#シャンプー取り違え事件
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シャンプー取り違え事件
今日の髪はツルツル、ツヤツヤ⁉️昨夜遅くにシャワーに入った時、シャンプーが切れるタイミングだったので半分残ってた詰め替え用を入れようと、迷いなく補充🧴出てくる泡がいつも硬めなので、少しだけ水を追加した。 ポンプを押してもなかなか泡にならず、なんか水っぽい。���った時の水分が残ってるのかな〜と思い何度押してもスルッスル。おかしいと思いながらも、眠かったのでたくさんプッシュして洗った😅 今朝起きて、髪の毛を触るといつもよりツルツルしてるんだなー。で、詰め替えた抜け殻を見ると「リンス」って書いてある😲 あー私は、リンスを足して足して洗って、仕上げにまたリンスをしてたのかー🤣何の疑いもなかった。あれは「シャンプー」と思い込んでたから、色も文字も見えないのよ😆シャンプー取り違え事件、初体験でした‼️ でも、娘達とお互い来てない服やおやつを交換したり、買い物しながらプチ散歩する日々はちょっと楽…
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[26日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は、国内外の製薬会社数十社の製品検査に不適切な点がある疑いで調査を進めている。海外で、有害成分が含まれていた咳止めシロップによる死亡例が数百件起きていることを受けた措置だ。FDAは今年、毒性のあるエチレングリコール(EG)とジエチレングリコール(DEG)に関し、市販薬および消費者向け製品の適切な成分検査を証明していないことを理由に、少なくとも28社を処分した。ロイターがFDAの輸入警告リス��およびメーカー向けの警告書を分析したことで判明した。処分を受けたメーカーには米国拠点の企業もあれば、インドや韓国、スイス、カナダ、エジプトなど海外の輸出企業もある。ロイターの分析によれば、2023年にEGおよびDEGにより汚染されやすい原材料の検査を怠ったとしてFDAの警告を受けたメーカーの数は、過去5年間の合計を上回っている。FDAはロイターに対し、DEGおよびEGに汚染された製品が米国のサプライチェーンに流入したことを示唆するものではないと説明した。さらに、一定期間内における警告件数は「FDAによる監督状況を包括的に示唆するものではない」と述べている。広告 - スクロール後に記事が続きますワシントンDCの法律事務所ポール・ヘイスティングスに所属するピーター・リンゼイ弁護士は、FDAによる規制やコンプライアンスが専門だ。汚染された製品をより確実に発見できるよう、FDAはメーカー各社に対し原材料のサンプリング検査だけではなく、成分の入った容器を個別にチェックするよう求めていると語る。「FDAは要求水準を少しだけ上げ、これらの分野に潜むリスクの一端を業界に理解・認識させようと努めている」とリンゼイ氏は言う。インドとインドネシアで製造された咳止めシロップにより、世界全体で300人以上の子どもが死亡したとされる。これらの製品は高レベルのDEGおよびEGを含んでおり、急性腎障害を引き起こし死に至らしめたことが判明している。こうした有毒物質による汚染事故に対し、捜査や訴訟が始まっているほか、世界各国での規制当局による調査も急増している。関連するインドの製薬会社数社は、製薬に適した品質の原材料を購入したことや、自社の薬品について有毒物質の検査を行ったことを立証できていない。広告 - スクロール後に記事が続きます米国では1930年代、子どもを中心として100人以上がDEGの混入により命を落としている。これを契機とした立法措置により、医薬品に関するFDAの規制権限が大幅に強化された。ところがFDAは2023年5月になるまで、プロピレングリコール(PG)やソルビトール溶液のようなハイリスクな成分について、EGおよびDEGによる汚染を検査するという明確なルールを定めていなかった。2007年以来用いられていた従来の指針では、DEG汚染製品の流通を予防するため、市販薬および消費者向け製品でよく使われる成分であるグリセリンに関して所定の検査実施を推奨してきた。現在ではDEGやEGについても、PGやその他のリスクの高い成分と同様の厳格な検査を求めている。<輸入警告リスト>FDAの警告書ではメーカー��品質管理問題の解決に向けた猶予を与えているが、解決しない場合は罰金が科される。米国および外国のメーカー28社に送付された警告書は、検査実務を改善しない場合は、製品の輸出入、当該企業による新薬の承認申請を拒否すると警告している。広告 - スクロール後に記事が続きますこれらメーカーの半数には輸入警告も送付された。税関職員に検査なしでリスクのある製品を留め置く権限を与えることで、国内への流入を禁止する措置だ。FDAが警告対象としたメーカー11社は今年、下痢止めや結膜炎の治療薬、歯磨き粉、日焼け止めなど汚染リスクのある自社製品の一部を子ども向けに販売しているという。子どもに投与できる咳止めや風邪薬を下請け製造する米レックス社(フロリダ州)は、検査��不適切であり、2004年に遡って品質管理基準への違反を繰り返しているとして、8月17日にFDAに召喚された。レックスの共同オーナーであるシャーリーン・パズ氏は、FDAに指摘された問題は対処済みであり、EGおよびDEGが混入しやすい原材料を調達した場合には、必ず不純物に関する必要な検査を実施していると述べた。輸入警告リストには、DEGおよびEGが混入しやすい製品を販売している外国メーカー14社が、適切な品質管理を立証できていないとして掲載されている。マウスウォッシュの「オリオックス」などを製造する韓国のLCC、インドの歯磨き粉製造会社スーハン・エアロゾルとオーキッド・ライフサイエンシズの名前もある。LCCの広報担当者は、FDAへの回答を準備中だと述べた。スーハンとオーキッドは、自社製品にはEGおよびDEGの混入は見られないとしている。外国メーカー14社のうち、インドのダクサル・セラピューティクスとスカイライン・ハーバルズ、韓国のKMファーマシューティカル、サングリーフファーマの4社は、記録提出の要請に応じていないとして輸入警告リストに記載された。コメントを取ろうとしたが、いずれも連絡がつかなかった。このほか、レックスを含め、耳かきやスプレー式点鼻薬、ハンドソープ、シャンプーなど消費者向け製品の米メーカー13社は、FDAから製品差し押えや販売差し止め命令を受ける可能性があるとされている。FDAは、これら13社においては、必要とされる汚染検査を実施しておらず、複数の例では成分の純度についてサプライヤーからの分析証明書だけに依存しているなどの問題点があったと述べている。マサチューセッツ薬学・健康科学大学で薬理学・毒物学を専門とするグレッグ・ランドリー氏は、あらゆる消費者向け製品について厳しく監督することは難しいと指摘しつつ、FDAが問題に気づいた以上「その対応は、迅速かつ強力であるのが普通だ」と話している。
焦点:汚染咳止めシロップでインドなど死亡数百件、米当局も検査強化へ | ロイタ��
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ところで、あなたは”ゴミで生計を立てている方”をご存じですか?日本を含めた先進国の違法業者が発展途上国の違法業者にお金を払ってゴミを押し付け、そのゴミを発展途上国の違法業者が”ゴミで生計を立てている方”に売り、発展途上国の”ゴミで生計を立てている方”が元々耕作地だった畑にゴミを広げて、売れそうなゴミを見つけて売ります。(彼らはこのような仕事を”ゴミを耕す”と表現します。)こうして、高値で売れずに残りのゴミを食品工場に売りさばきます。そして、食品工場はこのようなプラスチックゴミを燃やして揚げ豆腐を作って生計を立てているのです。彼らは公衆衛生上極めて劣悪の環境の中で涙をボロボロ流しながら、こう言います。「俺は愛する子供たちと妻のためなら、なんだってするさ・・・。」、と。
こういった問題に対して、花王社がどれほど真摯に取り組んでいるのか調べるために、花王社の中期��営計画資料とサステナビリティレポートに一通り目を通しました。結論から申し上げますと、化学メーカーという非常に難しい立場にありながらも、真摯に取り組んでいることが分かりました。(実際、花王社のESG格付けはAAという評価を得ています。)しかし、私は一消費者としてより一層環境問題に取り組んで頂きたく思います。それはバイオIOSを開発した花王社には可能なのではないかと信じています。その結果として、高価格帯の商品となったとしても、私たち消費者は支持します。
メリットは国民的な生活必需品であることは言うまでもありません。(私自身日々お世話になっています。)しかし、花王の”KIREI”という理念のもとに”スーパーノーマル”を追求し続けることはかけがえのない地球を守り抜くために大切なのではないでしょうか?
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最高のインタビュアー
先日まで、気分の落ち込む日々が続いていて、部屋の隅っこで体育座りをしてじっとしている毎日だった。体育座り、と言うのは落ち込んでいる時の状態であり、もちろん比喩だけど、まあそんな風に色々なことに嫌気がさしたり、あらゆる気力がなくて、身動きが取れない日が続いていた。
ところで、わたしは「きちんと暮らす」ための行いに苦手なことが多い。例えば、期限内に書類を提出するとか、返信を出すとかそう言うのがてんでだめ。また、中学生くらいまでは忘れ物クイーンだった。今でも、絶対に今日買わないと間に合わないもの(シャンプーとか、トイレットペーパーとか)を買いに出かけたはずなのに、買い忘れるどころか必要ないものを買って帰ってくることもよくある。メモすればいいのではって?もちろんしている。なんならいつでも見れる携帯に。それでも忘れる。宿命なのだ。一方で、掃除や整理整頓は気持ちが良くなるから好き…ようするに、他人が介在すると、苦手として変換される可能性が高いよう。それは、自分勝手とも言えるかもしれない。
先日、出してもらった処方箋の期限が切れてしまっていた。ずっと薬をもらいにいかなきゃ、と思ってはいたし、何回も薬局の前を通ったけど、なんとなく、タイミングが悪くて。そろそろ処方箋の期限が切れる頃にようやく重い���を上げて薬局を訪ねた。みなさんは、処方箋に期限があることを知っていますか?わたしは知っていたので、ギリギリセーフ、という気持ちを携えて薬局を訪ねたところ、あの、これ期限が切れていて処方できません、と言われてしまった。そんなはずは、ない。だって、この処方箋を出してもらってから、まだ一週間も経っていないはずだもの。と思っていたけれど、確かに期限を見たら3、4日経ってしまっていた。どうやら最後に病院に行ってから1週間以上経ってしまっていたようで、光陰矢のごとし、という言葉を体感した瞬間だった。
気を取り直して、財布の中で眠らせていたとあるコンビニのガルボ無料引換券のことを思い出し、コンビニへ向かう。かったるそうな態度の店員さんだったけど、わたしは無料で手にする未来の、わたしの、ガルボのことを思うとそう気にはならない。と、思ったら店員さん「あ、このクーポン期限切れっすね」。
期限!期限!期限!
世の中は期限だらけである。わたしは期限から逃れることができない。いや、違うか。いつだって期限を逃してしまう。これは、普段、仕事で催促をする側にいるから、これまで催促してきた人たちからの怨念か何かなのだろうか?
不思議なのは、こう言うとき、わたしは諦めが早い。まあ、自分のペースで好き勝手動いてきた結果が、これなのであるから地団駄踏むのはお門違いである。自業自得。しょうがない。わたしがプライベートで守れる期限は図書館の貸し出し期限だけ。
さてそうなると先日まで、心の身動きができなかったのは、もしかしたら、何に追われていたのかしら(確かに4件くらい返信してないものがある)。ちなみに敬愛する五木寛之さんも筆不精とおっしゃっていた。この事実は私にとって免罪符である。
ちなみに、期限の切れた処方箋はちょうど読んでいた本の栞の代わりとして使った。折しも、その本は坂口恭平さんの「躁鬱大学」。巡り合わせである。
話は変わるが、昨日みた夢の話。夢の中でわたしが、自分の将来や理想の姿を考えるとき、他人から理想像を見つけ出すのではなくて、自分が自分にとって最高のインタビュアーになると良いです、と言っていた(自分に何ができるか、何がしたいのか、どうなりたいか、などを問いかけて自分の心うちを細分化してゆく)。なかなかいいこと言うじゃないか。
さてそうなるとわたしの、期限を守れない、返信できない、忘れっぽい、というものの先にあるものとはなんなのだろうか。今のところわかっているのは、私は自分が思っているほどしっかり者ではないということだけ。はて理想とは。
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2021年、蘇生、はざま、お城
綺麗な経歴、と突如飛び込んできた言葉に顔を上げると相変わらず上司が顔色1つ変えずに内線で話していた。話している相手は想像がつく。誰のことを話しているのかも。ここにいるはずの子ではなかった、と続けられた言葉を聞きながら、こういうのってなんて言うんだっけ、と思った。こういう自分に関係のある言葉だけ耳に入ることを。
そんなつもりは全くなかったのだけれど、25歳になるのと同時に私は前職を辞めた。追い出されたに近い。そりゃあそうだ。傷病手当をもらいながら時短勤務しか出来ず、ほぼ毎日人事からかかってくる電話に私は正常だと怒り泣き狂う社員を雇用しておきたい会社なんてないだろう。完全に壊れた人間��壊れたことに気づかない。前職ありきで進んでいた一人暮らしの話も、もう後戻りできないぐらい事は進んでおり、いきなり25歳無職、初めての一人暮らし、という笑えない状況になってしまった。まあ後戻りが出来たとしても最後の力を振り絞って実家から逃げ出す手筈を整えたので、実家で暮らし続ける気なんてさらさらなかったのだけれど。
私の部屋は1人で暮らすには充分すぎるほど広い。物をたくさんもつのが大嫌いなので、小さなクローゼットは常にスカスカだ。だって物は心を持つから、たくさんあればあるほど喰われてしまう。ぜんぶがぜんぶお気に入りならパワーをくれるけど、なんとなく買ったとか仕方なく買ったとか安かったから買ったとか、そういうものはぜんぶ力を吸い取ってくる。恐ろしい。装飾品だけではなく日用品も最低限しか持たないから、しょっちゅうシャンプーだのサランラップだの洗剤だのを切らしてドラッグストアに駆け込んでいるので、潔癖すぎるのも問題だなとは思っている。思ってはいる。
やることのなくなった世界はひどく穏やかだった。ひどく穏やかっだったのに、私はまったく眠れなくなった。開放されたというよりは見捨てられたのだと震えた。早く許されたい。自分のことを生きててもいいと思いたいし、周りにも必要とされたい。稼いだら稼いだ分だけ派手にお金を使うのが趣味だった私にとって、お金がどんどん飛んでいくのも恐怖だった。働きたい、とお医者様に訴える度困ったように首を振られる。飼い殺しだと日のよく当たる部屋でぼうっと1日を過ごした。
晴れて仕事をすることを許され、仕事を探す際今まで軸にしていたやりがいのある仕事という条件を外した。もう仕事で心も体も壊すのはこりごりだと思ったから。とんとん拍子で決まった今の仕事は、派遣だから潜り込めたものの、正職だったらまず弾かれていただろう。だってここの人達は"そこそこの学歴"と"綺麗な職歴"に重きをおく。学歴も職歴もむちゃくちゃな私は、それこそ"ここにいるはずではなかった子"なのだ。
有難いことに人にも恵まれたし、平均年齢の高い部内で唯一若手が揃う課に配属されたこともあり、プライベートでも仲良くしてもらえる人達にも出会えた。でも、パタパタと走り回り頭を使う仕事が生き甲斐だった私にとって、細々とした、やり方を変えれば10分で終わるような作業を7時間かけてパソコンにちまちま打っていく作業は苦痛意外の何物でもなかった。空洞を埋めるために始めた仕事のはずなのに、やればやるほど虚しさが増す。私がやりたかったことってこれなのか、1つも��になってない気がして焦る、とお医者様に訴えるとこれはリハビリだからと諭された。どんなスポーツ選手でも故障明け一発目に試合には戻れないでしょう、試合に戻るためには地道なリハビリが必要なんです、と。
大体私は贅沢なんだろう。忙しくても地獄、暇でも地獄。リハビリは生き急いできた私にとって苦行だった。自分を殺すような力業の努力ならどれだけでもできるけど、自分を殺さない繊細な努力は息が詰まる。例えるなら毎日千羽鶴を折らされるような根気がいって、体力やら精神力やらを少しずつ消耗されていくのだ。
穏やかでそれなりに仕事をすればそれなりになれるここは、きっとそういう人にとっては楽園なのだろう。すえた臭いがする。ここの人はみんな優しいけど、尊敬できる人は1人もいないということに気づいて愕然とした。綺麗な経歴にあれほど拘っているのに、みんな履歴書に書く必要のない経歴はぐちゃぐちゃだ。
歳を重ねれば重ねるほど幼児退行していく人が増える。自分のわがままが通るようになるからだ。周りが大人でその人を諦めているからこそ、そのわがままが通っているだけなのに、自分が偉いのだと勘違いしている人があまりにも多い。私も25歳なので十分な大人なのだけれど、そういう大人にはなりたくないと強く思った1年だった。去年は荒波の中もがいた1年だとするならば、ことしはぬるま湯の中もがいた1年だった。ようやく息ができる。
どれだけくすぶった場所にいたとしてしても、自分はくすぶらず、そしてくすぶった人達に標的にされなければ、勝ち。私は来年そんなゲームに挑むような気持ちでいる。
グッバイくたびれた2021年。
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しあわせの在処 4
「お湯を、使ってくださいな」
住職はそう言うと、湯気の立ち上る桶を俺の横にそっと置いた。
「ありがとうございます、気を使わせて申し訳ない」
「いいえぇ、その方がお嬢様も喜びますって。あなたが眉間に皺を寄せて冷たい水を堪えているのをやめてくれと、私にはやめさせろって言ってますよ」
そうですかね、そんな優しかったかなと二人で笑いあう。
ごしごしと石碑を磨きながら、小さな背中を洗ってやっていたことを思い出す。ルキアと一緒に風呂に入っていたのはいつまでだったか。石鹸で泡を作るのに夢中になったり、シャンプーで変な髪型を作ったり。いつも一時間以上は風呂場にいたような気がする。最後に見たルキアの背中は痩せて骨が浮き出ていたが、それでもシミ一つない真っ白な背中だった。
「そう言えばアタシが最後にお会いした時、お嬢様面白いこと言ってましてね」
「お嬢はいくつになってもどこか天然だったからな」
「いえ、生まれ変わりのお話をしていました」
「生まれ変わり?」
「はい。それからパラレルワールドというのは本当にあるのかとか」
「何だそりゃ」
ククッと笑えば住職も柔らかく微笑んだ。
「私が朽木の家に生まれてなければ、どんな一生を送ったのかな、と。彼女は最期まで自分が養女だと知らなかったのですね」
「‥‥あぁ。言うタイミングを逃したんだ、白哉が。でもまぁ、知らないなら知らなくてもよかったんじゃねぇかな」
「そうでしょうか。彼女はもっと違う生き方をしたかったみたいですけど」
「‥‥幸せじゃぁ、なかったのかな、お嬢は」
気がつけば雪が舞っていた。どうりで寒いわけだ。花を替えてから途中で買ってきた苺大福を皿にのせた。
「いいえ、彼女は幸せの在処をちゃんと知っていましたよ」
「幸せの在処?」
「はい。死ぬ直前まで、人間は自分が幸せなのか不幸なのかわからないものだと仰ってまして。けれど彼女は途中で死を覚悟しなければならなくなりましたでしょう?その時に、自分の幸せの在処はどこだったのか、どこなのだろうと考えたそうです」
「そんな話、俺にはしてくれなかったけどな」
「貴方を困らせたり苦しめたりしたくなかったのでしょう。だから彼女は最期まで「我儘なお嬢様」を演じてまで貴方の傍にいたんです。彼女の幸せは貴方が傍にいることだったのですから」
それじゃぁ俺と同じじゃねぇかとは住職には言わずに曖昧に笑った。そしてそれはどこかで知っていた気もする。
ルキアが離婚して朽木の家に帰ってきたのは、結婚して10年以上過ぎた頃だった。
◾
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子供を身籠ることができなくて申し訳ないしいたたまれなくて、と言われてしまえば白哉も会長(結局百歳越えるまで存命した)も何も言えずにルキアを受け入れた。
「お帰りお嬢」
「ただいま一護、また世話を頼む」
嫁に行く前にまともな会話もできないままだったが、昔と同じように俺達の関係はその後も続いた。
ルキアが留守の時、一度、ルキアの元夫が訪ねてきた事があった。白哉も仕事上重要な会議の最中であった為、かなり待たせてしまう事になると差し出がましいとも思ったが自分が対応に応じたのだ。
「只今朽木が会議中でして、取り急ぎご用件だけでも私が伺いますが」
「いえ、黒崎一護さんに、貴方にお会いしたくて参りました」
え?俺?と構えたが、元夫は柔らかく微笑んで
「彼女は貴方を愛してました、最初からずっと。それでもかまわないから結婚してほしいと言ったのは私なんです。一度、貴方とお話がしたかったのです」
「!?」
何と返事をしていいのかわからず更に固まってしまうも、元夫はふる、と首を振った。
「貴方を恨んだりしてません。1人の人間として彼女は私ときちんと接してくれました。私は最初から彼女に一目惚れでしたからそれでも充分だったのです。けれど彼女の病気が発覚してからは、離婚をするほうが私達にとって正しいと判断したのです」
「‥‥病気?」
病気とはなんだ、と思うより早く身体に鳥肌がたった。嫌な、とても嫌な予感がした。
「彼女の余命はもう短い。もしも子供を生んでもいつまで育てられるかもわからない、跡取りを望む私の両親にも申し訳がないと彼女は言いました。それが彼女の本心から言葉というのはちゃんとわかってました‥‥元々私の両親は孫が早くみたいとそればかり言って彼女にはプレッシャーだったはずですから‥‥」
元夫は辛そうに目線を下げた。そうだったのかと思うと同時にそれよりも病気とは���それも余命が短いってどういうことなのだと問い詰めれば、元夫は更に辛そうに眉をひそめた。
「‥‥聞いて、ないのですね」
「何も、知らない、いつからなんです?病院にはー」
そこでルキアの病名を聞いて、ルキアが2年前から病院通いをして症状を抑えていること、不治の病であることを初めて知った。吐きそうになり思わず口許を手で押さえた。
「‥‥私は、彼女と過ごしたこの10年とても幸せでした‥結婚してからの彼女は1度も貴方の話をしませんでしたし、朽木の家に帰りたいとも言いませんでした。子供を産めない身でありながらも両親とも仲良くしてくれました‥‥だから、離婚をしようと私から言ったのです。最期は貴方の傍にいたいと思いましたし、私も彼女の幸せを本当に望んでの、離婚だったのです」
そんな、と今度は涙まで溢れそうになり顔全体を両手で覆った。話が頭に追い付かないぐしゃぐしゃのままなのが多分顔にも出てしまっているはずだった。言葉もでてこない、ルキアが死ぬ?この世からいなくなる?そんなの、絶対に絶えられないー
膝をついて踞って動けない自分の背中を、元夫は優しく撫でてくれた。どうしてこの人はこんなに優しいのか、落ち着いていられるのか。
「貴方の立場から、ルキアさんと恋仲になることが許されないぐらいはわかります‥‥けれど結婚することだけが全てでもゴールでもありません。彼女はそれを正しく知っています。どうか、この先ずっと、彼女の傍にいてあげてください」
ルキアの本音がわかったと言ったように、自分もこの元夫の言葉は彼の本音なのだとわかった。落ち着いた声はゆっくりと脳内に届き染み渡り、今後のルキアは任せてくださいと最後にきちんと言葉にすることができた。
◾
ルキアの口から病気の事を聞かされたのはその数年後だった。病院に行ってるし薬も飲んで、無理をしなければ大丈夫なのだとそれだけ言うも、死期が近いという話はしなかった。それでも病名だけで白哉なぞ卒倒しかけていた。俺は普通に「大丈夫なのか」「辛いときは直ぐに言え」とだけ伝えた。それ以上の詮索はしたくなかった。ルキアが言いたくないのだろうという気遣いもあったが、それ以上自分が知るのも怖かったのだ。
朽木の家に戻ってからの俺とルキアはよく二人で外出した。それはデートというような甘いものではないが、送り迎えから荷物持ちでも呼ばれればすっ飛んで行ったし、自分から声をかけて出掛けたりもした。
ルキアは薬のせいかよく眠るようになっていた。助手席で眠るルキアの頬を何度かそっと触れては、泣いた。
30を過ぎた大人になっても、俺からすればルキアは小さな女の子のままだった。彼女にとって俺は物心つく前からいるのに、それでも父親でも兄でもなく俺を好きというルキアが堪らなく愛しかった。この想いに何も応えてやらない事は正しいのだろうか、拐って、抱き締めて、愛していると伝えたらルキアをもっと幸せにしてやれるんじゃないだろうかと自惚れもした。けれど先行き短いルキアに白哉と離れさせる事は決して良いことではない��心残りにさせてしまうと思えば何も事を起こせなかった。
俺にできるのは
ルキアの傍にいることだけだった
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「昔な、凄く悲しかったことを思い出したんだ」
「へぇ?いつの話だ?」
微熱が続くようになって、ベッドで寝てばかりになっていた頃だった。フラフラする以外はそんなに辛くないと言っていて、顔色もそんなに悪くなかった。だからその日もいつものようにルキアに紅茶を入れて運んだ夜だった。
「井上が屋敷に来て、一護が私に紹介しにきただろ?」
「あぁって、随分昔の話だな」
「あの時、一護が井上を名前で呼んだんだ。すごく羨ましかったんだ‥‥」
「え?そんなこと?」
「ふふ、そんなことなんだが、まだ幼かった私にはなぁ、そのお互いが名前で呼���あうのが羨ましくて悔しくてな‥‥だって一護は1度も私を名前で呼んでくれなかったから」
「そりゃぁ呼べないだろって‥‥あ、思い出した!あの頃お前が俺をシカトしたのって理由それ!?」
そうだ、そんな事があった。ルキアが俺を避けていた時期があったのだ。まさかそんなつまんないことだったのか?
「そうだぞ、拗ねたのだ。おまけに松本が二人は恋人同士みたいですよとか言うから‥‥あの頃はなぁ、幼心に貴様に恋をしてたのだ、今だからこっそり教えてやるが」
「こっそりじゃねーじゃんかよ」
二人でクスクスと笑う。知ってたよ、とも俺もだよ、とも言えずただ笑いながらルキアの長い前髪を横にかきあげてやった。
「俺は俺で傷ついてたんだぞ?おまえに突然無視されて」
「乙女心がわからん奴だからな貴様は。井上は貴様を好きだったぞ、本当に。それも気がつかなかったみたいだな。私でも気がついてたのに」
「あ~、まぁそうだな‥」
井上は5年前に結婚して朽木家から出ていった。「お嬢様がいなくなっても、一護君は私を見てくれなかったね」と言われて初めて、井上の想いを知ったぐらいだった。
「俺に恋愛とか結婚は無縁なんだ。この家に支えている限り、朽木の人間に振り回される運命だからさ」
「それは申し訳ないなぁ。でも死ぬまで私に紅茶を淹れ続けてもらうがな」
「あぁそのつもりだよ」
「なぁ、もう名前で呼んでくれないか?」
「は?白哉に俺殺されて欲しいわけ?」
「むぅぅ。だってもう38になるのだぞ?お嬢様なんて言われる年齢ではないではないか」
「俺にはおばあちゃんになってもおまえはお嬢様だよ」
「喜ぶところか?」
「喜ぶところだ」
そっか、ならいいかな
それじゃぁおやすみ
早く寝ろよ
そう笑って部屋を出た。
部屋を出てから、会長ももういないし白哉が怒っても、明日からルキアと名前で呼ぼうと決めた。そのぐらいいいだろう。何よりきっと「やっと呼んでくれたのか、なんだか生意気に聞こえるがな」とか言いつつルキアは喜ぶに違いない。朝一番に「おはよ、ルキア」と起こしてみるかと考えほくそ笑んだ。
でもそれを実行することはなかった。
翌朝、ルキアは目を覚まさなかった。
彼女���名前で呼ぶことなく、彼女は俺の前からいなくなってしまった。
◾
◾
◾
「私はこんな仕事をしているせいか、凡人には視るどころか感じることもできないものが視えているんですよ」
そろそろ帰ろうかと立ち上がった時、住職が白い息を吐き出しながら空を見上げた。
「幽霊?お嬢の幽霊がいるんですか?」
「いいえぇ、幽霊というよりは‥死神?」
「死神!?」
俺は死神にとりつかれているのか?と顔をしかめれば住職は少しだけ悪戯に笑った。
「違いますよ、とても可愛らしい死神さんがね、貴方の傍にいまして。でもまだお迎えまで時間がかかるそうです‥でも迎えにくるときはその死神さんが貴方を連れて逝くと決めているみたいですけど」
「それ、結構恐いんですけど?」
ほほほ、と住職は楽しそうに笑った。恐がる俺に、大丈夫ですよいい話なんで貴方にお話したんですから、と意味のわからないことを言った。
また来るからな、ルキア
と、心のなかで呟いて墓を後にした。
住職の言う死神が、ルキアのいる場所に連れて行ってくれたらいいなと思ってから、俺も大概ロマンチストだなと独り笑った。
そこでルキアと再開したら、ずっと、死ぬまでお前のことしか考えられないほど愛してたんだぞといってやろう。
雪が冷たくも、照れた頬に触れては解けていくのを気持ちよく感じ、幸せな気持ちになりながら冬の道を歩いた。
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外堀から埋めてやろうと思う
緑谷「彼氏がかっこよすぎて無理」轟「キスしてぇ」 みたいな話。あたまゆるゆるで読んでね。らしくない話を久々にかいた
***
僕の彼氏は、顔が良い。 いや、訂正。顔だけじゃない。性格までも完璧だ。ただでさえ強個性であるのにそこまで揃われたらたまったもんじゃない。世の中の男性陣が悔し涙を呑む気持ちもわかる。だってほら、僕も男だから。 いやほんと、たまったもんじゃないのだ。控えめに言って轟くんがかっこよすぎて困る。しかもかっこいいだけじゃなくて、天然属性まで付いてるときた。ここまできたら最早チートに近い。 そんな顔の良い彼氏に言われたら、そりゃ大抵のことは何でも許したくなる。この間轟くんの部屋で一緒に勉強してたときなんか「膝枕、してくれるか?」だなんて甘えたような顔で言ってきたのだから、その破壊力にどうにかなってしまいそうだった。休憩しよっか、と言った瞬間に上目遣いでそんなことを言うのはどう考えても反則だろう。格好いいくせに可愛い。それがもうずるい。 「あ」 「お」 轟くんのことを考えてたら、目の前に轟くんその人が現れたのだからびっくりして心臓が止まるかと思った。階段の踊り場で立ち止まった僕と、三段上から見下ろす轟くん。シャンプーやらリンスやらが入った洗面器を抱えた僕を見て轟くんは言う。 「風呂上がりか?」 「うん」 制服を脱いだ私服姿の轟くんのその姿にどきりとする。付き合ってから、というか雄英が全寮制になってから轟くんの私服を見る機会は随分と多くなった。制服のようなかっちりとした服も似合うけど、ラフな私服もまた似合う。というか轟くんなら何着ても似合いそうだ。 とん、とん。階段を踏みしめるその音に僕は思わず身構えた。白と赤の髪がさらりと揺れる。轟くんの姿と、近くなった距離。友達じゃない、恋人の距離。 ――恥ずかしい。 そう、僕の最近の悩みはこれだった。轟くんがかっこよすぎて困る。恋人同士だというのに、こうやって近づかれるだけで恥ずかしくてたまらない。 「あの、とどろき、くん?」 「緑谷、いい匂いがする」 あまりの恥ずかしさにフリーズしてしまった僕に、轟くんは気付いているのか気付いていないのか、あるいは気付いていても関係ないと思っているのだろうか。そのままこてん、と僕の髪の毛に顔を埋めてぐりぐりと甘えてくる。匂いを嗅ごうと深呼吸する轟くんの、その息が首筋に当たってくすぐったい。思わず取り落としそうになった洗面器の縁をぎゅっと掴む。 近い。熱い。恥ずかしい。 近くにある轟くんの体温に僕の脳が処理限界を訴え始めていた。どっくんどっくんと脈打つ心臓がうるさくて、体の中を巡る血液がただひたすらに熱かった。 「……とどろき、くん」 耐えきれなくなっておずおずと名前を呼べば、肩口からその温度がすり抜けていく。ほっとしたような、少し寂しいようなよくわからない心地になる僕を射抜いたのは、今にも蕩けそうな色違いの瞳だった。 「わりぃ」 ふっと笑って、少しだけ縋るかのような目線を向ける。その視線の意味も、わかってるつもりだ。エレベーターがあるからか、階段のあたりはいつも人気が少ない。二階に部屋がある僕が使うならまだしも、五階に部屋を持つ轟くんがどうして階段を使っているのかなんて、考えるだけ野暮だろう。 みどりや、と甘く声を呼ばれる。ぼうっとしていた僕の目の前にはいつの間にか整いすぎた轟くんの顔があって、喉がひゅっと音を立てた気がした。 (あ…、) 屈んで少しだけ流れる轟くんの髪の毛だとか、月の光に照らされた重なっていく影だとか。スローモーションのようにゆっくりと流れていくその景色に、奪われたように目が離せない。薄紅色のくちびる。僕を壊す、くちびる。 「――――、っ」 あと一秒。ほんの一秒遅ければ重なっていたであろうそれ。僕のそれと轟くんのそれの間を咄嗟に隔てた、傷だらけの僕の右手。その傷にすら轟くんが刻まれていてまたひとつ鼓動が速くなる。 「………」 お預けを食らった薄紅は一度きゅ、と引き結ばれてそっと離れた。色違いの瞳がじれったさに揺れている。 「ぅ、ぁ、その、ご、ごめん…」 轟くん、と名前を呼べばゆっくりと頭を撫でられ��。本当はそれすら恥ずかしいのだけれども、悪いことをした自覚はあるから黙って受け入れる。 轟くんは優しいのだ。いつだって。一緒に出掛ければ自然と車道側を歩いてくれるし、今だっていつまで経っても恥ずかしくて先に進めない僕に歩幅を合わせてくれる。 「嫌がられてないのなら、いい」 そう言って僕のそばかすを撫でる親指の腹が、あんまりにも優しいから僕は困ってしまう。これ以上好きになったら、僕が僕の形を保てなくなってしまいそうで。 「俺、ちゃんと待つから」 「………うん」 「だからいつか、緑谷の全部がほしい」 全部。ぜんぶ。 意味を理解した途端ぼんっ、と頭が沸騰するのがわかった。可哀想なくらいに真っ赤になってしまった僕を気にすることなく、そばかすを撫で続ける君は一体なんなんだ。初恋キラーすぎる。どこまでかっこよくなれば気が済むんだろう。 頭を撫でていた轟くんの手が離れていく。何事もなかったかのようにそのまま通り過ぎていく轟くんの、その横顔をちらりと見つめて、僕は目の前の階段に視線を戻した。そうしてぐっと階段に足をかけた時。 「わ、っ!?」 ぐいっと強い力で手首を引かれたかと思えば、至近距離にある紅白の髪。まっすぐ僕を射抜く、その瞳。ちゅ、だなんて露骨な音を立てて離れていったくちびるは、僕のおでこに温かな感触を残していた。 ――もしかしなくても、キス、された?おでこに? 「今はこれで我慢しとく」 「~~~~っ!!」 咄嗟におでこを押さえて視線を上げれば、そこには去っていく轟くんの背中だけがあった。わなわなと唇をふるわせれば、すぐにがくりと膝から力が抜ける。へにゃりとその場にへたり込んでしまった僕を、僕は許したい。こんな不意打ち喰らわされて立ってられるかってんだ。 「ほんと…危険すぎる………」 ああ、お母さん。オールマイト。今日も今日とて彼氏がかっこよすぎて、僕は前途多難です。 ことの始まりは、およそ三ヶ月前。ちょうど、保須での事件が一段落した頃だった。ヒーロー殺しステインの出現により、僕と轟くん、そして飯田くんは重傷を負い、近くの病院に搬送されることとなった。 ――その時のことを、今でもよく覚えている。 消毒液の匂い。真白い部屋。窓から差し込む光。看護師さんたちの慌ただしい声。ガーゼに滲む痛み。夥しいほどゆっくりと流れていく時間。 言葉を濁さずに言ってしまうのなら、それは衝撃だった。 僕にとって轟くんは、「かっちゃんとも並ぶほどの凄い人」なんていう立ち位置にいて。体育祭で僕があんなにボロボロになっても、傷ひとつ付けられないような。そんな、オールマイトにも似た絶対的な何かを感じさせるような人だったから。 でも、僕は知ってる。オールマイトだって人間だってことを。痛みに歯を食い縛り、そうして声を殺して笑顔を見せていたことを。ヒーローに、絶対なんてないことを。そして――それでも、絶対であらねばならないことを。 (……轟くん) 傷の匂いが消えないこの場所は、轟くんに似合わないと思った。確かにそう思ったのに、数秒後にはひどく似合ってるとさえ思った。さらりとした病院着に身を包みながら、ぼうっと窓の外を眺める弱々しい姿。そんな姿を見て、僕は安堵したなんて言ったら怒られるだろうか。 同じなんだね。 どこか遠くで鳴るナースコールの音をぼんやりと聞き流しながら、僕は目を伏せる。君も、僕も、オールマイトも。そうして多分、誰しも。強くあろうとするのは、――それ自身が弱さの証明であるとしても――同じなんだね。 ゆっくりと陽が落ちていくのを眺めていた。その地平線の向こうに、今日という日が消えゆくのを。味のない病院食を飲み込んで、夜が姿を表すまで。 「緑谷、起きてるか?」 夜も更けて、寝静まったはずの病室。飯田くんを起こさないようにだろうか。隣から控えめに声がかけられる。気分転換に、なんて看護師さんによって開け放たれた窓の外側で、星が瞬いていた。 「起きてるよ」 条件反射のように返事をしてしまって、それからはっとした。返事をしない方がよかったのかもしれない。轟くんを休ませてあげたほうが。 そう後悔はしたものの口から出てしまった言葉は取り消せなくて、諦めたように轟くんの方を振り向く。ベッドから体を起こしていた彼はベッドの上であぐらをかいて、僕をじっと見つめていた。 「眠れないの?轟くん」 「…………ああ」 そう聞けば僕に向けられていたその視線は、轟くんの足下に落ちる。海なんてないはずなのに、さざ波が聞こえた気がした。沈黙が僕らの合間を縫って、僕と轟くんを繋げていく。何故だろう。それが少し心地よかった。たっぷり三分はかけたと思う。伏し目がちにシーツの白さを見つめていた轟くんは、睫毛を震わせて視線を持ち上げる。その先にいるのは、僕だった。 (……宝石みたい) 空に瞬く星屑すら、霞んでしまうほどの。 こうして轟くんとゆっくり話をする機会なんてはじめてだった。一度深く息を吸い込んで、少しだけ止める。 冷静。クール。そう言われがちな轟くんが、その実胸の奥に情熱を秘めていることを知っている。エンデヴァーのことすら忘れるほどの情熱を。 ――なりてぇもんちゃんと見ろ! そうしてゆっくりと息を吐く。きみは、変わったね。 「………轟くん」 「心臓が、」 心臓が。 二酸化炭素を喉に詰め込んで、焦ったような声でそう切り出す。その声も、その表情も。僕が知っている轟くんの姿ではなかった。苦しいと、痛くてたまらないと言わんばかりにぎゅ、と眉を寄せる。なんだか今日は初めてだらけだった。 「心臓が止まるかと思った」 「…………」 「連絡、きたとき」 一斉送信で位置情報だけだったし。そんなこと、遊びでするような奴じゃねえだろ。お前は。 そう静かに吐かれる轟くんの言葉に、どくりと心臓が一度跳ねた。君が来てくれて助かっただとか、大げさすぎだとか。何か、言えることが��るだろうに。くちびるを震わせるばかりで、言葉が出てこない。苦いような、甘いようなよくわからないものが胸の奥を染めていく。 「ごめん」 月明かり。轟くんの、左の腕に巻かれた包帯がほんの少しだけ白む。体育祭以降目にするようになった、熱い炎の手のひら。 許して欲しいんだ。 弱ってる君の姿に安堵している僕を。心臓が止まるかと思ったなんて言葉を、一瞬でも嬉しく思ってしまった僕を。そんな、そんな気持ちを「ごめん」の三文字に隠している僕を。 「……僕ね、嬉しかったよ」 なんだか少しくらいは轟くんの内側に入れたような気がして。体育祭以降、少しずつ距離を近づけようとしてくれていることがわかっていたから。 「あのとき、真っ先に思い浮かんだのは轟くんの顔だったんだ」 こんなことは誰にも言えないけれど���と付け足せば、きょとんとしたのちその宝石のような瞳が丸くなる。 綺麗だなぁ。 そう思って見つめれば、その色違いの瞳が揺らめいた。滲み出していくそれは緑色に反射していて。何故だろうと思ったのとああそうか、と理解したのはほぼ同時だった。 ――き���と、僕が。近づいているからか。 ぎしり、と音を立てる病院のベッド。息づかいまで聞こえる距離。縋るような、泣き出しそうなその瞳。月明かりと、消毒液の匂い。轟くんの瞳に映る、ぼく。 「好きだ」 もうそれは必然だったように思う。そのくちびるが震える前に、こぼれるであろう言葉はわかっていた。それを避けようとしない僕と、躊躇うことなく口にする轟くんを、なんて形容したらいい? 「生きた心地がしなかった。お前が目の前からいなくなるとか、死んでもいやだ」 「…うん」 「緑谷、みどりや、頼む、そばに」 透き通るような風に吹かれて、轟くんの髪の毛がさらりと揺れる。好きだと声なき声で叫ぶ、轟くん手のひら。おそるおそる僕の頬に触れるその手は、本当にいつも、あの凄まじい熱と氷を生み出している手なんだろうか。 僕には、十五歳の男の子の寂しがりな手のひらにしか思えなかった。 ――とどろきくん。 「うん……いるよ、そばにいるよ、轟くん」 僕はここだよ、轟くん。そう言えば、こつ、と額を優しく合わせられる。一心にこちらを見つめてくるその瞳から逃げるように一度目を伏せて、そうしてまっすぐに射抜く。目の前の、さみしがりな男の子を。 きっと、轟くんは望んでる。魔法のような夜を。きみと僕を壊してしまう言葉を。 帰り道だとか、ご飯を食べているときだとか。僕に向ける視線の意味に、気付かないはずがなかった。そうして向けられる想いに、優しさに、胸が高鳴りだしたのはいつからだったのだろうか。 たぶん、お互いわかってた。それなのに口にできなかったのは、弱かったからだ。心地の良い、友達の距離にはもう戻ることはできないということを。抱えるには弱かったからだ。 「ぼくも、好きだよ」 口にすれば、甘いようで痛い。胸の奥で何かが壊れた音がした。泣きそうに細められる、色違いの瞳。その奥で眠りたくて、包帯だらけの手を伸ばす。轟くんに影を落とすその火傷の痕にそっと触れれば、轟くんは瞳を閉じた。祈るようなそれを、月明かりの夜だけが見ていた。 轟くんと僕が想いを伝え合ってからというものの、轟くんは事あるごとにスキンシップを取りたがるようになった。���目を気にしてしまう僕とは対照的な轟くんは、何かと危ういことをしてくる。 (なんなんだろうな。轟くん、甘え下手なイメージがあったんだけども) 轟くんに甘えられる度に、いちいち赤くなってしまう頬を押さえながら僕は蹲ってしまう。病室で告白されてから、――いわゆる「付き合ってから」最初の一ヶ月は、それはそれは意識してしまってだめだった。例えば朝、洗面台へと顔を洗いに来たときだったり、はたまた、エレベーターの中だったり。テーブルの下でそっと握られる手のひらだとか、寝たふりして肩に乗せられる重みだとか。ずるい甘え方をする轟くんに、僕はもうどぎまぎしてばかりで、すぐに視線をさまよわせてしまう。 二ヶ月にもなれば少しばかりは余裕が出てきたけれど、それでも近い距離で瞳の奥で揺らめく何かを見てしまえば、体じゅうがむず痒くなるほどの愛おしさを覚える。手を握るだけでは、肩に寄りかかるだけでは足りないと言わんばかりに、抱きしめてくるようになったのが二ヶ月目。 轟くんから向けられるまっすぐな愛と熱望から逃げるように鍛錬に没頭すれば、あっという間に三ヶ月が過ぎる。あの踊り場での夜のように人目のないところで顔を近づけられたら。そんなことをされたら、嫌でも轟くんの欲望に気付いてしまう。そしてそれを、轟くんが我慢してることにも。 薄暗い給湯室の、洗い場に置かれていたマグカップを手に取る。オールマイトが印刷されているお気に入りのやつだ。一枚壁を隔てた向こう側では、共有スペースで談笑しているクラスメイトがいる。 電気を付けようとは思えなかった。一人になれる、この薄暗さにすこし安心するから。なにか飲み物でも飲んで落ち着こうと、ちょうどそう思っていたところだった。 「………はぁ」 みんなには内緒にして、と言ったのは僕の方で。 普段から気さくで、仲の良いクラスメイトのみんなが男同士だからなんて理由で変な目で見てくることはないと思うけれど。それでもやっぱり昨日まで普通にしてたクラスメイトの男同士が「実は付き合ってました」なんて、気まずくてたまらなくなるから口に出すのは憚られた。 (この間のは本気でやばかったなぁ…) 階段の踊り場。引かれた腕の強さと、すれ違いざまに額に落とされたキス。 本気で、唇を狙われていたのだろう。轟くんの、薄いくちびるが目に焼き付いて消えない。吐息にさえ肌を焼かれてしまうほどの距離にまで近づいたのは初めてだった。 嫌なわけじゃない。その先を知るのが、怖い。欲しいと手を伸ばしたら、際限がなくなりそうで。 そんなことを、悶々と考えていたからだろうか。どうやら手元が疎かになっていたらしい。 「お、わわッ、」 ずる、と指にひっかけていたマグカップの取手が滑る。数秒ののち、ごん!とシンクにカップが叩きつけられる鈍い音が響いた。 やってしまった。割れてないかな。そう思って横倒しになったカップを拾い上げようとした僕の手を、掴む熱があった。 「…なにやってんだ」 「――――、」 色気のある低音が、耳の奥に吐息に混じって吹き込まれる。肌の深い��ころがぞくりと粟立って、そうしてはじめて今の状況を理解しはじめる。――掴まれた腕。ぴたりと後ろから密着した体。僕のお腹に回された左腕。僕の肩に乗せられた頭と、耳たぶに触れているくちびる。 「と、とっ、とどろき、くん、」 「ん」 ばくばくと今までにない速さで脈打つ心臓が痛いほどだ。こんな風に後ろから抱きつかれたのは初めてで、僕の脳味噌が警鐘を鳴らしていた。 だって、こんなにも近い。この距離は、まずい。何も考えられなくなって流されてしまう前に、心地よい温度から抜け出さねば。そう思って後ろにある轟くんの顔を見上げた時だった。 (――――あ、) 視界いっぱいに広がる、轟くんの苦しそうな表情。ぎゅ、と寄せられた眉に胸の奥が痛んだ。薄暗い給湯室のなか、くるりと反転させられて狭い壁に手を付かれる。僕を閉じこめるその両腕と、唇を震わせただけで触れてしまいそうな距離。逃げ場がなくなったのは、あっという間だった。 「なぁ、やっぱりだめか?」 じん、とかすかに触れあった唇から伝わる淡い痺れは麻薬のようで。頬の熱さと、轟くんの肌の匂い。唇を触れあわせたまま言葉を紡ぐ轟くんの、その瞳。 ずるい。轟くんは、ずるいのだ。僕の両腕はだらりと垂れ下がったままで、轟くんはそれを縫い止めることすらしない。わかってやってるのだ、轟くんは。逃げられるものなら逃げてみろと。僕が轟くんから逃げられないことをわかっていながら。お前は逃げられないのだと、僕に、教え込ませるように。 「もう充分待った」 三ヶ月だ、三ヶ月。ぽそりと呟かれた吐息が熱くてたまらない。渦のような熱に巻き込まれていく。 「いい子にしてたつもりだ」 「ま、って、」 「いやだ、もう待たない」 「ぁ、とどろき、く、ん」 「俺はお前に、許されたい」 「あ、」 「みどりや、」 ――それは、やっぱり麻薬だったように思う。 自分がどこに立っているのかすらわからなくなってしまうほどの、甘い毒が全身に回っていく。触れあった面積は徐々に大きくなって、やがてその薄い唇全体で愛を移される。食むように、味わうように角度を変えられて、息すらままならない。柔らかくて、苦しくて、縋るように轟くんを見ればどろどろに蕩けた瞳がそこにはあった。 いつの間にか僕の両腕は壁に縫い止められていて、余裕のなさそうな表情がとんでもなく色っぽい。 (だめ、溶ける、――) この壁の向こう側には、クラスメイトがいるというのに。楽しそうに談笑する声がまた恥ずかしくてたまらない。 「っ、は、」 「~~んん、ッ、」 もう前も後ろもわからくなったころに、ようやく唇が離れる。恥ずかしくて、気持ちよくて、蕩けてしまいそうだ。 は、は、と息を乱して固まる僕の右手をそっと持ち上げれば、轟くんはゆっくりと目蓋を伏せてキスを落とす。誓うかのような、あるいは縋るかのようなそのキスに、僕は確かに一度、息の根を止められた。 「………やっぱりとんでもない」 そうして満足したかのように背を向けて出て行く轟くんの姿を見送ってからだいぶ経ったあと。ようやく理性が戻ってきた僕の頭の中にあったのは、やっぱり轟くんは危険すぎるだなんて至極単純明快な結論だった。冷たい壁に体を預けて思わず顔を覆う。 ――ああ、お母さん、オールマイト。ぼく、轟くんにキスされちゃいました。 「――で?」 「うまくいった。ありがとう」 「そりゃ良かったな!おめでとうこの野郎!」 壁の向こう側では、ちょっとしたお祭り騒ぎが起こっていた。半泣きになりながら悪態を吐く上鳴と、そんな上鳴を見て困ったように笑う瀬呂。 「あー、なんていうか、僻みがすげぇな」 「うるせーッ!俺だって彼女の一人や二人とイチャつきてーわ!なんだってこのイケメンは…!」 「ちょっと上鳴あんた、轟に当たるんじゃないよ」 ソファの肘掛けに肘を付きながらそう言う耳郎ですら、どことなく嬉しそうに見えた。 「ほんと、長かったんだから」 「いやぁ…あれで緑谷、俺らが気づいてねぇと思ってるのすごいよな」 付き合ってからというもののなかなか進展しない俺らの仲をこっそりこいつらが取り持っていたのは、緑谷には秘密だ。さっきだって、給湯室に消えた緑谷を見るや否や「今だ轟行ってこい」とわざわざ教えてくれた。感謝しかねぇ。 「うちらができるのはここまでかな」 「おう。末永く幸せにな」 「ああ」 優しさがくすぐったくて思わず頬を緩めれば、目の前の三人の目がびっくりしたように見開かれる。そうしてあいつやるな、なんて言いながら目尻を下げたのだった。
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【真面目にと魔法の言葉】 ちゃんと髪の毛のことは日々考えてます! もはや仕事というより趣味かもしれない。普通なら嫌になる文章も楽し!たまには真面目なところも放出してあざとさだしてこ^ ^ 1)髪の毛の成分 髪はケラチンというたんぱく質が大部分をしめ、残りは水分、脂質、メラニン色素、その他となります。たんぱく質はたくさんのアミノ酸からなりケラチンを作っているアミノ酸は18種類あり、18種類のアミノ酸が結合して作られたポリペプチドという化合物で、その中でシスチン(硫黄を含んだアミノ酸)が多く含まれています。これらのアミノ酸が定まった順序でつながりケラチン(毛たんぱく質)になります。 ・ 今日も元気に明るく楽しみな1日をお過ごしください!いってらっしゃい☆ ・ 大型店、若いスタッフとの無駄な接客に疲れた方、くせ毛の方はオススメです。 ・ インショウ 【こんなお悩みをお持ちの方はぜひご連絡ください】 *『髪の毛キレイだね』って周りのお友達に言われたい *髪の毛の手触りがよく、毎日テンションあげたい *美容室でトリートメントをしても、いつもすぐ落ちてしまうのよね *いつもクシでとかす時に毛先が引っかかって痛いの *自宅で市販のトリートメントしてもその日だけしかもたないの *しっかりしたホームケアを知りたい *ものすごくキレイな縮毛矯正をしてみたい iNSYOの髪質改善や縮毛矯正は 他の美容室のトリートメントとは概念が違います。 また髪の毛を極力傷ませないようにしながら あなたの求める理想の髪質に改善していくのが iNSYOオリジナル髪質改善・縮毛矯正です。 ☆ ☆ ☆ 最高のシャンプーの条件とは? https://www.insyo.info/ ********************* ~髪質改善・縮毛矯正と頭皮と髪に優しい白髪染め専門美容室~ iNSYO中山駅本店【インショウ】 神奈川県横浜市緑区中山5-15-3-1F ********************* ≪アクセス≫ ■横浜線 中山駅 南口 徒歩6分 無料駐車場 2台完備 ≪営業時間≫ 9:30~18:00(最終受付カット17:00) ※ご予約優先、予約がない時はコロナ禍のためお店閉めます。HPからLINEにて対応します。 ≪定休日≫ 毎週月曜日、第1・第3日曜日 ■ダメージを出さないことが最大のトリートメント、矯正部分は完全保護でダメージレス ■ナチュラルハーブカラー白髪染め ■3D増毛取扱、ア○ランスにいかな���てもok ■半個室完備 ■ドリンクサービスあり #中山美容室 #中山美容院 #髪質改善ストレート #髪質改善サロン #髪質改善横浜 #白髪染めが上手い #縮毛矯正失敗 #縮毛矯正専門店 #トラックオイル横浜 #中山駅周辺 #中山美容室insyo #新横浜美容室insyo #横浜髪質改善 #横浜髪質改善insyo #横浜縮毛矯正 #縮毛矯正横浜 #トラックオイル取扱店 #トラックオイル横浜 #中山駅周辺 (インショウヘアーラウンジ 中山駅本店) https://www.instagram.com/p/Cb5-5cjB2wR/?utm_medium=tumblr
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2022.02.28
昨日の東京は、とても暖かかったみたいですね。
長野市は寒いミゾレ雨でした。
今日はようやくの晴天なので、
朝から張り切ってお洗濯をしました。
そうです。
カックンです。
その後もカックンは元気にしています。
今日もピピピピ!の後に、
カックン、カックンと唸りながら頑張ってくれました。
ありがとう。カックン。
今朝もいつも通り、
ラジオ体操からスタートしたistutです。
とうとう、ラジオ体操第2まで、
続けて行うようになってしまいました。
我々の取り組みに、
きっと荻原市長も喜んでいるに違いない。
長野市への熱意を表彰してほしいくらいです。
しかもですよ。
ラジオ体操の後に、
四股を踏むようにまでなっちゃいました。
股関節がカチカチで腰痛もひどいので、
ふたりで向かい合って四股踏みです。
朝からクタクタの相撲部屋団地からは以上です。
・・・・・・・・
istut珍事件日記を更新しようと思いつつ、
ここ数日は筆が進みませんでした。
コロナというウイルスに、
世界中が混乱している中、
更に辛いニュースが世界を駆け巡り、
正しい情報を取ろうとすればするほど、
心が沈んでしまって、
どれもこれも他人事ではないし、
モヤモヤモヤが止まらないけど、思考は停止。
そんな日が続いていました。
それでも思ったんです。
自分にできることは何なんだろうって。
現時点の答えは、
自分の持ち場で、しっかり生きること。
毎日、空を見上げること。
そして、
同じ空の下にいる多くの人たちを想うこと。
それは友達だったり、
お客さんだったり、
海の向こうで暮らす人たちだったり。
幸い、新しい住まいからは、
空が大きく見渡せるんです。
この団地に暮らして、
本当に良かったなあって思います。
・・・・・・・
ということで、
珍事件日記も更新も、今できることのひとつ。
今週から、
istutの小さな工房の工事が始まる予定なので、
その前に珍事件日記を書き終える予定でした。
いかん。
間に合わん。
全然、間に合わん。
そして今日で2月も終わる。
珍事件の記憶が薄れてきておる。
これはいかん。
そんなピンチの時には、
これでーす!
じゃーん。
団地のバランス釜でーす。
寒い日が続いて、
温かいお風呂に入りたくて入りたくて、
転居してきてすぐ、
このバランス釜との格闘が始まりました。
給湯の際、
「あつい」と「ぬるい」の間で、
ちょうど良い温度を適当に探すのですが、
お風呂のお湯を溜める時は、
一番「あつい」じゃないとダメです。
ところがですね。
初めてこのバランス釜のお風呂に、
トライしてみた時のことなんですけれど。
一番「あつい」でお湯を溜めて、
「きっとあついだろう」と油断をして、
ジャブンってお風呂に入ったんです。
そしたら、
「ぬるい」。
恐らく、外気が寒すぎるのと、
自分の身体も冷えすぎていて、
温水プール程度の温度。
寒い!さぶさぶさぶー!
焦った私は、
とっさに追い炊き作戦に出ます。
そーです。
バランス釜の良いところは、
追い炊きができるところなんでーす。
ブオッと音を立てて、
バランス釜の追い炊き機能がスタートしました。
いいぞー。
いいぞー。
その勢いでどんどん温めておくれ。
じゃないと、
この水温では風邪をひいてしまうよー。
あ。
この時間、マコさんは台所で、
鼻歌を歌いながら料理をしており、
私のお風呂トラブルには、
全く気付いていませんでした。
凍えそうな私は、
お風呂の蓋をして首だけ出すという体勢を取り、
追い炊きでお湯が温まるのをジッと待ちます。
うーん、もう少しかな~。
まだ身体が芯から冷えてるな~。
うーん、もう少しかな~。
なんか変な匂いがするな~。
お湯の様子がおかしい気がするな~。
嫌な予感がして、
首だけ出していたお風呂の蓋を開けると、
追い炊き口からおかしなものがたくさん出てきて、
お湯に浮いているではないか!
私はそのおかしなお湯の中に、
首だけ出して必死に浸かっていたのではないか!
ひえー。なんてこったー。
焦って洗い場へ引き上げシャワーを出します。
すると、シャワーの水圧が低すぎて、
チョロチョロチョロ~しかお湯が出ない。
身体についた汚れを流したくても、
チョロチョロチョロ~って元気がなさすぎる。
とにかく寒い。
そもそもお風呂場自体が寒い。
湯船は冷たくて変なものが浮いている。
シャワーは元気がなさすぎる。
役者は揃った。
うん。揃いましたね。
分かりました。
私だって負けてられません。
チョロチョロチョロ~のシャワーで、
シャンプーして身体も洗って、
震えながら入浴を終えてやりましたよ。
冷えた身体を湯船で温め直すこともできませんし、
水圧が低いシャワーだとシャンプーは流れませんし、
きれいになったのかどうかも分かりませんし。
こんなに寒い入浴タイムは、パリ以来だわー。
と、少しキレ気味に出てきた私に、
「えー、パリって何のことー?」
と、ノンキなマコさん。
次の朝、ダッシュで追い炊き釜洗いの洗剤を買い、
半日かけて、
バランス釜を洗浄し続けたのは言うまでもありません。
そもそも、
追い炊きに対して認識が甘かった。
使う前に、きちんと洗浄するべきだったんです。
バランス釜としても、
洗ってほしかったに違いない。
追い炊きしろっていうから、
追い炊きしただけだ。
釜は悪くない。
その事件以来、
ずっと寒い日が続いて、
バランス釜と少し距離が置きたくなってしまった私は、
何回か近所の温泉に行ってしまったんです。
今でも反省しています。
きっとバランス釜は悲しかったと思う。
そんな反省も生かして、
今はバランス釜とも仲直りをして、
バランスの良い快適な、
お風呂ライフを過ごしています。
これからもコマメなお手入れをしてあげよう。
もう怒ったりしないからね。
一緒に仲良く暮らしていこうね。
あ。
相変わらず、
シャワーの水圧はチョロチョロチョロ~ですよ。
つづく。
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「フリーライターの山梨と申します。よろしくお願いします。このQRコードですか? 僕のホームページです。って言ってもほとんど稼働していませんが……」
2021年、名刺にプリントされているQRコードを指差して何度そう言っただろうか。そして「ほとんど稼働していません」と言うあたりで何度罪悪感を覚えただろうか。フリーライターになった2017年に開設したこのホームページだが、最後に更新したのは「2018年のお仕事一覧」。その直前の投稿は、最近購入した好きなものを紹介する連載企画(Part2にして企画倒れ)だ。わざわざQRコードからホームページに飛んでくれた人や、素晴らしい名刺を作ってくれたデザイナーの太田雅之さんに申し訳なさすぎる。さらに、デザイナーやカメラマンでいうポートフォリオ的なものを用意していない上にブログも更新していないライターって得体が知れなさすぎる。というわけで、2021年の12月31日、僕は3年ぶりの投稿をつらつらと書いている。
大晦日というタイミングだし、今年を振り返ってみる。2021年を一文字で表すならまさしく「激」だった。理由は2つあって、一つ目は新規の案件が立て続けに舞い込んできて「激動」だったから。一番印象的だったのはチェキのオウンドメディア「Cheki Press」。カメラマンやモデル、ミュージシャン、Youtuberに表現へのこだわりを聞くという自由度の高い企画で、スケジュールがかなりタイトだった。毎週取材と締め切りの予定が入るし、他媒体の原稿も並行するからかなり忙しい。しかし、これが過去一なんじゃないかというくらい楽しい。カメラメーカーの媒体だから写真を中心に語ってもらうことが多いのだが、インタビュイーにとってのそのあり方が本当にまちまちなのだ。「写真があったから私は人と繋がることができた」という人がいれば「カメラはあくまで仕事の息抜き」という人や「カメラという機械そのものがなんか好き」というユニークな人もいる。ただ全員に共通しているのは、表現が楽しくて仕方ないということ。真っ直ぐな目で、時には言葉に詰まりながらじっくりと話す様は、放課後に好きな音楽について友達と語った学生時代を思い出させられた。好きなことを楽しんでいる人を見るのが好きでライター���志したんだよな、と初心にかえる次第。身体だけでなく心も“激動”な一年だった。
もう一つ、何が激しかったかというと「痛み」だ。2021年1月4日、僕は自転車で派手に転び、左肩の骨に大きなヒビが入った。人生初の骨折だ。それから1ヶ月くらいは強めの四十肩といった具合で、タイピングはおろかテーブルに置いたノートパソコンを開くだけでひと苦労(あとシャンプーと目薬が全然できない)。そして歩くと肩に響くため1ヶ月間くらいは取材もキャンセル。世間とは違う理由で外出自粛を余儀なくさせられた。趣味だった料理もロクにできず、掃除ができないので汚れもたまっていくのだが、それはギリギリ耐えられた。ただ、人と会えないことがなにより辛かった。激痛で何もかもできなくなった中で気づけたのは、「無理してでもやりたいこと」だった。それが人と会うことだった。
表現をすることの意味と、自分が本当に好きなことと向き合えたこの一年。2022年はその経験を糧に仕事・趣味問わず、好きをモチベーションに励みたい。最後に、この一年の取材で印象に残った一幕を引用して締めくくりたい。YouTuberでDJ、古着屋の店員といろいろな顔を持つ矢部ユウナさんに「自分の仕事をあえて言葉にするとしたらなんですか?」と聞いた時の言葉だ。悩むこともなく、食い気味で答えた矢部さんのように自分もなれればな、と思う。
「私は好きなことを見つけてとことん楽しんでいるだけです。だからその質問にあえて答えるとすれば、“自由人”ですかね」
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他のものと同様に、専門ライセンスは物事を良くすることも悪くすることもあります。 プロフェッショナル ライセンスの場合に起こりやすいのは、参入障壁が構築され、労働力の供給が減り、既存のソフトウェア エンジニアの人件費が人為的に上昇することです。 たとえば、美容師免許を参照してください。1,000 時間の学習コースを修了するか、5 年 (!!!) の経験がなければ、ニューヨークで人の髪をシャンプーすることが違法であるというのはばかばかしいことです [1]。 確かに、病気などを広めるべきではありませんが、これはそれをはるかに超えています。 それほどばかばかしい例ではありませんが、医師です。 米国では、利用できる居住場所の数が笑えるほど限られており、この数は政府によって設定され、米国医師会の支援を受けています。 これにより医師の賃金が高騰し、医師になることが必要以上に困難になっています。 医師の免許付与については有力な主張があるが、米国における特別なやり方は明らかに最適とは言えない。 私が言いたいのは、確かに政治家が間違った規制を作成すれば業界に損害を与えるだろうが、ソフトウェアエンジニアの数を制限して業界の首を絞めることも損害を引き起こす可能性がある、ということだ。 すでにご存知かと思いますが(「私の提��は完璧ではありません」)、これを議論として受け取らないでください。私は考えられるマイナス面を明示し、詳細を追加しているだけです。 [1]: https://dos.ny.gov/cosmetology
サイバーレジリエンス法に関する Debian の声明 | ハッカーニュース
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11/20
くまと髪の毛を切りに朝から出かける。3ヶ月以上空いてしまった。美容室お金かかるし(カットとカラーで15,000円なので毎月5,000円ずつ積み立てている)私の白髪さえ目立たなければ、明日発表会でなければ、もうちょっとほったらかしにしておきたかったんだけど、難しくなったのでしぶしぶ行くことにした。担当の美容師さんはすごくカットが上手で、髪もつやつやにしてくれるので信頼している。何も考えずに行けるというのはリラックスしている証拠なのかも。ステディを渡されたので読んでいたけど、田中みな実ちゃんがおすすめしていたプチプラのアイライナーが気になった。普段ファッション誌は読まないので新鮮だった。シャンプーやリンスをしてもらっているとき、気持ち良くなっていつもだんだんぼんやりしてくる。気分が変わってとてもよかったんだけど、帰る時に受付の人にハンドクリームだのスパチケットだのおすすめされてちょっと疲れてしまった。ハンドクリームもさらっとしたタイプで香りもすごくよかったし、スパチケットも6,000円分おまけがついてるから、気分を変えたい時に使えばすっきりするかもしれないし、商品はぜんぜん悪くなかったんだけど、どこからお金を捻出しようか、と考えることが辛かった。
電車で移動。朝井リョウさんの「風と共にゆとりぬ」をお供に過ごす。面白過ぎて電車で読むのは不向きだ。電車を降りて、お店をいくつもうろうろしながら、モスバーガーに立ち寄る。あまり行かないので、久しぶりのモスバーガーはうれしい。私の大好きなきんぴらライスバーガーはいなくなってしまったので、何を食べようか迷いつつとびきりハンバーグのシリーズを食べる。おいしい。飲み物のゆずジンジャーも美味しかったし、くまの食べているモスチキンを少しもらったけどさくさくしてて美味しかった。1ヶ月ほど前にラウンドワンでメダルを預けていたので、メダルを消費するためと、FGOACのためにラウンドワンへ。FGOACは真綾ちゃんの声が聴けるのがうれしい。メダルはマリオのゲームで遊んでしまってあっという間になくなったのだけど、メダルゲームはたのしいのでまたやりたい。じゃらじゃらといっぱいメダルが出てくるあの瞬間が気持ちよくて好きだ。百貨店で買い物をする。ケーキ屋さんはどのケーキもすごくきれいだったし、モンブランが多くて、秋を感じた。眺めただけなんだけどすごく楽しくて、こういうことに心を動かしながら生きていたいなと思った。そしてモンテブランコのモンブランを食べて以来、なんとなくモンブランが気になる存在になりつつある。気になるケーキ屋さんも発見したんだけど、くまはたい焼きを食べたがったので買わなかった。そこのケーキ屋さんはいつかトライしたい………!
実家へ行く。ご飯を食べながら父親とふるさと納税について言い合いをする。2〜3年前から私がふるさと納税の話をしていて、父親も勉強したらしい。私が思い違いをしていたんだけど、悔しくてなんだか言えなかった。2〜3日前に従姉妹が���ってきてくれたわらびもちを食べ(これもおいしかった)、くまのリクエストでたい焼きを食べる。あつあつの出来立てのたい焼き、なんて美味しいんだろう………!!今日は食べてばかりだなあ。母親がびっくりドンキーの焼き芋が美味しいという話をし始め、びっくりドンキー……?と思ってたらドンキホーテの話だった。微妙に違う。父親は2週間くらい前に自転車で転倒して救急車で運ばれて、母親も足を痛めてしばらく動けずにいたので、こうやっていつも通りに一緒に過ごせることのありがたさを感じた。できるだけこういう時間が長くあるといいと思う。
11/21
夕方からエレクトーンのアンサンブルの発表会。くまと私はエレクトーンを弾いて、パパはフルートを吹くことになっている。でもその前に発表会の会場が法隆寺に近かったので、法隆寺へ行く。私は初めてだったけど、パパは何度か来たことがあるらしい。世界遺産ともあってやっぱり広くて、さくっと寄る感じではなかった。私は仏像に全く興味がないので、どれを見ても同じような気がしてしまうんだけど、お寺や神社を散歩することは好きだということがわかった。時間のある時にまたリベンジしたい。
発表会の会場のホールに到着し、リハーサルをした。パパのフルートと私たちのエレクトーンの音のバランスを見るためのリハーサルだったんだけど、めちゃくちゃ贅沢な気がした。素人の我々の演奏がいい感じの音量になるようにリハーサル………!すごい。リハーサルが終わってロビーで開場を待っていたんだけど、どのグループも衣装を揃えていて、高校生〜大学生くらいの女の子たちがドレスで揃えていてきゃっきゃ自撮りしてる場面もあったりしてかわいかった。一方、私たちはフードのついたパーカーという縛りで家にある服をそれぞれ着てきただけだった。地味ハロウィンみたいだね、となったけど、衣装を揃えるほどの気力が私にはもうなかったので今年はもういい。肝心の演奏は譜面台が取り外されていて、微妙な位置に譜面を置いたことにより、一番自信のない部分の譜面が見えず間違えまくってめちゃくちゃだったけど、くまと向かい合って演奏するのはおもしろかったし、パパもソロで間違えたけどしれっと吹ききってたし、ていうか独学でフルート始めて普通に吹けるのすごいし、いい思い出になったと思う。購入したフルート代、アンサンブル参加費、別途レッスン料で一泊二日で家族旅行できちゃうくらいのお金がかかってるけど、家族で発表会に出るという経験もなかなかできないので、まあいいかな、と思うことにしたけど突然の立て続けの出費は普通に痛かった!!!!!!お金のかかるタイプの習い事すぎる!!!!!3人お揃いの服を買うのに戸惑うくらいには痛い出費だった!!!バイキングで欲望を満たして帰宅。好きなものを好きなだけ食べられる喜び……!だけど年々お腹に量が入らなくなっている気がするのもまた事実。
11/22
3時間ほどしか眠れず出勤。何気なくTwitterで見たり.ん.���.だ.に転がり落ちてしまい支部を見ていてときめきのあまり眠れなくなった…………!今回のイベントに参加するためにいろいろすっ飛ばしてたどり着いたので、未履修なところしかないんだけどすっかりハマってしまった………。労働があっても帰ったら推しカプ読むんだー!!!!!!!!と思うとずっと元気でいられるのでびびる。くまもf/g/oが好きで、オールキャラギャグ系は特に好きな感じがあるので、同じジャンルでインテへ行く日も近いのでは…………。だけどいま同人誌を覚えたらもう後には戻れないので、まだくまには同人誌の存在は教えていないけど、ネットでググってでてきた二次創作漫画読んで楽しそうにしているので、バレるのも時間の問題だ。夕方、スーパーで買い物をして帰る。ブラックフライデー系のセールで賑わっていて、なんだかついつい普段買わないようなものまで買ってしまったんだけど、クリスマスとかお正月時期のスーパーが好きで、賑わいもそれ��なんだか近いのでしょうがない。晩ご飯は残り物の筑前煮にカレールーを足して、筑前煮カレーそばを食べた。うどんよりそばのほうがよくカレーが絡んで美味しいというのを親に教えてもらってから、そばにカレーをかけるようになった。筑前煮も味が染みていておいしい。寝不足だから早く寝ようと布団に入ったけど、結局2時間支部を眺めていた。
11/23
久しぶりに家でゆっくりした。片付けたり、ゲームをしたり、家計簿をつけたり。今年の貯金率が微妙に悪くて大きな出費を書き出してみたけど、そもそも収入が下がってる上に支出が増えてるというパターンだった。しょうがないね。家計簿をつけてるとだんだん気持ちが暗くなってくることがある。いままでの私はうまく家計管理できない自分のことを責めていたけど、今の私はテンションの下がる家計簿の仕組みを変えてしまえばいいと思っているので強くなったと感じる。夕方餃子を作った。冷凍も美味しいけど、手作りで美味しいものを作るのは楽しい。でも料理も洗濯も片付けも、仕事があろうがなかろうが容赦なくやってくることを考えると、生活はむずかしいなと思った。気持ちにゆとりがないと料理をしたいなんて思わないのに。
11/24
職場でクリスマスリースを作っていて、とてもかわいかったのでくまと週末に作ることを決めた。制作はめんどくさいのであまりやらないんだけど、なんとなくやってみたい気持ちになった。メインで担当している業務ではないけれど、毎年手伝いで携わっていて、新しい担当者より詳しく知っていたのであれこれやっていたら、手柄をほぼ持っていかれてむかむかしていた案件があり、その業務の反省会を何名かでやっているのを横目で見た。反省会に参加しているメンバーの誰よりも準備には携わっていたのに、メンバーでもなんでもないから呼ばれなかった。でもそこに執着してもなにも面白いことは生まれないので、どうでもいいことにした。来年からは指示があるまで絶対に動かないと誓った。くまとクリスマスリースの材料を買いに行き、エレクトーンへ送り出す。エントランスにこの前のアンサンブルの発表会の結果が張り出され��いたのだけど、私たち、アットホーム賞という賞をもらっていた。みんな間違えまくってめちゃくちゃだったのでまさかすぎて笑ったけどうれしかった。いいこともあるんだなあ。金賞をとったグループをチェックしたら、始まって10秒くらいでうまい、と感じていたところがやっぱり金賞をとっていた。
11/25
明日いろいろチェックが入る日なので、部屋を片付けることになった。私の席の周りをもう少しうまく片付けてスペースを作りたいとのことだったんだけど、私は物の配置を決められないので、上司たちが片付けているところをうろうろしていただけだった。これはここに動かしていい?と丁寧に聞いてくれたけれど、私は特になんの希望もなかったのでおまかせした。ものすごく席の周りがすっきりした。ありがたい。夕方、帰りに駅のホームで変な人がいて目を合わせてしまい、びびって逃げようとしたら足を挫いて痛すぎて心が折れてしまった。つらい。暗い部屋でぼんやりしていたらくまの学校から電話がかかってきた。くまが持久走でみんなが走っている距離の半分しか走れてないということだった。くま本人からも申告があったので知っていたけど、わざわざ電話してくるんだ……!!??と驚いた。でも知っていて欲しかった、というところで先生の話が終わってしまったので、家庭にどうしてほしいのかがわからなかった。とりあえず少しでもいいから距離を伸ばしてみなよ〜とくまには伝えた。根性なしなところは正直ある。
11/26
とりあえず足が気になるけれど出勤する。いろいろチェックはなんとか乗り切ったけど私の処理したあれこれが指摘事項にあがっちゃったらしい。ごめーん!でも誰も死なないから許してほしい。ひとまず終わってほっとした。休憩中に他の先生と話をしていたところ、同じ大学同じ学部出身の先生がいることが判明してめちゃくちゃテンションがあがる。うれしいな〜〜〜!!!!疲れきったまま夕方を迎え、なんとか帰宅してくまを歯医者に連れていくまでの間、パパの年末調整の書類を一緒に確認して歯医者へ。くま、はじめての虫歯治療。晩ご飯はテイクアウトで済ませる。
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narrative
------------------------------------------------------ 『あやつられループ』 ------------------------------------------------------
もともと自分の顔が好きじゃなかった。頭のてっぺんからつま先まで、容姿において自信のある部分なんてなかった。それなのに今は、自撮りがずいぶん上手くなったと思う。 「ん……この角度だと、キッチンが写っちゃうなぁ」 スマホで撮影したばかりの画像を確認して、私は頭を悩ませた。今時、ちょっとした要素から物件を特定されるなんてよくある話だ。キッチンには結構特徴が出るし、なるべくなら映り込ませたくない。 「ねえ、タクちゃん。撮影手伝ってくれない?」 ソファに寝転んでスマホを弄っている恋人に声をかけた。彼とは付き合い始めて半年。もともと私の家でお泊りデートが多かったのだけれど、いつの間にか同棲状態になっていた。フリーターをしているという話だったけれど、同棲を始めてから働きに出かけるところを見たことがない。朝、仕事に行く私と入れ違いにベッドへ入り、夜はソファでスマホを弄ったり友達と飲みに出かけたりしているだけだ。酔っぱらって朝帰りしてくることもあるけれど、飲み代は私からせびったお金だ。 私だって、彼を養えるほどのお給料をもらっているわけじゃない。むしろ少ない方だと思う。一応正社員だけれど、まだ2年目だし、特殊な能力が必要な仕事でもない。単なる事務員。地味な私にぴったりの、地味な職業。 一方、とある合コンで出会った私の恋人は派手な人だ。派手な人というのは、どうやらお金遣いも派手らしい。飲み代、服代、その他交際費、スマホゲームの代金、その他もろもろ。呼吸するようお金を溶かしていく。 そんな彼を支えるためには、私のお給料だけでは足りない。別れを考えていた三か月前、彼は私に言ったのだ。 「別れたくない」 「愛してる」 「金を稼ぐ方法なら、俺が知ってるから」 彼が言うその『稼ぐ方法』は、女の子にしかできないものらしい。 「俺のために頑張ってくれるよな」 疑問形でも哀願するでもなく、どこか上目線の断定口調で、彼は言った。当然のようなその物言いに反論できるはずもなく、私は頷いた。 容姿に自信がない自分でも、肌や乳房、お尻や脚を褒めてくれる人がインターネット上にいる。そういう人たちをファンとして囲い、月会費を支払ってもらう代わりに会員向けの写真を提供ためのネットサービスがあることを、恋人から教わった。今時は、いわゆるインターネットサロンを開設するサービスというのはたくさんあって、一般人の私でも簡単に利用できるというのだ。写真のきわどさや更新頻度に比例して、月会費を高く設定する。彼氏に「アカウントを作ったから、写真を撮れ」と言われたときは恐ろしかったし、私なんかの身体の写真を見たがる人がいるとは到底思えなかった。けれど実際ふたを開けてみれば、私の写真のために月会費を払ってくれる人がいたのだ。続けていて三か月すれば、月会費だけじゃなく、プレゼントを贈ってくれる人まで出てきた。 それで自分に自信が持てるようになったかといえば、そういうわけでもない。顔を写したことは一度もないし、いわゆる『ファン』の人たちと必要以上の交流を持ったこともない。ただ単に、お金を貰って女体の写真を提供している、というだけだ。 水着姿や下着姿、乳首を腕で隠した半裸の写真を撮りながら、私は自分の心の一部が冷たくなっていくのを感じていた。 その副収入が安定してくるにつれ、彼は仕事をしようとするそぶりすら一切見せなくなった。お小遣いのねだり方にも遠慮が無くなった。違和感はあるけれど、私はその違和感を言語化することができない。 だから今日も、ただ淡々と『ファン』の人が喜ぶようないやらしい写真を撮ろうと腐心する。心はどんどん冷え切っていく。恐れも辛さも摩耗していく。
会社の近くにあるレストランで同僚たちとランチを食べていると、不意に視線を感じた。 「ねぇ、あれ柏木さんじゃない?」 よく一緒にランチをするメンバーのひとりが、声を潜めて言った。 「だよね。また小川さんのこと見てるよ」 「また?」 思わず食事の手を止める。 「気付いてなかったの?」 「柏木さん、絶対小川さんのこと好きだよ」 女性たちは口々に頷いた。 「まさか……」 私は愛想笑いを浮かべつつ、ちらりと視線の元を見た。 同じフロアの別の部署で働いている男性と目が合った。社内で何度か見かけたことがあるけれど、名前も知らない人だ。自動販売機の前や、会議室の出入りですれ違ったことがあった気がする、という程度の記憶しかない。前髪が目元まで伸びている真っ黒な髪、無骨なフレームの眼鏡。第一ボタンまで留めてあるワイシャツは少しよれ��れで、黒いスラックスには遠目にも分かるほどほこりが付いている。真面目で野暮ったそうな、地味な人だと思った。 「なになに、じっと見てー」 「小川さんも、まんざらでもないんじゃない?」 「あはは……」 好奇心旺盛な同僚たちの視線を曖昧にかわしながら、私はランチを詰め込むように腹へ納めた。
会社からの帰り道、スーパーに寄って晩ごはんの買い物をした。今日は珍しく残業がなかった。久しぶりに凝った料理を食べさせてあげられそうだ。想像しただけで嬉しくて、材料を少し買いすぎてしまった。 うきうきしながら帰宅すると、家はもぬけの殻だった。玄関で、ふっと足の力が抜ける感覚がした。別に珍しいことではない。彼が夜に出かけて朝帰りしてくることなんてザラにあるのだ。私は何を期待していたんだろう。 孤独感を噛みしめながら、私は予定通りのメニューを淡々と作った。料理をする喜び、というものは特に感じなかった。どうせ自分が食べるだけなのに、凝ったものなんて作るなんてばかばかしい。何をしているんだろう。心は冷え切っていたはずなのに、目には涙が滲んできた。その時ふと、ファンクラブに料理の写真を投稿してみようかと思いついた。 日常の写真から、私個人を特定されるのではないかという漠然とした恐れがあった。けれどすでに、唇から下の身体は全部写真に収めて晒しているのだ。自分の身体以外のものを晒す方にためらいがあるなんておかしな話だ。私は黙々と料理を作り、きれいに料理を盛りつけ、テーブルに並べた。食べ物がおいしく見えるように、光や構図を工夫しながら何枚も撮った。その試行錯誤は意外に楽しく、いつも通りの手順で写真をサロンに投稿するまでは高揚感があった。けれど、自分のきわどい写真の中に放り込まれた食事の写真が、なんだかひどく居心地が悪そうに見えて我に返った。こんな写真を投稿したところで、なんになるというのだろう。私のサロンに対して月会費を支払ってくれる人たちは、女の身体が目当てなのだ。私の生活には興味がないだろう。虚脱感に襲われた。胃もたれしそうな料理を前にうなだれていると、スマホに通知が入った。サロンへメッセージが来たという通知だった。 『珍しい投稿!』 『料理上手なんだね』 思いのほか肯定的なメッセージが入っていることに驚く。 なかには、 『食器が一人分なのを見て安心した』 というメッセージまであった。 「ふふ……」 思わず笑ってしまう。恋人が不在なことが、意外なところで功を奏したと��。けれど、彼氏がいなかったらこんなサロンも開いていないのだ。そう思うとなんだかおかしくて、涙が出るほど延々と笑っていた。
朝、出社の準備を終えるころに彼が帰って来た。 「おかえり……」 「おう」 どこに行っていたのか、何をしていたのか、そんなことは聞かない。聞かなくても分かるようなことを聞くのは怖い。あいまいなうちはわずかな希望を抱くことだってできる。男友達との飲み会とか、深夜のアルバイトを始めたとか、そういう前向きな希望だ。例え彼の髪から知らないシャンプーの香りが漂ったり、身体に何かしらの痕跡が残っていたとしても、見てみぬふりをする自由が私にはある。 「お前さー」 玄関で靴を履いていた私に、彼が声をかけてきた。 「なに?」 「昨日のメシ、うまそうだったじゃん」 彼がニヤリと笑う。 「冷蔵庫に入ってるよ」 「マジ? なら後で食べるわ」 そして、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。 「結構好評だったじゃん。だんだんファンの気持ち掴むコツ、分かってきたみたいだな」 偉い偉い、と笑う。左頬にうっすらとえくぼが浮かぶ。無邪気な彼の笑顔に胸が痛いほど反応する。 「そういやさ、今日振り込みの日だったよな」 「えっ?」 「サロンの会費」 「ああ……」 「銀行のカード、貸してよ」 彼に言われるまま、キャッシュカードを渡した。暗証番号は覚えているようだ。 月一で、銀行口座に振り込まれることになっている。サロンのために、インターネット上の偽名で申し込んだ銀行口座は、彼が遠慮なくお金を引き出す。彼がサロンの開設を行ったのだから当然、という暗黙の了解のようなものがある。口座を分けたのは、こういう状況をあらかじめ想定していたからだ。彼ならばきっとあっというまに食いつぶしてしまうので、さすがに会社のお給料まで振り込まれる口座を教えるのは怖かった。 「行ってくるね」 「おー」 今日は家にいる? どこかに行っちゃうの? 誰と会うの? そんなことは聞けなかった。彼の無邪気な笑顔だけを胸に抱いて、私は会社へと向かった。
仕事はいつも通り変わり映えがしない。淡々と業務をこなし、昼休憩を同僚たちと取り、午後の業務をこなす。定時までじりじりとした思いで時計を見る。今日はどうやら残業をしなくて済みそうだ、と安堵した定時1分前、社内用の個別チャットへ通知が来た。うんざりしながらチャットを開くと、送信主は意外な人物だった。 「柏木さん」 定時後、帰り支度を済ませたその足で会議室へと向かった。柏木さんが指定した会議室は、フロアの中で一番狭く、人の行き来も少ない奥まった場所にあった。なんとなく嫌な予感を覚えて、いつでもヘルプが出せるようにスマホを握りしめながら室内へ足を踏み入れた。 柏木さんはすでにそこにいて、そわそわと室内を歩き回っていた。 「小川さん!」 声量調節を間違えたように、裏返った声で呼ばれる。その後すぐに、照れたように顔を赤くしてうつむいた。ぱっと見の印象そのままの、異性に慣れていない野暮ったい男性だ。 「何かご用があると伺いましたが」 強いて笑顔で、彼を刺激しないように言った。こういう男性は、逆上した時が怖い。なるべく穏便に済ませたい。私はなるべく扉に近い場所を確保した。 「あああ、あの……僕、知ってるんです」 「知ってる、とは?」 「小川さんの秘密をですよ……」 そう言った瞬間、柏木さんはまるで自分の勝利を確信したような笑みを浮かべた。その獣性あふれる笑みにゾッとする。血が凍ったように、全身に寒気が走った。 「俺、俺……いろんなネットのサロンに入ってて。結構課金してるんです。その中の一個に、20代女性のサロンがあって、最初は普通に見てたんですけど、更新される写真見るたびに、あれ、なんか知ってるぞって」 柏木さんは早口でまくしたてた。顔は終始にやついていて、最初のおどおどした印象とはまた別の怪物のように見えた。 「それで気付いたんです、小川さんにそっくりなんだって。更新時間見たら、残業がある日は更新なかったり、すごい遅い時間だったりして。色々照らし合わせて推理して、俺、絶対そうだって、特定、しちゃいまして……」 いきなり距離を詰めてくると、私の鼻先にスマホ画面を差し出してきた。私のサロンのトップページが表示されている。肌色の中に放り込まれた、料理写真もきちんと載っている。 「これ、小川さんですよね」 探偵の、ここ一番の見せ場のようなそぶりで断言する。 「こんな写真投稿するサロンなんて作っちゃって、小川さんってエッチなんですね。いやあ、こんな人が身近にいるなんてびっくりしたなあ。いやらしいですよ、ほんと」 柏木さんが何か言うたびに、身体をまさぐられているような嫌悪感を覚えた。圧倒的優位に立っているという傲慢な思い込みが、こういう振る舞いをさせるのだろう。社内でいつもおどおどと俯いている様子とは大違いだ。 「……何が言いたいんですか?」 一刻も早く話を終わらせたかった。私が問いかけると、待ってましたとばかりにますます笑みを深める。 「会社の人たちに言ったら、小川さん、困りますよね。こんなエッチな女だってバレたら、会社にいられなくなるでしょ」 そしてまた距離を詰めてくる。不愉快な汗の匂いが漂ってきた。 「僕は小川さんを困らせたくないですし、内緒にしてあげますよ。だから、小川さんが俺に相応のお礼をしてください」 「お礼?」 私が首をかしげると、柏木さんは焦れたように顔を歪めた。暴力の気配に、私はスマホを強く握りしめる。 「だからぁ……分かるでしょ。いやらしい女にできることなんて、限られてるじゃないですか」 手が胸元へと伸びてくる。私はそれを、虫を払うように叩いた。自分でも驚くほど、とっさの行動だった。 「なんだよぉ、おい!」 柏木さんが逆上したように大声をあげる。私は扉を開けた。 「私は何も知りません。小川さんの性的嗜好も理解できません。今日のことは、セクハラ行為として上司に報告します」 偶然にも、会議室の前には人がいた。雑談をしていたらしい数人の男女が、会議室から飛び出した私とぼんやり立っている柏木さんを見ている。私は彼らに会釈をして、そのままその場を立ち去った。背後で、ざわざわとざわめく声が聞こえていたが無視をする。 明日どうなるかは分からない。 もしかしたら柏木さんは、私のサロンのページを会社に報告するかもしれない。彼の口ぶりだと証拠薄弱のように思えたが、もしかしたら本当は、もっと確実な証拠を隠し持っていたのかもしれない。あるいはサロンに書き込みをされるかもしれない。私の本名や、顔写真なんかをアップされる可能性がある。そうしたら普通の生活は送れないだろう。帰路を急ぎながら、色々なことを考えた。恋人のせいだ、と思わずにはいられなかった。普通に恋をして普通に幸せに平凡に暮らしていたかっただけなのに。自分の生活を守りたかったけれど、柏木さんの怪物じみた醜怪さに屈することはできなかった。思い出しただけで背筋が凍る。なんとおぞましい時間だっただろう。 やっとの思いで家に着き、鍵穴に鍵を差し込みながら泣きたくなってくる。今日は彼にキャッシュカードを渡した。お金を全額引き落として、きっと遊びに行っていることだろう。彼にとって私は財布に過ぎない存在なのだろう。こんなに傷ついて苦しくても、彼にすがることなんてできない。そう思ったら、涙が止まらなかった。 なんとか鍵を開けて家に入る。電気がついていた。少し戸惑いながら奥へ進むと、彼がソファに寝そべってスマホを弄っていた。 「お、帰って来た」 ごく普通の調子で言って、彼は身を起こした。 「なんだよ、何泣いてんの」 「え……あ……いたんだって、思って」 「なんだよそれ、いちゃ悪い?」 「ううん、嬉しい」 私はソファに駆け寄った。彼は私の手を引くと、頭を撫でてくれる。朝よりも優しく、穏やかな手つきだった。 「いてくれて、嬉しい……」 「何だよ、珍しいな」 「えへへ……重くてごめんね」 彼はソファから立ち上がった。何か怒らせてしまったんじゃないかと不安になる。けれど、すぐに側へ戻ってきてくれた。 「これ、プレゼント」 「えっ」 無骨な箱はずっしりと重い。いそいそと箱を開けると、三脚が現れた。 「これ……」 「なんかさー、撮りづらいって言ってたろ、前」 「い、言った……覚えててくれたんだ」 「当たり前だろ」 恋人が無邪気に笑う。それにつられて、私も笑ってしまう。ずたずただった心が、生まれ変わっていくような気がする。錯覚でも良い。彼と一緒に笑っている時だけは、傷が癒えているような気分になる。それで十分だ。 「もっと人気になって収入増やしてほしいしな」 「あはは、そうだね」 もうすぐ会社にも居られなくなるかもしれないし。収入がサロン一本になったら、今以上に頑張らないとダメだよね。心の中で呟く。 「せっかく三脚あるし、試しにハメ撮りしてみる?」 「そんな動画更新したらアカウント消されちゃうよ」 笑いながら、二人でベッドに寝転ぶ。恋人の手が私の服を脱がせていく。 心から幸せだ、と思った。色んなものに目をつむってでも、そう思えた。 自分に自信がない、なんのとりえもない暗い私と付き合ってくれている、優しい恋人。 いつか愛想をつかされてしまわないかといつも不安だ。彼を繋ぎ止めておくためならば、お金��、時間も、自分自身だって、いくらでもすり減らして構わない。恋人に褒められるのが、何より嬉しい。 恋人こそが、今の私の行動基準だった。
//
>写真をお借りしています。
Photo by Soragrit Wongsa on Unsplash
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1-②
「補欠を集めろ」 と春姫に言われたはいいものの。
というのが望夢の次の頭痛の種だった。 「妾らも真正面から戦うつもりはない。協会の裏チーム、補欠登録枠が五人ある。そこにお主らを連れて行く」 「俺を協会チームで出すって?」 「では秘匿派枠で出るか?」 望夢が思わず不満を口にすると、話し手の春姫にはご機嫌斜めに睨まれた。もちろんそれは皮肉だ。協会やそのお仲間が主催する今回の大会において、秘匿派枠なんてものは存在しない。 大会の目的はシンプル。「ぽっと出のヒイラギ会より、既存のリヴィーラーズ・システムのほうが信頼できる」ということを世界に示すことだった。望夢にとっては茶番も甚だしい。 春姫は資料をタブレットに表示しながら続ける。 「この大会はヒイラギ会に引きずられておる世界の一般人を、リヴィーラーズ・システムへの共感を再喚起するために行う。大会内容は技術展示、パネルディスカッションの他に、トーナメント戦。これが問題じゃ。公的な成績上位ペアから戦闘向きを五名駆り出すが、彼らには一部を除いてお主らのような後ろ暗い知識はない」 「後ろ暗いって言うな」 憎まれ口をたたきながら話を聞く。一部を除いて。なるほど、そういえば半年前の秘匿派戦で、協会の表の成績優秀者の一部が駆り出されていたような気がする。 そのことか、と指摘すると、裏の会長様は知ったような顔をして、 「こういうときのための準備じゃ。信用できる会員は多少解釈異能に慣らしてある」 などとのたまった。 「はーん……」 ただの戦力不足かと思っていた。いつものごとく春姫の言うことすべては信じないことにする。 話が進まないので、協会側の表の戦力の話はひとまず横に置く。集めろと言われたのは補欠だ。つまり、 「つまり、俺らは用心棒ってわけ?」 春姫は神妙に頷いた。 「基本的にショー目的の戦闘じゃ。超常術を修めた会員は、普段から災害救助などでも高い世間的評価を得ておる。海外に知られている者もおる。観る側の印象もいいじゃろう。よって、正規メンバーとしてトーナメントに出すのは通常の会員から五名じゃ。お主ら『補欠』がやらんといけないことは、暗躍じゃな」 「当然、ヒイラギ会側も、なんなら他国もその大会ってやつを、愉快に済ませちゃくれないって話だろ?」 確認すると春姫は我が意を得たりとばかりに笑う。 「互いの組織にスパイが入ることも十分在り得るじゃろうな。同じリヴィーラーズ・システムといえど、各国の内情は政治的にも異なる」 「協会も秘匿派も変わんねえな」 どこも探り合い潰し合いだ。 「だから秩序など妾らに任せておけばいいものをと言っておるのじゃ」 春姫は望夢の嫌味を分かってか分からずか、わざとらしいずれた答えを返した。 「お主らを協会の代表として表に立たせることは『無い』。恐らくこの補欠枠、ほぼすべての参加組織において同じように捉えられておる。お主は自身を含めて信頼できる五人を集め、協会を敵対者から守るために行動する」 「……はーい」 半眼で返事をする。望夢が「協会を守るために」行動したことは一度だってないのだが。春姫だって完全に言葉通りこちらに期待して言っているわけではないだろう。 望夢は頭の後ろで手を組み、大会の目的そのものを突っ込んで指摘した。 「要するにヒイラギ会の最先端情報が欲しけりゃ、こっちから網張って待ち構えるのが早いってことだろ?」 つまり大会そのものが、ヒイラギ会を対象にした巨大なねずみ捕りなのだ。彼らの活動を意識した大きなイベントを起こせば、少なくとも偵察のひとつは入るはずだ。その動きを察知して尻尾を押さえろと、春姫はそう考えているわけだった。 食えない名誉会長の少女は頷く。 「行くじゃろ?」 シンプルな「イエス」の答えだ。それが明確なら望夢もそれほど異論はない。敵の敵は味方、少なくとも一時的には。望夢だって過激にすぎるヒイラギ会のやり方を全て受け入れているわけじゃない。 「お前は?」 「妾は日本におる。どうせ現地には御陵がおれば表向きは十分じゃ」 確かに春姫が公的な場に出ることはない。むしろ日本を離れるとその隙に協会を攻撃される可能性があるのは確かだ。 そうなると春姫は除いて数えなければいけないわけだ。枠は五と言ったか。望夢に協会の中でそこまでの人望があると本気で思っているのだろうかこの名誉会長は。 「杏佳は行かせる。杏佳自身は別に仕事があるから補欠登録はできんが、言えば新野も来るじゃろ」 春姫はさっさと先回りしてお馴染みの大人二人の名前を示した。そういえば指導官も協会所属者ではある。 「彼らも秘匿派異能知識はない、先鋒というよりサポーターじゃがな。お主はそれ以外のことを考えろ。分かっておろうが、そもそも会員から全員名指しできるならお主には頼まん。警察は警察らしく、バランサーをやれと言うておる」 「なるほど」 続く春姫の補足で問題がだいぶシンプルになった。 つまり、協会所属者か否かは問題ではない。今まで望夢が解釈異能関連の事件で関わった子供たちに話を通してこいと言われているのだ。 一瞬気の重いことを考えて宙を仰いだ。最近ペアとは全く連絡が取れない。 細かいことは後で考えるしかない。望夢は小さく頭を振ると、他に春姫に確認しておくことを考える。 「ん。そういえば、大会ってどこでやんの」 「ニューヨークじゃ」 春姫は常のごとく秘書のタブレットで地図を表示した。 「大会そのものではマディソン・スクエアやセントラルパークも使うが、お主らを張らせることになるのはおそらくフラッシング・メドウズ・コロナ・パーク。旧万博設備のある場所じゃな。開催の十一月までにトーナメント場を簡易建設する。通常アリーナでは耐久度がな……」 「この数週間でその話固めたわけ?」 街単位での場所の確保というのであれば会場側にはもちろん、行政にも話を通す必要があるはずだ。 「ふふん」 やるじゃろ、と少女は胸を張る。 「タダでアメリカ旅行じゃぞ。楽しいじゃろ?」 「命とつり合い取れればい��んだけどな」 そんなこんなで、五名。 まず指導官の新野には公式情報が出る前にまとめてぶちまけて了承を取った。新野は当惑していたがこいつがいないことには始まらない。よほど新野に残りのメンバーを集めてもらおうかと思ったがさすがに良心が痛んだので、間もなく知り合いに電話を掛ける。 「ホムラグループでも同じ話になってたりすんの?」 『あ、そのお話はきてますよーう』 電話の向こうでほがらかに少女は言った。 戦後第一勢力の協会とは根本的に解釈方式違いにも関わらず、しっかり時代の波に乗って一般企業として資金源を確保した異能組織、ホムラグループ。次期代表と目されるお嬢様は今日も元気そうに笑っていた。もっとも会社と同じように、彼女自身も裏を見せない性格だ。 九月以降、ホムラグループがヒイラギ会から受けた打撃も大きかった。例の動画で、しっかりと『協会以外の異能解釈』として正体を看破されたのだ。現行秩序に穴を空けるヒイラギ会側からすれば、協会ほど恨む対象というわけではなかろうが、既得権者側ではあるうえに世界解釈の説明の材料になる、都合のいい生贄だ。また加えて構成員を幾人も吸収されている疑惑がある。ホムラグループにとっても、ヒイラギ会は以前にもまして目の上のたんこぶであるはずだった。 『うちはねえ、絢正(けんせい)お父様が日本に残って、直属の精鋭を五名送り込むということになっています。社員から補欠枠も出しておきます。というわけで莉梨はパネラーのほう』 パネラー? と確認すると、大会と同時並行で行われるパネルディスカッションの説明が行われた。一般社会でもホムラグループ令嬢として認知度の高い莉梨には、戦いで競い合うよりももう少し穏当な出番が用意されているらしい。 「まあ確かに。莉梨を戦闘要員として連れて行くのはバカだな……」 電話口で想像して少し笑う。莉梨のように年若い少女を戦わせたら批判が来る──というのも無くはないが、それは協会だって同じことだ。安全を確保したゲームを行う以上、問題は彼女の身の危険ではない。要するに彼女のほうが強すぎるためである。 莉梨には視線や声音でとらえるだけで人を魅了して好きに動かす技術があるのだった。ヒイラギ会側が味方を増やすためにモデルにした技術でもある。 それを身を以て知っているうえで望夢は、電話越しの陽射しのような声に向かって軽い口調で誘った。 「協会の補欠枠、来る?」 『より一層バカですねえ。無理に決まってるでしょ』 お嬢様は冗談のような無理を言われてもやはり、朗らかに笑っていた。 『名前を貸せってことですか?』 「うん。名前というか、頭数、かな。書類上では五人いる以上、やっぱり裏事情を知らない大会スタッフとかに人数確認されることもあるだろうから」 『そうですねえ、私今そもそもNYにいるんですよ』 莉梨の声が一瞬遠くなり、電話越しに雑踏のようなざわめきが聞こえてきた。望夢は目をぱちくりする。電話相手が窓に向かって携帯電話を差し出しでもしたのかもしれない。 もともとイギリス出身の彼女が、しばらく前に母国以外にも海外へ行く用事があると言って日本を発ったのは知っている。渦中のアメリカにいるとは思っていなかったが、主要都市であることを思えばホムラグループの支社は当然あるだろう。不思議なことではない。 「現地調整要員だっけ?」 『ええ。うちも今、あっちこっち大変だから』 そもそもヒイラギ会の動画が出回る前から、ホムラグループは彼らの被害を被っていたのだ。跡取りにして実力者の彼女が各支社を回るのは、混乱が起きていないかの確認でもあるし、本社の影響力を強めるための訪問なのかもしれなかった。 彼女は電話を耳元に戻して息継ぎをし、 『なので── 私はどちらにせよ大会会場にいるのです。せっかくいるのに皆さんに会えないのはとっても残念。 偽名での登録をさせていただけるなら、頭数だけなら、五名枠の中に入れていただいて結構ですよ? 数えられたって簡単、莉梨がにっこりすれば身分証なんてあってないようなものですから』 どれだけ表で名が売れていようが、彼女も異能解釈派閥の跡継ぎ。しれっと身分偽造を要求してくるのだった。 言わずと知れたホムラグループの令嬢・莉梨を『協会の』補欠枠に入れるのは当然のこと無理がある。だが、『協会の補欠枠』の意味合いは今回の場合「ヒイラギ会の情報ネットワーク」だ。その点に関してだけは莉梨も利害が一致する。一人分の働きで協力してあげてもいいでしょうとわざわざ申し出てくれているということだ。 これで頭は三つ。ここまで来れば実質四つだ。 「お前の小姓、借りていいかな」 『誰が小姓だか。ええ、あなたたちの後輩ですよ。まさか翔成くんをホムラグループ代表の大会出場者にはしませんから』 示されたのは共通の知り合いであり、比較的最近ホムラグループの解釈派閥に所属するようになった少年だ。小姓で通じるあたり本人が不憫なのだった。 莉梨との話がまとまると、早速当の後輩に電話を掛け、その場でアメリカ行きの予定を押さえる。少年は電話口で戸惑っていた。あと……問題は、五人目。 後輩との電話を切り、別の連絡先を呼び出す。画面に表示された名前をしばらく緊張とともに見つめる。 「……いや」 とにかく連絡しないと始まらない。 スライド式の発信アイコンを押す。どくどくと跳ねる血管を感じながら耳にその通話口をあてる。 一〇度のコール音が空しく鳴り響いた。 望夢は唇を噛んだまま黙っていた。 七崎瑠真は、頑として高瀬望夢に会おうとしてくれない。 ××× 「七崎」 我ながら馬鹿だなあと思いながら部屋の奥に呼びかけた。 「トーナメント、入ってんぞ。お前の名前」 瞬時、ばたばたと音が響いたかと思うと引き戸をぶちあけて、Tシャツにハーフパンツ姿の少女が飛び出してきた。 「うっそ、バカ、なんで」 「知らねー。お前の彼氏か狐婆あが書いたんだろ」 「彼氏じゃない」 律儀な訂正が一つ。後ろでごしごしと頭を拭う気配のあと乱暴に足跡が近づいてきて周東のスマホを奪う。 「自分ので見ろ」 奪い返す。その間にきっちり画面の文字列を確認したのか、濡れた髪の少女が愕然とその場で固まっていた。 「私の自由意志は無視……?」 「人のスマホ見る自由意志は無ぇ。……じゃなくてこっちか」 周東は言いながら、改めて取り返した自分のスマートホンの画面に目を落とした。それはE-I-Cと名付けられた(自分からしてみれば)馬鹿らしい世界大会の公式サイトである。 各国のリヴィーラーズ・ライト後続組織──そして幾つかの他の『世間に受け入れられることに成功した』解釈異能派閥。それらがロゴマークの下に名を連ね、さらに頁を繰れば、パネルディスカッションや見世物トーナメントの参加者一覧がある。 少女、七崎瑠真の名前は、日本超常異能者保護育成協会、SEEPのトーナメント参加者の、補欠枠五人目として確かに掲載されていた。 ついでに言えば補欠筆頭に高瀬望夢という文字がある。いつから協会の代表を名乗るようになったんだお坊ちゃん、と周東としては鼻で笑ってしまう人選である。 周東励一(すとうれいいち)、旧高瀬式秘術門下生。 もちろん大会に興味もなければ参加する必然性もない。秘匿派警察・高瀬式は、その存在を勝手に敵視していた協会と、それ以前の内部分裂によってとっくのとうに潰れているので。 ただし、である。 「どうしよう。こんな中途半端で顔合わせられない……」 ソファの背に肘をついて少女が項垂れる。垂れた髪からふわりとシャンプーが香る。自分も使っているものの匂いなのでいい香りとも思わないし気安さの不快感のほうが勝った。顔を逸らして距離を取った。なんでこいつが当然のように家にいるばかりか連日シャワーを貸しているのかも意味不明だし拗れた相棒関係の愚痴を聞かされる筋合いもない。 一ヶ月前、周東に弟子にしてくれと頭を下げてきた少女は、連日の『特訓』のあとに人の家にあがりこんで夕食を食べて行くようになっていた。図々しいにもほどがある。 「顔合わせなきゃいいじゃん。名前書かれただけだろ?」 何を親切に付き合っているのかと自分でも思うのだが、相手がしつこいのだから仕方がない。初訓練の日、怪我をさせてから闇医者に預け、そのまま「もう来るな」という意味で協会宿舎に送り返したのだが、数十分で脱走して人が通っているバーの前で張り込みを始めたのだから堪ったものではなかった。さらにどの時点でか尾行されていたらしく、帰宅したら一人暮らしのアパート前で座り込みを決行されていた。中学生じゃなかったら立派にストーカーで立件できると教えてやりたい。実際そう言ったし摘まみだしたのだが結果はいたちごっこだった。 根負けして、二日に一回稽古をつけてやることになったのが一週間ほど経ってから。 稽古のない日は学校に行っている──と言い張っているがどうだか怪しい。少なくとも協会に行っていないのは、心配して電話を掛けてきた相方のお坊ちゃんから聞いた。 とにもかくにも、少女は周東の生活領域を若干侵食しつつあるのだった。余裕を装うことによって稽古をこなせていることをアピールしたいのか、それとも本当に馬鹿なのか。この1DKで自分以外の人間が動いていること自体が珍しい。周東は家に上げるほどの友人や恋人などがいたことはないし家族もここには呼ばない。高瀬式の馬鹿女が酔い潰れて来ようとしたことはあるが、仕事仲間を家に上げるのはなおのこと全力で固辞した。しかもこの少女は勝手に冷蔵庫をあけて「おやつがない」とか「作っていい?」とか言い出すのだった。親戚か何かのつもりか。 とはいえ今日はお腹が空いたどころではないらしい。七崎瑠真は困り果てた顔をしている。 「え、でもママとかがこのサイト見れるわけでしょ。そしたら私が出るんだって思ってテレビ見るでしょ……」 問題そこかよ。 「映りたいなら行けよ。アメリカ」 所詮はミーハーな一四歳かと思いながら突き放す。しかし少女は洗いたての髪を弄りながら唇を尖らせるばかりだ。 「でも今望夢には……」 「何を意地張ってんだよ」 中学生のカップルのぎくしゃくに付き合わされるほうはひたすら腹が立つのだった。 「手出せ」 髪を弄っている手を掴んで引き寄せた。「わ」少女がびっくりしたみたいにソファの背につんのめった。 サイドテーブルに適当に手を出し、指先が当たったものを掴みあげて確認する。カッターナイフ。 少女が覚悟したみたいにそっと一度拳を作ってから、ほどいた。力を抜くための動作だった。 「試験」 「うん」 一閃。 白い手のひらに刃を押し当て、横に引いた。ぷつりと肌が切れる感触があった。 刃の動きから一拍遅れて、少女が少し手を震わせた。親指の根元にぷっくりと血の珠が浮いた。 すうっと手のひらの付け根に赤い筋が通る。何も知らない大人に見られたらとんだ虐待だ。 もちろん同意の上の訓練なのだが。 「『リセット』」 「うん。『後回し』」 少女が囁くように答える。 その傷が白く光った。 次の瞬間掻き消える。少女がほっと緊張を緩めた。 「そもそも何のためにお前はあのチビを避けてるんだった?」 傷の無くなった手のひらを、完全に出血が止まったことを確かめ、放す。少女はふらふらと隣にやってきて、ソファの空いたところにとすんと座った。 「……力が無いから」 「戦う力が無いから、だったよな?」 こくり。こちらを見ないまま頷きが返る。メンタルカウンセリングまで頼まれた訓練のうちに入るのなら真面目に指導側の報酬が欲しい。 カッターナイフの刃を仕舞い、傍らに置く。 「あのチビに並びたいと思って、戦う方法を求めて、お前が得たのが『これ』なんだろうが」 「うん」 「これ以上を求められても困る。何が不満だ?」 少女は長いこと黙っていたが、 「……そうだね。医者んとこ行って、今日の検診してくる」 明確には答えないままに曖昧に言うと立ち上がり、上着を掴んで身をひるがえした。訓練が終われば医者に行くのはほぼ毎度のことだ。医者と言ってももちろん闇医者である。怪我をしないということを少女が何回やっても覚える気がないせいで、もはや旧高瀬式の馴染みの闇医者が街医者レベルのかかりつけ医だった。 周東は首を戸口に向け、 「あ、あとついでに次卵とトマト買ってきて」 「わかった」 ついでに頼めるあたりこっちもまあ相当図々しい自覚はある。これくらい仕返しの内にも入らない。 玄関扉が開き、そして閉まる音が数秒のスパンで聞こえてきた。しばらく脱力してソファに背を預けていたが、携帯電話を取りあげれば例のサイトがまだ開きっぱなしになっている。我ながらお人好しだと思う。 周東は電話帳を開いて、世話の焼ける中学生カップルのもう片方に連絡した。 「お姫様は何とかして送りつけるので、世話はよろしく」
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おやつに手作りオートミールクッキー作り🍪 (レシピあり) . . 先進国ではクッキーなんて何処でも手に入るオヤツですが、なぜ手作り?と思われた方☝️ . . 私は少し前からパーム油の��った物を避ける様に心がけています。 . . そもそもパーム油って何? . . パーム油とは、ポテトチップスやカップラーメン、フライドポテトを揚げるのによく使われています。 カレーやシチューのルー、お菓子、シャンプーなど日用品の中にも。 . . しかし食品のパッケージには『植物油脂』としか表示されていません。 . . 食用の植物油としては、日本は2013年の消費量でパーム油は堂々の2位です‼️ . . 名前は馴染みが薄くても、実は多くの身近なお菓子や食品に入っているのが現実。 スーパーやコンビニに行けば、多くのパーム油を使った食品が並んでいて、日本人は一年間に平均4kgものパーム油を食べているとされています。 . . しかし、日本人が大量摂取のパーム油は超危険🚨 . . パン、菓子、カップ麺・・・発がんや糖尿病のリスクもといった指摘もされています。 . . そして、このパーム油。 人体に害を及ぼす危険性があるだけでなく、地球環境問題にも関わっているというのです。 . . パーム油はアブラヤシの木から取れる油。(ココナッツのココヤシとは種類が違います) . . アブラヤシ農園は、熱帯の森林を切り開いて作られます。 世界中で物凄い勢いでパーム油を消費している結果、森林が驚異的なスピードで消え続けています🌳 . . インドネシアとマレーシアでは、過去20年の間にアブラヤシ農園を作るため約360万ヘクタールもの森林が伐採されました。 . . 森林が消えてしまえば、そこに住む動物たちも住みかをなくしてしまいます。 . . ボルネオ島のオランウータンの生息数は、過去100年間で90%減少してしまいました。 . . ポテトチップスやドーナツの為に、森林から追い出されているのは動物たちだけではありません。 . . 農園を作るために切り拓かれる森林では、先住民など多くの人々が森林を利用して暮らしていますが、売れ続けるパーム油を生産するため、そこに住む人々が強制的に住む場所を追われるという事件が後を断ちません、、 . . インドネシアでは土地紛争が663件発生しています。(2010年時点での現地NGO情報) . . このように様々な問題を引き起こしながら、日本のスーパーやコンビニにパーム油は届きます。 . . しかしお店に並んだ時には、それは植物油脂と表示され、私たちの目に見えない存在になってしまいます。 . . マーガリン、チョコレートなどにもパーム油は利用されています。 . . なるべくパーム油の入った物を購入しない様に、私はほんの少しの時間で簡単に出来る手作りクッキーを子供達のおやつにしています。 . . ☝️作り方 オーガニックオートミール 300g オーガニックパーム油フリーチョコレート 100g 乾燥デーツ 80g 卵 1個 ココナッツオイル 100g 食用重曹 ティースプーン半分 . これらをミキサーで混ぜるだけ。 . . 丸めてオーブンに入れたら出来上がり! 簡単に出来て家族の健康、地球にも優しいので好きなだけ食べさせてあげられます💡 . . よく利用されているシャンプーや洗剤などに利用されているパーム油の種類も載せておきます。 ⇩⇩ アブラヤシ ステアリン酸ナトリウム ラウリルベタイン ココアンホ酢酸ナトリウム セテアリルアルコール ラウロイルサルコシン グリセリル グリセリン グリコールセテアレート グリセロールモノステアレート グリセリルステアレート ラウレススルホコハク酸2Na PEG100 ラウレス硫酸ナトリウム ラウレス硫酸アンモニウム ラウリル硫酸ナトリウム(SLS) ステアリン酸グリセリル ラウレス4 PEG-6(カプリル/カプリン酸) PEG-60グリセリル エチルパルミテート パームグリセリン硬化油 パームフルーツ油 パーム核油 パームステアリン酸 パルミテート パルミチン酸 パルミトイルオキソステアラミド パルミトイルテトラペプチド-3 パルミトイルアルコール パモレイン ナトリウムパームケルネレート . . 一度お家にある物の原材料ラベルを見てみて下さい👀 . . 案外色んなところに利用されている物です。 . . @hayanatural . . #パーム油 #手作りおやつ #オートミールレシピ #安心おやつ #フランス子育て #オーガニック #節約レシピ #サステナブル #エシカル #クッキー #フランス生活 #健康 https://www.instagram.com/p/CFDUoZNKLyV/?igshid=hssxowapt7f0
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理不尽? 自業自得?「近隣住民から寄せられた苦情」にビックリ
集計期間:2020年4月15日~4月17日 回答数:14664
住宅にまつわるトラブルといえば、何を思い浮かべますか?
設備面でのトラブルは、専門家を呼べばすぐ解決することが多いかもしれません。しかし、近隣住民をはじめとした人間関係のトラブルは、一筋縄にはいかないものです。時には、解決しようとしたつもりが大きな揉め事に発展してしまうことも・・・
そこで今回は、「隣人から言われた苦情」に関する調査を行いました!
隣人から苦情を言われたことはありますか?
回答者14664名のうち、隣人から苦情を言われた経験を持つ人は全体の約4分の1と少数派でした。
ここからは、言われた苦情を具体的に見ていきましょう。
あんな苦情こんな苦情…
<騒音>
・子供の頃、ピアノを弾いていたら隣から苦情があった
・子供の足音がうるさいと下の人から言われた
・こどもの夜泣き
・悪阻が酷い時にうるさいと言われ、精神的に落ち込んだ。その後引っ越した。
・家を建てていたので振動なりなんなりうるさいと
・引越しがうるさいだと。すみません。
・夫婦喧嘩がうるさいと、管理人経由で言われた。
・彼氏とイチャイチャしてたらピンポンされました。出ても誰もいなかった。
・車のエンジン音がウルサイとのこと。改造していないがドイツ車��ので普通
・妻が毎晩23時頃に掃除機をかけていたら、郵便受けに「うるさい」と手紙が入っていた。その日からやめた。
・出かけていてテレビをつけていないのにテレビの音がうるさいと言われたことが2回ほどある。
・学生時代に友達とお泊まり会をしていたら、隣の壁からドンドンとうるさいぞアピールされた
・家を購入した時から付帯していた設備の音がうるさいと、怒鳴られ、家に乗り込まれ、挙句、入浴中に窓を叩かれ怖かった
・犬の鳴き声がうるさいと言って苦情を言われ、家には、猫しかいないと言ったら、じゃあ猫の鳴き声がうるさいと言われた。
・子供が家の前の道路(車はほとんど通らない )でバスケットボールでドリブルしていたら、うるさいと言われた。
・若かりし頃目覚ましの音で
・缶のペン入れを床に落としたら 怒鳴り込んできた
・サーフボードのワックスを塗る音がうるさいと。
・貝の殻を割る為にキッチンでガンガン叩いていたら下の階の部屋の人から苦情がきた。
・夜、イヤホンをつけて動画を見てたときに、歌を歌うシーンがあり、その歌声に感動してしまい、何回か動画見ながら歌を一緒に歌って、後日、管理会社から、隣の人からよる変な声が聞こえてきたと苦情が出てますと言われた。
・夜、筋トレ(踏み台昇降運動)をしていたら、アパートの隣室の住人に直接苦情を言われた。勿論、お騒がせしたのは事実であり、謝罪はしたのだが・・・集合住宅のルールとして、苦情を入れる場合は直接言うのはご法度であり、管理会社を仲介させなければいけない、というものがある。なのに、いかがなものかと正直憤りを感じた。
・物音がうるさいとクレームを頂いてしまいました。わんぱく盛りの男児がいたので、素直に「すみません」と、可能な限りの防音対策を行っていたのですが…何だか様子がおかしい。こちらが食事中延々と(15分以上)壁を叩き続けてきたり、玄関先にゴミをばら蒔かれたり、寝かしつけの最中に玄関チャイムを鳴らされ続けたり…今思うと、家族全員無事なまま転居できたので、本当に良かったです。
・以前住んでいたマンション、(4)世帯が住める場所で、3世帯が入居していましたが、2世帯はすぐに引越しをされたのでビックリしていましが、私自身、?母子家庭で知り合いが入居してたので入りましたが、その知り合いが癖ものだったのです。夜中に毎日水道を3~4時間出してるから貯水槽の音が煩いとかで言いがかりをつけて来ました。水道料金や、毎日24時間監視されチャイム、ドアを蹴飛ばす、器物破損等をされ大家さんが1週間空いている部屋に寝泊まりをし大家にまで監視されました。結果、水道や音等もないとの事で、それに腹を立てたのか子供に手を挙げられてしまい、自転車や車にイタズラをされ、相手が大騒ぎした後に自分で警察を読んだからと意味不明な事に…警察も入りましたが大家が相手の味方をした為、これ以上~ここに居たら大変な事になるからと警察に言われ、すぐに引越しをするはめに!入居して、半年で最悪でした。
<臭いのトラブル>
・ベランダでの喫煙
・シャンプーの香りが窓から入ると言われた
・インド香にハマっていたとき、隣人から独特な匂いがと大家さんを通して連絡がありました。好き嫌いの別れる香りですし今では封印して反省してます。
・ベランダからファーファの柔軟剤の匂いが臭いから使うのをやめてくれ。と言われました。10年間ずっと使っていたのに今更と思いましたが、洗濯洗剤のみ使っています。
<ゴミ出し>
・資源ゴミが風で飛ばされたことがあったとき気をつけてくださいねと言われたことがあった
・独身時代に毎日に色んな意味で余裕が無く生ゴミを外に置きっぱなししていて腐ってウジが湧いてアパートの隣人に怒られた事が有ります。今はそんな事は有りませんが酷い話ですね。すみません
・ゴミだしの日を間違えてしまい、袋の内容物から個人を特定し自宅玄関に出したはずのゴミ袋が置いてあった。数分後に自宅に電話、数日後にはハガキで匿名で苦情が。
<動物・ペット問題>
・猫の放し飼いでもめた
・飼い猫を外に出していたら、隣の人の畑に糞がしてあると苦情がきた。でも、なにげに離れていたから家の猫ではなかったと思う。
・隣人の飼っている鳥が襲われて我が家の猫が疑われた事実無根なのに!
・実家でウサギを飼っていたが、隣に住むおばあちゃんに「臭い」と言われ、泣く泣く貰い手を探し手放した。そのおばあちゃんはお向かいの家にも犬がうるさいと苦情を言い、そのお宅は犬を手放すことになってしまった。今思うとクレーマーだな。。親も大変だったとおもう。
・米を撒き、すずめにあげたらすずめが屋根に糞をするからやめてと言われた。
・お宅の庭に蟻がいるから退治しろと言われた時は驚いた。
・我が家のザリガニが脱走して隣の家の庭に入った事から
<水回りのトラブル>
・水が漏れてると言われた。うちは水漏れさせることは何もしてないので老朽化だとおもう
・キッチンの下水が臭いからと家の部屋が原因だと疑われた 原因は 相手の家の排水溝に原因があったっていうのがわかった。
・自宅ガレージで洗車していたら、いきなり「うちの前に、水が流れてくる」て、いきなり怒鳴られた。
・ベランダで子供に水遊びをさせてたら下の階の人に、洗濯物が濡れると言われた。だが、子供が下にわざと水をこぼしていたのでこちらが100%悪いと思っている。
・ベランダを毎日水掃除していたら避難ハシゴの隙間から流れていたらしく、階下の洗濯物を汚していた。
・私は、園芸が好きで、2階に住んでいて、鉢に水をやっていたら1階の女が「1階の者ですが、水が流れて来て、困ってるだけど…。」と、偉そうに言われた!!誰なんだアンタ!?って、思った!!大した事じゃないのにさ!!
<境界線問題>
・植木が邪魔
・木の枝が隣に入っていたため。
・自宅の建て替えの際の電柱移動位置にクレーム
・車の止めかたについて、はみ出しているから何とかしろって深夜に文句を言われました
・前の持ち主が駐車場を貸していたみたいだが、うちは貸すつもりがないので停められないようにしたら文句を言われた。
・隣家の車庫入れに我家の自家用車が邪魔だからもっと後ろへ入れて欲しいと言われたけれど、敷地内からはみ出してないしギリギリまで奥に入れると自転車がしまえなくなるので「腕がないから無理なんです」と泣き言を言って諦めてもらった。
・地割れして、駐車場スペースに車を停められず家の前に路駐していたら警察に通報された。因みに路駐禁止ではない。警察には事情を説明して納得してもらった。まぁ、ここは駐禁ではない所だからいいんだけど と言われた今は工事をしたから大丈夫だけど思い出してもムカつく??
・荷物を運び出すのに5分ほど隣の駐車場(10台ほど停められる)に停めていたら注意された。誰も借りていない場所で、注意してきた人の所有地でもないし管理人でもない。駐車場の持ち主には時々停めさせてもらえるように許可はとってます。とにかく借りていない人には、すぐに注意しにいく人で、見張っているのか?と思うほど。
<勘違いだったパターン>
・私たちではないのに突然、アパートの上の階の人が、苦情の手紙を入れたのはうちか?と怒鳴り込んできた。うちは何も苦情も思ってもいなくてびっくり。違うと説明するのに大変だった。上の階の人は人違いを謝ることもなく帰って行った。
・マンションに住んでいたとき、三階の真下の住人から夜中の十二時にうるさいと苦情を言われたことがありました。その時間まで起きていたので、すみませんと謝ったが、実は二階の住人が夫婦喧嘩をしていたらしく、うちがうるさかったわけではなかった。あのときはすみませんの謝り方が、非常に適当で、腹が立った。
・家を建てた時うちの配水管がお隣の敷地内に入っていると文句を言われた。ハウスメーカーに確認して説明に行ったが結局お隣の勘違いでした。が「それならいいわ」の一言でお終い、町内も違うし玄関も反対側なので顔を会わせることもなく15年以上経ちました。
・だいぶ前ですが(15年くらい?)、下のお部屋の人から「午前0時ごろドンドン走り回ってうるさい」と言われました。しかし夫は朝が早いので毎日23時には家族全員眠っていました。幸い苦情を言って来た方はお付き合いのある方で事情を説明するとわかっていただけました。原因は我が家のお隣さんのようでした。マンションなのでどこから響いているのかはっきりしませんから対応が難しいですね。
・引っ越し早々隣の外国人女性から。うちと隣は壁とシンク下にネズミが出る(今は大丈夫)のだが、隣の人は出るたびに奇声を上げて鉄パイプのようなもので玄関外に追いたてていた。生活音も騒がしく、関わり合いになりたくないと思っていた矢先に、ピンポンも鳴らさずに(お隣はピンポンが鳴らないからうちも鳴らないと思ったのか?)鉄パイプのような物(たぶんハンガーラックの部品。お隣も自分の少し前に引っ越して来たらし��)でドアをガンガン、取っ手をガチャガチャされた。怖かったが出ると異臭がする、とのこと。配管の関係で上の人が水を多めに流すと異臭がするからその事かなと思って一応謝ったが、みるみるうちにトーンダウンして、うちではなく、反対隣の料理の臭いだったらしくしりすぼみのまま帰って行った。反対隣にもクレーム言いに行くかと思ったが、そのまま自分の部屋に引っ込んだ。(反対隣は屈強な男性だったな…私はなめられてる)とにかく怖かった…
<その他>
・深夜まで勉強して居る明かりに毎日苦情
・屋根に雪止めをつけていなかったのを つけるように言われた
・8階に住んでるが、6階からクレームが来た。
・内の排気口でお隣さんの壁紙が剥がれるとか何故か我々が怒られた。この家を建てた会社のせいです。
・実家に居た時、凄い風の日で隣家に実家のスレード葺の屋根の一部が飛んで隣家の2階のガラス扉に当たって破れた。
・下の階から、お宅の布団がベランダから見える。美観的に悪いので、止めて頂きたい。 私は貴方に呪われてるから、病気になった。ほとんど言いがかりだな。(笑)
・子供が小さい頃、雪の降った日に、家の前で雪を投げて遊んでいて、そのうちの一個が家の前の玄関に当たった時、中から見ていたお婆さんが出てきて、凄い剣幕で怒ってきた。
・苦情というか完全に息子が悪かったのですが...エアガンを撃ち続け壁を傷つけてしまった
まとめ
みなさんから寄せられた意見をまとめると、
・いちばん多かったのは騒音がらみの苦情
・相手の勘違いも多い(そして謝ってもらえない)
・転居を余儀なくされるほど苛烈な苦情も
といった具合です。騒音に関しては、迷惑に感じるボーダーラインが人によって異なるため、トラブルの原因になりやすいといえますね。ましてや、相手の勘違いだった場合は対処のしようもありません。
中には、転居を余儀なくされるほど苛烈な苦情を言ってくる人もいるようです。お住まいが賃貸物件の場合は、速やかに管理会社へ仲介をお願いするべきでしょう。
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