#サーカスへようこそ
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サーカスへようこそ-世界のファッション界の内幕 ジョン・フェアチャイルド、吹田靖子・訳 流行通信社 装丁=田辺卓
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#susumu hirasawa#サーカスへようこそ welcome to the circus#paprika#2006#soundtrack#electronic#vocaloid#simulated world#instrumental#japan
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【島田雅彦氏への質問��項】
①「あの暗殺が成功して良かった」という発言の意味・真意は
②暴力で言論が封じられることを、時と場合によっては良いと考えるのか
③法政大学教授として「テロ行為の容認」という教育をしているのか
④放送翌日、岸田首相に爆発物が投げつけられる事件が発生した。感想を
■回答全文
テロの成功に肯定的な評価を与えたことは公的な発言として軽率であったことを認めます。殺人を容認する意図は全くありませんが、そのように誤解される恐れは充分にあったので、批判は謙虚に受け止め、今後は慎重に発言するよう努めます。
ただ、安倍元首相襲撃事件には悪政へ抵抗、復讐(ふくしゅう)という背景も感じられ、心情的に共感を覚える点があったのは事実です。山上容疑者が抱えていた旧統一教会に対する怨恨(えんこん)には同情の余地もあり、そのことを隠すつもりはありません。
さらに政権と旧統一教会の癒着を暴露する結果になったのも事実です。今回の「エアレボリューション」での発言はそうしたことを踏まえ、かつ山上容疑者への同情からつい口に出てしまったことは申し添えておきます。
また大学の講義で殺人やテロリズムを容認するような発言をしたことはありません。テロ容認。言論に対する暴力的封殺に抵抗を覚えるのは一言論人として当然であるし、また暴力に対する暴力的報復も否定する立場から、先制攻撃や敵基地攻撃など専守防衛を逸脱する戦争行為にも反対します。
戦争はしばしば、言論の弾圧という事態を伴ってきたという歴史を振り返り、テロリズムと同様に戦争にも反対の立場であることを明言しておきます。
一方で、安倍元首相暗殺事件や岸田首相襲撃事件を言論に対する暴力と捉える場合、これまで政権が行ってきた言論、報道への介入、文書改竄(かいざん)、説明責任の放棄といった負の側面が目立たなくなるということもありました。
また民主主義への暴力的挑戦と捉えると、国会軽視や安保三法案の閣議決定など民主主義の原則を踏み躙るような行為を公然と行ってきた政権があたかも民主主義の守護者であったかのような錯覚を与えるという面もあります。
テロは政権に反省を促すよりは、政府の治安維持機能を強化し、時に���実を隠蔽すること���繋がることもあるがゆえ、肯定的評価を与えることはできません。そのこと��テロリズムを描いた拙著『パンとサーカス』でも明らかにしています。
放送の翌日に岸田首相に爆発物が投げつけられる事件が起きましたが、歴史を振り返ると、テロリズムが世直しのきっかけになったケースはほとんどないし、連鎖反応や模倣犯を呼び込む可能性もあると改めて思いました。
有本氏は、島田氏の回答文を取り上げ、「『テロの成功に肯定的な評価を与えた』と明確に言っている。殺人を容認しながら『誤解される恐れ』とも言っている。文章を書く人としてどうなのか」「論理破綻が激しい」などと指摘した。
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ひたすらタイトル通りの出来事なのですが、自分のなかでは黒船来航くらいの衝撃だったので記録しようと思います。 長文になりますので、あまりにも暇な方のみお読みになることをお勧めします。 私はアラサーの会社員で、「くしゃみに興奮する」という性的嗜好を持っています。 自己紹介もそこそこに性癖の話で恐縮です。 くしゃみをさせる対象は人間の女性キャラクターがベストですが、 男性はもちろん、人間ではない(動物などがデフォルメされた)キャラクターでも問題なく楽しめます。 小説など、文章にあらわれるくしゃみの描写にも非常に興奮します。 ただし、現実世界のくしゃみにはあまり惹かれません。 早朝の電車内で、ノーマスクの中年男性がかます爆裂ハクションには殺意に近いものを覚えます。 後で少し書きますが、なりふり構っていられないくらい供給が少ないくせに、注文や条件をつけてしまうわがままな性癖なのです。 くしゃみは一般的に見て、エロくもなんともない生理現象です。 「こんなものを性的に見てはいけない」という妙な罪悪感からか、この嗜好については誰にも話したことがありません。 かなり大っぴらに下ネタや互いの性癖を語り合える友人にも打ち明けていません。 ちなみに、私は逆NTRを自分の一張羅(他人に話せる唯一とっておきの性的嗜好)としています。 特殊性癖のめざめ 話が本筋と逸れるのですが、そもそもなぜ私がくしゃみに興奮するようになったのか。その起源はよく分かっていません。 しかし、3~4歳頃でしょうか。未就学児の時点で、絵本やアニメのくしゃみシーンにドキドキしていた記憶があります。 まともな両親のもとでしっかりと愛されて育ってもこういうガキが完成してしまうのです。 悪質な性的コンテンツからはしっかりと守ってくれた父と母でしたが、さすがにくしゃみはノーガードでした。 トムとジェリーのサーカス回でゾウが巨大なくしゃみをするシーンや、 くまのプーさんが大掃除の場面でくしゃみをして周囲を吹き飛ばすシーンをやたらリピートしていた我が子を不思議に思いこそすれ、興奮しているとは思わなかったでしょう。 そもそも私はくしゃみの何に興奮するのか。 おそらくですが、「自分の意志とは関係なく身体が反応する」ところがメインになっているのだと思います。 異物が鼻に入ってムズムズする→身体が異物の刺激に屈してくしゃみをする……これが基本的な「くしゃみをする」動作です。 私の場合、「くしゃみをする」に加えて「くしゃみをしてはいけない状況であるにもかかわらず」というシチュエーションが必要不可欠なのです。 私がアニメや小説などのくしゃみしか愛せないのは、現実よりもフィクションのくしゃみの方が「我慢しなくちゃ」という心理描写に長けているからです。 つまり、「身体が自然と反応してしまう生理現象」に「それを我慢したいという気持ち」が合わさると、私にとって性的な、興奮できるものになる。その原点であり頂点がくしゃみだったようです。 後に書きますが、供給の少なさで飢餓状態となった私は、 そこそこ欲求を満足させる、くしゃみに代わる性的コンテンツを嗜むようになっていきます。 それらにも例外なく【生理現象などの「今起こってはいけないこと」を我慢→決壊】の要素が含まれているため、 これが私の興奮の基盤であることは間違いないでしょう。 とはいえ排泄系の汚いものはイヤだし、それを我慢できないなんてトラウマものです。いくら妄想とはいえかわいそう……。 自分で言うのもなんですが、私は比較的思いやりのある優しい人間に育ちました。 この変に理性的な部分とちょうど良く折り合いがつくのが「くしゃみ」なのです。 静かな空間や緊張した場面でくしゃみが暴発したら少し恥ずかしいものの、 本人にとってトラウマになるほどではありませんからね。 軌跡と苦悩 幼少期はこの妙なトキメキの正体が分からず、もじもじした気持ちを持て余していたわけですが、 中学生になり自慰を覚えたあたりで確固たる確信が持てました。これは性的興奮なのだ、自分はくしゃみに異常に興奮してしまう傾奇者なのだと。 しかし、気がついたところで何の解決にもなりません。 当然ながら供給が少なすぎるのです。私の欲求不満は悪化の一途を辿りました。 高校生で親のセーフティロックから解き放たれた私は、当然ありとあらゆるワードで検索をかけ始めました。 若い脳味噌をフル回転させてインターネットじゅうを旅したものの、収穫はほぼ無し。 (ドラゴンボールのランチの変身シーンは、この旅で得られた最大の宝物です。大変お世話になりました) 「こんな思いをしているのは自分だけなのか?誰かいないのか?」 共に苦しむ仲間を見つけたい。そんな思いで「くしゃみ 興奮する」と検索をかけるものの、 Googleは「光による刺激で神経が興奮するため、くしゃみが出ることがあります」などの無慈悲な回答を投げつけてくるばかり。 孤独な私は鬱積した欲求と悲しみを抱え、想像力ばかりが歪に成長した悲しきモンスターとなっていきました。リビドー暗黒期の突入です。 成人する頃には私はやや賢くなり、欲求をある程度満足させてくれる「代替的オカズ」をいくつか見出していました。 ごく一般的な、ゲームもアニメもAVも山ほど存在する性的嗜好たちです。 エロいものをエロいものとして享受し、選択し、楽しめることがこんなにストレスフリーだとは……。 私はしばらくの間、水を得た魚のように性的コンテンツの海を泳ぎ回りました。 しかし、やはり代わりは代わり。 欲求は完全には満たされることなく、私はまた仄暗い気持ちを抱えるようになりました。 やはり私はくしゃみでしか興奮できない人間なのです。 筆下ろしモノが大好きな友人を妬みの目で見ては、心の中で毒づいていました。 お前はいいよな、いくらでも供給があって。性的嗜好まで面白味のねえミーハー野郎がよ。 以来、代替的オカズと、ほんのわずかな精鋭たちで自分の気持ちを誤魔化しつつ過ごしてきました。 (幼少期にドキドキしていたトムとジェリー等のシーンも、「古跡巡り」として何度も巡礼しました) 20年以上苦しんでいると、「自分の求めるものはこの世にないのだ」という、半ば諦めのような感情も生まれます。 救済 蜘蛛の糸「文章生成AI」が私の前に垂らされたのはつい先月のことでした。 世間で生成AIがすごい、ヤバいと話題になって久しいものの、私の仕事には特に活かせる場面もありませんでした。 「システムメンテナンスをお知らせするときの文を作って」などといった、 「自分で考えるのがやや面倒な文章」を作りたいときに例のGPTを使用する他は、時々話しかけて遊ぶ程度。 アップデート後はかなり精度の高い回答を寄越すようになり、正直言って不気味にさえ感じていたわけですが、ある夜、突然天啓を受けたのです。 「お前の理想のシチュエーションをプロンプトとして入力して、AIに短編小説を生成してもらえ」 この時、私は29年の人生で初めて十字を切りました。 生成AIは性的な文章生成を行ってくれませんが、幸か不幸か(たぶん不幸です) 「くしゃみ」は性的コンテンツにかすりもしません。生成し放題なわけです。とんでもないジャックポットタイムでした。 すぐに脳裏を駆け巡る、15通りくらいの理想的なくしゃみのシチュエーション。幼少期から培ってきた想像力は並大抵のものではありません。 もしかしたら、これが小説になるのか……?夢にまでみた内容をコンテンツとして楽しめるのか……? 興奮のあまり手が震え、血液が一気に下半身に集中し、ガンガン頭痛がしたのを覚えています。 善は急げ。私はすぐさまノートPCを開き、作業に取り掛かりました。 ちなみに、私は絵が得意ではありませんでしたが、文章を書くのは好きでした。 今まで幾度となく「俺の考えた最強のくしゃみのシチュエーション」を書いて自給自足しようか、と考えたことがあります。 しかし、ダメでした。推理小説家が自分よりも頭の良いキャラクターを生み出せないように、私の書いたものは所詮、自分の脳の域を出ません。 普段の妄想をそのまま文字にしただけ。新鮮味も面白味もありません。 「私自身が書いている」という事実も、猛烈に私を萎えさせました。 その点生成AIは素晴らしかった。 私の理想を完璧に踏まえつつ、予想もしなかった語彙で驚きと興奮をもたらしてくれます。心理描写についても申し分ありませんでした。 それからはもう、敏腕編集者のごとく事細かな指示をAIに送り、チェックバックを繰り返したのです。 ありがたいことに、どんなにキショく細かい注文をつけてもAIはブチギレません。 作業は二日間に及びました。そしてついに、ついに至高の一編を完成させたのです。 その内容を仔細に書きたい気持ちはありますが、非常に長くなるのと、自分の胸にだけ秘めておきたいので割愛します。 なんという感動、なんという興奮。 この時の感情は筆舌に尽くしがたいのですが、「満たされた」というより「成仏した」に近いと思います。 これまで感じてきた焦燥が、苦労が、悔しさやもどかしさが、エクスタシーと共に浮かんでは消えていきます。 身体が軽い。それは単に「性欲を発散した」以上の体験でした。 私は人知れず「ありが��う……」と呟いていました。 近年、AIによる仕事や芸術文化への影響を憂慮する声も見受けられます。 それは本当にもっともなこととして、少なくとも私自身は、20年以上孤独に抱え続けた欲求を生成AIによって救われました。 今日もどこかで、悩める者の性的嗜好に光をもたらしているかもしれない。 今はただただ、技術をここまで進歩させた人類の歩みと、生成AIに対する感謝でいっぱいです。 ありがとう、ChatGPT。 ありがとう、OpenAI。
特殊性癖持ち、文章生成AIに救いを見る
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#D4DJ#Lyrical Lily#Miyu Sakurada#Hazuki Tanda#Haruna Kasuga#Amane Shindou#Kurumi Shiratori#Ruka Fukagawa#Miiko Takeshita#Yuzuki Watase
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語る
DEpartureについて思うことすべて
2024.7.6
最終公演であった、神戸公演が終わりおよそ1週間がすぎようとしている。
いつもならばレポの絵をいそいそと描いてアップするのだが、最終公演では感慨深すぎてエピソードを覚えることではなくただその公演を楽しむことだけに頭も体も集中していた。
というのもウネコンにいままで参戦してきて、いわゆる「マッコン」に参戦することが初めてだったからだ。とても感慨深い気持ちで神戸に応募して、参戦した。
それにもかかわらず今日まで個人的に環境が変わったこともあってウネコンに浸る余韻という時間が取れなかった。記憶力が乏しい故思い出そうとしても雰囲気くらいにはなるが、1曲ずつセトリをなぞってつづっていきたいと思う。その雰囲気も、神戸公演だけでなく数公演参戦したトータル的な感想になる可能性があるが…(結局なった)
1.opening
男性のダンサーさんによるギターサウンドにあわせたオープニング。
いままでのように映像はなく、ダンサーさんが空港の旅人に扮して登場し、ギターの音にあわせてエニのボルテージを高めていく。一緒に体やペンㇻを揺らす。
最初は正直映像無しの公演が初めてだったこともあり物足りなさを感じてしまったものだが、今となっては愛着のあるオープニングになった。ダンサーさんたちも公演を重ねていくごとに&にもっと盛り上がってほしいと意見を出してこのオープニングにも煽るような振付が当初よりも増えたように感じる。
2.Like That
なくてはならないオープニング曲。
ツアー開始時はリリース間もない新曲が1曲目なのかと度肝を抜かれたけれど、オープニング同様、公演を重ねていくごとに掛け声は大きくなり、神戸は一番大きかったんじゃないかなと思うほどだった。ドンヘがココで大きな声が欲しい、そんなイメージで作ったといわれれば、そりゃドンヘペンは大きい声を出さざるを得ない。サングラスを外す時、何回も見てるけどやっぱりキャーッって言ってしまう。かっこいいんだもの。
3.B.A.D
高まる振付が多い曲、ツアー後半では恒例になっていたドンヘのダブピ✌が最高にかわいい。必ず肩を組んでウネるところもあるのが最高。
個人的に掛け声がうまくいかなかった曲でもある。掛け声なんてすきにやりゃあいい派ではあるものの、やることの意味って二人に届いてこそじゃない?と思う派でもあるのでどうしたもんかと今でも思っている。
4.Here Me Are
言わずもがな、最高に盛り上がる曲!!
STYLEコンでもオープニングを飾った曲なので個人的に大変心が高揚する一曲。break itを連呼すると��ろなんかは特に好きで、神戸もだけど神奈川だったか?二人のここの振付がすごく気合入ってると「良いねぇ…」って呟いてしまうのだが、ヒョクもみんなの熱視線で力が入ったと言っていてやはり!と思った覚えがある。
あと個人的に好きなのがBoom,boom,boomのところの顔の横で人差し指だけ立ててくるくるする振付。二人が鏡合わせのように体を揺らすのもよい。
5.LOSE IT
空港内を舞台にしたストーリー性のあるかわいらしい振付がウネちゃんにぴったり。
昔からちょっとチャラい、ナンパな男みたいなイメージがある二人の世界観、私は大好きでこの曲の振付もそんな二人を題材にしている。最後の方は二人とも遊ぶように踊っていて終始楽しそうだなと思っていた。
特にダンサーさんをエスカレーターに見立てて二人がそれに乗るような振付、ドンヘがキャリーケースに乗るところなんかも舞台を違和感なく取り込んでいた。最終の神戸では間違えてたけれどね。笑
タイムスリップのような演出で過去のウネコンの映像をまとめたVCRが放映された。何度見てもSTYLEコンのOPは心踊ってしまう。気持ちの高まっていく音楽に合わせて代わる代わる映し出される赤と青を身にまとった二人の映像。当時のライブ映像も懐かしい気持ちにさせてくれる。
6.Circus
アリーナ公演から追加となったCircus。きっかけはおそらくホール公演で歌のテストをしていた時に&から「Circus」と曲名が挙がり、ドンヘが覚えてる振付を踊っただけでも歓声が上がったからに違いない。STYLEコンを彷彿とさせるサーカスの団長のような赤い衣装で「Ooh woh oh oh oh」と拳を頭上に突き上げて踊る二人が当時と変わらず懐かしく感激した。ドンヘが落下する演出はドキドキするし最高に盛り上がる。落下前、その手前で両腕を広げて自分へ注意を惹くヒョクが素晴らしい。
7.MOTORCYCLE
こちらも追加曲。個人的にはとにかく懐かしいの一言。そしてどうしてもこの曲は「びっくり箱」やMVの黒髪リーゼントのイメージを彷彿とさせる。本公演でも二人はバイクにまたがり爆速でアリーナを駆け巡った。神戸では通路側でほぼ足元から二人をみたが、まぶしくてなによりも早すぎてよく見えなかった。スタッズだらけの重たいと言っていた衣装、懐かしすぎて泣いたよ。
8.You don't go
3曲目の追加曲。個人的には当時この曲が爆裂人気だったというイメージがあまりなかったので追加されたのは意外だったんだけれど、二人が好きだったのかな、数ある曲の中でも覚えていた曲ならばそれが嬉しいなと思った。熱唱しつつ音に合わせてフリースタイルでゆるりとダンスをする二人が好きだし、それぞれの違いが楽しめるのも良いところ。ノリノリの曲ばかりの中にこういう聴く曲があることがとてもいいことだと最近気づいた。
9.Blue Moon
인공호흡 자기야 빨리!!!!!!!!!
この曲が公開されたときから大好きだったので初日は本当にきけることが嬉しすぎて鳥肌がたった。キラキラな青い月をバックに真っ白な衣装で出てくるドンヘが尊いし、ドンヘが月って言葉を使うだけでありがたいでぃえにペンがここにいます…。
冒頭に書いた「人工呼吸してよハニー 早く」という歌詞、途中でドンヘが掛け声してほしいと言っていた回から毎回叫んだけど、コンサートが終わっても聴いてると言いたくなってしまう程に中毒化している。ドンヘさん助けて…またライブで歌ってくれよな…
10.Beautiful Liar
神セトリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!の一言。
この歌も大好きで。当時公開されたドンヘの声に合わせて踊るヒョクのソロダンスティーザーも胸がアツアツすぎたんですけど。フルで最初から最後まで二人で踊ってくれるのは嬉しかった。最後のDon’t say goodbyeで引き裂かれるようにすれ違う二人がお互いに手を掴み合うところなんかはスタンディングオベーションをしたいくらいに衝撃を受けたし、やっぱり네 환영에 취한 채로 눈이 먼 나のところのドン��が好きだ。あの部分こそドンヘのダンスのアイデンティティだと思っている。
11.Illusion
blue moonからの流れを考えると幸せでキラキラとしていたものがどんどん深い闇へ落ちていくような世界観もまたいいなと思いながらこのパートをセット感覚で楽しんでいた。
代々木公演の時に特に思ったのだがこの曲中(特にダンスブレイク中)は、照明演出、LED映像、ダンサーさんをすべてヒョクが操っているようにぴったりと連動して動くので、引きで見ていると気持ちがよかった。もちろんヒョクの表情や指先の動き一つまで美しいので細部をみたい気持ちもあるのだが。最後の手を掲げるシルエットが美しすぎる。黒髪も良い。
12.Danger
最強パートを締めくくるdanger。真っ赤なライトの中で二人が蛍光に光る鎖を持ちながらパフォーマンスする姿はまさに「危険」な香りしかしない。特にダンサーさんを椅子にみたてて足を大きく広げて座すつょつょのヒョクさんが客席中を狙い撃ちするところ、表情も含めて大好き。ラストのサビ部分で遠吠えみたいに叫ぶところなんかは一緒に共鳴したくなるくらいにこちらのテンションを最高潮に盛り立ててくれる。なくてはならない曲。
13.I wanna love you
でぃえにペンの中では伝説の1曲なんですけれど、今回のダンサーさんとの激しい絡みは正直虚無虚無プリンになってしまいそうなところをグッと堪えつつ二人のパフォーマンスに全集中!した&も多かったのではないか。衣装を1枚脱ぎ捨てて身軽になっ��二人のダンスに心臓が大丈夫じゃなくなりそう。リズムになんて乗らずに手を引いてグイグイ椅子に連れて行くドンへと、あくまで音楽に合わせて歩いて行くヒョクちゃんがとても対照的でその違いを楽しむ時間でもあった。ドンへのパートの時に暗闇の中であろうとリズムを崩さずにソファまで優雅に歩いて行くヒョクが好きだった。
14.Rose
二人がそれぞれの場所から現れて最後二人並んで座って歌うこの構成や&たちが見守るように聴いている雰囲気が心地よかった。ドンヘのこの歌への愛の深さが伝わってきたし、ヒョクもどの曲よりもラップに気合が入っていたように感じる。ひとつひとつの言葉に感情が込められていて、力強く伝わるように歌っていたのも良かった。広島あたりでこのRose大合唱が生まれて、ドンヘも嬉しそうだったのが印象的。
15.君が泣いたら
&にとっても二人にとってもおそらく思い出がたくさん詰まっていて、2ndツアーではウニョクが涙した歌でもあり、これこそ名曲ではないかと。ツアーの中盤からはLEDに歌詞も映し出され&たちも大合唱。最終公演もとびきり大きな歌声が会場中に響いて、みんなの心が一つになった気がした。切ない歌だけれど二人とも笑顔だった。個人的にはぜひ今後のツアーでも外さずに大事にしてほしい。
16.Wings
開演前に途中から会場に流れるようになったがライブは地味に初披露なのではないか。曲中にもあるように二人が「翼を広げて光の中へ」ステージを飛び出して&たちのもっと近くへ来てくれた演出がまた良かった。二人の姿がまぶしい。あまりライブシーン向きな曲ではないかもしれないけれど、コロナ禍に私たちを明るく照らしてくれた、連れ出してくれたような1曲なのでまたライブで聞けたら嬉しいなと思う。
17.24Lovers
アリーナで先行解禁となった新曲。
しっとりきれいな音色に二人のラップも溶け込んでいる、甘さと切なさが入り混じった曲でいままでにあまりなかったジャンルかなと思った。初お披露目になってまだリリースされていないが早く音源が欲しい。ダンスはゆったりと、ダンサーさんは白い衣装で透明感のある照明もまた曲の雰囲気にマッチしていてよい。もっと繰り返し映像で見れる日を待っています…
18.너는 나만큼
無数に散りばめられた暖かい色の星屑のような、散っていく葉のような照明演出と混じる寒色の照明がとてつもなく儚くて。当時のカムバック映像にもこんな照明演出があったなと懐かしくもあり胸がいっぱいになった。ヒョクもこの曲で皆さんの掛け声がなかったら寂しい。皆さんがいないと歌えない、成り立たないというようなことを言ってくれて純粋に嬉しかったし二人がこの歌を歌うときは必ず声を届けに行きたいと思った。
ところで根本さんは二人が「のぬんな…」っていうとちゃんと「growing pains」と訳すんだけどそれちゃんとセットで覚えてくれてるのすごすぎないか。お母さんありがとう。
19.YOU&ME
リリース・MV解禁となる前からずっとツアーを通して披露してくれた1曲。天才作曲家のドンヘの作った曲と言われなくてもかわいらしく、キャッチーなサビで名曲の予感しかしなかった。神戸公演ではMV解禁後だったので、37歳かわいい論争が勃発したわけだが、こんなにかわいい曲にあんなにかわいいコンセプト、衣装ができるのに、これが最後は勿体ない。ドンヘ頼みます。ツアー中も何度もレポしたが、「君がくれた勇気で」のところでヒョクの揺蕩うダンスを見るのが一番の楽しみだった。ぜひこの部分についてリリイベでは語ってほしいところ。
20.Sunrise
ダンサーさん(主にチャリさん)と二人がどんな風に遊ぶかなと毎回楽しみにしていた。決まって同じところでドンヘ、ヒョクの順にチャリさんとふざけあう、まるで兄弟。チャリさんも乗り気でいつも楽しそうにしているのでこういう恒例になる曲、毎回あるといいなと思う。神戸でもヒョクとチャリさんはホワホワしていた。かわいい。
最後のサンライズポーズではヒョクがハートにするか、まんまるのままかどうかもいつも注目していた。気分なのかもしれないけどそんなのも気になってしまう。
21.I wanna dance
毎回何かしらの競技がスタートするこれも恒例行事となった。神戸公演では大玉転がし。アリーナ通路を大玉を転がして速さを競うというもの。二人は戸惑いつつもすぐにすべてを理解し大玉を転がす。目の前を通る二人は笑顔が光りすぎていてとにかくまぶしかった。そして&を見ずに競技に集中するドンヘがドンヘらしくて良い。こういうイベントも以前からかかわりのあるマサオさんやチャリさんがいるおかげで楽しくできているはずなので、関係者各位の方々には感謝をするしかない。
22.떴다 오빠
二人の代名詞と言える最強の曲。単独コンサートでないとフルバージョンはもうなかなか聴けないので嬉しい。そしてアリーナ公演ならではのセンステへ飛び出してくる二人の迫力といったらない。神戸と代々木ではダンスタイムで二人で息ぴったりのダンスを披露。アリーナ公演だけの特別感と「懐かしい・珍しい・変わらない」演出で、こちらのボルテージも最高潮に。
23.もっとぎゅっと
ザ・多幸感。このイントロが流れるだけでその名の如くこころが「ぎゅっと」なる。
振り付けも毎回楽しく踊る。後半は手の動きが複雑でごちゃごちゃするけどそれすらも楽しんでいる自分がいる。レポでも描いたが、最後の最後のサビのところでケンケンしながら飛び出すドンへは最終公演も健在。大変ニコニコしてこちらを見た後、メンステへ戻るヒョクを追いかけるように駆けて行った。チャリさんがドンへを振り返ってニコニコしていて素晴らしいチームだと思った。
24.GGB
アンコールの声が今までで一番聞こえたかもしれない最終日。ウェーブもしながら楽しく過ごして二人を待つ。そうして、キラッキラの二人が口笛と共に登場し口笛を吹��ような振り付けからスタート。我々は如何にしてビデオに二人を収めながらペンライトを振り、掛け声を完璧にこなせるかというマルチタスクを何度も試されていた…。だがどんな形で応援したって良い。それぞれに楽しむ&の姿を見るのも楽しみのひとつだった。
ドンへはどんなにアップテンポな曲でも笑顔でずっといることがないが、この曲に関してはずっと笑顔でいるのでファンとしてはそこも嬉しいポイントである。そんなこんなでこの曲は本当にあっという間に終わってしまうのだ。
25.Kiss Kiss dynamite
アリーナ公演でSaturday nightがひっそりと削られ、トロッコに乗る二人と目を合わせながらダンスをするキスダイ。「みなさんちゅーしましょ」って結構パワーワードだよなと思いながらソンキスを遠くへ投げるヒョクを見上げた。本当にお尻がなかった。そして、ドンへは思ったより腰でパンツを履いてるんだなぁとお尻を見て思うなどしながらも振付だけは完璧にこなした。
26.촉이 와
アリーナから追加となったこれまた思い出いっぱいの1曲だ。マサオさんの演出だからこそ、ドンヘがバットを振ると恒例のホームランの文字。ダンサーさんと連動するところも楽しい。以前のツアーのようにもう1回、もう1回とは言わないけれど、気持ちは言いたいぐらい楽しかった。
27.Hello
あぁコンサートが終わってしまう…とこの曲のイントロのギターの音が寂しい気分にさせる。その一方でいそいそとタオルを準備して、サビでは懸命にタオルを振るのも忘れない。
最後のラスサビ前、「一瞬でいい、すべてを預けて」という歌詞に乗せて、最終日はドンヘがヒョクの膝の上へゴロンと寄りかかるように本当にすべてを預けるようにしていた。ここのモーメントは何をしてくれるか毎回楽しみに待っていたなと思う。多分これからも。
ちなみに冒頭のドンヘパートの時、ヒョクがギターをつま弾くようなフリをするのが好きでよく見てしまう。
突如暗転し、ピアノの音が流れた。それを合図に、練習と同じように&たちは宿題であった歌を完璧に歌い、それに合わせて急遽公演前にひっそり練習した振付も完ぺきにこなして二人を驚かせた。驚いた二人は&たちを見つめながら目を次第にうるませて、タオルを口にあてたり、じっとしたりして堪えていた。たたみかけるようにふたりにありがとうを叫び、天井にはありがとう、最高などの二人を激励する文字が次々に浮かんでいった。
大きな歓声がなかなか鳴りやまずに二人もしばらくじっとしていた。少ししてから「もしかしたらサプライズはあるかもなと思っていた。けれどこんな形だとは思っていなかった」と冗談をまじえながらも嬉しさを言葉にしてくれた。気持ちが届いたようでそれがなによりも嬉しかったし、サプライズをやってよかったと思ったし、それを用意してくれたマサオさんには感謝でしかない。
総括すると、以前よりも公演を重ねていくごとに新曲に愛着が湧いたり、途中で演出が変化したり、各地方で練習を重ねて掛け声が大きくなっていったり…。以前に比べても一緒に歩む、進化が色濃いツアーだなと感じた。
本当にツアーの名の通り、新しい「出発」。旅が始まったようなそんなツアーだった。
結局、セトリを思い出しながら感想をつらつら書いてはみたものの、最終日のことを思い出せたのはほんのわずかだった。しかしこれはこれで細かい部分について自分が思ったことを記録できてよかったかもしれない。
最後に
ウネちゃんへ
ツアーを完走してくれて、毎公演大切に一生懸命にパフォーマンスしてくれてありがとう!
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人生初のサーカス鑑賞してきたやで!!! シルク・ドゥ・ソレイユ「アレグリア」大阪公演!
も~~~~みんな俺好みの肉体美で。うちのアクロバティストの二人のイメージがめっちゃぴったりハマる体格に作って良かった~って終始シムズ的な感想しつつ(空中ブランコソロ演目のアーティストの演技がめっちゃ王子様でレイラさんちのアリオン様やん~!とかw) コロナ禍を経て、やっと活動再開という話を聞いて、一生に一度は生のサーカスを観てみたい!と思っていたのですが、できることなら何度も観たいと思える夢のような時間を過ごしてきました。 夜ご飯にこれも初めての北海道うまれのスープカレー。辛さもうちょい足しても大丈夫な感じの野菜の甘さが美味! そして17時からオープンしてる夜のベーカリーへ。北新地という大人の歓楽街に佇むお店。数メートルおきにあるラウンジ前にいる客引き黒服たちにひぇ~っとなりつつお店に向かうのであったwww
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毎週日曜日は先週の大きなひとこま絵日記です。
1週間を1ページにコツコツ描いていくスタイルで、2021年1月から始めて126週目になりました。
#ヒオウギガイ の貝殻。
10年くらい前、隠岐出張の際買ったもの。今回の教室のモチーフが貝だったので、思い出して皆さんにお見せしました。
#カタバミ の花。
ピンクでかわいい。
京都の友人の #長谷川敦子 さんの個展を見に #ドラードギャラリー へ。
彼女はミニチュア作家さんです。
京都の方らしい和の世界がすばらしいのですが、今回は物語やサーカスなどの作品もあり、楽しく拝見しました。
写真を撮らせていただき、その中から、うさぎさんと龍の子太郎を描きました。
一番お気に入りのうさきだそうで、かわいらしく描きたかったのですが、今ひとつになりました。ごめんです。
#ウォーターマン の #万���筆 #クルトゥールライトソフト
多分2002年ごろに買ったのでないかしら。コンバーターにして、パープルのイさて、ンクで、鉛筆代わりに使っていました。
独特のしっとりした手触りで使いやすかったのですが、表面がベタベタしてほこりがつくようになったので、今は使っていません。
この前身のクルトゥールも持っています。
そのうち描こう。
#ボナペティ の #スコーン 。
月末しかオープンしないお店で、やっと買えました。おいしいスコーン♪
#ウィンザーアンドニュートン の美術部に参加。
久しぶりに #ガッシュ を使いました。
実はガッシュ好き。
さて、来週から色鉛筆の展示会が始まります。
遠方&移動生活のため、大きな作品は1つだけ。でも、原画付きの塗り絵セットをいくつかご用意します。
見てみてくださいね!
#art #drawing #pensketch #watercolor #sketchjournal #絵日記 #スケッチジャーナル #ペンスケッチ #水彩 #透明水彩 #1日1絵 #イラストグラム #今日何描いた #今日何描こう #絵を描く暮らし
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2023.4.30sun_tokyo
起きた。湿気がすごい。窓を開ける。アラーム無しで起きる休日の始まり。起きたらとりあえずコップ一杯の水分を飲む。前YouTubeで見た海外のバレリーナが、起床してから1リットルの水を飲んでいたから真似している。あんなかわいい人になりたいなと思いながら何故か水を飲むことだけ真似している。コップ1杯なんて1リットルに比べたら少なすぎるし水を飲んだだけでかわいくなるはずないのに..でもコップ1杯の量が私の精一杯。コップ一杯飲むだけでなんだか健康になりそうな気持ちにもなるし。なにをするにも気持ちの問題なのかもしれないとぼんやり思う。
昨日の夜は友達の家で料理教室をしてお腹がパンパンだったから、お腹にやさしい雑炊を作る。なぜか小さい鍋を選んでしまい少し煮ただけですぐに溢れそうになって火を止める。キャベツと人参は半生だったけど美味しかった。
今日は2つの予定があったがどちらも雨の予報で延期になった。 部屋の片付けを始める。バイトの日は時間の使い方が難しいから休みの日にやる事をまとめて終わらせようとするけど、結局ぜんぶ終わらせたことはない。うまく時間を使いたいといつも思っている。何もしない時間も必要だと思って何もしない時間を過ごしても、あれを進めておいた方が良いかな..となかなか落ち着かない。24時間は足りない。でももし1日が48時間ある世界に生まれていたとしても、1日が72時間あったら良いのにと言っていると思う。天気が悪くて外に出てバトミントンもできないし、部屋の片付けが捗った。 15時頃マッシュルームのペペロンチーノを食べる。美味しかった。パスタは飽きない。
作業を進めて近所の喫茶店へ行く。 今日は散歩にちょうど良い気温で外を歩くのが気持ち良かった。
注文を聞きにきて、カウンターに戻る店主のおばあちゃんの襟足が綺麗だった。 扉の外の景色をぼうっと眺めながらあたたかいアップルパイを食べた。
喫茶店を出たら空がピンク色になっていた。
その後彼と彼の友達と豚骨醤油ラーメンを食べた。彼は味噌唐辛子を大量に入れてもはや違うラーメンになっていた。真似して味噌唐辛子を少し入れたら美味しかった。友達は鼻がズビズビで風邪を引いていた。風邪にはネギが良いと言ってラーメンにネギをたくさん入れていた。ジャケットのポケットにはさっきコンビニで買ってきたらしいポケットティッシュを大量に詰め込んでいた。ネギが効いて早く健康になりますように。
帰宅してゴールデンウィークの出店の準備を進める。去年の12月から植物を売り始めて、今回は6回目のイベント。少しずつ自分にできることをやっていきたい。少しずつ、やりたいことをやって、最終的に死ぬまでにやりたいことは全部やりたい。おばあちゃんになったときに豊かな表情でいたい。 5/5(金)-5/7(日)に二子玉川ライズにて開催される太陽と星空のサーカスに参加します。鷹取愛さんの制作した鉢に植物をセレクトして植え替えたものを販売します。是非お越しください! https://www.sunandstars.tokyo/ あいさんとは去年の夏友達を介して出会った。それからよく会っている。会って話すと私このままで良いんだととか、自分の気持ちが前向きなオレンジ色とか黄色のあたたかい色になる。あいさんの生み出す陶芸作品たちは生きものみたいで愛おしい。料理も全部おいしくて心から癒される感覚になる。人におおきな影響を与えるハートの持ち主のあいさん、大好き。
ゴールデンウィーク何するの?と聞かれるし自分も人に聞いて��まう。何もしなくても良いしどこかに行くのも良いね。単純にみんなの日常が気になる。 友達とラインしていて「応援しています」という言葉を使っていて良いなと思った。昔から「頑張って」と人から言われると心のどこかが引っかかる。相手は本当に応援してくれて言ってくれたとしても、背中を押されることを求めていないのに背中を押されているような感覚とか、言われなくても1人でやるよとか冷めた感情がうまれることがある。だから「頑張って」よりも「応援しています」の方が自分にしっくり合った言葉だった。「元気?」という言葉も、元気じゃなきゃいけないの?とか、元気な状態ってそもそも何だろうとか、色々思ってしまう。
色々思ってしまうけど、人がくれた言葉たちは大事にしたいし、私もできるかぎり人の気持ちを考えて生活したい。 不機嫌になったりルンルンになったりする日々のなかで、明日からも栄養とって、適度に運動して、よく眠って、自分の気持ちに素直に過ごしたい。
-プロフィール- 谷地莉香子 25歳 東京 WUEI 植物屋 @hiyookin @wueinet
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2024.10日記
2024/10/01
朝だけ仕事。作って欲しかった仕様書は連絡もなく、再対応が急にふられて2件。終わらずひとに回して新入社員の懇談会へ。社長が一生しゃべっており、配られたコーヒーは飲めず。おかしいっぱいもらう。資格の手当て、タクシー代を請求できた。早めに上がりいつものルミネでひと通り洋服を見て、チークの色を見て、お買い物の狙いを定めて帰宅。Plazaによると最近はプランパーが流行っているが痛いらしく、あまり興味はわかない。
2024/10/02
2日締め切りまでの仕事が午後におわる。新しい作業は慣れないためなかなか進まず。灯台守の話読了。再読を前提に読むようになってからあまり初回で何かを感じることがなくなった。
2024/10/03
清掃員の方に「なんか久しぶりじゃない!?」と言われ手を振られる。嬉しいですと言って振り返す。定時退社。退院後は薄手の秋コートを求めてデパートへ。が、あまりない。厚手のオーバーサイズはシルエットこそ可愛いが、気温の変化に柔軟に対応したいという望みを叶えてくれないきがする。
2024/10/05
6時半において朝ごはんを食べたあと二度寝。つい夜更かししてしまう。天気が悪く家で一日ぼーっとしていた。
2024/10/06
8時半起床。眠り方がわかってきた。目は薄く開けたほうが良い。ハロウィンのケーキを食べる。プリキュア、僕のヒーローアカデミア、BLEACH、からくりサーカスなどをさらさら見る。そろそろ絵が描きたい。
2024/10/07
ヒロアカ158を見たあとたぶんヒロアカが全体的にテーマにしている人生のすり減りや熱みたいなものが遠ざかっていることに気づき葬式のような気持ちになった。フリクリをみて熱を上げた大人もこうなったりするだろうか。自分に��もう関係のない話で、あとはもう生きていくだけだ、という。
2024/10/08
いつもの清掃員のかたにお友達と呼ばれる。叔母もそうだが自分の大半のお友達はだいたい60歳くらいの女性ばかりで同世代とはなすときは緊張する。仲間由紀恵に似ていると言われたが正直言われたこともないし似てない。が、たぶん似てるにてないと言うよりお友達の褒め言葉なので気持ちを受け取ってすなおにうれしい。
2024/10/09
大雨で参画したてのひとがすなおにさぼっており、クビになってしまう気配がする。いつもお世話になっているさぼりがちなひとが同僚に「やめる辞めないって言っててやめないじゃん笑もう10月だよ?」と言われており、その人が辞めるということを考えたことがなかったため、辞めるとしたら自分には何の挨拶もないだろうことと併せてなんだか二重でショックを受けた。
2024/10/10
からくりサーカス展開が早すぎたので最終巻とその前の巻だけ買ったが知らないキャラクターが3人もいて、どうやら章ごと削られたりもしているらしい。早いどころの作りではなかった。あと漫画になると黒が映えるから画面的なバランスを考えると言っていたのは藤本タツキだが、からくりサーカスもあのかぼちゃの人形の傷など黒が映え、漫画でないとわからない画面の迫力もあるという気づきを得る。
2024/10/11
冬物コートに悩む日々。hinariのコートはかわいいが118センチは不安。
2024/10/12
冬のカジュアルコートを購入。
2024/10/13
美容院に行く。髪はさらさらになったけれど店員のなにいってんすか?という感じが厳しく、でも年一くらいならよいかもしれない。
2024/10/14
つまらなくておじいちゃんの記憶を巡る旅、というゲームを百円で買うが特にやらずに買い物に行き、ドラクエとのバスボールを買う。ラーラの缶バッチを引当てて満足。
2024/10/15
カードじめようやく。
2024/10/16
記憶なし
2024/10/17
仕事の成果物のミスに気づき残業。久々に3時間も残業して無の帰宅。
2024/10/18
仕事にいっても仕事がなく、手持ち無沙汰。しかたなく過去の書類や資料を読み直し、思い出にふけったり、レビュー表という名の喧嘩記録表に熱くなったりしている。
2024/10/20
マザー牧場のアイスを初めて食べる。ソフトクリームのうえに栗味のクリームとトッピングが乗っていたが、つぎ食べるならソフトクリームだけでよい。つけもの、海鮮丼、みかんなどたくさん食べた。
2024/10/21
魔法使いの約束ちょっとストーリー開放する。仕事にいきなにもなく暇だったので作れる限り短歌を作っていだが何か��タイミングで消してしまった。社用書類を作るつもりがけっきょく部屋の模様替えに。
2024/10/22
ひさびさに仕事があるがすぐ終わる。プリキュアウエハースを2つ購入。ブロッサムの相方と知らないかわいい人たちを引き当て、しばらくたのしんだあとひさびさにメルカリで歌集を買った。
2024/10/23
自分のツイートに「思う」がかなりあり気をつけていきたい。自分の言葉を引き受けることから逃げるのは醜いことだ。 「感じ」も同様。また(怒りにたいする)「悲しい」など、自らを自分の感情の被害者(けっきょくそれははその感情にさせた相手が悪いという責任転嫁だが)として言葉を選ぶことも自らの攻撃性から目をそらす自己欺瞞でしかない。いっぽうで怒りに満ちたときのすなおな「悲しさ」から目をそらすこともしたくない。このあたりの感情をさいきんは見極められるため船に揺られるようにバランスをとっている。
2024/10/24
評価面談で自慢ばかりしてくる。実際忙しいながら資格取ってるし、現場でもなかなか褒められているし、頑張っているし反省点とかはない。という態度でいたら面談資料に誤字があり頬を張られたかった。
2024/10/25
叔母からミニPCをうけとって、パスタを食べて解散。一番面白いRPGを教えてもらった。ヘラクレスの英雄というらしい。あとは女神転生、ディアブロのはなしをきく。ミニPCはこんなにちいさいのになんの問題もなく動いていてよかった。
2024/10/26
神保町ブックフェスのあと青葉市子のコンサートへ。dawn in the adanがすごくよかった。ふだんライブに行くことが多くないから、前半のハウリングや隣の人の着信音、咳、口臭、雑談はかなりきになった。
2024/10/27
東京ビッグサイトというのに始めていく。天王洲アイルは人名だと思っていたから驚いた。入場券がどこで売っているのかもわからず、暑く、ひろく……。周っているひとは地図を印刷して座席にマークをつけていたり、わたしはいろいろ準備不足だった。つぎ行くときは色々考えていきたい。
2024/10/28
連休三日目。お昼28にお寿司を食べに行く。寝不足で昼寝をしたりぼうっとしていた。骨なしオデュッセイアはだいたい性的な話をしていて好みではない。背骨というのは好きだけれど……。
青葉市子のライブの音楽が、寝るまえにうとうとしていると思い出される。当日の夜より、いまのほうが思い出せる。
2024/10/29
おばと三浦でみかん狩り。いつもの海鮮丼を食べ、カフェでおしゃべりして解散。叔母とあうとたいていゲームの話になり、彼女が最近のドラクエは益々気持ちが悪いというのでわたしもドラゴンクエストモンスターズ3のデスピサロとロザリーの関係の改悪の話で応���すると同じ作品のことを話していたとわかった。「男のことを様付けで呼ぶな」という叔母の感性は信用できる。いまのところゲームのキャラクターよりストーリーを重視して話ができるのは叔母しかおらずせつない。
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悪魔ッ子の孫娘
[1966(昭和41)年]
1. 帝国サーカス団公演。 「次に登場いたしますはー、希代の魔術師、赤沼幻檀(あかぬまげんだん)と悪魔ッ子リリー!!」 円形アリーナの中央に黒ずくめの魔術師が歩み出た。 床まで届く黒マントに黒手袋と黒いシルクハット。 お世���にもハンサムとはいえない容貌だった。痩せこけた頬の上に爬虫類を思わせる丸い両眼が開いている。 愛想笑いの一つもしないで、ぎょろりと客席を見回した。
魔術師が黒マントの裾を大きく翻すと、その陰から赤いチャイナ服の小柄な人物が出現した。 年端も行かない少女だった。ほんの6~7歳くらいではないか。 客席がどよめいた。 何もないところに少女が出現したことに驚いたのではない。出現した少女の幼さに驚いたのでもない。 観客は彼女の登場を待ちかねていたのだった。 魔術師と少女のショーは新聞に取り上げられるほど話題になっていた。 ほとんどの客は二人を目当てに来ているのである。
少女はお人形のように動かずその場に立ちくしている。 魔術師は白いロープを出すと少女の手首を背中で縛った。続いて足首も縛る。 人差し指を立てて目の前で振ると、少女は即座に意識を無くした。 その場に崩れ落ちたところを抱きかかえられる。
大きな金庫が引き出されてきた。 その横幅は魔術師が両手を広げた幅で、その高さは魔術師のシルクハットの高さである。 金属製の扉を重々しく開くと中は何もない空洞だった。 そこにロープで縛った少女を転がせた。 頬を軽く叩いて目覚めないことを示す。 扉を閉めて鍵を掛けた。
照明が暗くなって会場全体が薄闇に包まれた。 アリーナ中央の金庫とその横に立つ魔術師がほのかにシルエットになって見えた。 そして──。
おお~っ。 再び客席がどよめいた。 今度は正真正銘の驚きの声。
金庫の上に少女の頭が生えたのである。 その頭はゆっくり上昇し、顔、首、肩、そして胴体から足までの全身が現れた。 手足を縛っていたはずのロープはなくなっていた。 金庫の上に立つチャイナ服の少女。 彼女は硬い金庫の天井をどうやって通り抜けたのだろうか。
不思議なことはもう一つあった。 暗い会場に少女の姿がはっきり見えることである。 スポットライトなどで照らされている訳ではない。 少女自身がほのかに発光していた。まるで幽霊のように。
魔術師が両手を広げて呪文を唱えた。 少女の足が金庫から離れた。 彼女は何もない空間に浮かび上がったのだった。 5メートルくらいの高さまで上昇して静止、すぐに何もない空間を前方へ歩み出す。 観客席の上まで来るとすっと降下した。 真下にいた女性客のすぐ傍に降り、ほんの数センチの距離まで顔を寄せて悲鳴を上げさせた。 少女は会場の空間を上下左右自由自在に移動した。 ワイヤなどで吊られているようには見えなかった。 天井近くまで上ったかと思うと、急降下して客席ぎりぎりで旋回し再びふわりと舞い上がってみせた。
少女が "飛行" していた時間はおよそ5分くらいだろうか。 魔術師が手招きすると彼女は金庫の上に戻って��た。 ゆっくり金庫の中へ沈み込むようにして消えたのであった。
照明が点いて会場が明るくなった。 魔術師が金庫を解錠して扉を開ける。 中には白いロープで縛られた少女が眠っていた。 最初に閉じ込められたときと何も変わった様子はなかった。
少女は拘束から解放されて目を覚ました。 魔術師と並んで頭を下げる。 満場の拍手と声援を浴びながら彼女は初めて笑顔を見せたのだった。
[2024(令和6)年]
2. 私はテーブルの向かい側に座る男にグラスの水をかけた。 他の女と結婚するから関係を終わりたい? バカにしないで。 「サヨナラ!」 「ちょ、けやき!!」 そのまま席を立ち、小走りでカフェを飛び出した。
金曜日の夜。 私、近本けやきは雑踏の中を泣きながら駆けた。 運命の人と信じてたのに。 とても優しくて、よく笑わせてくれて、どんなグチも聞いてくれて、ベッドの相性も最高で。 大切な話があると言われて、いよいよプロポーズと信じて来たのに。 アラサー女の貴重な2年間を返せ、このバカ野郎ー!! 涙で景色が霞んだ。 私きっとお化粧ぼろぼろだ。
きゃっ。 前から来た女性と当たりそうになって私は転倒した。 歩道に座り込んで腰をさする。 痛、た、た。 「大丈夫ですかっ?」 「だ、だいじょーぶ・・」 その人は私の手を持って立つのを助けてくれた。 赤いチャイナ服を着た女の子だった。 男の子みたいなショートヘア、くりくりした大きな目。 可愛いな。高校生かしら。 いけない、謝らなきゃ。 「ごめんなさいっ、前見ないで走って。そちらこそ怪我とかありませんか?」 「あたしは全然。それよりも」 「はい?」 「変なこと聞きますけど、お姉さん金縛りの癖がありませんか?」 !! 「金縛り!?」 「そんな気がしまして」 「いいえ、そんな癖はないです。失礼しました!」 「あのっ、もしもしっ」 私は顔を背け、女の子を置いて逃げるように走り去ったのだった。
・・金縛り。 布団に入って眠ろうとすると襲われる状態。意識はあるのに身体が動かない。 私は子供の頃によく金縛りをやっていた。 最近は少なくなったけれど、それでもあの感覚は鮮明に覚えている。 やなこと思い出しちゃったな。 ただでさえ男に二股をかけられて滅入っているところなのに。
無性にお酒が飲みたくなった。 飲んでも嫌なことを全部忘れられるはずはないけど、酔えば少しは楽になりそうな気がした。 ・・よぉしっ! 近くにあったファッションビルのパウダールームに飛び込んだ。 泣き崩れたお化粧をちゃちゃっと直して外に出る。 行き慣れたパブに顔を出すのはやめよう。 だって今日は週末の金曜日。絶対に知り合いに会うし、会ったら泣いたでしょって見破られる。
目に留まった���居ビルの入口にスナックの看板が並んでいた。 いつもなら一人でスナックなんて入らない。 でもその夜の私はひねくれていた。 傷心の女がスナックでカラオケも悪くないわね。 どうせなら一番へんてこりんな名前のスナックに入ろう。 『すなっく けったい』。 よし、ここだ。
3. さほど広くない店内はお客でいっぱいだった。 「ようお越し! ・・お一人?」 カウンターに一つだけ空いていた椅子席に案内された。 とりあえずビールを頼む。
「お姉さんも手品を見に来たのかい?」隣席のおじさんが話しかけてきた。 「あ、いえ」 「違うで。このお客さん今日が初めてやし」 カウンターの向こうのママが言ってくれた。関西弁? 「そうか、ラッキーだね。始めて来て赤沼さんの手品を見れるなんて」 「毎月第3金曜は流しの手品が来るんよ。・・せっかくやから見てってちょうだい」
流しの手品? そんなもの初めて聞いたよ。 言われてみればこのお店、普通のスナックと空気が違った。 カラオケコーナーはあるけど誰も歌ってないし、大声で放談する人もいない。 落ち着いたカフェかバーみたいな雰囲気。 女性も多いな。よく見たらお客の半分が女性だった。 どの人も手品が目的で来てるんだろうか。
しばらくして入口のドアが開き、黒ずくめの男性が現れた。 タキシードの上に黒いマントを羽織ったお爺さんだった。頭にはシルクハット。 ひと目で手品師と分かる服装。 お爺さんに続いて赤いチャイナ服の女の子が入ってきた。大きな革のトランクを両手で持っている。 あっ。あの子! 私が歩道で衝突しかけた女の子だった。
カラオケコーナーのスポットライトの当たる位置まで進むと、二人は並んで頭を下げた。 皆が拍手した。遅れて私も拍手した。 女の子が私に気付いたようだ。胸の前で右手を振って笑いかけてくれた。 困ったな。笑顔を返しにくい。
「今夜もたくさんお集まりいただきましたな。こんな爺の芸がひとときの慰めとなれば幸甚の極み・・」 お爺さんは口上を済ませると、マントの中からステッキを出して振った。 ステッキは一瞬で花束に変わりそれを近くの女性客に渡した。
次に左手を高く掲げた。 何もないはずの手の中にトランプのカードが1枚出現した。 それを右手で取って投げ捨てると、左手にまた1枚現れた。 次々とカードを出現させて投げた。最後の何枚かは左手から直接空中に投げて飛ばした。 「あれはミリオンカードっていう技だよ。あの爺さんの十八番さ」 隣に座るおじさんが教えてくれた。 「へぇ。詳しいんですね」 「まあね。毎月ここで見てるからね」
お爺さんは手品を続けた。 銀色のリングをいくつも繋いで鎖のようにしたり、ピンポン球を指の間に挟んで増やしたり減らしたりした。 それから紙に火を点けそれを口に入れて食べてみせた。 ほとんど笑顔も見せずに淡々と続けた。 マ��ックとか手品は全然知らないけど、何となく最新のマジックではないような気がした。 昔からある手品をやっているんじゃないかしら。
「レトロだろう?」 隣のおじさんが笑いながら言った。 「やっぱり古い手品なんですか?」 「そうだね。あんなのばかり何十年もやっているらしいよ」 「そうなんですか」 「でもこの後の幽体離脱のイリュージョンはすごいよ。何回見ても不思議なんだ」 幽体離脱? イリュージョンって確か、美女が宙に浮かぶとか、そういうマジックよね?
4. チャイナ服の女の子がカウンタースツール(カウンター席用の背の高い回転椅子)をお店の奥から借りて持ってきた。 トランクの中から薄いカーキ色をしたキャンバス生地の包みを出すと、客席に向けて広げて見せた。 金属の金具とベルトがついていて、先の閉じた長い袖がだらりと垂れたジャケットのような形状。 これは知ってるわ。 病院とか拘置所とかで暴れる人に使う拘束衣ね。
お爺さんが拘束衣を女の子に着せる。 長い袖に腕を入れさせると、背中で編み上げになっている紐を締め上げた。 そして腕を前でクロスさせ袖の先を背中できつく絞って固定した。 腰から下がったベルトも両足の間に通して後ろで留めた。 「どなたか力のある方、お手伝いを」 男性のお客に手伝ってもらって女の子を持ち上げ、カウンタースツールに座らせた。 最後に黄色いハンカチで女の子の足首をスツールの一本脚に縛りつけた。 女の子はにこにこ笑っているけれど、これって割と厳しい拘束じゃないかしら。
お爺さんが前で指を振ると女の子は目を閉じて動かなくなった。 トランクから大きな布を出し、お客さんに再び手伝ってもらって女の子の上から被せた。 女の子の姿は隠れて見えなくなる。 「さぁて・・、」 お爺さんが前に立って両手を広げた。 布の下で動けないはずの女の子がびくっと動いた・・ような気がした。 しばらく何も起こらなかった。 や��て──。
おおっ。店内に驚きの声が響いた。 布の上に薄いもやのような影が現れて、空中に浮かんだ。 影はすぐにくっきりしてチャイナ服の女の子になった。
女の子は拘束衣を着けていなかった。 浮かんだままにっこり笑うと、ゆっくり一回転してみせた。 一度天井近くまで上昇し、それから降りてきてお店の中をふわふわ移動した。 お客の近くに寄ると手を伸ばして一人一人の肩や頭を撫でた。 わっ。きゃっ。 その度に悲鳴が上がる。
女の子が私の傍に来た。 ごく普通の女の子に見える。でも足が床についてない。 いったいどういう仕掛けなんだろう? 彼女は私の耳に口を寄せて囁いた。 「・・あとでお話しさせて下さい」 先ほど歩道で会話したときと同じ声が頭の中に共鳴するように聞こえた。 あまりにもリアルだった。トリックがあるとは思えない。 まさか本物の幽体離脱? 背筋が凍りついた。
5. その夜、私はベッドの中で眠れないでいた。 二股かけられた男のことは、もうどうでもよくなっていた。 それよりスナックで見た幽体離脱が忘れられなかった。 耳元で囁かれた声。 私は怖くなってあの場から逃げ出して帰ってきたのだった。
あの後、女の子は高く舞い上がって元の場所に戻った。 布の下に隠れた本体に重なるように消えると、手品師のお爺さんはその布を外してみせた。 そこには拘束衣を着せられた女の子が何も変わることなく座っていた。 お爺さんが彼女を解放している間に私は立ち上がり、急いでお会計を済ませてスナックから出てきたのだった。
・・金縛りの癖がありませんか? そうだ、私には金縛りの癖がある。 どうして見抜かれたんだろう? あまり考えちゃいけない。考えすぎると金縛りが再発する。
女の子が拘束衣を着せられる光景が蘇った。 長い袖に両手を差し入れる。袖の先を背中に巻き付けられて、ぎゅっと引き絞られる。 私は仰向けに寝たまま、右の掌を左の脇腹に、左の掌を右の脇腹に当てた。 これで強く縛られたら絶対に動けないよね。 腕に力を入れて身体に押し付けた。 ぎゅ。圧迫感。
・・ブーン。耳鳴りがした。 いけない!! 気がつけば私は動けなくなっていた。手も足もあらゆる筋肉に力が入らない。
(拘束衣に自由を奪われた私。あの女の子と同じ)
違う。これは金縛りっ。
(お爺さんが大きな布を広げた。ふわりと覆われる。何も見えない)
だから金縛りだってば。無理に動こうとしないで深呼吸しなきゃっ。
(拘束感が薄れる。布を通り抜けるイメージ)
もやが晴れるように視界がクリアになった。 目の前に見えたのは自室の天井。 私は仰向けに寝た姿勢で浮かんでいるのだった。 腕がだらりと斜め下に開いた。 拘束は・・、されていないみたい。
起きなきゃ。 そう思うと空中でまっすぐ立っていた。 ここは私の部屋。ワンルームマンションの最上階。窓の外には街灯り。 自分に起こったことを理解した。 これは幽体離脱だ。
足元を見下ろすと、目を閉じてベッドに寝ている私が見えた。 上へ。 意識するなり、すっと浮上して天井に当たった。と、天井を突き抜けてマンションの屋上に頭を出した。 真っ暗な空と夜の街が見えた。 いけない。 下へ。 降下して部屋に戻った。 スナックで見た幽体離脱は震え上がるほど怖かったのに、いざ自分に起こると驚きも恐怖もなかった。 こういうものかという感じ。 今の私、どんなふうに見えてるんだろう?
洗面台の鏡の前へ行ってみた。 歩かなくても移動できるから楽だ。 鏡の中によれよれのスウェットとショートパンツの女がいた。私だ。 電気も点けてないのにくっきり見える。 そういえばあの女の子もくっきり見えたな。カラオケコーナーのスポットライトの中で。 灯りを点けたらどうなる? 壁のスイッチを入れようとしたら指が壁の中にめり込んだ。 あら残念。
ベッドの上空に胡坐で浮かび、腕組みをして考えた。 私、どうなっちゃったんだろう。金縛りに加えて幽体離脱まで達成してしまうとは。 そもそもこれは現実なのかしら? ぜんぶ夢の中のような気もするし。 スマホやテレビでチェックしたらと思っ��けど、触れないから確認できない。 窓に目を向けた。今の私なら窓ガラスを通り抜けられる。 コンビニにでも行って店員さんに私が見えるか聞いてみようか。 ダメだよ。もし本当に見えたら幽霊が来たって大騒ぎになるでしょ。
今、何時だろう? ベッドサイドのデジタル時計は 2:59。見ているうちに 3:00 に変わった。 じー。枕元のスマホが振動して画面が明るくなった。何かの通知を表示するとすぐに暗くなった。 夢だとしたらすごいわね。むちゃリアル。 スマホに手を伸ばしたら手がスマホをすり抜けた。 やっぱりこうなるか。ばかやろー。
・・
気がつけば朝だった。 私はベッドから起き上がって頭を掻く。ああ、本体に戻ったのか。 時計を見ると7時半。 も少し寝ようかな。今日はお休みだし。 いつもの習慣でスマホをチェックすると飲み仲間の女友達から LIME のメッセージが入っていた。 『水曜いつものパブでどう?』 メッセージの時刻は 3:00。
記憶が鮮明に蘇った。 時計が3時になって、同じタイミングで着信通知。 夢と現実がここまで一致するなんてあり得ない。 あの幽体離脱は現実だったと確信した。
それなら──。 私は思った。 あの子に会わないといけない。あの女の子と話をしないといけない。
6. 土曜のせいか『すなっく けったい』は空いていた。 先客はサラリーマン風の若い男性が二人だけ。 JPOP の音楽が流れていたりして、いたって普通のスナックだった。
関西弁のママは私を覚えていた。 「昨日のお姉さんやね。途中で帰ってしもたから莉里(りり)ちゃんが残念がってたわよ」 「莉里ちゃんて?」 「手品のアシスタントしてた子やんか」 「ああ、チャイナ服の女の子ですね」 「そうそう。莉里ちゃんは赤沼さんのひ孫なのよ」 へえ、孫じゃなくてひ孫さん。
ママによると、あのお爺さん(=赤沼氏)は2年ほど前にふらりと現れて手品をするようになった。 ずっと一人でやってたけど、今年の春になって莉里ちゃんも一緒に来て幽体離脱のイリュージョンを始めた。 ��れが受けて、今では赤沼氏が来る日は手品好きのお客が集まるという。 「あの人も昔は名のある手品師やったらしいけど、今は道楽でやってる言(ゆ)うて笑(わろ)てはったわ」 「私、赤沼さんと莉里ちゃんに会いたいんです。連絡先ご存知ないですか?」 「お姉さんネットで配信してる人? それともマスコミ関係とか。それやったら会(お)うてもらえへん思うよ」 「違いますっ。あの、個人的に、すごく個人的に会いたいだけなんです」 ママはにやりと笑った。 「それやったら、ボトル入れてくれたら話そかな?」 「入れます!」 「よっしゃ。・・あいにく連絡先は分からへんけど、雲島のほうの公園でストリートなんとかゆうのをやってるのは聞いてるわ」 「ストリートパフォーマンスですか?」 「それそれ。やるのは日曜だけでそれも気まぐれや言うてはったから、絶対に会えるとは限らへんけどね」 「ありがとうございます。行ってみます」
「・・ママぁ、カラオケするでぇ」「はーい、どぉぞ」 サラリーマン組が歌い始めた。
「ところで何飲む?」 ママに聞かれた。 「あ、ボトル入れますから。・・その、一番安いので」 「さっきのは冗談やから無理せんでええよ。そやね、何でもいけるんやったらホッピー割なんかどう?」 初めて飲んだホッピーの焼酎割は爽やかで飲み易かった。 「美味しいです」「やろ?」 ママも自分のグラスに入れたホッピーをぐびりと飲んで笑った。 「お姉さんのお名前お聞きしていい?」 「私、けやきです。近本けやき」 「けやきちゃんね、覚えたで。・・それで二人に会うてどうするの?」 「昨日の手品で聞きたいことがあるんです。特に莉里ちゃんの方に」 「ふーん、さてはけやきちゃんも幽体離脱してもぉたんやな」 ぎっくう!!! 「がはははっ、そんな真顔で驚かれたらホンマに幽体離脱した思てまうやんか」 「いえ、あの」 思い切り笑われてしまった。
「さあ、カラオケ空いたで。あんたも遠慮せんと歌いっ」 「あ、はい。・・じゃあ『ふわふわタイム』を」 「がははっ、アニソン! ええやんっ」 それから私はカラオケでアニソンを歌い、サラリーマン二人と意気投合して歌いまくった。 ホッピー割はいつの間にかハイボールとストレートのジンに変わり、結局ボトルキープと変わらない代金を払うことになった。
7. 翌日はよく晴れていた。 私は『けったい』のママから聞いた公園に来ていた。 そこは野鳥や水鳥の観察ができる貯水池や広葉樹の森が広がる自然公園で、私は赤沼氏と莉里ちゃんを探して歩き回った。 どこにいるのか分からないし、どこにもいないかもしれない。
ふう。疲れてベンチに座り込む。 『けったい』で飲み過ぎたかしら。おかげで爆睡して金縛りも幽体離脱もなかったんだけど。 それにしてもこんなに広い公園って分かってたら、もっと歩き易い格好にしたらよかったな。 私はロング丈のワンピースにヒールを履いて来たのだった。
・・あれ? 遠くに人が集まっている。 なだらかな芝生の丘の上にレンガの壁で囲まれた噴水があって、��こで何かが行われていた。 噴水の上にふわりと浮かぶ人影が見えた。 白いワンピースを着ていて背中に羽根のようなものがついている。
私は立ち上がった。 息を切らせながら斜面を登り、ようやく噴水の端へたどり着いた。 見上げると噴水に虹がかかっていた。 きらきら輝く飛沫と太陽の光。 その光の中、4~5メートルくらいの高さを莉里ちゃんが "歩いて" いた。 肩を出した真っ白なキャミワンピ。大きく広がる天使の翼。ひらひらした裾から伸びる素足。 神々しいくらいに綺麗だった。
「莉里ちゃん!」 私が叫ぶと彼女はこちらを見下ろして驚いた顔をした。 噴水の中をゆっくり降下し、それから水面を歩いて外へ出てきた。 彼女の髪や衣装は少しも濡れていなかった。 噴水の畔には大きなキャリーバッグが置いてあって、莉里ちゃんはその中へ溶け込むよう消えた。 取り囲むギャラリーから「ほおっ」という歓声が上がる。 「すごい! このイリュージョン」「どうなってるんだろ?」会話が聞こえる。 そうだよね。イリュージョンと思うよね普通。
キャリーバッグの脇に白髪のお爺さんが立っていた。 それはもちろん赤沼氏だけど、明るい色のシャツとズボンで優しく笑う姿は『けったい』で見たのと全然違っていて驚かされた。 赤沼氏は観客に向けて親指を立てウインクすると、キャリーバッグを横に倒して蓋を開けた。 バッグの中には拘束衣を着せられて丸くなった莉里ちゃんが入っていた。 立ち上がって拘束衣を脱がせてもらう。 弾けるような笑顔。額に汗が光っていた。 やっぱり可愛い子だわ。
拍手の中、二人はお辞儀した。 足元に置いた菓子缶に小銭がぱらぱら投げ込まれる。 莉里ちゃんが私を見て手を振ってくれた。 薄いキャミワンピ1枚だけ纏った背中に天使の翼はついていなかった。
・・
「近本けやきといいます。先日は途中で帰ってしまってごめんなさい!」 ギャラリーがいなくなってから私は二人に挨拶した。 「あたしは気にしてません。それに、きっとまた会えると思ってましたから」 莉里ちゃんが答えてくれた。
「実は私、金縛りの癖があります」 「あ、やっぱり」 「あの夜、久しぶりに金縛りになりました」 「!!」 「それともう一つ、私も本当に驚いたんですけど、えっと・・」 言い淀んでいると赤沼氏が応えてくれた。 「貴女も幽体離脱したのですかな? 先程のこの娘と同じように」 「あ、あれ、やっぱり本物の幽体離脱・・ですか?」 「はい!」 莉里ちゃんがそう言ってにっこり笑った。
あっさり認めてくれてほっとした。マジックじゃなかった。 さっき見たのも、『けったい』で見たのも、どっちも本物の幽体離脱だったんだ。 二人に告白した。 「私も、生まれて初めて宙に浮いて、自分の寝顔を見下ろしました」
8. 狭いキッチンに香ばしい匂いが漂っている。 ここは赤沼氏が暮らす古びた公営団地。 夕食を食べていきなさいと誘われたのだった。
私は莉里ちゃんと並んで座り、準備する赤沼氏の背中を見ながら二人でお喋りした。 莉里ちゃんのフルネームは関莉里(せき りり)。16 歳で高校1年生だと教えてくれた。 ひいお爺さんの赤沼氏はこの団地に一人住まい。莉里ちゃんは近くの一戸建て住宅に両親と住んでいる。 彼女は赤沼氏のアシスタントを春休みの3月から始めた。 「皆さんの前でふわって浮かんでみせるの、楽しいんです」 そう言って明るく笑う莉里ちゃん。 昼間から着たままでいる肩出し白ワンピが眩しい。
「・・さあ、できたよ。こっちは桜海老のビスクと鮭の香草焼き。メインにチキンソテーのクリームチーズソース。バケットを切らしていたからカリカリに焼き上げた食パン。ガーリックバターをつけて食べて下され」 「これ全部赤沼さんが作ったんですか!?」 「びっくりでしょ? ひい爺ちゃんはお料理が得意なんです」 「昔はフレンチのシェフをされてたとか?」 「いやいや、メシ作りは好きでやっておるだけだよ」
食卓テーブルはないからと、床に置いた卓袱台(ちゃぶだい)を囲んでお料理をいただいた。 「美味しいです!」 「それはよかった。・・そうそう、ワインは飲むかね? ちょうどドメーヌ・トロテローの白があるんだが」 「い、いいんですか!?」 「遠慮は無用。ただしワインにしてはアルコール 15 度を超える強めの酒だ。いけますかな?」 「いけます!」
赤沼氏は笑って冷蔵庫からワインの瓶を出してくると、プロのワインソムリエみたいにスマートに栓を抜いた 「ではティスティングを・・。おっとその前に姿勢を正していただきたい」 「あ、すみません」 私はきちんと正座して、少しだけ注いでもらったグラスを鼻に近づけた。 「どうだね? 2020 年のロワールで最もリッチなワインだよ。ふくよかで甘い香りがするだろう?」 「そうですね、いい香り」 「ゆっくり口に含んで」 口の中に芳醇な香りが広がった。 「舌の上で転がせば辛口で、凝縮された果実感と酸味がたちまち貴女を酔わせようとする──」 「ああ、本当」 ふぁっと熱いものが広がる感覚。 酔ってしまいそう。 でもほんの一口試しただけなのに、私こんなに弱かったかしら?
ぽん。誰かに肩を叩かれた。 振り返ると、いつの間にか赤沼氏が後ろにいた。 「けやきさん、やはり貴女は暗示にかかり易いようだね」 「?」 「もう一度グラスの中身を飲んでみなさい」 ワインを飲むと味がしなかった。 あれ? 「それはただの水だよ」
「けやきさん、ごめんなさい」 莉里ちゃんが言った。 「あたしからひい爺ちゃんにお願いして確かめてもらったの」
・・
食事をしながら話を聞いた。 暗示は言葉やいろいろな合図を受けて誘導される精神的作用だという。 私はただの水をワインと思い込んだ。 思っただけじゃなくて、本当にワインの味と香りを感じたのだった。 赤沼氏はそうなるように私を導いた。これが暗示。
莉里ちゃんが言った。 「あたし、最初に会ったとき "金縛りの癖がありませんか?" って聞きましたよね。たぶんあれが金縛りの暗示になっちゃったと思うんです。ごめんなさい!」 「でも私にはもともと金縛りの癖があったんだし」 「それも暗示かもしれません。けやきさん、そんなにしょっちゅう金縛りをやってましたか? 癖があるって意識してましたか?」 え? そうだっけ?
「金縛りは睡眠障害の症状の一つと言われるが、それだけではない。暗示が金縛りの引き金になることもあるんだよ」 赤沼氏が説明してくれた。 「起こる起こると思っていると起き易くなるんですね」 「そう。だから逆に金縛りを起きにくくするのにも暗示が使えるし、起こったときに恐怖を感じないようにもできる」 「できるんですか? そんなこと」 「試してみるかね?」 「・・はい。お願いします」
食事の後、食卓を片付けて私は赤沼氏と向かい合って座った。 「貴女が金縛りになったときの状況を話して下さい。できるだけ詳しく、どんな些細なことでもいいから」 「はい、あのときは、」 あのときはベッドに入って、莉里ちゃんの幽体離脱を思い出していた。 金縛りの癖があるって言われたことを考えた。 それから莉里ちゃんが拘束衣を着せられるところを思い出して。 そうだ。私、自分が拘束衣を着て動けなくされるのをイメージした。 両手を前で組んで。ぎゅっと。
・・ブーン。耳鳴りが聞こえた。 あぁ、駄目! 身体ががくがく揺れるのが分かった。
「喝!!」 赤沼氏の声が響く。はっとして我に返った。 大丈夫、ちゃんと動ける。金縛りになんかなってない。 莉里ちゃんが横から肩を抱いてくれた。 「大丈夫ですよ、けやきさん」優しい声で言われた。 「怖い思いをさせてすまなかったね。・・しかし記憶を辿るだけで起こりかけるとは。よほど強い暗示か、さもなくば貴女の感受性が並外れているのか」 赤沼氏が言った。 「でも施術の方向は見えたよ。悪いがもう一度やらせてもらえるかね。もう怖い思いはさせないから」 莉里ちゃんに目を向けると、彼女はまっすぐ私を見て頷いてくれた。 私は答えた。 「やって下さい。お任せします」
・・
赤沼氏が奥の部屋から持って来たのは束ねた縄だった。 「背中で手首を交差させて」 手首に縄が巻き付いた。 それから二の腕と胸の上下にも縄が巻き付いて、全体をきゅっと締められた。 がっちり固められて動けない。 私は人生で初めて縄で縛られた。
仰向けに寝かされ、頭の後ろと背中で組んだ手首の上下に丸めた座布団を押し込まれた。 「床に当たって痛いところはないかね?」 「いいえ」 「では目を閉じて、リラックスして。大きく深呼吸。・・そう、ゆっくり、深く」 息を深く吸うと縄の締め付けが強くなった。 辛いとか苦しいの感覚はなかった。締め付けられることに快感すら覚えた。
「けやきさん、今、貴女は縛られている。貴女を包む縄に身を預けている」 「はい」 「貴女が感じるのは穏やかな心地よさ。縄に守られる安心感。とても気持ちよくて、ずっとこのままでいたいと思う」 気持ちいい。まるで抱きしめられているみたいに気持ちいい。 優しくて、暖かくて。 これは、幸福感。
「いい表情をしているね、けやきさん。貴女は縄に守られているんだよ。何も恐れなくていい。あらゆることが気持ちいい」 私は守られている。 この気持ちよさの中にずっといられたら、何も怖くない。
「たとえ金縛りでも気持ちいい。・・悦び、と言ってもいい」 そうか。 今の私にもう金縛りを怖がる理由なんてないんだ。 金縛りが来ても嬉しい。
「準備できたようだね。さあ、迎えたまえ」 ・・ブーン。耳鳴りがした。 私はそれを受け入れた。
目を開けると赤沼氏と莉里ちゃんがいた。私を見下ろして微笑んでいる。 動こうとしたけど動けなかった。 縄で縛られた腕はもちろん、首、脚、指の一本も動かせなかった。 完璧な金縛り。
怖いとは感じなかった。暗示をかけてもらったおかげだろうか。 私は落ち着いて自分の状態を確認する。 どこも痛くない。気持ち悪いところもない。 誰かが上に乗って押さえている感じ・・、なんてものも全然ない。 身体中の筋肉が脱力したまま、脳からの命令を無視しているイメージ。
面白いね。 嫌じゃないぞ、この感じ。 今までの金縛りで味わったことはなかった。こんな感覚は初めてだよ。 確かに悦びかもしれない。 私、マゾのつもりはないんだけど。 「どうかな?」赤沼氏が静かに聞いた。 「・・今、貴女は動けない。動けないが怖くない。金縛りは怖くない。それどころか快適に感じるんじゃないかな?」
・・はい、快適です。 答えようとしたら、ふわりと身体が浮かんだ。 あれ? 私はそのまま赤沼氏と莉里ちゃんを通り抜けて浮かび上がった。 あらら、また幽体離脱しちゃったんだ。
私は仰向けで後ろ縛りのままだった。 そのまま上昇して天井にぶつかる前に止まった。 前、後ろ、右、左。 自由に移動できることを確かめた。前と同じだ。 その場でくるくる回ってみた。 頭を下に向けて倒立した。楽しい。 おっとスカート。 慌てて見下ろしたらワンピースのスカートはめくれ上がることなく足先の方向へのびていた。 引力は関係ないのね。
前を見ると逆さになった二人と目が合った。 いや逆さになっているのは私の方だけど。 縄で縛られた女が倒立状態でふわふわ飛んでいる。暗がりで会ったら腰抜かすかも。 赤沼氏と莉里ちゃんには見えているんだろうか?
「もしもし、私のこと、どう見えてますか?」 「ええっ」「何と・・」 揃って驚かれた。 「聞こえたよね? ひい爺ちゃん」「はっきり聞こえた」 え、聞こえたらびっくりするんですか?
「貴女が逆さに浮かんでいるのはちゃんと見えておるよ」 「びっくりしたのは、離れていても声が聞こえたことなんです」 二人が説明してくれた。 「この間は莉里ちゃんも私に話しかけてくれたと思いますけど」 「あたしは相手の近くで囁くのが精一杯です」 そうだったのか。確かにあれは耳元で聞こえたわね。 「体外に分離した幽体が普通に会話できるのは大変なことだよ。幽体の濃度がとても高いことの証しだ」 幽体の濃度? さっぱり分からない。
「あの私、金縛りに入っただけなのに、幽体離脱までしちゃったみたいですみません」 「金縛りをきっかけにして幽体が分離するのは珍しいことではないよ」 「よくあることなんですか」 「そうなんだが・・、そこでふわふわされていたら落ち着かないな。申し訳ないが本体に戻ってもらえますかな?」 「あ、はい」 私は自分の身体の上に浮かんだ。 そこには後ろ手に縛られた私が両方の眼をかっと見開いたまま眠っている。かなり不気味だ。
「・・あの、どうやって戻ったらいいでしょう?」 「前に幽体離脱したときは?」 「朝、目が覚めたら戻ってました」 「そうか」 赤沼氏はしばらく思案し、それから奥の部屋に行って紙袋を持ってきた。 「莉里、これで戻してあげてくれるかい」 「これを使うの? 久しぶり!」
莉里ちゃんが紙袋から出したのは赤いゴム風船と空気ポンプだった。 「これは手品で使う風船です」 風船をポンプに繋ぐと、レバーをしゅこしゅこ押して空気を入れた。 「これは画びょうです」 左手に膨らんだ風船、右手に画びょうを持ち、眠り続ける私の本体の耳元で構えた。 「ちょ、莉里ちゃん何するの!?」
ぱんっ!! 大きな音がして私は目覚めた。 「つぅ~」 耳を押さえようとして、自分が後ろ手に縛られていることを思い出した。 「驚かせてごめんさない。これ、あたしが幽体離脱の特訓で戻れないときにやってもらってた方法です」 「幽体を元に戻すには聴覚の刺激が最も効くんだよ」 「そ、そうなんですか」
・・
起き上がって縄を解いてもらった。 淹れてもらったコーヒーを飲みながら、赤沼氏の説明を聞いた。 「元々けやきさんには幽体離脱の特別な能力があったんだろうね。それが急に活性化したのは、金縛りの暗示とおそらくスナックで莉里の実演を見たからだろう」 「私の能力って特別なんですか?」 「そうだね、けやきさんの幽体は濃度レベルが極めて高い。驚くべきことだ」
脳の神経細胞の接点をシナプスと呼ぶ。幽体と肉体の分離はシナプスの活動電位の乱れによって引き起こされる。 分離した幽体の濃度レベルが高いと幽体は可視化され、さらにレベルが高いと音声も伝わる。 レベルが低い場合は本人は離脱の記憶すらあいまいになり、たとえ覚えていても夢を見たと思うだけだ。
「これはわしの知り合いで一ノ谷という学者が提唱した理論だよ。もう何十年も前に死んでしまったが」 「そうなんですか」 「一ノ谷は超短波ジアテルミーという装置を作り、それを使ってわしの娘を訓練した」 え? 娘さんって、つまり莉里ちゃんのお婆ちゃん? 「今のは余計な話だった。忘れて下され」
「ひい爺ちゃん、これからどうするか話すんでしょ?」莉里ちゃんが催促した。 「おお、そうだったね。・・けやきさん、今、貴女が最も注意すべきは金縛りではなく幽体離脱なんだよ。使いこなす訓練が必要だ」 え? 「貴女のように幽体濃度レベルが高い人が無意識に離脱を繰り返すのはとても危険なんだ」 「もし今のまま幽体離脱が続いたらどうなりますか?」 「貴女自身の精神が不安定になる。やがて分離した幽体が独立した人格を得て勝手に行動するようになる。いわゆる生霊だね。娘もそれで危ない目に会った」 ええっ、それは困る。絶対に駄目。
「貴女はお勤めかな? それとも結婚して家庭におられるか」 「独身で勤めています」 男に振られたばかりで来年 30 のアラサーOLだよっ。 「では、後日改めてお越しいただけますかな? 今夜はもう遅い。これ以上続けると明日の仕事に差し障るでしょうから」 「分かりました。・・もしそれまでに幽体離脱が起こったら?」 「貴女の場合は金縛り状態でない限り、幽体の分離は起こらないと思っていい。そして貴女が金縛りになるのは縄で縛られているときに限られる。そういう暗示をかけたからね」 「つまり、縛られなければ安全なんですね?」 「その通り。もし貴女に誰かから緊縛を受ける趣味がおありなら、しばらく控えたほうがいい。その最中に幽体離脱が起こるかもしれない」 「そんな趣味はありません!」
莉里ちゃんが言った。 「けやきさん、実はあたしにも暗示がかかってるんですよ。あたしが幽体離脱するのは拘束衣を着せられたときだけです」 「莉里ちゃんも?」 「だって授業中に居眠りして勝手に離脱しちゃったらヤバイでしょ?」 そうか、だから莉里ちゃんはいつも拘束衣で幽体離脱してたのか。
・・
「では次は土曜日に来ていただくことでよろしいかな?」 「分かりました。時間は?」 「あの、」莉里ちゃんが右手を上げて言った。 「土曜の夜でもいいですか? 日曜日までゆっくりしてもらうことにして」 「夜? ・・なるほど」赤沼氏は何か分かったようだった。 「けやきさん、すまんがこの子の希望に合わせて夜でもよろしいかな?」 次の土曜の夕方6時に再訪の約束をして、私は赤沼氏の住まいを辞した。 すぐ近くにある自宅へ帰るという莉里ちゃんも一緒に出てきて、二人で並んで歩いた。
歩きながら莉里ちゃんは、赤沼氏の娘さん、つまり莉里ちゃんのお婆さんについて教えてくれた。 もう 60 年近い昔、赤沼氏は娘さんと一緒にサーカスで幽体離脱の見世物をやっていた。 娘さんは『リリー』と名乗っていて、彼女が見せる幽体離脱は大評判。当時の新聞に載ったほどだという。 リリーさんは 19 歳のとき父親の分からない女の子を出産し、その翌年に病気で亡くなった。 この女の子が莉里ちゃんのお母さんになる。
「あたしのママに幽体離脱の力はなかったんです。ごく普通に結婚してあたしを生んでくれました」 「莉里ちゃんの能力は赤沼さんが気付いたのね」 「はい。中1のとき金縛りになって固まってるところを見つけてくれました。あれがなかったら、あたし今頃本当に生霊になって飛び回ってたかもしれません」 莉里ちゃんは両手を前で揃えた幽霊のポーズで笑った。
「しばらくして離脱の特訓を始めました。ひい爺ちゃんは急に流しの手品師なんて始めたりして。それまであたし、ひい爺ちゃんが元手品師だってことも知らなかったんですよ」 「昔リリーさんと見せたショーをまたやりたかったのかもしれないわね」 「きっとそうです。ママもそう言って、あたしがお手伝いすることに賛成してくれました」
莉里ちゃんの家の近くまで来て、私は莉里ちゃんと LIME のIDを交換した。 「赤沼さんのアカウントも教えてもらっていい?」 「ひい爺ちゃんはスマホ持ってません」「そっかー」
「けやきさん、あたしね、」 「何?」 「ずっと一人だと思ってたんです」 「?」 「こんなことができるの、もうあたし一人だけと思ってたんです。でも、けやきさんと会えました」 「莉里ちゃん・・」 「ものすごく嬉しくて、泣いちゃいそうなんですよ、あたし」 そう言うなり私に抱きついた。 「これからも一緒にいて下さい。お願いします!」 彼女の背中を撫でてあげた。 「私こそお願いするわ。これからもいろいろ教えてね、先輩」 「まかせて下さい! ・・今度一緒に飛びましょね」 え、飛ぶの? 「じゃあ、サヨナラ!」
手を振って走って行く莉里ちゃん。 真っ白なキャミワンピの裾が広がって揺れていた。 ちょっと大人びてるけど、まだ 16 歳なのよね。 素直で明るくて本当にいい子だわ。
ふと気付いた。 あの子、幽体離脱できるのは自分一人って言ってたよね。 ひいお爺さんの赤沼氏自身に能力はないのかしら? リリーさんのパパなのに。
9. 週明けから急に仕事が忙しくなった。 残業が続いて毎夜牛丼屋か深夜ファミレスの生活。 飲み友達を『けったい』に連れて行きたいと思ってたけど、それも叶わずあっという間に週末になった。
SNS であの噴水パフォーマンスの評判をチェックしてみたら、やっぱりイリュージョンだと思われているようだった。 そりゃあれ見て本物の幽体離脱と判る方が変よね。 女の子が可愛い!という書き込みがたくさんあったのは納得したけど。
金縛りはまったく起こらなかった。 一度だけ、ベッドに入って自分が縛られているところを妄想した。 赤沼氏に縛られた縄。身体を締め付けられるあの感���。 思い出すと少しだけ胸がきゅんとしたけど、金縛りの前兆であるブーンという耳鳴りは聞こえなかった。 ちょっと残念、だったりして。
10. 土曜日。 約束の時刻に赤沼氏を訪ねた。 莉里ちゃんも先に来て待っていてくれた。
私はまだ自分の意志で自由に幽体離脱できない。 前回は赤沼氏に誘導してもらって金縛りになり、その後勝手に幽体が離れてしまった。 自分で幽体離脱って、いったいどう��ればいいんだろう?
「・・幽体離脱が起こるのは金縛り中に限ったことではないよ。強い衝撃を受けたとき、意識障害や失神したとき、酩酊したとき、あるいは普通の睡眠時にも起こり得る」 赤沼氏が教えてくれた。 「でも結局、離脱のハードルが一番低いのは有意識下の金縛り中なんだよ。パニックにならず落ち着いて自分を保てばいい。・・けやきさんはもう金縛りに恐怖はないだろう?」 「はい。縄で縛っていただけたら」 「では貴女の目標は、まず緊縛されて誘導なしで金縛りに入ること、それから意識を体外に向けて分離すること。ゆっくり練習すればいいよ」 「はい」
「けやきさん、あたしも金縛りになってから離脱してるんですよ」 「莉里ちゃんも?」 「そうですっ。コツを掴んだら難しくないです。けやきさんなら絶対にできますよ!」 「ありがとう。やってみる」
・・
私は前回のように床に寝るのではなく、椅子に座って後ろ手に縛られた。 手首と腕、そして胸の上下を絞める縄が心地よい。 縄に抱きしめられる感覚。 肉体は自由を奪われるのに、心には安心感と幸福感が広がる。 ほんと暗示ってすごい。 いつか自由自在に幽体離脱できるようになっても、この暗示だけは解いて欲しくない。
自分の胸に食い込む縄を見下ろした。 そうか、こんな風になってるのね。 我ながらセクシー。もうちょっとお洒落してきたらよかったと思ったくらい。 今夜は特訓だからと、私は動きやすいスキニーパンツに半袖のオーバーニットを合わせて着ていた。 せめてノースリーブとか、もちょっと肌を出したトップスにしておけば、・・って何を考えてるんだ私は。 これは真面目な訓練なのに。 「けやきさん、顔が赤らんで綺麗。羨ましいです」 「あ、ありがとう」 莉里ちゃんに指摘されて焦る。 今は邪念を払って集中しなきゃ。深呼吸を繰り返す。
「OKだよ。この先は貴女一人で行くんだ」 赤沼氏が私の肩に手を置いて言った。 「心の準備ができたら、いつでも始めなさい」 「はい」
私は目を閉じた。 身体を絞め付ける縄の感覚。大丈夫、何も怖くない。 これから私は肉体の自由を明け渡す。その代わりに精神を肉体から解き放つのだ。
・・ブーン。耳鳴りがした。 その音は以前より少し柔らかくなって聞こえた。
自分の身体を意識した。 その身体はまるで時間が止まったかのように静止していた。 外の世界を意識した。 そこには私を拒まない自由な空間が広がっていた。 行ける──。
私は虚空を見上げて飛び上がった。 自分が肉体から離れるのが分かった。 「おおっ、飛んだ!」「けやきさーん!」 赤沼氏と莉里ちゃんが私を見上げていた。 「どうですか? 私の幽体離脱」 私は二人の上空に浮かんで微笑んだ。 宙に浮かぶ緊縛美女、なんちて。 ちょっぴり、いや結構誇らしかった。
・・
私はしばらく空中に浮かんで元の身体に戻った。 戻るときもスムーズだった。 幽体を肉体に重ね、じんわり融合するイメージを描けばよかった。 初めての単独幽体離脱は大成功だった。 たった1回のトライで成功するとは正直思っていなかったと赤沼氏にも言われた。
「さて腹が減ったね。けやきさんも夕食はまだだろう?」 「え、また用意してもらったんですか!?」 「好きで作っとると言っただろう?」
私は緊縛を解かれた。 本当は縄に抱かれる快感にずっと浸っていたかったけど、縛られたままじゃご飯は食べられないものね。 赤沼氏が作ってくれたのは和食だった。 大根のべっこう煮、厚揚げと小松菜の煮びたし、鯖塩焼きに豚汁。 「すごいですっ」 「ありきたりの献立だと思うがね。けやきさんは自分で料理せんのかね?」 「あ、私は外食が多くて。・・でも今は家で作らなくても十分やっていけますから。ね、莉里ちゃん!?」 「お嫁に行くならお料理はできた方がいいですよ、けやきさん」 ズキューン。莉里ちゃんを味方につけようとして逆に撃たれてしまった私。
・・
莉里ちゃんが言った。 「けやきさん、次はあたしと二人で飛びませんか?」 「そういえば莉里ちゃん一緒に飛びたいって言ってたわね」 「それはやった方がいい。一緒に行って教えてもらうことがたくさんあるはずだよ」 そうだね。いっぱい勉強することはあるんだ。 よし、空でも何でも飛んでみせるわ。
今日の莉里ちゃんは膝上ショートパンツとボーダー柄のTシャツを着ていた。 その上に拘束衣を着て袖に手を入れ、その袖を赤沼氏が背中に取り回して強く絞った。 だぶだぶの拘束衣がきゅっと締まったのが分かる。 これで莉里ちゃんは両手を動かせない。 「えへへ、ぎちぎちです」 屈託なく笑いながら言われた。
次は私の番。 再び後ろ手で縛られた。 きっちり両手が動かないことを確認して安心する。 いいな。やっぱり嬉しい。 「私もぎっちぎち」 莉里ちゃんにそう言って笑いかけた。
「行きましょ! けやきさん」「うん、行こう」 目を閉じて、深呼吸。
「けやきさん、」莉里ちゃんが小声で言った、 「はい?」 「一緒に拘束されてるの、嬉しいです」 どき。 「もうっ、集中できないでしょ!」「えへへ、ごめんなさい!」
・・ブーン。耳鳴りがした。 莉里ちゃんが少し震えて動かなくなった。隣で私も固まった。 そして──。
私と莉里ちゃんは部屋の中に浮かんでいた。 互いに微笑み合う。 莉里ちゃんが赤沼さんの近くへ行って挨拶した。 「行ってくる、ひい爺ちゃん」 「うん、気を付けてな」
莉里ちゃんは笑って私を手招きすると窓ガラスを通り抜けていった。 私も赤沼氏に会釈して、窓を抜け外へ出た。
11. 夜の空に浮かぶと私たちはとても小さな存在だった。 「うわぁ~~!!」 小さな子供みたいに叫んだ。
天空に瞬く星々。 眼下にはマッチ箱みたいな団地。 そして周囲 360 度に煌めく街の夜景。 ガラスの粒をばらまいたみたいに綺麗だった。 碁盤目に走る道路と車のライトの列。あそこですれ違う光の線は電車。 はるか彼方に見える超高層ビル群。虹色に光るテレビ塔。
「莉里ちゃん今までこんな景色を独り占めしてたの!?」 隣に浮かんでいる莉里ちゃんに聞いた。 「まあ、空に上がれば見放題ですからね」 「すごいなぁ。これ見れただけで幽体離脱に感謝だわっ」 「うふふ。・・よかった!」 「何がよかったの?」 「幽体同士だと普通にお話しできて。私だけけやきさんの傍で囁かないと駄目かもって、ちょっと心配してたんです」 「ああ、そうか」 幽体のときの莉里ちゃんの声は、普通の人間にはよほど近くでないと聞こえないのだった。
「でもほんと夢みたい! 一緒に飛んでくれる人がいたなんて」 莉里ちゃんは笑顔で両手を広げて一回転した。 暗闇の中でくっきり見えた。 ショートパンツとTシャツ。よく見たら髪に白い造花のバレッタをつけていて可愛い。 私も両手を広げようとして、後ろ手に縛られていることに気付いた。 そういえば莉里ちゃん、いつも幽体離脱したときは拘束衣が消えるわね。
「ねぇ莉里ちゃん、今更だけど拘束衣は?」 「はい、これですか?」 莉里ちゃんを包むように拘束衣が出現した。両手が固定されたぎちぎちの拘束。 「ええーっ!?」 「見た目なんていくらでも変えられますよ?」 拘束衣がふっと消えた。 替わりに莉里ちゃんの背中に大きな翼が生えた。噴水の上に浮かんだときの翼だった。 「はいっ、天使に変身です」 「そ、それ私にもできるの?」 「できますよ。頭の中でなりたい姿を思い浮べるだけです」 ・・じゃあ。 私を縛っていた縄が融けるように消えた。両手が自由になった。 「できた!」「はい、よくできましたー」 「どうして言ってくれなかったの? 変身できるって」 「すぐに気が付くと思って。それにけやきさん、縛られたままで嬉しそうだったし」 「う・・。あれは暗示のせい!」 「うふふ」
莉里ちゃんの服装が変わった。 肩出しの白いキャミワンピ。背中に翼も生えて正に天使だった。 「けやきさんも!」「うん!」 私も莉里ちゃんと同じ衣装になった。背中に翼も。 あれ? 翼の先端が薄れて消えかかってる。 「あたしの姿を見て、しっかり隅々までイメージして下さい」 翼がくっきり表れた。 「OKです!」
「ねぇっ、私たちどこでも行けるんでしょ? スカ○ツリー、見下ろしたいな」 「んー、行けなくはないけど、都心まで急いでも4時間くらいかかりますよ」 「え? どうして?」 「地面を歩くのと同じ速さでしか進めませんし、帰りの時間も考えたら朝になっちゃいますね」 「ぴゅーんって飛べないの? そうか一瞬で移動とか」 「そんな魔法みたいなこと無理ですよー」 幽体離脱だって魔法みたいなものだと思うけど。 「スカ○ツリーは無理だけど、お勧めのコースがありますよ! 行きませんか?」
・・
二人で夜の街を飛んだ。 ビルの上、道路の上。駅の上。 翼を広げて飛ぶのは気持ちよかった。
夜の小学校に降りた。 誰もいない校庭で莉里ちゃんと滑り台を滑ったり、ジャングルジムに登って遊んだ。
自然公園の森を飛び抜けた。 高度1メートルで飛んでも木の枝や幹が邪魔にならない。全部通り抜けられるんだ。 森を抜けたところで先を行く莉里ちゃんが貯水池に飛び込んだ。私も続いて飛び込む。 どぶん。 鳴るはずのない水音が聞こえた、ような気がした。 水中で動かない魚の群れを突き抜けて、水面から上空に飛びあがった。 もちろん私たちはぜんぜん濡れていない。
高圧線の鉄塔をネコバスみたいに登り、両手を広げて電線の上を歩いた。 ジャンプしてトトロみたいに回りながら着地した。 楽しい。初めて外に出してもらった子犬みたいにはしゃいだ。
「次はちょっと冒険です!」 莉里ちゃんが指差したのは幹線道路沿いにそびえる巨大なショッピングモールだった。 もう遅い時刻なのに歩いている人が多い。さすが土曜の夜。 誰にも見られないよう物陰に降り、変身を解いて天使から元の恰好に戻った。 莉里ちゃんは膝上ショーパンにボーダーのTシャツ。足元はバスケットシューズ。 私はスキニーパンツと半袖オーバーニットにパンプスを履いている。 さあ、行こう。モールの通路を並んで歩き出した。 心臓がドキドキしてるのが分かる。幽体なのに。
何人もすれ違って誰にも気付かれない。 「意外とばれないものね」「ばれたら大変ですけど」 「そりゃそうだ」「うふふ」 調子にのってエスカレーターに乗ったりベンチに座ったりした。
ベンチにいると、ヨークシャテリアを抱いた女性が前を通りすぎた。 と、その犬が私たちを見て唸り声を���げた。 女性の手から飛び降りて吠え掛かってきた。 やば! 私たちは慌てて逃げ出した。 通路を走り、角を曲がった。きっと床から足が離れていたたと思う。 正面は全面ガラスのテラスになっていた。誰もいない。ラッキー! 私たちは二人並んでガラスを走り抜けた。 3階から外に飛び出すとモールの外壁沿いに急上昇した。 「おっと!」「ひゃあっ」
高く上がって近くを流れる川の上に出ると、すぐに真っ黒な水面ぎりぎりまで降下して一直線に飛んだ。 いくつも橋をくぐって進むと前方に大きな道路橋が見えた。 それは鉄骨を台形に組んだトラス橋で、オレンジ色の照明が鉄橋全体を照らしていた。 「莉里ちゃん、あそこっ」「はい!」 私たちはトラスの一番上の梁に並んで座った。 「えへへ。びっくりしましたねー」 「ほんと、どえらい冒険だったわ。・・いつもやってるの? あんなこと」 「たまに。でも吠えられたのは初めてです」「犬には分かるのかな」 「そうかも。・・驚きました」 莉里ちゃんは自分の胸を両手で押さえた。 「これからは控えることにします。ああいう冒険は」 「その方がいいわね」
足をぶらぶらさせながら見下ろすと、橋の上を車がたくさん走っていた。 誰かが上を見たらきっと気付くだろうね、あり得ないところに座る女の子の姿に。 目立たない恰好に変身した方がいいかな。 いっそ透明なら絶対に見えないけど。
「ね、透明になれないの? 私たち」 「なれません。お婆ちゃんは透明になれたらしいんですけど」 「リリーさんのこと?」 「ひい爺ちゃんから���いただけですけどね。幽体離脱も特別な暗示なしで自由にできたそうです」 「すごい人だったのね」 「はい。それで暴走したって話も」 「?」 莉里ちゃんはふわりと浮かんで言った。 「もう一箇所だけ、つき合ってもらっていいですか」
12. もう深夜だった。 たった今走って行った電車はそろそろ最終電車ではないかしら。 周囲は街路樹と街灯が整然と並ぶ住宅街。 私たちは電車の線路に降りた。 「昔、この辺りは一面の雑木林で蒸気機関車が走っていたそうです」 「へぇ」 「ここはお婆ちゃんが生霊になった場所です」 「!」
リリーさんは幽体離脱を繰り返し過ぎて精神が不安定になった。 やがて幽体が独立した意志を持ち、勝手に本体から分離して徘徊するようになった。 ある夜、眠っている本体を起こして外へ連れ出した。 赤沼氏が発見したとき、幽体と本体は線路の上を迫りくる列車に向かって歩いていた。 轢かれる寸前、赤沼氏はリリーさんを抱きかかえて救出した。 それから赤沼氏は一ノ谷博士の協力でリリーさんの精神を安定させ、リリーさんが勝手に幽体離脱することはなくなった。
「まさか幽体が生霊になって本体を殺そうとするなんて、思ってもいなかったでしょうね」 「・・」 「だからあたしは暗示をかけられました。勝手に離脱しないように。拘束衣を着たときだけ幽体離脱できるように」 「そうだったのね。私の縄の暗示も同じなのね」 「そうです」 莉里ちゃんは遠い目になって言った。 「暗示の理由を教えてもらったとき、ひい爺ちゃんはこの場所で起こった事件のことも教えてくれました。・・それ以来あたしはときどきここへ来てお婆ちゃんのことを考えています」 「リリーさん、ずっと怖かったのかしら」 「そうかもしれませんね」 「ねぇ、莉里ちゃん。お婆さんはどんな人だったの?」 「無口でおとなしい人だったらしいです。それ以上のことは、ひい爺ちゃんは何も教えてくれません」 「そう」
「・・そうだっ、」 莉里ちゃんは突然にやっと笑った。 「けやきさん、ひい爺ちゃんはずっと独身だって知ってます?」 「あれ? リリーさんがいたのに?」 「ひい爺ちゃんは今年 83 歳です。お婆ちゃんは 19 であたしのママを生んで、ママは 31 であたしを生みました。それで計算すると、ひい爺ちゃん 17 歳でお婆ちゃんが生まれたことになるんです」 「あらら」 赤沼氏、若いときに "やらかした" のかしら? 「じゃあリリーさんのお母さんは」 「分かりません。きっと事情があって結婚できなかったんだろうってママが言ってました」 そうか。それならリリーさんは自分の母親を知らずに育ったのかもしれない。 寂しかっただろうな。
・・
突然風景が変わった。 住宅街が消え、灯り一つない雑木林になった。 電車の線路は木々をかすめるように敷かれたか細い単線の線路に変わった。 私たちの前方に人影があった。 幼い少女が二人、並んで線路を歩いている。 白い寝巻らしきものを来た二人は瓜二つだったけど、片方の少女はぼんやり半透明に見えた。
がしゅがしゅがしゅ。 遠くに機械音が聞こえた。列車が来るんだ。 その音は次第に大きくなった。 やがて黄色いヘッドライトが一つ、こちらに迫ってきた。 少女たちは歩みを止めない。 ボウォーッ!! 汽笛の音。 危ない!!
・・
「見えたんですね?」 莉里ちゃんの声がした。 私と莉里ちゃんは住宅街を抜ける線路にいた。 「残留思念っていうんでしょうか、あたしにも見えるんです。もう 60 年も昔のことなのに」 「幽体になった私たちだけに見えるのかしら」 「たぶん。誰にでも見えたら『幽霊の出るスポット』で有名になるでしょうから」 「それは残念ね。動画に上げたらバズるのに」 「それだったらもっといいネタがありますよ。・・あたし達自身です」 「それもそうね」「うふふ」
・・
二人が赤沼氏の団地に帰りついたのは、日付が替わってだいぶ過ぎた時刻だった。 寝ないで待っていてくれた赤沼氏は叱りもせずに私たちの拘束を解いてくれた。 程なく莉里ちゃんはぐっすり眠ってしまい、それを見届けてから赤沼氏はとっておきのバーボンを開けてくれた。 「水ではありませんぞ」 「あはは、水と判っても騙されたふりして飲みます」
赤沼氏は、莉里ちゃんがこんなに晴ればれした顔で帰ってきたのは初めてだと嬉しそうに話してくれた。 今まで誰にも言えなかった秘密を私に話せた。一人でしかできなかった体験を共有できた。 それは私という仲間ができたからと言ってくれた。 「これからもこの子に寄り添って下されば、こんな嬉しいことはありません」 私は少し考えて返事した。 「これからもお二人のこと、お手伝いさせて下さい」
13. 『すなっく けったい』に行くとさっそくママに声をかけられた。 「けやきちゃん! もう来てくれへんかと思てたわっ」 「すみません、ご無沙汰しちゃいまして」 「ええんよ。はい、こっち座って!」
カウンター席に座りホッピー割を頼んだ。 ああ、美味しいな。 これからも『けったい』に来たら一杯目はホッピー割にしよう。
「さすがに今夜は賑わってますね」 「そら第3金曜やからね。けやきちゃんも手品見に来たんやろ?」 「もちろんです」 「そういえば、あんときは莉里ちゃんと会えたの?」 「おかげさまで、何もかもうまくいきました。・・本当にママさんのおかげです。感謝しきれないくらい」 「何や、気持ち悪い」 ママは不思議そうな顔をしたけど、それ以上は何も聞かずに笑ってくれた。
・・
「こんばんわーっ」 チャイナ服の莉里ちゃんが入ってきた。その後ろに真っ黒なマントとタキシードの赤沼氏。 赤沼氏は年中こんな恰好で手品をするのは大変だと思う。 でも本人に言わすと「これがわしのアイデンティティ」ということらしい。
いつものカラオケコーナーで二人が挨拶すると一斉に拍手が起こった。 莉里ちゃんが私を見つけてウインクしてくれた。 うん、ちゃんと来てるよ!
赤沼氏の手品が始まる。莉里ちゃんはアシスタント。 トランプを扇形に開いたり閉じたり繰り返すとカードがどんどん大きくなった。 財布を開くと中から小さな火が出て燃えたり、両手の間にステッキを浮かせて踊らせたりした。 ハラハラドキドキするような手品じゃないけど、ちょっと不思議で楽しい。 安心して見ていられる手品。 これが赤沼さんのテイストなんだと改めて思った。
さあ、次は幽体離脱イリュージョン。 皆が期待するのが分かる。 莉里ちゃんがカウンタースツールを2脚持ってきてカラオケコーナーに置いた。 「ん? 何で二つ?」誰かが呟いた、 莉里ちゃんは店内をまっすぐ私の方に歩いてきた。 「こちらへどうぞ」 私の手を取って言った。 店内がざわつく。 ・・いつもと違うぞ? 何が起こるんだ?
私は一度は遠慮して断り、再び誘われて首を縦にふった。 羽織っていたジャケットを脱いで席に置く。 立ち上がった私の恰好はノースリーブのブラウスと膝上タイトミニ、黒ストッキングにハイヒール。 今夜のサプライズのために選んだコーデなのだ。 脚を見せるなんて3年ぶりだぞ。
莉里ちゃんに連れられてカラオケコーナーに置いたスツールの片方に座った。 赤沼氏が縄を持っている。 私は黙って腕を背中に回した。 「緊縛!?」 女性のお客さんが両手を口に当てて驚いている。
赤沼氏が耳元で囁いた。 「少々厳重に縛りますよ」 私は無言で頷く。 厳重なのは大歓迎。それだけ私は守られるのだから。
腕が捩じり上げられた。手首を固定する位置がいつもより高いような。 二の腕の外側から胸の上下に縄が回される。 別の縄が腕と胸の間に通されて、胸の縄をきゅっと絞った。 ・・はうっ。 思わず息を飲んだ。こんな縄は初めて。 むき出しの肌に縄が食い込む感触。ノースリーブにしてよかったと思った。 ストッキングを履いた膝と足首にも縄が掛かった。 脚を縛られるのも初めてだった。
気持ちいい。 縄の暗示で導かれる安心感。 それだけじゃない気がした。味わったことのない快感。
隣で莉里ちゃんが拘束服を着せられていた。 袖が強く引き絞られている。 うん、ぎっちぎち。 私も莉里ちゃんも拘束感の中にいるのね。互いに微笑み合った。 大丈夫、いつでも金縛りに移行できるわよ。
赤沼氏が大きな布をふわりと広げ、私たちはその中に包まれた。
・・
チャイナ服の女の子とノースリブラウスの女が空中に出現した。 拘束服も縄も纏っていない。 その代わり二人の背中には大きな翼が生えていた。 お客様の真上で優雅にお辞儀すると、両手を広げてくるくる回った。 私たちは自由だった。 天使のように舞って自由自在に飛び回った。
・・
布が取り払われると、私たちは再び拘束された状態でスツールに座っていた。 お客様全員からスタンディングオペレーション。 赤沼氏がまず莉里ちゃんの拘束衣、そして私の縄を解放してくれた。 「けやきさん!」 莉里ちゃんからハグされた。
それは抱きしめられた瞬間だった。 背筋に電流が走った。 はぁん! 身を反らせて快感に耐えた。 まだ縄で縛られている感覚が残っていた。 気持ちいい。子宮がじんじん震えそうなくらい気持ちいい。 どうしたんだろう。 縄を解いてもらえば暗示は解けるはずなのに。 一歩、二歩、前に進もうとして私はその場に崩れ落ちた。
気が付くとソファに寝かされていた。 まわりを赤沼氏、莉里ちゃん、『けったい』のママ、そして『けったい』のお客さんたちが囲んでいた。 ほのかなエクスタシーが残っていた。 素敵なセックスに満たされた後の余韻のような。 ・・とろけそう。 寝ころんだまま私はだらしなく微笑んだ。
ママが言った。 「・・縄酔いやな。がはははっ。赤沼さん、この人相手に張り切り過ぎたんとちゃう?」 「ううむ。久しぶりの高手小手縛り、つい縄に力が入りましたかな。いやこれは申し訳ない」 「あんた縄師の仕事もしてたん?」 「昔のことです」 莉里ちゃんがきょとんとして聞いた。 「あの、縄師って何ですか?」 小さなスナックに皆の笑い声が響いた。
14. 『けったい』で鮮烈?デビューを果たした私は、それから本格的に赤沼氏と莉里ちゃんのお手伝いを始めた。 二人の手品やパフォーマンスに裏方として同行し、たまにサプライズで幽体離脱イリュージョンに参加する。 主役はあくまで莉里ちゃんだからね。
莉里ちゃんの将来の目標はひいお爺ちゃんのような手品師になること。 赤沼氏に習って手品の練習を始めたし、高校を卒業したらプロについて修行する話もしているようだ。 幽体離脱は大切な自己表現だけど、莉里ちゃん自身はそれを手品のオプションでやる必要はないと考えている。 いつか、超常現象やオカルトではなく、普通の能力として世の中に認められるようになったら、そのとき堂々と見せたい。 それまでに「仲間」が見つかるかもしれないし。 彼女の意見に赤沼氏も私も賛成した。 先は長そうだけど私も全力で応援するつもり。
私は赤沼氏からそろそろ暗示を外してあげようと提案された。 暗示とは、私が金縛り状態に入れるのは縄で縛られているときだけ、という条件付けのことだ。 今の私なら縛られていなくても不用意に幽体が分離することはない。生霊になる心配はないから暗示は不要。 わざわざ申し出てくれたのは、おそらく私の私生活への配慮だ。 一人でいつでも幽体離脱を楽しめるように。 もし私がプライベートでも縛られることを望んだとき、幽体離脱の懸念なく存分にプレイを楽しめるように。
その心遣いにはとても感謝するけれど、私は今のままでいたいと返答した。 誰かに縛られることで幽体離脱の自由を与えてもらう。 とても受動的。でも私はそれが嬉しい。身震いするほど嬉しい。 その「誰か」は今のところ赤沼氏。そしてこれからは莉里ちゃんかもしれないし、未だ現れないパートナーかもしれない。 マゾだね。もう素直に認めるよ。 でもこれは私の特権なんだ。こんな素敵な特権を手放すなんて考えられないよ。
莉里ちゃんからは、けやきさん早く婚活すべきです、と強く言われている。 「けやきさんお料理苦手だからごはんを作ってくれる人、最近けやきさん縛られたらとっても色っぽくて綺麗だから緊縛も上手な人、それと、ときどき幽体離脱しても呆れないでずっと愛してくれる人! この三つは絶対譲れない条件です!」 そんな都合のいい相手が見つかるかしら? でも運よくそんな人と結婚できたら、そのときは赤沼氏に暗示を外してもらおうと思う。 莉里ちゃんに言わせると、ひい爺ちゃんはとても元気で 100 歳まで絶対に死なない! らしいから、まだまだ時間はあるわね。 理想のパ��トナー探し、頑張ってみよう。
[1963(昭和38)年]
15. その女の子は4歳で、いつも一人でいた。 感情を露わにすることは少なく、話しかけられたときに最低限の受け答えはするけれど、自分から他人に話しかけることはなかった。 この施設にいる子には暴れる子や泣いてばかりの子もいたから、女の子はむしろ手がかからない子として扱われていた。 元々は戦災孤児の保護を目的に設立された施設だが、終戦から 18 年が過ぎた今では親のいない子、育ててもらえない子、その他いろいろな事情の子供がここで暮らしていた。
自由時間になると女の子はよく鉛筆で絵を描いていた。 その絵は人物画のようだけど、いつも顔面がのっぺらぼうで誰だか分からない。 施設の職員から「誰を描いてるの?」と聞かれても、女の子は黙ったままで何も答えなかった。
「上手だねぇ。もしかして君のお母さん?」 突然声をかけられて女の子が顔を上げると、知らない人が微笑んでいた。 その人は 20 歳そこそこの若い男性で、頬がこけていて目だけが大きいちょっと昆虫みたいな顔だけど、笑顔には優しさがにじみ出ていた。 彼女が描いていたのは確かにお母さんだった。 どんな顔か覚えていないから、のっぺらぼうにしか描けない。 でも記憶の中には自分を抱きしめてくれた母親が確実に存在していた。
どうして分かったんだろう? 不思議そうな顔をして男性を見上げる。 「もうすぐ手品をするんだ。見に来てくれるかな?」 その男性は慰問で訪れた手品師だった。
集会室に子供たちが集まって手品を見た。 右手で消えたコインが左手に移動する。手の中からカラフルなカードが何枚も現れる。空の箱から生きたウサギを取り出す。 初めて見る手品に女の子は目を見張った。 最後は大きな黒布を両手に持って広げると、手前に小さなお人形が出てきてふわりと浮かんだ。 お人形はどこにも支えがないのに宙を飛びながら楽しそうに踊った。
まばたき一つしないで見つめながら女の子は思う。 いいなぁ。わたしも飛びたい。 あんなふうに飛んでお母さんに会いに行きたい。
ショーが終わると手品師は女の子にお人形をくれた。 「君が一番熱心に見てくれたからね。そのお礼」 背の高さがほんの 10 センチくらいのセルロイド製の少女人形だった。 手品師は手品で使う人形とは別に、プレゼント用に安価な人形を用意していたのだった。 お人形は女の子の宝物になった。
・・
数週間後、施設で異変が起きた。 深夜、巡回していた職員が廊下で女の子を見た。声を掛けるとその姿はふっと消えた。 さらに数週間過ぎた夜、食堂の天井の近くに女の子が浮かんでいた。腕にあのセルロイドのお人形を抱いていた。 目撃した職員が腰を抜かして動けない間に、女の子は壁の中に溶けるように消えた。 そしてその翌月、2階の窓の外を女の子が飛んでいた。昼間のことであり複数の職員が目撃して大騒ぎになった。 皆で女の子を探すと、女の子は誰もいない遊戯室で一人眠り込んでいた。 慌てて起こして問いただしても本人は何も覚えていなかった。
職員の中に女の子のことを『悪魔ッ子』と呼ぶ者が現れ、やがてその名は子供たちも広がって女の子は苛められるようになった。
・・
女の子が職員室に呼ばれて来るとあの手品師がいた。 人づてに噂を聞いてやって来たのだった。
手品師は女の子の目をじっと見つめて言った。 「きっと飛びたかったんだね。お母さんに会いに行きたいのかな?」 分かるの? わたしの気持ち。 「君は特別な女の子だ。あのとき気付いてあげられなくて悪かった」 この人は何を言ってるんだろう。 でも、いい人だと思った。信じても大丈夫。この人なら大丈夫。
手品師はにっこり笑った。優しくて暖かい笑顔だった。 「僕と一緒に手品をしないかい?」 手品!? あの手品の情景が蘇った。 「自由に飛べるようにしてあげるよ。きっとすごい手品ができる」 ええっ!? 「やりたい。手品も、飛ぶのも、全部やりたい!」 女の子は初めて自分から喋った。
「僕は赤沼っていうんだ。君の名前は?」 「わたしはリリー。リリーだよ!!」
こうしてリリーは赤沼に引き取られた。 翌年正式に養子縁組して親子になった。 二人がサーカスでデビューしたのはさらに2年後。赤沼 24 歳、リリー7歳のときだった。
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~登場人物紹介~ 近本けやき (ちかもと けやき): 29歳 独身OL。莉里と出会って幽体離脱の能力が覚醒する。お酒が好き。 赤沼幻檀 (あかぬま げんだん): 83歳。手品師。リリー・莉里・けやきの幽体離脱を導く。 関莉里 (せき りり): 16歳 高校1年生。赤沼のひ孫。赤沼の手品のアシスタントをしている。 『すなっく けったい』のママ: 年齢不詳。豪快なおばさん。 リリー: 赤沼の娘。莉里の祖母。7歳で赤沼と一緒にサーカスのショーに出演する。
タイトルを見ただけでウルトラQを思い浮べた人は何人いらっしゃるでしょうか? この小説は昭和41年に放映されたテレビドラマシリーズ『ウルトラQ』の第25話『悪魔ッ子』(以下、原作) をリスペクトして書いたものです。 小説は原作を知らない方でも読めるように書いていますが、原作も抜群の人気を誇る(と個人的に信じている^^)名作なので、機会があればぜひご覧になって下さいませ。 公式に視聴するには有料配信か円盤購入しかないようです。およその粗筋やシーンの一部ならネットで見られるので、そちらだけでも。
本話は原作の設定を少し変更した上で、魔術師赤沼と悪魔ッ子リリーのその後を描いています。 当初『悪魔ッ子の娘』というタイトルでリリーが生んだ女の子が活躍するお話を書きかけましたが、その娘は2024年の現在では40~50歳くらいになってしまうのでモチベが続きませんでした(笑。 そこで『悪魔ッ子の孫娘』にして女子高生を主人公のアラサーOLと絡ませることにした次第です。 なお名前だけ登場した一ノ谷博士は原作では『一の谷博士』で、シリーズ全体で様々な怪事件を解決に導く学者です。 ちなみにこの人は、ウルトラQの後番組『ウルトラマン』で科学特捜隊日本支部の設立にも関わったそうです。(Wikipedia より)
金縛りと幽体離脱は私の小説では初めて扱った題材です。 自分では体験したことがないので、ネットで調べた内容に作者のファンタジーを加えて創作しました。 肉体から分離した幽体は誰の目にもくっきり見える設定です。 暗いところでも見えてしまうので違和感を感じますが、明るい場所だと普通の人間と区別できません。 (空を飛んだり壁を抜けたりするのを見られたら当然バレます) 肉体から離れられる距離や時間は制限なし。ただし普通に歩いたり走ったりする速度でしか移動できないので遠くへは行きにくい。 あと、幽体時に着用している衣服は本人の脳内イメージで自由に変えられます。 実は主人公のけやきさんが自分の服をイメージし損ねて全裸で空を飛ぶシーンを考えましたが、お話が変な方向に進みそうになって止めました(笑。
もう一つ、暗示も初めてのネタです。 本話ではけやきさんも莉里ちゃんも自分に暗示がかかっていることを認識しています。 二人とも暗示を受け入れていて、しかも解除されることを望んでいない。 無理矢理コントロールされるのではなく、かけられた当人が嫌に思わない、むしろ嬉しい状況が私の好みです。 暗示の与え方についてはいろいろ調べましたが難しいですね。 赤沼氏が暗示をかけるシーン、けやきさんがとても素直な人であるとはいえ、あんな簡単な指示で実際にかかってしまうことはないでしょう。
挿絵は拘束衣を着せられた莉里ちゃんにしました。 自分で描くのは時間がかかりますが、やっぱり楽しいです。
それではまた。 ありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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【資料】2g様へ
【プロフィール】 名前:スヴェトラーナ・エフ・ウラノヴァ 年齢:22歳 性別:女 身長:152cm 体重:41kg 職業:バレエダンサー 出身国:アゼルバイジャン 誕生日:3/2 誕生花:ナランキュラス 誕生色:ベビーピンク 一人称:わたし、スヴェ 二人称:あなた、𓏸𓏸さん
【モチーフ、意味】 ▶️Svetlana 「明かり」「聖なるもの」 ▶️ev 〜の子 ▶️Ulanova ロシアのバレエダンサー(1910年−1998年) ▶️ラナンキュラスの花言葉 晴れやかな魅力、とても魅力的、光輝 ▶️ベビーピンクの色言葉 理想・家庭的・包容力/幸せな家庭を彷彿とさせる人 ▶️Sari gelin(サリゲリン) 異民族の娘への悲恋を唄った内容。 https://youtu.be/7Ms2GV1jUOo?si=T5jSKjllerjYF1F3 ▶️水死体にもどらないで https://youtu.be/1bTQMYnEf_Y?si=aWqJ6UDoHZL94F7g
【容姿】 ふわふわとした金色の髪に翡翠の目をした女性。顔はかなり整っており、美人の部類。ウェディングドレスを身にまとっている。
【普段の様子】 死んでいた。死因は溺死。日本を横断する船で沈没した。
【性格】 ふわふわ、おっとりしている女。非常事態でもあらまあ…とのんびりしている。しかし努力家で、それを周りに見せない。影で努力する秀才である。 日本へは公演で来ており、一流のバレエダンサーとして活躍している。楽しいこと、面白いことが好きでサーカスやストリートパフォーマンスが特に好き。 両親共に健在で、仲は良好。2人ともバレエダンサーとして活躍していた過去があり、同じ劇団だったことがあり結ばれた。スヴェトラーナも小さいころからバレエをしている。 お花が好き。お花屋さんを見かけるとついつい立ち寄ってしまうし、素敵な花を見つけると買ってしまう。花言葉の存在に素敵ね!と思っているし、自分の誕生花も調べた。 決して他人を否定しない。比べない。その人の長所を見つけ、抱擁するように言葉を紡ぐ。彼女のその優しさに恋する人も多々いた。冗談でママと呼ばれることも。 夢見がちなお嬢さん。いつか王子様が迎えに来てくれるの、と周囲に話していた。結局王子様が迎えに来ることはなく、死んでしまったのだが。王子様に対しての条件はさほどなく、自分のことを真摯に思ってくれる人、である。いつか素敵な結婚式をあげるの、と周りに豪語していた。
(服はウェディングドレスではなく私服となっております…!服装は2gさんにお任せいたします🙇♀️)
可能
【名前】 比々野 樹 ひびの いつき
【性別】 男性
【身長】 174cm
【口調】 のらくらした口調
【一人称/二人称】 ぼく/きみ、〜さん
【性格や特徴】 見た目に反し気弱。 大勢でいるより花を愛でたり土いじりをする方が好き。
【3行まとめ】 気弱 意外と力がある 花が好き
【以下詳細】 花屋のバイトは発注や仕込み等裏方が主。 休日はフラワーマーケットに赴く。 花屋の広報を担っており、HPを作ったり広報用に写真を撮っている。 ファンデーションやコンシーラーを駆使して傷痕は隠している。 顔の傷は幼少期油を被ったことで出来た。親族からは不慮の事故と聞かされているが、これがきっかけで家庭環境が崩壊した。 傷や家庭環境もあり恋人がいた事はない。 学生時代は美化委員や園芸部に所属しており、一番会話をしたのは用務員のおじさん。
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園 子温(その しおん、 1961年〈昭和36年〉12月18日 - )は、日本の映画監督・脚本家。愛知県豊川市出身[3][4]。 来歴 出生から高校 1961年(昭和36年)、愛知県豊川市生まれ[3][4]。父である園音巳は英語を教えていた愛知大学の教授であった[1]。豊川小学校、豊川東部中学校を卒業[4]。とても厳格な家庭で育った反動で17歳の時に実家を飛び出し、上京したとされるが[1]、豊橋東高校は卒業している[4]。17歳で詩人デビューし、『ユリイカ』と『現代詩手帖』に詩が掲載された。 大学入学以降 映画監督として活動する以前は漫画家志望でもあり、法政大学入学後、20歳の時に出版社に漫画の持ち込みを行うも「まだ他人の気持ちがよく判らないんじゃないかな」と言われボツを喰らう[5]。 その後、リベンジのため本を読み漁り、映画を年間何百本と鑑賞したことがきっかけで8mm映画を撮り始める。 1986年、8mm映画『俺は園子温だ!』がぴあフィルムフェスティバル(PFF)入選。翌年、8mm映画『男の花道』でグランプリを受賞[4]。 1990年、ぴあフィルムフェスティバルスカラシップ作品として制作された16mm映画『自転車吐息』は、第41回ベルリン映画祭正式招待された[4]。 1993年、『部屋』を制作。翌年、サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。 『桂子ですけど』(1996年)、『風』(1998年、通産省制作)など、映画制作を続ける。 一方、街頭詩パフォーマンス「東京ガガガ」を主宰する。4000人のパフォーマーが渋谷のストリートで展開。このドキュメントを収めたジャン=ジャック・ベネックスのテレビ番組はフランスで視聴率40パーセントを超える。 ファッションデザイナー荒川真一郎とのプロデュース、短編『0cm4』(1999年)を上映した。 1994年3月10日〜17日、吉祥寺バウスシアター全館を貸し切り「園子温降臨祭」を開催。 1995年、100時間に及ぶ素材からなる大長編映画『BAD FILM』制作に取りかかる(2012年完成)。 2000年、『うつしみ』を制作、劇場公開。 2001年、『自殺サークル』を公開。新宿武蔵野館における過去最高の観客動員数となった。カナダファンタ映画祭(ファンタジア2003)にて“観客賞”を獲得。同時に“今年、最も優れた映画に贈る賞”も獲得。2002年度日本映画プロフェッショナル大賞第10位 。 2002年、『HAZARD』という ニューヨークを舞台にオダギリジョー扮する不良青年の青春映画を制作した。 2003年、前作に続けてオダギリ、田中哲司、村上淳、市川実和子等が出演した『夢の中へ』を制作。さらに同年、宮崎ますみ主演でR18指定の家族劇『奇妙なサーカス』を制作。 2006年『紀子の食卓』を公開。第40回カルロヴィヴァリ映画祭・コンペティション部門の“特別表彰賞”と、国際シネマクラブ連盟による“ドン・キホーテ賞”を受賞。また韓国で開催された第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門の観客賞と主演女優賞受賞した。 2007年、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』に監督として参加した。 2008年、『愛のむきだし』を公開。第9回(2008年)東京フィルメックスにおいて観客の投票によって選出される「アニエスベー・アワード」を受賞。第59回(2009年)ベルリン映画祭に出品され、「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」を受賞した[4]。続く『ちゃんと伝える』では故郷・豊川を舞台にした。 2011年、『冷たい熱帯魚』を公開。第67回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品した[4]。さらに同年『恋の罪』を公開。 結婚以後 2011年10月23日、監督した映画『冷たい熱帯魚』『恋の罪』に出演した神楽坂恵と婚約した旨が報じられた。結婚以降も妻の神楽坂を多くの自身の作品に出演させている。 2012年、『ヒミズ』を公開。古谷実の同名漫画を映画化で映画監督と脚本を担当した。園にとって、初の漫画原作物の映画化担当であった。第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティションに出品され、主演の染谷将太、二階堂ふみが「最優秀新人俳優賞(マルチェロ��マストロヤンニ賞)」を受賞した[4]。 10月、原発事故を描いた『希望の国』を公開。 第37回トロント国際映画祭にて「NETPAC アジア最優秀映画賞」を受賞。主演の夏八木勲は第63回芸術選奨・文部科学大臣賞並びに第67回毎日映画コンクール男優主演賞を受賞した。 2013年4月、テレビ東京系ドラマ『みんな!エスパーだよ!』にて総合監督を務めた。同月、「芸人」宣言をし舞台デビュー。9月、『地獄でなぜ悪い』を公開。 第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品された[4]。第38回トロント国際映画祭では、ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞[4]。 2014年6月、小説「毛深い闇」を河出書房新社より出版。8月、井上三太原作の『TOKYO TRIBE』を公開。11月、雑誌「GQ JAPAN」が「GQ MEN OF THE YEAR 2014」を受賞した。 2015年5月、和久井健原作、綾野剛主演で『新宿スワン』を公開。園作品最大のヒットを記録。同年6月、「魂の集大成」と謳ったSFファンタジー怪獣映画『ラブ&ピース』を公開。第5回北京国際映画祭にて日本映画として初の出品作になった。カナダ・モントリオールの第19回ファンタジア国際映画祭では観客賞を受賞したものの[4]、翌2016年公開されて81億円の興収を出した『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己主演の映画であるが興収は5300万円であった[6]。 2015年7月、山田悠介の原作にオリジナル要素を加えた『リアル鬼ごっこ』を公開。第19回ファンタジア国際映画祭にて最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)、審査員特別賞を受賞した[4]。スペイン・マラガ・ファンタスティック映画祭では最優秀作品賞と特殊効果賞を受賞[4]。 同��9月、テレビドラマシリーズも監督(3人)と脚本(4人)の一人として担当した『みんな!エスパーだよ!』の映画化時には、脚本を田中眞一と共に[7]、監督は一人で務め、全面愛知県の東三河でロケしている[4][7]。 2015年7月、初の個展「ひそひそ星」展を開催。同時期にワタリウム美術館オン・サンデーズにて絵本「ラブ&ピース」の原画展も開催。9月、Chim↑Pom発案の「Don’t Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて映像インスタレーションを発表した。 2015年に地元の「とよかわ広報大使」に就任する[4]。 2016年4月、美術館では初の個展、園子温展「ひそひそ星」をワタリウム美術館にて開催。5月、第40回トロント国際映画祭にてNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した『ひそひそ星』を劇場公開する。大島新監督のドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」が公開される。 心筋梗塞による入院以後 2019年2月7日、心筋梗塞を発症し、病院に救急搬送され手術を受ける[8]。同月21日、退院[9]。6月25日、「Netflixオリジナル作品祭」に出席し、病後初めて公の場に姿を見せた[10]。 2021年10月8日、ハリウッド初挑戦となる映画である、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が公開された[11]。ニコラス・ケイジを主演として起用し、2019年に撮影を終えていた『エッシャー通りの赤いポスト』のワークショップ参加者も多数参加した作品である。 2021年12月25日、原点回帰のインディーズ作品として2019年に撮影が完了していた『エッシャー通りの赤いポスト』が公開された[12]。51名の無名役者が参加するワークショップで制作された映画作品であり、出演者が店舗や路上で宣伝活動やチケットの手売りを行ったり、関東の複数のミニシアターで多数回の舞台挨拶も行った。 性加害報道以後 詳細は「#不祥事」を参照 2022年3月、セクハラ・性行為強要を告発される。(#不祥事参照) 2022年11月7日、SmartFLASHが報じたところによると、12月20日から上映される『もしかして、ヒューヒュー』にて、偽名を用いて脚本を担当したと、妻であり事務所社長でもある神楽坂が取材に応じている[13]。 人物 洋画好き 著書によれば幼少期・少年期から映画好きであり、それも洋画ばかり見ていた。少年期から好きな作品にアメリカンニューシネマのアーサー・ペン『俺たちに明日はない』『左利きの拳銃』やフランス映画のジャン・ギャバン主演『望郷』や『ジャンヌ・ダルク裁判』にフランソワ・トリュフォー作品、1960年代までのアメリカ映画はかなり見ていたと述べている。好きな監督にウィリアム・ワイラーやイタリアのヴィットリオ・デ・シーカ、好きな役者・スターにジョン・ウェイン、リチャード・ウィドマークやジャン・ギャバン、アラン・ドロン、ソフィア・ローレン、リリアン・ギッシュ、ポール・ニューマン、イングリッド・バーグマンなどを挙げ、とりわけイングリッド・バーグマンとは本気で結婚したいほど好きな思いを抱いていたという[14]。 出演したラジオ『スカパー! 日曜シネマテーク』でルネ・クレマン監督のフランスの反戦映画の名作『禁じられた遊び』を好きな映画に挙げ、「この映画は小学生の時にテレビで見ました。当時はほぼ毎日、地上波で夜9時から映画番組があって、ゴダールやトリュフォーすらも放送していたんです。家族で『ウルトラマン』を見た後にゴダールを見るなんて、今ではちょっと信じられないですよね(笑)」と述べている[15]。 深作作品・格好良いヤクザ好き また別の回のラジオ『スカパー!日曜シネマテーク』では深作欣二監督の『仁義なき戦い』を選んでおり「深作監督とお話する機会はなかったんですが、僕にとっては心の師匠。映画を作る時は常に深作監督のことが頭にあり、『地獄でなぜ悪い』でも「深作警察署」が登場したり、『仁義なき戦い』の音楽が流れたりします。それくらいずっと憧れてきた、影響を受けてきた監督です。」「ヤクザ映画なんですが、実は深作監督も菅原文太さんもすごく真面目なタイプで、ヤクザに対して距離感を持っている人です。でも実はそれがヤクザが格好良く描ける秘訣。コッポラが『ゴッドファーザー』を撮った時も同じで、ヤクザやマフィアをまったくリスペクトしてない人が撮ると、客観的に描けるので格好良くなるんです。」と評している[16]。 主張 ジャパニーズアニメ嫌悪 2016年は「近年稀に見る邦画の当たり年と言われた本年」と呼ばれたが、そのなかでも話題を一手に集めたのは、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』と、庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』の二作品であり、『君の名は。』は年間興行収入ランキング1位の251.7億円、『シン・ゴジラ』は3位であるが、例年なら邦画興行収入で首位となるレベルの81億円を記録する大ヒットとなった。しかし、園子温は2016年12月9日に、「糞ジャパアニメ、すべて死ね。」「あとよ、怪獣映画のリメイクで儲けたクズどもも。」「二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズども」、と下記の島国辺境ツイートと共に四時間にわたって連続で罵倒のツイートをした[17]。後に上記のツイートは削除された。ネット上では『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己を主演で前年に撮られた自身の怪獣映画『ラブ&ピース』が興収5300万円だったことから、「園が嫉妬のあまり中2病を発症させた」と園を批判するツイートが殺到した[6]。 ただし、インターネットメディアリテラは園による『君の名は。』『シン・ゴジラ』批判について、「まさに正論だと思うが、しかし、こうした意見はしょせん異端に過ぎない。」と賛意的な報道をした[6]。 護憲・SEALDS支持 自民党が2016年の参院選で改憲を現実のモノにしようとしているとして、2015年9月11日に安倍晋三内閣における特定秘密保護法・集団的自衛権行使容認への反対や護憲、「従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集」を訴える『TAKE BACK DEMOCRACY(民主主義を取り戻せ)#本当に止める SEALDs 5時間SPECIAL!!!!!』に、磯部涼(司会)、SEALDs、中野晃一上智大学教授、日本学術会議の廣渡清吾前会長らと共に出演した[18]。 2016年12月に上記のジャパニーズアニメーションへの批判の際に、「評論家のための評論しやすい映画ばかり。狙ってんのかお互い癒着して。革命家も産めない肉体のない言葉、、乾いた言葉を。」「去年見たSEALDSの何倍も何倍も薄めた小さなセカイ系とやら。セカイ系の正体は地球上の規模じゃねえ。このセカイの小さな島国辺境の、空想されたせ・・か・・い・・やめろ。」とツイートしている[6]。 批判 宇野維正はキネマ旬報にて、2021年12月に園が映画監督を務めた「エッシャー通りの赤いポスト」について、「現実から浮遊したスモールワールドで若い女優が暴れ回り、反体制的なイメージと戯れる」という園子温自身のシグネチャー・モデルに回帰した作品で5段階���星1という完全否定的な評価をしている。園の帰属する「日本のサブカル村」についても演者も含んだ村内で互いに誉め合っている2010年以前と変わっておらず、園の作品は客観性の徹底的な欠如はずっとそのままであるとし、「ここまでの作家的増長の責任は、本人よりもそれを看過してきた業界にあるのではないか」と業界を含めた批判をした[19]。 園子温作品の著名なファン・友人 ファンであり友人である著名な者として、水道橋博士[20]や『映画秘宝』を創刊した映画評論家・コラムニストの町山智浩が知られる。町山は2009年のベスト10を選んだ際に、園の『愛のむきだし』を一位に選んだ。同年に日本で公開されたクリント・イーストウッド監督・主演『グラン・トリノ』を二位にして「『グラン・トリノ』は『愛のむき出し』を見るまで一位の作品」「どちらも(『グラン・トリノ』と『愛のむきだし』)「不在の聖母」を描いた作品。」と評した[21]。水道橋博士とは親交が深く[22]、お笑いライブを二人で開催したりしている[23]。水道橋博士は園子温を「映画監督として圧倒的に天才」と絶賛している[24]。他に園と親交が深い友人として、茂木健一郎、会田誠[25]、宮台真司がいる。宮台はあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」に対する批判意見への反論に友人・園子温の作品を例にあげ、「そもそもアートは心に傷を付ける。心を回復させる娯楽とは違う」「こうした基本的なことでさえ、行政、政治家、そして市民までもが分かっていないことに驚きました」と開催を擁護している[26]。 2009年のキネマ旬報のオールタイムベストの日本映画編のアンケートにおいて、熊切和嘉は自身のベスト10に園の『紀子の食卓』を選んでいる。熊切は『紀子の食卓』を鑑賞した日の夜に興奮のあまり園に電話をし、「あの妹役(吉高由里子)って誰ですか!?」と直接聞いたと述べている[27]。 不祥事 2022年3月、『週刊文春』による性加害告発の流れが起きている中、日本人ハリウッド俳優で映画『硫黄島からの手紙』等に出演した松崎悠希が、Twitterにてアクターズヴィジョンのワークショップにおける園のセクハラ・性行為強要を告発。被害者は何十人もいるとしている[28]。告発後、アクターズヴィジョンは園のワークショップ映画第二弾に向けて行われる予定だったオーディションの中止を発表した[28]。 4月1日、園の制作プロダクション「シオンプロダクション」のホームページで謝罪コメントを掲載。「事実関係を整理して、改めて発表いたします」としている[29]。 4月4日、「週刊女性PRIME」が園の性加害を出演女優らが告発した記事を掲載。[30]。週刊女性PRIMEが園に電話取材を行ったところ性加害疑惑について否認。電話口を代わった女性から文書での質問を要求されたため対応したものの、期限までの回答はなかった[30]。 4月6日、「週刊女性PRIME」の報道を受けて園が謝罪文を発表。関係者や作品の視聴者にお騒がせしたことを謝罪し、監督として今後の在り方を見直したいと記した。一方で性加害の報道内容については事実と異なる点が多く、自分以外の関係者にも迷惑が掛かっていることを考慮し、法的措置をとる姿勢を示した[31]。その後、5月18日付で『週刊女性』を発行する主婦と生活社を相手取り、損害賠償や謝罪広告、ネット上の記事の削除を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした[32]。 12月27日、主婦と生活社が『週刊女性』2022年4月5日発売号および4月12日発売号の記事と同一内容の「週刊女性PRIME」のインターネット上の記事を全文削除することを受け入れ、裁判上の和解により解決した[33][34]。 作品 映画監督作品 LOVE SONG(1984年、劇場未公開) 俺は園子温だ!(1985年、劇場未公開) 愛(1986年、劇場未公開) 男の花道(1986年、劇場未公開) 決戦!女子寮対男子寮(1988年、劇場未公開) 自転車吐息(1990年5月12日) 部屋 THE ROOM(1993年10月23日) BAD FILM(1995年当時未完、2012年完成。Hi-8撮影によるオリジナルビデオ。2015年1月6日DVD発売) 桂子ですけど(1997年2月8日) 男痕 -THE MAN-(1998年10月31日) 0cm4(パリコレクションバージョン)(1999年7月14日) うつしみ(1999年12月18日)[35] ある秘かなる壺たち(2000年2月7日)- 公開時のタイトルは「性戯の達人 女体壺さぐり」 風(2001年1月27日。製作は1998年。16mmフィルム作品) 父の日(2001年、劇場未公開) 自殺サークル(2002年3月9日) プロムナイト(2002年、未完) ノーパンツ・ガールズ 大人になったら(2005年11月12日。製作は2004年) 夢の中へ(2005年6月11日) Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年12月24日) 紀子の食卓(2006年9月23日) HAZARD(2006年11月11日。製作は2002年) 気球クラブ、その後(2006年12月23日) エクステ(2007年2月17日) 愛のむきだし(2009年1月31日) Make the last wish(2008年、未完) ちゃんと伝える(2009年8月22日) 冷たい熱帯魚(2011年1月29日) 恋の罪(2011年11月12日) ヒミズ(2012年1月14日) 希望の国(2012年10月20日) 地獄でなぜ悪い(2013年9月28日) TOKYO TRIBE(2014年8月30日) 新宿スワン(2015年5月30日) ラブ&ピース(2015年6月27日) リアル鬼ごっこ(2015年7月11日) 映画 みんな! エスパーだよ!(2015年9月4日) MADLY(2016年4月14日) ひそひそ星(2016年5月14日) 新宿スワンII(2017年1月21日) アンチポルノ(2017年1月28日) クソ野郎と美しき世界「ピアニストを撃つな!」(2018年4月6日) 愛なき森で叫べ(2019年10月11日、Netflix) 緊急事態宣言「孤独な19時」(2020年8月28日、Amazon Prime Video) プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年10月8日、ハリウッドデビュー作品) エッシャー通りの赤いポスト(2021年12月25日) テレビドラマ 時効警察 第4話 (2006年2月3日) 「犯人の575は崖の上」 第6話 (2006年2月17日)「恋の時効は2月14日であるか否かはあなた次第」 帰ってきた時効警察 第3話 (2007年4月27日)「えっ!? 真犯人は霧山くん!?」 第6話 (2007年5月18日) 「青春に時効があるか否かは熊本さん次第!」 みんな!エスパーだよ! - 総合監督 第7話・番外編では自らもカメオ出演 第1話 (2013年4月12日) 「なんで僕に超能力だん?バス停の風、大作戦!」 第6話 (2013年5月24日) 「エスパー抗争勃発?縛られたあの娘を救え、大作戦!」 第7話 (2013年5月31日) 「禁断のコーヒー!?"セクシー女"大量生産を止めろ、大作戦!」 第10話 (2013年6月21日) 「(最終章・序)恋の罪!?モーニングコーヒーはあなたと!」 第11話 (2013年6月28日) 「(最終章・破)時は来た!善と悪の最終決戦…チームエスパー解散!?」 第12話 (2013年7月5日) 「(最終回・青春の夢)僕が世界を救うんだ!ワンワンワン大作戦!?」 番外編〜エスパー、都へ行く〜(2015年4月3日) ビデオ・オン・デマンド 東京ヴァンパイ��ホテル(2017年6月16日配信開始、Amazonプライム・ビデオ) 愛なき森で叫べ:Deep Cut(2020年、NetFlix) ミュージックビデオ Mail Me / 桃井はるこ (2000年) 書籍 『自殺サークル 完全版』(2002年4月 河出書房新社 / 2013年9月 河出文庫) 『夢の中へ』(2005年 幻冬舎) 『愛のむきだし』(2008年12月 小学館 / 2012年1月 小学館文庫) 『希望の国』(2012年9月 リトルモア) 『非道に生きる』(2012年10月 朝日出版社) 『けもの道を笑って歩け』(2013年9月 ぱる出版) 『毛深い闇』(2014年6月 河出書房新社) 『受け入れない』(2015年6月 中経出版) 受賞歴 映画賞 俺は園子温だ! ぴあフィルムフェスティバル入選 男の花道 ぴあフィルムフェスティバル入選 自転車吐息 第4回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品 第41回ベルリン映画祭フォーラム部門正式出品 部屋 THE ROOM サンダンス映画祭 in Tokyo 審査員特別賞 自殺サークル 第7回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 画期的映画部門観客賞・画期的映画賞審査員賞 StrangeCircus奇妙なサーカス 第56回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 ベルリナー・ツァイトゥング紙・新聞読者審査賞 第10回ファンタジア国際映画祭(カナダ) グランプリ・最優秀主演女優賞(宮崎ますみ) 紀子の食卓 第40回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 特別表彰 国際シネクラブ連盟(FICC)ドン・キホーテ賞 第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭 観客賞・主演女優賞(吹石一恵) 第28回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞(吉高由里子) 気球クラブ、その後 第16回日本映画批評家大賞審査員特別監督賞 エクステ 第3回オースティン・ファンタスティック映画祭 ホラー審査員賞 愛のむきだし 第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ賞・国際批評家連盟賞 第11回バルセロナ・アジア映画祭 観客賞 第13回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 審査員特別賞・最優秀主演女優賞(満島ひかり)・観客賞(アジア映画部門金賞・革新的映画部門金賞) 第8回ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル グランプリ 第13回プチョン国際ファンタスティック映画祭 NETPAC賞特別賞(満島ひかり、安藤サクラ) 第9回東京フィルメックス アニエスベー・アワード(観客賞) 第34回報知映画賞 最優秀新人女優賞(満島ひかり) 第64回毎日映画コンクール 監督賞・スポニチグランプリ新人賞(西島隆弘、満島ひかり) 第83回キネマ旬報ベスト・テン 助演女優賞(満島ひかり)・新人男優賞(西島隆弘) 第31回ヨコハマ映画祭 助演女優賞(安藤サクラ)・最優秀新人賞(満島ひかり) 第14回日本インターネット映画大賞 新人賞(満島ひかり) 冷たい熱帯魚 第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門正式出品 第43回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 ファンタスティック・フェスト2010 ファンタスティック部門 長編部門脚本賞 第13回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第15回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 観客賞(アジア映画部門金賞) 第35回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞(でんでん) 第54回ブルーリボン賞 作品賞 第66回毎日映画コンクール 男優助演賞(でんでん) 第36回報知映画賞 作品賞・助演男優賞(でんでん) 第21回東京スポーツ大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第33回ヨコハマ映画祭 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第16回日本インターネット映画大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 恋の罪 第64回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品 第44回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞 第16回日本インターネット映画大賞 監督賞 ヒミズ 第68回ヴェネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(染谷将太、二階堂ふみ) 第14回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第30回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭オービットコンペティション部門 グランプリ 2012年映画芸術日本映画ワーストテン2位 希望の国 第37回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞 第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画9位[36] 2012年映画芸術日本映画ワーストテン1位 地獄でなぜ悪い 第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞 ファンタスティック・フェスト2013 ガットバスターコメディー部門 作品賞・監督賞 リアル鬼ごっこ 第19回ファンタジア国際映画祭 最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)/審査員特別賞/最優秀女優賞(トリンドル玲奈)[37] ひそひそ星 第40回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞[38] 映画賞以外 GQ MEN OF THE YEAR 2014(2014年)[39] 出演 テレビ スタジオパークからこんにちは(2011年12月20日、NHK総合) 園子温ケーブルテレビ実験室(2013年4月 - 2013年9月、ケーブルテレビJCN) アウトデラックス(2013年8月22日、フジテレビ) 有吉ジャポン(2013年11月8日、TBS) 100秒博士アカデミー(2013年12月3日・10日、TBS) ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!(2013年12月21日、テレビ朝日) さんまのまんま(2014年3月8日、関西テレビ) 言いにくいことをハッキリ言うTV(2014年3月31日、テレビ朝日系列) 踊る!さんま御殿!!(2014年4月15日、日本テレビ) 竹山ロックンロール(2014年5月10日・17日・24日、テレビ埼玉・千葉テレビ・tvk・サンテレビ) たかじんNOマネー(2014年5月17日、読売テレビ) 情熱大陸(2014年6月15日、TBS) ダウンタウンDX(2014年6月26日、読売テレビ) ゴロウ・デラックス(2014年7月17日、TBS) ニノさん(2014年8月3日・10日、日本テレビ) - 「だって男の子だもん」回 ゲスト キン肉マン THE LOST LEGEND(2021年10月8日 - 12月10日、WOWOW) - 本人 役 ラジオ 園子温のズバリ!ラジオ(2013年1月25日、ニッポン放送) スカパー!日曜シネマテーク 特別版(2014年5月5日、TOKYO FM) ドキュメンタリー映画 園子温という生きもの(大島新監督 2016年) 伝記 速水由紀子『悪魔のDNA 園子温』祥伝社、2013年 参考文献 東方出版『KAMINOGE』vol.64 家賃3部作 園子温監督による実際の事件をベースとした3シリーズ 冷たい熱帯魚 - 1993年に埼玉県熊谷市で発生した埼玉愛犬家連続殺人事件がベースとなっている映画である。 恋の罪 - 1997年に東京都で発生した東電OL殺人事件がベースとなっている映画である。 愛なき森で叫べ - 2002年から福岡県北九州市で発生した北九州監禁殺人事件がベースとなっている映画である。 関連項目 サブカル[19] Category:園子温の監督映画 日本の映画監督一覧 脚注 [脚注の使い方] ^ a b c “厳しいを通り越して異常!? 園子温の「犬神家の一族」みたいな実家とは”. AERA dot.. (2016年5月16日) 2020年7月29日閲覧。 ^ 園子温 12月公開映画に「脚本・山本孝之」でステルス復帰!妻・神楽坂恵も“偽名”は「事実」と認める FLASH ^ a b c “愛知)園子温監督の復帰作品、豊橋市でロケ”. 朝日新聞DIGITAL. (2019年8月12日) 2020年7月29日閲覧。 ^ a b c d e f g h i j k l m n o p とよかわ広報大使 - 園子温氏の紹介 - 豊川市公式HP ^ 『月刊漫画ガロ』(青林堂)1996年4月号 ^ a b c d “園子温が『シン・ゴジラ』『君の名は。』を罵倒!「金儲け映画ごときで3.11を安易に暗喩にしたてるな」 (2016年12月18日)”. エキサイトニュース. 2022年4月4日閲覧。 ^ a b https://sgttx-sp.mobile.tv-tokyo.co.jp/static/html/bangumi/esper/introduction.php テレビ東京 ^ “園子温監督、心筋梗塞で入院し手術、命に別条なし”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月7日) 2019年2月7日閲覧。 ^ “園子温監督が退院「これからも作品をつくり続けます」 事務所通じコメント”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月21日) 2019年2月21日閲覧。 ^ “園子温監督 心筋梗塞後、初の公の場で「1回死んでよみがえって来ました」”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2019年6月25日) 2019年6月25日閲覧。 ^ “映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』”. bitters.co.jp. 2022年2月7日閲覧。 ^ “映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト”. 映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト. 2022年2月7日閲覧。 ^ bw.asuka (2022年11月7日). “園子温の “ステルス復帰” に「セコすぎる」の声声声…神楽坂恵の言い分にも苦言”. 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(2022年4月6日) 2022年4月6日閲覧。 ^ “園子温監督、週刊女性側を提訴 「性行為強要」の記事「事実異なる」”. 朝日新聞デジタル (2022年5月19日). 2022年8月9日閲覧。 ^ “園子温監督が「週刊女性」記事巡り出版社と和解 性行為強要の記事を削除”. 産経ニュース. 産経デジタル (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “園子温氏、“性加害疑惑”週刊誌訴訟で和解を報告「記事は全文削除されております」【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “公式ホームページ” 2022年9月6日閲覧。 ^ “2012年・第86回キネマ旬報 ベスト・テン”. キネマ旬報社. 2018-08-07m閲覧。 ^ “トリンドル玲奈に最優秀女優賞!初主演『リアル鬼ごっこ』が作品賞含む3部門受賞の快挙!”. シネマトゥデイ (2015年8月6日). 2015年9月22日閲覧。 ^ “園子温監督が夫婦で作った『ひそひそ星』がトロントでNETPAC賞受賞!【第40回トロント国際映画祭】”. シアターガイド (2015年9月21日). 2015年9月24日閲覧。 ^ “GQ MEN OF THE YEAR 2014”. GQ JAPAN (2014年11月20日). 2014年11月21日閲覧。
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大麻栽培を疑われた医療機関にSWATが突入、ライフルがMRIに吸着し大変なことに
著者marusatta・パルモ
公開:2024-11-04・更新:2024-11-04
病院での検査に用いられるMRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)は、強力な磁場を発生させて人体の内部を調べる機器である。いわば超強力な磁石だと言ってもいい。
そんなスーパー磁石に金属を近づけたらどうなるか……。いくら前例があっても、話には聞いていたとしても、なかなか実感がわかないものらしい。
アメリカのロサンゼルス市警のSWATチームが医療施設を大麻畑と誤認し、捜索中にライフルを持ったままMRIに近づいてしまうといういう信じられない事件が起こった。
その結果、予想通りの事態が起こったのだが、ライフルはともかくMRI装置に甚大な被害が発生。施設側が市警を訴え、現在も係争中である。
医療施設を「大麻を栽培している」と誤認して突入 2023年10月18日、ロサンゼルス市警のSWATチームが、市内にあるNoHo診断センターという医療施設に突入した。
容疑は大麻の違法栽培。「近隣にある商店よりも多くの電力を使用している」→「大麻を栽培しているに違いない!」という謎理論で令状が発行され、今回の突入に至ったのだそうだ。
だがもちろん、同センターで大麻が栽培されているなどという事実はない。その辺の店舗より電力を多く使っているのも、医療施設なら当たり前だ。
だが突入した警官たちは納得しなかったらしい。チームは病院内の捜索を続け、1人の警官がライフルを抱えたまま、MRI室に入り込んでしまったのだ。
この画像を大きなサイズで見る image credit:photoAC MRIにライフルが吸着。焦った警官が緊急停止ボタンを押した結果 何が起こったかは、もう説明するまでもないかもしれない。超強力な磁石によってライフルはMRIに吸い込まれ、くっついて離れない。
ここで病院スタッフを呼べば大事には至らなかっただろう。だが慌てた別の警官がMRIの緊急停止ボタンを押し、強制的に電源を落としてしまった。
その結果、MRIは急速に超伝導性を失い、冷却に使われていた約2,000リットルものヘリウムガスが蒸発。装置に甚大な被害をもたらすことに。
さらに件の警官はライフルは取り戻したものの、弾丸が詰まったマガジンをMRI室の床に残してその場を去ったという。
この画像を大きなサイズで見る image credit:Pixabay ADVERTISING
電気を使いすぎている。突入の経緯は思い込み 事件から1年が過ぎた2024年10月、NoHo診断センターがロサンゼルス市警を相手に訴訟を起こした。
訴状から判明した当時の詳しい状況は以下の通りである。
まず、SWATチームを指揮したのはケネス・フランコ隊長で、彼は事件の前に「12時間に及ぶ麻薬捜査訓練」を受けていた。
その訓練で「大麻が栽培されている場所では多量の電力が消費されている」と学んだフランコ隊長は、NoHo診断センターに目をつけた。
その理由は、「近所の花屋やお菓子屋、子供用品を販売する店よりも多くの電力を消費している」というもの。
NoHo診断センターがMRIはもちろん、X線装置やその他数々の電気機器を使用している医療施設であることにはまったく意識が向かなかったらしい。
センター内に「大麻畑があるに違いない!」と思い込み、難色を示す検事を説得して捜査令状を取得。当日の突入に至ったのだという。
この画像を大きなサイズで見る image credit:photoAC 突入の結果、もちろん大麻畑などは発見されず、警官らはセンターの女性従業員一名を拘束。さまざまな医療設備が置かれたセンター内をうろつき始めた。
そしてMRI室の入り口にある警告を無視した1人の警官が、「右手にライフルをぶら下げ、ストラップで固定していないまま」装置に近づいて行ったのだそうだ。
原告であるNoHo診断センター側は、訴状の中で当時の状況を以下のように指摘している。
警官たちの行動には明確な規則も手順もなく、協調の兆しさえなく、無秩序なサーカスそのものだった
この訴訟でNoHo診断センターは今回の訴訟においては、金額を特定しないまま損害賠償の請求を行っているという。
有罪の判断が下された場合、どの程度の補償が行われるかは想像もつかない。なお、ロサンゼルス市警では、現在進行中の訴訟について、コメントはしないと語っている。
References: US cops get gun stuck to MRI machine in bungled cannabis raid - eNCA / LAPD raid goes bad after gun allegedly sucked onto MRI machine
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人は集団で行動すると道徳観が薄れ、倫理的思考ができなくなることが脳のMRIスキャンで明らかに(米研究) #びっくり #警察 #破壊 #MRI #ライフル この記事をシェア
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(大麻栽培を疑われた医療機関にSWATが突入、ライフルがMRIに吸着し大変なことに|カラパイアから)
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有識者会議コラム20
全国40人くらいの有識者会議ファンの皆さんこんばんは。
12/15、前橋芸術れんが蔵で行われる有識者会議ライブの続報です。
今回はいよいよゲスト一人目の発表!
そうです!一人目というからにはゲストが一人だけではありません!なんとゲストは他にも予定しております!!
今までミュージシャンだけでなく、あらゆるジャンルからゲストを迎え撃った歴史を積み重ねてきた有識者会議ですが、今回また新たな分野からの刺客がやってきます。
では発表しましょう、一人目のゲストはサクノキさんです!
サクノキさんはクラウンです。わかりやすく言うとサーカスにおけるピエロ、別名では道化師とも言います。
↑去年、KPCがソロで出演した舞台で、このようなフライヤーを配布しました。それが今回、ようやく具現化した形になります。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、以前ここのコラムでKPCが横浜へ行った際に、サクノキさんのステージを観た時の様子を書いた事もあります。旅先で見つけた風変わりな小屋で、人形遣いとクラウンという興味を引く演目で出演されていたサクノキさんに、一目ぼれのような感じで勢いでオファーをしたのですが、有識者会議のコンセプトを面白がってくださって、ついに前橋へ来て下さる事になりました。
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↑人形遣い、眠り鳥さんとのユニット「Cor Glass Fools!(コルグラス・フールズ)」のステージを横浜で観ました。眠り鳥さんともいつか共演したいものです。
実はサクノキさん、群馬に元々縁があって何とみどり市にある沢入国際サーカス学校の卒業生なんです。そんな関係から、今でも母校の関係で時々群馬には来ていらっしゃっています。
サクノキさんのステージはどこか間抜けで、ついつい観客も自然に巻き込まれてしまうようなおかしみがあるんですけど、全部観終わった頃には全てがサクノキさんの掌の上で踊らされてたみたいな、でもそれは他では得難い格別な幸福感があって、間違いなく群馬にはいないパフォーマーなのは確実で、そんな動機から是非有識者会議で共演してみたいと思った次第です。
正真正銘、有識者会議としては初対面、完全即興でサクノキさんとの共演です!乞うご期待!!
二人目のゲストも要注目ですよ!
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内山、エレナこそ、執着の塊/悟りとは無縁のエゴ
エレナよ、内山よ、君らこそHS、隆法への執着を断ち切ることが出来ず、反逆者に堕しながらも未だ、へばり付いて居るのだよ。
その姿は非常に醜く、見苦しいものなんだよ。
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HS側も、内山側も、完全に霊に取り込まれている状態なので、険悪な関係は継続され益々、悪化することでしょう。
どちらも真実から目を背け、自分にとって都合の良いものしか見ようとしませんから。
これを信仰とは呼ばないし、智慧も無ければ、悟りもありません。
愚かなことです。
~内山側は、完全な情報不足であり、経験不足。
草創期からの流れをある程度、把握していれば、このようなミスを冒さないのですが。
HSは、隆法の霊能が絶対であり、それ以外のものは全て否定します。
内山側は全員、退会するのが筋。
その覚悟がないなら、さっさとサーカス小屋を畳むことです。
所詮、その程度だった、ということ。
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