#311jp
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benediktine · 4 years ago
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【原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か】 - 東京新聞 TOKYO Web : https://www.tokyo-np.co.jp/article/87052 : https://archive.is/ysC1T 2021年2月19日 21時17分
 {{ 図版 : 福島第一原発の原子炉建屋の状況     [1号機] 水位1.5メートル弱 「水位低下」 一部漏れ     [2号機] 冷却水は高濃度汚染水として漏出 水位が同じため損傷の可能性大     [3号機] 水位6メートル 「水位低下」    }}
 東京電力は19日、事故収束作業を続けている福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1、3号機で、原子炉格納容器内の水位が30センチ以上低下し、1日数センチのペースで続いていると発表した。13日夜に両町で観測された震度6弱の地震の影響で、10年前の事故で損傷した部分が広がり、原子炉建屋内に漏れ出る量が増えているとみられる。  炉内には事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)が残っており、冷却のため1時間3トンの注水を継続。注水量を増やすことを検討している。原子炉の温度や、周囲の放射線量に変化はない。  東電によると、1号機で15日から、3号機で17日以降に、それぞれの格納容器内の温度計の一部で測定温度が低下。温度計が水につかっていないと判断し、水位低下と結論付けた。  温度計の位置から、1号機で1.9メートルの水位が40~70センチ低下し、3号機も6.3メートルあった水位が約30センチ下がったとみられる。  1~3号機では10年前に起きたメルトダウン(炉心溶融)で、格納容器に複数の損傷を確認済み。デブリなどに触れた水は損傷部分から建屋内に漏れ、高濃度汚染水が発生している。(小野沢健太、福岡範行)
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benediktine · 4 years ago
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【東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず】 - 東京新聞 TOKYO Web : https://www.tokyo-np.co.jp/article/87498 : https://archive.is/9yT4R 2021年2月22日 17時40分
 {{ 図版 : 東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋(右)=福島県大熊町で }}
 東京電力は22日、福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台がいずれも故障していたにもかかわらず、修理せずに半年以上放置していたため、今月13日深夜にあった震度6弱の地震データを記録できていなかったと明らかにした。
【関連記事】 {{ 原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か : https://www.tokyo-np.co.jp/article/87052 : https://archive.is/ysC1T : https://benediktine.tumblr.com/post/647099580881797120/ }}
 原子力規制委員会の検討会の場で、東電側が地震の影響を報告した際に説明。東電は地震後の記者会見や公表資料で、地震計の故障に一切触れず、それ以前も公表していなかった。  福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は検討会で、「貴重なデータを取れるチャンスを逃し、反省している」と謝った。  東電によると、地震計は2020年3月、3号機原子炉建屋の最上階5階にあるオペレーションフロアと1階に、1台ずつ設置。1階の地震計は、設置4カ月後の7月に雨による水没で故障し、同年10月にはもう1台が別の原因で壊れた。  東電広報担当者は22日夕の記者会見で、「対策を施したものを設置する予定だった。故障後すみやかに復旧する必要があった」と釈明した。3号機の地震計は、事故時に水素爆発を起こした建屋の耐震性を検討するために「試験的に設置した」と説明した。  福島第一原発では1~6号機原子炉建屋の地下階に地震計が設置されていたが、津波で浸水した1~4号機の機器は動いていない。(小野沢健太)
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benediktine · 4 years ago
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【福島第一原発で大型タンク53基の位置ずれる 地震で最大19センチ】 - 東京新聞 TOKYO Web : https://www.tokyo-np.co.jp/article/88088 : https://archive.is/DAXRX 2021年2月25日 17時26分
 {{ 図版 : 大型タンクが立ち並ぶ東京電力福島第一原発の構内=1月18日、福島県大熊町で }}
 東京電力は25日、福島第一原発の構内にある汚染処理水などを保管している大型タンクのうち53基の位置が、13日深夜の震度6弱の地震でずれたとする調査結果を公表した。ずれは最大19センチ。タンク同士をつなぐ配管は外れておらず、水漏れはない。東電によると、タンクは損傷や転倒を防ぐため、コンクリートの基礎部分に固定せず、平置きしている。
【関連記事】 {{東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず : https://www.tokyo-np.co.jp/article/87498 : https://archive.is/9yT4R : https://benediktine.tumblr.com/post/647099203639721984/ }}
 東電は地震直後の14日から、構内にある1074基のタンクを点検。全エリアで、タンクに保管している汚染処理水などが漏れ出ていないことを確認し、14日に公表した。15日からは、タンクの位置がずれていないかの調査を進め、18日の定例会見で複数のタンクがずれたことを明らかにした。24日に全ての調査を終え、結果をまとめた。  この影響で一部タンクの使用を中止。今後、異常が見つかった配管などを交換する予定。高濃度の放射性物質を含む汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の運転も、一時的に停止した。(小川慎一)
【関連記事】 {{ 原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か : https://www.tokyo-np.co.jp/article/87052 : https://archive.is/ysC1T : https://benediktine.tumblr.com/post/647099580881797120/ }}
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benediktine · 4 years ago
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【福島第一原発、地震のリスクあらわに 地震計の故障、建屋の劣化、ずれるタンク‥‥】 - 東京新聞 TOKYO Web : https://www.tokyo-np.co.jp/article/92694 : https://archive.is/v2DxA 2021年3月20日 20時29分
 2月13日夜に東北・関東を襲った最大震度6強の地震では、東京電力福島第一原発の地震計が4カ月以上前に撤去されていたことが判明するなど、10年前の事故で損傷した原発が抱える危険性と、東電のずさんな体制が浮き彫りになった。3月20日には再び宮城県などで最大震度5強の地震が発生。建屋内の放射線量が高く通常の保守点検ができない状況で、終わりの見えない「廃炉」に向けて続く作業の安全性は確保できるのか。(福岡範行、片山夏子)
 {{ 図版 1 : 福島第一原発の地震のリスク     損傷、劣化の詳細が不明      水素爆発した原子炉建屋 →海風や放射線で劣化加速も      溶融核燃料(デブリ)が残る原子炉 →揺れで損傷拡大?     ⇒内部の点検や修理はできず        大型タンク →ずれて配管外れれば汚染水漏れ    }}
◆《故障後も撤去されたまま》
 福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は2月25日の記者会見で謝罪に追われた。3号機原子炉建屋に設置したはずの地震計が、故障で撤去されたままだったからだ。  「私が(故障を)把握したのは、申し訳ないです、2月19日です���。2台設置された地震計は昨年7月に1台が、たまり水につかって故障。3カ月後にはもう1台も使えなくなっていた。その事実をトップが7カ月半も知らなかった。  1~4号機にもともとあった原子炉緊急停止の判断用の地震計は、10年前の津波と事故で使用不能になった。東電は昨年4月、水素爆発で損傷した3号機建屋の揺れ具合を把握するため、先の地震計2台を設置したのだが、結局、小野氏が強調する「貴重なデータ��は全く取れなかった。  2月の地震後、溶け落ちた核燃料(デブリ)が残る1、3号機の原子炉格納容器で水位が低下。事故時にできた損傷部分が広がったとみられる。浄化途中の汚染水などを保管するタンク53基の位置も最大19センチずれた。タンク同士をつなぐ配管が外れたら、汚染水が大量に漏れる恐れがあった。
◆《「損傷の広がり分からない」》
 地震への備えを難しくさせているのは、建屋内の放射線量の高さだ。ある作業員は「中が見えないから、どう損傷が広がっているのか分からない」と漏らす。  鉄筋コンクリート建造物が専門の滝口克己東京工業大名誉教授は2019年に、日本原子力学会の分科会で福島第一原発の建屋の性能評価をとりまとめた。「原子炉建屋は厚さ1.5メートルや2メートルの壁がざらにある」といい、倒壊の恐れは低いと指摘する。  滝口氏が懸念するのは、建屋の局所的な劣化の進みだ。壁内の鉄筋がさびて膨らみコンクリートから露出すれば、さびが加速するため、ひび割れなど異変に早く気付く必要がある。地震計による観測は劣化傾向をつかむ点で貴重なものの、「目視点検の代わりにはならない」と断言する。
 {{ 図版 2 : 事故収束作業が続く東京電力福島第一原発=福島県大熊町で、本社ヘリ「おおづる」から }}
◆《「東電は緊張感が緩んでいる」》
 東電によると、1~3号機建屋の外観は19年度から年に1度ほど目視で点検。建屋内は事故直後にロボット調査をしただけで、ほとんど分かっていない。今年4月以降に、人が入っての点検を目指しており、実現すれば対策強化につながる。  ただ、作業担当者の被ばく線量を抑えることは必須で、手法や頻度は検討段階だ。デブリが残り、格納容器の上ぶたが極めて高濃度の放射性物質に汚染されている1~3号機の原子炉設備の点検は、困難を極める。  プールの使用済み核燃料やデブリの取り出しも、現場の安全確保が最優先。事故を知るベテラン社員が減り、作業員からは「東電は緊張感が緩んでいる」という声も聞こえる。廃炉の責任者の小野氏は「津波には感度高く動いていたと思う。地震もしっかり考えないといけない」と強調するが、備えは間に合うのか。次の地震はいつ来てもおかしくはない。
【関連記事】 {{ 福島第一原発で大型タンク53基の位置ずれる 地震で最大19センチ : https://www.tokyo-np.co.jp/article/88088 : https://archive.is/DAXRX : https://benediktine.tumblr.com/post/647098921698656256/ }}
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benediktine · 4 years ago
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【【3.11アーカイブ】新型コロナウイルス、大地震…。想定外の危機に必要な為政者の心構え 「危機管理」が揺らぐ安倍政権。不安の悪循環から脱するため、過去から何を学ぶか】 - 論座 - 朝日新聞の言論サイト : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020022500007.html : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020022500007.html?page=2 : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020022500007.html?page=3 : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020022500007.html?page=4 : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020022500007.html?page=5 : https://archive.is/E7ORx : https://archive.is/6Qtih : https://archive.is/mM7w2 : https://archive.is/QA5Za : https://archive.is/s25Bc 曽我豪 朝日新聞編集委員(政治担当) 2020年02月29日
 {{ 図版 1 : 新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍晋三首相(中央)=2020年2月26日、首相官邸 }}
 新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐり、安倍晋三政権がこの7年余の長期政権下でかつてないほどの本質的な批判にさらされている。
 ��国からの入国者の規制から、感染者が大量発生した大型クルーズ��に対する検査・隔離、あるいは感染防止のための暮らしの規制に関する指針づくりに至るまで、実効性のある初動対応を怠ったとの批判である。
 官邸主導が極まったことの反作用といえようか、菅義偉官房長官ら内閣官房に懸案処理が集中し、厚生労働省をはじめ現場との結節点に立つ組織の現実対応が後手に回る状況も否めない。
 その結果、危機がいつまでどこまで続くのか、国民が先を見通せず、不安を募らせるといった悪循環に陥っている。
≫――――――≪
■《一斉に噴出した長期政権の歪み》
 事実、たとえば日本経済新聞社の世論調査によれば、初動の屋内避難指示が批判を浴びた2016年の熊本震災の直後、政府の対応を「評価する」が53%で「評価しない」が35%だったのに対して、今回の新型肺炎に関しては、「評価する」40%、「評価しない」50%と逆転する。さらに熊本震災の場合は、内閣支持率を押し上げる効果がみられたが、今回はそれも真逆である。
 つまり、長期政権を下支えしてきた「危機管理」の確かさ自体が揺らいでいるのだ。
 くわえて、これも政権が選択した消費増税の影響もあり、昨年10?12月期のGDP(国内総生産)は予想を超えるマイナスを記録。さらに、国際市場も軒並み株価を下げ、もうひとつの身上だった「アベノミクス」も揺らぐ。「桜を見る会」や検察の定年延長問題をめぐっても、国会で疑惑は晴らされることはなく、ここにきて長期政権の歪(ひず)みが一斉に噴き出した観がある。
■《新型肺炎の不安除去を求める世論》
 このままでは、悲願の憲法改正はもちろんのこと、自民党総裁「4選」を含め、首相の政権戦略は根底から覆ることになろう。だいいち、これまで状況をリセットし政権をテコ入れして来た衆院解散・総選挙さえも、自在にその時期を選ぶ能力を失ってしまうに違いない。
 もっとも直近の世論調査を見れば、内閣支持率は急落するものの、立憲民主党など野党の政党支持率は一向に上がる様子はない。世論は無党派層の増大という「踊り場」に依然としてとどまる。
 どの政党の誰が、この政権に代わ���て新たな将来への道筋を示し得るか、安倍政権が立ち直る可能性はないのか――。世論は全体状況を冷静に見極めようとしているように見える。政権の打倒や擁護といった極端な政局論は別にして、なにより世論はいま、景気と深く連動し始めた新型肺炎危機への不安を除去する確かな方策を希求しているはずだからだ。
 ならば、この局面で為政者に必要な心構えとは何か、それを見定める必要があろう。
 {{ 図版 2 : 衆院予算委で答弁する安倍晋三首相=2020年2月28日 }}
≫――――――≪
■《阪神大震災を仕切った2人の官房副長官》
 {{ 図版 3 : 地震後、燃え上がる神戸市長田区(中央道路上)と須磨区(中央道路下)の住宅街=1995年1月17日、 朝日新聞社ヘリコプターから }}
 そのための教材、そして教訓が、近年の日本にはある。ひとつは1995年の阪神大震災だ。
 同年1月17日午前、地震発生から数時間後の首相官邸。社会党の村山富市氏を首相に担いだ自社さ連立政権にあって官邸を取り仕切ったのは、2人の官房副長官だった。事務方のトップである石原信雄氏と、新党さきがけの園田博之衆院議員(故人)だ。2人には一昨年、平成政治史を振り返る企画でインタビューをした(詳細は {{ 論座「二人の官房副長官が語る平成政治史」 : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2018051100001.html }} で読める)。想定外の危機に臨んで為政者が何に悩み、いかに判断したかがありありと浮かぶ、生々しい回顧談である。
 石原氏は証言する。
 {{ 図版 4 : 石原信雄さん }}
 「午前10時からの閣議の前に月例経済関係閣僚会議があり、予定してた案件について議論していたんですけど、秘書官か誰かから死者が100人か150人出たという情報が途中で入ってきたので私は席を外して、当時の国土庁防災局長を呼んで聞いたら、たいした情報が入っていない。そのうち警察庁から、大変な状態だと、死者が相当な数がのぼると。なぜ国土庁に情報が入って来なかったかというと、兵庫県の防災用の電話がひっくり返って通じないわけですよ。通常の行政ルートの電話は来ないが、警察ルートは別なんです。警察電話で人的被害がどんどん入る。そこで急きょその日の閣議は震災にどう対応するかの話に変わった。すぐ必要な手段を取ろう、何でもやらなきゃいかんとなった」  「被災地で消防は現地にいるから救助活動がテレビに映るが、自衛隊が全然映らなかった。私の部屋にも電話で随分抗議が来た。村山さん(富市首相)が社会党の左派出身だから自衛隊嫌いで出してないんじゃないかと。そんなことないよとだいぶ言ったんですけど。村山さんはとにかく何をさておいても自衛隊にやってもらわにゃいかんというので、私は防衛庁に電話した。防衛庁で中部方面 総監部から姫路駐屯地の部隊に命じて出動させたが、かなり時間がかかった。神戸まではかなり距離があり、近づくと道路が寸断状態で車両が止まったりしてな かなか到着できなかった」
 一方、園田氏の証言はこうだ。
 {{ 図版 5 : 園田博之さん }}
 「朝8時から経済関係の政府与党会議がありましたが、話題は二信組問題。 震災はぜんぜん話題にならなかった。9時から閣議があり、担当大臣の小沢潔さんが『死者は2人』と報告したが、さすがに閣僚の間から『こんなところにいちゃまずいんじゃないのか』という声が上がり、現地に向かうことになった」  「そうしたら昼休みに、竹下登(元首相)さんから私に電話があった。『亡く なった人が500人を超えた。国の一大事だ。総理記者会見をしないといけない。国を挙げて取り組まないといけない』と言う。すぐ執務室まで行って村山さんに伝え、午後2時から記者会見をすることになりました」
 こちらから、「今ならそういう情報は官房長官に集約され、官房長官から総理に伝えると思いますが、そうではなかったのですね」と聞くと、園田氏はこう答えた。
 「だから、その後、法律も変えたし、官邸の中に危機対応のチームをつくった。そういうシステムになっていなかったので、自民党官邸だったとしても同じようなものでしょう」
■《改正された災害対策基本法》
 政府の災害対策本部の立ち上げも情報収集の方法も自衛隊の災害派遣も、平時に定められた煩瑣な手続きがあり、想定外の危機には限界があった。ただ、ここで想起すべきは、その年の暮れに災害対策基本法が改正された事実である。骨子は以下の通りだ。
============≫ ○災害が「著しく異常かつ激甚な場合」は、これまで必要だった「災害緊急事態の布告」がなくても、全閣僚による緊急災害対策本部を設置できる。 ○ 県知事の持つ自衛隊の出動要請権を事実上、市町村長にも認める。 ○災害現場では、自衛官に警戒区域設定や土地・建物の一時使用などの権限を認める。 ○国会閉会中でも海外からの支援受け入れに必要な政令を制定できる。 ≪============
 いずれも、危機対応を現実に合わせようとする行政と立法府の努力の末の「果実」であった。
≫――――――≪
■《忘れられない東日本大震災後の国会議員対談》
 {{ 図版 6 : 東日本大震災。津波にさらわれ、土台だけが残った家々=2011年3月19日、仙台・若林区の荒浜地区 }}
 もうひとつは、菅直人民主党政権下だった2011年3月11日の東日本大震災である。
 震災発生からほぼ1カ月後、筆者は田原総一朗氏が司会をするBS朝日の番組に呼ばれ、被災地である宮城県選出の民主、自民両党の国会議員2人の対論に立ち会った。一人は内閣府副大臣だった平野達男参院議員、もう一人は後に防衛相に就く小野寺五典衆院議員である。
 このときの対論は、自分の政治記者体験の中でも忘れることのできない豊かなものだった。語られたのはすべてが現場の体験に基づく具体論であり、政局臭は微塵もなかった。
 {{ 図版 7 : 小野寺五典さん=2018年9月18日 }}
 「これはぜひ今後の反省点にしていただきたい」と断った小野寺氏が、「(震災発生の)翌日、車で入った時にガソリンスタンドが全部しまっていて、オーナーに聞いたら『政府が緊急車両以外に販売するなという指示が出ています』と。給油待ちの車の列ができて緊急車両が通れなかった」と指摘。そして、高速道路も緊急車両以外は通れず、現場は重機の油がない。自家発電に頼る病院では重篤患者が亡くなりかねない瀬戸際だった、と続ける。  これに対し、平野氏は「当初は灯油も売らなかった。政府に電話して元売りに働きかけてすぐに放出してもらった。緊急車両を優先したのは一つの危機管理の考え方だと思うが、ガソリンスタンドで当初売らなかったのは私もいきすぎだと思う」と語り、さらに「最初の5日間は小野寺さんが言われるように、官邸は原発対応で精一杯だった」と認めたのである。
 {{ 図版 8 : 平野達男さん=2019年6月21日 }}
 さらに、小野寺氏が「家族の遺体を確認したいが車がないので中古車屋で買おうとしたら、車庫証明と住民票がないと売れない、と。かけあってようやく3日前、無くても買えることになった」と言うと、平野氏は「私も役所は今回の震災の凄まじさ、異常さを認識していなくて通常モードで仕事をしていたと思う」と応じた。  なかでも驚いたのは、政権の危機対応組織の新設とトップ人事に、自民党が知恵を出した一件だった。
 小野寺氏が「実は仙谷由人官房副長官(故人)に被災者支援対策本部長になってくれと申し入れたのは自民党。原発対応と震災対応を分けてやったらどうか、窓口を作って下さい、と。大島理森副総裁に同行し官邸に行って、この仕組みが出来た」と明かした。
 平野氏はどう答えたか。「自民党さんから言われたのは本当にありがたい。私どもも同じことを考えていた。このままでは窓口も分からない、必要なものを送り届けることが出来ない、と」。そして、「自民党さんとは政策協議をやって小野寺さんの言うように方向はほとんど一致���ている。政党の垣根を越えていろんなことが出来る可能性は高い」と言い切ったのである。
■《超法規措置は最低限。法整備を遅滞なく施す》
 石原、園田両氏が証言したように、想定外の危機に際して、為政者は二つの命題の狭間で厳しい選択を迫られる。
 何でもありとばかり超法規措置をなし崩しで連発するようでは、法治国家の原理原則は損なわれる。さりとて平時に定められた法制度に依拠するばかりでは危機は取り返しのつかない規模に拡大してしまう。あれかこれかでは、国民の不安を払拭(ふっしょく)することはできまい。
 むろん、そこに簡便なマニュアルなどあろうはずがない。ひとつ言えるのは、絶対的に必要な場合でも、超法規措置は最小限にとどめ、そのうえで遅滞なく法整備を施す、あるいは施す意思を明らかにする。そうした二枚腰の姿勢こそが、二つの命題の矛盾を解きほぐす道ではないか、ということだ。
 そのときに、政権・与党と野党に必要な姿勢は、平野、小野寺両氏の言葉に明らかである。すなわち、野党は将来に向け政権担当能力を示すうえでも、具体的かつ現実的な問題提起と対案をぶつける。政権・与党は自らの限界を深く認識し、野党の提起に耳を傾ける余裕を持って、オールジャパンの総合力を目指す――。
 教訓とすべきは、政党政治の本質に戻ることなのだ。
≫――――――≪
■《党利党略ではなく政党政治の本道を》
 実はあの時、背景に民主と自公の大連立を策する動きがあった。民主には政権延命の、自公には政権復帰という政局上の目論みはあっただろう。だが、危機に臨んでそうした党利党略が国民の心を掴(つか)むはずもなく、菅首相が乗り出した途端に、大連立の動きは雲散霧消した。
 党利党略では危機は乗り越えられない。繰り返すが、必要なのは、政党政治の本道を貫くことに尽きる。
 もちろん、それは目の前にある危機にも当てはまる。今からでも遅くはない。
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benediktine · 4 years ago
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【焦点:「復興五輪」に戸惑う被災者たち 聖火リレーに冷めた視線も】 - ロイター : https://jp.reuters.com/article/fukushima-futaba-idJPKBN20R04E : https://archive.is/oRyZP 斎藤真理 竹中清 2020年3月4日11:35 午前
[双葉町(福島県)4日 ロイター] - かつて買い物客などで賑わっていた表通りの商店街は人影のない廃屋の回廊と化し、ひび割れた舗装道路のあちこちから雑草が吹き出すように伸び広がっていた。水田だった場所には、放射能汚染土を詰め込んだ黒いビニール袋が何千個も積み上げられている。
 {{ 動画(省略) 図版 1 : 聖火リレーは「偽りの復興」、五輪に複雑な思い抱く双葉町民(字幕・2日) }}
白い防護服に長靴姿の大沼勇治さん(43)は、傷んで雑草がはびこる自宅の前に立ち、あたりを見回しながら、つぶやいた。「住居の墓場に来たみたい」
��011年の東日本大震災と東京電力9501.T福島第1原子力発電所からの放射能流出により、壊滅的な被害を受けた福島県双葉町。同町では夏の東京五輪の聖火リレーを想定し、駅前の道路の補修や町中の除染が急ピッチで続いている。
しかし、大沼さんは、その作業を指さし、「ここで(東京五輪の)聖火リレーをやって欲しくない」と話した。原発事故で7000人を超す双葉町民が失ったものを伝えるには、荒廃し、廃墟となった地域も聖火リレーの通過点として含めるべきだ、との思いが大沼さんにはある。
「更地になった状況を見るだけでは、(双葉町の)現実はわからないでしょう」
■《歴史を塗り消そうとしている》
日本政府にとって、今夏の五輪は被災地域の再建が順調に進んでいる姿を内外に誇示する機会となる。
13年9月、ブエノスアイレスの国際オリンピック委員会(IOC)総会で行った東京招致への最終プレゼンテーションで、安倍晋三首相は福島原発の状況を「アンダー・コントロール(Under Control、問題なく管理されている)」と強調。それ以降も、大震災からの「復興五輪」をめざすとのアピールを繰り返してきた。
その演出として、今月26日から予定されている東京五輪の聖火リレーは、同原発事故の対応拠点だった福島県沿岸のスポーツ施設「Jヴィレッジ」からスタートする。
東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は2月13日、双葉町を聖火リレーの初日の通過点にすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、同委員会は聖火リレー計画の修正を検討しているが、双葉町は通過点として残る見通しだ。
しかし、聖火リレーのスタートが秒読み段階に入った今もなお、「復興五輪」開催への熱気がすべての被災者に共有されているわけではない。双葉町を福島復興の象徴にしようと、その形作りを最優先する政府の姿勢に批判的な見方も少なからずある。
 {{ 図版 2 : スライドショー ( 3枚の画像 ) }}
双葉町で育った大沼さんの自宅は福島原発から4キロも離れていない場所にあった。予想もしない避難命令と仮設住宅での暮らしを強いられてきた身にとって、双葉町での暮らしは永遠に戻らない時間になってしまったと感じている。
消えない放射能を避け、大沼さんは妻と2人の幼い息子とともに茨城への転居を決めた。かつての隣人たちの多くも、双葉町を捨て、近隣都市だけでなく、日本各地に移住して行った。暗転した人生を先に進めるための、苦しい選択だった。
思い起こせば12歳の時、福島原発PRのキャッチフレーズを競う地元のコンテストで優勝した事があった。「原子力 明るい未来のエネルギー」という大沼少年の作品は、双葉町��訪れる人々を歓迎するアーチ広告に大きく描かれた。
その広告板は福島事故の数年後に撤去された。町の歴史を正しく見つめるべきだ、として広告板の存続と一般への展示を主張した大沼さんの訴えは通らなかった。
「この町の歴史がすべて消されているような気がします。修正液で塗った感じがする」と大沼さんは語る。大沼さんは現在、太陽光パネル事業で生計を立てている。
■《復興作業は後回しに》
福島復興を前面に掲げている政府の姿勢とは裏腹に、東京五輪の開催が本当に地域の再建に役立っているのか、という疑問も被災者や住民たちにはある。
福島原発に近い浪江町で飲食店を経営する新妻泰さん(60)は、五輪開催によって工事の人件費や資材コストが上がり、地域の再建プロジェクトは大きく遅れていると指摘する。
「家ひとつ立てるにしても、職人がいないから2年も3年も待たされる」と新妻さんは言う。「こちらは後回しにされているんです」
県の農業や水産業に関与する人々も、政府の対応には批判的だ。
 {{ 図版 3 : スライドショー ( 3枚の画像 ) }}
「『アンダー・コントロール』って、何を言ってるんだと思いました」と、同原発から南に50キロ離れたいわき市の漁業協同組合の柳内孝之理事は話す。「復興をネタにオリンピックを勝ち取ったみたいな印象はありますよ」
地元漁業再生への支援を願う柳内さんの思いとは反対に、経済産業省は2月初旬、福島第1原発の汚染水の処理について、海洋放出と水蒸気放出を「現実的な選択肢」とした小委員会の報告を公表した。
同省は今後、地元自治体や漁業関係者などの意見を踏まえて具体的な対策に動く方針だが、柳内さんは風評被害がさらに広がり、地元漁業再生の可能性はさらに打撃を受けると懸念する。
被災者らからのこうした批判に対し、田中和徳復興相は記者会見でロイター通信の質問に答え、東京五輪を念頭に「地域住民に前向きな見方を持ってもらえるよう、関係各県、市町村、各種団体と力を合わせていきたい」と語った。
また、双葉町の伊澤史朗町長は「チェルノブイリと違って、私たちは住民の帰還が目的だ」とし、3月4日の双葉町の避難指示一部解除を「大きな進歩」と述べた。
■《怒りよりも、あきらめがあるだけ》
しかし、解除の対象となるのはわずかな面積にとどまっており、困難区域の大半では帰還のめどが立たない状況が続く。
養蜂業を営んでいた双葉町からいわき市に転居し、レストランを開いている小川貴永さん(49)がかつて住んでいた場所は、コンクリートの瓦礫で覆われ、野生のイノシシなどの汚物も散らばる。昔���名残をとどめているのは庭にある小さなカエルの置物程度だ。
昔の友人や近所の人たちがこの町に戻ってくることはないだろうと小川さんは思っている。妻や子供たちを説得できず、ついに住居の取り壊しに踏み切った。
「もう怒りを感じる段階は過ぎました。ひたすら、あきらめがあるだけです」と小川さんは言った。
編集:北松克朗
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benediktine · 4 years ago
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【原発事故9年 原子力のチェック機関は機能しているのか?】 - NHKニュース : https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200309/k10012317141000.html : https://archive.is/CTsoD 2020年3月9日 14時42分
 {{ 図版 1 }}
東京電力・福島第一原子力発電所で進められている廃炉の作業は、果たして安全に行われているのか。それをチェックしているのが、原発事故のあとに新たに設けられた、国の「原子力規制委員会」です。この「原子力規制委員会」は、全国の原発の「再稼働」の前提となる審査も担うなど、今の日本の原子力の安全性について非常に重い責任を負っています。世界最悪レベルとなった原発事故を教訓に設けられた、その新たな国のチェック機関は、しっかりと機能しているのでしょうか。シリーズ「原発事故9年 福島第一原発7つの疑問」。全7回のうち、4回目の今回は、原子力規制委員会が、いったいどんな取り組みや判断をしているのか、詳しく見ていきます。(原発事故取材班 科学文化部 藤岡信介)
■《廃炉作業の安全管理はこうなされている 》
 {{ 図版 2 : 原子力規制委員会発足式 }}
「東京電力・福島第一原子力発電所の教訓に学び、二度とこのような事故を起こさないために…」。国内の原子力関連施設の安全性を確認する原子力規制委員会は、このことばを設立の理念に掲げました。原発事故のよくとし(平成24年)に発足した原子力規制委員会は福島第一原発の廃炉は安全に進んでいるのか、各地で再稼働した原発の安全性に問題はないのかチェックをしています。
 {{ 図版 3 : 原子力規制委員会 更田豊志委員長 }}
重大事故や放射線、地震などの研究者5人で構成され、3年前(2017年)からは日本原子力研究開発機構の研究者だった更田豊志氏がトップを務めています。この原子力規制委員会は、廃炉の作業について月に1度ほどのペースで定期的に東京電力から報告を受けることになっています。特に原子炉建屋の周辺など、高い数��の放射線が観測されるエリアでの作業は、周辺の環境や作業員の安全に影響はないか、重点的に確認をしています。そして、問題があると判断すれば、東京電力に対して作業の改善を求めています。
■《福島第一原発で ミス相次ぐ 》
 {{ 図版 4 : 東京電力 福島第一原発 }}
最近、原子力規制委員会が指摘した課題がありました。福島第一原発では去年6月、5号機と6号機の送電線の工事で配線を誤ってぼやが発生。3号機で進む使用済み核燃料の取り出し作業でもたびたび装置が動かなくなるなどのトラブルが起きています。また、放射線管理区域に、設置が禁止されている水分補給の装備が置かれるミスもありました。更田委員長はこうした状況を問題視して、現地に駐在している原子力規制庁の検査官から状況について聞き取りをしました。すると現場で人手不足が起きていて、それがミスにつながっているおそれがあることがわかってきたのです。
 {{ 図版 5 : 東京電力 小早川智明社長 }}
原子力規制委員会はこのことを東京電力に指摘。小早川智明社長は会社としても問題の洗い出しを行い、最終的に現場の人手不足がミスの背景にあることを認め、「一部の社員に業務が集中し、現場の作業や部下に目配りが行き届いていなかった」と説明しました。
東京電力は対策を検討し、ことし4月から東京の本店の社員、70人から90人程度を原発の作業現場に配置することを決定するとともに、中途採用なども行う計画を発表しました。廃炉を安全に進める。原子力規制委員会のチェックが働いた事例の1つと言えます。
更田委員長は福島第一原発の廃炉について以下のように話します。
============≫ 更田委員長 「基本中の基本にかかわるようなところでミスが起きたとなると、もう本質的には、人手不足なのではないかと。困難な廃炉作業が進む福島第一原発ならではの問題という以前に、どうしてこんなところでミスが出たのかということをむしろ深刻に捉えた。廃炉を完了させるうえで作業員をどう守るかというのは極めて重要だ」 ≪============
■《再稼働する原発の審査も重要 》
 {{ 図版 6 : 審査に合格して再稼働した原発      川内原発 1号機 2号機 (鹿児島)     玄海原発 3号機 4号機 (佐賀)     高浜原発 3号機 4号機 (福井)     大飯原発 3号機 4号機 (福井)     伊方原発 3号機 (愛媛)    }}
原子力規制委員会が安全の確認をするのは福島第一原発の廃炉だけではありません。全国の電力会社が再稼働を検討している原発を審査することも重要な役割です。福島の事故後、国内の原子力施設の規制の基準はより厳しく見直されました。地震や津波だけでなく、火山や竜巻といった自然災害への対策を強化したほか、新たに核燃料が損傷するような重大事故や原子力施設へのテロへの対策が盛り込まれました。この基準に適合しないと、電力会社は、再稼働に必要な「審査合格」を得ることができません。
 {{ 図版 7 : 女川原発2号機 }}
先月(2月)原子力規制委員会は6年かけて行っていたある原発の審査結果を発表しました。それは東日本大震災の際、津波で被害がでた宮城県にある東北電力・女川原発2号機です。被災地・東北地方にある原発としては初めて審査に合格しました。審査の焦点は巨大な津波と大地震の想定でした。
東日本大震災では高さ13メートルの巨大な津波が女川原発に押し寄せ、取水口から海水が入り、この影響で非常用発電機の一部が使えなくなりました。そこで東北電力は震災後に想定する津波の高さを震災前の13.6メートルから倍近い23.1メートルに引き上げ、新たに海抜29メートルの防潮堤を建設する計画を示しました。また最大規模の地震の揺れの想定についても震災前の580ガルから1000ガルに引き上げました。
原子力規制委員会はこうした東北電力の想定や対策が新しい規制基準に適合しているか検討し、最終的に自然災害などのリスクに対応できていると判断しました。東北電力は地元の了解を前提に数年以内に再稼働させる方針です。
 {{ 図版 8 : 川内原発1号機 }}
一方、原発が原子力規制委員会の基準に適合していないときは原発の運転を止めることもあります。原子力規制委員会は、テロなどですべての電気を失うなどしても原子炉が重大な事故に陥らないようバックアップの施設の完成を5年という期限をつけて義務づけました。
これについて少なくとも3つの電力会社は期限内に施設の完成が間に合わず、このうちの1つ、鹿児島県にある九州電力の川内原発1号機が今月16日に停止する見通しです。このことには賛否もあります。停止すると電力会社の収益に大きく影響します。5年という期限にどんな意味があるのか、といった指摘もありました。
原子力規制委員会はこれに対し、「どこかで線を引かないとずるずると対策が延びてしまう。そうすると東日本大震災のようにいつ来るかわからない災害に対応できない」としています。
■《より実効性のある検査制度へ》
国のエネルギー基本計画では、原子力は「脱炭素化の選択肢」として可能なかぎり依存度を下げる方針は維持するとしつつも、2030年度の電源の割合で20%から22%は原発で賄うとしています。
事故後すでに鹿児島県にある川内原発1号機と2号機、佐賀県にある玄海原発3号機と4号機、福井県にある高浜原発3号機と4号機、大飯原発3号機と4号機、それに愛媛県にある伊方原発3号機の9基が再稼働しています。
 {{ 図版 9 : 規制委員会の検査の様子 }}
原子力規制委員会は再稼働した原発の日常的な検査も行っています。各地に常駐する検査官が見回るほか、年に4回大きな検査を行っています。実はこの検査方法を原子力規制委員会は来月から(4月)全面的に変えることにしています。前身の規制組織、原子力安全・保安院の時から行われていたこの検査。その手法は、実施時期があらかじめ決められているうえ、書類を確認するのが検査の中心です。このため本当に隠れたリスクを見つけ出すことが難しいとの指摘が保安院時代から上がっていました。
そこで原子力規制委員会は時期を決めず電力会社に通告もなしで「抜き打ち」で検査を行うようにしました。方法も書類の確認よりも現場に行って設備や機械の状況を直接確認する検査に重きを置くようにしました。原子力規制委員会は、より実効性ある検査態勢に改められるとしています。
■《安全の砦 原子力規制委員会はどうあるべきか? 》
 {{ 図版 10 : 多摩大学大学院 田坂広志名誉教授 }}
原子力政策と規制の在り方に詳しい多摩大学大学院の田坂広志名誉教授は、福島のような事故を2度と起こさないためには原子力規制委員会の役割は極めて重要だと話します。田坂さんが何よりも大切だと指摘するのは「規制の独立性の維持」です。原発事故以前「原子力安全・保安院」は推進官庁の経済産業省の中にあり、人事なども一緒に行われていました。このため推進側の思惑が保安院に影響しやすく、規制に失敗したとの教訓からです。
============≫ 田坂名誉教授 「原子力の推進と規制が明確に分離されるのが世界の常識であり原則。福島原発事故以前は、その原則が守られていなかった。現在は、政府の意向や経済産業省の推進政策とは一線を画して規制活動を行っているといえる。しかし、今後、委員長が変わる時など、その人事に政府の意向が働く可能性がある。そうしたことは絶対にあってはならない。規制は明確に独立し、政府や電力会社の考えに忖度することなく、国民の健康と安全の観点からのみ判断をする。それが世界の原子力規制の原則であり、日本でもその原則を守ることのできる仕組みを維持し続けることが大切。その仕組みの一つが情報の徹底的な公開。政府や電力会社内での原発の安全性についての議論や検討は、必ず公開し、議事録を残す。そうすることで多くの専門家の知恵と国民の意見が反映され、そのガラス張りの仕組みによってこそ、原発の持つリスクを最小限にできるだろう」 ≪============
 {{ 図版 (省略) }}
原子力規制委員会の更田委員長はどのような考えで原子力の規制に取り組もうとしているのか。
============≫ 更田委員長 「東京電力が起こした、あの事故への反省が十分だとは、いつまでたっても思えない。これは常に自分に対して問いかけ続けるべきことで、決して終わることはないだろう。たしかに事故の前の規制機関の動きに比べれば、革命的と言っていいような改善はあった。しかし、それで足りているという感触を持とうとも思わないし、持てないでいるのが正直なところだ。これからも原発の審査や検査を担う私たちは自分たち自身を変えようと戦っていくし、同じように電力会社も他人任せにしないで、一人一人が自分の判断と意見を持つことが安全を考えるうえで非常に重要だ」 ≪============
 {{ 図版 (省略) }}
40年におよぶ福島の廃炉作業のチェック。そして原発の再稼働の審査。そうした極めて重い責任を負う原子力規制委員会が、今後いったいどのような議論や審査を行っていくのか。私たち原発事故取材班は、その議論や審査について、日々しっかりとチェックを続け、これからも皆さんに向けて詳しく丁寧に発信していきたいと思います。
■《シリーズ 原発事故9年 福島第一原発7つの疑問》
{{ (1)「海か大気に放出を」ほかに選択肢は? 2月13日掲載 : https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200213/k10012282201000.html : https://archive.is/pL37B }} {{ (2)廃炉作業はどこまで進んだ?進んでいない? 2月19日掲載 : https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200220/k10012291951000.html : https://archive.is/lBp4P }} {{ (3)廃炉作業、残り約30年で終えられるのか? 3月2日掲載 : https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200302/k10012306101000.html : https://archive.is/G36rp }} (4)原子力のチェック機関は機能しているのか? 3月9日掲載
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