Tumgik
#摺り染
simamamoru · 2 months
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戦闘服の男たちNo.1
さぶ増刊号 1985/7
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G-men 2009/6
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§1 夜明け前
 俺は島護、25歳の陸上自衛隊員だ、体付がごついのでゴリラの様だと皆言う、勿論短髪、入隊して3年、我ながら戦闘服姿が板に着いて来たと思う。今俺は、ジープのドライバーとして、この久しぶりの大演習に参加している。
 演習場の空が、ようやく白み始めてきた。午前4時、俺の運転するジープは、戦車がさっきこねくりまわしていったぬかるみを、ケツを左右にふりながら最後の目的地にむかっている。夜通しの演習は何度も経験してるけど、3日めになるといつも意識もうろう、ただ気力だけで動いているっていう感じ。頭は短髪だからなんとかなってるけれど、顔は不精髭、体だって風呂なんか演習中入れないので汗と埃でべっとりしている。隣で無線機片手にさっきまで巻くっていた金城3尉も、いまは黙りこんでいる。
 金城3尉は27歳、骨太ですげえいい体しているんだぜ、頭はいつもさっぱりと刈りこまれた短髪で、いかにも沖縄生まれっていう顔は本当に野生の証明そのものだね。
 実は俺、前から憧れっていうと照れくさいけれど、気になる人だったんだ。けれども違う小隊の幹部だったのでなかなか話すチャンスも無いし、遠くから見てるだけ。だから今度の演習でジープの運転手として一緒に行動をするって聞いた時とても婚しかったよ。
 そんな金城3財が、ポツリと
「元太の奴、どうしてるかな。」
元太っていうのは、俺の同期で、九州からきた高橋士長のことだ。あいつも図体でけえくせに俺より3歳も年下で、口は悪いが性格よくてなかなか憎めない奴だ。
 そんな元太なんだが腰を痛めたとかで演習の3日ほど前から入院して-まっている。たしか金城3尉の小隊だったはずだ。
「ああ、あいつのことなら心配せんで下さいよ。キングコングみたいな、図体がそう簡単にへこたれませんよ。」
「ひでえこと言うなあ。おまえもゴジラみてえな体してるくせに。」
「じゃ、金城3尉は大魔神じゃないですか。」
 あは、言ってしまった。3尉殿に大魔神だなんて、思わずペロリと舌をてしまう。
「お前も元太と一緒で可愛い奴だな。」
「エヘ、そうですかぁ」
 なんて冗談を言っているうちに眠気も覚めてきた様だ。
 夜も明ければ状況(訓練)終わり。終われば休暇が待っている。
§2 事件発生
 演習が状況終了になると、その夕方は演習場の天幕(テント)の中で恒例の大宴会が始まることになっている。正直言ってこれを楽しみにしている隊員も多い、汗臭い戦闘服を脱いだ時の解放感と、酒を飲んでポロリと出る本音のぶつかり合いがたまらなく好きなんだよな。
 あたりも暗くなり宴もたけなわ、俺たちの天幕は8人のむくつけき男どもで足のふみばもないくらいだ。さっきまでの疲労の色もなんのその、酒は命の水とはよく言ったもんだ。
 幹部同士で呑んでいた金城3尉が赤らめた顔をして、焼酎の一生瓶をかかえてやってきた。そして俺の隣に座りこむ、
「おい、島、飲んでいるか。まっ一杯飲め!」
と言って一生瓶をさしだしてきた。
「3日間、御苦労だったな。お前のおかげだ、さあ飲まんか!」
 いくら俺が力自慢でも金城3尉に押えつけられたら手も足も出ない。
 それでも有無を言わさず、瓶ごと口につっ込んでくる。俺、思わずむせてしまった。そしたらやっと力を緩めてくれた。
「ふーっ!助かった。もー殺さんでくださいよ。」
 あたりに笑い声が響き渡った。
 そんなとき、俺の手がぐっと3尉に、握られていることに気がついた。
 熱い手だった。急に頭がクラクラとしてきた。酔いが回って来たようだ。だんだん意識が……
「島士長!起きてください」
がんがん鳴り響く闇の底から起こされたのは、午前3時。俺をゆさぶっていたのは、不寝番の伊藤一士だった。重い頭をかかえながら起き上がると伊藤一士は
「高橋士長が、地区病院から行方不明になったそうです。今部隊から連絡が有りました。」
 頭がボーッとしている俺は最初その事態の重大さに追い付いて行けなかったが。少しして、
「な、なんだって!元太が逃げたって!」
 隣で寝ていた金城3尉も起き上がって来た。
「元太がどうしたんだ。」
「地区病院から脱柵(脱走)たって……」
「あの馬鹿野郎!いったいどうしたんだ。」
 3尉もまだ酔っている様だ。俺は戦闘服をひっかけると、半長靴を急いで履き
「金城3財、中隊に電話してきます。」
といって天幕を飛び出した。いったい元太の奴、なにがあったというんだ。まだほとんど冷めて無い酔いとともにそんな思いがぐるぐるめぐっていた。
 電話のある天幕はこの時間には誰もいない、さっきも不寝番が飛んで来て受けたのだ。
 俺は中隊へ電話かけた。こんな事件のあった時は必ず当直が誰かひとり起きているはずだ。
「はい、3中隊当直幹部です。」
「演習部隊の島士長ですが、高橋士長の件でどうなったのか、知りたいと思いまして。」
「ああ島か、三上2尉だ、どうやら午前2時ごろいなくなったらしいんだがな。」
「いったいなにが原因何ですか、」
「それは俺が知りたい位だ。」
「じゃ、詳しい事はまだ…・・・・。」
「そんな所だ、島士長、あまり心配せんで移ろ。」
俺は、演習場に居て何も出来ない自分にどうしようもないいらだちを感じていた。
「何かわかったら電話下さい。俺、ここでまってます。」
 そういって竃話を切った。
§ 3 ふたたび夜明け前
 いつのまにか後ろには金城3尉が立っていた。
「詳しいことはまだわからないそうです、なんか信じられないっすよ。」
 金城3尉は、俺の肩を抱きながら、
「元気出せ島。元太は戻って来る、必ずな。俺も一緒に連絡を待とう。」
 そういって3尉は、持って来た一生瓶を俺に差し出した。俺は進められるままに一生瓶ごとくい飲みした。自棄酒だな、まったく。
「どうだ、もっと飲め。」
 金城3財は、自分でも一杯飲むと、今度は俺を天暮のシートの上に押し倒した。ふだんならこうも簡単に倒れるわけないのだが酔ぱらってなんだか分からなくなってきた。
「まだ飲み足らんか、お前は可愛いやつだぜ。」
 金城3時は、俺の体の上にのしかかって来た、酒の匂いと共に戦闘服に染み込んだ男の匂いがムッ、としてきた。
 気が遠くなりそうな、でも俺、嫌じゃなかった。
 金城3尉の手が俺をきつくだきしめる。耳に熱い吐息がかかる、だんだん体から力が抜けていく……
「元太の所へ俺だって飛んでいきたいんだ、島、分かるかこの気持ち、実はな、俺はこの中隊に来てからずっとお前ら2人が気にいっていたんだ。元太はともかく、お前だって俺は遠くから見ていたんだ。だがな、こんなふうになるとは思ってもみなかった。元太の奴め、俺は寂しいよ。」
そういい終わると静かに唇を重ねてきた。熱いものが体の中から沸いてくる。
 3尉は俺の職闘服の上衣のチャックをおろすと胸のあたりをなぜまわし始めた。
「ウーツ」
 自然に声が出てしまう。いつのまにか戦闘服のズボンのボタンも外されていた。
 そして無造作に手が突っ込まれてきた。
「堅いな。」
 そう言って俺の気持ちを確かめると、おもむろに酒を煽り、口移しで酒を送り込んできた。
 あまりの量の多さに口から溢れてしまった、金城3尉は舌でそれを拭うとまた、唇を重ねてきた。舌と舌が口の中でからみあう、それに加、て強い雄の臭いがたまらなく俺を刺激する。
「金城3尉!た、たまんねえよう。」
 俺はあえぎ声を出してしまう。
「そうか、たまんねぇか、もっと良くしてやる。」
と、言って戦闘スポンからず大くなった俺のモノを引き摺りだした。
「体にお似合いのゴツいモノだな。」
 そう言いながら唾をおれのモノに垂らすと、指で一番敏感な所をこねまわしてきた。もう片方の手は俺の口の中に容赦無く入り込んでくる。
「どうだ、今度は俺の番だ。」
 といいながら、自分の戦闘ズボンの前をまさぐり、俺に馬乗りになってきた。そしていきり勃ったモノを口にねじ込んできた。
「ウグッ!」
 むせ返るような強い臭いに圧倒され、俺は無心に頬張る。その間にも金城3尉は俺のモノをこねくり回す。
「いいな島、この事は2人だけの秘密だからな。」
 腰を動かしながら金城3尉がいう。
 頬張りながら俺がうなずく。
 そして3尉は、一層堅くなったモノ引き抜くと体をずらし、俺の爆発寸前のモノと自分のモノを一緒に握り、激しくシゴキだした。
「ウ、ウッ島、」
「キ、金城3尉ー」
 二人は、押し殺した声でお互いの名を呼びながらおびただしい量をほとばらして果てた。それは、戦闘服のはだけた分厚い胸にふりそそいだ。それを3尉はていねいになめると軽く口を重ねてきた。 
 俺はだんだん気が遠くなりそのまま寝てしまった。
§4 捜索
 翌朝俺と、金城3尉は元太の捜索に協力する為、一足先に演習場を出発した。
 二人とも照れ臭いのか黙ったままだ、だがその沈黙を破るように3尉が、
「昨日のこと、覚えて要るか。」
 と、ひとこと言った。
「え、ええ。」
 俺は思わずどぎまぎして答えた。
「嫌だったらごめんな。」
「そんな、始しかったです。」
 言葉少なめに答える。ジープが信号で停車した。
 シフトレバーを握る手がもうひとつの大きな手に包まれた。
 中隊に帰るとすぐ捜索に加わったが、その日の手がかりは何も無かった。
 だがその夜、金城3尉あてに電話が掛かってきた。
「元太、お前何処にいるんだ。え、よし分かった今行く。」
「島!来い」
 慌てて3尉は飛び出して行く、俺も急いで付いて行く。シープは二人を乗せて夜の町へ走り出していった。
 5分もジープを走らすと、ヘッドライトが道に立っている元太を照らしだした。
「さあ早く乗れ、一緒に中隊に帰ろう。」
 金城3尉が元太に話掛けた、だが、
「俺、帰りたくない。」
 と、一言言ったまま黙って仕舞った。
「仕方が無い、じゃ、俺のアパートに来い、それならいいだろう。」
3尉がそう言うと黙って元太は��なずいた。
 結局元太は、退職していった。奴の腰の病気は、自衛官として仕事を続けていきり直ることはないというものだった。
 陸曹になり、幹部に成ることを元太は夢見ていたのにそれが挫折してしまった。それがつらくて逃げだしてしまったそうだ。
 俺も3尉もなにもしてはやれなかった。あんなに丈夫な奴だったのに。
「俺は、野原でひと暴れする為に自衛隊に入ったんだ。小銃片手に演習場を走り回る、屈強な男だけに許された仕事さ、だけどこの体じゃもうそれもできねぇ。たとえ部隊に戻れても、どうも事話関係の仕事に回されて任期がくれば、はいさよなら そんなのやだぜ」
 そう言ってあいつは国へ帰って行った。
§5明日へ
 それから数週間が過ぎた。あれ以来金城3尉ともなかなか話する機会もなくたまに目で挨拶をかわすぐらいしかできない日が続いた。
 そんなある日、再び金城3尉のドライバーとして演習の偵察に行くことになった。もちろん3尉のご指名…っていうか元太の後釜。
 ほとんど単独行動になるのでずっとふたりきりという訳だ。俺もじっとまってたよこの日をね。
 けれども仕事は、そんな俺の甘い考えをふっとばすかのようにとても忙しかった。話すことは仕事上のことばかり、演習場のなかをシープは縦横に走り抜けて行く。
「さあ、これで終わりだ。島士長、シープを降りて一休みでもしよう。」
 と金城3尉がいったのは午後の日が沈みはじめた時間になっていた。
「はい」
 と返事をして俺はジープを道端に止めた、あたりは一面に草がおい茂っている。
 3尉は降りて立小便をはじめた、おれも並んではじめる。
「フーツ」
 小便が終わっても二人はそのままたっていた。ふと金城3尉の方を俺は見た。横顔が夕日に染まっていた。3尉もこちらを向く、視線が絡み合う。
「久しぶりだな。」
「長かったけど、俺待ってました。」
 ふたたび前を向くと、金城3尉は俺の肩を抱いて茂みの中へ歩き出した。
 夏の終わりの演習場は背の高い草に覆われ、ほんの少し足を踏み入れただけでそこはもう二人だけの世界になっていた。
「俺の事好きか?」
 と、金城3時が聞く。俺が目でうなずく。
 肩に回された手に力が入り思いっきり抱き締められた、背骨が折れんはかりの力である。
 ああ、これが俺たちの愛し方なんだ、有無をいわさぬ強引さで右手が開いたままになっていた戦闘服のズポンの前に突っ込まれてきた、すでにはちきれんばかりとなっている俺のモノを引き摺りだすと唾を付けてシコキだす。
「たまんねぇよぅ。」
 俺はうめき声を金城3尉の耳元でささやいた。
「よーしいいぞ。」
金城3尉はうなずくと、しゃがみ込み俺のモノをくわえこんだ。そして両手で俺のズボンのボクンをはずし際まで下ろす、右手は俺のケツのあなをいたぶり、左手はキンタマを滑り回す。
 そして俺の手は金城3尉の頭をがっちりと押さえ込んでいた。
「金城3尉ーもうがまんできねぇー。」
「うるせぇまだだ。」
 そういうと3尉は、俺を後ろ向きにした。
 俺は覚悟をした。
 ベトベトになった俺のモノをこねくり回しながら、ケツを舐め始めた
「あっ汚いっす」
 臭くないわけがない、それでもグッと舌を突っ込んで舐めまわす。
 俺は快感に蹂躙された。
 3尉は立ち上がって口を拭う。
「いいな。」
 と、一言いうと、自分の戦闘スポンから見事に怒り狂ったモノをまさぐり出し、俺のケツにあてがった。そして乳首を…
 俺が、つい、力を抜くと同時にゆっくりと先の方がめり込んできた。
「ううつ・い、痛ェよう。」
「なあに痛てえだと?男ぞ!がまんせんかあ。」
 そういうと、腰にまわした手に力を込めてきた。物凄い力で俺のケツが引き裂かれる様に少しずつねじ込まれてくる。
「し、島、入ったぞおーっ」
 3尉がうめく様に汗を拭いながら言う、俺もまだ着たままの戦闘服で額の汗を拭った。
「まだ痛いか。」
俺は首を横に振る。
 ゆっくりと金城3尉は腰を使いはじ��た、手は俺のモノをシコキだす、もう片方の手は俺の戦闘服のチャックを下ろし、シャツをたくし上げ、乳首をいたぶる。
 いつのまにか俺は金城3財の動きに体を合わせていた。
 
 突然金城3尉の体が痙攣し、俺のモノが思いっきりシゴかれた。体の中で激しいほとばしりを感じると同時に、俺も勢いよく草むらに噴出してしまった。
 そしてそのまま二人ともその場に倒れこんだ。
 二人で大きなためいきをつくと、寝っころがったまま空を見上げた。あたりはすっかり夕焼けで真っ赤になっている。
 ふと、金城3尉が言った。
「島、お前も満期(2任期‥4年)で除隊しちまうんか!」
「ええ、そろそろ国へ帰って親父の現場仕事でも手つだおうか、とでも思っていたんですが。」
 本当はまだどうするか決めていなかった。
「そうか。どうだ、島、陸曹候補生受けてみんか。」
 陸曹になると俺たち陸士の様な任期制の際員と違い、定年まで勤務ができる様になる。つまり職業軍人というわけだ。勿論その為には、試験があり。学科だけでなく、体力検定、基本教練、あげくの果てには小銃担いで障害物競争をする武装走まであるという苛酷なものだ。正直言って一度受験したらもうたくさんと思ってしまう。
「でも、この前一度受けて落ちましたから。」
「一度ぐらい落ちた位でなんだ。もう一度受けてみろ。お前は自衛隊に憧れて入隊してきたのは分かっている。演習に出ている時、お前は一番いい顔をしているじゃないか。」
 
 そう言って金城3尉は立ち上がった。そして、
「島、そこの俺の帽子見てみろ。」
 俺は、そばに落ちていた帽子を拾い上げた。
「あっ、この帽子は…」
「そうだ。元太のだよ。あいつが辞めた時、補給陸曹に頼んで交換してもらったのさ、」
「そんなに金城3尉は元太の事を、」
「そうだ、今でもお前と同じくらいな。好きだったよ。だがな、あいつは気付いてなかったよな。そんなこと。ただの口うるさい小隊長さ。」
 ジープに寄り掛かりながら話てくれた。
「じゃ、俺が辞めても何か俺の身につけていてくれますね。」
 すると俺の方を睨みつけて言った。
「馬地野郎!まだわからんのか。お前は陸曹になるんだ。そして俺に付いて来い!必ず良かったと思う。もう別れの寂しさなんかまっびらだ。」
 そう言いながら俺を強く抱きしめた。迷いが少しずつ消えていくような気持だ。
「よし!俺、また挑戦します。」
「その調子だ、島、俺が合格するまでたっぷりシゴクぞ。」
「エへ、じゃ、合格したらシゴイてくれないんですかぁ。」
二人は顔をあわせて笑った。(終わり)
さぶのカットと、G-men 版の挿画
どちらも木村べん氏。挿画はべん氏より頂いた鉛筆画のコピー。
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nostalblue · 10 months
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うこん
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普段は緑茶やコーヒーなどを主に飲んでいても、それらとは違った刺激でリフレッシュしたい時がある。そんなアイテムの一つとして昔から時々飲んでいたのが「ウコン茶」。初めの頃はティーバッグの物を買っていたけど、ある時プラ容器に入った粉末のウコンを見つけこれはお得だと数個まとめ買いをした。それから10年ぐらい経っただろうか、いよいよそのストックも少なくなり、今後は自分で栽培して自家製ウコン茶を楽しんでやろうとあいなった。
いつも種芋を物色する地元農産物の直売所ではみつけられなかったので、インターネットで種芋を手配しようと見てみると。。。春ウコンとか秋ウコンとか紫ウコンとかいろいろ種類あるじゃんよ(迷)。我はこれまでそんなこと意識せずに飲んでいたのだけど、よくよく調べてみると秋ウコンだったようでそちらを手配した。ちなみにカレーなどに使われるスパイス「ターメリック」も秋ウコン。春ウコンや紫ウコンは生薬や健康茶にされるがかなり苦いらしい。
しばらくして郵送で種芋が届いた。試しに2~3個植えられれば充分だったので少量のものを注文したのだが、開封してみると思いのほか沢山入っている。まあ上手く発芽して育つか解らないから多いに越したことはないけどね。いずれにしても到着したのは晩秋なので上手く越冬させてやらなくてはならない。いかんせん初めてなので試行錯誤ではあるが、ショウガ科なのでショウガと同じ方法で室内保管した。
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保管は上手く行き、全てのウコンの種芋は健康な状態で春を迎えた。4月の上旬にそれを播種すると、1ヶ月程して発芽した。その後追肥などもせず放置状態だったが、ドンドン大きくなり最終的に1.5mぐらいの高さになった。上の写真は比較的日当たりの良い場所に播種した物だが、半日陰になる場所に播種した物も遜色ない大きさに育っている。
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9月に入って花が咲いたのだが、驚いた。ウコン茶の鮮やかな橙黄色やスパイシーな風味からは想像できないような清楚さと透明感の有る白で、まるで蓮の花のような神々しさがある。ちなみに春ウコンや紫ウコンはピンク色になるらしい。ただこの部分は厳密に言うと花ではなく苞葉と呼ばれる部位で、下方にできる黄色いものが本当の花なんだと。ところで根茎で増えていく植物が花を咲かせる意図は何だろう?種子は出来るだろうか?
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晩秋になり、緑色だった葉が黄色く変わってきた。収穫は茎葉が完全に枯れてからの方が養分が根茎に還流して良いのかも知れないが、なにせこの時季は突然強烈な寒気が来てダメージを与えてしまう可能性があるので、多少早めではあるが幾分かでも収穫し、種芋として保管しておく方が賢明だろう。
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剣先スコップを使って掘り起こすと、しっかりと新しい根茎が付いていてとりあえずひと安心。この時点でもうウコン独特の香りが漂っている。
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とりあえず5株ほど収穫したが、すでに根茎は最初に入手した量を上回っている。さらに播種した種芋の部分(ショウガ的に言うと古根ウコン)や茎の最下部(サトイモ的に言うと親芋)も利用出来そうな気がしたので廃棄せずに取り置いた。
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こちらは左から根茎(子芋)、親芋、種芋をそれぞれ縦に割ってみた写真。いずれも内部は橙黄色だ。それぞれ生で摺ってウコン茶にしてみたが、いずれも遜色なく美味しく頂ける。親芋は多少味がマイルドな気もするが、使う量や煎じ方でどうにでもなるので、実質的には同等に利用出来ると言っていいだろう。
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穫れたての生の根茎を摺りおろして米と炊き、自家製パセリを刻んで散らしターメリックライスを作ってみた。使用するウコンが多いと色合いは良いが苦味も強くなってくるので程々の量にしておくのがコツだろう。今回はおかずを揚げ物にしたので敢えて使わなかったが、バターやマーガリンなどを混ぜても美味しい。まあターメリックを使っているカレーが合うことは勿論だけどね。
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数週間後、残りのウコンも収穫したのだが、いやあその量の多いこと。根茎だけでバケツ満杯になった(呆)。いくら何でも独りでこんなに消費できないよね~と思いつつ、とりあえず洗って仮干しする。
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これらを全て生で保管しておくのは合理的でない。こうなればもうやるしかないと覚悟を決め、包丁、まな板、そして左手を橙黄色に染めながらひたすらスライスしたさ(疲)。緑のボウル3つ分になったそれを干し網に入れて小屋の下に吊した。
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冬型に変わった気圧配置で西風が強い日が続き、それは2週間でかなり乾いた。容積はボウル1杯、即ち3分の1になった。さらに完全に乾かすのには冷蔵庫が適しているが、スペースがないので冷凍庫に入れた。フリーズドライってやつですか?(笑)
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軽くひとつまみをポットに入れて熱湯を注ぎ、乾燥品からのウコン茶を試す。生の摺りおろしや乾燥粉末ならすぐに色と味が出るだろうけど、スライスだからジワジワとエキスが出るのに少し時間が掛かる。ただ粉末にするのは結構手間が掛かるから(容積はかなり小さくできるけどね)、多少待てども乾燥スライスのまま使えばいいんじゃないかと自分を納得させる。ターメリックライスを作ったり、スパイスとしてカレーに入れるなら生を摺りおろせばいいからね。用途によって上手く使い分けていくにせよ、これだけの量を消費するには数年掛かりそう。来年は少し生産を減らさないとね(保存場所も困るしね)。
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35q · 1 year
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20230329
 投稿を見返すと2年前の年初だった。夜勤の送迎のために運転してくれていた父親が、会話の途中に「今年のイルミネーションは綺麗だな。」と呟いた時の衝撃を今でも思い出せる。その時はどのように応答したか忘れてしまったが、いま私が見ている世界はこんなにも綺麗だと思い知らせてやりたいのだ。昨日今日は就職に係る手続きのために南下して、桜並木はいつ綻ぶか分からないほど色付いていた。信濃川を染め上げる朝陽が生を実感させるから、流麗な心音が全身に響いた。反射して瞳に飛び込む煌めきのすべてが、私を鼓舞しているのだと感じた。観桜も心嬉しいものだよ。感性をぶつけたいその瞼は、もう世界を映すことは無いのだろう。3月の初め、私の誕生日を越えて直ぐに父親が倒れた。脳卒中だった。職業柄の悪しき生活スタイルと過労が祟って、糖尿病と高血圧を抱えていた。以前に一度搬送されたことがあった。医師から「次は無いと思いなさい。」と通告されたと聞いた。終に今日まで一度も意識が戻ることはなかった。数日前に母が電話を取った。「家族で集まって来てください。」この列車が止まったら、直ぐに大学病院に向かうことになっている。厄災を引き摺る医療現場は親族であれど大人数での面会は難しいようで、医師の言葉の意味を全員が理解した。良い父親だった。心の奥底から出る言葉だ。良い父親だった。父親としての役割をこなして、そう、自分の理論や感情を語らない人だった。対立を避け、自ら悪者になるような人だった。父親と奥深い会話をした記憶がない。ライフステージごとにどのような過去があったのか、どのような困難にぶつかり乗り越えてきたのか、気付けば職場の名前すら知らなかった。それでも、そのような態度こそが現在の私の性格に多分に影響を与えていて、私は自身の性格を好きだから美化して繕う。印象深く残っている記憶は、[削除]ああ、愉快な記憶を掘り起こしていたら、次の次にこの列車は止まり現実と対峙しなければならない。夕刻の車内は十分に席を埋めているのに、ぽろぽろと静かに涙を流していた。今から会いに行きますね、もう少しだけ、あともう少しだけ心臓を動かしていてください。最期なのだと覚悟を決めて降車しますから、待っていてください。
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kennak · 1 year
Quote
 山間僻地五、六歳の頃のF爺F坊やは、山奥の寒村に住んでいました。村には、当時の秋田県では普通のことでしたが、電気も水道もありませんでした。F坊やは、そこで生まれたのではありません。その村は、貧しいよそ者一家の一時的な滞在地でした。山奥ですから、魚は干物か佃煮か塩漬けの物しか無く、肉屋なんてどこにもありませんでした。鶏や兎を飼ってはいましたが、自分の家の田畑が無いため食料は生き延びるのにぎりぎりの量しか手に入りませんでした。敗戦から数年後、一家の財政状態の最も厳しい時期だったようです。食べ物の好き嫌いなど言っていられませんでした。「ご飯と味噌汁と沢庵漬けと炒めたキャベツ」があれば「御馳走」のうちだったのです。人参は、嫌いでしたが、「空腹が少しは収まる」と考えて、無理に呑み込んでいました。草を刈って来て兎の餌にするのと蝗(いなご)や蟋蟀(こおろぎ)を生きたまま捕まえて来ては鶏(にわとり)の餌にするのが日課でした。鶏が大喜びでついばむのを眺め、一羽一羽に「明日も卵を産んでちょうだいね」と口に出して頼むのが習慣になっていました。卵かけご飯が「大」の字の付く御馳走だったのです。F坊やの日課がもう一つありました。灯油ランプの火屋(ほや)の内側を磨いて煤(すす)を取り除く仕事です。幼児の小さな手と細い腕でないと、火屋には入らないのです。大人になってから、アフリカなどで夜毎にテントを張る長旅をしていて電気も水道も無い生活が苦にならなかったのは、この時期の生活体験が身に着いているお蔭です。お米が配給だった時代です。この村に住んでいた頃「満ち足りるまでご飯を食べた」記憶がありません。お櫃(ひつ)が空(から)になり食卓を片付ける頃になっても、空腹は収まりませんでした。白湯を呑んで胃袋を満たして、仮初めの充足感を得るのです。親には「お腹を壊すから食べちゃいけない」と言われていましたが、裏山に行って食べられそうな野生の木の実や草の実や芋を探しては口に入れていました。野葡萄(のぶどう)や茱萸(ぐみ)の実は、幼児の舌には酸っぱくてほろ苦く渋いものなのでしたが、五臓六腑に沁み渡るような美味と感じていました。きっと、ビタミンCやミネラルなど、足りない栄養分を補ってくれたのでしょう。木の実の汁で唇や歯がいろいろな色に染まりますから、必ずバレて叱られるものでした。母は、あれから何十年経っても、キャベツ(*)を刻む度(たび)に、こう言うのが常でした。「○○村に住んでいた頃は、キャベツ(**)をこうやって炒めると素晴らしい御馳走に見えたのよね。あの乏しい食生活で、よくもまあ子供が育ったものだわ」(*)(**) 追記 2020年8月16日母が口にした元の言葉は「玉菜(たまな)」です。日本中を覆うカタカナかぶれ・西洋かぶれの波に呑まれて殆ど消えてしまった言葉ですが、残念なことです。「玉菜」は、同音異義語が無く、発音も漢字も簡単で一度見たら忘れない言葉です。復活させるべきだとF爺は確信しています。賛同なさる方が多数出現するでしょうか。 フランスに移住1968年にF爺が到着した頃のフランスの平均的な食生活は、当時の日本とは比べ物にならないほど豊かでした。キャンパスの学生食堂でさえ、ステーキなどは「普通の物」だったのです。親しくなった学生に誘われるままに自宅を訪問してご両親とも話をし、夕食に招待していただくときなど、学生食堂とは二ランクも三ランクも違う料理が出るのに感激しました。その際に殆ど必ず、事前に「何か食べられない物はありますか」と訊かれました。「ありません」と答えると、不思議そうな顔をされました。誰しも食べ物の好みはあるもので一つか二つぐらいは食べられない物のあるのが当たり前、という認識のようでした。それでも、幼児の頃からずうっと「食べ物の好き嫌いは、いけないこと」と教え込まれていたF爺は、日本での長年の習慣を引き摺って、嫌いな物でも我慢して食べ続けました。ところが、ある日、我慢の限界が来て、人参を一切れ口にした途端に気分が悪くなり、トイレに駆け込んで胃袋の中身を全部吐いてしまうということがあったのです。「嫌いなものを無理に食べると顔に出てしまうから却って失礼に当たる」こと、そして吐いてしまうのは、その場にいる人全員に不快な思いをさせるから、非常に失礼なことなのだと、ようやく、分かりました。価値観の転換です。「食べ物が極度に不足している場では正当なこと」が「食べ物が恒常的に有り余っている所では不当なこと」であり得るのです。この時から、人参を無理に食べるのはきっぱりやめました。
野葡萄と茱萸(ぐみ)の��� - F爺・小島剛一のブログ
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ryoryu-mg · 2 days
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 夏の某日。漁村の男たちはいつも通りに漁へ出る。  その中に二〇代真ん中くらいの若い男が一人。  名をイツキと言って、過疎化が進む村で自ら漁師の道を選んだ男だ。  同級生が皆県外へ就職し見栄え至上主義へと染まる中、彼は堅実に歩みを進めていた。
 両親が飛行機事故で亡くなり大学を中退したイツキは、顔なじみのオヤジどもに交じって漁師になる道を選ぶ。  彼は社会不適合者だが、海が大好きだった。  漁師というのは肉体面でも知識面でも覚える事が多く、おまけにえらく専門的で、 『陸の役立たず!』などと嫁や子供に笑われる場面が多々ある。  しかし過度な集中力と強度の知識収集癖を持つイツキにはうってつけだったらしく、今のところは上手くいっている。
 ある晩、イツキは夢を見る。  どこかの砂浜でユラユラと浅瀬に漂っていた。  温もりのある柔らかな砂を、穏やかな波が攫っていく。  手を空にかざせば浅黒く焼けた肌と入道雲のコントラストが美しく、イツキは海に包まれる心地よさを満喫していた。
 その時。ふいに臀部を何かが掠っていく。  浅瀬にしては結構な大きさだった。  イツキは姿勢を変え辺りを見回すが、景色は先ほどと変わらず沖へ流されている気配も無い。  と、何かが彼を真下から押し上げた。  まるで犬猫がじゃれつく様に、何かがその巨体を擦り付けてくる。  大方イルカや小型のクジラだろうと、イツキはそれの鼻先を撫でる。  背ビレには擦り傷が無数にあり、根本が少し欠けていた。
 しかし哺乳類にしては随分と尖った背ビレだな……などと思っていると、その近くに奇妙なモノを見る。  大きな裂傷が、胸ヒレの近くにいくつも入っていた。  まるで巨大なカギ爪で引っ掻いた様だ。  海の哺乳類は厚い脂肪を纏っているとは言え、この深さの傷を負って元気でいられるだろうか? ――致命傷だろう。
 そうこうしているうちに、謎のデカブツは首をもたげこちらを見上げてきた。  鼻先はハンチン���帽のつばを肉厚にしたような形で、目は光を吸い込む真っ黒さで、口は大きくナイフの様な歯がビッシリと並んでいる。  デカい。三メートルは優に超える立派なサメだ。  齧られたら一溜りも無いだろう。  しかし奇妙な事に、イツキは特に恐れも無くサメを撫で続ける。  そもそもの話、サメからしたら人間というのはローカロリーなのだから、彼(もしくは彼女)がこうしてコミュニケーションを図るには理由があるのかもしれない――  イツキがサメの鼻や背中を優しく撫で続けると、サメは胴体をずるりと押し付け「こちらへ来い」と手招くように振り向く。  試しに背ビレに掴まると、サメはイツキを連れて広大な海を泳ぎ始めた。
 イツキは様々なものを見た。  極彩色の魚が泳ぐ珊瑚礁、朽ち果てた沈没船、巨大なクジラが回遊する氷河の下、古代文明の水中遺跡……。  実に美しい情景だった。
 そうした遊覧を終え、イツキを乗せたサメはあの砂浜へと戻る。  彼が背ビレから手を放すと、サメは名残惜しそうに身体を摺り寄せ、そのまま沖へと泳ぎ去った。
 目を覚ましたイツキは、はて奇妙な夢だと首を傾げる。  仕事で沖へ出るも、夢で見たサメの事が頭から離れない。  あまりにボケっとしているものだから、仲間の漁師らに怒鳴られる始末だ。  仕方なく、彼は夢の事を話してみた。
「はぁ~! お前そりゃア、魅入られとるな!」  イツキが聞き返すと、漁師らは古い伝承を聞かせてくれた。
 曰く、海には美しいヒトの貌を持つ異形の魚がいて、気に入った人間を水難から助けたり、時に喰らうのだそう。
「大方、昔の人間がサメやらシャチやらを怖がってそう呼んだんだろうなァ」  ひとりがそう締めると、他の漁師が口を挟む。 「言ってもよぉ、俺の先代の話じゃア人魚を招いて宴会したって話だぜ」 「あァ~、網にかかった人魚をもてなしたんだって、ウチの婆さんが……」
 その日は曇天で、魚もあまり獲れない日だった。 オヤジどもの雑談を黙って聞くイツキだったが、ふと遠くに白い尾ビレを見た。  扇の様な形はクジラのそれだろうか。  周りに幾つかの小さい黒い尾ビレが肉眼で確認できた。  彼は声を張り上げ周囲に呼びかける。  この辺りでクジラが回遊するなんて聞いた事が無い。  騒ぎを聞きつけた船長は、双眼鏡でクジラの群れを見るなり顔面蒼白で「陸へ帰る」と言いだした。
 胸騒ぎを覚え、イツキは船長に訳を聞く。 「あの白い奴はダメだ。アレはもう何隻も沈めてる」  そう言うと、船長はドタドタと船内へ引っ込んでしまった。  イツキは他の漁師と協力し、声を張り上げ撤収作業に勤しんだ。  が、イツキがふと海洋へ目をやると、どうしてかあの白黒の群れが船のすぐ近くまで迫っていた。
 船は唸りを上げて全速前進しているのに、クジラは悠々と船を取り囲む。  不意に潮吹きの音がいくつも聞こえ、白い尾ビレがゆっくり沈むのが見えた。  真っ白な巨体が垂直に、船の真下へ潜っていく。  この世の終わりの張りつめた空気の中、その場にいた全員がただ海面を見つめていた。
 次の瞬間、船体が揺れて甲板が大きく傾く。  下から突き上がる圧倒的重量に船体が悲鳴を上げ、他の漁師がぼたぼたと海へ投げ出される中、イツキは船縁にしがみつきソレを見上げた。  真っ白い大きなザトウクジラだった。  海面からそそり立つ巨体がこちらへ傾いてくる。  奴は船を見据え、こちらを押しつぶさんとしていた。  イツキは咄嗟に甲板を蹴飛ばし、船から離れようと試みた。  彼が着水する間際、木材と鋼が軋む音が辺りに響き渡る。  そして漁師たちの悲鳴を全て塗りつぶす様に、あの白い巨体が海面へ叩きつけられた。 クジラが沈むのに合わせて海水が渦を巻き、イツキは海へ引き込まれる。 息もできず、見渡すばかりの碧い海で、イツキは船だった瓦礫と共に沈んでいった。
 大抵こうして生命の危機に瀕した人間は、やれ走馬灯だの後悔だのが頭をよぎるものなのだろうが……イツキには走馬灯になる程美しい日々も、やり残した事も無い。  ただ、死を許された安堵があった。  彼が逆らう事無くただ沈んでいると、目の前にクジラではない灰色の影が現れた。  影はイツキへ問いかける。 「どうして……生きようとは、思わないのですか」
 親無しの自分が、ただ一人だけ生き残ってどうすると言うのか。  自分はこの村で、彼ら船乗りに生かされているのだ。  船を失った今、自分ひとりでは只の『陸の役立たず』ではなかろうか――。
「俺だけが生きて世界が変わるとでも?」
 そう言葉にすると、彼の口から気泡が溢れては海面へ上っていく。  どうやら彼は頭から真っ逆さまに沈んでいる様だ。  まるで身投げでもしたかの様な有様である。
「私の世界が変わるのです」
 灰色の影はそう言って、こちらへと近づいてくる。  そんなの知った事では無い、勝手にしろと、イツキは無抵抗に目を閉じた。
 漁村近くの浜辺。目覚めたイツキは訳も分からず海水を吐き散らす。  鼻や目の奥に塩気と痛みを感じながら、イツキは誰かがこちらをのぞき込んでいる事に気付いた。
 逆光で顔は見えないが、彼の頬をそっと撫でる手は柔らかくひんやりとしていた。  朦朧とした頭では掛ける言葉も見つからず、そうこうする内に人々の騒めきが聞こえてくる。  顔の見えない誰かは、イツキをそっと浜辺へ寝かせ何処かへ行ってしまった。
 イツキがどうにか身体を起こすと、彼を見つけて顔見知りの者が駆け寄ってくる。  先の騒ぎを聞きつけ救助活動に当たっているらしい。  イツキが辺りを見回すと、さざ波の合間に浅瀬から沖へと向かう傷だらけの背ビレが見えた。
 数日後、地元の新聞記事にこんな見出しが出た。
『奇跡の生還! 海の怒りに触れ海難事故となるも全員救出‼』
 そうである。あれだけの大層な事故(というか殺人まがいの出来事)にも関わらず死者が一人も出なかったのだ。  もしかして、あのクジラは漁船を縄張り荒らしのライバルと勘違いしたのでは……などと他愛のない事を考えてみる。  するとアラームが鳴り、イツキに面会の五分前だと告げた。
 イツキは船長や仲間の漁師を見舞いに、彼らの入院先へと向かった。  八床のベッドが並ぶ大部屋には船乗り達の加齢臭と強めのアルコール臭が充満していて、彼は入って早々に窓へと走る羽目になる。  窓を開け放ち入り口のドアを全開にすると、清々しい風が吹き抜けていった。  手土産の塩辛いツマミを渡しながら、イツキは今後について船長に訊ねる。  船長は彼の神妙な面持ちを「心配するな」と軽くあしらい、コッソリと耳打ちした。
「組合のモンから聞いたんだが……あの後、近くにいた船で人魚が掛ったらしい」
 曰く、『美しい女の人魚で、怪我をしていたので保護した』とのこと。  そして村の習わしに沿って彼女をもてなす宴会を開くのだが、人魚にその話をしたところ「イツキを呼んでくれ」の一点張りで困っているらしい。  イツキは二つ返事で、宴会の誘いを了承する。
 それから数週間が経ち、人魚が還る前の晩に公民館で宴会が開かれた。  参加者は主に村の漁師らで、主役たる人魚に大漁を祈って酒をガバガバと飲み干した。
 夜空が微睡み、あれだけ騒いだ漁師らが寝落ちした頃、人魚はイツキに村を案内してくれないかと頼む。  酒の飲めないイツキは自車の助手席に人魚を乗せ、ドライブへと出た。  とは言っても、村には役場と魚市場と何かの遺跡跡しか無く、どれもエンタメ性に欠ける地味な場所だった。  イツキはミニマムな田舎道を器用に走りながら、助手席に座る人魚を時折盗み見る。
 彼女は確かに人魚だ。  うるうるとした黒髪から覗く横顔はどこか日本人離れしていて、唇の色形がとてもきれいで端正な顔をしている。  そして、あばらの辺りのエラとへそ下から繋がるスリット、少しザラザラとした灰色の背中と、柔らかく冷たい真っ白なお腹が彼女を人魚たらしめていた。
 イツキは「日が昇る前に」と、彼女を浜辺へ送り届ける。  明け方のマジックアワーの下、彼は人魚を助手席から抱き起して浜辺へと座らせた。  正直な所、港から海に投げ込んでも構わないのだ。  ただ、二度と逢えないだろうと思うと妙に名残惜しくなって、イツキは人魚を浜辺へ連れてきたのである。
 イツキが人魚の隣に腰かける。  人魚は彼の腕をそっと指でなぞった。  水掻きがあり、それでいてか細い女の手が、血管の浮き出た褐色肌の上を辿る様に滑っていく。 「ここ。血が出てます」  人魚の指先が触れるとヒリヒリと痛む箇所。  どうやら彼女を抱き起こす際に擦り剥いてしまったらしい。  人魚は左手の薬指を己の唇に当て、その鋭い歯で掻いた。  何をするのかと眺めるイツキの腕をそっと取り、擦り傷に血を塗り込む。  傷は跡形も無く消えてしまった。
 人魚に纏わる伝承。  その血は万能の妙薬となり、その肉は食す者に不老不死を与える――
「ねえイツキ」  人魚は彼に甘く囁く。 「私の肉を喰らいなさい」  訳が分からなかった。「どうして?」と人魚に聞き返す。  彼女は只笑って 「貴方には生きて欲しい」  と言った。
「――いや。いらない」  イツキは人魚を押しのける。  親が死んでヤケになって、そんな俺を拾ったのはここの人で、あの船乗り達なのだ。  人魚の肉など食らったら、恩も返せないまま戻れなくなるだろう。
「俺、結婚してんだ。子供もいる」  嘘だ。こんな顔で言っても説得力に欠けるだろうに、ほんとバカだよなぁ。
 人魚は驚きの表情一つ変えないまま、ぽろぽろと涙を流した。  涙はきらきらと眩しい宝玉となって、二人の足元へ落ちた。
「――分かりました」  彼女は突然、イツキの腕を握り潰した。  余りの痛みに彼が身を引くと、人魚は彼を押し倒し砂浜へと沈める。  細腕に見合わぬ剛力で首を絞められ、イツキは訳も分からずこと切れた。
 人魚はイツキの亡骸を胸に抱きしめ、声も出さずにただ彼の顔に宝玉を降らせた。 「頂きます」  人魚はイツキだった肉塊を全て平らげ、静かに海へと還った。
 どうして、上手くいかないのか。  私だって、大切なものを守りたい。  好きな人間には末永く生きていて欲しい。  ただそれだけの願いが、どうしていつも叶わないのだろう?
 人魚は深い海へと潜る。鮮やかな情景が過ぎ去り、碧く重たい暗闇が視界を塗りつぶしても尚、人魚は深みを目指し続ける。
 もう、過ぎた事だ。  あのひとは私の血肉となり、私は今もこうして生きている。  それで充分じゃないか。  また、貴方の知らない海を沢山見せてあげる。  今度は何処へ行こうか?  私の大好きなイツキ。私の、大切な――
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khrbuild · 18 days
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サンサンやめて〜!
まさかの九州上陸からの週末に近畿接近て、
週末は男キャンプの予定だった。
和歌山県有田市にある遠井キャンプ場の楽しみはキャプ場の前に流れる有田川で
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キャッキャ言いながら、おっさんが童心に帰れるイベント、
それがサンサンの到着が遅れに遅れ
川が増水して遊べそうにないので、
キャンプは延期(^_^;)
取り掛かっていた、貝塚市水間寺境内の桜のテラスの外壁工事。
なんとか台風前までにと皆さんの協力で足場も解体できて完了!
古くなったコンクリートの壁をガルバニウム鋼板の角波と言う形状のもので覆う工事。
Before♪
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after♪
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そして、桜のテラス1階の入口には
幼馴染の先輩の鉄鋼所のかぁーくんが来てくれて、バチバチッて溶接などしてもらって
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段差のあった入口にスロープを設置してもらいました。
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また桜のテラス2階の休憩所兼イベントスペースに上がる階段には
手摺が設置できました。
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これでご年配の方も安心して来てもらえますかね。
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とほんと慌てて台風前にと頑張りました。
そして先週の作業を全て今週にずらしたら、
結局大阪の泉州はあんな感じやったでしょ(^_^;)
そして天気ええもんやから週末は
暇、暇、暇。
と言うててもしょうがないし、盆もそんなに休みなかったので、遅れた夏休みいただきまして、
1日は滋賀県にちょい遠足で
びわこベースという小さな水族館に
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ほんと小さな一軒家の中に小さな水槽が沢山並んだ可愛い水族館です。
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お昼に行くと餌をあげる時間で、サンショウウオ、カエルに魚と滅多に見れない食事シーンが見れました。
次の日には、須磨シーパラダイスに
イルカとオルカショーをみて、
これいい写真じゃないw
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もっと掲載したいけど、これ以上写真添付できない(^_^;)
また機会があれば見てやってください。
とまぁ、なんやかんやと先週はすっかり台風に振り回された1週間でした。
とにもかくにも泉州はほんと被害も無くやり過ごせたことに感謝して、今週からまた作業頑張ります。
貝塚市水間町 新築 リフォーム坂口建設
貝塚市 岸和田市 泉佐野市 泉大津市 和泉市 泉南市 阪南市 熊取町 忠岡町 田尻町
天然素材スイス漆喰カルクオウォール
リボス自然塗料取扱店
貝塚市水間町 新築 リフォーム坂口建設
貝塚市水間寺境内桜のテラス外壁工事
貝塚市水間寺境内桜のテラススロープ工事
貝塚市水間寺境内桜のテラス階段手摺工事
貝塚市水間トイレのリフォーム工事
びわこベース
兵庫県須磨シーパラダイス
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kotobatoki-arai · 25 days
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crackの踵、鎮座するうららかな痺れ
たとえば手摺と鍵、或いは爪を噛む白い手が、古雑誌の栞の意味を摘む、この誰かの肉声は(あわくって。)ならそれで適当な木目地を愛で謎るだけで、高い空を遠い道程を走りまわる短い風だ 赫ヰアルバム(Sonosheet)に熨せた旅愁のひとつだ 聴いたか? 手がかりひとつなく途方もなくナマイキな口を叩く脆そうな開花に。いまを染上げる落陽は秒のひとつもパッと膨らんだとして、またぽっかりとあいた水辺として、ぱしゃんとほとばしり、ひそやかに手放すまえにある ――ああ、いまにして瞳は観覧車を 足取りは終列車よぅ 切り揃えられた静謐に絡みついた夜に、苹果は体を丸め自虐の砂礫にごぅと削ぎ落とす、燃え上がって。慎ましく多すぎる修辞に、一点の設問の夏日にくちびるがぽつりぽつりと尋ね回る、おぼろげな引き潮は歪んでみえるけれども、温厚な弦と痛烈な弓をつきあわせるばかりの、浅ましく疼く誰かと激しい動機を平穏にカケハギ、無音のなか古いオンナのおむつをかえる仕種よ まったく(あちらからおしよせるチェンバロの この手の洪水だぁ)脅しているのではないか、といくつかのあなたもこの眩暈のなかで、すり混ぜたように己自身と心中する けれどもね。折り曲げられた仏頂面は貪欲に北風に逆らって、このラブラドライトの杜として 分解する月や太陽の もうすこし、もうすこし (睫毛が濡れている、)側面はもっと、最も「奇っ怪なこと、といったら重ねるように。」おかしいったら ありゃしないのよ たとえば臍に沿う。露わ。座礁した無類の息吹が桟橋を亘れば、ていだらぽっちの立て爪も陶の花のブローチも、「もうこえもとどかないだろうがねえ。」降って湧いた血がごうごうと唸りながら、どっと握拳に雑り 求めていたもんは、札を欲しがる白虎の子の、経過なり ひかりだったのかなと。うすぼんやりと上まぶたに貼り付ける髭と頬と、それから、緩んだ…… 〈かれはでも――燦々と泣いてしまえば〉 過去のワタシも、未来のキミ も16の娘も土壌も父も大海原も桜の樹の下で、 (その狸かい、鸚鵡かい?) まあ すげて、〝でも こたえもない けれどもね〟 わしゃわしゃしているだろう この空っぽなアタマで、骨が溶けてしまいそな 乾季のお天道様だってよ。翠雨の平行線を波々と蹴散らしていく 酸味ばかりの。痛みを賭した、やわらかなよみがえりの通信記録を 焚き点けている、この生きた証よ 糸を引く斜光が若葉と戦いでいる気がする。ふらついた肩口だけ煙霧に逃げ延びていった。白樺の根に蔦が絡まり小言を窘めるような暮らしぶりを便りに認めては、はめ込まれた生活からはなにも生まれやしないものだから、彫り進んではなにもかも、餓えて死ぬまでが逢瀬みたいなものだと靴を揃えて、老いた者だ  名も知らぬ花が咲き実を結び、とおくながく眺めていた  水銀の陽炎が塗り替えた真空に、退けられた潮騒と  ほんのりとした墨絵の、苦々しい微熱の行方、融け合った結果論だよ 『自然とは やけに腥く美しく、落葉と 共に。         (著:この駄馬の黄ばんだ歯は)』      ~隅々まで汚染された殻を。    ランプの火を、花緑青にて締め付けられる~ ドタバタとした調声輝音をいただく。 口元のそこは人懐こく  くぐもった熱に浮かされるよう、 愛想尽かした どぎつい花を。 時間停止の余波に繋いでみせる /朧な細月とばったり(一息、) むきだしの鉛の氾濫で、 あれは孤島へのトビラ(と馴染み。) 帯という琴の場だ。綺羅びやかなやまひだの甘い悔恨に乾いたほつれみを いっぱい 氾濫させた、あさかぜの 気晴らしの時代。ともふかく毒々しい万華鏡を覗く かのように。虚像の天変で、(ポケットから色褪せた写真が朽ちる。)あんたがたの後日なんぞ 知りゃしないがね/わたしたちはまだまだ まばらな剥製に蓋をするのさ 2024-03-23
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oivgbqiqfz358 · 2 months
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--深海人形-- とても人(型)とは呼べない異形
※閲覧注意
※キャラ崩壊注意
※後半クロスオーバーネタ注意
※好きなモビルスーツ・アーマー
一位ガンタンク
二位ゲルズゲー、デストロイ
続きは↓
グレイズアイン
五位 試作三号機
他、バウンド ドック、風雲再起(馬が乗る方)、Ξ、ν、シャンブロ、バクゥ、ジェガン、ハシュマル、FA-ZZ、ガイア等。
戦車は大嫌いだけど、何故かガンタンク先輩の事は気に入って居ます(※あのいかにも玩具な感じが良い。癒し)。…で、ヒルドルブとか陸戦強襲型ガンタンク好きかって言うと……別に、…って感じ……(※彼奴等モロ戦車じゃん……)。
?「あれれ〜?この中に私の作った奴が無いぞ〜??(The Oが無い時点でアレだぞ〜〜??)。」
普通に無いよ⭐︎(※冷淡)。
…。
今、某国の観光客大勢が神使である奈良の鹿を揶揄ったり足蹴にしたり鹿が消化出来ない物食べさせたり虐めてるのが日本人の間で大きな問題になってるけど、ならば、逆に某国人(館主様とふーけつと後何か弓兵)を奈良の鹿にしようぜ(彼奴等が神使になるだけで神様と地元の方々に迷惑なので辞めてあげて下さい!!!!!!!!!!!)。
…でも、神様には本当に悪いですけど、彼奴等が奈良の鹿になってたら、月二のペースで奈良に通います(※約束)。
ttps://x.com/Hongnumongol99/status/1815192716462219297?utm_source=yjrealtime&utm_medium=search
ttps://x.com/keiseisuzuki/status/1815082685842571753?utm_source=yjrealtime&utm_medium=search
ttps://x.com/K_thinking08/status/1815271588025278689?utm_source=yjrealtime&utm_medium=search
ttps://x.com/ksygwsh103/status/1815243681215271144?utm_source=yjrealtime&utm_medium=search
…。
ワイの中ではシロッコ=ダバ、キャオ=ヤザン、アム=サラみたいな感じ(※ダバは彼奴と同一視みたいにされるの嫌だろうな……)。
エルガイムは良いアニメだよ(※あの儚さと素朴さと懐かしさと切なさが良い)。
…。
…『自分の好きな物を人に嫌いにさせる、忌むべき存在にさせる天才』とか言う厄介ガノタみたいな奴って居るよね?(※其う言うオタクが界隈を衰退させるんだよ……)。
…。
確かに、オリビーは正気に帰るか、死出に旅立つかで両者は解放されるだろうが、放射能汚染で原爆症になったキャオはいずれ早い内に死するだろうし、死ねば帰って来ない。改めて悲しい話だ。エルガイムは。
…。
本当は種ミリ知らなU.C専門勢の為にも『デザイナー ベイビー』と言うべきなんだけど、つい��いワイは、『コーディネーター』と言ってしまう。
…。
U.Cで、C.Eみたいに、シロッコとかプルシリーズの所為でブルコス思想めいたのが蔓延したら面白いな(鬼畜)。
…。
ガトーは只管生きることよりも、戦いの中での玉砕を選んだ時点でメンタル弱い方だと思う。…ガトーとかデラフリ推し勢が確実に彼等より下の存在だと見下してるシロッコ���かヤザンの方がメンタル強い(※確信)。
…。
ティターンズよりブルーコスモスの方が人気あるよな?如何して此処迄差が出るのだろう。思想似たりよったりの癖になww(※…確かに、真面目に、自分達の主張に忠実な分、ブルコスの方が優秀笑)。
…。
※不妊蚊で蚊撲滅キャンペーンのニュース見て思い付いた(※コーディ達を完全に害虫扱いして居るブルコスネタ)。
ブルコス上層部「コーディネーターは代を重ねる度に繁殖出来ず、其の数を減らして行くと言う。そんな中に不妊コーディーネーターをバラ撒いて置けば我々の勝ちなのでは?!?!!!(※勝ちを確信)。
盟主王「…名⭐︎案!(※其れだ!)」
Zaft「(※不妊コーディネーター弾く為に)婚姻統制するね……(※半ギレ)。」
議長(※婚姻統制の犠牲者)「全人類を幸せをする為にDP用意しました(※覚悟ガンギマリ)。」
※…尚、其の不妊コーディネーターは、廃棄処分決定の戦闘用コーディ他色々な所から様々なルートを駆け摺り回って集めて来たコーディを"再利用"し生体CPUを作る技術で拵える模様(※…先ず、遺伝子操作技術不要じゃないとな……)。
…。
※…以下、閲覧注意
おっちゃんタンク(おっちゃんの上半身をガンタンクはんみたいな下半身に換装)みたいになった陸戦用木星帰りとかアナベル君みたいなネタ考えてた(※木星帰り的には、タンクはんのキャタピラよりゲルズゲーみたいな多脚足の方が相性良いかもね)。
そして堂々とキャタピラとかの上に乗って来るヤザ氏(※何時の彼奴)。
「隙あらば俺を轢き潰そうとして来るのは辞めろ。」
「すまん、実に君(お前)は邪魔極まり無い物だからな(※…そして、先制交通ジオへ……)。」
…。
※Effigyネタ注意
※モブキャラ注意
※閲覧注意
※ショッキング展開あり
※R-15&セクハラ描写注意
※参照: 過去記事 --深海人形特別篇-- プロジェクト グランドフィナーレ 準備号 館主様と蒼傑達は噛ませ犬
----「パプテマス・シロッコ」はどんな男だったかね?
----……… 面白い奴でしたよ
----MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
シロッコのティターンズへの謀反は、魔人(Effigy)達に拠り鎮圧されて、彼はジュピトリス共々拘束された。その後、ジュピトリスは木星公社の嘆願もあり、解放され、ティターンズと地球圏から逃げる様に木星へと出発して行った。…但し、かつて、其の輸送船の艦長であった存在だけを残して。
----今のシロッコ、…何だか人形みたいだな……。
シロッコがティターンズに拠って、準魔人(Semi-Effigy)よりもずっと強いRXQ-01,02,04の様な魔人(Effigy)に加工されて帰って来た時、ヤザンは大きな衝撃を受けた物だった。
噂では、自我と心を壊された、魔術と科学のハイブリッド的な強化人間?と彼は聞いては居たが……。
左目だけが金色の目、ティターンズらしい黒い服、無駄に美しく整った顔立ちと紫の長髪、虚ろな目線に表情……、見れば見る程、まるで、無理矢理、見た目麗しい人型に押し込めただけの異形としか言い様の無いいでたち。
其の時、シロッコが魔人に加工処理される迄、RXQ-03が欠番であった事をヤザンは思い知る。ティターンズは、ずっとシロッコの様なニュータイプが、自分達の懐に入って来て、彼奴を魔人に改造出来る機会が来るのを、ジッと気を長くして待って居たのか……と。
…、
「なぁ、何でだよ。シロッコ。俺の事をずっと関心持って見ててさ、ずっと莫迦にして来て、からかっててさ、いっつも『私でもよく分からない奴だから面白い』って俺の事面白がってたじゃねぇか。」
あれから、ヤザンは----シロッコの自我と心が悉く破壊されて居る事を噛み締めながら、----何とか----今現在スタンバイ状態に入って居る----シロッコに何らかの反応を……、
「…なぁ、シロッコ!!オレの事分かるか!?!??!?」
返事をさせようと頑張って居るのだが、其うやって必死にやって居る内に……、
「……なぁ!シロッコ!!!!!いい加減に返事をしろよ!!!!!」
其処で、以前から熱烈なシロッコヘイトのアンチだったティターンズ将兵二人がやって来て、如何にもワルな、嫌らしい感じで薄ら笑みを浮かべながら陰口を、此の時は、如何にも、子供っぽい、幼い見た目の生意気そうな態度の方が叩きはじめる。
「何してるんです?ヤザン大尉?又、何時もの性的嫌がらせですか?!??!」
「違う!変な風評被害流すな!!!!!」
其う答えるヤザンを後目に、偉そうな態度を取って居る方が、今度は、RXQ-03の陰口を言い出した。
「此れが昔、シロッコだった物か。何とも面白い物だな。全く良い気味だ。今の此れはティターンズを乗っ取ろうとした報いでしか無い!さぁて、此れからは、散々、生体作業機械やら生体ユニットやら生体兵器としてコキ使われるだろうな。まっ、同情する気も無いがね!」
「中佐!其んな事を言うのは!」
相手が上官の為、野獣と呼ばれる彼らしくも無く、優しめで柔らかめの言葉遣いで反論しようとするヤザンだが、もう一人の将兵----階級は中尉----も続く。
「大尉も懲りないですよね。シロッコ、シロッコと。既に、何処にもシロッコって人は、居ませんのに。」
その陰口に野獣らしくも無く、其の中尉に対して強く反論する。
「いや!此処に居るじゃねぇか!!!!!シロッコは!!!!!!巫山戯た事を言うんじゃねぇ!!!!!!!!!!」
だが、相手は非常に人として冷たかった。
「其れは元其うだった人ですよね?昔みたいに大層な事も偉そうな事も生意気も言わない、自主的に、自分の意思で、MSもMAも作らない、女が頂点の社会を作ると言う理想も掲げない……、最早、死んだも同然では無いですか?人間として。」
「…………。」
----違う!…其んな事は無い。其んな事は絶対無い……!!
一瞬、中尉に殴り掛かろうと思ったが、其の側に中佐が居る----此処で殴ったら絶対に面倒事になる----ので、其れを取り止め、只管我慢して、自分を押し潰し、必死に沈黙する。
其んな時、此の状況に飽き飽きして居たのか、中佐は、中尉に声を掛ける。
「中尉、時間だ。早く仕事に戻ろう。…其れから、別れの挨拶は、ちゃんと、礼儀正しくするんだぞ。」
「嗚呼、其うですね中佐。早く行かなくてはなりませんね。…其れから、最後に大尉。」
其の台詞の続きとして、中尉が最後に、此う親切心(?)で言って二名共々場を去る。
「其れ何度やっても時間と付き合いの無駄ですから、良い加減に諦めた方が良いですよ〜〜!!!」
「…煩ぇよ!余計な御世話だ!!!!!此の野郎!!!!!!!!!!!!」
此の如何しようも無い親切心(?)に対して、流石のヤザンも遥かな大声で中尉に怒る。
「あっははははははっ〜〜〜!!!!!!」
「…やれやれ……。」
如何やら中佐も…、此の中尉の子供っぽさには常日頃から頭を悩ませて居た様だ。
…、
「おーい、シロッコ、おーい!!」
何度も何度も、ヤザンは、あれから機会がある度に、声を掛けて返事をさせようとするが……。
「……。」
相変わらず、RXQ-03は、何も、返事をしない。
常に、機械的に、ただひたすら、上官(マスター)から与えられた作業と仕事と任務を熟して、其うで無い時は、スリープモードに入って居るか、スタンバイモード----他の将兵達の遊び相手か玩具にされて居るだけだ。…其んなある時、ヤザンはRXQ-03の股間を掴んで軽く握り潰すと言う"何時もの儀式"を決行した事があった。
「…お前、昔は、オレに一度も触らせなかったよな……。」
彼が其う言う通りに、昔、RXQ-03がRXQ-03として加工される前、或いは、シロッコがシロッコだった時、シロッコは心底此の『スキンシップ』を嫌がって居た所か、触りに近付くヤザンを事前に察知し、いざヤザンが来た時、先手必勝とばかりに馬かトナカイの様に蹴り飛ばして逃げて、遂ぞ一回も触らせ無かった。
だが、今のRXQ-03は嫌がりもしないし、触られる前にヤザンを蹴り飛ばしたりもしない。されるが儘。相手に玩具にされるが儘。少し恍惚の表情で受け入れるが儘。
「…畜生……!!シロッコを此んな風にしやがった奴等めが!!!!!!!!」
此処で、しっかりと、はっきり絶望した。
----此んなの、人間にして良い所業じゃねぇ……!!
そして、ヤザンはシロッコの頭をぐしゃぐしゃと撫で回して、目に涙を溜めながら言う。
「すっかり、つまんねぇ奴になっちまったな。シロッコ。」
…。
※クロスオーバー?注意
シロッコと交流を持つのがヤザンの代わりにガトーだったら(※ガトーがヤザンの代わりの理由:ガトーはヤザンよりもずっと良い見た目をして居るから。ジオン残党狩りの為に設立されたティターンズとか言う根深い要素無視)。
「君には私肝煎りの、此のMSをやろう。ハンブラビだ。」
「要らん。」
  終
制作・著作
━━━━━
 ⓃⒽⓀ
…。
アクシズかネオ・ジオンで若手かミネバ様の護衛を務めるガトー見たい(※完全に騎公士ですね!!!!!!!)。」
某エゥーゴのグラサン「おはロリ⚪︎ン(※明らかにガソダムさんのノリ)。」
…。
ガトー「此の私をロ………に目覚めさせたのはミネバ様だーーーー!!!(※最悪の決め台詞)。」
某赤い機体に角付けたがる人「良いぞ!もっと闇(※ロリ⚪︎ン道)に落ちろ!(※大歓喜)。」
…。
※クロスオーバー?・男リョナ注意
ヤザン、ジェリド他ティターンズに虐められて暴力振るわれる捕虜のガトーが見たい(※何時ものワイ)。
…で、ヤザンはストレス解消とか楽しみでガトーをサンドバッグにしてたけど、虐めて居る内に、段々と申し訳無くなって来てヤザ氏が虐めてた事を謝ってガトーと友達になったんだけど、其処で友達の居ないシロッコが何かめっちゃ羨ましそう目で其方の方を見てる(※如何言う関係性だよ?此奴等……)。
…。
※クロスオーバー注意
アナベル・ガトーとマイヨ・プラートは違う。R-9AとR-9Adelta位違う。FAZZとFA-ZZ位違う。然し、ブレア御嬢様は其の違いが分からず、同一人物だと思って居る様です。
ブレア御嬢様「…何故ですの?!全部同じじゃないの?!(驚愕)。」
ガトー「…もっと、よく見てみろ!これだから素人は(遠い目)!!」
…。
館主様を生体ユニットとして、直結した超性能汎用量産型機体みたいなの出したいよね(グレイズアインかよ)。にせウラキ=館主様の方がずっとマシ?其う……(※宗だけになww)。
…。
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czrscr · 4 months
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出会いも別れも、人の御業。/一度あるなら二度はある。
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 髪を切ったから、もしかしたら気付かないかもしれない。  ──なんてのは、どうやら杞憂だったらしい。  大学のキャンバスをほっつき歩いていたさなか。  前方から向かってきた学生が、落ちた何かを拾おうとして、派手にリュックの中身をひっくり返した。屈んだ際に、ドザザザザザと。正に一瞬。まるで漫画の様なぶちまけっぷりに、夏油は思わず吹き出した。 「ぶはっ」 「……おい」  目の前の白い後頭部から低い声が響く。盛大に笑ってしまった手前、手伝う気持ちで彼の足元へと屈む。 「いや、笑ってしまってすまない」  彼が拾おうとした指の先を追えば、学生証が目に入った。案の定「五条悟」と記載されていて、やっぱりねと思う。まあこんなつむじの根元から真っ白い髪の持ち主なんてあの旧友くらいだろう。それには触れずに、夏油は含み笑いは堪え切れないまま、リュックから落とされた書類やノートを拾い集めた。 「これで全部かな」  はいどうぞ、と落とし主へ手渡す。落とし主──五条は少々仏頂面だったが、受け取りながら「どーも」と会釈した。  覗いたサングラスの瞳からは、どこまでも他人行儀な色が見える。髪の毛が耳に掛かるくらいまでしかない今の夏油を見ても、からかいの言葉ひとつ飛び出やしない。どうやら本当に、目の前の友人は自分のことを覚えていない様だ。そのことに、夏油は正直、ほっとした。  袂を別ったやつのことなんか忘れて、しあわせになればよかったのに。  夢幻に思われた空港での邂逅で、思っていても口には出さなかった、ひとつの本音。  告げるべき時は今だろう。 「いいえ、良いキャンバスライフを」  淡いさよならを滲ませて。目の前の親友だった男へ、心の底から祝いの言葉を掛ける。  返事を待たずに、夏油はその場を後にした。  縁があればまた袖触れ合うこともあるかもしれない。もしかしたら、今生これきりかもしれない。  それでもよかった。  この世に生を受けて早十八年。物心ついた頃にはいわゆる「前世」とやらを憶えていた夏油少年は、自分が持ち得るツールを使って、ありとあらゆる可能性を調べた。図書館やネットで年間行方不明者や都市伝説系な噂、かつて高専が���在した地域など。調べて、調べて、そしてそのすべてが空振りに終わった時、やっと心から実感したのだ。  どうやらこの世に、呪いや呪霊なんてものは無いらしい。  何より、今の夏油にはもう呪霊など見えなかった。幽霊だって一度も気配すら感じたことは無い。つまり自分は、あの頃「猿」と呼んだ人々と同じ存在になったということで。  そのことに気付いても、夏油は特に何も感じなかった。ただ、そうなのかと腑に落ちただけ。  結局のところ、あの環境から完全に脱却してしまえばそんなものだ。そんなものに自分は拘って、己と他者の命を賭した。  かつての行動に後悔は無い。しない、と言った方が正しいか。例え他人から見ればどれだけ無駄で無意味な行いだろうと、あの頃の夏油には必要だった。自身が捨て、篩にかけ、屠った者たちを無駄にしない為にも、果たさなければならない大儀だった。けれど、呪いなんてものが存在しない今生でまで、引き摺るほどの禍根もまた、無かった。  ありはしないのだと、今なら言える。  なら、もうそれでよかった。  呪霊がいない世界。術師が──仲間が、いたずらに命を奪われない世界。非術師を憎まなくてもいい世界。それが叶ったのだから。  感傷なんてものは、全部全部、あの頃に置いていけばいい。  君もね。
 天気は快晴。  まるで親友の瞳の様に鮮やかな青さが広がる空を、夏油はただただ、満足そうに見上げた。  ──なんて、殊勝なことを思ったものだが。 「そういや傑、髪伸ばしてんの?」 「今結構長めだよな」五条が夏油の首筋から肩口あたりを目掛けて、無造作に手を突っ込む。するする。指で横髪を梳いたと思ったら、そのまま五条の腕は反対側の肩へと着地した。抱き寄せられるまま、「こら、悟」と小さくぼやく。そこで、ふと。ぼさついた髪の毛を整えながら、夏油はちょっと、はっとした。  ──そういえば、昔は悟に髪を触らせたことなんて無かったか。  ここに来て初めてのことも、どうやらまだまだあるらしい。  正直な話、今となっては五条の記憶があろうと無かろうと関係なかったな、とは思っている。自分たちは結局また出会い、友人になった。あの頃の境遇��環境以外でも、どうやらちゃんと友誼を結べる下地があったらしい。  特に今生なんて最近の記憶だというのに、どうやって仲良くなったのかがさっぱり思い出せない。ただ、目が合って、会話して、一緒にいる様になった。それだけだ。本当に、ただそれだけだった。  けれど。  それだけ、ってのがきっと、人の出会いには大事なのだろう。 「実は前にもロングだった時があってね。久し振りに伸ばそうかと」 「へえ、いつ?」  五条の問いに、夏油はふっと閃く。  もしも髪があの頃くらいまで伸びて、五条が思い出したりしたら。その時はばっさり切ってやろうか。何なら坊主でもいいかもしれない。  それだってきっと、私たちふたりにとっては、この世で初めての経験だろうから。  なんてね。  己の詮無い思い付きに、夏油はこっそりと笑う。 「もう随分昔の話だよ」 「あ、ああ~……」  クッソ情けない声に惹かれて、五条は思わず振り返った。  目にした先には、床に一列で並び散らばったノートと、それを前に途方へ暮れている、一人の青年。耳にかぶる様切り揃えられたサイドと、同じくらいの長さで揃えられた、ワンレンの前髪。黒いカーテンみたいなそこから除く男の顔を認めて、五条はちょっと目を見張った。いつぞやに自分がぶちまけた落とし物を拾う際、手伝ってくれた人物だったからだ。  何となく、足をノートの先頭列へと向ける。  膝をついて下から順繰りに拾い上げてやれば、目の前の男が「あっ」と声を上げた。 「こないだの」 「人のこと笑うからじゃね、この惨状」  人を呪わば何とやらだ。軽く鼻で笑ってやれば、青年はバツが悪そうに眉尻を下げた。「違いない」  そこからは無駄口を叩かず、青年と両端からせっせとノートを積み上げた。お互い半分ほど拾い上げたところで、「ほらよ」と元通りに重ねてやれば、彼は小さく頭を垂れる。長めの前髪がさらりと揺れた。 「ありがとう、おかげで助かったよ」 「別に、先に施し受けたのは俺だし」 「お礼と言っちゃなんだけど、学食でもおごろうか?」  ふいの誘いに、五条は手許のノートに目を配る。 「オマエ、それどっかの教授のとこに持ってかなきゃじゃねえの?」 「お腹が空いて力が出ないんだよね。どうせ急ぎのものでもないし、大丈夫大丈夫」  情けないアンパンマンみたいなことを言いながら、ほらこっち、と立ち上がった青年が顎で進路を指し示す。  ちょうど学食の入り口前で立ち往生していた手前、誘導されてしまえばついつい足がつられてしまい。あれよあれよと流された先。手馴れた様子で角席のソファーと椅子へノートの山を半分ずつ座らせる男に、コイツ絶対初犯じゃないなと五条は悟った。 「オマエ、まさかこれ目当てでそいつ引き受けたの?」 「情けは人の為ならずってことさ」 「調子の良いこって」  席取りを終えた青年に、そのままのこのこと付いて行く。二台の食券は程よく空いていた為、そう待たずに五条たちの番が回ってきた。 「何でも頼むといいよ。今の私はバイト代入って小金持ちだから」  コガネモチ? とやらはよく判らなかったが、ならばと五条は遠慮せずに、自分の食べたいもののボタンを押す。ピッ。ペッ。吐き出された食券を見て、男がしみじみと呟いた。 「この食べ合わせっておいしいの?」 「知らん。腹に入れば同じだろ」 「君にはぜひ、ちょっとは食に対して楽しみを見出すことをおすすめするよ」 「けっ、言ってろ」 そのまま自販機に万札を投入し、青年へと振り返る。 「ん?」 「オマエもなんか買いな」 「俺だけ奢られんのもフェアじゃないだろ」とぼやけば、「律儀だなあ」と青年は顔をくしゃりとさせ、笑った。これまで浮かべていた柔らかい笑みとは違う、どこかあどけない顔だった。何となく、どきりとした様な、しない様な。どうにも納まりが良くない心地に、五条は足先を打ち鳴らす。  ピッ。ペッ。迷いなく青年もボタンを押す。食券に記された料理は蕎麦だった。大学生にしては渋いチョイスだ。 「ホントにそれでいいの?」 「大好物」  ピースまでして喜びを露にした青年は、「ありがとう」と五条に微笑んだ。またしてもどぎまぎしてしまったので、思ったよりも余った釣銭で、ついでに自分用のパフェを買い足しておく。  時間にして幾何か。  利用者も多い学食だけあって、さほど待たずに受け取り口へ料理がサーブされた。各々受け取って席へ戻り、腰を落ちつける。鼻先に香ばしい匂いが漂えば、現金なもので、急に空きっ腹を感じ出す。 「いただきます」 「召し上がれ」 「お互い様だろ」  そこからは先ほどまでとは打って変わり、しばらく沈黙が続いた。  食事中に口を開くのは、幼少期から叩きこまれたマナーが染みついている手前、嫌煙しがちだ。だから黙ったまま食を進める青年に、五条は内心で口笛を吹く。厳つい見た目の割に、どうやら行儀は良い様だ。  強引な様で柔和。危うげな雰囲気の割に律儀。距離感が近い様で、こちらに踏み込み過ぎない。総括すれば、変なヤツ。  だからだろうか。  ふたりとも食べ終わったタイミングで、五条にしては珍しく、自分から相手に切り出した。 「そういやオマエ、名前は?」  一瞬とぼけた顔をしたのち、「ああ」と青年が口を開く。 「夏油だよ。夏油傑」 「あん? どういう字?」  漢字がパっと出て来なかった為問い返せば、夏の油に傑作のケツ、と青年──夏油がすべらかに語る。 「そういう君は?」 「あ? ホントに知らねえの?」  言っちゃ悪いが、この大学ではそこそこ有名人な自覚はある。百九十はある巨体に、白髪碧眼。見た目だけで十分噂される要素があった。だからこそ、思わず胡乱な眼差しを返したのだが。 「友達になりたいんなら、ちゃんと本人の口から知りたいだろ」 「……何だそりゃ」 「礼儀だよ、礼儀」  逆にじとっと見つめ返されて、五条は思わず息を呑む。まさかこの歳で友達云々を説かれるとは。いや、その前にダチになんのってこういう流れだっけ? 生憎常時つるむ様な相手がいなかった為、こんなもんなのかどうなのかすら見当がつかない。  よく判らない混乱を抱えて促されるまま、ぽつり。自身の名前を口走る。 「……五条悟」 「漢字は?」 「五条橋に、悟りを開くのサトル」 「なるほど、うん、想像通り」 「やっぱオマエ知ってんじゃねえか!」  そんなことはないさ、なんて胡散臭い顔で夏油が笑う。腹は立つが、正直どこかむず痒いのも確かで。  苛立ち半分、照れ隠し半分の中で、ふと。五条は気になっていたことを思い出す。 「じゃあ友達ついでに聞くんだけど、コガネモチって何?」 「さては君、普通のお金持ちだろ」  しょっぱいものを見た様な夏油の顔に、今度は五条が爆笑した。  一生の親友と二度目ましてになる、今日この良き日。  俗にいう、友達記念日というやつである。
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manaplog · 6 months
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Saturday , March 2
友人の結婚式に参列した日。
卒パの興奮から明け方まで上手く眠れず、アルコールと泣き顔を引き摺りながら東京へ🗼
招待してくれたのは、コロナ禍前後あたり最も距離が近かった男友達。
バスケットボール(スラムダンクやBリーグ)、お笑いが共通言語。ジョジョ、筋トレ、仕事についても、よく話した。
お互いに恋人がいなかったから毎週のように遊んでて、自粛期間中は ウォーキング行こ! て鬱屈した日々から抜け出し合ってた。
まわりのひと全員にふたりとも「向こうは好きなんじゃない?」と聞かれた。しかしあれだけ一緒の時間を過ごしても恋愛に発展しなかったのは、お互いに異性として本気でタイプじゃないからでしょう🤷🏻‍♀️
参列者はみんな中学友人、高校友人、の肩書がある中でわたしは単なる''友人''。
横のつながりで盛り上がっている人たちを横目に、わたしが話せるのは大先生と幼馴染の二人だけ。男性だらけの席にも気を遣う。居心地どアウェイ🥵
(すきなひとも参列してたのが、嬉しかった)(誰よりもスーツが格好よくて倒れそうだった)(顔もいちばんハンサムだった)(いっしょに写真を撮りそびれたの後悔してる)
挙式、披露宴と滞りなく終えた。友人らしい、不器用だけどあったかい式でほっこり。
友人、わたしの部屋を手配してくれていて、大先生と二人でそちらへ移動した。(しかもお車代ももらっているし。至れり尽くせりで恐縮が勝る。)
高級ホテルに、テンションが上がるわたしと大先生。
しばらくして、タキシードから私服に着替えた新郎が登場。久しぶりに三人が揃ったのは嬉しかった。
3人の苗字イニシャルから【NHK】というグループを組んでいる。2024年は活動しようかね。
お茶とジュースで乾杯。
いつかのわたしの誕生日、神楽坂のおしゃれなレストランで二人が祝ってくれたあと、ロイヤルホストに行ったことを思い出した。
オシャレしてかしこまった場所で背伸びした後は、こうやって中学生のようになるの、好きだわあ。
おめでとう、
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wazakka-kan · 7 months
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営業中。初めての漆の器におすすめ、トマト畑のお椀が入荷しております。
輪島塗と変わらぬ下地処理に加え、木地の殺菌に薬剤を使用せず、漆も自家精製で、一切混ぜ物を加えず作っている器。
これで3000円を切る価格。
本物なのに、安い。
なのに丈夫で手入れも手間いらず。だから初めて漆を使う人におすすめしております。
拭き漆は木目の美しさを楽しめる仕上げ。下地塗りした生地に、漆を摺り込んでは余分をぬぐい乾かすこと6回。
私の知る産地の多くでは、3回というところが多いです。1回しかやらないというところもある中、6回ですよ、奥様。
塗膜は厚ければいいという訳ではありませんが、薄く密着度高く積層させたら、やっぱり強度や耐久性は上がりますから、回数大事。
元々、トマト畑の創業者は小田原漆器の職人で、木地作りが特別上手な方。ああ、この形状はこの方が始めた形なのか!というものがあったり、取引し始めて改めて知っては驚いたことが満載の会社。
お父さんが作った木地は、口元のしる垂れが無いので、食べた後が汚れ少なく美しい。洗った後の水切りが断然早く拭かなくてもいいから手間が減る。
新品のうちは、少しざらつくところもあるかもしれませんが、使って触れて、洗っては拭いて、を繰り返すうちにツルツルになり、しっとり手に馴染む感触に変化していきます。
長く使えば漆が紫外線と反応し透明度が増して、木地の肌理がより美しく見えるようになり、一段明るく感じるようにまで色合いが変化してきたら、余計に愛着がわいてくるはず。
漆器は使って育てる器。
その最初のお椀にトマト畑の器をおすすめします。
通販→https://goo.gl/oqknvK
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jetsoday · 7 months
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[香港旅遊優惠]【持續更新】日本大阪2024旅遊資訊及最新景點|自由行必睇食、買、玩、交通攻略|室內版黑門市場、空庭溫泉、咒術迴戰Cafe
[香港旅遊優惠]【持續更新】日本大阪2024旅遊資訊及最新景點|自由行必睇食、買、玩、交通攻略|室內版黑門市場、空庭溫泉、咒術迴戰Cafe https://www.jetsoday.com/%e9%a6%99%e6%b8%af%e6%97%85%e9%81%8a%e5%84%aa%e6%83%a0%e3%80%90%e6%8c%81%e7%ba%8c%e6%9b%b4%e6%96%b0%e3%80%91%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%a4%a7%e9%98%aa2024%e6%97%85%e9%81%8a%e8%b3%87%e8%a8%8a%e5%8f%8a.html 日本開關後,相信唔少人已經買咗機票準備返鄉下。除咗東京之外,大阪亦係香港人去日本旅遊嘅熱門目的地。咁耐無去過大阪,擔心唔知有咩新景點、新嘅交通資訊?唔使驚,小編為大家持續更新大阪最新旅遊資訊,以及搜羅各個最新景點。如果打算去日本環球影城,可以睇埋日本環球2024活動整合。好多人去大阪嘅時候都會順道玩埋京都,小編亦為大家準備咗���西機場出大阪/京都交通攻略,以及京都2024旅遊資訊! 相關優惠:關西機場 – 大阪京都交通攻略|關西機場出市區交通方法大整合!HARUKA 關空特急/利木津機場巴士/南海電鐵Rapi:t介紹! 交通資訊 【日本JR東海新增1.5倍闊座位】 日本JR東海推出名為「S WorkP座位」(S WorkPシート) 嘅新座位,即係喺原本嘅三連座中間放一塊隔開,改裝成二人座位,變相每人有1.5個位,令空間增加。除咗空間闊落咗之外,呢款座位仲設有飲品架,前方亦有摺疊式斜檯,以便乘客使用手提電腦。 由10月20日起,「S WorkP座位」將由原本嘅「のぞみNozomi」列車擴闊至JR東海與JR西日本路線嘅「ひかりHikari」及「こだまKodama」列車。如果想坐到呢款座位,每人要額外俾多1,200日圓 (約$ 63)。唔少日本人都話呢個新服務好好,好值得加錢!唔知大家又會唔會買呢? 【JR特急HARUKA新增「大阪站」】 計劃去大阪自由行嘅朋友注意啦! JR特急HARUKA 3月中將會新增「大阪站」,直達大阪梅田市區! 一向係由關西機場出大阪嘅好選擇,以往只停靠天王寺站、新大阪站,以及終點京都車站,不過最近就宣布咗今年3月18日會新增「大阪站(北梅田站)」。 比起原有嘅「新大阪站」更靠近大阪市區梅田。之後由關西機場出發去梅田,車程將由71分鐘縮短至47分鐘!而且每日班次多達60班,每隔30分鐘左右就有一班車,以後去大阪玩就更加方便啦! 大家亦可以睇埋其他關西機場來往大阪市區嘅交通方法! 相關優惠:【持續更新】日本環球影城2024年活動整合|鬼滅之刃遊樂設施強勢回歸、「NO LIMIT!Parade」 景點資訊 【大阪萬博公園櫻花祭3月20日開始】 櫻花季就到,如果打算去大阪賞櫻,記得去大阪萬博公園櫻花祭!大阪萬博公園櫻花祭於3月20日至4月4日舉行,公園內種植超過5000棵櫻花樹,包括染井吉野櫻、彼岸櫻、寒緋櫻等,被獲選為「日本櫻名所 100 選」。日頭仲有美食攤位及手工藝攤檔,而晚上更會有花火大會、夜間櫻花大道,好有氣氛啊~ 【Donkey Kong園區預計2024年春季開幕】 日本環球影城將會新增以Donkey Kong為主題嘅「Donkey Kong Country」!呢個新園區預計於2024年春季開幕,會位於超級任天堂世界裡面,所以超級任天堂世界亦會擴大1.7倍!故事設定為玩家們進入Donkey Kong居住嘅叢林內,以黃金神殿為起點,乘坐礦車奔馳,展開一段刺激狂野嘅冒險旅程!聽落好似好刺激咁!大家又有再去日本環球影城嘅理由啦~ 【六甲山滑雪場開山】 位於神戶嘅六甲山滑雪場即將於12月2日開放,到2024年3月3日期間都可以去滑雪! 六甲山滑雪場主打適合新手,呢度嘅雪道坡度平緩,而且雪道長度恰到好處,就算係0經驗嘅初學者都可以享受到滑雪嘅樂趣,被稱為最適合初學者練習嘅滑雪場!小編都曾經喺六甲山實測由零開始學滑雪!除此之外,場內更加有專門玩雪嘅區域「雪樂園」,因為同滑雪專用嘅地方分開,環境安全,小朋友可以盡情玩喺度玩雪。由大阪出發大概70分鐘就可以到達六甲山滑雪場,大家準備好瘋狂滑雪未呢?如果想去其他滑雪場,仲可以睇埋關西3大滑雪場推介及交通攻略~
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canarycradle · 8 months
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鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
事前情報
水木という片目に傷のある男と、身長がでら高い着流しの男がいる(愛妻家らしい)
私が好きそうな男が出てくるらしい(オサダ?)
感じたこと、覚えてることだけ。まとまりはない。
出だしは正直あんまりよくわからなかった。猫娘が今風のキャラデザだったから、あ、1番新しい方の鬼太郎なんだな〜とは思った。
野沢さんの目玉親父初めて聞いたのでびびったけどそんなに違和感はなかった。
過去編。まず水木の声が生身の男っぽくていいなと思った。
そりゃあもういい声なんだけど、何というか、絶妙な「身近なところにそう」感。
等身も高すぎないし、絵柄は新しいんだけど昭和みを感じる。いい。
親父が出てきたら声が良すぎて、またその対比が良い。めちゃくちゃに異界。際立つ。ありがとうキャスティング。
電車の中の女の子が人形を持ってて、あれ冒頭のやつじゃんと思う。えっこの子…大丈夫ですか???
沙代お嬢様。木陰で立ってる。あっなんかここ二次創作で見たことある気がする。
出世するために来た水木に頬を染めるお嬢様かわええなあと思ったら急に真顔になる。何……?横溝正史感じる。
トンネルを潜る時、屋敷の敷居を跨ぐ時の足元のカットが印象的。境界を跨ぐ瞬間の演出なのかな〜。
立派な屋敷だけど斜めに写すのが気持ち悪くていい感じ。
まあ、こんな迷信深い山奥の名家で、入婿は跡は継げないわな。知ってた。タイプの違う三人姉妹。仲悪そう。横溝正史じゃん(二度目)
時麿が当主に決まって号泣してる時、左目がピクピクっと痙攣?したのが気になった。気のせいか?沙代お嬢様に向けてる目が嫌だわ〜。直前に「妻も取れずに…」って言ってたからあーこいつなんかやらかすなと思った。
被害者が片目を抉られまくってるのを見て、あー、隻眼やら片足やらは異界の住人の象徴だったなと思う。そういえば鬼太郎もゲゲ郎もそうだわね。あ、そう思うと、水木が片目に傷を負ってるのもそっちに片足踏み入れてるって暗喩なのかな。
時ちゃん可愛すぎる。ゲゲ郎に「ごめんなさい、わからない」って謝るのを見てめーちゃくちゃ賢い子じゃんと思った。わからないで、拗ねる怒る泣くみたいな大人いくらでもいる。めちゃくちゃ未来志向。めっちゃいい子。こんな村にいちゃいけねえ…
私は妻を溺愛している男が大好きなので、ゲゲ郎のおのろけだけを無限に聞いていたい。
水木とゲゲ郎が墓場で話してるシーン。ゲゲ郎がいいやつすぎてにこにこしたし、なんだったらこのシーンが1番好きだったかもしれない。ゲゲ郎のおのろけだけを無限に聞いていたい。
ゲゲ郎が裏鬼道集と戦ってるシーン、線がぬるっとしててめちゃくちゃ動いて気持ちよかった。1番好みなのは水木とゲゲ郎の墓場で酒盛りシーンだけど、ワクワクしたのはこのシーン。ゲゲ郎がなんかすごい力を発揮するんじゃなくて肉体戦闘派なのがすごく良かった。手摺で刀を受けるのかっこよすぎんか?狡い。これは嫁も惚れる。
そのあとはなんか記憶が曖昧である。
地下であの人形を見かけて、ウワあの電車に乗ってた人たちもここで亡者にされてるの…?どうやって…?とモヤモヤした。
沙代ちゃんのくだりはやっぱ横溝正史じゃん(三回目)ってなった。トンネルに置いてくればよかった…という気持ちと、置いてきたらみんな死んでたな…という気持ちで葛藤している。なんとかして幸せになれるルートはなかったんか?沙代ちゃんの肩身だけでも外に連れ出してくれ、とも思ったがそれも俺(水木)のエゴなのかもしれない。というか水木はやらなそう。
血で染まった桜がCGでゆらゆらするの、気持ち悪くてとてもシーンにあってた。なんか全体的に、逆光とか顔に照り返す赤とか青とかのライティングがめちゃくちゃ好みだった。1番印象に残ってるのは禁域の島のシーンかなあ…と思い出しながら見ていた。
水木が斧でめちゃくちゃ根っこ切ってるけど大丈夫?それ、めちゃくちゃ流血してるけど。囚われてるゲゲ郎の奥さんにダメージ行かない?と心配になるなどする。まあ、夫が止めてないし大丈夫か。
地下研究所のシーンといい、井戸の底のシーンといい、展開がやや早くて飲み込みにくい。土蔵での会話とか、墓場での酒盛りとか、川辺での幽霊族の歴史についての話とかその辺が丁寧に描かれているから余計になんか…温度差を感じる。(だから親父と水木のカップリングが人気になるのか〜)(他人事)
個人的には既婚者が絡むカップリングを好んで摂取しないのでその辺はわからない。ゲゲ郎と嫁の話が欲しい。
この辺りで、なるほど!水木はボロボロだけど、ここでMの血液製剤飲んで時貞に対抗するのか!奥さんや村の人を犠牲にしたアイテム…でも時貞を倒すためには…?!とか思っていた。違った。
時貞翁が狂骨に飲み込まれて、すり潰される時、「それ時ちゃんの身体……!!!!」って思った。内心、お願いだからビビり散らかして時ちゃんの体から離れてくれ、なんとか時ちゃんを救ってくれと願っている自分がいた。
ブレスレットが急にちゃんちゃんこになってびびる。それそんな由来だったんです?「ご先祖様…」のセリフはなんか唐突感あるなと思った。
ゲゲ郎は水木に「これがあれば大丈夫」ってちゃんちゃんこ着せてて(着せてたよね?)、水木は嫁さんに着せてあげてたのでこいつらの優しさ好き。男前。と思った。
水木はこの件の記憶無くすんですね…。何で…?ひどくない…?
いや、沙代さんにとってはこれは救いなのかも。
アナログ風漫画のエンディングがとても良かった。ちょっとよくわからなかったんだけど、記憶がない水木がゲゲ郎夫妻に出会う→一旦は逃げる→なぜか気になって戻ってくる→夫婦は死んでる→妻だけ埋葬する(何故?)→妻の亡骸から鬼太郎が生まれる の流れ…?
伏線いっぱいだし、明言しない範囲でしっかり回収してくれてて気持ちよかった。すごく好き…?と言われると難しい。別の作品追ってる人だったらもっと楽しいんだろうなと思った。昔の砂かけ婆とか一反木綿とかが出てくる時代の鬼太郎しか知らんのよ。機会があったら別の作品も読んでみたいなくらいの気持ち。
そういえば長田あれか。胡散臭い細目だったら好きと思われてるのか私?!なんかいちいち長女を庇うシーンが目について、時貞の命令で三女と番ったけど、実は長女の方に情があったのでは?という印象を受けた。知らんけど。長田が実は妻のこと愛していたみたいな話があったらそれはそれで好きです(現金)
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poetohno · 8 months
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第三番 「過去の石碑」 おまけトーク(生きる意味)
通り過ぎる 街 風 風景 流れる 川 漂う 空 町 窓に映る 自分の顔 見える誰か 過去 未来 現在 止まらない ここに居ない どこにも居ない 行方 在処 神秘 謎に包まれた 時の 彼方 見送る 町を 背中に遠ざかる 道 草原 田圃 誰も知らない 未知の 世界 見下ろす 鳥 雲 行く手に 新たな 記憶 移ろう 場所 思い出
目映い場所 トンネルを抜けるように 明るい未来があるのか 景色を風景画として残したとしても 過去の手の者によって引き裂かれる
忌まわしい過去を捨てるためにここに来た 全てを忘れるために
思い出を埋葬するために旅をしている 全てを捨て去るために
そうしなければ未来は訪れない 過去は現在への影なのだから
影から逃げ続けている 地の果てまで追うのなら空の彼方へ行こう
雲の先へ 虹の彼方へ 光の先へ 眩い闇へ 消えるほどに
化石となった痛み
突き刺さったままのナイフ 癒せる時は訪れるか 忘れ去ることはできるだろうか
決して消えない罪
許しの時は訪れるだろうか 抱え秘めたものは一体どこに行けばいい どうすればいい
洪水のような運命
どこに連れていくのか 神は全てをお許しになるという 運命とは神の手に委ねられているのか 幸運とはどこにある
黄昏の街 暮れなずむ君 闇がこれから訪れようとしている 共に眠ろう
流れ星のように闇に落ちる夢 現 幻影
影のようについてくる 逃れても逃げ切ることは叶わない 影は自分自身なのだから
許されると思っているのか 影は笑う
過去 全ての行い 救い
汝を焼き尽くすために煌々と燃えている
雷の轟のように目覚める 滝のような雨が降り続け街 街は悲しみに沈むだろうか 道という道は海に消えていく 全て飲み込み消えてしまえばいい
永遠の悲しみを弔おう 悲しくないように薔薇の絨毯を捧げて
刻みつけられた石碑
深紅と紅桃の入り混じるだけの世界には 妖精さえも住まう
哀しみがいらないなら夜さえ来なければいい 夜は朝を弔う死の禊なのか
夜が訪れることで落ちる眠りは死の鎌を避ける儀式なのか 夜へと挑む者は容赦なく闇に引き摺り込まれる
手が 闇に 千手に 掴まれ 仲間へと招き寄せられる
躰を引き千切り 咀嚼し尽くし 千一番目の手となる 美しい天女が微笑んでいる あるいは青い目をした王子
美しさに 垣間見える微笑に 抱く優しさは 残酷を隠す仮面
手招きに応じてはいけない ありとあらゆる場面で脳裏に過る
空に 虹に 階段に 家の扉に
何気ない一言に 偶然の過ちに 言葉のナイフに 己に落とす石に
布団に飲み込まれる夜に 生への葛藤に 忍び寄る苦しみに 心に溢れる涙に
迷い 戸惑い 逃げ込む場所のない 日常に
見つけた出口 手招きする声 声を聞いてはいけない 耳を塞いで走り出し さらに迷う
混沌 迷走 破滅の 序曲は 終局へ
日常に空いた穴 崖 底に魅入る 足が竦む 直感が怖れる 選択は正しい
消えることのない闇 背中を向ける 闘争 覚悟 傷だらけで選択する
魔の手は地の果てまで 追いかける 逃げ切れるのか
街を転々として旅をする 掴まれば待つのは死
光の煌めく朝日にすら微笑む 死神の冷酷さを隠した天使の姿をして
垣間見える恐ろしさに日常は儚い 震える手で生きるという選択肢に縋っている
背中に声が駆けられる 振り向いてはいけない
走り出せと心が叫ぶ 欲求は抗えない
罪のように 瞳に宿る 悪魔の微笑 振り下ろされる鎌
零れる血 真珠のように 光 輝いて 煌々と 燃える 炎のように 湖のように 赤い空を 映し 消えていく 闇に 星の光 消える 飲まれる 底に 覗き込む 奥底に 光の点 炎 流した血 過去と 未来 現在が 輪廻する 時と 空間が 立ち止まる 振り返る 振り下ろす 鎌 血飛沫 繰り返し 飛び散り 星のように 永遠のように
捕らわれた 痛み 苦しみ 涙と 宝石の 物語 血は 滴り 涙のように 湖を作り 空を映す 炎のように 赤く染め 世界を 燃やす 誰も 知らない 気づきも しない 通り過ぎる 白昼夢 白夜と 百日の 物語 知られざる 罪 誰も知らない 過去 知らされない 結末
終わり 知る者は いない 世界 閉じる 人知れず 足音に 紛れ 雑踏は 洪水 全てを 流す 喧噪 悲劇 喜劇 街を舞台にした 劇場 値段は 命にさえも付き 金で 全てが買われる 街
愚かしい 儀式 貶められる 倫理
藻掻く 苦しみ 痛み 涙 全て飲み干し 大地は 吸い取り 咲く 罅割れたとしても 哀しみは 蜜を滴らせる 甘美な 心の欠片
舌なめずりをして啜り 味わうのは不幸よりも甘美な蜜の味 引き換えに理性を紙のように千切る
散り散りになる 風にさえも弄ばれる 美しく舞う儚さに冷酷な心が疼く 壊してしまいたいと心が囁く
眩さに心が麻痺をする 快楽のよう 同時に逃げ切ることはできない 奈落の底
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log2 · 10 months
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【ウィズ・ラボ 有限会社】のバラスター手摺などエクステリア関連製品3点が登録されました!
ウィズ・ラボ 有限会社は 高品質な製品を取り扱っている建築材料メーカーです。建築材料の販売のみならず、デザイン設計・リフォーム施工も手掛けています。
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今回は、バラスター手摺、ECOバイザー、FRMデザインスツールの3点をご登録いただきました。
ウィズ・ラボ Arch-LOG 検索ページ
▼バラスター手摺
洋風の重厚感あるデザインが特徴です。
バラスターは、ベランダやバルコニーに設置できる手すりです。
丈夫で軽量です。商業施設や新築住宅、リフォームにも向いています。
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▼ECOバイザー
重厚感のあるデザインの庇です。 雨よけとして窓やサッシを守るほか、直射日光を防ぎ、外壁の漏水や劣化を防止します。 玄関にもご使用いただけます。
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▼FRMデザインスツール
石の半分以下の熱伝導率のため、夏は炎天下であっても暑くならず冬は冷たくなりません。接触冷温感も試験済みです。 FRMとは独自開発の素材です。 デザインペイントを施すことで多様なデザインが可能です。 超対候性・耐摩耗性・対熱水性・対汚染性を備え、公園や公共施設でご使用いただけます。
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オリジナリティある化粧モールディングやバラスター手摺で建築物の魅力を最大限に引き出すウィズ・ラボの製品を是非ご確認ください。
ウィズ・ラボ Arch-LOG 検索ページ
※文章中の表現/画像は一部を ウィズ・ラボ 有限会社 のホームページより引用しています。
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ateliersoleil3 · 10 months
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2023.11.14. 月回帰_No.565
あと1週間あるかと思いきや、もう4日後が月回帰なのだ。
先が見えないどころか目の前のこともこなせないくらい疲労困憊。
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でも読む。読めるかわかんないけど。
土星と月のスクエアは引き続きだけど、 ASC水瓶座、天王星は何か打開策をくれるんだろうか?
火星とオポジションだから、ダイナマイトぶっ放すくらい強引に風穴を空けなきゃいけないのかもしれない。
それ、もうやったかー。。。
ファイナルディスポジターは金星で、 ネイタル土星とガチコンジャンクション。 魚座土星がいいほうに機能し出すのかもしれない。 むしろ射手座の月と水星を抑えなきゃいけない。
MCの蠍座28度は、ネイタル天王星の1度先。 久しぶりにサビアンなど読んでみると 「自分の領土に近づく妖精たちの王」
...と、ここまで読んでまた止まってた。 月回帰は2日後! 疲労困憊の上にまた冥王星的なものが乗っかってきて、 あー試されてる試されてる...と思いながらなんとかこなして。 ふと気づいたのは「濡れた毛布」で窒息しないようにするのが 大事なんだってこと。 自分でどんどん水を染み込ませて窒息しそうになってたわけだけど、 それに必要なのが「風穴を開ける」行為だったのだ。
やっと「風」の意味を書き換えること��できた。
心を守ろう癒そうとばっかりしてると、逆にどんどん重くなっていく。
このサイクルは、空いた風穴から何を充填していくかがテーマなのかな?
いやまず溜め込んでいたものを出すことからかもしれないな。
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11/13、秋分図のふりかえりをしてたところ。 そしたら、今度の月サイクルと同じくASC水瓶座で、MCの近くに射手座の月。 天王星がオポジションで太陽に刺激を与えてる。 ...前回はやられる一方だったから、今度のサイクルが正念場。
いい加減、学習して成長したい。 太陽は9ハウス、ディスポジター冥王星は12ハウス、 6ハウスのカスプルーラーは月。
3ハウスのルーラーは微妙なところで火星なのか... 太陽コンジャンクションで天王星とオポジション。 3ハウスの中にはノーアスペクトの木星。 学び成長したいという意図に、 どうやって火を灯し続けることができるのか。
月と土星のスクエアは、もう何サイクルか続いて強調されていくんだろう。 月回帰が巡ってくるたびに、自分は成長できているのか、どう変われたのか、問われることが続く。
ずっと抱えているトラウマや心の癖を取り除いて、もっとのびのびと生きられるように。
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11/14 月回帰直前から読み出した『聞くこと、話すこと』。 付箋貼りながら一気読み。付箋のあたりを二巡目してる。 凍りついていた心が氷解してく... そうなんだよ、こんな自分に誰がした? 社会のせいにも他人のせいにもできるけど、 そこから避難したところで、最後の砦である自分がしっかりと、 自分を守るということが機能してなければ... 逆に見えない場所に自分が自分を軟禁していたり虐待してる可能性。 それは恐ろしいことだけどあり得ることなんだと、 自覚的にならなくてはいけない。
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11/24。月がまぁるくなってきて、 あっという間に"逆"回帰の日になりそう。 そろそろ見とく?あ、その前に火星サイクルのふりかえりか... 画像だけ貼っておく。
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11/27 朝起きた時にもう双子座に入ってると思ったのに、 アメリカ時間とかで見てたのだろうか...?
とにかくもうすぐなので、一度読んでみようか。 昨日もまた長時間働いてたら疲労困憊... でも、双子座シンクロに興奮冷めやらず、LINEしまくる。 と言いつつ、疲れて寝落ち。なんとはた迷惑な...
月"逆"回帰のASCは山羊座。
そういえば、火星双子座期は太陽山羊座の季節にも、 双子座シンクロに興奮してたなぁ。 「月"逆"回帰」の何やらに気付いたのもその頃だったかも。 山羊座といえば「歴史」っぽくて、歴史小説にハマり出したのは、
『ボタニカ』を読み始めたのがきっかけ。 それは今年の初めの山羊座の季節。
朝井まかてブームの横目で気になってた『帝国ホテル建築物語』をようやく手に取って、読み終わったのが一昨日のこと。
主役(主人公はまた別)のフランク・ロイド・ライトも、弟子の遠藤新も双子座。
と、マイ満月からのわかりやすい目配せもありつつ、3年目の苦悩をどう乗り越えるのか、昨今の色々は土星先生からのご指摘かもしれない。 そうだ、まだまだ土星がスクエアなんだ...この期間にどれだけ気づいて変わっていけるのか。 パッと変われるようなものではないのかもしれないけど、悩み続けているのもなんか違う。 かといって外側からやってくるものを期待しても、期待はずれと落胆の繰り返し... 自ら変革していくしかないのだ。
ファイナルディスポジターは2ハウスで逆行の海王星。 これ、ネイタルと同じポジション。 従来通りの期待だとか希望的観測は、手放そう...
それはもう、いろんなものを手放す覚悟が必要そう。
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12/7 次のサイクルまであと1週間切ったところ。
気づきは時系列だけではないんだけど、停滞してくるとふりかえりたくなる。
ゲンチアナとワイルドローズが必要になってる。
3月末から引き摺っていた、ある人に会いたくないという気持ち。昨日やっとそれを正直に本人に伝えたけれど、どう捉えられたのか?それはもう相手に任せたらいいし、それでスッキリするはずと思ってたのに、なんでモヤってるんだ??
いや、それとこれとは別の話。
相手のことを気にかけるフリをして、自分のことをちゃんと面倒見ていない。それはたぶんお互い様なんだろうな。そうしてほんとうに自分と向き合うことから逃げて来た。まだ逃げている。まだ充分に、それができていない。
7ハウスキロンはそういうことかな。
自己探究はどこまでやっても終わりがない…
でももっと高いところへ行くために、もっと深いところへ潜らなきゃならない。
底の底に眠ってる何かを見つけなければ、この先へは進めないんだと思う。
あー、方法論ではない、私は何を知りたいんだ?何を、伝えていきたいんだ?
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