#天窓のある暮らし
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craftwork2002 · 10 months ago
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#108 四季の家 只今撮影中❣️
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ariessheep9 · 11 months ago
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リトープス 日輪玉(左) & 紫勲玉(右)
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yu-en · 4 months ago
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uihy
自室の記録
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5年前からルームシェアをしているSと一緒に引越しをしてから、3年が経った。寝室をSが、リビングを私が自室としている。私の部屋の正面には大きな窓があり、左右にもそれぞれ小窓がある。
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小窓1
装身具類の置き場所。ピアスを置いている鳥のレモン絞り器は、Fさんから貰ったもの。Fさんはよく動物のものをくれる。犬の形をした栓抜きや、野営をするくまの置物も彼からのプレゼントだった。
カートリッジインクの空き容器には、ヘアピンやネックレスを入れている。私の父は吸引式の万年筆を好んでいて、父から贈られたペンもインク瓶とセットのものが多かった。実家を出て外にいる時間が増えてからは、インクを切らすことが怖く、自然と替えのインクを持ち運べるカートリッジ式の万年筆を使うようになった。それからしばらく経ち、1年前にプログラマを辞めたことを手紙で報告すると、その数日後に「励まし」とボールペンが送られてきた。以降ずっとそのペンを使っているから、手持ちの万年筆はどれもインクを抜いてある。
よく付けるピアスは窓の縁に置いていて、どこかの喫茶店で使われていたらしい伝票入れには、硝子のオーナメントやトライアングルのビーターを差している。
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Hのくれたトライアングル本体は、腕時計とブレスレットを失くさないための場所として機能している。良くない使い方だと罪悪感を覚えてはクロスで磨いている。
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小窓2
『陶の家』を見かけたらひとつ買うというのを続けていて、現時点で3軒が建っている。少しずつ街になっていく。家の奥には、ミナペルホネンの好きなQさんにプレゼントしたものと色違いのタイルを置いている。
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小窓3
すぐぼろぼろにしてしまう指先のケア用品を置いている。H先輩に貰ったネイルオイルの磨硝子が好きだった。Fさんが動物をくれるように、この人は硝子をよくプレゼントしてくれる。硝子のオーナメントも、ステンドグラスのくまもH先輩から貰っている。
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窓を開閉するハンドル(オペレーターハンドルというらしい)に紐をかけて、ケーブルや電源類をまとめている。先日Eから貰った白いカールコードのシールドもここに下げている。黒い服ばかり着ているのに、Eには乳白色のイメージがある。“誤って人間として産まれてしまった天使”だと感じさせる人と知り合うことが何度かあり、Eもその中のひとりだった。
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向かって左には仕事用のシャツ、右には外套を何着か掛けている。秋冬用の服ばかりある。
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ここに越すことが決まってから最初に選んだ家具。プログラマになったばかりの頃、メモリの重要さを机の広さに喩えて教えられた。それで机は広いほど良いものだと認識したのか、気付けば横幅のある机ばかり探していた。天板の色を緑に決めて、部屋の軸に据えた。
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職場で割ってしまったマグカップに無線イヤホンや保湿クリームを入れている。シャツを濡らしたまま破片を持つ私を見て、笑ってくれる会社の人たち。これ以上は無いとよく思う。
ヘアクリップ入れにしている、ままごと用のような小さな花瓶も気に入っている。渋谷の蚤の市で友人へのプレゼントを選んでから、度々その人の店でものを買うようになった。銀色のトレイやハート型の赤い缶もその人から買った。
銀色の電源タップは前の部屋から持ってきたもの。あらゆる電子機器の電力をここから供給している。
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ギターをくれた友人たちが別の年の誕生日に合同出資してくれたオーディオインターフェースがモニターの下にある。未だに1-2と3-4の入力を同時にする方法が分からず、2つずつ付け替えながら使っている。これを貰ってからAudacityで曲を作り始めて、今もそのやり方をしている。会社の先輩には「システムを0と1だけで作ろうとしているみたいなものだよ」と言われたけれど、その頓馬さを含めて自分に馴染むので、Audacityをずっと使っている。キーボードがちょうど上に乗る。
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モニターの横にはmicroKORGを置いている。普段は誕生日に贈り物をしないと取り決めているSだけれど、数年前に何かで手を貸した際「この恩は倍にして返します」と言い、その年の誕生日にmicroKORGをプレゼントしてくれた。このシンセサイザが部屋に来てから、自分の生活が向かうことのできる方角が増えたように感じている。大切な楽器。
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microKORGには、新しい部屋で出した『野良の花壇』のマグネットを付けている。本来は冷蔵庫のために作られたマグネットだけれど、皆とスタジオにいる時にあって欲しく、ここに付けている。プリクラで来られなかった友達の似顔絵を描くような感覚。私の黒い冷蔵庫には、ピーター・ドイグの青鬼の絵と油絵の花のマグネットだけがある。
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机の下に、PC・トランクケース・スーツケースを置いている。PCはSのお下がりで、MacBookしか使ったことのなかった当時の私は、こんなに大きな箱がPCだなんて、と思っていた。PCの上に付けたアンテナは狐の顔のような形をしている。
トランクケースは大学2年のころ大枚をはたいて手に入れたもの。どこか遠出をする時はこれに荷物を詰めている。畳み終えた洗濯物をSの部屋へ運ぶ時のかごや、ギターを弾く時の足置きとしても使用。頑丈さに安心する。
スーツケースはついこの間、京都に長く滞在するために買った。銀色の次に、灰がかった青が好きだと思う。
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ギター・くま・本棚
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ギターは高校時代の友人たちが誕生日にくれたもの。19歳になったばかりの頃、当時の交際相手と出掛けた帰り、気が付いたら楽器屋にいた。ギターを2本持ったその人に「どっちがいい」と訊かれ、指差した方を買ってくれた。私にギターを与え、弾き方を教えてくれたことにずっと感謝している。その人と別れてしばらく経ち、誕生祝いに何が欲しいかを訊かれ、���ターを頼んだのだった。友人たちは「あえて白にしてみた」と笑っていた。今思えば、このギターを貰ってから白を自分のものにすることへの抵抗が弱くなった。ギターの届いた日、触っているのが楽しくて大学を休んだのを覚えている。
YAMAHAのアンプは義兄が使っているのを見て購入した。私が真似をしていると知って嬉しそうだった、と姉から教えてもらった。
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左端のくまは、元は白だったのだけれど、深い青のシーツで眠るのに付き合わせたせいで黝くなってしまった。Kの小説に「ヤニや涎で汚れてしまったのかしら」と書かれてからは、布で包んでいる。いつかぬいぐるみ病院に連れて行きたい。隣は一度も会ったことのない人が贈ってくれた黒いくまと、高校時代の交際相手が留学先のお土産として連れてきてくれた焦げ茶のくま。誰かとビデオ通話をする時にはよくパペットのくまに代理出席してもらっている。右は、地元や旅先の雑貨屋で見つけて連れてきてしまった(“しまった”という意識がずっとある)小麦と白のくま。グレーのワゴンに小さなギャッペを敷いて、くまたちの場所としている。
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低い本棚の上
蓋のない宝箱。小物たちというより、質量のある記憶群という方が実感に近い。
西荻窪にあった喫茶店の閉業を知って沈んでいると、H先輩が「お店で使っていた品物を販売しているみたいです」と教えてくれた。黒い花瓶のあるおかげで、ずっとその店を忘れずにいられる。今はEのくれた竹とんぼや、Aさんのくれた花を入れている。ポストカードをしまっておける箱のついた額縁には、Aの写真を入れている。過去、「__の写真を写真展に出してもいいですか?」と、もう搬入の終わった状態で確認の連絡が来たことがあった。Aがごく稀に見せる、こういった強引さが大好きだった。展示を了承する代わりに譲ってもらったその時の写真たちは、勾配天井の部屋に暮らしていた時に飾っていた。上京してから借りたどの部屋にもAの写真を飾っている。そのほか、江の島で拾った石や、Tさんがライブ終わりに嵌めてくれた指環、Uさんと行った犬吠埼のイルカの置物、書ききれないほどの誰かと紐付いた宝物がある。
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声の依頼を受けた際、お礼にといただいた絵。額装までしてくれていた。元々この人の絵が好きだったので大喜びした。一度この絵を裏返さなければいけない時期があったので、また飾ることができて嬉しかった。
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高い本棚の上
小さなギターは、Kさんと一緒にRさんの部屋でパーティをした日、中古のおもちゃ屋で買ったもの。Rさんの部屋に戻った後もご機嫌に鳴らしていて、そのあと火事が起きた。カセットコンロの火がテーブルクロスに引火して、火が早送りのように広がっていくのを見た。三人で死ぬ映像がちらついた、次の瞬間には火が消えていて、振り向くと花瓶を持って息を切らしたRさんが立っていた。チューリップを活けていた水での消火。このおもちゃが生き延びた証明になっている。このあいだのアルバムに入れたフィールドレコーディング曲にはその日の日付が付けられていて、火のはじける音やこのおもちゃギターの音が入っていた。volca keysは初めて触ったシンセサイザ。自分ひとりである程度のことができるようになりたくて、リズムマシンとマルチエフェクターを買った。
銀色のバットはひとつ前に住んでいた部屋の近くにあった台所道具の店で買ったもので、前日と翌日のあいだの時間に��帯品を置いておく場所として使っている。
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Artekのスツール60を、椅子やベッドサイドテーブルとして使っている。パーティめいたことをする時には、3脚くっつけて大きなテーブルとして使う。雑貨屋でまとめて購入したので、その日で店のポイントカードが1枚分溜まった。そのカードをイッタラのキャンドルホルダーと交換してもらった。
銀色のトレイは、先述の蚤の市で知った店で買ったもの。部屋のポケットとして使っている。
“拯”の字は、精神がどうしようもなく落ちていた今年の始めに、Uさんが「書初めをしよう」と言って筆を持たせてくれたもの。翌月にまた京都を訪れた際に、国際会館のカフェスペースで焼き上がったものを渡してくれた。頭でばかり考えてはすぐに身体と疎通できなくなる私に、四肢のあることを思い出させてくれる友人。
本の上には気休めの紙魚対策として除湿剤と防虫剤を置いている。
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小窓4
Fさんからの犬の栓抜きと、Hに貰ったコンクリートの置物、H先輩が分けてくれた犬の箸置き。母の好きなミニチュアを贈る際、色違いのチューリップを自分にもひとつ購入して、端に置いている。自分のために生きた花を買えない反動か、花のモチーフのものを見かけると嬉しくてつい手が伸びる。
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キッチン
私の洗面台を兼ねている。私もSも、料理と呼べるような自炊は殆どしないので、調味料や調理器具が少なく、キッチンの収納部にはそれぞれの私物が仕舞われている。
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Mさんが引越し祝いに買ってくれたカセットコンロ。パンを焼く時やカフェオレを淹れる時に使う。組み立てる際の動作がロボットアニメのワンシーンを思い出させるので、人前で使う時には「変身!」と言うようにしている。
隣の空き瓶は元々ジンの入っていたもので、誰かに花をいただいた時には一旦ここに活けている。
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この部屋に越した時にIがプレゼントしてくれたローズマリーの石鹸の匂いが好きで、貰った分を使い切ってからも自分で買い直している。歯磨き粉はGUM以外だと落ち着かないので旅行先にも持っていく。歯ブラシはKENTのもので、最初に使ったあとの歯の滑らかさに感動して、誰かに共感してほしいあまりSに押し売りをした。それからSも同じものを使っているので、それぞれのストックも合わせると10本近くこの歯ブラシがある。右端はリングホルダー。左手の薬指に環を嵌めるようになってから、指環が好きになった。今は5本の指環を付けている。
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食器棚
H先輩のくれたくまを吊るしている。緑の石鹸はMさんのスペイン土産。ここに写っている鉄鍋も鉄フライパンも、写っていない3本の包丁も2枚のお盆も貰いもの。
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ソファ
机の天板に合わせて布を選んだ、三人掛けのソファ。毎日ここで眠っている。Sの部屋にある質の良いベッドよりも、薄いマットレスを敷いたソファの方がよく眠れる。枕に近い小窓のハンドルにエジソンランプを括りつけて、普段はその光で睡眠���が効くまでを過ごしている。
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部屋のすぐ向かいには線路があり、3面の窓から電車の通る音や光が流れる。最終電車の後は、スケートボードの走る音や、酔った誰かの歌が聞こえる。この部屋で生活をしている。
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kennak · 4 months ago
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これが世界最大という超超巨大書店を、どーんと僻地でもなんでもいいから街が作れそうな平野に作ってほしい。その超超巨大さは世界第2位を突き抜けてほしい。 政府もテコ入れし、クラウドファンディングも募り、数多ある企業も全勢力が参入してほしい。もうとにかく全力をかけて作ってほしい。 「そんなことして失敗したらどうする?!バカじゃん?!」とか考えず作ってほしい。勝算とか考えず勢いで作ってほしい。 そこには和書だけではなく洋書もある。西洋の本だけではなく中国語の本、アラビア語の本、アフリカーンス語の本、とにかく片っ端から「いやこれいらんだろ」みたいな本だったとしてもすべておく。 なんなら和書が中央ではなく洋書が中央である。日本語を中心で考えてほしくはない。言語別に存在する知の量に応じた配分をしてほしい。 客層に応じてカテゴリ分けは必要だろう。1つの書店だけでなく複数の書店が統合してもかまわない。古本屋を集めてもかまわない。 「よくわからなくても物理の本を買うなら日本のここへ行け。たぶんあるから」という状態になっていてほしい。日本の中規模以上の書店はほぼすべてここに集める。 全勢力が協力してできた超超巨大書店を中央に据えて、その周りを他の超巨大書店が取り囲む。その周りは巨大書店。その周りは中規模書店、その周りには小規模書店。 海外からも片っ端から誘致する。必要なら補助金も出す。「バカなの?」とか「さすがに海外出店は難しいです」とか一蹴されるだろうが「まあ採算とれそうだからいいよ」と言われるまで粘ってほしい。 税金をたくさん投入してもかまわない。重要なことは「そこにある」「とにかく日本のここに来たらある」「お前のやりたいことは知らんけど本がほしいなら日本のここに行け」という願いが叶う場所だ。 例外を作ればそのブランドは失われる。このブランドこそが他国が追随不可能な圧倒性を生む。先行者利益だ。バカすぎて1つ1つで見るとデメリットしかない行為が、結合すると巨大な1つのメリットを作り出す。 どこかで手を抜くと終わる。そんなことまでする必要ないんじゃないのとか、それってめちゃくちゃ損しますよねとか言われようが、究極に本を集める。 書店と書店の隙間にはさまざまなカフェが立ち並ぶ。個人で経営するカフェからチェーン店が密集する。コンビニも立ち並び、公園には読書に適したベンチがある。公園は読書に最適化されている。 その街にはどこにでも椅子が置いてある。買った本をすぐ座って読む人向けのものだ。 この街には有名人が毎日のようにやってくる。たとえば「ビル・ゲイツが本を選びに来日!」など当たり前のことになるだろう。 読書家はこの街の付近に別荘をかまえる。なんにもなかった僻地の近隣に富裕層街が誕生し、地価がとんでもなく上昇する。意味不明なおいしい話だ。 一方で本を読むことが目的でない人間には居心地が悪い空間になる。この街に存在している人間はほぼ全員本かその周辺が目的なのだ。本以外が目的の人間は異様に目立つようになり警戒される。 街の中央部分は徹底的に、本、本、本、本、本、と本が存在するのが当然の本の密集空間になっている。普通の人間が「ここまですることはないんじゃ・・・だって採算とか・・・」とドン引きするぐらいの熱量で本で溢れかえっていてほしい。 地面に敷かれたタイルには、文章が書かれている。まっすぐ歩くと偉人の言葉などがそのまま読めるようになっているのだ。たとえば「良い本は私の人生におけるイベントである。」「本の無い家は窓の無い部屋のようなものだ。」「天才とは努力する凡才のことである」などという文が永久に書かれている。有名な書の冒頭部分だったりもあるし、古典文学もあるし、文学のみならず数式も書かれていたりする。それを読むだけで日が暮れる。 この街の広告はすべて本に関するものでいっぱいだ。ほかでは絶対に見られない、読書家にだけ向けた広告が撃たれる。「こんな難しそうな本の広告ある?」というのがそこここで見つかる。 たとえばベトナム語のマンガの新刊広告なども見受けられていてほしい。 この街にあるのは紙の本ばかりではない。電子書籍派のための書店もある。他では絶対採算がとれないような形の店であっても、「読書家が毎日のように集まることが普通」の街特有の書店ができる。たとえば巨大な8Kモニタにその人へレコメンドされた電子書籍が大量に表示され、立ち読みすることができるとか。「辞書専門店」や「単語帳専門店」や「栄養学書籍専門店」などがあったりもする。そういうものを作っても不思議と利益が出るのだ。 この超超巨大書店圏内部には研究所や大学なども誘致する。どのような言語でも関係ない。化学系のカテゴリが立ち並ぶ「化学通り」のようなところには実験器具専門店も立ち並ぶ。 そういうところは、基本的には英語がメインだ。英語の下に日本語が書かれている感じ。イメージ的にはハリーポッターだろうか。ときどき「なんで化学通りにオムライス専門店がこんなにあるんだよ」などということもあるかもしれない。秋葉原や神田にカレー��たくさんあるようなものだろう。 やや込み入ったところにはマイナーな本屋がある。「なんだよこの本屋・・・」という、見るからに異国感が漂う本屋だ。謎の部族の謎言語で書かれた謎の材質の本が置いてあるなど。ネクロノミコンのような本も見つかる。 石版などもなぜかある。読書向けの椅子専門店もある。「本のためだけの椅子専門店」が生存できる場所は日本ではここしかない。 しかし、この超超巨大書店群の主目的は「本の集積」である。そこから逸れるようなことがあってはならない。何か欲をかいて「ここに企業をうんたら」などとして利益を優先するとこの街はあっという間にその意味をなくし滅びるだろう。ありとあらゆる人々が周辺の利益を求めて集ってくる。そういうのを一蹴できるような体制であってほしい。 「この街意味ないだろ。なんで作った。赤字だろ」と罵られながらも存続する街であってほしい。そして、そう罵る人も、ひとたびその街に入ると「すげえ・・・この街は地球に必要だわ・・・」とどうあがいても認めざるをえないほど感動できる街であってほしい。街自体で見ると赤字なのだが不思議と日本経済が潤う源泉である摩訶不思議都市であってほしい。完全に未来へと投資された都市である。 この街では、夜もたくさんの書店が営業している。こんな大きな本屋が24時間営業できるのはこの街しかありえないとなっていてほしい。「夜眠れないな・・・本でも買いに行くか・・・」という人外の行動を普通にするような場所であってほしい。 街の周囲には民家が立ち並ぶ。ただしこの民家に住む民間人はややおかしい。本のために移住してきた狂信者たちだ。軒先には自分の選書が並び「1冊100円」などと書かれていることも多々ある。 富豪がゴッソリ買っていくことを見越して少し離れたところに在庫置き場がある。 富豪が「ではこの棚からこっちの棚まで」などと爆買いしていく。もはやテロリストのようなものだが、そんなことは気にせずまた入荷する。本はバカみたいに売れる。 近隣の都市はこの超超巨大書店都市のおかげで経済効果がある。 この街は、「日本人なら1度は絶対行け」と呼ばれる場所になる。そしてひとたびそこに立ち入れば「世の中にはこんなに知識があったのか」「世の中はこんなに頭のいい人たちで溢れかえっていたのか」ということが、嫌でも全身の細胞に刻みつけられる。伊勢神宮みたいなものだ。それよりも神々しいかもしれない。 そして、全身の細胞で体感したその人は、格段に読書するようになるだろう。それは地元へ帰っても同じことだ。一流を目の当たりにした者は一流になる。 取次の問題も、書店が潰れかけている問題も、日本人が本を読まなくなってしまっている問題も、経済が深刻化している問題も、だいたい解決できるだろう。 誰か作ってください。 ちなみに国防にも役に立ちます。一度作ってしまえばここを潰すやつは「バカ」なので。ペンは剣よりも強し! 書店は兵器��す。 追記 ジュンク堂書店など大型書店が潰れかけているのは知っている。 ただそれは、「本がたくさんあっても意味がない」のではない。逆。 大型書店であっても、本が少なすぎるのが問題である。 だいたい日本語の本というのは大して範囲が広くない。 それに「物理本を読む人が少ないから本屋が潰れちゃう」というのも逆だ。 「物理本を読みたいと思う人を増やす。そのためには本屋すべてが潰れることも辞さない」という情熱が正道である。 本というのは知の源泉である。だから知識がない人に迎合すれば、潰れるのは自然だ。知識がない側に与するのだから。 本の機能はそれとは真逆であり、全体を引っ張り上げるものである。知識がない側が「欲しい」と願える場にすべきなのだ。 ない側に媚を売っていれば潰れて当然。 「この本は今は読めないけれど、読みたいと思う」そういうものがない。 「この本は内容はちんぷんかんぷんだけど、そういう本の存在を知っている」そういうものもない。 ジュンク堂書店などですら、知らない人々が多い。大型書店の重要性を知覚できていない。入ったことがない人間もいる。 だからこそドカンとぶち上げるのだ。 記事を読んでくれた人へ: 記事を読んでくれたのはありがたいが、たぶん自分が考えている規模と読んだ人が考えている規模に大きな差があると思う。 自分が考えているのは、もっとも小さく考えても深圳書城中心城の数十倍の大きさであり、既存の書店をちょっとだけ大きくしたものとか、蔵書が全く同一であるような大型書店が単に10個ある街という形ではない。 コーチャンフォーつくば店は50万冊、池袋ジュンク堂書店は150万冊、深圳書城中心城は400万冊、国会図書館は4685万点。Amazon Kindleは60万点。 自分が言っているのは、数億冊あるような書店群である。つまり、コーチャンフォーやジュンク堂書店や紀伊國屋書店は超超巨大書店(世界中の意味わからんハイレベルの本から選びぬかれ集まったエリート本屋)の周辺を取り囲む「日本区域最大の超巨大書店」の周辺を取り囲む「大型書店の1つ」という状態を考えている。ブックオフなどはその周りを取り囲む中型書店になるだろう。その周りを、身近にあるご近所の本屋さんがたくさんずらーーーっと並んでいるというような領域だ。いうならばこれが日本区域である。 世界の蔵書数はGoogleによると約1.3億冊であるらしい。日本区域内に別に中国語や韓国語の本があることもある。ただし日本区域の横には韓国区域だったり中国区域だったりする。その中国区域でもばかみたいにデカい超巨大書店があり、それを取り囲むようにジュンク堂書店並の大型書店があり、英語区域では……というような状態だ。言語別に分けられているだけでなく、「数学領域」で分けられていることもあり、そこでは「高校数学」の棚に世界各国の高校数学が並ぶ。数学の参考書を買いに来た高校生が、カメルーン人の中学生と仲良くなるみたいなことも想定できるわけだ。 地方のクソデカ本屋が数百個単位で入る「は・・・?」「この街が・・・全部・・・本屋さん・・・?」という規模の書店群である。 イメージ��しては↓な感じ。 まもなく目的地の駅に近付く。電車にいる人々は全員が本を読んでいる。スマホを触っている人たちなど誰もいない。不思議な光景だ。多くの人がそわそわしている。初めて来た人たちが多いのかもしれない。 電車が駅に滑り込み走って降りる人々の後ろでのんびりと降りる。全く、はしゃぎすぎだろう。 降りた直後、本の形をした案内板が表れた。真っ先に飛び込んできたのは「↑ バベル中央書店」というやたらとデカい黒文字と、その下にあるやや大きな黒文字の「↑ 北区域書店」だった。 右を向くと・・・あれは・・・本の自動販売機?! 本を自販機で販売するのか。カルピスの作り方・・・自動販売機の歴史・・・Why could he make vending machines?・・・なるほど。 床には文字が書かれている。Station, State, Statue, Status. 何のことやらわからない。 改札を出る。改札を出ると、ああ、もうこれは本のテーマパークだ。最奥部に見える巨大な塔には雲がかかっている。おそらくあれが中央書店だ。その横には数えるのもバカバカしくなるほど書店が並ぶ。街には今まで見たこともないような人々で溢れかえっていた。ベンチでは読書をしている中東とおぼしき人が中国人らしき人と何やら議論している。彼らが話しているのは何語だろうか。 デジタルサイネージで目まぐるしく本の広告が入れ替わっていく。「サウダージにさようなら」「入門グロッキング」「般若心経の終焉」 ぼうっとしているとハトが飛んできた。ここでは何やら、ハトでさえ賢く見える。予算は5万円だったが、足りるだろうか。 Amazon倉庫でもないんだって。 なんか全然伝わっていなくてものすごく悲しい。 子どものときに巨大書店や巨大図書館に人生で初めて行ったときとか、論文と大学と研究の仕組みと接したときに、知の偉大さに震えたことがないだろうか。 目に見えないものは見えないことが多い。たとえば、ライブ会場に行ったことがなければライブの偉大さは本当にはわからないし、「本当にこんなにたくさんの人がファンなのだな」ということもわからない。 記号接地問題ともいうらしいが。 いま「自分が考えるクラスの巨大な本の集積地を人類の誰もが見ていない」というのが問題であると思う。誰1人として。 そういう知がたくさんあることは存在としては知っていても、「それを見たことがある人は誰もいない」のだ。いわば、月は見えるけど、月に行ったことは誰もいないような状態だ。 神田の古本屋街や、既存の大型書店というのは、いわば地球上にある月に似たところでしかない。「たぶんこれとこれがこうなると月」というふうにしか想像できない。だが月に行かなければ月の隕石は無いのだ。 ほとんどの人は、目に見えないなら存在しないと感じてしまう。マッチングアプリで人間を左右にスワイプするとき、人間ではないように扱う。それは人間として存在しているのに。 一方、眼の前に相手がいるとき、同じように左右に指を振って弾くのは容易ではない。これが目の前にあるかないかの大きな違いである。 自分が言っているのは、そういう知の集積の偉大さが理解できなくてもとにかくそこに行けば、「ああそういうこと」「人類は偉大だったのか」と、誰もがたちどころにわかってしまう場所がほしいということである。 それから、実現の不可否はともかくとして、「え、そういう本屋あったらめっちゃいいな〜〜〜〜〜〜〜〜〜」と感じてほしい。
ド田舎に世界各国の超超巨大書店が集積する都市がほしい
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oyasumimumemo · 5 months ago
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夢じゃないと良いんだけど
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終業間近に上司から会議室に呼ばれ、仕事のことじゃないからpcやメモはいらない、と彼女は言い私は訝りながら入室し着席するや否や、彼女がある内臓系の病気に罹ったことを告げられた。今月発覚したこと、業務上近い人間には伝えているとの旨、あとは病状についてなどを話す彼女はぱっと見たところあっけらかんとしていた。そういえば最近ちょっと萎びて見えるなあと思っていた。帰りの電車でその病気について調べると、分かりやすく苦痛をともなう症状は無いものの、長生きはできないらしいことを知った。その日から彼女が笑うと妙に切ない気持ちになる。みすぼらしいような可愛いような。朽ちかけの野菜みたいな。
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結婚式や撮影の打ち合わせのため、久しぶりに彼と外出した。朝食を食べながら最近職場であった揉め事や、知人が内臓系の病気に罹ってふた周りくらい萎んでしまったこと、窓の外を眺めて日差しやばいね人多いねねえ見て犬、など運転中の彼相手に喋り続けた。彼は理想のパパみたい。彼を理想のパパにするために私はつとめて無邪気に振る舞っている自分に気づくときがよくある。打ち合わせは1時間ほどで終わり、昼食を食べて、3年前にしんでしまったトカゲのお墓参りに行った。彼と暮らしていなかったら私は墓参りや参拝など見えない何かに手をあわせるような場所へは行かなかっただろうと思う。いなくなったものや遠いものに対する想いは、育ちのよいひとほど強い気がしてでも何の因果関係が?と思う。ペット霊園を出て、(天国にいるペットと)ちゃんとお話しできた?と聞いてきた彼に適当な返事をする。物理的にも心理的にも遠いものに無関心な自分を恥じたいと思う。この無関心は未熟ゆえなのか単なる性質なのか分からないけど、いつか彼のように、見えないものに手をあわせるときに心から何かを思えるようになりたいと思う。彼との暮らしから嘘を減らしたいと思う。
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komichi-mado · 1 year ago
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古くから馴染みある曲を聴きながら、新しいことを考えている夜。キッチンの窓から見える景色が暮れていくのを長い間見つめている。
人を理解するよりも、ニコニコして穏やかに過ごして、否定も肯定もせず信じて寄り添うことが大事なのかもしれない。
いつのまにか日が暮れて、いつのまにか歳をとっている。そんなことがキラキラして貴重なことのように感じる。
僕にしかできないことってなんだろう?
僕は今していることこそ、僕にしかできないことで、特別な日々だと思っている。何かに��まれている訳ではないが、身の回りの人と安定した関係を続けて、身近な出来事を大切にして、生き生きと過ごしている。そういう平凡なことを生きることに、超天才的な能力を発揮できているように感じる。
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chisasarasa · 7 months ago
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240225
朝、これまでどおりにドローイングから始める。 いつもとちがう質感がうまれる。りんかくがたっている。 最近、マンネリ化を感じていて何か変えようか、と思っていたけれど、何か変えようとしなくても、変わっていくものらしい。
一日中家にいたら、滞ったのか、気持ち悪くなってきたから、外を歩く。 当たり前に雪がある。 北海道に引っ越してから、ずっと車でしか移動していなかったから、自分の居場所が感覚として、一致していなかったのかもしれない。 雪を踏む。 雪と氷はちがう。
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240226
朝、せかいから取り残されたみたいな気がする。 月曜日になっても、わたしは仕事にいかない。 窓の外では雪が降っている。予報通り。 寒さの質が関東とはちがう、と思う。 数字で示されて受け取るしかない寒さ。
昨日からクッキーが食べたくて、でも外には出たくなったから、つくった。 時間があるって、すごい。なんでもできるんだ。 アイスボックスクッキーをつくった。 全卵にしたからか、硬くなってしまったけれど、それもよくて、ガシガシと食べた。
夜、雪は積もり積もって、道なんてなくなっていた。
-
240227
朝、身体の頭の方、窓の方から音がする。 ごりごりといっている。 何の音かと思えば、誰かが雪かきをしている音だった。
駐車場のどの車も小さな雪山になっている。 雪はあれからさらに降ったらしい。 赤いスコップで、わたしも少しだけ雪かきをしてみる。 長靴と防水手袋を買おう、と思った。
前に2人で暮らしていた部屋は収納が多かった。 今、また2人で暮らし始めた部屋は収納が少ない。 ダンボールの中身を片付けようにもしまうところがなくなってしまった。 無印良品とニトリに行く。 商業施設に入っているわけではない店舗はのっぺりと広く、静か。 ゴミ箱とストッカーと、こまごまとした収納用品を買う。 部屋を選ぶって難しい。 収納が少ないだけで、収納を買うお金が必要になってしまった。 広くはない部屋なのに。
-
240228
朝、気持ちが悪い。 二度寝して、ねすぎてしまった。 りんご、バナナ、パイナップル、キウイ、グレープフルーツ。 冷凍庫はフルーツでぱんぱん。 ひとり暮らしになっていた彼はスムージーをつくることにはまっていたらしい。 朝ごはんにつくってもらった。おいしい。
散歩にいく。 道路の全面が雪で白く覆われているから、白線もオレンジの線も、止まれもなくて、どこを歩いてもいいような気がした。 歩行者天国。 公園のベンチは埋もれていて、背もたれだけがふたつ並んでいる。 屋根のひさしとか、木の枝とか、ありとあらゆるものから、透明なつららが垂れている。 木には緑の葉があって、落葉樹ではないってこういうことか、と思った。深い緑とまぶしいくらいの白のコントラストが美しい。 絵本の中のクリスマスツリーみたいだった。 みるものすべてが新鮮で、よちよちと歩いた。
夜、線で絵を描いて、少しストレッチをして、ねた。
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sobajima · 5 months ago
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「奥能登」
数年前から友人にすすめられていた奥能登の湯宿に行った。当日の天気予報は曇りのち雨。
その地域にしては蒸し暑い日で、通りされたエアコンのない2階の部屋は暑かったが、日が暮れると雨が本降りになり
熱気も少しずつなくなっていった。夜も更けて、ずいぶんと涼しくなった部屋の布団に寝ると、開け放った窓からは
かなり大きな雨音が聞こえる。雨音の中で眠るのはいつ以来だろうか。そんな雨音を聞きながら眠り夜中に目が覚めた。
洗面所のある1階におりて、用を足して中庭をぼんやりと眺めると、気がつけば雨は小ぶりになっていた。
楓の葉が雨に濡れて廊下の薄明かりで瑞々しく光っている。この感覚はどこかで体験したことがある。遠い昔の記憶だ。
しばらく考えても思い出せないので、2階へ上がりまた眠った。奥能登にひっそりと客人を待つ雨の名宿だった。
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longgoodbye1992 · 1 year ago
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推し活、ローン、パパ活
その子と知り合ったきっかけは、マッチングアプリの中にある募集文だった。
サイトでの名はゆまだった。
「水曜日、助けてくれる人」
マッチングアプリをやってる者の大半はこの文面でパパ活目的の書き込みだと察する。
自分も例外ではなかった。
住んでる場所も近く、写真も二十代半ばの年相応な姿だったからコンタクトをとってみることにした。
当時財布の中は万札でいっぱいだったからだ。
返信が来たのは水曜日の夕方だった。
その時は地元から離れたパチンコ店でたくさんのメダルを獲得している最中だった。
遅くなってすみません。なんて言葉もなく、一方的に二十時にここの駐車場に来れますか?なんて内容だった。
ちょうど連チャンも終わりに近づいた頃で気分もよかったから了承した。
くら寿司で軽く食べて高速道路を走らせる。
その日の午前に別な女性と会っていた事なんてとうに忘れていた。
指定された駐車場に着いて車種や色をメッセージで送る。
時刻は二十時まであと十分ほど。
こういう場合返信が来るのは二十時を過ぎてからだ。
今回も例外ではなく、二十時を五分過ぎた頃に連絡が来た。
間もなく着きます。
すると車の前を若くて細身の女性が通り過ぎた。
恐らくはこの子だろうと思ったが、しばらく様子を見ることにした。
ナンバー教えてください。
そうきたのでナンバーを伝える。
やっと気づいたのか助手席側へ来る。助手席の窓を開けた。
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫」
車に乗り込む。
写真よりも表情がやわらかいなという印象で思ったよりも色白だった。
「暑いですね」
「ほんとだね」
何てことのない会話をしてホテルへ向かうが、そこは混んでいるのか開けてないのか空いている部屋がなかった。
「ちょっと遠くでもいい?」
「いいですよ。そこ行ったこと無いし」
その返答からアプリでよく人と会っているのかという話になった。定期的に会う人はいたがガチ恋をされ、めんどくさくなったので新しい人を募集したらしい。
話すときの身振り手振りが大きいなと思った。
「恋愛とかいらないんで」
「彼氏ほしくないの?」
「うーん、推しがいるからそれどころじゃないかなぁ」
聞けば推しというのは女性地下アイドルらしく、月に最低でも一度は東京へ行っているらしい。他にもジャニーズのライブにも行く予定があったりと、所謂遠征というものにお金がかかっているようだ。
二軒目のホテルへ着く。空室が多く適当な部屋に決めて車を停める。
ウェルカムドリンクを選ぶと向こうが風呂を溜め始めた。
「お風呂入ってくれんの?」
「普段入らないから」
「まあ一人暮らしじゃ入らんよな」
「だからさ、お客さんが先に溜めててくれるとラッキーってなる」
「お客さん?」
「あっ、あたし、たまにデリやってて…」
「へぇ」
よくあるパターンだ。
「店での名���もゆま?」
「違う」
「なに?」 
「店バレちゃう」
「バレて何か不都合でもある?」
「確かにこんな関係だしね。こゆきだよ」
「いいね、色白だし」
「なんか古い名前だよね」
「全国のこゆきさんに謝れ」
「はははっ」
「ついでに聞くけどさ」
「うん」
「ほんとの名前は?」
「えー」 
「言いたくなきゃいいよ」
「反対にしたいいよ」
「なにを?こゆきを?」
「違うよ、アプリの方」
「まゆ?」
「それにみをつけるといいよ」
「まゆみちゃんか」
「そう」
「俺は」
「大丈夫、あたし名前で呼べないの」
「はっ?」
「彼氏のことも名前で呼んだことない」
「なんで?」
「恥ずかしいから」
「なんて呼ぶの」
「ねぇ、とか、おい、とか」
「おいはやめなよ」
そん��話をしていたらウェルカムドリンクが届く。
まゆみはりんごジュース、俺はオレンジジュース。
どちらも笑えるくらいに薄かった。
髪を撫でながら唇を重ねる。舌を絡めてきたのはまゆみからだった。うっすらとりんごジュースの甘酸っぱい風味がする。
風呂が溜まってきたようで、二人で服を脱いだ。
「あたし、胸とおしりは褒められるんだ」
「確かに綺麗だと思うよ」
湯船に浸かって後ろから抱きしめてみる。
柔らかい肌と香水の香りが官能的だ。
風呂から上がってベッドに入る。
「耳はやめて」
とだけ言った。
あとはもう自由にした。
互いに果てた後はダラダラと話した。
隣県出身で仕事の転勤で俺の地元に赴任した。今年の九月で三年目らしい。
「来週名古屋に行ってくる」
「アイドル?」
「そう」
「デリを始めたのもアイドルのため?」
「それもあるけど」
「他にもなんかあったの?」
「親に車のお金出してもらってて」
「車買ったんだ」 
「そう、三百万したのを立て替えてもらってて」
「その返済?」
「うん、親に返すために最初始めたの」
「今の仕事稼げないのか」
「全然稼げない。大手だけど」
どうもやるせない気持ちになった。
親に返すためのお金を親には言えない形で稼ぐ。
俺は親に頼りっきりだ。
まゆみの髪を撫でながら、ぼんやりと部屋の天井を見た。
スマホにメールが届く。午前会った女性から金を貸してという内容。短文を送ってスマホを置いた。
「お腹すいた」
まゆみが言う。
「今の時間やってる店ないよな」
日付が変わっていた。
「コンビニかすき家」
「すき家寄って帰るか」
「うん」
そう言って二人で浴室へ。温くなった湯船に浸かりシャワーを浴びた。
服を着た後に愛しくなって長いキスをした。
LINEを交換して部屋を出た。
すき家までの道中手を繋いだ。
「好きにならないでね」
「ならないよ」
すき家で牛丼とお新香を食べるまゆみが無邪気で可愛らしかった。
まゆみを部屋の前で降ろす。
次に会えるのは再来週頃らしい。
眠そうにあくびをしながら手を振って別れた。
祭りが終わった街中を飛ばした。
胸の中にざわつきがあったが、二三日でなくなった。
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oyasumi-blue · 3 months ago
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ズル休みした次の日は、一日中寝てたのにいつも体が重い。心が重い。日差しが眩しくて、やる気が起きない。新しい1日で始めればいいのに。
私がバンドやラジオに明け暮れている間に、あのアーティストもこのアーティストも新しい曲を出していた。homecomingsやラッキーオールドサンが沁みる。彼らのことをシティポップなんて簡単な言葉や歌詞でまとめたくない。シティでもポップでもなく、こんなん「生活」じゃんね。
* * *
一年に一度、ビリー・アイリッシュと友達が作った曲しか聴けなくなるときがある。穏やかな闇、ゆるやかな絶望。
出社の予定がなくなり、今すぐベッドに潜り込みたい気持ちと、こんなにいいお天気なのだから色々なものを取り込みたい気持ちと、二つで揺れる。
* * *
今年の夏、大変助けられて大変お世話になった、ゆっきゅんのトークイベントに訪れた。アルバム作りに当たって影響を受けた本の紹介と、10冊を選書して本屋に並べていた。またお気に入りの本屋がひとつ増えて、翌日も訪れた。暇さえあればまた通おう、ソファが素敵な窓際の本屋。
トークイベント中に購入した「エリカについて」。ご本人の名前がついた詩集なのに、「私が私が」感が大変薄くてそれがまた良かった。悪口っぽい話も悪口らしく書かれてなく、読んでも傷付かず、私が私がどころかご本人のダメ出しされた話が自虐でもなく淡々と書かれていて、それまた好印象だった。カッコつけてない、素直さがストンと入る。
一年半ぶりに会った彼も、そうゆう人だった。ちょっとのんびり話す人で、柔らかくて、話すけど自慢とかはしない。目の前の相手のことを考えてるんだろうな。お互い暑がりなんだよね、暑いねって言いながらハンカチを仰いだ、10月の真夏日の17時。
25時。彼の小さな汗がポタリと落ちた。暗くて汗をかいてることに気付かなかった。
暑がりな私が昔後輩に「セックスの最中も汗だくになるんですか?」と聞かれて、その会中が笑った話をしたのは、多分21時過ぎ。答えは、暑いときは水飲んだり冷房下げてもらえるから、汗は少しかいても汗だくになることはなく。汗の話をしていた後に、彼の汗を見ることになるなんて。ライブで誰かの汗に触れて嫌な気��なることもあるけれど、彼の汗は嫌じゃなかった。
翌朝10時。ホテル街と人のいない繁華街を駅まで、少し手を繋いで歩いた。前は向こうから、ん、と言いながら繋いでくれたのにな、と思い返した。けど関係なかった。私に足りないのは私の意思で、どうしたいかで、どう思われるとか、こうゆうドライさが好きでしょとか。ブランディングや作戦立てて理屈で訳いる場合じゃないんだよ。だからそうゆうのを捨てて、自分から手を繋いだ。
またね、が本当にまた実現するのか。また前みたいにしないのか。私は嘘をつきたくないから、思わなかったら、またねすら言わないけれど。別れた直後は思わなかったのに、またどこか浮かれてる。でもその浮かれてる正体、あなたにじゃなくて、この状況になのか、分からないんだ。
2024 10.20
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asagaquru · 11 months ago
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覚えている。3年前の9月、パルコの屋上で友人と映画を観た帰り道だ。橋の上から見た豊平川が黒々としていて、月光や街明かりを銀色に映す水面さえも覚えている。歩いて友人を送って、自分は菊水駅から地下鉄に乗ろうとした。改札に向かって地下へ階段を降りていると、駅のブルータイルの壁に目が奪われた。好きな青だった。一人暮らしをする予定もなかったのに、朝陽がつるりと滑るこの壁面を横目に出勤できるのは素敵だろうと思った。しばらく経って、一人暮らしをしてみたくなった時にブルーの壁を思い出した。ギャラリー犬養という札幌で1番好きな喫茶店と豊平川が徒歩圏内にある菊水での生活を想像してみて、うっとりした。菊水に住むと決めた部屋探しには半年かかった。やっと見つけたこの部屋の窓からはテレビ塔の頭が遠くに見えた。
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すすきので終電逃しても歩いて帰れるから大丈夫。眠れないまま朝になったら豊平川を渡り、テレビ塔まで歩いて創成川を辿り、散歩する。人の全くいないテレビ塔や狸小路に少しドキドキする。狸二条広場で、おじいさんがベンチに座り手帳に何やら書いていた。西向きのバルコニーは、15時からの陽の入り方が綺麗だった。部屋の中で観葉植物をいくつか育てて、バルコニーで青じそを育てていた。食べては繁って、繁っては食べての夏だった。米里通り沿いの部屋だから、深夜に酔っ払いが唄歌いながら歩いているのが聞こえる。間欠的に聞こえる車通りの音と、天井を走るヘッドライトの光の流線を見ながら眠る。除雪のブルドーザーの音で深夜3時に目が覚める。朝になれば小学生と高校生の通学路、11時ごろにはお散歩中の保育園児が2人1組で手を繋いで眼下を歩いている。家の横の横断歩道をひとつ渡れば、お母さんみたいな人がやっている串屋さんがあるし、家の裏にはかっこいいおじさまと着物を着た奥さんがやられるバーがある。時間があれば、よく豊平川を見に、河川敷に行った。台湾名物、胡椒餅が売っているところがあって、17時ごろから安くなるからその時間を狙って買いに行って、河川敷で食べた。夜勤明けでパンを買って食べたことも、休日は川の水流にビールを冷やして飲んでたこともある。
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心惹かれた街に住んでみて、お気に入りがひとつひとつ、増えていった。住んでみなければ、味わえなかったこと。知り得なかったこと。一人暮らしには贅沢すぎる2年間だったように思う。次の街もきっと好きになる。けれど全部全部手放して、思い出にしてしまうのが少し寂しい。段ボールに入れて持っていけない���のばかりだから、こうやって日記にしておく。いつか離れるかもしれない予感を内包させているからこそ、めいいっぱい愛していたこの街との生活だった。豊平川が流れるこの街が、本当に大好きだった。
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kurano · 4 months ago
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※ 75歳以上、「医療費3割」拡大検討 高齢社会対策大綱を決定―政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024091300350
 自民党としてやる気があるのかしら?
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tokyomariegold · 4 months ago
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2024/3/4〜
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3月4日 バレンタインのモロゾフのミッフィーを渡した方から、お返しに…、と可愛い栗のお菓子をいただく。その方には以前、ベンガルスパイスの紅茶を一つあげたことがあって、そのハーブティーのシリーズの、アップルシナモンを買ったことを報告してくれた。
昨日買って、開封した袋のままラップになんとなく包んだ油揚げが、今日もまだ使えるか不安で、インターネットで調べても大丈夫そうだけど不安で、よくしてもらっている職員さんに訊いてみると「3日くらいは全然平気!冷凍すればもっと大丈夫よ!」と教えてくれた。 昨日は油揚げと見切り品のレタスで作ったお味噌汁がとてもよかったので、できるだけ続けたい気持ち。 レンジで味噌汁を作った話をしたら「息子が4月から一人暮らしをするかもしれないから、いいこと聞けた!」と言ってくださった。 高校を卒業できないかも?というエピソードを聞いていた息子さんだったので、卒業はできたのかな?と思った。
今日はロキソニンを飲まなかった。 でも代償としてずっと頭や首や肩や腰や、身体中が痺れて痛かった。
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3月5日 都庁の展望台は火曜日がお休み。 また、新幹線で大阪へ行ける時間を費やしながら都庁から職場へ戻り、そしてまた明日都庁へ行くことになってしまった!
明日は元々出張の予定があって、終わったあとの時間は坂本龍一の展示でも行こうかなと思った矢先。 でも今は何も楽しめない感じの無の心なのでちょうど良かったかも。
ポッドキャストを聴くのに思ったよりはまってしまい、いろんな番組を探すのも楽しい。
amazonセールも楽天スーパーセールもあやかりたくても何も欲しくない(届いた時のことを考えると面倒になってしまう)。 でも今朝、鏡につけているライトの灯りがつかなくなってしまい、以前と同じものをamazonで注文した。
出張先から職場へ戻ると、リュックにつけていた毛(黒カビ)が落ちてしまった。 書類を運ぶように持っていた手提げにつけていた、てらおかさんの犬のピンバッジも取れていることに気がついた。悲しい。
雨だったと出張の荷物が重かったので一旦家にもどってからスーパーへ。いつも買いたいものたちが今日は少しお安めだったり、レンジでゆで卵を作る機械が届いたので生卵を買ってみたりして、セルフレジでお会計をしようとしたところ、iPhoneもお財布もおいてきてしまっていることに気がつく。 店員さんに事情を説明して、iPhoneを取りに戻り、またスーパーへ戻っている。
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3月6日 昨晩は、連続して出張のために自分のデスクでしておくべきことを忘れていたこと、それがちょっと怒られ気味案件だったことを思い出し、ただただ怒られ対策メールの文面をずっと考えたりしながら怒られたくない!という気持ちで過ごしていた。
そのせいかとても頭が冴えてしまい、でも夜の一食目の食事がなかなか進まず、22時からたぶん日付が変わる頃までかけて食事をしてしまった。
ゆで卵のお稲荷さんをレンジで作りたかったけれど、半分に切った油揚げは卵1個分がはみ出てしまう大きさで、油揚げと卵の他人丼の具みたいなのを作ってしまった。でも美味しかった。
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今日はいつもの東京出張からと都庁へ移動。 思いがけず2日連続でナチュラルローソンのコバトンに会って、昨日は陳列していなかったグルテンフリーのドーナツを買って食べてみた!散々ミスドの話をした日々で、流石にドーナツ本体を食べてみたくはなっていたので丁度よい感じで食べることができた。
新宿三丁目から西口まで地下を歩きながら、伊勢丹や紀伊國屋や丸井によって、平日でも伊勢丹の人気店は長蛇の列ができていて、丸井はとっても閑散としていて、紀伊國屋の地下に大将がいるカウンターのお寿司屋さんは誰も居なかった。前を通りかかったら、嘘みたいに「へいらっしゃい!」と声をかけられた。
都庁で数十分で用事を終えて、ニコンサロンで若山さんの写真展を鑑賞。 都庁もニコンサロンもおじさんばかりだった。
どんなに忙しくても、もうすでに無の心の年度末を迎えてしまっているけれど、人生するべく大阪に行くんだよ!と新幹線のチケットを取った。
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3月7日 久しぶりにまともに職場に出勤した気がして、出張は移動するのがお仕事だということを実感。溜めていたお仕事を少しずつ動かしてあっという間に1日が終わってしまった。
朝、向かいのデスクの方から「コーヒー飲みますか。新しいドリップ買ったので良かったら」と声をかけていただく。コーヒーもお酒も飲めないしタバコも吸わないし、嗜好品がない人生、何が楽しいんだろう、と思ってしまう。「胃が痛くなってしまうんです…」とお断りさせてもらう。
本当、最近は何を楽しみに生きているのかわからなくて、嫌なことや辛いことを予防することに精一杯だったり、それでもそんな良くないことが起きてしまいそうな予感に怖くなり、焦って祈ることしかできない日々。
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ポッドキャストを聴く日々を始めて、chelmicoの番組とゆっきゅんが出ているY2Kの番組などを聴いている。chelmicoの2人の感じがハッピーでとても良い!と思っていたら、あのちゃんの番組の直近の回にゲスト出演していることに気がつき、嬉しくなってすぐ観てしまった。そして番組の中でレイチェルさんが怒ることについての本を紹介していて、怒られ案件の日々に嬉しい紹介だった。
駅まで歩く帰り道にあった、しあわせのポキ丼の店が潰れていた。
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3月8日 朝起きて窓の外が思ったよりずっと雪で「雪じゃん!」と声が出てしまった。それで写真を撮って、思わずカメラを持って出かけてしまった。 今年は寒さが長引いている気がする。
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去年の今頃は白い花が咲く中で三脚を立てて自撮りをした気がして、その花を確かめに行ったらまだ咲いていなかった。
金曜日なのでとても掃除をしたいけれど、もうへとへと過ぎて今日こそは何もできないかもしれない。 何もできなかったらそれはそれで、何かを克服できた新しい気持ちになれそうで、そっちへ転んでもよいかな、と思ったりしている。
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oka-akina · 1 year ago
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1207-1211
1207 たくさん洗濯をした。朝から暖かかい日だった。キムチ鍋の残りにごはんと卵と餅を入れておじやっぽいものを食べた。この餅は母が仕事のお客さんからもらったもので(毎年餅つきするらしい)、食べきれないからと毎年わたしのところにもやってくる。わたしも食べきれなくて冷凍していたやつ。いや母はとっくに退職している。これはいつの餅だろう。いつのかわかんないけどふつうに食べられた。スープジャーにこれを入れてお昼にし、入りきらないぶんを朝食べた。
角川ふざけんなとバチぎれた日記を書いた。バチぎれた日記を書くとソワソワしてしまう。わたしはいろんなことをのろのろのろのろ考えているタイプで結論を遅らせがちなんだけど(意図して遅延させている面もある)、この件の差別的な宣伝文に関しては言える人がすぐ言わないとだめだと思った。「伝染する」はひどい。今後いろんな価値観や常識は変わっていく可能性があるけど、いま、この瞬間、「伝染する」にショックを受ける(受けた)人たちがいることを無視しちゃだめだと思った。どのような本も出版を妨げられるべきではないというのはそれはそうなんだろうけど、と同時にNOは言わなきゃと思った。このあいだの日記でも書いたけどわたしにはひどいミサンドリーがあり、自分のあたまで考えたつもりのことはまちがいだらけなんじゃないかと不安でたまらないし、実際しくじりも後悔も多い。でもそれはそれとして「伝染する」はありえねーわ。そう思ったいまのこの気持ちを大事にしたいと思った。
なんかいろいろ終わらなくて観に行きたかった映画を観に行けなかった。しょんぼりしながら帰って寝た。
1208 今日も暖かい。寒さに慣れてきたのもあるかもしれない。デニムのセットアップで出かける。セットアップって好き。太ってからメンズのセットアップをよく着るようになった。 甥の誕生日プレゼントを買う。妹にリクエストをきいたら絵本がいいとのこと。「からすのパンやさん」と「スイミー」が気に入っているからそれ以外のかこさとしかレオ・レオニとの指定。五歳になる。絵本の読み聞かせは書いてある文字をぜんぶ読んであげないと怒るそうで、奥付も音読しているらしい。偕成社、東京都新宿区市ヶ谷砂土原町…とかそういうの。わたしも親向けの解説とかぜんぶ読んでたな。
ブックファーストに行ったら絵本はほぼシュリンクされていて、中身が見られなくてちょっと困った。汚損防止だろうけど表紙しかわかんないんじゃネットで買うより不便だ…。 「どろぼうがっこう」、「だるまちゃんとてんぐちゃん」、「おんがくねずみジェラルディン」、「さんびきのやぎのがらがらどん」をチョイス。中身がわからないから自分の好きなものになる。ジェラルディンはえものおすすめ。だるまちゃんとてんぐちゃんだけシュリンクされてなかったのでぱらっと読んだ。こんないい話だったっけ…ちょっと泣きそうになった。
だるまちゃんがてんぐちゃんの持ち物をつぎつぎほしがり、お父さんに相談して近しいものを手に入れていく。天狗の下駄とか帽子とか。似ているものを探し、自分用を作り出していくさまがかわいくて面白い。あるときてんぐちゃんの鼻にちょうちょがとまって、だるまちゃんも長い鼻をほしがる。最初お父さんは蝶がとまるなら花だと思って色とりどりのお花を並べてみせるんだけど、ちがうそうじゃないんだ、花じゃなくて鼻なんだ、自分は長い鼻がほしいのだとだるまちゃんは訴える。お父さんはお餅をついて鼻を作ってあげて、だるまちゃんは立派な鼻を手に入れる。鼻の先に小鳥がとまって、てんぐちゃんも一緒によろこんで、めでたしめでたし。 めっちゃいい話だな。こういうのって、他人の所有物や身体の特徴をうらやましがるのはやめましょう、自分のあるがままを愛しましょう的なメッセージにしちゃいがちだけど、ほしいものをなんとかこしらえ手に入れるっていうのがいい。めちゃめちゃいい。飛躍しすぎかもだけどこれFTMの話だなって思った。
お昼はピザ。ドミノピザがブラックフライデーで600円というのをやっていて、ブラックフライデーってもう終わってないか?と思ったんだけど(一応ネットでも調べた、12/3までのキャンペーンと書いてあった)、店の窓には600円ですと書いてあるのでこれまだやってるんですかとたずねたらやっていた。一人で昼間からピザ食べるの浮かれてて面白いな。食べたらとても眠くなりやるべきいろいろが捗らなかった。夕方、通販とか書店さんへの荷物を送った。 夜ごはんはかぶと豚の炊き込みご飯。インターネットで見か���たレシピ。あとじゃがいもの煮物と、ほうれん草を炒めたやつ。ほうれん草はナムルかごまあえにしようかと思っていたけどめんどくさくなって塩胡椒で炒めた。炒めただけなのにやけにおいしくて、なんだか感心してしまった。それで(っていうのも意味わかんないと思うけど)久しぶりにヘミングウェイの『老人と海』を読み返した。
1209 甥の誕生日会。妹と妹の夫の勤めている会社の保養所みたいなところですき焼きを食べた。旅館みたいな畳の個室。甥が卵を割ってかきまぜてくれた。駅から保養所への道で父が転んで血だらけになり、店の人にばんそうこうをもらった。何やってんのと母は呆れ、父はばつの悪そうにしていた。これ以上言ったら機嫌が悪くなるからさっさと手当てして話題を変えようという連携プレーがあった。うちの父はいつも威張っていて口が悪く、その一方で信じられないくらいうっかり者で、離れて暮らしていると困った奴だなーとやや笑えるけど毎日一緒にいると扱いづらくて大変だろうなと思う。ただ母も言動に軽はずみなところがありわたしはしばしばぎょっとするので、まあちょうどいいんだろうなと思う。ちょっと飲みすぎた。瓶ビールを何本か飲んだあと、妹と父とわたしで日本酒の四号瓶をあけた。甥がどんぐりをたくさん拾った。一個ちょうだいと言ったら二個くれた。すべすべした立派などんぐりだった。すごく眠かったけど帰り道だったので新宿アルタ前のスタンディングにちょこっとだけ参加。STANDING DEMO QUEERS FOR PALESTINEっていうやつ。人多かった。帰ってから少し寝て、起きて小説を書いた。夜になっておなかがすいたのでコムタンを食べた。
1210 原稿を提出。ちょっとすっきりした気持ち。日記祭に行く。望月柚花さんと待ち合わせ。新しい下北沢にいまだ慣れないという話。ずっと慣れない気がする。バインミーを食べた。レバーペーストがこってりしていてパンがしっかり固くて、これだよ〜!というバインミーだった。 日記祭、わたしの探し方が悪いのかもなんだけど委託?の本がどこにあるのかよくわからなくていくつか見つけられなかった。売り切れもあった。うろうろ歩きまわって見つけらんない感じにきのうの父を思い出した。似てんのかな。口ばかり達者でうっかり者。でもいい天気であたたかくて、見つからないのもしょうがないなという気持ちになった。外でやるイベントいいな。隙間さんの『うつわ日記』と図Yカニナさんの『沖縄に六日間』を買った。 柚花さんと文章の話とか着物���話とかしながらビールを飲んだ。ミントマイナスマイナスのことを覚えていてくださってうれしかった。そしてしゃべっている途中、ネプリにしているステッカーのPalestinaのつづりがまちがってませんかと糸川さんがDMで教えてくださって、自分はほんとにうっかり者だな…と反省した。父はわたしの名前の漢字をしょっちゅうまちがえるのを思い出す。
ドーナツを買って柚花さんとバイバイし、国会前のデモへ。この日は黒のオールインワン(ツナギ)を着ていて、最近イベントとかスタンディングに行くときよく着てる。どこでも座れるしポケットいっぱいあって便利。日記祭行ってビール飲んでドーナツ持ってデモ行くのどうなんだと思いつつ、そのくらいで参加するおっちょこちょいがいてもいいような気もする。あとやっぱりこういうのにぶらっと行けるのは関東民の特権なんだろうなとは思うので、行けるやつは行っとくほうがいいかなと思っている。そこそこ元気で、子育てや介護やぜったい抜けられない仕事とかもないし。 国会前のデモは年齢層が高くてちょっとびっくりした。ナクバを生き延びたパレスチナ人のお孫さんという方がスピーチしていて、胸が詰まった。警察がすごく多かった。地下鉄の出口を出たところで「イベントに参加の人ですか?」と道案内されかけ、イベントではなくないか…?と思った。
日比谷公園でドーナツを食べ、さっき買った日記を読む。隙間さんの日記、写真(LINEの画面のスクショ)がたくさん袋に入っているもので、公園でこの束をカサカサめくる時間がすごくいいなと思った。内緒話みたいな感じ。futouさんのツイッターから流れてきてなんとなく日記を眺めたことが何度かあって、すっかり忘れていたんだけどちょっと前にツイッターをフォローしてくださってああそういえばと思い出した。日記祭でお話してみたかったんだけどfutouさんから来ましたとか意味わかんないことしか言えなかった。このあいだ角川にバチギレた日記を書いたとき、「毎日書いてる日記だけど、怒っていることについて書くと日記ではなくなるな…。でもこの日これを考えていたという記録だからまあいいかという日記。」というツイートにいいねしてくれてうれしかったの。でもわざわざ言うことでもないなと思った。『沖縄に六日間』は旅日記的なものが読みたくて買った。装丁がすごくいい。国会前の時点でスマホの充電はだいぶ少なかった。電源のあるカフェとかに行けばよかったんだけど天気がよくて思わず公園でぼーっとしてしまった。『ピュウ』を読みすすめた。 体力的にきついかなーと思ったんだけど渋谷ハチ公前のプロテストレイヴをちょっと見に行った。すごくよかった。スピーチがパワフルなのもよかったけど、音楽がすごくよくて…。赤と緑のスモークもよかった。渋谷駅前、スリバチの底に煙と音と声が溜まり、うねっていた。通りすがりに足を止める人も多かったように見えた。これ何やってるんですかと聞かれたのでちょっと説明。ステッカーをあげた。つづりまちがってないほうのやつ。帰って肉を焼いて食べた。
1211 何も捗らない一日だった。きのうおとといと活動的に過ごして疲れているんだと思う。そりゃそうだよなと思う。労働の電話がかかってきたのを無視した。「こわいよお」とか言って布団にもぐった、部屋に一人でいるのにかわいこぶって。メールは返した。春菊とキムチでチヂミを作って夕飯にした。食べながら蘭たんの動画を見た。8番出口のやつ。夜になっても洗濯物はあんまり乾かなかった。今度参加するアンソロの小説を書き進めた。
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kennak · 5 days ago
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「教師は絶対的な存在で、怖くて被告のおもちゃになるしかなかった」 中学生の時に部活の顧問の教師から1年間、性被害を受け続けた元生徒のことばです。 校舎内の密室に生徒を呼び出した教師。 生徒が涙を流しても行為は続けられ、撮影にまで及び、別の生徒も被害に遭いました。 この教師は13年後に逮捕されたとき、校長にまで上り詰めていました。 なぜ見過ごされ続けたのか。裁判から見えてきたのは、事件の詳しい実態と、生徒が抱え続けた大きな心の傷でした。 (社会部記者 出原誠太郎) この記事では性被害の実態を広く伝えるため、被害の詳細について触れています。フラッシュバックなど症状のある方はご留意ください。 【NHKプラスで配信中】(2024年12月15日(日) 午前7:40 まで)↓↓↓ NHKプラス 教え子への性的行為 13年後に明らかに 起訴されたのは、東京 練馬区立の中学校の校長だった北村比左嘉被告です。 裁判記録などによると、教師だった2010年、校舎内で教え子の当時14歳のAさんに性的暴行をしてけがをさせ、その様子や別の女子生徒のBさんとの性的行為を記録したビデオカメラを校長室に保管した罪に問われています。 Bさんが2022年、都の匿名の相談窓口に連絡したことで発覚し、警察が翌年、元校長が当時勤めていた中学校の校長室を捜索したところ、鍵のかかった机の引き出しからAさんとBさんが映ったビデオカメラが見つかりました。 Aさんが性被害を受けてから13年後のことでした。「真面目」と評判だった校長は逮捕、起訴され懲戒免職となりました。 「部活動の相談」と呼び出され マッサージと称して… 「部活動の相談」と呼び出され マッサージと称して… Aさんの意見陳述 ついたてに隠された検察官席の後ろで行われた 2024年11月に東京地方裁判所で始まった裁判員裁判で、Aさんは長年明かせなかった被害について語りました。傍聴席から姿が見えないよう、ついたてが立てられました。 元校長は当時、Aさんが入る部活動の顧問で、学年主任と進路指導の主任も務め、専門は理科でした。 Aさんは中学2年の春ごろ、元校長から「部活動の相談がある」などと理科準備室に呼び出され、マッサージの名目で体を触られるようになりました。 当時の性行為に関する知識は「子どもをつくるときの過程」という程度。行為は徐々にエスカレートしていきました。 検察:「どれくらいの頻度だった?」 Aさん:「多いときは週に1回。少ないときは2週間に1回ぐらいだと思います」 検察:「体をどのように触られましたか」 Aさん:「ふくらはぎ、太もも、肩をマッサージされました。直接下着の中に手を入れられました。気持ち悪かったです」 弁護士:「痛みは?」 Aさん:「ありました。無理やり入れられたときに引き裂かれる痛みを感じました。長くて2、3日続きました」 検察:「視線をどうしていた?」 Aさん:「天井。されているのを見るのがつらいから、視界に入らないように…」 検察:「性的行為について元校長から何か説明は?」 Aさん:「好きな人とすることで恥ずかしいことではなく、勉強とは使っている脳が違い、勉強の効率が上がると説明されました。理科の先生が言うことなので本当かなと思いました」 元生徒 “親に説明したら悲しむ 内申点も不安” 元生徒 “親に説明したら悲しむ 内申点も不安” 誘いは部活動が終わる中学3年の夏まで続いたといいます。元生徒は断る勇気がなく、家族や学校生活、成績への影響を恐れて誰にも相談することができなかったと振り返りました。 検察:「『いやだ』と伝えましたか」 Aさん:「できませんでした。『やめてほしい』と言う勇気がありませんでした」 検察:「気持ちを伝えたらどうされると思いましたか」 Aさん:「そこまで深く考えていませんでしたが、今後の学校生活に支障が出るかもしれない不安がありました」 検察:「周囲に相談しなかったのはなぜ?」 Aさん:「自分がしたことを説明するのが恥ずかしかった。親に説明したら悲しむだろうし、学校で大ごとになると不安でした」 検察:「部活動をやめようと思ったことはありますか」 Aさん:「あります。でも途中で退部し、内申点で評価が下がると思うと不安だったのでできませんでした」 検察:「学校を休みたいと思ったことはありますか」 Aさん:「あります。でも休む理由を親に説明できなかったのと、内申点に響くと思って休みませんでした。中学だけやりすごせばいいや。中学の間だけがまんすればいいと思っていました」 検察:「卒業後も相談しなかったのはなぜですか」 Aさん:「思い出すのもいやですし、なかったことにしたかったからです」 “一切許すことができない” “一切許すことができない” 裁判の終盤、Aさんは元校長について「一切許すことができない」と語りました。 Aさん: 「教師は絶対的な存在で、抵抗することが怖かった。つらくて悔しくて、泣きながら帰った日もあった。ことばにすることが恥ずかしく、なぜすぐに断らなかったのかと責められるかもしれないという不安から、ただただ被告のおもちゃになるしかなかった。多くの幼い女性の心と体を傷つけてきた人間がのうのうと暮らしていけるのかと思うと悔しくて悔しくてたまりません。被告が犯した罪を一切許すことができません」 もう1人の被害者 “心から軽蔑” もう1人の被害者 “心から軽蔑” ついたてを立てて行われたBさんの意見陳述 Aさんが卒業したあと、元校長のわいせつ行為の対象はBさんに移りました。Bさんも法廷で意見を述べ、多いときで週に複数回、わいせつ行為を受け、口止めもされていたと証言しました。 Bさん: 「当時のわたしは中学生で、先生の言うことは正しく、従わなければならないと思っていました。なんとなく変なことをされている、他の人に言えないようなことをされているという意識はありましたが『2人だけの秘密で誰にも話してはいけない』と言われていました。 かなうことならば、当時の私の元へ時空を越えて会いに行き『あなたが受けている行為は卑劣な犯罪行為で、周りの大人に助けてと言って』と声を大にして伝えたいところです。 教師という立場にありながら、むしろ自分の立場を利用し、複数の子どもたちを数年間にわたって欲望のはけ口とした振る舞いを心から軽蔑します」 元校長 “つきあっていると錯覚していた” 元校長 “つきあっていると錯覚していた” 北村比左嘉 元校長 一方、元校長側はビデオカメラを所持した罪については認めましたが、性的暴行の罪については無罪を主張しました。 「受け入れられていると認識していて、元生徒は断ることもでき、抵抗できない状態ではなかった」という主張でした。被告人質問では謝罪の気持ちを述べ、当時はAさんとBさんのいずれも自身に好意を持っていると思っていたと話しました。 弁護士:「AさんやBさんに対してどう思いますか」 元校長:「一生残る苦しみや嫌悪感など、大きな影響を与えてしまったと思います。申し訳ない。おわびのしようもありません」 弁護士:「Aさんは嫌がる様子はなかったですか」 元校長:「本当に感じ取れなかった。本当はすごく嫌だったと知って、なんとばかで勘違いした人間だったと思っています」 弁護士:「性的行為について確認しましたか」 元校長:「最初にホテルに行った帰りに関係を続けたいと伝えました。特に強い拒絶があった記憶はありません。好かれている、つきあっていると錯覚していた」 弁護士:「教師と生徒としてありえないことは認識しているか」 元校長:「今は自覚しています。当時は中学生であることすら考えられなくなって、1人の女性として好きになってしまった」 弁護士:「『嫌いです』と言われたのではないか」 元校長:「一度言われたが、にこやかで、からかっていると都合のいいように捉えていた」 ビデオカメラには元生徒が泣く映像も ビデオカメラには元生徒が泣く映像も 検察官(左)の尋問を受ける元校長 一方、検察はビデオカメラに残された映像に、Aさんがうめき声を上げたり、涙を流して泣いたりしている映像もあったとして、本当にAさんの気持ちに気付かなかったのか、厳しく問い詰めました。 検察:「映像を見たら、痛がっていたのではないか」 元校長:「はい」 検察:「泣いていた」 元校長:「はい」 検察:「苦しそうだった」 元校長:「はい」 検察:「でも当時は全く気付かなかった?」 元校長:「はい」 検察は懲役10年を求刑し、弁護側は性的暴行について改めて無罪を主張しました。 専門家 “グルーミングが影響” なぜ13年もの間、見過ごされてきたのでしょうか。 専門家は子どもを手なずけて心理的にコントロールする「グルーミング」という手法が影響したと指摘します。 日本フォレンジックヒューマンケアセンター 長江美代子副会長 性暴力の被害者を支援する社団法人の長江美代子副会長です。これまで200人以上の性被害者の相談に応じてきました。 長江副会長によると「グルーミング」は大人が性的な目的で子ど���を手なずける手法で、特定の子どもに優しくしたりひいきをしたりして近づき、徐々に性的な行為へとエスカレートするといいます。 受けた子どもは性的な行為の直後は「被害を受けた」と認識できず、時間がたって被害と気付いても、断らなかった自分を責めるなどして周囲に打ち明けられないといいます。さらに時間がたつと無力感にさいなまれ、加害者のいいなりになるそうです。 日本フォレンジックヒューマンケアセンター 長江美代子副会長 「子どもにとって学校は生活のほぼすべてと言える土台です。そこで被害を受ければ『知られたら大変だ』と感じ、ものすごく恐怖を感じて隠そうとする。加害者はたいてい面倒見がいいなどと周囲から見られていて、よけいに言いづらくなる。周りの教師は生徒の成績が落ちたり不登校になったりしたとき、性被害を受けているかもしれないと考えて同僚や上司への厳しい目を持って対応してほしい」 「学校に性加害はない」という誤った思い込み 事件などを受けて練馬区が設置した有識者会議は「『学校に性加害はない』という誤った思い込みを前提に、相談体制が整備されていなかったことが大きい」と指摘しました。 区は生徒などの匿名の相談に応じる独自の窓口を設けました。2025年度からは、学校で実施している児童や生徒へのアンケートに性暴力に関する項目を追加するほか、教職員への性暴力防止の研修を行うということです。 性被害を防ぐための生徒向けの教育についても充実化させようとしていて、11月28日には教員たちが集まり議論していました。教員に話を聞きました。 上石神井中学校 渡邊あづさ副校長 「性に関することを口にするのは大人でも怖いが、誰かに一方的にやられるのはおかしいという知識を子どもたちに教えることがスタートだと思う。『言葉にしていい』『相談する場所はいっぱいある』ということをわかるまで教えると同時に、自分を大切にすることは当たり前だと伝えることが必要だと思う」 石神井東中学校 市川昌彦校長 「起訴された元校長は非常にまじめで本当にまさかというひと言に尽きるが、教師からの支配的な関係性に陥ることもあると思う。有識者の提言を元に全力で防止に励む」 元生徒 “この瞬間にも恐怖抱える子どもいるかも” 10年以上、秘密を抱えてきた元生徒がなぜ、法廷で語ろうと思ったのでしょうか。Bさんは意見陳述の最後にこのようなことばを残しました。 Bさん 「学校の中の死角を無くす物理的な環境づくりや周囲の教師が違和感に気がついて周りと共有できるソフト面での環境づくりが重要ではないでしょうか。今この瞬間にも、当時のわたしと同じような恐怖を抱えながら生活する子どもがいるかもしれません。わたしが話したことが、そうした子どもたちに心ある大人が手を差し伸べられる社会、性被害に苦しむ方のいない社会への一歩につながることを期待します」 判決は懲役9年 “圧倒的な上下関係 被害は甚大” と指摘 判決は12月9日に言い渡され、東京地方裁判所は懲役9年を言い渡しました。 裁判長は「圧倒的な上下関係を背景に、マッサージなどとうその説明をして行為をエスカレートさせ、非常に悪質だ。本来生徒が守られるべき学校内で行われたことも見過ごせない。被害者の精神的な被害は甚大だ」と指摘しました。 裁判をきっかけに取材して見えてきたのは、「学校で性被害は起こりうる」「子どもは声を上げられない」ということを前提にした被害防止の取り組みがまだまだ立ち遅れているという現状でした。 法廷に立った2人の元生徒の決意に応えるためには、私たち大人の側が性に関する認識に誤りがないか問い続け、子どもが「いやだ」と言える環境づくりにつなげていく必要があると思います。 (12月8日「おはよう日本」で放送)
中学校の校舎で続いた部活顧問の先生による性被害 なぜ見過ごされた 元生徒が法廷に 被害防止の取り組みは | NHK | WEB特集
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risatsukimi · 8 months ago
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ルナと詩人
うちのヒカセン「Luna Cocco」のキャラクター設定を練り直したので以下に記載します。
Luna Cocco(17)
天然でぽや~っとした性格。純粋で騙されやすく、嘘をつくのが大の苦手。手先が不器用で何事もマイナスから始めるタイプだが、努力で補っている。軟禁生活だったため経験不足で、料理・裁縫・戦闘などすべてが下手だった。お酒はなるべく飲まないようにしているが、飲むと泣き上戸になる。素敵な恋に憧れるお年頃だが、初めて心惹かれた相手が性別不詳だったため、確たる恋心というものがよくわからないまま引きずっている。月神メネフィナへの信仰が厚く、つらい時は祈り、楽しい時は感謝している。
ミコッテ(ムーンキーパー)の両親のもとに生まれた1人娘。両親は黒衣森で狩った獣の毛皮を売って暮らしていたが、ルナが4歳の時に野盗に襲われて死亡。両親は駆け落ち同然に結ばれた仲だったので頼れる身寄りもおらず、ルナは彼らが懇意にしていた取引先のララフェル(デューンフォーク)の男に引き取られる。 豪商の義父に連れられてウルダハに移り住んだルナだが、難民たちの苦境や貧富の差を目の当たりにし無力感に苛まれる。難民たちを見下す傲慢な義父に付き従うも、とうとう黙っていられなくなり、苦言を呈したことで義父の怒りを買う。それをきっかけに5年間自室に軟禁されてしまう。 不自由な暮らしに狂いそうになるが、窓の外から聴こえてきた吟遊詩人の美しい歌声に救われる。いつしか2人は言葉を交わさずとも歌を通じて心を通わせる。 ルナの17歳の誕生日の夜、詩人はこっそりルナを屋敷から連れ出す。それからしばらく2人は楽器を奏でて旅をするが、ある日を境に詩人が行方不明になってしまう。義父の差金による犯行と警戒したルナは、戻らない詩人を悲しみながら、自力で生きていけるように鍛錬を始める。 これが新生エオルゼア冒頭に繋がる。
【余談】 ルナを救った吟遊詩人は名前も性別も不詳の若いミコッテ(サンシーカー)。顔は見せていたが、中性的でどちらともとれる姿だった。
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