#家は凍えそうです、寒さは調整できない
Explore tagged Tumblr posts
Text
変身中
ketzal_coatl
6K notes
·
View notes
Text
チケット敗北戦
ちょっと PC で調べ物をして、マウンテンブレンドという名前のコーヒー豆を挽いて淹れ、バナナの蒸しパンを食べた。それ以外は、坂本慎太郎とコーネリアスのライブのチケットの応募をしたくらいの午前中だった。
坂本慎太郎は以前一回だけ恵比寿でライブを観たことがあり、その時はゆらゆら帝国ではなくソロアルバムの曲を演奏していたのだが、ライブアレンジが絶妙で、ジャジーでエロスな雰囲気が出ていた。ソロの曲の、ただそこにある異物のような感じがすっとなくなり、じんと染み入る味わいの音楽になっていて凄いもの聴いたと思った記憶がある。
去年出たアルバムもアレンジでまた違う聴こえ方になるだ���うと思って、観に行きたいと思ったのだった。あとコーネリアスも最近は普通に聴い��いるので得だと思った。
で、発売開始が 10:00 でそのタイミングを 5 分程度前から待ち伏せし、発売丁度にアクセスしたが、サイトがサーバーエラーの挙動になり購入に進めなくなった。リロードしたら売り切れていた。
今回は先行抽選が事前にあり、その残りの券を販売するようだったので、枚数が少なく限られた人しかチケットを手に入れられないようだった。
不安定なネット回線で申し込んだとか、クレカの情報確認で戸惑ったとかそういう反省点はあるが、まあそこが上手にできていたとしても自動購入の bot や運が強い人には勝てないので、あまり気にしても仕方がないし気にしない。
この経験を次に生かせればいいと思うが、最近あまりライブに行っていないので次のときにはまた忘れてしまっているのだと思う。
チケットが取れない時には、自分はあまりライブを観ることに魅力を感じていないのではないか?と考えたりする。
立ち続けて演奏や歌を聴かなければいけないこと、混んでいるライブであれば自由に移動ができないこと、自分の前にいる人の身長によってはステージが見えないこと、音量調節ができないこと(これは耳栓を使えば多少調整できる)、ロッカーに荷物を置けるかわからないところ、演者と観覧者が身内ばかりのときに場違いなところに来てしまったと感じること、などがある。なんか思い出すとチケットのもぎりの人の態度もたいてい悪かった気がする。
あーでもライブアレンジ聴きたい。ライブアルバムが聴きたい。
youtube
うちの冷蔵庫の中には切らしてはいけない食材のコーナーがあるが、そこの食材がかなり減ってきたので、午後に買い出しに行った。
自分はどのスーパーでもたいてい良いところを見つけることができるのであまり店を選ばないのだが、今日は他にも買いたいものがあったのでショッピングモールに行って全てを揃えてしまうことにした。
事前に買う荷物が多いことが予想される場合、徒歩や自転車よりスクーターで向かう方がよい。スクーターには荷室が 2 つ+袋を吊り下げるフックがあるので木材とか扇風機を買わない限り大抵のものは積み込むことができる。
途中、初めて通る道の先に信号のない丁字路があり、目的地に向かうには半分渋滞になっているそこを右折で合流する必要が出た。こんな時、どのタイミングで入ればいいのだろうか?
あまりわからないが、今回は一瞬渋滞が途切れたのでそこに割り込ませてもらった。無理やりファスナー合流のように入れてもらうのが一般的なのか?とも考えた。
ショッピングモールまで距離は遠くないのですぐ着いた。
中に入っているカインズというホームセンターで布団の敷きパッドと枕パッドを購入した。通年で使いたいので冷感ではないものにした。
カインズには家で使う多種多様なアイテムが陳列されていて、歩いて眺めるだけで家の質を向上させるアイデアを沢山補充できそうだった。しかし買い物の前半からそんなことをしていたら体力が持たないと思ったのでやめた。
ビニール手袋を買うために上階にある 100 円ショップに向かった。予定には入っていなかったバターのケースとカカオのパンも買ってしまった。100 円ショップにパンが置いてあると意外で面白くついつい買ってしまう。
この店舗に隣接してゲームセンターがあり、このあたりがモールの中で最も混んでいたと思われる。
個人的には不快に思うレベルの混雑だったが、これを不快に思わない人が多ければこれがスタンダードになり、逆に混雑せず快適に過ごせる店は面積を広げた費用の分が価格に転嫁されるようになるだろう、と当然のことを考えていた。
最後に 1F のスーパーで食材を補充した。
自分には家に常に備えて��きたいものとして食パン、牛乳、ヨーグルト、卵、バター、チーズ、豆腐、ハチミツなどがあるが、昼の時点でこのうち半分程度を食べきってしまっていた。なのでこれらの補充を行い、さらにグラノーラ、トマト、ジャガイモ、冷凍しめじ、冷凍ほうれん草、バターレーズンパン、豚肉切り落とし、焼売、ちくわ、きゅうり、キウイ、サラダ、エナジーゼリー、サバの煮物、インスタントコーヒー、イタリアンパセリ、ウインナーをカートに入れ、5000 円を超える会計を iD で支払った。
レジに向かうために通り過ぎただけのお菓子のレーンで「明日はうちで映画祭りだから」と話していた家族のことを妙に憶えている。雨の中の暗い部屋でテレビ画面にうつる映画を眺める一家のことを想像した。
この店のバイク駐輪場は排気量 125cc までのバイクしか駐車できないと書いてあったので、面倒だと思いながらも車の駐車場に移動してスクーターを停めたのだが、これが最新式の駐車場で、駐車券がなく、入庫と出庫の際にナンバープレートをカメラで読み取って、それを使って支払い確認を行う仕組みになっているものだった。
買い物袋3つの取っ手を手の内側に食い込ませながら、出庫の手続きのために支払い機のタッチパネルを操作し、スクーターのナンバーを照合するが、車体前面のナンバープレートを読んで管理しているらしく、前面にナンバーがな���自分のスクーターは画面に表れなかった。管理外になっているようだった。
そのため、係員に出庫方法を聞いたり、管理会社のコールセンターに電話したのだが、結局次から気を付けてくれとのことを言われただけで出ることができた。帰宅後に調べたら、実は反対側の入り口から入れば大排気量のバイクも停車できるスペースがあったことが今更わかった。
どうすればいいかよくわからないことがあった時には疲れる。しかもあまり考えずに選んだ帰り道が一方通行で、思ったように家に向かえなかった。駅前のその道は慢性渋滞のようなありさまで、なかなか抜けられなかった。
途中で図書館が経路上にあることがわかったので、寄って予約していた小説を回収することにした。
ガラガラの駐輪場にスクーターをサッと停めてハンドルにロックをする。ヘルメットを手に持ったまま本を借りて図書館を出たタイミングで閉館のお知らせが放送された。
あまり気にしていなかったが、あと少し遅かったら本を借りることにすら失敗していたらしい。
今回はちょうど放送があって自分がラッキーだったことに気づけたが、もう 1 分早く出ていたらそれもなかったのだろうと思った。
ツイていること、���イていないことは無数にあるものの、そのうち自分が把握できているものはそのうちのごく僅かなのだろうと思った。バイクに乗るために防寒対策をしなければいけない季節は過ぎていて、サンダルに素手の恰好でそのまま乗れているという幸運も忘れていた。
別にそれがいいとか悪いとか、そういうことを今考えてはいない。
5 notes
·
View notes
Text
猛暑
梅雨が明けて、暑さがさらに厳しくなった気がします💦
昼に水やりをするんですが、サウナみたいですね🧖全然整いませんが…
オーナー様に、夏バテ予防に食べさせたらいいものってありますか?
食欲がなくても食べてくれるフードってありますか?
と聞かれることがあります😌
そもそも、夏バテってどうしたらなるんでしょう?
暑かろうが、私たちは、
学校や仕事に行って、買い物をして、家事をして、いつも通りの生活をします。
通常業務に加え、体は、
外と中を行ったり来たりするのに合わせて、
暑い時は汗をかいて体温を下げたり、
エアコンが効いた涼しい部屋では、体が冷えすぎないように調整したりと、忙しく働きます。
主にこの調整は、自律神経が勝手にやってくれてますが、
この暑さを相手にするのは大変なので、乱れてしまうと夏バテを引き起こすようです。
ちょっと、自分に置き換えてみてください、
あ、自分夏バテかも…と思ったらどうしますか?
私は、今日は、寄り道せず早く帰って休もう!と思います😫
ガッツリは食べれないけど、素麺くらいなら食べれそうだから、食べようかな…
あとは、ポカリでも飲んで涼しくして寝よう…と。
なので、夏バテが始まってしまうと、食べれないし、
食べ物での予防は難しいんじゃないかなぁ〜と思うのです。
ペットたちは、お家にいると思うので、
エアコンを上手に使って、暑すぎない、寒すぎない、寒暖差が大きくない室温調整をするが、
最初にすべきことだと思います。
その上で、規則正しく生活をする。
精をつけないと‼️と、良かれと思ってお肉〜うなぎ〜冷たいスイカ〜を与えるオーナー様もおられますが、弱った胃腸では、消化不良を起こすだけです。
食欲が落ちた時は、真新しいものではなく、
食べ慣れたものの中で、食いつきが良さそうなものを少量ずつあげてもらうといいです。
それでもダメな時は、病院に相談してもらいたいです😊
我が家の話ですが、夏になるとアイスボックスが冷凍庫にあるので、犬たちにもあげています🦭🐬
甘いので喜んで食べています。多くあげても5粒くらいです。
0 notes
Link
0 notes
Text
季節の変化を感じる服 - amachi. "Fluctuation Line One Piece" / "Fluctuation Line SS Shirt"
こんばんは。
・
今日、家の近くの桜の木を眺めてみると、僅かだが桜が咲いていた。
本格的な桜の開花が間近に迫る頃。
そんな桜の開花の時期になると、毎年見たくなる映画がある。
映画「君の名は」でお馴染み、新海誠監督の作品「秒速5センチメートル」だ。
・
新海誠作品の中で、僕が最も好きな作品が「秒速5センチメートル」になる。
公開されたのが2007年ということで、振り返ると僕が大学生の頃だ。
・
そしてそんな「秒速5センチメートル」が、なんと3/29からリバイバル上映をしてくれるそうだ。
桜前線の北上に合わせて上映をするそうで、九州から南関東までは3/29から公開。北関東から北海道は4/12から公開するそうだ。
「桜前線上映」なんて粋なことをしてくれる。
・
せっかくな��で、今年は家で見るのではなく、映画館に足を運んで見ようかなぁと思っている。
(当時見た感想と今見る感想は結構違うんだけど、それはそれで面白い。)
さて、本題に。
本日は素敵なテキスタイルを使った"amachi."のアイテムを紹介させてもらおうと思う。
無意味に見える冒頭のお話も、実は多少なりリンクをしたりしているかも。
なので、ちょっと長いけど、最後までご覧いただけると嬉しく思う。
amachi. : Fluctuation Line One Piece (Green × Blue) ¥63,800 (tax in)
amachi. : Fluctuation Line One Piece (Brown × Pink) ¥63,800 (tax in)
amachi. : Fluctuation Line SS Shirt (Green × Blue) ¥59,400
amachi. : Fluctuation Line SS Shirt (Brown × Pink) ¥59,400
”Phenology”をシーズンテーマに据えた中でのアイテムとなる。
以下ブランドより発表されたテキストになる。
-----------------------------------------
Collection 014 / SS2024 “Phenology”
ツバメの飛来、桜の開花、河の凍結など
すべての生態学的現象は季節の移ろいとともに始まり、終わる
動物、植物、自然現象、それぞれががもつ周期性
常に変化しながら、様々な組み合わせとして現れる ”風景”
そのリズムや移り変わりそのものをテーマにしたコレクションを創ってみたい
そう考えていた頃、“季節学” と呼ばれる学問が存在することを知った
膨大なフィールドワークをもとに
動植物と自然環境の相互関係や連鎖を観��し研究する分野である
対象は自然界に留まらず、人々が夏服・冬服を纏う初日/末日を観測するなど
人間社会への観察をも含んだ
まさに ”万物が気候に応じて変化するありさま” をとらえる学問であった
一年を二つのシーズンに分け、およそ半年間のワードローブを
一つのコレクションとして発表する周期の中で
私たちなりに、季節と向き合い、思考する
これまで当然のように繰り返してきたことに改めて向き合う “季節学”
冬枯れから春へ向かう時期、ツバメや花々が見せるある瞬間の色の組み合わせのような
心に残る情景に感性をゆだねて表現したシーズンとなった
----------------------------------------
"amachi."のコレクションを通じて知った「季節学」。
季節の移ろいと生物の活動周期を研究する学問になるそうだ。
・
僕らも服を季節の移ろいに合わせて変えるように、私たちの生活に非常に密着した学問であり、気がつけば身体に浸透しているような。
そんな学問でもある。
・
今朝のニュースで、「春バテ」という、あまり聞き馴染みのない単語を知った。
今年は特に「春バテ」をする人が多いそうだ。
理由としては、春になっても肌寒い日が多いことが原因だということだ。
冬が寒いのは当たり前だと身体が覚えているのだが、いつまでも寒いことで、私たちの身体の周期もズレてしまい、自律神経の調整が効かなくなっているのだろう。
・
朝ご飯を食べながら、ボーッとした頭で、これも「季節学」の分野なのだろうか。
なんてことを考えてしまった。
そんな"Phenology"のリサーチを通じて生まれたコレクション���アイテム。
特に個人的にはテキスタイルに心を奪われたアイテムとなる。
細かいので、着画ではなかなかと伝わりにくいのだけど、近くで見るとステッチワークのような柄がとても素敵だ。
・
"amachi."の服に可愛いという表現が適しているのか分からないのだけど、僕としてはなんとも愛おしくて、可愛らしいテキスタイルだと感じた。
・
"Green × Brown"カラーは、冬から春にかけて、深く暗い緑に覆われた森に霧が立ち込めるイメージから生まれている。言わば針葉樹の森だ。だから、刺繍のような柄の部分に用いられている糸には、青みのかかった糸が用いられている。
一方、"Brown × Pink"カラーは、枯れ木に満ちた初春をイメージしている。葉が落ち、枯れ枝のみが残った色の失われた世界。そんな森に梅の花が咲き始めた様子になるそうだ。なのでこちらは広葉樹の森だ。そのため、刺繍のような柄の部分に用いられている糸には、ピンクの糸が用いられている。
・
山に近いエリアで育った僕には、とても懐かしい風景でもある。
まあ、正直、梅の花までは思い出せない。
でも冬の間、茶色だった山に、あちらこちらで桜が咲き始めて、それが徐々に深い緑へと変わっていく。そんな山が色を取り戻す風景を思い出してしまった。
・
さて、この不思議な柄はもちろん「織」でできている。
どうやったらこんな生地ができるのだろうか。
素敵なテキスタイルに出会うとすぐにそんなことを考えてしまう。
もはや反射と言っても良い。
話を聞くと、実はこの生地に使われているテクニックは事故から生まれたというお話だ。
また、僕の心をくすぐるようなお話ではないか。
・
生地加工の段階で糸が収縮し、ジグザグの刺繍のような柄になってしまったということだ。(専門的な話ですみません。)
なので、狙ったというよりは、生地トラブルだ。
でも、工場に行くとそういった話を聞く機会は多いのだ。
面白い生地を作るような工場に行けば、色んなことに挑戦しているので、なおさらそういった話を伺う機会が多い。
・
さて、今回この2着に共通してオススメしたいポイントは、この素敵な生地の柄合わせになる。
ワンピースは縦、横、斜めに生地を切り替えながら。
シャツはフロントと背面、それぞれピッタリと柄が来るように。
生地の使い方もデザインの一つとして、このアイテムのアクセントに一役買っているのだ。
ちょっと分かりにくいけど、背中の斜めの柄合わせが効いて、非常に構築的な見た目が素敵だ。
・
ちょうどたまたま、先週非常にハイクオリティな縫製工場へお邪魔する機会があった。
柄合わせの作業を見せてもらったのだけど、この工場では、生地がズレ無いようするため、こうやってレザーポイントを使って垂直にしっかりと生地を合わせるようにしているということだった。
(amachi.の依頼している工場ではないと思うし、依頼している工場にはその工場のやり方があるので、あくまでも参考として。)
それくらい工場も神経を使う工程になるのだ。
・
でもそれだからこそ出せる美しさはあって、この"amachi."のシャツは、そんな織物や縫製の工場の方の工夫や細部へのこだわりも欠かせないのだ。
シャツは、肩線のない独特なパターンを用いている。
そのため、スッと身体に沿って落ちるため非常にすっきりとした印象だ。
ワンピースはちょうど肩線のあたりくらいに、燕の巣を彷彿させるような異素材の切り替えがアクセントになっている。
こちら、素材は和紙になる。
もちろん、水で洗っても問題ない。
また、ちゃんとポケットも付いている。
ポケット付き。
嬉しい方も多いでのはないだろうか。
先ほど生地だけ見ると可愛いなんてお話をさせてもらったけど、ワンピースやシャツといった服に仕上がると、やっぱり上品で美しい。
店に到着して以来、何度見ても唸ってしまうようなアイテムだ。
正直、半袖シャツは僕も狙っている。
・
生地、パターン、縫製、デザイン(まあ生地もパターンも縫製もデザインの一部なんだけど)の全てがパーフェクトに揃ったアイテムになるのだ。
・
もし良かったらぜひ一度ご覧いただけると嬉しく思う。
・
なお、ワンピースの"Brown × Pink"は、現在"online shop"でもご覧いただける。
その他の色やアイテムに関しては、SNSもしくはメールにてお問合せください。
・
さて、冒頭で桜が咲くと見たくなる映画「秒速5センチメートル」の桜前線上映のお話をしたけど、僕という個人単体で見ると、桜が咲くと「秒速5センチメートル」を見たいっていうのも、ある意味では季節学に近いものなのかもしれない。
そんなことを思った。
・
季節の移ろいの中で姿を変える森。
そんな森の移ろいをイメージして生まれたテキスタイル。
素敵なテキスタイルを贅沢に、そして繊細に用いたアイテムを纏って、皆さんも季節の移ろいを装いで楽しんでもらえると嬉しく思う。
・
それでは次回もお楽しみに。
0 notes
Text
料理(自炊)をする方が、お金がかかるようになった気がしますね。
自炊は料理でも少し違う面があります。食を楽しむというよりは、生活を過ごすための食事。
各スーパーマーケットの売り上げが���価高騰で
消費は減っているものの売り上げは、値上げのため少し増加しているそうです。
値上げとなれば消費税も高く支払っているわけですし、数字のマジックだなと思いますが(苦笑)
私の親世代とその下世代の方たちは、買い物が大好きですね。
買い物がある意味欠かせないから、 食べるということにも強いこだわりと言いますか、執着と言ってもいいような感覚があるそうです。
特に女性ですが。
スーパーマーケットに行けば高齢者が本当に8割をも客として占めており、驚かされます。
産直などもそうですね。私の親世代の下ぐらいから、高齢者が大半です。
毎日スーパーマーケット巡りを、されているご高齢のご夫婦さんにも出会い
買い物こそ活力なのかと感心させられます。
売上においてもダントツに売れ行きがいいのは『惣菜、弁当』 だそうです。
作れないけど、食べたいという方が多いですね。まるで昭和の経済成長の時みたいな、考え方だな…と思わせられます。
仕事で忙しいので、料理を楽しみ食事を楽しむ余裕がない?感じですが…
味覚の変化もあるのだと思います。正直、美味しいとは思えない惣菜などを、美味しい美味しいといただいている状況が
各SNSで投稿されており、私も一度、口にしておりますが。。。。
正直言って、二度と買うことは無いなという物で喜ばれ、大絶賛されております。。
とあるテレビメディアで有名なスーパーマーケットの話題の商品の『パン』 ですが、加熱するとかたくなり、芯のようになって美味ししい物ではありませんでした。もちろんお味もうーんというにが、正直な印象です。
お寿司においてもですが、変な雑味が組み合わさっており、二度買うこと 無いなと判断しました…テレビで有名なスーパーのお寿司です。
中には美味しいものもございますが、それらはまんま素材に近いものが多くなります。調理加工していない物です。
そこで色々と長年、人の味覚の違いなどを調べておりますが、やはり子供時代の食こそが、強い影響を受けるんだなと。。
場所柄などもあると思います。経済がまだ順調に続いていくだろうという時代は、まさにチェーン店やファミレスとセットで地方郊外などのニュータウンなどで生活される方は、食の影響を受けています。
ご家庭が両親共働きで、忙しければ、買ってきた惣菜やお弁当やとなると思いますし。市販の調合調味料の味になることも多いでしょう。めんつゆとかもですね。
中心部と郊外では飲食店の数も、絶対的に違いますし。それらは子供たちの味覚も、関連するなとわかります。
あるスーパーマーケットでは、現役世代の���子さんが母親を連れて
買い物に連れて行っているご様子や。
何を買ってどんな食事や物を買うのかなと、パッと目にすると
半額の高いお肉など、買い物かごにびっくりするほど入れていました。
男性1人のご高齢者ですと、小さなお弁当ひとつだけや、菓子パンとぐらいです。
他で見た見切りタイムも、ご高齢者の女性が多いこと多いこと。山盛りカゴに入れている人もいます。
私は人が混む時間帯を外して、訪れますので、それも変化がございましたが。
現役子育て世代のお母さん方が、その時間に買い物に来られる方が、本当に増えました。
ご高齢者の女性は高い物を半額で買われており
子育て世代のお母さん方は、安い物を半額で買う傾向にあるようです。
この違いもすごいですね。
子育て世代は子供の成長に合わせて、食費も高くなりますし
やはり成長期にはしっかりとした栄養ある食事こそ、大切になってきます。
加工食品、冷凍食品の需要も高く、スーパーへ行けば惣菜だって山ほどあり、手に入りますしね。
手間暇をかけずとも食事は摂れます。
けれど満足度が低いからか、菓子パンや甘いものの過剰摂取だったり、脂質糖質過剰だったりと。
栄養バランスを崩されている方も
よく見ますし、風邪をひきやすい、疲れやすいなども現れるものです。
そうなるとやはり、料理をされる方が 体調に合わせて日々の食事を調整できる。
そんな利点もあるんだと知ってもらえれば幸いです。
私の料理の中には薬膳、東洋医学の考えを取り入れて、生薬なども取り入れています。
そんなふうに、暮らしに知恵を作用させることも、大切だと思います。
料理研究家 指宿さゆり
ーーーーーーーーーーー
#料理研究家指宿さゆり
#レシピ開発
#レシピ制作
#レシピ制作専門スタジオ
#料理は教養
#食は品性
#神戸グルメ
#グルメスタグラム
#神戸料理教室
#築地ランチ
#東京グルメ
#新橋グルメ
#japanesefood
#まぐろ
#寒鰤
#washoku
#お弁当
#おにぎりランチ
#インスタグルメ
#巻き寿司
#神戸料理教室
#神戸グルメ
#粕汁
#sushi
#食べ歩き
#鉄火巻き
#インバウンド
#ハンバーグ
#とんかつ
#sushilovers
#重箱
0 notes
Text
ペンを取れれば勝ちまくり
10時半に寝て、2時に起きてしまった。目が痛い(画面を見ているため)。『ルポ 消えた子どもたち』(NHKスペシャル取材班)の一章を読む。児童虐待の「その後」を明らかにするにあたって、出版されている一般書籍を目につく範囲で購入した。Amazonで(物流が悲鳴をあげているらしいと聞くので申し訳ないと思いながら)注文し、夜届いた。他に『誰もボクを見ていない』『わたし、虐待サバイバー』が届き、『ルポ 虐待サバイバー』が明日届く予定である。今のところ、聞き取り取材、ルポライター、自伝が中心で、学術的な書籍はまだ調べていない。というか、『ACEサバイバー』『子どもの脳を傷つける親たち』以外に見つけられていない(この2冊は購入済で、どちらも2/3程読��だところ)。あとは研究論文(心理学のものが多い気がする)の注釈から専門書を調べて、取り寄せたいと思っている。ざっと見た感じでは、書籍よりも論文からの引用が多く、書籍にまとまった学術書はまだ少ないと思われる。とくに、社会学者がこの問題を取り上げているケースは、少ない。でもなんか私は社会学の方向からこの問題を提起していくべきだと思う。心理学や精神科医の論文は治療のため、ケアのためのものであって、社会問題として世間に訴える役割ではないと思えるから。福祉社会学における先行研究が今ひとつ目に入ってこない。探し方が悪いのだと思う。PCとプリンタ(明日届く)を繋いだら本格的に探して印刷しておきたい。とにかく記憶力が悪いので、何事も紙にしてラインを引いて自分の手でまとめ直さないと頭に入らない。それをしてさえなかなか覚えていられないのだが、とにかく紙に印字された情報を手元に置いておけるのはかなりの安心感がある。電子だとどこにどの情報があるのか、それらをまとめるツールを使わなければならないのだが、そういうのがかなり面倒くさく感じる。これはPCを使っていないからだと思う。PCの起動が基本的に重く、動作も早くないので、せっかちな私はかなりPCとの相性が悪い。軽量化して起動もできるだけ短縮しているはずだし、データも全てUSBメモリに移しており、そんなに本体にデータもないはずなのに、iCloudのような何ものかが無駄に写真を保管していたりして、しかしもはや消し方がわからない。iCloud自体をアンインストールすればいいのか。あとはiTunesに入っている楽曲が重いのではないかと思っている。しかしiTunesは消すわけにはいかない。iTunes内のデータはCドライブにいるような気がするのだが、これは他のドライブに移せるのだろうか。明日調べてみようと思う(毎回調べては挫折している気がする)。
プリンタとPC机(簡易)が届くのを前にして、やっと客用布団をクローゼットにしまうことができた。部屋の半分くらいしかつかっていないので(居室は6畳のはずだがそれより広いと思う)、かなりすっきりというか、がらんとして、寒々しい。机が届いたらまた雰囲気も変わるだろうし、ものが増えて散らかっていくんだろうなあと思う。客用に毛布(として使っているふわふわの敷きパッド)を1枚布団に挟みっぱなしにしていたのを、改めて自分のベッドに移動させたらめちゃくちゃ暖かくて、これなら寝てる間に暖房がいらないなと思う。布団だと暑すぎるので、毛布2枚と敷きパッドで調節している。とにかくふわふわの中に挟まれて寝るのが好きなので、敷きパッドあるいはシーツの代わりに無印良品の毛布を敷き、ニトリのNウォームの毛布をかけ、その上から古くて重い(母からもらった昔の)毛布やふわふわの敷きパッドを乗せ、ベッドを密封している。かなり自分の巣という感じがしていい。寝具を好みに整えることは、安心して暮らせることの第一条件だと思う。実家での私の睡眠環境は最悪だったが、そのことは家を出るまで気づかなかった。折りたたみのパイプベッドに薄い布団を敷いて寝ていたので、どう考えても体が痛かったと思う。そのことを踏まえて、実家に戻った時に(成人してかなり経ってから)パイプベッドの上にマットレスを敷き、それでようやく人間が寝るベッドらしくなった。なぜ私だけ簡易的なパイプベッドを使わされ続け、ベッドを買ってもらえなかったのかはわからない。私が19歳まであの硬いベッドで寝ながら苦しんでいるあいだ、父母兄はマットレスのしっかりした、でかくて高いベッドで寝ていたのだ。糞が。まあベッドが与えられて布団や毛布があり、横になって眠れるだけでかなり恵まれていると今はわかっているので、あまりこういうことを言ってはいけない。親がすること/しないことに関して、特に深い意味はない。大人として、子供の養育に興味がないのだから、子供のベッドを買うということを思いつかなくても全く不思議はない。パイプベッドの硬い骨組みの上で、私が肩こりと頭痛と不眠に苦しんでいても、親には関係のない出来事だった。今はそんなことは遠い記憶なので本当によかったと思う。
日記を書いていたら本格的にお腹がすいてきてしまった。今日は人生2度目の水炊きだった。今日も美味しかった。今から冷凍ご飯に卵をかけて食べればいい気がする。
今日の日記としては、まだやや体が重かったが、風呂に入らずドライシャンプーだけして、Seriaとタリーズに行った。Seriaでまた無駄にあんスタのメタリックカードとクリアカードを買ってしまう。ガチャやブラインドは射幸心を煽り無駄に金を使わせる悪しき風習だ。こんな悪魔みたいな商法を考えついたのは一体誰なんだ。ギャンブルじゃねーか。タリーズではとち狂って苺のミルフィーユロイヤルミルクティーなる激甘かつクリームのせのせのものを注文してしまった。『資本主義の〈その先〉へ』を2ヶ月ぶりに開いた。自分で資本主義とは何で、問題点はどこで、今後社会はどう展望されるのか、説明できるようになるまで、資本主義の勉強は頑張ろうと思う。とにかく「説明できる」というのが大切だ。それはつまり記憶しているということだ。英検用の教材も一応持っていったが、今日は結局勉強しなかった。勉強再開1日目としては、これくらいの出来なさでもまあ仕方がないかと思えた。帰路、とにかく体が重かった。郵便局とスーパーに寄ることができた。ま��太ったのだろうなと思う。なんだか疲れは取れないがとりあえず動いていたという1日だった。風呂に入るべきだと思う。
2023.12.14
1 note
·
View note
Text
誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。
②コリント11・18、21b-30
誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。
使徒パウロのコリントの教会への手紙
皆さん、11・18多くの者が肉に従って誇っているので、わたしも誇ることにしよう。だれかが何かのことであえて誇ろうとするなら、愚か者になったつもりで言いますが、わたしもあえて誇ろう。22彼らはヘブライ人なのか。わたしもそうです。イスラエル人なのか。わたしもそうです。アブラハムの子孫なのか。わたしもそうです。23キリストに仕える者なのか。気が変になったように言いますが、わたしは彼ら以上にそうなのです。苦労したことはずっと多く、投獄されたこともずっと多く、鞭打たれたことは比較できないほど多く、死ぬような目に遭ったことも度々でした。24ユダヤ人から四十に一つ足りない鞭を受けたことが五度。25鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。26しばしば旅をし、川の難、盗賊の難、同胞からの難、異邦人からの難、町での難、荒れ野での難、海上の難、偽の兄弟たちからの難に遭い、27苦労し、骨折って、しばしば眠らずに過ごし、飢え渇き、しばしば食べずにおり、寒さに凍え、裸でいたこともありました。28このほかにもまだあるが、その上に、日々わたしに迫るやっかい事、あらゆる教会についての心配事があります。29だれかが弱っているなら、わたしは弱らないでいられるでしょうか。だれかがつまずくなら、わたしが心を燃やさないでいられるでしょうか。30誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。
答唱詩編
詩編34・2+3、4+5
主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。
詩編34
34・2主をたたえよう、 明け暮れ賛美をくちにして。 3主はわたしたちの口のほこり、 苦しむときの心のよろこび。
4心を合わせて主をあがめ、 ともにその名をたたえよう。 5主はわたしたちの祈りに心を留め、 すべての恐れを遠ざけてくださる。
福音朗読
マタイ6・19-23
アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・19「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。20富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。21あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。
22体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、23濁っていれば、全身が暗い。だから、あなたの中にある光が消えれば、その暗さはどれほどであろう。」
��礼者ヨハネの誕生・前晩のミサ 祭日
第一朗読
エレミヤ1・4-10
母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた。
エレミヤの預言
1・4主の言葉がわたしに臨んだ。 5「わたしはあなたを母の胎内に造る前から あなたを知っていた。 母の胎から生まれる前に わたしはあなたを聖別し 諸国民の預言者として立てた。」 6わたしは言った。 「ああ、わが主なる神よ わたしは語る言葉を知りません。 わたしは若者にすぎませんから。」 7しかし、主はわたしに言われた。 「若者にすぎないと言ってはならない。 わたしがあなたを、だれのところへ 遣わそうとも、行って わたしが命じることをすべて語れ。 8彼らを恐れるな。 わたしがあなたと共にいて 必ず救い出す」と主は言われた。
9主は手を伸ばして、わたしの口に触れ 主はわたしに言われた。 「見よ、わたしはあなたの口に わたしの言葉を授ける。 10見よ、今日、あなたに 諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる。 抜き、壊し、滅ぼし、破壊し あるいは建て、植えるために。」
答唱詩編
詩編71・1a+2+3a、6b+15+16
父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。
詩編71
71・1a神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 2あなたの正義でわたしを救い、 わたしに答え、助けてください。 3a身を避ける岩、わたしを救うとりでとなってください。
6b神よ、あなたの正義と救いのわざを 15わたしは昼も夜も告げ知らせる。 16神の力あるみわざを語り、 あなたのものである正義をわたしはほめ歌う。
第二朗読
①ペトロ1・8-12
あなたがたは、すばらしい喜びに満ちあふれて��ます。
ペトロの手紙
愛する皆さん、1・8あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。9それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです。10この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。11預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。12彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。
福音朗読
ルカ1・5-17
アレルヤ、アレルヤ。幼子よ、お前も神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整える。アレルヤ、アレルヤ。
ルカによる福音
1・5ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。6二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。7しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。8さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、9祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。10香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。11すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。12ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。13天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。14その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。15彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、16イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。17彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」
0 notes
Text
結衣航世に誘われ富士急へ🎢
健太郎と初のご対面ということで双方ワクワクしている模様
スタートから、運転のお礼の品物としてけんたろうの大好きなしゃりぞう(お煎餅的なやつ)ネックレス作って持ってくるセンスの塊な航世。笑
そして後部座席ではしゃぐ結衣と航世を見て、若いなぁ〜と呟く健太郎おじさん👨🏻
仕事終わりそのままの運転でさぞ眠かったやろうのに今回も眠い目擦りながら連れて行ってくれました
そして高速降りてすぐ衝撃を受けたのが
雪積もってる!?!?!?
え、富士急いけてる!?!?
案の定ほぼ運休で、乗れそうなのは子供向けアトラクションとずぶ濡れになるアトラクションのみ
普段そんなに並ばないであろうアトラクションなのに
今日はそもそも運転してるアトラクションが少なく
ずぶ濡れの乗り物に乗るのに50分待ち!!
もう春だと思い、ましてや雪が積もってるなんて思わなかったので超絶薄着で来てしまって
寒すぎて凍えてた私に
すぐ気づいたけんたろう(笑)
けんたろうのアウターと交換してもらって無事凍死回避←え
そんでもって重たい私の荷物はけんたろう
結衣の重たい荷物は航世が終始持ってくれていて
なんてできた彼氏達や、、
それもさ
やってあげてんで!って嫌味な感じ1つもなくて
2人ともサラッと感がすごいのよ
私も結衣も性格的に尖ってるところ多かったりするのに
健太郎と航世がそれを包み込むような性格なもんで
2人のおかげで私も結衣も丸くなってるな〜と実感
私がけんたろうのこと必要としてるのと同じで
結衣も航世を必要としてるのがすごいわかる
一緒にいるだけで世界が平和で幸せな空間に一変するよね
そんなこんなで
初めて4人で会ったのに前から仲良かった?ってぐらい意気投合してしまっていた私たち
最後まで思いやりの心で溢れていた素敵な1日でした
次はキャンプね!!
2人を夜行バス乗り場まで見送り
私たちはホテルへ
若干潔癖症のけんたろうがいなければ
気づかなかった部屋の汚れの発見からスタートし
嘘でも居心地が良いとは言えないホテルでした😢
清掃の雑さに終始文句を言う私の隣で
はちこちゃんホテル取ってくれてありがとうな!って
私を気遣ってくれる優しいけんたろう(笑)
お風呂も信じられず結局入らず
気づけば2人とも寝落ち
前日ほぼ寝てない私たちは8時間ほど爆睡
2日目
前日は夜で見えなかった山中湖から見る大きな富士山を横に
美味しいパンを調達!
私たちの共通点は
ご飯は絶対ケチらないこと
たくさんパンを買って河口湖へ
河口湖へ行くと海外からの旅行客がたっくさん
コロナが落ち着いたからこその光景
海外の人が日本のこういう風景を見て幸せそうにしてるのを見るのが好きやねん〜てけんたろう
そんなけんたろうを見てる私が幸せだわ(笑)
そして温泉へ行き
身も心も整った状態で富士山登頂入口の浅間神社へ
山梨のマイナスイオンを全身で吸収させていただきました
帰りはたくさん休憩しながら帰ろうということで
少し早めに16時には出発!
昼間はすぐ助手席で寝ちゃう私も
夜になると覚醒してペラペラマシンガントーク←迷惑
大きなSAで止まり一旦小休憩
小腹が空いた私たちは中にあったビクドンへ
サイドメニューを頼もうということで頼んだのが
ブロッコリーの箱舟とイカの箱舟
私のイチオシメニュー
あまりビクドンに来ることのないらしいけんたろう
ブロッコリーとイカ食べた瞬間
え、まって、、美味しすぎる、、����😫😫って
ほんまにこんな顔してた(笑)
こんな美味しいもの食���れて幸せや〜って(笑)
私はけんたろうのこういうところが好き
いつも食べに行くと美味しいな〜幸せやな〜って言ってる
小さなことにいつも感動して幸せを見出してるけんたろうが好きやしそんなけんたろうを見てるだけで私も幸せになる
そこからまたちょこちょこ休憩挟みつつ23時には私の家まで送り届けてくれた
実家の車でも酔ってしまう私が唯一酔わないのがけんたろうの車
座席シートの暖かさの調節もうとうとしてたら座席そっと倒そうとしてくれるのも
そしていつも安全に家まで送り届けてくれるのも
普通って思う人もおるかもしれんけど私からすると本当によくできた彼氏だなぁと思ってる
いつもマンションの下まで車つけてくれるのに
気をつけて帰るんやでって言うてくるけど←ネタ
旅行へ行くといつも感謝の気持ちで溢れてしまう
またしばらく家探しと手続きと買い物に追われそうやけどまた落ち着いたら旅行行きたいなぁ〜〜
今回の旅もたくさんの大きな愛をありがとう!
素敵な二日間でした!
0 notes
Text
2022/08/16 夕ごはん
オクラ納豆そうめん 豚バラ軟骨と大根のあっさり煮 ホッキ貝の刺身
おととい2022/08/14から、特に理由ないけどアルコールをおやすみしています。
。。。嘘。夏バテと胃腸の調子が慢性的にアレなのと、冷たいもの(主に泡立つ黄金の麦汁あるいは琥珀色にシュワシュワする家でつくるとつい濃くしちゃう炭酸飲料)が多いのが多分に影響してると思われる身体のだる重さ。いくら漢方やら鍼灸で養生したって、生活習慣は基本のキですからね?と自分に説教。自分で方向決めて、そして節制するならばそれはそれで愉しめばよいというだけなのです。
ということで夕食も家でつくるわけですが、オクラの下茹で(ガクをカットしてさっと茹でて塩水につけて保存)とか冷凍しといた納豆を冷蔵庫移して解凍しとくとか、パルシステムで届いたまま冷凍庫の底に沈んでて賞味期限あたりで発掘されたのでチルド室に移してゆっくり解凍、とかは、事前に済ませといたもの。なので今日の調理は麺を茹でるとかかけ汁調整とか、つくりおいた煮物をチンするとか刺身並べる程度なので、とっても時短。結局食べに行くよりサクッと済ませられるのですよねぇ。わかってるけれどなんとなくついついふらふらひとりでお店に入ってしまう。空腹とか喉が渇いた、という要素からの習慣ではないこともわかってはいるつもりです。
そうめんは100gでお腹いっぱい。かもての手延べそうめんを相変わらずちまちま消費しています。かけ汁はこの前かつお節を使い切りたくて濃い目にとっちゃった昆布との合わせ出汁を冷やしておいたものに白だしで調味したもの。上に下茹で済のオクラを乱切りにして、大粒納豆(ヤオコーのこれがやっぱり好き)と一緒に麺に載せて、薬味のネギ散らして、万能梅みそをトッピングしました。これはまだ肌寒い季節に越生の山口農園に出かけてランチのついでに買ったもの。具材にちょっと酸味と旨味を足したかった。
先週末、業務スーパーの新規開店に出くわしたので立ち寄ったら、豚バラ軟骨がお手頃価格で並んでたので2パック買って、水から茹でて茹でこぼしてから、日本酒とネギの青いとこと生姜と一緒に圧力鍋で30分加圧。圧が抜けたらまず味見(塩とか醤油とかポン酢でシンプルにゆでたてをいただきます。素材の味がして好きなの)。このくらいの加圧時間でプリプリよりちょい硬い程度。味見したら残りは角煮風のしっかり味付けと、あっさりシンプル調味のものに二分割してそれぞれ電鍋で煮込んで冷蔵庫にストック。
これはあっさりシンプルのほう。大根スライスに豚の旨味を吸わせているので野菜が美味しい✌️本当は大根と一緒に白醤油か薄口醤油を買うはずが忘れたので、これも白だしです。ただ白だし由来の甘さを抑えたいので控えめにして、塩も加えて味加減しました。それを食べる分だけ取り分けてレンチン用ガラス器で温めて食卓へ。塩味もきつくないので、これは単品のおかずとしてよし。ごはんのお供やおつまみならもうちょい塩分加えるか、柚子胡椒添えるかなぁ。
パルシステムの冷凍お刺身はちゃんと美味しいので重宝しています。2拠点生活を終えたのでパルで冷凍品をまた買えるようになったことは心強い。疲れ果てるとスーパーに立ち寄ることすら面倒なときもあるのでねぇ。
お供はプーアル茶でのんびりしっかりいただきました。セッティングしちゃえばお酒なくても案外大丈夫なものです。おつまみっぽいメニューでもね。
2 notes
·
View notes
Text
挫折挫折のしもやけ対策
私はここ5年ほど、冬に顔・頬にしもやけを作って来ました。
頬にしもやけの症状が出るのは、幼い頃にはありましたが確か小学校時代までの話、中学に上がる頃には自然と消えていた症状だったと記憶します。
私が生まれ育った地は冬は積雪量が多い雪国、しもやけはそこに住む多くの人に起きて納得の症状でありましたので、小学校を卒業するころには解放されたことが私はとても嬉しかったのを覚えています。
しかもしもやけだった小学生の頃、手に特別なお薬をあてがった記憶は一切ありません。
代わりに、母親が用意してくれた硫黄を溶かした湯に手の平を入れて頬につけるという自宅治療で解決していた記憶がありますので、毎回軽傷で済んでいたようです。
さて、私は大学進学を機に雪国の実家をを離れることになり、以降幾つかの違う土地を転々として行ったのですが、中には雪国ではなくても冬は雪国級の凍り付く気温が多い地域で生活した時期もありました。
ですがどこへ行ってもしもやけとは無縁で冬を越せ、私にはもうしもやけは起きないと安心させられて行きました。
ですから、先に触れました通り5年ほど前再発した時は本能にびっくり、余りにも意外の出来事、なぜなら再発は今現在も住み続けている南国の地の冬で起きたからです。
今の南国の地の冬は、私の生まれ故郷の雪国とは比べものにならない程の温暖、降雪は皆無に近く、数年前に降った時、私は周囲の人の雪への反応が好意的だったことに軽いカルチャーショックを受けたものでした。
子供の頃雪国で育った私にとって雪は「もうこりごり沢山です」の心境にさせてくれる一方で、雪が珍しいこの地の人々には喜ばしい存在、舞い降りる雪に浮かれていたのでした。
さて、稀に降雪はあっても南国の冬は雪国に比べ寒さは緩く、私はこの南国の地でしもやけなんて自分には起るわけがないと思わされてきました。
だからこそ、再発した時は自分でも信じられませんでした。
再発した年、そしてその次の年もしもやけが起きても最寄りのドラッグスアで購入したしもやけにも効果的というスキンケアクリームで割と簡単に治すことが出来ていました。
ですが再発3年目の冬からは、市販のスキンケアクリームで早め早めに対処しても効果なしで悪化が進み、慌ててお医者様を頼るはめになっています。
昨年の冬は過去最悪で、これまで塗り薬の処方だけで治せていましたが、それに併用して飲み薬も必要とにまでなっていました。
私はしもやけは血行不良が大きく原因しているので、日頃から血流循環を整える為にビタミンEが豊富なナッツ類を摂取すればいいというアイデアは持っていますが、三年ながら実行できないままでいます。
結局夏は暑さに負け、かき氷ばかり食べて体を冷やすことに専念してしまいます。
実は私はナッツは決して嫌いではないのですが、ひねくれ者なのでしょうか「ナッツを食べなくちゃ」と義務化してしまうと避けたくなる心理が働くようです。
今は9月、数か月後に来る冬に向けてナッツを食べる習慣をつければ今回の冬はしもやけ無しで過ごせるかもしれない、そんなことを思いながらも、結局暑さに負けてかき氷に冷たい飲み物で自分を甘やかしてしまっています。
どこかでナッツ習慣実行を決められたらいいのですが、出来るかしら私、自信ありません。
そこでスキンケアを見直すことにしました。ネットで色々調べると、いま流行しているのが炭酸美容だそです。
手軽に炭酸美容ができるアイテムを探したところ、ユレイル スパークリングパックが良さそうです。
さっそくスパークリングパックの口コミと効果を説明しているサイトを読みました。
そのサイトによると、私のようなしもやけの肌トラブルにも効果的だと。
そこですぐにユレイル スパークリングパックを購入し使っています。
使いはじめてから、なんだか少ししもやけが良くなった気がします。
1 note
·
View note
Text
自殺未遂
何度も死のうとしている。
これからその話をする。
自殺未遂は私の人生の一部である。一本の線の上にボツボツと真っ黒な丸を描くように、その記憶は存在している。
だけど誰にも話せない。タブーだからだ。重たくて悲しくて忌み嫌われる話題だからだ。皆それぞれ苦労しているから、人の悲しみを背負う余裕なんてないのだ。
だから私は嘘をつく。その時代を語る時、何もなかったふりをする。引かれたり、陰口を言われたり、そういう人だとレッテルを貼られたりするのが怖いから。誰かの重荷になるのが怖いから。
一人で抱える秘密は、重たい。自分のしたことが、当時の感情が、ずっしりと肩にのしかかる。
私は楽になるために、自白しようと思う。黙って平気な顔をしているのに、もう疲れてしまった。これからは場を選んで、私は私の人生を正直に語ってゆきたい。
十六歳の時、初めての自殺未遂をした。
五年間の不登校生活を脱し高校に進学したものの、面白いくらい馴染めなかった。天真爛漫に女子高生を満喫する宇宙人のようなクラスメイトと、同じ空気を吸い続けることは不可能だと悟ったのだ。その結果、私は三ヶ月で中退した。
自信を失い家に引きこもる。どんよりと暗い台所でパソコンをいじり続ける。将来が怖くて、自分が情けなくて、見えない何かにぺしゃんこに潰されてしまいそうだった。家庭は荒れ、母は一日中家にいる私に「普通の暮らしがしたい」と呟いた。自分が親を苦しめている。かといって、この先どこに行っても上手くやっていける気がしない。悶々としているうちに十キロ痩せ、生理が止まった。肋が浮いた胸で死のうと決めた。冬だった。
夜。親が寝静まるのを待ちそっと家を出る。雨が降っているのにも関わらず月が照っている。青い光が濁った視界を切り裂き、この世の終わりみたいに美しい。近所の河原まで歩き、濡れた土手を下り、キンキンに冷えた真冬の水に全身を浸す。凍傷になれば数分で死に至ることができると聞いた。このままもう少しだけ耐えればいい。
寒い!私の体は震える。寒い!あっという間に歯の根が合わなくなる。頭のてっぺんから爪先までギリギリと痛みが駆け抜け、三秒と持たずに陸へ這い上がった。寒い、寒いと呟きながら、体を擦り擦り帰路を辿る。ずっしりと水を含んだジャージが未来のように重たい。
風呂場で音を立てぬよう泥を洗い流す。白いタイルが砂利に汚されてゆく。私は死ぬことすらできない。妙な落胆が頭を埋めつくした。入水自殺は無事、失敗。
二度目の自殺未遂は十七歳の時だ。
その頃私は再入学した高校での人間関係と、精神不安定な母との軋轢に悩まされていた。学校に行けば複雑な家庭で育った友人達の、無視合戦や泥沼恋愛に巻き込まれる。あの子が嫌いだから無視をするだのしないだの、彼氏を奪っただの浮気をしているだの、親が殴ってくるだの実はスカトロ好きのゲイだだの、裏のコンビニで喫煙しているだの先生への舌打ちだの⋯⋯。距離感に不器用な子達が多く、いつもどこかしらで誰かが傷つけ合っていた。教室には無気力と混乱が煙幕のように立ち込め、普通に勉強し真面目でいることが難しく感じられた。
家に帰れば母が宗教のマインドコントロールを引きずり「地獄に落ちるかもしれない」などと泣きついてくる。以前意地悪な信者の婆さんに、子どもが不登校になったのは前世の因縁が影響していて、きちんと祈らないと地獄に落ちる、と吹き込まれたのをまだ信じているのだ。そうでない時は「きちんと家事をしなくちゃ」と呪いさながらに繰り返し、髪を振り乱して床を磨いている。毎日手の込んだフランス料理が出てくるし、近所の人が買い物先までつけてくるとうわ言を言っている。どう考えても母は頭がおかしい。なのに父は「お母さんは大丈夫だ」の一点張りで、そのくせ彼女の相手を私に丸投げするのだ。
胸糞の悪い映画さながらの日々であった。現実の歯車がミシミシと音を立てて狂ってゆく。いつの間にやら天井のシミが人の顔をして私を見つめてくる。暗がりにうずくまる家具が腐り果てた死体に見えてくる。階段を昇っていると後ろから得体の知れない化け物が追いかけてくるような気がする。親が私の部屋にカメラを仕掛け、居間で監視しているのではないかと心配になる。ホラー映画を見ている最中のような不気味な感覚が付きまとい、それから逃れたくて酒を買い吐くまで酔い潰れ手首を切り刻む。ついには幻聴が聞こえ始め、もう一人の自分から「お前なんか死んだ方がいい」と四六時中罵られるようになった。
登下校のために電車を待つ。自分が電車に飛び込む幻が見える。車体にすり潰されズタズタになる自分の四肢。飛び込む。粉々になる。飛び込む。足元が真っ赤に染まる。そんな映像が何度も何度も巻き戻される。駅のホームは、どこまでも続く線路は、私にとって黄泉への入口であった。ここから線路に倒れ込むだけで天国に行ける。気の狂った現実から楽になれる。しかし実行しようとすると私の足は震え、手には冷や汗が滲んだ。私は高校を卒業するまでの四年間、映像に重なれぬまま一人電車を待ち続けた。飛び込み自殺も無事、失敗。
三度目の自殺未遂は二十四歳、私は大学四年生だった。
大学に入学してすぐ、執拗な幻聴に耐えかね精神科を受診した。セロクエルを服用し始めた瞬間、意地悪な声は掻き消えた。久しぶりの静寂に手足がふにゃふにゃと溶け出しそうになるくらい、ほっとする。しかし。副作用で猛烈に眠い。人が傍にいると一睡もできないたちの私が、満員の講義室でよだれを垂らして眠りこけてしまう。合う薬を模索する中サインバルタで躁転し、一ヶ月ほど過活動に勤しんだりしつつも、どうにか普通の顔を装いキャンパスにへばりついていた。
三年経っても服薬や通院への嫌悪感は拭えなかった。生き生きと大人に近づいていく友人と、薬なしでは生活できない自分とを見比べ、常に劣等感を感じていた。特に冬に体調が悪くなり、課題が重なると疲れ果てて寝込んでしまう。人混みに出ると頭がザワザワとして不安になるため、酒盛りもアルバイトもサークル活動もできない。鬱屈とした毎日が続き闘病に嫌気がさした私は、四年の秋に通院を中断してしまう。精神薬が抜けた影響で揺り返しが起こったこと、卒業制作に追われていたこと、就職活動に行き詰まっていたこと、それらを誰にも相談できなかったことが積み重なり、私は鬱へと転がり落ちてゆく。
卒業制作の絵本を拵える一方で遺品を整理した。洋服を売り、物を捨て、遺書を書き、ネット通販でヘリウムガスを手に入れた。どうして卒制に遅れそうな友達の面倒を見ながら遺品整理をしているのか分からない。自分が真っ二つに割れてしまっている。混乱しながらもよたよたと気力で突き進む。なけなしの努力も虚しく、卒業制作の提出を逃してしまった。両親に高額な学費を負担させていた負い目もあり、留年するぐらいなら死のうとこりずに決意した。
クローゼットに眠っていたヘリウムガス缶が起爆した。私は人の頭ほどの大きさのそれを担いで、ありったけの精神薬と一緒に車に積み込んだ。それから山へ向かった。死ぬのなら山がいい。夜なら誰であれ深くまで足を踏み入れないし、展望台であれば車が一台停まっていたところで不審に思われない。車内で死ねば腐っていたとしても車ごと処分できる。
展望台の駐車場に車を突っ込み、無我夢中でガス缶にチューブを繋ぎポリ袋の空気を抜く。本気で死にたいのなら袋の酸素濃度を極限まで減らさなければならない。真空状態に近い状態のポリ袋を被り、そこにガスを流し込めば、酸素不足で苦しまずに死に至ることができるのだ。大量の薬を水なしで飲み下し、袋を被り、うつらうつらしながら缶のコックをひねる。シューッと気体が満ちる音、ツンとした臭い。視界が白く透き通ってゆく。死ぬ時、人の意識は暗転ではなくホワイトアウトするのだ。寒い。手足がキンと冷たい。心臓が耳の奥にある。ハツカネズミと同じ速度でトクトクと脈動している。ふとシャンプーを切らしていたことを思い出し、買わなくちゃと考える。遠のいてゆく意識の中、日用品の心配をしている自分が滑稽で、でも、もういいや。と呟く。肺が詰まる感覚と共に、私は意識を失う。
気がつくと後部座席に転がっている。目覚めてしまった。昏倒した私は暴れ、自分でポリ袋をはぎ取ったらしい。無意識の私は生きたがっている。本当に死ぬつもりなら、こうならぬように手首を後ろできつく縛るべきだったのだ。私は自分が目覚めると、知っていた。嫌な臭いがする。股間が冷たい。どうやら漏らしたようだ。フロントガラスに薄らと雪が積もっている。空っぽの薬のシートがバラバラと散乱している。指先が傷だらけだ。チューブをセットする際、夢中になるあまり切ったことに気がつかなかったようだ。手の感覚がない。鈍く頭痛がする。目の前がぼやけてよく見えない。麻痺が残ったらどうしよう。恐ろしさにぶるぶると震える。さっきまで何もかもどうでも良いと思っていたはずなのに、急に体のことが心配になる。
後始末をする。白い視界で運転をする。缶は大学のゴミ捨て場に捨てる。帰宅し、後部座席を雑巾で拭き、薬のシートをかき集めて処分する。ふらふらのままベッドに倒れ込み、失神する。
その後私は、卒業制作の締切を逃したことで教授と両親から怒られる。翌日、何事もなかったふりをして大学へ行き、卒制の再提出の交渉する。病院に保護してもらえばよかったのだがその発想もなく、ぼろ切れのようなメンタルで卒業制作展の受付に立つ。ガス自殺も無事、失敗。
四度目は二十六歳の時だ。
何とか大学卒業にこぎつけた私は、入社試験がないという安易な理由でホテルに就職し一人暮らしを始めた。手始めに新入社員研修で三日間自衛隊に入隊させられた。それが終わると八時間ほぼぶっ続けで宴会場を走り回る日々が待っていた。典型的な古き良き体育会系の職場であった。
朝十時に出社し夜の十一時に退社する。夜露に湿ったコンクリートの匂いをかぎながら浮腫んだ足をズルズルと引きずり、アパートの玄関にぐしゃりと倒れ込む。ほとんど意識のないままシャワーを浴びレトルト食品を貪り寝床に倒れ泥のように眠る。翌日、朝六時に起床し筋肉痛に膝を軋ませよれよれと出社する。不安���なシフトと不慣れな肉体労働で病状は悪化し、働いて二年目の夏、まずいことに躁転してしまった。私は臨機応変を求められる場面でパニックを起こすようになり、三十分トイレにこもって泣く、エレベーターで支離滅裂な言葉を叫ぶなどの奇行を繰り返す、モンスター社員と化してしまった。人事に持て余され部署をたらい回しにされる。私の世話をしていた先輩が一人、ストレスのあまり退社していった。
躁とは恐ろしいもので人を巻き込む。プライベートもめちゃくちゃになった。男友達が性的逸脱症状の餌食となった。五年続いた彼氏と別れた。よき理解者だった友と言い争うようになり、立ち直れぬほどこっぴどく傷つけ合った。携帯電話をハイヒールで踏みつけバキバキに破壊し、コンビニのゴミ箱に投げ捨てる。出鱈目なエネルギーが毛穴という毛穴からテポドンの如く噴出していた。手足や口がばね仕掛けになり、己の意思を無視して動いているようで気味が悪かった。
寝る前はそれらの所業を思い返し罪悪感で窒息しそうになる。人に迷惑をかけていることは自覚していたが、自分ではどうにもできなかった。どこに頼ればいいのか分からない、生きているだけで迷惑をかけてしまう。思い詰め寝床から出られなくなり、勤務先に泣きながら休養の電話をかけるようになった。
会社を休んだ日は正常な思考が働かなくなる。近所のマンションに侵入し飛び降りようか悩む。落ちたら死ねる高さの建物を、砂漠でオアシスを探すジプシーさながらに彷徨い歩いた。自分がアパートの窓から落下してゆく幻を見るようになった。だが、無理だった。できなかった。あんなに人に迷惑をかけておきながら、私の足は恥ずかしくも地べたに根を張り微動だにしないのだった。
アパートの部屋はムッと蒸し暑い。家賃を払えなければ追い出される、ここにいるだけで税金をむしり取られる、息をするのにも金がかかる。明日の食い扶持を稼ぐことができない、それなのに腹は減るし喉も乾く、こんなに汗が滴り落ちる、憎らしいほど生きている。何も考えたくなくて、感じたくなくて、精神薬をウイスキーで流し込み昏倒した。
翌日の朝六時、朦朧と覚醒する。会社に体調不良で休む旨を伝え、再び精神薬とウイスキーで失神する。目覚めて電話して失神、目覚めて電話して失神。夢と現を行き来しながら、手元に転がっていたカッターで身体中を切り刻み、吐瀉し、意識を失う。そんな生活が七日間続いた。
一週間目の早朝に意識を取り戻した私は、このままでは死ぬと悟った。にわかに生存本能のスイッチがオンになる。軽くなった内臓を引っさげ這うように病院へと駆け込み、看護師に声をかける。
「あのう。一週間ほど薬と酒以外何も食べていません」
「そう。それじゃあ辛いでしょう。ベッドに寝ておいで」
優しく誘導され、白いシーツに倒れ込む。消毒液の香る毛布を抱きしめていると、ぞろぞろと数名の看護師と医師がやってきて取り囲まれた。若い男性医師に質問される。
「切ったの?」
「切りました」
「どこを?」
「身体中⋯⋯」
「ごめんね。少し見させて」
服をめくられる。私の腹を確認した彼は、
「ああ。これは入院だな」
と呟いた。私は妙に冷めた頭で聞く。
「今すぐですか」
「うん、すぐ。準備できるかな」
「はい。日用品を持ってきます」
私はびっくりするほどまともに帰宅し、もろもろを鞄に詰め込んで病院にトンボ帰りした。閉鎖病棟に入る。病室のベッドの周りに荷物を並べながら、私よりももっと辛い人間がいるはずなのにこれくらいで入院だなんておかしな話だ、とくるくる考えた。一度狂うと現実を測る尺度までもが狂うようだ。
二週間入院する。名も知らぬ睡眠薬と精神安定剤を処方され、飲む。夜、病室の窓から街を眺め、この先どうなるのかと不安になる。私の主治医は「君はいつかこうなると思ってたよ」と笑った。以前から通院をサポートする人間がいないのを心配していたのだろう。
退院後、人事からパート降格を言い渡され会社を辞めた。後に勤めた職場でも上手くいかず、一人暮らしを断念し実家に戻った。飛び降り自殺、餓死自殺、無事、失敗。
五度目は二十九歳の時だ。
四つめの転職先が幸いにも人と関わらぬ仕事であったため、二年ほど通い続けることができた。落ち込むことはあるものの病状も安定していた。しかしそのタイミングで主治医が代わった。新たな主治医は物腰柔らかな男性だったが、私は病状を相談することができなかった。前の医師は言葉を引き出すのが上手く、その環境に甘えきっていたのだ。
時給千円で四時間働き、月収は六万から八万。いい歳をして脛をかじっているのが忍びなく、実家に家賃を一、二万入れていたので、自由になる金は五万から七万。地元に友人がいないため交際費はかからない、年金は全額免除の申請をした、それでもカツカツだ。大きな買い物は当然できない。小さくとも出費があると貯金残高がチラつき、小一時間は今月のやりくりで頭がいっぱいになる。こんな額しか稼げずに、この先どうなってしまうのだろう。親が死んだらどうすればいいのだろう。同じ年代の人達は順調にキャリアを積んでいるだろう。資格も学歴もないのにズルズルとパート勤務を続けて、まともな企業に転職できるのだろうか。先行きが見えず、暇な時間は一人で悶々と考え込んでしまう。
何度目かの落ち込みがやってきた時、私は愚かにも再び通院を自己中断してしまう。病気を隠し続けること、精神疾患をオープンにすれば低所得をやむなくされることがプレッシャーだった。私も「普通の生活」を手に入れてみたかったのだ。案の定病状は悪化し、練炭を購入するも思い留まり返品。ふらりと立ち寄ったホームセンターで首吊りの紐を買い、クローゼットにしまう。私は鬱になると時限爆弾を買い込む習性があるらしい。覚えておかなければならない。
その職場を退職した後、さらに三度の転職をする。ある職場は椅子に座っているだけで涙が出るようになり退社した。別の職場は人手不足の影響で仕事内容が変わり、人事と揉めた挙句退社した。最後の転職先にも馴染めず八方塞がりになった私は、家族と会社に何も告げずに家を飛び出し、三日間帰らなかった。雪の降る中、車中泊をして、寒すぎると眠れないことを知った。家族は私を探し回り、ラインの通知は「帰っておいで」のメッセージで埋め尽くされた。漫画喫茶のジャンクな食事で口が荒れ、睡眠不足で小間切れにうたた寝をするようになった頃、音を上げてふらふらと帰宅した。勤務先に電話をかけると人事に静かな声で叱られた。情けなかった。私は退社を申し出た。気がつけば一年で四度も職を代わっていた。
無職になった。気分の浮き沈みが激しくコントロールできない。父の「この先どうするんだ」の言葉に「私にも分からないよ!」と怒鳴り返し、部屋のものをめちゃくちゃに壊して暴れた。仕事を辞める度に無力感に襲われ、ハローワークに行くことが恐ろしくてたまらなくなる。履歴書を書けばぐちゃぐちゃの職歴欄に現実を突きつけられる。自分はどこにも適応できないのではないか、この先まともに生きてゆくことはできないのではないか、誰かに迷惑をかけ続けるのではないか。思い詰め、寝室の柱に時限爆弾をぶら下げた。クローゼットの紐で首を吊ったのだ。
紐がめり込み喉仏がゴキゴキと軋む。舌が押しつぶされグエッと声が出る。三秒ぶら下がっただけなのに目の前に火花が散り、苦しくてたまらなくなる。何度か試したが思い切れず、紐を握り締め泣きじゃくる。学校に行く、仕事をする、たったそれだけのことができない、人間としての義務を果たせない、税金も払えない、親の負担になっている、役立たずなのにここまで生き延びている。生きられない。死ねない。どこにも行けない。私はどうすればいいのだろう。釘がくい込んだ柱が私の重みでひび割れている。
泣きながら襖を開けると、ペットの兎が小さな足を踏ん張り私を見上げていた。黒くて可愛らしい目だった。私は自分勝手な絶望でこの子を捨てようとした。撫でようとすると、彼はきゅっと身を縮めた。可愛い、愛する子。どんな私でいても拒否せず撫でさせてくれる、大切な子。私の身勝手さで彼が粗末にされることだけはあってはならない、絶対に。ごめんね、ごめんね。柔らかな毛並みを撫でながら、何度も謝った。
この出来事をきっかけに通院を再開し、障害者手帳を取得する。医療費控除も障害者年金も申請した。精神疾患を持つ人々が社会復帰を目指すための施設、デイケアにも通い始めた。どん底まで落ちて、自分一人ではどうにもならないと悟ったのだ。今まさに社会復帰支援を通し、誰かに頼り、悩みを相談する方法を勉強している最中だ。
病院通いが本格化してからというもの、私は「まとも」を諦めた。私の指す「まとも」とは、周りが満足する状態まで自分を持ってゆくことであった。人生のイベントが喜びと結びつくものだと実感できぬまま、漠然としたゴールを目指して走り続けた。ただそれをこなすことが人間の義務なのだと思い込んでいた。
自殺未遂を繰り返しながら、それを誰にも打ち明けず、悟らせず、発見されずに生きてきた。約二十年もの間、母の精神不安定、学校生活や社会生活の不自由さ、病気との付き合いに苦しみ、それら全てから解放されたいと願っていた。
今、なぜ私が生きているか。苦痛を克服したからではない。死ねなかったから生きている。死ぬほど苦しく、何度もこの世からいなくなろうとしたが、失敗し続けた。だから私は生きている。何をやっても死ねないのなら、どうにか生き延びる方法を探らなければならない。だから薬を飲み、障害者となり、誰かの世話になり、こうしてしぶとくも息をしている。
高校の同級生は精神障害の果てに自ら命を絶った。彼は先に行ってしまった。自殺を推奨するわけではないが、彼は死ぬことができたから、今ここにいない。一歩タイミングが違えば私もそうなっていたかもしれない。彼は今、天国で穏やかに暮らしていることだろう。望むものを全て手に入れて。そうであってほしい。彼はたくさん苦しんだのだから。
私は強くなんてない。辛くなる度、たくさんの自分を殺した。命を絶つことのできる場所全てに、私の死体が引っかかっていた。ガードレールに。家の軒に。柱に。駅のホームの崖っぷちに。近所の河原に。陸橋に。あのアパートに。一人暮らしの二階の部屋から見下ろした地面に。電線に。道路を走る車の前に⋯⋯。怖かった。震えるほど寂しかった。誰かに苦しんでいる私を見つけてもらいたかった。心配され、慰められ、抱きしめられてみたかった。一度目の自殺未遂の時、誰かに生きていてほしいと声をかけてもらえたら、もしくは誰かに死にたくないと泣きつくことができたら、私はこんなにも自分を痛めつけなくて済んだのかもしれない。けれど時間は戻ってこない。この先はこれらの記憶を受け止め、癒す作業が待っているのだろう。
きっとまた何かの拍子に、生き延びたことを後悔するだろう。あの暗闇がやってきて、私を容赦なく覆い隠すだろう。あの時死んでいればよかったと、脳裏でうずくまり呟くだろう。それが私の病で、これからももう一人の自分と戦い続けるだろう。
思い出話にしてはあまりに重い。医療機関に寄りかかりながら、この世に適応する人間達には打ち明けられぬ人生を、ともすれば誰とも心を分かち合えぬ孤独を、蛇の尾のように引きずる。刹那の光と闇に揉まれ、暗い水底をゆったりと泳ぐ。静かに、誰にも知られず、時には仲間と共に、穏やかに。
海は広く、私は小さい。けれど生きている。まだ生きている。
4 notes
·
View notes
Text
第34話 『旧き世に禍いあれ (2) - “ブラストフォート城塞"』 Catastrophe in the past chapter 2 - “Blastfort Citadel”
ブラストフォート城塞を見渡せば、『城』という華やかな言葉の印象とは遠い、石造りの堅牢な風貌は砦のそれと言っていいだろう。
スヴェンはこの建造物も元は修道院だったと噂では聞いていた。ただ、城塞に研究所を設けた時には既に砦として使われていて、実際のところどうだったかは、皆目見当がつかない。むしろ験を担いだ誰かの作り話ではないかと考えていた。作り変えられた施設にしては、礼拝堂だったと見られる建物もなく、険しい斜面をわざわざ切り出して作られた来歴の割には、この地に作られた由来すら記録に残されていないのも疑念の余地がある点だった。
城塞と名を冠しながらも、城壁の内側に市街はない。居並ぶのは兵舎や倉庫、そして厩舎などの背の低い軍用の建物で、全てが同じように暗い色をしていた。
はぁと深い息を吐く。その息は白く、スヴェンは体をぶるりと震わせた。外套の襟を直し、足を早める。
短い秋は瞬く間に過ぎ去り、もうすっかりと冬だ。視界に入る山岳はすっかりと白い雪に閉ざされている。ブラストフォートは年中気温が低く、1年の半分以上は雪に覆われている。
この城塞は、トラエ、ラウニとソルデの三国間で起きた紛争の中心地となった。三国の国境線が交わる丁度中央地点で、思惑も戦線もぶつかり合った。互いの国へ進攻するに際しても、ここを通らず他二国に兵站を送るにはどうあってもリスクの高い迂回が生じる関係で、攻めるも守るも、話はまずこの城塞を手中にしてから、という事情もあった。この要塞を抑えた国が勝つと信じられ、激しい争奪戦が目下進行している。
トラエがこの城塞を維持し続けられているのは、”軍神”ゴットフリートのおかげだ。不敗を誇るゴットフリートは、皇帝の厚い信望を受け、ブラストフォート城塞に陣を敷いた。ここを確実に堅持し続けることが、即ち勝利を意味する。武勲で比肩する者のいないゴットフリートが此度の采配を受けたのも、当然の帰結であり、疑いを示す者もいなかった。
対するラウニやソルデもそれを理解していたからこそ、戦火はさらに激しくなって行った。トラエ無双の英雄が、史上最も堅牢を誇る城を守護している。つまり、ここを打ち崩したもの、あるいは守り抜いたものが、この戦争を制するに等しい。この三国戦争の顛末を決定づける、天下分け目の決戦地の様相を呈していった。
ゴットフリートは戦場で一度もその膝を地面についたことはなかった。スヴェンが城に派遣されて3年、ブラストフォート城塞は今もトラエ帝国領のままだ。各地で名を馳せたどんな名だたる英雄が攻めてこようとも、この城塞を越えた者は未だかつていなかった。
(砦としての適切なつくりと、それを最大限に生かす武将……。理屈で言うは容易いが、それがこうして揃い立つと、これほどまでに守り抜けるものなのか)
スヴェンは眼鏡のブリッジを押し上げて、先を急ぐ。その手は幾冊もの分厚い魔術書があった。
激戦地とはいえ、兵糧が乏しくなるこの季節には大きな動きも見られなくなる。天候によってはなお一層、双方ともに大人しいものだ。攻めあぐねた敵軍に二面三面と包囲されながらも、ブラストフォート城塞はまるで平時のように静まり返っていた。
(ああ……どうしてうまく行かないのだ……)
城塞の中にある研究室の扉を開ける。
真っ暗な部屋を、たったひとつのランタンが照らしていた。本来はもっと採光がいい窓があったのだが、スヴェン自身が本棚で潰してしまっていた。外光は観測を伴う実験に不向きだ。
城塞の中の、私の城。眼鏡を再度押し上げて、ふふと短く笑う。
「次はうまくやってみせる……この書こそ本物だ、今度こそ……吾輩が見つけるのだ」
ぶつぶつと言葉を口の中で繰り返しながら、長い執務机の上に置かれていた書類や本を床にすべて落とし、新しい本を置いた。
本棚やコートハンガーにかけられた外套、並んだ靴などは嫌と言うほど規則正しく、寸分のずれもないように置かれているというのに、余程気が高ぶっているのか、今は床に落ちた本たちを気にして直すそぶりもない。
大きな椅子に腰かけて、その本を開いてページを手繰り始めた。
世界を知るということに限りはあるのだろうか。スヴェンは幼い頃からずっと考えていた。世界を知るためにありとあらゆる本を読み解き、特例を受けて最高学府に進級したときも、当然のこと、以外には特に何も思わなかった。神童と呼ばれ、世界の知識を見る間に吸収し、未知の研究に邁進し、知性で遥かに劣る両親とは縁を切り、知こそが価値とする者達とこそ縁を深め、生きてきた。
――この世界は、一個の生命だ。
そう悟ったのはいつのころだろう。それからスヴェンの関心は世界の表層を辿ることではなく、世界の成り立ちの根源を掴むことに移った。
この感覚までも理解し共有できる者はさすがにいなかったが、スヴェンは気にすることはなかった。目的と到達点は明確だったからだ。
世界が生まれた瞬間を見る。つまり、過去へ遡行しその瞬間を観測することが出来れば、世界が生命であり、巨大な有機体であり、何がどうやってそれを作り出したのかを証明できるのではないか、と考えた。菌類はそれぞれの菌根で膨大な情報網を作り上げることで知られている。ならば世界は? 世界と世界を構成する生命や物質との関係も、似たものではないのか?
夢を見ていると言われた。気が狂ったとも。けれど、スヴェンは時間を移動することに執着し、トラエ皇帝はスヴェンの情熱に理解を示した。思えばこんな突拍子もない目的に意義を見出す皇帝というのもまた、妙ではあるとは思った。皇帝にもまた、過去に遡行する事で成し遂げたい、”過去に戻ってでもやり直したい何か”が、心中にあったのかもしれないが、それを聞き出す術をスヴェンは持たないし、スヴェン自身興味もなかった。少なくとも、時間遡行がもたらしうる皇家の安定、全ての危険を排し、あるいは時を超えて未来の悲劇を食い止め続けて、皇家そのものを永遠に君臨させる、という”表向きの”理由――そのために、皇帝はスヴェンを支援することを決定し、臣君達も、やや半信半疑ではありながらも、それを支持した。
「これだ」
今日も皇帝に頼んでいた奇書が届けられた。
スヴェンはブリッジを押し上げ、眼鏡の位置を直す。正常な観測のためには、眼球とレンズの距離は常に1.5cmを保たねばならない。立ち上がろうとして自分が先程叩き落した本を見やり、露骨に眉をしかめる。頭の中を整理し終えて一息ついたら、急に普段の几帳面さが顔を出した。手早くそれらを元あった場所へそそくさと戻して、室内を完璧に揃え、部屋の中心に立った。
「まず、魔石を用意して……」
木箱に詰めてある魔石を取り出し、机に置く。魔石は貴重な資源である。研究には大量の魔石が不可欠だった。魔石��しには、相当な魔力量を消耗する実験を繰り返し行うことは出来ない。ブラストフォートは戦地だ。当然、魔術師部隊が使うために魔石も大量に集められていたが、落城までには湯水のごとく消費されていた魔石も、入城し防衛に転じてからは、ゴットフリートを中心とした白兵戦主体の迎撃戦において、これらが投入される機会も乏しく、結果余剰が出ていた。山と積まれた荷物を運び出すにも、労力がかかる。それならば、国内にいる魔石を必要とする人員が、逆にブラストフォートまで来れば良い。研究をする場所としては些か物騒な地ではあったが、自由にできる大量の魔石が得られる機会には代えがたかった。スヴェンは二つ返事で前線まで足を運んだ。研究には様々な代償がつきものだ。それを理解してくれる後ろ盾を得たスヴェンは、他の誰よりも恵まれていると言えるだろう。
取り上げたいくつかの魔石の中から、更に質の良いものを選ぶ。一番大きいものはナリだけで中身は薄く、魔力自体は少ないようだ。ページをたぐる仕草に似た動作で、一粒ずつ指を触れては次の石に触れ、研ぎ澄ませた感覚で内容量を確認していく。最後に触れた人差し指ほどの魔石が最も密度が高く、多くの魔力を秘めていた。
「よし……よし……まずは一時間前に戻る……そうだ……」
長い間研究し、様々な方法を用いたが、まだ成功させたことがない。
スヴェンも焦り始めていた。戦火は年を追って激しさを増している。今は冬期で戦線が膠着しているが、雪が溶ける頃にはまた激化される。2国がこの城塞を攻め、帝国は防戦し続ける。魔石の余剰が出ているのも今だけだ。魔石の消費量も年々増え続け、そうなればいつ自分に回してもらえる分が枯渇するとも知れない。そう考えれば、時間は限られている事になる。一度でも成功させられれば、魔石を消耗する前の時間に何度でも戻って、ほぼ無限の実験を繰り返し、術式完成を確実なものにすることが出来る。それが理想であり、今の目標だ。勿論この方法は戻る人間の肉体時間の経過は加味されておらず、スヴェン本人の寿命の解決という課題が残ってはいるが、禁術に手を出せば、その辺りは時間遡行に比べれば造作もないだろうと見当がついていた。
本のページを睨むように再度読み上げようとした時、パチン、と何かが弾ける音がした。ふぅっと風が頬を撫でる。
音がした方向を振り向いて、スヴェンは動けなくなった。
空間に大きな渦が現れたのだ。
その渦に向かって風が吹き込んでいる。
「おお!」
未知なる光景に���んだ声を上げる。
まず渦から出てきたのは、手だった。男の両の手が伸び、時空の切れ目をこじ開けて、その姿を現した。これから始めようとしていた実験によって、数分か数時間の未来から自分が戻ってきたのではないか。どうやら、今実験している術式は成功したのではないか。歓喜に身が打ち震える。
単純な転移魔術など、スヴェンも何度も見たことがあるし、日常的に行使している。周辺空間に生じた歪の性質や姿の現れ方から、今目の前で行われているものは、通常のそれとは質が異なることは一目で判断できる。それは”理論上、時間遡行が成功すればこのような形で転移が成されるだろう”と想定した結果そのものだった。
「スヴェン博士か?」
渦から現れた男に尋ねられ、スヴェンは驚いて身を竦めた。
男は自分の身なりに気が付いたのか、ゴーグルの中の目を丸めて、被っていたマスクを外した。城塞の戦士たちよりも重装備だが、防寒具として見ても、防具として見ても、異様な姿をしていた。それはむしろ、ガスや毒に汚染された領域に立ち入る者が使う防護服に似ていた。
男は軽く会釈した。
「僕はフィリップ。スヴェン博士で間違いありませんか?」
「いかにも、吾輩はスヴェンだが……」
答えながら、興奮で何度もメガネを押し上げる。
「僕は未来から来た」
「おお、やはり! では、未来では時間移動の方法が確立されたのか! 素晴らしい! 素晴らしい!!」
スヴェンは無邪気に飛び跳ねた。
悲願だ。
奇跡が目の前で起きたのだ。経緯こそまだ判然としないが、宿願が果たされたのだ。
「その方法が知りたいか?」
「ああ、無論だ。吾輩にとって、生涯をかけた研究の成果だ!」
「僕の生きる時代にはその技術は確立している」
身の内から湧きあがる感動に震える。長い時間をかけた研究が実を結ぶのだ。喜ばない人間がいようものか。
スヴェンはズレたメガネを何度も押し上げ、唇をペロリと舐めた。
「未来では、あなたの完成させた基礎を発展させ、実際に過去に飛ぶことが出来るようになった」
「そうか……そうか……! それで」
「研究資料はある。それを渡してもいい」
フィリップと名乗った男は荷物からひとつの本を取り出して見せた。スヴェンは手を伸ばしたが、ぴたりと手を止める。
「……吾輩は、基礎を完成させた……?」
「ああ、そうだ」
「つまりは吾輩が術式を確立させたわけではないのだな」
基礎を完成させた研究者が自分だとして、その先、実際に技術転用することは別の次元の話になるはずだ。魔術、火薬、物理……この世の全ての技術はそうして生み出されてきた。小さな研究の成果を種として多くの科学者が取り組み、発展的に理論を大成させていく。芽吹いたものを育てひとつの大樹とするにはそれだけの手間と時間と閃きが必要になる。
今までもスヴェンは『時間遡行の第一発見者』『行使者』となるために、寝食を忘れ、周囲から気味悪がられるほど、研究に必死で取り組んできた。
それでも時間が足りないと感じていた。その肌感覚は間違いではなかったのだ。
目の前に提示された本は確かにスヴェンを求めた結果に導くだろう。
だが、同時に自身の敗北を決定づけるのだ。己の力量だけではここには辿り着けなかったのだと、認めることとなる。
フィリップは静かに逡巡するスヴェンを見ていたが、やがて、微笑みながら頷いた。
「これは’’真実’だ。研究者としての矜持はさておき、”真実”を知りたくはないか?」
スヴェンはハッとして顔を上げた。
真実。
私は何のためにここまで進み続けてきたのか。
彼が言っていることが正しく、自身で術式を完成することがなかったとしても、それは過程に過ぎない。私が目指していたものは、あくまで”真実”ではないのか?
「もしも、それをいただくと言ったら? 何が望みだ?」
心のどこかで、素直にそれを受け取る事に呵責が生じていたのだろう。だから、それを受け取る事を、無意識に合理化したがっていたのかもしれない。未来から来た男に対価を返すことで、”真実”を受け取ってしまう自分に理由を与えようとしていた。
予見した通りにスヴェンの瞳に灯った貪欲な光を見出して、フィリップはにやりと笑った。
「城塞内の警備情報をいただこう」
「警備の? 何故だ?」
「知らない方がいい。あなたには関係のないことだ」
「……そもそもお前は、何のためにここにいるのだ?」
「知れば、来たるべき未来のことも伝えねばならなくなる。必要以上に過去を変える事は避けたい……ただ、必要なものがあるとだけ。それを持ち帰る事だけなら、この時代の歴史には影響しない、それは保証しても良い」
まるで台本があるかのように、フィリップは淀みなくスヴェンに語り掛ける。
未来から来た。それは間違いないだろう。スヴェンが口外もしていなかったはずの、仮説段階の転移の様子そのものが目前に展開したことで、疑う気持ちなど寸分もなくなっていた。受け取った資料に目を通せば、そこからもまたフィリップが未来から来た事が真実であるという証拠を得る事もできるだろう。ただ、もう一声、フィリップが信頼に値するという、自身が”真実”を受け取る事に感じる呵責を打ち消すだけの理由を求めたかった。
「受け入れたいのは山々だが、警備情報をとなると難しい。未来から来た事が仮に真実でも、君がトラエ以外の人間であったならば、私の立場からすれば利敵行為に与しかねない事になる。理解してくれるか」
スヴェンはこう言い放ちながら、内心で自嘲した。スヴェンは、フィリップがトラエの人間である事を証明してくれる事を期待していた。彼があらかじめ私の呵責を砕く準備までした上でここに来ていると、察しが付いていた。その上でこんな事を方便にするのは、戯曲を棒読みする姿を見透かされるようで、歯がゆかった。
フィリップは答えをやはり用意していたようで、間髪入れずに分厚い上着のポケットから、ひとつのネックレスを取り出した。金色のネックレスは傷がつき、古いものだった。スヴェンはその取り出す様を見ながら、やはり見透かされていたのだと、思わず赤面した。
「開けてみてくれ」
スヴェンはおずおずと受け取り、開いた。そして息を飲む。
「これは……!」
「一緒に映っているいる赤ん坊が僕だ」
一目見て分かった。写真に写った男は、ゴットフリートだ。城塞の食堂で目にした、岩でも噛み砕きそうな厚い顎、豹を思わせる眼光、右頬と左こめかみに負った特徴的な傷跡。スヴェンの知るゴットフリートよりもかなり年を重ね、白髪や白髭を蓄えた風貌で笑っていた。
――未来だ……。
スヴェンは、ごくりと息を飲んだ。
「あのゴットフリートが、人の親、果ては老人か……。戦場で死ぬような者ではないとは、思っていたが」
「祖父は一族の誇りだ」
「……分かった。警備情報を渡そう。だが、本当に面倒事は起こさないのか……?」
「表立っては何も起きないから、安心していただきたい。この時代には捨て置かれたものを、持ち帰るだけだ」
スヴェンには、その言葉の意味まではわからなかった。
その後の逡巡を見越したように、ゆっくりと研究書をスヴェンに差し出す。
「戻れる先は魔力の量に左右される。魔力を1点に集中すればいい。杖を使えばいいだろう」
「お……おお……」
「この本に詳しくまとめられている。運命は、未来は変わらない」
「本当に?」
「あなたが、あなたのために使うだけに留めれば、自ずとそうなるだろう」
答えないスヴェンの胸に、ドンと本が叩きつけられる。
その感触に、スヴェンの理性はぐらりとふらついた。
月が高く上ったのを見上げて、フィリップはゆっくりと山岳の斜面を進んだ。姿勢を低くし、音を立てないように。
(……不安はあったが、狙ったタイミングに戻れたな……)
グレーテルと徹底的に城塞の歴史を調べた。
激しい攻防戦から間がなく、その後しばらく戦闘がない、天候が落ち着いている時期。かつ、当日の天気が晴天で満月であること。
いくら協力を得ることが出来て警備の状況が把握できていても、誰もいないはずの山の斜面で灯りを用いて、遠目にでも見つかる危険を冒すことは避けるべきだ。暦を遡り、目途をつけたのが今日この日だった。
斜面には雪が積もっている。この積雪から数日、戦線に動きはなかったと記録されている。束の間の平和。だが、その直前には、この斜面で、たくさんの人と人が殺し合ったのだ。静寂に包まれた雪景色の中、あちこちに矢が突き刺さったまま放置されていた。戦闘の跡だ。
左右を見渡してから、フィリップは一番近くの雪を掻いた。そこにも矢が刺さっている。
(……矢先の雪がほのかに赤い)
山岳地の雪らしく、水を含まないさらさらとした雪で、払えば埋もれたものが簡単に姿を現す。
「……あった」
雪の下には、傷の少ない兵士が眠るように倒れていた。
念のため体を検めるが、四肢も無事で、背中に矢を受けた痕があるだけだ。専門外だが、転がした下の赤黒い土の色から察するに、死因は失血だろう。
こんなに状態のいい屍体を見たのは、いつぶりか。
ここはまさに、フィリップにとって宝の山だ。
見渡す限り、無数の屍体が隠されている。先日攻め入ってきたが退路を断たれ、殲滅の憂き目にあったラウニの一個師団がこの斜面に眠っている。
ざっと見積もっても数千から万を超すだろう。 この雪の下にある屍体さえあれば、それらは全て、二人が未来で戦うための手足となる。計り知れないほどの戦力だ。
グレーテルも転送を待っているだろう。と言っても、未来で待つ彼女の方からしたら、突然数千の屍体が目前に現れるような形になるのかもしれないが。
兵士を完全に雪の上に横たえてから、フィリップは術式を展開した。過去に遡行することに比べ、未来に送ることは難しくはない。状態が劣化しない静止した時空間に屍体を閉じ込める。そして、ある特定の時期に来たら、閉じた時空間から屍体を現実に表出させるように仕込んでおく。川の流れを下るように、時の流れに逆らわずに未来へ向かうのであれば、身を任せるだけで良い。逆に、流れに逆らって上流に向かおうとするには、莫大なエネルギーを要する。それが、時間遡行研究者たちがたどり着いた、ひとつの答えであった。
遺体はぼぉっと青白い光に包まれて、ふっと消えた。
成功だ。
こうして閉じ込めた屍体全てが、グレーテルの元で姿を現すだろう。彼女も状態のよさとその数に感動するはずだ。周囲を見渡し、笑みが溢れる。
屍体の数は多ければ多いだけいい。フィリップは近くの雪中を再び探り始めた。
「ん? なんだぁ?」
突然降ってきた声に、フィリップはぴたりと動きを止めた。
振り向けば、豪奢な装備に身を包む屈強そうな男が、首を傾げながらこちらを見ていた。ありえない。
「――……巡回はいないはずじゃ……」
スヴェンから得た警備資料は棚から即座に取り出されたものであって、あの場で嘘を取り繕うためにあらかじめ用意できるようなものではなかったはずだ。
だからこそ、その内容を信じたフィリップは夜を待って行動を開始したのだ。
「巡回なんざしてねえさ。散歩してただけだ」
男は野太い声で言った。
「しっかし、誰だ、お前は。さっき屍体を掘り返してたよな?」
「……何のことだ」
「おいおい、しらばっくれても無駄だ。見てたぞ。目の前から消えたんだからな」
失敗した。
頭の中で思考が急回転を始める。どうやってこの場を切り抜ける? 取り繕うか、命を奪い口を封じるか、逃げるか?
「転送魔法か? それで屍体を運んで何しようってんだ」
「それは……」
なにかうまい口実はないか、言葉を手繰ろうとするフィリップを待たずに、男は叫んだ。
「戦場泥棒は重罪だぜ!」
雪をギュッと踏みしめる音を立てて、男はフィリップに飛び掛かる。
やるしかないか。
咄嗟に、重力歪曲《グラビティプレス》の術式を展開する。
跳躍し上向いた兜の中の顔を、月明かりがはっきりと照らす。豹のような眼光がこちらを見据えていた。一瞬、フィリップの胸中に幼い日が去来した。
(――……ゴットフリート爺さん!)
逃げなければならない。話も通じない。殺してはいけない。
月明りを背に大きな影が落ちる。
フィリップは咄嗟に術式を変じて、空間移動《テレポート》に切り替えた。短い距離であればすぐに展開して移れる。
鈍い音を立てて、ゴットフリートが鞘から引き抜いた剣が雪に突き刺さる。さきほどまでフィリップが立っていた雪の跡は、衝撃で爆ぜて消え失せる。そのまま、目線を数歩先のフィリップに向ける。
「はっ、やっぱり転移か。ラウニの連中は知ったこっちゃねぇが、ここには俺の隊の奴も幾人か眠ってんだ…」
雪から剣を振り上げるように引き抜き、巻き上げられた細かい雪がまるで煙幕のように広がる。視界が真っ白に染まる。
フィリップは咄嗟に腕で顔を庇ったが、視界に影が過る。
(まずい!)
二度目の転送が一瞬遅れ、避け切れなかった。ゴットフリートの剣先は肩から胸にかけて切り裂く。傷は浅いが痛みによろめく。
雪の影から突きを繰り出したゴットフリートは、目をぎらりと輝かせる。
「魔術師相手は滅多にやれねえんだ。面白えな……!」
まともにやり合ったら、殺される。
運が悪すぎる。
本気でやり合ったところで、ゴットフリートに勝てるわけもない。仮に勝てたとしても、祖父である彼を今この場で殺したら、未来から来た自分は一体どうなる? 前例がなく、全く予想がつかない。年老いてからも人の話を全く聞かなかったあの男が、戦場跡をうろつく怪しい男が語る”理由”なぞ、おとなしく聞いてくれるはずもない。殺さずに無力化出来るような術も持ち合わせてはいない。
なんとかやり過ごして、逃げるしかない。
再度テレポートをしようと身構えたフィリップに向かって、ゴットフリートが大きく踏み出そうとして、ぴたりと止まった。
「……なんだ? 臭ぇな……」
眉をぐっと止せ険しい表情で辺りを見渡す。
確かに何か匂いがする。嗅いだことのない匂いだ。
「屍体の臭いでもないな……なんの臭いだ……?」
唐突に、その匂いが一層強くなった。
屍体は確かに掘り返した。けれども、この気温で、雪の下にあった兵士の体は腐敗するはずがない。凍てつき、匂いもなかったはずだ。
腐ったような、けれどももっと酷く脳を直接刺激するような……嗅いだことのないほど異臭。
「……うっ」
胸が悪くなる。
ゴットフリートも片手で鼻を抑えながら、周囲を見渡した。
ふたりの視点が1点にとまった。打ち捨てられた盾だ。放り出されて地面に突き立ったままのそれが、奇妙な黒い靄に包まれている。
「おい、小僧、お前の術か、ありゃあ?」
ゆらゆらと噴き出ていた黒い煙の密度が増す。
フィリップは自分の背中が粟立つのを感じた。
あれは、だめだ。
理由はわからない。ただ、本能が叫ぶ。けれど、足が竦んで動かない。
盾を包んでいた煙は次第に細くなり、盾と地面が成す角から勢いよく噴き出した。そして、その煙が見たこともない不気味な黒い猟犬の姿を取った。
~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
旧き世に禍いあれ(3) - “猟犬の追尾”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
3 notes
·
View notes
Text
iFontMaker - Supported Glyphs
Latin//Alphabet// ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789 !"“”#$%&'‘’()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ Latin//Accent// ¡¢£€¤¥¦§¨©ª«¬®¯°±²³´µ¶·¸¹º»¼½¾¿ÀÁÂÃÄÅÆÇÈÉÊËÌÍÎÏÐÑÒÓÔÕÖ×ØÙÚÛÜÝÞßàáâãäåæçèéêëìíîïðñòóôõö÷øùúûüýþÿ Latin//Extension 1// ĀāĂ㥹ĆćĈĉĊċČčĎďĐđĒēĔĕĖėĘęĚěĜĝĞğĠġĢģĤĥĦħĨĩĪīĬĭĮįİıIJijĴĵĶķĸĹĺĻļĽľĿŀŁłŃńŅņŇňʼnŊŋŌōŎŏŐőŒœŔŕŖŗŘřŚśŜŝŞşŠšŢţŤťŦŧŨũŪūŬŭŮůŰűŲųŴŵŶŷŸŹźŻżŽžſfffiflffifflſtst Latin//Extension 2// ƀƁƂƃƄƅƆƇƈƉƊƋƌƍƎƏƐƑƒƓƔƕƖƗƘƙƚƛƜƝƞƟƠơƢƣƤƥƦƧƨƩƪƫƬƭƮƯưƱƲƳƴƵƶƷƸƹƺƻƼƽƾƿǀǁǂǃDŽDždžLJLjljNJNjnjǍǎǏǐǑǒǓǔǕǖǗǘǙǚǛǜǝǞǟǠǡǢǣǤǥǦǧǨǩǪǫǬǭǮǯǰDZDzdzǴǵǶǷǸǹǺǻǼǽǾǿ Symbols//Web// –—‚„†‡‰‹›•…′″‾⁄℘ℑℜ™ℵ←↑→↓↔↵⇐⇑⇒⇓⇔∀∂∃∅∇∈∉∋∏∑−∗√∝∞∠∧∨∩∪∫∴∼≅≈≠≡≤≥⊂⊃⊄⊆⊇⊕⊗⊥⋅⌈⌉⌊⌋〈〉◊♠♣♥♦ Symbols//Dingbat// ✁✂✃✄✆✇✈✉✌✍✎✏✐✑✒✓✔✕✖✗✘✙✚✛✜✝✞✟✠✡✢✣✤✥✦✧✩✪✫✬✭✮✯✰✱✲✳✴✵✶✷✸✹✺✻✼✽✾✿❀❁❂❃❄❅❆❇❈❉❊❋❍❏❐❑❒❖❘❙❚❛❜❝❞❡❢❣❤❥❦❧❨❩❪❫❬❭❮❯❰❱❲❳❴❵❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿➀➁➂➃➄➅➆➇➈➉➊➋➌➍➎➏➐➑➒➓➔➘➙➚➛➜➝➞➟➠➡➢➣➤➥➦➧➨➩➪➫➬➭➮➯➱➲➳➴➵➶➷➸➹➺➻➼➽➾ Japanese//かな// あいうえおかがきぎくぐけげこごさざしじすずせぜそぞただちぢつづてでとどなにぬねのはばぱひびぴふぶぷへべぺほぼぽまみむめもやゆよらりるれろわゐゑをんぁぃぅぇぉっゃゅょゎゔ゛゜ゝゞアイウエオカガキギクグケゲコゴサザシジスズセゼソゾタダチヂツヅテデトドナニヌネノハバパヒビピフブプヘベペホボポマミムメモヤユヨラリルレロワヰヱヲンァィゥェォッャュョヮヴヵヶヷヸヹヺヽヾ Japanese//小学一年// 一右雨円王音下火花貝学気九休玉金空月犬見五口校左三山子四糸字耳七車手十出女小上森人水正生青夕石赤千川先早草足村大男竹中虫町天田土二日入年白八百文木本名目立力林六 Japanese//小学二年// 引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春書少場色食心新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万明鳴毛門夜野友用曜来里理話 Japanese//小学三年// 悪安暗医委意育員院飲運泳駅央横屋温化荷開界階寒感漢館岸起期客究急級宮球去橋業曲局銀区苦具君係軽血決研県庫湖向幸港号根祭皿仕死使始指歯詩次事持式実写者主守取酒受州拾終習集住重宿所暑助昭消商章勝乗植申身神真深進世整昔全相送想息速族他打対待代第題炭短談着注柱丁帳調追定庭笛鉄転都度投豆島湯登等動童農波配倍箱畑発反坂板皮悲美鼻筆氷表秒病品負部服福物平返勉放味命面問役薬由油有遊予羊洋葉陽様落流旅両緑礼列練路和 Japanese//小学四年// 愛案以衣位囲胃印英栄塩億加果貨課芽改械害街各覚完官管関観願希季紀喜旗器機議求泣救給挙漁共協鏡競極訓軍郡径型景芸欠結建健験固功好候航康告差菜最材昨札刷殺察参産散残士氏史司試児治辞失借種周祝順初松笑唱焼象照賞臣信成省清静席積折節説浅戦選然争倉巣束側続卒孫帯隊達単置仲貯兆腸低底停的典伝徒努灯堂働特得毒熱念敗梅博飯飛費必票標不夫付府副粉兵別辺変便包法望牧末満未脈民無約勇要養浴利陸良料量輪類令冷例歴連老労録 Japanese//小学五〜六年// 圧移因永営衛易益液演応往桜恩可仮価河過賀快解格確額刊幹慣眼基寄規技義逆久旧居許境均禁句群経潔件券険検限現減故個護効厚耕鉱構興講混査再災妻採際在財罪雑酸賛支志枝師資飼示似識質舎謝授修述術準序招承証条状常情織職制性政勢精製税責績接設舌絶銭祖素総造像増則測属率損退貸態団断築張提程適敵統銅導徳独任燃能破犯判版比肥非備俵評貧布婦富武復複仏編弁保墓報豊防貿暴務夢迷綿輸余預容略留領異遺域宇映延沿我灰拡革閣割株干巻看簡危机貴揮疑吸供胸郷勤筋系敬警劇激穴絹権憲源厳己呼誤后孝皇紅降鋼刻穀骨困砂座済裁策冊蚕至私姿視詞誌磁射捨尺若樹収宗就衆従縦縮熟純処署諸除将傷障城蒸針仁垂推寸盛聖誠宣専泉洗染善奏窓創装層操蔵臓存尊宅担探誕段暖値宙忠著庁頂潮賃痛展討党糖届難乳認納脳派拝背肺俳班晩否批秘腹奮並陛閉片補暮宝訪亡忘棒枚幕密盟模訳郵優幼欲翌乱卵覧裏律臨朗論 Japanese//中学// 亜哀挨曖扱宛嵐依威為畏尉萎偉椅彙違維慰緯壱逸芋咽姻淫陰隠韻唄鬱畝浦詠影鋭疫悦越謁閲炎怨宴援煙猿鉛縁艶汚凹押旺欧殴翁奥憶臆虞乙俺卸穏佳苛架華菓渦嫁暇禍靴寡箇稼蚊牙瓦雅餓介戒怪拐悔皆塊楷潰壊懐諧劾崖涯慨蓋該概骸垣柿核殻郭較隔獲嚇穫岳顎掛括喝渇葛滑褐轄且釜鎌刈甘汗缶肝冠陥乾勘患貫喚堪換敢棺款閑勧寛歓監緩憾還環韓艦鑑含玩頑企伎忌奇祈軌既飢鬼亀幾棋棄毀畿輝騎宜偽欺儀戯擬犠菊吉喫詰却脚虐及丘朽臼糾嗅窮巨拒拠虚距御凶叫狂享況峡挟狭恐恭脅矯響驚仰暁凝巾斤菌琴僅緊錦謹襟吟駆惧愚偶遇隅串屈掘窟繰勲薫刑茎契恵啓掲渓蛍傾携継詣慶憬稽憩鶏迎鯨隙撃桁傑肩倹兼剣拳軒圏堅嫌献遣賢謙鍵繭顕懸幻玄弦舷股虎孤弧枯雇誇鼓錮顧互呉娯悟碁勾孔巧甲江坑抗攻更拘肯侯恒洪荒郊貢控梗喉慌硬絞項溝綱酵稿衡購乞拷剛傲豪克酷獄駒込頃昆恨婚痕紺魂墾懇沙唆詐鎖挫采砕宰栽彩斎債催塞歳載剤削柵索酢搾錯咲刹拶撮擦桟惨傘斬暫旨伺刺祉肢施恣脂紫嗣雌摯賜諮侍慈餌璽軸叱疾執湿嫉漆芝赦斜煮遮邪蛇酌釈爵寂朱狩殊珠腫趣寿呪需儒囚舟秀臭袖羞愁酬醜蹴襲汁充柔渋銃獣叔淑粛塾俊瞬旬巡盾准殉循潤遵庶緒如叙徐升召匠床抄肖尚昇沼宵症祥称渉紹訟掌晶焦硝粧詔奨詳彰憧衝償礁鐘丈冗浄剰畳壌嬢錠譲醸拭殖飾触嘱辱尻伸芯辛侵津唇娠振浸紳診寝慎審震薪刃尽迅甚陣尋腎須吹炊帥粋衰酔遂睡穂随髄枢崇据杉裾瀬是姓征斉牲凄逝婿誓請醒斥析脊隻惜戚跡籍拙窃摂仙占扇栓旋煎羨腺詮践箋潜遷薦繊鮮禅漸膳繕狙阻租措粗疎訴塑遡礎双壮荘捜挿桑掃曹曽爽喪痩葬僧遭槽踪燥霜騒藻憎贈即促捉俗賊遜汰妥唾堕惰駄耐怠胎泰堆袋逮替滞戴滝択沢卓拓託濯諾濁但脱奪棚誰丹旦胆淡嘆端綻鍛弾壇恥致遅痴稚緻畜逐蓄秩窒嫡抽衷酎鋳駐弔挑彫眺釣貼超跳徴嘲澄聴懲勅捗沈珍朕陳鎮椎墜塚漬坪爪鶴呈廷抵邸亭貞帝訂逓偵堤艇締諦泥摘滴溺迭哲徹撤添塡殿斗吐妬途渡塗賭奴怒到逃倒凍唐桃透悼盗陶塔搭棟痘筒稲踏謄藤闘騰洞胴瞳峠匿督篤凸突屯豚頓貪鈍曇丼那謎鍋軟尼弐匂虹尿妊忍寧捻粘悩濃把覇婆罵杯排廃輩培陪媒賠伯拍泊迫剝舶薄漠縛爆箸肌鉢髪伐抜罰閥氾帆汎伴畔般販斑搬煩頒範繁藩蛮盤妃彼披卑疲被扉碑罷避尾眉微膝肘匹泌姫漂苗描猫浜賓頻敏瓶扶怖附訃赴浮符普腐敷膚賦譜侮舞封伏幅覆払沸紛雰噴墳憤丙併柄塀幣弊蔽餅壁璧癖蔑偏遍哺捕舗募慕簿芳邦奉抱泡胞俸倣峰砲崩蜂飽褒縫乏忙坊妨房肪某冒剖紡傍帽貌膨謀頰朴睦僕墨撲没勃堀奔翻凡盆麻摩磨魔昧埋膜枕又抹慢漫魅岬蜜妙眠矛霧娘冥銘滅免麺茂妄盲耗猛網黙紋冶弥厄躍闇喩愉諭癒唯幽悠湧猶裕雄誘憂融与誉妖庸揚揺溶腰瘍踊窯擁謡抑沃翼拉裸羅雷頼絡酪辣濫藍欄吏痢履璃離慄柳竜粒隆硫侶虜慮了涼猟陵僚寮療瞭糧厘倫隣瑠涙累塁励戻鈴零霊隷齢麗暦劣烈裂恋廉錬呂炉賂露弄郎浪廊楼漏籠麓賄脇惑枠湾腕 Japanese//記号// ・ー~、。〃〄々〆〇〈〉《》「」『』【】〒〓〔〕〖〗〘〙〜〝〞〟〠〡〢〣〤〥〦〧〨〩〰〳〴〵〶 Greek & Coptic//Standard// ʹ͵ͺͻͼͽ;΄΅Ά·ΈΉΊΌΎΏΐΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩΪΫάέήίΰαβγδεζηθικλμνξοπρςστυφχψωϊϋόύώϐϑϒϓϔϕϖϚϜϞϠϢϣϤϥϦϧϨϩϪϫϬϭϮϯϰϱϲϳϴϵ϶ϷϸϹϺϻϼϽϾϿ Cyrillic//Standard// ЀЁЂЃЄЅІЇЈЉЊЋЌЍЎЏАБВГДЕЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯабвгдежзийклмнопрстуфхцчшщъыьэюяѐёђѓєѕіїјљњћќѝўџѢѣѤѥѦѧѨѩѪѫѬѭѰѱѲѳѴѵѶѷѸѹҌҍҐґҒғҖҗҘҙҚқҜҝҠҡҢңҤҥҪҫҬҭҮүҰұҲҳҴҵҶҷҸҹҺһҼҽҾҿӀӁӂӇӈӏӐӑӒӓӔӕӖӗӘәӚӛӜӝӞӟӠӡӢӣӤӥӦӧӨөӪӫӬӭӮӯӰӱӲӳӴӵӶӷӸӹӾӿ Thai//Standard// กขฃคฅฆงจฉชซฌญฎฏฐฑฒณดตถทธนบปผฝพฟภมยรฤลฦวศษสหฬอฮฯะัาำิีึืฺุู฿เแโใไๅๆ็่้๊๋์ํ๎๏๐๑๒๓๔๕๖๗๘๙๚๛
see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
#FAQ#ifontmaker2#Symbols#Dingbat#Cyrillic#Greek#Coptic#thai#character set#character sets#list#language
7 notes
·
View notes
Text
2020/01/04
年末年始で崩れた生活リズムを正そうと思い23時前に布団に入ったのだが、目が覚めると25時前だった。少しスマートフォンを眺めてこれはもう寝れないなと思ったので、ベットから出て1階に降りる。リビングでは、寝ているのか寝ていないのかわからない母親がカーペットに寝そべっていた。大学で親元を離れてから帰省するたびに親の老いを感じるエピソードが溜まっていくが、今回の帰省では母親が「腰が痛い」と頻繁に呟くようになったというエピソードが溜まった(父親は同じことを何度も聞いてくるようになっていた)。本当に親の身体が心配する気持ち半分、歩けなくなったら俺にだって何かしら面倒な世話や心配事が降りかかるんだぞ、というなんとも親不孝な(これが親不孝かわかっていない)思い半分から、帰省するたびに布団で寝てくれと伝えていたのに全然言うことを聞かなかったツケが回ってきたのではないか。ダイニングテーブルに座ってつけっぱなしだったテレビと寝そべる母親をボーッと眺めながら将来が不安になる。
しばらくすると、母親は俺がいることに気づいたらしく一度こちらに目をくれてすぐに目を瞑った。布団で寝てくれ、と言いかけるがしつこく注意して機嫌を損ねるとそれこそ面倒なのでやめた。あちらからなにか話しかけられると我慢しているこちらがイライラしそうだし、お腹も空いていたので国道沿いの牛丼屋で夜食でも食べることにした。出掛けるために着替えていると、母親はムクリと体を起こして「どっか行くの」と聞いてくる。着替えながら「牛丼」と伝えると特に何も言わずにまた体をカーペットに預けてボヤッとテレビを眺め始めた。
田舎の夜は凍えるほど寒いので少し気張って外に出る必要があると思っていたのだが、今年は暖冬なのか、この時間に外に出てもそこまで寒くなかった。天気が良ければキレイな星空が見えるが今日は靄がかかっていて少し遠い景色はボンヤリしている。呼吸をすると冷たい凛とした空気が鼻を抜ける。深夜の田舎の空気を感じながら歩き始めると、近所の家々にまだ生活の明かりが灯っているのが目に入る。最近東京で周りの大人達から耳にタコができるほど言われている、健康のために生活リズムを整えろ、は精神的になにかしら問題がある人間だけに限定されたルールなんだよな、と自分だけ普通の人間が許容されることも許容されず雁字搦めな生活を送っていることにネガティブになる。
住宅街を通り抜けたらぶどう畑に出る。雑草に押しのけられてガタガタになったコンクリートの歩道に足を取られないように注意しながら歩いているとほんの少しだけワクワクしてきた。都会と違って深夜に歩いていても人間の気配を感じないので少しだけノビノビとした気分にもなってきた。生まれ育った土地だからということもあるが、こういう自然の中で暮らすほうが自分には向いているんだよな、ともっと早く気付けばよかったと心底思う。
ぶどう畑の突き当たりの車道を渡って地下道を通るとすぐにお目当ての牛丼屋に着く。入店するとテイクアウトの注文をしている年配の男性がひとりいて他に客はいなかった。広々とした店内がい��にも田舎という感じがしてなんだかわからないが、いいよな、という気持ちになる。年始のこの時間でもホールとキッチンにはひとりずつ店員がいた。対応してくれたホールの女性店員が同級生ではないことにホッとしながら注文をする。女性店員は30代半ばくらいだろうか。こういう他人が仕事をしている姿を見るシチュエーションでは毎度どういう境遇でこの仕事をしているのだろうかと無駄に考えてしまう。結婚はしているのだろうか、とか、親元で暮らしているのだろうか、とか、趣味に使うお金を稼いでいるのだろうか、とか、はたまた昼間の収入では厳しく夜も働かなければいけないのだろうか、とか。いろいろ考えるが最後は決まって人のこと気にしている余裕などない人間だろ、と自分にツッコんで考えるのをやめる。
運ばれてきたジャンキーな夜食を口にすると刹那的な幸せで脳みそが一瞬痺れたが、それも長く続かず二口目にはなんでこんなことしてるんだろう、とすぐに気を病んでしまった。母親の身体を心配しておいて自分のことはそっちのけで良いのか、と。いつか両親が本当に苦しんでるそのときは自分だってガタが来てるかも知れない。すんなりいかずにどれだけ苦しい思いをするかと想像すると本当に気が滅入ってきた。
帰宅すると母親は起きていた。「あと10年もすれば定年?」と質問すると「65までだからねぇ」と10年以上はある、というような語調で返してきた。殆ど変わらないじゃないかと言い返そうとするがやはり面倒なのでやめた。正直いまの自分には親の心配をする余裕も、どうなるかもわからない将来を考える余裕もないのだが、どうしても考え込んで今を生きることを忘れてしまう。こうやって今にしっかり向かい合わないでいるうちにどんどんいろいろなタイミングを逃して、親孝行も出来ず、自分の人生に後悔しながらすぐに最期なんてやってくるんだぞ、と今これを書いている自分を諭すために記録しておく。
1 note
·
View note
Text
あなたにだけは忘れてほしくなかった
アメリカ合衆国、ニューヨーク州、マンハッタン、ニューヨーク市警本部庁舎。 上級職員用のオフィスで資料を眺めていた安藤文彦警視正は顔をしかめた。彼は中年の日系アメリカ人である。頑なに日本名を固持しているのは血族主義の強かった祖父の影響だ。厳格な祖父は孫に米国風の名乗りを許さなかったためである。祖父の信念によって子供時代の文彦はいくばくかの苦労を強いられた。 通常、彼は『ジャック』と呼ばれているが、その由来を知る者は少ない。自らも話したがらなかった。 文彦は暴力を伴う場合の少ない知的犯罪、いわゆるホワイトカラー犯罪を除く、重大犯罪を扱う部署を横断的に統括している。最近、彼を悩ませているのは、ある種の雑音であった。 現在は文彦が犯罪現場へ出る機会はないに等しい。彼の主たる業務は外部機関を含む各部署の調整および、統計分析を基として行う未解決事件への再検証の試みであった。文彦の懸念は発見場所も年代も異なる数件の行方不明者の奇妙な類似である。類似といっても文彦の勘働きに過ぎず、共通項目を特定できているわけではなかった。ただ彼は何か得体の知れない事柄が進行している気配のようなものを感じ取っていたのである。 そして、彼にはもうひとつ、プライベートな懸念事項があった。十六才になる姪の安藤ヒナタだ。
その日は朝から快晴、空気は乾いていた。夏も最中の日差しは肌を刺すようだが、日陰に入ると寒いほどである。自宅のダイニングルームでアイスティーを口にしながら安藤ヒナタは決心した。今日という日にすべてをやり遂げ、この世界から逃げ出す。素晴らしい考えだと思い、ヒナタは微笑んだ。 高校という場所は格差社会の縮図であり、マッチョイズムの巣窟でもある。ヒナタは入学早々、この猿山から滑り落ちた。見えない壁が張り巡らされる。彼女はクラスメイトの集う教室の中で完全に孤立した。 原因は何だっただろうか。ヒナタのスクールバッグやスニーカーは他の生徒よりも目立っていたかもしれない。アジア系の容姿は、彼らの目に異質と映ったのかも知れなかった。 夏休みの前日、ヒナタは階段の中途から突き飛ばされる。肩と背中を押され、気が付いた時には一階の踊り場に強か膝を打ちつけていた。 「大丈夫?」 声だけかけて去っていく背中を呆然と見送る。ヒナタは教室に戻り、そのまま帰宅した。 擦過傷と打撲の痕跡が残る膝と掌は、まだ痛む。だが、傷口は赤黒く乾燥して皮膚は修復を開始していた。もともと大した傷ではない。昨夜、伯父夫婦と夕食をともにした際もヒナタは伯母の得意料理であるポークチョップを食べ、三人で和やかに過ごした。 高校でのいざこざを話して何になるだろう。ヒナタは飲み終えたグラスを食洗器に放り込み、自室へ引っ込んだ。
ヒナタの母親はシングルマザーである。出産の苦難に耐え切れず、息を引き取った。子供に恵まれなかった伯父と伯母はヒナタを養子に迎え、経済的な負担をものともせず、彼女を大学に行かせるつもりでいる。それを思うと申し訳ない限りだが、これから続くであろう高校の三年間はヒナタにとって永遠に等しかった。 クローゼットから衣服を抜き出して並べる。死装束だ。慎重に選ぶ必要がある。等身大の鏡の前で次々と試着した。ワンピースの裾に払われ、細々としたものがサイドボードから床に散らばる。悪態を吐きながら拾い集めていたヒナタの手が止まった。横倒しになった木製の箱を掌で包む。母親の僅かな遺品の中からヒナタが選んだオルゴールだった。 最初から壊れていたから、金属の筒の突起が奏でていた曲は見当もつかない。ヒナタはオルゴールの底を外した。数枚の便箋と写真が納まっている。写真には白のワイシャツにスラックス姿の青年と紺色のワンピースを着た母親が映っていた。便箋の筆跡は美しい。『ブライアン・オブライエン』の署名と日付、母親の妊娠の原因が自分にあるのではないかという懸念と母親と子供に対する執着の意思が明確に示されていた。手紙にある日付と母親がヒナタを妊娠していた時期は一致している。 なぜ母は父を斥けたのだろうか。それとも、この男は父ではないのか。ヒナタは苛立ち、写真の青年を睨んだ。 中学へ進み、スマートフォンを与えられたヒナタは男の氏名を検索する。同姓同名の並ぶ中、フェイスブックに該当する人物を見つけた。彼は現在���大学の教職に就いており、専門分野は精神病理学とある。多数の論文、著作を世に送り出していた。 ヒナタは図書館の書棚から彼の書籍を片っ端から抜き出す。だが、学術書を読むには基礎教養が必要だ。思想、哲学、近代史、統計を理解するための数学を公共の知の宮殿が彼女に提供する。 ヒナタは支度を終え、バスルームの洗面台にある戸棚を開いた。医薬品のプラスチックケースが乱立している。その中から伯母の抗うつ剤の蓋を掴み、容器を傾けて錠剤を掌に滑り出させた。口へ放り込み、ペットボトルの水を飲み込む。栄養補助剤を抗うつ剤の容器に補充してから戸棚へ戻した。 今日一日、いや数時間でもいい。ヒナタは最高の自分でいたかった。
ロングアイランドの住宅地にブライアン・オブライエンの邸宅は存在していた。富裕層の住居が集中している地域の常であるが、ヒナタは脇を殊更ゆっくりと走行している警察車両をやり過ごす。監視カメラの装備された鉄柵の門の前に佇んだ。 呼び鈴を押そうかと迷っていたヒナタの耳に唸り声が響く。見れば、門を挟んで体長一メータ弱のドーベルマンと対峙していた。今にも飛び掛かってきそうな勢いである。ヒナタは思わず背後へ退いた。 「ケンダル!」 奥から出てきた男の声を聞いた途端、犬は唸るのを止める。スーツを着た男の顔はブライアン・オブライエン、その人だった。 「サインしてください!」 鞄から取り出した彼の著作を抱え、ヒナタは精一杯の声を張り上げる。 「いいけど。これ、父さんの本だよね?」 男は門を開錠し、ヒナタを邸内に招き入れた。
男はキーラン・オブライエン、ブライアンの息子だと名乗った。彼の容姿は写真の青年と似通っている。従って現在、五十がらみのブライアンであるはずがなかった。ヒナタは自らの不明を恥じる。 「すみません」 スペイン人の使用人が運んできた陶磁器のコーヒーカップを持ち上げながらヒナタはキーランに詫びた。 「これを飲んだら帰るから」 広大な居間に知らない男と二人きりで座している事実に気が滅入る。その上、父親のブライアンは留守だと言うのであるから、もうこの家に用はなかった。 「どうして?」 「だって、出かけるところだよね?」 ヒナタはキーランのスーツを訝し気に見やる。 「別にかまわない。どうせ時間通りに来たことなんかないんだ」 キーランは初対面���ヒナタを無遠慮に眺めていた。苛立ち始めたヒナタもキーランを見据える。 ヒナタはおよそコンプレックスとは無縁のキーランの容姿と態度から彼のパーソナリティを分析した。まず、彼は他者に対してまったく物怖じしない。これほど自分に自信があれば、他者に無関心であるのが普通だ。にも拘らず、ヒナタに関心を寄せているのは、何故か。 ヒナタは醜い女ではないが、これと取り上げるような魅力を持っているわけでもなかった。では、彼は何を見ているのか。若くて容姿に恵まれた人間が夢中になるもの、それは自分自身だ。おそらくキーランは他者の称賛の念を反射として受け取り、自己を満足させているに違いない。 「私を見ても無駄。本質なんかないから」 瞬きしてキーランは首を傾げた。 「俺に実存主義の講義を?」 「思想はニーチェから入ってるけど、そうじゃなくて事実を言ってる。あなたみたいに自己愛の強いタイプにとって他者は鏡でしかない。覗き込んでも自分が見えるだけ。光の反射があるだけ」 キーランは吹き出す。 「自己愛? そうか。父さんのファンなのを忘れてたよ。俺を精神分析してるのか」 笑いの納まらないキーランの足元へドーベルマンが寄ってくる。 「ケンダル。彼女を覚えるんだ。もう吠えたり、唸ったりすることは許さない」 キーランの指示に従い、ケンダルはヒナタのほうへ近づいてきた。断耳されたドーベルマンの風貌は鋭い。ヒナタは大型犬を間近にして体が強張ってしまった。 「大丈夫。掌の匂いを嗅がせて。きみが苛立つとケンダルも緊張する」 深呼吸してヒナタはケンダルに手を差し出す。ケンダルは礼儀正しくヒナタの掌を嗅いでいた。落ち着いてみれば、大きいだけで犬は犬である。 ヒナタはケンダルの耳の後ろから背中をゆっくりと撫でた。やはりケンダルはおとなしくしている。門前で威嚇していた犬とは思えないほど従順だ。 「これは?」 いつの間にか傍に立っていたキーランがヒナタの手を取る。擦過傷と打撲で変色した掌を見ていた。 「別に」 「こっちは? 誰にやられた?」 キーランは、手を引っ込めたヒナタのワンピースの裾を摘まんで持ち上げる。まるでテーブルクロスでもめくる仕草だ。ヒナタの膝を彩っている緑色の痣と赤黒く凝固した血液の層が露わになる。ヒナタは青褪めた。他人の家の居間に男と二人きりでいるという恐怖に舌が凍りつく。 「もしきみが『仕返ししろ』と命じてくれたら俺は、どんな人間でも這いつくばらせる。生まれてきたことを後悔させる」 キーランの顔に浮かんでいたのは怒りだった。琥珀色の瞳の縁が金色に輝いている。落日の太陽のようだ。息を吸い込む余裕を得たヒナタは掠れた声で言葉を返す。 「『悪事を行われた者は悪事で復讐する』わけ?」 「オーデン? 詩を読むの?」 依然として表情は硬かったが、キーランの顔から怒りは消えていた。 「うん。伯父さんが誕生日にくれた」 キーランはヒナタのすぐ隣に腰を下ろす。しかし、ヒナタは咎めなかった。 「復讐っていけないことだよ。伯父さんは普通の人がそんなことをしなくていいように法律や警察があるんだって言ってた」 W・H・オーデンの『一九三九年九月一日』はナチスドイツによるポーランド侵攻を告発した詩である。他国の争乱と無関心を決め込む周囲の人々に対する憤りをうたったものであり、彼の詩は言葉によるゲルニカだ。 「だが、オーデンは、こうも言ってる。『我々は愛し合うか死ぬかだ』」 呼び出し音が響き、キーランは懐からスマートフォンを取り出す。 「違う。まだ家だけど」 電話の相手に生返事していた。 「それより、余分に席を取れない? 紹介したい人がいるから」 ヒナタはキーランを窺う。 「うん、お願い」 通話を切ったキーランはヒナタに笑いかけた。 「出よう。父さんが待ってる」 戸惑っているヒナタの肩を抱いて立たせる。振り払おうとした時には既にキーランの手は離れていた。
キーラン・オブライエンには様々な特質がある。体格に恵まれた容姿、優れた知性、外科医としての将来を嘱望されていること等々、枚挙に暇がなかった。だが、それらは些末に過ぎない。キーランを形作っている最も重要な性質は彼の殺人衝動だ。 この傾向は幼い頃からキーランの行動に顕著に表れている。小動物の殺害と解剖に始まり、次第に大型動物の狩猟に手を染めるが、それでは彼の欲求は収まらなかった。 対象が人間でなければならなかったからだ。 キーランの傾向にいち早く気付いていたブライアン・オブライエンは彼を教唆した。具体的には犯行対象を『悪』に限定したのである。ブライアンは『善を為せ』とキーランに囁いた。彼の衝動を沈め、社会から悪を排除する。福祉の一環であると説いたのだ。これに従い、彼は日々、使命を果たしてる。人体の生体解剖によって嗜好を満たし、善を為していた。 「どこに行くの?」 ヒナタの質問には答えず、キーランはタクシーの運転手にホテルの名前を告げる。 「行けないよ!」 「どうして?」 ヒナタはお気に入りではあるが、量販店のワンピースを指差した。 「よく似合ってる。綺麗だよ」 高価なスーツにネクタイ、カフスまでつけた優男に言われたくない。話しても無駄だと悟り、ヒナタはキーランを睨むに留めた。考えてみれば、ブライアン・オブライエンへの面会こそ重要課題である。一流ホテルの従業員の悪癖であるところの客を値踏みする流儀について今は不問に付そうと決めた。 「本当にお父さんに似てるよね?」 「俺? でも、血は繋がってない。養子だよ」 キーランの答えにヒナタは目を丸くする。 「嘘だ。そっくりじゃない」 「DNAは違う」 「そんなのネットになかったけど」 ヒナタはスマートフォンを鞄から取り出した。 「公表はしてない」 「じゃあ、なんで話したの?」 「きみと仲良くなりたいから」 開いた口が塞がらない。 「冗談?」 「信じないのか。参ったな。それなら、向こうで父さんに確かめればいい」 キーランはシートに背中を預け、目を閉じた。 「少し眠る。着いたら教えて」 本当に寝息を立てている。ヒナタはスマートフォンに目を落とした。
ヒナタは肩に触れられて目を覚ました。 「着いたよ」 ヒナタの背中に手を当てキーランは彼女を車から連れ出した。フロントを抜け、エレベーターへ乗り込む。レストランに入っても警備が追いかけてこないところを見ると売春婦だとは思われていないようだ。ヒナタは脳内のホテル番付に星をつける。 「女性とは思わなかった。これは、うれしい驚きだ」 テラスを占有していたブライアン・オブライエンは立ち上がってヒナタを迎えた。写真では茶色だった髪は退色し、白髪混じりである。オールバックに整えているだけで染色はしていなかった。三つ揃いのスーツにネクタイ、機械式の腕時計には一財産が注ぎ込まれているだろう。デスクワークが主体にしては硬そうな指に結婚指輪が���っていたが、彼の持ち物とは思えないほど粗雑な造りだ。アッパークラスの体現のような男が配偶者となる相手に贈る品として相応しくない。 「はじめまして」 自分の声に安堵しながらヒナタは席に着いた。 「彼女は父さんのファンなんだ」 ヒナタは慌てて鞄から本を取り出す。 「サインしてください」 本を受け取ったブライアンは微笑んだ。 「喜んで。では、お名前を伺えるかな?」 「安藤ヒナタです」 老眼鏡を懐から抜いたブライアンはヒナタに顔を向ける。 「スペルは?」 答える間もブライアンはヒナタに目を据えたままだ。灰青色の瞳は、それが当然だとでも言うように遠慮がない。血の繋がりがどうであれ、ブライアンとキーランはそっくりだとヒナタは思った。 ようやく本に目を落とし、ブライアンは結婚指輪の嵌った左手で万年筆を滑らせる。 「これでいいかな?」 続いてブライアンは『ヒナタ』と口にした。ヒナタは父親の声が自分の名前を呼んだのだと思う。その事実に打ちのめされた。涙があふれ出し、どうすることもできない。声を上げて泣き出した。だが、それだけではヒナタの気は済まない。二人の前に日頃の鬱憤を洗いざらい吐き出していた。 「かわいそうに。こんなに若い女性が涙を流すほど人生は過酷なのか」 ブライアンは嘆く。驚いたウェイターが近付いてくるのをキーランが手を振って追い払った。ブライアンは席を立ち、ヒナタの背中をさする。イニシャルの縫い取られたリネンのハンカチを差し出した。 「トイレ」 宣言してヒナタはテラスを出ていく。 「おそらくだが、向精神薬の副作用だな」 父親の言葉にキーランは頷いた。 「彼女。大丈夫?」 「服用量による。まあ、あれだけ泣いてトイレだ。ほとんどが体外に排出されているだろう」 「でも、攻撃的で独善的なのは薬のせいじゃない」 ブライアンはテーブルに落ちていたヒナタの髪を払い除ける。 「もちろんだ。彼女の気質だよ。しかし、同じ学校の生徒が気の毒になる。家畜の群れに肉食獣が紛れ込んでみろ。彼らが騒ぐのは当然だ」 呆れた仕草でブライアンは頭を振った。 「ルアンとファンバーを呼びなさい。牧羊犬が必要だ。家畜を黙らせる。だが、友情は必要ない。ヒナタの孤立は、このままでいい。彼女と親しくなりたい」 「わかった。俺は?」 「おまえの出番は、まだだ。キーラン」 キーランは暮れ始めている空に目をやる。 「ここ。誰の紹介?」 「アルバート・ソッチ。デザートが絶品だと言ってた。最近、パテシエが変わったらしい」 「警察委員の? 食事は?」 ブライアンも時計のクリスタルガラスを覗いた。 「何も言ってなかったな」 戻ってきたヒナタの姿を見つけたキーランはウェイターに向かい指示を出す。 「じゃあ、試す必要はないね。デザートだけでいい」 ブライアンは頷いた。
「ハンカチは洗って返すから」 ヒナタとキーランは庁舎の並ぶ官庁街を歩いていた。 「捨てれば? 父さんは気にしない」 面喰ったヒナタはキーランを窺う。ヒナタは自分の失態について思うところがないわけではなかった。ブライアンとキーランに愛想をつかされても文句は言えない。二人の前で吐瀉したも同じだからだ。言い訳はできない。だが、ヒナタは、まだ目的を果たしていないのだ。 ブライアン・オブライエンの実子だと確認できない状態では自死できない。 「それより、これ」 キーランはヒナタの手を取り、掌に鍵を載せた。 「何?」 「家の鍵。父さんも俺もきみのことを家族だと思ってる。いつでも遊びに来ていいよ」 瞬きしているヒナタにキーランは言葉を続ける。 「休暇の間は俺がいるから。もし俺も父さんもいなかったとしてもケンダルが 相手をしてくれる」 「本当? 散歩させてもいい? でも、ケンダルは素気なかったな。私のこと好きじゃないかも」 「俺がいたから遠慮してたんだ。二人きりの時は、もっと親密だ」 ヒナタは吹き出した。 「犬なのに二人?」 「ケンダルも家族だ。俺にとっては」 相変わらずキーランはヒナタを見ている。ヒナタは眉を吊り上げた。 「言ったよね? 何もないって」 「違う。俺はきみを見てる。ヒナタ」 街灯の光がキーランの瞳に映っている。 「だったら、私の味方をしてくれる? さっき家族って言ってたよね?」 「言った」 「でも、あなたはブライアンに逆らえるの? 兄さん」 キーランは驚いた顔になった。 「きみは、まるでガラガラヘビだ」 さきほどの鍵をヒナタはキーランの目の前で振る。 「私が持ってていいの? エデンの園に忍び込もうとしている蛇かもしれない」 「かまわない。だけど、あそこに知恵の実があるかな? もしあるとしたら、きみと食べたい」 「蛇とイブ。一人二役だね」 ヒナタは入り口がゲートになったアパートを指差した。 「ここが私の家。さよならのキスをすべきかな?」 「ヒナタのしたいことを」 二人は互いの体に手を回す。キスを交わした。
官庁街の市警本部庁舎では安藤文彦が部下から報告を受けていた。 「ブライアン・オブライエン?」 クリスティナ・ヨンぺルト・黒田は文彦が警部補として現場指揮を行っていた時分からの部下である。移民だったスペイン人の父親と日系アメリカ人の母親という出自を持っていた。 「警察委員のアルバート・ソッチの推薦だから本部長も乗り気みたい」 文彦はクリスティナの持ってきた資料に目をやる。 「警察委員の肝入りなら従う他ないな」 ブライアン・オブライエン教授の専門は精神病理学であるが、応用心理学、主に犯罪心理学に造詣が深く、いくつかの論文は文彦も読んだ覚えがあった。 「どうせ書類にサインさせるだけだし誰でもかまわない?」 「そういう認識は表に出すな。象牙の塔の住人だ。無暗に彼のプライドを刺激しないでくれ」 クリスティナは肩をすくめる。 「新任されたばかりで本部長は大張り切り。大丈夫。失礼なのは私だけ。他の部下はアッパークラスのハウスワイフよりも上品だから。どんな男でも、その気にさせる」 「クリスティナ」 軽口を咎めた文彦にクリスティナは吹き出した。 「その筆頭があなた、警視正ですよ、ジャック。マナースクールを出たてのお嬢さんみたい。財政の健全化をアピールするために部署の���り捨てを行うのが普通なのに新しくチームを立ち上げさせた。本部長をどうやって口説き落としたの?」 「きみは信じないだろうが、向こうから話があった。私も驚いている。本部長は現場の改革に熱意を持って取り組んでいるんだろう」 「熱意のお陰で予算が下りた。有効活用しないと」 文彦は顔を引き締めた。 「浮かれている場合じゃないぞ。これから、きみには負担をかけることになる。私は現場では、ほとんど動けない。走れないし、射撃も覚束ない」 右足の膝を文彦が叩く。あれ以来、まともに動かない足だ。 「射撃のスコアは基準をクリアしていたようだけど?」 「訓練場と現場は違う。即応できない」 あの時、夜の森の闇の中、懐中電灯の光だけが行く手を照らしていた。何かにぶつかり、懐中電灯を落とした瞬間、右手の動脈を切り裂かれる。痛みに耐え切れず、銃が手から滑り落ちた。正確で緻密なナイフの軌跡、相手はおそらく暗視ゴーグルを使用していたのだろう。流れる血を止めようと文彦は左手で手首を圧迫した。馬乗りになってきた相手のナイフが腹に差し込まれる感触と、その後に襲ってきた苦痛を表す言葉を文彦は知らない。相手はナイフを刺したまま刃の方向を変え、文彦の腹を横に薙いだ。 当時、『切り裂き魔』と呼ばれていた殺人者は、わざわざ文彦を国道まで引きずる。彼の頬を叩いて正気づかせた後、スマートフォンを顔の脇に据えた。画面にメッセージがタイピングされている。 「きみは悪党ではない。間違えた」 俯せに倒れている文彦の頭を右手で押さえつけ、男はスマートフォンを懐に納める。その時、一瞬だけ男の指に光が見えたが、結婚指輪だとわかったのは、ずいぶん経ってからである。道路に文彦を放置して男は姿を消した。 どうして、あの場所は、あんなに暗かったのだろうか。 文彦は事ある毎に思い返した。彼の足に不具合が生じたのは、ひとえに己の過信の結果に他ならない。ジャックと文彦を最初に名付けた妻の気持ちを彼は無にした。世界で最も有名な殺人者の名で夫を呼ぶことで凶悪犯を追跡する文彦に自戒するよう警告したのである。 姪のヒナタに贈った詩集は自分自身への諌言でもあると文彦は思った。法の正義を掲げ、司法を体現してきた彼が復讐に手を染めることは許されない。犯罪者は正式な手続きを以って裁きの場に引きずり出されるべきだ。 「ジャック。あなたは事件を俯瞰して分析していればいい。身長六フィートの制服警官を顎で使う仕事は私がやる。ただひとつだけ言わせて。本部長にはフェンタニルの使用を黙っていたほうがいいと思う。たぶん良い顔はしない」 フェンタニルは、文彦が痛み止めに使用している薬用モルヒネである。 「お帰りなさい、ジャック」 クリスティナが背筋を正して敬礼する。文彦は答礼を返した。
INDEX PREV NEXT
1 note
·
View note