#バリトン歌手
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22年コンサート♯208
12月27日 大泉学園ゆめりあホール
ショスタコーヴィチ歌曲個展
坂口真由(ソプラノ)、益田早織(メゾ・ソプラノ)、金沢青児(テノール)、牧山亮(バス・バリトン)、川村恵里佳(ピアノ)、一柳富美子(レクチャー)
D.ショスタコーヴィチ
自作全集への序文とその序文に関する短い考察 Op.123(1966)
ドルマトーフスキイの詩による4つの歌 Op.86(1950-51)
雑誌「クロコディール」からの言葉による5つのロマンス Op.121(1965)
レールモントフの詩による2つのロマンス Op.84(1950)
ギリシャの歌(1952-53)
日本の歌人の詩による6つのロマンス Op.21a(1928-32)
サーシャ・チョールヌイの詩による風刺(過去の情景) Op.109(1960)
クルィローフの2つの寓話 Op.4(1922)
ミケランジェロ・ブオナローティの詩による組曲 Op.145(1974)
春よ、春よ… Op.128(1967)
口づけを重ねた(1954)
ユダヤの民族詩から Op.79(1948)
レビャートキン大尉の4つの詩 Op.146(1974)
若手歌手の牧山亮氏の企画によるショスタコーヴィチの歌曲「だけ」という非常に意欲的なプログラム。
17時からロシア・ソヴィエト音楽の第一人者一柳富美子氏のレクチャー、17時半からの3部構成の歌曲リサイタルは21時半終演。
一柳氏のレクチャーの概略は以下の通り。
・ロシアには元々正教会を通じた歌の文化はあった
・しかし18~19世紀に音楽の後進地として西洋音楽の強い影響を受ける中でロシア語が軽視された(貴族階級はフランス語を使用)
・グリンカやチャイコフスキーは美しい歌曲を作っているが、それらは大部分がロシア語の拍節を無視している
・その後のリムスキー=コルサコフ、ラフマニノフ、そしてショスタコーヴィチが「ロシア語の歌曲」を作った大作曲家となる
・ショスタコーヴィチはキャリアの初期から晩年まで歌曲を作り続けており、彼の創作活動の中で歌曲は重要なジャンル
・交響曲等からの引用、逆に交響曲等への引用事例も少なくない
・マーラーやリヒャルト・シュトラウスの影響と推察されるが、オーケストラや室内楽を伴う声楽曲も多く、これは他のロシアの作曲家には見られない特徴
・単発の歌曲が多いロシアにあって(例外はムソルグスキイで「死の歌と踊り」「子供部屋」がある)、ショスタコーヴィチにはツィクルスの歌曲集が多い
・主に単発歌曲は委嘱・依頼によるものであって、一方でこれらのツィクルス歌曲集はショスタコーヴィチ自身の創作意思によるもので強く主張があらわれる
演���は、ムソルグスキー的(蚤の歌的)な皮肉に満ちた「自作全集への序文とその序文に関する短い考察」(歌の「ドミートリイ・ショスタコーヴィチ」の部分には文字通りDSCH音型が使われていた)で始まった。
私的に特に強く印象に残ったのは、「日本の歌人の詩による6つのロマンス」、「ミケランジェロ・ブオナローティの詩による組曲」の終盤、そして「ユダヤの民族詩から」。
「日本の歌人の詩による6つのロマンス」では、青年期のショスタコーヴィチらしい、屈託が少なくストレートに情熱が表現されている。表現主義とモダニズムの混交、そしてグラスの縁から零れ落ちるようなロマンティシズム。この曲は元々オーケストラつきの曲だったのをピアノ伴奏版に編曲したようだ。
晩年の「ミケランジェロ・ブオナローティの詩による組曲」はラストの3曲「夜」「死」「不死」が凄まじい。重さと軽さの極端な対比。人を突き放すような表現。乾いた皮肉の声。これはベートーヴェンを意識した作品ではないだろうか。「死」の葬送行進曲のリズムと「不死」のバガテル的雰囲気。パロディというよりベートーヴェンへのオマージュのように感じられた。この曲はピアノ版が原曲で、オーケストラ伴奏版に編曲されたようだ。
「ユダヤの民族詩から」は、ハイティンクの交響曲全集にオーケストラ伴奏版が収録されていたのを聴いたが、実演を聴くのは初めて。圧倒された。これはショスタコーヴィチの作品中でも、近現代の歌曲としても、指折りの傑作に数えられるのではないだろうか。音楽そのものの魅力と、この詩を採り上げて音楽をつけた作曲家の意図と意思とが強烈に迫ってくる。全曲凄いのだが、ひとつだけ挙げるとすれば、第3曲「子守歌」、悲しい子守歌が終盤ぱっと光が差すように転調するのだが、結局元の暗い調に戻ってしまう切なさ。そこにはもう言葉はないのだが胸を締めつけられた。
サリクスカンマーコア等で活躍中のテノール金沢青児さんの伸びやかな歌声。メゾ・ソプラノの益田早織さんのしっかり重さのある声と歌ごとでの性格表現が見事(この人を初めて聴いたのはびわ湖オペラ「森は生きている」のおっかさんだった)。4人の歌手の奮闘に敬意を表するが、今回のリサイタルの陰の主役はピアノの川村恵里佳さん。全曲を担当して弾ききる集中力は勿論、ショスタコーヴィチのオーケストラ的表現を見事に実現していた。
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『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』感想
ブロードウェイでは『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』も見た。19世紀イギリスの三文雑誌に掲載された恐怖小説に着想を得て、イギリスの劇作家クリストファー・ボンドが1970年に手がけた戯曲をもとに、1979年にヒュー・ホィーラーとスティーブン・ソンドハイムがミュージカル化した人気作品である。
冤罪で流刑となった理髪師ベンジャミン・バーカーは脱走し、妻��手篭めにし娘を奪った判���ターピンへの復讐心を激らせながらスウィーニー・トッドとしてロンドンに帰還する。フリート街の古巣、ラヴェット夫人のパイ屋の上階で理髪店を再開したトッドは、判事への復讐を心待ちにする。復讐成就が眼前に迫りながら失敗したトッドは破滅への衝動を拗らせ、パイ屋を営む大家ラヴェット夫人と結託し、客の喉を切っては人肉パイとして処理し始める。
このように『スウィーニー・トッド』はブロードウェイ・ミュージカルきっての陰惨な作品だが、楽曲はやけに耳に残るし(観劇から5日ほど経っているが、まだ “The Ballad of Sweeney Todd”が脳内で回っている)、歌い甲斐はあるしで、人気が高い。今回のブロードウェイ再演は2005年のアクター・ミュージシャンシップ版以来で、演出は『ハミルトン』を手がけたトーマス・カイルである。
今回のプロダクションで印象的だったのは、アンサンブルの体の動かし方である。 “The Ballad of Sweeney Todd”で特に顕著だったのだが、妙に柔軟性の高いねっちりとした動きをしていて、俯瞰してみると捏ねられている最中のパイ生地のようであった。作中でパイが重要な小道具になっているからだとは思うが、考えてみると、トッドは15年間怒りをこねくり回し、寝かせ、叩いては形を確かにしていく。他方、いざ復讐がなったら過剰に燃え立たせて台無しにしてしまうのも、オーヴンにかけて初めて成否がわかり、失敗したらだいぶ悲惨なことになるパイっぽい。トッド以外の人物もそれぞれの立場において執拗で粘着質だし、音楽も人物たちの性質を補強するようにこねくり回しているし、本作を「ベイク」という切り口で捉えるのは理に適っているのかもしれない。ともあれ、スティーヴン・ホジェットの振付は見応えがあって良かった。
また、今回のプロダクションの特徴として無視できないのは、メイン・キャストを若返らせたことである。開幕当初はジョシュ・グローバンがトッドを、アナリー・アシュフォードがラヴェット夫人を演じ、2024年2月9日以降、トッドはアーロン・トヴェイトへ、ラヴェット夫人はサットン・フォスターへ変更になっている。ちなみに、ベガー・ウーマンはルーシー・アン・ミラーで、彼女の表現の幅の広さを堪能できる良いキャスティングだと思った。
それにしても従来と比べ、特にトッドの若返りが著しいキャスティングである。とはいえ、若くして結婚し、流罪で15年間ロンドンを離れていたというトッドの設定を考えると、中堅に差��掛かったくらいの若さでも十分担えるキャラクターではある。音楽が重厚かつトッドの音域がバリトンということで、深い声を出せるキャリアの重ねた俳優が配役されがちだったのに対し、今回のプロダクションは若くして過酷な人生を送る羽目になったトッドの暗さが強調されていて新鮮だった。なお、トヴェイトへの変更が発表された当初は、音域が合わないのでは?と懸念する声があがった。確かに、ジョシュ・グローヴァンのトッドは(トニー賞のパフォーマンスやキャスト・レコーティングを聞くに)レン・カリオウやジョージ・ハーン、マイケル・セルヴェリスと張れる声の重たさだったのに対し、トヴェイトの歌声はもう少しウェイトが軽くてスムースである。しかしながら、流石にしっかりと喉は鍛えられていて、音域の変化がナイーヴなバーカーから悲惨な境遇によるグルーミーなトッドへの変化へと重なって聞こえるので、アリだと感じた。音域の合わない配役は日本のミュージカル上演でも全く珍しくないが、せめてこの『スウィーニー・トッド』のようにきちんと訓練した上で舞台に立ってほしいものである。
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『林田直樹のカフェ・フィガロ アーカイブ放送』 2023/12/24 18時配信
ゲスト◇カウンターテナー 彌勒忠史さん ~前編~(17年6月放送) 今夜のカフェ・フィガロは、カウンターテナーの彌勒忠史さんのアーカイブ放送をお送りします。
<再生はこちら▶️>
※スマホ/タブレットはアプリからご視聴ください。 過去の放送は、Back numberで🎧
前回のご出演からこの8年間の歩みを中心に歌舞伎や長唄とのコラボレーションされたお話からお聞きします。2017年に発売された弥勒さんの著書『歌うギリシャ神話』や男性声楽ユニット“La Dill”のアルバムについてなど…様々なお話を伺いました。どうぞ、お楽しみに♪
※この番組は、2017年6���11日に放送されたものです。 ・彌勒忠史 オフィシャルサイト
【CD&書籍情報】
『古楽仕立てのカンツォーネ』 古楽の世界で活躍中のカウンターテナー、彌勒忠史がポピュラーなナポレターナを熱唱する。しかし、ただ熱唱するだけではない。至る所に古楽の要素がちりばめられ宮廷テイストに仕立てられているのである。共演はやはり古楽の世界でも活躍中のアーリーギター&リュート奏者の高本一郎氏。レーベル:OMF 発売:2014年2月6日 定価:2381円(税別)
『匂い立つ風』 若手実力派オペラ歌手4名による男性声楽ユニット“La Dill (ラディル)”プロデューサーに尾崎亜美を迎えたデビュー・ミニアルバム。クラシックとJ-POPをクロスオーバーさせた珠玉の歌声が癒しを届けます!レーベル:日本クラウン 発売:2014年9月24日 価格:1,500円(税別)
『歌うギリシャ神話 オペラ・歌曲がもっと楽しくなる教養講座』
ジョーヴェ、アモーレ、メルクリオって誰!?大人気歌手が教えるギリシャ神話の基礎知識。有名エピソード、性格、必携アイテムなどを知って、オペラや歌曲を100倍楽しもう! 著者:彌勒忠史 出版:アルテスパブリッシング 発売:2017年4月18日 価格:2,000円(税別)
【楽曲リスト】 2017/06/11 放送分 『Core 'ngrato(つれない心)』 作詞:リッカルド・コルディフェッロ 作曲:サルヴァトーレ・カルディッロ 演奏:彌勒忠史(カウンターテナー)、高本一郎(リュート)
『匂い立つ風』 作詞・作曲・編曲:尾崎亜美 演奏:La Dill(彌勒忠史(カウンターテナー)、坂下忠弘(バリトン)、金山京介(テノール)、岩田健志(バリトン))
音源提供:OMF、日本クラウン
番組テーマ曲:「フィガロの結婚 序曲」 (音源提供:ナクソス)
過去放送一覧はこちら ブルーレディオTOPに戻���
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成熟続けた奇跡の声
天賦の声を携えたスロバキア生まれの若い歌手に、音楽の都ウィーンの街は当初、嫉妬も交じって冷ややかだった。しかし「日本の人々は、家族のように迎えてく��た」。その恩に、彼女は人知れず、命懸けで報いようとしていたのだと思う。
「新しい技術を習得し、歌うのが楽になった」とも語っていた。ウィーン国立歌劇場で12年、悲劇の女王に扮した当時66歳の彼女と共演したバリトンの甲斐栄次郎さん(51)は「衰えるどころか、以前より威厳と輝きを増していた」と振り返る。「芸術家が永遠に舞台の上で進化し続けられることを目の前で証明され、励まされました」
2021/11/20 朝日新聞 (編集委員 吉田純子)
惜別
ソプラノ歌手
エディタ・グルベローヴァさん
完全無欠 成熟続けた奇跡の声
Edita Gruberova
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ゲスト◇松平 敬(Takashi Matsudaira )声、バリトン
愛媛県宇和島市生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修了。現代声楽曲のスペシャリストとして、湯浅譲二、松平頼暁、高橋悠治、池辺晋一郎、西村朗、近藤譲、三輪眞弘、川島素晴など150曲以上の作品を初演する。クセナキス、シュトックハウゼン、カーゲルなど、演奏至難な作品の日本初演も手掛ける。これまでサントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場、国立劇場、コンポージアム(東京オペラシティ財団)、東京・春・音楽祭、Just Composed(横浜みなとみらいホール)などに出演。自主企画公演においては、無伴奏独唱曲ばかりを集めたリサイタル、東京23区の区歌・愛唱歌の全曲演奏、音響詩の演奏など、独創的なプログラミングが話題を呼んでいる。CD録音においても、一人の声の多重録音を駆使した『MONO=POLI』(平成22年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞)及び『うたかた』、『エクステンデッド・ヴォイセス』と、個性的なアルバムを発表。チューバの橋本晋哉氏とのユニット「���音デュオ」名義でも2枚のCD、『ROTATION』、『双子素数』(『レコード芸術』準特選盤)をリリース。2019年には、シュトックハウゼンのほぼ全作品を網羅した著書『シュトックハウゼンのすべて』(アルテス・パブリッシング)を出版(第32回ミュージックペンクラブ音楽賞)。第19回佐治敬三賞受賞。現在、聖徳大学、文教大学、東京大学講師。 松平 敬 公式サイト
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《イベント情報》 「LACKコンサート※古民家に響く歌声 オペラやミュージカルを小話と共に」 令和元年6月2日 念願のヴォーカユニットLACKの お二人をお招きし杜のテラスで 梁や欄間、土壁にオペラやミュージカルの 歌声が響き渡り、未だに滲み出る松脂から 歓喜の雄叫びが湧き上がる とてもとても素敵なコンサートと なりました💓 1部はオペラのスタンダードナンバー を中心に 2部はミュージカル レ・ミゼラブル をなんと45分縮小バージョンで歌い上げ 大飼さんの軽快なお喋りと絡み まるで劇場で観ているような 錯覚に陥り感動し 涙なみだ😂のステージでした💕 fbの参加者以上にご近所さんが 沢山聴きに来られたことが とても嬉しかったです♬ そして水巻スペース実行委員会の 絆で結ばれた仲間たちの協力に とても感謝しています🤝 LACKの大飼さん、永田さん ご参加頂きました皆様 ありがとうございました🙇♀️ #オペラ #ミュージカル #椿姫 #セビリアの理髪師 #レ・ミゼラブル #バリトン歌手 #大飼道雄 #演出家 #ヴォーカルリスト #永田早智代 #LACK #クリスマスマーケット #マンスリーコンサート #杜のテラス #水巻町 https://www.instagram.com/p/ByNRnVwJqz8/?igshid=olkq9q81c8b1
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HISオンライン体験「行った気になる観光セミナー~ハーレムでゴスペルの歴史&観光~」メモ
世界に2千人いるというニューヨーク公認観光ガイド、うち日本人は30人ほど(コロナでさらに人が減り20人ほどになるかも)、その中のひとりイサオ・ノブハラさんに、実際のニューヨーク���ニューヨーク郡(マンハッタン区)観光ツアー形式で解説して頂きました。セントラルパーク→アッパーウエストサイド→アッパーイーストサイド→ハーレム
■マンハッタン島
◇セントラルパーク まさに島の真ん中にある世界的に有名な公園。1873年正式に開園。樹齢200歳のオークの木など2万本以上の木がある。コヨーテも住むほど都市公園としては破格の広大さで、都市における自然の割合が東京の何倍も大きい。貯水湖には死体が発見されることもしばしば。
◇アッパーウエストサイド ハリウッドセレブなどWASPの大金持ちが住む。 かつてジョン・レノンが住んでいて暗殺されたことで有名なダコタ・ハウスがある。オノ・ヨーコは現在も住んでいる。暗殺の犯人マーク・チャップマンは、ダコタ・ハウスの前で1日中待ち続け、昼に一度ジョンと顔を合わせサインを貰っていた。待っている間読んでいたという「ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)」は、レーガン大統領暗殺未遂事件の犯人も読んでいた本ということで当時有名になった。毎年追悼式には、セントラルパークのストロベリー・フィールズに世界中からファンが集まる。 ワシントンD.Cほどではないが桜並木が見られる。 ダコタ・ハウスの他にもトランプホテルなどの高級ホテルや高級アパートが多くあり、ハリウッド俳優など有名人が住んでいる。かつてスティーブ・ジョブズが住んでいたところも。 全米で2番目に大きい自然史博物館「アメリカ自然史博物館」では、恐竜の化石など多数の標本や資料が見られる。自然科学者の一面もあったセオドア・ルーズベルトの像でも有名だったが、2020年、ブラック・ライヴズ・マター運動の影響で、ルーズベルトがネイティブ・アメリカンを従えているデザインが差別的だということで撤去された。
◇アッパーイーストサイド アッパーウエストサイド同様世界トップレベルの大富豪達が住む高級住宅街。博物館や美術館が多い。
◆ハーレム地区 もとはオランダ人が作った農園で、1910年頃は白人は滅多に入らなかった。当時は普通のアパートにも住めなかった黒人に初めて高級住宅を解放した地区で、憧れの地としてみんな集まった。現在では高級化が進み、黒人住人はどんどん移住してしまっている。ニューヨークの中では開発が遅れていて、古い建物も残っているが、ショッピングモールがたくさんできてきたりと急速に高級化しているいま、20年後には黒人街ではなくなっているかも... 「ハーレム」という呼び名はリトルチャイナ・��トルイタリーと同じく、ニックネーム(wikiによるとオランダの都市ハールレムにちなんでオランダ移民がつけたともいわれる)。 ハーレム一の高級アパート(といっても日本では普通くらい)には、ヤンキース時代イチローが住んでいた。 ニューヨークのタクシーはよく道を間違える。覚えやすいように?ハーレムではストリート名に黒人偉人の名前をつけていることが多い。 ジャズ発祥、というかアメリカ黒人文化の発祥の地、というか、ハーレムに触れて初めて白人は黒人文化を知った。
〇ハーレムの有名な場所 「ネーション・オブ・イスラムの寺院(モスク)」 マルコムXが牧師を務めた。 「グラハム・コート」 1920年代ユダヤ系のアスター一族が作った。ダコタ・ハウス並みの白人向け高級アパート。 「テレザ・ホテル」 マルコムXが住んでいたことも。キューバのカストロ議長が来て演説して以来、民主党議員中心に演説の名所となった。ニューヨークは民主党のおひざもと。ちなみにトランプ前大統領がハーレムに来たことは一度もない。 「アポロ・シアター」 多くの著名な黒人歌手を輩出したアメリカポピュラー音楽の歴史的クラブ。プロへの登竜門「アマチュアナイト」でデビューしたスターは、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン(ジャクソン5のメンバーとして、当時8歳)、リトル・リチャード、ホイットニー・ヒューストン、B.B.Kingsなど。 「元はシナゴーグだった教会たち」 ユダヤ人コミュニティのシナゴーグだったが、黒人流入の折「自分達は他に移るのでここあげます」と黒人コミュニティに明け渡し、建物はシナゴーグの造りだが実際は黒人教会という一風変わった礼拝堂が多くある。 「アダム・クレイトン・パウエル・ジュニア」 初めて黒人の国会議員になった人物の名をつけたホテル。ここに天皇陛下と美智子様が訪れ、現地の黒人のおばちゃんが美智子様に抱き付き、美智子様がおばちゃんに抱き付き返した映像が有名になった。 「ニューヨーク市警 ハーレム分署」 かつて日本では、タレントのミッキー安川さんなどが現地ポリスとパトカーに同乗して、当時治安が悪かったハーレム内の犯罪を放送する番組があった。現在では観光客も大勢来る世界的観光地となりかなり治安が良くなったが、コロナ禍で経済にダメージを受けた最近では、順調だった治安良好化が停滞してしまっている。 「シャッター」 暴動が多かったハーレムの歴史の中で、暴動への防衛のためどの建物もシャッターをつけ、シャッターに落書きするシャッター・アートなどと呼ばれる文化が育った。シャッター・アーティストとして有名なフランコ・ザ・グレートさんは、ノブハラさんの個人的な友人とのこと。 「セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大��堂」 建築物としてはまだ未完成のゴシック教会。サグラダ・ファミリアみたい。年に2回しか開放されない。売っているステンドグラスのステッカーはお土産に最適。世界中から色々な品物が集まるリベラルな教会。日本の天皇家から贈られた壺もある。 キング牧師やネルソン・マンデラの演説、デューク・エリントンのシークレット・コンサート(大聖堂付属のパイプオルガンを弾いた。のちにエリントンの葬別式も行われ、1万2千人集まった)、3大テノールのひとりプラシド・ドミンゴの収録(ドミンゴは現在バリトンに転向、セクハラで訴えられ自粛中)、アネッサ・フランクリンのラストコンサート(YouTubeで見られる)etc.ここでは世界的イベントが行われている。
■ニューヨーク区各所にある偉人像 セントラルパーク周辺にコロンブス像。ある博物館のリンカーンは等身大だが意外と大きく感じない。 ハーレムには黒人の偉人の像が多く、「フレデリック・ダグラス」の像は北を向いて立っているニューヨーク唯一の像。北=ハーレム(黒人)。他の像はみな南向き。フレデリック・ダグラスは、リンカーンに奴隷制の廃止を訴えた黒人で、ワシントンD.Cの象徴的人物として有名。 「ハリエット・タブマン」は、奴隷の逃亡を助ける運動組織「地下鉄道」のリーダーだった人物。
■ゴスペル 本物の「ゴスペル」は教会で歌われるもの。教会は撮影禁止なので、過去に特別に撮影された動画を見せてもらった。迫力ある歌声でコンサートのような盛り上がりぶり。タンバリンなど楽器を鳴らす人、観客席側で激しく踊る人もいて一体感がある。まさに「天使にラブソングを」で見た光景。 みんな教会には、映画に出てくるようなお洒落な格好でやってくる。派手なおばちゃんおじちゃんが大勢いて、おばちゃんは飴くれたりする。ハーレム住民は大阪府民っぽい。 ハーレムの教会では、”神が降りてきて”失神する人がよくいるため看護師さん常駐。そのまま死ぬ人も...(まさに昇天。最高の死に方といわれる) ゴスペル歌手を目指す者が集まる聖地か、といわれるとちょっと違う。もとはゴスペルは、英語も分からないままアフリカから無理矢理奴隷としてさらわれてきた人々が、救いと慰めを求めて仲間と集まり歌ったもの。教会があれば、ゴスペルはどこでも歌える。ハーレムには教会も多かったため特にゴスペル=ハーレムとして有名になっただけ。 コロナ禍が落ち着けば、ハーレムで日本のアーティストも集まる世界的イベントが行われる予定?
■その他 コロナ禍でひどくなったアジア人ヘイトは、日本のメディアではニューヨーク��ひどいと言われるようだが、アジア系移民が大勢住むカリフォルニアの方がひどい。とはいえ、通りすがりにいきなり殴られたりなどは、ニューヨークでもコロナ前からたまにあった(ノブハラさんの友人の体験)。
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Storia dei sogni(294)②
指揮:マエストロ(西本智実先生)
オーケストラ
イルミナート・フィル・ハーモニー・オーケストラ
合唱:イルミナート合唱団
ソプラノ
彼女(♥崔岩光(サイ・イエングアン)様♥),私
黒澤麻美先生,黒田なるみさん,駒井ゆり子先生
坂口裕子さん,佐藤路子さん,清水知子さん
せいあLeeさん,高橋美咲さん,前川朋子さん
村松織部さん,和田静乃さん
アルト
野上貴子先生
テノール
秋川雅史,二塚直紀さん
バリトン
田中勉さん
ピアノ
戎洋子先生,片野敦子さん
司会:黒柳徹子さん
(第一部)
島唄(THE BOOM,オケ)
島人ぬ宝(BEGIN,オケ)
平和の琉歌(サザンオールスターズ,オケ)
琉球愛歌,ひめゆりの詩(モンゴル800,オケ)
いのちのリレー(さんご,オケ)
さとうきび畑の唄(森山良子,オケ)
花
(黒澤先生,黒田さん,駒井先生,坂口さん
佐藤さん,清水さん,せいあさん,高橋さん
前川さん,村松さん,和田さん,オケ)
革命(戎先生)
亡き王女のためのパヴァーヌ(片野さん)
悲愴,英雄(オケ)
見えますか、愛する人よ〜千の風になって
(秋川雅史,オケ)
ソルヴェイグの歌(彼女,オケ)
Amazing Grace(私,オケ)
グノー:アヴェ・マリア(彼女,オケ)
シューベルト:アヴェ・マリア(野上先生,オケ)
カッチーニ:アヴェ・マリア(私,オケ)
アヴェ・ヴェルム・コルプス
(黒澤先生,黒田さん,駒井先生,坂口さん
佐藤さん,清水さん,せいあさん,高橋さん
前川さん,村松さん,和田さん,オケ)
スターバト・マーテル(合唱,オケ)
ピエ・イエズ(彼女,野上先生,オケ)
歌に生き,恋に生き
神よ、平和を与えたまえ
(彼女,オケ)
(第二部)
ナブッコ(合唱,オケ)
モーツァルト:レクイエム
(オケ,合唱,彼女,野上先生,二塚さん,田中さん)
(アンコール)
新世界(オケ)
愛する小鳥よ(彼女,オケ)
オラショ(合唱)
月桃(全員)
(花束贈呈)
蓮舫首相→マエストロ
福島(みずほ)副総理→コンマス
上皇后陛下→ソプラノのリーダーA
皇后陛下→ソプラノのリーダーB
愛子様→アルトのリーダー
紀子様→黒柳さん
眞子様→彼女
佳子様→私
彬子様→黒澤先生
瑤子様→黒田さん
承子様→駒井先生
百合子様→坂口さん
華子様→佐藤さん
信子様→清水さん
久子様→せいあさん
ハリス米大統領→高橋さん
アーダーン首相→前川さん
メルケル首相→村松さん
蔡総統→和田さん
エリザベス女王→戎先生
キャサリン妃→片野さん
マリン首相→野上先生
上皇陛下→秋川雅史
天皇陛下→二塚さん
秋篠宮皇嗣殿下→田中さん
悠仁様→THE BOOMのリーダー
常陸宮親王殿下→BEGINのリーダー
宇都宮都知事→サザンの桑田佳祐
沖縄県知事→モンゴル800のリーダー
フレデリクセン首相→さんごのメンバー(女性)
ヤコブスドッティル首相→森山良子
沖縄公演も無事に大成功で終了♪ɞ(ू'ω'ू❁)و"ルンルン
拍手や総立ち,ブラボー凄かった(ᐢ*´꒳`*ᐢ)
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音楽のススメ364
本日はJelly Roll Mortonからの繋がりで、米国よりTony Jacksonをご紹介していきます。
Tony Jackson(トニー・ジャクソン)とは、1882年米ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれのジャズ・ピアニスト・シンガー。
貧しいアフリカ系の家庭で生まれたが、10歳の時にはその才能を開花し始める。記録によると彼の家は貧しくピアノを買ったり借りる余裕がなかったため、自宅の裏庭のゴミの中に埋もれていた状態のいいハープシコードで練習を始め、教会で聞いた聖歌のリアレンジを独学で習得。その噂はたちまち広がり13歳で音楽の仕事を始めて手に入れ、15歳の時は街で最も有名なピアニストに。
一度聴けばどんな曲でも覚えて演奏できるという特技から、ストーリーヴィル(売春街)では最も有名なエンターテイナーに。欧米、南米のポップスから、ブルース、クラシックまでそのレパートリーは広く、また当時は珍しい”オープンリーなゲイ”でした。
Vo.としても並外れており、オペラパートでは、バリトンからソプラノまで歌えて、仲間のミュージシャンから”最高”と呼ばれていました。そしてあの自信家であるJelly Roll Mortonですら彼よりも優れた人と認め彼に師事。
またClarence Williamsは彼の即興演奏は常に独創的で素晴らしく、みんなが真似した」と言っており、音楽以外にもその衣装やスタイルまでも真似されたそうです。
彼は録音物を一切残してないのですが、彼の数少ない作曲の一つが「Pretty Baby」(1916)。現在に至るまで色々なアレンジが出ています。
晩年は病気のために声とテクニックに衰えが出始め、多くの人に惜しまれながら1921年シカゴで死去。
ここまで書いてて分かりましたが、彼をフレディ・マーキュリーと重ね合わせると何かピンと来ませんか。今ならMIKAなのか。もしTonyが今に生きていたら、タイムワープできるならこの世界はどうなっているんだろうかと不可逆な��とはわかっていながら、そんなことに思いを馳せて、本日はBilly Murray歌唱によるPretty Babyをお送りします。
Billy Murray(Tony Jackson) / Pretty Baby (1916)
#music recommendation#音楽のススメ#音楽のある生活#音楽のある暮らし#音楽を止めるな#billy murray#tony jackson#pretty baby#jazz#jazzman#jazz piano#pianist#piano#pianoman#jelly roll morton#clarence williams#entertainer
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Quote
2001年12月、新国立劇場で「ドン・カルロ」のロドリーゴを歌ったとき、ブルゾンにインタビューした。その際、すぐれたヴェルディ歌いが輩出しない理由を、昨今の演出の傾向にからめてこう語っていた。 「ヴェルディを歌うにはレガートがとても大事なのに、��育の影響で常にフォルテで叫ぶことしかできない人が多くなった。しかし、ヴェルディが描いた人物像がはっきり理解できれば、そんな歌唱にも歯止めがかけられるのに、派手さばかりを狙って解釈があいまいな演出が増えたことで、歯止めがかからなくなっているのです」
香原斗志「イタリア・オペラ名歌手カタログ」:<第2回>レナート・ブルゾン(バリトン) - 毎日新聞
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仏光寺八幡別院報恩講(バリトン歌手の独唱) Baritone singer solo. Hoonko (Shinran Memorial Day) . #寺 # #報恩講 #歌 # #佛教 # #song #Chanson #Lied #canzone #Canción #Canção #песня #노래 #埴生の宿 #homesweethome #Baritone #solo #temple #tempel #tempio #templo #храм #사원 #วัด #معبد# #ביתמקדש# #浄土真宗 #buddhism #仏教 #真宗佛光寺派 Date and time taken (Japan time) 11/9/2019 4:09 PM. 埴生の宿 埴生の宿も 我が宿 玉の装い 羨まじ のどかなりや 春の空 花はあるじ 鳥は友 おゝ 我が宿よ たのしとも たのもしや Home sweet home ’Mid pleasures and palaces though we may roam, Be it ever so humble, There’s no place like home. A charm from the skies Seems to hallow us there, Which seek thro’ the world, is ne’er met with elsewhere. Home, home, sweet sweet home, There’s no place like home, there’s no place like home. (佛光寺八幡別院) https://www.instagram.com/p/B4qDswfpnLe/?igshid=awqicynyzwpn
#寺#報恩講#歌#佛教#song#chanson#lied#canzone#canción#canção#песня#노래#���生の宿#homesweethome#baritone#solo#temple#tempel#tempio#templo#храм#사원#วัด#معبد#ביתמקדש#浄土真宗#buddhism#仏教#真宗佛光寺派
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源川瑠々子の『星空の歌』2022/07/14 20時更新
ゲスト:バリトン歌手 栗原峻希さん
今回は、バリトン歌手の栗原峻希さんをお迎えします。イタリアの風をお届け♫そしてもうすぐ帰国リサイタル✈️
<再生はこちら▶️>
※スマホ/タブレットはアプリからご視聴ください。 過去の放送はBack numberで🎧
今回は、イタリア・ナポリからリモートでお届け♪ ナポリにあるサン・カルロ劇場の研修生に選ばれたお話や、今年 8月に地元の富山県と東京で開催される「栗原峻希 バリトンリサイタル」についても伺います。どうぞ、お楽しみに♪
【コンサート情報】
『栗原峻希 バリトンリサイタル』
<富山公演> 日時:2022年8月19日(金) 午後6時30分開場 午後7時開演 会場:アイザック小杉文化ホール ラポール(富山県射水市戸破1500番地) 出演:栗原峻希(バリトン)、川添文(ピアノ)、高橋美咲(ソプラノ<ゲスト>) チケット:全席自由:3,000円
<東京公演> 日時:2022年8月27日(土) 午後1時30分開場 午後2時開演 会場:やなか音楽ホール(台東区谷中 3-23-8) 出演:栗原峻希(バリトン)、川添文(ピアノ) チケット:全席自由:3,000円
・栗原峻希 公式サイト
【BGM】 「天の河」 作詞:島崎藤村「夏草」より 作曲:神尾憲一 歌:源川瑠々子 「オペラ《セビリアの理髪師》より 私は町の何でも屋(Largo al factotum)」 作曲:ロッシーニ 歌:栗原峻希 「オペラ《死の都》より 私の憧れ、私の想い(Mein Sehnen, mein Wähnen )」 作曲:コルンゴルト 歌:栗原峻希
<番組からお知らせ>
源川瑠々子の『星空の歌』は、7月21日~8月18日まで夏休みをいただきます。
次回更新は、8月25日(木)予定です。 来週からはショートコメディ、川勝折れ木の『植木屋折れ木』を再放送♪ 『星空の歌』の過去放送は、バックナンバーでご視聴できます。
<源川瑠々子の『星空の歌』>
音楽、舞台、写真などの芸術をはじめ、さまざまな分野で活躍する方々をお迎えし、魅力的なお話をお聞きします。夜空の星のようにきらきらと輝くゲストのお話で、リスナーのみなさんへパワーをお届けできたら……、こんなに嬉しいことはありません。
過去放送一覧はこちら 源川瑠々子 公式サイト
<ブルーレディオTOPに戻る>
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[ヴェルザー=メスト、ウィーンフィルコンサート]
夜21時からは、ウィーンフィルコンサートシリーズの第二弾、指揮はフランツ・ヴェルザー=メスト。ちなみに、今年はこちらに来るのが例年より数日遅かったため、第一弾のブロムシュテットによるマーラー交響曲第9番は残念ながら聴き逃してしまった。したがって、今回が今年初のウィーンフィルということになる。
ヴェルザー=メストが振るプログラムは、まず前半がワーグナー「パルジファル」1幕への前奏曲、リヒャルト・シュトラウスの交響詩『死と変容』、休憩を挟んで後半がショスタコーヴィチ交響曲14番。テーマは人間による「死」へのまなざしということらしい。
コンサートマスターはフォルカー・シュトイデ、フォアシュピーラーがアルベナ・ダナイローヴァ。音楽祭では数多くのオペラ演奏のスケジュールもあり、ウィーンフィルはほぼ出ずっぱりなので、このメンバーがこの先3週間あまり、少しずつ交代していくことになる。
昨日まで連続してバイエルン放送交響楽団を聴いてきたが、今日は同じ舞台でウィーンフィルが演奏する。改めて、他の楽団にはない、独特のオーラを感じた。音が力強い、という意味ではバイエルン響も決してひけはとらないと思うが、ウィーンフィルの場合、その力強さに独特の艶があって、この音色はおそらく真似しようとしてできるレベルのものではないのだと思う。
しかし、ヴェルザー=メストのアプローチがマイペース過ぎて、前半はとてもついて行けなかった。パルジファルの前奏曲のあと、まったく曲間をとらずに『死と変容』へと突入。気づいたらリヒャルト・シュトラウスになっていた感じで、この意図は全く理解できなかった。
それでもウィーンフィルのリヒャルト・シュトラウスはいつ何を聴いてもゾクッとするほど美しい。だが、何しろ今日の本当の聴きどころはプログラムの後半にあった。ショスタコーヴィチの交響曲14番は、交響曲と称しながら、実質的には歌曲集である。楽章にもこだわらず、構成は11楽章、これは11個の歌曲が続いている、と考えた方がわかりやすい。小編成のオケにソプラノとバリトンが加わって、ロルカやアポリネール、ハイネの詩による、それぞれさまざまな趣向を凝らした歌曲をじっくり歌い上げていく。本日のソリストは、ソプラノがアスミク・グリゴリアン、バリトンがマティアス・ゲルネである。
最晩年のショスタコーヴィチが書き上げた革新的なこの交響曲の全編を覆うのは、ほかならぬ死の影である。ロルカ、アポリネールの詩が死への思い、ショッキングな死のあり方を歌うが、とはいえ、ショスタコーヴィチが曲づけしたのはこれらの詩のロシア語訳で、さらに、十二音技法など音楽についてあらゆる実験を繰り広げた晩年の作曲家は、ここで調をもほとんど無視している。わからない言語で、無調に近い音世界が開陳されるわけで、こう書いただけで演奏時間50分はかなり辛そうな印象を得るだろう。
しかしそこはやはりウィーンフィルである。メロディになってはいなくても、カスタネットやタムタムなど、これまでにない種類の楽器のパートが盛り込まれた作品を、単純に音として面白く表現して飽きさせない。
そして、マティアス・ゲルネの歌がもう本当に素晴らしかった。ドイツリートの名手ではあるが、他方、重みのある声と表現力は、重厚なロシア歌曲とも相性がいい。第9楽章の「デルウィーク」などは、哀愁と情感を込めた歌唱に思わず聞き入った。
この曲をこれほどまで魅力的に伝えるのは、オーケストラもソリストも尋常ならざる実力だと、改めて思った。
ヴェルザー=メスト、前半も後半も、最後の音がフェイドアウトしたあとも、指揮をした腕を両脇に鋭角を描くように広げて、数秒間は下に降ろさずにキープ。これは明らかにフライングブラヴォーを拒絶するポーズだが、こういう細かい動作だけでなく、演奏をずっと見ていると、「ヴェルザー=メストはオレ様系なのでは?」と思わせる瞬間がいくつもあった。だいたい彼のタクトのもとでは、オケメンたちも少々緊張しているように見えた。最近は、マエストロによっては演奏中、満面の笑顔で弾いている場面もよく見かけるようになったウィーンフィルだが、今日はいつになく表情も固かった。ティーレマンの時ですら、もう少し和やかな雰囲気があるのではないだろうか。いまはウィーンをふいと飛び出して、アメリカ、クリーヴランド交響楽団を率いているヴェルザー=メスト、かつてはウィーンフィルの母体である国立歌劇場の芸術監督も務め、本来は気心の知れたおなじみの指揮者ではあるはずなのだが、リハーサルが異常に厳しいとか、そういうこともあるのだろうかと、なんとなく気になった。 ウィーンフィルのシリーズコンサートは、この後、1週間ごとに指揮者を変えながら週末ごとに登場する。それぞれのマエストロの味があるので、この先とても楽しみだ。
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今日のランチは、味噌だれ牛丼!ちょっとコクうまな味付けで、さぁもうひと踏ん張り! さて昨日は楽しみにしていた『#パーセルプロジェクト 』を聴きに川口リリアに。 弦とオルガン、リコーダー、そして素晴らしい歌い手たちの美しいハーモニーに心満たされる時間でした。青木洋也さんの「パーセルの声楽作品まだまだまだまだ(!!)ありますが全部やりたい」という力強いお言葉に、次回も美しい音の世界を期待してます。 #加耒徹 さん、今回は音域低めのパートが多くてちょっと新鮮…もう1人のバリトン山本悠尋さんとのデュオが美しかったな。音色��幅が広がっているなぁと感じました! 今月の #推しごと は来週のサロンコンサート新シリーズ初回。新たな会場での加耒さんの声、楽しみです。 #お弁当 #牛丼弁当 https://www.instagram.com/p/CiQx45wPbTU/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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ゲスト◇栗原峻希 (Takaki Kurihara)バリトン歌手
東京藝術大学院音楽研究科修士課程声楽オペラ専攻を修了。これまでに《コジ・ファン・トゥッテ》グリエルモ、《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵、《ドン・ジョバンニ》マゼット、《愛の妙薬》ベルコーレに出演。G.F.ヘンデル《メサイア》、J.ブラームスの《ドイツ・レクイエム》など宗教曲のソリストや、L.v.ベートーヴェン《交響曲第九番》、C.オルフ《カルミナ・ブラーナ》のソリストを務める。 レジェンド・ソプラノ歌手であるレナータ・スコットが演出する、テアトロ・オペラ・ジョコーザ公演《蝶々夫人》ヤマドリ役でイタリアデビュー。ヨーロッパの若手歌手の登竜門であるロドルフォチェッレッティ・ベルカント・アカデミーにて研鑽を積む。 ベルリン・コーミッシェ・オーパー研修場、ウィーン国立歌劇場研修場ファイナリスト。第35回ソレイユ音楽コンクール第二位。第47回イタリア声楽コンコルソ ミラノ大賞 授賞。シェリル・ミルンズが開催するオペラアイドル声楽コンクールにて聴衆賞を受賞。ハンスガボア・ベルヴェデーレ国際オペラコンクールイタリア代表。ウィーン国際音楽コンクール特別賞を受賞。ミラノライオンズ国際声楽コンクール第三位、ジョヴァンニ・コンシーリオ国際コンクールTIVAA賞受賞。メディチ国際音楽コンクール第二位。ロベルト・デシモーネ記念声楽コンクール第二位。ピッコロ・テアトロが主催のNHオペラアイドル声楽コンクール第一位。 これまで内山太一、黒崎隆憲、福島明也、シェリル・ミルンズ、ルーカ・ゴルラ、ロベルト・コヴィエッロ、マリエッラ・デヴィーアの各氏に師事。留学中に公益財団法人《野村財団》芸術文化助成を受ける。文化庁の新進芸術家海外研修生としてイタリアのミラノに留学。300人の応募の中、ナポリのサンカルロ歌劇場の研修生に選出され、世界的歌手マリエッラ・デヴィーアのもと研修中。ローム・ミュージック・ファンデーションの奨学生に選出され、2022年9月より引き続きナポリに留学予定。 ・栗原峻希 公式サイト
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