#シュシュが伸び伸びやないか
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🌞 お題「ベランダの美女」 . . . #アンヨの長さよ #シュシュがおかしい #シュシュが伸び伸びやないか #こなこなちゃんのお通りよ #🐈 #ねこ #猫 #cat #instagramjapan #catlover #cats_of_instagram #catoftheday #ilovecat #ilovemycat #bestmeow #eclatcat #三毛スコ友の会 #ふわもこ部 #三毛猫 #ハチワレ#猫のいる生活 #にゃんすたぐらむ #にゃんだふるらいふ #猫との暮らし #みんねこ #ペコねこ部 #picneko #ピクネコ #ニャンスタグラマー #ニャンスタグラム https://www.instagram.com/p/CoZuta7B385/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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やっっと涼しくなってきた、本当に嬉しい。
今日ちょっとだけ都会に出かけたら秋の装いの人がたくさんいてお洋服かわいいな〜と胸がときめいた
私の住んでいるところでは先週ぐらいから金木犀が咲き始めて今はもうほとんど散ってしまった
我が家のお庭に金木犀の木があるんだけどご近所さんもほとんど金木犀を植えていて外に出るとふわっといい香りがして幸せな気持ちになっていた
そんないい香りの時期もあっという間に終わりを迎えそうで寂しい、もうちょっと一緒に過ごしたかったよ〜
最近金木犀の香りの商品で溢れているけどそれにはあまり惹かれなくて、もちろんあの香りはとても好きだけど自然の木の香りで季節の移り変わりを感じられることが何より好きなんだと思った
最近のマイブームは化粧水をたっぷり染み込ませた無印のコットン1枚をうす〜く剥がして5枚くらいにして顔に貼るっていうことをしてる
あのコットン本当に無限に剥がせるからいつもどこまで薄くできるか挑戦してる
今週は何してたかなーとカメラロールを見返す
そう、私のお部屋に新しくやってきたペガサスちゃんがいまして、
映画「ヘラクラス」に出てくるペガサスの子供のころかな、ちょっと観たことないからわからないけど(ちゃんと観ろよという話なんですけど)
近々観ようと思ってはいる
Go The Distanceは好きです、あの曲は本当に大好きでよく聴いてる
本当にかわいい、癒し🪽
あと今日あったほかほかの出来事🧶
もう何年だろうな5〜6年前にインスタで見かけて好きだなと思ってフォローしてる美容師の方がいて
雰囲気とかお洋服とかたまに投稿に出てくるおうちのインテリアも素敵でそれこそ髪型とかもショートだったりくるくるのパーマをかけていたり
私の好みそのものという感じで
今自分の髪くるくるパーマ状態なんだけどそれもその方のパーマスタイルがすごく可愛くていいなと思ってしているので
憧れのような推しと言うと意味が違うかもしれないけどすごく好きな方で
普段はおそらく東京で、福岡出身というのもあって定期的に福岡でサロン営業もされていたりしていて
趣味でされてる編み物もこれまた本当に可愛くて…
主にバラクラバとかネックウォーマーとか天然のウールで色も風合いもあたたかくてかわいくて
以前からずっとかわいいな〜と思って見ていて今週末にちょうど福岡であるポップアップでその編み物の商品を販売するとのことで
本日最終日に滑り込みで行ってきた
もっと余裕を持って行っておいたらなと反省したんですけど
ちょっと今だに嬉しさと緊張が残っていてそわそわしてる
今回あっていたポップアップが赤坂にあるカフェで複数のショップの商品を置いてあるかたちだったんです、
ポップアップは今日の18時までで衣替えとか色々してたらギリギリになってしまって17時ごろそのカフェに到着
そのカフェはドアが全部バーーンって開いていて奥の店内でカフェ営業もしつつ軒先に商品を置いてその付近に今回参加しているショップの方たちがお友達やお客さんと楽しそう��話している状況
その中に私の好きなその方もいらっしゃって
初めて生で見て、まず、かわいい!!!!
上下パープルのセットアップを着ていてそれもかわいい。
一気に私のテンションが上がってしまって
でもあまりの緊張で話しかけることなんてできないのでその方々を会釈しながら通過して
お店の感じはインスタのストーリーで見ていて脳内シュミレーションは完璧だったので迷わずお目当てのその方の商品がお置かれている場所にスタスタと歩いていたら当たり前なんですけどある!そこに!ずっと欲しかったものが、!とさらにテンションがあがった
でも安易に触れることもできずどうしようどうしようとただひたすら爪を指に食い込ませながらじっとかわいい商品を眺める(傍から見たらこいつなんだという様子)
5分くらいじっと眺めていたら近くにいたおそらくそこのカフェの方か主催者の方が
「全然触ったり鏡あるのであててみてくださいね〜」と声をかかてくれた
ずっとほしいと思っていたものを大切すぎてぎりぎり触れたとしても被れねぇよと思いつつ
10個ほど置いてあるバラクラバやニットの手袋をちらっ、ぺろっとめくってどれがいいかなと迷う
バラクラバもよかったんだけどちょうど私がずっと欲しかったニットのヘアバンドがあって
冬になるとバイクに乗る時にどうしても耳が冷たくて、でもニット帽を被るとその上からさらにヘルメットをかぶるのでゴワゴワしちゃうってことで耳だけ守れるヘアバンドてきなのがずっと欲しかったのでこれだ!!と思い
近くにいた方にこれを…買いたいんですけどと言うと
ちょっと待ってね〜これ作った人呼ぶから〜と
私のその憧れの方を呼んでくださって
しばらくしたらありがとうございます〜☺️と近づいてきてくれて
はあ〜〜〜🫠🫠🫠
ここ数日であ、福岡に来るんだ!行ってみよう!と思って何の気なし来たけど
ずっと好きだと思っていた方を目の前にあ〜〜〜って言う声しか出てこず
こ、これすごく可愛いです、インスタ見ています、、。と伝えるのがやっと
本当は自分の髪も普段の服とかインテリアとかも好きで参考にしたりしてますとかめちゃくちゃ伝えたいことあったけど
初対面でそんなことを言われてもというのと頭が真っ白になってしまったので何も言えず
商品の使い方、ヘアバンドの他にもシュシュとしても使えることとか、洗う時は手洗いでニットなので伸びたりとかもあるけど干す時にぎゅっと寄せて置いて干すと戻ります☺︎と直々に説明してもらい
ステッカーも!と2種類あるものから選ばせてもらい
めちゃくちゃ可愛いデザインのペーパーで包んで���らい
ここに書いてある数字を繋げたら絵になるのでぜひやってみてください☺️と
なんて素敵なデザインなんだ…
福岡の方ですか〜?とかまた福岡に来るのでその時はまたぜひいらしてください〜とか言ってくださり
次もぜっっったいに行きまああす!!!!🔥と心の中で思いながら「次も行きます😊」と平然を装い返事を返しました
体の中からいろんなものが出てきそうになるのをグッと抑えて
お会計を済ませ商品を受け取り車に戻った…。
車に戻る途中スキップのような駆け足のようなきもい小走りなんかもしてた
幸せだったな
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セリアで買ったもの。このノートやばない?百均と思えない高級感。ラグドールかわええよ😽
あと、お風呂用のヘアクリップが壊れたのでお風呂対応の買ってみた。あとヘアゴムも毛糸で編みくるんでシュシュが作りたくて。どっちも茶系です。なんか黒を選びがちだったけど、茶系を選ぶようにしてる。茶色もいろいろあるしね。黒に近い焦茶色とかベージュっぽい色とか。なんか茶色を選ぶとどことなくヨーロッパっぽい雰囲気出るから。私は一応イエベ秋だから似合うしね。靴も今まで黒を選びがちだったけど、これからはできるだけ茶色を選びたい。
またショートボブにしたいと思ってたのにヘアゴムまで買ってしまったwヘアクリップも買ったし。まあショートでもハーフアップとかすればゴムは使えるけどもねーー
いろんな茶色を組み合わせる全身茶色コーデとかやりたい。コートも今年は茶系で作りたいな。
ちな今まで使ってたノートも同じサイズでダイソーで買ったやつ。中身も淡い紫系なのもかわいい。デザインのネタ帳みたいな感じで使ってたんだけども、もう半分以上使ってしまったから、新しいのを買ったというわけ。分厚すぎないから持ち運んでお店で確認するのも苦にならないし、このA5サイズの薄いノートのサイズ感もいい。あんまり小さすぎても絵や図が描きにくいからね。
主にシャーペンとフリクションペンで描いてるけど、フリクションペンはこんな感じで替え芯を取り替えつつ、いろんな色で書いてる。今セットしてるのはピンク、紫、水色、茶色。定番の黒と赤と青と緑から変えました。なんか変な色いっぱい合っておもろいよね。できれば全色集めたい。またジュンク堂行った時にでもインク買いに行っちゃおうかなあ。
ちなみにこのシャーペンも普通のやつに見えるけども、上の消しゴムがくるくると伸びるやつがセットできるの。ちょっとだけ消したい製図の時にすごい便利。替えの消しゴムもあるから、遠慮なく使えるし、出かける時に消しゴムをいっさい持たずにこの一本で済むというのもいいよね。こうしてみるとどっちも消しゴムいらない筆記用具だなw
ちなみにニュアンスモヘア追加で購入。このニュアンスモヘアの青紫っぽい色ってロシアンブルーという色名だったらしい。キャッシュレスレジの会計で見たとき��いた。これは棒針でセーター編みたいと思ってたので、店にあるだけとりあえず購入しました。今計7玉。
白い方はサンキで買ったウールの紫の毛糸と引き揃えて編みたくて。白と紫の組み合わせがかわいい。なんかダルマのgeek ミルク×パープルに似てるなーとかおもって。まあギークは白の割合多いけどね。
この7番がギーク
こうして見ると、糸自体は紫が芯だから紫の割合多いんだけども、実際編んだメリヤス編みではほぼ白でところどころ紫?ってかんじなんだよなあ。自分��引き揃えた方が理想のマーブル感のある色味になるもんね。
そもそもgeekという毛糸が去年の時点で在庫処分?として売ってて、もはや廃番になってるぽくてあんまりもうお店で見かけないから、何気に入手困難っていうのもある。
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2021SS Other Faces Vol.2
皆さんこんにちは、mangataスタッフの高橋です。
会社の先輩の影響でドラマ『オー!マイ・ボス !恋は別冊で』を真剣に観ています。
観ている方はきっと考えるでしょう、「ドS先輩派」か「子犬系ジュン派」か。ちなみに私の知人の範囲では「子犬系ジュン派」が圧倒的優勢です。
私はドラマを観ている最中、【私は奈未】のモードに入っているので、心の中でどっちにもいい顔をしています。妄想の中でだけは爆モテです。
白状しますとドラマの理緒ちゃん(倉科カナちゃん)が可愛すぎて髪型を真似しました。
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さて、今日は2021SSアイテムのアザーコーデ紹介第2弾です。
1番最後に再販のお知らせもございますのでお見逃しなく!
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Coordinate_1
Denim skirt
・TOPS: Bicolor knit -BROWN-
スニーカーを合わせて、カジュアルなコーディネートにしました。
商品ページのようにボリューム感のあるブラウスとも相性が良いのですが、タイト目のトップスをインすると全体的にすっきりとした印象で着ていただけます。
ハイウエストでダーツやスリットなどスタイルアップ効果のあるデザインが多く、デニムでも上品さがちゃんとあるのが魅力的です。
馬渕さんはSサイズを着用しています。
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Coordinate_2
Lace knit tops -IVORY-
・ONEPIECE: Souple cami onepiece -BEIGE-
・CHOUCHO:近日発売予定
同系色でまとめたこちらは、春先にぴったりでお気に入りです。
ポニーテールにすると可愛いですね。このコーデでピクニックに行きたくなります。
髪色も茶色なので、シュシュは黒にして「色まとめすぎ」を回避します。
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Coordinate_3
Lace knit tops -PINKBEIGE-
・OVERALL: Naughty overalls -BLACKINK-
こちらもインナーとして使ったコーデです。
オーバーオールがボーイッシュになりすぎないように合わせるインナーとして、とってもオススメです。
レース模様が様々組み合わさっていることで、これ一枚で後ろ姿もさみしくなくお洒落に着こなせます。
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Coordinate_4
Lace knit onepiece -IVORY-
・HAT:Beret -BEIGE-
はい、私の一押しアイテム! Lace knit onepieceです!!
シルエットがとにかく美しく、贅沢なレースの層で高級感もあり、綺麗と可愛いの両方を叶えてくれます。
繊細なニットなので、伸びないようにハンガーにかけずに畳んで保管していただくと形が崩れにくいです。
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Coordinate_5
Lace knit onepiece -PURPLE-
・OUTER:Double jacket -BLACK-
馬渕さんはInstagramにIVORY×黒ジャケットをあげていましたが、こちらではPURPLE×黒ジャケットをご紹介します。
優しい紫なので、黒を合わせてもパッキリしすぎず、程よい色気があって素敵です。書きながら私もジャケットが欲し��なってきました。
日当たりの関係でちょっと青みがかって見えてしまっているのはカメラマン(私)のせいです、ごめんなさい。
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Lace knit topsとLace knit onepieceは現在完売してしまっておりますが、来週火曜日に再販開始予定です!
コーディネートも参考にぜひチェックしてください。
それでは、また。
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『君が世界の始まり』観た。生まれ変わるなら、松本穂香になりたい。目が本当に綺麗。
最近、犬や猫に話しかけられることがほんとに増えた。この前は家の目の前に猫コンビがいて、めちゃくちゃ可愛い声で鳴いてきた。近づいたけど、あんまりよくわからなかった。あとは、50メートルくらい先にいるお散歩わんちゃんが、動かずにずっとわたしのことを見ていた。わたしが到達すると、クンクン喋って、トコトコ歩き出した。今日の夜は八百屋の黒猫が近づいてきた。なんか動物の匂いがするのかな?
いい匂いになりたいから、ボディコロンみたいなのをつけ始めた。でも、友だちとかに「みらんいい匂いする」と言われると、恥ずかしくなる。いい匂いつけてる自分が。だから、いつも???って顔をしてるけれど、ホントは家を出るときにシュシュってやっています。スミマセン。
今日はうまれてはじめてパーマをかけたよ。姿見の前に立ったら、結構髪が伸びていたから。ぽわって広がらないといいなあ。まだあんまり見慣れないけど、垢抜けて見えるといいな。今日も美容室で学生さん?って聞かれて、芋っぽいんだな…と悲しくなったから。でも、3時間くらいかかって、頭がもげそうになった。パーマも大変なんだね。
Twitter辞めたいな〜と最近とても思う。わかったつもりになることをやめたいから、
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終章 生まれたての宇宙
朝日がまぶしい。 色とりどりの野菜を横目に見ながら、降り注ぐ光を頬に受ける。踏み出した煉瓦道はよく乾いていて、コン、と小気味いい靴音を響かせた。すぐに夏が来るんだろう。足元に伸びる影の濃さに、翠は目を細める。 二度目の夏だ。 顔を上げて歩く、最初の夏だ。 「――おはよう」 まだ少し遠くに見える半袖に、挨拶を投げてみた。さすがに、まだ聞こえないか。ただの独り言になってしまったようで、じりじりと恥ずかしさが湧いてくる。けれど、翠の口の動きに気付いてか、その影は小走りになって翠のもとへと駆けてきた。 「おはよッス」 ぴたりと翠の目の前で停止した鉄虎は、少し背筋を伸ばして、照れ臭そうに笑った。 「なんか、くすぐったいッスね、待っててもらうのって……」 細められた琥珀色が、太陽を跳ね返して光る。 泣けるくらい奇跡的で、いとおしい光だった。 「そうだよ、俺……ずっと、くすぐったかったんだよ……」 翠が笑い返して、どちらともなく歩き出す。 「それは……申し訳なかったッス」 「え、と……ううん。くすぐったいけど、嫌じゃなかったから」 足元に影がふたつ、寄り添うように並んだ。 「そうッスね。俺も……嫌じゃな��ッス。なんか……ちょっと嬉しいッスね」 はにかんだ鉄虎の横顔に、翠はむずむずと唇を動かした。 「……もっかい、抱きしめとく?」 「えっ? いや流石に路上ではちょっと……翠くん、ちょっとあのひとに似てきてないッスか?」 「はあ? いくら鉄虎くんでも言っていいことと悪いことがあるけど?」 「え!? 今のそんなにッスか!? 分かんないッス、コミュニケーション難しいッス!」 唸り声をあげて頭を抱える鉄虎に、ごめんごめん、と眉尻を下げて翠が謝った。 軽く視線を向けると、隣を歩く鉄虎の腕の生白さが映る。記憶よりも細くて戸惑う。 「痩せたね」 声をかけると、鉄虎は自分の腕をまじまじと見つめて、ふん、と一度鼻息を飛ばした。 「うん。結構痩せちゃったッス。また鍛えないと」 「……ちゃんと食べれてる?」 「食べてるんスけどね~お粥とかばっかりだったから。ちょっと飽きてきたッスよ」 返ってきた言葉の中に、気負いはなかった。鉄虎は再び自分の腕や手のひらをぼんやり眺めると、小さく息を吐き出した。肉、食いたいッス。本心であろうその言葉に、翠は思わず笑った。 「七夕祭が終わったら、さ。みんなで食べに行こうよ」 翠が言うと、鉄虎は驚いたように顔をあげた。自分でも意外に思っていた。そう遠くない未来のことを、こんなにも明るく思い描けたことはなかった。鉄虎はしばらく食い入るように翠の目を見て、そして嬉しそうに笑った。 「打ち上げ、したいッスね。みんなで」 目尻によったしわに、わずかに雫が滲んだ。 それは照りつける太陽を映してきらきらと光り、瞬きのうちに消えていった。 「て、てとらくんっ……てとらくん~!」 交差点で信号を待っていると、遠くから呼ぶ声が聞こえた。忍くん。呟いた鉄虎は、瞳を揺らした。駆け寄ってきた忍は、挨拶を交わす前に鉄虎の体にぎゅっと飛びついた。 「ごめんね。忍くん」 忍の背中に手を回して、抱きしめ返す鉄虎を、翠もうるんだ目で見守っていた。 忍は首を振るような仕草で鉄虎の肩に顔をうずめた。 「怒ってくれていいんッスよ。鉄虎くんのアホ、って」 「う、ううぅ~……! 鉄虎くんもあほでござるけど、拙者は大馬鹿者でござるっ! ごめんね鉄虎くん。堪忍、堪忍でござる……」 「はは、じゃあ、お互い様ッスね。……忍くんもありがとう」 ぽんぽん、と忍の背をなだめるように叩いて、鉄虎が体を離した。 忍と視線を交わす頃には、もうすっかりいつも通りの表情に戻っていた。 「ああーっ! 隊長っ! 南雲隊長!」 「お、おはようございます! もう大丈夫なんですか!?」 声色の大きく異なる二人分の呼びかけに、三人揃って顔をあげる。 駆け寄ってくるでこぼこな後輩の姿に、鉄虎はまた少し目をうるませて応じた。 「はよッス。もう大丈夫ッスよ、ほんとに――ごめんね。二人にも心配かけちゃったッスね」 「そうですよ! 心配したじゃないですか!」 「ばかッ! 俺たちが無理言ったせいで倒れちゃったんじゃないかっ! 隊長、本当にすいませんでした。俺もう、わがまま言いませんから……」 泣き出しそうな環は、鋭い目つきで望美の背中を叩いたあと、恐縮したように身を縮ませて、深々と頭を下げた。環に怒鳴られたのがよほどショックだったのか、望美までもがションボリとうなだれてしまった。申し訳ないやら、ありがたいやら、物珍しいやらで、鉄虎は眉尻を下げて苦笑した。 「わがままなんかじゃないッスよ。……今度は、みんなで企画書、作ろっか。みんなで、みんなの夢を叶えていくッス。だから、これからもやりたいことは言ってくれるッスか?」 そっと環の肩に手を添えて鉄虎が尋ねた。 環は体を起こすと、ぼろぼろと涙をこぼしながら、はい、と返事をした。 「あれっ!? 仙石先輩! びっくりしたぁ、ちっちゃくて見えませんでした! おはようございます!」 「うーん! 今日も清々しいくらい馬鹿正直でござるな! おはようでござる!」 「おはようございますすいませんほんとうにもう」 「たまちゃん今だよ!」 「え、え!? ほんとにやるの!? しかも今!?」 「やるよ! 今しかないよ、せーのっ。シューシュっと!」 「さんっ! じょう!」 望美の掛け声に合わせて、たどたどしく二人が何かのワンフレーズを歌う。 ぽかんと口を開ける鉄虎と翠をよそに、忍の瞳がみるみるうちに輝き出した。 「おっ……おおぉ!? どうだったでござるか!?」 「はい! 最高でしたありがとうございました!」 「最高でしっ、あっ、あのあと二十話まで見ました!」 「まー!? マジでござるか!?」 「サブスクで見れるの分かったんで! 二人して深夜まで大盛り上がりでした!」 「いやもう、めちゃめちゃ面白くて……続きが気になって気になって……」 「そっ、そうでござろう~!? 拙者イチオシの作品であるからして!」 「今度の打ち上げまでに二番も歌えるようにしときますね! 絶対一緒に歌ってくださいね!」 「うん、うん! 絶対、約束でござるよ!」 「やったあ!」 「やったぁ……!」 忍と望美と環がハイタッチを交わす軽快な音が空に響く。 鉄虎と翠は一度顔を見合わせてから、大盛り上がりの三人に視線を投げた。 「忍くん、これ……」 忍ははっとして鉄虎を見上げた。 高揚に赤らんだ頬が次第に照れを滲ませて、耳まで真っ赤に染まる。 「い、いやあ、その。拙者一人で演出練りながら一年の指導とか……ぶっちゃけ無理だったゆえ! 拙者がうんうん唸ってる間、二人には動画を見てヒーローのなんたるかを勉強してもらってたんでござる!」 「自分ら、風雲絵巻のステージも見てたんで、忍者がヒーローなの、全然違和感ないっていうか、むしろ見慣れてる��ていうか……かなりかっこよくて……!」 「え~!? 今年はみんなで忍者してヒーローショウやらないんですか!? 僕も先輩たちとシュシュっと参上したいです! ていうか忍者同好会めっちゃ興味出てきました」 「うわーっ! 忍者同好会はいつでも誰のことも大大大歓迎でござるっ! くううっ、こんな日がついに。拙者感激でござる。やっぱ布教って大事でござるな……!」 しみじみと噛みしめるように言った忍に、鉄虎と翠はもう一度、物言わず視線を交わし合った。 「……忍くん、最近誰かに似てきてないッスか?」 「えっ? なんのことでござろう?」 キョトンとする忍のことをまじまじと見つめてから、鉄虎は思わず噴きだした。翠も口を押さえて笑った。なんでござるかっ。叫ぶ忍の声に覆いかぶさって、チャイムが高らかに響き渡る。環が大げさに飛び上がって悲鳴を上げた。 「走るッスよ!」 鉄虎の合図で、一斉に駆け出した。 歩幅も違う、走る速さもまちまちな五人の両足は、コンクリートの歩道をそれはそれは賑やかに打ち鳴らした。先頭を軽快に走る忍と望美。そこから少し離されて、息も絶え絶えな環が続く。鉄虎はそのすぐ横につけながら、環にエールを送っていた。翠は一番後ろから、四人の真っ白い背中を見つめて、あまりのやかましさに少し笑った。 俺は、ここにいたい。 やっぱりまだ、自分は嫌いで、自信もないけど、この足音のひとつでありたい。 汗だくになりながら翠は思った。そしてそれと同じかそれ以上に、ここにいてほしいと強く願う。地面に目を落とす。そこに伸びる、ちぐはぐな影模様のうちのひとつ。ここにいてほしい。自分が嫌いで、自信がなくて、それでも走ろうと努力し続けるあのたくましい背中に。 「ひえ~やばいでござる!」 「先輩! あきやん先生がスタンバってます!」 「ラストスパートッスよ~!」 「はひぃ、が、がんばりま……!」 「わわっ! 無理はしないでいいッスからね!? 忍くんたちは先行ってくれていいッス――」 前方に傾いた環の体を軽く支えると、鉄虎はぱっと体を起こした。 身を翻す、その一瞬がスローモーションみたいに見えた。 「翠くん」 振り向く瞳が、燃え盛るような光を携えて翠を射抜く。 まっすぐに見つめ返して、翠は声を張り上げた。 「大丈夫。……走るよ!」 翠の声に、鉄虎は鮮やかに笑った。 願い、願われ、叶え合って、ここに在りたい。 一緒になって走っていきたい。 たとえこの手の内側になんにもないんだとしても。 生まれたばかりのここから、新しい宇宙に向かって。 誰かのヒーローであるために。
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新店舗のオープンに合わせて幾つかのブランドを新たにラインナップします。
まずは、ドイツ🇩🇪ベルリンで2015年に誕生したスマートフォンネックレスブランド《XOUXOU シュシュ》です。 創業者のYara Jentzsch Dibが妊娠中に手芸を始め、さまざまな素材で作られるロープの結び目を熱心に研究しました。やがて、赤ちゃんが誕生し子育てをする中で両手がいっぱいになってしまうという日常の問題を解決すべく、妊娠中に夢中になったロープとスマートフォンを繋いで首から下げて両手を自由にする事をヒントにして生まれたのが、このスマートフォンネックレスです。 子育てをする女性のアイデアから始まったブランドは、今や国際的に高く評価されるファッションテックブランドです。
そして、インドネシア🇮🇩バリ島を拠点にデザイナーの母国フランスでも展開される《BRESCIA BERCANE ブレシアベルケーヌ》は、デザイナーのブレシアがハンドスケッチで描いた美しいバリ島の景色や情景をモチーフにデザインされたビーチウェアとホームコレクションを多数展開します。ビーチウェアは水着だけではなく、ジャケットやスカートやワンピースなどのカジュアルラインやパレオやストールなどのアクセサリーまでラインナップします。自然豊かなバリの景色にインスピレーションされたその色彩はどこか神秘的で幻想的でもあり、シルキーレーヨンの優しい肌触りと程良い伸縮性も魅力的で着心地の良さにも定評があります。
更に、ギリシャ🇬🇷パロス島からは蒼い海にインスパイアされたオリジナルのテキスタイルから作り出されるバッグやポーチやホームウェアを多数展開する《BLEECKER & LOVE ブリーカーアンドラブ》。その想像力と冒険心に満ちた世界観を表現するキャッチーでユーモラスなプロダクトはヨーロッパを中心にたくさんのファンたちに���されています。地中海から発信されるそのプロダクトはバッグやポーチの内側の生地にウォータプルーフを用いるなど、斬新かつ機能的なアイデアも魅力的です。
これからも《VOSTOK》の魅力的な仲間たちをどんどんご紹介して行きますね🙋🏻♂️
We will add several brands to the lineup in line with the opening of the new store.
The first is the smartphone necklace brand "XOUXOU Scrunchie", which was born in Berlin in 2015 in Germany 🇩🇪. Founder Yara Jentzsch Dib began her handicraft during pregnancy, and she enthusiastically studied rope knots made of a variety of materials. Eventually, in order to solve the daily problem that both hands become full while a baby is born and raising children, connect the rope and smartphone that you were absorbed in during pregnancy and hang them from your neck to free your hands. This smartphone necklace was born with the hint of. The brand, which started with the idea of women raising children, is now an internationally acclaimed fashion tech brand.
And, "BRESCIA BERCANE", which is based in Indonesia 🇮🇩 Bali and is also developed in the designer's home country France, was designed with the motif of the beautiful scenery and scenery of Bali drawn by designer Brescia by hand sketch. We have a lot of beachwear and home collections. Beachwear includes not only swimwear, but also casual lines such as jackets, skirts and dresses, and accessories such as pareos and stoles. The colors, which are inspired by the natural scenery of Bali, are somewhat mysterious and fantastic, and the gentle touch of silky rayon and the moderate elasticity are also attractive and comfortable to wear.
Furthermore, from Greece 🇬🇷 Paros Island, "BLEECKER & LOVE Breaker and Love" offers a large number of bags, pouches and homewear created from original textiles inspired by the blue sea. Catchy and humorous products that express the imaginative and adventurous world view are loved by many fans, especially in Europe. The product, which originates from the Mediterranean Sea, is also attractive for its innovative and functional ideas, such as the use of water proof for the inner fabric of bags and pouches.
We will continue to introduce more and more attractive friends of "VOSTOK" 🙋🏻♂️
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アルテ亡者化IF
×シュシュ亡者化
亡者名:Dornen und Roter Bar(茨と赤き熊)※Barのaには本来点が二つ付く
元になった人物:アルテ・ロージア(武雪×アルテバッドエンドルート)
大柄な熊の下半身に、華奢な少女の上半身が続いている亡者。 亡者の中では比較的小柄な方で、体高は165㎝程度。 しかし普通の熊よりもはるかに高い身体能力を持っている。 上半身は細く美しく、腕が半ばから獣のものに変わっている以外は生前の少女を思わせるだろう。 しかし背中からは、鋭く太い棘を持つ茨の蔓が不釣り合いに生えていて禍々しい。 その茨の蔓も、硬い毛皮も、長く伸びて乱れた髪の毛も、間から覗く瞳孔の無い瞳も、飢えた獣のような口腔も、心臓を突き破るように美しく胸に咲いた薔薇も。全てが血のように赤い。 肌を露出している部分は人間と同じ肌のようだが、色が薄く、血の赤色が透けてやや薄紅色に見えるだろう。 そう、彼女は亡者になってもなお、人と同じ赤い血がその体内を流れているのである。
きっと、人である部分は人と同じ感触がするのだ。
か細い首には細い縄が幾重にも巻かれており、まるで彼女の首を絞めているかのよう。 もしかしたら彼女が赤い血の涙を流しているのは、許しを求めているからかもしれない。 真意はもう、誰にもわからない。
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一日一はや慕Weekly 2017年12月27日~2018年1月2日
802. 12月27日
「はやりちゃんの今日の服もかわいかったよ」 「かわいかった…良かった…(慕ちゃんから褒めて貰えた…うれしい…)」 ファンや共演者から褒められても お世辞の一つと受け取るけど 慕ちゃんから褒められると 顔から火が出るように熱くなってしまうはやりん 「慕ちゃん照れるなぁ…」
「はやりちゃんかわいいから素直に言ってるだけだよ」 その言葉を聞いて ふっと腑に落ちたはやりん 慕ちゃんははやりんの全てを 愛してるから無邪気に なんでも褒めてしまえるのだと だからこそはやりんも 照れてしまうのだ 「そういう素直なところが慕ちゃんの良いところだよ…」
そっと慕ちゃんの頭を なでなでし始めるはやりん すると慕ちゃんの方も 照れてしまう 「照れてる慕ちゃんもかわいいよ」 「嬉しい」 「素直に言ってるだけだよ」 さっきの言葉をお返しするように さらになでなでするはやりん 「そんなはやりちゃんが大好きだよ」 「はや~…」
やはり慕ちゃんの無邪気な言葉に 叶わないなぁと心の中で やれやれと思うはやりん 「(あ、はやりんと白築さん。またイチャイチャしてる…)」 二人がお互いを褒め合ってる様子を 陰からこっそり観察していた はやりんのマネージャ���は その様子を微笑ましく見守っていた 「(写真でも…)」
こそっとカメラを構えて 二人の和気藹々としてる様子を ファインダーに収めていく 「(ああ…私もちょっとしたことではやりんに褒められたいし。こっちも褒めたら照れて貰いたい…)」 瑞原はやりの打算のない純粋さと愛らしさを 一身に受ける白築慕をどこかで 羨ましく思うマネージャー
「あ、マネージャーさんこんにちは」 こそこそしてるのに気づいた慕ちゃんは とりあえずマネージャーに挨拶する 「白築さんこんにちは…。今日お二人ともかわいいですね…」 「そうかな?」 「そうだっけ」 二人が同じタイミングで首をかしげてみると どっと笑いがその場に満ちていった
「あはは、マネージャーさんこそかわいいじゃないですか。そのシュシュとか」 慕ちゃんに褒められてみて マネージャーは理解した 彼女は本当に素直に目の前の子を 褒めているだけだから きっと照れてしまうのだろう 「ちょっと、慕ちゃん」 「ごめんはやりちゃん。かわいいからつい…」
慕ちゃんがマネージャーを 褒めてしまったために はやりんがムッとしてしまったのを なだめるのにしばらくかかった 「この飴あげるから許して」 「許す」 「ありがと」 二人のこのやり取りを見て はやりんにとって慕ちゃんは 大切な存在であることを 実感したマネージャーであった
803. 12月28日
慕ちゃんは見た目は地味でおとなしくて 男子からの人気も一番じゃないけど 私だけがきっとそのかわいらしさに 気づいているから 「一緒にご飯食べる?」 「いいよ☆」 慕ちゃんから話しかけられただけで 胸が高鳴って仕方ないんだよ 「どうしちゃったの?」 「なんでもないよ☆」
ちょっと会話してみるだけで 慕ちゃんのかわいい顔を たくさん見られるから わざわざ席が隣になるようにしたり できるだけ側にいられるようにしたり 努力を欠かさない 「今日の閑無ちゃんの解答面白かったよね」 「あの答えはちょっと…でも勢いはあったし…ってチャイム」 「準備しないと…」
授業が始まっても慕ちゃんの顔を じっと見ることばかりに 気を取られて聞くのを忘れてしまう 「(静かに授業を聞いてる慕ちゃんもかわいい…)」 「瑞原ならわかるなこの問題」 「はいっ!?」 先生に当てられたけど前もって予習してるから 難なく回答して再び慕ちゃんの観察に戻る
「(この慕ちゃんもかわいいなぁ…カメラがあったら撮っておきたいのに…)」 見つめてぼーっとしてるだけで 心が溶けてしまうのもきっと私だけだから いや私だけでいいから 「(このまま手を伸ばせば…)」 前の座席の慕ちゃんへ そっと手を伸ばそうとしたけど 途中で諦めてひっこめた
きっと私が触ってしまうのも もったいないくらいに 慕ちゃんの髪が綺麗だから 「(やっぱり触りたい…)」 それでも未練がましく 手を伸ばしてみるが そこで終わりのチャイムが鳴って 「なにしてるの?」 「恥ずかしいから言わないで…」 その瞬間の顔を慕ちゃんに 見られまいと下を向いた
「はやりはな~、慕の頭にそっと手を伸ばそうとしてたんだぜ」 「そうなの?」 玲奈ちゃんが余計なことを言���たから 逃げ出したくなってきたじゃない 「あはは…」 「いつも慕のこと気にしてるもんなはやりは」 カンラカンラと笑顔でからかう玲奈ちゃんに 愛想笑いで返しているとそこに
玲奈ちゃんからこっそり耳打ちが飛んできた 「はやりさ、慕のかわいさは私だけがわかってるって思い込んでるけどな。私の方がよくわかってるんだぜ」 「さあ。玲奈ちゃんこそわかってないじゃない」 慕ちゃんのかわいさを理解してる 同志に出会った興奮と ちょっとした寂しさが心を通り抜けた
「とにかくな、慕のかわいさを理解してるのははやりだけじゃないってだけは言わせてもらうよ」 「私の慕ちゃんを盗ろうとしてもそうはいかないから」 にわかに高ぶった緊張感に 気づくや否や 三人で自販機にジュースでも 買いに行こうと提案する慕ちゃん 「ふ、二人とも…ジュース買いに行こ?」
「私も」 「丁度飲みたかった☆」 ライバルは意外にも身近にいたことに 気づけたことはいい収穫だった 早く慕ちゃんを完全に私のものにしないと 盗られちゃうので焦りを感じた 「(これから頑張らないとね、色々と)」 近いうちに慕ちゃんに告白する決意を 心のなかで静かに固めた
804. 12月29日
「はやりちゃんからメールだ」 いつものようにはやりちゃんから 暗号のようなメールが来たので 即座に内容を理解して 彼女と落ち合う 「ああ…いつものあの場所かぁ…。で、今日は良子ちゃんも来るんだね」 良子ちゃんの大きなおっぱいに 文字通り胸を膨らませながら 集合場所へ向かう
そこにははやりちゃんはまだいなかったけど 良子ちゃんは先に来ていて こちらをオバケでも見るような目つきをしていた 「ど、どうしてあの暗号メールが…」 何を聞いてきたかと思えば そういうことか あのメールの暗号文は 私とはやりちゃんの二人で考えたから 私が読めても不思議じゃないのに
「だって高校生のころからはやりちゃんのメール読んでたから」 それとなく昔からの付き合いを アピールしてやると 良子ちゃんはこっちを睨み付けてくる クールに見えて嫉妬深い良子ちゃんは かわいいから嫌いじゃない 「やっぱり慕さんには勝てませんか」 「簡単に勝たせてあげるほど甘くない」
「胸では勝ってますよ」 「勝てなくていいから、良子ちゃんのおっぱいも堪能してみたい」 「この場ではダメですよ」 まぁはやりちゃんと一緒にホテルに 入ってしまえば良子ちゃんのおっぱいも 楽しめるんだから別に問題は無い それにしてもはやりちゃん遅いなぁ どこで道草食ってるのか
「遅いですね」 「まぁいつものことだから気長に待つよ」 「そういえばあのメールの暗号文いつ教えて貰ったの」 「高校の時です。はやりさんと初めてデートした時あのメールが届いて。慣れないうちは何度も口頭で確認もしました」 「ズルいなぁ、良子ちゃんは。私はそういうやりとりなかったから」
良子ちゃんとたわいもない会話をするのも まぁ悪くはないんだけど 言い出しっぺのはやりちゃんが 来ないのが困り���の 「来ないね」 「今夜は二人でシメますか」 「それもいいね」 恋敵同士で珍しく意気投合しながらも なかなか来ない彼女を待つ心寂しさは 慣れないものだと身にしみるのでした
805. 12月30日
「ただいまはやりんは~、○○温泉に来ておりま~す☆」 自分以外誰も入っていない風呂で リポーターのようなセリフを 一人で叫んでるはやりん というのもはやりんに テレビのリポーターの仕事が 舞い込んできたので 風呂場で練習に励んでいた所だったのだ 温泉気分に浸るためバブを入れながら
「(はぁ…うまくできるかなぁ…リポーターのお仕事)」 とりあえず練習してるセリフを 一通り言い終えるなり お湯の中で小さく沈み込むはやりん 大学に入ってもなお アイドル活動と雀士としての活動を 学生生活とともに両立させるのは はやりんと言えど容易なことではなかった
何も知らないクラスメイトからすれば 学生としてもアイドルとしても雀士としても 華々しく活躍しているように見えるが その内情は苦難と努力の連続であった 目標の牌のお姉さんにはまだ届かないものの テレビのリポーターとしての仕事を やっと手にしたからには はやりんに失敗は許されなかった
「こんなことでくよくよしてる場合じゃないよね…慕ちゃんのためにも」 今のはやりんを誰よりも献身的に支えているのは 高卒でプロになった慕ちゃんだった 精神的にはやりんの支えになっているのはもちろん 金銭的にも実家からの仕送りとともに 慕ちゃんの稼ぎもアイドル活動の糧になっていた
そしてはやりんが今住んでいる オートロック付きのマンションも 慕ちゃんと共有しているものだ 同い年で幼い頃からの友達が プロとして数々の成功を収めているのを見て 焦燥に駆られないといえば嘘になる だが慕ちゃんの支えなしに アイドル活動を続けていけないことも事実だった
「いつまでも慕ちゃんに甘えていられない。だからちゃんとお仕事こなさないと」 はやりんが心の中の決意を言葉にして 確かなものにしてたところに 風呂場のドアが開いて 「あ、はやりちゃん先に入ってた?」 「ひゃあっ…」 「あれ、恥ずかしいところ見ちゃった?」 「ううん、気にしないで」
はやりんがお仕事のことで 少し思い詰めてるところがあることを 悟っていた慕ちゃんは そっと言葉を投げかけた 「はやりちゃん、頑張りたい気持ちはわかるんだけど。いくらでも私に甘えていいんだからね」 「…」 はやりんは何も言えなかった 言ってしまえば小さな決意が腐りそうになるから
「だって、私ははやりちゃんの恋人なんだよ?辛かったらなんとかするから」 慕ちゃんにそういうこと言われると 余計に甘えたくなくなってしまうのは ちょっとした反発心なのか 余計に頼りたくない決意を固めたが それも彼女の一言で瓦解する 「ほら、お風呂に入ってるのに身体がガチガチだよ」
慕ちゃんに触れられた途端 硬直していたはやりんの筋肉は ふ���っと緩んでいく 「これじゃ疲れが全然取れないよ。リラックスリラックス」 さらに軽くはやりんの身体をもみほぐす 慕ちゃんに心の中のこわばりも 解きほぐされていく 「はぁ…また慕ちゃんに助けられちゃった」 「どうも」
無意識のうちにしていた緊張が 解けていくと温かいお湯が身体のうちに 染みこんでいくような感触を覚えるはやりん 「あったかい…」 「このまま暖まろっか」 「うん」 この時だけは色んなプレッシャーから 解放されて自然体になっていくはやりんは 慕ちゃんの身体に寄っかかっていた
「はやっ…」 そして寄りかかってきたはやりんの身体を そっと胸で包み込んでいく慕ちゃん 「…ズルいよ慕ちゃんは」 様々な感情を凝縮した一言を 慕ちゃんは涼しく受け止めた 「ズルくて当たり前だよ、大人なんだから」 そのさりげない言葉ははやりんの胸を ちくりと刺していった
「(大人かぁ…同い年なのに私は全然だなぁ)」 はやりんからすれば 昔から慕ちゃんはしっかりした子だったが プロになってからの彼女は より大人びて見えるようになった それもそのはず一足先に プロという大舞台へ掛けだしていって あまつさえ賞を獲得するなど 実績も残しているから当然だ
「ねぇ、慕ちゃん。私は牌のお姉さんになれるかな」 はやりんにとっての牌のお姉さんとは 立派の大人のシンボルであり 何よりも輝ける人生の目的だった でも今の現状を素直に捉えると その座に近づけているか 迷いが生じていた だが慕ちゃんはそんな迷いをあっさり切って捨てた
「そんなの愚問だよ。なれるに決まってるでしょ。はやりちゃんはずっとずっと努力を重ねてきたんだから。なれないはずない」 あくまで愚直に自分を信じてくれる慕ちゃんに モヤモヤを断ち切られた格好になったはやりん 「やっぱりズルいよ…」 「何がズルいのかよくわからない」 「そういう所」
「だからどういう所?」 「…考えるのめんどくさい」 「なにそれ」 ずっとお風呂に浸かってたので いい加減のぼせてきたはやりんは 慕ちゃんに寄っかかったまま ゆっくりと考えるのをやめていった そんな彼女を見て慕ちゃんは 「あまり考えすぎないでね、はやりちゃん」 「うん」
慕ちゃんの助言を素直に受け止めて 肯いているはやりん 「はやりちゃんが倒れちゃったら、お義母さんに怒られるのは私だからね」 「流石にお母さんにはね…」 「あと、ちゃんと食べる」 「食べないとね」 「あはは…」 本当に何気ないやり取りのはずなのに 不思議と笑いがこみ上げてきた二人
806. 12月31日(1)
慕「最後の一日だね」 は「今日が終われば今年は終わりだね」 慕「短かったね…もっと麻雀打っとけば良かった」 は「あれだけ打ったのにまだ打ち足りないの」 慕「もっと打ちたい~」 は「も~みんな呼んであげるから待ってて☆」 慕「やった!」 は「(どうせ酒が入るけど)」
807. 12月31日(2)
慕「今日悠彗ちゃんのサークルの日だよね」 は「どんな本なのかな?」 慕「よくわからないけど、面白いのかな?」 は「う~ん」 悠「(��真だ…ごめんよ二人とも。本の中身は汚れた妄想しかないんだ。そんな本の売り子をやってもらう二人には悪いね。超悪い)」
808. 12月31日(3)
「一年ってこんなに早かったっけ」 「はやっ☆」 ぬくぬくとコタツに潜りながら だらだらしている二人 大晦日だけにはやりんも 忙しいと思いきや 一日中慕ちゃんの部屋でゴロゴロしてるので ちょっと呆れてしまう 「大晦日とか正月とか、芸能人なら忙しそうなのに暇なのはやりちゃん」
それに対してはやりんは 眠たそうにリラックスした顔で 「今年は年末年始慕ちゃんと一緒に過ごそうと思って仕事入れてないんだ~」 猫のようにゴロゴロと床を転げ回るはやりんに 愛でたい衝動がわき起こる慕ちゃん その有様はダメ人間そのものだったが たまにはいっかと微笑ましい目で見ていた
元から整理整頓を欠かさないとはいえ 年末の大掃除はほぼ済ませてしまったし テレビを見ながら年越し蕎麦を食べる以外に 二人ともやることがないので 慕ちゃんもすっかり気が抜けた状態になっている 「私たち、完全に寝正月だね」 「慕ちゃんも寝正月したら?」 「うーん…どうしよう」
このまま誘惑に身を任せるが否か 葛藤を続ける慕ちゃんだったが 完全にお正月のおもちのように 溶けてしまっているはやりんを 前にしてどうでも良くなってきた 「私も寝ちゃう」 「やった」 「おせちも作っちゃったし、働かなくても食べ物に困らない」 「ゆっくりゴロ寝しよ。レッツゴロ寝」
しかしいざゴロ寝しようにも 眠れないのでコタツの上の ミカンを取ってムシャムシャ食べていく慕ちゃん 「なんでだろう、食べ始めると止まらない」 「いつもより甘く感じる」 口寂しさも相まって コタツの上のテーブルには 次々とミカンとその皮が積み上がっていった 「そういえば…」
「ん?何?」 「はやりちゃんって、ミカンの薄皮食べないんだ」 「慕ちゃんこそ、薄皮も一緒に食べるんだ」 「薄皮には栄養もありそうだし、何より取るときに手が汚れちゃうし」 「だって薄皮味しないし、口当たりも良くないし」 ミカンへの微妙な考え方の違いに 長年気づかなかった二人は
お互いにまだ知らない所もあるんだと 不思議な感情が芽生えた ミカンで 「(新しい発見、慕ちゃんあれ食べるんだ…)」 「(知らなかった…。はやりちゃん薄皮取って食べるんだ…)」 ミカンを一緒に食べる機会はあったのに 今まで気づいてなかったことで おかしくなって笑いがこみ上げる二人
そしてミカンでお腹がふくれてきた頃合いで 眠気が襲ってくる二人 「む…眠たくなってきちゃった…」 「食べきれないくらいミカン食べたから…」 「起きたら年越してるかな」 「きっと…むにゃむにゃ…」 そのままコタツのなかで 手をしっかりと握って 横になったまま眠りにつく二人
「(来年もこんな風に年を越せるといいなぁ…)」 意識が落ちる寸前に そんなことを思った二人だった そして二人が眠ってしばらく経って ガチャリとドアが開いた 「慕とはやり、どうしてるっかな?」 閑無ちゃんが二人の家へ訪れたのだ 杏果ちゃんも交えてお正月を過ごすために 「寝てる?」
慕ちゃんとはやりんがまるで 子豚かアザラシのように並んで 眠っていたのでちょっとした イタズラ心が沸く閑無ちゃん 「杏果もまだ着てないし、ちょっとぐらいいいよな…」 叩いても揺さぶっても起きない二人に これは何しても起きないぞと あくどそうに微笑む閑無ちゃん 「しめしめ…」
そして部屋にあった油性ペンで 適当に二人の顔に落書きをする閑無ちゃん 「ま、せっかくの正月なんだし福笑いだな」 嬉々として落書きに勤しむ 閑無ちゃんはとても28歳の大人には見えなかった 「こ・れ・で・よしっと。後ははやりと慕が目覚めたところで大笑いしてやれば大成功だな」
杏果ちゃんもなんとか二人の部屋に到着したが 閑無ちゃんの悪行についてはあえて触れずにスルーする 「(その方が面白そうだし)」 閑無ちゃんと杏果ちゃんがテレビを見ている間に 二人が同じタイミングで目覚めてしまい 「ふわぁ…よく寝た…」 「いま何時かな…とけいとけい…」
「あ、閑無ちゃん杏果ちゃん。来てくれたんだ」 「二人ともどうして笑って」 寝起きでボーッとしてる二人を見るなり 腹がよじれるほど大笑いしている 閑無ちゃんと杏果ちゃんを見て やっと寝てる間に行われた蛮行に気づいた二人 「まさか閑無ちゃん…」 「顔に落書きとかしてないよね?」
「お、おう。どうしてそこまで睨んで…」 「うふふ」 「あはは」 悪行が露呈した閑無ちゃんは 慕ちゃんとはやりんに容赦ない制裁を加えられる その有様を杏果ちゃんは黙ってみていた 「たすけ…」 「自業自得よ」 「お前には慈悲はないのか杏果~」 「これでも閑無への友情はあるけど?」
杏果ちゃんは二人に袋だたきにされる 閑無ちゃんを見つめながら 大昔にもこんなことがあったっけと 物思いに耽る 「(私たちって、結局根元のところで昔と変わってないのね。もう三十路も近いのに)」 年が暮れていくのを実感しながら 杏果ちゃんもまたコタツに寝そべっていくのだった
809. 12月31日(4)
慕「もうそろそろ年越すかな?」 は「越しちゃうよ…」 慕「こら」 は「外寒いから慕ちゃんのふとももから離れたくない」 慕「はやりちゃん暖房あったかい」 は「はや~」 慕「(なんだろう…すごく撫でたい…猫みたい…)」 は「ぐるぐる」 慕「(何これ萌えすぎるよ…)」
810. 1月1日(1)
は「もうあけちゃった…」 慕「蕎麦も食べちゃってもう眠いよ…」 は「あけまして~」 慕「今年もよろしく~」 は「早速だけどキスしちゃう?」 慕「キス納めしたとこなのに…まぁいっか」 は「一発目!」 慕「んんっ…」 は「いただきました~」 慕「も~不意打ちは卑怯だよ…」
811. 1月1日(2)
は「すごい人…」 慕「こんなに神社に人がいるなんて元旦ぐらいだよ…」 は「バレないよね…」 慕「丹念に厚化粧したからバレないよ」 は「は、早く行って早く帰ろっ」 慕「(おっぱいでバレちゃう可能性があるけど、言わない方がいいよね)」 は「今年も良いことあったらいいな☆」
812. 1月1日(3)
「あけましておめでとうはやりちゃん」 「あけましておめでとう慕ちゃん」 一月一日元旦 零時を過ぎて改まって挨拶をする二人 除夜の鐘の音があたりに響き渡るのを 聞きながらお互いに頭を下げ合う 「一年の初めに何しよっか」 「初夢、って言いたいところだけど全然眠くないから…」
「初キス?」 「それ」 はやりんの提案に慕ちゃんも乗っかって ���年初めてのキスをする二人 身長の高い慕ちゃんがはやりんの首を抱いて そのまま覆い被さるように唇を合わせ さらに舌を這わせていく 「おいしっ…」 「あっ…」 そしてお互いに舌を絡ませあったまま 深くキスに没入していく
やがて息が苦しくなって キスを続けるのも困難になってきたので ゆっくりと口を離していった 「はぁ…はぁ…」 「新年一発目で死んじゃうところだった…」 「あんまりキスに夢中になるのも良くないか…」 キスを終えてもしばらく お互いの鼓動がドクドクと伝わるような 余韻を味わう二人
そしてお互いをただ見つめ合うだけで 数分が経っていた 「もっと欲しい?」 慕ちゃんの問いかけに 無言で目を背けるはやりん 一見すれば拒絶してるように見えるが その表情は僅かに恥じらいを秘めていた 「…して」 「お安いご用」 はやりんのオーダーに答えて 再びキスが繰り返されていった
「ぷはぁ…」 「もう回数もわからないくらいしちゃったね」 その後も何度も唇を合わせては離し 合わせては離しを繰り返して やがて回数も忘れてしまうほど キスしてしまった二人 「もうキスに飽きちゃった?」 「うん…次はね…」 そしてキスでは物足りなくなったのか 次の行為を求める二人
一連のキスを通じて すっかり身体に灯が点ってしまった二人は 身体を求めることをもはややめられない 「もうすっかり眠れなくなっちゃったね」 「これじゃ神経が高ぶって…朝まで…」 「どっちにしたって、もう…」 慕ちゃんがゆっくりはやりんの服の 胸をはだけさせてそこを舐めていく
「はぅ…」 「もう乳首が立ってる…」 「そこぉ…」 はやりんの乳首を執拗に攻める一方で スカートの中をまさぐる慕ちゃん 「ここもすっかり熱くなっちゃって…」 「さっきのキスのせいだよ…」 「キスだけでそんなにしちゃうなんて悪い子だね」 慕ちゃんの一方的な攻めに耐えられないはやりん
「指も何本入るのかな」 「んんっ…」 膣内に指をねじ込められて 苦悶の表情を浮かべそれを見られまいと 顔を腕で隠すはやりん 「たっぷり飲み込んじゃって…しかも締めてくる」 「これ…壊れちゃうっ…」 はやりんの身体を知り尽くした 慕ちゃんの攻めは瞬く間に 彼女の理性を決壊させていく
「さぁ、弾けちゃえっ」 「ああっ…」 「これがはやりちゃんの、初イキかな?」 イクと同時に失神した��やりんを見届けると 自分も服を脱いでいき本格的に 姫始めの体勢に入る慕ちゃん 「はぁ…慕ちゃん…」 興奮がまだ冷めないはやりんの身体を 慕ちゃんはゆっくりと包み込んでいく
さっきまでの激しい攻めとは打って変わって 優しくはやりんの身体に寄り添って ゆったりとしたテンポで彼女を揺さぶっていく 「あたまふやふやで私っ」 「はやりちゃんは賢すぎるからたまには馬鹿になった方が楽だよ。ほら、こことか」 「あっ…」 二人はただ身体を重ねていくだけだったが
じんじんと芯から快感を高めていって 心も体もまさしく繋がってるような感覚になっていく 「はぅっ…あっ…」 「気持ちよすぎてホントに馬鹿になっちゃったのかな。まぁいっか、正月ぐらいは馬鹿にならないとね」 もはや二人は時間も忘れて お互いを求め合っていた まもなく初日の出だったが
二人にはどうでもいいことだった 「まだ…日が出てないよね」 「外出てないからわからないや」 そして二人は眠くなって 意識が落ちるまで交わり続けて 「おはよう…今何時」 「お昼の十二時かな…」 「もうちょっと寝てよっ」 何も身につけてない二人は 一晩の交わりの余韻に自堕落に浸ってた
813. 1月2日
「はやりちゃん、おはよう」 頭の中で何かが違うと叫んでいる でもその声が心地よいから 無理矢理押さえ込んだ 「朝ご飯できてるんだけど食べる?」 「もちろん、時間に余裕もあるから」 目の前に居る慕ちゃんが妙に優しい その事実が何故か腑に落ちない 「消化にいいものをメインにしたよ」
ニッコリと微笑む慕ちゃんが 心地よくて食も進む 彼女が豪語するように 消化にいいものを中心に栄養バランスも ちょうどいい献立で構成されていた 「今日お仕事だから、あんまり胃も疲れないものがいいかなって」 「…優しいね、慕ちゃんは」 「ううん。私ははやりちゃんの■■■■だから…」
慕ちゃんの言葉の一部が なぜか聞き取れなかったのは気のせいなのか 「どうしたの?」 「ああ…なんでも」 「それでね」 慕ちゃんは笑顔でずっと 色んなことを話してくれて 時間を忘れそうになる でも仕事だからこの部屋を出なきゃいけない 「そろそろ時間だから」 「いってらっしゃい」
名残惜しそうに手を振る慕ちゃんは どこか寂しそうに見えた でも仕事に出る時間が迫ってるから 仕方が無い早く出ないと あれ?急に頭が… どうして? 「はやりちゃん!?救急車…」 慌てて119番へ電話してるであろうと 慕ちゃんを横目で見ながら 私は意識を失っていく 「私…どうなっ…」
そして私は一人で目覚めて 気づいてしまったのだ さっきまでの世界は夢の世界だったことに 慕ちゃんが現実よりずっと優しいのも きっとそうあって欲しい私の願望が 無意識的にそうさせたのだろう 「うっ…」 いっそあの夢が 醒めてしまわなければよかったのに と暗い闇のなかで泣いていた
そしてもう一眠りしようと 布団を身体に掛けたとき 暖かいものが手に触れたことに気づいた 「慕ちゃん?」 まさかこんなところに慕ちゃんがいるなんて 夢と思って頬を抓ってみたら痛かった 「あ…」 布団に覆い被さるように眠っている慕ちゃんの その手には熱様シートとポカリが握られていた
体調を崩してしまった私のために わざわざ看病をしてくれたんだ そんなことを彼女に伝えたこともなかったのに 「やっぱり…現実の慕ちゃんも優しいよ」 一人で頑張ってくれた慕ちゃんの身体を 風邪が移らないよう気をつけて優しく撫でた 「わたしは…はやりちゃんの…すきなひと…」
寝てまで私のことを看病してるのかと 流石に自分でも呆れて笑ってしまった まぁわざわざ合鍵を使って忍び込んでまで 看病するほどだからよっぽどだけど 「さて、慕ちゃんの頑張りに答えて一生懸命治さないと」 慕ちゃんの持ってたポカリを一口飲んで 布団を被って私はそのまま眠りについた
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COMITIA130ありがとうございました
COMITIA130ありがとうございました&お疲れ様でした!!
久々にイベント参加しましたがやはり楽しいですね…本作るのもやっぱり楽しい……本をお手に取ってくださった方、差し入れやお手紙くださった方、スペースお立ち寄りくださった方等々皆様本当にありがとうございました!
ご一緒してくださった詩七さん、なすちゃさんもありがとうございました。今回もふざけた本が出せて柊は大大大満足です!!!!!
あ、そうそうTwitterでは既にお知らせしたんですが今回の新刊合同誌「芋の本」通販開始しております!
今日の更新と合わせてサイトの「Offline」の発行物一覧にも追加しておいたので、ご興味がありましたら覗いてみてください。
残部が極僅かとなっておりますので(笑うところ)、通販お考えの方はお気をつけください!再販予定はございません。
≫通販ページはこちら
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久々に本編の話を……しておきますかね……?(なぜ疑問形?)
先週で体育祭前半終わりまして、今週から後半がスタートしました。
女々島彼方、ポニ海、ポニ海絶対死守するマン及川、レンレン、運動オンチ春架ちゃん、本編初すばはる、いどあす、てっぺん総取りの小人×2、ピンク頭のバスケ部長、お揃いシュシュの女子二人等へのコメントが多く寄せられました。改めて書き出したらネタ盛りだくさんでしたね……細かいところまで全部拾ってくださる読者の皆様本当にすごい!いや~私、気付かれない前提で随所に小ネタ仕込む��最早芸風の一つなので(芸風?)、とてもとても嬉しいです。ありがとうございます!!
前半、主人公の見せ場がこれっぽっちも無いどころかほぼ空気だったので、後半こそは何かしらやってくれると(未来の私を)信じましょう。まあ続きは白紙なんですけどね
あっそれと本編の更新に関してちょっとお伝えしておかにゃならんことがありまして、今のところかろうじて毎週更新できてはいるんですがそろそろ毎週更新できる時とできない時が出てくるやもしれんな~~と思っております。
更新も今まで基本土日のどちらかにしてたんですが、年明けくらいからプライベートの都合で平日更新になる…かも…?しれないです。まだどうなるかはっきりとは分からないんですが…
ちょっと新しい事にも挑戦し始めているので、生温かく見守っていただけると幸いです。
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そういえば最近、WCRさんのランキングの常連になっとるようでして、ポチポチ押していただいているみたいでとても嬉しいです!
サイト開設当初から紹介文とか変えてないのでさすがに変えたいなと思ってるんですけど、ログイン情報さっぱり忘れてしまいログインできない状態がかれこれ1年以上続いておりまして…管理人さんに連絡させていただいているんですが音沙汰も無く…
投票機能には何の影響も無いので気にせずぽちぽちしていただいて大丈夫なんですが、紹介文があまりにもテキトーというかアホっぽい文言で それがランキング上位に常におるのが あまりにも恥ずかしい
…いや、そもそもログイン情報を忘れた自分のせいなので自業自得以外の何物でもないんですけど…
まあそんな私のアホ話は置いておいて、個人のweb漫画サイト文化が廃れていく中、アクセス数が順調に伸びているだけでなくランキングに投票してくださる方やランキングから訪れてくださる方の存在が確認できて、個人サイト文化もまだ完全に廃れ切ってはいないのだな…と感じました。
もう今アマチュア漫画はTwitterや漫画投稿サイトで読む時代だし、私もいい加減個人サイトを畳んでどこか別の場所に活動拠点を移すべきなのかもしれんな…と思うこともあるんですけど、サイトのこの作者と読者の距離の近さが私はとても心地よいですし、あとポッ〇ー企画とかのふざけた企画を思い付きで自由にやれるのもサイトならではなのかな…と思うので、最後の1人になるまでは個人サイト続けたいなと思います。
***
書こうと思ってたことは大体書けたかな!
いいねぽちぽち&一言コメントいつもありがとうございます!全部見てます!
サイトで使いづらいところや見づらいところとかあったら教えてくださいね。直せるものは直します、本業なので(漫画を描いてください)
さーてイベントも終わったし次に向けて頑張るぞ~!
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ひとみに映る影 第二話「スリスリマスリ」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。 書籍版では戦闘シーンとかゴアシーンとかマシマシで挿絵も書いたから買ってえええぇぇ!!! →→→☆ここから買おう☆←←← (あらすじ) 私は紅一美。影を操る不思議な力を持った、ちょっと霊感の強いファッションモデルだ。 ある事件で殺された人の霊を探していたら……犯人と私の過去が繋がっていた!? 暗躍する謎の怪異、明らかになっていく真実、失われた記憶。 このままでは地獄の怨霊達が世界に放たれてしまう! 命を弄ぶ邪道を倒すため、いま憤怒の炎が覚醒する!
(※全部内容は一緒です。) pixiv版
◆◆◆
「いつも通り一美ちゃんの人権を無視して拉致が敢行されんとしていた、その時! 我らが極悪非道ロリータの志多田佳奈(しただかな)ちゃんは、ひょんな事から英雄物流(ヒーロジスティクス)密売事件の重要人物、石油王こと平良鴨譲司(へらがもじょうじ)氏と再会する! かくして始まった「したたび」放送開始以来異例のインタビューはまァだまだ続く! それではまた来週~!」
譲司さんをテレビ湘南(しょうなん)のクルーに連れていかれて、私はオリベさんと、彼女が連れてきた高校生ぐらいの女の子を乗せたミニバンを運転し、先に熱海町に向かう事にした。
大人になって東京でファッションモデルをしていた私は、たまたまオーディションに受かったヒーローショーイベントの仕事でアイドルの志多田佳奈さんと出会い、 それ以来彼女の冠番組「ドッキリ旅バラエティしたたび」に、ドッキリ企画と称していつもノーアポで連れ回されている。 テレビ出演が増えたのは嬉しいけど、最近の私にはまるでプライベートがない。 テレビ局は何故か事務所とグルで私のスケジュールを完全に把握しているし、いざ連れていかれると、 原付で一都六県を一周させられたり、ドーバー海峡をスワンボートで横断させられたり、ともかく割に合わない過酷なロケに付き合わされる。 なので今回あの番組の矛先が譲司さんに向いたのをいい事に、私達はこれ幸いと先に行かせて頂く事にしたのだった。
撮影が一段落つくだろう時間を見計らい、矢板(やいた)のサービスエリアで一旦休憩する。 オリベさんが譲司さんに「終わったら新幹線で来てね」とメールを入れている間、私は後部座席で背中を丸めている女の子を見た。 パステルピンクのドルマンスウェットと同色のシュシュ、真っ赤なバルーンスカート。典型的なオルチャンファッションだ。
<さすがファッションモデル、よくわかったわね。その子は韓国人よ>
隣のオリベさんが目で語ってくる。 医療機器エンジニアのオリベ���ヒメノさんは、子供の頃に脳神経をやられて声を失ってしまったユダヤ人の女性だ。 でもその代わりに、脳から直接テレパシーを送受信する力を持っている。だから日本語が喋れなくても会話できる。
今回熱海町に行くメンバーは全員、NICという脳神経科学研究機関の関係者で、その中でも脳の異常発達や霊能力によって特殊な力を使える人達だ。 数時間前に連れていかれた譲司さんも、肺に取りこんだ空気の成分や気圧差で色んな事を読み取るダウジングや、物に触って過去を読むサイコメトリーといった「特殊脳力」を持っている。 だから多分、この子も「特殊脳力者」なのだろう。 顔色が良くないので、休憩所に連れていく事にした。
「Sorry for the late introduction, because I was driving. I’m Hitomi. And how can I call you?」 (運転中に自己紹介できなくてごめんね。 私は一美です。あなたのお名前は?)
涼しい外のベンチに並んで座り、私はとりあえず英語で話しかける。 先述の「したたび」で度々海外ロケにも連れていかれるせいで、ある程度英語が話せるようになっていたのは不幸中の幸いというか、怪我の功名というか。 でも女の子は俯き加減のまま私を見上げて、消え入りそうな声で「日本語でいいヨ」と言った。
「私パク・イナです。日本語の方がいい。 ヒトミさんテレビの韓国で見てた知ってるます。会えたの嬉しいヨ」 イナちゃんと名乗った女の子は、少しカタコトだけど聞き取りやすい日本語でスラスラと答えた。 でも、「会えたの嬉しい」と言う割にはまだ元気がないように見える。 「酔っちゃった?できるだけ安全運転したけど、ごめんね…」 背中をさすろうと思って彼女に触れると、小刻みに震えていた。
「スリスリマスリ…スリスリマスリ…」 よく耳をすますと、イナちゃんは両手を強く握りしめてなにか呟いている。 意味はわからないけど、韓国語か…
その時、ふと目線を上げると、ベンチの周りに数匹のカラスが集まっていた。いや、カラスだけじゃない。 「ニャーン…」背後から猫の鳴き声。 振り向くとそこには、おびただしい数の動物霊、交通事故死した人間の浮遊霊、魂未満の小さな鬼火、生きた野良猫、蟻やゴキブリ、目の焦点の合っていない小さい子供… 自我の弱い生き物や魂達が、私達の半径2m外を取り囲んでいた。
「ひっ…」恐怖で声が出そうになるのをこらえる。 動物霊はこちらが見えている事に気付くと襲ってくる事があるから、なるべく目を合わせないようにしなければいけない。 「スリスリマスリ…スリスリマスリ…」 イナちゃんが何と言っているかはわからないけど、その言葉のおかげで集まっているものたちがそれ以上近寄って来ない事を直感で理解する。しかし、
バサバサバサッ!!喫煙所の屋根から土鳩の群れが私達めがけて飛来し、イナちゃんは驚いて呟きを止めてしまった。 すかさず大量の霊魂と生物が私達に押し寄せる!
私はイナちゃんをかばいながら、足の裏の自分の影に意識を集中させた。 幸いその日はカンカン照りの快晴、光源は充分ある。 床に置いたワンピースを下から持ち上げて着るように、自分達の体を影で覆いながら、周囲の光の屈折を歪める。 私達を覆う影が濃くなるにつれて、その分行き場を失った光線が影の外縁で乱反射する。 その反射率がほぼ100%になると、私達の姿は彼らから全く見えなくなった。影法師の「影鏡(かげかがみ)」という術だ。
彼らは目標を見失って立ち止まった。しかし未だに私達を取り囲んだまま動かない。 私は第二の手に出る。影鏡の輪郭を半球状に広げながら屈折率を更に強めていく。 自分達の視界が完全な漆黒になるけど、その外側は電球のように光っているはずだ。 そのまま集めた光を360度放射する。 「ぎゃあああ!」幾つか叫び声が上がると同時に視界が戻ると、彼らは強烈な紫外線を浴びて散り散りに逃げていた。 「今のうちに戻るよ!」 私はイナちゃんの肩を押して車へ駆け戻った…。
◆◆◆
<さすがね、ミス・ヒトミ!イナをあなたに任せた甲斐があったわ> 運転を交代してくれたオリベさんが、まるでヒーローショーでも見ていたかのように呑気に言う。 イナちゃんは極度の「引き寄せ体質」で、特に精神的に緊張したりストレスを感じてしまうと何でもかんでも引き寄せてしまうらしい。 韓国で色んなお寺や教会、霊能者を頼ってもどうにもならず、ご両親がダメもとで病院に連れて行ったら、NIC会員の医師に研究対象として���護された。 そして来週からインドネシアにある脳力者児童専門の養護施設、「キッズルームバリ島院」にて、体質をコントロール出来るようになるまで住みこみでリハビリする事になったという。
<イナのギャザリング体質は今回のミッションに適しているわ。 ジョージも丁度来週からバリ島院の養護教諭になるし、日本で待ち合わせて一緒に出発しましょうって話になったの。 この子がタルパの聖域フクシマに行くと思うと…とってもワクワクするわね!>オリベさんが意地悪に笑う。 「いやいやいや、本人はとってもビクビクしてるんですけど!?福島の心霊スポット系は本当にヤバいんですよ!! ていうか肝心の譲司さんが別行動ですし!」 <平気平気!あなたが付いているもの。 それにインドネシアの悪霊は韓国や日本のよりも刺激が強いから、少しぐらい鍛えておかなきゃでしょ>
確かにオリベさんの言う通りではあるけど、当のイナちゃんはあれからずっと私の腕にしがみついている。 (オリベさんに運転を変わってもらったのはこのためだ。) ちなみに刺激が強いというのは、物理的に交通事故などの事故死亡率が多い国は当然幽霊もスプラッターな姿の方が多いという事だ。 私も「したたび」でインドネシアに行ったことがあるけど、実際バイク大国で信号が少なかったし、 観光客がバシャバシャ写真を撮っている公園で白昼堂々首なしの野良犬の霊がうろついていたのも確かだ。
「イナちゃん大丈夫だよ。福島は色んな姿をした人工の魂が多いから、幽霊さん達も死んだ時のままじゃなくて、 おしゃれに自分の好きな姿にしてる方が多いんだ。 ゾンビみたいな人はめったにいないから、安心して。 そうだ…おしゃれといえば、渋谷とか原宿には行ったことある?」
私が「渋谷とか原宿」と言った瞬間、曇っていたイナちゃんの目がキラリと輝いた。 「シブヤ、ハラジュク!」 やっぱり。オルチャンガールだから反応すると思った。
「かわいい物は好き?」 「かわいい」という単語を聞いて、イナちゃんの表情が更に明るくなる。 「うん!日本のかわいい好き!! 大人になったらアイドルになりたいです。だから日本語勉強してるだヨ! 「したたび」のカナちゃんは一番好き日本のアイドル!」 一気に饒舌になって力説し、一瞬はっとして「でもヒトミちゃんも同時な好きヨ!」と小さくフォローを入れてくれた。 いつの間にか「ヒトミさん」が「ヒトミちゃん」になっていたのが、ちょっと嬉しかった。 「じゃあ無事にこの旅が終わったら、一緒に渋谷と原宿でお買い物しようね」
その後の車内は、熱海町に着くまでさながら女子会のようにずっと盛り上がっていた。 それぞれの国にあるかわいい物、悪い霊から身を守る色んなおまじない、 最近流行っているコーデ、スイーツ、 それに三児のママであるオリベちゃんの子育て苦労話も。 気がつくと私達全員が全員をちゃん付けで呼び合うようになっていた。 この旅の本来の目的については、誰一人触れようとしなかった。
◆◆◆
「磐梯熱海温泉(ばんだいあたみおんせん) 右折」という三角のモニュメントを確認して、熱海町に入ったのを実感する。 ここは東北新幹線の停まる郡山(こおりやま)駅からも近い温泉街だ。 都心の観光地に比べると小さい町だけど、町内には温泉やスポーツ施設、無料で入れる足湯などがあり、県内外の人々に愛されている。 駅から安達太良山(あだたらやま)の方向に登っていくと石筵だ。 私や玲蘭ちゃんが修行していた霊山や、その更に奥には牛の乳搾りやバーベキューを楽しめるふれあい牧場がある。 残念ながら今回は遊びに来たんじゃないけど、目的が早く済んだら観光案内をする約束だ。
貸し切り民宿に大きな荷物と���を置いて、ようやく私達は本題に入った。
<イナちゃん。NIC会員の規定は知っているわよね?> オリベちゃんが真剣な目でイナちゃんを見据える。 イナちゃんは緊張した声で答えた。 「はい。ひとつ、自分のセレキック・アビリティ(超脳力)、人を助けるに使うこと。 ふたつ、私は医療発展に大事な人だから、自分とアビリティ一番大事なすること。 みつ…犯罪するセレキックいたら、積極的原因究明すること」
イナちゃんが私にも伝わるように日本語で言ってくれたNIC会員規定は、私も会員登録の時に一読した事がある。 NICは医師団の組織でありつつ、警察と協力して超脳力者が関与する事件の捜査をする義務もある。 そういった事件には、一般的な事件捜査では処理できない超常的な現象や証拠があるからだ。
<その通りよ。あなたにはこれから、その引き寄せ体質でとある行方不明の脳力者捜索を手伝ってもらうわ。 但しもちろん、いつだってあなた自身の身の安全が最優先よ> 「…はい、覚悟準備終わてます」 気丈に答えるイナちゃんだけど、まだその表情は固く、私はサービスエリアでの不安そうな彼女を思い出した。 ひょっとしたらこの件はイナちゃんにとって、自分のコンプレックスである体質が、初めて人のために役立つ機会なのかもしれない。 それに「犯罪捜査」なんて言われると、なにか恐ろしい事に関わるんじゃないか…というイメージもあると思う。 そう考えると緊張するのもわかる気がした。 でも、オリベちゃんは優しく微笑み、鞄から小ぶりな米袋ほどの大きさの何かを取り出した。
<唯一の手がかりは…これよ> それは人形だった。色褪せた赤青の布を雑に縫い合わせて作られたものだ。 手足がなく、顔も左右ちぐはぐな目をしたブリキのお面で、背中側にはネジや釘が飛び出した機械がついている。 人形を手渡されたイナちゃんが不思議そうに機械のハンドルを上下すると、それに連動してお面の顎もカコカコと上下する。 まるでゴミ捨て場のガラクタで作った獅子舞のようだ。
<その人形には昔、ジャックというタルパが宿っていた。彼は私やジョージの幼馴染だったの。 でもジャックの魂は日本で行方不明になってしまっていて、これから私達は彼を探しに行くのよ> 「たるぱ?」 「人工妖精、人が作った魂のことだよ」 首を傾げるイナちゃんに私が補足した。 この熱海町や石筵、県外からの修行者も訪れる魂作りの聖地なら、ジャック君が見つかるかもしれない。 オリベちゃんはそう考えて私に案内を依頼したのだった。
<地味な依頼で拍子抜けしたかしら?>オリベちゃんが人形の金具を弄びながら言う。 「そ…そんなことないヨ!お友達探す頑張ります!」 <ありがとう、心強いわ!じゃあヒトミちゃん、案内をお願い> 「はい。まずは、この辺りの神様であるお不動様と萩姫様のお寺に挨拶に行きます。 萩姫様は影法師のお姿をお持ちで話が出来るから、ジャック君について聞いてみましょう」
◆◆◆
温泉街から見て駅の反対側へ抜けると、萩姫様の伝説に縁のある五百川(ごひゃくがわ)があり、萩姫様がお住まいの大峯不動尊はその先の小高い丘の上に建っている。 私は同伴者二人をそこに案内し、鈴を振り鳴らしてから真言を唱えた。 すると屋根の下の日陰が一箇所に集まっていき、大きな市女笠を被った女性のシルエットになった。この方が萩姫様だ。 その影の御姿はよく目を凝らして見れば、細かい陰影によってお顔や着物の細部まで鮮やかに視認できる。
「ようこそいらっしゃいました、旅のお方よ…」 そう言いかけた萩姫様が笠の下から私達を見上げると、アルカイックな営業スマイルが驚きの表情に変わった。 「…あれ、ひーちゃん?」
「お久しぶりです、萩姫様!」 「なんだぁ、ひーちゃんならわざわざ真言で呼ばなくてもいいのに」 「親しき仲にも礼儀ありってやつですよ。それに、お客さんの手前だから格好つけたかったし」 私が同伴者2人に目配せすると、笠を脱いで足元の影に放り投げようとしていた萩姫様が慌ててそれを被り直し、再びアルカイックなキメ顔を繕った。 オリベちゃんがくすっと口角を上げ、<似てるのね、あなたとプリンセス・ハギって!>と私にテレパシーを送った。
私達は萩姫様に人形を見せ、事情を説明する。 「うーん…人形に見覚えはないな。その『じゃっく君』を作った人の名前はわかる?」 「はい。サミュエル・ミラーというアメリカ人です。 日本に帰化して、今は水家曽良(みずいえそら)と名乗っているそうです」 萩姫様は少し考えた後、 「…うん、やっぱり知らないな。何かわかったら連絡するね」人形をイナちゃんに押し返した。
「そうなんですね。じゃあ、私達は別の場所を当たってみます」 「ああ、その前に。その子を源泉神社に連れて行きなさい。 倶利伽羅龍王の祈祷を受けると良いでしょう」 「クリカラ…リューオー」 イナちゃんが不思議そうに首をかしげる。倶利伽羅龍王とは、燃え盛る龍の姿の不動明王の化身。 よく不動明王像が持っている、剣に巻きついた炎の龍…あれの事だ。 源泉神社にかつてリナに知恵を与えた龍神様がいるのは知っていたが、それが倶利伽羅龍王だったというのは初耳だ。 私達は萩姫様に改めて一礼し、源泉神社へと向かった。
源泉神社はケヤキの森遊歩道というハイキングコースの先にある。 五百川の裏山にあるこの遊歩道で、森林浴によって心身と魂を清めながら神社に向かうんだ。 直線距離の長さも然ることながら、山の高低差のせいで、これが意外ときつい。 私は二人がついてきているか確認するために振り向くと、オリベちゃんが何だか訝しげな顔をしているのに気がついた。
<あのプリンセス、何か隠してる気がするわ。今はまだ、わからないけどね> 私の視線に気付いたオリベちゃんが言う。 実は私もそんな気がしていた。けど、長いハイキングコースを引き返す気にもなれず、 私達は予定通り神社へ向かう事にした。
◆◆◆
丘を下ったところにその神社はあった。 入口では小さな龍を象った蛇口から飲用可能の源泉が垂れ流されている。この龍が魂として独立したのが例の倶利伽羅龍王だろうか。 どうやら龍神様は留守のようだったので、先に社に挨拶に向かうと、私はふと違和感を覚えた。
「ヒトミちゃん?どしたの?」 「そういえば、ここ…稲荷神社だ」 「イナリ…スシ?」
「うんとね…。ここはオイナリ様っていう、作物の神様を祀る神社なの。 倶利伽羅龍王は仏様の化身だから、どうして神道の神様がいる神社に住んでるのかなって思って」 <それは宗教が違うって事?シュラインの中の神様に聞いてみればいいんじゃない?> 「それが…、ここのお稲荷様、霊魂として形成されていないんです。 社の中のご神体にこの地や神主様のエネルギーがこもっているけど、自我はお持ちじゃないみたいで…。 それも、ヘンですよね。どうして鳥居の外の龍神様だけ魂になってるんだろう」
すると、誰かが鳥居の外から私の疑問に答えた。 「ここはクリカラの数ある別荘の一つって事よ」 聞き覚えのある男性声に私は振り返った。いや、この声は、『彼女』のものだ…。
「リナ!」 いつの間にか、神社の入口に巨大な霊魂が立っていた。 私が中学生の時に生み出したタルパの宇宙人、リナだ。 リナはロングスカート状の下半身をフワリと浮かせ、社への階段を飛び登った。
「キャ!」驚いたイナちゃんが尻餅をつく。 「マッ失礼ね!人の顔見てキャ!だなんて」 「いやいや、初見は普通驚くでしょ。巨大宇宙人だよ?」 「それもそうね、ごめんあそばせ」 リナは乙女チックにくるんと回り、例の美男美女半々な人間の姿に変身した。
「この子はリナ、私が昔作ったタルパです。 リナ、彼女は韓国から来たイナちゃん、こっちの方はイスラエルのオリベちゃんだよ」 「あら、ワールドワイドで素敵なお友達じゃない。アンニョンハセヨ、シャローム! アタシは千貫森(せんがんもり)のフラットウッズモンスター。リナと呼んで頂戴。 一美がいつもお世話になってますわ」 <お会いできて光栄よ、ミス・リナ> 「初めまして、私はパク・イナだヨ!」 二人がリナと握手する。久しぶりに福島に帰省したとはいえ、日程的に彼女と再会できるとは思っていなかったから嬉しい。 宇宙人(を模した魂)であるリナは今、福島市でUFOの飛来地と噂される千貫森という森に住んでいるらしい。
「クリカラ…倶利伽羅龍王は、石川町(いしかわまち)で作られた紅水晶像の化身よ。 彫刻家が死んだときに本体の像と剥離して以来、福島中の温泉街のパワースポットに自分の守護結界を作ってフラフラ見回っているらしいわ。 要するに、根無し草のプー太郎ってやつね」 <あなた、神様をそんな風に言っていいの?> 「ああ…リナと龍神様は個人的な因縁が…」 「ちょっと���って」
ふいにリ���が私を制止した。リナは表情をこわばらせて、イナちゃんの抱えるジャック君人形を見つめている。 「ねえ…アナタ、その人形を誰に貰ったの?」 「貰ったじゃないヨ、私達この人形のタルパ探すしてるなの。ジャックさんいいますこれのタルパ」イナちゃんが正直に答えた。 「これを作ったのがどんなオトコか、知ってるの?」 「エ…?」
嫌な予感がした。そういえば、オリベちゃんはまだ彼女に、ジャック君の創造者について一言も話していない。 たぶん…わざとだ。 「なによ。…まさかアナタ達、知っててこの子に黙ってるワケ!?」 <…時期を見て言おうとは思っていたわ。でも今はダメなの。だって、この子は…> 剣呑な雰囲気にイナちゃんが生唾を飲む。そんな彼女の不安感を感じ取ったのか、 神社の結界の外に良くないものが集まって来ているのを私は察知した。 私もすぐに全てを打ち明けるのには賛成しない。でも、
「今はダメですって?どういう神経してるの? 何も知らない子に…指名手配犯の連続殺人鬼が作った人形を持たせるなんて!」 リナはついに、パンドラの箱を開けてしまった。
「サツ…ジンキ…?」 イナちゃんが人形とリナを二度見する 「あ…あ…ヒッ!!!」イナちゃんはまるで今までゴキブリでも抱えていたかのように、人形をおぞましそうに地面に叩きつけた。 歪に組み立てられた金具がガシャンと大きな音をたて、どこかから外れたワッシャーが転がり落ちる。 同時に御神体に守られていた神社の結界にも綻びが生じたのか、 無数の霊魂や動物がイナちゃん目がけて吸い寄せられた!
「イナちゃん!すぐに社の中に入って…」私が言いかけた時には、イナちゃんは階段を駆け下りていた。 鳥居の外に出たらまずい!私とオリベちゃんは電撃的な反射神経で彼女を追う。
「アアアア!!オジマ!スリスリマスリ!!アイゴーーー!!!」 韓国語で叫びながら逃げ惑うイナちゃんの背後では、無数の魑魅魍魎が密集し、まるでイワシ群が集まって大きな魚に擬態するように巨大な影の塊になっていた。 <<ヒシャール・メァホール!>> オリベちゃんがテレパシーで吼える。 するうち魍魎���全体をブラックライト色の閃光が包みこみ、花火のように点滅して爆ぜた。サイコキネシスだ! 霊魂達はエクトプラズム粒子に分解霧散(成仏)し、生き物達は失神して地面にパタパタと落下。 でもすかさず四方から次の魍魎群が押し寄せる!
「ちょっと一美あんた、あんたっ一美!なんなのよアレは!?」 私達の後を追ってリナが飛来する。 「あの子は超引き寄せ体質なの!しかも精神面にすごく影響しちゃうの!!」 「じゃあどうしてあんな人形を…ああもうっ、どきなさい!」
リナは再び宇宙人の姿になり、長い枯れ枝のような腕で大気中に漂う先程のエクトプラズム粒子を雑に吸収すると、そのエネルギーを一瞬にして空飛ぶ円盤型の幻影に錬成した。 円盤は第二魍魎群の上空に飛翔し、スポットライト状の光で霊魂達をアブダクションする! 「生きてるヤツらは無理!頼んだわよ!」
「<上等!>」私とオリベちゃんが同時に返事する。 オリベちゃんが再びサイコキネシスを放とうとしている間に、私は自分の影が周囲の木々に重なるように位置取る。 歩道沿いに長く連なった木陰に自分の影響力が行き渡ると、木陰は周囲の光を押し出すように中空へ伸びていった。影移しという技法だ。 「イナちゃん止まって!」私の声でイナちゃんが振り返る。 彼女は自分の周りを光と影のメロン格子状ドーム結界が守っている事に気がついて立ち止まった。 生き物達がギリギリまでイナちゃんに近付いた瞬間、オリベちゃんのサイコキネシスが発動! 結界で守られたイナちゃん以外の全ての生き物はその場で体を痙攣させて落下した。
<ふう、間一髪ね…>オリベちゃんが安堵のため息をつこうとした、その時だった。 「ビビーーーッ!!!」 けたたましく鳴るクラクションの方向を見ると、そこには暴走する軽トラックが! イナちゃんの引き寄せが車まで呼びこんでしまったのか?いいや、違う。 不幸にもそのトラックのハンドルを握っていたのが、夢うつつの寝ぼけた高齢者だったのだ。 「うわ…きゃあああ!?」 咄嗟に車を避けようとしたイナちゃんは足を滑らせ、橋のたもとから五百川に落水してしまった!
「イナちゃぁぁーーん!!!」 溺れるイナちゃんに追い討ちをかけるように、川の内外から第三の魍魎群がにじり寄る。 「助け…ゲホッ!助けて!!」 まずい。水中の相手には影も脳波もUFOも届かない。 万事休すか!?と絶望しかけた、その時だった。
「俺に体を貸せ!」 突然、川下から成人男性ほどの大きさの白い魚がイナちゃん目がけて川を登ってきた。 いや、よく見るとそれは、半魚人めいた姿の霊魂…タルパのようだ。 「ひっ、来ないで!スリスリマスリ!」イナちゃんは怯えて半魚人を拒絶するが、 「うるせぇ!!死にたくねえならとっとと俺に任せろ、ガキ!!」半魚人は橋の上の私達にも伝わるほどの剣幕で彼女の肩を掴んだ! その時、溺死者と思しき作業服姿の幽霊がイナちゃんの足首に纏わりつく。「アヤッ!」 イナちゃんは意を決して、半魚人に憑依を許した。
ドシュッ!!途端にイナちゃんの体がカジキマグロのように高速推進し、周囲の魍魎群を弾き飛ばす! イナちゃんに取り憑いた半魚人は、着衣水泳とは思えないしなやかなイルカ泳ぎで魍魎や障害物を避けながら、冲に上がれるポイントを模索した。 しかし水から上がろうとする隙を魍魎に狙われていて、なかなか上陸できない。 「ああクソッタレ!なんなんだコイツらは!?」半魚人がイナちゃんの声で毒づく。 私達も追いつくのがやっとで、次の手を考えあぐねていた。 すると駅の方向から、一台の自転車が近づいてくる。 また誰かがイナちゃんに吸い寄せられたのかと思ったら、その人は…
「右へ泳げ!右の下水道に入るんだ!!!」
観光客用の電動レンタサイクルの前カゴに真っ白なポメラニアンを乗せて、五百川に向かって全力疾走する青年…平良鴨譲司さんは、 まるで最初からこの場にいたかのような超人的状況把握力をもって、半魚人に助言を叫んだ。 これが彼の脳力、空気組成や気圧の変化であらゆる情報を肺から認識する「ダウジング」だ!
「馬鹿か、何を根拠に言ってやがる!あんな所に入ったら袋の鼠だぞ!?」 半魚人が潜水と浮上を繰り返しながら反論する。 「根拠やと?そんなもん…」肩で息をしながら譲司さんが答えた。「ダウザーとしての勘だ!俺を信じろ…ジャック!」
ジャック、と呼ばれたその半魚人は目を見開き、橋の上の青年を見上げた。 栗色の髪、アラブ人ハーフの彫りの深い顔。ジャック氏の脳裏で彼の幼馴染の面影が重なったのか、 彼はイナちゃんの身を翻して、川辺の横穴に潜っていった。
「こっちやオリベ、紅さん!」 私達が譲司さんに案内されて、上流から見て川の右側へ駆け寄ると、温泉街らしくない工業的な建物があった。 イナちゃんは建物下方に流れる下水道の横に倒れていて、ジャック氏が介抱している。 彼女らの周りにはもう、魑魅魍魎の類いは集っていなかった。 <そうか。ここは発電所で、すぐ近くに送電線がある。 イナちゃんのギャザリング力も、ここでは歪みが生じて遠くまで及ばなくなるのね> 「日本の電力施設の電磁波は、普通の携帯の電波やテレパシーには影響せんレベルやけどな。 引き寄せ体質とかのオーラ系は本来そこまで飛ばん力やから、ちょっと遮蔽物を作るだけで効果がめっちゃ変わるんよ」
話している間にジャック氏が再びイナちゃんに取り憑いて、鉄パイプはしごと柵をよじ登って私達に合流した。 「あぅ…わうわ?」譲司さんの自転車に乗ったポメラニアンのポメラー子(こ)ちゃんが、イナちゃんを見て不思議そうに鳴く。 譲司さんは愛犬の投げかけた質問を呼気で理解し、親しい友人の前でだけ話す地元弁で、 「ああ、この子気絶しとるかんな、ジャックが中に入って助けとったんや」と優しく答えた。
◆◆◆
民宿に戻った私達は、意識の戻ったイナちゃんの身体を温めるために温泉に入った。 まだ日没前の早い時間だったから、実質貸切風呂だ。 イナちゃんの服は幸い全部洗濯可能だったから、オリベちゃんからネットを借りて洗濯機にかけている。
私とオリベちゃんは黙々と身体を洗い、イナちゃんは既に湯船に座っている。 先に髪の毛の水滴を絞った私は、手首に巻いていたゴムバンドで適当に髪をまとめ、湯船に入った。 誰も一言も喋らず、重い沈黙が流れる。
「…スリスリマスリって、何?」痺れをきらした私がイナちゃんに尋ねた。 イナちゃんはキリスト教のお祈りみたいに組んだ両手を揉みながら、か細い声で答えた。 「意味ないヨ…言うと元気出ます。チチンプイプイ、アブダカタブラ」 「<えっ!!?>」 私とオリベちゃんが思わず彼女を見る。 あの魍魎群がイナちゃんに近寄れなくなるから余程神聖な力のこもった呪文だと思っていたけど、まさかこの子、気力だけで魍魎を拒絶し続けていたなんて。 私達が思っていたよりも、ずっと根性がある。
「ゴメンナサイ…」 膝を抱えたイナちゃんが弱々しく頭を下げた。 本人が衰弱しているからか、もう魍魎は寄ってこない。 オリベちゃんは顔を背け、持ち込みのマイシャンプーを手のひらに溢れるほど出しながら<悪いのは私の方>と返した。
<着いてきて貰うだけでいい。 もしジャックがここにいるのなら、あなたを連れて行けば巡り会えると思った。 なにも殺人犯そのものを探すんじゃないし、大丈夫だろう…って。 あなた自身の体質の危険さに対する認識不足だったわ> オリベちゃんの長い癖毛が泡立ち、ラベンダーとシナモンを煮詰めたような存在感のある香りが湯船にまで漂ってくる。
「どうして、探した?」イナちゃんが問う。 「ジャックさんはオリベちゃんとジョージさんと友達、わかる。 でもジャックさん作った人ヒトゴロシ。しかも連続ヨ。 もし私の友達の親ヒトゴロシだったら、学校では遊ぶ。でも友達の家は行きない。 ううん、わかてる。私は臆病ですね…」 友達の家族が人殺しだったら…。無理もない、いや、当然の反応だ。 私はイナちゃんの白い肩にお湯をかけた。
「サミュエル・ミラーは、強いタルパを作るためにたくさんの生き物を殺してきたんだ。 生き物を殺して、魂を奪って、それを継ぎ接ぎしながら怪物を育ててたの。 神になりたいから、って動機だったらしくて」 <その通りよ。私やジョージも、かつてあの男の作った怪物に殺されかけた。 その戦いで、私は声を、ジョージは…一番の親友を失った> 「だったらなんで!?」イナちゃんが身を乗り出す。 「そこまでされて友達助ける、凄いヨ?偉いヨ。でも、ヘンだヨ! そんなの…」息継ぎもせずに思いの丈を吐き出して、イナちゃんは再び湯船にうずくまった。「そんなの、できないヨ…」
「そこまでされたから、だよ」 「え…?」 オリベちゃんは既にシャワーで泡を落としきっている。 でも膝の上で拳を握りしめて、肌寒い洗い場で私達に背を向けたまま動かなかった。
「…あ…!」 イナちゃんは閃いたようだ。オリベちゃんや譲司さんが、ジャック氏を見つけ出そうと覚悟した理由に。 サミュエル・ミラーはタルパを作るために生き物を殺す。つまり、 <そう。ジャックもあいつに殺された、元は人間だったのよ>
「そういう事情だったの。そうとは知らず、悪かったわ」 いつの間にか私の背後で、湯船の縁に人間姿のリナが座ってくつろいでいた。 「キャ!」イナちゃんが慌てて顔を手で覆う。 「あ、またキャッって言ったわね!」 「だ…だって!ここ女湯ヨ!!」 赤面しながらイナちゃんが指をずらし、ちらっとリナを見る。 でも、リナの首から下は完全に… 「…オモナッ?」 「ほんっと、失礼しちゃうわ」 「え…じゃあなんで、おヒゲ…え?」 だって、しょうがないじゃない。 中学の時に作ったんだから…知らなかったんだもん。男の人のがどうなってるのか。
◆◆◆
居間に戻ると譲司さんの姿はなかった。 庭の方からドライヤーの音がする。そういえばこの民宿は、庭園の池がペット用露天風呂になっているとか。 新幹線の長旅で疲れたポメちゃんを、譲司さんがお風呂に入れてあげていたんだろう。
窓際の広縁を見ると、ジャック氏が水の入った丸底フラスコのような形の物を咥えていた。 息を吐いているのか吸っているのかはわからないけど、フラスコ内の水が時々ゴポゴポと泡立ち、そこから伸びた金具の先端でエクトプラズム粒子が小さく明滅する。 霊力を吸うための喫煙��のような物なのだろう。
「ジャック・ラーセン」ジャック氏はこちらを一瞥もしないで語りだした。「…それが俺の本当の名だ」
生前、アメリカで移動販売のポップコーン屋台を経営していたジャック氏は、フロリダのある小さな農村を訪れた時、サミュエルの怪物と村人に襲撃されて命を落としたという。
「ん」ジャック氏はイナちゃんに目配せする。 イナちゃんが広縁に近づくと、ジャック氏は立ち上がり、二人羽織で袖を通すようにイナちゃんの腕にだけ取り憑いた。 「オモナ…」二度目だからイナちゃんはすんなり受け入れている。 ジャック氏は指差しでイナちゃんを誘導する。 みんなの荷物と共に固めて置かれていたあの人形の前にイナちゃんを座らせると、 ブチチチッ!雑に縫い合わされていたボロ布を躊躇なく引きちぎり、 中の奇妙な機械を剥き出しにした。
「こいつぁポップ・ガイっつってな…。ほら、背中のレバーを上げると口が開くだろ? ここから弾けたてのポップコーンが出るんだよ。元々は屋台そのものの一部だったんだ…」 ジャック氏は慣れた手つきでポップ・ガイ人形を操る。背中の小さなスイッチを爪で押すと、お腹のスピーカーから微かにノイズが流れた。 「ああ、ちゃんと電源も入るな。オリベ、マスクは?」 <もうないわよ。ジョージがサミュエルを撃った時に割れて壊れたわ。おかげでトドメをさし損ねた> 「そうか。…いや、あのマスクに小型マイクが付いててさ、 そいつを被って喋ると、そのスピーカーからボイスチェンジャーを通したおかしな声が出るんだよ。 単純なもんだが、小さいガキ共には好評だった。 ま、それだけの話なんだがな…」 ジャック氏はスイッチを切り、イナちゃんから自分の腕を引き抜こうとするが、 「…ん?どうした。こら、離せよ」
イナちゃんは力をこめて、ジャック氏の腕を自分の体内に留めた。 「…スリスリマスリ」 「あ?何だそりゃ?ほら抜けねえだろうが…」 イナちゃんは細い腕の中にジャック氏の太い腕を湛えたまま、ポップ・ガイ人形を抱きしめた。 「オンジン」 「あぁ??」
<あははは!ジャック、よっぽどイナちゃんに気に入られたようね!> 「おいおい勘弁してくれ、これじゃボングもろくに吸えやしねえ。 ほらガキ、とっとと離れろ」 「ヤダ、もうちょと。あと私イナだヨ、ガキじゃないもん」 「あぁー!?」 イナちゃんが駄々をこねる。高校生ぐらいの彼女は、時折どこか子供っぽい仕草を見せる。 お寺、教会、霊能者…色んな人を頼っても自分を救える人は現れず、彼女は今までずっと、おまじないの言葉だけを頼りにあんな恐ろしい物と孤独に戦い続けてきた。 そんなイナちゃんのピンチを初めて救った私達は、彼女にとって親にも匹敵するほど心強い仲間になったことだろう。
「ったく…しょうがねえな」 ジャック氏は彼女の腕を、ジュゴンのように柔らかく暖かそうな彼の胸板に抱き寄せた。 「…ジョージが戻ってくるまでだからな」
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Ogdilla
Quaterは被験者のようなものとしてOgdillaを造った。彼はOgdillaに王冠を授けたが、Ogdillaには王冠をかぶるべき頭が無かった。Ogdillaはかろうじて自己を認識できるほどの青いガスの塊��のだ。Ogdillaは造られたその日から冒険心そのものの存在であると言われていて、彼はQuaterの国を離れて旅をしている、まっすぐに、止まることなく…
Ogdillaは宇宙からたくさんの粒子を拾い上げていて、それらの粒子はOgdillaの背中でそれぞれ幸せな家庭を築いている。
今やOgdillaはQuaterが造ったときより百万倍の大きさで、彼の背中の住民としてはRilonateの斑点がいる。
Rilonateの斑点はRodの斑点と絶えず対立したのだった。Rodの斑点はOgdillaの背中で唾液を使って食物を栽培した。Rilonateの斑点は唾液を分泌しなかったが、Ogdillaの背中の表面をほぼ占領した。Rilonateの斑点はRodの斑点の唾吐きにうんざりして、互いは互いの領域に踏み込もうとしなかった。
Rilonateの斑点とRodの斑点間の争いは何世紀も続いた。対立は決して肉体的な暴力には依らなかったが、不平を言ったり、嘲ったり、白熱した冷笑や、政治社会的騒動などが主だった。この時代は、実際には二千年か半分だったにもかかわらず"Oobla Senchter Hakkt"つまり"三千年対立"として知られている。"Oobla Senchter Hakkt"の間に、斑点たちが憎しみを忘れたと同時に、対立をより一層悪化させたという、ひとつの事件が起きた。
"Oobla Senchter Hakkt"の2千年目の1世紀目の11年目の8ヶ月目の27日目、Rilonateの斑点は目覚め、シュシュ公園で眠っている巨大で奇妙なものを見つけた。彼の頭のそばには寝ている間にたらしたよだれの池があった。斑点たちは朝が終わるほどの間巨人の周りに集まっていた。集まりが大き��なるに従って、より多くの斑点が話をした。そのどよめきは最終的に巨人が目覚めて起きあがるほどとても大きくなった。巨人は巨大な歯を見せて、その巨躯の内側奥深くから斑点に向けてうなり声をあげた。斑点たちは生きたまま食べられてしまう恐ろしさから彼に餌をやった。巨人は容易に3,4匹の斑点を一度に口へ放り込むことができた。彼は大層異様な見た目で、さらに斑点たちが今まで見たことないような巨人でもあった。彼の頭には、てっぺんのあたりから下に巻きつき、アゴで再び頭につながっている肉の輪があった。斑点が三匹、それぞれの頭の上に乗るようにすると、輪の内側に立っていることができた。斑点たちが唇をまったく持っていなかったのに対して、彼はその巨大な歯を覆えるほど巨大な唇をしていた。唇の上、顔面のほぼてっぺんのあたりには、それぞれの中にひとつ点が打たれているふたつのボール型ものがあった。ふたつの点は動いたり彼に話しかける者の方を向いたりするので、彼はどうやらそれらを観察のために使うようだった。彼の胴が体の大きさの割に短いのに対し、足は極めて長かった。彼の胸部からは3つの尖ったツノが突き出ていた。
幾日も斑点たちは、巨人が友か敵か見極めるために話しかけたが無駄だった。彼の話し方はとても下品で、低く、大きく聞こえて、彼の身体の内側の奥深くから出るゴロゴロとした唸り声を思い起こさせた。斑点たちはそれが嫌だったし、聞き取れなかった。彼らはどこでひとつの音節が終わり、次の音節が始まるのかさえ判別できなかっし、話を理解するのは完全に不可能だったのだ。彼の話し声を聞かないようにするため、斑点たちは彼に絶えず餌付けをした。Rilonateの斑点は、巨人がいるところに監視員を常駐させることが出来なかった。彼らは巨人に力で敵うことなんてなかったのである。いずれにせよ、巨人は決して斑点たちを脅さなかったが。巨人にRodの斑点を踏みつける仕事を任せられるかもしれない、と、Rilonateの王は巨人を説き伏せ信頼を得ようと考えた。Rilonateの王は、巨人と話すためにたびたびシュシュ公園に出向いた。彼は巨人の関心を引きたいと思い、自分の元を訪れたRilonateサーカス団の最高のアクロバットを企画した。王は、高飛び込み選手が、彼の巨大な唇から両足にある水が入ったタルへ、トリッキーな飛び込みをする間、一輪車乗りに巨人の頭の輪の中を宙返りするよう命令した。そんなサーカス団員の専門知識に基づく実演の間、巨人は何もせずただ立って微笑んでいた。ブランコの名人が彼の胸部から突き出た三本のツノでブランコをしても、巨人は馬鹿っぽい笑みを浮かべて石像のように突っ立っていた。サーカス団のパフォーマーが彼の体を登ったりブランコをしたりしたのに、巨人は彼らを傷つけなかったのを見て、Rilonateの王は巨人との意思の疎通に努め続けるためにいっそう努力した。
来る日も来る日も王は、巨人がRodの斑点をやりたい放題にして踏みつける、という彼の野望を伝えるために、何度も巨人がいるところへ向かった。巨人は王への微笑みを絶やさず、王が頭を縦に降るときその頭を縦に振り、王が頭を横に降るときその頭を横に降った。Rilonateの王がひたいを叩くとき、巨人も自身のひたいを叩いた。王が歩く身ぶりをして、Rodの王国の方を指差すと、巨人は立ち上がりダンスをし始めた。Rilonateの王は激怒した!巨人が踊っている間、王はすべてのRilonateの斑点に彼へ物を投げつけるよう命じた。彼らはいつも巨人に餌をやっていたため持っていた物は食べ物だけだった、だから彼らはそれを彼に投げつけた。
巨人は投げつけられる食べ物をできる限りたくさん食べようとしたが、斑点たちがそれを投げつける猛烈までの速さにはついていけなかった。彼は背を向けて彼らから逃げ、Rodの王国の方へ向かったのだ。Rilonateの斑点は巨人に大量の食べ物を投げつけていたため、彼は所構わず向きを変え踏みつけた。足踏みするたび、彼の足の裏で食べ物が段々べとべとになっていった。Rilonateの斑点は声援を送り拍手をして、巨人がRodの方へ向かうたび飛び跳ねて喜んだ。巨人が振り向いて斑点たちの方を見ると、彼らは歓喜の声を止め、もっと食べ物を投げつける用意をした。しかし巨人は戻ってこなかった。彼は向かっていた方向、Rodの王国の方向へ向かい続けた。だからRilonateの斑点は大いに賞賛したのだ。彼らは巨人がRodの王国に到着し次第、Rilonateの王国の悩みのタネであるRodの斑点を押しつぶすのに期待した。Rilonateの王の熱烈なスピーチ曰く。
「さて、偉大な巨人の功績よ!私たちはあのマヌケな巨人に対して感謝にかわる恩義があることになろう。彼がまもなくRodの斑点を踏みつけにして、ぐちゃぐちゃにするならばな!彼のとてつもなく大きな足は、私たちの長年の宿敵を即座に鎮圧するだろう。彼の言い表せないほどの巨体の下に押しつぶされた、言い表せないほどかわいそうなヤツらは、いつもそう表されてきたようなムカつくクズになるわけだ。私たちは今、ヤツらの不満や嘲りや怒鳴り声から永遠に解放された。あの肝の小さい巨人は我が国のヒーローだ!マヌケなデカブツよ、彼はRilonateの歴史上最も偉大な人物となるだろう。Ogdillaの歴史上でも、このようなマヌケな虐殺は前代未聞だが、ついに彼は私たちの念願を叶えてくれた。脅威的なヨゴレ役の巨人はなかなかのものだ、しかしやはり、彼は追放しよう。そして私たちは、オツムが半分しかない巨人が私たちのことも踏みつけなかったことには感謝すべきだな。彼がここに戻ってくる理由はひとつもない。そうだろう諸君?」
一方そのころ、Rodの斑点は巨人の姿を認めるより先に巨人の足音を聞いた。彼の歩みはOgdillaの岩肌の上で低く反響するドラムのような音を生みだしたのだ。怯えた彼らはいくつかのグループで抱き合ってかたまり、大きくなり続ける鳴り響く足音に不安を募らせた。そしてついに、彼らは巨人を目撃した!彼らが見たのは彼の大きな輪っか頭、大きな唇、そして胸から突き出たトゲ。だが最も彼らを圧倒させたのは彼の足だった。全くもって、彼らを圧倒させたのは、まぎれもなく彼の足の裏だったのだ。彼が踏み潰した食べ物は限りなく不愉快なものだったが、Rodの斑点はそれが食べ物だということもわからなかったのである。斑点たちは言葉を発せないほど唖然として立ち尽くした。彼らは巨人がRilonateの王国の方角からやってきたことに気がついた。彼らの妄想はそんな事実からふくらんでいったのだ。
Rodの斑点は、巨人がRilonateの斑点を踏みつけてけちょんけちょんにしたものだと確信した。巨人が近づくにつれて群衆の中では、巨人はRilonateの斑点を壊滅させ終えて、今や自分たちの王国に自分たちを踏み潰すために向かってきているのだという思いが高まった。いくつかの斑点は叫びながら逃げていったが、多くはあの恐ろしい巨人の足からは逃げ切れないと思ってまだ佇んでいた。そのとき、ひとつのRodの斑点が手を叩き始めた。はじめは、隣にいる斑点は彼は気が狂ったのだと思ったが、やがて彼らも手を叩きだした。まもなく、斑点の小さな群れが手を叩き始めた。巨人が近づいてきたとき、群衆のほとんどが手を叩き、声援を送り、飛び跳ねていたのだ。もしも巨人が、この斑点たちはRilonateの斑点がプディングのように踏み潰されたのを喜んでいるのだ、ということに思い至ったなら、彼はきっと自分たちの命を助け、自分たちのヒーローになってくれるとRodの斑点は考えていた。
巨人が群衆の目の前に到達したとき、彼らはさらに数分の間、歓声をあげて叫んだ。そして群衆はふたつに分かれ、巨人の前へのRodの王の道ができた。そこで、国民と巨人の目の前で、彼はスピーチをしたのだ。「おお、すばらしき巨人よ!感謝しよう、力強く巨大な我らが友よ、Rilonateの斑点を踏みつけてぐちゃぐちゃにしてくれたことに!そなたの巨大な足は我々の長年のかたきを一瞬で鎮圧したのだ。そのマンモス級の巨体の下敷きになった、言いようもないほど不快なマヌケどもは、まさしくその代表とされてきた不快なクズとなったのである。我々はひっきりなしに響くヤツらのキンキン声や嘲笑やひやかしから永久に解放されたのだ。そなたは、この上なくすばらしい巨人の君は、我々にとっての国民��英雄だ!ああ虐殺中毒のデカブツよ、そなたはRodの歴史上で誰よりも偉大な人物となるだろう。Ogdillaのどこを探してもそなたほどすばらしい残虐性に匹敵するものはない。そなたは、すばらしきガルガンチュアは、もちろん一番がいいと考えない限り、わしに続く二番目の存在となるだろう。それはそうと、我々は本当に感謝するよ、すばらしきビヒモスよ、我々のことまでは踏みつけないでくれたらな。わしは今日そなたが成し遂げたすばらしき偉業の報酬として、慎ましき我らが国家を提供することしかできないのだ、驚くべき怪異よ。そなたの歴史的な巨大さにふさわしい国ではないから、気に入ってはいただけないだろうがな。おそらく我々が差し出すものをそなたが気にいることもないのだろう。その巨体に対しては全てがちっぽけなのだから。だがもちろん、我々のものは全てそなたのものだ、しかしそなたがそれをどうするかはわからない。つまりその、わしの話が通じておるかな?」
巨人はRodの斑点に笑いかけ、彼らも笑みを返した。巨人が話すまでずっと。斑点たちからしたら彼の声は遅く、低く、不鮮明に響いた。彼らは顔を見合わせて肩をすくめた。Rodの斑点は巨人がやってくる前にそれぞれしていたことに戻ることにした。去り際、肩越しに何度も、巨人が自分たちを踏みつけようと大きなその片足を持ち上げてはいないか確かめた。彼はその場から動かず、彼らが視界から消えるまで微笑みを崩さなかったのであった。
翌日も巨人はRodの斑点が彼をおいて行ったちょうどその場所に、ただ座っていた。したがって斑点たちはいつも通りの仕事に取り組み、彼が立ち上がっていなかったことを確認するためだけに時々肩越しに巨人の方を見たものだった。数日の間変化はなかった。ついに巨人は立ち上がりいくつかの斑点たちにつきまとい始めた。彼らが日課をこなしていたので眺めていることにするようだった。彼はずっと微笑みを、しかしささやかに浮かべていた。幾日が過ぎ、幾月を経て、季節が移ろいゆけども、彼は植付から収穫まで、農作業をする彼らを見ていた。
収穫期になると多くの斑点たちは、巨人がより痩せて見え、初めてRodの王国にやってきたときと比べてその微笑みの小さいことに気がついた。それが話題になるにつれ、王国へ来てから巨人が何かを口にするところを目撃していた者はいないことがわかった。いくつかの斑点たちは寄り集まって巨人に食べ物を持っていった。それを目にしたとき、巨人はぞっとしたように見えたのだ!彼は立ち上がり逃げだした、Rodの王国とRilonateの王国から、はるか遠くへ。
最後に巨人を見たのはいつなのか、また誰か見た者がいるのかの公式的記録は無いが、両王国のいくつかの斑点たちは、巨人がRodの王国から逃げ去った数年後のある日、夜明けに天国へのぼっていく彼を見たと主張する。
巨人が逃げ失せたそのとき、Rodの王国にはRilonateの王国のスパイたちが来ていてRodの斑点たちが全滅していないのを目の当たりにしたのだ。敵がほんの少しの痛手さえ負っていないことに気がついたのだ!この一報はRilonateの王に伝えられ、彼はRodの王国が斑点王国の計画をまたしても邪魔したことに衝撃を受けうろたえた。彼はRodの王国へ代表団を手配し、Rodの斑点の代表団と会うよう命じた。Rilonateの代表団がRodに着いたとき、その場には驚きと動揺が溢れたのだった。「おまえたちはペシャンコにされたはずなのに!」とRilonateの代表が言った。「ああ、おまえたちはペシャンコにされたはずなんだよ!」とRodの代表も言った。緊張が高まり、非難の声が飛び交った!互いが彼らの王が最も名高き嘘八百のスピーチをしたことを責めたのだ。両代表団は、ふたつの国の間には平和など決して有り得ないことをそれぞれの王に思い出させるため、互いに通達を送った。会議を終えた途端、彼らはみな相手をばかにしあったのである!"Oobla Senchter Hakkt"は再燃したのだった。
Rilonateの王は彼の斑点たちとRodの王の斑点たちが何千年も言い争うことにうんざりした。平和な時代がもたらされるのが絶望的な事態の中、彼はRodの王に、Ogdillaの中央での秘密の会談を申し込んだのだった。"Oobla Senchter Hakkt"の3千年目の89年目の34ヶ月目の2日目、両王が相見えた。ふたりの王は二週間議論を重ねて、両国にとって公平な解決策を試したが、手応えはなかった。一方で、Ogdilla自身は半分にRodの斑点が、もう半分にRilonateの斑点が一面に広がっている背中に感じる苦悩に飽き飽きしていた。そしてその乱暴な身震いひとつで、Ogdillaは、それぞれが独立して宇宙を漂うふたつの存在に分裂した。そしてたったひとつだけ問題ができた。Rodの王がRilonateの斑点たちとともに片方の背中の上にいることになってしまい、Rilonateの王は自分がRodの斑点たちとともにもう片方のOgdillaの上にいることに気がついたのだ。Rilonateの王は初め、Rodの斑点たちにRodの王と間違われたが、彼はすぐに自分はRilonateの王だとRodの斑点たちに知らせて訂正した。Rodの斑点たちは即座に彼をちっちゃなかけらに切り刻み、子供たちに食べ物として与えた。Rodの王は、その一方で、Rilonateの斑点たちに、自分が本当のそなたらの王である、なぜなら殆どのRilonateの斑点たちはこれまで彼を自分の王だと信じ込んで見ていたのだからと言った。挙げ句の果てに、Rodの王はRodの斑点とRilonateの斑点のハーフである子供たちが住む大きな城を、Rilonateの斑点たちに建造させたのだった。Rilonateの王のフリをするRodの王は、以前は不可能と考えられた、彼の斑点たちが仲良く調和するところを見るまで生きながらえた。
Rilonateの斑点は、Rodの斑点のようにOgdillaの背中の上で唾液を使って食物を栽培することができなかった。その代わりに彼らは、Ogdillaの背中のうちRilonateの部分を覆うために彼ら自身に張り付いている、ふさふさした草のような粒子の上で頭をこするのである。その摩擦は斑点たちの頭の小さな稲妻の弧が消えるまで、目一杯の静電気をもたらしたのだった。稲妻の弧に接する範囲のOgdillaの青いガスは、ひと口サイズのキューブ型でライム味のおつまみに変化するという反応をしめした。これはRilonateの斑点たちにとって唯一の食物の供給源であった。
247日毎に(これがRilonateの斑点にとっての1年だった。彼らは季節の概念がないため適当に選定されるのだ)、斑点たちは"Fillange per Jungi"と呼ばれる、年に一度の祝祭を開く。その素晴らしい一日は、ふさふさの粒子の上で全てのRilonateが老いも若きも一緒に、腕が持ち上げられなくなるほど疲れ果てて倒れるまで頭をこする、摩擦のコンサートで始まる。この狂乱の3時間後、いくつかの斑点たちはまっすぐ立ち上がれるほどに十分に体力を回復した。そして男の斑点たちはキューブの収穫を始めたのだった。女の斑点たちが、キューブフォンデュ、キューブサラダ、ローストキューブ、キューブスープ、キューブと棒つきキューブ(子ども向けに)、キューブペースト、キューブの切り身、キューブパイ、キューブソース、キューブの詰め物、ブラッケンドキューブ、キューブケバブ、キューブシャーベット、揚げキューブ、キューブケーキ、揚げキューブドーナツ、キューブバーベキュー、キューブチャウダー、照り焼きキューブ、キューブのパンダウディ、キューブのオーブン焼き、ブラッケンドキューブ、キューブのテルミドール、キューブのオンザロック(大人向けに)、蒸しキューブ、キューブの燻製、そしてもちろん、みんな大好きなキューブのモンキーブレッド、といったおいしい料理の支度をする間に。キューブ調理場のおいしそうな香りが満ちている間、忙しくない者たちは、楽しい"Fillange per Jungi"ゲームに参加する時を見計らった。「こっちへおいでよ」「なあ、おまえ今おれのダチの肘にぶつかっただろ」「そいつはそこに立ってるじゃないか」「こりゃおれのバケツだよ」こんなふうに。そんな祝祭の日は、"Fillange per Jungi"ダンスで最高潮に達する。空をつかんでしまいそうなほど片足を高く上げて仰向けになり、もっとも高く足を上げた者が一位のダンサーとなるのだ。
Rilonateの斑点たちがRilonateの王だと思っていたRodの王は、"Fillange per Jungi"の機会を利用して再選のための運動を起こした。なぜならこのピクニックの12日後は投票日だったから。斑点たちは毎年投票をしたが、彼らに用意されていたのはたったふたつの選択だった。緑色のRodの王への投票用紙と、紫色のRodの王への投票用紙だ。どちらにしても、Rodの王が再選された。
"Fillange per Jungi"は、Rilonateの斑点たちに忘れられた贖罪の日だったのだけれど。自分たちの過去には、まぎれもなく贖罪のために残された1日があったと知っていたのに、Rodの王が一転Rilonateの王へ取って代わる前に忘れられてしまったのだ。少なくとも斑点たちはかつての贖罪の日だったということは知っていたのだが、何を償う必要があるのかを思い出せなかったのだ。Rodの王が玉座についた後、Hefamutという名のひとりの斑点が、蹄鉄鋳造所の解体の際、"Fillange per Jungi"と呼ばれる贖罪の日に関する色褪せた史料文献を見つけた。そこで王の相談係は、新しい"Fillange per Jungi"を公告し、行うにあたっていくつか楽しい企画を考案するマーケティング部門を設けるよう王へ助言した。自分たちは何を償わなければならないのか誰も思いつかなかったため、その日は主に年に一度の祝宴かダンスや何やをするための日として記憶されたのだった。
Rilonateの斑点は、日付確定者が、彼女の横から腕をいっぱいに伸ばして日付を決める石を持つのを確認することで、一日が終わり新しい一日が始まる時を突き止めた。日付確定者がもはや腕を上げ続けられなくなった日は、一日はそこで終了とされ、次の日付確定者がその石を引き継いだ。日付確定者になることは権威ある名誉だったが、一年以上続けられる女斑点はいなかったのだとさ。
Rilonateの斑点は三��で結婚するのだ…2人の花婿と1人の花嫁、それか2人の花嫁と1人の花婿で。どちらの場合も、2人の結婚相手がいる1人の配偶者は毎日交代しなければならず、ひとりの者の配偶者になったら、次の日は別の者の配偶者になる。それぞれの斑点の年ごとに、一年前のある日に省略された配偶者から始まることで、順番��リセットされた。Rilonateの結婚式は短くシンプルだ。彼らが婚約する日に、婚約する3人の斑点が王に謁見し、配偶者の生活習慣に相互に従うこと、そして決して不仲にならないと約す誓いをそれぞれ述べる。
誓いの言葉は次のように繰り返される。王がそれぞれの斑点に、交互にこう伝える。「__、あなたは決して配偶者と険悪にならないと約束するか?」婚約者たちが交互に「約束します。」と答える。そして、例えば1人の花婿と2人の花嫁の場合は、王はその花婿にこう伝える。
「復唱しなさい。わたくし、__は、__、あなたを妻のひとりとし、そして__、あなたをもうひとりの妻とします。」
婚約破棄は、大抵、誓いの言葉ではじめに名前を呼ばれなかったことで軽視されたという感覚から、2人の花嫁か、花婿(1人の花嫁と2人の花婿の場合)の、一方が申し出る。離婚は、大抵、閏年に日毎の配偶者交代の公平なしきたりが違反されたことを理由に、ひとりの配偶者が申し出る。そして閏年��追加の1日は、翌年に一連の順番を再開した配偶者に与えられるのである!
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18-12-7 朝、父親が出かけたあとに目を覚ます。仕事にむかう恋人にいってらっしゃいと送信して起き上がり、珈琲を飲む。昨夜勢いでインスタントラーメンやご飯をとてもたくさん胃袋に詰めてしまったので朝は何も食べない事にする。着替えて、部屋の片づけをはじめる。ずっと机の上を片づけようと思っていたがそれにようやく手をつけることができた。隣の部屋に通じるドアを塞ぎたくて、服をしまっているカラーボックスを動かしてみたけれどどうにもしっくりこずに元に戻す。全体的に片づいて、掃除機をかけて、窓を閉め、暖房を入れる。久しぶりに机に向かい、twitterのアカウントを消して新しく作り転生完了。新しい日記もつくり、ここの日記帳には鍵をかけた。1日目の日記を書き終えて、パソコンのディスプレイを切って、うるさい音楽を止めて坂本龍一のPlanktonをかけて堀江敏幸"オールドレンズの神のもとで"を読みはじめる。ちゃんとした読書をするのは久しぶりな気がする。先日県立図書館に行った際、堀江敏幸の今年出た本を何冊か借りてきて、あとはリルケの伝記も数冊借りてきたのと、映画も3本借りたのでしばらくはそれをゆっくりと楽しもうと思う。夕方になって買い物に出かける。クリスマスに恋人に贈るプレゼントに、髪を伸ばしている彼女のために毛糸でシュシュを編むのと、イヤリングを作ろうと思っていて、その材料の買い出しに。苔色とラベルに書かれたみどりの毛糸と、金具類を買って帰宅。昨日買っていたラピスラズリと合わせてみたけれど、どうもしっくりこない。やはり迷って買わなかったパーツを買ってくればよかったと思ってお茶を飲みに台所に顔を出したところ、買い物を頼まれたのでついでにそのパーツも買ってくる事にした。運転しながらきいていたNHKFMではカーペンターズの特集をしていて、the end of the world のオリジナルをはじめて聴いた。(でも後で調べるとカーペンターズのもカバーだった)目的の雫の形をした真鍮のパーツと頼まれていた豆乳を買ってまたラジオから流れるカーペンターズを聞きながら帰宅。夕食を食べて、買ってきたパーツを組み上げるといい感じになった。恋人から連絡がきて、通話する。しばらく話してから切ってシャワーを浴びて、布団にたどりついた。
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性的な風景
リアリティを引き起こすのに必要な装置といふものは、高精細な記録装置でもなければ、写実的絵画でもない。それは、記憶の中の、靄がかかった、中学校の教室のやうな、鼻を鋭く突き刺すひどく懐かしいにほひのやうなものでなければならない。それは丁度、ディジタルカメラの性能の高まりに反比例しながら拡大する、アナログ写真の領分のやうなものである。 かねてより、私は「それ」を「それ」のまま記録することは「それ」の再生につながらない、と思ってゐる。それは私たちが寝息の燃料としてゐる、夢の構造を思へば明るい。記憶の構造を思へば容易い。誰一人、「それ」をそっくりそのまま頭の中に入れて置くことなぞできやしない。皆、自分の工作した定規で、測量した世界だけを切り取って引き出しに���まふ。あまつさへ、引き出しの構造すらも皆違ふではないか。 三十五ミリフイルムの、程度の悪いレンズの、技術の甘いシャッター機構の、それらの組み合はさってできる「感光」といふ現実は、言ひかへれば、ある種の測量である。機械なりの記憶である。角張った虚構である。 私達の肉体に直線はあるだらうか。ないのであれば、直線に伸びる記憶などありやしない。まして、直方体の記憶なぞ、あるはづがない。《私達はリアルなぞ求めてゐなかった、渇望するのはリアリティだけだった》かさり、シャッターが切られる。 文字も、詩も、本当のものなぞ受け入れない。けれど、文字や詩から、自ずとふくらんでゆくあの透明な風船に、河川敷に高く飛び上がる透明の凧に、(僕はあの日の朝に早起きして『リリイ・シュシュのすべて』を観たのだ。)私達は心を、実際に、奪はれてゐるではないか。
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三女の髪がやっも伸びてきたので満を持してかよぽんさんから貰ったシュシュ(クシュじゃなかった💦)を三姉妹につけさせてみました。 ・ んもぅ〜めちゃんこ可愛い…!やばい! ・ ちゃんと黄色・青・赤系とそれぞれの好きな色をプレゼントしてくれるあたりさすが! ・ かよぽんさんに改めて感謝! ・ イラストはかよぽんさんに送る写真を撮るときの一コマ。 ・ #フランダースの三姉妹 #3sistersofflandars #育児絵日記 #育児日記 #子育て日記 #海外育児 #親バカ部 #変態オカン #三姉妹 #女の子 #おんなのこママ #ハーフ#多言語 #一コマ漫画 #子ネタ http://ift.tt/2l5BpwP
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2017上半期”勝手に”アイドル楽曲大賞
今年はさっさと書きました。いつも通り勝手に勝手な感じです。
第5位 わーすた「Just be yourself」
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わーすた3枚目のシングルからタイトル曲の「Just be yourself」を選びました。わーすたはこの企画初登場、アイストではスパガ以来かな?ポイントはMV。スマホ型はそれほど新しいことではないけど、アニメ「プリパラ」のタイアップが付いて、その世界観とめちゃくちゃあっている。もちろんアニソンっぽい展開の曲もいいし、衣装もいい。このグループは飛び道具的なことばっかりやってた印象だったけど、クリエイター優秀だし、メンバーもエイベックスの叩き上げだから、王道ゴリゴリで押し切ったら圧倒的。某競馬実況に擬えると「世界のヲタクよ見てくれ!これが日本近代アイドルの結晶だ! 」的なの。他じゃ勝てないよ。犬猫じゃなくて、こういうの見たかったんだよって思うのはおっさんだからだろうねw
第4位 つりビット「Get ready Get a chance」
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つりビット2ndアルバム「Blue Ocean Fishing Cruise」の中から「Get ready Get a chance」を選びました。一言で言えば「溢れる昭和感」。歌詞に「渋谷」とか「道玄坂」とか入ってるし、曲調も90年代J-popど真ん中の雰囲気。MVは渋谷で撮影されていて、メンバーの日常と少し背伸びした感がいい。今までの曲と比較すると大人びた印象だけど、メンバーの成長と相まって違和感は全くない。むしろこっちの方が個人的にはいい。アイドル要素がなくなったわけじゃなくて、サビのあたりとかきっちり残っているし、間奏後のカッティングギター最高だし、やっぱりつりビット裏切らない。
第3位 りんご娘「Ringo star」
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りんご娘16thシングル「Ringo star」を選びました。多田慎也×生田真心×ミキティー本物が揃った楽曲。エレクトロっぽい感じの中にしっかり地元青森の空気感が入っているところが凄くて、初期perfumeにRYUTist合わせた雰囲気。MVも青森の良さ伝わるし、ラストの雪景色のシーンとか半端ないクオリティ。2016年愛踊祭優勝してたのも納得。まだ生を見たことないので、今一番見たいアイドル。 多田慎也×生田真心で調べたら、ももクロちゃんの「キミノアト」「白い風」とかAKB48の「ポニテールとシュシュ」とか作ってるみたい。そりゃ間違いないね。
第2位 sora tob sakana「透明な怪物」
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32:35あたりから(3人verしか動画探せなかった・・)
sora tob sakana 1stミニアルバム「cocoon ep」から「透明な怪物」を選びました。この曲は卒業式の匂いがする曲。体育館のフローリングのワックスの匂いだったり、上履きが擦れる匂いだったり、バスケットボールの匂いがする。季節は2月くらいで空気が冷たくて鼻の奥がツンとする。これがばーっと曲の中から出てくる感じ。「cocoon ep」で1番好きな曲だったら「ribbon」だけど、ちょうどメンバーが卒業を迎えた今年の雰囲気はもうないのかもと思うので、今回はこの曲にしました。 あと、ユニゾンがめちゃくちゃ良い。最近はハモりながら歌うけど、個人的にはユニゾンの方がいい。
第1位 私立恵比寿中学「紅の詩」
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私立恵比寿中学4thアルバム「エビクラシー」から「紅の詩」を選びました。TAKUYAがプロデュースした楽曲で作詞のクレジットにTAKUYA単独で入ったのは多分初めて(少なくとも女性アイドルだと初のはず)JUDY AND MARY時代だと「イロトリドリノセカイ」「KYOTO」「夕暮れ」「ランチインサバンナ」「HYPER 90'S CHOCOLATE BOYFRIEND」の6曲だけのはず。基本的に作詞は作詞家に任せるか、共作をする人なので珍しい曲になりました。なので、まずは作詞してくれたことに感謝です。あと、この曲のメインヴォーカルを柏木ひなたさんにしてくれた陣営と、高音が続いて苦しいはずなのに頑張って歌い上げてくれる柏木ひなたさんにも感謝します。 いろんな人にありがとうを言いたくなる不思議な曲で、忘れられない曲になりました。 てな感じでまた年末!じゃあの!
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