#あの花聖地巡礼
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溢れる感情に耐えられず傘を捨てて走りに走った。好きな人が私の目を見て発する言葉すべての響きとそのやさしい眼差しと細い睫毛と照れるときに伏し目になる癖とかその一切を心に封じて忘れたくなくて何度も頭の中で繰り返した。好きだ、好きだ、好きだ。わたしは君が好きだ。どんどん激しさを増す雨はひたすら冷たいのに身体だけが熱くなっていくのを感じながら、それでも走り続けた。鞄の重さとか捲れるスカートとか靴擦れの痛みとか通りすがりの人の目とか全部どうでもよかった。なんでも出来る気がした。そう信じて疑わなかった雨の日の14の夜がわたしにもあった。初めて乗った飛行機から見下ろした小さな街の灯りと海の広さと雲の上の世界に胸を躍らせ、天使とか妖精とか永遠とか運命の王子様とかを新品の12色のクーピーで描いては大人に見せて得意げにしていた幼少期がわたしにもあった。異国の地で朱色の民族衣装に身を包んで、爪と唇に紅色を塗って、ヘナを施した手に煌びやかなアクセサリーを付けた。久しぶりに降る雨を喜んで屈託のない笑顔を浮かべて踊る男の人たちを綺麗だと思った。割礼を終えたばかりの男の子の涙の意味を知った。脚首にロープを巻かれたあと逆さに吊るされて目の前でさばかれた羊の生肉を薄いビニール袋に入れて渡された。男の子の手の温度を知った。街中を歩く牛や犬の匂いと流れる川の音。あの頃の私はそのすべてに美しさを見出せていた。汚れるということは、綺麗なことの証明だと思う。赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫、カラフルな旗や服で溢れた音楽ライブ。目の前で成人した男のひとと男のひとがキスをしていた。飲み干されたビール缶は臭かった。挙げられた数百ものスマホのスクリーンに映る舞台の光はちゃんときらきらしていた。何にでも名前をつけたがる世界に辞書があるなら片っ端から斜線を引いてって新しいぴかぴかの世界でわたしは自分の書きたいことを書きたい。自分の心の底で光る甘い色をした���を、自分の唇の柔らかさや温度を、身体を駆け巡る血の赤を、これからの未来と築き上げてきた過去を、わたしは誰にも触れさせずに愛したいと思う一人の人間のために取っておいている。でも、本当はそんなの早く壊してほしい。粉々になった「処女のわたし」越しに新しい広い世界を見てみたい。今にも震えて壊れそうで怯えている幼い自分の手を離して、愛する人の手を握りたい。なんてことを考える夜はもうこれで何回目だろうか。なんてことを考える自分の愚かさに何度も救われた。二年前の夏、スーパーマーケットで一枚の五百円玉を差し出して買った花束を片手に持って、一人で電車に乗った。中学の頃に出会った恩師が「時間があれば是非お見舞いに行ってください」と言っていた人の元へ赴く。今考えたら名前も顔も知らない人の元へお見舞いに行くなんて変な話だった。はじめて行く病院の場所を何度もマップで確認しながらメモに取っておいた女性の名前を看護師に伝え、病室を案内してもらった。女性はミャンマーの人だった。花束をあげて、少しお話をした。彼女はわたしの手の甲にキスをしたあと、静かに泣いて何度も抱きしめてくれた。聖典の一章を朗読してくれた。帰り道、傘で顔を隠しながら泣いた。純粋な愛だった。美しいひとときだった。今、彼女が生きているのかそれともその命を引き取ってしまったのか、わたしには分からない。けれども、あんな風に泣ける真っ直ぐな生き方をしたいという想いはずっと変わらない。その日の天気は雨だった。小さい頃から雨が好きだった。雨上がりの世界はなんだか新品な、まっさらな匂いがする。演劇部で初めて音響を担当することになった「虹」というタイトルの演劇では雨の降るシーンがいくつかあった。震える指先でたった一瞬の動作でわたしはちいさなちいさな世界に雨を降らす。辛いことを乗り越えたあとには必ず幸せがやってくるということの例えで、よく雨が降るから虹が見える、って言うじゃないですか。でもそんな例えに騙されて虹をみるために涙を流し続ける人生より、自分で雨の中に虹を描いてしまいたい。12色のクーピーで。受験生の頃、夜、傘を忘れて自転車で濡れながら塾から帰った日があった。どんどん浮き彫りになっていく周りと自分の学力の差に悔しくて、偏差値が低く出た模試はあとでシュレッダーにかけた。三者面談。志望校欄。願書。併願。見飽きた言葉たちに翻弄され、泣いてばかりいた。でも自販機で買うあたたかい��コアの程よい甘さ、コインランドリーの優しい香りと無数の街灯、ちゃんと減っていくカレンダーの枚数と増えていく日付のばつ印に救われた。ちゃんと受験は終わったし、わたしは高校に入学できたし、もうあれから一年が経つ。16歳になった日、結婚ができるのだと改めて感じてそわそわした。長いようで早くて、早いようで長かったし、楽しくって悲しかった。そんな風に過ぎていく時間をひとつずつ捕まえて名前を付けたりして愛してあげたいのに、形のないそれらは風みたいにその温度だけ残してどこかまた違うところ、もっと遠いところに行ってしまう。かけがえのない、忘れないと心に誓った記憶ですらもどんどん薄れていくのを痛感するたびに自分が少しずつ死に近付いていっているのを感じてやるせない気持ちになる。かなしい。かなしいと思えるくらいにはきっと美しい日々をわたしは送ってきたのだと思う。その嬉しさをエネルギーにして、これからも真っ直ぐ生きれたらなあと思う。なりたい人間像がたくさんあって、未来に求めるものが有り余るほどあって、やってみたい仕事も選びきれなくて、それを世間とか大人とか過ぎ去っていく時間は「理想が高い」なんて言うかも知れないけれど、広い世界は泳ぎがいがある。さようならと言うことは悲しいことじゃないし、別にすべきことじゃない。そこで泣けないのは純粋じゃないことの証明にはならない。受け入れてきたものも切り捨ててきたものも今のわたしを構成しているものの一部であって、それだけでわたしたちは経験してきたことに、出会ったものに、本当の意味でさようなら出来なくて、だからわたしは気兼ねなく前を向いて走れる。だいすきな友達と一緒にみた海の波のきらめき。船が海を分けていく音。草木を揺らす風の温もり。春の優しい花の匂い。パラパラと降る雪を見ては笑顔を浮かべて窓から手をのばす同級生たち。突然の豪雨に濡れちゃったと言って教室に並べられた何枚ものセーターと靴下。腹を仰向けにしてすやすやと眠るわたしのことが大好きな野良猫の君。わたしの指先を嗅いでその耳を擦り付ける。彼の毛並みを整える時間が好きだった。絨毯みたいに地に張り付いた銀杏の葉と黄色がかったあなたの手のひらを比べては微笑んだ。何枚ものワンピースを着て青い空の下をお気に入りの音楽を聴きながら過ごした。父はいつも愛してるといっておでこにキスをしてくれる。叱られた夜は悪い子になって地元の不良学生が好んで聴いていそうな音楽をわざと繰り返し聴いた。すれ違っては仲直りをした友達。新しい出会いに戸惑って変にこだわりを持つ自分に自惚れて人を傷つけては泣かせてきた。調子に乗って取り返しの効かない大事なものを失って苦しんだ夜もあった。登れそうな木を見つけては登って、自転車で団地の周りを競争して漕いで、ララポートにイケア、コストコが並ぶ街へと続くうねうねした三郷の一本道を何度も渡って欲しいものを買ってもらって、いつも家に帰る前にその包みをこっそり開けたりした。新品の制服をはじめて着たときは受験で落ちたことが思い浮かんで嫌になった。今ではシャツは少し色褪せ、セーターは伸びて、わたしの匂いがする。川のせせらぎの音を聴きながら揺れる木々を眺め、それだけで神様とお話しできた気でいた夏。線香花火をして蟻にとっては雷だねなんて話した。花束を貰って泣いていた先生。正反対の向かい合わせの新宿の駅のホームで手を上げて揺らして交わすバイバイの合図は一瞬で電車にかき消された。こんなに語ってしまった。でもさ、あちこちで平成最後とか言っているから色々考えちゃった。名前があっても無くても変わっても変わらなくても、わたしはわたしの時間を生きていて、それはずっと変わることはないから、わたしは自分の決断をこれからも信じていけたらいい。まあタチの悪いのが今年はいくつかあったけれどもう終わったので、きらきら一年生、友達何人出来るかな、みたいな心構えで広い器で程よく頑張れたらと思う。
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サイドシートの君
ゆかは旅先で呼んだコールガール。
地元が近いのと趣味が合った事がきっかけで連絡先を交換した。
そしてお盆の帰省のタイミングで会う約束を決めた。
ゆかのいる町まで車で一時間ほど。
来るか来ないかは半信半疑だった。
約束を破るような子では無いと思ってはいたけれど、連絡の返信の遅さがちょっと気になっていて、来なければ来ないでいいやと思っていた。
約束の時間の十分前に待ち合わせ場所��着いて車を停めた。
ゆかに着いた事と車の特徴を書いたメッセージを送る。
来ても遅れるだろうと思い、二十分後に発走する競馬を予想して買った。
既読が着いたのは約束の時間を二分過ぎたあたり。
あと五分くらいで着くらしい。
少し安心した。
それから十分後にメッセージ。
車のナンバーはこれですか?と来て、車の後ろを振り向くと、こちらを見ているゆかと目が合った。
手招きをして助手席に呼ぶ。
ゆかが席に乗り込んでくる。
「すみません」
「久しぶり」
「お久しぶりです」
「元気だった?」
「はい」
「ありがとね、来てくれて」
「いえいえ」
「じゃあ行こうか」
プランを二つ提案した結果、神社に行って近くにある貝出汁のラーメンを食べることにした。
近くのコンビニでコーヒーを買う。
「そうだ、さっき競馬買ってたんだよね」
「そうなんですか」
「一緒に見る?」
「見ましょう!」
一緒に見たレースは見事に的中だった。
ゆかも喜んでいた。
車を走らせる。
車内ではゆかが同棲中の彼氏に薦められて見た頭文字Dの話を熱く語っていた。
今度聖地巡礼に行くらしい。いろは坂はあのまんまだよと言っておいた。
ゆかが今日着ている服はライトなロリータ風のワンピースで、童顔の彼女にはそれがとても似合っていたので伝えた。
嬉しそうに笑うゆか。ロジータというブランドらしい。
田舎道を走っているとひまわり畑を見つけた。
下りてみると一面ひまわりが咲き誇っていて、その後方にある風力発電のプロペラがまたいい味を出していた。
夢中で写真を撮るゆかは無邪気な少女のようで、転んてしまわないか心配になるくらいだった。
車を再び走らせて神社へ向かう。
険しい階段を上って本殿でお参りをする。
「五円あった」ゆかが財布から硬貨を取り出す。
「俺は欲張りだから五円が十倍あるように五十円にするよ」
「なるほど!」
神様に祈ったことは今日が楽しく終わりますように。きつねの神様は俺を助けてくれるだろうか。
反対側に下りて行くと無数の赤い鳥居が並んでいる。何度来ても圧倒されるが、ゆかも同じだったようだ。
ここで少し雨が落ちてくるが気にせずに歩いていく。鳥居の中を歩いていくと横に水場がある。そこに咲く蓮の花を見つけたのでゆかに教えると鳥居から蓮にスマホを向けて撮影した。
白い花びらが水から顔を出して咲く姿は可愛らしさだけではなく強さも感じた。何となくそれはゆかの姿にも重なった。
高台から鳥居が並ぶのを眺める。
雨が本降りになってきたので木の下で雨宿り。
ゆかの持っている赤いバッグには傘が入っていないらしい。
「折りたたみもってくればよかった」
「雨降るなんて考えてなかったよ」
「県の真ん中の方は降るって聞いてたんだけどなぁ」
「しゃあないよ、ここ真ん中じゃないし」
しばらく経ってもやまない雨。結局少し濡れながら歩くことにした。
雨降りにも関わらず別な色の蓮の花を見つけて二人で写真を撮った。
階段を上って下り、おみくじをひいた。
天然石が入ってるおみくじで、パワーストーンが好きなゆかにはぴったりだった。
昼食の時間になったので店へ向かうが、時期や時間もあって行列ができていたので、同じく貝出汁のラーメンを出している別な店で食べることにした。
運良くすぐに座れ、ゆかとあれこれ話した。
ゆかは小学校から高校まで卓球をしていたらしい。
大学ではクラゲの研究をしていて、クラゲの生態にも詳しかった。
「一応理系なんで」
確かに同人小説を書き方を聞いたら実に論理的に話を作っているなと感じていた。
そんな話をしているとラーメンが出来上がって食べた。貝の出汁とバターの風味がうまくマッチしていて絶品だった。ゆかも気に入ってくれたようだ。
店の外に出るとまたもや雨。
近くの公園にあった遊具も濡れていた。
「晴れてたらやりたかったのになぁ」
「これじゃ濡れちゃうね」
残念そうにするゆか。
ここの段階で時間は十三時をまわっていた。ゆかは十六時くらいまでならと言っていたので、次の場所を迷ったが、思い切って賭けに出ることにした。
市街地へ車を走らせる。
「あのさ」
「ん、なに?」
「夜の仕事、まだやってるの?」
「いや、しばらくやってない。昼の仕事で稼げるようになったから。このままやめようと思ってる」
「そっか、昼の仕事が順調ならいいね」
「うん、もう知らない人に会わなくてもいい」
「お疲れ様。よう頑張ったと思うよ」
「彼には絶対言えないけどね」
「体調もよさそうだね」
「うん、抗うつ剤は飲んでないし、元気になったよ」
「よかったよ」
ゆかの手に触れて握ると、握り返してくれた。
川沿いの堤防を走る。
カーステレオからは真夏の果実。
市街地にあるホテルへ入り車を停めた。
ゆかの表情は暗くて見えなかった。
「いい?」
「タダじゃ嫌」
「そっか」
その返答は予測していた。元々は金で繋がった関係だ。
「いくらくれる?」
価格交渉が始まるが、割とすぐにまとまった。
タッチパネルで安い部屋を選んで入る。横にあるシャンプーバーの香りが鼻についた。
部屋に入ってソファに座る。
唇を重ね、ゆかの胸に顔をうずめた。
その後の事は何となくしか覚えていない。何度もキスをして、何度も愛を囁いた。
そして二人並んで眠った。
ゆかの寝息を聞きながら時間を気にしていた。
リミットの時間はとうに過ぎている。
目を覚ましたゆかに聞いた。
「時間大丈夫なの?」
「ああ、うん。別に花火があるからそれまでに帰れれば。そんな花火見たいわけじゃないんだけど」
その日はゆかの住む町で祭りがあって二十時から花火が上がる日だった。
「そっかそっか。一緒に見る?」
「うーん、誰かに見られると嫌だから」
「だよな」
その後はゆかの書いた小説を読んだ。そしたら俺もゆかに自分の書いた物を見せたくなった。
「ゆかの事書いた作品があるんだけど見る?」
「えー!恥ずかしいからやだ」
「まあまあ、自分だと思って見なきゃいいからさ」
「うーん、ちょっと興味はあるんだけどね」
そしてTumblrに投稿してたコールガールを見せた。
時に笑いながら、時に考えながら読んでいた。
「この表現好き」
ゆかを花に例えた部分が気に入ったらしい。
「人の書いたもの見ると勉強になる。すごく読みやすかった」
「ありがとう」
「今日の事も書くの?」
「そうだなぁ、たぶん書く」
「めっちゃ恥ずかしい」
そんな事を話しながら、不思議な関係だなと思った。
現実で会った人にTumblrを見せたのは初めてだった。
彼女でもなければセフレでも無い。そもそも会って二回目の関係なんだから名前をつけようにもまだ難しいだろう。
それでもこの関係は何だろうと思いながら気づけば温くなった風呂に二人で入っていた。
洗面台で歯を磨くゆかに後ろから抱きついたり、服を着るのを邪魔してみたりした。
帰路につく。
夕焼けの時間だった。
この様子だとゆかの町に着くのは十九時くらいになりそうだ。
「今日さ」
「うん」
「���で来てくれたの?」
「えっ、うーん…誘われたし暇だったから」
「そっか。お金もらえるって思ってた?」
「いや、それはない。ただ会ったらするかもなとは思ってた」
「そうなんだ」
「うん」
途中の海辺で夕焼けの写真を撮った。
「すごくいいね!あとで送って」
「いいよ、今送るよ」
すぐゆかに送った。
「ありがとう」
そっとゆかの手に触れた。自然と繋ぐ。
車は海沿いの道を駆け抜けていく。
町に着くと大勢の人で賑わっていた。
「どこで下ろせばいい?」
「真ん中は嫌だから…朝会ったとこ」
そこへ向かって車を進めると、警備の人が立っていて入れなかった。
「ちょっと入れないな…」
「うーん、どうしよう」
ぐるぐると町中を周る。
「やっぱ入れないよ」
「離れたとこなら一緒に見てもいい」
「えっ、あっ、そっか。じゃあそうしよか」
「うん」
「食べ物買いに行こか」
「屋台はダメだよ。知ってる人いるかもしれないから」
「そうだな。コンビニでいいか」
その町にある唯一のコンビニで食事を買った。
その隣りにある駐車場から花火が見えそうだったので、そこに停めて見ることに決めた。
花火が始まる。
ここでもゆかは写真を撮るのに夢中。
俺も撮ってみたけれど、信号が邪魔して上手く撮れなかった。
合間に見せてくれるゆかの写真は上手に撮れていた。
プログラムの間、ひたすらゆかはスマホをいじっている。その動きが止まると俺のスマホに通知が来た。
「アルバム作った」
開いてみるとトーク画面に日付が入ったアルバムが出来ていた。花火や蓮、ひまわりの写真がたくさんおさまっていた。
「おー、いいね。ありがとう!」
「ふふっ」
ゆかはまた外にスマホを向けた。
「あの色はリンで…」
花火の色を見ながらそんな事を言っていた。
「覚えたことって言いたくなるよね」
ゆかが笑う。そうだなと俺も笑う。
あっという間に花火大会は終わった。
「帰ろっか」
「うん…」
帰りに降ろす場所を探しながら車を進めた。
「あっちに行くと公園がある」
「そこで降ろす?」
「いや、遠いからいい」
「行ってみようか?」
「うん」
公園に行くと暗くてよくわからなかったが、日中は眺めがいいだろうなと思った。
「あっちには小学校がある」
「行ってみよか」
何となくゆかの気持ちがわかった。
「あれだろ」
「なに」
「別れが惜しくなったんだろ?」
笑いながら言った。
「でも明日は友達と遊ぶから泊まれない」
「もうちょっとドライブするか」
「うん」
小学校へ入った。ゆかが通っていた小学校はかなりきつい坂の上だった。
「こんなのだからめっちゃ足腰鍛えられた」
「これは中々スパルタだな」
「でしょ」
小学校を後にして車を俺の地元方向へ走らせた。
「あれだよね」
「なに?」
「泊まっても寝ればいいじゃん」
「うーん」
「俺いびきかかないし」
「そうなんだ」
ゆかの右手に左手を重ねた。
「朝、めっちゃ早起きだよ?」
「いいよ。またここまで送るからさ」
「わかった」
「じゃあ、泊まろっか」
「親に連絡しとく」
コンビニでコンタクトの保存液とビールとほろ酔いを買った。
ホテルへ入る。今日二度目だ。
カラオケがついていたので酒を飲みながら二人で歌った。
夜は深くなっていく。
シャワーを浴びる。マシェリでゆかの髪を洗った。
洗面台でそれを乾かしてベッドへ入る。
互いに欲望のまま相手を求めあう。
眠っては起きて、キスをして、何度も何度も。
「俺に好きって言ってみてよ」
「言わない」
「いいじゃん、嘘でも言ってみなよ」
「嫌だ言わない」
「そっか」
力一杯抱きしめて、それをゆかも返した。
俺は六月にあったことを話した。
自殺未遂のことも。
「ガチで死のうとしたんだね」
「うん、そうだよ」
「生きててよかったね」
「ほんとそう思う」
「今も彼女のこと好き?」
「いーや、全然」
「そっか」
「新しい好きな人いるらしいし」
「いなきゃ好きなの?」
「いや、そういうわけでもない。俺にはあわなかった」
「切り替え早いね」
ゆかの首筋にキスをして眠りについた。
結局は予定の時間にゆかは起きれなかった。
俺も軽くは起こしたけれど、別れを早くしたくないなんてエゴが出た。
「私ほんと時間にルーズなんだよね」
と言いながら、そんなに慌てないゆかが滑稽だった。
「私と付き合わない方いいよ」
「どうして?」
「時間守れないし、好きなこと話すと止まらないし」
「時間を守れないのはよくないな。でもそれはパートナーがちゃんとしてれば支え合っていけるんちゃうか?」
「うん…」
ワンピースを着ながらゆかは俺を見た。
「うしろのチャック閉める?」
「閉めよっか」
「自分でも出来るけど」
「いいよ、閉めるよ」
背中を向けたゆかの背中のファスナーを閉めた。
「上のボタンもかけて」
「はいはい」
ボタンを掛けて後ろから抱き締める。
「かわいいよ」
「ふふっ」
ゆかにかわいいと言うといつも笑う。
そんなとこはあざといのかもしれない。
「友達との待ち合わせ場所まで送ってくれるんでしょ?」
「うん、送るよ」
「やったー」
「そのかわり」
「なに?」
「お金は無しな」
「えー、少しも?」
「当たり前だろ。泊まったし送るんだし」
「ふふっ、そうだよね。わかった」
「交渉成立な」
「電車代浮いたからいいや」
「なんだよそれ」
ゆかが笑った。
ホテルを出てコンビニでコーヒーと朝食を買った。
予定時刻までに着かないのはわかっていた。
友達やら予約しているカラオケに電話をしながら、車の中でアイラインを引き、ルージュを塗った。
「ちょっとはおしゃれしないと」
「昨日と同じ服だけどね」
「それはしょうがない」
「そうだな」
「そうだ、スッピンどうだった?」
「あー、うん。可愛かったよ」
「ふふっ」
相変わらず笑う。
海辺を見ながらゆかは言った。
「普段海見ないけど、やっぱりこっちの海のが好き。向こうはなんか深くて怖いから」
戻ってこいよ。なんて言おうと思ったけど、別に俺がそれを言える立場じゃ無い。
「やっぱさ、十八年見た海は特別なんだね」
「確かにそうかもな」
「今回帰ったら、次見るのは冬か」
「その時も一緒に見たい」
「うん、いいよ。あっ、あとは会いに来てくれれば会えるよ」
「行きたいなとは思ってるよ」
海辺を過ぎて内陸へ入る。
あと五分で目的地。
信号で止まった時にゆかの唇を奪った。
信号の色が変わるのを感じで離れる。
ゆかの表情はどこか寂しげだった。いや、そう思いたいからそう見えたのかもしれない。
カラオケの前で降りる間際にもキスをした。
去り際にゆかは俺を見てこう言った。
「死なないでね」
短いけど重い言葉だった。
「そっちもな」
車を大通りへと向かわせる。
何度もゆかの耳元で囁いた言葉を思い出す。
車線を変えながら車を一台二台と抜いた。
「俺って本当に」
アクセルを踏んで帰路につく。
サイドシートにマシェリの香り。
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2022年12月13日
暗闇 見つめている二重らせん 週刊誌の最後のページ 孵化する 孵化させる 目が覚める からっぽのまま 赤ん坊の手を握る 哲学ニュース 強度 占星術師 と打ったら変換される 性占術師 学生時代 最も力を入れたこと 死は幻想である 愛、あ、あ、あ、名前を教えて なりたいもの わたしが 明るい世界 明るい未来 クビになったドラッグストア 礼拝 お好み焼き チューニングの狂った 歌 聴こえなくなるまで 聴こえなくなるまで featuring あなたのこと 声 死について って誰も知らない経験していない から 駆け込み乗車 禁止 お兄ちゃん お兄ちゃん 扉を開けて 機内���ードで延命する アジテーション はやくしたい 遅く 結婚 まん防 イデア的には ずっと一緒がいい よね 今だけ無料 アジテーション テナント募集 の 看板 らすとくりすます とぽろじー 言葉で考えるのをやめる あ、あ、あ、 図式化 ズキズキする 監視されていた 白い部屋 女衒 パッチワーク フランケンシュタイン みたいに 愛と幻想と 愛と幻想と 糸 ほどけていく ことを想像する ジャスミンを銃口に 営業系総合職 死んだ瞬間の聴覚について 死んだ瞬間の聴覚について のように のように さようなら 魔法少女 ハートフィールド 歌う メヌエット ピーチ姫の テトラポット アストラル界 あなたの 吸い込まれる ダム 死体画像 すぐ会いたい女子が急増中 アカツクシガモ 京都市植物園 振り回す キャリアチェンジ された アルバイト する このサイトにアクセスできません と 声が して振り向く 昨日 のことを覚えていない 迷宮 のようだと うわさのベーコン クルトン コーラ・パール ゾラ ほら、と 初音ミクの額から垂れる汗 花園神社で 迷い込む 見世物小屋よ 一生バイト ポケットモンスター 正解を引き当てるまで やる気が出ないな 英単語帳 ランボーを読んでしまったなら ロックンロールはそう ホテル暮らし 空調の音 Jアラート 星座を結ぶ ロックマンエグゼ lain rain ruin ビスク・ドール 野良犬 奈良へ向かう列車 アーレント 現実感 人生攻略サイト 灰と は 意図 思考 回路の中を むさぼり食う 吸う 空気 止まった ままの 子宮的な エリア 嘘をついたまま死ぬ のね ルビンの壺 12ポイント stray sheep と 動詞動詞動詞動詞 同時的に 田中角栄 魔人ブウ 犯す 壊す 作る 波打つ わたしは 殺す 生かす 咲く 咲かす ライフハック 死 冷蔵庫 咲かす 飛び立つ やわらかく もやもやと ばたばたと 解毒する 夏休み 向日葵 消滅した 蝉が鳴く なく 無く 咲く さ さ さ 教育する アナイス・ニン 逃げ出す 逃走する 闘争? 領域を広げていく 閉じる 閉じこめる 閉じ込められた 布団の中 宇宙のように 宇宙そのもの 高橋まつり 滅びた 100年後のことを考えて 文章を書く 脳みそから溢れ出した 白い水着 黒いタイツ 道化のように 大天使のように 借りる 回帰する アカツクシガモ 成長すること 天秤のことを考える by this river ラブ&ポップ 脳破壊 快楽 シャドウ・ワーク 子宮口から この世界の果てまで 共同体 忙しい 忙しさ exclusive みんなのレビュー 連帯 証明するために ランキング もっと欲しい あなたらしい 瞬間に 祈る手 summer 上映する ロングヘアー 偏差値 ピアス 18個 生き延びる ラリる 刺さった 反射した 発射した 家畜人 ホワイトノイズ 空間 依存症 白い 微分不可能な やわらかい その曲線 エゴサーチ バーモント・カレー 姦淫する 階段 聖書 夢の中に出てくる 中島らも 他人の日記 読む 話す 歌う ような気がする そんな感覚が 一時間天気予報 ペヨーテ ぐるぐる回る 永久に 永久的に 結びつけた 途端に壊れる ぱりん、と ふらっと 消えちゃいそうな気がする 意識が高い 高低差 風圧 やさしい言葉 インターネットのグロサイト 巡る 再度 巡る 繰り返していた クリスマス サンタさん 産道 乱視のまま 今日も生きている 息をする あら��る 虹色の 永久に理解されることのない強度 氷点 貯金やダイエット レポ漫画 面白くなる 国語辞典 解剖する やまい、だれ 芽殖孤虫 ひらひらと 眠る ゴミ出し 擬音一覧 シーシュポス 間違った注文 集める 女性が一生で排卵する卵子の数は400個~500個と推定され 細胞膜 ずきずきと 痛む手 うつらうつらと その指で 欺瞞 マッサージ されたまま死ぬ アイライナー いつかは終わる 旅 続いていく 気持ち悪い、 と少女 折りたたみ傘 出会う 解剖学の教科書 ホーリー・マウンテン もやし 食物繊維 的な ひらく 伸びる 匂いがする 恥丘 裏切る 一本の木 待ち続けている 市民会館 明かしえぬ共同体 ムーミンたち ムーミン谷へ 向かっている ヤツメウナギ もし仮にそれが ハッとする 気がつく 失う 海のそばで グランドメニュー 幽霊 ピアスの穴 カッターナイフで切る 舌を 下へと 血が出る 地が出る前に ここからいなくなる 踊る 大雨の中 浴びる 天高く 土砂降り もっと 濡れてしまいたい 溶ける あらゆる種類の動詞 固着した エディプス・コンプレックス 身体を売る 眠りにつく べたべたした くすぐる 太もものうぶ毛 のように 行こうね ずっと一緒に 逆にする 黒板に描かれた 天使と怪物 流れとよどみと 恋と革命 そのままの 君でいてね イデオロギー それとも 触れる 手に 手のひらに その温度を そっと撫でる ように見える 青ざめた 顔 目で 浮き上がる 物流倉庫会社 キスをする どこにも行けない どこにも行けない 憂鬱な夫婦 中絶用の 願いを書く 七夕 永遠に落ち続ける夢 人生ゲーム 青いピン そのように 性行為のやり方 鍵付き完全個室 運動会 発熱 保健室 はつなつ 人生経験 終わりゆく 肉の厚さ 海馬 言語野の 衰退 ダウンロード数 数えていた 新しい生活様式 リズム 物語ること 豊かな 再生回数 氷 覆われる 世界すべて 素数のように 感じる 解体 怒らない? 起こらない、何も 可能性が失われていく 研ぎ澄まされていく 失われていくことで 何者かになった その平らな牧場 忘れてきた お持ち帰り する 立派な 飛び降りて 刻まれた 胎児のように さえぎられる 海岸には小屋があって 喧嘩をする 白鳥 食べられる 汚い 穢れてしまった 純粋なもの 銃を撃つ 一発 チェーホフ、どこへ行ったの? と母親が階段を上がってくる 切符をなくしてしまったままで 生き続けている気がする 少女には 晴れ 絵日記は かすれてしまった とうに 音楽にはならない 寒天培地の上で 有性生殖する していた した方がいい 人生経験 ペットボトル HPVウイルス 頭のない 風邪総合 目をさます 神経系 ポーチの中で 白い粉になった 睡眠薬 遠くの方へ、遠くの方へ 並べられている 全校集会 鳴らされて 走る 望遠鏡を 覗き込む もうすっかり 子宮頸がん 夢中になって 標本にする どうやって? 悟りについて 五億年ボタン 走馬灯 一週間くらい考えてもいい? 愛妻弁当 ぷっちょ の容器でオナニーする カンブリア紀の 海中生物やわらかく モニターの奥 夏の光 ぴったりと 豊かに 遅延しながら 本間ひまわり いま、を指差す指の先 爪の長さ 変わって 一括見積もり ふざけているのではなく 頭痛 左側 ありがとう こんにちは おはようございます それは愛ではなく の ような 夜行バス 棺 出生外傷 の あなたは ロビンソン トリップした 虹色の女 devenir ひだ 開く 一枚一枚 めくっていく 匂いがする 工場の赤ん坊が コンクリート 嘘だった あてのない 意味のない 海 潜り続ける 潜水艦の中で 夢を見ている 象徴的に もっと速く 飛び立つ 自壊したい 鯛 平らな 館内における密を避けるため 破れた 四つん這いになって するだろう 想像 するだろう 未完のままの もはや戦後ではない 未��人 ぷろ、ぱかんだ 重量と恩寵 根を 肉体が壊れていくのは かもめ 肉塊 台風が来る前の夜 アオカビ もっとたくさんの地獄 天国は通り 過ぎては消えていく スーツの人が通り過ぎていったあとの 匂い 大人の匂い 食器返却口 この席の使用はお控えください アルコール消毒 セーブポイント 豚 のような女 と 猿の ような 男が出会う 死体ごっこ バラバラに 組み合わせる 英単語帳の例文みたいに 死に近い コンクリート 裂け目 洗浄液 メリークリスマスの Yahoo知恵袋 真理があると言われている そこにある 死んだあと魂はどうなるの? と子どもが尋ねる 何グラムの 前世の記憶 当たり前の事 トンネル 潜り抜ける音 夢の中の休憩所 自動販売機 光 光 夜の闇に飲み込まれないように コンビニエンスストアは灯台として 鳴りやまない 崩れていく 昨日 来ない 来ている すでに いま 冬の ま、ふゆ ま 電気ストーブ あたたかく すりつぶす 通勤・通学 するための列車 眠る 折りたたまれたヒダ 予言する 1999年 産まれ た 朝 ねむる ねむる もっとよくなる 地方都市
夢の中では 現実的な 現実的なもの 親ガチャ 100年後の 2000万年後の 想像していてね 空っぽの脳 おばさんが入ってくる大量に 魚 飛び跳ねる 誰も見ていないところで 老人の声はデカい 無が無限に膨らんで 恒星たちは爆発し きっと届かないまま ゲーム実況見ていた 二年間 だった気がする だった気がする この区域で路上喫煙をすると 一千円の過料が科されます と どこかに書いてあった 教科書に落書きをしている間に 終わっていた もっと濡れたい 雨に 幼形成熟 恋と革命のために 太郎 花子 由香 香織 紗耶 話題のツイート 温泉むすめ 逃れてゆけ 逃れてゆけ 自撮りしているふたりを 見つめる 目 目玉 浜辺で 白く 白く 白く 白く 境界線はほどけた もう一度 あまい 糖衣錠 統一的な 像 増殖する お支払い方法 まとめサイト この世界の秘密 ねじれたソーセージ 青い 白い 脆い イオン・モール 迷子になる 歌を歌う 歌っていた 冗談でした あらゆる 情報商材のために すべて ひとつの 自己啓発 は はいいろの ノイズで
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2023年2月11日朝6:30、コーク市内のフラットを出る。約2時間半、電車を乗り継ぎ、キルデア州キルデア(Kildare, Country Kildare)を目指す。
朝8時17分、乗り換えのサーリス(Thurles)駅プラットフォーム。日照時間がまだまだ短く、朝8時過ぎでも明け方の気配が残る
雨上がりの生臭い都市のにおいと、町外れから風にのって運ばれてくる野原のわずかなにおいが混ざりあって、日の出前の暗闇がつつむ冷たい空気に溶けている。
サマータイムのはじまりまで残り一ヶ月半、日中の陽が短く、曇天と雨の日ばかりが続くアイルランドの冬の厳しさは、南米や南ヨーロッパ出身の友人たちのメンタルを目に見えて明らかにすり減らしていた。
霜が降りたフィッツジェラルドズパーク(Fitzgerald's Park, Cork)、リー川(River Lee)沿いのキンポウゲの葉
「あなたは日本でも北の方の出身だから、こういう冬の気候に慣れているんでしょ?」と、げっそりした表情の移民の友人たちが訊ねてくるたびに「アイルランドにおける英語の『冬』と、日本語の『冬』は、その言葉に含まれているバックグラウンドが違う、このふたつは完全に違う季節だと思う」と答えた。
彼らが「冬」と呼ぶ、11月初旬から3月後半あたりまで、わたしたちのイメージする冬らしい冬の日もあるにはあったけれど、それはせいぜい1ヶ月半くらい。あとのおおよそ4ヶ月間は、気温一桁台から二桁台前半あたりをうろうろする。メキシコ湾からアイルランドとイギリスに届く暖流の影響で、振り続ける雨は雪になること無く、その影響で湿度が下がらない。体感は寒いのに、大気は霧と湿度に包まれてなんとなくじめじめしている。
要するに、冬の厳しさの質が全く違う。
東北の冬が、雪という抗いようのない大きな重量を持った物体に対して、歯を食いしばりぐっと耐え忍ぶようなイメージなら、アイルランドの冬は、浴室に生えるカビのように毎日少しずつ心の中のしんどさの領土を広げていく。
コーク郊外、冬はよく町が霧に包まれる
春が来る。
2月1日はケルトの暦の春分の日、ゲール語でインボルク(Imbolc)。
暦の上での春と、体感としての春におおよそ1ヶ月の時間が空くこと、そしてその到来がそこに住む人々にとって他の季節のどれよりも特別であることは東北と同じだ。
前回記事のハグ・オブ・ベアラ(Hag of Beara)についての文献を調べていたときに何度も目にしたブリジッド(Brigid)の名前は、ケルト神話に登場する存在だった。
なので当然、2月1日の聖ブリジッドの日(St. Brigid’s Day)の日や、その名前を冠して2023年から公式にアイルランドの祝日になった2月の第一月曜日も、それに関連する日だと思い込んでいたがどうやら違うらしかった。
聖ブリジッド(St. Brigid)は現在の北アイルランドとの国境近く、ラウス州フォアハート(Faughart, Country Louth)に生まれ、5世紀から6世紀にかけて実在していたとされるアイルランド人の修道女だ。
幼い頃から貧しい人々に施しを与え、アイルランドの守護聖人である聖パトリックによって洗礼を受けたあと、各地で教会や修道院、アートスクールまで設立したと言われている。
1902年から続く雑誌 Ireland’s Own の表紙の聖ブリジッド、手には彼女の信仰の象徴の十字架の藁細工
彼女に関して興味深い点がふたつある。
ひとつは、彼女が実在したことを確実に証明できる文献が残っていないこと。
そしてふたつめは、前述の通り全く同じ名前のケルト神話の女神が存在すること��。
日本に五穀豊穣や学業成就を祈るためのモチーフとしての神々があるように、キリスト教圏の聖人にもその多くに守護の対象がある。聖ブリジッドの守護対象は家畜、詩、歌、鍛冶、病気からの回復など、周知されているものだけでも非常に手広い。
そしてそれらの守護は、女神ブリジッドの守護するものと同じだ。
普遍的な祈りである「病気からの回復」は、アイルランドにおいて井戸や湧き水と関連付けられることが多い。古くはドルイドの信仰の対象であり、地下から湧き上がる水は癒しや命の源とみなされ、アイルランド国内に約3000ある「聖なる井戸」の内の少なくとも10の井戸がブリジッドと紐付いて周知されている。
聖ブリジッドの泉の井戸、井戸の水自体は正直あまり綺麗な水質には見えなかった
彼女が修道院と教会を建てたあとそこに没したとされる町、キルデアの町外れには、それらを巡礼する人々のために用意された聖ブリジッドの泉(St Brigids Garden Well)がある。
もともとの小川の曲線に沿って整備されたと思われるその小さな公園には、聖キルデアの銅像が経ち、彼女に対する崇拝の象徴であるイグサや藁で編まれた十字架のモチーフが散見される。
聖ブリジッド像、聖ブリジッドの日から5日後だったこともあり供えてあった花はすべて瑞々しい
外壁に刻まれた聖ブリジッドの十字架(St.Brigid’s Crosses)モチーフの彫刻。2月1日にこの十字架を玄関に飾るとブリジッドの守護が受けられるという信仰がアイルランドにおいて広く分布する
その周囲や周りの木々、公園の奥に位置する井戸の近辺には多くの供え物が並ぶ。供え物の多くは治癒を望む体のパーツにまつわるものであるらしく、パンデミック後ということもあってかマスク(文脈を知らず一見すると捨てられたマスクのゴミに見える)が目立った。
ストッキング、マスク、靴紐、靴下、スカーフ、ネックレス、供え物は様々。木から供物が落ちると祈った箇所が加護を受け、病気や外傷が治癒すると信じられている
町外れに位置するにも関わらず、絶えず入れ替わり数名の人が訪れる。
録音レコーダーをまわしながら、来訪者が途切れたタイミングで公園の全景を眺める。澄んだ小川が風を運び、もとの地形にも配慮されデザインされたと思われる、心地の良い公園である。にも関わらず、なんだか妙な感じがした。
公園の奥にある井戸と、入り口付近を流れる小川が繋がっていないのだ。地下で繋がっているのかもしれないと思い小川の上流を視線でたどっても、井戸とは90度逆の方向だ。上流は茂みの奥へと続き、その先は見えなかった。
公園全景。撮影地点の背後に井戸がある。小川は写真左奥の茂みの方から水が流れて来ている
録音を終えると、キルデアの中心部に向かう。
中心部といっても、人口9000人に満たない小さな町だ。もとは数えられるほどのパブとカフェ、そして聖ブリジッドが設立したといわれる中規模の教会がある比較的静かな町だったが、2007年にオープンした大型アウトレットモールには隣県である首都ダブリンからも大型バスが乗り入れる。
土曜日の昼下がりに町を歩くほとんどの人が、有名ブランドのショップバッグを持ち、駅の方角へと歩いていく。
中心部にやって来たのは聖ブリジッド大聖堂(St Brigid’s Cathedral)に行くためだった。だが、この日に限ってメンテナンスのために敷地全体が閉鎖されていた。
聖ブリジッド大聖堂、閉じられたメインエントランスのフェンスに手をつっこんで撮った写真……
アイリッシュ・ナショナル・スタッド&ガーデンズ(Irish National Stud & Gardens)に向かった。
時間が余ったらついでに行けたらいいかな、と思っていた場所だ。
競走馬の繁殖とトレーニングの場として20世紀初頭に設立され、今では市民に親しまれる広域公園としても機能するこの場所には日本庭園がある。
1906年、ロンドンで日本趣味の骨董品店を経営し、自身も骨董商だった Tassa Eida (日本名: 飯田三郎)は、日本庭園をつくるためにキルデアに派遣され、その後の4年間を彼の息子 Minoru と共に造園に従事する。
(彼らの詳細については こちら と こちら の記事が詳しい、どちらも素晴らしくリサーチされたポスト)
手入れの行き届いた枯山水
19世紀後半から20世紀初頭にかけてジャポニズム、つまり「日本っぽいもの」がヨーロッパで流行ると、貴族たちはこぞって「日本っぽい建築」や「日本っぽい庭園」を作りたがった。
ただし、やはりそれは「日本っぽいもの」の域を出ないものが多く、日本で生まれ育った人間が見ると、形容し難い、ちょっとした居心地の悪さのようなものを覚えるようなものが多い。
そういう類のものだろうとあまり期待せずに訪れると、良い意味でその期待を裏切られる。
庭園の動線、ちょうどまんなかあたりにある洞窟?からの景色。右にあるのは藤棚で春にはきれいに藤の花が咲くらしい
清らかな水が美しい動線で引かれ、人が生まれてから死ぬまでを表現したその庭園は、当時イギリスで流行したエドワード様式建築の影響を受けて少しだけ華美ではあるものの、正真正銘の日本庭園だった。
庭園の石灯籠によじ登っていた鬼。庭園にある多くの植物やオブジェクトが日本から輸入したものだが、たまにこういう西のものとも東のものとも分からないモチーフも見かけて興味深かった
町の中心部に戻ると、帰路の電車の出発まで1時間弱の時間があった。
少し散策したあと、聖ブリジッド大聖堂に戻ってくる。
地域の人だけが使う入り口とかあってそこから入れたりしないかな……などと不届きなことを考えて外壁の周りをうろついたが、それらしきものは見つからなかった。
入り口を探っているときに外壁から見えたラウンドタワー、実際に登れるものとしてはアイルランド国内でいちばん高いらしい
しかたなくキルデア駅に向かう。
プラットフォームの椅子に座って電車を待っていると知らない女性に、どこから来たのか、と声をかけられた。
薄暗いプラットフォームで目をこらすと、大聖堂に戻る前に一瞬だけ立ち寄った、メインストリート���ら少し外れた場所にあった雑貨屋の店員だった。
日本から来たこと、リサーチに関すること、井戸とスタッドガーデンの方には行って、教会にどうにか入れないか模索したが結局入れなかったことを拙い英語で説明する。
すると「どっちの井戸に行ったの?」と訊ねられた。
聞き間違いかと思い、どういう意味ですか?と返すと、彼女が説明してくれた内容はこうだった。
ブリジッドの井戸はふたつあって、ひとつはおそらくあなたが行った聖ブリジッドの泉、 聖人の方のブリジッドを祀ってるところ。地元民にとってはずっと特別な場所だったけど、パンデミック中にきれいに整備されて、観光客が来たり滞在したりが以前よりも更に容易になった。
もうひとつあるのが、Wayside Well(日本語直訳: 道端の井戸)と呼ばれている場所。こっちがキリスト教伝来前のドルイド(ケルト人たちの信仰における祭司)のブリジッドを祀っていると言われている。スタッドガーデンの駐車場からすぐそばの、とても素朴な井戸で、観光客はまず行かない。
そして、聖ブリジッドの泉の公園を流れる水は、Wayside Wellが源泉。
そう、この話を初めて聞いたとき、わたしもとてもおもしろいと思った。
地味で、ほぼ地元民しか知らない、古代ブリジッドの方から湧き出た水が、キリスト教のブリジッドの方に流れていって、そしてその公園の方が立派に整備されていて、人がたくさん来る。歴史が辿ったストーリーと水の流れが同じなんて、ちょっとロマンチックだよね。
そして、あなたの旅のことも同じようにロマンチックに感じる。
日本庭園に行ったんだよね?
あそこを流れる小川の水も、同じWayside Wellから引いた水だよ。
スタッドガーデンの日本庭園に流れる小川
水の情報記憶に関する文章を読んだことがある。
スプ��ン1杯の水が1TB分の情報を記録できる、という科学研究だ。
信仰が人々の普遍的な祈りを運ぶ船だと考えたとき、わたしたちは船を替えても、変わらず同じ水の上に浮かぶ。
あれこれ考えて右往左往するよりも、もっと単純に、すべては最初から土地とそこを流れる水にメモリーされていて、わたしたちはきっと、そのぼんやりとした断片にただ触れることだけができるのかもしれない。
聖ブリジッドの泉公園を流れる小川。水がとても綺麗でクレソン?が群生していた
ふたつの井戸の話にあまりにも驚いて「そんな情報、どこにも書いてなくて全然知らなかった、道端の井戸(Wayside Well)の方にも行くべきだった」とわたしが言うと、彼女は微笑みながらこう言った。
「また来ればいいよ、水が止まることはきっとないからね」
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辻堂テラスモールの青ブタのパネルや装飾が29日までなので、見納めに行ってきた!
SDパネルは映画公開前に行った時は咲太くんと花楓ちゃんと麻衣さんだけだったけど、増えてた🩵可愛い🩵
エレベーター付近で写真撮ってたら、優しいお兄さんにお声掛け頂いて、親子で花楓ちゃんと一緒に写真も撮れた🤳✨
「映画見ましたか!?」「見ました!よかったですよね〜!!」って、ファンの方と聖地でお話も出来て超嬉しかった✨✨
お兄さんは本日2回目観賞だったらしい!
私も、おでかけシスターはあと一回は観に行くつもり☺️
映画館は青ブタだけ、コーナーは広くあるのに物販グッズが空っぽだった…!映画公開日に麻衣さんのアクスタ死守しといて良かった…!!!
聖地巡礼も兼ねて、藤沢駅を背景に麻衣さん撮ったよ✌️
あとビッグカメラとアニメイトも行った!
江ノ島の頂上まで行かなくても咲太くんに会えた…www😂
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶��犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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2024.05.10 好きなことを好きなだけ
こんにちは、もふです。
休み中はのんびりしていたので出かけた範囲は小さいのですが、趣味の神社巡りとボードゲームを堪能してきました!
神社さんでは、ちょうど春になったことから催しで花手水を再開しており、見ていて楽しかったです。いつも参拝に上がったときはおみくじを引くのですが、「失くしものは見つかるでしょうか?」などの質問を思い浮かべてから引くと、大体そのときの状況にあった内容が書かれているので不思議なものです。ちなみに先日、失くしもののうち一つが見つかりました。
ボードゲームは、4月に行われたゲームマーケットで販売されていた新作を遊べました!企業さんだけじゃなく個人の方も出展しているこの祭典、一人一人のゲームクリエイターが魂をこめて作った一品が出ると考えると熱いですね・・・!通販での取り扱いが無いものや、販売が数か月先予定のゲームもたくさんあったので遊べて良かったです。通販開始が待ち遠しい!
本当は、私の好きな某探偵アニメ映画の舞台が函館だったこともあり、聖地巡礼も行きたかったのですが、まだ運転技術不足ゆえ見送りとなりました。いつか・・・行けるって証明してみせるんだからね・・・!
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あたしはあなたにはなれない
昼間に書くのは珍しいですね。いつも寝る前に書いています。不眠が加速していたのでブルーライト避けで最近辞めてました。純粋に書きたいと思わなかったしね。まとめておきたいことが終わったので暇だし書き残そう。ずっと書きたかったことでもある。
旅行に行きました。
旅行が嫌いです。子供の頃からあまり好きじゃない。修学旅行も小中高ずっと行きたくないなぁと思いながら義務で行ってた。ここ数年は年に1度だけ毎年同じメンバーで近所にのみ行ってた。静岡とか栃木とか。それも去年はなくて、正直ホッとしてた。旅行、本当に嫌過ぎる。嫌だけど年1は頑張ろうという気持ちだった。「卒業アルバムってマジで要らないし場所取ってるから捨てたいけど、捨てたら人間として何か大事なものを失う気がするから実家に置き去り。」と同じ気持ちで、旅行したくないけど全く旅行をしない人間になるのは逆に怖くて頑張ってた。でも基本行きたくない。長距離移動が苦手。家が好き。旅行で得られる経験と、旅行で得るストレスが釣り合ってない。どんなに仲が良くても誘われたら断っていた。結婚式と葬式と旅行とBBQは基本行かない。繰り返しになるけど、嫌いだから。
そんな私が旅行に行きました。いつものメンバーじゃない人と。その人へのお礼のつもりで、自分の殻を破ることでしか誠意を見せられないな、そういうつもりで覚悟決めて行ったのですが、思いの外うまくいったので、逆に旅行させてくれてありがとうみたいな感じになってしまい、恩を返すつもりがまた恩に着ることになってしまった。なので感じたことを書き残しておこうと思う。その人と破綻して全てが嫌になっても、起きた事実を忘れないように。
2泊3日。目的は仙台で行われるイベントへの参加。でも彼が福島県が故郷なのでついでに実家に顔を出したいとのことで、まず1日目に福島県へ行きました。初めて会う人とドライブするなどして過ごした。人と会うのが多分好きなので、そういう目的の旅はいいのかもしれない。ずっと会いたかった人だったしね。観光となると楽しまなきゃ感が出るけど、君に会いに来たよだと急にフッ軽な感じがして、気負わなくてよかった。夜は飲みに行って、いかにんじんを食べたりした。郷土料理に触れるのも案外悪くはないのかもしれない。義務感あるけどそれもまた思い���みたいな。因みにいかにんじんは別に好きじゃなかった。夜はひとりでドミトリーに泊まった。ずっとカプセルホテルに泊まってみたかったんだけど機会に恵まれず、また男性のみみたいなところも多いので、泊まれずにいた。カプセルホテル探してたら古い建物をリノベしたおしゃれなドミトリーが見つかったのでそこに泊まった。4人部屋で赤の他人と寝るの面白いなぁって。多分旅慣れてる人たちだったんだろう。嫌な気持ちにはならずに無事朝を迎えた。ドミトリーの斜向かいにお寺があって、そこにねこが何匹か住みついてた。朝散歩した時に撫でるなどした。そうやって行く場所全てでねこの友達を作っている私は。千葉のねこ、練馬のねこ、福島のねこ、仙台のねこ。ねこと酒はどこにでもあるし、ねこと酒きっかけで友達が増えることが多々あるので、ねこと酒が好きで良かったと思った。
2日目は仙台へ移動。在来線で1時間ぐらい?かけて向かいました。電車は寒冷地仕様でボタン押さないとドア開かないタイプ。田舎だからか日曜日だからか、乗った電車は全部座れたな。嬉しかった。途中川沿いの満開の桜並木に出会った。急に窓の外がありえないぐらい美しくなってびっくりした。見惚れた。嬉しくなった。あとから調べたら白石川堤一目千本桜というらしい。1200本のソメイヨシノが植ってて、8キロもあるらしい。本当の千本桜だった。眼福。朝早かったからまだ花見客もいなくて、純粋に川と桜だけがずっと流れていって、ほんとにまばらにしか乗ってない乗客も、みんな黙って流れる景色を見ていて、なんかすごかった。夢とか創作みたいな景色と空気だった。電車から桜が見えるなんて知らなかったのもよかった。そのあとは月並みだけど牛タン定食を食べた。麦飯ととろろ。ネギが入ったテールスープ。あと定規揚げ。食べながら彼のお兄さんと話した。大人になった兄弟を並べるのは面白い。イベントに参加した後、ホテルにチェックインしてお風呂に入ってから晩ご飯を食べに出かけた。2泊目はアパホテル。旅行嫌いはアパにも東横インにも入ったことがない。お風呂が思ったよりよかった。小さいけど露天があって、日曜の昼だから誰もいなくて、大変快適。なんでこんな遠くまで来て人混みにうんざりする必要があるんだよ。という気持ちにならなかったのがよかった。人混みも別に好きではあるけど。露天風呂の壁に書かれていた「虫さんや葉っぱさんもお風呂がだいすきです。見つけたらそっとすくってあげましょう」みたいな注意書きがかわいくて嬉しかった。風呂って変だよなぁって思った。夜は牛タンカレーと牛タンのたたきを食べた。そもそもルゥが美味いのに、でかい塊の牛タンが煮込まれてて天才だった。あとなんか日本で初めて牛タンのたたきを出した店らしい。知らんけど。美味しかったです。帰りにいちご飴を食べた。今年は彼とたくさんいちごを食べれて嬉しい。彼とじゃなくても嬉しいけど。夜は手を繋いで一緒に寝た。いっぱい頑張っててえらいねぇって言われて、そうだぞ私は今めちゃめちゃ旅行を頑張っているんだぞという自意識。寝る時になって泣いた。疲れてるのと、自虐性質でいっぱいになって泣いた。心の中であり得ないぐらい自分のことを虐め抜いてることに気づいた。言われなかったことを悪く想像して勝手に傷つくっていうよくない癖。直したいなと思いながら眠った。
3日目は松島に行くと決めていた。朝7時からやっている老舗っぽいお蕎麦屋さんで朝ごはん食べた。少し待ったけど美味しかったし、女将さんが優しくて、帰る時にいってらっしゃいって言ってくれて、それだけでまた来たいなんて思ってしまった。あと七味がめっちゃ美味かった。買ってくれば良かった。そのあと30分ぐらい電車に乗って松島へ。旅行の嫌いなところ第二位、観光。何観光って。意味ある?興味ないんだが。となっている自分の機嫌を取るために、私がだいすきな漫画、ハチミツとクローバーの聖地巡礼を絡めてなんとか気持ちを乗せた。竹本くんが自転車でたどり着いた場所が松島で、瑞巌寺。ある程度の区切りをつけるきっかけとなったのが、五大堂へ続く透かし橋。同じ場所に行くんだと思えば多少楽しみだった。晴れていたら遊覧船に乗ろうと思っていたが、あり得ないぐらい晴れていたので乗った。島々を見るための遊覧船だが、海苔と牡蠣の養殖を見れたのがよかったという独特な感想。カレーパン、笹かまぼこ、おせんべいなどの食べ歩き。あとは竹本くんと同じように缶コーラを用意しといて、飲んだ。少し写真も撮ってもらって、あぁ今思い出を作っているなぁという自覚がすごかった。晩ご飯に3回目の牛タンを食べてから帰りたかったので、時間を潰すために仙台駅近くの猫カフェに行った。地方都市の平日昼間の猫カフェは最強です。完全にオススメ。東京だと外国人がいつでもいるからね。3回目の牛タンは焼肉。厚切りと普通のと味噌と。3回目なのに3種類食べた。厚切りは誇張なしで拳ぐらいあった。牛タン以外の肉も全部質がいい良い焼肉屋さんでした。ハラミ、美味かったなぁ。あとハイボールも丁寧に作ってくれてて美味しかった。〆にアイスを食べてから少し過去を回想して、新幹線に乗ったよ。帰りの新幹線はずっと泣いてた。嬉しくて。感動してた。旅行が楽しいということに。達成感もあった。でも家に帰りたい気持ちもあって、なんか色々丁度良かった。
頑張ってくれてありがとうと言われた。頑張った。私が彼のことをすきな気持ちをわかってもらえたような感覚があった。頑張れたのは彼に誠意を見せたかったから。彼のことがすきだから。彼と出会ってから私は久しぶりに、ずっと彼とあと自分自身に真面目に真っ直ぐ向き合っている。健全な人間関係。とは言い切れないけど、自分の気持ちを誤魔化したり、相手に無理を強いたりしないでいる。この気持ちを諦めたくない。負けないと信じたい。すきなものをすきだと言い続けたい。表面じゃなくて根幹を愛したい。
旅行というと、ストレス発散とか気分転換に良いとされている行動のひとつだ。リフレッシュ。正直意味がわからない。こんなにストレスの強いものはない。お前ら狂ってるよと思っていた。いやまだ思ってる。そういう大衆の意見から外れていることは自己肯定感の低下に繋がる。しかも持続的なものだから社会不適合感も煽られる。旅行が嫌いなだけで非人間感まで得ていた。なので今回旅行を遂行できたことで、少し人間になれた気がする。ちゃんと楽しかったと思えるんだ。そんな自信をつけた。リフレッシュできたかと言われるとそれは残念ながらできてない。慣れればそうなるもんなのだろうか。分からない。
死にたいと思った分だけ、生きててよかったが来るのかもしれない。ここ1年ぐらいずっと生きててよかったと思っている。心の底から思う。感動して泣くこともある。あの時死なないでよかった。生きててよかった。そういう時は大体きれいなものを見ている。世界が美しいと知ったとき。でもそれはひとりじゃ見られなかった、知れなかった。誰かと一緒だから出会えた景色であることが圧倒的に多い。そうなると、君に出会えてよかったとなる。彼に出会えてよかったと、途中からはそればかり考えていた。こんなに旅行が嫌いだと言ってる人間をこんな遠くまで連れ出してくれてすごい。勇気があるなぁと。強いと思った。僕も強くなりたいと思った。
とはいえやっぱりストレスが強かった。特に行く前。準備が終わって、あとは当日を待つだけの数日間が1番しんどかった。行きたくないとか死にたいとかずっと思って泣いてた。自分には遠すぎるとか長すぎるとか。主に不安と心配。うまくできるかどうか分からない不安と、うまくいかなかったときに自分を守るために逃げる場所がない心配。他人に迷惑をかけるんじゃないかという心配。こんなだったら家に���たほうがいい。失敗してやっぱり旅行は嫌いだなんて改めて結論が出てしまうくらいなら行かないほうがいい。旅行嫌いのコンプレックスが頂点まで達して毎晩泣いたし全く眠れなかった。ただ、仕事中に牛タンがモチベになったのも嘘ではない。楽しみではあった。食いしん坊め。あと旅行中もあまり眠れてない。元々不眠だし場所が変わると眠れないタイプだから仕方ないことだけど。休めないクセにスイッチがずっとオンだったから、旅行から帰ってきた翌日はずっと知恵熱が出てた。こうやって書いてると本当に負担が大きくて笑う。それでも俺はやり遂げたんだ!という自負。
人の故郷に触れるのは2回目だ。1度目の時も感慨深いなぁとは思っていたけど、今回はよりそう感じた。彼の後輩とお母様とお兄様に会った。こういう場所でこういう人たちに囲まれて育ってきたんだという、ひとつの答えが目の前にある感覚。彼のことはすきだけど、顔とか声とか性格とか、そういうのは好きじゃない。好きじゃないというのは語弊がある。好きではある。けどファーストインプレッションであぁこの人のことすきだなと思ったのは、多分こいつは恵まれた環境で過ごしてきたんだということで、今まで積み重ねてきた経験や出会いを好ましいと思った。それを見てきたのだから、そりゃあ感慨深い。みんな優し��ったなぁ。もっとお話しして仲良くなりたかった。
頑張ってくれてありがとう、俺も楽しかった、俺の好きな場所と好きな人に会って楽しんでもらえてて嬉しかった、そう言われて、これ以上ない尊重だなと感じた。自分が楽しむことで相手を喜ばせちゃった。これはヤバい良いサイクルの中に入ってしまったかもしれない。このまま高め合って幸せになってしまうかもしれない。今後から目が離せないな。とか言って特に何もないのが人生だったりもする。
大変忙しい時期に2日間お休みを頂いたので、職場にお土産を買っていった。笹団子?ずんだ餅?みたいなやつ。すると同僚から「お土産いただきました」「ごちそうさまです」「どこ行ったんですか?」「牛タン食べましたか?」と声をかけてもらえた!多分これ当たり前のことなんだけど、旅行嫌い人間からするとヤバいことなのだ。こっちは自分の旅行も嫌なので他人の旅行に興味なんか1mmもないのだ。だって話を聞いても行きたいとか思わないから意味ないんだもの。他の同僚が休憩室にお土産を置いてても、あーなんかお菓子があるなぁ程度にしか思ったことがない。そんな非人間に対して、どこに行っただの何を食べたのだの声をかけるなんて。ヤバい。ヤバすぎる。超嬉しい。松島に行きました。牛タンは3回も食べました。楽しかったです。お休みありがとうございました。え?!?!?!私!!!!!人間じゃん!!!!!!!!今超人間なんですけどーー?!?!?!大興奮である。構ってもらえて嬉しいという大変原始的な感情。旅行すごい。お土産すごい。人々の文化的な営みの仲間に入れてすごい。旅行終わってるのにまだあるんですかーーー?!ってなった。次からはお土産をいただいたら興味を持って軽い雑談をしようと思いました。すみません今まで無味乾燥にお菓子だけ食べてて。
さて、じゃあ旅行が好きになったかと聞かれると、別にそんなことはない。ずっと嫌いだったものをそんなに急に好きにはなれない。ただこの3日間のことは好きだった。楽しかった。行くまでの気分の落ち込みもなかったことにはならない。確実に嫌だった。楽しかったからいいや!とはならない。誰とどこに行くかが大事なので、旅行ならなんでも!みたいなことはない。とっても限定的な旅ではあったが、私にも楽しむことができるんだという光明を得たのは大きい。今年はもういいけど、来年なり再来年なり、もっと未来でもいい、またどこかに行けるかもなぁという希望を抱かされた。実際に行くかどうかは分からない。ただ希望を持ってるのと持てないでいるのとでは生きやすさがだいぶ違う。他の苦手なことも挑戦してみようかななんて気持ちにもなる。
貴重な経験だった。連れて行ってくれてありがとう。また僕をどこか遠くに連れてってくれますか?
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20240406
ちはるん♪ @chiharu509 2024/04/06 (土) 23:25:17 ただいま帰宅しました🚗🏠 今年もこの季節に笛吹市にお邪魔出来て幸せでした✨ 天気も良くて景色もキレイでピンクの絨毯に感動でした🍑🌸 大好きな御坂楽しかったです😊🎶 #レミオロメン #山梨県 #笛吹市 #御坂 #聖地巡礼 @ojro_men @maedaya_olive @Ryota_Fujimaki くう間もん @kasu3iro 2024/04/06 (土) 22:07:15 Replying to @maedaya_olive 良いですね🍑🌸美味しいお花見🌸 🍷😋春の恵カンパ~イ🍻 だお(;´д`) @yoshitomo0627 2024/04/06 (土) 21:53:37 Replying to @maedaya_olive 少し長いキスをしてみようって言われた気がしました😻 しろ @shiro_kuro46 2024/04/06 (土) 21:25:36 Replying to @maedaya_olive 前田屋さんとキスヴィンさんのマリアージュ、ぜひ試してみたいです! kazu @kazu40159073 2024/04/06 (土) 20:14:12 Replying to @maedaya_olive 焼きハマグリにオリーブオイル! めちゃくちゃ美味しそうですね😋 すぎっち★3NS @sug1cch1_R1 2024/04/06 (土) 20:02:57 Replying to @maedaya_olive 春ど真ん中🌸ですね🥰 明日行きます!!楽しみです!! ラムネ @spi_chil_lovely 2024/04/06 (土) 09:20:19 Replying to @maedaya_olive 桃モッツァレラチーズです。桃サイコロ切り、モッツァレラチーズも角切りし、クレイジーソルト、レモン汁、オリーブオイル、あれば白ワインビネガー少々。混ぜるだけ。白ワインに合います♪山梨の桃でぜひ! ありひろちゃん @arihiro_CHAN 2024/04/06 (土) 05:59:47 Replying to @maedaya_olive 茹で野菜にかける 生野菜にもかける 野菜スープに垂らす トーストしたバゲットをオリーブオイルに浸して食べる 昨日はかために茹でたブロッコリーに塩とガーリックのマジックソルト、自家製のドライバジルとドライローズマリーをかけて、グラナパダーナの粉チーズをかけてたっぷりのmissionかけました くう間もん @kasu3iro 2024/04/06 (土) 00:29:09 Replying to @maedaya_olive m(_ _)mww(笑) 🫒シンプルに?そのまま!!美味しいので!! 味わってます😋😆🥄ゴクゴクと😄 花畑の🧀にトロリ美味しさ!マシマシです🫒👏👏 しろ @shiro_kuro46 2024/04/06 (土) 00:20:55 Replying to @maedaya_olive ゆでたブロッコリーにあっつあつのモッツァレラをかけて、その上から前田屋のコロネイキをかけて食べるのにハマってます!
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20240406
琥珀🎸✨🔥🎵 @c90fd72c0f0341f 2024/04/06 (土) 23:36:38 Replying to @ojro_men ですです~🦑🎮 ちはるん♪ @chiharu509 2024/04/06 (土) 23:25:17 ただいま帰宅しました🚗🏠 今年もこの季節に笛吹市にお邪魔出来て幸せでした✨ 天気も良くて景色もキレイでピンクの絨毯に感動でした🍑🌸 大好きな御坂楽しかったです😊🎶 #レミオロメン #山梨県 #笛吹市 #御坂 #聖地巡礼 @ojro_men @maedaya_olive @Ryota_Fujimaki むーちょ(むーちゃむーちょ) @ringonoDANGO 2024/04/06 (土) 22:39:19 Replying to @ojro_men おはよぉございます( ´ ▽ ` ) バタバタすぎてなうです…ふぅ ちはるん♪ @chiharu509 2024/04/06 (土) 17:12:25 Replying to @ojro_men おはようございます🍑🌸 銚子っぱらです あんみつ彦 @anmitsuhico 2024/04/06 (土) 16:48:10 Replying to @ojro_men おささん、こんにちは😃🌸 暖かな陽気なのでたくさんの方がお出掛けされていて、道がいつもより混んでましたー🚗🚚🚓🚙🚙 megmeg🐥🌸🐰 @megmeg_fblc07 2024/04/06 (土) 14:37:17 Replying to @ojro_men 絶賛ももの花に包まれてます🌸☺️🌸 おはよおさん🐥💓✨☀️ ありひろちゃん @arihiro_CHAN 2024/04/06 (土) 13:54:44 Replying to @ojro_men おはようございます☀ 暖かくてお花見日和です🌸 仕事ですが… 小瀬に夜桜みに行こうかなと思っています sayaka @saya103 2024/04/06 (土) 13:26:58 Replying to @ojro_men こんにちは☁️ 雨降る前に桜前で写真撮ってきました🌸 gash @a_kie_1123 2024/04/06 (土) 13:23:37 Replying to @ojro_men おはよーございます😊 お昼ごはんに食べたのでしょうか🍜 yoshino @yoshino3996 2024/04/06 (土) 13:21:31 Replying to @ojro_men おはようございます🌞 🍜お腹いっぱいになりましたか? 🎮昨夜は4時間超え!お疲れ様でした。今日は土曜日♫ 今夜もお顔見れるのかな💕 Ayaka Oshikata @AyakaOshikata 2024/04/06 (土) 13:21:25 Replying to @ojro_men おはようございます☀ hiroちゃん (ひろiro) @iro_one_iro 2024/04/06 (土) 13:11:46 Replying to @ojro_men おはようございます☔☁️ お昼は寒いけど😅冷やし担々麺を食べました。辛いや〜つ 美味しかったです🌶 remiofan @remiofan 2024/04/06 (土) 13:06:49 Replying to @ojro_men おはようございます🌸 満開ニキ🙋 remiofan @remiofan 2024/04/06 (土) 13:01:06 Replying to @ojro_men おはようございます🌸 ラーニキ🙋 se-co @seico77 2024/04/06 (土) 12:55:40 Replying to @ojro_men こんにちは✨ 4/7初sumikaは大阪=いーこ @cosmos_rabbit 2024/04/06 (土) 12:55:19 Replying to @ojro_men おはようございます。 スマイルりん @FT_lovelysmile 2024/04/06 (土) 12:48:34 Replying to @ojro_men こんにちは。暑いぐらいな今日 近所の桜🌸を見に来てます〜 𝓨𝓾𝓴𝓲* @yukiheartweaver 2024/04/06 (土) 12:48:13 Replying to @ojro_men おはようございます🥰 なつみ* @remi_72 2024/04/06 (土) 12:47:45 Replying to @ojro_men おはようございます*本日はflumpool奈良に行ってきます⭐︎ 各地で桜が見頃ですね🌸 Alice @Alice6499530073 2024/04/06 (土) 12:46:14 Replying to @ojro_men おはようございます😃
いいですね!🍜 こちらは🧀ケーキ爆食‼︎ 笑歌走(🛩えりこ♡) @motuch71 2024/04/06(土) 12:43:51 Replying to @ojro_men こんにちは🌸
桜が綺麗です momo @momochi039 2024/04/06(土) 12:40:05 Replying to @ojro_men 起きてたんですね🍜
おはようございます😇 くう間もん @kasu3iro 2024/04/06(土) 12:38:31 Replying to @ojro_men おはようございます🌸☁ 花冷え^^;ですね~ 🍜ランチ?ですか?☺️ 良い午後を🍀🍜 きしめんRI-nem @rijooki 2024/04/06(土) 12:38:30 Replying to @ojro_men 起きてましたか🍜 おはようございます⛅ オサロスってた間に東京喰種全シーズン見終わりました📺😇 まき @H8_maki19 2024/04/06(土) 12:37:59 Replying to @ojro_men おはようございます♪😊 ランチ🍜😄 琥珀🎸✨🔥🎵 @c90fd72c0f0341f 2024/04/06(土) 12:37:40 Replying to @ojro_men おはようございます😊 やはり寒くなりましたね~ お昼はうどん❓ラーメン🍜❓ あられ @0416_haha 2024/04/06(土) 12:37:34 Replying to @ojro_men こんにちは😊 今日も良い日になりますように🌸 梅崎美智子*藤巻っこ @umezakisakura 2024/04/06(土) 12:36:18 Replying to @ojro_men はい! おはこんにちは〜😊💖 さとみ @remisato 2024/04/06(土) 12:36:12 Replying to @ojro_men こんにちは(*´∀`*)ノノ
旦那さんの実家に到着しました🙋
暑いですι(´Д`υ)アツィー ももくるひめ @momokurumihime 2024/04/06(土) 12:35:25 Replying to @ojro_men おはようございます! お昼ご飯食べてまーす🍜 akko @akkoro_men 2024/04/06(土) 12:35:24 Replying to @ojro_men おはようございます☀️☀️☀️ なつみ* @remi_72 2024/04/06 (土) 08:05:41 @ojro_men おはようございます* 流れてきたので、ご存知かもですが共有しておきます🦑🌸
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2024年1月5日
藤井風さん効果で30倍増、岡山県里庄町のふるさと納税が4億3000万円に 返礼品に兄のライブも(中国新聞)2024年1月5日
藤井風さんのポスターが飾られた里庄町役場(2021年撮影)
藤井風さんの出身地、岡山県里庄町で、ファンの「聖地巡り」が絶えない。故郷への注目度が高まるとともに、町へのふるさと納税も増えている。2018年度に1325万円だった寄付額は、22年度には約4億3千万円と30倍に増加した。23年度はさらに伸びる見込みで、町は「風さんの活躍と、返礼品を増やして町のPRを進める戦略がうまくかみ合った」と喜ぶ。
【画像】里庄町の藤井風さん「聖地」
兄でミュージシャンの藤井空さん(39)=神奈川県在住=も、里庄町へ恩返しの気持ちを表す。町内の料理店で昨年秋、ふるさと納税の返礼品としてライブを企画。ピアノやトランペットで楽曲を披露した。空さんは「今後も企画を続けたい」と話す。
風さんは21、22年と紅白歌合戦に出場。最近はドラマの主題歌の「花」を発表した。22年の紅白で披露した「死ぬのがいいわ」はインドなどでも大人気で、活躍の場を海外に広げている。今後も「藤井兄弟」から目が離せない。
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広島駅にミャクミャク出現「かわいい」「会えてすごく興奮!」大阪・関西万博オフィシャルストアが期間限定でオープン(RCCニュース)2024年1月5日
2025年に開催される大阪・関西万博を前に広島駅で期間限定のオフィシャルストアがオープンしました。
広島駅に5日オープンしたのは、大阪・関西万博のオフィシャルポップアップストアです。公式グッズおよそ100点が取りそろえられており、家族連れなどで賑わいました。
来場客 「(大阪・関西万博に)行くつもりです。前売り券を買って。この子が世界が好きで楽しみにしてて。世界の人とお話したいんだよね?うん」
オープン初日の5日には公式キャラクターの「ミャクミャク」が来店し、来場者との記念撮影にも応じました。
来場客
「Q.ミャクミャクと写真を撮ってみてどうだった?」
「かわいかった」
「個性的で好きなキャラなので、こうして会えてすごい興奮しました。写真撮れて嬉しいです」
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 喜多菜都美さん 「広島は観光の要所でありますし、インバウンドのお客様も増えていますので、そういった方にグッズを見ていただいて「ミャクミャク」を通して大阪・関西万博を知ってもらって認知度が広がればと思っています」
オフィシャルストアは16日まで営業。15日までは午前11時から午後8時まで。16日は午前11時から午後6時まで開催されています。
競り人のかけ声が響き 広島市中央卸売市場で初競り 瀬戸内海近郊で捕れた新鮮な魚介類が次々と(RCCニュース)2024年1月5日
広島の食を支える広島市中央卸売市場で5日、初競りが行われました。
始まりの合図である鐘の音が鳴り響くのは、広島市中央卸売市場の初競りです。
初競りの前には、5日から仕事始めとなる漁業関係者が集まり、大発会が開かれました。大発会では、能登半島地震の被害者にむけ、黙祷が行われました。
広島市中央卸売市場 久波一行場長 「コロナ禍で変容した消費者行動を的確に捉えたうえで、将来にわたり新たな事業モデルの構築取り組んで行く必要がある」
ことし1年の繁盛を願う一本締めが行われ、いよいよ初競りです。
競り人の勢いのあるかけ声がかかり、初競りが始まりました。瀬戸内海近郊で獲れた魚介類が次々と競り落とされます。初競りではサワラが最高値の1万円で取引されました。
広島市中央卸売市場では建て替えの整備事業者も決まり、大きな節目を迎えようとしています。
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キリストの生誕の地として知られるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムでは、今年のクリスマス行事が中止になったそうです。パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の侵攻で民間人の犠牲が増え続けているためで、観光客や巡礼者がベツレヘムへの旅行を控え、この時期に最もにぎわうこの地が、今年は12月に入って閉鎖状態になっています。
ベツレヘムの教会では生まれたばかりのキリストが爆撃による瓦礫の中に置かれ、聖母マリアが彷徨いながら幼子を捜している様子が『キリストの降誕』として再現されています。
以下、現在のガザの状況をまとめてみました。
・・・・・
10月7日以来、ガザでは20,000人以上の市民がイスラエル占領軍によって殺されている。この数には8,000人以上の子どもたち、少なくとも97人のジャーナリストやメディア関係者、少なくとも310人の医療スタッフ、136人の国連職員が含まれている。約1,700世帯から複数の人々が殺され、15,000人以上の子どもを含む52,000人以上が負傷している。ガザでは少なくとも1,000人の子どもが片足または両足を失った。人道支援団体によると、瓦礫の下で行方不明になっている人がまだ何千人もいるため、実際の死者数は20,000人をさらに上回ると報告されている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエルがガザでの戦術として民間人の飢餓を利用していると報告した。イスラエル政府高官は、ガザの市民から食料、水、燃料を奪うことを目的とした公の声明を発表しており、この声明はイスラエル軍の軍事作戦に反映されている。
国連は12月21日、ガザの4人に1人以上が飢餓状態にあり、ガザ地区の全人口が飢饉の差し迫ったリスクに直面していることを明らかにする報告書を発表した。
ガザに避難している190万人の間で、病気が急速に広がっている。 世界保健機関の職員によれば、髄膜炎、黄疸、水ぼうそう、伝染性膿痂疹、疥癬、上気道感染症などがそれにあたる。
+972の報道によると、避難所の混雑した状況、清潔な水と衛生的なトイレの不足が、包囲された飛び地全体に病気を急速に蔓延させていると専門家は指摘している。
ユニセフはガザでは清潔な水が不足しているため、病気により死亡する子供が増えると警告している。また、ガザの子どもたちは一滴の水も飲むことができず、彼らやその家族は、安全でない水源からの塩分濃度の高い水や汚染された水を使わざるを得ないとし、安全な水がなければ今後数日のうちに、より多くの子どもたちが困窮や病気で命を落とすだろうと付け加えた。
ガザでは6万戸以上の住宅が完全に破壊され、さらに25万4000戸以上がイスラエル軍の空爆によって損壊した。
ガザ全域で部分的に機能している医療施設は36カ所のうち8カ所のみで、北部には機能している病院はない。
南部にある機能的な病院は、収容能力の3倍で運営されている。
ガザの学校の69%以上が被害を受けた。
およそ625,000人(100%)の生徒が、現在教育を受けることができない。
12月19日、ユニセフは声明を発表し、ガザ地区は子どもにとって世界で最も危険な場所であると述べた。また、ガザの子どもたちが栄養失調、病気、食料、水、医薬品、衛生設備、保護の欠如という危機に直面していると指摘した。病気による子どもの死亡は、砲撃による死亡を上回る可能性があるという。
国連人権高等弁務官事務所は、イスラエル軍がガザ地区で少なくとも11人の非武装のパレスチナ人男性を家族の目の前で殺害したという情報を入手したと発表した。イスラエル軍はその後、女性や子どもたちを部屋に入れるよう命じ、発砲したり手榴弾を投げ込んだりしたとされ、幼児や子どもを含む何人かが負傷したと伝えられている。
12月20日、イスラエル軍は2日間の包囲の後、ガザ北部のジャバリヤにあるパレスチナ赤新月社の救急車センターを襲撃した。職員と救急隊員は逮捕され、確認できない場所に連行された。
12月19日、ガザ市のアル・レマル地区で5階建てのビルが襲撃された。100人以上が死亡し、16人が負傷した。さらに50人が瓦礫の下で行方不明となっている。
国連人権事務所は12月16日、ガザ北部からの報道を引用し、『イスラエル軍による子どもや女性を含む数千人のパレスチナ人の大量拘留、虐待、強制失踪』に関する報道声明を発表した。
ワシントン・ポスト紙の分析によると、イスラエル政府が提示した証拠は、ハマスがアル・シファ病院を指揮統制センターとして利用していたことを示すものではなかった。 同紙ではオープンソースであるビジュアル、衛星画像、および公表されたすべてのイスラエル軍が公開した資料が使用された。 同紙の分析は以下の事実を示している。
イスラエル軍によって発見されたトンネル網に接続された部屋には、ハマスによる軍事利用の即時痕跡は見られなかった。
イスラエル軍のハガリ報道官が特定した 5 つの病院の建物はいずれもトンネル網に接続されていないようだった。
病棟内からトンネルにアクセスできたという証拠はない。
イスラエル軍が施設に入る数時間前に、バイデン政権はイスラエルの主張を裏付けるものであるとして米国情報機関の評価を機密解除した。 襲撃の余波を受けて、イスラエルと米国の当局者は当初の声明を堅持している。
アメリカ政府はアル・シファ病院に関する機密解除された資料を一切公開していない。
ハガリ氏は22日、定例会見で戦況について説明し、「ガザ地区北部の作戦は最終段階にある。制圧に近づいている」と述べた。
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ストリートアーティストのバンクシーが22日、ロンドン南部の交差点にある標識に描かれた新作をインスタグラムで発表しました。この作品は一時停止を求める「STOP」の標識の表面に軍事用ドローンが3機連なったもので、反戦を訴えたとみられています。
2003年、バンクシーは初めてベツレヘムの分離壁に『Love is in the Air』というタイトルの作品を描きました。顔をバンダナで隠した暴徒のように見える1人の男性が、今にも火炎瓶を投げつけるような姿で描かれていますが、手に持っているのは武器ではなく、花束です。バンクシーは2005年にもベツレヘムを訪れ、分離壁に幾つかの作品を残しています。その1つが『Girl with Balloon』で、風船を持った少女が宙に浮く姿は、分断壁の撤去と人間の自由に移動する権利を現しています。分断壁に設置された監視塔にいるイスラエル兵に狙撃されるかもしれないという危険を冒しながら描いたという、バンクシー自身のコメントも話題になりました。
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バンクシーは分離壁の真正面にある『ザ・ウォールド・オフ・ホテル』(THE WALLED OFF HOTEL:壁で遮断されたホテル)のオーナーでもあります。2017年にオープンしたこのホテルは『世界一眺めの悪いホテル』と呼ばれ、客室の窓からは目の前にはばかる無骨な分離壁しか見えません。
私も自分なりの反戦アートを作ってみました。(写真上)
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今後のイベント・ワークショップ
ドロップイン・ナイト 木曜日 19:00〜20:00
3月7日(木)指導霊(スピリット・ガイド)のサイキックアート
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アニメの聖地巡礼について質問です。 聖地化に成功したところと、失敗したところ それぞれ教えてください。
まず始めに。 独断と偏見にまみれた、私個人の見解であることを予めお断りいたします。 旧いアニメ作品をあげるとキリがないので、直近の聖地アニメを例にします。 【成功した場所】 茨城県大洗町(2012年 ガールス&パンツァー) 神奈川県藤沢市・江ノ島(2012年 TARI TARI ほか) 石川県金沢市・湯桶温泉(2011年 花咲くいろは) 埼玉県秩父市(2011年 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。) 広島県竹原市(2010年 たまゆら 〜hitotose〜) 【失敗した場所】 成功した場所以外のすべての聖地アニメ 代表例: 千葉県鴨川市(2012年 輪廻のラグランジュ) 静岡県下田市(2012年 夏色キセキ) 聖地化の成功のキメ手は… 1)アニメ作品として面白いこと←最重要事項です! 2)アニメ作品中で��街並みなどの再現性が高く、風景がとても美しく描かれていること。 3)アニメ作品中で、その場所に対するアニメ製作スタッフの思い入れや愛情などが、視聴者に伝わること。 4)スタンプラリー、物販、コラボ企業などで、聖地と連動した企画があり、聖地化の盛り上げに地元やコラボ企業が協力していること。 5)露骨に商売っけを出さないこと。←4)をやりすぎるとコレになってオタクに嫌われます アニメの聖地化は、新たなる観光の目玉として期待を寄せる地方自治体などが、近年特に増加しました。 しかしアニメの聖地化はとても狭き門です。 年間100以上のアニメ作品がある中で、聖地アニメとして成功する作品はわずか1〜2作品程度。 しかもその年に公開、放送されたアニメの中でも1〜2位を争うほどの出来の良い作品に限られています。 (DVD、BDの販売枚数が多い作品という意味ではありません) 成功組の神奈川県の江ノ島でさえも、当たったのはTARI TARIだけであり、他の同様に江ノ島が舞台として登場した数作品は話題すら集められなかったという、厳しい現実があります。 ガールズ&パンツァーが大ヒットしたことで、関東地方の小さな漁師町にすぎず観光資源にも乏しかった大洗町は、全国のアニメファンに名前が知れ渡る1級のアニメ聖地となりました。 聖地化のキメ手である1〜5項の条件を微妙なバランスで、高いレベルで満たしており、ガールズ&パンツァーは奇跡的に成功した聖地アニメだと思います。
すごく早口で言ってそう・・・
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随分と御無沙汰であった。前回は、日本への帰路はヘルシンキ経由だったが、なんだか、ぐったり疲れていて、NoaとIsabelとの旅行の後には、何も書いていなかったのか。。。と気付く。
七月中旬に帰国し、八月下旬に帰独。一ヶ月半滞在した日本は、異様に暑く。七月中旬まで、ドイツでもそれなりにバタバタしていたのもあり、帰国して立教や東大に行ったりとバタバタした後は、疲れて倒れていたように思う。山中湖は涼しく過ごしやすかったが、思わず何事にも全力投球して夢中になる私は、甥っ子と彼の犬、礼緒と過ごした後は、AI哲学研究会で東京に出た以外は、また山中湖で倒れてしまう。そして論文を書いた後も、ほぼ機能不全になっていた。母が付き添ってくれていたものの、疲れのせいか、体調不良のせいか、山中湖で倒れていた日々の記憶が断片的だ。
夏の成果は、オニヤンマを甥っ子と作って、石割山登山して、報湖祭の花火を見た事と、甥っ子滞在中に今学期の履修学生達の成績をつけた事。OISTの研究者に誘われた言語についての論文は、なんとか書き上げた事。また、五年目に入ったカスリス先生の日本哲学小史という大著の翻訳に、一応の目処を立てた事かな。そう。ハンブルグでは、日本の聖武天皇、聖徳太子の十七条憲法から鎌倉に至るまでの長い章を、ひたすら訳していた。帰国してからは、道元と西田を終わらせたかった。。。
言語についての拙論は、詰めが甘いようにも思うが、言語を使って考えるということはどういうことなのか。習慣的思考と言語の関係について、考えてみたかった。言語の限界が世界の限界といったヴィトゲンシュタインを研究した大森荘蔵が展開した、言霊論の重層性に関心を抱き、日本の近代言語学の祖でもありソシュール批判をした時枝誠記、Yale言語学のSapir-Worf仮説などや、現代のAIの祖を築くNorm Chomskyの生成文法を概観しつつ、彼らが言語の何を解き明かそうとしたのかをまとめた。空海の声字実相義やデリダのエクリチュールとパロールの問題にまでは展開できなかった。まぁ今後のネタの一つかな。言語を巡るアンソロジーにはなりそうだ。
先人達の試みを簡単にまとめると、言語を構造的とみたいのか、意味的とみたいのかの両極に別れる。言語の見方の差異を過去の研究者達を追うことで浮き彫りにした。両者のアプローチはスイングしつつ発展しゆく。ChatGPTで解明された事は、言語構造に偏り過ぎてもダメという言語の不思議を改めて確認した作業だったように思う。重層性が言語に内在するものであるならば、思考にも重層性が自ずとあるだろう。言語操作を通した概念操作でしか、人間が新しい発想を具体化できないのであれば、言語の貧弱は思考や発想の貧困化を表す。
どおりで、現代日本社会の言説は陳腐。知識層を自認する者たちは、目立つ奇抜な論を展開し、適当に和製英語を散りばめて煙に巻く事を好み、そして大衆も、そうした陳腐を好む。今年は高校野球は塾高大活躍だったが、彼らへの妬みや誹りもひどいものだ。桐蔭、智弁、日大や早稲田なら良いのに、何故、慶應義塾だと叩くのか。若き血の応援スタイルが無いからって、やっかみも甚だしい。伝統は一日にして作れるものではない。昨今の言論分野を見ても、高校野球を見ても、福沢諭吉の次の言葉を沁み沁み思う。曰く、愚民の上に辛き政治あり。批判ポイントの論点がズレているところで批判されても、相手をするだけ無駄だ。多様性の時代、画一的な価値観の押し付け合いは、ますます無駄になっていくだろう。
上げ足を取られないように、馬鹿な癖に言いがかりをつけてくる相手をひたすら尊重し、口先だけに理解を示す戦法しか無いのが、現代のリベラリズムだ。つまり、永遠に平行線でいきましょうという態度だ。子供に意見を求めて、心の中で子供の意見を馬鹿にしている癖に、子供の意見に理解を示すエセ教育の結果でもある。馬鹿な大人に育ち上がった元子供たちは、自分の吐く意見がどれだけ適切なものか省みる能力が無い大人になっただけ。道理で言論がどんどん陳腐になる。
9月末までに、まだまだ3本ほど論文の締め切りを抱えているが、その内の一本は熊沢蕃山という江戸前期の陽明学者。神道と儒教の融合を体現すべく実践を重んじた儒学者。幕末水戸学は熊沢蕃山から多くのヒントを得ているだろうが、彼らが重視したのは朱子学。陽明学の実践的なものといえば、私のYaleでの恩師Tucker先生がコロンビアで研究していた貝原益軒。いずれ、実践的儒教と、仏教、神道の相互浸透性について、何か考えることができればと思っている。
しかし、今の時代は、蕃山のような混ぜこぜの良いとこ取りを理論体系が無いとして取り上げない。南方熊楠があまり評価されていないのと同じだ。西田と何が違うのか。私には、世俗的権威主義しか感じられない。在野した者は評価に値せず、新井白石や西田みたいに時の権力の傍にいた者が、それだけで評価されているのか。疑問はつきない。つまり、容易な事を難解に言った者は勝という権威主義と、民衆に交じり実践を重んじた者、在野主義は無視されるという、そういう構造なのだと思う。兎に角、他人から尊敬され、立派だと言われたかった人々だけが異様に注目されているだけのようだ。
バカが東大でハダカ踊りしていても、東大だから許される。むしろ東大の癖に凄いと尊敬されたりする。それなのに、日大でハダカ踊りしても、別に誰からも良い意味では注目されず、返って、世間を騒がせたと謝罪させられる。こういう民衆の意識構造とは何か。これこそ、ポランニーの群集心理を再度、再読する必要を感じさせる事態だ。ファシズムを回避するための活発な言説は、返って、新たなファシズムを助長しているというパラドクスなのだから。
。。。とつらつら、ヘルシンキ空港のラウンジで思いを馳せる。ヘルシンキ経由にして良かった。ロンドンは管制塔コンピュータの故障で混乱の極みらしく、多くの客がヘルシンキ経由を利用している。BAとのコードシェア便だから。来月のアイルランド、エディンバラ行きは、都度、ロンドン経由なんだけどなぁ。。。そして、日本も、今は先人達のお陰様でなんとか頑張っているけれど、今から十年も経たない間に、インフラが崩壊していくんだろうな。
若い人々を教えるようになって、六年目。今夏、コロナ前に教えた、顔に見覚えのある学生さんが、社会人になって働いているレストランで偶然再会した。彼女は私にとってはいつまでも二年生。真面目な頑張り屋さんだった学生。バイトなの?って聞いた私も不用意だったが、就職したんですと教えてもらい、大きくなったんだなぁと感慨深かった。彼女は地味で、しっかりと社会を支える小さき市井の人々の代表のような方。
丸山眞男が重視した、市井の小さき人々が、これからますます、踏ん張らされていく。日本の衰退は著しい。一億総中流を実現し、八割型の国民は、現状に満足しきっているのだろう。勉強しなくても、なんとか食っていける。向上心なんて、���んなもん無くったってなんとかなる時代だ。夢を語るだけで尊敬され、夢が無い事を嘆き、夢を追いかけなくても、口先だけで夢を語れば許され、夢がある事を異様に褒める時代だ。つまり、夢なんか抱かない位、満たされている時代という事だ。失われた三十年は、成長していない事ばかりが注目されるが、底上げが浸透し、高卒は当たり前、大卒も普通になった底上げバブル時代の継続でもある。必死に生きる事なんて、命を繋いで生きるなんて事、とっくに忘却されているのだ。そんな時代に、真剣になれ、とか責任をもって、なんて多くの人にとって、白々しくしか聞こえないのだろう。
残念ながら身体が弱い私は、思うように身体を使えない。そして悔し涙ばかりする。身体の弱さ売りをしてサボる怠惰な人々と私の間にあるのは、元気だったらあーしたいこ~したいという気の焦りと苛立ちだけなのだろう。自分が動きたいほどには動けない時、私は苛立つ。苛立たず怠惰にできる人はサボっているんだなぁって思う。でも、他人は他人。私にできるのは、私も私なりに微力ながらに懸命に生きている不器用でブザマな姿を、見せ続ける事だけかもしれない。そこから、私の破天荒さに勇気を貰えたって同僚から言ってもらえたり、先生の授業楽しかったって振り返ってくれる学生がいるから。他者あっての私。お陰様で、ヘルシンキまで辿り着いています。
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映画、青春ブタ野郎シリーズの最新作「青春ブタ野郎はおでかけシスターズの夢を見ない」を109シネマズ湘南にて鑑賞してきたー
妹の花楓がお家から出て中学校へ再度いき始めてから今度は高校受験のため自らの進路を決める話がメイン。「かえで」を知っていれば「花楓」が大きく成長しているのが良く分かる描写でゆったりと観れる作品でしたー入場者特典は双葉理央ー
因みに109シネマズ湘南で観ると聖地巡礼も出来るという非常に恵まれた映画館でした。そして109シネマズにて販売中の限定ドリンク「麻衣」とサイン付きポスターと共にー
ドリンク購入特典のミニミニクリアファイルは麻衣さんでしたよー
他にもスタンプラリーもやっていて、3つ集めて応募とあとポストカードも貰いました。それとパンフレットが限定版も通常盤も売り切れ😨15日から再販予定なので来週劇場へ行かないとー
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青春の煌めきが眩しい「花火」本編シーンを初解禁!
本作の撮影は、昨年の夏のこと。もともと原作漫画が地元の方たちに親しまれていたということもあり、石川県立七尾高校をはじめ、各所での撮影交渉も「“君ソム”のためならば!」ということで、地元の方たちの厚い協力により順調に進められました。キャスト陣も、原作に登場するシーンと同じ風景を目の当たりにし、その再現率に驚くとともに「まるで聖地巡礼のよう!」と大喜び。
劇中に登場する花火のシーンは、約2500発の花火が打ち上げられる「七尾港まつり」に合わせて撮影を実施。タイミングを逃すと撮りきれないという緊張感の中で奇跡的に収められたショットは、森と奥平のアドリブの芝居もあいまって、青春のキラメキいっぱいの珠玉のシーンに仕上がっています。
池田監督も「撮影当初は、キャストといろいろ話をしながら進めていましたが、そのうち七菜ちゃんと奥平くんに任せて、2人がどんな風に演じるのか、2人をずっと見ていたいと思うようになった」と語るほど、脚本をなぞるだけでは決して撮れない2人の姿に大注目です!
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