Tumgik
#魂の救急隊
beforedawnwitch · 3 months
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さすがに魁星にハマった自分誇ってこー。
ここまでくると愛しいよもう。
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テイラーの曲、著作権どうなってんのか知らないけど、流行ったあの当時こんな形で再会することになるなんて、マジで予想つかないって…
でも、こういう自分しか分からない何気ないめぐり逢いに弱いんだ。
とにかく魁星×デスドライブ×Shake It Off 最高ってことぉ!!!!
とくにローレン署長との絡みは涙出るほど笑った。
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oivgbqiqfz358 · 4 months
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--深海人形-- 受け継がれる意志(ハジケ)
※多く、Threadsより引用
※クロスオーバーネタ注意
※全体的に閲覧注意
※雑多にネタをぶち込み
※キャラ崩壊注意
※格言:私の性癖に読者は無関係である。
…。
『Effigy(生体部品)』加工なんてのをやってる時点で、ワイにEXAを批判する権利なんて無ぇよ、畜生(※何れはハマーン様辺りが其れになった系の更なるIfを描きたいです!!!!)!!!!
…Effigy作った開発チームさぁ、本当は、Effigyを、なるべく、アニメ悪魔の桃玉か某侍魂の鶴女中(※萌えの究極体)かID-F87みたいにしたかったってさ(※無理です)。…筆者は最初から無理だと思います(※ぽよ)。
…。
…公式で海腹川背の子孫、横山埜鼓たんが存在する限り、海腹川背は人生の一度だけでも、結婚して、旦那持ちで子持ちでないと話が成立しないのだ(※…少なくとも、一生独身は無理)。
…『○○は××の子孫(※時空超越ネタ込み)』ネタ自体は大変ありきたりだが、安直に入れるべきでは無かったと思う。キャラを深掘りすれば深掘りする程、今回の彼奴等みたいに脳を焼かれる奴が出て来る(※怖ろしいね)。
…世界観とか話作る能力無い人間が、ストーリー性とキャラクター性がやけに強いゲーム作ると大抵悲惨な事になる(※気がする)。
…。
…ロボアニメ(特にリアル系)全般に言えるけど、オート操作と見せ掛けて実はマニュアルなので其の隙に奇襲をするみたいな攻撃も出来る筈なのにな(※…けれど、実際は全然無い)。
…基本的に、ロボアニメで描かれる、ロボ同士の戦闘って、スタイルが鬼滅か聖闘士星矢に近い(※気がしてる)。…HxH、ジョジョみたいな『兵は詭道也(孫子)』の、相手を騙して少しでも出し抜く、知恵を使う戦い方は基本しない(※其う言う方面についての議論もされない)。
…「…此の一連の動作は全てオート操作だ!動作が終了する迄相手は隙だらけだ!!(※確信)」…と相手が思い込んで、ある程度近づいた瞬間に、実は此れ等動作は全部オート動作に見せ掛けたマニュアルで、一気に此方が詰め寄りバッサリ斬る(※…みたいな戦法全然無い)。
…宇宙世紀ガンダム履修してる時と過去拙作(特に異宇宙とボクは許さない辺り)を書いてる時によく思ってた……HxHって皆全編に渡って最高に高度な戦略を張り巡らせて戦ってたんだな……って(※其う考えると星矢は正反対)。
…The Oってどのモビルスーツ、モビルアーマーともパーツの互換性無さそうだけど、どうやって修理用のパーツ調達してんの?…真逆、わざわざ一から作ってんじゃないんだろうね?(※趣味で作ると如何しても其うなる)。
…The Oとエルガイム mk-1は割と対照的だと思う(同じ意見は全く見掛けないけど)。片方は性能重視で量産性も度外視なのに、エルガイムはパーツ一つ一つをデチューンしてでも量産性と整備性を確保したモンな(…其の御陰で、反乱軍はエルガイムを量産してポセイダル軍に優勢を取れる様になった)。
…世間は逆だと考えてるだろうけど、The Oは隠し腕だけ完全マニュアルで動かして居ると思う(※サイコミュ操作万々歳)。
…。
…コウ・ウラキ君にAT・アーマードトルーパーを見せてやりたい、どうせシロッコみたいな感想になる(※如何足掻いても最低の匂い染み付いて む せ る )。
…ポケ戦のバーニィ、ザクに乗るよりATに乗った方が戦果出せたんじゃないか説(※…ATの操縦は凄まじく簡単だし……)。
…。
…ウラキとかガトーとかも泳げると思いますよ。泳げない正規軍人とか有り得ない(※…宇宙賊とかゲリラとか宇宙戦国時代の軍隊なら幾らでも居るだろうけど)。
…宇宙世紀じゃなくこれてアナザーだけど、鉄華団とかはどうしてたんだろうな……??(※あの時に落ち所が悪かったら大打撃被ってたんじゃ……??)。
…。
ワイの歴代ネタ&(男・ショタ)リョナ用サンドバッグ(※或いはトレモの木偶かあすらん並オモチャ)一覧(※此れからの拙作で、昔の奴で復活する奴居るかも)。
…意外と少ない(※…尚、アールじみやが生存する限り無限に増えます)。
ウェイン兄弟(※元祖でありR-9A的存在)
京サマ
NAOYA
漂流者数名
俺だけひょうきん族(※史実の新撰組副長は若かりし頃、非常にひょうきんであった為、検索避け目的でも此の様な渾名で呼んで居た)
死に損ないの猿
無言の不審者
元メトロシティの英雄
某モテモテリア充武神流忍者
某盗賊団の団長
ヒソカス
交渉人(ネゴシエーター)
七瀬ちゃん
ブレア・何とか
せぇこちゃん大好き反則君
ロソ豚
イカサマタマゴ
たまのりピエロ
アナベル・コケコッコー
死因:スイカバー突撃自称一握りの天才
…他に居た様な気がする(※居たら教えて欲しい)。
…。
ジェリド「…嗚呼、…シロッコか……。…彼奴は木星時代から不健康な生活してそうだからな……、…脱いでも……ってぇ、…うわっ……、…貴様?!何故其んなに筋肉質なんだ?!???(※注:ジェリド君はシロッコ君が上半身を脱いだところを見ました)。」
シロッコ「…木星は基本的に娯楽も無くて地獄だ。其れに、暇な���は筋力鍛錬で暇を潰してたからな(※謎のドヤ顔)。」
ジェリド「…何て健康的なんだ……!!(※健康的過ぎだろ!?)。」
…。
…此のシロッコ君は長生きしそう、どこぞのヴェイガン絶対殲滅爺さんみたいに(※絶対嫌な爺さんになるww)。
…。
…新人クリエイターを寄せ集めた練習台、当の監督にZガンダムの踏み台扱いされながら、FSSとZガンダム及び以降のガンダムシリーズの基礎になれたエルガイムは、可也の幸福なアニメかもしれない(※正直ドラグナーよりも幸福だと思う)。
…レイズナーは、何とか再アニメ化して、最後迄当初の構想通りに全てを描き切れないと、何時迄経っても救われないんだろうな(※遠い目)。
…ドラグナー最大の救いはスパロボに出て再評価された事とSEEDシリーズの礎になれた事(※割と救われてる、完全にリアルロボットアニメ史に埋もれなかったのは、最早奇跡に限りなく近い僥倖)。
…ガンダムだけが勝者でエルガイムとレイズナーとダグラムとドラグナーは敗者なんだね(※辛い)。
…本当はドラグナー好きな筈なのに、すぐ「…あんなアニメ凡作レベルじゃんww此れだから、マイヨニキとミン大尉は0083のガトーとシーマに本家越えされたし、ZZより可哀想な扱いなんだわww(※嘲笑)。」…みたいな事言い出すワイ(※最高に面倒くさい)。
…頼む!!!!!!!!!!!!!!エクバのシステムでスパロボさせてくれ!!!!!!!!!!!!陽昇リアルロボットアニメ限定でも良いから!!!!!!!!!!!!!!!(※特にレイズナーとドラグナーを頼む!!!!!!!!!)。
…。
ウラキ「…ガトーを家具の椅子としてうちに置きたいなぁ……(※溜息)。」
モンチッチ「…辞めとけ……(恐怖)。」
ウラキ「…花瓶にもしたいなぁ……(※過激派)。」
モンチッチ「…ええッ……(※後のティターンズドン引き)。」
…。
…館主様かふーけつかガトーをカタリ派の完徳者(※正統派からマニ教と一緒くたにされた奴)か異端審問官(※ほぼ実質悪役)にするって言う計画のネタがありまして(※急なネタ出し)。
…。
…星乃⚪︎ってレーダーシステム無いから、本家と違ってDiscordとかで連携取り合いながらじゃないと上手く共闘出来ないって聞いて、WW2の日本軍思い出した(※日本軍もレーダー無い所為で後半になれば成る程苦戦した)。
…エクバと星⚪︎翼、連邦とジオン以上あるよな基本的な戦力差(※…然も、其のジオン側には、ソーラレイも水泳部も無いと言う……)。
…大高達帝国(※元祖機動兵器群プラモデル文化込み)vs薄っぺらい中華な山寨文化スレスレコンテンツ(※某Kansenゲー似)じゃ、…其りゃぁ、絶望的ですよ(※連邦vsジオン以上に)。
…星⚪︎翼って完全に某艦船擬人化ゲーに対するブルオ⚪︎とかブラ⚪︎ジとかアズ⚪︎ンポジションやん。本家に勝てずに敗北して行くパターンやん(※中華って基本其んなばっかりかも??)。
…と言うか、東方エクバ作ってくれよ(※切実)。
…“幻想のヴァルキューレ?” 知ってる子ですね()。
…。
※以下、クロスオーバー注意
…キリコが聞いたら、普通に祝福すると思います(※…他の二人は、脳を焼かれてたけど)。
「…そうか。男を見つけて家庭を築いたのか。…彼奴らしくも無いが。」
「…俺にも、かつては、幸せにしてやりたい女が居た。」
…。
メモ 此奴等が泳げる理由
キリコ ギルガメス正規軍が教えた
ロジャー 軍警察が教えた
シロッコ 水泳教育の機会が多かった。
坊や(没案) 同上。
後、航空機や宇宙船が海に不時着した時、泳げない故の無駄な事故死を防ぐ為に宇宙船の乗組員は必ず泳げる様に教育されて居る(此れは現実の航空機パイロットや宇宙飛行士も同じ)。
…。
にせウラキ(嶺厳偽装型)
…館主様がウラキに擬態した姿。弁髪の様な後ろ髪を切っており、ウラキと同じ短髪である。余りにも、本人に似て居る為普段は左目に眼帯をしている(※モノアイ)。
ガトーを誘き寄せ、釣る為の『擬似餌(ルアー)』だとよく言われるが、実際、ガトーはよく騙される。声質も違うのに(※…流石、Bガンダム関係の誤報に踊らされたと噂された奴だ。面構えが違う)。
……後、『中国のアレ』とか『中国製ウラキ』とか『中国製のパチモン』言うな(戒め)。
…最後は、ケジメとして、本物にスイカバー突撃され、ド定番変な顔芸しながら戦死(※御約束)。
…と言う訳で、ウラキはZガンダムに乗るかも?(※…但し、乗せる気は無いが)。
…。
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flolog · 2 months
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黄金のレガシー感想・妄想まとめ
Mastodonで壁打ち気味に展開していた内容のまとめです。上から書いた順に繋げてますのであまりまとまりがありません(まとめとは)
以下、ネタバレです。
92クエストバトル
もしかしなくてももう理のほうのパッパ、死んじゃってる……? (顔を見せない=死んでる理論…………)
ていうかエスティニアンお前何してくれとんのや!!!
92の風脈前提クエほぼ開放済みあたり
どう見ても!!!罠🪤やろ!!!!!おれはくわしいぞ うちの冒険者は何度もその方法で呼び出されてボコり返してきたからな くわしいんだ どうなっちゃうんだ〜というかなかなか飛べないけどこれはストーリーひと段落しないと最後の風脈解放されないやつですね……?(すぐ100ギルテレポしながら)
94クエ
うおーいいですね、定番の料理対決!!バトル漫画っぽくなってきたぞ
しかしウクラマトがいること、だいぶ有利なんじゃないんか? 猫舌加減とか味付けとかマムージャにはわからんのでは?
→あとで二部族の間でできた料理ってことが明かされたからそういう意図はなかったのかも。。。
94のバトルクエ
ほんとに後方腕組みでウクラマトが戦っているのを見てる冒険者めちゃくちゃ笑ってしまった しかもめちゃくちゃ煽ってくな?
95クエ〜ID 進めながらのこの先予想
え〜もしかして黄金郷って仮想空間だったりしますか??なんかこう、みんな不老不死なのは電脳化してるからみたいな……それで黄金郷じゃなくて黄金郷の入り口がいっぱいあって接続されてるみたいな……?
確かどこかで黄金郷そのものじゃなくて「黄金郷の扉」を探すってのがポイントだね、みたいなことをだいぶ前のクエストで言われていた気がするんだけど、その時あんまり意味がわからんくてスルーしてました がここにきて、なんか黄金郷の向こう側を見て帰ってきた人間たしかにいないっぽいな……?ということを思い始めたりした。。
物語折り返し(継承式)まで
やっぱり理王の死が急な継承式の実施決定だったんだろうな〜と思ってたのでそうなるよねえ 落ち着く形に落ち着いたぜ!
いや落ち着いてない!!!!誰も!!!!お兄ちゃんの話を!!!しないのである!!!!!
血みどろ王位争奪戦のドラマを並行で見ているので、こがしーやりながら敵陣営に情報が漏れた際などについ「ころして口を封じようぜ」と言ってしまいがち 結果的にはころさないでおいてよかったですが、王位継承戦が終わった後もなんだかんだ「こいつころしてこの辺に放置しとこうぜ」などと言ってしまっている
夏休み完全終了のお知らせまで
俺の夏休みーーーー!!!!!!!!
まさか主プレイヤータウンがここまでメチャクチャにされるとはね!!!ハッハッハ 職人さんたち(プレイヤー)がいつも通り作業してるのがなんというか…… 復興だこれは そう思おう
なんか……ムービー中の自機……「正直あいつら潰すの余裕だな……」みたいな顔しとらん? あの敵勢力を前になんか「あ〜今度の敵はそういう感じね」みたいな反応じゃね? 宇宙の果てまで行っちゃったから大体のことは殴ればなんとかなると学習しちゃったのか?
黄金郷について
だーーーーから私言ってたじゃないですか!!!漆黒の頃から!!!!エメちゃんも言ってたけど!!!!原初世界の自機たちは統合される側だからなって!!!!!自覚しろって!!!!!
そりゃ鏡像世界と繋がっちゃったら、原初世界側の方が力を持ってるんだからうまくやらんと関係悪化待ったなしだよ……
これまで第一世界も第十三世界もほぼ滅びかけで世界自体にあんまり価値ない感じだったから原初世界側のヒカセンが「救ってあげる」みたいな関係性を構築できてたけど、そりゃ他世界から見たらこっちだって普通に生きてますし??だし、統合されるかもってなったら全力抵抗しますよ……戦争にもなるよ……
シャーローニあたり(ちょとネガティブ目感想)
メインストーリー側の都合もあるだろうけど、荒野の一連のクエストとサブクエストはちょっと消化不良感を感じちゃったかも
王の試練でサカトラル側が全く登場しないのもなんでかな?という感じだし、ていうかこのへん確実にコーナ兄さんの支持基盤じゃん!王が決まるより先にコーナ兄さんの本気を見せておいてほしかったかな〜という気持ちがあるのがひとつ 爆弾列車も、あ〜結局グルグ火山と同じことやるのね〜って感じで正直いまいち熱くなれなかったかな……これはトライヨラ以外のエリアにとっても脅威というのを感じられるタイミングがあまりなかったせいかもしれない もっと暁月の時みたいに塔が立ってる!とか見る機会があればまた違ったのかなあ……もしくは、冒険者の繋いだ絆〜黄金〜みたいなふんわりした内容じゃなくてうおお武王の初勅令じゃ〜!!!!!くらい振り切ってくれてても盛り上がったんじゃないかなあとは思う ウクラマトとおれが主人公なんだよ!!
あと、原初世界と同じ魂を持つものの話については「あ〜この人もしかして……?でも違うことだって全然あり得るよね〜」くらいで、それとなくヒントもらえるくらいで十分かな……今回のは流石にやりすぎだと感じちゃった だって別の人生だし別の存在だよ あんまりそこを「XXさんと同じなんだね〜」って雑な理解しちゃうの、良くないと思います……………………………………
(※ゲロルトは「ベンダーNPC」としてネタに振り切っているのでまあ許せる)
あとあと、(まあここでそんな話を必要以上にややこしくしても…というのもあるけど)クエストも全体的にもう一捻りあってよかったんじゃないかなと感じてしまう 自警団の隊長がもっと大きい組織の黒幕で完全に腐敗してる!とか地域住民と企業がバッチバチに対立してる!とか まだ途中だから、今後また戻ってきて何かしらあるのかもしれませんが、夏休み終わりターニングポイントのエピソードとしてちょっと弱さを感じちゃったかも
じゃあ荒野マップで何が見たかったのか、深掘りしてほしかったかというと、王位継承戦がひと段落したところで、王政そのものの限界みたいなものが見たかったかも 広すぎてサカトラル側の治安が終わりまくってるとか、国とか関係なく生きてるから継承も知らん、うちの部族に干渉しないでくれ〜みたいなスタンスの人たちとかもいる みたいなクエストがもうちょっとあればよかったのにな〜と思っちゃうかも…… アメリカ開拓史的なところに沿っているところ、沿っていないところが見たかったよ〜(個人の興味
もしくはもうウクラマトから「ちょっとあたしは今忙しくて行けねえからサカトラル側も見て冒険者から見た率直な感想教えてくれよ〜これは使節とかそういうんじゃねえから!」くらい言われちゃってもよかったんじゃない?と思ったりもするんだけど、まあ夏休みじゃなくなっちゃうねといえばそれはそう でも夏休みじゃないじゃん結局さ…………
あるいは夏休み振り切っちゃうとか エスティニアンくらいなんかテキトーなことしてても良かったと思う
ところで今んとこ一番の闇深が職人拉致監禁村だけど 何あの村????家族がいる職人とかどうするんだ 倫理的にマズ職人の欲求要求とかどうしてたんだ
97クエ レギュレーター
わあ……つまり完全に擬似冥界システムが完成しちゃってる世界ってことか………… エメちゃんもこのへんまでは見ているはずだけど何思ったのか聞きたいな…………古代人の死生観的にだいぶ冒涜案件な気がするけど…………(まだそこまで発展してない時代だった?)
でもこれだと新しい人間が生まれてこない気がするんだけど だって、死んだ人間から回収した余剰な魂は再分配に回してるんでしょ? 資源の総量が限られているとして、どこかで勝手に還ってる魂資源があるのか、ちゃんと新しく生まれた人間に配分してるのか、 もしくは新しい魂を生み出すことまで成功してるか(アテナさん………………)どれなんやろ?
98手前あたり ナミーカとの別れ
再会できたとして、記憶のナミーカがどの姿なのかはだいぶ気になるかも
「「「天国」」」の話とかもそうだけど、自分で自分の理想の姿を選べるといって、時系列的に最後の状態の自分が「自分で何かを選べる」状態かってかなり疑わしい気がする それとも自動で最高の状態を再現してくれるんだろうか? でも最高の状態って何? あんまりよくない例えだけど後天的になにかができなくなってしまったらそれより前の方がいいってことになるのか? そのあとできるようになったことは全て無駄なのか? なんか違う気がするし 連続的に生きてる存在が自分の最良の断面を選んでその上で永遠を過ごすことってだいぶ無理な気がする わかんないが…………
ソリューション9到達
スフェーンのおままごとで王様やってる感、このあと説明あるんだろうか?
アレキサンドリアってこれまでもうちょっと素朴な共同体してて、王が統治する〜みたいなのを持ち込んだのがゾ兄ちゃんで、えっ王ってなに?どんなことするの?→トライヨラ側の住人から聞いた理想の王像を演じてるだけ って感じがとてもする そんな体制が必要になるような歴史も直近の経緯もなさそうというか…… というか↑だと理想の王像がだいたいグルーパパになりません?ゾ兄ちゃんますます秘めた怒りを加速させそうだが…………
まあスフェーンごはんたべないし、生きてる人間ではなさそうだけど……
スフェーンってことはデッカーバンクルな可能性残ってんだよな……(アロアロ→巴術→宝石を核にした使い魔………………)
トライヨラは早いとこ連邦制っぽいことしとかないと中央がパンクしそうなんだが大丈夫なんだろうか
ラマチのゾ兄さんに対する態度について
ゾ兄さんに対して即敵対姿勢に入ることだけど、ゾラージャはグルージャジャに一度ころされたのに、ほとんどチート技使って蘇生して反撃したのが大きかったんじゃないかなと思ったり
別に、蘇生したところで自分の負けを認めればよかったのに、パパの命を奪いに行った←ここが一線を越えたポイントなのかなあと かつ、パパも先代として「お前は死ぬべき」と言い切っていたから、それを継いだのかなと まだ全然過去が出てこないのでそもそもパパお前息子に対する態度どうだったんよというのはあるが…………また後で考えます…………
97クエ
あ〜〜〜〜〜〜なるほどね……それでスフェーンとしては新しい(余剰の)魂資源が要る=トライヨラの人間の魂引っこ抜いたらいいじゃん  でゾ兄ちゃんの作戦に乗っかる理由ができるんだな……
こがしーで「ここで萌えるとは…」ってなったポイント
・ラマチとアリゼー 正直これまでアリゼーにそこまでぐっときていなかったんだけど、似たもの同士と分かってからのラマチとアリゼーのやりとりがいちいちとてもよくて最高だった…… かっとなってるラマチを止めに入るところとか、真っ先にラマチの感情に理解を示すところとか
トライヨラに就職するの、ヒカセンじゃなくてアリゼーがいいと思う(でもアリゼー他のことでも忙しいからね、大変だ)
・カフキワさんのお子さんとしてのエレンヴィルくん エレンヴィルくんもここまでそんなに刺さってなかったんだけどこれは大変だった そのママはズルだって!!!! この後絶対何かあるので心を強く生きたいです 頑張ろうなエレンヴィル
98クエムービー
正直感動より爆笑が先にきたごめんポイント
・竜騎士のジャンプ力 あれはダメだって あんなフンっ!てジャンプしてあの距離飛ばれたら笑っちゃうってもう
・ヴリトラ登場 あれはダメだってズルだって!!!!!!!!!おそらく原初世界にしかいないあんな最強兵器持ち出すのはナシだろ!!!!!(いやまあ鏡像世界からの侵攻危機ってなって出てくるのはそれはそうかもしれんけど)(ドラゴンの存在がほぼ核みたいな某ドラマが先週激突大戦争回だったからよけいに) おるすばんおねえちゃんがとてもかわいい
/egimirageしてたスフェーンちゃん、/petsize all largeしたらでっかくなるのかな
リビングメモリーについて
記憶が(我々の世界でいう)データ化されてたら我々もデータにならんと会いに行けなくない?!と思ったら、生命力のエーテルで実体を持ってる状態なのか〜よくわからんがすごいな ただ、(私個人の信念の話になっちゃうけど)何らかの入れ物に入った記憶がその続きを経験し、新しい記憶を得ている状態って、かなり「生きている」というか、だいぶ生きている状態としてグレーなラインだなと思うので、ちょっとこの後のクエストの方向性がそういう意味でも気になるところ!
いやーでもやっぱりカフキワさんの消してほしい!にはちょっと 待って欲しいとしか言えなかった だってレギュレーター導入後の人たちの記憶にも残らないし、それはヨカフイ思想的にも完全な死を迎えるということになっちゃうからなあ 流石にちょっとさみしすぎるから、せめてなにか生命力を必要としない記録媒体に移して〜とか考えたくなっちゃうよ まあでも死ぬって普通そういうもんか……
つい、システム止めたらメモリ揮発しちゃうんかな……とか考えてしまった ちゃんと永続化しとけよ!!!!!!
99クエあたりまで見て
いやいやいややっぱそうなるじゃん…………最初からだいぶ破綻しとるシステムだったよな……
災害で犠牲者が出まくった時代に一時しのぎで運用開始したら、そのままズルズル基幹システムになっちゃったんか? なんかスフェーンの死後権力を持ったやつが「これ統治体制の維持に使うのにちょうどええやん! 民衆にもウケいいしこのままやろうぜ! は? 運用? 知らん!」 みたいなのを想像してしまい、胃が痛い…………
けっこうプレイヤーキャラがあんまり主人公してないというので刺さらなかったという感想も見かける気がするんだけど、個人的には自機はほっといても動くしエピソードも勝手にできていくので、それぞれのNPCに関心を持てる掘り下げが充実してたこがしーがだいぶ好きです ラストエリア、4人ともなんかエピソード描きたくなってきちゃったな〜
リビングメモリーってだいぶアーモロートとの対比があると思うんだけど逆にここまで破綻する前の黄金郷をみたエメちゃんがなんか影響されちゃったというのもそれはそれで良いな……になった
あとエルピスっぽくもある 計算された理想郷 属性の特色を生かしたエリア区分
システムの裏側について
ソ9の、というか新生連王国側のマム人口がだいぶ少ないように見えるの、優先的に資源化(お察しください)されてる結果だったらどうしようかと思ったりした いやまあシャーローニとか見るにもともとそんなに多くなかったんだろうとは思うけども……
アンロストワールド側の時間軸でみると、ゾ兄さんが鍵を使ってアンロストワールドに行く→(ここでゾ兄さんが武王として権力を持つまで何年かあった?)→サンダードームで局所的に融合発生→30年弱経過→ゲート建設、トライヨラ襲撃→冒険者たちが逆潜入 で、多分サンダードームの範囲内に偶然居合わせた人以外は選んで連れてきたりとかできなかったんじゃないかと思うから、元々のマム人口が少なかったら契る相手も限られてるだろうなあ
やっぱりゾ兄ちゃん……卵産んだ?
レジスタンスがもっとレジスタンスしててほしかったな……という部分があるんだけどただ最終エリア見てるとそういうことだったのかもと思った部分 カフキワですらスフェーンのことは様付けて呼ぶんだよね……だから(トライヨラ側の融合前とかアンロストワールド側の「人口」比とか今わかってない事情はありつつも)基本的にスフェーンを「慕ってる」人間しかあそこに招かれなかったとかはありそう 都合の悪い人間の記憶はそもそも回収されない、あるいは永久人として目覚めさせられることはない かつ、リビングメモリーでは「再会の奇跡」がありふれているらしいので、じゃあ逆にシステムが「こいつらは絶対再会させないぞ」となったらそうもできるということで、そもそも反抗組織なんか組織できないのかも
もうちょっと生きてる人間側との接点とか人間構成要素のコピー制約とか知りたいなー!! カフキワ含め多くの永久人は終わりの方を望んでたけど、一人くらい塵理論(※イーガンの「順列都市」で出てくる、不死を追求するやつ)の探究方面に振り切ってる人とかいてもよさそうな……
99討滅後 これ今後なんか明らかになるんか?
もしかしてグルージャジャパパって、トラルのヒカセンだったんじゃないか? あんまりマム村との強い関係も見えないし、村を飛び出して仲間と各地域のお困りごと解決をしてるうちに王になっちゃったんじゃないのか 養子を引き取ったのもそのままだとマムージャがどんどんうちの出身なんだから宮廷内もうちの出身で固めてくださいね!で進められちゃうからそれに対抗しようとしてたんじゃないだろうかとか色々…… 本人(武の方)はあと50年くらいは生きるつもりだったから王位についても次代は廃止するのも含めてなんか考えてたんじゃないだろうか 仲間と、というか理の頭と一緒になにかを成し遂げてきたタイプだから、理がいなくなって不安になって突然継承の儀とか計画し始めちゃったんじゃ……
……でも長男のゾ兄さんに対してはなんかもっとフォローすべきとこあったやろ!!!!!!!! アレかな 本人もまさか子供ができるとは思ってなかったから引き取りプランの方を進めてたら生まれちゃった? コーナ兄さんとの年齢差が気になります……ほとんど同い年だとか…………
ウインドターミナルシャットダウンあたり(ネガティブに受け取った場合)
カフキワが今この瞬間が一番幸せ〜みたいなこと言うとこ 永遠人が「生きている」ことを否定するのであれば、結局カフキワは生きているうちにエレネッシパとちゃんと過ごす時間もないまま死んでしまった という事実がより際立って悲しいな〜と思った
100ID
これ……………ジョブトレーラーのBGMじゃねーーーーか!!!!!!!!ここで使う??????????
たしかにちゃんと聞いてみたらリビングメモリーの転調後BGMこれだったわ いやでもこんな終盤曲をジョブアクショントレーラーでご紹介して印象付けておくことある!!?!?!???
あと、ソリューションナインの紹介BGMの登場機会も待ってます……
100討滅戦
選択肢、一番突き放すようなやつ(お前はシステムにすぎない)にしたらお互いの表情がぎこちないまま進んでよかった
いやほんと、あんなシステムを選んでその下で生きようと思った人たちがいたんだなというか、持続不可能なことは見えていてあえて見えないふりをしたのか、今だけを見ようとしたか、自分の命を預けるシステムについて知ろうとしなかったのか、騙されたか……はわからないけど、最後永遠人たちが消えることを受け入れるような姿勢だったのもそこの反省なのかなと思ったりしたり
それを自分のせいだと思って悩む必要はないよ 結局「みんな」に採用されたシステムなんだからさ…………
と、じゃあ自分の暮らしを顧みると、やはりSDGsは大事ですね(クソ雑な感想)(これは完全に私の生活の話で申し訳ないんですが、まじでここんとこ「とりあえずSDGs」みたいなクソ雑結論先行型な検討が多いので…………………ちゃんとそれが誰にとって何にとってどうなのか、考えるのやめてしまうのはやぁね というコメントです)
世界を繋ぐめちゃくちゃ重要な鍵をヒョイっと拾ってポッケに入れたの笑ってしまった 自機、だんだん自分の存在の重要性を理解した上で振る舞うようになってる 世界を滅ぼさないでね!!!!!!!!!!
討滅戦そのものについては零式初見ギミック見る時くらい楽しかったかも 正直りゅーさんのスキル回しが暁月より忙しくなってパニックだったのと、召喚さんのソルバハムートがクソデカかったのと、床がローマ数字で世界ってそういうこと、?!?!?!そういう表現する?!????!!!で爆笑してたほか何も見えてなかったんだけど、もしかして外周に鏡像世界の風景とか出てた?!?!?!?!ちょ、ちょっと後で動画とかみて見直します……………………
他実況者さんが「これまじでrandom bullshit go!なギミックやん」でウケてて笑った ほんとうにそう
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kotoko326 · 4 months
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紅の深染めの衣色深く
みかつるが主である審神者を探しに黄泉路へ行く話。
「次の作戦が終わったら、三日月宗近���お前の隊の副隊長にしようと思うんだ」
大阪へ出陣前の朝、第一部隊隊長であり近侍でもある鶴丸国永を私室に呼び付けるなり、まだ幼さの残る横顔で審神者が明るい調子で言った。 寒さも残る初春の日だった。袖を通さずに羽織を肩から掛け、折り畳み式の文机の前に審神者が寛いだ様子で腰かけている。そのすぐ傍の火鉢からは、パチパチと小気味よく炭の音が鳴る。 「これまた突然な話だな」 刀としての性か、寒さにはあまり耐性のない鶴丸が、審神者の背後を陣取る形で火鉢に近づき、両腕を摩りながら言った。 主である審神者の生きる時代では「くーらー」なる物があり、これが中々快適なのだが、電気の通らない今居る元禄の時代には、用意できるのは火鉢くらいなものだった。 「突然でもないよ。前々から考えていたんだ。で、その報告が今日になっただけの話」 寒そうにする鶴丸に、審神者が体を半分傾けて灰式懐炉を投げてよこす。 受け取った灰式懐炉から漂う木炭の強い燃臭が、鼻腔にこびりついた。どうもこいつの臭いは好きじゃない。灰式懐炉を両手で包み込むと、ほんのりだが掌にぬくもりが広がる。 浮かない様子の鶴丸をじっと見つめながら、審神者が不思議そうな顔をした。 「何か問題が?三日月は人当たりも良いし、実戦経験はまだ少ないけど第一部隊でも十分通用するくらい強いよ」 「別に問題はないさ。……ただなあ……」 「ただ?」 「いやいや、何でもない」 まだ本丸に来て日が浅い三日月宗近が、鶴丸はどうにも苦手だった。避けている訳ではないが、積極的に関わりたいとも思わなかった。 師弟刀という仲でもあるし、今回が初対面という事でもない。美術品として共に隣同士に並んだ過去もある。人見知りしている訳じゃあない。 本丸では、実直でよく笑う男と評判だったが、鶴丸にはそれが今一つしっくりこなかったからだ。 確かに良く笑うし、人当たりも良い。強いというのも、経験上何となく感覚として知っている。だが、以前内番で手合わせした時は、本気を出さずのらりくらりとかわされてしまった。予測が出来ない男、そう思った。 鶴丸は驚きが好きだ。予測出来ない事が起こるとわくわくするし、それをどう乗り越えてやろうかと熱くなる。 その点では、鶴丸にとって三日月宗近という存在は、何を考えているか分からない、予想出来なくて面白い存在の筈だった。 だが、だからこそ、三日月が苦手なのかもしれないと、鶴丸は思う。 三日月宗近は冷めている。驚きとは、全く無縁の境地に達している様に見えるのだ。一言でいえば、心が死んでしまっているようだった。 なら、いっそ驚かし甲斐があるではないか?そう考える半面、彼と居ると、そちら側へ引き込まれてしまいそうになる気がした。三日月の瞳には、そんな力がある。これは確信だった。 心が死んでしまう事は、鶴丸が一番危惧している事だ。それだけは、あっちゃならない。 「しかし、きみは随分と彼を買っているんだな。いっそのこと三日月宗近を近侍にしてみたらどうだい」 顎に右手を当てて、面白半分で言ってやれば、審神者はむっとした表情になり、鶴丸の正面に向き直るとむすっとした声できっぱりと言い放った。 「それはお前じゃないと駄目だ」 「おやおや、嬉しい事を言ってくれるねぇ。それまたどうしてだい?まさか俺に惚れているなんて言う訳じゃないだろう」 「お前を見ていると、昔貰った千羽鶴を思い出すんだよ」 「そりゃ何だ?」 軽口をするっとかわした主の思いもよらない返答に、鶴丸はきょとんとした。 「折り紙の折り鶴を、文字通り千羽作って糸で綴じて束ねた物だよ。鶴は長寿のシンボルだろ?病気快癒や長寿の俗信があって、床に伏せてる人への贈り物として好まれてるんだ。って折り紙から説明しないとダメか」 そういうと審神者は、懐から四角い手拭いを出すと器用にそれを畳んでいく。すると、みるみる内にそれはただの手拭いから見事な鳥の形になった。ほう、と鶴丸はため息を吐いた。 「こういうの。本当は和紙で作るんだけど」 ピン、と、両翼に当たる部分をひっぱると、鶴丸に良く見えるように掌に乗せて見せた。 「こいつは驚いた!人間ってのは器用なもんだ…成程確かに鶴らしい」 「あはは、まあね」 素直に感心する鶴丸に、審神者が微笑む。それから、真面目な表情になってどこか遠くを見る目で言った。 「昔さ、事故に遭って死にかけた事があるんだ。その時の事は、正直あまり覚えてないんだけど。目が覚めた時、病室に真っ白い千羽鶴が飾られていたんだ。縁起が悪いからって、ご丁寧に首が折られてない奴がね。本当は折るのが正解らしいけど、嬉しかった」 「……きみは慕われてたんだな」 「そうだね。まあ贈り主に再会する前に、面会謝絶のままとんとんと審神者になったんだけど」 軽く肩をすくめて見せた後、昔話だと笑う。 鶴丸も主の立場を深く知っている訳ではないが、時の政府とやらは結構強引らしい事が感じ取れて、権力者というのは何百年経っても変わらないのだなと、心の中で嘆息した。 「それで?その千羽鶴が、中途半端に鶴らしい所が俺を思い出すってのかい?」 「ああ、違う違う。縁起が良いなあって思うんだよ。鶴丸は時々変に卑屈になるね」 別に卑屈になった訳じゃない、言えば向きになっていると返されそうなので、言いかけた言葉を喉元に留める。 「縁起が良いから、お前を近侍にしたいんだよ。僕を死地から連れ出してくれた、真っ白な千羽鶴みたいにね。それに鶴はめでたいだろ?」 「あっははは、験担ぎって訳か」 「そういうこと」 にっと笑う審神者に、鶴丸もつられて笑う。 この人は、相も変わらず何の迷いもなく俺を鶴だと言ってくれる。鶴丸は、灰式懐炉のじんわりとしたぬくもりが心の中にも広がるような心地だった。 「と、そろそろ出陣の時間だね。三日月の話は作戦が終わったらまた話すよ。相変わらず僕は本陣で待機だけど、戦果を期待して待ってるよ」 懐中時計をちらりと見て、審神者は鶴丸に顔を向けて再び悪戯っぽく笑いかける。 「ああ、驚きの結果をきみにもたらそう」
時は元禄から慶長一九年、大阪冬の陣。 歴史修正主義者率いる江戸改変大坂方面家康暗殺隊に対して、鶴丸率いる第一部隊は、形勢不利に陥っていた。 大口を叩いておいてこの様だ。だが、本陣まで追い詰められての隊長同士の一騎打ち、鶴丸は負ける気がしなかった。小傷は負ったがまだまだいける。 ちらりと背後に控える総大将である主を見やれば、険しい面持ちで一騎打ちを見守っている。 主である審神者と一瞬だけ視線を交わすと、鶴丸は「任せておけ」とニッと口元に笑みを作る。 それに一拍子遅れて、審神者の表情が少し和らぐ。意味が通じたらしい。ここで負けたら主の懐刀としても名折れである。 助走をつけながら分身とも言える刀を軽く右手で構え、素早く背後に回り隊長を切り捨てると、鶴丸に届かなかった敵の刃は、空しくその場の地に突き刺さる。 後は敵総大将の首を頂きに行くだけだ。そう思うより先に鶴丸の視界の隙間に入った”それ”に悪寒が走った。 鶴丸の様子に気付いた他の隊員たちが、審神者の元へ駆け寄る。 まずい。どちらも共に距離がある。 「ええい」 軽く舌打ちをし、すぐさま足場近くの地に突き刺さった刀の鍔を蹴りあげる。 回転しながら宙を舞う切っ先がそれの左目に命中すると同時に、甲高い銃声が鳴り響いた。 この時代の物ではない拳銃を握ったまま、にっかりと笑ったそれが、血飛沫を上げながらゆっくりとした動作で倒れる中、鶴丸の背後でどさりと鈍い音がした。 遅かったか!鶴丸が振り返ると、守るべき存在である主が仰向けに倒れ、どくどくと血を流していた。 鶴丸は、さっと血の気が引いて行くのが分かった。 「主ッ!!!」 「きゅうしょは、はずしました……でも……」 鶴丸が駆け寄ると、隊員の一人である今剣が言う。真っ先に審神者の元へ駆けつけ覆いかぶさったらしい彼の衣服は、審神者の血で染まっていた。 「急いで弾を除かないと感染症の恐れがありますね」 傷口に触れながら太郎太刀が静かに言った。 気を失いながらも、呻く審神者の顔色は、平常、色素の薄い鶴丸よりも白かった。それとは対照的に、彼の真っ白な斎服袍は左の肩口から赤に染まっており、これではどちらが鶴か分かったものではない、そう鶴丸は思った。 「……すまん、俺が油断したばかりに」 「いえ、鶴丸。あなたの判断は正しかったですよ。あそこで敵の総大将を討っていなければ弾丸は逸れることなく急所を討ち抜いていたでしょう。これは隊全体の問題です。まさか結界が施された本陣に潜んでいるとは……」 「そこの御仁たち、反省会は後にしてくれないかい。作戦も一応は成功したし、早い所応急処置をして主を本丸へ連れ帰ろう」 今剣の両肩に覆いかぶさる様な姿勢でいた審神者の右肩を担ぎ直し、歌仙兼定が呆れた声で言う。それに続く様に、無言で山姥切国広が、左肩を気遣うように支える。その表情は、何時も以上に暗かった。
(弾は除かれました。今夜が峠でしょう)
本丸の救護班の報を受けた鶴丸は、灯りも持たずに主の部屋の前で立ち尽くしていた。 「峠、か……こりゃまいったね」 障子一枚を隔てた向こう側で、主である審神者は伏せっている。肉体だけが伏せっていた。 確かに息はある、しかし魂とも呼べる気配がなかった。 数は僅かばかりだが、特に霊力の強い刀剣男士たちは、その事に気付いていた。 気付いた者は、皆一様に思う所のある様な顔をして各々の寝所へ戻って行った。だが、鶴丸はその場から離れる事が出来なかった。 今朝方に見た、折り鶴を折って見せた主の顔が脳裏をよぎる。まだ、僅か十数年しか生きた事のない少年の顔。 鶴丸は両の手に握り拳を作り、わなわなと拳を震わせた。 「すまん、主……。俺は器用じゃないから、千羽の鶴は折れそうにない……。だが……」 「鶴丸」 意を決して、その場から立ち去ろうと背を向けたその背後から、たおやかな声に呼び止められる。 振り返ると、灯りを手に佇むように彼は立っていた。 視線の先は、鶴丸ではなく、審神者の部屋だった。彼も事態に気付いたのだろう。 「……遠征から帰っていたのか、三日月宗近」 「ついさっきな」 「そうかい、ご苦労さん。じゃあな」 何処かこの場には不釣り合いな、穏やかな声で話す彼に少し苛立ちを感じながら、さっさと切り上げようと背を向けた。 悪いが、今は三日月の相手をしている暇はない。 が、間髪いれずに三日月に右手首を掴まれる。存外力が込められていて、振り払う事が出来ずにいると、静かな声で尋ねられる。 「その傷で何処へ行く?」 「おいおい、傷を見ればわかるだろう。手入れ部屋に決まっている」 もう一度振り返れば、三日月の瞳とかち合う。 蝋燭の灯りに照らされて鈍く光る、闇夜に浮かぶ青の光にじっと見つめられると、まるで全てを見透かされているような気分に陥る。 「手入れ部屋とは逆方向のように見えるが?」 「……俺は方向音痴でね、ちょいと間違えただけさ」 「とてもそうは見えないが?」 「そりゃお宅の思い込みだろう」 「見た通りを言っただけだ。思い込みなどではないさ」 「それを思い込みって言うんだ。いい加減、この手を放してくれないかい。傷口が痛くて仕方ないんでね。さっさと手入れに行かせてくれ」 「鶴丸」 ばつが悪くなって、鶴丸は、はあ、と溜息を吐きながら空いた手でボリボリと頭を掻いた。 ここで再び言い逃れをしたとして、彼は見逃すだろうか?普段なら、曖昧な笑みを浮かべてはぐらかされてくれよう。だが、今宵はそうはしてくれないであろう力強さが、己の手首に込められていた。 今宵、何故こんなにも三日月が自分に執着してくるのか分からないが、存外この男は強情なのかもしれない。鶴丸は、そんな事をふと思った。 もう一度深い溜息をこぼすと、やれやれと観念したように鶴丸は白状した。 「黄泉の国へ、主を迎えに行ってくる」 「イザナギのように禁忌を犯すのか?」 「ああ」 見つめ合ったまま答えると、鶴丸の右手首に込められた力が、少しだけ緩んだ。だが、まだ解放する気はないらしい。 「……先程太郎太刀は今日が峠と言っていたが?鶴丸よ、それではまるで、審神者が死んだと言っているようではないか。確かに今あの部屋には…」 「おおっと、早とちりは止めてくれ。主はまだ死んじゃあいないさ。だが、主は”あちら側”に居る」 三日月の言葉を遮るように、鶴丸は手首を掴まれたままの手を挙げて言った。 「どういうことだ?」 少し怪訝そうな声で、三日月が問う。 「っと、そうだな……何て言えばいいか……。俺はこうして現世の肉体を得る以前に、主とそこで出会っている。丁度その時、主が黄泉の釜戸で煮炊きしたものを食べようとしていたからな、気まぐれに手を叩いてこちらへ引き戻したんだ」 「それはまた初耳だな」 「誰にも話しちゃいなかったからな。自然の摂理に背いたんだ。石切丸辺りが聞いたら、呆れるか怒るかのどっちかだろうな」 そう言って鶴丸が、少しニヤリと口元を歪めると、 「それはあるな」 三日月が、続く様に袖を口元へ寄せて笑った。 あれほど敬遠してた三日月と笑い合うなどと、鶴丸は少し奇妙な気持ちになり、表情を引き締める。 「まあ、経緯は話すと長くなるから手短に話すが…。兎に角、主は”あちら側”へ引き寄せられやすい体質になってる事は確かだ。だから、一刻も早く迎えに行ってやらないと、手遅れになる可能性がある」 「と、言うと」 「ヨモツヘグイを為す前にって事だ」 黄泉戸契、それは文字通り黄泉の国の食べ物を食べ、黄泉の国の住人になる儀式の事だった。ヨモツヘグイを為した者は、神であろうがあちら側の住人となってしまう。 かつて昔の主と共に葬斂された過去のある鶴丸は、それをよく知っていた。幸か不幸か、鶴丸はヨモツヘグイを為す前に現世へ舞い戻る事になったのだが。 「しかし今から黄泉比良坂へか?」 三日月の知る黄泉への入り口は、本丸からは遠かった。とても人の身では、一昼夜で行ける距離ではない。 すると、再び鶴丸が「誰にも言うなよ?」と、前置きをしてから白い歯を見せる。 「黄泉への抜け道を知っている。行くだけなら時間はかからない。それに俺にとっちゃ遊び場みたいなもんだ、連れ帰るだけなら何の事はないさ」 「……鶴丸、お前、かなり危険な遊びをしているようだな」 「人生には驚きが必要だろ?その一環みたいなもんさ」 実際、黄泉の国の住人を驚かすのは大層楽しかった。これは鶴丸だけの秘密である。 「そういうこった。だからこの手を放してくれ」 白状すべきことは大体白状した、もう良いだろうと、鶴丸がその手を強引に振り解こうとすると、あっさりと解放された。 拍子抜けして三日月の方を見ると、彼は何時もの曖昧な笑みを浮かべながら、口を開いた。 「あいわかった。では、俺も行くとしよう。一人より二人の方が心強いだろう」 思わぬ提案に鶴丸は少しぽかんとしたが、直ぐに眉を顰めた。 「遊びじゃないんだ、ほいほいついて来られちゃ困る」 「遊びで行くつもりはないよ」 「分からないのか?足手まといだ」 明るい調子で言う三日月を睨むようにして、語気を強めて言うが、彼は意に介していない様子で言い返す。 「こう見えても俺は強いぞ?」 「実戦の話をしてるんじゃあない。それに、黄泉への抜け道は俺だけの秘密なんだ。周りに知れ渡ったら、困るだろう」 黄泉の国へ頻繁に出入りしていたことが白日の下に晒されれば、今まで通りともいかなくなる、鶴丸はそう考えていた。それに三日月には、心を許すつもりはなかった。 「戦わぬ戦ならば、俺の方が経験豊富だぞ?それに、俺は口は堅い方だ。秘密は守ろう」 「食い下がるな……理由でもあるのか?」 あまりのしつこさに、そう漏らしてから、鶴丸はしまったと思った。このままでは押し通される。 「……まだ俺は給料分も働かせてもらっていないのでな」 言葉や表情とは裏腹に、彼の瞳は摯実そのものだった。恐らく鶴丸が初めて目の当たりにした真剣な眼差しだ。 無意識に、こくりと喉が鳴る。それから、軽く首を振ってから、三日月の目を見据える。 「どうやら本気みたいだな。分かった…ついて来い」 「あいわかった」 根負けした鶴丸に、三日月は破顔した。
「ついたぜ。ここが入り口だ」 「これはまた珍妙な場所が入り口だな」 「ま、本来は出口みたいなもんだけどな。ここはそのひとつさ」
鶴丸の後を付いて行ったその先は、本丸にある刀装部屋だった。 それから鶴丸が「よっと」と、声を出しながら、本殿の中心に鎮座する鏡を端に退ける。鏡が置かれていた場所は、ただの板張りの床であった。 その後ろ姿を見つめながら、三日月は、鶴丸の傷口から染みた衣服の血が既に黒ずんでいる事を、少し残念に思う。あれが朱色ならば、さぞ映えた身ごしらえであろうと思ったからだ。 三日月宗近は、鶴丸国永に好意を寄せていた。それも、恋の歌を詠う方の好意である。 審神者の気まぐれによる采配で決まる内番で、鶴丸と当たった時も、ついうっかり見とれてしまう程度には、自分は重症らしかった。 刀が恋とはまたおかしな話だが、一目見たその時から、鶴丸のその長く美しい細身の刀身に、自分にはない濃い血の臭いを感じ取り、惹かれた。一目惚れというやつだった。 鶴丸とは、祖を同じくする師弟刀という間��であり、同じく平安の時代に生まれ、同じくうぶ姿で生き続けたが、片や三日月は、長年見守ってきた主の最期に、ただ一度だけ振われただけの身であった。 血を知らぬ不殺の剣との呼び声は、聞こえが良い。だが、三日月には、そんな己が酷く不格好に思え、鶴丸がいっとう眩しく見えた。あの血の宿る刀身が欲しい。 その点では、審神者は己を刀として振ってくれる。助けに行くには、十分すぎる理由があった。 鶴丸への好意は、現代で言うところの「こんぷれっくす」とやらが由来するのかもしれないが、三日月には、そんな事はどうでもよかった。ただ、戦場で赤に染まる鶴丸をずっと見てみたかった。さぞ、美しい事だろう。 だが、どうにも自分は好かれていないらしい。嫌われてはいないが、距離を置かれている。理由はわからないが、それだけは気付いていた。 故に、今回同行を許可してくれたのは意外であった。我を通してみるものだなと思いつつ、鶴丸は思いの外押しに弱いのかもしれないと、まるで弱点を見つけたようで、少し愉快な気持ちになる。 そう一人ほくそ笑んでいる時だった。 「俺の手を握ってくれ」 鶴丸のほっそりと、だがしっかりとした青白い手が、己に向かって差し出される。 「世話されるのは好きだが、流石の俺もそこまで童ではないのだが…」 少しはにかんで、遠まわしに拒否してみると、鶴丸が面倒くさそうな顔をする。 「……これはあちら側へ向かう時の約束事みたいなもんだ」 「そういうものか」 「ああ。今から俺が言った事は、必ず守ってくれ。俺達は付喪神と言っても、今は人の身だ。下手をすると戻れなくなる可能性が出てくる」 「あいわかった」 何時になく真剣な様子で言う鶴丸に、三日月は、何時もの調子で雅やかに頷いた後、鶴丸の左手を固く握りしめる。その手は、想像以上に薄く張りがなく少々心配になった。 そんな己を胡乱気な目で見ながら、鶴丸は一呼吸置いてから続けた。 「ひとつめは、俺の手を決して離さない事だ」 「この手を離してしまったら、俺の魂ごと引き裂かれてしまいそうな話だな」 ふと、そんなフレーズが頭に過り、口をついて出る。存外この状態は悪いものではない気がしたのだ。 「真面目に聞いてくれ。ふたつめ、何があっても絶対に抜刀するな」 「何があってもか?」 「そうだ。これも人の身である俺たちの約束事だな。黄泉の国の連中は、食い意地の張った奴らが多いが、下手に刺激しない限り手を出しては来ない。勿論手を出して負けるなんて事は思ってないが、今回は主探しが主役だからな」 手を出した事があるのか?と、少し思ったが、敢えて口を噤んだ。これ以上鶴丸を刺激したら、連れて行ってもらえなくなる可能性があるからだ。 「そして、声をかけられても後ろは振り返るな。何があってもだ。破ったらどうなるかは、流石の俺も知らないんでね」 「それで最後か?」 「そうだな、それからこれは後の話になるが……黄泉の国から帰ったら必ず禊を行う」 これについては、神である三日月もピンときた。黄泉の穢れを流すための儀式だ。神は穢れを嫌う。刀の付喪神である三日月も例外ではなかった。そう思うと、鶴丸の血に惹かれる己は、もう妖刀なのかもしれないな、と心のどこかで思った。 と、そこまで考えた所で、ある事に気付く。 「……もしや、怪我もしてないお前が時折、手入れ部屋に入ってるのは……」 「何で知ってるのかは知らないが、そういうこった」 悪びれもせずに言ってのける鶴丸に、三日月は思わず嫣然と笑った。 「さて、覚悟は良いな」 「ああ、出来ているぞ」 合図するように鶴丸の左手を握りしめると、鶴丸が何かを思い出したような顔をする。 「おおっと、そうだ。少しだけ目を瞑っててくんな」 「あいわかった」 「それじゃあいっちょ、行くとするかねぇ」 三日月が、鶴丸に応じた瞬間、足場が揺らいだ。 ふわふわと宙を浮いたかの様になったかと思うと、次の瞬間、まるで氷の壁を強引に突き破るような、激痛と冷たさが同時に襲い、思わず目を見開く。真っ暗闇だ。 「さーて、鶴丸御一行の到着だ」 鶴丸が事もなげに告げると、痛みは消え去り、足場も安定していた。しかし、視界は暗いままだった。 「……先に説明して欲しかったものだなあ」 「文句は言いっこなしだぜ。入口の開き方は秘密にしときたかったんでね。それに、最初に言った筈だぜ?”出口みたいなもん”だってな」 ニヤニヤとした声だ。どうやら鶴丸に、からかわれてしまったらしい。 「しかし黄泉の国とは、斯様に暗いのか」 「ここはまだ入り口だ。先はもっと暗くなるぜ?」 鶴丸が一人で行きたがった理由が、分かった気がした。これは一人の方が格段に楽だ。 そこへ己を連れてきた。鶴丸の覚悟を考えると、三日月は心が躍った。 「っと、そうだ。これを持っててくれ。流石に片手じゃ難しいからなあ」 そういうと鶴丸は、何やら四角い小さな小箱を手渡してきた。そのまま動かすなよ、と念を押して。 なにしろ暗くてよく見えないが、ひとしきり物音を立てた後、じゅっという音がしたかと思えば、一瞬だけ場が明るくなる。どうやらマッチ箱だったらしい。それにしても、マッチとは驚いた。審神者にでも貰ったのだろうか。 そして、暫くしてから微かだが蓬の臭いがした。 「煙管か?」 「ご名答。こいつはまあ、魔除けみたいなものだな」 「それなら俺も持ってるぞ。遠征土産にと、貰ってきたものがある」 懐から黄色い手拭いで包んだ物を得意げに見せてみるが、鶴丸の反応はいまいちだった。 決まりが悪くなって、懐にそれを戻すと、三日月は本題に入った。 「して、審神者をどう探す?霊力を辿るのが簡捷と思うが……」 「ああ、それは俺も考えていた。だが、それだけじゃあ頼りない」 この途方もない闇の中、流石に審神者のまだ小さい霊力を辿るのは至難の業だ。かといって三日月にはそれ以外の方法は知らない。 「すると?」 「見当を付けておいた」 「ほう」 成程、これは一度この地で審神者と出会った経験が生きるな。三日月は、素直に感心した。 「黄泉の釜戸へ向かうぜ。道案内は任せておけ」 「ならば俺はその助け舟となろうぞ」 三日月は、頭の房紐を解くと、ふっと己の息を吹きかけた。すると、房紐がするすると音を立てながら、蔦に変化して伸びて行く。 「葡萄葛の蔦だ。これをしおり糸としようではないか」 そう言うと、蔦の先が鶴丸の右手小指に巻きつき、余りの蔦が地面に落ちた。興味本位に引っ張れば、ピンと張る。なるほど見事なしおり糸だ。 「こいつは凄いな、お宅、そんな芸当が出来るのか」 「はっはっは……これくらいは造作もないぞ。では、ゆくとするか」
鶴丸の歩調は淀みなかった。目的地へ迷いなく進んでいる足取りだ。相当こなれている事が分かる。 暫くすると、腐った果実の香りが辺りに満ちた。どこか心惹かれる、危険な甘さを孕んだ香りだと、三日月は思った。 奥へ進むほど、その腐った果実の様な、甘く濃い匂いは強くなっていく。臭覚が麻痺しそうだ、そう思った時、三日月は、ある事に気付いた。この匂いには覚えがある。 「鶴丸よ」 「何だ?」 握った手を強引に引き寄せると、そのまま三日月は、自身の腕の中に鶴丸を収める。その弾みで鶴丸の煙管が、ぽとりと地面に落ちた。 鶴丸の、さらりとした滑らかな髪の毛が頬に触れる。少々こそばゆいが、そのまま鶴丸の頭に鼻を寄せると、いよいよ疑惑は確信へと変わった。 「やはりな」 「いきなり何だ」 片手で軽く押しのけようとする鶴丸の背を空いた手で押さえながら、三日月は呟いた。 「お前からは、良い匂いがするな」 「おいおい、いくら俺が男前だからって、こんな時に口説くかい?するなら後にしてくれ。今はそれどころじゃあ……」 「だが、それは死の臭いだ」 「何だと?」 笑いを含みながらも戸惑った様な鶴丸の声が、一瞬で張り詰めた。 「お前からは、死臭がすると言っているのだ」 静かに、だがはっきりと、三日月は告げる。 「……もう一度言ってみろ。ただじゃあ置かないぜ」 少し怒気の含まれた声音だ。だが、三日月はそれを受け流す。 「何度でも言うぞ。鶴丸よ、これ以上黄泉の国への出入りは止めろ。このままでは、自身で審神者を傷つける事になるぞ」 暗に妖刀になるぞ、と、念を押せば鶴丸の殺気は一層強くなった。 「三日月宗近。てめぇに指図される筋合いはない、俺がどうするかは、俺が決める事だ。少なくともてめぇじゃあない」 初めて聞く、押し殺したような低い声だった。だが、三日月には、それは強がりに思えてならなかった。 「そんなに死ぬのが怖いか」 「何を」 闇の中で、鶴丸が引き攣るのが分かった。 「黄泉へ出入りしているのは、死への恐怖からではないのか?死が満ち足りたここならば、自分が生きている事が実感出来るからなあ」 辺りを軽く見回しながら、歌うような抑揚を帯びた口調で三日月が言う。 すると鶴丸は、何時もの調子を取り戻したように、笑いを含んだ声で返した。 「おいおい、俺たちは刀だ。何時折れるかも分からない刀が死ぬのを怖がってたら、話にならないだろう」 「卵の白身の方だ。心、とも言うな」 鶴丸が反発するより早く、三日月は続ける。 「心が揺れなくなるのが、そんなに怖いか?」 「いい加減に……」 詰問するような三日月に、うんざりした様に鶴丸が口を開くが、やはり彼は意に介さず、口元を綻ばせた。 「驚きなら、俺が与えてやろう。さすれば不安も解消されるであろう」 まるで名案だと言わんばかりの、自信満々な声で言う。 沈黙が辺りを包んだ。 力を抜き、黙って答えを待つ三日月の胸に身を預けると、鶴丸はぼそりと、呟く様に言った。 「…………そりゃ無理な話だな。三日月宗近、心が死んじまってる人間に、ゆで卵のお宅に、そんな芸当出来る筈がない」 「ゆで卵……俺がか?」 きょとんとした声で、三日月が問い返すと、鶴丸は真面目な様子で言った。 「ああ、凝り固まって、何をしても揺れないゆで卵だ」 まるで確信した様な言い回しに、三日月は苦笑した。 「俺だって、揺れる事はあるぞ。今も揺れに揺れておる」 「どうだかな」 ぶっきら棒に、鶴丸は否定する。 「好きだ」 「は?」 「鶴丸よ、お前を好いていると言っているのだ」 突然の告白に、鶴丸がいよいよ当惑した顔になる。が、三日月はそれに気付かない。 「どういう意味だ、そりゃ」 「こういう意味だ」 そう言って、三日月が空いた手で、鶴丸の頬に触れる。辿るように、その手に柔らかなそれを見つけると、そこに己の唇を押し付けた。 鶴丸の痩身が強張るのと同時に、三日月の足を踏みつけ、押しのけようと必死にもがく様が伝わった。 足の痛みに構わず、さらに深く口付ける。暗闇の中で、卑猥な音だけが響いた。 生温かいそれを口内に侵入させると、鶴丸はより一層激しく暴れたが、繋いだ左手を離そうとはしなかった。何とも律儀な奴だな、と、三日月は苦く笑うと、解放してやる。 「ん……ふっ……はっ……は」 「分かってくれたか?」 ぜえぜえと息を吐く鶴丸に、三日月は真剣な声で問うた。 呼吸を整えると、己の腕の中で鶴丸がくつくつと喉を鳴らし、体を震わせる。 「あっはっは、こりゃ愉快だ。刀が恋だって?しかも天下五剣様が、この俺にかい?」 さっきまでの暴れ様とは裏腹に、鶴丸は平常心を保っていた。 「そうだぞ。一目惚れだ」 「ふざけるのも大概にしてくれ」 ひとしきり大笑いした後、鶴丸は呆れた声で告げた。 「どうやっても信じてくれんか」 意気消沈した声で聞けば、鶴丸は少し考えるように答えた。 「そうだな、俺を心の底から驚かしてくれたら信じてやるさ……だが、それは主を」 「では試そうか」 鶴丸が言い終わるのを待たずに、す、と、三日月の手が離された。 「おい、馬鹿!」 鶴丸が離された手を掴み直そうとするが、空しく空気を掴む。空気を掴むと同時に、気配が一瞬で消えた。三日月の霊力を辿ろうにも、ぷつりと糸が途切れてしまっている。これは意図的に消されたものだ。 「くそっ!!!あの野郎!!!」 三日月の房紐だけが、鶴丸の小指に残された。
ざわざわと、しだれ柳が揺れる様な音がする闇の中、審神者は辺りをふらふらと彷徨っていた。 ぼんやりとした意識の中、審神者は思った。ここには覚えがある。以前、真っ暗闇の中で白く光る鶴を見た場所だ。 「今回は居ないなあ……」 きょろきょろとあたりを見回すが、鶴は見当たらなかった。 「……腹、減ったなあ」 あれほど嫌悪していた無味無臭の兵糧丸が、今は恋しかった。 「ん?」 くん、と鼻を鳴らすと、どこからか良い匂いがした。 その匂いを釣られるように辿っていくと、ぐつぐつと音を立てる釜戸のある場所に辿り着く。 辺りは先程までの暗闇と違い、やや明るかった。周りにはうっすらだが人影が沢山見える。 釜戸の前には、何やら列が出来ていた。列があると並びたくなる。そんな習性に従って審神者が最後尾につくと、後ろから枯れた声がした。 「今日はあなたが最後です」 「最後って?」 何となく振り返ってはいけない気がして、振り向かずに尋ねる。 「千人目ということですよ。ささ、お食べなさい」 後ろの声が、脇から手を差し出す。その手には、とりめしに似た握り飯が乗っていた。何の肉かはわからないが、とても食欲のそそる良い匂いがして美味しそうだ。 「ありがとう。凄くお腹が減ってたんだ」 手に取ろうとしたその時だった。背後から瑞々しい音と共に「ぎゃ!」という喉を絞った様な悲鳴が上がり、審神者が手に取るより早く握り飯が地に落ちた。 形を崩した握り飯からは、じゅうじゅうと音を立てながら煙が上がり、中からは大量のウジ虫がうぞうぞと蠢いている。 「ひっ」 思わず飛び退くと、暫くして、むっとした強烈な腐臭が辺りに広がる。噎せていると、その背をやさしく撫でる大きな手の感触があった。 「これ審神者、それを食べてはならないぞ」 「……三日月?三日月じゃないか!」 振り向くと、審神者を覗きこむように伺う三日月の顔があった。 「はっはっは。捕まえたぞ」 そう言って、背後から三日月が審神者を優しく抱きしめてくる。気付けば腐臭は消え去っていた。 「それにしても、三日月はどうしてここにいるの?」 「お前を探しておったのだ」 「探す?探すって……そうだ、ここは何処なんだろう?三日月は知ってる?」 気付いたらここに居た。そうだ、自分はどうしてここに居るのだろう。前後の記憶がぷっつりと途切れてしまっていた。 「さあなあ」 とぼけた様な三日月の声。これは知っている声だ。でも教えてもくれない声だ。審神者はそれをよく知っている。 「ねえ……」 「出しにしてすまんな」 言いかけた声を制止して、くしゃりと審神者の頭を撫でながら、三日月が言う。 その声音は、何時になく柔らかく、そしてすまなそうだった。 「何の事?」 あまりにもすまなそうな声だから、不思議に思い、尋ねたが、やっぱり笑って誤魔化されてしまう。 面白くなくて、頬を膨らませれば、益々すまなそうな顔をされので、ここは大人になろうと審神者は思った。 「さて、ここは危険だ。早々に立ち去ろうぞ。……待ち人も居るからなあ」 腕の中の審神者を解放してやりながら、三日月が微笑んだ。 「待ち人って、もしかして……」 審神者が言いかけた、その時だった。 「見つけたぜ」 聞きなれた声がした。 「その声は……鶴丸!」 振り返れば、血の付着したぼろぼろの衣を纏った鶴丸が立っていた。表情は良く見えないが、少し硬いように思えた。 慌てて駆け寄ってみれば、鶴丸は審神者を認めてニッと笑う。良かった、いつもの鶴丸だ。そう安心して息を吐く。 「俺より先に主を見つけて驚かそうとしたんだろうが……生憎だが、予想通りだぜ」 鶴丸が、淡々とした口調で言った。何の話だろうか。 「ふむ、駄目だったか」 対して三日月も、独り言のように零した。何となくピンとくる。さっきの謝罪はこれだ。 「実直と評判の三日月宗近様だ。主をほっぽって俺を驚かそうなんて考えないだろうからな」 そう言う鶴丸の言葉が、何時になく尖っているものだから、審神者はぎょっとして顔を見る。冷たく醒めた笑い顔だ。 喧嘩でもしたのだろうか?二人とも、ああ見えても大人だったので、審神者にはそれが想像が出来なかった。 「まだ怒っておるのか」 「もう怒っちゃいない。人生は長い。ま、ただの戯れだと思っておくさ」 「戯れ、か」 そう呟いて、微笑む三日月の顔が少し曇った様に、審神者は見えた。 「つ……」 審神者が口を開きかけた時だった。審神者でも分かるくらいに周囲が殺気立ち、ぞくりと背筋に冷たいものが走った。 どうやら周囲を何かに囲まれたらしい。ぶつぶつと何か言っている声が聞こえるが、うまく聞きとれない。 「……三日月宗近。俺が居ない時に一体何をしたんだ」 審神者を守るように傍に寄り添い、周囲を見渡しながら、鶴丸が尋ねる。 「審神者に飯を供する輩がいたものでな。桃を投げてやったぞ」 剣は抜いてないぞ、そう言いたげな三日月に、鶴丸は溜息をついた。 「……やれやれだぜ」 已むを得まい、そう鶴丸が刀に手をかけた時だった。 「鶴丸よ。下がっておれ」 鶴丸の前を三日月が立ちはだかった。 「三日月宗近?そこをどけ。尻ぬぐいは俺がやる」 「さっきも言ったであろう。これ以上穢れれば、ただでは済まぬと」 「ただで済まないのはお宅の方だぜ。今回ばかりは、天下五剣様の出る幕じゃあない」 ここは黄泉の国だ。黄泉の国では剣の強さより、穢れへの耐性がものを言う。 その点では、三日月より勝っていると、鶴丸は自負していた。 だが、三日月は退こうとせず、鶴丸の指に結ばれた房紐が垂れる方角を見て、そちらへ身体を向けた。 「はっはっは、審神者は頼んだぞ」 そう一笑すると、鶴丸が剣を抜くより早く、三日月が抜刀した。 「分らず屋!」 鶴丸の叫びを振り切るように、黄泉の者を斬り付けると、腐った肉片が、びちゃりと音を立てて、三日月の衣服に飛び散った。 「押し通る」 そのまま構わずに、黄泉の穢れを浴びながら三日月は道を作り、走り抜ける。 審神者の手を引きながら、その背に続く鶴丸は、案じた。 ある意味、穢れに馴れ切ってしまっている自分とは違う。血の穢れすらもまともに知らぬ三日月に、黄泉の穢れは刺激が強過ぎる。 鶴丸の予感は的中した。 闇が薄まり、出口まで後僅かばかりかという時だった。がくりと、三日月が膝をついた。 「三日月!!」 思わず鶴丸が声を上げる。 「やあ、嬉しいな……三日月と呼んでくれるか」 「どうして抜いた!!」 三日月も馬鹿ではない、こうなる事くらいはわかっていたであろう。だからこそ、鶴丸にはそれが理解できなかった。 「これ以上、鶴丸が穢れたら困るからなあ……審神者も悲しむだろう」 「三日月!三日月!!」 枯れた様な三日月の声に、審神者が縋りつく。 「泣いてくれるな。審神者よ、少し穢れを被っただけだ。死ぬわけじゃないぞ……」 その頬に触れながら、三日月は諭す様に言った。 「……くそ、約束を二つも破りやがって……やっぱり足手まといじゃないか」 苦虫を噛み潰したような顔で鶴丸が言えば、三日月は笑った。 「はっはっは……それでもお前は、俺に来いと言ってくれたではないか」 「それは」 本気の目をしていたから。そうだ、最初から三日月は本気だった。それなのに、鶴丸はどこかでそれを否定していた。分らず屋は、自分だったのだ。 「もう、見守っているだけというのは、嫌だからなあ……」 そう呟く三日月に、鶴丸は思い知らされた。 三日月宗近は達観などしていない、ただ、大らか過ぎるだけだったのだ。どうして、そんな単純なことにも気付かなかったのか、鶴丸は、奥歯を噛み締めた。 彼だって、普通に傷つくし、寂しいと思うこともあるだろう。だが、自分と形は違えど同じように、悠久とも思える時の中で、凪いだ海の様に振舞う事で心を守ってきただけなのだ。鶴丸は、そう思った。 「もういい、喋るな。すまん……ゆで卵なんて言って」 「……鶴丸?」 三日月が不思議そうな顔をする。 「気持ちは分かったって、言っているんだ」 判然とした、確かな声で鶴丸は三日月に告げる。自分への好意は本物なのであろう、と。 「そうか、そうか……俺は幸せ者だなあ」 別に気持ちを受け入れた訳じゃない���そう言う前に三日月は静かに瞼を閉じた。 「鶴丸!どうしよう、どうしよう……」 三日月の手���握り、審神者が鶴丸を見る。蒼白で、今にも泣き出しそうな顔だ。 「……大丈夫だ。三日月の言うとおり、死んだわけじゃない。少し穢れを浴び過ぎただけだ」 だが、このままではまずい。手入れ部屋まで行き禊をするまでには、時間がかかり過ぎる。 考えろ、何か手はある筈だ。鶴丸がそう頭をひねった時だった。三日月の懐から黄色い手拭いがちらりと見えた。 「これは……」
「三日月!良かった!」 三日月が、瞳を開くと、薄闇の中で安心したような審神者の声がした。 「気付いたか、三日月。……遠征先の人に感謝するんだな」 ぶっきら棒に、しかし明るい声音で鶴丸が言う。 鶴丸の手には、三日月の手拭いが握られていた。 桃の木は霊木で、その木から生る桃は穢れを払う。どうやら鶴丸は、自分に桃の汁を飲ませて穢れを払ったらしかった。 どのようにして飲ませたのか、三日月は胸が高鳴ったが、あえそこには触れない事にする。 「礼を言うぞ、鶴丸」 「礼なら遠征先の人に言ってくれ」 微笑めば、鶴丸が少しばつの悪そうな顔で告げる。 「それもそうか」 言いながら、三日月が立ちあがる。それを認めてから、鶴丸が息を吐いた。 「さて主、主とは一先ずここでお別れだ」 不安そうに鶴丸の顔を見上げる審神者の頭に、鶴丸がぽんと手を置く。 「心配するな。ここを抜ければ、きみは元の肉体に戻る。ここでの事も、忘れちまうだろう」 「そういうものなの?」 「ああ。主にとって、ここは夢みたいなもんだからな」 「そう……でも、良かった」 「何がだ」 不思議そうにする鶴丸に、審神者がはにかんだ。 「三日月とのこと、少し心配していたんだ。でも、これなら彼を副隊長に据えても大丈夫そうだね」 「何の話だ?」 三日月がきょとんとしている。 主の危機に、鶴丸はすっかり忘れていたが、そういえば朝そんな話をしていたことを思い出す。 三日月に近寄りたくなくて、嫌がっていた、朝の自分。それが今はおかしくて仕方が無かった。 「……ああ、そうだな。これから右腕として、宜しく頼むぜ」 そう言って鶴丸が三日月の肩に手を置く。 「はっはっは。右腕、か」 「不満かい?三日月の旦那」 笑みを含んだ声で鶴丸に聞き返されれば、三日月は改まった声で言う。 「あいや、よきかなよきかな」
戦場で、朱に染まりながら舞う白い鶴を傍で見れる。 三日月は、それが慶賀に堪えなかった。
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kachoushi · 1 year
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各地句会報
花鳥誌 令和5年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年7月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
あぢさいや錆ゆくときもずぶ濡れて 光子 雨に白く汚されてゐる木下闇 緋路 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 見覚えのビルはもう無くサルビアに いづみ 夏草のつぶやくやうな雨であり 和子 鉄条網梅雨の蝶さへ寄せつけず 同 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 飛石をぬらと光らせ五月雨 久 その人は梅雨に沈みながら来る 順子 五月闇不穏な波の来るといふ はるか
岡田順子選 特選句
列車音遠ざかるとき浜万年青 はるか 庭石は梅雨のものとて黄泉のもの 俊樹 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 雨の日の桔􄼷のうしろすがたかな 美紀 萱草のそびらに恩賜なりし闇 光子 潮入りのみづは昔や通し鴨 いづみ 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 瞬ける雨粒蜘蛛の囲の銀河 緋路 雨に白く汚されてゐる木下闇 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
鹿の子啼く隠れの島に入日濃く 修二 たはむれの莨にむせし桜桃忌 久美子 寂しさを下から崩すかき氷 朝子 茉莉花の別れ際こそ濃く匂ふ 美穂 不如帰久女の夢と虚子の夢 修二 首の無きマネキン五体暑き日に 愛 蟬生る瓦礫の闇の深きより かおり ひまはりの花と育ちて銃を手に 朝子 バレエ団の窓へブーゲンビリア満つ 愛 蔓薔薇をアーチに育て隠居せる 光子 うつし世のものみな歪み金魚玉 かおり バス停のバスまで覆ふ夏木かな 勝利 梅雨空にジャングルジムがひつそりと 修二 襖絵の孔雀の吐息寺炎暑 勝利 君嫁して香を失へり花蜜柑 たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
らつぱ隊香り奏でる百合の花 さとみ 風鈴が相づちを打つ独り言 都 香水に縁の無き身や琥珀色 同 身ほとりの置き所無き土用の入り 同 滴りの奥にまします石仏 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
黒塀や蔵してをりし八重葎 宇太郎 ふりかへる砂丘の海の線は夏 同 葛切や玻璃にスプンの当る音 同 夏草の中の林道下りけり 同 ソーダ水斜めに建ちし喫茶店 同 向ひ風麦藁帽を光背に 同 白服を吊りたる明日の再会に 悦子 浜昼顔一船置きし沖を恋ふ 同 白南風旅の鞄をコロコロと 美智子 足跡や巡礼のごと砂灼けて 栄子 紫陽花やうた詠むくらし悔もなく すみ子 玫瑰の咲くや砂丘の果の路 益恵 躊躇なく風紋踏んで白い靴 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
早苗饗や手足を伸ばす露天の湯 幸風 はらからや薄れゆく過去心太 百合子 一品を後からたのむ心太 秋尚 青楓雄々しく抱ける年尾句碑 三無 天草の歯ごたへ確と心太 文英 朝顔に護符つけ市の始まりぬ 幸子 朝顔のつぼみ数へて市を待つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
西日射す鏡に海女の手櫛かな 昭子 兜山古墳を包む大夕焼 ただし 良き事の有りや無しやの今朝の蜘蛛 信子 信州に梅雨のかけらの雨が降る 三四郎 石も又涼しきものの一つかな 昭子 香水や周囲の心独り占め みす枝 梅雨寒や口を預けて歯科の椅子 信子 うなだれて少年の行く片かげり 昭子 僧逝きて久しき寺の夏椿 英美子 猛暑日や万物すべて眩しめり みす枝 天近き牧牛の背や雲の峰 時江 コップ酒あふる屋台の日焼顔 英美子 サングラス外し母乳を呑ませをり みす枝 かぶと虫好きな力士の名をつけて 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
芋焼酎醸す香りの満つる街 三無 団扇さし出かける孫の下駄の音 ことこ それぞれが里の焼酎持ち寄りて あき子 老媼の団扇頷きつつ動く 和魚 児に送る団扇の風のやはらかく ます江 店先で配る団扇の風かすか ことこ 泡盛の味覚えたりこの良き日 同 団扇手に風のざわめき聞く夕べ 廸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
沖縄の鳳梨乾いた喉癒す 裕子 青空や収穫の日の夏野菜 光子 夕暮れは車窓全開青田風 紀子 貝釦一つ無くした夏の暮 登美子 まだ聴けるカセットテープ夏深し 同 雲の峰送電線は遥かなり 令子 夕焼に路面電車が揺れてゐる 裕子 鐘を撞く寺は山上雲の峰 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 萩花鳥会
透き通る海は自慢よ海開き 祐子 救助士の臀筋たくまし海開き 健雄 夏草や一対すべて青の海 俊文 生ビール久方ぶりや子とディナー ゆかり 引く波に砂山崩る海開き 恒雄 天の川点滅飛機の渡りゆく 美惠子
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令和5年7月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
羅を纏ひしものの身の一つ 世詩明 天国も地獄も自在孟蘭盆会 同 風の盆男踊りの笠深く 幹子 盆の供華華やいでゐる村の墓地 同 ギヤマンの風鈴揺れる蔵の街 嘉和 古団扇思ひ出の新しき 雪 縁側に男冥利の裸かな みす枝 ナツメロを口ずさみつつ草を引く 富子 蓮開く様自力とも他力とも やす香 神主の大きな墓を洗ひけり ただし 在りし日のままに夏帽吊し置く 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
田舎家の土間のだんまり朝曇 要 炎帝の遣はす鴉黒く群れ 千種 会釈する日傘に顔をなほ深く 同 夫恋ひの歌碑を見てより秋近し 炳子 飴色に枯れ空蟬の垂れ下がる 久子 古民家の故郷の匂ひ壁に黴 経彦 三猿の酔ふ草いきれ庚申塔 眞理子 古民家の茅屋根匂ふ炎天下 三無
栗林圭魚選 特選句
蓮花の水面の余白空の青 亜栄子 カラフルな浮輪乗り合ふ市民バス 久 じやぶじやぶと揃ひのティーシャツ水遊び 三無 咲き足せる泰山木の真白かな 秋尚 森少し膨らませをり蟬しぐれ 慶月 水音に誘はれつつ灼くる道 眞理子 惜しげなく涼しさ放つ水車小屋 要 ひとときの静謐滝に対峙して 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
マッカーサーパイプ咥へてアロハシャツ 千加江 遠雷や織部の茶碗非対称 泰俊 二業地に一の糸鳴る夜涼かな 同 悠久の光り湛へて滴れり 同 青田風満目にして夕仕度 清女 脱ぎ様のまことしやかに蛇の衣 雪 退屈をもて余しゐる古団扇 同 洗ひ髪訪ふ人も無く待つ人も 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月21日 さきたま花鳥句会
沢蟹の渡る瀬石に日の名残り 月惑 空蟬や辞書に挟まる紙兜 八草 家眠る厨にひとりバナナ剥く 裕章 山の水集め男滝の帯となる 紀花 どら猫にまさる濁声夏の風邪 孝江 炎天に心字の池面雲動く ふゆ子 打水や土の匂ひの風生まる 康子 行くほどに街路華やぐ百日紅 恵美子 睡蓮の葉を震はせて鯉の道 みのり 八の字を書きて茅の輪を潜りけり 彩香 誘蛾灯今は無人の故郷駅 静子 枇杷熟るる眷属訃報また一人 良江
………………………………………………………………
令和5年7月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
半夏生何処が嫌ひと云はれても 雪 蛇にまで嫌はれさうな蛇苺 同 何処をどう突いてみても蟇 同 お隣りは今はの際���虎が雨 一涓 師の友は文教場址合歓の花 同 守宮まづ招き入れくれ舎入門 同 忘れじの人今も尚蛍の夜 同 入道雲天下制する勢あり みす枝 藍浴衣片方だけにピアスして 昭子 サングラス外して妻は母となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
空蟬や地中の記憶あるらしく 要 靖国の坂みんみんの急くに急く 昌文 炎天に零戦仰角三十度 佑天 鳥居へとまぬがれがたき炎天を はるか その日近付き靖国の灼けてをり 慶月 みんみんの高鳴く魂の声として はるか
岡田順子選 特選句
熱き骨ぽきぽきたたみ日からかさ 眞理子 真白な祢宜の出て来し木下闇 政江 笛の音の遠くに生まれ夏の果 光子 零戦を撮る少年の夏休み 慶月 下乗せし老女紅濃く夏詣 同 英霊に七日の魂の蟬時雨 政江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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azakavrc · 1 year
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思えば、ろくな人生ではなかった。でも、ボクはまだ幸福な方だったとは思える。
物心がついた頃、貧しい暮らしだった産みの親は私を教会の前に置き去りにしていなくなった。この世からの逃避行に幼かった私を連れていくのは忍びなかったのだろう。そう思えるようになったのは、産みの親たちがどこへ向かったのかを知ってからだいぶ経ってからだ。
ともあれ、教会の前で冷たい雨に打たれながら、多分“私”はあの時に死んだんだろうと思う。
シスターに拾われて、教皇様がふかふかのタオルで包み込んでくれた時、それが“ボク”の始まり。その時その瞬間、ボクはきちんと産まれることができたように思う。
その後、教皇様に洗礼を戴き、ボクは新しい名前を得た。ボクの名前は、アマクサだ。
教会での暮らしは実に穏やかで、温かさと希望に満ち溢れていた。教皇様は自ら、ボクに色々なことを教えてくれた。人として清く正しく生きること。自身の魂を、肉体を磨き皆の規範となれるよう努めること。父なる神はいつもボクらを見守っているから、失望させるような姿は見せないようにと。何も持っていなかったボクにとっては何もかもが眩く、ボクはそのすべてを真摯に受け止めて育った。いつしか、ボクも教皇様のように皆を慈しみ守り導けるようになりたいと願うようになった。
だから、宣教師として他国に渡って欲しいという教皇様の要請にボクは迷わず頷いた。教皇様の期待に応えたかった。何より、“私”のような人がこれ以上増えないよう、“ボク”のように救われる人が一人でも多くなるよう、ボクにできるすべてを捧げたいと思った。
旅立ちの朝、教皇様はボクに不思議な色をした花束と何か薬のようなものを贈ってくださった。アルケードラッグとアルケー現実鏢。話には聞いていたけど見るのは初めてだった。
そして、これを使ってボクができること、ボクがなすべき使命を教えて下さった教皇様は最後にこう言った。
「そう遠くない未来、あなたにはとても大きく厳しい試練が必ず訪れます。けれど、父なる神は越えられない試練を課すことはありません。あなたは誰よりも誠実で強い娘です。必ず乗り越えて務めを果たすこと、私は信じていますよ」
その言葉は、後々までずっとボクの中で灯り続け、そのおかげでボクは立ち止まらずに歩き続けることができた。
ウサア合衆国に渡ったボクは最初は医療機関の手伝いをしつつ、ゆっくりと教えを広めるよう努めた。大戦前から信徒であった方と話をしたり、衰退して埃を被っていた教会の寄宿舎を修復・清掃をしたり、地域のボランティアに参加したり、やる事はいくらでもあった。
慌ただしく過ぎる日々の中、ボクにこの国にきて最初の転機が訪れた。目の前で発生した交通事故。幸いボクは全くの無傷だったが、巻き込まれて傷付き苦しむ人がいた。ボクは意を決してポーチに入れていたあの薬と花を出して、父なる神に祈った。薬を呑み込み更に祈ると、花は溶けて液体に変わる。その液体を怪我人に丁寧に振り撒きながら、ボクは努めて静かに優しく声をかけていく。
「大丈夫です。父なる神は決してあなた方を見捨てたりはしません。気持ちを強く持って。“生きてください”」
声をかけられた人たちの表情が和らぐのを見て、ボクは周囲の人に声を投げる。
「一時的に痛みを取り去っただけです。そちらの方、今のうちに早く病院へ連絡をお願い致します。そちらの方はボクの手伝いをお願いします。簡易的な担架を作ります。そちらの方は……」
次々とお願いをしていくと野次馬をしていた通行人は即席の救急隊に変わる。一通り手配を終えた辺りでちょうど救急車がきて怪我人を運んで行った。応急処置や対応のおかげで一命は取り留めそうだと言われたけどボクは、そうじゃない、と確信を持って言える。父なる神の権能を貸し与えてくださった教皇様のお導きだ。
とはいえ、その縁でボクは医局の救急隊を手伝うことになった。ボクにできること、ボクにしかできないこと。教えを説くこともボクの勤めだけど、人々の命を守り勇気づけることもまた、ボクが貫くべき正義の行いだ。
救急隊での日々で、ボクは色々な事を学んだ。生きていくという事、幸せを目指す事、人と人の交わり、平和の願い。ボクは、この国で、この人たちと共に生きているんだという実感。
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thyele · 1 year
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2023年5月15日
Deshabillz2023 8月19日(土)心斎橋SHOVELさん「【パーソナリティー】愛郎(UNDER FALL JUSTICE) / Mr. TANAKA(Vijuttoke) *TV・V援隊ニコ動チャンネルとのダブル同時放送! *TVの再放送は6月2日(金)放送。 V援隊 HP  V援隊ニコ動チャンネル」 https://twitter.com/Deshabillz2022/status/1657032196689895428
餃子のハルピン https://harpin.shop/
Matt「急に腫れてしまいました」ヒアルロン酸大量注入のあごに異変「遅発性結節」と診断 - 芸能 : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202305080000295.html お大事に。
ザ・キュアー 北米ツアー初日で超レア曲演奏 36年ぶりに「A Thousand Hours」「Six Different Ways」披露 - amass https://amass.jp/166631/
「5類」への移行で 経済効果4兆2000億円の試算 https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000298369.html
hide officialさん「【 #hide’s Memo】 1998年5月13日は『ピンク スパイダー』のリリース日です★ ジャケットはチョコレートをイメージしたもので、初回盤は「チョコレート」と「包み紙」が分離するようになっており、中には蜘蛛と蝶のイラストが隠されています。 SOUND&VIDEO>>」 https://twitter.com/hideofficial_20/status/1657188916443619329
東京・銀座の時計店強盗 関与疑いの男性4人は16~19歳 | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20230509/k00/00m/040/026000c
「アマノ食堂」byアマノフーズさん「\#ズッキーニ の種類と違い/ 調理方法で味はどう変わる?👀 緑と黄色で異なる魅力! ・生の黄色はサラダに合う ・炒めるとコクが出る緑 など 今回は違いを詳しく紹介しています🌈 さまざまな料理に合う2色のズッキーニで、 料理の幅を広げてみては?👩‍🍳 詳しくはこちら⏬ #アマノフーズ」 https://twitter.com/amano_shokudo/status/1657264415526490114
ローソンのウチカフェ新作「スコーンサンド」クリームチーズ入りクリーム&いちごソースがとろ~り - ファッションプレス https://www.fashion-press.net/news/103184
MUCCさん「会場限定���ングル『99』発売決定! 2023.6.9 RELEASE 『MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」〜志恩・球体〜』会場限定発売 ¥2,500(税込) 詳細はコチラ #MUCC25th #MUCC_Timeless」 https://twitter.com/muccofficial/status/1657225833659129857
BuzzFeed Japanさん「【なにこれ】「それ食べれるやつなん…?」食器洗いスポンジにしか見えないローカル菓子パン、味や販売地域について聞いてみた https://t.co/kCJ4oZgTQK 食べていたら、友人にギョッとされたという菓子パンが話題に👀 確かにこれはスポンジすぎる…。 気になるお味や販売地域について聞いてみました!」 https://twitter.com/BuzzFeedJapan/status/1657221884339994627
パンクバンド・SUM41が解散を発表「27年間、ありがとうございました」 ワールドツアーの開催も発表 https://news.ntv.co.jp/category/culture/df93bc1604264cb5b2883c318f1cbe44
玲王那さん「Indastrial Apes主催楽しみだね🐒 https://t.co/972WIn29ZG」https://twitter.com/reona_gt0117/status/1657551637962174464
Reganさん「🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥 SAISEIGA広島おつかれさまでした‼︎ ボーカリストが見た風景 〜燃える広島魂〜 SAISEIGAは本日、愛媛松山へ☺︎ 🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥 https://t.co/uri9n6oBji」https://twitter.com/regan_shout/status/1657524031732715521
SEXX GEORGEさん「アメブロを投稿しました。 『7.04札幌音沙汰詳細!』 https://t.co/rKvgklAZ7q 2023年7月4日(火) 札幌Bar音沙汰 【出演】Hyaku / 我孫子神音會 [Guest] AKIRA “MYAR“ MIYAO 19:00/ 19:30 ¥5,000 / ¥5,500 (別途D代) 【チケット予約】5/21(日)0:00〜 [email protected] しかし…"MYAR"って何? https://t.co/yiLdFQ6hcW」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1657984695873986560
KINGRYOさん「こんにちは✨ 2023.5.15(月)am11:58 今日は渋谷でパキーン🦁✨ 今週もみんなファイトやで👍 https://t.co/jRTyup1yxq」https://twitter.com/kingryoworld/status/1657943583901745152
東海林のり子さん「ペットと高齢者の関係 老犬介護のお話をしています 是非ご覧ください🐶 #老犬介護 #犬の後見人 #ペット信託 #バディファミリーチャンネル #東海林のり子 #1 https://t.co/1DSiuXHjq0 #2 https://t.co/i4P8pLXIdI #3 https://t.co/xgyTFtdUxp #4 https://t.co/XFNLTEL3Q9」https://twitter.com/shoujinoriko/status/1657694811871404032
BookCafe&Bar 十誡さん「文豪アフタヌーンティー、5月は満席となりました。 たくさんのご予約をいただきまして誠に有難うございます🍒 6月のお席はhttps://t.co/VeAX6Bwnqmより承ります。 お電話の受付が難しいお時間帯もございますので、上記の予約サイトをご利用くださいませ。 みなさまのお越しをお待ちしております🍒🍒🍒 https://t.co/o1Iq1M9Mqr」https://twitter.com/zikkai/status/1657693729569001472
Vo.KOJIRO@X NAGOYA🐈🐾さん「【X-NAGOYA LIVE情報】 3年振りに名古屋でのライブが決定しました‼︎ 出演時間17:00〜 打ち上げ予定もあります‼︎ チケット予約&打上げ予約はお気軽にメンバーへお問い合わせください♪ 一緒に暴れん坊で行こうぜ🔥 久々の名古屋に来て、NAGOYAに愛に恋🥰🔥✨ https://t.co/N7bHRMjfVc」https://twitter.com/Kojiro_xnagoya/status/1657867397955727360
百直オフィシャルさん「5/21(日)名古屋 ROLLING MANにてアフターパーティー決定! アフターパーティーご参加の方は、終演後2オーダーをお願いします!! ROLLING MAN 新店舗で楽しみましょう! https://t.co/ZARaYYOAct」https://twitter.com/HyakuNAO/status/1657350409965678593
清春さん「【web】 Rolling Stone Japan 清春×大森靖子 対談公開 https://t.co/j9SWUm4K6B #清春 #大森靖子」https://twitter.com/ki_spring/status/1658043081105760257
福笑さん「千ノナイフガ胸ヲ刺 ス うわあぁ!やめてくれ! TERUさんの叫びからの ガンガンのイントロが脳内再生される!! ビリビリクラッシュメンといい GLAY LUNA SEA ラルク X SADS 90年代のヴィジュアル系を思い出す サブタイトルが 「救済なき医師団編」から 以前より増し増し登場 #忍者と極道 https://t.co/ukTv8GHYyr」https://twitter.com/smile106uvu/status/1657970472351576066
kazuyaさん「少し長くなりましたが 拙い文章ですが 今の気持ちとツアーの感想です。 お時間あるときにでも 読んで頂けたら嬉しいです。 365日と終わり|kazuya #note https://t.co/VLp7PLIRx9」https://twitter.com/kazuya2418/status/1657998144058306560
D'ERLANGER Tetsuさん「そう言えば・・・TOUR前の言い忘れ。 今回のAnonymouz TOUR 2023にて、 2017年4月にDebutした現行のDRUM KIT 「Pearl Drums Reference Pure Colors Infinity」 が卒業なんです。 各地ご来場の方はジックリ眺めてやってください! Thanx to Pearl / Sabian / Remo https://t.co/1LQGJWurNh」https://twitter.com/GREATZUPPER/status/1658010030858448896
武藤 将胤 WITH ALS/EYE VDJ MASAさん「【6/18(日曜日)MOVE FES.2023 Supported by AIRUに向けてリハーサル!クラウドファンディングのご支援、拡散お願いします!】 改めてこんなに素晴らしい出演陣の皆様が一堂に会するフェスは中々ないと思います!必ず皆様の心が動くフェスになるので是非お越しください! https://t.co/dSVRQhO0um https://t.co/JBkG63POxy」https://twitter.com/Masatane_Muto/status/1657976503152549888
NATCHINさん「FANTASTIC◇CIRCUSのサポートとして約1年間、ありがとうございました! いつかまた 会えたらいいな See you again バイバイ #FANTASTICCIRCUS #FANATICCRISIS https://t.co/ZNYQgmT6YU」https://twitter.com/NATCHIN1015/status/1657911796580364288
gremlins_officialさん「【TOUR2023 Play? 開催決定!!】 4年ぶりのツアー開催! Vo.&Gt. Hits Dr. KNZ Gt. 美月(Sadie,The THIRTEEN) support Ba. Ni~ya(NIGHTMARE) チケット先行予約受付は 05/16 12:00~ 【詳細はこちら】 https://t.co/eSfDnvTDRD https://t.co/ga7lcUqOuw」https://twitter.com/GREMLINS_staff/status/1657943928228937732
FAB NIGHTさん「5/15 25時からオンエア 「FAB NIGHT~TAKAKO'S EDITION~」 ゲストは4/26にAlbum『Midnight Chocolate』をリリースした、SHERBETSから浅井健一さん! #ファブナイト https://t.co/iVpUU3n7e9」https://twitter.com/fab78MHz/status/1657685864129138688
ryuichi sakamotoさん「Ryuichi’s Last Playlist. We would like to share the playlist that Ryuichi had been privately compiling to be played at his own funeral to accompany his passing. He truly was with music until the very end. - skmt management https://t.co/QPeSnthq9p https://t.co/lK7B2ltUM9」https://twitter.com/ryuichisakamoto/status/1657914258200440836
ぶいにゃす😺🎀🍓さん「おはにゃ〜🍓 19年前の今日2004年5月15日にMerry Go Roundが高田馬場AREAにてラストライブ「Merry Go Round is dead」を開催した日にゃん🎸 というわけで「桜の満開の木の下で」の弾いてみたをアップするにゃん🌸 #MerryGoRound #桜の満開の木の下で https://t.co/Etat0UbiDf」https://twitter.com/buinyasu/status/1657920692837552128
hitokiさん「チケット情報 7/19(水)東京 6/3(土)正午発売 https://t.co/ipE2lbp47Z 会場 https://t.co/ZJna6Zazec 7/31(月)名古屋 6/10(土)正午発売 https://t.co/XFOl5cS7li 会場 https://t.co/6FuXfnxLNY 8/1(火)大阪 6/11(日)正午発売 Lコード 52488 https://t.co/RFtemaBsSj 会場 https://t.co/h9lMpkw9GY https://t.co/bAAcUoemV2」https://twitter.com/hitokill/status/1657948207308247040
Fender (フェンダー)さん「オープンまであと47日🎸 🎉 Fender Flagship Tokyo Countdown featuring 新井和輝 (King Gnu) @K_and_his_B @KingGnu_JP 6/30のオープンに向けてカウントダウンしながら、世界中から50組のアーティスト/ゲストが日替わりで登場し、スペシャル動画を公開! 動画フル版: https://t.co/u6onTvoztV https://t.co/5petCBQGYT」https://twitter.com/Fender_Official/status/1657672152294850560
咲人さん「久々の長めのツアーのファイナル。楽しかったことや悔しかったこと、ありとあらゆる感情が最後の最後で込み上げてきちゃった。まだまだ修行不足だなと感じる反面、自分達にはまだ可能性があると思えるツアーだった。みんな本当にありがとう。 まだまだ高みを目指していきます https://t.co/1UqJrKFE39」https://twitter.com/suck_it_nm/status/1657721784895160320
enon kawataniさん「名前は片想いのMV、気付いたら500万回超えてました。新しい曲が聴かれるのが一番嬉しい。indigo la Endの他の曲も聴いて欲しいね。 https://t.co/QDRbakJ8Sv」https://twitter.com/indigolaEnd/status/1657725214623690760
SHINさん「ソロボーカリストとしての活動がもうすぐ6周年を迎えます 7月28日渋谷クアトロでワンマンライブ そこでソロ活動最大の発表をさせていただきます ファンクラブ先行チケットエントリー中です今からの入会でもエントリーしていただけます6年目の大きな決意是非力を貸してください https://t.co/GNfiuUPBjo」https://twitter.com/SHIN_20161224/status/1657727977889878016
Yoshikiさん「この中のどの曲を演奏しよう…全部? 明日 #米グラミーミュージアムで..! @YoshikiChannel にて生放送決定!観てね。 #XJAPAN- (新曲) #Angel #Tears #TheLastRockstars- (新曲) #SHINE #SixTONES-#ImitationRain #YOSHIKI-(新曲)#Requiem #RedSwan #XY-(新曲)#CrazyLove and more.. Which song… https://t.co/V0IO2g1rlM」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1657732088710459393
RAZOR officialさん「■チケット発売情報 ~RAZOR ONEMAN TOUR 千人斬り~ 9月に行われる東名阪を除くチケットの一般発売が開始されました!! 下記サイトからチケットをお買い求めいただけます。 🎫ローソンチケット https://t.co/Pfo7HPF2ci この機会をお見逃し無く! 🖥RAZOR HP https://t.co/PokuqsWKqd https://t.co/NQ9raJvfv1」https://twitter.com/RAZOR_official_/status/1657728922879168513
SHINPEI_BREAKERZさん「すっごいライブが決まりました。 2023.08.13 二子玉川ジェミニシアター SHINPEI SOLO LIVE ~Roots~ vol.6 -HARD ROCK SESSION- ⁡ 憧れのメンバー 満園 庄太郎さん(Ba.) 黒瀬 蛙一さん(Dr.) 団長 from NoGoD(Vo.) を迎えてのハードロックカバーライブ ⁡ 激アツの選曲を用意します、必見! https://t.co/3TbWVbXzur」https://twitter.com/shinpei_brz/status/1657702009506766848
NIGHTFISHING_NFさん「「NF#15 NF1ROOM」LINE UP。https://t.co/FF9XapT0rR 6/10(sat) TOKYO Guest : Daito Manabe / Keiichi Ejima 6/17(sat) SAPPORO Guest Live : Kuniyuki Takahashi 6/23(fri) FUKUOKA Guest : YonYon \ 7/8(sat) NAGOYA Guest : Keiichi Ejima 7/22(sat) OSAKA Guest : SAMO #NF15 #NF15NF1ROOM https://t.co/rRYQfo4GSC」https://twitter.com/NIGHTFISHING_NF/status/1657679094551838722
Sakura 櫻澤泰徳 Yasunori Sakurazawaさん「2023年 gibkiy gibkiy gibkiy 初ワンマンツアー https://t.co/FAHNE0ESSI」https://twitter.com/sakurazawa/status/1657719499494424578
FANTASTIC◇CIRCUSさん「FtC 30th Project 日比谷野外大音楽堂から昭和女子大学人見記念講堂までの全行程を終える事が出来ました。 応援してくれた皆様 スタッフの皆様 ミュージャンの親友 全ての人に感謝です。 本当に、ありがとうございました。 必ず、再会しましょう‼︎ メンバー一同 #FANTASTICCIRCUS https://t.co/h1zM9tB5Cf」https://twitter.com/ftccircus/status/1657669029560209408
ぶいにゃす😺🎀🍓さん「おはにゃ〜🍓 今日はHERO yusukeさんのお誕生日にゃんで「ソプラノ」の叩いてみたをアップにゃん🥁🎉 お誕生日おめでとうございますにゃ〜ん🎊 素敵な一年をお過ごしくださいませにゃん✨ #yusuke #HappyBirthday https://t.co/CAtYbs2ZcF」https://twitter.com/buinyasu/status/1657564624454320128
リジェーヌ officialさん「【次回公演】 5/18(木)EDGE Ikebukuro [ ACT ]リジェーヌ / https://t.co/y7uCg6EonU / D・ALAEVE / 黒い給食当番 / ZEILE [ OPEN / START ]17:00 / 17:30 [ ADV / DAY ]¥4,000 / ¥4,500 [ TICKET ] https://t.co/HIZqIy2Xgz リジェーヌは18:15〜出演予定」https://twitter.com/regene_born/status/1657566608175566850
土屋昌巳 Masami Tsuchiyaさん「偽アカウントの報告が寄せられました。こちらはオフィシャルではないので、皆さんご注意ください。 オフィシャルと全く同じ画像を使用していますが、"@masami.tsuchiya.Fanpage2023"というアカウントは僕とは無関係です。 https://t.co/0fn5wZ7vYu」https://twitter.com/tsuchiya_masami/status/1657596006559776771
indigo la Endさん「【本日12時・数量限定通販】 indigo la End 春フェス新グッズ 本日5/14(日)正午12:00〜 通販開始!! 数量限定! ご興味のある方はお早めに!! ※ 5月中旬〜順次発送 ■販売ページ https://t.co/FJxxQigvhk ※ 5/14(日)12:00に更新し全商品表示されます。 https://t.co/ka4g0bxe8i」https://twitter.com/indigo_la_End/status/1657521130230652928
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xf-2 · 4 years
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米東部時間1月12日午後、米国でこのところ視聴率を上げているエポックタイムズが、フリーで活動する日本人の女性ジャーナリスト、我那覇真子氏のインタビューを配信した。題名は「Video: Analysis of Ashli Babbit Video Suggests Coordinated Actions–Interview With Masako」で、12分13秒の彼女に対するインタビューだ。ログインする必要があるが、興味と時間のある方は確認してほしい。
 ちなみに、エポックタイムズは法輪功系のメディアで、極端かつ徹底した反中報道スタンスで知られる。最近はトランプ大統領を支持することで視聴者を増やしており、誤情報や陰謀論を拡散しているとリベラルメディアは批判している。そして、取材を受けた我那覇氏は「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」の代表で、保守派のフリージャーナリストとして活動している人物だ。その点を理解した上で読んでいただきたい。
 結論を先取りすると、彼女は、1月6日にワシントンDCで起きたトランプサポーターらによる議事堂への乱入に関する複数のYouTubeを見ていてあることに気づいた。サンディエゴ在住の女性、アシュリー・バビット(Ashli Babbitt)氏が警官に撃たれる前、ある一人の黒人男性がパイプを持ったもう一人の男とドアのガラスを割っていた。その直後に警官が発砲して彼女は倒れた。我那覇さんは、一連の騒動の中で、この二人だけが、トランプサポーターとは異なる過激な行動をしていたと指摘している。そして、他の証拠と合わせると、この黒人男性は極左団体のANTIFA(反ファシスト)だという。
 我那覇氏によれば、バビット氏の命を救おうと救急救命士が搬送しようとしているにもかかわらず、この黒人男性は「彼女は死んだ」と叫び、デモ隊を興奮させた。ところが、この黒人男性はデモ隊を扇動した後、自分自身はデモ隊から離れ、近くの階段にいた複数の警官の後ろでリュックを背負って静かに立っていた。実際、撮影された映像はリンクで確認できる。
 確かに、他のYouTubeを見ても、バビット氏が撃たれた時に暴徒としてドアの窓を壊していたのはこの二人だけのようで、そのうちの一人がこの黒人男性、もう一人がパイプを持った男だった。この黒人男性は、その後、CNNに出演して当時の様子を話した(これも我那覇氏のインタビューにリンクに出てくる)。
日系メディアの駐在員は何をしている?
 日本の大手メディアは米国に駐在員を置いている。基本はワシントンDC、ニューヨーク、サンフランシスコ(シリコンバレーに近い)の三都市が中心だと思われるが、中には、他の都市に駐在している人もいる。また元駐在記者で、今はワシントンDCや西海岸に住んで独自の報道をしている人もいる。
 さらに、米国のシンクタンクや大学に研究員のような形で滞在している人がいることを考えれば、総計は100人を下らないだろう。現地採用の記者などもおり、米国から見た海外メディアとしては日系メディアはかなり手厚い体制を敷いていると評価できる。
 もっとも、彼らが真面目に仕事をしているのは当然ながら、メディア企業として米政府などとの関係があるため、今回のような混乱時に思い切った報道ができないという面がある。
 また以前、民主党大会への取材をしたいと頼んできたメディアがあったが、筆者が民主党関係者と話すと、その時は無条件にダメだった。環太平洋経済連携協定(TPP)の話で紹介をしようとした際に断られた経緯もある。単に忙しかっただけかもしれないが、日本のメディアは米政府にはあまり食い込めない事情があるらしい。
 実際、今回の大統領選挙でも、各州がメディアに公開した投票所に日本のメディアが取材していたという話は聞いていない。これも、ある駐在員に聞くと、取材依頼を出したが断られたとのことだった。
 さて、我那覇さんに話を戻すと、この時期にワシントンDCを一人で歩くのには勇気がいる。筆者の印象では、今のワシントンDCは、ニューヨークでいえばハーレムやブロンクスの雰囲気で、単純に危険の多い地域だ。その心意気自体が彼女のジャーナリスト魂に繋がっているのだろう。
 今回のデモ隊の議事堂乱入についても、短絡的に「暴動」と言い切らずに、つぶさにYouTubeにアップされた動画を分析したところに、他の日本メディアとの違いがあった。さすがに、1月6日当日の体当たり取材はできなくても、IT(情報技術)の発達した現在、多くの欧米ジャーナリストや民間人が写した動画を横並びで見れば、真実が見えてくるということもあるだろう。
沖縄での経験が物を言った今回の分析
 我那覇さんは沖縄出身で、これまでも地元メディアの記者として日本で「左翼」と呼ばれる人達の行動を見てきたと語っている。その結果、彼らの「分子」が普通の人達の中に混じり、暴動を扇動するというパターンを見つけたという。その分子は、その前からの動きを冷静に見ていれば、明らかに他の一般大衆とは違う動きをするとのことだ。
 そう言われてみると、議事堂で議場に入って議長席に座っているのはマスクをした黒人であった。また、乱入の様々なシーンでは、他の中高年の白人トランプサポーターとは違って、リュックを背負った若者が必ずと言っていいほど混じっている。
 また、我那覇さんのインタビュービデオを見た後に、YouTubeにアップされた複数のビデオを見ると、トランプサポーターの多くがマスクをしていない、またはマスクをしても顔の判別ができるのに対して、明らかに顔を隠している人々が混ざっている。
 地元警察などが、この分析に興味を持って行動をするかどうかは、今のところ不明である。暴徒と呼ぶ人々と一緒に写真撮影をしている警官もいる中、何が真実かを見つけるのは難しい。
 彼女のようなジャーナリストが多角的な観点で報じるようになると、いよいよ米国の政治報道も、ワシントンDCのシンクタンクや日本にいる研究者などへのコメントに依存するだけではなく、事実に基づいた議論ができるようになる。
 筆者の知る限り、台湾は30年以上前からそうしてきたし、中国もこの20年で急速に米国の事実を報道できるようになっている。韓国についても、ここ10年の米国への食い込みは著しく、日本人によく知られている複数のシンクタンクなども、韓国依存度を高めている。彼らのイベント情報の中に、この数年でも中国や韓国に関するものが多いのは、両国およびその企業から資金が出ているからだろう。
 米国は、今回の大統領選挙を経て大混乱時代が始まった。黒人だというだけで逮捕しないという動きや、コロナを理由に、中国人を批判する動きはもちろん、日韓も含めた東アジア人差別も生まれつつある。米国政治自体も、分断がなくなるどころか、むしろ拡大中だ。
 こうした現実を本社に縛られないフリーのジャーナリストとして、我那覇さんが今後も活躍することを祈りたいし、彼女の次を狙う日本人ジャーナリストが米国に増えることを期待したい。
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azothsworld · 4 years
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The Egg
By: Andy Weir
Translation: Alex Onsager
君は家に帰っている途中で死んだ。
交通事故だった。ごく普通の交通事故だったが、致命的だった。君は妻と子供二人を残した。死ぬときに痛みはなかった。救急隊はがんばって救おうとしたが、無理だった。君の体はもうボロボロで、実際この方が良かった。
そして、君は私と出会った。
「いったい何が起こったんだ?」と君は訪ねた。「ここはどこ?」
「君は死んだんだよ」と私は答えた。ここで回りくどく言う必要はない。
「トラックが来てて…そしてそれが急に滑って…」
「そう。」
「し、死んじゃったのか?」
「 そう。でも気にする必要はない。皆いずれ死ぬのだから。」
君は回りを見た。何も無かった。ただ君と私の二人だけ。「ここはどこなんだ?」と君は訪ねた。「ここは来世なのか?」
「まあ、そうだね」と私は答えた。
「あなたは、神?」
「そう。私は神。」
「俺の子供達…俺の妻…」
「彼らがどうした?」
「大丈夫なのか?」
「良いことを言うね。自分が死んだばかりだと言うのに一番の心配が家族だなんて。その心意気好きだよ。」
君は私を改めて見つめ直した。君にとって私は神には見えなかった。普通の男性か、もしくは普通の女性にしか見えなかった。何となく偉そうな気はしたが、それは神とかよりもどちらかというと小学校の先生に近かった。
「心 配はいらない」と私は答えた。「彼らは大丈夫。子供達は君のことを完璧なお父さんとしてしか覚えない。憎く思えるほど一緒に時間をまだ過ごしていなかった からね。妻は表では泣くが、本当は密かにホッとしている。実を言うと君たちの関係は崩れかけていたからね。気休めになるかわからないが、彼女はホッとして いることに対してか��り罪悪感を感じている。」
「そう」と君は言った。「これからはどうなるんだ?天国とか地獄とかに行くのか?」
「どちらでもない。君は生まれ変わる。」
「そうか。じゃあヒンドゥー教が正しかったのか。」
「人々の考えはすべてそれなりに正しいんだよ」と私は言った。「少し散歩をしよう。」
我々は二人で虚空の中を歩き始めた。「どこへ行くんだい?」と君は聞いた。
「特にどこへも行かないよ。歩きながらしゃべるのも良いじゃないか。」
「意味はあるのか?」と君が訪ねた。「どうせ生まれ変わったら空っぽなんだろう?ただの赤ん坊になって。だから今話しても、この命での経験や行動は関係じゃいないか。」
「いや、そんなことない。」と私は答えた。「君の中には今まで得た経験と知識がすべて残っている。ただ今は思え出せないだけ。」
私 は立ち止まって君の方に手を載せた。「君の魂は、君が想像も出来ないほど壮大で美しくて、巨大なんだよ。人間の頭に反映しようとしても、ほんの一部しか収 まらない。コップの水の温度をはかるために指先を入れるようなもんだよ。自分の小さな部分をそこに入れて、取り出す時には体全体にその一部の経験が伝わっ ている。
「君はここ48年間ずっと人間の体の中だったから、意識を広げてその壮大さを感じ取る機会がなかったんだよ。しばらくここにいたら少しずつ思い出してくるけど。一つ一つの人生の間にそれをする必要はないけどね。」
「じゃあ、俺はもう何回生まれ変わってるんだ?」
「そりゃもう、沢山さ。本当に沢山。そして色々な人生にね。次は確か、君が言う中世時代あたりかな?」
「え?ちょっとまってくれよ」と君は驚いて言った。「俺は過去に飛ばされるのか?」
「まあ、そう言われるとそうかもしれない。君の言う時間は君の世界でしか存在しないからね。私が元々いた場所では意味の無い話になってしまう。」
「元々いた場所?」
「そりゃあるさ」と説明した。「私だってずっとここに居た訳ではない。別の場所から来た。そして私みたいな存在もほかにいる。君がその場所の話をもっと聞きたいことはわかるが、説明しても君には理解出来ない。」
「そっか」と君は残念そうに言った。「でも待てよ。時間がばらばらで生まれ変わるのなら、自分と出会ったこともあるかもしれないじゃないか。」
「そう。よくあることだよ。けどお互いの存在は自分の人生のことしか認識していないからそこで気づくことは無い。」
「じゃあいったい何のために?」
「存在の意味か。ベタな質問だね。」
「けど聞く必要は十分あると思う」と君は問い続けた。
私は君の目をじっと見つめた。「存在の意味、そしてこの世界を私が作り出した理由。それは君を成長させるため。」
「人類のことか?人間に成長してほしいのか?」
「いや、君だけ。私はこの世界のすべてを君一人の為に作った。人生を重ねることによって君は成長し、さらに壮大で完璧な知性となっていく。」
「俺だけ?ほかの人々は?」
「ほかは居ない」と私は答えた。「この世界には、君と私の二人しか存在しない。」
「でも、世界中の人々は…」
「すべて君だよ。全員君の生まれ変わり。」
「待てよ。全人類が俺だと言いたいのか?」
「やってわかってきたね」と私は微笑んだ。
「今まで生きて来た人間が皆俺?」
「そう、そして今後生まれてくる人々も全員ね。」
「俺が徳川家康?」
「そして豊臣秀吉でもある。」
「俺がヒトラー?」と君は動揺を隠せず聞いた。
「そして彼が殺した何百万人の人々。」
「俺がイエス・キリスト?」
「そして彼に従う全ての人々でもある。」
君は黙り込んだ。
「君が誰かを犠牲にするとき、それは自分を犠牲にすることになる」と私は続けた。「君が人に親切をするとき、それは自分への親切となる。今まで経験された、そしてこれから全人類に経験されることとなるうれしい思い、悲しい思い、これを全て君が経験する。」
君は長い間考え込んだ。
「どうして?」と君は訪ねた。「なぜこんなことをする?」
「それは、いつか君は私みたいになるから。君はそういう存在であるから。君は我々と一緒。君は私の息子なんだよ。」
「そんな、」と君が信じられないように言った。「俺が神だということか?」
「いや、まだそうではない。君は胎児。まだ成長をしている途中。全人類全ての人生を経験した後、君は十分成長を積みやった生まれることが出来る。」
「じゃあ、この世界って言うのは…」
「卵」と私は答えた。「さあ、次の人生を始める時間だ。」
そして私は君を見送った。
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hananien · 3 years
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【SPN】庭師と騎士
警告:R18※性描写、差別的描写
ペアリング:サム/ディーン、オリキャラ/ディーン
登場人物:ディーン・ウィンチェスター、サム・ウィンチェスター、ボビー・シンガー・ルーファス・ターナー、ケビン・トラン、チャーリー・ブラッドベリー、クラウス神父(モデル:クラウリー)
文字数:約16000字
設定: 修道院の囚われ庭師ディーン(20)と宿を頼みに来た騎士サム(24)。年齢逆転、中世AU。
言い訳: 映画「天使たちのビッチナイト」に影響を受けました。ボソボソと書いてましたがちょっと行き詰まり、詰まってまで書くほどのものじゃないので一旦停止します。
 自分のことなら肋骨の二本や三本が折れていたとしても気づかないふりをしていられるが、部下たちを休ませる必要があった。
 王国騎士の象徴である深紅のマントは彼ら自身の血に染められ、疲労と傷の痛みとで意識がもうろうとしている者も数名いた。何よりも空腹だった。狩りをしようにも、矢がなく、矢を作るためにキャンプを張る体力もない。  一度腰を下ろせばそこが墓地になるかもしれなかった。  辺境の村を救うために命じられた出征だった。王はどこまで知っていたのか……。おそらくは何も知らなかったのに違いない。そうだと信じたかった。辺境の村はすでに隣国に占領されていた。彼らは罠にかけられたのだった。  待ち構えていた敵兵に大勢の仲間の命と馬を奪われ、サムは惨めな敗走を余儀なくされた。  森の中を、王城とは微妙にずれた方向へ進んでいるのに、サムに率いられた騎士たちは何もいわなかった。彼らもまた、サムと同じ疑いを胸に抱いていたのだ。全ては王に仕組まれたのではないかと。  誰一人口には出さなかったが、森の中をさ迷うサムに行き先を尋ねる者もいなかった。  なけなしの食糧を持たせて斥候に出していたケビンが、隊のもとに戻ってきた。彼は森の中に修道院を発見した。サムはその修道院に避難するべきか迷った。森は王国の領内だ。もしも王が裏切っていた場合、修道院にまで手を回されていたら彼らは殺される。  だが、このままでは夜を越せない者もいるかもしれなかった。サムは未だ六人の騎士を率いていて、王国よりサムに忠実な彼らを何としても生かさなければならない。  サムはケビンに案内を命じた。
 ディーンは自分の名前を気に入っていたが、今ではその名前を呼ぶ者はほとんどいなかった。  修道院では誰もがディーンのことを「あれ」とか「そこの」とか表現する。もしくは彼自身の職業である「庭師」とか。彼自身に、直接呼びかける者はいない。なぜなら彼は耳が聞こえないし、口も利けないから。  ディーンは今年で二十歳になる……らしい。彼は子供のころに両親を盗賊に殺されて、もともと身を寄せる予定だったこの修道院に引き取られた。ただし支払うべき寄付金も盗賊に奪われたので、修道士としてではなく庭師として働いて暮らしている。  夜中、ディーンはフラフラになりながら修道院を出て、納屋に帰り着いた。家畜小屋の横の納屋が彼の住処だ。神父が彼に酒を飲ませたので、藁の下に敷いた板のわずかな段差にも躓いてしまった。  そのまま藁の中にうずくまって、眠ってしまおうと思った時だ。納屋の戸の下の隙間から、赤い炎の色と複数の人影がちらついて見えた。  ディーンは、静かに身を起こした。少し胸やけはするが、幻覚を見るほど酔ってはいない。ディーンがいる納屋は、修道院の庭の中にある。修道士たちをオオカミやクマから守る塀の、内側だ。修道士たちは夜中にうろついたりしないから、この人影は外部からの――塀の外、森からの――侵入者たちのものだ。  門番の爺さんは何をしていたのか。もちろん、寝ているんだろう、夜更かしするには年を取りすぎている。今までも修道院が盗賊被害には遭ったことはあるが、こんな夜中じゃなかった。オオカミにとってはボロを着ていようが聖職者のローブを着ていようが肉は肉。強襲も山菜取りも日差しの入る間にやるのが最善だ。  では何者か。ディーンはそっと戸を開けて姿を見ようとした。ところが戸に手をかける間もなく、外から勢いよく開けられて転がり出てしまう。うつ伏せに倒れた鼻先に松明の火を受けてきらめく刃のきっさきを見て、そういえば、神父に持たされたロウソクが小屋の中で灯しっぱなしだったなと気づく。  「こそこそと覗き見をしていたな」 ざらついて低い声がディーンを脅した。ディーンはその一声だけで、彼がとても疲れて、痛みを堪えているのがわかった。  「やめろ、ルーファス! 何をしている」  若い男の声がした。ディーンを脅している男は剣のきっさきを外に向けた。「こいつが、俺たちを見張っていた。きっと刺客だ。俺たちがここに来るのを知っていて、殺そうとしてたんだ」  刺客、という言葉に、側にいた男たちが反応した。いったい何人いるんだ。すっかりと敵意を向けられて、ディーンはひるんだ。  「馬鹿な、彼を見ろ。丸腰だ。それに刺客なら小屋の中でロウソクなんて灯して待っているわけがない」 若い声の男が手を握って、ディーンを立たせた。俯いていると首から上が視界にも入らない。とても背の高い男だった。  「すまない、怖がらせてしまった。我々は……森で迷ってしまって、怪我を負った者もいる。宿と手当てが必要で、どうかここを頼らせても��いたいと思って訪ねた」  背の高さのわりに、威圧的なところのない声だった。ディーンが頷くのを見て、男は続けた。  「君は――君は、修道士か?」 ディーンは首をかしげる。「そうか、でも、ここの人間だ。そうだろ? 神父に会わせてもらえるかい?」 ディーンはまた、首をかしげる。  「なんだ、こいつ、ぼんやりして」 さっき脅してきた男――闇夜に溶け込むような黒い肌をした――が、胡乱そうに顔をゆがめて吐き捨てる。「おお、酒臭いぞ。おおかた雑用係が、くすねた赤ワインをこっそり飲んでいたんだろう」  「いや、もしかして――君、耳が聞こえないの?」 若い男が自分の耳辺りを指さしてそういったので、ディーンは頷いた。それから彼は自分の口を指さして、声が出ないことをアピールする。  男の肩が一段下がったように見えて、ディーンは胸が重くなった。相手が自分を役立たずと判断して失望したのがわかるとき、いつもそうなる。  彼らは盗賊には見えなかった。何に見えるかって、それは一目でわかった。彼らは深紅の騎士だ。王国の誇り高い戦士たち。  幼いころに憧れた存在に囲まれて、これまで以上に自分が矮小な存在に思えた。  「聞こえないし、しゃべれもしないんじゃ、役に立たない。行こう、ケビンに神父を探させればいい」 疲れた男の声。  抗議のため息が松明の明かりの外から聞こえた。「また僕一人? 構いませんけどね、僕だって交渉するには疲れ過ぎて……」  「一番若いしまともに歩いてるじゃないか! 俺なんか見ろ、腕が折れて肩も外れてる、それに多分、日が上る前に止血しないと死ぬ!」  ディーンは初めて彼らの悲惨な状態に気が付いた。  松明を持っているのは一番背の高い、若い声の男で、彼はどうやら肋骨が折れているようだった。肩が下がっているのはそのせいかもしれなかった。ルーファスと呼ばれた、やや年配の黒い肌の男は、無事なところは剣を握った右腕だけというありさまだった。左半身が黒ずんでいて、それが全て彼自身の血であるのなら一晩もたないというのも納得だ。女性もいた。兜から零れた髪が松明の炎とそっくりの色に輝いて見えた。しかしその顔は血と泥で汚れていて、別の騎士が彼女の左足が地面に付かないように支えていた。その騎士自身も、兜の外された頭に傷を受けているのか、額から流れた血で耳が濡れている。  六人――いや、七人だろうか。みんな満身創痍だ。最強の騎士たちが、どうしてこんなに傷ついて、夜中に森の中をゆく羽目に。  ディーンは松明を持った男の腕を引っ張った。折れた肋骨に響いたのか、呻きながら彼は腕を振り払おうとする。  「待って、彼、案内してくれるんじゃない? 中に、神父様のところに」 女性の騎士がそういった。ディーンはそれを聞こえないが、何となく表情で理解した振りをして頷き、ますます騎士の腕を引っ張った。  騎士はそれきりディーンの誘導に素直についてきた。彼が歩き出すとみんなも黙って歩き出す。どうやらこの背の高い男が、この一団のリーダーであるらしかった。  修道院の正面扉の鍵はいつでも開いているが、神父の居室はたいていの場合――とりわけ夜はそうだ――鍵がかかっている。ディーンはいつも自分が来たことを示す独特のリズムでノックをした。  「……なんだ?」 すぐに扉の向こうで、眠りから起こされて不機嫌そうな声が聞こえてほっとする。もう一度ノックすると、今度は苛立たし気に寝台から降りる音がした。「なんだ、ディーン、忘れ物でもしたのか……」  戸を開いた神父は、ディーンと彼の後ろに立つ騎士たちの姿を見て、ぎょっとして仰け反った。いつも偉そうにしている神父のそんな顔を見られてディーンは少しおかしかった。  ディーンは背の高い男が事情を説明できるように脇にのいた。  「夜半にこのような不意の訪問をして申し訳ない。緊急の事態ですのでどうかお許し頂きたい。私は王国騎士のサミュエル・ウィンチェスター。彼は同じく騎士のルーファス。彼は重傷を負っていて一刻も早い治療が必要です。他にも手当と休息が必要な者たちがいる」  神父は、突然現れた傷だらけの騎士たちと、さっき別れたばかりの庭師を代わる代わる、忙しなく視線を動かして見て、それから普段着のような体面をするりと羽織った。深刻そうに頷き、それから騎士たちを安心させるようにほほ笑む。「騎士の皆様、もう安全です。すぐに治癒師を呼びます。食堂がいいでしょう、治療は厨房で行います。おい」 目線でディーンは呼びかけられ、あわてて神父のひざ元に跪いて彼の唇を読むふりをする。  「治癒師を、起こして、食堂に、連れてきなさい。わかったか?」  ディーンは三回頷いて、立ち上がると治癒師のいる棟へ駆け出す。  「ご親切に感謝する」 男のやわらかい礼が聞こえる。「……彼はディーンという名なのか? あとでもう一度会いたい、ずいぶんと怖がらせてしまったのに、我々の窮状を理解して中へ案内してくれた……」  ディーンはその声を立ち止まって聞いていたかったが、”聞こえない”のに盗み聞きなどできるはずがなかった。
 明け方にルーファスは熱を出し、治癒師は回復まで数日はかかるだろうといった。サムは騎士たちと目を合わせた。今はまだ、森の深いところにあるこの修道院には何の知らせも来ていないようだが、いずれは王国から兵士が遣わされ、この当たりで姿を消した騎士たち――”反逆者たち”と呼ばれるかもしれない――がいることを知らされるだろう。俗世から離れているとはいえ修道院には多くの貴族や裕福な商家の息子が、いずれはまた世俗へ戻ることを前提にここで生活している。彼らの耳に王宮での噂が届いていないことはまずあり得なく、彼らがどちらの派閥を支持しているかはサムにはわからない。もっとも王が追っている失踪騎士を庇おうなどという不届きな者が、たくさんいては困るのだった。  出征の命令が罠であったのなら、彼らは尾けられていたはずだった。サムの死体を探しに捜索がしかれるのは間違いない。この修道院もいずれ見つかるだろう。長く留まるのは良策ではない。  かといって昏睡状態のルーファスを担いで森に戻るわけにもいかず、止む無くサムたちはしばらくの滞在を請うことになった。  修道院長のクラウス神父は快く応じてくれたが、用意されたのは厨房の下の地下室で、そこはかとなく歓迎とは真逆の意図を読み取れる程度には不快だった。彼には腹に一物ありそうな感じがした。サムの予感はしばしば王の占い師をも勝るが、騎士たちを不安させるような予感は口には出せなかった。  厨房の火の前で休ませているルーファスと、彼に付き添っているボビーを除く、五人の騎士が地下に立ち尽くし、ひとまず寝られる場所を求めて目をさ迷わせている。探すまでもない狭い空間だった。横になれるのは三人、あとの二人は壁に寄せた空き箱の上で膝を枕に眠るしかないだろう。  「お腹がすいた」 疲れて表情もないチャーリーが言った。「立ったままでもいいから寝たい。でもその前に、生の人参でもいいから食べたいわ」  「僕も同感。もちろんできれば生じゃなくて、熱々のシチューに煮込まれた人参がいいけど」  ガースの言葉に、チャーリーとケビンが深い溜息をついた。  地下室の入口からボビーの声が下りてきた。「おい、今から食べ物がそっちに行くぞ」  まるでパンに足が生えているかのように言い方にサムが階段の上に入口を見上げると、ほっそりした足首が現れた。  足首の持ち主は片手に重ねた平皿の上にゴブレットとワイン瓶を乗せ、革の手袋をはめたもう片方の手には湯気のたつ小鍋を下げて階段を下りてきた。  家畜小屋の隣にいた青年、ディーンだった。神父が彼を使いによこしたのだろう。  「シチューだ!」 ガースが喜びの声を上げた。チャーリーとケビンも控え目な歓声を上げる。みんなの目がおいしそうな匂いを発する小鍋に向かっているのに対し、サムは青年の足首から目が離せないでいた。  彼はなぜ裸足なんだろう。何かの罰か? 神父は修道士や雑用係に体罰を与えるような指導をしているのか? サムは薄暗い地下室にあってほの白く光って見える足首から視線を引きはがし、もっと上に目をやった。まだ夜着のままの薄着、庭でルーファスが引き倒したせいで薄汚れている。細いが力のありそうなしっかりとした肩から腕。まっすぐに伸びた首の上には信じられないほど繊細な美貌が乗っていた。  サムは青年から皿を受け取ってやろうと手を伸ばした。ところがサムが皿に手をかけたとたん、びっくりした彼はバランスを崩して階段を一段踏みそこねた。  転びそうになった彼を、サムは慌てて抱き止めた。耳元に、彼の声にならない悲鳴のような、驚きの吐息を感じる。そうだ、彼は耳が聞こえないのだった。話すことが出来ないのはわかるが、声を出すこともできないとは。  「急に触っちゃだめよ、サム!」 床に落ちた皿を拾いながらチャーリーがいう。「彼は耳が聞こえないんでしょ、彼に見えないところから現れたらびっくりするじゃない」  「ディーンだっけ? いや、救世主だ、なんておいしそうなシチュー、スープか? これで僕らは生き延びられる」 ガースが恭しく小鍋を受け取り、空き箱の上に並べた皿にさっさと盛り付けていく。階段の一番下でサムに抱き止められたままのディーンは、自分の仕事を取られたように見えたのか焦って体をよじったが、サムはどうしてか離しがたくて、すぐには解放してやれなかった。  まったく、どうして裸足なんだ?
 修道士たちが詩を読みながら朝食を終えるのを交代で横になりながら過ごして待ち、穴倉のような地下室から出て騎士たちは食堂で体を伸ばした。一晩中ルーファスの看病をしていたボビーにも休めと命じて、サムが代わりに厨房の隅に居座ることにした。  厨房番の修道士は彼らがまるでそこに居ないかのように振る舞う。サムも彼らの日課を邪魔する意思はないのでただ黙って石窯の火と、マントでくるんだ藁の上に寝かせた熟練の騎士の寝顔を見るだけだ。  ルーファスは気難しく人の好き嫌いが激しい男だが、サムが幼い頃から”ウィンチェスター家”に仕えていた忠臣だ。もし彼がこのまま目覚めなかったら……。自分が王宮でもっとうまく立ち回れていたら、こんなことにはならなかったかもしれない。  若き王の父と――つまり前王とサムの父親が従弟同士だったために、サムにも王位継承権があった。実際、前王が危篤の際には若すぎる王太子を不安視する者たちからサムを王にと推す声も上がった。不穏な声が派閥化する前にサムは自ら継承権を放棄し、領地の大半を王に返還して王宮に留まり一騎士としての振る舞いに徹した。  その無欲さと節制した態度が逆に信奉者を集めることとなり、サムが最も望まないもの――”ウィンチェスター派”の存在が宮殿内に囁かれるようになった。国王派――この場合は年若き王をいいように操ろうとする老練な大臣たちという意味だ――が敵意と警戒心を募らせるのも無理はないとサムが理解するくらいには、噂は公然と囁かれた。何とか火消しに回ったが、疑いを持つ者にとっては、それが有罪の証に見えただろう。  自分のせいで部下たちを失い、また失いつつあるのかと思うと、サムはたまらないむなしさに襲われた。  ペタペタと石の床を踏む足音が聞こえ顔を上げる。ディーンが水差しを持って厨房にやってきた。彼は石窯の横に置かれた桶の中に水を入れる。サムは声もかけずに暗がりから彼の横顔をぼうっと眺めた。声をかけたところで、彼には聞こえないが――  床で寝ているルーファスが呻きながら寝返りを打った。動きに気づいたディーンが彼のほうを見て、その奥にいるサムにも気づいた。  「やあ」 サムは聞こえないとわかりつつ声をかけた。まるきり無駄ではないだろう。神父の唇を読んで指示を受けていたようだから、言葉を知らないわけではないようだ。  彼が自分の唇を読めるように火の前に近づく。  「あー、僕は、サムだ。サム、王国の騎士。サムだ。君はディーン、ディーンだね? そう呼んでいいかい?」  ディーンは目を丸く見開いて頷いた。零れそうなほど大きな目だ。狼を前にしたうさぎみたいに警戒している。  「怖がらないでいい。昨夜はありがとう。乱暴なことをしてすまなかった。怪我はないか?」  強ばった顔で頷かれる。彼は自らの喉を指して話せないことをアピールした。サムは手を上げてわかっていることを示す。  「ごめん――君の仕事の邪魔をするつもりはないんだ。ただ、何か困ってることがあるなら――」 じっと見つめられたまま首を振られる。「――ない?」 今度は頷かれる。「――……そうか、わかった。邪魔をしてごめん」  ディーンは一度瞬きをしてサムを見つめた。彼は本当に美しい青年だった。薄汚れてはいるし、お世辞にも清潔な香りがするとは言い難かったが、王宮でもお目にかかったことのないほど端正な顔立ちをしている。こんな森の奥深くの修道院で雑用係をしているのが信じられないくらいだ。耳と口が不自由なことがその理由に間違いないだろうが、それにしても――。  水差しの水を全て桶に注いでしまうと、ディーンはしばし躊躇った後、サムを指さして、それから自分の胸をさすった。  彼が動くのを眺めるだけでぼうっとしてしまう自分をサムは自覚した。ディーンは何かを伝えたいのだ。もう一度同じ仕草をした。  「君の? 僕の、胸?」 ディーンは、今度は地下に繋がる階段のほうを指さして、その場で転ぶ真似をした。そしてまたサムの胸のあたりを指さす。  理解されてないとわかるとディーンの行動は早かった。彼はルーファスをまたいでサムの前にしゃがみ込み、彼の胸に直接触れた。  サムは戦闘中以外に初めて、自分の心臓の音を聞いた。  ディーンの瞳の色は鮮やかな新緑だった。夜にはわからなかったが、髪の色も暗い金髪だ。厨房に差し込む埃っぽい日差しを浴びてキラキラと輝いている。  呆然と瞳を見つめていると、やっとその目が自分を心配していることに気が付いた。  「……ああ、そっか。僕が骨折してること、君は気づいてるんだね」 ”骨折”という言葉に彼が頷いたので、サムは納得した。さっき階段から落ちかけた彼を抱き止めたから、痛みが悪化していないか心配してくれたのだろう。サムは、彼が理解されるのが困難と知りながら、わざわざその心配を伝えようとしてくれたことに、非常な喜びを感じた。  「大丈夫だよ、自分で包帯を巻いた。よくあることなんだ、小さいころは馬に乗るたびに落馬して骨を折ってた。僕は治りが早いんだ。治るたびに背が伸びる」  少し早口で言ってしまったから、ディーンが読み取ってくれたかはわからなかった。だが照れくさくて笑ったサムにつられるように、ディーンも笑顔になった。  まさに魂を吸い取られるような美しさだった。魔術にかかったように目が逸らせない。完璧な頬の稜線に触れたくなって、サムは思わず手を伸ばした。  厨房の入口で大きな音がした。ボビーが戸にかかっていたモップを倒した音のようだった。  「やれやれ、どこもかしこも、掃除道具と本ばかりだ。一生ここにいても退屈しないぞ」  「ボビー?」  「ああ、水が一杯ほしくてな。ルーファスの調子はどうだ?」  サムが立ち上がる前に、ディーンは驚くほどの素早さで裏戸から出て行ってしまった。
 キラキラしてる。  ディーンは昔からキラキラしたものに弱かった。  木漏れ日を浴びながら一時の昼寝は何物にも得難い喜びだ。太陽は全てを輝かせる。泥だまりの水だってきらめく。生まれたばかりの子ヤギの瞳、朝露に濡れた花と重たげな羽を開く蝶。礼拝堂でかしずいた修道士の手から下がるロザリオ。水差しから桶に水を注ぐときの小気味よい飛沫。  彼はそういったものを愛していた。キラキラしたものを。つまりは美しいもの。彼が持ち得なかったもの。  サムという騎士はディーンが今までに見た何よりも輝いていた。  あまりにもまぶしくて直視しているのが辛くなったほどだ。彼の瞳の色に見入っていたせいで、厨房で大きな音に反応してしまった。幸いサムは音を立てた騎士のほうに目がいってディーンの反応には気づかなかったようだ。  もう一度彼の目を見て彼に触れてみたかったが、近づくのが恐ろしくもあった。
 ディーン何某という男の子がこの世に生を受けたとき、彼は両親にとても祝福された子供だった。彼は美しい子だと言われて育った。親というのは自分の子が世界で一番美しく愛らしいと信じるものだから仕方ない。おかげでディーンは両親が殺され、修道院に引き取られる八つか九つの頃まで、自分が怪物だと知らずに生きてこられた。  修道院長のクラウス神父は親と寄付金を失った彼を憐れみ深く受け入れてくれたが、幼い孤児を見る目に嫌悪感が宿っているのをディーンは見逃さなかった。  「お前は醜い、ディーン。稀に見る醜さだ」と神父は、気の毒だが率直に言わざるを得ないといった。「その幼さでその醜さ、成長すれば見る者が怖気をふるう怪物のごとき醜悪な存在となるだろう。無視できない悪評を招く。もし怪物を飼っていると噂が立てば、修道院の名が傷つき、私と修道士たちは教会を追われるだろう。お前も森に戻るしかなくなる」 しかしと神父は続けた。「拾った怪物が不具となれば話は違う。耳も聞こえなければ口もきけないただの醜い哀れな子供を保護したとなれば、教皇も納得なさるだろう。いいかね、ディーン。お前をそう呼ぶのは今日この日から私だけだ。他の者たちの話に耳を傾けてはいけないし、口を聞いてもいけない。おまえは不具だ。不具でなければ、ここを追い出される。ただの唾棄すべき怪物だ。わかったかね? 本当にわかっているなら、誓いを立てるのだ」  「神様に嘘をつけとおっしゃるのですか?」  まろやかな頬を打たれてディーンは床に這いつくばった。礼拝堂の高窓から差し込む明かりを背負って神父は怒りをあらわにした。  「何という身勝手な物言いだ、すでに悪魔がその身に宿っている! お前の言葉は毒、お前の耳は地獄に通じている! 盗賊どもがお前を見逃したのも、生かしておいたほうが悪が世に蔓延るとわかっていたからに違いない。そんな者を神聖な修道院で養おうとは、愚かな考えだった。今すぐに出ていきなさい」  ディーンは、恐ろしくて泣いてすがった。修道院を追い出されたら行くところがない。森へ放り出されたら一晩のうちに狼の餌食になって死んでしまうだろう。生き延びられたとしても、神父ですら嫌悪するほど醜い自分が、他に受け入れてくれる場所があるはずもない。  ディーンは誓った。何度も誓って神父に許しを請うた。「話しません、聞きません。修道院のみなさまのご迷惑になることは決してしません。お願いです。追い出さないでください」  「お前を信じよう。我が子よ」 打たれた頬をやさしく撫でられ、跪いてディーンを起こした神父に、ディーンは一生返せぬ恩を負った。
 ぼんやりと昔を思い出しながら草をむしっていたディーンの手元に影が落ちた。  「やあ、ディーン……だめだ、こっちを向いてもらってからじゃないと」 後ろでサムがぼやくのが聞こえた。  ディーンは手についた草を払って、振り向いた。太陽は真上にあり、彼は太陽よりも背が高いことがわかって、ディーンはまた草むしりに戻った。  「あの、えっと……。ディーン? ディーン」  正面に回り込まれて、ディーンは仕方なく目線を上げた。屈んだサムはディーンと目が合うと、白い歯をこぼして笑った。  ああ、やっぱりキラキラしてる。  ディーンは困った。
 サムは困っていた。どうにもこの雑用係の庭師が気になって仕方ない。  厨房から風のように消えた彼を追って修道院の中庭を探していると、ネズの木の下で草をむしっている背中を見つけた。話しかけようとして彼が聞こえないことを改めて思い出す。聞こえない相手と会話がしたいと思うなんてどうかしてる。  それなのに気づけば彼の前に腰を下ろして、身振り手振りを交えながら話しかけていた。仕事中のディーンは、あまり興味のない顔と時々サムに向けてくれる。それだけでなぜか心が満たされた。  ネズの実を採って指の中で転がしていると、その実をディーンが取ろうとした。修道院の土地で採れる実は全て神が修道士に恵まれた貴重なもの――それがたとえ一粒の未熟な実でも――だからサムは素直に彼に渡してやればよかった。だがサムは反射的に手をひっこめた。ディーンの反応がみたかったのだ。彼は騎士にからかわれて恥じ入るような男か、それとも立ち向かってくるか? 答えはすぐにわかった。彼は明らかにむっとした顔でサムを見上げ、身を乗り出し手を伸ばしてきた。  サムはさらに後ろに下がり、ディーンは膝で土を蹴って追いすがる。怒りのせいか日差しを長く浴びすぎたせいか――おそらくそのどちらも原因だ――額まで紅潮した顔をまっすぐに向けられて、サムは胸の奥底に歓喜が生まれるのを感じた。  「ハハハ……! ああ……」 するりと言葉がこぼれ出てきた。「ああ、君はなんて美しいんだ!」  ディーンがサムの手を取ったのと、サムがディーンの腕を掴んだのと、どちらが早かったかわからかない。サムはディーンに飛びつかれたと思ったし、ディーンはサムに引き倒されたと思ったかもしれない。どっちにしろ、結果的に彼らはネズの根のくぼみに入ってキスをした。  長いキスをした。サムはディーンの髪の中に手を入れた。やわらかい髪は土のにおいがした。彼の唾液はみずみずしい草の味がした。耳を指で挟んで引っ張ると、ん、ん、と喉を鳴らす音が聞こえた。とても小さな音だったが初めて聞いた彼の”声”だった。もっと聞きたくて、サムは色んなところを触った。耳、うなじ、肩、胸、直接肌に触れたくて、腹に手を伸ばしたところでディーンが抵抗した。  初めは抵抗だとわからなかった。嫌なことは嫌と言ってくれる相手としか寝たことがなかったからだ。ところが強く手首を掴まれて我に返った。  「ごめん!」 サムは慌てて手を離した。「ご、ごめん、本当にごめん! こんなこと……こんなことするべきじゃなかった。僕は……だめだ、どうかしてる」 額を抱えてネズの根に尻を押し付け、できるだけディーンから離れようとした。「僕はどうかしてる。いつもはもっと……何というか……こんなにがっついてなくて、それに君は男で修道院に住んでるし――ま、まあ、そういう問題じゃないけど――ディーン――本当にごめん――ディーン?」  ディーンは泣いていた。静かに一筋の涙を頬に流してサムを見ていた。  「待って!」  またも彼の身の軽さを証明する動きを見届けることになった。納屋のほうに走っていく彼の姿を、今度はとても追う気にはなれなかった。
 夜、クラウス神父の部屋でディーンは跪いていた。  「神父様、私は罪を犯しました。二日ぶりの告解です」  「続けて」  「私は罪を犯しました……」 ディーンはごくりとつばを飲み込んだ。「私は、自らの毒で、ある人を……ある人を、侵してしまったかもしれません」  暖炉の前に置かれたイスに座り、本を読んでいた神父は、鼻にかけていた眼鏡を外してディーンを見た。  「それは由々しきことだ、ディーン。お前の毒はとても強い。いったい誰を毒に侵したのだ。修道士か?」  「いいえ、騎士です」  「騎士! 昨日ここに侵入してきたばかりの、あの狼藉者どものことか? ディーン、おお、ディーン。お前の中の悪魔はいつになったら消えるのだろう」 神父は叩きつけるように本を閉じ、立ち上がった。「新顔とくれば誘惑せずにはおれないのか? どうやって、毒を仕込んだ。どの騎士だ」  「一番背のたかい騎士です。クラウス神父。彼の唇を吸いました。その時、もしかしたら声を出してしまったかもしれません。ほんの少しですが、とても近くにいたので聞こえたかもしれません」  「なんてことだ」  「あと、彼の上に乗ったときに胸を強く圧迫してしまったように思います。骨折がひどくなっていなければいいのですが、あとで治癒師にみてもらうことはできますか?」  「ディーン……」 神父は長い溜息をついた。「ディーン。お前の悪魔は強くなっている。聖餐のワインを飲ませても、毒を薄めることはできなかった。お前と唯一こうして言葉を交わし、お前の毒を一身に受けている私の体はもうボロボロだ」  「そんな」  「これ以上ひどくなれば、告解を聞くことも困難になるかもしれない」  ディーンはうろたえた。「神父様が許しを与えて下さらなければおれは……本物の怪物になってしまいます」  「そうだ。だから私は耐えているのだ。だが今日はこれが限界だ。日に日にお前の毒は強くなっていくからな」 神父はローブを脱いで寝台に横たわった。「頼む、やってくれ、ディーン」  ディーンは頷いて寝台に片膝を乗せると、神父の下衣を下ろして屈み込んだ。現れたペニスを手にとって丁寧に舐め始める。  「私の中からお前の毒を吸い取り、全て飲み込むのだ。一滴でも零せば修道院に毒が広がってしまう。お前のためにもそれは防がなくてはならない」  「はい、神父様」  「黙りなさい! 黙って、もっと強く吸うんだ!」 神父は厳しく叱責したが、不出来な子に向けて優しくアドバイスをくれた。「口の中に、全部入れてしまったほうがいい。強く全体を頬の内側でこすりながら吸ったほうが、毒が出てくるのも早いだろう」  心の中でだけ頷いて、ディーンはいわれた通り吸い続けた。もう何度もやっていることなのに、一度としてうまくやれたことがない。いつも最後には、神父の手を煩わせてしまう。彼は自分のために毒で苦しんでいるのにだ。  今回も毒が出る前に疲れて吸う力が弱まってしまい、神父に手伝ってもらうことになった。  「歯を立てたら地獄行きだからな。お前を地獄に堕としたくはない」 神父は忠告してから、両手でディーンの頭を抱えて上下にゆすった。昨夜はワインを飲んだあとにこれをやったからしばらく目眩が治まらなかった。今日はしらふだし、神父がこうやって手を借してくれるとすぐに終わるのでディーンはほっとした。  硬く張りつめたペニスから熱い液体が出てきた。ディーンは舌を使って慎重に喉の奥に送り、飲み込んでいった。飲み込むときにどうしても少し声が出てしまうが、神父がそれを咎めたことはなかった。���ィーンが努力して抑えているのを知っているのだろう。  注意深く全て飲み込んで、それでも以前、もう出ないと思って口を離した瞬間に吹き出てきたことがあったので、もう一度根本から絞るように吸っていき、本当に終わったと確信してからペニスを解放した。神父の体は汗ばんでいて、四肢はぐったりと投げ出されていた。  ディーンはテーブルに置かれた水差しの水を自分の上着にしみこませ、神父の顔をぬぐった。まどろみから覚めたような穏やかな顔で、神父はディーンを見つめた。  「これで私の毒はお前に戻った。私は救われたが、お前は違う。許しを得るために、また私を毒に侵さねばならない。哀れな醜い我が子よ」  そういって背を向け、神父は眠りに入った。その背中をしばし見つめて、ディーンは今夜彼から与えられなかった神の許しが得られるよう、心の中祈った。
 修道士たちが寝静まった夜、一人の騎士が目を覚ました。  「うーん、とうとう地獄に落ちたか……どうりで犬の腐ったような臭いがするはずだ」  「ルーファス!」 ボビーの声でサムは目を覚ました。地下は狭すぎるが、サムがいなければ全員が横になれるとわかったから厨房の隅で寝ていたのだ。  「ルーファス! このアホンダラ、いつまで寝てるつもりだった!」 ボビーが歓喜の声を上げて長い付き合いの騎士を起こしてやっていた。サムはゴブレットに水を注いで彼らのもとへ運んだ。  「サミュエル」   「ルーファス。よく戻ってきた」  皮肉っぽい騎士は眉を上げた。「大げさだな。ちょっと寝てただけだ」 ボビーの手からゴブレットを取り、一口飲んで元気よく咳き込んだあと、周囲を見回す。「それより、ここはどこだ、なんでお前らまで床に寝てる?」  「厨房だよ。他の皆はこの地下で寝てる。修道院長はあまり僕らを歓迎していないみたいだ。いきなり殺されないだけマシだけどね」  「なんてこった。のん気にしすぎだ。食糧をいただいてさっさと出発しよう」  「馬鹿言ってないで寝てろ。死にかけたんだぞ」 起き上がろうとするルーファスをボビーが押し戻す。しかしその腕を掴んで傷ついた騎士は強引に起きようとする。  「おい、寝てろって」  「うるさい、腹が減って寝るどころじゃない!」  サムとボビーは顔を見合わせた。
 三人の騎士は食堂に移動した。一本のロウソクを囲んで、鍋に入れっぱなしのシチューをルーファスが食べるのを見守る。  「で、どうする」 まずそうな顔でルーファスはいう。もっともルーファスは何を食べてもこういう顔だから別にシチューが腐っているわけではない。例外が強い酒を飲む時くらいで、一度密造酒を売って儲けていた商売上手な盗賊団を摘発した時には大喜びだった(酒類は国庫に押収されると知ってからも喜んでいたからサムは心配だった)。  修道院にある酒といえば聖体のワインくらいだろう。ブドウ園を持っている裕福な修道院もあるが、この清貧を絵にしたような辺境の修道院ではワインは貴重品のはずだ。ルーファスが酒に手を出せない環境でよかった。しかし――サムは思い出した。そんな貴重なワインの匂いを、あのみすぼらしい身なりの、納屋で寝ている青年は纏わせていたのだった。  「どうするって?」  ボビーが聞き返す。ルーファスは舌打ちしそうな顔になってスプーンを振った。「これからどこへ行くかってことだよ! 王都に戻って裏切者だか敗走者だかの烙印を押されて処刑されるのはごめんだぜ」  「おい、ルーファス!」  「いいんだ、ボビー。はっきりさせなきゃならないことだ」 サムはロウソクの火を見つめながらいった。「誤魔化してもしょうがない。我々は罠にかけられた。仕掛けたのは王だ。もう王都には戻れない――戻れば僕だけでなく、全員が殺される」  「もとからお前さんの居ない所で生き延びようとは思っていないさ。だが俺とルーファスはともかく……」  「若くて将来有望で王都に恋人がいる私でも同じように思ってるわよ」 チャーリーが食堂に来た。ルーファスの隣に座って平皿に移したシチューを覗き込む。「それおいしい?」  「土まみれのカブよりはな」  「なあ、今の話だが、俺はこう思ってる」 ボビーがいった。「この状況になって初めて言えることだが、王国は腐ってる。王に信念がないせいだ。私欲にまみれた大臣どもが好き放題している。民は仕える主を選べないが、俺たちは違う。もとから誰に忠義を尽くすべきか知っている。もう選んでいる。もうすでに、自分の望む王の下にいる」  「その話、なんだか素敵に聞こえる。続けて」 チャーリーがいう。  「いや、まったく素敵じゃない。むしろ危険だ」 サムはいったが、彼の言葉を取り合う者はいなかった。  ゴブレットの水を飲み干してルーファスが頷いた。「サムを王にするって? それはいい。そうしよう。四年前にあの棒みたいなガキに冠を乗せる前にそうしとけばよかったんだ。野生馬を捕まえて藁で編んだ鞍に乗り、折れた剣を振りかざして、七人の騎士で玉座を奪還する!」 そしてまた顔をしかめながらシチューを食べ始める。「俺はそれでもいいよ。少なくとも戦って死ねる」  ボビーがうなった。「これは死ぬ話じゃない。最後まで聞け、ルーファス」  「そうよ、死ぬのは怖くないけど賢く生きたっていい」 チャーリーが細い指でテーブルを叩く。「ねえ、私に案がある。ここの修道院長に相談するのよ。彼から教皇に仲裁を頼んでもらうの。時間を稼いで仲間を集める。探せば腐った大臣の中にもまだウジ虫が沸いてないヤツもいるかもしれない。血を流さなくても王を変える手はある。アダムだって冠の重さから解放されさえすればいい子に戻るわよ」  「それよりウィンチェスター領に戻ってしばらく潜伏すべきだ。あそこの領民は王よりもサムに従う。俺たちを王兵に差し出したりしない」  「だから、それからどうするのかって話よ。潜伏もいいけど結局王と対決するしかないじゃない、このまま森で朽ち果てるか北の隣国に情報を売って保護してもらって本物の売国奴になる他には!」  「ちょっと落ち着け、二人とも。修道士たちが起きてくる。それから僕の計画も聞け」  「ろくな計画じゃない」  「ルーファス! ぼやくな」  「そうよルーファス、死にかけたくせに。黙ってさっさと食べなさいよ」  サムはため息を吐きそうになるのを堪えて皆に宣言した。「王都には僕一人で行く」  「ほらな」とスプーンを放ってルーファスが特大のため息を吐いた。「ろくな計画じゃない」
 行商売りの見習い少年と仲良くなったことがあった。同年代の子と遊ぶのは初めてだったから嬉しくて、ディーンは思わず自分の秘密をもらしてしまった。自分の口で見の上を語る彼に、少年はそんなのはおかしいといった。  「君は神父に騙されているんだよ。君は醜くなんかない、夏の蝶の羽のように美しいよ」  「神様の家で嘘をついちゃいけないよ」  「嘘なんかじゃない。ホントにホントだよ。僕は師匠について色んな場所へ行くけれど、どんなお貴族様の家でだって君みたいな綺麗な人を見たことがないよ」  ディーンは嬉しかった。少年の優しさに感謝した。次の日の朝、出発するはずの行商売りが見習いがいなくなったと騒ぎ出し、修道士たちが探すと、裏の枯れ井戸の底で見つかった。  井戸は淵が朽ちていて、遺体を引き上げることもできなかった。神父は木の板で封印をした。ひと夏の��人は永遠に枯れ井戸の中に閉じ込められた。  修道院は巨大な棺桶だ。  ディーンは二度と友人を作らなかった。
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beforedawnwitch · 3 months
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【オタ語り】にじGTAの魁星とは。
魂の救命士とデスドライブ
みんなを支えたい一心で救急隊を志願。ゲーム内で4んでしまうとプレイヤーは自力で立ち上がることが出来ず配信上の不利益が出るため、メタ的な理由も含めての志願だった。
救急隊はGTAでもトップクラスの速度を誇る救急車両を与えられるが、彼個人のドラテクは絶望的。だが救いたい気持ちにブレはないため、壊滅的な運転で救急現場には誰よりも最速で到着してしまう。尚、本人にデスドライブの意識はなく、同乗者の悲鳴や怒号を聴きながらも常に淡々と死のドライブをこなしていく。
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結果、魁星に治療される人は自然と多くなり、その延長でデスドラを目撃または乗車せざるをえない被害者の会も生まれた。また、救急車両の耐久が最高レベルということもあり、普通なら一発で4んでしまうような崖越えや山越え、幾度もの高速横転をしても本人は普通に生きており、そのまま普通に救助しに行く。ちなみに耐久値が高いとはいえ、車両は常に大破一歩手前である。
みんなを救いたいという言葉に偽りはなく、警察、ギャング、白市民の垣根なく全てを救っていくが、到着や出発の際に意図せず大事故を起こし多くの被害を生んで帰っていく。
初回から「絶対ぇ助けてやるからな…!」を持ち前の決め台詞としており、ほとんどの現場でこの掛け声を合図に治療が開始される(本人いわく、大型の際や大人数でボイチャが混み合うときは空気を読んで控えている)。
序盤こそいきなりの台詞に「…?」と困惑する人が多かったが、前述のデスドライブや何度も救助しに駆けつける魁星に出会う度、同僚の救急隊や患者たちにも浸透していき、たった10日間にして当サーバー内でミーム化するまでに流行した。
治療費については、ほとんどの人には割引をし、値段の交渉に協力的だったりするが、同期の警察・北見相手には現地治療で高額の治療費を毟り取り収支のバランスを保っている。
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一時の闇堕ちと魁星の人間らしさ
序盤から闇堕ちにも興味のあるムーブを何度となく見せるが、医局長や星川への忠義によって白寄りのグレーな立ち位置を続ける(「やっぱり裏切れねぇよ…」)。
その一方で葛葉やセラフなどのギャング側とも個人的に仲良くしており、治療費と引き換えに闇の情報をもらったりしている。
配信第8回目にて、あまり稼げなくなった救急隊に嘆き、ついに闇堕ちを決意。しかしこの際も「楓医局長への忠義心は絶対に揺らがない、迷惑をかけるようなことはしない」といった旨の言葉を何度も口にしている。
葛葉のプロレス煽りを受け、同期の警察・ネスを射殺。唐突に、とうとう闇落ちしてしまう。この件はネスの温情により周囲に知らされることはなかったが、魁星は目に見えて気落ちしており(おそらく自分の行動や決断、配信におけるエンタメのタイミングなどに)声のトーンや会話のトーンも若干低くなった。
ここまでしてしまってはもう闇落ちするしかないと決意を固め、全てを医局長に伝えるが「やりたいことをしていい。でも人が手薄な時は呼ぶかもしれない」「捕まったら二度と救急隊には戻れない、それだけは心にとめといて」との言葉をもらい、救急隊に気持ちを残しつつ、闇の道を進むために白衣を脱ぎ、かねてより葛葉から情報をもらっていた有益なタクシー会社へ転職。
だが、当初チームを組もうとしていたミランや同僚のスハがそれぞれの道に旅立ったため、とくに目的や仲間が固まらないまま日々を過ごすことになってしまう。その際、救急隊に心を戻した同僚のスハとツーリングをしに行き「ぼくたち、家出少年みたいだよな」と笑い合う。これは帰る場所があるにも関わらず、ちょっとした冒険心で闇落ちしかけている自分たちを皮肉ったものだったが、このシーンはリスナーの胸をも打つ感動の名シーンとなった。
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救急隊復帰、仁義を貫く魂の漢
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スハとの会話を経て、救急隊に戻りたい気持ちと、あんなことをしでかしておいてどんな顔をして救急隊に戻れるのかという気持ちで揺れ動いているとき、医局長から電話が入る。連続の大型が始まるので救急に戻ってきてほしいという誘いだった。
医局長にしてみれば救急隊初期メンの魁星に協力を頼むことは何も不自然なことではなかったはずだが、このときの魁星にとってこの電話は、何ものにも代えがたいものになった。その際「ゲームにハマったことは何度もある。でもこのゲームみたいにのめり込むのは…これはゲームじゃねぇよほんと…」と噛みしめるように言葉を紡いでおり、見守っていたリスナーも涙なみだの展開となった。タクシー運転手からジョブチェンをし、再度白衣をまとった姿を鏡で見た際には「お前まだこれ着れるんやな…」と苦笑していた。
その後「絶対ぇ助けてやるからな…!」を自ら封印。ネスへ心からの謝罪をしなければ言う資格はないとし、大切にしていた自分のイメージカラーの日本刀をネスに渡し、謝罪と禊を行った(尚、ネスからは撃たれた当初から「お前は救う姿が似合ってる」「救い続けろ」と言われていた)。医局長にも「救急隊に戻ってきていいすか…」と反省の弁を述べながら相談をし「もちろんいいよ」と帰還を快諾される。
配信第9回目以降は、医局長代理として救急の総指揮をとることも任されるようになり、名実ともに救急隊としての活躍を見せる。最終回に行われるお祭りイベントであるパーティーにも「参加したい」と迷っていたが「やっぱり誰かダウンするかもしれないから」と、最後の最後まで救急隊としてRPする道を選んだ。この頃から「絶対ぇ助けてやるからな…!」も復活。患者によっては「ぜったす」「ぜったいさん」などと呼ばれるようになる。
サーバーダウン前に今まで出会った人にお礼行脚を行い、たくさんの人から「救ってくれてありがとう」と言葉をかけられる。デスドライブではあるが、誰よりも早く現場に駆け付け、何度も何度もプレイヤーを救ってきた魁星を見てきたリスナーにとっては胸に沁みるシーンとなった。
サーバーダウン直前には救急バスに乗って、警察に突撃。「お世話してやったぞーーーー!!!」という言葉とともに爆破&魂の殴り合いエンドとなった。
また、最終回のサムネにはとうとう「絶対に、助けてやるからな」が採用されている。
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スパイク・リー監督・主演『ドゥ・ザ・ライト・シング』 (その2:事件の背景と本作に込めらたメッセージ) 原題:Do The Right Thing 制作:アメリカ, 1989年. ベッドスタイの夏の日の朝、ラヒームの死を思う者は誰もいなかった。しかし、ラヒームは誰かの手で計画的に殺されたわけではない。かといって、「太陽が眩しかった」から殺されたわけでもない。 ラヒームはなぜ警官の犠牲になり、スパイク・リー監督はこの映画に何を込めたのだろうか。本稿では、(その1)の現場風景を手がかりに、映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』の背景と本作に込められたメッセージを探ってみたい。 なお、以下の記述のうち現場に関連する多くは、(その1:物語の現場はどうなっていたか)に状況を記し、文中に登場する会話は太字で示した。
            CONTENTS ・日常の均衡を象徴するラヒーム ・黒人と白人双方の憎しみが黒人の犠牲者を生む ・なぜ、ムーキーはゴミ缶を投げたのか? ・黒人殺害事件の背景:(1) 格差の実態 ・黒人殺害事件の背景:(2) 格差を生む教育システム ・黒人殺害事件の背景:(3) 恐るべき警察の収監システム
日常の均衡を象徴するラヒーム 本作はベッドスタイの街を、愛と憎しみが拮抗する日常風景から描きはじめている。全体として怒りと憎しみの描写が目立つが、愛と寛容も描かれている。 DJダディは愛と尊敬を込めて、60人もの黒人ミュージシャンの名前を読み上げる。酔っ払いの老人ダー・メイヤーは、諍いに出会うたびに仲裁し、18年ものあいだ愚痴を欠かさない未亡人に、なけなしの金をはたいてバラの花束を贈ったりもする。 ときには警官も寛容さを発揮する。街の若者が消火栓で水を撒き散らして遊ぶなか、通りかかった白人のクルマに水を浴びせる場面では、告訴すると怒る白人を警官がとりなし、黒人の若者を無罪放免にしたりする。 反対に、生活の苦しさや家族の軋轢を描いた場面は数多くある。ムーキーには恋人のティナとの間にできた男の子がいる。しかし、ティナと同居している母親との折り合いが悪く、寝泊りするのは妹のジェイドのアパートだ。ティナは子守をしてくれない母親と言い争い、面倒見の悪いムーキーに「くたばればいい」と罵声を浴びせる。だが、その母親が子守をするアパートの別室で、ティナはムーキーと愛し合ったりもする。 ラジオ・ラヒームはこの相反する感情のバランスを体現するかのようだ。彼はいつも手に下げたラジオで大音量の "Fight The Power" を鳴らしている。しかしラヒームは、そのことで「戦い」をしているわけではない。「愛が勝つんだ」と言い、子どもと手をつなぎ楽しげに街を歩く姿も見える。ラヒームにとって "Fight The Power" は、日常を彩るラップ曲に他ならない。だがラヒームは、憎しみを忘れたお調子者ではない。 両手にはめた "LOVE" と "HATE" の指輪は、そうした日常の象徴だ。ラヒームはムーキーに、「憎しみで人は殺しあう、愛が人の魂に触れる。最後は愛が勝つ」と話す。このときムーキーは「じゃ、後でな。平和を」といって別れている。ラヒームもムーキーも、憎しみを抱えながら愛の力で日常をやり過ごしている。 街のあちこちで、愛と憎しみのバランスを取りながら生きる人々の姿が伝わってくる。これが真夏のベッドスタイの日常風景なのだろう。スパイク・リー監督が本作の前半でこうした日常を描いて見せたのは、それがひとつの「正しいこと」だからだろう。だがその正しさは、穏健な牧師の説教のようなものではない。 黒人と白人双方の憎しみが黒人の犠牲者を生む 『ドゥ・ザ・ライト・シング』の前半で描かれる日常風景は、事件への伏線に他ならない。 サルのピザ屋にバギンがやってくる。ひと切れのピザに文句をいい、支払いを渋るバギン。それをサルが、「月賦で支払うか?」とからかったそのひと言で、保たれていたはずの均衡が崩れはじめる。このときバギンは壁の写真に黒人が一人もいないと文句を言い、これが高じて店のボイコットへと発展する。 そして、サルがラヒームのラジオをバットで叩き割ったことで、事件はさらに深刻になる。互いの暴力行為が警察の介入をもたらし、警官の過剰対応がラヒームを死に追いやる。過剰対応を招いた警官の心情はほとんど描かれていないが、街をパトロールする警官が黒人に目線を定め「クソったれ」と漏らす場面が描かれている。 このときパトカーにいた二人の警官が、ラヒームを警棒で締め上げ殺害した当事者だ。しかし、同時にこの警官はサルの店でピザを買い、黒人の水遊びに腹を立て告訴するという白人をなだめ、黒人少年を逃したりもしていた。白人警官の黒人に対する憎しみがわずかしか描かれていないのも本作の特徴だろう。 白人もまた黒人に憎しみの心情を抱きながら、なんとか愛と憎しみのバランスに折り合いをつけながらベッドスタイの日常を過ごしている。しかし、このバランスは黒人にとっても白人にとっても、少しの不注意や不寛容で崩れてしまう脆弱なものだ。その上でスパイク・リー監督はアメリカ系アメリカ人の登場と彼らへの悪口を控えているように見える。これは、白人が黒人を貶めるほどには白人を責めてこなかった、黒人の姿の反映かもしれない。 ラヒームが言うように、愛と憎しみのせめぎ合いのなかで人は殺し合う。だが、この日ベッドスタイでKO勝ちしたのは憎しみの方だった。店のボイコットを切っ掛けにラヒームは自らの憎しみをサルに向け、白人警官の憎しみは黒人のラヒームに向けられた。二重の憎悪が愛と憎しみのバランスを狂わせ、ラヒームがその犠牲になった。 黒人と白人の双方が憎みあい、黒人に多くの死をもたらす構造は、過去に起きた同種の事件に共通している。スパイク・リー監督は本作を「エレノア・バンパーズ銃撃事件」他5名の犠牲者に捧げているが、その6人はすべて黒人だ。直近では今年5月25日にミネアポリスで起きた「黒人男性拘束死事件」でも犠牲者は黒人だった。これだけを見ても、映画に描かれた状況は30年以上も変わっていないことがわかる。 なぜ、ムーキーはゴミ缶を投げたのか? 『ドゥ・ザ・ライト・シング』で最も興味深い場面は、ラヒームが死亡したあとの顛末である。パトカーが動かなくなったラヒームを運び去ったあと、ムーキーが思わぬ行動に出る。大型のゴミ缶をサルの店のウインドウに投げつける場面だ。これがきっかけで街の住人は暴徒化し、店の什器は破壊し尽くされ、現金が盗まれたあげく店に火が放たれる。 なぜ、ムーキーは店を破壊する行動に出たのか? それはムーキーが、サル一家を暴徒から助けようとしたから、というのがわたしの見方だ。本作が描く現場には、そう思わせるさまざまな状況証拠がある。 ムーキーがゴミ缶を投げる前、群衆の怒りがサル親子に向けられる場面がある。ムーキーもサルらの側に立ち、詰め寄る人々の怒りに囲まれる。このときのムーキーの表情が印象的だ。彼はサルの家族に視線を向け、祈るような仕草をする。ムーキーは「このままではマズイことになる」と思ったのだろう。 店で妹と食事を楽しみ、サルから給料をもらい、ピノと話が通じるムーキーの心情が、サルたちへの憎しみ一色だとは思えない。「家に帰れ」という警官にムーキーが「ここが家だ」叫んだように、彼らは日常をともに過ごす「家」の住人なのだ。彼はその生活の絆が徹底的に破壊されるのを避けたかった。だからこそムーキーは、群衆の気を引くように「憎しみだ!」と叫びながらゴミ缶をサルの店に投げてみせた。人々の怒りをサルたちにではなく、店に向けさせるために。 ムーキーの心情に憎しみのカケラもなかったかと言えば、そうでもないだろう。彼は何度も仕事ぶりをサルにけなされている。ピノとの折り合いも悪かった。その鬱憤を晴らす気持ちもあったかもしれない。それでもムーキーは、人々を暴動に誘おうとしてゴミ缶を投げたわけではない。彼の行動の本質は、サル一家に決定的な危害が及ぶのを阻止しようとことにある。別な見方はあるかも知れないが、わたしはムーキーの行動をそのように受け止めた。 このことは、群衆の怒りの矛先がコリアン雑貨店に向かう場面と辻褄が合う。サルたちはこのとき、雑貨店が餌食になる様子を息を飲むような表情で見つめていた。そこに、犠牲になりかねなかった自分たちの姿を重ねたからだろう。サルたちは、無関係の彼らが自分たちの身代わりになることを案じたのではなかっただろうか。 他にも証拠がある。翌朝、ムーキーは未払いだった250ドルの給料をもらいに焼け落ちたサルの店に行く。その際のやり取りで、激昂しながらもサルはムーキーがゴミ缶を投げたことを責めていない。普通に考えて、自分の店にゴミ缶を投げつけて壊し放火を招いた相手を目の前に、責めないことがあるだろうか。なぜ、サルはそのことを口にしなかったのだろうか?  それはサルがゴミ缶を投げたムーキーの心情を知っていたからだ。また、ムーキーはサルが投げてよこした500ドルのうち、残りの250ドルもポケットに入れている。このやりとりでムーキーはサルに、「借りておく」と言っている。サルとの関係はこれからも続くということだろう。 店への破壊行為、友人の死、さらには店への放火といった暴力行為を描きながら、この作品を通じてスパイク・リーは、愛と憎しみの平衡を何とか取り戻そうとする主人公の姿を演じている。"Fight The Power" が "Black Lives Matter(黒人も大切にしてくれ)" の叫びに聞こえる。これは本作で彼が監督として示した一貫した姿勢だと思う。穏健な改革派のキング牧師と、暴力を否定しなかったマルコムXを同時に登場させたのもその現れだろう。 スパイク・リー監督が『ドゥ・ザ・ライト・シング』で行って見せたのは、時には暴力に訴えることもあるがやり過ぎてはいけない。ともかく黒人も大切にしてほしいという、ごく当たり前の訴えなのだと思う。 黒人殺害事件の背景:(1) 格差の実態 それにしても、本作に描かれた事件と同種の事件が後を絶たない。本作は制作年の1989年までに起きた同種の6つの事件に捧げられているが、本稿を書いている現在も先月5月25日にミネアポリスで起きた「黒人男性拘束死事件」の余波は世界的な広がりをみせている。 そして、またあらたな事件が起こった。数日前の6月12日、ドライブスルーで警官に撃たれた黒人男性が死亡した。こうした事件は、アメリカで1964年に公民権法が制定された後も絶えることがない。 ミネアポリスの「黒人男性拘束死事件」は、その後 "Black Lives Matter" として世界的な抗議活動に発展し、1) 現在も収まる気配がない。そうしたなか、この種の事件が起こる背景についてさまざまな報道が行われている。その多くは経済格差とその背後にある政治や司法の問題を指摘し、さらにトランプ大統領の政策が影響しているとする意見も多い。 例えば、6月11日付けの日本経済新聞は「黒人暴行死事件の背景を探る」として、黒人の置かれた状況をデータで示すとともに、人種差別の歴史を振り返る特集記事を掲載している。前者の要点は次のようなものだ。個々の詳細は、元記事2) を参照いただきたい。
白人の世帯年収平均金額の中央値は黒人の1.7倍 黒人の無保険者は白人の1.8倍 コロナによる黒人の死者数は白人の約2.5倍 各人口あたりの警官による殺害は黒人が白人の約2.8倍 マリファナ使用による逮捕者数は黒人が白人の約3.7倍 警察の呼び止めを正当と思う人は黒人より白人が多い 黒人有権者のトランプ氏支持率は9% 黒人はバイデン氏の支持率が圧倒的に高い
一見して白人と黒人の間の格差は大きく、記事がいう国家的な仕組みが関係しているとしか考えられないものだ。そうであれば、その制度を擁護し、声高に「アメリカ・ファースト」を主張し、「白人至上主義者にも良い人はいる」といった発言を繰り返すトランプ氏が黒人から嫌われるのは当然のことだろう。 トランプ氏のトレードマークにもなっている「アメリカ・ファースト」については、その差別的な背景について、2018年公開の『ブラック・クランズマン』のなかでスパイク・リー監督が鋭く切り込んでいる。同作品よれば「アメリカ・ファースト」には、明らかに白人の黒人に対する差別が込められている。 こうした差別や格差に関するデータについては、例えばソキウス101の「アメリカの貧困と格差の凄まじさがわかる30のデータ」などにより詳しく取り上げられている。3) 子どもの貧困、寿命格差、食糧支給、ホームレスなど、より広範な視点で世界中に広がる格差の状況を概観することができる。 黒人殺害事件の背景:(2) 格差を生む教育システム だが、こうした記事やデータを読むだけでは不公平な制度の中身はわからない。このため、日経記事が掲げるような問題、例えば黒人が白人よりも大幅に低所得なのは、彼らが働かないからだと思い勝ちだ。 本作でもムーキーがピザ屋に顔を出して最初の会話は、ピノからの「遅刻だ」の一言だ。通りを掃除しろと言われても、「オレの仕事はピザの出前だ」と聞こうとはしない。さらにムーキーは、配達中に道草をしてサルに叱られ「出前にはビトを(見張りに)付けよう」といわれたりする。そもそも、映画に登場するベッドスタイの住人のほとんどは働いていないように見える。 こうした描写を見ると、アメリカの保守派が口にする自己責任論がもっともらしく思えてくる。保守派にしてみれば保険も自己責任で費用を負担し加入しているのであって、働こうとしない人々に自分らが負担してまで保険制度を適用するのは反対だという考え方になる。これはオバマケアでさんざん議論されたことだ。 しかし、雇用、保険、教育など、人間が生きる上での基本的人権にかかわる制度自体に歪みがあり、黒人の雇用が狭められているとすれば、働かないのは働けない仕組みのせいになる。この点について、本田創造氏の『アメリカ黒人の歴史 新版』に次の記述がある。4)
「黒人問題」は、すでに詳しく述べた公民権運動の数々の輝かしい差別撤廃の成果にもかかわらず、依然として解決されていないということである。(…)しかし、黒人大衆の経済状態は、最近では、むしろ悪化さえしている。それは、かれらの存在そのものが、最高度に発達したアメリカ資本主義の重要な存立基盤のひとつとして、この国の社会経済機構の中に差別されたかたちで構造的に組み込まれているからである。 (Kindle の位置No.2903-2908).
同書は1964年に旧版が出たあと、公民権運動の中心となった黒人解放運動などを書き加え、1991年に新版として出版された。引用にある「最近」は、映画の舞台となったベッドスタイの時代と重なる。そしてその当時から現在まで、白人と黒人の経済格差はいっこうに縮まっていない。本田氏の言う「社会経済構造のなかの差別」は当時からおよそ30年を経過した現在も続いていることになる。 この制度問題に関する記事は必ずしも多くないようだが、ニューヨーク在住のライター堂本かおる氏が制度的人種差別について、「白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み」のなかで次の指摘をしている。5)
米国の公立学校の財源はほとんどが固定資産税で賄われており、貧困地区と裕福な地区の極端な税収格差が、子供たちが受ける教育格差に直結している。こうした要素が重なり、貧しい黒人の子供たちが学力格差を克服するのはほぼ不可能に近いとさえ言われている。
また、同記事を補足する形で、ショーンKY氏が「アメリカの格差と分断の背景にある自治体内での福祉予算循環」と題する記事のなかで、アメリカに現存する制度的な差別の実態と構造を詳しく論じている。6) 格差社会アメリカの構造を知る上で有用な内容で、わたしは次の一節に至る理由を読んで、アメリカの格差問題は本当に根が深いと思った。
アメリカにおける自治体別の格差は、本質的には所得格差に由来するものである。これがなぜ人種格差と結びつくかと言えば、(…)それが学校・警察を経由した格差の相続装置であり、一度生じた格差を時間が経つごとに拡大させるエンジンになっているからである。
格差の発生源を「時間とともに格差を拡大させるエンジン」と形容したのは秀逸だと思う。この喩えを広げれば、税収は燃料、教育システムはエンジンと燃料で動く内燃機関になるだろう。 エンジンは富裕層が住むゲートの内側と外側にあり、それぞれの燃料(税収)の多寡に応じて働く。燃料が豊かなゲートの内側では教育設備や環境が整い効率的に富の生産が行われる。一方、燃料が乏しいゲートの外では設備の不足や老朽化が進み、教師も満足とは言えず価値の生産が滞りその質も低下する。 さらに言えば、ゲートの内側では学力の向上が高学歴を促し、生徒が社会に出て政治の世界に手が届くと、豊かな教育を受けた本人は自身の育ちを肯定的に捉え、内燃機関(教育システム)を信奉するようになる。反対にゲートの外側では劣悪な教育が犯罪の温床となり、そこでは機能しないエンジンを直そうとする者も育たない。エンジンの例えが秀逸だと思ったのは、ここで説明されている教育システムが、白人中心に営まれるアメリカ社会の原動力をうまく表現していると思ったからだ。 教育制度が抱えるこうした差別的な構造は、黒人の賃金を抑え白人社会に利益を移転する搾取の問題以上に、学習意欲や労働意欲を阻害する点で、人生により根本的で深刻な危害をもたらす。学校の設備は貧相で古いものばかり、そのうえ教師の能力も劣る。家に帰れば、貧しい家計が食事や医療を圧迫する。そうした環境で多くの黒人が育つとすれば、彼らが白人と同等の学ぶ意欲を持つのは容易ではないだろう。白人が同じ環境に置かれれば、同様に意欲を削がれはずだ。意欲なしには十分な知識や給与は得られない。生きる意欲なしに、一体どうすれば生活が良くなるのだろう。格差は拡大する一方だ。 ムーキーらが暮らす1989年のベッドスタイは、ゲートの外にある文字通り"DO-OR-DIE"の世界である。映画のなかで本の話題が二度出るが、どちらも「お前が本を読むか?」とからかうネタにされている。少なくてもムーキーとティナの子ヘクターがゲートの外にいる限り、彼を働き者に育てるのは容易ではないだろう。社会のシステムが、両親が得た以上の教育を受けることを困難にしているからだ。 映画のなかでムーキーは25歳だ。彼はちょうど公民権法が制定された年に生まれたことになる。本田氏の指摘によれば、その後「黒人大衆の経済状態はむしろ悪化」した。ムーキーの労働意欲の欠如と低い収入は、アメリカ社会の制度的な歪みが大きく関係していると思われる。ベッドスタイの人々の多くは、働かない生活を自己責任で選び取ったのではないだろう。黒人のすべてがそうだとは言えないが、その多くは働く意欲を削ぐ社会的な仕組みの犠牲者だというしかない。 黒人殺害事件の背景:(3) 恐るべき警察の収監システム 教育システムとともに、もうひとつ制度上の大きな問題がある。警察の収監システムである。『ドゥ・ザ・ライト・シング』のなかで収監そのものが描かれているわけではないが、これも当時の黒人の生活や、ラヒームが犠牲になった背景に関係している。 先日の「黒人男性拘束死事件」に端を発したデモの映像で、何度か警察予算の削減を訴えるプラカード "DEFUND THE POLICE" を目にした。7) この標語は "BLACK LIVES MATTER" とともに、この種の事件が発生するたびに何度も使われてきたスローガンである。 英語版のWikipediaによれば、"DEFUND THE POLICE" は警察からの資金を分離し、社会サービス、青少年サービス、住宅、教育、その他の地域社会の資源など、公共の安全と地域社会の支援といった非警察的な形態に向けて再配分しようと訴えるものだ。8) さらに解説を読み進むと、こうしたスローガンが生まれた背景に、凶悪犯罪を取り締まるはずの警察が軽犯罪ばかりを取り締まり、人種的偏見にもとづく、貧困層を狙い撃ちにした逮捕が横行する実態があることがわかる。 映画で描かれたラヒームとサルの喧嘩も、殴り合いだけなら軽犯罪で済んだことだろう。顔見知りで同じ街で生活を共にしてきた二人が、もつれあいのなか相手を殺害するとは考えにくい。もし、そうなりそうなら周りが止めただろう。サルはバットでラジオを壊しはしたが、バットでラヒームに殴りかかりはしなかった。また、ラヒームも凶器を持っていない。それが警察の介入で殺害へと変貌するのは、日常的に繰り返される逮捕の多さと、安易に過剰に走る取り締まりに問題の一端があると思わせる。 軽犯罪を理由に大量の人々を逮捕するには、警官の人件費や装備費に多額の予算が必要になる。こうした実状から、弱いものを狩る部隊と化した警察予算を分離し、弱いものを救うためのサービスに予算を振り替えようといのが "DEFUND THE POLICE" の主旨だが、そうなる理由を掘り下げて考えるには、Netflixが独自に制作した動画『13th -憲法修正第13条-』(以下、『13th』と略記)がひとつの手掛かりになる。9) 動画は奴隷解放がいかにして収監システムに姿を変えたかを、歴史を振り返りながら伝えている。奴隷解放宣言(1863年)のあと公民権法が制定(1964年)され黒人への人種差別はなくなったはずだが、奴隷だった黒人の多くは受刑者として、新たな制度に引き継がれたという。 動画の題名になっているアメリカ合衆国憲法修正第13条は、公式に奴隷制を廃止し、奴隷制の禁止を定めたものだが、「犯罪者を除外する」という主旨の例外規定がある。この例外規定が犯罪者を奴隷扱いすることを可能にしたというのが『13th』の本質を成す主張である。動画は概ね次のように述べている。
公民権法が制定されて、400万人の奴隷をどうするかが問題になった。彼らは南部の経済や生産に欠かせない存在だったからだ。では、奴隷だった者をどうするか? 奴隷の恩恵を得て伸びてきた経済をどうするか? この二つの問題解決に修正13条の抜け穴が利用された。
この抜け穴が大量の受刑者を生み出す原点となった。 いうまでもなく受刑者は刑務所に収監され、社会や家族との接触を断たれる。動画によればその数は、2014年の時点で230万6,200人を数える。国別ではアメリカが世界最多、米国内の人種別では黒人が受刑者の40.2%を占めるという。しかも、1980年から2000年までの20年間で、受刑者の数はおよそ3.5倍という増加ぶりだ。下図にアメリカ国内の受刑者数の推移を示す。10)
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なぜ、これほどの数の受刑者がいて、しかも急激に増えたのだろうか? 動画はこの背景に、刑事司法制度と産獄共同体が抱える問題があると指摘している。前者の司法制度については、そもそも「容疑者に対する裁判そのものが行われていない」として次のように述べている。
保釈金を払って保釈されようと思えば1万ドルが必要だが、貧しい家庭ではできない。そこで、検事から司法取引が持ちかけられる。「司法取り引きするなら3年、裁判をするなら30年の刑だ。それでも裁判をするか?」貧乏人は裁判をしない。拘留された人のうち97%は裁判を断念し、司法取引に応じている。これは考えうる限り、アメリカにおける最悪の人権問題のひとつだ。
有罪か無罪かの真実ではなく、富が結果を決める現実がある。しかも、司法取引に応じて身に覚えのない罪を認め有罪になれば、その後生涯にわたって社会的な制限を受けることになる。 『13th』によればそうした社会的な罰は、学生ローン、事業免許、食糧配給券、家の賃借、生命保険など全部で「4万にもおよび」、「アラバマ州の黒人男性の約30%が、前歴のせいで投票権を永久に失っていることを誰も知らない。」という。掛けられた嫌疑の真実がどうであろうと、いったん有罪の烙印が押されれば、その印は一生ついてまわる。お金の多寡で罪が決められ、社会の仕組みによって罰が与えられるとは、何という悲惨、何という不幸だろうか。 こうした現実が長きにわたって続いているのは、司法制度と産獄共同体(産獄複合体とも呼ばれる)が一体となり、収監システムとして機能しているからだという。上述のWikipediaによれば複合体は、企業、政治家、メディア、看守組合などの利権集団で構成される。このうち『13th』で具体的に言及されるのは、CCA(Corrections Corporation of America)と呼ばれる民間刑務所会社、ロビー団体の米国立法交流協議会ALEC(American Legislative Exchange Council)とその会員企業である。動画はかなりの時間を、産獄複合体の実態についての説明に充てている。 それによれば、CCAはアメリカ初の民間刑務所会社として1983年に発足した。発足当時は小さな会社だったが、現在では全米60ヵ所以上で施設を運営している。Wikipediaによれば、直近の売り上げは約20億ドル、純利益1.9億ドル、従業員14,075人とある。売上高純利益率からいえば、すばらしい成績の優良企業だ。11) CCAがこれだけの好成績を上げていられるのは、刑務所が常に満杯で、しかも年々収容者数を増やしてきたからだ。『13th』はそれがどのように成し遂げられたかを次のように描いている(主旨)。
CCAは州と契約して投資を行うため、州は刑務所を満杯にする必要があった。CCAの働きかけででALECは、受刑者数を増やすための法案を提出した。クリントン政権の時代、「スリーストライク法」「必要的最低量刑法」「刑期の85%を下限にする」といった法律が次々と制定された。全て彼らが作った自分都合の法律だ。受刑者の安定供給によって生み出された利益は株主の懐に入る。80年代後半から90年台前半にかけて、刑務所運営は成長産業になった。成功が確実に保証された事業モデルだった。こうしてCCAは民間刑務所のトップになり、人を罰することで巨万の富を得ている。
「スリーストライク法」は、重刑を三回犯した者を一生刑務所に閉じ込めることを可能にした。「必要的最低量刑法」は比較的軽微な薬物犯などであっても、強制的に一定期間の拘禁刑を科す法律である。「刑期の85%を下限に」も含め、すべてクリントン政権の時代(1993年1月〜2001年1月)に法制化されたようだ。 収容者を増やすための法律という批判に対し、メリーランド州の上院議員がインタビューに「質問の意味がわからない」と答え、クリントン氏が「受刑者の増加率は減った」と反論する場面もあるが、前掲の図のように1993年から2001年のクリントン政権の時代、収容者は大幅に増えている。一方で、凶悪犯の検挙率が極めて低いことを考えると、収容者を増やすための法律といわれても仕方がないだろう。このような背景のもとで、収監システムは民間の刑務所のビジネスを急拡大させ、社会的な存在感を増していった。 『ドゥ・ザ・ライト・シング』が作られた1989年は、こうした時代の真っ只中にあった。司法と刑務所が収監システムへと姿を変え、貧困層の黒人をまるで利益のための餌のように狩る時代の嵐のなかでこの映画は作られたことになる。『13th』は動画の終盤で次のように訴えている。
理解してほしい、黒人の命だけが大切なのではない、全ての人々の命が大切なのだ。例外は存在しない。刑事司法制度の関係者も、産獄共同体の関係者もそうだ。黒人だけの問題ではない。人間の尊厳について、この国の意識を変える必要がる。
これは、スパイク・リー監督にとっても同じ思いではないだろうか。ムーキーは働かないのではない、働くための途方もなく高い壁を乗り越えられないのだ。その一方で、警官はシステムのなかで働く白人の一人としてラヒームを殺害した。その現場でムーキーはひとりの人間として、イタリア系アメリカ人のサル一家を暴徒から守ろうとゴミ缶を投げたのである。 スパイク・リー監督は本作を制作した29年後の2018年に『ブラック・クランズマン』を作った。その映像に彼は、ラヒームと同様に犠牲になった白人女性ヘザー・ハイヤー氏の、「憎しみのうちには、何人の居場所もない」という言葉を添えている。繰り返すが、ハイヤー氏は黒人女性ではない。生前ラヒームが拳を掲げて言ったように「最後は愛が勝つ」。スパイク・リー氏とともに、わたしもその言葉を信じていたい。
(その1:物語の現場はどうなっていたか)
1)BLMの訴え自体は、2013年2月にフロリダ州で黒人少年のトレイボン・マーティンが白人警官のジョージ・ジマーマンに射殺された事件に端を発すると言われている。 Wikipedia「ブラック・ライブズ・マター」 https://bit.ly/2Y5oGfW 2)日本経済新聞「黒人暴行死事件の背景を探る(上)(下)」2020.06.11. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60150710Z00C20A6I00000/ 3)ソキウス101「アメリカの貧困と格差の凄まじさがわかる30のデータ」2020.4.30. http://socius101.com/poverty-and-inequality-of-the-us/ 4)本田創造『アメリカ黒人の歴史 新版』岩波書店, 1991. 5)堂本かおる「白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み」文春オンライン, 2020.6.8. https://bunshun.jp/articles/-/38288?page=2 6)ショーンKY「アメリカの格差と分断の背景にある自治体内での福祉予算循環」note, 2020.6.9. https://note.com/kyslog/n/n5b8601ac8905 7)時事ドットコムニュース「「警察に予算回すな」 デモ継続、改革要求強まる―米」2020.6.8. https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060800088&g=int 8)Wikipedia “DEFUND THE POLICE” https://en.wikipedia.org/wiki/Defund_the_police 9)Netflix『13th -憲法修正第13条-』2020.4.17. https://youtu.be/krfcq5pF8u8 10)Wikipedia “Incarceration in the United States” https://en.wikipedia.org/wiki/Incarceration_in_the_United_States 11)Wikipedia「コレクションズ・コーポレイション・オブ・アメリカ」 https://bit.ly/2CjUJA5
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buriedbornes · 5 years
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第31話 『赤子の視る夢 (3) - “錯誤”』 Fetus dream chapter 3 - “Mistake”
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「クラウス君、目を覚ましたのか」
 部屋に入ってきた男は、私を見て驚いたように何度か目を瞬かせたものの、何故だか哀し気に呟いた。
 私は違和感に戸惑い、手に持っていた日記と男を交互に見た。
「ああ、その手帳をどこに置いたのか忘れていたんだ。ここにあったのか」
「……あなたの持ち物、ですか……?」
「そうだ、儂の日記だ」
 ほんの少し前、あのヴァルター博士の問診の際に見た写真よりも随分老け込んでいる。異界の研究に邁進し、狂人とも称された男にとっても、ここでの調査はそれだけ堪えたのだろうか。
「マティアス、博士……」
「どうしたんだい、クラウス君。まるで幽霊にでも会ったような顔をして。まぁ、何日も寝ていたんだから、当然か」
「その……失礼ながら、マティアス博士は死んだもの……かと、思っていたので……」
 それに、手にしている手記は、まるで遺書のようだった。ヴァルター博士も私だけが生き残ったのだと話していたはずだ。
 しかし、やっぱり、でも……こうしてマティアス博士は私の目の前に立っている。
「そうだな……儂も助かった時は、信じられなかった。君は仲間を失いすぎた。なおさらそう思ってしまっても可笑しくはないな……」
 マティアス博士の面差しは好々爺としていたが、その眼差しは無遠慮だ。私の目をじぃっと見てきたかと思えば、全身をさっと確認する。人当たりの良さそうな笑顔と、その目に起因する不気味さが、『研究に邁進する狂人』と評される所以であるように思えた。
 しかし、私は記憶の一切を失っていて、今目の前にいる男が散々聞かされてきたマティアス博士かどうかは本当のところは分からないのだ。写真を見ていなければ、マティアス博士だとは思わなかっただろう。ただつい半刻ほど前に吹き込まれた、ただの知識として知っているだけに過ぎなかった。
「しかし、思ったよりも顔色がいいようだ」
「私はもう、何がなん���か……」
 マティアス博士の表情からは何も読み取れない。深く眉間に刻まれた皺と、全く血の気の引いたその顔はまるで幽鬼の類だ。
「どうだい。体の調子は」
「それよりも……あなたはどこから……本当に生きていたのですか?」
「死んだようなものだ……。我々の想像を超えていたことが起きた……いや、儂は過信していたのだろう、自分たちに、そして、この幸運に」
「幸運?」
 自分の声が震えるのが分かった。
 監視室から続く中庭は、小さな運動場ほどの広さだった。その中央に突如存在する門は、明らかに異質で――そして、どこかマティアス博士の持つ妖しさと共通する何かを感じさせる。
「あんなことに加担させておいて……」
「加担? モニカ君も君も、救助には賛成していたではないか。君たちは仲間を助けるため、探したいと言っていた」
「分かっていたんですよね、あの門の向こうに何があるか、そしてその門をくぐれば、どれほどの危険が待ち受けているかも」
「いいや、分かっていると信じていただけだった。儂の想像以上の脅威が……そこには広がっていた」
 マティアス博士の顔に浮かんだ苦渋の色は、嘘ではないように思えた。
 私を見ながら、小さく頭を下げる。マティアス博士の握りしめられた手は震えていた。
 顔を上げて下さい、とはどうしても言えなかった。
「異界に君たちを連れて行ったのは儂の責任だ。テオが消え、君たちは儂の先走った突入行動に賛同するだろう、と……仲間を守ろうとする気持ちに付け込んだのだ」
 より深く、マティアス博士の頭が下がる。
「すまない」
「本当に私たちの他は、助からなかったんですか!?」
 顔を上げ真正面から見据えたマティアス博士の顔は、写真と比べても随分と頬を痩けさせていた。
「恐らくは。ヴァルター君とともに監視所で待機していた医療補助スタッフ以外は。ともに異界へ向かった仲間は戻っていない」
「嘘だ……」
 モニカは監視所にいるはずだ。
「同行者にはモニカ君もいたんだ、君が信じたくないことは分かる……」
「そんな安っぽい同情が欲しいわけじゃない! 真実が知りたいんです」
「真実……。可哀相に、あれだけのことがあったのだから、錯乱もするだろう」
 私は弱々しく首を振る。憐れむようなまなざしが我慢ならない。
 何かがおかしい気がする。辻褄が合わないではないか。これも壮大な実験の一部なのではないか?
 ただ、少なくとも門は実際に存在している、その赤黒い――まるで何かの内臓のような赤黒い世界を覗かせ、緩やかに鳴動している。
「ここは今、閉鎖してもらっているが、まだ完全に問題が解決した訳ではない」
「助かったんですよね? 少なくとも、我々は…」
「――……君だけだ」
 私は無意識に首の後ろを撫でた。確かに、縫合のあとがある。
 マティアス博士は目を細めて、苦笑した。
「申し訳ない。ただ、大丈夫だ、きちんと調べた。まぁ、傷は残るかもしれないが、命より大事にすべきことではないだろう?」
「あなたは、一体何を目指したんだ……」
「門の向こうだ。君は異界をどう考えていた?」
 私はどう答えていいか分からず、黙り込んでいた。それを見て彼がどう感じたのか分からないが、マティアス博士は肩をいからせて口を開く。
「儂から見て君は異界を『得体のしれない災害』としてしか見ていなかった。儂に門を閉じるための知恵を貸して欲しいと! あの門がどれだけ貴重なものか理解していなかった。これほどの学術的に貴重な事例が目の前で展開しているのに、隊の誰一人、その可能性を直接調べたいと申し出る者はいなかった。儂は異界を調べたかった。そして、そこにある大いなる真理に触れることこそ、儂の積年の夢だったッ!」
 懺悔した口で、今度は少年のように無邪気に語る。彼は私を馬鹿にしているのだろうか。
「真理を目指す者、研究者ならば誰もが突き当り、悩む事だ。全てを投げ売ってでも一歩前に進むか、否か。多くの者は進まずに一生を終える。儂は進むことにしただけだ。その瞬間、儂は後先を考えることは出来なかった。今なら行けるのではないか、と。門はそこで儂を誘うようにずっとあるのだから。ああ、そうだ、前に進む理由が欲しかったのだ、儂はきっと……」
 そこまで饒舌に語っていたマティアス博士は急に黙ると、よろよろと動き始めた。そして、小さくうめき声をあげて、壁にもたれ込む。
「博士?」
 医者として身についていたはずであろう知識と技術がもしも頭か身体のどこかに残っていたのなら、私は何かしらできただろうが、何も思い浮かばないまま壁を背に座り込んで膝を抱え、呻くマティアス博士を見つめることしかできない。
「儂は戦力が……丸太が多い方が良いと願った、健康な男女がどうなるのか、……何度あの日に戻っても、儂はこの門をくぐっただろう、テオという青年の失踪は導きでしかなかった」
「博士、顔が真っ青だ、ソファで休んで……」
「触ってくれるな!」
 突然投げつけられた鋭い声に、私の上げかけた手はびくりと凍り付いた。
「乳母に襲われたのだ。その時に、儂は肉片を植えられた」
 儂は。
 つまり、私はやはり無事ということなのだろうか。分からない、手帳にも私は肉片を受け付けられていなかったと記されてはいたが…
「この肉片が君に感染しないとも限らない……ましてや、門の内部に足を踏み入れなかったその他の人間まで巻き込むわけにはいくまい。これは儂の問題だ」
「摘出すれば、可能性はあるのでは?」
「もう、遅いのだ」
 額に浮かんだ脂汗を拭いつつ、マティアス博士はぐっと唇を引き結んだ。
 私を見て笑おうとしたのか、不自然に歪んだ表情を浮かべた。それから、諦めたように告げた。
「儂はけじめをつける。異界をここまで招き入れたことへの責任を取るのに、これしか考えられない」
 博士の視線の向こうには、変わらず禍々しい気配を放つ門がある。
「後のことは君とヴァルター博士に任せる。必ずや、ふたりで、あの門を封じろ。よいな」
「ちょっと、待ってください」
 マティアス博士がふらりと、たたらを踏むように動いた。私は慌ててその手を取った。行かれてしまっては困る。まだ何も分かっていない。ヴァルター博士は信用できない。あなただけだ、今の私が頼れるのは。
「門に行く気ですか」
「異界の物を異界に帰す。それだけだ」
「生きては戻れません!」
「肉片の影響が、いつどのような形で出るか予想もできん。……時間がない」
「しかし!」
「君は赤子の異界に足を踏み入れ、唯一無事帰ってこられた人間だ。門の向こう側で見たおぞましき真実を伝えて、君がヴァルター博士達を導くのだ!」
 そんな! 私は何も記憶がないのに……!
「マティアス博士、あなたこそが必要です」
「君が、あの門を閉じる鍵となる」
「あなたの知識が必要なんです!」
 掴んでいた私の手は、縋るように形を変えた。
 私の必死の懇願に、マティアス博士は眉を下げて難しそうな表情を浮かべて黙りこんでいる。
 沈黙の時間は酷く長く感じた。
 マティアス博士は首を振り、丁寧に私の手を、手首から離させた。
「すまない」
「博士!」
 今度は指先が届かなかった。踵を返したマティアス博士の白いガウンが翻り、一瞬視界から門を覆い隠した。
 マティアス博士は中庭に続く扉を押し開け、外に飛び出した。
 人の背丈の2倍ほどはあるだろう門は、歓喜するように光を増し、駆け込んでくる博士を迎えるべく赤黒い肉たちはぐわりと空間を開ける。
「そんな……」
 すぐにマティアス博士の姿は赤黒い肉壁によって見えなくなった。
 私はよろよろと座り込む。
 監視室から門を見つめたまま、しばらく動くことが出来なかった。博士は行ってしまった。あの門の向こうに行ったのならば、もう帰ってくることは出来ないだろう。
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 追いかけることは、出来ない……。
 考えるだにぞっとする。込み上げてきた恐怖に身体を抱える。記憶などなくとも、あれが邪悪なものだと子供でも分かるだろう。資料で見てきた異質なものどもが、あの門の向こうに鎮座しているのだ。
 門の向こうで部隊が壊滅したのは確かなのだろう。私はひとりきり、この監視室に残されてしまった。
 まるで、悪い夢を見ているようだ……。
 頭がひどく重く、ソファに頭をもたれさせる。
 手帳を読み返す気力もなかった。ヴァルター博士と残されて、私が異界に対して何ができるというのか。
 ――ブ、ウ―――……ウウン……――。
 耳の奥で音がする。どこかで聞いたような音だ。
 苦しい……分からない……知るべきなのか?
 私をこの苦しみから救ってくれるというのなら、私は悪魔にでも魂を売るかもしれない。だが果たして、真実を知った先で、この苦しみから逃れることはできるのだろうか。あの門の向こうにいた乳母は一体何をしようとしているのか、何を望み、何が目的なのか……。
 マティアス博士は何を知りたかったのか。
 ヴァルター博士が恐れたものは? 異界なのか、自らの権威を脅かすマティアス博士か……。
 ピチャリ……粘着質な水音も聞こえる……ピチャリ……。
 どこからだ。
 門ではない、近いがどこか分からない。
 私は怯えて周囲を見回す。何もない、何かを知るすべもない。思い出せない、焦りばかりが繰り返される。
 ドクリドクリ、早鐘のように打つ音の度に、こめかみに鋭い痛みが走る。
「ぐ……ッ」
 痛い。
 痛い?
 この痛みの正体は、何だ……ドクリ……ドクリ……。
「痛い……苦しい……」
 混乱が、許容範囲を超えている。
 ただ、明確に浮かび上がってくる言葉もいくつかある。
 ――……乳母に襲われたにも関わらず肉片を受け付けられずに返された自分には何かしらの意味があったのだろうか。先程博士が消えたばかりのその門は、今は大人しく鎮座している。
 あの肉の空間の向こうに入り込んだマティアス博士はまた吐き出されるのか。
 私はまた、首の後ろに手を当てる。切開しても、ここに腫瘍はなかった? 本当に? 2人が生きて戻り、そのうちの1人は感染していないなんて都合がよすぎるのではないか。
 私に植え込むことが出来ない、もしくは、そうしない理由があったのだろうか。
 けれど、マティアス博士は自分だけが感染したと断言している。
 記憶がない、異界に行ったかも理解できない。けれど、この頸の縫合の痕は新しいものに違いない。
 どうして異界から戻って、マティアス博士だけ記憶が保持されているのだろうか?
 まさか、そのときの私は記憶と引き換えに乳母と何か取引でもしたのだろうか。仲間を見捨ててでも助かるために?
 乳母はどうしてこんな山奥に異界の門を開いたのか。それとも、そもそも門は乳母の意志や異界の意志とは関係なく開くのか。
 何も分からない。
 じっと門を見つめていても憶測ばかりが浮かんでは消えるが、答えが出てくる事はない。
「……どうして、マティアス博士はまた、異界へ……」
 責任を取ると言っていたが、マティアス博士だけが異界に去ってしまっても、何も解決はしないのではないか。
 後の事は、記憶を失った私と異界行きを反対したヴァルター博士に託された。死んだのではないかと思っていたマティアス博士が生きていたが、モニカは?
 彼女はどこにいる? あの声は、どこから……?
 自分はどうするべきだ、何が真実か確かめねば……マティアス博士も生きていたのだから、モニカが生きていることも十分あり得るだろう。
 他の部屋に隠されている? ほかの部屋を探そう。
 信じられるものはなんだ……?
 背後でまた、ドアが開く音がした。
「こんなところに……――」
 呆れたような声音で、妙に背の高い不気味な博士――ヴァルターが立っていた。
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~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
赤子の視る夢 (4) - “夢”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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ayanemutuki · 5 years
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セルフ・トーキング
!Transformers MTMTE Fanfiction!
・ファルマとラチェットの話。
・ほぼMTMTE・LL全編のネタバレを含みます。
・独自解釈・又人間関係が原作とは少し異なります。
・Image song:セルフ・トーキング 或いは 魔女というガラクタによる魂の在り処への言及のバラード
01.
例えどんな状況でも死にゆく命を見つけたら救うのが医者であれ。敵味方関係無く、弱者を救うのが医者たる義務である。師であるラチェットの教えはそう簡単な、ごく普通の有り触れた話であった。オートボットで優れた医者であると評判のラチェットの弟子であるファルマから見たら、彼は立派な医者であり、弱者を救う信条を忘れないと言う存在であった。だからこそ、自分はそんな彼に惹かれたのだ。彼みたいな、誰かを助ける医者になりたいと。弱者を救う、医者になりたいと。そんなファルマにラチェットは「お前は何時か、私の跡を継いで立派な医者になれる」と言ったのだから。何時かは、彼と一緒に働けるようになりたいと。そう願ったのだ。いや、願わずにいられなかったのだ。 ――【オートボット医療施設デルファイCMO・ファルマの記憶】 記憶と言うのは、ブレインとスパークに直結しているとかのインティステュート所属のある記憶外科医の見解はこうだ。 トランスフォーマーの感情や言葉を、自らのスパークが聞いたり受け止めたりすると、感動で心が震える、怒りで泣き叫びたくなる、悲しみに落ちる。スパークが抱く感情を、ブレインが忘れる事が無いと言う見解だった。だからこそ、その印象が強く残る記憶は、何時までも何時までも、怒りや悲しみ、喜びに直結しているらしい。 しかし、その記憶を壊せるとしたら?と例えた物も居る。 自らの目の前で、大事な物を取られたとしたら?目の前で、大事な存在を殺されたとしたら?目の前で――心を壊されたら? その例えの結果は、簡単な答えだった。結果的に狂い、狂乱し、泣き叫ぶのではなく―― ――人が変わってしまう。いや、外見はそのままに、人格をガラリと変えてしまう。大事な物はもうない、誰が彼を癒してくれるのか。誰が彼を救えるのか。その答えを、答えられる者は居なかった。 ――或いは、ジェーン・ドゥ達に於ける鎮魂歌を。 ――或いは、ファウストに於けるコーラスを。 ――そして――貴方に贈る、うつくしい歌を。
02.
「僕はファルマ先生を救う事が出来たんでしょうか」 あの一件以来、ロストライトはゲッタウェイやアトマイザーの反乱、スターセイバーによるクルー虐殺が収まった後、ファーストエイドはひとりぼやいていた。ドリフトは彼の話をおとなしく聞いていた。ファルマについては、あまりドリフトは詳しく知らない。確かだったのは、ラチェットの弟子だった事と、DJDに利用されていた事と――ティレストに加わっていた事。そしてアンブロンを殺害した張本人である事だ。 「僕や…アンブロン先生と違って、ファルマ先生…ファルマは、僕達を守ろうとして、DJDと取引をしてでも…患者に、手を下して僕達を守ろうとしていた。だけど、僕は――そんな彼の苦しみに気付く事が出来なかったんだ。だって、彼は…医者だったから、一人でも、人の命を守ろうとしたラチェット先生の教えを守り抜いて…でも、でも…僕達に助けを求めても、良かったんだ。そうしたら、あんな事には――」 ドリフトには、そんな事が出来るはずが無い。とディセプティコンに居た当時からの経験故か――賛同する事が出来なかった。助けを求めても…相手があの虐殺と、拷問に美学を求めるDJDだ。オートボットで、非力な医者である彼等には、到底勝ち目が無かった。助けを出しても、出せなかったのだ。医者である彼等と、殲滅戦を得意とする彼等。戦力差が違い過ぎる。 「僕は――誰も救えなかったんだ。だけど…そんなファルマ先生は、僕らを守ってくれたんだ」 アンブロン、��レイルブレイカー、そして――プロテクトボットの仲間達。ドリフトは、ファーストエイドに何かを言う事が、出来なかった。 もし、自分がファルマだったとしたら、彼に何て言葉をかけられたのだろうか?いや、自分も彼と一緒なのだろう。何かに縋り、何かから逃げようとしたのは、自分も彼も似た者同士だ。だが、ファーストエイドは、これからどうなるのだろうか。大事な仲間達や同僚を失い、絶望に打ちひしがれている。自分が声をかけても、何も彼を理解出来ても、心の傷を癒す事は出来なかった。それはロディマスや――ラチェットも理解している筈だ。 「ファルマの話が聞きたい?」 「俺はそう思ってる。アンタが大事にしていたあの弟子についての話を聞きたいんだ」 ラチェットに対してドリフトはそう問いかけた。ファルマと出会って直ぐにデルファイのウィルスパニック事件の事もあってか、あまり彼について知らない。冷酷で自分に冷たい態度がやや見られたが(恐らくDJDの一件もあるだろうからか)、ラチェットの弟子について詳しく聞きたかった。そうしないと、ファルマがただの狂人ではないと証明出来なくなってしまう――彼の眼は、昔の自分そっくりだったからか?それとも…。 「…お前さんのその口ぶりからすると、ファーストエイドが、仲間や同僚を救えなかったと落ち込んでいるからか、誰も救える事が出来なかったか――」 「別にいいだろ、俺もあまりファルマについて知らないんだ。いいから話をさせてくれ」「あまりせっかちだな。後で文句を言っても知らんぞ。私はこう見えても厳しいからな」 わかってるよ、ラチェット。とドリフトはそう言い、話を聞く体制をした。 「…そうだな、あれは戦争が始まる前の話だったか」
03.
「全く、お前さんはいつも無茶をしている!」 ラチェットは警備員のアイアンハイドに対して、怒っていた。またアイアコンで暴動が起きたらしく、アイアンハイドはその暴動を無理を通してまでグループ犯を制圧し、暴動を鎮圧させたのだが、その際に怪我をしたらしく、ラチェットのリペアを受ける事になった。此度も昨日も一昨日も、アイアンハイドは事件があったらすぐに無茶をして制圧して鎮圧を行う。全くリペアをする自分や弟子にも配慮と言う物がないのか、とラチェットが溜息をつく。オートボットの中で最も治療技術が優れており、かの議会ですら目をつけるほどの実力を持っている自分にも、限界と言うものをこの馬鹿に教えてやりたい気分だ。まだ若いファルマは「ラチェット先生…」とおどおどしていたが、アイアンハイドはラチェットに反論した。 「アイアコンで暴動が起きたら、あのまま死傷者が増え続けていた。そうなる前に止めに入って犠牲者を止めるしか方法は無かったんだ」 「お前さんはいつも無茶をして!血盛んなのは分かるが、仲間と協力して止めに入るのも頭に入れろと言ってる筈だ!」 いつの間にか、何時���のいざこざが始まった。ラチェットは「全く…これで最後だぞ。今度怪我をしたら、他の所に行って貰うからな」と愚痴を吐いた。 「なあ、お前の弟子、ずっとお前の傍から離れないんだな。名前は…ファルマだったか?」 「そうだ、ファルマと言うんだ。いずれ私の跡を継ぐかもしれない」 「跡を継ぐかもしれない?それってどういう事だ?」「彼は自慢の弟子だよ」 ラチェットはそう答えた。自慢の弟子。彼曰く、成績も優秀で、手先が器用な弟子と言う事だ。彼には自分の才能を継ぐ可能性がある。とラチェットはアイアンハイドにそう説明していた。 「は、ははは…まさか、物騒なお前の後継者だなんて、夢にでも――」「今すぐその発声回路をちょん切ってやろうか」「アッスイマセン」「わかればよし」 しかし、手先が器用――か、何時か成長したラチェットの跡を継いだファルマを、見てみたいな。とアイアンハイドは、当時そう思っていた。だが、彼が、それを叶う筈が無かったのだ。 「自慢の弟子、か」とドリフトはラチェットの話を聞き、黙り込んだ。自分にも敬愛する師が居た。ウィングと、ダイアトラス――だが、それは今は昔の話だ。 「まだ俺がデッドエンドでガスケットと……一緒にいた頃の話だろう」 思い出したくもないだろうか。ドリフトは一瞬口籠った。だが、ラチェットは頷いた。 「多分、ファルマは俺を嫌っているのだろうか。と思うとやるせない気持ちがするよな。あの悪名高きDJDにプライドや人生もズタズタにされたから――いや、前からだったか?」 あの時、ファルマを躊躇いなく斬ったのは、ラチェットの命を脅かす輩は、例え誰であろうと決して許しはしなかったのだ。それは過去の鎖に縛られた故か、それとも――。 「それに…ファーストエイドも、とても辛かったんだろうな。俺が戻ってきた時、涙を堪えていたんだからな…相当、悲しい思いをしたんだろう。トレイルカッター、プロテクトボットの仲間達…そして、アンブロンと、ファルマ」 「…ファーストエイドに、お前さんのような悲しみを背負わせてはいけない。それは、私がきっと何とかしてみせるさ、だが――あの時、ファルマに…なんて言葉をかければよかったのか、私にも分からなかった」 あの哀れなディセプティコンの"正義"に踊らされた男に、利用されたファルマを――どう救えばよかったのか。それは自分が――ファルマをもっと理解していれば、何かが変わったのだろうか。 「…だが、過去は変えられない…前を進めばいい。そうだろ?」 「…ああ、お前さんの言う通りだ」
04.
ある日の事だ。その男と初めて出会ったのは。ラチェット曰く、ロディオン警察署長のオライオン・パックスの同僚らしいが、第一印象は「ガラの悪い男」だった。 「また議員絡みの暴動事件を鎮圧したが、腕にダメージを追う怪我を負った。お前の手伝いが必要な時は私が合図で通信を送る。その間に受付で待ってろ」 と言うラチェットの言葉に静かに頷き、受付付近で一人佇んでいたが、ロディオン警察の同僚達がオライオンの怪我を聞き、駆けつけてきたらしい。看護師達が「患者達の迷惑になるから落ち着いて下さい!」と宥めているが、あのオライオン・パックスが怪我となると聞くと落ち着いてはいられないだろう。幾ら何でもたかがケガだ。落ち着いて欲しいと言うのもあるが。すると、その警察の同僚を大型機の男が宥めている様子が見えた。どうやら彼らを落ち着かせる実力を持つと言う事は、相当の身分が高いと言う事だろう。 すると、ファルマの目の前にその男はぬっと現れ、オライオンについての居場所を自分に問いかけてきた。 「で、オライオンは今何処に居る?怪我をしたと聞いたが」 「オライオンは、今ラチェットの治療を受けている。知り合いか?」「まあ、知り合いと言うか、同僚だ」 同僚。つまり、オライオンの同僚と言う事は親友と言う訳か。とファルマは勝手に認識した。するとその男はファルマに問い質した。 「で、ここの自販機に売ってるか?」「何を」「クレムジーク印のドリンク」 そう言えばラチェットから愚痴を聞かされた事がある。「オライオンの同僚にジュースが好きで好きでたまらない程に呆れるほどに依存症気味の男が居る」と。こいつか、ああ。とファルマは心の中でまた納得した。何だ、つまりはこの男が噂の。 「ラチェットの弟子なんだろう?話はオライオンから聞いているぜ」「で、態々何の用だ。暇だったからやって来ました~なんて言ったら怒るからな」 「いんや、重傷だったと言うから駆けつけに来ただけだ」 「…そうか、オライオンを心配してくれたんだな。その度胸だけは誉めてやろう。だが、迷惑な同僚を連れてくるのはやめろ。こっちにも迷惑がかかる」「ははは、考えておく」 長い沈黙の間、ファルマは彼に問いただした。 「…それで、お前は時折複雑な表情を見せるな」「…何がだ?」「…オライオンを見る目が、な」 まるで自分のようだ。と心の中で嘯いた。ファルマは男に何かもう一つ話をしようと思ったが、その途端にラチェットの通信が入った。 「悪いな、邪魔をして…こんな暇話をして悪かったな。で、お前の名前は」 「…ファルマだ、では、こっちも問おう。お前の名前は?」 「――ローラー、ローラーだ」 「ローラー、か」 まあ、確かに彼の親友らしいな。その伸び伸びとした態度は。とポツリと独り言をつぶやきながらメンテナンスルームへの道程を急いだ。 その後、大戦が起きた後――ローラーはある事件に巻き込まれて生死不明になったと言う情報が入った。その後、彼の姿を見る事はそれっきりなかった。
05.
初めてあったその男は、どうしようもない嫌悪感になるのも無理はなかった。その男は、かの破壊大帝メガトロンを模範したボディをしていた。違う、あの男ではない――一瞬、姿からして、生死不明となったあのオライオンの親友と悟ってしまったか…違う、あいつじゃない。そう、まるでドッペルゲンガーを見ているような錯覚に陥ってしまったのだから。 デルファイのCMOに就任して日が経っての事だった。かのオートボットとディセプティコンの戦争の爪痕がまだ残っているこの星で、悪名高き、拷問も虐殺も躊躇う事は辞さない処刑部隊であるDJDの長とのターンの交渉。それはTコグを交渉の道具として、自らに渡すようにと。甘い言葉で囁くが、結果的に卑劣な交渉だと分かってしまったのだ。もし反抗したりノルマを達成出来なかったら――自分も彼等もDJDの殺戮対象になってしまうのだから。だが、ファルマにはターンの意図が、偶然分かってしまった時があった。 「もし貴方が、私と同じように尊敬に値する師匠を殺すとしたら、どう思いますかね、ドクター」 メスの手入れが終わった後、仮面の男は自分にそう告げた。尊敬に値する師匠を殺す。確かに――もう後戻り出来ない道を歩む自分を、師であるラチェットは、自分を殺すのだろうか。仮面の男は、師であるとある男についての話をした。話は単純なものだった。アカデミーの話や、メガトロンについての話、そしてオプティマスや戦争についての話をしていた。それ故に、自分はラチェットを尊敬していると同時に――憎悪に近い何かを抱いていたのだ。自分は仮面の男を睨む――が、何も反論しなかった。同族嫌悪、だからこそ――この男も、自分も――結局は同じじゃないか。と自分で自分のプライドを傷付けながら思った。 「それなら、お前の正体があいつだと信じてた事があったよ」「ほう、ドクターの意見がどのような物なのか、お聞きしたい事ですな」 「答えは明白だ――お前を、オライオン・パックスの相棒――ローラーだと信じていた事があった」 それは興味深い考えだ。とターンは言葉を返す。 「変形依存症――何らかの依存を患っている。データベースからシャドウプレイと言う人道に反する技術のケース、姿とオルトモード…それらが偶然一致している、そして――『正義』。あいつとターンは、同じではないか。と考えていたが…結果は不正解だった」 いや、結果的に不正解で――正解だった。自分も――『この男』も、同じ同族嫌悪であり、似た者同士だったからだ。師匠に対する未練と、それが報われない歯がゆさと、思いに対する報われなさと――そして、苛立ちに対する冷酷さと。 「貴方は、確信を鋭く突いた。だが、不正解だった。貴方は立派な医者であり、親愛なる貴方の師であるラチェットの将来を期待する――」 「――お前如きがラチェットの事を、軽々しく口にするな」 おっと、これは失礼。とターンは礼儀正しそうに口にする。だが、彼の見解も悪くはないだろうか。と何処かで期待してしまう自分が居た。 後は地獄へ転がり落ちていくだけ。ただ、それだけの事だった。この男は、あいつではない。あいつではないからこそ、自分もこの男もお互いを同族嫌悪しているだろう。 それはきっと報われないからこそ、最悪の結末へと向かうだろう。そう、互いに。
06.
誰でもいいから、この思いをぶつけたかった。けれど、ぶつけられなかった。あいつが常に自分を監視している事を。例えぶつけ、一致団結してこのデルファイを守ろうとしても?守れはしない。医療用と患者達と、処刑と戦闘用に特化しているDJD――叶う筈が無い。もう、つらいのだ。誰か、助けて。と叫びたかった。 「…ファルマ先生、顔色悪いけど大丈夫か?」 アンブロンはそう言いながら、何時の間にか顔色を悪くしていた自分に気遣っていた。だが、アンブロンを見ると――どうしても心の中からどす黒い感情と、複雑な心が渦巻いてしまうのだ。彼は元々ディセプティコンの脱走兵――恐らく、DJDで最重要ターゲットにされているであろう。今は、デルファイの看護師兼病棟名簿の管理をしている。自分はため息をつきながらも、カルテを机に置く。 「そう言えば、ラチェット先生は今元気にしているってさ。呑気なものだなぁ…伝説のナイツオブセイバートロンを探しに、ロストライト号で旅をしているってさ。俺も行きたかったなぁ」 「減らず口は叩くな。仕事をするぞ」 すると執務室からファーストエイドが現れ、アンブロンの名前を呼んだ。 「アンブロン先生ー、メディカルポッドが壊れちゃいました」「えっ本当か?いつも壊れちゃうよなあ、あのポッド」「しょうがない���しょ。まだ最新のポッドなんだから…ファルマ先生、少しいいですか?」「ああ、ポッドのメンテナンスだな?分かった」 何時もと何も変わらないデルファイの日常、それでも、確かに自分の居場所が此処にあった。けれど、いつかはこの日常も終わってしまうのだろうと悲しくなった。 「…そう言えばさ、ファルマ先生は、どうして医者になろうと思ったんだ?」 「……ラチェットみたいになろうと、か?」 「へぇー…俺、正直ファルマ先生の事をおっかない医者だと思っていたけど、意外だったんだ」「意外?」 俺、元ディセプティコンで…合体兵士の落ちこぼれだからさ。エリートのアンタが正直羨ましかったんだ。だから、俺はアンタの事を羨ましいって思ってる。 「別に私は、エリートでは…」 「良いじゃないか。どうせ俺なんか――」「アンブロン」「えっ」 自分の言葉に、アンブロンは息を詰まらせる。 「お前は…お前のままでいろ」 どうしても、精神的に狂っていく。それでも、何時かはこの日常も、終わってしまうとなると、悲しく感じた。誰も知らない、秘密の地下室で――自分はこの日常をいとおしく感じた。 (――ああ、それでも) ――まだ、この日常の中に居たい。それは、許されないだろうけれども。
07.
デルファイが閉鎖される――しょうがない、あのウィルスパニックで多くの死者や感染者が出た。仕方のない事なのだ。首謀者は倒され――事態は一時終息に陥った。いや、アンブロンやファーストエイドに大きな傷が残った。首謀者はデルファイのCMO…自分の教え子であり、弟子であったファルマだった。有り得ない、信じられない。と言う気持ちがいっぱいだった。だが、ファルマから語られる残酷な事実と、どうしようもない現実が――胸に突き刺さった。あの時、彼を救ってやれたら?救ってやれない現実が、響いた。 オーバーロードのあの悲惨な一件の後、ラチェットはファーストエイドの私室に向かった。ファーストエイドはカルテを取っていた。恐らく今回の事件の負傷者や死者についての事を書いていたのだろう――ラチェットは悩んだ表情をしていたのに気付いたファーストエイドは「どうしたのですか」とこちらに振り向いた。 「…ファルマの事を考えていた。あいつは、私に対して何かを叫びたいような気持を押し殺していた気がしたんだ」 「……でも、僕にはまだ、信じられないんです。どうして、ファルマ先生はあんな事を…ただ、DJDから僕らを守る為に……?だったら、ファルマ先生の気持ちに気付いていれば、何とかなったのかもしれません」 「やめておけ」とラチェットはファーストエイドを制した。 「…分かっている筈だ。相手は――DJDだ。お前さん達ではあの戦闘用に特化された……虐殺、いや、処刑部隊には太刀打ち出来ない。そうなったら、もっと悲惨な事になっていた筈だ」 ファーストエイドは険しい表情をした――が、直ぐに不安な表情に戻った。 「もしかして、ラチェット先生――ドリフトの事、悔やんでいるのですか」「何で」「ドリフトが出て行く時の事ですよ」 貴方は、ファルマ先生を救えなかった時と――そして、彼を引き留められなかった気持ちを、まだ消化しきれないんですか。 「彼、凄く罵声を浴びられていました…「結局はディセプティコンだ、碌な事を考えない」って言うクルーの声が、響いているような気がして。だけど、ラチェット先生は…彼を、引き留めようとしていました」 そうですよね?とファーストエイドの言葉に、ラチェットは少し、動きを止めた。 「…ああ、そうだ――だが、ドリフトが決めた道だ。もし、あいつが――いや、この話は、また今度だ」 「…その話の続き、聞かせて下さいね」 ロックダウンはティレストが連れて来たこのファルマと言う男については詳しくは知らない。ただ知っているのは――デルファイのCMO、オートボット軍医ラチェットの弟子だったと言う事実だけだ。美人の顔だ。とファルマに近付こうとすれば、かなり心が無い言葉を浴びせられた。どうやらスターセイバーやティレストに対する態度を考えると、相当なディセプティコン嫌いなようだ。ああ、そうだったな――デルファイはあの悪名高きDJDの領域の一つだ。あの得体のしれないターンと言う男にかなり酷い目に遭わされたんだろうな――と心の中で思った。だが、あのティレストという男は一つの問いかけをした。 「神は居ると思うか」 と言われたら、スターセイバーは「居る」と答えたであろう。しかし、ファルマは「NO」と答えた。賞金稼ぎである自分は、ファルマと言う男について――考えていた。師匠であるラチェットが無神論であり、彼もまた無神論だ。いつかスターセイバーに殺されるだろうな。いや、半殺しにされる程度だろうな。一応このルナ1のお偉いさんであるティレストに殺されかねないからな。と自分はそう思っていた。 「では、貴様はあの男についてどう思う?」 「いいや?普通に顔は美人な医者だけどよ――中身は精神がイカれてるのか、正気とは思えない態度をする」 剣を持った男は「そうか」と無言のまま見据え「だが」と口を紡いだ。 「あの男も、私と同じだ」 「ほう?プライマスを信じたお前と、あの医者とどう同じなんだ?」 スターセイバーは、ある正論を告げた。 「あの男は、尊敬に値する師を神として信じ――そして憎悪している」 ほう、とロックダウンはスターセイバーを見上げた。この男、同胞であるサークルオブライトを裏切った挙句に長であるダイアトラスを捕らえた上、かつての仲間を殺してそのパーツをレジスレイターの素材にするという神を信じる者の所業とは思えない行為をしている。愛と憎悪は紙一重――まあ、そうだろうな。何が「愛で世界が救われる」だ。結局戦争は、その「世界を救う」と言う一筋の引き金から始まったようなもんだ。とロックダウンは、スターセイバーと別れた後、ラボへと向かった。 「失礼するぜ……寝ているのか?」 ファルマはラボの机に突っ伏して眠っていた。カルテやリストに、何らかのパーツや材料について書かれていた。まったくあのイカれた裁判官は何を考えているんだ。と静かに一人部屋でぼやいたが――ファルマのある言葉に気付いた。 「ラチェット……」 ラチェット。あのオートボットの医者の名前か。 ――そう言えば、ティレストがこいつをつれて来た時に、かなり目が疲れていたな。 余程DJDに苦しめられたのか、眠れていなかったのだろう。今はぐっすり眠っている様子が見られ、ロックダウンはまた、ぼやく。 「――こいつ、幸せそうに眠ってやがる」 この場所が、一番居心地が良いのか、それとも――それは、ファルマ自身にしか分からない事だった。
08.
やあ、始めまして。え?君は誰だって?それは秘密。このお医者さんの物語を語る語り部って思ってもいいよ。そうだね、この先の物語は君も知っている筈。ファルマはファーストエイドに殺され、オールスパークに還りました。しかし、それを憐れに思った神様は彼の中に宿りましたって。まるで神話に出てくるアスクレピオスだと思ってるんだよ。そう、彼は神話そのものだったんだと思う。 あたしは時々思うんだ。この物語に人の死は付き物だって。いい人も悪い人もそうじゃない人も、平等に死んでいく。誰しもが理不尽だとは思っているけど、あたしはそうじゃないと思っているんだ。でも、神様は理不尽。平等に皆を殺していく。そうかな、あたしはその限りある命を無様に散らしても、高潔に散らしても、死んだら皆一緒だと思う。この物語は、そういう彼等の為の物語。 うーんと……え?納得がいかない?そうかな?でも、君がファルマの事について何らかの事を知っているのはあたしには嬉しいよ。ファルマとラチェットが共に歩めた未来もあった、袂を分かつ未来もあった。けれど、この物語は一つの未来に収束してしまった。失われた光…ロスト・ライト――う~ん、難しい事はよく分からないけど、ファルマの物語の続きを覗く自信はある? …うん、うん。納得したみたいだね。あたしは全然大丈夫だよ。君がそういうのを望んでいるからこそ、この物語に価値はあるんだと思う。 でもね、この物語は全ては泡沫の記憶に還っちゃうんだ。 ショックウェーブとオライオンパックスがあのベンチで笑いあって語り合う未来も、 ドリフトがサークルオブライトと出会ってウィングと一緒に共に歩めた先も、 レッカーズが馬鹿やって笑いあったのも、 ニッケルがDJDと出会って、初めて家族ができたのも、 …そして、ラチェットたちデルファイのお医者さんが、あの日、一同に会したのも。 凡ての路の果てに、命も時間も、悲しみも、叫びも、嘆きも。すべて泡沫に還る。この物語に最初から意味なんてなかったのかもしれない。この物語は現実で終わるかもしれない。…だけど、そんな物語でも価値はあったんだと思う。慟哭も、咆哮も、嗚咽も、悲鳴も。 …おっと、あたしの与太話に付き合わせちゃって御免ね。 じゃあ、始めようか。彼の物語の終着点の続きを。君がどんな感情を持ってもいい、この先についての話を見届ける価値がある、泡沫の物語を。
09.
ラチェットはファーストエイドの所へ向かう。道中の最中、何も言わなかった――ロディマスも、ウルトラマグナス…もといミニバス・アンバスも、そして彼も――あのルナ1での出来事で相当傷ついたのだろう。今はそっとしておいた方が、良いのかもしれない。近寄ってはいけない、寄り添ってはいけない事が、幸せなのかもしれないのだと。ただ、ファーストエイドだけは、自分だけが何としても向かわなければならなかった。彼に関して、こうなったのは――自分の責任なのだから。 ファーストエイドの自室に入る。ファーストエイドは椅子に座り、蹲っていた。何も言わなかったのだ。 「…ラチェット先生?どうされましたか?」 バイザーで覆われて何も見えないが、目にクマが出来ているのと「、相当疲れたような声をしている。それはそうだろう――ファルマを自らの手に掛けたのは、ファーストエイド本人なのだから。 「…でも、僕は――あの時、ファルマ先生を許す事が出来ませんでした。だけど、だけど…本当は分かっていたんです。ファルマ先生は僕達を守ろうとして、だけど、アンブロン先生を手に掛けたのが――何よりも許せなかったんです…!」 ファルマのチェーンソーによって真っ二つにされたアンブロンの姿を見て、ラチェットも、ファーストエイドも何も言えなかった。いや、彼の信じられない行動に絶句するしかなかった。 「だけど…僕は、僕は…ふぁ、ファルマ先生を、許す事が出来なくて、だか、だから…」 吃逆を上げて嗚咽を漏らしているファーストエイドの頭を、ラチェットは撫でた。もし、プロールとの会話で、ファルマを止めなかったら――だが、ファーストエイドやドリフト、ロディマスらにこれ以上重荷を背負わせたくなかった。人殺しや、卑怯者の烙印を、これ以上背負わせたくないのだから。ただ、ファーストエイドの気持ちを、素直に受け止める事しか出来なかった。 分かっていたのだ。自分の命はもう直ぐ尽きると。だが、それは大きな間違いだった。バンブルビーも、トレイルブレイカーも、ショックウェーブも、アンブロンも、ローラーも、パイプスも――自らの命を投げ打ってまで、何かを守ろうと命を散らしたのだ。これ以上、そんな重荷を背負わせたくなかった。だけど、嘗て、自分が助けたドリフトがオーバーロードの事件の際に、全てを背負ってロストライトに出て行った時――自らの手でデルファイを守ろうとしたファルマもこんな気持ちだったのだろうな。と何処かで諦めていたのかもしれない。ただ、一人で大きな十字架を背負ったドリフトが、勝手に傷ついて勝手に死んでいくのは――許せなかったのだ。 ドリフトの手を差し出す。彼の手は、長い間放浪していたのか、かなりボロボロだった。お前さんが決めた道だろう?だったら――私も、手を貸してやるとしよう。
10.
この物語の続きを語る前に、一つだけ話をしていいかな? 天使様は確かに、人々を救うし、人類を正しい道に導いてくれる存在だ。でも、それは大きな間違い。何らかの理由を言い訳にして、天使と言う免罪符を使ってる。だから天使は虐殺や圧政を行ってる――そうだよね。オートボットも天使も、何も変わらないし、何も変わる事が出来やしない。あたしが言う言葉だからこそ、意味がある。 でも、誰かを救う方法は幾らでもある――手をさし伸ばす、仲間に引き入れる、傷を癒す――そして、殺す。殺すしか、方法は無かったのか?って言う疑問は、確かにある。でも――生かす事が救済に繋がらないって、この物語が証明してる。 「さて、ドクター。一つ問いをしておこう。此処に天秤があるとする。左右には一つだけ救える存在があるとしよう」 煩い、煩い。お前に何が分かる。冷酷非道なディセプティコンの貴様に、一体何が分かるって言うんだ。でも、結局私も変わらないじゃないか――患者を救うのが、医者であれ。私はそれを破ってしまった。だから、もう彼に合わせる顔が無いのだ。 「一つは、街が火の海になって悲鳴を上げている群衆――もう一人は、今にも死にかけている兵���」 私はどれを選べばいい?どっちを選ぶ事が『正しい』選択なのか?私は天秤に手を差し伸ばす――天秤は重さに達し、落ちた。 「答えは――誰も救えない。だが、貴方は『誇り高き医者』だった。それでこそ『医者』の務めだ」 やめてくれ、私は正しい選択を答えただけだ。だから、私の行いを否定しないでくれ――目を瞑って手を差し伸べる。そして前を見る。其処に一体のトランスフォーマーが居た。 手はハサミ型であり、一つ目と思われるモノアイ、そしてそのトランスフォーマーは、こう呟いた。 「僕は…………誰なの?」 目が覚める。ああ、あの悪夢の続きか。だが、考える内に――私は悟る。 (ああ、そうか…あの事件を経て、分かった気がした。お前も、寂しかったんだろうな…私と同じだ) ただ、その夢が意味するものは、分からなかった。 (――結局、『神様』の身になっても、私は私のまま、か)
11.
嘗てあの戦いを生き抜いた同僚が、親友の弟子に手をかけたと言うのは到底信じられない真実だった。メガトロンがターンらDJDを倒し、突然機能主義の世界に飛ばされ、信じられない真実をこの男が鵜呑みにするのは時間がかかるだろう。だが、自分も、この男――ローラーも、目の前の真実を目にしてしまったからこそ、複雑な思いを暴露する資格は持っているのだから…。 「――色々あってすまなかったな」 オプティマスに無断で黙って特攻し、それ以降行方が分からなかったローラーが、ラチェットと久々話をする際に、いきなりラチェットに詫びた。ラチェットも、親友と再会し、何を言えばいいのか――分からなかった。デルファイ事件の事、トレイルブレイカーとスキッズの事、ファーストエイドとアンブロンの事、ドリフトの事、――そして、ファルマの事。ローラーは「ゆっくり深呼吸して落ち着け」と体が小刻みに震えているラチェットを落ち着かせ、ラチェットは椅子に座り、彼にこれまでの事をぼつぼつ話した。 「………そうか」 ターンの正体はアウトライヤーであり、スキッズの同僚の一人であるグリッヂだった。グリッヂが、ファルマに手をかけた。いや、ファルマを精神的に追い詰めた事実は到底受け入れ難い真実だった(後にクロームドームもショックウェーブ議員の教え子が同じ同僚だったのに、そんな事をするなんて信じられないと言っていたが)。実質的にトレイルカッターも、アンブロンも、スキッズも――彼によって殺されたも同然だ。あんな受け入 れ難い真実は、二人を重い空気に押し潰した。 「…もし、ファルマを引き留めていれば、こんな事にはならなかったのだろうな」 あの時、デルファイに送られる事を聞いたラチェットが、ファルマと話をしていた時に、ショックウェーブやローラーの事を考えていた。オライオン達を守る為に評議会に投降したショックウェーブ、生死不明の状態になったローラー…だが、結果的にファルマと永遠の別れを意味をしていたのだから、あの時を思うと考えたくなかったのだろう。 「お前のせいじゃない」とローラーはラチェットにそう、言葉を返し――「もう、終わった事なんだ」と、言葉を返した。 「ただ、グリッヂの事を考えたら…ファルマと、自分…何処か同じ所を重ねていたんだろう。だが、あいつがそんな事をする筈が無い。と必死で受け入れられずにいた。どうしてこんな事になってしまったんだろうな――戦争が無かったら、グリッヂもあんな事には成らなかった。ファルマもお前の跡を継いでいた。けど、」 現実と言うのは、中々上手くいかないもんだな。と――スワーブバーで、トレイルカッターがメガトロンに言った言葉を思い出した。 『罪を償う為にロストライト号のロディマス船長と一緒に居るけど、周りが白けた目で見ている?ま、そんなもんだろ』 『――現実って言うのはなぁ、中々上手くいかねーもんだよ』 そう言えばラチェットは、ファーストエイドとアンブロンと、一緒に撮った写真の他に、オライオンから譲り受けた写真を貰っていた事も思い出していた。 スキッズやグリッヂ、チャージャーやトレイルブレイカーが写っていた写真。そして、今は居ないショックウェーブの姿もあった。だが、絆は失われたが――それでも、自分とローラーは、此処に居る。まだ、過去は失われていなかった。けれども、ファルマの未来は?ラチェットは、天井を見上げた。
12.
「――怪我人は居るか!?死亡者が居るなら直ぐ様私に直接報告をするんだ!」 「――ラチェット先生、お願いです!ホットスポット達を…!」 ゲッタウェイやスターセイバーの一件の後、ロストライト号を奪還したロディマス達は直ぐ様怪我人の治療や死亡者の収容を急いだ。ドリフトはロディマスの元に向かっている最中、ファーストエイドがラチェットに何やら焦っている…いや、取り乱しながらも正気を取り戻し、叫んだ。 「――もう、誰がが死んでいく姿を見るのは、嫌なんだ…!」 …それが、ファルマとアンブロンを失って、ゲッタウェイの暴挙に耐え続けたファーストエイドの精一杯の叫びなのだろう。 ラチェットが器具の整理をしている最中…自室に佇んでいるドリフトは口を発しそうにしたが、意を決して口を開いた。ラチェットは相当疲れた顔をしている。あの多くの怪我人の治療に忙しかったのだろう。ラングの手伝いもあってか、何とか一命をとりとめたのが幸いだったか。それにしてもあのスターセイバーの攻撃を耐え続けたのが、一番の不幸中の幸いだろう。 「…大丈夫か?」 「大丈夫だ。なるべく多くの医者の命を救うのが――」 「――医者であれ、だろ?」とラチェットの言葉を、ドリフトが紡いだ。さっき、ファーストエイドと会って来た。ファーストエイドがファルマの事を言っていた。僕だったらファルマ先生を救えたのだろうか。と――ファルマの話をし終わったラチェットは、淡々と器具の整理をしていた。ドリフトは「なあ、ラチェット」と口を発した。 「――俺は、ファルマの事はあまり知らない。だけど、あんたは…ファルマを救えなかったのを、後悔してるんだろう?」 ――俺だって、大事な人を救えなかったんだ。ファルマについて、俺に色々話してくれたんだから…それと、あんたは俺を救おうと、必死だったんだろう。 そう言いたげなドリフトの口ぶりに、ラチェットは口籠った。 「ファルマを救えなかった。だから、あんたは自分を責めるな――俺だって、大事な人を護れなかった。もし、あんたが辛い目に遭ったなら…俺があんたを何度だって助けてやる。自分の苦しみを、自分で抱え込むな――あんたが、俺に教えてくれた事だろう?」 ああ、あの時――ドリフトと再会した時、考えた事があったのだ。ファルマも、こんな気持ちだったのだろうか――一人で、ラチェットを待ち続けたのだろうか、と。だが、ファルマといつかは、また出会う気がするのかもしれない――それは、自分でも感じていた。だが、今だけは――。 「――有難う、ドリフト」 目の前に居るドリフトに、感謝の言葉を述べた。それでも、自分がファルマにしてやれなかった事を贖うと共に、ドリフトが自分を守ってやる。と言う彼なりの誓いがあるのだから。
13.
「神様を信じるか否か?」 ファルマはラチェットの突然の問いかけに、忽然としていた。「ああ、そうだ。どっかの馬鹿が作り出した神が居るか否かの論だ」と溜息をつきながらデータパッドを置き、カルテを出した。 「自分の手は神の手だ、アダプタス神に認められている。とどっかの馬鹿がそう言っているが、私は神が居るとは思わんがね。まあ、そんな事実があるのならば本物の神様を寄越して証明して来い…と思わんがね」 ラチェットはどっかの馬鹿――ファルマはラチェットのそう言う所に惹かれたのだ。自分にも厳しく、他人にも厳しいが――消え行く命を決して失わせる訳にはいかない鋼の精神と、誰かを救う為の医療だからだ。と言う理念。 「ファルマはどう思うか?」 「私は―――――ええっと…答えが難しいですが、居ると思いますね」 居ると?とラチェットが困惑した表情をしていると、ファルマは微笑んで問いを返した。 「神様は――ラチェットだと思います」 ラチェット自身。ファルマの答えに、ラチェットは一本返されたな…とぽつりと呟いた。 「私も、貴方と同じ神様が居るとは思えないんです。ですが、私は――ラチェットが神様だと思うんです。私の進むべき道を照らしてくれるのが、貴方自身だから」 「ファルマ…」 ファルマは立ち上がり、ラチェットから出されたカルテを持って立ち上がる。 「アダプタス神から認められた手――何時か、私も手にしたいと思っていますね」 『アダプタス神から認められた』――だが、まさか彼が、こんな事になるなんて思わなかっただろう。神は確かに居た。だが、まさかこんな形で会うなんて思わなかった。アダプタス、いや、ファルマは――確かに、微笑んで…そして、最後の言葉を言った。 「My beloved.ratchet」 ああ、その声は――届く事は、決して無かった。
14.
さて、この物語も終わる。後に残されたのは、現実の物語か、そして夢物語か。 ○月×日 ロストライト号でロディマス艦長主催のパーティをする事になった。ロストライト号が解体されるらしくて、皆と一緒に馬鹿やったりリップタイドやスワーブの世間話を聴いたりするのもこれで最後だ。寂しくなる。そしてラチェット先生が僕に後任を譲る事にしたらしい。ファルマ先生の事は…最後まで話さなかった。多分、彼の事を話すのは相当辛いんだろう。昔の僕みたいだ。とふと、あの時そう思ったんだ。アンブロン先生を亡くした僕みたいに…でも、ドリフトと一緒に居れば、大丈夫なのかもしれない。 △月●日 ラチェット先生がドリフトとCEを結ぶ事になったらしい。僕やホットスポット達は先生を祝った。僕がデルファイでウィルスパニックに巻き込まれた時、ドリフトの噂は巷に聞いているから(悪い噂しかないのは、当時の状況を考えるとしょうがなかったけど)どんな人物かなって思ったら、先生を困らせてくる朗らかな青年だった印象だった。でも、ドリフトとCEを結ぶ事になるなんて。おめでとう。と祝ったんだけど、少し寂しいような気がした。 ○月◇日 メガトロンが裁判を受ける事になった。ロディマスやウルトラマグナスが何故、どうしてって制止したけど――僕は、メガトロンを引き留める義務が最初から無かった事に気付いた。ロディマスとメガトロンは、最初から立ち位置が違い過ぎたのかもしれないのだ。罪人である自分は、一緒にロディマスと居る権利など無いのだ。まるでそう言い聞かせているみたいだった。廊下を歩いていた時、ローラーとラチェットが会話していた。 「お前さんは止める義務など無いのか」 「俺だって本当は制止したい。だが、俺はプロールの気持ちを尊重する」 「…そうか」 「メガトロンを止める権利は無いかもしれないが、今はそっとしておいてくれ…頼む」 ローラーは何かを言おうとした。ラチェットも何かに気付いた。けれど、それが何なのかは分からなかった。 ×月▽日 だって、こんな事って…嫌だ、嫌だ。どうして。ラチェット、先生(この先は涙で滲んでいて読めない) 「…ずっと、分かっていた事があるんです」 ファーストエイドは、ラチェットの墓標を見て、ぽつりと呟いた。 「だって、ラチェット先生はずるい人なんですよ。ファルマ先生の気持ちも、僕の気持ちも、アンブロン先生の気持ちも、ドリフトの気持ちも、メガトロンの気持ちも、最初から分かっていたんです。でも、敢えて伝えなかった。伝えていたら、どんなに楽だろうかって、そう思っていたんですね」 ラチェットは、ファルマの気持ちを最初から分かっていた。でも、伝え方が分からない人だったから、伝え損なってしまったのだ。自分は、本当は駄目な先生だと何処かで引っ掛かっていたのだろう。 「でも、ファルマ先生はそっちでラチェット先生と一緒に居られるんですよね。アンブロン先生と一緒に。ずるいですよ。僕もそっちに連れてって下さいよ。って本当はそう思いたいんですよ。……でも、まだ、僕はそっちに行けないんです。ホットスポットやグレイズが、悲しむから。だから、僕もこっちで頑張るから。ラチェット先生は……また、ファルマ先生に思い出話を咲かせて下さいね。ロストライトでの旅や、色々な事を」 ファーストエイドが日記を墓標に置き、立ち去った後――墓標には多く置かれているエンゲックスと、メガトロンの最後の置き忘れであるロディマスバッジだけが置かれているだけだった。 流れ星が、またひとつ堕ちた。
fin.
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ari0921 · 6 years
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「麦の穂青し」③終
 知覧特攻基地と言えば、「富屋食堂」を営み、多くの特攻隊員の面倒を見て、“特攻の母”と呼ばれた鳥濱トメさんが有名ですが、地元の知覧高等女学校の生徒たちが特攻隊員を献身的にお世話したことも記憶に留めておく必要があります。
 本書には、知覧高女なでしこ会が刊行した『群青 知覧特攻基地より』の「まえがき」が引用されています。
 本書の第二部「征く人、送る人」の第二章「さらば、祖国よ」から、「知覧の少女��ちが見た別れ」の箇所を、少々長くなりますが引用いたします。なお、文中に出てくる『空から轟沈』の唄はご存じない方が多いと思いますので、Youtubeから貼り付けました。
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 知覧基地に関しては、地元の知覧高等女学校の生徒たちによる特攻隊員に対する献身的なもてなしが、多くの特攻隊員につかの間の安らぎを与えたことはよく知られています。
 知覧高等女学校の生徒たちがなぜこのようなもてなしをするようになったかのいきさつは、「知覧高女なでしこ会」が昭和51年に刊行した『群青 知覧特攻基地より』の「まえがき」に、永崎(旧姓前田)笙子が次のように記しています。
 「昭和20年3月27日、知覧高等女学校の三年生進級を前にして、突然、私たちは勤労動員学生として、各地から知覧基地へ集結された特攻隊員の身の回りのお世話をすることになりました。敗色濃い戦局だったために、軍だけでは隊員たちを受け入れるゆとりもなく、その態勢も整っていなかったのでしょうか。激しい空襲のさなかを自宅から基地まで、遠い人は二時間もかかって通い、三角兵舎の掃除、食事の用意、洗濯、そしてつくろいものなどの雑用係として、14、15歳の少女だった私たちがあたることになったのです。最初18名だった女学生も、手が足りなくなって次第に増員されるようになりました」
 戦争末期のこの時期、日本軍には余力というものが全くなくなり、青壮年は根こそぎ軍隊にとられ、本来なら下級兵士や軍属がすべき雑用を、知覧基地では14、15歳の少女に任せるはかなかったのです。その期間は昭和20年3月下旬から6月下旬までの3ヶ月足らずですが、この聞に昼間出撃した特攻隊員を飛行場で直接見送るという稀有の体験を少女たちは重ねることになったのです。その点を永崎は次のように記しています。
 「多くの隊員は到着して4、5日間を基地の三角兵舎ですごして出撃されましたが、なかには、たった一夜だけの滞在で慌ただしく出撃された方もいらっしゃいました。それは、つかのまの出会いではありましたが、長い歳月を経た今でも、心の奥底に多くの隊員たちの思い出が生き続けているのは、平和な時代には想像もできないような異常な戦争体験だったからでしょうか。泣きながら桜の小枝をうち振って出撃を見送ったときの光景など、折にふれ鮮烈な思い出としてよみかえってまいりました」
 彼女たちは今で言えば中学二、三年生の純情で清潔で多感な少女でした。その少女たちが、「生き神様」と呼ばれ、明日には特攻散華するかも知れぬ、一死殉国の若者たちの身の回りの世話をし、共に語り、共に笑い、共に心を通わせたのですから、その印象は生涯消すに消されぬほど鮮烈なものであったに違いありません。
 特攻隊員でもっとも若い者は16、17歳であり、少女たちより二、三歳上に過ぎないのです。そうした若者たちが日本を救うために明日にはその身を敵艦上に爆裂させるかもしれないという切迫した状況が、少女たちを深く感銘させ、その感銘がまた少女たちの献身を引き起こしたのです。いわば特攻隊員の自己犠牲の崇高な精神が彼女たちに無償の奉仕という対価を求めぬ純粋な献身行動を呼び起こしたとも云えるのです。
 そして永崎はさらにこう続けます。
 「皆様の遺書や書簡を読ませていただき、あらためて現実の出来事のように、ありし日のあの方、この方をしのび、多くの若者を失ったあの戦争とはいったい何だったのだろうかと、新たな感慨に胸が締め付けられる思いでございます。生と死の狭間のなかで苦悩しながら、永遠の平和を願い、国の護りに殉じていった若い人々のために心から涙を流した愛惜の日々は、私たちの頭から生涯消え去ることはないでしょう」
 大東亜戦争は日本史上最悪の出来事でした。死者の総数は310万人を超え、日数でならすと一日に約2,300人の死者が出た計算になります。これほどの大悲劇はありません。ただその大悲劇の中で、唯一清冽な想い出を歴史に刻んでくれたのが特攻隊の若者たちの愛と勇気に満ちた身の処し方であり、このことは日本史がつづく限り、民族の誇りとして語り継がれてゆくに違いありません。
 戦争を経験せずに真の平和はあり得ないとされています。まだ逆に平和を獲得するのが戦争だという考えもあります。しかし戦争と平和の問題は個々に独立した概念として把握されるべきではなく、常に歴史の連続性の中で確認されねばならぬ最重要な国家的課題であり、永崎もその点を次のように説いています。
 「いま私たちが手にしている平和が、数多くの人生とかけがえのない青春の上に築かれていることを忘れ、自分の利害だけで、権利ばかりを主張して責任を果さない風潮が一般的になったと、よく人々から聞かされるようになりました。こんなとき、平和を願い、すべての私情を断ちきって短い人生を終えていった特攻隊員を、その出撃直前まで目のあたりにしてきた人々の中から、『歴史の証言として何かを残すべきではないか』という声がもちあがりました。それもある思想的な立場からの作為のもとに粉飾されたり、無意識のうちに変ってしまったものではなく、その時、その状況の中で真剣に綴られた生のままを残したほうがよいのではないかということでした」
 この群青というタイトルには、特攻隊員が出撃して征った沖縄の青い海や空がイメージされていることば確かですが、それよりも平和な時代の限りなく優しい海や空の青を思い描き、祖国防衛戦争にその尊い命を捧げた特攻隊の若者たちの自己犠牲の崇高な精神を、日本民族がつづく限り、永遠平和のために未来永劫語り継いでゆこうという強い意志がこめられているに違いありません。それゆえ永崎は次のように記してこの「まえがき」を閉じています。
 「本書は、還らざる方々の魂の証と、ささやかながら私たちの心の軌跡をまとめたものです。特攻隊に関する本は少なからず出版されていますが、数ある太平洋戦争史の大河の流れの一しずくとして、心ある方がもし拾いあげてくがさるならば、これにこした喜びはありません」
 本書が他の特攻関連の本と一線を画するのは、陸軍特別攻撃隊の若者たちと知覧高女の乙女たちの清楚で涼やかな心の交流が全編の至るところににじみ出ていることにあり、本書を心読すれば、当時の青春はこれほどまでに純粋で美しかったのかと強い感動に襲われるに違いありません。本書は特攻隊員の壮烈な遺書・遺稿を掲載しながら、それが壮烈であればあるほど、知覧高女の乙女たちの精神のたたずまいの美しさが際立ち、巧まずして平和の尊さを読む者の心に深く静かに訴えかける、稀有の鎮魂の書となっているのです。
 本書には、知覧高女の乙女たちの見た特攻出撃の光景が哀切に描かれています。たとえば永崎笙子は満開の桜の中を出撃して征く特攻隊の哀しいまでに美しい光景を次のように記しています。
 「ある日、私たちは当番兵から、徳之島前進の特攻機におにぎりを二個ずつ積むように言われました。徳之島前進というのは、航続距離の短い特攻機のために、徳之島を中継基地として出撃するため、知覧基地を飛び立って徳之島へ集結することを意味します。
 ただ、おにぎりを配るだけでは、どうしても私たちの気持ちをあらわすことができないような気がして、機中の隊員の方に桜の小枝を差し上げましたところ、隊員の方にたいへん喜ばれ、『ありがとう、ありがとう』と何度もくりかえしいわれました。その様子から、『時がくれば何の未練もなく散っていく桜のように、武士のいさぎよさを見た』と言った人もいました。それ以来、私たちは出撃する特攻機の操縦席を、桜の花で飾るようになりました。当時、知覧は桜の花盛りでした」
 俗謡に「富士と桜の日本によくぞ男と生まれける」とありますが、日本男子にとって桜ほどふさわしい花はありません。『仮名手本忠臣蔵』に「花は桜木、人は武士」とありますが、特攻隊の若者たちも自分は現代の武士であると堅く信じていましたから、この言葉には大いに魅かれましたが、これ以上に特攻隊員が共感したのは「花は散り際、武士は死に際」という言葉でした。ひとたび出撃した特攻隊員に残されたことは存分に戦って潔く死ぬことだけであり、それゆえ死に際の見事さを彼らは切に願ったのです。
 また彼らは出撃前の壮行会では必ず「同期の桜」を歌いました。「咲いた花なら散るのは覚悟、見事散りましょ、国のため」という文句ほど、彼らの特攻魂をたぎらせ、かつまた彼らに清冽な詩情を与える文句はありませんでした。そして彼らは「散るのは覚悟」と歌いきることによって、特攻死というものが決して恐怖であるばかりでなく、華と散ること、即ち散華の美学と直結することを理屈としてではなく、感覚として理解できたのです。
 さらに桜についていうなら、彼らが好んだ句は「散る桜、残る桜も散る桜」であり、「風吹かば、かねて覚悟の桜かな」でした。桜の花が真に美しいのは満開の時よりも花吹雪となって散り急ぐ時であり、宗宮亮平(陸軍特別攻撃隊飛行第六十六戦隊、昭和20年6月6日、出撃戦死、少年飛行兵、岐阜県、20歳)という若者は、日記の最後に、
 「身を清廉潔白に保ち、若桜の一陣の春風に散るが如き最期を遂げたきものなり」
と記して出撃して征きました。特攻隊の若者たちがいかに潔い死を望んでいたか、この清冽な一文を読めば誰でも納得がゆくでしよう。知覧高女の乙女たちが贈った一枝の桜ほど若い特攻隊員たちを元気づけたものはなく、特攻機の操縦席に桜を持ち込んだ彼らは、桜と共に散華できることを無上の喜びとし、日本武士の誇りを胸に敵艦めがけて突入して征つたに違いないのです。
 そして永崎は眼前に見た特攻出撃の光景を次のように記しました。
 「4月12日
  今日は晴れの出撃、征きて再び帰らぬ神鷲と私達をのせた自動車は誘導路を一目散に走り飛行機の待避させてあるところまで行く。途中『空から轟沈』の唄の絶え間はない。先生方と隊長機の擬装をとってあげる。腹に爆弾をかかへた隊長機のプロペラの回転はよかった。本島さんの飛行機もブンブンうなりをたててゐる。どこまで優しい隊長さんでせう。始動車(当時の飛行機は発進のときプロペラの回転が自動でできず、始動車によって始動した機が多かった)にのせて戦闘指揮所まで送られる。うしろを振り返れば可憐なレンゲの首飾りをした隊長さん、本島さん、飛行機にのって振り向いていらっしやる。桜花に埋まった飛行機が通りすぎる。私達も差上げなくてはと思って兵舎に走る。途中、自転車に乗った河崎さんと会ふ。
 桜花をしっかり握り一生懸命駆けつけた時は出発線に行ってしまひ、すでに滑走しやうとしてゐる所だ。遠いため走って行けぬのが残念だった。本島機が遅れて目の前を出発線へと行く。と隊長機が飛び立つ。つづいて岡安、柳生、持木機、九七戦は翼を左右に振りながら、どの機もどの機もにっこり笑った操縦者がちらっと見える。二十振武隊の穴沢機が目の前を行き過ぎる。一生懸命お別れのさくら花を振ると、にっこり笑った穴沢さんが何回と敬礼なさる。パチリ……後を振り向くと映画の小父さんが私たちをうつしてゐる。特攻機が全部出て行ってしまふとぼんやりたたずみ、南の空を何時までも見てゐる自分だった。何時か目には涙が溢れ出てゐた」
 知覧高女の生徒たちは、こうした別れを毎日のように体験したのです。彼女たちにとって特攻出撃は勇壮なものであると同時に、お世話した若者たちとは二度と会えぬことが定められた惜別の哀しみに満ち満ちたものでもあったのです。
 さらに永崎は出撃にまつわる次のような親子の哀切な別れも記しています。
 「ある日のこと、搭乗したばかりの特攻隊員のところへ息せききって走りよる初老の男の方がいらっしゃいました。ふたことみこと言葉を交してから着ていた羽織の紐をもぎとると、それを隊員に差し出し去した。二人は手を固くにぎりしめたまま、身じろぎもしないで思いをこめた眼差しを交していました。その様子から、その男の方が隊員のお父様であることがわかり、胸があつくなりました。
 やがて羽織の紐を乗せて特攻機は飛び立ちましたが、機影が開聞岳の向うへ消えたあとも、乱れた羽織姿のままで南の空をいつまでも見つめながら、悄然と立ちつくしておられました。親子のきずなを羽織の紐に託して永遠の別れを告げられたその情景に、私たちは思わずもらい泣きをしてしまいました」
 特攻は見方を変えれば、すべて哀切な別れのドラマといえます。両親との別れ、兄弟姉妹との別れ、妻子との別れ、恋人との別れ、あるいは戦友や朋友との別れといったように、徹頭徹尾、特攻は愛と別れのドラマといえるのです。そしてさらに永崎はこの日の出撃光景を続けます。
 「離陸した特攻機は、飛行場の上空を旋回しながら隊別に三機編隊を組み、編隊を組みおえると機首を戦闘指揮所へ向けて急降下をしました。そして、みんな一様に三回、翼を左右にふりながら最後の別れを告げると、急上昇して開聞岳の彼方へ消えていきました。
 基地に残った隊員や整備兵たちは、いっせいに帽子を振り、私たちも桜の枝やハンカチを振って見送りました。機影が見えなくなってからも、私たちはしばらく呆然と立ちつくし、そのあとで急に襲ってくるはげしい悲しみに堰を切ったように泣きだしました。
 でも私たちは涙のかわかないうちに、まだ次に到着される特攻隊の方々をお世話しなければなりませんでした。そんな悲しみに堪えながら三角兵舎へ戻ることがたびたびでした。寒々と静まり返った兵舎内に足をふみ入れますと新たな思いにかられて、とめどもなく涙が頬を流れ落ちました」
 このように優しい乙女たちに見送られたことは、特攻隊の若者たちにとっても何物にも代えがたい喜びであったことでしょう。彼らにとっては、この別れが生きる喜びを感じた人生最後の体験となったのです。そしてこの離陸から長くとも二時間か三時間で彼らの人生は終わりを告げることになるのです。しかも彼らは心身ともに健康で、本来なら夢と希望に満ち溢れた二十歳前後の青年なのです。この一事を捉えても、特攻隊を美化したり、戦争を肯定したりすることが、人間性の尊厳を否定する不遜な考えであることが自ずと明らかになるのです。
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