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#逆光はドラマチック
14si · 2 months
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2024年8月13日 18:08
日暮れなのか夜明けなのか、ほのかな潮の匂いが漂ってくるような、そんな横浜という街を綴った、横浜を代表するヒップホップアーティスト「Ozrosaurus(オジロザウルス)」によるドラマチックな1曲。何回聴いたか分かりません。何日もずっと1日中、この曲をリピートしていた時期もありました。歌詞に出て来る場所は横浜市の中心地で、昔遊んだり、住んでいたところもあって、今改めて聴くと、しみじみと懐かしい思いにさせられます。この曲が出た当時はヒップホップを聴かないまわりの友人達も、この曲には結構反応していましたね。横浜の哀愁を感じさせてくれる、そんな曲。
●Ozrosaurus / Rollin' 045
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港横浜24時展望 山下の埠頭オレンジの電燈 ベイブリッジは海と平行 眺めると記憶が湧く 止めどなく首都高速走る車 経路は それぞれがここじゃひとつのネオン ハンドル廻す逆の眺めもみなとみらい時よ流れろ 18区横浜神奈川エリア 枠を越え ドラマを見たい奴等はここへおいで 思い出作りながら生む背景 こぼれる程のネオンの数 更にマリンタワーがとどめを刺す 揺らす水面 潮風が増す ふかす煙草 輪っかすり抜けてパス 山下公園側 灯るライトの下のラブコール ソウルタウン 空には月昇る 横浜の街に夜が通る また数時間も過ぎれば陽が昇る たった一度のこの夜だから踊る パトロール All night long.... 水に浮かぶ外国船は巨大 途絶えることのない航海から航海 海に汽笛鳴り響く 横浜 SHOW TIME
Rollin' Rollin' 表通りの街道 Rollin' Rollin' 暗い裏通りで迷子 Rollin' Rollin' ハマっ子 HOMIE と散歩 Rollin' Rollin' 045 Rollin' Rollin' 表通りの街道 Rollin' Rollin' 暗い裏通りで迷子 Rollin' Rollin' ハマっ子 HOMIE と散歩 Rollin' Rollin' 045
黄色いゲートをくぐり抜け 街に車向けて走り抜けてく風景 横浜から中継 楽しむか楽しまぬか2WAY 山下公園通り遊泳 そこはナンパスポットで有名 桜木町方面 国際橋越えてみなとみらいへ 遊園地も眠り 夢深まり 向い側にランドマークが高い 目の赤いビルの街徘徊 数年後のここに逢いたい Rude Boy 達の溜まる群れ 今日も入る穴に飢 朝が来るまで荒くれ きっとこれからも変わらねえ 時代進む 横浜で Down Town 関内 伊勢崎繁華街 歴史ないとこなんかない 寿町 ハンパない 黄金町 金のナンパ街 線路下のアンダーライン MIGHTY CROWN いる中華街 山手の地はいつかこの手にしたい 光る工場地帯が星みたい Yokohama Show time
Rollin' Rollin' 表通りの街道 Rollin' Rollin' 暗い裏通りで迷子 Rollin' Rollin' ハマっ子 HOMIE と散歩 Rollin' Rollin' 045 Rollin' Rollin' 表通りの街道 Rollin' Rollin' 暗い裏通りで迷子 Rollin' Rollin' ハマっ子 HOMIE と散歩 Rollin' Rollin' 045
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yokoham · 7 months
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雑記20240221
初めて買った歯磨き粉のフレーバーが合わなかったときの絶望感がすごい。これ使い切らないとダメなん? って思う。もったいない。使って行くうちに慣れるんだけどね。
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朝が寒くないだけまだありがたい。徐々に冬が終わっていく感じがする。
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なんか暑くて寝苦しいな、と思って午前2時に目が覚める。寝られる感じもしないのでPCを付けてアメリカの株式市場の様子を見たら、NVIDIAめっちゃ売られてるじゃん! っていうか半導体関連が売られてる。
SOXもだだ下がりだし、このまま行くと明日の日本株も荒れそうだ。まあずっと騰がりっぱなしだったし、これくらいは反動あるか。みんなNVIDIAの決算にトラウマ抱えすぎ。AMDも下がってるし! さすがに売られ過ぎだから戻すとは思うけど、どこまで戻すかは正直わからん。
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Youtubeで見るテレビ番組のニュースの中で、定期的に出てくるのが年金生活が苦しいお年寄りのニュースと、外国人観光客に「いくらお金を使いますか?」って訊いて回るニュース。何回そのネタこするのってくらいやってる。Youtubeニュースウォッチャーの僕が言うので間違いありません。自分も暇だな。
ネタが無いんだろうけどプライドも無いなって思います。恥ずかしいわ。
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NVIDIA、多少は戻しましたね。決算跨ぎが定石なので売られるのは仕方がないとして、ここが分かれ道なんだよね。明日は買い戻しが入るのか、それともまだ売られるのか。予断を許さない状況。
日経平均先物もまあ頑張ったほうじゃないかな。今日も日経は下げて、明日1000円以上爆上げして一気にバブルの呪縛を解き放つっていうドラマチックなシナリオが見えたわ。楽観的すぎる? 連休前っていうのがよくないけどね、でも来たら激アツ。行こうぜ、バブルの向こう側へ。
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今日の取引。ソシオネクストに3つ逆指し値を入れていたら、最初のやつが引っかかって売却。結果的には残念ですが、まあ、リスク管理だから。最近買い増した500株は薄利で売られていきました。
あと昨日買ったKeyHolderが謎の急騰をしていたので売却。100株だけなのが惜しまれる。なんかインフルエンサーがどうのこうのって見たけど。乃木坂だけに。どうせまた落ちて来るので、そのときまた。
明日のNVIDIA決算以降は半導体関連も落ち着くと思うので、循環物色を考えたほうがいいでしょうね。三菱重工がちょっと安かったので100株だけ買いました。しばらく持っておきます。高値掴みにならなきゃいいけど。分割でどうなるか。
半導体関連は毎日おこづかいが貰えるのでおいしいんだけどね。
乃村工藝は期末の権利取りっぽい動きが見えるので、権利落ち以降に買おうかな。今日指し値してたんだけど買えなかった。
株式会社エディオン (2730) 下落↓
株式会社ジンズ (3046) 下落?↑
株式会社ケーズホールディングス (8282) 下落↓
オリエンタル白石 (1786) 上昇↑
株式会社ZOZO (3092) 揉み合い↑
株式会社ケーユーホールディングス (9856) 下落?↓
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misosoupjunkie · 8 months
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『イザボー』観劇備忘録
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1回目の観劇
1/25のソワレを一階席上手側の座席にて観劇。
おそらくブリリアホールの問題で、音が潰れてしまって歌詞が聞き取れない部分がかなりあった。アンサンブルの歌唱部分は特にたくさんの音が重なるのでほとんど何も聞き取れず、プリンシパルのソロでも早口だったり一定の高さよりも低かったり高かったりすると部分的に何を言ってるのかよくわからなくなる、という具合だった。 そんな中、望海風斗さんの歌だけは歌詞が全部ちゃんと聞き取れたのには舌を巻いたが、キャスト全員声量も歌唱力もあって滑舌も良く、素晴らしかった。
開幕直後、大きな舞台構造が回り始めた時には思わずあんぐりと口が開いてしまった。構造物そのものの形は変化していないはずなのに、それぞれの位置を組み合わせて変化させることで場面ごとに全く違った表情の舞台になっていて、本当に構造物の形自体は変化していないのか疑ってしまったほどである。 回っている構造物の中を動き回ったり顔を覗かせたり、上を歩いたりするキャストの間を縫うようにスタッフが舞台を動かしていて、キャストの立場でもスタッフの立場でも想像するだに大変そうだが、スタッフもキャストも全く危なげなくて見事だった。
衣装も素晴らしかった。何度も衣装替えがあって色も華やかなのはイザボーだけだが、黒で統一された他のキャストの衣装も形や素材などディティールが凝っていて、それぞれの身体やキャラクターによく合っていた。 一幕で黒い衣装を着ていたイザボーが、キービジュアルで着ていた例の真紅のドレスで登場するところなどは視覚的にかなり感動的だった。
しかし、歌として印象に残ったのは「最悪の王妃」のサビだけで、歌詞がよく聞き取れなかったこともあって他の歌は印象に乏しい。全体として説明や会話の歌が多く、心の歌みたいなものがあまりない印象。メロディや歌詞、歌に心動かされて感動し、なりふり構わずに説得されるような歌はなかった。全てが終わった時に、ああいい歌だったなと思える歌がなかった。
脚本はなんとなくあらすじっぽい感じで、全体として史実の筋を追うことを主軸にしており、情報量の割には物語としての内容が薄い印象であった。こういう脚本にするなら尚更音楽がもっと心を揺さぶるようなものでないといけないんじゃないかと思った。
ここで一旦望海風斗さんのファンとしての率直な感想を挟むと、タンゴのシーン!最高!ありがとう!興奮して目から湯気出るかと思いました!あとラストシーン双眼鏡で望海さんの顎を一生懸命見てたらものすごい密度の赤がドゥルン‼️って降ってきて視界が赤く染まって度肝抜かれた。息できる?あれ。
ミュージカルとしては、正直言って物足りなかった。 イザボーの心情に寄り添ったままでいられるのは一幕までで、それ以降は振り落とされて着いていけなかった。我欲や本能のまま生きた、と言われても、その我欲や本能というのが実際のところ何であるのか、見ていくうちにどんどんわからなくなっていくような有様である。全体を通して心を歌った歌が少ない中、イザボーだけは結構そういう歌があったが、素直に脚本の流れに乗るとイザボーの心に乗っかっていけないので、何を歌われても歌詞の内容が心に届かないのである。 かといって、音楽に心動かされるわけでも、物語に感動するわけでもない。物足りなかった。傍観者のような気持ちのままで、その日の公演は終わってしまった。 素晴らしかった部分が本当に素晴らしかっただけに、しっくりこなかった部分が致命的にしっくりこなかったという事実を受け入れたくなくて、全部ブリリアホールのせいにしようと思った。歌詞が聞き取れない音響設備とか、腰がめちゃくちゃ痛くなる椅子とかのせいで素晴らしかったはずの観劇体験が損なわれてしまった、会場がブリリアホールでなければ私はもう少しこのミュージカルを楽しめたのではないか、と。
2回目の観劇
1/29のソワレを二階席センターブロックの座席にて観劇。 1回目の観劇から4日経っていたが、いまだに納得できておらず、今度こそ何かしら良いものをゲットして帰りたいと考えていた。
1回目よりもはるかに音響がよく、歌詞がほとんど聞き取れた。内容をすでに知っているということもあろうが、それにしても劇的に変化したのでびっくりした。プリンシパルの歌だけでなく、アンサンブルの歌唱部分もはっきり聞き取ることができた。 キャスト全体の動きもよく見え、アンサンブルの素晴らしい活躍ぶりと振り付けの面白さが実感された。 一階席から見上げるように見ていて全体を把握することができなかった舞台機構の動きも、やや上からそれぞれの構造がどのように動いているのかを見ることができた。それぞれの構造物が床の溝に沿って非常にスムーズに動く様子が見てとれ、よく機構トラブルが起きないなと改めて驚いた。 舞台全体が見えることによって照明の効果もわかりやすかった。個人的な好みと比べるとちょっと派手めでうるさいが、全体の雰囲気にはとてもよく合っていたと思う。逆光の演出もかっこよかったし、二階席から見ると舞台面に投影された飾り灯がよく見えて、ひび割れたガラスを模っているであろう照明は特に印象的である。イザボーが客席に背を向けて立っている場面では、紫色の光の中にマントの光沢ある質感と美しい装飾が浮き上がって見えて、ため息が出るほど美しかった。
歌詞がほぼ聞き取れてストレスがないことと、登場人物全員をすでに知っていることによって、それぞれの芝居や歌、歌詞の深い部分の意味に心を向けられるようになり、1回目の観劇よりも全体的な満足度は高かったと言える。 一階席とは比べ物にならないほど観劇しやすかったため、幕間で客電が灯った時私が最初に抱いた感想は、「ブリリアホールの正解ってもしかして二階席!?」これであった。
最終的な感想
キャラクター演劇としての『イザボー』
2回の観劇を終えて考えたことは、『イザボー』というミュージカルに最も先立つものは音楽でも脚本でもなく、芝居ですらなく、キャラクターなのではないか、ということだった。キャラクターという前提があって成り立っているので、どんなキャラクターがいるのかわからないままに見ても楽しめない。 アニメや漫画などの原作をもとに舞台化するような、いわゆる2.5次元ミュージカルを引き合いに出すと、その観客のほとんどは原作を知っている。観客の中に前提があるからこそ、演者の一挙手一投足に、そのキャラクターの持つ感情や性格、意味を見出すことができる。舞台の上でキャラクターが行う1つのことに、観客が勝手に10の情報を見出して心を動かすという仕組みになっているのである。 『イザボー』というミュージカルはこれと似た構造を持っていると私は考える。歌が状況を説明し、脚本が史実の流れをなぞることに重きを置いて人の心を深く掘り下げていかないのは、このミュージカルの構造が、まず時代の流れの中にいるキャラクターを提示し、それ以上は観客に想像させ意味付けさせるという作りになっているからである。それぞれの内面の機微や心の動きの大部分については、キャラクターの内面を象徴するようなセリフ一言や演者の芝居をもとに、観客が勝手に想像するという作りになっている。 これはそれぞれの関係性にも言えることで、劇中で示されるドラマチックな関係性の多くは、それほど深く描かれることがない。聖女ジャンヌと悪女イザボーが背中合わせで立っているという舞台的な画面構成をはじめとして、狂気の父シャルル6世と正気の息子シャルル7世、王になった兄シャルル6世と王になれなかった弟ルイ、イザボーという女をめぐるルイとジャンの対比のほか、多くの関係性がそれぞれに興味深い物語の可能性をほのめかしながらも深く掘り下げられないまま、その構図が示されるだけにとどまるのは、そこから先のことは観客が好きなように想像する作りになっているからである。そして、こうした関係性の情趣を味わうためには、キャラクター的な前提が必要となる。 したがって、キャラクター的な前提を持たない初見の観客がこのミュージカルを楽しむためには、舞台上で行われたこと1つに対して10くらい受け取らんとするような前のめりな姿勢が必要であり、椅子に深く腰掛けて物語に身を任せ、目の前で起こるスペクタクルを待っているような観客には、そもそも向かない作りになっているのだ。 逆に言えば、複数回観劇するような観客は、前提のある状態でそれぞれのキャラクターや関係性にフォーカスすることができるので、楽しみやすい。歌にもセリフにも表れない芝居の機微を繰り返し見て、ここで彼女がこんな表情をしているのはこういうことなんじゃないかしら、と想像を膨らませていくというわけである。 また、このような構造をもつ演劇を好む観客にとってはむしろサービスと言える。筋書きと関係性のエッセンスだけを散りばめますので、あとはいかようにでも美味しく召し上がってくださいという、サービスなのである。
そして、今思うとこのことは『イザボー』のキービジュアルが発表された段階ですでに示されていた方向性であるように感じる。
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それぞれの目線がイザボーとの関係性をほのめかしている。まさにこのミュージカルの構造を象徴したキービジュアルであると言える。私はもともと関係性のオタクなので、こういう仕掛けにはめっぽう弱く、このキービジュアルを見て衝動的に2枚目のチケットを購入した。
関係性のオタクとして『イザボー』を見に行っていたとしたらあるいは初見でも十分に楽しめたかもしれない。しかし私はミュージカルのオタクでもあって、ミュージカル『イザボー』と言うからには、いわゆるミュージカル、すなわち、グランドミュージカルと呼ばれるものや、ブロードウェイオリジナルの日本版ミュージカルのような、私が普段観劇しているミュージカルに類するものが出てくることを期待して座席に着いてしまったのである。 しかし、この作品が「日本発のオリジナルミュージカル」であることを考えれば、こういうのも「アリ」なのかもしれない。 個人的には、本作のような細かい部分を見せて観客に想像させる演劇は、もっと規模が小さくて演者の顔や芝居がよく見える会場でやるべきなのではないかと思う。ブリリアホールのような大きな会場では、初見で細かい部分まで見切ることは難しい。 私が一つの楽しみ方を自分なりに咀嚼できたのは2回観劇できたからで、1回しか見られなかったとしたら、実に釈然としないまま終わっていただろう。しかし、チケットは安くないのであるから、1回しか見られなかったとしてもなんかすごいもの見た!となるように作って欲しいと思ってしまうのは、貧乏な観客のわがままだろうか。一度きりの観劇であっても観客を感動させんがために、わかりやすい音楽の素晴らしさが必要なのではないだろうか。 いわゆるミュージカルとしての説得力にはやや欠けるものの、それでも質の高いスペクタクル感が担保されているのは、キャストやスタッフの素晴らしい仕事のために他ならない。
イザボーとは何だったのか
『イザボー』というミュージカルの性質について自分なりに咀嚼したとしても納得しきれないのは、イザボーという女性が結局どんな人で、何をしたかったのかということである。1度目の観劇でわからないのは当然としても、2度目も見ている間ずっと、この人はなんでこんなことするんだろう?なんでこんなこと言うんだろう?今までの言動と矛盾してない?みたいなことを繰り返し考え続けていた。
ひとつ思うのは、作・演出の末満さんはイザボーのそういう「わからなさ」に魅力を感じていて、それを何か形にしようとしてこの劇を作ったのではないかということ。 打ちのめされて泣いたり蹲ったり怒ったりする度に、結局立ち上がって悪役面で笑うイザボーを劇中で何度も見た。矛盾を孕んだイザボーの行動原理を考え続けることで、一筋縄ではいかない悪女の趣を味わおう!という趣旨なのかもしれない。
規模の小さい会場でやるべき内容を含んでいると先に述べたが、思うに、小劇場的演劇の本質的価値は、「生身の人間が目の前で」演じているということである。生身の人間であるということが、役の存在についての説得力に直結し、その多くを占めているからである。 その文脈で考えると、観客としてどんなに理解し難かろうと、イザボーという人は生身の人間としてそこに存在し、確かにそのように生きている。彼女の生の様相というのは、彼女以外にはわかり得ないもの、あるいは彼女自身にすらわからないのかもしれず、とすれば、実際にその生を生きて、生き抜いた人間に対して、ただ見ているだけの観客が安易にわかりませんなどと言うべきではないのかもしれない。故に、「御託はいいわ、これが私の人生」、「文句があるなら受けて立ちましょう」と、イザボーは観客に言い放つのだろう。
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itocaci · 1 year
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アクセサリー感覚で 〜 Fumiku "asymmetrical ruffle tops"
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こんばんは。
いつからだろう。
それこそお店をオープンした頃くらいからになるが、一生に一度でいいから見てみたい風景というものがある。
それが、菊の栽培に関わる風景なのだが、「電照菊」と呼ばれる風景だ。
愛知県、渥美半島の秋の風景の一つにもなるらしい。
促成栽培という言葉を聞いたことがあると思うが、言わばその逆の栽培方法になる。
菊は日照時間が短くなると開花する。
なので、本来であれば秋に花を咲かせる。
しかし、ハウス内に明かりを灯し、日照時間を長くすることで、菊の開花時期を遅らせるのだ。
そういった栽培を「電照菊」と呼び、そのおかげで年始や春のお彼岸にも菊を愛でることができるのだ。
イルミネーションでは無いけど、暗闇の中。あちらこちらに点在し、光を放つ菊の栽培。
秋の夜長を彩る、風景だと思うと、一度は見てみたいものだ。
さて、今日はそんな菊の花にまつわる、秋の風景のお話をさせてもらったのだけど、本格的な秋も始まり、装いにちょっと華を添えるようなアイテムを紹介させてもらおうと思う。
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Fumiku : asymmetrical ruffle tops (NAVY) ¥28,600 (tax in) sold out
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Fumiku : asymmetrical ruffle tops (BROWN) ¥28,600 (tax in)
花柄が印象的な"Fumiku"のトップス。
パッと見ただけでは、なんなのか分からない。
でも、装いに取り入れるとこれがとても素敵なのだ。
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装いに華を添える。
個人的には、服というよりは、装いを彩るアクセサリーのような感覚で楽しんで頂きたい1着だ。
今の時期だとブラウスや、写真のように薄手のニットに合わせて。
もう少し季節が進み、気温も下がって来ればジャケットやコートの上に合わせてみても良い。
ちなみにこのトップスのユニークな点は複数の着こなしパターンがあることだ。
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まずは当店が今回、採用しているように、斜めに襷掛けのように着用するパターン。
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そして、もう一つがこんな感じで、襟にボリュームを持ってくるようなパターン。
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肩周りまでボリュームがあり、非常に印象的なスタイリングか楽しめる。
正直、オーダーをする時は悩んだ。
自由度が高いけど、ど���着用すれば良いかと悩むアイテム。
かなり好き嫌いがはっきりと分かれるアイテムにもなる。
もしかすると、当店のお客さまにはハマらないかもしれない。
そんな不安もあったからだ。
でもオーダー締め切りの直前。
こういった遊びに満ちたアイテムをオーダーして、お客さまに楽しんでもらってこその"itocaci"だろ。
そんな思いもあって、オーダーをさせて頂いた。
到着して、早速壁にぶち当たる。
どうやって着用したかが思い出せない。
ブランドのルックを何度も見返し、自分で色々と試してみる。
最初は苦戦もしたけど、慣れてしまえば問題はない。
改めてスタイリングに取り入れてみると、これが本当に素敵なのだ。
服というよりはアクセサリーに近い感覚で楽しめてしまう。
その日の装いをいつもよりちょっとドラマチックに。
そんなアイテムになる。
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そして、僕はお客さまに謝らなければならない。
まさか、店頭でこんなにも注目されるアイテムになるとは思ってもいなかった。
今季の"Fumiku"で最も試着されているのがこのアイテムなのだ。
なんだか正直この反応を見てちょっとホッとした。
やっぱり僕が素敵だと思ったり、かわいいと思ったアイテムにはきちんと反応をしてくれる。
店頭であーでもない、こーでもないと試行錯誤して試着して、楽しんでる光景をみると、とても嬉しい気持ちになる。
「服楽しんでるなぁ」としみじみと思ってしまう。
どう使うのか悩むアイテムというのは、正直避けられることもあるのだけど、逆にそういったアイテムほど自由度の高さゆえか、色んなアイテムと合わせていただけることが多い。
ちなみに先日"Fumiku"の展示会にお邪魔して、デザイナーさんとお話をしてきた。
反応が良いことを伝えると、実は"Fumiku"の展示会でも人気があったというお話を聞けた。
そのせいで、もう生地の在庫も無く、再生産はほぼ不可能ということだ。
焦らせるのは好きでは無いけど、もし気になっている方はお早めに。
僕の服を買うときのモットーは、買わぬ後悔より買って後悔。笑
そして、悩んでいるアイテムほど、買って後悔することなどないのだ。
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季節は秋を迎えている。
街を歩けば、いちょうの木下には銀杏が落ち、色づく準備に入った。
「山装う」なんて言葉もあるように、これから街や山の木々が美しく着飾る季節だ。
そんな秋の風景に負けぬよう、私たちも装いに華やかな雰囲気であったり、彩りを加えるようなスタイリングを楽しんでみてはいかがだろうか。
なお申し訳ないのだが、現在オンラインショップに掲載中の"Navy"カラーは既に完売してしまっている。
店頭には"Brown"カラーの在庫があるので、お手数ですが、気になる方はメールやSNSを通じてご連絡をいただければ対応もさせていただく。
さて、ふと思った。
冒頭に「電照菊」��お話をさせてもらったのだけど、「電照菊」は秋に開花するはずの���の開花時期を遅らせるためのものだ。
でも、そんな「電照菊」は、秋の夜を華やかにする風景でもある。
街や山の木々、そして「電照菊」のように。
秋を彩る風景に負けぬよう、このトップスを装いに取り入れて、いつもよりちょっと華やかな装いを楽しんでもらうと嬉しく思う。
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それでは次回もお楽しみに。
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simacks · 1 year
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2023.09.03The Cheserasera 夏の再生 東名阪ワンマンツアー(大阪・セカンドライン)
東京より関西の方が暑い時期が長い、絶対に。開場待ちでドロドロになりそうだった。 相変わらずコンクリートの床がひんやりしているセカラン。ここに来るのも2年ぶりくらいなのかな?前回来たときは床にソーシャルディスタンスが貼ってあったね。開演までの時間、話し声がうるさいなって思う。お喋りしてても良くなった。あのころとは違う、時の流れ。 ケ・セラ・セラのSEたっぷり使って、3人が配置につく。 変わらずグッドモーニングから「おはようございます!」と宍戸さん。なんかよくわからないけどスイッチが入って(多分昨日緊張してたから)よーし!はっちゃけてやろう!とBLUEにそなえて前掛けにしてるバッグを床に捨てる。BLUEすごく跳んだ、おかげですごく疲れたけど今日はここに全力を尽くす!と決めた。早すぎではある。
最初のMC、「待っててくれてありがとう!TheCheseraseraです!」 「みんな、歳とったよね。これからも一緒に歳とってこうね。 友達とかじゃないけど、家族みたいな、程よい距離というか、そういう風に想ってます。」…たまに宍戸さんって私が想ってることと同じこと言う時あるな(笑) 「状態が良いのよ。もう好きにしようって思ってやってて、本当にかっこいい曲できてるなって思う。売れるためとかじゃなく、勝手に売れてく。売れる気ないとかじゃないんだけどさ、俺たちそういうの下手くそだから、TikTokとかはじめたりしてるけどSNS苦手だし、みんなにかかってる!笑 頼むよ!友達つれてきて!」 自分たちでは無理だ!みたいな話してる時、西田さん笑いながら眉間に皺寄せて、え?っていう顔して宍戸さん見てた。 「信頼と信用のThe Cheseraseraです!なんか大切なMC…もうしちゃったな(笑)」 「あとさ、俺今回のツアーで男子すごい増えたの、すごい嬉しい。あ、もちろん女の子もね、嬉しいよ、みんなかわいいしね…笑 (ざっと見渡して)半分くらい顔わかる。いつも来てくれてありがとね。」 新曲持ってきました!かっこいいやつやります!とGUS TOKYO。この曲のベース、初見から大好物のやつだと思ってたけどやっぱりずっと美味しかった。ボーカルは結構高音。歌いあげていく、というか叫びに近い。続いてもう一曲、「踊れるMUSICという曲です」と初出しの曲を。そして、Youth。このブロックは盛り上がる感じかな、なんて思いながら満喫してたら、宍戸さんが「いろんな夜を越えてきたよね」みたいな(たくさんの夜だったか、超えられない夜だったか忘れた)と言ってたところで、もしかして…と宍戸くんを見たらカポつけてたので、「え、もしかして?」と核心に変わり、グッドラック。なんだか、ずっと聴きたかった。活休してる期間、一度もTheCheseraseraを聞かなかった。8月20日の下北沢のライブで久々に楽曲を聴き、ここにいることが自然なことなんだなと感じて、それから久しぶりに自分から「The Cheserasera聴こう」と、最初に流したのはグッドラックだった。聴いていないとき、お休みの期間も、この曲は頭の中からずっと消えなかった。本当に、光のつぶみたいな曲で、ドラマチックな展開の中に混ざる闇がにんげんを表していると私は思う。それはズルくないかな、と。さっきまでYouthですっごいはしゃいでたのに急に涙が止まらなくなってしまった。
2回目のMC、結局にしやんはタオル持ってきてないんじゃんと思った(笑) 宍戸さん「また新曲やります」と。「バンドをやめた友達に…こういう曲作っちゃう、俺優しいからさ笑 いや、ほんと…聴いてください」君がギターを弾かないなんて。『きっと樋口くんのことを歌ってる曲なんだよな』と、滋賀の樋口君の実家で夏休みっぽい事してる二人を想像しながら聞いてた(見たことないけど)。さすがに4回も聴けばもう覚えたよ。ちょっと古い、レトロな楽曲。馴染みやすいというか、『The Cheserasera』から出てきたもの。…細胞レベルまで染み渡るのが速いね(笑)それってきっと、言い換えると好きってことだ。 ひとりごと、幻とじっくり聴かせて、幻のアウトロ…から、なんかベースの様子がおかしい、あやしい…なんかやる!あやしい!て見てたらラストシーンだった〜ひええ!大阪でやりすぎじゃない?!(言いがかり)好きすぎて天を仰いだよ…聴けたら良いなって淡い期待はあったけど、思いがけず聴けたりするとやっぱり嬉しい。今この世界で一番喜んでるのは私だ!と陶酔する(笑)すき~~~~!!
もしかして、多分、讃美歌はそんなに好きじゃないのかもしれない。海街生まれの子が食べ過ぎてお刺身嫌いになる現象かな。Spotifyだと一番聴かれてるし、好きな人が多い所謂メジャーな曲。みんな好きだけど、私はそんなにぶちあがるほど好きじゃないのかも、と。でも、そういう曲もあって良いはずだし、言わないだけできっとみんなあるし、それが想像を超えてきた時って、めちゃくちゃ良いライブだったりする。 東京タワーのベース好きだし、弾いてるところを見てるのほんとすき。大サビの後のベースのペキペキした音と動きとかほんとすき。私は…それしか言う事ないのか…なんてつまらないやつなんだろう…
にしやんがすっごく楽しそうなんだよね。ツアーファイナルだからなのか、単純に大阪が好きだからなのか、セカランで見るにしやんっていつもほんと楽しそう。テンションが高いんだよね。 2回目のMCの時、「にしやんツアー最終日だけどどう?」って振られて「…真面目な話、用意してなくてふざけた話しかない」と。 宍「じゃあ、それどうぞ。ツアーの感想は楽屋で聞くわ」西「ふざけた話していいってこと?」 宍「その引き出ししかないんでしょ?笑」西「あるよ!(大きい声)でも言わない」宍「え?(笑)」西「え?(笑)」美代さんにパスしようとしたり、ボールを行ったり来たりさせて、ついに 「あの、みなさんは神様のいたずら(気まぐれ?)とかって信じますか?」宍(声殺してる)美(見ないふりして俯いて汗拭いてる) あのね、東京も名古屋もシャングリラだったけど、ここ大阪はセカランで…」多分、ファイナルはずっとお世話になってるセカランに来れて嬉しいし滾ってるんだっていう話だったんだと思うんだけど、切り口が怖すぎてほとんど入ってこなかった(笑)最後手合わせてしもたわ。 美代さんは「いや、やっぱにしやん心臓強いな(笑)」心臓強い 宍「いや、黙って聞いてた(笑)」 美「や~~~ね、新曲、、どうでした?全部やりましたよね」宍「うん」美「なんかね、やっぱり、自分たちでは聴いてたけどライブで初めて聴いてもらうから、どうかなって…どうでした?また感想教えてください」と、まじめだな~(笑)いつかのMCでも作り始めてRECして、新曲も長い期間、自分たちの手元にある状態だから、みんなに届けるのがかなり先で…みたいな話してましたよね。 宍戸さんが「やっぱりライブでやってみると、ほんと良いよね!」 確か、アンコールの時だったと思うけど、美代さん、「さっき宍戸くんがいつも来てくれてる人ありがとうって言ってたけど、初めて来てくれた人もほんとありがとうございます。僕たちはいつも待ってます!」て言ってて、その扉はいつだって開かれてる、待っててくれてるんだね。
最後のブロック、IHLSの時「ドラマだったよ」を「ドドドドドド」って歌ってて、そんな宍戸さんをすごい目で西田さんが見てた。 アンコールで呼び込んで、グッズ紹介。西田さん黒いTシャツを見せるためにベース持ったけど後ろにぐるんってして見せてくれる。 宍「新しいTシャツです!俺、L。美代くんXL。これは前回のロゴTの生地より厚手でしっかりしてます。前のやつ、かなりクタクタのやつを着てる人が散見されましたので作りました(先生口調)。なんかね、黒ばっか売れてるんだって(笑)」美「え、そうなんですか?えー、僕白好きですけどね」宍「派閥みたいな(笑)美代くんは白派」そして、「またグッズ何が欲しい?」と問いかけつつ、名古屋でネクタイとか出てたという話をして「アンコールありがとう」夏の終わりにぴったりなEscape Summer。 そして「旅立ちの歌です」とDrapeで、最高潮のままバーっとステージを後にする。 2回目のアンコールで「ありがとうございま~す!!」と元気よく西田さんが出てくる。やっぱりご機嫌じゃん。でもそのあとやっぱりワールド全開で、ありがとうございま〜す!と言った後に指で「シーッ」として「逆にね」と。まだ2人が出てこないのでまた「シーッ」と。そしたら不思議に思った宍戸さんがひょっこり顔を出して「なんか元気良く出てったからしばらく様子見てたんだけどなんか静かじゃない?(笑)」西「うん。逆にね」逆とは 宍「いやもうほんと疲れたわ(笑)足ガクガク。じゃっとやって帰ります!ありがとうございました!SHORT HOPE!」 東名阪だけの短いツアーだったけど、どうやら年内にしっかりワンマンツアーのおかわりはあるようで、関西にもまだ行くとのこと。 下北沢で年内にツアーって言ってるの聞いたときに疑ってごめんなさい…(笑) 3本のワンマンを通じて、ファイナルの大阪がとても楽しかった。 楽しかったな、と手放しで思えてることは紛れもない真実で、それ以上でも以下でもない。帰りの新幹線は疲れてるのに眠れないし、映画かドラマ見るために持ってきたiPadもただの鉄の塊だし、音楽も聴かず、ただただ反芻してた。とても楽しい時間だった。 どこかのMCで「今日はちょっとだけ飲んで(西田さんがジロッて見る)ちょっとだけな(西「それはこっちが言うやつな」)で、帰って、明後日WOMCADOLEとの大切なライブあるからな」と言ってたな。 休むのって本当に大事。ライフワークだと言ってたけど、やるのは人だから全部音に出ちゃう。みんなしあわせであってほしい。もちろん良いことばっかりじゃないけど、できる限りで。 改めて、こんなに大事で大切に想えるものをくれてありがとう。 君たちがギターをおいても、歌わなくなっても、ドラムから離れても、ベースを弾いてても弾いてなくても、「愛してるよ」と、ただそれだけが真実だった。よかった。
最後に女の子が大きな声で「あいしてるよー!!」と叫んでいるのがうらやましかった。私も同じきもち。伝えられたらよかったな。 Love you -----------------------------
2023.09.03 大阪セカラン The Cheserasera 特に後半うろ覚えのセトリ
good morning 月と太陽の日々 BLUE 最後の恋
(new) GUS TOKYO (new)踊れるMUSIC Youth グッドラック
(new)君がギターを弾かないなんて ひとりごと 幻 ラストシーン
讃美歌 東京タワー ファンファーレ IHLS
en. Escape Summer Drape
en.2 SHORT HOPE
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picolin · 1 year
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Scrapper
dir. and written by Charlotte Regan
2023年9月2日 Curzon Soho
シャーロット・リーガンの長編デビュー作。2023年サンダンス映画祭のワールド・シネマ・ドラマチック部門で審査員大賞を受賞。唯一の家族だった母親を病気で亡くした12歳のジョージー(ローラ・キャンベル)は、親友のアリ(Alin Uzun)と自転車を盗んで売り収入とし、一見気丈に生き抜いていた。同世代の子供たちには変わり者扱いされ爪弾きにされている。そんな時、父親だと名乗る若い男ジェイソン(『逆転のトライアングル』『ウエスト・エンド殺人事件』のハリス・ディッキンソン)が現れるが...。
若い男性とローティーンの娘の関係、という、ちょっと『aftersun』を思わせる設定だが、こちらはもっとオフビートでカラフル。彼女を取り巻く「モブ」的キャラクターの証言を切り取られたインタビューで見せる手法はウェス・アンダーソン(三つ子が出てくるとちょっとそれっぽくなるのだが)というよりは一般的なドキュメンタリーのパロディにも似て見える。ロンドンの東、ダゲナムの妙にポップなパステル調に塗られたカウンシルハウス、広い芝生、やや寂れて見える駅のプラットホームの色彩や明るさと、夕暮れや夜の寂しげだがマジカルな光の両方を捉えたモリー・マニング・ウォーカー(監督作『How to Have Sex』が第76回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門を受賞している)のカメラもみずみずしい。ジョージーが母親の生前も変わり者だったのかは判明しないが、彼女の独立心が強く頑固で、他人からどう見られようとも何事も自分が納得しないといけない性格が全編を貫く太い背骨になっており、これが大変素晴らしい。演じるキャンベルはこれがデビュー作だが、自然なだけではなく他のキャラクターとのやりとりが有機的で鼻につくところがない。自転車を盗んだり、自治体の社会福祉課からの電話に知り合いに依頼した捏造音声で対応したりという悪ガキぶりが目に付くが、どことなく児童向け文学の趣を感じさせる雰囲気に満ちており、ジョージーの部屋のとある秘密や、彼女が他人の目につかない場所でひっそりと喪に服する姿の繊細さも相まって、なんともいえない懐かしさを覚える。90分足らずという時間もとてもよい。
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siteymnk · 2 years
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「檸檬」梶井基次郎/著を読了。 梶井基次郎のデビュー作「檸檬」を含む短編集。三高時代の梶井が京都に下宿していた時の鬱屈した心理を背景に、一個のレモンと出会ったときの感動や、それを洋書店の書棚の前に置き、鮮やかなレモンの爆弾を仕掛けたつもりで逃走するという空想が描かれている。
「えたいの知れない不吉な塊」が「私」の心を始終圧えつけていた。
「私」はレモンを一つ買った。始終「私」の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛ゆるみ、「私」は街の上で非常に幸福であった。
次から次へと画集を見ても憂鬱な気持は晴れず、積み上げた画集をぼんやり眺めた。「私」はレモンを思い出し、そこに置いてみた。「私」にまた先ほどの軽やかな昂奮が戻ってきた。
「私」はそれをそのままにして、なに喰くわぬ顔をして外へ出ていくアイデアを思いついた。レモンを爆弾に見立てた「私」は、すたすたと店から出て、木っ端微塵に大爆発する丸善を愉快に想像しながら、京極(新京極通)を下っていった。
終始こんな感じで、感度が良すぎて逆に調子が悪くなっちゃってる音響機器のような、ちょっとした狂気さえ感じさせるようなセンシティブな文章表現が連なっていく。それを裏打ちするのは、作者の頭の中の妄想、想像、それに付随させる物語性である。表象は本当にどうってことない日常の風景やその中の生活シーンなのだが、描写の詩的センスとその解釈のドラマチック性で読んでいるものを強く引き込んでいく。 その感度ビンビンの文章が延々と続くので読む体力が求めらるような感覚にさえ陥る。自身の中に潜む光と闇、不穏な予感、日常に価値を見出す観察眼。どこか見た目と色が連動する共感覚に近いようなものも感じる。そう意味での表現の濃さが、読む側を少し憂鬱にしたりもするのだが、その点も含めて特別な作品であった。
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makkii3497 · 5 years
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梅小路の扇形庫に夕日が差し込む瞬間とてもドラマチックな写真が撮れるので、お気に入りの時間です。ポニーのデフレクターが夕陽で輝いてくれました。 2019年4月1日 撮影 #C56 #C56160 #C56形160号機 #ポニー #1C #モーガル #梅小路 #梅小路運転区 #梅小路機関区 #梅小路扇形庫 #梅小路蒸気機関車館 #京都鉄道博物館 #JR西日本 #kyotorailwaymuseum #Kyoto #kyotoJapan #逆光 #逆光が大好物 #逆光はドラマチック #鉄道写真が好きな人と繋がりたい #鉄道写真 #蒸気機関車が好きな人と繋がりたい #蒸気機関車写真 #蒸気機関車 #ファインダー越しの私の世界 #ファインダーは私のキャンパス (Kyoto Railway Museum) https://www.instagram.com/p/ByFuZIynyyV/?igshid=1lsq93fpbl8wu
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5280okino · 5 years
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#福岡ペットショップ #福岡出張撮影 #福岡犬民 #犬 #犬のいる暮らし #わんこ #撮影 #ダックス #いぬすたぐらむ #753撮影 #七五三 #ニューボーンフォト #お宮参り #愛犬 #猫 《撮影のコツ》 撮影する時には光の当たり方をまず確認 カメラを覗いて、画角の確認 飛んでるような写真を撮りたい時にはシャッタースピードを上げたいから順光で、ドラマチックに撮りたい時は半逆光で✨✨✨✨ https://www.instagram.com/p/B9aa6QbJ5Mb/?igshid=nfffvyx435q2
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hatomari-nikki · 5 years
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個展が終わって、
はやくも2週間と1日が経ちました。
すぐにお礼の言葉を書こうと思ったのに
最終日の夜はまったくまとまらず。
少し気持ちが落ち着いたらにしよう!
と思ったのですが
あまりにも会期中の毎日が
それまでの日々と180度真逆なくらい
めまぐるして
発光しそうなほどドラマチックで.
そしたら、終わってからの毎日も
落ち着いてるんだか落ち込んでるんだか
嬉しいんだか悲しいんだか
幸せなんだか怖いんだか
完全にバグったみたいになってて。
早く書かなきゃと思えば思うほど
遠ざけたくなるような、、
いつものわたしといえばそうなんですけど…笑
書く行為に移行させるのに
時間がかかってしまいました。すみません..
会期中は、本当にたくさんの方々に
足を運んでいただき
また 作品たちを手に取っていただけて
感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました🍀
自分の手もとにあるあいだは
未完成だった絵たちが、
いろんな視点で見ていただけて
いろんなイメージで世界観を広げてもらえて
ようやくひとつひとつの作品に
完成したように思います。
わたしの絵にタイトルはありません。
絵を描くとき テーマ?もほぼありません。
それがずっとどこか
引け目のように感じていたけど
これでいいのかなって
今回の経験で 前より思えるようになれました。
そして、周りの人の存在の大きさを
改めて痛感させていただきました。
ノロノロでも 立ち止まっても
絵を描くことを辞めちゃいけないんだと
背筋が伸びるような気持ちにもなりました。
でも、あくまでも自分らしく
自分の歩幅で歩いていける人になりたいです。
これからもどうぞのんびりと
見守っていただけたら幸いです。
本当にありがとうございました🕊
最後に、museeのオーナー益田さんの
ひと声が無かったら
この経験はありませんでした。
もう一度museeさんで個展をやりたいという
わたしの夢を叶えてくださって
ありがとうございました!
--------------------------------------✂︎
写真はまったく関係ないけれど、
museeさんの近くにはえてた木🌳
幹は苔むして ほかの植物まで!
配色絶妙 線も完璧!
なんでこんな模様まで出るんだーーー
わたしにはなかなかの光景に見えるけど、
別に狙ったわけでもなんでもなく
ただ黙々と それぞれが生きてる。
これだから自然の世界はすごい!
何もかもが完璧です。
これに近づきたくて
色や線をかいていますが
やっぱりこりゃかないません。
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midoring777 · 6 years
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イイ男、竹本健一のライブの思い出
『竹本健一ライブに行ってきました2018秋』
竹本くんを知ったのは、ゴスペラーズの苗場。真夜中に開かれるバリ小屋のライブで。たぶん午前0時前後に聴いた「バニー」があまりにもセクシーだったから気になったと思う。
最初のライブは友達の誘いで。京都でライブあるから行かない?と声をかけてもらった。二回目は私から。ライブ会場はちょっと不思議な場所。雑居ビルなんだけど、ビルのご利用案内には何も書いてない。おそるおそるエレベーターに乗りドアを開けると、会場はお洒落なバーだった。
広い空間には、何やらおもわせぶりなランプがほんのり光り、ドライフラワーが品よく生けられている。カウンターでひそひそと妙齢の女たちが話しながら彼の出番を待っていた。
コの字形カウンターと、テーブルを合わせても40席に満たないゆったりとした空間。窓からは夕暮れの京都が静かに夜へと衣替えする姿が見える。ワインを頼むとまったりと重い、好みの味わいで、ライブに対する期待も高まる。
開演時間になると、薄いパーティションの奥から、スリーピースに身を包んだ竹本さんが登場した。
にこやかで、しかも雰囲気が素敵にゆるい。ピアニストのルースくんを呼び込み、常連とおぼしき女性と二言三言かわすと、ゆったりと歌い出す。
ライブで感じたのは、優さんが「二枚目」と表現した「イイ男感」。切ない歌声やご本人の見かけだけじゃない、彼の周りに漂う世界観がなんとも言えず〝イイ男〟だった。
小さな声でしか言えないが、本人の努力でなんともならんな…。という歌手の魅力の一つとして、「女にモテてきた雰囲気」と言うスキルというかギフトがあると思っている。
スクープ・オン・サムバディの武田雅治が浮かんだら、大正解。あの人はヒドイ(最高に良い意味で)
本当にそうだったかどうか?は、関係無いかもしれない。分からないから。だけど、大人の男性がラブソングを歌うときの、匂いたつようなうっとりとした雰囲気。おそらく醸し出す為に使われる、香の原木に「女性に好かれ続けてきた」という経験がある気がする。
竹本さんの歌は焦がれる曲が多いけど、なかなか深読みするとキワどい歌詞もある。片思いも失恋も、ベッドサイドのむつごとにも潜む説得力。きっと愛情深い人生だっただろうなと、思わせてくれる。
ライブはとても親密な空気があった。手で触れらるような距離で、熱っぽく歌う歌手を美味しいワインを飲みながら眺める40人。秘密倶楽部のような、怠惰でとてもイケナイことをしているようなライブは本当に非日常感があって、音の中に閉じ込められるような体験だったと今は思う。
ライブはおそらく三時間ほどあったと思う。新曲やソロになる前の曲も披露された。中でも、観客のウォークマンを借りて、古い自分の曲をみんなで聴くコーナーは和んだし、スイーツとお酒のマリアージュを紹介するコーナーは寛いだ空気が心地よかった。
そして、一番心に刺さって仕方なかった曲が『LAZY RAIN』。ゴスペラーズの歌のセルフカバーなんだけど、ピアノの弾き語りで歌ってくれた。この曲だけはルースくんの伴奏ではなく、私たちには背を向けて。ピアノに向かう背中が本当に素敵だった。
そしてゴスの熱い雰囲気とは180度逆の静かで、泣きながら歌うような、切なさを際立てた歌。
最高だった。
今でも耳の奥に残っている、哀しみに暮れる歌声とピアノの音色を、おそらく私は忘れることは無い。イイ男の哀切はなんとドラマチックに響いたことだろう。
あと、忘れられないのが新曲の『あなたに届きますように』。この歌声で届かない気持ちは無いわ!と半ば切れながら聴いていた。
せっかくだから聴いてほしい。
特別な夜はまだ続いた。たった40人のために開かれたライブの後は、竹本さんが隣のテーブルで飲みながら苔テラリウムについて語っている。話に混ざったり、ぼんやり楽しそうに話す竹本さんを見てるうちに夜は更け行き、目尻の笑い皺も素敵ね…。と眺めながらハイボール。
ニコニコ微笑む歌手を借景に窓の外を見ると、古都の上品な夜景。手にはまた赤ワイン。
ぼんやりうっとりおぼつかない足元。竹本さんからのお見送りにお礼を行って、なんだか感動して会場からよろよろ友達と手を取り合い出てきた。
今でも夢やったかなと思うが、満面の笑みで一緒に写ってる写真を見ると、夢じゃ無いからまた行こう!と決意を新たにする。
イイ男、やったなぁ…。
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photohomekitai · 2 years
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・ スポットライトの数と位置を把握して入場シーンをドラマチックに捉える📸 ・ 1枚目→披露宴入場 2枚目→お色直し入場 この会場スポットライトは入場する新郎新婦を挟み込むような配置になっていました💡 なのでカメラのフラッシュ光はあまり使わずに会場のライトのみでドラマチックに撮ることにしました。 特に逆側のスポットライトを新郎新婦の背景にチラッと入れるとよりドラマチックになりおススメです😃 ・ ----- photo home kitai の撮影📸 🔹カット数制限なし、全データお渡し。 🔹日本全国撮影に伺います✈️ ・ ----- #ウェディングフォトグラファー #結婚式カメラマン #2022冬婚 #2023春婚 #2023夏婚 #2022秋婚 #プレ花嫁さんと繋がりたい #花嫁準備 #関東プレ花嫁 #令和婚 #結婚式準備 #ナチュラルウェディング #photohomekitai #持ち込みカメラマン #プレ花嫁2022 #家族婚 #少人数結婚式 #少人数ウェディング #ロケーションフォトウェディング #前撮りレポ #レストランウェディング #ホテルウェディング東京 #外注カメラマン #ブライダルカメラマン #花嫁さんと繋がりたい #ホテルニューオータニ #ホテルニューオータニ東京 #ニューオータニ東京 #ニューオータニ花嫁 #ニューオータニウェディング ・ 🏢 @hotelnewotanitokyo @newotaniwedding_official 📸 @photohomekitai (ホテルニューオータニ Hotel New Otani Tokyo) https://www.instagram.com/p/Ci7XXZtP1CB/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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lubitelecaster2 · 6 years
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2018年ベストアルバム10枚
1.初恋/宇多田ヒカル
  一枚目はあまり悩むことなく決まりました。単純に一番リピートした一枚だと思います。思えば昨年の終わりくらいに「あなた」(T-2)が先行PVで出たときでした[1]。まだ仕事してる時に車の中で憑かれたように聴いていたので、まるまる一年分お世話になったアルバムと言ってもいいかもしれません。宇多田ヒカルはいつになっても普遍的な愛について歌っていて、かつ本質的なところを言葉にしているように感じます。母親になってさらにその普遍性を増したな、と感じたのがまさに「あなた」を聴いたときでした。最初は明らかに我が子のために書いた曲だろうと思って聴いていましたが、何度か聴くうちに“あなた”という二人称には、だれにとってもある大切な人のことを当てはめることができるのだ、ということに改めて気づきました。
 正直“あなた”という言葉には今まで、どこかよそよそしい印象を持つ代名詞、というイメージがありました。でもこの代名詞には、私との距離がどうであろうと相手への敬意が含み込まれています。“あなた”は「貴方」とも「彼方」とも書くことができる。私からの絶対的な距離や、分かり合えなさを受け入れたうえで、それでも敬意を忘れずに他者へ近づこうとする意思が、この言葉には含まれているように感じます。
 ほとんど「あなた」の感想になってしまいましたが、一方で「Too Proud」(T-6)のような曲があることも忘れてはならないところです。自分のこととしてめちゃめちゃ刺さります。ところでこの二曲からでもわかるのですが、ヒップホップ的なリズムが現在の���多田の関心としてあるのだな、ということを強く感じたアルバムでもあります(ライヴ版「Too Proud」ではラップしてたし)。前作の『Fantôme』から生音のリズムが増えたような印象はありましたが、今作ではグルーヴにスウィング要素が強い曲がたくさんあります。たぶん参加ミュージシャンにドラマーのクリス・デイヴが降臨していることがかなり大きいと思います。一聴するとシンプルに聴こえるリズムをあれほど複雑に、豊かに、でも軽やかに叩けるドラマーは他にいないでしょう。ぜひ「大空で抱きしめて」をよく聴いてみてください。地味超絶ポリリズムです。
  2.コラージカリー・スピーキング/R+R=NOW
  ロバート・グラスパーとその仲間たちによる、エリート集団遊戯アルバム第一弾です。自分がドラムやるのでドラマーの話ばっかりになってしまいますが、このアルバムに参加しているジャスティン・タイソンは一年半くらい前からRobert Glasper Experimentのメンバーになったドラマーでもあります。今までになかったパワー系かと思いきや、六連の手数系テクニカルプレイはマーク・コレンバーグを思い出すし、ゆるゆるしたグルーヴのポリリズムはクリス・デイヴ的でもあります。グラスパーはどこでこんな素晴らしいドラマーたちを見つけてくるんでしょうか。誰でもいいので弟子入りしたいです。
 それから本当に楽器も音色も豊かな一枚なのですが、ミックスのバランスが素晴らしいです。全部の音がダイナミクス込みでしっかり聴こえます。ほとんどインプロ的な曲ばかりですが、それでも飽きないのはエンジニアの腕と情熱のおかげでもあると思います。ライヴに行きたくなる一枚です[2]。
  3.RUN/tofubeats
  元会社の同期が大好きなtofubeatsなのですが、なかなか今まで聴けていませんでした。反省しました。今春、濱口竜介監督の『寝ても覚めても』という映画が公開されましたが、その映画を観に行った時エンドロールで流れてきたのが「RIVER」(T-11)という曲でした[3]。tofubeatsを改めてよく聴こうと思うきっかけになった曲です。ところがこの曲、他の曲やアルバムを聴いてみるとかなり異質な感じでした。展開がドラマチックなのはさることながら、ピアノとブラスの音で生っぽいというか。でもtofubeatsのヴォコーダーの音色、音の処理の面で、エレクトロなかっちりさは残っています。とくに最後の2セクションの歌詞が圧倒的です。ここでブラスが入って曲的にもクライマックスを迎えるわけですが、映画のクライマックスをここまで的確に、しかし簡潔に言い当てるフレーズに鳥肌が立ちます。
 「ふたりの愛は流れる川のようだ/とぎれることないけどつかめない」
「いろんな愛を集めた色のようだ/喜びも悲しみも映してる」
  このアルバムではありませんが、『First Album』に収録されている「おしえて検索 feat.の子(神聖かまってちゃん)」(T-6)が僕は大好きです[4]。うまく言い表せないのですが、tofubeatsの曲には子どものころにアニメを観ていた時の感覚があります。異郷へのノスタルジアのような、妙な感覚です。なんとなく悲しくなりますが、あれはよかったなと安心するような。とにかく教えてくれた友に感謝です。ほんとに縁というのは不思議なものです。
  4.Blood Loss/Puma Blue
  今年の初め頃だったか、「Moon Undah Water」という曲で知ったPuma Blueでしたが、じわじわと身体に来るものがありました[5]。まず声がセクシーです。はじめは男声か女声かも分からず、二人いるのかと思ってGoogle検索したところ、攻めたヘアスタイルのイケメンでした。
 おそらく「Midnight Blue」(T-5)がリードトラックだと思われますが、この曲は他の曲と比べてメロディアスでだいぶロマンチックです[6]。過去作とも近さを感じます。彼のギターサウンド、かなり特徴的で耳に残るんですが、ほぼ常に強めにロータリーとコーラスのエフェクト掛けてるので、ゆったりゆらゆらしています。その音色と彼の声のゆらぎや波が本当によく共鳴しています。めちゃめちゃエロいです。リズムトラックに関しても、シンプルかつバスドラに重きを置くブラックな空気を感じます。これもまたエロさに加担しているのでしょう。
 一方で他の曲たちは今までとは違う趣向も感じられます。パワーのあるリズムの曲、語りの多い曲…彼にとっては実験的な一枚でもあるのかもしれません。テレキャスがいかに偉大な発明であるかを、彼のおかげでまたも思い知らされたように感じます。
  5.Oxnard/Anderson .Paak
  泣く子も黙るカリスマエンターテイナーによる待望の新作です。前作『Malibu』に比べてボーカルのヒップホップ色が強くなった印象です。相変わらずコラボ大好きだなって感じですが、彼は本当に共演するアーティストの良いところを引き出す才能が神がかっていると思います。それでもコラボ相手に曲を乗っ取られたり、逆に彼らをおまけのように扱うこともなく、各曲におけるウェイトのバランスが絶妙です。個人的には「Sweet Chick (feat. BJ the Chicago Kid)」(T-13)がお気に入りで、BJ the Chicago Kidが歌い出すときはもう拍手したくなります[7]。スタンディングです。
 先行配信されていた「Tints (feat. Kendrick Lamar)」(T-3)も期待を裏切らないダンサブルナンバーで本当にほかの共演者も豪華ではあるのですが、ただなんというか全体的にすごくパンチがある一枚ではありませんでした[8]。「Malibu」のショックが大きかったのか、自らの欲深さによるものなのかは分かりません。それはさておき彼のようにKENZOを着こなせるようになりたいです。
  6.アントロポセン/蓮沼執太フィル
  蓮沼執太は、いつも人に説明するときに困る作家です。アンビエントをつくることもあれば、ソロ名義でポップスをつくることもあるし、タブラ奏者のU-zhaanとユニットで活動することもあります。そんな彼のもっとも大規模な、たくさんの人を巻き込むプロジェクトが蓮沼執太フィルです(最近さらに人数が増えたフルフィルの名義も誕生しています)。[9]
 フィル名義でリリースされた音源を聴くとき思うのは、ポップスの定義を拡張していく意識が常にある感じがする、ということです。ラッパーの環ROYが今作でもいくつかの楽曲に参加していますが、環ROY自身も現在の日本のヒップホップシーンではなかなかいわゆる「ラッパー」としての定義がしにくいアーティストだと思います。踊り、手足を動かすことでそこから詞が生まれてくる感じとか、ダンサーの島地保武と一緒にパフォーマンスしたりだとか。身体から言葉が生まれてくることを強く意識しているような。
 蓮沼・環の二人に共通しているのは、音楽とその周りの環境を分離しないというか、環境を延長させて音楽に入り込ませる、ふたつの領域をなじませるという実践がなされているということのように思えます。
 アルバム名の『アントロポセン』=人新世とは、オランダの化学者であるパウル・クルッツェンが提唱した、更新世以降の地質時代の名称です。この地質時代の命名は、現代は人類が滅亡したあともその余波が残り続けるくらい、人類が地質学的なレベルで地球環境に影響を及ぼしている、という主張にもとづいています。それに共鳴するように、現代哲学には思弁的実在論やオブジェクト指向存在論、新しい唯物論など、人以外の「もの」を他者として思考し、主体性を与えてみるという思想の潮流があります。もしかするとこのアルバム名に込められているのも、そうした「もの」を含むあらゆる他者との横断的な交流を、音楽を通じて実践することができるのではないか、という願いなのかもしれません。
  7.Isolation/Kali Uchis
  ワイルドでセクシーな、それでいてどことなく気高いオーラをまとった素敵な歌い手が現れました。Kali Uchisを知ったのはTyler,the Creator&Bootsy Collinsとのコラボ曲「After The Storm」(T-13)[10]、Jorja Smithとのコラボ曲「Tyrant」(T-6)[11]を聴いたときでした。彼女の曲はフレーズもメロディアスで聴きやすいのですが、一方で英語/スペイン語がもつリズム、韻についてもとても意識的な感じがします。その点で、ヒップホップ要素を持つ上記の二人とも相性がよいのかな、と思います。
 と、ここでアルバムを聴きながら気づきましたが、なんと「Gotta Get Up(Interlude)」(T-10)[12]、Puma Blueの「Moon Undah Water」のギターリフへのオマージュ(サンプリングではないっぽい)でできていました(!) 感動で涙が止まりません。ぜひリンクに飛んで喜びを共有しましょう。
  8.Chris Dave and the Drumhedz/Chris Dave and the Drumhedz
  『初恋』と『コラージカリー・スピーキング』のレビューでも出てきました、クリス・デイヴ主導のバンドプロジェクト最新作です。当然ですが前作のミックステープよりも一曲が独立していて、かつよりポップになったので聴きやすくなった印象です。「Dat Feelin’(feat.SiR)」(T-3)はPVも公開されていますが、彼のこれ見よがしなカメラ目線にじわります[13]。過去作より一層、ドラムの音のミックスに執念を感じます。太鼓とシンバルの音の振り分けが極端で、ドラムが主役だぜ感満載です。それに加えてパーカッションのFrank Mokaがバンドに加わっていることで、ますます打楽器の音色が豊かになっています。祭ソウルを感じます。
 クリス・デイヴはタムをセットに組み込むのが苦手だ、ととあるインタビューで語っているのですが、その代わりに胴の深いスネアのスナッピーを下したものをタムの音色の代わりとして使うことが多いです。それであのドライでサステインの短い、独特なタムサウンドが出来ているのだと思います。ちょっとメインスネアの音に飽きたら、スナッピーを上げればサブスネアとしても使えるので一石二鳥ですね。何気にすごい発明だと思います。ほんとうに革新的で愉しいサウンドメイクをする人です。
 ポップさが増した理由として、ボーカルに重きが置かれた曲が多いことも理由のひとつかと思います。前作から引き続き、いくつかの曲でメインボーカルを務めているのがJermaine Holmesというボーカリストです。この人はみんな大好きディアンジェロのバックコーラスを務めてもいます。本プロジェクトで見事メインボーカルに大抜擢です。
 なんというかクリス・デイヴのプロジェクトには、スタジオミュージシャンたちに光を当てようとするような意思の表れを感じます。曲自体がドラマチックだったりロマンチックだったりすることはあまりないのですが、地味で基礎的な技術に裏打ちされたプレイヤーたちの演奏で戯れあう、みたいな雰囲気があります。なので音楽に余裕があって、たのしいです。ぜひライヴに足を運んでいただきたいと思います[14]。
  9.Fallen/Taylor Deupree
  今年は静かなエレクトロニカをたくさんディグった年でした。こういう系統のエレクトロニカはどれも似た感じに聴こえる曲が多いのですが、なかでもTaylor Deupreeは圧倒的に落ち着きます。北欧の雪原に一人たたずんでいる感覚です。ちなみに坂本龍一とアルバム出したり、ライヴしたりもしています。[15]
 おそらく明確なリズムが消されているからでしょうか、それでもゆるやかに優しく音が紡がれていくので心を無にして聴き入ることができます。と同時にBGMにもできるので、作業用としても秀逸な音楽です。彼はゴリゴリのブルックリン生まれニューヨーカーらしいのですが。それゆえに反動として、彼の静かなアンビエントが生まれているのかもしれません。
 アンビエントとは不思議なもので、ピアノやらシンセやらを使って人工的な音を入れ、かつ音響的な操作がこまごまと為されているにもかかわらず、自然に近づいている感じがします。ただ環境音をサンプリングして流すだけよりもその方が安らぎを感じるのは、私たちのなかで無意識のうちに音楽が流れているからかもしれません。スカンディナヴィアの方に移住して、野菜を育てて食べ、たまに感謝して肉を食べる生活がしたくなるときもあります。そんなときに聴きたい一枚です。
  10.SANMAIME/DALLJUB STEP CLUB
  最後の一枚は、滑り込みでリリースされたDALLJUB STEP CLUBの最新作です。とにかくリズムのかっちりしたバンドサウンドで、ドラムのGOTOは機械的なフレーズを人力で叩き切るジョジョ・メイヤーっぽさがあるんですが、そのリズムに合わせられるバンドメンバーも凄まじいと思います。
 一方でタイトルとか詞はめちゃめちゃふざけてて気が抜ける、というギャップに惹かれます。詞がラップであることも重要だと思います。「K.A.A.F.」(T-4)って何だろうと思いきや「肩、穴、空いた、服」でした。期待を裏切りません。
 「何のため 誰のため ダレノガレとかよく着てそうなスタイル」
「ノースリーブじゃないの オフショルダーじゃないの/
I don’t know でもオンリーワンのアイデンティティにプライド」
  固有名詞を躊躇なく入れてくる感じ、過去作から一貫してます(「Red Bull」、「KEN YAYOI」という曲すらあります)。インディーがなせる荒業です。これからも目が離せないバンドです。ライブ映像はたくさんYoutubeにあるのでまず見てみることをお勧めします[16]。これまたライヴに行きたくなるでしょう。
 今年はあまりたくさん音楽聴けてないな、と思っていたのですが、結構絞り込むのに悩むくらいには聴いていたようです。とても良いことです。今年お世話になった方々、来年もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  
[1] 宇多田ヒカル 『あなた』(Short Version) https://www.youtube.com/watch?v=B25tW3A2HPM
[2] Needed You Still - Resting Warrior// R+R=Now (Live at the Blue Note ) Robert Glasper Residency https://www.youtube.com/watch?v=6JOa5Znff0U
[3] tofubeats「RIVER」 https://www.youtube.com/watch?v=APyYqRFbIFE
[4] tofubeats - おしえて検索 feat.の子(from神聖かまってちゃん)(official MV) https://www.youtube.com/watch?v=cHwWgbP4df8
[5] Puma Blue - Moon Undah Water (Official Video) https://www.youtube.com/watch?v=OeCS-DZsgKM
[6] Puma Blue - "Midnight Blue" | Fred Perry SubcultureLive https://www.youtube.com/watch?v=XnQt5seCf-s
[7] Sweet Chick (feat. BJ The Chicago Kid) https://www.youtube.com/watch?v=Vnp5urarx54
[8] Anderson .Paak - TINTS (feat. Kendrick Lamar) (Official Video) https://www.youtube.com/watch?v=u749Hi0gDVM
[9] 蓮沼執太フルフィル公演『フルフォニー』ダイジェスト / Shuta Hasunuma Full Philharmonic Orchestra "FULLPHONY" 18th Aug 2018 https://www.youtube.com/watch?v=y2RvTNaUWnc
[10] Kali Uchis - After The Storm ft. Tyler, The Creator, Bootsy Collins https://www.youtube.com/watch?v=9f5zD7ZSNpQ
[11] Kali Uchis - Tyrant ft. Jorja Smith https://www.youtube.com/watch?v=KDUOLz9ZL2g
[12] Gotta Get Up (Interlude) https://www.youtube.com/watch?v=XLzPe3ibfb4
[13] Chris Dave And The Drumhedz - Dat Feelin' ft. SiR https://www.youtube.com/watch?v=s22w9Pvjgro
[14] Chris Dave & The Drumhedz 9/8/18 (Part 1 of 2) Louisville, KY @ Jimmy Can't Dance https://www.youtube.com/watch?v=tZVRvR8HlVc&t=539s
[15]  Ryuichi Sakamoto & Taylor Deupree St John's Sessions x Boiler Room Live Set https://www.youtube.com/watch?v=0nJ3iKx2AMo
[16] DALLJUB STEP CLUB -Future Step- https://www.youtube.com/watch?v=LohRIe48BO8
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usickyou · 2 years
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Paradise(for life)
 閉じてたら面倒だと思っていた扉がなんの抵抗もなく開いたから、あたしたちはむしろ拍子抜けして顔を見合わせた。プロダクションのエントランスは思ったよりずっときれいで、においも外に比べたら随分とマシだったけれど、それでもそこら中にこびり付いた黒赤い血の跡は決して現実を忘れさせてはくれない。死体が転がってないだけラッキーだね、聞こえないようにそう呟いたから、彼女は首を傾げて不思議そうにあたしを見る。 「なに?」  その言い方がやけにとぼけていて、あたしはつい笑ってしまう。笑ってから、しまったなあと思って付け加える。「美嘉ちゃん、ほっぺ汚れてる」 「うそ、マジで?」そう言って、彼女は頬を拭う。だけどそのせいで血は薄く引き伸ばされて、子どもがするチークみたいに頬に広がった。「取れた?」 「うん。完璧」あたしがそう答えると、彼女は戦争の準備ができたみたいに背中を伸ばして歩き出す。その手にはゾンビの血で真っ赤になったハンマーが握られていて、あたしは、今すぐそれをきれいに洗って貰ってきたホームセンターの工具売場に叩き返したいという欲望に襲われる。(すみません、ちょっと使っちゃった後なんですけど、これ意外と不便っていうか、もう少し重くて一回で全部済ませられるようなのがいいんですけど)  待って待ってと上げようとした手にずしんとした重みがあって、あたしは持っていた手斧のことを思い出す。手斧は同じように真っ赤になっていて、これじゃ手放せないよなあと思って、また笑ってしまう。 「周子ちゃん、遅いよー」  不用意にもごく普通にあたしを呼んで、彼女ははっと口をつぐんだ。誰も、何も返事はなくて、あたしたちは一緒になって肩をなで下ろす。 「はいはい、しゅーこちゃんが行きますよー」  彼女のマネをして、ごく普通に、声をひそめることもなく言ってみた。彼女はしいっと顔をしかめたけれど、あたしは、ステージなんて贅沢は言わないからせめてカラオケにでも行きたいなと思った。
 あたしたちにとってプロダクションの扉はどれもいつも開いているものだったから、とにかく困った。不用意に扉を壊すわけにもいかないから、守衛さんの部屋でたくさんの鍵や館内の警備について書かれた冊子を見つけた時には、ハイタッチを交わしてしまった。 「停電時にはキーを差し込む。だって」 「はいよー」 「で、右に回す」 「はは、親切やね」  『資料室』には、夏だというのにひんやりとした空気が広がっていて、きっと誰も入らなかったんだろうけど、やけに心を落ち着かせる紙やほこりのにおいが満ちていた。  こっちこっち、そう言って彼女はすたすたと歩いていく。昔、一度だけ入らせてもらったことがあるそうなのだけど、深く聞こうとは思わなかった。思い出の何もかもが優しいかどうか、今は、あまりに曖昧だから。  程なくして、あたしたちはそれを見つけた。 「じゃあ、『ア』からいくよ」 「逆からね、まかせてー」  そうして、あたしたちは一枚一枚の履歴書を取り上げる。仲が良かった子。見たことある子。初めて見る子や、友達。剣道だとか、アロマテラピー。書道。身長体重スリーサイズ、それと、最後に見た時とはけっこう印象が違う宣材写真。その全部を丁寧にしまおうとすると、すぐに心はいっぱいになってしまって、あたしは、とりあえず見るのは後で、今はひたすら事務的にすることにした。  だけど、彼女は違うみたいだった。あたしが『ト』に差しかかった頃、彼女は『シ』の前に立って、一枚の履歴書をじっと見つめていた。  そこに書いてあること、見なくても全部わかるはずなのに。  だからあたしは、テンポを遅くしようとして、ちょうど手に持っていた一枚を眺めた。そうして、この子の作ってくれたケーキがおいしかったこと、もうその味も思い出せないことなんかを、ぼんやりと考えた。
 シリアルと水で質素な(今となってはわりとマシな)夕食を終えると、あたしたちは資料室にソファを二つ運び込んだ。鍵をかけてしまえば安全な、この空間はなかなかいい寝床になりそうだった。 「あーおフロ入りたい」 「せめてシャワー」 「スキンケアも」 「エステルーム、懐かしいねー」  あたしたちは、飽きもせず毎晩毎晩そんなやり取りをくり返す。実際、不規則な生活や睡眠不足、栄養バランスのまるで取れない食事で肌は荒れるし、ボディケアもろくにできなくて色々とみだれていくし、ちゃんと染めていたあたしたちの髪はどっちも少しずつプリンになっていくし、そういうことはかなりのストレスになっていたと思う。(秘かに自慢だった白い肌がくすんでいくのが、あたしにはいちばんこたえた)  だけど夜は危険だから(当たり前だけど)、ひとまず眠ることにした。ソファで横になって、おやすみまた明日、そう交わして目を閉じる。そうすると、あたしの耳にはいつもみたいに彼女が何かを取り出すかすかな音が聞こえてくる。  彼女は、眠る前に一枚の写真を眺める。いつも持ち歩いてるから、くしゃくしゃになりかけた写真。そうしてから耳をイヤホンでふさいで、とっくに電池の切れたスマホにつなぐ。彼女が何を聞いて、誰を見ているのか、あたしにはよくわかる。交代で眠らないといけない夜には、彼女が(たぶん)眠りながら泣いているのだって、何度も目にしていた。  だから、あたしは祈る。せめて、彼女が幸せな夢を見れるように、この世界をとっくに見放しただろう神様に祈りを捧げる。  だけど、ほんの一晩の安らぎさえ許されないみたいで、あたしの耳には扉越しのうめき声や、ほとんど引きずるような足音が聞こえてくる。どうか、気付かないでほしい。願いはむなしく、彼女はゆっくりと起き上がってイヤホンを耳から外した。  あれ。彼女が口だけを動かす。  鍵、閉まってる。あたしは同じように答える。それでも、手は自然にソファの下に伸びて手斧を掴んでいる。  あたしは耳を澄ませる。足音はもう、一人のものではなかった。  あたしたちは、思い描く。ここがプロダクションだという事実が、重くのしかかる。  結局、扉が開くことは、叩かれることさえなかった。その音が、壊れきったウーファーが出すみたいな低音の呻きがしばらく続いて消えていくと、あたしたちは眠りについた。  手のひらに手斧の冷たさは、眠ってしまうまで消えなかった。
 朝はいつも、何もかもが夢であるように願いながら目を開く。けれど、いつも朝の光が願いを消してしまう。太陽の届かない、こんな地下室でだって同じように、ご丁寧に。  あたしたちは、ゆっくりと扉を開く。赤や黒や茶色、汚れと最悪のにおいに迎えられて、いつもの朝を始める。  だけど、あたしたちには、したいことがあった。それは、夢と言ってもいいかもしれない。  足音を、息を殺して角を一つ、また一つと曲がり、階段を昇って、そこにたどり着く。疲れ切ってしまった体で、しっかりと部屋に鍵をかけて、お願い、とカランをお���す。冷たい水が体を濡らして、激しい雨みたいな音が耳に響くと、祝福のシャワーに打たれながら、あたしたちは力いっぱいに抱き合った。  あたしは汚れた服を脱ぎ捨てて、全身にシャワーを浴びる。彼女も同じ、下着だけを残して、体中を洗い流す。いろいろな汚れが流れ落ちる水をにごらせると「最悪」と言葉を交わした。すぐに水がきれいになると、きゃあきゃあと笑い合った。宝石みたいに大事に取っておいたボディソープで体を洗って、シャンプーを、トリートメントをすると最高に幸せな思いがした。水は冷たかったけど、実際の温度なんてあたしたちにはほとんど関係なかった。  それから、やっぱり大事に取っておいたヘアカラーを髪になじませると、たっぷり時間をかけて歯を磨いたり、シェービングクリームの上からかみそりを滑らせたり、鼻歌交じりにオイルマッサージをしあったりして、そうして髪を洗い流した時、あたしたちは、まったく新しいあたしたちに生まれ変わっていた。  こんな、不用心にはしゃいで、今までよく生きてこれたと思う。みんな命を落としていく中で、どうしてあたしたちが、そう思う。  だけど、今、大丈夫だと思えた。アッシュホワイトとチェリーピンク、その色を取り戻したあたしたちは、きっとまだ、この世界で生きていける気がした。  鳴り止まないシャワーのざわめきの中で、あたしは言う。「ブリーチさ、かけた方が良かったよね」  彼女は笑う。そうしてから、何かを言おうとして、何も言わずにあたしを抱きしめた。生まれ変わった、彼女のやわい体からは、とても強い命の声が聞こえた。
「周子ちゃん」 「うん、わかってる」 「でも、すぐ後ろ」 「大丈夫、……よし、急ぐよ」  間近に迫ったゾンビの大群を置き去りにして、あたしたちを乗せた車は(やっとのことで)走り出す。何をへたってたのかわからないけど、正直、危なかった。だけどあたしは褒めて伸ばすタイプだから、ハンドルをなでて優しく声をかける。「いい子いい子、次はもうちょっと、がんばろうね」  プロダクションが見えなくなって、なるべく広い道を選びながらビル街を抜けると、辺りは少し落ち着いた。彼女はアロマキャンドルに火を点けて、守衛室で適当に拾ったCDをカーステレオでかけ始めた。  やけにドラマチックなイントロと切なげな男性ボーカルが聞こえてきて、ちょっと止めようかと思ったけど、すぐに”パラダイス”という言葉が聞こえて、そしたら全部がハッピーに思えてきて、それで、あたしたちはこの聞いたこともなかった外国の歌をすごく好きになった。  パラ、パラ、パラダイス。そう口ずさみながら、彼女が履歴書の束をダッシュボードに広げた。その数は、ざっと二百枚くらい。 「上から何番目?」彼女が訊ねる。 「しおみーの四百……はムリやね、四十三番目」  彼女はちゃんと数えた四十三番目の履歴書を見て、吹き出した。あたしもそれを見て、「まじか」とやっぱり笑ってしまう。 「履歴書なんて、書いてたんだ」 「っていうか、ここ住んでるの? ほんとに?」 「怪しいね、でも近いし、まいっか」 「オッケー、いつでも運転代わるからね」  そう言って、彼女はまじまじと履歴書を見て、また笑う。『一ノ瀬志希』の名前、『趣味:観察、アヤシイ化学実験、失踪』その文字を見て、今さらにも、面白い子だとあたしは思う。  それに、ちょっとだけ、もしかしてあの子ならとも思う。きっと、そんな夢みたいに都合のいいことはなくて、あの子の家にはとっくに誰もいなくなっていて、それこそ失踪を(一人じゃないといいと思うけど)してるんだとも思う。  でも、そこには希望があった。それは、とてもきれいな言葉だった。  あたしは、きっと、もう誰もいないこの世界に希望が響くように祈りながら、アクセルを踏み込む。  力強いエンジンの音は、生きていると、高らかに歌う声みたいだった。
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makkii3497 · 5 years
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ヘッドマークなしの蒸気機関車はいいですね。C56形160号機の給炭給水作業後に扇形車庫へ戻るシーンです。 2019年6月20日撮影 #C56 #C56160 #C56形160号機 #ポニー #1C #モーガル #梅小路 #梅小路運転区 #梅小路機関区 #梅小路扇形庫 #梅小路蒸気機関車館 #京都鉄道博物館 #JR西日本 #kyotorailwaymuseum #Kyoto #kyotoJapan ##逆光 #逆光が大好物 #逆光はドラマチック #色温度10000K #ファインダー越しの私の世界 #ファインダーは私のキャンパス #鉄道写真が好きな人と繋がりたい #鉄道写真 #蒸気機関車が好きな人と繋がりたい #蒸気機関車写真 #蒸気機関車 (京都鉄道博物館) https://www.instagram.com/p/BzDat43HbXk/?igshid=1wa1jlfzl5612
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fudeen · 18 years
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水平線の向こう側
 
 
将に今 陽が沈まんとする あの 水平線の向こうには どんな世界が 拡がっているのだろう 大海原を超えて いつかは行ってみたい まだ見ぬ世界に じっと静かに 想いを馳せる                 ------------------------ 水平線に沈む夕陽を、ちょっとクールに捉えてみました。 カメラ任せに撮った shot は、レッドエンハンサを使ったような、オレンジがかった shot だったんですが、自分のイメージ、というか記憶色としては、沈む太陽を追いかけるように、パープル系からブルー系へ、そして夕闇へと繋がるグラデーションがとっても美しかったので、空のくすみを取り除くよう、色温度を下げて、ソフトの指示より 1/3 ほどアンダーに現像してみました。 この日は高い位置の雲も少なく、焼ける、という状況ではなかったので、それを逆手にとって、水平線の向こうまで透き通るような、透明感の高い空気を表現するほうに、表現を振ってみました。 でも、水平線と太陽との間に、若干の雲が残っていたのは、撮影意図に反してちと残念でした。 西側に海岸のある地域の方にとっては、ごく在り来たりの日没かもしれませんが、私自身は水平線に沈む夕陽を滅多に見られない環境で生活してるので、こんなに透明感のある、焼けない日没もまた、とってもドラマチックに感じました。 眩しい晩夏の昼下がりから、徐々に光量を落として夜へと向かう、ゆったりと澄んだ時間は、日常に埋没して濁った心の澱を、綺麗に洗い落としてくれるようでした。   透き通った、クールな日没に乾杯です!     ☆ Shooting Data ------------------------ ○ camera : CANON EOS 20D with Olympus ME-1 ○ lens : CANON EF-S 17-85 mm F4-5.6 IS USM ○ focal length : 85 mm ( compared to 35mm format : 136 mm ) ○ shooting mode : Aperture-Priority AE ○ Tv ( Shutter Speed ) : 1/500 sec. ○ Av ( Aperture Value ) : F 8.0 ○ ISO speed rate : 100     ☆ Developing Data ( RAW ) ------------------------ ○ development : RAW image developed by SILKYPIX Developer Studio 3.0 beta ○ exposure compensation ( by camera ) : -1/3 EV ○ exposure compensation ( by developer ) : +2/3 EV ○ total exposure compensation : +1/3 EV ○ white balance : 3,500 K ○ sharpness : pure detail manual ( outline emphasis : 18/100, detail emphasis : 75/100, false outline control : 25/100 ) ○ tone adjustment : average contrast [ ±0 ] ○ saturation : a little vivid [ +1 ] ○ color mode : film color velvia ○ fine color controller : adjusted ○ high light controller : manual ( color tone - brightness control : 25/100, saturation - hue control : 70/100, high light compensation : 50/100 ) ○ dynamic range expansion : +2.0 EV     ☆ Location & Target ------------------------ ○ location : 南原千畳敷 ○ target : 海に沈む夕陽
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