が先だって。あの〜、
武沢さん
詞があって、僕がそれに曲をつけるよみたいな。
松井さん
って言われる事が多いですねぇ。
横田さん
うんー。
武沢さん
なるほど。
松井さん
ポップス系の人はやっぱり先にサウンドがあって、要は後から書くっていいう事が多いですけど。
横田さん
そうですか。ちなみに、詞先の方が書きやすいですか、それともメロディがあった方が書きやすいですか?
松井さん
ま、そら、まぁ人によったり、曲によったり。うん。正直いって玉置浩二の曲はすごく大変です(笑)へへへへ
武沢さん
フハハハハ(笑)
横田さん
大変?
松井さん
大変だし、あの、例えばこのノアールブルーもたぶん結構大変だったと思う。
武沢さん
だったのかな?!
松井さん
やっぱり何かっていうと、基本的に音数が少ないんですよ。
武沢さん、横田さん(同時に)
ああー…。
武沢さん
音数が少ないっていうことは言葉が少なくなる。
松井さん
そうそうそう。ノアールブルーもそうなんだけど。
武沢さん
制限がかかるっていうね。
松井さん
やっぱり、かといってあまり多すぎるのもちょっと書きにくいんだけれども。少ないとやっぱりその少ない情報量で伝えないといけないから。
武沢さん
そうだよねぇ。
松井さん
それは大変だったと思うし、このノアールブルーも何回か書き直しているような。
武沢さん
ああー。
横田さん
ちなみにメロを割ったりっていうか、例えばあの三音しかないところをどうしてもここ、メロディ割ってもいい?みたいなことはされない、感じですか?
松井さん
基本的にはね。ただ「じれったい」なんかは、実はあれじれったいって言葉は僕は後から提案したんですよね。
横田さん
はいはいはい。
武沢さん
ああ、はい。
松井さん
実はあそこのサビはちょっと全然違うもうちょっと違うメロディだったんですよ。
武沢さん
ああ、なるほど。
横田さん
ふううん。
松井さん
そうそう。なんかちょっと流れちゃう感じがしてたんで、なんかこうじれったいって言う言葉で、なんかこう(♪歌って)じれったい〜っていうシンコペーションにしたらどうだ…
武沢さん
ああ、そうだ。キャッチーな。
松井さん
うん、そう言う風に言ったりはした事はありますけどね。
武沢さん
そうだね。まぁこれだけやってると色んな事あって。歌入れする時も詞で、詞の言葉によってメロがちょっと変わったりする時があるんだよ確かに。
横田さん
うんー。
武沢さん
変わって、ま、それよくあるんですけど。で、それによって逆に良くなったりする時もあって。で、詞が、本当は字が2つ多いんだけど、これを、まぁ日本語だからね、どうにかなるじゃないですか。ちょっと早めに歌っちゃえばみたいな。そう言うこともよくあるので、まあ作っていく時のその時の時の流れで、色んな音楽が出来上がったり、すごい、こんな曲になった、みたいな。なっていく時もあるしね。
横田さん
うん。要するにあの、ブラッシュアップされてメロディ書く方と詞を書く方がこう、コラボレーションの中でさらにその曲がもっと良いものになってくっていう。
武沢さん
そうだね。曲としてね。そういうことがあって、さらに素晴らしい物になったっていうってことはありますから。
横田さん
玉置浩二さんの曲は大変だったということで、じゃあ一番良い曲はじゃ無くて、逆に一番大変だった曲はなんでしたか(笑)っていう、一番大変だった曲はなんですか?!
松井さん
いや、ぼ、僕ですか?
横田さん
もちろんです(笑)
松井さん
まぁこれもよく話すんですけど、「恋の予感」って基本的に陽水さんが最後書くことになるんですけど、
武沢さん
ああー。はい。
松井さん
最初実は結構僕は書かしていただいてたんですよ。あのー。
武沢さん
ああ、先にね。
松井さん
だから「な��なぜ」ぐらいまでは書いていて、そのあとほんとに20回、30回くらい書き直してもOKが出なくて、
武沢さん
うわはは。
松井さん
で、いよいよ発売しなきゃいけないってあれもコマーシャルのタイアップ決まってましたから。それで最後もう陽水さんが書くって事になって。やっぱり陽水さんが書いてきた詞を見た時に、やっぱり自分のなんていうのかな、自分のがなぜ採用されなかったかってのがすごく勉強になったし、あのそれはすごい経験でしたね。
武沢さん
うんー。
横田さん
はい、それはもう色んなところで僕も、僕も雑誌でそれを読みましたし、「なぜなぜ」までは松井さんが書いたけども、その先は井上さんが書いたっていう話は僕も雑誌で読んでおりましたね。
武沢さん
そうか、そうだね。それも章平さんがたぶん間に入って、なかなかOKが出なかった…んだね。
松井さん
だからあれはまあそのー、うんほんとに。あのー、ま、陽水さんがもちろん尊敬してるし、すごいな、とも思ったし。やっぱり自分の、なんていうのかな。あの、どちらかというとやっぱり、紙の上でなんか書こうとしてたっていうのかなー。やっぱりその歌になる声になるところってのを、やっぱり頭こんがらがってきて何回も書き直してて、
武沢さん
うんうんうん。
松井さん
だからあんまりそれが分からなくてどんどんどんどんその説明っぽくなっちゃったんですよね、詞が。
武沢さん
うんー。
横田さん
ああ。
松井さん
で、やっぱり玉置浩二なんていうのは特にそうですけど、やっぱりもう「ああ」って言ってるだけで���いんですよ(笑)フッハッハ
武沢さん
ハッハッハ(笑)
横田さん
ああ〜。
松井さん
「ああ」って言うだけで何か響くじゃないですか。
武沢さん
そそ、言葉じゃなくてもね。
松井さん
そうそう、だからそういうやっぱり彼の声質であったり、そういったものをこう、信じて書くかっていう。だから陽水さんも「恋の予感」もそんなに難しい言葉を使ってないんですよねぇ。
武沢さん
うん。
横田さん
そうですねぇ。
松井さん
んで、それを見た時にすごく勉強になったなぁっていうのはありましたね。
武沢さん
そうですねぇ。
横田さん
そうですかぁ。
武沢さん
あの、陽水さんの詞、確かにそうですね。あれ、やっぱりこう、これで決まる、決める、決められる?そういうところに持っていく力って陽水さんすごいなと。
松井さん
だからそれの後に僕は「悲しみにさよなら」を書くことになるんですけど。やっぱり、そういう勉強、経験があった後に「悲しみにさよなら」が出来たっていうところはあるんですよね。
武沢さん
うんー。
横田さん
うんー。あ、そうなんですね、それがその経験が「悲しみにさよなら」に繋がっていくということですね。いやぁ
武沢さん
それが安全地帯の歴史、色々こう積み上げて行ったんだね。
松井さん
ハッハッハ(笑)
横田さん
ええ、いや、そうなんですよねぇ。いやぁ僕もさんざんこの話は雑誌とかで書いてあるのを切り抜きかなんかしてボロボロになるくらいまで読んで。それをまさか、御本人の口から聞ける日が来るとは(笑)思いませんでしたけども。ええ…、そうですかぁ。
武沢さん
それぐらい音楽ってやっぱり、すごいんですよ(笑)フッ
横田さん
うん。
武沢さん
うん、ま、色々ありますけど、良い音楽とか心動かす音楽、作ろうと思うと色んなことが出てきて、大変なんだけど出来上がった時の素晴らしさって、ねぇ。
松井さん
なんかこう、途中色んな試行錯誤するんだけども、完成したものを最終的にこう聴くと、こう納得できちゃうんですよね。やっぱり、ギターのフレーズなんかにしてもそうだし、歌なんかにしてもそうだし、最初は途中でもう、もう、もう、もうやめようとかって思うぐらい何回も何回もやったりするんだけれども、でもなんかこう最終的に出来上がって聴くとやっぱりプロデューサーが言ってたことの意味がなんかわかったりとか、みんなで試行錯誤した理由がちゃんと形になってて、ああこれで良かったんだっていうね。だから本当武沢くんなんかもそうだと思うけど、やっぱり何度逃げ出そうと思ったことかっていうか(笑)なんかそれぐらい辛い時っていう時間もあったりする、ね、途中っていうのは。
武沢さん
そうですよね、うん。
(♪ここでエンディングテーマが流れ始める)
松井さん
で、さっきも言ったけどすごく忙しい時期だったし、まあその肉体的にも精神的にもやっぱりプレッシャーも含めて。
武沢さん
そうだよね。
松井さん
それはやっぱすごかったですよね。
横田さん
そうですかぁ〜…、
武沢さん
このノアールブルーの時も確かに色々まぁ松井さんも忙しかっただろうし、安全地帯も結構ガーっていってたし、ね、その動きの中で。
横田さん
やっていただいていた。
武沢さん
で、出来た。っていう事があって。なんか、今聴いても、ああ、すごかったなと。思います。
松井さん
ハハ(笑)
横田さん
この番組実はですね、武沢さんと毎週やっているんですけどもですね、安全地帯の歴史をアーカイブしていきたい、っていう気持ちでまぁやっておりましてですね。今日は本当にその、そういう意味ではすごい大事な回になったなぁと思っております。
武沢さん
そうですね。
横田さん
で、残念ながらですね、時間がきてしまってビックリで。
武沢さん
あら。
横田さん
まぁもし、もし、もし、宜しければ来ていただければなと思っております。本日は、松井先生ありがとうございました!
松井さん
ありがとうございました〜。
武沢さん
ありがとうございました〜。
横田さん
武沢さん、ありがとうございました!
武沢さん
はい、ありがとうございます。じゃあね、またね!
Ending theme ♪安全地帯「ひとりぼっちのエール」
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文責:mamacan
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(Xユーザーの鴻上尚史さん: / Xから)
鴻上尚史 @KOKAMIShoji 痛ましい出来事の激震が続いています。僕自身、原作を提供したこともあるし、脚色したこともあります。僕はずっと今回の悲劇を「原作者と脚本家」の問題にしてはいけないと思っていました。 原作者さんの中には、「絶対に変えないで欲しい」と要望する人もいるし「おまかせします」と言う人もいます。それは、いいとか悪いの問題ではなく、原作者さんの個人の判断です。 問題は、「変えないで欲しい」という原作者さんの意向をちゃんと出版社が伝えたかどうかです。そして、それをちゃんとテレビ局が受け止めたかどうかです。 そして、もっと大切なのは、その要望が違っていた時に、それに対して対応するのは、原作者個人ではなく、原作者側に立つ出版社であり、その変更の要望を対応するのも、脚本家の前にテレビ局、つまりプロデューサーです。プロデューサーが「絶対に変えないで欲しい」という原作者さんの意向をどれぐらいのレベルで伝えたのか。そして、出版社は、どれぐらいの熱意で、その言葉をテレビ局に伝えたのか。 そこを問題にしないまま、「原作を変えることは是か非か」という論点にシフトすることは、意味がないと僕は思っています。 この佐藤秀峰さんの文章は、はっきりと出版社もテレビ局も、原作者の意向を無視し、原作者の立場を守ろうとしていないという痛切な事実が綴られています。その経済的な要求と脚本家の立場をイコールにしてはいけないと思います。問題は、原作者と脚本家ではなく、出版社とテレビ局です。そう思います。
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死ぬほど嫌でした|佐藤秀峰
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ドラマ「セクシー田中さん」をご視聴いただいた皆様、 ありがとうございました。 色々と悩んだのですが、今回のドラマ化で、 私が9話、10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情を、 きちんとお伝えした方が良いのではと思い至りました。 この文章を書くにあたって、私と小学館で改めて時系列にそって事実関係を再確認し、 文章の内容も小学館と確認して書いています。 ただ、私達は、ドラマの放送が終了するまで、脚本家さんと一度もお会いすることは ありませんでしたし、監督さんや演出の方などドラマの制作スタッフの皆様とも、 ドラマの内容について直接、お話させていただく機会はありませんでした。 ですから、この文章の内容は私達の側で起こった事実ということになります。 「セクシー田中さん」は一見奇抜なタイトルのふざけたラブコメ漫画に見えますが…。 自己肯定感の低さ故生きづらさを抱える人達に、優しく強く寄り添える様な作品にしたい という思いが強くあり、ベリーダンスに纏わる方々の思いにも共鳴しながら、 担当編集と共に大切に描いてきた漫画です。 ドラマ化のお話をいただき、当初の数話のプロットや脚本をチェックさせていただきながら、 最終的に私が10月のドラマ化に同意させて頂いたのは6月上旬でした。 「セクシー田中さん」は連載途中で未完の作品であり、また、漫画の結末を定めていない 作品であることと、当初の数話のプロットや脚本をチェックさせていただいた結果として、 僭越ではありましたが、ドラマ化にあたって、 ・ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。 漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく。 ・漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、 まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。 原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、 原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、 場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある。 これらを条件とさせていただき、小学館から日本テレビさんに伝えていただきました。 また、これらの条件は脚本家さんや監督さんなどドラマの制作スタッフの皆様に対して 大変失礼な条件だということは理解していましたので、 「この条件で本当に良いか」ということを小学館を通じて日本テレビさんに 何度も確認させていただいた後で、スタートしたのが今回のドラマ化です。 ところが、毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました。 ・漫画で敢えてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまう。 ・個性の強い各キャラクター、特に朱里・小西・進吾は原作から大きくかけ離れた 別人のようなキャラクターに変更される。 ・「性被害未遂・アフターピル・男性の生きづらさ・小西と進吾の長い対話」等、 私が漫画「セクシー田中さん」という作品の核として大切に描いたシーンは、 大幅にカットや削除され、まともに描かれておらず、その理由を伺っても、 納得のいくお返事はいただけない。 といったところが大きなところですが、他にも細かなところは沢山ありました。 「枠にハマったキャラクターに変えないでいただきたい。 私が描いた「セクシー田中さん」という作品の個性を消されてしまうなら、 私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ」と、何度も訴え、 どうして変更していただきたくないのかということも丁寧にご説明し、 粘りに粘って加筆修正し、やっとの思いでほぼ原作通りの1〜7話の脚本の 完成にこぎつけましたが…。 脚本家さん、監督さんといったドラマ制作スタッフの皆様と、私達を繋ぐ窓口は プロデューサーの方々のみでしたから、プロデューサーの方々が当初「ドラマ化の条件」として 小学館から日本テレビさんに伝えていただいた内容を、 どのように脚本家さんや監督さん、ドラマ制作スタッフの皆様に伝えていらっしゃったのか、 残念ですが私達には知る術はなく、 当初お伝えした「ドラマ化の条件」はどうなってしまったのだろう?という 疑問を常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しとなって、 その頃には私も相当疲弊していました。 そして、私があらすじ、セリフを準備する終盤のドラマオリジナル展開は 8話〜10話となりましたが、ここでも当初の条件は守られず、 私が準備したものを大幅に改変した脚本が8話〜10話まとめて提出されました。 特に9話、10話の改変された脚本はベリーダンスの表現も間違いが多く、 ベリーダンスの監修の方とも連携が取れていないことが手に取るように分かりましたので、 「当初の約束通り、とにかく一度原作者が用意したあらすじ、セリフを そのまま脚本に落としていただきたい」 「足りない箇所、変更箇所、意見はもちろん伺うので、脚本として改変された形ではなく、 別途相談していただきたい」 といったことを、小学館から日本テレビさんへ申し入れをしていただきましたが、 その後も、大幅な改編がされたプロットや脚本が提出され、 それを小学館サイドが「当初の約束通りに」と日本テレビさんにお戻しするという作業が 数回繰り返されたと聞いています。 最終的に、日本テレビのチーフプロデューサーの方から「一度そのまま書くように」との 指示が出たとも伺っていましたが、状況は変わらぬまま約4週間が過ぎてしまいました。 ドラマの制作スケジュールのリミットもどんどん迫っていましたので、 本当はドラマオリジナルとなる8話〜10話全ての脚本を拝見してオリジナル部分全体で、 加筆修正をさせていただきたかったのですが、8話だけ、 何とか改変前の内容に修正させて頂いて、日本テレビさんにお渡しすることになってしまいました。 9話、10話に関する小学館と日本テレビさんのやりとりを伺い、 時間的にも限界を感じましたので、小学館を通じて9話、10話については、 当初の条件としてお伝えしていた通り、 「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」に交代していただきたいと、 正式に小学館を通じてお願いしました。 結果として、日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は 9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、 9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、 脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、 という解決策となりました。 何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…。 素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです。 漫画「セクシー田中さん」の原稿の〆切とも重なり、相当短い時間で脚本を 執筆しなければならない状況となり、推敲を重ねられなかったことも悔いてます。 9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。 どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、 改めて、心よりお詫び申し上げます。 最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、 ドラマの制作スタッフの皆様と、「セクシー田中さん」の漫画とドラマを愛してくださった 読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします。 2024.1.26 芦原妃名子 ※こちらのブログ、10年も放置してしまったため、1日の訪問者数が既に一桁でして… なので今回、X(旧Twitter)新規アカウントを作って、同時にご報告させていただいてます。 芦原妃名子 @ashihara_hina
ドラマ『セクシー田中さん』について | 芦原妃名子 ブログ
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Persona 3 Movie Winter of Rebirth blu-ray interview.
劇場版「ペルソナ3」第4章
インタビュー
田口智久 (シリーズ演出・第2章監督/第4章監督)
足立和紀 (プロデューサー)
劇場版「ペルソナ3」第4章に込められた想い
劇場版「ペルソナ3」のコンテンツも、このBlu-ray&DVDで終了になるかと思いますが、現在の心境をお聞かせください。
足立 第4章になってその質問には何度もお答えしてきましたが、おそらくこれで本当に最後なんだと思うと少しさびしい気もしますね。
田口 僕はお客様に第4章をお届けできた時に、一度そこで区切りがついて終わったと思っていたのですが、別のお仕事が始まったりしているのに、まだこ���して劇場版「ペルソナ3」に関わらせてもらえていて、ちょっと不思議な感じです(笑)。
足立 でも、オーディオコメンタリーの収録で久しぶりに第4章を観直したのですが、そこでも新たな発見があったりして、すごく見応えのある作品だと思ったので、もしかしたら再びそんな機会があるような不思議な気持ちもあったりします。
田口 さすがに、これで本当に最後かと(笑)。ようやく終わるという感じですが、実際制作した身としては早かったなぁという印象です。
足立 すごい昔のことのように感じるよね。
田口 それが不思議なもので、確かに制作していたのは昔のことという感覚ですが、実際に思い起こすと昨日のことのように感じるんですよ。
そうした作品の締めが今回の第4章ということになりますが、最終章ということでこれまでと違った意気込みみたいなものもあったのでは?
足立 最終章ということはもちろんですが、第4章の内容は『ペルソナ3』における最も大切なエピソード、ここを描かなければ『ペルソナ3』とはいえないというほどのものなので、そういう意味で高いハードルはあったよね。
田口 集大成という気持ちでしたね。テーマ的にも、かなり難しい内容でしたから。
足立 「ペルソナ3」のテーマでもある“生と死”、その“死”を描くわけですからね。しかも、全4章を満しての包括的な結末を描く必要もあるわけで、難しい部分はあったと思いますよ。
田口 “メメントモリ(死を想え)”という『ペルソナ3』の主題を体現したものが第4章ですからね。その主題を据えながらも、どう描いてどう顕在化させるかという部分は苦労しました。
足立 監督としては、その死をどう描くという結論に達したの?
田口 どういう死を描くというより、死という結末が避けられないのなら、どういう生き方を描くかという考えでした。主人公たちが死に立ち向かい、命を投げ打ってまで何かを守ろうという思考は、逆に生きようと思わない限りそうした考えに至らないと思ったんです。
主人公の結城理たちが、最後の戦いに向けて決意を固めるシーンから、そうした思いは受け取れました。
田口 あのシーンは、アニメオリジナルのシーンで、そうした思いは込められています。それに、第4章で描かれるゲームの期間って、意外とエピソードが少ないので、キャラクターの感情を動かすシーンはどうしても必要だったんです。そこでスタッフたちと話し合って、オリジナルのシーンを作ることになりました。
メインテーマの「僕の証」があのシーンで流れたのにも、生き方を描くということを意識した狙いがあったのでしょうか?
田口 メインテーマを流すシーンの候補は2つあって、1つは今お話したシーンで、もう1つが最後の戦いに向けて団結する屋上のシーンだったんです。ただ、長く流したいという考えがあり、それもあって、時間的に長いシーンという理由で決めました。彼らが悩みから立ち直るシーンに合った曲だったので内容的にもよかったと思っています。
では、第4章で一番お気に入りのシーンは、どのシーンですか?
足立 ラストはもちろん素晴らしい内容だと思いますが、それ以外にも今お話したメインテーマが流れるシーンや雪のシーンなどカット単位でお気に入りはたくさんあるんですよ。どのシーンもスタッフが1つ1つこだわって作ったんだということが伝わってきて、1つには絞りきれませんね。どこがダメだった かを言ったほうが早いかも。
田口 え、ダメなシーンありました⋯⋯?
足立 ウソウソ、ないよ(笑)。
田口 もう、ドキっとさせないでくださいよ!
足立 あ、でも、(望月)綾時が学生寮で最後の挨拶をして出て行くシーンのコロマルは、ちょっとおもしろかったかも。天田(乾)に抱えられているという描写なんだろうけど、天田の顔のすぐ下にコロマルの顔だけがあって、一瞬コロマルが立っているのかと思っちゃった(笑)。主要メンバーが集結するシーンでは、コロマルも描かないといけないという不文律を描いた最たるシーンだなぁと。
田口 コロマルは大変なんですよ。普通に描くと人間のヒザくらいしかないので(笑)。
3年間で全4章を描き上げた劇場版「ペルソナ3」
劇場版「ペルソナ3」全4章を約3年で描ききったわけですが、改めて大変だったこと、作ってよかったと思えたことをお聞かせください。
足立 本当はもう少し早く全4章を制作する予定だったのですが、いざ作り始めると、こだわりたい部分がたくさん出てきて、時間をかけてしまいました。そういう意味で一番大変だったことというのは挙げづらくて、苦労の連続でしたね。
田口 僕は第2章で初めて監督として関わらせていただいて、周りは熟練のスタッフさんが多いなか、勝手がわからず苦労したのが一番ですね。最初は各シーンについて聞かれても、うまく説明することができなかったりして、心境的にツラい時期もありました。そのぶん、第4章では1つも文句を言わせないという意気込みで作っていたのですが、結局はツッコまれちゃいましたけど(笑)。でも的を射ていたので言い返すこともできず、いつかギャフンといわせる作品を作りたいですね。よかったことは、やっぱり公開された作品を見てくれたお客さんの反応で喜んでもらえたことを知ったときですかね。
足立 そうだよね。僕たちは舞台挨拶で実際に見てくださった方の顔を見られたり、声を聞けたりしたので、そのときは作ってよかったなと思いました。
原作がある作品のアニメ化はさまざまですが、マンガや小説と比べてゲームのアニメ化というのはほかとは違うものでしたか?
足立 見てくださる方の多くが、各シーンを知っていて、しかもお気に入りの名シーンとして認知されているので、その理想を映像化するとなるとハードルはどうしても高くなりますね。そのハードルを越えて満足させなければいけないというのはプレッシャーでもありますが、逆にそれがあるからモチベーションを保てるという部分もあって、難しいけれどやりがいにもつながっていると思います。
田口 すでにファンが存在しているというのはプレッシャーですよね。とくにゲームは、流れも過程も結末も知られているわけですが、そこに至る体験はユーザーごとに千差万別になるので、その体験をどのように呼び覚ますかというのは通常のアニメよりもじっくり考える必要があります。ゲームのシーンをそのまま映像化したのでは、絶対に感動させるというはあると思います。また、マンガなら絵があるので感情表現もわかりますが、ゲームのモデリングだと無表情なことも少なくありませんからね。それを感情移入できる画角や演出に落とし込む作業が必要になるんです。
足立 『ペルソナ3』だとキャラクターには個性があって、そのイキイキしたさまをそのまま描けばいいのですが、主人公はプレイヤーの分身なので個性が付いていなですよね。そんな主人公にほかのキャラクターと同じ彩を持たせてセッティングしなければいけないというのは、「ペルソナシリーズ」ならではの苦労でした。それは、主人公像を作り上げるという大変さだけでなく、おもしろい原作にアニメスタッフのオリジナル要素を同じクオリティで盛り込まなければいけないという大変さでもあるわけです。そういう意味で、主人公の確立は苦労しましたね。
その主人公は、当初考えられた設定と比べて、第4章を終えた今変わったと感じる部分はありますか?
足立 基本的には最初に考えたキャラクターになったという認識です。ただ、いろいろな人が関わって作り上げられたキャラクターなので、そのプロセスのなかで自分が想定しなかった部分ももちろんあります。それは、演出であったり、コンテであったり、理を演じてくださった石田さんの芝居の影響などさまざまです。そのすべての要素が主人公の魅力につながったと思います。
田口 僕はそうして作られた主人公を使わせてもらったという感覚��んです。主人公を作るより、その主人公に何をさせるかを考えるほうが大変でした。シーンによっては理をからませにくいシーンもありましたからね。たとえば、(伊織)順平とチドリのエピソードや、(岳羽)ゆかりと(桐条)美鶴のエピソードなどは、それぞれセパレートされたシーンで、理がいなくても進行できます。でも、そうすると主人公の存在感が薄くなるので、いかにして理をからませるかに苦心しました。
主人公だけでなく、多くのスタッフによって劇場版「ペルソナ3」が制作されたわけですが、完結したということでそんなスタッフのみなさんにひとことお願いします。
田口 お疲れ様でした、ありがとうございましたという言葉に尽きますね。よくあんな面倒な指示に応えてくれましたって感じです(笑)。
足立 本当にそうですよ。よくぞ逃げずに最後まで付き合ってくれましたと感謝しています(笑)。
では最後に、劇場版「ペルソナ3」を最後まで応援してくれたファンにメッセージをお願いします。
田口 みなさん、本当にありがとうございました。劇場版「ペルソナ3」という作品が完結できたことはみなさんのおかげだと思いますし、ここまでたどり着けたことは制作冥利に尽きると感じています。また、この作品がみなさんにとってBlu-rayやDVDなどで何度も見たくなるような大切な作品になってくれていれば、すごくうれしいことだと思います。
足立 ありがとうという感謝の気持ちに尽きます。満足してもらえていればうれしいですし、それだけの作品をお届けできたとも思っています。劇場版「ペルソナ3」はこれで完結になりますが、この先も続く「ペルソナシリーズ」の応援をお願いするとともに、また違う形でみなさんにお会いできることを願っています。
ライター:長谷川暢俊
編集:森澤信彦(電撃マオウ編集部)
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「ところで、その乗馬靴だが、注文して半年もたった頃、思い出したように送って来たんだが、中にはいってる木型がどうしても取れない。多分、見えないところに螺子かなんかがあって外すようになっているんだろうと思って随分調べたんだが、とうとう判らなかった。だから、あれは木型のはいったまま、今でもちゃんとしまってあるよ。 多分、あれは乗馬靴じゃなくて、木型を保存するための革ケースだったのかもしれんね」 そこで、我々は顔を見あわせ、チャックはいい男だ、背広を着ると全く似合わないが、あんなにいい男はいない、と口々にいって、それから誰かが、プロデューサーのマイク・ヴァシンスキーが、ロールス・ロイスを注文した時、扉の外につける御紋章はいかがいたしましょうか、と聞かれた話をして、――君も、ロールスを注文しに行くときは、あらかじめ答えを用意していった方がいいよ――一座はしばらく沈黙におちいった。
伊丹 十三『ヨーロッパ退屈日記』
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4月の真ん中2週間
不定期の表れ
文章をカバンの奥に投げ入れる くしゃくしゃの紙を押し広げる作業
4/9
健康診断があった 朝のそこそこ早い時間にはじまるため、前日にそこそこ気合を入れて眠った 間に合ってよかった 以上
その後、お昼時まで時間割を練ったりscrapboxを整理したりでノートパソコンとにらめっこしていた なんとか良さげな時間割を組み立てられたがめちゃめちゃ不安 でもお腹が空いていて不安にかられる暇などない
食堂のいももちが改良されていた! 納得の感動
以前まではのっぺりとしたもちに甘いたれがかかっているのみだった これからのいももちは違う もち部分が、ジャムクッキーのような見た目になり、たれがくぼみの中に留まっている たれが皿までこぼれず、食べる側も洗う側も嬉しい変化だと思った そして味について、外側のたれがかからない部分はカリカリに、中のくぼみはよりもちもちじむじむしている 美味しい〜〜〜〜〜 改良前後どちらも美味しさ自体は変わらないのだが、方向性と改善策が明らかに見えて少し感動した
4/19
「リズと青い鳥」観た 観た 観た
響け!ユーフォニアムの映画作品がEテレにて連日放送されていたのを録画し、やっと今日観た
・細かに語ることは省く 上品で丁寧な構成と空気感、人物の動きが楽しいが繊細さをもっていて常に適切、現実的でもあり物語的でもある人物 めちゃめちゃすごい めちゃめちゃ好き
・鎧塚みぞれさんが自身の受け持ったメロディをどう吹くべきかわかったのちの演奏シーン 感情の演奏をきくとすぐに泣いてしまう
・その時の本当の部分を見てないことですれ違って、お互いまだ気づけてないのに答えだけわかってしまったから元に戻る関係性最高〜〜〜〜
4/20
久々のレポートをしたという実感
提出期限が迫る中、なかなかの時間ぐてぐてYouTubeを開いたりX/Twitterを流したりしていた 楽しすぎる ロウアイキューさんの最高動画や星導ショウのゲーム配信を見たりなど 楽しすぎる 期限に少し余裕があるが取り組まないといけない時間が一番創作意欲も鑑賞意欲も溢れている そして二時間前になって腰を据えて文字を打ち、また寄り道をして、一時間前になってやっと文章をまとめ始める 結果無事提出できたから最悪とまではいかないな🎶と思ったが、積み上げられた洗濯物と本当は今日調理されるはずだった食材を見て最悪の気分を取り戻せました よかった レポートはさっさと終わらせたほうがよい(真言)
応援ありがとうございました
4/21
洗濯しながらお米炊いてお米炊きながらお風呂に入ってお風呂上がりながら洗濯物干して青椒肉絲つくって寝た
たけのこ、茄子、余ってた玉ねぎ、ひき肉の茶色い青椒肉絲 ふつーに美味しい
4/22
授業 言語系なので紙に書く ルーズリーフを忘れたのでコピー用紙に書く めちゃめちゃ速い 教授の書く消す話す速度にしがみつく 目線も腕も忙しない コピー用紙裏表つかった つかれた
抹茶のソフトクリームを食べた
とにかくあまいものたべたい 目に入った瞬間少しでも良いと思ったら買うしかない 食べるのだ ソフトクリームを受け取り、ベンチに座る 一口食べ、正気に戻る それなりに高い…… でも見た瞬間あまいものでなくソフトクリームが食べたくなったからしょうがないし、これを食べること自体値段ではない 値段ではあるけど
時々雲の隙間から日光が膝に当たって嬉しかった 新鮮な感覚が、知っている良いものだとわかった時嬉しくなる
4/23
ヤンニョムチキン
いつも昼食は500円以下におさめるようにしている コンビニと学食では350円以下になるとラッキー 今日の昼ご飯のヤンニョムチキンもだいたいそのくらい ヤンニョムチキン ヤンニョムチキン、はじめて食べた 名前と出自だけ知ってたけど意外といいやつでした ヤンニョムチキン に
ごはん、食費や時間の観点から煩わしいのだが、一連の動きとその感覚が楽しすぎるので食べているとそれだけになって、満たされて、まあいいかと煩わしい〜〜という渦まきを投げ出してしまう ズブズブ
最近、明治の板チョコも選んでいる
一度、明治が少しお安くなっていた時があり、なんとなく買ってみたらいいじゃん〜🎶となったため それから買い出しの度2枚ほどカゴに入れている 厚めでさらさらしてて美味しい 前まではGhana一択の世界で生きていた 明治にしっくりこない香りを感じて(なんで?)それだけ選んでいた
4/25
めちゃめちゃ晴れているから散歩したいし電車乗って帰ってみたい
今週ずっと帰りたい欲求がじわじわ広がっていていやだ 自身の脆さに涙が出る GWに祖父母の家に行く予定をぼんやり立てているから、それを思い浮かべて欲を沈める 予定と行っても、荷物をかばんに詰めて電車に乗るだけだが……
家の匂いが好き 今いるアパートの匂いもそれなりに吸うと落ち着くようになったが、和みはしない 弱い そんなにイイ匂いじゃないし…… アパート独特の絶妙としか言えない感じ
欲求は家の敷地に入って息をした途端に解消され、骨に染みるほどにアクションリミットが増えていく クッキーは無視できないが、それよりタコチのほうが欲しい でもそれは実際の話でなく、無駄をそぐための方法で別にどうでもよい クッキーを持っている間に後悔は訪れない 魔法よりも記憶の根っこを持っていたい ん!?と後ずさりだけなの好き 原因を説明する必要などないに決まってるし、こちらの理解という一アクションが組み込ま��た向こうは最高になれる だからクッキーはもう受け取らない
食べもの食べること至上主義で生きてないけど、なんかいつもそれ関連が多くなってしまう 何なんだ 一番好きな食べものは人が作ったごはんです 安心が大好き! よろしく(なにが?)
画像ノルマ
かわいい〜〜〜
風野灯織さん、好きにならないわけがない
信念をもって輝いていたり、真面目さが変(シュールという意)だったり 熱も抜けも全てギャップ 好き
プロデューサーとアイドルだったり、おじさんと姪っ子みたいだったり、互いにやわらかくも固くもあれる���ートナーだったりで完全な安心を信頼してプロデュースできる 好き
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“宮さんはねえ、普通の本を読まないんですよ、児童書だけ。あんなに読んでいる人はいないですよ。僕が出会って、45年かな。宮さんは、月に10冊近く児童書を読んでいる。新しい児童書ばかり読むんです。『本へのとびら 岩波少年文庫を語る』という本を書いているぐらい。”
スタジオジブリ鈴木敏夫が語る“3人の監督”の「決定的な違い」《宮﨑駿は「映画を観ない」》《押井守は「正直者」》《高畑勲は「やってはいけない」をやる》(村嶋 章紀)
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