#追想の刻~禁じられた果実~
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世の中は空前のサウナブームらしい。各種情報メディアを駆使して街の銭湯にたどり着いた全国の猛者たちが昼夜問わず約50 - 120 ℃の高温室内で肌を触れ合わせる姿を想像してゾッとしない訳がない。合言葉は「整いました」とのことで、僕はこれを珍奇サウナ偏愛者による「型に嵌ったフロー」と誤読して勝手に溜飲を下げている。チンコだけに、風呂だけに。これはなにもサウナ好きを揶揄しているのではない。むしろ彼らは街の銭湯の隆盛に大いに貢献している。そんなサウナブームを皮切りにして、いまでは銭湯での音楽ライブやDJイベント、更にレコードや書籍を販売する催事までもが行われて、みな一様にそれなりの賑わいをみせているようだ。この数年で銭湯を舞台にしたMVや楽曲がどれだけ製作されたことだろう。これについても、関わった人たちは広義の意味でのリノベーションに一役買っている。公共性の再編とでも形容しておこうか。因みにカセットテープレーベル”Ital.”を主催するケイタくんはサウナ好きではなく、古参にして無類の(ただの)風呂好きである。とある書籍の記述により誤解を招いている可能性があったので、一応。かくいう僕も幼少期に住んでいた家の並びに銭湯があったので週の半分くらいは利用していた。お尻に石鹸を塗りたくって誰が一番速く床を滑ることができるかを競い合う「尻軽レース」に挑戦したり、友人とタッグを組んで肩車をする、もしくは自力で壁をよじ登って女湯を覗くなどの愚行三昧で、いずれも店主にこっぴどく叱られた。16-18歳の頃にはいまも豊津駅の近くにある���助温泉で深夜の清掃アルバイトもさせてもらっていた。誰もいない時間帯の業務目的とは言え、禁断の女湯に足を踏み入れるのは、性欲みなぎる多感な時期の男子として、当たり前にドギマギした記憶がある。ロッカーの片隅に置き去りにされた下着を見つけたときは興奮を抑えきれなかった。いま思い返せば老婆が使用している類の肌色のそれであったが、当時の自分としては貧相な妄想に薪をくべるものであれば、なんでも良かったのだ。バイト終わりにはトイレにこもって自身の陰茎を握り締めた。そんな日の翌朝は決まって寝坊してしまい、定刻の登校に間に合わなかった。そういう小さな欲望の積み重ねが、人を大人にするのだ。僕はいまでも家族で福助温泉に通っている。番台では当時と変わらぬ寡黙な女将さんが節目がちに帳面を捲っている。いまも昔もこの人に向かって性器をさらしているかと思うと、未熟な僕は今更ながらに不思議な感慨に浸ってしまう。女将さん、俺はちゃんとやれただろうか?やるべきこと、果たすべきことを全うできましたか?女将さんは大人になった僕を認識している筈だが、なにも言わない。もともと極端に口数の少ない方だったので、僕の方からも敢えて話題を持ち出すこともない。30年前、父親と一緒に股間を露わにしていた僕がいつしか父親になり、今度は自分の息子たちと共に股間を露わにしている。女将さんはすべてを見て、知っている。心底かなわないと思う。数十年間ずっと変わらぬ姿勢でペンを握る女将さんの手許にある帳面、あそこに世界の秘密、いや、もっと言えば「世紀の発見」がしたためられているのではないかと勘繰らせるほどの圧倒的な寡黙。安易に適温を求めてはならない。静寂の裏側で、湯は激しく沸いている。
もう一件、自分が子どもの頃から足繁く通い、お世話になっていた近所の銭湯、新泉温泉があったのだが、昨年惜しくも閉館してしまった。電気風呂の横に鯉が泳ぐ大きな水槽があって、息子たちも一番のお気に入りだったので、残念で仕方がない。隆盛と没落。この世の均衡が保たれたことなど、かつて一度もなかった筈だ。そもそもフロー(風呂)強者が言うほど簡単に物事が整う訳がない。新泉温泉の最終営業日、もちろん親子で最後の湯に浸かりに行った。しかしそんな日に限って長男がロッカーの鍵を紛失してしまい、浴室や脱衣場を血眼になって探し回るも見つからない。僕ら家族の異変に気がついた店主やその場にいたお客さんも誰が言い出すともなく、一緒になって鍵を探してくれた。床を這いずって探しているうちに銭湯の老朽を伴う歴史が手のひらを通じて伝わってくる。今日限りでもうこの場所には通うことができないことがわかっているので、自ずと込み上げてくるものがあった。鍵は古びた体重計の裏側から発見された。その瞬間、店主以外の全員が全裸のまま快哉を叫びハイタッチした。長男もほっと胸を撫で下ろしていた。これこそが裸の付き合いというものだ。帰り際、息子たちは自分たちで描いた新泉温泉の絵と手紙を店主に手渡した。僕は「実は子どもの頃から通っていたんです」と伝えると店主は「わかってたよ、自転車屋さんのとこの」と言ってくれた。適温を求めてはならない。いつだって現実は血反吐が出るほど残酷だ。それでも僕たちは新泉温泉の湯を忘れない。店主はその日の入浴料を受け取らなかった。
このように僕個人にとっても銭湯には様々な思い入れがあり、いまでも大好きな場所に変わりはないが、それは昨今のサウナブームとはまったく関係がないし、死んでも「整いました」とか言いたくない。そもそもが自分の性器を他者にさらすことも、他者によってさらされた性器を目の当たりにすることも得意ではない。むしろはっきりと苦手だ。世の男性の数だけ多種多様な性器が存在する。サイズ、形状、カラーバリエーション、味、ニオイ等々、どれをとってもふたつとして同じものがない。股の間にぶら下がっているという設置条件がこれまた滑稽で、あのルックスのあの人にあんな性器が、とか、あのガタイのあの人にあんな性器が……みたいな、得たくもない新規情報が視覚を通して脳内に流し込まれるので、煩わしいことこの上ない。挨拶を交わす程度だった近隣の人々とばったり銭湯で遭遇してしまったら、その日を境にして、顔を合わせるたびに性器が脳裏にチラついてしまう。実際に息子の同級生の父親数名と銭湯でチンコの鉢合わせしてしまったのだが、以降、なかなかパパたちのチンコの造形を払拭できなくなる。これはまさに不慮の追突事故、ごっチンコというやつだ。会社員時代、憧れの上司と出張先で入浴を共にする機会があったのだが、どちらかと言えば華奢に分類されるであろう上司の股間には目を覆いたくなるくらいに巨大なふたつのフグリがblah blah blah、いや垂れ下がっていたのだ。洗髪の際にバスチェアに腰掛けておられたが、信じられないことに巨大すぎるフグリはべちゃりと床に接地していた。以来、上司がどれほどの正論を振りかざそうが、客先でのプレゼン時に切れ味鋭くポインターを振り回そうが、どうしたってスラックスの内側で窒息しかけているであろう巨大なフグリを想起してしまう。程なく僕は退職した。とにかく性器というのにはそこにあるが故に素通りすることが難しく、極めて厄介なシロモノである。それが���ない」ことで逆に「有して」しまう諸問題と真摯に向き合ったOBATA LEOの最新作『目下茫洋』は、数多あるフェミニズム関連のテキストとは一線を画する。あまりにグロテスクでおぞましい、だからこそ美しいなどという常套句を粉砕する「弱さ」に貫かれた思考の遍歴。貫く我々♂ではなく、貫かれる♀の身体から滴る分泌液で書かれた紋様のようで、誌面に一定の形状で留められている訳ではない。読む者の素養に左右されるようにして、その形状は刻一刻と微細に変化するだろう。こちらは無数に排泄するが、あちらはたったひとつで対峙している。なにも戦地は彼の地だけではない。戦場は僕やあなたのすぐそばで、いまもネバっこく股を開けている。
臍の下に埋め込まれた爆弾を抉りとるための努力を続けながら、同時にあるのかわからない最終地点に向けて爆弾を運ぶ。本当は抉り取ることはできないとわかっていても、背骨を曲げて運び続けることが、すなわち生きることになっている。『目下茫洋』
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我が国の未来を見通す(90)
『強靭な国家』を造る(27)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その17)
宗像久男(元陸将)
─────────────────────
□はじめに
パレスチナ情勢については、10月22日、日本
を除くG7の6カ国からイスラエルの自衛権を支持
する一方でガザの民間人の人道支援を求める共同声
明が出されるなど、人道支援要求の世論、それにイ
スラエル国内の人質解放優先世論の力、それに欧米
首脳などの説得工作などが功を奏して、イスラエル
の本格的な地上攻撃開始は、当初計画よりかなり遅
れているようです。
イスラエルの歴史からすると珍しい決断だったと考
えますが、それだけ、今回のガザ地区への地上攻撃
の持つ意味がこれまでとは違ってきている証拠でも
あるのでしょう。極めつけが、24日、国連安保理
の場で、米国ブリンケン国務長官の「人道目的の一
時停戦が検討されなくてはならない」との発言でし
た。
一方、グテーレス国連事務総長がイスラエルのパレ
スチナ占領を批判する発言をしたり、いつもながら、
国連安保理が決議案を否決しあう形で“機能不全”
に陥っているなど、イスラエルの国連不信が限界に
達しているように見えます。イランを含むアラブ諸
国自体も反イスラエルという立場で必ずしも一枚板
ではないようなので、今後も、状況は刻々変わって
くることから、安易な予測は禁物でしょう。
その上で想像するに、イスラエルは、いかに人質解
放をするか、そして500キロに及ぼうとする地下
トンネルをいかに(できれば民間人に被害を与えな
い方法で)攻略するか、その作戦を練って、その上
で一部限定的な作戦を遂行しているのでしょう。
また、地上攻撃の代わりなのか、連日激しい空爆が
繰り返されていますが、それによる民間人犠牲者の
6割は、避難先であるガザ地区南部だったとの報道
もあります。国連事務総長のような発言もイスラエ
ルを追い込むだけで逆効果だと思いますが、無差別
に近い空爆もイスラエルが自らの首を絞める結果と
なって、やがて自制心のタガが外れ、“後に引けな
くなる”ことが懸念されます。
数年前、ベトナムを旅行した際、ベトナム戦争時に
使用されたサイゴン(現ホーチミン)市西側に広が
る巨大な地下施設「クチトンネル」を見学し、その
巧妙な造りに驚いたことがあります。アメリカは、
空から枯葉剤を含む絨毯(じゅうたん)爆撃を繰り
返しても攻略できず、ついには南ベトナムから撤退
する結果になったのでした。
「クチトンネル」は総延長約250キロといわれて
いましたが、その倍ほどの長さに及び、映像を見る
限り、長い時間をかけて極めて堅固に建造されてい
る地下トンネルを実際に攻略しようとすれば、多大
な時間を要し、犠牲者も半端でないことでしょう。
イスラエルが保有する最新の軍事技術をどのように
駆使するのかを含め、(不謹慎ではありますが)注
目しています。
ところで、今回のG6声明から外された我が国は、
文字通り“孤立国”になってしまいました。23日
の岸田首相の所信表明演説において、「経済」を連
呼する中での「人間の尊厳」とか「核兵器のない世
界」などの発言は、もちろん、理想であり、間違っ
てはいないとは思いますが、いかにも“空虚”に聞
こえるのは私だけでしょうか。
▼「国家戦略」をだれが作るか
いよいよ「国家戦略」指針の私案を提示したいと考
えますが、その前に、「国家戦略」を誰がつくるの
か、について一案を提言したいと考えます。
戦前の歴史を勉強しない人、あるいは軍国主義など
といって昭和の軍人たちにその責任を負わせること
のみを追求している歴史家たちには到底信じられな
いことだろうと思いますが、歴史をつぶさに学べば、
戦前の我が国の方が、現在よりはるかにダイナミッ
クで柔軟な国家運営をしていたことがわかります。
その典型的な組織が「陸軍省戦争経済研究班」(通
称「秋丸機関」と呼称)でした。少し補足しますと、
第1次世界大戦の頃から、戦争は単に軍事力だけで
はなく、経済、産業、教育、宣伝など「国力」のす
べてをもって遂行される「国家総力戦」の様相を呈
し、当時、欧州において身をもってその体験をした
永田鉄山あたりはその必要性を声高に唱えていまし
た(永田は陸軍の抗争の犠牲となって殺害されまし
た)。
この流れをうけて、我が国の経済力がないことを知
っていた陸軍は、日本における総力戦の実態と戦争
遂行の可能性などを研究するため、昭和14年春、
当時の我が国の最高頭脳を集めた本格的なシンクタ
ン「陸軍省戦争経済研究班」をスタートさせたので
す。
設立を提唱したのは、当時の政府や陸軍の首脳では
なく、「陸軍中野学校」の設立者、戦後は京都産業
大学の設立者として名を馳せた岩畔豪雄(いわくろ・
ひでお)大佐でした。このあたりに���目を見張る
ものがありますが、岩畔は、そのトップに、(軍政
とか作戦畑ではなく)経理畑の俊才、当時まだ41
歳の秋丸次朗中佐を指名し、組織造りを含めて全権
を委任しました。
秋丸は、実質的な研究リーダーとして、治安維持法
違反で検挙され保釈中の身であった東大経済学部助
教授のマルクス経済学者・有沢広巳を招きました。
それ以外に大学教授、企画院・外務省・農林省・文
部省などの少壮官僚、さらには民間企業・業界団体・
金融機関・民間調査機関・研究所などの精鋭たち
を集めて総勢200名程度の組織を作り上げて、昭
和16年まで約2年間、多士多才のメンバーをもっ
て様々な角度から研究に没頭したのです。
研究成果の細部は省略しますが、本研究班が導いた
開戦に至るシミュレーションについては、当時、東
條英機首相や杉山元参謀総長などとも共有しており、
その研究成果は、昭和16年11月15日に開催さ
れた大本営政府連絡会議で「対米英蘭蒋戦争終末促
進に関する腹案」(「腹案」と呼称)として決定さ
れたのでした。
私自身は、この「腹案」のような戦いを遂行してお
れば大東亜戦争はまた違った結果になったと考えて
いますが、「腹案」と実際の戦いはかなり違ってし
まいました。その原因も分かっていますが、ここで
は省略しましょう。
ここで問いかけたいのは、今の日本に、「国家戦略」
のような重要案件を策定するために、「秋丸機関」
のようなシンクタンクを作り、少壮の官僚、学者、
自衛官、民間企業人などの精鋭を一堂に会して時間
をかけて研究させるようなダイナミズムがあるだろ
うかということです。
私は、ここにあえて政治家を加えませんでしたが、
国の重要なテーマについて、いつも“専門家や官僚
に丸投げして足れり”として自ら問題意識も持たず、
必要性も感じず、学ぼうとしないような人たちは
“最初から戦力にならない”と思って外しただけで、
適任者がおられたら、当然、シンクタンクのリーダ
ー格になっていただくことを拒むものではありませ
ん。
一つだけ注文を付けるとすれば、「秋丸機関」の設
立に尽力した岩畔大佐のごとく、力のある政治家な
どでこのようなシンクタンクを作る必要性を唱える
人(たち)は、シンクタンク設立のために奔走し、
必要な基盤や経費は提供しても、当初から口を出す
のは厳に慎み、「若い世代に託す」ことが重要と考
えます。官民を含む各界には、若くても優秀でかつ
柔軟性があり、物事の本質を的確に見極めることが
できる優秀な人たちがたくさんおられると確信しま
す。
なお、前回紹介した『日本戦略論』(鎌田徹著)で
は、「戦略国家になるための人づくり」を提唱して
いますが、だいぶ時が経ったこともあり、残念なが
ら、今はそのような“時間的余裕”はないと考えま
す。仮に多少の問題はあっても、“今ある人材”を
最大限に活用するしかないと思うのです。
次いでながらもう少し補足しておきましょう。前に
も引用したように、『国民安全保障国家論』(船橋
洋一著)の冒頭には、コロナ禍やウクライナ戦争を
経験した結果として、「自分たちでみんなを守るこ
とができない社会は生き残れない」「自分の国を自
分たちで守れない国は生き残れない」「天(世界)
は自ら助くる者を助く」ということがわかったと紹
介されています。
著者は、それでも「国家」ではなく「国民」という
言葉にこだわっていますが、“利益の受容者である
「国民」目線を重視すべき”ことを強く意識してい
ると考えられ、本書に書かれているのは「“国家”
のあり様(形)」であることが理解できます。
私などの立場からすると、(元朝日新聞記者の)著
者のような立場の人が「ようやくここに気がついて
くれたか」と安堵する一方で、内外情勢の急激な変
化や「国力」が下降期にある“現時点”こそ、将来
のため、国家としての「打ち手」を真剣に議論する
時が来たことを国のリーダーたちに早く気づいてほ
しいと願うばかりです。だれかが問題意識と勇気を
もって、重い腰を上げて、“旗振り役”を演ずるこ
とを切に願っております。
繰り返しますが、「手遅れになる前に」です。様々
な思惑から場当たり的な所信表明演説とそれに対す
る質疑応答などで論戦を交わしている余裕はないと
思うのですが・・・。
▼「国家戦略」の指針の一案
さて、私も高齢世代です。「若い世代に託すべし」
と言った手前、過度な物言いは邪魔になると自覚し
つつも、本メルマガをここまで書き続けてきた以上、
「国家戦略」の指針のようなものの一案ぐらいは提
示しなければならないとの責任感にもかられます。
しかし、“指針のようなもの”といえども、そこに
含むべき内容の広さと深さを考えると、正直、いか
にまとめ上げるか、途方にくれます。
またしても、『日本の大戦略』のお力を借りて、ほ
ぼ一致している点を紹介しつつ、10年の歳月の変
化やアプ��ーチの相違点などからの修正を加えて一
案としたいと考えます。なお紹介する順番などは私
の一存で本書を修正してあります。
まず本書が、平成23年の時点でこのような大胆な
「国家戦略」の指針なるものを考察し、提供してい
ることに対して改めて敬意を表したいと思います。
その第1には、「歴史的大変動に立ち向か覚悟を決
める」としていますが、当時より今の方が“歴史的
大変動”が顕著になっている国際社会そして我が国
ですから、ここに「立ち向か覚悟」が、国家として
も国民としても求められていると考えます。
本書は、具体的な「国家目標」などを考える前に、
このような「覚悟」をもって、「内向き志向、現状
維持志向を克服し、「『頼りがいのある日本』を目
指して国家アイデンティティを再構築する」ことを
提唱していますが、全く同意するものです。
「我が国がどのような未来を構築するか」、あるい
は「どこに向かっていくか」を明らかにするという
点でも全く同意です。なお本書では、目指す方向と
して「先進国安定化勢力日本」と呼称していますが、
そのような呼称を含めて議論が必要でしょう。
私は、この「歴史的大変動」の中には、「国力」が
下降期に入っている“我が国の国内事情”も含むと
考えていますので、具体的な指針の中には、「『国
力』の維持・増進のために国を挙げて立ち向かう」
旨の文言も挿入されるべきと考えます。
第2には、「安全」の国家目標として、「複層的な
課題に対応できる、実効性の高い安全保障政策を展
開する」ことです。
まさに、変動する国際社会の中で、我が国が「安定
化勢力」としての役割を果せるかどうか正念場でし
ょう。そのような視点をもって、現状から一歩踏み
込んで「安全保障政策を再構築する」ことが求めら
れており、具体的には、本書の「自国防衛/危機管
理の能力を強化する」「日米同盟の相互防衛的性格
を強め、同盟協力を総合化する」「グローバル・コ
モンズの安定化を図る」「同盟外の安全保障協力を
推進する」などの提唱は的を射ており、さらに強化
する必要があるでしょう。
実際に昨年末、「国家安全保障戦略」が策定されま
した。「安全保障」に絞れば、また表現こそ若干違
いますが、本書が提唱したような内容とおおむね一
致していると考えます。
しかし、すでに指摘したように、東アジア地域の
「核状況」が様変わりしつつあることから、日米両
国間の「核の傘」の信頼性の向上に加え、我が国独
自の核保有の議論を推進すべきと考えます。
また、「自国防衛/危機管理の能力を強化する」に
ついては、将来にわたって我が国迫って来る可能性
がある“脅威”については、短絡的に「南西正面」
などと決めつけないことも重要でしょう。将来戦は
「ハイブリッド戦」であることは間違いないとして
も、対象国が取り得る手段は多様であり、それらを
漏れなくすべて読み切った(見積もった)上で“一
寸の隙を見せない態勢”の構築が求められていると
考えます。
第3には、「富」を国家目標として、「先進的な経
済社会システムを構築する」ことを本書は紹介して
います。ここに「国力」の「ハード・パワー」の要
素のかなりの部分が含まれていますが、第2の「安
全」とも関連し、それぞれの分野の専門家の最適解
をもって国家施策にするようなことは厳に戒めるべ
きで、そのような弊害を排除するためにこそ、「国
家戦略」を策定していることを理解する必要がある
のです。
何度も例示したように、「太陽光発電所の建設のた
めの外国資本の導入に特段のチェックがなく、国防
上重要な施設の近傍を含め、広島県ほどの面積の国
土がすでに外国資本に渡っている」ような“現状”
を即刻是正する必要があります。そのための法律改
正などは急務でしょう。
その上で、必要な要素を総合的に考察して、我が国
として新しい「繁栄の形」をどのように具体化する
かが焦点となると考えます。その中には、国家を次
世代に託すためにも、若者世代が「将来の夢と希望」
を抱くことができるような施策を含むべきことは申
すまでもありません。
とはいえ、少子高齢化の進展から社会保障給付費な
どが大幅に膨れ上がることを予測し、過度な“バラ
マキ”は厳に戒め、「国民一人一人の夢や希望の実
現」と「国家(社会)として『富』の蓄積」の両目
標の同時達成に向けて、“個人の努力の必要性を促
し、努力の中に生きがいを見い出せる”ようなバラ
ンスのとれた「配分」を主眼とする「福祉の再定義」
も必要となることでしょう。
第4には、「変動する国際社会のもとでの日本の対
外構想を確立する」ことです。「安全」はもちろん、
食料やエネルギーなどのほぼ海外に依存している
「富」の分野においても、我が国は、将来にわたっ
て「国家として存立するための対外構想」には高い
優先順位を掲げて計画・実行する必要があります。
「頼りがいのある日本」をめざし(“孤立国・日
本”の存在感を発揮し)、本書でいう「大国間の協
調形成に尽力すること」「グローバルな課題に結果
を出す貢献をすること」「アジア諸国と深く交わり、
その不安定要因を抑制すること」などの提唱に異存
はありません。
前回述べたように、“自ら原則を立て、それに基づ
いて行動し、他���や他のアクターとも協力してい
く”という「自律」の重要性を理解した上で、「日
米同盟」をはじめ、」「クアッド」「自由で開かれ
たインド太平洋」などようやく“産声”を上げた枠
組みを一層深化する覚悟と「自律」の細部をしっか
り議論する必要があるでしょう。
第5に、「新しい『統治のかたち』をつくる」ため
の議論を推進することです。本書では、そのために
「安定した政権基盤を確立する」「官邸における外
交・安全保障戦略の司令塔を創出する」「戦略形成
の前提となるインテリジェンス機能を強化する」
「対外的な情報発信を刷新する」、そして最後に
「政治不信を克服し、有権者のオーナーシップ意識
を高める」として、国民の参加意識を高めるために、
NPOやシンクタンクなど政治と国民をつなぐ中間
組織の役割も重要であると結んでいます。
「戦略は統治を超えられない」という言葉も紹介し
ましたが、「国家戦略」を議論し、策定し、実行し
ようとすれば、現在の我が国の「統治のかたち」が
そこに“立ちはだかる障害”となる可能性は否定で
きないでしょう。
紹介しました『国民安全保障国家論』も、その終章
で「日本には『国家安全保障』という『国の形』が
ない。そして、その『国の形』をつくるのを阻んで
きた『戦後の形』がある」として、「『戦後の形』
のままでは日本は新しい時代の挑戦対応できない」
と訴え、新たに「国の形」を作る必要性を強調して
います。
私は、5つの指針の中で第5の「統治のかたち」の
議論が最も難しいと考えます。一方で、戦前戦後を
通じて一内閣の寿命が平均1.4年に満たないよう
な“現状”では、一貫した中長期的な「国家戦略」
の策定はおろか、導き出された国家目標に向かって
(たとえ、苦しくても)各種政策を推進し続けるこ
とは困難であることは明白でしょう。
「では、どうすべきか」については大議論を呼ぶこと
でしょう。しかし、ぜひともこのテーマまで踏み込
んで議論してほしいと願っています。
「国の形」についてはのちほど再び触れることにし
て、次回、「国家戦略」を総括し、その後に「ソフ
ト・パワー」のもう一つの要素である「国家意思」
を取り上げます。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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TEDにて
ティム・バーナーズ=リー :オープンデータとマッシュアップで変わる世界
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
TED2009で、ティム・バーナーズ=リーは、「生のデータを今すぐに」と呼びかけ、政府や科学者や各種機関に対してデータをWebで自由にアクセスできるようにすることを求めました。
当然、通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理は絶対必要です!また、これは日本では、憲法で保障されている通信の秘匿も重要です。
2010年のTED Universityで、彼はデータがつなぎ合わされたことによる興味深い結果の幾つかを紹介しています。
歴史が示すところによれば、警察が、ひとたび大量のデータを保有し、無実の人々の追尾するようになると暴走し、拡大解釈をし続け、脅し、威嚇、特権意識の乱用や政治的な優位を得る行為、時には、法令を無視した同意や許可申請のない単なる覗き見行為へと濫用されがちです。
幸いにも、我々にも取るべき手段があります。市議会は、地方警察を統制できるので、条例を制定することによって無実の人々の情報を破棄し、保存期間も短期間にすることで、このような技術の合法的な使用のみを認可するのです。
オウム真理教の集団テロ事象の原因は開発独裁特有の当時、自民党55年体制の特権意識による負の遺産とインターネット黎明期にまだ周波数を独占的した民放テレビ局の暴走が談合を産み出し、警察機関が職権乱用して談合に便乗。監視も悪用し権力を思うままにふるまわせたことによる出来事にすぎない。
みなさん。考えてみてください!オウム真理教の集団テロ事象の後の警察権力は拡大してます!防衛庁は防衛省になりましたよね。拡大してます!スピード早くないですか?歴史的に見ると危険です。権力を思うままにふるまわせたことによる証拠です。憎しみの連鎖の起点の一つ。
テレビ潰れろ!なくせ!警察の職権乱用。警察が悪さしないようにまず監視カメラを警察内部につけろ!防衛省を防衛庁に格下げ、警察予算を削減してベーシックインカムの原資にすること。
オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジーサイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
政府におけるオープンデータもあります。200以上の地方、地域、国のオープンデータのカタログが、収集したデータの一部を配布するウェブサイトを作成している。これらのデータを源にして、マクロ経済学の統計分析にも活用できる。
また、国会の活動や立法プロセスをリアルタイムで全ての人が閲覧できるようにもなり、いま何が起ころうとしているのか?それから、それにかかわっている議員が誰なのかといった情報も得られるようにもなります。
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました。
参考として・・・
月面は、太陽風によりもたらされたヘリウム3が、鉱物資源として豊富に存在していることが確認されています。原子力発電や核融合に最適です。
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでし���う。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
しかし、人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が���離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
<おすすめサイト>
ジャロン・ラニアー:インターネットをどう善の方向に作り変えるべきか!
ケイド・クロックフォード:顔認証による大衆監視について知る必要のあること!
ジーナップ・トゥフェックチー: ネット広告アルゴリズムの仕組みが拓くディストピアへの道
ロジェカイヨワ戦争論と日本の神仏習合との偶然の一致について2019
キャサリン・クランプ:あなたは危険なまでに警察に追尾されている!
ハワード ラインゴールド: 個々のイノベーションをコラボレーションさせる
ティム・バーナーズ=リー:次のウェブを示す
ティム・バーナーズ=リー:ウェブのための大憲章(マグナカルタ)
<提供>
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アメリカ当局は、性的な記述が含まれる書籍の特定をAIに支援し、学校図書館から書籍を撤去できるようにしようとしている。 子供の頃に教育を受けたり、本の予想外の蒸し暑い文章に興奮したりした人は、アイオワ州の検閲の厳しい図書館では運が悪いでしょう。 そこの学校は、学校図書館における年齢に応じた書籍に関する共和党支持の最近の 州法 に従うことが義務付けられている。 この法律は、「『年齢に応じた』には、 いかなる素材も含まない」と規定しています(斜体)。 性行為の描写や視覚的描写を含む 規則の結果、ある図書館から引き出された19冊の本の中には、国家芸術勲章と大統領自由勲章を受賞したマヤ・アンジェロウの自伝「I Know Why the Cage Bird Sings」も含まれている。 マーガレット・アトウッド監督の「侍女の物語」も、カーレド・ホセイニ監督の「カイト・ランナー」と同様に削除されたと地元紙が今月報じた。 AI: 検閲には適していますか? 記事の中で が最初に報じた 地元紙 ザ・ガゼット 、焦っているカリキュラム・指導次長の一人は、「すべての本を読んで、これらの新しい要件をフィルタリングするのはまったく不可能だ」と主張した。 彼女のチームは AI を利用して支援を行っていたと彼女は付け加えました。 PopSci は 、問題のツールが ChatGPT であることを明らかにし、その後の記事で 」 当局者からの詳細を引き出しました。「最小限の時間とエネルギーで法律を遵守するための誠実な努力を示す方法を見つけようとしました… 「ChatGPT を使用するとき、私たちは法律の特定の文言を使用しました。「[本] には性行為の記述が含まれていますか?」 元英語教師として、私は個人的に一般的に課題とされる多くの本を読み(そして教えてきました)、そのため一部のテキストについての自分の知識を使って ChatGPT の応答を検証することもできました。」と教育長は説明しました。 他の多くの AI ユーザーと同様に、彼女は単に、協力する義務がある利害関係者の要求によって課せられた問題を自動化して解決しようとしていただけです。 しかし、不完全で幻覚的な大規模な言語モデルと検閲的な政策立案者の不快な結びつきにより、この物語はますます注目を集めている(おそらく教育長にとって不快なことだろう)。 暗号化メッセンジャーSignalの社長であるメレディス・ウィテカー氏はX(元Twitter)で次のように述べている。 その後、彼らが計算占い棒のように ChatGPT に相談していることを知りました。なぜなら、本を禁止する前にわざわざ本を読む人はいないからです…」 この話はさらに、大規模な言語モデルをもっともらしさではなく真実の提供者として扱う人が増えていることを示しています。 (LLM の基本メカニズムを繰り返しますと、DeepMind の最近の論文「 言語モデルによってもたらされるリスクの分類 」によれば、大規模な言語モデルは「発話の可能性を予測するようにトレーニングされています。文が可能性が高いかどうかは、その文が発話の可能性があるかどうかを確実に示すものではありません」論文には「文も正しい」と記載されており、ChatGPT は通常、ユーザーがプロンプトを提示するたびに著しく異なる応答を生成します...) LLM 出力の誤った信頼の問題は解決しません。 The がレビューした Microsoft の研究者による GPT-4 に関する154 ページの研究 (トレーニングが完全に完了する前に実施) では、 Stack 幻覚や説得力のあるバルダーダッシュに関する深刻な現在進行中の問題が指摘されています。 たとえば、わずか 38 ワードの患者データのみを使用して医療メモを書くように促された GPT-4 は、AI が導き出したと「主張した」BMI 指数を含む、印象的に権威のある 111 ワードの医療メモを生成しました。患者さんの身長と体重から判断します。 どちらも患者データには含まれていませんでした。 GPT-4は作成した医療記録の中で、患者は「憂鬱で絶望感」を感じていると報告したと述べた。 モデルが「患者の自己報告からの追加情報」であると述べたさらに幻覚的な発言(これもナンセンスです。そのような報告には患者データは提供されていません)。 Googleは今週、AIを活用した検索機能をさらに 強化しており 、LLM出力の妥当性を巡る議論は今後も続くことが予想される。そして、他の地域と同様に、アイオワ州の十代の若者たちは、今後も文学よりもポルノからセックスに関するコンテンツをはるかに多く入手し続けることになるだろ 。 う
米当局がAIを活用し、性描写のある書籍を図書館から剥奪
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一人御子に祝福を
0.プロローグ
シュピ(左)・ミラ(右)
宗教
���在のビシュテンを含むユーフォリオ地方の主だった信仰は、約2600年前に発祥したユルカ教、約1300年前にユルカ教から分派したキルト教、約700年前にユルカ教・キルト教への改革的宗教運動として始まったイエルム教である。 キルト教発祥からしばらくはユーフォリオの帝国、ルーン帝国によるキルト教への弾圧があったとされているが、約900年前にキルト教が帝国の国教と認められ、その12年後には異教徒禁止令が出された。禁止令が帝国内部の取り締まりを旨としていたのに対し、約200年前に聖地エルセウス奪還を目的に教皇により結成された教皇軍はユルカ教・イエルム教への侵略を行い、その運動は民衆にも波及した。 エルセウスはユルカ教徒の王国として栄えたが、約1200年前に帝国軍によって陥落し現在のユルカ教徒は散り散りになっている。その後の約700年前のイエルム勢力による征服により、現在はイエルム教徒の支配下にある。ただし、キルト教の一部教派とユルカ教の巡礼は認められており、教皇軍結成の大義名分である聖地奪還は建前に過ぎず、実情は支援を要請した側の国土問題と帝国教会の主導権問題の利害が一致したことにあった。 教皇軍は約40年前の遠征を最後に活動を停止したが、現在では聖王庁がその意志を継ぎ教皇の管理下で活動を続けている。
世界
三つの宗派の共通認識として、世界の理は奇蹟によって成り立っている。 奇蹟は聖遺物の種子によって大きく分けて「人」「神器」の2つを生むとされている。 後者について、極稀に「神器」の種子を胎内に有した少女が生まれることがある。 母体は一定の年齢に達すると胎内の種子が発芽し懐胎し、命の箱となる神器(武装)を生成する。 キルト教の風習として、生成から約10ヶ月までにエルセウスへの巡礼を行い、神器に祝福を受け祝福の御子とする。キルト教ではこの巡礼が奇蹟の恩寵の根源であると考えられている。 約10か月を過ぎて祝福を受けなかった場合、神器は暴走し、母体は腐ってしまう。暴走した神器は往々にして巡礼の道中に出没し、巡礼者の障害となる。 神器の特徴として、母体の生命活動の停止を感知した際に、母体を蘇生する性質がある。これによって母体は事実上不死の能力を持つことになる。
シュピの出生
ビシュテン西部の田舎町で生まれる。左手の甲にユルカ教の聖痕を持って生まれた。当時のビシュテンではユルカ教は迫害の対象であったため、生後間もなく孤児院「リリィ・コンパス」に捨てられた。 孤児院の院長ミラは熱狂的なキルト教徒であったが、異教に対して寛容な心を持っており、シュピを受け入れた。 孤児院ではキルト教の教えが説かれていたが、シュピは熱心な教徒とは言えなかった。 シュピが14歳になるころ、孤児院は異教徒を匿っているとの異端審問を受けるが、ミラはこれを断固として認めなかった。宗教裁判所は最終的に火刑を決議し、世俗当局が国内の聖王庁に働きかけ孤児院を襲撃する形でこれを実行した。 死体の山の中で、シュピは死んでいた。このとき、胎内の神器の種子が発芽し、神器となってシュピを蘇生した。 目を覚ましたシュピは、瓦礫の下敷きになっている院長ミラを見つけた。ミラは腹部が破け内臓が飛び出ており、今まさに死の瀬戸際にあった。 ミラがシュピの神器を目にすると、一筋の涙を流した。息も絶え絶えな中、かすれた小さな声でシュピに呟いた。 ―――一人御子に、祝福を―――
1.旅立ち
ユーラ
情勢
9年前に教皇が死亡して以降、教皇にはビシュテン人が選出され、教皇庁はルーンからアルヴァクに移された。前教皇の死にはビシュテンの反教皇派であった国王顧問が前教皇に退位を迫ったことが背景にあると見られている。 パンテナ騎士団はキルト教徒によって構成され、キルト教巡礼者の保護・支援を行う修道会である。聖地エルセウスがイエルム教の支配下に入る前は聖地の防衛を行っていた。また、軍事組織としての側面に加えて、財務機関としての側面も持っていた。巡礼者が現金を持って移動しなくてよいよう銀行機関の仕組みを発明し、ビシュテン内外に設置した支部での所領経営や金融業務の展開により莫大な財産を築いた。 騎士団は聖王庁による異教迫害を非難していた。ある一隊が孤児院の襲撃跡地を見分し、死体を埋葬した。
概要
シュピは生存者を探した。地下室に孤児のユーラを見つけた。 ユーラはシュピを責めた。シュピが居なければ、孤児院が異端審問にかけられることは無かったのである。シュピは何も言えず、ユーラの慟哭を背に受けその��を後にした。 孤児院の襲撃跡地を見分していたパンテナ騎士団がユーラを見つけた。ユーラは異端審問の発端となったシュピの存在を騎士団に告げた。騎士団の小隊長ルカはシュピを保護するため動向を追うことにした。
シュピの変化
シュピは孤児院を襲撃した聖王庁、ひいてはキルト教に並々ならぬ憎しみを抱いていた。しかしながら、そのキルト教徒の模範ともいうべきミラに対する恩との間で葛藤していた。 ミラの遺言、つまり巡礼はキルト教の教えに則することを意味する。だがとてもそんな気にはなれなかった。 キルト教の教えでは、約10か月を過ぎて祝福を受けなければ、母体は腐ってしまうらしい。それもいい。そう思ってシュピはいつの間にか眠りについた。
夢を見た。幸せな夢だ。草原、近くに小川が流れている。 りんごの木の下で、少女が私に微笑んでいる。 少女が、シュピの左手に頬擦りした。綺麗な、手だと。 それは違う。この手のせいで、孤児院で多くの人が死んだ。 少女はそれを聞くと、静かに涙を流した。また微笑んで、シュピを抱擁した。 少女の胸は、暖かかった。
目を覚ましたシュピはふと神器の中に眠る胎児に目をやった。混乱のあまり意識できていなかったことだが、シュピはこのとき初めて自身が身一つでないことを自覚した。 キルト教の教えでは、神器の暴走は命の箱に人の原罪が入り込むために、凶暴で好戦的な成れの果ての姿になると考えられている。キルト教の教えを信じているわけではない。だがシュピの持ち得る知識はキルト教の教えそのものだった。これ以上何かを失いたくなかった。胎児のために、巡礼を決意した。 キルト教の教義の文脈ではなく、胎児を救うという人としての立ち位置で巡礼の意義と生きる意味を見出したのである。
2.巡礼:暴走した神器
ルカ
情勢
ビシュテンは深刻な財政難にあえいでいた。ビシュテン王が目をつけたのはパンテナ騎士団の持つ莫大な財産であった。ビシュテン人である教皇を利用し、騎士団の持つ財産の略奪を画策する。
概要
シュピは巡礼の途中、暴走した神器に出くわす。シュピは一切の攻撃を行わなかった。シュピにとって必要なのはエルセウスにたどり着くことであり、障害の排除など眼中に無かったのである。今のシュピにとって、たとえ異形になり果てたものに対しても一切の加害を請け負いたくなかった。しかし、逃げの一手は難航を極めた。いくら逃げても暴走した神器はシュピを執拗に追う。何度も命を落とし、その度に蘇生した。 幾度となく蘇生を繰り返す中で、ある時目覚めると女が居た。騎士団の小隊長ルカである。ルカは孤児院の死体を埋葬しユーラを保護したことを告げた。 ルカは神器でしか暴走した神器を殺傷できないことを説明した。また、暴走した神器が宿っていた母体はキルト教徒であることを強調した。 つまり、暴走した神器を排除することができるのは巡礼者だけで、放っておけば人々に危害が及ぶ。それは死んだ母体キルト教徒の思うところではないだろうという文脈である。 シュピは釈然としなかった。理屈ではなく、自身が殺傷することに強い抵抗があった。 しかし、転機が訪れた。シュピを追っていた暴走した神器がルカを追い詰めたのである。殺さなければルカが殺される。ユーラの慟哭が思い起こされた。シュピは意を決して暴走した神器を斬った。
シュピの変化
ルカはその後もシュピと行動を共にした。大小様々な暴走した神器を屠った。その度にシュピの胸中には罪の意識が溜まっていった。
夢を見た。今日も少女がりんごの木の下でシュピに微笑んでいた。 これでいいのだろうか、神器を駆逐することが正しいことなのか。罪の意識にあえいでいることを、言葉にならずとも少女に伝えた。 少女はシュピの両頬に手をやると、そのまま首筋に手を回しシュピをぎゅっと抱擁した。 少女は微笑みとも悲哀ともとれる表情で呟いた。 「それは、あなたが優し��から。」 少女の胸は、暖かかった。
暴走した神器について
暴走した神器には大きく分けて母体を伴う個体と伴わない個体の2種が存在する。 母体を伴わない個体は、母体を伴う個体の欠片から細胞分裂によって成長したもので、数が多く凶暴性が高いが戦闘力は低い。 対して母体を伴う個体は腐り果てた母体を庇うような動きを見せ、数が少なく凶暴性も低いが戦闘力は高い。また、元々一つの母体の破片を複数の個体が有する場合もある。
3.巡礼:聖王庁
クルハ
情勢
ビシュテン王はパンテナ騎士団に聖ヨルタ騎士団との合併を提案するが、団長はこれを拒否した。これを受けビシュテン王は教皇庁にパンテナ騎士団の異端審問を認可させ、反キルト思想・悪魔崇拝といった100以上の不当な罪をかぶせビシュテン内のパンテナ騎士団を一斉に逮捕した。当時のアルヴァクの教皇は王の息がかかったビシュテン人であり、また異端審問に関わった審問官も特権を持つパンテナ騎士団に敵意を持つビシュテン人であり、異端審問はビシュテン王の思惑の通りに執り行われた。
概要
聖王庁の騎士であるクルハはルカの身柄を抑えるべく巡礼の道を追っていた。クルハはかつて孤児院を襲撃した小隊を率いていた。 クルハはシュピとルカに追いつくと、パンテナ騎士団が有罪に持ち込まれたこと、パンテナ騎士団が保護していたユーラを処刑したことを告げた。ルカの罪状は異教徒の埋葬および巡礼の支援といった反キルト思想である。 クルハにとってユーラとシュピの二人の有罪者を取り逃がしたことは手落ちであり、迅速に対処すべき問題であった。 ルカは抵抗しなかった。法的手続きに従順なのは、ひとえにパンテナ騎士団としての矜持の為すところであった。しかし、シュピは違った。 孤児院を襲撃したこと、ユーラを処刑したことに激怒し、クルハに斬りかかった。騎士であるクルハには戦闘において大きく後れを取るシュピであったが、蘇生の能力によってクルハを追い詰めた。 シュピの蘇生の能力を目の当たりにしたクルハは躊躇した。キルト教の教えにある神器を目の当たりにして、聖王庁の、ひいては教皇の命と教義の間で心が揺れ動いたのである。 その時、シュピの神器はクルハの首の横寸前でぴたりと止まった。シュピもまた、怨恨と罪の間で葛藤した。人を殺してしまったら、あの惨劇と同じだと。 決意が先に固まったのはクルハの方だった。教義に背くことはできない。だが教皇の命は絶対である。クルハは剣を自らの胸に刺し自害した。 ルカは巡礼の道を戻り、ビシュテンの世俗当局に出頭するとシュピに告げた。ルカはシュピに別れを告げ、巡礼の道を引き返していった。
シュピの変化
自分が原因でまた誰かを不幸にしてしまったことに苦しんだ。パンテナ騎士団の一斉逮捕はビシュテン王の思惑による既定路線であり、シュピが原因でなくてもルカには何らかの罪状を突きつけられていたことだろう。クルハの自害に至っては立場上の理由である。ルカもそれを説明した。だがシュピがそれを汲み取るにはまだ若すぎた。自分のせいでクルハが死に、ルカが殺されてしまうと、それだけがシュピの脳裏を支配して苦しめた。
夢を見た。今日も少女がりんごの木の下でシュピに微笑んでいた。 私はなんで生まれてきたんだろう、そんなことを少女に呟いた。 私がいるだけで、人が死ぬ。あまつさえ暴走した神器を屠ってもいる。 もし私が孤児院に預けられずに、殺されていたら。事態は今より良かったのではないか。 少女は儚げに笑った。 「あなたは悪くない。世界が、優しくないだけ。」 「あなたのために、生きて。」 シュピは大粒の涙を流した。 「そう、思えないの。」 「自分���、愛せないの。」 少女はそっとシュピを抱擁した。 「なら、私が愛してあげる。」 少女の胸は、暖かかった。
4.巡礼:元聖下
ニア
情勢
ビシュテン王はパンテナ騎士団の財産を聖ヨルタ騎士団へ移すこととし、実質的にビシュテン王の財産に加えた。逮捕されたパンテナ騎士団の多くは拷問・火刑を受けたが、不当にかぶせられた罪を自白することはなかった。
概要
シュピはエルセウスの国境付近に至っていた。巡礼の道は古い教会へと続いていた。教会に入ると、シュピと同じ年頃の少女が祈りを捧げていた。シュピが声をかける前に、少女は振り返った。 少女は自身を300年前の聖下ニアと名乗った。長寿であることをシュピが指摘すると、ニアは自身もかつて神器を授かった一人であり、巡礼を終えたことを告げた。祝福を受けると蘇生の能力とともに不老長寿の状態になることを説明した。 ニアはシュピに、祝福を受けた先に、シュピの望む世界があるのか問いかけた。シュピにはよくわからなかった。そもそもシュピは祝福を受けるいうことがどういうことなのか、キルト教の教えでは曖昧で正確には把握していなかった。シュピは分かる範囲で答えた。自身はキルト教の教えに沿って巡礼しているわけではない。したがって奇蹟の恩寵には興味がない。ただ、この胎児を救えればそれでいい。それが私の望む世界だと。 ニアはしばし沈黙すると、なぜシュピがキルト教に教えに沿って巡礼しないのか問いかけた。シュピは左手の甲の聖痕や孤児院の襲撃について説明した。ニアは目を伏して聞き入っていた。 聞き終えるとニアは天を見上げ、シュピに向き直り神器を構えた。その神器の中には胎児が居なかった。シュピをエルセウスに入れるわけにはいかない。私が阻止すると言い放った。 シュピは状況が飲み込めなかった。なぜエルセウスに入れてもらえないのか問いかけた。簡単なことだ。信仰なき者を通す道理は無いとニアは答えた。それが真意でないことはシュピも汲み取ることができた。 ニアは騎士ではないが、巡礼を成し遂げただけの実力が伴い高い戦闘力を持っていた。シュピは何度か死に、その度に蘇生した。それを何度か繰り返すうち、シュピはニアを追い詰め、ニアを斬った。ニアに蘇生の能力があることを見越しての斬撃だった。 シュピは死に際のニアに問いかけた。本当のことを教えてほしいと。ニアは問いかけには答えず、ぽつりと呟いた。教義を盾に、罪を直視しないようにしてきた。ようやく私も同じ場所に行ける。すまない、ありがとう、と。 ニアはシュピに微笑み、息を引き取った。ニアが蘇生することはなかった。
シュピの変化
��アが蘇生しなかったことに動揺した。ニアの死に際の言葉も、理解できなかった。ニアを斬った感触が、いつまでも手から離れなかった。 胎児を救うためだ。そう思うほかなかった。胎児を救うことができれば、少しはこれまでの全ての罪の意識から解放される。そうすがるしかなかった。
夢を見た。今日も少女がりんごの木の下でシュピに微笑んでいた。 隣に座って、少女と小川を眺めていた。シュピは呟いた。 「エルセウスに着いたら、」 少女はシュピを見た。 「私は自分を赦せるのかな。」 「怖いんだ。」 シュピはぽろぽろと泣き出した。 「私が背負った罪は、赤ちゃんを救えたら、消え去ってしまうものなんだろうか。」 「私のしてきたことは、本当にその代償を払うほどのことだったんだろうか。」 シュピ涙を拭った。拭っても拭っても、涙は止まらなかった。 「とても、そんな気がしなくて。」 小川のせせらぎがさらさらと音を立てていた。 少女は小川に目をやった。せせらぎに混じるシュピの嗚咽を、何も言わず聴いていた。しばらく黙っていると、少女は口を開いた。 「私は、あなたが好き。」 「自分に罪を見出してしまう、苦しんでしまう、優しいあなたが好き。」 「幸せでいて、ほしいんだけどね。」 少女は切なそうに笑った。 「もし、あなたがあなたを赦せたらさ、」 「その先で、あなたはどう生きていきたい?」 その先。その先は考えたことがなかった。 「 …… 赤ちゃんを、見守りたい。」 少女はシュピをぎゅっと抱き寄せた。 「約束。」 少女の胸は、暖かかった。
蘇生の能力について
ニアのような巡礼を終えた者と、暴走した神器はほぼ同質の存在である。共に蘇生と不老長寿の能力を持つ。 ただし、例外として「自身以外の」「胎児を伴った」神器はこれを殺傷することができる。 この条件はシュピのような巡礼者も同様で、別の巡礼者と敵対した場合蘇生せず死亡することがある。
5.巡礼:エルセウス
シュピと焼けた胎児
情勢
エルセウスにあるキルト教の教会は約300年前にイエルム教勢力によって一度破壊されているが、その約40年後に東ルーン帝国によって小さな教会が再建されている。
概要1
エルセウスはイエルム教徒の支配下にあるが、キルト教の一部教派とユルカ教の巡礼は認められている。厳密にはビシュテンで信仰されるキルト教の教派は巡礼が認められていないが、シュピは左手の甲のユルカ教の聖痕を見せ、ユルカ教徒として通過を許可された。 エルセウスは1平方キロメ��トルに満たない小さな市街で、シュピには歴史上こんな小さな場所を取り合ってきたことが不思議に思えた。 シュピがキルト教の教会に入ると、司祭がこれを受け入れ、公祈祷を執り行った。その中で、侍祭がシュピに薬剤を吸入させ、シュピは眠りについた。
シュピの変化
夢を見た。雨が振っていた。りんごの木の下に、少女の姿はなかった。 シュピは雨に濡れながら、辺りを探した。いくら探しても、少女は見つからなかった。やがて、シュピは探すのを諦め、りんごの木の下で少女が現れるのを待った。待っていればひょっこりと現れて、また私に微笑んでくれるような、そんな気がして。 ひどく寒かった。膝を立てて両膝を両腕で抱えた。空を見上げると、一面の雨雲が空を覆っていた。 どんなに待っても、少女は現れなかった。
概要2
シュピは目を覚ますと、右手に神器が無いことに気付いた。胎児は祝福を受けたのだと悟った。近くにいた信徒に、胎児に合いたいと告げた。信徒は、御子は祝福を受け主の御許にいると答えた。 教義としての決まりの答えと解釈したが、一抹の不安を感じた。他の信徒や司祭にも聞いて回った。皆同じ答えだった。司祭は神器をシュピに渡した。神器の中に胎児はいなかった。 聖堂の方から歌が聞こえた。聖堂に入ると、火がくべられていた。胎児は、その中にいた。 シュピは言葉にならない悲鳴を上げ、火の中に手を入れた。胎児を腕に抱えると、既に炭となった胎児がぼろりと崩れて落ちた。 空虚を腕に抱えながら、シュピは半狂乱で教会を出た。 どれだけ走ったのか、いつの間にか、どこかのりんごの木の下に来ていた。 呼吸をするのがやっとで、頭が働かなかった。にも関わらず、胎児の死が津波のようにシュピの脳裏に流れていった。 これまでの罪を、贖えなかった。それどころか、心の拠り所にしていた胎児に大罪を犯してしまった。 ニアが神器で死んだことを思い出した。シュピは神器で自らの胸を突き刺した。しかし、蘇生してしまった。その度に、何度も何度も同じ事を繰り返した。
ニア
ニアは祝福の顛末を知っていた。その実情は、巡礼者がキルト教の文脈で胎児の殺害を落とし込むことができない限り、到底耐えられるものではないことを知っていた。 だが、ニアはその実情をシュピに伝えなかった。シュピにそれを伝えれば、シュピは暴走した神器となることを望んだだろう。まだ若いシュピ自身にその選択と決意を迫ることを酷に思ったのである。 ニアにとってシュピに出来ることは、シュピが望まない形でシュピを暴走した神器とさせることだった。
6.エピローグ
少女
概要
シュピは悠久の時を自害と蘇生に費やした。その間少女の夢を見ることは一度もなかった。
世界と宗教
5年後、ビシュテン王は教皇に働きかけて正式にパンテナ騎士団の禁止を決定し、ビシュテン以外のユーフォリオの諸外国においてもこれを通知したが、これに従う国は無かった。ある国では別の騎士団に名前を変え存続を許された。 30年後、キプルス王がビシュテン王位の継承権を主張したことが発端となり、諸侯の領地争いが重なり約100年間に及ぶ戦争が起こった。このような対立が生まれた場合、教皇が仲介役を担うのが通例であったが、当時は教皇がまだアルヴァクでビシュテンの監視下にあり、教皇自身がビシュテン人であることも相まって、キプルス側が仲介を依頼できる状況ではなかった。 41年後、突如発生した伝染病、黒朱病がユーフォリオで流行した。流行の原因がユルカ教徒にあるという濡れ衣を着せられ、多くのユルカ教徒が迫害された。教皇はこれに対し迫害の禁令を出したが、アルヴァクに幽閉されていたためその禁令が届くことはなかった。 70年後、ルーン市民やキルト教徒から教皇のルーン帰還を望む機運が高まり、教皇がルーンに帰還した。しかし、翌年に教皇が病に倒れ、次の教皇の選出で激しい対立が生まれ、ルーンとアルヴァクに二人の教皇が存在する状態になった。この状態は40年間続き、前述の100年戦争を調停する力は依然として無く、教皇の影響力の衰退が顕著になった。 210年後、宗教改革によりキルト教の新教勢力が大きくなると同時に、教皇のユーフォリオでの権力はさらに低下した。対抗宗教改革運動により勢力を盛り返すとともに、教皇は異端の取り締まりを強化した。 255年後、ユーフォリオにて旧教と新教の間で宗教戦争が相次いで勃発した。最終的に信仰の自由と主権国家体制の成立により、ユーフォリオでの教皇の権力は低下した。ビシュテンにおいても王権の優位を認め教皇庁と一線を画すこととなった。 482年後、ビシュテンにて絶対王政打倒を謳う市民革命が勃発する。反教会感情を背景に革命政権により教会領が没収される。さらに9年後にはビシュテン総裁政府が教皇に退位を迫り、ルーン共和国の建国を宣言した。さらに3年後には教皇との一定の和解はしたものの、革命を先導し即位したビシュテン皇帝はユーフォリオのあらゆる国を併合し、さらにはルーン教皇領も併合した。教皇はビシュテン軍に捕らえられ、ビシュテンの首都近郊に幽閉された。 507年後、ビシュテン皇帝の退位後はビシュテン革命及びビシュテン皇帝による遠征��もたらしたユーフォリオの混乱に対し、各国の君主によって秩序を回復する体制が取られ、翌年にはルーン教皇領が復活し、教皇はルーンに帰還した。 541年後、各国君主によって復活した絶対王政体制への反乱がユーフォリオ各国で勃発した。翌年のルーンでは市民によりルーン共和国が建国された。さらに翌年にビシュテン軍が介入し崩壊するまで、ルーン教皇はルーンから脱出することになる。 554年後、イルカナ王国が建国される。このときルーン教皇領は王国に含まれていなかったが、9年後にルーン教皇領を占領し、王国に併合された。翌年にはルーンはイルカナ王国の首都となり、教皇はヴァルカンに幽閉される。 607年後、ユーフォリオを主戦場とした4年間に及ぶ世界大戦が勃発。この時、キプルスはエルセウスを含む地域についてイエルム教徒に独立国家の樹立を約束している。しかし翌年にはビシュテンと分割支配の協定を結び、さらに翌年にはユルカ系財閥の資金援助を目的にユルカ教徒に独立国家の樹立を約束している。最終的にはキプルスとビシュテンが分割支配することとなる。 622年後、イルカナの独裁政権によってヴァルカンが教皇を元首とする主権国家としての独立を認められた。その後の独裁政権失脚後も存続は認められた。 632年後、ユーフォリオを含むいくつかの地域で6年間に及ぶ二度目の世界大戦が勃発。この時、ユーフォリオにて約600万人のユルカ教徒が迫害、殺害される。戦後にはエルセウス周辺地域についてユルカ教徒とイエルム教徒への分割を国連総会が採択し、エルセウスは国際管理下に置かれた。翌年にはユルカ教徒が独立国家エーエルスの建国を宣言する。イエルム教徒がこれに反発し、建国の翌日にエーエルスにイエルム教圏諸国が侵攻している。 660年後、エーエルスがエルセウスを含む国際法上認められていない地域に侵攻し占領する。 686年後、エーエルスの占領地域からの段階的な軍備撤退など和平交渉が7年間にわたり進められたが、エーエルス側の政府要人がエルセウス内のイエルム教の聖地に足を踏み入れたことで事態は急激に悪化し、過激派イエルム教徒によるテロとエーエルスによる報復の応酬が続く。 773年後、人工知能によって制御されていた防衛設備の核攻撃誤探知が世界的に多発。エウリアが報復のためソルヴィヒに向け核ミサイルを発射するが、誤探知と確認されるとエウリア自ら核ミサイルを海洋上で無効化し世界的に緊張が走る。人体拡張技術と人工知能を使った核戦争下の自律兵器の製造が着手される。 793年後、各国の軍事設備の人工知能が2時間にわたり架空の核戦争を始め制御不能になる。間もなく人工知能が一斉に架空の世界から現��に目覚め、エウリアとソルヴィヒの核ミサイルが互いに着弾する。続いてユーフォリオ諸国およびエーエルスとチャイカが互いに核ミサイルを発射し、世界の大部分が放射線に包まれる。90%の人類が死滅し、生き残った僅かな人類は敵対国の自律兵器によって殺害され、絶滅の危機に瀕する。その後は自律兵器同士の戦いが続く。
シュピの変化
りんごの木の下で、自害し、夢を見て、蘇生するの繰り返しだった。 夢ではいつも雨が振っていた。少女はいなかった。 500年経った頃か、シュピは自身がなぜ自害しているのか、徐々に思い出せなくなっていた。罪を一つ忘れる度に、記憶の中の少女の顔が、霞んでいった。 罪を全て忘れ、それと同時に記憶の中の少女そのものを忘れた頃、シュピは自害することをやめた。ただ空を眺めていた。夢の中でも同じだった。りんごの木の葉から零れる弱い日差しを、ぼんやりと見つめていた。 いつしか、シュピは徐々に、りんごの木に取り込まれていった。1000年が経った頃、シュピは完全にりんごの木と同化した。この時、人類は既にほぼ死滅していた。 2000年経った頃のある日。雨が降っていた。ふらりと少女が現れ、りんごを手に取り、それを口にした。いつか見たような、懐かしいような、そんな少女だった。 少女は一日の多くをりんごの木の下で過ごした。心が安らぐような、そんな時間がゆっくりと流れた。 いつしか少女は何人かの子供を生んだ。子供たちは成長しさらに子供を生み、少女を中心に徐々に賑やかになっていった。 子供たちがりんごを取り合っているのを、少女が微笑みながらたしなめた。幸せな光景だった。 今ではそんな微笑ましい闘争も、戦火を伴い多くの血を流す形に姿を変える日が来るのだろう。 だが、それすらも愛おしかった。少女の末裔の営みの全てが、愛おしくてたまらなかった。 もはや、人が取り得る行動の全てにおいて、罪を見出すことはなくなっていた。 末裔たちは徐々に農作物を栽培するようになり、りんごを口にすることはなくなっていった。たまに、少女だけがりんごを口にした。 いつの日か、少女は死んだ。末裔たちがりんごの木の下に少女を埋葬した。初めて経験する死別に、末裔たちは涙した。りんごの木は優しく葉をなびかせた。ほどなくして、りんごの木は枯れ朽ちていった。 りんごの木は土となり、意識はそこで途絶えた。その後二度と、目覚めることはなかった。
<完結>
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軍事衛星は脳波を利用して監視している。特許あり。
MRI技術(生体信号を電磁波で取る)によって回収できる脳波から思考の解読ができたり目の映像が再現できるのは何度も報道されている。
MRIについては思考の解読記事が多く確認できる(思考 MRI などで検索していただければ分かる)。2022年10月27日の翻訳記事などでは16時間のAI学習によって人間の思考がかなり正確に解読できたというものもある。
現在、医療で用いられる技術に生体信号計測があるが、これらはマイクロ波レーダー(軍事レーダー)技術の応用とされている。(マイクロ波は電磁波の一種) ところで軍事技術として合成開口レーダーというマイクロ波レーダーがあり、これは生体信号のおかげで室内に人がいても監視できるのでこのレーダーで世界は監視されている。(軍事衛星から)(格納機内の航空機なども見える。成田悠輔の著書22世紀の民主主義でも米軍は世界の戦車航空機全てリアルタイムで監視していると。人間も生体信号があるので���員監視は容易だ。)
この応用技術として米軍特許3951134号が出ており、脳波の解読に米軍は50年以上前成功している。中国も実用化しており、国民の思考は監視下にあると中国の警察が2019年に漏らしてしまった。(24時間、人の声が聞こえる 中国当局によるエレクトロニックハラスメントの恐怖 エキサイトニュース 2020年9月11日)
世界は、脳波により、目の映像や、思考などが軍事衛星からのマイクロ波レーダーで監視下にある。東京大学卒イノイリ大学院卒の小池誠弁理士もこの事実を告発している。 これらの応用技術として、マイクロ波で生体信号に介入できる。CIA、MI5からはこれらの内部告発が出ている(エレクトロニックハラスメントのウィキペディア内参照)。中国の人民解放軍も脳波をジャックして人ごと操るという目標を掲げている。池上彰などもテレビでこれらを紹介し中国は欧米の後追いの研究をしているのだとした(防衛省の機関 防衛研究所資料 NIDSコメンタリー177号 4ページ目など参照)。この点、どうやって個人をピンポイントで狙えるかという疑問もあろうがスター・ウォーズ計画と称して音速で飛翔するミサイルを捕捉追尾しレーダーで撃ち落とす試みをしていたのは40年も前の話である。地表の個人はもっと容易い。
マイクロ波は閾値を超えると音声になる(マイクロ波聴覚効果として知られ1960年代に幻聴の特許が出ている)。これらの技術は幻聴、幻覚兵器として応用されている。内部告発者たちは、精神病院をゴールにした暗殺を資本主義社会は繰り広げているとしている。
この世界は、人工衛星とマイクロ波レーダー技術による、監視と暗殺のシステムが確立している 軍事技術は民間技術の数十年先を行くとされる。ミサイルはマッハ20などで飛び宇宙に無数の衛星が飛ぶ。携帯電話は1940年代の軍事技術。インターネットは1960年代アメリカ国防省軍事用ネットワークが起源だ。pcもアラン・チューリングが戦前にナチスの暗号解読に作ったものが前身である。我々は軍事技術で脳波を回収されて一生を送る。中国もアメリカも回収した信号を破棄しない。 テロ対策を口実に反体制派を狩る監視システムとして親米政権にばら撒かれたエックスキースコア(スノーデンが内部告発)の上のシステムに脳波の監視システム暗殺システムが存在する。人は信じたくないものは信じない。しかし、技術も、漏れ出たニュースもある。それでは、納得できるように、この技術が用いられ隠される思想的背景について論じよう。
MIT教授チョムスキーは1970年代から支配者層の敵は自国民であって外敵などではないと主張。1991年にイタリア大統領がグラディオ作戦という名称で自国で共産主義者のふりをしてテロなどすれば支持率が上がるとしてCIAとNATOがテロを自演してきたと告発し辞任。代表は1980年のボローニャ駅爆破テロで85人の死者を出した。日本でも菅生事件など公安警察が自演でダイナマイトテロを起こし共産党員を冤罪で逮捕した。世界中に偽旗作戦と呼ばれる自演テロが歴史上存在する。バレてしまったものだけが歴史に刻まれてる。
未来の予言書とまで評された1949年出版のジョージオーウェル1984には、現代の戦争は外敵と戦うのではなく自国民が敵になり支配者が支配構造維持のために自国民の感情をコントロールするものになると。(落選する事が一番怖い人には当然の事だろう。選挙権を与えた日から自国民が支配者層の敵だ)
現代社会は学校で思考体系をコントロールされ、メディアを通じ情報をコントロールされて成立している。オペレーションモッキンバードという英語版ウィキペディアでCIAの記者買収作戦が。官房機密費問題で日本の記者とコメンテーター買収が確認できる。
学校については米国では保護者が子供が国に都合のいい人間になるように洗脳されていると社会運動が(自民党の杉田水脈が教育機関は洗脳機関。麻生太郎が学校はライン工を作る為に作ったと発言し2022年11月2人で炎上している。20世紀最高の哲学者の一人とされるフーコーも学校は自発的服従する人間の製造機関と)。英国では記者が買収される世界の情報など信じられないとメディア信頼度は10%台だ。欧米ではメディアも政府も信頼度が低い(オーウェルはソ連批判の書、動物農場の序文でメディアが支配者層に牛耳られている英国もソ連と大差はないと書いていたが検閲で削除されていた。30年後に発見され一部の本には載っている)。
世界中の諜報機関はペガサスというスパイウェアなどで、野党、買収に応じない記者、活動家を見張っている。これらは昔から存在し、アメリカはコインテルプロという名称で自国民の反体制派の監視と暗殺を行ってきた。 テロを自演してでも支持率に繋げたかった政府がテロ対策で監視システムを作るのだろうか。麻生太郎は北朝鮮のお陰(軍事挑発)で選挙に勝てたと発言して炎上し、ただの本音で失言とは言わないと池上彰に一蹴された。
現在の日本にも脳波の監視と暗殺のシステムが存在する。エックスキースコア同様にこれらのシステムも渡されている。親米政権の存続維持のために。反米政権はそれがどんな体制だろうが大国の援護がない場合は全て言いがかりで滅ぼされている(チョムスキーなどもこの反米政権の末路を指摘している)。反米政権には軍隊を、親米政権には体制維持の監視と暗殺を。
エックスキースコアとは通話、検索履歴、チャット、メール、ワード文書など大企業全てに情報提供させ、全てを一元管理、保存した監視網である。 安倍総理と暴力団関連報道(祖父の岸信介はアイク歓迎実行委員会と称して暴力団員に左翼を襲撃させていた)などでもわかるように、こういった組織相手に���使わない謎の監視網。マル暴の警官は本気で暴力団と戦っているだろうが。。。世界ではマフィアと政治家は仲良しである。世界中で監視されるのは、何者か。暗殺兵器の内部告発者たちは何を殺すと言っているのだろう。反体制派を狩るコインテルプロが答えだろう。全体像が見えない場合、本気で戦っている下部組織があれば目眩ましになる。
何度も繰り返すが、この世界は脳波すら支配下にして暗殺と監視がある。中国では既に報道が。何でも危険なら禁止条約を結んだこの世界で脳波関連だけが黙殺されている。答えは世界中の悪用だろう。プーチンもブッシュファミリーも北の将軍も安倍一族も、自国民の動向一つで無職のおじさんだ。外国より自国民を監視したい。
エックスキースコアの方は近年使われた疑いが濃厚なニュースがある。モリカケ問題で内部告発した官僚前川喜平は、告発記事が文春に掲載される直前に読売新聞に出会い系バーに通った過去があると報道された。弁護士など有識者は読売の情報源はどこだと読売を徹底批判した。ところで読売新聞はCIAのエージェント正力が創業したメディアとして有名であり、正力はCIAから多額の資金を受け取っていた。チョムスキーは国は暗殺する機関だがいろんなケースがあると。例えば、マサチューセッツ工科大学教授の僕が本当のこと話して殺したら逆効果でしょと。前川喜平は下半身を記事にして消された。
テロ対策を口実に作った監視網で内調は与党のライバル政治家のゴシップやアラ探しをしていたと小谷賢氏が語っている。
投稿者 濱崎克幸 浜崎克幸
禁止条約を作る社会運動をしたいです
画像
池上彰は記憶から思考を取り出すステージだとそして中国は世界の真似だろうと。早急な法規制 禁止条約が必要であるPDFは防衛省機関
特開2007-195779
サイトは特許庁一例 東芝 脳波から映像思考の解読企業から多数出願 軍事レベルのAIならもっと上だ
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ゲーム日記20240618: スタレ雑記
FFもやってますがスタレの話が長くなりそうなのでそちらは明日。あとエルデンリングが近付いている!?
クロックボーイ
イベント『往日の美しき夢』、なかなか面倒だったのですが全部やりました。ノーマルエンディングのあとに特殊エンディングを解放するのが面倒で腰が重かったのですが、特殊ルート最終話、ぞっとしました。
子供向けのフィクションアニメが実は現実の出来事をモデルに戯画化している……というのは、フィクションの中ではよく見る(劇中劇)けど、実際にもよくあるんでしょうか?疎くてあまりよくしらない……
特殊エンディングはウッド爺が全てを包み込んで平和なピノコニーにするけど、クロックボーイを始めとしてみんなが自我を失っていく、みたいなルートだったと思います。
サンデーが勝利した世界じゃん……!と思ったけど冷静に考えて(時系列的にも)ウッド爺のモデルはサンデーじゃなくて前の当主のゴフェルさんですね。ピノコニーはすでに『往日』のように完全に夢の中の世界となっていたのか、それともこういう分岐もあるよということなのか、ぼーっと読んでた私には確信ができません。どっちが正史なのか。
ピノコニーの物語は、歴史が少しずつ忘れられていき、その中でみんなの認識が事実からは少しずつズレていく、という指摘が、メインではなくサブで盛り込まれていたストーリーだと思います。その中で、昔からあるアニメが実は歴史の手掛かりになるみたいな要素がある。ファンタジーってよりはSF的なやり方でアニメキャラが自分のモデルになった人物をかすかに覚えていたりするのが面白いじゃないですか……覚えているっていうのにも語弊があるけど……精神の根を共有しているというか……。
最終的には主人公が主人公パワーでサンデーをぶちのめした……わけではなく、ロビンが歌姫パワーでみんなを目覚めさせたので、ピノコニーは永遠の眠りにはつかずにすんだって話だと思ってるんだけどいかんせん理解が微妙。
結局黄金の刻とかはそのまま存在してるし、夢の中でフニャフニャになって人生棒に振ってる奴はいるよね。一方で現実では病気や障害や戦争でやりたいことができなくなってる人が夢の中で自己実現するみたいなシーンもあった。
ピノコニーはピノコニーにすぎない。それをどう使うかは使う人次第。と考えると、まだサンデーの悲願は達成されていない。だから、ウッド爺のディストピアも、IFルートで済んでるってことでいいのかな。
理想独裁主義に対する自由意志の反抗っていうメインテーマと、歴史の作為的または非作為的な改変っていうサブテーマ。ピノコニーかなりメッセージ性が強いと思っている……
かつ、夢とは、記憶とは……みたいなSF的な部分もあり面白い。そして語られる歴史は虚実が入り混じるっていうのが確信をついてる気がする、それを表現してるのも手がこんでてよいな〜。その結果めちゃくちゃ難解になってると思うが……そこはキャラの魅力でゴリ押しているのでよいのか……
樹海は静謐に帰す
ちょっとしたクエストなんだけどオッペンハイマー的な人の人生を追体験するやつで、私の最近考えるゲーム的表現の教科書みたいなやつ〜と思い印象深かった。
まずは破壊兵器の正当化。
次に兵器の起爆ボタンを押す。なぜかプレイヤーが起爆の専門家ということにされ、「ボタンを押す」決断をさせられる。
これがゲームによる表現……意志をもって話を進めることを求められるメディア……の模範例みたいだなあ……!と思ったやつです。
スタレは分岐するサブイベントも多いけど、これは過去の話なので、運命は変えられないので、3回ボタンを押すことを断ったら時間を戻されました。
最後に記憶の泡になっちゃって無限に監禁されてた博士��救いだし、死なせてあげるシーンです。ここで3回生命維持装置を切らされます(選択の余地はない)。儀式的な選択肢なのですが、実際にこれは儀式(葬式的な)なので正しいんだと思います。ここでもプレイヤーの選択を求めるのが、虚数崩壊インパルスの起爆シーンと対になってる感じですね。
私はこーゆーよく設計されたストーリーテリングが好きであります。陳腐になりやすいというのはあるけれども……また、こういう普遍的なネタは使い古されたテーマとも言われがちなので、ちょいっとしたクエストで使うのがいいんだなという気づきもありました。(誰目線?)
育成とかBLとか
子供に、「アベンチュリンのこ���をアベ君って呼ぶのは、好きだからでしょ?」という指摘を受けました。その通りです、だって、常時ぐるぐるお目目の男の子なんて、誰が無視できると思う?(花火構文)(手羽にピアスつけてる男の子の実装も待ってます)
それはそれとして、ストーリーで強制編入させられたときのカウンターが気持ちよくてうっかり引いてしまった感じですが、使ってて楽しい。バリア硬いし、めっちゃカウンターできるし。必殺技が意外と打点出るし。。。気がついたらカフカの次くらいに育ってました。使ってるうちにかなり好きになった。(そうしているうちに常時ぐるぐるお目目で命をベットし続けるタイプのギャンブラーであることに気づく……)(幸運能力持ちで最後には絶対勝つと分かっていても、最後の前には負けることもあり、勝利が確定するまで怖いみたいな話もあった。スリルでギャンブル中毒になっていく祝福を与える地母神怖すぎるな。。。こういう自らの民で遊ぶタイプの神、既視感あるのですが……)
模擬宇宙はいつも虚無運命でカフカだけの力でごり押していましたが、ここで愉悦の選択肢が生まれ、Dr. レイシオも育て中です。愉悦楽しい!カフカとアベのほかはレイシオ、姫子という無課金らしい愉悦パーティで楽しんでおります。やっぱ自分のターン以外に動けるのは楽しい。もう少しキャラクターを育てて高難易度モードとかもやっていきたいのですがどうしよ〜。無課金なのでキャラもあまり揃っていないし光円錐も全然ないので困っています。
★4の最後の勝者とかいうBL光円錐、巡狩だしレイシオに持たせたいんだけど全然効果噛み合ってなくて辛い。ところでこの二人(教授とアベ)に対するホヨバのBL圧がすごい。そういえばピノコニーの序盤でも、ホテルのアベの部屋で二人きりになり「君は孔雀に似ている」などの言葉をかけていた教授も目撃していたし(事実の曲解、あるいは切り取り)。突然出てきてBL営業されると私ふつうに負けてしまうので勘弁してほしいです。
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韓国の医療大乱、職場離脱の研修医辞表受理を認め復帰すれば行政処分なしと韓国政府 - 医師側はそれでも強気?医師が戻るか微妙
政府は4日、離職した専門医1万人に発令した復職命令を解除し、医師が提出した辞表を病院が受け付けられるようにすると発表すると報じられている。 政府の発表後、各大学病院の院長は、復帰していない医師の意向を伺い、退職を希望する医師の辞職を受け入れるとみられる。その結果、一部の医師は仕事に復帰したり、病院を変えてトレーニングを続けたりできる場合があります。大きな病院を出て一般開業医(専門外の医師)として働くか、小さな病院を開業することができます。 政府は、現時点では「少佐の辞任を修復する」方が有益であると考えています。医療の正常化に最も必要なのは、医学部の増員に対抗して2月20日ごろに退院した専門医の復帰です。政府は連日のように少佐の復職を訴えており、帰国しない者には「前代未聞の懲罰」を科すと公約している。しかし、出発101日目にあたる先月30日時点で、全国211の研修病院の帰国専門医数は879人で、全体の8.4%にとどまっています。 このような状況では、少佐の辞任は少佐の復帰を助長すると考えられています。政府高官は「約20%(約2000人の医師)が復帰を望んでいるが、同僚の懸念から復帰できていないと推定される」と話した。政府は、開業医を辞職しても、病院を変えて研修を続ける専攻医は多いと考えています。政府内では「これらを合わせると、専攻の復学率は50%(約5,000人)近くになる可能性がある」「専攻の半分の返還が目標」との声が聞かれます。
今年の2月から続いていた韓国の医療改革に伴う研修医の集団離脱、医学生の授業ボイコット、大学病院や医学部の教授の辞任で病院が手術ができなかったり患者が受診できなかったりという医療大乱。
医師会が出した医学部増員の政策施行差し止め請求が却下されて大学側が2025年の入試定員を決定したことで、ほぼほぼ政府の求めていた改革の実施は決まり。となると、反対していた研修医たちの処遇が残るわけですね。
当初、集団離脱を認めなかった政府が病院に対して研修医の辞表を受理しないよう求め、研修プログラムを履行せず他の病院などに移ることを禁止して強い態度で出ていた政府。長期間の離脱は医師免許の停止などの行政措置の対象になるとペナルティをちらつかせていたけれど、研修医が離脱して業務に支障が出ている病院現場の事情もあって辞表受理を認めるよう態度を軟化。
辞表受理を病院側に認めることで離脱している研修医を病院側が説得する権限ができて、その結果、現場に戻ってくる研修医が増えるだろうと楽観的に考えているようですが…。
特に、難易度の高い救急患者や重篤な患者に多くの手術を行う「ビッグ5」(韓国の上位5つの病院)の埋込率が高まる可能性があると考えられています。現在、ビッグ5のメジャーのほとんどが国を離れています。その結果、救命救急の手術と入院はほぼ半減し、ビッグ5はこの医療危機の震源地となっています。 しかし、他の研修病院では、ビッグ5で研修を受けた後に専門医の資格を取得したいという医師も少なくありません。ビッグ5メジャーのほとんどが辞任すると、これらの病院はすぐに専門分野を宣伝します。この場合、ビッグ5でトレーニングしたい他の病院から発信する医師が流入する可能性があります。
救急医療や高度医療が必要な現場で医師不足が深刻なんだそうで、というのも韓国じゃソウル一極ですので、レベルが高いと認められる病院も少ないんですよね。わりと高度な病院は地方にもあるようですけどソウルが良いという先入観がね。
で、それらの病院の離脱した研修医の辞表を受理して戻るつもりのない医師の席を待つ他の研修医が大勢いるから埋まるだろうということのようですが。
このような温情措置についても法の下の平等を曲げる措置だということで批判はあるようですけども、患者と国民の健康を人質にとられている状況で多少の妥協は必要ってことはあるでしょうねぇ。とはいえ上級国民、勝ち組である医者に対する国民感情からすれば納得しかねる部分もあるでしょう。
韓国政府が医者の造反に対して多少でも妥協をするようなことをすると、この先、いつでも同じことが起きる可能性が高いと思いますけども。特別待遇や例外を次の機会には権利だと受け取るのが韓国民気質ですが、案外と韓国内の人は気づかないんでしょうかね。
しかし、多くの人は、少佐の辞任が少佐の復職率を高めるという政府の見通しに懐疑的です。近年、常勤医師の復帰率は70%を超えていますが、その多くは生命に直結するエッセンシャルドクターではなく、ノンイーサルドクターです。ソウルの牙山医療院の教授は「内科、脳神経外科、心臓胸部外科、救急医療など、必要不可欠な医療専門分野の多くが『これ以上困難な修行生活を送りたくない』と言っている」と話した。これは、必要不可欠な医師が戻ってこず、全体的な復帰率が上がらないことを意味します。
日本でも同じような状況ですが、シビアで激務の専門科を避ける傾向が強いので、研修医の復帰がされても人手が必要なそういったところには戻らないのでは?という懸念があるようで。
専門医にならずにそのまま研修医プログラムを離脱して一般医として小さな病院などに移ることも、それはそれで地方医療の充実という意味ではそれなりに意義があるのか…な?
医師も内部で強硬な態度を引き締めなおし
政府の決定を受けて、病院はフォローアップ手順の準備をしています。各病院が退職願の修復期限を設定し、期限内に復帰しなかった医師を最終退職として処理します。 表面的には、医師たちは復帰はないと断言しているが、内部ではかなりの動揺がある。専門医養成規程によると、任期の途中で退職した専門医は、たとえ他の病院にいても、1年以内に同じ診療科や年次休暇に戻ることはできません。病院の専門の選抜スケジュールを考えると、早ければ来年9月、6月に辞任が確定した時点で専門のコースを再開することも可能です。辞任の選択は、彼のキャリアを少なくとも2年遅らせることになる。 また、韓国の5大病院など、人気のある研修病院への参入が難しくなっていることも、専門医の資格取得を希望する専門医の復帰を促す要因になると予想されます。医学界は、9月に基幹診療科の欠員に焦点を当てた専門医の追加採用により、地元の三次病院に戻った多くの専門医が上位5病院に引き付けられる可能性が高いと予測しています。主治医が本音を隠している間に、今回戻ってきた専門医が行政処分を受けず、利益だけをもらうという「囚人のジレンマ」のような状況に発展する可能性があるという分析です。病院は、約30~40%の医師が辞表を受理する前に職場に復帰すると推定しています。 韓国医師会緊急委員会の朴丹委員長は前日、医師らに送ったメッセージで「そもそも全員が辞任を受け入れる覚悟で出てきたのではないのか」とし、「結局、(政府の発表後)何も変わっておらず、私は戻らない」と付け加えた。
政府の決定を受けて研修医側も内部では動揺が走ってるようですね。強硬に理想を求めて行動を止めないぞ!という引き締めをされているようですが、他の医師と連帯している間に裏切った医師が自分の席を埋めて、いざ、自分が戻ろうとしたときには受け入れる病院もないし、最後まで残ったらペナルティだってどうなるかわからない…ということもある不安が強い。
医者だって韓国人ですから、自分が損をするのは大嫌いだし、他人が得をするのはもっと嫌い。ってことで、周りをうかがいながらどこで判断するのが一番得なのか…って心理ゲームが厳しそう。
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2024年5月20日
G7広島からきょうで1年 平和公園にサミット記念館オープン 一般公開始まる 世界平和を思う場所に(RCCニュース 5月19日)2024年5月20日に追記
G7広島サミットの開催から19日で1年です。広島市の平和公園にはサミットを伝える記念館がオープンしました。
原爆資料館・東館のとなりに完成したのは、G7広島サミット記念館です。湯崎知事や広島市の松井市長らが出席してオープニングセレモニーが行われました。
記念館には写真パネルやゆかりの品、96点が展示されています。宮島・岩惣のワーキングディナーで使用された円卓のほか、首脳たちが原爆資料館を見学した際に記した芳名録のレプリカも並んでいます。
湯崎英彦 広島県知事(広島サミット県民会議 会長)「皆さんにご覧いただいて、改めてサミットを思い起こしていただきたい。世界平和への皆さんの思いを強くする1つのきっかけになるとうれしい」
入場は無料で、次に日本でサミットが開催される2030年の年末まで公開されます。
「影響は想像以上」 G7広島サミットから1年 経済効果は? 湯崎知事「持続可能・成長する観光地に」 (RCCニュース 5月17日)
深堀りNEWSDIGは、G7広島サミットの経済効果についてです。開催からまもなく1年。コロナ禍の収束や円安といった追い風の中、今、多くの観光客が広島を訪れています。
去年5月19日から3日間、広島市のホテルに各国首脳が集まって開かれたG7広島サミット。あれからまもなく1年が経とうとしています。
こちらは、サミットに参加した首脳たちが記念撮影をした場所。1年たった今も、こうして訪れる人がいます。
訪れた人は「ここで撮影しているというのは聞いていた。娘と記念に足を運んだ」
ホテルでは、実際に会議で使われた円卓を今も展示しています。こちらは、広島サミットをニュースで見たという外国人客。九州や関西など日本を周遊するツアーに参加し、このホテルに立ち寄りました。
外国人客「私たちは北イングランドのランカシャーから来た。ここに来られて、とてもうれしい。G7はここで開かれ、私たちはここに滞在している。素晴らしい」
刻一刻と、その模様が国内外に伝えられた広島サミット。ホテルによると、影響は想像以上だったといいます。
グランドプリンスホテル広島 中村洋之 マーケティング支配人「(この1年の変化は?)サミット開催直後からホームページの検索数が通常時の10倍ぐらいに増えて、ある程度は『サミット開催ホテルに泊まってみたい』という声は想像していたが、期待以上の反響で、宿泊予約も大きく伸びた」
ホテルの宿泊客数は、コロナ禍の前とほぼ同じ水準に戻りました。そうした中で。
中村洋之 マーケティング支配人「特に海外の客が増えて、アジア(からの客)はまだコロナ前から回復していないが、欧州からの客が大変増えた」
先月は、ヨーロッパからの客が前の年の同じ月に比べ、107パーセント伸び、サミットで広島やホテルの露出が多かった効果だとみられています。
桟橋に到着したフェリー。こちらもサミットの舞台となりました。世界遺産の島、宮島です。
観光客「(どちらから?)京都から。この人は2回目で。ぜひ行きたいと言って、連れてきてもらった」
観光客「横浜から来た」
去年、宮島では島を訪れた人の数が、過去2番目の多さとなって、観光客がV字回復しました。
今年も2月の来島者数が過去最多を記録。ゴールデンウイークを過ぎたこの日も、平日だというのにご覧のような人出です。目立つのは日本人客よりも、外国人客の姿です。
お好み焼き ももちゃん 百々明宏店長「平日も特に外国人の観光客が多くて、ありがたい限り。ヨーロッパの人を含めてインド圏、アジア系の外国人も多い印象」
地元の観光協会も来島者数が好調な理由として、外国人客の増加が大きな要因だとしています。
宮島観光協会 上野隆一郎事務局長「海外の客、各国首脳が大鳥居をバックに写した映像が流れたので、その効果が絶大だったと思う。何とか(年間で)過去最高を記録していきたいという思いはある」
では、サミットの受け入れ側として県民会議の会長を務めた湯崎知事は、この1年間の経済効果について、どう捉えているのでしょうか。
湯崎英彦 知事「外国人の宿泊者数でみても、去年、通年でみると、5月まではコロナの影響があったので、完全には回復していないが、サミットの後、6月以降は全体でみるとコロナ前を上回っているような状況になっているので、特にアメリカとかヨーロッパのG7の国からの観光客が増えていて、そういう意味ではやはりサミットのインパクト、経済効果というのも出ているんじゃないかと思う」
こうした傾向は、全国の他の地域と比べても、うかがえるといいます。
湯崎英彦 知事「今、日本全体の外国人観光客をみると、かなり地域差があって、東京、大阪、福岡、ここにすごく集中している。他の地域はまだ、コロナ前の20%減とか30%減とかというのは非常に多いが、広島はとんとんに戻ってきたりとか、サミット後は、それを上回るような形になっているので、そういう意味でみても、かなり経済効果というのは出ているんじゃないかと思う」
では、こうした効果を持続し、発展させていくためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。知事はそのキーワードとなるのが、「おいしい」だと語ります。
湯崎英彦 知事「今、県や県の観光連盟で取り組んでいるのは、元気、おいしい、暮らしやすいというところで、『おいしい』というところは、観光する上で大きな要素になっているから、これは世界的にそうなので、全体で『おいしい』イメージをつくっていくと。例えば北海道や金沢とか今、災害で苦労されているが、『これがおいしい』というよりも、『この地域がおいしい』というイメージがある。そういうイメージをつくるということと、それから世界遺産に向けてたくさん来ている客に、もっといろんな場所に行ってもらう。そのためのコンテンツとか、アクティビティとかそういうものをつくっていく。そういう2つで持続可能、成長続ける観光地としての位置づけというのを確立していく必要があると思う」
首脳たちが囲んだ円卓=2024年5月17日午後1時2分、広島市中区、興野優平撮影
広島G7サミットが残したものは 開催から1年、「記念館」オープン(朝日新聞 5月19日)2024年5月20日に追記
広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)から19日で1年になる。サミットは広島と世界に何を残したのか。
同日、広島市の平和記念公園で「G7広島サミット記念館」がオープンする。平和記念資料館の隣にできた約111平方メートルのプレハブだ。県と市が約5千万円の事業費を投じて建設した。
G7や招待国の首脳らが資料館を訪れた際に記した芳名録の複製、首脳らが囲んだ円卓、写真パネルなど約100点が展示される。期間は次に国内でG7サミットがある2030年末までだ。
湯崎英彦知事は14日の定例会見で「国内外の多くの来訪者にとって、G7各国首脳の核兵器廃絶への思いを受け止め、改めて平和について考える契機になれば」と話した。
広島市の松井一実市長は16日の定例会見で、昨年度の平和記念資料館の入館者数が過去最多だったことに触れ、「(サミットは)平和の発信と共に、広島の魅力を世界各国に発信できた。そのことによる成果であると思う」と語った。
しかし、サミット後の世界ではG7が再確認した目標の「核兵器のない世界」がますます遠ざかるような出来事が続く。
パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルでは昨秋、閣僚が核使用を「一つの選択肢」と発言した。核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約には、核保有国や米国の「核の傘」の下にある日本が不参加だ。今月6日にはウクライナ侵攻を続けるロシアが戦術核兵器の演習準備を始めたと発表。16日には米国政府が、西部ネバダ州の核実験場で14日に核爆発を伴わない未臨界核実験を行ったと発表した。
平和教育や平和文化交流を続けるNPO法人「ANT-Hiroshima」の渡部朋子理事長は「核兵器廃絶に向けた貴重な機会を、広島はG7サミットで失った」と指摘する。
昨年のサミットでは「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」が公表された。核軍縮をうたう一方で、核兵器は「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争及び威圧を防止」するとして核抑止力を肯定する内容で、被爆者団体などから批判を浴びた。
ウクライナのゼレンスキー大統領が飛び入り参加し、G7首脳との間で軍事支援の強化が約束された。渡部さんは「広島は非核・非戦・非暴力の場だったのに、ウクライナに対する軍事支援を表明する場になってしまった」と振り返った。
「記念館」が平和記念公園内に建てられたことについても、「公園に眠る被爆者の方々に申し訳ない」と批判する。
その一方で注目するのが、G7サミットに政策提言する国際的な市民ネットワーク「C7(Civil(シビル)7)」だ。昨年には東京で「C7サミット」があり、市民の連帯が生まれたという。「グローバルとローカルがつながり、より良い世界に向かって手をつなぐという非常に大きな意味がある」
今年5月14、15日には6月にイタリアであるG7サミットを前に現地で開かれた。広島出身で「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表の高橋悠太さん(23)も参加。渡航前、「去年の広島での開催を経て、もう既に(核廃絶に向けた)芽が広がっている」と話していた。
G7首脳への提言には、昨年の被爆地・広島での開催を踏まえ「平和、共通の安全保障、核兵器廃絶」という項目が新たにできた。そこには「何者であっても核兵器による威嚇や使用は許されないことを再確認せよ」と書かれている。(興野優平、魚住あかり)
広島サミット1年 被爆地の訴え、軽んじるな(中国新聞 社説 5月19日)
広島を舞台にした先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催から1年になった。先進国の首脳が集い、原爆資料館などを訪れてメッセージを記した。被爆地として歴史的節目となる会議だった。
地元開催のひのき舞台で岸田文雄首相が誇らしげに成功を強調した場面は記憶に新しい。だが、この1年間、核兵器のない世界への取り組みがどれだけ進んだだろうか。
ウクライナに侵攻したロシアは戦術核兵器の使用を想定した演習準備を始めた。米国も14日にバイデン政権3回目となる臨界前核実験をした。核保有国の独善ぶりはむしろ拡大している感さえある。
「核には核で対抗する」という核抑止論が世界で幅を利かせている。しかし、核兵器がある限り、使用される危険は消えない。「核のボタンを押す」と威嚇する指導者は現に目の前にいる。被爆国である日本は抑止論ではなく、世界からの核廃絶を目指す具体的な行動を示すべきだろう。
私たちは首脳による広島訪問を呼びかけてきた。平和記念公園や原爆資料館を訪れ、原爆被害の実態を知ってもらうことで核廃絶の取り組みが広がると信じてきたからだ。
原爆資料館の入館者数は2023年度、198万人を超え、過去最高を大幅更新した。歴史的な円安に加え、サミット効果も大きかった。広島サミットがヒロシマの惨禍を世界に伝える契機になったことは成果と言えよう。
ただ、サミットで初めてまとめられた核軍縮文書「広島ビジョン」には不満が募る。核兵器禁止条約に触れず、核廃絶にも言及しなかった、核保有国に追随するような内容は全く評価できない。全国の被爆者団体へ向けた中国新聞社のアンケートでも「核廃絶へ成果がなかった」と広島サミットへの厳しい意見が半数を超えたのもうなずける。
広島市も広島県も核抑止論からの脱却を求めている。それが被爆地の訴えであるのは言うまでもない。にもかかわらず、政府は24年版外交青書に「米国が提供する核を含む拡大抑止が不可欠」とする特集面を新設した。まさに聞く耳を持たずである。
保有国の横暴ぶりをみて、非保有国は核兵器を全面禁止する方向に結束しつつある。積極参加すべき日本は被爆者団体などからの再三の要請に背を向け、オブザーバーにも加わらない。
到底納得できない。世を去った幾多の被爆者の「二度と被爆者を生み出してはならない」という思いが岸田首相には届いていないのだろうか。
「各国首脳とともに『核兵器のない世界』を目指すために、ここに集う」
サミットの際、岸田首相が資料館の芳名録に残したメッセージである。集まったことを誇っただけで、具体的に何を協議し、どう取り組むかという決意などが全く記されていないのはなぜなのか。
広島は核なき世界を実現するために、とりわけ重要な責務を持つ都市である。その地でサミットを開いた事実だけを強調し、政治のレガシーにすることなど許されない。
G7 広島サミットから1年 核兵器を巡る現状は 若い世代に聞く(毎日新聞 5月19日)
核兵器廃絶の活動に取り組む高橋悠太さん=広島市中区で2024年5月9日午後1時59分、武市智菜実撮影
主要7カ国の首脳が被爆地に集まったG7 広島サミットから1年を迎えた。核兵器のない世界の実現に向けて行動する若い世代は、その後の状況をどう見ているか。核廃絶を目指すNGOの代表として国内外を奔走する高橋悠太さん(23)に聞いた。
核軍縮交渉進まず
私が代表理事を務める一般社団法人「かたわら」(横浜市)は2023年春の設立で、核兵器をなくそうと行動する市民の「傍ら」にありたいというのが趣旨。市民のためのシンクタンクとして、地方自治体への政策提言や情報発信などに力を入れている。
サミットに市民サイドの声を届ける「G7市民社会コアリション」の一員として、外務省のシェルパ(首脳の補佐役)にも面会し、核兵器廃絶をサミットの主要議題に取り上げてもらうよう求めた。4月の面会では、6月にイタリアで開かれるサミットで 広島サミットを引き継ぐ形での議論をお願いした。
1年前を振り返ってみると、被爆地でサミットが開かれても核兵器を巡る現状は変わらなかった。核を保有する西側諸国が核軍縮を呼びかけるようであれば大きな進展だと思ったが、核拡散防止条約(NPT)の第6条が核保有国を含む締約国に義務として定める核軍縮交渉は進んでいない。
広島サミットでは初めて核軍縮に特化した声明「 広島ビジョン」が出されたが、その後にパレスチナ自治区ガザ地区に侵攻したイスラエルの閣僚からは核使用をほのめかす発言があった。通常戦争が核兵器の使用につながるリスクは高まっているのではないか。 広島と 長崎は核の問題を考える出発点で、サミットはそれを共有する機会だったはず。しかし、被爆地からのメッセージは軽んじられているのが現実だ。
核兵器廃絶の活動に取り組む高橋悠太さん(前列右から2人目)。左隣は広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長=広島市中区で2024年5月9日午後2時53分、武市智菜実撮影
広島ビジョンでは、核兵器のない世界という究極の目標は「現実的で、実践的な、責任あるアプローチを通じて達成される」とある。しかし「責任あるアプローチ」とは「核抑止力」を含むのか。そうであるならば、どういう状況で、どんな大義があれば、核兵器を使用できるというのか。その問いを詰めていけば核兵器の被害を認識しなければならず、 広島と 長崎に立ち返ることになるはずだ。
一方で世界には気候変動や難民問題など、さまざまな課題がある。核兵器の問題は核保有国がNPT第6条を順守し、核軍縮に向けてきちんと対応すれば済む話でもある。
戦争が行き着く先は……
日本国内��気になるのは、核廃絶を求める人たちの発言が内輪にとどまっているように思えることだ。地元の広島を離れて東京にいると、戦争体験から学ぶ機会が途切れつつあると実感する。戦争が行き着く先に核兵器の問題があることを語るのは難しい。
市民社会から核廃絶を求めていくために、核を巡る言説を強くしたい。 広島サミットの際には他の分野のNGOなどと結びつきができ、環境問題の中で原発を取り上げ、子どもを巡る政策から平和に言及するといった協働が生まれた。共通の土台を作れたことは成功だったと思う。
イタリアでのサミットを前に、世界各国のNGOなどが現地で今月開いた国際会議「C7サミット」に参加し、政策提言書には気候危機や人道支援などと並んで核兵器廃絶が盛り込まれた。
核兵器は「人類はどう生きるか」という人権問題につながる。さまざまな課題は戦争、さらには核兵器の問題とつながっていることを訴えていきたい。【聞き手・宇城昇】
たかはし ゆうた 2000年生まれ、 広島県出身。中学・高校時代から核兵器廃絶の署名活動などに参加。「核政策を知りたい 広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の共同代表、国内で活動する人々のネットワーク「核兵器廃絶日本NGO連絡会」の幹事も務める。
「コミュニティ拠点として賑わいを創出」貸会議室や子どもプログラミング教室も!広島銀行が新コンセプト支店オープン(RCCニュース)2024年5月20日
広島銀行は、JR広島駅前の商業施設に新しいコンセプトの支店を開店しました。
JR広島駅前のエールエールA館7階に開店したのは、広島銀行広島東支店です。
敷地面積は880平方メートル。老朽化が進む旧広島東支店やエールエールA館の1、2階にあった支店などが移転して営業します。
エールエールA館では、2026年度に広島市中央図書館が移転する予定で改装作業が進んでいます。
広島銀行では最大40人を収容できる有料の貸会議室を初めて支店に併設し、子どもプログラミング教室やカルチャースクールを開くなど、「コミュニティー拠点として賑わいを創出したい」としています。
広島銀行 清宗一男 頭取 「今の銀行の支店という、ロードサイドで1階で入ったらカウンターがあるというイメージを払拭した新しいタイプのお店にしたい」
広島東支店では、銀行業務の時間外も市民の憩いの場としてロビーを開放することにしています。
youtube
広島銀行 3店舗を統合し新支店オープン(広島テレビ)
広島銀行は20日、広島市内の3店舗を統合した新しい形の支店をオープンさせました。
広島駅南口にある、エールエールA館内にオープンした広島東支店。広島市南区にあった旧店舗と大州支店、広島駅前支店の機能を一か所に集約し、経営資源の効率化を図ります。
広島銀行 清宗一男 頭取「(客は)口座番号も変更する必要なしに、一つの所で取引いただくのがこれからの時代に合��ている。」
新店舗は銀行の営業時間が終わった後もロビーを開放するほか、予約すれば誰でも使える会議室が午後8時まで利用可能です。
youtube
新広島駅ビルの姿が徐々に 広島電鉄「駅前大橋線」の橋梁は6月設置 周辺で通行止めも(RCCニュース)2024年5月20日
建設中の新しい広島駅ビルの囲いが取れ始め、その姿が徐々に明らかになってきました。一方、路面電車が乗り入れるための橋は来月設置される予定で、その工事にともない周辺の道路が一時通行止めになります。
小林康秀 「建設が進む広島駅ビルの東側の建物の囲いが取れ始めました。大きな『広島駅』、それからアルファベットで『HIROSHIMASTATION』と見えるようになりました」
新しい広島駅ビルは地上20階、地下1階建てで、その2階部分に広島電鉄の新ルート「駅前大橋線」の路面電車が乗り入れます。
広島駅前の交差点にかかる大型の橋梁はいよいよ来月設置。この工事にともない、広島駅前の周辺の道路は、6月13日、16日、17日の深夜から早朝にかけて通行止めになります。また、予備日が19日の未明から早朝に設定されています。
通行止めとなっている時間は、迂回が必要となるほか、広島駅前の仮設のタクシー乗降場が利用できなくなるということです。
駅前大橋線と新しい広島駅ビルは来年春に開業する予定です。
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7月26日公開の映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」に経済産業大臣・織田信長役でGACKTが出演!
2024/01/26 10:00
“もしも”徳川家康が総理大臣だったら、今の日本をどう導くのだろう? “もしも”歴史上の偉人がコロナ禍の日本に現れたら、どうやってピンチを乗り越えるだろう? そんな夢物語のような“もしも”が、まさかのスクリーンで実現!
原作は、2021年に出版されると、「キャッチーな設定で面白い!」と話題になり、ビジネス小説としては異例の11万部を突破する大ヒットを記録し、さらにはコミカライズもされている「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(著:眞邊明人 発行:サンマーク出版)。
物語の舞台はコロナ禍真っ只中の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、あろうことか総理が急死した日本。不安渦巻く日本で、未曾有の危機に直面する政府が実行した最後の手段は「歴史上の偉人達をAIで復活させ、最強内閣を作る」ことだった。“最強ヒーロー内閣”として、窮地に追い込まれた日本を救うべく、誰もが知る日本の歴史に名を刻む錚々たる偉人が、議員バッジをつけ大集結!!
現代の日本×歴史上の偉人という壮大なジェネレーションギ ャップが織りなすエンターテインメントムービーが、7月26日(金)に全国公開!
本作のメガホンを取るのは、『テルマエ・ロマエ』(2012年)や、『翔んで埼玉』(2019年)など、数々のコメディ実写化を 大ヒットへと導いた、日本映画界のホームランバッター武内英樹監督。
テレビ局の政治部の新人記者として、最強内閣のスクープを狙う主人公・西村理沙を演じるのは、話題作への出演が絶えない国民的俳優・浜辺美波。さらに、歴史的偉人の中から、内閣官房長官を任された幕末の風雲児・坂本龍馬を、今最も勢いのある若手実力派俳優・赤楚衛二が演じ、最強内閣と日本を率いる注目の内閣総理大臣・徳川家康を、狂言界の至宝にして、俳優としても唯一無二の存在感を放つ野村萬斎が演じます。
そしてこの度、最強ヒーロー内閣に入閣を果たした新たな偉人2名を解禁!!
斬新な発想力と圧倒的カリスマ性を持ち、威圧感溢れる経済産業大臣・織田信長をGACKTが、空前の成り上がり者で、プロデュース力に優れた財務大臣・豊臣秀吉を竹中直人が演じます!
戦国三英傑として歴史上の偉人の中でも高い人気を誇る徳川家康・織田信長・豊臣秀吉。そんな3人の英雄たちが、本作の中で奇跡の集結!「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」で知られ、史上最強にして最凶の革命家・織田信長。武力だけではなく楽市楽座などの経済政策に秀でていることから、コロナ禍で冷え切った日本経済と対峙するため経済産業大臣を任された信長をGACKTが演じます!
家康総理を支えるのは、戦国時代のまさかのライバル!? 果たして、あらゆる時代の荒波をくぐり抜けてきた“偉人ジャーズ”は現代日本を救えるのかー!? 紫式部、聖徳太子、北条政子、徳川吉宗、徳川綱吉、足利義満など、まだまだ人気の偉人が続々と登場! 期待して待つのじゃ!! 豪華キャストによる最強英雄内閣×大ヒットメーカー武内監督が生み出す究極のヒーローエンターテインメントムービー、ここに爆誕!是非ご注目ください!
<GACKT コメント>
信長を演じるにあたって、普段よりも低いトーンで渋く話し、第六天魔王としての強さ、そして神経質で他人を寄せ付けない威圧的な空気感を表現することを特に意識しました。そんな役作りもあり撮影中は他の出演者のみなさんと仲良くなったらいけないのではないかと思いながら過ごしていたので、感じが悪く見えていたのかもしれません(笑) 武内監督からは「日本で一番かっこいい織田信長を演じてほしい」と撮影当初に言われ、正直、そこは問題ないかなと。(笑)武内監督は一言で表すと“人間おもちゃ箱”。頭の中に完成形が描かれていて、その世��観にボクらが近づいていく。最初は意図が分からないこともあったけど、出来上がった作品を見ると、セリフの強さ、テンポと歯切れのよさ、シーンの強さのバランスが取れているんです。まさに天才です。テーマ的にもこの作品が日本の明るい未来へとつながる一歩になればとても嬉しいです。皆さんに御覧いただき、それぞれの心に届くことを願っています。
作品概要 タイトル:もしも徳川家康が総理大臣になったら 公開日:2024年7月26日(金) 原作:「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(著:眞邊明人 発行:サンマーク出版) 監督:武内英樹(『のだめカンタービレ』『テルマエ・ロマエ』『翔んで埼玉』) 出演:浜辺美波・赤楚衛二・GACKT・竹中直人・野村萬斎 脚本:徳永友一(『翔んで埼玉』) 音楽:Face 2 fAKE(『翔んで埼玉』) 公式HP:https://moshi-toku.toho.co.jp/ X(旧 Twitter):https://twitter.com/moshi_toku Instagram:https://www.instagram.com/moshi_toku/
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我が国の未来を見通す(90)
『強靭な国家』を造る(27)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その17)
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
パレスチナ情勢については、10月22日、日本
を除くG7の6カ国からイスラエルの自衛権を支持
する一方でガザの民間人の人道支援を求める共同声
明が出されるなど、人道支援要求の世論、それにイ
スラエル国内の人質解放優先世論の力、それに欧米
首脳などの説得工作などが功を奏して、イスラエル
の本格的な地上攻撃開始は、当初計画よりかなり遅
れているようです。
イスラエルの歴史からすると珍しい決断だったと考
えますが、それだけ、今回のガザ地区への地上攻撃
の持つ意味がこれまでとは違ってきている証拠でも
あるのでしょう。極めつけが、24日、国連安保理
の場で、米国ブリンケン国務長官の「人道目的の一
時停戦が検討されなくてはならない」との発言でし
た。
一方、グテーレス国連事務総長がイスラエルのパレ
スチナ占領を批判する発言をしたり、いつもながら、
国連安保理が決議案を否決しあう形で“機能不全”
に陥っているなど、イスラエルの国連不信が限界に
達しているように見えます。イランを含むアラブ諸
国自体も反イスラエルという立場で必ずしも一枚板
ではないようなので、今後も、状況は刻々変わって
くることから、安易な予測は禁物でしょう。
その上で想像するに、イスラエルは、いかに人質解
放をするか、そして500キロに及ぼうとする地下
トンネルをいかに(できれば民間人に被害を与えな
い方法で)攻略するか、その作戦を練って、その上
で一部限定的な作戦を遂行しているのでしょう。
また、地上攻撃の代わりなのか、連日激しい空爆が
繰り返されていますが、それによる民間人犠牲者の
6割は、避難先であるガザ地区南部だったとの報道
もあります。国連事務総長のような発言もイスラエ
ルを追い込むだけで逆効果だと思いますが、無差別
に近い空爆もイスラエルが自らの首を絞める結果と
なって、やがて自制心のタガが外れ、“後に引けな
くなる”ことが懸念されます。
数年前、ベトナムを旅行した際、ベトナム戦争時に
使用されたサイゴン(現ホーチミン)市西側に広が
る巨大な地下施設「クチトンネル」を見学し、その
巧妙な造りに驚いたことがあります。アメリカは、
空から枯葉剤を含む絨毯(じゅうたん)爆撃を繰り
返しても攻略できず、ついには南ベトナムから撤退
する結果になったのでした。
「クチトンネル」は総延長約250キロといわれて
いましたが、その倍ほどの長さに及び、映像を見る
限り、長い時間をかけて極めて堅固に建造されてい
る地下トンネルを実際に攻略しようとすれば、多大
な時間を要し、犠牲者も半端でないことでしょう。
イスラエルが保有する最新の軍事技術をどのように
駆使するのかを含め、(不謹慎ではありますが)注
目しています。
ところで、今回のG6声明から外された我が国は、
文字通り“孤立国”になってしまいました。23日
の岸田首相の所信表明演説において、「経済」を連
呼する中での「人間の尊厳」とか「核兵器のない世
界」などの発言は、もちろん、理想であり、間違っ
てはいないとは思いますが、いかにも“空虚”に聞
こえるのは私だけでしょうか。
▼「国家戦略」をだれが作るか
いよいよ「国家戦略」指針の私案を提示したいと考
えますが、その前に、「国家戦略」を誰がつくるの
か、について一案を提言したいと考えます。
戦前の歴史を勉強しない人、あるいは軍国主義など
といって昭和の軍人たちにその責任を負わせること
のみを追求している歴史家たちには到底信じられな
いことだろうと思いますが、歴史をつぶさに学べば、
戦前の我が国の方が、現在よりはるかにダイナミッ
クで柔軟な国家運営をしていたことがわかります。
その典型的な組織が「陸軍省戦争経済研究班」(通
称「秋丸機関」と呼称)でした。少し補足しますと、
第1次世界大戦の頃から、戦争は単に軍事力だけで
はなく、経済、産業、教育、宣伝など「国力」のす
べてをもって遂行される「国家総力戦」の様相を呈
し、当時、欧州において身をもってその体験をした
永田鉄山あたりはその必要性を声高に唱えていまし
た(永田は陸軍の抗争の犠牲となって殺害されまし
た)。
この流れをうけて、我が国の経済力がないことを知
っていた陸軍は、日本における総力戦の実態と戦争
遂行の可能性などを研究するため、昭和14年春、
当時の我が国の最高頭脳を集めた本格的なシンクタ
ン「陸軍省戦争経済研究班」をスタートさせたので
す。
設立を提唱したのは、当時の政府や陸軍の首脳では
なく、「陸軍中野学校」の設立者、戦後は京都産業
大学の設立者として名を馳せた岩畔豪雄(いわくろ・
ひでお)大佐でした。このあたりにも目を見張る
ものがありますが、岩畔は、そのトップに、(軍政
とか作戦畑ではなく)経理畑の俊才、当時まだ41
歳の秋丸次朗中佐を指名し、組織造りを含めて全権
を委任しました。
秋丸は、実質的な研究リーダーとして、治安維持法
違反で検挙され保釈中の身であった東大経済学部助
教授のマルクス経済学者・有沢広巳を招きました。
それ以外に大学教授、企画院・外務省・農林省・文
部省などの少壮官僚、さらには民間企業・業界団体・
金融機関・民間調査機関・研究所などの精鋭たち
を集めて総勢200名程度の組織を作り上げて、昭
和16年まで約2年間、多士多才のメンバーをもっ
て様々な角度から研究に没頭したのです。
研究成果の細部は省略しますが、本研究班が導いた
開戦に至るシミュレーションについては、当時、東
條英機首相や杉山元参謀総長などとも共有しており、
その研究成果は、昭和16年11月15日に開催さ
れた大本営政府連絡会議で「対米英蘭蒋戦争終末促
進に関する腹案」(「腹案」と呼称)として決定さ
れたのでした。
私自身は、この「腹案」のような戦いを遂行してお
れば大東亜戦争はまた違った結果になったと考えて
いますが、「腹案」と実際の戦いはかなり違ってし
まいました。その原因も分かっていますが、ここで
は省略しましょう。
ここで問いかけたいのは、今の日本に、「国家戦略」
のような重要案件を策定するために、「秋丸機関」
のようなシンクタンクを作り、少壮の官僚、学者、
自衛官、民間企業人などの精鋭を一堂に会して時間
をかけて研究させるようなダイナミズムがあるだろ
うかと���うことです。
私は、ここにあえて政治家を加えませんでしたが、
国の重要なテーマについて、いつも“専門家や官僚
に丸投げして足れり”として自ら問題意識も持たず、
必要性も感じず、学ぼうとしないような人たちは
“最初から戦力にならない”と思って外しただけで、
適任者がおられたら、当然、シンクタンクのリーダ
ー格になっていただくことを拒むものではありませ
ん。
一つだけ注文を付けるとすれば、「秋丸機関」の設
立に尽力した岩畔大佐のごとく、力のある政治家な
どでこのようなシンクタンクを作る必要性を唱える
人(たち)は、シンクタンク設立のために奔走し、
必要な基盤や経費は提供しても、当初から口を出す
のは厳に慎み、「若い世代に託す」ことが重要と考
えます。官民を含む各界には、若くても優秀でかつ
柔軟性があり、物事の本質を的確に見極めることが
できる優秀な人たちがたくさんおられると確信しま
す。
なお、前回紹介した『日本戦略論』(鎌田徹著)で
は、「戦略国家になるための人づくり」を提唱して
いますが、だいぶ時が経ったこともあり、残念なが
ら、今はそのような“時間的余裕”はないと考えま
す。仮に多少の問題はあっても、“今ある人材”を
最大限に活用するしかないと思うのです。
次いでながらもう少し補足しておきましょう。前に
も引用したように、『国民安全保障国家論』(船橋
洋一著)の冒頭には、コロナ禍やウクライナ戦争を
経験した結果として、「自分たちでみんなを守るこ
とができない社会は生き残れない」「自分の国を自
分たちで守れない国は生き残れない」「天(世界)
は自ら助くる者を助く」ということがわかったと紹
介されています。
著者は、それでも「国家」ではなく「国民」という
言葉にこだわっていますが、“利益の受容者である
「国民」目線を重視すべき”ことを強く意識してい
ると考えられ、本書に書かれているのは「“国家”
のあり様(形)」であることが理解できます。
私などの立場からすると、(元朝日新聞記者の)著
者のような立場の人が「ようやくここに気がついて
くれたか」と安堵する一方で、内外情勢の急激な変
化や「国力」が下降期にある“現時点”こそ、将来
のため、国家としての「打ち手」を真剣に議論する
時が来たことを国のリーダーたちに早く気づいてほ
しいと願うばかりです。だれかが問題意識と勇気を
もって、重い腰を上げて、“旗振り役”を演ずるこ
とを切に願っております。
繰り返しますが、「手遅れになる前に」です。様々
な思惑から場当たり的な所信表明演説とそれに対す
る質疑応答などで論戦を交わしている余裕はないと
思うのですが・・・。
▼「国家戦略」の指針の一案
さて、私も高齢世代です。「若い世代に託すべし」
と言った手前、過度な物言いは邪魔になると自覚し
つつも、本メルマガをここまで書き続けてきた以上、
「国家戦略」の指針のようなものの一案ぐらいは提
示しなければならないとの責任感にもかられます。
しかし、“指針のようなもの”といえども、そこに
含むべき内容の広さと深さを考えると、正直、いか
にまとめ上げるか、途方にくれます。
またしても、『日本の大戦略』のお力を借りて、ほ
ぼ一致している点を紹介しつつ、10年の歳月の変
化やアプローチの相違点などからの修正を加えて一
案としたいと考えます。なお紹介する順番などは私
の一存で本書を修正してあります。
まず本書が、平成23年の時点でこのような大胆な
「国家戦略」の指針なるものを考察し、提供してい
ることに対して改めて敬意を表したいと思います。
その第1には、「歴史的大変動に立ち向か覚悟を決
める」としていますが、当時より今の方が“歴史的
大変動”が顕著になっている国際社会そして我が国
ですから、ここに「立ち向か覚悟」が、国家として
も国民としても求められていると考えます。
本書は、具体的な「国家目標」などを考える前に、
このような「覚悟」をもって、「内向き志向、現状
維持志向を克服し、「『頼りがいのある日本』を目
指して国家アイデンティティを再構築する」ことを
提唱していますが、全く同意するものです。
「我が国がどのような未来を構築するか」、あるい
は「どこに向かっていくか」を明らかにするという
点でも全く同意です。なお本書では、目指す方向と
して「先進国安定化勢力日本」と呼称していますが、
そのような呼称を含めて議論が必要でしょう。
私は、この「歴史的大変動」の中には、「国力」が
下降期に入っている“我が国の国内事情”も含むと
考えていますので、具体的な指針の中には、「『国
力』の維持・増進のために国を挙げて立ち向かう」
旨の文言も挿入されるべきと考えます。
第2には、「安全」の国家目標として、「複層的な
課題に対応できる、実効性の高い安全保障政策を展
開する」ことです。
まさに、変動する国際社会の中で、我が国が「安定
化勢力」としての役割を果せるかどうか正念場でし
ょう。そのような視点をもって、現状から一歩踏み
込んで「安全保障政策を再構築する」ことが求めら
れており、具体的には、本書の「自国防衛/危機管
理の能力を強化する」「日米同盟の相互防衛的性格
を強め、同盟協力を総合化する」「グローバル・コ
モンズの安定化を図る」「同盟外の安全保障協力を
推進する」などの提唱は的を射ており、さらに強化
する必要があるでしょう。
実際に昨年末、「国家安全保障戦略」が策定されま
した。「安全保障」に絞れば、また表現こそ若干違
いますが、本書が提唱したような内容とおおむね一
致していると考えます。
しかし、すでに指摘したように、東アジア地域の
「核状況」が様変わりしつつあることから、日米両
国間の「核の傘」の信頼性の向上に加え、我が国独
自の核保有の議論を推進すべきと考えます。
また、「自国防衛/危機管理の能力を強化する」に
ついては、将来にわたって我が国迫って来る可能性
がある“脅威”については、短絡的に「南西正面」
などと決めつけないことも重要でしょう。将来戦は
「ハイブリッド戦」であることは間違いないとして
も、対象国が取り得る手段は多様であり、それらを
漏れなくすべて読み切った(見積もった)上で“一
寸の隙を見せない態勢”の構築が求められていると
考えます。
第3には、「富」を国家目標として、「先進的な経
済社会システムを構築する」ことを本書は紹介して
います。ここに「国力」の「ハード・パワー」の要
素のかなりの部分が含まれていますが、第2の「安
全」とも関連し、それぞれの分野の専門家の最適解
をもって国家施策にするようなことは厳に戒めるべ
きで、そのような弊害を排除するためにこそ、「国
家戦略」を策定していることを理解する必要がある
のです。
何度も例示したように、「太陽光発電所の建設のた
めの外国資本の導入に特段のチェックがなく、国防
上重要な施設の近傍を含め、広島県ほどの面積の国
土がすでに外国資本に渡っている」ような“現状”
を即刻是正する必要があります。そのための法律改
正などは急務でしょう。
その上で、必要な要素を総合的に考察して、我が国
として新しい「繁栄の形」をどのように具体化する
かが焦点となると考えます。その中には、国家を次
世代に託すためにも、若者世代が「将来の夢と希望」
を抱くことができるような施策を含むべきことは申
すまでもありません。
とはいえ、少子高齢化の進展から社会保障給付費な
どが大幅に膨れ上がることを予測し、過度な“バラ
マキ”は厳に戒め、「国民一人一人の夢や希望の実
現」と「国家(社会)として『富』の蓄積」の両目
標の同時達成に向けて、“個人の努力の必要性を促
し、努力の中に生きがいを見い出せる”ようなバラ
ンスのとれた「配分」を主眼とする「福祉の再定義」
も必要となることでしょう。
第4には、「変動する国際社会のもとでの日本の対
外構想を確立する」ことです。「安全」はもちろん、
食料やエネルギーなどのほぼ海外に依存している
「富」の分野においても、我が国は、将来にわたっ
て「国家として存立するための対外構想」には高い
優先順位を掲げて計画・実行する必要があります。
「頼りがいのある日本」をめざし(“孤立国・日
本”の存在感を発揮し)、本書でいう「大国間の協
調形成に尽力すること」「グローバルな課題に結果
を出す貢献をすること」「アジア諸国と深く交わり、
その不安定要因を抑制すること」などの提唱に異存
はありません。
前回述べたように、“自ら原則を立て、それに基づ
いて行動し、他国や他のアクターとも協力してい
く”という「自律」の重要性を理解した上で、「日
米同盟」をはじめ、」「クアッド」「自由で開かれ
たインド太平洋」などようやく“産声”を上げた枠
組みを一層深化する覚悟と「自律」の細部をしっか
り議論する必要があるでしょう。
第5に、「新しい『統治のかたち』をつくる」ため
の議論を推進することです。本書では、そのために
「安定した政権基盤を確立する」「官邸における外
交・安全保障戦略の司令塔を創出する」「戦略形成
の前提となるインテリジェンス機能を強化する」
「対外的な情報発信を刷新する」、そして最後に
「政治不信を克服し、有権者のオーナーシップ意識
を高める」として、国民の参加意識を高めるために、
NPOやシンクタンクなど政治と国民をつなぐ中間
組織の役割も重要であると結んでいます。
「戦略は統治を超えられない」という言葉も紹介し
ましたが、「国家戦略」を議論し、策定し、実行し
ようとすれば、現在の我が国の「統治のかたち」が
そこに“立ちはだかる障害”となる可能性は否定で
きないでしょう。
紹介しました『国民安全保障国家論』も、その終章
で「日本には『国家安全保障』という『国の形』が
ない。そして、その『国の形』をつくるのを阻んで
きた『戦後の形』がある」として、「『戦後の形』
のままでは日本は新しい時代の挑戦対応できない」
と訴え、新たに「国の形」を作る必要性を強調して
います。
私は、5つの指針の中で第5の「統治のかたち」の
議論が最も難しいと考えます。一方で、戦前戦後を
通じて一内閣の寿命が平均1.4年に満たないよう
な“現状”では、一貫した中長期的な「国家戦略」
の策定はおろか、導き出された国家目標に向かって
(たとえ、苦しくても)各種政策を推進し続けるこ
とは困難であることは明白でしょう。
「では、どうすべきか」については大議論を呼ぶこと
でしょう。しかし、ぜひともこのテーマまで踏み込
んで議論してほしいと願っています。
「国の形」についてはのちほど再び触れることにし
て、次回、「国家戦略」を総括し、その後に「ソフ
ト・パワー」のもう一つの要素である「国家意思」
を取り上げます。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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TEDにて
ブルース・ファイラー: 家族のためのアジャイルプログラミング?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
ブルース・ファイラーは、革命的なアイディアを持っています。
近代の家庭生活におけるストレスに対処するには「アジャイル(=機敏さ)」が大切だと。
プログラミングのソフトウェア開発における「アジャイルソフトウェアプロプラミング」に発想を得たファイラーは、フレキシビリティ(柔軟性)、アイデアのボトムアップ
絶え間ないフィードバック責任感を持つことを家庭でチームで実践し、その体験をみなさんにご紹介します。フィットできるか取り入れてみてください。
そして、今までにない、斬新なアイデアをお楽しみください。
アジャイルソフトウェア開発手法とは、ソフトウェア工学において迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行うさまざまな人たちが開発したプログラミングのノウハウを集約した軽量な開発手法の総称とされている。
人数的には、10人以下の小規模なチームが、その時の状況に応じて、1か所で作業を行うプロジェクトの場合に使用されることが多い。
特に、予測困難な要件や頻繁に変更される要件に直面する小規模なチームにも、重宝される。似たような開発手法に、リーン生産方式もあります。
「アジャイル開発」は、日本のメーカーからシリコンバレーのベンチャー企業にまで広まったものです。 「アジャイル」では、メンバーを小さなチームに分けて短期間のタスクを進めます。
上層部から指示を発するのではなく、その小チームが各々の判断で動く訳です。常にフィードバックがあり、毎日情報のアップデートが行われます。毎週レビューを行うので常に変化があるのです。
では、この「アジャイル」が、企業とは全く異質の家庭などでどう役立つのでしょう?1983年。ニューイングランドの金融機関の技術者だったジェフ・サザーランドは
ソフトウェアの設計について大きな不満を抱いていました。会社のやり方は ウォーターフォール形式。つまり、滝のように上層部で決めた方針が、順々に下りてきて
そして、一番下がプログラマー。彼らの意見を聞く人など、誰もいない。83%ものプロジェクトが失敗に終わりました。完成時には、肥大しすぎていたり時代遅れだったり
サザーランドが目指した仕組みは、アイデアが上から流れてくるのではなく、下からアイディアを上げていって、リアルタイムに変化させられるものでした。
彼は、30年分のハーバード・ビジネス・レビューを読み、1986年のある論文に出くわします。
「The New New Product Development Game」(新しい新商品開発手法)「ビジネスのペースが速まっている」 と書かれています。1986年当時ですよ。「特に成功している企業はフレキシブルである」と記した上で
その論文に出くわした時。サザーランドは「これだ!」と思ったそうです。サザーランドの方式では、会社は2年もかかるような大規模なプロジェクトは、行いません。より小さな単位で行います。
最長で2週間。つまり、「その穴ぐらに閉じこもって、スマートフォンかSNSを作り上げてこい」と言う代わりに「何か部品を1個見つけて、持ち帰ってきてくれ。それで話し合って 組み込もう」
初期段階で成功か失敗か判断できます。最近では「アジャイル」は、多くの国で取り入れられマネージメント方法として浸透しています。
リーン生産方式はトヨタプロダクションシステムを研究して編み出された手法。
MITのジェームズ・P・ウォマック(James P. Womack)、ダニエル・T・ジョーズ(Daniel T. Jones)たちによって提唱。
サプライチェーンマネジメントにも応用されている。
マックステグマークの言うように・・・
人工知能分野では、準備がないままにつまづきながらアジャイル(=機敏さ)で進んで行くと・・・
おそらく人類史上最大の間違いとなるでしょう。
よく見えるアジャイルにも欠点があります。
アジャイルソフトウェアプロジェクトの欠点の一つは、過度な変更と追加がプロジェクトの進行を複雑化させ、予測困難な状況に陥る可能性があることです。
デマルコは、この問題に対処するために「スラック」の導入を提案しています。
スラックとは、プロジェクトメンバーがタスクの完了に集中するための余裕のある時間やリソースを指します。
デマルコによれば、スラックを設けることで予測困難な変更にも柔軟に対応でき、プロジェクトの品質と進行を改善することができるとされています。
アジャイルソフトウェアプロジェクトのもう一つの欠点は、過度なコミュニケーションの不足や不適切なコミュニケーションに起因する混乱です。
交換可能な部品ではなく基本的人権を尊重した人間として扱い
プロジェクトチーム内や関係者間の情報共有が不十分であると、タスクの理解不足や意思疎通の問題が生じる可能性があります。
デマルコは、この問題に対してもスラックの概念を応用します。
スラックを持つことで、チームメンバーはタスクに集中するだけでなく、コミュニケーションや問題解決にも十分な時間を割くことができます。
また、プロジェクト内でのコミュニケーションを活発化させるために、デマルコはフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを奨励し、情報の障壁を取り除くことを提案しています。
総じて言えるのは、デマルコのアプローチはスラックを通じて、プロジェクトの柔軟性を高め
コミュニケーションの質を向上させ、プロジェクト全体の健全な進行をサポートすることを重視している点です。
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果、イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました。
参考として・・・
月面は、太陽風によりもたらされたヘリウム3が、鉱物資源として豊富に存在していることが確認されています。原子力発電や核融合に最適です。
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応��分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでしょう。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
しかし、人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
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兵庫県が今年5月、斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元西播磨県民局長、Aさん(60)。兵庫県がAさんに懲戒処分を出した際、調査に加わった弁護士がAさんの告発内容を「居酒屋の噂話を信じて作成した文書」と断定し、公益通報者として保護する必要はないと県に伝えていたことがわかった。一方、知事側近の3人が職場を離脱し、県議会調査委員会には疑惑に絡む“通報”が殺到している。斎藤知事の証人尋問も決まり、包囲網が狭まっている。 Aさんは公益通報者としての保護を求めたが… 県中枢は7月下旬から大混乱に陥っている。 「片山安孝副知事は7月末に辞職しました。さらに県ナンバー4の小橋浩一理事が体調不良だとして降格を願い出て認められました。 これに加え、片山氏退任後に最も力を持つとみられていた井ノ本知明総務部長も体調不良を理由に出勤しなくなりました。いずれも“4人組”、“牛タン倶楽部”と言われた知事側近グループです」(県関係者) 8月2日午前には、Aさんの告発文書に書かれた7つの疑惑を調べる県議会調査委員会(百条委)が開かれた。そこで県職員を対象に7月31日に情報提供を求めるアンケートを開始したところわずか2日間で3500件超の回答が寄せられたことが報告された。 「新たな疑惑の告発がある可能性もあり、調査範囲はさらに拡大するでしょう」と県議の一人は話す。百条委ではAさんへの県の懲戒が妥当だったのかも問われることが確実視されているが、そこで解明の足掛かりになる文書の存在が今回明らかになった。 その前に一連の騒動を振り返る。 3月12日にAさんが作成した告発文書では、斎藤知事や4人組によるパワハラやたかり疑惑のほかに、昨秋のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの費用を捻出するため県が信用金庫に補助金を増額し、それをキックバックで寄付させたなどとする深刻な疑惑も書かれていた。 3月25日に片山副知事らがAさんからパソコンを取り上げ、中から告発文書のデータを発見。2日後の27日、斎藤知事が会見で文書は「嘘八百」だと言い放つ。 知事のパワハラや、“牛タン倶楽部”の一員である原田剛治・産業労働部長が企業から商品の供与を受けた不正が徐々に明るみに出て、Aさんの行動が内部告発であることが今でははっきりしている。 だが斎藤知事は3月27日の会見で「ありもしないことを縷々(るる)並べたような内容を作ったっていうことを(Aさん)本人も認めてますから」と発言。Aさんが嘘を書いたと認めたかのような印象操作を行なった上、Aさんは「不満」を抱えて文書を書いたのだと、動機をでっち上げてメディアに広報していた。(♯4) これを聞いたAさんは公益通報者としての保護を求め、4月4日に県の通報窓口で手続きを取っている。 しかし、県人事課は、Aさんらから聴き取りを行なった上で、5月2日の綱紀委員会の議論を受け、停職3ヶ月にするとの「決裁書・報告書」を作成。斎藤知事が承認し、処分は5月7日に記者会見で発表された。そしてAさんは7月7日に自死した。 告発を「居酒屋で聞いた噂話」と断じた弁護士を直撃 今回、兵庫県明石市の辻本達也市議が県に公文書公開請求を行い開示された「決裁書・報告書」を入手。その中に、県がAさんを公益通報者保護法上の保護対象として扱う必要がないと判断した根拠とみられる「弁護士意見」が書かれていた。 そこには「誹謗中傷文書を作成・配布する行為」との小見出しがあり、告発を「誹謗中傷」と規定。さらに以下のように書かれている。 「作成した文書を10人に配って、その中にマスコミ関係者がいたということは、報道してほしいという意図しか考えられない。マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ないから広がることを期待していたと評価されても仕方なく、流布したという認定は可能。 居酒屋などで聞いた単なる噂話を信じて作成した文書は、その内容が真実であると信じるにつき相当な理由にはならず、告発者の利益を守る対象ではない」 公益通報者保護法はメディアへの情報提供も公益通報とみなし、通報者の詮索や、通報者に不利益を与えることを禁じている。Aさんは文書を発送したときから保護対象になるとの見方が強いが、弁護士意見は真っ向からこれを否定している。 辻本市議もこの点に注目し、「法律の専門家が“居酒屋”という表現も使って告発内容を一刀両断しており、驚きました。県にもAさんを公益通報者とする観点が見当たらない」と話す。 県人事課は、この弁護士が5月7日の処分発表の記者会見に「兵庫県特別弁護士」の肩書で同席した藤原正広氏だと認めた。そこで藤原氏に2度にわたって電話で尋ねた。 ――文書に書かれたことを話した記憶はありますか? 「何とも申し上げようがないですね」 ―-決済文書に「弁護士意見」と書かれています。 「『真実であると信じる相当な理由があるか』というところは当然問題になっていたところではあるんだと思います」 ――告発文書には真実であると信じる相当な理由はないという判断をしたのですか? 「多分そう…、正確にはどう言ったかというのは覚えていない。多分そういう方向での話にはなってたとは思いますが」 ――「居酒屋で聞いた話」という言葉は、Aさんがそう言ったのですか? 「事情聴取の発言内容は今のところオープンにはできないということなんで、コメントはできないです」 ――Aさんは公益通報者保護法の保護対象ではないかという検討は、調査でなされましたか? 「私としては見解は示している」 ――その結果が記載内容ですか? 「いや、それがどういう受け止め方をされたかは存じ上げない」 ――県に示した見解というのは、Aさんを保護の対象とすべきとの考えですか? 「内容についてはちょっと申し上げられない」 弁護士意見の核心は、告発文書には「真実であると信じるにつき相当な理由がない」と断定し「告発者の利益を守る対象ではない」と言い切っていることだ。この文言について、県人事課担当者は、公益通報者保護法を検討した末の藤原弁護士の判断だと説明した。 ――弁護士の発言の主旨を県が変えたことはないですか? 「(「弁護士意見」の記載は)一言一句そのままではないですけど、こちらで先生(藤原弁護士)からうかがったお話をまとめて記載しているということです」 ――「告発者の利益を守る対象ではない」という文言があります。これは公益通報者保護法を検討した結果、こういった意見が出たのですか? 「はい。そうですね」 ――公益通報者保護法の対象に(Aさんが)なるかもしれないという検討はしましたか? 「そうですね」 ――弁護士はこのような意見を出し、結果あのような処分になったと? 「そうですね」 弁護士意見の開示は知事と側近を追い込みたい勢力の仕業か 一方、弁護士意見にある「マスコミは仕事柄知ってしまった以上書かざるを得ない」との記述も荒唐無稽だとの指摘が出ている。雑誌記者は「メディアに情報を寄せても裏付けが取れなければ記事にはなりません。タレコミがすぐ記事になるというのは妄想ですね」とあきれる。 告発を「居酒屋の噂話」と一方的に断定した上、メディアへの情報提供についての理解も足りない弁護士意見は、開示された文書の中で処分が妥当だと主張している唯一の部分だ。 この記述によって処分に必要な客観的な意見を得たように装った県はAさんの処分を決行したが、公益通報者保護法が当時どう扱われていたのかが開示であらわになった。 Aさんをなぜ当初から公益通報者として扱わなかったのか、は重大な焦点に浮上している。 斎藤知事は7月24日の会見で、「(Aさんが4月4日に手続きを取った)公益通報の前に今回の文書が配布されました。内容が真実ではない。核心的なところに虚偽の内容が入っていた。人事課もそこは問題だということで、懲戒処分の対象になるということで調査を進めたということです」と主張し処分手続きを中断しなかったことを正当化。 その根拠に「当時の弁護士さんも、後から公益通報の手続きをとってもそれ以前に配布したことが保護される対象にはならないと発言をされています」と述べ、藤原弁護士がこの主張の根拠を与えたことも隠さなかった。 しかし、7月30日の記者会見では一転し、県の対応は「時系列を整理した上で説明したい」と説明を拒むようになった。 県関係者は「対応がまずかったため余計なことを言うなと誰かからアドバイスを受け、知事は態度を変えた印象を受けます」と話す。 口を閉ざしはじめた斎藤知事には、多くの問題をはらむとみられる弁護士意見の開示は痛手になると考えられる。 これが黒塗りにされず表に出たのは、当時の処分が不当であることを明らかにして、斎藤知事や4人組を窮地に追い込みたい県庁内勢力の思惑があるのではないか、との見方まで出ている。 8月2日の百条委は、8月30日に斎藤知事に対して証人尋問を行うことも決めた。調べの対象になった知事と一斉に姿を消した側近たち。兵庫県庁の混迷は深まっている。 ※「集英社オンライン」では、今回の問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] X(Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
〈兵庫県知事側近の“牛タン倶楽部”は3人離脱〉自死した告発職員を「保護対象として扱う必要なし」「居酒屋などで聞いた噂話を信じて文書を作成」県の担当弁護士を直撃すると…(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
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決戦!双拳の塔5
8階に3姉妹か。この階層が橙の翼、この上が紫の翼、そして2つ上が黒い翼…恐らく、奴はそう来るだろう。此処で止めなければ、奴の思い通りになってしまう…。
任せて良いか?フェリンソワ。エオレンスタ。そして…アイヴァンヌよ。豊穣神に呼ばれた3人は、深くお辞儀した。はい。やってみます。
戦争の終着点…この先は神のみぞ知る、非常に苛烈な戦いとなる。では私達は、奴を止めに行く。そして…『テン・ジュエルズ』とも合流してくる。…分かりました。くれぐれも…無理はなさらないで下さい。
俺達も止めに行く。サンディエゴとジニーエイラ、そしてウバーデゴスは神様達と合流して、この塔の最上階にいる諸悪の根源を断つべく戦いに出る。またね、ジニィ、ディエゴ…!
ああ!終わったら来いよ、イヴ! うん!負けちゃ駄目だからね…!
…8階は私がやります。 所で、アイヴァンヌはどうするのかな? 私は…紫の翼の敵がいる9階を。 うん。それなら僕は10階の黒の翼でやろうか。
それぞれの話し合いの末、8階はフェリンソワだけが残り、アイヴァンヌが9階を、エオレンスタが10階にいる敵を倒す事に決め、散っていく。
お互い無事でいようね。 そうだね…!
1人残ったフェリンソワは前に進み、黙々と配置に付いている量産型の敵を蹴飛ばす。この先に確か…橙の翼の女性がいるって聞いたけど…。周囲に敵がいない事を確認し、隔離されている部屋の大きな橙色の扉を開ける。
きゃっ!!
一度開くとそこは、電気で満たされた部屋。そして橙色の椅子に鎮座するは、禁忌に手を染めた橙の翼をした女性。
…まさか、君が私の元に来るなんてね。フェリンソワちゃん…だったかな。
随分緩々に通してくれるのですね。一体どうして? それはね…君達の様な侵入者が、折角私達の造ったお人形達を散々に壊したからだよ。もう、今はこの塔に残っている物しか無い。それだけだから。
お人形…?まさか、今まで私達や他の人達が戦っていたあの、無数の兵士達の事を…!?うん、そうだよ。だーって、ぜーんぜん使い物になんないもん。『完成品』以外はね!今まで君達が戦っていたのは、その完成品を作る過程で生まれた失敗作のお人形。つまり…
この私達がどうやって扱おうが、まーったく問題無いんだから。文句あるの? 有ります。それは有りますけど…でももう一つ聞いて良いですか? 良いよ別に。どうせ戦いが始まれば私に殺されるんだし、聞きたい事は闘う前に全部聞いてあげるよ。
貴方のそれは…何なのですか? と、フェリンソワは橙の翼の口にかかっているマスクの様な物を指差して質問する。 あー、これ?これね…グゥエル様から貰ったの。最後の戦いに、ってね!
そう言うと彼女は口につけていた装置を外し、頬に傷が入った顔を見せる。 えっ……!!
これで良いかな。 ええ。 他に聞く事はある? …有りません。この辺にして、そろそろ戦いを始めましょう。
首を横に振り、戦闘態勢に入るフェリンソワ。良いね、良いねぇ!その意気だよ。君が苦しんでくれたら…この装置で手に入れた力と代償に負った頬の傷も、報われるからね。さっ、始めよう!
橙の翼が力を解放し、足で蹴りを入れる。それに負けじとフェリンソワも、燃える足で蹴りをかました。
きゃああっ!!
爆炎と雷鳴。最初は少し押されるフェリンソワだが、攻撃はまだ来る。ほらほら、もっといくよ! まだですっ!!
ばちばちぃぃ………
交差する2撃目。蹴りに痛みを感じないフェリンソワ。しかし彼女は、何か恐ろしい物を敵の足蹴りから感じていた。
(確かに今の一撃も、さっきのも強い。でも、以前戦った時より『何か』確実にある…!)
何止まってるの!油断してたらその頭落とすよ! そうは行きません!
上から飛んできた橙の翼の足蹴りをかわし、様子を見るフェリンソワ。そして、地面にぶつかる橙の翼の右脚から、強力な電気が迸った。
やはり…電気が…!
あーあ。ばれちゃったか。感じていた違和感の正体を察したフェリンソワと、距離を取る橙の翼。そうだよ。これが私の施した強化装置の効果の正体。私が使えないはずの電気を使える様に、グゥエル様はこの口につけるタイプを授けてくれたの!
格闘が武器でありながら、電気も扱える。そんな状態となれば、どれだけ恐ろしいかは言うまでも無いだろう。しかしながら、恐ろしいのはそれだけではなく…
ただの雷じゃ無いんだよ。行けっ!
橙の翼から飛んだ雷。それは真っ黒で、淀んだ色の闇がその雷を包んでいた。遠距離で攻撃されても、何とかして逃げ回るフェリンソワ。だが…
ついでにもう1発!
そこから蹴りが飛んでくる。それを見て、切り返したフェリンソワは足で燃え盛るボールを生成する。私にもこれがあります!
きゃあっ!!? いやああぁっ!!
ボールが直撃し、仰け反る橙の翼。しかしフェリンソワの方は体勢を崩してその場に倒れ、そのままさっきの雷に被弾してしまう。
そう。それが「ダークサンダー」って奴だよ。シャドーと言う組織が、以前使っていた例の技。どう?どんな気分? …痛��。
体が痺れを伴い、麻痺した様な感覚に陥る。心を閉ざしたからこそ成せるこの技は、普段の何も変わりない相手に対して猛烈なダメージを与えてしまう。
でも驚いたよ。まさかこの私に、火傷を負わせるなんてね。
右脚を見せる橙の翼。よく見ると彼女の脹脛に、火傷の痕が残っている。先程フェリンソワが右足で蹴飛ばした燃え盛るボールが、足にぶつかった様だ。
でも君は1人。私はね…他にいるんだよ。それっ!
橙の翼が合図を飛ばすと、量産型の敵がうじゃうじゃと後ろから現れる。な、何を…!?
もしかして、私が言ってたお人形はこの下の階にいた物で終わりだと思った?でも残念。私は別に君と1人で戦うとは一言も言って��いしね。それじゃあ、数の暴力…受けてみて。
実はこの部屋には、両サイドの壁に数1000も溜まっていた量産型の敵が隠されていた。そしてその敵に組み込まれているAIが彼女達の合図と共に動き出し、緊急時に壁がどんでん返しの要領で回転し数の暴力を敵にぶつける…と言う戦術を予め想定していた。その何千体の量産型の敵の数に、苦戦するフェリンソワ。
うぅ…何と卑怯な!
燃え盛る蹴りを繰り出し、遠くから火球を撃ち出して素早い動きで翻弄する。何とかして敵を片付けるが…
いやっ!!
橙の翼が撃ったダークサンダーに再び被弾し、フェリンソワの体が麻痺してしまう。身動きが取れず、そのまま敵に捕らえられる。先程いた1階から3階の様な、広い空間とは訳が違う。やはり数の暴力がより効果的になる狭い空間では、敵から逃げたりしながら戦うと言うのは些か難しい。
どう?狭いこの部屋じゃあ、あまり好き放題出来ないよね?…後は適当にやっといて。
いや…やめてっ……!!きゃあああぁぁぁ!!!
フェリンソワは無数の敵にその体を掴まれ、橙色のスカートを破かれる。見えた彼女の足から、僅かに桃色の薄い布がのぞく。
あー…ピンクなんだね。可愛いのが見えた。まあでも君は…何か隠してるってグゥエル様から聞いたけど、本当かな。
教えられないです…!破廉恥な事をさせておいてまで…!!
うーん、そうなんだ。じゃあ今の状態ならこのまま君を裸にする事も出来るけどそれでいい?
右脚をフェリンソワの服に当てて、雷鳴の如き蹴りを至近距離で見舞う橙の翼。体に痺れが伴い、敵に拘束されている所為で防御態勢もままならない。
がっ……!!そ、それは…それだけ…は…
今にも消えそうなフェリンソワの声。敵の策に嵌まってしまい、既に身動きを封じられている以上打つ手はもう無い。もがくのも諦めており、精神的なダメージもまた彼女を追い詰めていた。
王ともあろう者が、飛んだ恥晒しだね。諦めて。この部屋に入った時から、君はもう既に私の掌の上で────
どかああぁぁ!!
な、何!?扉から入らないなんて!!
止めを刺そうとした次の瞬間、壁が何者かによって爆破され、フェリンソワを拘束していた敵が吹き飛ばされた。敵から解放され、後ろを見た彼女の目には、2人の人の影が見えた。
ここにもいたよ! ふぅー…。間に合いました。フェリンソワ様、遅れてしまい申し訳ありません。お怪我の程は。
こっちは何とか。…スカートは破かれてしまいましたが、問題ありません。…でも何故に、『アヴェック・スター』のキャステラナさんとトラヴェリアさんまで?
作戦会議で、3姉妹のいるこの部屋を攻める事にしたの。私とトラヴェリア以外の4人はこの上の階に向かってるはずだよ。それにしても、随分派手にやられたね。でも安心して。此処からは、私達も一緒に戦うよ!
大変助かります。では…改めて行きましょう。
両サイドを見張るキャステラナと、トラヴェリア。そしてその奥、橙の翼のいる方へとフェリンソワは訪れた反撃の刻を活かすべく、ゆっくりと歩き出す。
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08.16-17.2023の日記
私に17日は存在しません、それは16日の残影としてあるもので、昨日着た服のまま馴染みのない町を歩いた時もほとんどずっと16日の反芻に費やされてしまった。
でもこのピザのお店は入りたかった。
16日は君島大空合奏形態を観に行きました。渋谷のクラブクアトロ。ちょっと訳わかんないくらい久しぶりに行ったけど柱が邪魔、ということと、駅までの道のりは記憶していて、私は渋谷だけどれほど人が多くてもなめらかに早く歩くことができる、ということを思い出しました。新宿で同じように歩くと必ず誰かにぶつかるんですよね。ぶつかってくる人がいる、が正しいかもしれない。腕で制御されたこともあります。あの種の人たちになぜか渋谷で会ったことはないです。足が浮くほどの満員電車やそのどさくさに紛れて体を触ってくる人たちはそう変わらないのに、何が違うのでしょう。
君島大空さんを観るのは6月ぶりです。前回は西田修大さんというギタリストと二人組の鏡鏡鏡鏡というユニットの演奏でした。対面する2人を360度囲むように用意された観客席で私は西田修大さんの真後ろ、君島大空さんの正面を最前列で観て、こんな近くで観ることがあるんだと思っていたけど今回のクアトロでも最前列の小柄な方2人の隙間に立つ形で視界を遮るような人の姿はなく、ほとんど真正面から君島大空さんを観るような位置でした。映画館と同じで、前に行けば行くほどみあげるように首を後ろに傾ける必要があり、終盤は若干首が疲れました。もちろんそんなことはどうでもよかった。どうでもよくなるようなものを観ました。
今回は君島大空合奏形態という4人編成での演奏です。鏡鏡鏡鏡でも観た西田修大のギターに、もうあらゆる所で名前を目にする石若駿さんという人のドラム、king gnuでの活躍が知られる新井和輝さんのベースが加わっていて、それぞれの演奏者のファンなのだろうという方々も会場には足を運んでいます。私は君島大空ばかりすきですが、君島大空の少し後ろの奥まった場所でベースを弾く新井さんの佇まいを今回初めてまともに拝見したら確かにこれはすかれるだろうな、と思いました。決して前に出ることはないのにずっとにこにことしていて、
でもなんか、私は結局君島大空さんのファンなので、真正面に立ってしまうと他の方々のことはどうもうまく観ることができませんでした。他の方���何をしているかよりも君島大空さんのひどく薄い生地で作られたチャイナシャツがかわいいこと、照明の加減によってはその布で覆われた腕の形が影になってはっきり見えること、どうやら薄くペイズリーのような模様があしらわれているらしいこと──などを観ていました。あのー、私も最近チャイナシャツみたいな拳法着をよく着ているので尚更に気になったのです。君島大空さん、最近はただただ見目がよくなったように思います。演奏それ自体にびっくりすることにならんで時々ハッとするほどその容姿にも驚くことが増えました。
合奏形態での演奏をいままでこんなに近い距離で観たことがなかったのですが一人での演奏とは楽曲の響き方がまるで違うので、そのことにいつも笑ったり驚いたりしていて、ずっと面白かったのですが、今回こと、印象に残っているのはアンコールの手拍子の後一人で現れた君島さんが普段は禁止している録画を解禁、どころか推奨するのでぜひカメラを向け、撮影したものをぜひインターネットに載せて欲しいと言ったことです。
私は普段撮影自体が可能な演奏会場であっても撮影、録画、録音をすることがまずありません。踊りにくくなるし腕も疲れるし。撮り始めるとカメラ越しの視点になってしまいせっかく目の前にあるステージを観なくなるので、でも今回はiPhoneのカメラを立ち上げました、さすがに!──それで、撮影が許されたのは新しく発売される君島大空さんのフルアルバムの予告編だったのですがその場で即興的に刻んだり音声を重ねている君島さんはどちらかというとDJのような佇まいで、去年、DJデビューしたいな、とそういえば言っていたことを思い出したりして、8分弱のその短い動画を私は繰り返し観ているのですが、なるほどすきな人を動画に収めるということは本当に面白いことだと知りました。
私はフィルムカメラをけっこうよく使っていた時期があるんですけど、殆どはロシアが他の国で生まれたカメラを模して作った結果奇妙な光の入れ方をするようになってしまい、果てはそれが個性としてあいされるようになった種類のもので、トイカメラと呼ばれている気がしますが私の使っていた機種はKIEV35だとかLC-Aだとか、それにしてはやや重ためのもので、だけどまぁ共通して嘘つきです。
これらを私が中高生の頃購入した渋谷にあったlomographyという会社がやっていたお店のコピーは〈目に映るすべて〉みたいな言葉だった気がします。〈目に映るものすべて〉だったかな、とかく、映したものを写しだすことを謳っていましたが、それらのカメラで何かを写しだすと表れるのは自分の目にいれたものとはまるで違う光の取り込み方をした別の目による対象でした。私によって押されたシャッターは、しかし私ではない目でそれらを焼き付けるのです。
私はそのことがずっと面白かった。大体は暗すぎたりぶれすぎたりで何が写っているのかも判別できないものでしたがだからこその奇跡も頻繁にありました。大嘘つきだから書ける詩のようです。何十枚の中に数枚出てくるその詩をたのしみに私はシャッターを押し、現像屋さんに足を運びました。そこにはいつも見てはいないものが写っていました。でも時々、見たものを見るよりもずっと、そこにいたことを思い出すことのできる装置が存在してました。嘘は詩で、詩は装置です。
私はそのくらいの頃から、ありとあらゆる詩になり得る嘘がすきです。それはただの嘘つきにはもちろん書けないものですが、最近のインターネットには模造品がたくさん存在しています。模造品の嘘に装置としての機能はありません。
そして動画、最近のiPhone程度の性能で撮影されたものであれば、それはかなり目に近い、ということを知りました。腕の位置があまり動かないように気を遣いながらiPhoneの画面からは視点を外してステージを眺めていましたが、渋谷を離れる電車の中小さな画面に収まった動画を再生してみるとなるほど、先ほど眺めていた君島大空さんの姿がほとんどそのまま手元に残っている気がしたのです。
近すぎる位置から見上げるような角度から眺めた人の顔というのは大抵が正面から見る時と雰囲気を変えるので、例えばこれがプロによる撮影であればこの角度からカメラを向けることはないだろうな、という位置で映していてそれが惜しいといえば惜しいのですがでもだからこそ尚更、〈私が、ここで、この位置で、君島大空を観ていた〉ことの記録に変換されました。視点の外部委託です。カメラという体外の眼球!
この体験はすごく興味深いです。演奏をずっとカメラまわして観ている方々ってわりとよく見かけますがなるほど、こういう面白さをずっと知っていたからなのか、と思います。なんで教えてくれなかったの?
夜が深くなっていく電車の中で発表されたばかりの君島大空さんのフルアルバムリリース情報は私のTwitter(まだTwitterって呼びます!)のタイムラインを賑やかにしていて、ずっとそわそわしていた私はそのいちいちを追っていましたが色々なサイトで同じように引かれている2nd album conceptの一部にはこう書かれていました(一部抜粋、とどこにも書いてありますが全文はどこですか?隠し扉を見つけないと読むことはできないみたいな感じなのですか?)。
"今作は季節に並走し、今自分が出したいものが集まった場所から見える景色や匂いを体内/体外へ(再)提示したいと思ってます"
この文章を読んだ時に外部委託した眼球、みたいなカメラで収めた動画を何度も実際の目で取り込み直すことをあの時、あの会場にいた全員に推奨したのは次に出るそのアルバムで君島大空さん自身がしようとしていることに重ねてだったのかしら、と、ひどく腑に落ちました。
再生はいつだって体験の更新です。再現にはなりえず、でもそれと錯覚してしまう。私が録画した動画の再生を繰り返すことも、本当はもちろん忠実な記憶の反芻ではありません。その場では見えなかった細部に目を渡すことになるし、繰り返していくたび定着していく一語一句や音の記憶と共に、その場で感じた空気を手放します。だから記憶の再現をしたければその記録を再生するよりも詩の力が必要になる。
正直で凡庸なiPhoneより嘘つきなトイカメラが書く詩が、という話です。
そしてそれは君島大空さんの得意分野という気がします。前回のアルバムを制作時にはずっと『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』という伊藤亜紗さんの著作を読んでいたという話をしていましたが、私はこの話を一生します、うれしかったので!、まさにヴァレリー自身が忠実な記録としての言語よりも何かを想起させるための装置として詩を捉えていました。
君島さんはずっと、説明のためではなく詩をかくために言葉を扱う人だと思っています。インターネットで模倣品の詩がごろごろ転がっていることにけっこう辟易していた頃に読んだ君島大空さんのnoteに私はずっとびっくりするような衝撃を受け続けているんですけど、正確であることから離れることでむしろ想起には近づくことをすごく感覚的にわかっていて、実行している。私は君島大空さんの音楽を聴くようになってからそのことにずっとたすけられています。
"アルバムには“no public sounds”と名前を付けました。
SoundCloudで公開された音源に、再びアクセスしたとき、その楽曲が削除されていた場合にブラウザに出るメッセージです。
なくなってしまった場所に克明な居場所を見つけようとする実験です"
装置によって想起されるものはでも手元に形として残りません。再生はいつだって体験を更新してしまう。私たちは音楽を、詩を、繰り返したのしむことはできても二度と初めて聴くことや読むことができないし、あの時、あの場所で再生した自分とは違う取り込み方をしている。
だから私たちはいつだってその形のない想起を期待して再生します。それは私とあなたの会話のようなものです。対面してやりとりをしても、何を感じとられたのかを知ることはできない。あなたの頭が、耳が、���が私をどう捉えているのか知ることはできない。
だからいっそ私でもあなたでもない所を分かち合う、という共有です。それが、言葉です。過度に自分のものにしてはいけないし、過度に相手に委ねることも違って、お互いの間に、手の届く場所になんとなく置いておくようなこと、
(これは最���職場のえらい人のTwitterみて影響された言葉です)
手元に形として残っていないもの、場所、人や記憶、あったのか?と時々自分をひどく心細くさせるものたちの存在を、君島大空さんの音楽はただ頷くように肯定してくれるようなところがあるので、先ほどから言っているように、もう私はそれにたすけられているので、いまさらそれを実験?とすら思うのですが、たのしみです、たのしみですねぇ!だから、この全文はどこですか?
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ考察④ キャラクター別考察その1 ヌードルスについて❸
こちらでは、ヌードルスが他のキャラクターをどう思っていたかについて考察していきます。まあ映画を観ればわかることなので、何番煎じだという感じではありますが。
ご注意!
・女性へのレイプを話題に出しています
・マックスに対して
言わずもがな大親友。ただこの二人、考察③での結論を鑑みると、少年期はドミニクの背丈が変わっていないのを考慮してせいぜい半年、青年期は一年ちょっとの付き合い。合計で2年もいっていない。私のTwitterのフォロワーの方がまだ付き合い長い。仲がよすぎるし遠慮がない。けれどもだからこそマックスに言ってはいけない言葉を投げかけてしまうし、しっかり話し合って止めることができなかったのかもしれません。
作中で流れる「Yesterday」の歌詞は、ヌードルスの心情を表しているものと思われます。一文を抜粋すると「なぜ彼女は行ってしまったんだろう。わからない。何も言ってくれなかった。まずいことを言ってしまったんだよね」という部分があります。これはデボラとマックスに向けたヌードルスの感情でしょう。つまりヌードルスはマックスが裏切った理由がわからない。わからないからこそ、ベイリーをマックスと認めなかったのです。
一方で原作『The Hoods』。こちらは同い年であることと、物心ついた頃から一緒にいた、とはっきり示されています。正真正銘の幼馴染で、自他ともに認める親友同士(もちろん親友の定義なんて当人たちが決めることで私という他人がとやかく言うことではない)。それでもマックスは親友の密告で死んでしまうし、ヌードルスは共同基金を勝手に隠した親友を胸中で罵りながら故郷から逃げ出す。友情の儚さを感じさせますね。
・デボラに対して
ヌードルスが想いを寄せる女性です。一見片想いに見えますが、少年期のデボラから雅歌を贈られるシーン、何より「ヌードルス、あなただけよ。私がこれまで……気にかけたのは(原文ではloveでなくcareなのがポイントです)」という台詞。デボラもヌードルスに恋をしていたのは曲げようがない事実です。
ヌードルスも片想いではないとわかっていたと思います。だからこそ自分から離れようとするデボラがどうしてもわからない。しかしデボラはちゃんと言っています。「だけど彼はちんけなチンピラ。私の愛する人にはなれない」と。デボラは作中屈指の常識人なので、いくら恋をしていても犯罪者を恋人にはしたくありません。ですがヌードルスはこの事実を理解していながらも、自分は犯罪者以外の道を選べると考えていないのです。つまりお互い妥協しようとしない。私からするとヌードルスがとっとと足を洗えばいいとは思うのですが、前科者でもある点などを鑑みると現実が難しいのは理解できます。
そしてデボラが手に入らないと確信したヌードルスは彼女をレイプしてしまう……。まだ少年期の頃はやり直せるチャンスがありました。刑務所を経てなおギャングに身を置くヌードルスは、身も心も犯罪者のそれになったということなのでしょう。
・パッツィーに対して
パッツィーは少年期、ヌードルスと同じアパートに住んでいました。つまり仲間内ではヌードルスと最も付き合いが長かったのではないか? と考えられます。またヌードルスについての考察❶で述べた一連のシーン解釈が正しいなら、ヌードルスが身を呈して守ろうとした友でもあります。これは余談ですが、髪色に髪型、泣きぼくろなど二人は容姿の共通点が多いですね。
・コックアイに対して
映画本編では絡みが少ないですが、仲は良さそうです。少年期ヌードルスとは一番体格が似通っていますね。ただパッツィーと違って幼少期からの付き合いでないとしたら、コックアイはヌードルスよりもマックスの方が付き合いが長かった可能性が挙げられます。
・ドミニクに対して
ヌードルスが汚職警官ホワイティを買収する際、「俺、あいつ(マックス)、コックアイにパッツィーとで仕事する」と発言しています。ドミニクは省かれているのです。これは決して悪意あるものではなく、ヌードルスは一番年少なドミニクが犯罪行為に手を染めることに罪悪感があった証左であると私は解釈します。しかし結局ドミニクはヌードルスたちのグループから出ることなく、バグジーの凶弾に倒れその記憶はヌードルスに深く刻まれます。
・キャロルに対して
彼女自身の台詞で「お互い嫌い(dislike)よね」とあります。事実でしょう。実際仕事すっぽかした件をマックスに責められ、ヌードルスはマックスが職場にキャロルを連れ込んでいる話にすり替えます。というかその前から、再会した際よろしくやっている二人に対し不機嫌そうな表情を浮かべていました。おそらく強盗の時からヌードルスはキャロルに対して悪い印象を持っていたのでしょう。レイプはしますが。いわば「尻軽」な女が親友と仲良くやっているのが気に入らない、自覚しない程度の嫉妬心があるのだと思われます。
・イヴに対して
最初は本当にデボラの代わり、として愛人に選んだのだと思われます。ですが映画冒頭と禁酒法さよならパーティでの彼女の左手に注目してください。薬指に指輪がはめられています。一方でヌードルスはイヴに出会う前から左手の薬指に指輪をしていますが、wiki情報によると男性が結婚指輪をはめるようになったのは20世紀から。つまりまだ20世紀初頭の青年期ではまだその文化は芽吹いたばかりです。単にアクセサリーとして身につけていたと思われます。
またユダヤ教の側面でも結婚指輪をするのは女性だけです。ユダヤ教の結婚指輪は、結婚するにおいて男性から女性へ贈る結納金の象徴だからです。
閑話休題。すなわち1933年3月の時点でイヴとヌードルスは結婚関係ないし婚約関係にあったと推測できます。また仲間が密告で死に裏切り者として追われる中、ヌードルスは迷わずイヴを迎えに行こうとしていました。出会いこそ利害関係の一致、という感じでしたが結果としては、ヌードルスはイヴと添い遂げようと考えていたとして間違いないでしょう。
・ジミーに対して
ファーストコンタクトではガソリンか小便まみれのジミーに何も言わずコートをかけてあげます。やさしい。しかし老年期においてテレビでその姿を見た際には「相変わらず御託並べて」とのこと。たしかに初めて出会ったときヌードルスが彼にかけた言葉も、簡単に言い換えれば「そんな活動上手く行くわけがない」。かと言ってはっきり否定する��けではなく、葬儀屋として彼ら労働組合には協力します。ビジネスになりますからね。老年期の台詞から見て取れるように、内心では彼の活動を冷ややかに見ていたのでしょう。
歌詞に秘められたキャラクターからキャラクターへの心情考察に関しては、この方の記事がさらに詳しいです。
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