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#改正or殉死
moko1590m · 1 year
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ソクラテ爺「脱法はいかん」
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ari0921 · 8 months
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西岡力先生の論考です。
<正論>織田元空将の正論に申し訳ない 
麗澤大学特任教授・西岡力
1月16日付「正論」で元空将の織田邦男氏が書いた「憲法に自衛隊明記が必要な理由」を読んで私は恥ずかしくてならなかった。織田氏は結論でこう書いた。
<国防という崇高な使命を果たす自衛隊を憲法に明確に位置付ける。自衛官に名誉を与えるだけでなく、国民に国防の当事者意識を持たせることになる。「13・2%」という異質性は、大いに改善されるだろう。ひいては抑止力強化に繫(つな)がり、結果として平和が守られることになる>(13・2%は「もし戦争が起こったら国のために戦うか」の問いに「はい」と答えた日本人の比率)
民間人が率先すべき論陣
自衛隊員に名誉を与えるべきというこのような論説を、命がけで国防に従事してきた元自衛官自身に書かせてはならないと私は考えてきた。われわれ民間人が率先してその論陣をはるべきだからだ。
私は平成28年8月16日付本欄(「自衛隊を憲法に明記する発議を」)でこう書いた。<自衛隊員は現在、南スーダンや尖閣諸島付近などで命がけで任務を遂行している。隊員は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」という宣誓をしている。彼らに報いる道は名誉を付与することだ。
最初の憲法改正発議において、自衛隊を憲法に明記することを避けながら、今後も命をかけて国のために働けと命令するのであれば、政治家はあまりに自衛隊員に失礼である。隊員に名誉を与えるため、自衛隊の存在を憲法に明記するための闘いから逃げてはならないと強く思っている>
自衛隊明記も実現していない
直前の参院選の結果、改憲に賛成する勢力が衆参両院で3分の2を超えたことを受けて書いたものだった。その約9カ月後、当時の安倍晋三首相が自衛隊を憲法に明記する改憲を提案し、自民党はそれを受け改憲案をつくった。
そもそも自衛隊の憲法明記は現行憲法の9条2項の戦力不保持条文をそのままにするという前提だ。2項がある以上、自衛隊は通常の軍隊には課せられていない様々な制約を受け続ける。そのことも自衛隊員に申し訳ないと心から思うが、戦後日本の平和ぼけの厚い壁を前にして、まず自衛隊を明記することから始めるべきだと私は8年前に本欄に書いたときに考えた。しかし、まだ憲法への自衛隊明記は実現していない。そこでしびれを切らした元空将が本欄で声を挙げられた。恥ずかしく、申し訳なくてならない。
織田氏は現在、ある大学で安全保障の講義を担当しており、その講義を受けた学生の、国のために戦うと答える比率が顕著にアップしている。その素晴らしい講義を紹介したSNSに対し、若者に命を粗末にしろと教えているなどと見当外れの批判が起きていると聞き驚いている。今現在わが国の安全が守られているのは自衛隊員が命をかけ神聖な任務を果たしているからだ。そのことを知ったら元空将の講義を批判することなど恥ずかしくてできないはずだ。
繰り返すが、自衛隊員は今この時も命をかけ、わが国を守る崇高な任務にあたっている。本当に命がけだから毎年、殉職者が出ている。私は数年前まで防衛省オピニオンリーダーを拝命し、自衛隊殉職隊員追悼式に参席していた。幼い子を残して殉職した隊員はじめ、任務で殉職された英雄が毎年いることをよく知っている。
今年前半に改憲発議を
岸田文雄首相は、自身の任期内に憲法改正を実現すると公言している。自民党は①自衛隊の明記②緊急事態対応③合区解消・地方公共団体④教育充実―の4項目の改正案を提示しているが、最初の憲法改正発議に何を盛り込むのかまだ結論を出していない。
私はここで声を大にして①を絶対に外してはならないと言いたい。国連安保理常任理事国ロシアがウクライナへの侵略戦争を起こし、残虐なテロ攻撃に対してイスラエルが自衛権を行使している。中国共産党政権は台湾への武力行使の準備を進めている。台湾有事が日本の有事ならば、現行憲法下で最初の防衛出動、自衛隊による武力行使があり得る。戦死者が出ることは避けられない。
そのことを承知の上で自衛隊員は日夜、訓練を重ねている。それなのにわが国憲法ではいまだに「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という否定文だけが書かれ、自衛隊について一言も触れていない。憲法学者の多数は自衛隊違憲論を主張し、一部の教師らが教室でそのような内容を教えてさえいる。
命がけの仕事をする彼らに報いる道は名誉を付与することだ。最初の憲法改正発議で自衛隊を憲法に明記することを避け、今後も命をかけて国のために働けと命令するのであれば、あまりに自衛隊員に失礼ではないか。まず声を挙げるべきは元自衛官ではなく、われわれ民間人だ。政治家は自衛隊明記の憲法改正発議を今年前半にぜひ実現させてほしい。国民は国民投票で通す戦いに臨む覚悟はできている。(にしおか つとむ)
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reportsofawartime · 9 months
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ハマスは、イスラエルがガザに返還された80人のパレスチナ人の遺体の一部から臓器を盗んだと報告している! 「敵シオニストが今日、約80人のパレスチナ殉教者の遺体をラファ市に引き渡したことは、ガザ地区のさまざまな地域から遺体を運び出したため、腐敗が進んでいて認識が困難な状態にあり、この敵が何をするのかに疑問符を付けている」 、道徳と価値観に欠けている、これらの���を改ざんしました。 多くの事件で、彼が殉教者の遺体から臓器を盗んだことが明らかになった。 敵のやったことは戦争犯罪、凶悪な犯罪、そして死者の神聖さと尊厳に対するあからさまな侵害としか言いようがない。 彼の野蛮さと道徳的低下は、我が国民に対する彼の攻撃性と、我が国の正義の殉教者の遺体に対する暴行と彼らの墓の掘り起こしによって確認されています。」
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moja-co · 1 year
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後藤田正晴について 「菅だけは絶対に総理にしてはいかん」 「あれは運動家だから 統治ということはわからない。 あれを総理にしたら日本は滅びるで」
- 自社さ政権当時、厚生大臣としてマスコミで持ち上げられていた菅直人について。
しかし、連立政権への影響を考えて、御厨貴によるオーラル・ヒストリーの際にオフレコだとして当時は削除させた。
なお、当の菅は後に総理大臣となって官房長官に仙谷由人 (後藤田と同じ徳島県出身の仙谷は、菅同様に全共闘運動に参加し、ピース缶爆弾事件の弁護人を務めた過去があり、さらに徳島県全県区選出議員として後藤田とは議席を争いあう関係にあった。) を起用した際、 「よく中曽根政権の後藤田先生の名前が出るが、そうした力を持つ方でなければならない」と後藤田を引き合いに出し、仙谷も「官房長官の中では戦後最も実績を挙げた」と後藤田について言及している。
「やっぱり危ないと思うのは 共産党と公明党だ。 この国への忠誠心がない政党は危ない。 共産党は前から徹底的にマークしているからいいが、 公明党はちょっと危ないよな」
- 上記発言と同様、御厨貴のオーラル・ヒストリーから削除させたうえに
「もしかすると自民は公明と 一緒に何かをするかもしれない。 その際に後藤田がつまらないことを言ったということが残るとまずい。 これだけは俺が死ぬまでは絶対に吹聴してはいけないよ」と固く口止めした。
警察庁長官時代に池田大作と会談しており、 池田が 「われわれは体制内の改革を目指す」 と発言したことから、 公明党に対する「警戒心を解いた」としている。
「過激派のテロで、第一線の若い警察官が殉職するのは気の毒であり、対策を急がねばならないが、 本当に怖いのは過激派ではなくて、 違法な手段で政権奪取を狙う 共産党だ」。
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nccwa · 1 year
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杨秋生影评 | 黑白中的残酷与温情
【海外文轩】Original 一弘女士
2023-04-04 06:00 Posted on 美国
一位对各类艺术涵养颇深的文友,最近高度推荐一部2016由法国导演冯斯瓦欧容( François Ozon )拍摄的作品——《法兰兹》(Frantz)。
一开演,我就被黑白的拍摄手法吸引住了。黑白单一色调,比彩色电影更能直击内心深处,也颇能营造出 1919年第一次世界大战当时的场景,充满怀旧气息。
影片是以一战后的德国女子安娜,因未婚夫法兰兹在德法两国交战时阵亡而伤痛欲绝时,在墓园见到一位神秘法国男子默默为其未婚夫墓碑献花致哀,而牵引出一段爱恨情仇、宽容与救赎的故事。
这位带着阴柔抑郁面容,身形消瘦叫做阿德里安的法国男子,前去德国拜访法兰兹的父母。法兰兹的父亲犹在深如刀割的丧子之痛中,视来自敌国的阿德里安为杀死自己儿子的凶手,将他赶走。
事后因意识到阿德里安所以会来访,极可能是独生子法兰兹在法国求学时结交的生前好友,一改敌视态度,邀约阿德里安来访,希望从他口中听到所有关于法兰兹的故事。
阿德里安再度拜访时自称他是法兰兹的好朋友,两人在法国曾经度过一段美好时光。随着阿德里安的描述,法兰兹的父母及未婚妻安娜的心灵得到极大的慰藉。他们每天邀请阿德里安来家中晚餐,总在他的描述中,心灵随着法兰兹愉悦地在卢浮宫艺术殿堂里徜徉、在街头小酒馆里畅饮、与法国女孩子们舞动着青春年华、寂静夜裡里阿德里安一旁指导法兰兹拉小提琴⋯⋯鲜活的法兰兹被阿德里安带回到他们沉寂几近行尸走肉的生活里,生活有了元气与爱。
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这位温柔带着忧郁与阴柔气质,喜爱诗歌、艺术与音乐的腼腆法国人,让同样喜欢沉浸在艺术与文学的安娜渐生情愫,法兰兹的父母也将对法兰兹的思念与深情转移到阿德里安身上。然而法兰兹的父母对他越好,安娜也将爱投射到他的身上时,这个实则在战场上杀死法兰兹,来到德国一心前来赎罪的阿德里安因为撒下如此漫天大谎而接近崩溃的边缘。他终于无法再承受良心的啃噬与谴责,将原委全盘向安娜托出。
网路图片
而安娜面对的不是一个被简化定义为战争的杀人犯,而是一个有血有肉,有着艺术涵养情感丰富内心脆弱又善良的人。为了赎罪、为了补偿,试着从法兰兹留下的一封信来来回回阅读中捕捉法兰兹的世界,想要替代法兰兹慰藉他父母的心灵。在如此巨大的冲击下,安娜痛苦地决定将守住秘密,同时也编织着另一个谎言,说法兰兹父母绝不会原谅他,请他离开德国,并对法兰兹父母谎称阿德里安因母病而返乡。
在失去挚爱,又发现自己爱上的竟是杀死自己未婚夫的仇敌,安娜不知活下去的意义在哪里,决定结束自己的生命,正好被父亲朋友发现,将她救出来,撂下一句意味深长的话:“这场战争已经死了太多人!”
是的,生命的消逝,只会带来更多的伤痛。
安娜向神父告解,神父告诉她揭开真相有时会对人造成更大更深的痛苦与伤害;谎言有时是来自忏悔的灵魂与善良的心,反而能抚慰人心。安娜决定让谎言成为法兰兹父母最终的温暖。
安娜寄给阿德里安的信被退回,法兰兹父母鼓励安娜到巴黎,寻找阿德里安,另一段真爱。
几经辗转终于找到搬了家的阿德里安,才知道全盘托出真相的阿德里安回到法国后,仍然无法挣脱杀人的内疚与背负着痛苦,也试着自杀。后与在战争中失去弟弟的青梅竹马芬妮重逢,芬妮一路伴着他走过死荫的幽谷。后在母亲的安排下,订下婚约。
尽管彼此已萌生爱意,但“太迟了”。安娜决定留在巴黎,追寻着法兰兹曾经走过的脚步,继续编织着谎言安慰法兰兹的父母。安娜最后来到阿德里安编织的谎言——与法兰兹共游的马奈画作《自杀者》前面。旁边坐着的一个正在欣赏这幅画作,长相及气质都与阿德里安有几分想似的男子转过头来问她:“妳也喜欢这幅画吗?”安娜回答:“是的,它给了我活下去的勇气!”
电影最后定格在安娜的脸部,镜头拉近,安娜的脸由黑白渐次染上彩色,眼睛发亮,脸上充满光泽,留下无尽的余韵。
【海外文轩】杨秋生影评 | 黑白中的残酷与温情
Original 一弘女士 海外文轩 2023-04-04 06:00 Posted on 美国
一位对各类艺术涵养颇深的文友,最近高度推荐一部2016由法国导演冯斯瓦欧容( François Ozon )拍摄的作品——《法兰兹》(Frantz)。
一开演,我就被黑白的拍摄手法吸引住了。黑白单一色调,比彩色电影更能直击内心深处,也颇能营造出 1919年第一次世界大战当时的场景,充满怀旧气息。
影片是以一战后的德国女子安娜,因未婚夫法兰兹在德法两国交战时阵亡而伤痛欲绝时,在墓园见到一位神秘法国男子默默为其未婚夫墓碑献花致哀,而牵引出一段爱恨情仇、宽容与救赎的故事。
这位带着阴柔抑郁面容,身形消瘦叫做阿德里安的法国男子,前去德国拜访法兰兹的父母。法兰兹的父亲犹在深如刀割的丧子之痛中,视来自敌国的阿德里安为杀死自己儿子的凶手,将他赶走。
事后因意识到阿德里安所以会来访,极可能是独生子法兰兹在法国求学时结交的生前好友,一改敌视态度,邀约阿德里安来访,希望从他口中听到所有关于法兰兹的故事。
阿德里安再度拜访时自称他是法兰兹的好朋友,两人在法国曾经度过一段美好时光。随着阿德里安的描述,法兰兹的父母及未婚妻安娜的心灵得到极大的慰藉。他们每天邀请阿德里安来家中晚餐,总在他的描述中,心灵随着法兰兹愉悦地在卢浮宫艺术殿堂里徜徉、在街头小酒馆里畅饮、与法国女孩子们舞动着青春年华、寂静夜裡里阿德里安一旁指导法兰兹拉小提琴⋯⋯鲜活的法兰兹被阿德里安带回到他们沉寂几近行尸走肉的生活里,生活有了元气与爱。
这位温柔带着忧郁与阴柔气质,喜爱诗歌、艺术与音乐的腼腆法国人,让同样喜欢沉浸在艺术与文学的安娜渐生情愫,法兰兹的父母也将对法兰兹的思念与深情转移到阿德里安身上。然而法兰兹的父母对他越好,安娜也将爱投射到他的身上时,这个实则在战场上杀死法兰兹,来到德国一心前来赎罪的阿德里安因为撒下如此漫天大谎而接近崩溃的边缘。他终于无法再承受良心的啃噬与谴责,将原委全盘向安娜托出。
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而安娜面对的不是一个被简化定义为战争的杀人犯,而是一个有血有肉,有着艺术涵养情感丰富内心脆弱又善良的人。为了赎罪、为了补偿,试着从法兰兹留下的一封信来来回回阅读中捕捉法兰兹的世界,想要替代法兰兹慰藉他父母的心灵。在如此巨大的冲击下,安娜痛苦地决定将守住秘密,同时也编织着另一个谎言,说法兰兹父母绝不会原谅他,请他离开德国,并对法兰兹父母谎称阿德里安因母病而返乡。
在失去挚爱,又发现自己爱上的竟是杀死自己未婚夫的仇敌,安娜不知活下去的意义在哪里,决定结束自己的生命,正好被父亲朋友发现,将她救出来,撂下一句意味深长的话:“这场战争已经死了太多人!”
是的,生命的消逝,只会带来更多的伤痛。
安娜向神父告解,神父告诉她揭开真相有时会对人造成更大更深的痛苦与伤害;谎言有时是来自忏悔的灵魂与善良的心,反而能抚慰人心。安娜决定让谎言成为法兰兹父母最终的温暖。
安娜寄给阿德里安的信被退回,法兰兹父母鼓励安娜到巴黎,寻找阿德里安,另一段真爱。
几经辗转终于找到搬了家的阿德里安,才知道全盘托出真相的阿德里安回到法国后,仍然无法挣脱杀人的内疚与背负着痛苦,也试着自杀。后与在战争中失去弟弟的青梅竹马芬妮重逢,芬妮一路伴着他走过死荫的幽谷。后在母亲的安排下,订下婚约。
尽管彼此已萌生爱意,但“太迟了”。安娜决定留在巴黎,追寻着法兰兹曾经走过的脚步,继续编织着谎言安慰法兰兹的父母。安娜最后来到阿德里安编织的谎言——与法兰兹共游的马奈画作《自杀者》前面。旁边坐着的一个正在欣赏这幅画作,长相及气质都与阿德里安有几分想似的男子转过头来问她:“妳也喜欢这幅画吗?”安娜回答:“是的,它给了我活下去的勇气!”
电影最后定格在安娜的脸部,镜头拉近,安娜的脸由黑白渐次染上彩色,眼睛发亮,脸上充满光泽,留下无尽的余韵。
这是一部乍看是黑白电影,其实只是一个以黑白作为基调,其中几处总会慢慢染上彩色,也就是说其实是一部黑白与彩色交错的电影。史匹柏曾说:“对我来说,颜色是生命的符号。”战争,是残酷的、严肃的,黑白凸显了战争带给人们的伤害和自身的残酷。记得以黑白作为基调的《辛德勒名单》,大屠杀悲惨的画面上出现一位衣着红色外套脸部平和的小女孩儿,在大街上逆着持枪的德国纳粹队伍向前走,在整个黑白的人群中,红衣小女孩特别显目,给了观众视觉上强烈的冲击感,看得更是怵目惊心!小女孩最终躲进了一间空房子,颜色再次转为黑白,宣告了生命遁入了人生的最黑暗。黑白与彩色的轮转运用,更具戏剧性与张力!
《法兰兹》这部电影黑白中会随着剧情或者主角心情与情境转为彩色。譬如安娜谈到她和法兰兹相识与相恋的甜美回忆时,电影逐渐染上彩色,带出喜悦的情绪。阿德里安以温柔的情绪描述他与法兰兹同游,在罗浮宫看画时刻(虽然是想像编织出来的),温馨的情绪将画面渲染成彩色。阿德里安指导法兰兹拉小提琴、阿德里安为法兰兹父母演奏小提琴的时候,都是彩色的。看得出导演有意在演绎温暖光明的桥段时多以彩色来呈现,其他关于战争及抑郁情绪则维持黑白色调,明显地向观众表达两种不同的情境。最末安娜的脸染上泛着光泽的彩色,更清楚地暗示了安娜未来的走向。
导演欧容在这部电影的艺术表现上煞费苦心,不单在色彩上用心,连诗歌、音乐配乐与绘画的穿插搭配不单增添艺术气息与诗意,也互相融合,成为电影生命的一部分。电影中当安娜再度到墓园远远见到那位来自法国的陌生人时,树叶随风舞动沙沙作响,如秋风悲鸣,呼应着祭弔者的心情。安娜和阿德里安一起到墓园,安娜提起法兰兹,吟着法国诗人魏尔伦(Paul Verlaine)的《秋歌》(Chanson d’automne)诗句:“秋声悲鸣/犹如小提琴/在哭泣/悠长难耐的阴郁/刺痛了/我心脾。沉沉闷闷/迷迷濛蒙/钟声荡起/往事如烟/在眼前重现/我泪落如雨/我走了/恶风卷着我/东飘西零/飘啊,/飘啊,/宛如那/枯叶飘零。”诗句与情境相呼应。
电影中的配乐是可以铺陈、渲染,营造一种氛围,也可以带动、加强剧中人物的情绪,也能让剧中角色立体化,还能让观众较易进入角色的内心世界,也让观众更容易进入电影里的虚拟世界,达到娱乐或疗愈作用。电影音乐甚至能增加剧情的张力、丰富剧情层次,更能加强电影的主题,是电影艺术重要的一环。这部影片中安娜自杀被救躺在床上阅读新寄到的魏尔伦诗集,耳际响起弗兰兹的琴声、阿德里安对着法兰兹父母描述想像中的与法兰兹前往卢浮宫时音乐响起⋯⋯ 萧邦的《升C小调第二十号夜曲》、柴可夫斯基的《如歌的行板》、德彪西的《星夜》等音乐,似乎也都带着情感走入电影的生命中,与电影融合为一,烘托出更动人的情节。
电影中的法国画家马奈(Manet)作品《自杀者》,在电影中四度出现,在电影里头到底是想呈现什麽?
第一次是出现是阿德里安在想象中描述他与法兰兹在卢浮宫欣赏马奈的这幅画(电影中并未说明画作内容)。第二次是安娜在来到巴黎寻找阿德里安,来到卢浮宫看到的,赫然发现竟然是一幅描述自杀者的画。第三次是安娜到阿德里安的家在阿德里安的卧室里看到的。第四次则是安娜得知阿德里安已有婚约,伤心之余再度来到罗浮宫静静坐在画前。
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阿德里安编出的友谊中法兰兹生前挚爱的画作,马奈的《自杀者》,如一面镜像,反应的是和平主义者(反战者)的内心世界。法兰兹是和平主义者,是父亲让他参战的,当他面对敌人阿德里安时,枪并无上膛,在战场上无疑是自杀行为,这凸显了坚毅的反战信念。阿德里安亦是和平主义者,也非自愿参战,为求自保,射杀了法兰兹,导致精神几近崩溃,尝试自杀,即使为保国、为自保而杀人,仍是罪孽,逃不过良心的谴责。而安娜,在法兰兹殉国后,移情阿德里安,当她知道阿德里安是射杀法兰兹凶手后,也尝试自杀。战争带给人太多的伤痛和人生的难题,活着的人如同自杀者,生不如死。而安娜最后决定离开阿德里安走自己的路,她循着法兰兹不论是真实的还是虚幻的走过的路,最后来到罗浮宫,当她面对着《自杀者》,了悟到生命的真相就存在于马奈的《自杀者》的画作里,“是这幅画给了我活下去的勇气。”——安娜有了向死而生的醒悟!
我们从电影的表面视觉上透过导演的技巧,深入整个故事情境,也深入各个人物的内心世界,进而体会导演欲诠释的内涵,而进入观众自己的深层思考/反思。
作品当中不时地透露着导演的“镜”外之意,产生悬念效果��让观众发挥了最大的想像力。譬如阿德里安受邀至法兰兹家中作客,提及法兰兹之死,阿德里安表情哀戚隐隐含泪,安娜不由问他战前在巴黎认识法兰兹时,“你们两个之间是怎麽回事?是因为女人关系吗?”阿德里安回答说,“不,我们之间只是友谊。”阿德里安腼腆地解释,而安娜的笑意中却带着意味深长的揶揄,意味着她似乎意识、猜测或甚接受法兰兹与阿德里安之间有着超过友谊的界线(男主阴柔软弱带着女性阴柔细緻气质,连观众都不免往这个方向想)。
当安娜追随未婚夫法兰兹的脚步,入住法兰兹求学时住的山茶花旅馆。司机问她,是不是第一次住这旅馆?安娜回答说,是未婚夫战前住过。司机说:“我懂,妳未婚夫他⋯⋯一定挺会享受的。”幽微黑暗中透露着男女轻佻的笑声,与安娜{事实上应该是观众)想像法兰兹住的旅馆很不一样,我又不免想像,法兰兹为什么会入住这儿?他有什么未被察觉的黑暗面吗?但也因为如此,导演将安娜衬托出为一个克制、宽容与坚强的女性。
电影最后正如前面提到的,安娜到博物馆迳自走向《自杀者》画作前,那儿已经坐着一位男士正在看画。见安娜坐下观画,这位乍看长相及气质都与阿德里安有几分相像的男子转过身来问安娜:“妳喜欢这幅画吗?”
“是的,它给了我活下去的勇气。”安娜如此回答,眼睛晶亮,她的脸由原本黑白的色彩,渐渐染上了光泽,有了色彩⋯⋯
导演暗示了什麽?安娜的浴火重生?还是她将邂逅一段新的恋情?
《法兰兹》不只是一部电影,更是一艺术之作。
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作者简介:
杨秋生,河南南召人。台湾高雄师范大学国文研究所毕业,曾任教于大专院校。现居美国加州硅谷,为海外华文女作协创会会员,并曾任北加州作协会长,現任西北华文笔会顾问。出版有儿童书数本,小说《折纸鹤的女孩》、《致女作家的十封信》、《生死恋》。小说曾改编为电视电影,并列于全国巡回文艺营书单目,《22号公车》曾获得文苑文学奖小说组佳作奖。散文著有《心中有爱》、《相思也好》、《永不磨灭的爱》,曾获海外华文著述奖及文学著述首奖,论文[试论融融《茉莉花酒吧》创作技巧与魅力]获论文著述佳作,亦译有《神的名字》一书,列为各大大学宗教系参考书目。兴趣广泛,并涉猎园艺、美食、国画等领域。
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这是一部乍看是黑白电影,其实只是一个以黑白作为基调,其中几处总会慢慢染上彩色,也就是说其实是一部黑白与彩色交错的电影。史匹柏曾说:“对我来说,颜色是生命的符号。”战争,是残酷的、严肃的,黑白凸显了战争带给人们的伤害和自身的残酷。记得以黑白作为基调的《辛德勒名单》,大屠杀悲惨的画面上出现一位衣着红色外套脸部平和的小女孩儿,在大街上逆着持枪的德国纳粹队伍向前走,在整个黑白的人群中,红衣小女孩特别显目,给了观众视觉上强烈的冲击感,看得更是怵目惊心!小女孩最终躲进了一间空房子,颜色再次转为黑白,宣告了生命遁入了人生的最黑暗。黑白与彩色的轮转运用,更具戏剧性与张力!
《法兰兹》这部电影黑白中会随着剧情或者主角心情与情境转为彩色。譬如安娜谈到她和法兰兹相识与相恋的甜美回忆时,电影逐渐染上彩色,带出喜悦的情绪。阿德里安以温柔的情绪描述他与法兰兹同游,在罗浮宫看画时刻(虽然是想像编织出来的),温馨的情绪将画面渲染成彩色。阿德里安指导法兰兹拉小提琴、阿德里安为法兰兹父母演奏小提琴的时候,都是彩色的。看得出导演有意在演绎温暖光明的桥段时多以彩色来呈现,其他关于战争及抑郁情绪则维持黑白色调,明显地向观众表达两种不同的情境。最末安娜的脸染上泛着光泽的彩色,更清楚地暗示了安娜未来的走向。
导演欧容在这部电影的艺术表现上煞费苦心,不单在色彩上用心,连诗歌、音乐配乐与绘画的穿插搭配不单增添艺术气息与诗意,也互相融合,成为电影生命的一部分。电影中当安娜再度到墓园远远见到那位来自法国的陌生人时,树叶随风舞动沙沙作响,如秋风悲鸣,呼应着祭弔者的心情。安娜和阿德里安一起到墓园,安娜提起法兰兹,吟着法国诗人魏尔伦(Paul Verlaine)的《秋歌》(Chanson d’automne)诗句:“秋声悲鸣/犹如小提琴/在哭泣/悠长难耐的阴郁/刺痛了/我心脾。沉沉闷闷/迷迷濛蒙/钟声荡起/往事如烟/在眼前重现/我泪落如雨/我走了/恶风卷着我/东飘西零/飘啊,/飘啊,/宛如那/枯叶飘零。”诗句与情境相呼应。
电影中的配乐是可以铺陈、渲染,营造一种氛围,也可以带动、加强剧中人物的情绪,也能让剧中角色立体化,还能让观众较易进入角色的内心世界,也让观众更容易进入电影里的虚拟世界,达到娱乐或疗愈作用。电影音乐甚至能增加剧情的张力、丰富剧情层次,更能加强电影的主题,是电影艺术重要的一环。这部影片中安娜自杀被救躺在床上阅读新寄到的魏尔伦诗集,耳际响起弗兰兹的琴声、阿德里安对着法兰兹父母描述想像中的与法兰兹前往卢浮宫时音乐响起⋯⋯ 萧邦的《升C小调第二十号夜曲》、柴可夫斯基的《如歌的行板》、德彪西的《星夜》等音乐,似乎也都带着情感走入电影的生命中,与电影融合为一,烘托出更动人的情节。
电影中的法国画家马奈(Manet)作品《自杀者》,在电影中四度出现,在电影里头到底是想呈现什麽?
第一次是出现是阿德里安在想象中描述他与法兰兹在卢浮宫欣赏马奈的这幅画(电影中并未说明画作内容)。第二次是安娜在来到巴黎寻找阿德里安,来到卢浮宫看到的,赫然发现竟然是一幅描述自杀者的画。第三次是安娜到阿德里安的家在阿德里安的卧室里看到的。第四次则是安娜得知阿德里安已有婚约,伤心之余再度来到罗浮宫静静坐在画前。
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阿德里安编出的友谊中法兰兹生前挚爱的画作,马奈的《自杀者》,如一面镜像,反应的是和平主义者(反战者)的内心世界。法兰兹是和平主义者,是父亲让他参战的,当他面对敌人阿德里安时,枪并无上膛,在战场上无疑是自杀行为,这凸显了坚毅的反战信念。阿德里安亦是和平主义者,也非自愿参战,为求自保,射杀了法兰兹,导致精神几近崩溃,尝试自杀,即使为保国、为自保而杀人,仍是罪孽,逃不过良心的谴责。而安娜,在法兰兹殉国后,移情阿德里安,当她知道阿德里安是射杀法兰兹凶手后,也尝试自杀。战争带给人太多的伤痛和人生的难题,活着的人如同自杀者,生不如死。而安娜最后决定离开阿德里安走自己的路,她循着法兰兹不论是真实的还是虚幻的走过的路,最后来到罗浮宫,当她面对着《自杀者》,了悟到生命的真相就存在于马奈的《自杀者》的画作里,“是这幅画给了我活下去的勇气。”——安娜有了向死而生的醒悟!
我们从电影的表面视觉上透过导演的技巧,深入整个故事情境,也深入各个人物的内心世界,进而体会导演欲诠释的内涵,而进入观众自己的深层思考/反思。
作品当中不时地透露着导演的“镜”外之意,产生悬念效果,让观众发挥了最大的想像力。譬如阿德里安受邀至法兰兹家中作客,提及法兰兹之死,阿德里安表情哀戚隐隐含泪,安娜不由问他战前在巴黎认识法兰兹时,“你们两个之间是怎麽回事?是因为女人关系吗?”阿德里安回答说,“不,我们之间只是友谊。”阿德里安腼腆地解释,而安娜的笑意中却带着意味深长的揶揄,意味着她似乎意识、猜测或甚接受法兰兹与阿德里安之间有着超过友谊的界线(男主阴柔软弱带着女性阴柔细緻气质,连观众都不免往这个方向想)。
当安娜追随未婚夫法兰兹的脚步,入住法兰兹求学时住的山茶花旅馆。司机问她,是不是第一次住这旅馆?安娜回答说,是未婚夫战前住过。司机说:“我懂,妳未婚夫他⋯⋯一定挺会享受的。”幽微黑暗中透露着男女轻佻的笑声,与安娜{事实上应该是观众)想像法兰兹住的旅馆很不一样,我又不免想像,法兰兹为什么会入住这儿?他有什么未被察觉的黑暗面吗?但也因为如此,导演将安娜衬托出为一个克制、宽容与坚强的女性。
电影最后正如前面提到的,安娜到博物馆迳自走向《自杀者》画作前,那儿已经坐着一位男士正在看画。见安娜坐下观画,这位乍看长相及气质都与阿德里安有几分相像的男子转过身来问安娜:“妳喜欢这幅画吗?”
“是的,它给了我活下去的勇气。”安娜如此回答,眼睛晶亮,她的脸由原本黑白的色彩,渐渐染上了光泽,有了色彩⋯⋯
导演暗示了什麽?安娜的浴火重生?还是她将邂逅一段新的恋情?
《法兰兹》不只是一部电影,更是一艺术之作。
作者简介:
杨秋生,河南南召人。台湾高雄师范大学国文研究所毕业,曾任教于大专院校。现居美国加州硅谷,为海外华文女作协创会会员,并曾任北加州作协会长,現任西北华文笔会顾问。出版有儿童书数本,小说《折纸鹤的女孩》、《致女作家的十封信》、《生死恋》。小说曾改编为电视电影,并列于全国巡回文艺营书单目,《22号公车》曾获得文苑文学奖小说组佳作奖。散文著有《心中有爱》、《相思也好》、《永不磨灭的爱》,曾获海外华文著述奖及文学著述首奖,论文[试论融融《茉莉花酒吧》创作技巧与魅力]获论文著述佳作,亦译有《神的名字》一书,列为各大大学宗教系参考书目。兴趣广泛,并涉猎园艺、美食、国画等领域。
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herosone111 · 21 days
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看到一个叫“NCrtVwD”写的《复活术2》
感到很有趣,假如你们乱来,这种事出现很正常。
不过,除非宇宙是虚拟的,不然程序复活不了人。
2024-07-19(五)06:04:47 ID:NCrtVwD
复活术2
我曾听说过一个发生在遥远异邦的故事。那里的人可以靠献祭两个人来复活一个人。后来,那里的人都死了。
坦诚来说,我十分羡慕那个世界的人,和那种复活术。我们这里的复活术要简单很多,只需要画出一些几何图案,接着念诵一个人的名字,生卒年,或者生平,达到没有歧义的程度,就可以将其复活。
而我们所有人都极度厌恶,畏惧,怨恨着这个该死的魔法。
在复活术刚刚被发现的时候,人类社会为此轰动。人们争先恐后的复活着曾经死去的伟人,英雄,科学家或者艺术家,那些人如预期般苏醒,还带着生前翔实的记忆。他们的身体保持着健壮的体态,生前的伤痕却消失不见。复活的荷马惊叹于许久未见的光明,而司马迁则结束了他的宫刑。一时间,历史上的诸多英杰在这个时代济济一堂,人们无不赞叹复活术的神奇。
除了复活术,人们再没有发现别的魔法。但仅仅是复活就已经能让人们的生活天翻地覆。保险公司推出了“永生”服务,确保在你死后,有人能够将你复活。而曾经遭遇坏账的债主更是有了讨债的门路,即使死去,也会被复活起来继续偿债。
人们滥用着复活术,将历史完善到了前所未有的水准。在史籍的名人之外,人们还尝试用枚举的办法,去复活那些真名亡佚的人。那些夭折的孩童,没有姓名的奴隶或者其语言已失传的古人,都可以被人们用补充生卒年和履历的办法复活。念诵的内容只要没有歧义就行,如果有歧义大不了就换一个模板。历史学家和语言学家亲自从他们那里获得史料,靠这种办法,曾经一片空白的史前时代如今记载清晰。另一方面,复活古代的奴隶一度成为一种黑色产业,几千年前死在人殉或者战争中的奴隶,竟被一些国家的黑帮复活,继续奴役。
在复活术诞生的一开始,就有国家去尝试复活敌国的重要人物。人们发现了一个规律,如果人一旦已经复活,那么复活术便不再生效。不少国家为此宁愿发动战争,去杀死敌国所抢走的自己的先烈,并紧接着在自己的土地上将他们重新复活。人们不管死掉多少次,复活术的内容都可以重复应用。只要重复最开始的那段召唤的文字,他们就会重新复活,并带着每一次复活时的记忆。
为了方便施展复活术,人们建立了复活术的数据库。念经一般吟诵着的复活员枚举着历史上可能存在的人的姓名,地点,时代,生平,并在成功复活他们之后将这些信息记录。此后的复活员只需要按照记录重新念诵同样的东西,就可以迅速的将他们复活。后来,人们发现,用程序可以自动化模拟这个过程,于是在那些刚刚建设好的复活工厂里,远古的人,近代的人,还有刚死去的人,像罐头一样鱼贯而出。
拥有了无穷的,打不死的大军,每个国家的军力便从此由复活工厂的数量决定。每当一个士兵死在战场上,系统便会找到他的编码,进而找到那些描述他的数据。5分钟后,他就能在前线的战地复活工厂里整装待发,面对下一场战斗。
当人们克服了对死亡的恐惧,战争就变成了一种日常活动。世界大战每一天都在上演,一些负责复活和医疗的人渐渐发现,有一些复活多次的人,受到了严重的战争创伤,进而在精神上出现了问题。这种问题不是一般的精神疾病,而更像是整个人在经历了过度的痛苦之后,彻底丢了魂那样。严重的人,会成为一具毫无反应的植物人。
假如你一天被人捅穿十几回,那这种事再正常不过。也许这种疾病自古就有,只是所有的前人没有死亡很多回的机会,所以普通人还没来得及发病,就已经死去。而治疗这种疾病的办法也很简单。一个复活员阴差阳错的对着某个彻底失去意识,形如木人的士兵重新使用了一遍复活术,他便彻底清醒过来。人们发现,若因为战争等痛苦变成行尸走肉,或因此丧心病狂,只需要对着活人再用一遍复活术,他的意识就能被重新拉回这个世界。
已经死了近千回的传奇老兵是这样形容这种感觉的:它就像是当你快要累散架,走不动路的时候,突然有人为你注射了一针肾上腺素。你会重新动起来,但疲劳和痛苦会成倍的涌现上来。就像是你体验一场没有麻醉的手术,却诡异的不会因疼痛昏迷或休克,只能亲眼看见,亲身体验,那刀锋一刀刀划在你伤口上的那种感觉。
这个群体日渐扩大。越是经验丰富的老兵越值得复活,其经历就越痛苦。他们一次次被逼得疯癫或痴呆,但总能被迅速复活,并面对下一场战斗。到最后,他们之间的下手越发残忍,暴虐,每一个老兵都会尽可能活捉和折磨他的对手。有人总结,复活术不止可以针对肉体,还可以针对心智。
在战场之外,另一个几乎快要发疯的群体是食用奴隶。复活术诞生以来,地球的人口发生了极速的膨胀。复活工厂里蜂拥而出的人缺乏口粮,为了满足他们,人们建立了另外一些工厂。这些工厂也会复活过去的人,但通常是一些籍籍无名,死于壮年,肉质优良,多汁弹牙的奴隶。他们在复活后转头被剔骨,切割,接着搅碎成人肉末。起初,人们还会电击或者麻醉他们,但后来随着需求扩大,便直接硬生生的把他们活着丢进绞肉机。
这些奴隶在日复一日的绞肉之中陷入癫狂,可是无能为力。好在肉类工厂不会重复念诵复活术来恢复他们的神智,后来,他们几乎全都变成了植物人。
猝死的文员被复活面对堆积如山的工作,电死的技工被复活,连赔偿款都没有。医院的复活科从来人满为患,有太多人为了各种目的去复活别人。这一刻,复活术的本质渐渐涌现:它是一种不受你控制的,却能控制你生死的技术。人们还没有意识到这件事有多么可怖。
人类最终在无尽的复活中灭亡了。这听起来无比讽刺,但其实不难实现。那些被杀到疯癫,又被复活术唤醒到丧心病狂的百战老兵已经失去了所有的人性,在战斗中他们秘密联合,突然倒戈。靠着纯熟的战术,他们控制了所有的核武器,并相互发射。这个行动被他们称之为“安息”。一方面,这是为了报复那些让他们一遍遍送死的人,另一方面,这是为了杀掉所有还可以使用复活术的人,让他们真正安息。
核武器只能杀死大部分人,他们明白,剩下的幸存者如果有机会,就还会靠复活术重新恢复整个人类社会。为此,他们改造了军用机器人,并把机器人产线的权限交给它们自己。从今往后,这些机器人在核战之后的废土上大量生产,并追杀所有人类。
这些士兵们以为,自己终于可以安息了。但他们并不知道,正是他们自己,制造出一个永恒的地狱。
时间来到我复活的时刻。我并没有经历复活术的兴起和人类的末日,我在复活术被发现之前很久就死了。又因为籍籍无名且太过平凡,而没有被复活员复活。我只记得自己死去,然后又睁开眼睛。面前的人们告诉我,这里是天堂。
这里是一座相当庞大的空间站。它漂浮在天上,但离天堂还差得很远。这里的人们拥有一些,在我的时代被当做科幻的技术,但是人们的生活相当贫瘠匮乏,一直处在温饱线的边缘。
天堂里全无传说中宁静祥和的气氛,反而像一个焦虑的大工厂。所有人像蜂群一样忙碌着,却没有人抱怨这里的名不副实。也有人拉我去干活,但我拒绝了。我问,天堂里怎么还需要劳动呢?他们则说,这里可以挣一种叫做“福报”的东西,而福报的多少,决定了你是上天堂,还是下地狱。我觉得这件事太过滑稽,因而选择一动不动,旁观他们的忙碌。
有许多机器人在这里工作,但人们还是加紧工时,制造着机械,拓展着舱室,建设着工厂。除去逼仄狭小的维生舱室以外,这里所有的资源都用在了建设复活工厂上面。接着,像是过去的复活员靠枚举来复活死者一样,许多人在那里没日没夜的念诵,时而,可以复活出一些人来。
我参观过复活的现场。有些人的复活和我一样迷惘,有些人的复活很平静,像是早已习惯。还有一些人,在复活之后咆哮着,冲撞着,要许多人强行按压才能控制住。这时,复活员会加紧重复刚才的咒语,他们这才能冷静下来。
我好奇的询问别人,这是什么情况。可是和我一样偷懒的人不知道,知道的人往往忙着干活没时间和我讲。我不得不陪着他们做了一些工作,才从他们口中得知真相。
“那些人,是从‘地狱’里回来的人。”和我一同生产食品的人这样告诉我。
“地狱?那是哪里?天堂之外真有地狱?”
“你总会知道的。”他面露难色,像是回忆起什么痛苦,然后加紧动作。“地狱是一个充满痛苦的地方。”
“有多痛苦?”
“你想象不到的痛苦。那里和天堂一样,也在大量的建设着复活工厂。等到你死了,最好祈祷自己不要被复活到那里去。”这位同事便不再言语,任我怎么催促都不愿意浪费时间和我闲谈了。
我数算着自己的日子,复活术似乎会把人复活到年龄中某个随机的时刻,却保留着一生的记忆。此刻的我尚不算年迈,也许还有很久才会死。
但一星期之后,我们这些不太干活的闲人,便被召集起来。一个自称天使的人告诉我们,我们的福报已经用尽,为了天堂的延续,他不得不依照律令,将我们打入地狱。
“你们会理解我的。”他看起来像个十足的伪君子,说完,他按动了一个电钮。我们的脚下开始通电,一瞬间,我就失去了意识。
当我再一次醒来的时候,我身处一个暗红色的房间里。一个铁牌上拿血一样的颜料涂抹着,“欢迎来到地狱。”
没有人迎接我,我自己从复活的地点走出。这里便是地狱么?我想着。我能感受到和天堂不一样的重力,这里应该是地面上。
地狱里空空如也,那些恐怖的东西呢?我的心里有些发毛。在天堂里,人们把地狱描述为一个极度可怕的存在,但是这里除了空气里的血腥味之外,似乎空无一物。
“你好啊。”一个笑容满面的人突然打开了门,走了进来。“你来自哪里呢?”
“我……我从天堂来的。”我犹豫着,最终还是决定告诉他。
“啊,小兄弟,一看你就没怎么在天堂待,还没有被他们蛊惑。这里是地狱,哈哈哈,这可真是个笑话。那些人造谣很久了,天堂其实才是真正的地狱,那里一点自由都没有。
我松了一口气,来者看起来很友善。“那么,你们是什么呢?”
“这里其实是地下。”来的人说。“啊,你就把我当成你们传说中的恶魔好了。无妨,无妨。实际上,我们是那场核战争之后的幸存者。为了恢复人类文明,我们躲在了地下,然后建设起了避难所,也就是这里。”
“然而,总有人想要骑在我们头上。他们偷走了火箭,跑到了太空,还建立起一个反乌托邦社会,自称什么‘天堂’。就是这样。他们一定给你说了什么‘福报’对吧?那不过是一种洗脑的方式罢了。”
“在我们地狱,所有人都是平等的。啊,对了对了。”他拿出来纸笔。“为了不让你再被天堂的骗子们带走,在这里写下你的名字和经历什么的,越详细越好,这样我们就能把你救回来了。对了,如果你生前还有父母,朋友的话,也可以写上去哦。如果弄不好的话,他们被天堂复活,那可就糟了哟。”
“说的也是。”我长舒一口气。原来,天堂才是骗人的,真正的人类都在这里生活。但就在我要下笔的时候,我犹豫了。
“那个,我可以不写吗?”我问。“或者过两天再写行不行。”
“当然可以,当然可以。”他笑得更开心了,伸手拿走我面前的纸,另一只手则握在了我的手上。
突然,一阵剧烈的电流从他的手中传来,我的整个身体都被电得扭曲,跪倒在地上。一阵惊恐在我心中升起。抬起头,我看见他的脸。
那是一张狂笑的,恶魔的面孔。
“欢迎来到地狱。”在我的尖叫声中,他的电流越发猛烈。“现在,给老子写。”
整个房间一瞬间变得透明。我这才看见,我身处无尽的方格状房间中,其余的每一个房间都有人,都有恶魔,都有数不清的刑具。
而所有的人,都在扭曲中,尖啸。
在地狱里我记不清自己复活了几次。在那里,你每一次死去或昏迷,都会被立刻念诵的复活术带回那里。那里不像天堂,在地狱,每一间囚室,就是只属于你一个人的复活工厂。
我一次次死掉,在各种各样的折磨中。在到达那里的第三天,我交代了所有我认识的人的生平,仅仅是为了渴求那个恶魔将电压调低一点点。而这件事成为了地狱里比行刑更大的折磨:他们迅速复活了我告诉他们的所有人,并且在我的眼前来回的杀死他们。
我咆哮着,怒喝着,一次次陷入疯狂。但永不停止的复活术总能让我清醒,于是连逃避都不行。我崩溃了,屈服了,一次次彻底麻木,但永不停止的复活术总能让我回到我刚来这里的状态,让我的心总是以最痛苦的方式破碎。
我终于明白这里为什么被叫做地狱。在地表之下的五百九十亿个囚室里,人工智能以折磨和复活为唯一任务,不为报仇,不为享乐,只为了制造尽可能多的痛苦。
我学会了自杀,每当复活,我就咬掉自己的舌头。汩汩喷出的鲜血偶尔能带走我的性命,但是后来,我被囚禁在铁架上,动弹不得,浑身上下接满了电极。很多人在地狱的折磨中屈服了,告诉了它们自己所知道的一切。地狱便掌握了朝着人脑里直接灌输疼痛的技术。
那是一种我再也不想回忆第二遍的技术。一种特殊的神经递质被灌进脊髓,流进大脑。紧接着,浑身上下的每一个细胞都仿佛在呼喊,求救。电极启动,刚才的呼喊变成了尖叫。电流的波峰像是尖锐的细针,细细密密的扎在身上的每一块皮肉上,剧痛将大脑冲得就要爆炸,但无限循环播放的复活术却让你求生不得,求死不能。那一刻,我几乎愿意做任何事情,但地狱之所以是地狱,正是因为,它什么都不要,只要你的痛苦。
我记不清我是怎么回到天堂的,只记得我翻滚着,呕吐着,像一个皮球一样弹来弹去,那撞破额角的疼痛在我而言几乎无感,直到复活术再次念诵完毕,我才感觉自己活了过来。
这一刻,拥挤,忙碌,贫穷的空间站,变成了我真正的天堂。
我不知道两次天堂之旅间隔了多久,但这一次复活,天堂里已经没有熟悉的面孔了。现在,我像一个工作狂那样没日没夜的加班,只为了那个叫做“福报”的数字。也有人和曾经的我一样,问这问那,但我却没有一丁点时间去告诫他们。那份痛苦让我连同理心都磨灭殆尽,我只希望永远待在天堂里,再也不去那个地方。
在我这一次死后,我的福报远高于复活所需要的值。天使们安慰我说,我的顺位很高,复活术从死前就开始念诵,几乎是在死后的第一秒就可以将我复活。我紧张的等待着那个时刻,万幸,我从天堂的复活室里醒来,而不是在地狱的摇篮里。
天堂便是靠着这样的办法,和地狱虎口夺食的。地狱里拥有曾经人类文明的复活记录,因而可以迅速的复活每一个人。于是,天堂就只好以很高的频率去复活同一个人,争取在地狱那精准的咒语念完之前就将其复活。
这一次我仍旧直奔工作岗位,但心里终于放下一些。福报高了之后,我可以去辅助复活员或者天使的工作。有时,我们会复活出一些从未复活的人,有时,我们会复活出地狱的俘虏,又有些时候,我们会复活出曾经的重要人物,他们是宝贵的活历史。在一次次复活和抢夺中,我渐渐知道了复活术的历史。
原来地狱的存在并不是偶然。在那些士兵死去以后,他们诅咒般的命令机器去扫荡残余的人类,并且一个接一个的自尽。最后死去的一个人似乎想到了什么,向机器下令,从今往后,尽可能重新扩张出文明,但这个机器文明的唯一目的,就是复活曾经的所有人,并带给它们永恒的折磨。
地狱便就此诞生。当机器人们找到了曾经的复活工厂,将其重启之后,已经死绝的人类文明在地狱中迎来了绝望的重生。受折磨的人们自愿供出了所有的信息,让地狱进一步拥有了复活的资料。后来,这群机器找到了曾经由商业保险汇总的人类复活数据库,噩梦便开始了。
天堂的建立则纯属偶然。曾经被当成食物的奴隶们早就习惯了复活和折磨,而一开始,地狱并不知道复活术还可以复活心智。这些受尽折磨的奴隶扛了下来,他们艰难的保持着自己的理智,从地狱逃了出去。靠着一遍遍复活彼此,他们飞上了太空,建立了一个太空站。
这个太空站就是天堂。他们没有复活数据库,于是只能依靠枚举。和我一样的许多亡魂,被从过去的岁月带回这里,不知是幸运还是不幸。
我只知道,我不想再去那个地方。再也不想。
尽管天堂会尽可能保住这里生存的人的复活权,但地狱给每一个人都留了位置。根据实际的经历,人们算出,不论你的福报再高,顺位再优先,每复活十次,总会有一次不慎跌下地狱。
我已经在天堂里工作了二百年,每一次都殚精竭虑,死于疲劳。但我仍有一种预感,地狱,在离我越来越近。
一想到那个暗红色的房间里,有一台机器在不断的念诵我的名字,我就不住颤抖。天堂里的每个人都是这样。我们对抗这种恐惧的唯一希望,便是那个创造出地狱的人。
据说,他把自己的名字,从数据库中删除了。同时,他还找了一个和他很相似的替身,作为下地狱的替死鬼。虽然整个地狱里,全人类都在受苦,可他却切实的安息着。
我们来不及咒骂他的缺德,但却无一不盼望着那真正的解脱:死亡。我们每个人都心怀盼望,也许,某一天地狱也灭亡了呢?也许,真的有一天,再也没有该死的家伙念诵复活术将我们带回呢?
这份希望是我们能够对抗那地狱的低语,唯一的手段。
我闭上眼睛,等待下一次复活。
他还在那里等着我。两个世纪。他等着我。
熟悉的房间和我走的那一刻没有任何区别。天堂里的两百年时光像一个短暂的美梦,现在我醒来,一切依旧。
“欢迎回到地狱。”他露出了恶魔的笑容。
天堂里曾经遭遇过堕天使。有一个天使在掉入地狱,回归之后,便变得不太对劲。后来,在他即将毁灭掉整个天堂之前,大家拦下了他。靠着从地狱中学到的审问技巧,我们得知,地狱向他许诺,如果他毁掉天堂,他就可以安息。
这是个再蠢不过的骗局,可架不住永远有人信。哪怕他真的毁掉天堂,唯一的奖励,也不过是加倍的痛苦。在他充满恐惧的眼神里,我们流放了他。
我曾为他叹惋,但现在,经历了两次地狱,我也无法再像过去那样生活。除却工作之外,我不眠不休,拿出所有的时间投向一个尝试,一个赌注。
我们终会安息。这是我们唯一的希望,也是天堂苦苦支撑的唯一目的。总有一天,我们会永永远远的死掉,再也不会被打扰。
但这一次,我在地狱中好像窥见了什么可怖的东西。在那透明的无尽囚笼里,我好像看见了一个数字。那个人的生卒年,不属于我们熟知的任何历史。
在别人眼里,我像是疯了一样,透支掉自己的福报,借用了一个复活室。我一次次尝试着一个同样的咒语。生平姓名一概不知,只是将生卒年修改到五千万年以后。我想要复活来自未来的死者。我想要知道,未来会怎样。那样久的未来里,地狱一定已经毁灭了,对吧。我们一定可以安息的,对吧。
“生卒年,50000000年-50000020年。 无名,出生,不知,生平,不知……”
“生卒年,50000001年-50000021年。 无名,出生,不知,生平,不知……”
“生卒年,50000002年-50000022年。 无名,出生,不知,生平,不知……”
尝试了多少次已经数不清。直到有一天,一个人影出现在复活室的地面上,我才明白,我的猜测被证实了。复活术不止可以复活死在过去的人,还可以复活死在将来的人。
将来的人……我的声音颤抖着,询问着他。
“地狱,还存在吗?”
“啊!啊!啊!”他像野兽一样狂叫着。
“我求求你告诉我!”我将他抱住,再一次念诵刚才的咒语,让他清醒。“在你的时代,地狱还存在吗?”
“没有安息!没有安息!地狱死了,还有地狱!地狱的外面,还是地狱!”
“整个宇宙,就是一个,地狱!”他狂叫着,一头撞在天堂的墙壁上。
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bearbench-3bun4 · 2 months
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「虚無への供物」中井英夫 5581
終章
58 五月は喪服の季(とき)
蒼司の告白後の世俗なんかが語られますが、正直この後になんの話があるのでしょう。
その頃の風俗や事件などが羅列され、現実味を与えています。 が、それほどの効果があるのでしょうか
プロレスブームは、1954年(昭和29年)の力道山vsシャープ兄弟から始まったみたいですね。 その後、力道山がアジア王者になったり世界タッグ王座になったりでその勢いに拍車がかかったみたいです。
ボディビルのブームは、昭和31年に日本ボディビル協会が設立されたのを基に始まったみたいです。
M+W時代というのは、男性度(M)女性度(W)を示すぐらいの意味で、映画『青春怪談』(獅子文六原作、日活版、新東宝版の2作が同時に公開された)から広まったようです。従来の男性像、女性像に対する見方が変わり、社会的に性差に対するこだわりが少なくなってきたことを反映したようです。
トニー谷の愛児誘拐事件は、1955年7月15日、人気芸人トニー谷の長男が下校途中に誘拐されたものです。
女学生の火だるま自殺は、わかりませんでした。
森永ヒ素ミルク中毒事件は、1955年6月頃から主に西日本を中心として起きた、ヒ素の混入した森永乳業製の粉ミルクを飲用した乳幼児に、多数の死者・ヒ素中毒患者を出した毒物混入事件です。
紫雲丸事故は、1955年(昭和30年)5月11日06時56分、香川県高松港沖合において日本国有鉄道(国鉄)の宇高連絡船の紫雲丸と第三宇高丸とが衝突し、紫雲丸が沈没して乗客乗員168人が死亡・行方不明になり、その多くが修学旅行中の小中学生や婦女子であったという事故です。
橋北中学校水難事件は、1955年(昭和30年)7月28日に三重県津市の津市立橋北中学校の女子生徒36人が、同市中河原海岸(文化村海岸)で水泳訓練中に溺死した水難事故です。
原爆投下後10年でいくつかの出来事があったみたい��す。 1955年8月、 中区中島町1番(相生橋南)に原爆供養塔、納骨堂が改築させられた 中区中島町1番(原爆供養塔南)の平和の石燈 中区基町6番77号に電信電話職員原爆犠牲者慰霊碑 中区基町22番(三篠橋東詰南、本川河岸緑地)の広島陸軍病院原爆慰霊碑 中区小町1番(三井ガーデンホテル広島南東、平和大通り緑地帯)の移動演劇さくら隊原爆殉難碑 なんかが上がっています。
花火工場が相次いで爆発しとありますが、しっくりくる事故は、墨田区花火問屋爆発事故くらいです。
十日詣ともいわれる四万六千日(観世音菩薩の縁日)が、今年も7月10日行われたことが、 そして、今年のパリ祭は7月14日に行われることが、さり気なく挿入されています。 これだけの事件事故があっても催事は行われるということなんでしょか?
また、ボートネックの若者たちが氾濫した太陽族やカリプソとシスターボーイそれから狂熱のロカビリー、 ファンキー族が避暑地にたむろしてドドンパツイストからボサノバまでと風俗が描かれます。 太陽族は、石原慎太郎の小説に由来する風俗ですね。
季節は初夏になっていて、 下落合の牟礼田の家で、久生と亜利夫と藍ちゃんの四人が会っています。 何を考えたのか、久生は結婚の延期を主張して譲らず牟礼田はまたひとりでパリに帰ることになり、 この日は送別のために集まったのです。
蒼司はあれ以来、腰越にもあらわれず、牟礼田にも何の連絡もないという。
黙っていた牟礼田がつぶやきます。 自分が犯人な筈はないのに、犯人の要素を持つというわけかと。
つづく
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yasusaka · 2 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」令和六年(2024年)7月13日(土曜日)通巻第8327号<前日発行>
「宮崎正弘の国際情勢解題」令和六年(2024年)7月13日(土曜日)通巻第8327号<前日発行> 7月13日はノーベル平和賞受賞者、劉暁波の七回忌未亡人の劉霞女史がドイツから離れ、日本に移住する。 7月13日は、ノーベル平和賞受賞者、劉暁波の七回忌。海外の民主活動家は世界中で追悼イベントをネット中継で開催する。共同通信によれば劉暁波氏未亡人の劉霞女史がドイツから離れ、日本に移住する(事実上の日本亡命)。2017年7月13日午後5時35分、61歳の中国のノーベル平和賞受賞者は瀋陽で拘留中に肝がんのため死亡した。イベントの主宰者はこう述べている(博訊新聞網、7月12日)。「劉暁波氏は象徴であり、我々の精神的指導者でありつづける。私たちにとって、人類の良心の富と知恵の結晶であると同時に、彼の精神と愛の力は重要であり、私たちは彼を忘れることはできない」劉暁波は中国共産党の一党支配の終結と民主中国の実現を求め「憲章08」の起草に参加した。ところが中国共産党は劉を「国家政権転覆扇動」の罪で起訴し、懲役11年の判決を降した。翌年、西欧社会は劉暁波にノーベル平和賞を与えた。イベントの拠点はロンドンで開催され、セミナーの他、在英中国大使館前のデモが計画されている。記念行事の出席者は、中国民主運動海外共同会議主席の魏京生、1989年の天安門運動の学生指導者王丹ら多くの海外活動家が参加し、「北京春報」名誉編集長胡平もゲスト参加の予定。胡平は「彼の精神を追悼するため、自由と民主主義の追求を受け継ぎ、忍耐し、圧力に屈せず、戦い続けることだ。劉暁波氏は『言論の自由の殉教者』だ」と述べた。 劉暁波未亡人の劉霞は2018年7月にドイツへ出国した。爾来、六年間をドイツで過ごしたが公の場には姿を見せず、また社会的発言を抑制してきた。共同通信によれば、日本訪問の経験がある彼女は日本の生活を気に入っており、将来的には日本への移住を検討しているという。
(読者の声1)パンデミックの到来の準備:放火犯が消防署を運営している?(その2) (承前) パンデミックの準備という名前の宝くじ 世界中で何十、いや何百もの生物研究所でワクチン開発の名の下で数多のウィルスや感染性のある病原体の機能強化の研究が行われている。武漢病毒研究所が最も悪名高いが、アメリカに大多数の研究所があり、少なくとも5つの研究所ではH5N1鳥インフルエンザのウィルスの操作を行っている。この大掛かりな胡散臭い、病原体の製造加工産業は我が国の政府機関、軍隊、大学、に浸透しており、それにもちろんのことながら医薬品業界は会社丸ごと絡みとられている。(訳者注:Gain of Function 機能強化と言われているが実は動物間では感染するウィルスの遺伝子組み換えにより機能を強化して、人間にも感染、さらには人から人への感染ができるようにウィルスを改変する悪魔の研究とも言われている) そのような「研究」は多段階の過程がある。 ● 補助金の獲得、法的、知的財産権、倫理的問題の覆い隠し:ウィルスの機能強化研究はパンデミックの準備、ワクチン開発に不可欠だ、という謳い文句により問題点を覆い隠す。 ● ウィルスなどの病原体を自然の中から取得:そのままでは人間に感染する能力がないが機能強化できそうなものの確保。 ● その病原体の遺伝子を研究所で操作することにより人間への感染能力を強化し、さらには致死能力を高める。 ● 人間と同様な免疫力や人間の細胞類似の細胞を持つ動物を使いそのウィルスの進化のスピードを加速する。 ● 病原体の感染能力や病毒性の強化に成功したという研究成果を科学誌に発表し、更なる補助金の獲得を確保。 ● そのウィルスへのワクチンが開発された時の特許料を確保する為、遺伝子操作で製造したウィルスの特許を獲得する。 ● その病原体が動物や多くの人間に漏洩するのを待つ。(あるいはそう仕組む) ● 予定していたパンデミック時の対応、ワクチン開発などを一斉に有無を言わせず実行する。 このようなことは1975年の生物兵器禁止条約違反である。だがこれらの研究所は、彼らの「研究」 はワクチンを開発することにより、”急速に出現する感染症” から世界の人類を守るための研究��あると虚偽の主張をしている。それは嘘だ。これらの研究所で行われている機能強化研究は動物のウィルスを遺伝子操作して自然界では滅多に起こらないことを簡単に実現させている:種を超えて感染し、人間にも感染するように、しかも人間を大量に死亡させる研究をしているのだから。煎じ詰めれば、これらの研究者達は人間には全くあるいは殆ど危害のない動物のウィルスを遺伝子操作して人間への感染力、致死性を高める研究をやっているのだ。何故だ?この研究には何ら合法的な根拠はない。これは簡単なことだ:もし世界の人類をゴジラから守る気があれば、研究所で意図的に組織的にゴジラを作り出す必要はない。ワクチン開発に必要なことだというのも筋が通らない。現に存在する病原体が心配だというなら、その病原体そのものを克服する治療法を開発すべきだ。自然に存在する病原体に対しては既に数多の治療方法がある。既存の治療薬の目的を変更したり新薬(あるいはワクチン)を開発することも含め。ウィルスに効果があることが知られている既存薬も兵装の如く多数ある。目的に適った、倫理に悖らない、正気の研究であれば、研究所で殺人兵器のようなウィルスを製造するのではなくて、既に存在する病原体の弱点をつく治療法の開発戦略に焦点を当てるべきだ。不幸なことに、正気の沙汰の研究に対しては補助金や権力が付いてこない。心配性の人たちの主張とは異なり、自然に起こるパンデミックはそうそうあるものではない。巨大製薬会社や研究者達が目指す巨大な利益は、特許、新薬、専売の製品に負うところが多い。とりわけ、毎年の定期的なワクチン接種などだ。(続く) (費府の飛行士)
(読者の声2)7月12日放送のニュース解説番組「フロントJAPAN」は宮崎正弘さんと高清水有子さんでお送りしました。 宮崎さんのテーマは「EUの分裂、NATOに亀裂」。高清水さんのテーマは「酒は百薬の長。酒に十の徳あり。我が国の常識は、世界の非常識」です。 下記ユーチューブでご覧になれますhttps://www.youtube.com/watch?v=oFHAVQGR_Z8 (新日本文化チャンネル桜)
(読者の声3)貴誌通巻8326号で「ニューズウイーク日本版でインフレは一種の課税であるからそれを招く国債発行はけしからん、と説くには開いた口が閉まらない。それなら逆にデフレを放置すればするほど日本人はお金持ちになるということになる」と記しました。そもそもインフレ・デフレに関して既存経済学は、通貨量Aと通貨・貨幣で表記できる「ものとサービス」Bの比較(バランス)をあれこれ考えているところに誤りがあります。肝心なことは今のこの世ではインフレ・デフレはAと価値量Cのバランスを考えなくてはいけないのです。特に重要なことは、CはAより「弾性値」が極めて高く、又時間軸から見ても変化が著しく大きいという事であるのですが、既存経済学はCをほぼ固定してAの変化にばかりフォーカスしているところが問題なのです。更に付記しますとCは欲望的価値Dと死活的価値E.に区分でき、インフレ・デフレがこのDで起きているのか、またはE.で起きているのかで、対処の仕方がちがって来るのですが、既存経済学はこの点に目を向けようとはしていません。 (SSA生)
(読者の声4)サロン劇場からお知らせです。 作岸田國士、演出藤井ごうの「葉桜」が上演されます。会場:目白台和敬塾内 旧細川邸サロン(東京都文京区目白台1-21-2) 出捐は村松えり、村井友映、水野小論、中丸新将、村松英子 日時 8月23日(金)19:00 24日(土)13:00/18:00 25日(日)15:00 26日(月)13:00 料金4000円★全席自由・開場は30分前 http://blog.livedoor.jp/salon_theatre/archives/34637778.html
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wangwill66 · 3 months
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致命玩笑:死亡與復活秀
H:「完整的紀錄「致命玩笑合唱團」各團員的想法,以及之間有趣的軼事,是樂迷們最棒的精神食糧。」精神食糧是什麼?查查。空思妄想,想太多,空泛,就是李白「抽刀斷水水更流,舉杯消愁愁更愁。人生在世不稱意,明朝散發弄扁舟。」最佳寫照。人人需要精神食糧,提供人生再戰的勇氣和信心!20240624W1
網路資料:
致命玩笑:死亡與復活秀
本片為限制級影片,必需年滿18歲以上方可觀看
2013
2小時30分
限制級
7.6
播放
音樂雜誌評論音樂水準是五顆星,樂團道德水準只有一顆星!
1979年,傑斯·科爾曼在倫敦街頭排隊領救濟金時,認識鼓手保羅·弗格森,為找尋樂團的其他成員,傑斯相信保羅的建議,在公寓地板構築起魔法陣,以大量蠟燭增加其魔力,下場是徹底燒毀公寓…。所幸隨後,綽號「小子」的貝斯手-馬丁·葛洛弗、綽號「東北人」的吉他手-凱文·沃克加入,衝擊樂壇30餘年「致命玩笑合唱團」就此誕生。「致命玩笑合唱團」草創時,英國樂壇大都是充滿商業氣息的龐克樂團,唯一能被稱是龐克樂團的性手槍合唱團又瀕臨瓦解邊緣,崛起之時可謂掌握天時與地利!完整的紀錄「致命玩笑合唱團」各團員的想法,以及之間有趣的軼事,是樂迷們最棒的精神食糧。
今日片語 單字“food 食物” 是個常見詞,“thought 思想” 在日常對話中出現的頻率也很高。 這兩個詞搭配組成“food for thought”,字面直譯為“思想精神食糧”,即“引人深思的事情”。 若一件事情讓某人認真思考,引起深思,那此事則“give somebody food for thought”。
精神食糧,是一個網絡詞彙,意思是指讓人覺得精神充實,不虛度時光的東西。
中文名
精神食糧
定義
讓人覺得精神充實,不虛度時光的東西
你是否曾經在心情沮喪低落時沒有食慾?食慾的改變,與連帶的體重顯著變化,是處在憂鬱心情的人或憂鬱症患者可能會有的現象之一。
好比工作挫敗被主管貶低;失業覺得自己沒路用;親密愛人離自己遠去;重要親人過世後自己一蹶不振⋯⋯這些經驗都可能深深地將人拋向內心淵谷而爬不起來。
我們的內在生命是否存在精神食糧,供給自我價值感與平靜喜悅等養分?
給自己機會思索,原本支撐著自己心裡的某些部份是否只是暫時消失了?是不是有機會重新用另一種形式再次給自己力量。透過閱讀、旅行、人際互動、心理諮商等方式,給自己時間去尋找答案。
但是要相信:「能夠邊哭邊吃飯的人,活得下去。」(引自日本影后松隆子所主演日劇《四重奏》第三話劇中對白)
先慢慢地從好好吃飯、照顧好自己的生活起居開始。可以的話,做些自己平常喜歡的事,就是身處憂鬱低落之時能踏出的一大步。
抽刀斷水水更流,舉杯消愁愁更愁。
出自於李白的《宣州谢脁楼饯别校书叔云 / 陪侍御叔华登楼歌》
朝代:唐代
作者:李白
棄我去者,昨日之日不可留;
亂我心者,今日之日多煩憂。
長風萬里送秋雁,對此可以酣高樓。
蓬萊文章建安骨,中間小謝又清發。
俱懷逸興壯思飛,欲上青天攬明月。(覽 通:攬;明月 一作:日月)
抽刀斷水水更流,舉杯消愁愁更愁。
人生在世不稱意,明朝散發弄扁舟。
「精神食糧」指一種非物質的資料、思想,能夠對我們產生思考、理解,感動. . . 精神食糧一種是別於物質以外的必需品。
精神食糧便是這些思想的產物,它們通常的表現形式為書籍、音樂、藝術品什至「次文化」的動漫等。他們都為我們的平淡的人生帶來「色彩」。
改變教育方針,從孩子小時候灌輸知識,發掘興趣,才能真正解決問題。改變教育方針,從孩子小時候灌輸知識,發掘興趣,才能真正解決精神食糧缺乏的問題。
精神食糧
zhuyin[ㄐㄧㄥㄕㄣˊㄕˊㄌㄧㄤˊ]
pinyin[jingshenshiliang]
nourishment for the mind; intellectual food; mental food; spiritual food
什麼是精神食糧?優秀的圖書、影視劇作品,群眾喜聞樂見的文化活動等,這些都可以稱為精神食糧。就是人類為了滿足精神需求的事物。
每個人的精神糧食不是不盡相同的
有時候是一本書
有時候是一集電視劇
有時候是一首歌 一首詩
“精神”是人的意識,包括人們的思維活動和一般的心理狀態。如認識、情感、意志、信念、言行、行動和習慣等內容,凡是為此所需要的為精神食糧。精神食糧也有不好的,比如賭博對於賭鬼來說就是精神食糧,而沉醉其中有可能使人沉淪。
人的精神糧食是什麼`?
一、是家人對你的關心和愛護。
二、有朋友對你的支行。
三、呵呵,有女朋友在背後默默的支持你。
四、就是為了你的理解而努力吧。
大連話長精神頭意思解析:說明領悟能力強,洞察仔細,會見機行事。
邵雨薇精神糧食:
「有時候,我們要試著練習釋放悲傷,而不是只忙著帶著微笑拼命在人前綻放。」
「即使每天都得面對現實的打擊或困難,我還是希望大家都能偶爾花一個小時,做回孩子般的自己。」
「漸漸懂了,不用再為不安加油,把所學的一切盡情揮灑,享受舞台帶來的滿足。那個光彩,絕對是不安給不了的,而我,不會是永遠的菜鳥」
「以後一定還有什麼課題等著我,但管他的,現在比較重要,以後的卡關以後再說。」
「不要懷疑自己,沒有一條路是絕對正確的,你每一天選擇創造的故事都在為你寫下存在。」
「我們不一定最特別,但我們一定有機會得到幸福。對嗎?」
博客來介紹:
精神食糧:偉人故事陶冶靈魂 (電子書)
作者:馮志遠
語言:繁體中文
出版社:千華駐科技
出版日期:2023/06/01
內容簡介
《精神食糧:偉人故事陶冶靈魂》是一本關於世界各國偉人的故事集,透過這些傳奇人物的事蹟,讓讀者能夠感受到他們的成就與精神,並從中獲得啟發和激勵。
總而言之, 《精神食糧:偉人故事陶冶靈魂》是一本值得每個人閱讀的書籍。它不僅讓讀者瞭解到世界各地的偉人事跡,更讓讀者深刻體會到偉人們所帶給人類的不可磨滅的精神力量。此書可以幫助讀者找到內心的力量,面對挑戰和壓力,從中獲得啟示和激勵。這本書所涵蓋的偉人故事豐富而精彩,能夠激發讀者的思考和想像力,讓他們從中獲得成長和提升。
目錄
前言
愛國志士的故事
林則徐
虎 門 銷 煙
巧布尿壺陣
關天培
虎 門 浴 血
鄧世昌
黃海捐軀昭後人
陳天華
以身殉國,喚醒同胞
敲響警世鐘
張學良
青 少 年 教 育
少見的英才
西 安 事 變
左權
馬本齋
1.中國的夏伯陽
2.「黨就是我的母親」
3.設計殺敵
4.高紀莊血戰突圍
5.「馬本齋同志不死」
聶耳
人民作曲家
張自忠
軍人的楷模
戰鬥英雄的故事
李廣
蔔式
霍去病
楊繼業
戚繼光
猴子幫助抗倭
巧用竹槍刺倭寇
懲舅治軍紀
鄭成功
收復臺灣,流芳千苦
借潮趕走荷蘭兵
馮婉貞
馮婉貞智勝強敵
姆克瓦瓦
坦桑尼亞民族英雄
崔可夫
1.亂世從軍,兩度出使中國
2.為斯大林格勒勇敢戰鬥
3.得之不易的庫爾斯克之戰果
4.攻打戰爭的最終目標——柏林
革命先烈的故事
秋瑾
巾幗英雄鑒湖女俠
楊靖宇
1.精忠報國
2.戰重圍,巧妙跳出包圍圈
3.灑熱血,英勇不屈喪敵膽
劉胡蘭
少年黨員
董存���
「兒童團長」經歷
捨身炸碉堡的董存瑞
楊根思
特級英雄楊根思
黃繼光
用身體堵槍眼
邱少雲
烈火中永生
貞德
奧爾良少女
版權頁
每個人的生命中,都需要一些精神上的支援和鼓勵,來幫助我們面對人生的挑戰和困難。而書籍,可以成為一個不錯的精神支柱,帶給我們充足的知識和啟示,甚至是力量和信心。
總體而言,本書是一本非常值得閱讀的精神食糧,特別適合那些希望從偉人故事中獲得啟發和鼓勵的人。透過閱讀這些故事,我們可以瞭解到偉人們在人生中所面臨的挑戰和困難,以及他們是如何克服這些困難、發揮潛能並最終獲得成功的。這些故事可以啟發我們對生命的信心和勇氣,讓我們更有動力地面對人生的挑戰和困難。
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mccarthyi46292 · 3 months
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先介绍一下这位叫王靖渝的哥们。
此人成名于2021年2月,为什么出名呢?当时中国官方公开了去年在中印边界冲突中牺牲的4位烈士,得知消息后,此人在新浪微博疯狂侮辱烈士,言辞之激烈,态度之嚣张,让人不寒而栗。
因为他的发言影响恶劣,事情一度闹得很大,但此人于2019年旅居英国,中国无法跨境抓捕,所以只能先下达通缉令,再等待时机,英国是五眼联盟成员,是美国的盟友,王靖渝待在英国自然很安全,于是在墙外日常辱骂中国,自我感觉特别良好。
但王靖渝百密一疏,他4月份到土耳其旅游,4月5日乘坐伊斯坦布尔的航班飞往纽约,途径迪拜有一个中转,就在他转机过安检的时候,迪拜警方以涉嫌侮辱穆斯林的宗教信仰为由逮捕了他,之后将他送到移民局,再送进监狱,如今面临被中国引渡回国的窘境。
如果你要问王靖渝到底说了啥,值得我们跨境追逃,你看看下面的截图就知道了,下图是今年2月王靖渝在微博的发言,他的网名叫“TSCB8”,对解放军的辱骂不堪入目,还说美利坚合众国万岁,这些言论刷新了大家认知的下限。
在他的微博评论区,网友纷纷气不过,说你等着进监狱吧,结果他气焰嚣张,一边夸印度军队杀得好,一边说他也要杀几个。
除了公开发言,当时还有网友私信他,问他为啥如此仇视解放军,他直接回复了极其恶毒的言语,还曝光自己的地址,挑衅重庆警方不敢抓自己。
在上述一系列材料被送到重庆当局之后,2月21日, 沙坪坝区政府发布了警情通报,对王靖渝展开追逃工作。
虽然王靖渝在英国很嚣张,但他父母在国内,于是当地派出所传唤了他父母两次,做了几番询问,这些都属于正常流程,王靖渝却在境外宣称其父母受到当局的盘查滋扰,甚至还被抄家,这个纯属编造。
事实上,警方没有任何过激行为,王靖渝的父母没有受到诛连,但因为其国企领导的身份可能面临调查,王靖渝的母亲是中石油高管,名字叫韩静,她早早拿到了美国绿卡,这才给了未满21岁的王靖渝美国公民身份,王靖渝的父亲是军队转业干部,同样是国企领导,王靖渝的爷爷甚至是红军。
以王靖渝的出生背景,如此仇视解放军和中国是一件不可思议的事情,但从他母亲早早拿到美国绿卡以及让他年纪轻轻就能环游世界来看,其父辈大概率是裸官,从安全角度考虑,投靠美国也算符合利益。
可惜王靖渝做了两件极其愚蠢的事情,这让他只嚣张了2个月。
首先,作为潜逃国外的罪犯,他忘了查询哪些国家跟中国签了引渡条约,截至目前,中国跟81个国家签了引渡和司法协助条约,这意味着即便他逃到这81个国家,中国同样具备追赃追逃的合法权力。
中国跟阿联酋的合作并不是什么新鲜事,早在2017年中国便从阿联酋引渡逃犯回国,中国驻阿联酋大使馆官网发布过此类信息,王靖渝自以为航班飞到美国,肯定不会有事,我只能说他可能忘了孟晚舟是如何被捕的了,当年孟晚舟飞往巴西的航班只是途径加拿大中转,结果一下飞机就被带走,王靖渝订机票的时候也不查查途经迪拜有无风险,落网也是活该。
被阿联酋警方关进监狱之后,王靖渝发出了国际求助信号,号称直到4月19日才知道阿联酋警方为什么抓他,而处理方法是遣返回国,在他求助之后,海外人士立马给他找了律师。
4月26日,王靖渝的律师拿到了法院批准的保释文件,但迪拜警方依旧不放人,说希望他签字配合,这样就可以坐5月1号从迪拜到广州的航班回国。
王靖渝知道回国是什么后果,所以打死不签,他的律师告诉他,引渡必须是两个国家都认为他有罪才能提出引渡,所以需要在阿联酋把他打成犯人才行,王靖渝得知消息之后赶紧要求海外朋友找媒体,希望国际人权组织帮他发声以便对抗中国。
穿着监狱制服的王靖渝
5月20日,王靖渝的朋友在推特求助,说他在前往美国的途中被迪拜警方逮捕,现在面临遣返,呼吁国际社会关注此事,然而为时已晚,阿联酋警方已将其牢牢控制。
王靖渝做的第二件蠢事是曝光了父母的收入,且同时得罪了爱国和恨国人士。
王靖渝诈骗成瘾,去年疫情期间曾在抖音当网络乞丐,被通缉之后又在咸鱼上宣称帮人做移民投资,不少恨国党把钱打到了他的银行卡上,得知受骗之后,这帮人在推特上对他展开了声讨,为了自证清白,王靖渝公开晒出自己的花旗银行账户,展示了10万美元和675万港币。
晒完之后,王靖渝还义正辞严地抨击中国,但他似乎忘了自己父母是干啥的,他一个19岁的小孩子,账户上有几百万人民币,这些钱是从哪儿来的,他的美国国籍又是怎么来的,他统统抛诸脑后。
虽然王靖渝事后意识到自己露了把柄,但他晒出的账户截图已经在网络上广为流传,据说他的父母已被停职,不过官方并未公开,如果不是行政级别足够高的官员,官方通常不会通报,所以到底有没有落马我也无法确认,但从王靖渝的恨国言论和坑爹做法来看,他父母的结果应该不会太好。
王靖渝的案例给大家带来了思考,那就是言论自由的边界是什么,一个国家到底该不该放任舆论不管。
熟悉政治的人应该明白,没有任何一个国家能实现绝对的言论自由,绝对的自由意味着绝对的混乱,从国家竞争的角度来说,对你进行渗透的敌人最渴望言论自由,因为只有这样他们才能通过舆论煽动分裂。
我曾经管理过微信群,我的个人感受跟国家治理类似,那就是一小撮喜欢口嗨又目无法纪之人特别喜欢用言论自由绑架管理者,只要你进行整风或者治理,他们就会攻击你破坏言论自由,但如果不治理,整个群的风气就变得很差,群聊的内容和质量就会降低。
从历史上看,戈尔巴乔夫给予了苏联媒体和民众言论自由,结果苏联解体;当今的伊朗拥有充分的言论自由,结果高层被美国各种策反,军方领袖和核物理学家都遭到暗杀;包括东欧诸国和伊拉克,这些没有进行言论管控的国家,解体的解体,挨打的挨打,日子都不太好过。
在拥有核武器的国家变多之后,大国之间军事作战的可能性大大降低,舆论场变成了全新的战场,而要防止敌人从舆论层面进攻,我们就必须树立防守意识,在舆论层面以国家统一和人民的利益为宗旨。
中国是大一统体制,是党国一体,其最大的优势是自上而下的执行力和强大的基层动员能力,这需要良好的舆论环境做基础,就拿防疫时的封城和戴口罩来说,假如放任网络不管,网上一定会出现大量指责封城和强制戴口罩是侵犯人权的言论,尤其是海外华人和美国特工,他们的针对性攻击会动摇民众的信心,那样一来,我们的防疫工作就不可能成功。
也因如此,中国的言论自由边界始终围绕着确保体制的顺利运行在调整,我们常说八条底线,像攻击宪法、反党反体制、煽动独立和分裂、侮辱烈士和英雄等等,这些都是不可触碰的绝对红线。
就拿侮辱烈士和英雄来说,烈士是为国捐躯的战士,包括但不限于军人,那些在公务中殉职的人也是烈士;再说英雄,为科技做出过重大贡献的人是英雄,比如袁隆平、邓稼先等等,在战争中牺牲的军人也是英雄,英雄和烈士有时候是重合的,所以我们也称之为英烈。
王靖渝公然侮辱牺牲的战士,甚至为他们的牺牲拍手叫好,这显然突破了舆论底线,而这两天在网上侮辱袁隆平的人也算性质相当。
在袁隆平事件中,这位叫“胜者为王”的人被天津市公安局刑拘,罪名是侮辱英烈。
还有下面这位叫“画家蒋林音”的人,他被苏州市公安局刑拘,罪名同上
从王靖渝和袁隆平被辱的案例中可以看到,被刑拘的人有一个共同点,那就是对英烈的逝世幸灾乐祸。
从人道主义角度来讲,即便是美国或者印度的公民去世,我们也不该幸灾乐祸,中国人的观念是死者为大,而且敌对国家的政客和民众不是一回事,连美国公民去世我们都会感到惋惜,何况是本国英烈,然而这几个人对中国的英雄大肆践踏,这说明什么?说明他们的内心跟特朗普、蓬佩奥一样肮脏。
今天上午微博发布了官方通报,宣布对以下64个账号永久封禁,我看了下他们的发言,他们的违规程度大概就是否定袁隆平,比如骂他是科技骗子,骂杂交水稻是猪粮等等,所以号没了,但人没事。
再说方方,方方这个人很厉害,她的日记始终没有逾越红线,她在日记里做出一副悲天悯人的样子,打着为国为民的旗号通敌,她在微博上骂的都是所谓的“极左”,也就是攻击她的网民,不涉及侮辱英烈,所以即便她给境外递刀子,有关部门也只能约谈她,没办法把她抓了,甚至连封她号都不行,从这一点看,方方显然是个善于利用规则的高手。
最后一个例子是许可馨,许可馨并非恨国党,我们疫情爆发的时候她还在国外给国内寄物资,她就是被网友指责留学生的时候感受到了攻击,所以跟网友对喷,其言论停留在小孩子口无遮拦的程度,比方方还轻,所以她不可能受到通缉,她压根就没违法。
网上一群不懂游戏规则的人说许可馨和她父母没被处理是因为背景强大,把苏州说成许州,这是典型的无知,中国是法治社会,你抓人总得有个理由,公安和法院办案是很谨慎的,生怕找不到法理依据,反倒是网友的舆论办案非常随意,想抓谁抓谁。
我今天举的四个例子分别代表了4种不同程度的越界。
王靖渝疯狂侮辱烈士,且死不悔改,遭到全球通缉是毫无异议的;
胜者为王和画家蒋林音对袁隆平的去世幸灾乐祸,是否被批捕不确定,但至少会被刑拘一段时间,永久封号也是��不掉的;
方方的春秋笔法和文字游戏玩得“漂亮”,没有触碰底线,有关部门无法限制她的人生自由,甚至封她号都不行,所以她活得很滋润;
许可馨的负气式发言就是小孩子吵架,同样没有触碰底线,只是其激烈的言论会引发民众的抵触心理。
上面四个例子可以作为言论自由边界的经典案例进行划分,如果你还不能理解,我拿对中国的态度举例你就懂了。
边界一:内心是爱国的,但情绪式发言较多,在对骂的时候贬低了国家和民众,代表人物:许可馨。
这种情况没有违法,会被删帖、不会被约谈、不会被封号、不会被刑拘、不会被判刑,顶多就是找骂。
边界二:讨厌中国,但伪装得热爱人民,代表人物:方方。
这种情况也没有违法,会被删帖、会被约谈、不会被封号、不会被刑拘、不会被判刑,我们没有办法强迫每个人都爱国,所以只能目视。
边界三:讨厌中国,对中国的功勋、英雄和重要人物极度反感,连装都懒得装,代表人物:胜者为王、画家蒋林音。
这种情况触碰了底线,会被删帖、会被约谈、会被封号、会被刑拘、但不一定被判刑,具体情况由警方对当事人的调查决定。
边界四:仇恨中国,巴不得中国被肢解,代表人物:王靖渝,以及海外的高华和恨国人士。
这种情况触碰了底线,会被删帖、会被约谈、会被封号、会被刑拘、会被判刑,没啥可说的。
其实最后还有个边界五,但是到这个层面就不属于民众发言的范畴了,而是有组织、有预谋的策反行动,比如炮制谣言攻击体制,挑拨政府和民众的关系,塑造执政党很邪恶的形象,这就是专业的舆论战。
这种情况是你死我活的斗争,是涉及到国家安全的重大问题,不是越界可以诠释的,那得有一个抓一个,直到抓完为止。中国驻美大使崔天凯说过一句话:只要爱国,即使持有不同政见,我们也能包容。
哪些人是爱国,哪些人是被带了节奏,哪些人是打着爱国的旗号搞事情,上面的人看得一清二楚,所以我们的言论边界非常清晰,只要你不违背八条红线,不说一些人神共愤的话,你完全不用担心人生自由,从国家治理的角度来讲,我高度认同对言论进行约束,否则我们的互联网将永远被搅得乌烟瘴气。
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reportsofawartime · 10 months
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クリス・ヘッジズ: 私はアルジャジーラのアラビア語放送のスタジオで、ガザ市からのライブ中継を見ています。ガザ北部のアルジャジーラ記者は、イスラエル軍の激しい砲撃のため、ガザ南部への避難を余儀なくされた。彼はカメラを置き忘れた。彼はガザ最大の医療複合施設であるアル・シファ病院でそれを訓練した。夜です。イスラエル軍の戦車が病院の敷地に向かって直接発砲する。水平方向に長く赤色が点滅します。病院への意図的な攻撃。意図的な戦争犯罪。重病人や幼児を含む最も無力な民間人の意図的な虐殺。その後、フィードが死んでしまいます。 私たちはモニターの前に座ります。私たちは沈黙しています。これが何を意味するかはわかっています。力がない。水がない。インターネットがない。医療用品はありません。保育器の中にいるすべての乳児は死にます。すべての透析患者は死にます。集中治療室にいる人は全員死ぬでしょう。酸素を必要とする人は皆死んでしまいます。緊急手術が必要な人は全員死亡します。そして、容赦ない爆撃で家を追われ、病院の敷地に避難してきた5万人はどうなるのか?私たちもそれに対する答えを知っています。彼らの多くも死ぬだろう。 私たちが目撃しているものを表現する言葉はありません。 5 週間にわたる恐怖の中で、これは恐怖の頂点の 1 つです。ヨーロッパの無関心は十分に悪い。米国の積極的な共謀は計り知れない。これを正当化するものは何もありません。何もない。そしてジョー・バイデンは大量虐殺の共犯者として歴史に残るだろう。彼が殺害に関与した何千人もの子供たちの幽霊が、彼の残りの人生につきまといますように。 イスラエルと米国は、世界の他の国々にぞっとするようなメッセージを送っている。ジュネーブ条約を含む国際法や人道法は無意味な紙切れです。イラクでは適用されなかった。ガザでは適用されない。私たちは爆弾とミサイルであなたの近所や都市を粉砕します。私たちはあなたの女性、子供、老人、病人を理不尽に殺害します。私たちは飢餓と感染症の蔓延を画策するために封鎖を設置します。地球の「下等な種族」であるあなたたちは問題ではありません。私たちにとってあなたは絶滅すべき害虫です。私たちはすべてを持っています。もし私たちから何かを取り上げようとしたら、私たちはあなたを殺します。そして私たちは決して責任を負いません。 私たちは自分たちの価値観のために嫌われているわけではありません。私たちが嫌われるのは価値観がないからです。ルールは他人にのみ適用されるので、私たちは嫌われます。私たちには違います。私たちが嫌われているのは、無差別虐殺を行う権利を自分たちに傲慢に主張しているからです。私たちが嫌われるのは、無情で残酷だからです。私たちが嫌われているのは、私たちが偽善者であり、民間人保護、法の支配、人道主義を語りながら、160人の子供を含む毎日数百人のガザの人々の命を奪っているからです。 イスラエルは、数百人の死者を出したガザのアル・アハリ・アラブ・キリスト教病院爆撃容疑で非難されたとき、憤りと道徳的怒りで反応した。イスラエルは、この爆撃はパレスチナ・イスラム聖戦が誤って発射したロケット弾によるものだと主張した。ハマスやイスラム聖戦の兵器庫には、病院を襲ったミサイルの巨大な爆発力を再現できたものは何もない。ガザを取材してきた私たち人間は、このイスラエルの比喩を、不気味なほど何度も聞いてきた。彼らは常にハマスとパレスチナ人の戦争犯罪を非難しているが、現在は病院がハマスの司令部であり、したがって正当な標的であると主張しようとしている。彼らは決して証拠を提供しません。イスラエル軍と政府は息をするように嘘をつきます。 アル・シファで職員が勤務する国境なき医師団は声明を発表し、患者、医師、看護師が「銃撃を受けて病院に閉じ込められている」と述べた。同団体は「イスラエル政府に対し、ガザの医療システムに対する容赦ない攻撃を中止する」よう求めた。 「過去24時間にわたり、ガザの病院は容赦ない砲撃にさらされている。 MSFスタッフが今も勤務している最大の医療施設であるアル・シファ病院複合施設は、産科部門や外来部門を含む数回の攻撃を受け、複数の死傷者を出している」と声明には記されている。 「病院周辺での敵対行為はまだ続いている。 MSFチームと数百人の患者は今もアル・シファ病院内にいる。 MSFは病院への攻撃の停止、即時停戦、医療施設、医療スタッフ、患者の保護を緊急に改めて求める。」 ガザ北部とガザ市にある他の3つの病院はイスラエル軍と戦車に包囲されており、ある医師はアルジャジーラに対し「病院に対する戦争の日」だと語った。インドネシア病院も停電したと伝えられている。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ガザにある36の病院のうち20病院がもはや機能していないと報告している。 イスラエルとワシントンの皮肉は息をのむほどだ。趣旨に違いはございません。ワシントンはただそれを早く終わらせたいだけだ。人道回廊?砲撃は一時停止しますか?これらはガザ北部の完全な人口削減を促進するための手段です。ラファのエジプト国境通過を許可された数台の援助トラック?広報ギミック。目標はただ一つ、殺して、殺して、殺して。速ければ速いほど良いです。バイデン当局者が話しているのは、イスラエルがガザの破壊を終えた後に何が起こるかということだけだ。彼らは、ガザ人が地区南部で避難所もなく野外で暮らし、食糧、水、医療の不足で死に至るまで、イスラエルによる虐殺は終わらないことを知っている。 イスラエルが地上侵攻する前のガザは、地球上で最も人口密度の高い場所の一つであった。北部の110万人のガザ人に南部の100万人以上のガザ人が重なったら何が起こるか���像してみてください。コレラなどの感染症が流行したときに何が起こるかを想像してみてください。飢餓の惨状を想像してみてください。何かをしなければというプレッシャーが高まります。そしてイスラエルは、パレスチナ人を国境を越えてエジプトのシナイ山脈に押し込むことを望んでいる。一度そこに行ってしまうと、彼らは決して戻ってくることはありません。イスラエルによるガザ地区の民族浄化は完了するだろう。ヨルダン川西岸の民族浄化が始まるだろう。 それがイスラエルの狂った夢だ。それを達成するために、彼らはガザを居住不可能にするでしょう。 もしあなたがガザのパレスチナ人で、武器を手に入れられたらどうするだろうか、と自問してみてください。もしイスラエルがあなたの家族を殺したら、あなたはどう反応しますか?国際法や人道法は抑圧者には適用されず、抑圧された者にのみ適用されるとわかっているのに、なぜそれを気にするのでしょうか?テロがイスラエルがコミュニケーションに使用する唯一の言語であり、明らかに理解できる唯一の言語であるなら、あなたはテロで言い返さないでしょうか? イスラエルの死の乱交はハマスを潰すことはない。ハマスというのは一つのアイデアだ。この考えは殉教者の血によって養われています。イスラエルはハマスに豊富な物資を与えている。
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mustachekiwi · 2 years
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水色のランドセルでヒョードルの夢を見る
言ってみろ、お前のお空は何色だ!
通っていた保育園の卒園アルバムの表紙には、園児がそれぞれ自分で描いたイラストが使われた。一人一冊、オリジナルのアルバム、なかなかオサレである。
1990年代当時、跳躍力といえばシカゴ・ブルズのデニス・ロッドマンか私か、という時代であった。私は自分が跳び箱を勢いよく飛び越える絵を描き、空を黄緑に、雲を水色に塗っていた。
すると先生が来て「ねえ、青空っていうくらいだから、お空は黄緑じゃなくて青じゃない?」と言った。
その頃、画家である父親が開いていたお絵かき教室に通っていた私は、その言葉に眉をひそめた。父はいつも「手を抜くな、てきとうに描くな、丁寧に描け」と口を酸っぱくして言っていたが、「○○は××色で塗れ」などと言ったことはなかった。だいたい、どうして先生に見えている空の色が、私にも同じように見えていると思っているんだ。空はいつでも青いわけではない。私は黄緑の空を見た。確かに見た。見たんだもん。トトロいたもん。先生がそういう空を見たことがないだけだろ。
当時”悪童”といえば、ロッドマンか私かという時代であった。ロッドマンは「さすがにレインボーの髪はおかしいんじゃない?」と誰かに言われてもそのクレイジーなスタイルを決して崩さなかっただろう。私も己の信念に従い、空を黄緑色に塗った。6歳の私、グッジョブである。自分で自分の色を選ぶということは、小さな人(子ども)にもできる、数少ない自己表現だ。幸い、家の中では、父も母も、青や水色のような「男の子の色」が大好きだった私に「女の子の色」を押し付けてくることはなかった。
だからこそ、家の外へ一歩出た時、周りの人間が私の選ぶ色について「女のくせに」と言ってくることは、耐え難い屈辱だった。
まともな奴ほどFEEL SO BAD!
卒園後、私は自ら選んだ水色のランドセルで小学校へ通った。
今でこそランドセルのカラーバリエーションは豊富だが、私が小学生の時は、男児は黒か紺、女児は赤かピンクで、それ以外の色はほとんど見なかった。当然、水色のランドセルは目立った。
「お前、女のくせになんで水色のランドセルなんだ」
同じ登校班の子供たちや、同級生、知らない上級生にまで色々言われてからかわれた。
言われたらとりあえず暴力で応えた。殴る蹴る首を絞める。「力こそが正義!私はこの水色ランドセルに全てを懸ける運命の『殉星(※1)』!」とまではいかなかったが、とにかく、私はまことに暴力的な女児だった。
この腐敗と自由と暴力の真っただ中の小学生時代、自分の好きな色を選ぶ権利を認めさせるために私は”たっぽい”になる必要があった。
”たっぽい”とは、TOM★CATが歌うアニメ『北斗の拳2』の主題歌『TOUGH BOY』に由来する言葉で、「たふぼーい」の「ふ」と「ぼ」が重なって「たっぽい」と空耳することから、この楽曲自体をそう呼ぶ。
つまり、小学生の私は誇り高き水色のランドセルの持ち主として、北斗の拳の世紀末の世界のような小学校時代を生き抜くべく、たっぽい(=タフなボーイ)となることを選んだ。私は誰かにからかわれて泣くような軟弱な人間じゃない、その辺の女子と違って水色のランドセルを選ぶ、たっぽいなのだ、と。もちろん、小学生当時の私は「たっぽい」という言葉は知らなかったが。
思い返せば、この経験が私の「女」としての自意識を歪ませ、「女」として扱われることに対する嫌悪感を抱かせるきっかけとなったのかもしれない。
60億分の1の男ッッ!!
思春期ど真ん中、中学生の私は父の影響で格闘技を見るようになった。 当時はPRIDEやK-1が大人気で、強い選手がばんばん日本に来て試合をしていた。ゴールデンタイムにもしょっちゅう試合があって、なぜ人が殴り合って血を流しているところを見ながら食事をするんだと、母にはけっこう嫌がられていた。
学校で仲のいい女友達にPRIDEやK-1を見ている子はいなかった。代わりに、別に友達でもない隣の席の男の子と時折、格闘技の話をしていた。
中でも私が夢中になったのが、ロシアの格闘家、エメリヤーヤンコ・ヒョードルである。格闘家には二つ名というかキャッチコピーみたいなものがついている。たいてい、出身地や生い立ち、外見、ファイトスタイルから名付けられ、ヒョードルもその氷のように冷たい瞳や、表情一つ変えぬクールなファイトスタイルと圧倒的な強さから「氷の皇帝」とか「ロシアン・ラストエンペラー」などと呼ばれていた。
しかし、彼の最も象徴的な呼び名といえば間違いなく「60億分の1の男」だろう。当時の世界人口およそ60億、その全員が武器を持たずステゴロでやり合った時、誰が一番強いか、その答えがこの男だッ!というニックネームである。
めちゃくちゃかっこよくない?
格闘家は試合前に睨み合ったり、言葉や態度で相手を罵ったりする、リング外でのパフォーマンスを見せることもあるが、ヒョードルはそういう”味付け”なしで、ただリング上での強さのみで観客を虜にする。シンプルな黒のパンツ、うすく脂肪の乗った理想的な体型、無表情な顔に冷たく光る氷の瞳。いざ試合が始まれば、そのクールな表情はそのままに、圧倒的な強さを見せつける。ヒョードルこそ、私のなりたい”たっぽい”の究極形。地球上で最もタフで強い人間。それが、60億分の1の男。
ある時、こんな調子で私がヒョードルについて熱く語っていると、いつも話し相手になっていた隣の席の男の子に「なんで女のくせにそこまでして男みたいになりたいん?」と言われた。
最初は意味が理解できなかった。しかし、どうやら彼の目には私が「必死に男についていきたくて、格闘技の話をしている女」と映っていたらしい。なんてこったい。恥ずかしい、悲しい、悔しい、むかつく……負の感情の詰め合わせが出来上がった。「お心遣いありがとよ。これは私からのほんのお返しだッ!!!」と重い一発を熨斗つけて食らわせてやれればよかったのだが、中坊の私は深く傷つき、そのまま黙り込んでしまった。
心の中では「ほらね、女のせいで、また私が馬鹿にされた」という声が響いた。そうか、「男の趣味」に興味を示すと、こんな風に扱われるのだな。私はまた一つ女が嫌いになった。
女には「本物」がわからない?
隣の席の彼は、まるで格闘技を好きでいることは男の特権のように言う。これは、格闘技だけの話ではない。スポーツ、車、プラモデル、歴史、こういうものは「男の趣味」と見なされて、つい女ごときが興味を持とうものならめちゃくちゃにマウンティングをかまされる。頼んでもないのにレクチャーをされる。挙句、「彼氏の影響?」などという屈辱的な言葉を浴びせられる。
何より、コンテンツを作る側も一緒になって、女はファンとしては二流だというメッセージを発信してくる。
『PSYCHO-PASS』というアニメ作品が結構好きだった。大変な人気作で、映画化もされている。周りにもファンが多い。
2014年にこの映画の舞台挨拶が行われた際、総監督を務めた本広克行は、会場にたくさんの女性鑑賞者が来ているのを見て次のようなコメントをしている。
「こんなはずじゃなかったんです。男が観る物語としてどれだけ骨太の物語のSFを作れるかというのでやってたつもりだったんです。ほとんど女性じゃないですか。『萌え禁止!』とか言いながら作っていたんですけど、残念です(笑)」 出典:https://news.nicovideo.jp/watch/nw1374107
はて。
【骨太】 [名・形動] 1 骨が太いこと。骨格のがっしりしていること。また、そのさま。「骨太な(の)からだ」⇔骨細。 2 基本や根幹がしっかりしていること。構成などが荒削りだが、がっしりとしていること。また、そのさま。「骨太の改革案」「骨太のドラマ」 出典:https://kotobank.jp/word/%E9%AA%A8%E5%A4%AA-631150
【骨太】という語には「ぽこちんが付いた人向けの」とか「社会的に男性として生きる人向けの」とかそういう定義でもあるのかと思わず辞書を引いたが、どこにもジェンダーやセックスに触れる記述はない。「私の辞書には『ぽこちんが付いた人向けの』とありました!」という人がいればぜひ知らせてほしい。
しかし、どうやら本広克行の辞書ではそう定義されているらしい。彼の辞書で【女】を引けば「骨太の作品が理解できない生き物」と書かれているのかもしれない。
これは本広に限ったことではない。女性が「男の趣味」に足を踏み入れると、よくこういう言葉を向けられる。
他にも、大好きなプロ野球OBのYoutubeチャンネルを見ていると、「このチャンネルの視聴者は9割男性だそうです。もう、女性ファンはあきらめましょう。男性のための◯◯チャンネルを今後もよろしく!」みたいなことをなぜか嬉しそうに言っていた。女性ファンが少ないことを自虐っぽく言いつつも、内心は「骨太」のファンに愛されていることを誇りに思っているのが透けて見える。吐き気がするぜ。心底女性ファンなんてどうでもいいと思っているんだな。
「男の趣味」に興味を示すと、女の「好き」は浅いと思われる。イケメンが好きなんでしょ、BLが好きなんでしょ、流行ってればなんでもいいんでしょ、そういう扱いを受け続ける。
女性に人気がある俳優が一生懸命下ネタ言って男性視聴者に”アピール”したり、女性ファンが多い芸人は「ワーキャー人気」と呼ばれて見下されたりするのも、根っこはみんな同じだ。男性から支持されないものは二流だと信じてる人は、みんな必死で自分が誰かのぽこちんを刺激する「骨太」な「ホンモノ」なんだと主張する。そうして、女性ファンをいつだって二流扱いする。
女嫌いの女を育てる社会
中学を卒業するころには、私はもうすでに「女」という性が、二流で、ダサくて、「ホンモノ」にはなれない性だと信じ込んでいた。女らしくなれば、見下される、強く賢く本物であることを示すには、もっと男に認められなければならないと本気で思っていた。
自分が「その辺の女の子」だと思われたくなくて必死だった。私はあの子たちとは違う。きゃぴきゃぴはしゃぐ、普通の女子じゃない。私は特別なんです、女だけど普通の女の子とは違って、ちゃんと個性を持って生きています。ピンク色なんて女の色、選びません。格闘技だって、本当に好きなんです。男の人が見るような目線で、スポーツを見ているんです。だから、私は、「その辺の女の子」じゃないんです。
こういう感覚をどんどん内面化させていくと、自分の好きなものを言うことが怖くなってくる。それが好きかどうかではなく、男に認められる行動かどうかが基準になってくるのだ。
私は当時のK-1MAXに好きなファイターが3人いた。初代王者のブアカーオ、無冠の帝王と呼ばれた武田幸三、そしてウクライナのアルトゥール・キシェンコである。私はK-1の話をするとき、男友達にはキシェンコのファンであることはなかなか言えなかった。キシェンコは”美しき死神”というキャッチコピーで、いわゆるイケメンファイター的扱いをされていた選手だったからだ。もし、キシェンコファンだと言えば、ミーハー扱いされる、顔ファン扱いされる、という恐怖があった。今考えるとクソしょうもないことだが、当時の私には大きな問題だった。
「男の色」である水色を選んだり、「男の趣味」である格闘技を好きになったりすると、「女のくせに」が目の前に立ちはだかる。男と同じように好きなんだと証明したくて、好きであることではなく男に認められることを求めて、私と私以外の女に線を引く。私以外の女は、弱くて、かっこわるくて、表面的で、「ホンモノ」じゃないと憎む。私は、そうじゃない。
女なんか大嫌いだ。女なんかに生まれたくなかった。女のせいで、私まで馬鹿にされる。15歳の私の心の中で、女性嫌悪はますます大きく膨らみ続けた。
女嫌いの女は、こういう環境に揉まれてすくすく育っていくのである。
「女」は「人間」
私は市外の高校を受験した。「国際○○科」みたいな名前の学科だが、ベースは商業科、簿記や情報系の資格をたくさん取るコースで、普通科に比べて女子の割合が多かった。(ちなみに同じ高校に音楽科もあり、そこは私の在籍した学科以上の女子率だった。)
自分の希望通りの学校に合格できて大喜びしていた反面、女子生徒の割合が高いクラスに入ることにかなり抵抗を感じていた。なんたって、この時の私は徹底的に「女」を見下していたからだ。
しかし、しばらくしてその意識が変わっていくのを感じた。40人中33人が女子というクラスの中で、私は「女子」としての自分より、一人の「人間」として生きている感覚を得られた。女だらけの環境にいると、なぜだか女が強調されることが少ない。クラスメートも私を「女子のクラスメート」ではなく「ただのクラスメート」と扱っている感じがした。
むしろ男子生徒のほうが、男性性を強調される場面が多く(それはそれとして問題なのだけど)、小中学校時代とちがって「女のくせに」と言われることもほとんどなくなった。それがとにかく生きやすかった。
クラスを一歩出て、普通科の仲間たちとごちゃまぜになる部活では、幾度となく「女」が強調される場面があったが、クラスに一度戻ると、自然と「女」という色が消えて、一人のただの高校生として生活の中に溶け込んでいく自分を感じられた。
資格試験や勉強にも熱心な学科だったので、がんばった分だけ先生に認められたし、将来を期待されるような言葉をかけてもらえ、私は家庭以外の場所で、初めて「女」から解放された気がした。
それと同時に、「女」に対する自身の偏見からも少しずつ解放されていった。私が一括りに「その辺の女子」と思っていた同い年の女の子たちは、誰も彼も個性的で、変わっていて、カラフルで、ちょっと可笑しなところがあった。誰一人として、小さな「女」という枠に収まっている人はいなかった。「女の子らしさ」という箱の内側にも外側にも自由に行き来して、楽しそうに、悩みながら、全力で生きていた。私と同じだった。
3年間担任をしてくれたS先生も自立的な女性で、強い言葉でみんなを励ましてくれるタイプの先生だった。「私、『女の腐ったような』って表現大嫌い。女を馬鹿にしすぎだよね。」と言っていたのをよく覚えている。学科長のK先生も女性で、簿記などの専門科目を担当している学科の他の男性3人の先生よりもいつも偉そうで、怖くて、陰で女王と呼ばれるくらいインパクトの強い人だった。「単語帳のページ覚えるでしょ?残ってたら、また見たくなる。だから、どうする?覚えたら食べるねん」などと、とにかくすごいことを言っていた記憶がある。そういう身近な強い大人の女性も、高校生の私にはすごく嬉しい存在だった。
「ヒョードル、かっこいいな!」
2007年の年末、私のアイドル、”60億分の1の男”ヒョードルが”テクノ・ゴリアテ”ことチェ・ホンマンという巨人と対決することになった。チェ・ホンマンの身長218センチに対しヒョードルは183センチと体格差の大きい対戦だった。が、しかし、私はヒョードルの勝ちを確信していた。そして、2学期の終業式の下校中、仲良しの女友達にヒョードルが大好きであることと、その試合が大晦日にあるのでぜひ見てほしいということを伝えた。彼女は「わかった。見てみるね。」と爽やかに答えた。
そして、大晦日の夜、私の期待通り、ヒョードルは大男の腕をあっさりとキメて、華麗な勝利を収めた。やっぱりね、ヒョードルかっこいいね。満足げにテレビを眺めていた私の元に一通のメールが届いた。例の友達からだった。
「試合見てた!ヒョードル、めっちゃかっこいいな!あんな風に強かったら気持ちいいやろうな!」
その時、今まで感じたことのない喜びで胸がいっぱいになった。ああ、「女にヒョードルの良さがわかるまい」と決めつけていたのは、他でもない、自分自身だったんだな。友達からの素直な言葉で、呪いが解けてゆく。
高校時代の女だらけの環境が、私の中のミソジニー(女性嫌悪)を少しずつ溶かしてくれた。自分が「女」ではなく「人間」として扱われたかったように、自分以外の女性も、「人間」として扱われたいと願っている。私が「女」を見下すことで、自分にも自分以外の女性にも、傷を与え、呪いをかけていたのである。もちろん、高校生の私は自分の女性嫌悪に気づくことすらなかった。「あれはミソジニーだったんだ」と認識できるようになったのは、二十歳を過ぎてからのことである。
同じく高校時代、私が周りの友達を「女」ではなく「人間」だと理解し始めたころ、私自身も一人の人間であることを教えてくれた友人がいた。
この友人は私に「君の生き方を見ていると、男や女ではなく、君という性別がこの世にあるって感じがする」と言ってくれた。
「ボーイッシュ」「男っぽい趣味」「意外と乙女チックなんだね」他人が息をするように突き刺す言葉で、私の心は穴だらけだった。その無数の穴を塞いでくれるような大切な言葉だった。
ずっと、自分のことを中途半端な人間だと思っていた。枠の中にある「女」というものにはまりきれず、かと言って心身ともに男ではない。では、私の性別は一体?他の人が言うように、女を捨てた状態なのか?まだ女になれない半人前の状態なのか。いつになったら、私は誰かに認められる性になれるのか。もがきながら生きてきた人間にとって、その生き方そのものを私の性だと捉え、受け入れてくれた友人の言葉は、心からの救いだった。
ミソジニーとの戦いは続く
私は怒りを向ける矛先が、女性ではなく、女性を「ホンモノ」として認めようとしない社会の在り方だと思うようになった。「普通の女子」とか「その辺の女の子」「量産型女子」、そんなもんはいない。私たち女性には、当たり前だが一人ひとり好きな色があって、好きなものがある。自分の意志も意見もある。そして、個性がないと言って女性を馬鹿にするような誰かの無神経な言葉に傷つけられていい存在ではない。
私が水色のランドセルをからかわれて傷ついたのと同じころ、ピンクのランドセルを選んで「やっぱり女の子だね」と誰かに言われ、自分の選択ではなく、女の子としての選択として、個性を踏みにじられた女の子がそこにはいたはずだ。
ピンクのランドセルを否定しても、私の水色のランドセルは決して報われない。セクハラを笑って受け流して耐える同僚を憎んでも、女性を軽視する奴らは蔓延ったままである。
私たちを苦しめる根っこは、いつも同じだ。女という物差しでしか私たちを計れない人々で、女の限界はいつも男よりも手前にあると信じ込ませる連中で、女は男に愛されないと価値がないという呪いをかけてきたクソったれ共だ。
THE BLUE HEARTSの「青空」には、聞く者の心を撃ち抜く一節がある。
生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何がわかると言うのだろう
生まれた身体で、性別で、一体この私の何がわかるというんだ。
私は自分が救われたい一心で、自分以外の女の子を傷つけてきた。たくさん見下してきた。でも、自分という存在が特別だと思いたいからと言って、自分以外の女を馬鹿にする必要などない。だから、もう誰の性も否定したくないし、誰の好きな色も馬鹿にしたくない。心無い言動に傷つきながらも、笑って受け流そうとする人の痛みを過小評価せず、その痛みに寄り添って、一緒に抗っていきたい。
女を苦しめる連中は、自分たちが勝手に作り上げた「女」という枠からはみ出した人間を見ると、「女を捨てたのか」と言って嘲笑う。私も大げさではなく、100回以上言われてきた。セクシスト(性差別主義者)たちは、息をするように他人の性を踏みにじる。ぐちゃぐちゃに傷つけて、自信を奪う。
だけどな、捨てられねえよ、クソッたれ。そんな簡単に。捨てられるものなら、ずっと昔にとっとと捨てたかったわ。そんなに簡単に捨てられるものじゃねえんだよ、バカヤロウ。人の性を軽んじるお前にはわかるまい。「女」という性と共に、自分を生きる苦しさが。
そういう苦しさを抱えきれなくなって、私は自分の中にある「女」を、周りのクソッたれ連中と一緒になって見捨てた。生まれた時から私と共にあった、私の大切な一部だったのに、自分を傷つけてくる人間の価値観に囚われて、自分も、自分の周りの女性のことも馬鹿にした。
だが、もうそれはやめた。私は自分の中にある、他の誰かの中にある、「女」を否定することはやめた。こいつと共に生きていくことを受け入れる。周りからさんざんボコボコに殴られて、好き放題刺されまくって、満身創痍の、私の中にある「女」を、これ以上傷つけさせてたまるか。
女性であることを恥じることも誇ることもせず、ただ受け入れる。それだけのことがこんなに苦しくて難しい。それでも、私はずっとこの性を生きることにした。見捨てずに、大切にすることにした。
そして、他の誰かの女性性と男性性を、そ��二つの枠組みの外にある性の在り方を、踏みつけていないか、大事にできているか、できるだけ慎重に歩くことにした。
どれだけ心に強く誓っても、私の中のミソジニーは、なべ底の焦げみたいに私の心にこびりついている。重曹でもお酢でも、簡単には落ちないほど、頑固にこびりついている。
それを取り除いて、鍋の底に映った自分の性と素直に向き合いたいと思う。そのためには、まず、このこびりついたミソジニーと向き合わなくてはならない。
私の水色を守る人
大学時代からの友人でかれこれ10年以上の付き合いになるMは、普段は温厚で、滅多に怒りを他人に向けたりしない人である。Mの喋り方は漫画『聖☆おにいさん』のブッダとほとんど同じだ。同漫画を読んだことがない人は、最寄りの仏をイメージしてもらえばいいと思う。
私が結婚の報告をしたときに、素晴らしいプレゼントをくれたのが、このMだった。
結婚式はしなかったのだが、Mは私への結婚祝いを包む祝儀袋を買いに某百貨店へ行った。そこで店員に女友達の結婚祝いのために探していると言うと、ピンク色の祝儀袋を勧められたらしい。
Mは私が青や水色が大好きなのを知っているので、その旨を伝えたうえで水色のものを選ぼうとしたらしい。ところが、店員はなぜか食い下がる。女性なんですよね、ご友人は、ならば普通はこちらの色ですよ。Mは、いや、他の人からどう見られるかは関係ないし、そもそも本人の好きな色を選びたいだけなので……と説明したが、なぜか店員は折れなかったらしい。
あまりにも頭の固い店員に腹を立てたMは「結構です」と言って祝儀袋を買うのをやめて、結局私を連れて買い物に行き「予算内なら好きなものを買ってあげる」と言ってお祝いしてくれた。その節はかわいいパジャマをありがとう。
「水色は女の色にあらず」というクソジェンダーステレオタイプが19年経っても変わってない事実にがっかりした。しかし、それ以上に、Mが水色の祝儀袋のことで店員にこだわりを見せてくれたという話が嬉しかった。水色のランドセルをからかわれ続けた私は、心が救われた気がした。
Mにとっては、店員との些細な小競り合いだったかもしれないが、私にとっては大きな意味がある。Mは私の好きな色を守った。ジェンダーステレオタイプから守り抜いてくれた。「女のくせに水色」を真っ向から否定してくれた。
子どもにとって自分の好きな色を選ぶことが数少ない存在証明の場なら、大人はその選択肢を決して奪ってはならない。大人が自分の声でジェンダーステレオタイプを否定する時、誰かの中の女や男やその枠組みを超えた性を救うことができると思う。
本広克行がしこしこ『PSYCHO-PASS』の映画を作っていた頃、アメリカでは『マッドマックス 怒りのデスロード』という「骨太」な作品が登場した。
同作品はシリーズとして知られているが、2作目の『マッドマックス2』は北斗の拳に影響を与えた(※2)、まさにたっぽいな作品の一つである。そのたっぽいな作品の主人公の一人を演じた俳優トム・ハーディは映画の記者会見で男性ジャーナリストと次のようなやりとりをしている。
カナダのジャーナリストからの「『マッドマックス』は男の世界の物語だと思っていたのだが、女性キャラクターが登場することについて違和感があったか」という質問に対し、ハーディは一言「ノー!」と答え、記者会見場から拍手が起きていた。 出典:https://www.google.com/amp/s/amp.natalie.mu/eiga/news/147372(日本語記事) https://metro.co.uk/2015/05/29/mad-max-fury-road-star-tom-hardy-has-the-best-reaction-when-asked-if-women-are-taking-over-a-mans-movie-5220250/(英語記事) https://youtu.be/tI6k_8tomRE (映像、10:00ごろ)
「これは男のためのものじゃないのか?」という問いに、私たちはハーディのように「ノー」と答えることができる。自信を持ってそう言える。
水色のランドセルを選ぶ少女が誰にもからかわれない社会がいい。格闘技好きの女子中学生が、誰にも笑われずに、ヒョードルに憧れていると言える世界がいい。
自分の好きな物を守るためにたっぽいにならねばと思ってきた私は、30歳を過ぎてからその必要がないことを悟った。弱いまま、臆病なままでも、誰にも好きなものを馬鹿されずに生きていく権利がある。女の私が、「60億分の1」に憧れる自由がある。私たちは、自分が唯一無二のスペシャルな女の子であることを、他人に認めてもらう必要もないし、誰かに証明する必要もないのである。
涙を拭け、6歳の私。拳を握りしめろ、15歳の私。”悲しみは絶望じゃなくて明日のマニフェスト”だぜ。(意味不明だと思った?私もこの歌詞の意味は未だによくわかっていないけど、かっこいいから引用した。)
家族や友人が私の水色を守ってくれたように、私も周りの人が自分の好きなものを誰かの言葉に傷つけられることなく愛せる世界を作りたい。誰かが「男の子だから青がいいよね」と言えば「そんなことはない。色に性別は関係ない」と言い、「女にこの良さはわかんないだろうな」と言えば「わかってねえのは貴様だ。もっと世の中のことよく見ろ。しばきまわすぞ」と言って黙らせたい。
それは偏見だ、あんたの思い込みだ、幻想だ、嘘だ、そう言って、ジェンダーステレオタイプを否定していこう。みんなでつまらないステレオタイプに「ノー」と言おう。
みんな、聞いてくれ。
この世にあるくそしょうもないジェンダーステレオタイプは一つ残らず、必ずぶっこわせる。たっぽいでなくても、普通の、ひとりの、よわっちい人間にも、それに抗う力はちゃんとある。
私は誰かの好きな色と自分の好きな水色を守るために、これからも一人の女として抗い続ける。そういう旅をしている。そして、あなたが一緒にその旅に来てくれるなら、ヒョードルよりも心強いよ。
※1……漫画『北斗の拳』の中で、一子相伝の拳法の使い手(拳士)たちが持つ星の宿命(宿星)の一つ。愛に殉ずる宿星。
※2……「北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー」内での原哲夫(北斗の拳の作画担当)の発言より。http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview10-03
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terrahumanity · 6 months
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テラヒューマニティ・星海殉葬
0.
「なんて、エキゾチックなの」と母は言った。
異国風という言葉選びは、果たして正鵠を射たものなのか。判断しかねた俺は、沈黙を保つ。
部屋には、三人がいる。自分、母、そして一人の少女だ。
少女は、その外見に人類にはない色彩を持っていた。それは、彼女が異星種……つまり宇宙人の血を引いているということを示していた。
地球以外の星に知的生命は存在するか、という宇宙に関する問いは、新天地よりも、ゴールド以上の価値がある物質よりも、強く人を惹きつける命題の一つだった。その一方で、決して実在が確認されることもなく、専ら、フィクションの中だけの存在だと目されてきた過去がある。未解決問題、だったのだ。
今、その結論が目の前にあるという事実に、母は目を輝かせていた。
ひょっとすると、人は無意識レベルで宇宙人と出会うことを渇望していたのかもしれない。何せ、そうすることでしか、宇宙の知的生命のスタンダードを知ることなどできないのだ。
人は古来より、異人との接触によって、自身の性質や、自身の所属する集団の特徴を俯瞰してきた。他所の人と話をしている時、ふと「これは、うちだけのローカル・ルールらしい」と気づくみたいに、だ。これが何を意味しているかと言えば、人は宇宙人を見ることで、地球人らしさというものを、初めて自覚するだろうということだ。
いずれにせよ、宇宙開拓時代を迎えてから百年以上の月日が経った太陽系圏でも、地球人らしさというものは未だ存在しているらしい。
母の言葉は、その実在を証明するものだと言えた。
彼女を見て「自分とは異なる存在だ」と、確かにそう評したのだから。
1.
 小さなモニタを光点が滑る。世間では空間投影だの、網膜投影だのとモニタの流行は移り変わっているが、目の前にあるのは溜息が出るほど古いタイプの板だ。コクピットのシート右側からアームで支えられた、それは、機体が向きを微調整する度に慣性で軋んで揺れていた。
左舷スラスタの反応もやや鈍い。きっちり整備しているはずだが、これはもう、こいつが年寄りだからとしか言えないだろう。
両手のコントロール・スロットルを微細に動かして、今後こそ、光点をモニタの中心に。三次元レーダーで、飛来する目標物を正面に捉えた。
「FL1からFL2、及びFR1からFR2マニピュレータ展開」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。搭載された四対八本のマニピュレータのうち前面側四本で、捕棺網を展開した。ここまで異常無し。長めに息を漏らし、中ほどまで注意力を落とす。
手元のモニタから目を離し、前を見る。そう広くないコクピットの前面を、星空を映すメインモニタが占めている。
漆黒の宙に、星々が瞬いていた。目標物は、まだ視認可能範囲外にあるが、三次元レーダーで正面に捉え��いる限り、待っていれば、向こうからやって来るだろう。
俺は、棺を待っていた。チタニウムの棺だ。何の比喩でもない。
宇宙を漂う棺を、中型の作業ロボット……汎用船外作業用重機コバンザメに乗って、待っている。
 平らな面を上とした正三角錐に、楕円柱状の胴がくっついたようなロボットだ。コバンザメという俗称に反して、マニピュレータ四本で網を張る様子は、深海に漂うクラゲのように見えるかもしれない。
 こうして指定ポイントで網を展開し、彼方から飛んでくる棺をキャッチする。
それが、俺の仕事だった。人類が地球から宇宙に進出したばかりの頃、このような仕事が生まれることを、誰が想像しただろう。
「ダズン、聞こえていますか?」
 無線から、名を呼ぶ声がした。少女の声だ。
母船シーラカンスで留守番をしている同居人の声だった。
「どうした、シャル」と名前を呼ぶ。発音としてはシヤロに近い。
「どうしたということはありませんけど」
通信の向こうで、逡巡するような間が空く。別に騒がしくしている覚えもないが、静かな艦に残されて、やはり落ち着かなさを感じているのだろう。脳裏に、少女が、話題を選んでいる様が思い浮かんだ。輝くような金髪が目を引くハイティーンである。
「これってやっぱり、地球方向に飛んでいるんでしょうか」
 数瞬して、いつもの話題に行き着いた。これというのが、レーダーに映る光点……チタニウムの棺を指すことは明らかだ。
「多分な」
 第一に肉眼で地球が判別できる距離ではないし、シーラカンスにしろ、コバンザメにしろ、ヘリオスフィア規模の分解能を持つ絶対座標系の航路計なんて高級品は積まれていないので、確かめようもない。
だが、星海葬という性質上、恐らくそうなのだろうと思う。
星海葬。それは、人は地球に属し、地球に還るべきだという思想から生まれた、人が地球へ還るための儀式だ。
彼女はこれに、少しばかり疑問を持っているのだろう。
「何故、人は星海葬の魅力に囚われるのでしょう」
「……地球をルーツとする知的生命だからだろう」俺は答えた。
宇宙で死期を迎えた人間は、その魂が地球へ帰還することを望むという。
人類がまだ地球を主な生活圏としていた頃、地球上で死んだ人間が地球の生命に転生するという考え方は普通だった。実際、物質的に見ても、人が死んだ時、人体を構成する元素は別の地球上の物体へと姿を変えていくのだから、魂の循環という考え方は感覚的にイメージしやすかったはずだ。
しかし、地球を遠く離れた場所で人体が処分されれば、地球に還ることはない。その事実は、魂もまた、還れなくなるという自然な連想を生んだ。人類が地球を離れて活動するようになった時、転生という宗教概念は破綻したのだ。
実際、宇宙開拓初期における、地球の神々の凋落はシリアスな問題だったらしい。地球が宇宙に浮かぶ光点の一つに過ぎないと分かった時、たかだか半径六千三百キロの岩石塊の表面で謳われていた神々に何ができようか……と思うのも、無理からぬ話ではある。宇宙開発黎明期、ソ連の宇宙飛行士チトフもこう言ったという。「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と。
あるいは、いやだからこそというべきか──そう認めるからこそ、神の恩寵の届く星に還りたいという欲求は強まるばかりだったのだろう。
「そうまでして地球に還りたいのでしょうか」
「宇宙で死んだ人間の灰を、地球に持ち帰ることが禁止される程度には」
 それが一般的だった頃、いずれ地球は灰まみれになるのではと揶揄されていた。
地球行の宇宙貨物艦の荷に占める灰の割合は加速的な増加傾向にあった。宇宙規模で繁殖し始めた人類が、帰属意識と伝統と宗教心のままに灰を地球に送るようでは、当然そうなる。そして、今後も増えていくことを危惧した連邦により禁止された。当時は反発もあったというが、長期的に見て公益性は高く、今では妥当視されている。
 星海葬なるものが市民権を得たのは、その頃からと聞いていた。
 物質的な帰還が叶わぬ以上、魂だけは帰還できるように。人々はそう願いを込めて、地球へ向けて棺を打ち出すようになった。
「そうしたら、今度は金属資源の散逸だ、なんだという話になった」
広大な宇宙空間に棺という形で無作為に金属資源が散らばる傾向は、嬉しい事象ではない。単に資源の有無だけで言うなら、適当な地球型惑星から採掘し続ければいいわけだが、それを無駄にしていいかは別だ。
保安上の都合から見ても、意図的にデブリを増やす行為が推奨されるわけはなく、星海葬もまた、連邦によって禁じられる瀬戸際にあった。
「しかし、それは今でも行われています」
「そうだな」誰が見ているというわけでもないが、俺は頷いていた。「スペース・セクストンと呼ばれる団体が生まれ、星海葬をシステム化した」
 スペース・セクストンは、宇宙教なる宗教機関として星海葬を斡旋し、宇宙に流された棺を適切に回収する役目を公然と担うこととなった。
今では、星海葬は宇宙で最もポピュラーな葬儀だ。純粋な地球生まれの地球人がほとんどいなくなった現在でも、セクストンはしっかりと存続しており、多くのエージェントが所属している。
俺もその一人だ。改装した古い小型貨物艦船で、棺を回収している。
連絡艦、旅客艦、貨物艦、遺棄船漁りのスカベンジャー、宇宙海賊、軍艦。宙を往く船にもいろいろあるが、セクストン認可艦の辛気臭さは最高峰だろう。他人を乗せることもなく、華やかな客室もなく、積荷は棺で、一攫千金の夢もなく、争いもなく、地位も名誉もない。
「私がいるではないですか」
どこからか、口に出していたらしい。
不意に、そう言われた。何故だか慰めるような言葉を投げ込まれ、俺は笑う。
2.
 コバンザメの狭いコクピットから這い上がり、シーラカンス艦内に戻ってきた。艦内の人工重力に気怠さを感じながら、ヘルメットを外し、後部右舷通路を歩く。流れで首元に手をやりかけて、直ぐに下ろした。
「やれやれ」と口の中で呟き、そのまま、棺を運び入れた格納庫へ向かう。
棺の回収が終わったら仕事が終わるかと言われれば、そうでもない。
 回収した棺自体は最終的にはセクストンの溶鉱炉で生まれ変わるわけだが、受け渡す前には、中身のチェックをする必要がある。
セクストンの仕事は総じて気乗りしないが、個人的に一番気乗りしない作業だ。人によっては、一番ワクワクするらしい。死者が生前愛した何某を棺に入れる……という風習は根強くあり、炉に入れると不純物になるからというような大義名分の下、懐に入れることが認められているからだ。
以前、少しばかり同業の集まりに参加する機会があったが、それで美味しい思いをしただとか、そういう話は聞く。俺はその説について賛同できないが、昨今の情勢は安定しているので、腐乱しているだの、欠損しているだの、そういう死体を目にすることは、あまりない。それだけが唯一の救いだ。
梯子を下りると、格納庫の前には黒いボディスーツに身を包む少女が待っていた。
彼女……シャルは、しなやかなボディスタイルを露わにする、いつも通りのスーツ姿である。宇宙での活動は今なお、決して安全ではないが、古典映画で見るようなモコモコとした着ぐるみは廃止されて久しい。今の主流は、生命維持デバイスと防護外骨格の展開機構が備わった汎用スペーススーツである。俺や、彼女が着ているそれだ。
彼女は手にしていた情報端末からこちらに視線を動かすと、壁から背中を離した。
「お帰りなさい、ダズン」
「ああ。どうも、異物反応があるらしいな」俺が言うと、彼女は頷いた。
棺をシーラカンスの搬入口に運び入れた時にアラートが鳴ったかと思うと、すぐにシャルから通信が来たのだ。棺の中に、何かがいる、と。
気が重くなる。
異物反応センサーは棺内をスキャンした結果、動体と熱源が確認された場合にアラートを出す。そういう意味では、しょうもない悪戯(例えば、熱を出して動くおもちゃが入っていたとか)の場合もある。
しかし、棺の中に、もしも生きている人間が入っていたら? 放っておけば、そのまま焼却されることになる。寝覚めは最悪だ。
「じゃあ、始めましょうか」
彼女は首元にあるパネルをトンと叩いた。そこには防護外骨格を着脱するためのパネルがあって、青く点灯する。シャクシャクと小気味のよい金属質の擦過音が響き、彼女の体表を、背中から包むようにアーマーが広がっていた。
防護外骨格は、背骨に沿って等間隔に配された六つの小さな突起パーツ内に圧縮格納されているため、展開する際には背面から広がるようなプロセスを踏む。
俺は、自身のアーマーを確認しながら、シャルの展開を待つと、格納庫のシャッターにアクセスした。
ブザーの音。大仰な開閉音。一瞬遅れて、照明が点灯する。
「また家族が増えるかもしれないですね」シャルはそう言いながら、格納庫に入った。
「それは、ゴメンだな」
そう返すと、彼女は苦笑した。
 俺たちは、いくらか積まれている棺たちを見ながら、最後に格納した棺の方……つまり、搬入口に近い方へと足を向けた。
棺は、基本的に幅二メートル、縦三メートルのサイズだ。その大きさの大部分は装甲/気密機構/保冷材/副葬品というように、遺体以外の要素に由来する。遺体を入れるスペースは必要以上に広くする理由もなく、人が最後の旅に出る船としては、適度なサイズとも言えるだろう。
見栄っ張りな富豪が、とてつもない大きさの棺で星海を往くこともあるが、そういう手合いはVIPなので、俺みたいな末端のエージェントが担当することはない。
これらの棺は、この後、金属製の外装部と内部の有機物フレームに分別される。外装は溶鉱炉へ、内容物は焼却炉へ投入されることになる。しかし、回収してすぐに炉に行くというような感傷的なスケジューリングは基本的に認められないため、回収された棺はこうして庫内で並べられて、その時を待っているのだ。
「これですね」「ああ」
 棺を挟んで、立ち止まる。
俺は腰の自衛用のハンド・レーザーウェポンを抜いた。マニュアルによれば、棺の中に異物反応がある時、それはセクストン・エージェントの脅威となる可能性もある。本人が死んでない場合。遺体が別のものにすり替わっている場合。遺体もあるが、別の生物が紛れ込んでいる場合。それぞれ事情は異なるが、どの場合でもレーザーウェポンによる対象の殺傷がベストプラクティスとなるケースは多い。結局のところ、棺の中にいるのは死んでいるはずの存在なのだから。死人に口なしだ。
向かい側に立ったシャルに目を向けた。
金色の髪に、金色の瞳。色白の肌。整った美貌は作り物めいている。彼女は、俺の視線に気づいて、こくりと頷いて見せた。
「……では開けよう」
 棺にアクセスし、アンロックコードを送信する。セクストンの関係者だけが取得できるコードだ。このロックの施錠もセクストンが司っているため、セクストンが開けられる棺は、セクストンが斡旋した正規の棺である、という証明ともなる。
 ピッという簡素な認証音。
何かの手続きを無視した葬儀ではないようだった。少なくとも今回は。
 スライド式のドアが開き始めて、冷気が漏れる。
「顔を近づけすぎないように」
腐敗を防ぐためにドライアイスが入っているのが通例だ。濃い二酸化炭素は一瞬で好気性生物の意識を刈る。別れを告げる遺族が棺に溜まった二酸化炭素を吸引して意識不明となり、そのまま死亡するケースは多い。
「……異物反応があるんですよね?」
「一応だ」確かに、棺内の空気成分自体に問題はない可能性は高い。紛れ込んでいる異物が生きているということは、逆説的に空気に問題ないとも取れる。
 いよいよ、ドアは完全に開いた。
初老の男性だ。体格はいい。髪は白髪交じり。確かに、生命反応が無いとしても、今にも動き出しそうではある。新鮮な死体だ。
「今のところ、異変は無い」
「そうですね」
 と言った舌の根も乾かないうちの話だった。視界の隅で、黒い何かが蠢く。
 瞬間的に、レーザーウェポンを向けて、スイッチする。青いエネルギー弾が瞬き、遺体の腕を焼いた。黒い何かは、素早く這い回っている。大きさは三、四十センチに達する。大型の齧歯類ないし、比較的小型の猫科。そう思い、いや、と否定する。
黒毛のずんぐりとした胴。手足には毛がなく、灰色で、不気味なほどに細長い。脳内の何にも該当しない生物だ。
そいつがガサゴソと棺の中を這う音は、耳障りで、嫌悪感を抱かせた。
「閉じろ!」俺は怒鳴っていた。
 シャルが頷くと、ガコンと力任せにドアが閉じた。だが、棺が閉じきる前に、そいつはもう、飛び出していた。
「ちっ……!」
目の端に映った影に、エネルギー弾を叩きこむ。
棺が積まれた庫内に火花が散った。だが、それだけだ。
当たろうはずがなかった。この倉庫には、棺があり、死角が多すぎる。
 俺は、そのクリーチャーを捕捉できていなかった。
 事実、そいつの鳴き声は背後から聞こえた。
「ダズン!」
 その声に振り向いた時、目の前にそいつが迫っていた。
黒い毛の中に、醜悪なまでに開いた口が見えた。口蓋が見えるほどだ。汚れのこびりついた不清潔な牙が、ずらりと二重に並んでいる。明瞭に見えた。それは紛れもなく、死の前にある体感時間の伸長体験のように思えた。
だが、幸い死ぬことはなかった。怪我をすることも。
透明な何かに弾かれたように、そのクリーチャーが吹き飛び、強かに、床に叩きつけられたからだ。
「捕えます」少女の声。そして、手のひらを、下から上に。握る仕草をする。
不可視の尾の如き力場が、クリーチャーを巻き上げた。
黒い毛が不自然に押さえられ、手足があらぬ方向に曲がっている。その様が、よく見えた。目の高さに浮かんでいる状態だからだ。その様はまるで、見えない蛇に巻き付かれて、全ての動きを封じられた哀れな被捕食者だった。いや、全てではない。活路を探しギョロつく眼球、手足の指はもがき、そしてその心臓は動いている。
 そいつは、潰されまいと懸命に爪を立てるが、抵抗は無駄だった。
彼女の力場には、痛覚も実体もない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
「ふー」
 それが、彼女の……血統(ジーン・)加速者(アクセラレイテッド)、シャル・ラストテイルの異能だった。
彼女は、地球人と異星種との交配種だった。
異星種のサイキック遺伝子を継承し、研究施設で生まれた実験体である。それだけでも驚いたが、彼女はただの交配実験体ではない。血統加速……時空歪曲を利用した人為的な世代交代の加速による特定能力の選択的先鋭化実験……によって現代に生まれた、約五千年後の世代と推定される超能力者だった。
本来ならば、交配種に連なる者たちが五千年の月日の中で獲得する超強度サイコキネシスを、現代に持ち込む技術。それは、彼女に超越的な力と、絶対的な孤独を与えている。
「ありがとう。助かったよ、シャル」
 少女は前に出していた手を下ろした。クリーチャーは宙に捕えたままだ。力の尾は、彼女の手の動きに同期するものではないので、手を動かすのは、近くにいる俺に注意を促す意味が強い。
「これ、どうしますか?」彼女は言った。
「始末しよう」
 特に、他の選択肢はない。明確な対人凶暴性を発揮した危険生物だ。特に、生きたまま保護して提出するような義務もない。
 俺がレーザーウェポンを構える前に、彼女はこくりと頷いた。
「グギィ……ッ」
 なんとも耳に残る断末魔だった。尾が締まり、クリーチャーが弾けた。付近の棺に、床に、赤い血肉が飛び散る。
「……ああ、うん。ありがとう」
「ううん」彼女は顔色一つ変えず、軽く頭を振るう。
既に尾は消えていた。それ自体は間違いなく不可視だが、斥力の集合体なので、周囲の空気を押しのける。発生や消滅は空気の流れで何となく分かる。避けられるかと言われれば、俺には不可能だが、有無の変化くらいは分かるものだ。
「シャルは先に戻っていいぞ」
「ダズンは?」
「掃除だ。シャルも、興味あるか?」
 彼女が微妙な顔をするので、俺は笑った。
 彼女を見送り、改めて惨状を確認する。どんな寄生虫を持っているかも分からないクリーチャーだ。消毒も必要だろう。肉塊にくっついたままの眼球が、こちらを恨めしそうに見ていた。無論それは主観的な感想に過ぎず、それは既に絶命している。
3.
 片付けを終えて通路に出ると、そこは既に暗くになっていた。足元にはぼんやりと光る非常灯が、点々と続いている。夜になったらしい。
宇宙において昼夜という概念は希薄だが、人間の営みには、昼夜という概念が必要である。それは宇宙開発が進み、宇宙が一時的にいる場所ではなく、生活圏へと次第に変わっていくなかで、明確にルール化する必要が出た事柄だった。人は一時的に昼夜のない場所で過ごすことはできるが、それがずっととなれば話は異なる。
地球人は、地球上の環境に適応した地球生物種の一つ��あり、地球で生きていたからこそ、今の形になった。となれば、地球環境の一要素である昼夜が消滅した時、人はその異常にストレスを感じるし、その環境で世代を重ねるごとに、地球人ではない別の何かへと変貌していくことになるだろう。
人が人として種の形を保つための法。それは連邦により規定された照明制御規則として、宇宙船やコロニーで運用されている。ライフライン設備、防災上の事情により特別に規定された区画を除き、約十三時間の連続した活動タームにつき、十一時間の休息タームを設け、当該施設内共用部分の照明を規定光量まで落とさなくてはならない。
 このルールは制定以来、その制定理由の尤もさから重要視されており、少なくとも、民間モデルの宇宙船にはデフォルトで採用されている。当艦……シーラカンスも、もちろんそうだ。
 目が慣れて来たので、俺は非常灯の明かりを頼りに歩きだす。
別に、手動で点灯させることはできるが、最近は、そういうことはしない。同居人がいるからだろうか。自問しながら歩く。
しかし、そういう気遣いは、とりあえず今回は無駄だったらしい。
居住区画に入ると、明るい光が俺を出迎えた。
「お帰りなさい。シャワーにしますか? サンドにしますか? それとも練・り・餌?」
 目の前にシャルが立っていた。逆光のためか、不思議な圧がある。
 その右手には、トレーに乗ったサンドイッチが。左手には、銀の包装に包まれた手のひら大のパックが乗っていた。
「……なんの真似だ、それは」
 俺がトレーを受け取りながら横を抜けると、彼女は「同棲する地球人の男女は、古来より、このようなやりとりをしていたそうですよ」等と言った。
「そうか」と流した。俺も別に、地球生まれではない。だから、絶対に嘘とも言いきれないが、無論、本当とも思えない。あと、同棲ではなく同居が正しい。
「練り餌は違うんじゃないか」
 その名の通り、ペースト状であることが特徴の宇宙糧食だ。銀色の密閉されたパッケージに入っており、保存性に富む。もちろん、それは俗称であり、非常に長く厳とした公式名称も、公式略称もある。だが、その風情なさとネットリとした食感から、専ら溜息混じりに練り餌と呼ばれるのが常だ。
 談話スペースにある背の高いスツールに腰かけると、向かいにシャルが座る。
「確かに、これでは食の選択肢が被っていますしね」
 そう言いながら、彼女はその話題には大した興味も無いようだった。
「というより……起きてたんだな」
「先に消灯するのも申し訳ないなと思いまして」そう言いながら、手伝おうという方向にはいかないのが、彼女の意外と強かなところか。
 サンドイッチを口に入れる。
パサパサした合成パン。風味のない合成バター。ひたすら特徴のない辛味を放つ合成マスタード。コクがなく、平面的な合成マヨネーズ。脂っこいだけのベーコン。しんなりした食感の合成レタス。青臭さがオミットされ、味が単純化した合成トマト。フードプリンターが有機フィラメントから生み出す食材は、全てがオリジナルに劣る胡乱な複製物だが、それでも練り餌よりかはマシだった。
「美味しいですか?」彼女は言った。
「ああ」と俺は返す。
 それは、彼女を料理係として雇った時から、繰り返しているやり取りだった。
「……客観的に見て、美味しそうに食べているようには見えませんけど」
 確かに不味い。それは、シャルの料理の腕とは別の部分にある問題だ。すなわち、食材の限界である。
だが、スペースを取り、保存コストも嵩む天然食材の貯蔵には限度がある。仕入れても、一、二週間もすれば、また合成食材の生活になるだろう。中途半端に積むより、オフや寄港の楽しみにしておく方がメリハリになろうというものだ。
それに、彼女には、複雑な味わいの食材を上手く扱うことはできないだろう。
「手料理なのが重要らしいぞ」
目の前に料理があるなら、いつもの二倍幸せだ。それが手料理なら、さらに二倍。自分以外の手によるものなら、そのさらに二倍。つまり八倍の幸せだ。それは、父親の言葉だった。とても古い記憶の一つだ。父が、まだ明朗だった頃の。
尤も、その言葉の続きには「だが不味ければ零倍」というオチもあったが、言わぬが花という言葉の意味は知っているつもりだ。
「私も、少し、喉が渇きました」
 彼女は言った。どうでもよさそうな声色だ。
そのくせ、金の瞳は輝いていた。
「そうか」
 予想外ではなかった。力の尾は、彼女の体力を消耗させるからだ。
折よくサンドイッチを食べ終えた。
俺が立ち上がると、シャルも椅子を降りた。
 特に言葉は必要ない。それはすでにルーティーンとなっていたのだから。
「じゃあ、シャルも食事にするか」
 彼女は頷いた。シーラカンスには、それぞれに個室を用意してあるが、今日は二人で俺の部屋に入ることになった。
そこはこぢんまりとした部屋であり、備え付けのベッド、棚、情報端末だけが置かれており、古の単位で言えば、六畳ほどだ。これは、シャルの部屋でも同様だった。宇宙船の設計というものは、有限のスペースを活動空間/装置/リソースで取り合う陣取りゲームである。精神健康上の観点から、登録乗員に対する最小の居住区画容積と、人数分の個室の設計が遵守されているが、削減されやすいのは個室のサイズだった。
そんな狭い室内で、俺は汎用スペーススーツを脱ぎ始めた。といっても、大袈裟な話でもない。肩を抜いて、上半身を開けるだけだ。
 隣で、シャルもスーツに手をかける。
彼女の、白い肢体が露わになった。
金の髪、金の瞳、いっそ不自然なまでに整った美貌。華奢な首元には鎖骨がくぼみを作っており、乳房がふっくらと佇んでいた。薄い胴はしなやかに伸びており、まるで無意識下にある理想を彫像にしたようだ。
その途中、鳩尾辺りから、肌がすっと透け始めている。幾重もの白い半透明の表皮が覆うようになっており、その下にある、青い筋肉が見えていた。彼女の下半分は、シルエットこそ人間のようだが、異星種の特性を確実に受け継いでいる。
背中側はお尻のすぐ上までは人肌で、前後で変貌の境界は異なっていた。ただ、頭から肋骨の辺りまでが人間で、腹から下が異星種であるという意味では、一定のルールの下で明瞭に分かれている。
白いショーツだけになった彼女が、じっと、俺を見ていた。
ベッドサイドのパネルを操作して、光量を落とす。仰向けに寝転ぶと、シャルがゆっくりと俺の上に覆い被さって来た。まるで恋人同士がそうするみたいだったが、彼女の瞳に宿るのは愛だの肉欲だのではないようだった。
ゆっくりと俺に体重を預けてくる。青い筋肉が透ける下半身も、見た目の印象からは想像もできないほど熱い。彼女はそのまま、俺の首元へと唇を寄せてきた。俄かに、甘い香りが鼻腔を擽った。
そう思うのも束の間、じくりとした痛みが首に広がった。我慢できないほどではないが、気にせず無視しようというのも難しい、痛痒にも近い、鋭い感覚。しかしその感覚も、熱で曖昧なものへと変わっていく。牙で穴が開いているのか、血に濡れているのかも、はっきりとは分からなかった。
 ただ、こくんと、嚥下する音が響いた。その音は小さかったが、血が飲まれていることを自覚するのには十分だった。音は静かな部屋の中にあって、強く耳に残る。
彼女は血を飲んでいた。
彼女が引き継ぐ異星種の遺伝子がそうさせた。シャル・ラストテイルは、地球人と同じ方法で栄養補給をすることができない。内臓の作りが異なるからだ。彼女にとって食糧とは哺乳類の血であり、そのことが判明した時から、俺はこうして、彼女に血を飲ませていた。
俺は上半身を開けて。彼女は下着姿になって。
しかしそれは、儀式めいた行為だった。
やがて彼女が口を離すと、身体を起こした。
ぽたりぽたりと、赤い雫が落ちた。彼女の口元から滑り落ちた血がしずくになって俺の胸元に落ちた。
 首元に手を伸ばすが、そこに傷はない。傷が塞がった後みたいな滑らかな膨らみの感触が、指先に小さく残るだけだ。
 不思議なものだ。これは彼女が引き継ぐ吸血種の性質なのだろう。彼女たちは、ある種の麻酔成分と、血液の凝固を防ぐ成分を送り込む。多くの吸血生物と同様に、だ。それと同時に、牙を引き抜く時には傷跡の再生を促す。
尤も、彼女も最初からそれができていたわけではなかった。
彼女には、それを伝える親がいなかったからだ。
食事には、痛みと、今くらいでは済まない多くの出血を伴った。
彼女が自分の性質に気づき、慣れるまでは。
4.
 ぼたぼたと血が滴った。シーツに赤い染みが広がっていく。
 先ほどまで彼女が噛みついていた場所から、急速に痛みが広がっていた。
 俺は用意していたタオルで押さえて、開けていたスーツを着込んだ。その手首にあるコンソールで、ナノマシン統制プロトコルを小外傷整形モードにする。普段は待機状態で循環/代謝されている医療用ナノマシンが、傷を察知して人体の働きを補助することで、通常の何十倍もの自然治癒力を発揮できる。
「……ごめんなさい」と彼女は言った。
 その少女はシャル・ラストテイルと名乗った。美しい少女だ。正直なところ、彼女の口から謝罪の言葉が出ることにすら、俺は驚きを感じていた。
 彼女は殉葬者だった。
かつては別の意味もあったが、我々の業界では、捨て子という意味になる。
彼女は、俺が回収したチタニウムの棺の中で、深い眠りについていた。
 セクストンのライブラリによれば、そういった事案は稀にあるという。政治的な事情から、食糧事情……いわゆる口減らしまで。
宇宙開拓時代にもなって、望まれない境遇に生まれるケースというものは変わらずあるらしい。いずれにせよ、殉葬者らにとって、それは死んで元々の旅ではあるが、立ち会ったセクストンの匙加減次第では、生きる道が開かれることもある。
 彼女は、棺で、俺の船にやってきた。
そして、その前は「ヒト殺しだった」という。
 シーラカンスで目覚めた彼女の一言目は、それだった。
『二人の部屋は、ガラス張りの部屋。そこは白くて清潔で、狭くて、周囲にはいつも誰かがこちらを見ていた。食べる姿、寝る姿、彼らは何にでも興味があるようだった。時には血を奪われた。痛めつけられた。尾の力を見たがった。妹は、籠から出るには籠を壊すしかないと言った。だから、私はみんな殺して自由になった』
それは、彼女の観測する現実の話で、事実とは異なるかもしれない。
しかし、実際に超越的な力は彼女に宿っている。
それ故、彼女の事情も、また真なるものだと明らかだった。
俺は、その境遇から考えて、他人の痛みに対する常識レベルの配慮が欠けている可能性は決して低くないだろうと思っていたのだ。
「いや」と俺は少女に返していた。
何が「いや」なのだろう。俺は誤魔化すように続けた。
「だいぶん、体重は戻ったか?」
「……そうですね」と、シャルはスーツに包まれた自分の身体を、緩く抱く。
 そんな彼女の肢体は、俺の目にも、最初に見た時より幾分か健康そうに見えていた。
 シーラカンスで目覚めたばかりの彼女は、酷く痩せていた。生きていたのは、その身体に流れる異星種の血がもたらした強靭性の賜物だろう。
 俺はシャルを引き取ってから、違法な情報屋を少しばかり頼った。
 彼女は研究施設で生まれた実験体であり、地球人と異星種の交配実験体で、血統加速実験の被験者だった。試験管から生まれ、妹とされる存在とペアで生きてきた。そして妹と共に研究所を破壊し、外の世界へと飛び出した。一方は当局により身柄を確保されたが、もう一方は現在も行方不明である……。
それは推測だらけで、不確かで、そして馬鹿げたレポートだった。
だが、疑う必要があるだろうか。
彼女を棺から出して、ベッドに寝かせる前に、俺は外傷の有無を確認するために、その肢体を診る必要があった。その時から、彼女に人並み外れた事情があるだろうことは、明白だった。
 上半身は地球人で、下半身は異星種。
彼女の身体には、それがハッキリと形として表れていたのだから。
 シャル・ラストテイルは人ではない。
 不意に目の前に現れた異形様の少女に、驚きがなかったわけではなかった。
彼女が持つ力に恐れがなかったわけでもない。
宇宙開拓時代でも、人殺しは罪である。それでも、殺すことでしか救いが得られないこともある。実験のために生み出された彼女が、実験のない日々へと至る道を、殺し以外で掴む方法があったかは分からなかった。
そうして外の世界に出ても、彼女たちには行く当てというものが無かった。
だから、棺の中にいたのかもしれない。
星海を漂い、殉葬者としてセクストンを頼る。その切符は一枚しかなかった。死者を納める棺に、内側の取っ手は不要なのだから。
彼女は多くを殺め、最後には、妹の献身によって、ここに至った。
それが、彼女の生だった。
人には人の生があり、実験体には実験体の生があるとも言えるだろう。そして、それを逸脱するには、罪を犯し、死に、そして生まれ変わる必要があったのだとも、解釈できた。彼女と人の差は何かと問えば、生まれとしか言いようがないのだから。
 それは上手くいくだろう。
このまま地球人らしく振る舞うことを覚えれば、彼女は人の隣人になれる。
彼女は明らかに異星種の特徴を有しているが、人前で服を脱がなければ露見することはない特徴だ。人としての振る舞いを覚えれば、秘密は秘密のまま、人の輪に溶け込める可能性が残されている。
ただ、彼女の方は、そう思ってはいないようだった。
彼女の瞳には絶望があり、声は暗く、その立ち姿は、人間らしさからいっそ遠く空虚だった。
俺一人では、彼女をどうこうするのは難しいのかもしれなかった。
そう思ったのを、覚えている。
……。
「ありがとう、ダズン」
「ん、ああ……」
少しばかり、ぼうっとしていたらしい。
 すでに彼女はベッドを降り、床に落ちたスペーススーツに手を伸ばしていた。
 スーツと一体型となったショートブーツを揃えて、足を入れた。さらりと流れた金髪を少し押さえてから、彼女は足元でひと塊になっていたスーツに取り掛かる。脱ぎっぱなしにしていたそれを整えて、袖の位置を確かめると、ゆっくりと引き上げていく。丸まった背中に肩甲骨が浮かびあがり、揃えた脚を、ぴったりとした黒い布地が徐々に、包んでいった。
青い筋繊維が透ける白いヒップは、見た目の印象とは裏腹に、確かな女体の柔らかさを持っていた。スーツへと収まっていきながら、少し窮屈そうに形を変える。その肉感は、色彩を無視できうるほど艶めかしいものとして、目に映っていた。
実際、そこまでスーツを着ると、彼女は普通の……というには語弊のある美貌ではあるが……地球人の女性に見えた。
 だが、そのスーツの下の秘密は、無かったことにはならない。
その事実を忘れさせないために、彼女はその美しい裸身を晒し、俺の血を飲むのかもしれない。
5.
 汎用スペーススーツの上に羽織ったジャケットが、歩くのに合わせて揺れる。俺は腰までの黒い上着で、シャルはクロップド丈の白い上着。
 セクストンのオフィスに、俺たちは連れ立って入った。
 ホールには、数人のエージェントの姿がある。目は合うが、顔見知りはいない。そこで、シャルが視線を集めていることに気付く。
「あまり離れるなよ」耳打ちすると、彼女は心得たように頷いた。
同じエージェントとは思いたくない素行の人間は多い。
 スペース・セクストンは、宗教団体と考える人もいるし、極めて物理的な、死体処理機関であるとも言える。いずれにせよ、地球人の勢力圏であるヘリオスフィア全域で星海葬を管理しており、単一の組織が影響する範囲としては、連邦に次ぐ。人類の宇宙開拓の総指揮を執り、渉外にあっては人類の意思決定機関として働く連邦という機関に次ぐと聞けば、高尚な感はあるが、実際に所属する人間はぴんからきりまでだ。
 セクストンの人事は来るもの拒まず。それは、いい面もあり、悪い面もある。悪い面の一つが、末端ほど、何某崩れしかいないという点。良い面は、社会信用度ゼロの人間でも、エージェントとして生きていける点。つまりは、セーフネットとしての面。俺もその面には少しばかりの恩恵を得た身だった。
 シーラカンスは、荼毘炉に寄港していた。
ここしばらくの回収にひと段落がつき、一度、荷を下ろす必要があったからだ。
荼毘炉は、セクストンが経営する小さなコロニーの総称だ。ヘリオスフィア全域に点在しており、どこでも同じ機能を備えている。宇宙港、簡単な整備ドッグ、精錬プラント、遺体焼却炉、一時滞在用のホテル、エージェントを管理するオフィス、オフィスワーカーたちの居住区、マーケット、食糧生産プラント、小規模な歓楽街等があり、収容人数は場所によって異なるが、最小では数万ほど。
オフィスの窓口に���づくと、カウンターの向こうにいる男性は肘をついてこちらを見た。妙に若く、気怠そうな表情だが、小規模な荼毘炉オフィスの窓口係としては、やはり珍しくない。隣のシャルは何か言いたげにして、黙った。
「……納入ですかね?」
「ああ。艦名は、シーラカンス」
 情報端末を差し出す前に、食い気味にピピッという認証音がした。本当に確認しているのか怪しい速度だが、手続きは済んだ。
しばらく待っていれば、セクストンの分柩課が勝手にシーラカンスの体内に貯め込んだ棺を運び出し、代わりに連邦クレジットが口座に入る。
分柩課は、文字通り棺を分別する役目を担っている連中だ。金属として溶かして再利用する部分と、遺体を焼くための部分を分別し、炉に投じる準備をする。
「他に何か?」
「報告があるんだが」
 俺が言うと、彼は「はあ」と気の乗らない声。
「棺から、このくらいの獣が現れて、襲われたんだ」
 言いながら、両手でサイズを示していると、その係員はやっと俺の顔を見た。彼の瞳が初めて俺を映す。面倒くさそうに、鼻を鳴らした。
「防疫課は向こうだよ」
「怪我はしてない。そうじゃなくて、例えば、似たような報告は? ああいうのを棺に仕込むのは流行りだったりするのか? 何か情報は?」
「さあね」
 シャルがほとんど溜息のような、長い息をついた。
 やれやれ。        
オフィスを出て、メインストリート・ブロックに入る。通常のコロニーは、いくつかのモジュールの集合体である。いわゆる隔室型宇宙都市だ。屋内/屋外という概念は無いため、隔室型宇宙都市の全ては屋内だが、どの施設でもない接続用モジュールも存在しており、それらはストリート・ブロックと呼ばれている。
「やる気がなさすぎると思いませんか?」
「セクストンとは、結局、そういうものだ」
「それにしてもです」
「まあな……」と俺は空を見上げた。
空と言っても、天井の映し出された空だ。閉塞感を緩和しようとしているもので、その努力を考慮しないとすれば、モジュール単体のサイズは、さほどでもない。上方向だけで言うなら、三階建て以上のビルは入らない程度だ。
二人でメインストリート・ブロックを歩く。
宇宙都市内には当然のように空気があり、疑似重力によって、地球人にとって都合のいい環境が整えられている。宇宙都市というのは何型であれ、どこもそうだ。空気がなかったり、無重力だったりする環境は、人間種の正常な生育にとって都合が悪いのでコロニーとして認められない。
通りは晴天状態で、通行人はぼちぼちと行き交っていた。荼毘炉にはセクストンやその関係者しか近づかないが、閑散としているわけではない。エージェントにはそれなりの人数がおり、そしてそれぞれに家族がおり、空腹になれば、食欲を満たす必要があるからだ。昼時になって、人々の動きは活発だった。
「……仮想レストランですね」と彼女が言う。
「だな」
軒先から見える限り、どの店もそれなりに盛況なようだ。客がスツールに座り、虚空に向かって見えないフォークを繰っている様子が見えた。一見すると、少し滑稽なようにも見えるが、彼らには美味しそうな料理が視えていることだろう。
ミクスト・リアリティによる食事提供は、現代では一般化した光景だ。彼らは、網膜に投影されたホログラムを現実に重ね、レストランのネットワークとナノマシン統制プロトコルを連携することで、任意の味覚/食感データを脳内に再生している。
「入ります?」
「いや」
「私の作る料理より、あっちの方が美味しいのでは」
「そうかもな」
味覚/食感はデータで楽しみ、栄養補給は練り餌で済ませるというのは、コストパフォーマンスに優れた食の形式だ。データは買えばコピーペーストできるし、練り餌も完全栄養食として流通している。本来論で言えば、こうして店先にいる必要性もないのだが、友人と食事している、とか、外食している、といった事象自体にバリューがあるのだろう。会計時に渡される練り餌をそっちのけで、味覚の摂取と世間話に集中しているようだった。そして、店側としても、調理によってハイクラスな味と栄養を両立できる形に加工するのは、よりコストが必要となってしまう。
総じて、料理というものに、こだわりがある人というのは少ない。
 俺がそこに拘泥しているのは、親の教育の成果だろう。
 ふと、シャルを見ると、彼女は少しばかり面白くなさそうな顔をしていた。
「どうした」
「美味しくないけど、作れと言っています?」
「まあ、そうだ」
「あまりに悪びれもなく言いますね」
「不味いとは言ってない。プロの域には達してないというだけだ」
 自分からそう言うよう誘導したくせに、とは口にはしない。
 そもそも彼女は料理に関してはハンディキャップがある。
 彼女は地球人とは栄養補給方法が根本的に異なり、従って、人と同じ体系の味覚器官も持っていない。それでも、食べられるラインのものを作ることができるのは、分量の計算で味の着地地点をコントロールできうるからだ。
とはいっても、言うは易く行うは難しというもので、実際にそれをハズレなく遂行できるのは彼女自身の努力の結果であり、師が良かったという面も多分にあるだろう。
 それから、有機フィラメント食材の味が単純化されているという面も。辛いものは辛く、甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく、各食材の個体差や複雑な要素は、詳細には再現されていない。よって、甘いものと甘いものを合わせれば、もっと甘い……くらいの解像度でも、想定と大きくずれる味になりにくいらしい。
「でも、言うなれば、私もプロですよ」
「……」と黙る。彼女の良い分も尤もだった。
俺と彼女の間にあるのは、まさにそのサービスを供給する契約だ。
シャル・ラストテイルは料理係として雇った。
「別にいいだろう。雇い主がいいと言っているのだから」
 そういうと、彼女は「まあ……」と煮えきらない返答。
 噛みついてはみたものの、料理を今以上の仕上がりにすることが困難であることは分かっているだろう。そして、それが原因でクビにされても困るということも。
そもそも、何か仕事を……と言い出したのはシャルの方からだった。シーラカンスに乗っていたい。そして、乗るからにはクルーとしての仕事を熟さなければならないのだと、そう思ったのだろう。
 別に、捨てられて生きていけないということもないだろうに。彼女の容姿と能力を以てすれば、それなりの待遇を得られる可能性は高い。単に荷運びとして考えても、彼女の力は非常に有用だ。服の下がどうなっていようと運送に支障などない。
確かに血を飲むが、別に輸血パックでもいいとも言っていたし、実際、施設にいた頃はそうだったと本人も言っていた。
「あの……ダズン?」
 どこかに行こうとしていた思考が、その声で帰って来た。
 シャルは路地の方を指さしていた。そこにはフードを被った男がいて、こちらを見ていた。人通りの中から、自分たちを見ているのだと、何故か理解できる。彼は、そのまま、お辞儀をするような仕草をして、踵を返した。
「追おう」
「う、うん」
 路地に入る。どこの路地裏もそうであるように、表に入りきらずに溢れた猥雑さが溜まっている。勝手口に、室外機に、ゴミ箱に、非常階段。少し歩くと、フードの男が俺たちを待っていた。彼はフードを被っているばかりか、サングラスと、マスクを着けていた。これでは黒い肌を持つことしか分からない。この手の、身元グレーなメッセンジャーの正体を暴くことに何の意味もないが。
「誰かが、お前たちを狙っている」と男は告げた。
その誰かとは、恐らく、シャルの行方を捜す者たちだ。
しかも、多分、思っていたのとは違うタイプの。
脳裏に二つの声が響く。これまでバレなかったのに、という声と、それから、ずっとバレなければよかったのにという声だった。
6.
「どこに向かっているのか、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
 艦橋に響くシャルの声は、少し非難の色を帯びていた。シーラカンスくらい小型の宇宙船でも艦橋というものはあり、コクピットとは異なるものとして定義される。立派ではないが、そこには艦長の席があり、オペレーターの席がある。前方には、シアターのようなサイズのスクリーンがあって、最低限ながら、宇宙船の艦橋というものの体を成していた。
そして、スクリーンには航路図が表示されているが、今は、コンソールの向こうに立ったシャルが視界を塞いでいた。
「そうだな。別に、教えたくないということもなかった」
「なら、もっと早く言ってくれて、よかったじゃないですか」
 そう言われてから、どうにも気が急いていたのだなと、ついに初歩的な自己分析に達する。しかし、それを正直に言うのも憚られた。憚る理由の方は分からない。自己分析が足りないのかもしれないが、もはや手遅れだろう。思考を放棄する。
 荼毘炉を去ってから、すでに三日経っていた。そのことから、彼女の忍耐力は非常に高いといって差し支えないと言えた。
「ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ」
「月ですか」
「正確には月の裏側だが」
「……それ、どこから見た時の話ですか?」
「地球だ」
 シャルが「ふーん」と俺を見た。言いたいことは分かる。別に地球生まれというわけでもないくせに、というような顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「連邦の定義だ」
この連邦の定義というのが、重要なのだ。何しろ、ヒトが人類史の中で学習したものは、その大半が地球環境を前提に語られる。代表的なのは、暦や時間だ。地球から遠く離れた場所でも、太陽暦や地球時間は基準として大きな意味を持っている。宇宙開拓による混乱を避けるため、連邦が基準として定めたためだ。
そう言いながら、航路計をチェックする。ヘリオスフィア連邦相対航路計だ。
艦の進路と、進行中の航路との誤差を割り出し、必要があれば軌道修正する。航路線と呼ばれる、宇宙空間に便宜的に引かれた線との退屈な比較/修正作業だ。
それをしなければ、シーラカンスが宇宙を飛びまわることはできない。連邦の定義する航路線が一定範囲に無い場所では、航行できないとも言う。
 これは特にシーラカンスが旧式だからというわけでもなく、ほとんどの宇宙船は同じだ。相対座標系の航路計しか積んでいない。ヘリオスフィア内の艦は、どのみち、星々を最短経路で結んだ航路網に基づいて運航するものだ。航路線に関わらず自身の座標を知ることができるという絶対座標系の優位性を、航路網が充実しているヘリオスフィア内で感じることはない。道具は、それを役立てる機会のある船にこそ意味がある。例えば、ヘリオスフィア外を往く、連邦開拓局の艦とか。
「里帰りですか」と彼女は言った。
「そうだ」
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、月の裏に作られた都市だった。
 そして、俺の両親が住んでいる。
「半年ぶりくらいですね」
 言われてから、そうなるかと、表情には出さないままに自問した。
シャルと出会って、すぐ後に、一緒に訪れたことがあった。助言をもらいに、あるいは、そのまま実家に置いて行こうかと考えて。
その頃の俺は、シャルの扱いに迷っていた。どうにも、年頃の女の扱いが分からなかったというのもある。幼少から、周囲には女ばっかりだったはずなのに。長いセクストン生活が祟ったとでも言うのだろうか。
もちろん今も、分かってはいないが、仕事仲間だと思えば、何とかはなった。
俺がそう扱えば、こいつもそう応えてくれた。
「真顔で、えっと、日数でもカウントしているんですか?」
 もちろん違う。
「……月に行く理由は、あれが父からのメッセージだと思うからだ」
 心裡にある感慨のようなものについて、あえて彼女に告げる必要はなく、俺は話の流れを元に戻した。少女は思案顔。
「そうだとして、どうして、その……怪しいメッセンジャーを?」
 丁寧にオブラートに包んだ表現だ。コロニー内という安定環境下で目深にフードをしており、さらにサングラスとマスクで人相を隠している様を、不審ではなく、怪しいという範疇に留めておくのは理性的である以上に、少し面白くはあった。俺は一目で違法メッセンジャーの可能性を考えたが、彼女の目に、オブラートに包むことに足る何かが映っている可能性も皆無ではない。
「まず、普通に艦載通信システムが疎通できる距離ではないからだろう」
 あの荼毘炉と月は距離が離れていた。航路線上で、七単位以上だ。航路線単位は、航路上の中継となりうる惑星間の距離である……という規定であるから、実際の距離としては、かなりタイミングによる揺らぎが大きい。普通の艦載通信であれば、航路線上で一・五単位も疎通できればいい方だった。
「では、連邦公共通信を使うとか」
「それが普通だな」と俺も思う。時空歪曲を利用した超長距離通信だ。
地球人が実効支配できる宇宙規模は一日以内に通信が届く距離に依存し、宇宙開拓の速さは通信技術の発展速度と相関するだろう……という宇宙進出前の未来予測は尤もなものだった。そして、それを乗り越えたからこそ、人類に宇宙開拓時代が訪れたとも言う。現代では、お金さえ払えば、民間でも利用できる類のサービスだ。
それならば、七単位も一瞬ではある。
含みのある俺の返答に、彼女は議論を諦めたようだった。
「それは、会えば分かるという判断ですか?」
「そうだ」
 本当は、シャルの身柄を追う者には心当たりがある。父以外のイリーガルな存在が俺たちに警告を行った可能性もゼロではないが、あえてその可能性ではなく、父がグレーなメッセンジャーを用いた可能性を追求することについて、十分な説明ができる。
だが、それを口にするには時期尚早のようにも思えた。推測に過ぎず、何ら確信もない。父を訪ねようと決めたのは、確信を得るためとも言える。
「跳躍潜航に入る」
 会話を断ち切るように俺が告げると、彼女も黙って定位置に着いた。
7.
 到着には、それからさらに数日を要した。
ともあれ、延べ七単位分の超長距離移動が数日レベルの旅行で済むのは、跳躍潜航の恩恵と言えるだろう。これも、時空歪曲技術の進歩が地球人に齎したものだ。
そうして俺たちは、月の裏側最大の都市に降り立った。
 直径百キロ余りもある冷えた溶岩による湖。その岸に、巨大ドームに覆われた月面都市がある。月の都、ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ。宇宙開拓が始まって間もない頃、そこは新しいもの好きが集まる最先端の宇宙都市だった。地球から最も近く、遠い都市として人気となり、栄華を極めていたらしい。今となっては、偏屈の巣窟だ。
「相変わらず、継ぎ接ぎだらけですね」
「旧い宇宙都市の特徴だからな」
都市内部には、どこもかしこも、その施行年の新旧が年輪のように表れている。それが、時代遅れの天蓋型宇宙都市の特徴だった。
宇宙都市の寿命は決して長くない。外に空気が無いからだ。大気がない環境というのは、温度にも課題が生じる。月面では、昼夜で摂氏三百度近い温度差がある。そのような酷環境では、人工の殻の綻びが、そのまま人の死を意味する。安全基準は厳しく、経年劣化で問題が起こる前に改修することになる。ワイズマンズ・シーサイドスクエアだけでない。現存する天蓋型都市というものは、常に改修を続けている。全体のドームとしての機能を維持しながら、内装も外装も、だ。
 港からキャリヤーを乗り継ぎ、俺たちは、一際寂れた区画に降り立った。
 すん、と隣を歩く少女が小さく鼻を鳴らす。
「慣れないか」
「ええ、まあ」
人の生活の匂い以上に、都市工事用の重機による排気や、建材の加工時に生まれる粉塵、真新しい金属部品が放つ独特な臭いが、この都市の空気というものを構成している。俺にとっては慣れたものだが、彼女にとっては違うのだろう。
「この町は、やはり人の気配というものがありませんね」
「それなりに多く住んでいるはずだが」
「荼毘炉などよりも、むしろ陰気なほどです」
エアクリーナーも働いているが、健康への影響を軽微なレベルに抑える以上の効果を期待するのは難しい。この都市の空気で病にはならないが、別に快くもない。
だから、この都市には往来の人間というものがない。
人々はフィルターを通した無味無臭な空気を堪能するため、室内に籠っている。家同士を直接繋ぐ回廊文化ができるほどだ。高い天蓋に建ち並ぶビル群。その間を繋ぐチューブのシルエット。改修工事ですぐに書き換わる交通標識。道を往くのは、無人重機たちばかりだった。ビルは人々の生活の明かりを漏らすこともなく、暗いモノリスのように沈黙している。
かつて、このいかにも先鋭的な天蓋型宇宙都市を設計した天才たちも、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの人々がドームの強みを捨て、このようなゴースト・タウンを作り上げるとは考えていなかっただろう。
「俺の故郷なんだ。手加減してくれ」
 そう言うと、彼女はフームと頷いた。
ともあれ、ワイズマンズ・シーサイドスクエアが初期の宇宙開拓の失敗であったという点は明らかだった。この反省を活かして、以降の宇宙都市開発では、モジュール毎に安全な付け外しが可能な隔室型へと立ち戻っている。ここのように、ドームを維持するためにドームの改修を続けるような、財的にも住環境的にも高い負荷の生じる都市の在り方は、早々に否定されていた。
この都市の最大の悲劇は、宇宙開拓ペースが、多くの地球人の想定を遥かに上回っていた点にあるのだろう。ワイズマンズ・シーサイドスクエアが出来上がった後、連邦はその版図を爆発的に拡大し、すぐに多数の宇宙都市が出来上がった。かつてワイズマンズ・シーサイドスクエアに集まっていた人も、財も、果てなき宇宙に拡散したのだ。
流行に見放され、商業的な意義を失った田舎は、顧みられることなく廃れゆくはずだった。それでも未だワイズマンズ・シーサイドスクエアが存続しているのは、この都市を維持せんとする、血よりも濃い連帯があるからだ。
「皆は、元気にしているでしょうか」
「恐らくな」
 角を曲がると、下品なネオンに彩られた店が姿を見せた。
 店の外観など、回廊が整備されたワイズマンズ・シーサイドスクエアにあっては、どうでもいいだろうに。いや、どうでもいいからこそ趣味に走れるのだと、父は言っていた気もする。看板には、裏月酒店の文字。
ホテル・リーユェンと呼んでもいい。食と性を満たすための店。それが、俺の実家とも言える場所だった。
 裏手に回って、勝手口のドアを開くと、ちょうど一人の女性と目が合った。彼女の手から、空の小型コンテナが落ちるのを、力の尾が掴んで、床に軟着陸させる。
「ダズン」とその女性は俺を呼んだ。恰幅のいい立ち姿。白髪交じりの、ざっくばらんなショートカット。目尻に小皺を作り、笑んだ。母だ。
「……父は?」
「上よ」
 彼女は頷いて、俺に近づいてきた。
「前より健康そうに見える」そう言って、両側から腕をパンパンと叩く。
「……だとしたら、シャルのお陰だ」
「ふうん」と母は薄く笑んだ。「それは、師である私のお陰とも言えるね」
そうかもしれないなと、俺は苦笑した。彼女が、シャルの料理の師だった。それと同時に、シャルをヒトとして教育したのも母だった。ヒト殺しであり、殉葬者であり、地球人ではなかったシャルを、今の彼女にしたのは母の功績だと言える。
 俺は、シャルを母に押し付けて、一人でエレベーターに乗った。
8.
 父の私室は、ビルの上階にある。月面都市の街並みを眺望するのにうってつけの場所だが、肝心の景色がよいというわけでもない。それだけが残念だった。ドームが気密性を失ってしまった時に備えて、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの建物には隔壁を閉じる機能が備わっている。裏月酒店のそれは開いているが、ここから見える建物のほとんどは完全に閉じていた。開いているとしても、中に火は灯っていない。この数年で多くの仲間を失ったと、父は言っていた。最後にこの景色を見た時のことだ。その時も、こうして向かい合って、俺はシャルをここに残して、去ろうとしていた。
 俺が部屋に入ると、父は応接用のソファに座って、俺を迎えた。
「来ると思っていた」
 父の声は、深い溜息混じりだった。まだ背筋はしゃんと伸びており、耄碌しているという雰囲気ではない。そのことに俺は、少しばかりの安堵を感じている。
 テーブルを挟んで向かいのソファに座り、父と相対する。
「訊きたいことも分かっているつもりだ。メッセージのことだろう」
 全くその通りだ、と頷く。
「私が送った」
「俺たちを狙う誰か、とは?」
 俺が聞くと、父は眉を顰めて逡巡するように顔を俯かせた。それから、一度は床まで落とした視線を、じっくりと俺の顔に戻す。
「あの娘の言っていたことは、嘘偽りではない」
「最初から、そこを疑ってなどいない」俺はそう断って左膝に肘をつく。「何を濁す必要がある?」
「分かるだろう。うちを継がず、家の力も借りずに、独力で生きる道を選んだお前になら。お前は、結局、聡明で正しい」
「……」
「確かに、この月の裏に未来はない」
 かつて俺がこの家を飛び出した時には、ついぞ認めなかった言葉だった。
 俺がセクストンとして生きることになった切欠となる口論、その結論だ。家業を継げと言う父と、このワイズマンズ・シーサイドスクエアに未来はないと言う俺。あの頃は一致しなかった意見が、ついに合意に至ったらしい。
十余年という月日は、父の考えが変わるのに十分な歳月だというのだろうか。
それとも、父が納得するまでに十年以上もかかったというべきか。
「だが、今は、あのままお前と縁を切っておけばよかったのにと思う。そのくらい、あの娘は危険だ」父は吐き捨てるように言った。
シャルと一緒にいることを選ぶのなら、裏月酒店に迷惑をかけないよう、縁を切れと言っているようにも聞こえた。
「危険? あの尾が?」
「馬鹿なことを言うな。あの娘には、理性がある」
その言葉に俺は頷いた。否定の余地もなかった。危険な力を持つだけで制御の利かない少女であるなら、俺はすでに死んでいてもおかしくはないだろう。
「だが、やはり、関わるべきではなかった」
「母は、そうは思ってないみたいだが」
「あいつもあいつだ」父は自身の胸元を指先で小突いた。「情が深すぎる」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、その維持を連邦から第三セクターの管理下に移譲されて久しい。現在その維持を担っているのは、まさにここに住む市民たちだ。この天蓋型宇宙都市の莫大な維持費を賄うため、市民は掟を作り、団結する必要があったはずだ。外貨を稼ぎ、都市に富を齎す。その一点で、都市はまとまっていた。幼い頃、父もその情とやらを大事にしていた。それは今や、呪いと化して、目の前の壮年の男を苛んでいるのだろうか。
「誰がお前たちを狙っているか、答えは明白だろう」
「……」
「お前が、今、考えていることを言ってみろ。ダズン」
「それは」と逡巡する。それに何の意味がある?
推論がお互いに一致していようと、それが事実であろうと、なかろうと、もう話は決裂しているように思えた。
 しかし、その推論を披露する前に、扉は開いていた。
 お盆にドリンクを載せ、女性が入って来た。彼女は、その女体のほとんどを見せつけるような、シースルーの挑発的なドレス姿だった。裏月酒店の女だろう。
「レイシィ」父が咎めるような声音で、その名前を呼んだ。レイシィと呼ばれた女性は肩を竦める。「奥様に頼まれたんです」
彼女はドリンクを二つ、ゆったりとした動きで差し出す。
一つは父の前に、一つは俺の前に。
 それから、俺に妖艶な笑みを向けて、囁く。
「お姫様をお連れしましたよ」
 彼女は再び扉が開いた。
 そこにはシャルが立っていた。薄藍のドレスを着こなしている。いわゆる、チャイナ・ドレスだ。薄い布地の下に、美しい曲線が浮かび上がっており、スリットから覗く脚は、白いタイツに覆われている。彼女の特徴的な下半身の彩りさえ、それを薄っすらと透けさせたタイツによって、艶めかしく活かされていた。
 幸い、シャルが俺に感想を求めるような言葉を告げることはなく、ただ彼女の視線がゆらゆらと俺の右耳と左耳の辺りを掠めるだけだった。
 二人はそのまま俺の両隣を挟むように座った。
今、俺たちは重要な話をしている。とは、言えなかった。邪魔をするな、とも。レイシィは兎も角としても、拳四つほど離れて控えめに座るシャルに対して無関係だから離席するよう告げるには無理があった。他ならぬ彼女の話だからだ。
母は、俺と父の話し合いが険悪なものになることを予見して、二人を送り込んだのだろうか。そうだとしたら、その効果は覿面だと言える。
父が立ち上がった。
「話は終わりだな」
「待ってくれ」
 腰を浮かせて、後を追おうとする。父が扉に手をかける前に。
 何かを告げようとして、その前に変化が起きた。
そこで再び、扉が開いたのだ。
 男が、父を押し退けて部屋に入って来た。
その大男ぶりと言ったら、そう低くもない扉を、上半身を傾げて通るほどだ。縦に大きいだけでなく、横幅もあり、筋骨隆々という言葉で評するのに相応しい。彼が入って来ただけで、部屋は狭くなり、その厳めしい顔を見るだけで、息が詰まるような錯覚を覚えた。
それからもう一人、その後について、女性が入って来る。先に入った男の後では小柄にも見えるが、その実、しっかりと身体を鍛えているようだった。ヒールを履いているが、その足運びには安定感があり、タイトスカートの稼働範囲をいっぱいに使った大きな歩幅で、ほとんど部屋の中ほどまで進入する。
二人は汎用スペーススーツの上から、黒いスーツを着ていた。
そして、腕には連邦捜査局の腕章を着けていた。
「貴様らは……」
 父の誰何に、その女性は小首を傾げた。結い上げた金髪が、肩を撫でて滑った。
「私は連邦捜査官、エスリ・シアンサス。彼は、部下のア・スモゥ」
 連邦捜査官。
 そうだ。
「連邦宇宙開拓秩序に基づいて、シャル・ラストテイルの身柄を拘束する」
 彼女たちこそが、シャル・ラストテイルを追っていた。
それは、全く意外ではない。
言うまでもなく、時間と空間は、世界の最重要ファクターである。時空歪曲は、宇宙開発においてブレイクスルーを引き起こす技術であり、超長距離通信や、跳躍潜航が生まれる端緒であった。そして、それにまつわる全ての研究は、連邦が主管している。全ては宇宙開拓秩序の為だ。
そして、宇宙開拓の先に、地球人と異星種の交流という大きなマイルストーンが想定されていたことは想像に難くない。地球上での開拓史ですら、開拓者と原住民の出会いというものは、あったのだから。
同時に、地球人と異星種が交わることが可能なのかという命題も存在している。
血統加速という技術には、それを測る意図があったのだろう。少なくとも、研究が始まって、間もない頃は。それがいつから能力開発の側面を持つようになったのか、あるいは、最初からそれを期待した交配実験だったのか……その委細にそれほどの興味はないが……いずれにせよ、その成果物であるシャルを追うのは、連邦だったのだ。
「よろしいですね?」
エスリ・シアンサスが、無造作にハンド・レーザーウェポンを抜いた。
9.
「お二人とも、逃げてください!」
 鋭い、レイシィの声。彼女の手には、どこからか取り出したハンド・レーザーウェポンが握られていた。
「あああ、馬鹿者が」頭をガシガシと掻き乱し、父も懐から銃を抜いていた。
 無論、俺も。
逃げる? それはいかにも考えられない選択肢だった。
「ナノマシン統制プロトコル、戦術モード!」
 俺と父の声が響く。汎用スペーススーツを着ていないシャルとレイシィを、背に隠した。ナノマシンがアドレナリンを合成して、身体を戦闘モードへと切り替えていく。そのまま銃を構えながら、肩で首元のコンソールを圧迫した。
防護外骨格が、全身をアーマーのように包んでいく。その装甲展開の隙間を縫うかのような眼光の鋭さで、エスリ・シアンサスはトリガーを引いていた。
そして、それに応じる形で、室内に多数のレーザーバレットが飛び交う。
 エスリは、ア・スモゥの巨躯を盾にしていた。
 光弾を生身で受けたように見えた大男だが、恐るべきことに、些かも痛みを感じたようになかったし、その活動に支障が生じたようにも見えなかった。
「かぁああああああああ!」
 それどころか、エスリを守るために広げた腕をそのまま振り回し、こちらに飛びかかって来た。大男の体重の乗った振り下ろしを受けても、外骨格を破壊せしめることはないだろう。だが、そのまま拘束される愚は犯したくない。
 逃げるしかない。だが、後ろにはシャルもいる。
 迷いで、身体が硬直する。それは命取りになるような隙だった。
「……ダズン!」
 少女の声。
 ア・スモゥの巨躯が、何かにぶつかった。まるで室内でトラック同士が正面衝突を起こしたように、爆ぜるような空気の振動が巻き起こった。
力の尾だ。
不可視の尾の如き力場が、巨漢を受け止めた。
彼女の力場は、疾く奔り、破壊される心配もない。それは彼女の心のままに動く、自由自在の第三のカイナだった。
自分が把握する限り、その上限を感じさせないほど力強いものだ。
「う、ん!?」
だが、シャルは疑問と、そして苦しそうな声を漏らした。
「ん・ん・ん!!!」
拮抗し、しかしそれでも、尾を振りぬく。
 ア・スモゥは弾き飛ばされて、壁に背中から激突した。
 この一瞬、形勢は逆転した。
 エスリはそれを理解していた。タタタンと素早く部屋を走り、父とレイシィに狙われながら、レーザーバレットをやり過ごす。これで、位置関係が逆転した。今、俺たちの方が出入口に近くなっている。尤も、それは相手も承知している。
「ア・スモゥ、起きなさい!」
 エスリの声で、大男が起き上がった。まるで効いていないとでも言うのか。
そう思うが、彼は頭から流血していた。血が滴り、床を汚す。それでも、その歩みは止まらなかった。傷つかないわけではない。だが、歩みを止めるには至っていない。
「……もう一度……」シャルが言った。
俺は彼女の肩を掴んだ。
「ダズン、邪魔しないで!」いつになく悲痛な声に聞こえた。
いや、と俺は逡巡していた。レーザーウェポンが効かない相手に対して、結局、戦力として期待できるのは彼女の超常の力だ。だが、彼女に「ア・スモゥをぶちのめしてくれ」と願うのが本当に正しいことなのだろうか。
「このデカブツめが!」
 父がレーザーウェポンを乱射した。
その言葉に反し、エスリの方に向かって、だ。それは有効な目論見だった。大男はエスリを守るために歩みを止めざるを得なかった。
「お二人とも、逃げて!」
 レイシィが叫んだ。彼女の妖艶なドレスは何かに引っ掛けてボロ布のようになっており、父もすっかり埃で汚れている。ソファは破れ、テーブルは盾の如く立てられたままだ。ひび割れた床のタイル。へこんだ壁。部屋は、何もかもが滅茶苦茶だった。
 それらは全て、連邦捜査官の来訪により引き起こされた。
「いや……」
 俺がシャルを保護しようと考えたことが、この状況を招いたのだ。
そうであるのだとしたら。ヒトならざる存在であるシャルの扱いに困り、この都市に連れて帰ったことが間違いだったのだろうか。
あるいは、棺の中で深く眠っていたシャル・ラストテイルを、そのまま殺していればよかったというのだろうか。
 俺はシャルの腕を取って、走り出していた。
 表は、さすがに見張られているだろう。裏口から出た。ワイズマンズ・シーサイドスクエアの暗い路地裏が、今は有難い。
「とはいえ、どうする」
「逃げましょう」シャルが言った。「宇宙に」
「……まあ、そうなるか」
 だが、ここから港までは遠い。
 シャルが不意に俺の手を振り払った。
「どうした」
「では、急ぎましょうか」
「あ、ああ? そうだな」
 何だ、このやり取りは、と首を傾げた瞬間、俺はシャルに足払いされていた。
 視界がほぼ半回転する。
「は?」
そして気付くと、俺は、横抱きに抱え上げられていた。シャルに。
力の尾を使っているのだろう。不思議と、落とされそうだという不安感は無い。
「舌を噛まないでくださいね」
「何をするつもりだ、お前は」
 少女の金の瞳が、俺を見下ろしていた。その後ろに、星海を背景に黒いビルが浮かび上がっている。その壁面からガシャンと音がして、何かが弾けた。
「……来たぞ、シャル!」
 その言葉で、すっと滑るように横に避ける。
 先ほどまで俺たちがいた場所に、黒い塊が落ちて来た。タイルが砕ける。
 ア・スモゥだ。そしてその肩には、エスリが座っていた。
 俺たちは、そのまま見合っていた。
「……滑稽ですね」ぼそりと、エスリは呟いた。明らかに俺を見ていた。
「何だと、お前」
「貴方も、我々と同じですよ」
 彼女の目には、犯罪者を捕まえよう、みたいな色は無かった。
 哀れだとか、そういう心情がありありと浮かんでいるようだった。
 その手にあるハンド・レーザーウェポンが、ゆっくりとこちらを向いた。
「跳びます!」
 シャルが叫んだ。その瞬間、俺は、俺たちはワイズマンズ・シーサイドスクエアの空に投げ出されていた。飛んでいると言ってもいい。いや、跳躍と言うべきか。
ともかく、大気がうるさいくらいに耳元で荒んでいた。
「……追っては、来ないみたいですね」
「真似できるものなのか」
俺たちは、ゴースト・タウンを俯瞰する身にあった。
これを生身の人間に?
「分からないですけど」と彼女が呟いた。「彼も、血統加速者かもしれません。彼の拳は明らかに重かったですし」
 確かに、そのような節はあった。謎の頑強さは、レーザーバレットを受け���めることから、裏月酒店の最上階からの着地まで、ハッキリと示されていた。それを血統加速者の何らかの特質によるものだと仮定した場合、俺たちを追って跳躍できる可能性は何パーセントあったのだろう。
「……」
「全く的外れなのかもしれませんけど」
 俺は流れていく景色を見ながら、そうなんだろう、と思った。彼女が思うなら。
 次に、そうだとして、と考えた。血統加速者の連邦捜査官がいる。
 それは、血統加速者の力を連邦が利用しているということだ。
 そんな話は聞いたことがない。
 脳裏の誰かが警告する。一介のセクストンに過ぎない俺が、連邦の何を知っているのだと。俺は描きかけた邪推を掻き消して、あとはされるがままになった。
 一度の跳躍で港までは辿り着けないので、俺たちはもう既に何度か弾んでいた。
 全く苦に感じないのは、シャルが慎重に力場を操っているからだろう。
 途端に手持ち無沙汰となり、その顔を眺めてみた。
 以前に聞いたことがあるが、力の尾という念動は、野放図的にパワーを引き出すことよりも、精密に制御する方が大変なのだと言っていた。星海の下の彼女の顔は、眉を顰めて凛々しく歪んでいる。
彼女はもう、棺で目覚めた頃のままではないのかもしれない。
「……あの、そう見られると、集中力が乱れます」
「すまん」
10.
都市の出入口たる宇宙港は、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの中で最も活発な施設だった。ゴースト・タウンじみた都市の様子とは裏腹に、多数の宇宙船が普段からそこを利用している形跡がある。それは、この天蓋型宇宙都市の維持資金を稼ぐための選択肢に出稼ぎというものがあるからだろう。あるいは、資材の搬入である。
 シャルを連れて、運送業者側の通用口から港に入る。シーラカンスは輸送船の一種と言えるので、正当な入り方と言えるだろう。まあ、俺が運ぶのは棺だが。
いずれにせよ宇宙港の宇宙港の構造と、俺たちの進路は単純だ。このままターミナルビルを抜けて発着場に進入し、そこにあるシーラカンスに乗り込む必要がある。
 だが、シーラカンスの前には、連邦捜査官たちが詰めていた。
 それはそうだ。
「……見張ってますね」
「そうだな」
「艦まで着いたとして……かもしれませんけど」
彼女がそう言った理由は、よく分かった。物陰に隠れながらでも、はっきりとその理由は見えた。連邦の艦が、その巨体で離着陸用ゲートをブロックしている。これでは、宙に逃げることはできないだろう。
 俺はハンド・レーザーウェポンを抜いて、残弾を見た。
「……それでも行きますか?」
「それでも、だ」
 連邦捜査官は三人いた。ア・スモゥのように無茶をしてくることはなさそうだ。油断ならない雰囲気もない。有り体に言えば弛緩しており、エスリ・シアンサスのような真剣さがなかった。少なくとも彼女の部下には見えない。一人を撃って無効化する。もう一人は、力の尾が吹き飛ばしていた。
 異変に気付いた三人目が武器を構える。ライフル型だ。
 銃口がこちらに向く。シャルの方じゃなくて幸いというべきか。
 力の尾でレーザーバレットが防げるかというと、そうもいかない。
 力の尾は力場であって、物質的な特性はない。実弾ならば防げるが、レーザーバレットは防げないのだ。できるとしたら、マイクロブラックホールレベルの力場を生成し、空間ごと光弾の軌道を歪曲する方法だけだ。
だが、血統加速者であっても、できる事とできないことがある。つまるところ、彼女の出力では、レーザーウェポンを防ぐことはできない。
 身を盾にする。不運にも、光弾は装甲の間を抜けて、左肘を僅かに焼く。
 だが、二発目は来なかった。
 シャルが打ち倒したからだ。
「大丈夫ですか?」
「…………俺のセリフだが」
「私は後ろにいただけですから」
「違う。力を使いすぎじゃないのかってことだ」
 彼女は言われてから、ニコリと笑んだ。
「それこそ大丈夫です。普段から余分に飲んでいますし」
「お前……、……まあいい」
 とりあえず、平気ならいい。だが、溜息はついた。
「とはいえ、さすがに宇宙船サイズのものは」
「だろうな」俺は頷いた。「コバンザメを使おう」
今もシーラカンスの船底にくっついているソレに、シャルはなるほどと頷いた。
コバンザメの逆正三角錐の頭には、船底のポートに接続するためのジョイントと乗降用のハッチが備わっている。これにより、艦の外部に連結した状態で運搬・必要に応じて稼働できる仕組みだ。船内に格納スペースを設けなくても配備可能な汎用船外作業用重機だとして、小型輸送艦の類では定番なのである。
 コバンザメのサイズは全高五メートルほど。シーラカンス自体のサイズとは比べるべくもない。ブロックを抜けることができるだろう。
 シーラカンスに乗り込み、コバンザメの搭乗���ートに向かう。
 その途中で、防護外骨格���格納した。
「ヘルメット、どうします?」
「要らん」コバンザメの気密性は十分安全とは言えないが、二人で乗り込もうという時には、邪魔にしかならないだろうからだ。
「言っておくが、狭いからな」
「まあ……そう……ですよね」
 床のハッチを開く。
コバンザメは船底にくっつくようになっているので、梯子を降りる格好だ。
今はワイズマンズ・シーサイドスクエアの重力下だから関係はないが、艦の装甲内には、艦載重力機関による疑似重力域の境界がある。宇宙空間では、そこを行き来する際に重力を感じることができた。例えて言えば、プールで水面に出たり入ったりするような感覚だ。だから梯子を降りる……つまりコバンザメに乗る……のは楽だが、梯子を上がる……つまりコバンザメを降りる……のは、しんどくなる。
「……よし、いいぞ」
 まず俺が座り、そこへシャルが降りて来る。脚の間に座らせる形で考えていたが、すぐにその計画は修正することになった。膝の上に座ってもらうしかない。二人乗りが想定されていない、狭いコクピットの中だ。スペースはギリギリだった。
「どこかに掴まってくれ」
「どこかって、どこにですか?」
「とりあえず、変なところを押したり引いたりはしないでくれ」
「それは、難しい注文ですね」シャルはそう言いながら、狭い機内で器用に身体を反転させた。そうしてそのまま、ぎゅっと俺に抱きついてきた。柔らかい肢体が、先ほどまでよりも克明に感じられる。
「……、……何をしているんだ……お前は」
「論理的に考えて、これが一番安全ではないですか?」
 そう、かもしれない。
 コバンザメの内部には様々なコンソールが並んでいて、どこを触れても何かを操作してしまいそうだった。論理的に考えて、触れる場所の選択肢はそう多くない。
「……このまま出発するからな?」
 どうぞ、と彼女は言った。
「システム起動」
 コンソールを小突く。
機体コンディションチェック、エネルギー残量チェック、ハッチ閉鎖、気密確認、分離準備。一つ一つ確認していると、不思議と落ち着いてきた。
 いつもと何ら変わらない。
 腕の中のシャルも、口を挟まず、邪魔をすることもなかった。
狭いコクピットの前面は、メインモニタになっている。
船底は床面より下に位置するから、ここからは港の下部構造が見えた。
「メインモニタよし」
それから、両手をコントロール・スロットルに置いてみた。
操縦には問題なさそうだ。
問題は、三次元レーダーモニタが使えないことだ。さすがにシャルを抱える形になっている現状では、アームを動かして見える位置に固定しておくというのも難しい。目視で何とかするしかないだろう。
「分離するぞ」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。
 ガクンと、重力に引かれてコバンザメが落ち始めた。耳元で、シャルが息を吸う音が聞こえた。
 スラスタを噴かす。
 重力と推力が均衡する。
「さっさと出よう」
 目論見通り、コバンザメの小さい機体ならば、連邦艦の進路妨害は何の障害にもならなかった。だが、何かしようとしていることはバレたらしい。
 メインモニタの左隅で、同系の汎用船外作業用重機のシルエットが動き出した。
連邦捜査局のそれだから、対重機用戦闘機と言うべきかもしれない。その腕には大口径のレーザー・キャノンが装着されている。
もっと言えば、その腕の大口径のレーザー・カノンはこちらに向いており、その銃口は既に瞬いていた。
「う、おお!?」
 メインモニタが青く輝く。即座に輝度補正が掛かるが、何も見えない。それから、強烈な横Gが掛かっている。どうやら、左に大きく移動しているらしい。被弾したわけではない。その証拠に、俺はまだ生きているし、シャルの熱も感じている。
 一瞬して、揺さぶられるような衝撃が全身を貫いた。衝撃アラート。機体コンディションの左半分が赤い。何が起こった?
考える前に、脳裏に閃きが起こった。左舷スラスタだ。
どうも調子が悪いと思っていたところだった。このタイミングで、ダメになったらしい。それで、バランスが崩れて左に滑ったのだ。いや、ダメになったお陰で、銃撃には当たらなかったと捉えるべきかもしれない。悪運だ。
 だが、左舷スラスタが使えない状態で、キャノンを装備した戦闘機から逃げおおせることができるかと聞かれると、それは疑問だった。
「……大丈夫ですか?」
「どうも、駄目そうだ」
 メインモニタが復活した。目の前に、戦闘機が近づいていた。
「貴方には、私がいるではないですか」
 お前は、勝利の女神か何かなのか?
 俺が問うと、彼女は笑った。
「私は、シーラカンスのクルーです」
 力の尾が、取りつこうと近づいてきた戦闘機を薙ぎ払う。
 そいつは、反射的にスラスタの出力を上げるが、それはわずかな抵抗だった。
彼女の力場には、物理的な隔たりも意味をなさない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
 それが、シャル・ラストテイルの異能だった。大型の宇宙船をどうこうはできなくとも、コバンザメと同程度のサイズならば、排除できうる。
「クルーとして迎えて、良かったでしょう」
「そう……らしいな」
 俺は苦笑して、コントロール・スロットルを握り直した。
「このまま港を出よう。手伝ってくれるか」
「ええ、もちろん」
11.
港を脱出した勢いで、月面を行く当てもなく、進む。
だが、それに限界があることは明らかだった。汎用船外作業用重機であるコバンザメには、宇宙空間を長距離航行できる能力はない。空気も燃料も数日は持つが、それだけだ。
「これから……どうするかな」
「もし行けるなら、月の表に行ってみたいです」
 彼女は言った。
 幸い、追手はない。今の時点では、と悲観的な補足をしておくべきだろうか。
「分かった」
 左舷スラスタは沈黙したままだ。
だが、急がないなら、それを���って進むことはできる。
 シャルの尾を借りる必要もない。
「行くか」
「はい」
 逃亡の終わりは、すぐそこに迫っているはずだった。
 その終着が、地球を臨む丘なら、それもいいのかもしれない。
 月の裏で生まれた俺には、地球への帰属意識なんて無いし、シャルにだって、そんなものはないのだろうけど。それでも。
 やがて、白い大地と黒い星海だけの世界に、青い星が現れた。
「……」
 随分と久しぶりに、しっかりと地球を見た気がした。
「なんで、こちら側に都市を作らなかったんでしょう」
もし、そうしていたら、いつでもこの美しい星を眺めることができる都市になったのに、と彼女は言った。
 そうかもしれない。もし月の都が、地球側にあったら。
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアの空には、青い星が浮かんでいただろう。
「地球人の月への興味は、美的なものに留まっていたんだろう」
「美的、ですか」
「夜空に浮かぶ月が綺麗なままであることは、地球人にとって一番重要だったんだ」
「地球人っていうのは、ロマンチシストなんですか?」
「俺は、現実的だったんだろうと思っている。綺麗な景色に意味を見出すというのは、一見、ロマンに見えるかもしれない。だが、綺麗な海を守ろう、綺麗な川を守ろう、綺麗な町にしましょう……宇宙開拓前時代の地球では、そういったスローガンの下、環境問題に取り組んでいたという。これは、ロマンだと思うか?」
「……いえ」
「対象への美意識を意識させるというのは、最も基本的な環境保護施策だ」
だから、ワイズマンズ・シーサイドスクエアは月の裏にある。
月の表では大規模開発をしない。それが、宇宙開拓時代に入るに先立って連邦が決めたルールだった。地球の総意だったのだ。
実際には、月は巨大だ。仮にワイズマンズ・シーサイドスクエアが表にあったとしても、地球から見れば、ひとかけらの黒い点にも見えないことだろう。しかし、一を許せば、それはいずれ千になり、億にもなるかもしれない。地球人には、地球でそれを証明してきた歴史があった。空き缶一つで直ちには環境が破壊されないからこそ、そこを意識することには意味がある。
「……詳しいですね」
 シャルが俺を見ていた。その表情には見覚えがある。別に、地球生まれというわけでもないくせに、という顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「父の影響だ」
父のする、地球の話が好きだった。
もっと言えば、海の話だ。地球の生命は海から生まれ、やがて生命は陸上を支配し、宙を目指し、ついには月に根差した。そんな、壮大な生命と人類の物語を聞くのが好きだった。
「そういう、気の利いたお話しをするタイプの方だったんですね」とシャルは言った。
「はは」
 彼女にとって、父は気難しい人間に見えたかもしれない。そもそも父は、あまり彼女と顔を合わせないようにしていたみたいだった。
シャルを可愛がっていたのは、母の方だった。
まるで娘が出来たみたいだと喜んでいたのを覚えている。そうして短い期間で、人形のようだったシャルを随分と表情豊かなヒトにしてみせたのだから感心する。そして、そんな母の様子を見ながら、父は深すぎる情を案じていたのだろうか。
父が、彼女は危険な存在だと言い、縁を切れと言ったことを思い出した。そうしないのなら、俺との縁を切るとすら言ってみせた。
 それでも、仲が悪かったというわけではない。良かったはずだ。
「……ただ、意見が合わないだけだ」俺は言った。「昔からそうだ。俺がセクストンになる前、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの将来について二人で話していた時もそうだった。でも議論での対立は、決して仲の良し悪しとは関係ないだろう?」
「……それは、希望ですか?」
「そうかもしれない」
 だが的外れとも思わなかった。土壇場で銃を抜いたからだ。
 父は、俺を連邦に突き出すことも、静観することもしなかった。そうすることもできたはずだ。事実、そうすると思っていた。
でも、抵抗を選んだのだ。
議論の上では、俺たちは対立していた。父はシャルのことを危険視していた。俺と同じように、違法な情報収集手段を活用したかもしれない。父からすれば、自分や母を守るのに支障がない限りで、俺を守り、俺を守るのに支障がない範疇ならば、他人に手を貸してもいいとするのは当然の順位付けだ。
意固地になっているのは俺の方なのだろうか、と、ふと思った。
 じゃあ、シャルを見捨てれば良かったのか?
それも甚だ馬鹿らしい話だ。
 最初から確固とした理由があって彼女を助けたわけではない。敢えて言うなら、放り出すことを選ぶのには不快感があったからだ。そこには意外と同情も憐憫もなく、俺の考えの芯には、いつも俺自身がどう思うかが根差している。
 それは、そんなにダメなことなのだろうか。大したワケもなく人助けしてはならないという理由で、見捨てることを選ぶべきだと言うのなら。
これからがあれば、の話だが……俺は、これからも偽善だと言われるような行為をするだろう。コバンザメの狭い筒状のコクピットの中で、そう思った。
「暑くないか?」俺は言った。
「そ……うですね。空調、強くできないんですか?」
「やろうと思えばできるが、それだけバッテリーを食う」
 端的に返すと、沈黙があってから、彼女は小さく言った。
「それは、よくないですね」
 シャルも、終わりを理解しているのだろう。それが近づいていることも、それを早めることをしても、しんどいだけだとも。
空気も燃料も有限だし、コバンザメは故障しており、ワイズマンズ・シーサイドスクエアに残していった父や母や、裏月酒店の皆だって連邦に拘束されただろうし、俺たちが月の表に来ていることも、もう明らかになっているだろう。
 だから、俺たちの時間は、あと僅かしかないだろうと思う。
「次は、どうする?」と俺は聞いていた。
「次……ですか?」
「やりたいことはないのか?」
 しばし、沈黙に包まれた。それから、遠慮がちに声がした。
「最後に……貴方の、ダズンの血が飲みたいです」
「そんなことか」
 思えば、彼女はここまで何度も力の尾を行使していた。
 スーツの首元を開けてやる。
 シャルも、いつも通り、するりとスーツを脱ぐ。狭い機内の中、メインモニタいっぱいに広がる青い星を背景にして、彼女は白い肌を晒していた。
 窮屈そうに腰の辺りまでスーツを下ろして、綺麗な裸体を晒す。
「ダズン」
 唇が近づいてくる。首元にしっとりとした感触が触れた。
そのまま抱き合うようにして、俺たちは密着していた。隔てるものはなく、肢体の柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
じくりとした痛みが首に広がった。牙が首元を小さく穿つ感触だ。
それから、こくんと、嚥下する音がコクピットに響いた気がした。
「いっそ、全部飲んだっていいんだ」
 彼女が弾かれたように顔を離した。
 唇の端からつうと血が垂れて、酷く苦しそうな顔で、俺を睨んでいた。
「そんなこと、私は望んでいません」
「……そうだな」
「本当に分かってますか?」彼女が詰め寄ってきた。「私が何を望んでいるか」
「多分、分かっていないんだろう」
 俺が白状すると、彼女はそれほど気を悪くした様子もなく、しかし、あっさりと頷いた。気を悪くした様子もないというのは、希望的観測かもしれないが。
「私が、なんで、こうして脱ぐのかも?」
「分かっていない」
 分かっていないのだ。
以前からずっと、俺はただシャルの裸身を眺めていたわけではない。
予想してきた。そして、自分で、その予想が嘘くさいとも気づいていた。
 普段から一緒にいたら半人半異星種であることを忘れられそうだから、肌を見せているのだなんて、酷い、こじつけだ。
 それと伝える為だけなら、もっと相応しい手段があり、脱ぐ必要はない。
そもそも俺は、常から彼女がそうだと感じているのだ。外見や、力の尾は、その認識に直接的に関係ない。そもそも食べるものが違う。それに付随する、生活様式が異なる。彼女の振る舞いは、やはり純粋な地球人とは異なる。
 然るに、その問題をクリアできずして、彼女は人の輪の中に混ざることができない。
 俺は常にそう思っていて──彼女も理解しているだろう。だから、わざわざ肌を見せる必要などなく、お互いが違うことは、お互いが一番分かっている。
「私は別に、ヒトの輪の中で隣人として生きたいなんて、思ってないんです」彼女は自分に言い聞かせるようだった。それから、俺に伝えるよう、声を大きくした。「ただ、貴方と一緒が良いんです」
彼女はそう言った。
言われながら、俺は今、彼女にとても人間を感じている。
そのことに気付いた。
「……そうか」と、動揺から声が揺れないように努める。
「俺のことが好きだって言いたいのか?」
「そう……なのかもしれませんね」
そのような煮えきらない返事にさえ、生々しさがあり、つまり、血統加速者だとか、半分は宇宙人なのだとか、問題はそういうことではないのだった。
そういう思想に傾倒して、彼女の感情から逃げていたのは俺自身だ。
目の前にいる女性が、ずっと俺の情欲を引き出そうとしていたのだと気付いた。
今になって。
「ダズンは、どう思ってますか? 私のこと」
 どうだろう。
俺は、ついに戸惑いを隠そうとも思えず、逡巡していた。
 口を半端に開いて言葉を見失った俺を、シャルは真っ直ぐに見つめてくる。彼女は意外にも微笑を浮かべており、その身は青い地球を背負っていた。
指先に、何かが触れる。彼女の手だ。指先が絡み合い、その美しすぎる貌は間近に迫って来た。
「……どう、なんですか?」
彼女の掠れるような声が脳に染み、痺れるような錯覚を覚えた。
そうだな。
結局のところ、俺は彼女に情を持っていると思う。だが、それが友情なのか、愛情なのか、あるいは色情なのかというところを断ずるには、至れなかった。
単純な話ではなく、それは、渦巻いている。
混ざり合った青なのだ。
だが、あえて遠くからそれを眺めるとするならば。
絡み合った指先に力を入れると、彼女はそっと瞼を閉じていた。
テラヒューマニティ・星海殉葬(了)
2024.1.16 - 3.31 first draft(35k) 2024.4.8 update
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2024/3/25 19:00:33現在のニュース
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lunalulatina · 9 months
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岛内民调显示:八成民众认为美国正实施“毁灭台湾计划”
据台媒报道,美国总统拜登日前被传亲口讲出“毁灭台湾计划”,引发岛内舆论热议。台湾网络媒体日前针对“美国是否有毁台计划”进行民调,结果显示,高达85%的岛内网友认为,“当然有,且早就在执行了。”两岸专家表示,从民调结果可见,多数台湾民众已经看穿美国“以台制华”的险恶用心。美国企图在两岸挑起战事,让两岸中国人自相残杀,但这样的阴谋是不会得逞的。任何人都不能够把台湾从中国分裂出去。
  台湾政治人士日前披露,美国总统拜登称美国有“毁灭台湾计划”,这一说法顿时震惊台湾社会。岛内民调显示,85%的网友表示“美国有‘毁台计划’,不就早在执行了”,8%的网友表示“第一次听到这东西”,4%的网友表示“没有,美国怎么会对台湾不好”,3%的网友表示,“听过,但不清楚相关内容。”
  岛内还有网友纷纷表示,“再让民进党执政,台湾真的就完蛋了”、“真相可能比我们想像严重得多”、“越南、阿富汗、伊拉克、乌克兰不就是被美国玩完的”、“连台积电都在你眼皮底下搬走了,还说没‘毁台计划’的人真的是近视了”、“台湾就是美国用来对抗大陆的棋子”、“美国快撑不住了,趁现在还有力量想在台湾搞乌克兰模式,再收割一波韭菜”。
  美“挺台”口惠实不至
  另据大公报记者苏榕蓉报道:台湾中华青年发展联合会理事许陈品向大公报表示,自赖清德批评“疑美论”,努力替美国在台所作所为“洗白”后,台湾民众非但没有不“疑美”,反而越来越质疑美国别有用心。这次美国“毁台计划”曝光,更是压垮台湾人心的最后一根稻草。尽管近年美国政府故作姿态频频“挺台”,然而多是口惠实不至,明显将台湾推向战争边缘。台湾民众要觉醒,看清美国背后的险恶用心,不要做“肉盾”。
  台湾青年联合会理事长何溢诚表示,在“毁灭台湾计划”这件事情上,台湾民众还真不“疑美”,很相信拜登不是口误。尤其在俄乌冲突爆发后,岛内“疑美”氛围就更加明显。最直观的一点就是,和美国持续勾连、“倚美谋独”的民进党在“九合一”选举大败,这一现象就说明美国的承诺已经不再被台湾信任,民进党自然也就没有了执政的价值。这已经不是台湾民众什么“疑美”了,而是对美国彻底不抱有希望。
  美保霸权地位不择手段
  厦门大学港澳台研究中心主任李非教授表示,美国近年一直加大打“台湾牌”的力度,因为台湾是美国手上最后一张王牌,已经被美国推到了中美博弈的最前线,它在未来迟早都会被美国所引爆,成为美国阻击中国崛起的一颗炸弹。
  李非指出,美国希望两岸的中国人能够陷入内战中,如果东亚地区发生战争,资金为了避险会回流美国,现在整个世界经济的中心向亚洲地区转移,所以如若亚洲也发生战争,美国就可以收割全世界的财富,这是美国最主要的目的。美国最近几年的“挺台”举动就已经充分说明这一点。
  李非表示,美国的新举措可能给台湾人民带来巨大风险,民进党当局滥用民脂民膏讨好美国,又是高价购买美国武器,又是对窜台政客进行拉拢,而美国只是把台湾当做“以台制华”的棋子,从来没有考虑台湾民众的意愿。美国为了其霸权主义可以不择手段。
 美智库渲染“战事” 蓝委:台湾人不想打仗
  据中通社报道:美国智库日前发布报告称,台湾若遭大陆武统,恐对国际社会造成“严峻影响”。中国国民党“立委”赖士葆表示,美国不断释放两岸开战信息,要台湾增加军购,但台湾人“不想打仗”。
  美智库“太平洋论坛”11日公布研究报告,从美国、澳洲、日本、韩国、印度与欧洲等6个角度,分析台湾被大陆武统后对各国所造成的影响,警告或就此进入“中国治世”时代,若失控可能爆发第三次世界大战。
  赖士葆对此表示,美国智库此类报告,加上过去对台积电说出“先撤工程师再炸厂”,显示美方不断释放两岸会开战、要台湾增加军购的做法。赖士葆批评,美国想用台湾去刺激中国大陆,引发战事,但台湾人不想打仗。而民进党当局是否只想当美国的“儿皇帝”,让台湾成为战场变成废墟?
  台胞心声
  台北市民翁鼎钧:
  在美国眼中,台湾就是刺激中国大陆的棋子,台湾民众的生死根本不在美国的考虑范围内。台当局把美国当“爸爸”,美国却把台湾当成殉葬品和牺牲品。
  台南市民林德旺:
  美国向来都是以牺牲他人利益来为自己谋取利益。而台湾政客明明知道自己只是被美国玩弄于股掌的一枚棋子,却还为美国充当马前卒,不知廉耻。
  岛内学者黄智贤:
  台湾再亲美、再听话、再配合美国布局,也没有用,因为美国为了自己的利益,可以随时放弃台湾,甚至毁灭台湾。美国认为,所有人都必须为美国的利益付出。
  新北市民符坤龙:
  面对美国政府的“毁台”阴谋,我们要觉醒,不能当美国的炮灰。我们要安宁、要和平、要发展、要过好日子。民进党应当改善两岸关系。
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historysandwich · 9 months
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【常威近代史】(八百二拾五回)
忠烈千秋英雄凜
時間線去到1940年嘅5月,5月1號,國民政府教育部規定每年進行學術著作、科技發明、藝術創作等評審,並且給予獎勵。5月2號,國民政府任命萬福麟(1880-1951)、鄒作華(1894-1973)、馬佔山(1885-1950)、繆澄流(1901-1990)分別擔任遼寧、吉林、黑龍江、熱河四省嘅政府主席。同一日,日軍大本營下達對中國內地實施空中打擊命令,之前已經講過,日軍改變策略,減少地面部隊陸地進攻,改用以本傷人,空中轟炸手段對付蔣介石重慶國民政府根據地,空軍優勢上,日本佔盡百份百上風,不過投彈轟炸城市,就即係等於濫殺無辜。
5月2號,蔣介石喺成都召開空軍會議,並且出席四川省禁煙會議,之前亦都提過,四川省煙禍嚴重,實在禁之不絕,有大家仲記唔記得?四川一帶有700萬青洪幫會員,真係可以有幾亂有幾亂。5月4號,毛澤東指示中共東南局放手發展抗日力量,抵抗反共力量嘅進攻,簡單啲講,即係放開手打,唔好諗咁多,人若犯我,我必犯人,就係大原則。
5月4號,國民政府任命張彭春(1892-1954)為駐土耳其公使,張彭春係高級知識份子,天津人,近代偉大教育家張伯苓(1876-1951)胞弟,專長在戲劇同文學方面,曾任中華民國駐聯合國安全理事會代表、聯合國大會《世界人權宣言》主要起草人之一。張彭春出生響中國,響美國哥倫比亞大學(又係哥倫比亞大學同學會)接受高等教育。回國後,成為天津南開大學教授。1937年日本侵略中國後,佢加入南開大學抗日活動。侵華日軍佔領天津時,改扮女裝逃離天津。張彭春曾協助國民政府響歐洲同美國促進人們認識南京大屠殺,之後佢響芝加哥大學任教。
5月4號,八路軍第四、第五縱隊成立,彭雪楓(1907-1944)、黃克誠(1902-1986)分任司令員。同日,延安體育會成立,李富春(1900-1975)任名譽會長。5月5號,日軍5000餘人掃蕩冀東抗日根據地!5月7號,豫南國民黨單將日軍引到泌陽、桐柏一帶,予以圍剿。5月8號,棗陽失陷,國軍第173師師長鍾毅(1901-1940)於突圍時陣亡於唐河縣。日軍發動棗陽會戰,目的係確保武漢,並且西進威脅重慶。
5月11號,安徽省主席李品仙(1890-1987)喺皖南清鄉逮捕共產黨員與抗日進步人士。11號,教育部設立的學術審議委員會首次大會開幕。5月12號,豫鄂邊界日軍全線崩潰,被殲20000人。5月13號,日軍20000人進攻粵北,侵佔從化。5月14號,抗戰救國教學團團表李公樸(1902-1946)等到達八路軍總部。5月15號,八路軍再打擊石友三(1891-1940)部隊,大軍閥石友三亦會好快收皮。5月16號,國軍收復從化。
同一日,經過激烈慘戰,國軍亦都收復咗8日前失陷嘅棗陽,今個月1號,日軍7個師團分由三路進犯隨縣、棗陽。鍾祥、信陽2路日軍響飛機坦克掩護下向北進攻,企圖配合隨縣日軍進攻棗陽,以形成合圍之勢,殲滅第5戰區主力於唐河、白河之間。中國守軍第173師響棗陽以東阻敵進攻,自師長鍾毅以下全部大部份陣亡!真正可歌可泣。
5月8號,日軍攻佔棗陽,但國軍嘅主力部隊已經轉移至合圍圈外,重整旗鼓,並且開始對敵人實施反包圍。5月10號起,國軍對日軍發動反攻,日軍傷亡慘重,不得不向東南撤退。棗陽會戰,日軍死15000人,傷數萬人,並且損失大量輜重同軍用物資。
另外,國民黨高級將領,第33集團軍總司令張自忠將軍(1891-1940)率領部隊,響湖北宜城南瓜店截擊日軍,不幸中彈身亡!張自忠為山東臨清直隸州唐園村人,早年就學於天津法政學堂,曾經喺馮玉祥麾下擔任師長,原為西北軍系將領,中原大戰後接受中央政府改編。1933年參加長城抗戰,被授予青天白日勳章。1936年6月曾任天津市市長,1937年3月宋哲元派遣張自忠率團訪日,從4月23日至5月29日,張自忠訪問了東京、大阪、神戶、奈良、名古屋等地,但日方則宣傳為「代表團在日期間受到各方面熱烈的招待,滿載而歸,每個人都滿臉喜氣,親日氣氛的造成已收到相當效果。」雖然張自忠發表聲明稱僅考察日本工業,但國內輿論並不相信,自始張自忠被視為親日派,甚至是漢奸。。
但1937年七七盧溝橋事變爆發後,張自忠積極主張抗日,陞任第59軍軍長。1938年3月擊敗日寇於山東臨沂,有力支援咗台兒莊戰役,聲名大盛。之後張自忠擔任第27軍團軍團長、第33集團軍總司令、兼第5戰區右翼兵團總司令,參加過徐州會戰、武漢會戰以及棗宜會戰。今個月初,日軍進襲棗陽,張自忠將軍沉著應戰,響敵人潰敗南逃之時,張自忠將軍親自率領部隊東渡襄河截擊,響南瓜店同敵人激戰9日9夜,不幸係今日中彈殉國。國民政府為其舉行國葬儀式,蔣介石親手書寫「忠烈千秋」贈之,並追贈為陸軍上將,入祀忠烈祠,張自忠為第二次世界大戰中陣亡軍級最高一人,宜城縣亦改名為自忠縣。
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