#ディズニー飲茶
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それでは10日間のデートの記録を書いていこうと思います。きっととんでもなく長くなるし、内容も内容なんで、見るのは自己責任でお願いします。長すぎて引かないように!
1日目!初めて会ったのがもう半年も前のことで、それを最後にずっと会えてなかったから、待ち合わせ場所に着くなり緊張と会える嬉しさが入り混じって俺は深呼吸しまくってました。会う前にそれぞれの友達と遊んでから夕方くらいに合流したんやけど、同じ場所まで向かう道中、俺は友達に「ほんまにもうすぐ会えるやんな?ヤバイヤバイ!」ってずっとあわあわしてました。俺だけかと思ったらまるちゃんもお友達と一緒に発狂してくれていたみたいです、嬉し。俺がまるちゃんを見つけて声かけたかったから、気付かれんようにマスクして(今思ったけどマスクしてる方が目立つな…?)まるちゃんの待ってるとこまで会いに行きました。これは初めて言うんやけど、まるちゃんの友達とまるちゃんがバイバイするところを思いっきりフライングお見かけしてしまって、もうその瞬間息を飲んで慌てて隠れました。ほんまは会う前にちゃんと鏡見て髪型とか整えて会いに行きたかったけど、もうそこに居るやん!ってひとりで慌てふためきながら柱のパネルの反射を利用してがんばって整えておりました。そしてド緊張の中、まるちゃんに近づいていって、目が合うなり、ふたりともニッコニコになって即ぎゅーしました。緊張のあまりここだけ少々記憶が飛んでおります。でも体感1分くらいはずっと抱きしめてた気がします。今までずっと会えなくて我慢してたから、俺の腕のなかにまるちゃんが居るのが嬉しすぎてそう簡単に離せなかったです。そこからホテルに移動するまで手を繋いだり腕を組んだりしてずっとひっついておりました。まるちゃんの方が俺よりちょっとだけ早起きで電車に揺られてコクコクし始めてたから、ここ乗っけていいよって肩を貸しておねんねをさせました。もう肩貸せただけでも嬉しくて、に��けないようにずっと歯を食いしばって、もうそのままの体勢で軽く10時間くらい居れるくらいに幸せすぎました。美味しそうなシュークリームと晩ごはんを買ってホテルに到着したんやけど、まっっったく緊張がなくならなくてなぜかふたりでしばらくカーペットに座り込んでおりました。マスクを取ったら緊張で目を合わせられなくなったみたいで、しばらく背を向けられてたけど、その間もぴとってくっついてて、俺に会えて嬉しそうにずっとご機嫌でかわいかったです。プレゼント交換もしたんやけど、これからの季節寒くなるからマフラーと手袋をくれて、まるちゃんのってわかるようなブレスレットまでくれて、嬉しすぎるしセンス良すぎるしでブレスレットはこの日から今もずっと付けてます。まって、1日目だけで長くなりすぎてる。
2日目!前々から、会ったら一緒にこれ食べたい!ここ食べに行きたい!ってふたりで決めてたものの中にマックの月見バーガーがあって、でも会うのが10月の半ばやったからもう月見のシーズンは終わってるかもなあって言ってたけど、なんとかバーガーは3つとも残ってくれてて、俺らの大好きな三角チョコパイもちょうど売り始めた時期やったからそれも合わせてウーバーイーツしたりました。バーガーは全部分けっこして食べて、食べさせあって、美味しそうに目をきらっきらさせながら食べててめちゃくちゃかわいかったです。あまりの美味しさにるんるんされてました。途中で俺に電話が掛かってきたからかなり一人ぼっちにさせてしまったんやけど、戻ってきたらすやすや眠ってたから俺もくっついて添い寝しました。もうこの日は一日どこにも行かずに一緒にゆっくり過ごしたかったから、そのあともネトフリで泣ける映画を見たり、キャスしたりしながら過ごしてましたな。心の綺麗なまるちゃんは、「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話」という、いかにも泣くだろ!な恋愛映画に案の定大号泣していて、俺がティッシュでまるちゃんの涙を拭っても拭ってもどんどん溢れてくるからちょっとふたりで笑ってしまったけど、俺も最後の方で感極まって涙が一筋だけ流れました。お互いの友達を呼び合って2時間くらいキャスをして、後半、めちゃくちゃ俺が酒を飲んでしまって酔っ払いすぎてました。ははは。
3日目!この日は念願の夢の国に行ってきました!ランドもシーも両方とも行こうと決めてて、まず最初はランドへ。秋なのに最高気温が30度もあった日で、ふたりで何回も暑い暑い言いまくってましたな…だけどもしっかり手は繋ぎっぱなし!お互いに似合うカチューシャを選びあったんやけど、ほんまにまるちゃんはどれつけても似合うしかわいいからかなり熟考して選び抜きました。ディズニーで乗りたいものはもちろん、食べたいものも前々からふたりで何回もサイト���いてはチェックしてたから、もう迷うことなくこれ食べよう!ができてておもろかったです。できるだけ色んなもの食べたかったからほぼ全部1個だけ買って分けっこしあって食べました。絶叫系が大の苦手なまるちゃんなんやけど、ちょっとくらいならいけるやろうと思って、カリブ乗ろう!全然怖ないよ!って連れ込んでみたら、最初のあのちょっと落ちるところがもうだめやったみたいで、乗り終わるまで終始不安気な顔で大音量に警戒してて今にも泣き出しそうな顔をしてました。俺が誘っちゃったもんやから、ずっと頭よしよししながらまるちゃんの耳を塞いで、終わるまでひたすら謝り倒してました。申し訳ない。もう乗らんとこうな!そのあとは前からある方のピーターパンと、ふたりとも大好きなプーさんに乗ったり、途中で抽選で当たったショーも見挟んで、今期間限定でナイトメアとコラボしてるホーンテッドマンションに乗って(二人座席やったからここぞとばかりにいちゃこらしました)、ベイマックスで暴れてからの夜のジャングルクルーズに行って夢の国1日目は堪能し尽くして締めくくりました。カリブ以外はずっと楽しそうに笑ってたから隣でかわいいなぁって思いながらにやにやしてました。ずっと俺が欲しかったお揃いのかわいいキーホルダーも無事買えたし満足!帰り道の電車は一緒にドア付近に立ってたんやけど、何回も俺にしか見えんようにちゅーの顔されて、でも公共の場やから耐えまくってる俺を見てまるちゃんは終始楽しんでました。お部屋についてから1時間だけまたキャスしたんだけど、みんなに茶化されながらのキャスはなんとも幸せでありました。そのあとゴロゴロしてたらあっという間に2時くらいになってて大慌てで眠りにつきましたとさ。
4日目!お次はシー!新エリアにはどうしても行きたかったから寝不足ながらもめちゃくちゃ頑張って5時半に起きました。まるちゃんはもう歩きながら意識飛びそうになってたから開園まで俺の肩で寝かせてたんやけど、それでも限界そうやったからシーに入ってすぐのとこにあるパン屋さんでちょっと寝かせてました。隣で、俺の片腕を両手でぎゅっと握りしめながら眠ってたのがもう途轍もなくかわいくて思わず写真に収めちゃいました。無事に眠気から解放されたまるちゃんを連れて、いっちばん最初に向かったのが新エリア!ラプンツェルとピーターパンに乗りました!まだ乗ってない人もおるやろうからネタバレは防ぎますがめっちゃくちゃ綺麗で感動したし、3Dの作り込みがすんごすぎました。新エリア自体ぐるっと一周まわったんやけど、岩にいろんなキャラクターが掘ってあって、すげーーー!とか、金かかってんなー!とかひたすらずっと言ってました。そのあとは念願のギョウザドッグを買いに行ったんやけどその時に飲み物として買ったお酒が寝不足の俺らを1時間くらい苦しめてきましたね。��たりでベンチに腰掛けてひたすら項垂れてたけど、そんな時間も最高に楽しくて幸せやった。体調絶不調のなか、俺の愛しのユカタン(ホットドッグ)を求め歩き、ふたりとも美味しさのあまり正気を取り戻してインディジョーンズに乗りましたね。ちょっとスリルのあるやつやったから怖がるかなと思ってたけどめちゃくちゃ楽しそうにしてて、その流れでアリエルのとこにあるフランダーのコースターも乗りに行きました。これは子ども向けのジェットコースターやったけど、余裕やった!って乗れたの嬉しそうにしててこれまたかわいかったです。そのあとはアリエルのただ上下するだけのクラゲに乗って、トイストーリーマニアで得点競い合って、まるちゃん待望の初ソアリンに乗りました。めっちゃ綺麗!って感動してて、これいちばんすき!って満面の笑みで俺に言ってくれて、そんな特別な初めてを俺と一緒に乗ってくれたのが最高にうれしかった。最後にアクアトピアだけショーをチラ見しながら乗りに行って、夜の景色を楽しみながらあまりの急移動にウー!とかアー!とか言って、最後の最後まで楽しめました!ほんまはこの日、雨模様やったんやけど俺らの愛のパワーで雨一粒降らさんかったな!さすが!二日間でいっぱい乗れて、いっぱい美味しいもん食べれて幸せすぎたね。今回乗れんかったのも行けんかったところもまた次ぜったい一緒に行こうな!
5日目!この日はお昼に横浜の第二の我が家(ホテル)まで移動しました!チェックインしたら横浜のビールを2本貰えて(苦すぎてふたりとも眉間にシワ寄せて飲みました)、パン屋さん付きのとこやったから美味しいパンも買えたし、部屋はガラス張りになっててそこから見下ろす眺めが絶景でしたな。部屋番号が1126で、まるちゃんのお誕生日の数字やったからびっくりしたな!運命感じました!ひと息ついたらすぐ中華街まで行って、焼き小籠包やらフカヒレスープやら満腹になるまでいろいろ食べ歩きして、近くにゲーセンがあったから半年ぶりに一緒にプリクラを撮りました!相変わらず俺はプリクラという機械に疎すぎて難しすぎてかなり格闘してました。お絵描きはこれからも眺める専にしときます。。。お部屋に戻ったら今度は夜ご飯をもとめて、セブンやらすき家やら買い占めに行きました。夜のお散歩が楽しかったし、すき家でずっと食べたかったチー牛セットを勇気振り絞って頼んでみたらなぜか温玉が温野菜に変えられてて、俺はもう一生チー牛セットに辿り着けない気がしてます。チー牛、強し。でもふたりでめちゃくちゃ笑ったからこれもいい思い出やな!そのあとは一緒にあつもり開いて、ふたりで同時にリセットボタン押して、また最初からやりなおすことを決意しました(このくだり3度目)。あつもりが想像以上にほっこりやったから途中一瞬、俺が眠気にやられてしまったけど、すぐ目覚めていちゃいちゃしました。もう外でも中でも隙を見つけたらすぐいちゃこらしてて、こんなバカップルなん俺らくらいやろ��。ずっと続けていきましょう!
6日目!こちらも行こうって前々から約束してた、あの有名なプラネタリウムとアンパンマンミュージアムに行きました。プラネタリウムは、カップルシートみたいなとこで寝そべりながら見たんやけど、あの席、みんな、オススメです。クッションの肌触りが気持ち良すぎるし、ずっとくっつきながら見れるし、ハーブソルト味のポップコーンが美味すぎるしで、全部最高でした!お次はその足でアンパンマンミュージアムに向かって、ジャムおじさんの作るパンをもとめに行きました。でも昼過ぎに行ったもんやから続々とパンが売り切れになってくタイミングで、お目当てのものがだんだんと無くなっていくから、それにつれてどんどん悲しげな表情になっていくまるちゃんをひたすら慰めておりました。フードコートでパンを食べながら、お互いのこれからの話ができて、まるちゃんを更に深くまで知れた気がしてとてもよき時間でした。帰り際、アンパンマンミュージアムで流れてたサンサン体操をまるちゃんが口ずさんでたんやけど、俺はその歌を聞くのが初めてでかわいい曲やったから、まるちゃんに教えてもらいながらずっとふたりで口ずさみながら帰りました。俺が変な風に歌うと、ちがう!って本気指導してくるからそれもかわいくて面白かった。もうこの歌はバイバイする日まで俺の脳内に永遠と流れててもうずーっと口ずさんでました。サンサン!ホテルに着いてから、新しいマリパを買ってふたりで遊んでたんやけど、まるちゃん意外とつよくてびっくり。まるちゃんは堂々の1位で、俺はCPUに挟まれての3位という結果でした。惨敗。リベンジ求む!夜は近くにあったスシローに行って、注文してからトイレに行ったまるちゃんを待ってたら、もうテーブルになにも置けんくなるくらいのお寿司が埋め尽くされて、帰ってきたまるちゃんに爆笑されました。お寿司ひっさしぶりやったから大興奮でたらふくになるまで食べてしまいました!食べ終わったらすぐまるちゃんの隣に座ろうとひっつきに行ってしまうほどの愛。
7日目!俺らの愛の印という名のペアリングを作りに鎌倉まで行きました!もうこの日が来るまで、果たして俺たちは上手く作ることができるのかふたりしてビビり散らかしてましたが、お店の人がめちゃくちゃ丁寧に教えてくれて、上手くいかんかったとこは綺麗に直してくれて、不安なくふたりで楽しんで作れたと思います。ほんまはお互いの作ろうなって言ってたけど、失敗するのが怖くてちゃっかり自分らの作ってたな。2個目作りに行く時はお互いの作ってみような!裏面も表面も、同じ模様と記念日の日づけを入れられて、特別でずっとかけがえのないものが作れたし、これあるから今すこし離れてても寂しい気持ちがちょっとマシな気がしてます。作り終えて持って帰る時に、まるちゃんの指にはめてあげたんやけど、わぁ!って嬉しそうな顔しててかわいかった!どこまでもバカップルすぎてほんまにごめんなさい。もうひと���気すると、お店出てすぐお互いの左手薬指にはめなおしてふたりでにっやにやしておりました。鎌倉でも駅前に小町通りっていう食べ歩きできるところがあって、炙りみたらし団子とか紫芋アイスとかうんますぎたね。俺はここの食べ歩きで食べたものが一番ほっぺたおっこちた気がしてます。まるちゃんはなにが一番やった???帰りに、大聖が俺らに半年記念としてプレゼントしてくれたスタバ券を2人で使わせてもらいました!大聖は俺らに直筆メッセージくれたりお土産くれたり、ほんまに何から何までありがとう。俺は良い友達を持ちました。せっかくやからスタバはいつもまるちゃんが飲んでる2つのカスタムを教えてもらって、その1つを俺が読み上げながら頼みました!どっちもめちゃくちゃ美味くて、まるちゃんの好きな味を知ることができてめちゃくちゃ嬉しかったです。いったんホテル戻ってゆっくりして夜が更けた頃に俺のルーツである(やかましい)鳥貴族さんに行かせてもらいました。居酒屋感覚で飲もうとしたまるちゃんに対して、俺は自分の胃のキャパを忘れて頼みまくり、お腹いっぱいすぎて天を見上げてました。
8日目!この日は最後の目的地、箱根まで電車に揺られながら移動しました!お昼を電車のなかで軽く食べようとコンビニで買ってたんやけど隣にワッフル屋さんがあってまるちゃんの目が三秒に一回そっち向いてたから、ふたつだけ買ってこか!って言ったら途端に笑顔になっててかわいかった!会うまでずっと食べるもん制限したり我慢してくれてたからなんでも美味しく見えてるのがほんまにかわいかったです。あれもこれもって目移りするもんやから、はいこっち行くよーーーって無理やり視線遮って手を引くんがちょっと心苦しかった。まあ、乗り換えのときにミスドもあったから期間限定のやつと俺らが好きなもんもちゃっかり買ってたけどね。そして無事に箱根に到着!買ったもん一緒にうまいうまいって食べたり、ゲームしたり、いちゃいちゃしたりしてたらあっという間に夜なってたな。夜ご飯は、ホテルで予約してたビュッフェを食べに行って、ここもまた美味いもんだらけやったな!俺が取ってきたやつとまるちゃんが取ってきたのを見比べたら、まるちゃんの選んでくるもんがおこちゃますぎてかわいかった!デザートもしっかり食べて、もうふたりとも吐きそうで気持ち悪くなりながらがんばってお部屋まで戻りました。こんなん動けん!ってなってるのも束の間でふたりきりなれたのが嬉しくてまーたいちゃいちゃしてました。次の日が俺らの7回目の記念日やったからお風呂をはよ済ませて、いつもみたいに0時に投稿できるようにお互いtumblrに文字を綴って(携帯持ってない方の手はちゃんと繋ぎながら)、初めて記念日を同じ空間で迎えることができました。俺らの特別な日に一緒に居れて幸せ絶頂でしたね。それでですよ!まるちゃんが7ヶ月記念日のプレゼントとして俺の好きなところ100個書いてくれたんを渡してくれて、めっちゃくちゃほんまに嬉しかった!にっやにやでその場で全部読まさせていただきました。最後の最後まで、このページ余ってるな!って文字びっしり書いててくれて愛を感じました。嬉しすぎて愛おしすぎて、涙を流しそうになってしまいました(バイバイした後にもっかい読んでひっそり泣いてしもうたけど)。
9日目!7ヶ月記念日!もう毎日遅寝早起きばーっかさせて、移動とかで疲労困憊にさせてしまってたから、いよいよまるちゃんは眠気に勝てなくなってしまってお昼過ぎまですやすやされてました。そろそろ起こそうと思って何回も起こしてみてもなかなか目が開かんからちょっとだけ意地悪してもうたけどもね、はい。せっかくふたりで箱根に来たから、あの有名な黒たまごを食べにいきたくて大涌谷まで行ってきました。ロープウェイからの眺めも良くて、谷底から湯気がめちゃくちゃ出ててすごかったんやけど、硫黄の匂いがとんでもなかったな…あたりまえやけど…。臭いし寒いしで、まるちゃんは「くさむい」って言葉を生み出してふたりでけらけら笑ってました。黒たまごは匂いと裏腹にめちゃくちゃ美味かったです、たしかに長生きできる味してましたね。帰り道に記念日やから一緒にケーキ買いに行って、チョコレートケーキの上にいちごが乗っかってるかわいいのを買いました。プレートに7ヶ月記念日って書いてもらおうと思ったけど、いざ頼むときに恥ずかしなってしまって頼み損ねたから、つぎこそは!ホールケーキ買って乗せてもらおう。セブンで夜ご飯買って、帰り道は15分くらいふたりで歩いて帰ったんやけどあまりの暗さにまるちゃんが怯えててかわいかったです。サンサン体操で気紛らわそうと思って歌ってたら狙い通りちゃんと笑顔になっててそれもかわいかった!ふたりで過ごす最後の夜やったから、さみしくてどうにかなってしまいそうやなって思ってたけど恋愛リアリティ番組をみてたらツッコミどころ満載で気を紛らすことができましたね。
10日目!いよいよ最終日(泣)。いつも朝起きる時は俺が先に起きてまるちゃんの寝顔を見てよしよししてから起こしてたんやけど、この日はなぜか俺も全く起きられんくて(アラーム何回も脳死で止めてはいたけど)チェックアウト1時間前にまるちゃんが奇跡的に起きてくれて、俺のことも起こしてくれて、やっと起きれました。もう帰る準備もせずに前日寝てしまったもんやからふたりとも大慌て。いつも出発するまで少なくとも1時間半はかかるところを、これまた奇跡的に1時間以内で無事チェックアウトできました。拍手。あまりにも慌てすぎてふたりきりで最後に居られるところってのを忘れてしまって、まるちゃんが、エレベーターのところでちゅ!って言ってくれてやっと気づけました。教え方もかわいい。バイバイして向かう先が反対方向やったから、そこまでふたりで行って、まだ時間があったからカラオケに入りました。まだふたりきりで居れるところありましたね。俺の好きな歌を生で歌ってくれて、俺がじっとまるちゃんの顔を見つめながら聞いてたら大照れしててかわいかった。最後にぎゅーーー!ってしよって言って、力いっぱい抱きしめて、バイバイする時間が迫ってたけどギリギリまで離れんとひっついててくれました。途中で飲み屋のキャッチに何回も捕まりそうになって、声かけられる度に、もう離れてしまうんやから邪魔せんといて!ってまるちゃんがちょっと怒ってたのもかわいかったです。あ、ちゃんとその人には聞こえんように言ってましたよ。たぶん。ギリギリ。そんなこんなで、ついにお別れの時間が来てしまい、俺の顔見てだんだんうるうるな目になってきちゃうまるちゃんに、また会えるから大丈夫!って涙引っ込めさせてバイバイしました。
��い、もうめっっっちゃくちゃ長なってもたけど、この通り一日一日ほんまに幸せで溢れ返っておりました。どの日を思い出しても愛おしいし恋しい。記憶だけやなくて、まるちゃんが俺にくれたものもお揃いで買ったものも、形に残る宝物が前よりたくさん増えて、いまは見えるところに大事に閉まってあるけど、何回も開けて取り出してはひとりでにやけてます。ただ、ものすごく幸せやった分、会いたい気持ちも触れたい気持ちも前より倍増してて、まるちゃんも言ってくれてたように日常生活が全部億劫になってしまってるね。まだまるちゃんが居った感覚が鮮明に残ってるから今は尚更なんやろう。でもまた会えるし、今後もずっと一生まるちゃんと一緒に居りたいし、いっぱい笑顔にさせたいから、もうしばらくだけ離れて、いずれ同じ時を生きれるように、それを目標にがんばろうな。この10日間、まるちゃんと過ごせてほんまに幸せやった。たくさんの時間を俺に割いてくれてありがとう。前よりも好きが増し増し増しになってもたから、この責任は一生まるちゃんがとってな!頼みましたよ!
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転がる石みたいな感じ
7月4日(木)
朝、求人情報を見ていたら1箇所気になる場所が早速見つかって応募してみた。耳の調子は相変わらず。今日は1stアルバムに収録する曲の歌詞とコードを纏めて、データ化して保存する作業をした。疲れ果てて寝た。体力が無さすぎる。体重増加が止まらない。もうお菓子はやめようと心に誓う。月のせいかもしれないけれど。これから朝30分くらい歩こう。いや、夕方にしよう。どうしてこんなに体重増加していくのかわからなくて怖い。病気か?って思ったけど、たぶん単純に年齢によるものだな。アラサー。あらら…とはいえ、平均体重なので気落ちせずに過ごしたいものだ。ワンピースを観よう。
7月5日(金)
髪を切る為に名古屋へ。その前に午前中、応募した会社から電話が来て、LINE面接が来週の月曜日に決まった。火曜日は前の職場の人に会って、制服返却。なんだかんだ色々決まる中、予定が被らないのが凄い。有給消化中という名の無職だが、なかなかに慌ただしい日々だ。早く名古屋に着いてしまったから、パルコと地下鉄の間にある座れるスペースでくどうれいんさんの本を読んだ。駅からの熱気とパルコからの冷気がちょうど良い塩梅で快適読書となった。ハギノの話は胸が苦しくなってしまって困る。ここまで赤裸々に書いてよいのか?自分の駄目な部分って自分だけってことは無いんだと知る。さて、美容院。はじめましてのお店。窓が大きくて、ドライフラワーとかある感じ。担当さんは見た目がギャルだけど顔タイプが柔らかい雰囲気で話しやすかった。こちらの要望を細かく聞いてくれた。minimoでお店を選ぶ基準も聞かれたので、細かく教えた。こういうタイプの人に当たったのは初めて。熱心。このお店の名物である泡々なトリートメントが気持ち良かった。さっぱり。その後、スープストックへ。わたしが親知らずの抜歯でヘロヘロだった時、ノンちゃんがくれたギフト券を使おうって思ったのだ。300円以下でカレーとスープを食べることができてしまった。見た目も中身もスッキリした一日だった。
7月6日(土)
引越しをしてからバスに乗る機会が増えた。今日も今日とてバスに乗っていたら、親子3人組が乗り込んできた。どうやら外国人。お姉ちゃんらしき女の子が背負っていたリュックに”Team Mongolia”と書かれていて、ああモンゴルなんだねとほっこり。いま、ミツメもモンゴルに居る。このシンクロ、不思議だった。移動中に「水歌通信」を読み終わった。くどうれいんさんの言葉だけかと思って読み進めてしまったけれど、違和感なかった。直子さんは凄い。小田さんに誘ってもらったスーパー登山部のライブ。スーパー登山部のライブははじめて。小田さんが「自分のバンドを作りたいんだよね、良いギタリスト知らない?」って言っていて、本当にバンドができて、それがスーパー登山部だった。感慨深いものがある。山と音楽、彼の好きな物パワー全開。ライブの前に早めに集合してカフェドクリエと七番でノンちゃんとお茶した。七番、こばちゃん居た。貴重なミツメギャル。珈琲ぜんざいとホットココアで一息。話すって大事。ライブを観て、解散した直後、ノンちゃんからLINEが来て、モンゴルのフェスに出ていたミツメのライブ映像が配信されることを知り、大興奮。電車に揺られながらミツメを観ることができた。ミツメ最高!夜中、昔の映像を観たりしてしまって夜更かし。空白の重要性を伝えるナカヤーンの動画、あれ最高だよ。今年はミツメの活動が去年より多くて、本当に嬉しい。
7月7日(日)
ブラジルコーヒーに行く前に少し金山をぶらり。人が多く、お店も色々変わっていた。祖母がディズニーでゲットしたお気に入りのマグネットが冷蔵庫にくっつかないと悲しんでいたので、冷蔵庫に貼れるマグネットプレートを2枚購入。最近の冷蔵庫ってマグネットがくっつかないって知らなかった。ドトールで動画編集。コツコツ進めた。以前より、居心地が悪くなっていて、うーんこれは治安のせいかしら?シャインマスカットヨーグルトは予想通りの味。さて、本日のお目当て、イラストのトークライブ。スタミナ焼きうどん定食を食べたら、すんごいにんにくとニラが入っていて、はなびの混ぜそばじゃんとなった。健太さんがふらっと席の横を通って「にんにく、すごいでしょ」と声をかけてきた。それで、ああ!確信犯!と気づく。美味しかったけど、人と話す時、申し訳なかった。イベントはみなさん素晴らしかったけれど、やっぱり一緒にモノづくりをしたことのあるてんしんくんとカニコちゃん、良かった。2人が好きだと言うもの、自分も好きそうで面白かった。
7月8日(月)
面接当日、ソワソワ。悪夢で目覚めた。わたしは面接が本当に本当に苦手で、大学在学中、就活1社で心が折れた人間だ。それぶりなので、本当に初心者。面接時間まで時間があったので準備が出来た。何回も練習したから不安は無かった。結果、笑顔で乗り切った。けれど、応募が殺到していることを知らされた。2人しか受からないということで、うわーってなった。この話をされた時点で自分の力は出し切ったけど、こりゃご縁がないタイプだと悟る。まず、散歩しようと思い、夕食後散歩へ。気分が良くなった。池があるっていい…。再び水のある街へ引越すことができたんだ。梨木香歩の小説やミツメのエスパーのような雰囲気を感じる街並み。30分歩いて帰宅。久しぶりの湯船。数年振りの正社員チャレンジ、頑張ってみた自分にグッジョブをあげたい。悩んでもしゃーなし。クイズ番組を観ていたらアンミカもしゃーなしって言っていた。結果はやっぱりダメだった。
7月9日(火)
前の職場の人との待ち合わせ、ミスった。昨日の面接でLINEの通知をオフにしたまま、解除し忘れていて、到着の連絡に気づけなかった。その間にサマーアイの日記を読んでいて、夢中だったから、余計気づけなかった。申し訳なくて、少し落ち込んだ。落ち込んでも仕方ないけれど。制服返却しつつ、少し話した。「田宮さんなら大丈夫ですよ〜」と言われた。最近、よく人から言われる言葉だなって思った。はやく大丈夫になりたいものだな。いや、大丈夫にするんだな、わたしがわたしを。その足でついでに郵便局へ。思っていたよりもお安く発送できてしまった。帰りはバスを使わず、歩いた。再び1社応募。ここがダメならまずは一旦、正社員に拘らず働こう。BASEの送料を見直し。ゆうパックの地域別の料金をしっかり調べた。通販ページを更新。そろそろ季刊誌作りたい。
7月10日(水)
粗大ゴミシールをぺたぺた2枚ずつ貼るところからスタートした朝。無事に持って行ってもらえてよかった。今晩は、わたしが夕食担当だったので祖母とスーパーへ。ミスドで飲茶。瀬戸内レモンのパスタとフレンチクルーラー、ハニーチュロを食べた。祖母が、ミスドの飲茶は量が多くないから好きだと言っていた。確かに。ミスドが愛される所以。無印でポリプロピレン表紙のリフィルノートを買った。スケジュール帳に日記を書いていたら、もうそろそろページが無くなりそうになってしまった。日記を3月から1日も欠かさず毎日書いている。わたしの日記人生に於いて、そんなことなかなかないことだ。今年に対する熱量が半端ない。そりゃ、親知らずは抜くし、引越しはするし、転職もするわけだ。決断の量が段違いとなった。その分沢山の悩みも抱えた。だから、文字をよく書いた。こんなどうしようもないこと、なんでもかんでも受け入れてくれるのは紙しか居らん。紙には感情がないので、好き放題色々言える。いつも、ありがとう。そして、今これを読んでくれてる人達、更にありがとう。26歳がこれにて~完~
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wixからお引越ししてきました♪
仕様がわからず苦戦中🥹
※ コメント等制限ありにしてます
外国の方ばかりだしノーリアクションで良いのがとっても楽そう。でも登録しろ的な紫バナーが毎回出てくるみたいで、邪魔だね😥
アカウント作らないと読みにくいかもですがごめんなさい。
初投稿なのでテンプレの自己紹介 30やってみました✨
お名前は? eye
出身はどこ? 愛知
今はどこに住んでる? 神奈川
身長は? 160㎝
利き手利き足は? 左
好きな色は? オフホワイト、ベイクド系カラー、茶
好きな食べ物は? シーフードドリア、お寿司、鰻重、ハードパン、スイカ
嫌いな食べ物は? お肉、臭いチーズ、卵の黄身、燻製系
好きな飲み物は? フルーツティー、カプチーノ、フルーツ100%ジュース
好きな動物は? 犬🐕
苦手な動物は? 動きが怖い鳥
好きな匂いは? 焼きたてパン、コーヒー、CHANELガブリエル、金木犀
朝はパン?お米? どちらも
好きな映画は? グリーンブック
好きな曲は? 洋楽、黒人さんゴスペル系、HOUSE
好きなアニメは? 最近全部観たのは進撃の巨人
ディズニーはどっち派? 海外ディズニー派
チャームポイントは? まつ毛
趣味は? 旅行、カメラ、洋楽聴く
されたら嫌なことは? 家を散らかされたり服を汚されたり
自分を動物に例えると? 猫🐈
掃除はできる? 潔癖気味だからやる
今一番欲しいものは? 健康な身体
料理はできる?得意料理は? やる��麻婆豆腐と餃子
なりたい顔の芸能人は? 長谷川潤
これがないと寝られないってものは? 11月〜5月は湯たんぽと靴下
一番お金をかけていること、ものは? 娘の学費
買いたいものは? 新しいカメラ
行ってみたい国は? ロシア、イスラエルに行ってみたかった
好きな国は? ギリシャ、ポルトガル、トルコ
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2023 Bucket List
2023年はただもんじゃないStage Presenseを獲得します
My future no-1
Disneyの研究
Vegan in East Asia
SOCのメジャー要件満たす
ANT���MCCのマイナー要件満たす
社会学取ってる人でおもろい先輩に会う
アジア研究で紹介された原著読む
社会学の授業で紹介された原著読む
カルチュラル・スタディーズの授業で紹介された原著読む
医療人類学の大家が書いた本読む
エスノグラフィー10冊読む
大学院候補を調べる
募集要項調べる
ゼミを見学する大学院を見学するディズニーの論文を書くR basicsを勉強するPython Basicを勉強する奨学金を獲得する My another future no-1大手メディアで働く海外でインターンをする書いた記事でお金をもらう英語で記事を月に2本書く(最低限1本)日本語で記事を月に2本書く日本語でエッセイを書くOSINTを使って調査報道する日本人学生への性被害への実態を調査するフクシマのワインの特集を組むディベート部(他?)に参加するビデオ・ジャーナリズムの勉強をするジャーナリズムで使う英語の勉強をするポッドキャストを始める購読者を1人増やす月に1度今までお会いしたことのない新しい分野の人に会う毎日ニュースを読む(NYT, Leuiter, Bingのトップページ)文体の先生を見つけるMenstruationICUで無料配布達成調査票がっつりつくる回答率30%他の大学でも広げる生理用品をタダでもらえるビジネスモデルを作るLanguageTOPIK 5級取る日本手話を勉強するIELTS overall 8.0 or DET 130~140トルコ語かじるPeace bridgingJICUF助成貰う補助金貰うコツを掴む日韓の歴史についてレポートを書く(視点を決めて)JAVA(プログラミング)Xcodeの基礎を勉強するスマホアプリ制作オブジェクト指向を理解するMicrosoftの使い方覚えるNecessity新しいことにチャレンジする名前をつけるGoogleカレンダーを使いこなす 陶芸をする高座に上がるよこはま落語会のお手伝い行く高座を見る(月に1回)映画を最低限50本見る本を週に1冊読み終わる(最低限65冊目標)インプット用のアカウント理想の部屋を作る運動の習慣をつける筆記体の練習をする8キロ痩せる(体脂肪率15%切る)ボランティアをする書斎をつくるカフェ巡りをする(20軒個人経営の喫茶店に行く)ストレス解消法(食べる以外)で��すSVT他国のコンサートに行く団扇を作る認証ショットに応募するCARATの友達(知り合い)を作るPersonal goals毎朝最低限6時に起きるクローゼットの整理をするルックブックを作る10か国食べたことない料理を食べる貯金を50万貯めるBEDから回復(3食食べて間食しない)ストレス解消方法を確立する日記を毎日書く(365)歯磨きをする家計簿をつける髪の毛を切る美味しいワインを飲む Company...?火鍋カヌーバンジージャンプVisitトルコスコットランドペルー韓国北海道バーレスクレズビアン・バー高尾山神田古本祭りグランピングUniversityYale University に入学する行ったことがない国で勉強する
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23時まで営業中のトスティーナ✨ シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルにホテルステイした日… 小腹が空いてチェックインカウンターの向かい側にある、カフェが気になり入店 可愛いスイーツが多くて、滞在中3日間お世話に✨ 初日は、ペントンチョコケーキと お酒を使用したみかんのヴェリーヌを😋 ケーキも美味しいけど、 紅茶のサイズに魅了されました✨ ガッツリ紅茶が飲みたい私には嬉しい量😆 甘さ抑えめなスイーツに 高級感ある店内は、広々としてて また利用したいですね! シェラトン…アメリカに住んでいた時はよく利用していましたが、日本のシェラトン広すぎて探検気分でした✨ 浦安市舞浜1-9 シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル 2F 7:30〜23:00 #シェラトングランデ東京ベイ #トスティーナ #食べ歩き #カフェ巡り #ティータイム #ペントンチョコケーキ #みかんヴェリーヌ#ディズニー #舞浜グルメ #ホテルステイ #プチ旅行 #genic_sweets #teatime #teabreak #yummy #藤本祐子グルメ写真 #フードアナリストyuko #yukoのオススメ #followplease @yuko_fuji3 (Sheraton Grande Tokyo Bay Hotel) https://www.instagram.com/p/Co_s5L4pe9_/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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大学会館の裏の展示スペースの、その淡い青みがかった透明なガラス張りの壁の、そのむこうに見える環状道路の、おそらくは十メートルはゆうに越えているだろうプラタナスの並木と、その枝から盛んに舞い落ちる小鳥ほどの大きさの枯葉と、その下を通り過ぎていく何台もの銀色の自転車を、今はもうその街を離れて故郷に帰り小さな会社で仕事をしていてその街との関わりなどもはや本当になにひとつもっていないはずなのに、ふと顔をあげた拍子に窓のむこうで上下にゆれている櫟の枝を目にした途端、まるで茶をそそぎ入れた瞬間に陶器の中でやおら開き始めてたちまち匂いやかに咲く水中花のように、わたしは思い出す、枝から盛んに小鳥ほどの大きさの枯れ葉を舞い散らせている巨大な丈高いプラタナスの並木がそびえ立つ環状道路は、その大学会館の裏の展示スペースのあたりで陸橋になっていて、それというのも秋になるたび黄金いろに燃える葉を空にむけて突き上げる公孫樹の並木がえんえんと続く東西に伸びて大学を横断する通りがそのあたりでちょうど環状道路と直角に交差するからなのだが、その陸橋を南に下りてすぐのところにある陸橋の下にぐるりと回り込む小さな道を進むとサークルの先輩が住むアパートがあってそのアパートで夜な夜な飲み会(その頃はまだ二十歳を過ぎたばかりでウイスキーというものがもの珍しかったものだからとにかくいろんな種類のウイスキーを飲んでみたい一心でわけもわからず片っ端から飲んでいった、ジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガル、ジャックダニエル、ワイルドターキー、フォアローゼス、カティサーク、ブッシュミルズ…… ウイスキーの固有名詞はわたしをふしぎと陸橋の下にぐるりと回り込む小さな道を進んだところにあるアパートの一室へとひき戻す)をしたものだったけれど、先輩の部屋は大学生向けのよくあるワンルームの八畳ほどの部屋で玄関のドアを開けるとすぐ左手がキッチンで右手が浴室とトイレのドアになっていてその間の細長い狭い空間を抜けると居室で、その居室は南が窓で西と東は天井まで続く大きな本棚になっていてその本棚にはぎっしりと本が収納してあって先輩これ全部読んだんですかとわたしが訊くとそんなわけないじゃないですかと先輩は言うのだったが、その先輩は普段は同期や後輩に対してはタメ口なのになにか皮肉めいたことを言うときだけ敬語になる癖があったからこの場合のそんなわけないじゃないですかはもちろん全部読んであるということなのだった(その先輩とはもう長いこと連絡を取っていなくてたしか最後に連絡を取ったのは今から五、六年前のことだったはずで、あの頃はあんなにも多くの本をあんなにも情熱的に読んでいたはずの先輩は結婚し公務員になっていて、ざまもなく脂下がった顔でいやあこの齢になると本を読む暇もなくてね、あの頃の本もみんな捨ててしまったよ、今から思えば本なんて読んでもなんの役にも立たなかった、あの時間を使って資格の勉強でもしておけばよかったと心から思うよ云々とのたまってわたしを幻滅させた)、有名な建築家が建てたというコンクリート打ちっぱなしのおよそ飾り気というものがない塔は栓抜きの形によく似ているから栓抜きタワーと呼ばれていて、栓抜きタワーは松見公園というその名の通り松ばかりやたらと植えてある公園の池の中央に建っていたのだが、この公園には街を南北に真っ直ぐ貫いて街の背骨のように長く続くペデストリアンデッキが通っていたこともあって街の人々はいつもいやおうなくこの公園を通り過ぎなくてはならずしたがって自然と栓抜きタワーも毎日見ることになった、その栓抜きタワーのある松見公園と一本道を隔てた反対側はこの街唯一と言ってもいいだろう繁華街になっていてそのあたりは住所としては天久保一丁目で、もちろん繁華街といってもごくつつましやかなものでほんの何軒か風俗店やキャバクラがあるだけであとは居酒屋やバーやスナックやカラオケや中華料理屋があるくらいなのだが、鶏の骨がそのまま溶け込んでいるのではないかと思うほどに濃密などろりとした鶏白湯スープに整然と折り畳まれて盛りつけられた小麦の香りがにおい立つかのような中太麺、淡い桃いろがかった赤身と真っ白い脂身が幾重にも連なり地層を描く豚肉の叉焼の上におそらくは無塩バターとパセリとエシャロットとにんにくを混ぜ合わせて冷やし固めてから四角く切り出したのであろう黄いろがかったクリーム色にパセリのさわやかな緑いろが入り混じったエスカルゴバターが載せてある一風変わった拉麺が食べられる店は天久保一丁目の路地を少し入ったところにあってその拉麺を食べるためだけに幾度となくこのあたりまで足を運んだものだった、その拉麵屋の隣りのとなりはふくろうという美味い焼き鳥を出す居酒屋でその居酒屋も好き��よく訪れていたのだが、ペデストリアンデッキを南にむけてもう少し下ったところにある中央公園の一画は文化会館アルスという図書館と喫茶店とコンサートホールと展示場の複合施設になっていて、そのアルスで開かれていた大学院の卒業制作展で見た作品に感動し連絡を取ったところ意気投合し友達になったMさんとそのふくろうという居酒屋を訪れたら折あしくなにかの祝賀会と重なって店に入れなかったことがあって、そのときは松見公園に面した居酒屋というには小洒落ているがバーというには騒がしいなんだかよくわからない店に仕方なく入ったのだが、その店ではなぜかくり返し何度もディズニーの子どもむけのコメディ映画が流れていて、わたしとMさんはピーナッツをかじったりビールを飲んだりよしなしごとを話したりしながら夜が更けるまでそのコメディ映画をながめ続けていた。
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デートの後につける日記が好きだから、今日はそのまま載せてみようと思う。思い出しながらほんのり体温の上がる感覚はほかの何にも変えがたく、ゆきさきや表情を脳裏に並べて愛に耽る。だからいま瑞々しいうちにここに置いておく。
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まだ眠っているような気がしておはようの電話をかけると、恋人は寝ぼけていた。ほんのりと不��嫌な声は子供のようで、そんなところが良いなと思う。
目的地へ向かうときわたしはいつも緊張している。それは何年経っても変わらずで、いつも通り期待と不安に心を滑らせていると、茅場町のあたりで誰かがわたしの肩に触れた。それは偶然同じ車両に居合わせた恋人で、驚き、曖昧な返事をしながらイヤホンを解く。
電車を降りてからの道中はおだやかな公園で、築地に住めたら最高だ、3万で住まわせてくれないかな、なんて会話を交えながら光の中をまっすぐ歩いた。
GWの築地はごった返していた。有名な卵焼き屋さんはディズニーみたいな行列、定食やラーメンにも振られて結局大きな海鮮丼屋さんに辿り着く。一番上のページに載った、程よい値段と具の海鮮丼を頼み夢中で食べ、築地全部ここにあったね、と食後の温かいお茶を啜った。
満腹で、コンビニのコーヒーを携え つぎの目的地へ。迂回と旋回を繰り返しながら彷徨う路地裏が好きだから、そうしてみる。すしざんまいの本店や、喫茶営業もしている中華料理店を見つけて、路地に座ったり。ゴールを前にしてナチュラルローソンに寄って店内を物色、とかもした。知らない土地へ出向いたときのわたしたちは、野良の二匹の生き物になる。
目的のぬいぐるみ展はすごくキュートで、雑貨をちょこちょこ買ってしまった。恋人もポテトチップスという名前のキャラシールを買っていた。
そのまま銀座へ、広い道路、歩行者天国は現世で唯一行ける天国だなあと思う。天使の気持ちのままふわふわ、GINZA SIXへ吸い込まれてみる。悪魔みたいな値段の服が所狭しと並ぶから、とりあえずお金持ちごっこをする。
楽器屋やおもちゃ屋や喫茶店をハシゴして、その道中でした会話は、新橋はキャッチが上手だね、精力剤のお店がいたるところにあって変ね、あ���神社だね、ここにも味仙あるね、喫煙可能店多くてうれしいね、ね、みたいないつも通りので、でもお散歩ってどの街も楽しくて凄いね、だけ何となく恥ずかしくて言えず、心の中に留めた。
さいご、新橋らしい居酒屋へ行きたくて、雰囲気でお店を選ぶ。引き当てたお店はもう名前を忘れてしまったけれど、お魚が美味しく、ふっくら脂の乗ったほっけは最高で、蟹味噌を舐めながら恋人のお酒まで貰ったりした。お酒を飲んでいる時も、コーヒーを飲んでいる時もわたしたちはあまり変わらない。美味しいものを分け合い、一口ずつもらったりして、お腹と心が暖かくなるまでそれを続ける。いちばんしあわせな時間だと思う。
普段ならこのままふたりで家へ帰るけれど、お互い用事があったので、ここでお別れすることになっていた。勿論またすぐに会えるのに、デートを繰り返していても何だか寂しくて、今度はわたしが子供のようになってしまう。
ぐずぐず駄々をこねながら改札を超え、またね、頑張ってね、って言ってバイバイをした。別れぎわ最後の不意打ちの抱擁や口づけの尊さ恥ずかしさ愛おしさを、ずうっと信じていたい。
何もなかったようにわたしたちは別れ、触れ合っていた指先がはなれてなら冷たくなるまでの過程や、視界から相手が消えた瞬間のシャットダウンする感じを誰にも悟られないように、またイヤホンを挿した。
茅場町を過ぎる頃指先は冷え切っていたけれど、胸の真ん中はしばらく熱いままだった。
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恋人じゃない男性からのプレゼント、「女ってこういうの好きだよな~」で贈られると「こう見られてるんだ…」と思って複雑な気持になることもしばしば…自作パソコンが趣味な男性が、門外漢の女性から「パソコン好きでしょ?」って変なブランドのパーツもらっても「こんなん使わねえよ」って思うのと同じというか…本当にウエメセでごめんだしもらったらちゃんと喜ぶ仕草するしお返しもするけど正直な気持ちはこんなところ。無難で面白みに欠けるが私はとても嬉しいデパ地下のお菓子(最高!!!!)ちょっといいおつまみ(最高!!!!乾きものなので軽いし最高!!!!)ハンカチ(何枚あっても腐らないし最高!!!!)靴下(いくらあっても嬉しいから最高!!!!)ご飯をおごってくれる(最高!!!!)人によっては嬉しいしプレゼントの定番だけど私は微妙デパコスのリップ(ジル・スチュアートとかDiorとかキラキラすぎて使わないからもらっても微妙だし、女子大生感が強すぎて気恥ずかしい。さっしーがマキシマイザーもらって嬉しくない女はいない!と言ってたけどここにいます)花(恋人じゃない人からもらうと気恥ずかしいし、移動中も気恥ずかしい。家でもらうならまだいいけど…)ワインとか酒(重たいので持ち帰るのがダルい)紅茶・珈琲(飲む習慣がないので余らせがち…)食器(家のものは統一感持たせてるのでもらっても困る…あと酒と同じで重たい)よくもらうけど嬉しくないロクシタンのハンドクリーム(好きなブランドのあるからわざわざいらないです、あとデパートの一階にありすぎ��せいで安直さが感じられて嬉しくない)ラッシュ・サボンの入浴剤系���匂いがきついし風呂に詰まるからあんまり嬉しくない、会社のビンゴ大会の商品っぽい)ゴディバのチョコ(販路広がりすぎてコンビニで買った?と思っちゃう、あともう普通においしくない)ディズニーとかのキャラもの(シンプルに使わないです…)書いてて思ったけどデパートの地下一階~一階らへんに売ってるもの※コスメ除く が無難で一番良いかもです。男性版も見てみたいな。
(※3/6 追記) 朝起きたらたくさんブコメついててびっくりした!!! 元増..
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数の意味と私
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学生時代に授業を受けた証に教授から配布される出席カードに氏名と学籍番号205–585を記していたので、意味の無い数字の羅列をいまだに覚えております。
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今覚えている数字といえば達成すべき予算くらいでしょうか。その数字に意味があるのかと思う位の高い金額なのでそれは経営層の願望だけが記されたように感じています。
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願望と言うか人間が持つ煩悩の数と言えば108が挙げられますね。108と言えばWindowsの日本語キーボードもこの数が主流な気がします。
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英語のキーボードで一番少ない数だったり、ダルメシアンが登場するディズニー映画そして1991年に武田鉄矢さんがドラマの中でしたプロポーズの数といえばこちらでした。
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と言うわけで本日のランチは浅草妙見屋ビル101号室に入る #MAPLEPIZZA #メイプルピザ です。以前訪れた際は #skip と言う喫茶店でした。
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頼んだのは #ペパロニスライス 550円と #ガーリックノッツ 220円、ドリンクは #スプライト 330円です。
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#Sprite は自分で冷蔵庫から取り出して #ピザ は温めてから出してくれるようです。着席して店内の様子をキョロキョロしているうちにやって来ました。
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まずはガーリックノッツを頂きます。もちもち食感のパンと #ガーリック と #オリーブオイル の味わいが素敵でこれは頼んで正解でした。
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そして久しぶりにビール以外の炭酸飲料をいただきました。炭酸強目で刺激がありつつ、スッキリした飲み口でほのかに甘いのが濃い味によく合います。
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#ペパロニピザ はチーズたっぷりでトマトの酸味とのバランスがいい感じで、どこでもありそうなのにどこでも無いような味わい。
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小麦粉の美味しさとサラミのアクセントを感じとることが出来る幸せな瞬間でした。次回は日替わりピザとビールを楽しんでみたいですね。
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ジオタグが出ないので住所を記すと東京都台東区寿2-4-8 です。
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#田原町ランチ #田原町グルメ #田原町ピザ #浅草ランチ #浅草グルメ #浅草ピザ #とa2cg
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大咲真白まとめ話
「三月うさぎと不思議なテーブル」の自PC「大咲真白」設定メモを全部載せした総まとめブログです。
・大咲真白 好きなもの:可愛いもの。美味しいと言って食べてくれる人。誠実な人。いちご。 嫌いなもの:否定や放置をされること。冷めたご飯。体調などの理由なく料理を残されること。
・名前の由来 →「よく笑う」→わらうは咲うとも書けるので「大きく咲う」の意味で大咲。真白は何も知らないまっしろな子、という意味でPLが背景を取り込んでつけたけど、PCとしては冬生まれなので「雪が積もって一面真っ白な日に生まれたから」というバックがあります。 本編墓下の「雪が解けたら春になる」はそこをちょっとサルベージしてました。
・幼少期~高校卒業まで これもう村では書かない(真白個人が過去を昇華しているので)からここに置いておく気持ち。 父親は多分生まれてすぐ母親に愛想つかして離婚した。養育費払って特に新しい家族も作らず一人で生きてそう。真白も父親は「いないのが普通」なのでマジ気にしてない。 幼少期はどう���てられたのかなーと考えた時、まあ多分ベビーシッターを養育費とかで雇って育てられてる気がする。遠足のお弁当とかは無いからお金の代わりにコンビニのおにぎりとか置かれてそう。 小学校入ってからは時々「みすみ」でご飯食べたり(ここが手料理の一番最初の記憶)、コンビニとかスーパーのお惣菜。料理に手を出すまではそんな感じで、遠足の時に多分お弁当じゃないのを変に気遣われたりからかわれたりして、でも顔が可愛いからいじめられはしないみたいな生活。小学校入る直前くらいが一番母親と会ってた時期だと思う(母親は明るめの茶髪に化粧バチバチ勢) 料理は最初の方は失敗続きだったけど、初めて「自分にもなにか出来る」ことが楽しくて続けて才能があったパターン。最初に失敗したのは卵焼き(殻が入って焦げて崩れた)、最初に成功したのも卵焼き。堅実に積み重ねていくタイプ。 で、「一緒にご飯食べたい」とは言えないまま何年も料理を作って置いては翌朝そのまま残されてる冷めた料理を温め直して……の繰り返し生活ですね。 中学は普通に小学校の子たちがそのまま進学する地元の中学。得意科目は家庭科(調理実習)、国語。苦手科目は数学、理科。 そのまま問題なく、母親に負担をかけない高校へ行きって感じ。
契機はやっぱ「母の日に作ったケーキゴミ箱行き事件」。これが高校一年生の母の日。 そこから荒れて、留年したりしない程度に授業サボったり、同じような家庭環境に難ありの子たちとつるんで大人に迷惑かけない夜遊び(補導される前に帰るし男遊びはしない)してた。ぷらいべったーのSSの感じですね。口数少ないギャル系。 顔は一軍・でも所属グループはどこにも属さない独特のところ。誰にでも分け隔てはないし話すと愛想は悪くないので密かに人気。 ここで苦手科目に英語も加わる。頭は悪くないけど出席率がね…。 でも普通の青春にすごい憧れはあって、皆で明るくわいわいしたい気持ちがあったので、これがゲイザータメ口の理由になるんだなぁ。 卒アルはまだ黒寄りの暗髪(地毛こっち)だし今よりやや幼い顔。寄せ書きには女子の名前しかない。日常風景の写真だったり、修学旅行の写真も独特の雰囲気あると思う(笑ってるけどつまんなさそう) ランキング系にも全然名前出てこないけど、「実は好きだった女子ランキング」とかで突如一位に名前が出てくる。あと料理が上手い人ランキングにもいる。 球技は得意じゃないけど体力系は得意。持久走で悠々と友達置いていくタイプ。
・卒業���~就職まで 卒業後は髪を染めて「可愛い」により妄念を抱くことになる。 マロンブラウンは母親と同じ色だから。同じ茶髪になったら娘だと思ってくれないかなとか、可愛いからあの色にしてたんだよね?なら同じ色にすれば可愛いと思われて今からでもやり直せないかな?とか。 調理の専門学校へ行きたいと言えず高卒でバイトしながらぼんやり生きてた。バイト先は飲食オンリーだったと思う。キッチン。 でも「このまま腐るのは嫌だ、こんな自分が一番可愛くない」ということも分かっていて、変���るきっかけをずっと探してた。そこからうさぎの穴にたまたま来店し、後は本編ロル通り……って感じ。
・けいちゃんタメ口なんで?の零れ話 ところで真白、勤続歴での後輩だったりにはタメ口だし、先輩sには敬語なんだけど、ゲイザーには「けいちゃん」だしタメなんですよ。 これゲイザー本人の雰囲気も勿論あるんだけど、「ゲイジーパイ伝説」があまりにも真白にとって理想の「調理部エピソード」というか料理が関わる青春の話で、勝手に親近感というか、「こんな人が同級生にいたらなぁ」という願望の結果なんですよね。 けいちゃん呼びもタメ口も「していい?」って許可取ってからやってるし、「マシロん」呼びも前述のことがあるから余計嬉しかったと思います。PLは。
本編中の真白が「ずっとなりたかった自分の姿」だし、根が善性で健気というか、「気持ちを受け取ってもらえないこと」で傷付いた過去があるので「相手からの気持ちは絶対否定したりしない」性質があります。褒められて「そんなことないです」は言わないし、けいちゃんに一回目のクッキーを商品には向かないと言われても「そうだよね、真っ向から言えるけいちゃんは正しいよ」って言ったのもそう。真白には正論だったし。あといちごの国の嫉妬の仕方も真白のこれが表れてると思う。
恋した相手が夜綿さんじゃなかったら「母親の愛を受け取らない」という唯一の「気持ちの拒否」は出来なかったし、あそこは真白個人のメインテーマとしてめっちゃくちゃ重いので、失恋ルートだったらこっそりケーキを食べて貰って美味しいよって言って貰って、それだけで幸せだよね、こんな未来を得られただけ奇跡だよって言い聞かせて前向きに生きるエンドだったと思う。 でも奇跡的に想って貰えてたのでこれからは色んなデザートを作るしお祝い事にケーキを焼ける。はっぴー。カメラも影響されて買うことから始まり、普通に新しい趣味としてハマりそう。 実家にご挨拶行く時は物凄く緊張しながら可愛い系じゃなく綺麗系で伺うし、髪も下ろして巻いてハーフアップにしたり、前日は緊張でトチ狂って「スーツのほうがいいですか!!??」って面接じゃねえんだぞ的な焦り方もする。夜綿さんは実家に泊まって色々語り合うだろうから邪魔しないでおこう、と思ったら一緒にホテル泊まる流れになって「あぇ???」てなる。
(すごい余談)
真白、まほいくなら「ペチカ」とか「プリズムチェリー」の立ち位置にいそうな成長物語を「村の出来事とお相手さまの存在を経て」成すことが出来たなーと思ってます。重い過去のわりに本人が本編開始時点でそれを気負わず「生まれ変わったつもりで」明るい大咲、に終始していたからか、The・光属性な感じ…。闇属性ではないなー。 サンリオならシナモン好きだろうし、ディズニーならダッフィーフレンズシリーズだし、ユニバならティムが好き。そんな雰囲気。 肩が出る服は本人の好みですね。1stイエベ春、2ndブルベ夏の骨格ウェーブ。 服はSNIDEL、MERCURY DUO、riendaイメージです。 好きなポケモンというか似合うのはマホミル、マホイップ、ペロッパフ、ペロリーム。
そんなまとめでした。
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#384_1215
1215
会うたびにわからないを更新する友達と合うわからないけどわかろうとする意志がまだ私の中で残っている 愛おしくて愛嬌満点な彼は今後どうなるかたのしみで
人よりいろんな発言や思惑を重く受け止めてしまう癖がある だから誰が何を言おうと、ほんとに?と内心で思いながら話題に心がついていかないときがある 久々にお酒飲んでぐちゃぐちゃな居酒屋に行ったけれどあんまり居心地がよくなかった めちゃくちゃ居酒屋で四人ともホットの烏龍茶頼んだ お酒を飲まなくなってからちょっと体調がいいし、健康 ハレの日にのむからよい 袴でディズニー説と台湾卒業旅行説がでている 決行されることを祈る
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大阪
いつのまに瞼を擦ったのだろう。手のひらでアイシャドウが煌めいている。飛行機から降りた途端、エスカレーターの立ち位置が札幌と逆になっていて一瞬戸惑う。仕事が終わってすぐに地下鉄と電車を乗り継いで飛行機に乗ったから、大阪に着いた頃には22時を過ぎていた。乗り間違えたら朝まで新世界で呑む羽目になるけど、まあそれも面白いかもと、緩やかなプレッシャーを携えて終電でホテルへ行く。街灯に照される見覚えのある風景、だけどそれは初めて見る風景だ。あ、ここ。と何度も錯覚する。チェックインした頃には0時半を回っていて、近くのコンビニで買った缶チューハイで乾杯。2泊3日ではあるけれど、大阪1日目は1時間半で終わって、「いや〜1日目楽しかったねえ」とかふざけて早々に眠る。
ガイドブックに載っていない良店が知りたくて、ここで呟いたらお2人から返信がきた。ユニバの招待チケットを譲ってもらったから大阪に来たのだけれど、わたしは高校の修学旅行でディズニーもユニバも行かずに、食べ歩きと伏見稲荷を選んだ人生だ。せっかくだから旅行の合間でどこで呑んでどこでお茶しようかと企んでいた。
怒涛の終電チェックイン翌日に行くユニバはそれなりに楽しかった。ジオラマを眺めるかのような面白さがある。一応、ジェラシックパークの恐竜カチューシャを着けて回った。こういうのは振り切ったもん勝ちだからと思ってはしゃいでみた。でも、その日の午前に行った海遊館のジンベイザメも楽しかった。映画を予習してたらもっとユニバを楽しめたのかもしれないけれど、巨体をゆらゆらと翻して回遊するジンベイザメを一日中見ていたかった。小さな小さなセーラ服に体育帽子を被った幼稚園児の団体と一緒になって魚を見て回る。遠足だろうか。子ども特有のふにゃふにゃした声色で、かわいいかわいいと連呼している。“わ”の部分にイントネーションが付いていて、こんな小さな頃から大阪人なのかと当たり前のことを思う。
夜は、教えてもらった“十忠八九”という海鮮居酒屋に行く。名物だと言う生サー��ンレアフライもどれも美味しかった。店員がみんな仲良さそうで良かった。かと言って雑然とした接客じゃない。傘がないと言ったら、帰り際に大きなビニール傘をくれた。いつかの客の忘れ物らしく、どうせ取りに来ないんで要らなくなったらどっかほおってくださいと言う。訛りのある敬語に甘えて、傘を差して帰る。旅先の雨だと言うのに気分が良い。「なまら美味しかったです!」と教えてくださった方にメッセージを送る。
次の日は大阪城へ。3年ほど前に弟と大阪に来た時はかなりゆっくりできたから、新世界と通天閣、道頓堀、太陽の塔までみれたから大阪の観光で行ったことないのはあと大阪城ぐらいだった。日本史を履修していないし、戦国時代はよくわからない。天守閣まで登って、ぐるりと回って大阪の街並みを見る。展示は、兜や屏風など目に留まるものだけ解説と合わせて見て足早に城をでる。わたしの目当ては大阪城ではなく、その横で静坐している珈琲屋だ。これもまた教えてもらった“ばん珈琲”という店だった。この方は質問箱に匿名で教えてくれたのだけれど、文章でなんとなく誰だかわかった。大阪ってたこ焼きとか虎柄とかあめちゃんとかのイメージが強かったけれど、失礼ながらこういう生活を営む大阪人もいるんだなと素直に思った。静かだけれど、強要されるような圧力はなく、ただただ上質な珈琲をしっとりと飲める店だった。少しだけアイスコーヒーを残して、ミルクとガムシロを加える。小さな氷がジャラジャラとぶつかり合う音が、店の隅まで聞こえてしまいそうだった。他にもお店を教えてもらってたけれど、時間が合わなくて行けなかったから次来た時に行く。麒麟堂ってところにも行きたかった。忘れないよう位置情報をブックマークしておく。
空港まで帰る電車で通天閣を横切る。鉄道はずっと街の上を走っている。街並みが圧縮されているなと思う。同じ車両に乗っているはずなのに路線の名前が変わるのに少し焦る。たまに道外に出てしまうと人間として根詰まりしちゃってないかな、いろんな場所を旅行して心底惚れた街に住むのもいいよなと思う。ともかく観光チックになりすぎない観光っていうのが性に合ってて良かった。死ぬまでにまたこの場所にくるのだろうかと思いながらその場所を歩きたい。知らない地の誰かの生活に倣って過ごすことで、こんな人生も良いよなと想像してみる。
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10.18(月)
周りの女の子より、占いに、熱心じゃなかったなと昔から思う。というよりも実は自分が物語の主人公で、中心でいることに興味がなくて、お姫様体質じゃなかったと言える。目立ちたいけど、目立ちたくない。隅っこで面白いことをしていたいタイプ。
そんなわたしでも寒いと無条件に落ち込む。眠る時間が長くなる。そんなわたしだからこそ、たまたま目にした占いが、「明日を皮切りに運勢が好転する」と見かけたものだから、心に留まるくらい、嬉しくなった。そんな日がたまにはあったっていいでしょ?
10.19(火)
ディズニーは夏の映画ばかりつくる。気分を変えたくて、仕事中に昔観た映画を流す。
寒くていいと思うことは、本がいつもよりも少し読みたいと思うようになることと、お茶がおいしく感じること。寒そうな雪が積もる、スヌーピー の雪景色を眺めた。今晩はゆったりした夜にしたいな。
10.20(水)
あんなに静寂に憧れていたけど、悔しくも自分の原動力って「人」なんだなぁ。もっと言うと、誰かと飲んだお酒、でもそれで自分が動くなら悪くないし、それで奇跡を起こせるなら、いくらでも起こしていこうよ。寝ている暇も落ち込んでいる時間もない。無理矢理に自分を起こして、友達とハグして別れた、東横線の夜。
10.21(木)
わたしの心をギュッと掴んで離さない君は、本当に本当に優しいひと。人は感動によって変わるし、感動によって強くだってなれる。わたしも与える側になりたい。
10.22(金)
朝からワクワクしたのは、久しぶり。旅の予定があったから。毎日も旅するように生きられたら。芸能活動をしている後輩は目がキラキラ輝いてた。素敵なあの人もそう。きっと素敵なものを見ることに忙しくて、退屈している暇がないのだ。
そう言えばわたしの夢は、お姫様でもお嫁さんでもなく「毎朝ワクワクして目が覚めること」だったわね。
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the thing being twisted was not just wonderland but my values.
私は人生のほぼ10割を、ディズニー傘下の元でフラフラすることに費やしてきた人間だ。
私のディズニーの入り口は遡る事2X年前、WOWOWだかで放送されていた、ディズニー短編アニメーションの寄せ集めだかなんだかだったと思う。それから私は長い間、ディズニー傘下、ひいてはUSにて創られたコンテンツに触れる時間がほとんどだった。だから、国内アニメやゲームなどにはほぼ触れることがないまま大人になった。
ここ数年は特に、私が好きになるコンテンツが所謂"Woke culture"に属していることは多かった。Woke Cultureとは、社会的問題の認識がある、つまるところ「目覚めている」カルチャー全般を指す言葉で、日本語で近い表現だと「価値観がアップデートされているジャンル」だと思う。(今ではwokeという単語自体、右派から揶揄として使われたことが増えたけれど。)
私は社会の最先端を行き、世界で起こっている問題を取り入れていれながらストーリーを展開させるコンテンツが好きだったし、それを好きでいることも誇らしかった。いや、今も誇らしい。「ポリティカルコレクトネスのせいで世界は退屈になった」という言葉を、物語の深さと美しさ、そして面白さで踏み潰し、様々な人々に手を差し伸べる私の好きなコンテンツたち。それらは、白黒だった私の世界に色をつける事ができる可能性を教えてくれた。
しかしながら、同時に自分が知らないもの・見た事もないものに対する恐怖や嫌悪がどんどん増幅していたことも感じていた。特に、国内コンテンツに対する意識は、私の中で「woke cultureではない」というカテゴライズをし、あまり目にしないようにしていた。
それは、なにかの拍子に見たスクリーンショットに写っていた女の子の胸が異常に大きく性的客体化されていただとか、元ネタも知らないような二次創作にホモフォビア的言葉が使われているのを見かけたとか、ひいては好きなコンテンツが輸入された途端にジェンダーバイアス色の濃いマーケティングを打たれたとか、そんな事が積み重なったことがきっかけだったと思う。自分が生きている世界に蔓延した価値観の現実を目にするのが嫌で、見ないもの���としてカテゴライズして嫌悪していた。
そんな中で去年の冬頃にツイッターをウロウロしていた際、またま一つのツイッターアカウントを見つけた。「ディズニー Twisted Wonderlandの公式アカウント」とプロフィールにかいてあったと思う。
私はその時点でディズニーのゲームをほぼプレイしたことがなく、ツムツムだとかキングダムハーツは人伝の話でしか聞いた事がないし、その他のゲームに関しては全く実態を知らなかった。なんとなく気になってそのアカウントのツイートを遡ってみると、まだツイートは多くない様子だった。しかし、投稿されている画像を私は目にした際、状況を理解するまでに時間がかかった。
そこには、ディズニーヴィランズ(ディズニーの悪役たち)がリファレンス・またはインスパイア元となった、日本アニメ作画的な男の子(おそらく)が並んでいた。キャラクターの名前と、絵と、何か一言が添えられた画像が淡々とアップロードされており、思わず「ウケるんだけど」とRTをしたことも記憶に新しい。
「契約を果たせなかった貴方が悪い」とか、「今に見てろよ」みたいなセリフとともにそこにいるアニメ作画のハンサムな子たちは、私に薄い恥ずかしさを覚えさせた。私がその薄い恥ずかしさを感じたのはこれが初めてではなかった。
それからツイステッドワンダーランドは頻繁に目にとまるようになった。東京駅に大きい広告が出ているのを見かけたり、ディズニーストアで買い物をした際、丁寧にほぼフルカラー印刷されたしっかりとしている本を無料で渡されたりもした。その度に、Cringeのような気持ちを覚えていた。 (Cringe・・・見ていて恥ずかしい気持ち が近いかも)
友達にも「あのディズニーの悪役のゲーム知ってる?」と聞かれる事が増えた。面白おかしく茶化して、ウケるよね、みたいな話をしていたと思う。
そんなことをしているうちに、知らない間にツイステッドワンダーランドがローンチされていた。友達が既に始めていて、「思ったゲームと違った、乙女ゲームではないようだ」と教えてくれた。
ツイッター上でも「シナリオがしっかりしている」という意見を散見するようになった。私は正直、嫌悪するにしても知ってから嫌悪するか、みたいな気持ち半分、どんなトンチキが出てくるんだろうという好奇心半分でダウンロードをし、プレイしてみることにした。
先述した通り、スマホゲームに触れずここまで来た私にとって、「ソシャゲ」は未知の世界であり、1ミリとして想像のつかない世界だった。ぼんやりと、なんか 「俺にしろよ・・・・」みたいなハンサムが四方八方から壁ドンをしてきて、誰とデートするか選ぶみたいなゲームだろう、みたいな予想だけを胸にゲームを始めた。
このゲームは、私の名前と、私が操作するキャラクターの名前を別々に決めることができる。システムがそうなっている理由は未だにわからないが、私は自分の名前が呼ばれたら恥ずかしいな、と思い私が好きなスターウォーズのキャラクターを主人公の名前にした。
結果としておそらくインストラクションであろうチュートリアルの部分を終わらせるだけで何日も何日もかかったし、チュートリアル部分が終わっても、システムのことは2割も理解できなかった。
とりあえず、この学校はディズニーヴィランズどもを崇拝しており、おそらく彼らの存在は伝説レベルで昔であること。
また、私のおかげで高校生の子二人は退学を免れ、ビューフォード(from フィニアスとファーブ)と同���声を持った猫は私と一緒に行動することになり、私も学校に通えることになるらしい。
そこに通う子達は、元ネタであるディズニーヴィランズの擬人化でもアニメナイズでもなく、別人格であり、直接的に子孫であるわけでもない。それがひとまず私がわかったことだった。チュートリアルを通し、青い髪の毛の子と赤い髪の毛の子は、私のおかげで少し仲良しになったみたいだった。私は喧嘩ばかりしていた二人が仲良くなってくれたのが、純粋にうれしかった。
そのまま「想像していたよりもデートに誘われたりしないんだな、へえ」とか思いながら適当に画面をタップをしていたら、知らない曲と一緒に映像が流れ始めた。おそらくオープニングタイトルで、知らないキャラクターたちや、何かで見た事のあるキャラクターたちがアニメの絵で動きまわる。ディズニーはこのゲームに本当に力を入れている、此処まで辿り着くのにどれだけの人が苦労してローンチまでこぎ着けたんだろう。
その時にふと、「私は何故、画面の中にいるハンサムたちが私に話しかけてくる事を恥ずかしく思うんだろう」と考えた。ロジックとしては、「ミッキーマウス クラブハウス」でミッキーマウスが世界の子どもたちにテレビの中から問いかけるのと何ら変わらないはずなのに。
私はなぜ乙女ゲームでないことを聞いてプレイする気になったんだろう。なぜ私は最初から薄い恥ずかしさを覚えていたのだろう。なぜ私は、ツイステッドワンダーランドが乙女ゲームでないことを「評価してやる」という気持ちなんだろう。私は最初に何を嫌悪し、何に好奇心を持ったんだろう。
私は、今までのこの薄い恥ずかしさを覚えたことがある瞬間に、思いを巡らせていた。2.5次元舞台を初めて観に行った時、某テーマパークで男の子達だけが出るショーを観た時、別の某テーマパークで某アトモスフィアが始まった時など、数えたらキリがない。私の中にこびりついて離れない、一定の何かを見ると覚えるうすら恥ずかしさ。それは、なんなんだ。
”それ”はおそらく、いや、確実に、心底ではわかっていながら無視してきた、ミソジニー、つまり女性蔑視だ。私の心の底にこびりついて離れない、恐ろしいミソジニー。
幾度となく覚えた「薄い恥ずかしさ」は、別にキャラクターに名前を呼ばれる照れから羞恥を覚えたのではないのだ。
つまりわ自らが該当コンテンツの一部になることで、世間で固定的な価値観から揶揄されてしまっている「夢を見るオタクの女性」になってしまう可能性、対する羞恥心であり、それは紛れもなく「ハンサムなアニメのキャラクターに夢を見る女性」という存在を、私が蔑視していたということになる。
あまり調べてもないのに、心の片隅で「Woke Cultureではないだろうから、だから別に、」というもっともらしいをつけて嫌悪していたくせに、自分は内在的ミソジニーに気づけてもいなかったじゃないか。
一層ではなく、何層にも積み重なり確実に私の心底に根を生やしていた、自らのグロテスクな偏見と目を合わせることがあまりにも久しぶりで、なかなか事実を飲み込むことが出来なかった。
私はファンガールという存在を知ってから、ファンダム文化が大好きなつもりだった。
ファンは、信じられない力でどんなことでも可能にする魔法のようなパワーを持っている。18歳になるくらいまで二次創作の存在さえ知らなかった私にとって、見た事のない熱意を持って好きな事を話すファンが私は好きだった。けれど、その「熱意が好き」という気持ちは私の中であくまで「知的好奇心」の範疇であり、存在自体をイコールとして自分が見ていなかった事が、ショックだった。自分が今まで支持してきた思想と対局の意識が私の中でどんどんと芽吹き、自らで視野を捻ってたなんて。
しかしながら、自分の内在的差別心や偏見に対する気づき、軽蔑と嫌悪を覚えたのと同時に、不思議と心が軽くなった事も事実だった。私はこの恥ずかしさを覚える必要はないし、覚えるべきでない。偏見に塗れた私の羞恥を捨てることは、私自身への肯定でもあり、私が好きなファンダム文化への真の賛同なのだから。
ツイステッドワンダーランドは、私の捻れ切きった価値観を全く予期しない形で再度捻ることで、別の新しい世界を見せてくれた。
ーー
毎日、ツイステッドワンダーランドについて様々な意見を目にする。上記した考えは私の中だけであって、当たり前ながら意見の数だけ様々な考えがあると思う。私も、ゲームの中で描かれている価値観に対して疑問を投げたくなることは幾度とあるし(何度も言っているアズール・アーシェングロッドさんへのBodyshamingなど)少し前の自分であれば、もしかしたら目にもしたくなくて、単語を片っ端からミュートにしていたかもしれない。
原作にはなかったヒューイ・デューイ・ルーイに個を加えたダックテイルズや、シュガーラッシュ2で描かれたOhmidisney上のディズニープリンセスと同じで、エンターテイメント界のサノスだと言われているウォルト・ディズニー・スタジオ社が広げた大きすぎる傘の下にいる以上、きっとこれからも類似したケースは断続的に起こるのではないかとも思う。
その度にきっと、ファンを失ったり、得たりしながらも、それは続いていくのだろう。もしかしたら私もまた、壁にぶつかるかもしれない。けれど、それと同時に、こうやって何か新しいことに気づく瞬間があるかもしれない。そう思うと、私はワクワクする。
ーーー
この私の内在する差別心に気付かせてくれたソースの一つに、私の好きなファンガール文と、それに対する社会についてのTEDTALKがある。
「イヴ・ブレイク;熱狂的なファンの女の子たちのために」
https://www.ted.com/talks/yve_blake_for_the_love_of_fangirls?utm_campaign=tedspread&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare
「なぜ彼女たちは 控えめにすべきなのか? 頭がおかしいから? それとも『理にかなった』態度の定義が、「男性に受け入れられるための行動」に基づいているから?興奮して全身で叫ぶ若い女性を目にしたときに感じてきた批判的な考えを見直してみてはどうでしょう?その喜びを表現するのに用いる言葉を見直してみては? 女の子たちを貶めるのをやめてはどうでしょう?彼女たちの知性や関心や能力を過小評価するような言葉を 使うのをやめるのです 」(同サイトより翻訳引用)
”We can all die tomorrow, so why not love things while we're still breathing? ”
明日死ぬかもしれないんだから、息をしているうちに好きなものをめいいっぱい愛そう。
自分にかけられた呪いに対峙しないと、その呪いを解く事は難しい。ツイステッドワンダーランドを初めて知ったあの日とは全く違う気持ちで、ディズニーストアでだいぶ前にもらった、適当にほったらかしていた公式アンソロジーを引っ張り出してきて開いてみた。表紙の端は折れているし、しっかりしている紙なはずが適当に保管していたせいか、よれよれになってしまっている。そうか、あの「今に見てろよ」みたいな台詞は、ジャミルくんの台詞だったんだ。あの時開いた際に感じた恥ずかしさは私を襲ってこなかった。
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2021/7/24
朝、目覚ましより先に目を覚ます。相変わらず遠足が楽しみで早起きしてしまう子どもです。すると雨が降りはじめ、なぬ! と思っていると、すぐに雨は止んで、むしろ陽射しが窓から注いでくる。浮きうきで支度をしていると、Nから連絡が来ている。Tが美容室に行くから午後からにしてほしいと。それならカリー食べられるじゃん、となり、予定通りに家を出る。今日も積雲の多い晴れ。上昇する夏のイマージュ。熱気球や光のきらめきを感化しながら、ふたりに会えるのが楽しみで仕方ない。
オープンと同時にOさんのお店に入る。今日は早いですねって驚かれる。この時間はいつもお客さんが少ないらしく、ほんとうにひとりもお客さんがやってこない。久しぶりに音楽談義に華を咲かせる。一昨日ひさしぶりに聴いたAC/DCが凄いかっこよかったってはなしから、Oさんは意外にもAC/DCの大ファンだと知れる。こう言っちゃあれですけど、AC/DCってバカのひとつ憶えっていうか、そんな感じだからバカにされがちだと思うんですけど、あの潔いギターがかっこいいですよねって。すると、Oさんも同じ意見で、そうなんですよ、アンガス・ヤングって腹くくってギター弾いてるんですよね、そういう姿勢に惹かれるんですよ、どの曲も同じような感じなんですけど、ある意味でミニマルミュージックなんですって、かなり良いことを言う。ものすごく共感する。アンガス・ヤングのように腹をくくっているギタリストをもうひとり思い付き、キース・リチャーズもそんな感じですよねって。すると、Oさんも同じ意見で、そうなんですよ、僕のなかではアンガスとキースは同類ですね、キースのギターもミニマルミュージック、ひとつのことをどこまでも突き詰めた職人芸ですよねって。お客さん、ほんとうに一人もやってこず、音楽談義が白熱する。
湘南新宿ラインで待ち合わせ。毎度のこと待ち合わせがめちゃくちゃ下手くそなわれわれ。時間を過ぎても誰とも会うことができず、平行世界(パラレルワールド)のことを考える、じぶんだけがいま待ち合わせの存在していない世界線にいるのではないか、と。偶然会うことは得意なのになぁ。そしたらNから連絡が来ていて、Nの居るらしいプラットホームの場所に向かう。Tにも連絡をする。遠足スタイルのNにようやく会うことができる。TからはOKサインがきている。ところが待てども待てどもTの姿が見えない。乗るつもりだった電車が行ってしまったそのあとすぐにTがひらひらとやってくる。バッド・タイミングすぎて、ある意味でグッド・タイミング。そんなのも関係なくTが久しぶりのNをわぁーーっと抱きすくめる。こんな光景を見られただけで大いに大満足で、わざわざこれから海に行かなくてもいいくらいに今日という一日を達成してしまう。これは勝手な偏見かもしれないけれど、ふたりはいい意味に左右対称というか左右非対称で、たぶん、おたがいに自覚していない長所をそれぞれに強く持ち合っている(コントラの感想もきれいさっぱり真逆だったし)。だから、ふたりが一緒にいると最強(最狂?)という感じがするし、ふたりはほんとうにいい友であると思う。
湘南新宿ラインのボックス席、昨日セブンでNに教えてもらったアンダー・ザ・シーをTも知っているかどうか5月8日のピアノの録音をTにも聴いてもらう。録音の日付を見ながら2カ月以上も気になり続けていたんだなぁと思う。電車で音が聴こえ辛いこともあってか、Tはまったくわからない模様。Nにも聴いてもらうと、すぐに昨日のあれねっとなる。Nとふたりでメロディを口ずさんでTに聴かせる。そんなこんなでディズニーやジブリのはなしになる。すでに何回も観ている映画にコメントを付けたり、ツッコミを入れながら観るやつやりたいなぁと思う。窓の外は積乱雲がものすごい。移動の時間が大好きだなぁとあらためて思う。どこかに行くっていう目的も目的でいいけれど、それに伴う移動の時間は目的に付随する二義的なものではなくて、むしろ、移動の時間のなかにこそ目的の限定的な立場からはみ出してそれを包摂するような自由な豊かさがあるような気がする。究極的には行って帰ってくるだけで充分なのかもしれない。
京急線に乗り換える。新幹線スタイルの座席、しかも、先頭車両の一番前の座席がロマンスカーのような展望座席になっている。生憎、展望座席は埋まっていて、後方の席に三人横並びで座る。トンネルの多い路線、トンネルの影のアーチが見えてきて、列車がトンネルの外に走り出て車内がそぞろ明るくなるたびに『恋恋風塵』の冒頭のショットを思い出す。Nは席を離れて、展望座席の後ろから展望窓の風景を覗いている。Tが今日のNちゃんの後ろ姿って小学生の遠足みたいだよね~って。前々からNが何かに似ていると思い続けてきて、ついにこの謎が解けた、トトロだってことを打ち明ける。展望座席が空いたから、そっちに移動する。窓の外は積乱雲がものすごい。線路の周りは緑にあふれ、山間の町並みは茶畑のように段々に家々が連なっている。遠くのほうに海が見えてきそうで、なかなか見えない。停車駅のひとつで、Tがその町並みを眺めながら、すごーい外国に来たみたいって。それは言い過ぎかってすぐに撤回する。大笑いしながら、まあ、イオンあるからねって。ついに車窓から海の濃いブルーが見えて三人とも大はしゃぎ。
三崎口駅に到着。電車から降りると、線路の途切れ���終着地がある。バスで水族館に行く。終着点の水族館の名前のバス停で下車すると、空き地みたいなところにマリモをでかくしたみたいな変な植物たちが疎らに群れをなしている。なにこれかわいいと三人とも大興奮。植物が生えているというより、植物のような動物がジッと立ち止まって群れをなしているというほうがピンとくる。もののけ姫のこだまみたいな感じでジッとこちらの様子を窺っている。基本的には疎らに群れをなしていながら、三体がぴったりくっついて仲良し三人組みたいになっているのもいる。マリモのなかからエノコログサが飛び出ている。Tが夜になったらきっとここには誰もいないよ、みんな森に帰っちゃうんだ、みたいのことを言う。大笑いしながら、ほんとうにそんなふうに思われる。水族館のバス停のはずなのに、水族館はまだ先にあって、しかも、けっこうな距離がある。なんで水族館の前まで行ってくれないのって何度もブーたれる。入園してすぐ、でっかいアシカが眠っている。アシカってこんなにでかいんだってびっくりする。Nはアシカにも似ているような気がする。なんだろう、ヒゲの雰囲気がそう感じさせるのかな。まずは、当水族館の押しであるらしいカワウソの森に行く。想像とだいぶ違っていて、カワウソも一匹しか見られず、ちょっとショックを受ける。自然公園みたいなところに野生のヘビに注意の看板が出ていて、さっそくハンターことTの心が燃え上がっている。ヘビ捕まえていいの?! って言うから、野生のヘビならいいんじゃないって。水族館の屋内に入る。入口のところにサメの口の骨のとげとげしい模型があって、すぐ近くまできて、その大きさにびっくりして思わず仰け反るような姿勢になると、Nになんで~って突っ込まれる、ずっと見えてたのにって。いや、近くまできたら思ったよりでかいのにびっくりしてって弁明する。館内に入るなり、いきなりでっかいチョウザメがいて目が点になる。数体の古代魚が水槽のなかでゆらゆらと身を踊らせている。それから個々の小さな水槽を順番に見てまわる。大勢の魚がスクランブル交差点のように錯綜と泳ぎまわっている水槽で、TかNのどっちだったかが全ての魚たちが誰ひとりとしてぶつかることなく泳ぎまわっていることに感心している。チンアナゴがエイリアンみたいな動きでおもしろい。二階に上る。二階は円形の壁沿いにぐるっと大きな水槽が張り巡らされていて、魚たちが回遊できるようになっている。水槽の上からは太陽の光が注いでいて、フロアのあっちこちに光や虹のきらめきが踊っている。サメが特に目を引く。凶悪そうなギザギザの口に、何よりも眼球がひっくり返ったような冷徹な目。鼻に瘤のようなものを付けているサメがいて、あれは何だろうとしばらく後を追ってみるも、よくわからない。ノコギリザメがいて、ふたりにも声をかける。ノコギリザメはけっこうかわいい感じ。見にいくとノコギリザメは泳ぐのやめて、ジッとこちらの様子を眺めている。その瞳の動きで三人を順番に見渡しているのがわかる。ノコギリザメから離れると、ノコギリザメのほうも泳ぐのを再開させる。一階に戻ると、シマ吉くんの催しが行なわれている。魚も芸を覚えることにびっくり仰天。シマ吉くんかわいい。館内を出て、キムタクみたいなペンギンを見に行く。からだを唐突にブルブルッと震わせたり、羽を暢気にひよひよさせたり、ペンギンの動きには変なメリハリがあって見応えがある。そしたら、一羽だけ気ちがいのようにからだを意味不明にくねらせながら泳いでいるペンギンがいる。意味不明に水飛沫を立てるその一羽に三人とも釘付けになる。Nが私もこんなふうに動いてみたいけど人間だからなぁ、みたいなことを残念そうに口にする。でも、Nはたまにいきなり唐突に、衝動的に常軌を逸したような動きを見せるよなぁと思う。件のことで警察署に行くまえ、小川のところで連絡待ちしているときに、いきなりNがわあああっと手に持っていた葉っぱを小川に投げつけたのはほんとうに美しかった。いったん駅に戻って、三戸浜を目指すことにする。なんでバスは水族館の前まで来てくれないんだって相変わらずブーたれながら歩いていると、車がきて道を開ける。車が過ぎて、遠いバス停に向けて再発進しようとすると、Nがいきなり手に持っていたエノコログサをわああっと振り乱しながら急接近してきて、うわわわっと腰を抜かしそうになる。なんで、なんで、いきなりそんなことするの?! Nは悪い笑みを浮かべ、だってKさん、とここでいったん絶妙な間を置き、素直にそのことを言うべきか言わないべきか迷っているような、あえて間を置くことでそのことを強調するような感じで、ビビりなんだも~ん! って。この野郎、ひとをバカにしやがって、いつかぜったい仕返ししてやるからなって心に強く思いつつ、ほんとうに最高だなって思う。ビビりなんだも~ん! いままでNからもらった言葉でいちばん嬉しいかもしれない。
バスで駅に戻り、三戸浜を目指す。収穫が済んで畑にきれいに整列しつつも朽ち果てている植物たちの残骸をTが戦時中の死体のようだと形容する。あるいは向日葵の蛍光色の質感、夜になったら光り出しそう。子猫の亡骸。急に夏の終わりが顕在化する。いまが夏でよかったと思う、すぐに骨に還ってしまうから。Nが持ち歩いていたエノコログサを子猫に捧げる。持ち歩いていて、よかったなぁと心の底から思う。ねこじゃらしはそこらへんにも普通に生えていて、すぐにでも摘んでこられるけども、これは人間側のエゴかもしれないけれど、大事に持っていたそれを捧げるというのはせめてもの救いになる。意気消沈しながらも海への歩みは止まらない。海への入口の畦道を通り抜けると、大きな海が広がっている。夕陽を受けた波のまにまが橙色の光のすじを浮かべている。三人とも大はしゃぎで海のほうに駆けてゆく。サンダルのNが早速パンツの裾をたくし上げて海のなかに入っていく。勢いのある波を受けたNがこっちへ振り返って驚きと喜びの入り混じったようなとってもいい笑顔をみせる。さらにずいずい海のほうに身を入れてゆく。Nのからだが踊っている。このあいだと同じくらいの時間なのに波の寄せ方がぜんぜん違っている、浜のかなり深いところまで波が来ていて、くつで歩ける場所がほとんどない。そればかりではなく、このあいだは空の高いところにずっと見えていた月がどこにも見当たらない、昨日の感じからして今日はおそらく満月だろうと思われるけれど。じぶんもスニーカーと靴下を脱いで波打ち際を歩く。波はけっこうな勢いで、裸足だからと油断していると下半身がびしょ濡れになってしまう。びしょ濡れになって色々諦めたらしいTがサンダルを脱いで裸足になる。Nも裸足のほうが気持ち良さそうとサンダルを脱ぐ。まずは廃墟を目指す。でっかい丸太が波打ち際に落ちている。海のほうに蹴ってみるものの、重すぎてぜんぜん動いてくれない。それだというのに、ひとたび波が丸太に届くと、波はいとも簡単に丸太をさらって、さらに次の波が丸太を波打ち際に叩きつける。あっぶな! と三人で丸太をよける。Tが海の殺意を感じるよーとはしゃいでいる。波打ち際をずいずい歩いていると、後ろのふたりから何これすごーい! 魔法使いみたいって歓喜の声があがる。何かと思えば、じぶんの足が濡れた砂浜に触れるたびに、フワッと空気の膨らみのようなのがあたりに拡がっている。まさに魔法使いが歩いているかのよう、もののけ姫のシシ神様の歩き方みたいってはなしにもなる。波の勢いにかなり苦戦しながらも廃墟が近づいてくる。廃墟の辺りを境に砂浜が岩場に変わっていて、岩にぶつかった波が壮絶な潮砕けとなって舞い上がっている、絶句して、ゴクンと唾を飲み込む。廃墟に到達。Tからもらったウエットティッシュで足の砂を落として靴下とスニーカーを履き直す。いざ、廃墟に潜入! 底の抜けた階段の脇をロッククライミングのように慎重によじ登る。続いてTも。続くNが半ばの空中で動けなくなってしまい、あわわ、あわわ、この次どこに足をもっていったらいいのー?! って。どうにかこうにか登りきる。廃墟にもかかわらず落書きなんかがいっさいない、純然たる野生の廃墟。下から見る限り、底が抜けそうな感じがしたけれど、踏んでみるかぎり最初のフロアは問題なさそう。ところが、その先に伸びている廊下は底抜けしそうというより、すでに床の木肌がひび割れて底が見えている。あっぶな! と咄嗟に引き下がって、そばに来ていたTにも注意を促す。ここで行きにも少し話題になった(そんなことはすっかり忘れていた)Nの「ばけたん」なるお化け探知機がついに初お目見えになる。「ばけたん」が赤く光れば悪霊がいる、青く光れば天使がいる、緑に光れば平常でとくに何もない。どう考えても赤く光りそうなシチュエーションでありながら、どういうわけか青く光る。底抜けの大丈夫そうな場所をひと通り探索して外にもどる。出るときもNは半ばの空中で動けなくなってしまい、あわわ、あわわ、どうにかこうにか地面に帰ってくることができる。続いて洞窟。入り口の岩場にはでっかいフナムシが無数に蠢いている。ふたりから虫がだめなのに、なんでフナムシは平気なのって不思議がられる。セミが夏の天使なように、フナムシは海の天使だからって思っていることを素直に応えながら、でも、だとしても何で平気なんだろうって不思議に思う。ひとりでは怖すぎて一歩��か中に入れなかった洞窟も三人いれば心強い。スマホのライトで先を照らしながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ、中のほうに入ってゆく。洞窟の側面にも天井にも隙間なく無数のフナムシが蠢いている。Nがここでも「ばけたん」を発動させてみる、結果は緑の光。洞窟は大広間の先に細い小路が続いている。その入口まで行って引き返そうとすると、Tがこの先まで行ってみようよって。もう無理、もう無理、これ以上は無理って断ると、さすが度胸のあるTはひとりで小路に入ってゆく。小路の突き当たりまで行ってもどってくる。小路の突き当たりはさらに左右に枝分かれしているらしい。
夕陽は海上の雲にのまれ、空は暗くなりつつある。岩場をさらに進んでゆくと、一人キャンパーが三組だったか四組、おたがいに微妙に距離を取りながら座っている。焚火のいい匂いがする。岩場にはフナムシなかにカニもたくさんいる。そんな岩場の一角にどんなカニとも比べものにならないでっかいカニをTが発見、すぐさまハンターの心が燃え上がり、捕獲に向かう。カニの捕まえ方なんて知らないよ~(だったらヘビの捕まえ方は知っていたのか……)と弱音を吐きながらも果敢にカニに立ち向かってゆく。数分の格闘のすえ、見事にカニを捕獲、持っていたビニール袋に入れる。Nはその場に腰掛け、じぶんは岩場の先端のほうまで行き、Tはその中間くらいから三者三様に暮れてゆく空と海を眺める。岩にぶつかる波の潮砕けがもの凄い。しばらく経って、Nのいる地点まで戻ろうとすると、Nが大きく手を振る、大きく手を振り返す。ふたたび三人が集まると、Nが家が恋しくなっちゃうって泣きそうな声で言う。たしかにそうなのだ。こんな最果ての辺境で、しかも、もうすぐ夜が来ようとしている。どうして、じぶんはいつもこんなところにわざわざひとりで赴いているのかってことをこのとき初めて考える。それからNがいい写真撮れたよって、ふたりがそれぞれに海を眺めている写真を見せてくれる。そろそろ帰ろうか、来た道を引き返すことにする。廃墟の辺りで海を離れて、上の道路を歩くことにする。Nだけ足の砂を落としていなくてどこかで洗いたい、いちどは海に下りていこうとするけれど、あいだには砂浜があるから海で洗ってもまた砂だらけになってしまう。きっと、そこらへんに水道があるでしょってことになり、そのまま上の道路を歩いてゆく。しばらくすると、マリンスポーツの拠点みたいな施設がある。水道はありそうでなくて、人間はじぶんたちを除いて人っ子ひとりいない。そんな施設のさなかに芝生のお庭がある。芝生のお庭になら水道あるでしょって探すけど、水道はどこにもない代わりに芝生の隣に敷居に囲われたプールがある。その敷居は簡単に跨いでいける感じで、だあれもいないし、あのプールで洗っちゃえば。Tが敷居を跨ぐまでもなく普通に入口を発見して、勝手に入口の鍵みたいのを開けて中に入っている。足を洗ったNがプールの水すごいきれいだったって戻ってくる。ふふ。とうに日は暮れて、暗い夜の山道を駅に向かって引き返す。Nが暗いよぉ、怖いよぉと頻りに泣きそうな声で連呼する。そんなつもりじゃなかったけども、仕返しを無事に達成。Nのスマホのライトでできるでっかい影。とりわけ樹々の左右から覆い被さる真っ暗な坂道、ここで「ばけたん」をやってみようになるけれど、Nのかばんから「ばけたん」が消失してしまう。どこかに落としてきちゃったかなぁ。自動車のヘッドライトからほとばしる影に驚いたりしながら、街灯のある明るいところに移動して「ばけたん」の捜索。かばんを隈なくひっくり返しても見つからず、「ばけたん」の性能には半信半疑ながら三千えんのお買い物がたったの二日で消失してしまうのにはさすがに気の毒な感じがして、色んな可能性を示唆していると、かばんのポケットのひとつから「ばけたん」が発見される。よかったぁ。その場で「ばけたん」を発動させると緑色に光る。山道を経て、畑道のところまで来ると、びっくりするぐらい赤い光線を発する怪しい満月が空のかなり低いところにのぼっている。Tがどこかのタイミングで(たぶん廃墟だったかな)口走った『夕闇通り探検隊』の一言が胸に突き刺さる。月のなかを鉄塔の陰翳が横切る。
帰りの電車でも頻りに「ばけたん」のはなしになる。乗換駅でも発動させてみる。緑色。廃墟でいちどだけ出た青以外はぜんぶが平常の緑色を示す。Nから、こんな胡散臭い商品なのに何故か高評価のアマゾンのレビューを見せてもらう。それでもまだ胡散臭さは拭えなくて、いっぽうで廃墟のときだけ色が変わったことがどうも引っかかっている。帰り際になってNがぽろっと口にした「乱数の偏り」という言葉にアンテナがビビッと反応して、これはきっと何があるぞと思う。帰ったらじっくり調べてみようと心に決める。
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手綱 (2016)
「パート社員になれないか」
上司は開口一番私にこう言った。私は、やっぱりそうか、と思った。私の頭がおかしいからだ。
事の始まりは大学一年生の時だった。人混みにいると「バカ」「くせーよ」等の悪口が聞こえるようになり、たまらず精神病院に駆け込んだ。
「あんたは病気です」
医師からあっさり太鼓判を押された。何種類か薬を処方される。それらを飲み続け、はや五年になる。
そういうわけで仕事中も私の疳の虫はてんで落ち着かない。体のどこかに暴れ馬が住んでいるのではないかと錯覚するくらいだ。
私は突然どこかに向かって飛び出そうとするし、実際に飛び出したりもする。先輩に連れ戻され、パンを買い与えられ、同情からの貰い泣きまでされてしまう。
また前ぶれなく涙腺が崩壊する。涙が止まるまでの三十分間、業務そっちのけでトイレに引きこもる。
朝、憂鬱で体が強ばり、片道徒歩十五分の通勤に四十分もかかってしまった。医者に相談するとマジかよと漢方を処方されるが、その対処法だけではやはり限界があるようだ。私の暴れ馬の手綱はどこへいってしまったのか。
というわけで私は自分が会社のお荷物だと知っていた。ポンコツをここまで使っていただいたのだから、むしろ感謝しなければなるまい。己の使えなさを自覚しているのにも関わらず図々しく居座るとは、全く迷惑な社員である。そんなわけで私のノーミソはクールにクビ宣告を受け止めた。かっくいい。
だがしかし。アパートのドアをくぐった瞬間、私はぶっ壊れてしまった。腕を切り刻むのがやめられなくなってしまったのだ。暴走する体に反し、頭は冷静だった。この状況を馬鹿馬鹿しいと俯瞰する余裕があるくらいだ。いつもそうなのだ。唐突に私の体は突拍子もないことを始め���がるのだ。このドス黒い暴れ馬、こんちくしょうめ。
右手が頑なにカッターを放そうとしないので、たまらず病院に駆け込んだ。ふらふらして椅子に座っていられない。そういえば七日間ほど物を食べていないような気がする。看護師に具合が悪いので寝かせてほしい旨を伝えると、優しくベッドまで案内してくれた。真っ白な布団に寝転がる。すぐに見知らぬ顔の男性医師がやってきて、カーテンを閉められた。穏やかな声で質問される。
「どこを切ったの?」
「お腹と腕と太腿です」
「見せてもらうね」
あっさり服をめくられた。腕をまじまじと観察され、恥ずかしさがこみ上げた。誰かにリストカットの傷を見せるのは初めてだ。
「結構ひどいね」
と医師は言った。
嘘だろう。ネットに転がっていた画像で、私より深い傷をこしらえた人々を嫌というほど見た。自傷というワードで検索をかけると、全世界の目立ちたがり屋が血液を搾り出しているところを容易く見物できる。本気で苦しむ彼らに比べて、私は甘えている。私は演技をしている。本当は辛くなんてないはずなのに、同情を買うためにパフォーマンスをしている。だから私は傷跡を隠す。自分の卑怯さを誰かに見られないように。十代の娘でもあるまいし、この年になって自傷しているなんて情けない。この程度の生活など皆容易くこなしているのだから、私も追いつかなくてはならない。私は不登校をして、ただでさえスタートダッシュに遅れているのだから、倍速で走らなければならないのだ。けれど、と私は思う。私が走った分だけ、皆は先に進んでしまう。私は一生彼らに追いつけない。それって、まるでアキレスと亀ではないか。
医師は私を見た。悲しげな眼差しだった。そんな目で見ないでくれ。自分がいかに哀れか思い知りたくない。
「入院ですね」
と告げられた。
「どうしてだ」
と私は思った。私の頭頂部のコックピットの操縦士がケロッと言い放った。
「まだ大丈夫でしょ」
私の心の声が反発する。
「いや大丈夫じゃないだろ、正気か。また体調を崩すぞ」
「甘ったれたこと言って。そんなんじゃ今に社会に適応できなくなるよ」
「もうなってるよ。それに仕事に戻ってまた腕を切り刻むはめになるのなんてごめんだね」
「自分の体よりも常識的に暮らす方が大事でしょ! だから今までガンガンいこうぜモードで運転してきたんじゃん。やっと人間のふりが板についてきたというのに、その努力を無駄にするの?」
自分同士が問答している。全く私の操縦者は信用ならないやつだ。放っておいたらどこまでも無理をしようとする。だから私は医師に従った。これで私も完全なるキチガイだ。
サインバルタ、メイラックス、ラミクタールにレクサプロ。そのような薬を飲み続けてもまだ大丈夫だろうと思っていた。自分のおかれている状況を説明することができたし、暴れ馬が顔を出しても誘因を突き止めようと頭を絞ってきた。使える手段なら何でも使った。本を読み、過去を分析し、自分の感情を書き出して整理し、思いの丈をぶちまけた動画を撮り何度も見返した。
手に取った精神医学の本には、情緒不安定には少なからず親の愛情不足が影響していると書いてあった。何百回も読み返し考えたが最終的に出た結論は「アホか」。それだけである。過去はどうしようもないのだ。消えようのない記憶を突っつき回したところでどうなる。親を許そうとすればするほど憎らしくなるだけだった。精神医学者は揃いも揃って私に親殺しを勧めたいらしい。
自己カウンセリングなどといううさん臭い儀式も一応試した。「心の中でヨウショウキの自分を抱きしめてあげましょう」? できるか! そんなものただの茶番だ。抱きしめたところでどうなるというのだろう。イメージした幼い私には表情がなく、手触りもない。今の私と同じで「だからといって何なのだ」と呆れているようにも見える。お前が私の馬をギャロップさせるのか?可愛い悪魔め。
幾ら「客観的に」分析しようが、元の認知が歪んでいては意味がない。お手上げだ、と本を放り投げる。私一人ではどうしようもない。私は何とか自分を説明する術を手に入れた。暴れ馬に手綱を付けさえすれば完璧に手懐けられると思い込んでいたのだ。しかしそれは錯覚だった。手綱は、手綱はどこにある。
緊急病棟に入れられた。割腹のいい主治医は、
「自主入院という扱いになるから、あんたがもう大丈夫だと思ったら退院していいからな」
と言った。何じゃそりゃ。あっさりしたものだ。
「とりあえず今週末まで居とくか?」
「じゃ、そうします」
「分かった、手続きしておく。⋯⋯もう絶対に自分を傷つけるな。傷つけたくなったら看護士に声をかけるんだぞ。いいな。これは忠告じゃない。約束だ」
どうしてだろう。どうして人は口を揃えて自傷をやめろと言うのだろう。私は「やめます」と微笑みながら首を傾げ続けた。自ら死ぬのは悪いこと。自分を粗末にするのは悪いこと。言葉の意味は理解している。けれど感覚として分からないのだ。
誰かと会話をし、笑顔で家に帰る。ドアがバタンと閉まった瞬間、私の何かが爆発する。狂ったように酒を飲み、ぶっ倒れゲロを吐き、またはカッターで腕を切り始める。翌日、何事もなかったかのように同じ相手と談笑をする。私は皆の笑顔を壊さぬために自分を傷つけていた。ストレスを自分にぶつけて発散していれば誰も傷つけずに済むからだ。私は自己犠牲的な精神を誇りさえした。思慮深い思いやりのつもりだった。だが私の心がけは、どうやら愛ではなかったようなのだ。私はいつの間にか間違った方法で人を愛そうとしていたらしい。
「お前、またやっちまったなァ」
私の天使が頭上をひらひら飛び回り、笑う。悪魔は黙っている。もう笑い疲れたんだろう。
自傷をしない。やればできるとたかを括っていた。ところがどっこい、すぐに切りたくて仕方がなくなり頓服をもらうはめになった。漢方だ。苦いくせに全然効かない。
二日目、見えない手が私の頭を撫でる。気持ち悪くてライブ会場さながらにヘッドバンキングをする。看護士が頓服を持ってきてくれる。ホリゾンと書いてある。
三日目、野獣のように唸りながら転げ回る。腕を切る以外の怒りの発散方法が分からない。ベッドを殴る。壁に這いつくばって拳を叩き付ける。天使が「クソくらえ!」と叫ぶ。随分口が悪い。冷静な私が部屋の片隅で「あーあ、外に聞こえちゃうかもな」と溜め息をついている。私が粉々だ。
四日目、医師が診断書を持ってくる。「重篤な障害がある」と書いてある。「イカれちまった!」うるせぇ、三月兎はディズニーの中に引っ込んでろ。
五日目、ようやく落ち着くものの、休む暇もなく色欲まみれのオヤジ、いや失礼、年配の男性患者に付きまとわれる。気安く名前で呼ぶな、と思いながら柔らかな笑顔で追い払う。病室のベッドでぼーっとしていると、
「ねえ!開けてよ!開けてよ!」
とドアをバンバン叩かれた。恐ろしくなって看護師に相談する。すぐに対応してくれたらしくオヤジの姿が消えた。主治医がやってきて、
「何があってもぜっっっったいに扉を開けるなよ」
と言い残し去っていった。もし鍵をかけ忘れていたらどうなっていたのだろう。私、結構ピンチだったのでは。ゾーッと鳥肌が立った。
夜、どこかの部屋の婆さんが声を張り上げて泣き始める。何がそんなに悲しいのだろう。遠吠えのような悲鳴の中、私は睡眠薬漬けの眠りに沈んでゆく。
六日目。外出申請の書類を記入する。ここでは書類を提出し許可が降りなければ外出できない。病棟の入り口に鍵がかかっているのだ。以前から知識として知ってはいたけれど、実際に体験してみるとひどい閉塞感だ。無事外出を許されたのでアパートに帰り、シャワーを浴び、パソコンを申し訳程度に触って病院に戻る。外出時間は一時間だけなので大したことはできない。
消灯時間になっても眠れず、窓枠に腰掛け景色を眺めた。下方を車のライトがきらきらと駆け抜けてゆく。あれらはどこからやってきて、どこへ向かうのだろう。私はどうしてここにいるのだろう。私の人生はどこへ向かっているのだろう。健康体であるはずなのに、わざわざ薬を飲み腕を切り入院までしている。許可が出なければ外出すらできない。私は閉じ込められている。どこに。どこだろう。私の馬は、忘れようと押しやった私の痛みそのものなのだろうか。存在を思い出してほしいがため、何度も暴れるのだろうか。
入院中、私は一度も泣かなかった。泣くような出来事は何一つ起こらなかった。私は不味い昼食を口に運びながら「仕事辞めよう」と思った。
何日目か数えるのをやめる。ここでは食べ物しか娯楽がない。昼食にオレンジが出る。かぶりつくと爽やかな香りが���内に広がり、甘酸っぱさに舌がキュウキュウと悦ぶ。私は果実を見つめる。何てきれいな色なんだろう。じんわりと黄色い幸福に包まれる。ふいに、子供の頃オレンジをよく食べたことを思い出す。今では皮を剥く面倒さが先立ち手をつけなくなってしまった。私は青い匂いを嗅ぎながらふと「海に行きたい」と思った。それから花を見たいと思った。大きな大きな木の下で寝そべりたい。どこまでも続く草原に佇み、ざわめきに耳を傾けていたい。それか湖でもいい。凪いだ水面に滲む杉の木を見つめていたい。私はどうしてこんなところにいて、どうでもいいものに囚われているのか。
大切な人々を戸惑わせてしまう、言うことをきかない私の体。本当は薬を飲みたくなんかない。体を傷つけたくなんかない。自室で腕を切る度に思うのだ。誰かあのドアを開けて入ってきて。カッターを取り上げて、暴れる私を思い切り抱きしめて。誰か私の血の、魂の流れ落ちるのを止めてほしい。この傷跡にキスをしてほしい。当然ながらそれが叶ったことは一度もない。
私の天使が言う。
「問題を片付けるのはさァ、自分なんだからネ」
そうっすね。
「最後に頼れるのはお前自身なんだって。分かってるんだろ」
悪魔が言う。そうっすね。そうですよね。
SOSの旗をあげたとする。だがここは海のど真ん中だ。船の航路からは外れている、誰にも気付かれやしない。泳いで陸まで辿り着くしかないのだ。あるいはここは地中深いトンネルだ。私のいる場所がどの地点かなんて自分にしか分からない。ここがどこなのか分からなくても、歩き続けなければならないのだ。どこかに辿り着くために。生きてゆくために。長い道のりだったように感じていたけれど、まだ人生の半分も歩いていなかったなんてね。
病室を移される。同じ年頃の女性と同室になる。彼女の手首にも規則正しく傷が並んでいる。
最終日、何となく話をする。
「どこかに行っちゃいたいなあ。何もかも捨ててさ」
彼女は薬でもつれる舌で言った。私は頷く。
「ああ、分かります。私も出社する道すがらよく考えました。このままバスに飛び乗れば、二時間で東京に行ける。このまま引き返して車に乗れば、三時間で海に行けるって。そうして、できればいなくなってしまいたいんです」
どうしてだろう?
降っては上がる雨、途切れ途切れのトンネル、夏の台風、たまに鳴る電話、寄せては返す波、私の不健康な心臓、ころころ変わる処方。四季が一ヶ月に六十回やってきて、私はめくるめく美しさと乱暴さにすっかり目を回してしまう。どこにでも行ける。けれどどこに行っても、世間体と、金と、自分の体からは逃れられない。私の体は私の檻だ。私は、私の体と手を繫ぎたい。彼女は、私は、一体どこに歩いてゆこうとしているのだろう?
机と椅子だけが置かれた、がらんとした診察室。浅黒く熟したエネルギーのカタマリが私に問いかける。
「いけるか?」
私は主治医に頷いてみせる。
「いけます」
先生は忙しくカルテをめくり、
「退院予定日は今日だよな。じゃ、午後には出ていいよ」
と言った。やっぱりあっけない。
荷物をまとめる。同室の女性から退院祝いをもらった。ブルボンのプチチョコチップクッキーだった。私達は手を振り合って別れた。どこにも行かないで、と私は彼女に念じた。どこかに行っても、どこかで生きていて。
天使が内臓の壁に寄りかかり、もの憂げにこちらを見ている。
「自分の体にどこにも行くなと言えるようになることが、あんたの馬の手綱なんじゃないの?」
私は荷物をガサガサ言わせながら返事をする。
「分かってる」
「分かってないよ」
私は、そうだよな、と思う。今まで形ばかりの「分かってる」を繰り返してきた。今回も本当にそれを理解しているのかと問いただされたら、怪しい。
でも、分かりたい。
外は暑かった。蝉が鳴いていた。車はキーを回せばたやすく走り出す。私はどこにでも行ける。けれど、今はとりあえず家に帰ろう。
空に、狂いもなく正確な夏が来ている。
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