Tumgik
#豚足ピース
crispy-moratta · 2 months
Text
26歳ニワトリを抱えて なにがだけど
先日わたしは26歳になった。去年は日付を跨ぐ頃にシャワーを浴びて入念に耳の後ろを泡立てていると25歳を迎えた記憶があるが、一年というのはなんと早いものだ。今年は前期授業の最終日で鮮やかに寝坊し、タクシー出勤をした(寝坊したわたくし 野良タクシー )。前期が終わるということで、次に行くのは9月。当分大学には出向かないということで、普段会わないひとたちにも挨拶をしようと各部署各学科を巡り、歩き挨拶してまわったがほとんど結局誰とも会えず。唯一ちゃんと会って話せたのは成澤さん、農園の管理人である。「ひさしぶりだね〜」 と成澤さん。最近の近況報告から生活のなかの自家発電の話になり、わたしはセルフカットと最近のセルフお洗濯の話をした。成澤さんは家の畑および田んぼと山羊&ニワトリと、大学の畑を整備するNOW ON 二毛作をしているのだが、その話を聞き、あとは最近始めたカヤックについて教えてもらった。十分な装備で行わないカヤックは"命懸けのレジャー"だと言うことで、(レジャーが命懸けなの良すぎるだろ)と思いながらお話しした。せっかく農園まで上がったので、誕生日にニワトリを抱えるのはオツかもしれん。と思い農園のニワトリ(家畜ゆえに名前がない)を抱きかかえ、成澤さんに写真をとっていただいた。この日はニワトリの機嫌が悪く抱えてもすぐに羽をばたつかせ降りてしまうので成澤さんに、おとなしくなってもらう方法がありますかと聴くと「それはね、ラグビーボールみたいにして脇に抱えてやったらいいよ〜」 と言いながら、ニワトリをトライするかの如く脇で挟み込み、加えて顔を掴み、「暗くしてやるとね〜、すぐ寝るんだよ〜」 といういつものクレイジーさを見せてくれた。「成澤さん、今寝かせてくれなくてもいいですよ。」というと、そう〜?といいながら降ろし、わたしも同じように抱え、ほんとにおとなしくなって笑った。成澤さんは写真を撮るときシャッターを切りながら(いいね〜)とおっしゃっていた。農園から降りるときに実のつきたてのししとうたくさんと、ニワトリが一日に一個しか産まない卵をもらった。うれしい。
お昼すぎまでだった授業はその後に卒制の相談を2件ほど受け16時前に。そこから成澤さんと話し込んだので帰宅したのは19時であったが、夜になるとゆかりさんから家に行っていいですかとのこと。誕生日だからかなケーキかもなと思い、「でもフォーク足りないかも!」と電話口にて伝えると、『桐島部活辞めるってよ』 の名シーン 「ごめんね、なにがだけど」 頭の中でがリフレインする。だれもケーキなんて言ってないのにフォークがないかもと言うわたし……、 「なにがだけど、ね笑」と補足した。
21時半頃にカイくんとゆかりさんがうちにくる。夜ごはんのおすそ分けに豚キムチまで持ってきてくれ("まで"ってなにがだけどね……) 「タイヘイはあっちで待っててと一旦部屋を出される。ふたりが何かを準備している間にスピーカーにつながっている自分のiPhoneでスティービーワンダーの『Happy Birthday』を流した(いえ、さっぱり、なにがなんだけどね)。しばらくすると部屋に呼び戻され、わたしは健気に"何か"を取り分けるであろうお皿を両手に持って部屋に戻ると、なんとそこには小さなとらやの包みに入ったプレゼントとミニケーキが3ピースあり、ケーキには炎色反応のギミックがすこし特別なロウソクが刺さっていた(ほんとにありがとう)。ケーキを前にして雑談をし、いい加減にして、ありがとう〜とロウソクを吹き消し。拍手してもらった。プレゼントは何かまったく検討がつかなかったのでクイズ形式に。箱の中身はなんだろな的な要領でここにあるのはなんだろう。目を瞑って開封を行ったが、まったく検討がつかず答えには到底辿り着けなかった。プレゼントはキャンプ用のガスコンロであった(最高すぎ)。とてもうれしい気持ちに包まれ誕生日プチパーティーまで開いてもらい。大満足であったが、最後にもう一歩誕生日の権限を振りかざし、3人で写真を撮ろうと提案した。試し撮りでふたりの写真を撮って画角を調整してから、セルフタイマーで10連写の設定で撮ると、1枚ごとのインターバルが半秒ほどあったおかけで、1枚しっかり決め込むよりもとても力の抜けたいい表情のわたしたちが撮れた。これがなによりの誕生日プレゼントだわね……。メッセージやSNSで祝ってくれた人たちもありがとう。26歳も鋭意……。
10 notes · View notes
ichinichi-okure · 1 year
Photo
Tumblr media
2023.6.25sun_tokyo
今日も一番最後まで寝てしまっていた。 一番先に起きるのは夫、次は娘、そして最後に私。 いつもゆっくり寝かせてくれて、ありがとう。 休日の朝食の定番はパンケーキ(市販の粉ではなく夫独自配分の粉使用)とじゃがいもとベーコンのチーズ焼き。 炭水化物もりもりの朝食。 今日も寝かせてくれた上に朝食まで作ってくれて、ありがとう。 それにしても生活スキルの高い男である。
朝食を食べ始め、テレビを付けたら、ロバートの秋山とアルコ&ピースの平子さんと山崎育三郎が銭湯にいくというコーナーがやっていて、家族3人ゲラゲラ笑いながら観る。 元気が出た。 洗濯物を干しているとテレビから「東京の人は冷たい」と聞こえてきた。 私は生まれも育ちも東京の活気のある下町だが、冷たいと思ったことは一度もない。 もしかしたら東京の中でも違う場所に生まれていたら、違う印象を持っていたかもしれないけど、でもそのステレオタイプのような東京のイメージ、東京生まれとしては少しさみしい。 そもそも、多くを地方出身者で構成している「東京の人」とは一体誰のことを指すのだろう。 私は自分の生まれ育った東京が好きだ。
さて、今日はとても忙しい日。 夜に、まもなく6歳を迎える娘の誕生日会をする。 プレゼントとケーキも買いに行く予定。 それ以外にマンションの用事が2件。 ああ、考えただけで忙しい。
9:30夫がマンションの防災班の会議に出席。 それが終わり次第、娘のプレゼントを買いに自転車で街へ繰り出す。 15:00には私がマンションのBBQ大会の会議に子ども会の代表として出席するから、それまでには帰ってこないといけない。 プレゼントがすんなり決まるかどうかが肝である。
外へ出ると、叫びたくなるくらい気持ちのいい天気である。 私も夫も晴れだと元気になるし、雨だと声まで小さくなる。 天気に左右される我が家である。 娘はいつだって元気だから、まじ最高ガール。
目的の商業施設に着くまでに公園を通ったら、幼稚園のお友達(ボーイ)に遭遇。 その子とは最近ウマが合うと聞いてたので、お互いとっても嬉しそう。 お友達はニッコ���コで、娘は照れ屋なのでちょっと恥ずかしがっていた。 今日はスペシャルな一日なので、とびきりのワンピースと先日ばあばからプレゼントでもらったメイク道具で可愛くしてきたから見てもらえて嬉しかったね! 目のまわりがピンクで『いけないルージュマジック』味が強かったけど、でも可愛いから大丈夫!
Tumblr media
お目当てのトイザらスに到着。 パパと私でどのようなプレゼント構成にするか、数秒の打ち合わせ。 予算内でおさまるように、【オモチャ】と【前から欲しがっていた編み編みのラメ入りサンダル】と【文房具】の組み合わせにしようということになり、それを娘に説明した。 そうしたら、サクサクどんどん選んで、すぐに決まった。 いつも思うが、この子は思い切りがいい。 小さい頃の私やパパは、シールを大事にしすぎて、どこにも貼れないような子供だったけど、彼女はバンバン貼っちゃう。 その性格、うらやましい。 最後の文房具は三者の協議により、【レゴブロック】に変更になった。
プレゼント選びが早く終わったため、ゆっくりランチができることになった。 近くのタイ料理屋へ向かう。 私はパッキーマオ(辛い平打ち麺の炒めもの)、パパはトムヤム麺、娘はカオマンガイ、豚肉の辛いレモンソースのかかったサラダも頼んだ。 どれもこれも美味しくて、豚肉とパクチーとサラダのソースが合いすぎて、叫びそうになった。 「私もうあまり量はいらないんだよ。美味しいものを適量でいいんだ。」と言ったそばから美味しすぎてムシャムシャ食べた。 ちょっと恥ずかしい。
そんなこんなしていたら会議の時間が近づいてきたため、2人を残してマンションへ向かった。 2人には、娘ご希望の誕生日ケーキと娘が食べてみたいドラゴンフルーツを買ってきてもらう。 いつもの誕生日ケーキは、他のケーキが食べられなくなるくらい美味しい近所のケーキ屋さんでお願いしているが、今回はトップスのチョコケーキになった。 暑いから溶けないように持って帰ってこれるかなぁ、などと心配が尽きない。 そう、私は心配性。
急いでマンションに向かって、事前にちゃちゃっと作ったBBQ大会のポスターをプリントアウトして、集会室へ向かう。 一緒に子ども会を担当しているママと私以外、全員おじいちゃんおばあちゃん。 同じメンバー(約15人)で自治会の会合を月一で開催している。 耳が遠くて聞こえてるのか不安になるおじいちゃんがいたり、年に数回喧嘩し出したり、色々あるけど、世代を越えて子供達がお年寄りと触れ合ったり、見守り合えたりするのは、とても幸せなことだと思う。 娘には色々な居場所を作ってあげたいので、マンションの花壇のお世話にも家族で参加している。 大変なことも多いけど、マンションに愛着も湧いたし、知り合いもお友達もできた。 こうして見ると、私の父は地元町内会の会長で、母も町会活動にがっつり関わっているので、やはり血は争えないのだなぁと冷静に思う。
思った以上に長引いた会議は3時間にも及び、ヘロヘロになりながら、買い足したいものがあったため、1人で近所のスーパーへ。 毎年この季節に、スーパーの大きなガラス扉が曇っていると、夏が来たなと感じる。 買い物を済ませ、喉も乾いたし、座りたい衝動に駆られた。 私はコーヒー屋さんで休憩するのが大大大好きだが、今日は後々のことを考えて、グッと堪えてアクエリアススパークリングをベンチに座って飲んだ。 リフレッシュできたから、急いで帰ることに。 遅くなっちゃう〜!とみんな家の中を小走りになりながら、支度をした。 パパと娘は壁の装飾を、私は娘リクエストのたこ焼きの材料を用意した。 それ以外にチキンのソテーと卵スープとモッツァレラチーズ・トマト・生ハム・ルッコラのサラダを作った。 娘から食べたいもののリクエストを初めてもらえた気がして、すごく嬉しい。
Tumblr media Tumblr media
支度が終わり、席について、ハッピーバースデーを歌って、ロウソクを消した。 6年前の生まれた日のことを思った。 ちゃんと朝まで寝かせてくれて、朝の7時に陣痛が始まったこと。 陣痛に苦しみながら産院のまわりを散歩したこと。 2人で当分ゆっくりごはん食べれないから行っておいでと言われて、散歩の合間に入った喫茶店で陣痛がつら過ぎて、この私が一口も食べれなかったこと。 夫と私の痛み逃しの息がピッタリだったこと。 日をまたぐ前に生まれてきてくれたこと。 お医者さんから「良いお産でした」と言われたこと。 どれも一生忘れられないな。 今でも産院の近くを通ると、胸の奥の方がチクチクして、あの大切な一日を直視できないんだけど、なんとも言えないグッとくる気持ちになってしまう。 そんな話を今年の誕生日に3人で話した。 今に娘から「その話聞き飽きたよ!」って言われるのかな。
いつでも楽しそうで、元気で、愉快で、面白くて、歌って踊って、眩しくて、とびきりかわいい君。 大好きだよ。 ママも、君に負けないくらい日々を楽しむ姿を、パパと君に見せるよ! そんなことを思いながら、ベッドに倒れ込むようにして、3人ぐっすり眠りについた。
Tumblr media
-プロフィール- ホソノアヤコ 40歳 東京 イラストレーターと母 @hosonoayako
1 note · View note
coccolo456 · 7 years
Photo
Tumblr media
49 notes · View notes
shimizuyaofsake · 3 years
Photo
Tumblr media
2022/2/3
おはようございます!念のためにこんにちはとこんばんはも。
毎年二月が短くて良かったって思います。
まだ始まったばかりですが今夜は恵方巻だし昨日はいい映画見れました。
はははと笑ってそれなりに過ごしたい、冬。
# 天明 中取り参号 亀の尾 (曙酒造・福島)
亀の尾からにじみ出たのは、スウィート&フルーティ。
スッキリした甘旨と、それに寄り添うように苦み渋みがおいしいバランスで流れていきます。
繊細な活性とキレイなのどごしですので、おいしさは待ってくれません。
すいすい飲めてしまう軽やかさの中にちゃんと味があってそれが余計に中毒性を持っているんだと思いました。
蔵元でも当店でも売り切れてしまいましたが、弐号と軽やかが似ているので飲み比べしたら、より米の違いがわかるというか、おもしろそうです。
肴はさつま揚げからパッタイまで守備範囲広いですが、特に「白菜と豚肉にんにくゴマ油蒸し」という妻の必殺技とスーパーマッチ☆
お互いすでにおいしいのですが、実は足りなかったあのピースを埋めてくれてさらにしあわせになってしまったのです!
そんなことあるかもしれないので、ぜひいろいろお試しください:-)
それでは本日もはりきっていきましょう。
0 notes
Text
妻が死んだ。いつも元気な女性だった。僕と娘がいたずらしてはよく怒られていた。いたずらが過ぎて正座の刑になった時は肝が冷えた。初めは足が痛いと泣いていた娘も、たくましくなった。つい、この間の正座の刑の時など、ずっと俯いているので体調が悪いのかと見てみると、すーすーと眠っていた。大したやつだった。妻に教えてやると妻も一緒に笑った。妻は娘を抱えて部屋へと連れて行った。やれやれ。苦笑まじりに立ち上がろうとする僕に、振り返った妻は笑顔のままで言った。この子の分もあなたがやっておいてね。おかげで風邪を引いた。
そんな妻が死んだ。「ママー、ママー」 娘は妻の体を揺すっている。「ねえ、ママおきないよ?」
「ママはね、死んじゃったんだ」 「しぬ?」 「そう、死ぬ。死んだらもう起きないんだよ」 「うそだー」 「本当だよ。だからママはもういないんだ」 「うそだよ。だってママここにいるよ?」 妻を指さす娘につられて僕も妻を見る。確かにいる。とても死んでいるとは信じられないくらい綺麗で、今にも目を覚ましそうだった。でも彼女は死んでいる。脈もないし心臓ももう動かない。笑ったり泣いたり、僕たちを怒ってくれることも、もうないのだ。涙が出そうになった。「パパ?」娘は不安そうに見上げていた。
「ねえ」 僕は言った。「ママにいたずらしちゃおうか」
「うん!」 娘は嬉しそうに頷いた。まずは鼻先を上に押し上げて豚鼻にした。「ブタさんだブタさんだー!」 娘はけらけら笑っている。手を持ってきて鼻の穴に入れる。「あはは、はなくそほじっちゃいけないんだ!」 ほっぺたをぐにぐにと動かす。「へんなかおー!」 両手で円を描くようにして頭の上に持ってくる。「おさるさんだ」 耳を引っ張ってやる。 「うっきー……」 指をピースの形にして顔の前で前後させる。 「カニさんだ…………」 次は髪を、と手を伸ばした僕に娘は言った。「もういいよ、パパ」 娘は俯いていた。「ママはしんじゃったんだね」
その後は二人で妻の体を元の位置に戻し、髪を整え、綺麗にした。妻とは思えないくらいに綺麗だった。「ばいばい、ママ」
手を繋いで帰った。娘はずっと俯いていたので、どんな顔をしているのかわからなかった。ただ僕の手を握る力は強かった。僕も強く握りかえした。大したやつだ。
” -
妻が死んだ
葬式は死を受け入れる儀式
(via ucyu)
(via plasticdreams)
(via parallel, jacony)
0 notes
theatrum-wl · 7 years
Text
【アンケート企画】 「2017年の3本」
WLでは読者のみなさんから2017年に見た舞台作品の中で印象に残った3本を、その理由などを書いたコメントとあわせて募るアンケートを実施しました。WLスタート以来毎年行っているこの企画、3回目の今回は20名の方にご参加いただきました。掲載は到着順です。
雨宮 縁(会社員) ・劇団四季『ノートルダムの鐘』(四季劇場〔秋〕) ・ホリプロ『パレード』(東京芸術劇場 プレイハウス) ・ホリプロ『ファインディング・ネバーランド』(東急シアターオーブ ) 『ノートルダムの鐘』は何が悪なのか? 怪物は誰なのか? 人間の業と差別について圧倒的なクワイアの歌声で問われる秀逸な作品。 ミュージカル『パレード』はストレートプレイを見ているようなミュージカル。アメリカ南部で起こった実話の冤罪事件をミュージカル化した異色作。ある少女殺人事件をきっかけに人種差別や成功者への妬みなどから警察やマスコミ、政治家様々な立場の人達により犯人に仕立て上げられていく恐ろしさ。これが物語ではなく実話であるというさらなる恐ろしさに声が出ない程の衝撃だった。実力者ぞろいの出演者達で見応え満点だった。 ブロードウェイミュージカル『ファインディング・ネバーランド』は来日公演。ミュージカルらしい作品。イマジネーションの世界は自由だと夢のあるミュージカル。窮屈な現実から解き放される感動作で前向きな気持ちにしてくれます。(年間観劇本数:24本)
小田島 創志(大学院生・非常勤講師) ・KAAT『オーランド―』(KAAT神奈川芸術劇場) ・やみ・あがりシアター『すずめのなみだだん!』(小劇場てあとるらぽう) ・地人会新社『豚小屋』(新国立劇場 小劇場)  1.KAAT『オーランド―』…ジェンダー、言葉の意味、文化慣習、時代精神などの脱自然化を、舞台上で緻密に表現。観客の想像力を喚起する役者さんの演技も白井さんの演出も圧巻。「男である」「女である」のではなく、「男になる」「女になる」というボーヴォワール的な価値観を、演劇的にスタイリッシュに表現していて素晴らしかった。 2.やみ・あがりシアター『すずめのなみだだん!』…個人と社会、個人と宗教の関係性を、コミカルかつ丁寧な言葉を紡いで描いた意欲作。テーマが複層的で、観客側の思考を誘う。 3.アソル・フガード『豚小屋』…個人よりも集団が過剰に優先され、個人の犠牲の上に集団が成り立つ状況下で、戦争に駆り立てられる庶民の「受難」を、北村有起哉さんと田畑智子さんの壮絶な演技で伝えていた。(年間観劇本数:53本)
豊川 涼太(学生) ・ロロ『父母姉僕弟君』(シアターサンモール) ・木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談 通し上演』(あうるすぽっと) ・ままごと『わたしの星』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) 今年の3本を選んでみると、全てが再演(初演はどれも観ていない)だった。 特にロロ『父母姉僕弟君』はキティエンターテイメントプロデュースで、より大きなサイズで大きなスケールで上演できていた。 他の方々も語るように、再演賞を設ける等、演劇界全体で再演文化の定着に力を入れて欲しい。(年間観劇本数:50本程度)
なかむら なおき(観光客) ・月刊「根本宗子」『スーパーストライク』(ザ・スズナリ) ・劇団四季 『ノートルダムの鐘』(四季劇場〔秋〕) ・こまつ座『イヌの仇討』(紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA) 『スーパーストライク』は良し悪しの前にもっとも欲していることが届く作品だったので。『ノートルダムの鐘』はあえて出来事だけを表現して観客に判断を任せているのが面白かった。そして『イヌの仇討』は忠臣蔵を下敷きに目に見えない得体の知れない大きな力を描いていて続々としたなぁと。あ、これらは趣味です。 で、上演された作品を見ると、今の世の中に応答するような作品が多いように思うのです。そして小劇場界隈で育ってきた演出家が大劇場の演出を務めるようになってきているように思うのです。また少し変わったかなぁと思うのです。(年間観劇本数:100本ぐらいですかね)
北村 紗衣(研究者) ・ケネス・ブラナー演出、トム・ヒドルストン主演『ハムレット』(RADA) ・カクシンハン『マクベス』(東京芸術劇場 シアターウエスト) ・モチロンプロデュース『クラウドナイン』(東京芸術劇場 シアターイースト) 今年は『ハムレット』を6本見て、アンドルー・スコット主演版や川崎ラゾーナ版なども良かったのですが、ヒドルストンの『ハムレット』が一番好みでした。ハムレット以外の若者役を全員女性にするキャスティングが効いていました。カクシンハンの『マクベス』はまるでゴミみたいなセットでしたが、内容はゴミとはほど遠いエネルギッシュなものでした。『クラウドナイン』は大変面白かったのですが、あまりよく考えずに「レズ」とか「少年愛」などという言葉を使っているマーケティングは大変残念でした。 (年間観劇本数:121本)
町田 博治(会社役員) ・青☆組『グランパと赤い塔』(吉祥寺シアター) ・小松台東『山笑う』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・ SPAC『アンティゴネ ~時を超える送り火~』(駿府城公演特設会場) 『グランパと赤い塔』 吉田小夏が人の綾なす思いを紡ぎ、丁寧に織り上げられる。 背筋が伸び厚みと洒脱さを合わせ持つ老紳士を佐藤滋が見事に演じ、福寿奈央の初老の妻も見事。二人が作品に一本の筋を通す。 裏の主役とでも言うべき女中役を大西玲子が、目線、ことば、仕草、身体で見事に演じていた。役者が皆素晴らしい。 『山笑う』 兄と妹、地方と都会、肉親ゆえの諍い。 静かに光る小さな宝石の様な作品。 松本哲也の演出がシリアスさと笑いをバランスさせ絶妙。厚みのある演技、役者達のバランスも絶妙。 『アンティゴネ』 冒頭女優石井萠水がミニ・アンティゴネを演じ客を引き込む。 舞台は一面水。灯篭が浮かび明かりが揺れる。あの世と現世の境としての水、水上で舞台が静かに進む。背後に投射された動きが影となり、台詞、歌唱が絡み、幻想的。 「弔い」にこだわるアンティゴネ、最後、円く連なってゆく静かな盆踊りが弔いを暗示胸を締め付ける。(年間観劇本数:299本)
文月 路実(派遣社員・フリーライター) ・ゴキブリコンビナート『法悦肉按摩』(都内某公園) ・NODA・MAP『足跡姫』(東京芸術劇場プレイハウス) ・ 範宙遊泳『その夜と友達』(STスポット) 「五感を総動員する」と謳っていたゴキコンの本公演は、まさにその通りの悪夢だった。入り口で目隠しされ、何が何やらまったくわからない状態で味わう地獄。四方八方から泥水や血糊や汚物や虫が飛んでくる。突然役者が飛び出してきて身体の上に載る。内容はいつも通りのひどい話だ。テント内はかなり暑く、なにやら異臭がすごい。終わったときには頭に虫がとまり、レインコートは泥や血糊でぐしょぐしょ、汗で眉毛が半分消えておったとさ。そんなに過酷だったのにもかかわらず爽快感を覚えたのは不思議。普段使わない感覚を刺激されたからか。これこそが演劇の力なのでは。『足跡姫』は勘三郎へのオマージュ。ここ数年の野田作品のなかで一番ストレートに「想い」が伝わってきて、純粋に美しいと思った。『その夜と友達』は、生きづらさを抱えた「夜」というキャラクターが個人的に刺さった。「しんどさ」を知ってしまった人間にも希望はあるのだと信じたい。(年間観劇本数:42本)
永田 晶子(会社員) ・努力クラブのやりたくなったのでやります公演『フォーエバーヤング』(人間座スタジオ) ・燐光群『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』(ザ・スズナリ) ・dracom Rough Play 『ぶらんこ』(OPA_Lab) 上演日順です。 ・説明が削られ、描くべきことだけ残った合田団地氏の劇作は、努力クラブの魅力のひとつです。同世代の俳優による静かな演技で、人生における中途半端な時間の儚さをより楽しめました。 ・燐光群の公演で、��場という閉ざされた空間が持つ危うさを確かめました。戯曲に負けない強い演技と、暗闇にわずかな光を感じるラストシーンが印象的でした。失われた街に思いを馳せる機会にもなりました。 ・既存戯曲を本読み一回・稽古一回で上演するラフプレイを観て、演劇は一度きりの瞬間に在ると思いました。会場全体に広がる「わかりあえなさ」に、戸惑いつつも笑いました。戯曲を忠実に辿ろうとするデッサンのような行為は、dracom の新作での慎重な表現にも繋がっていたと思います。(年間観劇本数:100本くらい)
青木 克敏(地方公務員) ・SPAC『アンティゴネ〜時を超える送り火〜』(駿府城公演特設会場) ・ロシア国立サンクトペテルブルク マールイ・ドラマ劇場『たくらみと恋』(世田谷パブリックシアター) ・NAPPOS PRODUCE『SKIP〜スキップ』(サ���シャイン劇場) あまりぱっとしない演劇状況に思えました。その中で、SPACの宮城聰さんの取り組みは素晴らしいものに感じています。アンティゴネは構成がしっかりとしていて分かりやすいかったですが、私の価値観を揺るがしてくれるほどの感動を、与えてくれました。たくらみと恋では、俳優陣をはじめとして芸術レベルの高さを見せつけられました。そして、スキップ。なんだかんだ言っても、キャラメルボックスは、夢と希望をいつだって分かち合おうと走り続ける劇団です。(年間観劇本数:32本)
矢野 靖人(一般社団法人shelf代表理事・芸術監督) ・WORLD STAGE DESIGN『The Malady of Death』(台北国立芸術大学) ・HEADZ『を待ちながら』(こまばアゴラ劇場) ・SCOTサマーシーズン2017『サド侯爵夫人 第二幕』(新利賀山房) The Malady of Death”はバンコクの盟友、僕がいちばん信頼している僕自身のプロデューサー的存在でもあるリオンが演出する作品とあってわざわざそれを観るためだけに台湾まで行った作品。そういうことが出来る/したいと思える仲間がいることに感謝。今年いちばん記憶に残っている。デュラス晩年の最後の恋人は実はゲイで、しかし献身的にデュラスを愛し、デュラスに尽くしたという。美しく儚い作品だった。鈴木忠志「サド侯爵夫人 第二幕」はこの超絶技巧のこのアーティフィシャル(人工的)な日本語台詞をねじ伏せた俳優陣に快哉。久しぶりに劇場で観劇した飴屋法水さんの「を待ちながら」はこちらが思っていた以上に泣けるほどに清々しくベケットで。選外に1作品、APAFワン・チョン氏演出の「Kiss Kiss Bang Bang2.0」を。ノンバーバル且つインターナショナルな演劇の新たな可能性を垣間見せてくれた。(年間観劇本数:43本)
野呂 瑠美子(一観客) ・劇団昴ザ・サードステージ『幻の国』(サイスタジオ大山第1) ・劇団チョコレートケーキ『熱狂』(シアターウェスト) ・文学座創立80周年記念公演『中橋公館』(紀伊国屋ホール) どの時代をどういう切り口で、どのように選ぶかは作者の意識と力量による。劇団チョコレートケーキの古川健さんは、大きな歴史の流れを巧妙に切り取り、多大な資料を元に、新たに肉付けをして、その時代がどんなであったかを観客に見せてくれる。『幻の国』『熱狂』ともに、3時間ほどの舞台からは、困難な時代に置かれた人々の思いと息遣いが伝わってくるようであった。文学座の真船豊の『中橋公館』も、殆ど知られることがなかった、外地・北京で敗戦を迎えた日本人の様子をよく伝えていて、感心した。どの作品も、過ぎ去った時代を描きながら、実は現代をきちんと映し出している秀作揃いで、感動とともに、印象深い作品となった。最近あまり見なくなった歌舞伎だが、今年は仁左衛門の『千本桜』がかかり、おそらく彼の一世一代の知盛であろうと思われて、拝見した。人生は速い。(年間観劇本数:80本)
片山 幹生(WLスタッフ) ・SPAC『病は気から』 (静岡芸術劇場) ・ゴキブリコンビナート『法悦肉按摩』 ・平原演劇祭2017第4部 文芸案内朗読会演劇前夜&うどん会  「や喪めぐらし」(堀江敏幸「めぐらし屋」より) ノゾエ征爾翻案・演出のSPAC『病は気から』は17世紀フランス古典主義を代表するモリエールの喜劇の現代日本での上演可能性を切り拓く優れた舞台だった。ゴキコンはいつも期待を上回る斬新で過激な仕掛けで観客を楽しませてくれる。高野竜の平原演劇祭は昨年第6部まで行われ、いずれも既存の演劇の枠組みを逸脱する自由で独創的なスペクタクルだったが、その中でも文庫版200頁の小説を4人の女優がひたすら読むという第4部の企画の体験がとりわけ印象的だった。食事として供された変わったつけ汁でのうどんもおいしかった。(年間観劇本数:120本)
kiki(勤め人) ・日本のラジオ『カーテン』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・あやめ十八番『三英花 煙夕空』(平櫛田中邸/シアトリカル應典院) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) カーテン:この一年で拝見できた日本のラジオの作品はどれも面白かったが、結局一番好みにあったのがコレ。劇場の使い方や題材の面白さに加えて、奥行きのある人物描写で15人のキャストの魅力が充分に生きた。 三英花 煙夕空:あやめ十八番初の二都市公演で、東京と大阪の会場がどちらも物語によく似合いつつ印象はガラリと変わって面白かった。音の響きや照明も変わり、キャストも変わって、東京公演では濃密な仄暗さが、大阪公演ではエッジの効いた明暗がそれぞれ印象に残った。 アンネの日:風琴工房の題材への取り組み方にはいつも心惹かれるが、観る前には地味だろうと思っていたこの作品がこの一年で最もツボにハマった。描かれた人々の誠実さと強さ、それを演じるキャスト陣の説得力が魅力的だった。(年間観劇本数:155本)
りいちろ(会社員) ・第27班 キャビネット公演B『おやすみ また明日 愛してるよ』(シアターミラクル) ・コマイぬ『ラッツォクの灯』(石巻 GALVANIZE gallery) ・アマヤドリ『青いポスト』(花まる学習会 王子小劇場) 2017年も足を運ぶ先々に多彩な舞台の力がありましたが、中でも常ならぬ舞台の密度や呼吸を感じた3作品を。 この一年、くによし組や劇団ヤリナゲ、劇団普通、KAZAKAMI、遠吠え、キュイなど若い作り手たちの作品にも心惹かれつつ、てがみ座『風紋』、風琴工房『アンネの日』、青組『グランパと赤い塔』、うさぎストライプ『ゴールデンバット』、ワワフラミンゴ『脳みそあるいてる』など実績のある作り手の更なる進化を感じる作品も数多く観ることができました。FunIQの5人の作演での連続上演の試み,ロロの「いつ高シリーズ」やシンクロ少女の『オーラルメソッド4』のように過去作品と新作を合わせて上演することも作品の世界観を再認識させ作り手の進化を感じさせる良いやり方だったと思います。またあやめ十八番や水素74%などの歴史建造物での上演にも、スイッチ総研の諸公演やガレキの太鼓ののぞき見公演などの企みにも捉われました。(年間観劇本数:315本)
矢作 勝義(穂の国とよはし芸術劇場 芸術文化プロデューサー) ・ イキウメ『天の敵』(東京芸術劇場 シアターイースト) ・TBSテレビ『俺節』(TBS赤坂ACTシアター) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) 『天の敵』は、戯曲・演出・美術・俳優など全てのピースが寸分の狂いもなく組み合わされた、これまで観たイキウメ作品の中で一番素晴らしい舞台でした。 『俺節』は、主演の安田章大の歌・芝居ともに素晴らしく、回りを固める小劇場系の俳優も一丸となり、見事に劇世界を支えていました。何と言っても、脚本・演出の福原充則の仕事ぶりが充実していました。 風琴工房の詩森ろばさんは、2017年の1年間で多数の作品を生み出していましたが、なかでも『アンネの日』は、教養エンターテイメントと名付けたいと思います。事実の羅列や解説にとどまらず、それをエンターテイメントに昇華しながらも、一つの物語として創り上げられたとても素敵なものでした。 番外として、自身の劇場制作の、青木豪作、稲葉賀恵演出の「高校生と創る演劇『ガンボ』」と桑原裕子作・演出の穂の国とよはし芸術劇場プロデュース『荒れ野』を上げておきたいと思います。(年間観劇本数:132本)
須川 渡(研究者) ・ dracom『空腹者の弁』(ウイングフィールド) ・山下残『無門館の水は二度流せ 詰まらぬ』(アトリエ劇研) ・アイホールがつくる「伊丹の物語」プロジェクト『さよなら家族』(AI・HALL)  今年も関西で多くの作品を観ました。劇場の閉館はたびたび議論になりますが、dracomと山下残はこの問いかけに作品という形で応答していました。dracomはウイングフィールドという場所で演劇を続けること、山下残はアトリエ劇研がなくなることの意味を、どちらも非常に挑戦的な方法で示していました。『さよなら家族』は、伊丹という場所と時間をかけて丁寧に向き合った秀作です。スタイルは様々ですが、観客である私も、同じ場所にとどまって演劇を観続けるとはどういうことかに思いを巡らせた1年でした。 (年間観劇本数:133本)
かいらくえんなつき(演劇ウォッチャー) ・ロロ いつ高シリーズvol.4『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』(こまばアゴラ劇場) ・悪魔のしるし『蟹と歩く』(倉敷市立美術館 講堂) ・範宙遊泳『その夜と友達』(STスポット) 2017年も前半は大阪にいたので、関東近辺の演劇はそこまで多くは観ていません。とはいえ、ここにどうしても挙げたいと思う関西の作品に出会えなかったのは、残念。 選んだのは今後ずっと忘れないだろうなと思う観劇体験だったものです。 この他に挙げられなかったのは、FTで上演された『忉利天(とうりてん)』 (構成・演出・美術:チェン・ティエンジュオ)。 これだけをみていうのもと思いますが、それでもいいたくなるぐらい、中国の勢いを感じさせられ、それと裏返しの日本の閉塞感を感じました。 2017年は(も?)色々と区切りとなる出来事の多かった1年だったような気がしています。 毎年同じようなことを書いている気がしますが、2018年はもっともっと新しい刺激的な作品に出会いたい!!(年間観劇本数:おそらく150本くらい)
薙野 信喜(無職) ・ Schauspiel Leipzig『89/90』(Berliner Festspiele) ・Akram Khan Company「Until the Lion」(Main Hall, ARKO Arts Theater) ・日本総合悲劇協会『業音』(西鉄ホール)  2017年は、海外で観た20数本の作品の印象が強い。パリで観たオペラ・バスティーユ『ラ・ボエーム』、オデオン座『三人姉妹』、コメディ・フランセーズ『テンペスト』、ベルリンドイツ劇場『フェードル』『しあわせな日々』、ソウルで観た Yulhyul Arts Group『Defeat the ROBOT 3』、明洞芸術劇場『メディア』の印象が強烈だった。
九州に来演した作品では、ヨーロッパ企画『出てこようとしてるトロンプルイユ』、サードステージ『舞台版ドラえもん のび太とアニマル惑星』、イキウメ『散歩する侵略者』、トラッシュマスターズ『たわけ者の血潮』 などが楽しめた。 九州の劇団では、劇団きらら『プープーソング』、そめごころ『ちずとあゆむ』、転回社『夏の夜の夢』 がおもしろかった。(年間観劇本数:156本)
でんない いっこう(自由人) ・東京芸術劇場『リチャード三世』(東京芸術劇場 プレイハウス) ・新国立劇場『プライムたちの夜』(新国立劇場小劇場) ・文学座『鳩に水をやる』(文学座アトリエ) 1.リチャード三世の人格形成に身体の障害を前面に出さなかったし、最期の苦しみを、脳内の様子が突然飛び出し襲い掛かるような映像と音響で訴えたプルカレーテ演出の意外性が惹きつける。 2.人は何に向って本心を言えるのか、自身の老後は応答するロボットを考えていたが、人型のAI・スライムなら2062年でなくとも頷けてしまう身近な物語であった。人を失した悲しみ、本来わかりえない存在、一個の人間。 3.童話作家だった男、今は認知症の鳩に水をやる男。誰にわかると言うのだ、その内面の心理が。過去を生きている男に通じる回路を持たない今を生きてる者達。次点は若い俳優、演出家の成長が嬉しい『その夜と友達』『ダニーと紺碧の海』『ナイン』気になる劇作・演出家で楽しかった『ベター・ハーフ』大野一雄に惹かれ、その時代の映像が見たくて、疑念を持ちながら観たのに何故か後半引き込まれてしまった『川口隆夫「大野一雄について」』等がある。(年間観劇本数:27本)
小泉 うめ(観劇人・WLスタッフ) ・点の階『・・・』(京都芸術センター 講堂) ・風琴工房『アンネの日』(三鷹市芸術文化センター 星のホール) ・神里雄大/岡崎藝術座『バルパライソの長い坂をくだる話』(京都芸術センター 講堂) 前半は人生最高ペースの観劇本数だったが、後半は落ち着いて、おしなべてみれば例年並みの本数になった。そのため見逃したと思っている作品も多い。演劇が演劇であるが故の悔やみである。 『・・・』 ファンタジーという言葉だけでは済まされない不思議な観劇体験となった。窓の外の雪や隙間から入ってくる冷たい空気までもが演劇だった。 『アンネの日』 詩森の戯曲はいつも緻密な取材力とそこからの跳躍力に支えられているが、この戯曲からは一人の女性として、ひいては一人の人間としての彼女の姿が明瞭にうかがえ、彼女の代��作となるだろう。 『バルパライソの長い坂をくだる話』 神里のターニングポイントと言える。再び上演される機会もあるだろうが、あの場所であの役者陣でのスペイン語上演は、当然のことながら二度とないものを観たという印象が強い。 西日本での観劇も例年よりは少なかったが、結局KACで上演された2本を選んでいるあたりも私らしいところか。(年間観劇本数:355本)
2 notes · View notes
nagako · 5 years
Text
2019.07.19 ロングスリーパー改め睡眠不良児の備忘録
逆流性食道炎と、1日12時間くらい平気で寝てしまうロングスリープ癖を治すために、6日間禁酒しまして(前ブログ参照)。たったの6日間ではありますが、酒を毎日飲み始めてからそんなに長いあいだ休肝したことがなかったので、改めてやればできる子じゃないかと己を褒めてやりましたよ。ご褒美はもちろん酒です。
逆流性食道炎もだいぶ良くなったし、むくみも取れたし、節制しようと思えばできるとわかったことも含めて、結構快適に過ごせたんですよね。ハマるかも。ただね、お酒飲まないと眠れないので、睡眠には苦労しました。軽い眠剤を用いてコントロールしたのですが、熟睡できなくてすぐに起きてしまう。無論、飲酒こそが熟睡できない脳を作ってしまう一因なわけですが、この際己の睡眠機能がいかにポンコツか、現状を把握しようではないかという結論に1人会議で至り、Sleep Cycleっていう睡眠トラッキングアプリを導入して状況を記録してみたんです。
今後の参考にしたいので、結果をここにまとめさせていただきますね。ちなみに、このところ原稿が立て込んでいて、寝る時間は不規則かつ遅めです。
◎7月8−9日 就寝4:26 目覚め8:47 いびき5min 
Tumblr media
寝てすぐ深い眠りに落ちたっぽいけど、すぐ起きちゃってますね。トイレにでも行ったのでしょうか。二度寝にも失敗し、いびきもかいた、と。この人寝れていないですよね。日中ずっと眠くて辛かったです。
◎7月9−10日 就寝0:45 目覚め8:01 いびき17min
Tumblr media
前日あまり眠れなかったので、早めにベッドに入ったところ、起きているのか寝ているのかわからない浅い眠りの岸辺を行ったり来たり。うまく入眠できなかったんだけど、4時過ぎからはいい感じ。ただ、この日、お酒飲んだので、いびきをかいておりますね。飲むといびきをかいて、飲まないとかかない傾向にあるような気がするような、しないような。
◎7月10−11日 就寝1:19 目覚め7:18 いびき0min
Tumblr media
禁酒1日目。なにこれ、W? 歯? 相変わらず入眠が下手くそ。1回どーんとおちて、トイレに行ったのかな、でまたおちて、起きたらあとは浅い感じですね。4度寝ということになりますかね。ちなみに私、寝ても覚めても超頻尿です。
◎7月11−12日 就寝1:46 目覚め7:03 いびき1min
Tumblr media
禁酒2日目ですが、深くおちる時にちょっとだけいびきかいちゃってるね。なんでだろ。前の日の乱高下と比べて穏やかに寝ているように見えるけど、ちゃんと寝てるのは2時間? 3時間? ベッドに入っているからといって眠れているわけではないんですよね。質を上げないと。
◎7月12−13日 就寝5:31 目覚め11:00 いびき0min
Tumblr media
寝るの遅いね。ずっと原稿を書いていたので疲れていたのかな、すぐ寝れてますね。3時間くらいは熟睡したのかな。それにしても、覚醒すると同時に起き上がらず、ベッドごろごろしたままSNS見たり、落ちゲーにはまったり、小説を読みだしたりするうちに、ちょっとまた寝ちゃうっていう怠惰な起き抜け習慣が丸出しになっているデータですねこれ。とっとと起きろよっていう。
◎7月13−14日 就寝3:05 目覚め7:27 いびき1min
Tumblr media
覚醒時にいびき検出ってどういうこと? っていうかこれはなかなか情緒不安定なデータですね。睡眠と覚醒がタッチアンドゴー。極端。この人全然寝れてない。ちなみにこの日、眠気に負けてお昼に3時間昼寝しました。最高でした。
◎7月14−15日 就寝3:53 目覚め8:02 いびき0min
Tumblr media
データの中で睡眠の質ワースト1位がこの日。ぱっと見、ど真ん中が優しい丸みをキープしているので穏やかな睡眠がとれたかと思いきや、そうでもないのね。相変わらず入眠下手だし、正味1時間半くらいしか寝ていないし。
◎7月15−16日 就寝5:02 目覚め9:11 いびき8min
Tumblr media
この日も乱高下パターンですね。1時間に1回は起きて、起き抜けはちんたらする。いびきもかいてますね。そういえば、ロングスリープ時代も、だいたい6時から8時くらいに一度起きてベッドルームとリビングのカーテン開けるという活動を習慣化しています。セロトニン対策として。だから起きる癖ついてるのかな。
◎7月16−17日 就寝3:56 目覚め9:24 いびき0min
Tumblr media
睡眠の質の評価はいい方だけれど、これもまた実質睡眠時間短めのタッチアンドゴースタイル。5時半頃と8時が、おそらくトイレでしょうね。過活動膀胱なんです。あと浅いレム睡眠時に夢をたくさんみます。現実より忙しいです。
7月17−18日 就寝3:57 目覚め8:30 いびき0min
Tumblr media
またしても入眠できない人。寝たと思ったら2時間弱で起きちゃってます。なんでしょうか、あの7時のところのピースというか豚足というか糸切りばさみ的な形状は。一度起き上がって、浅く眠りながら徘徊してたりしないかどうか心配です。
以上、平均約5時間床に入っていて、実質睡眠時間はもっと短いという計算になりますかね。もともとロングスリーパーなので、睡眠不足に陥ってずっとぼうっとしっぱなしの10日間でした。
よくよく考えてみたら、ロングスリープ時もベッドに入っている時間が長いだけで、眠りは浅かったり、あんまり寝れてなかったりしたのかも。いずれにせよ、酒を飲むのと飲まないのでは睡眠環境に明らかな違いが生じ、対処策を練った方がQOLは上がるので、快適に眠るためのあれやこれやの方法を用いて今後も人体実験に励みたい所存です。
Tumblr media
⇧写真は、酒を飲まずとも気晴らしになるとっても美味しいフルーツウォーター。先週はキウイとミントが流行りました。とはいえお酒とソーダと合わせても美味しいです。どうせ煩悩の傀儡ですので、ほどほどに節制して、ほどほどに楽しみます。また人体実験したらおしらせします。
0 notes
emitochio2 · 5 years
Text
【読むPodcast】#202 教養って必要ですか?(ゲスト:井川啓央さん)
マメヒコの井川啓央さん、2度目のゲスト! 私が最近気になっている「教養」についてお伺いしています。すぐに必要ではないけれど、長い目で見て必要な気もするし、だからといって目くじら立てて身に着けるものでもない気がするし、興味がないと頭に入ってこないし……。と、教養との付き合い方はなんだか難しいのです。それを、井川さんはパシッと答えてくれました。
栃尾
クリエイティブの。
井川
反対語。
栃尾
こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
井川
こんにちは、マメヒコの井川です。
栃尾
このポッドキャストは私、栃尾江美がお話したい人をお呼びして、クリエイティブなことや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。井川さん。
井川
はい。
栃尾
ありがとうございます。また来ていただいて。
井川
いや、いや、反響があったって。
栃尾
そう、そう、すごいね、井川さんの会はね、面白いって人が多くて。
井川
ホントぉ。
栃尾
井川さん好きです。この収録してくれてるアユミちゃんもそうだけど。
井川
好き?
栃尾
そう、そう。
井川
ホントぉ、もっと好き感が出るといいね。
栃尾
(笑)、私もよく言われるんだよね。「井川さん好き感」が足りない(笑)。
井川
「好きですよ」みたいなことを言われたって、好き感出てないからあんまり嬉しくないじゃん。
栃尾
(笑)そうかな。
井川
なんか言わせてるみたいでね。
栃尾
そうかな(笑)。
井川
うん。
栃尾
私は個人的に、放送してどうかということじゃなくて、井川さんに聞いた愛の話がずっと私の心に残っていて、今でもそれを支えにして生きてますね。
井川
ホントぉ。
栃尾
言ったこと忘れちゃったと思うけど(笑)。
井川
忘れちゃって(笑)、何言ったかわかんないけど、まあでもイイコト言ったんでしょ、きっと。
栃尾
イイコト言った(笑)井川さんのことだからね(笑)。
井川
うん、たぶんオレのことだからイイコト言ったんだと思う。
栃尾
そう、そう。でね、今日は、私が常日頃から思ってるというか、「何なんだろうな」と思ってる、位置づけを迷ってるものについてちょっとお伺いしたいんです。
井川
はい。
栃尾
「教養」なんですけど。
井川
教養。
栃尾
よくなんかリベラルアーツとか言うんですかね。
井川
うん、うん、教養ね。
栃尾
まあ、それは日本語にして教養とイコールじゃないっていうことも書いてあったりしますけど。
井川
うん。
栃尾
そういう「すぐには役に立たないけど、学校で習ったりする」みたいなこと。私は、「自分が教養ないな」って思っていて、学校で習ったことも忘れちゃってるんですよ。
井川
うん。
栃尾
だけど、「(教養が)ある人は素敵だな」と思うけど、「そればっかり振りかざしてる人は素敵じゃないな」って思ったり、井川さんにとってどういうものなのかなって。
井川
逆に、栃尾さんが「教養があればいいな」と思うことってあるの?
栃尾
なんかね、「このときにあったらいいな」って感じじゃ多分ないんですけど、色んなことを、たとえば、歴史を知っていたら、今の流れを歴史を振り返って考えられるじゃないですか。
井川
うん。
栃尾
あとは、芸術をたくさん知ってたら、目の前にある色んな食器一つにしても、そういうモノと繋ぎ合わせて考えられる。
井川
うん。
栃尾
そういう深みが出る、映画とかもそうですけど、「そういう世界が私は見えてないんだろうな」と思って、「見えたらいいな」って感じですかね。
井川
あの……、僕は教養って必要だと思いますよ。
栃尾
必要? ないとヤバイ?
井川
ヤバイかどうかは、わかんないけど、あったほうがいいと思う。
栃尾
あったほうがいい?
井川
それはなぜかって言うと、ザックリ考えるっていうことと、チマチマ考えるっていうことが、人は必要だと思うわけよ。
栃尾
うん。
井川
ね?
栃尾
はい。
井川
で、チマチマ考えることっていうのは誰だってできるわけよ。
栃尾
へぇ、はい。
井川
そうじゃない? 生きているっていうことは、チマチマ考えるっていうことじゃない?
栃尾
視野が狭いっていうこと?
井川
視野が狭いっていうか、たとえば、今日のお昼ご飯を、まあじゃあ、『サイゼリヤ』にしましたと、「ピザにしよっかな、パスタにしよっかな、いや、やっぱりサラダかな」って考えることはチマチマだよね。
栃尾
なるほど、はい。
井川
で、そういうことで生きてるわけでしょ。仕事だったら、「納期厳しいけど、ギャラ高いから請けるかな」とか。
栃尾
(笑)。
井川
「ギャラ安いけど、まあ、一応請けとくだけ、請けとくか」っていうのはチマチマだよね。
栃尾
なるほどね。
井川
で、このチマチマしてるっていうのは母性的なことなわけよ。
栃尾
うん、うん。
井川
つまり、子どもを育てることもそうだし、日々の生活っていうのはチマチマしてないと生きてけないよね、やっぱり。
栃尾
はい。
井川
「母乳にしようかなぁ……」
栃尾
(笑)。
井川
「いや、粉ミルクにしよっか」とかって言うこともそうだし。
栃尾
(笑)なるほどね、はい。
井川
日々の積み重ねが大事だから、そういう意味でいうと教養なんていらないと言えばいらないわけよ。
栃尾
そういう生き方をするんだったらね。
井川
だって、教養があったって、江戸時代の後、明治時代になったことなんて、知らなくたって、粉ミルクか母乳かには関係ないでしょ?
栃尾
困らない。
井川
困らない。
栃尾
うん。
井川
なんだけど、ザックリ考えるっていうことがないと、人は頭の中がリフレッシュされないと思うわけよ。
栃尾
リフレッシュの問題?
井川
そう。
栃尾
へぇー、そうなんだ。
井川
リフレッシュの問題なわけよ。
栃尾
へぇ、そうなの?(笑)。
井川
教養とはコレすなわちリフレッシュのためにある。
栃尾
すごい、それ誰も言ってないんじゃないですか? 世界で。
井川
言ってないのよオレしか言ってないと思う。
栃尾
(笑)。
井川
なんでかっていうとさ、あのぉ、やっぱり小さなことの積み重ねでは、色んなことが複雑になり過ぎちゃうわけよね。
栃尾
あっ、ホントそう。
井川
そうでしょ? だって、小さいことばっかりに捉われちゃうわけだから、要は、リトル・ディファレンスがすごく気になっちゃう。
栃尾
それがなんか大きいことのように思っちゃう。
井川
思っちゃう。
栃尾
うん、うん。
井川
小さいことが大きく感じちゃう。
栃尾
わかる。
井川
だけど、大きく見ればさ、そのぐらいの差は大したことないよ。
栃尾
「半日ぐらいミルク飲まなくても、死なないよね」と。
井川
うん、うん。だから、極端に言えば、「黒人だろうが白人だろうが人は人じゃん」って思うことって、ザックリ考えてるよね?
栃尾
うん。
井川
同じ……たとえば、仏教でも、浄土真宗と日蓮宗は仏教は仏教じゃん、とか。
栃尾
うん。
井川
キリスト教と仏教だって、宗教は宗教じゃんって考えれば、色んなことがスムーズに考えられるじゃん。
栃尾
シンプルにってことですか?
井川
うん。これが小さいことの差異ばかり気にしてると、人生はデコボコだらけだよね。
栃尾
そうですね、パズルみたいに組み合わせができなくなっちゃうっていうか。
井川
そう、「そんなの合うわけない」とか、「こんな私みたいなへんちくりんなピースは合う人なんかいるわけない」みたいに思っちゃうじゃん。
栃尾
うん。
井川
だけど、単純化すれば、「細かいところは合わないかもしれないけど、まあ、合うでしょ」。合うと思うって希望が持てるじゃん。
栃尾
うん。
井川
だから、ザックリ考えるっていうことは、希望が持てるってことでもあるわけよね。
栃尾
うん。
井川
つまり、リフレッシュするっていうことは、「あぁ、チマチマしてて嫌だな。でも、広い目で見れば、うん、まあまあ行けるかも」って希望が持てるじゃん。
栃尾
それって、教養がないとそういう考え方できないんですか?
井川
できない。
栃尾
なんで?
井川
なぜかっていうと、モノゴトには、たとえば、AとBがあって、AとBに対して「何が違っているのか、何は似ているのか」っていうのを考える能力って必要なわけよ。たとえば、「徳川家康と織田信長は何が違うのか」っていうことを考える視点って色んな点であるわけよ。天下を統一しようとした人と、成し得た人の違いもあるし。
栃尾
へぇ。
井川
たとえば、そういうことをしかけた人と、それを成就した人っていうことがあるわけじゃない。
栃尾
はい。
井川
でも、これはさ、たとえば、自分がベンチャー企業を立ち上げたときに、ベンチャー企業を立ち上げるっていうことは、織田信長的な側面がないと厳しい。ツベコベ言わずにオレの言うことを聞けっていう。
栃尾
なるほど。
井川
かといって、それを大きい会社にするっていうことになると、徳川家康的な側面が必要だと。
栃尾
うん。
井川
でも、これを徳川家康も織田信長もまったく知らなければ、最初にイケイケでやってて会社が立ち上がって、うまくいったかもしれないけど、ある時点でうまくいかなくなったのも「何でだろう」っていう視点が浮かばないよね。
栃尾
うん、うん。
井川
やっぱりどこかでシフトチェンジしなくちゃいけないんだろうっていうことは、歴史から学ぶじゃん。
栃尾
はい、はあ、そうなんだ。
井川
そういう最初はイケイケで行っても、途中からはやっぱり穏やかにしていかなくちゃいけないっていうことは、薄々は感じるよね。
栃尾
なるほどねぇ。
井川
でも、そういうことがないと、「信頼してたアイツに裏切られて、この世は悪ばっかりだ」みたいな、小さいことだとそうなっちゃうよね。
栃尾
なるほどねぇ。
井川
「なんで私は運が悪いんだろう」みたいなことになっちゃう。
栃尾
うん。
井川
でも、その似ていること、自分の置かれている境遇が、徳川家康と織田信長の人生と重ねることもできるし、かといって、じゃあ、全部重ねてね、「俺は織田信長の生まれ変わりだ」みたいに思っても、そうじゃないから。時代が違うし。
栃尾
うん。
井川
そうすると、似ているけど、やっぱり違うという点はあるよね。これもまた教養だよね。
栃尾
ふぅーん、難しいなぁ。
井川
似てるけど、違う。
栃尾
うん。
井川
違うけど、似ているっていう点に着目するっていうことは、常に頭をリフレッシュできるじゃん。
栃尾
リフレッシュできるかぁ。
井川
そうでしょ、だって。じゃあ、たとえばさ、全然関係ない話をすると。
栃尾
はい。
井川
お茶ってあるじゃん?
栃尾
お茶ありますねぇ(笑)。
井川
中華料理食べるでしょ?
栃尾
うん。
井川
中華料理食べるときにお茶って飲むじゃん?
栃尾
はい。
井川
アレ、なんでお茶飲むかっていうと、常にリフレッシュさせたいからだよね、口を。
栃尾
あぁ、料理が変わる度に飲むっていう感じなんですか?
井川
うん、だから、たとえば、酢豚を食べて、口の中がどんどん酢豚になるじゃん。
栃尾
うん(笑)。
井川
酢豚になったときに、お茶飲むと、
栃尾
(笑)。
井川
酢豚を食べてなかったことにできるから、気持ち。
栃尾
うん、わかります、わかります。
井川
それで酢豚食べたらさ、「アレ、美味しいね」って思えるじゃん?
栃尾
(笑)うん。
井川
そういうことが人間には必要なわけよ。
栃尾
へぇ。
井川
そうでしょ?
栃尾
必要、それは必要、そこまでは、うん。
井川
っていうときに、「お前酢豚食べたいって言ったんだから、そんな途中で飽きたなんて言わないで、ずっと酢豚食べとけよ」。
栃尾
(笑)。
井川
っていう風になりがちなのよ。
栃尾
あ、日常を暮していると?
井川
日常だけを考えると。
栃尾
うん。
井川
「そんな贅沢言ってんなよ。お茶なんてそんな贅沢なもの、水で我慢しとけ」ってなるじゃない?
栃尾
うん。
井川
ところが、やっぱり人間が生きていく上で、幸せだと感じるのって、身近なものでありながら新鮮に感じられることじゃない?
栃尾
うん、そうですね。
井川
そうでしょ?
栃尾
それが一番いいっちゅうか。
井川
すごくあの人好きだなって思ったけど、途中で飽きてくると。
栃尾
一緒にいてね。
井川
一緒にいたら。「なんでこんな人と一緒にいるんだろう」と思う。
栃尾
うん。
井川
でも、なんかお茶的なことがあってね、その人と。
栃尾
うん。
井川
ハッと、「あ、すごくこの人好きだけど嫌だなって思ってたけど、やっぱり好きだわ」って思い直した日は幸せじゃない?
栃尾
うん、わかる。えっ、それが教養の意味ってこと?
井川
それが教養ってことよ。
栃尾
へぇ。たとえば、どういうのがお茶的な?
井川
つまり、もう少し難しく言うと。
栃尾
これより難しくなっちゃう(笑)。
井川
視点を変えることが大事だってことだよ。
栃尾
あぁ、はい。
井川
モノゴトは変わらないんだから、その二人の関係性も、自分と酢豚との関係性も変わんないじゃん。
栃尾
うん。
井川
だけど、視点を変えれば、同じものでも全然違って見えるわけでしょ。
栃尾
そうですね。
井川
この色んな視点、角度を持てるってことが教養だって言ってるわけ。
栃尾
その角度を、色んな視点を持たせてくれるのが教養?
井川
そう。
栃尾
なるほどねぇ。
井川
だから、「お金なんて要らないですよね」っていうのは教養ないじゃない。
栃尾
うん。
井川
お金も必要だよ。
栃尾
うん、うん。
井川
でも、お金だけ稼いでいればいいっていうのは教養じゃないじゃない。
栃尾
うん。
井川
だから、お金が要らないとか、お金が要るって考えるのは教養ないよね?
栃尾
うん。
井川
お金はそこそこ要る。
栃尾
うん。
井川
でも、「がめつくあってはイケない、っていう塩梅はどうやって決めるんですか」って言ったときに、教養がモノをいうわけじゃない。
栃尾
え、そしたら、教養は必ずしも知識じゃないんですか?
井川
そうだよ。
栃尾
ふぅーん。
井川
教養とは知識ではない。
栃尾
考え方みたいなのでもいいってこと?
井川
教養っていうものに、すこし栃尾が嫌悪感があるとしたら。
栃尾
コンプレックスがあるかも、嫌悪感というかね。
井川
うん、それがあるとしたら、それはそういうものを持っているのをひけらかして、自分の支配下に置きたいような、つまり、アクセサリー的に教養を持ってる、もしくは、「それを教養だと、それこそ”強要”する」
栃尾
(笑)。
井川
みたいな人だったら、「そんなの持ってても意味ないんじゃない」って思うけど。
栃尾
うん。
井川
僕はね、僕の定義では、そういう人は教養はないから。
栃尾
逆にね。
井川
逆に。
栃尾
知識はあるけど。
井川
知識はあるけれど。だから、あながち、まあ、学歴が高いとか、そこそこの地位に着いているって言ったって、教養があるかどうかという点ではわからないよ。
栃尾
そうなんだ。
井川
だって、トランプ大統領が教養あるとは思わないからね。
栃尾
うん、うん、なるほどね。
井川
だって、東大出てたって、試験に受かるための知識っていう点では手に入れているし、そういうことについては勤勉であるけれども。
栃尾
うん。
井川
教養っていう点では、あるかどうかってわからないじゃん。
栃尾
ふーん、じゃあ、「大学で教養を習います」っていうことがあったりするから、私は知識って思っちゃってるけど、そうじゃない。
井川
そうではない。
栃尾
大学で教えているのは、そのほんの一部、知識部分だけだってみたいなこと?
井川
そう。だから、知識として、学問としてね、たとえば、理科系だったら、「サイン、コサイン、タンジェントだけ知ってればいいじゃん」みたいになっていても。
栃尾
うん。
井川
その枕草子っていうのがいて、枕草子と、源氏物語を書いた紫式部っていうのがいて、この違いはいったい何なのかっていうことがわかって、「古典は古典だろ」みたいなことを思うかもしれないし、「いや、枕草子っていうのは、現代で言うところのインスタみたいなもんだね」って思うとか、そういう視点を持ち得ることが大事、まあ、大事っていうより、「なんかのときに目くじら立てずに済む」ってことよ。
栃尾
へぇ。もちろん、役に立つこともあるけれど、どっちかっていうとリフレッシュということ?
井川
そう。だから、教養課程だと、大学の教養課程で、単位の取りやすいものを取るっていうのは、もう全然教養からおよそかけ離れてるよ。
栃尾
はい。
井川
「何言ってんの?」っていう。
栃尾
うん。
井川
だから、教養っていうのは、自分の好きなこととはむしろ違うことをやったほうがいいわけよ。
栃尾
違う視点はね、もちろん。
井川
違う視点を持つっていう。
栃尾
確かに。
井川
「えっ、それ関係ないだろう」っていうことを知ることで、「あっ、自分のやりたいこととなんか似てるな」とか。
栃尾
なるほどねぇ。
井川
すごく専門的なことを学ぼうと思っていたけど、そこでは達し得なかったことだけど、この視点を持つことで自分のやろうとしてることがむしろ少し高みに登ったって思えること、それが教養じゃん。
栃尾
なるほどねぇ、視野が広がった。
井川
うん、ということ。
栃尾
ということで、今日はありがとうございました(笑)。以上、栃尾江美と。
井川
井川でした。
<書き起こし、編集:折田大器>
#202 教養って必要ですか?(ゲスト:井川啓央さん)
【読むPodcast】#202 教養って必要ですか?(ゲスト:井川啓央さん)はEMITOCHIO.NETで公開された投稿です。
from yomu_podcast – EMITOCHIO.NET https://ift.tt/3aHCG2H via IFTTT
0 notes
gamikin-youtuber · 5 years
Text
Tweeted
大村、津田画像を見て初めて知りましたが、 チョッパリ(豚足)ピースと言うそうですね。 日本の足袋が豚の足に似てるからとか。https://t.co/EeGEE2Xs3s 知らずにやってる人も多そう。 でも意味を知ってしまった今、やってる人を見たら不愉快になること間違いない。
— Rob12 (@Rob1262) August 13, 2019
0 notes
kunpei · 7 years
Text
約半年前の文章 なかなか良いかも でも、いまとの距離。
_______________________
10.12
"In to my darkness"
___ piece01  
「即興」ではなく「振付」というのを考えながら
はじめて取り組むことにした。
とりあえず半年。中村蓉さんから聞いたけど
どうやら、ピースをいくつも作ってつなげるものらしい。
テーマは漠然と「闇」について。
押入れの幸福な闇。砂場の山遊び。
追憶は楽しいことしか覚えておきたくない。
そうやって逃げてしまう自分。
この前、郊外の本屋の屋外にあるトイレで
足を縮めて亡くなっているカメムシを見た。
あの明るい黄緑色の体躯。なぜだか忘れられない。
ジョルジュ・ドンがアダージェットを踊るのを
youtubeで観た後の事。
ベランダにでると隣で、おそらく中東あたりの外国人の家族が夕飯の準備をしている声や生活音が聞こえる。なにを言ってるかなんてわからないけど、声にこもる懐かしさのようなものに胸を掻きむしりたくなった。
数分に一度、夜を柔らかく切り裂くように電車が過ぎる。
そういえば今日、老老介護で寝たきりが長い祖母とテレビ電話をした。
週末だからとビーフシチューを作った。淡々と。牛がなかったので豚にしたけれど。
日々は様々な想いでうずまき、揺らぎ、堆積する。
それを内包し続けていくのが「身体」なのだと最近思う。
……美しい世界だけにずっといたい。
でも、それは叶わない。
___眠る前に思い出す今日のこと。
椅子を抱きしめたくなった。
わたしはいま、何処に?
0 notes
horumone · 7 years
Text
RSR2017 1日目
というワケでね。備忘録です。
毎年一緒に行ってる相方が「5日で彼女に振られたから今年はMAXで行くぞ」
という脅しに屈せず「うるせぇ、7時に家の前に行くから準備してろ」
という塩対応で迎えた今年のRSRなワケですよ。
Tumblr media Tumblr media
実はテントサイト付き入場券取れたけど駐車券が取れてないマズい状態
だったんですけど2週間前に何とか最終選考で取れたので一安心。
7時出発~9時半入場待ち~11時前に石狩のサンフランシスコ入り。
今年はゆうパックでテントタープ寝袋を送っといたので凄い楽ちんでした。
Tumblr media Tumblr media
2日間の夢のテントを立てて、肉だ、ビールだ、RSRの開始だということで。
9年目で男二人、三十路になってやっとRSRの地で火を手に入れました。
私「牛タンマジ最高」
相方「それ豚タンな」
「こいつ何なん?」と思いました。少なくとも友人とは思えませんでした。
お腹も気持ちも舞い上がったところでオープニングの10-FEETに出発。
10-FEET  SUN STAGE
goes on
VIBES BY VIBES
4REST
1sec.
Easy Come, Easy Go!
CHERRY BLOSSOM
ヒトリセカイ
太陽4号
BE FRIENDS AGAIN
2%
その向こうへ
RIVER
私「飲み過ぎたからトイレ行こうか。初っ端から下半身が寒いのはマズい」
相方「でも一発目goes onやるでしょ?もしやったら濡れても構わないよ」
一発目が goes onでした。彼は我慢してました。大人になったようです。
遠目で「一発目からサークルモッシュとか体力あるなー」とか思いながら
Tumblr media
きゅうりとビールをムシャモグ���ビーッしてました。
私のRSRはきゅうりとビールを��りながら会場内をうろつく事から始まる。
REDの住人としてはやはりREDに行かなければいけないのでREDへ移動。
Tumblr media
チャラン・ポ・ランタン RED STAR FIELD
01.CARABAN
02.忘れかけてた物語
03.71億のピースのパズルゲーム
04.進め、たまに逃げても
05.恋とマシンガン
06.憧れになりたくて
07.ソトデナイ
08.ワーカホリック
09.ムスタファ
10.愛の賛歌
可愛い。 パーフリのカバーで酒が進む。
イエーガー飲んで一人でウィヒウィヒwwwしてました。
大分違うけどジュディマリと雰囲気似てるんかな?凄い好き。
邪魔になってもアレなのでお目当てのH ZETTRIO待ちで後ろでウィヒウィヒ。
H ZETTRIO   RED STAR FIELD
セトリ不明_(>「ε:)」
以前、 今は無きGREEN OASISに、H ZETT Mとして出演されたらしい。
ツイッターのフォロワーさんが「マジでオススメ!」とか言ってたので。
一切曲とか知らないけど魅入った!これは夜に聞いたらヤバい。
先ほどのチャランポランタンもそうだけどウッドベースあったら好み。
Dancing in the moodだけは知ってたけど踊れて踊れて酔いが既にやべぇ。
踊ってて気づいたら雨が降り出したのでテントに戻る。相方も戻ってきた。
B’z  SUN STAGE
さまよえる蒼い弾丸
Liar! Liar!
さよなら傷だらけの日々よ
有頂天
裸足の女神
イチブトゼンブ
Still Alive
衝動
juice
ギリギリchop
ultra soul
「おいおい、稲葉さんってホントに実在してたのかよ…」というのが。
思ったよりフランクに煽るやん!なにこれ楽しい!え、楽しい!
華麗にウルトラソウルキメてきました。声量がやべぇ…。
ギリギリチョップが某探偵アニメの影響で好きだったので満足。
本日メインの夜の本気ダンスまでだーらだら。
Tumblr media Tumblr media
夜の本気ダンス   RAINBOW SHANGRI-LA
Japanese Style
Crazy Dancer
By My Side
Feel so good
WHERE?
fuckin’ so tired
戦争
最高でしたー!でも拾ってきたセトリが違う気がする。
Crazy Dancerはリハでやってたしなー。まぁええわ。
未だにセトリ職人というか上げてくれる人は尊敬する。
アカ抜けないイモ臭さというかカッコつけないところがよろしい。
足長いー!かっこいー!ベースの2番手キャラー!ドラムもっと喋ってー!
三十路でキャーキャー言ってました。男です。フェス仕様の短パンです。
一日目のメインだったのでWHERE?でウオアー!してきました。
マ「僕ライジング大好きなんです!理由3つあって。一つ目は裏のごはんが美味しい!これ重要やから。二つ目はお客さんが元気!これもめっちゃ重要!そして三つ目が夜の本気ダンスが夜にライブできる!」
マ「大体フェスって朝か昼やねん。そしたら夜の本気ダンスとか言いながら夜ちゃうやんとか言われるねん。知らんがな!それは運営側のさじ加減やろ!」 
鈴「マイケルいいこと言ったで!全てを敵に回したけどな!」
マ「やめとけ」
鈴「お客さん雨降ってますからこっちどうですか~?中に入ったら外以上濡れるけどな!」
鈴「だって今、別ステージで雨のパレードやってて外が雨でしょ? ライジングの人は頭ががええ!東大以上や!」
MCって重要よね。媚びるわけでもなくオラオラするわけでもなく。
少なくとも来年も来てくれたら絶対見に行くよ。そして踊るよ。
雨で濡れてるのか、汗で濡れてるのか分かんねぇ、体から湯気が出てる
状態で恥ずかしい、もっと見て!状態でテントへ。途中で相方と合流。
Tumblr media
レキシ   SUN STAGE
01.やさしいきもち 
02.LOVELOVELOVE 
03.北酒場(カメラさんリク1)
04. 恋(カメラさんリク2) 
05.ららら 
06.涙のリクエスト 
07.稲トラソウル 
08.ALONE 
09.君がいるだけで(野性爆弾ネタ) 
10.いい湯だな 
11.久保田利伸の曲 
狩りから稲作もやってたような気がします。
大体このバンドは面白可笑しく出演したバンドの曲を歌います。
夏フェスの時期に「何か稲持ってる若者がいるな」と思ったら
大体このバンドのせいです。あの稲は自然に帰らないから持ち帰れよ!
この頃から雨が降り始めてテント対策してた気がします。
そしてバーナー使って、サッポロ一番塩ラーメン。BGMにレキシ。
この瞬間がRSRに来てる気がします。生演奏BGMに酒とラーメン。
インターバルからの舞 pic.twitter.com/anicy6fZ4Q
盆踊り、開始 pic.twitter.com/JRVNABaJwD
ヒートアップ pic.twitter.com/ggq0EMvLHY
RSR名物、祭の妖精、祭り太郎さんでございます。
毎年、RSRを盛り上げております。今年は盆踊りのテンポが早いです。
気温20度を切るのに裸で煽る名物も楽しんだところで深夜のREDへ。
Tumblr media
FRIDAY NIGHT SESSION ~SKA IS THE PARADISE~   RED STAR FIELD
失礼しました! 一部リストが間違ってましたので、修正掲示します! 昨夜のFRIDAY NIGHT SESSIONのセットリストを、特別に公開します! (今日を、含めた他の出演ライブセットリストは、後日オフィシャルHP内にて公開します)#rsr17 pic.twitter.com/fyMf5rNaQi
セトリが公式から発表。すごいねー!
ピーター・バラカンのスカの歴史紹介が酒に染みる。
ピザ食って「ほえー」っと思ってました。
チバさんが出てきて「カナリヤやるのかな」とか思ってたら
峯田さんが出てきてLittle BitchといかれたBabyですよ。最高だよ。
石狩の潮風とピザとお酒と峯田さんですよ。そりゃ幸せだよ。
と余韻に浸ってたらスキャラバンからのまさかのカナリヤですよ。
エゴも聞けたしテンフィも出てきたし無理して来てよかったー。
幸せに浸りながら就寝。二日目に続く_(>「ε:)」
0 notes
Text
妻が死んだ。いつも元気な女性だった。僕と娘がいたずらしてはよく怒られていた。いたずらが過ぎて正座の刑になった時は肝が冷えた。初めは足が痛いと泣いていた娘も、たくましくなった。つい、この間の正座の刑の時など、ずっと俯いているので体調が悪いのかと見てみると、すーすーと眠っていた。大したやつだった。妻に教えてやると妻も一緒に笑った。妻は娘を抱えて部屋へと連れて行った。やれやれ。苦笑まじりに立ち上がろうとする僕に、振り返った妻は笑顔のままで言った。この子の分もあなたがやっておいてね。おかげで風邪を引いた。
そんな妻が死んだ。「ママー、ママー」 娘は妻の体を揺すっている。「ねえ、ママおきないよ?」
「ママはね、死んじゃったんだ」 「しぬ?」 「そう、死ぬ。死んだらもう起きないんだよ」 「うそだー」 「本当だよ。だからママはもういないんだ」 「うそだよ。だってママここにいるよ?」 妻を指さす娘につられて僕も妻を見る。確かにいる。とても死んでいるとは信じられないくらい綺麗で、今にも目を覚ましそうだった。でも彼女は死んでいる。脈もないし心臓ももう動かない。笑ったり泣いたり、僕たちを怒ってくれることも、もうないのだ。涙が出そうになった。「パパ?」娘は不安そうに見上げていた。
「ねえ」 僕は言った。「ママにいたずらしちゃおうか」
「うん!」 娘は嬉しそうに頷いた。まずは鼻先を上に押し上げて豚鼻にした。「ブタさんだブタさんだー!」 娘はけらけら笑っている。手を持ってきて鼻の穴に入れる。「あはは、はなくそほじっちゃいけないんだ!」 ほっぺたをぐにぐにと動かす。「へんなかおー!」 両手で円を描くようにして頭の上に持ってくる。「おさるさんだ」 耳を引っ張ってやる。 「うっきー……」 指をピースの形にして顔の前で前後させる。 「カニさんだ…………」 次は髪を、と手を伸ばした僕に娘は言った。「もういいよ、パパ」 娘は俯いていた。「ママはしんじゃったんだね」
その後は二人で妻の体を元の位置に戻し、髪を整え、綺麗にした。妻とは思えないくらいに綺麗だった。「ばいばい、ママ」
手を繋いで帰った。娘はずっと俯いていたので、どんな顔をしているのかわからなかった。ただ僕の手を握る力は強かった。僕も強く握りかえした。大したやつだ。
” - 妻が死んだ (via jacony) (via kml) (via biccchi) (via takerunba) 2009-03-02 (via gkojay) (via ke1t) (via nemoi) (via bll-dn) (via quote-over100notes-jp) (via maybowjing) (via tiga) (via makopon)
0 notes
gamikin-youtuber · 5 years
Text
Tweeted
大村、津田画像を見て初めて知りましたが、 チョッパリ(豚足)ピースと言うそうですね。 日本の足袋が豚の足に似てるからとか。https://t.co/EeGEE2Xs3s 知らずにやってる人も多そう。 でも意味を知ってしまった今、やってる人を見たら不愉快になること間違いない。
— Rob12 (@Rob1262) August 13, 2019
0 notes